JP2021101418A - ジョイントコネクタ - Google Patents
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Abstract
Description
(1) 相手コネクタが挿入される第1嵌合空間を有するアウターハウジングと、前記アウターハウジングに設けられ、前記第1嵌合空間に連通して前記アウターハウジングにおける前記相手コネクタの挿入側と反対側に開口する装着口を有した第2嵌合空間と、複数の端子を連結した連結部が圧入される保持部を有するとともに、前記端子を貫通させたフェライトを保持する保持アームを有し、前記フェライトを貫通した前記端子を前記第1嵌合空間に突出させて前記装着口から前記第2嵌合空間に装着されるインナーハウジングと、前記インナーハウジングの外周面に装着され、前記第2嵌合空間の内周面と前記インナーハウジングの外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキンと、を備えることを特徴とするジョイントコネクタ。
インナーハウジングは、端子とフェライトを保持する。複数の端子は、例えばピン状やタブ状に形成されて長手方向の基端部同士が連結部により連結される。連結部は、インナーハウジングに形成された保持部に圧入される。これにより、複数の端子は、基端が保持部に固定されてインナーハウジングから平行に突出する。それぞれの端子は、フェライトを貫通する。インナーハウジングには、フェライトを保持する保持アームが形成される。従って、インナーハウジングは、連結部を介して複数の端子が突出した状態で固定するとともに、これら端子が貫通したフェライトを保持アームにより保持している。
インナーハウジングの外周面には、環状のパッキンが装着される。インナーハウジングは、アウターハウジングの第2嵌合空間に装着口から装着されると、パッキンの外周が、第2嵌合空間の内周面に密接する。これにより、パッキンは、インナーハウジングの外周面と、第2嵌合空間の内周面との間を水密にシールする。
パッキンは、インナーハウジングの外周面と、第2嵌合空間の内周面との間に形成される環状の間隙に、圧縮される方向に弾性変形して配置される。このため、アウターハウジングとインナーハウジングとは、間隙にパッキンが介在していない場合に比べ、間隙に圧縮変形されたパッキンが介在することにより、相対的な変位が生じにくくなる。つまり、パッキンは、アウターハウジングとインナーハウジングとの相対変位を抑制する緩衝材としての作用を有する。
これにより、車両の走行時等の振動により、軸方向(端子の長手方向)、及び軸方向に対して直交する直交方向(間隙の増減方向)で、インナーハウジングとアウターハウジングが相対的にガタ付こうとしても、パッキンが介在していることにより、ガタ付きは抑制される。その結果、相手端子と端子との電気的接点における微摺動摩耗を抑制でき、電気的接続信頼性の低下を抑制できる。
これに加え、ジョイントコネクタは、パッキンが、第2嵌合空間の内周面とインナーハウジングの外周面との間を水密に塞ぐので、従来、非防水であった構造に、防水機能を付与することができる。その結果、端子やフェライトを水や振動からより確実に保護することができる。
上記(2)の構成のジョイントコネクタでは、インナーハウジングがアウターハウジングの第2嵌合空間に嵌合された状態において、パッキンが、インナーハウジングとアウターハウジングの間に防水機能を付与する。これと同時に、ジョイントコネクタは、相手コネクタが嵌合された状態において、第1嵌合空間に配置された装着方向先端部のパッキンが、相手コネクタの防水フード部によって圧縮される。これにより、ジョイントコネクタのアウターハウジングと、相手コネクタの防水フード部との間にも防水機能を付与する。つまり、本構成のジョイントコネクタは、1つのパッキンにより、インナーハウジングとアウターハウジングとの間、及びジョイントコネクタと相手コネクタとの間に防水機能を付与することができる。
従って、上記(2)の構成のジョイントコネクタによれば、インナーハウジングとアウターハウジングとの間、インナーハウジングと防水フード部との間を、共通の一部品であるパッキンにより防水でき、パッキンの部品点数を削減することができる。
また、第1嵌合空間と第2嵌合空間とをほぼ同一内径の断面形状で連通して形成できるので、第1嵌合空間と第2嵌合空間とを仕切る隔壁が不要となる。これにより、本構成のジョイントコネクタによれば、隔壁を省略できる分、軸方向の長さを短縮でき、小型化、軽量化が容易となる。
