JP2021099247A - 鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法 - Google Patents

鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波による鋼材の探傷検査の精度を向上させることができる鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法を提供する。【解決手段】移動する丸棒材1の表面に2MPa以上の圧力で水2を噴射して丸棒材1の表面を洗浄する洗浄装置130と、洗浄装置130の丸棒材1の移動方向下流側に配設されて、丸棒材1に超音波を照射して丸棒材1の内部の傷を探知する内部探傷装置140と、洗浄装置130の丸棒材1の移動方向上流側に配設されて、丸棒材1の表面の傷を探知する表面探傷装置110と、表面探傷装置110と洗浄装置130との間に配設されて、丸棒材1の表面の傷にマーキングを施すマーキング装置120と、を備えた探傷検査装置100とした。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法に関する。
鋼材の内部の傷を探知する場合には、鋼材を水に浸漬し、プローブから水を介して超音波を鋼材へ照射する超音波探傷法により、鋼材を破壊することなく検査するようにしている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2012−058077号公報
ところで、鋼材の表面に矯正油等の油が付着していると、鋼材の表面に粉塵が付着してしまうと共に、鋼材を浸漬した水中にも粉塵が混入してしまう。また、鋼材の表面に浮き上がって凹凸状となったスケール(酸化被膜)が生成していると、鋼材を水に浸漬させたときに、スケールの凹凸部分に入り込んでいる空気が気泡となって鋼材の表面に存在してしまうと共に、水中にも気泡が混入してしまう。
このような粉塵や気泡が鋼材の表面や水中に存在すると、超音波探傷法による鋼材の内部の傷の探知の際にノイズとなって精度を低下させてしまうことがある。このため、鋼材とプローブとの間にノイズフィルタを設けることが考えられる。しかしながら、このようなノイズフィルタでは、粉塵や気泡によるノイズを十分に除去することが難しかった。その理由は、以下のように考えられる。
粉塵や気泡は、音響インピーダンスが略0N・s/mであるので、音圧反射率が略1となる。また、水中の粉塵や気泡は、水中を流動しているので、超音波を乱反射してしまう。そして、超音波は、物体内を伝播すると、一般的に減衰してしまう。このため、鋼材とプローブとの間にノイズフィルタを設けたとしても、粉塵や気泡によるノイズを十分に除去することが難しかった。
また、内部探傷が工程として含まれる鋼材の製造方法においては、超音波探傷による内部探傷により内部に傷があると判断された鋼材を、そのまま後工程に送ることは、不良品の出荷に繋がってしまうため、そのような鋼材は後工程に送らずに不良品として処理したり、再度、内部探傷検査を行って、ここで傷がないと判断されたものを後工程へ送ったりしている。ノイズを十分に除去できない内部探傷では傷の誤検知が多いため、歩留まりが悪いという問題を生じてしまう。
このようなことから、本発明は、超音波による鋼材の探傷検査の精度を向上させることができる鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための、本発明に係る鋼材の探傷検査方法は、移動する鋼材の表面に2MPa以上の圧力で水を噴射して前記鋼材の表面を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程で洗浄された前記鋼材に超音波を照射して前記鋼材の内部の傷を探知する内部探傷工程と、を行うことを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る鋼材の探傷検査装置は、移動する鋼材の表面に2MPa以上の圧力で水を噴射して前記鋼材の表面を洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段の前記鋼材の移動方向下流側に配設されて、前記鋼材に超音波を照射して前記鋼材の内部の傷を探知する内部探傷手段と、を備えていることを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、本発明に係る鋼材の製造方法は、上述した本発明に係る鋼材の探傷方法を実施した後、前記内部探傷工程で検知された内部の傷が予め設定した許容条件を満足する前記鋼材を後工程へ送り処理することを特徴とする。
