JP2021098947A - 照合システム及び照合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】照合通信時の端末及び通信相手の間の位置関係性と応答性との両立を可能にした照合システム及び照合方法を提供する。【解決手段】車両3の近距離無線モジュール13は、車両3でユーザ操作を検出した場合に、LF送信部10から端末1にリクエスト信号SreqをLF送信する。端末1は、車両3側からLF送信されたリクエスト信号Sreqを受信すると、自身のID情報DidをアドバタイズSa1に乗せて、近距離無線通信を通じて送信する。照合部8は、端末1から近距離無線通信を通じて受信したID情報Didを照合し、照合が成立した場合に、車両3を作動させる。【選択図】図1
Description
本発明は、無線通信を通じて端末の正否を照合する照合システム及び照合方法に関する。
従来、端末とその通信相手との間の無線通信を通じて、端末の正否照合する照合システムがある。この種の照合システムとしては、例えば車両の電子キーの正否を、近距離無線通信を通じて認証して、車載された機器の作動を許可又は実行するものが周知である(特許文献1等参照)。近距離無線には、例えばブルートゥース(Bluetooth:登録商標)等がある。
ところで、車両用の照合システムの場合、車両の室外に位置する電子キーと照合が成立した場合に、車両ドアの施解錠を許可又は実行し、車両の室内に位置する電子キーと照合が成立した場合に、車両のエンジン始動を許可するため、電子キーが室内外のどちらに位置するのか判定する必要がある。しかし、近距離無線通信の電波は、人体や車体の影響を受け易い。よって、室外と室内の切り分けを安定して判定することができない問題があった。
また、近距離無線通信の一例としてブルートゥース通信の場合、通信を実施するには、前段階として、車両側の通信機と端末とをペアリングして、これらを接続状態に移行させる必要がある。よって、通信に時間を要してしまうため、照合成立の応答性の観点からも懸念があった。
本発明の目的は、照合通信時の端末及び通信相手の間の位置関係性と応答性との両立を可能にした照合システム及び照合方法を提供することにある。
前記問題点を解決する照合システムは、端末の通信相手に設けられた照合部と前記端末との間で電波をやり取りする双方向通信を通じて、前記照合部が前記端末の正否を照合する構成において、前記双方向通信の一方の通信には、前記端末と前記通信相手との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた第1通信が使用され、前記双方向通信の他方には、前記端末及び前記照合部の一方から送信される自機情報通知を他方が受信することが通信開始の契機とされた第2通信が使用されている。
前記問題点を解決する照合方法は、端末の通信相手に設けられた照合部と前記端末との間で電波をやり取りする双方向通信を通じて、前記照合部が前記端末の正否を照合する方法において、前記双方向通信の一方の通信には、前記端末と前記通信相手との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた第1通信が使用され、前記双方向通信の他方には、前記端末及び前記照合部の一方から送信される自機情報通知を他方が受信することが通信開始の契機とされた第2通信が使用されている。
本発明によれば、照合通信時の端末及び通信相手の間の位置関係性と応答性とを両立できる。
(第1実施形態)
以下、照合システム及び照合方法の第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、端末1の通信相手2である車両3には、無線通信を介して端末1の正否を確認して、車載された機器4の作動を許可又は実行する照合システム5を備える。照合システム5は、例えば端末1及び車両3の間で電波をやり取りする双方向通信を通じて端末1の正否を確認する形式をとることが好ましい。端末1は、無線通信を介して車両3と照合を実行するキー、いわゆる電子キーである。機器4は、例えば車両ドアの施解錠を切り換えるドアロック装置や、車両3のエンジンであることが好ましい。
