JP2021095476A - セルロースナノファイバーの製造方法及びセルロースナノファイバー - Google Patents

セルロースナノファイバーの製造方法及びセルロースナノファイバー Download PDF

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孝義 小西
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健司 坂東
八巻 孝一
Koichi Yamaki
孝一 八巻
範朋 栗田
Noritomo Kurita
範朋 栗田
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Abstract

【課題】安全面や環境面で懸念が生じ難い、良質なセルロースナノファイバーを製造することが可能なセルロースナノファイバーの製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、パルプ繊維からセルロースナノファイバーを製造する。製造方法は、パルプ繊維に、第1水溶液中でオゾン処理を実施するオゾン処理工程S31と、オゾン処理を実施されたパルプ繊維に、第2水溶液中で物理的な解繊処理を実施する解繊処理工程S32と、を備える。製造方法は、オゾン処理工程と解繊処理工程とを連続的に複数回に実施して、8.0質量%未満のヘミセルロース含有率かつ0.10質量%以下のリグニン含有率を有する前記セルロースナノファイバーを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースナノファイバーの製造方法及びセルロースナノファイバーに関する。
セルロースナノファイバーの製造方法およびセルロースナノファイバーが知られている。例えば、特許文献1には、セルロースナノファイバーの製造方法が開示されている。そのセルロースナノファイバーの製造方法は、高圧ホモジナイザーを備えたセルロースナノファイバーの製造装置を用い、パルプスラリー中のパルプ繊維を微細化処理する。その製造方法は、前処理工程と微細化工程とを備え、前処理工程は化学的処理工程と粗解繊工程とを備える。化学的処理工程と粗解繊工程の順番は特に限定されず、同時でもよい。化学的処理工程は、パルプスラリー中のパルプ繊維に対して、酸化処理等を施す工程である。酸化処理に用いられる酸化剤としては、オゾン、次亜塩素酸又はその塩、過硫酸酸又はその塩、が挙げられ、好ましくは過硫酸酸又はその塩が好ましく、N−オキシル化合物(例示:TEMPO(2,2,6,6−tetramethylpiperidine 1−oxyl))のような酸化触媒を併用できる。
特開2018−100474号公報
特許文献1の製造方法は、化学的処理工程と粗解繊工程と微細化工程とを備えている。すなわち、この製造方法では、化学的処理の後に、複数回の機械的な解繊処理(粗解繊工程と微細化工程)が行われている。ところが、発明者の検討によれば、このような機械的な解繊処理が主体の製造方法では、パルプ繊維をセルロースナノファイバーにまで細く解繊することは難しく、分散性や透明度を向上させることは困難である。ここで、化学的処理として酸化処理を用いる場合、例えばN−オキシル化合物(例示:TEMPO)のような触媒を併用すると、酸化反応が促進されるので、その後の解繊処理がし易くなり、パルプ繊維をセルロースナノファイバーにし易くできるとも考え得る。しかし、その処理で得られるセルロースナノファイバーは、変性化剤であるN−オキシル化合物等の触媒により、セルロースの一級水酸基(−CHOH基)が変性された変性セルロースナノファイバーである。それゆえ、変性化剤である毒性のあるN−オキシル化合物等の触媒がセルロースナノファイバー内に残留する可能性がある。そのため、セルロースナノファイバーに関して、安全面や環境面で懸念が生じる可能性がある。
本発明の目的は、安全面や環境面で懸念が生じ難い、良質なセルロースナノファイバーを製造することが可能なセルロースナノファイバーの製造方法及びセルロースナノファイバーを提供することにある。
本発明は、パルプ繊維からセルロースナノファイバーを製造する製造方法であって、前記パルプ繊維に、第1水溶液中でオゾン処理を実施するオゾン処理工程と、前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維に、第2水溶液中で物理的な解繊処理を実施する解繊処理工程と、を備え、前記製造方法は、前記オゾン処理工程と前記解繊処理工程とを連続的に複数回に実施して、8.0質量%未満のヘミセルロース含有率かつ0.10質量%以下のリグニン含有率を有する前記セルロースナノファイバーを形成する、製造方法、である。
本発明は、繊維状のセルロースを含むセルロースナノファイバーであって、前記繊維状のセルロースは、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾がなされており、ヘミセルロース含有率が8.0質量%未満かつリグニン含有率が0.10質量%以下である、セルロースナノファイバー、である。
本発明によれば、安全面や環境面で懸念が生じ難い、良質なセルロースナノファイバーを製造することが可能なセルロースナノファイバーの製造方法及びセルロースナノファイバーを提供することが可能となる。
実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法の一例を示すフロー図である。 実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法のオゾン処理工程及び解繊処理工程を実施する装置の構成例を示すブロック図である。 実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法のオゾン処理工程及び解繊処理工程を実施する装置の他の構成例を示すブロック図である。 実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法の供給工程の一例を示すフロー図である。
本実施形態は、以下の態様に関する。
[態様1]
パルプ繊維からセルロースナノファイバーを製造する製造方法であって、前記パルプ繊維に、第1水溶液中でオゾン処理を実施するオゾン処理工程と、前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維に、第2水溶液中で物理的な解繊処理を実施する解繊処理工程と、を備え、前記製造方法は、前記オゾン処理工程と前記解繊処理工程とを連続的に複数回に実施して、8.0質量%未満のヘミセルロース含有率かつ0.10質量%以下のリグニン含有率を有する前記セルロースナノファイバーを形成する、製造方法。
本製造方法では、オゾン処理工程において、パルプ繊維をオゾン処理で酸化することにより、パルプ繊維の主に表面近傍のリグニンやヘミセルロースが分解されて除去される。それと共に、既に露出しているセルロースや、リグニン等が除去されて露出した主に表面近傍のセルロースにおける一級水酸基(−CHOH基)が優先的に酸化されて、セルロース分子間の一級水酸基に由来する水素結合が減少する。それにより、そのオゾン処理工程に続く解繊処理工程において、パルプ繊維の主に表面近傍のセルロースを物理的な解繊処理で容易に解繊することができる。
そして、それに続く次のオゾン処理工程では、パルプ繊維の表面近傍のリグニン等が既に除去されているので、パルプ繊維をオゾン処理で酸化することにより、パルプ繊維のより深部のリグニン等が分解されて除去される。それと共に、リグニン等が除去されて露出したより深部のセルロースにおける一級水酸基が酸化されて、セルロース分子間の一級水酸基に由来する水素結合が更に減少する。それにより、そのオゾン処理工程に続く次の解繊処理工程において、パルプ繊維の主により深部でのセルロースを物理的な解繊処理で容易に解繊することができる。
このように、本製造方法では、オゾン処理工程と解繊処理工程とを連続的に複数回実施することで、リグニンやヘミセルロースをパルプ繊維のより深部まで除去し、リグニン含有率を0.10質量%以下に、ヘミセルロース含有率を8.0質量%未満にそれぞれ減少させつつ、解繊できる。それにより、ナノオーダーの大きさで、分散性や透明性の高い良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
本製造方法ではN−オキシル化合物のような触媒を用いていないので、製造されたセルロースナノファイバーは毒性のあるN−オキシル化合物等の触媒を含むことはなく、よって、セルロースナノファイバーに関して安全面や環境面を改善できている。
