JP2021098879A - 成膜装置、成膜方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

成膜装置、成膜方法および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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敏治 内田
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Abstract

【課題】接続部が回動する際に、線状部材の変形を可及的に小さくし、接続部の回動を阻害することなく、かつ耐久性の向上を図る。【解決手段】複数の接続部のうちの少なくとも一つの接続部の両端部近傍の少なくともいずれか一方側に、前記線状部材が前記接続部の回動軸線の周りに螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有する構成、または、複数の接続部のうちの少なくとも一つの接続部内に、前記線状部材が前記螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有する構成となっている。【選択図】図1

Description

本発明は、成膜装置、成膜方法、および電子デバイスの製造方法に関し、具体的には、電気ケーブルや冷却水のチューブ等の線状部材の収容構造に関するものである。
最近、フラットパネルディスプレイとして有機電界発光ディスプレイ(OLED)が脚光を浴びている。有機電界発光ディスプレイは自発光ディスプレイで、応答速度、視野角、薄型化などの特性が液晶パネルディスプレイより優れており、モニタ、テレビ、スマートフォンに代表される各種の携帯端末などで、既存の液晶パネルディスプレイを急速に代替している。また、自動車用のディスプレイ等にも、その応用分野が広がっている。
従来の成膜装置としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものが知られている。すなわち、真空チャンバ内に、基板(成膜対象物)と、基板と対向して配置される蒸発源(成膜源)と、が配置され、蒸発源から材料を蒸発させて基板に成膜するようになっている。真空チャンバ内には、蒸発源が搭載される移動可能な接続ボックス(大気ボックス)が設けられると共に、真空チャンバ外部から大気ボックス内に導入される電気配線、冷却水の配管等の工程ユーティリティライン(線状部材)を収容する移送装置(配線収容部)が設けられている。
この移送装置は、内部が大気圧環境に保たれた中空構造で、3つの連結部(接続部)と回動可能に連接される2つの中空のアーム(移動体)を備え、工程ユーティリティラインは、真空チャンバの外部から、各連結部の内部及び各アームの内部を通じて大気ボックスに導入されている。大気ボックスが移動すると、移送装置は、各連結部にてアームの角度が変化して大気ボックスの移動に追随し、変形しながら移動する。移送装置が移動しても、アームの角度が変化するだけで、工程ユーティリティラインが収納される空間の長さは一定に維持されている。また、工程ユーティリティラインを構成する配線や配管をフレキシブルな構造としてアーム間の回動角度の変化に対応していた。
特開2009−299176号公報
しかしながら、工程ユーティリティラインは、接続部およびその近傍において方向転換しており、局所的に屈曲やねじれが発生する。大気ボックスが移動し、アームが回動することに伴い、接続部内を通る配線部分において、ねじれや屈曲の程度が変動する。回動角度が大きくなると、ねじれ変形や屈曲が大きくなり、工程ユーティリティラインの方向転換部に力が集中する。方向転換部での変形は、アームの回動の度に繰り返し作用するので、方向転換部から劣化が進行する。
また、蒸発源や蒸発源を駆動する駆動機構等が高性能化、大型化すると、内部に配置される工程ユーティリティラインを構成する配線や配管の数が増えたり、太さが太くなる傾向がある。そうなると、工程ユーティリティラインの配線や配線束が方向転換部において変形(屈曲、ねじれ)が困難になり、接続部の回動抵抗が大きくなって蒸発源の移動を阻害するおそれがある。
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、接続部が回動する際に、線状部材の変形を可及的に小さくし、接続部の回動を阻害することなく、かつ耐久性の向上を図ることができる成膜装置、成膜方法及び電子デバイスの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜源が配置される真空チャンバを備え、
前記真空チャンバ内には、前記成膜源が搭載される移動可能な大気ボックスと、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を備え、前記線状部材は前記移動体の内部から接続部内部に通される構成の成膜装置において、
前記複数の接続部のうちの少なくとも一つの接続部の両端部近傍の少なくともいずれか一方側に、前記線状部材が螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有する構成となっている。
また、他の発明は、
成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜源が配置される真空チャンバを備え、
前記真空チャンバ内には、前記成膜源が搭載される移動可能な大気ボックスと、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を有し、前記線状部材は前記移動体の内部から接続部内部に通される構成の成膜装置において、
