JP2021101418A - ジョイントコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】相手端子と端子との微摺動摩耗を抑制し、電気的接続信頼性の低下を抑制できるジョイントコネクタを提供する。【解決手段】ジョイントコネクタ11は、相手コネクタ15が挿入される第1嵌合空間73を有するアウターハウジング65と、第1嵌合空間73に連通して相手コネクタ15の挿入側と反対側に開口する装着口83を有した第2嵌合空間67と、複数の雄端子17を連結した連結部23が圧入される保持部91を有するとともに、雄端子17を貫通させたフェライト97を保持する保持アーム101を有し、フェライト97を貫通した雄端子17を第1嵌合空間73に突出させて装着口83から第2嵌合空間67に装着されるインナーハウジング69と、第2嵌合空間67の内周面とインナーハウジング69の外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキン71と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ジョイントコネクタに関する。
例えば車両などに使用される多重通信用ジョイントコネクタ(以下、単に「ジョイントコネクタ」と称す。)では、ノイズの輻射や信号伝送に及ぼす悪影響を軽減するため、フェライト磁心とチップコンデンサによって構成されるローパスフィルタ回路を内蔵するものが知られている。この種のジョイントコネクタでは、フェライト・プレートをアウターハウジングにインサート成形すると、成形後の合成樹脂の収縮によって板状のフェライト・プレートに曲げ応力が作用し、反りなどの変形が生じる場合がある。このような変形するほどの応力がフェライト・プレートに作用すると、一般に知られている逆磁歪現象によって、フェライト・プレートの透磁率が低下する。
そこで、特許文献1には、アウターハウジングへのインサート成形に起因するフェライト・プレートの変形を防止するジョイントコネクタが開示されている。図19及び図20に示すこのジョイントコネクタ501は、インナーハウジング503と、接続部505と、フェライト・プレート507と、アウターハウジング509とを有して構成される。インナーハウジング503には、複数の端子511と、複数の端子511の一端で接続するバスバ513からなる接続部505が組付けられる。また、インナーハウジング503には、フェライト・プレート507が組付けられる。フェライト・プレート507は、インナーハウジング503の樹脂バネ515により保持される。インナーハウジング503は、アウターハウジング509のインナーハウジング嵌合部517に嵌合されている。このように構成されたジョイントコネクタ501は、コネクタ嵌合部519に、不図示の相手コネクタが嵌合される。
このジョイントコネクタ501によれば、フェライト・プレート507が複数個に分割された状態でアウターハウジング509に配置されているので、アウターハウジング509の樹脂が収縮しても、各フェライト・プレート507に作用する応力は小さく、フェライト・プレート507の変形を大幅に抑制することができる。これによって、フェライト・プレート507の変形を防止して、透磁率低下による多重通信用ジョイントコネクタの特性劣化を抑制し、伝送される波形ひずみを改善することができる。
特開2010−170985号公報
しかしながら、従来のジョイントコネクタ501は、アウターハウジング509と、インナーハウジング503との組付け製造時、アウターハウジング509とインナーハウジング503との間に、隙間を生じることが懸念される。隙間が生じたジョイントコネクタ501は、車両の走行時等の振動により、軸方向に対して直交する直交方向(図20中の矢印方向参照)で、アウターハウジング509とインナーハウジング503が相対的にガタ付く。ガタ付きの生じたジョイントコネクタ501は、端子511と不図示の相手コネクタにおける相手端子との電気的接点において微摺動摩耗を生じ、電気的接続信頼性が低下する虞がある。また、従来のジョイントコネクタ501は、非防水であり、防水機能を有していない。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、相手端子と端子との微摺動摩耗を抑制し、電気的接続信頼性の低下を抑制できるジョイントコネクタを提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 相手コネクタが挿入される第1嵌合空間を有するアウターハウジングと、前記アウターハウジングに設けられ、前記第1嵌合空間に連通して前記アウターハウジングにおける前記相手コネクタの挿入側と反対側に開口する装着口を有した第2嵌合空間と、複数の端子を連結した連結部が圧入される保持部を有するとともに、前記端子を貫通させたフェライトを保持する保持アームを有し、前記フェライトを貫通した前記端子を前記第1嵌合空間に突出させて前記装着口から前記第2嵌合空間に装着されるインナーハウジングと、前記インナーハウジングの外周面に装着され、前記第2嵌合空間の内周面と前記インナーハウジングの外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキンと、を備えることを特徴とするジョイントコネクタ。
上記(1)の構成のジョイントコネクタによれば、アウターハウジングには、相手コネクタの挿入される第1嵌合空間が設けられる。また、アウターハウジングには、この第1嵌合空間に連通し、相手コネクタの挿入側と反対側に開口する装着口を有した第2嵌合空間が設けられる。第2嵌合空間には、インナーハウジングが、装着口から挿入されて装着される。つまり、アウターハウジングには、相手コネクタの挿入側と反対側からインナーハウジングが装着される。
インナーハウジングは、端子とフェライトを保持する。複数の端子は、例えばピン状やタブ状に形成されて長手方向の基端部同士が連結部により連結される。連結部は、インナーハウジングに形成された保持部に圧入される。これにより、複数の端子は、基端が保持部に固定されてインナーハウジングから平行に突出する。それぞれの端子は、フェライトを貫通する。インナーハウジングには、フェライトを保持する保持アームが形成される。従って、インナーハウジングは、連結部を介して複数の端子が突出した状態で固定するとともに、これら端子が貫通したフェライトを保持アームにより保持している。