[態様2]
前記オゾン処理工程は、前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維を前記第1水溶液と共に、前記解繊処理工程に供給する工程を含み、前記解繊処理工程は、前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維を、前記第2水溶液としての前記第1水溶液中で解繊処理する工程を含む、態様1に記載の製造方法。
本製造方法では、オゾン処理工程を経たパルプ繊維を含む第1水溶液をそのまま第2水溶液として解繊処理工程へ供給するので、両処理工程を連続的に行うことができる。したがって、解繊処理を効率よく実施することができ、それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
[態様3]
前記解繊処理工程は、前記解繊処理を実施された前記パルプ繊維を前記第2水溶液と共に、前記オゾン処理工程に供給する工程を含み、前記オゾン処理工程は、前記解繊処理を実施された前記パルプ繊維を、前記第1水溶液としての前記第2水溶液中でオゾン処理する工程を含む、態様1又は2に記載の製造方法。
本製造方法では、解繊処理工程を経たパルプ繊維を含む第2水溶液をそのまま第1水溶液としてオゾン処理工程へ供給するので、両処理工程を連続的に行うことができる。したがって、オゾン処理を効率よく実施することができ、それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
[態様4]
前記第1水溶液及び前記第2水溶液における前記パルプ繊維の濃度は1〜20質量%である、態様1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
本製造方法では、各水溶液におけるパルプ繊維の濃度が1〜20質量%であるため、パルプ繊維を水溶液中に広く分散させることが可能である。したがって、オゾン処理及び解繊処理を効率よく実施することができ、それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。なお、パルプ繊維の濃度が20質量%より大きいと、広く分散させることが困難になり各処理が十分に施されないパルプ繊維が生じるおそれがあり、1質量%より小さいと、各処理のエネルギーに無駄が生じ、解繊処理工程ではパルプ繊維の解繊効率が悪くなるおそれがある。
[態様5]
前記パルプ繊維は、クラフトパルプ繊維を含む、態様1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
本製造方法では、パルプ繊維がクラフトパルプ繊維を含んでいる。ここで、一般的に価格が安く、広く使われているクラフトパルプ繊維は精製度が低く、ヘミセルロースやリグニンの含有量が高い。そこで、本製造方法では、そのようなクラフトパルプ繊維にオゾン処理及び解繊処理を繰り返し実施することにより、ヘミセルロースやリグニンの含有量を大きく低減することができる。したがって、ヘミセルロースやリグニンの含有量が高いクラフトパルプ繊維からでも良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
[態様6]
前記パルプ繊維は、使用済み衛生用品由来のパルプ繊維を含む、態様1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
本製造方法では、使用済み衛生用品由来、すなわちリサイクルパルプ繊維を用いるので、衛生用品としてのパルプ繊維の利用だけでなく、その後にセルロースナノファイバーとしてのパルプ繊維の再利用を実施することができる。すなわち、パルプ繊維を効率的に使用することができ、環境負荷低減に貢献することもできる。
また、衛生用品に高吸水性ポリマーが含まれていた場合、リサイクルパルプ繊維には高吸水性ポリマーが残存し得る。しかし、本製造方法では、オゾン処理工程を備えているので、リサイクルパルプ繊維に高吸水性ポリマーが残存したとしても、そのオゾン処理により、高吸水性ポリマーを分解し、可溶化することで除去することができる。言い換えると、リサイクルパルプ繊維に残存する高吸水性ポリマーを除去するための工程を、オゾン処理工程と兼用することができる。したがって、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
[態様7]
前記第1水溶液は、酸性又は中性である、態様1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
本製造方法では、オゾン処理工程で用いられる第1水溶液が酸性又は中性である。そのため、オゾンが失活し難くなり、リグニン等の酸化、分解、除去をより的確に行うことができる。それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
[態様8]
繊維状のセルロースを含むセルロースナノファイバーであって、前記繊維状のセルロースには、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾がなされており、ヘミセルロース含有率が8.0質量%未満かつリグニン含有率が0.10質量%以下である、セルロースナノファイバー。
本セルロースナノファイバーでは、繊維状のセルロースが、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾がなされている。ここで、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾とは、セルロースの一級水酸基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基(−COOH)に変換(酸化)されていることをいう。一方、N−オキシル化合物の触媒によるセルロースのTEMPO酸化による化学修飾では、セルロースの一級水酸基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基(−COOH)のナトリウム塩に変換されており、したがって、変換されたカルボキシ基にカウンターイオン(例示:Naイオン)が結合している。したがって、このセルロースナノファイバーは、毒性のあるN−オキシル化合物等の触媒のような変性化剤を使用して形成されたものではないので、そのような変性化剤を含んでおらず、よって安全に利用することができる。また、ヘミセルロース含有率が8.0質量%未満かつリグニン含有率が0.10質量%以下であるため、分散性及び透明性が高いセルロースナノファイバーということができる。これらにより、本セルロースナノファイバーは、幅広い用途に利用することが可能な良質なセルロースナノファイバーということができる。
[態様9]
前記繊維状のセルロースは、比表面積が、200〜250cmである、態様8に記載のセルロースナノファイバー。
本セルロースナノファイバーでは、繊維状のセルロースの比表面積が高く、低価格であるため、より幅広い用途に利用することが可能な良質なセルロースナノファイバーということができる。
[態様10]
前記繊維状のセルロースのうちの50%以上は、繊維径が1〜10nmである、態様8又は9に記載のセルロースナノファイバー。
本セルロースナノファイバーでは、セルロースナノファイバーのうちの50%以上(本数)の繊維径が1〜10nmであるため、分散性及び透明性が高いセルロースナノファイバーということができる。それにより、本セルロースナノファイバーは、より良質なセルロースナノファイバーということができる。
[態様11]
前記繊維状のセルロースが酸を含む、態様8乃至10のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
本請求項11に記載のセルロースナノファイバーでは、繊維状のセルロースが酸を含んでおり、例えばクエン酸がセルロースの表面に付着している。その場合、セルロースナノファイバーは、弱酸性となるので、抗菌効果を有することになると共に、人の肌面に接する用途では肌荒れを抑制できる。
[態様12]
前記繊維状のセルロースは、使用済み生成用品のパルプ繊維に由来する、態様8乃至11のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
