JP2021096353A - レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エッチング耐性が良好なレジストパターンを形成できるレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法の提供。
【解決手段】フェノール性水酸基を含む構成単位(a10)を有する高分子化合物(A1)と、一般式(b0−1)で表される酸発生剤(B0)と、架橋剤(C)と、分子内にフェノール性水酸基を1個又は2個有し、カルボキシ基を有さない芳香族化合物(Z)と、を含有するネガ型レジスト組成物(式中、Rbは有機基であり、Rbは、下記一般式(b0−r−1)又は下記一般式(b0−r−2)で表される基である)。
[化1]
Figure 2021096353

【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、従来、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、を含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、従来、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、を含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
例えば上記現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用によりベース樹脂の極性が増大して、レジスト膜の露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そのためアルカリ現像することにより、レジスト膜の未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。
また、レジスト材料として、従来、アルカリ現像液に可溶性の基材成分(アルカリ可溶性基材成分)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、架橋剤成分と、を含有する化学増幅型レジスト組成物も用いられている。かかる化学増幅型レジスト組成物は、例えば、露光により酸発生剤成分から酸が発生すると、該酸が作用して該アルカリ可溶性基材成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、この結果、アルカリ現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、かかる化学増幅型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、レジスト膜露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、レジスト膜未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することによりネガ型レジストパターンが形成される。
例えば、特許文献1には、アルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂、酸架橋性物質、特定の光酸発生剤及び溶解促進剤を含有するネガ型化学増幅型レジスト組成物が記載されている。
特許第3655030号公報
本発明らが検討した結果、基材成分としてアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂を採用したネガ型レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した場合、ウェットエッチング耐性が用いてミクロンオーダーの厚膜レジスト膜を成膜し、レジストパターンを形成してエッチングを行った場合、エッチング耐性が不十分な場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、エッチング耐性が良好なレジストパターンを形成できるレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第1の態様は、下記一般式(a10−1)で表される構成単位(a10)を有する高分子化合物(A1)と、下記一般式(b0−1)で表される酸発生剤(B0)と、架橋剤(C)と、分子内にフェノール性水酸基を1個又は2個有し、カルボキシ基を有さない芳香族化合物(Z)と、を含有するネガ型レジスト組成物である。
Figure 2021096353
[式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Yax1は、単結合又は2価の連結基である。Wax1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。nax1は、1以上の整数である。]
Figure 2021096353
[式中、Rbは有機基である。Rbは、下記一般式(b0−r−1)又は下記一般式(b0−r−2)で表される基である。]
Figure 2021096353
[式(b0−r−1)中、Rb201及びRb202は、それぞれ独立に、有機基である。*は結合手を示す。式(b0−r−2)中、Xbは、−(O=)C−N−C(=O)−と共に環状イミド構造を有する環式基を形成する基である。*は結合手を示す。]
本発明の第2の態様は、支持体上に、前記第1の態様に係るレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を有する、レジストパターン形成方法である。
本発明によれば、エッチング耐性が良好なレジストパターンを形成できるレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することができる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有してもよい」と記載する場合、水素原子(−H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(−CH−)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「酸分解性基」は、酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、例えば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、例えばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基が酸解離性基で保護された基(例えばOH含有極性基の水素原子を、酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
「酸解離性基」とは、(i)酸の作用により、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基、又は、(ii)酸の作用により一部の結合が開裂した後、さらに脱炭酸反応が生じることにより、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る基、の双方をいう。
酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、(A1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、現像液が有機系現像液の場合には溶解性が減少する。
「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物である。基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下「樹脂」、「高分子化合物」又は「ポリマー」という場合は、分子量が1000以上の重合体を示す。重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
「誘導される構成単位」とは、炭素原子間の多重結合、例えば、エチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基(Rαx)は、水素原子以外の原子又は基である。また、置換基(Rαx)がエステル結合を含む置換基で置換されたイタコン酸ジエステルや、置換基(Rαx)がヒドロキシアルキル基やその水酸基を修飾した基で置換されたαヒドロキシアクリルエステルも含むものとする。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、アクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルを、α置換アクリル酸エステルということがある。
「誘導体」とは、対象化合物のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよい対象化合物の水酸基の水素原子を有機基で置換したもの;α位の水素原子が置換基に置換されていてもよい対象化合物に、水酸基以外の置換基が結合したもの等が挙げられる。なお、α位とは、特に断りがない限り、官能基と隣接した1番目の炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、Rαxと同様のものが挙げられる。
本明細書及び本特許請求の範囲において、化学式で表される構造によっては、不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがある。その場合は一つの化学式でそれら異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
(レジスト組成物)
本発明の第1の態様に係るレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物である。
かかるレジスト組成物の一実施形態としては、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」ともいう)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」ともいう)と、架橋剤(C)(以下「(C)成分」ともいう)と、分子内にフェノール性水酸基を1個又は2個有し、カルボキシ基を有さない芳香族化合物(Z)(以下「(Z)成分」ともいう)とを含有するレジスト組成物が挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(A)成分は、一般式(a10−1)で表される構成単位(a10)を有する高分子化合物(A1)(以下「(A1)成分」という。)を含み、(B)成分は、一般式(b0−1)で表される酸発生剤(B0)(以下「(B0)成分」という。)を含む。
本実施形態のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、該レジスト膜の露光部では酸が発生し、該酸の作用により(A)成分の現像液に対する溶解性が変化する一方で、該レジスト膜の未露光部では(A)成分の現像液に対する溶解性が変化しないため、レジスト膜の露光部と未露光部との間で現像液に対する溶解性の差が生じる。そのため、該レジスト膜をアルカリ現像すると、レジスト膜未露光部が溶解除去されて、ネガ型のレジストパターンが形成される。
本明細書においては、レジスト膜露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、レジスト膜未露光部が溶解除去されてネガ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。本実施形態のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分である。
本発明において「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、加えて、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすくなる。
基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下「樹脂」、「高分子化合物」又は「ポリマー」という場合は、分子量が1000以上の重合体を示す。
重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量を用いるものとする。
本実施形態のレジスト組成物において、(A)成分には、一般式(a0−1)で表される構成単位(a10)を有する高分子化合物(A1)が少なくとも用いられ、さらに、該(A1)成分以外の高分子化合物及び/又は低分子化合物が併用されてもよい。
(A1)成分を少なくとも含有するレジスト組成物を用いて、レジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的に露光を行うと、該レジスト膜の露光部では、例えばレジスト組成物が(B)成分を含有する場合には該(B)成分から酸が発生し、該酸の作用により、架橋性を有する構成単位(a10)を介して(A1)成分間で架橋が起こり、この結果、該レジスト膜露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、本実施形態のレジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、レジスト膜露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、レジスト膜未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することにより、ネガ型レジストパターンが形成される。
・(A1)成分について
(A1)成分は、一般式(a0−1)で表される構成単位(a10)を有する高分子化合物である。
(A1)成分としては、構成単位(a10)に加えて、さらに、芳香環(ヒドロキシ基が結合した芳香環を除く)を側鎖に含む構成単位(a11)を有する共重合体が好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a10)、構成単位(a11)以外のその他構成単位を有するものでもよい。
構成単位(a10)について:
構成単位(a10)は、下記一般式(a10−1)で表される構成単位である。
Figure 2021096353
[式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Yax1は、単結合又は2価の連結基である。Wax1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。nax1は、1以上の整数である。]
[式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Yax1は、単結合又は2価の連結基である。Wax1は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。nax1は、1以上の整数である。]
前記式(a10−1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
Rにおける炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rにおける炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
前記式(a10−1)中、Yax1は、単結合又は2価の連結基である。
前記の化学式中、Yax1における2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
・置換基を有してもよい2価の炭化水素基:
Yax1が置換基を有してもよい2価の炭化水素基である場合、該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でもよいし、芳香族炭化水素基でもよい。
・・Yax1における脂肪族炭化水素基
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
・・・直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基
該直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましく、炭素数1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
