JP2021100075A - 車両用電子制御装置 - Google Patents

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祐太 田中
Yuta Tanaka
祐太 田中
啓人 栗原
Hiroto Kurihara
啓人 栗原
文博 大澤
Fumihiro Osawa
文博 大澤
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Abstract

【課題】車両が通常走行を開始する前に電気負荷の駆動回路の異常を検知し、その駆動回路の異常の種類と故障部品を検出する。【解決手段】車両システム100において、車両用電子制御装置101の制御装置102は、電源遮断回路104により電源側通電経路を遮断状態とした上で、グラウンド遮断回路106に指示してグラウンド側通電経路の接続状態と遮断状態を切り替えて、電気負荷109とグラウンド遮断回路106との間で測定した測定電圧(診断ステータス信号)に基づいて電気負荷を駆動するための駆動回路110を診断する第1の非駆動時診断機能、を有し、第1の非駆動時診断機能の診断結果から、駆動回路110に発生した異常の種類と故障部品を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用電子制御装置に関する。
ソレノイド等の電気負荷は、電子制御装置の駆動回路によりデューティ駆動される。電子制御装置は、電気負荷を駆動中に当該電気負荷に流れる電流をモニタし、そのモニタ電流を基に目標電流が得られるように電気負荷に与える駆動信号を生成している。そして、この電気負荷の短絡等の診断については、目標電流とモニタ電流との差が一定値以上の場合に異常と判定する診断手法がとられている(特許文献1参照)。
また、電気負荷の駆動回路が短絡した場合、意図せず電気負荷に電流が流れ続ける。これを防止するために、短絡を検知した時には電気負荷への電源供給を遮断したり駆動回路のグラウンド線を遮断したりして、電気負荷への通電を停止させる手法が一般的に用いられる。
電気負荷を含む駆動回路の故障は、車両システムが制御不能な状態に陥る可能性がある。したがって、駆動回路の短絡異常等を検知し、電気負荷への電源供給や駆動回路のグラウンド線を遮断することで、車両搭乗者の安全を確保することが必要である。異常に対処するためには、駆動回路の状態を正確に診断することと、遮断機能の状態を正確に診断することが重要である。
特開平7−194175号公報
特許文献1のような目標電流とモニタ電流との差が一定値以上の場合に異常と判定する診断手法では、異常を検知できるのは目標電流が変化するときである。しかし、目標電流が変化するのは、主に車両が通常走行中に限られるため、異常がある状態での車両走行に対して異常検知してから対処するのでは、車両搭乗者の安全を確保できない可能性がある。
また、特許文献1のような診断手法では、電気負荷の駆動回路が異常な状態であることは検出できるが、地絡や天絡といった異常の種類、又は異常の発生している部品の特定まではできない。そのため、修理対象が拡大し、コストアップとなっていた。
上記の状況から、車両内の電気負荷を使用するシステムが始動する前に電気負荷の駆動回路の異常を検知し、その駆動回路の異常の種類と故障部品を検出する手法が望まれていた。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の車両用電子制御装置は、車両に搭載された電気負荷の通電を制御する車両用電子制御装置であって、制御装置と、駆動制御回路と、電源遮断回路と、グラウンド遮断回路とを備える。
制御装置は、電気負荷に目標電流が流れるように制御する。駆動制御回路は、制御装置の指示に従い、電源の電力を利用して電気負荷に電流を流す。電源遮断回路は、電源と上記駆動制御回路との間に設けられ、制御装置の指示に従い、電源から電気負荷へ電源側通電経路を接続する接続状態と、電源側通電経路を遮断する遮断状態とを切り替える。グラウンド遮断回路は、電気負荷とグラウンドとの間に設けられ、電気負荷からグラウンドへグラウンド側通電経路を接続する接続状態と、グラウンド側通電経路を遮断する遮断状態とを切り替える。
そして、制御装置は、電源遮断回路により電源側通電経路を遮断状態とした上で、グラウンド遮断回路に指示してグラウンド側通電経路の接続状態と遮断状態を切り替えて、電気負荷とグラウンド遮断回路との間で測定した測定電圧に基づいて電気負荷を駆動するための駆動回路を診断する第1の非駆動時診断機能、を有し、第1の非駆動時診断機能の診断結果から、当該駆動回路に発生した異常の種類と故障部品を検出する。
本発明の少なくとも一態様によれば、車両内の電気負荷を使用するシステムが始動する前に電気負荷の駆動回路の異常を検知し、その駆動回路の異常の種類と故障部品を検出することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係る車両用電子制御装置の内部構成の例を示す概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用電子制御装置のメインCPUにより実現される機能の例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用電子制御装置全体に対する診断処理の手順の例を示すフローチャートである。 図3におけるGND遮断回路診断の手順(サブルーチン)の例を示すフローチャートである。 図3における駆動回路診断の手順(サブルーチン)の例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る車両用電子制御装置の駆動回路に対する診断処理で参照する判定マトリクス表の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る車両用電子制御装置について説明する。本実施形態では、車両用電子制御装置は、内燃機関等のエンジンの制御に用いられる。