以下、照合システム及び照合方法の第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、端末1の通信相手2である車両3には、無線通信を介して端末1の正否を確認して、車載された機器4の作動を許可又は実行する照合システム5を備える。照合システム5は、例えば端末1及び車両3の間で電波をやり取りする双方向通信を通じて端末1の正否を確認する形式をとることが好ましい。端末1は、無線通信を介して車両3と照合を実行するキー、いわゆる電子キーである。機器4は、例えば車両ドアの施解錠を切り換えるドアロック装置や、車両3のエンジンであることが好ましい。
照合システム5は、端末1と通信相手2の間の双方向通信を通じて端末1の照合を実行する場合、双方向通信の往復の一方と他方とで、各々異なる通信形式が使用されている。本例の場合、車両3→端末1の経路の通信を「第1通信」とし、端末1→車両3の経路の通信を「第2通信」とする。
第1通信は、端末1の通信相手2である車両3と端末1との正しい距離関係が通信成立の一条件とされた通信である。本例の場合、第1通信は、LF(Low Frequency)帯の電波を車両3の限られたエリアE(図3参照)に送信して、その電波を端末1に受信させる通信である。第1通信は、例えば車両3の車外周囲や車内に端末1が存在するか否かを確認するための通信である。
第2通信は、端末1の通信相手2である車両3に設けられた照合部8と端末1との一方から送信される自機情報通知Saを他方が受信することが通信開始の契機とされた通信である。本例の場合、第2通信は、端末1及び照合部8の一方から定期的に自機情報通知Saを送信して、これらの他方と通信確立を試みる近距離無線通信であることが好ましい。近距離無線通信は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)通信であり、好ましくはBLE(Bluetooth Low Energy)であるとよい。また、自機情報通知Saは、ブルートゥース通信の場合、アドバタイズSa1であることが好ましい。
車両3は、照合システム5において照合を実行する前述の照合部8と、車両3において第1通信時に電波送信を実行する送信部9、端末1と第2通信を実行する近距離無線モジュール13とを備える。照合部8には、車両3に登録された端末1のID情報Didがメモリ等に登録されている。ID情報Didは、例えば端末1の固有のキーIDである。照合部8には、車両3に設けられた通信線11を通じて機器制御部12に接続されている。機器制御部12は、照合部8の照合結果を基に、機器4の動作を制御する。通信線11は、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)であることが好ましい。
送信部9は、LF電波を周囲に送信するLF送信部10である。LF電波は、周波数が低い電波であるので、安定して端末1に届く利点がある。本例の場合、LF送信部10は、車両3の車外周囲にLF電波を送信する車外送信用のLF送信部10aと、車内全域にLF電波を送信する車内送信用のLF送信部10bとを備えることが好ましい。
近距離無線モジュール13は、車両3において近距離無線通信を実行可能にする。本例の場合、近距離無線モジュール13は、近距離無線通信として、端末1との間でブルートゥース通信を行う。
端末1は、端末1の動作を制御する端末制御部15と、送信部9からの電波を受信する受信部16と、車両3の近距離無線モジュール13と通信する近距離無線モジュール17とを備える。端末制御部15には、端末1の固有IDとしてID情報Didがメモリ等に登録されている。受信部16は、LF電波を受信するLF受信部18であって、車両3のLF送信部10と第1通信を実行する。近距離無線モジュール17は、近距離無線通信としてブルートゥース通信を実行し、車両3の近距離無線モジュール13とブルートゥース通信による第2通信を実行する。
端末制御部15は、LF送信部10からのLF電波をLF受信部18で受信した際の応答をとるにあたり、第2通信である近距離無線を用い、LF受信に対する応答データDresをアドバタイズSa1に載せて車両3に送信する。アドバタイズSa1は、近距離無線モジュール13、17を接続状態に移行させなくとも送信が可能である。このため、端末制御部15は、LF送信部10からのLF電波をLF受信部18で受信次第、応答データDresを直ぐに照合部8に返信することが可能である。応答データDresは、端末1に登録された固有のID情報Didを少なくとも含むことが好ましい。
次に、図2〜図4を用いて、本実施形態の照合システム5の作用について説明する。