前記複数の接続部のうちの少なくとも一つの接続部内に、前記線状部材が螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有することを特徴とする。
また、本発明の成膜方法は、
真空チャンバ内で、成膜対象物に対して、成膜源が搭載された大気ボックスを移動させ、前記成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜方法であって、
前記真空チャンバ内には、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を備え、前記大気ボックスの移動に応じて前記配線収容部の前記移動体が前記接続部を中心に回動して移動体の位置が変化して、前記大気ボックスの移動を許容する成膜方法において、
前記複数の接続部の少なくとも一つの接続部の両端部近傍の少なくともいずれか一方側に、前記線状部材を螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を設け、
前記大気ボックスの移動時に、前記移動体の前記接続部を中心とする回動により、前記接続部の両端側に位置する線状部材間に生じる回転変位を、前記巻線形態部の巻き方向の変形で吸収することを特徴とする。
また、本発明の他の成膜方法は、
真空チャンバ内で、成膜対象物に対して、成膜源が搭載された大気ボックスを移動させ、前記成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜方法であって、
前記真空チャンバ内には、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を備え、前記大気ボックスの移動に応じて前記配線収容部の前記移動体が前記接続部を中心に回動して移動体の位
置が変化して、前記大気ボックスの移動を許容する成膜方法において、
前記複数の接続部の少なくとも一つの接続部に、前記線状部材を螺旋状に巻かれた巻き線形態で収納する巻線形態部を設け、
前記大気ボックスの移動時に、前記移動体の前記接続部を中心とする回動により、前記接続部の両端側に位置する線状部材間に生じる回転方向の変位を、前記巻線形態部の巻き方向の変形で吸収することを特徴とする。
また、本発明の電子デバイスの製造方法は、上記した成膜方法によって、電子デバイスを製造することを特徴とする。
本発明によると、接続部が回動する際に、線状部材の変形を可及的に小さくし、接続部の回動を阻害することなく、安定して再現良く成膜をすることができる。さらに、装置の耐久性の向上を図ることができる。
図1(A)は、本発明の実施形態1に係る成膜装置の概略断面図、(B)は巻き線部の概略斜視図。 図2(A)は、図1(A)の平面図、(B)は回転ターゲットの一例を示す概略断面図。 図3は、図1の第2巻き線形態部の構成をより具体的にを示すもので、(A)は縦断面図、(B)は上面図、(C),(D)はローラを配置した巻き線係合部の形態例を示す部分断面図。 図4は、不揃いの巻線形態部を示す成膜装置の概略断面図。 図5は、図1(A)の成膜装置において、配線支持部及び配線固定部を省略した例を示す概略断面図。 図6は、複数の線状部材を配置した場合の配線支持部の構成を示す断面図である。 図7は、本発明の実施形態2に係る成膜装置の概略断面図。 図8は、図7の第2巻線形態部の構成をより具体的に示すもので、(A)は縦断面図、(B)は上面図。 図9は、複数の線状部材を有する場合の、図7の構成の変形例を示す縦断面図。 図10は、複数の線状部材を有する場合の、図7の構成の他の変形例を示すもので、(A)は縦断面図、(B)は上面図。 図11は、図6の装置の巻線形態部に他の線状部材を通した構成を示す概略断面図。 図12は、本発明の成膜装置で製造される電子デバイスの一例を示す断面図。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、以下の実施形態は本発明の好ましい構成を例示的に示すものにすぎず、本発明の範囲はそれらの構成に限定されない。また、以下の説明における、装置のハードウェア構成およびソフトウェア構成、処理フロー、製造条件、寸法、材質、形状などは、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施形態1]
まず、図1(A)および図2を参照して、実施形態1の成膜装置1の基本的な構成について説明する。本実施形態に係る成膜装置1は、半導体デバイス、磁気デバイス、電子部
品などの各種電子デバイスや、光学部品などの製造において成膜対象物2(基板上に積層体が形成されているものも含む)上に薄膜を堆積形成するために用いられる。より具体的には、成膜装置1は、発光素子や光電変換素子、タッチパネルなどの電子デバイスの製造において好ましく用いられる。中でも、本実施形態に係る成膜装置1は、有機EL(ElectroLuminescence)素子などの有機発光素子や、有機薄膜太陽電池などの有機光電変換素子の製造において特に好ましく適用可能である。なお、本発明における電子デバイスは、発光素子を備えた表示装置(例えば有機EL表示装置)や照明装置(例えば有機EL照明装置)、光電変換素子を備えたセンサ(例えば有機CMOSイメージセンサ)も含むものである。
図12は、有機EL素子の一般的な層構成を模式的に示している。図12に示すとおり、有機EL素子は、基板に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極の順番に成膜される構成が一般的である。本実施形態に係る成膜装置1は、有機膜上に、スパッタリングによって、電子注入層や電極(陰極や陽極)に用いられる金属や金属酸化物等の積層被膜を成膜する際に好適に用いられる。また、有機膜上への成膜に限定されず、金属材料や酸化物材料等のスパッタで成膜可能な材料の組み合わせであれば、多様な面に積層成膜が可能である。
