JP2021103291A - 液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な方法で光漏れを修復し、表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる液晶表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】カラーフィルター基板10と、液晶層20と、対向基板30とをこの順に有する液晶パネル100に対して、液晶パネルの前面側に表偏光板110を、背面側に表偏光板と吸収軸が直交するように裏偏光板120を貼り付ける工程と、表偏光板の前面側に第一の位相差フィルム130を配置する工程と、裏偏光板側から光を照射し、第一の位相差フィルム側から出射される光漏れを確認する光漏れ検査工程と、平面視において光漏れが確認された領域に対して、第一の位相差フィルム側からレーザー光を照射して第一の位相差フィルムを黒化させる工程と、第一の位相差フィルムと間隔を保持して、透明板状部材140、第二の位相差フィルム150及び第一の偏光板160を含む前面パネルを配置する工程と、を有する液晶表示装置の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、表示のために液晶組成物を利用する表示装置であり、その代表的な表示方式は、カラーフィルター基板と対向基板との間に液晶組成物を封入した液晶パネルに対してバックライトから光を照射し、液晶組成物に電圧を印加して液晶分子の配向を変化させることにより、液晶パネルを透過する光の量を制御するものである。このような液晶表示装置は、薄型、軽量及び低消費電力といった特長を有することから、テレビジョン、スマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション等の電子機器に利用されている。
液晶表示装置の製造工程において、異物が混入することで、黒表示としたときにバックライトから液晶表示装置の前面に出射される光を充分に遮光できずに、光漏れが発生することがある。このような光漏れに関する修復技術の一つとして、光漏れが視認されないように黒化することが検討されている。例えば、特許文献1では、液晶表示パネルの表示領域における画素周辺部に黒点化に必要な黒色の粉末を封入しておき、輝点欠陥が存在する画素に隣接する黒点粉末部にレーザーを照射し、黒色粉末を欠陥画素内に拡散させることで、輝点欠陥を黒点化させることが検討されている。
以下に図4及び図5を用いて光漏れの発生を説明する。図4は、光漏れの発生を説明した液晶表示装置の断面模式図である。図5は、光漏れの発生を説明した液晶表示装置の平面模式図である。図4に示したように、液晶表示装置1300の構成としては、カラーフィルター基板1010と、対向基板1030と、両基板間に挟持されシール材1040により封止された液晶層1020とを有する液晶パネル1100と、上記液晶パネル1100の背面に配置されたバックライト1200とを備える構成が挙げられる。カラーフィルター基板1010は、例えば、赤色のカラーフィルター1012R、緑色のカラーフィルター1012G及び青色のカラーフィルター1012Bを含むカラーフィルター層1012と、ブラックマトリクス1011とを有する。カラーフィルター基板1010の液晶層1020と反対側の表面には表偏光板1110が貼り付けられる。対向基板1030の液晶層1020と反対側の表面には裏偏光板1120が貼り付けられる。表偏光板1110と裏偏光板1120とは、透過軸又は吸収軸が互いに直交するようにクロスニコルに配置されることが一般的である。
液晶表示装置の製造工程において、液晶パネル1100に表偏光板1110又は裏偏光板1120を貼り付ける際に異物が混入することがあった。通常は、液晶表示装置1300を黒表示とした場合に、バックライト1200から出射されたバックライト光1201は表偏光板1110を透過しない。一方で、異物1001が混入した箇所では、表偏光板1110と裏偏光板1120との間の上記クロスニコルの関係が崩れてしまうため、バックライト光1201を充分に遮光できず光漏れが発生することがあった。例えば、図5に示したように、赤色のカラーフィルター1012Rと重畳する位置に異物が混入した場合には、光漏れとして赤色の光が観察される。図4及び図5では、カラーフィルター基板1010と表偏光板1110との間に異物1001が混入した場合を説明したが、対向基板1030と裏偏光板1120との間に異物1001が混入した場合も同様に光漏れが発生する。異物の混入により光漏れが発生すると、液晶表示装置の表示品位が低下する。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、簡易な方法で光漏れを修復し、表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる液晶表示装置の製造方法、及び、上記製造方法により得られた表示品位の優れた液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
