JP2021100192A - 鉄道用無線通信端末及び鉄道用無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の端末間無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することを目的とする。【解決手段】新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間の境界領域内に自車両が存在すると判定したときに、自車両と他車両との間の無線通信を新しいデジタル無線通信システムの端末間無線通信で行なうにあたり、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が旧いアナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる新しいデジタル無線通信システムの送信スロット番号を、自車両の新しいデジタル無線通信システムの送信スロット番号に設定する。【選択図】図2
Description
本開示は、時分割多重方式の端末間無線通信を行なう鉄道用無線通信に関する。
時分割多重方式の業務用無線通信を行なう鉄道用無線通信が、特許文献1等に開示されている。特許文献1等では、保守用車等の複数の車両の間において、異なる送信スロット番号を調停することにより、送信タイミングの競合を回避することができる。
従来技術の鉄道用無線通信方法の解決課題を図1に示す。全国の鉄道網では、新しい無線通信システム及び旧い無線通信システムが境界領域を介して混在している。
新しい無線通信システムは、デジタル無線通信システムであり、自車両と他車両との間の無線通信を時分割多重方式の業務用無線通信で行なう一方で、線路上の無線通信装置(線路閉鎖装置等)が関わる無線通信をLTE無線通信で行なう。
デジタル業務用無線通信フレームは、後述のアナログ業務用無線通信フレームと比べて、同一のフレーム長を有しGPS同期されており、送信スロット番号D1〜D28を有する。送信スロット番号D1〜D14は、上り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号D15〜D28は、下り線の車両間の無線通信に割り振られる。
旧い無線通信システムは、アナログ無線通信システムであり、自車両と他車両との間の無線通信を時分割多重方式の業務用無線通信で行なうとともに、線路上の無線通信装置(線路閉鎖装置等)が関わる無線通信も時分割多重方式の業務用無線通信で行なう。
アナログ業務用無線通信フレームは、上述のデジタル業務用無線通信フレームと比べて、同一のフレーム長を有しGPS同期されており、送信スロット番号A1〜A18を有する。送信スロット番号A1、A2は、マージンであるため無線通信に割り振られない。送信スロット番号A3〜A14は、上り線及び下り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号A15〜A18は、線路上の無線通信装置間の無線通信に割り振られる。ただし、線路上の無線通信装置間の無線通信が現時点で実行されているため、送信スロット番号A15〜A18は現時点で使用されているとする。
よって、上り線のデジタル側境界領域内の車両C1、C2に、送信スロット番号D1〜D14のいずれかが割り振られる。そして、上り線のアナログ側境界領域内の車両C3、C4に、送信スロット番号A3〜A14のいずれかが割り振られる。ここで、送信スロット番号D4〜D14と、送信スロット番号A3〜A9と、はタイミングが競合する。よって、車両C1、C2の車両群と、車両C3、C4の車両群と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができず、新旧システム内の車両間において車両間の接近を認識することができない。
一方で、下り線のデジタル側境界領域内の車両C5、C6に、送信スロット番号D15〜D28のいずれかが割り振られる。そして、下り線のアナログ側境界領域内の車両C7、C8に、送信スロット番号A3〜A14のいずれかが割り振られる。ここで、送信スロット番号D15〜D22と、送信スロット番号A10〜A14と、はタイミングが競合する。よって、車両C5、C6の車両群と、車両C7、C8の車両群と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができず、新旧システム内の車両間において車両間の接近を認識することができない。そして、送信スロット番号D23〜D28と、送信スロット番号A15〜A18と、はタイミングが競合する。よって、車両C5、C6に、送信スロット番号D23〜D28が割り振られると、車両C5、C6の車両群と、線路上の無線通信装置と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができない。
そこで、前記課題を解決するために、本開示は、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の端末間無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することを目的とする。
前記課題を解決するために、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間の境界領域内に自車両が存在すると判定したときに、自車両と他車両との間の無線通信を新しいデジタル無線通信システムの端末間無線通信で行なうにあたり、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が旧いアナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる新しいデジタル無線通信システムの送信スロット番号を、自車両の新しいデジタル無線通信システムの送信スロット番号に設定する。