図2に示すように、照合部8は、照合システム5の動作開始のユーザ操作を検出すると、LF送信部10からの電波送信を開始する。本例の場合、照合部8は、LF送信部10からのLF電波として、待機状態の端末1を起動状態に切り換えるためのリクエスト信号SreqをLF送信部10から送信させる。
図2に示すように、照合部8は、照合システム5の動作開始のユーザ操作を検出すると、LF送信部10からの電波送信を開始する。本例の場合、照合部8は、LF送信部10からのLF電波として、待機状態の端末1を起動状態に切り換えるためのリクエスト信号SreqをLF送信部10から送信させる。
リクエスト信号Sreqは、例えば待機状態となっている端末1を起動させるウェイク信号や、チャレンジレスポンス認証を行うためのチャレンジコードなどを備えることが好ましい。チャレンジレスポンス認証は、例えば送信の度に値が異なる乱数をチャレンジコードとして照合部8から端末1に送信し、端末1に自らの暗号鍵でチャレンジコードを演算させ、その演算結果であるレスポンスコードを照合部8で受け取る。照合部8も同様にチャレンジコードを自身の暗号鍵によって演算し、自身の演算結果のレスポンスコードと、端末1から受け取ったレスポンスコードとを比較して、端末1の正否を確認する。
ユーザ操作には、例えば車両ドアをロックする場合に車外から車外ドアハンドルのロックボタンを押す操作や、車両ドアをアンロックする場合に車外から車外ドアハンドルに触れる操作などがある。照合部8は、車外ドアハンドルのロックボタンの操作を検出したり、車外ドアハンドルに触れる操作をタッチセンサで検出したりすると、車外送信用のLF送信部10からリクエスト信号Sreqを送信する。
図3に、LF送信部10が形成するLF電波のエリアEの一例を図示する。同図に示されるように、照合部8は、例えば車外ドアハンドルのロックボタンが操作されたり、車外ドアハンドルがタッチ操作されたりするなどして、車外照合を開始する条件が満たされた場合、車外送信用のLF送信部10aからリクエスト信号Sreqを送信して、車両3の周囲にリクエスト信号SreqのエリアEを形成する。リクエスト信号Sreqは、車両3の近傍のみに届く。端末1は、車外送信用のLF送信部10aから送信されたリクエスト信号SreqをLF受信部18で受信すると、リクエスト信号Sreq内のウェイク信号によって、待機状態から起動状態に切り換わる。これにより、端末1は、照合部8との認証の通信を実行することが可能となる。
図2に示す通り、端末制御部15は、リクエスト信号Sreqの受信によって起動状態に切り換わると、リクエスト信号Sreqに対する照合部8への応答を、近距離無線通信を通じて実行する。本例の場合、端末制御部15は、リクエスト信号Sreqの受信に対する応答として、近距離無線モジュール17からアドバタイズSa1を送信する。このとき、端末制御部15は、アドバタイズSa1に応答データDres、すなわち端末1の認証に必要なデータ群を含ませて照合部8に送信する。なお、端末制御部15は、車両3の近距離無線モジュール13に対し、アドバタイズSa1を送信するのみで、ブルートゥース通信を接続状態に移行させる動作はとらない。
図4に、アドバタイズSa1の具体的なデータ列を図示する。同図に示されるように、アドバタイズSa1は、プリアンブル(Preamble)と、アクセスアドレス(Access Address)と、プロトコルデータユニット(Protocol Data Unit)と、CRCとを備える。プロトコルデータユニットは、ヘッダ(Header)と、ペイロード(Payload)とを備える。ペイロードは、アドバタイザーズアドレス(Advertiser’s address)と、アドバタイザーズデータ(Advertiser’s Data)とを備える。アドバタイザーズデータは、複数のADストラクチャ(AD Structure)を備える。
端末制御部15は、リクエスト信号Sreqの受信に対する応答として、ADストラクチャの1つに、リクエスト信号Sreqに対応した応答データDresを載せて、照合部8に近距離無線通信を通じて返信する。図4の例では、先頭から3つ目のADストラクチャに応答データDresが載せられる。の応答データDresは、例えば端末1に登録されたID情報Didを備える。また、リクエスト信号Sreqにチャレンジコードが含まれる場合、応答データDresは、前述のID情報Didと、チャレンジコードを暗号鍵によって演算した結果であるレスポンスコードとを備えることが好ましい。