インナーハウジングの外周面には、環状のパッキンが装着される。インナーハウジングは、アウターハウジングの第2嵌合空間に装着口から装着されると、パッキンの外周が、第2嵌合空間の内周面に密接する。これにより、パッキンは、インナーハウジングの外周面と、第2嵌合空間の内周面との間を水密にシールする。
パッキンは、インナーハウジングの外周面と、第2嵌合空間の内周面との間に形成される環状の間隙に、圧縮される方向に弾性変形して配置される。このため、アウターハウジングとインナーハウジングとは、間隙にパッキンが介在していない場合に比べ、間隙に圧縮変形されたパッキンが介在することにより、相対的な変位が生じにくくなる。つまり、パッキンは、アウターハウジングとインナーハウジングとの相対変位を抑制する緩衝材としての作用を有する。
これにより、車両の走行時等の振動により、軸方向(端子の長手方向)、及び軸方向に対して直交する直交方向(間隙の増減方向)で、インナーハウジングとアウターハウジングが相対的にガタ付こうとしても、パッキンが介在していることにより、ガタ付きは抑制される。その結果、相手端子と端子との電気的接点における微摺動摩耗を抑制でき、電気的接続信頼性の低下を抑制できる。
これに加え、ジョイントコネクタは、パッキンが、第2嵌合空間の内周面とインナーハウジングの外周面との間を水密に塞ぐので、従来、非防水であった構造に、防水機能を付与することができる。その結果、端子やフェライトを水や振動からより確実に保護することができる。
(2) 前記第2嵌合空間に装着された前記インナーハウジング及び前記インナーハウジングの外周面に装着された前記パッキンの装着方向先端部が、前記第1嵌合空間に突出して配置され、前記第1嵌合空間に挿入された前記相手コネクタの防水フード部が、前記装着方向先端部に嵌合し、前記パッキンが、前記インナーハウジングの外周面と前記防水フード部のフード内周面との間を水密に塞ぐことを特徴とする上記(1)に記載のジョイントコネクタ。
上記(2)の構成のジョイントコネクタによれば、インナーハウジングの外周面にパッキンが装着された状態で、これらインナーハウジング及びパッキンの装着方向先端部が、第1嵌合空間に突出して配置される。すなわち、第1嵌合空間に配置されたインナーハウジング及びパッキンの装着方向先端部は、第1嵌合空間に挿入される相手コネクタが嵌合する被嵌合部となる。相手コネクタは、挿入方向の先端に突出する防水フード部が、第1嵌合空間に挿入されて、インナーハウジング及びパッキンの装着方向先端部に外嵌される。その際、防水フード部の内周面とインナーハウジングの外周面との間は、インナーハウジングの外周面に装着されたパッキンにより水密に塞がれる。
上記(2)の構成のジョイントコネクタでは、インナーハウジングがアウターハウジングの第2嵌合空間に嵌合された状態において、パッキンが、インナーハウジングとアウターハウジングの間に防水機能を付与する。これと同時に、ジョイントコネクタは、相手コネクタが嵌合された状態において、第1嵌合空間に配置された装着方向先端部のパッキンが、相手コネクタの防水フード部によって圧縮される。これにより、ジョイントコネクタのアウターハウジングと、相手コネクタの防水フード部との間にも防水機能を付与する。つまり、本構成のジョイントコネクタは、1つのパッキンにより、インナーハウジングとアウターハウジングとの間、及びジョイントコネクタと相手コネクタとの間に防水機能を付与することができる。
従って、上記(2)の構成のジョイントコネクタによれば、インナーハウジングとアウターハウジングとの間、インナーハウジングと防水フード部との間を、共通の一部品であるパッキンにより防水でき、パッキンの部品点数を削減することができる。
また、第1嵌合空間と第2嵌合空間とをほぼ同一内径の断面形状で連通して形成できるので、第1嵌合空間と第2嵌合空間とを仕切る隔壁が不要となる。これにより、本構成のジョイントコネクタによれば、隔壁を省略できる分、軸方向の長さを短縮でき、小型化、軽量化が容易となる。
また、上記(2)の構成のジョイントコネクタは、アウターハウジングがほぼ筒状に形成され、第1嵌合空間と第2嵌合空間とを仕切る隔壁を有していない。従って、端子及びフェライトが装着されたインナーハウジングは、第1嵌合空間に装着するのみで、端子を第1嵌合空間に突出させて配置できる。これにより、第1嵌合空間の奥側に設けられた隔壁の挿通孔を狙って端子を挿通する作業が不要となり、インナーハウジングの組付作業を容易にすることができる。
(3) 前記保持アームが、前記インナーハウジングの外周面に開口する保持アーム成形孔を設けることで成形されて前記インナーハウジングの内方に突出し、前記インナーハウジングの内方で前記保持アームに保持された前記フェライトが、前記端子を貫通させて前記インナーハウジングに装着されたフロントカバーと、前記インナーハウジングとにより覆われることを特徴とする上記(2)に記載のジョイントコネクタ。
上記(3)の構成のジョイントコネクタによれば、フェライトは、保持アーム成形孔により保持アームが成形されたインナーハウジングとフロントカバーとにより覆われた状態となる。これにより、例えば、インナーハウジングをアウターハウジングに嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時に、フェライトが収容された空間にゴミ等が入り込むことを抑制(保持アーム成形孔があるため完全に防止はできない)できる。また、例えば、インナーハウジングがアウターハウジングに嵌合された防水ジョイントコネクタを、相手コネクタと嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時にも、フェライトが収容された空間にゴミ等が入り込むことを抑制できる。
(4) 前記パッキンが、前記保持アーム成形孔を塞いで前記インナーハウジングの外周面に装着されることを特徴とする上記(3)に記載のジョイントコネクタ。
上記(4)の構成のジョイントコネクタによれば、パッキンが、保持アームを成形するための保持アーム成形孔を塞ぐようにしてインナーハウジングの外周面に位置している。このため、フェライトは、インナーハウジングとフロントカバー、及びパッキンにより、完全に覆われた状態となっている。これにより、例えば、インナーハウジングをアウターハウジングと嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時に、フェライトが収容された空間にゴミ等が入り込むことを防止できる。また、例えば、インナーハウジングがアウターハウジングに嵌合された防水ジョイントコネクタを、相手コネクタと嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時にも、フェライトが収容された空間にゴミ等が入り込むことを防止できる。