[車両用電子制御装置の全体構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両用電子制御装置の内部構成の例を示す概略図である。図1に示す車両システム100では、ECU(Electronic Control Unit)101は、端子111,112,113を介して、バッテリ120やイグニッションスイッチなどの電源と、アクチュエータの電気負荷109とが接続されている。バッテリ120の電力がメインCPU102及び他の回路に供給される。ECU101は、車両用電子制御装置の一例である。本実施形態の電気負荷109は、エンジンシステムのトランスミッション装置や燃料噴射装置などのソレノイド(磁気コイル)を想定しているが、この例に限らない。
(電気負荷の駆動)
ECU101は、起動後、メインCPU(Central Processing Unit)102内部で実行されるプログラム処理において電気負荷109に通電したい電流値(目標電流値)を算出して、駆動IC105に目標電流値を送信する。メインCPU102には、端子111を介して、イグニッションスイッチ信号が入力される。不揮発メモリ103は、不揮発性の半導体メモリであり、メインCPU102が実行する各種コンピュータープログラム(以下、単に「プログラム」称する)を記憶している。メインCPU102は、制御装置の一例であり、不揮発メモリ103の診断プログラムを実行してECU101を診断する。なお、制御装置として、メインCPU102の代わりにMPU(microprocessor)を用いてもよい。
駆動IC105は、駆動制御回路の一例である。駆動IC105は、受け取った目標電流値(図1では電流指示信号)に基づいてPWM(Pulse Width Modulation)電圧を生成し、端子113を介して電気負荷109へPWM電圧を印加して電気負荷109を駆動する。また、駆動IC105は、ECU101の診断時に、メインCPU102の指示により、ソレノイド等の電気負荷109を利用するシステムが動作しない程度の小さい電圧(以下「微小電圧」という)を電気負荷109に印加する。本明細書では、電気負荷109を利用したシステムが動作していない時を「電気負荷109が非駆動時」と表現することがある。
また、駆動IC105は、電気負荷109に実際に通電されている電流値を、メインCPU102へ電流モニタ値として送信する。また、駆動IC105は、端子113にかかる電圧値を、モニタ電圧値としてメインCPU102へ送信する。駆動IC105とメインCPU102との間の通信は、例えばSPI(Serial Peripheral Interface)通信により行われる。
メインCPU102は、目標電流値と電流モニタ値(実電流値)の差分をゼロにする制御演算により指示電流を生成して再び駆動IC105へ送信する。図1に示す駆動回路110では駆動IC105を使用しているが、メインCPU102から直接電気負荷109へPWM電圧を出力して電気負荷109を駆動する構成としてもよい。この場合、ECU101に不図示の電流モニタ回路と電圧モニタ回路を設置し、電気負荷109を通電したときの電流値と電圧値をこれらのモニタ回路により監視する。
(電源遮断回路とGND遮断回路)
電気負荷109と電源(図1ではバッテリ120)の間に、スイッチ104aを有する電源遮断回路104を配置して、メインCPU102からの指示により電気負荷109の駆動を強制的に停止可能な構成としている。スイッチ104aは、例えば半導体のスイッチ素子を用いて構成する。電源遮断回路104のスイッチ104aがオンすると駆動IC105を介して電気負荷109に電源が供給(通電)され、スイッチ104aがオフすると駆動IC105を介して電気負荷109への電源が遮断される。
また、電気負荷109と接地(グラウンド107)との間に、スイッチ106aを有するグラウンド遮断回路(以下「GND遮断回路」)106を配置して、メインCPU102からの指示により電気負荷109の駆動を強制的に停止可能な構成としている。スイッチ106aは、例えば半導体のスイッチ素子を用いて構成する。GND遮断回路106のスイッチ106aがオンすると端子114(すなわち電気負荷109)がグラウンド107(接地電位)に接続し、スイッチ106aがオフすると端子114(すなわち電気負荷109)とグラウンド107の接続が遮断される。なお、グラウンド107は、基準電位の一例であり、接地電位に限定するものではない。
また、電気負荷109(端子114)とGND遮断回路106との接続中点は、プルアップ抵抗108を介して電源VCCに接続され、この電気負荷109とGND遮断回路106との間の電位(測定電圧)が、診断ステータス信号としてメインCPU102へ入力される。
上記構成により、車両システム100が異常な状態のときのフェールセーフとして、電源遮断回路104により電気負荷109への電源供給の遮断や、GND遮断回路106により電気負荷109の駆動回路110を遮断し、電気負荷109を停止することが可能である。本実施形態の駆動回路110は、駆動IC105と、電気負荷109と、GND遮断回路106と、グラウンド107と、各回路及び電気部品を接続する導線とを含む回路を指す。駆動回路110にGND遮断回路106を設け、後述する手順で駆動回路110を診断することで、電気負荷109に通電する駆動回路110に発生した異常の種類や故障部品を特定することができる。
なお、図1の構成では、電源遮断回路104やGND遮断回路106への遮断と接続の指示はメインCPU102から行うとしているが、2以上のCPUを持つ構成のECU101などの場合は、別のCPUからも指示が可能な構成としてもよい。
[メインCPUの構成]