該分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数3〜6がより好ましく、炭素数3又は4がさらに好ましく、炭素数3が最も好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、カルボニル基等が挙げられる。
・・・構造中に環を含む脂肪族炭化水素基
該構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有してもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。
・・Yax1における芳香族炭化水素基
該芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でもよいし、多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2であることがより好ましく、炭素数1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。例えば当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子およびハロゲン化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
・ヘテロ原子を含む2価の連結基:
Yax1がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、該連結基として好ましいものとしては、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−または−Y21−S(=O)−O−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m”は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
前記へテロ原子を含む2価の連結基が−C(=O)−NH−、−C(=O)−NH−C(=O)−、−NH−、−NH−C(=NH)−の場合、そのHはアルキル基、アシル等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
一般式−Y21−O−Y22−、−Y21−O−、−Y21−C(=O)−O−、−C(=O)−O−Y21−、−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−または−Y21−S(=O)−O−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記Yax1における2価の連結基としての説明で挙げた(置換基を有してもよい2価の炭化水素基)と同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−で表される基において、m”は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m”−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
上記の中でも、Yax1としては、単結合、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]、エーテル結合(−O−)、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せであることが好ましく、単結合、エステル結合[−C(=O)−O−、−O−C(=O)−]がより好ましい。
前記式(a10−1)中、Wax1は、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。
Wax1における芳香族炭化水素基としては、置換基を有してもよい芳香環から(nax1+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。ここでの芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、炭素数5〜20がより好ましく、炭素数6〜15がさらに好ましく、炭素数6〜12が特に好ましい。該芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
また、Wax1における芳香族炭化水素基としては、2以上の置換基を有してもよい芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から(nax1+1)個の水素原子を除いた基も挙げられる。
上記の中でも、Wax1としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンまたはビフェニルから(nax1+1)個の水素原子を除いた基が好ましく、ベンゼン又はナフタレンから(nax1+1)個の水素原子を除いた基がより好ましく、ベンゼンから(nax1+1)個の水素原子を除いた基がさらに好ましい。
Wax1における芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。前記置換基としてのアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基としては、Yax1における環状の脂肪族炭化水素基の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。前記置換基は、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、エチル基又はメチル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。Wax1における芳香族炭化水素基は、置換基を有していないことが好ましい。
前記式(a10−1)中、nax1は、1以上の整数であり、1〜10の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1、2又は3がさらに好ましく、1又は2が特に好ましい。
以下に、前記式(a10−1)で表される構成単位(a10)の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
(A1)成分が有する構成単位(a10)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A1)成分中の構成単位(a10)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、70〜99モル%が好ましく、75〜99モル%がより好ましく、80〜99モル%がさらに好ましく、85〜95モル%が特に好ましい。
構成単位(a10)の割合を下限値以上とすることにより、現像特性やリソグラフィー特性がより向上する。一方、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
構成単位(a11)について:
(A1)成分は、上述した構成単位(a10)に加えて、さらに、芳香環(ヒドロキシ基が結合した芳香環を除く)を側鎖に含む化合物から誘導される構成単位(a11)を有する共重合体が好ましい。
芳香環(ヒドロキシ基が結合した芳香環を除く)を側鎖に含む化合物、としては、例えば、下記一般式(a11−1)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2021096353
[式(a11−1)中、Rax2は重合性基含有基である。Wax2は、(nax2+1)価の芳香族炭化水素基である。但し、Rax2とWax2とで縮合環構造が形成されていてもよい。Rax02は、Wax2(芳香族炭化水素基)を構成する水素原子を置換する置換基である。nax2は、0〜3の整数である。nax2が2以上の場合、複数のRax02が相互に結合して環構造を形成してもよい。]
前記式(a11−1)中、Rax2は、重合性基含有基である。
Rax2における「重合性基」とは、重合性基を有する化合物がラジカル重合等により重合することを可能とする基であり、例えばエチレン性二重結合などの炭素原子間の多重結合を含む基をいう。
重合性基としては、例えばビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フルオロビニル基、ジフルオロビニル基、トリフルオロビニル基、ジフルオロトリフルオロメチルビニル基、トリフルオロアリル基、パーフルオロアリル基、トリフルオロメチルアクリロイル基、ノニルフルオロブチルアクリロイル基、ビニルエーテル基、含フッ素ビニルエーテル基、アリルエーテル基、含フッ素アリルエーテル基、スチリル基、ビニルナフチル基、含フッ素スチリル基、含フッ素ビニルナフチル基、ノルボルニル基、含フッ素ノルボルニル基、シリル基等が挙げられる。
重合性基含有基としては、重合性基のみから構成される基でもよいし、重合性基と該重合性基以外の他の基とから構成される基でもよい。該重合性基以外の他の基としては、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。
Rax2としては、例えば、化学式:CH=C(R)−Yax0−で表される基、が好適に挙げられる。この化学式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Yax0は、2価の連結基である。
前記式(a11−1)中、Wax2は、(nax2+1)価の芳香族炭化水素基であり、前記(a10−1)中のWax1と同様のものが挙げられる。
但し、Rax2とWax2とで縮合環構造が形成されていてもよい。
Rax2とWax2とで縮合環構造を形成する場合、その縮合環構造には、Wax2に由来する芳香環が含まれる。また、Rax2に由来する重合性基の、炭素原子間の多重結合が開裂して、(A1)成分の主鎖を形成する。すなわち、該縮合環を構成する炭素原子の一部が(A1)成分の主鎖を構成する。
前記式(a11−1)中、Rax02は、Wax2(芳香族炭化水素基)を構成する水素原子を置換する置換基である。
Rax02における置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基などが挙げられる。
Rax02における置換基としてのアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましい。
Rax02における置換基としてのアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
Rax02における置換基としてのアシルオキシ基は、その炭素数が2〜6であることが好ましく、CHC(=O)−O−(アセトキシ基)、CC(=O)−O−がより好ましく、CHC(=O)−O−(アセトキシ基)が特に好ましい。
前記式(a11−1)中、nax2は、0〜3の整数であり、0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましい。
ax2が2以上の場合、複数のRax02が相互に結合して、環構造を形成してもよい。ここで形成する環構造は、炭化水素環であってもよいし複素環であってもよい。例えば、Wax2における同一の芳香環に結合する2つのRax02と、この2つのRax02が結合する芳香環(Wax2)の一辺(炭素原子間の結合)と、によって形成する環構造が挙げられる。
かかる構成単位(a11)としては、例えば、下記の一般式(a11−u1−1)〜(a11−u1−6)でそれぞれ表される構成単位が好適に挙げられる。
Figure 2021096353
[式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rβは、アルキル基、アルコキシ基又はアシルオキシ基である。nax2は、0〜3の整数である。nax2が2以上の場合、複数のRβが相互に結合して、環構造を形成してもよい。n21、n22、n24及びn25は、それぞれ独立に、0又は1である。n23及びn26は、それぞれ独立に、1又は2である。]
前記の式(a11−u1−1)〜(a11−u1−6)中、Rβにおけるアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基は、前記式(a11−1)中のRax02における置換基として例示したアルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基と同様である。
以下に、前記一般式(a11−1)で表される化合物から誘導される構成単位(構成単位(a11))の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
上記例示の中でも、構成単位(a11)は、一般式(a11−u1−1)〜(a11−u1−3)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a11−u1−1)で表される構成単位がより好ましい。
これらの中でも、構成単位(a11)は、化学式(a11−u1−11)、(a11−u1−21)又は(a11−u1−31)のいずれかで表される構成単位が好ましい。
(A1)成分が有する構成単位(a11)は、1種でもよく2種以上でもよい。
(A1)成分が構成単位(a11)を有する場合、(A1)成分中の構成単位(a11)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計(100モル%)に対して、1〜30モル%であることが好ましく、1〜25モル%がより好ましく、1〜20モル%が更にに好ましく、5〜15モル%が特に好ましい。
構成単位(a11)の割合を下限値以上とすることにより、耐エッチング性やリソグラフィー特性がより向上する。一方、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
≪その他構成単位≫
(A1)成分は、構成単位(a10)、構成単位(a11)以外のその他構成単位を有してもよい。
かかるその他構成単位を誘導する化合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシ基及びエステル結合を有するメタクリル酸誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリールエステル類;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジブチル等のジカルボン酸ジエステル類;酢酸ビニル等のビニル基含有脂肪族化合物類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有重合性化合物類;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有重合性化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド結合含有重合性化合物類;エポキシ基含有重合性化合物類等が挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(A)成分は、構成単位(a10)を有する高分子化合物(A1)((A1)成分)を含むものである。
好ましい(A1)成分としては、構成単位(a10)を少なくとも有する高分子化合物が挙げられる。具体的には、構成単位(a10)の繰り返し構造を有する高分子化合物(構成単位(a10)からなるホモポリマー);構成単位(a10)と構成単位(a11)との繰り返し構造を有する高分子化合物が好適に挙げられる。
(A1)成分の重量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、500〜50000が好ましく、1000〜30000がより好ましく、2000〜20000がさらに好ましい。
(A1)成分のMwがこの範囲の好ましい上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の好ましい下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状がより良好となる。
(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜4.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.5〜2.5が特に好ましい。尚、Mnは数平均分子量を示す。
