JP2021100905A - 複合材料、その製造方法及びリチウムイオン二次電池用負極材 - Google Patents

複合材料、その製造方法及びリチウムイオン二次電池用負極材 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池の負極材として利用可能な複合材料の提供。【解決手段】炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料であって、前記金属酸化物層の被覆率が95%以上、平均厚さが10nm以下である複合材料。前記炭素性材料と金属酸化物層との間の少なくとも一部に金属酸化物層のための下地層を備えることが好ましい。下地層としては非晶質炭素層、グラフェン層またはポリマー層などが用いることできる、【選択図】図2

Description

本発明は、複合材料、その製造方法及び前記複合材料を含むリチウムイオン二次電池用負極材に関する。
近年、ノートパソコン、携帯電話等の電子機器、及び自動車等の輸送機器の電源として、リチウムイオン二次電池が普及してきた。これらの機器は、小型化、軽量化、薄型化の要求が高まっている。これらの要求に応えるべく、小型で軽量かつ大容量の二次電池が求められている。
一般的なリチウムイオン二次電池では、正極材としてリチウムを含む化合物、負極材として黒鉛、コークス等の炭素材料が用いられる。さらに、正極と負極との間には、炭酸プロピレン、炭酸エチレンなどの浸透力を有する非プロトン性の溶媒に、電解質としてLiPF6、LiBF4等のリチウム塩を溶解した電解液、またはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層が備えられている。これらの構成は、電池ケース用包装材により包装され保護される。
全固体型リチウムイオン二次電池では、正極層と負極層との間に固体電解質層がある。すなわち、上記の一般的なリチウムイオン二次電池の電解質を固体としたものである。固体電解質としては、Li2S、P25等の硫化物が代表的に用いられている。負極のための負極活物質としては、黒鉛等の炭素性材料が代表的に用いられている。
これに対して、炭素性材料を金属酸化物でコーティングする構成が検討されている。
例えば、特許文献1では、炭素性材料等の負極活物質表面に、アルミニウム酸化物から構成される粒子状被覆部を備えることが開示されている。
特許文献2では、黒鉛質材料粒子と、黒鉛質材料粒子の表面の少なくとも一部を被覆するチタン含有酸化物層とを含む負極を含む、非水電解質二次電池が開示されている。
特開2017−54614号公報 特開2018−88425号公報
負極活物質に使用されるような炭素性材料と固体電解質とは親和性が低く、全固体型の電池で負極中に固体電解質を添加する場合、炭素性材料と固体電解質とが均一に分散せず、容量やレート特性が低いことが問題となっている。炭素性材料と固体電解質との分散性を改善するために、炭素性材料の表面を固体電解質と親和性のある金属酸化物で被覆することが考えられる。しかし、一般に金属酸化物はイオン伝導性に優れるものの、一方で導電性が低く、単に被覆すればよいというものでもない。
特許文献1、2のいずれも炭素性材料の表面を金属酸化物で被覆した活物質を開示しているものの、上記観点からの検討はなされていない。
また、活物質層を強く加圧して密着性を向上させることで容量やレート特性を改善する手法が用いられる場合もあるが、その場合、活物質が割れるなどしてサイクル特性が悪化するという問題が発生する。
本発明は、以下の複合材料、その製造方法及びその用途に関する。
[1] 炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料であって、前記金属酸化物層の被覆率が95%以上、平均厚さが10nm以下である複合材料。
[2] 前記炭素性材料と金属酸化物層との間の少なくとも一部に金属酸化物層のための下地層を備えた前記[1]に記載の複合材料。
[3] 前記下地層が非晶質炭素層である前記[2]に記載の複合材料。
[4] 前記下地層がグラフェン層である前記[2]に記載の複合材料。
[5] 前記下地層がポリマー層である前記[2]に記載の複合材料。
[6] 前記下地層の平均厚さが100nm以下である前記[2]〜[5]のいずれかに記載の複合材料。
[7] 前記金属酸化物層の表面に金属酸化物粒子が付着している、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の複合材料。
[8] 複合材料における金属酸化物の含有量が、前記複合材料を100質量部としたとき0.01質量部以上5.0質量部以下である前記[1]〜[7]のいずれかに記載の複合材料。
[9] 前記金属酸化物層における金属酸化物が、周期律表1族から12族の元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属の酸化物を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の複合材料。
[10] 前記金属酸化物層における金属酸化物が、チタン酸リチウム及びニオブ酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む[1]〜[9]のいずれかに記載の複合材料。
[11] 複合材料が粒子状であり、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径D50が1.0μm以上30.0μm以下であり、BET比表面積及び粒度分布から測定される表面粗さが1.0〜10.0である[1]〜[10]のいずれかに記載の複合材料。
[12] 前記複合材料が、シリコンを含有する[1]〜[11]のいずれかに記載の複合材料。
[13] 粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及び固体電解質の群から選択される少なくとも1つを含む、[1]〜[12]のいずれかに記載の複合材料。
[14] [1]〜[13]のいずれかに記載の複合材料を含むリチウムイオン二次電池用負極材。
[15] [14]に記載の負極材を含むリチウムイオン二次電池用負極。
[16] [15]に記載の負極を用いたチウムイオン二次電池。
[17] 炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料の製造方法であって、
金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる金属酸化物前駆体の少なくとも一種と溶媒を含む前駆体溶液を準備する工程、
炭素性材料に金属酸化物層のための下地層を形成した下地層形成炭素材料を得る工程、
流動状態にした下地層形成炭素材料に対して前記前駆体溶液を噴霧する工程、
及び金属酸化物前駆体の付着した下地層形成炭素材料を熱処理して金属酸化物層を形成する工程、を含む製造方法。
[18] 炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料の製造方法であって、
金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる金属酸化物前駆体の少なくとも一種と溶媒を含む前駆体溶液を準備する工程、
炭素性材料に金属酸化物層のための下地層を形成した下地層形成炭素材料を得る工程、
流動状態にした下地層形成炭素材料に対して前記前駆体溶液を噴霧する工程、
及びゾルゲル反応によって金属酸化物前駆体から金属酸化物層を形成する工程、を含む製造方法。
[19] 前記前駆体溶液はさらにLi化合物を含む[17]または[18]に記載の複合材料の製造方法。
リチウムイオン二次電池の負極材として、本発明の一実施形態における複合材料を用いることにより、負極材表面におけるリチウムイオン伝導性を高くできることから、初回放電容量、クーロン効率、レート特性の高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。
また全固体型リチウムイオン二次電池の負極材として、本発明の一実施形態における複合材料を用いることにより、正極層と固体電解質層と負極層とを低加圧により積層しても高容量と高出力特性を得ることができる。
本発明のリチウムイオン電池の一態様である全固体型リチウムイオン電池1の構成の一例を示した概略断面図である。 本発明の複合材料の構成の一例を示した模式断面図である。 本発明の複合材料の構成の他の一例を示した模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
以下の説明において、「体積基準の累積粒度分布における50%粒子径」及び「D50」は、レーザー回折・散乱法によって求めた体積基準の累積粒径分布において50%となる粒子径である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の負極を用いる。リチウムイオン二次電池としては特に制限はなく、全固体型リチウムイオン二次電池、電解液型リチウムイオン二次電池が挙げられる。
[1]全固体型リチウムイオン二次電池
図1は、本実施形態にかかるリチウムイオン電池の一態様である全固体型リチウムイオン二次電池1の構成の一例を示した概略断面図である。全固体型リチウムイオン二次電池1は、正極層11と、固体電解質層12と、負極層13とを備える。
本発明の一実施形態における複合材料を負極活物質として用いて負極合剤層を形成する場合、負極活物質と固体電解質との親和性が高いことから、上記正極層11と固体電解質層12と負極層13とを積層し全固体電池を製造する場合、1MPa(10kgf/cm2)以下の低圧で製造することができる。