図2は、ECU101のメインCPU102により実現される機能の例を示すブロック図である。図2に示すように、メインCPU102は、非駆動時診断部200、駆動時診断部206、及びフェールセーフ処理部207を備える。
非駆動時診断部200は、電気負荷109を駆動させない期間に、ECU101の機能が正常かどうかを診断し、診断結果をフェールセーフ処理部207へ出力する。非駆動時診断部200は、メインCPU診断部201、電源遮断回路診断部202、GND遮断回路診断部203、駆動IC診断部204、及び駆動回路診断部205を備える。
メインCPU診断部201は、メインCPU102が正常かどうかを診断し、診断結果をフェールセーフ処理部207へ出力する。
電源遮断回路診断部202は、電源遮断回路104が正常かどうかを診断し、診断結果をフェールセーフ処理部207へ出力する。
GND遮断回路診断部203は、図6の判定マトリクス(1)を参照しながらGND遮断回路106が正常かどうかを診断し、診断結果(異常の種類、故障部品)をフェールセーフ処理部207と駆動回路診断部205へ出力する。GND遮断回路診断部203は、第1の非駆動時診断機能の一例である。
駆動IC診断部204は、駆動IC105が正常かどうかを診断し、診断結果をフェールセーフ処理部207へ出力する。
駆動回路診断部205は、図6の判定マトリクス(2)を参照しながら駆動回路110が正常かどうかを診断し、診断結果(異常の種類、故障部品)をフェールセーフ処理部207へ出力する。このとき、駆動回路診断部205は、GND遮断回路106についての診断結果(判定マトリクス(1))も利用して診断する。駆動回路診断部205は、第2の非駆動時診断機能の一例である。
駆動時診断部206は、電気負荷109を駆動させる期間(例えばエンジン始動中)に、ECU101の機能が正常かどうかを診断し、診断結果をフェールセーフ処理部207へ出力する。例えば、既述したように駆動時診断部206は、目標電流値とモニタ電流値との差が閾値以上の場合に、電気負荷109を含む駆動回路110が異常であると判定する。
フェールセーフ処理部207は、ECU101に異常が発生した場合には、ECU101の一部又は全部の機能を停止したり、故障情報を不揮発メモリ103に記憶したりする。例えば、フェールセーフ処理部207は、電源遮断回路104により電気負荷109への電源供給を遮断したり、GND遮断回路106により電気負荷109の駆動回路110を遮断したりする。
メインCPU102は、駆動回路110の異常が検出されると、異常の種類及び故障部品を、車両のインストルメントパネルの警告灯などに表示し、車両の搭乗者に知らせる。
[電源供給直後から通常制御開始までの処理]
詳細は図示しないが、ECU101への電源供給直後は、メインCPU102が実行すべきプログラムの初期化やメインCPU102の周辺回路の診断を実施する。そして、ECU101は、それらが正常であると診断した時には通常制御処理を開始し、異常と診断したときはフェールセーフ処理などを実施する。
ECU101への電源供給直後から通常制御開始までの処理について図3を参照して説明する。図3は、ECU101に対する診断処理の手順の例を示すフローチャートである。
まず、ECU101へ電源供給直後、メインCPU102は、メインCPU102自身の診断を実施する(S301)。診断内容の詳細は説明しないが、メインCPU102は、演算機能などプログラムが正常に動作することを主に診断する。
次いで、メインCPU102は、ステップS301の診断結果に基づいて、自身の異常の有無を判定する(S302)。そして、メインCPU102は、自身に異常あり(S302のNO)と判定したときには、詳細は説明しないが、ECU101の機能を停止したり故障情報を不揮発メモリ103に記憶したりするなどのフェールセーフ処理を実施する(S316)。
次いで、メインCPU102は、自身が正常である(S302のYES)と判定したときには、電源遮断回路104を診断する(S303)。診断内容の詳細は説明しないが、メインCPU102は、診断信号に対する応答を受信するなどして、電源遮断回路104の遮断機能が正常に動作することを診断する。
次いで、メインCPU102は、ステップS303の診断結果に基づいて、電源遮断回路104の異常の有無を判定する(S304)。そして、メインCPU102は、電源遮断回路104に異常あり(S304のNO)と判定したときには、詳細は説明しないが、ECU101の出力機能を停止したり故障情報を記憶したりするなどのフェールセーフ処理を実施する(S315)。
次いで、メインCPU102は、電源遮断回路104が正常である(S304のYES)と判定したときには、GND遮断回路106を診断する(S305)。この診断の詳細は図4で説明する。
次いで、メインCPU102は、ステップS305の診断結果に基づいて、GND遮断回路106の異常の有無を判定する(S306)。そして、メインCPU102は、GND遮断回路106に異常あり(S306のNO)と判定したときには、詳細は説明しないが、ECU101の出力機能を停止したり故障情報を記憶したりするなどのフェールセーフ処理を実施する(S314)。
次いで、メインCPU102は、GND遮断回路106が正常である(S306のYES)と判定したときには、駆動IC105を診断する(S307)。診断内容の詳細は説明しないが、メインCPU102は、診断信号に対する応答を受信するなどして、メインCPU102と駆動IC105との間に接続された信号線などが正常に動作することを診断する。
次いで、メインCPU102は、ステップS307の診断結果に基づいて、駆動ICの異常の有無を判定する(S308)。そして、メインCPU102は、駆動IC105に異常あり(S308のNO)と判定したときには、詳細は説明しないが、ECU101の出力機能を停止したり故障情報を記憶したりするなどのフェールセーフ処理を実施する(S313)。駆動IC105を使用せず、メインCPU102から直接PWM電圧を出力する構成の場合には、ステップS307,S313の処理とステップS308の判定処理は不要である。