かかる(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを重合溶媒に溶解し、ここに、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル(例えばV−601など)等のラジカル重合開始剤を加えて重合することにより製造することができる。
あるいは、かかる(A1)成分は、構成単位(a10)を誘導するモノマーと、必要に応じて構成単位(a10)以外の構成単位を誘導するモノマーと、を重合溶媒に溶解し、ここに、上記のようなラジカル重合開始剤を加えて重合し、その後、脱保護反応を行うことにより製造することができる。
なお、重合の際に、例えば、HS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
・(A2)成分について
本実施形態のレジスト組成物は、(A)成分として、前記(A1)成分に該当しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(以下「(A2)成分」という。)を併用してもよい。
(A2)成分としては、特に限定されず、化学増幅型レジスト組成物用の基材成分として従来から知られている多数のものから任意に選択して用いればよい。
(A2)成分は、高分子化合物又は低分子化合物の1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、25質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が25質量%以上であると、高感度化や解像性、ラフネス改善などの種々のリソグラフィー特性に優れたレジストパターンが形成されやすくなる。
本実施形態のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
・(B0)成分について
(B)成分は、露光により酸を発生する酸発生剤成分である。本実施形態のレジスト組成物は、(B)成分は、少なくとも下記一般式(b0−1)で表される酸発生剤(B0)((B0)成分)を含む。
Figure 2021096353
[式中、Rbは有機基である。Rbは、下記一般式(b0−r−1)又は下記一般式(b0−r−2)で表される基である。]
Figure 2021096353
[式(b0−r−1)中、Rb201及びRb202は、それぞれ独立に、有機基である。*は結合手を示す。式(b0−r−2)中、Xbは、−(O=)C−N−C(=O)−と共に環状イミド構造を有する環式基を形成する基である。*は結合手を示す。]
本実施形態において、(B0)成分は、前記式(b0−1)で表される化合物であれば特に限定されず、例えば下記一般式(b0−1−1)〜(b0−1−6)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物等が挙げられる。
Figure 2021096353
[式中、Rb11及びRb21は、それぞれ独立に、非芳香族性基である。]
Figure 2021096353
[式中、Rb12は、アルキル基又はハロゲン化アルキル基である。Rb22は、芳香族性基である。]
Figure 2021096353
[式中、Rb13は置換を有してもよい炭化水素基である。nb3は、2又は3である。Abは2価又は3価の有機基である。]
Figure 2021096353
[式中、Rb14は、芳香族性多環式炭化水素基、飽和若しくは不飽和の非芳香族性多環式炭化水素基又はそれらの置換誘導体の基である。Rb24は、不活性有機基である。]
Figure 2021096353
[式中、Rb15は、置換若しくは未置換の一価の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基又は芳香族性基である。Xbは、−(O=)C−N−C(=O)−と共に環状イミド構造を有する環式基を形成する基である。]
Figure 2021096353
[式中、Rb16は、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよい芳香族炭化水素基である。Rb261〜Rb263は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のアルコキシ基である。nb6は、0〜5の整数である。]
前記式(b0−1−1)中、Rb11及びRb12における非芳香族性基としては、それぞれアルキル基、ハロゲノアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基及びアダマンチル基などが挙げられる。
Rb11及びRb12におけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基などが挙げられる。
Rb11及びRb12におけるハロゲノアルキル基は、ハロゲン原子の数については特に制限はなく、1個導入されていてもよいし、複数個導入されていてもよい。またハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよい。このハロゲノアルキル基として、好ましいのは炭素数1〜4のハロゲノアルキル基、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−ブロモプロピル基などである。
Rb11及びRb12におけるアルケニル基としては、炭素数2〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、例えばビニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基などが好ましい。
Rb11及びRb12におけるシクロアルキル基としては、炭素数5〜12のシクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基などが、また、シクロアルケニル基としては、炭素数4〜8のシクロアルケニル基、例えば1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、1−シクロオクテニル基などが好ましい。
Rb11及びRb12におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜8のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが好ましい。
Rb11及びRb12におけるシクロアルコキシ基としては、炭素数5〜8のシクロアルコキシ基、例えばシクロペントキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが好ましい。
前記式(b0−1−1)中、Rb11としては、アルキル基、ハロゲノアルキル基及びシクロアルキル基、特にアルキル基が好ましい。Rb21としては、アルキル基、シクロアルキル基及びシクロアルケニル基、特にシクロアルケニル基が好ましい。なかでも、Rb11が炭素数1〜4のアルキル基であり、Rb21がシクロペンテニル基であることがより好ましい。
前記式(b0−1−1)で表わされる化合物の具体例としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリルなどが挙げられる。
前記式(b0−1−2)中、Rb12におけるアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
Rb12におけるハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、例えばクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2−ブロモプロピル基などが挙げられる。
前記式(b0−1−2)中、Rb22における芳香族性基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す基を意味し、例えばフェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基などが挙げられる。Rb22における芳香族性基は、該芳香族性基を構成する芳香環の水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
前記式(b0−1−2)で表される化合物としては、具体的には、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−4−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−4−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
前記式(b0−1−3)中、Rb13における炭化水素基としては、芳香族性基又は非芳香族性炭化水素基が挙げられる。ここで、芳香族性基としては、炭素数6〜14のものが好ましく、例えばフェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基などの芳香族炭化水素基やフラニル基、ピリジル基、キノリル基などの複素環基が挙げられる。また、非芳香族性炭化水素基にはベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環のような芳香族性を示す環を有しない炭化水素基、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、例えばアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基などが含まれる。このアルキル基、アルケニル基は、直鎖状、枝分れ状のいずれでもよいが、炭素数1〜12のものが、またシクロアルキル基、シクロアルケニル基は、炭素数4〜12のものが好ましい。このアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基などを、アルケニル基の例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ヘキセニル基、オクタジエニル基などを、シクロアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基を、シクロアルケニル基の例としては、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、1−シクロオクテニル基などをそれぞれ挙げることができる。
前記式(b0−1−3)中、Rb13における炭化水素基は、置換基を有してもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アシル基等が挙げられる。
前記式(b0−1−3)中、Abにおける2価又は3価の有機基としては、2価又は3価の脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が挙げられる。
前記式(b0−1−3)で表される化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
前記式(b0−1−4)中、Rb14における芳香族性多環式炭化水素基としては、例えば、2−インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−アントリル基などの芳香族性縮合多環式炭化水素基、ビフェニル基、テルフェニル基などの芳香族性非縮合多環式炭化水素基が挙げられる。また、その置換誘導体基としては、これらの基の芳香環が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシル基などの置換基で置換されたもの、例えば、5−ヒドロキシ−1−ナフチル基、4−アミノ−1−ナフチル基などが挙げられる。
前記式(b0−1−4)中、Rb14における飽和若しくは不飽和の非芳香族性多環式炭化水素基としては、例えば、多環式テルペン残基やアダマンチル基などがあるが、多環式テルペン残基が好ましい。また、その置換誘導体基としては、環上に塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシル基、オキソ基、アルキル基、アルコキシル基などの適当な置換基を有するものが挙げられる。このようなものの例としてはカンファ−3−イル基、カンファ−8−イル基、カンファ−10−イル基、3−ブロモカンファ−10−イル基などがある。
このRb14としては、ナフチル基及びカンファ−10−イル基が好ましく、特に1−ナフチル基が解像性に優れる点で好適である。
前記式(b0−1−4)中、Rb24における不活性有機基とは使用条件下において、共存する成分に対して不活性な有機基のことであり、特に制限はないが、エキシマレーザー、電子線、X線に対する感受性の点から芳香族性基が好ましい。この芳香族性基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フリル基、チエニル基などが挙げられる。また、これらの芳香族性基は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のようなハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基、ニトロ基などの不活性な置換基を有してもよい。
前記式(b0−1−4)で表される化合物の具体例としては、α−(1−ナフチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−ナフチルスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(1−ナフチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(2−ナフチルスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(10−カンファスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(10−カンファスルホニルオキシイミノ)ベンジルシアニド、α−(3−カンファスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(3−ブロモ−10−カンファスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニドなどが挙げられる。
前記式(b0−1−5)中、Rb15における置換若しくは未置換の一価の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基としては、例えば炭素数1〜8の直鎖又は分枝状の飽和あるいは不飽和の炭化水素基及びこれらがハロゲン原子、ニトロ基、アセチルアミノ基、低級アルコキシ基、単環アリール基などで置換された基が挙げられるが、特にハロゲン原子、低級アルコキシ基などの置換基を有するものが好ましい。また、Rb15における置換若しくは未置換の一価の芳香族性基としては、例えば単環又は二環のものが挙げられるが、特にベンゼン環にビニル基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などが置換したものが好ましい。
前記式(b0−1−5)中、Xbが−(O=)C−N−C(=O)−と共に形成する環状イミド構造を有する環式基としては、スクシンイミド環、マレイミド環、グルタルイミド環、フタルイミド環、1,8−ナフタレンジカルボキシイミド環等が挙げられる。
Xbが−(O=)C−N−C(=O)−と共に形成する環状イミド構造を有する環式基は、置換基を有してもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、アセチルアミノ基、アルコキシ基、単環のアリール基等が挙げられる。
