JP2021099956A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体型の光源の下方にリフレクタを備えた車両用灯具においてリフレクタの反射面に追加の反射面を設けることなく、オーバーヘッドパターンを形成する。【解決手段】灯具ユニット1において、半導体型の光源2と、光源2の下方に配置されて下方への放射光L1を所定の配光パターンとして車両前方に照射するリフレクタ3と、を備え、光源2の車両前方に導光部材4を配設し、光源2から車両前方への前方放射光L2をリフレクタ3の反射面300に導いて、下方放射光L1よりも上向きに反射させる。【選択図】図4
Description
本発明は、光源からの放射光をリフレクタにより反射させ、所定の配光パターンとして車両前方に照射するようにした車両用灯具に関する。
従来から車両用灯具においては、対向車の運転手を幻惑しないようにロービーム(すれ違い用)の配光パターンが設定されている。この配光パターンは、車両前方の仮想の鉛直スクリーン上において、水平線と垂直線とが交差する点の近傍から自車の走行車線側(以下、自車線側ともいう)に向かって斜め上向きに延びる斜めカットオフラインを有し、対向車線側へのグレアの照射を防ぎながら、自車線側は遠方まで照らせるようになっている。
また、前記ロービームの配光パターンには、車道の側方や上方に設けられた道路標識等を適度に照射するためのオーバーヘッドパターンも設けられている。このオーバーヘッドパターンを形成するために例えば特許文献1に記載の車両用灯具では、光源の下方に配置されたリフレクタの第1反射面の一部に、光源からの放射光をやや上向きに反射させる第2反射面を追加している。
しかしながら、前記従来技術のようにリフレクタの反射面の一部に追加で反射面を設けると、それらの境界に段差部が形成されることに起因して以下のような不具合が発生するおそれがある。詳しくは一例を図7Aに示すように、光源2の下方に配置されたリフレクタ3の反射面300の一部に、オーバーヘッドパターンを設けるための反射面301を追加すると、この追加の反射面301の境界部分に段差部302が形成される(同図に破線の丸で囲んで示す)。
こうして形成された段差部302は他の部分よりも厚肉になることから、図7Bに拡大して模式的に示すように、成形後の冷却の際にヒケが生じ易く、この部分に蒸着される反射コーティングにいびつな形状の部分ができてしまう。そして、このいびつな形状によって光源から下方への放射光L1が予期せぬ方向に反射されると(破線で示す)、オーバーヘッドパターンの光量の不足やグレアの発生を招く可能性がある。
また、反射コーティングの前にアンダーコートを施す場合には、一例を図7C示すようにアンダーコート材が段差部302の下側の部位に溜まり易く、この部分に蒸着される反射コーティングにいびつな形状の部分ができてしまうこともある。そして、この場合も、上述したヒケの場合と同様にオーバーヘッドパターンの光量の不足やグレアの発生を招く可能性がある。
かかる問題点を考慮して本発明の目的は、半導体型の光源の下方にリフレクタを備えた車両用灯具において、そのリフレクタの反射面に追加の反射面を設けることなく、オーバーヘッドパターンを形成することである。
上記の目的を達成するために本発明の一つの側面では、半導体型の光源と、この光源の下方に配置され、当該光源から下方へ放射される下方放射光を所定の配光パターンとして車両前方に照射するリフレクタと、を備える車両用灯具を対象とする。そして、前記光源の車両前方に導光部材を配設し、当該光源から車両前方へ放射される前方放射光を前記リフレクタの反射面に導いて、前記下方放射光よりも上向きに反射させるように構成したものである。
かかる構成により、まず、光源から下方への下方放射光はリフレクタの反射面において車両前方に向かって反射され、水平若しくは少し下向きに照射されて所定の配光パターンを形成する。また、前記光源から車両前方に放射される前方放射光が導光部材によって前記リフレクタの反射面に導かれる。こうして光源よりも車両前方の導光部材によって導かれた前方放射光は、自ずと前記下方放射光に比べて上向きに反射されるようになる。
このため、前記導光部材を適切に配置して、前方放射光を反射面に対し所定の角度で入射させるようにすれば、ここから上向きに反射される前方放射光によってオーバーヘッドパターンを形成することができる。よって、上述した従来技術のようにオーバーヘッドパターンを形成するための追加の反射面を設けることが必要なくなる。