また、端末制御部15は、応答データDresをアドバタイズSa1に載せて返信するので、近距離無線モジュール13、17を接続状態に移行させなくとも、アドバタイズSa1の送信を通じて、応答データDresを直ぐに近距離無線モジュール17から車両3に向けて送信することができる。このため、近距離無線通信を接続状態に移行させるには、ペアリングに時間を要してしまうが、このような処理を経ずとも、近距離無線通信を通じて応答データDresを直ぐに端末1から車両3に返信することができる。
図2に示す通り、照合部8は、リクエスト信号Sreqに対する応答データDresを近距離無線モジュール13で受信すると、この応答データDresを基に端末1の正否を確認する。本例の場合、照合部8は、応答データDresに含まれるID情報Didと、照合部8に登録されたID情報Didとを比較することにより、ID情報Didの認証の成立可否を確認する。また、応答データDresにレスポンスコードが含まれる場合、照合部8は、応答データDresに含まれるレスポンスコードと、自身が演算したレスポンスコードとを比較することにより、チャレンジレスポンス認証の成立可否を確認する。
照合部8は、車外のLF送信部10aからリクエスト信号Sreqを送信した際に前述の認証が成立することを確認すると、車外照合が成立したと認識し、車両ドアの施解錠操作を許可又は実行する。このため、例えば車両ドアがアンロック状態の際に車外ドアハンドルのロックボタンが操作された場合には、車両ドアがロックされる。また、車両ドアがロック状態の際に車外ドアハンドルがタッチ操作された場合には、車両ドアがアンロックされる。
照合部8は、例えば運転席のエンジンスイッチが操作されるなどして、車内照合を開始する条件が満たされた場合、車内送信用のLF送信部10bからリクエスト信号Sreqを送信する。この場合、リクエスト信号SreqのエリアEは、車内全域に形成される。端末1は、車内送信用のLF送信部10bから送信されたリクエスト信号SreqをLF受信部18で受信すると、リクエスト信号Sreq内のウェイク信号によって、待機状態から起動状態に切り換わる。そして、車外照合のときと同様の認証が車内照合でも実行される。
照合部8は、車内送信用のLF送信部10bからリクエスト信号Sreqを送信した際に前述の認証が成立することを確認すると、車内照合が成立したと認識し、運転席のエンジンスイッチによる車両電源の遷移操作を許可する。このため、ブレーキペダルを踏み込んだ状態でエンジンスイッチがプッシュ操作された場合には、車両3のエンジンを始動状態に切り換えることができる。
上記実施形態の照合システム5によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)照合システム5は、端末1の通信相手2に設けられた照合部8と端末1との間で電波をやり取りする双方向通信を通じて、照合部8が端末1の正否を照合する。照合システム5は、双方向通信の一方の通信には、端末1と通信相手2との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた第1通信が使用され、双方向通信の他方には、端末1及び照合部8の一方から送信される自機情報通知Saを他方が受信することが通信開始の契機とされた第2通信が使用されている。
(1)照合システム5は、端末1の通信相手2に設けられた照合部8と端末1との間で電波をやり取りする双方向通信を通じて、照合部8が端末1の正否を照合する。照合システム5は、双方向通信の一方の通信には、端末1と通信相手2との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた第1通信が使用され、双方向通信の他方には、端末1及び照合部8の一方から送信される自機情報通知Saを他方が受信することが通信開始の契機とされた第2通信が使用されている。
本例の構成によれば、端末1及び通信相手2の間で双方向通信を介した照合を行う場合、往路及び復路の通信のうちの一方を、端末1と通信相手2との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた通信(第1通信)とした。このため、端末1及び通信相手2の正しい位置関係性は、第1通信が確立するか否かによって担保される。また、これら通信の他方を、自機情報通知の受信が通信開始の契機とされた通信(第2通信)とした。このため、通信の応答性は、通信に時間を要さない自機情報通知Saの送信で応答することによって担保される。よって、照合通信時の端末1及び通信相手2の間の位置関係性と応答性とを両立することができる。