前記式(b0−1−5)で表される化合物の具体例としては、N−メチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−イソプロピルスルホニルオキシスクシンイミド、N−クロロエチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−(p−メトキシフェニル)スルホニルオキシスクシンイミド、N−(p−ビニルフェニル)スルホニルオキシスクシンイミド、N−ナフチルスルホニルオキシスクシンイミド、N−フェニルスルホニルオキシスクシンイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニルオキシスクシンイミド、N−メチルスルホニルオキシマレイミド、N−イソプロピルスルホニルオキシマレイミド、N−クロロエチルスルホニルオキシマレイミド、N−(p−メトキシフェニル)スルホニルオキシマレイミド、N−(p−ビニルフェニル)スルホニルオキシマレイミド、N−ナフチルスルホニルオキシマレイミド、N−フェニルスルホニルオキシマレイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニルオキシマレイミド、N−メチルスルホニルオキシフタルイミド、N−イソプロピルスルホニルオキシフタルイミド、N−クロロエチルスルホニルオキシフタルイミド、N−(p−メトキシフェニル)スルホニルオキシフタルイミド、N−(p−ビニルフェニル)スルホニルオキシフタルイミド、N−ナフチルスルホニルオキシフタルイミド、N−フェニルスルホニルオキシフタルイミド、N−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニルオキシフタルイミド、特開平10−097075号公報の段落[0089]−[0091]に記載されている化合物等が挙げられる。
前記式(b0−1−6)中、Rb16におけるアルキル基としては、炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖状又は環状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等が挙げられる。
なかでも、Rb16におけるアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
Rb16におけるアルキル基は、置換基を有してもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、CN、NO、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基等が挙げられる。
前記式(b0−1−6)中、Rb16における芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントラシル基、ヘテロアリール基等が挙げられる。
Rb16における芳香族炭化水素基は、置換基を有してもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、CN、NO、フェニル基、アルコキシ基、カルボキシ基、カルボニル基、スルホニル基、アミノ基等が挙げられる。
前記式(b0−1−6)で表される化合物の具体例としては、下記化学式(b0−1−61)で表される化合物、特表2002−508774号公報の実施例25〜40及び53の化合物等が挙げられる。
Figure 2021096353
(B0)成分のその他の具体例としては、特許第4110392号の段落[0056]、[0058]、[0060]、[0063]に記載されている化合物、特許第4000469号の段落[0053]、[0054]、[0056]、[0058]、[0060]−[0062]に記載されている化合物等が挙げられる。
なかでも、(B1)成分としては、前記式(b0−1−2)で表される化合物、前記式(b0−1−3)で表される化合物、前記式(b0−1−5)で表される化合物及び前記式(b0−1−6)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、前記式(b0−1−2)で表される化合物、前記式(b0−1−3)で表される化合物及び前記式(b0−1−6)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
以下に、(B0)成分の好ましい具体例を挙げる。
Figure 2021096353
本実施形態のレジスト組成物が含有する(B0)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のレジスト組成物中、(B0)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、50質量部以下が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.1〜30質量部がさらに好ましく、0.1〜20質量部が特に好ましい。
(B)成分の含有量を上記範囲とすることで、パターン形成が充分に行われる。
・(B1)成分について
本実施形態のレジスト組成物は、(B)成分として、(B0)成分以外の酸発生剤(以下、「(B1)成分という」)を含んでもよい。
(B1)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト組成物用の酸発生剤として提案されているものを用いることができる。
このような酸発生剤としては、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤;ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤;ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが挙げられる。
オニウム塩系酸発生剤としては、例えば、下記の一般式(b−1)で表される化合物(以下「(b−1)成分」ともいう)、一般式(b−2)で表される化合物(以下「(b−2)成分」ともいう)又は一般式(b−3)で表される化合物(以下「(b−3)成分」ともいう)が挙げられる。
Figure 2021096353
[式中、R101、R104〜R108はそれぞれ独立に、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。R104、R105は、相互に結合して環を形成していてもよい。R102はフッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。Y101は単結合、又は酸素原子を含む2価の連結基である。V101〜V103はそれぞれ独立に単結合、アルキレン基又はフッ素化アルキレン基である。L101〜L102はそれぞれ独立に単結合又は酸素原子である。L103〜L105はそれぞれ独立に単結合、−CO−又は−SO−である。mは1以上の整数であって、M’m+はm価のオニウムカチオンである。]
{アニオン部}
・(b−1)成分のアニオン部
式(b−1)中、R101は、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。
置換基を有していてもよい環式基:
該環式基は、環状の炭化水素基であることが好ましく、該環状の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。また、脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
101における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、炭素数5〜30がより好ましく、炭素数5〜20がさらに好ましく、炭素数6〜15が特に好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
101における芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル、又はこれらの芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環などが挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
101における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香環から水素原子を1つ除いた基(アリール基:例えばフェニル基、ナフチル基など)、前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えばベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基など)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、炭素数1〜2がより好ましく、炭素数1が特に好ましい。
101における環状の脂肪族炭化水素基は、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が挙げられる。
この構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、炭素数が3〜20であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素数7〜30のものが好ましい。中でも、該ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の架橋環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカン;ステロイド骨格を有する環式基等の縮合環系の多環式骨格を有するポリシクロアルカンがより好ましい。
なかでも、R101における環状の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンから水素原子を1つ以上除いた基が好ましく、ポリシクロアルカンから水素原子を1つ除いた基がより好ましく、アダマンチル基、ノルボルニル基、ステロイド骨格を有する環式基が特に好ましく、アダマンチル基、ステロイド骨格を有する環式基が最も好ましい。
脂環式炭化水素基に結合してもよい、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
また、R101における環状の炭化水素基は、複素環等のようにヘテロ原子を含んでもよい。具体的には、前記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基、前記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される−SO−含有環式基、その他下記の化学式(r−hr−1)〜(r−hr−16)でそれぞれ表される複素環式基が挙げられる。
Figure 2021096353
101の環式基における置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基等が挙げられる。
置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が最も好ましい。
置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
置換基としてのカルボニル基は、環状の炭化水素基を構成するメチレン基(−CH−)を置換する基である。
置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基:
101の鎖状のアルキル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基:
101の鎖状のアルケニル基としては、直鎖状又は分岐鎖状のいずれでもよく、炭素数が2〜10であることが好ましく、炭素数2〜5がより好ましく、炭素数2〜4がさらに好ましく、炭素数3が特に好ましい。直鎖状のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、1−メチルビニル基、2−メチルビニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
鎖状のアルケニル基としては、上記の中でも、直鎖状のアルケニル基が好ましく、ビニル基、プロペニル基がより好ましく、ビニル基が特に好ましい。
101の鎖状のアルキル基またはアルケニル基における置換基としては、たとえば、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、アミノ基、上記R101における環式基等が挙げられる。
中でも、R101は、置換基を有してもよい環式基が好ましく、置換基を有してもよい環状の炭化水素基であることがより好ましい。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;前記一般式(a2−r−1)、(a2−r−3)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基;前記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される−SO−含有環式基などが好ましい。
前記式(b−1)中、Y101は、単結合または酸素原子を含む2価の連結基である。
101が酸素原子を含む2価の連結基である場合、該Y101は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
かかる酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、上記一般式(y−al−1)〜(y−al−8)でそれぞれ表される連結基が挙げられる。
101としては、エステル結合を含む2価の連結基、またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、上記一般式(y−al−1)〜(y−al−5)でそれぞれ表される連結基がより好ましい。
前記式(b−1)中、V101は、単結合、アルキレン基又はフッ素化アルキレン基である。V101におけるアルキレン基、フッ素化アルキレン基は、炭素数1〜4であることが好ましい。V101におけるフッ素化アルキレン基としては、V101におけるアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。なかでも、V101は、単結合、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基であることが好ましい。
前記式(b−1)中、R102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。R102は、フッ素原子または炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
(b−1)成分のアニオン部の具体例としては、たとえば、Y101が単結合となる場合、トリフルオロメタンスルホネートアニオンやパーフルオロブタンスルホネートアニオン等のフッ素化アルキルスルホネートアニオンが挙げられ;Y101が酸素原子を含む2価の連結基である場合、下記式(an−1)〜(an−3)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2021096353
[式中、R”101は、置換基を有してもよい脂肪族環式基、上記の化学式(r−hr−1)〜(r−hr−6)でそれぞれ表される1価の複素環式基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルキル基である。R”102は、置換基を有してもよい脂肪族環式基、前記一般式(a2−r−1)、(a2−r−3)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基、又は前記一般式(a5−r−1)〜(a5−r−4)でそれぞれ表される−SO−含有環式基である。R”103は、置換基を有してもよい芳香族環式基、置換基を有してもよい脂肪族環式基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。V”101は、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基、又は炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。R102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。v”はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、q”はそれぞれ独立に1〜20の整数であり、n”は0または1である。]
R”101、R”102およびR”103の置換基を有してもよい脂肪族環式基は、前記R101における環状の脂肪族炭化水素基として例示した基であることが好ましい。前記置換基としては、R101における環状の脂肪族炭化水素基を置換してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R”103における置換基を有してもよい芳香族環式基は、前記R101における環状の炭化水素基における芳香族炭化水素基として例示した基であることが好ましい。前記置換基としては、R101における該芳香族炭化水素基を置換してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
