本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
入賞口を備える遊技機がある(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に出球感を与えることが難しいという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、出球感の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機であって、前記経路構成手段は、前記案内経路に到達した遊技球が前記入球領域に入球するまでにかかる期間を複数種類で変化可能に構成される。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記案内経路への流下経路が複数構成され、一の流下経路と前記入球領域との距離と、他の流下経路と前記入球領域との距離が異なるように構成される。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記入球領域は、第1入球領域と、第2入球領域とを備える。
請求項1記載の遊技機によれば、出球感の向上を図ることができる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、案内経路への到達経路が異なる場合に、出球感の向上を図ることができる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第1入球領域への入球による出球と第2入球領域への入球による出球とによって、出球感の向上を図ることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。
遊技盤及び動作ユニットの分解背面斜視図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
(a)及び(b)は、図7のXIIa−XIIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)及び(b)は、図9のXIIIa−XIIIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図9のXIV−XIV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)は、変位規制装置の背面斜視図であり、(b)は、変位規制装置の正面斜視図であり、(c)は、変位規制装置の正面斜視図である。
変位規制装置の分解背面斜視図である。
変位規制装置の分解正面斜視図である。
(a)は、当接部材の背面図であり、(b)は、案内部材の正面図であり、(c)は、操作部材の正面図である。
パチンコ機の正面斜視図である。
遊技盤及び動作ユニットの背面図である。
(a)及び(b)は、図20のXXIa−XXIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
遊技盤及び発射演出ユニットの分解正面斜視図である。
遊技盤及び発射演出ユニットの分解背面斜視図である。
発射演出ユニットの分解正面斜視図である。
発射演出ユニットの分解背面斜視図である。
(a)は、図25の矢印R方向視における第1光照射装置の側面図であり、(b)は、図25の矢印L方向視における第2光照射装置の側面図である。
図2のXXVII−XXVII線における遊技盤及び発射ユニットの断面図である。
射出装置の正面分解斜視図である。
射出装置の正面分解斜視図である。
射出装置の正面分解斜視図である。
射出装置の背面分解斜視図である。
射出装置の背面分解斜視図である。
射出装置の背面分解斜視図である。
(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図34(b)のXXXIVc−XXXIVc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。
(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図35(a)の矢印XXXVb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図35(b)のXXXVc−XXXVc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。
(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図36(a)の矢印XXXVIb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図36(b)のXXXVIc−XXXVIc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。
(a)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における前側伝達部材の平面図であり、(b)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
(a)から(f)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材、衝突部材、当接部材及び前側伝達部材の平面図である。
(a)から(e)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材、衝突部材、当接部材及び前側伝達部材の平面図である。
(a)から(f)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材、伝達アーム部材及び蓋部材の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。
拡大縮小ユニットの正面斜視図である。
拡大縮小ユニットの正面斜視図である。
拡大縮小ユニットの背面斜視図である。
拡大縮小ユニットの背面斜視図である。
拡大縮小ユニットの正面分解斜視図である。
拡大縮小ユニットの背面分解斜視図である。
演出部材の正面分解斜視図である。
演出部材の背面分解斜視図である。
機能板部の正面図である。
回転板の正面図である。
回転板の側面図である。
(a)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の正面斜視図であり、(b)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の背面斜視図である。
(a)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の正面斜視図であり、(b)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の背面斜視図である。
機能板部の正面図である。
機能板部の正面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
(a)及び(b)は、演出部材の背面図である。
演出部材の背面図である。
(a)は、演出部材の背面図であり、(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における演出部材の上面図である。
(a)は、演出部材の背面図であり、(b)は、図75(a)の矢印LXXVb方向視における演出部材の上面図である。
図75のLXXVI−LXXVI線における演出部材の断面図である。
変位回転ユニットの正面斜視図である。
変位回転ユニットの背面斜視図である。
変位回転ユニットの正面分解斜視図である。
変位回転ユニットの背面分解斜視図である。
横スライド部材の分解正面斜視図である。
横スライド部材の分解背面斜視図である。
図7のLXXXIII−LXXXIII線における変位回転ユニットの部分断面図である。
配線アーム部材の斜視図である。
配線案内部材の経路形成部材の斜視図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における変位回転ユニットの断面図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における変位回転ユニットの断面図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における変位回転ユニットの断面図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図89(a)のLXXXIXb−LXXXIXb線における変位回転ユニットの断面図である。
遊技盤の分解正面斜視図である。
遊技盤の分解背面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解正面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解正面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解背面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解背面斜視図である。
図2のXCVI−XCVI線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図2の範囲XCVIIにおける第1装飾部材の部分正面拡大図である。
第2実施形態における遊技盤の正面図である。
第3実施形態における拡大縮小ユニットの正面図である。
回転板の正面図である。
第4実施形態における前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。
第5実施形態における前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。
図2のXXVII−XXVII線に対応する線における第6実施形態における遊技盤及び発射ユニットの断面図である。
第7実施形態におけるパチンコ機の背面図である。
第7実施形態における基板ボックスの正面斜視図である。
基板ボックスの背面斜視図である。
(a)は、基板ボックスの正面図であり、(b)は、基板ボックスの側面図である。
ボックスカバーの正面斜視図である。
ボックスカバーの背面斜視図である。
(a)は、図108の矢印CXa方向視におけるボックスカバーの部分拡大正面図であり、(b)は、図109の矢印CXb方向視におけるボックスカバーの部分拡大背面図である。
(a)は、ボックスベースの正面斜視図であり、(b)は、ボックスベースの背面斜視図である。
(a)は、主制御装置の正面斜視図であり、(b)は、主制御装置の背面斜視図である。
図112(a)の部分CXIIIにおける主制御装置の部分拡大正面斜視図である。
(a)は、図112(a)の矢印CXIVa方向視における主制御装置の正面図であり、(b)は、図114(a)の矢印CXIVb方向視における主制御装置の側面図であり、(c)は、図114(a)の矢印CXIVc方向視における主制御装置の側面図である。
(a)は、鍵がオフ位置に操作された状態における基板ボックスの部分拡大正面図であり、(b)は、鍵がオン位置に操作された状態における基板ボックスの部分拡大正面図である。
(a)は、図115(a)の矢印CXVIa方向視における基板ボックスの部分拡大側面図であり、(b)は、図115(b)の矢印CXVIb方向視における基板ボックスの部分拡大側面図である。
(a)は、図115(a)の切断線CXVIIa−CXVIIaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図115(a)の切断線CXVIIb−CXVIIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
(a)は、図115(a)の切断線CXVIIIa−CXVIIIaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図115(a)の切断線CXVIIIb−CXVIIIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
(a)は、図116(a)の切断線CXIXa−CXIXaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図116(a)の切断線CXIXb−CXIXbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
パチンコ機の正面斜視図である。
(a)は、第8実施形態における基板ボックスの部分拡大背面図であり、(b)は、図121(a)の切断線CXXIb−CXXIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
(a)は、第9実施形態における基板ボックスの正面図であり、(b)は、パチンコ機の正面模式図である。
(a)は、第10実施形態における基板ボックスの正面図であり、(b)は、パチンコ機の正面模式図である。
第11実施形態における遊技盤の正面図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の分解正面斜視図である。
可変入賞装置の分解背面斜視図である。
可変入賞装置の正面図である。
図130のCXXXI−CXXXI線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図132(a)の範囲CXXXIIbにおける可変入賞装置の部分正面拡大図である。
図132(a)のCXXXIII−CXXXIII線における可変入賞装置の断面図である。
可変入賞装置の上面図である。
可変入賞装置の上面図である。
可変入賞装置の上面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図137(a)の矢印CXXXVIIb方向視における可変入賞装置の上面図である。
(a)は、図137(a)のCXXXVIIIa−CXXXVIIIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図137(a)のCXXXVIIIb−CXXXVIIIb線における可変入賞装置の断面図である。
可変入賞装置の正面図である。
(a)及び(b)は、入球前範囲において転動する球の移動軌跡を模式的に示す転動面、右上配置傾斜面及び左上配置傾斜面の正面模式図である。
可変入賞装置付近を示す遊技盤の部分正面拡大図である。
(a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口及び第2特定入賞口の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、(b)は、第2の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口及び第2特定入賞口の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、(c)は、第3の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口及び第2特定入賞口の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図である。
第12実施形態における遊技盤の正面図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の分解正面斜視図である。
可変入賞装置の分解背面斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図150(a)の矢印CLb方向視における可変入賞装置の上面図であり、(c)は、図150(b)の矢印CLc方向視における可変入賞装置の背面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図151(a)の矢印CLIb方向視における可変入賞装置の上面図であり、(c)は、図151(b)の矢印CLIc方向視における可変入賞装置の背面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図152(a)の矢印CLIIb方向視における可変入賞装置の上面図であり、(c)は、図152(b)の矢印CLIIc方向視における可変入賞装置の背面図である。
(a)は、図150(a)のCLIIIa−CLIIIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図150(a)のCLIIIb−CLIIIb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図151(a)のCLIIIc−CLIIIc線における可変入賞装置の断面図であり、(d)は、図152(a)のCLIIId−CLIIId線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図151(a)のCLIVa−CLIVa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図151(a)のCLIVb−CLIVb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図151(a)のCLIVc−CLIVc線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図152(a)のCLVa−CLVa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図152(a)のCLVb−CLVb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図152(a)のCLVc−CLVc線における可変入賞装置の断面図である。
(a)及び(b)は、第1入賞口、第2入賞口及び可変入賞装置の正面図である。
第12実施形態の第1制御例における可変入賞装置の性能の一例を模式的に示した模式図である。
第13実施形態における可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の上面図である。
第2回動部材及び伝達部材の正面斜視図である。
(a)及び(b)は、図158の矢印CLXIa方向視における第2回動部材及び伝達部材の右側側面図である。
(a)から(c)は、図158の範囲CLXIIaにおける入球前範囲の正面図である。
第14実施形態における遊技盤の正面図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の分解正面斜視図である。
可変入賞装置の分解背面斜視図である。
可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の正面図である。
第15実施形態における可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の背面図である。
(a)及び(b)は、図173のCLXXIVa−CLXXIVa線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置の断面図である。
第16実施形態における遊技盤及び可変入賞装置の正面図である。
第17実施形態における可変入賞装置の上面図である。
(a)は、伝達回転体の正面図であり、(b)は、図179(a)の矢印CLXXIXb方向視における伝達回転体の側面図であり、(c)は、伝達回転体の円周面を展開した展開図であり、(d)は、伝達回転体の回転方向と第1案内板及び第2案内板の状態との関係を模式的に示す模式図である。
可変入賞装置の正面図である。
(a)は、第4の作動パターンにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化を示した図であり、(b)は、第5の作動パターンにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化を示した図である。
第19実施形態における可変入賞装置の正面図である。
(a)及び(b)は、図158の範囲CLXIIaに対応する範囲における第20実施形態における可変入賞装置の部分正面図であり、(c)は、図183(a)の矢印CLXXXIIIc方向視における可変入賞装置の部分上面図である。
第21実施形態における遊技盤の部分正面図である。
(a)は、第22実施形態における可変入賞装置の上面図であり、(b)は、図185(a)のCLXXXVb−CLXXXVb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図185(b)の矢印CLXXXVc方向視における可変入賞装置の部分側面図である。
第22実施形態における第3制御例における主制御装置のMPUにおけるROMの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
小当たりAにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化および小当たりBにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化を示した図である。
第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、第8の作動パターンにおける特定入賞口の計時変化を示した図であり、(b)は、第9の作動パターンにおける特定入賞口の計時変化を示した図である。
メイン処理を示すフローチャートである。
(a)及び(b)は、第23実施形態における可変入賞装置の上面図である。
可変入賞装置の右面図である。
可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の正面図である。
第1案内板の伝達孔、直動部材及び回転部材の上面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図198(a)の矢印CXCVIIIb方向視における可変入賞装置の部分上面拡大図であり、(c)は、可変入賞装置の正面図であり、(d)は、図198(c)の矢印CXCVIIId方向視における可変入賞装置の部分上面拡大図である。
(a)は、第24実施形態における伝達回転体の円周面を展開した展開図であり、(b)は、第1演出区間B24760の部分展開図であり、(c)は、第2演出区間B24770の部分展開図である。
(a)及び(b)は、第25実施形態における電動役物の右側面図である。
(a)は、伝達部材を回転軸方向から視認した伝達部材の右側面図であり、(b)は、図201(a)の矢印CCIb方向視における伝達部材の正面図である。
(a)から(c)は、電動役物及び第2入賞口の正面図である。
第26実施形態における可変入賞装置の正面図である。
第27実施形態における可変入賞装置の正面図である。
第28実施形態における遊技盤の正面図である。
下側フレームの正面斜視図である。
下側フレームの背面斜視図である。
下側フレームの分解正面斜視図である。
下側フレームの分解背面斜視図である。
下側フレームの上面図である。
下側フレームの正面図である。
下側フレームの背面図である。
(a)は、図211の矢印CCXIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図211の矢印CCXIIIb方向視における下側フレームの側面図である。
図210のCCXIV−CCXIV線における下側フレームの断面図である。
図210のCCXIV−CCXIV線における下側フレームの断面図である。
図211のCCXVI−CCXVI線における下側フレームの断面図である。
(a)は、図214のCCXVIIa部における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図210のCCXVIIb−CCXVIIb線における下側フレームの部分拡大断面図である。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
第29実施形態における下側フレームの正面斜視図である。
下側フレームの背面斜視図である。
下側フレームの分解正面斜視図である。
下側フレームの分解背面斜視図である。
下側フレームの上面図である。
下側フレームの正面図である。
下側フレームの背面図である。
(a)は、図226の矢印CCXXVIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図226の矢印CCXXVIIIb方向視における下側フレームの側面図である。
図225のCCXXIX−CCXXIX線における下側フレームの断面図である。
図225のCCXXIX−CCXXIX線における下側フレームの断面図である。
図227のCCXXXI−CCXXXI線における下側フレームの部分拡大断面図である。
図227のCCXXXII−CCXXXII線における下側フレームの部分拡大断面図でる。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。
図235(b)のCCXXXVI−CCXXXVI線における下側フレームの部分拡大断面図である。
第30実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。
下側フレームの背面図である。
第30実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。
下側フレームの背面図である。
(a)は、第31実施形態における皿部材の上面図であり、(b)は、図241(a)のCCXLIb−CCXLIb線における皿部材の断面図であり、(c)は、図241(a)のCCXLIc−CCXLIc線における皿部材の断面図である。
(a)は、第32実施形態における下側フレームの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応し、(b)は、第33実施形態における下側フレームの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応する。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図97を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴(例えば、図5参照)に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じる。電動役物640aが開放状態の時は、開閉板の上面を伝って球が第2入賞口640に案内され易く構成され、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなるように構成している。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板60には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、スルーゲート67の正面視右下側には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。なお、第2入賞口640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側でも良い。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10とは異なり、遊技盤13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機10では、「右打ち」では第1入賞口64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲート67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口64の右方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右方に限らず、例えば、第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側や、可変表示装置ユニット80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物640aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータMT1,MT2,MT3,MT4,MT5等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤13及び動作ユニット500の構造について説明する。図5は、遊技盤13及び動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図6は、遊技盤13及び動作ユニット500の分解背面斜視図である。なお、図5及び図6では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
遊技盤13は、上述のように、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、スルーゲート67、可変入賞装置65、ベース板60に開口される窓部60a(図90参照)に正面側から嵌合可能な形状で構成されるセンターフレーム86、遊技領域から排出された球が流下可能に構成される球流下ユニット150、第3図柄表示装置81の正面側へ向けて粒状部材320(図54参照)を発射可能に構成される発射演出ユニット300等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の表面と対向配置され固定される態様で内枠12に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。
例えば、ベース板60の背面側に球流下ユニット150を配設する場合であっても、ベース板60が透けて奥側が見えるので、球流下ユニット150を流下している球を視認させることができる。本実施形態では、球流下ユニット150が、視認される球により奏する効果を考慮して設計されているが、詳細は後述する。
なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
センターフレーム86は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等によりベース板60に固定される。
発射演出ユニット300は、粒状部材320(図54参照)を受け入れ、粒状部材320が飛散可能な範囲を区画する区画部材310がセンターフレーム86の内側に配置されることで、粒状部材320をセンターフレーム86の内側へ向けて発射可能とされる。そのため、センターフレーム86の内側窓部を通して第3図柄表示装置81の表示を視認する遊技者に対して、第3図柄表示装置81の正面側で飛散する粒状部材320を効果的に視認させることができる。なお、発射演出ユニット300の詳細については後述する。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側上部に配設される拡大縮小ユニット600と、背面ケース510の内側左右部に左右対称で配設される変位回転ユニット800とを備える。
具体的には、拡大縮小ユニット600は、開口511aの上方位置において、変位回転ユニット800は、開口511aの左右位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図7から図11は、動作ユニット500の動作制御の一例を時系列で示す動作ユニット500の正面図である。なお、図7では、演出待機状態の拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が図示され、図8では、張出状態の拡大縮小ユニット600と、演出待機状態の変位回転ユニット800とが図示され、図9では、拡大状態の拡大縮小ユニット600と、演出待機状態の変位回転ユニット800とが図示される。
また、図10では、演出待機状態の拡大縮小ユニット600と、演出上端状態の変位回転ユニット800とが図示され、図11では、左側の変位回転ユニット800は演出上端状態とされ、右側の変位回転ユニット800は演出下端状態とされる。
図7から図11に図示されるように、拡大縮小ユニット600の変位軌跡と変位回転ユニット800の変位軌跡とは正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、変位回転ユニット800が演出上端状態(図10参照)の時に、拡大縮小ユニット600が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、変位回転ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、変位回転ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、拡大縮小ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、拡大縮小ユニット600と変位回転ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
図7から図9に示すように、拡大縮小ユニット600は、演出部材700が一箇所に集合配置された状態で下降変位可能に構成され、下降変位後に第3図柄表示装置81の表示領域の前方に配置された状態で演出部材700の構成部材が互いに離散して、正面視で視認される面積が大きくなるよう動作制御される(図9参照)。
その後、拡大縮小ユニット600は、演出部材700が再び集合し(図8参照)、一箇所に集合配置された状態で上昇変位し、図7に示す演出待機状態に復帰するよう制御される。
図10及び図11に示す状態変化は、拡大縮小ユニット600が演出待機状態の時に実行される。図7、図10及び図11に示すように、変位回転ユニット800は、横スライド部材840が演出待機状態から、上下方向成分のみでは無く、左右方向成分を有する方向で変位可能に構成される。
本実施形態では、後述の機構により設定される経路曲線S1に沿って横スライド部材840が変位する。経路曲線S1は、各中心点C1を中心とする円弧形状からなる共通円弧部S1aと、その共通円弧部S1aの下端から左右外側下方へ延びる進退経路部S1bとを備える。
図10では、左右一対の横スライド部材840が共通円弧部S1aの上端位置に配置されており、図11では、左側の横スライド部材840は共通円弧部S1aの上端位置に配置される一方、右側の横スライド部材840は共通円弧部S1aの下端位置よりも上側の位置に配置される。
そのため、図11に示す状態から、左側の横スライド部材840を下側へ変位させ、右側の横スライド部材840を上側へ変位させるよう制御すると、あたかも横スライド部材840が第3図柄表示装置81の中心寄りに配置される中心点C1を中心に回転変位しているかのように遊技者に視認させることができる。
即ち、横スライド部材840を第3図柄表示装置81の表示領域と同等の大きさの回転演出体の一部として視認させることができ、横スライド部材840を利用した演出の演出自由度を向上することができる。
図12(a)及び図12(b)は、図7のXIIa−XIIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図であり、図13(a)及び図13(b)は、図9のXIIIa−XIIIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図であり、図14は、図9のXIV−XIV線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。
なお、図7及び図9では遊技盤13は図示されていないが、図12から図14では、遊技盤13が動作ユニット500の正面側に組み付いた状態(図2参照)が図示される。
また、図12(a)及び図13(a)では、粒状部材320が下方に滞留した状態の一例が図示され、図12(b)及び図13(b)では、粒状部材320が発射され飛散した状態の一例が図示される。
拡大縮小ユニット600の演出部材700は、図12(a)及び図12(b)に示す演出待機状態では集合配置の中央部分が発射演出ユニット300の区画部材310よりも上側に配置され、区画部材310を通して第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を視認可能に構成される。
一方、図13(a)及び図13(b)に示す拡大状態では発射演出ユニット300の区画部材310の背後に演出部材700が近接配置され、演出部材700に目隠しされることで(図9参照)、第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が視認不能に遮蔽される。
拡大縮小ユニット600の変位軌跡と、区画部材310とは干渉しないので、拡大縮小ユニット600の配置に関わらず、区画部材310に粒状部材320を発射する動作演出を実行するように発射演出ユニット300を制御することが可能である。
図12(a)に示すように、粒状部材320は第3図柄表示装置81の表示領域の下縁よりも下側に配置されており、前方へ向かうほど上昇傾斜する経路で発射されることで、区画部材310の前壁部に打ち付けられ、区画部材310により形成される範囲で跳ね返りながら上昇する。
これにより、遊技者に対して、粒状部材320が、あたかも自分の側へ向かって来るかのように見せることができるので、粒状部材320を利用した演出に対する注目力を向上することができる。
また、このように構成することにより、粒状部材320を飛散させる範囲を遊技者側へ寄せることができると共に、第1入賞口64(図2参照)等、遊技領域に配設される構成部材の配置自由度が低くなることを避けることができる。
換言すれば、本実施形態の区画部材310へ向けて発射される粒状部材320の待機位置として、区画部材310の真下の位置や、前寄りの位置を採用することもできる。しかし、この場合、第1入賞口64の背面側のスペースに発射演出ユニット300が配設されるので、第1入賞口64に入球した球を流す案内経路の配設スペースを確保することが難しくなり、第1入賞口64の位置を移動させて対処することが必要となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、区画部材310は最前面位置に配置し、粒状部材320の待機位置を斜め後方に配置することで、第1入賞口64の背面側のスペースを確保できるので、球の案内経路を問題なく配設することができ、第1入賞口64を自由に配置できないという事態が生じることを未然に防ぐことができる。
図12(a)に示す状態で、粒状部材320を発射する制御を行うと、図12(b)に示すように、区画部材310の内部で飛散する粒状部材320と第3図柄表示装置81の表示領域における表示とを合わせて遊技者に見せることができる。これにより、平面的な表示と、三次元的に変位する粒状部材320の動きとを組み合わせて遊技者に視認させることができる。
図13(a)に示す状態で、粒状部材320を発射する制御を行うと、図13(b)に示すように、区画部材310の内部における粒状部材320の飛散と、拡大縮小ユニット600の状態変化とを合わせて遊技者に見せることができる。この場合、例えば、粒状部材320の飛散のタイミングと、拡大縮小ユニット600の演出部材700が離散する態様で変位するタイミングとを合わせることで、状態変化する拡大縮小ユニット600の正面側で粒状部材320が飛び散る様子を視認させることができ、拡大縮小ユニット600の状態変化の迫力を強化することができる。
ここで、拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて演出する方法として、第3図柄表示装置81の表示を拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて切り替える方法も考えられる。
しかし、本実施形態のように、第3図柄表示装置81が拡大縮小ユニット600の背面側に配置され、拡大縮小ユニット600により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が遮蔽される状況では、第3図柄表示装置81の表示を切り替えたとしても、その表示を見せ難く、効果的に演出することは困難であると考えられる。
これに対し、本実施形態では、拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて動作演出する粒状部材320が飛散する範囲を形成する区画部材310の位置を、拡大縮小ユニット600の正面側に設けているので、拡大縮小ユニット600が第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を遮蔽する状況においても、粒状部材320を遊技者に見せ難いということは無い。
更に、粒状部材320を小形の部材で構成することにより、粒状部材320を大形の部材で構成する場合に比較して、拡大縮小ユニット600が、かえって見え難くなることを防止することができる。
従って、拡大縮小ユニット600により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が遮蔽されている状態においても、拡大縮小ユニット600の演出効果を向上させることができる。
また、粒状部材320の飛散を、拡大縮小ユニット600と組み合わせて視認させる演出は、そのまま粒状部材320の飛散を変位回転ユニット800と組み合わせて視認させる演出に利用できる。
即ち、変位回転ユニット800は、拡大縮小ユニット600と同様に、横スライド部材840が第3図柄表示装置81の表示領域から退避して配置される状態(演出待機状態、図7参照)と、横スライド部材840が第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に配置される状態(演出下端状態、演出上端状態、図10及び図11参照)とで状態変化できるので、その状態に対応して、飛散する粒状部材320と第3図柄表示装置81の表示とを組み合わせて視認させる演出と、飛散する粒状部材320と変位回転ユニット800の横スライド部材840とを組み合わせて視認させる演出とを実行することができる。
この場合、拡大縮小ユニット600では、演出部材700を離散させる態様の変位に合わせて粒状部材320を飛散させることで効果的に演出することができると説明したが、変位回転ユニット800では、回転可能に配設される羽状部材854の回転に合わせて粒状部材320を飛散させることで、羽状部材854の回転により空気の流れが生じている(空気の流れが生じるほどに羽状部材854が高速回転している)かのように視認させることができ、変位回転ユニット800の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、粒状部材320の飛散を、第3図柄表示装置81の表示領域と組み合わせて視認させる演出と、拡大縮小ユニット600又は変位回転ユニット800と組み合わせて視認させる演出とに兼用することができる。
図14に示すように、発射演出ユニット300の一部であって変位回転ユニット800の横スライド部材840の真上に配置される第1光照射装置330の後端ラインBL1は、図14に示す断面上における変位回転ユニット800の前端ラインFL1よりも背面側に配置される。そのため、変位回転ユニット800の横スライド部材840の変位軌跡によっては(例えば、図14に示す状態から横スライド部材840が真上への変位を継続すると)、第1光照射装置330と変位回転ユニット800とが衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、進退経路部S1bを発射演出ユニット300と変位回転ユニット800との衝突を回避可能な経路として設定している。即ち、発射演出ユニット300の射出装置400と第1光照射装置330との間に斜め方向で設けられる隙間を通る経路として進退経路部S1bを設定することで、後端ラインBL1及び前端ラインFL1の設定自由度を向上することができると共に、後端ラインBL1を設定する第1光照射装置330を超えて上昇変位可能に構成されており、変位回転ユニット800の変位幅を大きく確保することができる。
図13に示すように、演出部材700の変位時、演出部材700と区画部材310とは前後方向で近接配置される。遊技可能状態においては、演出部材700と区画部材310との間で間隔を確保できる程度に配置しているが、搬送時においてまで演出部材700と区画部材310との間に間隔を確保することまで考慮しているものでは無い。そのため、搬送時においては、演出部材700を変位範囲の上側終端位置に維持し、区画部材310と演出部材700とが近接配置されないように規制することが望ましい。
図6に戻って説明する。動作ユニット500は、背面ケース510に締結固定される変位規制装置180を備える。変位規制装置180は、背面ケース510の背面からの手動操作で状態変化可能に構成されており、規制状態において、拡大縮小ユニット600が演出待機状態から下降変位することを規制する。
変位規制装置180を採用することにより、本実施形態のように、ベース板60の中央の開口が閉塞される場合であっても、パチンコ機10の出荷や搬送を容易とすることができる。
詳述すると、従来、可動役物が変位する範囲に緩衝材(わた等のクッション部材)を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段により、出荷時や搬送時に可動役物が変位することを防止する場合があった。しかし、ベース板60の中央の開口部が本実施形態のように閉塞されていると(図12(a)参照)、緩衝材を抜き取るための貫通箇所が無いため、遊技盤13と背面ケース510とを分解しないと緩衝材を抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
この対策として、本実施形態では変位形成装置180を採用している。これにより、遊技盤13及び背面ケース510の固定を解除することなく、拡大縮小ユニット600の昇降変位を規制する規制状態と、その規制が解除される規制解除状態とで変位規制装置180の状態を切り替えることができる。以下、まず変位形成装置180の構成の詳細を説明し、その後で状態変化の詳細について説明する。
図15(a)は、変位規制装置180の背面斜視図であり、図15(b)は、変位規制装置180の正面斜視図であり、図15(c)は、変位規制装置180の正面斜視図である。
なお、図15(a)及び図15(b)では、規制解除状態の変位規制装置180が図示され、図15(c)では、規制状態の変位規制装置180が図示される。図15(a)から図15(c)で示すように、変位規制装置180は、当接部材181から円筒部183dが出没することにより、規制状態と規制解除状態とが切り替えられる。変位規制装置180の規制状態において、円筒部183dは、背面ケース510の内側まで張り出し、拡大縮小ユニット600の被規制孔657と係合可能に構成されるが、詳細は後述する。
図16は、変位規制装置180の分解背面斜視図であり、図17は、変位規制装置180の分解正面斜視図であり、図18(a)は、当接部材181の背面図であり、図18(b)は、案内部材182の正面図であり、図18(c)は、操作部材183の正面図である。
図16から図18に示すように、変位規制装置180は、背面ケース510(図6参照)に当接配置される当接部材181と、その当接部材181の背面側に配置され当接部材181に締結固定されると共に操作部材183を前後方向に案内する案内部材182と、その案内部材182に変位を案内される操作部材183と、その操作部材183と当接部材181との間に配設され操作部材181に背面側へ向く付勢力を付与可能に構成されるコイルスプリング184とを主に備える。
操作部材183が背面視で左右に長尺の略楕円形状から形成されることに伴い、操作部材183を収容する当接部材181や案内部材182も背面視で左右に長尺の略楕円形状から形成されるので、変位規制装置180の外観形状は、背面視で左右に長尺の略楕円形状となる。
当接部材181は、背面ケース510との接触面積を大きくすることで保持力を高めるよう主に板状で設計されており、その板端から背面側へ向けて案内部材182を保持するための壁部が延設されており、左右端部において穿設され背面ケース510から突出する締結部が挿通される挿通孔181aと、コイルスプリング184を隙間に配置可能な形状の二重筒状で背面側へ突設される筒状保持部181bと、操作部材183との関係で周知のラッチ機構を構成し操作部材183と係合可能に構成される被係合部181cとを備える。
案内部材182は、当接部材181の外周に沿う楕円の環状で前後方向に延設される本体部182aと、挿通孔181aに挿通される締結部に螺入される締結ネジが挿通されるネジ挿通部182bと、当接部材181に挿通される締結ネジが螺入される締結部182cと、本体部182aの背面側端部において径方向内側に張り出す抜け止め部182dと、本体部182aの上下内側部において前後方向に亘って径方向内側に突設される突条182eとを備える。
本構成から、当接部材181と案内部材182とを締結固定することで、当接部材181と案内部材182との間に操作部材183を配置し、脱落不能に保持することができるが、本実施形態では、その締結方向の設定により、当接部材181と案内部材182とを分解可能な状況を限定している。
換言すれば、本実施形態では、当接部材181と案内部材182とを締結固定するための締結ネジを、当接部材182の正面側(背面ケース510により覆われる側)から挿通させる構成としているので、背面ケース510に変位規制装置180が組み付けられている状態では、締結ネジに触れることができない。従って、変位規制装置180を背面ケース510から取り外した状態でのみ当接部材181と案内部材182とを分解することができる。
なお、変位規制装置180を背面ケース510に締結固定するための締結ネジは、案内部材182の背面側からネジ挿通部182bに挿通されているので、背面ケース510の背面側が露出する状態(図19参照)において容易に触れることができ、変位規制装置180を背面ケース510から取り外すことを容易とすることができる。
操作部材183は、案内部材182の抜け止め部182dよりも若干小さな楕円形で背面視外形が形成され正面側が開放されるカップ状に形成される本体部183aと、その本体部183aの前縁部から径方向外方へ張り出すフランジ部183bと、そのフランジ部183bに凹設される溝部183cと、本体部183aの底部中央から正面側へ円筒状に突設される円筒部183dと、その円筒部183dを中心としてコイルスプリング184の外径よりも大径の円弧形状で正面側に突設される円弧形状突条部183eと、当接部材181の被係合部181cに係合可能な位置に突設され、被係合部181cとの関係で周知のラッチ機構を構成可能とされる係合部183fとを備える。
操作部材183の板背面には、楕円形状のシールが貼り付けられている。このシールは、短手方向の端部の一方に凹形状が形成されており(図15(a)参照)、この凹形状を上向きに配置することで、組み付け時における上下姿勢間違いを容易に防止することができる。
本体部183aを楕円形とすることにより、操作部材183が回転変位することを容易に防止することができる。即ち、操作部材183が回転変位しそうになっても、案内部材182の本体部182aと当接することで回転が規制される。
フランジ部183bは、案内部材182の抜け止め部182dよりも背面視で大きく形成されており、これにより操作部材183が案内部材182から抜け落ちることを防止することができる。即ち、操作部材183は、フランジ部183bが当接部材181と案内部材182との間に保持された状態において前後方向に変位可能とされる。
溝部183cは、案内部材182の突条182eと対応する位置に形成されており、操作部材183の前後変位を滑らかに行わせる役割がある。なお、本実施形態では、突条182eが上側に2箇所、下側に1箇所で形成されていることに伴い、溝部183cも上側に2箇所、下側に1箇所で形成される。これにより、操作部材183の上下を間違えて行う誤組立を防止することができる。
円筒部183dは、コイルスプリング184の巻き中心に挿通される部分であって、当接部材181の筒状保持部181bの中央開口に挿通可能に構成される。円筒部183dが当接部材181の中央開口から張り出した状態では、後述するように、円筒部183dは拡大縮小ユニット600の被規制孔657と係合し、演出部材700の昇降変位を規制する。
即ち、本実施形態では、円筒部183dを、拡大縮小ユニット600の演出部材700の昇降変位を規制する部分と、コイルスプリング184を支持する部分とで兼用することができる。
円弧形状突条部183eは、コイルスプリング184の外径側と対向配置可能に配設され、当接部材181の筒状保持部181bの大径側筒状部と前後方向で対向配置される。操作部材183が押し込み操作される際には、他の部分に先行して円弧形状突条部183eと筒状保持部181bとが当接するので、負荷発生面積を増やすことができ、局所的に大負荷が生じることを防止することができる。
円弧形状突条部183eは、円状では無く、円が途切れた円弧状に形成され、その途切れた位置において係合部183fが配設される。これにより、係合部183fと、円筒部183d及びコイルスプリング184とが離れすぎることを回避することができる。
操作部材183の状態変化について説明する。操作部材183には、コイルスプリング184により背面側へ付勢されているところ、この付勢力に抗して操作部材183を正面側へ押し込むと、係合部183fと被係合部181cとで構成されるラッチ機構が作用し、ラッチ機構が作用する最小ストローク以上で押し込む度に、上述した規制状態と、規制解除状態とで交互に切り替えられる。
このように、ラッチ機構により状態変化可能に構成されているので、操作部材183が意図的に操作された場合に限らず、パチンコ機10に大きな外力が与えられることで操作部材183が上述の最小ストローク分だけ変位してしまうと、意図せず変位規制装置180が状態変化する虞がある。
例えば、変位規制装置180の規制状態において、出荷時の衝撃や、搬送時の振動で、意図せずに変位規制装置180に状態変化が生じると、拡大縮小ユニット600が演出待機状態(演出部材700が上側変位終端に配置される状態)から変位する可能性がある。演出待機状態から変位した演出部材700が区画部材310に近接配置された状態(図13参照)で、出荷時の衝撃や搬送時の振動を受けると、演出部材700が発射演出ユニット300の区画部材310に衝突する虞があり、演出部材700や区画部材310が破損する虞がある。
これに対し、本実施形態では、操作部材183に対して付勢力が加えられる位置(中央位置)から離れた位置(右側に偏心した位置)に係合部183fが配置されていると共に、操作部材183の溝部183cと案内部材182の突条182eとの隙間寸法が大きく設定され、操作部材183の姿勢維持能力を敢えて下げて構成される。
これにより、案内部材182に対する操作部材183の姿勢を予め傾斜させておくことができることから、操作部材183の変位抵抗を増加させておくことができる。従って、意図しない外力により操作部材183が前後方向に変位する変位量を抑制することができる。
変位規制装置180の動作ユニット500との関係について説明する。図19は、正面枠14を開放した状態におけるパチンコ機10の正面斜視図であり、図20は、遊技盤13及び動作ユニット500の背面図であり、図21(a)及び図21(b)は、図20のXXIa−XXIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。
なお、図21(a)では、変位規制装置180の規制状態が図示され、図21(b)では、変位規制装置180の規制解除状態が図示される。
図19に示すように、変位規制装置180は、内枠12の開閉基端側(左側)に配置されており、裏パック92を内枠12に対して開放することにより作業者が手を延ばせば触れられるよう構成される。この位置は、内枠12を開放して作業を行う作業者が進入する側(開閉先端側、右側)の反対側であるので、内枠12の開放時に、作業者が意図せず変位規制装置180に触れることを回避することができる。
図21(a)及び図21(b)に示すように、上述のラッチ機構を構成する係合部183f及び被係合部181cは、変位規制装置180の右側部に形成されている。操作部材183は緩い支持とされているので、操作部材183を押しこむ負荷の全てが操作部材183の前後移動に使用されるものでは無く、操作部材183の姿勢変化にも使用される。
例えば、操作部材183の右側を押し込んだ場合に、右側部は十分に前後移動するとしても、操作部材183が姿勢変化して、左側部が十分に押し込まれないという事態が十分生じ得る。
そのため、変位規制装置180を押し込んで状態の切り替えを行う目的からすれば、作業者は、ラッチ機構の形成部をピンポイントで押し込む方が、変位規制装置180に必要な変位を生じさせ易く、変位規制装置180の状態切り替えに成功し易いといえる。
本実施形態では、上述のように、ラッチ機構を構成する係合部183f及び被係合部181cは、変位規制装置180の右側部に形成されており、作業者は右側から進入して変位規制装置180を操作するので、作業者は最小限の動作で変位規制装置180に到達することができる。従って、作業者は、ラッチ機構の形成部をピンポイントで押し込む操作を容易に実行することができる。
また、操作部材183を押し込む際の姿勢変化は、押し込まれる側へ押圧面(円筒部183dの基端側に形成される面)を向ける態様で生じる。従って、押し込み量が大きくなるにしたがって、作業者の押し込み負荷が操作部材183に伝達され易く構成することができる。
図21(a)に示す規制状態では、操作部材183の円筒部183dが、伝達ギア650の被規制孔657に挿通され、伝達ギア650の変位を規制している。これにより、拡大縮小ユニット600の状態が変化することを防止することができる。
伝達ギア650の変位方向(前後方向軸を中心とした回転方向)と、操作部材183の変位方向(前後方向)とは直交しているので、伝達ギア650から操作部材183が変位方向の負荷を受けることを防止することができる。これにより、ラッチ機構の形成部を強固な構成とせずとも、伝達ギア650の変位を有効に規制することができる。
このように、変位規制装置180を規制状態とすることで、拡大縮小ユニット600の状態を維持することができることから、変位規制装置180の用途は、搬送時に限られるものでは無い。例えば、遊技機店に設置後、メンテナンス時において、変位規制装置180を規制状態として拡大縮小ユニット600の状態を維持することで、後述する変位回転ユニット800のメンテナンスを安全簡易に行うことができる。
即ち、本実施形態のように、拡大縮小ユニット600の変位軌跡と、変位回転ユニット800の変位軌跡とが部分的に重なる場合において、変位回転ユニット800のメンテナンス作業中に拡大縮小ユニット600の駆動モータMT2を誤動作させてしまったとしても、変位規制装置180により拡大縮小ユニット600の状態(配置)を維持することができるので、拡大縮小ユニット600と変位回転ユニット800とが衝突することを防止することができる。
パチンコ機10に電源が投入される前において、変位規制装置180が規制状態である場合には、変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作することで、変位規制装置180が規制解除状態に切り替えられる(図21(b)参照)。これにより、伝達ギア650は変位可能となり、拡大縮小ユニット600に状態変化を伴う演出動作を実行させることができる。
ここで、電源投入前に、正面枠14及び内枠12を外枠11に対してわずかに開放し、開放先端側(右側)から覗き込むことで、変位規制装置180が規制解除状態となっているかを確認可能に構成されることについて説明する。
図21(a)に示すように、変位規制装置180の規制状態では、操作部材183が背面ケース510の底壁部511の形状部よりも前側に配置されているので、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511の形状部に隠される。
一方、図21(b)に示すように、変位規制装置180の規制解除状態では、操作部材183が背面ケース510の底壁部511の形状部よりも背面側に張り出して配置されているので、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511からはみ出す位置に視認される。
従って、作業者は、電源投入前の確認作業として、正面枠14及び内枠12を外枠11に対して全開にしなくても、正面枠14及び内枠12を外枠11に対してわずかに開放し、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511からはみ出していることを視認することで、変位規制装置180が規制解除状態となっていることを確認することができる。
なお、本実施形態では、背面ケース510が無色透明の樹脂材料から形成され、操作部材183が赤色透明の樹脂材料から形成されているので、操作部材183の視認性を向上することができる。
ここで、変位規制装置180の規制状態において拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の被規制孔657に円筒部183dが挿通されたまま(図21(a)参照)、電源投入された場合について説明する。本実施形態では、変位規制装置180が規制状態のままパチンコ機10の電源が投入された場合、電源導入時動作において拡大縮小ユニット600が状態変化していないことが検出センサSC7(図52参照)の出力から判定され、この判定に伴う位置検出エラー表示が第3図柄表示装置81により表示される。
この位置検出エラー表示を遊技機店の店員に見せることで、変位規制装置180の状態を変化させていないかもしれないことに気付かせることができる。なお、このエラー表示は、拡大縮小ユニット600の状態変化の有無の検出により表示されるものであり、変位規制装置180の状態を検出したものでは無い。
即ち、本実施形態では、追加のエラー表示のためのプログラムや、表示素材を用意することなく、拡大縮小ユニット600に通常備えられる位置検出エラー表示を利用して変位規制装置180の状態に関する警報を出力することができる。これにより、設計コストの低減を図ることができる。
なお、本実施形態では、変位規制装置180の規制状態において拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の被規制孔657に円筒部183dが挿通されたまま(図21(a)参照)、電源を投入した場合に、電源投入中は操作部材183の押し込み操作を不能に構成され、一端電源をオフすることを要求されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電源投入中においても操作部材183の操作が可能に構成されても良い。
また、操作部材183の押し込み操作を不能にする構成は任意に設定可能である。例えば、伝達ギア650と操作部材183との間で生じる摩擦により押し込み操作を不能とする構成でも良いし、操作部材183の円筒部183dの基端側に大径部を設け、伝達ギア650の変位中においては、伝達ギア650の板背面と、円筒部183dの大径部とが前後で係合し、操作部材183の変位を制限するように構成しても良い。
異なるシチュエーションとして、遊技機店でのメンテナンス中に変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作する場合の一例について説明する。本実施形態では、操作部材183の押し込み操作は、拡大縮小ユニット600の被規制孔657が円筒部183dと前後で合致する場合においてのみ可能であるものではない。
例えば、メンテナンスの際に、拡大縮小ユニット600を張出状態(図8参照)としながら操作部材183を押し込み操作した場合でも、変位規制装置180は規制状態に状態変化する。この場合、拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の変位軌跡上に円筒部183dが配置されることになるので、メンテナンス終了後に駆動力が生じ伝達ギア650が変位する場合に、その変位が円筒部183dに制限される。
本実施形態では、伝達ギア650の変位が制限されていることを判定可能に構成されており、この判定に基づきエラー表示(異常の報知)を行うことで、変位規制装置180が規制状態のままであることを遊技機店の店員に報知することができるが、詳細は後述する。
これにより、変位規制装置180の状態を検出する装置を別途設けなくても、拡大縮小ユニット600の状態を検出する装置を流用して変位規制装置180の状態を判定することができる。
なお、変位規制装置180の操作は、遊技盤13及び動作ユニット500を内枠12に組み付ける前でも、組み付けた後でも実行可能である。内枠12に組み付けた後においては、内枠12を開放するだけでなく、裏パック92を内枠12に対して開放する作業を要するので、可能であれば内枠12に組み付ける前に変位規制装置180の操作を行っておくことが好ましい。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。これら演出装置について、発射演出ユニット300から順に説明する。
図22は、遊技盤13及び発射演出ユニット300の分解正面斜視図であり、図23は、遊技盤13及び発射演出ユニット300の分解背面斜視図である。図22及び図23に示すように、発射演出ユニット300は組立状態において、区画部材310が導光板161に対向配置される。即ち、遊技者に対して、導光板161と区画部材310とを重ねて視認させる演出を実行することができる。
区画部材310は、無色で光透過性の樹脂材料から形成されているので内部で飛散する粒状部材320を遊技者に視認させることができ、センターフレーム86で囲まれる範囲を視認する遊技者に対して、導光板161と飛散する粒状部材320とを重ねて視認させる演出を実行することができる。
図24は、発射演出ユニット300の分解正面斜視図であり、図25は、発射演出ユニット300の分解背面斜視図である。図24及び図25では、区画部材310が分解して図示される。
図24及び図25に示すように、発射演出ユニット300は、センターフレーム86(図22及び図23参照)の内方に配置され下側が開放された箱形状を形成する区画部材310と、その区画部材310の内部を変位可能に配置される複数の粒状部材320と、その粒状部材320が区画部材310から脱落しないよう下側の開放部分を塞ぐ態様で配設される射出装置400と、区画部材310の右側に配設される第1光照射装置330と、区画部材310の左側に配設される第2光照射装置340と、を備える。
区画部材310は、光透過性の樹脂材料から形成され、最前面に配置される板状部である前面板部311と、その前面板部311の下方に一体的に形成される湾曲板部312と、前面板部311の背面側に前面板部311と平行な関係の底板部が対向配置され、その底板部の左右および上部から空隙を塞ぐように前面側へ延設される閉塞壁を有する背面区画部313と、その背面区画部313の下方に一体的に形成され、前面板部311と背面区画部313との間に構成される内部空間IE1(図12(a)参照)に連通する経路を湾曲板部312との間で構成可能とされる背面区画下部314と、その背面区画下部314に貫通形成される異形貫通部315と、を備える。
区画部材310の大きさは何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、センターフレーム86の内側において導光板161を囲む窓部の大きさと、区画部材310の正面視の大きさとが同程度となるように形成される。即ち、導光板161と前面板部311とが略同一形状となるように形成される。
これにより、導光板161の縁部を隠すための構成部材を、区画部材310の縁部を隠す用途で兼用することができる。区画部材310の縁部を隠すための専用の構成部材を不要とし、部材個数の削減を図りながら、区画部材310の縁部が第3図柄表示装置81による表示に重なって視認されることにより表示が分断される事態の発生を避けることができるので、第3図柄表示装置81による表示の視認性を維持することができる。
内部空間IE1は、粒状部材320が飛散可能な範囲としての役割を持つが、この空間が広すぎると、粒状部材320が散らばりすぎて、迫力のある演出のために粒状部材320の個数を非常に多くする必要が生じる。そのため、ある程度狭い空間として形成するほうが、少数の粒状部材320を密度高く視認させることで迫力のある演出を実行できる。
一方で、空間を狭くし過ぎると、粒状部材320の詰まりを生じる虞がある。これに対し、本実施形態では、内部空間IE1の前後幅は、湾曲板部312の左右中央部312bと背面区画下部314との間の前後幅と同程度で確保される。そのため、前後幅が短縮される場合に比較して、内部空間IE1における粒状部材320の詰まりや、射出時の急激な減速を回避することができる。
更に、湾曲板部312の左右部312aが左右中央部312bよりも背面区画下部314に近接配置されることから、左右中央部312b付近における粒状部材320の移動経路に比較して、左右部312b付近における粒状部材320の移動経路を狭くすることができる。
即ち、射出装置400により粒状部材320が内部空間IE1へ射出される場合に、粒状部材320の移動経路が左右中央部312b付近に集中するようにすることができ、粒状部材320が内部空間IE1の中央部付近に到達し易くすることができる。これにより、粒状部材320を遊技者に視認させ易くすることができる。
加えて、粒状部材320が内部空間IE1の中央部付近に到達した後は、粒状部材320は前面板部311と衝突し、内部空間IE1を飛散する。これにより、遊技者に対して、あたかも内部空間IE1の中央部付近から粒状部材320が爆発して四方八方に飛散しているかのように視認させることができるので、粒状部材320の動作演出の迫力を向上することができる。
湾曲板部312は、内部空間IE1に射出された粒状部材320が落下する際に、その粒状部材320を受け止める部分とし機能する。この観点で、湾曲板部312は、本実施形態では、背面側へ向かうほど下降傾斜し、左右中央へ向かうほど下降傾斜するように設計される。
これにより、粒状部材320が内部空間IE1のどこに配置されたかに関わらず、自重で下降変位する粒状部材320を左右中央側へ寄せつつ、背面側下方へ向けて変位させることができる。
更に、湾曲板部312の左右部312aにおける下降傾斜の度合いは、背面側へ向けた下降傾斜に比較して、左右中央側へ向けた下降傾斜の方が急激となるように構成されている。これにより、粒状部材320の下降変位の傾向として、背面側へ向かう変位に優先して左右中央側へ向かう変位を生じさせることができる。そのため、後述する射出装置400の構成から粒状部材320が密集し易い左右端位置において粒状部材320が一斉に背面側へ変位しようとして、粒状部材320が下降変位の途中で滞留する(詰まる)という事態の発生を回避することができる。
加えて、湾曲板部312の左右中央部312bにおける背面側へ向けた下降傾斜の度合いは、湾曲板部312の左右部312aにおける左右中央側へ向けた下降傾斜の度合いに比較して急激となるように構成されている。これにより、粒状部材320が流下途中で密集することを避け易くすることができる。
これに対し、背面区画下部314は、湾曲板部312の背面側に対向配置される板部が、湾曲板部312の左右中央部312bと側面視(図12(a)参照)で同程度(若干、正面側へ向かう程に左右中央部312bとの間隔が広くなる態様、即ち、水平方向に対する角度が大)の傾斜角度の平板状に形成される。
本実施形態では、背面区画下部314の上下方向に対する傾斜角度は、粒状部材320を射出する衝突部材420の変位方向の上下方向に対する傾斜角度と同等(若干、大きい角度)とされる。
そのため、左右に変化し得る粒状部材320の射出方向に寄らず、背面区画下部314に対する粒状部材320の入射角が同じになるので、背面区画下部314から粒状部材320に与えられる抵抗をほぼ均一とすることができる。
異形貫通部315は、蓋部材480を挿入可能な形状で形成されており、左右両端において上下に延びる短尺部と、その短尺部の上端同士を結ぶ態様で左右に湾曲して延びる長尺部とを備える。貫通方向は、背面区画下部314の板面に対し背面側から正面側へ向かうにつれて斜め上向きに傾斜して形成される(図12(a)参照)。これにより、異形貫通部315を構成する背面区画下部314の鋭角部分(図12(a)において、異形貫通部315の下側部分)は、粒状部材320の射出方向と対向配置されない。
これにより、粒状部材320の射出時に、粒状部材320が鋭角部分に衝突する可能性を低くすることができるので、粒状部材320や背面区画下部314に局所的な負荷が生じることを回避でき、粒状部材320や背面区画下部314に割れや欠けが生じることを防ぐことができる。
粒状部材320は、図24及び図25に拡大して図示されるように、比較的柔軟(少なくとも区画部材310を形成する樹脂材料よりも柔軟)な樹脂材料から略サッカーボール形状(12の正五角形と20の正六角形からなる32面体であり、準正多面体)に形成され、互いに平行な複数の直線に沿って非貫通で凹設される非貫通凹部321を備える。
この非貫通凹部321により、粒状部材320の軽量化を図ることができると共に、粒状部材320の重心を形状的な中心位置から偏らせることができる。即ち、非貫通凹部321が形成される直線方向において、非貫通凹部321が形成されていない側には肉部が残るので、非貫通凹部321が形成されていない側に重心を偏らせることができる。
これにより、粒状部材320の待機姿勢を調整することができる。即ち、粒状部材320の待機姿勢を、非貫通凹部321が上方を向く姿勢に調整することができる(図24参照)。
この場合、射出装置400からの負荷を、非貫通凹部321が形成されていない側の面(図25参照)で受けることができるので、粒状部材320の破損や欠けを回避し易くすることができる。更に、射出装置400から負荷を受けて射出される際の射出方向側に非貫通凹部321を向けることになるので、非貫通凹部321が形成される側の面を前面板部311に衝突させることができる。これにより、前面板部311との衝突時の負荷を粒状部材320の変形により吸収し易くすることができ、前面板部311を傷付ける可能性を低くすることができる。
第1光照射部330は、背面区画部313の背面側に締結固定される固定板部331と、その固定板部331の右側に締結固定される電飾基板332と、その電飾基板332の右側に配設され固定板部331に締結固定され固定板部331との間に電飾基板332を収容可能に形成される蓋部333と、を備える。
電飾基板332は、左右両面にLED等の光照射部332aが配設され、光照射部332aから左右方向へ光軸を有する光が照射される。固定板部331及び蓋部333は、光透過性の低い樹脂材料から形成され、光照射部332aに対応する位置に貫通孔331a,333aが穿設される。これにより、粒状に分割された光として視認させることができる。
電飾基板332から照射される光の内、右側へ照射される光は、スルーゲート67等(図2参照)が配設される遊技領域の右側経路(右打ち流路)を照らすことが一つの目的となる。左側へ照射される光については後述する。
固定板部331及び蓋部333は、光透過性の低い(又は光不透過の)樹脂材料から形成され、光照射部332aに対応する位置に貫通孔331a,333aが穿設される。これにより、光照射部332aから照射される光を、粒状に分割された光として視認させることができると共に、光照射部332aから離れた範囲において電飾基板332が固定板部331及び蓋部333により遮蔽され、視認されることを避けることができる。
第2光照射部340は、背面区画部313の背面側に締結固定される固定板部341と、その固定板部341の左側に締結固定される電飾基板342と、その電飾基板342の左側に配設され固定板部341に締結固定され固定板部341との間に電飾基板342を収容可能に形成される蓋部343と、を備える。
固定板部341は光透過性の低い(又は光不透過の)樹脂材料から形成される一方で、蓋部343は、無色で光透過性の樹脂材料から形成される。そのため、左方向から視認すると電飾基板342が見えてしまう構成であるが、本実施形態では、センターフレーム86(図2参照)の左側部が左方へ長く張り出して構成される。これにより、遊技者の視界を予め狭めることができ、正面視で電飾基板342の左側面が視認されることを避けることができる。
これにより、電飾基板342が視認されることは避けながら、透明な蓋部343を通して光を照射することができる。
電飾基板342は、左右両面にLED等の光照射部342aが配設される。左側面に配設される光照射部342aからは、前方向へ向く光軸を有する光が照射される。この光は、遊技領域の左側経路を照らさないようにしつつ、センターフレーム86の左側部を照らすことが一つの目的となる。
ここで、右側の電飾基板332の光照射部342aから照射される光を遊技領域に積極的に向ける構成と違う構成を採用しているのは、本パチンコ機10の遊技性(通常時は左打ちで遊技を行い、確変中、時短中および大当たり遊技中は右打ちで遊技を行うこと)を考慮したものである。これについて以下で説明する。
本パチンコ機10の遊技領域は、遊技領域の左側部における球の流下経路の自由度は高いので、通常時の遊技中には、好みの経路で球が流下するように球の発射強度を調整するという操作が遊技者により行われる。そのため、遊技領域の左側部における発光強度を高くし過ぎると、球の視認性が悪くなり、球の発射強度調整に支障をきたし、遊技者の不満の原因となる虞がある。
一方で、遊技領域の右側部へ球を発射する際、基本的には、遊技者は球を最大の発射強度で打ち出す。発射された球は、返しゴム69で勢いが抑えられ、その下流側での球の流下経路の選択自由度は著しく低くなり、専ら同様の経路を通るようになる。
詳述すると、本実施形態では、第2入賞口640よりも下流側において球が1個通る幅で単一の案内経路DL1(図2参照)が形成されており、第2入賞口640に入球しなかった球は全て案内経路DL1を通り、その下流側に配置される可変入賞装置65や一般入賞口63へ向かうことになる。
このように、球の発射強度を調整する必要性が乏しいことから、遊技領域の右側部(特に、案内経路DL1が形成される箇所)において球の視認性が悪くなったとしても遊技に支障をきたす可能性が低いので、この範囲においては発光強度の高い演出を実行可能となる。
このような事情から、本実施形態では、右側に配置される電飾基板332では、遊技領域に光を向けるように光照射部332aを配設する一方で、左側に配置される電飾基板342では、遊技領域に光を向けないように光照射部342aを配設するようにしている。これにより、遊技者の不満の発生を抑えながら、効果的な発光演出を実行することができる。
右側面に配設される光照射部342aからは、右方へ向く光軸を有する光が照射される。固定板部341には、光照射部342aに対応する位置に貫通孔341aが穿設される。これにより、光照射部342aから照射される光を、粒状に分割された光として視認させることができると共に、光照射部342aから離れた範囲において電飾基板342が固定板部341により遮蔽され、視認されることを避けることができる。なお、右側面に配設される光照射部342aにより照らされる対象については後述する。
図26(a)は、図25の矢印R方向視における第1光照射装置330の側面図であり、図26(b)は、図25の矢印L方向視における第2光照射装置340の側面図である。図26(a)及び図26(b)では、区画部材310の外形が想像線で図示される。
図26(a)に示すように、第1光照射装置330の左面側に配設される光照射部332aは、区画部材310を光軸が通過するLEDと、区画部材310の背面側を光軸が通過するLEDとを備える。
これにより、区画部材310の内部で粒状部材320に光を照射する演出だけでなく、区画部材310の背面側に配置される他の可動手段(拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800)に光を照射する演出を実行することができる。
図26(b)に示すように、第2光照射装置340の右面側に配設される光照射部342aは、区画部材310を光軸が通過するLEDは無く、区画部材310の背面側を光軸が通過するLEDのみにより構成される。
これにより、区画部材310の内部への発光強度を抑制しながら、区画部材310の背面側に配置される他の可動手段(拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800)へ向けた光の照射強度を向上させることができる。
第2照射装置340において、区画部材310の内部への発光強度を抑制することにより、通常状態での遊技の快適性を向上することができる。即ち、通常状態での遊技において、遊技者の視線は固定されるものではないが、主に遊技領域の左側や、第3図柄表示装置81の表示または第1入賞口64付近に向けられるので、遊技領域の中央から左側の範囲を見ていることが多い。
この場合において、第2照射装置340から区画部材310の内部へ光が照射されると、遊技領域と同程度に前寄りの位置で光ることから、遊技領域の左側を視認する遊技者にとっては逆光となり、遊技者にとって遊技領域の視認性が悪くなる虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2照射装置340の光照射部342aの配置を背面側に寄せ、遊技領域と光照射部342aとを離しているので、光照射部342aから照射される光が遊技領域の視認性に与える影響の度合いを弱めることができる。
このように、本実施形態によれば、第2照射装置340の光照射部342aから照射された光が遊技領域を光らせる度合いを下げながら、正面視におけるセンターフレーム86の内側を高強度に光らせる発光演出を実行することができる。従って、遊技領域の視認性を下げることなく、拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800(図5参照)を光らせる演出を実行することができる。
図27は、図2のXXVII−XXVII線における遊技盤13及び発射ユニット300の断面図である。即ち、図27では、遊技盤13及び発射ユニット300が図示され、動作ユニット500の図示は省略されている。また、第1光照射装置330や第2光照射装置340から照射される光の方向が模式的に矢印で図示される。
図27に示すように、第2光照射装置340は、導光板161へ光を照射する後述する縦置き基板ユニット167を避けて、縦置き基板ユニット167の左側かつ背面側に配置されている。これにより、導光板161に光照射部342aからの光が入射することを避けて発光演出を行うことができるので、光照射部342aから照射される光で行う光演出と、導光板161を光らせる演出とを切り分けることができる。
本実施形態のように導光板161を採用する場合、光の照射経路によっては、意図せず導光板161が発光してしまい、演出効果を下げる虞がある。特に、導光板161周辺(例えば、センターフレーム86の前側)に照射された光は導光板161を光らせやすいことから、発光強度を抑える必要性が生じる虞があり、演出自由度を下げる原因になっていた。
これに対し、本実施形態によれば、光照射部342aからの光が導光板161を避けて進行するよう構成されるので、光照射部342aからの光の照射強度の設定自由度を向上することができる。これにより、導光板161周辺の発光演出の自由度を向上することができる。
図24及び図25に戻って説明する。射出装置400は、区画部材310の下側に配設され、区画部材310の内部空間IE1(図12(a)参照)から下方へ流下した粒状部材320が乗る装置である。
図28、図29及び図30は、射出装置400の正面分解斜視図であり、図31、図32及び図33は、射出装置400の背面分解斜視図である。なお、図28及び図31には、射出装置400の構成が概要として図示され、図29及び図32には、正面側寄りに配置される射出装置400の一部の構成の詳細が図示され、図30及び図33には、背面側寄りに配置される射出装置400の一部の構成の詳細が図示される。また、図28から図33の説明においては、図24及び図25を適宜参照する。
図28から図33に示すように、射出装置400は、固定される部材として、区画部材310(図24参照)に締結固定される固定部材350と、その固定部材350の背面側において締結固定され固定部材350との間に他の可動部材を収容可能な空間を形成可能に構成される空間形成部材360と、その空間形成部材360の背面側において締結固定され後述する電気配線や伝達アーム部材470の前後方向の変位を制限する制限部材370と、固定部材350と空間形成部材360との間に配設され中央部に鍵穴形状の開口402が穿設される中間部材401と、を備える。
区画部材310への固定部材350の締結固定に利用される締結ネジは、区画部材310に正面側から挿通される。そのため、区画部材310から固定部材350を取り外す場合には、この締結ネジをドライバーで緩めて取り外す必要があるが、遊技盤13と発射ユニット300とが組み付いた状態(図12(a)参照)では、固定部材350の正面側にベース板60が配置されており、締結ネジにドライバーを差しこむことができないように構成される。
そのため、区画部材310から固定部材350を取り外す前準備として、発射ユニット300を遊技盤13から取り外す作業を行わせることができる。これにより、発射ユニット300が遊技盤13に組み付いた状態で、誤って固定部材350を区画部材310から取り外してしまい粒状部材320が固定部材310から排出される事態が発生することを未然に防ぐことができる。
射出装置400は、中間部材401と固定部材350との間に変位可能に配置される部材として、中間部材401の前面側に固定される複数の金属棒MB1が挿通され直動変位可能に構成される直動部材410と、その直動部材410の上側に配置され、直動部材410の変位方向に沿って変位可能に支持されると共に上部にアーチ形状の衝突面を有する衝突部材420と、直動部材410の下側に配置され、直動部材410の変位方向で当接可能な状態と当接不能な状態とで状態変化可能に構成される当接部材430と、を備える。
射出装置400は、中間部材401と空間形成部材360との間に変位可能に配置される部材として、直動部材410及び当接部材430に負荷を伝達可能に形成され空間形成部材360に回転可能に軸支されると共に外周面にギア歯が形成される前側伝達部材440と、固定部材350に締結固定される駆動モータMT1の駆動軸に固定され前側伝達部材440のギア歯に歯合する駆動ギア450と、その駆動ギア450に対して前側伝達部材440のフランジ部444の反対側に配設され、回転伝達部材440に締結固定される後側伝達部材460と、を備える。
射出装置400は、空間形成部材360の背面側で変位可能に配置される部材として、前側伝達部材440の回転軸と平行な回転軸で回転変位可能に軸支され、後側伝達部材460からの作用で変位可能に構成される伝達アーム部材470と、左右方向を向く直線を回転軸として回転変位可能に軸支され、伝達アーム部材470から受ける負荷により変位する蓋部材480と、を備える。
上述の構成を備える射出装置400の、設計思想について説明する。射出装置400では、固定の中間部材401と空間形成部材360とによって、空間形成部材360から突設される軸部362の突設方向に沿って、構成部材の配置範囲が3つに区切られる。このように区切られた配置範囲の内、駆動モータMT1の駆動力で回転する駆動ギア450が配置される中間の範囲に駆動モータMT1の駆動力が生じ、その駆動力が前側の範囲および後側の範囲にそれぞれ伝達されることで、前側の範囲および後側の範囲で各構成部材の変位が生じる。
このような設計思想から、中間部材401及び空間形成部材360には、それぞれ駆動力伝達用の開口部が穿設される。即ち、中間部401は、鍵穴形状で穿設される開口402を備え、空間形成部材360は、レモン形状(略楕円形状)で穿設される開口361を備える。
駆動力の伝達は、中間部401の前側の範囲、空間形成部材360の後側の範囲でそれぞれ完結するので、以下、前側の範囲、後側の範囲の順で構成の詳細を説明し、その後、中間の範囲の構成の詳細を説明し、動作態様について説明する。
まず、前側の範囲に着目して説明する。図29及び図32図示されるように、中間部材401は、上述の開口402と、上端部から正面側へ円柱状に突設される複数の円柱状突部403と、その円柱状突部403に上端部が支持される複数のコイルスプリングSP1と、複数の金属棒MB1を固定可能に左右対称位置で配置される複数の棒固定部404と、下端部付近において正面側へ円柱状に突設される支持柱部405と、を備えており、コイルスプリングSP1の下端部が直動部材410の下端部に形成される複数の爪部411のそれぞれ引っかけられている。
コイルスプリングSP1の自然長は、直動部材410が上端位置に配置された状態において、円柱状突部403と爪部411との間の距離よりも短くなるように形成される。従って、直動部材410は、コイルスプリングSP1により常時付勢されることになり、中間の範囲からの駆動力伝達前において、直動部材410は付勢力により上端位置に配置される。コイルスプリングSP1は、直動部材410の斜め下側に配置されているが、これには、粒状部材320の溜まり易い側にコイルスプリングSP1の付勢力を集中させる狙いもある。
直動部材410は、上述の爪部411と、金属棒MB1を挿通可能に形成される複数の挿通部412と、左右中央における上端部から台形形状に突設される台形突設部413と、背面側において上下幅方向略中央位置で左右方向に延びる直線状の突条部414と、その突条部414の下側において突条部414よりも短い突条として形成される下側突条部415と、左右中央における下端部から正面側へ向けて突設される変位規制部416と、を備える。
台形突設部413は、直動部材410が上端位置に配置された状態で衝突部材420と当接可能に形成される。換言すると、直動部材410は、台形突設部413のみが衝突部材420と当接可能とされ、台形突設部413を除く部分は、衝突部材420とは非当接となるように形成される。
突条部414及び下側突条部415は、負荷伝達の際に他の構成部材から負荷を受ける部分であるが、詳細は後述する。
変位規制部416は、固定部材350の緩衝部材352と変位方向で当接する部分であり、この当接により直動部材410の変位が規制される(上昇側変位終端が設定される)。
衝突部材420は、アーチ形状の衝突面を形成する湾曲板部421と、その湾曲板部421の背面側端部から直動部材410の変位する平面に対して平行に延設される平板状の板部422と、その板部422の延設方向に沿って延びる長孔形状で穿設される複数の案内孔423と、板部422の左右中央部下端において台形突設部413の変位方向で対向配置される位置に固定され、台形突設部413と当接可能に配置される緩衝部材424と、を備える。
案内孔423には、円柱状突部403が挿通される。即ち、円柱状突部403は、コイルスプリングSP1の上端部を支持する部分と、衝突部材420の変位を案内する部分とに兼用される。
緩衝部材424は、耐久性が高く、柔軟性の高い樹脂材料から外形正方形の小片として形成される。特に限定されるものでは無いが、例えば、ナイロン樹脂や、ウレタン樹脂等を利用することができる。この場合、緩衝部材424と直動部材410の台形突設部413とが当接した場合の負荷や衝撃を樹脂材料の特性により和らげることができ、台形突設部413の破損や欠けの発生を抑制することができる。
当接部材430は、略三角形の長尺板状に形成され、その長尺板の一端において支持柱部405を挿通可能な円形開口として穿設される支持孔431と、長尺板の他端において背面側へ断面円形で突設される突設部432と、支持孔431と突設部432との間の位置において断面鉤状で正面側へ突設される鉤状突部433と、を備える。
支持孔431は、支持柱部405が挿通される開口部であり、これにより、当接部材430は支持柱部405に回転変位可能に軸支される。
突設部432及び鉤状突部433は、負荷伝達の際に他の構成部材から負荷を受ける部分であるが、詳細は後述する。
固定部材350は、上述の駆動モータMT1が配設固定されるモータ固定部351と、変位規制部416と当接可能に配置される緩衝部材352と、円形状突部403の先端を受け入れ可能な凹部として形成され、その内側の貫通孔に正面側から挿通された締結ネジを円形状突部403に形成される雌ネジに螺入し締結固定可能に構成される複数の締結用凹部353と、正面側および左右の三方向からすぼまる態様の傾斜面から構成され粒状部材320(図24参照)の変位を案内する案内部354と、を備える。
緩衝部材352は、耐久性が高く、柔軟性の高い樹脂材料から外形正方形の小片として形成される。特に限定されるものでは無いが、例えば、ナイロン樹脂や、ウレタン樹脂等を利用することができる。この場合、緩衝部材352と直動部材410の変位規制部416とが当接した場合の負荷や衝撃を樹脂材料の特性により和らげることができ、変位規制部416の破損や欠けの発生を抑制することができる。
このように、本実施形態では、直動部材410が付勢方向の変位終端で当接する複数箇所に緩衝部材352,424が配設されている。これにより、後述するように、直動部材410がコイルスプリングSP1の付勢力により高速で上昇変位し、急停止するような変位態様であっても、急停止の際に直動部材410が受ける負荷を緩衝部材352,424の変形で吸収することができると共に、その負荷を複数箇所に分散させることができる。
締結用凹部353を介して、円柱状突部403と固定部材350とが連結され、この連結を解除するには、連結用凹部353に挿通される締結ネジを回して取り外す必要がある。一方で、この締結ネジは固定部材350の正面側から挿通されているので、遊技盤13と発射演出ユニット300とが組み付けられている状態(図12参照)では、締結ネジにドライバーを差すことができないように構成される。
これにより、遊技盤13と発射演出ユニット300とが組み付けられている状態で、誤って締結ネジが緩められ、固定部材350と中間部材401との締結が緩む事態が発生することを未然に防ぐことができる。
次に、後側の範囲に着目して説明する。図30及び図33に図示されるように、空間形成部材360は、上述の開口361と、背面板部の略中央位置から正面側へ向けて円柱状に突設される軸部362と、背面板部の上端位置左右端部において正面側へ延設される板状部の上面に傾斜面として形成される左右一対の案内傾斜面363と、それら案内傾斜面363の左右内側の下方に配設され背面板部から正面側に突設される左右一対の突設支持部364と、左右両端部において円筒状に形成され同一線上に配置され蓋部材480を軸支可能な大きさで形成される複数の支持柱部365と、左側の支持柱部364に巻きつけられ蓋部材480を退避させる側へ付勢力を発生させるトーションスプリングSP2と、開口361の左上部において背面側に円柱状に突設される円柱状突部366と、を備える。
軸部362は、後述するように前側伝達部材440及び後側伝達部材460を回転可能に軸支する部分である。これに合わせて、軸部362を中心とした円弧形状の内面を有する壁部が、空間形成部材360の背面板部から正面側へ延設されている。この壁部によって、内部の前側伝達部材440及び後側伝達部材460をカバーすることができる。
案内傾斜面363は、左右内側面の傾斜が案内部354(図32参照)の左右内ぐぁ面と面一となるように構成され、流下する粒状部材320を衝突部材420側(左右中央側)へ向けて案内可能に形成される。
突設支持部364は、突設先端が中間部材401の背面と当接し、上面が中間部材401と面一となるように形成される。この面一の上面で、衝突部材420が下端位置に配置された状態において湾曲板部421の左右端を下支えする。
支持柱部365は、左右で形状が異なる。即ち、右側では、左右外側へ向けて突設される小径筒状に形成され、左側では、左カバー部材489の筒状部を受け入れ可能な内径を備える筒状に形成される。
円柱状突部366は、伝達アーム470に挿通されることで伝達アーム470を回転可能に軸支する部分である。円柱状突部366の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが固定されることで、伝達アーム470が脱落不能に支持される。
伝達アーム部材470は、外観略への字状に形成される長尺部材であって、円柱状突部366の外径よりも若干大きな直径で穿設され円柱状突部366が挿通される支持孔471と、長尺方向の一端から正面側へ向けて支持孔471の軸方向と平行に突設される円柱状突部472と、長尺方向の他端から支持孔471の軸と直交する平面に沿って円柱状に突設される伝達突部473と、を備える。
円柱状突部472は、空間形成部材360の開口361を通り正面側へ張り出し、後側伝達部材460と係合可能に形成される。本実施形態では、後側伝達部材460の姿勢変化に伴い、円柱状突部472の配置が変化して、伝達アーム部材470の姿勢が変化するように構成されるが、詳細は後述する。
円柱状突部472の背面側には、制限部材370が配設される。即ち、制限部材370は、空間形成部材360の背面側に締結固定される板状部材であって、円柱状突部472の移動経路を背面側から覆う覆設板部371と、電気配線を押さえる又は束ねる目的で爪状に形成される複数の押さえ爪部372と、を備える。
覆設板部371は、伝達アーム部材470の背面側に近接配置され、円柱状突部472の背面側(伝達アーム部材470の回転軸方向背面側)への変位を規制する。これにより、円柱状突部472が後側伝達部材460から離れることを防止することができるので、円柱状突部472と後側伝達部材460との係合が解除されることを防止することができる。
押さえ爪部372は、駆動モータMT1や検出センサSC4に接続される電気配線を空間形成部材360の背面側板との間で仮留めする部分である。これにより、電気配線の配置揺れ(例えば、振動等で電気配線の配置が変化すること)が生じることを防ぐことができ、他の構成部材の進入経路を確保できるので、上述のように、射出装置400に近接する位置を含む経路で変位回転ユニット800の横スライド部材840及び羽状部材854(図10及び図12参照)を変位させるよう構成することができる。
伝達突部473は、蓋部材480に挿通され、蓋部材480へ駆動力を伝達するための部分である。
蓋部材480は、区画部材310の異形貫通部315(図12(a)参照)を通して、区画部材310の内外へ進退変位可能に構成される部材であって、湾曲板状に形成される進退部481と、その進退部481の左右両端部から同方向に延設される複数の延設板部485と、その延設板部485の延設端部において支持柱部365と同軸に受け入れられる複数の受入部486と、左側の延設板部485において湾曲した長孔形状で穿設され伝達アーム部材470の伝達突部473が挿通される伝達孔487と、右側の受入部486を囲む筒状部を有する円板状に形成され、受入部486を囲んだ状態で、支持柱部365の先端に形成される雌ネジに締結される締結ネジを挿通可能な挿通孔を有し、その締結ネジにより抜け止めされる右カバー部材488と、左側の受入部486に挿通される筒状部と、伝達孔487に連続的に連なる長孔形状部とを有する左カバー部材489と、を備える。
左カバー部材489には、軸方向に沿ってドリル孔のように穿設されるのではなく、機能的に形成される当接面489a〜489cが形成されるが、詳細は後述する。
蓋部材480の進退部481の断面形状は、受入部486に想定される回転軸を中心とした円弧状とされることにより、外径側からの負荷(粒状部材320から与えられる負荷)が回転軸へ向かうように構成されるが、単純にパイプを分割した形状では無く、左右位置に対応して円弧の半径や、形成長さを変化させている。この設計意図について説明する。
第1に、進退部481は、左右中央位置において進入側に出張る張出部482を備える。張出部482は、左右外側へ向かうほど張出幅が短くなるように形成されており、進入側の端面は、左右外側へ向けて傾斜形成される。これにより、張出部482と他の構成部材(本実施形態では、粒状部材320(図24参照)が想定される)とが当接した場合に、その構成部材に対して左右外側へ向く負荷を与えることができ、構成部材を左右外側へ追いやることができる。
第2に、進退部481は、上述のように、区画部材310の異形貫通部315(図25参照)を通して、区画部材310に進入可能に構成されるところ、張出部482が先行して区画部材310に進入することから、張出部482が形成される左右中央位置において進退部481の円弧半径を短くしている。
これにより、異形貫通部315に進入し始める箇所(張出部482の左右中央)に生じ得る位置ずれを小さく抑えることができるので、進退部481が異形貫通部315に進入不能となる不具合の発生を抑えることができる。
第3に、張出部482の左右中央位置とは反対に、進退部481の左右外側付近において円弧半径を長くしている。これは、粒状部材320との接触を避けることが主な目的である。即ち、本実施形態では、衝突部材420の上面に配置される粒状部材320(図12(a)参照)は、湾曲板部421の形状により左右外側に寄って滞留する。
この滞留の仕方は、完全に左右均一となるわけでは無く、左右不均一となる可能性がある。例えば、右側に極端に多くの粒状部材320が滞留する可能性もあり、十分なスペースが確保されていない場合には、偏って滞留した粒状部材320と進退部481とが衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、粒状部材320が多く滞留し易い左右外側部付近において、進退部481の円弧半径を長くしている。これにより、予め進退部481と湾曲板部421との間隔を十分長く確保することができるので、粒状部材320の滞留の仕方が不均一となった場合でも、粒状部材320と進退部481とが衝突することを避けることができる。
他の設計思想について説明する。延設板部485は蓋部材480の回転軸に直交する平面上に形成されるところ、進入側の端面が退避側へ向けて凹設形成される。これにより、延設板部485が、滞留している粒状部材320に衝突することを避けることができる。
加えて、粒状部材320が流下しきる前に蓋部材480を進入側の変位終端に配置した場合であっても、粒状部材320を、延設板部485の凹設形成部と区画部材310の湾曲板部312(図25参照)との間の隙間を通過可能な程度の大きさで構成することにより、粒状部材320を衝突部材420の上部に集めることができる。
受入部486は、左右で形状が異なる。即ち、左側の左受入部486aは、円形筒状に形成され、右側の右受入部486bは半円筒状(ハーフパイプ形状)に形成されるが、これは、組み付けを考慮した設計である。
図28及び図31に戻って説明する。蓋部材480を支持する支持柱部365は、特に右側において左右方向外側へ延びているので、蓋部材480の受入部486が両方とも円形筒状で形成される場合には、蓋部材480を支持柱部365に組み付けるために進退部481を分割する必要がある。
上述のように、本実施形態において蓋部材480は異形貫通部315(図25参照)を通り進退変位する。異形貫通部315は、区画部材310に蓋部材480を進退変位可能に構成される一方で、粒状部材320の区画部材310からの排出を防止可能に構成される必要がある。即ち、異形貫通部315を無制限に大きくすることはできず、異形貫通部315の設計自由度は限定的となる。
ここで、蓋部材480が異形貫通部315を通過できない程度に形状が崩れてしまうと進退変位が不能となることから、形状に精度が求められる。一方、蓋部材480の進退部481を複数部材の結合により構成する場合には、組み付け誤差等の要因により形状が崩れる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、受入部486の形状を左右で異ならせ、進退部481の分割が不要となるように構成している。組み付け過程としては、まず支持柱部365の軸方向外側(左側)に左受入部486aを配置し、左受入部486aに左カバー部材489の筒状部を挿通させつつ支持柱部365に挿通することで、左受入部486aを支持柱部365と同軸に配置することができる。
この時、右受入部486bは半筒の開放側に支持柱部365が対向配置されることになる。左カバー部材489に複数形成されるネジ挿通孔を通して締結ネジを挿通し、蓋部材480の左側の延設板部485に螺入することで、左カバー部材489を延設板部485に締結固定することができる。
この後、軸方向外側から右カバー部材488を取り付け、右側の支持柱部365の先端に形成される雌ネジに螺入される締結ネジのネジ頭で脱落不能に支持すれば蓋部材480を空間形成部材360に対して回転可能に支持することができる。
図34から図36を参照して、伝達アーム部材470の伝達突部473と左カバー部材489との設計思想について説明する。図34から図36では、伝達アーム部材470及び蓋部材480の変位が時系列で図示される。
図34(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図34(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図34(c)は、図34(b)のXXXIVc−XXXIVc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図35(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図35(b)は、図35(a)の矢印XXXVb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図35(c)は、図35(b)のXXXVc−XXXVc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図36(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図36(b)は、図36(a)の矢印XXXVIb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図36(c)は、図36(b)のXXXVIc−XXXVIc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図35及び図36では、図34に示す状態から伝達アーム部材470の伝達突部473が上昇変位し、蓋部材480の進退部481が進入側に変位する過程が図示される。詳細には、図36では、蓋部材480が、変位範囲の内の進入側端部に配置された状態が図示され、図34では、蓋部材480が、変位範囲の内の退避側端部に配置された状態が図示され、図35では、蓋部材480が、変位範囲の中間位置に配置された状態が図示される。
図34から図36に示すように、本実施形態では、伝達アーム部材470の回転軸と、蓋部材480の回転軸とが平行ではない。詳述すると、伝達アーム部材470の回転軸と直交する平面(図34(a)に図示される平面)と、蓋部材480の回転軸と直交する平面(図34(b)に図示される平面)とが直交する。
そのため、対策なしでは、左カバー部材489と当接する伝達突部473の姿勢が変化することに伴い、その当接面積が変化することが通常である。例えば、左カバー部材489の開口の内側面が蓋部材480の軸方向と平行に延びる面で形成される場合、図34(a)に示すように伝達突部473の長尺方向が左右方向に対して傾斜している状態では、伝達突部473の上側面が左カバー部材489の右寄り(伝達アーム部材470の支持孔471寄り)位置で当接すると考えられる。
一方、図36(a)に示すように伝達突部473の長尺方向が左右方向に沿う状態では、伝達突部473の上側面が、左カバー部材489の幅方向に亘って当接すると考えられる。
これに対し、本実施形態では、図34(c)、図35(c)及び図36(c)に示すように、伝達突部473の姿勢変化に対応して、伝達突部473の上側面と左カバー部材489の開口上側面とが左右幅方向に亘って当接可能となる形状で左カバー部材489が設計される。
即ち、左カバー部材489は、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される状態で伝達突部473と当接する第1当接面489aと、その第1当接面489aに比較して左右方向に対する傾斜が小さく形成される第2当接面489bと、その第2当接面489bに比較して左右方向に対する傾斜が小さく形成され蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置される状態で伝達突部473と当接する第3当接面489cと、を備える。
このように、本実施形態では、左カバー部材489の開口上側面の形状における左右方向に対する傾斜が、第1当接面489aを最大として、蓋部材480の回転軸に近づくにつれて徐々に減少するように設計される。
