JP2021101207A - 偏光光照射装置および偏光光照射方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、上記のような液晶表示素子の配向以外の分野において、偏光光を利用する新しい技術が考えられつつある。例えば、偏光光を照射すると、偏光の方向ごとに異なる光学的性質を生じる材料があり、この性質を利用した光学素子を作成することが試みられている(例えば、非特許文献1参照)。
上記の非特許文献1には、ある光学素子の一方の領域には右回り円偏光(RHC)にバーチャル像(仮想現実像)を載せて投影し、他方の領域には左回り円偏光(LHC)に現実像を載せて投影することより、仮想現実像と現実像を重ね合わせて表示する技術について開示されている。
しかしながら、このように、一つの材料(ワーク)の複数の領域に対して、それぞれ偏光軸の方向を変えて偏光光を照射することができる偏光光照射装置は、まだ提案されていない。
このように、ワークに照射する偏光光の偏光軸の方向と、当該ワークに照射する偏光光の位置とを変更することができるので、一つのワーク内の異なる領域に、異なる偏光軸を有する偏光光を照射することができる。
この場合、偏光板は一種類のみ準備しておけばよい。また、偏光板を回転させて偏光軸の方向を変更する構成であるため、変更の自由度が高い。さらに、偏光光照射装置は、一般にワークに対する偏光板の角度を調整するための回転機構を有するため、既存の機構を使用して偏光軸の方向を変更することができる。
この場合、光源部から放射される平行光が入射される偏光板を、偏光軸の方向が異なる偏光光を出射する別の偏光板に容易に切り替えることができる。
この場合、例えばロボットアーム等を用いて、光源部から放射される平行光が入射される偏光板を、偏光軸の方向が異なる偏光光を出射する別の偏光板に容易に交換することができる。
この場合、一つのワーク内の二つの領域に、偏光軸の方向が90°異なる偏光光を照射することができる。
この場合、例えばロボットアーム等を用いて、偏光板から出射される偏光光が入射されるマスクを、透光部および遮光部の位置が異なる別のマスクに容易に交換することができる。また、偏光光照射装置は、一般にマスクを交換するための交換機構を有するため、既存の機構を使用してワークに対する偏光光の照射位置を変更することができる。
この場合、偏光板から出射される偏光光が入射されるマスクを、透光部および遮光部の位置が異なる別のマスクに容易に切り替えることができる。
この場合、マスクは一種類のみ準備しておけばよい。例えば、ワーク内の領域の境界線が一直線状となるように二等分し、それぞれに対して偏光軸の方向を変えて偏光光を照射する場合、マスクを180°回転させればよい。
このように、ワークに照射する偏光光の偏光軸の方向と、当該ワークに照射する偏光光の位置とを変更することができるので、一つのワーク内の異なる領域に、異なる偏光軸を有する偏光光を照射することができる。
図1は、本実施形態の偏光光照射装置100の基本的な構成を示す図である。
偏光光照射装置100は、光源部10を備える。光源部10は、光源11と、リフレクタ12と、照射光学系13と、を備える。照射光学系13は、インテグレータレンズ13aと、平面ミラー13bと、コリメータレンズ13cと、を備える。
光源11は、例えばショートアーク型の放電ランプであり、発光管内にその管軸に沿って互いに対向するよう一対の電極(図示省略)が配置された構成を有する。
リフレクタ12は、光源11を取り囲むように配置された楕円集光鏡であり、光源11から放射された光を反射して集光する。
平面ミラー13bは、インテグレータレンズ13aから出射した光を、コリメータレンズ13cに向けて反射するミラーである。なお、インテグレータレンズ13aから出射される光を、直接コリメータレンズ13cに入射させる配置が可能であれば、平面ミラー13bを設ける必要はない。
なお、コリメータレンズ13cに代えて、コリメータミラーを用いることもできる。この場合、照射光学系13は、図2に示すように、インテグレータレンズ13aと、コリメータミラー13dと、を備える。コリメータミラー13dは、パラボラ状の反射面を有しており、焦点位置から広がって入射する光を平行光に変える。図2に示す構成の場合、リフレクタ12である楕円集光鏡と、パラボラミラーであるコリメータミラー13dとが、平行光形成部を構成する。