次いで、メインCPU102は、駆動IC105が正常である(S308のYES)と判定したときには、駆動回路110を診断する(S309)。この診断の詳細は図5で説明する。
次いで、メインCPU102は、ステップS309の診断結果に基づいて、駆動回路110の異常の有無を判定する(S310)。そして、メインCPU102は、駆動回路110に異常あり(S310のNO)と判定したときには、詳細は説明しないが、ECU101の出力機能を停止したり故障情報を記憶したりするなどのフェールセーフ処理を実施する(S312)。
次いで、メインCPU102は、駆動回路110が正常である(S310のYES)と判定したときには、通常制御を行う(S311)。ステップS311〜S316のいずれかの処理が終了後、ECU101に対する診断処理を終了する。
[GND遮断回路診断]
ここで、図3に示したステップS305のGND遮断回路診断(第1の非駆動時診断機能)の詳細について図4を参照して説明する。
図4は、GND遮断回路診断の手順(サブルーチン)の例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU102は、電源遮断回路104へ電源遮断信号を送信し、電気負荷109の電源遮断を指示する(S401)。電源遮断回路104は、電源遮断信号を受信するとスイッチ104aをオフし、バッテリ120から駆動IC105への電源供給を遮断する。電源遮断は、駆動IC105が故障した状態ではGND遮断回路診断で使用する診断ステータス信号の状態が不定となる可能性があり、正確な診断を実施するために必要である。
次いで、メインCPU102は、GND遮断回路106へGND遮断信号を送信し、GND遮断を指示する(S402)。GND遮断回路106は、GND遮断信号を受信するとスイッチ106aをオフし、電気負荷109とグラウンド107の接続を遮断する(以下、「グラウンド遮断」という)。診断ステータス信号線はプルアップ抵抗108に接続されてプルアップされているため、GND遮断回路106が正常にグラウンド遮断されていれば、メインCPU102に入力される診断ステータス信号の電圧レベルはHighレベルとなる。
次いで、メインCPU102は、診断ステータス信号の電圧レベルがHighレベルかどうかを判定する(S403)。診断ステータス信号がLowレベルの場合は(S403のNO)、メインCPU102へ電流が流れていない状態であり、GND遮断回路106がメインCPU102の遮断指示に対して正常に動作していないか、あるいは、電気負荷109の下流側が地絡している場合に限定される。このような場合、メインCPU102は、GND遮断回路106がON固着異常、又は駆動回路110が地絡異常の状態と判断できる(S408)。
次いで、メインCPU102は、診断ステータス信号の電圧レベルがHighレベルである場合には(S403のYES)、GND遮断回路106へGND接続信号を送信し、GND接続を指示する(S404)。GND遮断回路106は、GND接続信号を受信するとスイッチ106aをオンし、電気負荷109をグラウンド107に接続する。
次いで、メインCPU102は、診断ステータス信号の電圧レベルがLowレベルかどうかを判定する(S405)。GND遮断回路106が正常にグラウンド107に接続されていれば、電気負荷109からグラウンド107へ電流が流れるため、メインCPU102へ入力される診断ステータス信号の電圧レベルはLowレベルとなる。この場合、電気負荷109の下流側が地絡している場合も診断ステータス信号はLowレベルとなるが、ステップS408の診断で駆動回路110の地絡異常を検出できるため、地絡異常の可能性を排除できる。
診断ステータス信号がHighレベルの場合は(S405のNO)、メインCPU102へ電流が流れている状態であり、GND遮断回路106がメインCPU102の接続指示に対して正常に動作していないと考えられる。この場合、メインCPU102は、GND遮断回路106のOFF固着異常の状態と判断する(S407)。
次いで、メインCPU102は、診断ステータス信号がLowレベルの場合は(S405のYES)、GND遮断回路106がメインCPU102の接続指示に対して正常に動作していると考えられるため、GND遮断回路106が正常であると判断する(S406)。ステップS406〜S408のいずれかの処理が終了後、GND遮断回路診断を終了する。
[駆動回路診断]
また、図3に示したステップS309の駆動回路診断(第2の非駆動時診断機能)の詳細について図5を参照して説明する。
図5は、駆動回路診断の手順(サブルーチン)の例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU102は、電源遮断回路104へ電源接続信号を送信し、電源接続を指示する(S501)。電源遮断回路104は、電源接続信号を受信するとスイッチ104aをオンし、バッテリ120から駆動IC105へ電源を供給する。駆動回路診断では、電気負荷109へ微小電圧を印加するためにこの電源接続処理が必要である。
次いで、メインCPU102は、GND遮断回路106へGND遮断信号を送信し、GND遮断を指示する(S502)。GND遮断回路106は、GND遮断信号を受信するとスイッチ106aをオフし、電気負荷109とグラウンド107の接続を遮断(グラウンド遮断)する。
次いで、メインCPU102は、駆動IC105を制御して、電気負荷109へ診断用の微小電圧を印加する(S503)。正常な駆動回路110の場合、グラウンド107が遮断されているため電気負荷109へ印加した電圧は徐々に上昇する。このため、駆動IC105からメインCPU102へ入力されるモニタ電圧の電圧値がゼロではなくなる(電圧モニタ値≠0)。