本発明に係る鋼材の探傷検査方法及びその装置は、鋼材の表面に2MPa以上の圧力で水を噴射して鋼材の表面を洗浄した後、鋼材に超音波を照射して鋼材の内部の傷を探知することから、鋼材の表面の油や粉塵を除去すると共に凹凸状のスケールを破壊した後に超音波探傷を行うことができる。このため、超音波探傷の際に鋼材を水に浸漬しても、表面に気泡が存在してしまうことがないと共に、水中に粉塵や気泡等が混入することもない。
したがって、本発明に係る鋼材の探傷検査方法及びその装置によれば、粉塵や気泡等によるノイズの影響を受けることなく鋼材の内部の傷の探知を行うことができ、検査精度の低下を防止できるので、超音波による鋼材の探傷検査の精度を大幅に向上させることができる。
また、本発明に係る鋼材の製造方法によれば、超音波による鋼材の探傷検査の精度が大幅に向上していることから、従来、内部傷の程度が許容値を超えると誤検出されて後工程に送ることを止めてしまっていた鋼材の発生を抑制することができ、歩留まりの向上を図ることができる。
すなわち、本発明に係る鋼材の製造方法は、探傷検査の精度が大幅に向上した探傷検査結果に基づいて、検査結果が問題なしと判定されたもののみを後工程に送るので、不良品を後工程で処理することを抑制でき、かつ、不良品以外の処理を停止してしまうことも抑制できる。
本発明に係る鋼材の探傷検査装置の主な実施形態の全体構成を表すブロック図である。 図1の洗浄装置の概略構造を示す正面図である。 図1の洗浄装置の内部の概略構造を示す一部断面の側面図である。 従来の鋼材の探傷検査方法を適用した場合の検査合格率及び本発明に係る鋼材の探傷検査方法を適用した場合の検査合格率を示すグラフである。 本発明に係る探傷検査方法で水の圧力を変更した場合のマーキングの残存率を調べた結果を示すグラフである。
本発明に係る鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する実施形態のみに限定されるものではない。
〈主な実施形態〉
本発明に係る鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法の主な実施形態を図1〜5に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る鋼材の探傷検査装置100は、移動する鋼材である丸棒材1の表面に2MPa以上3MPa以下の圧力で水を噴射して丸棒材1の表面を洗浄する洗浄手段である洗浄装置130を備えている。そして、鋼材の探傷検査装置100は、洗浄装置130の丸棒材1の移動方向下流側(図1中、右側)に配設されて、丸棒材1に超音波を照射して丸棒材1の内部の傷を探知する内部探傷手段である内部探傷装置140を備えている。
また、鋼材の探傷検査装置100は、洗浄装置130の丸棒材1の移動方向上流側(図1中、左側)に配設されて、丸棒材1の表面の傷を探知する表面探傷手段である表面探傷装置110を備えている。そして、鋼材の探傷検査装置100は、表面探傷装置110と洗浄装置130との間に配設されて、丸棒材1の表面の傷にマーキングを施すマーキング手段であるマーキング装置120を備えている。
表面探傷装置110は、移動方向に沿って長手方向(軸方向)を向けた丸棒材1が内部に送り込まれ、漏洩磁束探傷等の磁気によって表面の傷を探知する装置である。マーキング装置120は、表面探傷装置110から丸棒材1が内部に送り込まれ、表面探傷装置110で探知された丸棒材1の表面の傷に塗料等のマーキング剤をスプレー等で吹き付けることにより、丸棒材1の表面の傷の位置を明確に示す装置である。
そして、洗浄装置130は、図2,3に示すような構造をなしている。
図2,3に示すように、六面体形状をなす内部中空のケーシング131の正面側(図2中、紙面手前側、図3中、右側)には、丸棒材1を送入される送入口131aが形成されている。ケーシング131の背面側(図3中、左側)には、丸棒材1を送出する送出口131bが形成されている。
ケーシング131の一方の側面(図2中、右方の側面)の下方寄りの中程には、給水管132の一端側が接続されている。ケーシング131の底面(図2,3中、下面)には、ケーシング131の内部の水2を外部へ排出する排水管136が接続されている。
