JP2021096171A - 塗布剤検査方法、塗布剤検査装置、塗布剤検査用プログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに自動車部品の製造方法 - Google Patents

塗布剤検査方法、塗布剤検査装置、塗布剤検査用プログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに自動車部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検査の対象物のセット位置のバラツキの影響を受けることなく、塗布剤の塗布位置を精度良く検査することを可能とする。【解決手段】接着剤の塗布位置の良否を判定するための方法であって、接着剤が塗布されたワーク表面2aおよびワーク2のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像20を取得し、撮像画像20に基づく基本画像データとして、塗布後接着剤画像部33を含む第1検査枠21と、ワーク縁端画像部34を含む第2検査枠22とを設定し、これらの検査枠を含む画像部分をX方向について所定の間隔で複数の分割画像データ23に分割し、各分割画像データ23について、接着剤位置41とエッジ位置42とを求め、これらの位置間のY方向の距離D1を測定し、測定した距離D1が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、ワーク2についての接着剤の塗布位置の良否を判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、所定の領域に塗布された接着剤等の塗布剤の塗布状態を検査するための塗布剤検査方法、塗布剤検査装置、塗布剤検査用プログラム、およびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに自動車部品の製造方法に関する。
例えば、自動車の製造過程において、自動車の車体を構成する部品の組付けに際し、所定の部品における所定の領域に接着剤を塗布する工程が行われる。このような接着剤の塗布工程においては、部品間の接合不良を予防すること等を目的として、接着剤の塗布状態を検査することが行われている。従来、接着剤の塗布状態の検査としては、塗布された接着剤をカメラにより撮像し、その撮像画像をモニタに表示することで作業者の目視による検査が行われているが、近年、作業者の負担軽減や検査の効率化等の観点から、接着剤の撮像画像に基づいて自動的に検査を行う自動検査が行われている。
接着剤の塗布状態の自動検査としては、例えば、ロボット等の移動手段に、接着剤の塗布装置と、接着剤の塗布箇所を撮像するカメラとを保持させた構成を用いるものがある。かかる構成によれば、例えば、接着剤が塗布される対象物であるワークに対し、ロボットが予めティーチングされた所定の経路に沿って移動しながら、塗布装置によってワークにおける所定の部位に接着剤が塗布され、塗布された接着剤がカメラにより撮像される。そして、カメラの撮像画像に基づいて、接着剤の塗布状態の検査、つまり塗布状態の良否の判定が行われる。
特許文献1には、ロボットによりワークに線状(帯状)に塗布された接着剤の塗布状態の良否を判定する検査において、塗布された接着剤を含む撮像画像に基づいて求められる複数の抽出位置の座標を用い、接着剤の塗布状態が適正なワーク(マスターワーク)についてのマスターデータと、検査対象のワークについての測定データとを比較することで、接着剤の塗布状態の良否を判定する技術が開示されている。また、特許文献1に開示された技術は、ワークに塗布された接着剤の塗布状態として接着剤の塗布幅および塗布位置を採用し、これらを検査項目としている。
特開2016−161528号公報
確かに、特許文献1に開示された技術によれば、接着剤の塗布状態の検査精度の向上等の効果が得られるものの、次のような問題がある。
特許文献1に開示された検査方法は、カメラによる撮像画像について、塗布された接着剤の部分を含む検査枠を設定し、この検査枠を複数の画像データに分割し、各画像データから複数の抽出位置の座標を求め、これらの座標についてマスターデータと測定データとの比較判定を行うものである。このような検査方法によれば、検査対象のワークのセット位置にバラツキがある場合、接着剤の塗布状態のうちの接着剤の塗布位置に関し、検査精度が低下することになる。
すなわち、マスターデータの取得時におけるマスターワークとカメラとの位置関係が、測定データの取得時つまり検査対象のワークの撮像時におけるワークとカメラとの位置関係として常に再現される場合は、接着剤の塗布位置に関して、検査の信頼性を確保することができる。しかしながら、検査対象のワークのセット位置にバラツキがある場合、ワークのセット位置の変化が測定データに反映されないため、マスターデータとの比較に基づく接着剤の塗布位置の検査結果については、信頼性が欠如することになる。
検査対象のワークに関しては、車種や車体における左右の違い等により、ワークのセット位置を一定とすることが困難となる場合がある。すなわち、検査技術の汎用性の向上の観点から、車種等によって異なるワークのセット位置のバラツキに対応して接着剤の塗布位置を精度良く検査できることが望ましい。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、検査の対象物のセット位置のバラツキの影響を受けることなく、塗布剤の塗布位置を精度良く検査することができる塗布剤検査方法、塗布剤検査装置、塗布剤検査用プログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに自動車部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る塗布剤検査方法は、対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定するための塗布剤検査方法であって、塗布剤が塗布された対象物の表面および対象物のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された対象物の表面を含む第1の基本画像データと、対象物のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定し、前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割し、各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する対象物のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求め、各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定し、測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、対象物についての塗布剤の塗布位置の良否を判定するものである。
また、本発明に係る塗布剤検査方法の他の態様は、前記塗布剤検査方法において、対象物は、塗布剤が塗布される対象物の表面をなす板状の本体板部と、該本体板部に対して屈曲状に形成され対象物のエッジ部をなすフランジ部とを有するものであり、対象物の表面側における前記本体板部と前記フランジ部との屈曲点の位置に対応する位置を、前記エッジ位置とするものである。
また、本発明に係る塗布剤検査方法の他の態様は、前記塗布剤検査方法において、前記エッジ位置を特定するために、前記撮像画像の各画素の色の濃淡を複数段階に分け、前記第2の方向について隣り合う画素間の濃淡の差が予め設定された所定の規定値より大きい位置を測定点として抽出する手法を用い、前記第1の方向について、前記濃淡の差が小さいことから前記測定点が抽出できない区間については、前記区間の前記第1の方向についての両外側の各前記分割画像データにおける前記測定点同士を直線で結ぶことで補間し、前記直線上の点を測定点とするものである。
本発明に係る塗布剤検査装置は、対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定するための塗布剤検査装置であって、塗布剤が塗布された対象物の表面および対象物のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像を取得するための撮像手段と、前記撮像手段により取得された前記撮像画像に基づき、対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された対象物の表面を含む第1の基本画像データと、対象物のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定し、前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割し、各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する対象物のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求め、各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定し、測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、対象物についての塗布剤の塗布位置の良否を判定するものである。
また、本発明に係る塗布剤検査装置の他の態様は、前記塗布剤検査装置において、対象物に塗布剤を塗布する塗布手段と、前記塗布手段と対象物とを相対的に移動させることで前記塗布手段により対象物に塗布剤を塗布させる移動手段と、をさらに備えたものである。
本発明に係る塗布剤検査用プログラムは、対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定するための塗布剤検査用プログラムであって、塗布剤が塗布された対象物の表面および対象物のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像の入力を受けるコンピュータに、取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された対象物の表面を含む第1の基本画像データと、対象物のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定する手順と、前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割する手順と、各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する対象物のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求める手順と、各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定する手順と、測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、対象物についての塗布剤の塗布位置の良否を判定する手順と、を実行させるものである。