(1)本発明の一実施形態は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルに対して、上記液晶パネルの前面側に表偏光板を貼り付け、上記液晶パネルの背面側に上記表偏光板と吸収軸が直交するように裏偏光板を貼り付ける偏光板貼付工程と、上記表偏光板の前面側に第一の位相差フィルムを配置する工程と、上記液晶パネルの上記裏偏光板側から光を照射し、上記第一の位相差フィルム側から出射される光漏れの有無を確認する光漏れ検査工程と、平面視において上記光漏れが確認された領域に対して、上記第一の位相差フィルム側からレーザー光を照射して上記領域の第一の位相差フィルムを黒化させるレーザー照射工程と、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルを配置する工程とを有する液晶表示装置の製造方法。
(2)本発明の他の一実施形態は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルと、上記液晶パネルに対して上記カラーフィルター基板側に配置された表偏光板と、上記液晶パネルに対して上記対向基板側に配置された裏偏光板と、上記表偏光板の前面側に配置された第一の位相差フィルムと、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して対向配置された、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルとを備え、上記第一の偏光板の吸収軸と上記表偏光板の吸収軸とは平行であり、上記表偏光板の吸収軸と上記裏偏光板の吸収軸とは直交し、上記第一の位相差フィルムの遅相軸と上記第二の位相差フィルムの遅相軸とは直交し、上記第一の位相差フィルムの遅相軸と上記第一の偏光板の吸収軸とは略45°の角度をなし、上記第一の位相差フィルムの一部は加熱により黒化されている液晶表示装置。
本発明によれば、簡易な方法で光漏れを修復し、表示品位の優れた液晶表示装置を得ることができる液晶表示装置の製造方法、及び、上記製造方法により得られた表示品位の優れた液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法及び液晶表示装置について説明する。本発明は、以下の実施形態に記載された内容に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で、適宜設計変更を行うことが可能である。
[液晶表示装置の製造方法]
本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルに対して、上記液晶パネルの前面側に表偏光板を貼り付け、上記液晶パネルの背面側に上記表偏光板と吸収軸が直交するように裏偏光板を貼り付ける偏光板貼付工程と、上記表偏光板の前面側に第一の位相差フィルムを配置する工程と、上記液晶パネルの上記裏偏光板側から光を照射し、上記第一の位相差フィルム側から出射される光漏れの有無を確認する光漏れ検査工程と、平面視において上記光漏れが確認された領域に対して、上記第一の位相差フィルム側からレーザー光を照射して上記領域の第一の位相差フィルムを黒化させるレーザー照射工程と、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルを配置する工程とを有する。本明細書中、「前面側(観察者側)」とは、液晶表示装置の画面(表示面)に対してより近い側を意味し、「背面側」とは、液晶表示装置の画面(表示面)に対してより遠い側を意味する。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルに対して、上記液晶パネルの前面側に表偏光板を貼り付け、上記液晶パネルの背面側に上記表偏光板と吸収軸が直交するように裏偏光板を貼り付ける偏光板貼付工程と、上記表偏光板の前面側に第一の位相差フィルムを配置する工程と、上記液晶パネルの上記裏偏光板側から光を照射し、上記第一の位相差フィルム側から出射される光漏れの有無を確認する光漏れ検査工程と、平面視において上記光漏れが確認された領域に対して、上記第一の位相差フィルム側からレーザー光を照射して上記領域の第一の位相差フィルムを黒化させるレーザー照射工程と、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルを配置する工程とを有する。本明細書中、「前面側(観察者側)」とは、液晶表示装置の画面(表示面)に対してより近い側を意味し、「背面側」とは、液晶表示装置の画面(表示面)に対してより遠い側を意味する。