本発明に係るジョイントコネクタによれば、相手端子と端子との微摺動摩耗を抑制し、電気的接続信頼性の低下を抑制できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
本発明の第1実施形態に係るジョイントコネクタを有する防水ジョイントコネクタの斜視図である。 図1に示した防水ジョイントコネクタの縦断面図である。 図1に示したジョイントコネクタの分解斜視図である。 図3に示したジョイントコネクタの分解斜視図である。 相手コネクタを固定した時の熱膨張時の動きを説明する作用図である。 本発明の第2実施形態に係るジョイントコネクタを有する防水ジョイントコネクタの縦面図である。 ジョイントコネクタを固定した時の熱膨張時の動きを説明する作用図である。 本発明の第3実施形態に係るジョイントコネクタを有する防水ジョイントコネクタの斜視図である。 図8に示した防水ジョイントコネクタの縦断面図である。 図8に示した防水ジョイントコネクタの分解斜視図である。 図10に示したジョイントコネクタの縦断面図である。 図10に示したジョイントコネクタの分解斜視図である。 図12に示したインナーハウジングの分解斜視図である。 インナーハウジングの組立手順を表す工程図である。 (a)は連結部が圧入される保持部の圧入前を要部拡大図と共に示した正面図、(b)は連結部が圧入される保持部の圧入後を要部拡大図と共に示した正面図である。 フロントカバーが固定される前のインナーハウジングの分解斜視図である。 アウターハウジングの組立手順を表す工程図である。 (a)はアウターハウジングと装着前のインナーハウジングとを斜め上方より見た分解斜視図、(b)はアウターハウジングと装着前のインナーハウジングとを斜め下方より見た分解斜視図である。 従来の多重通信用ジョイントコネクタの分解斜視図である。 従来の多重通信用ジョイントコネクタのインナーハウジングとアウターハウジングとの嵌合構造を示す水平断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るジョイントコネクタ11を有する防水ジョイントコネクタ13の斜視図である。図2は、図1に示した防水ジョイントコネクタ13の縦断面図である。図3は、図1に示したジョイントコネクタ11の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本第1実施形態に係るジョイントコネクタ11は、相手コネクタ15と一体に嵌合されることにより、防水ジョイントコネクタ13を構成する。以下の各実施形態において、ジョイントコネクタ11は、端子である雄端子17(図2参照)を有した雄コネクタを例に説明する。従って、以下の各実施形態において、相手コネクタ15は、相手端子である雌端子19(図2参照)を有した雌コネクタを例に説明する。
相手コネクタ15は、ジョイントコネクタ11と嵌合することにより、ジョイントコネクタ11の雄端子17に雌端子19が電気的に接触する。相手コネクタ15の雌端子19には、電線21が電気的に接続される。なお、ジョイントコネクタ11は、雌端子19を収容した雌コネクタであってもよい。この場合には、相手コネクタ15は、雄端子17を収容した雄コネクタとなり、この雄端子17に電線21が電気的に接続される。
ジョイントコネクタ11は、相手コネクタ15と接続されることにより、複数の電線21同士を雄端子17に導通する連結部23により電気的に接続し、車両に配索されるワイヤハーネスのジョイント回路を構成する。
図3に示すように、相手コネクタ15は、電気絶縁性を有する合成樹脂製の相手ハウジング25等を有する。相手ハウジング25の上面には、基端が相手ハウジング25に接続されて片持ちされた可撓性を有するアーム部27が形成される。アーム部27の先端には、ジョイントコネクタ11に係合するアーム側ロック部29が形成される。
相手ハウジング25の外周には、嵌合側先端が開口した角筒状の外筒部31が形成される。外筒部31の内側には、外筒部31と隙間を有して雌端子19を収容する嵌合内筒部33が形成される。嵌合内筒部33と外筒部31との間には、ジョイントコネクタ11の嵌合フード部35が挿入される周溝が形成される。嵌合内筒部33の外周には、環状の相手パッキン37が外嵌される。相手パッキン37は、周溝に挿入された嵌合フード部35の内周と嵌合内筒部33の外周との間を水密に塞ぐ(シールする)。
嵌合内筒部33の内部には、複数(本実施形態では8個)の端子収容室39が画成される。それぞれの端子収容室39には、雌端子19が端子係止部41により抜け止めされて装着される。端子収容室39は、相手ハウジング25の嵌合方向前側が雄端子受入口43となって開口し、相手ハウジング25の嵌合方向後側が電線挿通孔45となって開口する。雄端子受入口43は、ジョイントコネクタ11の雄端子17が進入する。雄端子受入口43から進入した雄端子17は、端子収容室39に収容されている雌端子19の電気接触片47に導通する。
それぞれの電線21の外周には、ゴム等により環状に形成された防水栓53が外嵌される。防水栓53は、電線21と電線挿通孔45との間を水密に塞ぐ。
雌端子19は、芯線加締め片49を電線21の導体に固定し、被覆加締め片51を防水栓53の円筒部分を介して電線21の外周に固定する。雌端子19に電気的に接続された電線21は、電線挿通孔45から外部へ導出される。
相手ハウジング25の下面には、係合部55が形成される。係合部55は、係合爪57を有する。係合部55は、相手ハウジング25の下面に形成された係合溝59に挿入されたステー61の係合孔63に係合爪57を係止して、相手ハウジング25とステー61とを固定する。ステー61は、例えば車両のボディパネルに固定される。従って、本第1実施形態では、相手ハウジング25がステー61を介して車体に固定される。これにより、ジョイントコネクタ11は、嵌合した相手ハウジング25を介して車体に支持されることになる。
本第1実施形態に係るジョイントコネクタ11は、アウターハウジング65と、第2嵌合空間67と、インナーハウジング69と、パッキン71とを主要な構成として有する。