詳述すれば、伝達アーム部材470の回転に伴い伝達突部473と左カバー部材489の開口上側面との当接位置が蓋部材480の軸径方向に変化することから、伝達突部473と左カバー部材489の開口上側面との当接位置における傾斜を、その当接状態の伝達突部473の上面に沿う傾斜角度で設計するようにしている。
これにより、伝達アーム部材470と左カバー部材489との当接状態において、伝達アーム部材470の姿勢に依存せず、常に伝達突部473と左カバー部材489との当接面積を確保することができるので、伝達突部473に左カバー部材489から局所的な負荷(過負荷)が与えられることを防止することができる。
更に、本実施形態では、蓋部材480を重力に対抗して変位させ始めるタイミングという、大きな負荷が生じるタイミングにおいて、伝達突部473の傾斜角度が左右方向(左カバー部材489の幅方向)に対して最大とされているので、伝達突部473と左カバー部材489との当接面積(当接長さ)を最大とすることができる。
これにより、伝達突部473にかけられる負荷を受け持つ面積を大きくすることができ、単位面積あたりにかけられる負荷を小さくすることができるので、伝達突部473の耐久性を向上することができる。
一方、本実施形態によれば、蓋部材480が進入側の変位終端に配置された状態において、伝達突部473の傾斜角度が左右方向(左カバー部材489の幅方向)に沿うので、伝達突部473と左カバー部材489との当接面積(当接長さ)が小さくなることに加え、トーションスプリングSP2の付勢力は最大となっており、伝達突部473に過負荷が生じる可能性がある。
この対策として、本実施形態では、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態において、蓋部材480の自重の内、伝達突部473に負荷される割合が小さくなるように構成している。
即ち、図36(b)に示すように、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態において、蓋部材の480の自重の大半を占める進退部481は、蓋部材480の回転軸O1に対して前後方向における伝達突部473の反対側(正面側)に配置される。そのため、蓋部材480の自重の大半は、蓋部材480を進入側へ変位させる方向に生じることになり、伝達突部473に与えられる負荷を低減することができる。
この場合において、蓋部材480にかけられるトーションスプリングSP2の付勢力は最大となっているが、蓋部材480の自重の大半がトーションスプリングSP2の付勢力に対抗して生じているので、付勢力の少なくとも一部を蓋部材480の自重によって相殺することができる。
これにより、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態においてトーションスプリングSP2の付勢力の大半が伝達突部473に伝達される場合に比較して、伝達突部473に与えられる負荷を低減することができる。
また、上述のように、本実施形態では伝達突部473と左カバー部材489との当接位置は、蓋部材480の回転軸O1の軸径方向に変化する。詳述すると、蓋部材480を退避側の位置から、進入側の位置へ変位させる過程における伝達突部473と左カバー部材489との当接位置と蓋部材480の回転軸との距離は、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される場合に最長となるように構成される。
加えて、第1当接面489aは、蓋部材480の回転軸O1と直交する平面において伝達突部473との当接位置における法線が、蓋部材480の回転軸O1を中心とする円弧に沿う(傾斜角度が小さくなる)ように第1当接面489aの傾斜が設計されるので、伝達突部473から蓋部材480へ伝達される負荷を、蓋部材480の回転軸O1を中心とする円弧に沿って生じさせることができる。
これにより、伝達突部473から蓋部材480へ負荷が伝達され始める際に、蓋部材480に生じるモーメントの腕長さが長くなることで、蓋部材480を回転させるのに必要となる負荷を低減することができる。
伝達突部473自体の形状の工夫としては、図34(c)に示すように、伝達突部473は、長手方向に沿って形成される溝部473aを備える。即ち、伝達突部473には、長手方向に沿う溝部473aが、正面側から背面側へ向けて幅方向中心を超える位置まで形成される。
これにより、伝達突部473は、左カバー部材489との当接方向で圧縮変形可能とされるので、当接時の負荷を変形により逃がすことができると共に、変形により当接面積を増加させ易くすることができる。
図34(b)、図35(b)及び図36(b)に示すように、蓋部材480の進退部481と対向配置される湾曲板部312は、左右に亘り同一平面に沿う形状で形成される。そのため、進退部481及び張出部482の形状から、蓋部材480と湾曲板部312との間隔が左右方向中央側に行くほど短くなる。
なお、蓋部材480の張出部482の左右中央位置における半径は、回転軸O1から湾曲板部312までの距離(長さ)未満となるように設計される。これにより、進入幅が最大となる張出部482が湾曲板部312と衝突することを回避することができるので、蓋部材480に若干(部材ごとの設計誤差により生じる程度)の過回転が生じた場合に、蓋部材480と湾曲板部312とが衝突し破損することを避けることができる。
図28及び図31に戻り、中間の範囲に着目して説明する。駆動ギア450は前側伝達部材440と歯合され、その前側伝達部材440には後側伝達部材460が締結固定されるので、結果として、駆動ギア450の回転に伴い、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が一体で空間形成部材360の軸部362を中心として回転する。なお、以下において、正面視(前側伝達部材440側視)で反時計回り方向の回転を正回転として、説明する。
前側伝達部材440及び後側伝達部材460は、互いに対向配置される側には互いの相対位置確保および剛性確保のための構成が形成されており、反対側の面に駆動力伝達に利用される形状部が形成されている。この駆動力伝達に利用される形状部の詳細について以下で説明する。
図37(a)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における前側伝達部材440の平面図であり、図37(b)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材460の平面図である。なお、矢印XXXVIIa方向および矢印XXXVIIb方向は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転軸と平行な方向として設定される。
図37(a)に示すように、前側伝達部材440は、略円板形状の本体板部441と、その本体板部441の縁部よりも中央側において軸方向に張り出し、その内側に溝が凹設される溝形成部442と、本体板部441の中心部において軸部362を挿通可能な大きさに穿設される円形開口である支持孔443と、本体板部441に形成されるギア歯に覆設されるフランジ部444と、そのフランジ部444から径方向外方へ延設され検出センサSC4(図32参照)の検出溝に進入可能に形成される被検出部445と、溝形成部442に形成される溝よりも支持孔443側において支持孔443に対して偏心した位置から回転軸と平行に突設される伝達突部446と、を備える。
溝形成部442は、当接部材430(図28参照)の突設部432が進入可能となるように突設部432の直径よりも若干長い溝幅で形成される溝が凹設され、その溝は、第1の円弧形状に沿って形成される第1溝部442aと、その第1溝部442aに当接部材430の突設部432が配置された状態で前側伝達部材440が正回転することで突設部432が案内される第2溝部442bと、その第2溝部442bに対して第1溝部442aの反対側に形成され、第1溝部442aの基準となる円弧よりも大径の円弧形状に沿って形成される第3溝部442cと、その第3溝部442cと第1溝部442aとを連結する第4溝部442dと、を備える。
第2溝部442b及び第4溝部442dは、第1溝部442aと第3溝部442cとの間を連結するという共通の役割を有する一方で、その形成角度範囲は共通では無い。即ち、第2溝部442bに比較して、第4溝部442dの方が小さな形成角度範囲とされており、前側伝達部材440の回転角度に対する溝と支持孔443との間の距離の変化が急激となるように設計される。
伝達突部446は、単純な円筒形状とされているのではなく、中央部と外径側の一点とを結ぶ直線状に突設方向に沿って形成される溝部446aを備える。これにより、径方向から入力される負荷に対する伝達突部446の変形の度合いを、負荷の入力角度に対応して変化させることができる。即ち、溝部446aの基準となる直線と直交する方向から負荷が入力される場合に変形度合いが最大となるように伝達突部446を形成することができる。
図37(b)に示すように、後側伝達部材460は、前側伝達部材440のフランジ部444と同程度の直径で略円板形状に形成される本体板部461と、その本体板部461の軸方向に張り出し、その内側に溝が凹設される溝形成部462と、本体板部461の中心部において軸部362の土台側外径よりも十分大きな内径で穿設され軸部362との接触を避けるように形成される非接触開放部463と、を備える。
本体板部461は、凹設される溝部が溝形成部462に形成されておらず、溝としては機能していない範囲において径方向に拡大形成される錘部461aを備える。錘部461aは、回転変位する後側伝達部材460の重心の回転軸からのずれ量を修正する目的で形成される調整部である。
本実施形態では、一体で回転変位する後側伝達部材460及び前側伝達部材440を一体物としてみた場合の重心を計算し、その重心を回転軸状に修正する目的で、錘部461aの配置および重量を計算し、後側伝達部材460に一体的に形成している。これにより、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の重心を回転軸に一致させるよう図ることができるので、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転軸に対する姿勢変化を抑制することができる。
溝形成部462は、伝達アーム部材470(図28参照)の円柱状突部472が進入可能となるように円柱状突部472の直径よりも若干長い溝幅で形成される溝が凹設され、その溝は、第1の円弧形状に沿って形成される第1溝部462aと、その第1溝部462aに伝達アーム部材470の円柱状突部472が配置された状態で後側伝達部材460が正回転(背面視時計回り方向回転)することで円柱状突部472が案内される第2溝部462bと、その第2溝部462bに対して第1溝部462aの反対側に形成され、第1溝部462aの基準となる円弧よりも大径の円弧形状に沿って形成される第3溝部462cと、その第3溝部462cと第1溝部462aとを連結する第4溝部462dと、を備える。
第2溝部462b及び第4溝部462dは、第1溝部462aと第3溝部462cとの間を連結するという共通の役割を有する一方で、その形成角度範囲は共通では無い。即ち、第2溝部462bに比較して、第4溝部462dの方が著しく大きな形成角度範囲(約180度)とされており、後側伝達部材460の回転角度に対する溝と非接触開放部463との間の距離の変化が緩慢となるように設計される。
以下、射出装置400により可能とされる変位態様の一例について説明する。まず、射出装置400の変位態様の概要について説明する。
図38、図39、図40及び図41は、図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置400の平面図である。なお、図38、図39、図40及び図41では、固定部材350の図示が省略され、射出装置400の内部構造を視認可能とされる。また、理解を容易とするために、コイルスプリングSP1については、長さの変化が把握可能な程度の模式図として想像線で図示される。
図38から図41では、射出装置400の変位が時系列に沿って図示される。即ち、図38には、粒状部材320が衝突部材420へ向けて流下し停止した直後の状態が図示され、図39には、射出装置400の演出待機状態が図示され、図40には、射出装置400の発射タイミング待ちの状態である発射待機状態が図示され、図41には、射出装置400が発射演出を実行した直後の状態である発射状態が図示される。なお、図41では、粒状部材320が依然として衝突部材420に乗っている状態が図示されるが、粒状部材320は、この直後、湾曲板部421の法線方向に飛散する。
図38に示す状態では、衝突部材420は直動部材410に下支えされ、蓋部材480は退避側の変位終端位置に配置されている。なお、図38に示す状態から、蓋部材480が進入側変位終端まで変位した状態を射出装置400の演出待機状態(図39参照)として説明する。
図39に示す演出待機状態では、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置されているので、蓋部材480により、遊技者の粒状部材320への視線を部分的に遮ることができる。これにより、粒状部材320に対する遊技者の注目力を下げることができるので、その後の粒状部材320や、その下側に配置される衝突部材420の変位から遊技者の目を離させることができる。
図40に示す発射待機状態では、衝突部材420は、円柱状突部403が案内孔423の上側内面と当接する態様で吊り下げられ、蓋部材480は退避側の変位終端位置に配置されている。加えて、後述するように、直動部材410は当接部材430に変位を規制され、コイルスプリングSP1の付勢力が蓄積されている。
図41に示す発射状態では、蓋部材480の配置は退避側の変位終端位置に維持されており、衝突部材420は、直動部材410に跳ね飛ばされ上昇し、円柱状突部403が案内孔423の下側内面と当接する位置で止まる。その後、自重または粒状部材320の重みで衝突部材420は下降変位し、図38に示す配置まで戻る。
衝突部材420に跳ね飛ばされ飛散した粒状部材320の流下は、区画部材310の湾曲板部312(図25参照)の形状により、左右中央側に寄せられた後で、衝突部材420側へ案内される(図38に模式的に示す矢印参照)。
本実施形態では、粒状部材320が衝突部材420側へ案内される際に、衝突部材420が比較的上方に配置されることから、固定部材350の案内部354(図32参照)と衝突部材420の湾曲板部421の上面とで構成される受け皿形状の深さが浅く設定されている。
そのため、形状的に、複数の粒状部材320を偏って受けきることができない可能性がある。本実施形態では、偏って受けきることができない数の粒状部材320を区画部材310に収容するようにしている。
これにより、例えば、粒状部材320が衝突部材420の右側に多数偏って戻り始めた場合であっても、その後から粒状部材320が戻る際には、先に戻った粒状部材320によって衝突部材420の右側部に左側へ向かう程下降傾斜する坂が構成されることになるので、後から戻った粒状部材320は、この坂に沿って左側へ流れることになる。即ち、粒状部材320の上に乗って流れる態様で左側へ流れることになる。
これにより、衝突部材420の湾曲板部421の上面に溜まる粒状部材320の左右の偏りを少なくすることができるので、毎回の発射演出における粒状部材320の配置の偏り(飛散態様の違い)を少なくすることができる。
また、粒状部材320が衝突部材420側へ案内される際に、衝突部材420は、変位区間の途中位置に配置されており、下側の直動部材410とは台形突設部413との一点で当接しているだけである。そのため、衝突部材420は、円柱状突部403と案内孔423との間に生じる隙間分だけ姿勢変化することが許容される。即ち、一方の円柱状突部403の軸と平行な軸を中心として回転する態様で姿勢変化することが許容される。
上述の説明のように、例えば、粒状部材320が衝突部材420の右側に多数偏って戻り始めた場合、衝突部材420は右側部が左側部に比較して下降する態様で姿勢変化することになるが、この場合、湾曲板部421の最上部が、相対的に右側に変位することになる。
そのため、案内部354(図32参照)の左右中央位置付近を流下して衝突部材420側に戻る粒状部材320を、左側に案内し易くなる。例えば、衝突部材420が姿勢変化する前であれば、案内部354の左右中央位置と湾曲板部421の最上部の位置とは正面視で一致しており、案内部354の調度左右中央位置を流下する粒状部材320が左右いずれに流下するかは粒状部材320と湾曲板部421との当たり所の違いにより、ほぼ均一に左右に振り分けられることになると考えられる。
一方、衝突部材420が姿勢変化していると、案内部354の左右中央位置に対して湾曲板部421の最上部の位置が右側にずれており、案内部354の調度左右中央位置を流下する粒状部材320は湾曲板部421の傾斜に沿って左側に案内されると考えられる。これにより、滞留している粒状部材320が少ない側に、後から戻った粒状部材320を流下させ易くなるので、粒状部材320を略左右均等に振分易くすることができる。
なお、衝突部材420の姿勢変化は、常時同様に許容されるものでは無い。例えば、射出装置400の発射待機状態(図40参照)では、一対の案内孔423の双方の上端位置に円柱状突部403がそれぞれ配置され、衝突部材420が左右対称の2点で吊り下げられることになるので、射出装置400の演出待機状態に比較して衝突部材420の姿勢変化が抑制される。
また、例えば、射出装置400の発射状態(図41参照)では、一対の案内孔423の双方の下端位置に円柱状突部403がそれぞれ配置され、衝突部材420が左右対称の2点で上方への変位を規制されることから、射出装置400の演出待機状態に比較して衝突部材420の姿勢変化が抑制される。
加えて、衝突部材420が直動部材410から負荷を受ける際、その負荷は、一対の案内孔423の長尺方向と平行な方向に伸縮する一対のコイルスプリングSP1により生じる付勢力であるため、衝突部材420の姿勢は安定し易い。
従って、発射待機状態から発射状態へ至るまでの間における衝突部材420の姿勢変化の抑制を図ることができる。これにより、粒状部材320の滞留状態(粒の個数の左右の偏り)が同等の場合において、衝突部材420から負荷を受けて飛散する粒状部材320の飛び散り方を安定させることができる。
上述のように、射出装置400が発射演出を実行することにより、粒状部材320が飛散した後、区画部材310(図25参照)の内部形状に沿って流下し、衝突部材420の湾曲板部421の上面に戻り、再び演出待機状態に戻る。即ち、本実施形態では、射出装置400は、図38から図41の状態変化を繰り返し実行可能に構成される。この状態変化を実行可能とするための射出装置400の構造間の関係について、以下で詳細に説明する。
図42(a)から図42(f)及び図43(a)から図43(e)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材410、衝突部材420、当接部材430及び前側伝達部材440の平面図である。
なお、図42(a)から図42(f)及び図43(a)から図43(e)では、直動部材410、衝突部材420及び当接部材430の外形が想像線で図示され、外形を除き互いの負荷伝達に関わる部分として、直動部材410の突条部414及び下側突条部415と、衝突部材420の緩衝部材424と、当接部材430の突設部432及び鉤状突部433と、の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
また、衝突部材420の変位可能区間の理解を容易とするために、円柱状突部403の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
また、駆動制御との関連の理解を容易とするために、検出センサSC4の配置が想像線で図示される。
図42及び図43では、前側伝達部材440が正回転することに伴う直動部材410、衝突部材420及び当接部材430(以下、図42及び図43の説明において、「各構成部材」とも称す)の配置の変化が時系列で図示される。以下、順に説明する。
図42(a)では、射出装置400の演出待機状態における各構成部材の配置が図示される。図42(a)に示すように、射出装置400の演出待機状態では、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が進入し始める。
そのため、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)は、駆動モータMT1が正回転で駆動制御されている状態において、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が配置されていない状態から、被検出部445が進入される状態への切り替わりを検出することで、射出装置400が演出待機状態であると判定できる。
図42(b)では、前側伝達部材440の伝達突部446が直動部材410の突条部414に当接し直動部材410を押し下げ開始する状態における各構成部材の配置が図示される。図42(b)に示す状態から、前側伝達部材440がコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力に対抗して直動部材410を押し下げ開始する。
従って、図42(a)から図42(b)までの間は、直動部材410と前側伝達部材440とが当接していないので、部材間の直接的な負荷伝達は遮断される。そのため、例えば、粒状部材320(図38参照)が流下し、衝突部材420に衝突することで衝突部材420が微振動したとしても、その振動や負荷が前側伝達部材440に直接的に伝達することは遮断可能に構成される。
図42(c)では、衝突部材420が変位範囲の下側終端位置に配置され、直動部材410と衝突部材420との当接が解除され始める状態における各構成部材の配置が図示される。
図42(b)に示す状態から図42(c)に示す状態までにおいて、直動部材410と衝突部材420とが一体的に下降変位する。この状態では、衝突部材420と直動部材410とが当接し、直動部材410と前側伝達部材440とが当接しているので、粒状部材320が衝突部材420に衝突して生じる振動や負荷が、間接的に前側伝達部材440に伝達し得る。
一方で、粒状部材320が衝突部材420に衝突することで生じる負荷は、直動部材410を押し下げる方向の負荷であり、これは直動部材410を、伝達部材440との当接箇所である伝達突部446から離す方向である。そのため、前側伝達部材440に伝達される負荷や振動が、伝達部材440の正回転変位に与える影響を低減することができる。
なお、正回転変位に与える影響としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、回転変位として駆動制御される速度と実際の速度とを異ならせるような影響や、回転変位を妨げ、駆動モータMT1(図38参照)を発熱させるような影響が例示される。
図42(d)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第1溝部442aの終端位置に配置され、当接部材430が傾倒し始める状態における各構成部材の配置が図示される。
当接部材430は、他の付勢手段から付勢力を与えられているわけでは無く、溝形成部442の形状に従い姿勢変化する部材である。図42(d)以降は、前側伝達部材440が変位させる部材の個数が、直動部材410及び当接部材430の2個に増えるが、当接部材430の変位方向は自重で変位する方向と同様なので、実質的には、前側伝達部材440が受ける負荷の状態は、直動部材410のみを変位させていた図42(d)以前の状態に対して変化は少ない。
図42(e)では、直動部材410が変位範囲の下側終端位置に配置された状態における各構成部材の配置が図示される。図42(e)に示すように、直動部材410が下側終端位置に配置された状態では、依然として、直動部材410と当接部材430とは離れて配置される。
図42(e)に示す状態以降は、前側伝達部材440の伝達突部446は上側へ向けた変位を開始する。そのため、直動部材410に与えられるコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力が伝達突部446を押進する方向に生じることになるので、前側伝達部材440の回転と、当接部材430の姿勢変化とに必要となる負荷を、コイルスプリングSP1の付勢力で補助することができる。これにより、駆動モータMT1(図38参照)の負担を軽くすることができる。
図42(f)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第2溝部442bの終端位置に配置され、当接部材430が傾倒し終える状態における各構成部材の配置が図示される。
図42(f)に示すように、直動部材410と当接部材430とは依然として離れて配置されているが、図42(f)に示す状態以降は、当接部材430の突設部432が第3溝部442cに配置される状態において、当接部材430の姿勢は維持される(姿勢変化が防止される)。
従って、この後の直動部材410と当接部材430との当接に関して、直動部材410及び当接部材430が向かい合う方向への速度を有して当接する場合に比較して、当接の態様を柔らかくすることができる。
図43(a)では、理解を容易にするために、図42(f)と同じ状態の図が図示される。図43(b)では、前側伝達部材440の伝達突部446が上側へ向けて変位することに伴い直動部材410が上昇変位し、直動部材410の下側突条部415と当接部材430の鉤状突部433とが当接開始した状態における各構成部材の配置が図示される。
なお、図43(a)に示す状態から図43(d)に示す状態の直前までが、発射待機状態(例えば、図40参照)に対応する。
下側突条部415及び鉤状突部433には、互いに対向する側の先端部に、互いに対向する側へ向けて張り出す張出部を備える。これにより、下側突条部415と鉤状突部433との当接位置において滑りが生じることを抑制することができ、安定して下側突条部415と鉤状突部433とを当接させることができる。
図43(b)に示す状態では、前側伝達部材440の被検出部445の終端位置が検出センサSC4の検出溝に配置される。そのため、図43(b)に示す状態から前側伝達部材440が正回転すると、被検出部445は検出センサSC4の検出溝から退避することになり、この状態の切り替わりがMPU221(図4参照)に出力される。
即ち、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)は、駆動モータMT1が正回転で駆動制御されている状態において、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が配置されている状態から、被検出部445が検出センサSC4の検出溝から退避する状態への切り替わりを検出することで、射出装置400が発射待機状態へ移行したと判定するように制御される。
図43(b)に示す状態以降は、直動部材410の変位が当接部材430により規制される。直動部材410にはコイルスプリングSP1(図38参照)による付勢力が生じており、当接部材430を起立させる方向の負荷を当接部材430に与えるが、当接部材430の変位は、突設部432の変位が溝形成部442に妨げられることにより規制される。
突設部432と溝形成部442との当接は、円形に湾曲する面(突設部432の外側面)と円弧状面(第3溝部442cの内側面)との当接になるので、その際に生じる負荷は、円の中心へ向く。
即ち、図43(b)に示す状態において、突設部432から溝形成部442に与えられる負荷は、前側伝達部材440の回転軸へ向けて生じるので、突設部432から与えられる負荷が前側伝達部材440の回転に影響を与えることを防止することができると共に、前側伝達部材440の駆動状態に関わらず、突設部432の変位を規制することができる。
そのため、図43(b)に示す発射待機状態において、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除した後も、図43(b)に示す状態を維持可能に構成される。これにより、例えば、発射待機状態において常に駆動モータMT1を通電させておく必要がある構成に比較して、駆動モータMT1の発熱を抑えることができるので、駆動モータMT1の駆動制御の設定自由度を向上させることができる。
これは、例えば、第3図柄表示装置81における表示演出と連動して射出装置400を駆動制御させる場合に、発射待機状態となってから発射状態となるまでの表示演出の長さの設定に対する制限が駆動モータMT1の発熱の観点からは生じないという点で、有利である。
図43(c)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第3溝部442cの終端位置に配置され、当接部材430が起立し始める状態における各構成部材の配置が図示される。
図43(c)の状態以降は、突設部432と当接する溝形成部442の位置が第3溝部442cから変わるので、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷の方向が前側伝達部材440の回転軸からずれることになる。
従って、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除して発射待機状態で維持するためには、図43(b)で示す状態から図43(c)で示す状態となる前に駆動モータMT1の通電を解除する必要がある。
図43(d)では、直動部材410の下側突条部415の変位軌跡から当接部材430の鉤状突部433が退避することで、直動部材410の上昇変位の規制が解除され、コイルスプリングSP1(図38参照)に蓄積された付勢力により直動部材410が上昇変位し、衝突部材420が上側へ跳ね飛ばされた状態における各構成部材の配置が図示される。図43(d)に示す状態が、発射状態(図41参照)に対応する。
当接部材430の起立方向の変位は、基本的には前側伝達部材440の溝形成部442の形状に沿って生じることから、その駆動力は駆動モータMT1(図38参照)から発生している。一方で、直動部材410の変位が前側伝達部材440の伝達突部446に規制されている状態には無いことから、直動部材410を介して当接部材430に伝達されているコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力も、当接部材430の起立方向の変位を補助するように働く。
本実施形態では、駆動モータMT1の駆動力により生じる当接部材430の変位方向と、直動部材410を介して与えられるコイルスプリングSP1の付勢力により生じる当接部材430の変位方向とが、共に起立する方向で同じに構成されるので、当接部材430に対して与えられる駆動力と付勢力とを互いに補助し合う態様で発生させることができる。
図43(e)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第4溝部442dの終端位置に配置され、当接部材430が起立し終える状態における各構成部材の配置が図示される。
図43(e)に示す状態以降では、当接部材430の突設部432と当接する溝形成部442の位置は、第1溝部442aになる。これにより、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転軸へ向かうことになるので、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転に与える影響を低減することができる。
例えば、本実施形態では、図43(d)に示す状態の直前まで、コイルスプリングSP1(図38参照)に蓄積される付勢力が当接部材430に負荷されていたことから、図43(d)以降の変位において当接部材430を起立させる方向に生じる負荷も、大きくなることが予想される。そのため、対策なしでは、当接部材430が起立する変位により、前側伝達部材440の回転が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、当接部材430が起立し終えるや否や、当接部材430の突設部432を第1溝部442aに配置し、突設部432を介して当接部材430から前側伝達部材440へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転軸へ向くように構成している。これにより、当接部材430が起立する変位により前側伝達部材440の回転が阻害されることを回避し易くすることができる。
図43(e)に示す状態から、前側伝達部材440を正回転させる方向に駆動モータMT1(図38参照)を駆動させ、被検出部445が検出センサSC4の検出溝に進入したことを検出したら、駆動モータMT1を停止させるよう制御することで、射出装置400を演出待機状態に戻すことができ、図42及び図43に示す状態変化が、一連の発射演出として制御可能となるようにMPU221(図4参照)の制御プログラムが設計されている。
図42及び図43を参照した上述の説明では、射出装置400の制御の一例として、射出装置400の演出待機状態から前側伝達部材440を正回転方向に1回転させる発射実行制御を説明した。発射実行制御では、発射状態において、コイルスプリングSP1の付勢力で上昇する直動部材410により衝突部材420が跳ね飛ばされ、粒状部材320が飛散する演出が実行される。
この演出は、遊技者の視界に粒状部材320を飛散させることから、派手で、遊技者の注目力を向上させることができるので、例えば、大当たりか否か遊技者に分からせない状態で数分続くロングリーチの終盤付近のタイミングで、もしも大当たりであれば、発射状態に移行し粒状部材320を飛散させて演出することで、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方で、もしも大当たりではなければ(はずれであれば)、粒状部材320を飛散させる演出を実行すると、遊技者に対して大当たりであると勘違いさせる虞があり、好ましくない。
また、発射状態に移行しない場合(はずれの場合)に、射出装置400の駆動モータMT1(図38参照)を全く駆動させないと、駆動モータMT1の駆動音から、実行中のロングリーチの結果、大当たりとなるのか、はずれとなるのかを遊技者が把握できてしまうことになり、遊技者の興趣を下げる虞がある。
これに対し、本実施形態では、はずれの場合に、射出装置400を発射待機状態とした後で、前側伝達部材440を逆回転させる方向に駆動モータMT1を駆動制御することにより、射出装置400の発射状態を経由せずに射出装置400の演出待機状態に復帰可能に構成される。
つまり、例えば図43(c)に示す状態から、前側伝達部材440を逆回転(時計回り)させる方向に駆動モータMT1を駆動制御することにより、上述の時系列の逆方向で各構成部材を変位させることができる。
この場合において、当接部材430が起立する方向へ変位開始する(図42(e)参照)よりも前に、直動部材410を押し下げて、直動部材410と当接部材430との当接を解除していることにより(図42(f)参照)、直動部材410と当接部材430との間で当接を解除する際に擦れが生じることを回避することができる。
また、図42(e)以降は、直動部材410を介して前側伝達突部440の伝達突部446に与えられるコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力が前側伝達突部440の回転を補助する向きで働くので、駆動モータMT1(図38参照)に要求される駆動力の大きさを低減することができる。
この場合における直動部材410の上昇変位は、コイルスプリングSP1(図38参照)の弾性復帰に基づく瞬間的なものでは無く、伝達突部446の変位に伴う緩やかな変位として構成される。
これにより、直動部材410が衝突部材420を跳ね飛ばすことを回避することができるので、粒状部材320が飛散する演出を実行しないで、射出装置400を演出待機状態(図42(a)参照)に復帰させることができる。
なお、前側伝達部材440の逆回転の後、図42(a)に示す状態とするためには、検出センサSC4の検出溝から被検出部445が退避したことを検出した後で、検出センサSC4の検出溝に被検出溝445が再び進入したと検出されるまで前側伝達部材440を正回転させるよう駆動モータMT1(図38参照)を駆動制御すれば良い。
これにより、粒状部材320を飛散させる演出制御と、粒状部材320を飛散させない演出制御の双方を、駆動モータMT1の駆動に伴う予備動作を同じとして実行することができる。従って、大当たりかはずれかを遊技者が分かり易いように演出することができると共に、駆動音の違いにより遊技者が当否結果を予測可能となることを回避することができる。
特に、本実施形態によれば、発射待機状態(図43(c)参照)において、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除して、駆動モータMT1の駆動音を一端消失させることができる。これにより、駆動モータMT1の駆動を継続した状態から駆動方向を切り替える制御を行う場合に比較して、駆動方向が同じなのか、逆方向となったのかを駆動音から把握し難くすることができる。
そのため、演出における当否報知タイミングに先行して駆動モータMT1を駆動制御し、駆動音が生じたとしても、その駆動方向を判定し難いことから、遊技者に当否結果を把握される事態を回避することができる。
これにより、遊技者に駆動音で当否結果を把握される危険を冒すことなく、当否報知タイミングに先行して駆動モータMT1の駆動制御を開始することができるので、発射待機状態における駆動モータMT1の停止タイミングに幅を持たせることができる。換言すれば、発射状態の直前の状態で駆動モータMT1を停止させることを不要とすることができ、発射状態の十分前の状態で駆動モータMT1を停止してもその後の演出に支障をきたさないので、制御に反して駆動モータMT1が過回転し意図せず発射状態となる事態を回避することができる。
図44(a)から図44(f)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材460、伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図である。
図44では、後側伝達部材460が正回転(時計回り)することに伴う伝達アーム部材470及び蓋部材480(以下、図44の説明において、「各構成部材」とも称す)の配置の変化が時系列で図示される。以下、順に説明する。
図44(a)では、射出装置400の演出待機状態(図42(a)参照)における各構成部材の配置が図示される。図44(a)に示すように、射出装置400の演出待機状態では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第3溝部462cの終端位置に配置され、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置される。
蓋部材480は、トーションスプリングSP2(図33参照)から退避側へ向かう付勢力を受けるため、蓋部材480を介して伝達アーム部材470の伝達突部473を押し下げる方向の負荷が生じ、この負荷が後側伝達部材460に伝達されることで、対策なしでは、後側伝達部材460の回転に影響を与える虞がある。
これに対し、本実施形態では、図44(a)以降の状態において、伝達アーム部材470の円柱状突部472が、溝形成部462の第3溝部462cと当接し、その当接点を介して後側伝達部材460に負荷が与えられるところ、円形状の湾曲面と円弧形状面との当接なので、当接により生じる負荷は円の中心へ向かう。
従って、円柱状突部472を介して溝形成部462に与えられる負荷は、後側伝達部材460の回転軸へ向かうので、円柱状突部472を介して溝形成部462に与えられる負荷が後側伝達部材460の回転に与える影響を少なくすることができる。
図44(b)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第3溝部462cの終端位置に配置され、蓋部材480が進入側の変位終端位置に依然として配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(c)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第4溝部462dの中間位置に配置され、蓋部材480が変位範囲の略中間位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
伝達アーム部材470の姿勢変化は、基本的には後側伝達部材460の溝形成部462の形状に沿って生じることから、その姿勢変化のための駆動力は後側伝達部材460を回転駆動する駆動モータMT1(図38参照)から発生している。
一方で、トーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力が、蓋部材480を介して伝達アーム部材470の伝達突部473を押し下げる方向に働き、同時に、この付勢力は円柱状突部472を上側へ変位させる方向に働くことから、トーションスプリングSP2の付勢力も、伝達アーム部材470の姿勢変化を補助するように働く。
本実施形態では、駆動モータMT1の駆動力により生じる伝達アーム部材470の姿勢変化方向と、蓋部材480を介して与えられるトーションスプリングSP2の付勢力により生じる伝達アーム部材470の姿勢変化方向とが、共に時計回り方向で同じに構成されるので、伝達アーム部材470に対して与えられる駆動力と付勢力とを互いに補助し合う態様で発生させることができる。
図44(d)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第4溝部462dの終端位置に配置され、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(d)に示す状態において、蓋部材480はトーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力により退避側の変位終端に維持される。また、伝達アーム部材470の伝達突部473と左カバー部材489とは非当接で配置される。
これにより、蓋部材480を進入側へ変位させる必要が無い場合にまで伝達突部473に負荷が与えられることを回避することができ、伝達アーム部材470への疲労の蓄積度合いを和らげることができる。
図44(e)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第1溝部462aの途中位置に配置され、蓋部材480が依然として退避側の変位終端に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(e)に示す状態以降、発射待機状態(図43(b)参照)が構成される。発射待機状態から発射状態に亘り、蓋部材480は退避側の変位終端に配置され、射出される粒状部材320(図41参照)との衝突を回避可能に構成される。
図44(f)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第1溝部462aの終端位置に配置され、蓋部材480が依然として退避側の変位終端位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(e)に示す状態から図44(f)に示す状態までに、射出装置400は発射状態(図41参照)を経由する。そして、図44(f)に示す状態から正回転を継続することで、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置され、演出待機状態へ復帰する(図44(a)参照)。
ここで、図44(f)に示す状態は、発射演出実行後の状態であるので、直動部材410又は当接部材430からの前側伝達部材440への負荷伝達は無い(例えば、図43(e)参照)。従って、駆動モータMT1(図38参照)の駆動力の内、前側伝達部材440側へ振り分ける分量を非常に少なくすることができる。
これにより、蓋部材480の変位の方向が、トーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力に対抗する方向であるために大きな駆動力が必要となる場合であっても、駆動モータMT1の駆動力の大半を、後側伝達部材460に当接する他の構成部材を回転させるための駆動力として利用することができるので、十分な駆動力を確保することができる。
図45は、図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置400の平面図である。なお、図45では、固定部材350の図示が省略され、射出装置400の内部構造を視認可能とされる。
図45では、直動部材410、衝突部材420及び当接部材430が、図42及び図43での説明と同様の態様で図示される。また、衝突部材420の変位可能区間の理解を容易とするために、円柱状突部403の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
図45では、直動部材410が上昇側の変位終端位置に配置された状態(例えば、演出待機状態、図42(a)参照)で、前側伝達部材440が逆回転方向に駆動され、前側伝達部材440の伝達突部446が直動部材410の下側突条部415に下側から当接し、それ以上の回転変位を規制される状態が図示される。
このように、本実施形態では、前側伝達部材440に許容される変位態様に限界が設定される。即ち、正回転方向の駆動では、図42及び図43に示すように、前側伝達部材440の変位が規制されることなく継続的に駆動可能であるのに対して、逆回転方向の駆動では、変位角度が許容角度を超えると、直動部材410に伝達突部446が変位を規制され、それ以上の継続駆動が規制される。
変位が規制された状態で駆動モータMT1の駆動を継続する場合、駆動モータMT1が発熱し、損傷する虞があるので、本実施形態では、前側伝達部材440を逆回転させる方向の駆動制御に制限を設けることで、駆動モータMT1の損傷を回避しているが、詳細は後述する。
図46は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図46では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
また、図46では、演出待機状態(図42(a)及び図44(a))からの正回転の回転角度の目安が横軸に図示される。即ち、0度は図42(a)に対応し、66度は図42(b)に対応し、125度は図42(c)に対応し、162度は図42(d)に対応し、202度は図42(e)に対応し、219度は図42(f)及び図43(a)に対応し、228度は図43(b)に対応し、266度は図43(c)に対応し、287度は図43(d)に対応し、295度は図43(e)に対応する。
また、図46では、0度は図44(a)に対応し、21度は図44(b)に対応し、96度は図44(c)に対応し、173度は図44(d)に対応し、304度は図44(e)に対応し、360度は図44(f)に対応する。
図46では、演出待機状態を基準(角度が0度)として、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の正回転の回転角度が横軸に記載され、その角度に対応する上述の各構成部材における状態変化について記載される。なお、正回転での駆動制御による各構成の配置変化は、図46の右方向へ向けた変化に対応し、逆回転での駆動制御による各構成の配置変化は、図46の左方向へ向けた変化に対応する。
図46に示すように、発射状態(角度が287度)になる前に、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を逆回転させることにより、衝突部材420を上昇変位させる場合の変位速度は、発射状態に到達して衝突部材420が上昇変位する場合の変位速度に比較して遅くなる。即ち、本実施形態では、衝突部材420の上昇変位の速度を複数通りで構成することができる。
なお、発射状態を超えた後は、既に衝突部材420が上昇してしまっているので、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の逆回転は途中で規制される(図45参照)。一方、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間にあるかは、検出センサSC4の出力状態のみからは判定できない。
例えば、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間である場合に、パチンコ機10の電源が再投入されたとしても、MPU221(図4参照)は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の逆回転が規制される配置か、否かを判定することができない。
これに対し、本実施形態では、電源再投入時に、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間である疑いがある場合、即ち、検出センサSC4に被検出部445が配置されていない場合(検出センサSC4の出力OFFの場合)には、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を正回転させる方向に駆動モータMT1が回転するよう制御される。
この回転により射出装置400を、一端、演出待機状態に復帰し、その後で各演出の実行制御を行うよう構成される。これにより、電源再投入時等、制御が途切れる事態の後において、意図せず前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転が規制され、駆動モータMT1が発熱する事態が生じることを防止することができる。
本実施形態では、発射状態(角度が287度)から伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置が変化し始める状態(角度が304度)までに、粒状部材320(図38参照)の配置が安定するような回転速度で、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転駆動される。
例えば、発射から2秒で配置が安定するのであれば、毎秒8度(45秒/回転)で前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転するように駆動制御することで、流下途中の粒状部材320が蓋部材480(図38参照)に噛み込まれる事態が発生することを回避できる。
なお、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転速度は、これに限られるものでは無く、任意に設定可能である。例えば、4倍速で回転させても良い。この場合、粒状部材320が流下開始する程度のタイミングで蓋部材480を進入側に変位開始させることができる。この場合、粒状部材320が蓋部材480の進行方向に配置される前に蓋部材480を変位完了することができる。
この状態で、演出待機状態で駆動を停止することで、蓋部材480の上方に粒状部材320を堆積させることができるので、蓋部材480の形状に沿って粒状部材320を左右中央側へ集めることができる。その後、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を正回転方向に駆動制御することで、蓋部材480が退避側へ変位することに伴って粒状部材320が蓋部材480から落下し衝突部材420の上に乗る。
このように、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転速度を異なるように制御することで、粒状部材320が衝突部材420に到達するまでの態様を複数種類構成することができる。
これにより、発射実行制御ごとに、各粒状部材320(各球状部材)の衝突部材420に対する相対位置を変化させることができる。そのため、例えば、形状や色の異なる複数の球状部材で粒状部材320を構成することで、発射される粒状部材320の見え方(各粒状部材320の配置や変位方向)を異ならせることができるので、演出効果を向上させることができる。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。次いで、拡大縮小ユニット600について説明する。
図47及び図48は、拡大縮小ユニット600の正面斜視図であり、図49及び図50は、拡大縮小ユニット600の背面斜視図である。図47及び図49では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図48及び図50では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
図47から図50に示すように、拡大縮小ユニット600は、左右方向中央位置を昇降変位可能であり発光演出可能に構成される演出部材700と、その左右に離れて固定配置される半球状照明装置613とを備える。
演出部材700及び半球状照明装置613により発光演出を行うことで、第3図柄表示装置81(図7参照)の手前側から遊技者に対して光を出射し、煌びやかに視認させる演出を実行することができる。
図51は、拡大縮小ユニット600の正面分解斜視図であり、図52は、拡大縮小ユニット600の背面分解斜視図である。図51及び図52では、演出部材700は組立状態で図示される。なお、図47及び図49に示すように、組立状態において、演出部材700と連結される下アーム部材630の先端部は後板部611の正面側に配置されるが、図51及び図52では、便宜的に後板部611の背面側に配置する。
図51及び図52に示すように、拡大縮小ユニット600は、背面ケース510(図5参照)の底壁部511に締結固定される左右長尺形状の本体部材601と、その本体部材601の正面側に配置され意匠面を有する正面カバー部材610と、本体部材601の円柱軸部603に回転可能に軸支され歯合関係で連動する一対の上アーム部材620と、その上アーム部材620と中間部で連結されており上アーム部材620の回転に伴い姿勢変化する一対の下アーム部材630と、本体部材601の背面側に締結固定される駆動モータMT2と、その駆動モータMT2の駆動ギアと歯合され、左側の上アーム部材620に駆動モータMT2の駆動力を伝達可能に係合し、本体部材601に回転可能に軸支される伝達ギア650と、本体部材601に環状部が組み付けられ、上アーム部材620に上昇方向の付勢力を負荷するトーションスプリングSP3と、下アーム部材630の先端部に連結される演出部材700と、を備える。
本体部材601は、左右長尺の板状に形成され、左右一直線上に配置される左右一対の長孔である案内孔602と、左右対称位置から前後両方向へ円柱状に突設される一対の円柱軸部603と、その円柱軸部603を中心軸とした円弧状に穿設される一対の円弧状孔604と、左側部から背面側へ円柱状に突設される円柱軸部605と、その円柱軸部605を中心軸とした円弧状に穿設される円弧状孔606と、円柱軸部605を中心とした円状において検出溝を円柱軸部605側に向けた姿勢で背面側に締結固定される検出センサ607と、を備える。
案内孔602は、下アーム部材630の円柱状突部632の外径よりも若干長い上下幅で形成される。案内孔602は、下アーム部材630の円柱状突部632が挿通されることにより、下アーム部材630の変位を案内する長孔として機能する。
円柱軸部603は、正面側に突設される部分が、上アーム部材620の支持孔621に挿通され、上アーム部材620を回転可能に支持する。円柱軸部603の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、上アーム部材620が、脱落不能に支持される。
円柱軸部603は、背面側に突設される部分が、トーションスプリングSP3の巻き状本体部に挿通され、これにより、トーションスプリングSP3の配置が安定する。
トーションスプリングSP3の一方の腕部は、本体部材601の背面側からく字状に張り出す張出部601aに上側から押さえられ、他方の腕部は、上アーム部材620の被付勢部625に係合される。これにより、トーションスプリングSP3の弾性回復力が被付勢部625を押し下げる方向に機能するので、上アーム部材620は、連結部623が上昇変位する方向に付勢される。
円弧状孔604は、上アーム部材620の被付勢部625を本体部材601の背面側へ通すための貫通孔である。これにより、上アーム部材620の被付勢部625とトーションスプリングSP3とを係合可能に構成することができる。
円柱軸部605は、伝達ギア650の支持孔653に挿通され、伝達ギア650を回転可能に支持する。円柱軸部605の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、伝達ギア650が脱落不能に支持される。
円弧状孔606は、伝達ギア650の円柱状突部654を本体部材601の正面側へ通すための貫通孔である。これにより、上アーム部材620の伝達孔624と伝達ギア650とを係合可能に構成することができる。伝達ギア650の円柱状突部654の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、伝達ギア650に上アーム部材620が脱落不能に支持される。
検出センサ607は、伝達ギア650の被検出板部655が進入可能な検出溝を備え、伝達ギア650が拡大縮小ユニット600を演出待機状態とする位置に配置されているか、それ以外の位置に配置されているかを判定可能に構成される。
正面カバー部材610は、光透過性の低い樹脂材料から形成され、本体部材601に締結固定される薄肉の部材であって、左右中央部に形成される後板部611と、その後板部611の左右上端部との連結位置から左右外側に形成され、後板部611よりも正面側に張り出して形成される前板部612と、その前板部612の正面側に締結固定され発光可能に構成される半球状照明装置613と、を備える。
後板部611は、本体部材601の円柱軸部603の正面側に配設され、円柱軸部603が視認されないように視界を遮蔽する。後板部611の背面側には、上アーム部材620のギア部622の移動軌跡を避けて、そのギア部622の前後幅よりも若干長い寸法で背面側へ張り出し、本体部材601と面で当接する張出当接部611aを備える。
これにより、後板部611の本体部材601に対する締結状態の安定を図ることができると共に、後板部611と本体部材601とにより区分けされる空間において上アーム部材620を変位させるよう構成することができる。換言すれば、上アーム部材620の姿勢変化(例えば、回転軸に対して撓むような姿勢変化)を、軸方向両側で抑制することができるので、上アーム部材620の状態を安定させることができる。
前板部612は、上アーム部材620や下アーム部材630の正面側に配置され、これら部材の構造的な部分を遊技者に視認させないように構成される板状部であって、本体部材601の正面板部に対して平行な平面として左右一対で形成される摺動面612aと、左側上端部から背面へ向けて張り出す板部において、背面側へ開放される凹部として形成される配線通し凹部612bと、を備える。
摺動面612aは、下アーム部材630に正面側から組み付けられ締結固定され、その形状および材料から低摩擦に形成される押圧部材PC1が摺動可能な平面として構成される。即ち、下アーム部材630の長尺方向の途中に固定される押圧部材PC1が、下アーム部材630の変位に伴い変位する軌跡に沿って形成される平面状板面である。
押圧部材PC1の摺動面612aに対向する側の形状は、摺動面612a側に突き出た略半円形状とされ、押圧部材PC1と摺動面612aとが接触した場合の状態は、点接触となるように構成される。これにより、押圧部材PC1と摺動面612aとの間で生じる抵抗を低減することができ、下アーム部材630を滑らかに変位させ易くすることができる。
摺動面612aと押圧部材PC1とは常時接触しているものでは無く、隙間が設けられている。一方で、下アーム部材630が正面側に変位する量が許容量を超える前に、摺動面612aと押圧部材PC1が当接し下アーム部材630の正面側への変位を制限するように構成される。
本実施形態では、下アーム部材630の正面側への変位量の許容量は、区画部材310(図13(a)参照)の背面側板部と演出部材700との寸法関係により設定される。即ち、下アーム部材630の配置から想定される配置の演出部材700が、区画部材310と当接しない程度の寸法で、下アーム部材630の正面側への変位量の許容量が設定される。
即ち、本実施形態によれば、摺動面612aが押圧部材PC1と当接し、下アーム部材630の正面側への変位を制限することにより、拡大縮小ユニット600の演出部材700が区画部材310と当接することを防止することができる。
なお、右側に配置される摺動部612aは押圧部材PC1の軌跡に沿った円弧形状で形成されるが、左側に配置される摺動部612aは、押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状を含む大きな平面として形成されているが、左右の摺動部612aの機能は共通である。即ち、少なくとも押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状が平面状に形成されていれば良く、それ以外の部分における形状は任意に設定可能である。例えば、本実施形態の右側部分のように、摺動部612aが押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状に限定して形成され、それ以外の部分において背面側に張り出す(正面側の意匠部分が背面側寄りに配置される影響で背面側に張り出す)ように構成しても良いし、本実施形態の左側部分のように、摺動部612aの周囲も同様の平面形状で構成しても良い。
なお、下アーム部材630の前方への変位が押圧部材PC1と摺動部612aとの当接により制限されることに加え、上アーム部材620は、トーションスプリングSP3と、円柱状突部654に締結固定される締結ネジとにより前方への変位が規制される。即ち、下アーム部材630の前方への変位の制限に加えて、上アーム部材620の変位の制限も行っていることにより、局所的に大きな負荷が生じることを避けることができる。
配線通し凹部612bは、下アーム部材630の基端側貫通孔635aを通される電気配線の通り道として機能する凹部である。即ち、背面ケース510と拡大縮小ユニット600との間に到達した電気配線は、配線通し凹部612bを通り、下アーム部材630の基端側貫通孔635a通ったのち、下アーム部材630の先端側へ案内され、演出部材700に通される。
このように、拡大縮小ユニット600の内部への電気配線の挿通経路を上側からとすることで、演出部材700と連結される長尺の下アーム部材630が、変位に伴い左右方向に大きく変位する(本実施形態では、背面ケース510の左右幅の約半分の距離を変位する)場合であっても、電気配線が弛んで下方に垂れる事態の発生を防止し易くすることができる。
半球状照明装置613は、半球状のレンズ部材を備え、その背面側に配設されるLED等の発光手段から照射される光を半球状のレンズ部材を通して正面側へ照射させるための装置である。本実施形態では、発光手段から照射される光の光軸が、左右方向中央側下方へ傾斜するよう構成されている。
これにより、半球状照明装置613から照射される光の光軸が前後方向を向く場合に比較して、半球状照明装置613から照射される光に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。例えば、第3図柄表示装置81の中央を視認している遊技者の視界に光を入れ易くしたり、張出状態または拡大状態の演出部材700に光を照射することで光に気付かせ易くしたりすることができる。
上アーム部材620は、長尺板状に形成され、円柱軸部603の外径よりも若干大径の円形孔として形成されることで円柱軸部603を挿通可能に構成される支持孔621と、その支持孔621を中心とした円弧上に形成され、一対の上アーム部材620で互いに歯合可能に構成されるギア部622と、長尺方向端部に円形に穿設され下アーム部材630の円柱状突部631を挿通可能に構成される連結部623と、左側の上アーム部材620にのみ形成され、伝達ギア650の円柱状突部654の外径よりも若干長い幅の長孔として形成される伝達孔624と、上アーム部材620の背面側から突設され先端部が鉤状に形成される被付勢部625と、を備える。
伝達孔624は、支持孔621の中心を通る直線に沿って形成される伝達部624aと、伝達ギア650の回転軸を中心とする円弧に沿って伝達部624aの一端から連続的に延ばされる余裕部624bと、を備える。
伝達部624aは、伝達ギア650を介して伝達される駆動力を受ける部分として機能し、余裕部624bは、駆動力伝達を遮断するための部分として機能するが、詳細は後述する。
被付勢部625は、トーションスプリングSP3の腕部の一端が係合される部分であり、この被付勢部625を介して上アーム部材620の左右外側を上昇変位させる方向の付勢力を上アーム部材620は受ける。
また、被付勢部625の先端鉤状部とトーションスプリングSP3の係合により、上アーム部材620の前方への変位を規制することができる(図49参照)。
下アーム部材630は、左側のアームが電気配線を通す経路を有することを除き、長尺板部材から略左右対称に構成され、長尺方向中間位置から背面側に円柱状に突設される円柱状突部631と、その円柱状突部631に対して左右外側位置から背面側に円柱状に突設される円柱状突部632と、円柱状突部631に対して左右内側位置において前後方向に円形に穿設される支持孔633と、その支持孔633を中心とする一対の円弧に沿って貫通形成される複数の円弧状孔634と、を備える。
円柱状突部631は、上アーム部材620の連結部623に挿通され、円柱状突部631の先端に形成される雌ネジに背面側から頭部大径のネジが螺入されることで、下アーム部材630が上アーム部材620に対して脱落不能に支持される。
円柱状突部632は、抵抗低減用として円筒形状に形成されるカラー部材C1を介して本体部材601の案内孔602に挿通され、円柱状突部632の先端に形成される雌ネジに背面側から頭部大径のネジが螺入されることで、下アーム部材630が本体部材601に対して脱落不能に支持される。
支持孔633及び円弧状孔634は、演出部材700との連結に利用される。後述する配置用部635との関係により、円弧状孔634が形成される箇所の肉厚が、上側部に比較して下側部の方が分厚く構成されている。これにより、演出部材700が下端位置に配置されて場合に、分厚い箇所で演出部材700を左右から抱え込むように支持することができるので、演出部材700が前傾姿勢に姿勢変化することを効果的に規制することができる。
また、左側の下アーム部材630は、アーム本体の長尺方向に亘り電気配線を通すための空間を形成するために背面側へ開放形成される配置用部635と、その配置用部635の背面側に配設され配置用部635の蓋として機能する薄肉蓋部636と、を備える。
配置用部635は、円柱状突部632側端部で前後方向に穿設される基端側貫通孔635aを備える。
基端側貫通孔635aは、配置用部635に配置される電気配線を前後方向に通すための貫通孔である。即ち、配置用部635に配置される電気配線は、基端側貫通孔635aを正面側から通り配置用部635に案内され、配置用部635から下アーム部材630の先端側へ抜ける。
下アーム部材630は、下アーム部材630の長尺方向に沿う境界を有し、演出待機状態において、その境界よりも下側に配設される下側肉部637が、背面側に奥まって形成される。換言すれば、接線を境界として上側が、薄肉の板部として形成される。
この下側肉部637は、右側の下アーム部材630においては、短手方向に延設される複数のリブにより補強される。また、下側肉部637は、左側の下アーム部材630においては、配置用部635の上側壁部を構成し、内部に電気配線を案内可能に構成され、その案内経路に蓋として配設される薄肉蓋部636が締結固定されることで補強される。
電気配線は、下アーム部材630の内部(配置用部635と薄肉蓋部636との間)を通り演出部材700側へ案内されるので、下アーム部材630の前後に配置される部材(例えば、上アーム部材620)と電気配線とが当接することを防止することができる。これにより、これらの部材に電気配線が絡まったり、擦れたりして電気配線が損傷することを避けることができる。
下アーム部材630は、正面側から組み付けられる上述の押圧部材PC1の他に、同一部材から構成され背面側から組み付けられる押圧部材PC1を備える。この押圧部材PC1を介して、下アーム部材630は、本体部材601の本体板状部と前後で当接可能に構成される。なお、本体部材601と押圧部材PC1とは、常時接触しているものでは無く若干の隙間を有しており、下アーム部材630が背面側へ変位した場合に当接し、その変位を制限するように機能することは、前側の押圧部材PC1の場合と同様である。
即ち、下アーム部材630は、前後両側に押圧部材PC1が組み付けられ、その押圧部材PC1を介して本体部材601又は正面カバー部材610と当接可能に構成されるので、前後方向に変位した場合の変位の制限を容易とし、変位制限時に昇降変位に対して生じる抵抗を低減し易くすることができる。
背面側から組み付けられる押圧部材PC1の背面側への張り出し先端は、上アーム部材620の背面側端部よりも背面側寄りに配置される。これにより、押圧部材PC1の先端が本体部材601に当接する程度に背面側へ変位した場合においても、上アーム部材620が本体部材601と当接することを回避することができる。従って、本実施形態によれば、上アーム部材620が、前後に配置される本体部材601又は正面カバー部材610と当接することを防止することができる。
この構成は、下アーム部材630が意図せず前後方向に変位し易い場合に特に有効である。例えば、本実施形態では、下アーム部材630の先端部が演出部材700の後端面付近に配置されており、演出部材700の重心と、演出部材700と下アーム部材630との連結位置とが前後方向に位置ずれしているので、下アーム部材630に前後方向変位が生じやすい構成と言える。他にも、下アーム部材630の変位態様や、演出部材700自体の駆動変位により、下アーム部材630の前後方向変位が生じやすい構成とされている。
伝達ギア650は、略半円形状の板状に形成される半円本体部651と、その半円本体部651の径方向外側にギア状に刻設されるギア部652と、半円本体部651の半円形状の中心軸上に円柱軸部605を挿通可能な円形孔として貫通形成される支持孔653と、半円本体部651の外径端部から正面側へ円柱形状で突設される円柱状突部654と、半円本体部651の周方向端部に検出センサ607の検出溝に進入可能な薄さの板状に形成される被検出板部655と、その被検出板部655と支持孔653との間に亘り増厚形成される増厚部656と、その増厚部656の支持孔653側の位置において前後方向に貫通形成される被規制孔657と、を備える。
ギア部652は、駆動モータMT2の駆動ギアと歯合した状態で配設され、駆動モータMT2の駆動力が直接的に伝達される。
円柱状突部654は、本体部材601の円弧状孔606を通り、上アーム部材620の伝達孔624の内側に配置される。これにより、伝達ギア650の回転に伴い、円柱状突部654を介して、駆動力が上アーム部材620に伝達可能とされる。円柱状突部654は、伝達孔624の幅よりも外径が若干短いカラー部材に挿通され、円柱状突部654の突設先端に形成される雌ネジ部に頭部大径の締結ネジが螺入されることにより、カラー部材および上アーム部材620が脱落不能に支持され、上アーム部材620の前方への変位が規制される。
増厚部656及び被規制孔657は、上述の変位規制装置180(図6参照)と係合可能に構成される部分である。被規制孔657が支持孔653側(支持孔653寄りの位置)に配設されることで、変位規制装置180の規制状態(図21(a)参照)において伝達ギア650から変位規制装置180に伝達される負荷(モーメント)が低減されるよう構成される。
また、伝達ギア650の厚みの設計思想として、変位規制装置180との係合により生じる負荷に耐えられることが必要な箇所として増厚部656を設定している。即ち、変位規制装置180との係合が生じ得ない箇所は薄肉で形成することで、伝達ギア650に要する材料費用の低減を図ることができる。
図53は、演出部材700の正面分解斜視図であり、図54は、演出部材700の背面分解斜視図である。なお、図53及び図54の説明では、図51及び図52を適宜参照する。
図53及び図54に示すように、演出部材700は、下アーム部材630の先端部に連結される板状本体710と、その板状本体710の正面側に締結固定される機能板部720と、その機能板部720と板状本体710との間に配設され機能板部720に対して回転変位可能に支持される回転板730と、その回転板730と機能板部720との間に配設され回転板730の回転に連動してマジックハンドと同様の変位を可能に構成される伸縮変位部材740と、機能板部720の正面側に締結固定され駆動ギアMG3が機能板部720の背面側に配置される駆動モータMT3と、機能板部720の正面側に締結固定され発光演出を実行する発光演出装置750と、複数の伸縮変位部材740の先端部にそれぞれ締結固定され演出待機状態において発光演出装置750の正面側における光の通過を遮蔽するように組み合わせられる複数の遮蔽意匠部材760と、を備える。
板状本体710は、左右対称な位置から背面側に下アーム部材630の支持孔633の内径よりも若干短い外径の円柱形状で突設される一対の円柱突部711と、その円柱突部711を中心とした円弧上位置から背面側に下アーム部材630の円弧上孔634の幅よりも若干短い外径の円柱形状で突設される複数の補助突部712と、一対の円柱突部711の間の位置において前後方向に穿設される通し孔713と、その通し孔713の下側に配設され正面側のみが開放される配線案内部材714と、板背面に配設される押圧部材PC1と、を備える。
通し孔713は、下アーム部材630を通り、配置用部635と薄肉蓋部636との間を下アーム部材630の先端側へ案内された電気配線DK1を正面側へ通すための貫通孔である。下アーム部材630の先端から通し孔713までの区間は、電気配線DK1は配線案内部材714により案内される。これにより、下アーム部材630から通し孔713までの限られた区間においても、電気配線DK1が他の部材と当接したり、遊技者から視認されたりする可能性を無くすことができる。
配線案内部材714は、電気配線DK1を案内する機能の他に、上面が背面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面で形成されていることから、正面カバー部材610の後板部611の下端部との当接を和らげる機能を併せ持つ。
即ち、配線案内部材714の上側面は、演出部材700が上昇変位する際に、正面カバー部材610の後板部611と対向配置されており、演出部材700が背面側に位置ずれしている場合であっても、配線案内部材714が後板部611に当接することで、配線案内部材714の上面の傾斜に沿って上昇変位途中で演出部材700を正面側へ戻すことができる。
押圧部材PC1も配線案内部材714と同様に、正面カバー部材610の後板部611と摺動可能に配設される。即ち、本実施形態では、演出部材700の上昇変位の過程において、上端部に配置される押圧部材PC1及び下部に配置される配線案内部材714を正面カバー部材610の後板部611と当接可能に構成することで、演出部材700の姿勢維持のための負荷の発生位置を分けることができる。
図55は、機能板部720の正面図である。なお、図55の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
機能板部720は、樹脂材料から略板状に形成され、中心部において背面側へ筒状に突設され筒内部が貫通形成される筒状部721と、その筒状部721の中心軸と同軸の円弧形状に沿って穿設される円弧形状孔722と、その円弧形状孔722の一端に検出センサSC7を配置可能に形成されるセンサ配置部723と、駆動モータMT3の駆動軸を挿通可能な開口部を有し駆動モータMT3を締結固定可能に形成されるモータ固定部724と、筒状部721の中心軸を通る直線に沿う径方向長孔725aと、その径方向長孔725aに対して直角に交差する一対の交差長孔725bとから構成される複数(本実施形態では、5組)の案内孔725と、径方向長孔725aの延長線上において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5箇所)の延設板部726と、その延設板部726の延設基端に配置される平面部の背面側端部から延設板部726の幅方向両端において突設される一対(本実施形態では、延設板部726それぞれに一対)の補助突部727と、径外方向端部付近から背面側へ柱状に突設される一対の柱状突設部728と、を備える。
筒状部721は、背面側端部が板状本体710と当接するように配置され、内部の貫通孔が板状本体710の通し孔713と連通している状態で板状本体710と締結固定される。この際、締結ネジは板状本体710の背面側から板状本体710に挿通され、ネジ部が、筒状部721の背面側端部に形成される雌ネジに螺入される。
これにより、機能板部720は板状本体710に締結固定され、その中央部に貫通孔が形成されることになり、本実施形態では、この貫通孔を通して電気配線DK1が正面側へ案内される。
正面側に案内された電気配線DK1(図76参照)は、センサ配置部723に締結固定される検出センサSC7や、モータ固定部724に締結固定される駆動モータMT3に接続される。これにより、検出センサSC7及び駆動モータMT3を通電状態にすることができる。
円弧形状孔722は、回転板730の被検出部731aを正面側に張り出し可能とするための貫通孔であり、この被検出部731aが検出センサSC7の検出溝に進入することで回転板730の姿勢を判定可能としている。
案内孔725は、伸縮変位部材740の被案内突部741b,741c,742aを配置可能な幅で形成される貫通孔群であり、筒状部721の中心軸から径方向に延びる直線に沿って形成される長孔状の径方向長孔725aと、その径方向長孔725aの外径側端部の両側において径方向長孔725aの基準となった直線と直交する直線に沿って長孔状に形成される一対の交差長孔725bと、を備える。
径方向長孔725a及び交差長孔725bは、伸縮変位部材740の変位を制限するように機能し、延設板部726及び補助突部727は、伸縮変位部材740の集合配置状態における姿勢を修正するように機能するが、詳細は後述する。
柱状突設部728は、背面側先端が板状本体710と当接可能に構成されている。当接状態において、柱状突設部728の先端側に形成される雌ネジに、板状本体710に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、機能板部720は板状本体710に締結固定される。
組立状態では、柱状突設部728は、回転板730の円弧形状孔732に挿通され、回転板730の回転角度を制限する。即ち、柱状突設部728は、機能板部720を板状本体710に締結固定する部分と、回転板730の回転角度を制限する部分とで兼用される。
図56は、回転板730の正面図であり、図57は、回転板730の側面図である。図56及び図57の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
回転板730は、樹脂材料から略円板形状に形成され、中心部において正面側へ筒状に突設され筒内部が貫通形成される筒状部731と、その筒状部731の中心軸と同軸の円弧形状に沿って穿設される複数の円弧形状孔732と、筒状部731よりも外径側であり円弧形状孔732よりも内径側である位置に長尺の貫通孔として形成される複数(本実施形態では5箇所)の案内孔733と、その案内孔733と対応する位置において径外方向へ爪状に延設される延設爪部734と、を備える。
筒状部731は、内径が機能板部720の筒状部721の外径よりも若干長く設計され、正面側先端から正面側へ延設され機能板部720の円弧形状孔722を通して検出センサSC7の被検出溝に進入可能に形成される被検出部731aと、駆動モータMT3の駆動ギアMG3と歯合可能なギア状に外周側に形成されるギア部731bと、を備える。
円弧形状孔732は、機能板部720の柱状突設部728が配置される開口部であり、回転板730の回転角度を約120度弱で確保可能な長さで形成される。
案内孔733は、それぞれ同形状で形成されており、筒状部731の中心軸を中心とする円弧形状で形成される小径円弧部733aと、その小径円弧部733aよりも筒状部731の中心軸からの長さが長い大径円弧部733bと、その大径円弧部733b及び小径円弧部733aを連結する連結部733cと、を備える。
連結部733cの態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、単位角度あたりにおける筒状部731の中心軸からの長さの変化が、位置に対応して変化するように形成される。特に、本実施形態では、小径円弧部733aや大径円弧部733b付近における単位角度あたりの筒状部731の中心軸からの長さの変化が比較的小さく設計される。
これにより、伸縮変位部材740への負荷伝達の際に生じる抵抗を低減することができると共に、伸縮変位部材740の変位速度を不均一とすることにより演出効果を向上することができる。
延設爪部734は、正面視時計回りの向きへ張り出す爪状に形成され、正面側に配置される伸縮変位部材740と係合可能に構成され、厚み方向背面側に寄って形成される背面側爪部734aと、その背面側爪部734aよりも正面側に形成される正面側爪部734bと、を備える。本実施形態では、延設爪部734の厚み寸法の略中間位置で、背面側爪部734aと正面側爪部734bとが区分けされる。
延設爪部734は、伸縮変位部材740の第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bと係合する部分として機能する。伸縮変位部材740からの突設先端位置が前後で異なる第2被案内突部744bと第1被案内突部743bとに、それぞれ正面側爪部734bと背面側爪部734aとが対応し、順に径方向内側へ案内するが、詳細は後述する。
本実施形態では、延設爪部734は、上側に配置される延設爪部734に比較して、下側に配置される延設爪部734の方が、延設長さが長くなるように形成される。本実施形態では、周方向および径方向の両方向で延設長さが長くされる。これにより、重力の影響を緩和することができる。
即ち、伸縮変位部材740が同一形状で構成されるとしても、変位可能な方向と重力方向との関係が異なるので、重力の作用により生じる変位は伸縮変位部材740ごとに異なる。例えば、下側に配設される伸縮変位部材740は、自重により垂れ下がり、回転板730の回転軸から離れる方向へ変位するので、対策なしでは、延設爪部734の径方向外側に伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが配置されてしまい、延設爪部734による径方向内側への案内が失敗する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、下側に配置される延設爪部734の延設長さを、伸縮変位部材740の垂れ下がりを考慮して、十分に長く設計しているので、延設爪部734による径方向内側への案内を安定して実行することができる。
一方で、上側に配置される伸縮変位部材740が自重の影響で変位したとしても、その変位は回転板730の回転軸に近寄る方向の変位なので、延設爪部734の径方向内側への案内が失敗する可能性は低い。そのため、上側に配置される延設爪部734については、必要以上に長く延設することはせず、短く形成することで、材料コストの低減と、回転板730の小型化と、を図ることができる。
図58及び図59を参照して、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760について説明する。なお、図58及び図59の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
図58(a)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の正面斜視図であり、図58(b)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の背面斜視図であり、図59(a)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の正面斜視図であり、図59(b)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の背面斜視図である。
図58(a)及び図58(b)では、5組の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の内、最上部に配置される一組が、集合配置される場合の状態で図示され、図59(a)及び図59(b)では、同じ一組が、離散される場合の状態で図示される。
伸縮変位部材740は、前後2層に配置される複数の長尺部材により構成されるリンク機構を構成する部材であるので、以下の説明において、伸縮変位部材740の内、前側に配置される複数の長尺部材が変位可能な平面を前層平面、後側に配置される複数の長尺部材が変位可能な平面を後層平面とも称する。
伸縮変位部材740は、前後2層に配置され下端部で相対回転可能に軸支される一対の基端側部材741と、その基端側部材741の上端部において相対回転可能に軸支される一対の第1長尺部材742と、その第1長尺部材742の上端部において相対回転可能に軸支される一対の第2長尺部材743と、その第2長尺部材742の上端部を案内可能に直線状に延設される案内長孔744aを有する先端調整部材744と、を備える。
前後一対で構成される基端側部材741、第1長尺部材742及び第2長尺部材743は、長尺方向の長さ及び支持位置が、一対で互いに同一で設計される。
基端側部材741は、後層平面側の部材の下端部から背面側へ円柱状に突設される被伝達突部741aと、その円柱突部741aが突設される裏面から正面側へ円柱状に突設され前層平面側の部材に挿通される被案内突部741bと、後層平面側の部材の上端部から正面側へ円柱状に突設され第1長尺部材742の下端部に穿設される貫通孔に挿通される被案内突部741cと、を備える。
被伝達突部741aは、回転板730の案内孔733(図56参照)に配置され回転板730の回転に伴い径方向に変位するよう構成される。
被案内突部741b及び被案内突部741cは、機能板部725の案内孔725に配置され、その長尺方向に案内される。なお、被案内突部741bは径方向長孔725aに配置され、被案内突部741cは交差長孔725bに配置される(図55参照)。
第1長尺部材742は、長尺方向の略中間位置において前後方向軸で相対回転可能に軸支され、後層平面側の部材の下端部から正面側へ円柱状に突設され前層平面側の基端側部材741の上端部に挿通される被案内突部742aを備える。
被案内突部742aは、機能板部725の交差長孔725bに配置され、その長尺方向に案内される(図55参照)。
第2長尺部材743は、長尺方向の略中間位置において前後方向軸で相対回転可能に軸支され、前層平面側の部材の上端部からは正面側へ円柱状に突設され、後層平面側の部材の上端部からは部材幅程度の径で前層平面側の部材の前端面と面一まで突設され、その突設先端から正面側へ円柱状に突設される一対の支持突部743aと、後層平面側の部材の略中間位置から背面側へ円柱状に突設される第1被案内突部743bと、を備える。
第1被案内突部743bは、回転板730の延設爪部734の背面側爪部734aに案内され、この案内により径方向内側へ向けた負荷を受ける(図56参照)。
先端調整部材744は、正面側に遮蔽意匠部材760が締結固定される部材であって、第2長尺部材743の支持突部743aを挿通可能な幅で直線方向に沿って延設される長孔形状で穿設される一対の案内長孔744aと、長尺方向の中央位置から背面側へ円柱状に突設される第2被案内突部744bと、を備える。
第2被案内突部744bは、突設先端が第1被案内突部743bの突設先端よりも前側に配置され、回転板730の延設爪部734の正面側爪部734bに案内され、この案内により径方向内側へ向けた負荷を受ける(図57参照)。
第2被案内突部744bは、突設先端の形状が円形では無く、被伝達突部741a側に回転中心を備える回転板730が背面視反時計回り方向に回転変位することに伴い近接する傾斜面734c(図57参照)に対向配置する側の面(図59(b)の左側の面)が、面取りされる態様の傾斜面を備える。
この傾斜面により、伸縮変位部材740の配置が前後方向に多少ずれている場合であっても、回転板730の延設爪部734との当接時の抵抗が過大となることを回避することができる。
図58(b)及び図59(b)に示すように、伸縮変位部材740が集合配置される場合および離散される場合では、伸縮変位部材740の第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aが、先端調整部材744の案内長孔744aの外側両端部または内側両端部に配置される。これにより、一対の支持突部743aに対する先端調整部材744の配置(長尺方向の配置)を安定させることができる。
遮蔽意匠部材760は、先端調整部材744の正面側に締結固定され、その締結部を端として正面側へ延設され、その延設先端から正面側へ向かう程に伸縮変位部材740を覆う側へ向けて傾斜して延設され、その延設先端から伸縮変位部材740が変位する平面(前層平面または後層平面)と平行に延設される形状部を有する正面視略三角形状の部材である。
遮蔽意匠部材760は、表裏に有色(本実施形態では赤色)の反射シートが貼り付けられることで背面側の装飾部材752を視認不能に遮蔽するよう構成され、右側端部において、部材背面に沿って板表面が形成される態様で右側へ板状に延設される延設板部761を備える。
延設板部761は、遮蔽意匠部材760の本体部と同様に表裏に有色(本実施形態では赤色)の反射シートが貼り付けられ、正面視右隣(時計回り方向隣)に配置される遮蔽意匠部材760の左側端部の背面側と対向配置され、その遮蔽意匠部材760が背面側へ位置ずれする場合に当接し、その位置ずれを抑制可能に構成される。
延設板部761の配置は、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、板正面が、遮蔽意匠部材760の本体部の背面よりも背面側にずれて配置されても良い。この場合、複数の遮蔽意匠部材760が集合配置位置に変位する際に、遮蔽意匠部材760の本体部と延設板部761とが遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
この作用は、延設板部761の配置を遮蔽意匠部材760の本体部から離すほど顕著になるが、少なくとも、遮蔽意匠部材760の前後方向の位置ずれとして遮蔽意匠部材760に許容される寸法分は離して延設板部761を配置することにより、延設板部761と遮蔽意匠部材760の本体部とが遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
また、延設板部761の前面の形状は、傾斜面として形成しても良いし、法線を前後方向に向ける平面として形成しても良い。本実施形態では、遮蔽意匠部材760から離れるほど背面側へ寄る態様の傾斜面として構成される。
これにより、例えば、最上部の遮蔽意匠部材760に対して、最上部の遮蔽意匠部材760の正面視右隣りの遮蔽意匠部材760が背面側に若干位置ずれした状態で、遮蔽意匠部材760が集合配置(図63参照)位置へ変位する場合であっても、最上部の遮蔽意匠部材760の延設板部761の前面傾斜に沿って、正面視右隣りの遮蔽意匠部材760の前後方向の位置ずれを修正することができる。これにより、隣り合う遮蔽意匠部材760の相対的な前後方向位置を合わせ易くすることができる。
また、図58(b)に示すように、遮蔽意匠部材760を支持する伸縮変位部材740の第2長尺部材743は、遮蔽意匠部材760の右側部を支持する部材が後層平面に配置され、遮蔽意匠部材760の左側部を支持する部材が前層平面に配置され、これら一対の第2長尺部材743の中間部が前後に重ねられる態様で交差することで、左側部が右側部に比較して前側へ配置される姿勢に遮蔽意匠部材760を傾かせ易いよう構成される。
遮蔽意匠部材760を支持する伸縮変位部材740の構成は5組とも共通とされるので、各遮蔽意匠部材760は共通で、左側部が右側部(延設板部761が形成される側)に比較して前側へ配置される姿勢に傾き易いよう構成される。
この遮蔽意匠部材760の姿勢の傾斜により、延設板部761を、その延設板部761側に対向配置される遮蔽意匠部材760の背面側から離して位置させることができる。この状態で遮蔽意匠部材760が集合配置の位置へ変位することにより、遮蔽意匠部材760の本体部と、延設板部761とが、遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
5組の遮蔽意匠部材760が集合配置した状態(図53参照)では、遮蔽意匠部材760が円状に配置され、全ての遮蔽意匠部材760が、左隣(正面視反時計回り方向隣)の遮蔽意匠部材760の延設板部761に背面側への位置ずれを抑制される。
この構成によれば、遮蔽意匠部材760は、延設板部761が右隣(正面視時計回り方向隣)の遮蔽意匠部材760に当接することで正面側への位置ずれを抑制される。そのため、5組の遮蔽意匠部材760が互いに前後方向で対向配置されることで、5組の遮蔽意匠部材760それぞれについて、前後方向の位置ずれを抑制することができる。
図60及び図61を参照して、回転板730と伸縮変位部材740との連動について説明する。図60及び図61は、機能板部720の正面図である。図60及び図61では、回転板730の案内孔733が想像線で図示され、伸縮変位部材740の被伝達突部741a、被案内突部741b,741c,742aの外形の配置の一例が図示される。
図60では、伸縮変位部材740が集合配置される状態(図58参照)が図示され、図61では、回転板730が正面視反時計回りに約120度回転し、伸縮変位部材740が離散される状態(図59参照)が図示される。
本実施形態では、被案内突部741b,741c,742aが案内孔725に沿って案内されると共に、回転板730の回転に伴い案内孔733に配置される被伝達突部741aの配置が回転板730の回転軸側へ近接する方向に変位することで、伸縮変位部材740の状態が変化する。
この状態変化において、被案内突部741c,742aが依然として機能板部720の外径側に維持されるので、被案内突部741c,742aの位置を基準として遮蔽意匠部材760が外径側へ張り出すように変位可能に構成されるが、詳細は後述する。
図53及び図54に戻って説明する。発光演出装置750は、中央部に開口を有する電飾基板751と、その電飾基板751の正面側に配設され光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材752と、を備える。電飾基板751の中央部には開口が形成され、装飾部材752は正面側に張り出すドーム状に形成されているので、駆動モータMT3の配設領域を確保することができる。
電飾基板751は、中央部に開口751aが形成される。開口751aの内側には、駆動モータMT3と、下アーム部材630を通り案内された電気配線とが配置される。開口751aが大きくなるほど、駆動モータMT3や電気配線を楽に配置可能となるが、発光手段としてのLEDの配置領域が制限されることになるので、発光演出の観点からは、開口751aは小さい方が望ましい。
開口751aには、LEDを配設することができないので、その正面側が暗く視認され易い。これに対し、本実施形態では、装飾部材752の構成を2分割することにより対処している。
即ち、装飾部材752は、無色で光透過性の樹脂材料から形成される光透過部材752aと、その光透過部材752aに正面側から組み付けられ視認面が鏡面状の(例えば、銀メッキ塗装が施される)鏡面部材752bと、を備える。
光透過部材752aの中央部に開口が形成されており、鏡面部材752bは中央部が閉塞されていることにより、正面視において駆動モータMT3が配置される位置に鏡面部材752bを配置することができる。これにより、背面側からのLEDからの光照射が無くても、他の方向からの光照射(例えば、半球状照明装置613からの光照射)による反射光を遊技者に視認させることができるので、開口751aの正面側部分が暗く視認されることを防ぐことができる。
拡大縮小ユニット600の演出部材700の上下変位について説明する。図62から図64は、演出部材700の下降変位を時系列で示す拡大縮小ユニット600の正面図である。なお、図62から図64では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図62では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図63では、演出待機状態から演出部材700が下降した下降途中状態が図示され、図64では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
なお、図63に示す下降途中状態は、下アーム部材630の回転角度が演出待機状態から張出状態までの下アーム部材630の回転角度の半分となる状態として図示される。本実施形態では、上アーム部材620の回転角度も同様に半分となっている。
図62に示すように、拡大縮小ユニット600の演出待機状態では、円柱状突部654が、上アーム部材620の伝達部624aと余裕部624bとの境界位置に配置される。即ち、円柱状突部654が即座に伝達部624aに進入し、演出部材700の下降変位を開始可能な位置に配置される状態が、拡大縮小ユニット600の演出待機状態とされる。
この演出待機状態は、例えば、パチンコ機10に配設される第3図柄表示装置81(図7参照)も含めた演出用部材により、拡大縮小ユニット600の演出部材700が下降変位することを示唆する演出の実行に合わせて切り替えられる状態であり、その示唆演出が実行される前においては、円柱状突部654は余裕部624b側に配置される。
余裕部624bは、上述のように、伝達ギア650の回転軸を中心とする円弧に沿って伝達部624aの一端から連続的に延ばされる形状部であり、図62に示す状態において、円弧状孔606と前後方向で重なる位置に配置される。
そのため、上アーム部材620の伝達孔624を介して円柱状突部654に与えられる負荷は、伝達ギア650の回転軸へ向かうことになり、伝達ギア650を回転させる負荷としては機能しない。従って、駆動モータMT2(図51参照)の通電の有無に関わらず、上アーム部材620の変位を規制することができ、これにより、上アーム部材620に連結される下アーム部材630に連結される演出部材700の変位を規制することができる。
なお、上述の、演出部材700が下降変位することを示唆する演出が、最終的に演出部材700が下降変位しない演出態様であったとしても、本実施形態では、拡大縮小ユニット600を演出待機状態へ状態変化させるよう制御される。
この場合、演出部材700が下降変位しないことが遊技者に報知された直後に、円柱状突部654を余裕部624b側へ戻すために、伝達ギア650が正面視反時計回りに回転する方向で駆動モータMT2(図51参照)が駆動される。
これにより、演出部材700が下降変位することを示唆する演出が実行された場合に、駆動モータMT2の駆動音の違いにより、その後の演出部材700に関する演出が予測されることを回避することができる。
余裕部624bには、演出部材700を上昇させる方向に駆動モータMT2を回転駆動させる際の、駆動停止位置に要求される精度を低くする機能もある。即ち、演出部材700を上昇させる駆動態様の際、図62に示す状態で演出部材700は既に上端側の変位終端位置に配置されており、この後の円柱状突部654の変位は、余裕部624bに沿って摺動するだけの変位となる。
そして、円柱状突部654が余裕部624bのどの位置に配置されていても、上アーム部材620の変位を規制するという機能に差が生じることは無い。そのため、円柱状突部654の停止位置の設定精度が低くなることが許容されるので、検出センサ607(図52参照)に被検出板部655が進入したら即座に伝達ギア650を停止可能な回転速度に限定されず、演出部材700を上昇変位させる際の駆動モータMT2(図51参照)の回転速度を大きく設定することができる。これにより、演出部材700の上昇速度を大きく設定することができる。
加えて、上昇速度が過大であっても、上アーム部材620が円柱状突部654と当接した場合に、円柱状突部654へ与えられる負荷は、伝達ギア650の径方向へ向かうことになるので、円柱状突部654を回転方向へ変位させるようには機能しない。従って、上昇速度が過大であっても、上アーム部材620の変位を、円柱状突部654と当接する位置で規制することができる。
更に、上昇速度が過大であっても、下アーム部材630は上アーム部材620に上昇変位を規制されることになるが、詳細は後述する。
図62から図64に示すように、一対の下アーム部材630の端部間の左右距離(本体部材601の案内孔602に配置される端部間の左右距離)の変化は、演出待機状態から下降途中状態までに比較して、下降途中状態から張出状態までの方が大きく設定される。
このように、演出部材700の下降変位に伴う一対の下アーム部材630の端部間の変位速度を増速させることで、演出部材700を支えている下アーム部材630が幅方向に激しく変位しているように視認させることができ、遊技者に対して、あたかも、演出部材700の変位速度が激しく増速しているかのように視認させることができ、演出部材700の昇降変位の演出効果を向上させることができる。
図65から図67は、演出部材700の下降変位を時系列で示す拡大縮小ユニット600の背面図である。なお、図65では、理解を容易とするために、本体部材601及び正面カバー部材610の図示が省略された図として図65(b)が併記される。
図65(a)及び図65(b)では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図66では、演出待機状態から演出部材700が下降した下降途中状態が図示され、図67では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
図65(a)に示すように、拡大縮小ユニット600の演出待機状態において、伝達ギア650の被検出板部655は検出センサ607の検出溝から退避している。即ち、本実施形態では、演出部材700が下降変位することを示唆する演出の実行前は、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に配置されている状態において駆動モータMT2が停止されているところ、上述の示唆演出の実行に伴い駆動モータMT2が駆動制御され、被検出板部655が検出センサ607の検出溝から退避したと判定される位置で駆動モータMT2を一端停止させることで、拡大縮小ユニット600を演出待機状態に状態変化させるよう制御されている。
逆に、演出部材700を上昇変位させる側へ伝達ギア650を回転駆動させる場合には、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入したと判定された場合に、駆動モータMT2の通電を解除するよう制御することで、演出待機状態における円柱状突部654の位置から余裕部624bに若干でも進入した位置で伝達ギア650を停止させることができ、上述のように、上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700の変位を規制することができる。
本実施形態では、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入したと判定されたら駆動モータMT2の駆動を即座に停止させるのではなく、駆動速度を保つか減速するかに関わらず、円柱状突部654の位置が余裕部624bの端部に配置されるのに十分な時間の時間遅れの後で駆動モータMT2の駆動を停止するよう制御している。
これにより、伝達ギア650の停止位置を円柱状突部654の位置が余裕部624bの端部に配置される位置とすることができる。この位置において、変位規制装置180の円筒部183が、伝達ギア650の被規制孔657に挿通可能とされる(図21(a)参照)。なお、伝達ギア650の停止位置が若干ずれた場合でも、円筒部183の先端にテーパ面が形成されているので(図15(c)参照)、円筒部183を被規制孔657に容易に挿通することができる。
なお、円筒部183が挿通可能な時の被規制孔657の位置は、図65(a)に示す状態から背面視で時計回りに若干回転移動した位置であり、図65(a)に示す被規制孔657と部分的に重なる位置に設定される。
そのため、例えば、図66又は図67に示す状態において変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作して変位規制装置180を規制状態(図15(c)参照)とした後で、伝達ギア650を駆動制御して演出部材700を上昇変位させる方向に伝達ギア650を回転制御したとしても、円筒部183に伝達ギア650の変位が妨害され、図65(a)に示す状態まで至らない。
駆動モータMT2の駆動を継続しているにも関わらず被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入しないことで、MPU221(図4参照)は、伝達ギア650の変位不良を判定することができる。
この判定を基に、第3図柄表示装置81(図4参照)に拡大縮小ユニット600の変位不良のエラー表示を行う等の方法で、異常を報知することができ、この報知により、遊技機店の店員に、変位規制装置180が規制状態のままであるかもしれないことを把握させることができる。
これにより、拡大縮小ユニット600の変位に関するエラー表示等の報知を流用して、変位規制装置180の状態に関する情報を遊技機店の店員に伝えることができる。そのため、変位規制装置180の状態を検出する装置を別途設けることを不要とすることができる。
ここで、伝達ギア650の停止位置は、伝達孔624の余裕部624bの長さ分の余裕があるので、伝達ギア650の回転速度を大きく設定することが可能に構成されているところ、演出部材700を上昇変位させる際の伝達ギア650の回転速度が過大であると、上アーム部材620に吊り下げられている下アーム部材630の上昇速度が過大となり、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、演出部材700を演出待機状態へ向けて変位させる方向が重力方向と逆方向(上方向)で設定されているので、下アーム部材630に常に下向きの加速度を付加することができ、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突した場合の当接位置における上下方向負荷を低減することができる。
加えて、図65(b)に示すように、下アーム部材630の下側肉部637の上側面形状が、上アーム部材620の下側面形状に沿って形成されているので、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突した場合の当接面積を増大させることができる。これにより、上アーム部材620及び下アーム部材630に局所的に大きな負荷が生じることを回避することができ、上アーム部材620又は下アーム部材630の破損や折れの発生を防止することができる。
このように、下アーム部材630は上アーム部材620の下面に十分に広い当接面積で当接可能に構成されているので、演出部材700を上昇変位させる際の伝達ギア650の回転速度が過大であり、上アーム部材620に吊り下げられている下アーム部材630の上昇速度が過大となっても、上述のように円柱状突部654により変位を規制される上アーム部材620によって、下アーム部材630の上昇変位を規制することができる。これにより、演出部材700が、演出待機状態における配置を超えて上側へ変位することを防止することができる。
図66及び図67で示される状態は、駆動モータMT2の駆動力によりトーションスプリングSP3の付勢力に対抗して、上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700を演出待機状態から下降変位させた状態に対応する。
図66に示す状態では、演出部材700の補助突部712が下アーム部材630の円弧状孔634の中間位置に配置され、図67に示す状態では、図65に示す状態と同様に、演出部材700の補助突部712が下アーム部材630の円弧状孔634の端部に配置される。
これにより、下アーム部材630が演出部材700を保持する程度(姿勢を安定させる程度)を変化させることができる。即ち、下降途中状態に比較して、演出待機状態や張出状態の方が、下アーム部材630が演出部材700を保持する程度を高くすることができる。
換言すれば、演出部材700が円柱突部711を中心として回転する方向に姿勢変化することを防止し易くすることができる。例えば、補助突部712が円弧形状孔732の中間位置に配置され回転方向の変位を規制されていない場合(図66参照)、右側の円柱状突部711を中心として演出部材700が回転方向に姿勢変化する可能性がある。