また、本発明に係る上記の塗布剤検査用プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。
本発明に係る自動車部品の製造方法は、自動車部品を構成する板状部材に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定する自動車部品の製造方法であって、塗布剤が塗布された板状部材の表面および板状部材のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像を取得し、取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された板状部材の表面を含む第1の基本画像データと、板状部材のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定し、前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割し、各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する板状部材のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求め、各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定し、測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、板状部材についての塗布剤の塗布位置の良否を判定するものである。
本発明によれば、検査の対象物のセット位置のバラツキの影響を受けることなく、塗布剤の塗布位置を精度良く検査することができる。
本発明の一実施形態に係る接着剤検査装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る撮像画像についての説明図である。 本発明の一実施形態に係るワークと撮像画像との関係を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る撮像画像の撮像についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る分割画像データについての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤位置とエッジ位置についての説明図である。 本発明の一実施形態に係るフランジ外側縁端位置の抽出方法の一例についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤の塗布位置の良否判定についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤の塗布位置の良否判定についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤の塗布位置の良否判定についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤検査の検査手順の一例を示すフロー図である。 本発明の一実施形態に係るワーク縁端部位置の検出方向についての説明図である。 本発明の一実施形態に係るワーク縁端部位置の検出方向についての説明図である。 本発明の一実施形態に係るワーク縁端部位置の検出方向についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤検査における補間についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤検査による作用効果についての説明図である。 本発明の一実施形態に係る接着剤検査装置の他の構成例を示す図である。
本発明は、例えばロボット等により対象物に線状(帯状)に塗布された接着剤等の塗布剤の塗布状態として塗布剤の塗布位置の良否を判定する検査において、対象物の縁端が撮像範囲に含まれるように塗布剤を撮像した撮像画像に基づいて求められる塗布剤の位置と対象物の縁端の位置との間の距離を測定し、測定した距離に基づいて塗布剤の塗布位置の良否を判定するというものである。これにより、本発明は、検査の対象物のセット位置に関わらず、塗布剤の塗布位置の検査精度を向上させ、対象物についての汎用性の向上を図ろうとするものである。
以下に説明する本発明の実施の形態では、検査の対象物(以下「ワーク」とする。)に線状(帯状)に塗布される塗布剤として、ウレタン系接着剤等の接着剤(シーラー)を例にとって説明する。つまり、本発明の実施形態では、塗布位置が良否判定の対象となる塗布剤を接着剤として説明する。ただし、本発明に係る塗布剤としては、接着剤のほか、プライマ等の接着補助剤等、塗布面となるワークの表面に対して塗布後の線状(帯状)の形態が保持できる程度の粘性を有するものであればよい。以下、本発明の実施の形態を説明する。
[接着剤検査装置]
まず、本発明に係る接着剤検査方法を行うための接着剤検査装置について、図1を用いて説明する。本実施形態に係る接着剤検査装置1は、ワーク2に線状に塗布された接着剤(以下「塗布後接着剤」という。)3の塗布位置の良否を判定するための装置である。
ワーク2は、例えば、自動車の車体を構成する所定の金属部品等である。本実施形態において、ワーク2は、自動車部品であるドアを構成するドアアウタパネルである。ドアアウタパネルは、例えばアルミニウムを材料とした板状部材であり、ドアインナパネル等とともに自動車のドアを構成する。なお、ワーク2は、特に限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態に係る接着剤検査装置1は、撮像手段としてのカメラ4と、ワーク2に接着剤を塗布する塗布手段としての塗布装置5と、カメラ4および塗布装置5を移動させるロボット6と、コンピュータ7とを備える。また、接着剤検査装置1は、装置全体を制御する工程制御盤8と、ロボット6の動作等を制御するロボット制御盤9とを備える。
接着剤検査装置1は、治具やガイド等のワーク保持部によって所定のセット位置に所定の姿勢で固定された状態でセットされたワーク2に対して、ロボット6により塗布装置5およびカメラ4を所定の位置関係を保った状態で移動させ、接着剤の塗布面となるワーク2の表面(以下「ワーク表面」とする。)2aに塗布装置5によって接着剤を塗布する。そして、接着剤検査装置1は、ロボット6の動作によって接着剤を塗布しながら、カメラ4により塗布後接着剤3を撮像し、その撮像画像に基づいて塗布後接着剤3の塗布状態を検査する。なお、ワーク表面2aは、ドアアウタパネルにおいては実際の車両における意匠面側と反対側の面(裏面)となる。
カメラ4および塗布装置5は、それぞれロボット6の先端部に設けられた先端保持部6aにおいて所定の位置関係で固定保持され、ロボット6の動作による先端保持部6aの動きに従って移動する。カメラ4は、塗布装置5に対して、接着剤を塗布しながら移動する先端保持部6aの移動方向(接着剤の塗布方向)の後側に配置され、塗布装置5によりワーク表面2aに塗布された直後の塗布後接着剤3を撮像する。このように、本実施形態の接着剤検査装置1においては、ロボット追従式の画像撮像方式が採用されている。
本実施形態では、ロボット6の動作による先端保持部6aの所定の方向に沿った動きによる接着剤の塗布方向を、所定の方向に沿う直線方向(矢印A1参照)とする。つまり、本実施形態の接着剤検査装置1は、所定の方向に沿って直線状に塗布した塗布後接着剤3を検査対象とする。ただし、接着剤検査装置1による検査対象となる塗布後接着剤3の線状の形状としては、直線に限定されることなく、曲線または直線と曲線の組合せ等、種々の形状が含まれる。
また、接着剤検査装置1においては、例えば先端保持部6a等のロボット6における所定の位置に、カメラ4により撮像される塗布後接着剤3を照射する照明装置10が設けられている。照明装置10は、ロボット6の先端保持部6a対してブラケット等を介して所定の姿勢で支持されている。照明装置10は、例えばLEDを光源とするものである。なお、照明装置10による照明については、カメラ4による撮像画像について必要な照度が得られればよく、照明装置10を設ける場所は、特に限定されず、ロボット6以外の場所であってもよい。
カメラ4は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子を含んで構成されたものである。カメラ4としては、例えば、ギガビットイーサネット(登録商標)カメラ(GigEカメラ)等が用いられる。本実施形態では、カメラ4は、塗布後接着剤3を上方から撮像するようにブラケット等を介してロボット6に保持され、塗布後接着剤3の平面画像を撮像する。カメラ4は、LANケーブル等の接続ケーブル4aによりコンピュータ7に接続されている。
塗布装置5は、その先端部に、接着剤を送出するノズル5aを有する。塗布装置5には、接着剤供給装置(図示略)からパイプ等を介して接着剤が供給され、塗布装置5に供給された接着剤が、ノズル5aから送出されてワーク表面2aに塗布される。
ロボット6は、所定のセット位置にセットされたワーク2に対して塗布装置5を移動させることで塗布装置5によりワーク2に線状に接着剤を塗布させる移動手段として機能する。ロボット6は、ベース部6bと、ベース部6b上に設けられるアーム部6cとを有し、様々な位置および角度に姿勢制御されるフレキシブルなロボットアーム(多関節ロボット)として構成されている。アーム部6cの先端側に、上述のとおりカメラ4および塗布装置5を保持する先端保持部6aが設けられている。ロボット6は、その動作の可動範囲においてカメラ4および塗布装置5を三次元方向に移動させる。ロボット6は、ロボット制御盤9に接続されており、ロボット制御盤9からの制御信号を受けて動作する。
ロボット制御盤9は、ティーチングにより設定された所定の動作をロボット6に行わせる。ロボット6の動作により、ワーク表面2aの接着剤塗布領域上の所定の経路に沿って塗布装置5が移動する。また、ロボット6のティーチングにおいては、塗布装置5からの接着剤の送出動作や、カメラ4による撮像のタイミング・撮像回数等の撮像動作が設定される。すなわち、ロボット制御盤9により、あらかじめ設定されたティーチングにより、ロボット6、塗布装置5、およびカメラ4の動作が制御され、ロボット6の動作にともなって塗布装置5により所定の部位に接着剤が直線状に塗布され、その動作の中で所定のタイミングでカメラ4にシャッター信号が入力されてカメラ4による撮像が行われる。
コンピュータ7は、演算制御部11と、入力部12と、表示部13とを備える。演算制御部11は、本実施形態に係る接着剤の塗布状態の検査のための一連の処理等を実行する。演算制御部11は、プログラム等を格納する格納部、プログラム等を展開する展開部、プログラム等に従って所定の演算を行う演算部、演算部による演算結果等を保管する保管部等を有する。