次いで、メインCPU102は、電圧モニタ値≠0かどうかを判定する(S504)。電圧モニタ値が0の場合は(S504のNO)、電気負荷109へ印加した電圧の上昇がないため、GND遮断回路106がメインCPU102の遮断指示に対して正常に動作していないか、あるいは、駆動回路110が地絡している場合が考えられる。しかし、ステップS305においてGND遮断回路106は正常と判断済みなので、駆動回路110が地絡異常の状態と判断できる(S513)。
次いで、メインCPU102は、電圧モニタ値が0ではない場合は(S504のYES)、電気負荷109への微小電圧の印加を停止する(S505)。
次いで、メインCPU102は、GND遮断回路106へGND接続信号を送信し、GND接続を指示する(S506)。正常な駆動回路110の場合、電気負荷109にグラウンド107が接続されているため電圧モニタ値は0(電圧モニタ値=0)となる。
次いで、メインCPU102は、GND接続を指示している状態で、電圧モニタ値が0かどうかを判定する(S507)。GND接続を指示している状態で、かつ駆動IC105から電気負荷109へ通電していないにも関わらず電圧モニタ値が0ではない場合は(S507のNO)、GND遮断回路106がメインCPU102の接続指示に対して正常に動作していないか、あるいは、駆動回路110が天絡している場合が考えられる。ここで、ステップS305においてGND遮断回路106は正常と判断済みなので、駆動回路110が天絡異常の状態と判断できる(S512)。
次いで、GND接続を指示している状態で、かつ電圧モニタ値が0の場合は(S507のYES)、メインCPU102は、駆動IC105を制御して、電気負荷109へ微小電圧を印加する(S508)。正常な駆動回路110の場合、グラウンド107が接続されているためグラウンド107へ電流が流れ、電気負荷109へ微小電圧を印加したときの電圧モニタ値は0(電圧モニタ値=0)となる。
次いで、GND接続を指示するとともに微小電圧を印加している状態で、電圧モニタ値が0かどうかを判定する(S509)。電圧モニタ値が0ではない場合は(S509のNO)、GND遮断回路106がメインCPU102の接続指示に対して正常に動作していないか、あるいは、駆動回路110が断線している場合が考えられる。ここで、ステップS305においてGND遮断回路106は正常と判断済みなので、駆動回路110が断線異常の状態と判断できる(S511)。
次いで、メインCPU102は、電圧モニタ値が0の場合は(S509のYES)、GND遮断回路106がメインCPU102の接続指示に対して正常に動作していると考えられるため、GND遮断回路106が正常であると判断する(S510)。ステップS510〜S513のいずれかの処理が終了後、駆動回路診断を終了する。
[故障箇所の特定]
次に、図6を用いて故障箇所の特定手法について説明する。
図6は、ECU101の駆動回路110に対する診断処理で参照する判定マトリクス表の例を示す。図6に示す判定マトリクス(1),(2)を用いた診断手法は、メインCPU102、電源遮断回路104、駆動IC105及びGND遮断回路106が正常に動作していることが前提条件である。メインCPU102は、不揮発メモリ103に保存された判定マトリクス(1),(2)を参照し、診断ステータス信号及び電圧モニタ値に基づいて駆動回路110を診断する。
(判定マトリクス(1))
判定マトリクス(1)は、GND遮断回路106の遮断と接続を切り替えたときの、電気負荷109とGND遮断回路106の間の電圧を診断ステータスとしてメインCPU102で読み込み、駆動回路110の故障状態を診断する手法を、各故障状態とそのときの診断ステータスの状態として一覧化した表である。診断の手順は、図4のGND遮断回路診断(第1の非駆動時診断)のフローチャートによる。
駆動回路110が正常に動作している場合、GND遮断回路106が遮断状態であれば、診断ステータス信号線上のプルアップ抵抗108によりメインCPU102へ電流が流れるため、診断ステータス信号の電圧レベルはHighレベルとなる。逆に、GND遮断回路106が接続状態であれば、グラウンド107へ電流が流れるため、診断ステータス信号の電圧レベルはLowレベルとなる。
駆動回路110が地絡している場合、GND遮断回路106の遮断状態、接続状態に関わらず駆動回路110がグラウンド107に接続された状態となり、グラウンド107へ電流が流れるため、診断ステータス信号はLowレベルとなる。よって、GND遮断と接続を切り替えたときの診断ステータス信号の組み合わせは、駆動回路110が正常な状態での診断ステータス信号の組み合わせと異なる。このため、駆動回路110が故障していることは明らかであり、その故障原因は地絡であると特定できる。
駆動回路110が天絡している場合、GND遮断回路106の遮断状態、接続状態に関わらずグラウンド107ではなくメインCPU102へ電流が流れるため、診断ステータス信号はHighレベルとなる。よって、GND遮断と接続を切り替えたときの診断ステータス信号の組み合わせは、駆動回路110が正常な状態での診断ステータス信号の組み合わせと異なる。このため、駆動回路110が故障していることは明らかであり、その故障原因は天絡であると特定できる。
駆動回路110が断線している場合、GND遮断回路106が遮断状態であれば、診断ステータス信号はHighレベルとなり、GND遮断回路106が接続状態であれば、診断ステータス信号はLowレベルとなる。GND遮断と接続を切り替えたときの診断ステータス信号の組み合わせは、駆動回路110が正常な状態での診断ステータス信号の組み合わせと同じであるため、駆動回路110が断線していることはこの結果からは分からない。正常状態か断線異常かの区別は、図6の判定マトリクス(2)の診断手法を用いて特定する。