R”101における置換基を有してもよい鎖状のアルキル基は、前記R101における鎖状のアルキル基として例示した基であることが好ましい。R”104における置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基は、前記R101における鎖状のアルケニル基として例示した基であることが好ましい。
V”101は、好ましくは単結合またはフッ素化アルキレン基であり、より好ましくは単結合または炭素数1〜3のフッ素化アルキレン基である。V”101がフッ素化アルキレン基である場合−V”101−C(F)(R”102)−SO におけるV”101は、−CF−、−CHF−、−CFCF−、−CHFCF−、−CF(CF)CF−、−CH(CF)CF−であることが好ましく、−CF−、−CHF−がより好ましい。
102は、フッ素原子又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。R102は、フッ素原子または炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子であることがより好ましい。
v”は、0〜3の整数であり、好ましくは0又は1である。q”は、1〜20の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、さらに好ましくは1、2又は3であり、特に好ましくは1又は2である。n”は、0または1である。
・(b−2)成分のアニオン部
式(b−2)中、R104、R105は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、または置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、それぞれ、前記式式(b−1)中のR101と同様のものが挙げられる。ただし、R104、R105は、相互に結合して環を形成していてもよい。
104、R105は、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキル基であることがより好ましい。
該鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜7、さらに好ましくは炭素数1〜3である。R104、R105の鎖状のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト用溶剤への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。また、R104、R105の鎖状のアルキル基においては、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなるため、好ましい。前記鎖状のアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基である。
式(b−2)中、V102、V103は、それぞれ独立に、単結合、アルキレン基、またはフッ素化アルキレン基であり、それぞれ、式(b−1)中のV101と同様のものが挙げられる。
式(b−2)中、L101、L102は、それぞれ独立に単結合又は酸素原子である。
・(b−3)成分のアニオン部
式(b−3)中、R106〜R108は、それぞれ独立に、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、それぞれ、式(b−1)中のR101と同様のものが挙げられる。
103〜L105は、それぞれ独立に、単結合、−CO−又は−SO−である。
{カチオン部}
式(b−1)、(b−2)及び(b−3)中、mは1以上の整数であって、M’m+はm価のオニウムカチオンであり、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオンが好適に挙げられ、例えば上記の一般式(ca−1)〜(ca−4)でそれぞれ表される有機カチオンが挙げられる。
Figure 2021096353
[式中、R201〜R207及びR211〜R212はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアルケニル基を表す。R201〜R203、R206〜R207、R211〜R212はそれぞれ、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。R208〜R209は、それぞれ独立に、水素原子もしくは炭素数1〜5のアルキル基を表すか、又は相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。R210は、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、又は置換基を有してもよい−SO−含有環式基である。L201は、−C(=O)−又は−C(=O)−O−を表す。複数のY201はそれぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。xは、1又は2である。W201は、(x+1)価の連結基を表す。]
201〜R207およびR211〜R212におけるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
201〜R207およびR211〜R212におけるアルキル基としては、鎖状又は環状のアルキル基であって、炭素数1〜30のものが好ましい。
201〜R207およびR211〜R212におけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましい。
201〜R207およびR211〜R212が有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、下記の一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。
Figure 2021096353
[式中、R’201は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基である。]
R’201の置換基を有していてもよい環式基、置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有していてもよい鎖状のアルケニル基は、後述の式(b−1)中のR101と同様のものが挙げられる他、置換基を有していてもよい環式基又は置換基を有していてもよい鎖状のアルキル基として、上述の式(a1−r−2)で表される酸解離性基と同様のものも挙げられる。
201〜R203、R206〜R207、R211〜R212は、相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子や、カルボニル基、−SO−、−SO−、−SO−、−COO−、−CONH−または−N(R)−(該Rは炭素数1〜5のアルキル基である。)等の官能基を介して結合してもよい。形成される環としては、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。形成される環の具体例としては、たとえばチオフェン環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、チアントレン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、9H−チオキサンテン環、チオキサントン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、テトラヒドロチオフェニウム環、テトラヒドロチオピラニウム環等が挙げられる。
208〜R209は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、アルキル基となる場合、相互に結合して環を形成してもよい。
210は、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよい−SO−含有環式基である。
210におけるアリール基としては、炭素数6〜20の無置換のアリール基が挙げられ、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
210におけるアルキル基としては、鎖状又は環状のアルキル基であって、炭素数1〜30のものが好ましい。
210におけるアルケニル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましい。 R210における、置換基を有していてもよい−SO−含有環式基としては、「−SO−含有多環式基」が好ましく、上記一般式(a5−r−1)で表される基がより好ましい。
201は、それぞれ独立に、アリーレン基、アルキレン基又はアルケニレン基を表す。
201におけるアリーレン基は、後述の式(b−1)中のR101における芳香族炭化水素基として例示したアリール基から水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
201におけるアルキレン基、アルケニレン基は、後述の式(b−1)中のR101における鎖状のアルキル基、鎖状のアルケニル基として例示した基から水素原子を1つ除いた基が挙げられる。
前記式(ca−4)中、xは、1または2である。
201は、(x+1)価、すなわち2価または3価の連結基である。
201における2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、上述の一般式(a2−1)中のYa21と同様の、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、が例示できる。W201における2価の連結基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、環状であることが好ましい。なかでも、アリーレン基の両端に2個のカルボニル基が組み合わされた基が好ましい。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、フェニレン基が特に好ましい。
201における3価の連結基としては、前記W201における2価の連結基から水素原子を1個除いた基、前記2価の連結基にさらに前記2価の連結基が結合した基などが挙げられる。W201における3価の連結基としては、アリーレン基に2個のカルボニル基が結合した基が好ましい。
前記式(ca−1)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記の化学式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
下記の化学式中、g1は繰返し数を示し、g1は1〜5の整数である。g2は繰返し数を示し、g2は0〜20の整数である。g3は繰返し数を示し、g3は0〜20の整数である。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
Figure 2021096353
[式中、R”201は水素原子又は置換基である。該置換基としては、上記R201〜R207およびR211〜R212が有してもよい置換基として挙げた、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、カルボニル基、シアノ基、アミノ基、アリール基、一般式(ca−r−1)〜(ca−r−7)でそれぞれ表される基が挙げられる。]
前記式(ca−2)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記式(ca−2−1)〜(ca−2−3)でそれぞれ表されるカチオン、ジフェニルヨードニウムカチオン、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオンが挙げられる。
Figure 2021096353
前記式(ca−3)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記式(ca−3−1)〜(ca−3−7)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2021096353
前記式(ca−4)で表される好適なカチオンとして具体的には、下記式(ca−4−1)〜(ca−4−2)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2021096353
上記の中でも、カチオン部((Mm+1/m)は、一般式(ca−1)又は(ca−2)で表されるカチオンが好ましく、化学式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)及び化学式(ca−2−1)〜(ca−2−3)でそれぞれ表されるカチオンがより好ましい。
本実施形態のレジスト組成物において、(B1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(B1)成分を含有する場合、レジスト組成物中、(B1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、50質量部以下が好ましく、0.1〜40質量部がより好ましく、0.1〜30質量部がさらに好ましく、0.1〜20質量部が特に好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、架橋剤である。(C)成分としては特に限定されず、これまでネガ型レジスト組成物の架橋剤として知られているものの中から任意に選んで使用することができる。このような酸架橋性物質としては、ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂などを挙げることができる。これらはメラミン、尿素、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、スクシニルアミド、エチレン尿素を沸騰水中でホルマリンと反応させてメチロール化、あるいはこれにさらに低級アルコールを反応させてアルコキシル化することにより容易に得られる。実用上はニカラックMX−750、ニカラックMW−30、ニカラックMW100LMなどのメラミン樹脂、ニカラックMX−290などの尿素樹脂(いずれも三和ケミカル社製)として入手することができる。また、サイメル1123、サイメル1128(三井サイアナッド社製)などのベンゾグアナミン樹脂も市販品として入手することができる。
また、(C)成分としては、1,3,5−トリス(メトキシメトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメトキシ)ベンゼンなどのアルコキシル基を有するベンゼン化合物、2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノールなどのヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するフェノール化合物なども用いることができる。
なかでも、(C)成分としては、−NCH−OCH基を有するものが好ましく、下記式(c1−1)又は(c1−2)で表される化合物がより好ましく、下記式(c1−1)又は(c1−2)で表される、メラミン骨格を有する化合物が更に好ましい。
Figure 2021096353
[式中、nc1及びnc2は、それぞれ独立に、1〜3の整数である。]
(C)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のレジスト組成物中、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、3〜40質量部がより好ましく、3〜30質量部がさらに好ましく、5〜25質量部が最も好ましい。
(C)成分の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、解像性能、リソグラフィー特性がより向上する。また、膨潤の少ない良好なレジストパターンが得られる。また、この上限値以下であると、レジスト組成物の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制されやすくなる。
<(Z)成分>
(Z)成分は、分子内にフェノール性水酸基を1個又は2個有し、カルボキシ基を有さない芳香族化合物であれば特に限定されない。