具体的には、本開示は、他車両と無線通信を行なう自車両に搭載される鉄道用無線通信端末であって、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なう一方で、線路上の無線通信装置が関わる無線通信を基地局無線通信で行なうデジタル無線通信システムと、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なうとともに、線路上の無線通信装置が関わる無線通信も時分割多重方式の端末間無線通信で行なうアナログ無線通信システムと、の間のシステム境界領域内において、前記自車両の存在の有無を示す情報を取得する自車位置取得部と、前記自車位置取得部が前記システム境界領域内での前記自車両の存在を示す情報を取得したときに、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信で行なうにあたり、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、前記自車両の前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号に設定するスロット調停部と、を備えることを特徴とする鉄道用無線通信端末である。
具体的には、本開示は、複数の車両が無線通信を行なう鉄道用無線通信方法であって、各車両で、自車両と他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なう一方で、線路上の無線通信装置が関わる無線通信を基地局無線通信で行なうデジタル無線通信システムと、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なうとともに、線路上の無線通信装置が関わる無線通信も時分割多重方式の端末間無線通信で行なうアナログ無線通信システムと、の間のシステム境界領域内において、前記自車両の存在の有無を示す情報を取得する自車位置取得手順と、各車両で、前記自車位置取得手順で前記システム境界領域内での前記自車両の存在を示す情報を取得したときに、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信で行なうにあたり、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、前記自車両の前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号に設定するスロット調停手順と、を順に備えることを特徴とする鉄道用無線通信方法である。
これらの構成によれば、新しいデジタル無線通信システムの境界領域内において、新しいデジタル無線通信システムの送信スロット数が制限される。よって、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の端末間無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することができる。
また、本開示は、前記スロット調停部は、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット数に応じて、前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信を行なう前記自車両を含む車両の台数を制限されることを特徴とする鉄道用無線通信端末である。
また、本開示は、各車両で、前記スロット調停手順では、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット数に応じて、前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信を行なう前記自車両を含む車両の台数を制限されることを特徴とする鉄道用無線通信方法である。
これらの構成によれば、新しいデジタル無線通信システムの境界領域内において、新しいデジタル無線通信システムの送信車両数が制限される。よって、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の端末間無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することができる。
また、本開示は、前記スロット調停部は、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、上りの線路に存在する車両と下りの線路に存在する車両との間で分配して利用することを特徴とする鉄道用無線通信端末である。
また、本開示は、各車両で、前記スロット調停手順では、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、上りの線路に存在する車両と下りの線路に存在する車両との間で分配して利用することを特徴とする鉄道用無線通信方法である。
これらの構成によれば、新しいデジタル無線通信システムの境界領域内において、新しいデジタル無線通信システムの送信スロット数及び送信車両数が制限されるものの、上りの線路と下りの線路との間で制限されたスロットを分配して利用することができる。
このように、本開示は、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の端末間無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することができる。
添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本開示の実施の例であり、本開示は以下の実施形態に制限されるものではない。
本開示の鉄道用無線通信方法の解決手段を図2に示す。以下では、本開示の鉄道用無線通信方法が従来技術の鉄道用無線通信方法と異なる点を主に説明する。