(判定マトリクス(2))
判定マトリクス(2)は、駆動IC105から微小電圧を電気負荷109に印加し、GND遮断回路106の遮断と接続を切り替えたときの電気負荷109の上流電圧を電圧モニタ値としてメインCPU102で読み込み、駆動回路110の故障状態を診断する手法を、各故障状態とそのときの電圧モニタ値の状態として一覧化した表である。診断の手順は、図5の駆動回路診断(第2の非駆動時診断)のフローチャートによる。
駆動回路110が正常に動作している場合、GND遮断回路106が遮断状態であれば、電圧モニタ値として微小電圧を検出し(≠0)、GND遮断回路106が接続状態であれば、電圧モニタ値は0となる。
駆動回路110が断線している場合、GND遮断回路106が遮断状態、接続状態に関わらず、電圧モニタ値は微小電圧を検出する(≠0)。GND遮断と接続を切り替えたときの電圧モニタ値の組み合わせは、駆動回路110が正常な状態での電圧モニタ値の組み合わせと異なる。このため、駆動回路110が故障していることは明らかである。この電圧モニタ値は、天絡状態でも同じ組み合わせを取り得るが、判定マトリクス(1)に基づく診断を判定マトリクス(2)に基づく診断よりも前に実施することで、天絡異常ではないことを明らかにすることができる。したがって、判定マトリクス(1)に基づく診断で天絡異常ではなかった場合には、判定マトリクス(1)に基づく診断結果と判定マトリクス(2)に基づく診断結果から、断線異常と判定することが可能である。
駆動回路110が地絡している場合、GND遮断回路106が遮断状態、接続状態に関わらず、電圧モニタ値は0となる。よって、GND遮断と接続を切り替えたときの電圧モニタ値の組み合わせは、駆動回路110が正常な状態での電圧モニタ値の組み合わせと異なる。このため、駆動回路110が故障していることは明らかであり、その故障原因は地絡であると特定できる。
(天絡異常と断線異常を区別する手法の変形例)
ところで、天絡状態と断線状態の電圧モニタ値には、(天絡時の電圧モニタ値)>(断線時の電圧モニタ値)という条件が成立する。したがって、判定マトリクス(1)に基づく診断結果がなくても、この電圧モニタ値の関係性を利用して天絡異常と断線異常を区別することも可能である。
つまり、メインCPU102は、駆動回路診断(第2の非駆動時診断機能)において、GND遮断回路106が遮断状態のときの電圧モニタ値(電源側電圧)が0ではない、且つ、GND遮断回路106が接続状態のときの電圧モニタ値が0ではない場合には、電圧モニタ値の大きさに基づいて、駆動回路110の天絡異常又は断線異常を判定する。
以上、図6の判定マトリクス(1),(2)に従って診断プログラムをECU101に実装すれば、電気負荷109の駆動回路110の診断と故障原因の特定を実現することが可能となる。
[判定マトリクスの組み合わせ]
短絡故障(天絡又は地絡)では、意図せず電気負荷109に電流が流れ続ける、あるいは流れない状態となる。このような車両システム100の異常な状態から即座にフェールセーフ状態へ移行する必要があり、故障検知までの時間は可能な限り短い方がよい。上記のとおり図6の判定マトリクス(2)のみであっても故障原因の特定は可能であるが、判定マトリクス(2)に基づく診断は、電気負荷109への微小電圧の印加時間と電圧モニタ値の読み込み時間、及びメインCPU102の診断時間など、故障原因特定までの時間が長い。
このため、本実施形態では、判定マトリクス(1)に基づく診断(GND遮断回路診断:第1の非駆動時診断機能)を判定マトリクス(2)に基づく診断(駆動回路診断:第2の非駆動時診断機能)よりも前に実施する構成としている。このような構成とした場合、判定マトリクス(1)に基づく診断では区別できない診断ステータス信号の組み合わせを検出した場合のみ、判定マトリクス(2)に基づく診断を実施すればよい。したがって、駆動回路110の診断と故障原因の特定にかかる時間を、判定マトリクス(2)のみで診断する場合にかかる時間と比較して短縮できる。
[診断タイミング]
車両の通常起動中は、電気負荷109に流すべき電流が決まっているため、判定マトリクス(2)に基づく診断のような、微小電圧を電気負荷109に印加した結果による駆動回路110の診断はできない。このため、車両が通常起動を開始する直前か、あるいは停止直後に診断することが望ましい。すなわち、本実施形態における駆動回路110の診断(GND遮断回路診断(図4)、駆動回路診断(図5))は、車両のイグニッションスイッチがON又はOFFされたことを条件として開始される。
以上のとおり、第1の実施形態に係る車両用電子制御装置(ECU101)は、車両に搭載された電気負荷(電気負荷109)の通電を制御する車両用電子制御装置であって、制御装置(メインCPU102)と、駆動制御回路(駆動IC105)と、電源遮断回路(電源遮断回路104)と、グラウンド遮断回路(GND遮断回路106)とを備える。
制御装置は、電気負荷に目標電流が流れるように制御するように構成されている。
駆動電流回路は、制御装置の指示に従い、電源(バッテリ120)の電力を利用して電気負荷に電流を流すように構成されている。
電源遮断回路は、電源と駆動制御回路との間に設けられ、制御装置の指示に従い、電源から電気負荷へ電源側通電経路(端子112,113を経由する経路)を接続する接続状態と、電源側通電経路を遮断する遮断状態とを切り替えるように構成されている。
グラウンド遮断回路は、電気負荷とグラウンド(グラウンド107)との間に設けられ、電気負荷からグラウンドへグラウンド側通電経路(端子114を経由する経路)を接続する接続状態と、グラウンド側通電経路を遮断する遮断状態とを切り替えるように構成されている。