本セルロースナノファイバーでは、繊維状のセルロースが使用済み生成用品のパルプ繊維に由来している。したがって、衛生用品としてのパルプ繊維の利用だけでなく、その後にセルロースナノファイバーとしてのパルプ繊維の再利用を実施することができる。すなわち、パルプ繊維を効率的に使用することができ、環境負荷低減に貢献もできる。
以下、実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法について説明する。
図1は、実施形態に係るセルロースナノファイバーの製造方法の一例を示すフロー図である。セルロースナノファイバーの製造方法は、オゾン処理工程S31、及び解繊処理工程S32を備えており、オゾン処理工程S31と解繊処理工程S32とを連続的に複数回(K回:Kは2以上の自然数)に実施する。それにより、この製造方法は、8.0質量%未満のヘミセルロース含有率かつ0.10質量%以下のリグニン含有率のセルロースナノファイバーを製造する。この製造方法は、好ましくは、供給工程S10及び/又は分離工程S34を更に備える。なお、オゾン処理工程S31、解繊処理工程S32、(回数確認工程S33)、及び分離工程S34は、セルロースナノファイバー形成工程S30という場合がある。以下、各工程について具体的に説明する。
供給工程S10は、パルプ繊維を準備し、オゾン処理工程S31へ供給する。
パルプ繊維としては、セルロースナノファイバー用の原料として使用可能な植物由来の繊維であれば特に制限はないが、例えば、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、例えば、木材パルプ、架橋パルプ、非木材パルプ、再生セルロース、半合成セルロース等が挙げられ、木材パルプが好ましい。木材パルプとしては、例えば、針葉樹又は広葉樹由来のバージンパルプ繊維(例示:クラフトパルプ(NBKP、LBKP、NKPなど))や、再生繊維、すなわち衛生用品の吸収体や紙などの材料として少なくとも一度使用された後、再利用のために再生されたリサイクルパルプ繊維が挙げられる。このうち、パルプ繊維が、衛生用品に使用されたパルプ繊維、すなわち使用済み衛生用品由来のパルプ繊維の場合、供給工程S10は、使用済み衛生用品由来のパルプ繊維を再生する工程を含む。
本実施形態では、パルプ繊維がクラフトパルプ繊維(例示:NBKP)を含んでいる。ここで、一般的に価格が安く、広く使われているクラフトパルプ繊維は精製度が低く、ヘミセルロースやリグニンの含有量が高い。そこで、本製造方法では、そのようなクラフトパルプ繊維にオゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32を繰り返し実施することにより、ヘミセルロースやリグニンの含有量を大きく低減することができる。したがって、ヘミセルロースやリグニンの含有量が高いクラフトパルプ繊維からでも良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
オゾン処理工程S31は、パルプ繊維に、水溶液(第1水溶液)中でオゾン処理を実施する。すなわち、オゾン処理工程S31は、水溶液中にオゾンガスを供給して、オゾンが混入したオゾン水を生成し、又は予めオゾン水を準備し、そのオゾン水にパルプ繊維を浸漬することで、パルプ繊維をオゾン処理する。パルプ繊維をオゾン水で処理することにより、パルプ繊維の表面や表面近傍(水溶液が侵入し得る内部)に付着しているリグニンやヘミセルロースなどの有機物にオゾンを接触させることができる。それにより、それらリグニン等の有機物は、オゾンで酸化分解され、水溶液に可溶化されて、パルプ繊維から容易に除去される。それと共に、パルプ繊維は、表面や表面近傍がフィブリル化される。その結果、パルプ繊維では、フィブリル化が促進され、比表面積が増大する。
また、パルプ繊維として、使用済み衛生用品由来のパルプ繊維を用いる場合には、オゾン処理工程S31により、上記のフィブリル化の促進や比表面積の増大の他に、不純物の除去の効果を得ることができる。すなわち、オゾン処理工程S31により、パルプ繊維の表面や内部に付着した排泄物や高吸水性ポリマーなどの不純物が容易に酸化分解され、水溶液に可溶化されて、パルプ繊維から除去される。それにより、パルプ繊維を殺菌し、漂白することができる。
オゾン処理工程S31では、オゾン水に含まれるパルプ繊維の濃度は、オゾン水100質量%に対して、1〜20質量%が好ましく、1.5〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。それにより、パルプ繊維をオゾン水中に広く分散させることができる。パルプ繊維の濃度が1質量%より低いと、少量のパルプ繊維にオゾンが集中してパルプ繊維に不必要な損傷を与え易くなり、20質量%より高いと、オゾン水中にパルプ繊維を広く分散させることが困難になりオゾン処理が十分に施されないパルプ繊維が生じ易くなる。
オゾン処理工程S31では、オゾン水に含まれるオゾンの濃度は、1〜200質量ppmが好ましく、2〜100質量ppmがより好ましく、3〜50質量ppmがさらに好ましい。それにより、パルプ繊維を適切にオゾン処理することができる。オゾンの濃度が1質量ppmより低いと、パルプ繊維のリグニン等の有機物等を除去し難く、200質量ppmより高いと、パルプ繊維に不必要な損傷を与え易くなる。また、オゾンでの処理時間は、オゾン水に含まれるオゾンの濃度が高ければ短く、低ければ長くされ、典型的には5〜120分である。オゾン水に含まれるオゾンの濃度(質量ppm)と処理時間(分)の積(以下、「CT値」ともいう。)は、100〜6000(質量)ppm・分が好ましく、200〜4000ppm・分がより好ましく、300〜2000ppm・分が更に好ましい。CT値が100ppm・分より低いと、パルプ繊維のリグニン等の有機物等を除去し難く、6000ppm・分より高いと、パルプ繊維に不必要な損傷を与え易くなる。
オゾン処理工程S31では、ムラなく反応を進行させるため、パルプ繊維を含むオゾン水を攪拌してもよい。オゾン処理工程S31ではオゾン水の温度は、特に制限がなく、例えば、室温(25℃)が挙げられ、好ましくは10〜40℃である。オゾン水の温度が10℃より低いと、オゾンによる反応の進行が遅くなり、40℃より高いと、オゾン水中のオゾンがガスとして抜け易くなり、オゾンによる反応が起き難くなる。
なお、オゾン処理工程S31では、オゾンを含有するオゾン水を用いているが、パルプ繊維の表面や表面近傍に付着しているリグニン等の有機物等を酸化し、分解して、除去することが可能な他の酸化剤をオゾンと併用してもよい。そのような酸化剤としては、例えば過酸化水素や過酢酸が挙げられる。
オゾン水は、オゾンを含有する水溶液(第1水溶液)であれば特に制限はなく、その水溶液としては、例えば、水そのもの(中性)や酸性水溶液が挙げられる。その水溶液として酸性水溶液を用いた場合、オゾン水中のオゾンの失活やガス化を抑制することができる。それにより、オゾンをパルプ繊維の表面や表面近傍の内部に到達させ易くすることができ、パルプ繊維の表面や表面近傍の内部において、リグニン等の有機物等を酸化分解し、可溶化して除去できる。また、パルプ繊維が使用済み衛生用品由来のパルプ繊維である場合、その水溶液としての酸性水溶液は、パルプ繊維に付着している高吸水性ポリマーを不活化することができる。それにより、オゾンにより、パルプ繊維に付着している高吸水性ポリマーを容易に、排泄物や他の有機物と共に、酸化分解し、可溶化でき、除去できる。酸性水溶液は、pHが酸性(7.0未満)であり、好ましくは7.0未満の所定のpHを有する。pHの上限としては、4.0が好ましく、3.5がより好ましい。なお、オゾン処理工程S31と解繊処理工程S32とが連続的に複数回に実施されるとき、オゾン処理工程S31の第1水溶液は、解繊処理工程S32の第2水溶液と同一又は、第2水溶液を含んでいてもよい。
オゾン処理工程S31のオゾン処理装置は、パルプ繊維を、オゾン水に接触(又は浸漬)させることができれば、具体的な構成は特に限定されない。オゾン処理装置は、例えば、オゾン水を貯留する処理槽と、処理槽内にオゾンを供給するオゾン供給装置と、を備える。オゾン処理装置では、例えば、パルプ繊維が処理槽の上部又は下部から処理槽内に投入され、オゾンが処理槽の下部から処理槽内に供給され、処理槽内でパルプ繊維とオゾン水とが混合され、接触される。オゾン水は、処理槽内で、水又は水溶液とオゾン(ガス)とが混合されて、その場で生成されてもよい。オゾン発生装置としては、例えばエコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED−OWX−2、三菱電機株式会社製オゾン発生装置OS−25V等が挙げられる。