成膜装置1は、図1(A)に示すように、真空チャンバ10を有し、真空チャンバ10の内部には、成膜対象物2と、マスク7と、成膜対象物2に向かって成膜材料であるスパッタ粒子を飛翔させて成膜対象物2に成膜する成膜源としてのスパッタリングターゲットである回転ターゲットユニット3(以下、単に「ターゲットユニット3」と称する。)と、が配置されている。本実施形態では、成膜対象物2は固定しているが、適宜、移動させても良い。
真空チャンバ10には、不図示のガス導入手段および排気手段が接続され、内部を所定の圧力に維持することができる構成となっている。すなわち、真空チャンバ10の内部には、スパッタガス(アルゴン等の不活性ガスや酸素や窒素等の反応性ガス)が、ガス導入手段により導入され、また、真空チャンバ10の内部からは、真空ポンプ等の排気手段によって排気が行われ、真空チャンバ10の内部の圧力は所定の圧力に調圧される。
ターゲットユニット3は、図2(A)に示すように、移動方向に所定間隔を隔てて並列に配置された一対の回転ターゲット3A,3Bを備えている。二つの回転ターゲット3A,3Bは、両端が大気ボックス(移動台)230上に固定されたサポートブロック210とエンドブロック220によって支持されている。また、回転ターゲット3A,3Bは、図2(B)に示すように、円筒形状のターゲット4とその内周に配置される電極であるカソード5と、さらに内部に配置される磁石ユニット6を有する。サポートブロック210とエンドブロック220によってターゲット4は回転自在に支持されており、磁石ユニット6は固定状態で支持されている。なお、ここでは磁石ユニット6は回転しないものとしたが、これに限定はされず、磁石ユニット6も回転または揺動してもよい。また、ターゲットとカソードを別部品として記載したが、ターゲット材料が導電性材料である場合には、一体化した単一部品として構成してもよい。また、本実施形態では、円筒状のターゲットユニットを用いているが、これに限定されず板状のターゲットユニットを用いてもよい。更に、円筒状のターゲットを複数本配置してもよい。
大気ボックス230は、リニアベアリング等の搬送ガイドを介して一対の案内レール250に沿って成膜対象物2の成膜面と平行な方向(ここでは水平方向)に移動自在に支持されている。図中、案内レール250と平行な方向をX軸、垂直な方向をZ軸、水平面で案内レール250と直交する方向をY軸とすると、ターゲットユニット3は、その回転軸をY軸方向に平行にした状態で、回転軸を中心に回転しながら、成膜対象物2に対して平
行に、すなわちXY平面上をX軸方向に移動する。本実施態様では、ターゲットユニットが水平方向に移動する例であるが、ターゲットユニットが垂直方向に移動する構造であってもよい。この場合は、成膜対象物は直立した状態に支持され、成膜対象物2の成膜面と平行な方向にターゲットユニットは移動する。また、大気ボックスの内部は大気圧環境となっており、前述の大気ボックス自身の駆動機構や、ターゲットの回転移動機構や配線や冷却水配管やガス配管や電子回路やセンサなどを設置することができる。
ターゲット4は、駆動機構12によって回転駆動される。駆動機構12は、たとえば、モータ等の駆動源を有し、動力伝達機構を介してターゲット4に動力が伝達される一般的な駆動機構が適用され、本実施形態では、大気ボックス230に配置される。一方、大気ボックス230は、搬送ガイドに接続された駆動機構によって、X軸方向に直線駆動される。搬送ガイド及び搬送ガイドに接続された駆動機構についても、特に図示していないが、回転モータの回転運動を直線運動に変換するボールねじ等を用いたねじ送り機構、リニアモータ等、公知の種々の直線運動機構を用いることができる。
真空チャンバ10内には、上記したターゲットユニット3が搭載される移動可能な大気ボックス230と、真空チャンバ10の底壁10aと大気ボックス230とを連結し、外部から大気ボックス230内に導入される線状部材Lを収容する大気圧環境に保たれた中空の配線収容部としての大気アーム30が設けられている。この大気アーム30は、第1接続部21、第2接続部22、第3接続部23の3つの接続部で回動可能に連接される、中空の2つの第1アーム(移動体)31と第2アーム(移動体)32とを有している。
線状部材Lは、ターゲットユニット3に電力を供給する電力ケーブルやターゲットを駆動する駆動装置のモータに接続する電力配線、さらに通信、制御信号用の制御配線、冷却水等の熱媒体を流すためのチューブ等のフレキシブルな配管等、種々の線状部材が含まれる。
一方の第1アーム31の第1端部31aは、真空チャンバ10の底壁10aに、第1接続部21を介して回動自在に連結されており、第2端部31bは第2接続部22を介して第2アーム32の第2端部32bに回動自在に連結されている。また、第2アーム32の第1端部32aは、第3接続部23を介して大気ボックス230に回動自在に連結されている。
第1接続部21、第2接続部22及び第3接続部23は、真空チャンバ10の底壁10aに対して直交するZ軸方向に平行に延び、第1アーム31は、第1接続部21を介して底壁10aと所定距離離間した位置で、第1接続部21に対して直交方向に延び、底壁10aと平行な面で回動する。第2アーム32は、第2接続部22に対して直交方向に延び、第1アーム31に対して、さらに所定高さ隔てた平行な面で回動する。また、第2アーム32は第3接続部23を介して、大気ボックス230に対して所定距離離間している。