本実施形態では、演出部材700は左側の円柱状突部711も含めた2点で左右一対の下アーム部材630に支持されているが、右側の円柱状突部711を中心として回転する方向に演出部材700が姿勢変化する場合の左側の円柱状突部711の変位方向は、下アーム部材630の短手方向、即ち下アーム部材630を変位させる方向を向く。そのため、演出部材700の姿勢変化が下アーム部材630に規制されずに、目に見えて生じる可能性があり、遊技者に対して違和感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、張出状態において、右側の円柱状突部711を中心として回転する方向に演出部材700が姿勢変化する場合の左側の円柱状突部711の変位方向は、下アーム部材630の長手方向に沿うように下アーム部材630が配置される。これにより、演出部材700の姿勢変化を下アーム部材630により有効に制限することができ、演出部材700が判別可能な程度に姿勢変化することを防止することができる。
加えて、張出状態において、右側に配置される一対の補助突部712が円弧形状孔732の終端位置に配置されているので、補助突部712と円弧形状孔732との当接により、右側の円柱状突部711を中心として演出部材700が背面視時計回り方向に姿勢変化することを防止することができる。なお、背面視反時計回り方向に姿勢変化することは、上述のように、左側の円柱状突部711の変位方向が左側の下アーム部材630の長手方向に沿うことにより制限される。
同様に、張出状態において、左側に配置される一対の補助突部712が円弧形状孔732の終端位置に配置されているので、補助突部712と円弧形状孔732との当接により、左側の円柱状突部711を中心として演出部材700が背面視反時計回り方向に姿勢変化することを防止することができる。なお、背面視時計回り方向に姿勢変化することは、上述のように、右側の円柱状突部711の変位方向が右側の下アーム部材630の長手方向に沿うことにより制限される。
更に、補助突部712は、演出部材700の回転方向(前後方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化のみでなく、傾倒方向(左右方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化や、横振り方向(上下方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化も抑制するよう機能する。
例えば、下アーム部材630と演出部材700とが、左右一対の円柱突部711のみで連結されるのではなく、円柱突部711の上側に配置される補助突部712や、円柱突部711の左右外側下方に配置される補助突部712によっても連結されることにより、下アーム部材630と演出部材700とを上下3位置で連結することができるので、演出部材700の傾倒方向の姿勢変化を抑制することができる。
加えて、円柱突部711の上側に配置される補助突部712は、下アーム部材630の長尺本体部の途中(円弧状孔634の根元側)に配置されるので、演出部材700の傾倒方向の姿勢変化により生じる負荷を下アーム部材630の長尺本体部で耐えることができる。
更に、下アーム部材630の長尺本体部には上述のように押圧部材PC1が配設され(図64及び図67参照)、その押圧部材PC1を介して本体部材601又は正面カバー部材610により下アーム部材630の前後方向変位が規制される。
このように、演出部材700の姿勢変化による負荷が下アーム部材630の長尺本体部に与えられ、下アーム部材630が長尺方向に沿った撓み方向に負荷を受ける場合、下アーム部材630の変位を規制する構成を利用して、演出部材700の姿勢変化を強固に防止することができる。
また、上述のように円柱突部711の左右外側(下方)に配置される補助突部712により、下アーム部材630と演出部材700との連結位置を増加させることができ、演出部材700が下アーム部材630に対して横振り方向に姿勢変化することを抑制することができる。
本実施形態では、下アーム部材630と演出部材700との連結位置が、演出部材700の板状本体710の上下中心を通る水平面上に配置される。なお、本実施形態では、同一の水平面上に演出部材700の重心が配置される。
これにより、下アーム部材630との連結部分を中心に演出部材700が前倒れする態様で姿勢変化した場合における前後方向への変位量を最小限に抑えることができると共に、下アーム部材630との連結部分を中心に演出部材700が後倒れする態様で姿勢変化した場合における前後方向への変位量を最小限に抑えることができる。
即ち、演出部材700に複数種類の姿勢変化が生じる可能性がある場合であっても、それら複数の姿勢変化のいずれの姿勢変化が生じた場合であっても演出部材700の前後方向変位を抑制できるので、いずれの姿勢変化にも対応することができる。
これにより、演出部材700と区画部材310(図13(a)参照)との前後間隔を狭めて配置する場合であっても、演出部材700が区画部材310に擦れたり、衝突したりすることを回避することができるので、演出部材700の破損や意匠部分の劣化、区画部材310の損傷や擦れ傷による視認性の低下(透過性の低下)等が生じ難くすることができる。
演出部材700が下側終端位置に配置された状態において、伝達ギア650は、回転方向で本体部材601の形状部と当接し、それ以上の回転を規制される。従って、駆動モータMT2の駆動を継続しても、伝達ギア650に駆動力を蓄積するだけで上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700が過度に変位することを防止することができる。
本実施形態では、図67に示す張出状態において、トーションスプリングSP3の付勢力を若干超える程度の駆動力を継続的に与え続け、演出部材700が上昇側に跳ね返り変位することを防止するように制御している。
これにより、トーションスプリングSP3の付勢力を大きめ(例えば、演出部材700を持ち上げ可能な程度の大きさ)に設定しながら、演出部材700を下側終端位置で安定して停止させることができる。
一方で、演出部材700を上側へ変位開始させる場合には、トーションスプリングSP3の付勢力を利用することができるので、駆動モータMT2に過大な負荷が生じることを回避することができる。
例えば、上側へ変位開始させる場合には、演出部材700を下側終端位置に安定配置させるための駆動力を解除した後で、トーションスプリングSP3の付勢力により演出部材700が上昇変位し始めるのを待ってから駆動モータMT2の駆動力を発生させることにより(駆動モータMT2の駆動開始までの待ち時間を設けることにより)、変位開始した後の演出部材700に対して駆動力を与えることができる。
これにより、停止状態の演出部材700を上昇変位させる場合に比較して、駆動モータMT2にかけられる負担を低減することができる。
図65から図67では、下アーム部材630に通される電気配線DK1の配置の変化が想像線で図示され、その電気配線DK1を案内するための配線案内部材714の内側面形状が隠れ線で図示される。
図65(b)に示すように、電気配線DK1は、下アーム部材630の薄肉蓋部636の正面側を通り、円弧状孔634の内径側を抜けて配線案内部材714の内側へ案内され、通し孔713を通り正面側へ通される。
図65から図67に示すように、下アーム部材630の演出部材700に対する相対変位により生じ得る電気配線DK1の張りを、配線案内部材714の内部に予め配置する電気配線DK1の余分長さにより相殺するようにしている。これにより、電気配線DK1の変位を、配線案内部材714付近で完結させることができるので、通し孔713の正面側や、下アーム部材630の内部における電気配線DK1の変位を抑制することができる。
配線案内部材714の内側面の形状は、電気配線DK1側に中心を持つ円弧形状から形成される。これにより、電気配線DK1が配線案内部材714から受ける負荷を低減することができる。
加えて、下アーム部材630の円弧状孔634が形成される形状部が、電気配線DK1の変位を案内するように機能する。例えば、拡大縮小ユニット600の張出状態(図67参照)から演出部材700を上昇変位させる場合、電気配線DK1に対して、下アーム部材630の円弧状孔634が形成される形状部が電気配線DK1を配線案内部材714側へ押し込み可能な配置で構成される。
これにより、電気配線DK1を安定的に配線案内部材714から出し入れすることができ、拡大縮小ユニット600の状態変化を安定して生じさせることができる。
図65から図67に示すように、薄肉蓋部636の正面側に配置され薄肉蓋部636に大部分が隠されている円弧状孔634に配置される補助突部712は、張出状態でのみ背面視で視認可能な位置に配置される(図67参照)。
補助突部712は、円弧状孔634に案内される部分であると同時に、下アーム部材630と演出部材700との連結に利用される締結部である。従って、下アーム部材630と演出部材700とを組み立てる(又は、分解する)には、補助突部712に締結ネジを螺入する(又は、取り外す)必要がある。
そのため、本実施形態では、下アーム部材630と演出部材700とを組み立てる状態(又は、分解する状態)を、拡大縮小ユニット600の張出状態に限定することができる。これにより、組立効率や、メンテナンス効率を向上することができる。また、演出部材700が中途半端な位置に配置される状態で組立やメンテナンスを行う結果、演出部材700や他の構成部材に損傷を与える事態が発生することを防止することができる。
次いで、演出部材700の伸縮変位部材740の状態変化に伴う変位(拡大縮小変位)について説明する。本実施形態では、演出部材700の拡大縮小変位の度合いを、演出部材700の配置によって変化可能に制御している。
図68は、拡大縮小ユニット600の正面図であり、図69は、拡大縮小ユニット600の背面図である。図68及び図69では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図68及び図69では、拡大縮小ユニット600の下降途中状態が図示される。図68及び図69に示すように、拡大縮小ユニット600の下降途中状態では、伸縮変位部材740が最大径で離散するまでは演出部材700が拡大変位するようには制御されず、途中位置までの拡大変位を許容するように制御している。
換言すれば、駆動モータMT3(図53参照)の駆動時間を短くすることで回転板730の回転角度を制限している。そのため、演出部材700の正面視での大きさが過大となることを回避できるので、区画部材310(図22参照)との当接を回避するという観点で演出部材700に許容される姿勢変化量を大きくすることができる。
演出部材700の拡大変位の途中位置において、装飾部材752は部分的に遮蔽意匠部材760に覆われる(外径側部分が覆われる)。正面視における装飾部材752の配置として、光透過部材752aは、演出部材700に覆われない位置(隙間位置)に配置され、鏡面部材752bは、演出部材700に覆われる位置も含め、光透過部材752aが視認される位置以外の位置に配置される。
これにより、電飾基板751(図53参照)に配置されるLED等から光透過部材752aを通り照射される光の視認性を向上することができると共に、光透過部材752aを透過して遮蔽意匠部材760の背面側で反射した光を鏡面部材752bで反射させることで、鏡面部材752bの演出効果を向上することができる。
例えば、鏡面部材752bの演出態様として、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射しない場合には、鏡面部材752bに遮蔽意匠部材760の地の色(本実施形態では、赤色)を反射して遊技者に視認させることができる。
一方、電飾基板751のLEDから光を照射する場合には、鏡面部材752bから反射して視認される色を、遮蔽意匠部材760の地の色と、LEDから照射した光の色とが混ざった色とすることができる。従って、鏡面部材752bの見え方を、鏡面部材752以外の部分(例えば、光透過部材752a)を通る光により変化させることができる。
なお、制御態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、図68に示す状態で遮蔽意匠部材760を停止させた後、集合配置状態に戻すように制御しても良いし、図68に示す状態から駆動モータMT3(図53参照)の駆動方向を正逆に小刻みに切り替えることで、遮蔽意匠部材760を径方向に振動させるように制御しても良い。
遮蔽意匠部材760を振動させるように制御する場合、更に遮蔽意匠部材760の変位を複雑にすることができる。本実施形態では、途中位置までの拡大変位の状態において、図69に示すように、伸縮変位部材740の第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aの位置が、先端調整部材744の案内長孔744aの中間位置とされる。これにより、先端調整部材744が案内長孔744aの長尺方向に変位可能となるので、遮蔽意匠部材760を、径方向だけでなく、周方向にも変位させることができる。
このような変位を達成可能としながら、遮蔽意匠部材760が集合配置される場合や、径方向に最大まで拡大変位する場合には、第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aの位置が、先端調整部材744の案内長孔744aの両端位置に配置されることで、遮蔽意匠部材760の周方向の配置を戻すことができる(図58(b)及び図59(b)参照)。
また、演出部材700の拡大変位として許容される途中位置は、図69に示される位置に限るものではなく、任意に設定可能である。例えば、集合配置状態から、わずかにずれた位置でも良いし、最大に拡大変位する位置の若干手前の位置でも良い。
ここで、集合配置状態からわずかにずれた位置(例えば、正面視で延設板部761が対向配置される遮蔽意匠部材760と重なって視認される位置)に拡大変位した状態では、延設板部761が遮蔽意匠部材760間の隙間を埋める役割を果たすので、遊技者に対して、集合配置状態を維持しているように視認させることができる。
本実施形態では、遮蔽意匠部材760の本体部と同様に、延設板部761に赤色の反射シートが貼り付けられるので、遮蔽意匠部材760の間の隙間に延設板部761の赤色が視認された場合であっても、その赤色が延設板部761の色なのか、遮蔽意匠部材760の色なのかを判別し難く構成することができる。
なお、本実施形態とは異なり、延設板部761を他の色(例えば、金色)で塗装する等の手段により、演出部材700が集合配置状態からわずかにずれた位置に拡大変位した状態において遮蔽意匠部材760の間の隙間に視認される延設板部761を目立たせるようにしても良い。
本実施形態では、光透過部材752aが無色で光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、赤色の樹脂材料から形成しても良い。
この場合、集合配置状態から、遮蔽意匠部材760が延設板部761との重なり代を超えて変位した場合であっても、遮蔽意匠部材760間の隙間に視認される光透過部材752aが遮蔽意匠部材760と同様に赤色で視認されるので、遊技者に対して、遮蔽意匠部材760同士が少なくとも部分的に連なっているように視認させることができる。
一方で、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射する場合には、遮蔽意匠部材760間の隙間に視認される光透過部材752aを発光させて目立たせることができ、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図70は、拡大縮小ユニット600の正面図であり、図71は、拡大縮小ユニット600の背面図である。図70及び図71では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図70及び図71では、拡大縮小ユニット600の張出状態かつ演出部材700の拡大状態が図示される。図70及び図71に示すように、拡大縮小ユニット600の張出状態では、伸縮変位部材740が最大径で離散するまで演出部材700が拡大変位可能に制御される。
そのため、演出部材700の正面視での大きさが最大となり、区画部材310(図22参照)との当接を回避するという観点で演出部材700に許容される姿勢変化量は最小となる。なお、演出部材700の姿勢変化を抑制する工夫は、上述の通りである。
演出部材700の拡大状態では、遮蔽意匠部材760は正面視で装飾部材752から退避して配置される。そのため、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射した場合に鏡面部材752bに写る態様を、演出部材700が拡大変位の途中位置に配置される場合と変更することができる。
即ち、遮蔽意匠部材760の地の色の反射を抑え、鏡面部材752bの地の色(本実施形態では、銀色)が遊技者に視認され易いようにすることができる。そのため、伸縮変位部材740が変位して遮蔽意匠部材760が拡大変位する場合に、電飾基板751(図53参照)のLEDから同色の光を照射し続ける制御態様においても、装飾部材752を視認する遊技者に視認させる光の色味を時系列で変化させることができる。
詳述すれば、例えば、電飾基板751から白色光を照射する場合において、拡大開始付近では、遮蔽意匠部材760の地の色(赤色)が視認される一方で、拡大変位に伴い遮蔽意匠部材760の字の色が弱まり(範囲が狭まり)、拡大変位の終端位置では鏡面部材752bの地の色(銀色)が視認され易くなる。これにより、発光色を変化させることなく、遊技者が視認する光の色味を変化させることができる。
なお、本実施形態では、図68及び図69に示す拡大変位と、図70及び図71に示す拡大変位とが連続的に生じる制御態様では無く、あくまで演出部材700の上下位置を固定した状態で、演出部材700の拡大変位を実行するように制御される。
即ち、演出部材700の上下変位は演出部材700が集合配置された状態でのみ実行可能に制御される。これにより、遮蔽意匠部材760が半球状正面装置613(図47参照)等の他の構成部材と衝突することを防止することができる。
なお、他の構成部材との衝突の回避を考慮したり、他の構成部材との衝突により変位に問題が生じないように構成したりした上で、演出部材700の上下変位の途中で拡大変位可能に制御しても良い。
図72から図75を参照して、遮蔽意匠部材760の径方向縮小変位について説明する。図72(a)、図72(b)、図73、図74(a)及び図75(a)は、演出部材700の縮小変位を時系列で示す演出部材700の背面図である。図74(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における演出部材700の上面図であり、図75(b)は、図75(a)の矢印LXXVb方向視における演出部材700の上面図である。
図72(a)、図72(b)、図73、図74(a)及び図75(a)では、理解を容易とするために、板状本体710の図示が省略され、図72を基準として、回転板730が背面視反時計回りに回転する様子が図示される。図74(b)及び図75(b)では、更に、回転板730bの図示が省略される。
図72(a)では、演出部材700の遮蔽意匠部材760が最大径で離散した状態(図70及び図71参照)が図示され、図72(b)では、演出部材700の遮蔽意匠部材760が途中位置まで拡大変位した状態(図68及び図69参照)が図示される。
図72(a)に示す状態では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の小径円弧部733aと連結部733cとの境界位置に配置され、図72(b)に示す状態では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の連結部733cの途中位置に配置される。
図73では、下側に配置される伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが回転板730の背面側爪部734aと当接開始した状態が図示され、図74では、下側に配置される伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが回転板730の背面側爪部734aに案内され、集合配置状態の直前位置に到達した状態が図示される。
上側に配置される部材と下側に配置される部材とで重力の影響が異なることにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の変位態様が上側に配置される部材と下側に配置される部材とで異なる。
図73に示すように、上側に配置される伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760は自重で回転板730側に近接配置される状態において、下側に配置される伸縮変位部材740は自重が回転板730から離れる方向に作用するので、案内孔733と被伝達突部741aとの隙間に許容される程度、回転板730から離れる方向へ垂れ下がる。
この垂れ下がり分が、回転板730の延設爪部734からの負荷により持ち上げられ、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760は集合配置状態の位置に到達することになる。従って、遮蔽意匠部材760が集合配置状態に到達するタイミングは5個で同時では無く、少なくとも、上側3個の方が、下側2個に比較して、早い。
これにより、演出部材700の集合配置状態への変位を安定して行わせることができる。即ち、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が先に配置される場合、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が勢いよく集合配置状態へ到達することで下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に衝突すると、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に疲労が蓄積し、早期の破損の原因になる虞がある。
これに対し、本実施形態のように上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が先に配置され、その後から下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760を集合配置状態に配置する場合には、自重が下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の変位に対抗する向きで生じるので、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に衝突する勢いを抑えることができる。これにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の衝突による疲労の蓄積を抑えることができる。
図74では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の大径円弧部733bと連結部733cとの境界位置に配置される。この直後、伸縮変位部材740は背面側爪部734aに押され切り、集合配置状態とされる。一方で、先端調整部材744の第2被案内突部744bは、正面側爪部734bとは離れて配置される。
図75では、演出部材700の集合配置状態が図示される。即ち、回転板730の円弧形状孔732の端部に機能板部720の柱状突設部728が配置される終端位置まで、回転板730が背面視反時計回りに回転した状態が図示される。
図76は、図75のLXXVI−LXXVI線における演出部材700の断面図である。図76に示すように、演出部材700の集合配置状態では、伸縮変位部材740の第1被案内突部743bに背面側爪部734aの中心軸側の面が当接し、伸縮変位部材740の径方向外側への変位が規制される。
加えて、伸縮変位部材740の第2被案内突部744bに正面側爪部734bの中心軸側の面が当接し、伸縮変位部材740の径方向外側への変位が規制される。この時、第2被案内突部744bと第1被案内突部743bとが、突設方向の前後幅をもって径方向で当接することで、第2長尺部材743及び先端調整部材744の配置および姿勢を安定させることができる。
更に、先端調整部材744の前面は、延設板部726の背面に摺動可能に構成される。この摺動の過程において、伸縮変位部材740の第2被案内突部744bの突設先端は回転板730の傾斜面734cと前後方向で当接するところ、傾斜面734cが回転方向に傾斜している(集合配置状態に近づくほど、正面側へ張り出す態様で傾斜している)ので、傾斜面734cにより、第2被案内突部744bに対して正面側への負荷を与えることができる。
これにより、先端調整部材744を機能板部720の延設板部726と回転板730の傾斜面734cとで挟む構成において、回転板730が回転し演出部材700が集合配置状態に近づくにつれて、先端調整部材744を延設板部726に徐々に密着させる態様で、先端調整部材744を正面側へ向けて変位させることができる。
従って、回転板730の回転により生じる抵抗が過度に増大することを防止しながら、先端調整部材744に対して前後方向で挟む負荷を漸増させる態様で与え、先端調整部材744の前後方向位置および姿勢の安定化を図ることができるので、遮蔽意匠部材760の前後方向位置および姿勢の安定化を図ることができると共に、集合配置状態において遮蔽意匠部材760を隙間なく密着配置させることができる。
図74(b)及び図75(b)を参照して、第2被案内突部744bに与えられる負荷により、遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を修正可能とされることについて説明する。遮蔽意匠部材760の構成はいずれも共通とされており、遮蔽意匠部材760を変位させる伸縮変位部材740の構成も共通とされている。
遮蔽意匠部材760は、上述のように、幅方向で延設板部761(図59(a)参照)が形成される側(最上部に配置される遮蔽意匠部材760の場合は右側、図74(b)参照)が反対側に比較して後側へ配置されるように姿勢傾斜し易く構成される。
これは、第2長尺部材743の形成態様に起因するものであり、この姿勢傾斜は、遮蔽意匠部材760が締結固定される先端調整部材744にも同様に生じる。この先端調整部材744の姿勢の傾斜により、第2被案内突部744bの先端位置は、第1被案内突部743bの先端位置(突設方向が前後方向に沿うもの)に比較して、背面視時計回り方向側(最上部に配置される遮蔽意匠部材760の場合は左側、図74(b)参照)に位置ずれし易い。
一方で、回転板730は、延設爪部734が第2被案内突部744bの背面視時計回り方向側に対向配置され、第2被案内突部744bに対して背面視反時計回り方向の負荷を付与可能に回転変位する。
即ち、例えば、正面側爪部734bの内径側面や、傾斜面734cの正面側面(図56及び図57参照)が第2被案内突部744bと当接することにより、第2被案内突部744bの先端位置を背面視反時計回り方向側に戻すことができるので、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢の傾斜度合いを緩めることができる(傾斜を解消することができる)。これにより、演出部材700の集合配置の位置における遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消し易くすることができる。
この第2被案内突部744bに対する負荷は、図74に示す状態から図75に示す状態までで生じるように構成される。そのため、図72から図75に時系列で示す演出部材700の状態変化の過程において、変位許容範囲の小径側終端(縮小側終端)に遮蔽意匠部材760が配置されるまでは(図74参照)、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜が維持され、その後で先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消(修正)するような姿勢変化を生じさせることができる。
即ち、遮蔽意匠部材760同士が互いに接近する間は先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を維持することで、遮蔽意匠部材760の本体部と延設板部761とが当接(衝突)することを回避し易くすることができる一方で、遮蔽意匠部材760同士の接近が完了した後は先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消(修正)することで、遮蔽意匠部材760の最前面に配置される板部を面一に配置することができ、集合配置状態における遮蔽意匠部材760の一体感を演出し易くすることができる。
なお、図74(b)に示す状態は、遮蔽意匠部材760の姿勢ずれが最大に生じた状態として図示されている。また、図74(b)の姿勢ずれの逆側の姿勢ずれは、第2長尺部材743の前後配置構成から、生じ難いように構成される。これにより、延設板部761が、対向配置される遮蔽意匠部材760の本体部と衝突することを回避し易くすることができる。
また、延設板部726の反対側に配置される補助突部727(図54参照)が、先端調整部材744の拡大縮小変位における縮小側壁部に当接可能に構成される。補助突部727が延設板部726の左右側に一対で形成されることから、変位範囲の縮小側端部に到達した先端調整部材744の左右端部に当接することで先端調整部材744の姿勢ずれを修正することができる。
これにより、他の遮蔽意匠部材760との係合により姿勢を修正するだけでなく、先端調整部材744の単品で、変位範囲の縮小側端部に到達した際の姿勢の安定化を図ることができる。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。次いで、変位回転ユニット800について説明する。
変位回転ユニット800は一対のユニットが左右対称に配置され、互いに左右対称の形状から構成されるので、以下では、左側の変位回転ユニット800の構成について説明し、右側の変位回転ユニット800の説明は省略する。なお、以下の説明では、図5を適宜参照する。
図77は、変位回転ユニット800の正面斜視図であり、図78は、変位回転ユニット800の背面斜視図である。図77及び図78では、変位回転ユニット800の演出待機状態が図示される。
図79は、変位回転ユニット800の正面分解斜視図であり、図80は、変位回転ユニット800の背面分解斜視図である。なお、図79及び図80では、横スライド部材840は組立状態のまま図示される。
図79及び図80に示すように、変位回転ユニット800は、背面ケース510の底壁部511に締結固定されるベース板部810と、そのベース板部810にネジ等の部材で固定される金属棒MB2と、その金属棒MB2が挿通され上下方向にスライド変位可能に構成される縦スライド部材820と、その縦スライド部材820の背面側に締結固定され、ベース板部810に締結固定される駆動モータMT4の駆動力が伝達可能に構成される伝達部材830と、縦スライド部材820にネジ等の部材で固定される金属棒MB3と、その金属棒MB3が挿通され左右方向にスライド変位可能に構成される横スライド部材840と、縦スライド部材820の上下方向変位に伴い、駆動モータMT4の駆動力を、縦スライド部材820を介して横スライド部材840に伝達可能に構成される伝達手段860と、縦スライド部材820の金属棒MB2側上端位置において縦スライド部材820に回転変位可能に締結固定される配線アーム部材870と、その配線アーム部材870及び電気配線を案内する配線案内部材880と、を備える。
ベース板部810は、金属棒MB2が配設される一対の両端固定部811と、正面側に配設される伝達部材830を案内可能に形成されるスライド案内部812と、背面側に長尺溝状に形成され伝達手段860の円柱状突部862bを案内可能に形成される伝達案内部813と、背面側に締結固定される駆動モータMT4と、伝達案内部813に案内されるラック部材862の脱落を防止するために背面側に配設される脱落防止板814と、を備える。
縦スライド部材820は、平面板部821と、その平面板部821の縁部から背面側へ延設される壁部822と、その壁部822により囲まれる領域の略中央位置から背面側へ円柱状に突設される円柱状突部823と、電気配線のコネクタ部を挿通可能な程度の大きさで壁部の形成が省略される省略部824a,824bと、平面板部821の左端部において金属棒MB2を挿通可能な筒状に形成(又は、筒状部材が配設)される上下一対の金属棒挿通部825と、平面板部821の上下中央部において金属棒MB3を挿通可能な通常に形成(又は、筒状部材が配設)される左右一対の金属棒挿通部826と、その金属棒挿通部826の端部付近で平面板部821に締結固定され金属棒MB3の脱落を防止可能に構成される脱落防止部材827と、平面板部821の背面側に柱状に突設形成され2段ピニオン861を軸支可能に形成される軸支部828と、上端部から水平方向左右外側(図79左方)へ向けて円筒状に突設される支持突部829と、を備える。
壁部822は、配線アーム部材870と横スライド部材840との間に配置される電気配線が変位可能な領域を内側に構成し、電気配線の耐久性を確保するための部分である。壁部822の途絶える部分として形成される省略部824a,824bは、開口形成される第1省略部824aと、背面側に開放される凹部として形成される第2省略部824bとから構成される。
金属棒挿通部825は、その上側部において背面側に板状に延設され、ベース部材810の正面側に検出溝を向ける姿勢でベース部材810に締結固定される上側検出センサSC8及び下側検出センサSC9の検出溝に配置可能に構成される被検出板部825aを備える。
伝達部材830は、上下方向に長尺の板状に形成される本体部831と、その本体部831の上側部において、縦スライド部材820の円柱状突部823の先端部に形成される雌ネジに螺入可能な締結ネジを挿通可能に開口形成される挿通孔832と、その挿通孔832が穿設される板部であって、縦スライド部材820の壁部822により構成される領域に背面側から蓋をする蓋形状部833と、本体部831の左側面に上下方向に直線的にギア歯が形成される直線状ギア部834と、を備える。
円柱状突部823は、上述の挿通孔832に挿通される締結ネジが螺入される部分としての役割と、後述するように、電気配線の巻き中心としての役割を併せ持つ。
直線状ギア部834は、駆動モータMT4の駆動ギアMG4と歯合される。即ち、駆動モータMT4が回転駆動制御されることに伴って、伝達部材830は上下方向に昇降変位する。これにより、縦スライド部材820が昇降変位する。
図81は、横スライド部材840の分解正面斜視図であり、図82は、横スライド部材840の分解背面斜視図である。図81及び図82に示すように、横スライド部材840は、略円形板状に形成され金属棒MB3が挿通され左右方向に変位を制限される本体板部材841と、その本体板部841の背面側上部に締結固定され電気配線の案内経路を構成する配線案内部材844と、本体板部材841の正面側に配設され正面視円形の板状に形成される円形部材847と、その円形部材847と本体板部材841との間に配設される電飾基板850と、円形部材847の正面側に締結固定される円環状の装飾部材853と、円筒状のカラー部材C8を介して円形部材847に回転可能に軸支される羽状部材854と、その羽状部材854の中心開口径をカラー部材C8の開口径に合わせるために羽状部材854の開口に正面側から嵌め込まれる仲介部材857と、その仲介部材857の中心開口に挿通可能な外径の柱状部材が背面側に突設される中央意匠部材858と、を備える。
本体板部材841は、駆動モータMT5が背面側に締結固定され、その駆動ギアMG5が正面側に配置され、金属棒MB3が配置される棒配置部842と、その棒配置部842の下側において左右方向に沿ってギア歯が刻設されるラックギア部843と、を備える。
配線案内部材844は、電気配線の左右方向変位を案内するための部材であって、電気配線を迂回させる形状から形成される。これにより、電気配線が他の構成部材と擦れることを回避することができるが、詳細は後述する。
円形部材847は、光透過性の樹脂材料から形成され、互いに歯合可能に形成される羽状部材854と駆動ギアMG5とが、前後異なる方向から組み付けられる態様で構成される。
円形部材847は、羽状部材854を受け入れ可能な大きさのカップ状に背面側へ向けて凹設形成される受入部848と、その受入部848の中心部から正面側へ円筒状に突設される円筒状突部849と、を備える。
受入部848は、駆動モータMT5の駆動軸を中心とした円柱と重なる形状が切り取られる態様で貫通形成される貫通孔部848aを備え、この貫通孔部848aを通して羽状部材854のギア部855が背面視で視認可能な位置まで露出する。
このように、ギア部855の露出する部分が、駆動ギアMG5と歯合可能とされ、駆動モータMT5の回転に伴い、駆動力伝達がされ、羽状部材854が回転制御される。この羽状部材854の回転駆動は、変位回転ユニット800の状態によらず可能とされる。即ち、演出待機状態においても可能となるように、経路形成部材882の壁部882aの形状が設計される。
円筒状突部849は、先端部に線状の切り欠き849aが形成される。これは、中央意匠部材858の径方向突設部858bが配置されることで、中央意匠部材858の姿勢維持を容易とするための形状部であるが、詳細は後述する。
図83は、図7のLXXXIII−LXXXIII線における変位回転ユニット800の部分断面図である。図83の説明では、図81及び図82を適宜参照する。
電飾基板850は、円形部材847の受入部848の外径よりも若干大きな内径で穿設される円形開口と、その上方に延長される長尺開口により形成される異形開口851と、その異形開口851付近において正面側に配設される複数のLED等から構成される正面側発光手段852aと、電飾基板850の外径端部において背面側に配設される複数のLED等から構成される背面側発光手段852bと、を備える。
異形開口851は、開口内側に円形部材847の受入部848を配置可能とされ、組立状態において、羽状部材854のギア部855は異形開口851の背面側に配置される。
異形開口851の上方に延びる長孔形状部は、駆動ギアMG5の回転軸との当接を避ける目的で形成されている。これにより、駆動ギアMG5を電飾基板850に寄せることができ、羽状部材854のギア部855と駆動ギアMG5とを歯合させ易くすることができる。
正面側発光手段852aは、光軸が前後方向を向くLED等から構成される。これにより、羽状部材854の回転軸付近において矢印D8aに沿って光を正面側へ照射することができる。
背面側発光手段852bは、光軸が径方向外側を向くLED等から構成される。これにより、矢印D8bに沿って円形部材847の外径側へ向けて光を照射することができる。この光を、円形部材847の板背面に形成される凹凸形状により正面側へ反射(屈折)させることにより、羽状部材854の回転軸から遠い位置において光を正面側へ進行させることができる。なお、本実施形態では、円形部材847の板背面には、羽状部材854の回転軸と同心円の円弧に沿って形成される複数の長尺凹凸形状が密に形成されているので、遊技者に対して、正面視で円弧状(又は円状)の光を視認させることができる。
即ち、本実施形態によれば、電飾基板850の正面側に、羽状部材854の回転軸から遠い位置において光軸が前後方向を向くLED等を配置することをせずとも、遊技者から光が視認される位置を径外方向に寄せることができる。換言すれば、羽状部材854の最外径よりも小径の電飾基板850を利用しながら、電飾基板850が形成される面の外側、即ち、羽状部材854の最外径よりも外側において光を視認させることができる(図14参照)。
これにより、電飾基板850を大型化しなくても、羽状部材854の径方向外側に光を視認させる演出を実行することができる。本実施形態では、後述のように、羽状部材854が高速回転する際、羽状部材854の背面側が影になり、この範囲における発光演出を効果的に行うことが困難となる虞があった。これを解消するためには、羽状部材854の回転軌跡の径方向外側から光を照射することが効果的と考えられるが、そのためには、LED等の配置面積を増大させる必要がある。換言すれば、電飾基板の面積を増大させる必要が生じるので、基板の製造コストが増大する。
これに対し、本実施形態では、電飾基板850の大きさを羽状部材854の回転軌跡よりも小さく維持したまま、光の視認位置のみを羽状部材854の回転軌跡よりも径外方向に変位させることができる。これにより、製造コストを増大させずに、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図81及び図82に戻って説明する。装飾部材853は、光不透過性の樹脂材料から形成され、円形部材847の正面側に同軸で締結固定される部材である。そのため、円形部材847を通る光は、装飾部材853により区切られるので、装飾部材853を境界として、その内側と外側とで光の見え方を変える演出を効果的に行うことができる。
例えば、正面側発光手段852aからは青色の光を照射する一方、後側発光手段852bからは赤色の光を照射することで、青色に発光して見える領域と、赤色に発光して見える領域とを装飾部材853で明確に区切ることができる。
羽状部材854は、光透過性の樹脂材料から形成され、中央部において前後方向に穿設される円形開口854aと、その円形開口854aを中心として周方向等間隔で径外方向に延設される複数の羽根部854bと、背面側において円形開口854aと同軸のギア形状に形成されるギア部855と、隣り合う羽根部854bの中間位置において背面側に凹設される複数の凹設部856と、を備える。
円形開口854aは、その内径がカラー部材C8の外径よりも若干長い直径で形成される。
羽状部材854は、駆動モータMT5により回転駆動される駆動ギアMG5を介して回転可能に構成されるところ、羽状部材854の姿勢を検出する検出センサは配設されておらず、駆動モータMT5の駆動時間の長短によって羽状部材854の姿勢を管理している。この構成において、羽状部材854は回転軸と重心位置とが一致するように構成されており、駆動モータMT5への通電解除後の空回りを最小限とするようにしていることで、駆動モータMT5の駆動時間により想定される羽状部材854の姿勢と、羽状部材854の実際の姿勢とのずれが小さくなるように図ることができる。なお、駆動モータMT5をステッピングモータで構成することで、羽状部材854の姿勢を検出可能に構成しても良い。
仲介部材857は、円形開口854aの正面側開口部に嵌合可能に形成され、開口部857aの内径は円形部材847の円筒状突部849の外径よりも若干長く形成される。これにより、仲介部材857が円筒状突部849を中心に回転可能とすることができる。
中央意匠部材858は、中央部から背面側に円柱状に突設される中央突部858aと、その中央突部858aの径外方向に突設される径方向突設部858bと、円形本体部から上方に突設される意匠突条部858cと、を備える。
中央突部858aは、径方向突設部858bを切り欠き849aに進入させる姿勢で円筒状突部849に挿通される部分であり、先端部に形成される雌ネジに円形部材847の背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、中央意匠部材858が円形部材847に締結固定される。
意匠突条部858cは、意匠部分としての機能の他に、羽状部材854と当接し、羽状部材854の回転態様を調整するよう機能させることができる。即ち、意匠突条部858cの背面と羽状部材854の前面とが擦れる程度に近接配置される場合に、この擦れ時の抵抗増加を利用して、羽状部材854の停止姿勢の安定化を図ることができる。
これにより、羽状部材854の駆動制御態様として、長時間に亘り回転を継続する駆動態様と、一回転程度の回転を断続的に生じさせる駆動態様(回転し始めの不規則な動作を演出する駆動態様)とがある場合に、後者の駆動態様における羽状部材854の断続的な停止姿勢の安定化を図ることができる。
図79及び図80に戻って説明する。伝達手段860は、縦スライド部材820に回転可能に軸支される2段ピニオン861と、その2段ピニオン861の小径ピニオン861aと歯合し左右方向にスライド変位可能に縦スライド部材820に支持されるラック部材862と、そのラック部材862の縦スライド部材820からの脱落を防ぐ脱落防止部材863と、を備える。
2段ピニオン861は、ラック部材862のギア歯と歯合する小径ピニオン861aと、その小径ピニオン861aよりもピッチ円半径が長いピニオンとして形成され、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯と歯合する大径ピニオン861bと、を備え、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとが一体形成される。
ラック部材862は、左右長尺に形成され、2段ピニオン861の小径ピニオン861aと歯合可能なラックギアとして形成されるギア部862aと、そのギア部862aの形成位置に対して長尺方向反対側端部から正面側に円柱状に突設される円柱状突部862bと、を備える。
本実施形態では、ラック部材862のギア部862aのギア歯と、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯とが、同一形状のギア歯で構成されており、小径ピニオン861aのピッチ円半径と、大径ピニオン861bのピッチ円半径との比が9:16で設計される。従って、ラック部材862の左右方向の変位量と、横スライド部材840の左右方向の変位量との比は、9:16で維持される。
円柱状突部862bは、ベース部材810の伝達案内部813の内側に配置可能な外径で形成される。また、ラック部材862の、円柱状突部862bが形成される側の板厚は、円柱状突部862bが伝達案内部813に配置された状態において、ラック部材862の背面側端部が脱落防止板814と当接するまで背面側に寄ったとしても、円柱状突部862bが伝達案内部813から脱落しないような板厚とされる。
これにより、脱落防止板814が組立状態にある場合において、ラック部材862が伝達案内部813から脱落することを防止することができる。
本実施形態では、ギア部862aのギア歯と、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯とが同一形状のギア歯として形成されるので、ラック部材862の変位量に、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとのギア比を掛け合わせて算出される変位量で横スライド部材840が左右方向に変位する。
そのため、ラック部材862の変位量に比較して、横スライド部材840の変位量を増大させることができる。これにより、伝達案内部813の左右幅を小さく抑えながら、横スライド部材840の左右方向変位幅を大きく確保することができるが、詳細は後述する。
図84は、配線アーム部材870の斜視図であり、図85は、配線案内部材880の経路形成部材882の斜視図である。なお、図84及び図85の説明では、図79及び図80を適宜参照する。
図84に示すように、配線アーム部材870は、樹脂材料から形成される長尺部材であり、長尺湾曲形状で形成され一側が開放される長尺本体部871と、その長尺本体部871の長尺方向における一方の端部に円形で穿設される支持孔872と、その支持孔872と近接配置されると共に同方向に穿設され電気配線が配置可能とされる配線配置孔873と、長尺本体部871の開放側端部において一方の壁部から他方の壁部へ向けて延設される複数の爪部874と、その爪部874を形成するための樹脂型を抜き取り可能とするための貫通孔875と、長尺本体部871の長尺方向における他方の端部付近から支持孔872の軸方向と平行に断面円形で突設される円形突設部876と、を備える。
長尺本体部871は、配線配置孔873を通り開放側部に案内された電気配線が配置される部分であり、その中間部に幅長さが短くなる絞り部871aを備える。電気配線は、長尺本体部871の長尺方向に沿って配置され、長尺方向における他方の端部(支持孔872が形成される側の反対側の端部)から外部へ案内される。
絞り部871aは、長尺本体部871の開放側部に配置される電気配線を断線が生じない程度に緩く挟み込み、電気配線の配置が過度にずれないようにする部分として機能する。絞り部871aにより、長尺本体部871の開放側部に配置される電気配線が絞り部871aを超えて位置ずれすることを防止することができる。
支持孔872は、縦スライド部材820(図79参照)の支持突部829が挿通可能な大きさで形成され、これにより、配線アーム部材870は縦スライド部820に回転可能に軸支される。
配線配置孔873は、配線アーム部材870に配置される電気配線が縦スライド部材820へ渡る際に通る貫通孔である。本実施形態では、配線配置孔873が支持孔872に近接配置されているので、配線アーム部材870が回転した場合の配線配置孔873の位置ずれ量を低減することができる。これにより、配線アーム部材870の回転に伴い電気配線にかけられる負荷を低減することができる。
爪部874は、長尺本体部871の開放部側に収容される態様で配置される電気配線が長尺本体部871から脱落することを防止する。また、爪部874の形成に必要とされる樹脂型の抜き取りのための空間は、最小限の面積の貫通孔875により確保されるので、電気配線が長尺本体部871の開放部側の反対側(本実施形態において貫通孔875が形成される側)から外方へ抜け出ることを防止することができる。
円形突設部876は、配線案内部880(図79参照)の案内凹部886に配置可能な外径および突設長さで形成される。本実施形態では、配線案内部880の案内凹部886は、配線アーム部材870の変位を適切に生じさせるという観点から設計される。
図79に示すように、配線案内部材880は、配線アーム部材870の案内凹部886からの脱落を防止するための防止板881と、その防止板881が締結固定されることで内部経路を構成する部材であって、ベース部材810に締結固定される経路形成部材882と、を備える。
図85に示すように、経路形成部材882は、一側が開放される箱状に形成され、その開放部分に防止板881が締結固定されることで、上下方向に離れた位置において背面側へ開放される上開放部883及び下開放部884を通る経路を構成する。
即ち、経路形成部材882は、縁部において一側に張り出す壁部882aを備え、その壁部882aが欠けることで経路の上側開放部を構成する上開放部883と、経路形成部材882の下端部において電気配線のコネクタを挿通可能な大きさで壁部882aに穿設される下開放部884と、左右方向視で防止板881と重ならない範囲で壁部882aから上開放部883へ向けて延設される延設部885と、左右方向視で延設部885と重ならない範囲で長尺溝状に凹設される案内凹部886と、その案内凹部886の下縁部よりも下側において防止板881側に円柱状に突設され、先端に形成される雌ネジに防止板881に挿通された締結ネジが螺入される円柱突設部887と、を備える。
経路形成部材882の背面側には、縦スライド部材820が上下方向変位可能な空間が形成され、その変位に伴い左右方向に変位する横スライド部材840は、壁部882aが最も正面側に寄って配置される位置(変位下端付近の位置)において壁部882aの背面側に進入する(図86(a)参照)。
即ち、横スライド部材840は、変位下端付近の位置において、電気配線が案内される経路を構成する配線案内部材880の背面側に配置される。これにより、正面視における電気配線と横スライド部材840の配置の重なりを許容しながら、電気配線が横スライド部材840と当接したり、擦れたりすることを防止することができる。
組立状態では、上開放部883を通して配線アーム部材870が配線案内部材880の経路に案内され、配線アーム部材870の変位の内、配線案内部材880の経路の幅方向の変位は、延設部885及び防止板881に規制される。更に、配線案内部材880の経路の幅方向長さは、配線アーム部材870の長尺本体部871と円形突設部876との幅方向長さの合計よりも短く設計される。これにより、組立状態において、配線アーム部材870の円形突設部876が案内凹部886から脱落することを規制することができる。
下開放部884は、円柱突設部887の周囲に巻かれるように配設される電気配線を背面側へ通す配線通し孔として機能する。
案内凹部886は、下端から鉛直上方へ延びる前側鉛直凹部886aと、上端から鉛直下方へ延びる後側鉛直凹部886bと、その後側鉛直凹部886bの下端と前側鉛直凹部886aの上端とをつなぐ連結凹部886cとを備える。
円柱突設部887は、電気配線の変位を制限する制限部としての役割と、防止板881を経路形成部材882に固定するための締結部としての役割と、を備える。
図86から図89を参照して、変位回転ユニット800の変位態様について説明する。図86から図89では、変位回転ユニット800が演出待機状態から演出上端状態まで状態変化するする様子が時系列で図示される。
図86(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図86(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図87(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図87(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図88(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図88(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図89(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図89(b)は、図89(a)のLXXXIXb−LXXXIXb線における変位回転ユニット800の断面図である。
図86では、変位回転ユニット800の演出待機状態が図示され、図87では、縦スライド部材820の被検出板部825a(図80参照)が上側検出センサSC8に配置され横スライド部材840が変位経路の右端に配置される途中右端状態が図示され、図88では、縦スライド部材820が途中右端状態と演出上端状態との中間位置に配置され、横スライド部材840が途中右端状態と演出上端状態との間における変位経路の左端に配置される途中左端状態が図示され、図89では、変位回転ユニット800の演出上端状態が図示される。
図86(a)、図87(a)、図88(a)及び図89(a)では、理解を容易とするために、配線案内部材880は、壁部882a、案内凹部886及び円柱突設部887の外形が想像線で図示され、その他の形状部の図示が省略されることで配線アーム部材870や横スライド部材840を視認可能としている。また、ベース板810の上端部付近の形状部を一部破断することで、昇降変位中に縦スライド部材820が隠れることを防止している。
図86(b)、図87(b)、図88(b)及び図89(b)では、ベース部材810の伝達案内部813の形状線が想像線で図示され、横スライド部材840については、左右方向変位幅のみを図示する目的で本体板部材841の外形に沿う円形状の想像線で図示される。
また、図86から図89では、駆動モータMT5に接続される電気配線DK2の、変位回転ユニット800の状態変化に伴う変位の様子が想像線で図示される。電気配線DK2は、配線案内部材880の下開放部884(図85参照)から配線案内部材880の内部に案内され、配線アーム部材870の内部を通った後、縦スライド部材820の壁部822に囲まれる空間を通り横スライド部材840へ案内されるが、変位の詳細は後述する。
変位回転ユニット800は、縦スライド部材820が上下方向に往復変位可能に構成される。まず、縦スライド部材820及び横スライド部材840の上昇変位について説明する。
本実施形態では、演出待機状態において、縦スライド部材820が上下方向の下端位置に配置される(図86参照)。演出待機状態において、縦スライド部材820の被検出板部825aが下側検出センサSC9の検出溝に配置されるので、下側検出センサSC9の出力により変位回転ユニット800が演出待機状態とされていることを、MPU221(図4参照)は判定することができる。
また、演出待機状態において、横スライド部材840が変位経路の左端(左右外側端部)に配置される一方で、配線アーム部材870の下端側が正面側に配置される。即ち、配線アーム部材870を横スライド部材840の変位軌跡から退避させるように前側に配置することで、配線アーム部材870の左右位置に、横スライド部材840の左右方向変位が制限されることを回避することができる。従って、左右外側一杯まで、横スライド部材840を変位させることができる。
演出待機状態から、縦スライド部材820を上昇変位させる方向に駆動モータMT4を駆動制御し、被検出板部825aが上側検出センサSC8に配置された状態が、途中右端状態に対応する(図87参照)。従って、上側検出センサSC8の出力により変位回転ユニット800が途中右端状態とされていることを、MPU221(図4参照)は判定することができる。
途中右端状態では、演出待機状態から横スライド部材840が上昇方向および右方向へ変位している一方で、配線アーム部材870は上昇方向の変位が生じているのみで、姿勢は維持されている。
即ち、途中右端状態では、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、依然として案内凹部886の前側鉛直凹部886aに配置されているので、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、演出待機状態から維持される。
このように、本実施形態では、演出待機状態から途中右端状態までの縦スライド部材820の上昇変位に伴う、横スライド部材840の右方への変位が、配線アーム部材870の姿勢変化無く実行される。これにより、横スライド部材840と配線アーム部材870を共に変位させる場合に生じがちな、変位タイミングのずれによる部材同士の衝突を避けることができる。
図86(b)及び図87(b)に示すように、縦スライド部材820の上昇変位に伴い、横スライド部材840は左右方向へ変位する。この変位では、伝達案内部813の形状に沿って変位方向が切り替えられるが、伝達案内部813の左右幅を超えて左右方向へ変位する。
これは、横スライド部材840の変位が、2段ピニオン861を介して伝達されるためである。即ち、伝達案内部813を案内されるのは、伝達手段860のラック部材862であり、2段ピニオン861には、ラック部材862のギア部862aと、横スライド部材840のラックギア部843とが歯合される。そのため、2段ピニオン861のピッチ円半径の比が、ラック部材862の変位幅と、横スライド部材864の変位幅との比に対応する。
本実施形態では、2段ピニオン861(図80参照)の小径ピニオン861aのピッチ円半径と大径ピニオン861bのピッチ円半径との比が9:16とされるので、伝達案内部813の左右位置の変化量に、定数(即ち、16/9=約1.78)を掛け合わせた左右幅で横スライド部材864が左右方向に変位する。
図88(b)に示すように、途中左端状態では、横スライド部材840は演出待機状態ほどには左右外方へ変位しない。換言すれば、横スライド部材840が配線アーム部材870と前後方向視で重なる位置までは変位しない。
このような配置において、図88(a)に示すように、配線アーム部材870の姿勢変化が生じる。即ち、途中右端状態から途中左端状態に至る過程において、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、案内凹部886の前側鉛直凹部よりも背面側に形成される連結凹部886cに配置され、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、演出待機状態に比較して縮められる。
従って、本実施形態では、横スライド部材840が前後方向視で配線アーム部材870と重ならない状態となってから、配線アーム部材870の姿勢変化が生じるように構成される。また、下降変位時には、逆(配線アーム部材870の姿勢変化が生じないようになってから、横スライド部材840が前後方向視で配線アーム部材870と重なる位置に配置される)が成立する。
これにより、横スライド部材840の変位タイミングと配線アーム部材870の変位タイミングとにずれが生じても、横スライド部材840と配線アーム部材870とが衝突する事態となることを避けることができる。
配線アーム部材870は、変位回転ユニット800の左端部(左右方向外側端部)に配置され、変位は、昇降変位と、前後方向の姿勢変化のみとされる。即ち、変位回転ユニット800の状態に関わらず、配線アーム部材870を遊技者に注目されにくい左右外側端部に配置し続けることができるので、配線アーム部材870及びその配線アーム部材870に案内される電気配線DK2が遊技者の視界に入り込むことを回避することができる。
図89(a)及び図89(b)に示すように、変位回転ユニット800の演出上端状態に到達するまでの期間においては、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、案内凹部886の連結凹部886cよりも背面側に形成される後側鉛直凹部886bに配置され、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、最小の状態で維持される。
このように、本実施形態では、縦スライド部材820の昇降変位に伴い姿勢変化可能に構成される配線アーム部材870を利用して、電気配線DK2を、上下位置に対応して異なる前後位置に配置可能に構成することで、構成部材の配置スペースを確保することができるという有利な効果を奏する。
例えば、電気配線DK2を、後寄りの位置に配置する場合、横スライド部材840の左右方向変位が制限される。詳述すれば、電気配線DK2との接触を避けるために、演出待機状態における横スライド部材840の配置が右寄り(左右内側寄り)に設定される。本実施形態では、横スライド部材840の右寄り(左右内側寄り)の位置には、射出装置400(図6参照)が配置されているので、接触を避けるために変位回転ユニット800を小形化させるなどの対処が必要となる虞がある。即ち、変位回転ユニット800の設計自由度が低下する。
また、例えば、電気配線DK2を、前寄りの位置に配置する場合、横スライド部材840の左右方向変位は十分確保することができる一方で、変位回転ユニット800の正面側に配置される遊技盤13の裏側の構成部材の配置自由度が低下する。
本実施形態では、変位回転ユニット800が左右対称で配置されているので、特に遊技盤13の右側領域に配設される第2入賞口640の電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド等の構成の設計自由度が低くなり易い。
これに対し、本実施形態では、配線アーム部材870により電気配線DK2の配置を前後方向で変位可能に構成することで、横スライド部材840の左右方向変位が制限されることを回避しながら、遊技盤13の裏側の構成部材の配置自由度が低下することを回避できる。
即ち、横スライド部材840を左右外側に退避させたい下端位置においては、配線アーム部材870の下端部を前側へ配置することで電気配線DK2を横スライド部材840の前側に配置し、横スライド部材840の変位が電気配線DK2により制限されることを回避している。
加えて、横スライド部材840は左右内側へ変位し、第2入賞口640(図2参照)を配置したい上側位置においては、配線アーム部材870の下端部を後側へ配置することで、電気配線DK2を後ろ寄りに配置し、前側のスペースを空けている。これにより、第2入賞口640の電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド等の構成として遊技盤13に配設される部材の配置自由度を向上させることができる。
図86から図89に示す状態変化における、電気配線DK2の状態変化について説明する。なお、ここでいう電気配線DK2の状態変化とは、柱を中心に電気配線DK2が巻かれている状態における、電気配線DK2の巻き状態の変化のことを意味する。
電気配線DK2において、下側巻き部DK2bの上側部(配線アーム部材870に近い側)は、専ら上下に延び、湾曲することを好まれない。特に、下降変位時には、電気配線DK2を円柱突設部887の前側に滑り込ませる(図86(a)参照)ことが必要となるので、下側巻き部DK2bの巻き変位する部分に比較して剛性が高い方が好ましい。
そこで、本実施形態では、下側巻き部DK2bの上側部に樹脂製のケーブルチューブを巻き付け、巻き変位する部分に比較して剛性が高いような挙動を示すようにしている。
図89(a)に示す状態では、そのケーブルチューブが壁部882aと電気配線DK2との間に配置されることで、電気配線DK2と壁部882aとの間で擦れが生じることを回避している。
また、配線アーム部材870の下端開放向きが鉛直下方へ向くように構成しているので、下降変位開始時の電気配線DK2の変位方向を、鉛直下方へ向けることができる。これにより、電気配線DK2に不要な湾曲変形が生じることを回避することができる。
図86から図89に示すように、電気配線DK2は、上側巻き部DK2aが配線アーム部材870と横スライド部材840との間において円柱状突部823の周りに巻かれるように配置され、下側巻き部DK2bが配線アーム部材870の下方において円柱突設部887の周りに巻かれるように配置される。
電気配線DK2の内、円柱状突部823に巻かれるように配置される上側巻き部DK2aは、円柱状突部823の中心軸と直交する平面に沿って径方向に拡大縮小する態様で変位可能に構成される。
電気配線DK2の内、円柱突設部887に巻かれるように配置される下側巻き部DK2bは、円柱突設部887の中心軸と直交する平面に沿って径方向に拡大縮小する態様で変位可能に構成される。
即ち、配線アーム部材870と横スライド部材840との間における電気配線DK2の変位が生じる平面と、配線アーム部材870の下方における電気配線DK2の変位が生じる平面とは、異なるよう構成される。なお、本実施形態では、各平面が直交し、配線アーム部材870と横スライド部材840との間における電気配線DK2の変位が生じる平面が第1省略部824a、第2省略部824b及び配線配置孔873を通るように構成される。
電気配線DK2は、配線アーム部材870の長尺本体部871の内側に配置される部分が、上述のように絞り部871aに挟まれることで変位を抑制される。そのため、配線アーム部材870に対する電気配線DK2の相対変位は抑制される。
ここから、本実施形態では、変位回転ユニット800の状態変化に伴い電気配線DK2に必要となる変位が、上側巻き部DK2aと下側巻き部DK2bとのそれぞれで独立して完結するように構成されるので、以下では、別々に説明する。
まず、上側巻き部DK2aの変位について説明する。上側巻き部DK2aは、配線アーム部材870の配線配置孔873を右側へ通過した箇所から、円柱状突部823を中心に正面視反時計回りに巻きつけられる部分を含み、配線案内部材844の左側先端部に案内される箇所までの部分を意味する。
上側巻き部DK2aは、壁部822に囲まれる空間を限界として円柱状突部823中心の径方向に変位可能に構成されるところ、径方向に最も広がる演出待機状態(図86(b)参照)において、無負荷で配置される電気配線DK2の配置に沿う位置(又は、若干の隙間が空く位置)に壁部822が形成される。これにより、演出待機状態において壁部822から電気配線DK2に与えられる負荷を低減することができる。
演出待機状態から、横スライド部材840が右側へ変位すると、配線案内部材844に案内される側が右側へ変位することで上側巻き部DK2aが引かれ、円柱状突部823を中心とする径方向内側に上側巻き部DK2aが変位することにより生じる余剰長さによって、横スライド部材840の変位長さが補完される。これにより、電気配線DK2に引張力が与えられることを回避することができる。
一方、横スライド部材840が左側へ変位すると、配線案内部材844に案内される側が左側へ変位することで上側巻き部DK2aが押され、円柱状突部823を中心とする径方向外側へ上側巻き部DK2aが変位する。この際、配線案内部材844の左端部から、左方へ向かうほど下降傾斜する案内片844aが突設されていることにより、上側巻き部DK2aが外方(縦スライド部材820と配線案内部材844との間を上方)へはみ出すことを防止することができ、上側巻き部DK2aを壁部822の形状に沿って適切に押し込むことができる。
次に、下側巻き部DK2bの変位について説明する。下側巻き部DK2bは、配線アーム部材870から下方へ垂れる箇所から、円柱突設部887を中心に左面視(左右外側からの方向視)で時計回りに巻きつけられる(円柱突設部887の前側を通り前転方向に巻きつけられる)部分を含み、下開放部884(図85参照)に配置される箇所までの部分を意味する。
下側巻き部DK2bは、壁部882aに囲まれる空間を限界として円柱突設部887中心の径方向に変位可能に構成されるところ、径方向に最も広がる演出待機状態(図86(a)参照)において、無負荷で配置される電気配線DK2の配置に沿う位置(又は、若干の隙間が空く位置)に壁部882aが形成される。これにより、演出待機状態において壁部882aから電気配線DK2に与えられる負荷を低減することができる。
演出待機状態から、縦スライド部材820が上昇変位することに伴い配線アーム部材870が上昇変位すると、配線アーム部材870に案内される側が上方へ変位することで下側巻き部DK2bが上方へ引かれ、円柱突設部887を中心とする径方向内側に下側巻き部DK2bが変位することにより生じる余剰長さによって、配線アーム部材870の変位長さが補完される。これにより、電気配線DK2に引張力が与えられることを回避することができる。
一方、配線アーム部材870が下方へ変位すると、配線アーム部材870に配置される側が下方へ変位することで下側巻き部DK2bが押され、円柱突設部887を中心とする径方向外側へ下側巻き部DK2bが変位する。この際、配線アーム部材870の下端部が、下方へ向かうほど正面側へ向かう傾斜方向に開口していることにより、下側巻き部DK2bが円柱突設部887と壁部882aとの間(円柱突設部887の上方)に入り込むことを防止することができ、下側巻き部DK2bを壁部882aの形状に沿って適切に押し込むことができる。
なお、本実施形態では、下側巻き部DK2bが配置される空間を、横スライド部材840の変位範囲下端位置よりも下側に配置している。これにより、下側巻き部DK2bが径方向に変位する空間の大きさが横スライド部材840の配置により制限されることを回避することができるので、下側巻き部DK2bを背面ケース510(図5参照)の前後幅を一杯まで利用して変位させることができる。
従って、配線アーム部材870の下方において下側巻き部DK2bを収容可能なスペースを大きく確保することができるので、下側巻き部DK2bの長さを十分長くすることができると共に、配線アーム部材870に許容される上下変位量を長くすることができる。
図90は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図91は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図90及び図91に示すように、遊技盤13は、ベース板60に開口形成される窓部60aの正面側に配設されるセンターフレーム86と、樹脂部材から正面側が開放される複数の流路形状で形成されベース板60の背面側下部に配設される球流下ユニット150と、を備える。
球流下ユニット150は、ベース板60に締結固定される固定板部151の上端部付近において第2入賞口640に入球した遊技球の流路下端LB1を流下した球を受け入れ可能に形成される第1受入流路152と、正面側が開放される長尺の箱状部材であって受入流路151の下流側に連結される態様で固定板部151に背面側から締結固定される第2受入流路部材153と、その第2受入流路部材153の左右壁内側部から球の流下方向と直交する方向に亘って内方へ突設される複数の突条部154と、を備える。
複数の突条部154は、左右の壁部ごとに球の直径程度の間隔を空けて、左右互い違いに配置される。これにより、第2受入流路部材153を流下する球の流下を減速させることができる。
第1受入流路152及び第2受入流路部材153の機能について説明する。第1受入流路152及び第2受入流路部材153には、第2入賞口640に入球した遊技球を図示しない球排出路へ案内する機能の他に、第2入賞口640に入球後の遊技球を、遊技者に視認可能とすることで演出効果を向上する機能がある。なお、以下の説明では、図2を適宜参照する。
第2入賞口640は、図90に示す下縁付近に球通過検出用の検出センサが配設される。これにより、賞球の払い出しや第3図柄表示装置81における保留表示を即座に実行することができ、快適な遊技を遊技者に提供することができる。第2入賞口640への入球を見ていなくても、第1受入流路152を流下する球を視認することで第2入賞口640への入球に遊技者が気づくことができるので、例えば、遊技機店側の不具合で払い出しが行われていない事態に気付き易くすることができる。
なお、以下で説明するように、中間流路LM1を流下する球を視認させることで第2入賞口640に球が入球したことは明らかなので、検出センサの位置を中間流路LM1の下流等に配設するようにして、賞球の払い出しのタイミングや保留表示のタイミングを遅らせるようにしても良い。
第2入賞口640に入球した遊技球は、第2入賞口640から逸れた球が流下する案内経路DL1の、左右方向内側に正面視で視認可能に配設される中間流路LM1(図27参照)を流下する。
中間流路LM1は、案内流路DL1と同様に、球を左右にジグザグに変位させつつ鉛直下方へ向けて案内可能に形成される。即ち、中間流路LM1を流下する球と、案内流路DL1を流下する球とは、流下態様が同じに見えることから、右打ち遊技の際に第3図柄表示装置81の右側の経路における球を視認しても、球が中間流路LM1を流下しているのか、案内流路DL1を流下しているのか、判別し難くすることができる。
ここで、右打ち遊技の際に球がどの流路を流下しているのかの情報は、遊技者の利益に直結する情報であり、ベース板60に植設される釘(図示せず)の状態に対応して、パチンコ機10の個体差が生じる部分である。
本実施形態では、ベース板60の肉部がスルーゲート付近67に残されており、この位置にスルーゲート67を通過する前の球が衝突したり、第2入賞口640に入球する前の球が衝突したりする釘が植設されていることから、右打ち遊技の際に球が中間流路LM1を流下し易いか、案内流路DL1を流下し易いかは、パチンコ機10ごとに異なる。
右打ち遊技を行う確変中か時短中において、第2入賞口640に入球しなかった球は、案内経路DL1を流下し、その下流側に配置される一般入賞口63に入球しない限り、アウト口71を通り遊技領域から排出され遊技者の利益にはならない(無駄球となる)。
ここから、第2入賞口640に入球するか否かと、球が案内経路DL1を流下するか否かとは、一義的に対応する。そして、第2入賞口640のみに注目する場合に比較して、案内経路DL1に注目する場合の方が、注目位置の自由度が高くなることは案内経路DL1が上下方向に延びていることから明確である。
そのため、遊技者によっては、案内経路DL1を球が流下する頻度を確認して、第2入賞口640への球の入球頻度や、右打ち遊技における無駄球の発生頻度等を算定し、これを加味して、遊技を継続するか否かを考えるものと予想される。
これに対し、本実施形態によれば、案内経路DL1を流下する球と、第2入賞口640に入球し中間流路LM1を流下する球との見分けを付け難くすることができる。これにより、あたかも第2入賞口640への入球頻度が高いように思わせることができ、遊技継続を促すことができる。
一方で、中間流路LM1を流下している球は、既に第2入賞口640に入球し、遊技領域から排出されている球なので、そのまま鉛直下方に流下し、正面視で特定入賞口65aと重なる位置まで流下すると、実際に特定入賞口65aに入球し得る球と区別し難く、遊技に支障をきたす虞がある。
そのため、本実施形態では、特定入賞口65aよりも上方において、第1受入流路152により左右内側へ球を流下させることで、球が正面視で特定入賞口65aと重なる位置まで到達することを防止している(図2参照)。これにより、実際に特定入賞口65aに入球し得る球と、既に第2入賞口640に入球しており、特定入賞口65aに入球し得ない球とを区別し易くすることができる。
第1受入流路152は、正面視における第3図柄表示装置81(図7参照)の表示領域の右側から、正面視における第3図柄表示装置81の表示領域の下縁付近を通り、表示領域の左右中央位置側へ球を流下させる。即ち、第1受入流路152に案内される球は、第3図柄表示装置81の表示に注目している遊技者の視界に進入するので、第3図柄表示装置81の表示に注目しており、右打ち経路に注目していない遊技者に対して、第2入賞口640への入球の有無を認識させることができる。
これにより、第3図柄表示装置81に注目したまま視界を動かさずとも、第2入賞口640への入球の有無を遊技者に認識させることができる。そのため、第2入賞口640を見るための第3図柄表示装置81から目を逸らした時に重要な表示が実行され、遊技者がその表示を見逃すという事態の発生を避けることができ、快適な遊技を提供することができる。
第2受入流路部材153を流下する球は、正面視で第1入賞口64の右側において左斜め下方へ向けて流下する。この球は、突条部154により減速されるので、流下する球の滞在時間を延ばすことができる。これにより、正面視において、遊技領域に視認される遊技球の個数を増大させ易くすることができる。
また、球の流下経路の左右幅を長く確保することにより、第3図柄表示装置81の表示領域へ向けられる視線と、第2受入流路部材153の流下経路とが交差し易くなる。これにより、第2受入流路部材153の内側を流下する球が遊技者の視界に入り易くすることができる。
図92及び図93は、センターフレーム86、導光板演出手段160及び装飾手段170の分解正面斜視図であり、図94及び図95は、センターフレーム86、導光板演出手段160及び装飾手段170の分解背面斜視図である。
図92から図95に示すように、導光板演出手段160は、導光板161と、センターフレーム86に背面側から締結固定され、導光板161の正面側および上面側と当接可能に構成される不透過性の樹脂材料から形成され、導光板161を位置合わせする上側支持部材162と、光透過性の樹脂材料から形成され導光板161の下側部を背面側から押さえる態様でセンターフレーム86に締結固定可能に構成される下側支持部材163と、その下側支持部材163に締結固定され光透過性の樹脂材料から形成され球流路を構成する球流路構成部材164と、光透過性の樹脂材料から形成され導光板161の左右両側部を背面側から押さえる態様でセンターフレーム86に締結固定可能に構成される複数の左右側支持部材165と、左右長尺形状に形成され、上側支持部材162の上側を通りセンターフレーム86の前側まで張り出した状態でセンターフレーム86に締結固定される横置き基板ユニット166と、上下長尺形状に形成され、センターフレーム86の正面側からセンターフレーム86の左側内壁に沿って配置され締結固定される縦置き基板ユニット167と、を備える。
装飾手段170は、光透過性の樹脂材料から形成されセンターフレーム86の上部付近左右中央位置に配置される第1装飾部材171と、光透過性の樹脂材料から形成され第1装飾部材171の左側においてセンターフレーム86の左側枠部の正面側に配置される第2装飾部材174と、光透過性の樹脂材料から形成され第1装飾部材171の右側においてセンターフレーム86の右側枠部の正面側に配置される第3装飾部材177と、を備える。
第1装飾部材171は、その中央部に締結固定可能に構成される横長矩形の中央装飾部材172と、パチンコ機10を代表するタイトル等の余白部分として別部材から構成される余白部材173と、を備える。
第1装飾部材171は、図E4に示すように、背面側に横長溝状の横長溝部171aが凹設される。横長溝部171aは、導光板演出手段160の横置き基板ユニット166の電飾基板を配置可能な溝幅で形成される。
第1装飾部材171は、センターフレーム86の上部において前後方向に穿設される開口部86aの下側に若干重なる位置で配設される。本実施形態では、開口部86aを通して、演出待機状態における演出部材700を視認可能に構成される(図2参照)。
このように、本実施形態では、センターフレーム86の内方において、第3図柄表示装置81の前側位置は導光板161で閉塞されている一方で、演出待機状態における演出部材700の前側位置は開口部86aにより開放されている。そのため、演出待機状態における演出部材700による発光演出を、導光板161に遮蔽されることなく遊技者に視認させることができる。
図96を参照して、横長溝部171aと横置き基板ユニット166との関係について説明する。図96は、図2のXCVI−XCVI線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。なお、図96では、横長溝部171a付近が別途拡大図として図示される。また、図96の説明では、図92から図95を適宜参照する。
本実施形態では、横置き基板ユニット166の電飾基板の先端側において表裏にLED等の発光手段166aが配設され、上下方向に矢印D1a,D1bに沿って光が照射されることで、第1装飾部材171の背面側において横長溝部171aの上下側に横長の楔状に形成される反射形状部171bに到達した光を際立って視認させることができる。
これにより、発光手段の配置を横置き基板ユニット166に集中させた状態においても、反射形状部171bの形成範囲または形成形状によって、遊技者に視認される発光演出の態様(発光範囲または発光形状)を異ならせて視認させることができる。
なお、本実施形態では、横置き基板ユニット166の上面には、LED等の発光手段166aが横1列に並べられ、下面には、LED等の発光手段166aが上面においてLEDが並べられる列に上下で対応する列と、その列と平行な列であって背面側に形成される列との横2列に並べられる。これら発光手段166aとしてのLEDが並べられる列の内、上面の列と、下面の前列とが横長溝部171aの内側に配置され、下面の後列が横長溝部171aの外側に配置される。
このように構成することで、上面の列と、下面の前列とに配置されるLEDで反射形状部171bに光を照射することができ、下面の後列に配置されるLEDで別の発光対象に光を照射することができる。
本実施形態では、下面の後列に配置されるLED等の発光手段166bは、導光板161の上方に配置されており、照射されるLED光は導光板161のエッジから入射される。即ち、横置き基板ユニット166の下面の後列に配置されるLED等の発光手段166bは導光板161を光らせるために利用される。
なお、横置き基板ユニット166の下面に配置されるLEDは、前後2列の間に上側支持部材162が配置される。これにより、前後2列のLEDから照射される光を上側支持部材162により分けることができる。
横置き基板ユニット166は、導光板161の上縁の真上、即ち、正面視における第3図柄表示装置81の表示領域の上縁付近に配置される。換言すれば、正面視における表示領域と遊技領域との境界位置に配置される。これにより、表示領域側へ照射する光と、表示領域側へは照射せずに遊技領域側へ照射する光とを明確に分けることができる。
中央装飾部材172は、反射形状部171bと同様の前後位置に配置される一方で、前後面が平坦面で形成される。これにより、横置き基板ユニット166から光が照射された場合であっても、強度に光が反射することを回避することができ、視認性を維持することができる。
本実施形態では、中央装飾部材172の前面に星形状などの模様が描かれており、この星形状の個数によりパチンコ機10の性能の種類(例えば、スペックの種類。所謂、別スペック)を表示できるように構成している。この中央装飾部材172を第1装飾部材171とは別部材として構成することで、性能の種類を異ならせたパチンコ機10を製造する場合において、中央装飾部材172のみを取り替えることでパチンコ機10を構成することができる。
余白部材173は、第1装飾部材171とは別部材として構成されており、板前後面の形状として、反射形状部171bに形成される形状とは異なる形状(本実施形態では、縞状の溝)が形成されることで、反射する光の見え方が反射形状部171bと異なるように構成される。
図97は、図2の範囲XCVIIにおける第1装飾部材171の部分正面拡大図である。本実施形態では、矢印D1a,D1bに沿って横置き基板ユニット166の上下方向へ光が照射された場合に、反射形状部171bに到達した光は、反射や屈折により正面側へ進行し、煌びやかに視認される一方で、余白部材173に到達した光は、反射が主では無く、大部分が透過してそのまま進行するように構成されるので、若干暗く視認される。
これにより、横置き基板ユニット166から照射された光を上下方向に進行させるという構成を採用しながら、余白部材173の形状を影として視認させることができるので、正面視において任意形状で発光しているように視認させることができる。換言すれば、あたかも、背面側にLEDを配置して発光演出を行っているように視認させることができる。
第2装飾部材174は、透過性の低い薄板部材(シート状部材)に任意の態様で着色がされた遮蔽部材175を備え、その遮蔽部材175が第2装飾部材174の背面側に固定される。これにより、第2装飾部材174の背面側を視認し難く構成することができる。
これにより、ベース板60の正面側に形成される遊技領域(特に左側部)と、正面視における導光板161の形成領域(第3図柄表示装置81の表示領域と前後で重なる領域を含む)とを明確に分けることができる。従って、導光板161の演出に伴う光や、第3図柄表示装置81から照射される光により遊技領域を流下する球の視認性が低下することを防止することができる。
第3装飾部材177は、正面側に六角形の装飾模様が立体的に複数形成され、その背面側に、前後に位置ずれして配設される複数の六角形形状部が組み合わせられる態様で立体的に形成される複数の立体装飾部材178を備える。
立体装飾部材178は、第3装飾部材177と同様に、光透過性の樹脂材料から形成され、センターフレーム86における導光板161配置部分と案内経路DL1との間に配置される空間に配設される。
これにより、導光板161配置部分と案内経路DL1との間において平面的に視認される光演出では無く、立体的に視認させる光演出を実行することができる。即ち、正面視において、奥行きのある発光演出を実行することができる。
例えば、立体装飾部材178へ背面側から光が照射される場合、その光が正面視における立体装飾部材178のどの位置に照射されるかにより、立体装飾部材178の前後方向位置のいずれの位置が明るくなるかが変化する。そのため、遊技者目線で、手前側を光らせて見せたり、奥側を光らせて見せたりする光演出を実行することができる。
本実施形態では、立体装飾部材178に背面側から光を照射する手段として、第3図柄表示装置81や、変位回転ユニット800の正面側発光手段852a等(図81参照)が想定されることから、光の出射位置は変化可能とされる。そのため、固定配置されるLED等の発光手段から立体装飾部材178へ向けて光を照射する場合に比較して、光演出の種類を容易に増やすことができる。
また、例えば、立体装飾部材178へ左右方向または上下方向から光が照射される場合、その光が正面視における立体装飾部材178のどの位置に照射されるかにより、立体装飾部材178の前後方向位置のいずれの位置が明るくなるかが変化する。そのため、遊技者目線で、手前側を光らせて見せたり、奥側を光らせて見せたりする光演出を実行することができる。
本実施形態では、立体装飾部材178に左右方向から光を照射する手段として、発射演出ユニット300の第1光照射装置330が想定される(図27参照)。第1光照射装置330は、その配置から、第3図柄表示装置81の表示領域から照射される光の内、立体装飾部材178へ向かう光の少なくとも一部を遮蔽するように機能する。
これにより、立体装飾部材178を介して視認される光の態様が、第3図柄表示装置81の表示演出態様に依存する程度を抑えることができる。例えば、第3図柄表示装置81から照射される光の色が青である場合に、第1光照射装置330から出射される光の色が赤であっても、立体装飾部材178を介して遊技者が視認する光の色が紫(青色の光と赤色の光とが混じった色)となることを回避し易くすることができる。即ち、立体装飾部材178を介して視認される光を、第3図柄表示装置81の表示とは独立して視認させ易くすることができる。
図98を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、球流下ユニット150を流下する球が正面視で視認可能に構成され、全球が同一経路で流下するように構成される場合を説明したが、第2実施形態の球流下ユニット2150では、流下する球が複数の経路の内のいずれかを流下するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図98は、第2実施形態における遊技盤2013の正面図である。図98では、発射直後の粒状部材320の見え方の一例が図示される。図98に示すように、球流下ユニット2150は、第1実施形態で説明した球流下ユニット150との相違点として、第1受入流路152の下端から左方へ向けて下降傾斜して形成される流路であって、球が流下可能な大きさで形成される第3受入流路2155を備える。
第3受入流路2155は、上流側に形成され第1受入流路152よりも傾斜角度が緩く設定され、下端(左端)が第1入賞口64の正面視左側に設定される傾斜部2155aと、その傾斜部2155aの下端(左側)から正面視鉛直下方へ延設される排出部2155bと、を備える。
傾斜部2155aを流下する球の流下速度は、その傾斜角度の浅さから、第1受入流路152における球の流下速度よりも遅くなる。傾斜部2155aを流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、傾斜部2155aの配置は正面視において導光板161の下縁付近とされる。そのため、傾斜部2155aを流下する球を長時間に亘り遊技者の視界に入れることができる。
これにより、傾斜部2155aを流下する球が、導光板161を通して第3図柄表示装置81(図12(a)参照)を視認しながら遊技を行う遊技者の視界に入るように構成することができる。換言すれば、傾斜部2155aを流下する球に対する注目力を、違和感なく向上させることができる。
傾斜部2155aへの球の案内について説明する。本実施形態では、第2入賞口640に入球した球は第1受入流路152の下端までは同様に流下し、第1受入流路152の下端において第2受入流路部材153に沿って流下する第1方向D21で流下するか、第3受入流路2155に沿って流下する第2方向D22で流下するかが切替手段によって切り替えられる。
本実施形態では、第2受入流路部材153に形成される突条部154(図90参照)により第2受入流路部材153を流れる球の流下抵抗を増大させている。そのため、第2受入流路部材153を球が流下する最中に次の球が第1受入流路152の下端に到達した場合、その球は第3受入流路2155に案内されることになる。
このような状況は、例えば、第2入賞口640に複数の球が連なって入球する等、短期間に複数の球が連続して入球した場合に生じやすい。そのため、第3受入流路2155を球が流下する状況を視認することで、遊技者は、第2入賞口640に複数の球が連なって入球したことを把握することができる。
なお、切替手段の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1方向D21への球の流下を許容する状態と、規制する状態とを、ソレノイド等の駆動手段を利用して切り替え可能に構成される開閉板を球流下ユニット2150に配設しても良いし、第1方向D21と第2方向D22との分岐点において磁力を発生可能に配設される電磁石を配設し、その発生する磁力を引っ張り力または斥力として利用することで球の流下経路を切り替えるようにしても良い。
これらの方法によれば、球の流下経路を第1方向D21又は第2方向D22に切り替えるだけでなく、球を停留させたり、球を逆戻りさせたりすることができる。遊技領域を流下する球と異なり、第2入賞口640に入球した球の流下経路を変化させても、その後の遊技結果に影響を及ぼすものではないので、上述のように磁力を用いた球の流下経路を切替を実行することが可能となる。
上述のように、電気を利用した装置で球の流下経路を切り替える場合、球が第1方向D21に流下するか、第2方向D22に流下するかをMPU221(図4参照)で制御することができる。そのため、第2入賞口640への入球による抽選の結果と、その球が第1方向D21で流下するか第2方向D22で流下するかの切替とを関連付けることができる。
例えば、第2入賞口640への入球による抽選が大当たりの場合の60%で、球が第3受入流路2155を流下するように切替手段を制御するようにすれば、第3受入流路2155を球が流下しているのを視認した遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
この場合、第3受入流路2155への案内路となる第1受入流路152の下端位置に遊技者の視線を最も集め易くなり、結果的に、球流下ユニット2150を流下する排出球(遊技領域から既に排出された球)への注目力を向上させることができる。
上述のように、第3受入流路2155を球が流下することは、第2入賞口640への入球頻度が高い場合や、第2入賞口640への入球による抽選の大当たりの期待値が高い場合を示唆している。
そこで、本実施形態では、排出部2155bの途中に球の通過を検出可能な検出センサSC21を配設し、球の通過が判定された場合に、粒状部材320を発射するように制御している。
なお、上述のように、粒状部材320の発射のためには、予め射出装置400を演出待機状態(図38参照)から、発射待機状態(図40)に状態変化させる必要があるので、ある程度の時間がかかる。一方で、第2入賞口640に球が入球したタイミングで粒状部材320の発射を実行するか否かが決まり、そこから球が排出部2155bへ到達するまでにもある程度の時間がかかるので、この流下時間を利用して射出装置400を状態変化させるように制御している。
これにより、球の通過が検出センサSC21に判定されると同時に、粒状部材320を発射するように制御することができる。このように制御することにより、第2入賞口640に入球してから球が第3受入流路2155を流下するのに要すると予想される一定の時間遅れの後に粒状部材320を発射するように制御する場合に比較して、球の流下と粒状部材320の発射タイミングとを合わせ易くすることができる。
例えば、球に付着した油が第1受入流路152に付着することにより球の流下速度の低下が生じている場合があり、この場合に一定の時間遅れ分だけ待って粒状部材320を発射するように制御すると、球が第3受入流路2155に到達する前に粒状部材320の発射が実行されてしまい、演出効果が低下する可能性がある。
これに対し、球の通過が検出センサSC21に判定されると同時に、粒状部材320を発射するように制御することで、球が第3受入流路2155に到達するのを見届けさせるまで遊技者の注目力を第3受入流路2155に集中させた後で、粒状部材320の発射により導光板161の面積程度に広がる迫力のある演出を実行するという、一連の演出の演出効果を向上することができる。
なお、球が流下する第3受入流路2155の配置と、導光板161を通して視認される第3図柄表示装置81(図12(a)参照)の表示領域の配置とは、正面視で部分的に重なるので、遊技者に視線の変化を要求することなく、上述の一連の演出を視認させることができる。
なお、検出センサSC21を球が通過した場合に粒状部材320を発射しない制御も組み合わせるようにしても良い。例えば、粒状部材320の発射が実行されない場合に大当たりとなると、上述の確変大当たりの可能性が高くなるように制御しても良い。
この場合、第3受入流路2155に球が案内された後の演出の種類を増やすことができるので、第3受入流路2155に球が案内された段階で第3受入流路2155に対する遊技者の注目力が低下することを避けることができる。
加えて、粒状部材320の発射が実行されなかった場合に、その後の第3図柄表示装置81での表示演出に対する注目力を向上させることができる。
なお、検出センサSC21の機能と同様の機能を有する検出センサを、他の箇所に配置するようにしても良い。例えば、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な箇所に配置しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球の通過タイミングで、粒状部材320を発射する演出を実行することができる。この場合に、検出センサSC21を、遊技球が通過することで遊技者に付与する利益がより有利なものとなる特定領域に配設するようにしても良い。
図99及び図100を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出部材700が、左右対称で離散するように径方向に拡大縮小変位するように構成される場合を説明したが、第3実施形態の演出部材3700では、径方向の拡大縮小変位において、左右対称では無い区間を形成可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図99は、第3実施形態における拡大縮小ユニット3600の正面図である。なお、拡大縮小ユニット3600の第1実施形態との相違点は、演出部材3700にのみあり、本体部材601、正面カバー部材610、上アーム部材620、下アーム部材630及び伝達ギア650の構成は共通であるので、説明は省略する。
図99では、演出部材3700の遮蔽意匠部材760が径方向の拡大縮小変位の途中位置(中間位置)に配置された状態が図示される。図99に示すように、本実施形態では、5枚の遮蔽意匠部材760を採用していることは第1実施形態と同様であるが、遮蔽意匠部材760の内、下側2枚および左上1枚が同様の長さで径方向拡大変位している一方で、上側1枚および右上1枚は依然として集合配置状態とされている(径方向拡大変位していない)。この変位を実現するための構成について説明する。
図100は、回転板3730の正面図である。回転板3730は、第1実施形態で説明した回転板730に対して、一部の案内孔733が別案内孔3733に変化していることを除き、共通の構成を備える。
図100に示すように、回転板730は、正面視で上側および右上側の案内孔733の代わりとして、別案内孔3733を備える。別案内孔3733は、上述の小径円弧部733aと、大径円弧部733bと、それら小径円弧部733a及び大径円弧部733bを連結する調整連結部3733cと、を備える。
調整連結部3733cは、大径円弧部733bとの連結部から中間位置付近まで同一円弧形状に沿って延び、大径円弧部733bの反対側において(右回り方向に隣設される案内孔733又は別案内孔3733に近接する位置において)小径円弧部733a側へ向けて急激に近づくよう形成される。
即ち、伸縮変位部材740を集合配置状態(図63参照)から変位させる変位態様において、連結部733cに案内される伸縮変位部材740は早い段階から径方向に拡大変位する一方で、調整連結部3733cに案内される伸縮変位部材740は、大径円弧部733bと同一円弧形状に案内されている間は径方向の拡大変位が生じない。そのため、図99に示すように、遮蔽意匠部材760の配置にずれを生じさせることができる。遮蔽意匠部材760の配置ずれにより生じる作用について説明する。
図99に示すように、遮蔽意匠部材760の配置を左右非対称とすることで、演出部材3700の重心位置を左右方向中心や、上下方向中心からずらすことができる。特に、図99に示す状態では、右上位置に配置される遮蔽意匠部材760が集合配置状態に依然として留まっていることから、その分だけ、演出部材3700の重心G31が左下位置にずれる。
この結果、演出部材3700には、重心G31のずれを修正する方向の負荷、即ち、正面視反時計回り方向の負荷が自重により生じる。この負荷により、演出部材3700に、前後方向軸中心の回転方向の姿勢変化を生じさせることができるので、遮蔽意匠部材760を、演出部材3700の回転軸を中心とした径方向と、回転方向とを組み合わせた方向に変位させることができる。
これにより、遮蔽意匠部材760を変位させるための部材である機能板部720(図55参照)、回転板3730及び伸縮変位部材740(図59参照)の形状のみからは予定されていない方向(即ち、回転方向)に遮蔽意匠部材760を変位させることができる。
本実施形態では、連結部733cと調整連結部3733cとが異なるだけで、それ以外の部分については、案内孔733と別案内孔3733との形状は同じであり、小径円弧部733a及び大径円弧部733bの配置は案内孔733と別案内孔3733とで同じである。
そのため、図99に示す状態で重心G31の位置がずれた後、遮蔽意匠部材760が集合配置状態とされるか、径方向の拡大変位終端位置に配置されることで、遮蔽意匠部材760は左右対称に配置されることになるので、再び重心G31は演出部材3700の左右中心位置および上下中心位置に戻る。これにより、重心G31の位置がずれたまま維持され不具合の発生を防止することができる。
この重心G31の戻りを利用した演出例について説明する。第1実施形態では、演出部材700の上下変位と径方向変位とが同時に行われることは無く、個別に実行される場合を説明したが、この目的は他の構成との衝突を避けることである。
本実施形態では、他の構成との衝突を避ける工夫を採用した上で、演出部材3700の上下変位と径方向変位とを同時に実行可能に制御される。即ち、図99に示す状態から、演出部材3700を下降変位させながら、遮蔽意匠部材760を径方向に拡大変位させることが可能に構成される。
この場合、演出部材3700の下降変位と、遮蔽意匠部材760の径方向の拡大変位とに加えて、演出部材3700の重心G31の戻りが生じることになるので、演出部材3700に、図99に示す状態から想定される回転方向(正面視反時計回り)とは逆回転の姿勢変化を生じさせることができる。
このように、演出部材3700の径方向の拡大変位に対して、正逆方向の回転変位を加えることができるので、遮蔽意匠部材760を径方向に拡大縮小変位させることに特化した簡易な構成を採用しながら、結果として回転方向の変位も加わった複雑な動きとすることができる。これにより、演出部材3700による演出効果を向上することができる。
図101を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、演出待機状態から駆動モータM1が正回転方向に駆動されることで、直動部材410と伝達アーム部材470とが同時に変位する場合を説明したが、第4実施形態では、後側伝達部材460の溝形成部462の形状が変化され、直動部材410の変位に先立って伝達アーム部材470の変位、即ち蓋部材480の変位が完了する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図101は、第4実施形態における前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図101では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
図101に示すように、第4実施形態では、直動部材410及び衝突部材420の変位に先立って伝達アーム部材470の変位が完了する。そのため、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置された状態で直動部材410及び衝突部材420の下降変位が開始されるので、遊技者は、蓋部材480に視線を遮られることなく、衝突部材420の下降変位に伴う粒状部材の変位を視認することができる(図12(a)、図38参照)。
この状況において、図101に示す角度66度から角度125度の間において直動部材410を往復動作させることで、粒状部材320を振動(微小変位)させて遊技者に視認させることができる。
本実施形態では、コイルスプリングSP1の付勢力が強力なので、駆動モータM1の駆動を解消すると、コイルスプリングSP1の付勢力で直動部材410及び衝突部材420が上昇変位する。
そのため、駆動モータMT1に断続的に通電することで、直動部材410を往復動作させることができる。これにより、駆動モータMT1の駆動方向を切り替えることを不要とすることができるので、制御を容易とすることができる。
また、このように粒状部材320を振動(微小変位)させて遊技者に視認させる態様において、蓋部材480が共に変位する場合に比較して、トーションスプリングSP2が受ける負荷(疲労)を低減することができる。
なお、粒状部材320を振動(微小変位)させるために衝突部材420を変位させる態様はこれに限るものではない。例えば、他の振動装置から衝突部材420へ振動を伝達して、衝突部材420を振動させるようにしても良い。この場合、他の振動装置は衝突部材420の変位方向下側に配置されることが好ましい。これにより、コイルスプリングSP1の付勢力による衝突部材420の変位時に他の振動装置が負荷を受けることを回避することができる。
図102を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、演出待機状態から駆動モータM1が正回転方向に駆動されることで、直動部材410と伝達アーム部材470とが同時に変位する場合を説明したが、第5実施形態では、後側伝達部材460の溝形成部462の形状が変化され、直動部材410の変位が完了した後で伝達アーム部材470の変位、即ち蓋部材480の変位が開始する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図102は、第5実施形態における前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図102では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
図102に示すように、第5実施形態では、直動部材410及び衝突部材420の変位が完了した後で伝達アーム部材470の変位が開始する。更に、粒状部材320の発射後、粒状部材320が衝突部材420に到達する前に蓋部材480の変位が完了するように構成される(角度290度付近を参照)。
そのため、粒状部材320の少なくとも一部を蓋部材480の上側に乗せ、滞留させることができる。粒状部材320が蓋部材480に衝突することで蓋部材480の回転を阻害する可能性も考えられるが、本実施形態では蓋部材480の進退部481が回転軸を中心とする円弧形状から形成されるので、粒状部材320から受ける負荷を回転軸側へ向けることができる。これにより、蓋部材480の回転を阻害し難くすることができる。
蓋部材480の上に粒状部材320が乗ったまま、駆動モータMT1の正回転方向の駆動を継続すると、伝達アーム部材470が退避側(図102小径側)へ変位することにより粒状部材320は衝突部材420の上に落ちる。
一方、このタイミングでは衝突部材420と直動部材410との接触は解けているので、粒状部材320から衝突部材420に伝達される負荷が直動部材410まで伝達されることを回避することができる。
また、発射待機状態から駆動モータMT1は逆回転方向に回転駆動させる場合に、高速とすると直動部材410及び衝突部材420の上昇速度を向上させることができ粒状部材320を発射することができる。
この場合において、発射時に、蓋部材480は進入側の変位終端位置に配置されているので、張出部482が配置される左右中央部において粒状部材320の発射が阻害され、左右方向への発射た主になるように視認させることができる。
即ち、駆動モータMT1を正回転させる場合の発射態様と、逆回転させる場合の発射態様とで、粒状部材320が打ち出される方向を変化させることができる。これにより、粒状部材320の発射方向にバリエーションを持たせることができ、演出効果を向上することができる。
図103を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、第1光照射装置330や第2光照射装置340が平板状の基板を備え、前後方向や左右方向に光を照射する場合を説明したが、第6実施形態では、第1光照射装置6330や第2光照射装置6340が折れ曲がり配置される電飾基板を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図103は、図2のXXVII−XXVII線に対応する線における第6実施形態における遊技盤13及び発射ユニット6300の断面図である。即ち、図103では、遊技盤13及び発射ユニット6300が図示され、動作ユニット500の図示は省略されている。また、第1光照射装置6330や第2光照射装置6340から照射される光の方向が模式的に矢印で図示される。