(Z)成分としては、下記一般式(z1−1)で表される化合物及び下記一般式(z2−1)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 2021096353
[式(z1−1)中、V はヒドロキシ基及びカルボキシ基を有さない2価の連結基である。式(z2−1)中、Rzは、炭化水素基である。n1は1又は2である。n2は2〜5の整数である。ただし、n1+n2≦6である。]
前記式(z1−1)中、V におけるヒドロキシ基及びカルボキシ基を有さない2価の連結基としては、上述した一般式(a10−1)中のYax1における2価の連結基のうち、ヒドロキシ基及びカルボキシ基を有さないものが挙げられる。また、V の2価の連結基としては、上述した一般式(a10−1)中のYax1における2価の連結基としての直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部が芳香族炭化水素基で置換された基も挙げられる。
「直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部が芳香族炭化水素基で置換された基」における直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基等が挙げられる。
「直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部が芳香族炭化水素基で置換された基」における芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等の芳香環から水素原子1つを除いた基等が挙げられる。
「直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部が芳香族炭化水素基で置換された基」における芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アリールアルキル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子及びハロゲン化アルキル基としては、上述した一般式(a10−1)中のYax1における2価の連結基において、環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
前記置換基としてのアリールアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニル−t−ブチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等が挙げられる。該アリールアルキル基は、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、アリールアルキル基等の置換基を有してもよい。
前記式(z1−1)で表される化合物としては、下記一般式(z1−1−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021096353
[式中、R 11及びR 12は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭化水素基である。R 11及びR 12は、相互に結合して環を形成してもよい。]
前記式(z1−1−1)中、R 11及びR 12の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基等が挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、炭素数1〜4がより好ましく、炭素数1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基又はn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、炭素数3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが好ましい。
11及びR 12における芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ビフェニル等の芳香環から水素原子1つを除いた基等が挙げられる。
11及びR 12における芳香族炭化水素基は、置換基を有してもよい。該置換基としては、前記「直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部が芳香族炭化水素基で置換された基」における芳香族炭化水素基が有してもよい置換基と同様である。
前記式(z1−1−1)中、R 11及びR 12は相互に結合して環を形成してもよい。形成される環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環等の脂肪族環が挙げられる。
前記式(z1−1−1)中、R 11及びR 12は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基若しくは置換基を有してもよい芳香族炭化水素基であるか、又は、R 11及びR 12は相互に結合して脂肪族環を形成することが好ましく、メチル基、フェニル基、若しくは4−(4−ヒドロキシフェニル−t−ブチル)フェニル基であるか、又は、R 11及びR 12は相互に結合してがシクロヘキサン環を形成することがより好ましい。
前記式(z2−1)中、Rzにおける炭化水素基としては、前記式(z1−1−1)中のR 11及びR 12の炭化水素基として例示したものが挙げられる。なかでも、Rzとしては、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基又はベンジル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましい。
前記式(z1−2)中、n1は1が好ましい。n2は2又は3が好ましく、2がより好ましい。
前記式(z1−2)で表される化合物としては、下記一般式(z1−2−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2021096353
[式中、Rz21及びRz22は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素基である。]
前記式(z1−2−1)中、Rzの炭化水素基としては、前記式(z1−1−1)中のR 11及びR 12の炭化水素基として例示したものが挙げられる。なかでも、Rzとしては、フェニル基又はベンジル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
以下に、(Z)成分の具体例を挙げる。
Figure 2021096353
(Z)成分の質量平均分子量(Mw)は、1000以下であることが好ましく、100〜950であることがより好ましく、150〜900であることが更に好ましい。
(Z)成分の質量平均分子量が、前記の好ましい範囲の上限値以下であると、基板密着性能が向上しやすくなり、ウェットエッチング耐性が向上しやすい。
本実施形態のレジスト組成物が含有する(Z)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のレジスト組成物中、(Z)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましく、3〜20質量部であることが更に好ましい。
(Z)成分の割合が前記の好ましい範囲の範囲内であると、エッチング耐性が良好で、かつ、良好な形状のパターンを形成しやすい。
<任意成分>
≪(D)成分≫
本実施形態におけるレジスト組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(Z)成分に加えて、さらに、酸拡散制御剤成分(以下「(D)成分」という。)を含有してもよい。(D)成分は、レジスト組成物において露光により発生する酸をトラップするクエンチャー(酸拡散制御剤)として作用するものである。
(D)成分としては、例えば、含窒素有機化合物(D1)(以下「(D1)成分」、該(D1)成分に該当しない露光により分解して酸拡散制御性を失う光崩壊性塩基(D2)(以下「(D2)成分」という。)という。)等が挙げられる。
(D)成分を含有するレジスト組成物とすることで、レジストパターンを形成する際に、レジスト膜の露光部と未露光部とのコントラストをより向上させることができる。
・(D1)成分について
(D1)成分は、塩基成分であって、レジスト組成物中で酸拡散制御剤として作用する含窒素有機化合物成分である。
(D1)成分としては、酸拡散制御剤として作用するものであれば特に限定されず、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン等が挙げられる。
脂肪族アミンは、中でも、第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンもしくはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられ、トリエタノールアミントリアセテートが好ましい。
芳香族アミンとしては、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、トリベンジルアミン、アニリン化合物、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(D1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D1)成分は、上記の中でも、芳香族アミンが好ましく、アニリン化合物がより好ましい。アニリン化合物としては、例えば、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン等が挙げられる。
・(D2)成分について
(D2)成分としては、露光により分解して酸拡散制御性を失うものであれば特に限定されず、下記一般式(d2−1)で表される化合物(以下「(d2−1)成分」という。)、下記一般式(d2−2)で表される化合物(以下「(d2−2)成分」という。)及び下記一般式(d2−3)で表される化合物(以下「(d2−3)成分」という。)からなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましい。
(d2−1)〜(d2−3)成分は、レジスト膜の露光部において分解して酸拡散制御性(塩基性)を失うためクエンチャーとして作用せず、レジスト膜の未露光部においてクエンチャーとして作用する。
Figure 2021096353
[式中、Rd〜Rdは置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基である。但し、一般式(d2−2)中のRdにおける、S原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子が結合していないものとする。Ydは単結合又は2価の連結基である。mは1以上の整数であって、M’m+はそれぞれ独立にm価のオニウムカチオンである。]
{(d2−1)成分}
・アニオン部
式(d2−1)中、Rdは、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、それぞれ前記式(b−1)中のR101等と同様のものが挙げられる。
これらのなかでも、Rdとしては、置換基を有してもよい芳香族炭化水素基、置換基を有してもよい脂肪族環式基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルキル基が好ましい。これらの基が有してもよい置換基としては、水酸基、オキソ基、アルキル基、アリール基、フッ素原子、フッ素化アルキル基、上記一般式(a2−r−1)〜(a2−r−7)でそれぞれ表されるラクトン含有環式基、エーテル結合、エステル結合、またはこれらの組み合わせが挙げられる。エーテル結合やエステル結合を置換基として含む場合、アルキレン基を介していてもよく、この場合の置換基としては、上記式(y−al−1)〜(y−al−5)でそれぞれ表される連結基が好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビシクロオクタン骨格を含む多環構造(例えば、ビシクロオクタン骨格の環構造とこれ以外の環構造とからなる多環構造など)が好適に挙げられる。
前記脂肪族環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
前記鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基;1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
前記鎖状のアルキル基が置換基としてフッ素原子又はフッ素化アルキル基を有するフッ素化アルキル基である場合、フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜11が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。該フッ素化アルキル基は、フッ素原子以外の原子を含有してもよい。フッ素原子以外の原子としては、たとえば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
Rdとしては、直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換されたフッ素化アルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基を構成する水素原子の全てがフッ素原子で置換されたフッ素化アルキル基(直鎖状のパーフルオロアルキル基)であることが特に好ましい。
以下に(d2−1)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2021096353
・カチオン部
式(d2−1)中、M’m+は、m価のオニウムカチオンである。
M’m+のオニウムカチオンとしては、前記一般式(ca−1)〜(ca−4)でそれぞれ表されるカチオンと同様のものが好適に挙げられ、前記一般式(ca−1)で表されるカチオンがより好ましく、前記式(ca−1−1)〜(ca−1−78)、(ca−1−101)〜(ca−1−149)でそれぞれ表されるカチオンがさらに好ましい。
(d2−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
{(d2−2)成分}
・アニオン部
式(d2−2)中、Rdは、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、前記式(b−1)中のR101等と同様のものが挙げられる。
但し、Rdにおける、S原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子は結合していない(フッ素置換されていない)ものとする。これにより、(d2−2)成分のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、(D2)成分としてのクエンチング能が向上する。
Rdとしては、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい脂肪族環式基であることが好ましい。鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、3〜10であることがより好ましい。脂肪族環式基としては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有してもよい);カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
Rdの炭化水素基は置換基を有してもよく、該置換基としては、前記式(d2−1)のRdにおける炭化水素基(芳香族炭化水素基、脂肪族環式基、鎖状のアルキル基)が有してもよい置換基と同様のものが挙げられる。
以下に(d2−2)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2021096353
・カチオン部
式(d2−2)中、M’m+は、m価のオニウムカチオンであり、前記式(d2−1)中のM’m+と同様である。
(d2−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
{(d2−3)成分}
・アニオン部