図2及び図3に示すように、アウターハウジング65は、相手コネクタ15の嵌合内筒部33と嵌合する第1嵌合空間73を有する。この第1嵌合空間73は、アウターハウジング65の嵌合方向前側に設けられる嵌合フード部35の内側に形成される。嵌合フード部35の上面には、相手ハウジング25の上面に設けられたアーム側ロック部29にロックするロック突起75が突設される。ロック突起75は、相手ハウジング25とアウターハウジング65との嵌合時、アーム側ロック部29にロックして相手ハウジング25とアウターハウジング65とを嵌合状態でロック(抜け止め)する。
また、アウターハウジング65の上面には、ロック突起75を挟む両側に、アウターハウジング65の嵌合方向に延在する一対の平行なガイドレール77が突設される。ガイドレール77は、相手ハウジング25の上面に形成された一対の平行なガイド部79に挿入される。ガイドレール77は、相手ハウジング25とアウターハウジング65との嵌合を案内するとともに、上下逆方向の誤嵌合を規制する。アウターハウジング65は、アウターハウジング65の嵌合方向後側に、嵌合フード部35に連なる角筒状のインナーハウジング装着部81が形成される。
図4は、図3に示したジョイントコネクタ11の分解斜視図である。
図4に示すように、インナーハウジング装着部81には、インナーハウジング69が装着される。インナーハウジング装着部81は、相手コネクタ15の挿入側と反対側に開口する装着口83(図2参照)を有する。図2に示すように、インナーハウジング装着部81の内方には、第1嵌合空間73に連通する第2嵌合空間67が形成される。第2嵌合空間67は、第1嵌合空間73の反対側が装着口83となって開口する。第2嵌合空間67と第1嵌合空間73との間には、双方の空間を仕切る隔壁85(図2参照)が形成されている。インナーハウジング69は、装着口83からインナーハウジング装着部81の第2嵌合空間67に装着される。インナーハウジング69の両側の側面には、係止枠部87が外側に張り出して形成される。係止枠部87は、インナーハウジング装着部81の両側の側面に突設された係止突起89に係止することにより、インナーハウジング装着部81からのインナーハウジング69の後抜けを規制する。
インナーハウジング69は、複数の雄端子17を連結した連結部23が圧入される保持部91(図2参照)を有する。より具体的には、連結部23は、保持部91に設けられた圧入溝93に保持される(図2参照)。
本第1実施形態において、複数(4個)の雄端子17と連結部23とは、1つのバスバ95を構成する。インナーハウジング69には、2つのバスバ95が上下二段で保持される。バスバ95は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等からなる導電性金属板からなるもので、プレス加工等によって形成される。バスバ95の複数の雄端子17は、断面視矩形状の棒状に形成され、帯状に形成された連結部23に一体に形成される。これらの雄端子17は、連結部23から同一方向へ突出し、互いに間隔をあけて並列に配置される。
上下二段の圧入溝93に保持された2つのバスバ95から突出するそれぞれの雄端子17は、フェライト97(磁性体)を貫通する。フェライト97は、磁性材料からなり、縦長の正面視矩形状に形成される。フェライト97には、雄端子17の貫通する貫通孔99が穿設される。本実施形態において、雄端子17は、上下一対が1つのフェライト97を貫通する。従って、フェライト97は、4つに分かれて設けられている。それぞれのフェライト97には、上下一対の貫通孔99が設けられている。
インナーハウジング69は、フェライト97を挟持して保持するための一対の保持アーム101が、それぞれのフェライト97に応じて上下で対向させて設けられている。保持アーム101は、インナーハウジング69の内外に通じる保持アーム成形孔103により成形される。従って、インナーハウジング69には、上面に4つ、下面に4つの合計8つとなる保持アーム成形孔103が開口する。
雄端子17は、インナーハウジング69にフェライト97と連結部23が保持された状態で、フェライト97の貫通孔99の中心に位置決めされる。保持アーム101は、雄端子17を貫通させたフェライト97を保持する。雄端子17は、インナーハウジング69がアウターハウジング65の第2嵌合空間67に嵌合された状態で、フェライト97の貫通孔99、及びアウターハウジング65の隔壁85に穿設された挿通孔105を貫通して、第1嵌合空間73に突出する。すなわち、インナーハウジング69は、装着口83から第2嵌合空間67に装着されることにより、フェライト97を貫通した雄端子17を、第1嵌合空間73に突出させる。
インナーハウジング69の外周面には、環状のパッキン71が装着される。パッキン71は、第2嵌合空間67の内周面とインナーハウジング69の外周面との間を水密に塞ぐ。本第1実施形態において、パッキン71は、保持アーム成形孔103よりもインナーハウジング69の装着方向後側のパッキン装着溝107に装着される。
次に、上記した第1実施形態に係る構成の作用を説明する。
本実施形態に係るジョイントコネクタ11では、アウターハウジング65に、相手コネクタ15の挿入される第1嵌合空間73が設けられる。また、アウターハウジング65には、この第1嵌合空間73に連通し、相手コネクタ15の挿入側と反対側に開口する装着口83を有した第2嵌合空間67が設けられる。第2嵌合空間67には、インナーハウジング69が、装着口83から挿入されて装着される。つまり、アウターハウジング65は、相手コネクタ15の挿入側と反対側からインナーハウジング69が装着される。
インナーハウジング69は、雄端子17とフェライト97を保持する。複数の雄端子17は、例えばピン状やタブ状に形成されて長手方向の基端部同士が連結部23により連結される。連結部23は、インナーハウジング69に形成された保持部91に圧入される。これにより、複数の雄端子17は、基端が保持部91に固定されてインナーハウジング69から平行に突出する。それぞれの雄端子17は、フェライト97を貫通する。インナーハウジング69には、フェライト97を保持する保持アーム101が形成される。従って、インナーハウジング69は、連結部23を介して複数の雄端子17が突出した状態で固定するとともに、これら雄端子17が貫通したフェライト97を保持アーム101により保持している。
