JP2021102562A - 経口投与用医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、シトルリンはアルギニンと共役してアルギニン生成に関与していて重要である。さらに、オルニチンはシトルリン合成の前駆体であり(いわゆる尿素サイクル)、同様に重要である。さらに、細胞レベルの最も細い毛細血管の拡張に脱分極因子(Depolarization factor)が関与することも知られており、これは生体内で生じた活性酸素O2 ・−がSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)により、還元され(不活性化され)て生じるH2O2がその原因因子の本態であることが証明されている。つまり、抗酸化酵素のSODおよび他の抗酸化剤は、NOの酸化的消失を抑えるため、NOの生体内寿命が延長され、抗酸化作用物質も間接的にNOと同様に血管拡張(血管弛緩作用→降圧/血圧低下作用)を示す。すなわち、抗酸化成分としてのSODもNOと同様、末梢血流を改善することを示している。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1] テストステロンまたはその誘導体と、吸収促進剤と、医薬上許容される担体とを含む、経口投与用医薬組成物。
[2] 吸収促進剤が、リン脂質、界面活性剤、並びに胆汁酸およびその医薬上許容される塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]に記載の医薬組成物。
[3] 吸収促進剤が、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、並びにデオキシコール酸およびその医薬上許容される塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[2]に記載の医薬組成物。
[4] 医薬上許容される担体が、脂質および水からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[5] 脂質が、食用油、および中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種である、[4]に記載の医薬組成物。
[6] さらに、他の有効成分を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の医薬組成物。
[7] 他の有効成分が、テストステロンの前駆体、活性酸素消去酵素SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の補助因子、抗酸化剤、内因性ホルモン、血管内皮細胞依存型一酸化窒素(NO)合成酵素(eNOS)の基質、およびコリンエステルからなる群から選択される少なくとも1種である、[6]に記載の医薬組成物。
[8] 他の有効成分が、下記の有効成分からなる群から選択される少なくとも1種である、[7]に記載の医薬組成物。
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体
亜鉛化合物
トコフェロールまたはその誘導体
メラトニンまたはその誘導体
アルギニンまたはその誘導体
オルニチンまたはその誘導体
シトルリンまたはその誘導体
アスコルビン酸またはその誘導体
[9] エマルションである、[1]〜[8]のいずれかに記載の医薬組成物。
[10] 下記製剤(A)および(B)の組合せを含む、[8]または[9]に記載の医薬組成物。
(A)下記成分を含む製剤
テストステロンまたはその誘導体
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体
トコフェロールまたはその誘導体
メラトニンまたはその誘導体
レシチン
食用油
中鎖脂肪酸トリグリセリド
(B)下記成分を含む製剤
亜鉛化合物
アルギニンまたはその誘導体
シトルリンまたはその誘導体
アスコルビン酸またはその誘導体
オルニチンまたはその誘導体
[11] 製剤(A)が、ソフトゲルカプセル剤である、[10]に記載の医薬組成物。
[12] 製剤(B)が、水性製剤、カプセル剤、および錠剤からなる群から選択される少なくとも1種である、[10]または[11]に記載の医薬組成物。
[13] 意欲を引き起こすための、[1]〜[12]のいずれかに記載の医薬組成物。
また、本発明に使用するテストステロンは、アナボリックホルモンとは異なり、蛋白合成増強作用はないので、安全である。
さらに、本発明の医薬組成物は、経口投与すると、腸管内でさらに胆汁酸などと混合し、腸管内ではカイロミクロン(超微粒子)となり、主としてリンパ系により回収され、順次血液中に到達することができる。すなわち、本発明の医薬組成物は、腸管→門脈血流→肝臓への直接的な流入はないので、テストステロンを直接投与した場合に生じ得る肝障害を回避することができる。また、本発明の医薬組成物は、リンパ系での動きが遅いため、長時間体内に残存し、作用時間が長くなるという利点がある。
本発明における「テストステロン」(化学式C19H28O2、化学名17β−ヒドロキシ−4−アンドロステン−3−オン)は、アンドロゲンに属するステロイドホルモンで、男性ホルモンの1種である。
また、本発明における「テストステロンの誘導体」には、テストステロン、テストステロンのエステル、アルキル化テストステロン、その他の誘導体が含まれ、例えば、メチルテストステロン(methyltestosterone)、シピオン酸テストステロン(testosterone cypionate)、テストステロンエナント酸エステル(testosterone enanthate)、プロピオン酸テストステロン(testosterone propionate)、テストステロンケトラウラート(testosterone ketolaurate)、フェニル酢酸テストステロン(testosterone phenylacetate)、ウンデカン酸テストステロン(testosterone undecanoate)、テストステロンデカノアート(testosterone decanoate)、テストステロンフェニルプロピオナート(testosterone phenylpropionate)などが含まれる。
上記テストステロンおよびその誘導体は、既知の方法により製造でき、また、市販のものを入手して用いることができる。例えば、日本薬局方に準拠したものを用いることができる。また、これらのテストステロンおよびその誘導体のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、テストステロンまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、40質量%以上であり、例えば90質量%以下、60質量%以下である。