アナログ側境界領域内において、アナログ側境界領域外と同様に、以下の送信スロット番号が割り振られる。送信スロット番号A1、A2は、マージンであるため無線通信に割り振られない。送信スロット番号A3〜A14は、上り線及び下り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号A15〜A18は、線路上の無線通信装置間の無線通信に割り振られる。ただし、線路上の無線通信装置間の無線通信が現時点で実行されていないため、送信スロット番号A15〜A18は現時点で使用されていないとする。
デジタル側境界領域外において、従来技術と同様に、以下の送信スロット番号が割り振られる。送信スロット番号D1〜D14は、上り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号D15〜D28は、下り線の車両間の無線通信に割り振られる。デジタル側境界領域内において、従来技術と異なり、以下の送信スロット番号が割り振られる。送信スロット番号D1〜D3は、上り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号D23〜D28は、下り線の車両間の無線通信に割り振られる。
よって、上り線のデジタル側境界領域内の車両C1、C2に、送信スロット番号D1〜D3のいずれかが割り振られる。つまり、上り線のデジタル側境界領域内において、送信車両数が3台に制限される。そして、上り線のアナログ側境界領域内の車両C3、C4に、送信スロット番号A3〜A14のいずれかが割り振られる。ここで、送信スロット番号D1〜D3と、送信スロット番号A3〜A14と、はタイミングが競合しない。よって、車両C1、C2の車両群と、車両C3、C4の車両群と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができ、新旧システム内の車両間において車両間の接近を認識することができる。
一方で、下り線のデジタル側境界領域内の車両C5、C6に、送信スロット番号D23〜D28のいずれかが割り振られる。つまり、下り線のデジタル側境界領域内において、送信車両数が6台に制限される。そして、下り線のアナログ側境界領域内の車両C7、C8に、送信スロット番号A3〜A14のいずれかが割り振られる。ここで、送信スロット番号D23〜D28と、送信スロット番号A3〜A14と、はタイミングが競合しない。よって、車両C5、C6の車両群と、車両C7、C8の車両群と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができ、新旧システム内の車両間において車両間の接近を認識することができる。
本開示の鉄道用無線通信方法の解決手段を図3に示す。以下では、本開示の鉄道用無線通信方法が従来技術の鉄道用無線通信方法と異なる点を主に説明する。
アナログ側境界領域内において、アナログ側境界領域外と同様に、以下の送信スロット番号が割り振られる。送信スロット番号A1、A2は、マージンであるため無線通信に割り振られない。送信スロット番号A3〜A14は、上り線及び下り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号A15〜A18は、線路上の無線通信装置間の無線通信に割り振られる。ただし、線路上の無線通信装置間の無線通信が現時点で実行されているため、送信スロット番号A15〜A18は現時点で使用されているとする。
デジタル側境界領域外において、従来技術と同様に、以下の送信スロット番号が割り振られる。送信スロット番号D1〜D14は、上り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号D15〜D28は、下り線の車両間の無線通信に割り振られる。デジタル側境界領域内において、従来技術と異なり、以下の送信スロット番号が割り振られる。送信スロット番号D1、D2は、上り線の車両間の無線通信に割り振られる。送信スロット番号D3のみは、下り線の1台の車両の無線通信に割り振られる。
本来(例えば、図1及び図2)では、送信スロット番号D3は、上り線の車両間の無線通信に割り振られる。しかし、図3では、送信スロット番号D3は、下り線の車両間の無線通信に割り振られる。よって、図3では、送信スロット番号D1〜D3は、上り線の車両間の無線通信と下り線の車両間の無線通信との間で分配され利用される。
よって、上り線のデジタル側境界領域内の車両C1、C2に、送信スロット番号D1、D2のいずれかが割り振られる。つまり、上り線のデジタル側境界領域内において、送信車両数が2台に制限される。そして、上り線のアナログ側境界領域内の車両C3、C4に、送信スロット番号A3〜A14のいずれかが割り振られる。ここで、送信スロット番号D1、D2と、送信スロット番号A3〜A14と、はタイミングが競合しない。よって、車両C1、C2の車両群と、車両C3、C4の車両群と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができ、新旧システム内の車両間において車両間の接近を認識することができる。
一方で、下り線のデジタル側境界領域内の1台の車両C5に、送信スロット番号D3のみが割り振られる。つまり、下り線のデジタル側境界領域内において、送信車両数が1台に制限される。そして、下り線のアナログ側境界領域内の車両C7、C8に、送信スロット番号A3〜A14のいずれかが割り振られる。ここで、送信スロット番号D3のみと、送信スロット番号A3〜A14と、はタイミングが競合しない。よって、1台の車両C5と、車両C7、C8の車両群と、の間において、送信タイミングの競合を回避することができ、新旧システム内の車両間において車両間の接近を認識することができる。なお、図3の上り線と下り線とを逆にして、送信スロット番号D3のみは、上り線の1台の車両の無線通信に割り振られてもよく、送信スロット番号D1、D2は、下り線の車両間の無線通信に割り振られてもよい。