第1接続部21、第1アーム31、第2接続部22、第2アーム32及び第3接続部23は、中空の部材で、内部が互いに連通しており、第1接続部21が真空チャンバ10の外部空間(たとえば大気圧環境)に開放され、第3接続部23は大気ボックス230に連通し、連通した内部空間が外部空間とほぼ同一の圧力環境に保持されている。本実施態様において、第1アーム31、第2アーム32及び大気ボックス230の内部は空気としたが、窒素をはじめとした不活性ガス雰囲気や乾燥空気の環境であってもよい。圧力は制御が必要ない大気圧環境が好ましいが、真空チャンバ10内部よりは圧力が高ければよく、任意の負圧や陽圧の環境であってもよい。
線状部材Lは、真空チャンバ10外部から、第1接続部21、第1アーム31、第2接
続部22、第2アーム32及び第3接続部23の中空内部を通じて、大気ボックス230に導入され、大気ボックス230内のターゲットを駆動する駆動装置のモータ等に接続されている。
第1接続部21、第2接続部22及び第3接続部23は、回転継手を構成する部分で、たとえば、円筒状の第1の継手部と、第1の継手部の内側に嵌合する円筒状の第2の継手部とが、軸受を介して互いに回転自在に組み付けられ、シール部材によってシールされている。シール部材としては、周囲の真空に対して漏れないように、真空用のシール、たとえば、磁性流体シールが用いられる。
本発明では、各接続部のうちのすくなくとも一つについて、接続部の両端部のうちのいずれか一方側に、線状部材Lが各回動軸線の延長線の周りに螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有する構成となっている。
この実施形態では、第1接続部21の第1アーム31側及び真空チャンバ10側の両側、第2接続部22の第1アーム31側及び第2アーム32側の両側、第3接続部23の第2アーム32側及び大気ボックス側の両側に、各回動軸線の周りに螺旋状に巻かれた第1巻線形態部L10、第2巻線形態部L20及び第3巻線形態部L30を設けたものである。
第1巻線形態部L10は、第1接続部21の両端側2か所に設けられている。すなわち、一か所目は、第1接続部21の一端(上端)が固定される第1アーム31の第1端部31aの内部に配置される第1の1巻線形態部L11である。2か所目は、真空チャンバ10の外部に露出する第1接続部21の他端(下端)側に配置される第1の2巻線形態部L12であり、この第1の2巻線形態部L12の端部は、第1接続部21の回動軸線N1に対して直交して真空チャンバの底壁10aの外面に沿って線状に延び、電源やポンプ等の圧力源に接続される外部配線部L40とつながっている。図示例では、第1の1巻線形態部L11と第1の2巻線形態部L12は、一巻き又は2巻き程度であるが、巻き数は任意である。巻き数の多いほど、回転変位を吸収できるが、設置スペースの関係で適切な巻き数に設定される。
第1の1巻線形態部L11と第1の2巻線形態部L12との間の第1接続部21の内部においては、第1の1巻線形態部L11と第1の2巻線形態部L12をつなぐ回転軸とほぼ平行に延びる線状形態L13となっている。線状形態L13は、直線的な形態に限定されず、曲線的に延びる構成でもよいし、また、回動軸線N1と平行である必要はなく、斜めに延びていてもよい。
また、第1アーム31内に収容される線状部材Lの、第1の1巻線形態部L11と第2の2巻線形態部L22との間の部分は、第1接続部21及び第2接続部22の回動軸線N1,N2に対して直交方向に線状に延びる第1線状形態部L41となっている。図示例では、直線状に記載しているが、幾何学的な直線に限定されるものではなく、回動軸線N1、N2と直交する方向に線状に延びて収容される程度の意味であり、曲線状に延びる構成も含まれる。
第2巻線形態部L20は、第2接続部22の両端側2か所に設けられている。一か所目は、第2接続部22の一端(下端)が固定される第1アーム31の第2端部31bの内部に配置される第2の2巻線形態部L22である。2か所目は、第2接続部22の他端(上端)が固定される第2アーム32の第2端部32bの内部に配置される第2の1巻線形態部L21である。第2の1巻線形態部L21と第2の2巻線形態部L22は、第1の1巻線形態部L11と第1の2巻線形態部L12と同様に、一巻き又は2巻き程度であるが、
巻き数は任意である。
第2の1巻線形態部L21と第2の2巻線形態部L22との間の第2接続部22内部においては、第1接続部21と同様に、第2の1巻線形態部L21と第2の2巻線形態部L22をつなぐ、回動軸線N2とほぼ平行、あるいは斜めに延びる線状形態L23となっている。
また、第2アーム32内に収容される線状部材Lの、第3の2巻線形態部L32と第2の1巻線形態部L21との間の部分は、第2接続部22と第3接続部23の各回動軸線N2,N3と直交し、直線状に延びる第2線状形態部L42となっている。
第3巻線形態部L30は、第3接続部23の両端側2か所に設けられている。一か所目は、第3接続部23の一端(下端)が固定される第2アーム32の第1端部32aの内部に配置される第3の2巻線形態部L32である。2か所目は、第3接続部23の他端(上端)が固定される大気ボックス230内部に配置される第3の1巻線形態部L31である。大気ボックス230内では、ボックス内の回動軸線N3に対して直交方向に直線状に延びるボックス内線状形態部L43を経てターゲットを駆動する駆動装置のモータ等に接続されている。
第3の1巻線形態部L31と第3の2巻線形態部L32も、第1の1巻線形態部L11と第1の2巻線形態部L12と同様に、一巻き又は2巻き程度であるが、巻き数は任意である。