式(d2−3)中、Rdは置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、前記式(b−1)中のR101等と同様のものが挙げられ、フッ素原子を含む環式基、鎖状のアルキル基、又は鎖状のアルケニル基であることが好ましい。中でも、フッ素化アルキル基が好ましく、前記Rdのフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
式(d2−3)中、Rdは、置換基を有してもよい環式基、置換基を有してもよい鎖状のアルキル基、又は置換基を有してもよい鎖状のアルケニル基であり、前記式(b−1)中のR101等と同様のものが挙げられる。
なかでも、置換基を有してもよいアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、環式基であることが好ましい。
Rdにおけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。Rdのアルキル基の水素原子の一部が水酸基、シアノ基等で置換されていてもよい。
Rdにおけるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
Rdにおけるアルケニル基は、前記式(b−1)中のR101等と同様のものが挙げられ、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基が好ましい。これらの基はさらに置換基として、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を有してもよい。
Rdにおける環式基は、前記式(b−1)中のR101等と同様のものが挙げられ、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた脂環式基、又は、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基が好ましい。Rdが脂環式基である場合、レジスト組成物が有機溶剤に良好に溶解することにより、リソグラフィー特性が良好となる。
式(d2−3)中、Ydは、単結合または2価の連結基である。
Ydにおける2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有してもよい2価の炭化水素基(脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基)、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が挙げられる。これらはそれぞれ、上記式(a10−1)中のYax1における2価の連結基についての説明のなかで挙げた、置換基を有してもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
Ydとしては、カルボニル基、エステル結合、アミド結合、アルキレン基又はこれらの組み合わせであることが好ましい。アルキレン基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがさらに好ましい。
以下に(d2−3)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
・カチオン部
式(d2−3)中、M’m+は、m価のオニウムカチオンであり、前記式(d2−1)中のM’m+と同様である。
(d2−3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D2)成分は、上記(d2−1)〜(d2−3)成分のいずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト組成物が(D2)成分を含有する場合、レジスト組成物中、(D2)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜35質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましく、2〜20質量部がさらに好ましく、3〜15質量部が特に好ましい。
(D2)成分の含有量が好ましい下限値以上であると、特に良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られやすい。一方、上限値以下であると、他成分とのバランスをとることができ、種々のリソグラフィー特性が良好となる。
(D2)成分の製造方法:
前記の(d2−1)成分、(d2−2)成分の製造方法は、特に限定されず、公知の方法により製造することができる。
また、(d2−3)成分の製造方法は、特に限定されず、例えば、US2012−0149916号公報に記載の方法と同様にして製造される。
≪(E)成分:有機カルボン酸並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物≫
本実施形態のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸並びにリンのオキソ酸及びその誘導体からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、例えば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、ホスフィン酸エステルやフェニルホスフィン酸などが挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5質量部の範囲で用いられる。
≪(F)成分:フッ素添加剤成分≫
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト膜に撥水性を付与するために、又はリソグラフィー特性を向上させるため、フッ素添加剤成分(以下「(F)成分」という)を含有してもよい。
(F)成分としては、例えば、特開2010−002870号公報、特開2010−032994号公報、特開2010−277043号公報、特開2011−13569号公報、特開2011−128226号公報に記載の含フッ素高分子化合物を用いることができる。
(F)成分としてより具体的には、下記式(f1−1)で表される構成単位(f1)を有する重合体が挙げられる。この重合体としては、下記式(f1−1)で表される構成単位(f1)のみからなる重合体(ホモポリマー);該構成単位(f1)と前記構成単位(a1)との共重合体;該構成単位(f1)とアクリル酸又はメタクリル酸から誘導される構成単位と前記構成単位(a1)との共重合体であることが好ましい。ここで、該構成単位(f1)と共重合される前記構成単位(a1)としては、1−エチル−1−シクロオクチル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位、1−メチル−1−アダマンチル(メタ)アクリレートから誘導される構成単位が好ましい。
Figure 2021096353
[式中、Rは前記と同様であり、Rf102およびRf103はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基を表し、Rf102およびRf103は同じであっても異なっていてもよい。nfは1〜5の整数であり、Rf101はフッ素原子を含む有機基である。]
式(f1−1)中、α位の炭素原子に結合したRは、前記と同様である。Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
式(f1−1)中、Rf102およびRf103のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。Rf102およびRf103の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。Rf102およびRf103の炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として、具体的には、炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。なかでもRf102およびRf103としては、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。
式(f1−1)中、nfは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1又は2であることがより好ましい。
式(f1−1)中、Rf101は、フッ素原子を含む有機基であり、フッ素原子を含む炭化水素基であることが好ましい。
フッ素原子を含む炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましい。
また、フッ素原子を含む炭化水素基は、当該炭化水素基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから特に好ましい。
なかでも、Rf101としては、炭素数1〜6のフッ素化炭化水素基がより好ましく、トリフルオロメチル基、−CH−CF、−CH−CF−CF、−CH(CF、−CH−CH−CF、−CH−CH−CF−CF−CF−CFが特に好ましい。
(F)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、1000〜50000が好ましく、5000〜40000がより好ましく、10000〜30000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのにレジスト用溶剤への充分な溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、レジスト膜の撥水性が良好である。
(F)成分の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
本実施形態のレジスト組成物において、(F)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物が(F)成分を含有する場合、(F)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.5〜10質量部の割合で用いられる。
≪(S)成分:有機溶剤成分≫
本実施形態のレジスト組成物は、レジスト材料を有機溶剤成分(以下「(S)成分」という)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジスト組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
(S)成分としては、例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
本実施形態のレジスト組成物において、(S)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
なかでも、PGMEA、PGME、γ−ブチロラクトン、EL、シクロヘキサノンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶剤も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてEL又はシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:EL又はシクロヘキサノンの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。さらに、PGMEAとPGMEとシクロヘキサノンとの混合溶剤も好ましい。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者との質量比が、好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が0.1〜50質量%、好ましくは10〜50質量%の範囲内となるように(S)成分は用いられる。
本実施形態のレジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本実施形態のレジスト組成物は、上記レジスト材料を(S)成分に溶解させた後、ポリイミド多孔質膜、ポリアミドイミド多孔質膜等を用いて、不純物等の除去を行ってもよい。例えば、ポリイミド多孔質膜からなるフィルター、ポリアミドイミド多孔質膜からなるフィルター、ポリイミド多孔質膜及びポリアミドイミド多孔質膜からなるフィルター等を用いて、レジスト組成物の濾過を行ってもよい。前記ポリイミド多孔質膜及び前記ポリアミドイミド多孔質膜としては、例えば、特開2016−155121号公報に記載のもの等が例示される。
本実施形態のネガ型レジスト組成物は、高分子化合物(A1)と、酸発生剤(B0)と、架橋剤(C)と、分子内にフェノール性水酸基を1個又は2個有し、カルボキシ基を有さない芳香族化合物(Z)と含有する。
本発明らが検討した結果、基材成分としてアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレン系樹脂を採用したネガ型レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した場合、ウェットエッチング耐性が用いてミクロンオーダーの厚膜レジスト膜を成膜し、レジストパターンを形成してエッチングを行った場合、エッチング耐性が不十分な場合があった。これは、当該ネガ型レジスト組成物を用いて形成したレジスト膜は、基板界面との密着性が不十分であるためであると考えられる。
上述した本実施形態のレジスト組成物においては、(Z)成分がレジスト膜の下層に偏析し、基板密着性の向上に寄与していると推測される。そのため、本実施形態のネガ型レジスト組成物を用いて形成したレジストパターンは、エッチング耐性が良好になると推測される。
(レジストパターン形成方法)
本発明の第2の態様は、支持体上に、上述した第1の態様に係るレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程(i)、前記レジスト膜を露光する工程(ii)、及び前記露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程(iii)を有するレジストパターン形成方法である。
かかるレジストパターン形成方法の一実施形態としては、例えば以下のようにして行うレジストパターン形成方法が挙げられる。
工程(i):
まず、支持体上に、上述した実施形態のレジスト組成物を、スピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、例えば80〜160℃の温度条件にて40〜200秒間、好ましくは60〜150秒間施してレジスト膜を形成する。
工程(ii):
次に、該レジスト膜に対し、例えばKrF露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、例えば80〜150℃の温度条件にて40〜150秒間、好ましくは60〜120秒間施す。
工程(iii):
次に、前記レジスト膜を現像処理する。現像処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、アルカリ現像液を用い、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)を用いて行う。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、純水を用いた水リンスが好ましく、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
溶剤現像プロセスの場合、前記現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を、超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
現像処理後又はリンス処理後、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。ここでのベーク処理(ポストベーク)は、例えば80℃以上、好ましくは90〜120℃の温度条件にて10〜120秒間、好ましくは300〜90秒間施される。
このようにして、レジストパターンを形成することができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等が挙げられる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系及び/又は有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や、多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)と、に分けられる。