演算制御部11としては、具体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続された構成や、ワンチップのLSI等からなる構成が用いられる。演算制御部11としては、専用品のほか、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等が格納されたものが用いられる。
入力部12は、演算制御部11に接続され、演算制御部11に、接着剤の検査処理に係る種々の情報・指示等を入力する。入力部12としては、例えば、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等が用いられる。
表示部13は、演算制御部11に接続され、接着剤の検査処理の動作状況、入力部12から演算制御部11への入力内容、接着剤の検査処理による処理結果等を表示する。表示部13としては、例えば、液晶ディスプレイ等が用いられる。
コンピュータ7は、演算制御部11において、カメラ4により撮像された撮像画像の入力を受ける。本実施形態の接着剤検査装置1において、コンピュータ7の演算制御部11が、カメラ4により取得された撮像画像に基づき、ワーク2に塗布された接着剤の塗布位置を含む塗布状態の良否を判定する判定手段として機能する。したがって、演算制御部11において格納部に格納されるプログラム等には、本実施形態に係る接着剤の検査処理を行うためのプログラム、つまりワーク2に塗布された接着剤の塗布位置の良否を判定するための接着剤検査用プログラムが含まれる。
演算制御部11におけるプログラム等の格納部分としては、例えばRAM等のコンピュータ7に内蔵される記憶デバイスのほか、CD(Compact Disk)、FD(Flexible Disk )、MO(Magneto−Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、HD(Hard Disk)等の記憶デバイスが適宜用いられる。
工程制御盤8は、接着剤検査装置1における全体的な制御を行う。工程制御盤8は、LANケーブル等の接続ケーブルによりコンピュータ7およびロボット制御盤9と接続され、それぞれとの間で指令信号や通知信号等の制御信号の送受を行う。
以上のような構成を備える接着剤検査装置1により、本実施形態の接着剤検査、つまり塗布後接着剤3の塗布位置についての良否の判定が行われる。以下、本実施形態の接着剤検査について説明する。
[接着剤検査方法]
本実施形態に係る接着剤検査方法(以下「本検査方法」という。)は、ワーク2に塗布された接着剤(塗布後接着剤3)の塗布位置の良否を判定するためのものであり、その検査項目を、塗布後接着剤3の塗布位置とする。つまり、本検査方法は、塗布後接着剤3が、ワーク表面2aにおいて、決められた場所に塗布されているか否かを検査するものである。
ここで、本検査方法の説明に際し、ワーク2としてのドアアウタパネルについて説明する。図1から図3に示すように、ドアアウタパネルであるワーク2は、接着剤が塗布されるワーク表面2aをなす板状の本体板部2bと、本体板部2bに対して屈曲状に形成されワーク2のエッジ部(以下「ワークエッジ部」とする。)2cをなすフランジ部2dとを有する。フランジ部2dは、金属板であるワーク2の縁部が本体板部2bに対して屈曲されることで形成された幅狭状の部分である。フランジ部2dは、内側の壁面である内側面2eと、外側の壁面である外側面2fと、上側の端面である上面2gとを有する。
ワーク2としてのドアアウタパネルは、ドアインナパネルと縁部同士を接合させ、ドアの縁部をなすパネル接合部を形成する。パネル接合部においては、例えばヘミング加工等が用いられ、ドアアウタパネルの縁部が本体板部2bに対するフランジ部2dとして折り返され、本体板部2bとフランジ部2dとにより、ドアインナパネルの縁端部が挟持された状態で、パネル同士が接合される。
本検査方法に係るワーク2は、ドアインナパネルと接合される前の状態のドアアウタパネルであり、かかる状態において、フランジ部2dは、本体板部2bに対して直角状の屈曲面部となっている。つまり、本体板部2bとフランジ部2dとがなす角(ワーク表面2aと内側面2eとがなす角)の角度α1は、90°ないし略90°となっている。
図2に示すように、本検査方法においては、カメラ4により取得された撮像画像20は、接着剤が塗布されたワーク表面2aおよびワークエッジ部2cを含む所定の塗布領域を撮像したものであり、撮像の対象としてワーク表面2aに塗布された塗布後接着剤3と、塗布後接着剤3の周囲のワーク表面2aと、ワークエッジ部2cとを含む。つまり、撮像画像20には、塗布後接着剤3の画像部分である塗布後接着剤画像部33と、その周囲のワーク表面2aの画像部分であるワーク表面画像部32と、ワークエッジ部2cの画像部分であるワーク縁端画像部34とが存在する。ワーク縁端画像部34をなす部分として、フランジ部2dの画像部分であるフランジ画像部34aが存在する。また、撮像画像20には、ワーク2に対するワークエッジ部2cからの外側の部分である背景画像部35が存在する。
撮像画像20は、ワーク2がカメラ4によりワーク表面2aに対して略垂直な方向から撮像される。また、撮像画像20は、塗布された接着剤の線の方向が画像における第1の方向に沿うように撮像される。本実施形態での検査部分においては、接着剤はワーク表面2a上に直線状に塗布されているものとし、その直線の方向が撮像画像20におけるX方向(図2における左右方向)に沿うように、撮像画像20が撮像される。したがって、撮像画像20において、第1の方向に直交する第2の方向が、Y方向(図2における上下方向)となる。このように、本実施形態では、カメラ4が、撮像画像20を取得するための撮像手段として機能する。
ワーク表面2aにおいて、接着剤は、基本的には、ワーク2の外形に沿うように、つまりワークエッジ部2cに対してこれと平行状となるように塗布される。したがって、ワークエッジ部2cが直線に沿う形状をなす部分においては、塗布後接着剤3は直線状となり、ワークエッジ部2cが曲線に沿う形状をなす部分においては、その曲線形状に対応して塗布後接着剤3は曲線状となる。なお、ワークエッジ部2cが曲線である場合、例えば、塗布後接着剤3が沿う第1の方向は、その曲線に対する接線の方向となり、その接線の方向に直交する方向が、第2の方向となる。
塗布後接着剤3の塗布位置は、撮像画像20における塗布後接着剤画像部33の位置として検査される。撮像画像20における塗布後接着剤画像部33の位置は、撮像画像20におけるX方向の位置であるX座標(符号Xa参照)とY方向の位置であるY座標(符号Ya参照)とに基づいて検査される。
撮像画像20における座標は、撮像画像20の所定の基準位置O1を原点、つまり(X,Y)=(0,0)の位置として規定される。本実施形態では、図4に示すように、撮像画像20の基準位置O1は、撮像画像20の左上の隅の位置に設定され、基準位置O1から右方向をX方向の正の方向、基準位置O1から下方向をY方向の正の方向として、撮像画像20における座標が規定される。
本検査方法においては、撮像画像20において、接着剤が塗布されたワーク表面2aを含む第1検査枠21と、ワークエッジ部2cを含む第2検査枠22との2つの検査枠が設定される。第1検査枠21内には、塗布後接着剤画像部33とワーク表面画像部32とが含まれる。第2検査枠22内には、ワーク表面画像部32とワーク縁端画像部34と背景画像部35とが含まれる。なお、図示においては、第1検査枠21および第2検査枠22は破線で示している。
第1検査枠21および第2検査枠22の各検査枠は、撮像画像20において、塗布後接着剤画像部33の直線の方向を長手方向とする矩形状の領域を規定する。つまり、各検査枠は、その矩形状の長手方向を塗布後接着剤画像部33の塗布方向に沿わせ、第1検査枠21は、塗布後接着剤画像部33およびワーク表面画像部32を含むように設定され、第2検査枠22は、ワーク表面画像部32、ワーク縁端画像部34および背景画像部35を含むように設定される。したがって、各検査枠の矩形状の枠形状は、撮像画像20のX方向およびY方向に沿うことになる。
撮像画像20のうち、第1検査枠21および第2検査枠22として規定された枠内の画像部分が用いられ、接着剤の塗布位置の検査が行われる。本実施形態において、第1検査枠21および第2検査枠22として規定された画像データが、それぞれ撮像画像20に基づく基本画像データとなり、第1検査枠21が第1の基本画像データであり、第2検査枠22が第2の基本画像データである。
本実施形態では、第1検査枠21および第2検査枠22は、Y方向について所定の間隔を隔てた位置に設定されている。ただし、第1検査枠21および第2検査枠22は、Y方向について連続する領域として設定されてもよく、互いに一部を重複させるように設定されてもよい。
本検査方法においては、撮像画像20は、カメラ4により、塗布後接着剤3の直線の方向に沿って撮像領域の一部が隣り合う画像同士で重複するように所定の時間間隔で連続的に撮像される。つまり、図4に示すように、ワーク表面2a上の塗布後接着剤3およびワークエッジ部2cについて、撮像画像20の撮像範囲を表す視野角20Aが、塗布後接着剤3の直線の方向に沿って隣り合う視野角20Aの端部同士が重複するように設定され、撮像画像20の連続的な撮像が行われる。
本実施形態では、上述したように撮像画像20において第1検査枠21および第2検査枠22が設定され、各検査枠内の画像部分についての画像データが基本画像データとなる。このため、上述のような撮像画像20の連続的な撮像においては、隣り合う撮像画像20において、第1検査枠21および第2検査枠22の各検査枠の領域を表す第1検査枠範囲21A、第2検査枠範囲22Aの長手方向の端部同士が重なるように、カメラ4による撮像が行われる。なお、図4においては、便宜上、隣り合う視野角20A並びに第1検査枠範囲21Aおよび第2検査枠範囲22Aを実線と破線で交互に表している。
すなわち、本検査方法において、撮像画像20は、隣り合う撮像画像20の各検査枠同士の画像領域の一部が重複するように、塗布後接着剤3の線の方向に沿って複数連続的に撮像される。したがって、接着剤検査装置1において、カメラ4は、ロボット6によるワーク2に対する相対移動により、隣り合う検査枠同士の画像領域の一部が重複するように、撮像画像20を塗布後接着剤3の線の方向(接着剤の塗布方向)に沿って複数連続的に撮像する。
これにより、塗布後接着剤3およびワークエッジ部2cがカメラ4による撮像範囲として漏れなくカバーされる。本検査方法において、所定の長さの塗布後接着剤3に対し、ロボット6の動作による塗布装置5の移動速度が所定の速度に設定され、カメラ4によって1秒間に複数枚(例えば4枚)の撮像画像20が連続的に撮像される。このようなカメラ4による撮像画像20の連続的な撮像において、1枚の撮像画像20の撮像領域の大きさや撮像の時間間隔等により、隣り合う検査枠(第1検査枠21、第2検査枠22)の画像領域の一部が重複するような撮像が行われる。
本検査方法においては、第1検査枠21および第2検査枠22について、複数の分割画像データ23が設定される。分割画像データ23は、図5に示すように、第1検査枠21および第2検査枠22を含む画像部分を撮像画像20におけるX方向について所定の間隔で複数の画像部分に分割したものである。分割画像データ23は、撮像画像20において、Y方向を長手方向とする短冊状の画像部分であり、Y方向について第1検査枠21および第2検査枠22の全体を含むように設定される。