また、上記(2)の構成のジョイントコネクタは、アウターハウジングがほぼ筒状に形成され、第1嵌合空間と第2嵌合空間とを仕切る隔壁を有していない。従って、端子及びフェライトが装着されたインナーハウジングは、第1嵌合空間に装着するのみで、端子を第1嵌合空間に突出させて配置できる。これにより、第1嵌合空間の奥側に設けられた隔壁の挿通孔を狙って端子を挿通する作業が不要となり、インナーハウジングの組付作業を容易にすることができる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るジョイントコネクタ11を有する防水ジョイントコネクタ13の斜視図である。図2は、図1に示した防水ジョイントコネクタ13の縦断面図である。図3は、図1に示したジョイントコネクタ11の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、本第1実施形態に係るジョイントコネクタ11は、相手コネクタ15と一体に嵌合されることにより、防水ジョイントコネクタ13を構成する。以下の各実施形態において、ジョイントコネクタ11は、端子である雄端子17(図2参照)を有した雄コネクタを例に説明する。従って、以下の各実施形態において、相手コネクタ15は、相手端子である雌端子19(図2参照)を有した雌コネクタを例に説明する。
雌端子19は、芯線加締め片49を電線21の導体に固定し、被覆加締め片51を防水栓53の円筒部分を介して電線21の外周に固定する。雌端子19に電気的に接続された電線21は、電線挿通孔45から外部へ導出される。
図4に示すように、インナーハウジング装着部81には、インナーハウジング69が装着される。インナーハウジング装着部81は、相手コネクタ15の挿入側と反対側に開口する装着口83(図2参照)を有する。図2に示すように、インナーハウジング装着部81の内方には、第1嵌合空間73に連通する第2嵌合空間67が形成される。第2嵌合空間67は、第1嵌合空間73の反対側が装着口83となって開口する。第2嵌合空間67と第1嵌合空間73との間には、双方の空間を仕切る隔壁85(図2参照)が形成されている。インナーハウジング69は、装着口83からインナーハウジング装着部81の第2嵌合空間67に装着される。インナーハウジング69の両側の側面には、係止枠部87が外側に張り出して形成される。係止枠部87は、インナーハウジング装着部81の両側の側面に突設された係止突起89に係止することにより、インナーハウジング装着部81からのインナーハウジング69の後抜けを規制する。
本実施形態に係るジョイントコネクタ11では、アウターハウジング65に、相手コネクタ15の挿入される第1嵌合空間73が設けられる。また、アウターハウジング65には、この第1嵌合空間73に連通し、相手コネクタ15の挿入側と反対側に開口する装着口83を有した第2嵌合空間67が設けられる。第2嵌合空間67には、インナーハウジング69が、装着口83から挿入されて装着される。つまり、アウターハウジング65は、相手コネクタ15の挿入側と反対側からインナーハウジング69が装着される。
ここで、ジョイントコネクタ11は、エンジン等の熱により熱膨張の生じる場合がある。ジョイントコネクタ11は、ステー61を介して相手コネクタ15が車両に固定されている。そこで、ジョイントコネクタ11は、図5に示すように、相手コネクタ15に接続されている電線21に張力が加わっている場合、熱膨張が生じると、雌端子19が、通常位置P1より電線21に引っ張られる方向aに動く。この際、雌端子19と、雄端子17とは、ジョイントコネクタ11(アウターハウジング65及びインナーハウジング69)が電線21に引っ張られる方向aに追従(図5の略一点鎖線の位置まで移動)することにより接点の摩耗が抑制される。
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係るジョイントコネクタ109を有する防水ジョイントコネクタ111の縦面図である。なお、本第2実施形態においては上記第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第2実施形態に係る防水ジョイントコネクタ111は、相手コネクタ113が、第1実施形態の相手コネクタ15における係合部55を有していない。防水ジョイントコネクタ111は、相手コネクタ113の嵌合するジョイントコネクタ109が、予めワイヤハーネス115に粘着テープ117によって固定される。防水ジョイントコネクタ111は、車両にワイヤハーネス115を配索するだけでよく、第1実施形態のように、ジョイントコネクタ11に嵌合する相手コネクタ15を、ステー61に係合する必要がない。つまり車両にステー61を設けずに固定が可能となる。