(2)第1通信は、LF帯の電波を通信相手2の限られたエリアEに送信して、LF電波を端末1に受信させる通信である。よって、ある一定の安定したエリアEを形成して端末1が車両3の近くに位置したか否かを判定することが可能となるので、車両3への端末1の接近を精度よく検出することができる。
(3)第2通信は、端末1及び照合部8の一方から定期的に自機情報通知Saを送信して、これらの他方との通信確立を試みる近距離無線通信である。よって、近距離無線通信において定期的に送信される自機情報通知Saを利用して、通信の相手側に第2通信に必要な情報群を送信することができる。
(4)近距離無線通信は、ブルートゥース通信である。自機情報通知Saは、ブルートゥース通信の際に定期的に送信されるアドバタイズSa1である。よって、端末1及び通信相手2の間で近距離無線通信を接続状態に移行させなくとも送信可能なアドバタイズSa1を利用して、第2通信を応答性(レスポンス性)の高い通信とすることができる。
(5)自機情報通知Saには、端末1に登録された固有のID情報Didが含まれている。よって、端末1から照合部8に対して直ちに返信されたID情報Didを基に、時間を要することなくID情報Didの認証を実行することができる。
(6)端末1及び照合部8は、これらの一方から送信された電波(LF電波)を他方が受信して第1通信が確立すると、他方から一方に自機情報通知Sa(アドバタイズSa1)を送信する第2通信を通じて第1通信に対する応答を返信することにより、これら2者間の双方向通信を実行する。この場合、端末1が通信相手2の近くに存在することを、第1通信を通じて確認することを経て、端末1及び照合部8の間の第2通信を実行する。よって、端末1及び照合部8の間の双方向通信をより確実に確立に移行させるのに有利となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の車両3をシェアカーとしても使用可能にした実施例である。よって、第1実施形態と同一部分には、同じ符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
次に、第2実施形態を図5及び図6に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の車両3をシェアカーとしても使用可能にした実施例である。よって、第1実施形態と同一部分には、同じ符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
図5に示すように、車両3は、1台を複数のユーザによって共用できるようにするシェアリングシステム(以降、カーシェアリングシステム21と記す)を備える。本例のカーシェアリングシステム21は、ユーザ各自が所持する通信機22を車両キー(車両用電子キー)として用い、車両3及び通信機22の近距離無線を通じて車両3を動作させるものである。通信機22は、車両3をシェアする各々のユーザが所持する高機能携帯電話23であることが好ましい。
高機能携帯電話23は、高機能携帯電話23で車両3を動作させるときの認証に使用する鍵情報Dkがメモリ24に登録されている。鍵情報Dkは、例えばインターネット等のネットワーク通信を介して、サーバ等から高機能携帯電話23に登録する。鍵情報Dkは、例えば使用が1度又は一定期間のみ可能なワンタイムキーであることが好ましい。鍵情報Dkには、ユーザが車両予約時に指定した車両3の使用期間等のカーシェアの詳細に係る各種情報が含まれる。また、鍵情報Dkは、サーバ等から供給されることに限らず、サーバ以外から高機能携帯電話23に付与されてもよい。
本例の場合、近距離無線モジュール13には、車両3側においてカーシェアリングシステム21の作動を実行するシェアリングアプリケーション27がメモリ等に登録されている。本例の近距離無線モジュール13は、シェアリングアプリケーション27が登録されることにより、近距離無線通信を介して高機能携帯電話23の正否を確認する認証装置の位置付けとなっている。シェアリングアプリケーション27は、例えばネットワーク通信を用いた態様、或いは専用のツールを用いた態様のいずれの形式で近距離無線モジュール13に登録されてもよい。