図5に示すように、本実施形態では、第1検査枠21および第2検査枠22を含む画像部分を、X方向について19個の分割画像データ23に等分割した例を示す。ただし、第1検査枠21および第2検査枠22について設定される分割画像データ23の個数、つまり第1検査枠21および第2検査枠22の分割数は、必要とされる検査精度等に応じて任意に変更可能である。
なお、分割画像データは、第1検査枠21および第2検査枠22のそれぞれについてX方向の位置(X座標)を共通とするように設定されてもよい。この場合、X方向の位置が同じ分割画像データ同士が、第1検査枠21および第2検査枠22間において対応する分割画像データとなる。
本検査方法では、各分割画像データ23について、第1検査枠21内に存在する塗布剤位置としての接着剤位置41と、第2検査枠22内に存在するエッジ位置42とが求められる。接着剤位置41は、第1検査枠21内に存在する塗布後接着剤画像部33のY方向についての抽出位置である。エッジ位置42は、第2検査枠22内に存在するワーク縁端画像部34のY方向についての抽出位置である。以下、接着剤位置41およびエッジ位置42について説明する。
まず、接着剤位置41について説明する。本実施形態では、接着剤位置41は、各分割画像データ23の塗布後接着剤画像部33におけるX方向およびY方向の中心位置として求められる。具体的には次のとおりである。
まず、分割画像データ23における第1検査枠21の領域部分である第1検査枠領域部21Bについて、塗布後接着剤画像部33とこの塗布後接着剤画像部33のY方向の両側のワーク表面画像部32との境界位置が求められる。すなわち、第1検査枠領域部21Bにおいて、Y方向についての一側(図5における上側)の境界位置である第1境界位置P1と、Y方向についての他側(図5における下側)の境界位置である第2境界位置P2との2つの境界位置の座標が求められる。
図6に示すように、各分割画像データ23の第1検査枠領域部21Bにおいて、X方向についての中心位置における第1境界位置P1および第2境界位置P2が求められる。すなわち、分割画像データ23のX方向についての中心位置を通るY方向の中心線C1が規定され、この中心線C1上におけるY方向両側における境界位置が、第1境界位置P1および第2境界位置P2として求められる。
分割画像データ23の第1検査枠領域部21Bおいて、第1境界位置P1は、塗布後接着剤画像部33とその一側に位置するワーク表面画像部32Aとの境界に存在し、第2境界位置P2は、塗布後接着剤画像部33とその他側に位置するワーク表面画像部32Bとの境界に存在する。
第1境界位置P1および第2境界位置P2を求めるに際しては、例えば、2値化や微分フィルタリング等の公知の画像処理の手法が用いられる。エッジの検出精度が比較的高いことや、乱反射、ハレーション等の外乱の影響を抑える観点からは、2値化よりも微分フィルタリングが好適に採用される。
そして、中心線C1上における第1境界位置P1と第2境界位置P2との間の中心の位置が、接着剤位置41として求められる。接着剤位置41は、第1境界位置P1および第2境界位置P2それぞれのY座標の値から、これらの境界位置のY方向についての中心位置として算出される。なお、各分割画像データ23における接着剤位置41の算出において、X方向の位置については、中心線C1上の位置に限定されるものではなく、他の位置であってもよい。
以上のようにして求められる接着剤位置41の座標が、図5に示すような19個全ての分割画像データ23について求められる。本実施形態の接着剤検査装置1において、算出された各分割画像データ23の接着剤位置41についての情報は、コンピュータ7の演算制御部11における格納部等において記憶される。
次に、エッジ位置42について説明する。本実施形態では、各分割画像データ23のワーク縁端画像部34において、ワーク表面2a側における本体板部2bとフランジ部2dとの屈曲点2hの位置に対応する位置が、エッジ位置42とされる。つまり、エッジ位置42は、各分割画像データ23において屈曲点2hの位置として求められる。
エッジ位置42は、接着剤位置41の基準となるポイントであり、かかるポイントは、立ちフランジの内側の根元Rの終わりの点である屈曲点2hとなる。屈曲点2hは、フランジ部2dが直角状の屈曲部分であるワーク2において、例えば、Y方向について内側面2eと同じ位置にある点となる。エッジ位置42は具体的には次のようにして求められる。
まず、図6に示すように、分割画像データ23における第2検査枠22の領域部分である第2検査枠領域部22Bについて、背景画像部35とワーク縁端画像部34(フランジ画像部34a)との境界位置となるフランジ外側縁端位置Q1の座標が求められる。すなわち、第2検査枠領域部22Bにおいて、ワーク2の画像部分と背景画像部35との境界位置は、ワーク2の外側の縁端の位置となり、このワーク2の外側の縁端の位置が、フランジ外側縁端位置Q1として求められる。フランジ外側縁端位置Q1は、フランジ部2dの上外側の稜線上の位置に対応する。
図6に示すように、各分割画像データ23の第2検査枠領域部22Bにおいて、X方向についての中心位置におけるフランジ外側縁端位置Q1が求められる。すなわち、第1境界位置P1等と同様に、中心線C1上における、ワーク2の画像部分と背景画像部35との境界位置が、フランジ外側縁端位置Q1として求められる。
中心線C1上においてフランジ外側縁端位置Q1を求めるに際しては、次のような手法が用いられる。すなわち、撮像画像20の各画素の色の濃淡を複数段階に分け、Y方向について隣り合う画素間の濃淡の差が予め設定された所定の規定値より大きい位置を測定点として抽出する手法である。
図7は、撮像画像20の背景画像部35とワーク縁端画像部34との境界を含む画像部分V1について、黒側の0から白側の255まで256段階に分けた各画素の色の濃淡を縦軸とし、検出方向であるY方向を横軸としたグラフV2を示したものである。横軸は、中心線C1上の画素に対応する。なお、画像部分V1としては、分割画像データ23が用いられてもよい。
グラフV2において、Y方向について隣り合う画素間の濃淡の差ΔWが予め設定された所定の規定値ΔWaより大きい位置X1が、測定点としてのフランジ外側縁端位置Q1となる。すなわち、Y方向について、画素位置としての位置X1の明暗の値W1と、位置X1の隣りの画素位置である位置X2の明暗の値W2との差がΔWであり、この場合、位置X1が、フランジ外側縁端位置Q1として抽出される。
ここで、位置X1の検出方向は、Y方向の正の方向(図7、矢印T1参照)、つまり図6における下向きの方向となる。この検出方向は、相対的に黒い(暗い)画像部分である背景画像部35側から、相対的に白い(明るい)画像部分であるワーク表面画像部32側に向かう方向である。かかる方向がフランジ外側縁端位置Q1の検出方向として採用されることは、図7に示す撮像画像20の例においては、ワーク2の外側の部分である背景画像部35が、略全体を黒一色として比較的外乱が少ない部分であることから、外から内に向かう方向(図7、矢印T1参照)の方が、エッジの白を検出しやすいことに基づく。
すなわち、Y方向に沿う方向であるフランジ外側縁端位置Q1の検出方向は、撮像画像20におけるワーク2の外側と内側の画像部分についての相対的な外乱の大小あるいは外乱の有無に基づき、比較的外乱が少ない方から、比較的外乱が多い方へと向かうように設定される。したがって、図7に示す例とは反対に、相対的に黒い画像部分である背景画像部35に対して白い画像部分となるワーク2の内側の画像部分の方が外乱の少ない部分である場合、フランジ外側縁端位置Q1の検出方向は、内から外に向かう方向(矢印T1と反対方向)となり、この場合、エッジの黒が検出しやすくなる。
ここで、画像における外乱とは、周囲の部分に対して局所的に明度を大きく異ならせる部分であり、明暗のバラツキを生じさせる画像部分である。背景画像部35等の相対的に黒い画像部分における外乱は、例えば、ワーク2を固定する治具やガイド等が写り込むことで生じる。つまり、撮像画像20に写り込んだ治具やガイド等の画像部分が、全体的に黒い背景画像部35において比較的白い部分となり、これが外乱となる。また、ワーク2の画像部分等の相対的に白い画像部分における外乱は、例えば、本体板部2bに対するフランジ部2dの屈曲角度が直角から離れること(外倒れ・内倒れ)や、本体板部2bの段差・凹凸等による陰影や、フランジ部2dに対する加工によって加工面が鏡面状態となること等によって生じる。つまり、フランジ部2dが外倒れまたは内倒れすることで画像に表れた内側面2eまたは外側面2fに生じた影の部分や、本体板部2bの段差・凹凸等による影の部分が、全体的に白いワーク2の画像部分において比較的黒い部分となり、これが外乱となる。
以上のように、本検査方法では、エッジ位置42を特定する過程において、撮像画像20の各画素の色の濃淡に基づいてフランジ外側縁端位置Q1を抽出する手法が用いられている。このようにして抽出されたフランジ外側縁端位置Q1は、Y方向についてワーク2の最外側の縁端の位置となる。一方、エッジ位置42としては、上述のとおりフランジ部2dの屈曲点2hの位置に対応する位置が抽出される。したがって、フランジ外側縁端位置Q1のY方向の位置について、フランジ部2dの板厚分の補正が行われる。
具体的には、図3および図6に示すように、フランジ外側縁端位置Q1のY方向の位置が、フランジ部2dの板厚に相当する距離ΔUの量だけ補正される。すなわち、フランジ外側縁端位置Q1のY座標に対して、距離ΔU分の座標値ΔYが加算される。したがって、例えば、フランジ外側縁端位置Q1の座標が(X,Y)である場合、エッジ位置42の座標は、(X,Y+ΔY)となる。ここで、中心線C1に対応するX座標をXとしている。このようにして、中心線C1上においてエッジ位置42の位置が特定される。なお、各分割画像データ23におけるエッジ位置42の算出において、X方向の位置については、中心線C1上の位置に限定されるものではなく、他の位置であってもよい。また、距離ΔUの値は、ワーク2について事前に取得され設定される。
以上のようにして求められるエッジ位置42の座標が、図5に示すような19個全ての分割画像データ23について求められる。本実施形態の接着剤検査装置1において、算出された各分割画像データ23のエッジ位置42についての情報は、コンピュータ7の演算制御部11における格納部等において記憶される。
なお、エッジ位置42については、撮像画像20における外乱の状態等により、フランジ外側縁端位置Q1を求める手順を経ることなく、撮像画像20の各画素の色の濃淡に基づいて直接的にエッジ位置42を抽出してもよい。この場合、上述したようなフランジ部2dの板厚分の補正処理において補正値(距離ΔU)を0とすることで対応できる。あるいは補正処理自体を不要とすることもできる。
以上のようにして各分割画像データ23について求められた接着剤位置41およびエッジ位置42が用いられ、接着剤の塗布位置の良否が判定される。本検査方法は、各分割画像データ23について、接着剤位置41とエッジ位置42とのY方向の距離D1を測定し、測定した距離D1が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、ワーク2についての接着剤の塗布位置の良否を判定する。