本実施形態では、その後、オゾン処理工程S31でオゾン処理を実施されたパルプ繊維は、オゾン処理工程S31で使用された水溶液と共に解繊処理工程S32へポンプ等で移送される。ここで、移送中にパルプ繊維が乾燥すると、パルプ繊維の枝や毛羽立った部分が取れたり、枝や毛羽立った部分同士が互いに再接着したりするおそれがある。そこで、本実施形態では、パルプ繊維をオゾン処理工程S31から解繊処理工程S32へ移送するときには、パルプ繊維を、水溶液(第1水溶液)中に継続的に保持して、湿潤な状態に維持しつつ、移送する。その場合、枝や毛羽立った部分が取れ難くなり、フィブリル化された状態が維持されつつ、パルプ繊維が移送される。そして、解繊処理工程S32は、オゾン処理を実施されたパルプ繊維を、第2水溶液としての、第1水溶液又は第1水溶液を含む水溶液中で解繊処理する。なお、別の実施形態では、パルプ繊維はふるい(又はメッシュ)等により第1水溶液から分離され(固液分離)、解繊処理工程S32へ移送されて、第1水溶液と異なる第2水溶液へ供給される。
解繊処理工程S32は、オゾン処理を実施されたパルプ繊維に、水溶液(第2水溶液)中で物理的な解繊処理を実施する。すなわち、解繊処理工程S32は、パルプ繊維を水溶液中で叩解する。このとき、パルプ繊維は、オゾン処理工程S31で表面や表面近傍に付着しているリグニンやヘミセルロースなどが除去されているので、より容易に枝状に分岐され、フィブリル化される。すなわち、繊維径の細いパルプ繊維が生じ易くなると共に、パルプ繊維の内部が露出し易くなる。
解繊処理工程S32では、水溶液中に含まれるパルプ繊維の濃度は、水溶液100質量%に対して、1〜20質量%が好ましく、1.5〜15質量%がより好ましく、2〜10質量%がさらに好ましい。それにより、パルプ繊維を水溶液中に広く分散させることができる。パルプ繊維の濃度が1質量%より低いと、パルプ繊維が物理的に解繊され難くなりパルプ繊維の解繊効率が悪くなり、20質量%より高いと、水溶液中にパルプ繊維を広く分散させることが困難になり、パルプ繊維の解繊にムラができ易くなる。
水溶液(第2水溶液)は、水を含み、解繊処理工程S32を実施する装置やパルプ繊維に損傷などの影響を与えなければ特に制限はなく、例えば、水そのもの(中性)や酸性水溶液が挙げられる。その水溶液として酸性水溶液を用いたとき、酸性水溶液がパルプ繊維の表面や表面近傍の内部に到達し、残存できる。それにより、その後にオゾン処理工程S31を実施する場合において、パルプ繊維をオゾン水で処理するとき、表面や内部に残存する酸性水溶液により、表面や表面近傍の内部に到達したオゾンを失活し難くでき、オゾンの機能を十分に発揮させることができる。また、パルプ繊維が使用済み吸収性物品由来のパルプ繊維の場合、その水溶液として酸性水溶液を用いたとき、パルプ繊維に付着した高吸水性ポリマーを酸性水溶液で容易に不活化できる。それにより、その後にオゾン処理工程S31を実施する場合において、不活化された高吸水性ポリマーをオゾンで容易に酸化分解し、可溶化して除去できる。酸性水溶液は、pHが酸性(7.0未満)であり、好ましくは7.0未満の所定のpHを有する。pHの上限としては、4.0が好ましく、3.5がより好ましい。なお、オゾン処理工程S31と解繊処理工程S32とが連続的に複数回に実施されるとき、解繊処理工程S32の第2水溶液は、オゾン処理工程S31の第1水溶液と同一又は、第1水溶液を含んでいてもよい。
解繊処理工程S32を実行する解繊処理装置としては、パルプ繊維を物理的に解繊(叩解)できれば、具体的な構成は特に限定されない。解繊処理装置は、例えばコニカル型又はディスク型のリファイナーが挙げられる。装置の刃物パターンや回転数などは、パルプ繊維のカッティングや、フィブリル化の程度により適宜変更される。
解繊処理工程S32を実行するときの温度としては、特に制限はないが、例えば、室温(25℃)が挙げられ、好ましくは10〜40℃である。パルプ繊維が解繊処理装置を通過する通過回数は、例えば、1〜6回が挙げられ、好ましくは2〜4回である。解繊処理での圧力は、例えば、0.07〜0.11MPaが挙げられる。
本製造方法は、上記のオゾン処理工程S31と解繊処理工程S32とを連続的に複数回(K回:Kは2以上の自然数)実施する。言い換えると、オゾン処理工程S31と解繊処理工程S32とで構成される連続処理の実施回数nがKに等しくなるまで(n=K?)、オゾン処理工程S31と解繊処理工程S32との連続処理を繰り返す(S33)。Kとしては例えば2又は3が挙げられる。
解繊処理工程S32の後に再びオゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32が実施される場合(S33:No)、本実施形態では、解繊処理工程S32で解繊処理を実施されたパルプ繊維が、解繊処理工程S32で使用された水溶液と共にオゾン処理工程S31へポンプ等で移送される。ここで、移送中にパルプ繊維が乾燥すると、パルプ繊維の枝や毛羽立った部分が取れたり、枝や毛羽立った部分同士が互いに再接着したりするおそれがある。そこで、本実施形態では、パルプ繊維を解繊処理工程S32からオゾン処理工程S31へ移送するときには、パルプ繊維を、水溶液(第2水溶液)中に継続的に保持して、湿潤な状態に維持しつつ、移送する。その場合、枝や毛羽立った部分が取れ難くなり、フィブリル化された状態が維持されつつ、パルプ繊維が移送される。そして、オゾン処理工程S31は、解繊処理を実施されたパルプ繊維を、第1水溶液としての、第2水溶液又は第2水溶液を含む水溶液中で解繊処理する。なお、別の実施形態では、パルプ繊維はふるい(又はメッシュ)等により第2水溶液から分離され(固液分離)、オゾン処理工程S31へ移送されて、第2水溶液と異なる第1水溶液へ供給される。
オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32が所定の回数(K回)実施された後(S33:Yes)、本実施形態では、分離工程S34が実施される。分離工程S34では、パルプ繊維がふるい(又はメッシュ)等により第2水溶液から分離され(固液分離)、必要に応じて脱水される。それにより、セルロースナノファイバーが取り出される。なお、分離工程S34は、乾燥工程を含んでいてもよい。乾燥工程では、例えばパルプ繊維が乾燥空気で乾燥される。乾燥空気の温度は、例えば、室温(例示:25℃)〜150℃が挙げられ、好ましくは70〜120℃である。乾燥空気の温度が低過ぎると、乾燥時間が長くなり易く、乾燥空気の温度が高過ぎると、セルロースナノファイバーが損傷を受け易くなる。乾燥時間は、例えば、30〜300分間が挙げられる。
以上の製造方法により、セルロースナノファイバーが製造される。このセルロースナノファイバーは、8.0質量%未満のヘミセルロース含有率、かつ、0.10質量%以下のリグニン含有率を有する。
本製造方法では、オゾン処理工程S31において、パルプ繊維をオゾン処理で酸化することにより、パルプ繊維の主に表面近傍のリグニンやヘミセルロースが分解されて除去される。それと共に、既に露出しているセルロースや、リグニン等が除去されて露出した主に表面近傍のセルロースにおける一級水酸基(−CHOH基)が優先的に酸化されて、セルロース分子間の一級水酸基に由来する水素結合が減少する。それにより、そのオゾン処理工程S31に続く解繊処理工程S32において、パルプ繊維の主に表面近傍のセルロースを物理的な解繊処理で容易に解繊することができる。
そして、それに続く、次(二回目以降)のオゾン処理工程S31では、パルプ繊維の表面近傍のリグニン等が既に除去されているので、パルプ繊維をオゾン処理で酸化することにより、パルプ繊維のより深部のリグニン等が分解されて除去される。それと共に、リグニン等が除去されて露出したより深部のセルロースにおける一級水酸基が酸化されて、セルロース分子間の一級水酸基に由来する水素結合が更に減少する。それにより、そのオゾン処理工程S31に続く、次(二回目以降)の解繊処理工程S32において、パルプ繊維の主により深部でのセルロースを物理的な解繊処理で容易に解繊することができる。
このように、本製造方法では、オゾン処理工程S31と解繊処理工程S32とを連続的に複数回実施することで、リグニンやヘミセルロースをパルプ繊維のより深部まで除去し、リグニン含有率を0.10質量%以下に、ヘミセルロース含有率を8.0質量%未満にそれぞれ減少させつつ、解繊することができる。それにより、ナノオーダーの大きさで、分散性や透明性の高い良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