第3の1巻線形態部L31と第3の2巻線形態部L32との間の第3接続部23内部においては、第1接続部21と同様に、第3の1巻線形態部L31と第3の2巻線形態部L32をつなぐ、回動軸線N3とほぼ平行、あるいは斜めに延びる線状形態L33となっている。
巻線形態部の配線支持部
上記した第1の1巻線形態部L11、第1の2巻線形態部L12、第2の1巻線形態部L21、第2の2巻線形態部L22、第3の1巻線形態部L31、第3の2巻線形態部L32は、それぞれ配線支持部50によって、巻き線形態を維持するように支持されている。配線支持部50には、図1(B)に示すように、各巻線形態部の外周を支持する外周ガイド51と、外周ガイド51の内周に設けられ、線状部材Lに係合して線状部材を支える巻き線係合部52が設けられている。この巻き線係合部52は、図示例ではL字状のフックの形態を例示している。
巻き線係合部Bによって、第1の1巻線形態部L11、第1の2巻線形態部L12、第2の1巻線形態部L21、第2の2巻線形態部L22、第3の1巻線形態部L31、第3の2巻線形態部L32が、各接続部21,22,23の回動軸線N1,N2,N3を中心にして、所定の巻き径、所定のリード角、所定ピッチとなるように、維持される。
リード角、ピッチは正確である必要はなく、たとえば、図4に示すように、巻き線が不揃いの形態となっていてもよい。巻き数は、一巻きでもよいし、複数巻きでもよく、回転変位を吸収できれば、一巻き以下でもよい。
線状部材Lの配線固定部
上記成膜装置は、さらに、第1アーム31及び第2アーム32の内部、大気ボックス230内部および真空チャンバ10の底壁10aの外部に線状形態で配置されている線状部材Lを固定する配線固定部60を有している。
配線固定部60は、たとえば、バンド等の留め具等、によって構成される。
図示例では、それぞれ2か所に設けられているが、固定個所は2か所に限らず、1か所でもよいし、3か所以上でもよい。
図3には、配線支持部50の構成を、より具体的に示している。
第1の1巻線形態部L11、第1の2巻線形態部L12、第2の1巻線形態部L21、第2の2巻線形態部L22、第3の1巻線形態部L31および第3の2巻線形態部L32の6箇所の各配線支持部50は、基本的に同じ構成なので、以下の説明では、第1アーム
31と第2アーム32を接続する第2接続部22の第2の1巻線形態部L21を例にとって説明する。
すなわち、第2接続部22は、第2アーム側に設けられる円筒状の第1の継手部22aと、第1の継手部22aの内側に嵌合する円筒状の第2の継手部22bとが、不図示の軸受を介して互いに回転自在に組み付けられ、シール部材22cによってシールされている。シール部材22cとしては、周囲の真空に対して漏れないように、真空用のシール、たとえば、磁性流体シールが用いられる。第1の継手部22aと第2の継手部22bは、一体的に記載しているが、一つのアッセンブリとして組付けられており、第1アーム31及び第2アーム32に取付けられる。
第2の1巻線形態部L21の配線支持部50は、第2の1巻線形態部L21の外径を案内する外周ガイド51と、外周ガイド51の内周から突出し、各巻き線部を支えて巻き線部間の間隔を保持する巻き線係合部52とを有している。
外周ガイド51は,接続部22の接続孔22dの開口部を挟んで、第2アーム32の長手方向の端部に配置される第1ガイド511と、第2アーム32の配線収容部側に配置される第2ガイド512と、を有し、第1ガイド511と第2ガイド512は、接続部の接続孔の内周面を延長しした仮想円筒面に対して所定間隔でもって対向するように配置される円弧状の板によって構成され、一端が接続孔22dの開口縁に固定されている。第1ガイド511は、回動軸線N2を中心とし、接続部22の接続孔22dの孔径より大経のほぼ半円筒形状となっている。第2ガイド512は、半円筒よりも周長が短い円弧形状で、一端の径は第1ガイド511と同一径で、他端に向けて徐々に小径となっており、第1ガイド511と第2ガイド512との周方向の端部間には、線状部材が通過可能な隙間gが設けられている。
第2巻線形態部L20は、図示例では一巻き構成で、第2アーム32の収容部側から、第1ガイド511と第2ガイド512の間の隙間gを通して、第1ガイド511の内周側(回動軸線側)に進入し、第1ガイド511の内周面に沿って、図中時計回り方向に、徐々に開口端からの高さが低くなるように螺旋状に傾斜している。さらに、第1ガイド511から第2ガイド512の内周面に移行し、開口端からの高さがさらに低くなると共に、巻き径が徐々に小さくなり、一巻き終了した付近で接続孔22dの孔径よりも小径となって、接続孔22dの回動軸線と平行方向に方向転換して接続孔22d内に進入し、接続孔C内の線状形態L23へと移行する構成となっている。
なお、外周ガイド51については、第1ガイドA1と、第2ガイドA2の2つのガイドによって構成しているが、3つ以上のガイドに分かれていてもよいし、また、筒状の一つのガイドの一部に線状部材を挿通する切り欠き等を有する構成とすることもできる。
巻き線係合部52は、第2の1巻線形態部L21の線状部材Lに沿って複数配置され、各巻き線部に摺動自在に接触して線状部材を支えている。巻き線係合部52は、図1ではL字形状のフック形態であるが、図示例では、棒状に突出するピン形態を例示している。この巻き線係合部52には、図3(C)に示すように、線状部材Lとの接触部分の摩擦を
減じる案内部材、たとえば、線状部材Lに転がり接触するローラ52Rを配置することもできる。
巻線係合部がフック形態の場合には、たとえば、図3(D)に示すように、L字状フックの垂直軸にローラ521が配置することができる。
配線が動く場合に、ローラにより滑りやすくすることで、断線が予防される。ローラに限定されるものはなく、摩擦抵抗の小さい摺動材料を用いることもできる。