シェアリングアプリケーション27は、高機能携帯電話23から近距離無線通信によって鍵情報Dkを受信した場合、この鍵情報Dkを認証し、鍵情報Dkの認証が成立すれば、高機能携帯電話23を車両キーとしたカーシェアの動作が実行可能となる。本例の場合、シェアリングアプリケーション27は、鍵情報Dkの認証が成立すると、鍵情報Dkに含まれるカーシェアの詳細(例えば、車両3の使用期間、端末1との実際の通信時に使用するセッション鍵、端末1のIDなど)を取得し、この取得データを基に、カーシェアの動作を実行する。
次に、図6を用いて、本実施形態の照合システム5の作用について説明する。
図6に示すように、ステップ101において、車両3の近距離無線モジュール13は、自機の情報を周囲に知らせるアドバタイズSa2を繰り返し送信する。
図6に示すように、ステップ101において、車両3の近距離無線モジュール13は、自機の情報を周囲に知らせるアドバタイズSa2を繰り返し送信する。
ステップ102において、高機能携帯電話23は、近距離無線モジュール13から送信されるアドバタイズSa2が届くエリアに進入してアドバタイズSa2を受信すると、ブルートゥースの接続要求としてコネクトリクエストSr1を、近距離無線を通じて車両3に送信する。
ステップ103において、高機能携帯電話23から送信されたコネクトリクエストSr1を車両3の近距離無線モジュール13が受信すると、車両3の近距離無線モジュール13と高機能携帯電話23とは、近距離無線の通信接続を実行する。この通信接続では、両者のペアリングが実行され、ペアリングが成立した場合、近距離無線通信が接続状態に移行される。
ステップ104において、高機能携帯電話23は、近距離無線通信が接続状態になると、自身に登録されている鍵情報Dkを、近距離無線を通じて車両3に送信する。
ステップ105において、車両3の近距離無線モジュール13は、高機能携帯電話23から鍵情報Dkを受信すると、この鍵情報Dkを認証する。本例の場合、近距離無線モジュール13は、鍵情報Dkを所定の鍵で復号し、正しく復号できれば、鍵情報Dkに含まれる車両3の使用期間等のカーシェアに係る各種情報を取得することができる。
ステップ105において、車両3の近距離無線モジュール13は、高機能携帯電話23から鍵情報Dkを受信すると、この鍵情報Dkを認証する。本例の場合、近距離無線モジュール13は、鍵情報Dkを所定の鍵で復号し、正しく復号できれば、鍵情報Dkに含まれる車両3の使用期間等のカーシェアに係る各種情報を取得することができる。
ステップ106において、車両3の近距離無線モジュール13は、鍵情報Dkの認証が成立した場合、高機能携帯電話23で車両3を遠隔操作する際の近距離無線通信時に必要となる所定の鍵(例えば、セッション鍵など)を、近距離無線通信を通じて高機能携帯電話23に送信する。
ステップ107において、高機能携帯電話23がセッション鍵を受信すると、車両3の近距離無線モジュール13と高機能携帯電話23とは、鍵情報Dkの認証が完了した認証完了状態に移行する。これにより、近距離無線モジュール13は、高機能携帯電話23を車両3の電子キーとした近距離無線通信が可能となる。
ステップ108において、高機能携帯電話23は、認証完了状態に移行後、高機能携帯電話23からの車両3の操作要求を受け付け可能な状態に近距離無線モジュール13を移行させるキー機能オン要求を、近距離無線通信を通じて車両3の近距離無線モジュール13に送信する。このとき、高機能携帯電話23は、キー機能オン要求をセッション鍵等で暗号化して、近距離無線モジュール13に送信する。
認証完了状態後、高機能携帯電話23で車両ドアを解錠する場合、高機能携帯電話23でドア解錠操作を行い、その操作に基づくドア解錠要求を、近距離無線通信を通じて車両3に送信する。ドア解錠要求は、セッション鍵によって暗号化されて送信される。照合部8は、高機能携帯電話23から送信されたドア解錠要求を近距離無線モジュール13で受信すると、このドア解錠要求を基に、車両ドアの解錠を実行(許可でも可)する。よって、高機能携帯電話23でのドア解錠操作を通じて、車内に乗車することができる。
また、高機能携帯電話23で車両ドアを施錠する場合、高機能携帯電話23でドア施錠操作を行い、その操作に基づくドア施錠要求を、近距離無線通信を通じて車両3に送信する。ドア施錠要求は、セッション鍵によって暗号化されて送信される。照合部8は、高機能携帯電話23から送信されたドア施錠要求を近距離無線モジュール13で受信すると、このドア施錠要求を基に、車両ドアの施錠を実行(許可でも可)する。よって、高機能携帯電話23でのドア施錠操作を通じて、車両ドアを施錠することができる。