また、本製造方法ではN−オキシル化合物のような触媒を用いていないので、製造されたセルロースナノファイバーは毒性のあるN−オキシル化合物等の触媒を含むことはなく、よって、セルロースナノファイバーに関して安全面や環境面を改善できている。
次に、実施形態に係るセルロースナノファイバーについて説明する。
本実施形態のセルロースナノファイバーは、繊維状のセルロースを含んでいる。セルロースナノファイバーのヘミセルロース含有率は、8.0質量%未満、好ましくは4.0質量%未満、更に好ましくは2.0質量%未満である。更に、リグニン含有率は、0.10質量%以下、好ましくは、0.08質量%以下、更に好ましくは0.06質量%以下である。その繊維状のセルロースには、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾がなされている。
このように、このセルロースナノファイバーでは、繊維状のセルロースが、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾がなされている。ここで、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾とは、セルロースの一級水酸基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基(−COOH)に変換(酸化)されていることをいう。一方、N−オキシル化合物の触媒を用いたセルロースのTEMPO酸化による化学修飾では、セルロースの一級水酸基(−CHOH)が選択的にカルボキシ基(−COOH)のナトリウム塩に変換されており、したがって、変換されたカルボキシ基にカウンターイオン(例示:Naイオン)が結合している。したがって、このセルロースナノファイバーは、毒性のあるN−オキシル化合物等の触媒のような変性化剤を使用して形成されたものではないので、そのような変性化剤を含んでおらず、よって安全に利用することができる。また、ヘミセルロース含有率が8.0質量%未満かつリグニン含有率が0.10質量%以下であるため、分散性及び透明性が高いセルロースナノファイバーということができる。これらにより、本セルロースナノファイバーは、幅広い用途に利用することが可能な良質なセルロースナノファイバーということができる。
ただし、パルプ繊維やセルロースナノファイバー(繊維状のセルロースを含む)のセルロース含有率、ヘミセルロース含有率及びリグニン含有率は、公知のデタージェント分析法により測定することができる。
本実施形態の好ましい態様として、繊維状のセルロースは、比表面積が、200〜250cmである。ここで、パルプ繊維を物理的な解繊処理のみでセルロースナノファイバーにする場合、一般に、比表面積が200cmより小さくなる。一方、N−オキシル化合物の触媒を用いたセルロースのTEMPO酸化の場合、比表面積が250cm以上となる。したがって、本実施形態のセルロースナノファイバーは、毒性のあるN−オキシル化合物等の触媒のような変性化剤を使用して形成されたものではないので、安全でありながら、TEMPO酸化に近い高性能なセルロースナノファイバーが低価格で実現可能である。すなわち、このセルロースナノファイバーでは、繊維状のセルロースの比表面積が高く、低価格であるため、より幅広い用途に利用することが可能な良質なセルロースナノファイバーということができる。
また、本実施形態の好ましい態様として、繊維状のセルロースのうちの50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上が、繊維径が1〜10nmである。そのため、分散性及び透明性が高いセルロースナノファイバーということができる。それにより、本セルロースナノファイバーは、より良質なセルロースナノファイバーということができる。
ただし、セルロースナノファイバー(繊維状のセルロースを含む)の繊維径は、走査型プローブ顕微鏡(島津製作所製、品名:SPM−9700HT)を用い、走査範囲2μm角の領域にて、100本以上の繊維径を測定し、繊維径分布を求めた。それにより、本実施形態では、繊維径分布において、繊維径4〜8nmの範囲にピーク値が存在し、繊維径1〜10nmの範囲に全本数のうちの50%の本数が入ることが分かった。
本実施形態の好ましい態様として、セルロースナノファイバーの繊維状のセルロースが酸を含んでいる。例えば、繊維状のセルロースがクエン酸を含んでいる場合、セルロースナノファイバーは、弱酸性となるので、抗菌効果を有することになると共に、人の肌面に接する用途では肌荒れを抑制できる。セルロースが酸を含む態様としては、酸がセルロースの表面に付着している場合や、複数のセルロースの間隙に入り込む場合などが挙げられる。また、セルロースが他の種類の酸を含んでいる場合には、その酸の有する機能が発揮され得る。
次に、オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32用の装置について説明する。
図2は、オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32の両方を実行する装置の構成の一例を示す概略図である。装置2は、水とパルプ繊維を含む混合液51を貯蔵する混合液貯蔵部3と、混合液51中のパルプ繊維にオゾン処理工程S31を実施するオゾン処理部4と、オゾン処理後のパルプ繊維に解繊処理工程S32を実施する解繊処理部5と、を備える。装置2では、一組のオゾン処理部4及び解繊処理部5にパルプ繊維を複数回循環させることで、オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32を複数回実施する。
混合液貯蔵部3は、混合液タンク12と、攪拌機13と、を含む。混合液タンク12は、配管61を介して供給された、混合液51を貯蔵する。攪拌機13は、混合液タンク12中の混合液51中のパルプ繊維が混合液51の下方へ沈まないように、混合液51を撹拌する。
オゾン処理部4は、ポンプ21と、処理槽31と、オゾン供給装置41と、ポンプ22と、オゾン分解装置34と、を含む。
ポンプ21は、混合液貯蔵部3と処理槽31とを互いに接続する配管62の途中に設置され、混合液タンク12の混合液51を、処理槽31へ第1の流量で供給する。
処理槽31は、処理液52として酸性水溶液(第1水溶液)を有しており、オゾン処理が実施される槽である。処理槽31の上部又は下部に、混合液タンク12の混合液51が供給される混合液供給口32が設置され、処理槽31の下部又は上部に、オゾン処理後のパルプ繊維を処理液52と共に排出する処理液排出口33が配置される。
オゾン供給装置41は、オゾン処理用のオゾン含有ガス53を処理槽31に供給する。オゾン供給装置41は、配管66で互いに接続されたオゾン発生装置42と、オゾン含有ガス供給部43と、を備える。オゾン発生装置42は、オゾン含有ガス53を生成し、オゾン含有ガス供給部43へ供給する。オゾン発生装置42としては、例えば、エコデザイン株式会社製オゾン水曝露試験機ED−OWX−2、三菱電機株式会社製オゾン発生装置OS−25V等が挙げられる。オゾン含有ガス53は、オゾンを含んだ他の種類のガスであり、例えば、オゾンを含んだ酸素ガスや空気ガスが挙げられる。オゾン含有ガス供給部43は、処理槽31の下部(好ましくは底部)に配置されており、オゾン発生装置42から供給されるオゾン含有ガス53を処理槽31内に送出する。オゾン含有ガス供給部43は、オゾン含有ガス53を複数の細かい気泡として処理液52中に処理槽31の下部から上部へ向かって供給する。
ポンプ22は、処理槽31と解繊処理部5とを互いに接続する配管63の途中に設置され、処理槽31内の処理液52を解繊処理部5に第2の流量で排出する。なお、処理槽31の処理液52は、オゾン処理工程S31の開始前には処理液52のみで、開始後には処理液52と混合液51との混合液となるが、本実施形態では処理液52と混合液51との混合液も含め、処理槽31内の液を処理液52とする。
オゾン分解装置34は、処理槽31の上部に蓄積したオゾン含有ガス53を配管67経由で受け取り、オゾンを無害化して外部へ放出する。
解繊処理部5は、解繊部70と、ポンプ23と、ポンプ24と、を備える。
解繊部70は、オゾン処理を実施されたパルプ繊維に、処理液52中で物理的な解繊処理を実施する。解繊部70としては、例えばディスク型リファイナー(具体的な製品名や品番を開示できるのであれば、ご教示ください。)が挙げられる。