上記のように、本第2実施形態に係るジョイントコネクタ109では、相手コネクタ113が車両に固定されず、アウターハウジング119がワイヤハーネス115に固定される。この場合、アウターハウジング119は、例えば粘着テープ117のテープ巻きによりワイヤハーネス115の幹線に固定される。そこで、ジョイントコネクタ109は、図7に示すように、相手コネクタ113に接続されている電線21に張力が加わっている場合、熱膨張が生じると、雌端子19が、通常位置P1より電線21に引っ張られる方向aに動く。この際、雌端子19と雄端子17とは、パッキン71が撓み、アウターハウジング119に対してインナーハウジング121が軸方向に追従(図7の略一点鎖線の位置まで移動)する。これによって、ジョイントコネクタ109は、雌端子19と雄端子17との電気的接点における軸方向の相対変位による微摺動摩耗を抑制でき、電気的接続信頼性の低下を抑制できるようになされている。
次に、本発明に係る第3実施形態を説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係るジョイントコネクタ123を有する防水ジョイントコネクタ125の斜視図である。図9及び図10は、図8に示した防水ジョイントコネクタ125の縦断面図及び分解斜視図である。図11及び図12は、図10に示したジョイントコネクタ123の縦断面図及び分解斜視図である。なお、本第3実施形態においては上記第1実施形態で示した部材・部位と同等の部材・部位には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
本第3実施形態に係る防水ジョイントコネクタ125は、ジョイントコネクタ123のインナーハウジング127にフロントカバー129(図12参照)が取り付けられる点が第1実施形態と異なる。
図13に示すように、インナーハウジング127は、バスバ95の挿入側に上下二段の保持部91が形成される。保持部91は、インナーハウジング127の横方向に長い上下二段の圧入溝93を有する(図11参照)。圧入溝93には、溝内に突出する小さい押圧リブ155(図15参照)が突設される。バスバ95は、連結部23が、押圧リブ155を塑性変形させて圧入溝93に圧入されることにより、雄端子17が植設された状態に固定される。この雄端子17に貫通されたフェライト97は、保持アーム成形孔103によって形成された保持アーム101に、上下から挟まれてインナーハウジング127の前面側に固定される。ジョイントコネクタ123では、フェライト97の前面に更にフロントカバー129が取り付けられることにより、これら連結部23やフェライト97が覆われるようになっている。
図14は、インナーハウジング127の組立手順を表す工程図である。図15(a)は、連結部23が圧入される保持部91の圧入前を要部拡大図と共に示した正面図、(b)は連結部23が圧入される保持部91の圧入後を要部拡大図と共に示した正面図である。
図16は、フロントカバー129が固定される前のインナーハウジング127の分解斜視図である。
図16に示すように、フロントカバー129は、両側に設けられたロック片151を、インナーハウジング127の両側に設けられたロック凹部149に係止してインナーハウジング127の前面に固定する。この際、フロントカバー129は、それぞれの端子挿通孔153に、雄端子17が挿通される。これにより、バスバ95の連結部23及びフェライト97は、インナーハウジング127とフロントカバー129とにより覆われる。
次いで、インナーハウジング127の外周面にパッキン71を装着する。図17に示すように、パッキン71は、保持アーム成形孔103を塞ぐようにしてインナーハウジング127の外周面に装着される。
図18に示すように、アウターハウジング135の装着口83からインナーハウジング127を組み込むと、インナーハウジング127の係合貫通孔141に、アウターハウジング135の係合凸部143が係合する。ジョイントコネクタ123は、アウターハウジング135の第2嵌合空間67に、インナーハウジング127が装着された状態で固定される。これにより、ジョイントコネクタ123の組立が完了する。
本第3実施形態に係るジョイントコネクタ123では、インナーハウジング127の外周面にパッキン71が装着された状態で、これらインナーハウジング127及びパッキン71の装着方向先端部145が第1嵌合空間73に突出して配置される。すなわち、第1嵌合空間73に配置されたインナーハウジング127及びパッキン71の装着方向先端部145は、第1嵌合空間73に挿入される相手コネクタ15が嵌合する被嵌合部となる。相手コネクタ15は、挿入方向の先端に突出する防水フード部147が、第1嵌合空間73に挿入されて、インナーハウジング127及びパッキン71の装着方向先端部145に外嵌される。その際、防水フード部147の内周面とインナーハウジング127の外周面との間は、インナーハウジング127の外周面に装着されたパッキン71により水密に塞がれる。
[1] 相手コネクタ(15,131)が挿入される第1嵌合空間(73)を有するアウターハウジング(65,135)と、