したがって、まず、接着剤位置41とエッジ位置42との間の距離D1が、各位置のY座標に基づいて計測される。そして、接着剤位置41とエッジ位置42との間の距離D1については、例えば、所定の値を基準値として許容誤差範囲が設定される。基準値をDoとし、許容誤差をδaとした場合、距離D1の許容誤差範囲として、Do±δaが設定される。この場合、距離D1の値が、(Do−δa)〜(Do+δa)の範囲内にあるか否かにより、接着剤の塗布位置の良否が判定される。
具体的には、例えば、距離D1の基準値Doに対応する実寸法が10mmであり、許容誤差δaに対応する実寸法が2mmの場合、距離D1に対応する実寸法の許容誤差範囲は、8〜12mmとなる。つまり、この場合、測定された距離D1の値に対応する実寸法が8〜12mmの範囲内であるか否かにより、接着剤の塗布位置の良否が判定される。
このような許容誤差範囲に基づく距離D1の比較判定においては、塗布後接着剤3が存在するワーク2における実際の寸法(実寸法)と、撮像画像20についての測定距離との関係があらかじめ調整されて設定される。ここで、撮像画像20についての測定距離としては、例えば上述のとおり基準位置O1を基準とする座標値が用いられる。
以上のような距離D1についての許容誤差範囲に基づく比較判定が、19個の各分割画像データ23について行われる。そして、距離D1が許容誤差範囲内にある場合は、その分割画像データ23についてはOK判定となり、距離D1が許容誤差範囲内にない場合は、その分割画像データ23についてはNG判定となる。
図8(a)に、OK判定となる場合の分割画像データ23の例を示す。すなわち、図8(a)に示す例において、撮像画像20上における接着剤位置41とエッジ位置42との間の距離D1の値は、許容誤差範囲内の値となっている。したがって、図8(a)に示す例では、(Do−δa)≦D1≦(Do+δa)の関係が成り立つ。図8(b)は、図8(a)に示す場合に対応するワーク2の断面視における接着剤位置41とエッジ位置42の位置関係を示す図である。
図9(a)に、NG判定となる場合の分割画像データ23の例を示す。図9(a)に示す例において、撮像画像20上における接着剤位置41とエッジ位置42との間の距離D1の値は、許容誤差範囲外の値となっている。図9(a)に示す例では、D1≦(Do−δa)の関係が成り立つ。つまり、図9(a)に示す例は、接着剤の塗布位置が、ワーク2の外側(フランジ部2d側)に寄り過ぎた場合の例である。図9(b)は、図9(a)に示す場合に対応するワーク2の断面視における接着剤位置41とエッジ位置42の位置関係を示す図である。
図10(a)に、NG判定となる場合の分割画像データ23の他の例を示す。図10(a)に示す例において、撮像画像20上における接着剤位置41とエッジ位置42との間の距離D1の値は、許容誤差範囲外の値となっている。図10(a)に示す例では、(Do+δa)≦D1の関係が成り立つ。つまり、図10(a)に示す例は、接着剤の塗布位置が、ワーク2の内側(フランジ部2d側と反対側)に寄り過ぎた場合の例である。図10(b)は、図10(a)に示す場合に対応するワーク2の断面視における接着剤位置41とエッジ位置42の位置関係を示す図である。
以上のような距離D1についての許容誤差範囲に基づくOK/NG判定が、接着剤の塗布位置の良否判定として、各分割画像データ23について行われる。
本検査方法における接着剤の塗布位置の良否判定においては、19個の分割画像データ23に関し、許容されるNG判定の数(以下「許容NG判定数」という。)があらかじめ設定される。すなわち、一組の第1検査枠21および第2検査枠22(以下「検査枠組」という。)から得られる19個の分割画像データ23のうち、NG判定の数が、許容NG判定数以下の場合、その検査枠組はOK判定となり、NG判定の数が許容NG判定数を上回った場合、その検査枠組はNG判定となる。
そして、上述のとおり塗布後接着剤3について複数枚(例えば4枚)取得される撮像画像20の検査枠組の全てがOK判定の場合、その塗布後接着剤3を持つワーク2は良品となる。一方、塗布後接着剤3について複数枚取得される撮像画像20の検査枠組のうちの1つでもNG判定の場合、その塗布後接着剤3を持つワーク2は不良品となる。許容NG判定数を可変とすることで、ロバスト性の高い判定を行うことが可能となる。ただし、検査枠組についてのOK/NG判定については、許容NG判定数を設定することなく、19個の分割画像データ23の全てがOK判定である場合のみOK判定とし、19個の分割画像データ23の中に1つでもNG判定があればNG判定としてもよい。
また、本検査方法においては、19個の分割画像データ23のうち、所定の部位に対応する所定の分割画像データ23を、特別分割画像データ23Xとして設定し、その特別分割画像データ23XのOK/NG判定結果を、許容NG判定数に優先して適用してもよい。図5に示す例では、2番目の分割画像データ23が特別分割画像データ23Xとして設定されている。
そして、距離D1についての許容誤差範囲に基づくOK/NG判定について特別分割画像データ23XがNG判定であれば、許容NG判定数にかかわらず、その検査枠組がNG判定とされる。各検査枠組について設定される特別分割画像データ23Xの数や位置(ポイント)は、特に限定されない。このように特別分割画像データ23Xを用いた判定は、例えば、塗布後接着剤3の塗布位置に関して接着剤のはみ出しを検出するために用いられる。
本検査方法の検査手順の一例について、図11に示すフロー図を用いて説明する。以下に説明する検査手順は、演算制御部11により、演算制御部11に格納された接着剤検査用プログラムに基づいて実行されるものである。このプログラムは、接着剤が塗布されたワーク表面2aおよびワークエッジ部2cを含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像20の入力を受けるコンピュータ7の演算制御部11に、以下に説明する各手順を実行させるためのプログラムである。なお、本検査方法を行うに際しては、事前処理として、カメラ4についての各種設定や、撮像画像20についてのキャリブレーション等が行われる。
図10に示すように、本検査方法では、まず、ワーク2についての撮像画像20の取得が行われる(S10)。すなわち、ロボット6の動作によって塗布装置5によりワーク表面2aに塗布された接着剤およびワークエッジ部2cが、カメラ4により撮像され、その撮像画像20がコンピュータ7における演算制御部11に取り込まれる。
次に、検査枠組の設定が行われる(S20)。このステップでは、取得した撮像画像20について、第1検査枠21および第2検査枠22が設定される(図2参照)。このステップS20が、取得した撮像画像20に基づく基本画像データとして、第1検査枠21と第2検査枠22とを設定する手順に相当する。
次に、撮像画像20について、第1検査枠21および第2検査枠22内の画像部分を含む画像部分を複数の分割画像データ23に分割することが行われる(S30)。このステップでは、撮像画像20において設定された第1検査枠21および第2検査枠22が、X方向について複数(本実施形態では19個)の分割画像データ23に分割される(図5参照)。このステップS30が、第1検査枠21および第2検査枠22を含む画像部分をX方向について所定の間隔で複数の分割画像データ23に分割する手順に相当する。
次に、各分割画像データ23について、接着剤位置41およびエッジ位置42が求められる。本実施形態では、先に接着剤位置41が検出され(S40)、次にエッジ位置42が検出される(S50)。
ステップS40では、上述したように、分割画像データ23において、2値化や微分フィルタリング等によって中心線C1上の第1境界位置P1および第2境界位置P2が求められ、これらの位置の中心の位置が接着剤位置41として算出される(図6参照)。ステップS50では、上述したように、分割画像データ23において、中心線C1上のフランジ外側縁端位置Q1が求められ、フランジ外側縁端位置Q1のY方向の位置について、フランジ部2dの板厚分の補正が行われることで、エッジ位置42が算出される(図6参照)。
以上のように、ステップS40およびステップS50が、各分割画像データ23について、第1検査枠21に存在する接着剤位置41と、第2検査枠22に存在するエッジ位置42とを求める手順に相当する。なお、接着剤位置41を求めるステップとエッジ位置42を求めるステップの順番は特に限定されず、エッジ位置42を求めるステップが先に行われてもよく、また、これらのステップは同時的に行われてもよい。
次に、接着剤位置41とエッジ位置42との間のY方向の距離が測定される(S60)。このステップでは、上述したように、接着剤位置41とエッジ位置42との間の距離D1が、各位置のY座標に基づいて計測される。このステップS60が、各分割画像データ23について、接着剤位置41とエッジ位置42とのY方向の距離D1を測定する手順に相当する。
そして、許容誤差範囲に基づく距離D1の比較判定が行われ、接着剤の塗布位置の良否判定が行われる(S70)。この良否判定においては、上述したように、距離D1について設定された許容誤差範囲(Do±δa)が用いられ、各分割画像データ23についてのOK/NG判定が行われる。このステップS70が、測定した距離D1が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、ワーク2についての接着剤の塗布位置の良否を判定する手順に相当する。
その後、分割画像データ23のOK/NG判定の判定結果に基づく検査枠組についてのOK/NG判定が行われ、その判定結果に基づいて、ワーク2の良否判定が行われる。ここで、検査枠組についてのOK/NG判定において、上述したように許容NG判定数の設定の有無は限定されない。
以上のような検査手順により、ワーク2の撮像画像20に基づく接着剤の塗布位置の良否判定が行われる。なお、ワーク2についてNG判定が出た場合、例えば、異常であることを警報音やランプの点灯等により作業者に報知させ、接着剤検査装置1の動作を停止させる制御が行われる。そして、ワーク2において接着剤の塗布位置がNGの部分について作業者による手直しが行われる。
上記のような各手順を演算制御部11に実行させるための接着剤検査用プログラムについては、FDやCD−ROMやDVD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。
本検査方法においては、ワーク2のフランジ部2dの本体板部2bに対する屈曲角度(図3、角度α1参照、以下「フランジ角度α1」という。)が直角ないし略直角(以下単に「直角」という。)である場合を例にとって説明した。また、上述したように、フランジ外側縁端位置Q1またはエッジ位置42(以下「ワーク縁端部位置」という。)は、撮像画像20の各画素の色の濃淡に基づいて抽出される。ワーク縁端部位置の検出方向は、撮像画像20におけるワーク2の外側と内側の画像部分についての相対的な外乱の大小に基づき、比較的外乱が少ない方から多い方へと向かうように設定される。そして、本検査方法では、ワーク縁端部位置の検出方向として、ワーク2の外から内に向かう方向(図7、矢印T1参照)が用いられている。