前記導光部材としては例えばプリズムを用いることができ、好ましくは、その車両後方の端部に前方放射光の入射面を設ける一方、車両前方の端部には互いに交差する2つの反射面を上下に隣接して設け、この2つの反射面にて反射させた前記前方放射光の出射面を、前記入射面の下方に設ければよい。
この場合に、前記出射面を下方ほど車両後方に位置するように傾斜する傾斜面とすれば、その傾斜度合いに応じて後方斜め下のリフレクタの反射面に対し、任意の角度で入射させることができる。
一方、前記導光部材の入射面は、車幅方向である左右方向の幅が前記光源よりも広く、かつ、左右両端側から中間部に向かうほど車両後方に向かって膨出する凸曲面としてもよい。こうすれば、光源からの前方放射光の左右への広がりを適度に抑制しながら、導光部材の前端の反射面に導くことができる。
ところで、従来からロービームの配光パターンにおいては、複数の光源からの照射光を組み合わせて、好適な光の強度分布を得るようにしている。例えば、比較的光の強度の高い集光パターンを配光パターンの中央寄りに照射し、これを含むように比較的強度の低い拡散パターンを重ね合わせて、外側に向かって徐々に強度の低下する配光パターンを形成する。
このような場合に前記リフレクタを、ロービームの前記集光パターンを形成するためのものとすれば、その反射面に導かれた前方放射光を比較的高い強度で前方に照射し、オーバーヘッドパターンを形成することができる。但し、集光パターンを形成するための反射面には通常、斜めカットオフラインを形成するための領域が含まれているので、この領域は避けることが好ましい。
或いは、光源からの前方放射光の強度が比較的高く、また、その拡散を十分に抑制しながらリフレクタの反射面に導くようにした場合は、前記リフレクタを、ロービームの拡散パターンを形成するためのものとしてもよい。
一つの側面では本発明によれば、光源から車両前方に放射される前方放射光を導光部材によってリフレクタの反射面に導き、ここから上向きに反射させてオーバーヘッドパターンを形成することができる。よって、リフレクタの反射面には、オーバーヘッドパターンを形成するための追加の反射面を設ける必要がなく、この追加の反射面の段差部に起因してオーバーヘッドパターンの光量の不足やグレアの発生を招くおそれがない。
しかも、本発明によれば、従来は無駄になっていた前方放射光を利用してオーバーヘッドパターンを形成できる上に、その前方放射光は従来、車両の部品等と干渉して拡散し、弱いながらもグレアの発生などの不具合を生じる可能性があったが、本発明によれば前方放射光が導光部材によってリフレクタの反射面に導かれるので、そのような不測の不具合も生じ難い。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、添付図面では、見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。以下、特に断りがない場合、「前」、「後」は、各々、車両の「前進方向」、「後進方向」を示し、「上」、「下」、「左」、「右」は、各々、車両に乗車する運転者から見た方向を示す。また、「上」、「下」は鉛直方向での「上」、「下」でもあり、「左」、「右」は水平方向での「左」、「右」でもある。また、車両外側とは、車両の左右方向の中心を通る車両の前後軸に対して、車両の左右方向で外側を指し、車両内側とは、車両の左右方向で当該前後軸に近い側を指す。
[車両用灯具の全体的な構成]
図1は、本実施形態の車両用灯具を備えた車両102の平面図である。図示のように本実施形態の車両用灯具は、車両102の前側の左右のそれぞれに設けられる前照灯101L、101Rであるが、以下では車両用灯具と記載することもある。この車両用灯具は、車両前側に開口したハウジング(図示せず)と、開口を覆うようにハウジングに取り付けられるアウターレンズ103とを備え、ハウジングとアウターレンズ103とで形成される灯室内に複数の灯具ユニット1(図4を参照)等が配置されている。
図1は、本実施形態の車両用灯具を備えた車両102の平面図である。図示のように本実施形態の車両用灯具は、車両102の前側の左右のそれぞれに設けられる前照灯101L、101Rであるが、以下では車両用灯具と記載することもある。この車両用灯具は、車両前側に開口したハウジング(図示せず)と、開口を覆うようにハウジングに取り付けられるアウターレンズ103とを備え、ハウジングとアウターレンズ103とで形成される灯室内に複数の灯具ユニット1(図4を参照)等が配置されている。