高機能携帯電話23で車両3のエンジンを始動する場合、高機能携帯電話23でエンジン始動操作を行い、その操作に基づくエンジン始動要求を、近距離無線通信を通じて車両3に送信する。エンジン始動要求は、セッション鍵によって暗号化されて送信される。照合部8は、高機能携帯電話23から送信されたエンジン始動要求を近距離無線モジュール13で受信すると、このエンジン始動要求を基に、エンジンの始動を許可(実行でも可)する。よって、高機能携帯電話23からエンジン始動要求を送信した後、ブレーキペダルを踏み込みながら運転席のエンジンスイッチを操作すれば、車両3のエンジンが始動する。
また、高機能携帯電話23ではなく端末1で車両3を操作する場合には、端末1を所持して車両3に近づく。この場合には、第1実施形態で述べた手順によって、端末1及び照合部8の間の認証が実行される。そして、この照合通信を通じて端末1の正否が確認されると、車両ドアの施解錠操作やエンジンの始動操作が許可又は実行される。従って、シェアカーとして使用される車両3であっても、高機能携帯電話23のみならず端末1でも車両3を作動させることが可能となる。
上記実施形態の照合システム5によれば、第1実施形態の(1)〜(6)に加え、以下のような効果を得ることができる。
(7)通信相手2である車両3は、複数人の間で共用されるものである。照合部8は、複数人の各々が持つ通信機22(本例は、高機能携帯電話23)に登録された鍵情報Dkを、第2通信を通じて認証可能に構成され、鍵情報Dkの認証が成立した場合に、認証が成立した通信機22での通信相手2の作動を許可又は実行することにより、通信相手2を複数人の間で共用可能にする。よって、照合システム5のハード構成を変更することなく、例えば通信機22に登録された鍵情報Dkを認証するシェアリングアプリケーション27を追加するのみで、車両3をシェアカーとして使用することができる。
(7)通信相手2である車両3は、複数人の間で共用されるものである。照合部8は、複数人の各々が持つ通信機22(本例は、高機能携帯電話23)に登録された鍵情報Dkを、第2通信を通じて認証可能に構成され、鍵情報Dkの認証が成立した場合に、認証が成立した通信機22での通信相手2の作動を許可又は実行することにより、通信相手2を複数人の間で共用可能にする。よって、照合システム5のハード構成を変更することなく、例えば通信機22に登録された鍵情報Dkを認証するシェアリングアプリケーション27を追加するのみで、車両3をシェアカーとして使用することができる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
[第1通信及び第2通信について]
・各実施形態において、車両3に形成されるエリアEは、車外照合の場合、車両周囲の限られた領域に形成されるエリアであり、車内照合の場合、車内全域に形成されるエリアである。
[第1通信及び第2通信について]
・各実施形態において、車両3に形成されるエリアEは、車外照合の場合、車両周囲の限られた領域に形成されるエリアであり、車内照合の場合、車内全域に形成されるエリアである。
・各実施形態において、第1通信は、LF−UHFの双方向通信に限定されない。例えば、UWB(Ultra Wide Band)帯の電波の送受信に係る時間から距離を測定する通信など、2者間の位置関係を特定できる通信であればよい。
・各実施形態において、第1通信で使用する電波の周波数は、LFに限定されず、他の周波数に変更してもよい。
・各実施形態において、近距離無線通信は、通信規格がブルートゥースの通信であることに限定されない。例えば、Wi−Fi(登録商標)通信など、自機情報通知Saを定期送信する通信であればよい。
・各実施形態において、近距離無線通信は、通信規格がブルートゥースの通信であることに限定されない。例えば、Wi−Fi(登録商標)通信など、自機情報通知Saを定期送信する通信であればよい。
・各実施形態において、第2通信は、近距離無線通信に限定されず、端末1(車両3側でも可)から自機情報通知Saが定期的に送信される通信であればよい。
・各実施形態において、車両3→端末1の通信を第2通信とし、端末1→車両3の通信を第1通信としてもよい。
・各実施形態において、車両3→端末1の通信を第2通信とし、端末1→車両3の通信を第1通信としてもよい。