一方、撮像画像20におけるワーク2の外側と内側の画像部分についての相対的な外乱の大小は、フランジ角度α1の大きさとの関係で、所定の傾向性を持って変化する場合がある。つまり、フランジ角度α1の大きさの範囲により、撮像画像20におけるワーク2内外の外乱の大小関係が所定のパターンで変化し、それに応じてワーク縁端部位置の検出方向が設定される。
そこで、フランジ角度α1が直角である場合を第1パターンとし、これに対してフランジ角度α1が鈍角である場合を第2パターン、フランジ角度α1が鋭角である場合を第3パターンとして、各パターンにおけるワーク縁端部位置の検出方向について説明する。
フランジ角度α1が直角である第1パターンについて、図12を用いて説明する。図12(a)は、第1パターンにおける撮像画像20の一例を示している。図12(a)に示す例では、ワーク2の画像部分について段差部による影部36が存在しており、ワーク2の外側の部分である背景画像部35が、略全体を黒一色として比較的外乱が少ない部分となっている。
このため、画素の色の濃淡に基づいてワーク縁端部位置を抽出する手法においては、ワーク2の内から外に向かう方向(図12(a)における左方向)に対して、ワーク2の外から内に向かう方向(図12(a)における右方向)の方が、エッジの白が検出されやすい。したがって、第1パターンにおいては、図12(a)、(b)に示すように、ワーク縁端部位置として、フランジ外側縁端位置Q1が抽出され、フランジ外側縁端位置Q1の検出方向として、ワーク2の外から内に向かう方向(矢印K1参照)が採用される。
第2パターンについて、図13を用いて説明する。第2パターンにおいては、図13(b)に示すように、フランジ角度α1が鈍角であり、フランジ部2dが外倒れの状態となっている。
図13(a)は、第2パターンにおける撮像画像20の一例を示している。図13(a)に示す例では、ワーク2の外側の部分である背景画像部35において、ワーク2を固定する治具が写り込んだ画像部分である治具画像部37が存在しており、治具画像部37は、撮像画像20の各画素の色の濃淡に基づく位置の抽出において外乱となる。一方、ワーク2の画像部分については、段差部による影部36が存在しているものの、治具画像部37が存在する背景画像部35に対して、ワーク2の画像部分は比較的外乱が少ない部分となっている。
また、第2パターンでは、フランジ部2dが外倒れとなっているため、撮像画像20において、フランジ部2dについて上面2gだけでなく内側面2eが写っており、上面2gの画像部分である上面画像部34gに加えて、内側面2eの画像部分である内側面画像部34eが存在する。図13(a)に示す例において、内側面画像部34eは、黒い画像部分となっており、ワーク表面画像部32に対する境界が明瞭に表れている。このワーク表面画像部32と内側面画像部34eの境界の位置は、ワーク2における屈曲点2hが存在する位置であり、エッジ位置42が存在する位置となる。
このため、画素の色の濃淡に基づいてワーク縁端部位置を抽出する手法においては、ワーク2の外から内に向かう方向(図13(a)における右方向)に対して、ワーク2の内から外に向かう方向(図13(a)における左方向)の方が、内側面画像部34eの内側のエッジの黒が検出されやすい。つまり、白から黒に切り替わるワーク表面画像部32と内側面画像部34eとの境界の位置が検出されやすくなる。したがって、第2パターンにおいては、図13(a)、(b)に示すように、ワーク縁端部位置の検出方向として、ワーク2の内から外に向かう方向(矢印K2参照)が採用され、フランジ外側縁端位置Q1を介することなく、エッジ位置42が直接的に抽出される。
第3パターンについて、図14を用いて説明する。第3パターンにおいては、図14(b)に示すように、フランジ角度α1が鋭角であり、フランジ部2dが内倒れの状態となっている。
図14(a)は、第3パターンにおける撮像画像20の一例を示している。図14(a)に示す例では、ワーク2の外側の部分である背景画像部35が、略全体を黒一色として比較的外乱が少ない部分となっている。また、第3パターンでは、フランジ部2dが内倒れとなっているため、撮像画像20において、フランジ部2dについて上面2gだけでなく外側面2fが写っており、上面2gの画像部分である上面画像部34gに加えて、外側面2fの画像部分である外側面画像部34fが存在する。図14(a)に示す例において、外側面画像部34fは、黒い画像部分となっており、ワーク表面画像部32と同様に白い画像部分である上面画像部34gに対する境界が明瞭に表れている。この外側面画像部34fと上面画像部34gの境界の位置は、フランジ部2dの上外側の稜線に対応する位置であり、フランジ外側縁端位置Q1が存在する位置となる。
このため、画素の色の濃淡に基づいてワーク縁端部位置を抽出する手法においては、ワーク2の内から外に向かう方向(図14(a)における左方向)に対して、ワーク2の外から内に向かう方向(図14(a)における右方向)の方が、上面画像部34gの外側のエッジの白が検出されやすい。つまり、黒から白に切り替わる外側面画像部34fと上面画像部34gとの境界の位置が検出されやすくなる。したがって、第3パターンにおいては、図14(a)、(b)に示すように、ワーク縁端部位置として、フランジ外側縁端位置Q1が抽出され、フランジ外側縁端位置Q1の検出方向として、ワーク2の外から内に向かう方向(矢印K3参照)が採用される。
フランジ部2dが内倒れの状態となっている第3パターンにおいては、フランジ外側縁端位置Q1からエッジ位置42を求めるに際し、2段階の補正処理が行われる。具体的には、図14(b)に示すように、第1段階の補正として、フランジ外側縁端位置Q1のY方向の位置が、フランジ外側縁端位置Q1に対応するフランジ部2dの上外側の稜線上の位置からワーク2の最外端位置N1までの距離ΔJの量だけ補正される。すなわち、フランジ外側縁端位置Q1のY座標に対して、距離ΔJ分の座標値ΔYaが減算される。したがって、例えば、フランジ外側縁端位置Q1の座標が(Xc,Y1)である場合、最外端位置N1の座標は、(Xc,Y1−ΔYa)となる。ここで、中心線C1に対応するX座標をXcとしている。なお、距離ΔJの値は、ワーク2について事前に取得され設定される。
そして、第2段階の補正として、最外端位置N1のY方向の位置が、上述したようにフランジ部2dの板厚に相当する距離ΔUの量だけ補正される。上記の例にならうと、最外端位置N1のY座標に対して、距離ΔU分の座標値ΔYが加算され、エッジ位置42の座標は、(Xc,Y1−ΔYa+ΔY)となる。このようにして、中心線C1上においてエッジ位置42の位置が特定される。
以上のように、本検査方法においては、フランジ角度α1の大きさ等により、ワーク縁端部位置の検出方向(外→内または内→外)と、検出色(黒→白または白→黒)とが適宜設定される。すなわち、接着剤検査装置1が備えたコンピュータ7の演算制御部11は、ワーク縁端部位置の検出方向(外→内または内→外)と、検出色(黒→白または白→黒)とを適宜組み合わせて選択的に設定可能な機能を有する。このようなワーク縁端部位置の検出方向および検出色についての設定は、撮像画像20毎に行われてもよく、分割画像データ23毎に行われてもよい。
また、本検査方法においては、例えば、ワーク2をセット位置で保持するための治具やガイド等のワーク保持部がフランジ部2dの外側に接していると、撮像画像20において、ワーク保持部の影やワーク保持部自体が、フランジ部2dの上面2gやワーク表面2a等のワーク2の画像部分内に写り込む場合がある。このような場合、比較的白い画像部分であるワーク2の画像部分内に、ワーク保持部の影の画像部分(以下「ワーク内影画像部」という。)が黒い画像部分として存在し、ワーク内影画像部は、ワーク縁端部位置が存在する境界を不明瞭とする原因となる。撮像画像20の各画素の色の濃淡に基づいてワーク縁端部位置を抽出する手法を用いた本検査方法において、ワーク縁端部位置が存在する境界のうち、ワーク内影画像部が存在する部分については、接着剤の塗布位置の検査精度を保持することが実質的に不可能となる。
図15(a)に、治具画像部37が存在する撮像画像20において、治具の影の部分となるワーク内影画像部38が存在する場合の一例を示す。図15(a)に示す撮像画像20は、図15(b)に示すように第2パターンのワーク2(図13(b)参照)と同様にフランジ角度α1が鈍角であるワーク2を撮像したものである。
図15(b)に示すように、ワーク2においては、ワーク2をセット位置で保持するための治具47が、フランジ部2dの外側に接した部分がある。図15(b)に示す例では、治具47は、フランジ部2dの外側面2fに接触した状態でワーク2を支持し、その上端部を、フランジ部2dの上面2gよりも上方に突出させている。
このような治具47によるワークの支持部分については、図15(a)に示すように、その部分の撮像画像20において、治具47の影が、ワーク内影画像部38として、ワーク2の画像部分上に写り込む場合がある。図15(a)、(b)に示す例では、フランジ角度α1が鈍角であるワーク2において、治具47の影が、フランジ部2dの上面2gおよび内側面2eからワーク表面2aの塗布後接着剤3の外側の部分にかかっている。したがって、ワーク内影画像部38は、ワーク縁端画像部34の上面画像部34gおよび内側面画像部34eから、ワーク表面画像部32の塗布後接着剤画像部33よりも外側の部分(図6、ワーク表面画像部32A)にわたる範囲に存在する。
図15(a)に示すように、ワーク内影画像部38は、比較的白い画像部分であるワーク2の画像部分に対し、黒い画像部分として表れている。また、ワーク内影画像部38は、Y方向について、フランジ画像部34aの全体を含む範囲に存在する。このため、例えば、図15(a)に示す撮像画像20について、ワーク2の外から内に向かう方向(図15(a)における右方向、矢印K4参照)をワーク縁端部位置の検出方向としてフランジ外側縁端位置Q1を検出する場合、X方向についてワーク内影画像部38の部分については、フランジ外側縁端位置Q1が存在する境界、つまり背景画像部35と上面画像部34gとの境界を判別することが困難となる。
そこで、本検査方法においては、ワーク内影画像部38が存在する画像部分については、画像境界を補間することが行われる。すなわち、ワーク縁端部位置が存在する境界がワーク内影画像部38により不明瞭となっている部分については、画素の色の濃淡に基づいてワーク縁端部位置を抽出する手法を用いた直接的な測定は行わず、補間によって仮想の境界を作成し、その仮想の境界上にワーク縁端部位置が存在するとみなして、ワーク縁端部位置が検出される。
画像境界の補間は、ワーク内影画像部38によりワーク縁端部位置が存在する境界が不明瞭な部分の両外側の2点を抽出し、その2点を結ぶ直線を、ワーク縁端部位置が存在する境界線とする処理である。すなわち、本検査方法における補間処理は、X方向について、濃淡の差が小さいことから測定点としてのワーク縁端部位置が抽出できない区間については、当該区間のX方向についての両外側の各分割画像データ23における測定点同士を直線で結ぶことで補間し、当該直線上の点を測定点とする(測定点とみなす)処理である。