本発明における「吸収促進剤」は、上記テストステロンおよびその誘導体の腸粘膜吸収を改善または促進できるものであれば特に限定されないが、例えば、リン脂質(レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等)、胆汁酸(コール酸、デオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、グリココール酸、タウロコール酸等)およびその医薬上許容される塩、キレート剤(サリチル酸、EDTA等)、脂肪酸(カプリン酸、ラウリン酸、オレイン酸等)およびその医薬上許容される塩等が挙げられる。好ましくは、リン脂質、界面活性剤、胆汁酸およびその医薬上許容される塩等が挙げられ、より好ましくは、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、デオキシコール酸およびその医薬上許容される塩等が挙げられる。これらの吸収促進剤は、既知の方法により製造でき、また、市販のものを入手して用いることができる。例えば、日本薬局方に準拠したものを用いることができる。また、これらの吸収促進剤のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、吸収促進剤として特にレシチン等のリン脂質またはポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤を使用した場合、腸管内でカイロミクロン(超微粒子)化が生じることから、テストステロンまたはその誘導体の吸収促進がより高まり、門脈系よりもリンパ系への取り込みが促進される。
本発明の組成物において吸収促進剤は、例えば、テストステロンおよびその誘導体1質量部に対して、例えば0.0001質量部以上、0.001質量部以上、0.01質量部以上、0.1質量部以上、1質量部以上、5質量部以上であり、例えば100質量部以下、50質量部以下、10質量部以下、1質量部以下、0.1質量部以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、吸収促進剤の含量は特に限定されないが、例えば0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上であり、例えば30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、レシチンの含量は特に限定されないが、例えば0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上であり、例えば30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下である。
これらのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、既知の方法により製造でき、また、市販のものを入手して用いることができる。例えば、日本薬局方に準拠したものを用いることができる。また、これらのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの含量は特に限定されないが、例えば0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上であり、例えば30質量%以下、10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下である。
本発明における「医薬上許容される担体」は、医薬上許容される液状の担体であれば特に限定されないが、例えば、脂質、水、各種有機溶媒、例えばアルコール(エタノール、グリセリン、プロパノール等)、エステル(酢酸エチル等)、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル等)、非プロトン性極性溶剤(ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)等が挙げられる。これらの医薬上許容される担体のうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明の組成物において医薬上許容される担体は、例えば、テストステロンおよびその誘導体1質量部に対して、例えば0.1質量部以上、1質量部以上、10質量部以上、50質量部以上、100質量部以上であり、例えば1000質量部以下、500質量部以下、100質量部以下、50質量部以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、医薬上許容される担体の含量は特に限定されないが、例えば10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、80質量%以上であり、例えば90質量%以下、60質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、脂質の含量は特に限定されないが、例えば5質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上、80質量%以上であり、例えば90質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、20質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、食用油の含量は特に限定されないが、例えば0.5質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、50質量%以上であり、例えば90質量%以下、60質量%以下、50質量%以下、20質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、中鎖脂肪酸トリグリセリドの含量は特に限定されないが、例えば0.5質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、15質量%以上であり、例えば50質量%以下、20質量%以下である。
本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、水の含量は特に限定されないが、例えば本発明の医薬組成物が水中油滴(O/W型)エマルションである場合、例えば30質量%以上、50質量%以上、80質量%以上、90質量%以上であり、例えば98質量%以下、96質量%以下、90質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物が油中水滴(W/O型)エマルションである場合、例えば0.1質量%以上、3質量%以上であり、例えば10質量%以下、5質量%以下である。