偏光板貼付工程は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルの前面側に表偏光板を貼り付け、上記液晶パネルの背面側に上記表偏光板と吸収軸が直交するように裏偏光板を貼り付ける工程である。上記表偏光板の吸収軸と裏偏光板の吸収軸とを直交(クロスニコル)に配置することで、良好な黒表示状態を実現することができる。なお、偏光板の吸収軸と平行に振動する光は吸収され、上記偏光板を透過できない。一方で、上記吸収軸と直交する透過軸と平行に振動する光は、上記偏光板を透過する。本明細書において、「直交」とは、二つの軸が本発明の効果が得られる範囲内において実質的に直交していればよく、具体的には、二つの軸が、90°±10°の角度を成し、好ましくは90°±5°の角度を成し、より好ましくは90°±3°の角度を成すことを意味する。
上記表偏光板及び上記裏偏光板を上記液晶パネルに貼り付ける方法は、特に限定されないが、例えば、片面に粘着剤層が設けられた偏光板を準備し、上記粘着剤層が上記液晶パネルと対向するように配置して、ローラーを動かしながら貼り付ける方法等が挙げられる。上記粘着剤層は、一般的に貼り付ける直前までセパレーターにより保護されているが、上記セパレーターを剥離してから上記液晶パネルへの貼り付けが完了するまでの間に、上記粘着剤層の表面又は上記液晶パネルの表面に異物が存在すると、上記異物を巻き込んだまま偏光板が貼り付けられてしまう。
上記表偏光板と上記カラーフィルター基板との間、又は、上記表偏光板と上記対向基板との間に異物が噛み込むと、異物が混入した箇所において、上記表偏光板又は上記表偏光板の吸収軸が歪み、両偏光板の吸収軸が互いに直交となる関係が崩れてしまう。その結果、異物が混入した箇所で光漏れが発生し、表示品位が損なわれる。なお、埃等の異物が混入した場合には、異物が混入した位置と重畳するカラーフィルターの色に応じた色の光が観察される。異物として気泡が混入した場合には、白色の光が観察される。
上記表偏光板及び上記裏偏光板は、直線偏光板であることが好ましい。上記直線偏光板としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムにヨウ素錯体(又は染料)等の異方性材料を、染色及び吸着させてから延伸配向させた偏光子(吸収型偏光板)等が挙げられる。なお、通常は、機械強度や耐湿熱性を確保するために、PVAフィルムの両側にトリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の保護フィルムをラミネートして実用に供される。
上記カラーフィルター基板としては、特に限定されず、例えば、ガラス基板、プラスチック基板等の支持基板上に、格子状に配置されブラックマトリックスと、上記ブラックマトリックスで囲まれた領域に配置されたカラーフィルター層とを有する構成が挙げられる。
上記液晶層としては、特に限定されず、液晶表示装置の分野において従来公知のものを用いることができる。上記液晶層は液晶分子を含有しており、上記液晶層に電圧が印加されると、上記液晶分子の配向(配向方位、傾斜角)が変化する。上記液晶分子の配向を変化させることで、上記液晶層を透過する光の向きと後述する表偏光板の吸収軸との成す角度を調整し、上記液晶表示装置の前面(観察者側)に出射される光の量を調整することができる。後述するバックライトから出射された光(以下、バックライト光ともいう)が液晶表示装置観察者側に出射されると、映像が表示される白表示となる。バックライト光が遮断され、液晶表示装置の観察者側に出射されないと、映像が表示されない黒表示となる。
上記対向基板としては、例えば、アクティブマトリクス基板が挙げられる。上記アクティブマトリクス基板としては、特に限定されず、例えば、液晶表示装置の画素のオン・オフを制御するスイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)、上記TFTに接続される配線や電極を含む。
上記液晶層と上記カラーフィルター基板との間、又は、上記液晶層と上記対向基板との間には、配向膜が配置されてもよい。上記配向膜に対して配向処理を行うことで、上記液晶層に印加される電圧が上記液晶分子の閾値未満である場合における、上記液晶分子配向方位、及び、上記カラーフィルター基板又は上記対向基板に対する上記液晶分子の傾斜角(プレチルト角)を制御することができる。上記配向膜としては、液晶表示装置の分野において従来公知のものを用いてもよく、例えば、ポリアミック酸系、ポリイミド系又はポリシロキサン系の配向膜を用いることができる。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、上記表偏光板の前面側に第一の位相差フィルムを配置する工程を有する。