ケーシング131の内部の背面側(図3中、左側)には、背面に沿って四角形状をなすようにパイプを組み付けた給水ヘッダ134Aが配設されている。ケーシング131の内部の正面側(図3中、右側)には、正面に沿って四角形状をなすようにパイプを組み付けた給水ヘッダ134Bが配設されている。給水管132の一端側と給水ヘッダ134A,134Bの下方とは、分配管133を介して接続されている。
給水ヘッダ134Aの上辺及び下辺の中程位置には、ケーシング131の内部中央位置よりも背面寄り(図3中、左寄り)の位置へ向けて水2を扇状に噴射するノズルである噴射ノズル135Aa,135Abがそれぞれ取り付けられている。給水ヘッダ134Bの上辺及び下辺の中程位置には、ケーシング131の内部中央位置よりも噴射ノズル135Aa,135Abによる水2の噴射位置寄りへ向けて水2を扇状に噴射するノズルである噴射ノズル135Ba,135Bbがそれぞれ取り付けられている。
給水ヘッダ134Aの両側辺の中程には、ケーシング131の内部中央へ向けて水2を扇状に噴射するノズルである噴射ノズル135Ac,135Adがそれぞれ取り付けられている。給水ヘッダ134Bの両側辺の中程には、ケーシング131の内部中央へ向けて水2を扇状に噴射するノズルである噴射ノズル135Bc,135Bdがそれぞれ取り付けられている。
つまり、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdは、丸棒材1の移動方向と直交する方向に沿った断面の周方向全長、すなわち、外周面の周方向全長にわたって水2を噴射することができる。また、噴射ノズル135Aa,135Abの噴射方向と鉛直面とのなす角度θ1は、噴射ノズル135Ba,135Bbの噴射方向と鉛直面とのなす角度θ2よりも小さく(θ1<θ2)なっているのである。また、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdは、噴射口部分が超硬質合金からなっている。
給水管132の他端側には、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdから水2を2MPa以上3MPa以下の圧力で噴射されるように噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdへ向けて水2を送給するポンプであるブースタポンプ137の送出口が接続されている。ブースタポンプ137の送出口の近傍には、電磁式の開閉弁138が設けられている。
なお、本実施形態においては、給水管132、分配管133、給水ヘッダ134A,134B、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bd、ブースタポンプ137、開閉弁138等により、噴射手段を構成している。
そして、図1に示した内部探傷装置140は、洗浄装置130から丸棒材1が内部に送り込まれ、丸棒材1を水に浸漬して、プローブから水を介して超音波を鋼材へ照射することにより、丸棒材1の内部の傷を探知する装置である。
このような本実施形態に係る鋼材の探傷検査装置100を使用した鋼材の探傷検査方法を次に説明する。
表面探傷装置110の内部に、丸棒材1の長手方向(軸方向)を移動方向へ向けるようにして丸棒材1を送り込むと、丸棒材1は、漏洩磁束探傷等の磁気によって表面の傷が探知される(表面探傷工程)。表面の傷を探知された丸棒材1は、表面探傷装置110からマーキング装置120の内部に送り込まれ、マーキング剤を吹き付けられることにより、探知された表面の傷の位置にマーキングが施される(マーキング工程)。このマーキングは、後述する表面傷除去工程において、表面傷の除去処理を行うべき箇所を特定するために施されるものである。
マーキングされた丸棒材1は、マーキング装置120から洗浄装置130のケーシング131の送入口131a内に送り込まれ、周囲がケーシング131で覆われる。ブースタポンプ137は、開閉弁138が開放されることにより、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdから2MPa以上3MPa以下の圧力で水2が噴射されるように水2を圧送する。
水2は、給水管132,分配管133,給水ヘッダ134A,134Bを流通して噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdに送給される。水2は、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdから丸棒材1の表面へ向けて2MPa以上3MPa以下の圧力で扇状に噴射され、丸棒材1の外周面に周方向全長にわたって高圧で噴き付けられる。