本発明における「他の有効成分」としては、上記本発明の課題を解決するのに貢献できるものや、本発明の医薬組成物および上記成分の安定性に寄与することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、テストステロンの前駆体、活性酸素消去酵素SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の補助因子、抗酸化剤、年齢とともに減少する内因性ホルモン(睡眠ホルモン、アンチエイジングホルモン等)、血管内皮細胞依存型一酸化窒素(NO)合成酵素(eNOS)の基質、コリンエステル等が挙げられる。
上記「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体」としては、例えば、DHEA、その医薬上許容されるエステル、その他の既知の誘導体等が挙げられ、具体的には、DHEA、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA−S)等が挙げられる。DHEAは、テストステロンの前駆体であり、年齢とともに減少することが知られている。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、DHEAまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば1質量%以上、10質量%以上であり、例えば10質量%以下、5質量%以下である。
上記「亜鉛化合物」としては、例えば、亜鉛、亜鉛の医薬上許容される塩等が挙げられ、具体的には、酢酸亜鉛、塩化亜鉛等が挙げられる。亜鉛は、引きこもりやED患者において減少が著しい。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、亜鉛化合物の含量は特に限定されないが、例えば0.001質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上であり、例えば10質量%以下、5質量%以下、1質量%以下である。
上記「トコフェロールまたはその誘導体」としては、例えば、トコフェロール、その医薬上許容されるエステル、その他の既知の誘導体等が挙げられ、具体的には、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル等が挙げられる。トコフェロールは、ビタミンEとして知られ、油溶性の抗酸化剤として利用されている。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、トコフェロールまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上、20質量%以上であり、例えば40質量%以下、20質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、アスコルビン酸またはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上であり、例えば20質量%以下、10質量%以下、5質量%以下である。
上記「メラトニンまたはその誘導体」としては、例えば、メラトニン、メラトニンエステル物、その他の既知の誘導体等が挙げられる。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、メラトニンまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば0.05質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、5質量%以上、10質量%以上であり、例えば60質量%以下、40質量%以下である。
上記「アルギニンまたはその誘導体」としては、例えば、アルギニン、その医薬上許容される塩、その医薬上許容されるエステル、その他の既知の誘導体等が挙げられ、具体的には、L−アルギニン、L−アルギニン塩酸塩、L−アルギニンエステル等が挙げられる。アルギニンは、eNOSの基質として知られている。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、アルギニンまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上であり、例えば60質量%以下、50質量%以下、10質量%以下、1質量%以下、0.5質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、シトルリンまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上であり、例えば60質量%以下、50質量%以下、10質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、オルニチンまたはその誘導体の含量は特に限定されないが、例えば0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上であり、例えば60質量%以下、50質量%以下、10質量%以下である。
また、本発明の医薬組成物の全量を100質量%としたとき、コリンエステルの含量は特に限定されないが、例えば0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上、10質量%以上であり、例えば60質量%以下、50質量%以下、10質量%以下である。
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体
亜鉛化合物
トコフェロールまたはその誘導体
メラトニンまたはその誘導体
アルギニンまたはその誘導体
シトルリンまたはその誘導体
オルニチンまたはその誘導体
アスコルビン酸またはその誘導体
油相は、脂溶性成分そのもの、脂溶性成分を脂質に溶解したもののいずれでもよい。また、水相は、水溶性成分そのもの、水溶性成分を水に溶解したもののいずれでもよい。
脂溶性成分は、テストステロンまたはその誘導体に加えて、必要に応じて脂溶性の吸収促進剤、他の有効成分および添加剤を含み得、水溶性成分は、水溶性の吸収促進剤、他の有効成分および添加剤を含み得る。
また、吸収促進剤(レシチン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、胆汁酸等)を、乳化剤としても使用する場合、その使用量は、脂質、水に対して1〜20質量%、好ましくは2〜3質量%である。
(A)下記成分を含む製剤(油性溶液またはエマルション)
テストステロンまたはその誘導体
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体
トコフェロールまたはその誘導体
メラトニンまたはその誘導体
レシチン
食用油
中鎖脂肪酸トリグリセリド
(B)下記成分を含む製剤(水性製剤、あるいは粉末カプセル剤または錠剤)
亜鉛化合物
アルギニンまたはその誘導体
シトルリンまたはその誘導体
オルニチンまたはその誘導体
アスコルビン酸またはその誘導体
上記製剤(B)には、担体として水が含まれ得る。
このような場合、2種以上の製剤を、同時に、または連続的または間欠的に別々に投与することができる。