上記第一の位相差フィルムは、後述するレーザー照射工程において、黒化されるフィルムである。本明細書中、「位相差フィルム」とは、少なくとも波長550nmの光に対して10nm以上の面内位相差を付与する位相差フィルムを意味する。ちなみに、波長550nmの光は、人間の視感度が最も高い波長の光である。面内位相差は、R=(ns−nf)×dで定義される。ここで、nsは、位相差フィルムの面内方向の主屈折率nx及びnyのうちの大きい方を表し、nfは、位相差フィルムの面内方向の主屈折率nx及びnyのうちの小さい方を表す。主屈折率は、特に断りのない限り、波長550nmの光に対する値を指している。位相差フィルムの面内遅相軸はnsに対応する方向の軸を指し、面内進相軸はnfに対応する方向の軸を指す。dは、位相差フィルムの厚さを表す。本明細書中、特に断りがなければ、「位相差」は、面内位相差を意味している。
上記第一の位相差フィルムとしては、λ/4位相差フィルムが好ましい。本明細書中、「λ/4位相差フィルム」とは、少なくとも波長550nmの光に対して1/4波長(137.5nm)の面内位相差を付与する位相差フィルムを意味し、100nm以上、176nm以下の面内位相差を付与するものであればよい。
上記第一の位相差フィルムは、レーザー光を吸収し、レーザー光が照射された領域が焦げて黒色に変化するものであれば特に限定されない。言い換えると、上記第一の位相差フィルムは、吸収波長域が可視光領域外であり、レーザー光の波長を含むことが好ましい。上記可視光領域とは、波長が380nm〜780nmの領域をいう。上記第一の位相差フィルムとしては、液晶表示装置の分野で用いられる延伸処理された高分子フィルムが好適に用いられる。上記高分子フィルムの材料としては、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ノルボルネン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等が挙げられる。上記第一の位相差フィルムは、ポリカーボネート等を含有することが好ましい。なかでも、ポリカーボネートは、光学特性に優れ、耐熱温度が高く、レーザー光の照射により溶解せずに所望の領域だけ黒化させることができるため、上記第一の位相差フィルムとして好適に用いられる。
上記光漏れ検査工程(第一の光漏れ検査工程ともいう)は、上記液晶パネルの上記裏偏光板側から光を照射し、上記第一の位相差フィルム側から出射される光漏れの有無を確認する工程である。上記光漏れの有無は、液晶パネルを黒表示にした状態で、目視にて確認する。上記黒表示とは、上記裏偏光板側から照射された光が、上記第一の位相差フィルム側から出射されない状態をいう。
上記レーザー照射工程(第一のレーザー照射工程ともいう)は、平面視において上記光漏れが確認された領域に対して、上記第一の位相差フィルム側からレーザー光を照射して、上記領域の第一の位相差フィルムを黒化させる工程である。上記レーザー照射工程では、上記第一の位相差フィルムにレーザー光を照射し、焦がして炭化させ、レーザー光が照射された領域を黒化させる。上記レーザー光の照射により黒化させることをレーザーマーキングともいう。上記第一の位相差フィルムにレーザー光を照射して黒化させることで、液晶表示装置の観察者側から光漏れが見えないように修復することができる。上記第一の位相差フィルムは、後述する第一の位相差フィルムよりも、より上記液晶パネルに近い位置に配置される。上記液晶パネルに近い位置に配置されるフィルムにレーザーマーキングを行うことで、黒化させる修復領域を狭くすることができる。光漏れの修復に必要な修復領域は、混入した異物の大きさにもよるが、一つの画素と同等であることが好ましい。上記修復領域が広すぎると、光漏れが発生していない他の画素にまで影響を与えるおそれがある。一方で、上記修復領域が狭すぎると、光漏れの発生を充分に修正できないことがある。
上記レーザー照射工程で用いるレーザーとしては、例えば、CO2レーザー等が挙げられる。CO2レーザーは、エネルギー効率が高く、出力強度の幅が広いことから好適に用いられる。
上記レーザー照射工程は、上記第一の位相差フィルムに照準を合わせた後、上記第一の位相差フィルムを構成する材料にレーザー光が吸収されるように、上記レーザー光の波長、出力、パルスの時間幅を設定した後、レーザー光を照射する。上記レーザー光の波長は、ピーク波長を意味する。上記レーザー光の出力は、平均出力を意味する。