図103に示すように、第1光照射装置6330は、電飾基板332に加えて、その電飾基板332の正面側端部に正面側端部が近接し、背面側端部が電飾基板332から離れる姿勢で傾斜配置される第2電飾基板6334を備える。
第2電飾基板6334は、少なくとも正面側面から光を照射可能に配設されるLED等の発光手段を備えている。この発光手段により、区画部材310へ光を向け易くなり、区画部材310の内部空間IE1を飛散する粒状部材320を光らせる演出の演出効果を向上させることができる。
第2光照射装置6340は、電飾基板342に加えて、その電飾基板342の背面側端部に背面側端部が近接し、正面側端部が電飾基板342から離れる姿勢で傾斜配置される第2電飾基板6344を備える。
第2電飾基板6344は、少なくとも背面側面から光を照射可能に配設されるLED等の発光手段を備えている。この発光手段により、発射ユニット6300の背面側に配置される拡大縮小ユニット600の演出部材700や変位回転ユニット800等に光を向け易くなり、発光演出の演出効果を向上させることができる。
なお、電飾基板の配置はこれに限るものでは無い。例えば、第2電飾基板6334,6344のみ採用し、電飾基板332,342を省略しても良いし、その他の組み合わせを採用しても良い。また、第2電飾基板6334,6344において発光手段を配置しなかった側に発光手段を配置するようにしても良いし、両面から光を照射可能に構成しても良い。
また、光照射の方向を斜めにするという目的からすれば、電飾基板を増やすという方法をとらずに、発光手段の姿勢を変化可能な装置を構成するようにしてもいい。また、電飾基板332,342と第2電飾基板6334,6344の交差位置に発光手段を配置し、光照射可能に構成しても良い。
図104から図120を参照して、本発明の第7実施形態における基板ボックスA100について説明する。まず、図104から図107を参照して、基板ボックスA100の概略構成について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図104は、第7実施形態におけるパチンコ機A10の背面図であり、図105は、第7実施形態における基板ボックスA100の正面斜視図であり、図106は、基板ボックスA100の背面斜視図であり、図107(a)は、基板ボックスA100の正面図であり、図107(b)は、基板ボックスA100の側面図である。
なお、図105から図107における矢印F,B、矢印L,R及び矢印U,Dは、基板ボックスA100の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれ示している。なお、以下の各図においても同様であるので、その説明は省略する。
また、第7実施形態におけるパチンコ機A10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対し、基板ボックスA100を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
図104から図107に示すように、基板ボックスA100は、ボックスカバーA200と、そのボックスカバーA200により開口が覆われるボックスベースA300と、それらボックスカバーA200及びボックスベースA300を開封不能に連結(かしめ構造による連結)する封印ユニットA400と、その封印ユニットA400により連結されたボックスカバーA200及びボックスベースA300の封印ユニットA400とは反対側の端部に配設されるサブカバーA500とを備え、主制御装置A110(図112参照)が収納される。
封印ユニットA400には、回転軸A410が形成される。回転軸A410は、基板ボックスA100を内枠12の背面側に回転可能に軸支するための軸であり(図120参照)、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の短手方向(矢印U,D方向)に平行、且つ、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向(矢印L,R方向)に直交する軸として形成される。
また、回転軸A410は、正面視(矢印B方向視)において、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向一側(後述する被覆部A270を挟んで第1接続壁部A220と反対側、矢印R方向側)に配設される。なお、回転軸A410を基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向一側と反対側となる長手方向他側(矢印L方向側)に配設しても良い。
主制御装置A110には、スイッチ装置A120とキー装置A130とが配設(搭載)される。なお、主制御装置A110は、第1実施形態における主制御装置110に対し、スイッチ装置A120及びキー装置A130が更に配設(搭載)されて構成される。即ち、主制御装置A110と第1実施形態における主制御装置110とは、スイッチ装置A120及びキー装置A130の有無を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
スイッチ装置A120は、操作部A122が初期位置から押し込まれることにより動作(オン)されると共に押し込みが解除されることによりオフされる(操作部A122が初期位置へ復帰される)モーメンタリ式の押ボタンスイッチとして構成され、主制御装置A110への入力に利用される。なお、スイッチ装置A120及びキー装置A130は、主制御装置A110(主制御装置110)における各種スイッチ208(図4参照)の一部に相当する。
スイッチ装置A120は、操作部A122が動作位置(オンされる位置)まで押し込まれる際に、所定のクリック感(押し込み力の変化)が発生するように構成され、かかるクリック感に基づいて、主制御装置A110への入力の完了を操作者が検知可能とされる。よって、操作部A122を視認できない状況で操作する必要がある場合に有効となる。
キー装置A130は、初期位置(以下「オフ位置」と称す)において鍵A140が挿抜可能とされ、オフ位置において差し込まれた鍵A140が回転(本実施形態では右回転)され所定位置(以下「オン位置」と称す)に配置されることにより動作(オン)されると共に鍵A140が回転(本実施形態では左回転)されオフ位置に配置されることによりオフされる鍵操作式のセレクタスイッチ(モード切替スイッチ)として構成される。
なお、本実施形態では、オフ位置とオン位置との位相差は略90度に設定される。また、キー装置A130は、オフ位置においては、鍵A140の挿抜が可能とされる一方、オン位置においては、鍵A140の抜き取りが不能とされる。
また、キー装置A130のオン・オフの状態に応じて、スイッチ装置A120の機能を切り替えられる。例えば、本実施形態では、キー装置A130がオフされている状態では、スイッチ装置A120は、主制御装置A110を初期化(RAM消去を実行)するリセットスイッチ(RAMクリアスイッチ)として機能し、キー装置A130がオンされている状態では、スイッチ装置A120は、後述するように、抽選における当たり確率の値を変更(以下「設定変更」と称す)するための設定変更スイッチとして機能する形態が例示される。
ここで、上述のように、基板ボックスA100(ボックスカバーA200及びボックスベースA300)は開封不能に連結されるため、主制御装置A110(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130)の操作を行うためには、基板ボックスA100を開封する必要があり、手間がかかる。
これに対し、本実施形態における基板ボックスA100によれば、ボックスカバーA200に開口A250,A260が形成され、それら開口A250,A260を介して、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作可能とされる。即ち、基板ボックスA100の開封を不要として、手間を抑制できる。詳細については後述する。
スイッチ装置A120及びキー装置A130の背面側(操作部A122の押し込み方向側、鍵A140の差し込み方向側、矢印B方向側)には、脚A121,A131(電気的接続端子、図114参照))が突出され、それら脚A121,A131が、主制御装置A110(プリント基板A119)に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされることで、スイッチ装置A120及びキー装置A130は、主制御装置A110(プリント基板A119)の正面側に配設される。
この場合、スイッチ装置A120及びキー装置A130に外力(例えば、操作部A122や鍵A140を押し込み方向(差し込み方向)と直交する方向へ変位させる力、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向の力)が作用され、主制御装置A110(プリント基板A119)に対して傾倒されると、スイッチ装置A120及びキー装置A130の一側(傾倒によりプリント基板A119から持ち上げられる側)の脚A121,A131に引張力が作用される一方、他側(傾倒によりプリント基板A119に押さえ付けられる側)の脚A121,A131に圧縮力が作用される。そのため、脚A121,A131の破断や屈曲、孔からの脚A121,A131の抜け、はんだの剥がれが発生し、断線や接触不良を招く虞がある。これに対し、基板ボックスA100には、かかる問題点を解決する手段が採用される。詳細については後述する。
主制御装置100は、複数(本実施形態では4個)の7セグメント表示器(図示せず)を備え、かかる7セグメント表示器がプリント基板A119に搭載される。なお、ボックスカバーA200が光透過性の樹脂材料から構成されるため、作業者は、7セグメント表示器の表示を、ボックスカバーA200を介して、視認できる。
ここで、スイッチ装置A120及びキー装置A130を用いた設定変更の方法について説明する。
まず、パチンコ機A10の電源がオフされた状態において、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオン位置に配置した上で、スイッチ装置A120の操作部A122を動作位置まで押し込みつつ、パチンコ機A10の電源をオンする。これにより、設定変更モードとして起動され、スイッチ装置A120の操作部A122が押し込み操作される毎に、設定が変更される。
本実施形態では、設定値として、第1から第6の6値が規定されており、これらの値が循環される(例えば、操作部A122の押し込み操作により、設定値が第1の値から第6の値へ順に進み、第6の値に設定された状態から操作部A122が押し込み操作されると、設定値が第1の値に進む)。
設定値は、液晶ディスプレイ(表示装置)である第3図柄表示装置81に表示され、スイッチ装置A120の操作部A122が押し込み操作されると(設定値が変更されると)、第3図柄表示装置81に表示される設定値も変更される。本実施形態では、設定値が7セグメント表示器にも表示される。
なお、第3図柄表示装置81に表示される設定変更に関する情報は、設定値に限られず、他の情報を含むものであっても良い。他の情報としては、現在のモード(設定変更モード、設定確認モード)、前回の設定値などが例示される。このように、第3図柄表示装置81を利用することで、例えば、7セグメント表示器を利用する場合と比較して、表示できる情報量を確保(多く)できる。その結果、操作状態を把握し易くなり、操作性の向上と操作間違いの抑制とを図ることができる。また、遊技に関する情報を表示する装置(第3図柄表示装置81)を兼用することで、その分、製品コストを低減できる。
また、設定値の表示は、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の一方のみに表示され、他方には表示されない形態でも良い。或いは、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器の両者ともに表示されない形態であっても良い。
所望の設定値を変更した後は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置する。これにより、設定変更モードが終了される(設定値が確定される)。この場合、キー装置A130のオフエッジが検出され、その検出を契機に復電処理が実行され、設定(変更)した設定値での通常モードが起動される。
なお、所望の設定値を変更した後、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置せず(即ち、オン位置に配置された状態のままで)、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130の鍵A140がオフ位置に配置された状態で、パチンコ機A10の電源をオンすることによっても、設定(変更)した設定値での通常モードが起動される。
また、設定変更モードでは、RAM消去が実行される。かかるRAM消去は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140がオフ位置に配置されることで確定される。なお、RAM消去を実行するタイミングとしては、パチンコ機A10の電源がオンされたタイミング、そのタイミングから所定時間が経過したタイミング、鍵A140がオフ位置に配置されたタイミングなどが例示される。即ち、RAM消去を実行するタイミングは適宜設定できる。
また、設定変更モード中(即ち、スイッチ装置A120の操作部A122の押し込み操作により設定値の変更が可能となった状態において、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置せず(即ち、オン位置に配置された状態のままで)、パチンコ機A10の電源をオフした場合、キー装置A130から鍵A140が抜き取られた状態で、又は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140がオフ位置に配置された状態で、パチンコ機A10の電源がオンされると、通常モードでの起動が行われず、エラー状態とされ、第3図柄表示装置81にエラー表示が表示される。なお、第3図柄表示装置81と同時に、又は、これに代えて、7セグメント表示器にエラー表示を表示しても良い。
次いで、設定変更モードで設定された設定値の確認は、まず、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオン位置に配置した上で、パチンコ機A10の電源をオンする。これにより、設定値を確認するための設定確認モードが起動され、その時点で設定されている設定値が第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器に表示される。
なお、設定確認モードでの設定値の表示は、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の一方のみに表示され、他方には表示されない形態でも良い。或いは、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器の両者ともに表示されない形態であっても良い。
この設定確認モードにおいて、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置する。これにより、設定確認モードが終了される。また、キー装置A130のオフエッジが検出され、その検出を契機に復電処理が実行され、その時点で設定されている設定値での通常モードが起動される。
なお、設定確認モードにおいて、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置した状態で、パチンコ機A10の電源をオンすることによっても、その時点で設定されている設定値での通常モードが起動される。
本実施形態では、設定変更モードでの設定値の変更が完了(確定)すると、7セグメント表示器が所定の態様で発行される。所定の態様としては、例えば、所定の表示(例えば、「7」)が一定の時間間隔で点滅される態様が例示される。
また、7セグメント表示器は、4個が並設されることで、4桁の表示が可能とされ、前半の2桁(2個)によりモードが表示され(例えば、設定変更モードでは「01」が、設定確認モードでは「02」が、それぞれ表示され)、後半の2桁(2個)により設定値が表示される(例えば、第1の値は「01」が、第2の値は「02」が、・・、第6の値は「06」が、それぞれ表示され)。
次いで、図108から図114を参照して、基板ボックスA100を構成する各部品(ボックスカバーA200、ボックスベースA300及び主制御装置A110)について順に説明する。まず、図108から図110を参照して、ボックスカバーA200について説明する。
図108は、ボックスカバーA200の正面斜視図であり、図109は、ボックスカバーA200の背面斜視図であり、図110(a)は、図108の矢印CXa方向視におけるボックスカバーA200の部分拡大正面図であり、図110(b)は、図109の矢印CXb方向視におけるボックスカバーA200の部分拡大背面図である。
図108から図110に示すように、ボックスカバーA200は、正面視略横長矩形の板状に形成される正面壁部A201と、その正面壁部A201の4辺から背面側(矢印B方向)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部A202、下壁部A203、それら上壁部A202及び下壁部A203を連結する左壁部A204及び右壁部A205)とを主に備え、これら各壁部A201〜A205により背面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスカバーA200は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
上壁部A202、下壁部A203、左壁部A204及び右壁部A205の立設先端面(矢印B方向側の面)には、2段の段差が形成される。段差は、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の内部空間側に第1の面(第1の段)が形成され、その第1の面の外方側(内部空間と反対側)に第2の面(第1の段)が形成される。第1の面は、第2の面よりも低く(正面壁部A201からの立設高さが小さく)され、主制御装置A110(プリント基板A119)を載置する面(以下「座面A206」と称す)として形成される。
座面A206は、各壁部A201〜A205の面(第1の面)が連続した正面視略矩形枠状に形成され、正面壁部A201と平行な面として形成される。座面A206の4箇所の角部分(各壁部A201〜A205の面(第1の面)どうしが連結される部分)には、内周にめねじが螺刻された締結孔A206aが凹設される。
よって、主制御装置A110(プリント基板A119)は、その正面のうちの外縁側を座面A206に当接させ、主制御装置A110(プリント基板A119)の挿通孔A112に挿通されたねじASC(図117(b)及び図118(b)参照)が締結孔A206aに螺合されることで、正面壁部A201と平行な姿勢でボックスカバーA200(座面A206)に締結固定され、基板ボックスA100に収納される。
上壁部A202及び下壁部A203には、複数の係合片A207が所定間隔を隔てて並設される。係合片A207は、上壁部A202及び下壁部A203から背面側(矢印B方向)へ立設される基部と、その基部の立設先端から一方向(矢印R方向)へ延設される延設部とから略L字状に屈曲した形状に形成され、後述するように、ボックスベースA300の被係合部A307に係合される。
正面壁部A201には、その一部に背面側(矢印B方向)へ向けて凹設される部分が形成される。かかる凹設部分は、正面壁部A201よりも背面側(主制御装置110側)へ後退して位置する板状の操作用壁部A210と、その操作用壁部A210の各辺を正面壁部A201に接続する板状の壁部(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)とによって正面壁部A201に形成される。
即ち、基板ボックスA100の正面側の外面(矢印F方向側の面)は、正面壁部A201により形成される第1領域と、その第1領域よりも主制御装置A110に近い側に位置し操作用壁部A210により形成される第2領域とから形成される。
操作用壁部A210は、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作面を形成する部位であり、正面視略横長矩形(矢印U,D方向における長さ寸法に対して矢印L,R方向における長さ寸法が長くされる長方形状)に形成され、正面壁部A201と略平行な姿勢で配設される。
なお、操作用壁部A210は、正面視(矢印B方向視)において、ボックスカバーA200の長手方向中央よりも一側(封印ユニットA400の回転軸A410側)に配設される。
第1接続壁部A220は、操作用壁部A210の長手方向一側(矢印L方向側)における一辺を正面壁部A201に接続する壁部であり、正面壁部A201から操作用壁部A210へ向かうに従って主制御装置A110へ近接する方向に傾斜(下降傾斜)して形成される。よって、第1接続壁部A220の正面側(矢印F方向側)に、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)の空間に連なる空間を形成でき、それら第1接続壁部A220及び操作用壁部A210の正面側の空間を合せた空間として、全体としての空間(キー装置A130の操作の際に使用できる空間)を拡大できる。
なお、本実施形態では、正面壁部A201及び操作用壁部A210に対する第1接続壁部A220の傾斜角度が略45度に設定される。これにより、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)における空間の拡大と、基板ボックスA100の内部における空間の確保との両立を図ることができる。
第2接続壁部A230は、操作用壁部A210の短手方向一側(矢印U方向側)における一辺を、第3接続壁部A240は、操作用壁部A210の長手方向他側(矢印R方向側)における一辺を、それぞれ正面壁部A201に接続する壁部であり、正面壁部A201及び操作用壁部A210に略直交する姿勢で配設される。
操作用壁部A210には、操作部A122を基板ボックスA100の外部へ突出させるための開口A250と、鍵A140のキー装置A130への挿抜を可能とするための開口A260と、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載されるコネクタ(図示せず)への接続を可能とするための開口AOP1〜AOP8とがそれぞれ形成される。
開口A250は、その正面視形状が、操作部A122の外形に対応する形状(本実施形態では正面視略正方形)に形成され、操作用壁部A210の長手方向(矢印L,R方向)における略中央に配置される。開口A250の周囲には、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)からガイド壁A251が立設される。
ガイド壁A251は、操作部A122の押し込み方向(矢印B方向)への変位をガイドすると共に押し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)への変位(倒れ)を規制するための部位であり、開口A250を取り囲む正面視略正方形の額縁状に形成され、その内周面が開口A250の内周面に滑らかに連なって形成される。
ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さは、本実施形態では、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端よりも操作用壁部A210からの立設先端が低い位置となる(操作部A122の先端がガイド壁A251の立設先端よりも外方(矢印F方向側)へ突出される)寸法に設定される。これにより、操作部A122の押し込み操作がガイド壁A251によって阻害されることを回避でき、操作部A122の操作性の向上を図ることができる。
但し、ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さを、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端よりも操作用壁部A210からの立設先端が高い位置となる(操作部A122の先端がガイド壁A251の立設先端よりも内方(矢印B方向側)へ没入される)寸法に設定しても良い。これにより、作業者の不用意な操作や他の部材との当接(干渉)によって操作部A122が意図せずに動作位置へ押し込まれる(オンされる)ことを抑制できる。
また、ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さを、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端が、操作用壁部A210からの立設先端と略同一の高さ位置となる寸法に設定しても良い。操作部A122を押し込む際に、手指がガイド壁A251の立設先端に当接されるので、かかる当接を基準として、操作部A122を動作位置まで押し込んだことを作業者に認識させることができる。操作部A122を視認できない状況で操作する必要がある場合に有効となる。
操作用壁部A210には、その正面(外面、矢印F方向側の面)から被覆部A270が突設される。被覆部A270は、キー装置A130(図112(a)参照)の先端側(矢印F方向側)の一部に被さる部位であり、操作用壁部A210から立設され円筒状に形成される周壁部A271と、その周壁部A271の突設先端を塞ぐ(端面を形成する)板状の端面壁部A272とを主に備え、その内部の空間にキー装置A130の先端側の一部が収納される。
周壁部A271は、断面略円形の筒状に形成される基部A271aと、その基部A271aの対向する2箇所(位相を略180度異ならせた位置)から径方向外方へ突出される一対の突部A271bとを備える。周壁部A271(基部A271a及び突部A271b)は、軸方向(矢印F,B方向)に沿って全体が略同一の断面形状に形成される。よって、操作用壁部A210には、周壁部A271(基部A271a及び突部A271b)の断面形状(即ち、円形のうちの対向する2箇所を径方向外方へ突出させた形状)と略同形状の開口が形成される(図110(b)参照)。
開口A260は、被覆部A270の突設先端面、即ち、端面壁部A272に形成される。これにより、端面壁部A272は、周壁部A271の突設先端の内周面から径方向内方へ延設される板状に形成される。即ち、端面壁部A272は、基端が周壁部A271の内周面に固定され、一端(開口A260側)が自由な状態の板状(片持ち梁)として形成される。
ここで、開口A260は、鍵A140がオフ位置とオン位置との間で変位(回転)される際のその鍵A140の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成される。詳細には、開口A260は、鍵A140の回転中心よりも一側の部分の変位を許容するための中心角略90度の第1の扇形状の開口と、鍵A140の回転中心よりも他側(一側と反対側)の部分の変位を許容するための中心角略90度の第2の扇形状の開口とが、位相を略180度異ならせて結合された形状に形成される。
これにより、端面壁部A272には、周壁部A271の突設先端の内周面から径方向内方へ延設され正面視(矢印B方向視)略円環形状に形成される円環部A272aと、その円環部A272aの内縁から径方向内方へ延設され正面視(矢印B方向視)略三角形状に形成される角形部A272bとが形成される。角形部A272bは、正面視(矢印B方向視)において、径方向内方へ向けて先細となる姿勢で配設され、位相を略180度異ならせた2箇所に形成される。
なお、鍵A140は、回転中心よりも一側の部分の回転半径と、回転中心よりも他側の部分の回転半径とが異なる寸法とされる。よって、開口A260は、第1の扇形状の開口と第2の扇形状の開口とが異なる大きさ(半径)の開口とされる。
操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212が突設される。これら第1突条A211及び第2突条A212は、略矩形の断面形状を維持しつつすじ状に延設される突条であり、一端が被覆部A270の外周面(外面)に連結される。
詳細には、第1突条A211の一端は、オフ位置にある鍵A140の縁部と対向する位置(位相)において、周壁部A271の突部A271bの外周面(外面)に連結され、第2突条A212の一端は、オン位置にある鍵A140の縁部と対向する位置(位相)において、周壁部A271の基部A271aの外周面(外面)に連結される。即ち、第1突条A211の一端と第2突条A212の一端とは、位相を略180度異ならせた位置において、それぞれ被覆部A270の外周面(外面)に連結される。
また、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212の他端に隣接する位置(他端の延長線上)に表示部がそれぞれ形成される。表示部は、鍵A140の操作位置(回転位置)の情報を示す部位であり、「OFF」及び「ON」が表示される。即ち、縁部を第1突条A211の一端へ向けた姿勢の鍵A140はオフ位置に配置され(図115(a)参照)、縁部を第2突条A212の一端へ向けた姿勢の鍵A140はオン位置に配置される(図115(b)参照)。
開口AOP1は、操作用壁部A210に形成され、開口AOP2〜AOP8は、正面壁部A201の縁部に沿って直列(一列)に形成(並設)される。
操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A280,A290が立設される。立設壁A280は、第1立設壁A281、第2立設壁A282、第3立設壁A283及び第4立設壁A284を備え、これら各立設壁A281,A282,A283,A284により開口A250が取り囲まれる(図110(b)参照)。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、スイッチ装置A120が立設壁A280により取り囲まれる。
第1立設壁A281は、開口A250と第2接続壁部A230との間に配置され、第2接続壁部A230及び下壁部A203のそれぞれと略平行な板状に形成される。第2立設壁A282及び第3立設壁A283は、開口A250を挟んで対向配置され、第1立設壁A281と略直交する板状に形成される。第4立設壁A284は、開口A250と下壁部A203との間に配置され、第1立設壁A281と略平行な板状に形成される。
第2立設壁A282及び第3立設壁A283は、一側が第1立設壁A281に、他側が下壁部A203に、それぞれ連結される。即ち、第1立設壁A281は、第2立設壁A282及び第3立設壁A283を介して、下壁部A203に連結される。また、第4立設壁A284は、一側が第2立設壁A282に、他側が第3立設壁A283に、それぞれ連結される。
また、立設壁A290は、第1立設壁A291、第2立設壁A292及び第3立設壁A293を備え、これら各立設壁A291,A292,A293により開口A260が取り囲まれる(図110(b)参照)。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、キー装置A130が立設壁A290により取り囲まれる。
第1立設壁A291は、開口A260と第2接続壁部A230との間に配置され、第2接続壁部A230及び下壁部A203のそれぞれと略平行な板状に形成される。第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、開口A260を挟んで対向配置され、第1立設壁A291と略直交する板状に形成される。
第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、一側が第1立設壁A291に、他側が下壁部A203に、それぞれ連結される。即ち、第1立設壁A291は、第2立設壁A292及び第3立設壁A293を介して、下壁部A203に連結される。また、第4立設壁A284は、一側が第2立設壁A292に、他側が第3立設壁A293に、それぞれ連結される。
立設壁A290は、正面視(矢印B方向視)において、被覆部A270の周囲を取り囲む大きさ(被覆部A270よりも外方となる位置)に形成される。詳細には、正面視(矢印B方向視)において、被覆部A270の周壁部A271における基部A271aの外面(円弧)が、第2立設壁A292及び第3立設壁A293の内面(直線)にそれぞれ内接され、被覆部A270の周壁部A271における突部A271bの外面(円弧)が、第1立設壁A291及び下壁部A203の内面(直線)にそれぞれ内接される。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293は、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)からの立設高さがそれぞれ同じ寸法とされると共に、それら各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)が座面A206と同じ高さ位置に配置される。
よって、立設壁A280,A290は、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端面が座面A206に連なり、座面A206と各立設壁A281,A293,A282,A292,A283,A293の立設先端面とが同一の平面状に位置する(同一平面を形成する)。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)がボックスカバーA200(座面A206)に締結固定されると、第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)が主制御装置A110(プリント基板A119)の正面(矢印F方向側の面)に当接される。
ここで、立設壁A280では、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の長さ寸法(矢印U,D方向寸法)が、第1立設壁A281の長さ寸法(矢印L,R方向寸法)よりも大きな値とされる。そのため、後述するように、傾倒されたスイッチ装置A120の外面が立設壁A280(第2立設壁A282及び第3立設壁A283)の内面に当接された際に、第2立設壁A282及び第3立設壁A283が変形して、スイッチ装置A120の傾倒を抑制できない虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の対向間が第4立設壁A284により連結されるので、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の変形を抑制できる。その結果、スイッチ装置A120の傾倒を抑制できる。
一方で、第4立設壁A284が下壁部A203と近接した位置に配置されることで、かかる第4立設壁A284近傍の材料ボリュームが大きくなる。これは、板厚寸法の大きな部位が部分的に形成されることに相当し、他の部位との収縮率の差に伴い、部分的に板厚寸法が大きい部位およびその近傍での成形不良を生じさせる。
これに対し、第4立設壁A284の立設高さは、第1立設壁A281、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の立設高さよりも小さく(低く)される。これにより、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の変形を抑制する機能は確保しつつ、第4立設壁A284近傍の材料ボリュームを小さくして、収縮率の差に伴う成形不良を抑制できる。
また、下壁部A203よりも開口A250に近接する位置に第4立設壁A284が設けられていることで、後述するように、スイッチ装置A120の矢印D方向側への傾倒に対し、かかるスイッチ装置A120の外面を第4立設壁A284の内面に当接させ、その傾倒を適切な範囲で(即ち、下壁部A203に当接させる場合よりも小さい角度の傾倒に)抑制させることができる。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端側の内面には、立設先端側(矢印B方向)へ向かうに従って外面側へ近接する傾斜面であるテーパ面A280a,A290aがそれぞれ形成される。これにより、各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端における厚み寸法(板厚寸法)が立設先端側へ向かうに従って漸次小さくされ、その分、各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)の面積が小さくされる。
なお、テーパ面A280a,A290aを省略しても良い。また、テーパ面A280a,A290aを、立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端側の外面に設けても良い。
正面壁部A201の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A208が立設される。また、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、上述した立設壁A280,A290の他に、立設壁A209が立設される。
立設壁A208は、4辺の板状体を連結し正面壁部A201と反対側が開放される箱状に形成され、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載される演算装置(MPU201、図4参照)に対応する位置に形成される。また、立設壁A209は、開口AOP1に対応する内形を有し、操作用壁部A210と反対側が開放される箱状に形成され、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載されるコネクタに対応する位置に形成される。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、演算装置(MPU201)が立設壁A208により、コネクタが立設壁A209により、それぞれ取り囲まれる。
ここで、複数の対象物をそれぞれ取り囲む複数の立設壁A208,A209,A280,A290は、1又は複数の立設壁の立設先端面の高さ位置が、残りの立設壁の立設先端面の高さ位置と異なる高さ位置に設定される。本実施形態では、立設壁A209の立設先端面の高さ位置が、立設壁A208,A280,A290の立設先端面の高さ位置よりも後退される(即ち、プリント基板A119から離間する側に位置する)。これにより、立設壁A208,A209,A280,A290の寸法公差、プリント基板A119のボックスカバーA200への取付公差、或いは、プリント基板A119の寸法公差(例えば、平面度のばらつき)が存在する場合でも、立設壁A209に比較して、立設壁A208,A280,A290の立設先端面をプリント基板A119に密着させやすくできる。即ち、重要度の高い対象物を取り囲む立設壁のプリント基板A119への密着を確保できる。
次いで、図111を参照して、ボックスベースA300について説明する。図111(a)は、ボックスベースA300の正面斜視図であり、図111(b)は、ボックスベースA300の背面斜視図である。
図111に示すように、ボックスベースA300は、正面視略横長矩形の板状に形成される背面壁部A301と、その背面壁部A301の4辺から正面側(矢印F方向)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部A302、下壁部A303、それら上壁部A302及び下壁部A303を連結する左壁部A304及び右壁部A305)とを主に備え、これら各壁部A301〜A305により正面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスベースA300は、樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
上壁部A302及び下壁部A303には、複数の被係合部A307が所定間隔を隔てて並設される。被係合部A307は、ボックスカバーA200の係合片A207が係合される部位であり、下方側(矢印D方向側)へ張り出して形成される。
ボックスベースA300とボックスカバーA200との連結は、まず、係合片A207における延設部の延設方向と反対側(矢印L方向側)にその延設部の延設長さの分だけ位相をずらした位置で対面させ、ボックスカバーA200をボックスベースA300へ向けて押し込む。これにより、隣り合う被係合部A307どうしの間の空間に係合片A207が入り込むので、次いで、ボックスベースA300に対してボックスカバーA200を、係合片A207における延設部の延設方向(矢印R方向)へ向けてスライド変位させる。これにより、係合片A207が被係合部A307の背面側(矢印B方向側)へ入り込み、両者が係合(矢印F方向へのボックスカバーA200の変位が規制)される。
次いで、図112から図114を参照して、主制御装置A110について説明する。図112(a)は、主制御装置A110の正面斜視図であり、図112(b)は、主制御装置A110の背面斜視図であり、図113は、図112(a)の部分CXIIIにおける主制御装置A110の部分拡大正面斜視図である。
図114(a)は、図112(a)の矢印CXIVa方向視における主制御装置A110の正面図であり、図114(b)は、図114(a)の矢印CXIVb方向視における主制御装置A110の側面図であり、図114(c)は、図114(a)の矢印CXIVc方向視における主制御装置A110の側面図である。
なお、図112から図114では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、プリント基板A119に搭載される各種電子部品のうちの主要なもののみを図示し、その他の図示を省略する。
図112から図114に示すように、主制御装置A110は、プリント基板A119と、そのプリント基板A119に搭載されるスイッチ装置A120及びキー装置A130とを備える。プリント基板A119は、絶縁性の樹脂材料からなる板に各種電子部品(IC、抵抗器、コンデンサやトランジスタ)を搭載し、それら電子部品の間を接続する回路(パターン)が銅箔などの導電体で形成して構成され、4箇所の角部分に挿通孔A112が穿設される。
プリント基板A119は、正面(スイッチ装置A120及びキー装置A130が搭載される側の面、矢印F方向側の面)をボックスカバーA200(正面壁部A201)の背面に対面させた姿勢で基板ボックスA100に収納される。
この場合、プリント基板A119の正面のうちの少なくともボックスカバーA200における立設壁A280,A290の立設先端面および下壁部A203の座面A206が当接される領域AS1,AS2には(図114(a)参照)、電子部品が搭載または回路が形成されず、かかる領域AS1,AS2が平坦な面として形成される。なお、図114(a)では、座面A206が当接される領域のうちの立設壁A280,A290に連なる部分のみが図示される。
スイッチ装置A120は、操作部A122を変位(押し込み操作)可能に保持する本体A123と、その本体A123の内部に配設され操作部A122に初期位置へ復帰するための付勢力を付与するコイルスプリング(付勢手段、図示せず)と、本体A123の内部に配設され操作部A122の変位に伴い接触が切り替えられる接点(図示せず)と、その接点に電気的に接続される脚A121とを備える。
本体A123は、略立方体形状に形成されプリント基板A119の正面に搭載される基部A123aと、その基部A123aの正面(矢印F方向側の面)から突出される円柱状の突部A123bとを備え、突部A123bの外径寸法は、開口A250(ガイド壁A251の内縁)の最大の寸法(対角線の長さ)よりも大きくされる。基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)とが対面される。
なお、本実施形態では、基部A123aの底面から突出される部分(基部A123aの底面の一部であって脚A121が突出される部位)がプリント基板A119の正面に当接される。但し、基部A123aの底面(基部A123aの底面の一部であって脚A121が突出される部位)とプリント基板A119の正面との間に隙間が形成されても良い。即ち、脚A121によりプリント基板A119の正面から基部A123aが嵩上げされて配設されていても良い。
また、本実施形態では、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)との間に所定の隙間が形成される。但し、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)とが当接するように構成しても良い。
脚A121は、本体A123における基部A123aの背面(矢印B方向側の面、プリント基板A119との対向面)から突出され、上述したように、プリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされる。これにより、スイッチ装置A120がプリント基板A119の正面側に配設(搭載)される。
キー装置A130は、適合する鍵A140が内筒A132aに差し込まれた場合に外筒A132bに対する内筒A132aの回転を許容する錠前として形成されるシリンダ部A132と、そのシリンダ部A132を内部に配設して保持する本体A133と、その本体A133の外周面(外面)を支持する支持体A134と、シリンダ部A132の状態(外筒A132bに対する内筒A132aの回転位置)に応じて接触が切り替えられる接点(図示せず)と、その接点に電気的に接続される脚A131とを備える。
本体A133は、略円筒状に形成されその内周側(内部)にシリンダ部A132を保持する基部A133aと、その基部A133aの外周面(外面)における2箇所(位相を略180度異ならせた位置)から径方向外方へ突出される一対の突部A133bと、基部A133aの先端側(矢印F方向側)の端面を形成する端部A133cとを備える。
なお、本実施形態では、本体A133の底面から突出される部分(本体A133の底面の一部であって脚A131が突出される部位)がプリント基板A119の正面に当接される。但し、本体A133の底面(本体A133の底面の一部であって脚A131が突出される部位)とプリント基板A119の正面との間に隙間が形成されても良い。即ち、脚A131によりプリント基板A119の正面から本体A133が嵩上げされて配設されていても良い。
突部A133bの矢印F方向側の端面は、端部A133cにより形成される端面(矢印F方向側の面)から一段低い位置(矢印B方向側)に形成される。端部A133cには、基部A133aと略同芯となる位置に正面視円形の開口が形成され、かかる開口を介して、シリンダ部A132(内筒A132a)への鍵A140の挿抜が可能とされる。
基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、本体A133の先端側(矢印F方向側)の一部が被覆部A270の内部空間に収納される。
詳細には、本体A133の基部A133aの外径が、被覆部A270の周壁部A271における基部A271aの内径と同等または若干小さい値に設定されると共に、本体A133の突部A133bの突出形状が、被覆部A270における周壁部A271の突部A271bの凹設形状と同等または若干小さい大きさに形成され、これにより、本体A133の基部A133aが周壁部A271の基部A271aの内周側(内側)に、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に、それぞれ収納される。
また、この場合、本体A133の端部A133cの正面(端面、矢印F方向側の面)と被覆部A270における端面壁部A272の背面(矢印B方向側の面)との間に所定の隙間が形成される。なお、端部A133cの正面と端面壁部A272の背面とが当接するように構成しても良い。
脚A131は、本体A133における基部A133aの背面(矢印B方向側の面、プリント基板A119との対向面)から突出され、上述したように、プリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされる。これにより、キー装置A130がプリント基板A119の正面側に配設(搭載)される。
支持体A134は、略中央に開口が形成されその開口に本体A133(基部A133a及び突部A133b)が挿通されるベース部A134aと、そのベース部A134aの対向する2辺からプリント基板A119へ向けて延設される一対の延設部A134bと、ベース部A134aの残りの2辺からプリント基板A119へ向けて延設される一対の補強部A134cとを備え、金属製の板状体を折り曲げて一体に形成される。
延設部A134bのベース部A134aからの延設長さは、補強部A134cのベース部A134aからの延設長さよりも大きくされ、延設部A134bの延設先端面(矢印B方向側の面)がプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接される。また、延設部A134bの延設先端面には、脚A134b1が突設される。支持体A134は、脚A134b1がプリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされることで、プリント基板A119の正面側に配設され自立される。その結果、本体A133を支持体A134により支持して、かかる本体A133がプリント基板A119に対して傾倒することを支持体A134により抑制することができる。
なお、延設部A134bの延設先端面(矢印B方向側の面)とプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)との間に隙間を設けても良い。即ち、脚A131によりプリント基板A119の正面から支持体A134が嵩上げされて配設されていても良い。この場合には、隙間の分、キー装置A130の放熱性を高めることができる。
一方、延設部A134bのベース部A134aからの延設長さと、補強部A134cからの延設長さとを同じ寸法としても良い。即ち、補強部A134cの延設先端面(矢印B方向側の面)もプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接されるように構成しても良い。この場合には、本体A133を、延設部A134b及び補強部A134cの両者により支持して、かかる本体A133がプリント基板A119に対して傾倒することをより強固に抑制できる。また、針金等の異物がキー装置A130の脚A131側へ侵入されることを抑制できる。
また、脚A134b1のはんだ付けを省略し、脚A134b1を略くの字状や略S字状に屈曲させた断面形状に形成し、弾性変形させた状態でプリント基板A119の孔に脚A134b1を挿通する構成としても良い。即ち、脚A134b1の弾性回復力を利用して、脚A134b1をプリント基板A119の孔の内周面(内面)に弾性的に係合させても良い。はんだ付けを省略できる分、製造コストを低減できる。或いは、かかる脚A134b1の孔への弾性的な係合に加え、はんだ付けも行う構成であっても良い。脚A134b1が孔から抜ける出ることをより強固に抑制できる。よって、本体A133の傾倒を支持する支持体A134の機能をより高めることができる。
脚A134b1は、支持体A134を構成する板状体の厚み寸法よりも幅寸法(矢印L,B方向寸法、図114(b)左右方向寸法)が大きな値に設定され(即ち、脚A134b1の断面形状の長方形状とし)、かかる脚A134b1が挿通されるプリント基板A119の孔が長方形状に形成される。これにより、脚A134b1の剛性を高めて、本体A133の傾倒を支持体A134により支持する際に、脚A134b1の基部(延設部A134bとの連結部分)が変形や破断することを抑制できる。
但し、脚A134b1の幅寸法を、厚み寸法と略同一の寸法としても良い。即ち、脚A134b1の断面形状を正方形状としても良い。
また、支持体A134の対向する2辺に補強部A134cが形成されることで、ベース部A134aの撓みやねじれを規制することができる。これにより、支持体A134全体としての剛性を高めて、本体A133を支持する機能を高められるので、本体A133のプリント基板A119に対する傾倒をより強固に規制(抑制)することができる。
次いで、図115から図119を参照して、基板ボックスA100の詳細構成について説明する。
図115(a)は、鍵A140がオフ位置に操作された状態における基板ボックスA100の部分拡大正面図であり、図115(b)は、鍵A140がオン位置に操作された状態における基板ボックスA100の部分拡大正面図であり、図116(a)は、図115(a)の矢印CXVIa方向視における基板ボックスA100の部分拡大側面図であり、図116(b)は、図115(b)の矢印CXVIb方向視における基板ボックスA100の部分拡大側面図である。
図117(a)は、図115(a)の切断線CXVIIa−CXVIIaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図117(b)は、図115(a)の切断線CXVIIb−CXVIIbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図118(a)は、図115(a)の切断線CXVIIIa−CXVIIIaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図118(b)は、図115(a)の切断線CXVIIIb−CXVIIIbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図である。
図119(a)は、図116(a)の切断線CXIXa−CXIXaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図119(b)は、図116(a)の切断線CXIXb−CXIXbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図である。
なお、図117から図119では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、内部構造を図示せず、断面に単一のハッチングを付して、スイッチ装置A120及びキー装置A130を模式的に図示する。
図115から図118に示すように、基板ボックスA100は、ボックスカバーA200の操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)から被覆部A270が突設され、その被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)を形成する端面壁部A272に開口A260が形成される。これにより、針金等の異物の先端を開口A260へ到達させ難くできる。
例えば、不正を行う者から開口A260が遮蔽物などにより視認できず、針金等の異物の先端を開口A260へ直接挿入することが困難な場合、針金等の異物の先端をボックスカバーA200(操作用壁部A210)の正面(外面、矢印F方向側の面)で摺動させて開口A260へ到達させる方法が行われる。
これに対し、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(外面)から突設されていることで、針金等の異物の先端を操作用壁部A210の正面(外面)で摺動させた場合、その針金等の異物の先端を被覆部A270の外面(周壁部A271の外周面)に突き当たらせて、それ以上の進行(摺動)を止めることができる。即ち、被覆部A270(周壁部A271)の外面を、針金等の異物の摺動を規制する壁として機能させることができる。その結果、開口A260から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
被覆部A270は、内部空間を有し、その内部空間に主制御装置A110のキー装置A130の先端側(一端側、矢印F方向側)の一部が収納される。即ち、キー装置A130の先端側の一部に被覆部A270が被さる。
これにより、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(端面壁部A272と端部A133cとの間の隙間、及び、周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(端面壁部A272と端部A133cとの間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、周壁部A271の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図117(a)及び図117(b)参照)。
キー装置A130は、略円柱形状の本体A133が、略直方体形状の外形を有する支持体A134に挿通されて形成される。この場合、支持体A134の幅寸法(図117(a)及び図117(b)の左右方向寸法)が被覆部A270(周壁部A271)の内径寸法(図117(a)及び図117(b)の左右方向寸法)よりも大きな値に設定される。
これにより、支持体A134の上面(矢印F方向側の面)を操作用壁部A210の内面(矢印B方向側の面)に対面させることができる。よって、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、支持体A134の上面。また、支持体A134の上面に突き当たって進行方向が変更された針金等の異物に対しては、各立設壁A291,A292,A293及び下壁部A203の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図117(a)及び図117(b)参照)。
被覆部A270の周壁部A271には、突部A271bが形成され、本体A133には、突部A133bが形成され、本体A133の基部A133aが周壁部A271の基部A271aの内周側(内側)に、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に、それぞれ収納される。
これにより、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)と突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)とを対面させることができる。よって、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により周方向に沿って形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間を周方向に沿って通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、突部A133bの周方向の外面、及び、突部A271bの周方向の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図118(a)参照)。
スイッチ装置A120は、突部A123bの外径寸法が、開口A250(ガイド壁A251の内縁)の最大の寸法(対角線の長さ)よりも大きくな値に設定される。これにより、突部A123bの上面(矢印F方向側の面)を操作用壁部A210の内面(矢印B方向側の面)に対面させることができる。よって、ガイド壁A251及び操作用壁部A210の内面とスイッチ装置A120の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A250から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(ガイド壁A251及び操作用壁部A210と操作部A122及び突部A123bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(ガイド壁A251と操作部A122との間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、突部A123bの上面。また、突部A123bの上面に突き当たって進行方向が変更された針金等の異物に対しては、各立設壁A281,A282,A283及び下壁部A203の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図118(a)及び図118(b)参照)。
上述したように、被覆部A270は、内部空間を有し、その内部空間に主制御装置A110のキー装置A130の先端側(一端側、矢印F方向側)の一部が収納される。即ち、キー装置A130の先端側の一部に被覆部A270が被さる。
これにより、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面とを鍵A140の差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)で対面させることができる。よって、例えば、キー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における鍵A140への他の部材の衝突などにより、鍵A140にその差し込み方向と直交する方向の外力が作用された場合に、被覆部170の内面にキー装置A130の外面を当接させて、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できる。
よって、上述したように、脚A131の破断や屈曲、プリント基板A119の孔からの脚A131の抜け、はんだの剥がれが発生することを抑制できる。その結果、キー装置A130が主制御装置A110(プリント基板A119)から脱落することや、キー装置A130(脚A131)の断線や接触不良が発生することを抑制できる。
被覆部A270には、その突設先端(矢印F方向側)に端面壁部A272が形成され、この端面壁部A272がキー装置A130の端部A133cに対面される。これにより、開口A260の面積(正面視(矢印B方向視)における開口A260の面積に加え、針金等の異物が通過する経路の断面積)を小さくできる。よって、針金等の異物が基板ボックスA100内へ挿入されて、主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる。
特に、被覆部A270の端面壁部A272は、円環部A272aの内縁の2箇所から角形部A272bが径方向内方へ延設される。即ち、被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)は、鍵A140の変位を許容する領域(鍵A140の変位軌跡に対応する領域)のみが開口し、被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)のうちの他の領域が全て端面壁部A272とされる。よって、開口A260の面積を最小として、針金等の異物を開口A260へ挿入し難くできる。また、端面壁部A272の内面とキー装置A130(端部A133c)の外面との対向面積を最大とできるので、開口A260から針金等の異物が挿入されたとしても、その針金等の異物を通過し難くできる。
このように、開口A260を異形(一対の扇形状を対向させて組み合わせた形状)とするために、端面壁部A272が、円環部A272aの内縁から一対の角形部A272bが張り出す比較的複雑な形状に形成される。この場合、端面壁部A272(円環部A272a及び角形部A272b)は、厚み寸法が一定の板状(基端が周壁部A271に固定され一端(延設先端)が自由な状態の片持ち梁状)に形成されるので、形状を簡素化して、その成形性を確保できる。その結果、歩留まりを向上させ、製品コストを低減できる。
ここで、被覆部A270に周壁部A271のみが形成され、端面壁部A272が形成されていない構成(即ち、周壁部A271の突設先端側(矢印F方向側)の内縁が開口A260とされる構成)であっても、鍵A140にその差し込み方向と直交する方向の外力が作用された場合に、周壁部A271の内面にキー装置A130の外面を当接させて、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できる。
これに対し、本実施形態では、被覆部A270の突設先端側(矢印F方向側)に端面壁部A272が形成され、その端面壁部A272の内縁(開口A260を形成する部分)に鍵A140を当接させることができる。即ち、上述した外力の作用によりキー装置A130が傾倒する際の支点(脚A131)からより遠い位置(鍵A140)を端面壁部A272に当接させることができる。その結果、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できると共に、ボックスカバーA200(被覆部A270)の破損を抑制できる。
また、本体A133の突部A133bと周壁部A271の突部A271bとが周方向に部分的に形成され、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に収納されるので、上述したように、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)と突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)とを対面させることができる(図118(a)参照)。
よって、例えば、キー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における鍵A140への他の部材の衝突などにより、鍵A140に回転方向の外力が作用された場合に、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)を突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)に当接させて、キー装置A130の回転(周方向の変位)を規制できる。
よって、上述したように、脚A131の破断や屈曲、プリント基板A119の孔からの脚A131の抜け、はんだの剥がれが発生することを抑制できる。その結果、キー装置A130が主制御装置A110(プリント基板A119)から脱落することや、キー装置A130(脚A131)の断線や接触不良が発生することを抑制できる。
ここで、例えば、スイッチ装置A120の操作部A122又はキー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における操作部A122又は鍵A140への他の部材の衝突などにより、操作部A122又は鍵A140に押し込み方向または差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)の外力が作用された場合、スイッチ装置A120、キー装置A130或いは鍵A140が傾倒し、それらの当接により、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)が変形して破損する虞がある。
これに対し、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A280,A290が立設され、これら立設壁A280,A290は、その立設先端面(矢印B方向側の面)がプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接される(図117(a)及び図117(b)参照)。
これにより、立設壁A280,A290が立設される(リブとして機能する)ことによる操作用壁部A210の剛性の向上に加え、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)として立設壁A280,A290を機能させることができる。その結果、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)の変形を抑制して、その破損を抑制できる。
また、外力の作用によりスイッチ装置A120又はキー装置A130が傾倒された場合には、それらスイッチ装置A120又はキー装置A130の外面を立設壁A280,A290の内面に当接させて、スイッチ装置A120又はキー装置A130の傾倒を抑制(規制)することができる。即ち、スイッチ装置A120又はキー装置A130に当接してその傾倒を抑制する部分を、操作用壁部A210又は被覆部A270だけでなく、立設壁A280,A290にも分担させ、その分、荷重を分散させることができる。この点からもボックスカバーA200の破損を抑制できる。
更に、立設壁A280,A290の立設先端面がプリント基板A119の正面に当接されていることで、開口A250,A260から挿入された針金等の異物がプリント基板A119まで達したとしても、かかる針金等の異物の先端が突き当たる壁(それ以上の進行を規制する壁)として立設壁A280,A290を機能させることができる。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)に不正が加えられることを抑制できる。
立設壁A280,A290は、下壁部A203と共に、スイッチ装置A120及びキー装置A130の周囲を取り囲む形態に形成される(図118(b)参照)。即ち、立設壁A280,A290の立設先端面(矢印B方向側の面)及び下壁部A203の座面A206とプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)とが当接する領域AS1,AS2は、略矩形枠状であって、無端の連続した形状(閉じた形状)として形成される(図114(a)参照)。
よって、針金等の異物が基板ボックスA100の内部へ侵入するための経路を立設壁A280,A290により遮断(分断)することができる。即ち、開口A250,A260から挿入された針金等の異物がプリント基板A119まで達したとしても、立設壁A280,A290及び下壁部A203により囲まれた空間よりも外への進行を規制することができる。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)に不正が加えられることを抑制できる。
また、立設壁A280,A290が、下壁部A203と共に、スイッチ装置A120及びキー装置A130の周囲を取り囲む形態で形成されることで、立設壁A280,A290が立設される(リブとして機能する)ことによる操作用壁部A210の剛性をより向上させることができるだけでなく、操作部A122又は鍵A140に作用される外力の方向によらず(即ち、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面内のいずれの方向の外力が作用した場合であっても)、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を確実に発揮させることができる。その結果、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)の変形を抑制して、その破損を抑制できる。
なお、第1立設壁A291は、オフ位置にある鍵A140に対しては直交し、オン位置にある鍵A140に対しては平行となる姿勢で配設され、第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、オン位置にある鍵A140に対しては直交し、オフ位置にある鍵A140に対しては平行となる姿勢で配設される。よって、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を立設壁A290に能率的に発揮させることができる。
即ち、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向への外力のうち、矢印U,D方向または矢印L,R方向の外力が鍵A140に作用される場合に、立設壁A290の受ける荷重(立設壁A290が支持部として発揮すべき耐荷重)が最大となる一方、矢印U,D方向または矢印L,R方向と所定の角度だけ傾斜する方向の外力が作用される場合には、その外力の作用方向の傾斜により、鍵A140が回転される可能性が高く、その回転で外力が逃げる分、立設壁A290の受ける荷重(立設壁A290が支持部として発揮すべき耐荷重)は低くなる。その結果、立設壁A290の姿勢を上述の配置とすることで、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を立設壁A290に能率的に発揮させることができる。
立設壁A280,A290(第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293)は、下壁部A203に連結されるので、ボックスカバーA200の剛性を利用して、立設壁A280,A290の剛性を高めることができると共に、立設壁A280,A290を介した操作用壁部A210及び下壁部A203の内面どうしの連結により、ボックスカバーA200全体の剛性を高めることができる。よって、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての立設壁A280,A290の機能を高めることができる。その結果、ボックスカバーA200の破損を抑制できる。
プリント基板A119は、電子部品をはんだにより接続する面が、ボックスベースA300に対面する側(スイッチ装置A120やキー装置A130が搭載される面と反対側)の面とされ、また、立設壁A280,A290の立設先端面および下壁部A203の座面A206が当接される領域AS1,AS2には(図114(a)参照)、電子部品が搭載または回路が形成されず、かかる領域AS1,AS2が平坦な面として形成される。
よって、立設壁A280,A290の立設先端面(矢印B方向側の面)をプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に密着させやすくして、それら立設壁A280,A290とプリント基板A119との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、立設壁A280,A290を、開口A250,A260から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として確実に機能させることができる。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293は、テーパ面A280a,A290aが形成されることで、立設先端面(矢印B方向側の面)の面積が小さくされる(図117及び図118参照)。これにより、プリント基板A119へ当接させた立設先端面における面圧を高めて、プリント基板A119と立設壁A280,A290との間から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
この場合、テーパ面A280a,A290aは、立設壁A280,A290の立設先端側の内面(スイッチ装置A120やキー装置A130に対面する側の面)に形成されるので、成形性の向上を図りつつ、基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
即ち、立設先端側(矢印B方向)へ向かうに従って外面側へ漸次近接する傾斜面(テーパ面A280a,A290a)により立設先端面の面積を小さくすることで、立設壁A280,A290の形状変化を緩やかとして、成形型内での樹脂の流動性を確保できる。よって、成形性を向上できる。
更に、立設壁A280,A290の立設先端面がプリント基板A119の正面に当接されると、テーパ面A280a,A290aとプリント基板A119の正面とにより断面略V字状の溝を形成できる(図117(a)及び図117(b)参照)。よって、開口A250,A260から挿入された針金等の異物の先端を、上述した溝に沿って移動(誘導)することができる。即ち、立設壁A280,A290の立設先端面とプリント基板A119の正面との間を通過(間に侵入)させ難くできる。よって、基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212が突設される。これら第1突条A211及び第2突条A212の一端が被覆部A270(周壁部A271の基部A271a又は突部A271b)の外周面(外面)に連結される(図115(a)及び図115(b)参照)。
これにより、第1突条A211及び第2突条A212を剛性を高めるためのリブとして機能させて、被覆部A270を第1突条A211及び第2突条A212により支えることができる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130の外面が被覆部A270の内面に当接された際に、各突条A211,222の剛性を利用して、スイッチ装置A120やキー装置A130の傾倒をより確実に抑制できると共に、被覆部A270の破損を抑制できる。
また、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212の他端に隣接する位置(他端の延長線上)に表示部(「ON」及び「OFF」)がそれぞれ形成される。これにより、表示部が表示する所定の情報に対応する位置を指し示すための指示線としての機能を第1突条A211及び第2突条A212に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを低減できる。
この場合、第1突条A211の一端が被覆部A270(周壁部A271の突部A271b)の外周面(外面)に連結される位置は、オフ位置にある鍵A140の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)と同じ位相位置(鍵A140の端面と対向する位置)とされ(図115(a)参照)、第2突条A212の一端が被覆部A270(周壁部A271の基部A271a)の外周面(外面)に連結される位置は、オン位置にある鍵A140の端面と同じ位相位置とされる(図115(b)参照)。
これにより、オフ位置にある鍵A140に外力が作用して、その鍵A140が矢印U方向側の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)を被覆部A270(端面壁部A272)へ当接させる方向(矢印U方向)へ傾倒される際には、その鍵A140から入力される荷重の延長線上に第1突条A211が位置し(図115(a)参照)、オン位置にある鍵A140に外力が作用して、その鍵A140が矢印L方向側の端面を被覆部A270(端面壁部A272)へ当接させる方向(矢印L方向)へ傾倒される際には、その鍵A140から入力される荷重の延長線上に第2突条A212が位置する(図115(b)参照)。
その結果、外力の作用によりキー装置A130が傾倒される際に鍵A140の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)から荷重が入力される部分(鍵A140の端面が当接される部分)を第1突条A211及び第2突条A212により効率的に補強することができる。その結果、被覆部A270の破損を抑制できる。
なお、オフ位置にある鍵A140に上述した場合と逆方向への外力(鍵A140を矢印D方向へ変位させる力)が作用することは、第2接続壁部A230により抑制でき(図115(a)参照)、オン位置にある鍵A140に上述した場合と逆方向への外力(鍵A140を矢印R方向へ変位させる力)が作用することは、第1接続壁部A220により抑制でき(図115(b)参照)。
即ち、後述するように、操作用壁部A210が正面視横長の長方形に形成され、かかる操作用壁部A210(第2領域)における短手方向(矢印U,D方向)の他側(矢印D方向側)が開放(接続壁が非形成)とされる。また、キー装置A130が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に位置され、キー装置A130から第3接続壁部A240までの距離が大きくされる。
そのため、開放側の空間、及び、第3接続壁部A240側の空間があることで、それらの空間側にある作業者の手や他の構成が鍵A140に衝突して、鍵A140を矢印D方向または矢印L方向へ変位させる外力が作用されやすい。よって、かかる外力に対してのキー装置A130の傾倒を抑制する側(受け止める側)に第1突条A211及び第2突条A212を形成することで、材料コストの低減と、剛性の確保とを効率的に行うことができる。
端面壁部A272の角形部A272bは、上述したように、位相を略180度異ならせた2箇所に配設され、正面視(矢印B方向視)略三角形状に形成される。この場合、角形部A272bの三角形状における2辺(外縁、開口A260を形成する縁部)の長さ寸法が異なる値に設定される(即ち、正面視形状が不等辺三角形として形成される)。
詳細には、オフ位置にある鍵A140に対し、第1接続壁部A220に近い側にある角形部A272bは、鍵A140の把持面(指で把持する面)に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が長く(大きく)され、オフ位置にある鍵A140に対し、第1接続壁部A220から遠い側(鍵A140を挟んで反対側)にある角形部A272bは、鍵A140の把持面に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が短く(小さく)される(図115(a)参照)。
よって、言い換えると、第1接続壁部A220に近い側にある角形部A272bは、オン位置にある鍵A140の把持面(指で把持する面)に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が短く(小さく)され、第1接続壁部A220から遠い側にある角形部A272bは、オン位置にある鍵A140の把持面に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が長く(大きく)される(図115(b)参照)。
上述したように、開放側の空間、及び、第3接続壁部A240側の空間があることで、それらの空間側にある作業者の手や他の構成が鍵A140に衝突して、鍵A140を矢印D方向または矢印L方向へ変位させる外力が作用されやすいところ、本実施形態における角形部A272bによれば、かかる矢印D方向または矢印F方向の外力が作用された鍵A140を受け止める側の辺(外縁)の長さ寸法が長くされるので、角形部A272bの剛性を効率的に高め、鍵A140(キー装置A130)の傾倒を確実に抑制できる。また、面圧を抑制して、角形部A272bの破損を抑制できる。
基板ボックスA100の正面側の外面(矢印F方向側の面)は、正面壁部A201により形成される第1領域と、その第1領域よりも主制御装置A110に近い側に位置し操作用壁部A210により形成される第2領域とから形成され、第2領域に開口A250,A260が形成される。
これにより、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の外面(正面壁部A201により形成される第1領域)から奥まった位置に開口A250,A260を配置すると共に、第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)を開口A250,A260の周りに配置することができる。これにより、正面壁部A201(第1領域)に開口A250,A260が形成される場合と比較して、不正を行う者に対して、開口A250,A260までの距離を遠くすることができると共に、開口A250,A260を視認し難くして、針金等の異物の先端を開口A260へ直接挿入することを困難とできる。
ここで、基板ボックスA100は、主制御装置A110からの放熱を考慮すると、主制御装置A110との間の距離(例えば、プリント基板A119の正面とボックスカバーA200の内面との間の距離(内部空間))を確保する必要がある。一方で、スイッチ装置A120やキー装置A130から開口A250,A260が離れすぎると、操作性が悪化する。
この場合、操作用壁部A210(第2領域)に開口A250,A260が形成されることで、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性を確保しやすくできると共に、上述したように、開口A250,A260から基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。しかしながら、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際に第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に作業者(操作者)の手が干渉して操作の邪魔になる。そのため、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際の操作性が悪化する。
これに対し、本実施形態では、第1接続壁部A220が、正面壁部A201から操作用壁部A210へ向かうに従って主制御装置A110へ近接する方向に傾斜(下降傾斜)して形成されるので、かかる傾斜の分(第1接続壁部A220の正面側の空間の分)、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)の空間を拡大できる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
操作用壁部A210(第2領域)は、正面視(矢印B方向視)において、一方向(矢印L,R方向)に沿う長さ寸法が、一方向に直交する他方向(矢印U,D方向)に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形(横長の長方形)の領域として形成される(図115(a)及び図115(b)参照)。
キー装置A130は、オフ位置にある鍵A140の姿勢が、上述した他方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢となるように配置される(図115(a)参照)。即ち、オフ位置にある鍵A140は、指で把持する面が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に臨み、正面視(矢印B方向視)における鍵A140の長手方向が操作用壁部A210(第2領域)の短手方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢とされる。
これにより、オフ位置にある鍵A140の指で把持する面が望む側(図115(a)の右側および左側)に空間を確保することができる。よって、鍵A140をキー装置A130に差し込む又はキー装置A130から引き抜く際に、鍵A140を把持する手指(例えば、親指と人差し指)が第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に干渉することを抑制できる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
この場合、キー装置A130は、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に位置されるところ、上述した通り、第1接続壁部A220が下降傾斜して形成されるので、鍵A140を手指で把持して操作(オフ位置からオン位置へ回転、又は、その逆へ回転)させる際に、鍵A140を把持する手指とは異なる手指が第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に干渉することを抑制できる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
例えば、オフ位置にある鍵A140を人差し指と親指で把持する際には、小指や薬指を、第1接続壁部A220の下降傾斜により確保された空間を利用して配置でき、オフ位置からオン位置へ鍵A140を操作(回転)させる際には、小指や薬指を、第1接続壁部A220の下降傾斜により確保された空間を利用して変位(移動)させることができる。
また、オン位置にある鍵A140を人差し指と親指で把持する際には、小指や薬指を、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形に形成すると共にキー装置A130を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側に位置させることにより操作用壁部A210の正面側に確保された長手方向他側(矢印R方向側)の空間を利用して配置でき、オフ位置からオン位置へ鍵A140を操作(回転)させる際には、小指や薬指を、上述した長手方向他側(矢印R方向側)の空間を利用して変位(移動)させることができる。
なお、スイッチ装置A120は、初期位置にある操作部A122の突設先端面(矢印F方向側の面)の位置(操作用壁部A210からの立設高さ)が、被覆部A270の突設先端面(端面壁部A272の正面、矢印F方向側の面)の位置(操作用壁部A210からの立設高さ)よりも低い位置(小さい寸法)に設定される。よって、鍵A140を操作する際の操作部A122と手指との干渉を抑制できる。
操作用壁部A210(第2領域)には、長手方向の一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側9の両側に接続面(第1接続壁部A220及び第3接続壁部A240)が形成され、短手方向の一側(矢印U方向側)には接続面(第2接続壁部A230)が形成される一方、短手方向の他側(矢印D方向側)には接続面が非形成とされる。
これにより、操作用壁部A210(第2領域)における短手方向の他側(矢印D方向側)を開放させることができる。即ち、かかる開放により、操作用壁部A210(第2領域)の正面側の空間と外部の空間と連通させることができる。よって、鍵A140を手指で把持して操作(キー装置A130への差し込み、キー装置A130からの引き抜き、オフ位置からオン位置への回転、又は、その逆の回転)を行う際に、鍵A140を把持した手指(例えば、親指と人差し指)とは異なる手指(小指や薬指)を配置すると共に変位(移動)させるための空間として、上述した開放に連通された空間(外部の空間)を利用することができる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
ここで、上述したように、基板ボックスA100は、主制御装置A110からの放熱を考慮すると、主制御装置A110との間の距離(例えば、プリント基板A119の正面とボックスカバーA200の内面との間の距離(内部空間))を確保する必要がある。
この場合、正面壁部A201(第1領域)と操作用壁部A210(第2領域)とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)は、第1接続壁部A220が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜される一方、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240は、正面壁部A201(第1領域)及び操作用壁部A210(第2領域)に対して略直交する形態に形成される。
即ち、第1接続壁部A220を下降傾斜させることにより、手指との干渉を抑制して、キー装置A130の操作性の向上を図りつつ、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240を非傾斜とすることで(下降傾斜させるものを第1接続壁部A220のみとすることで)、主制御装置A110からの放熱に対応するための基板ボックスA100の内部空間の体積を確保できる。
このように、第1接続壁部A220のみを下降傾斜させ、他(第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)を非傾斜としても、手指との干渉を抑制することができたのは、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形状とし、且つ、その操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側(第1接続壁部A220側)にキー装置A130を近接させて配置する構成の採用による。
なお、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向他側(第1接続壁部A220と反対側)に第3接続壁部A240が形成されることで、かかる第3接続壁部A240によりスイッチ装置A120やキー装置A130(鍵A140)を保護することができる。例えば、製造時に基板ボックスA100をハンドリングするロボットアームがスイッチ装置A120やキー装置A130に衝突することを抑制できる。
図120は、パチンコ機A10の正面斜視図であり、外枠11に対して内枠12を開放した状態が図示される。なお、図120では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、構成の一部(例えば、主制御装置A110に接続される各種の電気的接続線)の図示が省略されると共に、主要な構成のみに符号が図示される。
図120に示すように、パチンコ機A10は、上述したように、内枠12を外枠11に支持するためのヒンジ18(回転軸)が正面視左側の上下2カ所に取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に外枠11に支持される。
ここで、ヒンジ18を開閉の軸として内枠12が正面手前側に開放された状態において、その解放角度を十分に大きくすることができる場合(例えば、図120に示すように、略90度程度の開放角度を確保できる場合)には、作業者は、基板ボックスA100の正面に対面する位置に立つことで、上述した要領(図115から図119で説明した要領)でスイッチ装置A120やキー装置A130を操作でき、その操作性を確保できる。
一方、その解放角度を十分に大きくすることができない場合(例えば、開放角度が略45度程度しか確保できず、その開放により内枠12の背面側に形成された空間へ外枠11と内枠12との間から手を差し入れて、キー装置A130を操作する必要がある場合)であっても、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性が確保される。
即ち、基板ボックスA100は、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(例えば、図115(a)における矢印R,L方向)をヒンジ18(回転軸)の軸方向と略直交する方向へ向けると共に短手方向(図115(a)における矢印U,D方向)をヒンジ18(回転軸)の軸方向と略平行となる方向へ向け、長手方向一側(図115(a)の矢印L方向側)をヒンジ18側に位置させる姿勢で配設される。よって、キー装置A130よりもヒンジ18に近い側に第1接続壁部A220が、キー装置A130よりもヒンジ18から遠い側にスイッチ装置A120が、それぞれ配置される。
これにより、操作用壁部A210(第2領域)と同じ高さ位置において、外枠11と内枠12との間から内枠12の背面(基板ボックスA100の正面)へ手を差し入れると、親指および親指の付け根付近の手のひらを、キー装置A130と第3接続壁部A240との間の空間(即ち、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形に形成すると共にキー装置A130を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側に位置させることにより操作用壁部A210の正面側に確保された長手方向他側(矢印R方向側)の空間)を利用して配置できる。
このように配置した状態であれば、スイッチ装置A120に対しては、親指または人差し指で操作部A122を操作する(押し込む)ことができ、キー装置A130に対しては、鍵A140を回転させる際に、鍵A140を把持する親指および人差し指を変位(移動)させる空間として、第1接続壁部A220を下降傾斜させて確保された空間を利用できる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性を確保できる。
なお、基板ボックスA100を、図120に示す状態から回転軸A410を回転中心として回転させた状態で、上述した設定変更(スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作)を行っても良い。スイッチ装置A120及びキー装置A130をより前面側(外枠11の正面側)に位置させることができるので、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作性を向上できる。
ヒンジ18を開閉の軸として内枠12が正面手前側に開放された状態において、更に、基板ボックスA100を、回転軸A410を開閉の軸として正面手前側(図120紙面手前側)に開放させても良い。これにより、作業者が、外枠11と干渉しない位置において、基板ボックスA100の正面に対面する位置に立つことができ、上述した要領(図115から図119で説明した要領)でスイッチ装置A120やキー装置A130を操作でき、その操作性を確保できる。
この場合、主制御装置A110(入出力ポート205)には、開口AOP1〜AOP8を介して、各種装置(電源装置115、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、図4参照)に一端が接続される電気的接続線の他端(コネクタ)がそれぞれ接続される。
ここで、これら電気的接続線の主制御装置A110への接続状態に関わらず、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を許容すれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作されやすくなる虞がある一方、複数の電気的接続線の接続状態に関わらずスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を一律に禁止すれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作に伴う作業(設定変更)の作業性の悪化を招く虞がある。
これに対し、本実施形態では、電気的接続線の主制御装置A110との接続状態に応じてスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作可否が変更される。これにより、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
具体的には、本実施形態では、複数の電気的接続線の内の少なくとも電源装置115及び音声ランプ制御装置113に一端が接続される電気的接続線の他端(コネクタ)が主制御装置A110(入出力ポート205)に接続されていれば、他の電気的接続線の接続状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が許容される。これにより、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
即ち、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていなければ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が禁止されるので、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が不正に操作されることを抑制できる。
一方で、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)の主制御装置A110への接続が確保され、不正が抑制できる場合には、その他の電気的接続線(払出制御装置111、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、及び、第2図柄保留ランプ84を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110から解除されて(抜かれて)いても、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)を許容することで、作業性の向上(汎用性の確保)を図ることができる。
即ち、主制御装置A110を、回転軸A410を開閉の軸として正面手前側(図120紙面手前側)に開放させる場合には、主制御装置A110を回転させるために(電気的接続線に主制御装置A110の回転が制限されないように)、電気的接続線を解除する(抜き取る)必要がある。
そのため、全ての電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定の変更)が許容されない構成では、主制御装置A110を所定位置(スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が行い易い位置)まで回転させて後に、主制御装置A110から解除した(抜いた)電気的接続線を、主制御装置A110に接続し直す必要がある。
特に、主制御装置A110が変位(回転)により内枠12の背面から離間されており、電気的接続線の長さが不足する場合には、延長線を介在させて、解除した(抜いた)電気的接続線を、主制御装置A110に接続し直す必要があり、手間が嵩む。
これに対し、本実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定の変更)が許容されるので、他の電気的接続線(払出制御装置111、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、及び、第2図柄保留ランプ84を主制御装置A110に接続する電気的接続線)を、延長線を介在させて、接続し直す(再接続する)ことを不要とできる。
その結果、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作がし易い位置へ主制御装置A110を配置可能としつつ、手間を抑制して、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)に伴う作業性を向上できる。
次いで、図121を参照して、第8実施形態における基板ボックスA2100について説明する。第7実施形態では、端面壁部A272の背面全体が平坦面として形成される場合を説明したが、第8実施形態における端面壁部A2272には、その背面から突条A2273が突設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図121(a)は、第8実施形態における基板ボックスA2100の部分拡大背面図であり、図121(b)は、図121(a)の切断線CXXIb−CXXIbにおける基板ボックスA2100の部分拡大断面図である。
なお、図121(a)は、図110(b)に対応する。また、図121(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、断面視される部位のみが図示される。
図121に示すように、第8実施形態の被覆部A2270における端面壁部A2272には、その背面(内面、矢印B方向側の面)から突条A2273が突設される。突条A2273は、略半円の断面形状を維持しつつすじ状に延設される部位(突条)であり、端面壁部A2272の外縁(周壁部A271から径方向内側へ張り出す張り出し方向先端側の縁部)に沿って所定の範囲に形成される。
詳細には、突条A2273が形成される範囲は、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)に対面(対向)する位置であって、角形部A272bの外縁に沿う範囲(位置AP2を含む位置AP1と位置AP3との間の範囲、及び、位置AP5を含む位置AP4と位置AP6との間の範囲)と、角形部A272bを挟んで一方側(周壁部A271から径方向内方への張り出し寸法が大きい側)の円環部A272aの内縁に沿う範囲(位置AP3と位置AP4との間の範囲)とに設定され、この範囲(位置AP1と位置AP6との間の範囲)で連続して形成される。
突条A2273の端面壁部A2272(円環部A272a及び角形部A272b)の背面からの突設寸法は、位置AP3と位置AP4との間の範囲で一定の値に設定され、位置AP3から位置AP2へ向かうに従って漸次大きな値に変化されると共に、位置AP2から位置AP1へ向かうに従って漸次小さな値に変化され、位置AP2では位置AP3と同じ値に設定される。同様に、かかる突設寸法は、位置AP4から位置AP5へ向かうに従って漸次大きな値に変化されると共に、位置AP5から位置AP6へ向かうに従って漸次小さな値に変化され、位置AP6では位置AP4と同じ値に設定される。また、位置AP2と位置AP5とは同じ値(突設寸法)に設定される。
このように、端面壁部A2272に突条A2273が突設されることで、端面壁部A2272の剛性を高めることができる。よって、キー装置A130に差し込まれた鍵A140にその差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)の力が作用され、キー装置A130の傾倒に伴い、鍵A140が端面壁部A2272の内縁に当接される際に、端面壁部A2272が破損することを抑制できる。
突条A2273は、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)に対面(対向)する位置に形成されるので、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間を小さくして、かかる隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることを抑制できる。
ここで、本実施形態では、突条A2273は、位置AP3と位置AP4との間の範囲における突設寸法が、端面壁部A2272の背面とキー装置A130の本体A133における端部A133cの正面との間の対向間隔と略同等の値に設定される。よって、突条A2273の突設先端(矢印B方向側)が、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)の正面に当接される。
これにより、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間を無くして、かかる隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることを抑制できる。
特に、位置AP2,AP5では、突条A2273の突設寸法が大きな値に設定されるので、外縁側が自由な状態の板状(片持ち梁)として形成される角形部A272bの弾性変形を利用して、位置AP1から位置AP3の範囲、及び、位置AP4から位置AP6の範囲における突条A2273をキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面に強固に密着させることができる。これにより、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることをより確実に抑制できる。
また、このように、突条A2273の突設先端(矢印B方向側)が、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)の正面に当接されていることで、キー装置A130に鍵A140を差し込む際に、誤って端面壁部A2272が鍵A140によって差し込み方向へ押されても、その差し込み方向へ端面壁部A2272が変形することを抑制できる。よって、端面壁部A2272の基端側(周壁部A271に連結される側)が破損することを抑制できる。
次いで、図122を参照して、第9実施形態における基板ボックスA3100について説明する。第7実施形態では、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも回転軸A410に近い側(矢印R方向側)にスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される場合を説明したが、第9実施形態におけるスイッチ装置A120及びキー装置A130は、基板ボックスA3100(ボックスカバーA3200)の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側に配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図122(a)は、第9実施形態における基板ボックスA3100の正面図であり、図122(b)は、パチンコ機A3010の正面模式図である。なお、図122(b)では、基板ボックスA3100を可動範囲(回転可能範囲)のうちの最大可動位置(第2の位置)まで変位(回転)させた状態が図示される。また、図122(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが模式的に図示される。