実施形態のレジストパターン形成方法は、厚膜のレジスト膜を成膜して行う際に有用な方法である。前記工程(i)で形成するレジスト膜の膜厚が、例えば1〜10μmでも、レジストパターンを良好な形状で安定に形成できる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、g線、i線等の紫外線、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光、Fエキシマレーザー光、EUV(極端紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。
上述した第1の態様に係るレジスト組成物は、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、EB又はEUV用としての有用性が高く、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光用としての有用性がより高く、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー光用としての有用性が特に高い。第2の態様に係るレジストパターン形成方法は、前記工程(ii)において、前記レジスト膜に、g線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー光を照射する場合に特に好適な方法である。
レジスト膜の露光方法は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)であってもよい。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ、露光されるレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ、前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物、パーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
アルカリ現像プロセスで現像処理に用いるアルカリ現像液としては、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤の中から適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、ニトリル系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
ケトン系溶剤は、構造中にC−C(=O)−Cを含む有機溶剤である。エステル系溶剤は、構造中にC−C(=O)−O−Cを含む有機溶剤である。アルコール系溶剤は、構造中にアルコール性水酸基を含む有機溶剤である。「アルコール性水酸基」は、脂肪族炭化水素基の炭素原子に結合した水酸基を意味する。ニトリル系溶剤は、構造中にニトリル基を含む有機溶剤である。アミド系溶剤は、構造中にアミド基を含む有機溶剤である。エーテル系溶剤は、構造中にC−O−Cを含む有機溶剤である。
有機溶剤の中には、構造中に上記各溶剤を特徴づける官能基を複数種含む有機溶剤も存在するが、その場合は、当該有機溶剤が有する官能基を含むいずれの溶剤種にも該当するものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中のアルコール系溶剤、エーテル系溶剤のいずれにも該当するものとする。
炭化水素系溶剤は、ハロゲン化されていてもよい炭化水素からなり、ハロゲン原子以外の置換基を有さない炭化水素溶剤である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
有機系現像液が含有する有機溶剤としては、上記の中でも、極性溶剤が好ましく、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、ニトリル系溶剤等が好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、メチルアミルケトン(2−ヘプタノン)等が挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶剤としては、メチルアミルケトン(2−ヘプタノン)が好ましい。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、プロピル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶剤としては、酢酸ブチルが好ましい。
ニトリル系溶剤としては、例えば、アセトニトリル、プロピオ二トリル、バレロニトリル、ブチロ二トリル等が挙げられる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としては、例えば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。界面活性剤としては、非イオン性の界面活性剤が好ましく、非イオン性のフッ素系界面活性剤、又は非イオン性のシリコン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法により実施することが可能であり、例えば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出し続ける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理後のリンス処理に用いるリンス液が含有する有機溶剤としては、例えば前記有機系現像液に用いる有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。通常、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種の溶剤を使用する。これらの中でも、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種が好ましく、アルコール系溶剤およびエステル系溶剤から選択される少なくとも1種がより好ましく、アルコール系溶剤が特に好ましい。
リンス液に用いるアルコール系溶剤は、炭素数6〜8の1価アルコールが好ましく、該1価アルコールは直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。具体的には、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、1−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−ヘキサノールが好ましく、1−ヘキサノール、2−ヘキサノールがより好ましい。
これらの有機溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記以外の有機溶剤や水と混合して用いてもよい。但し、現像特性を考慮すると、リンス液中の水の配合量は、リンス液の全量に対し、30質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下さらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
リンス液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としては、例えば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、前記と同様のものが挙げられ、非イオン性の界面活性剤が好ましく、非イオン性のフッ素系界面活性剤、又は非イオン性のシリコン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、リンス液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。該リンス処理の方法としては、例えば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
以上説明した本実施形態のレジストパターン形成方法においては、上述した第1の態様に係るレジスト組成物が用いられているため、エッチング耐性が良好なレジストパターンが得られると推測される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<レジスト組成物の調製>
(実施例1〜12、比較例1〜5)
表1〜2に示す各成分を混合して溶解し、各例のレジスト組成物をそれぞれ調製した。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
表1、2中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:下記の化学式(A−1)で表される高分子化合物。この高分子化合物(A−1)は、該高分子化合物を構成する構成単位を誘導するモノマーを、所定のモル比で用いてラジカル重合させることによって得た。この高分子化合物(A−1)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は2500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.2。13C−NMRにより求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m=90/10。
Figure 2021096353
(A)−2:下記の化学式(A−2)で表される高分子化合物(ホモポリマー)。この高分子化合物(A−2)は、該高分子化合物を構成する構成単位を誘導するモノマー(ヒドロキシスチレン)をラジカル重合させることによって得た。この高分子化合物(A−2)について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は2500、分子量分散度(Mw/Mn)は1.2。
Figure 2021096353
(B)−1〜(B)−3:下記の化学式(B−1)〜(B−3)でそれぞれ表される化合物からなる酸発生剤。
Figure 2021096353
(C)−1:下記化学式(C−1)で表される化合物からなる架橋剤。
(D)−1:下記化学式(D−1)で表される化合物からなる含窒素有機化合物。
Figure 2021096353
(Z)−1:下記化学式(Z−1)で表される化合物。質量平均分子量(Mw)は268.36。
(Z)−2:下記化学式(Z−2)で表される化合物。質量平均分子量(Mw)は352.43。
(Z)−3:下記化学式(Z−3)で表される化合物。質量平均分子量(Mw)は246.31。
(Z)−11:下記化学式(Z−11)で表される化合物。質量平均分子量(Mw)は230.22。
(Z)−12:下記化学式(Z−12)で表される化合物。質量平均分子量(Mw)は278.22。
(Z)−13:下記化学式(Z−13)で表される化合物。質量平均分子量(Mw)は286.33。
(S)−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート。
Figure 2021096353
<レジストパターンの形成方法>
工程(i):
ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施したシリコン基板上に、各例のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、90℃で90秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚3μmのレジスト膜を形成した。
工程(ii):
次いで、前記レジスト膜に対し、i線ステッパー(縮小投影露光装置:NSR−2205i14E(ニコン社製;NA(開口数)=0.57,σ=0.67))により、高圧水銀灯(365nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。
次いで、110℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行った。
工程(iii):
次いで、現像液として2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(商品名、東京応化工業株式会社製)を用い、23℃で60秒間の条件によりアルカリ現像を行った。
その後、100℃で60秒間のベーク処理(ポストベーク)を行った。
その結果、スペース幅600nmの孤立ラインパターン(以下「ISパターン」という。)が形成された。
<アンダーカットの評価>
前記<レジストパターンの形成方法>で形成したISパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(製品名:S4500;日立製作所社製)で観察し、アンダーカット(基板上に形成されたレジストパターン底部のレジスト自体の切れ込み)(nm)について評価した。結果を表3及び4に示す。
<耐ウェットエッチング評価>
上述したレジストパターンの形成方法によってISパターンが形成された基板の一部を切り取り、23%バッファードフッ酸に12分間浸漬した。
浸漬後のISパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(製品名:S4500;日立製作所社製)で観察し、サイドエッチング(レジスト膜と基板界面における、エッチングにより生じた切れ込み)(μm)を評価した。結果を表3及び4に示す。
Figure 2021096353
Figure 2021096353
表3及び4に示す結果から、実施例1〜12のレジスト組成物を用いた形成したレジストパターンは、ドライエッチング耐性及びウェットエッチング耐性が良好であることが確認された。

Claims (4)

  1. 下記一般式(a10−1)で表される構成単位(a10)を有する高分子化合物(A1)と、
    下記一般式(b0−1)で表される酸発生剤(B0)と、
    架橋剤(C)と、
    分子内にフェノール性水酸基を1個又は2個有し、カルボキシ基を有さない芳香族化合物(Z)と、
    を含有するネガ型レジスト組成物。
    Figure 2021096353
    [式中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Yax1は、単結合又は2価の連結基である。Wax1は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。nax1は、1以上の整数である。]
    Figure 2021096353
    [式中、Rbは有機基である。Rbは、下記一般式(b0−r−1)又は下記一般式(b0−r−2)で表される基である。]
    Figure 2021096353
    [式(b0−r−1)中、Rb201及びRb202は、それぞれ独立に、有機基である。*は結合手を示す。式(b0−r−2)中、Xbは、−(O=)C−N−C(=O)−と共に環状イミド構造を有する環式基を形成する基である。*は結合手を示す。]
  2. 前記芳香族化合物(Z)が、下記一般式(z1−1)で表される化合物及び下記一般式(z2−1)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1に記載のネガ型レジスト組成物。
    Figure 2021096353
    [式(z1−1)中、V はヒドロキシ基及びカルボキシ基を有さない2価の連結基である。式(z2−1)中、Rzは、炭化水素基である。n1は1又は2である。n2は2〜5の整数である。ただし、n1+n2≦6である。]
  3. 前記芳香族化合物(Z)の含有量が、前記高分子化合物(A1)100質量部に対して、0.5〜30質量部である、請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
  4. 支持体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記露光後のレジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を有する、レジストパターン形成方法。
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