具体的には、一例として図2Aに示す左側の前照灯101Lには、ロービームの集光パターン及び拡散パターンのそれぞれの灯具ユニット1LA,1LBと、ハイビームの灯具ユニット1Hとが車幅方向に並んで設けられており、さらに、ポジションランプの灯具ユニット1Pやターンシグナルの灯具ユニット1Tも設けられている。なお、特に言及しない限り右側の前照灯101Rについても同様の構成であってよい。
本実施形態では、図2Bに示すようにロービーム用のリフレクタ3LA,3LBとハイビーム用のリフレクタ3Hとが一体化され、リフレクタアセンブリ30として形成されている。図示のようにロービームの集光パターン用のリフレクタ3LAは、拡散パターン用のリフレクタ3LBよりも車両外側(図の右側)に位置し、ハイビーム用のリフレクタ3Hは、3つのリフレクタ3のうち、最も車両内側(図の左側)に位置している。
以下では、主に図3,4などを参照して、左側の前照灯101Lにおけるロービームの集光パターン用灯具ユニット1LAの構造について詳細に説明する。その他の灯具ユニットも概略構造は同じなので、特に言及する必要がなければ便宜上、灯具ユニット1、リフレクタ3などと表記し、区別せずに説明する。なお、図3は、集光パターン用のリフレクタ3LAを拡大して示す正面図であり、図4は、そのiv-iv線における断面図である。
図4に表れているように灯具ユニット1は、リフレクタタイプのもので、半導体型の光源2と、この光源2の下方に配置され、当該光源2から下方へ放射される下方放射光L1を所定の配光パターンとして車両前方に照射するリフレクタ3と、を備えている。なお、集光パターン用灯具ユニット1LAの配光パターンについて具体的には、図5を参照して後述する。また、発明の特徴部分である導光部材4についても後述する。
光源2は、例えばLED、OLED(有機EL)などの自発光半導体を備えた半導体型の光源であって、発光部20と基板21とによって構成されている。発光部20は、発光チップ(LEDチップ)を基板21の下面のほぼ中央に実装され、下方に向けて発光する。なお、発光部20は、発光チップ(LEDチップ)を封止樹脂部材で封止したパッケージ(LEDパッケージ)からなる場合もある。
発光部20の発光チップは、一例として長方形状または正方形状とされ、発光部20は、複数個の正方形の発光チップを配列して構成されている。なお、発光部20においては、1個の長方形の発光チップ、又は1個の正方形の発光チップを使用してもよい。また、発光部20においては、発光チップを1列又は複数列に配置して使用してもよい。
リフレクタ3は、回転放物面の一部の形状、すなわち、回転放物面の上部と前部とを除いた下部と後部と左右両側部とからなる形状であり、その内面には、反射面300が設けられている。この反射面300は、下側に向いている発光部20の発光面と対向するパラボラ系の自由曲面からなる。なお、この反射面300の基準焦点は、光源2の発光面の中心又はその近傍に位置づけられている。
また、図2Bや図3に表れているようにリフレクタ3の反射面300は、左右方向に並列する複数のセグメントに分割されている。特に集光パターン用のリフレクタ3LAでは図3に示すように、左右の中央付近にある2つのセグメント31がさらに上下方向に3つの領域31a〜31cに分割されている。この3つの領域31a〜cのうち中央の領域31b、つまり光源2の真下の領域31bが主としてカットオフラインを形成するために用いられる。
[ロービームの配光パターン]
すなわち、車両のロービームにおいては通常、対向車の運転手を幻惑しないように、カットオフラインを有する配光パターンが設定されている。図5は、車両前方における灯具ユニット1の光軸に垂直な仮想の平面(鉛直スクリーン)上の照度の分布(断面照度)を、灯具ユニット1の配光パターンとして模式的に示したものである。なお、図5において、ラインVはスクリーン上での鉛直基準線を示し、ラインHは水平基準線を示す。