本発明における「意欲を引き起こす」は、やる気を起こさせること、意欲を向上させることを含み、さらに、これにより、ひきこもり、うつ病、登校拒否、自殺等の精神と行動およびヒトの心の状態の抑制を解除し、そのような人達を社会人として世の中に参画できるようにすることも含む。
油性製剤Aを、下記処方の比で調製した。
[製剤Aの処方]
テストステロンプロピオネート(和光純薬) 5 mg
ゴマ油(市販品) 200 mg
中鎖脂肪酸油脂(日清MCTオイルHS、日清オイリオグループ(株)製) 20 mg
大豆レシチン(和光純薬) 50 mg
具体的には、上記各成分を、表記のとおり、ホモゲナイザーでよく攪拌し、均質の油性製剤Aを得た。
なお、上記処方において、テストステロンの量は、1〜50mgとすることもできる。
エマルション製剤Bを、下記処方の比で調製した。
[製剤Bの処方]
テストステロンプロピオネート(和光純薬) 5 mg
Tween 80 2%水溶液 250 μL
具体的には、テストステロンプロピオネートを、Tween 80 2%水溶液に加え、1〜2分間超音波処理により、安定な油/水エマルション(エマルション製剤B)を得た。
実施例1および2に記載の製剤AまたはBを、約20〜25週齢の40〜50gの雄性ddYマウスに、ゾンデを用いてp.o.単回投与した(テストステロン当量100mg/kg;油性製剤:50gマウスに270μL/kg、エマルション製剤:50gマウスに250μL)。
未投与群および投与から1、3、6、18、36、54時間後に採血したヘパリン血から血漿を採取した(各群n=3)。未投与群は正常値とみなした。採取後、−80℃で保存した。
次いで、未投与、投与から3、6、18、36、54時間後での血漿(各群n=2)について、CLIA法により血漿中テストステロン濃度を測定した。測定は、テストステロンのアッセイキット(日本老化制御研究所(静岡県袋井市))を用いて、キットに添付の指示法により行った。その結果を表1および2、図1および2に示す。
実施例1に記載の油性製剤Aを、ラットに対しテストステロン当量として3、10、30mg/kgをゾンデで経口投与した。未投与、投与から3、6、20、48、72時間後、試験例1と同様にCLIA法により血漿中テストステロン濃度を測定した。また、同時に血中アルカリフォスファターゼ(ALP)濃度(IU/L)を測定した。ALPの測定は、フナコシ(株)(東京)のアルカリフォスファターゼアッセイキットによる。これは、P−ニトロフェニルフォスヘイトを基質として、それがALPによりP−ニトロフェノール(λmax405nm)+リン酸になる反応で、405nmの色素の強度を測定して定量した。その結果を表3および4に示す。
また、油性製剤Aでは、30mg/kgの経口投与で100%吸収され、血中に移行したとすると血中濃度は1300μg/ml(ラットの血液量を64ml/kgと仮定する)となり、投与3時間後の本試験の実測血中濃度は305.8ng/dl(正常値48.8ng/dlの6倍)となり、十分な血中への移行がみとめられ、そのときラットの肝機能マーカーとしてのALP(アルカリフォスファターゼ)に有意の上昇はなく、本製剤の安全性確認されたといえる。
なお、ヒトのテストステロン基準値(男性)は131〜871ng/dlである(ファルコバイオシステムズより)。また、ヒト血中ALPの基準値は110〜354(U/L)(ファルコバイオシステムズより)。
そのような人達を社会人として世の中に参画できるようにすることができる医薬組成物として有用である。
Claims (13)
- テストステロンまたはその誘導体と、吸収促進剤と、医薬上許容される担体とを含む、経口投与用医薬組成物。
- 吸収促進剤が、リン脂質、界面活性剤、並びに胆汁酸およびその医薬上許容される塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 吸収促進剤が、レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、並びにデオキシコール酸およびその医薬上許容される塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の医薬組成物。
- 医薬上許容される担体が、脂質および水からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
- 脂質が、食用油、および中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の医薬組成物。
- さらに、他の有効成分を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の医薬組成物。
- 他の有効成分が、テストステロンの前駆体、活性酸素消去酵素SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)の補助因子、抗酸化剤、内因性ホルモン、血管内皮細胞依存型一酸化窒素(NO)合成酵素(eNOS)の基質、およびコリンエステルからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の医薬組成物。
- 他の有効成分が、下記の有効成分からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項7に記載の医薬組成物。
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体
亜鉛化合物
トコフェロールまたはその誘導体
メラトニンまたはその誘導体
アルギニンまたはその誘導体
オルニチンまたはその誘導体
シトルリンまたはその誘導体
アスコルビン酸またはその誘導体 - エマルションである、請求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物。
- 下記製剤(A)および(B)の組合せを含む、請求項8または9に記載の医薬組成物。
(A)下記成分を含む製剤
テストステロンまたはその誘導体
DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)またはその誘導体
トコフェロールまたはその誘導体
メラトニンまたはその誘導体
レシチン
食用油
中鎖脂肪酸トリグリセリド
(B)下記成分を含む製剤
亜鉛化合物
アルギニンまたはその誘導体
シトルリンまたはその誘導体
アスコルビン酸またはその誘導体
オルニチンまたはその誘導体 - 製剤(A)が、ソフトゲルカプセル剤である、請求項10に記載の医薬組成物。
- 製剤(B)が、水性製剤、カプセル剤、および錠剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項10または11に記載の医薬組成物。
- 意欲を引き起こすための、請求項1〜12のいずれかに記載の医薬組成物。
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