なお、第2の2巻線形態部L22の配線支持部50については、第2接続部22を隔てて上下逆向きであるが、基本的に、外周ガイド51と、巻き線係合部52を有する構成であり、第2の1巻線形態部と配線支持部50の関係と同じである。
本実施形態の説明では、線状部材Lとして、ターゲットユニット3に電力を供給する電力線、通信,制御信号用の制御配線、冷却水の配管を、一つの線状部材とし包括的に説明しているが、具体的には、図6に示すように、複数の線状部材、図示例では、電力配線La、制御配線Lb、注水用の冷却配管Lc、排水用の冷却配管Ldが束ねられて配線されている。
収容方法の一例
大気アーム30への線状部材Lの収容は、たとえば、以下のようにして行うことができる。
まず、第1アーム31に線状部材Lを挿入し、第1アーム31の第1端部31a付近に、第1の2巻線形態部L12を成形しつつ配線支持部50に支持した後、第1の2巻線形態部L12より先の線状部材に第1接続部21を通し、第1接続部21を第1アーム31の第1端部31aに、組み付ける。次に、第1接続部21から外に出ている線状部材Lの、第1接続部21の端部付近に第1の1巻線形態部L11を成形しつつ配線支持部50に支持する。
次いで、第1アーム31の他端、第2端部31bから出ている線状部材Lに、第2の2巻線形態部L22を成形しつつ配線支持部50に支持した後、第2接続部22に線状部材Lを通し、第2接続部22を第1アーム31の第2端部31bに組み付ける。次いで、第2接続部22から突出する線状部材Lに第2の1巻線形態部L21を成形し、線状部材Lを第2アーム32に挿入し、第2接続部22に第2アーム32の第2端部32bを固定する。
次に、第2アーム32の第1端部32aから引き出された線状部材Lに、第3の2巻線形態部L32を成形し、さらに第3接続部23を挿入し、第2アーム32の第1端部32aに固定する。次いで、第1端部32aから引き出された線状部材に第3の1巻線形態部L31を成形する。
このように成形された大気アーム30の組立体を、真空チャンバ10内に配置し、第1接続部21を真空チャンバ10の底壁10aに設けた固定穴に固定し、線状部材Lを外部に引き出す。さらに、大気ボックス230に第3接続部23を固定し、大気ボックス230内に線状部材Lを引き出して、大気ボックス230内の各種配線、配管が施工される。
以上の手順は、一例であって、線状部材Lの巻線形態部の成形、大気アーム30への収容は、種々の方法によって行うことができる。
なお、上記した第1の1巻線形態部L11、第1の2巻線形態部L12、第2の1巻線形態部L21、第2の2巻線形態部L22、第3の1巻線形態部L31、第3の2巻線形
態部L32を支持する配線支持部50、配線固定部60は、図5に示すように、適宜省略することができる。
成膜方法
真空チャンバ10内を所定のガス雰囲気状態にし、制御手段(不図示)によって、大気ボックス230を所定の速度で移動させながら、ターゲットユニット3のカソード5に電圧波形を印加すると、プラズマの生成とともにスパッタリングによりターゲット材料が飛散する。その材料がマスク7を通過して成膜対象物2に到達することで、成膜対象物2の表面にターゲット材料を含有した膜が形成される。カソード5がX方向に移動(走査)されることで、X方向の広い領域にわたり成膜が可能である。必要であれば、カソード5は複数回走査したり、往復走査したりすることができる。
大気ボックス230が移動すると、大気ボックス230の移動に追従して、第1アーム31及び第2アーム32が、第1接続部21、第2接続部22及び第3接続部23において回動し、大気アーム30が屈曲しながら移動する。
第1接続部21については、真空チャンバ10に対して第1アーム31の第1端部31aが回転変位する。この回転変位によって、線状部材Lは、外部配線部L40に対して、第1アーム31内の第1線状形態部L41が回転変位するが、この回転変位は第1の1巻線形態部L11と第1の2巻線形態部L12の巻き方向の変位によって吸収され、局部的の応力集中は生じない。
第2接続部22においては、第1アーム31と第2アーム32との相対的な回転変位によって、第1アーム31内の第1線状形態部L41に対して、第2アーム32の第2線状形態部L42が回転変位し、第2接続部22の両端の第2の1巻線形態部L21と第2の2巻線形態部L22が、巻き方向に変位して両端の相対回転が吸収される。
第3接続部23においては、大気ボックス230に対する第2アーム32の回転変位が、第3の1巻線形態部L31と第3の2巻線形態部L32によって吸収される。
したがって、大気ボックス230の移動時の、大気アーム30の移動変形時の抵抗は小さく抑えられ、大気ボックス230の移動に追従して、スムースに屈曲角度を変えながら移動する。したがって、大気ボックス230の移動が阻害されることなく、一定速度で移動し、均一な膜厚の成膜を行うことができる。また、配線の劣化がほとんど生じないため、装置の耐久性の向上を図ることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
以下の説明においては、主として上記実施形態1と異なる点について説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
[実施形態2]
図7は、本発明の実施形態2に係る成膜装置を示している。
本実施形態2の場合には、実施形態1と異なり、3か所の第1接続部21、第2接続部22及び第3接続部23に設けられる第1巻線形態部L210、第2巻線形態部L220、第3巻線形態部L230は、第1接続部21、第2接続部22及び第3接続部23内において螺旋形態で収納されている。