これにより、丸棒材1は、外周面に付着している矯正油等の油や粉塵が除去されるだけでなく、外周面に浮き上がって凹凸状となっているスケールが破壊される。
ここで、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdは、噴射口部分が超硬質合金からなるので、摩耗し難く、2MPa以上の高圧力での水2の噴射を比較的長期にわたって維持することができる。
そして、噴射ノズル135Aa,135Abは、ケーシング131の内部中央位置よりも背面寄り(図3中、左寄り)の位置へ向けて水2を扇状に噴射していることから、丸棒材1の外周面に対する衝突力が大きくなる。しかしながら、丸棒材1の外周面に衝突した水2は、ケーシング131の正面側(図3中、右側)へ飛散して、送入口131aから漏出してしまうおそれがある。
他方、噴射ノズル135Ba,135Bbは、ケーシング131の内部中央位置よりも噴射ノズル135Aa,135Abによる水2の噴射位置寄りへ向けて水2を扇状に噴射することから、丸棒材1の外周面に対する衝突力が小さくなってしまう。しかしながら、丸棒材1の外周面に衝突した水2は、ケーシング131の正面側(図3中、右側)へ飛散し難いだけでなく、噴射ノズル135Aa,135Abから噴射されて丸棒材1で跳ね返った水2を遮断するウォータカーテンとして作用する。
このため、洗浄装置130は、ケーシング131の送入口131aからの水2の漏出が大きく抑制されるので、丸棒材1の移動方向上流側に位置して水を嫌う表面探傷装置110やマーキング装置120に水2がかかってしまうことを防止することができる。
また、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdは、丸棒材1の表面へ向けて2MPa以上3MPa以下の圧力で水2を噴射する。このため、噴射ノズル135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bdは、丸棒材1の外周面の油や粉塵を除去すると共に浮き上がった凹凸状のスケールを破壊する一方、丸棒材1に施されたマーキングを除去することなく確実に残存させることができる(以上、洗浄工程)。
ここで、水2の噴射する圧力が、2MPa未満であると、丸棒材1の外周面の油や粉塵の除去や、浮き上がった凹凸状のスケールの破壊を確実に行うことが困難となってしまう。他方、3MPaを超えると、マーキングが消えてしまうおそれがあり、好ましくない。なぜなら、マーキング箇所を研削することにより表面傷を除去する場合(後述する表面傷除去工程)に、マーキングが消えてしまうと、実際には表面傷が存在しているにも拘わらず研削されなくなってしまい、表面傷を残したまま後工程に丸棒材1が供給されるようになってしまうからである。
なお、噴射ノズル135Aa〜135Adの噴射口から丸棒材1の外周面までの水2の噴射距離は、174mm以上298mm以下であると好ましい。174mm未満であると、水2の噴射幅から丸棒材1がはみ出して、丸棒材1を十分に洗浄することができなくなるおそれを生じてしまい、あまり好ましくない。他方、298mmを超えると、丸棒材1への水2の衝突力の低下が大きくなって、スケールの剥離性能が悪化するおそれを生じてしまい、あまり好ましくない。
外周面を洗浄された丸棒材1は、洗浄装置130のケーシング131の送出口131bから内部探傷装置140のケーシング131の内部に送り込まれる。丸棒材1は、水に浸漬され、プローブから水を介して超音波を照射されることにより、内部の傷が探知される(内部探傷工程)。
このとき、丸棒材1は、外周面の油や粉塵が除去されると共に凹凸状のスケールが破壊されているので、水に浸漬しても、表面に気泡が存在してしまうことがないと共に、水中に粉塵や気泡等が混入することもない。このため、内部探傷装置140は、粉塵や気泡等によるノイズの影響を受けることなく丸棒材1の内部の傷の探知を行うことができ、検査精度の低下が防止される。
したがって、本実施形態によれば、超音波による丸棒材1の探傷検査の精度を大幅に向上させることができる。