具体的には、図15(a)に示す例では、ワーク内影画像部38が存在する部分については、背景画像部35と上面画像部34gとの境界の濃淡の差(白黒の差)が小さく、この境界上におけるフランジ外側縁端位置Q1の抽出ができない。つまり、X方向について、ワーク内影画像部38の部分が、ワーク縁端部位置が抽出できない区間M1となり、この部分が補間対象となる。
そこで、まず、ワーク内影画像部38の両外側、つまり区間M1の両外側において、フランジ外側縁端位置Q1の抽出が可能な分割画像データ23で、フランジ外側縁端位置Q1が抽出される。図15(a)において、区間M1の上外側の分割画像データ23において抽出されたフランジ外側縁端位置Q1をQ1aとし、同下側の分割画像データ23において抽出されたフランジ外側縁端位置Q1をQ1bとする。
そして、撮像画像20上において、フランジ外側縁端位置Q1aと、フランジ外側縁端位置Q1bとを結ぶ直線L1が求められる。この直線L1が、ワーク縁端部位置が存在する境界とされ、区間M1においては、直線L1上の点が、フランジ外側縁端位置Q1として抽出される。したがって、例えば、区間M1に含まれる分割画像データ23においては、その分割画像データ23における中心線C1上かつ直線L1上の点が、フランジ外側縁端位置Q1となる。
以上のように、本検査方法においては、ワーク2を保持するための治具やガイド等の影響でワーク内影画像部38が存在する部分について、ワーク縁端部位置が存在する画像境界を直線L1で補間する補間処理が行われる。
また、フランジ部2dが外倒れの状態となっている第4パターンにおいて、フランジ外側縁端位置Q1を検出する場合、フランジ外側縁端位置Q1からエッジ位置42を求めるに際し、次のような補正が行われる。すなわち、図15(b)に示すように、フランジ外側縁端位置Q1のY方向の位置に対し、フランジ部2dの板厚に相当する距離ΔUの量に加え、フランジ部2dの上内側の稜線上の位置から屈曲点2hに対応する位置までの距離ΔJaが加算される。したがって、フランジ外側縁端位置Q1の座標が(Xc,Y1)である場合、エッジ位置42の座標は、(Xc,Y1+ΔU+ΔJa)となる。このようにして、中心線C1上においてエッジ位置42の位置が特定される。ここで、中心線C1に対応するX座標をXcとしている。また、距離ΔJaの値は、ワーク2について事前に取得され設定される。
なお、上述した例においては、フランジ外側縁端位置Q1の検出について補間処理が行われているが、フランジ外側縁端位置Q1を介することなく直接的にエッジ位置42を検出する場合において同様の補間処理が行われてもよい。この場合、例えば、上述した第2パターンにおいて、ワーク表面画像部32と内側面画像部34eとの境界がワーク内影画像部により不明瞭な場合、その不明瞭な区間の両外側の測定点同士を直線で結ぶことで、その直線上の点が測定点としてのエッジ位置42とされる。また、上述した例では、ワーク保持部の影の画像部分であるワーク内影画像部が存在する場合について説明したが、ワーク保持部自体がワーク2の画像部分内に写り込んだ場合であっても、その画像部分を補間対象とすることができる。
以上のような本実施形態の接着剤検査によれば、検査の対象物(ワーク2)のセット位置のバラツキの影響を受けることなく、接着剤の塗布位置を精度良く検査することができる。
本実施形態の接着剤検査は、撮像画像20において第1検査枠21および第2検査枠22の2つの検査枠を設定し、第1検査枠21について測定した接着剤位置41と、第2検査枠22について測定したエッジ位置42との距離D1に基づき、接着剤の塗布位置の良否の判定を行うものである。このため、各ワーク2における接着剤位置41の位置がエッジ位置42との関係で測定されることから、接着剤の塗布位置を、各ワーク2におけるエッジ位置42との関係に基づく絶対的な位置として測定することができる。これにより、ワーク2のセット位置が変化した場合であっても、その変化の影響を受けることなく、接着剤の塗布位置を毎回正確に検出することができ、高い検査精度を得ることができる。
例えば、図16に示すように、検査枠として塗布後接着剤3を含む第1検査枠21のみが用いられる場合を仮想する。この場合、所定のセット位置にセットされた上側のワーク2(2X)に対し、下側のワーク2(2Y)は、セット位置がY方向(図16における左右方向)について左側にずれている(ずれ量ΔR)。
図16に示すように、第1検査枠21における塗布後接着剤3(塗布後接着剤画像部33)の位置については許容範囲内に位置する場合であっても、ワーク2Yにおける塗布後接着剤3の位置は、ワーク2Xにおける塗布後接着剤3の位置に対して、Y方向についてずれ量ΔR分ずれることになる。このようなワーク2における塗布後接着剤3の位置のずれは、第1検査枠21のみによる接着剤の塗布位置の測定の場合、把握されないこととなり、検査精度を低下させる原因となる。
このように、1つの検査枠のみを用いる方法は、例えば、基準ピン等によってワーク2のセット位置が一定の位置に決まる場合には適用できるが、ワーク2のセット位置にバラツキがある場合は、接着剤の塗布位置の検査結果についての信頼性が欠如することになる。1つの検査枠によってワーク2のセット位置のバラツキに対応するためには、各セット位置についてのずれ量を加味した計測を行うためのチューニングによる登録工数が多くなる。つまり、1つの検査枠のみを用いる方法によれば、車種等によって異なるワーク2のセット位置のバラツキに対応することが困難となり、適用範囲が限られることになる。
これに対し、本実施形態の接着剤検査によれば、接着剤位置41が各ワーク2におけるエッジ位置42との関係に基づく絶対的な位置として測定されることから、ワーク2のセット位置の変化の影響を受けることなく、接着剤の塗布位置を精度良く検出することができる。
本実施形態の接着剤検査によれば、図16に示す例では、ワーク2X,2Yについての距離D1の大きさをそれぞれ距離D1a,D1bとした場合、接着剤位置41のY方向の位置が共通であるとすると、ワーク2Yについての距離D1bの大きさは、距離D1a+ずれ量ΔRとなる。そして、この距離D1bの値が、上述した許容誤差範囲内にあるか否かにより、接着剤の塗布位置の良否が判定されることになる。
したがって、本実施形態の接着剤検査によれば、上記のようなチューニングの工数増加を無くすことができ、車種等によって異なるワーク2のセット位置のバラツキに関わらず接着剤の塗布位置を精度良く検出することができる。つまり、本実施形態の接着剤検査によれば、ワーク2について適用制限を受けることなく、高い汎用性を得ながら、高精度の接着剤の塗布位置の検査を実現することができる。
また、本実施形態の接着剤検査は、ワーク2を、接着剤が塗布される本体板部2bとワーク2のエッジ部をなすフランジ部2dとを有するものとし、ワーク2における本体板部2bとフランジ部2dとの屈曲点に対応する位置をエッジ位置42とする。このような構成によれば、ワーク2において形状的に検出しやすい位置をエッジ位置42とすることができるため、接着剤位置41に対する基準位置となるエッジ位置42を精度良く測定することができ、接着剤の塗布位置の検査精度を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の接着剤検査においては、フランジ角度α1の大きさ等により、ワーク縁端部位置の検出方向(外→内または内→外)と、検出色(黒→白または白→黒)とが適宜設定される。このような構成によれば、フランジ部2dの屈曲態様等のワーク2の形状や、ワーク2をセットするための治具やガイド等のワーク保持部の配設態様等に応じて、ワーク縁端部位置の検出精度を向上することができ、接着剤の塗布位置の検査精度を効果的に向上させることができる。
また、本実施形態の接着剤検査においては、ワーク保持部の影が写り込んだワーク内影画像部38の画像境界を補間する処理が行われる。このような構成によれば、接着剤の塗布位置の検査においてワーク内影画像部38が外乱として存在する場合であっても、エッジ位置42の測定が可能となる。これにより、ワーク保持部の影響の有無に関わらず、エッジ位置42を測定することが可能となる。結果として、ワーク2の種類等によって異なるワーク保持部の配置パターンに適宜対応することが可能となり、汎用性を向上することができる。
以上のように、本実施形態の接着剤検査技術は、ワーク縁端部位置の検出方向および検出色の設定機能、並びにワーク保持部の影に対する補間機能を備えており、これらの機能が、撮像画像20における外乱の特徴等に応じて適宜用いられる。これにより、工程の外乱に強く汎用性が高いワークエッジの検出ロジックを実現することが可能となる。
また、本実施形態の接着剤検査においては、撮像画像20は、検査枠組の画像領域の一部が重複するように、塗布後接着剤3の線の方向に沿って複数連続的に撮像されている。このため、本実施形態の接着剤検査によれば、接着剤の塗布領域の全体を確実に検査することが可能となる。ただし、塗布後接着剤3について複数取得される撮像画像20については、隣り合う撮像画像20同士において一部が重なり合うことなく、断続的に撮像されたものであってもよい。
また、本実施形態の接着剤検査装置1は、ワーク2に対してカメラ4を移動させるロボット6において塗布装置5を支持させ、カメラ4と塗布装置5とを所定の配置関係により移動させ、塗布装置5による塗布直後の塗布後接着剤3をカメラ4により撮像する構成を採用している。このような構成によれば、カメラ4と塗布装置5とを別々に移動させる構成と比べて、効率的に接着剤の塗布および塗布後接着剤3の撮像画像の取得を行うことが可能となる。
また、本実施形態の接着剤検査においては、検査枠組について設定される分割画像データ23の個数、つまり検査枠組の分割数を任意に変えることができる。このため、例えば、比較的高い精度が必要とされない部位については検査枠組の分割数を少なくして大まかに検査することができるというように、部位により必要とされる検査精度の高低に応じて、検査枠組の分割数を調整することにより、効率的な検査を行うことが可能となる。
以上のように実施形態を用いて説明した本発明に係る塗布剤検査の技術は、上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨に沿う範囲で、種々の態様を採用することができる。
上述した実施形態においては、撮像画像20に基づく基本画像データとして、撮像画像20において規定される第1検査枠21および第2検査枠22の画像データが用いられ、これらの検査枠を分割することで複数の分割画像データ23が作成されているが、これに限定されるものではない。例えば、検査枠を設定することなく、撮像画像20がY方向について塗布後接着剤画像部33を含む画像部分とワーク縁端画像部34を含む画像部分とに分割され、これらの分割領域がX方向について分割され、複数の分割画像データ23とされてもよい。この場合、塗布後接着剤画像部33を含む画像部分が第1の基本画像データとなり、ワーク縁端画像部34を含む画像部分が第2の基本画像データとなる。