すなわち、実施形態1では、各接続部の内部の収容形態は線状形態であったが、この実施形態2では、第1接続部21内では、第1の1巻線形態部L11及び第1の2巻線形態部L12と連続する螺旋形態の第1孔内巻線形態部L14となっている。また、第2接続部22内では、第2の1巻線形態部L21及び第2の2巻線形態部L22と連続する螺旋
形態の第2孔内巻線形態部L24となっている。また、第3接続部23内では、第3の1巻線形態部L31及び第3の2巻線形態部L32と連続する螺旋形態の第3孔内巻線形態部L34となっている。
図8(A)(B)は、より具体的な構成例を示している。配線支持部50は実施形態1と同様の構成であり、この例では、接続孔22d内に第2の1巻線形態部L21、第2の2巻線形態部L22と連続する第2孔内巻線形態部L24を有する構成となっている。
このように構成しても、大気ボックス230の移動に伴って、大気アーム30が変形して移動する際に、第1接続部21、第2接続部22及び第3接続部23の両端側に位置する線状部材間に生じる回転変位は、第1巻線形態部L10、第2巻線形態部L20及び第3巻線形態部L30の変形で吸収することができる。したがって、大気アーム30の移動変形時の抵抗は小さく、大気ボックス230の移動に追従して、スムースに屈曲角度を変えながら変形し、均一な膜厚の成膜を行うことができる。
実施形態2の変形例
以下に、図9を参照して、線状部材Lが複数本の場合の変形例について説明する。
図に示す例では、2本の線状部材L1,L2をまとめて螺旋状に配線した配線形態であ
る。
すなわち、接続部の回動軸線と軸直角に配置される2本の線状部材L1,L2を、回転
軸線方向に間隔を空けて平行に配置し、この平行の2本の線状部材L1,L2を、第1ガ
イド511及び第2ガイド522の内周に沿って螺旋状に巻いた第2の1巻線形態部L21とし、接続孔22d内の配線部を第2孔内螺旋形態部24とし、さらに、2本のままで第2の2巻線形態部L22として、第1アーム31の収容部側に2本の線状部材を線状形態として配置する構成となっている。
このように配置すれば、収納スペースを効率的に使用することができる。
図10に示す例は、2本の線状部材L1,L2を、独立して螺旋状に配線した配線形態
例である。
すなわち、第2アーム32内に配置される2本の線状部材L1,L2を、回転軸線方向
に間隔を空けて平行に配置されている点は同一で、この平行の2本の線状部材L1,L2
を、接続孔22dを回動軸線を通る面で2に区分した半分の半円筒状のスペースに、独立して螺旋状の第2孔内巻線形態部L241,L242を形成したものである。
回動軸線N2と巻き径の中心とは若干ずれているものの、第2接続部22を両端側の相対回転変位は、各第2孔内巻線形態部L241,L242の巻き径の拡径、縮径方向の変
位によって吸収され、ねじれ変形を防止することができる。
[実施形態3]
図11は、本発明の実施形態3に係る成膜装置を示している。
この実施形態3は、実施形態2の第1巻線形態部L210、第2巻線形態部L220、第3巻線形態部L230に別の配線を通した形態である。別の配線は、巻線形態部を有さないストレートの形状の第2の線状部材Mであり、このストレートの第2の線状部材Mが、第1巻線形態部L210、第2巻線形態部L220、第3巻線形態部L230の内周側の空間を利用して配線されている。このようにすれば、複数の配線を効率よく配線することができる。このような構成は、実施形態1の第1巻線形態部L10、第2巻線形態部L20、第3巻線形態部L30についても適用可能である。
なお、上記実施形態2および3では、第1孔内巻線形態部L14は、第1の1巻線形態部L11及び第1の2巻線形態部L12と連続する螺旋形態、第2孔内巻線形態部L24は、第2の1巻線形態部L21及び第2の2巻線形態部L22と連続する螺旋形態、また
、第3孔内巻線形態部L34は、第3の1巻線形態部L31及び第3の2巻線形態部L32と連続する螺旋形態となっているが、接続孔の外側の巻き線形態では省略し、第1孔内巻線形態部L14、第2孔内巻線形態部L24、第3孔内巻線形態部L34のみの構成とすることもできる。
また、上記各実施形態では、第1接続部、第2接続部、第3接続部の3つの接続部のすべてについて、巻線形態部を設けているが、本発明は、接続部のすべてに設ける場合だけに限定されるものではない。一か所のみ設けてもよく、2か所に設けてもよく、要するに、巻線形態部が、複数の接続部の少なくともいずれか一つに設けられている場合が、本発明の範囲に含まれる。
また、実施形態1の場合に、各接続部の両端に巻線形態部を設けているが、本発明は両端に設ける場合に限るものではなく、片側でもよく、いずれか一方に設けられている場合が、本発明の範囲に含まれる。
上記実施形態では、成膜装置の例として、成膜源としてスパッタリングターゲットを用いるスパッタ装置を説明したが、本発明の適用範囲はスパッタ装置に限られない。たとえば、成膜材料を蒸着する真空蒸着装置における成膜源(蒸発源)の配線構造に対しても、本発明を好ましく適用することができる。
1:成膜装置
2:成膜対象物
10:真空チャンバ
10a:真空チャンバの底壁
21,22,23:接続部
30:大気アーム
31:第1アーム
32:第2アーム
230:大気ボックス

Claims (17)

  1. 成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜源が配置される真空チャンバを備え、
    前記真空チャンバ内には、前記成膜源が搭載される移動可能な大気ボックスと、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