ここで、同じ状態の丸棒材に対して、従来の鋼材の探傷検査方法を適用した場合の検査合格率及び本発明に係る鋼材の探傷検査方法を適用した場合の検査合格率を図4に示す。図4からわかるように、本発明に係る鋼材の探傷検査方法(洗浄工程(水量20L/min,水圧2.6MPa)あり)は、従来の鋼材の探傷検査方法(洗浄工程なし)よりも合格率が0.26%上昇、すなわち、誤検出が0.26%減少した。
また、本発明に係る鋼材の探傷検査方法において、水の圧力を変更した場合のマーキングの残存率を調べた結果を図5に示す。図5からわかるように、圧力が2.0MPa,2.6MPa,3.0MPaにおいて、マーキングの残存率は、すべて100%となることが確認できた。
続いて、上述した探傷検査方法を実施された後に行われる本実施形態に係る鋼材の製造方法を説明する。
上述した探傷検査結果において、内部の傷の程度が問題なしと判定された丸棒材1、すなわち、内部の傷が予め設定した許容条件を満足した丸棒材1は、表面傷除去工程へ送られる。他方、内部の傷が予め設定した許容条件を満足しない丸棒材1は、そのまま後工程(本実施形態では、次工程は表面傷除去工程)へ送られることはなく、後工程への送り処理が取り止めになるか、あるいは、再度、内部の傷の探傷検査が行われ、内部の傷の程度が問題なしと新たに判定された場合に、後工程へ送られる。
ここで、内部の傷の程度が、当初設定していた品種や向先等の許容条件よりも寛大な許容条件に設定されている他の品種や向先等に対して転用できるものであれば、転用することを前提にして問題なしと判定して後工程に送ることも可能である。内部の傷が、転用もできないものである場合には、後工程に送らない。なお、内部の傷において予め設定した許容条件とは、傷の個数や傷の大きさ等に対して、丸棒材1の用途や、需要化の要求等を考慮して設定された条件である。
表面傷除去工程は、マーキング工程でマーキングが施された部分について、表面研削を行い、表面傷を除去する工程である。表面研削は、少なくともマーキング箇所を研削するように行うが、研削範囲(マーキング箇所を含むどの程度の面積範囲を研削するか)や、研削深さ等の諸条件は、適宜定められるものである。
表面傷除去工程を経た丸棒材1は、さらに後工程へ送られて処理される。ここで、後工程とは、表面検査を行った丸棒材1に対して、その後に行われる処理工程全般のことである。すなわち、精整工程,出荷工程等の全ての工程である。なお、表面検査を行った鋼材が圧延用素材である場合には、圧延工程も含む。
このような本実施形態に係る鋼材の製造方法によれば、上述した本実施形態に係る鋼材の探傷検査方法により、内部の傷が問題ないレベルの丸棒材1のみを、後工程(表面傷除去工程)及び、さらなる後工程へ送ることから、内部の傷に関して不良の丸棒材1が後工程に送給されてしまうことを防止できるのはもちろんのこと、実際には内部の傷が問題のない程度の丸棒材1を後工程に送らずに取り止めてしまうことを防止でき、歩留まりの向上を図ることができる。
〈他の実施形態〉
なお、前述した実施形態においては、開閉弁138により、水2の送給の有無を切り替えできるようにした。しかしながら、本発明はこれに限らず、他の実施形態として、例えば、三方弁により、水2の送給の有無を切り替えできるようにすることも可能である。
また、前述した実施形態においては、洗浄工程では丸棒材1の表面に噴射する水2の圧力を3MPa以下とし、さらに、洗浄工程で洗浄される前の丸棒材1の表面の傷を探知する表面探傷工程と、表面探傷工程で探知されて洗浄工程で洗浄される前の丸棒材1の傷にマーキングを施すマーキング工程とを行ったが、本発明はこれに限らない。
他の実施形態として、例えば、表面探傷工程及びマーキング工程を行わない場合や、表面探傷工程と内部探傷工程とを連続して行わない場合や、表面探傷工程と内部探傷工程とを連続して行うものの、表面探傷工程及びマーキング工程を内部探傷工程の後に行う場合には、洗浄工程においてマーキングが消えてしまうことはないので、洗浄工程において3MPaを超える圧力で水2を噴射することも可能である。
なお、表面探傷工程とマーキング工程と内部探傷工程とを連続して行う場合には、表面探傷工程,マーキング工程,洗浄工程,内部探傷工程の順で実施すると好適である。なぜなら、表面探傷工程で用いる漏洩磁束探傷機は、水がかかる環境に対する耐性が良好でないことから、洗浄のために水2を使用する洗浄工程や、超音波を伝播させるための媒体として水を使用する内部探傷工程を表面探傷工程の下流側に位置付けることにより、表面探傷工程に丸棒材1と共に上流側から水2が混入することを防止できるからである。