上記レーザー光の波長は、1090nm以上、10800nm以下であることが好ましい。上記波長のより好ましい下限は9200nm、より好ましい上限は10600nmである。上記レーザー光の出力は、10W以上、2000W以下であることが好ましい。上記出力のより好ましい下限は75W、より好ましい上限は1500Wである。上記レーザー光のパルスの時間幅は、30ns以上、300ns以下であることが好ましい。上記パルスの時間幅のより好ましい下限は60ns、より好ましい上限は150nsである。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び偏光板を含む前面パネルを配置する工程を有する。上記前面パネルは、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び偏光板をこの順で有することが好ましい。また、上記前面パネルは、上記第一の位相差フィルムと上記透明板状部材とが対向するように配置されることが好ましい。上記前面パネルを配置する工程は、上記レーザー照射工程の後であってもよい。上記間隔は、シール材、スペーサ等により保持される。上記第一の位相差フィルムと上記前面パネルとの間の間隔は、空気層(エアギャップ)であってもよい。上記前面パネルを配置する工程は、上記レーザー照射工程の後に行われることが好ましい。
上記透明板状部材としては、例えば、カバーガラス、タッチパネル等が挙げられる。上記カバーガラスは、上記液晶パネルの表面を保護する部材であり、例えば、ガラス板等が挙げられる。上記タッチパネルとしては、特に限定されず、液晶表示装置の分野において従来公知のものを用いることができる。
第二の位相差フィルムは、λ/4位相差フィルムであることが好ましい。第二の位相差フィルムに用いられる材料は、上記第一の位相差フィルムと同じであってもよいし、異なってもよい。上記第二の位相差フィルムは、上記第一の位相差フィルムのようにレーザーマーキングしないため、液晶表示装置の分野で一般的に用いられる延伸処理された高分子フィルムを用いることができる。上記高分子フィルムの材料としては、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ノルボルネン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等が挙げられる。
第一の偏光板は直線偏光板であることが好ましい。上記第一の偏光板としては、上記表偏光板と同様のものを用いることができる。
第二の位相差フィルムと第一の偏光板との組み合わせにより、円偏光板として機能する。これにより、液晶表示装置の内部反射を低減し、外光の反射(映り込み)を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、更に、上記液晶パネルの裏偏光板側にバックライトを配置する工程を有し、上記バックライトを点灯させて上記液晶パネルの上記裏偏光板側から光を照射し、上記第一の位相差フィルム側から出射される光漏れの有無を確認する第二の光漏れ検査工程を有してもよい。上記バックライトとしては、特に限定されず、液晶表示装置の分野において従来公知のものを用いることができる。
上記第二の光漏れ検査工程で光漏れが発見された場合、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、更に、平面視において上記第二の光漏れ検査工程において光漏れが確認された領域に対して、上記前面パネル側からレーザー光を照射して上記領域の上記第一の位相差フィルムを黒化させる第二のレーザー照射工程を有してもよい。
上記第二のレーザー照射工程では、上記第一のレーザー照射工程の説明で例示したレーザーを用いることができる。また、上記第二のレーザー照射工程で照射するレーザー光は、上記第一のレーザー照射工程で例示したレーザー光と同様の波長、出力、パルスの時間幅とすることができる。
[液晶表示装置]
本発明の実施形態に係る液晶表示装置は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルと、上記液晶パネルに対して上記カラーフィルター基板側に配置された表偏光板と、上記液晶パネルに対して上記対向基板側に配置された裏偏光板と、上記表偏光板の前面側に配置された第一の位相差フィルムと、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して対向配置された、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルとを備え、上記第一の偏光板の吸収軸と上記表偏光板の吸収軸とは平行であり、上記表偏光板の吸収軸と上記裏偏光板の吸収軸とは直交し、上記第一の位相差フィルムの遅相軸と上記第二の位相差フィルムの遅相軸とは直交し、上記第一の位相差フィルムの遅相軸と上記第一の偏光板の吸収軸とは略45°の角度をなし、上記第一の位相差フィルムの一部は加熱により黒化されている。本明細書中、特に断りがなければ、「遅相軸」は、面内遅相軸を意味している。各部材の説明は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法で説明したため省略する。