インナーハウジング69の外周面には、環状のパッキン71が装着される。インナーハウジング69は、アウターハウジング65の第2嵌合空間67に装着口83から装着されると、パッキン71の外周が、第2嵌合空間67の内周面に密接する。これにより、パッキン71は、インナーハウジング69の外周面と、第2嵌合空間67の内周面との間を水密にシールする。
パッキン71は、インナーハウジング69の外周面と、第2嵌合空間67の内周面との間に形成される環状の間隙に、圧縮される方向に弾性変形して配置される。このため、アウターハウジング65とインナーハウジング69とは、間隙にパッキン71が介在していない場合に比べ、間隙に圧縮変形されたパッキン71が介在することにより、相対的な変位が生じにくくなる。つまり、パッキン71は、アウターハウジング65とインナーハウジング69との相対変位を抑制する緩衝材としての作用を有する。
これにより、車両の走行時等の振動により、軸方向(雄端子17の長手方向)、及び軸方向に対して直交する直交方向(間隙の増減方向)で、インナーハウジング69とアウターハウジング65が相対的にガタ付こうとしても、パッキン71が介在していることにより、ガタ付きは抑制される。その結果、雌端子19と雄端子17との電気的接点における微摺動摩耗を抑制でき、電気的接続信頼性の低下を抑制できる。
また、第1嵌合空間73に相手コネクタ15が嵌合したジョイントコネクタ11は、相手コネクタ15が係合部55を有する。相手コネクタ15の係合部55は、車両に固定されているステー61に係合される。相手コネクタ15にアウターハウジング65が嵌合したジョイントコネクタ11は、相手コネクタ15のステー61を介して車両に保持固定されることになる。
図5は、相手コネクタ15を固定した時の熱膨張時の動きを説明する作用図である。
ここで、ジョイントコネクタ11は、エンジン等の熱により熱膨張の生じる場合がある。ジョイントコネクタ11は、ステー61を介して相手コネクタ15が車両に固定されている。そこで、ジョイントコネクタ11は、図5に示すように、相手コネクタ15に接続されている電線21に張力が加わっている場合、熱膨張が生じると、雌端子19が、通常位置P1より電線21に引っ張られる方向aに動く。この際、雌端子19と、雄端子17とは、ジョイントコネクタ11(アウターハウジング65及びインナーハウジング69)が電線21に引っ張られる方向aに追従(図5の略一点鎖線の位置まで移動)することにより接点の摩耗が抑制される。
すなわち、アウターハウジング65は、相手コネクタ15とアウターハウジング65とがアーム部27を介して嵌合ロックされた状態で、相手コネクタ15の変位に応じて、軸方向に微小距離で追従が可能となってロックされている。従って、雌端子19と雄端子17とは、軸方向で相対摺動しにくくなっている。これにより、相手コネクタ15を介して車両に固定されたジョイントコネクタ11は、熱膨張時においても、雌端子19と雄端子17との電気的接点における軸方向の相対変位による微摺動摩耗を抑制でき、これによっても電気的接続信頼性の低下を抑制できるように構成されている。
これに加え、図5に示すように、ジョイントコネクタ11は、パッキン71が、第2嵌合空間67の内周面とインナーハウジング69の外周面との間を水密に塞ぐので、従来、非防水であった構造に、防水機能を付与することができる。その結果、雄端子17やフェライト97を水Wや振動からより確実に保護することができる。
更に、ジョイントコネクタ11は、アウターハウジング65とインナーハウジング69とのガタ付きがパッキン71により抑制されるので、組付け部材同士が当たる異音の発生を抑制できる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係るジョイントコネクタ109を有する防水ジョイントコネクタ111の縦面図である。なお、本第2実施形態においては上記第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る防水ジョイントコネクタ111は、相手コネクタ113が、第1実施形態の相手コネクタ15における係合部55を有していない。防水ジョイントコネクタ111は、相手コネクタ113の嵌合するジョイントコネクタ109が、予めワイヤハーネス115に粘着テープ117によって固定される。防水ジョイントコネクタ111は、車両にワイヤハーネス115を配索するだけでよく、第1実施形態のように、ジョイントコネクタ11に嵌合する相手コネクタ15を、ステー61に係合する必要がない。つまり車両にステー61を設けずに固定が可能となる。
図7は、ジョイントコネクタ109を固定した時の熱膨張時の動きを説明する作用図である。
上記のように、本第2実施形態に係るジョイントコネクタ109では、相手コネクタ113が車両に固定されず、アウターハウジング119がワイヤハーネス115に固定される。この場合、アウターハウジング119は、例えば粘着テープ117のテープ巻きによりワイヤハーネス115の幹線に固定される。そこで、ジョイントコネクタ109は、図7に示すように、相手コネクタ113に接続されている電線21に張力が加わっている場合、熱膨張が生じると、雌端子19が、通常位置P1より電線21に引っ張られる方向aに動く。この際、雌端子19と雄端子17とは、パッキン71が撓み、アウターハウジング119に対してインナーハウジング121が軸方向に追従(図7の略一点鎖線の位置まで移動)する。これによって、ジョイントコネクタ109は、雌端子19と雄端子17との電気的接点における軸方向の相対変位による微摺動摩耗を抑制でき、電気的接続信頼性の低下を抑制できるようになされている。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る第3実施形態を説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係るジョイントコネクタ123を有する防水ジョイントコネクタ125の斜視図である。図9及び図10は、図8に示した防水ジョイントコネクタ125の縦断面図及び分解斜視図である。図11及び図12は、図10に示したジョイントコネクタ123の縦断面図及び分解斜視図である。なお、本第3実施形態においては上記第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る防水ジョイントコネクタ125は、ジョイントコネクタ123のインナーハウジング127にフロントカバー129(図12参照)が取り付けられる点が第1実施形態と異なる。