正極層11は、正極集電体111と正極合剤層112とを有する。正極集電体111には、外部回路との電荷の授受を行うための正極リード111aが接続されている。正極集電体111は、金属箔であることが好ましく、金属箔としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
正極合剤層112は、正極活物質を含み、さらに固体電解質、導電助剤、バインダー等を含んでもよい。正極活物質としては、LiCoO2、LiMnO2、LiNiO2、LiVO2、LiNi1/3Mn1/3Co1/32等の岩塩型層状活物質、LiMn24等のスピネル型活物質、LiFePO4、LiMnPO4、LiNiPO4、LiCuPO4等のオリビン型活物質、Li2S等の硫化物活物質等を使用することができる。また、これらの活物質はLTO(Lithium Tin Oxide)や炭素等でコーティングされていてもよい。
正極合剤層112に含まれていてもよい固体電解質としては、後述する固体電解質層12で挙げられている材料を用いることができるが、固体電解質層12に含まれている材料と異なる材料を用いてもよい。正極合剤層112における固体電解質の含有量は、正極活物質100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。正極合剤層112における固体電解質の含有量は、正極活物質100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましく、125質量部以下であることがさらに好ましい。
導電助剤としては、粒子状炭素質導電助剤または繊維状炭素質導電助剤を用いることが好ましい。粒子状炭素質導電助剤としては、デンカブラック(登録商標)(電気化学工業株式会社製)、ケッチェンブラック(登録商標)(ライオン株式会社製)、黒鉛微粉SFGシリーズ(Timcal社製)、グラフェン等の粒子状炭素を使用することができる。繊維状炭素質導電助剤としては、気相法炭素繊維(VGCF(登録商標)、VGCF(登録商標)‐H(昭和電工株式会社製))、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等を使用することができる。サイクル特性に優れることから気相法炭素繊維「VGCF(登録商標)‐H」(昭和電工株式会社製)が最も好ましい。正極合剤層112における導電助剤の含有量は、正極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。正極合剤層112における導電助剤の含有量は、正極活物質100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。
正極合剤層112において、正極活物質100質量部に対するバインダーの含有量は、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上7質量部以下であることがより好ましい。
固体電解質層12は、正極層11と負極層13との間に介在し、正極層11と負極層13との間でリチウムイオンを移動させるための媒体となる。固体電解質層12は、硫化物固体電解質及び酸化物固体電解質からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましく、硫化物固体電解質を含有することがより好ましい。
硫化物固体電解質としては、硫化物ガラス、硫化物ガラスセラミックス、Thio−LISICON型硫化物などを挙げることができる。より具体的には、例えば、Li2S−P25、Li2S−P25−LiI、Li2S−P25−LiCl、Li2S−P25−LiBr、Li2S−P25−Li2O、Li2S−P25−Li2O−LiI、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−LiBr、Li2S−SiS2−LiCl、Li2S−SiS2−B23−LiI、Li2S−SiS2−P25−LiI、Li2S−B23、Li2S−P25−Zmn(式中、m、nは正の数、ZはGe、Zn、Gaのいずれかを表す。)、Li2S−GeS2、Li2S−SiS2−Li3PO4、Li2S−SiS2−LixMOy(式中、x、yは正の数、MはP、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれかを表す。)、Li10GeP212、Li3.25Ge0.250.754、30Li2S・26B23・44LiI、63Li2S・36SiS2・1Li3PO4、57Li2S・38SiS2・5Li4SiO4、70Li2S・30P25、50LiS2・50GeS2、Li7311、Li3.250.954、Li3PS4、Li2S・P23・P25等を挙げることができる。硫化物固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良く、ガラスセラミックスであっても良い。
酸化物固体電解質としては、ペロブスカイト、ガーネット、LISICON型酸化物が挙げられる。より具体的には、例えば、La0.51Li0.34TiO2.94、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43、Li7La3Zr212、50Li4SiO4・50Li3BO3、Li2.9PO3.30.46(LIPON)、Li3.6Si0.60.44、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO43、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43等を挙げることができる。酸化物固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良く、ガラスセラミックスであっても良い。
負極層13は、負極集電体131と負極合剤層132とを有する。負極集電体131には、外部回路との電荷の授受を行うための負極リード131aが接続されている。負極集電体131は、金属箔であることが好ましく、金属箔としては、ステンレス箔、銅箔またはアルミニウム箔を用いることが好ましい。集電体の表面はカーボン等でコートされていても良い。
負極合剤層132は、負極活物質を含み、固体電解質、バインダー及び導電助剤等を含んでもよい。負極活物質としては、後述する複合材料が用いられる。
負極合剤層132に含まれていてもよい固体電解質としては、固体電解質層12で挙げられている材料を用いることができるが、固体電解質層12に含まれる固体電解質あるいは正極合剤層に含まれている固体電解質と異なる材料を用いてもよい。負極合剤層132における固体電解質の含有量は、負極活物質100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。負極合剤層132における固体電解質の含有量は、負極活物質100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、150質量部以下であることがより好ましく、125質量部以下であることがさらに好ましい。
負極合剤層132に含まれていてもよい導電助剤としては、正極合剤層112の説明で挙げられた導電助剤を用いることができるが、正極合剤層112に含まれる導電助剤と異なる材料を用いてもよい。負極合剤層132における導電助剤の含有量は、負極活物質100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましい。負極合剤層132における導電助剤の含有量は、負極活物質100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることがより好ましい。
バインダーは、例えば、正極合剤層112の説明で挙げた材料を用いることができるが、これらに限られない。負極合剤層132において、負極活物質100質量部に対するバインダーの含有量は、0.3質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
[2]電解液型リチウムイオン二次電池
電解液型リチウムイオン二次電池は、正極層と負極層とが電解液の中に浸漬された構造を有する。
正極層、正極集電体、正極合剤層は、固体電解質を含まない以外は全固体リチウムイオン二次電池の正極合材層の構成と同様である。
負極層、負極集電体、負極合剤層は、固体電解質を含まない以外は全固体リチウムイオン二次電池の負極合材層の構成と同様である。
電解液及び電解質としては公知の物を始め、特に制限なく使用することができる。
電解液型リチウムイオン二次電池では正極合材層と負極合材層との間にセパレーターを設けることがある。セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルムまたはそれらを組み合わせたものなどを挙げることができる。
[3]複合材料
本発明の一実施形態にかかる複合材料は、炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含み、前記金属酸化物層の被覆率が95%以上、平均厚さが10nm以下である。
炭素性材料の表面に金属酸化物層が存在する複合材料を負極活物質に用いることにより、リチウムイオン伝導性が高くなるためレート容量維持率の高いリチウムイオン二次電池を得ることができる。また、金属酸化物層は固体電解質と親和性が高いため全固体型リチウムイオン二次電池を構成する負極合剤層132において複合材料と固体電解質とが互いに良好に分散する。