ポンプ23は、解繊部70と他の装置(例示:分離装置)とを互いに接続する配管64の途中に設置され、解繊部70の処理液52を、他の装置へ送出する。
ポンプ24は、配管64の三方分岐71(例示:三方弁)と配管62の三方分岐(例示:三方弁)とを互いに接続する配管65の途中に設置され、解繊部70の処理液52を、処理槽31へ再度供給する。
次に、図2の装置2を用いたオゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32について、具体例を説明する。パルプ繊維は、予め設定された濃度になるように水と混合され、混合液51として、配管61を介して混合液タンク12に供給され、貯蔵される。パルプ繊維の比重は1より大きいので、パルプ繊維が沈殿しないように、混合液51は混合液タンク12内で攪拌機13により撹拌される。
まず、オゾン処理工程S31は具体的には例えば以下のように実行される。混合液タンク12内の混合液51は、ポンプ21により流量が制御され、配管62を介して、混合液供給口32から処理槽31に、第1の流量で供給される。処理液52は酸性水溶液であり、比重は概ね1である。従って、パルプ繊維は、処理液52の上部から下部へ向かって沈降する。一方、オゾン発生装置42で生成されたオゾン含有ガス53は、配管66を介して処理槽31に供給され、処理槽31のオゾン含有ガス供給部43から処理液52内に細かい気泡(例示:マイクロバブル又はナノバブル)の状態で放出される。すなわち、オゾン含有ガス53は、処理液52の下部から上部へ向かって上昇する。
そして、処理液52内を、下降するパルプ繊維と、上昇するオゾン含有ガス53とが、対向して進みつつ衝突し合う。そして、オゾン含有ガス53は、パルプ繊維の表面に付着する。オゾン含有ガス53中のオゾンが、リグニンやヘミセルロースを酸化し、分解して、処理液52に溶解させる。それにより、パルプ繊維のリグニンやヘミセルロースが削減される。そして、パルプ繊維は、処理槽31の底部へ下降し、オゾン含有ガス53は、処理槽31の上部の空間へ抜ける。それにより、オゾン処理されたパルプ繊維が生成される。なお、処理槽31内の処理液52の動きによって、パルプ繊維が上昇する場合もある。
次いで、解繊処理工程S32は具体的には例えば以下のように実行される。そのオゾン処理工程S31の後、処理槽31底部の処理液52(オゾン処理されたパルプ繊維を含む)は、ポンプ22の流量制御により、配管63を介して処理槽31の処理液排出口33から処理槽31の解繊部70に第2の流量で送出される。
次いで、解繊部70に供給された処理液52(オゾン処理されたパルプ繊維を含む)は、解繊部70で1回又は複数回の解繊処理を実施される。その後、処理液52(解繊処理されたパルプ繊維を含む)は、再びオゾン処理工程S31を実施する場合、三方分岐71、72での流れ方向制御と、ポンプ24の流量制御とにより、配管64、65、62を介して混合液供給口32から処理槽31に再び供給される。一方、処理液52(解繊処理されたパルプ繊維を含む)は、オゾン処理工程S31を実施しない場合、三方分岐71、72での流れの方向制御と、ポンプ23の流量制御とにより、配管64を介して他の装置へ送出される。
ここで、第1の流量と第2の流量は同一であることが好ましい。第1の流量及び第2の流量を同一にすることにより、処理槽31及び解繊部70内の処理液52の量を一定に保つことができ、安定的に連続的な処理が可能である。ただし、処理槽31及び解繊部70内の処理液52の量を略一定に保つことができれば、すなわち、処理槽31及び解繊部70内の処理液52の量が大幅に増加又は減少しなければ、第1の流量と第2の流量とは経時的に変動してもよい。すなわち、第1の流量と第2の流量とは、常時、完全に同一である必要はなく、経時的に平均して略同一であればよい。ここで、略同一とは、第1の流量と第2の流量との差が5質量%以内であることをいう。この場合にも、安定的に連続的な処理が可能である。
なお、処理液52(水溶液)中のオゾンの濃度は以下の方法で測定される。
(1)ヨウ化カリウム約0.15g及び10%のクエン酸溶液5mLを入れた100mLメスシリンダーに、オゾンが溶解した処理液52を85mL入れて反応させる。
(2)反応後の処理液52を、200mLの三角フラスコに移動し、三角フラスコ内にデンプン溶液を加え、紫色に着色させた後、0.01mol/Lのチオ硫酸ナトリウムで無色になるまで撹拌しながら滴定し、添加量a(mL)を記録する。
(3)以下の式を用いて、水溶液中のオゾンの濃度を算出する。
水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)を以下の式:
水溶液中のオゾンの濃度(質量ppm)=a(mL)×0.24×0.85(mL)
により算出する。
また、オゾン含有ガス53中のオゾン濃度は、好ましくは40〜200g/m3であり、より好ましくは40〜150g/m3であり、更に好ましくは40〜100g/m3である。オゾン含有ガス53中のオゾン濃度が低過ぎると高吸収性ポリマーを完全に可溶化できず、高吸収性ポリマーが残存するおそれがある。オゾン含有ガス53中の濃度が高過ぎるとパルプ繊維の損傷、安全性の低下、製造原価の増加につながるおそれがある。オゾン含有ガス53中のオゾン濃度は、例えば、紫外線吸収式のオゾン濃度計(例えば、エコデザイン株式会社製:オゾンモニタOZM−5000G)により測定することができる。
次に、オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32について他の具体例を説明する。図3は、オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32の両方を実行する装置の構成の他の例を示す概略図である。装置2aは、混合液貯蔵部3と、オゾン処理部4−1及び解繊処理部5−1と、オゾン処理部4−2及び解繊処理部5−2と、を備える。装置2aでは、一組のオゾン処理部4及び解繊処理部5を複数組(図3の例では二組)直列に接続することで、オゾン処理工程S31及び解繊処理工程S32を複数回実施する。
装置2a(図3)は、装置2(図2)と比較して、オゾン処理部4及び解繊処理部5が2個直列に接合される点で相違する。言い換えると、装置2aは、装置2と比較して、一組の第1の処理槽31−1及び第1の解繊部70−1と、一組の第2の処理槽31−2及び第2の解繊部70−2と、が直列に接合されている点で相違する。その場合、例えば、第1の処理槽31−1は混合液51を供給され、第1の処理済み液(第1の解繊部70−1の処理液52−1)を送出し、第2の処理槽31−2は、第1の処理済み液を供給され、第2の処理済み液(第2の解繊部70−2の処理液52−2)を排出する、というように混合液51のパルプ繊維が多段階に処理される。その場合、処理槽31及び解繊部70を一組備え、それらを複数回用いる図2の場合と比較して、処理の制御が容易になる。
本実施形態の好ましい態様では、オゾン処理工程S31を経たパルプ繊維を含む第1水溶液(例示:オゾン処理後のパルプ繊維を含む処理液52)をそのまま第2水溶液として解繊処理工程S32へ供給するので、両処理工程を連続的に行うことができる。したがって、解繊処理を効率よく実施することができ、それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
本実施形態の好ましい態様では、解繊処理工程S32を経たパルプ繊維を含む第2水溶液(例示:解繊処理後のパルプ繊維を含む処理液52)をそのまま第1水溶液としてオゾン処理工程S31へ供給するので、両処理工程を連続的に行うことができる。したがって、オゾン処理を効率よく実施することができ、それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
本実施形態の好ましい態様では、第1水溶液及び第2水溶液におけるパルプ繊維の濃度が1〜20質量%であるため、パルプ繊維を水溶液中に広く分散させることが可能である。したがって、オゾン処理工程S31のオゾン処理及び解繊処理工程S32の解繊処理を効率よく実施することができ、それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
本実施形態の好ましい態様では、オゾン処理工程S31で用いられる第1水溶液が酸性又は中性である。そのため、オゾンが失活し難くなり、リグニン等の酸化、分解、除去をより的確に行うことができる。それにより、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