さらに、光源部10は、光源11を複数用いる多灯式とすることもできる。また、光源11は、図1に示す水平点灯に限定されるものではなく、垂直点灯させることもできる。
また、偏光光照射装置100は、マスクMとワークWとの間に投影レンズが配置された投影(プロジェクション)方式の偏光光照射装置であってもよい。
偏光板20は、入射した光を偏光光に変える偏光素子である。本実施形態において、偏光板20は、グリッド偏光素子により構成されている。グリッド偏光素子は、透明基板(例えば、ガラスまたは石英)の一面に、誘電体による多数の平行なグリッドが、一定の間隔で配置されて構成されたものである。偏光板20は、偏光板ホルダ(偏光板保持部)21により保持されている。
マスクMは、ワークWの予め設定された領域にのみ偏光光を照射できるように、透明基板上に透光部と遮光部とを含むパターンを形成したものである。マスクMは、マスクステージ(マスク保持部)22により保持されている。
ワークステージ23は、被処理物であるワーク(基板など)Wを保持する。ワークステージ23の表面には、ワークWを固定するために、例えば真空吸着溝が形成されている。
光源11から放射された光は、楕円集光鏡であるリフレクタ12により反射され集光される。リフレクタ12によって集光された光は、インテグレータレンズ13aに入射する。インテグレータレンズ13aから出射された光は、広がりながら平面ミラー13bに入射し、平面ミラー13bによって反射されてコリメータレンズ13cに入射する。コリメータレンズ13cに入射された光は、平行光となって出射され、偏光板20に入射する。偏光板20に入射された光は、偏光光となりマスクMに入射する。マスクMに入射された偏光光は、マスクMのパターンに合わせて、ワークステージ23上に保持されたワークWに照射される。
上述したように、マスクMは、ワークWの予め設定された領域にのみ偏光光を照射するためのものである。したがって、マスクMとワークWとは、偏光光を照射する前に位置合せが行われる。マスクMとワークWとの位置合わせについては詳述しないが、回路等のパターンをワークWに転写する露光装置に用いられている従来の手法を適用することができる。
また、偏光板20に関しても、入射される光が平行光である方が、出射する偏光光の特性、例えば消光比や偏光軸の軸ムラが良好なものになる。したがって、マスクMだけでなく、偏光板20もコリメータレンズ13cの光出射側に配置することが好ましい。
さらに、マスクMは、できるだけワークWに接近させて配置する方が、光を照射する領域と遮光する領域の境界線を、コントラスト高く明瞭にすることができる。したがって、マスクMは、偏光板20の光出射側であって、できるだけワークWに接近させて配置することが好ましい。
本実施形態では、図3に示すように、ワークW内を領域Aと領域Bの二つに分け、領域Aには、図3の上下方向に偏光軸を有する偏光光を照射し、領域Bには、図3の左右方向に偏光軸を有する偏光光を照射する場合について説明する。
二つの領域A、Bのそれぞれに、偏光軸の方向(偏光方向)が異なる偏光光を照射するためには、一つのワークWに対して、偏光光を照射する領域(位置)および照射する偏光光の偏光軸を変えて、二回の光照射を行う必要がある。
つまり、偏光光照射装置100は、ワークWに照射する偏光光の偏光軸の方向を変更する偏光方向変更部と、ワークWに照射する偏光光の位置を変更する照射位置変更部と、を備える。
また、上記の偏光方向変更部を実現するためには、偏光板20のグリッドの伸びる方向を90°変更すればよい。この方法としては、(3)出射される偏光光の偏光軸の方向が90°異なる二種類の偏光板20を準備して交換する方法と、(4)一枚の偏光板20を90°回転させる方法とが考えられる。
ただし、上記(2)の方法は、本実施形態のように、領域Aと領域Bとの境界線が一直線状となるようにワークWを二等分する場合にのみ採用することができる。
なお、マスクMは、透明基板上に遮光部を形成した部材であり、偏光板20は、透明基板上に微細なグリッドを形成した部材である。つまり、マスクMと偏光板20とは、透明基板を使用する平板という点で一致する。したがって、マスクMの交換機構および回転機構と、偏光板20の交換機構および回転機構とは、基本的に同じものを使用することができる。そのため、以下、偏光板20の交換機構および回転機構を例に説明する。