ジョイントコネクタ123と嵌合する相手コネクタ131は、相手ハウジング133の上面にロック突起75を有する。従って、防水ジョイントコネクタ125では、相手ハウジング133のロック突起75にロックするアーム部27が、ジョイントコネクタ123のアウターハウジング135に設けられている。相手ハウジング133の上面には、ロック突起75を挟む両側に、相手ハウジング133の嵌合方向に延在する一対の平行なガイドレール77が突設される。ガイドレール77は、アウターハウジング135の上面に形成された一対の平行なガイド部79に挿入される。ガイドレール77とガイド部79の作用は、第1実施形態のジョイントコネクタ11と同様である。
図9及び図10に示すように、ジョイントコネクタ123は、アウターハウジング135に、相手ハウジング133を嵌合する第1嵌合空間73を有する。アウターハウジング135は、第1嵌合空間73と反対側が第2嵌合空間67となる。本第3実施形態において、アウターハウジング135は、第1嵌合空間73と第2嵌合空間67との間に、隔壁85を有していない。従って、第2嵌合空間67に装着されたインナーハウジング127は、雄端子17が第1実施形態や第2実施形態における隔壁85を貫通することなく、直接、第1嵌合空間73に突出する。インナーハウジング127は、アウターハウジング135の後端外周部137に外嵌する係合フランジ139を有する。
図11に示すように、ジョイントコネクタ123は、相手ハウジング133と嵌合する前に、予めインナーハウジング127がアウターハウジング135の後端外周部137に装着されて、雄端子17が第1嵌合空間73に配置される。係合フランジ139の上面及び下面には、横方向に離間して一対の係合貫通孔141(図10参照)が形成される。
図12に示すように、アウターハウジング135は、後端外周部137の上面及び下面に、横方向に離間して一対の係合凸部143が形成される。インナーハウジング127は、アウターハウジング135の後端外周部137に係合フランジ139が外挿され、係合貫通孔141に係合凸部143が係合することにより、後端外周部137からの後抜けが規制されて、アウターハウジング135に装着される。アウターハウジング135は、後端外周部137の内側が第2嵌合空間67となる。
図11に示すように、ジョイントコネクタ123は、第2嵌合空間67に装着されたインナーハウジング127及びこのインナーハウジング127の外周面に装着されたパッキン71からなる装着方向先端部145(図12参照)が、第1嵌合空間73に突出して配置される。第1嵌合空間73に挿入された相手コネクタ15の防水フード部147は、この装着方向先端部145の外周に嵌合することとなる。従って、ジョイントコネクタ123では、パッキン71がインナーハウジング127の外周面と防水フード部147のフード内周面との間を水密に塞ぐ。
図12に示すように、ジョイントコネクタ123は、保持アーム101が、インナーハウジング127の外周面に開口する保持アーム成形孔103を設けることで成形される。保持アーム101は、インナーハウジング127の内方に突出する。インナーハウジング127の内方で保持アーム101に保持されたフェライト97は、雄端子17を貫通させてインナーハウジング127に装着されたフロントカバー129と、インナーハウジング127とにより覆われる。
インナーハウジング127の両側の側面には、ロック凹部149が形成される。ロック凹部149は、フロントカバー129の両側部で係合フランジ139に向かって突出するロック片151と係合する。また、フロントカバー129には、それぞれの雄端子17を挿通する複数の端子挿通孔153が穿設される。これにより、フロントカバー129は、インナーハウジング127の前面に、雄端子17を貫通させて装着される。
本第3実施形態において、ジョイントコネクタ123は、パッキン71が、保持アーム成形孔103を塞いで(図11参照)、インナーハウジング127の外周面に装着される。
図13は、図12に示したインナーハウジング127の分解斜視図である。
図13に示すように、インナーハウジング127は、バスバ95の挿入側に上下二段の保持部91が形成される。保持部91は、インナーハウジング127の横方向に長い上下二段の圧入溝93を有する(図11参照)。圧入溝93には、溝内に突出する小さい押圧リブ155(図15参照)が突設される。バスバ95は、連結部23が、押圧リブ155を塑性変形させて圧入溝93に圧入されることにより、雄端子17が植設された状態に固定される。この雄端子17に貫通されたフェライト97は、保持アーム成形孔103によって形成された保持アーム101に、上下から挟まれてインナーハウジング127の前面側に固定される。ジョイントコネクタ123では、フェライト97の前面に更にフロントカバー129が取り付けられることにより、これら連結部23やフェライト97が覆われるようになっている。
次に、ジョイントコネクタ123の組立手順を説明する。
図14は、インナーハウジング127の組立手順を表す工程図である。図15(a)は、連結部23が圧入される保持部91の圧入前を要部拡大図と共に示した正面図、(b)は連結部23が圧入される保持部91の圧入後を要部拡大図と共に示した正面図である。
図14に示すように、ジョイントコネクタ123を組み立てるには、先ず、バスバ95の連結部23をインナーハウジング127の保持部91に圧入する。圧入は、上下一対のバスバ95を、上段の圧入溝93と、下段の圧入溝93のそれぞれに圧入して行う。
バスバ95の連結部23が圧入される圧入溝93には、図15の(a),(b)に示すように、連結部23の上下面の少なくとも一方に当接する押圧リブ155が、圧入溝93に向かって突設される。圧入溝93に圧入されたバスバ95の連結部23は、連結部23が押圧リブ155を変形して圧入される。これにより、バスバ95は、連結部23が保持部91に固定され、雄端子17がインナーハウジング127の前面から突出した状態に保持される。
次いで、インナーハウジング127の前面に、フェライト97が装着される。フェライト97は、貫通孔99に、雄端子17が挿通される。雄端子17が貫通したフェライト97は、インナーハウジング127の上下で対になった保持アーム101により保持される(図11参照)。