本発明の実施形態に係る液晶表示装置は、カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルと、上記液晶パネルに対して上記カラーフィルター基板側に配置された表偏光板と、上記液晶パネルに対して上記対向基板側に配置された裏偏光板と、上記表偏光板の前面側に配置された第一の位相差フィルムと、上記第一の位相差フィルムと間隔を保持して対向配置された、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルとを備え、上記第一の偏光板の吸収軸と上記表偏光板の吸収軸とは平行であり、上記表偏光板の吸収軸と上記裏偏光板の吸収軸とは直交し、上記第一の位相差フィルムの遅相軸と上記第二の位相差フィルムの遅相軸とは直交し、上記第一の位相差フィルムの遅相軸と上記第一の偏光板の吸収軸とは略45°の角度をなし、上記第一の位相差フィルムの一部は加熱により黒化されている。本明細書中、特に断りがなければ、「遅相軸」は、面内遅相軸を意味している。各部材の説明は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法で説明したため省略する。
以下に図1を用いて本発明の実施形態に係る液晶表示装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示した断面模式図である。図1に示したように、表偏光板110は、液晶パネル100に対してカラーフィルター基板10側に配置され、裏偏光板120は、液晶パネル100に対して対向基板30側に配置される。表偏光板110の吸収軸と裏偏光板120の吸収軸とは直交する。これにより、良好な黒表示状態を実現することができる。裏偏光板120の背面側には、バックライト200が配置されてもよい。
第一の位相差フィルム130は、表偏光板110の前面側に配置される。第一の位相差フィルム130の一部131は加熱により黒化されている。第一の位相差フィルム130の一部は、レーザー光の照射により黒化されていることが好ましい。131は、黒化された修復領域である。黒化された修復領域131と重畳する位置には、異物1が存在する。図1では、カラーフィルター基板10と表偏光板110との間に異物1がある場合を例示したが、対向基板30と裏偏光板120との間に異物1が存在する場合も同様である。
透明板状部材140、第二の位相差フィルム150及び第一の偏光板160を含む前面パネル170は、第一の位相差フィルム130と間隔を保持して対向配置される。透明板状部材140、第二の位相差フィルム150及び偏光板(第一の偏光板160)はこの順で配置されることが好ましく、透明板状部材140が第一の位相差フィルム130と対向するように配置されることがより好ましい。上記間隔は、空気層(エアギャップ)であってもよい。通常、エアギャップを有する液晶表示装置は、空気層で外光反射が起こるため表示性能が低下するが、本発明の実施形態に係る液晶表示装置では、第一の位相差フィルム130と第一の偏光板160との組み合わせが円偏光板の役割をするため、不要な外光反射をカットすることができる。
以下に図2及び図3を参照して、表偏光板、裏偏光板、第一の位相差フィルム、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板の軸配置と、これらの軸配置によるバックライト光の透過及び外光の反射を説明する。図2は、バックライト光の透過と外光の反射を説明した断面模式図である。図2では、液晶パネル100、裏偏光板120及びバックライト200は省略している。
バックライト200から液晶表示装置の前面に向かって出射された光(バックライト光)201は、裏偏光板120、液晶パネル100及び表偏光板110を透過して直線偏光となる。第一の位相差フィルム130の遅相軸と第二の位相差フィルム150の遅相軸とは直交する。第一の位相差フィルム130及び第二の位相差フィルム150をこのように配置することで、バックライト200から出射され表偏光板110を透過した直線偏光は、二枚の位相差フィルムを通過することで位相差が相殺される。第一の偏光板160の吸収軸と表偏光板110の吸収軸とは平行であるため、上記第二の位相差フィルム150を透過した光は、表偏光板110を透過して液晶表示装置の前面側に出射される。なお、本明細書において、「平行」とは、二つの軸が本発明の効果が得られる範囲内において実質的に平行であればよく、具体的には、二つの軸が、−10〜+10°の角度を成し、好ましくは、−5°〜+5°の角度を成し、より好ましくは、−3°〜+3°の角度を成すことを意味する。本明細書において、「略45°」とは、二つの軸が、45°±10°の角度を成し、好ましくは45°±5°の角度を成し、より好ましくは45°±3°の角度を成すことを意味する。