すなわち、車両のロービームにおいては通常、対向車の運転手を幻惑しないように、カットオフラインを有する配光パターンが設定されている。図5は、車両前方における灯具ユニット1の光軸に垂直な仮想の平面(鉛直スクリーン)上の照度の分布(断面照度)を、灯具ユニット1の配光パターンとして模式的に示したものである。なお、図5において、ラインVはスクリーン上での鉛直基準線を示し、ラインHは水平基準線を示す。
図5に実線で表れているように、集光パターン用の灯具ユニット1LAからの照射光は、鉛直スクリーン上において水平線Hと垂直線Vとが交差する近傍(エルボー点)から自車線側(図の左側)に向かって水平線Hよりも斜め上向きに延びる斜めカットオフラインCL1と、エルボー点から略水平線Hに沿って対向車線側(図の右側)に水平に延びる水平カットオフラインCL2とを有している。
また、自車線側(図の左側)の斜めカットオフラインCL1よりも外側(図の左側)には水平線Hの上側を左右方向に延びる自由曲線からなるラインが形成され、さらに、水平線Hよりも下側には、エルボー点から自車線側及び対向車線側の両方に同じくらいの範囲にわたって延びる自由曲線からなるラインが形成され、これらのラインによって囲まれた配光パターン(以下、集光パターンP1という)が形成されている。
この集光パターンP1において斜めカットオフラインCL1を形成するのが、前記リフレクタ3の左右の中央にあるセグメント31からの照射光である。また、そうして形成されるロービームの集光パターンP1の外側には、詳しい説明は省略するが、拡散パターン用の灯具ユニット1LBからの照射光(図に点線で示す拡散パターンP2)が重ね合わされて、ロービームの配光パターンが形成される。このように集光パターンP1及び拡散パターンP2が重ね合わされることにより、光の強度が高くなって自車線側を十分、遠方まで照らせるようになっている。
さらに、図5に表れているように、前記ロービームの配光パターンの上方には、水平線Hよりも上側においてエルボー点ら自車線側及び対向車線側の両方に延びる自由曲線からなる配光パターンP3が形成される。この配光パターンは一般的にオーバーヘッドパターンと言われ、車道の側方や上方に設けられた案内板や道路標識等を運転者が視認し易いように、強すぎない適度の光量で照射するためのものである。
[オーバーヘッドパターンの形成]
そして、そのオーバーヘッドパターンP3を形成するために本実施形態では、灯具ユニット1LAの光源2の車両前方に導光部材4を配設し、光源2から車両前方へ放射される前方放射光L2をリフレクタ3の反射面に導いて、下方放射光L1よりも上向きに反射させるように構成している。本実施形態では導光部材4を一例としてプリズムによって構成しており、上述した図4の他、図6も参照して以下、詳しく説明する。
そして、そのオーバーヘッドパターンP3を形成するために本実施形態では、灯具ユニット1LAの光源2の車両前方に導光部材4を配設し、光源2から車両前方へ放射される前方放射光L2をリフレクタ3の反射面に導いて、下方放射光L1よりも上向きに反射させるように構成している。本実施形態では導光部材4を一例としてプリズムによって構成しており、上述した図4の他、図6も参照して以下、詳しく説明する。
図4,6に示すように導光部材4は、その前側の部分が例えば直角反射プリズムであって、前端部に互いに交差する2つの反射面40a,40bが上下に隣接して設けられている。また、プリズムの斜面の上側略半部及び下側略半部に相当する部位からそれぞれ後方に延出する角柱部41,42が設けられ、上側の角柱部41の後端面が前記光源2からの前方放射光L2が入射する入射面41aとされる一方、下側の角柱部42の後端面が前方放射光L2の出射面42aとされている。
すなわち、図4に破線で示すように導光部材4の上側の角柱部41の後端の入射面41aに入射した光源2からの前方放射光L2は、導光部材4の内部を前方に進んでその前端部の上側の反射面40aにより下向きに反射され、さらに下側の反射面40bにより後ろ向きに反射される。このように2つの反射面40a,40bによって反射されることで、導光部材4の内部を後ろ向きに進む光の光路は、前方に進む反射前の光路と平行になる。
こうして後方に進んだ光は導光部材4の出射面42aにおいて下向きに屈折される。これは出射面42aが下側ほど後方に位置するように傾斜しているからであり、この結果、出射面42aから後方の斜め下向きに出射される光(反射された前方放射光L2)は、リフレクタ3の反射面300において光源2からの下方放射光L1よりも上向きに反射され、図5を参照して上述したオーバーヘッドパターンP3を形成するようになる。