金属酸化物層は、炭素性材料の表面を被覆する層である。金属酸化物層による被覆率は95%以上であり、97%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。前記被覆率を95%以上とすることにより、複合材料のイオン伝導性を高くすることができる。前記被覆率の上限は100%である。なお、本発明における被覆率は、複合材料の表面の面積を100%とした際に、複合材料の表面に存在する金属酸化物層の割合を意味する。なお、金属酸化物層上に、さらに他の成分(例えば金属酸化物粒子)が付着している部分が存在する場合には、当該部分についても、金属酸化物層が被覆する部分と判断する。すなわち、このような部分も金属酸化物層に被覆されているとして、被覆率を算出する。
金属酸化物層を表面に有することは、EDS、AES、ラマン分光分析等によって確認することができる。
前記被覆率や平均厚さは、例えば、後述する下地層(中間層)の種類や量、炭素性材料に対する金属酸化物前駆体の添加量や添加速度、雰囲気温度等の製造条件によって調節することができる。
前記被覆率はSEM像における二値化像やEDS、AES、ラマン分光分析によるマッピングなどから測定することができる。
前記金属酸化物層の平均厚さは、10nm以下である。平均厚さを10nm以下とすることにより複合材料のサイズが必要以上に大きくなることを抑制でき、二次電池のサイクル特性を高くすることできる。さらに、金属酸化物を表面に有しながら、電子伝導性を高く維持でき、レート特性を高くできる。同様の観点から平均厚さは9nm以下が好ましく、7nm以下がより好ましい。平均厚さは0.5nm以上であることが好ましい。
金属酸化物層の平均厚さは、実施例に記載の方法により測定することができる。
図2は、本発明の一実施形態にかかる複合材料に含まれる複合材料Aの構成を示した模式断面図である。複合材料Aは、炭素性材料21と、前記炭素性材料21の表面を被覆する金属酸化物層22とを含む。
本発明の他の一実施形態にかかる複合材料は、金属酸化物層の表面に金属酸化物粒子が付着してなることが好ましい。
この構造によれば、固体電解質と親和性の高い金属酸化物粒子が複合材料の表面に存在することで、後述する表面粗さが高くなり複合材料と固体電解質を混合する負極合剤層132において複合材料と固体電解質を構成する粒子とは互いに良好に分散する。
金属酸化物粒子は特に限定されず、例えば、後述の金属酸化物層で記載した金属酸化物の粒子が挙げられる。金属酸化物粒子は、金属酸化物層と同じ成分であってもよいし異なる成分であってもよい。
この構造は走査型電子顕微鏡(SEM)で確認することができる。
本発明の一実施形態における複合材料の、複合材料100質量部に対する金属酸化物の含有量は、0.01質量部以上が好ましい。金属酸化物の含有量を0.01質量部以上とすることにより、複合材料と固体電解質との親和性が向上し、これらの間でのイオン伝導性を高くすることができる。同様の観点から、金属酸化物の含有量は0.03質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましい。
本発明の一実施形態における複合材料の、複合材料100質量部に対する金属酸化物の含有量は、5.0質量部以下が好ましい。金属酸化物の含有量を5.0質量部以下とすることにより、複合材料中の炭素性材料が露出し、複合材料間あるいは複合材料と固体電解質との間での導電性を高くすることができる。同様の観点から、金属酸化物の含有量は3.0質量部以下がより好ましく、1.0質量部以下がさらに好ましい。
なお、複合材料100質量部に対する金属酸化物の含有量とは、複合材料を構成する全金属酸化物の含有量を意味する。例えば、複合材料を構成する金属酸化物が、金属酸化物層のみである場合には、複合材料100質量部に対する金属酸化物の含有量とは、複合材料100質量部に占める金属酸化物層の質量を意味する。別の例としては、複合材料を構成する金属酸化物が、金属酸化物層および金属酸化物粒子である場合には、複合材料100質量部に対する金属酸化物の含有量とは、複合材料100質量部に占める金属酸化物層の質量および金属酸化物粒子の質量を合計した質量を意味する。
本発明の一実施態様における複合材料のBET比表面積は、0.05m2/g以上が好ましい。BET比表面積が0.05m2/gであると、リチウムイオンの挿入脱離が容易になりレート容量維持率が高くなる。同様の観点から、BET比表面積は0.8m2/g以上がより好ましく、1.0m2/g以上がさらに好ましい。
本発明の一実施態様における複合材料のBET比表面積は、12.0m2/g以下が好ましい。BET比表面積が12.0m2/g以下であると、固体電解質との副反応が抑制され、初回クーロン効率が高くなる。同様の観点から、BET比表面積は11.0m2/g以下がより好ましく、10.0m2/g以下がさらに好ましい。
BET比表面積は実施例記載の方法により測定することができる。
本発明の一実施形態における複合材料のX線回折測定による(002)面の平均面間隔d002は0.3354nm以上が好ましい。0.3354nmは黒鉛結晶のd002の下限値である。また、d002は0.3356nm以上がより好ましく、0.3370nm以上がさらに好ましい。d002が0.3356nm以上であると、黒鉛結晶組織が発達しすぎていないため、サイクル特性に優れる。なお、非晶質炭素の様に(002)面の明確なピークを示さないものもサイクル特性に優れる。d002は0.35nm以下であることが好ましい。
d002は粉末X線回折(XRD)法を用いて測定することができる。
本発明の一実施態様における複合材料が粒子状である場合、その体積基準の累積粒度分布における50%粒子径D50は、1.0μm以上が好ましく、4.0μm以上がより好ましく、8.0μm以上がさらに好ましい。D50を1.0μm以上とすることにより、複合材料のハンドリング性が向上するほか、複合材料をリチウムイオン二次電池の負極材として固体電解質と混合して用いた場合に固体電解質中の複合材料の分散性が向上しサイクル特性が良好となる。
本発明の一実施態様における複合材料が粒子状である場合、そのD50は30.0μm以下が好ましく、20.0μm以下がより好ましく、15.0μm以下がさらに好ましい。D50を30.0μm以下とすることにより、複合材料の表面積が大きい状態で維持でき、複合材料をリチウムイオン二次電池の負極材料として用いた場合に負極における入出力特性が向上する。
本明細書において、D50は、レーザー回折式粒度分布測定装置を使用することで測定可能である。具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の一実施態様における複合材料が粒子状である場合、その表面粗さは1.0以上が好ましい。表面粗さが1.0以上であると抵抗が下がり、レート特性が向上する傾向が見られる。同様の観点から表面粗さは1.2以上がより好ましく、1.5以上がさらに好ましい。表面粗さは7.0以下が好ましい。表面粗さが7.0以下であると固体電解質との副反応が抑えられサイクル特性が優れる。同様の観点から、表面粗さは5.0以下がより好ましく、4.5以下がさらに好ましい。
表面粗さは、粒度分布から算出される球換算面積に対するBET表面積の比(BET表面積/粒度分布から算出される球換算面積)から求められ、具体的には実施例に記載の方法から求めることができる。
本発明の一実施態様における複合材料は、金属酸化物層の他にも金属、金属酸化物または合金を含むことができる。金属、金属酸化物または合金はリチウムを吸蔵・放出するものであれば限定されないが、例えばシリコン、すず、亜鉛やそれらの酸化物、合金などが挙げられ、シリコンを含有することが好ましい。シリコンを含有することで放電容量を大きくすることができる。シリコンは炭素性材料に含まれることがさらに好ましい。シリコンが金属酸化物層に被覆されることで、シリコンと電解質や電解液との接触による副反応を抑止するためサイクル特性が向上する。
複合材料がシリコンを含む場合、複合材料100wt%中に、シリコン原子を15wt%以上含有することが好ましく、20wt%以上であることがさらに好ましく、25wt%以上であることがよりさらに好ましい。15wt%以上であることで、放電容量を高くできる。複合材料がシリコンを含む場合、シリコン原子を70wt%以下含有することが好ましく、65wt%以下であることがさらに好ましく、60wt%以下であることがよりさらに好ましい。70wt%以下であることで、粒子1個当たりの充電時の膨張量を抑えられる。
[4]炭素性材料
本発明の一実施形態における複合材料に含まれる炭素性材料は、特に限定されず、ソフトカーボン、ハードカーボン等の非晶質炭素材料や炭素繊維、気相法炭素繊維、マルチウォールカーボンナノチューブ、シングルウォールカーボンナノチューブ、ナノワイヤー、黒鉛材料を用いることができ、非晶質炭素材料、黒鉛材料が好ましい。形状としては粒子状または繊維状が挙げられ、粒子状が好ましい。黒鉛材料、非晶質炭素材料は電子伝導性が高いことから、サイクル特性に優れる。黒鉛材料の場合、人造黒鉛材料が好ましく、内部が中実構造の人造黒鉛材料がより好ましい。内部が中実構造であると、充放電に伴う膨張収縮の繰り返しによっても粒子内剥離がほとんど起きず、高温サイクル特性や高温保存特性が優れる。
炭素性材料は金属、金属酸化物または合金を複合させた複合材料も用いることができる。金属、金属酸化物または合金はリチウムを吸蔵・放出するものであれば限定されないが、例えばシリコン、すず、亜鉛やそれらの酸化物、合金などが挙げられる。