一方で、第一の位相差フィルム130の遅相軸と第一の偏光板160の吸収軸とは略45°の角度をなすため、液晶表示装置の観察者側から入光した外光202は、第一の偏光板160及び第二の位相差フィルム150を通過して円偏光になる。次に、第一の位相差フィルム130と透明板状部材140との間に形成された空気層の界面で反射して逆回りの円偏光となる。その後、再び第二の位相差フィルム150を通過して直線偏光に戻るが、入光時とは光の振動方位が90°異なるため、第一の偏光板160を透過できない。そのため、外光反射を抑制することができる。
以下に実施例を掲げ、図面を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
以下に、図1を参照しながら、実施例1に係る液晶表示装置の製造方法を説明する。実施例1に係る液晶表示装置は図1に示した液晶表示装置300と同様の構成を有する。
以下に、図1を参照しながら、実施例1に係る液晶表示装置の製造方法を説明する。実施例1に係る液晶表示装置は図1に示した液晶表示装置300と同様の構成を有する。
まず、カラーフィルター基板10と、液晶層20と、対向基板30とをこの順に有する液晶パネル100を準備した。対向基板30としては、複数のTFTを有するアクティブマトリクス基板を用いた。カラーフィルター基板10としては、赤色のカラーフィルター12R、緑色のカラーフィルター12G及び青色のカラーフィルター12Bを含むカラーフィルター層12と、ブラックマトリクス11とを有する基板を用いた。液晶層20は、カラーフィルター基板10と対向基板30との間に挟持され、液晶層20を囲むように配置されたシール材40により、両基板間に封止されている。
次に、カラーフィルター基板10側に表偏光板110を貼り付け、対向基板30側に裏偏光板120を貼り付けた。表偏光板110は、液晶パネル100に対してカラーフィルター基板10側に配置されている。裏偏光板120は、液晶パネル100に対して対向基板30側に配置されている。表偏光板110及び裏偏光板120は、直線偏光板である。表偏光板110は、予め片面に設けられた粘着剤層を液晶パネルと対向するように配置して、ローラーを動かしながら貼り付けた。裏偏光板120についても表偏光板110と同様にして貼り付けた。
次に、表偏光板110の前面側に第一の位相差フィルム130を配置した。第一の位相差フィルム130としては、ポリカーボネートからなるλ/4位相差フィルムを用いた。その後、液晶パネル100を黒表示とした状態で、裏偏光板120側から光を照射して光漏れ検査を行った。上記光漏れ検査は、第一の位相差フィルム130側から出射される光漏れの有無を、目視にて確認することにより行った。
平面視において上記光漏れが確認された領域の第一の位相差フィルム130の領域にレーザー焦点を合わせ、第一の位相差フィルム130側からレーザー光を照射して黒化させた。レーザー照射は以下の条件で行った。
レーザーの種類:CO2レーザー
波長:10600nm
出力:60W
パルスの時間幅:75ns
レーザーの種類:CO2レーザー
波長:10600nm
出力:60W
パルスの時間幅:75ns
一部が上記レーザー照射により黒化された第一の位相差フィルム130と、間隔を保持して前面パネル170を配置した。前面パネル170は、透明板状部材140、第二の位相差フィルム150及び第一の偏光板160をこの順に有し、第一の位相差フィルム130と透明板状部材140とが対向するように配置した。透明板状部材140は、カバーガラスであってもタッチパネルであってもよい。第二の位相差フィルム150としては、ポリカーボネートからなるλ/4位相差フィルムを用いた。第一の偏光板160は直線偏光板である。最後に、裏偏光板120の背面側にバックライト200を配置し、実施例1に係る液晶表示装置が完成した。
図3は、実施例1に係る液晶表示装置における吸収軸と遅相軸との配置を説明した平面模式図である。図3は、液晶表示装置を第一の偏光板から観察した平面模式図である。図3に示したように、裏偏光板120の吸収軸120Aの方位を0°と定義すると、表偏光板110の吸収軸110Aの方位は90°、第一の位相差フィルム130の遅相軸130Aの方位は135°、第二の位相差フィルム150の遅相軸150Aの方位は45°、第一の偏光板160の吸収軸160Aの方位は90°である。第一の位相差フィルム130の遅相軸130Aの方位が45°、第二の位相差フィルム150の遅相軸150Aの方位が135°であってもよい。
液晶表示装置を黒表示とした状態で、再度、観察者側(第一の偏光板160側)から目視にて光漏れの確認を行ったところ、レーザー照射前に確認された光漏れは確認されなかった。
1、1001:異物
10、1010:カラーフィルター基板
11、1011:ブラックマトリクス