偏光板20の交換方法としては、(A)偏光板ホルダ21が偏光板20を一枚のみ保持するものであり、ワークWに照射する偏光光の照射領域を変える際に偏光板ホルダ21が保持する偏光板20を交換する方法と、(B)偏光板ホルダ21が偏光板20を複数枚(例えば二枚)保持可能であり、ワークWに照射する偏光光の照射領域を変える際に偏光板ホルダ21が光軸Cに直交する平面内でスライド移動して、光路内に配置する偏光板20を切り替える方法とがある。
以下、上記(A)の交換方法を「チェンジャー方式」、上記(B)の交換方法を「スライド方式」と呼ぶ。
この図6に示す偏光板チェンジャー機構30は、偏光板交換用ロボット31と、偏光板ストッカ32と、を備える。偏光板ストッカ32は、出射される偏光光の偏光軸の方向が異なる二種類の偏光板20a、20bを保管できる棚である。偏光板チェンジャー機構30は、偏光板ホルダ21が保持する偏光板を、偏光板20aから偏光板20bへ、またはその逆へ交換することができる。
このようにして、一つのワークW上の二つの領域A、Bに対して、それぞれ異なる偏光軸を有する偏光光を照射する。この偏光板チェンジャー機構30が偏光板交換部に対応し、偏光板チェンジャー機構30に対応するマスクチェンジャー機構がマスク交換部に対応している。
この図7に示すように、偏光板ホルダ21は、領域A照射用と領域B照射用の二種類の偏光板20a、20bを保持可能に構成されている。偏光板スライド機構40は、偏光板ホルダ21がスライド移動する方向に伸びるレール41と、偏光板ホルダ21に取り付けられた複数の車輪(ころ)42と、を備える。偏光板ホルダ21は、車輪42を介してレール41上に保持されている。また、偏光板スライド機構40は、複数の車輪42の少なくとも1つに取り付けられたモータ43を備える。このモータ43によって車輪42が回転し、車輪42が回転することにより、偏光板ホルダ21は、レール41上を図7の左右方向に往復移動する。
このようにして、一つのワークW上の二つの領域A、Bに対して、それぞれ異なる偏光軸を有する偏光光を照射する。
上記の偏光板スライド機構40が偏光板スライド移動部に対応し、偏光板スライド機構40に対応するマスクスライド機構がマスクスライド移動部に対応している。
図8は、偏光板20を回転させるための偏光板回転機構50の一例を示す図である。
この図8に示すように、偏光板ホルダ21は、ベースプレート21aと、ベースプレート21a上に回転自在に設けられた円形の回転台21bとを備える。回転台21bは、ベースプレート21aに対して、ベースプレート21aの平面内で回転可能に取り付けられている。また、回転台21bには、偏光板を吸着保持するための真空吸着孔21c(または真空吸着溝)が形成されている。さらに、ベースプレート21aおよび回転台21bには、光が通過するための開口21dが形成されている。
なお、図8では、開口21dを矩形状としているが、開口21dの形状は矩形状に限定されるものではなく、ワークWの形状やワークW上の光照射領域等に応じて適宜設定可能である。
この状態で、偏光光照射装置100は光照射を再開し、領域Bに対する偏光光照射処理を行う。なお、このときマスクMとしては、マスクMの交換機構または回転機構によって、図4(b)に示すマスクMが載置されている。
このようにして、一つのワークW上の二つの領域A、Bに対して、それぞれ異なる偏光軸を有する偏光光を照射する。この偏光板回転機構50が偏光板回転移動部に対応し、偏光板回転機構50に対応するマスク回転機構がマスク回転移動部に対応している。
ここで、偏光方向変更部は、図6に示す偏光板チェンジャー機構30であってもよいし、図7に示す偏光板スライド機構40であってもよいし、図8に示す偏光板回転機構50であってもよい。照射位置変更部についても同様である。
また、偏光方向変更部として偏光板スライド機構40を用いる場合には、複数種類の偏光板20を保持する偏光板ホルダ21をスライド移動させるだけで、光源部10からの平行光の光路に配置される偏光板20を、偏光軸の方向が異なる偏光光を出射する別の偏光板20に容易に切り替えることができる。
なお、偏光光照射装置100は、一般にマスクMを交換するための交換機構を有するため、照射位置変更部としてマスクチェンジャー機構を用いる場合には、既存の機構を使用してワークWに対する偏光光の照射位置を変更することができる。