ここで、第9実施形態における基板ボックスA3100は、第7実施形態における基板ボックスA100に対し、操作用壁部A210の形成位置、及び、その操作用壁部A210における開口A260(被覆部A270、キー装置A130)及び開口A250(ガイド壁A251、スイッチ装置A120)の配置が異なる一方、その他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
図122に示すように、第9実施形態における基板ボックスA3100は、操作用壁部A210がボックスカバーA3200の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側(矢印L方向側)に形成され、その操作用壁部A210の3辺が、第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240により正面壁部A201に接続される。
操作用壁部A210には、開口AOP1、開口A260(被覆部A270)及び開口A250(ガイド壁A251)が形成され、それら開口A250,A260を介して、スイッチ装置A120及びキー装置A130が操作可能とされる。
この場合、本実施形態では、スイッチ装置A120が、キー装置A130よりも、回転軸A410から遠い側(第1接続壁部A220に近い側、矢印L方向側)に配置される。即ち、第7実施形態における配置と逆の配置とされる。
ここで、基板ボックスA3100は、回転軸A410を回転中心として回転される際の可動範囲(回転可能範囲)が、内枠12の背面側に配置される第1の位置(遊技時に配設される位置、図120参照)から、内枠12の背面から離間する方向へ変位(回転)され、ボックスカバーA3200(操作用壁部A210)の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く第2の位置(即ち、第3図柄表示装置81の表示面と同じ側を向く位置、図122(b)参照)までの略180°の範囲に設定される。
これにより、第3図柄表示装置81に表示される情報(例えば、設定変更に関する情報、設定値)を視認しながらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作できる位置に基板ボックスA3100を配置する(変位させる)ことができる。その結果、表示(情報)を確認しながら操作できるので、表示(情報)に基づいて、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作状態を把握しやすくできる。その結果、操作性を向上できると共に、操作間違いを抑制できる。
一方、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を行わない状態では、パチンコ機A3010(内枠12)の背面側(即ち、外部から視認され難い位置、図120参照)に配置できるので、不正が施される(スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作される)ことを抑制できる。
特に、本実施形態では、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とが同じ方向(矢印B方向)を望む姿勢(本実施形態では、両面が略平行となる姿勢)となる位置に基板ボックスA3100を変位(回転)させることができる。なお、操作用壁部A210の正面と、第3図柄表示装置81の表示面とがなす角度は、略0°から略45°の範囲に設定されることが好ましい。
即ち、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とを同時に視認可能となる位置に、基板ボックスA3100を変位(回転)させることができる。その結果、第3図柄表示装置81を視認しつつ、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作するために、手をパチンコ機A3010の背面側に回り込ませるといった無理な姿勢を取る必要を無くすことができる。
その結果、第3図柄表示装置81に表示される情報(例えば、設定変更に関する情報)を確認しながらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作する作業をより行い易くでき、操作性の向上と操作間違いの抑制とをより確実に達成できる。
また、上述したように、操作用壁部A210がボックスカバーA3200の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側(矢印L方向側)に形成され、その操作用壁部A210にスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される。
これにより、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とを同時に視認可能となる位置に基板ボックスA3100を変位(回転)させた状態において(図122(b)参照)、スイッチ装置A120及びキー装置A130をパチンコ機A10(内枠12)の外縁からより遠い位置(図122(b)右側)に配置できる。よって、スイッチ装置A120(操作部A122)及びキー装置A130(鍵A140)を操作する手指がパチンコ機A10(内枠12)の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
ここで、設定変更モードでは、スイッチ装置A120(操作部A122)の押し込み動作を繰り返し行う必要があり、キー装置A130よりもスイッチ装置A120の操作頻度が高くされる。
これに対し、本実施形態では、キー装置A130と比較して操作頻度が高いスイッチ装置A120が、キー装置A130よりも回転軸A410から遠い側(即ち、第1接続壁部A220に近い側)に配設される。これにより、操作頻度の高いスイッチ装置A120をパチンコ機A10(内枠12)の外縁からより遠い位置(図122(b)右側)に配置できる。よって、スイッチ装置A120(操作部A122)を操作する手指がパチンコ機A10(内枠12)の外縁と干渉することをより確実に抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
更に、スイッチ装置A120が第1接続壁部A220に隣接して配設されるので、第1接続壁部A220の傾斜により形成される空間も、スイッチ装置A120(操作部A122)を操作する際の空間(手指とボックスカバーA3200との干渉を避けるための空間)として利用できる。その結果、この点からも操作性を向上できる。
ここで、第9実施形態におけるパチンコ機A3010は、基板ボックスA3100が上述した第2の位置(操作用壁部A210の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く位置、図122(b)参照)まで変位(回転)されると、基板ボックスA3100に係合して、かかる基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)を規制(即ち、基板ボックスA3100を第2の位置に固定)する規制手段を備える。これにより、スイッチ装置A120及びキー装置A130を操作する際に、基板ボックスA3100を手で保持する必要がないので、操作性を向上できる。
なお、規制手段としては、磁石の磁力(吸着力)を利用して、基板ボックスA3100を第2の位置に固定(保持)するもの(吸着力を越える力が作用されることで、第1の位置へ向かう方向への変位(回転)が許容されるもの)、弾性変形された付勢手段(例えば、コイルばね)の弾性回復力により突出位置に配置される突出部材を備え、突出位置に配置された突出部材が、第2の位置に配置された基板ボックスA3100に係合し、基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)を規制するもの(突出位置から付勢手段の付勢力に抗して突出部材を没入させると、基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)が許容されるもの)などが例示される。
次いで、図123を参照して、第10実施形態における基板ボックスA4100について説明する。第7実施形態では、基板ボックスA100の回転軸A410がパチンコ機A10の上下方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢で配置される場合を説明したが、第10実施形態における回転軸A4410は、パチンコ機A4010の幅方向(左右方向、矢印L,R方向)に沿う姿勢で配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図123(a)は、第10実施形態における基板ボックスA4100の正面図であり、図123(b)は、パチンコ機A4010の正面模式図である。なお、図123(b)では、基板ボックスA4100を可動範囲(回転可能範囲)のうちの最大可動位置(第2の位置)まで変位(回転)させた状態が図示され、第1の位置に変位(回転)された基板ボックスA4100が破線で図示される。また、図123(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが模式的に図示される。
ここで、第10実施形態における基板ボックスA4100は、第7実施形態における基板ボックスA100に対し、回転軸A4410の配置(配設位置および向き)と配設数とが異なる一方、その他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
図123に示すように、第10実施形態における基板ボックスA4100は、封印ユニットA400及びサブカバーA500のそれぞれから互いに離間する方向へ突設される一対の回転軸A4410を備える。一対の回転軸A4410は、基板ボックスA4100の短手方向(矢印U,D方向)一側(操作用壁部A210と反対側、矢印U方向側)に位置し、基板ボックスA4100の長手方向(矢印L,R方向)両端からその基板ボックスA4100の長手方向に沿って外方へ突出する姿勢で形成される。また、一対の回転軸A4410は同軸上に配置される。
ここで、基板ボックスA4100は、回転軸A4410を回転中心として回転される際の可動範囲(回転可能範囲)が、内枠12の背面側に配置される第1の位置(遊技時に配設される位置、図123(b)に破線で示す位置)から、内枠12の背面から離間する方向(矢印B方向)へ変位(回転)され、ボックスカバー4200(操作用壁部A210)の正面が鉛直方向上方(矢印U方向)を向く第2の位置(即ち、基板ボックスA4100が内枠12の背面側へ最も張り出す位置、図123(b)参照)までの略90°の範囲に設定される。
これにより、第2の位置においては、操作用壁部A210を上方へ向けると共に、その解放側(第2接続壁部A230と反対側)を作業者が居る側へ向けることができ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作性を向上できる。
一方、第1の位置においては、操作用壁部A210の正面を、内枠12に配設される別部品の背面に対面させることができる。よって、スイッチ装置A120及びキー装置A130に別部品を対面させ、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作し難い位置に配置できる。その結果、不正が施される(スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作される)ことを抑制できる。
また、本実施形態では、キー装置A130に鍵A140が差し込まれた状態では、基板ボックスA4100が第1の位置へ向けて変位(回転)されても、内枠12の別部材に鍵A140が当接されることで、基板ボックスA4100を第1の位置に配置不能に形成される。これにより、鍵A140の抜き忘れを抑制できる。よって、抜き忘れた鍵A140が不正に取得されることを抑制できる。
特に、本実施形態では、基板ボックスA4100は、第2の位置が第1の位置よりも重力方向(鉛直方向)下方に位置されるため、上述のように、キー装置A130に鍵A140が差し込まれた状態で、基板ボックスA4100が第1の位置へ向けて変位(回転)された場合には、その後、基板ボックスA4100をその自重により第2の位置へ変位(回転)させることができる。よって、作業者に、基板ボックスA4100が第1の位置へ配置不能な状態にあることを認識させやすくできる。
なお、別部材は、基板ボックスA4100が第1の位置に変位(回転)された状態において、その別部材の一部が、ボックスカバー4200の正面壁部A201よりも操作用壁部A210の正面側へ入り込む形状とされることが好ましい。これにより、操作用壁部A210の正面側に形成される空間を小さくして、スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作されることを抑制できる。
図124から図143を参照して、第11実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技領域に配設される可変入賞装置65が特別遊技状態において開放され、遊技球が入球し易くなる入賞口(特定入賞口65)が1個である場合を説明したが、第11実施形態の可変入賞装置B1000では、特別遊技状態において遊技球が入球し易くなる入賞口が複数配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図124は、第11実施形態における遊技盤13の正面図である。遊技盤13の正面を球(以下、遊技球やパチンコ球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。
遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置B1000普通入賞口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置B1000、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図124を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図124の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002への入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開放パターンが異なって構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行しても良い。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が特別図柄の抽選の回数に応じて終了するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、所定の大当たり種別(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa)の大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するようにしても良い。この場合、他の大当たり種別(例えば、後述する大当たりC、大当たりb、大当たりc)の大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成しても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、「通常状態」とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態、下端部を軸に回転先端が右側へ移動し傾倒姿勢とされる状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態、回転先端が第2入賞口640側(左側)に寄って起立している状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図124の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、第1入賞口64、または第2入賞口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入賞口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入賞口64、および第2入賞口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりa、大当たりb、大当たりc)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」とも称す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入賞口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83と、普通入賞口67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプ84と、が設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置は液晶ディスプレイを備える装置に限られるものではなく、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりb」、「大当たりc」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりA」、「大当たりa」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大の利益を獲得できる大当たり(大当たりa)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入賞口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
本実施形態では、右打ちを行っているか否かの判断方法として、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)67(図124参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)67(図124参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置B1000に負荷を与えて第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の最上位置(図124における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
次に、可変入賞装置B1000において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、可変入賞装置B1000の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球を検出した場合などが例示される。
可変入賞装置B1000において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の右側において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。
球の普通入賞口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入賞口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入賞口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数の関係をその逆にしても良い。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。
よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(出球)が得られる大当たり(大当たりA、大当たりa)となる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側(第2入賞口640の下方左側)には、可変入賞装置B1000が配設されており、その略上下中央部分に左右方向に開口される第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002が設けられている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64、または第2入賞口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002は、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が所定時間開放される。この第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002の開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
遊技盤13には、第1入賞口64の下方にアウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,640,B1001,B1002にも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
可変入賞装置B1000は、具体的には、前後方向のスライド移動により球を第1特定入賞口B1001へ案内する開放状態を構成する第1案内板B1300と、その第1案内板B1300を動作させる第1ソレノイドB1410と、前後方向のスライド移動により球を第2特定入賞口B1002へ案内する開放状態を構成する第2案内板B1500と、その第2案内板B1500を動作させる第2ソレノイドB1610と、を備えている。
第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002は、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態になっている。大当たりの際には、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610を駆動して第1案内板B1300又は第2案内板B1500を前後方向にスライド移動させ、球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。
次いで、可変入賞装置B1000について説明する。図125、図126及び図127は、可変入賞装置B1000の正面斜視図である。図125では、案内板B1300,B1500の閉鎖状態が図示され、図126では、第1案内板B1300の閉鎖状態および第2案内板B1500の開放状態が図示され、図127では、第1案内板B1300の開放状態および第2案内板B1500の閉鎖状態が図示される。
なお、図125、図126及び図127では、視認性を良くして理解を容易とするために、覆設部材B1200の本体部材B1210が外形を除き透明に図示され、その背面側の形状を視認可能に図示される。
可変入賞装置B1000は、遊技者が右打ちを行うことで可変表時装置ユニット80の右方を流下する球の内、上面に備える傾斜面B1223,B1243に到達した球のほぼ全てを第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間の範囲(流路構成範囲、入球前範囲とも称す)に案内可能に構成される。
図128は、可変入賞装置B1000の分解正面斜視図であり、図129は、可変入賞装置B1000の分解背面斜視図である。可変入賞装置B1000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B1100と、その基礎部材B1100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B1200と、基礎部材B1100の背面側から前方にスライド移動可能に構成される第1案内板B1300と、その第1案内板B1300を駆動する第1駆動装置B1400と、基礎部材B1100の背面側から前方にスライド移動可能に構成される第2案内板B1500と、その第2案内板B1500を駆動する第2駆動装置B1600と、基礎部材B1100に背面側から組み付けられ、第1案内板B1300、第1駆動装置B1400、第2案内板B1500及び第2駆動装置B1600を背面側から覆うように構成される後カバー部材B1700と、を主に備える。
基礎部材B1100は、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材B1110と、その薄板部材B1110の略中央部において第1案内板B1300及び第2案内板B1500の形状に沿って(若干大きな形状で)貫通形成される貫通形成部B1120と、その貫通形成部B1120の左右両側において一対の検出センサB1230,B1250が嵌挿される貫通孔である一対の保持孔B1130と、薄板部材B1110の正面側において球の流下経路に向けて正面側へ突設される複数の突設部B1140と、薄板部材B1110の正面側から背面側へ球を排出する一対の排出口B1150と、一対の保持孔B1130の左右方向内側において薄板部材B1110に配置され正面側から背面側へ球を案内する案内口B1160と、その案内口B1160を通過した球を案内する迂回経路B1170と、を主に備える。
貫通形成部B1120は、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の双方を別々のタイミングで案内する案内手段として機能すると共に、覆設部材B1200の延設支持部B1212を支持する支持孔としても機能する。
貫通形成部B1120は、左右対称形状の貫通孔として形成されており、横長直線状に延びる平面状に形成される下平面B1121と、その下平面B1121と上下方向で対向配置され左右中央へ向けて下降傾斜するよう構成される天井面B1122と、それら下平面B1121及び天井面B1122の間の範囲に左右端部から左右内側へ向けて突設される左右一対の支持突部B1123と、それら一対の支持突部B1123の下方において下平面B1121から上方へ突設される左右一対の補助突部B1124と、を備える。
天井面B1122は、第1案内板B1300の転動面B1321や、第2案内板B1500の転動面B1521と対向配置される面であり、その傾斜角度は転動面B1321,B1521に沿うように形成される。即ち、水平面に対する傾斜角度が7度で左右中央側へ向けて下降傾斜するように形成される。
支持突部B1123は、第1案内板B1300や第2案内板B1500と上下方向で対向する位置まで突設されており、対向配置される面が第1案内板B1300や第2案内板B1500の対向面と沿う(本実施形態では、平行となる)ように設計される。
即ち、支持突部B1123の上側面は、水平面に対する傾斜角度が7度で貫通形成部B1120の左右中央部側へ向けて下降傾斜するように構成される傾斜平面であり、支持突部B1123の下側面は、水平面に対する傾斜角度が7度で貫通形成部B1120の左右中央部側へ向けて上昇傾斜するように構成される傾斜平面である。これにより、案内板B1300,B1500の左右端部であって支持突部B1123と上下方向で対向配置される部分と支持突部B1123とが面で当接可能となるので、案内板B1300,B1500の支持安定性を高めることができる。
補助突部B1124は、上述の支持突部B1123の突設長さと同様の左右幅を有しており、その機能も支持突部B1123の機能として上述したものと同様である。即ち、補助突部B1124の上側面は、水平面に対する傾斜角度が7度で貫通形成部B1120の左右中央部側へ向けて上昇傾斜する傾斜平面として構成され、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)と上下方向で対向配置される。
これにより、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)と補助突部B1124とが面で当接可能となるので、案内板B1300,B1500の支持安定性を高めることができる。
特に、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)は、球が検出センサB1230,B1250の開口へ橋渡しされる部分であるので、位置安定性が要求される。これに対し、本実施形態では、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)の上方変位は支持突部B1123に抑制され、下方変位は補助突部B1124に抑制されることになるので、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)の位置安定性を向上させることができる。
突設部B1140は、球の半径程度の長さで上下方向に延設される突条であり、開放状態の第1案内板B1300又は開放状態の第2案内板B1500に案内され流下する球の流下経路に沿って配置され、流下する球に当接可能な位置まで突設される。これにより、開放状態の第1案内板B1300又は開放状態の第2案内板B1500に案内され流下する球は、突設部B1140と当接することにより減速される。
迂回経路B1170は、案内口B1160を通過した球の流下経路を囲むように背面側へ延設される区画壁部B1171と、その区画壁部B1171の背面側開口を閉塞する閉塞板部B1172と、を備える。
区画壁部B1171は背面視逆L字状に形成されており、球の流下経路の下流側端部において下方へ球が通過可能な開口が形成される。その開口から、迂回経路B1170を流下した球が排出される。なお、区画壁部B1171により形成される流下経路は、左側の排出口B1150から背面側へ通過する球の流下経路と合流するように構成されている。従って、左側の排出口B1150を背面側へ通過した球も、区画壁部B1171に形成される開口を通して下方へ排出される。
本実施形態では、第1案内板B1300又は第2案内板B1500に乗る球が、左右中央位置よりも上流側を転動している場合に突設部B1140と当接可能とされ、左右中央位置よりも下流側を転動している場合には突設部B1140と当接しないように、突設部B1140の突設範囲が設定されているが、詳細は後述する。
なお、覆設部材B1200にも、同様の突設部B1211が、突設部B1140と前後方向視で重ならない位置に配設される(球の直径程度の間隔を空けて前後に互い違いで配設される)。
覆設部材B1200は、基礎部材B1100の薄板部材B1110から正面側に所定距離離れて配設される板状の本体部材B1210と、その本体部材B1210の右側部から背面側へ向けて枠形状で延設される右側延設部B1220と、その右側延設部B1220に配設固定される第1検出センサB1230と、本体部材B1210の左側部から背面側へ向けて枠形状で延設される左側延設部B1240と、その左側延設部B1240に配設固定される第2検出センサB1250と、本体部材B1210に配設され案内口B1160へ球を案内する球案内受部B1260と、を主に備える。
なお、本実施形態では、右側延設部B1220と左側延設部B1240とは、左右対称形状で構成され、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250は同一形状の検出センサが採用されている。
本体部材B1210と、右側延設部B1220の正面視左側壁部と、左側延設部B1240の正面視右側壁部と、基礎部材B1100の薄板部材B1110と、で囲まれる範囲を球が流下可能に構成される。以下では、この範囲を「入球前範囲」とも称する。
本体部材B1210は、背面側において球の流下経路に向けて背面側へ突設される複数の突設部B1211と、基礎部材B1100の貫通形成部B1120の中央部に挿通可能な配置および断面形状で背面側へ延設される延設支持部B1212と、を備える。
なお、突設部B1211の配置による作用と、延設支持部B1212の形状による作用については後述する。
本体部材B1210は、光透過性の材料から形成される。従って、遊技者は、入球前範囲を流下する球を視認可能となる。なお、本体部材B1210の態様はこれに限られるものでは無く、部分的に不透過に構成されても良い。
特に、第1特定入賞口B1001の付近および第2特定入賞口B1002の付近や、それら第1特定入賞口B1001、第2特定入賞口B1002へ球を案内する直線経路付近や、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を通過した球が流下する案内部B1222,B1242付近等を除く範囲を不透過に構成した場合であっても、球の視認性に大きな影響を及ぼさない。そのため、これらの範囲以外の範囲を覆う形状のシール部材を用意して貼り付けるようにしても良く、そのシール部材の表面側に図形や模様などが印刷された意匠面を構成するようにして演出性を向上させても良い。
また、本体部材B1210の背面側に正面側へ光を照射するLED等の発光手段を配置し、本体部材B1210の光透過の程度が変化するように構成しても良い(例えば、透過液晶)。
延設支持部B1212は、組立状態(図125参照)において、基礎部材B1100の貫通形成部B1120に挿通され、その下側部が貫通形成部B1120の下平面B1121に乗るように配置される。即ち、延設支持部B1212は、延設端側が貫通形成部B1120に支持されており、基端側の本体部材B1210と基礎部材B1100の薄板部材B1110に両持ちで支持されている。これにより、延設支持部B1212に球の重みが負荷される構成としながら、延設支持部B1212の位置安定性を高くすることができる。
延設支持部B1212は、組立状態(図125参照)において、貫通形成部B1120に留まらず、更に後方へ延設され、第1案内板B1300の摺動部B1313,B1323や、第2案内板B1500の摺動部B1513,B1523と、案内板B1300,B1500の配置に関わらず常に対向配置(当接)するように構成される。これにより、案内板B1300,B1500を安定して前後方向に案内することができる。
右側延設部B1220は、左端部において第1検出センサB1230を支持可能に形成されるセンサ支持部B1221と、そのセンサ支持部B1221に支持された第1検出センサB1230を通過した球を背面側の排出口B1150へ案内可能に形成される案内部B1222と、天井部において正面視左方へ向かうほど下降傾斜するように形成される傾斜面B1223と、左側面から左方へ向けて突設される突条部B1224と、その突条部B1224の下方において左方へ向けて突設される突条支持部B1225と、を備える。
突条部B1224は、第1検出センサB1230の上端部付近から傾斜面B1243の傾斜方向と略平行に突設されることにより、第1検出センサB1230への球の進入経路を狭める作用がある。
突条支持部B1225は、第1検出センサB1230の下端部付近から第1特定入賞口B1001の開口方向と略平行に突設されることにより、後述する第1案内板B1300のスライド変位を案内する作用がある。
第1検出センサB1230は、第1特定入賞口B1001としての貫通孔を備える。第1特定入賞口B1001を球が通過することにより、その通過を第1検出センサB1230が検出し、信号がMPU201(図4参照)に送信され、入賞個数のカウントが行われる。
左側延設部B1240は、右端部において第2検出センサB1250を支持可能に形成されるセンサ支持部B1241と、そのセンサ支持部B1241に支持された第2検出センサB1250を通過した球を背面側の排出口B1150へ案内可能に形成される案内部B1242と、天井部において正面視右方へ向かうほど下降傾斜するように形成される傾斜面B1243と、右側面から右方へ向けて突設される複数の突条部B1244と、その突条部B1244の下方において右方へ向けて突設される突条支持部B1245と、を備える。
突条部B1244は、第2検出センサB1250の上端部付近から傾斜面B1243の傾斜方向と略平行に突設されることにより、第2検出センサB1250への球の進入経路を狭める作用がある。
突条支持部B1245は、第2検出センサB1250の下端部付近から第2特定入賞口B1002の開口方向と略平行に突設されることにより、後述する第2案内板B1500のスライド変位を案内する作用がある。
第2検出センサB1250は、第2特定入賞口B1002としての貫通孔を備える。第2特定入賞口B1002を球が通過することにより、その通過を第2検出センサB1250が検出し、信号がMPU201(図4参照)に送信され、入賞個数のカウントが行われる。
球案内受部B1260は、内側に入球した球が、背面側の案内口B1160へ案内され、薄板部材B1110の背面側へ排出されるように構成および配設される。
第1案内板B1300は、前後にスライド変位可能に支持され、薄板部材B1110の前側へ張り出した状態であって、球を第1特定入賞口B1001へ向けて案内する(転動させる)ことが可能な開放状態と、その開放状態よりも後側へ引き込んだ状態であって、球を落下させる閉鎖状態と、で状態を切替可能に構成される部材であって、第1特定入賞口B1001へ球を案内可能に配設される案内部材B1310と、その案内部材B1310の上流側に配置され案内部材B1310へ球を案内可能に配設される上流側部材B1320と、案内部材B1310及び上流側部材B1320が固定される連結固定部材B1330と、その連結固定部材B1330に開口形成され第1駆動装置B1400からの駆動力の伝達に関わる伝達孔B1340と、を備える。
案内部材B1310及び上流側部材B1320は、組立時には基礎部材B1100に対して正面側から挿通される部分であるが、理解を容易とするために、基礎部材B1100の背面側に配置した状態(連結固定部材B1330に組み付けられた状態)で図示される。なお、組立方法の詳細については後述する。
案内部材B1310は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の右端部が第1検出センサB1230に近接配置可能に構成されており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1311と、右端側前端から斜め上方へ向けて延設される上方延設部B1312と、左側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1313と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1330に連結される連結用延設部B1314と、を備える。
なお、転動面B1311は、水平に対して正面視で右下がりに7度傾斜する傾斜面として形成されている。
上方延設部B1312は、第1特定入賞口B1001への予期せぬ入球を妨害するための部分である。即ち、上方延設部B1312が、第1特定入賞口B1001の開口方向視で、第1案内板B1310の閉鎖状態においては第1特定入賞口B1001を構成する開口の内側に配置されることで、球が第1特定入賞口B1001へ入球することを妨害することができる。
一方、第1案内板B1310の開放状態においては第1特定入賞口B1001を構成する開口の外側に配置されることで、第1特定入賞口B1001への入球を阻害することを回避することができる。
また、上方延設部B1312は、第1案内板B1300の開放状態において、覆設部材B1200の本体部材B1210と当接する寸法で形成される。これにより、第1案内板B1300の開放状態において、上方延設部B1312の前側面と本体部材B1210との間で生じる摩擦抵抗を増大させることができる。
これにより、案内部材B1310の下流側端部の上下位置を安定させることができる。即ち、案内部材B1310の下流側端部が下降変位(沈み込み変位)することや、上昇変位(例えば、球のバウンドの衝撃により生じる跳ね上がり変位)することを防止することができる。
本実施形態では、上方延設部B1312が転動面B1311,B1321の正面側端部よりも正面側へ張り出し形成されており、転動面B1311,B1321の正面側端部の形成は覆設部材B1200の本体部材B1210との隙間が球の半径未満となる程度の位置までで留まる。これにより、上述のように案内部材B1310の上下位置を安定させる効果を維持しながら、転動面B1311,B1321の形成幅を短く抑え材料コストの削減を図ることができる。加えて、隙間が球の半径未満であることから、第1案内板B1300が開放状態とされる場合に球の下端部を転動面B1311,B1321に乗せることができるので、転動面B1311,B1321を転動する球を前後に蛇行させることを容易とすることができる。
更に、上方延設部B1312は、第1検出センサB1230の反対側に傾斜面B1312aが形成される。傾斜面B1312aは、第1案内板B1300の開放状態においては当接する球を背面側へ寄せることができるように形成されることで球を第1検出センサB1230側へ案内するように機能する。
加えて、傾斜面B1312aは、第1案内板B1300が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には当接する球を第1検出センサB1230の左右方向反対側へ寄せることができるように形成されることで球を第1検出センサB1230から離し、超過入球を防止する(断ち切る)ように機能する。
これにより、傾斜面B1312aにより、第1検出センサB1230への入球を滑らかに発生させつつ、規定個数を超える入球を生じ難くすることができる。
摺動部B1313の形状は、延設支持部B1212の右下配置側面B1215及び右中配置傾斜面B1217に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1314は、案内部材B1310の長手方向中間位置から左側寄り(上流側部材B1320寄り)で配置される。
上流側部材B1320は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の左端部が突条部B1244の下方位置まで延びており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1321と、右側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1323と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1330に連結される連結用延設部B1324と、転動面B1321の上端側において背面側端部を残し正面側部分が除去されるように形成される形成部B1325と、を備える。なお、転動面B1321の傾斜の詳細については後述する。
摺動部B1323の形状は、延設支持部B1212の左上配置傾斜面B1214に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1324は、上流側部材B1320の長手方向中間位置から右側寄り(案内部材B1310寄り)で配置される。
形成部B1325は、第1案内板B1300の変位時における第2案内板B1500の上方延設部B1512との衝突を避ける目的で切りかかれる部分である。即ち、上方延設部B1512との衝突を避けるために、十分な左右幅で形成部B1325が形成される。
一方で、形成部B1325の切欠きの後端部(上方延設部B1512と対向配置される部分)は、第1案内板B1300が前側位置に配置される状態(開放状態)において当接可能に形成される。これにより、第1案内板B1300の開放状態における上流側部材B1320と上方延設部B1512との間で摩擦抵抗を生じさせることができるので、上流側部材B1320の位置安定性を向上させることができる。
連結固定部材B1330は、上下厚さの薄い略直方体形状に形成され、連結用延設部B1314,B1324を受け入れ可能に形成される複数の受入部B1331を備える。
本実施形態では、受入部B1331は、連結用延設部B1314,B1324の後端部と対応する形状で凹設される凹部として形成され、この凹部が、連結用延設部B1314,B1324の後端部と係合することで、連結固定部材B1330に対する連結用延設部B1314,B1324の位置ずれを防止している。
加えて、連結用延設部B1314,B1324に上下方向に穿設される挿通孔(図示せず)に締結ネジが挿通され、その挿通された締結ネジが連結固定部材B1330に上下方向で形成されている雌ネジに螺入されることで、連結用延設部B1314,B1324が連結固定部材B1330に締結固定されるように構成されている。
伝達孔B1340は、左右方向に直線状に延びる直線部B1341と、その直線部B1341の右端から第1駆動装置B1400の突設軸部B1432を中心とする円弧に沿って延びる曲線部B1342とを備える貫通孔として構成されているが、その機能については後述する。
第1駆動装置B1400は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第1ソレノイドB1410と、その第1ソレノイドB1410のプランジャー(直動棒)の先端に固定される直動部材B1420と、その直動部材B1420に短手突設部B1434が連結され突設軸部B1432を中心に回転可能に支持される回転部材B1430と、を備える。
直動部材B1420は、第1ソレノイドB1410に固定される側の反対側部に貫通孔B1421が穿設されている。貫通孔B1421は、回転部材B1430の短手突設部B1434の変位を受け入れられるように、前後に長尺の長孔として形成される。
回転部材B1430は、屈曲棒状の本体部B1431と、その本体部B1431の屈曲部分付近から上下方向に円柱形状で突設される突設軸部B1432と、本体部B1431の端部であって突設軸部B1432よりも左側に配置される端部(第1の端部)から突設軸部B1432と平行な方向に円柱形状で突設される長手突設部B1433と、本体部B1431の端部であって突設軸部B1432よりも右側に配置され得る端部(第2の端部)から突設軸部B1432と平行な方向に円柱形状で突設される短手突設部B1434と、を備える。
突設軸部B1432は、後カバー部材B1700に支持されるが、詳細は後述する。
長手突設部B1433は、伝達孔B1340に挿通されているので、回転部材B1430が回転移動することにより長手突設部B1433が突設軸部B1432を中心とする円弧軌跡に沿って変位することに伴って第1案内板B1300が前後方向に変位する。
短手突設部B1434は、貫通孔B1421に挿通されており、第1ソレノイドB1410の励磁状態の切り替えにより直動部材B1420が直動変位することで貫通孔B1421が変位することに伴って変位する。
短手突設部B1434の変位は突設軸部B1432を中心とした回転変位である。短手突設部B1434と長手突設部B1433とは本体部B1431を介して一体に形成されているので、短手突設部B1434の変位に対応して長手突設部B1433も回転変位する。
本実施形態では、伝達孔B1340の曲線部B1342の形状が、突設軸部B1432を中心とする円弧であって、半径が突設軸部B1432と長手突設部B1433との距離と等しい円弧に沿う形状とされる。
これにより、第1案内板B1300の変位を生じさせるための長手突設部B1433の変位量に要求される精度を低くすることができる。この効果は、長手突設部B1433の変位量と、伝達孔B1340の変位に伴う第1案内板B1300の変位量とをずらすことにより奏する効果である。
詳述すると、第1案内板B1300の変位は、長手突設部B1433が直線部B1341を変位する場合に生じる。一方で、長手突設部B1433が曲線部B1342に配置されている場合には、長手突設部B1433は曲線部B1342に沿って変位するだけであり、長手突設部B1433が伝達孔B1340の内壁を前後方向に押す作用が生じないので、第1案内板B1300の変位は生じない。
従って、長手突設部B1433が曲線部B1342に配置されてさえいれば、長手突設部B1433が曲線部B1342の内のどの位置に配置されているかに関わらず、第1案内板B1300の変位量を一定に保つことができる。
換言すれば、曲線部B1342を長手突設部B1433の変位量の誤差を吸収する部分として利用することができる。そのため、例えば、経年劣化によって貫通孔B1421の形状が変形したり、励磁状態における第1ソレノイドB1410のプランジャの変位量が不足したりして、回転部材B1430の変位量が不足したとしても、その不足分を曲線部B1342によって吸収することができ、第1案内板B1300の変位量を一定に保つことができる。
長手突設部B1433と突設軸部B1432との間の距離は、短手突設部B1434と突設軸部B1432との間の距離よりも長く設計される。これにより、直動部材B1420の変位量(第1ソレノイドB1410のプランジャの変位量)を小さく抑えながら、第1案内板B1300の変位量を確保することができる。
第2案内板B1500は、第1案内板B1300を左右対称に反転した形状を基本として構成されているので、その機能は、左右方向で反対になることを除き共通とされる。
即ち、第2案内板B1500は、前後にスライド変位可能に支持され、薄板部材B1110の前側へ張り出した状態であって、球を第2特定入賞口B1002へ向けて案内する(転動させる)ことが可能な開放状態と、その開放状態よりも後側へ引き込んだ状態であって、球を落下させる閉鎖状態と、で状態を切替可能に構成される部材であって、第2特定入賞口B1002へ球を案内可能に配設される案内部材B1510と、その案内部材B1510の上流側に配置され案内部材B1510へ球を案内可能に配設される上流側部材B1520と、案内部材B1510及び上流側部材B1520が固定される連結固定部材B1530と、その連結固定部材B1530に開口形成され第2駆動装置B1600からの駆動力の伝達に関わる伝達孔B1540と、を備える。
案内部材B1510及び上流側部材B1520は、組立時には基礎部材B1100に対して正面側から挿通される部分であるが、理解を容易とするために、基礎部材B1100の背面側に配置した状態(連結固定部材B1530に組み付けられた状態)で図示される。なお、組立方法の詳細については後述する。
案内部材B1510は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の左端部が第2検出センサB1250に近接配置可能に構成されており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1511と、左端側前端から斜め上方へ向けて延設される上方延設部B1512と、右側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1513と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1530に連結される連結用延設部B1514と、を備える。
なお、転動面B1511は、水平に対して正面視で左下がりに7度傾斜する傾斜面として形成されている。
上方延設部B1512は、第2特定入賞口B1002への予期せぬ入球を妨害するための部分である。即ち、上方延設部B1512が、第2特定入賞口B1002の開口方向視で、第2案内板B1510の閉鎖状態においては第2特定入賞口B1002を構成する開口の内側に配置されているので、球が第2特定入賞口B1002へ入球することを妨害することができる。
一方、第2案内板B1510の開放状態においては第2特定入賞口B1002を構成する開口の外側に配置されることで、第2特定入賞口B1002への入球を阻害することを回避することができる。
また、上方延設部B1512は、第2案内板B1500の開放状態において、覆設部材B1200の本体部材B1210と当接する寸法で形成される。これにより、第2案内板B1500の開放状態において、上方延設部B1512の前側面と本体部材B1210との間で生じる摩擦抵抗を増大させることができる。
これにより、案内部材B1510の下流側端部の上下位置を安定させることができる。即ち、案内部材B1510の下流側端部が下降変位(沈み込み変位)することや、上昇変位(例えば、球のバウンドの衝撃により生じる跳ね上がり変位)することを防止することができる。
本実施形態では、上方延設部B1512が転動面B1511,B1521の正面側端部よりも正面側へ張り出し形成されており、転動面B1511,B1521の正面側端部の形成は覆設部材B1200の本体部材B1210との隙間が球の半径未満となる程度の位置までで留まる。これにより、上述のように案内部材B1510の上下位置を安定させる効果を維持しながら、転動面B1511,B1521の形成幅を短く抑え材料コストの削減を図ることができる。加えて、隙間が球の半径未満であることから、第2案内板B1500が開放状態とされる場合に球の下端部を転動面B1511,B1521に乗せることができるので、転動面B1511,B1521を転動する球を前後に蛇行させることを容易とすることができる。
更に、上方延設部B1512は、第2検出センサB1250の反対側に傾斜面B1512aが形成される。傾斜面B1512aは、第2案内板B1500の開放状態においては当接する球を背面側へ寄せることができるように形成されることで球を第2検出センサB1250側へ案内するように機能する。
加えて、傾斜面B1512aは、第2案内板B1500が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には当接する球を第2検出センサB1250の左右方向反対側へ寄せることができるように形成されることで球を第2検出センサB1250から離し、超過入球を防止する(断ち切る)ように機能する。
これにより、傾斜面B1512aにより、第2検出センサB1250への入球を滑らかに発生させつつ、規定個数を超える入球を生じ難くすることができる。
摺動部B1513の形状は、延設支持部B1212の左下配置側面B1216及び左中配置傾斜面B1218に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1514は、案内部材B1510の長手方向中間位置から左側寄り(上流側部材B1520の反対側寄り)で配置される。
上流側部材B1520は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の右端部が突条部B1224の下方位置まで延びており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1521と、左側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1523と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1530に連結される連結用延設部B1524と、転動面B1521の上端側において背面側端部を残し正面側部分が除去されるように形成される形成部B1525と、を備える。なお、転動面B1521の傾斜の詳細については後述する。
摺動部B1523の形状は、延設支持部B1212の右上配置傾斜面B1213に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1524は、上流側部材B1520の長手方向中間位置から右側寄り(案内部材B1510の反対側寄り)で配置される。
形成部B1525は、第2案内板B1500の変位時における第1案内板B1300の上方延設部B1312との衝突を避ける目的で切りかかれる部分である。即ち、上方延設部B1312との衝突を避けるために、十分な左右幅で形成部B1525が形成される。
一方で、形成部B1525の切欠きの後端部(上方延設部B1312と対向配置される部分)は、第2案内板B1500が前側位置に配置される状態(開放状態)において当接可能に形成される。これにより、第2案内板B1500の開放状態における上流側部材B1520と上方延設部B1312との間で摩擦抵抗を生じさせることができるので、上流側部材B1520の位置安定性を向上させることができる。
連結固定部材B1530は、上下厚さの薄い略直方体形状に形成され、連結用延設部B1514,B1524を受け入れ可能に形成される複数の受入部B1531を備える。
本実施形態では、受入部B1531は、連結用延設部B1514,B1524の後端部と対応する形状で凹設される凹部として形成され、この凹部が、連結用延設部B1514,B1524の後端部と係合することで、連結固定部材B1530に対する連結用延設部B1514,B1524の位置ずれを防止している。
加えて、連結用延設部B1514,B1524に上下方向に穿設される挿通孔(図示せず)に締結ネジが挿通され、その挿通された締結ネジが連結固定部材B1530に上下方向で形成されている雌ネジに螺入されることで、連結用延設部B1514,B1524が連結固定部材B1530に締結固定されるように構成されている。
伝達孔B1540は、左右方向に直線状に延びる直線部B1541と、その直線部B1541の右端から第2駆動装置B1600の突設軸部B1632を中心とする円弧に沿って延びる曲線部B1542とを備える貫通孔として構成されているが、その機能については後述する。
上述のように、第1案内板B1300と第2案内板B1500とは、略同等の構成を備えているが、形状や配置が異なる部分がある。特に、第1案内板B1300の連結固定部材B1330の形状および配置と、第2案内板B1500の連結固定部材B1530の形状および配置とが異なり、それに伴い、第1案内板B1300の連結用延設部B1314,B1324の配置および延設長さと、第2案内板B1500の連結用延設部B1514,B1524の配置および延設長さとが異なる。
詳細には、連結固定部材B1330は、連結固定部材B1530に比較して、左右長さが短く形成されており、正面側に配置されている。これに伴い、連結用延設部B1314,B1324は、連結用延設部B1514,B1524に比較して、前後方向の延設長さが短く形成されており、左右内側に配置されている。これにより、第1案内板B1300と第2案内板B1500とが衝突することを回避することができるが、詳細は後述する。
第2駆動装置B1600は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第2ソレノイドB1610と、その第2ソレノイドB1610のプランジャー(直動棒)の先端に固定される直動部材B1620と、その直動部材B1620に短手突設部B1634が連結され突設軸部B1632を中心に回転可能に支持される回転部材B1630と、を備える。
直動部材B1620は、第2ソレノイドB1610に固定される側の反対側部に貫通孔B1621が穿設されている。貫通孔B1621は、回転部材B1630の短手突設部B1634の変位を受け入れられるように、前後に長尺の長孔として形成される。
回転部材B1630は、屈曲棒状の本体部B1631と、その本体部B1631の屈曲部分付近から上下方向に円柱形状で突設される突設軸部B1632と、本体部B1631の端部であって突設軸部B1632よりも左側に配置される端部(第1の端部)から突設軸部B1632と平行な方向に円柱形状で突設される長手突設部B1633と、本体部B1631の端部であって突設軸部B1632よりも右側に配置され得る端部(第2の端部)から突設軸部B1632と平行な方向に円柱形状で突設される短手突設部B1634と、を備える。
突設軸部B1632は、後カバー部材B1700に支持されるが、詳細は後述する。
長手突設部B1633は、伝達孔B1540に挿通されているので、回転部材B1630が回転移動することにより長手突設部B1633が突設軸部B1632を中心とする円弧軌跡に沿って変位することに伴って第2案内板B1500が前後方向に変位する。
短手突設部B1634は、貫通孔B1621に挿通されており、第2ソレノイドB1610の励磁状態の切り替えにより直動部材B1620が直動変位することで貫通孔B1621が変位することに伴って変位する。
短手突設部B1634の変位は突設軸部B1632を中心とした回転変位である。短手突設部B1634と長手突設部B1633とは本体部B1631を介して一体に形成されているので、短手突設部B1634の変位に対応して長手突設部B1633も回転変位する。
本実施形態では、伝達孔B1540の曲線部B1542の形状が、突設軸部B1632を中心とする円弧であって、半径が突設軸部B1632と長手突設部B1633との距離と等しい円弧に沿う形状とされる。
これにより、第2案内板B1500の変位を生じさせるための長手突設部B1633の変位量に要求される精度を低くすることができる。この効果は、長手突設部B1633の変位量と、伝達孔B1540の変位に伴う第2案内板B1500の変位量とをずらすことにより奏する効果である。
詳述すると、第2案内板B1500の変位は、長手突設部B1633が直線部B1541を変位する場合に生じる。一方で、長手突設部B1633が曲線部B1542に配置されている場合には、長手突設部B1633は曲線部B1542に沿って変位するだけであり、長手突設部B1633が伝達孔B1540の内壁を前後方向に押す作用が生じないので、第2案内板B1500の変位は生じない。
従って、長手突設部B1633が曲線部B1542に配置されてさえいれば、長手突設部B1633が曲線部B1542の内のどの位置に配置されているかに関わらず、第2案内板B1500の変位量を一定に保つことができる。
換言すれば、曲線部B1542を長手突設部B1633の変位量の誤差を吸収する部分として利用することができる。そのため、例えば、経年劣化によって貫通孔B1621の形状が変形したり、励磁状態における第2ソレノイドB1610のプランジャの変位量が不足したりして、回転部材B1630の変位量が不足したとしても、その不足分を曲線部B1542によって吸収することができ、第2案内板B1500の変位量を一定に保つことができる。
長手突設部B1633と突設軸部B1632との間の距離は、短手突設部B1634と突設軸部B1632との間の距離よりも長く設計される。これにより、直動部材B1620の変位量(第2ソレノイドB1610のプランジャの変位量)を小さく抑えながら、第2案内板B1500の変位量を確保することができる。
後カバー部材B1700は、断面コ字形状の本体部B1710と、その本体部B1710の先端部から左右外側へ延設され薄板部材B1110との結合面を構成する左右一対の結合板部B1720と、本体部B1710の左右内側下端位置に配設され第1ソレノイドB1410を上面側に支持可能に構成される第1支持板B1730と、その第1支持板B1730の上方に配置され第1案内板B1300の連結固定部材B1330の下面に上面が当接するように配設される第2支持板B1740と、その第2支持板B1740の上方に配置され第2案内板B1500の連結固定部材B1530の上面に下面が当接するように配設される第3支持板B1750と、その第3支持板B1750の上方であり且つ本体部B1710の左右内側上端位置に配設され第2ソレノイドB1610を下面側に支持可能に構成差される第4支持板B1760と、を備える。
本体部B1710は、第1支持板B1730を下方に、第4支持板B1760を上方に、それぞれ分解可能に構成される。即ち、第1支持板B1730に支持される第1ソレノイドB1410を含む第1駆動装置B1400と、第4支持板B1760に支持される第2ソレノイドB1610を含む第2駆動装置B1600とは、本体部B1710から上下方向に取り外し可能とされる。
結合板部B1720は、締結ネジのネジ部を挿通可能な受部B1721を備える。その受部B1721に挿通された締結ネジが薄板部材B1110の雌ネジ部に螺入されることにより、後カバー部材B1700が薄板部材B1110に締結固定される。
第1支持板B1730は、結合板部B1720の前端位置よりも後側に配置されることで、薄板部材B1110との間に隙間を構成するための排出部B1731を備える。
排出部B1731は、薄板部材B1110との間において排出口B1150から排出された球が通過する貫通孔を形成する。この貫通孔から排出された球(排出口B1150や、迂回経路B1170から排出された球)は、図示しない球排出路へと案内される。
第2支持板B1740は、第1駆動装置B1400の長手突設部B1433の上下方向への通過を許容するための凹設部B1741を備えている。凹設部B1741の形成範囲は、長手突設部B1433の移動軌跡を含む範囲であることを前提として、極力小さな範囲で形成される。これにより、凹設部B1741以外の平面部を確保することができ、第1案内板B1300の連結固定部材B1330を安定的に下支えすることができる。
第3支持板B1750は、第2駆動装置B1600の長手突設部B1633の上下方向への通過を許容するための凹設部B1751を備えている。凹設部B1751の形成範囲は、長手突設部B1633の移動軌跡を含む範囲であることを前提として、極力小さな範囲で形成される。これにより、凹設部B1751以外の平面部を確保することができ、第2案内板B1500の連結固定部材B1530を上面側から安定的に面支持することができる。
ここで、可変入賞装置B1000の組立方法およびベース板60への組み付け方法の一例について説明する。薄板部材B1110に対して、前側から組み付けられるのは、覆設部材B1200と、案内板B1300,B1500の案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520のみであり、その他は後側から組み付けられる。
可変入賞装置B1000の組立にあたっては、まず、薄板部材B1110に対して前側から案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520を貫通形成部B1120に挿通し、薄板部材B1110の背面側において連結固定部材B1330,B1530と締結固定する。
次に、第1支持板B1730及び第4支持板B1760が取り外された状態の後カバー部材B1700を薄板部材B1110に締結固定する。この際、連結固定部材B1330,B1530は第2支持板B1740及び第3支持板B1750の上下方向内側に収められる。
次に、第1駆動装置B1400が組み付けられた第1支持板B1730を、長手突設部B1433を第1案内板B1300の伝達孔B1340に挿通しながら本体部B1710に組み付ける。同様に、第2駆動装置B1600が組み付けられた第4支持板B1760を、長手突設部B1633を第2案内板B1500の伝達孔B1540に挿通しながら本体部B1710に組み付ける。
そして、薄板部材B1110に覆設部材B1200を締結固定した後で、可変入賞装置B1000をベース板60に正面側から組み付け、締結固定することで可変入賞装置B1000をベース板60に組み付けることができる。
図130及び図131を参照して、第2案内板B1500の閉鎖状態について説明する。図130は、可変入賞装置B1000の正面図であり、図131は、図130のCXXXI−CXXXI線における可変入賞装置B1000の断面図である。なお、図130及び図131では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が閉鎖状態とされ、図130では、覆設部材B1200の本体部材B1210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。
なお、図130では、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。即ち、図130において水玉模様(ドット)が付されている範囲のうち、延設支持部B1212は、基礎部材B1100と覆設部材B1200との間の範囲に亘って形成されていることで球を通過不能に構成され、上方延設部B1312,B1512は、基礎部材B1100と覆設部材B1200との略中間位置に配置されることで球を通過不能に構成される。
図130及び図131に示すように、第2案内板B1500が閉鎖状態にされると、案内部材B1510及び上流側部材B1520が貫通形成部B1120に案内され薄板部材B1110の前板面よりも背面側に配置されることにより、基礎部材B1100の薄板部材B1110と覆設部材B1200の本体部材B1210との間の間隔を狭めることなく維持することができる。
基礎部材B1100の薄板部材B1110と覆設部材B1200の本体部材B1210とは、球が通過可能な間隔で並設されており、図130及び図131に示す状態において、右側延設部B1220と左側延設部B1240との間に到達した球を可変入賞装置B1000の下方に落下させることができる。
図131に示すように、第2案内板B1500の閉鎖状態では、上方延設部B1512が第2検出センサB1250の開口を部分的に塞ぐように配置される。そのため、球が第2特定入賞口B1002を通過することを物理的に防止することができる。
そのため、イレギュラー入賞(例えば、第2案内板B1500に案内されずとも、他の構成部分などにぶつかった球が横方向に飛ばされ第2特定入賞口B1002に入球すること)や、不正行為(例えば、磁石で球を引き付けて入賞させる行為や、糸が接着された状態で打ち出された球の反対側の糸端部を引っ張ったり振ったりして球の位置を操って入賞させる行為等)による入賞を防止することができる。
図132及び図133を参照して、第2案内板B1500の開放状態について説明する。図132(a)は、可変入賞装置B1000の正面図であり、図132(b)は、図132(a)の範囲CXXXIIbにおける可変入賞装置B1000の部分正面拡大図であり、図133は、図132(a)のCXXXIII−CXXXIII線における可変入賞装置B1000の断面図である。
なお、図132(a)、図132(b)及び図133では、第1案内板B1300が閉鎖状態とされ、第2案内板B1500が開放状態とされ、図132(a)及び図132(b)では、覆設部材B1200の本体部材B1210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。また、図132(a)では、流下する球の一例として第2検出センサB1250を通過している球が図示され、図133では、球の大きさを把握するために球の外形が想像線で図示される。
なお、図132(a)及び図132(b)では、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。図132(a)及び図132(b)において水玉模様(ドット)が付されている範囲は、図130において上述した範囲に対して、案内部材B1510及び上流側部材B1520の板状部が追加される一方、上方延設部B1512からは水玉模様(ドット)が消されている。
即ち、第2案内板B1500の開放状態では、第2案内板B1500が正面側へスライド変位されることで、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間の隙間が球の直径未満とされ、球が第2案内板B1500の正面側を下方へ通過不能に構成される。
一方、第2案内板B1500の開放状態では、上方延設部B1512は、覆設部材B1200に近接配置されることで、第2特定入賞口B1002への入球を妨害しないように構成される。
図132(a)、図132(b)及び図133に示すように、第2案内板B1500が開放状態にされると、案内部材B1510及び上流側部材B1520が貫通形成部B1120に案内され薄板部材B1110の前板面よりも正面側へ張り出し、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間隔が球の直径未満とされることにより、右側延設部B1220と左側延設部B1240との間に到達した球の落下が防止される。
なお、本実施形態では、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間隔が球の半径未満とされているので、球の下端部は転動面B1311,B1321に乗る。これにより、転動面B1311,B1321を転動する球の前後方向へ容易に蛇行させることができる。
図133に示すように、第2案内板B1500の開放状態では、上方延設部B1512が第2検出センサB1250の開口を塞がない位置に配置される。具体的には、第2検出センサB1250の開口を形成する枠部と重なる位置まで移動される。そのため、球が第2特定入賞口B1002を通過可能とすることができる。
第2案内板B1500の開放状態において右側延設部B1220と左側延設部B1240との間に到達した球は、第2案内板B1500の転動面B1511,B1521を傾斜に沿って転動し、その左端から第2検出センサB1250を通過する。
なお、第2案内板B1500の開放状態において、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間には球の半径よりも短い隙間が空けられる。これにより、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520が本体部材B1210に当接する程度にまで大幅で形成される場合に比較して必要な材料を少なくできたり、当接する場合に比較して負荷の発生を防止できることから第2案内板B1500の耐久性を向上することができたりするという有利な効果を奏し得る。
ここで、図132(b)を参照して、第2案内板B1500の前後スライド変位に対する、延設支持部B1212の作用について説明する。上述のように、延設支持部B1212は貫通形成部B1120よりも後方まで延設され、第2案内板B1500の配置によらず第2案内板B1500と上下方向で当接可能とされる。
図132(b)に示すように、延設支持部B1212は、断面が横に長尺の菱形状に形成される本体部と、その本体部の下端部に連結され、断面が横長の長方形の上側に三角形を乗せた五角形状に形成される下側支持部と、を備え、本体部と下側支持部との間が左右内側へ括れるように構成されている。
延設支持部B1212の本体部は、その上面に、突設部B1211の左右方向中心と一致する左右中心位置を頂点として、左右外側へ向かって下降傾斜する傾斜面として形成される右上配置傾斜面B1213及び左上配置傾斜面B1214と、下側支持部との間に形成される括れの上側面を構成する右下配置側面B1215及び左下配置側面B1216と、を備える。
延設支持部B1212の下側支持部は、その上面に、突設部B1211の左右方向中心と一致する左右中心位置を頂点として、左右外側へ向かって下降傾斜する傾斜面として形成される右中配置傾斜面B1217及び左中配置傾斜面B1218を備える。
右上配置傾斜面B1213は、摺動部B1523の下側面と対向配置され、摺動部B1523の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1523の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1523の下降変位を抑えながら、摺動部B1523の前後方向変位を安定して案内することができる。
左上配置傾斜面B1214は、摺動部B1323の下側面と対向配置され、摺動部B1323の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1323の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1523の下降変位を抑えながら、摺動部B1323の前後方向変位を安定して案内することができる。
右下配置側面B1215は、摺動部B1313の上側面と対向配置され、摺動部B1313の上側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1313の上側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。また、右中配置傾斜面B1217は、摺動部B1313の下側面と対向配置され、摺動部B1313の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1313の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1313の上下方向変位を抑えながら、摺動部B1313の前後方向変位を安定して案内することができる。
左下配置側面B1216は、摺動部B1513の上側面と対向配置され、摺動部B1513の上側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1513の上側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。また、左中配置傾斜面B1218は、摺動部B1513の下側面と対向配置され、摺動部B1513の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1513の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1513の上下方向変位を抑えながら、摺動部B1513の前後方向変位を安定して案内することができる。
なお、本実施形態では説明の便宜上、図132(b)に示すように、右上配置傾斜面B1213は転動面B1311,B1321が配置される平面と同一平面に形成され、左上配置傾斜面B1214は転動面B1511,B1521が配置される平面と同一平面に形成され、右下配置側面B1215及び左中配置傾斜面B1218は案内部材B1510及び上流側部材B1520の下側面が配置される平面と同一平面に形成され、左下配置側面B1216及び右中配置傾斜面B1217は案内部材B1310及び上流側部材B1320の下側面が配置される平面と同一平面に形成されるものとして、設計した。
一方で、必ずしもこれに限るものではない。例えば、延設支持部B1212に形成される各面を、平面のみでは無く、他の形状(曲面形状や、凹凸形状や、のこぎり刃形状など)を含む形状から採用することは当然考えられる。
特に、球の転動面としての機能を有する右上配置傾斜面B1213及び左上配置傾斜面B1214が平面状に形成されることに機能上の意味があることに対して、他の部分については、摺動部B1313,B1323,B1513,B1523の形状に対応させることで上述の作用を生じさせることができる。
その場合の設計思想として、線での接触に比較して面での接触の方が変位を案内する作用は向上する一方で、摩擦抵抗は大きくなることは共通する事項であると考えられる。本実施形態では、変位を案内する作用は確保しながら、摩擦抵抗を低減できるように延設支持部B1212の左右幅を設計している。
なお、摺動部B1313,B1323,B1513,B1523は、延設支持部B1212を省略するような構成においても、球の案内が可能な形状とされている。即ち、第1案内板B1300の摺動部B1313,B1323も、第2案内板B1500の摺動部B1513,B1523も、左右方向の隙間を狭めるように左右内方へ張り出している。これにより、延設支持部B1212の状態を問わず(例えば、破損している場合であっても)、案内板B1300,B1500の上面に球を転動させることにより、特定入賞口B1001,B1002へ球を案内することができる。
図134から図136は、可変入賞装置B1000の上面図である。図134では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が閉鎖状態である場合が図示され、図135では、第1案内板B1300が開放状態とされ第2案内板B1500が閉鎖状態とされる場合が図示され、図136では、第1案内板B1300が閉鎖状態とされ第2案内板B1500が開放状態とされる場合が図示される。
以下、ソレノイドの励磁の切り替えについて説明する。図134では、第1ソレノイドB1410及び第2ソレノイドB1610の双方共に通電されておらず、非励磁の状態とされている。これが、可変入賞装置B1000の待機状態であり、遊技開始前や、通常状態で維持される状態であり、可変入賞装置B1000は稼働時間における大半をこの状態で維持される。
主に特別遊技状態において、図135や図136に示すように、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610に通電され、励磁されることで、第1案内板B1300又は第2案内板B1500の状態が切り替えられる。
図135に示すように、第2ソレノイドB1610は非励磁で維持され、第1ソレノイドB1410が励磁されると、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられ、第1検出センサB1230の第1特定入賞口B1001へ球を案内可能となる。
第1案内板B1300の状態切り替えは、前後スライド変位により行われるが、第1案内板B1300の案内部材B1310及び上流側部材B1320の前後方向変位は、覆設部材B1200により支持されることで滑らかに行われる。
案内部材B1310の下流側端部(右側端部)は、突条支持部B1225により下支えされており、案内部材B1310の上流側端部(左側端部)は、延設支持部B1212の右下配置側面B1215及び右中配置傾斜面B1217により上下方向から挟み込まれて支持される(図132(b)参照)。
これにより、第1に、案内部材B1310に球が複数個乗った場合であっても、案内部材B1310が沈み込み変位することを回避することができ、第1特定入賞口B1001への球の入球を滑らかに行わせることができる。
第2に、延設支持部B1212の上面と、案内部材B1310の上面と、の位置ずれを抑制できるので、延設支持部B1212の上面から案内部材B1310の上面への球の流下を滑らかにすることができる。
なお、突条支持部B1225及び延設支持部B1212は、案内部材B1310の長さ方向(左右方向)に亘って形成することもできるが、本実施形態では、案内部材B1310の左右端部付近にのみ形成するに留めている。これにより、第1案内板B1300の変位抵抗(摩擦抵抗)を低減することができる。
上流側部材B1320の下流側端部(右側端部)は、延設支持部B1212により下支えされる。これにより、上流側部材B1320に球が複数個乗った場合であっても、上流側部材B1320が沈み込み変位することを回避することができ、延設支持部B1212への球の入球を滑らかに行わせることができる。
本実施形態では、上流側部材B1320の転動面B1321と、延設支持部B1212の右下がり傾斜の上面と、案内部材B1310の転動面B1311とが、面一となると共に、同一の傾斜角度となるように設計される。これにより、球の流下経路から上下方向の段を取り払うことができ、第1特定入賞口B1001への球の流下を滑らかにすることができる。
図136に示すように、第1ソレノイドB1410は非励磁で維持され、第2ソレノイドB1610が励磁されると、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられ、第2検出センサB1250の第2特定入賞口B1002へ球を案内可能となる。
第2案内板B1500の状態切り替えは、前後スライド変位により行われるが、第2案内板B1500の案内部材B1510及び上流側部材B1520の前後方向変位は、覆設部材B1200により支持されることで滑らかに行われる。
案内部材B1510の下流側端部(左側端部)は、突条支持部B1245により下支えされており、案内部材B1510の上流側端部(右側端部)は、延設支持部B1212の左下配置側面B1216及び左中配置傾斜面B1218により上下方向から挟み込まれて支持される(図132(b)参照)。
これにより、第1に、案内部材B1510に球が複数個乗った場合であっても、案内部材B1510が沈み込み変位することを回避することができ、第2特定入賞口B1002への球の入球を滑らかに行わせることができる。
第2に、延設支持部B1212の上面と、案内部材B1510の上面と、の位置ずれを抑制できるので、延設支持部B1212の上面から案内部材B1510の上面への球の流下を滑らかにすることができる。
なお、突条支持部B1245及び延設支持部B1212は、案内部材B1510の長さ方向(左右方向)に亘って形成することもできるが、本実施形態では、案内部材B1510の左右端部付近にのみ形成するに留めている。これにより、第2案内板B1500の変位抵抗(摩擦抵抗)を低減することができる。
上流側部材B1520の下流側端部(左側端部)は、延設支持部B1212により下支えされる。これにより、上流側部材B1520に球が複数個乗った場合であっても、上流側部材B1520が沈み込み変位することを回避することができ、延設支持部B1212への球の流下を滑らかに行わせることができる。
本実施形態では、上流側部材B1520の転動面B1521と、延設支持部B1212の右下がり傾斜の上面と、案内部材B1510の転動面B1511とが、面一となると共に、同一の傾斜角度となるように設計される。これにより、球の流下経路から上下方向の段を取り払うことができ、第2特定入賞口B1002への球の流下を滑らかにすることができる。
次いで、球の流下態様の一例について説明する。図137(a)は、可変入賞装置B1000の正面図であり、図137(b)は、図137(a)の矢印CXXXVIIb方向視における可変入賞装置B1000の上面図であり、図138(a)は、図137(a)のCXXXVIIIa−CXXXVIIIa線における可変入賞装置B1000の断面図であり、図138(b)は、図137(a)のCXXXVIIIb−CXXXVIIIb線における可変入賞装置B1000の断面図である。
図137及び図138では、第1案内板B1300が閉鎖状態とされる一方、第2案内板B1500が開放状態とされ、複数の球が第1案内板B1500の上面を転動している状態が図示される。
図137では、第2案内板B1500の上面に球が3個乗っている状態が図示されているが、第2案内板B1500は、球を同時に5個までは乗せることができる左右長さで構成されている。なお、上流側で連なっている球は、理解を容易にするために、突設部B1140の中心を通る断面(図138(b)参照)または突設部B1211の中心を通る断面(図138(a)参照)に、球の中心が位置するように配置される。
突設部B1140,B1211は、基礎部材B1100に形成されるか覆設部材B1200に形成されるかの違いはあるが、入球前範囲に到達した球の経路側に突設され、球の流下に影響を与えるという共通の目的から設計されている。
本実施形態では、突設部B1140,B1211は、延設支持部B1212の左右中心位置を基準として、下流側を転動する球には影響を与えないようにする一方、上流側を転動する球には影響を与えるように設計される。
即ち、延設支持部B1212の左右中心位置の真上に形成される突設部B1211よりも下流側(第2案内板B1500の開放状態においては左側、以下単に「入球前範囲下部」とも称す。)に配置される突設部B1140,B1211は、球の転動軌跡よりも上方に配置される。そのため、球が第2案内板B1500を転動する場合には、入球前範囲下部に配置される突設部B1140,B1211に球が衝突することは無い。
一方、延設支持部B1212の左右中心位置の真上に形成される突設部B1211よりも上流側(第2案内板B1500の開放状態においては右側、以下単に「入球前範囲上部」とも称す。)に配置される突設部B1140,B1211は、球の転動軌跡の内側に少なくとも一部が配置される。
入球前範囲に到達し流下する球に対する突設部B1140,B1211の配置について説明する。本実施形態では、右打ちで球を発射した場合に、第2入賞口640(図124参照)に入球しなかった球が可変入賞装置B1000の傾斜面B1223に到達すると、その傾斜に沿って左方へ流下し、入球前範囲に到達することになる。
この場合において、球がベース板60に近接する側(流下経路の後側部)を流下するのか、ガラスユニット16(図1参照)側(流下経路の前側部)を流下するのかは不明であるが、球は少なくとも2回以上、突設部B1140,B1211に当たるように構成されている。
例えば、球が流下経路の前側部を流下する場合、図138(a)に示すように、球は突設部B1211に当接し、流下経路の後側部へ変位しながら流下することになる。以降は、突設部B1140,B1211が前後互い違いに配置されているので、入球前範囲下部に到達するまでに突設部B1140,B1211に3回当接することになり、球の流下速度が減速される。
また、例えば、球が流下経路の後側部を流下する場合、最上流に配置される突設部B1211には当接しないものの、図138(b)に示すように、球は突設部B1140に当接し、流下経路の前側部へ変位しながら流下することになる。以降は、延設支持部B1212の真上に配置されている突設部B1211に当接することになるので、入球前範囲下部に到達するまでに突設部B1140,B1211に2回当接することになり、球の流下速度が減速される。
ここで、第1案内板B1300の転動面B1311を転動する球の移動軌跡の外側に突設部B1140と、左右に配置される突設部B1211を配置する関係上、それらの下端位置が異なるように設計されていることに伴い、当接する球の位置(当接高さ)が異なる。そのため、対策なしでは、球の湾曲の分だけ球が突設部B1140,B1211から逃げてしまい、減速作用が弱まる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140の突設長さを、左右に配置される突設部B1211の突設長さよりも長くすることにより、突設部B1140が球に与える減速の作用と、左右に配置される突設部B1211が球に与える減速の作用とを、同等に維持できるように構成している。以下、詳しく説明する。
図138(a)に示すように、右端の突設部B1211と前後方向で当接する球BP2の位置(当接高さ)は、球の中心BCPから上方に長さBH1だけ離れた位置となる。これに対し、図138(b)に示すように、突設部B1140と前後方向で当接する球BP1の位置(当接高さ)は、球の中心BCPから上方に長さBH2だけ離れた位置となる。
ここで、長さBH2の方が、長さBH1よりも長いので(BH2>BH1)、突設部B1140,B1211の突設長さが同じであれば、球BP1,BP2が突設部B1140,B1211の基端側の板部材(薄板部材B1110又は本体部材B1210)に当接した状態で上流側部材B1520の転動面B1521を転動する場合において、突設部B1140,B1211を避けるために球BP1,BP2に要求される前後方向の変位量は、右端の突設部B1211を避ける場合の変位量の方が、突設部B1140を避ける場合の変位量に比較して大きくなる。
換言すれば、突設部B1140,B1211によって球BP1,BP2に生じる前後方向変位が、前後均等では無く、前側への変位に比較して後側への変位の方が大とされ、球の流下経路が前後非対称の屈曲(湾曲)線状となるので、突設部B1140,B1211と前後方向で当接する球BP1,BP2の位置(当接高さ)が球の中心BCPである場合に比較して、球BP1,BP2を減速させる作用が若干弱まる。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140の突設長さを左右の突設部B1211の突設長さよりも長く形成し、球BP1,BP2が突設部B1140,B1211の基端側の板部材(薄板部材B1110又は本体部材B1210)に当接した状態で上流側部材B1520の転動面B1521を転動する場合において、突設部B1140,B1211を避けるために球BP1,BP2に要求される前後方向の変位量が同等となるように構成されている。これにより、突設部B1140,B1211と転動球との当接による減速作用を十分に発揮させることができる。
なお、突設部B1140の突設長さを長くしてはいるが、この設計変更は、球BP1,BP2の転動経路を、突設部B1140,B1211と前後方向で当接する球BP1,BP2の位置(当接高さ)が球の中心BCPである場合の転動経路と同等にするための設計変更に過ぎず、突設部B1140,B1211に対向配置される板部材(薄板部材B1110又は本体部材B1210)に当接した状態における球BP1,BP2と突設部B1140,B1211との隙間幅BCL1,BCL2を狭めるような設計変更ではない。
即ち、上流側部材B1520を転動する球BP2が薄板部材B1110に当接する状態における突設部B1211との間の隙間幅BCL1(図138(a)参照)と、上流側部材B1520を転動する球BP1が本体部材B1210に当接する状態における突設部B1140との間の隙間幅BCL2(図138(b)参照)とは同等となる(BCL1=BCL2)。従って、突設部B1140の突設長さは増大させながら、球BP1の詰まりの発生は防止することができる。
このように、本実施形態では、突設部B1140,B1211の形成範囲について、流下経路において球の減速を生じさせたい位置に限るという設計思想を採用している。これにより、入球前範囲上部を流下する球の流下速度と、入球前範囲下部を流下する球の流下速度とを異ならせることができる。
本実施形態では、突設部B1211の突設長さは左右3箇所で同等となるように設計されている。即ち、左右に配置される突設部B1211の突設長さと、延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1211の突設長さとが同等とされている。
左右中央に配置される突設部B1211の形成高さは球の転動軌跡の上下幅全域に亘っているので、左右中央に配置される突設部B1211と当接する球の位置(当接高さ)は、球の中心BCPと同等となる。
そのため、球BP1,BP2が突設部B1211の基端側の板部材(本体部材B1210)に当接した状態で上流側部材B1520の転動面B1521を転動する場合において、左右中央に配置される突設部B1211を避けるために球BP1,BP2に要求される前後方向の変位量は、右端の突設部B1211を避ける場合の変位量に比較して大きくなる。
従って、本実施形態では、左右中央に配置される突設部B1211による球の減速作用が、他の突設部B1140,B1211による球の減速作用に比較して大きくなるように構成される(最大となるように構成される)。これにより、左右中央の突設部B1211を境界として、案内板B1300,B1500の上面を転動する球を切り分け易くする(分断し易くする)ことができる。
図138(b)に示すように、突設部B1140と本体部材B1210との隙間は球の直径未満となっている。そのため、突設部B1140の鉛直上方から球が流下する構成とすると、突設部B1140と本体部材B1210との間を球の中心が通過できず、左右片方へ寄って流下することになるが、寄った側に別の球が配置されていると、その配置されていた球によって球の流下が阻害され、球の流れが悪くなる虞がある。加えて、球が詰まって流れない状態(滞留する状態)となると、遊技を継続することができなくなり問題である。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140の鉛直上方からの球の流下を阻害可能な位置に球案内受部B1260が配設される。これにより、突設部B1140の鉛直上方から球が流下する事態が生じることを防止することができるので、球の流れを良好に保ち易くすることができる。
球の流下速度について、本実施形態では、入球前範囲上部では、突設部B1140,B1211の左右間隔を流下するのに約0.5秒を要するように構成され(約60[mm/秒])、入球前範囲下部では、延設支持部B1212から第2検出センサB1250の中心(球の通過が検出される位置を想定)までの距離を流下するのに約0.5秒を要するように構成される(約22[mm/秒])。即ち、入球前範囲下部における流下速度が入球前範囲上部における流下速度の約3倍となるように構成される。
この速度設定は、入球前範囲下部における球の滞在個数を少なくする目的でも設定されている。この速度設定によれば、例えば、連なって流下する複数個の球BP1,BP2が第1案内板B1300に乗り転動する場合に(図137(a)参照)、下流側の球BP1が延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1212を過ぎて第2検出センサB1250に通過を検出されるまでの間に、上流側の球BP2が延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1212を通過することは無い。
即ち、入球前範囲上部を複数個の球BP1,BP2が連なって流下する場合であっても、入球前範囲下部に滞在する球の個数を1個に限定することができる。これにより、規定個数目の球が第2特定入賞口B1002に入球することに伴い第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられる時に、案内部材B1510の転動面B1511から球が落下する事態が発生することを避けることができる。
このように、入球前範囲上部は、入球前範囲下部に比較して、少なくとも球が落下する事態の発生頻度を下げられるという意味で有利側の区間であるといえる。本実施形態では、第1案内板B1300に乗り転動する球が、入球前範囲上部に配置されている場合と、入球前範囲下部に配置されている場合とで、球の流下速度が異なるように構成されている。
これにより、一定速度で球が流下する場合に比較して球を視認している遊技者の注目を集め易いという効果や、球が入球前範囲上部(有利側の区間)に配置されているのか入球前範囲下部に配置されているのかを容易に見分けることができるという効果を奏する。
加えて、第2案内板B1500と入れ替わりで開放状態に切り替えられる第1案内板B1300の上面側に球を乗せやすくすることができる。
図139は、可変入賞装置B1000の正面図である。図139では、第1案内板B1300が開放状態とされる一方、第2案内板B1500が閉鎖状態とされる。また、図137(a)で図示した球BP1,BP2を流用して図示する。なお、図139の説明では、図137(a)を適宜参照する。
図137(a)に示す状態から、球BP1が規定個数目の入球として検出されたことに伴い第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられ、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられた場合(図139参照)、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられるまでに球BP2が延設支持部B1212の傾斜上面に乗っている限り(例えば、ラウンド間インターバルが0.04秒間で設定される場合)、球BP2は第1案内板B1300の上流側部材B1320の転動面B1321に乗り上げる。
詳述すると、図137(a)に示す状態においては、球BP2は、球BP1が延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1211を通過した後、延設支持部B1212の左側傾斜上面を流下し得るが、流下しきる前に第1案内板B1300が開放状態とされる場合、上流側部材B1320が球BP2の中心よりも下側に潜り込み、球BP2を下から支える。
これにより、球BP2は、第1案内板B1300の転動面B1311を転動し、第1特定入賞口B1001を通過可能となる。このように、本実施形態では、開放状態の第2案内板B1500に途中まで案内されていた球BP2が第2特定入賞口B1002を通過する前に第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられた場合であっても、その球BP2が第1案内板B1300に乗り易いように構成されている。
そのため、球BP2は、当初案内されていた第2特定入賞口B1002とは異なるが、第1特定入賞口B1001に入球することになるので、特別遊技状態において入球前範囲に到達した球からアウト口66(図124参照)へ向かう球(以下、「零れ球」とも称す。)が発生することを抑制することができる。
加えて、球BP2よりも後で傾斜面B1223から落下する球は、球BP2よりも上方(入球前範囲上部)に配置されている状態で第1案内板B1300が開放状態に切り替えられるので、球BP2よりも第1案内板B1300に救われ易い。これにより、第1案内板B1300の状態と第2案内板B1500の状態とを切り替える際に球が第1案内板B1300及び第2案内板B1500の下方に零れる事態が発生する可能性を低減することができる。
なお、ラウンド間インターバルの定義付けについては、種々の態様が例示される。例えば、開放状態とされていた案内板B1300,B1500が閉鎖状態へ切り替えられてから、次に案内板B1300,B1500が開放状態に切り替えられるまでの期間としても良いし、案内板B1300,B1500を駆動するためのソレノイドB1400,B1600に着目し、励磁されていたソレノイドB1400,B1600が非励磁に切り替えられて殻、次にソレノイドB1400,B1600が励磁状態に切り替えられるまでの期間としても良い。
本実施形態では、上述のように、零れ球を抑制可能な長さでラウンド間インターバルが設定される。そのため、ラウンド間インターバルに合わせて球の発射を停止させる遊技態様と、球の発射を停止させずに継続する遊技態様とで、生じる零れ球の数の差を小さくすることができる。従って、遊技者が得られる利益の平等性を高めることができる。
図139において、球BP2以外にも、後発で到達する球が傾斜面B1223から第1案内板B1300に落下する。ここで、突設部B1140,B1211は、上述のように第1案内板B1300の上面を転動する球には当接しないように設計されているが、第1案内板B1300に到達するまで(落下中)には球が突設部B1140,B1211に衝突し得る。
落下中の球と突設部B1140,B1211との衝突により生じる作用について説明する。落下中の球が、ベース板60に近接する側(流下経路の後側部)に配置されるのか、ガラスユニット16(図1参照)側(流下経路の前側部)に配置されるのかは不明であるが、流下経路の前側部に配置される場合の方が、傾斜面B1223に近接配置される突設部B1211と当接し易い。
一方で、球が流下経路の後側部に配置される場合には突設部B1140と当接する可能性が無いわけでは無い。例えば、傾斜面B1223において球同士が衝突し、球の流下速度の左右方向成分が増大した状態で落下する場合には、球は傾斜面B1223から若干離れて配置される突設部B1140とも当接し得る。
このように、落下中の球の前後配置に関わらず、球は突設部B1140,B1211と衝突し得る。突設部B1140,B1211に衝突した球は、突設部B1140,B1211の先端の湾曲に沿って前後方向に変位し反対側の壁面と衝突して跳ねて突設部B1140,B1211に再度衝突し、前後での衝突を複数回繰り返すことになる。
この衝突により球の左右方向の速度が落ち、球の速度は落下方向の成分が主となる。そのため、傾斜面B1223の傾斜方向とは傾斜方向が反対となる案内部材B1310の転動面B1311又は上流側部材B1320の転動面B1321に球が乗って転動する場合であっても、第1特定入賞口B1001へ球が入球されるまでの時間を短くすることができる。
詳述すると、突設部B1140,B1211が省略される場合、傾斜面B1223を通過して第1案内板B1300に乗った球は、転動面B1311又は転動面B1321の傾斜に沿って転動する過程で減速した後、反対側(第1特定入賞口B1001側)へ流下する。
この場合、球は転動面B1311又は転動面B1321に着地してから減速され切るまでの間に第1特定入賞口B1001から遠ざかり、その後、遠ざかった分の距離も含めて流下した後で第1特定入賞口B1001を通過することになる。そのため、傾斜面B1223から落下した球が第1特定入賞口B1001を通過するまでの期間が長くなり易く、特別遊技状態を短時間で消化することが難しかった。
加えて、転動面B1311又は転動面B1321に先に着地した球が第1特定入賞口B1001へ向けて転動する間に、その球の後で傾斜面B1223から落下した球が、先に着地していた球と第1特定入賞口B1001との間に着地する事態が生じ易く、球同士が衝突し、連なって第1特定入賞口B1001に案内され易いので、超過入賞が生じやすかった。
これに対し、突設部B1140,B1211は、球が第1案内板B1300に着地する前に球に当接することで球の左右方向の速度成分を低下させることができるので、球の第1特定入賞口B1001への流下経路を短くすることができると共に、球同士の衝突の発生を抑え、超過入賞の発生を抑えることができる。
このように、突設部B1140,B1211は、可変入賞装置B1000の状態に応じて異なった効果を奏する。即ち、球が傾斜面B1223側から流下するという前提の基で、その傾斜面B1223の傾斜と左右同じ側の傾斜を有する第2案内板B1500の開放状態では、第2案内板B1500に乗り転動する球の流下速度(転動速度)を低下させる減速手段として機能する一方、傾斜面B1223の傾斜と左右反対側の傾斜を有する第1案内板B1300の開放状態では、第1案内板B1300に乗る前の球の流下速度の左右方向成分を低減させ、球の落下方向を鉛直方向に寄せる落下方向調整手段として機能する。
図140を参照して、入球前範囲に到達し転動面B1311,B1321,B1511,B1521を転動する球の流下態様について説明する。
図140(a)及び図140(b)は、入球前範囲において転動する球の移動軌跡を模式的に示す転動面B1311,B1321,B1511,B1521、右上配置傾斜面B1213及び左上配置傾斜面B1214の正面模式図である。
なお、転動面B1311,B1321,B1511,B1521は、入球前範囲に張り出して配置され球を受け止め可能な状態が実線で図示され、入球前範囲の外側(後側)に配置され球を受け止め不能な状態が想像線で図示される。
即ち、図140(a)では、第2案内板B1500の開放状態(図137参照)が図示され、図140(b)では、第1案内板B1300の開放状態(図139参照)が図示される。
図140(a)及び図140(b)では、転動面B1311,B1321,B1511,B1521を転動する球の移動軌跡の説明のために、球の中心BCPの移動軌跡が図示される。即ち、第2案内板B1500の開放状態において転動面B1511,B1521及び左上配置傾斜面B1214を転動する球の中心BCPの移動軌跡が左傾斜軌跡BKL1として左下がりの直線で図示され(図140(a)参照)、第1案内板B1300の開放状態において転動面B1311,B1321及び右上配置傾斜面B1213を転動する球の中心BCPの移動軌跡が右傾斜軌跡BKL2として右下がりの直線で図示される(図140(b)参照)。
ここで、開放状態の第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられ、ラウンド間インターバル(本実施形態では、0.04秒)を空けて第1案内板B1300が開放状態に切り替えられる場合、その間に球の中心BCPは下降変位し得る。その下降変位した後の中心BCPが転動面B1311,B1321及び右上配置傾斜面B1213よりも上側にあれば、開放状態に切り替えられる第1案内板B1300の転動面B1311,B1321の正面側端部を球の下半球部分に潜り込ませることで球を救い上げることができる。そのため、下降変位した後の球の中心BCPの配置と、転動面B1311,B1321との上下関係が重要となる。
ラウンド間インターバル(本実施形態では、0.04秒)における球の下降変位を自由落下として算出し(本実施形態では、約7.84mm)、その分だけ左傾斜軌跡BKL1から下降変位した球の中心BCPが配置され得る軌跡を下降後軌跡BKD1として図示する(図140(a)参照)。同様に、右傾斜軌跡BKL2から下降変位した球の中心BCPが配置され得る軌跡を下降後軌跡BKD2として図示する。
下降後軌跡BKD1,BKD2は、自由落下後の球の中心BCPが配置され得る点を結んだ線として図示される。そのため、自由落下が妨害される範囲である右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214の上方と、それ以外の範囲とでは線の態様が異なる。
即ち、下降後軌跡BKD1,BKD2は、右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214の上方においては右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214と平行に図示され、右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214の左右外側においては、若干の連結範囲を挟んで、左傾斜軌跡BKL1又は右傾斜軌跡BKL2から下方にオフセットされた線(本実施形態では、平行な直線)として図示される。
第2案内板B1500が閉鎖状態となってから第1案内板B1300が開放状態とされる状態の切り替えの際、転動面B1311,B1321が球の中心BCPよりも下側に配置される状態で切り替えが行われれば、転動面B1311,B1321の正面側端部を球の下半球部に潜り込ませることができ、球を救い上げることができる。
換言すれば、下降後軌跡BKD1が、転動面B1311,B1321よりも上側に配置されている左右方向配置において、転動面B1511,B1521から落下した球は転動面B1311,B1321に救われ得る。