詳しくは図4に実線で示すように、まず、光源2からの下方放射光L1はリフレクタ3の反射面300において車両前方(図の左方)に照射され、水平若しくはやや下向きに進んで、図5を参照して上述したロービームの集光パターンP1を形成する。これに対し、導光部材4の出射面42aが光源2よりも前方かつ斜め下方に位置するため、この出射面42aからの光L2は、図に破線で示すように水平よりも上向きに反射される。
よって、導光部材4の位置を光源2およびリフレクタ3の反射面300に対して適切に設定し、その導光部材4の出射面42aからの光L2をリフレクタ3の反射面300に対して所定の角度で導くようにすれば、ここから上向きに反射される光L2によって前記集光パターンP1よりも上に、図5を参照して上述したようなオーバーヘッドパターンP3を形成することができる。
なお、そうして導光部材4の出射面42aから出射される光L2は、リフレクタ3の反射面300において左右の中央の2つのセグメント31、即ち光源2に最も近い2つのセグメント31に導かれるが、そのセグメント31の中で一番上の領域31aに導かれ、その下の領域31b,31cには導かれない。言い換えると、そうなるように導光部材4の出射面42aの位置及び傾斜状態が設定されている。
これは、リフレクタ3の反射面300において左右の中央付近にあるセグメント31の領域31b、31cが、図5を参照して上述したようにロービームの配光パターンにおいて斜めカットオフラインCL1を形成するものであるから、ここで光を反射させた場合には、オーバーヘッドパターンP3にも斜めカットオフラインCL1の影響が表れてしまい、好ましくないからである。
また、本実施形態では、図6に表れているように導光部材4の入射面41aの幅W(車幅方向である左右方向の幅)を光源2の幅wよりも広く設定し、かつ、入射面41aをその左右両端側から中間部に向かうほど後方に向かって膨出する凸曲面としている。このことで、図に破線で示すように光源2から前方に向かって左右に広がる前方放射光L2の広がりを適度に抑制することができる。
図示の例では、光源2から左右に広がる前方放射光L2が入射面41aで概ね平行な光となって前方に進み、導光部材4の前端部の上側及び下側反射面40a,40bにより反射された後に、後方に進んで出射面42aに至る。このように導光部材4の内部を進行する間に前方放射光L2は殆ど左右には広がらないので、その光の強度の低下を抑制することができる。
そして、本実施形態では、ロービームの集光パターン用の灯具ユニット1LAに導光部材4を配設しているので、前記のようにして導光部材4の出射面42aに至り、斜め下向きに出射された光L2が、リフレクタ3の反射面300で反射された後にあまり拡散せず、比較的高い強度で車両前方に照射されるようになる。このことから、適度の光量を有するオーバーヘッドパターンP3が得られる。
[実施形態の車両用灯具が奏する効果]
以上、説明したように本実施形態では、車両用灯具において、半導体型の光源2から前方に放射される光L2、つまり、従来は無駄になっていた光を利用して、オーバーヘッドパターンP3を形成することができる。よって、従来技術(例えば特開2009−026587号公報)のようにリフレクタ3の反射面300に、オーバーヘッドパターンを形成するための追加の反射面を設ける必要がなくなり、この追加の反射面の段差部(図7を参照)に起因してオーバーヘッドパターンの光量不足やグレアの発生を招く心配がない。
以上、説明したように本実施形態では、車両用灯具において、半導体型の光源2から前方に放射される光L2、つまり、従来は無駄になっていた光を利用して、オーバーヘッドパターンP3を形成することができる。よって、従来技術(例えば特開2009−026587号公報)のようにリフレクタ3の反射面300に、オーバーヘッドパターンを形成するための追加の反射面を設ける必要がなくなり、この追加の反射面の段差部(図7を参照)に起因してオーバーヘッドパターンの光量不足やグレアの発生を招く心配がない。
しかも、光源2から前方への放射光L2は従来、車両の部品と干渉して拡散し、弱いながらもグレアの発生などの不具合を生じる可能性があったが、本実施形態によれば前方放射光L2が導光部材4によってリフレクタ3の反射面300に導かれるようになるので、そのような不測の不具合も生じ難い。