炭素性材料はシリコンを含むことが好ましく、シリコンを含む非晶質炭素材料であることがさらに好ましい。シリコンを含む非晶質炭素材料の構造は限定しないが、多孔質の非晶質炭素材料中の細孔内にシリコンを充填している複合体が好ましい。多孔質の非晶質炭素材料は公知の製造方法で生成でき、例えば、活性炭と同様の製造方法や、ポリマーに対して適切な熱処理を行うことによって生成することができる。シリコンを含ませる方法は限定されないが、例えば化学気相成長(CVD)によって、シリコン含有ガス、好ましくはシランの存在下で、高温で多孔質炭素材料(例えば、多孔質の非晶質炭素材料)にシランガスを曝露することによって、多孔質炭素材料の細孔内にケイ素を生成させることによって得られる。
[5]金属酸化物層
本発明の一実施形態における複合材料に含まれる金属酸化物層は、特に限定されないが、金属酸化物層における金属酸化物が、周期律表1族から12族の元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属の酸化物を含むことが好ましい。金属酸化物層は1種の金属酸化物を含んでいてもよく、2種以上の金属酸化物を含んでいてもよい。周期律表1族から12族の元素から選ばれる少なくとも1つの金属の酸化物を含むことがより好ましく、チタン酸リチウム、ニオブ酸リチウム及び酸化チタン(非晶質)からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことがさらに好ましい。金属酸化物層における金属酸化物が、チタン酸リチウム及びニオブ酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つであると、リチウムイオン伝導性に優れると共に固定電解質との親和性が高いため特に好ましい。金属酸化物としては、チタン酸リチウムが最も好ましい。
本発明の一実施形態における複合材料は、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及び固体電解質の群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及び固体電解質の群から選択される少なくとも1つを含む場合には、金属酸化物層に含むことが好ましい。すなわち、金属酸化物層には、さらに粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及び固体電解質の群から選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。金属酸化物層が固体電解質を含む場合には、固体電解質は粒子状であってもよく、層状で存在してもよい。
金属酸化物層が粒子状の固体電解質を含む場合には、粒子状の固体電解質の体積基準の累積粒度分布における50%粒子径D50は10nm以上1μm以下が望ましい。
金属酸化物層が層状の固体電解質を含む場合には、層状の固体電解質層の被覆面積は、円換算直径の算術平均値は1μm以上10μm以下が望ましい。
粒子状導電助剤としては、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが挙げられる。繊維状導電助剤としては、例えば気相法炭素繊維(VGCF(登録商標)等)、カーボンナノチューブが挙げられる。固体電解質は例えば、粒子状硫化物系固体電解質、粒子状酸化物系固体電解質、硫化物系固体電解質層、酸化物系固体電解質層が挙げられる。
これらの添加量は炭素性材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及び固体電解質は、金属酸化物層の表面に添着した構造であっても良いし、金属酸化物層に一部または全部が埋め込まれた構造であっても良い。
[6]下地層(中間層)
図3は、本発明の他の一実施形態にかかる複合材料に含まれる複合材料Bの構成を示した模式断面図である。複合材料Bは、炭素性材料21と、前記炭素性材料21の表面を被覆する金属酸化物層22と、前記炭素性材料21と前記金属酸化物層22との間に介在する金属酸化物層のための下地層(中間層)23とを含む。なお、本発明において、金属酸化物層のための下地層を、単に「下地層」とも記す。
なお、図3では、前記炭素性材料21と前記金属酸化物層22との間の全てに、金属酸化物層のための下地層23が備えられているが、炭素性材料21と金属酸化物層22の間の少なくとも一部に下地層23を備える複合材料も、本発明の一実施形態における複合材料である。下地層は炭素性材料と金属酸化物層の間に介在し、両材料の接着性を高めることができ、この構造の複合材料を電池に用いた場合初回クーロン効率やレート特性、サイクル特性を高くすることができる。
下地層は炭素性材料と金属酸化物層の間に介在し、両材料の接着性を高めるものであれば限定されない。
本発明の一実施形態における複合材料は、下地層として非晶質炭素層を備えることが好ましい。非晶質炭素層は表面に極性のある官能基が存在するため金属酸化物層との接着性が良く、薄く均一な金属酸化物層を形成しやすい。
本発明の一実施形態における複合材料は、下地層としてグラフェン層を備えることが好ましい。グラフェン層としては、酸化グラフェン層であることが好ましい。グラフェンの中でも、特に酸化グラフェンは表面に極性のある官能基が存在するため金属酸化物層との接着性が良く、薄く均一な金属酸化物層を形成しやすいためより好ましい。なお、グラフェン層とは、1層のみからなる単層グラフェンまたは複数のグラフェンが積層(好ましくは2〜100層)した多層グラフェンを含む層である。また、酸化グラフェンは、π結合を有する炭素分子のみからなるシートであるグラフェンに、エポキシ基及びカルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基など様々な酸素含有官能基が結合したものである。
本発明の一実施形態における複合材料は、下地層としてポリマー層を備えることが好ましい。
ポリマー層のうち、エポキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基等の官能基を含むものが金属酸化物層との接着性が良く、薄く均一な金属酸化物層を形成しやすいためより好ましい。
すなわち、下地層を有する複合材料の具体例としては、下地層を有する複合材料としては、下地層が非晶質炭素層である複合材料、下地層がグラフェン層である複合材料、下地層がポリマー層である複合材料が挙げられる。
下地層の平均厚さは100nm以下であることが好ましい。100nm以下であると電極層の抵抗を低くでき、電池のレート特性を高くすることができる。同様の観点から50nm以下がより好ましく、30nm以下がさらに好ましい。
下地層の平均厚さは1nm以上であることが好ましい。平均厚さを1nm以上とすることにより化学的安定性と機械的強度とを確保することができる。同様の観点から平均厚さは3nm以上がより好ましく、5nm以上がさらに好ましい。
[7]複合材料の製造方法
以下、本発明の複合材料の製造方法の実施形態を例示するが、本発明の複合材料の製造方法は下記に限定されない。
本発明の一実施形態にかかる複合材料の製造方法は、炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料の製造方法であって、金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる金属酸化物前駆体の少なくとも一種と溶媒を含む前駆体溶液を準備する工程、炭素性材料に金属酸化物層のための下地層を形成した下地層形成炭素材料を得る工程、流動状態にした下地層形成炭素材料に対して前記前駆体溶液を噴霧する工程、及び金属酸化物前駆体の付着した下地層形成炭素材料を熱処理して金属酸化物層を形成する工程を含む。
本発明の他の一実施形態にかかる複合材料の製造方法は、炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料の製造方法であって、金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる金属酸化物前駆体の少なくとも一種と溶媒を含む前駆体溶液を準備する工程、炭素性材料に金属酸化物層のための下地層を形成した下地層形成炭素材料を得る工程、流動状態にした下地層形成炭素材料に対して前記前駆体溶液を噴霧する工程、及びゾルゲル反応によって金属酸化物前駆体から金属酸化物層を形成する工程を含む。
金属酸化物前駆体は、金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる少なくとも一種であり、溶媒中に安定して溶解するものが好ましい。本発明において、金属錯体はキレート錯体であってもよい。具体的にはオルトチタン酸テトライソプロピル、ニオブ(V)エトキシド、バナジウム(V)トリエトキシドオキシド、アルミニウムトリエトキシド、ジルコニウム(IV)エトキシドなどが挙げられる。
溶媒は水または有機溶媒から選択され、金属酸化物前駆体を溶解できるものであれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等極性の大きな有機溶媒が好ましい。また、有機溶媒は沸点が200℃以下のものが好ましい。
前駆体溶液にはLi化合物となる化合物を含むことが好ましい。この場合、金属酸化物がリチウムを含む金属酸化物となりリチウム伝導性が高くなる。Li化合物としては例えば、メトキシリチウム、エトキシリチウム等が挙げられる。
溶液における金属酸化物前駆体の濃度は1質量%以上が好ましい。前駆体の濃度を1質量%以上とすることで海島構造を形成しやすくなる。同様の観点から前駆体の濃度は5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。前駆体の濃度は50質量%以下が好ましい。濃度が高すぎると円換算径の平均値で厚み1μm以上の層になりにくい。同様の観点から前駆体の濃度は40質量%以下がより好ましく、35質量%以下がさらに好ましい。