また、上述した実施形態においては、分割画像データ23は、X方向について所定の幅をもつ画像部分であるが、例えば、分割画像データ23は、撮像画像20をその最大分解能で分割したデータであってもよい。この場合、分割画像データ23の幅は、撮像画像20の1画素となる。
また、上述した実施形態においては、ワーク2に対してカメラ4を移動させるロボット6において塗布装置5を支持させた構成(ロボット追従式の画像撮像方式)が採用されているが、このような構成に限定されるものではない。接着剤検査装置1におけるロボット6等の移動手段としては、塗布装置5とワーク2とを相対的に移動させることで塗布装置5によりワーク2に線状に接着剤を塗布させる構成であればよい。接着剤検査装置1の他の構成としては、次のような例が挙げられる。
図17(a)に示す構成例では、ロボット6の先端保持部6aにおいてワーク2が保持され、ロボット6とは別に設けられた支持部15に、カメラ4および塗布装置5が支持されている。このような構成においては、カメラ4および塗布装置5は固定で、ロボット6の動作によってワーク2が移動させられながら、塗布装置5によるワーク表面2aへの接着剤の塗布と、カメラ4による塗布後接着剤3の撮像が行われ、塗布後接着剤3の塗布位置についての検査が行われる。
また、図17(b)に示す構成例では、ロボット6の先端保持部6aにおいて塗布装置5のみが保持され、ロボット6とは別に設けられた支持部15に、カメラ4が支持されている。ワーク2は、治具等によって所定の位置に所定の姿勢で固定されている。このような構成においては、ワーク2およびカメラ4は固定で、ロボット6の動作によって塗布装置5が移動させられながら、塗布装置5によるワーク表面2aへの接着剤の塗布と、カメラ4による塗布後接着剤3の撮像が行われ、塗布後接着剤3の塗布位置についての検査が行われる。
さらに、図17(c)に示す構成例では、図17(b)に示す構成例の構成に加えて、ロボット6および支持部15とは別に設けられた第2支持部15Aに、2台目のカメラ4(4A)が設けられている。このような構成は、ワーク2における接着剤の塗布箇所が2箇所ある場合に採用される。つまり、2箇所の塗布後接着剤3のそれぞれにカメラ4,4Aが設置され、各カメラ4,4Aにより、対応する塗布後接着剤3が撮像される。このような構成においては、ワーク2および2台のカメラ4,4Aは固定で、ロボット6の動作によって塗布装置5が移動させられながら、塗布装置5によるワーク表面2aへの2箇所の接着剤の塗布と、カメラ4,4Aによる各塗布後接着剤3の撮像が行われ、2箇所の塗布後接着剤3の塗布位置についての検査が行われる。
1 接着剤検査装置(塗布剤検査装置)
2 ワーク(対象物、板状部材)
2a ワーク表面
2b 本体板部
2c ワークエッジ部
2d フランジ部
2h 屈曲点
3 塗布後接着剤
4 カメラ(撮像手段)
5 塗布装置(塗布手段)
6 ロボット(移動手段)
7 コンピュータ
11 演算制御部(判定手段)
20 撮像画像
21 第1検査枠(第1の基本画像データ)
22 第2検査枠(第2の基本画像データ)
23 分割画像データ
32 ワーク表面画像部
33 塗布後接着剤画像部
34 ワーク縁端画像部
35 背景画像部
41 接着剤位置
42 エッジ位置
D1 距離
L1 直線
M1 区間
Q1 フランジ外側縁端位置

Claims (8)

  1. 対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定するための塗布剤検査方法であって、
    塗布剤が塗布された対象物の表面および対象物のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像を取得し、
    取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された対象物の表面を含む第1の基本画像データと、対象物のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定し、
    前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割し、
    各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する対象物のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求め、
    各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定し、
    測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、対象物についての塗布剤の塗布位置の良否を判定する
    ことを特徴とする塗布剤検査方法。
  2. 対象物は、塗布剤が塗布される対象物の表面をなす板状の本体板部と、該本体板部に対して屈曲状に形成され対象物のエッジ部をなすフランジ部とを有するものであり、
    対象物の表面側における前記本体板部と前記フランジ部との屈曲点の位置に対応する位置を、前記エッジ位置とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布剤検査方法。
  3. 前記エッジ位置を特定するために、前記撮像画像の各画素の色の濃淡を複数段階に分け、前記第2の方向について隣り合う画素間の濃淡の差が予め設定された所定の規定値より大きい位置を測定点として抽出する手法を用い、
    前記第1の方向について、前記濃淡の差が小さいことから前記測定点が抽出できない区間については、前記区間の前記第1の方向についての両外側の各前記分割画像データにおける前記測定点同士を直線で結ぶことで補間し、前記直線上の点を測定点とする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗布剤検査方法。
  4. 対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定するための塗布剤検査装置であって、
    塗布剤が塗布された対象物の表面および対象物のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像を取得するための撮像手段と、
    前記撮像手段により取得された前記撮像画像に基づき、対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定する判定手段と、を備え、
    前記判定手段は、
    取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された対象物の表面を含む第1の基本画像データと、対象物のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定し、
    前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割し、
    各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する対象物のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求め、
    各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定し、
    測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、対象物についての塗布剤の塗布位置の良否を判定する
    ことを特徴とする塗布剤検査装置。
  5. 対象物に塗布剤を塗布する塗布手段と、
    前記塗布手段と対象物とを相対的に移動させることで前記塗布手段により対象物に塗布剤を塗布させる移動手段と、をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項4に記載の塗布剤検査装置。
  6. 対象物に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定するための塗布剤検査用プログラムであって、
    塗布剤が塗布された対象物の表面および対象物のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像の入力を受けるコンピュータに、
    取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された対象物の表面を含む第1の基本画像データと、対象物のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定する手順と、
    前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割する手順と、
    各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する対象物のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求める手順と、
    各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定する手順と、
    測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、対象物についての塗布剤の塗布位置の良否を判定する手順と、を実行させる
    ことを特徴とする塗布剤検査用プログラム。
  7. 請求項6に記載の塗布剤検査用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  8. 自動車部品を構成する板状部材に塗布された塗布剤の塗布位置の良否を判定する自動車部品の製造方法であって、
    塗布剤が塗布された板状部材の表面および板状部材のエッジ部を含む所定の塗布領域を撮像した撮像画像を取得し、
    取得した前記撮像画像に基づく基本画像データとして、塗布剤が塗布された板状部材の表面を含む第1の基本画像データと、板状部材のエッジ部を含む第2の基本画像データと、を設定し、
    前記第1の基本画像データおよび前記第2の基本画像データを含む画像部分を前記撮像画像における第1の方向について所定の間隔で複数の画像部分である分割画像データに分割し、
    各前記分割画像データについて、前記第1の基本画像データに存在する塗布された塗布剤の前記第1の方向に直交する第2の方向についての抽出位置である塗布剤位置と、前記第2の基本画像データに存在する板状部材のエッジ部の前記第2の方向についての抽出位置であるエッジ位置と、を求め、
    各前記分割画像データについて、前記塗布剤位置と前記エッジ位置との前記第2の方向の距離を測定し、
    測定した距離が、予め設定された所定の範囲内であるか否かにより、板状部材についての塗布剤の塗布位置の良否を判定する
    ことを特徴とする自動車部品の製造方法。
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