また、本実施形態では、ロービームの集光パターン用の灯具ユニット1LAに導光部材4を配設し、その出射面からの光L2をリフレクタ3の反射面300で反射させて、比較的高い強度で車両前方に照射させるようにしているので、導光部材4の入射面41aを凸曲面としたことと合わせて、左右へ好適に広がる適度の光量のオーバーヘッドパターンP3が得られる。
[他の実施形態]
以上、本発明の望ましい実施形態について詳述したが、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
以上、本発明の望ましい実施形態について詳述したが、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ロービームの集光パターン用の灯具ユニット1LAに導光部材4を配設しているが、これに代えて又は加えて、ロービームの拡散パターン用の灯具ユニット1LBに導光部材4を配設してもよい。すなわち、光源2からの前方放射光L2の強度が高い場合は、拡散パターン用の灯具ユニット1に、また、前方放射光L2の強度が低い場合は、両方の灯具ユニット1LA,1LBに導光部材4を配設することができる。
また、上述した実施形態では、導光部材4の入射面41aを凸曲面としているが、これに限らず、入射面41aは平面としてもよいし、左右両端側に向かうほど車両後方に向かって延出する凹曲面としてもよい。
さらに、導光部材4の構成についても上述した実施形態には限定されず、例えば、三角形状のプリズムを用いることもできるし、光ファイバなどを用いて導光部材4を形成することも可能である。
また、上述した実施形態の車両用灯具では、図2Aに左側の前照灯101Lを示すように、ロービームの集光パターン及び拡散パターンのそれぞれの灯具ユニット1LA.1LBと、ハイビームの灯具ユニット1Hとが車幅方向に並んで設けられているが、灯具ユニットの個数は任意であるし、図2Bに示すように複数のリフレクタ3が一体のリフレクタアセンブリ30とされている必要もない。
1 灯具ユニット
2 半導体型の光源
3 リフレクタ
300 リフレクタの反射面
4 導光部材
40a,40b 導光部材の反射面
41a 導光部材の入射面
42a 導光部材の出射面
101L 前照灯(車両用灯具)
101R 前照灯
102 車両
L1 光源からの下方放射光
L2 光源からの前方放射光
2 半導体型の光源
3 リフレクタ
300 リフレクタの反射面
4 導光部材
40a,40b 導光部材の反射面
41a 導光部材の入射面
42a 導光部材の出射面
101L 前照灯(車両用灯具)
101R 前照灯
102 車両
L1 光源からの下方放射光
L2 光源からの前方放射光
Claims (5)
- 半導体型の光源と、
前記光源の下方に配置され、当該光源から下方へ放射される下方放射光を所定の配光パターンとして車両前方に照射するリフレクタと、を備える車両用灯具であって、
前記光源の車両前方に導光部材が配設され、前記光源から車両前方へ放射される前方放射光を前記リフレクタの反射面に導いて、前記下方放射光よりも上向きに反射させるように構成されている車両用灯具。 - 前記導光部材は、車両後方の端部に前記前方放射光の入射面が設けられる一方、車両前方の端部には互いに交差する2つの反射面が上下に隣接して設けられ、この2つの反射面にて反射された前記前方放射光の出射面が、前記入射面の下方に設けられており、
前記出射面は、下方ほど車両後方に位置するように傾斜した傾斜面とされている、請求項1に記載の車両用灯具。 - 前記導光部材の入射面は、車幅方向である左右方向の幅が前記光源よりも広く、かつ、左右両端側から中間部に向かうほど車両後方に向かって膨出する凸曲面とされている、 請求項2に記載の車両用灯具。
- 前記リフレクタは、ロービームの集光パターンを形成するためのものであり、その反射面にはカットオフラインを形成するための領域が設けられ、
前記導光部材の出射面の傾斜角度は、前記光源からの前方放射光を前記反射面における前記領域以外の部位に導くように設定されている、請求項2、3のいずれかに記載の車両用灯具。 - 前記リフレクタは、ロービームの拡散パターンを形成するためのものである、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用灯具。
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