複合材料の表面に金属酸化物粒子を付着させる場合には、例えば金属酸化物前駆体の濃度を濃くしたり、噴霧速度を小さくしたり等により金属酸化物前駆体から粒子化し金属酸化物粒子となって表面に付着する。
下地層形成炭素材料を得る方法は限定されないが、以下に下地層として非晶質炭素層を形成する方法、グラフェン層を形成する方法、ポリマー層を形成する方法をそれぞれ説明する。
非晶質炭素層を炭素性材料の表面に形成する方法は限定されないが、非晶質炭素層原料を炭素性材料の表面に付着させ、熱処理することで形成する方法が挙げられる。付着させる工程は、乾式でも湿式でも行うことができる。
湿式により行なう場合は、例えば、非晶質炭素層原料を溶媒に溶解または分散させ、炭素性材料をさらに添加した後、溶剤を乾燥除去する。
乾式で行なう場合は、炭素性材料と非晶質炭素層原料とを、炭素性材料が粉砕されない程度の力で混合する。混合には、自転公転混合機、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合機のほか、ノビルタ(登録商標)、メカノフュージョン(登録商標)のような複合化機も用いることができる。乾式混合では前記被覆材による平滑な膜が形成されない場合があるが、後述する熱処理により非晶質炭素層原料が軟化し、炭素質原料の表面で広がり、平滑な膜となる。
非晶質炭素層原料としては、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、糖類、ポリマーなどが挙げられる。上記糖類としてはショ糖、ラクトース、グルコース、マルトース、フルクトースなどが挙げられ、上記ポリマーとしては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂及びエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの原料のうち石炭系ピッチ及び石油系ピッチの残炭率が高く、被覆層の原料として使用した際の電池特性が良い点で好ましい。特に高い初期効率が得られる点で石油系ピッチがより好ましい。中でも特に軟化点が100℃以上300℃以下のピッチが取り扱い易くさらに好ましい。
熱処理の温度は500℃以上1500℃以下が好ましく、550℃以上900℃以下がより好ましく、600℃以上800℃以下がさらに好ましい。この熱処理によって非晶質炭素層原料が炭化し非晶質炭素層が形成される。この温度範囲で炭素化すると、芯材である炭素性材料への密着が十分となり、初回クーロン効率、レート特性が良好になる。
熱処理は、非酸化性雰囲気下で行うことが好ましい。非酸化性雰囲気としては、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気が挙げられる。熱処理の時間は、製造規模に応じて適宜選択すればよく、例えば、30〜120分間、好ましくは45〜90分間である。
熱処理には電気式管状炉、ローラーハースキルンなど公知の装置を用いることができる。
グラフェン層を炭素性材料の表面に形成する方法は限定されないが、CVD法を用いて炭素性材料の表面にグラフェン層を積層させる方法や、グラフェンと炭素性材料を溶液に分散させ乾燥させる方法、グラフェンと炭素性材料を圧縮力とせん断力を掛けて混合する方法などが挙げられる。
ポリマー層を炭素性材料の表面に形成する方法は限定されないが、ポリマーを炭素性材料と混合して付着させる方法が挙げられる。付着させる工程は、乾式でも湿式でも行うことができる。
湿式により行なう場合は、例えば、ポリマーを溶媒に溶解または分散させ、炭素性材料をさらに添加した後、溶剤を乾燥除去する。
乾式で行なう場合は、例えば、炭素性材料とポリマーとを炭素性材料が粉砕されない程度の力で混合する。混合には、V型混合機、自転公転混合機、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー等の混合機のほか、ノビルタ(登録商標)、メカノフュージョン(登録商標)のような複合化機も用いることができる。
ポリマーとしては、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂及びエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられる。
下地層形成炭素性材料を流動状態にする方法は特に限定されないが、転動流動層や旋回流動層を用いる方法が挙げられ、転動流動層を用いる方法が好ましい。転動流動層の装置としては、例えばパウレック社製のMPシリーズが挙げられる。
転動流動層を用いる場合、吸気温度は有機溶媒の沸点+5℃〜+20℃以上で運転することが好ましい。この範囲内とすることにより厚みが1μm以上の金属酸化物前駆体層を形成しやすい。
転動流動層を用いる場合、低湿雰囲気下で行うことが好ましい。低湿雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、または湿度25%以下の大気雰囲気等が挙げられる。
転動流動層の吸気風量は限定されないが、完全に炭素性材料が流動する条件が好ましい。
前駆体溶液を下地層形成炭素性材料に噴霧する方法は特に限定されないが、例えばチューブポンプ及びスプレーノズルを用いる方法が挙げられる。
噴霧後の複合材料を熱処理することで金属酸化物層を形成することができる。熱処理工程には電気式管状炉、ローラーハースキルンなど公知の装置を用いることができる。熱処理の条件は特に限定はないが、熱処理温度は200℃以上500℃以下が好ましい。昇温速度は10℃/h以上200℃/h以下が好ましい。最高温度の保持時間は1h以上5h以下が好ましい。降温速度は10℃/h以上300℃/h以下が好ましい。また、金属酸化物層に硫化物系固体電解質を含む場合は窒素ガス雰囲気下またはアルゴンガス雰囲気下で行うことが好ましい。
またはゾルゲル反応等により金属酸化物層を形成する場合は熱処理無しでリチウムイオン二次電池の負極活物質として使用できる。
粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、固体電解質等を含む金属酸化物層は、前駆体溶液にこれら成分を含ませて、次工程で下地層形成炭素性材料に噴霧することにより製造することができる。これら成分の配合量は、使用する炭素性材料を100質量部としたとき0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
これら成分の前駆体溶液中の分散性を向上させるために、界面活性剤等の分散剤を前駆体溶液中に配合してもよい。
また、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、固体電解質等を含む金属酸化物層は、噴霧後の複合材料の表面に前記成分を添着させることによっても製造できる。添着させる方法としては、撹拌混合造粒装置、スプレードライ等を用いる方法が挙げられる。撹拌混合造粒装置としてはパウレック社製のVGシリーズが挙げられる。添着量は複合材料中の炭素性材料を100質量部としたとき0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
さらに、前駆体溶液に含ませる方法と添着させる方法を併用することもできる。併用した場合でも、粒子状導電助剤、繊維状導電助剤、粒子状固体電解質、固体電解質層等の合計量は、炭素性材料を100質量部としたとき0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施例及び比較例の複合材料の評価方法、電池の作製方法、電池の特性の測定方法、及び各例で用いた原料は以下の通りである。
[1]複合材料の評価
[1−1]BET比表面積
BET比表面積測定装置としてカンタクローム(Quantachrome)社製NOVA2200eを用い、サンプルセル(9mm×135mm)に3gのサンプル(複合材料)を入れ、300℃、真空条件下で1時間乾燥後、測定を行った。BET比表面積測定用のガスはN2を用いた。
[1−2]10%粒子径(D10),50%粒子径(D50),90%粒子径(D90)
レーザー回折式粒度分布測定装置としてマルバーン製マスターサイザー2000(Mastersizer;登録商標)を用い、5mgのサンプル(複合材料)を容器に入れ、界面活性剤が0.04質量%含まれた水を10g加えて5分間超音波処理を行った後に測定を行い、体積基準累積粒度分布において10%となる粒子径(D10)、50%となる粒子径(D50)及び90%となる粒子径(D90)を求めた。
[1−3]表面粗さ
レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、マルバーン社製マスターサイザー)を用いて得られる粒度分布のデータに基づいて、次式から粒度分布から算出される球換算面積(SD)を算出した。
Figure 2021100905
式中、Viは粒径区分i(平均径di)の相対体積、ρは粒子密度、Dは粒径を表す。
得られた球換算面積SDに対するBET表面積の比(BET表面積/球換算面積SD)を表面粗さとして求めた(大島敏男など、粉体工学会誌、30巻、7号(1993)496−501参照)。
[1−4]面間隔d002
複合材料と標準シリコン(NIST製)が9対1の質量比になるように混ぜた混合物をガラス製試料板(試料板窓18×20mm、深さ0.2mm)に充填し、以下のような条件で測定を行った。
XRD装置:リガク製SmartLab(登録商標)
・X線種:Cu−Kα線
・Kβ線除去方法:Niフィルター
・X線出力:45kV、200mA
・測定範囲:24.0〜30.0deg.