次に、実施形態の別の一態様として、パルプ繊維が、衛生用品に使用されたパルプ繊維、すなわち使用済み衛生用品由来のパルプ繊維である場合について説明する。この態様では、供給工程S10は、使用済み衛生用品からパルプ繊維を分離して、パルプ繊維として供給する工程である。
まず、使用済み衛生用品について説明する。使用済み衛生用品は、使用者により使用された衛生用品であって、使用者の排泄物を吸収・保持した状態の衛生用品を含み、使用されたが排泄物を吸収・保持していないものや未使用だが廃棄されたものも含む。衛生用品としては、例えば紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、ベッドシート、ペットシートが挙げられ、パルプ繊維を含んでおり、高吸水性ポリマーを含んでもよい。
次に、衛生用品の構成例を説明する。衛生用品は、表面シートと、裏面シートと、両シートの間に配置された吸収体とを備える。衛生用品の大きさの一例としては長さ約15〜100cm、幅5〜100cmが挙げられる。衛生用品は、一般的な衛生用品が備える他の部材、例えば拡散シートや防漏壁やサイドシートなどを更に含んでもよい。
表面シートの構成部材としては、例えば液透過性の不織布、液透過孔を有する合成樹脂フィルム、これらの複合シート等が挙げられる。裏面シートの構成部材としては、例えば液不透過性の不織布、液不透過性の合成樹脂フィルム、これらの複合シートが挙げられる。拡散シートの構成部材としては、例えば液透過性の不織布が挙げられる。防漏壁やサイドシートの構成部材としては、例えば液不透過性の不織布が挙げられ、防漏壁は糸ゴムのような弾性部材を含み得る。不織布や合成樹脂フィルムの材料としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレタレート等のポリエステル系樹脂等が挙げられる。不織布の材料として、コットンやレーヨンなどの天然繊維を用いてもよい。本実施形態では裏面シートをフィルムとし、表面シート材を不織布とする衛生用品を例にして説明する。
吸収体の構成部材としては、吸収コア(例示:パルプ繊維及び高吸収性ポリマー)と、コアラップとが挙げられる。パルプ繊維としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、セルロース系繊維が挙げられる。セルロース系繊維としては、例えば、木材パルプ、架橋パルプ、非木材パルプ、再生セルロース、半合成セルロース等が挙げられる。高吸収性ポリマー(Super Absorbent Polymer:SAP)としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はないが、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系のものが挙げられる。
吸収体の一方の面及び他方の面は、それぞれ表面シート及び裏面シートに接着剤を介して接合される。平面視で、表面シートのうちの、吸収体を囲むように、吸収体の外側に延出した周縁部分は、裏面シートのうちの、吸収体を囲むように、吸収体の外側に延出した周縁部分と、接着剤を介して接合される。したがって、吸収体は表面シートと裏面シートとの接合体の内部に包み込まれている。接着剤としては、衛生用品として使用可能であれば特に制限はなく、例えばホットメルト型接着剤が挙げられる。
次に、実施形態の別の一態様に係る使用済み衛生用品からパルプ繊維を分離して供給する供給工程S10について説明する。なお、供給工程S10は、使用済み衛生用品由来のパルプ繊維を供給できれば、特に制限はなく、任意の方法を採用できる。そのような工程として、例えば以下に示す工程を、図4を参照して説明する。
図4は、実施形態に係る供給工程S10の一例を示すフロー図である。供給工程S10は、使用済み衛生用品からフィルム・不織布など、高吸水性ポリマー(SAP)、及び、パルプ繊維を分離し、供給する。そして、供給工程S10は、前処理工程S11〜第4分離工程S18を備えている(図4)。
なお、ここでは、使用済み衛生用品を、再利用(リサイクル)のために外部から回収・取得して用いる。その際、使用済み衛生用品は、排泄物や菌類や臭気が外部に漏れないように、複数個まとめて収集袋に封入される。収集袋の個々の使用済みの衛生用品は、排泄物や菌類が表側に露出せず、臭気が周囲に拡散しないように、例えば、排泄物が排泄される表面シートを内側にして、丸められた状態や折り畳まれた状態になっている。
前処理工程S11では、収集袋が不活化水溶液を貯留する溶液槽内に供給され、破袋刃により収集袋に穴が開口される。それにより、不活化水溶液が穴から浸入した収集袋と、不活化水溶液と、を含む第1混合液が生成される。
ここで、不活化水溶液について説明する。不活化水溶液は、使い捨て衛生用品に含まれる高吸水性ポリマーを不活化する。不活化された高吸水性ポリマーは、水を保持する能力が低下し、吸収していた水を放出する。不活化水溶液としては、例えば酸性水溶液が挙げられる。酸性水溶液における酸としては、特に限定されず、例えば、無機酸及び有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば硫酸、塩酸及び硝酸が挙げられるが、塩素を含まない観点から硫酸が好ましい。有機酸としては、例えば、複数のカルボキシル基を有するカルボン酸(例示:クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸)、一つのカルボキシル基を有するカルボン酸(例示:グルコン酸、ペンタン酸、ブタン酸、プロピオン酸、グリコール酸、酢酸、蟻酸)、スルホン酸(例示:メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸)等が挙げられる。有機酸としては、排泄物等に含まれる2価以上の金属(例示:カルシウム)とキレート錯体を形成し易く、高吸水性ポリマー及びパルプ繊維に灰分を残留させ難い観点から、複数のカルボキシル基を有することが好ましく、クエン酸がより好ましい。酸性水溶液のクエン酸濃度は、特に限定されず、0.5〜4質量%が好ましい。以下、不活化水溶液として酸性水溶液を用いる場合を例に説明する。
分解工程S12では、第1混合液が二軸破砕機(例示:二軸回転式破砕機など)に供給され、収集袋が不活化水溶液(酸性水溶液)中で収集袋ごと破砕される。それにより、使用済み衛生用品を含む収集袋の破砕物と、酸性水溶液と、を含む第2混合液が生成されると共に、使用済み衛生用品の高吸水性ポリマーが不活化される。破砕物は、パルプ繊維及び高吸水性ポリマーと、他の資材(フィルム、不織布、収集袋など)と、を含む。
ただし、酸性水溶液は、pHが酸性(7.0未満)であり、好ましくは7.0未満の所定のpHを有する。pHの上限としては、4.0が好ましく、3.5がより好ましい。pHが高過ぎると、高吸水性ポリマーの不活化が十分に行われず、高吸水性ポリマーが保持する排泄物の排出が不十分になり易い。pHの下限としては、0.5が好ましく、1.0がより好ましい。pHが低過ぎると、パルプ繊維が損傷し易くなる。ここで、pHは25℃における値を意味する。pHは、例えば、pHメーター(AS−711 株式会社堀場製作所製)を用いて測定できる。また、酸性水溶液の温度は、特に制限がなく、例えば、室温(25℃)が挙げられ、好ましくは室温よりも高温、より好ましくは60〜95℃、さらに好ましくは70〜90℃である。高温の場合、酸性水溶液中の酸により、酸性水溶液に含まれる、排泄物等に由来する菌を除菌し易くなる。
第1分離工程S13では、第2混合液がパルパー分離機に供給され、第2混合液からパルプ繊維、高吸水性ポリマー、排泄物及び酸性水溶液が分離される。それにより、パルプ繊維、高吸水性ポリマー、排泄物及び酸性水溶液を含む第3混合液が生成されると共に、使用済み衛生用品のフィルム、不織布や、収集袋の資材などが回収される。
なお、前処理工程S11及び分解工程S12は、不活化水溶液中で使用済み衛生用品の高吸水性ポリマーを不活化するので不活化工程といえる。また、分解工程S12は、不活化水溶液中で使用済み衛生用品を破砕せず、例えば空気中で使用済み衛生用品を破砕してもよい。その場合、第1分離工程S13にて、破砕物と不活化水溶液とが混合され、高吸水性ポリマーが不活化される。よって、第1分離工程S13が不活化工程といえる。