そのため、本実施形態では、入球前範囲上部(図140(a)において、右上配置傾斜面B1213と左上配置傾斜面B1214との頂点位置よりも右側)に配置される球は漏れなく救い上げ可能とされる一方、入球前範囲下部(図140(a)において、右上配置傾斜面B1213と左上配置傾斜面B1214との頂点位置よりも左側)に配置される球の内、下降後軌跡BKD1と転動面B1321との交差位置よりも左側に配置される球は零れ球になり易い。
特に、入球前範囲において転動する球は左右方向の速度成分を有しているので、第2案内板B1500が閉鎖状態となった後の落下態様は、鉛直方向では無く、鉛直方向の変位と左右方向の変位とが合成された放物線に沿う落下となる。そのため、ラウンド間インターバルにおける下降変位量は上述の通り(本実施形態では、約7.84mm)であるとしても、左右方向の位置は球が転動していた転動面B1511,B1521の傾斜に伴う転動方向(本実施形態では、左方向)に寄るので、鉛直方向で自由落下する場合に比較して、球の中心BCPに対する転動面B1311,B1321の配置は上側に寄ることになり、零れ球が発生し易くなる。
これに対し、本実施形態では上述のように、球が入球前範囲下部に複数個配置されることを防止するよう構成されるので、入球前範囲下部からの球の落下の発生を抑制することができる。これにより、零れ球の発生を抑制することができる。
なお、図140で説明した、約7.84mmだけ下降変位する下降後軌跡BKD1,BKD2は、本実施形態におけるラウンド間インターバルに対応したものであり、ラウンド間インターバルの長短に対応して、変更される。
また、本実施形態では転動面B1511,B1521が正面視で同一直線上に配置されるよう構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。ラウンド間インターバルに対応して変更した下降後軌跡を基に案内板B1300,B1500の設計を変更することで、零れ球がより少ない可変入賞装置を製造することができる。
例えば、ラウンド間インターバルが本実施形態での値(0.04秒)よりも長くなる場合には、下のラインが案内部材B1310,B1510の転動面B1311,B1511よりも下側に配置される可能性があるが、上流側部材B1320,B1520に対する案内部材B1310,B1510の配置を下方にずらすように設計変更する(上流側部材B1320,B1520の下流側端部と、案内部材B1310,B1510の上流側端部との間に段が形成されるようにする)ことで、本実施形態と同様に零れ球を防止する効果を奏する構造とすることができる。
なお、案内部材B1300,B1500の張出側先端部が肉厚に形成されるように図示されているが、正面側へ張り出し変位する際の張出側先端部と球との前後方向当接面積が小さくなるように構成しても良い。これにより、案内部材B1300,B1500と覆設部材B1200の本体部材B1210との間に球が挟み込まれ、停留する事態が発生することを防止し易くすることができる。また、この場合において、図14−2に図示される転動面B1311,B1321,B1511,B1521の配置が、張出側先端部の上縁に対応する。
なお、本実施形態では、零れ球を防止する目的から、ラウンド間インターバルを短く設定したが、零れ球の発生を許容してラウンド間インターバルを長く(例えば、2秒)設定しても良い。また、ラウンド間インターバルが長いラウンド間と、ラウンド間インターバルが短いラウンド間を任意に設定しても良い。
図141は、可変入賞装置B1000付近を示す遊技盤13の部分正面拡大図である。図141に示すように、可変入賞装置B1000の上方には、可変入賞装置B1000と連動して動作可能に構成される振分装置B1800が配置される。可変入賞装置B1000の構成から生じる効果により、振分装置B1800の配置範囲が捻出されている。
即ち、従来でも、第2入賞口640の下方に複数の可変入賞装置を配置することは行われていた。しかし、この場合、複数の可変入賞装置の配置に要する範囲が上下方向に大きくなりがちであり、振分装置B1800のような球の流下に作用する可動機構を配置する範囲を捻出することが難しかった。なお、第2入賞口640を上方に配置して範囲を捻出することも考えられるが、それに伴い、スルーゲート67や、その上流側の釘などの構成の配設自由度の低下を招くことになるので、好ましくはなかった。
これに対し、本実施形態の可変入賞装置B1000は、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002を上下に積むのではなく左右に配置される構成を採用すると共に、第1特定入賞口B1001へ球を案内する右傾斜軌跡BKL2の上下高さと第2特定入賞口B1002へ球を案内する左傾斜軌跡BKL1の上下高さとが同等となる構成を採用することで、複数の特定入賞口B1001,B1002を備える可変入賞装置B1000の上下寸法を抑制することができる。
更に、右傾斜軌跡BKL2と左傾斜軌跡BKL1とが交差し、球の軌跡が部分的に重なるように構成することで、ベース板60(図124参照)とガラスユニット16(図1参照)との間の隙間幅という球1個が通れる程度の前後幅(本実施形態では、約19mm)に遊技領域の少なくとも一部を限定して構成する場合であっても、右傾斜軌跡BKL2及び左傾斜軌跡BKL1の双方の左右方向長さを十分に確保することができる。
なお、本実施形態では、右傾斜軌跡BKL2の上下高さと、左傾斜軌跡BKL1の上下高さとが全域に亘って同等となることで、複数の特定入賞口B1001,B1002を備える可変入賞装置B1000の上下寸法を抑制することができる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右傾斜軌跡BKL2の少なくとも一部の上下高さと、左傾斜軌跡BKL1の少なくとも一部の上下高さとが同等となるように構成しても良い。即ち、右傾斜軌跡BKL2と、左傾斜軌跡BKL1とが左右非対称な位置で交差しても良いし、右傾斜軌跡BKL2の長さと、左傾斜軌跡BKL1の長さとが異なるように構成しても良い。
振分装置B1800は、左端部がベース板60に回転可能に軸支される板状部材を備え、不図示の機構によって、第2駆動装置B1600(図134参照)の状態切り替えに連動して姿勢変化するように構成される。即ち、第2駆動装置B1600の第2ソレノイドB1610が励磁されると右下がり傾斜の姿勢とされ(図141の想像線部分参照)、第2ソレノイドB1610が非励磁の状態では左下がり傾斜の姿勢とされる(図141の実線部分参照)。
なお、振分装置B1800に第2駆動装置B1600の駆動力を伝達する機構としては、種々の態様が例示されるが、例えば、振分装置B1800の回動先端部からベース板60の背側面を超えて棒状部が突設され、その棒状部と係合する係合部材がベース板60の背面側に左右方向変位可能に配設され、その係合部材が第2駆動装置B1600の直動部材B1620に連結するようにしても良い。この場合において、係合部材が右方に変位するのに伴い、棒状部との係合位置が下方に変位するよう形成される(例えば、正面視左下がりに傾斜する形状から形成される)ことで、第2駆動装置B1600で生じる駆動力により振分装置B1800の姿勢を変化させることができる。
振分装置B1800で分岐する球の流下経路BL1,BL2について説明する。第2駆動装置B1600(図134参照)が非励磁の状態の場合、振分装置B1800が左下がり傾斜の姿勢で維持されるので、球は左側流下経路BL1で流下し易い。
左側流下経路BL1で流下する球は、振分装置B1800よりも左側の範囲に植設される釘を伝って左方へ流下し、釘により設定される分岐点で、球案内受部B1260に入球可能な流路と、傾斜面B1243に到達する流路とに分岐される。
そのため、振分装置B1800よりも左側に植設される釘の配置態様によって、球案内受部B1260への球の向かい易さを設定することができる。なお、本実施形態では、約2:1の比で、傾斜面B1243に到達する流路へ分岐される球と、球案内受部B1260に入球可能な流路へ分岐される球とが振り分けられるように釘の配置態様が設定されている。
従って、本実施形態で例示されるように、球案内受部B1260が、一般入賞口63として構成され賞球個数が3個に設定される場合には、時短中や確変中に振分装置B1800に到達し左側流下経路BL1で3個の球が流下する度に、その内の1個の球が球案内受部B1260に入球し賞球として3個の球が払い出されるので、時短中や確変中における球減りを抑制することができる。
一方、第2駆動装置B1600が励磁されると、振分装置B1800が右下がり傾斜の姿勢とされるので、球は右側流下経路BL2で流下し易い。右側流下経路BL2で流下する球は、傾斜面B1223に到達する。
ここで、可変入賞装置B1000を利用した特別遊技状態の進行について説明する。特別遊技状態では、上述のように、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返されるが、各ラウンドで第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002のどちらが開放されるかを種々の態様で設定することができる。なお、以下の説明において、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が開放される状態を、単に「ラウンド」とも称する。
例えば、全てのラウンドにおいて第1特定入賞口B1001が開放されるように設定することも可能であるし、全てのラウンドにおいて第2特定入賞口B1002が開放されるように設定することも可能であるし、第1特定入賞口B1001が開放されるラウンドと第2特定入賞口B1002が開放されるラウンドとを織り交ぜることも可能である。なお、本実施形態では、ラウンドと開放される特定入賞口B1001,B1002との関係が、後述する大当たり種別ごとに予め設定される。
本実施形態では、大当たり種別が後述する大当たりA、大当たりB、大当たりC又は大当たりaである場合、奇数ラウンドにおいて第2特定入賞口B1002が開放され、偶数ラウンドにおいて第1特定入賞口B1001が開放されるように設定される(第1の作動パターン)。即ち、ラウンドが進行するごとに、開放される特定入賞口B1001,B1002が交互に切り替えられる。
この場合、第1の特徴として、遊技状態が特別遊技状態に移行すると、第2ソレノイドB1610が励磁されることで、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられると共に、振分装置B1800が傾倒変位する。
そのため、前後スライド変位という正面視での状態の変化が乏しく状態の切り替えを見逃しやすい変位態様で第2案内板B1500が変位する場合であっても、振分装置B1800が正面視での状態の変化が大きい変位態様で第2案内板B1500の変位と同時に変位することにより、振分装置B1800の状態の切り替えを視認することで、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられたタイミングを見逃す事態の発生を防止し易くすることができる。
第2の特徴として、可変入賞装置B1000へ球が案内される経路が切り替えられることで、第1案内板B1300又は第2案内板B1500の内、開放状態となっている側の上流に配置される傾斜面B1223,B1243に球を着地させることができる。これにより、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の開閉の状態切り替えの際に球の落下を抑制する仕組み(図137及び図139参照)を、毎ラウンドで生じさせることができる。
換言すれば、例えば、複数の連続したラウンドにおいて、傾斜面B1223又は傾斜面B1243の内の片方(例えば、傾斜面B1223)に球が着地する場合、球の入球前範囲上部に球を受け入れる案内板(第2案内板B1500に相当)が開放状態から閉鎖状態に切り替えられ、反対側の案内板(第1案内板B1300に相当)が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ開始される大当たりラウンドの開始時には球の落下を防止し易い。
一方、その次のラウンドは、入球前範囲下部に球を受け入れる案内板(第1案内板B1300に相当)が開放状態から閉鎖状態に切り替えられ、反対側の案内板(第2案内板B1500に相当)が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ開始されるが、開放状態に切り替えられる案内板が球の下方に配置されているわけでは無いので、球の落下を防止し難い。従って、球の落下を抑制する効果を毎ラウンドで生じさせることは難しい。
これに対し、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりC又は大当たりaでは、球の流下経路をラウンド毎に左側流下経路BL1と右側流下経路BL2とで交互に切り替えることで、球が着地する傾斜面B1223,B1243をラウンド毎に交互に切り替えることができ、球の落下の抑制効果を毎ラウンドで生じさせることができる。
第3の特徴として、球案内受部B1260に球が案内され得るラウンドと球案内受部B1260に球が案内されないラウンドとを交互に生じさせ、時間が長くなり易いが特定入賞口B1001への入球の他に球案内受部B1260への入球による賞球の払い出しを期待できるラウンドと時間が短くなり易いが球案内受部B1260への入球による賞球の払い出しは期待できないラウンドとを交互に生じさせることができる。
ここで、ラウンド遊技は、規定個数(本実施形態では、10個)の球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入球することで終了する。球の発射間隔の最短時間は一定に制限されており(本実施形態では、0.6秒間隔)、これにより可変入賞装置B1000に規定個数の球が到達し得る最短時間も制限されている。
球が右側流下経路BL2を流下して可変入賞装置B1000に到達する場合、振分装置B1800よりも下流側に流下した球が全て可変入賞装置B1000に到達するので、発射した球を全て第2特定入賞口B1002へ入球させることが可能である。従って、球の発射からラウンド遊技の終了までに要する時間は、第2特定入賞口B1002に入球し得る1個目の球の発射開始から10個目の球が第2特定入賞口B1002に入球するまでの時間となる。
一方、球が左側流下経路BL1を流下して可変入賞装置B1000に到達する場合、振分装置B1800よりも下流側に流下した球が全て可変入賞装置B1000に到達するのではなく、3個に1個の割合で球案内受部B1260に入球し、可変入賞装置B1000の第1特定入賞口B1001には到達しない。
この場合、発射した球を全て第1特定入賞口B1001へ入球させることはできず、規定個数の球を第1特定入賞口B1001に入球させるためには規定個数よりも多くの球を発射することを要する。詳述すれば、規定個数の1.5倍の個数の球を発射することを要する。
従って、球の発射からラウンド遊技の終了までに要する時間は、第1特定入賞口B1001に入球し得る1個目の球の発射開始から15個目の球が第1特定入賞口B1001に入球するまでの時間となる。
このように、規定個数の球を可変入賞装置B1000に到達させるために要する発射球数を、連続するラウンド間で1.5倍異ならせることができるので、ラウンド遊技に要する時間が短いラウンドとラウンド遊技に要する時間が長いラウンドとを生じさせることができる。これにより、大当たり遊技の実行(消化)に要する時間を調整する制御を行い易くすることができる。
また、ラウンド遊技に要する時間が短いラウンドとラウンド遊技に要する時間が長いラウンドとが交互に生じるので、遊技者に対して大当たり遊技が間延びしている印象を与えることを避け易くすることができる。
なお、球案内受部B1260への入球確率は、釘の配設位置の設計変更等により容易に変更することができる。例えば、2球に1球が球案内受部B1260に案内される設計とすれば、左側流下経路BL1で球が流下するラウンド遊技に要する時間を更に延ばすことができる。また、例えば、10球以上に1球が球案内受部B1260に案内される設計とすれば、左側流下経路BL1で球が流下するラウンド遊技に要する時間と右側流下経路BL2で球が流下するラウンド遊技に要する時間との違いを小さくすることができる。
第4の特徴として、球の入球間隔を、第1案内板B1300又は第2案内板B1500が開放状態で維持されている間と、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の状態の切り替えのタイミングと、で変化させ易くすることができる。これにより、大当たり遊技における入球態様が単調になることを防ぐことができると共に、球の払い出しが途切れやすいラウンド間インターバルの前後(本実施形態では直後)に払い出される賞球個数を多くし易くすることができるように構成することができる。
これについて、第2案内板B1500が開放状態で維持され、第2特定入賞口B1002へ球が案内されている状態を例に説明する。この場合、振分装置B1800まで到達した球は、振分装置B1800の傾斜に沿って可変入賞装置B1000の傾斜面B1223に着地し、傾斜面B1223の傾斜に沿って第2特定入賞口B1002へ向けて転動する。
図141に示すように、続々と発射される球は傾斜面B1223の傾斜に沿って第2案内板B1500の上面に着地する。上述のように、第2案内板B1500の開放状態において入球前範囲の内、入球前範囲下部(延設支持部B1212を基準とする下流側部)の流下経路を球が通過するのに0.5秒を要し、入球前範囲上部(延設支持部B1212を基準とする上流側部)の流下経路を通過する場合に突設部間の通過に0.5秒を要するところ突設部B1140,B1211が3本あることから1.0秒を要する。
そのため、図141に示すように、球BP3が第2案内板B1500に乗ってから第2検出センサB1250の開口に到達するまでに(約1.5秒間)、後から発射された2個の球BP4,BP5が第2案内板B1500に容易に乗り得る(発射間隔が0.6秒なので、3個の球BP3,BP4,BP5を発射するのに要する時間は約1.2秒)。また、第2案内板B1500に到達しないまでも、振分装置B1800を超えて傾斜面B1223に到達する球BP6もある。
図141に示す球BP3が、第2案内板B1500の開放状態により構成される大当たりラウンドの規定個数目の入球として第2検出センサB1250に検出された場合、第2案内板B1500は閉鎖状態へ切り替えられ、その後、ラウンド間インターバル(本実施形態では、約0.04秒間)を空けて第1案内板B1300が開放状態へ切り替えられる。
この場合、球BP4,BP5の中心BCPは共に第1案内板B1300よりも上方に配置されているので、第1案内板B1300が開放状態を構成する前に第1案内板B1300の下方に落下することを回避することができる(図140(a)、図140(b)参照)。
第1案内板B1300が開放状態に切り替えられると、球BP4,BP5が第1案内板B1300の傾斜に沿って第1特定入賞口B1001へ向けて流下する。上述した通り、入球前範囲の内、入球前範囲下部(延設支持部B1212よりも下流側)を転動する球との関係においては、突設部B1140及び左右に配置される突設部B1211は、球と当接しないように構成されているので、球BP4,BP5は突設部B1140及び左右に配置される突設部B1211により減速されることなく第1特定入賞口B1001に案内される。
その際、球BP5、球BP4の順で第1特定入賞口B1001を通過する。即ち、第2特定入賞口B1002に近い側の球BP4の方が、第2特定入賞口B1002から離れて配置される球BP5よりも後で第1特定入賞口B1001を通過する。
また、球BP6も、突設部B1140及び左右に配置される突設部B1211と当接することで左右方向の速度成分が低減されるので、第1案内板B1300に着地した後、速やかに第1特定入賞口B1001に入球する。
このように、第2案内板B1500の開放状態から、第1案内板B1300の開放状態に状態が切り替えられた直後において、球BP4,BP5,BP6が短時間で連続して第1特定入賞口B1001に入球し、多量の賞球の払い出しが発生する。
即ち、第2案内板B1500が開放状態で維持されている間は約0.5秒に1個の間隔で球の入球が生じていたが、第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられ、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられた直後においては、約0.5秒以内に3個の球BP4,BP5,BP6が第1特定入賞口に入球する。これにより、大当たり遊技において球の入球間隔が一定となることに起因する、入球態様や、入球に伴う演出(例えば、第3図柄表示装置81において表示される賞球の払い出し個数を報知する表示演出や、同様の目的で出力される音声出力演出)の単調さを低減し、入球態様や演出に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1案内板B1300の状態が切り替えられると共に振分装置B1800の姿勢が切り替えられ、球の流下経路が左側流下経路BL1に切り替えられるので、第1案内板B1300の状態が切り替えられてから振分装置B1800に到達した球が第1案内板B1300に到達するまでに時間が空き易い構成である。
そのため、対策なしでは、賞球の払い出しが途切れ易く、遊技者が、大当たり遊技で得られる賞球が少ないと感じたり、大当たり遊技が間延びしていると感じたりしやすく、遊技者の興趣の低下を招く虞がある。
これに対し、本実施形態によれば、上述のように、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられた直後に複数個の球BP4,BP5,BP6が第1特定入賞口B1001に入球されることで、払い出しが予定(予約)される賞球個数を確保している。
そのため、第1案内板B1300の状態が切り替えられてから振分装置B1800に到達した球が第1特定入賞口B1001に入球するまでに払い出される賞球を、球BP4,BP5,BP6の第1特定入賞口B1001への入球に伴う賞球で賄うことができるので、本実施形態のように球の流下経路が長く構成される場合であっても、賞球の払い出しが途切れることを防止することができる。これにより、遊技者が大当たり遊技で得られる賞球が少ないと感じたり、大当たり遊技が間延びしていると感じたりすることを防止することができる。
なお、第1案内板B1300が開放状態とされ、球が左側流下経路BL1を流下する場合、一部の球が球案内受部B1260に入ることになる結果、第1案内板B1300の上面に形成される球の入球前範囲上部に配置される球の個数が2個よりも少ない場合が多くなるので、第1案内板B1300が閉鎖状態に切り替えられた後、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられた直後に生じ得る第2特定入賞口B1002への入球に伴う払い出しの増加程度は、球BP4,BP5,BP6等で上述したもの(即ち、第2開閉板B1500が閉鎖状態へ切り替えられた後で、第1開閉板B1300が開放状態に切り替えられた直後に生じ得る第1特定入賞口B1001への入球に伴う払い出しの増加程度)に比較して緩やかになる。
一方で、特定入賞口B1001,B1002の開閉に関わらず、球案内受部B1260への入球が生じ得る。この入球によっても球の払い出しが生じるので、そもそもの課題とした、払い出しの単調さや、ラウンド間インターバルでの球の払い出しの途切れが発生しにくい。
図142を参照して、第11実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図142(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図142(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図142(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図142(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図142(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約1160個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約580個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、可変入賞装置B1000は第1の作動パターンで動作する。従って、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も長くなる。
特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜89」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、発射分の球を差し引いた増加分として約2100個とされ、大当たり遊技にかかる時間が大当たりaにかかる時間よりも短くなり易くなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、発射分の球を差し引いた増加分として約2250個とされ、大当たり遊技にかかる時間が大当たりaにかかる時間よりも長くなり易くなる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に応じて、可変入賞装置B1000の作動パターンが変化する。この作動パターンの違いにより、大当たりラウンド数を不変とする一方で、払い出し個数と、可変入賞装置B1000に到達したものの第1特定入賞口B1001にも第2特定入賞口B1002にも入球せずにアウト口66へ向かう球(以下、「零れ球」とも称す)の発生頻度と、大当たり遊技に要する時間と、に差を設けることができる。
詳述すれば、球案内受部B1260への入球の有無で賞球個数に差を設けたり、大当たり遊技に要する時間を強制的に長期化したりすることに加え、ラウンド間インターバルにおける零れ球の発生確率に差を設けることができるので、大当たり種別の違いによって大当たり遊技により遊技者が得られる単位時間あたりの利益(時間効率を含めた払い出し個数、遊技効率)に差を設けることができる。
これにより、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)での大当たりの内訳に、時間効率よく多量の払い出しを受けられる大当たり(大当たりa)と、時間効率または払い出し個数の少なくとも一方が劣化する大当たり(大当たりb、大当たりc)とを設ける事ができ、大当たりaを獲得した場合に得られる遊技者の利益バランスを良化させることができる。これにより、大当たりaを獲得する確率を大きく維持しても、小さな確率で利益バランスの劣化した大当たりb,cを獲得することになるので、所定時間継続して遊技をする場合の利益バランスの振り幅が大きい遊技機を構成することができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図142(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図142(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図142(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
次いで、図143を参照して、第11実施形態の第1制御例における第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開放パターンについて説明する。図143(a)は、第1の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、図143(b)は、第2の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、図143(c)は、第3の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図である。
図143(a)に示すように、第1の作動パターンでは、ラウンドが切り替わるごとに開放される特定入賞口B1001,B1002が交互に切り替えられる。即ち、第2ソレノイドB1610が励磁されるラウンドと第1ソレノイドB1410が励磁されるラウンドとが交互に生じ、球が右側流下経路BL2を流下するラウンドと球が左側流下経路BL1を流下するラウンドとが交互に生じる。
15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数について説明する。なお、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002での超過入賞による払い出し(10個を超える球が入球した場合における超過分の払い出し)個数は考慮しない。
まず、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球により15個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数が10個となっているので、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、2100個(=(ラウンド数×規定個数×(払い出し個数−1))=(15×10×(15−1)))となる。
次に、偶数ラウンドでは、球案内受部B1260への入球により3個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数である10個の球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へ入球することに対して、球案内受部B1260へは5個の球の入球が期待できるので、球案内受部B1260への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、70個(=(ラウンド数×期待個数×(払い出し個数−1))=(7×5×(3−1)))となる。
そのため、第1の作動パターンで第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が開閉する15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数は2170個となる。
15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間について、発射球数を基に説明する。なお、0.6秒間隔で球を発射し続ける遊技態様を前提とする。
奇数ラウンドでは、発射した球が全て第2特定入賞口B1002へ入球することが期待できるので、規定個数(本実施形態では、10個)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、6秒(=球数×発射間隔=10×0.6)となる。
一方、偶数ラウンドでは、発射した球の内、3球に2球が第1特定入賞口B1001へ入球することが期待できるので、15個(=規定個数×3/2=10×3/2)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、9秒(=球数×発射間隔=15×0.6)となる。
ここから、15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間が111秒(=奇数ラウンドの数×6+偶数ラウンドの数×9=8×6+7×9)と算出される。
第1の作動パターンによれば、上述の説明から、零れ球の発生は0個に抑えられるので、遊技効率を、約19.5[個/秒](=(賞球個数−零れ球数)/遊技時間=(2170−0)/111)と算出することができる。
図143(b)に示すように、第2の作動パターンでは、ラウンド遊技において開放されるのが、第2特定入賞口B1002に固定される。即ち、第2ソレノイドB1610が励磁されるラウンドのみで構成され第1ソレノイドB1410は非励磁の状態で維持されるので、球が右側流下経路BL2を流下するラウンドのみが生じ、球が左側流下経路BL1を流下するラウンドが生じない。
15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数について説明する。なお、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002での超過入賞による払い出し(10個を超える球が入球した場合における超過分の払い出し)個数は考慮しない。
まず、第2特定入賞口B1002への入球により15個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数が10個となっているので、第2特定入賞口B1002への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、2100個(=(ラウンド数×規定個数×(払い出し個数−1))=(15×10×(15−1)))となる。
次に、球の流下が右側流下経路BL2に限定される関係上、球案内受部B1260への入球は生じない。従って、球案内受部B1260の入球に関する球の増加個数は0個である。
そのため、第2の作動パターンで第2特定入賞口B1002が開閉する15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数は2100個となる。
15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間について、発射球数を基に説明する。なお、0.6秒間隔で球を発射し続ける遊技態様を前提とする。
第2の作動パターンでは、球が球案内受部B1260に入球しないので、発射した球が全て第2特定入賞口B1002へ入球することが期待できるので、規定個数(本実施形態では、10個)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、6秒(=球数×発射間隔=10×0.6)となる。
ここから、15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間が90秒(=ラウンドの数×6=15×6)と算出される。
第2の作動パターンによれば、零れ球の発生を無くすことは困難である。仮に、ラウンド間で平均2個の零れ球が発生すると想定すると、零れ球の総数は28[個](=2×14)となる。この場合、遊技効率を、約23.0[個/秒](=(賞球個数−零れ球数)/遊技時間=(2100−28)/90)と算出することができる。
図143(c)に示すように、第3の作動パターンでは、ラウンド遊技により開放されるのが第1特定入賞口B1001に固定される。即ち、第1ソレノイドB1410が励磁されるラウンドのみで構成され第2ソレノイドB1610は非励磁の状態で維持されるので、球が左側流下経路BL1を流下するラウンドのみが生じ、球が右側流下経路BL2を流下するラウンドが生じない。
15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数について説明する。なお、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002での超過入賞による払い出し(10個を超える球が入球した場合における超過分の払い出し)個数は考慮しない。
まず、第1特定入賞口B1001への入球により15個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数が10個となっているので、第1特定入賞口B1001への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、2100個(=(ラウンド数×規定個数×(払い出し個数−1))=(15×10×(15−1)))となる。
次に、球案内受部B1260への入球により3個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数である10個の球が第1特定入賞口B1001へ入球することに対して、球案内受部B1260へは5個の球の入球が期待できるので、球案内受部B1260への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、150個(=(ラウンド数×期待個数×(払い出し個数−1))=(15×5×(3−1)))となる。
そのため、第3の作動パターンで第1特定入賞口B1001が開閉する15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数は2250個となる。
15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間について、発射球数を基に説明する。なお、0.6秒間隔で球を発射し続ける遊技態様を前提とする。
各ラウンドにおいて、発射した球の内、3球に2球が第1特定入賞口B1001へ入球することが期待できるので、15個(=規定個数×3/2=10×3/2)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、9秒(=球数×発射間隔=15×0.6)となる。
ここから、15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間が135秒(=ラウンドの数×9=15×9)と算出される。
第3の作動パターンによれば、零れ球の発生を無くすことは困難である。仮に、ラウンド間で平均2個の零れ球が発生すると想定すると、零れ球の総数は28[個](=2×14)となる。この場合、遊技効率を、約16.5[個/秒](=(賞球個数−零れ球数)/遊技時間=(2250−28)/135)と算出することができる。
従って、15ラウンドの大当たり遊技を実行する場合であっても、それに要する時間や、払い出し賞球個数が異なる。即ち、大当たり遊技が第3の作動パターンで実行される場合の方が、第1の作動パターンで実行されるよりも大当たり遊技に必要な遊技時間が長くなり、第1の作動パターンで実行される場合の方が、第2の作動パターンで実行されるよりも大当たり遊技に必要な遊技時間が長くなる。
また、大当たり遊技が第3の作動パターンで実行される場合の方が、第1の作動パターンで実行されるよりも払い出し賞球個数が多くなり、第1の作動パターンで実行される場合の方が、第2の作動パターンで実行されるよりも払い出し賞球個数が多くなる。
更に、上記定義における遊技効率に着目すると、大当たり遊技が第2の作動パターンで実行される場合の方が、第1の作動パターンで実行されるよりも遊技効率が高くなり(23.0>19.5)、第1の作動パターンで実行される場合の方が、第3の作動パターンで実行されるよりも遊技効率が高くなる(19.5>16.5)。
このように、本実施形態によれば、特別図柄2の大当たりのラウンド数は同等としながら、賞球個数や遊技時間が異なるように設定することができる。遊技効率も含めた対比によれば、第1の作動パターンが、第2,第3の作動パターンとの比較において、常に中位の性能を発揮する、バランスの取れた作動パターンであるといえる。
本実施形態によれば、特別図柄1の大当たりでは、大当たり種別に関わらず可変入賞装置B1000が第1の作動パターンで制御されるので、零れ球の発生を極力抑えることができる。特別図柄1の大当たりの時は、遊技者の持ち球が少ないため、遊技者は1個でも球を増加させたいと欲している。零れ球は、確実に無駄球になる球であるので、特別図柄1の大当たりにおける零れ球の発生は、特に遊技者を落胆させる。一方で、本実施形態によれば、特別図柄1の大当たりにおける零れ球の発生を極力抑えることができるので、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一方、特別図柄2の大当たりでは、第1の作動パターンの他に、第1の作動パターンに比較して大当たり遊技に要する時間が短くなる第2の作動パターンと、第1の作動パターンに比較して賞球個数が多くなる第3の作動パターンと、が追加される。
これにより、獲得した大当たりの大当たり種別ごとに得られる利益を若干変更させることができるので、大当たり種別に関わらず作動パターンが変化しない場合に比較して大当たり遊技が単調になることを回避することができる。
第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、零れ球の発生を抑えることは難しいが、特別図柄2の大当たりは、特別図柄1の大当たりを経て獲得するものであるので、遊技者は既にまとまった賞球の払い出しを得ている。そのため、零れ球の発生に対する落胆の程度を下げることができ、零れ球の発生により遊技者の興趣が下がる程度を低減することができる。
図144から図157を参照して、第12実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の案内板B1300,B1500が前後方向にスライド移動して開放状態を構成する場合を説明したが、第12実施形態における可変入賞装置B2000は、開閉板B2300及び開閉棒B2500が所定の回転軸を中心に回転移動して開放状態を構成可能である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図144は、第12実施形態における遊技盤13の正面図である。第12実施形態では、遊技領域の構成部が左右対称に構成され、遊技者は、常時、左打ち遊技を行うか、右打ち遊技を行うかを、任意に選択可能とされ、その選択により生じる不利益が少なくなるように構成されている。可変入賞装置B2000は、遊技領域の左右中央下部に配置される。
図145、図146及び図147は、可変入賞装置B2000の正面斜視図である。図145では、開閉板B2300及び開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図146では、開閉棒B2500の閉鎖状態および開閉板B2300の開放状態が図示され、図147では、開閉棒B2500の開放状態および開閉板B2300の閉鎖状態が図示される。
なお、図145、図146及び図147では、視認性を良くして理解を容易とするために、覆設部材B2200の本体部材B2210が外形を除き透明に図示され、その背面側の形状を視認可能に図示される。
可変入賞装置B2000は、発射され可変表時装置ユニット80の左右側を流下する球の内、上面に備える傾斜面B1223,B1243に到達した球のほぼ全てを第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間の範囲(流路構成範囲、入球前範囲)に案内可能に構成される。
図148は、可変入賞装置B2000の分解正面斜視図であり、図149は、可変入賞装置B2000の分解背面斜視図である。可変入賞装置B2000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B2100と、その基礎部材B2100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B2200と、それら本体部材B2100と覆設部材B2200との間に挟まれることで軸支される開閉板B2300と、その開閉板B2300を駆動する第1駆動装置B2400と、本体部材B2100と覆設部材B2200との間に挟まれることで軸支される開閉棒B2500と、その開閉棒B2500を駆動する第2駆動装置B2600と、基礎部材B2100に背面側から組み付けられ第1駆動装置B2400及び第2駆動装置B2600を背面側から覆うように構成される後カバー部材(図示せず)と、を主に備える。後カバー部材は、排出口B1150から排出された球が通過する貫通孔である排出部を備え、その排出部から排出された球は、図示しない球排出路へと案内される。
基礎部材B2100は、第1実施形態で説明した基礎部材B1100と比較して貫通形成部B1120及び案内口B1160を備えていない代わりに、他の構成部を備える。即ち、基礎部材B2100は、詳細については上述した部分として、一対の保持孔B1130と、複数の突設部B1140と、一対の排出口B1150と、を備える。
また、基礎部材B2100は、新たに説明する部分として、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材B2110と、その薄板部材B2110に正面から背面側へ向けて凹設され開閉板B2300の軸部B2320を収容し部分的に貫通形成される第1収容部B2111と、薄板部材B2110に正面から背面側へ向けて凹設され開閉棒B2500の軸部B2511,B2521を収容し部分的に貫通形成される第2収容部B2115と、薄板部材B2110の背面側へ突設され第1駆動装置B2400の動力伝達部材B2430を支持する回転支持部B2170と、薄板部材B2110の背面側に形成され第2駆動装置B2600の従動回転部材B2630及び伝達下流部材B2640の変位を案内する案内支持部B2180と、を主に備える。
第1収容部B2111は、開閉板B2300の軸部B2320が収容される左右一組の支持凹部B2112と、その支持凹部B2112の間を繋ぐ直線の下方において矩形状に凹設される矩形凹部B2113と、その矩形凹部B2113の右端に沿って動作する開閉板B2300の被荷重部B2330を薄板部材B2110の前後に移動させるために一対の支持凹部B2112を繋ぐ直線に対して垂直な方向に沿う矩形形状で貫通形成される貫通孔B2114と、を主に備える。
支持凹部B2112は、左右で構造が異なる。右側の支持凹部B2112は、開閉板B2300の軸部B2320よりも若干大きな幅で正面側から背面側へ向けて凹設形成され、組立状態において、開閉板B2300の軸部B2320が収容され、覆設部材B2200の背面によって凹設開口が閉鎖される。即ち、支持凹部B2112と覆設部材B2200の背面とで開閉板B2300が軸支される。
これに対し、左側の支持凹部B2112は、開閉板B2300の軸部B2320よりも若干大きな幅で背面側から正面側へ向けて凹設形成され、組立の際には、開閉板B2300の軸部B2320が矩形凹部B2113側から斜めに差し込まれる態様で収容される。即ち、支持凹部B2112の正面側底部と、矩形凹部B2113の端部とで開閉板B2300が軸支される。
矩形凹部B2113は、開閉板B2300の板部B2310よりも表面積が大きくされ、その凹設長さは板部B2310の板厚よりも若干長くされる。これにより、開閉板B2300が傾倒する姿勢(閉鎖状態)において、板部B2310を完全に矩形凹部B2113に収容でき、薄板部材B2110の正面側に開閉板B2300が張り出すことを防止できる。
第2収容部B2115は、開閉棒B2500の軸部B2511,B2521が収容される左右一対の支持凹部B2116と、その支持凹部B2116の左右内側において開閉棒B2500の軸部B2511,B2521の軸方向に直交する平面に沿う長孔状に開口形成される開口部B2117と、を主に備える。
支持凹部B2116は、非貫通凹部として形成され、開閉棒B2500の軸部B2511,B2521よりも幅が若干大きく形成され、組立状態において、開閉棒B2500の軸部B2511,B2521が収容され、覆設部材B2200の背面によって凹設開口が閉鎖される。即ち、支持凹部B2116と覆設部材B2200の背面とで開閉棒B2500が軸支される。
詳述すれば、左アーム部B2510の軸部B2511は左側延設部B1240の背側面と支持凹部B2116とにより軸支され、右アーム部B2520の軸部B2521は右側延設部B1220に配設される庇部B2271の背側面と支持凹部B2116とにより軸支される。
開口部B2117は、開閉棒B2500の開閉部B2513の短手方向幅よりも短手方向幅が若干長く形成され、開閉棒B2500の開放状態において開閉部B2513が進入可能となるように構成される。本実施形態では、開閉棒B2500の開放状態(下降位置の状態)において、開閉部B2513を完全に開口部B2117に収容できることで、開閉棒B2500の回動角度を大きく確保し易くすることができる。なお、縦長の開口の途中位置から支持凹部B2116の反対側へ延びる切り欠きは左アーム部B2510の作用部B2512を背面側へ通す開口部として機能する。
回転支持部B2170は、動力伝達部材B2430を回転可能に軸支する軸部B2171と、その軸部B2171と同軸の円形状または円弧形状に沿って薄板部材B2110の背面側へ均等な突設高さのリブ状に形成される円形リブB2172と、を主に備える。
円形リブB2172は、動力伝達部材B2430の回転先端部B2436と、薄板部材B2110の背面との間隔を一定距離以上に維持する。即ち、動力伝達部材B2430の動作中において、回転先端部B2436と当接する全角度範囲において、円形リブB2172が形成される。
案内支持部B2180は、軸部B2171と平行かつ同様の形状で突設され第2駆動装置B2600の従動回転部材B2630を回転可能に軸支する軸部B2181と、その軸部B22181の左側において上下方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条B2182と、を備える。案内突条B2182は、一対が平行に並設されており、後述する伝達下流部材B2640の上下変位を案内可能に構成されている。
覆設部材B2200は、第1実施形態で説明した覆設部材B1200と比較して球案内受部B1260を備えていない代わりに、他の構成部を備える。即ち、覆設部材B2200は、詳細については上述した部分として、右側延設部B1220と、第1検出センサB1230と、左側延設部B1240と、第2検出センサB1250と、を備える。
また、覆設部材B2200は、新たに説明する部分として、基礎部材B2100の薄板部材B2110から正面側に所定距離離れて配設される板状の本体部材B2210と、右側延設部B1220の延設先端部から左側延設部B1240側へ突条状に延びる蓋板部B2270と、を主に備える。
本体部材B2210と、右側延設部B1220の正面視左側壁部と、左側延設部B1240の正面視右側壁部と、基礎部材B2100の薄板部材B2110と、で囲まれる範囲(入球前範囲)を球が流下可能に構成される。
本体部材B2210は、背面側において球の流下経路に向けて背面側へ突設される複数の突設部B2211と、開閉棒B2500の回転軸線の傾斜に沿う長尺矩形状に開口形成される長尺開口部B2215と、を備える。
突設部B2211は、機能としては上記各実施形態で記載の突設部B1211と同様であるが、本実施形態では、長尺開口部B2215からは突設形成することができないことと、開閉棒B2500との衝突を回避する必要性とに起因して、形状が異なる。
即ち、突設部B2211は、球の流下経路側を向く側面の外形が、突設部B1140の形状と同等とすることで球を減速させる効果を維持しながら、長尺開口部B2215側を向く側面に、連結部B2530の変位軌跡から若干離れて形成される湾曲面B2212が形成され、長尺開口部B2215よりも上側の部分から下方へ延びる下方延設部B2213が形成される。
突設部B2211の突設長さは、突設部B1140の突設長さと同等とされる。また、開放状態における開閉板B2300又は開閉棒B2500を転動する球の中心からの下端部の高さ位置は、突設部B1140と突設部B2211とで同等とされる。従って、開閉板B2300又は開閉棒B2500を転動する球の前後方向の蛇行程度を同程度とすることができるので、高い減速効果を生じさせることができる。
このように、当接位置を球の中心からずらし、突設部B2211の前後方向の突設長さを長くすると共に上下方向の形成長さを短くすることによって、連結部B2530の変位軌跡の外側に突設部B2211を形成し易くすることができる。
本実施形態では、湾曲面B2212を連結部B2530の変位軌跡から離すための逃げとして構成し、若干隙間を空けたが、連結部B2530と当接可能となるように湾曲面B2212を形成しても良い。即ち、連結部B2530の変位軌跡の後縁部に沿って湾曲面B2212を形成するように設計しても良い。
この場合、湾曲面B2212により連結部B2530の変位を案内することができ、連結部B2530の変位を安定化させることができると共に、開閉棒B2500の閉鎖状態における連結部B2530の後方への変位を湾曲面B2212により規制することができる。
従って、例えば、支持位置において隙間が大きくなっており開閉棒B2500の配置が不安定な場合であっても、開閉棒B2500が閉鎖状態の場合に連結部B2530が後方へ変位し、入球前範囲に張り出すことを防止することができる。これにより、球の流下が阻害されることを防止することができる。
下方延設部B2213は、長尺開口部B2215の外側に突設部B2211の基端部を形成するための部分として機能しており、下方延設部B2213により、突設部B2211を正面視で長尺開口部B2215の内側まで張り出させることができる。
下方延設部B2213は、長尺開口部B2215の上方から垂れる形状とされ、開閉棒B2500の閉鎖状態における連結部B2530の上方および後方を部分的に塞ぐよう構成される。そのため、連結部B2530に球が流下する場合であっても、連結部B2530に衝突する前に下方延設部B2213に衝突させることで、連結部B2530に負荷が与えられることを防止することができる。
なお、図145に示す構成に加えて、下方延設部B2213の形状部のみを長尺開口部B2215の上部に左右に密に並ぶように配置しても良い。これにより、減速の程度は維持しながら、連結部B2530への球の衝突を防止するための下方延設部B2213の形成範囲を広げることができるので、連結部B2530に負荷が与えられることを高確率で防止することができる。
長尺開口部B2215は、開閉棒B2500の連結部B2530が進入可能な形状から形成される。即ち、開閉棒B2500の連結部B2530の移動軌跡を避ける形で開口の形状が設計されている。
本体部材B2210は、光透過性の材料から形成される。従って、遊技者は、入球前範囲を流下する球を視認可能となる。なお、本体部材B2210の態様はこれに限られるものでは無く、部分的に不透過に構成されても良く、その他、上述した本体部材B1210と同様の工夫を施しても良い。
また、本実施形態によれば、長尺開口部B2215を通して本体部材B2210の背面側を視認することができるので、本体部材B2210が光不透過に構成されていても、入球前範囲を流下する球を視認し易くすることができる。
右側延設部B1220は、第1実施形態とほぼ同等の構成を備えているが、開閉板B2300の動作実現のために、突条支持部B1225は形成していない(省略している)。左側延設部B1240は、第1実施形態とほぼ同等の構成を備えているが、突条支持部B1245は形成していない(省略している)。
蓋板部B2270は、基礎部材B2100の支持凹部B2116を正面側から閉塞可能となる位置に形成され、開閉棒B2500の軸部B2521の脱落を防止する部分である。即ち、開閉棒B2500の軸部B2521は、支持凹部B2116と蓋部材B2270によって支持される。
開閉板B2300は、姿勢の違いにより、球を第1検出センサB1230へ向けて転動させる場合と、球と当接せず下方へ落下させる場合とを切り替える部材であって、横長矩形状の板部B2310と、その板部B2310の短手方向端部から長手方向に沿って突設される一対の軸部B2320と、正面視右側の軸部B2320の根本において軸部B2320と直角な平面に沿って延設される被荷重部B2330と、を主に備える。
板部B2310は、上昇姿勢(開放状態、図146参照)において球が転動する転動面B2311を備え、短手方向の長さが、短手方向を前後方向に沿わせる上昇姿勢(開放状態)において覆設部材B2200との間隔が球の半径以下となる長さとされ、長手方向の右端部が、第1検出センサB1230と近接する態様とされる。
また、板部B2310は、軸部B2320の反対側の端部の、上昇姿勢(開放状態)における上側の角部に断面円弧形状に面取りされる面取り部B2312を備える。
板部B2310は、左右方向に長尺の平板状に形成され、球を横並びで5個まで載置可能な長さとされる。
被荷重部B2330は、転動面B2311の正面側に延設される円弧形状の入球防止部B2331と、その入球防止部B2331の軸部B2320側端部から延設される介在伝達部B2332と、その介在伝達部B2332から背面視右側(動力伝達部材B2430が配設される側)に突設される係合部B2333と、を主に備える。
係合部B2333は、動力伝達部材B2430の動作軌跡に進入する位置まで延設され、上面部に円弧形状に面取りされる面取り部B2333aを備える。動力伝達部材B2430との当接時には、角部ではなく面取り部B2333aが動力伝達部材B2430と当接するので、係合部B2333と動力伝達部材B2430との当接時における応力の集中を避けることができる。
第1駆動装置B2400は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第1ソレノイドB2410と、その第1ソレノイドB2410の可動部材の先端に配設される正面視H形状(上下にそれぞれ凹部を備える形状)の先端部材B2420と、基礎部材B2100の軸部B2171に回転可能に軸支され回転により開閉板B2300に負荷を与える動力伝達部材B2430と、を主に備える。
先端部材B2420は、その上側の凹部が、動力伝達部材B2430の突設ピンB2433を収容可能な形状で構成される。詳細には、動力伝達部材B2430が回転動作する間中、突設ピンB2433を内側に収容したままにする形状で凹部が形成される(図151(c)参照)。
動力伝達部材B2430は、円板形状の本体部B2431と、その本体部B2431から軸径方向に延設される延設部B2435と、を主に備える。
本体部B2431は、軸部B2171が挿通される支持孔B2432と、外周部付近から支持孔B2432の穿設方向と平行に突設される突設ピンB2433と、を主に備える。
突設ピンB2433は、先端部材B2420に係合する部分であり、第1ソレノイドB2410の励磁の切替により先端部材B2420が直線動作することに伴い、突設ピンB2433が変位し、動力伝達部材B2430が回転動作する。
延設部B2435は、延設先端部分に支持孔B2432の中心と同軸の円弧形状から形成される回転先端部B2436と、その回転先端部B2436から正面側に突設される押込部B2437と、を備える。
開閉棒B2500は、基礎部材B2100の薄板部材B2110に対して一方端部が揺動可能に支持されると共に前面側において左右方向に離間する左右一対のアーム部B2510,B2520と、それら一対のアーム部B2510,B2520の枢支端部と反対側に位置する他方端部とを連結する連結部B2530と、を備え、略コ字状に形成される。
開閉棒B2500は、アーム部B2510,B2520が揺動した際に、薄板部材B2110の前面側において連結部B2530が薄板部材B2110に対して近接および離間するように構成され、アーム部B2510,B2520は、開閉棒B2500の開放状態において薄板部材B2110側に位置する上端部(一方端部)に、相互に離間する方向へ突出するよう左右の軸部B2511,B2521が形成されて、軸線が正面視左下がりに傾く姿勢で左右の軸部B2511,B2521が薄板部材B2110の支持凹部B2116(図148参照)に支持されている。
連結部B2530は、一対のアーム部B2510,B2520の枢支端部側(薄板部材B2110に枢支される一方端部側)を向く面に、長手方向に沿って延在するように設けられる転動面B2531を備える。
なお、以下の説明では、左側のアーム部を左アーム部B2510と称し、右側のアーム部を右アーム部B2520と称して、区別する場合がある。
左アーム部B2510は、図145に示すように、第2特別入賞口B1002の開口縁に隣接して位置するように設けられ、薄板部材B2110の開口部B2117を通して左アーム部B2510の後端部が薄板部材B2110の後側に突出するよう構成されている。
左アーム部B2510において薄板部材B2110の後側に突出する位置に作用部B2512が設けられており、その作用部B2512が第2駆動装置B2600の伝達下流部材B2640に前側から差し込み可能に構成されている。
これにより、第2ソレノイドB2610の駆動(励磁)に伴って開閉棒B2500が開放状態および閉鎖状態に変位可能(揺動可能)に構成されている。なお、開閉棒B2500の開放状態および開閉状態の詳細については後述する。
ここで、開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態に揺動する際には、軸部B2511,B2521を中心として連結部B2530が下方へ移動しつつ薄板部材B2110に近接移動し、反対に開放状態から閉鎖状態に揺動する際には、軸部B2511,B2521を中心として連結部B2530が薄板部材B2110から離間しつつ上方へ移動するようになっている(図154及び図155参照)。即ち、開閉棒B2500は、開放状態から閉鎖状態に変位する際に、転動面B2531に乗っていた球を下方へ通過させるように揺動するよう構成されている。
ここで、図151(b)及び図152(b)に示すように、一対のアーム部B2510,B2520は、それら一対のアーム部B2510,B2520及び連結部B2530で囲まれる領域を球が通過し得るよう、連結部B2530を薄板部材B2110から離間させ得る長さ寸法で形成されている。
そして、閉鎖状態では、薄板部材B2110との間を球が通過し得るよう連結部B2530を薄板部材B2110から前方へ離間させる一方、開放状態では、薄板部材B2110との間を球が通過不能となるよう連結部B2530を閉鎖状態よりも薄板部材B2110の前方へ近接させるよう構成されている。
即ち、開閉棒B2500は、一対のアーム部B2510,B2520の揺動に伴って連結部B2530が薄板部材B2110の前面側で前後動することで閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、閉鎖状態において、薄板部材B2110との間を球が通過し得るよう連結部B2530が薄板部材B2110の前方に離間して、一対のアーム部B2510,B2520及び連結部B2530により囲まれる領域を球が下方へ通過することを許容する一方、開放状態において、薄板部材B2110との間を球が通過不能となるよう連結部B2530が薄板部材B2110の前方に位置して球を受け止めるよう構成されている。
また、図145に示すように、開閉棒B2500が閉鎖状態にある場合には、第2特定入賞口B1002の開口右側に左アーム部B2510の一部が位置して第2特定入賞口B1002への球の入球を防止すると共に、開閉棒B2530が開放状態にある場合には、第2特定入賞口B1002の開口右側から後方へ左アーム部B2510が退避して第2特定入賞口B1002への球の入球を許容するよう構成されている。
即ち、開閉棒B2500が閉鎖状態および開放状態に切り替えられるのに伴い、第2特定入賞口B1002は、左アーム部B2510により開閉されるようになっている。そこで、以下の説明では、左アーム部B2510において第2特定入賞口B1002を開閉する部分を開閉部B2513と称する。
即ち、開閉棒B2500は、第2特定入賞口B1002に球を入球不能に閉鎖する開閉部B2513を転動面B2531の左右方向の傾斜下端側に備え、開閉棒B2500が上昇位置に配置される閉鎖状態において、開閉部B2513が第2特定入賞口B1002を閉鎖し、開閉棒B2500が下降位置に配置される開放状態において、開閉部B2513が第2特定入賞口B1002を開放するよう構成されている。
本実施形態では、開閉部B2513を後方に向かって凹となる湾曲形状(断面J字形状)に形成することで、開放状態において第2特定入賞口B1002の開口と重ならないよう、左アーム部B2510が後方へ退避するよう構成されている。
なお、開閉部B2513により第2特定入賞口B1002が閉鎖された状態において、球が入球し得ない開口幅で第2特定入賞口B1002の一部は開口する(開口方向から隠されない)よう構成してあるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B1002の開口右側が開閉部B2513で完全にふさがれる構成としても良い。
また、開閉部B2513は、第2特定入賞口B1002と反対側を向く右側面が前縁側に近づくにつれて第2特定入賞口B1002側に傾斜する傾斜面状に形成されて、開閉棒B2500が開放状態から閉鎖状態に状態切り替えした際に、第2特定入賞口B1002の開口に近接する位置で、第2特定入賞口B1002と転動面B2531上の球との間に開閉部B2513を差し込ませ得るようになっている。
即ち、前記開閉部B2513を傾斜面状に形成することで、第2特定入賞口B1002に入球する間際の球(第2検出センサB1250で検出される間際の球)を第2特定入賞口B1002から押し戻し得るようになっている。
また、開閉棒B2500が開放状態にある場合に、開閉部B2513の一部が薄板部材B2110の前側に突出すると共に、転動面B2531より上方に位置するよう構成されており(図153(d)参照)、薄板部材B2110に接した状態で転動面B2531を転動する球が開閉部B2513に接触するようになっている。
従って、薄板部材B2110に接した状態で転動面B2531を転動する球が、転動面B2531の左右方向の傾斜下端部において開閉部B2513に接触することで、開閉部B2513の傾斜に沿って球を薄板部材B2110から離間させて、第2特定入賞口B1002の開口の中心に球を誘導し得るようになっている。
このように、開閉部B2513は、第2特定入賞口B1002に入球する間際の球を押し戻すように機能している一方で、転動面B2531を転動する球を薄板部材B2110から離間させて第2特定入賞口B1002に誘導する誘導面としても機能している。
右アーム部B2520は、左アーム部B2510と略同等の湾曲形状(J字形状)で形成されており、連結部B2530との接続端部(他方端部)に錘部B2522が設けられており、開閉棒B2500を閉鎖状態から開放状態へ向けて付勢するように構成されている。
即ち、開閉棒B2500において、薄板部材B2110に枢支される軸部B2511,B2521から離間する端部側に錘部B2522を設けることで、開閉棒B2500を閉鎖状態から開放状態へ速やかに変位させ得ると共に、開放状態における開閉棒B2500の安定性を錘部B2522により高めて、到達した球が転動面B2531に接触した際の衝撃により開閉棒B2500が開放状態から閉鎖状態へ向けて変位するのを防止(抑制)し得るよう構成されている。
錘部B2522は、図148に示すように、右側方へ開口する円筒状の錘固定部B2522aの側方開口から金属製の錘部材B2523を嵌入固定することで形成されている。
錘部B2522は、開閉棒B2500の閉鎖状態において覆設部材B2200の長尺開口部B2215の上縁よりも下方に配置され、本体部材B2210の後側面よりも前側に位置するよう設けられ、更に、蓋板部B2270の庇部B2271の下方に位置するよう設けられており、流下する球が錘部B2522に接触するのを防止している。
即ち、覆設部材B2200には、薄板部材B2110の前面側で錘部B2522の移動範囲の上方に、錘部B2522に対する球の接触を防止する庇部B2271が設けられており、流下する球が錘部B2522に接触して開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態へ向けて付勢されるのを防ぐようになっている。
連結部B2530は、軸部B2511,B2521の軸線と平行に延在する棒状に形成されており(図148参照)、開閉棒B2500が基礎部材B2100に支持された状態で、連結部B2530の左端部が右端部より下側に位置して左下がりに傾斜するよう構成されている。
そして、連結部B2530において、一対のアーム部B2510,B2520の枢支端側を向く面(開放状態において上側を向く面)に転動面B2531が形成されており、開閉棒B2500の開放状態において連結棒B2530に受け止められた球を、左右方向の傾斜下端となる左端部へ向けて転動させ得るようになっている。
ここで、開閉棒B2500の開放状態において転動面B2531の左端部は、第2特定入賞口B1002の開口下端部と略整合する高さ位置に位置するよう構成されており、転動面B2531上の球を第2特定入賞口B1002へ向けて転動させ得るよう構成されている。
即ち、転動面B2531は、開閉棒B2500の開放状態において第2特定入賞口B1002へ向かう球の流路の下流側へ下方傾斜するよう開閉棒B2500に設けられており、下方への通過を連結部B2530で規制された球を第2特定入賞口B1002へ向けて転動させるようになっている。
また、開放状態において、連結部B2530は球の直径より狭い間隔で薄板部材B2110の前側に離間するよう構成されており(図152(b)参照)、開閉棒B2500を閉鎖状態へ向けて変位させることで、連結棒B2530と薄板部材B2110との間の間隔を球の直径以上の間隔に速やかに拡大して転動面B2531上の球を下方へ落下させ得るようになっている。
また、図145に示すように、開閉棒B2500が閉鎖状態にある場合には、覆設部材B2200の長尺開口部B2215の上縁を形成する上縁部B2216に連結部B2530が当接するよう構成されており、閉鎖状態での転動面B2531の少なくとも一部が上縁部B2216に対向するようになっている。
本実施形態では、閉鎖状態において連結部B2530の全長が上縁部B2216に当接するよう構成されている。即ち、閉鎖状態における転動面B2531に対して上方から流下する球が接触しないよう構成されており、球との接触により開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態に変位されるのを防止している。
また、図152(a)に示すように、転動面B2531は、開放状態において第2特定入賞口B1002へ向けて下方傾斜する一方、前後方向には水平となるように構成されている(前後方向には非傾斜で構成されている)。これにより、転動面B2531上を転動する球を前後に変位させ易くすることができるので、突設部B1140,B2211との当接による減速作用を有効に生じさせることができる。
また、転動面B2531は、左右方向における傾斜上端側と傾斜下端側とで幅寸法が異なるように形成されている。具体的に、転動面B2531は、左右方向の傾斜上端側に位置する帯状の第1の転動面部B2532と、その第1の転動面部B2532における左右方向の傾斜下端に連設して第1の転動面部B2532より幅寸法が大きな第2の転動面部B2533とを備えている。
第1の転動面部B2532及び第2の転動面部B2533は、開放状態において薄板部材B2110に対向する後端部が両転動面部B2532,B2533の形成部位に亘って連続した直線状に形成されている。
一方、第2の転動面部B2533における覆設部材B2200の本体部材B2210側に位置する前端部は、第1の転動面部B2532における本体部材B2210側に位置する前端部よりも前方へ位置するように形成されている。
即ち、開閉棒B2500には、転動面B2531の前願部に、両転動面部B2532,B2533の連設部に対応して段部B2534が形成されている。この段部B2534は、開閉棒B2500が閉鎖状態にある場合に、覆設部材B2200の長尺開口部B2215の左端側上縁部から上方に凹設される係合凹部B2217に下方から係合するように構成され、開閉棒B2500の軸線方向への位置ずれを防止(修正)している。
このように、転動面B2531において、開閉部B2513が形成された傾斜下端部に対応して第2の転動面部B2533を幅広にすることで、開閉部B2513の傾斜に沿って転動面B2531を転動する球が前方へ誘導されたとしても、第2の転動面部B2533上を転動させ得るから、球を安定して転動面B2531上を転動させることができる。なお、第2の転動面部B2533は、開閉部B2513の右端部(左アーム部B2510の右側面)から、球の直径を超える左右幅で形成してある。
第2駆動装置B2600は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第2ソレノイドB2610と、その第2ソレノイドB2610の可動部材の先端に配設される正面視H形状(上下にそれぞれ凹部を備える形状)の先端部材B2620と、その先端部材B2620の左右方向変位に伴い回転可能となるように軸部B2181に枢支(軸支)される従動回転部材B2630と、その従動回転部材B2630の回転変位に伴い変位可能とされ案内突条B2182によって上下方向に案内される伝達下流部材B2640と、を備える。
先端部材B2620は、その下側の凹部が、従動回転部材B2630の突設ピンB2633を収容可能な形状で構成される。詳細には、従動回転部材B2630が回転動作する間中、突設ピンB2633を内側に収容したままにする形状で凹部が形成される(図150(c)、図152(c)参照)。
従動回転部材B2630は、円板形状の本体部B2631と、その本体部B2631に軸部B2181を挿通可能な直径(若干大径)で穿設される支持孔B2632と、本体部B2631から外径側へ延設される延設腕部から支持孔B2632の穿設方向と平行に円柱形状で突設される突設ピンB2633と、本体部B2631から軸径方向に延設される延設部B2635と、その延設部B2635の延設先端部分に支持孔B2632の穿設方向と平行に円柱形状で突設される突設ピンB2636と、を主に備える。
突設ピンB2633は、先端部材B2620に係合する部分であり、第2ソレノイドB2610の励磁の切替により先端部材B2620が直線動作することに伴い、突設ピンB2633が変位し、従動回転部材B2630が回転動作する。
突設ピンB2636は、伝達下流部材B2640の本体板部B2641側へ突設され、長孔B2643に挿通可能とされる。突設ピンB2636と支持孔B2632との間の距離は、突設ピンB2633と支持孔B2632との間の距離よりも長く構成される。突設ピンB2636の先端部には、その突設方向に対して垂直な方向に抜け止め突設部が形成される。
抜け止め突設部は、長尺方向を揃えた場合に長孔B2643に挿通可能な形状に形成されており、組み付け時に挿通可能とされる一方、組立完了後においては、抜け止め突設部の長尺方向と長孔B2643の長尺方向とが揃わないように構成されている。これにより、伝達下流部材B2640が前後方向に変位する場合に、突設ピンB2636から脱落することを防止することができる。
伝達下流部材B2640は、薄板部材B2110の背面側に対向配置される板状の本体板部B2641と、その本体板部B2641の左側部から上下に長尺の突条として正面側に突設される被案内突条B2642と、本体板部B2641に左右長尺形状で穿設される長孔B2643と、本体板部B2641の左側において前後方向に幅広の板部として上下に並設される一対の板部B2644と、を備える。
被案内突条B2642は、左右幅が、一対の案内突状B2182の隙間寸法よりも若干短い寸法で形成される。これにより、被案内突条B2642を案内突条B2182により案内することができるので、伝達下流部材B2640の姿勢を安定させることができると共に、伝達下流部材B2640の変位方向を上下方向に安定させることができる。
長孔B2643は、従動回転部材B2630の突設ピンB2636が挿通される貫通孔であって、上下幅が突設ピンB2636の直径よりも若干長くされていることから、突設ピンB2636の上下方向の変位に対する伝達下流部材B2640の追従性を向上させることができる。また、長孔B2643は、左右幅が上下幅よりも長く形成されることで突設ピンB2636の左右方向の位置ずれを許容できるように構成されている。
板部B2644は、開閉棒B2500の作用部B2512を上下方向で挟むように配置される。これにより、伝達下流部材B2640の上下方向変位に伴って、板部B2644から作用部B2512に対して上下方向の負荷が生じ、開閉棒B2500を変位させることができるように構成されている。
開閉棒B2500の変位態様は、上述のように、軸部B2511,B2521を中心とした回動変位であるので、作用部B2512は、上下方向だけでなく前後方向にも変位することになるが、作用部B2512が前後方向のいずれの位置に配置される場合においても板部B2644が作用部B2512を上下方向で挟む位置関係となるように、板部B2644の前後長さが設定される。従って、開閉棒B2500の配置に関わらず、開閉棒B2500の変位の許容幅を板部B2644の配置により規制することができる。
許容幅について、更に詳しく説明する。まず、板部B2644は、開閉棒B2500の状態を開放状態と閉鎖状態とで切り替えることのみを考えるのであれば、上側の一枚のみでも良い。上側の板部B2644aが有りさえすれば、第2ソレノイドB2610が非励磁とされ先端部材B2620が左方へ変位した状態で板部B2644aにより作用部B2512が押し下げられることにより、開閉棒B2500は閉鎖状態を構成する(図150(a)、図150(c)参照)。
この閉鎖状態において、開閉棒B2500の重心は錘部B2522側(軸部B2511,B2521よりも正面側)に配置されることになるので、開閉棒B2500単体では錘部B2522が下方へ向かう回転方向(前下方向とも称す)に付勢されている。
板部B2644aは、開閉棒B2500に対して前下方向の逆方向である回転方向(前上方向とも称す)の負荷を与えており、本実施形態では、前上方向の負荷が前下方向の負荷を上回っていることにより、開閉棒B2500が閉鎖状態で維持される。
第2ソレノイドB2610が励磁され先端部材B2620が右方へ変位されると、板部B2644aが上方へ変位することにより、板部B2644aから作用部B2512を押し下げる方向の負荷が一時的に弱まる。本実施形態では、板部B2644aが作用部B2512の配置範囲よりも上方に退避することで、作用部B2512に対する負荷が無くなるように構成される。
これにより、開閉棒B2500は、錘部B2522による付勢により前下方向に変位可能となり、開放状態に切り替えられる。この状態から第2ソレノイドB2610を非励磁とすれば、再び板部B2644aが作用部B2512を押し下げ、閉鎖状態を構成することができる。このように、開閉棒B2500の状態を開放状態と閉鎖状態とで切り替えることのみを考えるのであれば、板部B2644aのみが必須であり、下側の板部B2644bは不要である。
一方、板部B2644aのみでは、開閉棒B2500の開放状態における開閉棒B2500の姿勢の安定性に問題が生じる虞がある。例えば、開閉棒B2500の開放状態において、球が開閉棒B2500に衝突することにより開閉棒B2500が変位することは容易に想定可能であるところ、板部B2644aのみでは開閉棒B2500の前上方向の変位を規制できない。
そのため、第2ソレノイドB2610は励磁されており開閉棒B2500を開放状態に維持するよう制御されているにも関わらず、球の衝突の衝撃により開閉棒B2500が前上方向に変位し、閉鎖状態を構成するという不具合を生じ得る。
これに対し、本実施形態では、板部B2644aの下側に板部B2644bを配置することで、開放状態の開閉棒B2500の前上方向の変位を規制している。これにより、開放状態の開閉棒B2500が、球の衝撃や、その他の外乱(例えば、遊技者がパチンコ機10に負荷を与え動かすことや、可動役物の変位に伴い生じる負荷や、遊技領域内外から加えられる負荷等)によって変位し、閉鎖状態を構成する不具合を回避することができる。
次いで、可変入賞装置B2000の状態切り替えについて説明する。図150(a)は、可変入賞装置B2000の正面図であり、図150(b)は、図150(a)の矢印CLb方向視における可変入賞装置B2000の上面図であり、図150(c)は、図150(b)の矢印CLc方向視における可変入賞装置B2000の背面図である。
図151(a)は、可変入賞装置B2000の正面図であり、図151(b)は、図151(a)の矢印CLIb方向視における可変入賞装置B2000の上面図であり、図151(c)は、図151(b)の矢印CLIc方向視における可変入賞装置B2000の背面図である。
図152(a)は、可変入賞装置B2000の正面図であり、図152(b)は、図152(a)の矢印CLIIb方向視における可変入賞装置B2000の上面図であり、図152(c)は、図152(b)の矢印CLIIc方向視における可変入賞装置B2000の背面図である。
図153(a)は、図150(a)のCLIIIa−CLIIIa線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図153(b)は、図150(a)のCLIIIb−CLIIIb線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図153(c)は、図151(a)のCLIIIc−CLIIIc線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図153(d)は、図152(a)のCLIIId−CLIIId線における可変入賞装置B2000の断面図である。
なお、図150では、開閉板B2300の閉鎖状態および開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図151では、開閉板B2300の開放状態および開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図152では、開閉板B2300の閉鎖状態および開閉棒B2500の開放状態が図示される。また、図150から図152では、覆設部材B2200の本体部材B2210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。
図150(a)、図151(a)及び図152(a)では、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。
図150(a)において水玉模様(ドット)が付されているように、開閉板B2300の閉鎖状態においては、入球防止部B2331が第1特定入賞口B1001の開口左側に配置され、図153(a)に示すように、第1特定入賞口B1001が部分的に塞がれることで球の入球が防止される。また、開閉棒B2500の閉鎖状態においては、開閉部B2513が第2特定入賞口B1002の開口右側に配置され、図153(b)に示すように、第2特定入賞口B1002が部分的に塞がれることで球の入球が防止される。
このように、図150(a)に示す状態において入球前範囲を流下する球は、第1特定入賞口B1001にも第2特定入賞口B1002にも入球せずに下方へ落下することになる。即ち、開閉板B2300の閉鎖状態では、入球防止部B2331が第1検出センサB1230の開口を部分的に塞ぐように配置され、開閉棒B2500の閉鎖状態では、開閉部B2513が第2検出センサB1250の開口を部分的に塞ぐように配置される。そのため、球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を通過することを物理的に防止することができる。
そのため、イレギュラー入賞(例えば、開閉板B2300や開閉棒B2500に案内されずとも、他の構成部分などにぶつかった球が横方向に飛ばされ第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入球すること)や、不正行為(例えば、磁石で球を引き付けて入賞させる行為や、糸が接着された状態で打ち出された球の反対側の糸端部を引っ張ったり振ったりして球の位置を操って入賞させる行為等)による入賞を防止することができる。
また、図151(a)において水玉模様(ドット)が付されている範囲は、図150(a)において上述した範囲に対して、開閉板B2300の板部B2310が追加される一方、入球防止部B2331からは水玉模様(ドット)が消されている。
即ち、第1ソレノイドB2410が励磁され開閉板B2300が開放状態に切り替えられたことで、板部B2310と覆設部材B2200の本体部材B2210との間の隙間が球の直径未満とされ、球が開閉板B2300の正面側を下方へ通過不能に構成される。
一方、図153(c)に示すように、開閉板B2300の開放状態では、入球防止部B2331は貫通孔B2114に進入し薄板部材B2110の前側面よりも(少なくとも、第1特定入賞口B1001の開口範囲よりも)背面側に退避することで、第1検出センサB1230の開口を塞がない位置に配置され、第1特定入賞口B1001への入球を妨害しないように構成される。
そのため、図151(a)に示す状態において入球前範囲を流下する球は、第1特定入賞口B1001側へ案内され、第1特定入賞口B1001に入球可能に構成される。
また、図152(a)において水玉模様(ドット)が付されている範囲は、図150(a)において上述した範囲に対して、開閉棒B2500の連結部B2530が追加される一方、開閉部B2513からは水玉模様(ドット)が消されている。
即ち、第2ソレノイドB2610が励磁され開閉棒B2500が開放状態に切り替えられたことで、連結部B2530と基礎部材B2100の薄板部材B2110との間の隙間が球の直径未満とされると共に、連結部B2530と覆設部材B2200の本体部材B2210との間の隙間が球の直径未満とされることで、球が開閉棒B2500の前後を下方へ通過不能に構成される。
一方、図153(d)に示すように、開閉棒B2500の開放状態では、開閉部B2513は開口部B2117に進入し薄板部材B2110の前側面よりも背面側(少なくとも、第2特定入賞口B1002の開口範囲の外方側)に退避することで、第2検出センサB1250の開口を塞がない位置に配置され、第2特定入賞口B1002への入球を妨害しないように構成される。
そのため、図152(a)に示す状態において入球前範囲を流下する球は、第2特定入賞口B1002側へ案内され、第2特定入賞口B1002に入球可能に構成される。第1特定入賞口B1001への入球は、第1特定入賞口B1001が開閉板B2300の入球防止部B2331に塞がれることに加え、開閉棒B2500の右アーム部B2520及び連結部B2530が第1特定入賞口B1001の開口方向に配置されることによって防止されている。
以下、ソレノイドの励磁の切り替えについて説明する。図150(c)では、第1ソレノイドB2410及び第2ソレノイドB2610の双方共に通電されておらず、非励磁の状態とされている。これが、可変入賞装置B2000の待機状態であり、遊技開始前や、通常状態で維持される状態であり、可変入賞装置B2000は稼働時間における大半をこの状態で維持される。
主に特別遊技状態において、図151(c)や図152(c)に示すように、第1ソレノイドB2410又は第2ソレノイドB2610に通電され、励磁されることで、開閉板B2300又は開閉棒B2500の状態が切り替えられる。
図151(c)に示すように、第2ソレノイドB2610は非励磁で維持され、第1ソレノイドB2410が励磁されると、開閉板B2300が開放状態に切り替えられ、第1検出センサB1230の第1特定入賞口B1001へ球を案内可能となる。
開閉板B2300は、開放状態への状態切り替えにおいて、動力伝達部材B2430から係合部B2333が押し下げられることにより、軸部B2320(図153(a)参照)の軸線を中心として回動変位される。この開閉板B2300の状態切り替え及び開放状態の詳細について説明する。即ち、図153(a)の紙面に直交する軸線を中心として回動変位される。
開閉板B2300が開放状態のとき、第1ソレノイドB2410は励磁された状態であり、動力伝達部材B2430の回転先端部B2436が背面視反時計回りに変位し、開閉板B2300の係合部B2333が押込部B2437(図148参照)に押し込まれる。
本実施形態では、図153(a)及び図153(c)に示すように、開閉板B2300の係合部B2333は、開閉板B2300が閉鎖状態から動作開始する際には動力伝達部材B2430の動作軌跡BE1上に配置される一方で、開閉板B2300が開放状態に切り替わると、動力伝達部材B2430の回転軸方向に沿って動作軌跡BE1の外方(前側)へ押しやられる。なお、動作軌跡BE1は、押込部B2437を含む部分の移動軌跡の外形として図示される。
従って、開閉板B2300が開放状態に切り替えられた後で開閉板B2300から動力伝達部材B2430に伝達される負荷は、動力伝達部材B2430の動作方向(回転方向)では無く、その回転方向を形成する面と垂直方向である軸方向にかけられる。そのため、開閉板B2300にかけられる軸部B2320(図153(a)参照)回りの負荷が動力伝達部材B2430を介して第1ソレノイドB2410に伝達されることを防止することができる。
これにより、開閉板B2300を一度開放状態に切り替えてしまえば、開閉板B2300を開放状態で維持するための第1ソレノイドB2410の駆動力が、開閉板B2300にかけられる負荷により変動することを防止することができる。従って、第1ソレノイドB2410に印加する電圧を開閉板B2300に最大値でかけ続けることを不要とできる。
このように、開閉板B2300に変動する負荷がかけられたとしても、その負荷に影響されず、開閉板B2300を開放状態に維持することができる。なお、開閉板B2300にかけられる変動する負荷としては、球の重みにより与えられる負荷が例示される。即ち、例えば、開閉板B2300は、転動面B2311に球が着地する構成であるので、球が着地した際に球の重みによる負荷を受けるところ、その球の数は一定では無く変化し得るので、開閉板B2300に与えられる負荷は変動し得るといえる。
第1ソレノイドB2410が非励磁の状態になると、動力伝達部材B2430の延設部B2435が上昇変位し、開閉板B2300への負荷が解消され、開閉板B2300は板部B2310が下降変位する態様で回動変位する。この回動変位により入球防止部B2331が第1特定入賞口B1001を塞ぐように張り出す(図153(a)参照)。
即ち、入球防止部B2331は、第1特定入賞口B1001の開口を背面側縁から狭める態様で閉塞する。本実施形態では、第1特定入賞口B1001の背面側内面が基礎部材B2100の薄板部材B2110の前側面と面一で構成されているので、入球防止部B2331の変位開始と同時に第1特定入賞口B1001の開口を狭め始めることができる。これにより、第1特定入賞口B1001を速やかに閉塞することができる。
図152(c)に示すように、第1ソレノイドB2410は非励磁で維持され、第2ソレノイドB2610が励磁されると、開閉棒B2500が開放状態に切り替えられ、第2検出センサB1250の第2特定入賞口B1002へ球を案内可能となる。
開閉棒B2500は、開放状態への状態切り替えにおいて、板部B2644が上昇変位して開閉棒B2500の作用部B2512にかけられていた押し下げ方向の負荷が解除されることにより、軸部B2511,B2521(図153(b)参照)の軸線を中心として回動変位される。即ち、図153(b)の紙面に垂直な軸線を中心として回動変位される。この開閉棒B2500の状態切り替え及び開放状態の詳細について説明する。
開閉棒B2500が開放状態のとき、第2ソレノイドB2610は励磁された状態である。即ち、第2ソレノイドB2610に通電され励磁状態となることで、従動回転部材B2630が背面視反時計回りに変位することに伴い、伝達下流部材B2640が上昇変位することで開閉棒B2500に与えられていた負荷が解除され、開閉棒B2500が開放状態に切り替えられる。
第2ソレノイドB2610の励磁状態において、板部B2644bが開閉棒B2500の作用部B2512の下側に配置され、開閉棒B2500の前上方向の回転を規制している。これにより、開閉棒B2500に球が衝突すること等で生じ得る衝撃によって開閉棒B2500が閉鎖状態へ向けて状態変化することを防止することができる。
なお、開閉棒B2500の閉鎖状態から開放状態へ向けた変位は下降変位であり、左アーム部B2510から軸線方向と平行に突設される変位規制突部B2514(図149参照)が基礎部材B2100に当接する位置で開放状態を形成する。そのため、開閉棒B2500の転動面B2531に乗る球の自重による負荷が増大することによって開閉棒B2500が閉鎖状態に状態切り替えされる可能性は低く、むしろ開放状態で維持され易い。
そのため、開閉棒B2500を一度開放状態に切り替えてしまえば、開閉棒B2500を開放状態で維持するための第2ソレノイドB2610の駆動力が開閉棒B2500にかけられる負荷により変動することを防止することができる(そもそも、開閉棒B2500は駆動力によって開放状態に維持されている関係にない)。従って、第2ソレノイドB2610に印加する電圧を最大値でかけ続けることを不要とできる。
このように、開閉棒B2500に変動する負荷がかけられたとしても、その負荷に影響されず、開閉棒B2500を開放状態に維持することができる。なお、開閉棒B2500にかけられる変動する負荷としては、球の重みにより与えられる負荷が例示される。即ち、例えば、開閉棒B2500は、転動面B2531に球が着地する構成であるので、球が着地した際に球の重みによる負荷を受けるところ、その球の数は一定では無く変化し得るので、開閉棒B2500に与えられる負荷は変動し得るといえる。
第2ソレノイドB2610が非励磁の状態になると、伝達下流部材B2640の板部B2644が下降変位し、開閉棒B2500の作用部B2512を押し下げる方向の負荷が生じ、開閉棒B2500は一対のアーム部B2510,B2520及び連結部B2530が上昇変位する態様で回動変位する。この回動変位により開閉部B2513が第2特定入賞口B1002を塞ぐように張り出す(図153(b)参照)。
即ち、開閉部B2513は、第2特定入賞口B1002の開口を背面側縁から狭める態様で閉塞する。本実施形態では、第2特定入賞口B1002の背面側内面が基礎部材B2100の薄板部材B2110の前側面と面一で構成されているので、開閉部B2513の変位開始と同時に第2特定入賞口B1002の開口を狭め始めることができる。これにより、第2特定入賞口B1002を速やかに閉塞することができる。
次いで、図154及び図155を参照して、流下する球に対する開閉板B2300及び開閉棒B2500の作用について説明する。
図154(a)は、図151(a)のCLIVa−CLIVa線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図154(b)は、図151(a)のCLIVb−CLIVb線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図154(c)は、図151(a)のCLIVc−CLIVc線における可変入賞装置B2000の断面図である。
また、図155(a)は、図152(a)のCLVa−CLVa線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図155(b)は、図152(a)のCLVb−CLVb線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図155(c)は、図152(a)のCLVc−CLVc線における可変入賞装置B2000の断面図である。
なお、図154及び図155では、理解を容易とするために、球の外径が想像線で図示される。また、図154及び図155では、第1駆動装置B2400及び第2駆動装置B2600の記載が省略される。
特別遊技状態では、図154に示す状態と、図155に示す状態とが、交互に切り替えられる。その際、開閉板B2300又は開閉棒B2500の内、開放状態にある側を閉鎖状態に切り替えた後で、予め時間長さが規定されるラウンド間インターバルを空けて閉鎖状態にある側を開放状態に切り替えるが、この切り替えの間隔を球が落下するよりも短くする(例えば、0.04秒とする)ことで、零れ球の発生を防止することができる。
ここで、開閉板B2300又は開閉棒B2500の内、開放状態から閉鎖状態に切り替えられた側に乗っていた球が、閉鎖状態から開放状態に切り替えられる側よりも上方に配置されている場合の方が零れ球の発生を防止し易いことは上記各実施形態で説明した通りである。これに対し、本実施形態では、零れ球の発生を防止するための他の有効な構成を採用している。これについて順に説明する。
第1に、開閉板B2300が開放状態から閉鎖状態へ向かう変位が、後端部を軸とした前下がりの回動変位であるので、開閉板B2300に乗っていた球は前側へ寄せられながら流下するところ、開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態へ向かう際の連結部B2530の変位方向が背面側下方へ潜り込む態様の、後端部を中心軸とした円弧方向に沿う。即ち、連結部B2530の変位方向は、球の流下方向と前後方向で対向する。
同様に、開閉棒B2500の連結部B2530が開放状態から閉鎖状態へ向かう変位が、正面側上方へ上る態様の、後端部を中心軸とした円弧方向に沿うので、連結部B2530に乗っていた球は後側へ寄せられながら流下するところ、開閉板B2300が閉鎖状態から開放状態へ向かう際の変位方向が後端部を軸とした前上がりの回動変位となる。即ち、開閉板B2300の変位方向は、球の流下方向と前後方向で対向する。
そのため、球が鉛直下方に流下する場合に比較して、開閉状態に切り替えられ球を受け止め開始するまでの開閉板B2300や連結部B2530の変位量を低減することができるので、零れ球を回避し易くすることができる。
第2に、図154及び図155に示すように、開閉板B2300の板部B2310の変位軌跡BE11と、開閉棒B2500の連結部B2530の変位軌跡BE12とは、少なくとも一部が、相手部材(開閉板B2300又は開閉棒B2500)に乗っている球の球中心よりも下方に位置する。従って、相手部材が閉鎖状態に切り替えられ、球が落下を開始したとしても、球が変位軌跡BE11,BE12に入っている間に開放状態を構成することにより零れ球の発生を防止することができる。
特に、図154(c)に示すように、開閉板B2300を転動する球の入球前範囲下部に乗った球は変位軌跡BE12の下方にはみ出しており、零れ球が生じやすいが、本実施形態では、連結部B2530の右アーム部B2520付近から延設される零れ防止部B2524により球を救い上げやすくなるように構成されている。
零れ防止部B2524は、右アーム部B2520の回動先端部から、開閉棒B2500の閉鎖状態の姿勢における下方へ向けて湾曲する薄板状に延設される。この薄板は軸方向断面での断面形状が一定とされ、湾曲形状の曲率半径は、軸方向視で球の半径よりも大きくなるように構成される。これにより、零れ防止部B2524と球との当接を一点での当接とすることができる。
零れ防止部B2524の延設先端は、軸方向断面形状において先細りするように形成されている。これにより、零れ防止部B2524が球に近接変位する場合の球との当接面積を抑えることができるので、零れ防止部B2524を球の下半球部に潜り込ませ易くすることができる。
ここで、上記案内板B1300,B1500のように、前後方向変位する部材の先端に前垂れする部分を付けて球の救い上げを行おうとすると、救い上げを行う部分の正面視での面積が広がってしまうし、負荷の方向が前側面と直交するので球を介する負荷の逃げ場が無くなり易く、案内板B1300,B1500が停止し易い。
一方、零れ防止部B2524の変位は、上下方向の変位を含むので、先端を細くしても球に接する面を多くできる。加えて、負荷の方向が前後側面に対して傾斜するので、負荷を好適に逃がすことができる。これにより開閉棒B2500が停止する事態の発生を回避し易くすることができる。
本実施形態では、零れ防止部B2524が連結部B2530の軸方向長さの半分の幅で下流側端部から形成されているので、開閉板B2300を転動する球の入球前範囲下部に球が乗っている場合に開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられたとしても、その後で開閉棒B2500が開放状態とされることで球を零れ防止部B2524によって救い上げ易くすることができる。これにより、零れ球を発生し難くすることができる。
一方で、開閉棒B2500を転動する球に着目すると、開閉棒B2500に乗って流下する球の流下経路の全域において、球は変位軌跡BE11の下縁よりも上側に配置される。そのため、零れ防止部B2524に対応する部分を開閉板B2300に形成せずとも、板部B2310の短手方向幅を利用して球を救い上げ易くすることができる。これにより、零れ球を発生し難くすることができる。
図154及び図155に示すように、開閉板B2300は、閉鎖状態から開放状態へ向けて変位する場合、上方へ向けて変位するので、球を挟んで突設部B1140,B2211と上下方向で対向する。そのため、対策なしでは、開閉板B2300と突設部B1140,B2211との間に球が固定されてしまい、開閉板B2300の動作が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140,B2211が左右に位置ずれして配置され、各突設長さが球の半径よりも短くされる(本実施形態では、2.7mm)ので、開閉板B2300の動作時に球が突設部B1140,B2211に当接した場合、球の湾曲を利用して、球を左右方向に変位させることができる。また、突設部B1140,B2211の下端部は、開閉板B2300を転動する球の中心位置よりも上側に配置されるので、球の湾曲を利用して、球を前後方向に変位させることができる。これにより、球が固定されることを回避することができるので、開閉板B2300の動作を良好に保つことができる。
開閉棒B2500は、開放状態から閉鎖状態へ向けて変位する場合、上方へ向けて変位するので、球を挟んで突設部B1140,B2211と上下方向で対向する。そのため、対策なしでは、開閉棒B2500と突設部B1140,B2211との間に球が固定されてしまい、開閉棒B2500の動作が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、連結部B2530の変位軌跡の半径が、球の半径よりも大きく設定されるので、連結部B2530が球の外側に回り込むように移動するよう構成することができる。これにより、開閉棒B2500の連結部B2530と突設部B1140,B2211との間に球が固定される事態の発生を回避し易くすることができる。
また、開閉棒B2500が閉鎖状態へ向けて変位する際、連結部B2530は覆設部材B2200側(前側)へ変位する一方で、連結部B2530に乗っている球は、開閉棒B2500の変位に伴い転動面B2531が後下がり方向に傾斜していくことで基礎部材B2100側(後側)へ変位する。
即ち、連結部B2530に乗っている球は、連結部B2530の上側を、連結部B2530の変位を妨害しない側へ寄るように構成される。これにより、連結部B2530の変位が球により阻害されることを回避し易くすることができるので、開閉棒B2500の連結部B2530と突設部B1140,B2211との間に球が固定される事態の発生を回避し易くすることができる。
図156を参照して、可変入賞装置B2000への球の入球態様について説明する。図156(a)及び図156(b)は、第1入賞口64、第2入賞口640及び可変入賞装置B2000の正面図である。
なお、図156(a)では、開閉板B2300が開放状態とされ、開閉棒B2500が閉鎖状態とされており、図156(b)では、開閉板B2300が閉鎖状態とされ、開閉棒B2500が開放状態とされる。
本実施形態では、図144で上述したように、可変入賞装置B2000は遊技領域の左右中央下部(第1入賞口64の下方)に配置されているので、左打ち遊技でも、右打ち遊技でも、可変入賞装置B2000へ球を到達させることができる。加えて、遊技領域が略左右対称形状で構成されているので、左打ち遊技か右打ち遊技かで、発射された球が可変入賞装置B2000に到達するまでの時間に大差は無い。
このような遊技機において、例えば、可変入賞装置の開閉板が、下辺を軸として遊技者の手前側に傾倒変位することで開放されるように構成され、その開閉板の奥に検出センサが左右対称で配置される場合には、左打ち遊技でも、右打ち遊技でも、可変入賞装置に到達した後に球が検出センサを通過するまでの時間に大差はないと考えられる。
これに対し、本実施形態の可変入賞装置B2000では、入球前範囲に到達した後に球が検出センサB1230,B1250を通過するまでの時間に、左打ち遊技か、右打ち遊技かで大きな差が生じる。
第1に、到達してから入球までの時間に差が生じることについて説明する。例えば、左打ちで遊技を行う場合、発射強度が強く第1入賞口64の上方を右側へ逸れた球を除き、多くの球が左打ち流下経路BL21に沿って可変入賞装置B2000の入球前範囲へ向かう。
この場合、開閉板B2300が開放状態とされる場合には(図156(a)参照)、球が開閉板B2300の左側部(上流側部)に乗り、第1特定入賞口B1001へ向けて流下する。そのため、球が開閉板B2300に乗ってから、第1特定入賞口B1001を通過するまでに、球が開閉板B2300の左右長さの半分を流下するのに要する時間以上の時間がかかる。
一方で、開閉棒B2500が開放状態とされる場合には(図156(b)参照)、球が開閉棒B2500の左側部(下流側部)に乗り、第2特定入賞口B1002へ向けて流下する。そのため、球が開閉棒B2500に乗ってから、第2特定入賞口B1002を通過するまでに要する時間が、球が開閉棒B2500の左右長さの半分を流下するのに要する時間未満に収まる。
また、例えば、右打ちで遊技を行う場合、第1入賞口64の上方を左側へ逸れた球を除き、多くの球が右打ち流下経路BL22に沿って可変入賞装置B2000の入球前範囲へ向かう。
この場合、開閉板B2300が開放状態とされる場合には(図156(a)参照)、球が開閉板B2300の右側部(下流側部)に乗り、第1特定入賞口B1001へ向けて流下する。そのため、球が開閉板B2300に乗ってから、第1特定入賞口B1001を通過するまでに要する時間が、球が開閉板B2300の左右長さの半分を流下するのに要する時間未満に収まる。
一方で、開閉棒B2500が開放状態とされる場合には(図156(b)参照)、球が開閉棒B2500の右側部(上流側部)に乗り、第2特定入賞口B1002へ向けて流下する。そのため、球が開閉棒B2500に乗ってから、第2特定入賞口B1002を通過するまでに、球が開閉棒B2500の左右長さの半分を流下するのに要する時間以上の時間がかかる。
このように、可変入賞装置B2000では、左打ち流下経路BL21(又は右打ち流下経路BL22)から第1検出センサB1230までの距離と、左打ち流下経路BL21(又は右打ち流下経路BL22)から第2検出センサB1250までの距離が異なるように配置されるので、入球前範囲に到達した球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を通過するまでの期間を、左打ち遊技か右打ち遊技かで変化させることができる。
そのため、球の発射態様の選択(左打ち遊技か右打ち遊技かの選択)を、大当たり遊技の消化速度に対応づけることができるので、大当たり遊技において遊技者に球の発射態様の切り替えを要求することができる。これにより、大当たり遊技への遊技者の参加意欲を向上させることができる。
大当たり遊技の消化速度が遊技者に有利になる(例えば、迅速になる)発射態様について示唆する報知を、表示装置や音声出力により実行するようにしても良い。例えば、開閉板B2300が開放状態となるラウンド遊技の実行に合わせて「右打ち」と表示したり、音声出力を行ったりする一方、開閉棒B2500が開放状態となるラウンド遊技の実行に合わせて「左打ち」と表示したり、音声出力を行ったりしても良い。この場合、遊技者は、報知に従って球の発射態様を切り替えることにより、大当たり遊技の進行を迅速にすることができる。
第2に、零れ球の生じ易さに差が生じることについて説明する。例えば、開閉板B2300が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(a)参照)、左打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2311を転動する球の内、左右中央の突設部B2211よりも下流側(図156(a)において右側、入球前範囲下部)に配置される球を1個に限定することができる。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第1特定入賞口B1001に入球し、開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられたとしても、転動面B2311を転動する球は、左右中央の突設部B2211よりも上流側(図156(a)において左側、入球前範囲上部)にのみ配置されているので、直後に開放状態に切り替えられる開閉棒B2500によって救うことができる。これにより、零れ球の発生個数を低減することができる。