・スキャンスピード:2.0deg./min.
得られた波形に対し、学振法を適用し面間隔d002、Lcの値を求めた(Iwashita et al., Carbon, vol.42(2004), p.701-714参照)。
[1−5]金属酸化物層の平均厚さ
金属酸化物層22の平均厚さtは以下の方法で求めた。
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される複合材料の中から1つの複合材料A1をランダムに抽出した。
(2)抽出された複合材料A1において、金属酸化物層22が形成されている部分をランダムに1箇所選び、選ばれた部分の金属酸化物層22の厚さt1を測定した。厚さt1は、炭素性材料21表面に垂直な線と炭素性材料21表面との交点x1、及びこの垂直な線と金属酸化物層22の外周との交点x2を求め、求めた交点x1とx2との間の距離を測定することにより求めた。
(3)前記の(1)及び(2)を50回繰り返した。すなわち、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される複合材料の中からランダムに抽出される50個の複合材料A1〜A50において測定される金属酸化物層22の厚さt1〜t50を測定した。なお、ランダムに抽出される複合材料A1〜A50はいずれも互いに重複しない。
(4)得られた値t1〜t50の算術平均値を金属酸化物層22の平均厚さtとした。
[1−6]金属酸化物層による被覆率
被覆率はSEM像から得られる二値化像から算出した。白い領域が金属酸化物層となるように調整した。
被覆率=白い領域の合計の面積/粒子全体の面積×100[%]
具体的な方法は以下の通り。SEMにて粒子一粒全体が映るように調整し、画像を取得した。その際にオートコントラストを使用した。取得したSEM像をPhotoshop(Adobe製)で開き、「イメージ/モード/グレースケール」を選択した。次に「イメージ/色調補正/平均化(イコライズ)」を実施した。さらに「イメージ/色調補正/2階調化」を選択し、しきい値を110にし実行した。「クイック選択ツール」を選択し、「自動調整」にチェックし、「硬さ」を100%、「間隔」を25%に設定し、「直径」は任意に調整した。粒子全体を選択し、「イメージ/解析/計測値を記録」を選択し面積を算出した。その後、白い領域(1つのドメインと認識されるもの)を選択し、同様に面積を測定した。複数の領域がある場合はすべての領域を一つずつ測定した。すべての白い領域の合計面積を算出した。ここで、1つのドメインと認識される範囲の境界は白い領域の幅が0.1μm以下になったところとした。ランダムに抽出した50粒子に関して上記測定を行いその平均値を被覆率とした。
なお、「クイック選択ツール」を選択する前に「イメージ/解析/計測スケールを設定/カスタム」を選択し、SEM像のスケールバーの値をピクセル換算した。
ただし、SEM像の二値化による被覆率の算出は他のソフトを用いても良く、また組成分析像などから求めても良い。
[1−7]金属酸化物の含有量(ICP分析)
複合材料に含まれる炭素性材料の量を堀場製作所製の炭素・硫黄分析装置EMIA−320Vを用いて測定し、複合材料の量から差し引くことで金属酸化物の含有量を求めた。また、複数の金属が含まれる場合は誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)等により、金属元素の定量分析から各金属酸化物の含有量を求めた。なお、シリコンを含有する場合には、前記金属元素の定量分析により含有量を求めた。
・ICP分析装置:Varian Vista−PRO(日立ハイテクサイエンス製)
・高周波パワー:1.2kW
・プラズマガス:アルゴンガス(流量15L/min.)
・補助ガス:アルゴンガス(流量1.50L/min.)
・キャリアガス:アルゴンガス(流量0.85L/min.)
・観測方向:アキシャル方向
[1−8]下地層(中間層)の平均厚さ
下地層23の平均厚さtは以下の方法で求めた。
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される複合材料の中から1つの複合材料A1をランダムに抽出した。
(2)抽出された複合材料A1において、下地層23が形成されている部分をランダムに1箇所選び、選ばれた部分の下地層23の厚さt1を測定した。厚さt1は、炭素性材料21表面に垂直な線と炭素性材料21表面との交点x1、及びこの垂直な線と下地層23の外周との交点x2を求め、求めた交点x1とx2との間の距離を測定することにより求めた。
(3)前記の(1)及び(2)を50回繰り返した。すなわち、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される複合材料の中からランダムに抽出される50個の複合材料A1〜A50において測定される中間23の厚さt1〜t50を測定した。なお、ランダムに抽出される複合材料A1〜A50はいずれも互いに重複しない。
(4)得られた値t1〜t50の算術平均値を下地層23の平均厚さtとした。
また、FFT(Fast Fourier Transform)パターンを評価することでグラフェン層、非晶質炭素層等の層構造を決定した。
[2]電池の作製
以下、実施例及び比較例で得られた複合材料を用いた電池の作製方法について説明する。ここで作製する電池の各構成について、図1に示された参照符号が付された構成に対応するものは、その対応する構成の参照符号を付して説明する。
[2−1]固体電解質層12の準備
アルゴンガス雰囲気下で出発原料のLi2S(日本化学工業株式会社製)とP25(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)を75:25のモル比率で秤量して混ぜ合わせ、遊星型ボールミル(P−5型、フリッチュ・ジャパン株式会社製)及びジルコニアボール(10mmφ7個、3mmφ10個)を用いて20時間メカニカルミリング(回転数400rpm)することにより、D50が0.3μmのLi3PS4の非晶質固体電解質を得た。
得られた非晶質固体電解質を、内径10mmφのポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて、一軸プレス成形機によりプレス成形を行うことで、厚さ960μmのシートとして固体電解質層12を準備した。
[2−2]負極合剤層132の準備
複合材料48.5質量部と、固体電解質(Li3PS4、D50:8μm)48.5質量部と、VGCF(登録商標)−H(昭和電工株式会社製)3質量部とを混合した。この混合物を、遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化した。均一化された混合物を、内径10mmφポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形して、厚さ65μmのシートとして負極合剤層132を準備した。
[2−3]正極合剤層112の準備
正極活物質LiCoO2(日本化学工業株式会社製、D50:10μm)55質量部と、固体電解質(Li3PS4、D50:8μm)40質量部と、VGCF(登録商標)−H(昭和電工株式会社製)5質量部とを混合した。この混合物を、遊星型ボールミルを用いて100rpmで1時間ミリング処理することにより均一化した。均一化された混合物を、内径10mmφポリエチレン製ダイとSUS製のパンチを用いて一軸プレス成形機により400MPaでプレス成形して、厚さ65μmのシートとして正極合剤層112を準備した。
[2−4]全固体型リチウムイオン二次電池1の組み立て
内径10mmφポリエチレン製ダイの中に、上記で得られた負極合剤層132、固体電解質層12、正極合材層112の順に積層し、負極合剤層132側及び正極合材層112側の両側からSUS製のパンチで100MPa(1000kgf/cm2)の圧力で挟み、負極合剤層132、固体電解質層12、及び正極合材層112を接合して積層体Aを得た。
得られた積層体Aを一旦ダイから取り出し、上記ダイの中に、下から負極リード131a、銅箔(負極集電体131)、負極合剤層132を下側に向けた積層体A、アルミニウム箔(正極集電体111)、正極リード111aの順に重ねて、負極リード131a側及び正極リード111a側の両側からSUS製のパンチで1MPa(10kgf/cm2)の圧力で挟み、負極リード131a、銅箔、積層体A、アルミニウム箔、及び正極リード111aを接合して全固体型リチウムイオン二次電池1を得た。