12、1012:カラーフィルター層
12B、1012B:青色のカラーフィルター
12G、1012G:緑色のカラーフィルター
12R、1012R:赤色のカラーフィルター
20、1020:液晶層
30、1030:対向基板
40、1040:シール材
100、1100:液晶パネル
110、1110:表偏光板
110A:表偏光板の吸収軸
120、1120:裏偏光板
130:第一の位相差フィルム
131:黒化された修復領域
140:透明板状部材
150:第二の位相差フィルム
160:第一の偏光板
160A:第一の偏光板の吸収軸
170:前面パネル
200、1200:バックライト
201、1201:バックライト光
202:外光
300、1300:液晶表示装置
10、1010:カラーフィルター基板
11、1011:ブラックマトリクス
12、1012:カラーフィルター層
12B、1012B:青色のカラーフィルター
12G、1012G:緑色のカラーフィルター
12R、1012R:赤色のカラーフィルター
20、1020:液晶層
30、1030:対向基板
40、1040:シール材
100、1100:液晶パネル
110、1110:表偏光板
110A:表偏光板の吸収軸
120、1120:裏偏光板
130:第一の位相差フィルム
131:黒化された修復領域
140:透明板状部材
150:第二の位相差フィルム
160:第一の偏光板
160A:第一の偏光板の吸収軸
170:前面パネル
200、1200:バックライト
201、1201:バックライト光
202:外光
300、1300:液晶表示装置
Claims (2)
- カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルに対して、前記液晶パネルの前面側に表偏光板を貼り付け、前記液晶パネルの背面側に前記表偏光板と吸収軸が直交するように裏偏光板を貼り付ける偏光板貼付工程と、
前記表偏光板の前面側に第一の位相差フィルムを配置する工程と、
前記液晶パネルの前記裏偏光板側から光を照射し、前記第一の位相差フィルム側から出射される光漏れの有無を確認する光漏れ検査工程と、
平面視において前記光漏れが確認された領域に対して、前記第一の位相差フィルム側からレーザー光を照射して前記領域の第一の位相差フィルムを黒化させるレーザー照射工程と、
前記第一の位相差フィルムと間隔を保持して、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルを配置する工程とを有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - カラーフィルター基板と、液晶層と、対向基板とをこの順に有する液晶パネルと、
前記液晶パネルに対して前記カラーフィルター基板側に配置された表偏光板と、
前記液晶パネルに対して前記対向基板側に配置された裏偏光板と、
前記表偏光板の前面側に配置された第一の位相差フィルムと、
前記第一の位相差フィルムと間隔を保持して対向配置された、透明板状部材、第二の位相差フィルム及び第一の偏光板を含む前面パネルとを備え、
前記第一の偏光板の吸収軸と前記表偏光板の吸収軸とは平行であり、
前記表偏光板の吸収軸と前記裏偏光板の吸収軸とは直交し、
前記第一の位相差フィルムの遅相軸と前記第二の位相差フィルムの遅相軸とは直交し、
前記第一の位相差フィルムの遅相軸と前記第一の偏光板の吸収軸とは略45°の角度を成し、
前記第一の位相差フィルムの一部は加熱により黒化されていることを特徴とする液晶表示装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201962953403P | 2019-12-24 | 2019-12-24 | |
US62/953,403 | 2019-12-24 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021103291A true JP2021103291A (ja) | 2021-07-15 |
Family
ID=76755103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020174422A Pending JP2021103291A (ja) | 2019-12-24 | 2020-10-16 | 液晶表示装置の製造方法、及び、液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021103291A (ja) |
-
2020
- 2020-10-16 JP JP2020174422A patent/JP2021103291A/ja active Pending
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