除塵工程S14では、第3混合液が除塵装置に供給され、第3混合液からパルプ繊維、高吸水性ポリマー、排泄物及び酸性水溶液が分離される。それにより、パルプ繊維、高吸水性ポリマー、排泄物及び酸性水溶液を含む第4混合液が生成されると共に、他の資材(異物)が回収される。ただし、除塵装置としては、例えば、スクリーン分離機(大きさによる分離)やサイクロン分離機(比重による分離)が挙げられ、一つの除塵装置を用いてもよいし、複数の除塵装置を直列に多段に連結して用いてもよい。
第2分離工程S15では、第4混合液がドラムスクリーン分離機に供給され、第4混合液から高吸水性ポリマー、排泄物及び酸性水溶液が分離される。それにより、高吸水性ポリマー、排泄物及び酸性水溶液を含む第5混合液が生成されると共に、パルプ繊維が回収される。
第3分離工程S17では、第5混合液が傾斜スクリーン分離機に供給され、第5混合液から排泄物及び酸性水溶液が分離される。それにより、高吸水性ポリマー(SAP)が回収されると共に、排泄物を含む酸性水溶液などが除去される。
オゾン処理工程S16では、第2分離工程S15で回収されたパルプ繊維が処理槽に供給され、処理槽内の酸性水溶液と混合される。そして、処理槽の下部から酸性水溶液に供給されるオゾンにより、パルプ繊維に含まれる高吸水性ポリマーが分解されて、酸性水溶液に溶解する。それにより、高吸水性ポリマーが除去されたパルプ繊維と高吸水性ポリマーの分解物を含む酸性水溶液とを有する第6混合液が生成される。その際、パルプ繊維はオゾンにより殺菌や漂白される。オゾン処理工程S16は、高吸水性ポリマーの分解除去処理をより確実に行う等の観点から、複数回、連続して行ってもよい。なお、酸性水溶液を用いるのは、オゾンの失活の抑制や、高吸水性ポリマーの不活化の観点からである。酸性水溶液に使用される酸としては、作業者や装置への影響の低減の観点から有機酸が好ましく、中でも金属の除去の観点からクエン酸が好ましい。
酸性水溶液中のオゾン濃度は、好ましくは1〜50質量ppmである。濃度が低すぎると、高吸水性ポリマーを完全に可溶化できず、パルプ繊維に高吸水性ポリマーが残留するおそれがあり、濃度が高すぎると、パルプ繊維に損傷を与えるおそれがある。オゾンでの処理時間は、酸性水溶液中のオゾン濃度が高ければ短く、オゾン濃度が低ければ長くし、典型的には5〜120分である。酸化剤水溶液中のオゾン濃度(質量ppm)と処理時間(分)の積(以下、「CT値」ともいう。)は、好ましくは100〜6000質量ppm・分である。CT値が小さすぎると、高吸水性ポリマーを完全に可溶化できず、CT値が大きすぎると、パルプ繊維に損傷を与えるおそれがある。
第4分離工程S18は、第6混合液がスクリーン分離機に供給され、第6混合液から酸性水溶液が分離される。それにより、パルプ繊維が回収されると共に、酸性水溶液が除去される。
以上のようにして、使用済み衛生用品からパルプ繊維を分離することができ、回収されたパルプ繊維を、その後のセルロースナノファイバー形成工程S30(のオゾン処理工程S31)へ供給することができる。
なお、上記の供給工程S10にて、第4分離工程S18を省略し、第6混合液(パルプ繊維及び酸性水溶液)をそのままセルロースナノファイバー形成工程S30(のオゾン処理工程S31)へ供給してもよい。それにより、工程及び装置を削減することができる。
また、上記の供給工程S10において、第4分離工程S18を省略すると共に、供給工程S10のオゾン処理工程S16を、セルロースナノファイバー形成工程S30のオゾン処理工程S31と兼用してもよい。すなわち、供給工程S10のオゾン処理工程S16=セルロースナノファイバー形成工程S30のオゾン処理工程S31とし、オゾン処理工程S16の後に、解繊処理工程S32を行ってもよい。そして、解繊処理工程S32後にオゾン処理工程S16(=オゾン処理工程S31)に戻ってもよい。
また、図2の装置2のオゾン処理部4や図3の装置2aのオゾン処理部4−1を、オゾン処理工程S16とオゾン処理工程S31との兼用としてもよい。
本製造方法では、使用済み衛生用品由来、すなわちリサイクルのパルプ繊維を用いるので、衛生用品としてのパルプ繊維の利用だけでなく、その後にセルロースナノファイバーとしてのパルプ繊維の再利用を実施することができる。すなわち、パルプ繊維を効率的に使用することができ、環境負荷低減に貢献することもできる。また、衛生用品に高吸水性ポリマーが含まれていた場合、リサイクルのパルプ繊維には高吸水性ポリマーが残存し得る。しかし、本製造方法では、オゾン処理工程S16又はS31を備えているので、リサイクルのパルプ繊維に高吸水性ポリマーが残存したとしても、そのオゾン処理により、高吸水性ポリマーを分解し、可溶化することで除去することができる。言い換えると、リサイクルのパルプ繊維に残存する高吸水性ポリマーを除去するためのオゾン処理工程S16を、オゾン処理工程S31と兼用することができる。したがって、良質なセルロースナノファイバーを効率よく製造することが可能となる。
本発明の吸収性物品は、上述した各実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組合せや変更等が可能である。
S31 オゾン処理工程
S32 解繊処理工程

Claims (12)

  1. パルプ繊維からセルロースナノファイバーを製造する製造方法であって、
    前記パルプ繊維に、第1水溶液中でオゾン処理を実施するオゾン処理工程と、
    前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維に、第2水溶液中で物理的な解繊処理を実施する解繊処理工程と、
    を備え、
    前記製造方法は、前記オゾン処理工程と前記解繊処理工程とを連続的に複数回に実施して、8.0質量%未満のヘミセルロース含有率かつ0.10質量%以下のリグニン含有率を有する前記セルロースナノファイバーを形成する、
    製造方法。
  2. 前記オゾン処理工程は、前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維を前記第1水溶液と共に、前記解繊処理工程に供給する工程を含み、
    前記解繊処理工程は、前記オゾン処理を実施された前記パルプ繊維を、前記第2水溶液としての前記第1水溶液中で解繊処理する工程を含む、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記解繊処理工程は、前記解繊処理を実施された前記パルプ繊維を前記第2水溶液と共に、前記オゾン処理工程に供給する工程を含み、
    前記オゾン処理工程は、前記解繊処理を実施された前記パルプ繊維を、前記第1水溶液としての前記第2水溶液中でオゾン処理する工程を含む、
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第1水溶液及び前記第2水溶液における前記パルプ繊維の濃度は1〜20質量%である、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記パルプ繊維は、クラフトパルプ繊維を含む、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記パルプ繊維は、使用済み衛生用品由来のパルプ繊維を含む、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記第1水溶液は、酸性又は中性である、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 繊維状のセルロースを含むセルロースナノファイバーであって、
    前記繊維状のセルロースは、カウンターイオンが入らない酸化のみの化学修飾がなされており、
    ヘミセルロース含有率が8.0質量%未満かつリグニン含有率が0.10質量%以下である、
    セルロースナノファイバー。
  9. 前記繊維状のセルロースは、
    比表面積が、200〜250cmである、
    請求項8に記載のセルロースナノファイバー。
  10. 前記繊維状のセルロースのうちの50%以上は、繊維径が1〜10nmである、
    請求項8又は9に記載のセルロースナノファイバー。
  11. 前記繊維状のセルロースが酸を含む、
    請求項8乃至10のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
  12. 前記繊維状のセルロースは、使用済み生成用品のパルプ繊維に由来する、
    請求項8乃至11のいずれか一項に記載のセルロースナノファイバー。
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