一方、開閉板B2300が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(a)参照)、右打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2311に到達した球は速やかに第1特定入賞口B1001に案内されるが、入球前範囲下部に配置される球の個数は1個に限定されるものではない。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第1特定入賞口B1001に入球し、開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられた場合に、入球前範囲下部において開閉板B2300から球が滑落し得る。直後に開放状態に切り替えられる開閉棒B2500の連結部B2530は、球の下側に配置される構成にないので、零れ球が生じ得る。従って、開閉板B2300が開放状態とされるラウンドでは、左打ち遊技を行う方が、右打ち遊技を行う場合に比較して、零れ球の発生個数を低減し易い構成とされる。
また、例えば、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(b)参照)、右打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2531を転動する球の内、左右中央の突設部B2211よりも下流側(図156(b)において左側、入球前範囲下部)に配置される球を1個に限定することができる。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第2特定入賞口B1002に入球し、開閉棒B2500が閉鎖状態に切り替えられたとしても、転動面B2531を転動する球は、左右中央の突設部B2211よりも上流側(図156(b)において右側、入球前範囲上部)にのみ配置されているので、直後に開放状態に切り替えられる開閉板B2300によって救うことができる。これにより、零れ球の発生個数を低減することができる。
一方、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(b)参照)、左打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2531に到達した球は速やかに第2特定入賞口B1002に案内されるが、入球前範囲下部に配置される球の個数は1個に限定されるものではない。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第2特定入賞口B1002に入球し、開閉棒B2500が閉鎖状態に切り替えられた場合に、入球前範囲下部において開閉棒B2500から球が滑落し得る。直後に開放状態に切り替えられる開閉板B2300の変位軌跡BE11(図155(a)参照)は入球前範囲下部において開閉棒B2500に乗っていた球の下側にまで及ぶものの、開閉板B2300と球とが前後で重なる位置に配置されているので、零れ球が生じ得る。従って、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンドでは、右打ち遊技を行う方が、左打ち遊技を行う場合に比較して、零れ球の発生個数を低減し易い構成とされる。
このように、本実施形態では、開閉板B2300が開放状態とされているか、開閉棒B2500が開放状態とされているかで、零れ球の発生個数を低減する目的で有利な発射の仕方が右打ちか左打ちかで異なる。そのため、開閉板B2300が開放状態とされているか、又は開閉棒B2500が開放状態とされているかに対応して、有利な打ち出し方向を報知するように制御しても良い。
例えば、第3図柄表示装置81において、遊技者にとって有利な打ち出し方向を、「右を狙え」や「左を狙え」等の表示をすることで、報知しても良い。この場合、例えば、開閉板B2300が開放状態とされるラウンド中に「左を狙え」と表示し、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンド中に「右を狙え」と表示すればいい。遊技者は、報知に従い球を発射することで、零れ球の少なくなる打ち出し方向で球を発射することができる。
なお、同様の報知を、音声出力や、遊技領域への発光により行うようにしても良い。例えば、発光で行う場合には、遊技領域を照射するLED等の発光手段により、発射された球の進行経路を筋状に光らせることで、遊技者に球の打ち出し方向を報知することができる。
なお、可変入賞装置B2000について、上述の説明では、開閉板B2300及び開閉棒B2500が交互に開閉する場合を想定して説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板B2300のみが開閉する場合があっても良いし、開閉棒B2500のみが開閉する場合があっても良いし、開閉板B2300又は開閉棒B2500の同じ部材が繰り返し開閉するラウンド区間と開閉板B2300及び開閉棒B2500が交互に開閉するラウンド区間とが混合されていても良い。
開閉板B2300又は開閉棒B2500の同じ部材が繰り返し開閉するラウンド区間を備えるようにすることで零れ球を抑制する効果は弱まるが、可変入賞装置B2000の構成から奏する、入球前範囲に到達した球が第1特定入賞口B1001へ入球する場合と、第2特定入賞口B1002へ入球する場合と、を両立できるという効果は依然として有する。
図157は、第12実施形態の第1制御例における可変入賞装置B2000の性能の一例を模式的に示した模式図である。図157に示すように、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002とは、払い出し賞球個数が異なるように設定され、更に、特別遊技状態におけるラウンド遊技における規定個数が異なるように設定される。
本実施形態では、入球前範囲に開閉板B2300を転動する球の流下経路と、開閉棒B2500を転動する球の流下経路とが含まれるので、開閉板B2300が開放状態か、開閉棒B2500が開放状態かに関わらず、共通の発射態様(例えば、右打ち)で球を発射することで、大当たり遊技を進行させることができる。
換言すれば、大当たり遊技において、開閉板B2300が開放状態とされ第1特定入賞口B1001が開放されている場合であっても、開閉棒B2500が開放状態とされ第2特定入賞口B1002が開放されている場合であっても、共通の範囲(入球前範囲)を狙って球を発射することで遊技を行うことができるので、大当たり種別の違いを遊技者に感じさせないようにすることができる。これにより、大当たり遊技を行う遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
一方で、本制御例では、図157に示すように、第1特定入賞口B1001の性能と第2特定入賞口B1002の性能とが異なるように設定される。これにより、大当たり種別の違いに伴う払い出し賞球個数に差を生じさせることができる。
例えば、同じラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たりであっても、一方の大当たり種別の大当たりでは、開閉板B2300のみが繰り返し開放状態を構成し第1特定入賞口B1001に入球可能に設定され(払い出し賞球個数は2250個(=15×10×15))、他方の大当たり種別の大当たりでは、開閉棒B2500のみが繰り返し開放状態を構成し第2特定入賞口B1002に入球可能に設定される場合(払い出し賞球個数は375個(=5×5×15))、その払い出し賞球個数の差は約1875個となる。更に、大当たり種別を多く設定し、異なるラウンド数の大当たりも設定することで、払い出し賞球個数の種類を多くすることができる。
これにより、賞球個数が最少の大当たりと、賞球個数が最多の大当たりとの、賞球個数の差を大きくすることができる。加えて、このような出球性能の向上を省スペースで実現することができる。
即ち、従来でも、遊技領域に複数の可変入賞装置を配置し、それらの賞球個数や規定個数を異なるように設定することで出球性能の向上を図ることは可能であった。しかし、この場合、複数の可変入賞装置の配置に要する範囲が大きくなりがちであった。
特に、本実施形態のように遊技領域を左右対称とする場合には、複数の可変入賞装置を左右に配置すると、配置範囲が大きくなるばかりでなく、開放される可変入賞装置に応じて、左打ち遊技または右打ち遊技のうち適切な方で遊技することが要求され、左右に自由に打ち分けられるという左右対称の遊技領域の利点が阻害される。
また、複数の可変入賞装置を上下に配置すると、複数の特定入賞口の高さが上下に積まれることになり可変入賞装置の上下幅が長くなり配置範囲が大きくなるばかりでなく、それに伴って、第3図柄表示装置81、第1入賞口64及び第2入賞口640の配置の自由度が低下するという問題点が生じ易かった。
これに対し、本実施形態の可変入賞装置B2000は、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002が左右に配置される構成を採用することで可変入賞装置B2000の上下寸法を抑えながら、部分的に重なることで上下幅が抑えられる複数の経路を入球前範囲において構成することによって左右の打ち分けを不要とすることができる。
なお、本実施形態では、特別遊技状態において片方の特定入賞口B1001,B1002が連続して開放状態を構成するように説明したが、上記第1の作動パターン(図143(a)参照)のように、左右交互に開放状態を構成するように制御しても良い。
この場合において、奇数ラウンドから偶数ラウンドへ移行するラウンド間インターバル(以下、「ラウンド間インターバルA」とも称す)と、偶数ラウンドから奇数ラウンドへ移行するラウンド間インターバル(以下、「ラウンド間インターバルB」とも称す)の長短を異ならせるように設定しても良い。
例えば、ラウンド間インターバルAを短く(例えば、0.04秒)で設定し、ラウンド間インターバルBを長く(例えば、2秒)で設定する場合を説明する。この場合、ラウンド間インターバルBでは、入球前範囲に乗っていた球は全球零れ球となるので、ラウンド間インターバルAでの零れ球の発生の防止を狙って球を発射することで、遊技者の利益を高めることができる。
ラウンド間インターバルBの直前では、第1特定入賞口B1001が開放しており、多量の賞球個数を獲得できるので、遊技者は規定個数以上の球の入球を狙って球を多めに発射し易い傾向がある。一方で、本実施形態でのラウンド間インターバルBの長さ設定では、それら多めに発射した球が全て零れ球となり得ることから、遊技者の獲得できる利益を間引くことができる。即ち、オーバー入賞狙いで多めに発射した球が、零れ球となる可能性を高めるように構成される。
奇数ラウンド(入球前範囲において左下方へ向けて球が案内されるラウンド)から偶数ラウンド(入球前範囲において右下方へ向けて球が案内されるラウンド)への移行の際に零れ球を減らすためには、奇数ラウンドにおける上流側(入球前範囲上部)である右側へ向けて球を発射すれば良いので、遊技領域の右側へ向けて球を発射することで零れ球を低減することができる。
ラウンド間インターバルAの直前では、第2特定入賞口B1002への入球が可能であるが、そもそもの賞球個数が少ないので、オーバー入賞狙いで球を多めに発射することが普通である。その際に、多めの球を全て零れ球とするのは、遊技者の損失が大きく、興趣を著しく低下させる虞も考えられる。そこで、本実施形態では、第2特定入賞口B1002への入球を狙って多めに発射された球については、零れ球とはしないように、ラウンド間インターバルAを短く設定するようにしている。
このように、ラウンド間インターバルの長さを長短異ならせて設定することで、例えば、オーバー入賞の生じやすい可変入賞装置とすることも可能である。即ち、ラウンド間インターバルを短く設定し、零れ球を低減する機構では、ラウンド間インターバルの直後に特定入賞口B1001,B1002にまとまった個数の球が入球し易いことは上記の通りであるが、例えば、特定入賞口B1001,B1002の規定個数を1個で設定する場合、2個目以降の球の入球は、全てオーバー入賞(ラウンド遊技の規定個数を超える個数の球が特定入賞口B1001,B1002に入球すること)となる。従って、規定個数の設定次第では、オーバー入賞を多く発生させられるよう構成することができる。
なお、ラウンド間インターバルの長短の設定は、任意に可能である。ラウンド間インターバルA,Bの長短を上記の逆で設定しても良いし、一部のラウンド間インターバルのみ長短を設定し、その他のラウンド間インターバルはラウンド間インターバルA,Bの違いなく一定の長さとしても良いし、全てのラウンド間インターバルを異なる長さとしても良い。
次いで、図158から図162を参照して、第13実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の開放状態が案内板B1300,B1500単品が前後方向にスライド移動することにより構成される場合を説明したが、第13実施形態における可変入賞装置B3000は、変位によって開放状態を構成する部材が複数個で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図158は、第13実施形態における可変入賞装置B3000の正面図である。図158では、入球前範囲を視認可能とするために、覆設部材B1200の本体部材B1210の図示を省略し、その背面側を視認可能としている。
図158に示すように、可変入賞装置B3000は、突設部B1211及び延設支持部B1212が省略された状態における覆設部材B1200を備え、その覆設部材B1200の背面側に基礎部材B3100が配設され、第1案内板B3300と、第2案内板B3500と、第1案内板B3300に近接するように回動変位することで球の案内経路を構成する第1回動部材B3700と、第2案内板B3500に近接するように回動変位することで球の案内経路を構成する第2回動部材B3900と、を備える。
基礎部材B3100は、基礎部材B1100(図128参照)と同様に、薄板部材B1100と、保持孔B1130と、排出口B1150とを備える一方、突設部B1140及び案内口B1160は省略され、新たに、薄板部材B1110の略中央部において上流側部材B3320及び上流側部材B3520の形状に沿って(若干大きな形状で)貫通形成される貫通形成部B3120と、回動部材B3700,B3900を軸支可能に円柱状に突設される左右一対の突設軸部B3171と、その突設軸部B3171を中心とした円弧に沿って穿設され突設部B3711,B3911の変位を案内する円弧状孔B3172と、を備える。
貫通形成部B3120は、正面視で略V字状に形成され、左右端部の上下幅に比較して中央部の上下幅が若干長く形成される。
第1案内板B3300は、貫通形成部B3120の左半部に挿通され、前後スライド変位可能に形成される上流側部材B3320を備える。上流側部材B3320は、入球前範囲の左右中央側(右側)へ向けて下降傾斜する板状に形成され、遊技球を乗せ得るように上面側に形成される転動面B3321と、右側下端部から右方へ延設され第1回動部材B3700と当接可能に構成される延設受部B3322と、を備える。
転動面B3321は、水平面に対する傾斜角度が3度で形成される。即ち、上記実施形態で説明した第1案内板B1300(図139参照)の転動面B1321の傾斜角度(7度)よりも、小さな傾斜角度で形成される。これにより、突設部B1140,B1211の形成が省略される本実施形態においても、転動面B3321の傾斜角度を小さくすることによって減速作用を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、上流側部材B3320を左右で厚みが均一とされる板状に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下面は水平とし、上面のみ傾斜させる楔状に形成しても良い。この場合でも、転動面B3321の傾斜状態を維持することができる。
第1回動部材B3700は、第1特定入賞口B1001への球の入球を防止する閉鎖状態(図158参照)と、第1案内板B3300との隙間を埋めるように回動変位され第1特定入賞口B1001へ球を案内可能とされる開放状態とで状態が切替可能に構成され、右側の突設軸部B3171に回動変位可能に軸支される本体部B3710と、その本体部B3710の径方向に沿って延設される延設板部B3720と、を備える。
本体部B3710は、突設軸部B3171よりも左右内側(左側)位置から回転軸線と平行に背面側へ突設される突設部B3711を備える。突設部B3711は、円弧状孔B3172を通って薄板部材B1110の背面側へ張り出している。
延設板部B3720は、前後方向で同一断面形状とされ、正面視で延設先端側へ向かう程に先細りするように形成され、遊技球を乗せ得る転動面B3721と、延設先端における転動面B3721の逆側に湾曲形状に面取り形成される湾曲部B3722と、を備える。
転動面B3721は、球を案内する開放状態における水平面に対する傾斜角度が7度に設定される。即ち、転動面B3321の傾斜角度に比較して、転動面B3721の傾斜角度の方が大きく形成されており、転動面B3321,B3721を転動する球は、転動面B3321,B3721の境界位置を第1特定入賞口B1001側へ進入することに伴い減速の程度が弱まるよう構成される。
湾曲部B3722は、第1案内板B3300の延設受部B3322の右上面形状に合わせた形状とされる。即ち、湾曲部B3722の形状を延設受部B3322の右上面形状に合わせて形成することにより、第1回動部材B3700の開放状態において第1回動部材B3700を延設受部B3322の湾曲面で面支持することができるので、第1回動部材B3700の姿勢を安定させることができる。
第2案内板B3500は、貫通形成部B3120の右半部に挿通され、前後スライド変位可能に形成される上流側部材B3520を備える。上流側部材B3520は、上流側部材B3320と左右対称形状で入球前範囲の左右中央側(左側)へ向けて下降傾斜する板状に形成され、遊技球を乗せ得るように上面側に形成される転動面B3521と、左側下端部から左方へ延設され第2回動部材B3900と当接可能に構成される延設受部B3522と、を備える。
転動面B3521は、水平面に対する傾斜角度が3度で形成される。即ち、上記実施形態で説明した第2案内板B1500(図137参照)の転動面B1521の傾斜角度(7度)よりも、小さな傾斜角度で形成される。これにより、突設部B1140,B1211の形成が省略される本実施形態においても、転動面B3521の傾斜角度を小さくすることによって減速作用を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、上流側部材B3520を左右で厚みが均一とされる板状に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下面は水平とし、上面のみ傾斜させる楔状に形成しても良い。この場合でも、転動面B3521の傾斜状態を維持することができる。
第2回動部材B3900は、第2特定入賞口B1002への球の入球を防止する閉鎖状態(図158参照)と、第2案内板B3500との隙間を埋めるように回動変位され第2特定入賞口B1002へ球を案内可能とされる開放状態とで状態が切替可能に構成され、左側の突設軸部B3171に回動変位可能に軸支される本体部B3910と、その本体部B3910の径方向に沿って延設される延設板部B3920と、を備える。
本体部B3910は、突設軸部B3171よりも左右内側(右側)位置から回転軸線と平行に背面側へ突設される突設部B3911を備える。突設部B3911は、円弧状孔B3172を通って薄板部材B1110の背面側へ張り出している。
延設板部B3920は、前後方向で同一断面形状とされ、正面視で延設先端側へ向かう程に先細りするように形成され、遊技球を乗せ得る転動面B3921と、延設先端における転動面B3921の逆側に湾曲形状に面取り形成される湾曲部B3922と、を備える。
転動面B3921は、球を案内する開放状態における水平面に対する傾斜角度が7度に設定される。即ち、転動面B3521の傾斜角度に比較して、転動面B3921の傾斜角度の方が大きく形成されており、転動面B3521,B3921を転動する球は、転動面B3521,B3921の境界位置を第2特定入賞口B1002側へ進入することに伴い減速の程度が弱まるよう構成される。
湾曲部B3922は、第2案内板B3500の延設受部B3522の左上面形状に合わせた形状とされる。即ち、湾曲部B3922の形状を延設受部B3522の左上面形状に合わせて形成することにより、第2回動部材B3900の開放状態において第2回動部材B3900を延設受部B3522の湾曲面で面支持することができるので、第2回動部材B3900の姿勢を安定させることができる。
このように、本実施形態によれば、第1案内板B3300及び第1回動部材B3700、又は第2案内板B3500及び第2回動部材B3900が、互いに作用し合いながら閉鎖状態または開放状態を構成する。この場合において、第1案内板B3300及び第1回動部材B3700は第1駆動装置B1400により駆動され、第2案内板B3500及び第2回動部材B3900は第2駆動装置B1600により駆動される。
図159は、可変入賞装置B3000の上面図であり、図160は、第2回動部材B3900及び伝達部材B3640の正面斜視図であり、図161(a)及び図161(b)は、図158の矢印CLXIa方向視における第2回動部材B3900及び伝達部材B3640の右側側面図である。
なお、図161(a)及び図161(b)では、理解を容易とするために、第2回動部材B3900、伝達部材B3640及び伝達用延設部B3550のみが図示され、これら部材を保持する他の構成についての図示を省略している。また、図161(a)では、第2回動部材B3900の閉鎖状態(第2ソレノイドB1610が非励磁の状態)が図示され、図161(b)では、第2回動部材B3900の開放状態(第2ソレノイドB1610が励磁された状態)が図示される。
即ち、第2ソレノイドB1610が非励磁の状態とされ、伝達用延設部B3550が背面側に配置されると、第2回動部材B3900は起き上がり姿勢とされ(図161(a)参照)、第2ソレノイドB1610が励磁状態とされ、伝達用延設部B3550が正面側に配置されると、第2回動部材B3900は傾斜姿勢とされる(図161(b)参照)。
図159に示すように、本実施形態では、上記可変入賞装置B1000と同様の駆動装置B1400,B1600を採用しながら、各回動部材B3700,B3900に駆動力を伝達可能な伝達部材B3440,B3640を、案内板B3300,B3500と回動部材B3700,B3900との間に介在させることにより、案内板B3300,B3500及び回動部材B3700,B3900を一度に変位可能に構成している。
即ち、薄板部材B1110の背面側へU字形状に突設される一対の支持爪部B3111が、左右両側に配設され、各支持爪部B3111に伝達部材B3440,B3640が回転可能に枢支される。
伝達部材B3440,B3640は、自らの回転変位を回動部材B3700,B3900の変位に変化可能に構成される。伝達部材B3440,B3640には、案内板B3300,B3500と一体的に形成される伝達用延設部B3350,B3550が当接可能とされ、案内板B3300,B3500の前後方向変位に起因して伝達部材B3440,B3640が回転変位するように構成されている。
詳述すると、第1案内板B3300は、上述の上流側部材B3320と、その上流側部材B3320を支持する連結固定部材B1330と、伝達孔B1340と、を備えることに加え、連結固定部材B1330の右下部から正面側へ伝達部材B3440に当接可能な位置まで延設される伝達用延設部B3350を備える。
また、第2案内板B3500は、上述の上流側部材B3520と、その上流側部材B3520を支持する連結固定部材B1530と、伝達孔B1540と、を備えることに加え、連結固定部材B1530の左下部から正面側へ伝達部材B3640に当接可能な位置まで延設される伝達用延設部B3550を備える。
図160及び図161では、第2回動部材B3900への駆動力伝達の仕組みが図示される。なお、左右の回動部材B3700,B3900への駆動力伝達の仕組みは同一なので、第2回動部材B3900への駆動力伝達について説明し、第1回動部材B3700への駆動力伝達の説明を省略する。
伝達部材B3640は、薄板部材B1110の背面側に回転可能に軸支され伝達用延設部B3550と係合する部材であって、回転先端部に配置される爪状部B3642と突設部B3911とが係合するように構成される。これにより、伝達部材B3640の姿勢の変化に伴って、第2回動部材B3900の状態(開放状態または閉鎖状態)の変化が生じるように構成される。
伝達部材B3640は、可撓性を有する樹脂材料から形成され、回転軸BJ1と交差(直交)する板状部から構成される回転腕部B3641と、その回転腕部B3641の回転先端にC字の爪状に形成される爪状部B3642と、回転軸BJ1を中心とする円柱状に回転腕部B3641から突設される一対の突設軸部B3643と、回転腕部B3641の回転基端側から径方向に延設される基端側延設部B3644と、回転腕部B3641の回転先端側から基端側延設部B3644と平行な方向に延設される先端側延設部B3645と、を備える。
伝達部材B3640は、突設軸部B3643が、支持爪部B3111に先端側から嵌め入れられることで、薄板部材B1110に支持される。この際、支持爪部B3111を弾性変形させつつ嵌め入れる形状関係(支持爪部B3111の先端側の隙間が突設軸部B3643の直径未満の形状関係)とすることで、伝達部材B3640の支持爪部B3111からの脱落防止を図っている。
第2回動部材B3900への駆動力伝達について説明する。図161(a)に示すように、第2駆動装置B1600の第2ソレノイドB1610の非励磁の状態において、伝達用延設部B3550の先端側下端部が、伝達部材B3640の基端側延設部B3644と当接している。伝達用延設部B3550は第2ソレノイドB1610の戻りバネによって背面側へ付勢されており、この付勢力により背面側へ押し込まれる態様で伝達部材B3640の姿勢が維持されている。これにより第2回動部材B3900の閉鎖状態が維持される。
図161(b)に示すように、第2駆動装置B1600の第2ソレノイドB1610の励磁状態では、伝達用延設部B3550の先端側下端部が伝達部材B3640の先端側延設部B3645と当接している。伝達用延設部B3550は第2ソレノイドB1610の駆動力によって正面側へ付勢されており、この駆動力により背面側へ押し込まれる態様で伝達部材B3640の姿勢が維持されている。これにより、第2回動部材B3900の開放状態が維持される。
図162(a)から図162(c)は、図158の範囲CLXIIaにおける入球前範囲の正面図である。図162(a)から図162(c)では、第2特定入賞口B1002の状態が、閉鎖状態から開放状態に切り替えられる様子が時系列で図示される。
即ち、可変入賞装置B3000では、上流側部材B3520の正面側先端と覆設部材B1200との前後間隔が球の直径未満となった後で(図162(b)参照)、第2回動部材B3900が回動終端まで変位するという順序で変位が生じるように、伝達用延設部B3550、伝達部材B3640及び第2回動部材B3900が設計される。
また、開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には、第2回動部材B3900が遅れなく変位開始するように、伝達用延設部B3550と基端側延設部B3644との隙間が極力小さくなるように形成されており(図161(b)参照)、上流側部材B3520がスライド変位を開始する前に第2回動部材B3900と上流側部材B3520との当接を解除可能に構成される。これにより、第2回動部材B3900と上流側部材B3520との間での擦れの発生を抑制することができる。
このように、開放状態への状態切り替えにおいて、第2回動部材B3900は第2案内板B3500の上流側部材B3520の変位方向である前後方向と直角に交差する方向(非平行方向)に変位するので、第2回動部材B3900と上流側部材B3520との間の隙間を変位により狭めることができる。
第2特定入賞口B1002の開放状態から閉鎖状態への切り替えは、図162(a)から図162(c)を逆にたどるように生じる。この場合において、転動面B3921は第2特定入賞口B1002へ近接するように上昇変位するので、転動面B3921に球が乗っていた場合には、その球が第2特定入賞口B1002に案内され易い構成となる。即ち、本実施形態によれば、オーバー入賞(ラウンド遊技の規定個数を超える個数の球が第2特定入賞口B1002に入球すること)を発生させ易くすることができる。
次いで、図163から図171を参照して、第14実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の開放状態が案内板B1300,B1500が正面側へ変位することにより構成される場合を説明したが、第14実施形態における可変入賞装置B4000は、正面側へ変位する案内板B4300と背面側へ変位する開閉棒B2500とによって開放状態を構成する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図163は、第14実施形態における遊技盤13の正面図である。図163に示すように、本実施形態における遊技領域では、図144で上述した遊技領域において可変入賞装置B2000と第3図柄表示装置81との間に配置されていた第1入賞口64及び第2入賞口640が省略されており、これらの機能を可変入賞装置B4000に配設される構成で補うようにしている。
即ち、本実施形態では、図163に示す構成の内、第1入賞口64(図144参照)の機能は案内口B4160に移され、第2入賞口640(図144参照)の機能は第2検出センサB1250に移され、電動役物640a(図144参照)の機能は開閉棒B2500に移されている。第1検出センサB1230は第1特定入賞口B1001として利用されることは上述と同様である。
このように構成することで、レール61,62で囲まれる領域(遊技領域を含む領域)の設計自由度を向上することができる。例えば、第1入賞口64及び第2入賞口640を省略することにより生じた範囲を利用して第3図柄表示装置81の表示領域を拡大するように構成しても良いし、第1入賞口64及び第2入賞口640を省略することにより生じた範囲に別の振分機構(例えば、到達した球を交互に左右に振り分ける機構や、常時一定動作で駆動され球の流下経路を変化させる駆動機構等)を配置して、球の流下態様のバリエーションを増やすようにしても良い。
図164、図165及び図166は、可変入賞装置B4000の正面斜視図である。図164では、案内板B4300及び開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図165では、案内板B4300の開放状態および開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図166では、案内板B4300の閉鎖状態および開閉棒B2500の開放状態が図示される。
図164から図166に示すように、可変入賞装置B4000では、可変入賞装置B1000よりも駆動装置の前後幅を縮小でき配置スペースを抑制することができると共に、可変入賞装置B2000よりも入球前範囲における球の案内経路の下方の領域を空けることができることから、球案内受部B4260を配設することができる。
図167は、可変入賞装置B4000の分解正面斜視図であり、図168は、可変入賞装置B4000の分解背面斜視図である。図167及び図168に示すように、可変入賞装置B4000の各構成は、上述した可変入賞装置B1000,B2000の構成が部分的に流用され、組み合わされている。以下、それについて説明する。
可変入賞装置B4000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B4100と、その基礎部材B4100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B4200と、基礎部材B4100の背面側から前方にスライド移動可能に構成される案内板B4300と、その案内板B4300を駆動する上述の第1駆動装置B1400と、上述の開閉棒B2500と、上述の第2駆動装置B2600と、基礎部材B4100に背面側から組み付けられ、案内板B4300及び第1駆動装置B1400を背面側から覆うように構成される後カバー部材B4700と、を主に備える。
基礎部材B4100は、上述の基礎部材B1100と同様に、薄板部材B1110、保持孔B1130、突設部B1140及び排出口B1150を備えることに加え、上述の基礎部材B2100と同様に、第2収容部B2115及び案内支持部B2180を備える。
更に、基礎部材B4100は、上述の貫通形成部B1120が挿通される案内板B4300に適した形状に設計変更される貫通形成部B4120と、突設部B1140の上端部から左右外側へ延設される補助突部B4141と、貫通形成部B4120の下方において正面側から背面側へ球を案内可能に穿設される案内口B4160と、その案内口B4160を通過した球を案内する迂回経路B4170と、薄板部材B1110の右側部から覆設部材B4200の右側延設部B1220に被さるように正面側へ張り出し形成される張出部B4190と、を備える。貫通形成部B4120は、正面視で右下がり傾斜の長尺矩形の開口として形成される。
補助突部B4141は、突設部B1140と同様の断面形状で左右外側へ向けて上昇傾斜する方向に延びる。この構成により、補助突部B4141は、球び流下を補助する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
張出部B4190は、右側延設部B1220の傾斜面B1223と同様の角度で正面視左下がりに傾斜するように形成され、組立状態(図164参照)において下側面が右側延設部B1220の傾斜面B1223に面で当接するように構成される。上側面を構成する転動面B4191は、正面側へ向かう程に下降傾斜する傾斜面として形成される。
転動面B4191は、球が転動し得る平面状に形成されている。転動面B4191を転動する球は、その傾斜に沿って、正面側へ寄せられた状態で入球前範囲へ流入する。これにより、転動面B4191を転動して入球前範囲へ流入する球が突設部B1140を避けて流下し易くすることができるので、球に与えられる減速作用を弱めることができる。
覆設部材B4200は、上述の覆設部材B2200と同様に、本体部材B2210、右側延設部B1220、第1検出センサB1230、左側延設部B1240、第2検出センサB1250及び蓋板部B2270を備えることに加え、本体部材B2210に配設され案内口B4160へ球を案内する球案内受部B4260を備える。
なお、本体部材B2210に配設されていた突設部B2211は、覆設部材B4200では省略されている。これにより、後述する球案内受部B4260へ向けて流下する球が突設部B2211に衝突して球案内受部B4260から逸れる事態が発生することを避けることができる。また、左右の突設部B2211により球が減速される事態の発生を避けることができる。
右側延設部B1220には、上述の可変入賞装置B1000と同様に突条支持部B1225が形成されており、案内板B4300の案内部材B1310の前後方向変位が案内される。また、左側延設部B1240は、上述の可変入賞装置B2000と同様に突条支持部B1245の形成が省略される。
案内板B4300は、上述の第1案内板B1300と同様の構成を備え、案内部材B1310と上流側部材B1320との隙間を無くすよう形成され転動面B1311と転動面B1321とを面一で連結する隙間閉塞部B4350と、案内部材B1310と上流側部材B1320との間の位置の前端部から上方へ突設される前側突設部B4360と、を備える。
前側突設部B4360は、前側面B4361が正面視で案内口B4160の中心位置の鉛直上方に上側の頂点を有し左右対称に傾斜する三角形状に形成され、上側面B4362が正面側へ向けて上昇傾斜する傾斜面として形成される。
このように構成することで、前側突設部B4360は、案内板B4300の開放状態において転動面B1321を転動する球が覆設部材B4200の本体部材B2210側(正面側)に寄って流下する場合に、その球に当接することで、球の流下経路が背面側に寄るように図ることができる。即ち、前側突設部B4360は、案内板B4300の開放状態において本体部材B2210側に寄って入球前範囲を流下する球に当接可能に形成され、その当接により球を薄板部材B1110と当接する側、即ち、検出センサB1230,B1250の開口の内側面と面一の関係とされることで入球の抵抗が少ない側(図126参照)に案内することができる。
また、案内板B4300の閉鎖状態においては、前側突設部B4360が貫通形成部B4120に入り込み、薄板部材B1110の前側面から張り出さないように構成される。これにより、案内板B4300の閉鎖状態において前側突設部B4360が球と当接する事態の発生を回避することができる。
なお、案内板B4300が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には、前側突設部B4360は球と当接し得る。この当接により、球の球案内受部B4260への入球を抑制できるように図っているが、詳細は後述する。
なお、前側突設部B4360の態様は本実施形態の態様に限られるものではない。例えば、案内板B4300の閉鎖状態において薄板部材B1110の前側面から正面側へ張り出すように構成しても良い。この場合、案内板B4300の閉鎖状態において前側突設部B4360が球と当接し得ることから、球の流下態様を異ならせることができる。
後カバー部材B4700は、上述の後カバー部材B1700から、第2駆動装置B1600が省略されることにより不要となった第3支持板B1750及び第4支持板B1760の形成を省略し、本体部B1710の上下寸法および前後寸法を縮小するようにして形成される。
即ち、後カバー部材B4700が上述の後カバー部材B1700に比較して小型に形成されているので、可変入賞装置B4000は、上述の可変入賞装置B1000と同様に前後スライド変位する案内板B4300を含む構成ながら、駆動装置B1400,B2600を配置させるために遊技領域の背面側に必要となるスペースを(特に前後に)低減することができる。
図169から図171を参照して、可変入賞装置B4000の状態の切り替えについて説明する。図169、図170及び図171は、可変入賞装置B4000の正面図である。なお、図169では、案内板B4300及び開閉棒B2500が閉鎖状態とされ、図170では、案内板B4300が開放状態とされ開閉棒B2500が閉鎖状態とされ、図171では、案内板B4300が閉鎖状態とされ開閉棒B2500が開放状態とされる。
また、図169から図171では、覆設部材B4200の本体部材B2210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。また、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。また、図169から図171の説明では、図163を適宜参照する。
まず、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技進行の概要について説明する。遊技の進行は、第11実施形態で説明した内容を基本とする。即ち、通常中は、特別図柄1の抽選による大当たりを目指して、左打ちで案内口B4160へ球を入球させる。
大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄2の抽選を受けやすい状態が続くようになり、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
そのため、大当たり終了後は、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまでは、第2検出センサB1250の開口に入球させることを狙って球を発射する。特別遊技状態では、第1検出センサB1230の開口に入球させることで賞球の払い出しが行われる。
次に、遊技進行の各部を詳細について説明する。本実施形態における遊技領域は、左右対称の構成を基本としており、左右どちらへ打ち出した球でも、可変入賞装置B4000に到達可能に構成される。一方で、追加される構成の影響により、特別図柄1の大当たりの獲得を目指す通常状態においては左打ちで遊技することが推奨される。
遊技盤13には、左右対称には構成していない部分として、センターフレーム86の下側においてベース板60の正面側に張り出すように固定され、球の通過を妨害する張出壁B4010と、左側のスルーゲート67の上方においてベース板60の正面側に逆ハの字形状で張り出すように固定される球集合壁B4020と、が追加されている。
張出壁B4010は、センターフレーム86の左右中央よりも右側位置において上下方向に延びる壁部であって、左右への球の通過を妨害する。これにより、センターフレーム86の真下に配設される道釘によってセンターフレーム86の左右中央真下まで案内可能な球を、左打ちの球に限定することができる。
即ち、左打ちされた球は、道釘によってセンターフレーム86の左右中央真下まで案内された後、センターフレーム86の左右中心に沿って鉛直方向に延びる流下経路BL41で落下すれば案内口B4160に入球可能とされるので、特別図柄1の抽選を獲得し易い。
更に、流下経路BL41の左右に突設部B1140が配設されているので、球が流下経路BL41から左右に逸れた場合であっても、突設部B1140が球に当接することにより、球を流下経路BL41側へ戻すことができる。これにより、案内口B4160への入球確率を向上することができる。
一方で、右打ちされた球は、張出壁B4010に左右への通過を阻害されるので、道釘によってセンターフレーム86の左右中央真下まで案内されることはなく、可変入賞装置B4000へ到達する場合も、転動面B4191に着地することになり、転動面B4191に沿って流下経路BL42で流下する。
転動面B4191は、正面側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されているので、流下経路BL42で転動面B4191を転動する球は、手前寄りの経路を通る。そのため、突設部B1140との当接により減速される程度を少なくすることができる。
転動面B4191の左端を通り過ぎた球は、補助突部B4141の上面を伝って案内口B4160の上側を右から左へ通過するように構成される。特に、右側延設部B1220には蓋板部B2270が配設されており、球を案内する転動面B4191が左側よりも中央側へ張り出しているので、球を補助突部B4141の上面に容易に乗せることができる。これにより、案内口B4160への入球確率を下げることができる。
このように、本実施形態によれば、左右どちらへ打ち出した球でも、可変入賞装置B4000に到達可能に構成されるが、右打ちで発射された球に比較して、左打ちで発射された球の方が案内口B4160への入球確率が高くなるように構成されている。従って、特別図柄1の大当たりの獲得を目指す通常状態においては左打ちで遊技することが推奨される。
確変状態では、左打ちで遊技するか、右打ちで遊技するかを、遊技者の好みで選択させるように構成される。この際、遊技者は、得られる利益と不利益とを検討し、左打ちで遊技するか、右打ちで遊技するかを選択することになる。これについて、以下で説明する。
確変状態では、スルーゲート67に球を通過させ、その抽選の結果によって開閉棒B2500が開放状態に切り替えられ、第2検出センサB1250の開口へ入球可能となる。スルーゲート67は左右に配設されているので、左右どちらへ打ち出した球でもスルーゲート67を通過し得るが、左右のスルーゲート67への入球確率が、球集合壁B4020によって異ならされている。
即ち、右側のスルーゲート67では、その上流側に配設される釘との衝突により経路が変化され、スルーゲート67に到達した球のみがスルーゲート67を通過する一方で、左側のスルーゲート67では、釘との衝突により経路が変化された球に加え、球集合壁B4020の上面を転動した球がスルーゲート67を通過し得る。
球集合壁B4020は、スルーゲート67の上方に球の直径程度の隙間を空けて配設される一対の板状壁部から構成される。左側の板状壁部は、内レール61との隙間が球の半径未満とされており、右側の板状壁部は、センターフレーム86との隙間が球の直径よりも若干長くされている。
一対の板状壁部の下端部間は球の直径よりも若干長い隙間を空けて配置されており、その隙間の中央位置がスルーゲート67の中央の鉛直上方に位置する。そのため、球集合壁B4020の隙間を流れた球は(右打ちされた球が右側のスルーゲート67を通過する確率よりも)高確率でスルーゲート67を通過する。従って、スルーゲート67へ球を通過させることに着目すると、左打ちで球を発射する方が、遊技者にとって有利である。
一方、上述の通り、特別図柄1の抽選が行われる案内口B4160へは、右打ちされた球よりも、左打ちされた球の方が、高確率で入球する。特別図柄1の抽選が、特別図柄2の抽選に比較して、抽選結果が大当たりであった場合に遊技者が得られる利益が低くなるように設定されている場合には(例えば、図142(b)参照)、特別図柄2の抽選が行われ易い状況においては、特別図柄1の抽選が行われないように遊技を進行させる方が、遊技者の利益が大きくなる場合がある。
従って、案内口B4160に球を入球させないように(特別図柄1の抽選が行われないように)遊技を進行させることに着目すると、右打ちで球を発射する方が遊技者にとって有利である。
このように、本実施形態によれば、確変状態の遊技を、スルーゲート67を球が通過し易い点で有利な一方で、案内口B4160への入球が生じ易い点で不利な左打ちで行うか、スルーゲート67への球の通過確率が劣る点で不利な一方で、案内口B4160への入球が生じ難い点で有利な右打ちで行うか、遊技者の選択にゆだねることができる。
特別遊技状態(大当たり状態)では、ラウンド進行に合わせて案内板B4300が開放状態を構成するように制御される。この場合において、案内口B4160への入球確率を下げるという目的から、右打ち遊技が推奨される。
即ち、左打ち遊技では、開閉板B4300が閉鎖状態の時に流下経路BL41で球が流下すると、球は案内口B4160に入球することになるので、これを避けるために右打ち遊技が推奨される。右打ちされた球は、開閉板B4300の閉鎖状態においても流下経路BL42に沿って入球前範囲に流入するので、球は案内口B4160の上方を右から左へ通過するので、案内口B4160への入球が生じ難い。
一方、右打ちされた球は流下経路BL42に沿って入球前範囲に流入するので、第1検出口B1230へ向かうまでの間に、案内口B4160の真上を通過する。そのため、対策なしでは、開閉板B4300から滑落した球が案内口B4160に入球し得る。これに対し、本実施形態では、前側突設部B4360の作用によって、案内口B4160への入球を回避することができる。
即ち、開閉板B4300からの球の滑落は開閉板B4300が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際に生じるが、この際の開閉板B4300の変位によって、前側突設部B4360が球の転動軌跡の下部を背面側へ通過する。そのため、前側突設部B4360の後方に球が配置されていた場合、その球は前側突設部B4360の上側面B4362に押され、前側面B4361の形状の作用で左右外側へ寄せられた状態で滑落する。そのため、球が案内口B4160に入球する事態を回避し易くすることができる。
ここで、上述の開閉板B2300に同形状の部分を設けることでも、閉鎖状態へ切り替えられた後の球の流下経路を制御することは可能であるが、開閉板B2300の傾倒変位の変位方向と、球の落下方向とが、両方とも下方向であるので、球を置き去りにした変位が生じやすい。そのため、球を押す程度が弱くなり易い。また、閉鎖状態においても入球前範囲に張り出したままとすると、入球前範囲を流下する球に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対し、本実施形態では、球の落下方向と、前側突設部B4360の移動方向とが交差する(直交する)ことに加え、前側突設部B4360が球と当接する程度に案内板B4300が後方へ変位した後でしか球は案内板B4300から滑落しないので、前側突設部B4360が球を押す程度が強くなり易くすることができる。そのため、開閉板B2300で構成する場合に比較して、球を左右外側へ大幅に寄せることができるので、球が案内口B4160に入球する事態を回避し易くすることができる。
このような構成から、上述の遊技性を保ちながら、案内口B4160を、案内板B4300の真下において案内口B4160に近接する位置に配置することができる。この場合において、本実施形態よりも案内口B4160を上方に配置しても良い。例えば、案内板B4300の下端部の上下位置(及び開閉棒B2500の下端部の上下位置)よりも、案内口B4160の上縁部の上下位置の方が高い位置に配置されるようにしても良い。この場合、入球口としての案内口B4160及び検出センサB1230,B1250の開口を配置するための上下幅を狭めることができる。
このように構成するためには、開閉板B2300よりも、案内板B4300の方が有利である。即ち、開閉板B2300では、閉鎖状態において板部B2310(図150(a)参照)が下方に垂れて配置される範囲には案内口B4160を配置することができないが、本実施形態によれば、案内板B4300は閉鎖状態において下方に垂れる構成ではないので、より上方の位置に案内口B4160を配設することができる。
このように、本実施形態によれば、第1入賞口64、第2入賞口640及び特定入賞口65a(図2参照)に相当する入球口を可変入賞装置B4000に集合配置することができる。その上で、通常状態では左打ちを推奨し、特別遊技状態(大当たり状態)では右打ちを推奨し、確変状態においては、遊技者の好みによって左打ち遊技か右打ち遊技かを選択させる遊技性を構成することができる。
また、第1入賞口64に相当する案内口B4160を、入球前範囲における転動経路よりも下方に配置する構成ながら、左打ち遊技か右打ち遊技かで、案内口B4160への入球確率を異ならせることで、特別図柄1の抽選を行わせないように遊技を進行させることができる。
次いで、図172から図176を参照して、第15実施形態について説明する。第12実施形態では、開閉板B2300を入球前範囲の背面側に配置する場合を説明したが、第15実施形態における可変入賞装置B5000は、正面側へ変位する開閉板B2300と、その開閉板B2300と同様の変位で背面側へ変位する第2開閉板B5500とによって開放状態を構成する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図172は、第15実施形態における可変入賞装置B5000の正面図であり、図173は、可変入賞装置B5000の背面図である。なお、図172では、開閉板B2300及び第2開閉板B5500が閉鎖状態とされており、覆設部材B5200の本体部材B1210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。また、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。
また、図173では、第1駆動装置B2400が図示される一方で、第2開閉板B5500の開閉させる駆動力を発生する第2駆動装置B5600が想像線で図示される。
可変入賞装置B5000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B5100と、その基礎部材B5100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B5200と、上述の開閉板B2300と、上述の第1駆動装置B2400と、覆設部材B5200に回転可能に支持される第2開閉板B5500と、その第2開閉板B5500を駆動する駆動力を発生させる第2駆動装置B5600と、基礎部材B5100に背面側から組み付けられ第1駆動装置B2400及び第2駆動装置B5600を背面側から覆うように構成される後カバー部材(図示せず)と、を主に備える。後カバー部材は、排出口B1150から排出された球が通過する貫通孔である排出部を備え、その排出部から排出された球は、図示しない球排出路へと案内される。
基礎部材B5100は、上述の基礎部材B2100と同様に、薄板部材B2110、保持孔B1130、突設部B1140、排出口B1150及び回転支持部B2170を備えることに加え、薄板部材B2110に穿設され第2駆動装置B5600のスライド棒B5610を挿通可能に形成されるスライド案内孔B5180を備える。
スライド案内孔B5180は、貫通孔B2114と動力伝達部材B2430(の動作軌跡BE1)との間の隙間に穿設される。なお、本実施形態では、第12実施形態で上述した動力伝達部材B2430に比較して、延設部B2435が若干短く形成されており、スライド案内孔B5180を形成する隙間が捻出されている。
覆設部材B5200は、上述の覆設部材B1200と同様に、本体部材B1210、右側延設部B1220、第1検出センサB1230、左側延設部B1240及び第2検出センサB1250を備える一方、延設支持部B1212、突条支持部B1225,B1245及び球案内受部B1260は省略される。
更に、覆設部材B5200は、本体部材B1210に背面から正面側へ向けて凹設され第2開閉板B5500の軸部B5520を収容し部分的に貫通形成される収容部B5270を備える。
収容部B5270は、第2開閉板B5500の軸部B5520が収容される左右一対の支持凹部と、その支持凹部の間を繋ぐ直線の下方において矩形状に凹設(貫通形成)される矩形凹部B5272と、その矩形凹部B5272の右端に沿って動作する第2開閉板B5500の小形被荷重部B5530を本体部材B1210の前後幅内側に進入するように移動させるために一対の支持凹部を繋ぐ直線に対して垂直な方向に沿う矩形形状で貫通形成される貫通孔B5273と、を主に備える。
支持凹部は、第2開閉板B5500の軸部B5520の直径よりも若干大きな幅で正面側から背面側へ凹設形成され、組立状態において、第2開閉板B5500の軸部B5520が収容される。この支持凹部を塞ぐように正面側から矩形状の蓋板B5273(図174参照)が固定されることで、軸部B5520が支持凹部から脱落することが防止されている。
矩形凹部B5273は、第2開閉板B5500の板部B5510よりも表面積が大きくされ、その凹設長さは板部B5510の板厚よりも若干長くされる。これにより、第2開閉板B5500が傾倒する姿勢(閉鎖状態)において、板部B5510を完全に矩形凹部B5272に収容でき、本体部材B1210の背面側に開閉板B5500が張り出すことを防止できる。
第2開閉板B5500は、姿勢の違いにより、球を第2検出センサB1250へ向けて転動させる場合と、球と当接せず下方へ落下させる場合とを切り替える部材であって、上述の開閉板B2300と同様の大きさで形成される横長矩形状の板部B5510及びその板部B5510の短手方向端部から長手方向に沿って突設される一対の軸部B5520を備え、新たに説明する部分として、正面視右側の軸部B5520の根本において軸部B5520と直角な平面に沿って延設される小形被荷重部B5530と、正面視左側の軸部B5520の根本において軸部5520と直角な平面に沿って延設され閉鎖状態における第2検出センサB1250の開口への入球を防止可能に開口を(部分的に)閉塞する入球防止部B5540と、を主に備える。
板部B5510は、上昇姿勢(開放状態)において球が転動する転動面B5511を備え、短手方向の長さが、短手方向を前後方向に沿わせる上昇姿勢(開放状態)において基礎部材B5100との間隔が球の半径以下となる長さとされ、長手方向の左端部が、第2検出センサB1250と近接する態様とされる。
また、板部B5510は、軸部B5520の反対側の端部の、上昇姿勢(開放状態)における上側の角部に断面円弧形状に面取りされる面取り部B5512を備える。
板部B5510は、左右方向に長尺の平板状に形成され、球を横並びで5個まで載置可能な長さとされる。
小形被荷重部B5530は、軸部B5520を基準として転動面B5511の反対側に突設され、軸方向視断面が円形状の一部を構成する形状とされる、第2駆動装置B5600からの駆動力伝達を受ける部分である。
入球防止部B5540は、転動面B5511の正面側に軸方向視断面が平行四辺形で延設され、第2検出センサB1250の開口の少なくとも一部を塞ぐ位置まで延設され、閉鎖状態において球が第2特定入賞口B1002に入球することを防止可能に構成される部分である。
図174(a)及び図174(b)は、図173のCLXXIVa−CLXXIVa線における可変入賞装置B5000の断面図である。図174(a)では、第2開閉板B5500の閉鎖状態が図示され、図174(b)では、第2開閉板B5500の開放状態が図示される。
第2駆動装置B5600は、スライド案内孔B5180に挿通され、不図示の第2ソレノイドの動作に伴って前後変位するよう構成されるスライド棒B5610を備える。スライド棒B5610は、第2ソレノイドが非励磁の状態においては薄板部材B2110の前側面よりも背面側に引き込まれて配置され(図174(a)参照)、第2ソレノイドが励磁された状態においては薄板部材B2110の正面側へ張り出し、小形被荷重部B5530を押進可能に構成される(図174(b)参照)。
図174(b)に示すように、第2開閉板B5500の開放状態では、貫通孔B5273の上縁と小形被荷重部B5530との間にスライド棒B5610が入り込む。この状態において、第2開閉板B5500の転動面B5511に球が乗ると、球の重みにより第2開閉板B5500が閉鎖状態(傾倒状態)へ付勢される。一方、小形被荷重部B5530の変位軌跡内にスライド棒B5610が進入しているので、第2開閉板B5500が閉鎖状態へ向けて変位する際にスライド棒B5610が小形被荷重部B5530に押進される(上方変位する)ことになるが、スライド棒B5610は貫通孔B5273の上側面に上方変位を規制されている。これにより、小形被荷重部B5530の変位を規制することができるので、第2開閉板B5500を開放状態で維持することができる。
本実施形態では、第2開閉板B5500の開放状態においてスライド棒B5610が入球前範囲に張り出す構成を採用している。そのため、対策なしでは、入球前範囲を流下する球がスライド棒B5610に流下を妨害される事態が発生する可能性がある。例えば、第2開閉板B5500の左側の軸部B5520付近から正面側へ張り出すように配置すると、スライド棒B5610が第2検出センサB1250の開口の右側に配置されることで、球の流下を妨害する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド棒B5610を第2開閉板B5500の右側の軸部B5520付近、即ち、第2検出センサB1250の反対側に配置している。これにより、第2検出センサB1250の開口へ向かう球の流下がスライド棒B5610に妨害されることを回避することができる。
図175(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図175(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図175(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図である。なお、図175(a)から図175(c)では、開閉板B2300の開放状態および第2開閉板B5500の閉鎖状態が図示される。
同様に、図176(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図176(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図176(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図である。なお、図176(a)から図176(c)では、開閉板B2300の閉鎖状態および第2開閉板B5500の開放状態が図示される。
図176(a)から図176(c)に図示されるように、開閉板B2300の左右方向の配置に関わらず、開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられる際の、開閉板B2300に乗っていた球の滑落開始位置の下側を通るようにして、第2開閉板B5500が開放状態へ向かって変位するよう構成される。これは、第2開閉板B5500が閉鎖状態に切り替えられる際における開閉板B2300の変位についても同様である。
これにより、開閉板B2300及び第2開閉板B5500の開閉において、開閉の順序や、開閉板B2300,B5500に対する球の配置に関わらず、零れ球の発生個数を低減する効果を生じさせることができる。
なお、この効果は、入球前範囲上部に配置されていた球が滑落する際(図176(a)参照)に特に大きくなる。即ち、開閉板B2300から球が滑落する際に、開放状態における転動面B2311,B5511間の上下距離に加えて、第2開閉板B5500の板部B5510の短手方向幅長さ分下側から転動面B5511を上昇変位(上方へ回動変位)させることができるので、球を救い上げ易くすることができる。
本実施形態では、例えば、特別遊技状態において、開閉板B2300が開放状態(図175参照)で維持されるラウンドが終了し開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられた後で、第2開閉板B5500が閉鎖状態から開放状態(図176参照)へ切り替えられる場合に、開閉板B2300から滑落しかけた球を第2開閉板B5500で救い上げやすく構成することができる。
従って、特別遊技状態において、上述の第1の作動パターンのように、開閉板B2300と第2開閉板B5500とをラウンド進行に合わせて交互に開閉するように制御することで、全てのラウンド間インターバルにおいて零れ球の発生を抑制する作用を生じさせることができる。
零れ球の発生の抑制のためにはラウンド間インターバルを短くすることが求められるところ、本実施形態では、閉鎖状態へ向けた開閉板B2300,B5500の変位方向と、開放状態へ向けた開閉板B5500,B2300の変位方向とが上下方向で対向し、変位軌跡が部分的に重なっている。そのため、開閉板B2300,B5500の閉鎖状態への変位が遅れると、開放状態へ向けて変位する開閉板B5500,B2300と衝突する虞がある。
ここで、例えば、上述の第1回動部材B3700のように、閉鎖状態への変位方向が球を救い上げる方向である場合には、球の個数によって変位抵抗が異なるため、閉鎖状態への変位が遅れる可能性がある。
これに対し、本実施形態における開閉板B2300,B5500の閉鎖状態への変位方向は、下方へ傾倒する方向なので、球の個数によって変位抵抗は変化しない。更に、球の個数が増えれば、球の自重が開閉板B2300,B5500の変位方向へ向けて付勢する程度が大きくなるので、閉鎖状態への変位の迅速さを向上させることができる。
従って、開閉板B2300,B5500の閉鎖状態への変位の遅れが生じることを防止することができるので、閉鎖状態へ向けて変位する開閉板B2300,B5500と開放状態へ向けて変位する開閉板B5500,B2300との衝突を避けることができる。
次いで、第16実施形態について説明する。第12実施形態では、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002とが60mm程度の間隔を空けて配設される場合を説明したが、第16実施形態における可変入賞装置B6000は、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間隔が長くされている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図177は、第16実施形態における遊技盤13及び可変入賞装置B6000の正面図である。図177に示すように、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の配置が左右外側にずらされており、間隔が長くなっている。
本実施形態では、第1特定入賞口B1001は、電動役物640aとの左右間隔が65mmとなる位置に配置され、第2特定入賞口B1002は、電動役物640aとの左右間隔が65mmとなる位置に配置されている。閉鎖状態における電動役物640aの外幅が約30mmなので、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間隔は、約160mmとされる。なお、この場合において、入球前範囲に球が流入可能な左右長さは、電動役物640aの外幅の長さを差し引いて、約130mmとされる。
なお、電動役物640aは、下端部に配置される回動軸を中心に互いに離れる方向へ傾倒することで開放状態を構成し、互いに近づく方向へ起き上がることで閉鎖状態を構成する。
入球前範囲において開閉変位する部材の構成は、上述したものを設計変更して流用することができる。例えば、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間隔に合わせて、上述の案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520を長尺方向に延長して案内板B1300,B1500を構成することで、入球前範囲に到達した球を第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入球させるように可変入賞装置B6000を構成することができる。
案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520の傾斜角度は、上述のように、水平面に対して7度で構成される。この場合、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との上下方向長さは約19.6mm(=160×tan(7度))となる。そのため、上述したよりもラウンド間インターバルを長めに設定したとしても、零れ球の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520の傾斜角度が7度の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜角度を45度で設定しても良い。この場合、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との上下方向長さを更に長くすることができるので、ラウンド間インターバルを更に長めに設定したとしても、零れ球の発生を抑制することができる。
更に、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との間に、球が横から進入可能な程度の空間が形成される。そのため、上流側部材B1320,B1520に案内されず、その左右外側へ流下した球が、その下流側で他の部材(釘や、樹脂部材)に衝突した後で、上述の空間を通って案内部材B1510,B1310に到達するような事態を生じさせることができる。
これは、入球前範囲下部を狙って右打ち又は左打ちするか、入球前範囲上部を狙って左打ち又は右打ちするかを遊技者が選択する際の判断材料になる。なお、第1特定入賞口B1001へ球を案内可能な状況においては、左打ちによって入球前範囲上部を狙うことができ、右打ちによって入球前範囲下部を狙うことができる。一方、第2特定入賞口B1002へ球を案内可能な状況においては、右打ちによって入球前範囲上部を狙うことができ、左打ちによって入球前範囲下部を狙うことができるというように、発射態様と狙いとの関係は球を案内可能な特定入賞口B1001,B1002が変わると反転するので、遊技者を遊技に集中させることができる。
入球前範囲上部を狙って球を打ち出す場合、上記各実施形態で説明した突設部B1140等による減速作用によって、入球前範囲下部に複数の球が配置されることを回避することができ、零れ球の発生個数を低減することができるという点で有利である。一方で、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との間の空間から入球前範囲に球が進入したとしても、その球はアウト口71へ向けて流下し易いという点で不利である。
一方、入球前範囲下部を狙って球を打ち出す場合、減速作用に期待することはできないので、入球前範囲下部に複数の球が配置されることになり、零れ球の発生個数が多くなり易いという点で不利である。一方で、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との間の空間から入球前範囲に進入した球は、入球前範囲下部に到達し、特定入賞口B1001,B1002に案内され得るという点で有利である。
簡潔に言えば、入球前範囲上部を狙って球を打ち出す場合、可変入賞装置B6000の上方から落下した後の球が零れ球となる可能性は低いが、横から入球前範囲に進入した球が零れ球となる可能性が高い。これに対し、入球前範囲下部を狙って球を打ち出す場合、可変入賞装置B6000の上方から落下した後の球であっても零れ球となることが十分に考えられるが、横から入球前範囲に進入した球であっても零れ球とならずに特定入賞口B1001,B1002へ案内される可能性がある。
このように、本実施形態では、可変入賞装置B6000へ向かう球の流下経路が違う場合に遊技者が得られる利益にバランスが設定されているので、遊技者は、好みの利益バランスを選択して、球の発射態様を選択することができる。
また、本実施形態では、可変入賞装置B6000と同様の駆動態様で、球が右下がりに案内される状態と、球が左下がりに案内される状態と、球を案内しない状態とで状態が切り替え可能に構成される可変装置B6001,B6002が、遊技領域に配設される。なお、状態切り替えのタイミングは何ら限定されるものではないが、本実施形態では、電源投入から一定パターンで状態が切り替えられる(一定の状態切り替えのパターンが繰り返し実行される、又は、一定の間隔で状態が切り替えられる)。
第1可変装置B6001は、左側のスルーゲート67の真下に配置されている。左下がりに球を案内する状態では、球を案内する板の下端と、内レール61との間隔が球の直径未満とされていることから、球が一時的に滞留される。これにより、等間隔で発射される球の配置間隔を故意に異ならせるよう制御することができる。
また、右下がりに球を案内する状態では、案内される球がセンターフレーム86の内部流路86aへ案内される。内部流路86aに入球した球は、センターフレーム86の内部を通り、第1入賞口64の真上位置付近からベース板60側(正面側)へ案内され、ベース板60とガラスユニット16(図1参照)との間を落下することになる。そのため、第1入賞口64へ入球し易くすることができる。
なお、遊技領域の右側には第1可変装置B6001は配設されていない。そのため、センターフレーム86の左側へ狙って球を打つ場合と、センターフレーム86の右側へ狙って球を打つ場合とで、内部流路86aへの入り易さを変えることができ、第1入賞口64への入球し易さを変化させることができる。
第2可変装置B6002は、センターフレーム86の真上に配置され、案内経路の交差位置がセンターフレーム86の左右中心位置と一致するように配設されており、外レール62との間で球が十分に通過できる間隔を空けて配置されている。
第2可変装置B6002により、センターフレーム86の上端部に着地する程度の強度で発射された球を、遊技領域の左側へ流す状態と、遊技領域の右側へ流す状態とで切り替えることができる。これにより、左右に均等に球が流下する事態を回避して、左側または右側にまとまった個数の球を流下させることができる。
これにより、第2可変装置B6002の状態を把握して球を発射することで、遊技領域の狙いの範囲に球を案内し易くすることができるので、第2可変装置B6002への遊技者の注目力を向上することができる。
次いで、第17実施形態について説明する。第11実施形態では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が別々の駆動装置B1400,B1600で駆動される場合を説明したが、第17実施形態における可変入賞装置B7000は、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の変位に兼用される兼用駆動装置B7700を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図178は、第17実施形態における可変入賞装置B7000の上面図である。図178に示すように、可変入賞装置B7000は、上述の可変入賞装置B1000の構成に加え、背面側に配設される兼用駆動装置B7700と、その兼用駆動装置B7700へ向かって、直動部材B1420から背面側へ延設され延設先端で屈曲し上方へ延設される伝達棒B7422と、直動部材B1620から背面側へ延設され延設先端で屈曲し下方へ延設される伝達棒B7622と、を備える。
伝達棒B7422,B7622を通して、兼用駆動装置B7700で発生した駆動力が直動部材B1420,B1620へ伝達され、案内板B1300,B1500が変位可能に構成されている。
兼用駆動装置B7700は、回転駆動される駆動モータB7710と、その駆動モータB7710の回転力により、左右方向(水平方向)を向くように固定された軸を中心として回転変位することで伝達棒B7422,B7622に駆動力を伝達可能に構成される伝達回転体B7720と、を備える。
伝達棒B7422,B7622は、延設先端側が伝達回転体B7720の軸線の鉛直上下方向に沿って延設されている。そして、伝達棒B7422,B7622の延設先端は伝達回転体B7720の上下位置(軸中心に180度離れた位置、図179(a)参照)において伝達回転体B7720と係合するように構成されている。以下、伝達回転体B7720の構成を詳細に説明し、伝達棒B7422,B7622への駆動力伝達の態様を説明する。
図179(a)は、伝達回転体B7720の正面図であり、図179(b)は、図179(a)の矢印CLXXIXb方向視における伝達回転体B7720の側面図であり、図179(c)は、伝達回転体B7720の円周面を展開した展開図である。
図179(a)から図179(c)に示すように、伝達回転体B7720は、円形板状に形成される部材であって、駆動モータB7710の軸部が固着される中心孔B7721と、外周面から径方向内側へ向けて凹設され円周方向に沿って連続的に形成される被進入溝部B7730と、を備える。
図179(a)に示すように、伝達棒B7422,B7622は、被進入溝部B7730に入り込むように配置される。被進入溝部B7730は、最小の溝幅Wminが、伝達棒B7422,B7622の先端太さよりも若干長くなる寸法で構成されているので、被進入溝部B7730に伝達棒B7422,B7622が入り込んだ状態で伝達回転体B7720を360度以上回転させることが可能である。
被進入溝部B7730は、ほとんどの角度範囲において溝幅Wminで形成されており、特定の角度範囲において溝幅が最大の溝幅Wmaxまで拡大されている。溝幅Wmaxは、ソレノイドB1410,B1610により許容されている伝達棒B7422,B7622の変位を制限しない十分長い幅として設定される。
被進入溝部B7730は、溝幅Wminで形成される範囲が、回転軸に垂直な2つの平面BS71,BS72の内の片方に沿って延びる区間と、2つの平面BS71,BS72を回転軸線に対して傾斜する線に沿って結ぶ区間とにより構成される。
2つの平面BS71,BS72は、伝達棒B7422,B7622の左右位置に対応する。本実施形態では、2つの平面BS71,BS72の間の間隔が、ソレノイドB1410,B1610の直動部材B1420,B1620の変位幅に対応するように設定される。
即ち、伝達棒B7422が第1の平面BS71上に配置されている場合には、直動部材B1420は第1ソレノイドB1410の非励磁の状態における位置に配置されるので、第1案内板B1300は閉鎖状態とされる。一方、伝達棒B7422が第2の平面BS72上に配置されている場合には、直動部材B1420は第1ソレノイドB1410の励磁状態における位置に配置されるので、第1案内板B1300は開放状態とされる。
また、伝達棒B7622が第1の平面BS71上に配置されている場合には、直動部材B1620は第2ソレノイドB1610の非励磁の状態における位置に配置されるので、第2案内板B1500は閉鎖状態とされる。一方、伝達棒B7622が第2の平面BS72上に配置されている場合には、直動部材B1620は第2ソレノイドB1610の励磁状態における位置に配置されるので、第2案内板B1500は開放状態とされる。
従って、被進入溝部B7730を適切に設計することによって、伝達回転体B7720の回転と同期して案内板B1300,B1500の状態を切り替えることができる。以下、被進入溝部B7730の形状の詳細について説明する。
被進入溝部B7730は、境界位置BCL71を基準として、上側の溝部に伝達棒B7622が案内され、下側の溝部に伝達棒B7422が案内されるよう構成されており、境界位置BCL71の上下にそれぞれ、同様の角度範囲および順序で、非駆動区間B7731、駆動区間B7740,B7750及び演出区間B7760が構成される。
非駆動区間B7731は、約30度の区間が180度間隔で2箇所に配置され、角度方向中央部が溝幅Wmaxとされている。この溝幅Wmaxの部分に伝達棒B7422,B7622が進入する状態では、伝達棒B7422,B7622の変位が被進入溝部B7730に制限されない。そのため、ソレノイドB1410,B1610を駆動制御することにより、案内板B1300,B1500の状態を閉鎖状態や開放状態に切り替えることができる。
駆動区間B7740,B7750は、非駆動区間B7731の端から105度の区間で連続的に形成されるが、境界位置BCL71を挟んで形状が異なるので、順に説明する。
図179(c)で境界位置BCL71よりも下側に配置されている第1駆動区間B7740は、伝達棒B7422の変位に関係する区間であって、約15度にわたって形成される第1溝部B7741と、その第1溝部B7741から約45度にわたって連続的に形成される第2溝部B7742と、その第2溝部B7742から約45度にわたって連続的に形成される第3溝部B7743と、を備える。
第1溝部B7741及び第2溝部B7742は、第1の平面BS71上に配置され、第3溝部B7743は、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に配置が移る。
図179(c)で境界位置BCL71よりも上側に配置されている第2駆動区間B7750は、伝達棒B7622の変位に関係する区間であって、約15度にわたって形成される第1溝部B7751と、その第1溝部B7751から約45度にわたって連続的に形成される第2溝部B7752と、その第2溝部B7752から約45度にわたって連続的に形成される第3溝部B7753と、を備える。
第1溝部B7751及び第3溝部B7753は、第1の平面BS71上に配置され、第2溝部B7752は、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に配置が移る。
そのため、駆動区間B7740,B7750に伝達棒B7422,B7622が進入する状態では、伝達棒B7422,B7622が被進入溝部B7730の形状に沿って変位される。従って、伝達回転体B7720の回転によって、案内板B1300,B1500を閉鎖状態および開放状態で切り替えることができる。
図179(d)は、伝達回転体B7720の回転方向と第1案内板B1300及び第2案内板B1500の状態との関係を模式的に示す模式図である。図179(d)では、駆動区間B7740,B7750に伝達棒B7422,B7622が進入している状態を前提としている。
図179(d)によれば、駆動モータB7710の回転方向を適切に切り替えることで、第1案内板B1300のみを開閉する作動パターンも、第2案内板B1500のみを開閉する作動パターンも、案内板B1300,B1500を交互に開閉する作動パターンも、実行可能とされる。
待機状態で伝達棒B7422,B7622が第1溝部B7741,B7751に配置される場合には、第2案内板B1500のみを開閉する作動パターンを開始する場合であっても、第2案内板B1500の開放状態を構成する前に、第1案内板B1300の開放状態を経由する必要が生じるが、駆動モータB7710の回転速度を上げることで、第1案内板B1300を即座に閉鎖状態に切り替えることができるので、実用上は問題となりにくい。
また、最終ラウンドで第2案内板B1500が開放される場合には、ラウンド終了時に伝達棒B7422,B7622を第1溝部B7741,B7751に配置する状態に戻すには第2溝部B7742,B7752を経由する必要があり、第1案内板B1300が開放されてしまうという問題が生じるとも思われる。
一方で、実際は、上述のように駆動モータB7710の回転速度を上げることで対応したり、伝達棒B7422,B7622を第2溝部B7742,B7752と第3溝部B7743,B7753との境界位置に配置することで案内板B1300,B1500の両方を閉鎖状態とすることで対応したりできるので、実用上は問題となりにくい。
伝達棒B7422,B7622を第2溝部B7742,B7752と第3溝部B7743,B7753との境界位置に配置することで案内板B1300,B1500の両方を閉鎖状態として特別遊技状態を終えた場合であっても、伝達棒B7422,B7622の配置を次の特別遊技状態の開始時まで記憶しておけば、(即ち、伝達棒B7422,B7622が第2溝部B7742,B7752と第3溝部B7743,B7753との境界位置から開始されることを記憶しておけば)、初回のラウンドで第1案内板B1300を開放状態にする場合にも、第2案内板B1500を開放状態する場合にも対応することができる。
伝達回転体B7720の回転によって案内板B1300,B1500を変位させる場合の利点として、伝達回転体B7720を回転駆動するのみで、案内板B1300,B1500の動作順序を機械的に規定することができることがあげられる。
そのため、案内板B1300,B1500を別々の駆動装置で駆動する場合に必要となる複雑な制御プログラムは不要であり、伝達回転体B7720の速度に関わらず、案内板B1300,B1500を適切な順序で連動させることができる。
この場合、駆動モータB7710の回転速度を増加させ、伝達回転体B7720を高速で回転させれば、ラウンド間インターバルを短縮することができる。また、第1案内板B1300と第2案内板B1500とで、閉鎖状態と開放状態とを入れ替えるように駆動する際に、駆動モータB7710の回転方向を反転させる必要が無いので、ラウンド間インターバルを短縮し易くすることができる。
演出区間B7760は、非駆動区間B7731と駆動区間B7740,B7750との間を連結するように、約45度の区間が180度間隔で2箇所に配置され、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に配置が移るように形成されている。即ち、伝達棒B7422,B7622が演出区間B7760に入り込む状態においては、案内板B1300,B1500の双方が開放状態に切り替えられる。
図180は、可変入賞装置B7000の正面図である。図180では、伝達棒B7422,B7622が演出区間B7760に入り込んだ状態が図示されている。即ち、案内板B1300,B1500の双方が開放状態に切り替えられた状態が図示されている。
図180に示すように、案内板B1300,B1500の双方が開放状態とされると、第1特定入賞口B1001への入球は上流側部材B1520により妨害され、第2特定入賞口B1002への入球は上流側部材B1320により妨害される。また、入球前範囲に到達した球は案内板B1300,B1500の交差位置に集められ、案内板B1300,B1500が閉鎖状態へ変位することで下方へ落下する。
即ち、図180に示す状態では、案内板B1300,B1500の双方が開放状態とされながら、双方の特定入賞口B1001,B1002への入球を防止することができる。そのため、案内板B1300,B1500を開閉させることで遊技者の注目を集めながら、球が特定入賞口B1001,B1002へ入球することを防止することができる。
図180に示す状態は、案内板B1300,B1500の状態が変化しているものの、特定入賞口B1001,B1002への入球が防止されるので、厳密には開放状態ではない。そのため、例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)からの出力により駆動モータB7710を回転駆動可能に構成し、通常状態における演出動作として、図180に示す状態を構成するように制御しても良い。また、大当たり遊技の開始に伴わないで案内板B1300,B1500が開放状態を構成する場合(例えば、小当たり)を、図180に示す態様で構成しても良い。
また、案内板B1300,B1500の閉鎖状態として、案内板B1300,B1500の双方が背面側に配置されている状態と、案内板B1300,B1500の双方が正面側に配置されている状態との両方で構成可能としても良い。双方が正面側に配置されている状態では、案内板B1300,B1500のどちらか一方を背面側へ変位させることで、特定入賞口B1001,B1002のいずれかに球を入球可能となり、開放状態を構成可能となる。
本実施形態では、案内板B1300,B1500の交差位置から球を背面側へ排出可能な排出口B7160が穿設される。これにより、案内板B1300,B1500の交差位置に球が溜まることを回避することができる。
なお、排出口B7160を通過した球をアウト球として扱っても良いし、排出口B7160から連通する迂回流路を介して再度遊技領域に戻るように構成して、その戻り球が入球口に入り得るように構成しても良い。
本実施形態では、ソレノイドB1410,B1610に追加して駆動モータB7710を配設したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ソレノイドB1410,B1610を省略し、駆動モータB7710のみで案内板B1300,B1500を駆動するようにしても良い。
また、特別遊技状態における案内板B1300,B1500の駆動を、第1状態においてはソレノイドB1410,B1610の駆動力で実行し、第1状態とは異なる第2状態においては駆動モータB7710の駆動力で実行するようにしても良い。
また、特別遊技状態はソレノイドB1410,B1610の駆動力で実行し、駆動モータB7710は音声ランプ制御装置113のMPU221により制御が実行されるようにしても良い。この場合、特別遊技状態においては、非駆動区間B7731に伝達棒B7422,B7622が進入する状態とすればよい。
次いで、第18実施形態について説明する。この実施形態は、第11実施形態の別制御例に対応する。第11実施形態では、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250が、双方共に特別入賞口B1001,B1002を構成する場合を説明したが、第18実施形態における可変入賞装置B1000は、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が同時に変位することが許容され、第1検出センサB1230は第1特定入賞口B1001を構成する一方で、第2検出センサB1250は、特定領域として機能するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図181(a)は、第4の作動パターンにおける第1案内板B1300及び第2案内板B1500の計時変化を示した図であり、図181(b)は、第5の作動パターンにおける第1案内板B1300及び第2案内板B1500の計時変化を示した図である。なお、図181の説明では、図130、図132及び図137を参照する。
本実施形態では、第2案内板B1500及び第2検出センサB1250が、確率変動判定部として機能する。即ち、第2検出センサB1250は、特定領域の球の通過を検出するセンサとして機能する。
即ち、本実施形態では、特別遊技状態において、第2検出センサB1250を球が通過すると、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の確変状態(高確率状態)へ移行するように制御される。
主制御装置110のMPU201(図4参照)が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利取得に関する判定を行うのは、大当たり遊技中の特別ラウンド(この実施形態では第1ラウンド目)においてのみとされる。以下では、この特別ラウンドの作動パターンについて詳しく説明する。
本実施形態では、特別図柄の大当たり種別として、大当たりDと大当たりEとの2種類が設けられている。大当たり種別によって、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の作動パターンが異なって構成されており、入球に伴う払い出し賞球の個数や、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得する確率を変化させるように構成される。
大当たりDとなった場合は、1ラウンド目の大当たり遊技が、第4の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるが、賞球の払い出しをほとんど受けることができないように構成される。
大当たりEとなった場合は、1ラウンド目の大当たり遊技が、第5の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約150個の賞球の払い出しを受けることができると共に、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利をほとんどの場合に取得することができない。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる第1案内板B1300及び第2案内板B1500の作動制御について説明する。
<第4の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりDの大当たり遊技の場合には、前記第4の作動パターンに基づいて案内板B1300,B1500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B1300,B1500を閉状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B1300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御する。第1ソレノイドB1410の駆動は3秒間隔で切り替えられるよう制御されており、第1案内板B1300は3秒間隔で開放状態と閉鎖状態とを切り替えられる。
第2案内板B1500は、第1ソレノイドB1410の初回の駆動タイミングから、2秒後に第2ソレノイドB1610が駆動制御されることで、開放状態に切り替えられる。第2ソレノイドB1610は、以降28秒間駆動を維持される。そのため、第2案内板B1500は開放状態で維持される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B1300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述の第4の作動パターンによれば、第1案内板B1300が開放状態を構成してから2秒間は、第1特定入賞口B1001へ入球させることが可能となるが、2秒経過後は、第2案内板B1500が開放状態とされることで第2検出センサB1250の特定領域に入球させることができる一方、第2案内板B1500により第1特定入賞口B1001が閉鎖されるので、規定個数の入球を実現することができない。
これにより、1ラウンド目の特別遊技において、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるが、規定時間の経過を待つ必要があるように制御することができる。
<第5の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりEの大当たり遊技の場合には、前記第5の作動パターンに基づいて案内板B1300,B1500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B1300,B1500を閉状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B1300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御する。第1ソレノイドB1410の駆動は第1案内板B1300が開放状態で維持されるよう制御されており、第1案内板B1300はラウンド終了まで開放状態が維持される。
第2案内板B1500は、第1ソレノイドB1410の初回の駆動タイミングから、2秒後に第2ソレノイドB1610が駆動制御されることで、開放状態に切り替えられる。第2ソレノイドB1610は、0.5秒後に駆動が解除されるので、第2案内板B1500は閉鎖状態に戻る。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B1300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述の第5の作動パターンによれば、第1案内板B1300が開放状態を構成してから、第1特定入賞口B1001へ入球させることが可能となる。2秒経過後に第2案内板B1500が開放状態とされるが、即座に閉鎖状態に切り替えられるので、第1特定入賞口B1001への入球の障害にはならない。一方、第2案内板B1500が開放状態となる期間に亘って、第1案内板B1300が開放状態で維持されるので、第2検出センサB1250は第1案内板B1300により塞がれることになる。そのため、球が特定領域を通過することはない。
これにより、1ラウンド目の特別遊技において、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができないが、規定時間の経過を待たずに、第1特定入賞口B1001へ規定個数の球を入球させることで1ラウンド目の特別遊技を終えることができる。
このように、本実施形態によれば、可変入賞装置B1000では、1ラウンド目の制御として異なる作動パターンを設けることにより、ラウンド遊技における賞球の払い出しはほとんど許容せず、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得させるラウンドを構成することができる。
ここで、従来技術と異なり、第4の作動パターン及び第5の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技において第2案内板B1500が動作前に閉鎖状態とされている間において第1案内板B1300を閉鎖状態とする必要がないので、第1案内板B1300に到達した球が零れることを防止し易くすることができる。以下、このことについて説明する。
従来技術では、特定領域の開閉を行う動作部材の動作開始前に第1特定入賞口B1001に規定個数の球が入賞してラウンド遊技が終了してしまうと、動作部材は開放状態となっているのに第1特定入賞口B1001に球を入賞させられず、遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができないという不具合が生じる虞があることから、それを防止するために、ラウンド開始後において第1特定入賞口B1001を開閉する開閉部材を閉鎖状態で数秒維持するように制御していた。
そのため、ラウンド開始後に流下し、第1特定入賞口B1001に入球し得るタイミングで開閉部材に到達した球が、開閉部材が閉鎖状態で維持されるために零れてしまい、遊技者の残念感が増す虞があった。
これに対し、本実施形態では、第2検出センサB1250が第1特定入賞口B1001の下流に配設される構成ではないので、第1案内板B1300が閉鎖状態を構成し第1特定入賞口B1001に球が入球不可能な状態となったとしても、第2案内板B1500が開放状態となりさえすれば、問題無く遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
また、駆動開始までの時間を2秒とすることで、第1特定入賞口B1001への規定個数(本実施形態では、10個)の入球が生じる前に第2案内板B1500を開放状態に切り替えるようにしている。
そのため、本作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技において第2案内板B1500が動作前に閉鎖状態とされている間においても、第1案内板B1300を開放状態で維持することで第1案内板B1300の動作に対して遊技者が違和感を抱くことを防止しつつ、入賞の態様により遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができなくなるという不具合が生じることを防止することができる。
更に、第5の作動パターンにおいては、第1案内板B1300を開放状態で維持し、閉鎖状態へ変化しないので、従来技術として上述したように開閉部材が閉鎖状態で数秒維持される場合に比較して、第1ラウンド目の遊技中の零れ球の発生個数を低減することができる。
なお、特別ラウンドの態様は、上記の説明に限られるものではない。例えば、1ラウンド目ではなく、2ラウンド目に構成しても良いし、最終ラウンドに構成しても良く、何ラウンド目に構成するかは任意である。また、特別ラウンドを複数構成しても良い。
なお、大当たりD及び大当たりEの2ラウンド目以降の作動パターンについては、特に説明しないが、共通で構成しても良い。例えば、第1開閉板B1300がラウンド中に開放状態を維持し、第2開閉板B1500は常時閉鎖状態で維持される。
次いで、第19実施形態について説明する。第14実施形態では、案内板B4300を転動した球が球案内受部B4260に入球し難くなるように構成される場合を説明したが、第19実施形態における可変入賞装置B9000は、球案内受部B4260への入球が容易になるように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
また、球案内受部B4260への入球が遊技者にどのような利益を付与するかは、任意に設定可能である。例えば、特別図柄の抽選や、賞球の払い出しや、確変状態の付与などの有利なものでも良いし、転落抽選などの不利なものでも良い。
図182は、第19実施形態における可変入賞装置B9000の正面図である。図182に示すように、可変入賞装置B9000では、左側延設部B1240の形成が省略され、基礎部材B9100に穿設される貫通形成部B9120が、上述の貫通形成部B4120の左端部から傾斜を維持して左方へ延長される形状とされ、それと同様に、第1検出センサB1230の開口へ球を案内可能な開放状態と、球を案内不能な閉鎖状態とで状態を切り替えるように前後方向にスライド変位可能に構成される案内板B9300が、上述の案内板B4300の左端部から傾斜を維持して左方へ延長される形状とされる。
即ち、可変入賞装置B9000は、第1検出センサB1230の開口へ向けて球を案内する右下がりの案内経路のみを形成し、上記各実施形態とは異なり、左下がりの案内経路の形成を省略している。
案内板B9300が開放状態の時に、案内板B9300への球の到達の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、案内板B9300の上方から球が落下する態様や、案内板B9300の左方(上流側)において案内板B9300へ球を案内可能な配設態様(傾斜態様)でベース板60(図124参照)に植設される釘BKG91に衝突した球が案内板B9300の左側部に到達する態様等が例示される。
基礎部材B9100は、開放状態の案内板B9300の転動面9311を転動する球に作用する複数の突設部B9140を備える。複数の突設部B9140は、鉛直方向に長尺の柱状に形成されており、案内板B9300を転動する球に当接可能となる長さで突設形成されるが、その形成位置がそれぞれ異なる。
即ち、左端に配設される第1突設部B9141は、転動面B9311と球の直径程度の間隔を空けて配設されており、第1突設部B9141の右隣に球の直径の2倍長さ程度の左右間隔で配設される第2突設部B9142は、転動面B9311と球の直径の5/6程度の間隔を空けて配設されている。
第2突設部B9142の右隣に球の直径程度の左右間隔で配設される第3突設部B9143は、転動面B9311と球の直径の4/6(=2/3)程度の間隔を空けて配設されており、第3突設部B9143の右隣に球の直径程度の左右間隔で配設される第4突設部B9144は、転動面B9311と球の半径程度の間隔を空けて配設されている。第4突設部B9144は、球案内受部B4260の真上から、若干左に位置ずれした位置に形成される。
即ち、突設部B9140は、第1突設部B9141から第4突設部B9144へ向かうほど、転動面B9311を転動する球との当接位置が球の中心へ近づくことになるので、球を減速させる作用が徐々に増大する。従って、突設部B9140により、転動面B9311を転動する球の減速の程度を下流へ向かう程に大きくすることができる。
これにより、転動面B9311の位置ごとの転動球の滞在時間に差を持たせることができる。特に、第4突設部B9141付近における球の滞在時間を相対的に長くすることができるので、案内板B9300が閉鎖状態に切り替えられる際に球が球案内受部B4260へ向けて流下する確率を上げることができる。
第4突設部B9144の右隣に球の直径の1.5倍程度の左右間隔で配設される第5突設部B9145は、転動面B9311と球の直径の4/6(=2/3)程度の間隔を空けて配設されており、第5突設部B9145の右隣に球の直径程度の左右間隔で配設される第6突設部B9146は、転動面B9311と球の直径の5/6程度の間隔を空けて配設されている。
即ち、突設部B9140は、第4突設部B9144から第6突設部B9146へ向かうほど、転動面B9311を転動する球との当接位置が球の中心から離れることになるので、球を減速させる作用が徐々に減少する。従って、突設部B9140により、転動面B9311を転動する球の加速の程度を下流へ向かう程に大きくすることができる。
これにより、転動面B9311の位置ごとの転動球の滞在時間に差を持たせることができる。特に、第1検出センサB1230の直前位置における球の滞在時間を相対的に短くすることができるので、案内板B9300が閉鎖状態に切り替えられるよりも前に第1検出センサB1230へ球を入球させ易くすることができる。これにより、第1検出センサB1230の開口への入球効率を向上させることができ、零れ球の個数を低減することができる。
また、本実施形態のように、球との当接位置を上下で異ならせることにより、球に対して上下方向の負荷がかかり易くなる。そのため、球が転動面B9311に常に密着して転動する場合のみでなく、跳ねながら流下する(暴れる)場合も生じ得る。これにより、案内板B9300に案内される球の流下態様に種類を持たせることができ、球に注目する遊技者を飽きさせることがない。
なお、突設部B9140は、鉛直方向に長尺の棒状として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、鉛直方向に対して、長尺方向が傾斜しても良い。例えば、左側へ向けて下降傾斜する方向に長尺方向が一致するようにしても良い。この場合、転動面B9311を転動する球の速度によって、球の減速の程度に差を生じさせることができる。例えば、球が高速で転動する場合には、突設部B9140の傾斜に乗り上げやすく、減速の程度が小さくなる一方で、球の転動速度が遅い場合には、乗り上げを生じさせず、十分に減速させることができるように構成することができる。この場合、球の転動速度の大小の違いによって、突設部B9140に寄る球の減速の程度を異ならせることができる。
なお、本実施形態における徐々に減速の程度が増大する区間(第1突設部B9141から第4突設部B9144までの区間)に、徐々に加速する区間を設けても良いし、徐々に加速の程度が増大する区間(第4突設部B9144から第6突設部B9146までの区間)に、徐々に減速する区間を設けても良い。
なお、本実施形態の構成を、上記各実施形態で説明した案内経路が交差する装置に採用しても良い。また、突設部B9140は基礎部材B9100に固定される場合に限定されるものではない。
例えば、案内板B9300に一体的に形成され、基礎部材B9100に形成される開口を通して、案内板B9300と連動して入球前範囲に突出する状態と、入球前範囲から埋没する状態とで切り替え可能に構成しても良い。この場合、閉鎖状態において突設部B9140に球が衝突する事態が発生することを回避することができる。この場合において、全ての突設部B9140が案内板B9300と連動するように構成しても良いし、一部の突設部B9140が案内板B9300と連動し、他の突設部B9140は基礎部材B9100に固定されるようにしても良い。
なお、球案内受部B4260は、案内板B9300の下端よりも下側に離れて配置されることに限定されるものではない。例えば、案内板B9300に近接配置され、案内板B9300の下端部(突条支持部B1225と当接する部分)よりも上側に入り込んで配置されても良い。この場合、案内板B9300と球案内受部B4260との上下間隔を狭めることで、案内板B9300から滑落した球が球案内受部B4260に入球する事態を生じ易くすることができる。
次いで、第20実施形態について説明する。第13実施形態では、回動部材B3700,B3900が下側へ回動変位することで開放状態となるように構成される場合を説明したが、第20実施形態における可変入賞装置B20000は、上側へ回動変位することで開放状態となるように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図183(a)及び図183(b)は、図158の範囲CLXIIaに対応する範囲における第20実施形態における可変入賞装置B20000の部分正面図であり、図183(c)は、図183(a)の矢印CLXXXIIIc方向視における可変入賞装置B20000の部分上面図である。
図183(a)及び図183(c)では、可変入賞装置B20000の閉鎖状態が図示され、図183(b)では、第2回動部材B20900の開放状態が図示される。図183に示すように、可変入賞装置B20000は、回動変位することで球の案内経路を構成する第1回動部材B20700と、回動変位することで球の案内経路を構成する第2回動部材B20900と、を備える。
回動部材B20700,B20900を支持する支持部材には、上述の突設軸部B3171と、その突設軸部B3171を中心とした円弧に沿って穿設され突設部B20711,B20911の変位を案内する円弧状孔B20172とが形成される。
第1回動部材B20700と第2回動部材B20900とは、略対称の形状から形成されるので、第1回動部材B20700について説明し、第2回動部材B20900の説明を省略する。
第1回動部材B20700は、第1特定入賞口B1001への球の入球を防止する閉鎖状態(図183(a)参照)と、起き上がり方向に回動変位され第1特定入賞口B1001へ球を案内可能とされる開放状態(第2回動部材B20900についての図183(b)参照)とで状態が切替可能に構成され、右側の突設軸部B3171に回動変位可能に軸支される本体部B20710と、その本体部B20710の径方向に沿って延設される延設板部B20720と、を備える。
本体部B20710は、突設軸部B3171よりも左右内側(左側)位置から回転軸線と平行に背面側へ突設される突設部B20711を備える。突設部B20711は、円弧状孔B20172を通って背面側へ張り出している。
また、本体部B20710は、径方向に沿って張り出す板部B20712を備える。板部B20712は、第1検出センサB1230の開口側へ張り出しており、閉鎖状態において第1検出センサB1230の開口へ球が入球することを防止可能とされる。一方、開放状態(先端が上昇した状態)において、板部B20712と第1検出センサB1230の開口の下縁とが、なだらかに繋がる形状とされており、開放状態において第1検出センサB1230の開口へ球を入球させることができる。
延設板部B20720は、正面視で延設先端側へ向かう程に先細りするように形成され、遊技球を乗せ得る転動面B20721と、回転軸方向と垂直な平面に沿って凹設される凹設部B20722と、を備える。
凹設部B20722は、第2回動部材B20900との干渉を避けるために正面視における第2回動部材B20900の移動軌跡から退避する位置まで形成される凹設部であり、対応する凹設部B20922が第2回動部材B20900にも形成される。
凹設部B20722と、凹設部B20922とが、軸線方向で互い違いに形成されている。これにより、第1回動部材B20700及び第2回動部材B20900の衝突を避けながら、転動面B20721,B20921の形成面積を確保するようにしている。
転動面B20721,B20921には、回動部材B20700,B20900の状態に関わらず球は当接可能とされる。そのため、例えば、閉鎖状態の転動面B20721に案内されて中央位置付近に到達した直後に転動面B20921が開放状態となり第2検出センサB1250の開口へ球を案内する事態を生じさせることができる。即ち、双方の回動部材B20700,B20900が、同じ検出センサ(例えば、第2検出センサB1250)の開口へ球を近づけるように機能する場合がある。