[3]電池の評価
以下の電池評価はすべて25℃の大気中で行った。
[3−1]クーロン効率の測定
上記の通り作製された全固体型リチウムイオン二次電池1に対して、レストポテンシャルから4.2Vになるまで1.25mA(0.05C)で定電流充電を行った。続いて4.2Vの一定電圧で40時間の定電圧充電を行う。定電圧充電による充電容量(mAh)を初回充電容量Qc1とした。
次に、1.25mA(0.05C)で2.75Vになるまで定電流放電を行う。定電流放電による放電容量(mAh)を初回放電容量Qd1とした。初回放電容量Qd1(mAh)を負極層中の複合材料の質量で割った値を初回放電容量密度(mAh/g)とした。
また、初回充電容量Qc1に対する初回放電容量Qd1の割合を百分率で表した数値、100×Qd1/Qc1をクーロン効率(%)とした。
[3−2]3Cレート容量維持率の測定
上記の通り作製された全固体型リチウムイオン二次電池1に対して、上記‘[3−1]クーロン効率の測定’に記載した方法と同様の手順で定電流充電および定電圧充電を行った後、2.5mA(0.1C)で2.75Vになるまで定電流放電して測定される放電容量Q2.5d[mAh]を測定した。同様の手順で定電流充電および定電圧充電した後、75mA(3.0C)で2.75Vになるまで定電流放電して測定される放電容量Q75d[mAh]を測定する。100×Q75d/Q2.5dを3Cレート容量維持率(%)とした。
[3−3]100サイクル容量維持率の測定
上記の通り作製された全固体型リチウムイオン二次電池1に対して、充電は4.2Vになるまで5.0mA(0.2C)の定電流充電を行い、続いて4.2Vの一定電圧で、電流値が1.25mA(0.05C)に減少するまで定電圧充電を行った。放電は25mA(1.0C)の定電流放電で、電圧が2.75Vになるまで行った。
これらの充放電を100回行い、100回目の放電容量Qd100として、100×Qd100/Qd1を100サイクル容量維持率(%)とした。
[4]電解液型リチウムイオン二次電池の作製
[4−1]電極用ペースト作製
各実施例及び比較例で得られた複合粒子を96.5g、導電助剤としてカーボンブラック(TIMCAL社製、C65)を0.5g、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を1.5g及び水を80〜120g適宜加えて粘度を調節し、水系バインダー(昭和電工株式会社製、ポリゾール(登録商標))微粒子の分散した水溶液1.5gを加え撹拌・混合し、充分な流動性を有するスラリー状の分散液を作製し、電極用ペーストとした。
[4−2]負極1の作製
電極用ペーストを高純度銅箔上でドクターブレードを用いて150μm厚に塗布し、70℃で12時間真空乾燥した。塗布部が4.2cm×4.2cmとなるように打ち抜き機を用いて打ち抜いた後、超鋼製プレス板で挟み、電極密度が1.3g/cm3となるようにプレスし、負極1を作製した。プレス後の負極活物質層の厚さは65μmであった。
[4−3]負極2の作製
上記の電極用ペーストが塗布された銅箔を16mmφの円形に打ち抜いた後、負極1と同様の方法で、電極密度が1.3g/cm3となるようにプレスし、負極2を作製した。プレス後の活物質層の厚さは65μmであった。
[4−4]正極の作製
LiFe2PO4(D50:7μm)を95g、導電助剤としてのカーボンブラック(TIMCAL社製、C65)を1.2g、気相法炭素繊維(昭和電工株式会社製、VGCF(登録商標)−H)を0.3g、バインダーとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)を3.5g、N−メチル−ピロリドンを適宜加えながら撹拌・混合し、正極用スラリーを作製した。
この正極用スラリーを厚み20μmのアルミ箔上に厚さが均一になるようにロールコーターにより塗布し、乾燥後、ロールプレスを行い、塗布部が4.2×4.2cmとなるように打ち抜き、正極を得た。プレス後の活物質層の厚さは65μmであった。
[4−5]電解液の作製
EC(エチレンカーボネート)3質量部、DMC(ジメチルカーボネート)2質量部及びEMC(エチルメチルカーボネート)5質量部の混合液に、電解質としてLiPF6を1.2モル/リットル溶解し、添加剤としてVC(ビニレンカーボネート)1質量部を加えて、電解液とした。
[4−6]電池の組み立て
(二極セル)
負極1の銅箔部にニッケルタブを、正極のアルミ箔部にアルミタブを超音波溶接機で溶接しとりつけた。ポリプロピレン製フィルム微多孔膜を介して、負極1の活物質側と正極の活物質側とを対向させ積層し、アルミラミネートフィルムによりパックし、電解液を注液後、開口部を熱融着により封止し、二極セルを作製した。
(対極リチウムセル(ハーフセル))
ポリプロピレン製のねじ込み式フタつきのセル(内径約18mm)内において、負極2の活物質側と16mmφに打ち抜いた金属リチウム箔との間にセパレーター(ポリプロピレン製マイクロポーラスフィルム(セルガード2400))で挟み込んで積層し、電解液を加えてかしめ機でかしめることで、対極リチウムセルを作製した。
[5」電解液型リチウムイオン二次電池の評価
[5−1]初回放電容量、クーロン効率の測定
対極リチウムセルを用いて25℃に設定した恒温槽内で試験を行った。レストポテンシャルから0.005Vまで0.02mAで定電流充電を行った。次に0.005Vで定電圧充電に切り替え、定電流充電と定電圧充電とを合わせて40時間になるように充電を行い、初回充電容量(a)を測定した。
上限電圧1.5Vとして0.2mAで定電流放電を行い、初回放電容量(b)を測定した。
初回放電容量(b)/初回充電容量(a)を百分率で表した値、すなわち100×(b)/(a)をクーロン効率とした。
[5−2]基準容量の測定
二極セルを用いて、25℃に設定した恒温槽内で試験を行った。セルを上限電圧4Vとして0.2C(満充電状態の電池を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下同様)で定電流充電したのち、カットオフ電流値0.85mA、4Vで定電圧充電した。その後、下限電圧2V、0.2Cで定電流放電を行った。上記操作を計4回繰り返し、4回目の放電容量を二極セルの基準放電容量(c)とした。
[5−3]500サイクル容量維持率の測定
二極セルを用いて、25℃に設定した恒温槽中で試験を行った。充電はレストポテンシャルから上限電圧を4Vとして定電流値85mA(5C相当)で定電流充電を行ったのち、カットオフ電流値0.34mA、4Vで定電圧充電を行った。
その後、下限電圧2Vとして、85mAで定電流放電を行った。
上記条件で、500サイクル充放電を繰り返し、500サイクル放電容量(d)を測定した。上記条件で測定した高温サイクル放電容量(d)/二極セルの基準容量(c)を百分率で表した値、すなわち100×(d)/(c)を500サイクル容量維持率とした。
[5−4]1Cレート容量維持率の測定
二極セルを用いて試験を行った。25℃に設定した恒温槽内にてセルを上限電圧4Vとして0.2Cで定電流充電したのち、カットオフ電流値0.34mAとして4Vで定電圧充電した。充電したセルを−20℃に設定した恒温槽にて下限電圧2V、1Cで定電流放電し、放電容量を測定した。この放電容量を低温放電容量(h)とした。二極セルの基準容量(c)に対する低温放電容量(h)を百分率で表した値、すなわち100×(h)/(c)をレート特性の値とした。
[6]炭素性材料
表1に示されている原料としての炭素性材料の詳細は以下の通りである。
[6−1]SCMG(登録商標):
昭和電工株式会社製の黒鉛粒子(人造黒鉛)、SCMG(登録商標)を用いた。この黒鉛粒子はBET比表面積が2.2m2/g、D10が4.7μm、D50が12.0μm、D90が25.5μm、表面粗さ3.3、アスペクト比が0.89、d002が0.3356nm、中実構造であった。
[6−2]SiC(シリコン含有非晶質炭素粒子)
BET比表面積が900m2/gの市販活性炭に対して、窒素ガスと混合された1.3体積%のシランガス流を有する管炉で設定温度500℃、圧力760torr、流量100sccm、6時間処理して得られたSiCを用いた。このSiCはD50が10.0μm、BET比表面積が16.9m2/g、ケイ素含有量は35wt%であった。
[7]下地層原料
表1に示されている下地層原料の石油系ピッチ、グラフェンの詳細は以下の通りである。
[7−1]石油系ピッチ
50%粒子径(D50)6μm、軟化点105℃、残炭率40%の石油系ピッチを用いた。