本開示の鉄道用無線通信端末の構成を図4に示す。本開示の鉄道用無線通信方法の手順を図5に示す。鉄道用無線通信端末Rは、各車両C1、C2、C5、C6に搭載され、スロット調停部1、自車位置取得部2及びスロット制限部3から構成される。
自車位置取得部2は、デジタル側境界領域内において、自車両の存在の有無を示す情報を取得する(ステップS1)。ここで、デジタル側境界領域は、デジタル/アナログ無線通信システムの間の無線干渉領域として、電波試験に基づいて設定される。そして、自車両の位置情報は、自車両の車輪回転数又はGPSの位置測定に基づいて取得される。
自車位置取得部2が、デジタル側境界領域内において、自車両の存在を示す情報を取得したときには(ステップS2においてYES)、スロット調停部1は、スロット制限部3の制御に基づいて、ステップS3〜S6の処理を実行する。
スロット調停部1は、アナログ側境界領域内において、線路上の通信の有無を示す情報を取得する(ステップS3)。ここで、線路上の通信の有無を示す情報として、ユーザにより事前に鉄道用無線通信端末Rへ入力された情報を使用する。或いは、線路上の通信の有無を示す情報は、アナログ無線通信システムからLTE無線通信等を介してデジタル無線システムへと通信される。
スロット調停部1は、アナログ側境界領域内において、線路上の通信の存在を示す情報を取得しなかったときには(ステップS4においてNO)、図2に示した状態を実現する(ステップS5)。スロット制限部3は、図2に示した状態において、上り線及び下り線のデジタル側境界領域内で使用可能な送信スロット番号を予め記憶している。
そして、スロット調停部1は、自車両が上り線のデジタル側境界領域内に存在するときには、自車両に送信スロット番号D1〜D3のいずれかを設定する。ただし、スロット調停部1は、送信スロット番号D1〜D3がすでに使用されているときには、自車両が上り線のデジタル側境界領域内に進入することを禁止する警告を出力する。
一方で、スロット調停部1は、自車両が下り線のデジタル側境界領域内に存在するときには、自車両に送信スロット番号D23〜D28のいずれかを設定する。ただし、スロット調停部1は、送信スロット番号D23〜D28がすでに使用されているときには、自車両が下り線のデジタル側境界領域内に進入することを禁止する警告を出力する。
或いは、ステップS5の(上下線で混在も可)のように、スロット調停部1は、上り線及び下り線に関係なく、自車両に送信スロット番号D1〜D3、D23〜D28のいずれかを先優先で設定してもよい。すると、送信スロット数及び送信車両数が制限されるものの、上り線と下り線との間で制限されたスロットを分配して利用することができる。
スロット調停部1は、アナログ側境界領域内において、線路上の通信の存在を示す情報を取得したときには(ステップS4においてYES)、図3に示した状態を実現する(ステップS6)。スロット制限部3は、図3に示した状態において、上り線及び下り線のデジタル側境界領域内で使用可能な送信スロット番号を予め記憶している。
そして、スロット調停部1は、自車両が上り線のデジタル側境界領域内に存在するときには、自車両に送信スロット番号D1、D2のいずれかを設定する。ただし、スロット調停部1は、送信スロット番号D1、D2がすでに使用されているときには、自車両が上り線のデジタル側境界領域内に進入することを禁止する警告を出力する。
一方で、スロット調停部1は、自車両が下り線のデジタル側境界領域内に存在するときには、自車両に送信スロット番号D3のみを設定する。ただし、スロット調停部1は、送信スロット番号D3のみがすでに使用されているときには、自車両が下り線のデジタル側境界領域内に進入することを禁止する警告を出力する。
なお、スロット調停部1は、ステップS6の上り線と下り線とを逆にして、自車両が上り線のデジタル側境界領域内に存在するときには、自車両に送信スロット番号D3のみを設定してもよく、自車両が下り線のデジタル側境界領域内に存在するときには、自車両に送信スロット番号D1、D2のいずれかを設定してもよい。
つまり、ステップS6の(上下線で逆も可)のように、スロット調停部1は、上り線及び下り線に関係なく、自車両に送信スロット番号D1〜D3のいずれかを先優先で設定してもよい。すると、送信スロット数及び送信車両数が制限されるものの、上り線と下り線との間で制限されたスロットを分配して利用することができる。
自車位置取得部2が、デジタル側境界領域内において、自車両の存在を示す情報を取得しなかったときには(ステップS2においてNO)、スロット調停部1は、スロット制限部3の制御に基づいて、ステップS7の処理を実行する。スロット制限部3は、上り線及び下り線のデジタル側境界領域外で使用可能な送信スロット番号を予め記憶している。
そして、スロット調停部1は、自車両が上り線のデジタル側境界領域外に存在するときには、図1と同様に、自車両に送信スロット番号D1〜D14のいずれかを設定する。一方で、スロット調停部1は、自車両が下り線のデジタル側境界領域外に存在するときには、図1と同様に、自車両に送信スロット番号D15〜D28のいずれかを設定する。
或いは、ステップS7の(上下線で混在も可)のように、スロット調停部1は、上り線及び下り線に関係なく、自車両に送信スロット番号D1〜D14、D15〜D28のいずれかを先優先で設定してもよい。すると、送信スロット数及び送信車両数が制限されるものの、上り線と下り線との間で制限されたスロットを分配して利用することができる。
このように、新しいデジタル無線通信システムの境界領域内において、新しいデジタル無線通信システムの送信スロット数及び送信車両数が制限される。よって、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の業務用無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することができる。