上記実施形態においては、一つのワークWに照射する偏光光の偏光軸の方向を変更する方法として、偏光板20を交換する方法(上記(3)の方法)と、偏光板20を回転させる方法(上記(4)の方法)とについて示したが、ワークWを偏光板20に対して回転させるようにしてもよい。この場合、ワークステージ23を回転自在に構成する。
また、上記実施形態においては、一つのワークWを二つの領域A、Bに分ける場合について説明したが、一つのワークWを三つ以上の領域に分けてもよい。
Claims (9)
- 光源を有し、当該光源からの光を平行光として放射する光源部と、
前記光源部から放射される前記平行光を偏光する偏光板と、
前記偏光板を保持する偏光板保持部と、
透光部と遮光部とが形成されたマスクを保持するマスク保持部と、
前記偏光板により偏光され前記マスクを透過した偏光光が照射されるワークを保持するワークステージと、
前記ワークステージに保持された一つのワークに照射する偏光光の偏光軸の方向を変更する偏光方向変更部と、
前記一つのワークに照射する偏光光の位置を変更する照射位置変更部と、を備えることを特徴とする偏光光照射装置。 - 前記偏光方向変更部は、
前記偏光板保持部によって保持された前記偏光板を、当該偏光板に入射される平行光の光軸に対して直交する平面内で回転させる偏光板回転移動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の偏光光照射装置。 - 前記偏光板保持部は、それぞれ偏光軸の方向が異なる偏光光を出射する複数種類の前記偏光板を保持し、
前記偏光方向変更部は、
前記偏光板保持部を、当該偏光板保持部によって保持された前記偏光板に入射される平行光の光軸に対して直交する平面内で移動させることにより、前記平行光の光路に配置される前記偏光板を異なる種類の前記偏光板に交換する偏光板スライド移動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の偏光光照射装置。 - 前記偏光方向変更部は、
前記偏光板保持部によって保持される前記偏光板を、偏光軸の方向が異なる偏光光を出射する前記偏光板に交換する偏光板交換部を備えることを特徴とする請求項1に記載の偏光光照射装置。 - 前記偏光方向変更部は、
前記ワークに照射する偏光光の偏光軸の方向を90°変更することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。 - 前記照射位置変更部は、
前記マスク保持部によって保持される前記マスクを、前記透光部および前記遮光部の位置が異なる前記マスクに交換するマスク交換部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。 - 前記マスク保持部は、それぞれ前記透光部および前記遮光部の位置が異なる複数種類の前記マスクを保持し、
前記照射位置変更部は、
前記マスク保持部を、当該マスク保持部によって保持された前記マスクに入射される平行光の光軸に対して直交する平面内で移動させることにより、前記平行光の光路に配置される前記マスクを異なる種類の前記マスクに交換するマスクスライド移動部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。 - 前記照射位置変更部は、
前記マスク保持部によって保持された前記マスクを、当該マスクに入射される平行光の光軸に対して直交する平面内で回転させるマスク回転移動部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。 - 平行光である偏光光を、透光部と遮光部とが形成されたマスクを介してワークに照射する偏光光照射方法であって、
一つのワーク内の第一の領域に、第一の方向の偏光軸を有する前記偏光光を照射する第一の偏光光照射工程と、
前記第一の偏光光照射工程の後、前記一つのワークに照射する偏光光の偏光軸の方向を、前記第一の方向とは異なる第二の方向に変更するとともに、当該一つのワークに照射する偏光光の位置を、前記第一の領域とは異なる第二の領域に変更する変更工程と、
前記第二の領域に、前記第二の方向の偏光軸を有する前記偏光光を照射する第二の偏光光照射工程と、を含むことを特徴とする偏光光照射方法。
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