そして、制御装置は、電源遮断回路により電源側通電経路を遮断状態とした上で、グラウンド遮断回路に指示してグラウンド側通電経路の接続状態と遮断状態を切り替えて、電気負荷とグラウンド遮断回路との間で測定した測定電圧(診断ステータス信号)に基づいて電気負荷を駆動するための駆動回路(駆動回路110)を診断する第1の非駆動時診断機能(GND遮断回路診断部203)を有する。そして、制御装置は、第1の非駆動時診断機能の診断結果から、駆動回路に発生した異常の種類と故障部品を検出する。
上記構成の第1の実施形態によれば、車両用電子制御装置(ECU101)は、駆動回路(駆動回路110)とグラウンド(グラウンド107)との接続/遮断を切り替えるグラウンド遮断回路(GND遮断回路106)を備える。そして、車両用電子制御装置は、車両内の電気負荷を使用するシステムが始動する前に、グラウンド遮断回路の接続/遮断を切り替えて電気負荷の駆動回路(駆動回路110)を診断することで、グラウンド遮断回路の機能を中心に駆動回路の異常を検知する。
これにより、車両用電子制御装置は、車両内の電気負荷を使用するシステムが始動する前に、駆動回路の異常の種類と故障部品を検出することができる。そして、それらの情報を警告灯又は表示装置などに出力して搭乗者に知らせることで、車両の搭乗者の安全を確保することが可能となる。
また、異常の種類と故障部品を特定することで、保守員が、異常の種類や故障部品によって適切な修理対応を行うことが可能となる。さらに、故障部品を特定して修理部品を最小限にすることで、修理費用を抑制することが可能となる。
また、上述した本実施形態に係る車両用電子制御装置(ECU101)において、制御装置(メインCPU102)は、電源遮断回路(電源遮断回路104)により電源側通電経路を接続状態とした上で、グラウンド遮断回路(GND遮断回路106)に指示してグラウンド側通電経路(端子114を経由する経路)の接続状態と遮断状態を切り替えて、電気負荷(電気負荷109)に診断用電圧(微小電圧)を印加したときの電気負荷の電源側電圧(モニタ電圧)を測定し、測定した電源側電圧に基づいて電気負荷を駆動するための駆動回路(駆動回路110)を診断する第2の非駆動時診断機能(駆動回路診断部205)を有する。そして、制御装置は、第1の非駆動時診断機能(GND遮断回路診断部203)の診断結果と第2の非駆動時診断機能の診断結果から、駆動回路に発生した異常の種類と故障部品を検出する。
上記構成の本実施形態によれば、制御装置(メインCPU102)は、第1の非駆動時診断機能(GND遮断回路診断部203)によりグラウンド遮断回路の機能を中心に駆動回路(駆動回路110)の異常を検知し(図4参照)、第2の非駆動時診断機能(駆動回路診断部205)により駆動回路の全体的な機能の異常を検知する(図5参照)。このように、制御装置は、第1の非駆動時診断機能の診断結果と第2の非駆動時診断機能の診断結果を用いることで、駆動回路に発生した異常の種類と故障部品をより正確に検出することができる。
また、上述した本実施形態に係る車両用電子制御装置(ECU101)において、制御装置(メインCPU102)は、第1の非駆動時診断機能(GND遮断回路診断部203)において、グラウンド遮断回路(GND遮断回路106)に遮断状態を指示したときの測定電圧(診断ステータス信号)の状態と、グラウンド遮断回路に接続状態を指示したときの測定電圧(診断ステータス信号)の状態とが異なる場合には、第2の非駆動時診断機能(駆動回路診断部205)における、グラウンド遮断回路が接続状態のときの測定した電源側電圧(モニタ電圧)の値に基づいて、駆動回路の正常又は断線異常を判定する。
上記構成の本実施形態によれば、第1の非駆動時診断機能(GND遮断回路診断部203)で駆動回路の複数の状態(正常と断線異常)を区別できない場合でも、第2の非駆動時診断機能(駆動回路診断部205)の診断結果を用いることで、駆動回路が正常か断線異常かを判定することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用電子制御装置について説明する。
第1の実施形態では、図6の判定マトリクス(1),(2)を用いて駆動回路110を診断したが、判定マトリクス(1)のみを用いて駆動回路110を診断してもよい。すなわち、第2の実施形態では、図3に示したステップS305のGND遮断回路診断(第1の非駆動時診断機能)のみを実施し、ステップS309の駆動回路診断(第2の非駆動時診断機能)を実施しない構成とする。この場合、図6の判定マトリクス(1)に示すように、駆動回路110の地絡異常と天絡異常を検出できるが、駆動回路110の正常と断線異常を区別できない。
しかし、メインCPU102が、電気負荷109を駆動中に駆動回路110を診断する駆動時診断機能を実行することで、駆動回路110の断線異常を容易に検出することができる。駆動回路110に断線異常がある場合には、電気負荷109を利用する車両システム100が所望の状態にならない。例えば、電気負荷109が、燃料噴射装置のソレノイドやトランスミッション装置のソレノイドである場合には、燃料噴射装置からエンジンの燃焼室に燃料が噴射されない、トランスミッション装置のギヤが目標のギヤに変換されない、といった不具合が生じる。断線異常の場合、電気負荷109を駆動することができず車両が走行しないため、車両の搭乗者の安全には影響がない。
このため、車両の通常制御時(通常走行後)に、メインCPU102が駆動時診断部206による診断(駆動時診断機能)を実行することで、駆動回路110の断線異常を検出する構成としてもよい。
上記構成の本実施形態によれば、電気負荷109が非駆動時に判定マトリクス(1)に基づく診断のみを行うため、電気負荷109の非駆動時の診断処理が大幅に簡素化される。また、不揮発メモリ103に判定マトリクス(2)を記憶するための領域を削減できる。