そして、新しいデジタル無線通信システムの境界領域内において、新しいデジタル無線通信システムの送信スロット数及び送信車両数が制限されるものの、上りの線路と下りの線路との間で制限されたスロットを分配して利用することができる。
本実施形態では、時分割多重方式の端末間無線通信として、時分割多重方式の業務用無線通信を適用しており、基地局無線通信として、LTE無線通信を適用している。変形例として、時分割多重方式の端末間無線通信として、時分割多重方式のその他の無線通信を適用してもよく、基地局無線通信として、その他の無線通信を適用してもよい。
本開示の鉄道用無線通信端末及び鉄道用無線通信方法は、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムの間のシステム境界領域内においても、時分割多重方式の端末間無線通信の送信タイミングの競合を回避するとともに、新しいデジタル/旧いアナログ無線通信システムをそれぞれ適用する車両間の接近を認識することができる。
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8:車両
R:鉄道用無線通信端末
1:スロット調停部
2:自車位置取得部
3:スロット制限部
R:鉄道用無線通信端末
1:スロット調停部
2:自車位置取得部
3:スロット制限部
Claims (6)
- 他車両と無線通信を行なう自車両に搭載される鉄道用無線通信端末であって、
前記自車両と前記他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なう一方で、線路上の無線通信装置が関わる無線通信を基地局無線通信で行なうデジタル無線通信システムと、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なうとともに、線路上の無線通信装置が関わる無線通信も時分割多重方式の端末間無線通信で行なうアナログ無線通信システムと、の間のシステム境界領域内において、前記自車両の存在の有無を示す情報を取得する自車位置取得部と、
前記自車位置取得部が前記システム境界領域内での前記自車両の存在を示す情報を取得したときに、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信で行なうにあたり、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、前記自車両の前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号に設定するスロット調停部と、
を備えることを特徴とする鉄道用無線通信端末。 - 前記スロット調停部は、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット数に応じて、前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信を行なう前記自車両を含む車両の台数を制限される
ことを特徴とする、請求項1に記載の鉄道用無線通信端末。 - 前記スロット調停部は、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、上りの線路に存在する車両と下りの線路に存在する車両との間で分配して利用する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄道用無線通信端末。 - 複数の車両が無線通信を行なう鉄道用無線通信方法であって、
各車両で、自車両と他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なう一方で、線路上の無線通信装置が関わる無線通信を基地局無線通信で行なうデジタル無線通信システムと、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を時分割多重方式の端末間無線通信で行なうとともに、線路上の無線通信装置が関わる無線通信も時分割多重方式の端末間無線通信で行なうアナログ無線通信システムと、の間のシステム境界領域内において、前記自車両の存在の有無を示す情報を取得する自車位置取得手順と、
各車両で、前記自車位置取得手順で前記システム境界領域内での前記自車両の存在を示す情報を取得したときに、前記自車両と前記他車両との間の無線通信を前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信で行なうにあたり、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、前記自車両の前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号に設定するスロット調停手順と、
を順に備えることを特徴とする鉄道用無線通信方法。 - 各車両で、前記スロット調停手順では、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット数に応じて、前記デジタル無線通信システムの端末間無線通信を行なう前記自車両を含む車両の台数を制限される
ことを特徴とする、請求項4に記載の鉄道用無線通信方法。 - 各車両で、前記スロット調停手順では、車両間の無線通信及び線路上の無線通信装置が関わる無線通信が前記アナログ無線通信システムの端末間無線通信で行なわれていない時間帯に含まれる前記デジタル無線通信システムの送信スロット番号を、上りの線路に存在する車両と下りの線路に存在する車両との間で分配して利用する
ことを特徴とする、請求項4又は5に記載の鉄道用無線通信方法。
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