次いで、インナーハウジング127に、フロントカバー129を装着する。
図16は、フロントカバー129が固定される前のインナーハウジング127の分解斜視図である。
図16に示すように、フロントカバー129は、両側に設けられたロック片151を、インナーハウジング127の両側に設けられたロック凹部149に係止してインナーハウジング127の前面に固定する。この際、フロントカバー129は、それぞれの端子挿通孔153に、雄端子17が挿通される。これにより、バスバ95の連結部23及びフェライト97は、インナーハウジング127とフロントカバー129とにより覆われる。
図17は、アウターハウジング135の組立手順を表す工程図である。
次いで、インナーハウジング127の外周面にパッキン71を装着する。図17に示すように、パッキン71は、保持アーム成形孔103を塞ぐようにしてインナーハウジング127の外周面に装着される。
次いで、パッキン71が装着されたインナーハウジング127と、アウターハウジング135とを組み付ける。アウターハウジング135は、第2嵌合空間67の装着口83からインナーハウジング127を組み入れる。
図18(a)はアウターハウジング135と装着前のインナーハウジング127とを斜め上方より見た分解斜視図、(b)はアウターハウジング135と装着前のインナーハウジング127とを斜め下方より見た分解斜視図である。
図18に示すように、アウターハウジング135の装着口83からインナーハウジング127を組み込むと、インナーハウジング127の係合貫通孔141に、アウターハウジング135の係合凸部143が係合する。ジョイントコネクタ123は、アウターハウジング135の第2嵌合空間67に、インナーハウジング127が装着された状態で固定される。これにより、ジョイントコネクタ123の組立が完了する。
アウターハウジング135の第2嵌合空間67に装着されたインナーハウジング127は、アウターハウジング135の第1嵌合空間73に、装着方向先端部145が配置される。この装着方向先端部145には、第1嵌合空間73に挿入された相手ハウジング133が嵌合する。その結果、防水ジョイントコネクタ125では、1つのパッキン71により、アウターハウジング135とインナーハウジング127との間、ジョイントコネクタ123と相手ハウジング133との間を、水密に塞ぐことが可能となる。
次に、上記した第3実施形態に係る構成の作用を説明する。
本第3実施形態に係るジョイントコネクタ123では、インナーハウジング127の外周面にパッキン71が装着された状態で、これらインナーハウジング127及びパッキン71の装着方向先端部145が第1嵌合空間73に突出して配置される。すなわち、第1嵌合空間73に配置されたインナーハウジング127及びパッキン71の装着方向先端部145は、第1嵌合空間73に挿入される相手コネクタ15が嵌合する被嵌合部となる。相手コネクタ15は、挿入方向の先端に突出する防水フード部147が、第1嵌合空間73に挿入されて、インナーハウジング127及びパッキン71の装着方向先端部145に外嵌される。その際、防水フード部147の内周面とインナーハウジング127の外周面との間は、インナーハウジング127の外周面に装着されたパッキン71により水密に塞がれる。
本第3実施形態のジョイントコネクタ123では、インナーハウジング127がアウターハウジング135の第2嵌合空間67に嵌合された状態において、パッキン71が、インナーハウジング127とアウターハウジング135の間に防水機能を付与する。これと同時に、ジョイントコネクタ123は、相手コネクタ131が嵌合された状態において、第1嵌合空間73に配置された装着方向先端部145のパッキン71が、相手コネクタ15の防水フード部147によって圧縮される。これにより、ジョイントコネクタ123のアウターハウジング135と、相手コネクタ131の防水フード部147との間にも防水機能を付与する。つまり、本第3実施形態のジョイントコネクタ123は、1つのパッキン71により、インナーハウジング127とアウターハウジング135との間、及びジョイントコネクタ123と相手コネクタ131との間に防水機能を付与することができる。
従って、本第3実施形態のジョイントコネクタ123によれば、インナーハウジング127とアウターハウジング135との間、インナーハウジング127と防水フード部147との間を、共通の一部品であるパッキン71により防水でき、パッキン71の部品点数を削減することができる。
また、第1嵌合空間73と第2嵌合空間67とをほぼ同一内径の断面形状で連通して形成できるので、第1嵌合空間73と第2嵌合空間67とを仕切る隔壁85が不要となる。これにより、本第3実施形態のジョイントコネクタ123では、隔壁85を省略できる分、軸方向の長さを短縮でき、小型化、軽量化が可能となる。
また、本第3実施形態のジョイントコネクタ123は、アウターハウジング135がほぼ筒状に形成され、第1嵌合空間73と第2嵌合空間67とを仕切る隔壁85を有していない。従って、雄端子17及びフェライト97が装着されたインナーハウジング127は、第1嵌合空間73に装着するのみで、雄端子17を第1嵌合空間73に突出させて配置できる。これにより、第1嵌合空間73の奥側に設けられた隔壁85の挿通孔105を狙って雄端子17を挿通する作業が不要となり、インナーハウジング127の組付作業を容易にすることができる。
また、本第3実施形態のジョイントコネクタ123では、フェライト97が、インナーハウジング127とフロントカバー129とにより覆われた状態となる。これにより、例えば、インナーハウジング127をアウターハウジング135に嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時に、フェライト97が収容された空間にゴミ等が入り込むことを抑制(保持アーム成形孔103があるため完全に防止できない)できる。また、例えば、インナーハウジング127がアウターハウジング135に嵌合されたジョイントコネクタ123を、相手コネクタ131と嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時にも、フェライト97が収容された空間にゴミ等が入り込むことを抑制できる。