また、前述した実施形態においては、内部探傷工程で傷の程度が問題なしとなった丸棒材1以外は、表面傷除去工程に送らないようにしている。すなわち、後工程として、表面傷除去工程を含んでいる。しかしながら、本発明はこれに限らない。他の実施形態として、例えば、内部探傷工程における内部の傷の程度の判定に時間がかかる場合や、内部探傷手段と表面傷除去工程を行う研削装置とが連続して設置されている場合等では、内部の傷の程度に関わらず、表面傷除去工程を実施することも可能である。
このとき、その後にさらに続く工程のいずれかに丸棒材1を送る前に、内部探傷工程で検知された内部の傷が予め設定した許容条件を満足するか否かを判定して、許容条件を満足しない丸棒材1は、判定した時点以後の後工程に送ることを取り止めるようにする。
また、前述した実施形態においては、丸棒材1に適用した場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限らず、角棒材を始めとした各種の形状の鋼材に前述した実施形態と同様にして適用することができる。
本発明に係る鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法は、鉄鋼産業等において、極めて有益に利用することができる。
1 丸棒材
2 水
100 探傷検査装置
110 表面探傷装置
120 マーキング装置
130 洗浄装置
131 ケーシング
131a 送入口
131b 送出口
132 給水管
133 分配管
134A,134B 給水ヘッダ
135Aa〜135Ad,135Ba〜135Bd 噴射ノズル
136 排水管
137 ブースタポンプ
138 開閉弁
140 内部探傷装置

Claims (8)

  1. 移動する鋼材の表面に2MPa以上の圧力で水を噴射して前記鋼材の表面を洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程で洗浄された前記鋼材に超音波を照射して前記鋼材の内部の傷を探知する内部探傷工程と、
    を行うことを特徴とする鋼材の探傷検査方法。
  2. 請求項1に記載の鋼材の探傷検査方法において、
    前記洗浄工程は、前記鋼材の表面に3MPa以下の圧力で水を噴射して前記鋼材の表面を洗浄する工程である
    ことを特徴とする鋼材の探傷検査方法。
  3. 請求項2に記載の鋼材の探傷検査方法において、
    前記洗浄工程で洗浄される前の前記鋼材の表面の傷を探知する表面探傷工程と、
    前記表面探傷工程で探知されて前記洗浄工程で洗浄される前の前記鋼材の前記傷にマーキングを施すマーキング工程と、
    を行うことを特徴とする鋼材の探傷検査方法。
  4. 請求項1又は2に記載の鋼材の探傷検査方法を実施した後、前記内部探傷工程で検知された内部の傷が予め設定した許容条件を満足する前記鋼材を後工程へ送り処理する
    ことを特徴とする鋼材の製造方法。
  5. 請求項3に記載の鋼材の探傷検査方法を実施した後、前記内部探傷工程で検知された内部の傷が予め設定した許容条件を満足し、かつ、前記マーキング工程で前記マーキングを施した部分を表面研削して表面傷を除去した前記鋼材を後工程へ送り処理する
    ことを特徴とする鋼材の製造方法。
  6. 移動する鋼材の表面に2MPa以上の圧力で水を噴射して前記鋼材の表面を洗浄する洗浄手段と、
    前記洗浄手段の前記鋼材の移動方向下流側に配設されて、前記鋼材に超音波を照射して前記鋼材の内部の傷を探知する内部探傷手段と、
    を備えていることを特徴とする鋼材の探傷検査装置。
  7. 請求項6に記載の鋼材の探傷検査装置において、
    前記洗浄手段は、前記鋼材の表面に3MPa以下の圧力で水を噴射して前記鋼材の表面を洗浄するものである
    ことを特徴とする鋼材の探傷検査装置。
  8. 請求項7に記載の鋼材の探傷検査装置において、
    前記洗浄手段の前記鋼材の移動方向上流側に配設されて、前記鋼材の表面の傷を探知する表面探傷手段と、
    前記表面探傷手段と前記洗浄手段との間に配設されて、前記鋼材の表面の前記傷にマーキングを施すマーキング手段と、
    を備えていることを特徴とする鋼材の探傷検査装置。
JP2019230755A 2019-12-20 2019-12-20 鋼材の探傷検査方法及びその装置並びに鋼材の製造方法 Active JP7147739B2 (ja)

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