[自機情報通知Saについて]
・各実施形態において、自機情報通知Saは、アドバタイズSa1に限定されず、例えばビーコン等の他の信号に変更してもよい。
・各実施形態において、自機情報通知Saは、アドバタイズSa1に限定されず、例えばビーコン等の他の信号に変更してもよい。
・各実施形態において、自機情報通知Saは、自身がどのような通信ができるかを相手側に通知する情報であればよい。
[その他]
・第2実施形態において、シェアリングシステムは、カーシェアリングシステム21に限定されず、共用する物品に応じたシステムとすることができる。
[その他]
・第2実施形態において、シェアリングシステムは、カーシェアリングシステム21に限定されず、共用する物品に応じたシステムとすることができる。
・各実施形態において、ID情報Didは、キー固有のIDコードに限定されず、例えば信号自体が暗号化されるなど、種々の態様に変更できる。
・各実施形態において、端末1は、例えば電子キーなど、種々の端末が適用可能である。
・各実施形態において、端末1は、例えば電子キーなど、種々の端末が適用可能である。
・各実施形態において、照合システム5は、車載用に限定されず、他の機器や装置に適用してもよい。
1…端末、2…通信相手、3…車両、5…照合システム、8…照合部、22…通信機、Sa…自機情報通知、Sa1…アドバタイズ、E…エリア、Did…ID情報、Dk…鍵情報。
Claims (8)
- 端末の通信相手に設けられた照合部と前記端末との間で電波をやり取りする双方向通信を通じて、前記照合部が前記端末の正否を照合する照合システムにおいて、
前記双方向通信の一方の通信には、前記端末と前記通信相手との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた第1通信が使用され、前記双方向通信の他方には、前記端末及び前記照合部の一方から送信される自機情報通知を他方が受信することが通信開始の契機とされた第2通信が使用されている照合システム。 - 前記第1通信は、LF帯の電波を前記通信相手の限られたエリアに送信して、前記電波を前記端末に受信させる通信である
請求項1に記載の照合システム。 - 前記第2通信は、前記照合部及び前記端末の一方から定期的に前記自機情報通知を送信して、これらの他方との通信確立を試みる近距離無線通信である
請求項1又は2に記載の照合システム。 - 前記近距離無線通信は、ブルートゥース通信であり、
前記自機情報通知は、アドバタイズである
請求項3に記載の照合システム。 - 前記自機情報通知には、前記端末に登録された固有のID情報が含まれている
請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の照合システム。 - 前記照合部及び前記端末は、これらの一方から送信された電波を他方が受信して前記第1通信が確立すると、前記他方から前記一方に前記自機情報通知を送信する前記第2通信を通じて前記第1通信に対する応答を返信することにより、これら2者間の前記双方向通信を実行する
請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の照合システム。 - 前記通信相手は、複数人の間で共用されるものであり、
前記照合部は、前記複数人の各々が持つ通信機に登録された鍵情報を、前記第2通信を通じて認証可能に構成され、前記鍵情報の認証が成立した場合に、前記認証が成立した通信機での前記通信相手の作動を許可又は実行することにより、前記通信相手を複数人の間で共用可能にする
請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の照合システム。 - 端末の通信相手に設けられた照合部と前記端末との間で電波をやり取りする双方向通信を通じて、前記照合部が前記端末の正否を照合する照合方法において、
前記双方向通信の一方の通信には、前記端末と前記通信相手との正しい位置関係が通信成立の一条件とされた第1通信が使用され、前記双方向通信の他方には、前記端末及び前記照合部の一方から送信される自機情報通知を他方が受信することが通信開始の契機とされた第2通信が使用されている照合方法。
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2019
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