上述した第1及び第2の実施形態では、車両システム100の制御に用いられる車両用電子制御装置(ECU101)を診断する例を説明したが、この例に限らない。すなわち、本発明の診断方法は、車両用のみならず、機械的なエネルギーにより推進力を得る船舶や航空機等に搭載されたエンジンを制御する電子制御装置にも適用可能である。
さらに、本発明は上述した各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために車両用電子制御装置(ECU101)の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、上述した実施形態の構成の一部について、他の構成要素の追加又は置換、削除をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。ハードウェアとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などを用いてもよい。また、図3〜図5に示すフローチャートにおいて、処理結果に影響を及ぼさない範囲で、複数の処理を並列的に実行したり、処理順序を変更したりしてもよい。
また、上述した各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成要素が相互に接続されていると考えてもよい。
100…車両システム、 101…ECU(電子制御装置)、 102…メインCPU、 103…不揮発メモリ、 104…電源遮断回路、 104a…スイッチ、 105…IC駆動部、 106…GND遮断回路、 106a…スイッチ、 107…グラウンド、 108…プルアップ抵抗、 109…電気負荷、 110…駆動回路、 111〜114…端子、 120…バッテリ、 200…非駆動時診断部、 201…メインCPU診断部、 202…電源遮断回路診断部、 203…GND遮断回路診断部(第1の非駆動時診断機能)、 204…駆動IC診断部、 205…駆動回路診断部(第2の非駆動時診断機能)、 206…駆動時診断部、 207…フェールセーフ処理部

Claims (7)

  1. 車両に搭載された電気負荷の通電を制御する車両用電子制御装置であって、
    前記電気負荷に目標電流が流れるように制御する制御装置と、
    前記制御装置の指示に従い、電源の電力を利用して前記電気負荷に電流を流す駆動制御回路と、
    前記電源と前記駆動制御回路との間に設けられ、前記制御装置の指示に従い、前記電源から前記電気負荷へ電源側通電経路を接続する接続状態と、前記電源側通電経路を遮断する遮断状態とを切り替える電源遮断回路と、
    前記電気負荷とグラウンドとの間に設けられ、前記電気負荷から前記グラウンドへグラウンド側通電経路を接続する接続状態と、前記グラウンド側通電経路を遮断する遮断状態とを切り替えるグラウンド遮断回路と、を備え、
    前記制御装置は、前記電源遮断回路により前記電源側通電経路を前記遮断状態とした上で、前記グラウンド遮断回路に指示して前記グラウンド側通電経路の前記接続状態と前記遮断状態を切り替えて、前記電気負荷と前記グラウンド遮断回路との間で測定した測定電圧に基づいて前記電気負荷を駆動するための駆動回路を診断する第1の非駆動時診断機能、を有し、前記第1の非駆動時診断機能の診断結果から、前記駆動回路に発生した異常の種類と故障部品を検出する
    車両用電子制御装置。
  2. 前記制御装置は、前記電源遮断回路により前記電源側通電経路を前記接続状態とした上で、前記グラウンド遮断回路に指示して前記グラウンド側通電経路の前記接続状態と前記遮断状態を切り替えて、前記電気負荷に診断用電圧を印加したときの前記電気負荷の電源側電圧を測定し、測定した前記電源側電圧に基づいて前記電気負荷を駆動するための前記駆動回路を診断する第2の非駆動時診断機能、を有し、
    前記第1の非駆動時診断機能の診断結果と前記第2の非駆動時診断機能の診断結果から、前記駆動回路に発生した異常の種類と故障部品を特定する
    請求項1に記載の車両用電子制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記第1の非駆動時診断機能による診断を、前記第2の非駆動時診断機能による診断よりも前に実行する
    請求項2に記載の車両用電子制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記第1の非駆動時診断機能において、前記グラウンド遮断回路に前記遮断状態を指示したときの前記測定電圧の状態と、前記グラウンド遮断回路に前記接続状態を指示したときの前記測定電圧の状態とが異なる場合には、前記第2の非駆動時診断機能における、前記グラウンド遮断回路が前記接続状態のときの測定した前記電源側電圧の値に基づいて、前記駆動回路の正常又は断線異常を判定する
    請求項3に記載の車両用電子制御装置。
  5. 前記駆動回路は、前記電気負荷、前記駆動制御回路、前記グラウンド遮断回路、前記グラウンド、並びにそれぞれの回路及び電気部品を接続する導線を含む
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用電子制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記電気負荷を駆動中に前記駆動回路を診断する駆動時診断機能を有し、前記駆動時診断機能を実行
    し、前記駆動回路の断線異常を検出する
    請求項1に記載の車両用電子制御装置。
  7. 前記第1の非駆動時診断機能及び前記第2の非駆動時診断機能による前記駆動回路の診断は、前記車両のイグニッションスイッチがオン又はオフされたことを開始の条件とする
    請求項2に記載の車両用電子制御装置。
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