[7−2]グラフェン
特開2015−160795号公報の実施例1に記載の製法で得られたグラフェンを用いた。
(実施例1〜4)
各実施例において、表1に示す炭素性材料と下地層原料とをV型混合機(VM−10、株式会社ダルトン製)に投入し、常温で10分間乾式混合を行った。得られた混合物を窒素ガス雰囲気下の電気式管状炉で表1に示す温度にて1時間熱処理1を行った。
表1に示す原料(下地層形成炭素性材料および前駆体溶液)及び割合で転動流動コーティング装置(MP−01_mini、株式会社パウレック製)に投入し、常温、窒素雰囲気で前駆体溶液を完全にスプレーしきるまで乾式混合を行った。その混合物を湿度25%以下の大気雰囲気下で表1に示す温度にて電気式管状炉にて下記条件で熱処理2を行い、複合材料を得た。得られた複合材料の物性を表2に示す。
得られた複合材料を用いて電池を作製した。実施例1〜4で得られた複合材料を用いた電池は、比較例1〜6で得られた複合材料を用いた電池に比べて、電池の性能は優れたものであった。
(比較例1、3)
各比較例において、表1に示す原料(炭素性材料および前駆体溶液)及び割合で転動流動コーティング装置(MP−01_mini、株式会社パウレック製)に投入し、常温、窒素雰囲気で前駆体溶液を完全にスプレーしきるまで乾式混合を行った。その混合物を湿度25%以下の大気雰囲気下で表1に示す温度にて電気式管状炉にて下記条件で熱処理2を行い、複合材料を得た。得られた複合材料の物性を表2に示す。
(実施例5)
炭素性材料とグラフェンを混合機(ノビルタ、ホソカワミクロン株式会社製)に投入し、常温で10分間乾式混合を行った。表1に示す原料(下地層形成炭素性材料および前駆体溶液)及び割合で転動流動コーティング装置(MP−01_mini、株式会社パウレック製)に投入し、常温、窒素雰囲気で前駆体溶液を完全にスプレーしきるまで乾式混合を行った。その混合物を湿度25%以下の大気雰囲気下で表1に示す温度にて電気式管状炉にて下記条件で熱処理2を行い、複合材料を得た。得られた複合材料の物性を表2に示す。
得られた複合材料を用いて電池を作製した。実施例5で得られた複合材料を用いた電池は、比較例1〜6で得られた複合材料を用いた電池に比べて、電池の性能は優れたものであった。
(比較例2、4)
炭素性材料をそのまま電池材料として用い評価した。
(比較例5)
表1に示す前駆体溶液と炭素性材料を丸底フラスコにいれ、攪拌しながら湿度60%程度の大気雰囲気化で100℃にてエタノール残量が0.1wt%未満になるまで処理した。得られたもの窒素雰囲気下400℃で熱処理し解砕して、複合材料を得た。
(比較例6)
表1に示す前駆体溶液と炭素性材料を丸底フラスコにいれ、攪拌しながら減圧雰囲気で40℃にてエタノール残量が0.1wt%未満になるまで処理した。得られたもの窒素雰囲気下400℃で熱処理し解砕し、複合材料を得た。
転動流動コーティング装置の運転条件
・ローター:標準
・フィルター:FPM
・メッシュ:800M
・ノズル形式:NPX−II
・ノズル口径:1.2mm
・ノズル位置:接線
・ノズル数:1
・ローター回転速度:400rpm
・スプレーエアー圧:0.17(MPa)
・払い落し圧:0.2(MPa)
・フィルター払落し時間/インターバル:4.0/0.3(sec/sec)
熱処理2条件
・雰囲気:湿度25%以下の大気、
・最高温度:400℃、
・最高温度保持時間:1時間、
・昇温速度:150℃/h、
・降温速度150℃/h。
Figure 2021100905
Figure 2021100905
Figure 2021100905
Figure 2021100905
1:全固体型リチウムイオン二次電池
11:正極層
111:正極集電体
111a:正極リード
112:正極合剤層
12:固体電解質層
13:負極層
131:負極集電体
131a:負極リード
132:負極合剤層
A:複合材料
B:複合材料
21:炭素性材料
22:金属酸化物層
23:下地層(中間層)

Claims (19)

  1. 炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料であって、前記金属酸化物層の被覆率が95%以上、平均厚さが10nm以下である複合材料。
  2. 前記炭素性材料と金属酸化物層との間の少なくとも一部に金属酸化物層のための下地層を備えた請求項1に記載の複合材料。
  3. 前記下地層が非晶質炭素層である請求項2に記載の複合材料。
  4. 前記下地層がグラフェン層である請求項2に記載の複合材料。
  5. 前記下地層がポリマー層である請求項2に記載の複合材料。
  6. 前記下地層の平均厚さが100nm以下である請求項2〜5のいずれか1項に記載の複合材料。
  7. 前記金属酸化物層の表面に金属酸化物粒子が付着している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合材料。
  8. 複合材料における金属酸化物の含有量が、前記複合材料を100質量部としたとき0.01質量部以上5.0質量部以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合材料。
  9. 前記金属酸化物層における金属酸化物が、周期律表1族から12族の元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、スズ及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属の酸化物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合材料。
  10. 前記金属酸化物層における金属酸化物が、チタン酸リチウム及びニオブ酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の複合材料。
  11. 複合材料が粒子状であり、体積基準の累積粒度分布における50%粒子径D50が1.0μm以上30.0μm以下であり、BET比表面積及び粒度分布から測定される表面粗さが1.0〜10.0である請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合材料。
  12. 前記複合材料が、シリコンを含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合材料。
  13. 粒子状導電助剤、繊維状導電助剤及び固体電解質の群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合材料。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の複合材料を含むリチウムイオン二次電池用負極材。
  15. 請求項14に記載の負極材を含むリチウムイオン二次電池用負極。
  16. 請求項15に記載の負極を用いたチウムイオン二次電池。
  17. 炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料の製造方法であって、
    金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる金属酸化物前駆体の少なくとも一種と溶媒を含む前駆体溶液を準備する工程、
    炭素性材料に金属酸化物層のための下地層を形成した下地層形成炭素材料を得る工程、
    流動状態にした下地層形成炭素材料に対して前記前駆体溶液を噴霧する工程、
    及び金属酸化物前駆体の付着した下地層形成炭素材料を熱処理して金属酸化物層を形成する工程、を含む製造方法。
  18. 炭素性材料と、前記炭素性材料の表面を被覆する金属酸化物層とを含む複合材料の製造方法であって、
    金属アルコキシド及び金属錯体から選ばれる金属酸化物前駆体の少なくとも一種と溶媒を含む前駆体溶液を準備する工程、
    炭素性材料に金属酸化物層のための下地層を形成した下地層形成炭素材料を得る工程、
    流動状態にした下地層形成炭素材料に対して前記前駆体溶液を噴霧する工程、
    及びゾルゲル反応によって金属酸化物前駆体から金属酸化物層を形成する工程、を含む製造方法。
  19. 前記前駆体溶液はさらにLi化合物を含む請求項17または18に記載の複合材料の製造方法。
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