更に、本第3実施形態のジョイントコネクタ123では、パッキン71が、保持アーム101を成形するための保持アーム成形孔103を塞ぐようにしてインナーハウジング127の外周面に位置している。このため、フェライト97は、インナーハウジング127とフロントカバー129、及びパッキン71により、完全に覆われた状態となっている。これにより、例えば、インナーハウジング127をアウターハウジング135と嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時に、フェライト97が収容された空間にゴミ等が入り込むことを防止できる。また、例えば、インナーハウジング127がアウターハウジング135に嵌合されたジョイントコネクタ123を、相手コネクタ131と嵌合させるまでの搬送時や取り扱い時にも、フェライト97が収容された空間にゴミ等が入り込むことを防止できる。
従って、上記各実施形態に係るジョイントコネクタ11、ジョイントコネクタ109及びジョイントコネクタ123によれば、雌端子19と雄端子17との微摺動摩耗を抑制し、電気的接続信頼性の低下を抑制できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
ここで、上述した本発明に係るジョイントコネクタの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[4]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 相手コネクタ(15,131)が挿入される第1嵌合空間(73)を有するアウターハウジング(65,135)と、
前記アウターハウジング(65,135)に設けられ、前記第1嵌合空間(73)に連通して前記アウターハウジング(65,135)における前記相手コネクタ(15,131)の挿入側と反対側に開口する装着口(83)を有した第2嵌合空間(67)と、
複数の端子(雄端子17)を連結した連結部(23)が圧入される保持部(91)を有するとともに、前記端子(雄端子17)を貫通させたフェライト(97)を保持する保持アーム(101)を有し、前記フェライト(97)を貫通した前記端子(雄端子17)を前記第1嵌合空間(73)に突出させて前記装着口(83)から前記第2嵌合空間(67)に装着されるインナーハウジング(69,127)と、
前記インナーハウジング(69,127)の外周面に装着され、前記第2嵌合空間(67)の内周面と前記インナーハウジング(69,127)の外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキン(71)と、
を備えることを特徴とするジョイントコネクタ(11,123)。
[2] 前記第2嵌合空間(67)に装着された前記インナーハウジング(127)及び前記インナーハウジング(127)の外周面に装着された前記パッキン(71)の装着方向先端部(145)が、前記第1嵌合空間(73)に突出して配置され、
前記第1嵌合空間(73)に挿入された前記相手コネクタ(131)の防水フード部(147)が、前記装着方向先端部(145)に嵌合し、
前記パッキン(71)が、前記インナーハウジング(127)の外周面と前記防水フード部(147)のフード内周面との間を水密に塞ぐことを特徴とする上記[1]に記載のジョイントコネクタ(123)。
[3] 前記保持アーム(101)が、前記インナーハウジング(127)の外周面に開口する保持アーム成形孔(103)を設けることで成形されて前記インナーハウジング(127)の内方に突出し、
前記インナーハウジング(127)の内方で前記保持アーム(101)に保持された前記フェライト(97)が、前記端子(雄端子17)を貫通させて前記インナーハウジング(127)に装着されたフロントカバー(129)と、前記インナーハウジング(127)とにより覆われることを特徴とする上記[2]に記載のジョイントコネクタ(123)。
[4] 前記パッキン(71)が、前記保持アーム成形孔(103)を塞いで前記インナーハウジング(127)の外周面に装着されることを特徴とする上記[3]に記載のジョイントコネクタ(123)。
11…ジョイントコネクタ
15…相手コネクタ
17…雄端子(端子)
23…連結部
65…アウターハウジング
67…第2嵌合空間
69…インナーハウジング
71…パッキン
73…第1嵌合空間
83…装着口
91…保持部
97…フェライト
101…保持アーム
103…保持アーム成形孔

Claims (4)

  1. 相手コネクタが挿入される第1嵌合空間を有するアウターハウジングと、
    前記アウターハウジングに設けられ、前記第1嵌合空間に連通して前記アウターハウジングにおける前記相手コネクタの挿入側と反対側に開口する装着口を有した第2嵌合空間と、
    複数の端子を連結した連結部が圧入される保持部を有するとともに、前記端子を貫通させたフェライトを保持する保持アームを有し、前記フェライトを貫通した前記端子を前記第1嵌合空間に突出させて前記装着口から前記第2嵌合空間に装着されるインナーハウジングと、
    前記インナーハウジングの外周面に装着され、前記第2嵌合空間の内周面と前記インナーハウジングの外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキンと、
    を備えることを特徴とするジョイントコネクタ。
  2. 前記第2嵌合空間に装着された前記インナーハウジング及び前記インナーハウジングの外周面に装着された前記パッキンの装着方向先端部が、前記第1嵌合空間に突出して配置され、
    前記第1嵌合空間に挿入された前記相手コネクタの防水フード部が、前記装着方向先端部に嵌合し、
    前記パッキンが、前記インナーハウジングの外周面と前記防水フード部のフード内周面との間を水密に塞ぐことを特徴とする請求項1に記載のジョイントコネクタ。
  3. 前記保持アームが、前記インナーハウジングの外周面に開口する保持アーム成形孔を設けることで成形されて前記インナーハウジングの内方に突出し、
    前記インナーハウジングの内方で前記保持アームに保持された前記フェライトが、前記端子を貫通させて前記インナーハウジングに装着されたフロントカバーと、前記インナーハウジングとにより覆われることを特徴とする請求項2に記載のジョイントコネクタ。
  4. 前記パッキンが、前記保持アーム成形孔を塞いで前記インナーハウジングの外周面に装着されることを特徴とする請求項3に記載のジョイントコネクタ。
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