前記アウターハウジング(65,135)に設けられ、前記第1嵌合空間(73)に連通して前記アウターハウジング(65,135)における前記相手コネクタ(15,131)の挿入側と反対側に開口する装着口(83)を有した第2嵌合空間(67)と、
複数の端子(雄端子17)を連結した連結部(23)が圧入される保持部(91)を有するとともに、前記端子(雄端子17)を貫通させたフェライト(97)を保持する保持アーム(101)を有し、前記フェライト(97)を貫通した前記端子(雄端子17)を前記第1嵌合空間(73)に突出させて前記装着口(83)から前記第2嵌合空間(67)に装着されるインナーハウジング(69,127)と、
前記インナーハウジング(69,127)の外周面に装着され、前記第2嵌合空間(67)の内周面と前記インナーハウジング(69,127)の外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキン(71)と、
を備えることを特徴とするジョイントコネクタ(11,123)。
[2] 前記第2嵌合空間(67)に装着された前記インナーハウジング(127)及び前記インナーハウジング(127)の外周面に装着された前記パッキン(71)の装着方向先端部(145)が、前記第1嵌合空間(73)に突出して配置され、
前記第1嵌合空間(73)に挿入された前記相手コネクタ(131)の防水フード部(147)が、前記装着方向先端部(145)に嵌合し、
前記パッキン(71)が、前記インナーハウジング(127)の外周面と前記防水フード部(147)のフード内周面との間を水密に塞ぐことを特徴とする上記[1]に記載のジョイントコネクタ(123)。
[3] 前記保持アーム(101)が、前記インナーハウジング(127)の外周面に開口する保持アーム成形孔(103)を設けることで成形されて前記インナーハウジング(127)の内方に突出し、
前記インナーハウジング(127)の内方で前記保持アーム(101)に保持された前記フェライト(97)が、前記端子(雄端子17)を貫通させて前記インナーハウジング(127)に装着されたフロントカバー(129)と、前記インナーハウジング(127)とにより覆われることを特徴とする上記[2]に記載のジョイントコネクタ(123)。
[4] 前記パッキン(71)が、前記保持アーム成形孔(103)を塞いで前記インナーハウジング(127)の外周面に装着されることを特徴とする上記[3]に記載のジョイントコネクタ(123)。
15…相手コネクタ
17…雄端子(端子)
23…連結部
65…アウターハウジング
67…第2嵌合空間
69…インナーハウジング
71…パッキン
73…第1嵌合空間
83…装着口
91…保持部
97…フェライト
101…保持アーム
103…保持アーム成形孔
Claims (4)
- 相手コネクタが挿入される第1嵌合空間を有するアウターハウジングと、
前記アウターハウジングに設けられ、前記第1嵌合空間に連通して前記アウターハウジングにおける前記相手コネクタの挿入側と反対側に開口する装着口を有した第2嵌合空間と、
複数の端子を連結した連結部が圧入される保持部を有するとともに、前記端子を貫通させたフェライトを保持する保持アームを有し、前記フェライトを貫通した前記端子を前記第1嵌合空間に突出させて前記装着口から前記第2嵌合空間に装着されるインナーハウジングと、
前記インナーハウジングの外周面に装着され、前記第2嵌合空間の内周面と前記インナーハウジングの外周面との間を水密に塞ぐ環状のパッキンと、
を備えることを特徴とするジョイントコネクタ。 - 前記第2嵌合空間に装着された前記インナーハウジング及び前記インナーハウジングの外周面に装着された前記パッキンの装着方向先端部が、前記第1嵌合空間に突出して配置され、
前記第1嵌合空間に挿入された前記相手コネクタの防水フード部が、前記装着方向先端部に嵌合し、
前記パッキンが、前記インナーハウジングの外周面と前記防水フード部のフード内周面との間を水密に塞ぐことを特徴とする請求項1に記載のジョイントコネクタ。 - 前記保持アームが、前記インナーハウジングの外周面に開口する保持アーム成形孔を設けることで成形されて前記インナーハウジングの内方に突出し、
前記インナーハウジングの内方で前記保持アームに保持された前記フェライトが、前記端子を貫通させて前記インナーハウジングに装着されたフロントカバーと、前記インナーハウジングとにより覆われることを特徴とする請求項2に記載のジョイントコネクタ。 - 前記パッキンが、前記保持アーム成形孔を塞いで前記インナーハウジングの外周面に装着されることを特徴とする請求項3に記載のジョイントコネクタ。
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