    該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を有し、前記線状部材は、前記移動体の内部から接続部内部に通される構成の成膜装置において、
    前記複数の接続部のうちの少なくとも一つの接続部の両端部近傍の少なくともいずれか一方側に、前記線状部材が螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有することを特徴とする成膜装置。
  2. 成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜源が配置される真空チャンバを備え、
    前記真空チャンバ内には、前記成膜源が搭載される移動可能な大気ボックスと、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
    該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を有し、前記線状部材は、前記移動体の内部から接続部内部に通される構成の成膜装置において、
    前記複数の接続部のうちの少なくとも一つの接続部内に、前記線状部材が螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置される巻線形態部を有することを特徴とする成膜装置。
  3. 前記移動体内部には、前記線状部材が線状形態で配置されている領域を有し、前記線状部材の移動を規制する固定部を備えている請求項1又は2に記載の成膜装置。
  4. 前記巻線形態部の巻き線形態を維持する支持部が設けられている請求項1から3のいずれか1項に記載の成膜装置。
  5. 前記支持部は、前記線状部材の接触部分の摩擦を減じる案内部材を有する請求項4に記載の成膜装置。
  6. 前記案内部材は、前記線状部材に転がり接触するローラである請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記巻線形態部において、巻き線形態の線状部材の内側を通る別の線状部材が配置されている請求項1から6のいずれか1項に記載の成膜装置。
  8. 前記移動体は複数設けられ、
    前記巻線形態部が配置される接続部は、前記複数の移動体間の接続部である請求項1から7のいずれか1項に記載の成膜装置。
  9. 前記巻線形態部が配置される接続部は、前記移動体と前記大気ボックスとの接続部である請求項1から8のいずれか1項に記載の成膜装置。
  10. 前記巻線形態部が配置される接続部は、前記移動体と前記真空チャンバとの接続部である請求項1から9のいずれか1項に記載の成膜装置。
  11. 前記線状部材は、電気配線を含む請求項1から10のいずれか1項に記載の成膜装置。
  12. 前記線状部材は、熱媒体の配管を含む請求項1から11のいずれか1項に記載の成膜装置。
  13. 前記成膜源は、スパッタリングターゲットであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の成膜装置。
  14. 前記成膜源は、成膜材料を蒸着する蒸発源である請求項1から12のいずれか1項に記載の成膜装置。
  15. 真空チャンバ内で、成膜対象物に対して、成膜源が搭載された大気ボックスを移動させ、前記成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜方法であって、
    前記真空チャンバ内には、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
    該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を備え、前記大気ボックスの移動に応じて前記配線収容部の前記移動体が前記接続部を中心に回動して移動体の位置が変化して、前記大気ボックスの移動を許容する成膜方法において、
    前記複数の接続部の少なくとも一つの接続部の両端部近傍の少なくともいずれか一方側に、前記線状部材を螺旋状に巻かれた巻き線形態で配置する巻線形態部を設け、
    前記大気ボックスの移動時に、前記移動体の前記接続部を中心とする回動により、前記接続部の両端側に位置する線状部材間に生じる回転変位を、前記巻線形態部の巻き方向の変形で吸収することを特徴とする成膜方法。
  16. 真空チャンバ内で、成膜対象物に対して、成膜源が搭載された大気ボックスを移動させ、前記成膜対象物に成膜材料を成膜する成膜方法であって、
    前記真空チャンバ内には、前記真空チャンバの壁と前記大気ボックスとを連結し、外部から前記大気ボックス内に導入される線状部材を収容する大気圧環境に保たれた配線収容部が設けられ、
    該配線収容部は、複数の接続部で回動可能に連接される移動体を備え、前記大気ボックスの移動に応じて前記配線収容部の前記移動体が前記接続部を中心に回動して移動体の位置が変化して、前記大気ボックスの移動を許容する成膜方法において、
    前記複数の接続部の少なくとも一つの接続部に、前記線状部材を螺旋状に巻かれた巻き線形態で収納する巻線形態部を設け、
    前記大気ボックスの移動時に、前記移動体の前記接続部を中心とする回動により、前記接続部の両端側に位置する線状部材間に生じる回転方向の変位を、前記巻線形態部の巻き方向の変形で吸収することを特徴とする成膜方法。
  17. 請求項15または請求項16に記載の成膜方法によって、電子デバイスを製造することを特徴とする電子デバイスの製造方法。
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