図183(a)に示す閉鎖状態では、回動部材B20700,B20900の転動面B20721,B20921が交差し、そのままでは球が溜まってしまう。これに対し、本実施形態では、転動面B20721,B20921の交差位置に至った球を背面側へ排出するための排出口B20001が形成される。これにより、閉鎖状態において転動面B20721,B20921の交差位置に球が溜まることを回避することができる。
なお、排出口B20001に入球した球により遊技者に与えられる利益は、何ら限定されるものではない。例えば、排出口B20001をアウト口として構成し何ら利益を与えないように構成しても良いし、排出口B20001への入球により賞球の払い出しが生じるようにしても良いし、排出口B20001に入球した球が再度遊技領域に戻るように構成しても良いし、その場合において戻り位置がいずれかの入賞口に入球し易い位置として構成されても良い。
次いで、第21実施形態について説明する。第11実施形態では、球案内受部B1260が固定される場合を説明したが、第21実施形態における可変入賞装置B21000は、球案内受部B21260が、回動変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図184は、第21実施形態における遊技盤13の部分正面図である。図184に示すように、本実施形態における可変入賞装置B21000では、案内板B1300,B1500の交差位置の鉛直上方に、球を1個受け止め可能な凹部を備えるように形成される球案内受部B21260が配設される。
球案内受部B21260は、凹部が上側を向く受け止め姿勢において1個の球を受け止め可能とされ、その受け止められた球は受け止め姿勢が維持される限り球案内受部B21260に保持される。球案内受部B21260に球が受け止められた状態で更に別の球が球案内受部B21260に到達した場合には、その球は球案内受部B21260に保持されている球に衝突して球案内受部B21260の左右外側を流れて流下する。
球案内受部B21260は、回動軸B21261を回転軸として時計回りに回転されることで凹部が右斜め下方を向く排出姿勢に切り替え可能とされており、この排出姿勢となることで、受け止められていた球を下方へ排出可能に構成される。排出姿勢から反時計回りに回転変位されることで、球案内受部B21260は、受け止め姿勢に戻るよう構成される。
これにより、左側流下経路BL1で流下する球を球案内受部B21260で1個まで保持可能となるので、入球前範囲に球案内受部B21260が含まれるとする場合に、入球前範囲に到達した球が検出センサB1230,B1250に入球されるまでの期間を球案内受部B21260によって異ならせることができる。
なお、球案内受部B21260の姿勢が変化するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、電源投入から一定の間隔で姿勢が変化しても良いし、排出姿勢へは球の衝突の負荷により姿勢変化し受け止め姿勢へはバネ等の付勢手段によって姿勢が戻るようにしても良いし、案内板B1300,B1500を駆動させるソレノイドと連動して姿勢変化するように構成しても良い。
ソレノイドと連動する場合において、案内板B1300,B1500が開放状態に切り替えられるタイミングで、毎回、球案内受部B21260が受け止め姿勢から排出姿勢に切り替えられる一方、閉鎖状態に切り替えられるタイミングで球案内受部B21260が受け止め姿勢に戻るようにすることで、閉鎖状態において入球前範囲を通過する可能性のある球を球案内受部B21260で一時的に滞留させることができるので、アウト球の発生個数を低減することができる。
また、球案内受部B21260の変位を、凹部が回転軸B21261の右側を往復動作する変位として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球案内受部B21260が一回転以上で同一方向に変位することで、受け止め姿勢から排出姿勢を経て、再度受け止め姿勢に戻るよう構成しても良い。
図185を参照して、第22実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の案内板B1300,B1500が個別に変位する前提で説明したが、第22実施形態における可変入賞装置B22000は、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が同時に変位し得ることを考慮して構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図185(a)は、第22実施形態における可変入賞装置B22000の上面図であり、図185(b)は、図185(a)のCLXXXVb−CLXXXVb線における可変入賞装置B22000の断面図であり、図185(c)は、図185(b)の矢印CLXXXVc方向視における可変入賞装置B22000の部分側面図である。
本実施形態では、各ソレノイドB1410,B1610を励磁するための回路がそれぞれ複数用意される。即ち、戻りバネの付勢力に反する方向にプランジャーを変位させるように通電し、励磁するための正方向回路が各ソレノイドB1410,B1610に用意され、戻りバネの付勢力に沿う方向にプランジャーを変位させるように通電し、励磁するための逆方向回路が各ソレノイドB1410,B1610に用意される。なお、このような回路を他の実施形態において追加することは、当然可能である。
図185(a)から図185(c)に示すように、可変入賞装置B22000の第2案内板B22500は、連結固定部材B22530が、第11実施形態における第2案内板B1500の連結固定部B1530から、第1案内板B22300の連結固定部材B1330を前後方向に投影した形状部が除かれるように正面視L字形状に形成される。
これにより、連結固定部材B22530は、第1案内板B22300の連結固定部材B1330と同じ前後位置で配置可能とされるので、第1案内板B22300及び第2案内板B22500を配置するのに要する前後幅を低減することができる。
一方、上記各実施形態のように複数の可動部材(案内板B1300,B1500等)を密に配置する場合や、本実施形態のように構成する場合には、例えば、第1ソレノイドB1410を励磁させて第1案内板B22300のみを開閉動作させる場合に、連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間で生じる摩擦力の作用によって第2案内板B22500が連動する可能性が考えられる。
なお、連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間で摩擦力が生じる状況は、設計が故意であるか否かを問題とするものでは無い。例えば、設計段階では連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間に隙間を空けて摩擦力が発生しないようにしていたとしても、経年変化により連結固定部材B1330,B22530の配置がずれたり、隙間に埃が溜まったり、隙間に進入した他の液体や流体等が連結固定部材B1330,B22530と固着したりする等の理由によって連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間の隙間が塞がり、摩擦力が生じる可能性がある。
なお、本実施形態では、隙間を空けるように設計している。後カバー部材B23700を、案内板B22300,B22500の一部であって互いに近接配置される連結固定部材B1330,B22530を上から覆うような形状で形成することで、連結固定部材B1330,B22530への埃の到達を抑制することができる。また、後述するように、大当たり遊技への移行前から、小当たりが高頻度で発生することで、連結固定部材B1330,B22530の間に配置された埃を散らすことができる。これにより、埃の堆積を抑制し、埃の堆積によって生じる誤動作の防止を図ることができる。
また、例えば、設計段階から連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間の隙間を塞ぐことで、一方の連結固定部材B1330,B22530が他方の連結固定部材B22530,B1330の変位を案内する効果を期待する設計をしても良い。
この場合には、第1案内板B22300又は第2案内板B22500の一方が駆動される場合に、他方に摩擦力を与える前提があるので、他方の変位を防止するための負荷(例えば、ソレノイドB1410,B1610の付勢バネの付勢力)が生じるように構成すれば良い。
この場合であっても、埃の進入などで摩擦力が増大したり、他の液体や流体等が固着したり、変位を防止するための負荷が経年劣化によって衰えたりする等の理由によって、第1案内板B22300と第2案内板B22500とが、一方の変位に伴い他方の変位が生じる可能性がある。
ここで、第1実施形態と同様に、第1案内板B22300及び第2案内板B22500は、前側へ変位することで、対応する特定入賞口B1001,B1002の開放状態を構成するが、第1案内板B22300と第2案内板B22500とが共に前側へ変位する状態では、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の双方への入球が防止される(図180参照)。
そのため、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610に通電され、励磁された場合に、励磁されたソレノイドB1410,B1610によって変位されるべき案内板B22300,B22500とは違う案内板B22500,B22300が、第1案内板B22300と第2案内板B22500との間で生じる摩擦力によって動かされた状態で放置されると、問題である。
即ち、ラウンド遊技として、主制御装置110のMPU201(図4参照)が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球が可能な状態を構成するように制御されているのにも関わらず、特定入賞口B1001,B1002へ球を入球させることができないことになり、正常な遊技を継続することができなくなる。
換言すれば、ラウンド遊技として、発射球が特定入賞口B1001,B1002のいずれかに入球し易く、多量の賞球の払い出しが期待できる状態に切り替えられるように制御されており、第3図柄表示装置81(図124参照)等の表示も多量の賞球が期待できる前提の設計とされ球の発射を促すものになっているのに、球をいくら発射しても賞球の払い出しを得られず遊技者を困惑させることになる。この場合、遊技者の興趣を著しく低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第1案内板B22300の配置と、第2案内板B22500の配置とを検出可能に構成し、第1案内板B22300及び第2案内板B22500の誤動作を早期に把握可能としている。
詳述すると、可変入賞装置B22000には、第1検出センサBSC221と第2検出センサBSC222とが配設され、第1案内板B22300及び第2案内板B22500には、検出センサBSC221,BSC222の検出溝に配置可能な板状の被検出部B22350,B22550がそれぞれ形成される。なお、被検出部B22350,B22550の形成位置は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、案内板B22300,B22500の閉鎖状態では検出溝に配置されず、案内板B22300,B22500の開放状態では検出溝に配置されるように形成される。
検出センサBSC221,BSC222は、案内板B22300,B22500の位置を検出するフォトカプラ形式のセンサである。フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分(被検出部B22350,B22550)を挿入可能な隙間(スリット、検出溝)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
即ち、上記構成によって、主制御装置110のMPU201(図4参照)は、検出センサBSC221,BSC222の出力から、案内板B22300,B22500の配置を判定することができるので、その配置が誤動作に基づくものであれば、正常な配置に戻るように制御する等の種々の方法によって対策することができる。以下、いくつかの対策例について具体例を挙げて説明する。
まず、第1の対策例について説明する。第1案内板B22300を開放状態とするために第1ソレノイドB1410に通電し、励磁した場合、正常に動作すれば、第1検出センサBSC221には被検出部B22350が配置されると共に、第2検出センサBSC222には被検出部B22550が配置されない状況となるはずである。
ここで、第1の対策例では、第2検出センサBSC222に被検出部B22550が配置されたことが検出された場合には、主制御装置110のMPU201(図4参照)において、案内板B22300,B22500に誤動作が生じていると判定される。
即ち、第2ソレノイドB1610が励磁されていないにも関わらず、第1案内板B22300から第2案内板B22500へ伝達される負荷によって、第2案内板B22500が前側へ変位すると共に、直動部材B1620が左側へ変位して、第2ソレノイドB1610のプランジャーが左方へ押し込まれている状況が生じていると判定される。
この場合、主制御装置110のMPU201(図4参照)の制御プログラムを、直動部材B1620を右側(通常とは逆側)へ変位させるように第2ソレノイドB1610を励磁する駆動回路を通して第2ソレノイドB1610を励磁するように構成することで、第2案内板B22500を後ろ側へ退避させる(修復するように制御させる)ことができる。これにより、一時的に案内板B22300,B22500が連動する態様で誤動作した場合であっても、その連動を解消することができるので、遊技を継続可能とすることができる。
次に、第2の対策例について説明する。第1案内板B22300を開放状態とするために第1ソレノイドB1410に通電し、励磁した場合には、第1検出センサBSC221には被検出部B22350が配置されると共に、第2検出センサBSC222には被検出部B22550が配置されない状況となり、その後で第1ソレノイドB1410の通電が解除されれば、第1検出センサBSC221には被検出部B22350が配置されない状況となるはずである。
ここで、第2の対策例では、第1ソレノイドB1410の通電が解除された後も第1検出センサBSC221に被検出部B22350が配置されたままとされる場合には、主制御装置110のMPU201(図4参照)において、案内板B22300,B22500に誤動作が生じていると判定される。
即ち、第1ソレノイドB1410の励磁が解消されているにも関わらず、上記例示した事情により第2案内板B22500と第1案内板B22300との間で生じる変位抵抗が増加したり、予期せぬ事情(例えば、不正に第1案内板B22300の変位を妨害する不正行為がされている等の事情)によって第1案内板B22300の変位が妨害されたりすることによって、直動部材B1420が左側位置で維持され、第1案内板B22300が開放状態の位置で維持される状況が生じていると判定される。
この場合、主制御装置110のMPU201(図4参照)の制御プログラムを、直動部材B1420を右側(通常とは逆側)へ変位させるように第1ソレノイドB1410を励磁する駆動回路を通して第1ソレノイドB1410を励磁するように構成することで、第1案内板B22300を後ろ側へ退避させることができる。これにより、案内板B22300,B22500の退避に不具合が生じる態様で誤動作した場合であっても、ソレノイドB1410,B1610の駆動力を利用することで不具合を解消することができるので、遊技を継続可能とすることができる。
次に、第3の対策例について説明する。第1ソレノイドB1410及び第2ソレノイドB1610が非励磁の状態で維持されている場合には、いずれの検出センサBSC221,BSC222にも被検出部B22350,B22550が配置されることは無いはずである。
ここで、第3の対策例では、第1ソレノイドB1410及び第2ソレノイドB1610が非励磁の状態で維持されているにも関わらず第1検出センサBSC221に被検出部B22350が配置されるか、又は、第2検出センサBSC222に被検出部B22550が配置される場合には、主制御装置110のMPU201(図4参照)において、案内板B22300又はB22500に誤動作が生じていると判定される。
即ち、不正行為(例えば、遊技領域と下皿50(図1参照)とをつなぐファール球通路などの貫通路を通して遊技領域にピアノ線などの細線を進入させ、そのピアノ線を介して案内板B22300,B22500等の可動部材に遊技領域の外方から負荷を与えて案内板B22300,B22500等の可動部材の状態を変化させる不正行為)を行う遊技者によって、案内板B22300又はB22500が不正に開放されている状況が生じていると判定される。
この場合、主制御装置110のMPU201(図4参照)の制御プログラムを、少なくとも検出センサBSC221,BSC222に検出されていない被検出部B22350,B22550を有している側の案内板B22300,B22500を駆動させる側のソレノイドB1410,B1610に通電し、双方の案内板B22300,B22500が開放状態となるように構成し、エラー報知を実行することで、特定入賞口B1001,B1002の閉鎖を維持した状態(図180参照)でエラー報知することができる。
なお、本実施形態では、より確実に特定入賞口B1001,B1002の閉鎖状態を構成するために、ソレノイドB1410,B1610の両方共に通電し、双方の案内板B22300,B22500が開放状態となるように構成される。
これにより、案内板B22300,B22500を不正に開放させる不正行為が行われた場合に、入賞に伴う払い出しを生じさせることなくエラー報知を実行することができる。
即ち、従来であれば、可変入賞装置B22000を不正に開放させる不正行為に対しては、例えば、閉鎖状態で制御される場合(例えば、ラウンド遊技の実行前や、通常遊技中等)において特定入賞口B1001,B1002への入球が検出された場合にはエラー報知がされるよう制御される場合があった。
しかし、この場合、入球に伴う賞球の払い出しが生じる可能性があり、不正行為者が不正の利益(払い出し賞球)を得られる可能性があると考えられる。例えば、不正行為者は、エラー報知からそのエラー報知に対する対処が行われるまでの間に、まとまった個数の球を特定入賞口B1001,B1002に入球させ、払い出し賞球を獲得することが可能な場合があると考えられ、問題である。
これに対し、本実施形態によれば、特定入賞口B1001,B1002への入球を待たずに案内板B22300,B22500の双方を開放状態とすることで、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を構成し(図180参照)、その状態を維持しながらエラー報知を実行することができるので、入賞に伴う払い出しを生じさせることなくエラー報知を実行することができる。
なお、対策の方法は、上記第1の対策例から第3の対策例に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。
総括すれば、ソレノイドB1410,B1610の駆動態様から出力が変化されるべき検出センサBSC221,BSC222を設定し、予想した変化が生じないか、予想しなかった変化が生じるという不具合が発生した場合に、その不具合を解消するか、エラー報知するように制御される。
なお、検出センサB1230,B1250や、検出センサBSC221,BSC222の検出を、電磁波照射により賞球を得ようとする不正(電磁波照射不正)の対策に利用しても良い。この電磁波照射不正は、専用の装置を利用して遊技盤13に向けて電磁波を発射することで、検出センサB1230,B1250に球が通過したものと誤検知させる不正行為である。検出センサB1230,B1250が賞球センサである場合には賞球の払い出しによる不正の利益が生じ得るし、検出センサB1230,B1250が入球により抽選(例えば、特別図柄の抽選)が実行されるセンサである場合には不正の抽選に基づく利益が生じ得るため、電磁波照射不正の早期発見、防止が望まれる。
ここで、検出センサB1230,B1250は、可変入賞装置B22000に収まるように近接して配置されているので、強力な電磁波が照射された場合に、第1検出センサB1230で誤検知が生じる場合には、同時に第2検出センサB1250でも誤検知が生じるものと考えられる。一方、構造上、第1検出センサB1230への入球と、第2検出センサB1250への入球とが同時に生じることは防止される。
従って、検出センサB1230,B1250で同時に入球が検出された場合に、電磁波照射不正が行われている可能性が高いとして、エラー報知を実行することにより、電磁波照射不正を早期に発見することができる。
また、検出センサBSC221,BSC222は、可変入賞装置B22000に収まるように近接して配置されているので、強力な電磁波が照射された場合に、第1検出センサBSC221で誤検知が生じる場合には、同時に第2検出センサBSC222でも誤検知が生じるものと考えられる。
従って、検出センサBSC221,BSC222で同時に検出された場合に、電磁波照射不正が行われている可能性が高いとして、エラー報知を実行することにより、電磁波照射不正を早期に発見することができる。
なお、正常な制御において第1検出センサBSC221での被検出部B22350の検出と、第2検出センサBSC222での被検出部B22550の検出とが同時に生じ得る場合には、その場合に限って、上述のようなエラー報知を実行しないように制御するようにすることが好ましい。
ここで、エラー報知の実行の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、エラー報知と同時に遊技不能とする(例えば、払出制御装置111(図4参照)の動作を停止する)ように制御しても良いし、エラー報知と同時に一部の入賞口への入球を不能とする(例えば、両ソレノイドB1410,B1610を励磁し、両特定入賞口B1001,B1002を閉鎖状態とする)ように制御しても良いし、エラー報知の実行中も遊技自体は可能とし所定時間経過してもエラー報知が継続されていた場合には遊技不能とするように制御しても良いし、エラー報知が特別遊技状態において実行された場合に、その特別遊技状態が終了するまでは遊技を継続可能とし、特別遊技状態が終了したら遊技不能とするように制御しても良いし、その他の態様で制御しても良い。
なお、エラー報知の原因が、緊急な対応を要するものである場合は、エラー報知と同時に遊技不能とすることが好ましい。緊急な対応を要するものとしては、種々の態様が例示されるが、案内板B22300,B22500間で生じる摩擦力等の負荷を考慮しても、正常な制御が実行されている場合には生じ得ない状況が判定された場合に相当する。
例えば、ソレノイドB1410,B1610が非励磁の状態(ここでは、励磁された状態の直後に非励磁とされた状態を除く)において、検出センサBSC221,BSC222に被検出部B22350,B22550が進入したと判定された場合、案内板B22300,B22500に外部から負荷を与える不正行為が疑われるので、緊急な対応を要する。
例えば、ソレノイドB1410,B1610が励磁された状態において、検出センサBSC221,BSC222に被検出部B22350,B22550が進入したと判定されない場合、駆動装置B1400,B1600又は検出センサBSC221,BSC222の故障が疑われるので、緊急な対応を要する。
特に、駆動装置B1400,B1600が故障している場合(例えば、長手突設部B1433,B1633が折れて案内板B22300,B22500へ駆動力を伝達できなくなっている場合や、ソレノイドB1410,B1610の電線が焼損している場合等)には、大当たり遊技の実行が不可能となるので、遊技者が大当たりを獲得したとしても、その大当たり遊技では遊技者に十分な賞球の払い出しを行うことができない。そのため、遊技者の不満が増大することになり、問題であるので、早期に遊技を停止させることが好ましい。
なお、エラー報知としては、種々の態様が例示される。例えば、第3図柄表示装置81で「エラー発生」等の注意喚起用文を表示するようにしても良いし、電飾部29〜33等(図1参照)で赤色発光を実行し警告するようにしても良いし、警告用の音声を音声出力装置から出力するようにしても良い。
また、不正の可能性も、経年劣化の可能性もある場合には、エラー報知の前に、補助的に行う修復制御を実行し、この修復制御によって正常な状態に戻った場合にはエラー報知は実行せず、遊技を継続可能とする一方で、修復制御によっても正常な状態に戻らなかった場合にエラー報知を実行し、遊技不能とするように制御しても良い。
なお、エラー報知の前提として検出される出力信号の扱いとしては、種々の態様が例示される。例えば、正常検出パターンとして想定される出力との差異を判定したことに伴ってエラー報知を実行するようにしても良い。
また、例えば、予め1又は複数の原因の異なる誤検出パターンを設定し、いずれかの誤検出パターンと一致したら、その誤検出パターンに想定される原因をエラー報知において同時に表示するようにしても良い。この場合、原因の究明に要する時間を削減できるので、不良個所の修理に要する時間の短縮を図ることができる。
次いで、第22実施形態の構成を利用して第3制御例について説明する。なお、第3制御例では、便宜上、第22実施形態の構成を利用して説明するが、この制御例を他の実施形態で利用することも可能である。これについては、他の制御例についても同様である。
まず、図186を参照し、第3制御例におけるROM202について説明する。図186は、第3制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cと、第1当たり種別選択テーブル202bと、変動パターン選択テーブル202dと、小当たり種別選択テーブル202eが少なくとも設けられている。
この小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64又は第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて小当たりとなった場合に、その小当たり種別を選択するために用いられるものである。
図187を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図187(a)から図187(c)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。
本制御例では、上述した第11実施形態と同様に、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態(大当たり遊技)が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
第1当たり乱数テーブル202aは、図187(a)に示す通り、第1入賞口64へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2入賞口640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブル202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図187(b)に示す通り、第1入賞口64への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「10〜19」であるか判別されて、「10〜19」であれば小当たりであると判別される。その他、「1〜9」又は「20〜319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図187(c)に示す通り、第2入賞口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0〜9」であるかが判別されて、「0〜9」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「10〜39」であるか判別されて、「10〜39」であれば小当たりであると判別される。その他、「40〜319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC3は、0〜319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入賞口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選時に、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第1特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は10個であるので、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「10/320」となる。
一方で、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選時に、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、第2特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は30個であるので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「30/320」となる。
なお、上述の各実施形態または各制御例と同じく、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
本実施形態における電動役物640aは、確変中の場合は1秒間×2回で開放されるが、確変中でない場合は0.2秒間しか開放されない。よって、確変中でない場合に第2当たり乱数カウンタC4(図142(c)参照)の値が当たりとなったとしても、第2入賞口640へと遊技球を入賞させることが困難となされる。これにより、確変中でないにも関わらず、第2入賞口640へと入球させようとする遊技を抑制することができる。
上記した小当たり判定値の総数の変化は、大当たり遊技の終了から、次回の大当たりを獲得するまでに概ね要する抽選数を目安として設定される。即ち、第1特別図柄の小当たりについては約1/30の頻度に設定しているのは、大当たりとなる確率が「1/320」であれば、次回の大当たりまでに少なくとも約30回程度の抽選を要するという体感的な予想を根拠としている。また、第2特別図柄の小当たりについては約1/10の頻度に設定しているのは、大当たりとなる確率が「10/320」であれば、次回の大当たりまでに少なくとも約10回程度の抽選を要するという体感的な予想を根拠としている。
このように設定することで、多くの場合において、先の大当たり遊技の終了後から、その直後の大当たり遊技の開始前までに、少なくとも1回の小当たりを発生させることができる。これにより、可変入賞装置B22000に不良が発生している場合に、その不良を大当たり遊技の開始前に発見し易くすることができる。従って、大当たり遊技に遊技状態が移行し、多量の賞球の払い出しが期待できる期間が開始されてから初めて可変入賞装置B22000の不良が発覚するという、遊技者の興趣を著しく低下させる事態が生じることを回避し易くすることができる。
なお、小当たりの頻度については、任意に設定可能である。頻度が低いほど、可変入賞装置B22000の短開放が生じる頻度を低くでき遊技者の集中力を乱す虞を低くできるが、可変入賞装置B22000の不良の早期発見の効果は低くなる。逆に頻度が高いほど、可変入賞装置B22000の短開放が生じる頻度が高くなるので遊技者の集中力を乱す虞が高まるが、可変入賞装置B22000の不良を早期に発見し易くすることができる。即ち、小当たりの頻度については、これら例示される長所や短所から取捨選択して任意に設定することが可能である。
次に、図188を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明する。図188(a)から図188(c)は、小当たり種別選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。
小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202e1と、第2入賞口640に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202e2とを有している(図188(a)参照)。
図188(b)に示すように、第1入賞口64に基づく小当たり時には、小当たり種別カウンタC6の値が、「0〜49」の場合は小当たりAが選択され、「50〜99」の場合は小当たりBが選択される。
一方、図188(c)に示すように、第2入賞口640に基づく小当たり時には、第1当たり種別カウンタC6の値が、「0〜9」の場合は小当たりAが選択され、「10〜99」の場合は小当たりBが選択される。
本制御例では、小当たり種別に応じて、案内板B22300,B22500の動作が設定される(図189参照)。詳細は後述するが、小当たりAは、案内板B22300,B22500の意図しない連動に基づく不良を判定することを狙って動作が設定され、小当たりBは、案内板B22300,B22500の戻りバネの劣化に基づく不良を判定することを狙って動作が設定される。
なお、第2入賞口640に基づく小当たりとして、小当たりAに比較して、小当たりBが選択され易いようにしているのは、種々の理由による。第1の理由として、小当たりBの方が小当たりAに比較して、特定入賞口B1001,B1002への入球を防止し易いため、第2入賞口640へ入球させるために実行される右打ち遊技において第2入賞口640に入球せずに流下する球が可変入賞装置B22000を通り流下する状況においても、小当たり実行時における特定入賞口B1001,B1002への入球を生じ難くして、払い出し賞球個数を低減することが挙げられる。なお、小当たりBの方が小当たりAに比較して、特定入賞口B1001,B1002への入球を防止し易いことについての詳細は後述する。
また、第2の理由として、第2入賞口640に基づく大当たりは複数回連続で発生することが多いと考えられるので、長期間停止状態が続いて部材間の隙間が埋まってしまうなどした場合に発生し易いと考えられる案内板B22300,B22500の連動に基づく不良が、生じる可能性が低いと予想される。それよりも、案内板B22300,B22500を繰り返し駆動する場合に生じ易いと考えられる戻りバネの劣化の方が、検出する優先順位が高いと考えられることが挙げられる。
なお、小当たりAと小当たりBとが選択される確率は、これに限定されるものではない。例えば、小当たりAの方が、小当たりBに比較して選択され易いように設定しても良い。この場合、案内板B22300,B22500の間に生じる摩擦力がより小さい段階で、その兆候を見つけることができるので、不良の未然の発見や、早期発見を図ることができる。
これは、小当たりAと小当たりBとで、案内板B22300,B22500の間に生じる摩擦力によって変位開始する時点における戻りバネの状態の違いが異なることから説明することができる。
即ち、小当たりAでは、伸びた状態(付勢力小の状態)の戻りバネの付勢力に対抗して、駆動されていない側の案内板B22300,B22500が摩擦力によって変位することを検出し不良と判定することを狙っている。一方、小当たりBでは、縮んだ状態(付勢力大の状態)の戻りバネの付勢力に対抗して、駆動されていない側の案内板B22300,B22500が摩擦力によって変位しないことを検出し不良と判定することを狙っている。
そのため、摩擦力が対抗する戻りバネの付勢力が、小当たりBの場合に比較して小当たりAの場合の方が小さいので、案内板B22300,B22500の間に生じる摩擦力がより小さい場合であっても、その不良の兆候を見つけることができる。これにより、不良の未然の発見や、早期発見を図ることができる。
換言すれば、早期から不具合を発見できる側の作動(例えば、小当たりA)の発生頻度を、その目的では劣る側の作動(例えば、小当たりB)の発生頻度に比較して高くすることにより、不良の未然の発見や、早期発見を図ることができる。
図189は、小当たりAにおける第1案内板B22300及び第2案内板B22500の計時変化および小当たりBにおける第1案内板B22300及び第2案内板B22500の計時変化を示した図である。
なお、図189では、案内板B22300,B22500の動作タイミングと、ソレノイドB1410,B1610の通電(励磁)のタイミングのずれについての図示が省略され、タイミングが同じとされるものとして図示される。
また、後述する正常検出パターンは、実際は、ソレノイドB1410,B1610の励磁のタイミングを示すタイミングチャートとして後述する第6の作動パターンや第7の作動パターンから、案内板B22300,B22500が変位する時間を考慮して若干時間遅れしたパターンとして設定することが望ましいが、図189の説明においては、便宜上、第6の作動パターンや第7の作動パターンのタイミングチャートにおける切替タイミング(励磁または励磁解除のタイミング)を正常検出パターンにおける切替タイミングと同じと仮定して図示し、説明する。
まず、小当たりAにおける動作の概要を説明する。小当たりAでは、小当たりの開始から、0.1秒間にかけて第1案内板B22300が開放状態で維持されるように第1ソレノイドB1410が駆動(励磁)され、その0.1秒が経過したら、第1ソレノイドB1410の駆動(励磁)が解除され、この解除状態が0.1秒継続する。これを、1セットとして、第1案内板B22300の動作として2セットが繰り返される。
その後、0.1秒間にかけて第2案内板B22500が開放状態で維持されるように第2ソレノイドB1610が駆動(励磁)され、その0.1秒が経過したら、第2ソレノイドB1610の駆動(励磁)が解除され、この解除状態が0.1秒継続する。これを、1セットとして、第2案内板B22500の動作として2セットが繰り返される。
次に、小当たりBにおける動作の概要を説明する。小当たりBでは、第1案内板B22300については、小当たりの開始から0.2秒間にかけて第1案内板22300が開放状態で維持されるように第1ソレノイドB1410が駆動(励磁)され、その0.2秒が経過したら、第1ソレノイドB1410の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.4秒に到達するまで継続される。
一方、第2案内板B22500については、小当たりの開始から0.3秒間にかけて第2案内板22500が開放状態で維持されるように第2ソレノイドB1610が駆動(励磁)され、その0.3秒が経過したら、第2ソレノイドB1610の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.4秒に到達するまで継続される。
小当たり開始後0.4秒経過してから、0.3秒間にかけて第1案内板22300が開放状態で維持されるように第1ソレノイドB1410が駆動(励磁)され、その0.3秒が経過したら、第1ソレノイドB1410の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.8秒に到達するまで継続される。
一方、第2案内板B22500については、小当たり開始後0.4秒経過してから、0.2秒間にかけて第2案内板22500が開放状態で維持されるように第2ソレノイドB1610が駆動(励磁)され、その0.2秒が経過したら、第2ソレノイドB1610の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.8秒に到達するまで継続される。
このように、小当たりBでは、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に後方に位置する閉鎖状態と、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に前方に位置することで構造的に特定入賞口B1001,B1002への入球を防止する状態(以下、「特殊閉鎖状態」とも称する)と、第1案内板B22300又は第2案内板B22500の一方が前方に位置する開放状態と、で状態が切り替えられる。
このように、小当たりAと、小当たりBとは、小当たり遊技の時間自体は同一(0.8秒)としながら、小当たり遊技中における案内板B22300,B22500の動作態様が異なる。
小当たりAは、上述したように、案内板B22300,B22500の意図しない連動に基づく不良を判定することを狙って動作が設定されている。即ち、小当たりAに設定されている第6の作動パターンを基にして、第6の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定しておく。その正常検出パターンと、検出センサBSC221,BSC222での実際の検出結果(出力)とを比較して、それらが一致しないと判定された場合(例えば、駆動されていない側の案内板B22300,B22500の正面側への変位が検出センサBSC221,BSC222によって検出された場合)にエラー報知するように制御することで、案内板B22300,B22500間の摩擦力が増加することで案内板B22300,B22500が連動する状態となっていることを判定できると共に、エラー報知によって遊技者や遊技機店の店員に不良を把握させることができる。
なお、検出パターン同士が一致するか、不一致となるかの判定をする際の許容値は、任意に設定可能である。また、許容値の種類(パターンのずれ幅や、ずれ頻度等)についても、任意に設定可能である。本制御例では、パターンのずれ幅で判定を行い、ずれ幅が0.1秒以上の箇所が生じた場合に、不一致であると判定する。
この場合、ずれ頻度としては、0を超えていれば不一致と判定されることになる。これでは実用上厳しすぎる場合には、例えば、ずれ頻度の判定も同時に行い、ずれ頻度が10回/秒の場合に、不一致であると判定するようにしても良い。なお、ずれ頻度の数値設定については、任意に変更可能である。
なお、小当たりAにおいては、第1案内板B22300の駆動および解除と、第2案内板B22500の駆動および解除とをセットで実行している。そのため、いずれの案内板B22300,B22500の駆動時に不良が生じる場合であっても、一度の小当たりで不良を発見することができるので、不良の早期発見を図ることができる。
小当たりBは、案内板B22300,B22500の戻りバネの劣化に基づく不良を判定することを狙って動作が設定される。即ち、小当たりBに設定されている第7の作動パターンと、第7の作動パターンを基にして、第7の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定しておく。その正常検出パターンと、検出センサBSC221,BSC222での実際の検出結果(出力)とを比較して、それらが一致しないと判定された場合(例えば、駆動が解除された側の案内板B22300,B22500が依然として検出センサBSC221,BSC222に検出されている場合)にエラー報知するように制御することで、例えば、案内板B22300,B22500間の摩擦力が、ソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力を上回る状態となっていることを判定できると共に、エラー報知によって遊技者や遊技機店の店員に不良を把握させることができる。
なお、小当たりBにおいては、第1案内板B22300の駆動力を先に解除する場合と、第2案内板B22500の駆動力を先に解除する場合とをセットで実行している。そのため、いずれのソレノイドB1410,B1610の戻りバネに不良がある場合であっても、一度の小当たりで不良を発見することができるので、不良の早期発見を図ることができる。
また、小当たりBにおいて、第7の作動パターンと正常検出パターンとの違いが生じているタイミングを検出することにより、どちらのソレノイドB1410,B1610の戻りバネに不良が生じているのかを判定することができる。
即ち、小当たりの開始から0.4秒の間に違いが生じているのであれば、第1ソレノイドB1410の励磁を解除しているにも関わらず第1案内板B22300が開放状態で維持されているのであり、第1ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力が低くなっていると判定することができ、小当たりの開始から0.4秒経過後に違いが生じているのであれば、第2ソレノイドB1610の励磁を解除しているにも関わらず第2案内板B22500が開放状態で維持されているのであり、第2ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力が低くなっていると判定することができる。
この判定結果を利用して報知の種類を変えることで、修理が必要な位置を的確に報知できるので、修理が必要な位置を作業者が見つけるための時間を削減でき、メンテナンスのための作業時間の短縮を図ることができる。
小当たりAにおける第6の作動パターンと、小当たりBにおける第7の作動パターンとの比較として、小当たり実行時における特定入賞口B1001,B1002への入球の可能性について説明する。
図189では、各作動パターンにおける特定入賞口B1001,B1002に入球可能な状態となるタイミングが、作動パターンに並べて模式的に記載される。即ち、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002として記載されている直線が、実線の区間は入球可能とされることを示しており、破線の区間は入球不能とされることを示している。
小当たりA及び小当たりBの双方共、特定入賞口B1001,B1002が開放状態で維持される時間は0.1秒間なので、(落下により入球する状況と違い)球を左右に転動させて検出センサB1230,B1250の開口に入球させるには球が案内される時間が不十分であり、小当たり実行時に特定入賞口B1001,B1002に入球する可能性は低い。
敢えて比較するとすれば、第1案内板B22300又は第2案内板B22500が単独で開閉動作する小当たりAに比較して、同時動作するタイミングがある小当たりBの方が、特定入賞口B1001,B1002への入球がより生じ難いと想定される。
つまり、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に前方へ変位している場合(図180参照)、特定入賞口B1001,B1002の開口付近における球の流下が上流側部材B1320、B1520に妨害されている分、変位直後に案内板B22300,B22500の転動面B1311,B1511に球が到達するのが遅くなる。
加えて、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に前方へ変位している時に特定入賞口B1001,B1002の上流側近くに到達した球は転動面B1321,B1521に沿って中央側に寄せられるように形成されているので、特定入賞口B1001,B1002から離れる方向への速度が生じることになり、特定入賞口B1001,B1002への入球が生じ難くなる。
これらのことから、小当たりAに比較して、小当たりBの方が、特定入賞口B1001,B1002への入球がより生じ難い。そのため、小当たりとして小当たりBを選択できるように制御を構成することにより、小当たり実行時に生じる払い出し賞球個数を少なくすることができる。
なお、上記説明した検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンと一致しない場合として想定される状況においては、図189に示すように、特定入賞口B1001,B1002は入球不能な状態(破線)で維持される。そのため、案内板B22300,B22500が上述のように誤動作した場合であっても、特定入賞口B1001,B1002へ入球させることができる事態となることは回避することができる。
上記第7の作動パターンにおいて設定した時間差(本実施形態では、0.1秒)は、特定入賞口B1001,B1002への入球を防止するために十分短い時間として設定したものであるが、検出センサBSC221,BSC222には、サンプリング周期(分解能)が0.1秒よりも十分短い性能の装置が選定される。これにより、0.1秒という短い時間差の作動パターンが正常に生じているかの判定を有効に行うことができる。
正常検出パターンとのずれを検出する目的としては、上述したような、一方の案内板B22300,B22500のみが変位するはずのタイミングで、他方の案内板B22300,B22500に変位が生じていることを判定する目的の他、種々の目的が想定される。
例えば、駆動実行のタイミングや駆動解除のタイミングからの動作遅れが生じていることを判定する目的が想定される。この動作遅れは、駆動実行のタイミングにおける遅れ(開始動作の遅れ)と、駆動解除のタイミングにおける遅れ(戻り動作の遅れ)と、が少なくとも想定される。
駆動実行のタイミングにおける遅れの原因としては、経年劣化による動作抵抗の増加や、大当たり遊技における利益率の調整のために案内板B22300,B22500の開放動作を遅れさせるよう装置(構造または制御)に手を加える不正などが想定される。
同じ作動パターンで駆動制御されていても、案内板B22300,B22500の開放動作が遅れるよう手を加えられている場合には、案内板B22300,B22500を開放状態で維持可能な時間長さが短くなるので、特定入賞口B1001,B1002への入球個数が少なくなり易く、これを利益率の調整のために不正に利用されることが想定される。
これに対し、本実施形態によれば、正常検出パターンとの不一致を判定した場合に、エラー報知を実行することで、上記の不正の早期発見を図ることができる。即ち、小当たり遊技の実行時に上記不正を発見することで、大当たり遊技において遊技者が不利益を被る事態が発生することを回避することができる。
駆動解除のタイミングにおける遅れの原因としては、経年劣化による動作抵抗の増加や、経年劣化による戻りバネの付勢力の低下や、大当たり遊技において通常予定されている利益を超える利益(例えば、ラウンド間インターバルにおける入賞(超過入賞)による払い出し賞球)を過大に得るように図るために戻り動作を遅らせるよう装置(構造または制御)に手を加える(例えば、外部から金属細線を進入させ、その金属細線を案内板B22300,B22500に引っかけることにより後方への退避変位を妨害する方向の負荷与える)ことなどが想定される。
これに対し、本実施形態によれば、正常検出パターンとの不一致を判定した場合に、エラー報知を実行することで、上記の不正の早期発見を図ることができる。即ち、小当たり遊技の実行時に上記不正を発見することで、大当たり遊技において遊技者が不利益を被る事態や、不正行為を行う者が不正の利益を得られる事態が発生することを回避することができる。
一方で、時間遅れは、球との絡みで通常生じ得る。そのため、時間遅れとしてエラー報知を行う場合には、時間遅れ自体の長さだけで設定する方法の他、予め設定される超過入賞の最大限度の値を超えたらエラー報知を行い、それまでは時間遅れの長さに関わらずエラー報知しないように設定する方法も考えられる。
この場合、例えば、下流側に球詰まりが生じ、入球前範囲にまで球が滞留し、その滞留球が案内板B22300,B22500の動作に影響を与える等、遊技領域における球の流下態様がイレギュラーな態様となった場合にも、エラー報知が生じずに遊技を継続できる可能性を高くすることができる。これにより、遊技性の自由度を向上することができる。
図190は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりFが対応付けられて規定されている(図190の202b11参照)。
大当たりFとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第8の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、大当たりGが対応付けられて規定されている(図190の202b12参照)。
大当たりGとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第8の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約1160個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりHが対応付けられて規定されている(図190の202b13参照)。
大当たりHとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第8の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約580個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、可変入賞装置B22000は第8の作動パターンで動作する。従って、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も長くなる。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の範囲(全範囲)には、大当たりfが対応付けられて規定されている(図190の202b14参照)。
大当たりfとなった場合は、大当たりFの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第9の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述した通り、特別図柄1の抽選による大当たりでは、大当たり遊技の総ラウンド数が3種類から選択され、第8の作動パターンで制御される。一方、特別図柄2の抽選による大当たりでは、大当たり遊技の総ラウンド数は毎回同じであり、第9の作動パターンで制御される。
なお、説明の便宜から特別図柄2の抽選による大当たりの総ラウンド数を毎回同じとするように制御したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄1の抽選と同様に、大当たり遊技の総ラウンド数が複数種類から選択されるようにしても良い。以下、第8の作動パターンと第9の作動パターンとの違いについて説明する。
図191(a)は、第8の作動パターンにおける特定入賞口B1001,B1002の計時変化を示した図であり、図191(b)は、第9の作動パターンにおける特定入賞口B1001,B1002の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる案内板B22300,B22500の作動制御について説明する。
<第8の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりF、大当たりG又は大当たりHの大当たり遊技の場合には、前記第8の作動パターンに基づいて案内板B22300,B22500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、第8の作動パターンを基にして、第8の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定し、その正常検出パターンと検出センサBSC221,BSC222での検出結果(出力)とを、常時または規定のタイミングで照合可能に構成される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、第1案内板B22300に長時間動作を行わせる。この際、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、短開放動作(第6の作動パターンの一部、図189参照)が実行されるよう制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、案内板B22300,B22500間の摩擦力が増加することで案内板B22300,B22500が連動する状態となっていることによる不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B22300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、ラウンド間第1インターバル時間Int1は、案内板B22300,B22500に案内された球が特定入賞口B1001,B1002を通過(遊技領域から排出)するのに十分な時間として設定されている。
ここで、可変入賞装置B22000の構成では、案内板B22300,B22500の下端部に隣設して特定入賞口B1001,B1002が配設され(例えば、図180参照)、案内板B22300,B22500に案内された球が特定入賞口B1001,B1002を通過するまでの時間遅れがほとんど無いことから、ラウンド間第1インターバル時間Int1を極端に短い時間(例えば、0.01秒)で設定することも可能である。
例えば、ラウンド間第1インターバル時間Int1を極端に短い時間に設定することで、ラウンド間第1インターバル時間Int1に入球前範囲に配置された球がアウト球となることを防止し易くすることができる。
また、ラウンド間インターバルの長さは、各ラウンド間で統一する必要は無い。各ラウンド間のラウンド間インターバルの長さが少なくとも一部で異なるように設定された大当たり種別や、各ラウンド間のラウンド間インターバルの長さが全て異なるように設定された大当たり種別を設定することも可能である。この場合、例えば、ラウンド間の特徴として、対象となるラウンドが異なる場合に、零れ球が発生し易いラウンド間と、零れ球が発生し難いラウンド間とを、同一の大当たり遊技内で生じさせることができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を開放するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、第2案内板B22500に長時間動作を行わせる。この際、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、短開放動作(第6の作動パターンの一部、図189参照)が実行されるよう制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、案内板B22300,B22500間の摩擦力が増加することで案内板B22300,B22500が連動する状態となっていることによる不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第2案内板B22500を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を閉鎖するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、3ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
3ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300及び第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させるようソレノイドB1410,B1610を駆動制御するが、この状態では第1特定入賞口B1001は依然として閉鎖状態が維持される(図180参照)。その後、第2ソレノイドB1610の駆動のみ解除して、第1案内板B22300に長時間動作を行わせることで、第1特定入賞口B1001を開放状態で維持する。
換言すれば、3ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、第7の作動パターンの一部(図189参照)が実行されるよう制御される。この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、第2ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力の低下等に伴う不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、3ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B22300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、4ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
4ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300及び第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させるようソレノイドB1410,B1610を駆動制御するが、この状態では第2特定入賞口B1001は依然として閉鎖状態が維持される(図180参照)。その後、第1ソレノイドB1410の駆動のみ解除して、第2案内板B22500に長時間動作を行わせることで、第2特定入賞口B1002を開放状態で維持する。
換言すれば、4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、第7の作動パターンの一部(図189参照)が実行されるよう制御される。この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、第1ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力の低下等に伴う不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第2案内板B22500を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を閉鎖するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、5ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目以降は、ラウンド遊技R毎に案内板B22300,B22500が交互に長時間動作される態様(即ち、奇数ラウンドでは第1案内板B22300が開放され、偶数ラウンドでは第2案内板B22500が開放される態様)で、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで5ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、案内板B22300,B22500が閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口B1001,B1002を開閉するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<第9の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりfの大当たり遊技の場合には、前記第9の作動パターンに基づいて案内板B22300,B22500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、第9の作動パターンを基にして、第9の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定し、その正常検出パターンと検出センサBSC221,BSC222での検出結果(出力)とを、常時または規定のタイミングで照合可能に構成される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、第1案内板B22300に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B22300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(0.04秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を開放するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、第2案内板B22500に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第2案内板B22500を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を閉鎖するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、3ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
3ラウンド目以降は、ラウンド遊技R毎に案内板B22300,B22500が交互に長時間動作される態様(即ち、奇数ラウンドでは第1案内板B22300が開放され、偶数ラウンドでは第2案内板B22500が開放される態様)で、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第2インターバル時間Int2を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、案内板B22300,B22500が閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口B1001,B1002を開閉するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第9の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
上述した第8の作動パターンと、第9の作動パターンとでは、主に以下の相違点がある。第1の相違点として、第8の作動パターンでは1ラウンド目から4ラウンド目までにおいて、ラウンド遊技Rの開始時に第6の作動パターンの一部または第7の作動パターンの一部が実行される。第2の相違点として、第8の作動パターンではラウンド遊技Rの間がラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)で設定されているのに対し、第9の作動パターンではラウンド遊技Rの間がラウンド間第2インターバル時間Int2(0.04秒)で設定されている。以下、各相違点について順に説明する。
第1の相違点によれば、第8の作動パターンにおいて、検出センサBSC221,BSC222の正常検出パターンとのずれを検出することによる不良の発見を、大当たり遊技の初期に実行することができる。これにより、以降に続く確変中に不良が顕在化し、遊技が継続できない事態となり、遊技者の不満が大きくなることを防止することができる。
第9の作動パターンにおいては、第8の作動パターンで実行される特別図柄1の大当たり(初回大当たり)において不良が発見されなかったことから、敢えて何度も不良の発見を試みることは不要であるとの考えからラウンド遊技Rの開始時に第6の作動パターンの一部または第7の作動パターンの一部を実行することは省略される。
そのため、第6の作動パターンの一部または第7の作動パターンの一部の実行中において球が特定入賞口B1001,B1002に入球不能となる不利益が遊技者に生じたり、入球前範囲に到達していた球が案内板B22300,B22500から零れてアウト口66(図124参照)へ案内される不利益が遊技者に生じたりする可能性を低下させることができる。
これにより、ラウンド遊技Rの開始直後から特定入賞口B1001,B1002に球を案内し、入球させることができるので、ラウンド遊技Rに要する時間を短縮化することができると共に、零れ球の発生個数を削減することができる。
第2の相違点によれば、第8の作動パターンに比較して、第9の作動パターンの方が、ラウンド遊技R間の時間が短く、大当たり遊技全体で要する時間を短縮化することができる。そのため、確変中において、特別図柄2の抽選が行われやすくなって特別図柄2の大当たりが連続で生じる場合であっても、大当たり遊技が間延びすることを防止でき、短い時間であっても効率的に大当たり遊技を複数回実行させることができ、遊技者が十分な賞球を獲得できるように図ることができる。
更に、第8の作動パターンに比較して、第9の作動パターンの方が、ラウンド遊技R間の時間が短く、ラウンド遊技R間に入球前範囲を通過してアウト口66へ向かうような零れ球の個数を削減し易い。これにより、球の発射態様によらず、零れ球の発生個数を削減することができる。
そのため、第9の作動パターンは、第8の作動パターンに比較して、大当たり遊技全体で要する時間を短縮化しながら(同じ賞球個数を短時間で得られる利点)、零れ球を削減することができる(賞球を得るための発射球(投資)の無駄を減らせる利点)ので、2重に遊技者にとって有利である。そのため、特別図柄2の大当たりを獲得することに対しての遊技者の意欲を高めることができ、実際に特別図柄2の大当たりを獲得した際の遊技者の興趣の向上を図ることができる。
また、第9の作動パターンによれば、ラウンド間第2インターバル時間Int2が短いため、閉鎖状態へ変位する案内板B22300,B22500と、開放状態へ変位する案内板B22500,B22300との動作タイミングを部分的に重ね易くすることができる。換言すれば、先に変位開始した一方の案内板B22300,B22500の動作が完了し停止する前に、他方の案内板B22500,B22300が変位開始する状況を構成し易い。
動作中の方が、停止している状態の案内板B22300,B22500の配置関係に比較して、案内板B22300,B22500の配置が、不安定になり易い。不安定な状態において敢えて案内板B22300,B22500を近接位置で動作させることで、案内板B22300,B22500間の隙間が埋まる状況を構成し易くなり、摩擦力を発生し易くすることができる。
更に、閉鎖状態へ変位する側の案内板B22300,B22500は、特定入賞口B1001,B1002へ案内される前の球の重みが負荷された状態から後方へ変位するので、閉鎖状態で安定した位置に比較して配置が下方にずれ易い。このことからも、案内板B22300,B22500の間の隙間が設計時の寸法よりも短くなり易く、案内板B22300,B22500間で摩擦力を発生し易くすることができる。
これにより、例えば、摩擦力によって、閉鎖状態へ変位するはずの案内板B22300,B22500が開放状態(前方位置)で維持されたり、変位に遅れが生じたりすることによって、正常検出パターンとは異なるパターンが検出センサBSC221,BSC222により検出(出力)された場合に、MPU201は不良が生じていると判定することができ、この判定を基にエラー報知を実行することができる。
これにより、例えば、ソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力が低下して生じる不良の早期発見を図ることができ、その不良が遊技に影響を与える前に修理を実行させることができる。
次に、図192を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図192は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1009の各処理が実行され、その残余時間でS1012,S1013のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図192参照)においては、まず、タイマ割込処理(図示せず、以下同じ)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、スイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理や始動入賞処理で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理で設定されたラウンド数コマンド等のコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置B22000の特定入賞口B1001,B1002を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口B1001,B1002を開放し、特定入賞口B1001,B1002の最大開放時間が経過したか、特定入賞口B1001,B1002に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口B1001,B1002を閉鎖する。この特定入賞口B1001,B1002の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理(図192参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図109参照)において実行しても良い。
次に、小当たり制御処理(S1005)を実行する。小当たり制御処理では、設定された作動パターン(本制御例では、第6の作動パターン又は第7の作動パターン、図189参照)で特定入賞口B1001,B1002を開放し、閉鎖する。尚、本実施形態では、小当たり制御処理(S1005)をメイン処理(図192参照)において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、異常処理(S1006)を実行する。異常処理では、正常の場合に各検出センサ(検出センサB1230,B1250,BSC221,BSC222等)で検出されるパターンを基準として(正常検出パターン)、その基準と異なる検出がされている場合に、その基準に戻すように修正する制御を実行したり、誤動作と判定してエラー報知をしたりする。尚、本実施形態では、異常処理(S1006)をメイン処理(図192参照)において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理(S1007)を実行する。電動役物開閉処理では、電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理において設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S1008)では、特別図柄変動開始処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図110参照)によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1009)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1010)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1010:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1011)、既に所定時間が経過していれば(S1011:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1011:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1012,S1013)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1012)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では319、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1013)。
ここで、S1001〜S1009の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC3の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1010の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1010:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということなので、S1014以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1014)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1015)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1016)、RAM203のアクセスを禁止して(S1017)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1010の処理は、S1001〜S1009で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1012とS1013の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
図193から図198を参照して、第23実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の案内板B1300,B1500が個別に変位する前提で説明したが、第23実施形態における可変入賞装置B23000は、第1案内板B23300及び第2案内板B23500が制御に基づいて同時に変位し得ることを考慮して構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図193(a)及び図193(b)は、第23実施形態における可変入賞装置B23000の上面図である。図193(a)では、切替装置B23800により第1案内板B23300及び第2案内板B23500が一体的に連結されている状態が図示され、図193(b)では、切替装置B23800による第1案内板B23300及び第2案内板B23500の連結が解除された状態が図示される。
図194は、可変入賞装置B23000の右面図であり、図195は、可変入賞装置B23000の正面図である。なお、図194では、理解を容易とするために後カバー部材B23700の図示が省略され、切替装置B23800の一部が想像線で図示される。また、図195では、後カバー部材B23700の内、切替装置B23800と関わる右側の板部のみが図示され、その他の部分についての図示が省略される。また、図194及び図195では、ソレノイドB1410,B1610が非励磁とされた状態が図示される。
第1案内板B23300及び第2案内板B23500の、第11実施形態で上述した案内板B1300,B1500との違いは、主に、切替装置B23800との係合部が設けられるか否かである。
即ち、第1案内板B23300は、連結固定部材B1330に右側から凹設形成される受入凹設部B23350を備え、第2案内板B23500は、連結固定部材B1530に右側から凹設形成される受入凹設部B23550を備える。これら受入凹設部B23350,B23550が、切替装置B23800との係合部として機能する。
切替装置B23800は、左右方向にスライド変位可能に構成されるスライド本体部B23810と、そのスライド本体部B23810の左側部に配設され受入凹設部B23350,B23550に進入可能な形状で前後一対で突設形成される進入突設部B23821を有するスライド補助部B23820と、ソレノイドB1410,B1610の駆動力をスライド本体部B23810へ伝達可能に構成される伝達部材B23830と、スライド本体部B23810の変位を一方向に案内する案内レール状部B23840と、スライド本体部B23810を左側へ移動させるための付勢力を発生させる付勢手段B23850と、を備える。
スライド本体部B23810は、後カバー部材B1700を一部形状変更して構成される後カバー部材B23700の上下側内面に形成される一対の案内レール状部B23840に左右方向へスライド変位可能に支持され、付勢手段B23850によって左側位置(係合位置)に配置されるよう付勢されている。
スライド補助部B23820は、前後方向にスライド変位可能にスライド本体部B23810に支持されていることから、進入突設部B23821を左右方向だけでなく前後方向にも変位可能に構成し、進入突設部B23821の配置の自由度を高めている。即ち、進入突設部B23821の変位は、左右方向についてはスライド本体部B23810によって確保され、前後方向についてはスライド補助部B23820によって確保される。
進入突設部B23821は、スライド本体部B23810の前後両端部から案内板B23300,B23500側へ向けて突設されており、スライド本体部B23810が左側位置(係合位置、図193(a)参照)に配置される場合に受入凹設部B23350,B23550の内側に配置されることで案内板B23300,B23500を連動可能に係合する一方、スライド本体部B23810が右側位置(解除位置、図193(b)参照)に配置される場合に受入凹設部B23350,B23550から退避することで案内板B23300,B23500が独立して変位可能となるように構成される。
伝達部材B23830は、ソレノイドB1410,B1610のプランジャーが変位することに伴い変位され、スライド本体部B23810の配置を変化させるように機能する。これについて、図196を参照して説明する。
図196は、可変入賞装置B23000の正面図である。なお、図196では、後カバー部材B23700の内、切替装置B23800と関わる右側の板部のみが図示され、その他の部分についての図示が省略される。また、図196では、第2ソレノイドB1610が非励磁とされる一方、第1ソレノイドB1410が励磁された状態が図示される。
伝達部材B23830は、上下一対で配設され、後カバー部材B23700に回転可能に枢支される基端側部B23831と、その基端側部B23831からソレノイドB1410,B1610のプランジャーの変位軌跡側(上側または下側)へ向けて延設される被負荷部B23832と、基端側部B23831からスライド本体部B23810側へ延設されスライド本体部B23810と当接可能に構成される作用部B23833と、を備える。
図196に示すように、第1ソレノイドB1410が励磁されることにより直動部材B1420が変位することに伴って、被負荷部B23832に駆動力が伝達され、伝達部材B23830が回転する。
この回転により、非励磁状態においてはスライド本体部B23810の上下外側に配置されていた作用部B23833が上下内側に入り込み、スライド本体部B23810を押進することにより、付勢手段B23850の付勢力に対抗してスライド本体部B23810を右側位置(解除位置、図193(b)参照)へ変位させることができる。
なお、伝達部材B23830が上下一対で配置されており、各伝達部材B23830が各ソレノイドB1410,B1610に対応することから、図196に示すスライド本体部B23810の変位は、第1ソレノイドB1410が励磁される場合に限らず、第2ソレノイドB1610が励磁される場合にも同様に生じる。
従って、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610に通電され、励磁されることに伴い生じる駆動力を利用して、スライド本体部B23810を解除位置へ変位させることができる。
即ち、案内板B23300,B23500を駆動するためのソレノイドB1410,B1610の駆動力を利用して、案内板B23300,B23500を一体的に連動させる状態と、案内板B23300,B23500の変位をそれぞれ独立させる状態とを切り替えることができる。
これにより、案内板B23300,B23500を一体的に連動させる状態と、案内板B23300,B23500の変位をそれぞれ独立させる状態とを切り替えるための駆動力を発生させる別個の駆動手段を用意することを不要とすることができるので、製品コストの削減を図ることができる。
なお、切替装置B23800を駆動する装置については、これに限定されるものではない。例えば、製品コストのことを考えない場合等には、切替装置B23800を駆動させるための別個の駆動装置を設けるようにしても良いし、案内板B23300,B23500と切替装置B23800とを単一の駆動装置によって駆動するようにしても良い。
図197は、第1案内板B23300の伝達孔B23340、直動部材B1420及び回転部材B23430の上面図である。伝達孔B23340は、ソレノイドB1410の励磁に伴い生じる変位の関係として、第1案内板B23300の変位よりも前に伝達部材B23830の変位を生じさせることを目的として、伝達孔B1340(図134参照)から設計変更されている。なお、第2案内板B23500についての説明は省略するが、第1案内板B23300と同様の設計変更を行っている。以下、詳しく説明する。
図197に示すように、伝達孔B23340は、伝達孔B1340の説明において上述した直線部B1341及び曲線部B1342と、直線部B1341の左端から第1駆動装置B23400の突設軸部B1432を中心とする円弧に沿って延設される第2曲線部B23343と、を備える貫通孔として構成される。
第1駆動装置B23400は、既に上述した第1ソレノイドB1410及び直動部材B1420と、伝達孔B23340の設計変更に起因して回転部材B1430(図134参照)から設計変更された回転部材B23430と、を備える。
回転部材B23430は、回転部材B1430の説明において上述した突設軸部B1432及び短手突設部B1434を後述する本体部B23431から突設される部分として備え、長手突設部B1433の配置を変更する目的で本体部B1431から設計変更されている屈曲棒状の本体部B23431と、その本体部B23431の端部であって突設軸部B1432よりも左側に配置される端部(第1の端部)から突設軸部B1432と平行な方向に円柱形状で突設される長手突設部B23433と、を備える。
長手突設部B23433は、伝達孔B23340に挿通可能とされ、第1ソレノイドB1410が非励磁の状態において第2曲線部B23343の延設端部に配置されるよう構成される。
長手突設部B23433が伝達孔B23340に挿通されているので、回転部材B23430が回転移動することにより長手突設部B23433が突設軸部B1432を中心とする円弧軌跡に沿って変位することに伴って、第1案内板B23300が前後方向に変位する。
本実施形態では、伝達孔B23340の曲線部B1342及び第2曲線部B23343の形状が、突設軸部B1432を中心とする円弧であって、半径が突設軸部B1432と長手突設部B23433との距離と等しい円弧に沿う形状とされる。これにより、回転部材B23340の変位と、第1案内板B23300の変位とに時間差を生じさせることができる。
詳述すると、第1案内板B23300の変位は、長手突設部B23433が直線部B1341を変位する場合に生じる。一方で、長手突設部B23433が曲線部B1342又は第2曲線部B23343に配置されている場合には、長手突設部B23433は曲線部B1342又は第2曲線部B23343に沿って変位するだけであり、長手突設部B23433が伝達孔B23340の内壁を前後方向に押す作用が生じないので、第1案内板B23300の変位は生じない。
即ち、第1ソレノイドB1410が励磁され、回転部材B23430が回転開始してから、長手突設部B23433が直線部B1341に配置されるまでの間は、直動部材B1420の変位は開始されるが、第1案内板B23300には変位が生じず、配置が維持される。
本実施形態では、この間に、切替装置B23800のスライド本体部B23810の配置が、左側位置(図195参照)から右側位置(図196参照)へ変化するように構成される。これにより、スライド本体部B23810が左側位置に配置されたままの状態で第1案内板B23300と第2案内板B23500とが一体的に駆動される誤動作の発生を、構造面から防止することができる。
なお、曲線部B1342には、そもそも長手突設部B1433の配置誤差を吸収する機能があるので、曲線部B1342において長手突設部B23433の配置が多少ずれたとしても、長手突設部B1433の説明で上述したように第1案内板B23300の変位量には影響しない。そのため、回転部材B1430の説明で上述した回転角度と同様の角度で回転部材B23430を回転させるよう構成しても、第1案内板B23300の変位量として第1案内板B1300の変位量と同程度の変位量を確保することができるので、第1ソレノイドB1410、直動部材B1420、突設軸部B1432及び短手突設部B1434の設計変更を要さずに上述した追加の機能を付加することができる。
上述したように構成される可変入賞装置B23000の機能について、伝達孔B23340の形状により奏する効果に焦点を当てて、詳しく説明する。
図198(a)は、可変入賞装置B23000の正面図であり、図198(b)は、図198(a)の矢印CXCVIIIb方向視における可変入賞装置B23000の部分上面拡大図であり、図198(c)は、可変入賞装置B23000の正面図であり、図198(d)は、図198(c)の矢印CXCVIIId方向視における可変入賞装置B23000の部分上面拡大図である。
図198(a)及び図198(b)では、第1ソレノイドB1410が励磁されることにより生じる回転部材B23430の回転変位の変位途中が図示され、図198(c)及び図198(d)では、回転部材B23430の姿勢が図198(a)及び図198(b)に示す姿勢へ向けて変化する途中で第1案内板B23300が正面側に変位している状態が図示される。
ここで、図198(a)及び図198(b)に示す状態は、第1ソレノイドB1410が正常に駆動制御された場合における回転部材B23430の状態を示しており、図198(c)及び図198(d)に示す状態は、第1ソレノイドB1410が駆動されていないにも関わらず第1案内板B23300に不正な負荷(例えば、不正行為を行う遊技者が第1案内板B23300を正面側へ引っ張り出そうとする負荷)が付与されることで第1案内板B23300が変位したことに伴って変位した回転部材B23430の状態を示している。
図198(a)及び図198(b)に示すように、第1ソレノイドB1410が正常に駆動された場合、第1案内板B23300が変位を開始する前に伝達部材B23830が回転され、スライド本体部B23810が右側位置(解除位置)に配置される。これにより、第1案内板B23300を単独で変位させることができる。
一方、図198(c)及び図198(d)に示すように、回転部材B23430の変位に先行して第1案内板B23300が正面側へ変位する場合、長手突設部B23433が第2曲線部B23343の延設端部に配置されたまま変位が生じる。この場合、第2曲線部B23343が沿う方向BPRと、長手突設部B23433の変位軌跡BKRとが交差するために、長手突設部B23433の変位が規制され、第1案内板B23300の変位継続が不可能となる。これにより、第1案内板B23300が不正に開放されることを防止することができる。
なお、この不正防止の効果は、伝達孔B23340の形状によって奏するものであり、切替装置B23800が無い場合であっても有効に生じる。一方で、不正行為によって付与される負荷により長手突設部B23433が破損するなどの、稀にではあるが生じ得る事態を想定すると、この対策だけでは不十分である。そこで、同様の目的で構成される、切替装置B23800によって生じる効果について説明する。
切替装置B23800によれば、長手突設部B23433が破損してしまい不正な負荷によって第1案内板B23300の変位を継続可能な場合であっても、第1案内板B23300の変位が切替装置B23800のスライド本体部B23810の退避前に生じるようにすることで、第1案内板B23300及び第2案内板B23500が一体的に変位する状態を維持するように構成することができる。これにより、第1案内板B23300が正面側へ変位継続しても、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持することができる(図180参照)。
詳しく説明すると、本実施形態では、スライド本体部B23810の退避前に案内板B23300,B23500が正面側へ変位し、スライド補助部B23820が正面側に変位した場合に、スライド本体部B23810の退避動作が防止されるように構成される。具体的には、スライド本体部B23810の変位方向を案内する案内棒がスライド補助部B23820の変位方向に配置されるようになり、その案内棒にスライド補助部B23820の変位が規制される。
換言すれば、初期の前後位置(図193(a)参照)から、スライド補助部B23820が前後方向に変位した状態では、スライド本体部B23810が右方に変位しないように構成される。
このように構成することで、図198(a)及び図198(b)に示す正常な駆動制御のもとでは、案内板B23300,B23500が正面側へ向けて変位する前にスライド補助部B23820が右側へ変位しているので(図198(a)参照)、案内板B23300,B23500を独立して変位させることができる。
これに対し、図198(c)及び図198(d)に示す不正な変位態様では、案内板B23300,B23500が正面側へ向けて変位する前にスライド補助部B23820が右側へ変位する前にスライド補助部B23820の前後方向への変位が開始されることになるので、スライド本体部B23810が右方へ変位しなくなり、スライド補助部B23820の右側への変位が規制される。
これにより、案内板B23300,B23500は一体的に変位する状態(図193(a)参照)が維持されるので、第1案内板B23300が正面側へ変位継続しても、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持することができる(図180参照)。
加えて、スライド補助部B23820の右側への変位が規制されることにより、伝達部材B23830の回転変位が途中で規制されることから、直動部材B1420の変位が途中で妨害されるので、案内板B23300,B23500の変位も途中で妨害されることになる。従って、案内板B23300,B23500が開ききらないことにより、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持することができる。
このように、本実施形態によれば、正常な駆動制御では案内板B23300,B23500がそれぞれ独立で変位され、不正行為に基づく変位では案内板B23300,B23500が一体的に変位する。そのため、上述の検出センサBSC221,BSC222(図185参照)に対応する検出センサを設け、案内板B23300,B23500の配置を検出できるようにしておけば、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持したまま案内板B23300,B23500の異常な配置を判定でき、この判定に伴いエラー報知を実行することで、不正行為の早期発見を図ることができる。
なお、可変入賞装置B23000においても、上述した種々の作動パターンで駆動制御することが可能である。特に、本実施形態によれば、ソレノイドB1410,B1610のいずれか一方が励磁される状況に限らず、ソレノイドB1410,B1610の少なくとも一方が励磁される状況において切替装置B23800のスライド本体部B23810が解除位置に配置されるので、上記第9の作動パターン(図191(b)参照)のようにラウンド間インターバル時間が短い作動パターンで駆動制御した場合であっても、スライド本体部B23810が誤って係合位置に配置されることがない。
換言すれば、ソレノイドB1410,B1610の励磁の切り替えが極めて短い時間間隔で生じることで、あたかも両ソレノイドB1410,B1610が励磁されているのと同一視できる場合や、両ソレノイドB1410,B1610共が励磁されている場合において、スライド本体部B23810が係合位置に配置されることを回避することができる。これにより、案内板B23300,B23500の動作の自由度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、案内板B23300,B23500の双方が正面側に配置され、特殊閉鎖状態を構成する場合に、入球前範囲に到達した球との衝突による衝撃によって、案内板B23300,B23500と切替装置B23800との係合が解除される事態が生じる可能性が低くなるように構成される。
即ち、入球前範囲に到達した球から負荷を受ける場合、特殊閉鎖状態の案内板B23300,B23500は上下方向に若干(微量に)変位する(貫通形成部B1120が形成される基礎部材B1100を支点として連結固定部材B1330,B1530が上下に振れる)可能性があるところ、本実施形態では、スライド補助部B23820及び進入突設部B23821の突設方向視における断面の幅長さが上下方向に長尺となるように構成されている(図194参照)。
そのため、進入突設部B23821が連結固定部材B1330,B1530の受入凹設部B23350,B23550から外れて、係合が解除される事態が発生することを回避し易くすることができる。
また、このように構成することにより、球からの衝撃に関わらず、遊技領域から案内板B23300,B23500に与えられる負荷に対する係合の抵抗力を向上することができる。即ち、例えば、ファール球通路や遊技領域の周囲に生じる隙間などから糸や金属細線の一端を遊技領域に進入させ一端が案内板B23300,B23500に触れた状態で、他端を引っ張ったり押したりすることにより、案内板B23300,B23500に負荷が与えられた場合に係合が解除される事態が発生することを回避し易くすることができる。従って、不正に対する抵抗力を向上することができる。
図199を参照して、第24実施形態について説明する。この実施形態は、第17実施形態の別例に対応する。第17実施形態では、伝達回転体7720が駆動力を伝達する部材としてのみ機能する場合を説明したが、第24実施形態における可変入賞装置B24000は、遊技領域側からの負荷を受けて変位する前提で伝達回転体B24720が設計される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図199(a)は、第24実施形態における伝達回転体B24720の円周面を展開した展開図であり、図199(b)は、第1演出区間B24760の部分展開図であり、図199(c)は、第2演出区間B24770の部分展開図である。
伝達回転体B24720は、上述の兼用駆動装置B7700に備えられる伝達回転体B7720の代替品として、伝達回転体B7720と同一の直径で形成され、被進入溝部B7730と同じ態様で凹設されるものの部分的に設計変更された被進入溝部B24730を備える。
被進入溝部B24730は、被進入溝部B7730との対比において、主に演出区間B7760が異なる。即ち、被進入溝部B24730は、演出区間B7760から設計変更された演出区間B24760,B24770を備える。
図199(a)に示す状態において、境界位置BCL71よりも下側に配置されている第1演出区間B24760は、伝達棒B7422(図178参照)の変位に関係する区間であって、その上端側領域においては、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に伝達棒B7422の配置が移るように形成される共通溝部B24761を備えている。
また、境界位置BCL71よりも上側に配置されている第2演出区間B24770は、伝達棒B7622(図178参照)の変位に関係する区間であって、その上端側領域においては、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に伝達棒B7622の配置が移るように形成される共通溝部B24771を備えている。
即ち、伝達棒B7422が第1演出区間B24760の共通溝部B24761に入り込むと共に伝達棒B7622が第2演出区間B24770の共通溝部B24771に入り込む状態においては、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が開放状態に切り替えられる。
一方、伝達棒B7422,B7622が平面BS72上に配置された後の構成、即ち、共通溝部B24761,B24771の下側位置における構成は、第1演出区間B24760と第2演出区間B24770とで異なるように設計されている。以下、その違いについて詳述する。
図199(b)に示すように、第1演出区間B24760は、共通溝部B24761に連結される態様で第2の平面BS72から第1の平面BS71に亘る幅広の溝として凹設形成される変位許容溝部B24762と、その変位許容溝部B24762の下側部から第2の平面BS72に沿って延設される変位制限溝部B24767と、を備える。
変位許容溝部B24762には、第2の平面BS72と平行な平面に沿って複数の突設部B24763が突設されている。突設部B24763は、突設部B24763から与えられる負荷(摩擦力)によって、ソレノイドB1410の戻りバネ(図134参照)の付勢力による伝達部B7422の変位を制限できる程度の突設態様で形成される。
即ち、伝達棒B7422が第1演出区間B24760の共通溝部B24761から変位許容溝部B24762へ進入する状態においては、ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力が生じている状況においても、伝達棒B7422は第2の平面BS72上に維持されるので、第1案内板B1300は開放状態で維持される。
一方、本実施形態では、ソレノイドB1410の戻りバネ(図134参照)の付勢力を超える負荷がかけられる場合、伝達棒B7422を右方に変位させようとする付勢力が、突設部B24763から生じる負荷(摩擦力)を超えると、伝達棒B7422が右側へ変位する。伝達棒B7422が突設部B24763よりも右側へ変位すると、突設部B24763からの摩擦力が生じ無くなり、戻りバネの付勢力によって、伝達棒B7422が第1の平面BS71へ向けて変位する。
即ち、伝達棒B7422が第1演出区間B24760の変位許容溝部B24762に配置された状態においては、ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力を超える負荷が生じて、伝達棒B7422が突設部B24763よりも右側へ変位した場合には、第1案内板B1300は閉鎖状態に状態変化する。
なお、戻りバネ以外の付勢力の態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、上述の戻りバネの付勢力を超える負荷は、球の重みによって生じるものとして説明する。
変位制限溝部B24767は、溝幅Wminの凹設溝として第2の平面BS72に沿って形成される。そのため、伝達棒B7422が変位制限溝部B24763に配置された状態においては、伝達棒B7422は第2の平面BS72上に機械的に維持されるので、第1案内板B1300は開放状態で維持される。
このように、第1演出区間B24760に伝達棒B7422が配置される状態では、第1案内板B1300が戻りバネの付勢力を超える負荷が生じるまでは開放状態で維持される場合と、第1案内板B1300が付勢力の大小に関わらず開放状態で維持される場合とが切り替えられる。
図199(c)に示すように、第2演出区間B24770は、共通溝部B24771の下側部に連結される態様で第2の平面BS72に沿って延設される変位制限溝部B24772と、その変位制限溝部B24772に連結される態様で第2の平面BS72から第1の平面BS71に亘る幅広の溝として凹設形成される変位許容溝部B24777と、を備える。
変位制限溝部B24772は、溝幅Wminの凹設溝として第2の平面BS72に沿って形成される。そのため、伝達棒B7622が変位制限溝部B24772に配置された状態においては、伝達棒B7622は第2の平面BS72上に機械的に維持されるので、第2案内板B1500は開放状態で維持される。
変位許容溝部B24777には、第2の平面BS72と平行な平面に沿って複数の突設部B24778が突設されている。突設部B24778は、突設部B24778から与えられる負荷(摩擦力)によって、ソレノイドB1610の戻りバネ(図178参照)の付勢力による伝達部B7622の変位を制限できる程度の突設態様で形成される。
即ち、伝達棒B7622が第2演出区間B24770の変位制限溝部B24772から変位許容溝部B24777へ進入する状態においては、ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力が生じている状況においても、伝達棒B7622は第2の平面BS72上に維持されるので、第2案内板B1500は開放状態で維持される。
一方、本実施形態では、ソレノイドB1610の戻りバネ(図178参照)の付勢力を超える負荷がかけられる場合、伝達棒B7622を右方に変位させようとする付勢力が、突設部B24778から生じる負荷(摩擦力)を超えると、伝達棒B7622が右側へ変位する。伝達棒B7622が突設部B24778よりも右側へ変位すると、突設部B24778からの摩擦力が生じなくなり、戻りバネの付勢力によって、伝達棒B7622が第1の平面BS71へ向けて変位する。
即ち、伝達棒B7622が第2演出区間B24770の変位許容溝部B24777に配置された状態においては、ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力を超える負荷が生じて、伝達棒B7622が突設部B24778よりも右側へ変位した場合には、第2案内板B1500は閉鎖状態に状態変化する。
なお、戻りバネ以外の付勢力の態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、上述の戻りバネの付勢力を超える負荷は、球の重みによって生じるものとして説明する。
このように、第2演出区間B24770に伝達棒B7622が配置される状態では、第2案内板B1500が戻りバネの付勢力を超える負荷が生じるまでは開放状態で維持される場合と、第2案内板B1500が付勢力の大小に関わらず開放状態で維持される場合とが切り替えられる。
上述のように、伝達棒B7422,B7622は180度間隔で配置されるので、一方の演出区間B24760,B24770に伝達棒B7422,B7622が配置される場合には、他方の演出区間B24770,B24760にも伝達棒B7622,B7422が配置される。
伝達棒B7422,B7622が演出区間B24760,B24770に配置される場合、演出区間B24760,B24770に対する伝達棒B7422,B7622の位置を伝達回転体B24720の回転方向で変化させることにより案内板B1300,B1500の状態を切り替えることができる。なお、本実施形態では、第1案内板B1300の状態と、第2案内板B1500の状態とを異ならせることができるよう構成される。
即ち、伝達回転体B24720の回転位置を調整することによって、伝達棒B7422が変位制限溝部B24767に配置されると共に伝達棒B7622が変位許容溝部B24777に配置される状態(第1開放状態)と、伝達棒B7422が変位許容溝部B24762に配置されると共に伝達棒B7622が変位制限溝部B24772に配置される状態(第2開放状態)と、を任意に構成することができる。
そのため、例えば、伝達回転体B24720が正回転するよう制御され、伝達棒B7422,B7622が共通溝部B24761,B24771を通り案内板B1300,B1500が両方共前方に変位した後で(図180参照)、伝達回転体B24720が第1開放状態とされる場合には、入球前領域に到達する球から与えられる負荷によって第2案内板B1500が背面側へ退避するように変位し、第1特定入賞口B1001へ入球可能な状態に切り替えられる。
また、例えば、伝達回転体B24720が正回転するよう制御され、伝達棒B7422,B7622が共通溝部B24761,B24771を通り案内板B1300,B1500が両方共前方に変位した後で(図180参照)、伝達回転体B24720が第2開放状態とされる場合には、入球前領域に到達する球から与えられる負荷によって第1案内板B1300が背面側へ退避するように変位し、第2特定入賞口B1002へ入球可能な状態に切り替えられる。
このように、球が入球前範囲に到達するまでは案内板B1300,B1500が両方共正面側へ変位された状態が維持され、いずれの特定入賞口B1001,B1002に入球可能な状態なのかを不明とし、入球前範囲に球が到達することによって初めて、第1特定入賞口B1001に入球可能な状態なのか、第2特定入賞口B1002に入球可能な状態なのかを把握可能となるように構成している。
これによって、駆動変位した後の案内板B1300,B1500を見ても、第1特定入賞口B1001に入球可能な大当たり種別の大当たりなのか、第2特定入賞口B1002に入球可能な大当たり種別の大当たりなのか、を判別不能とすることができる。加えて、入球前範囲に球を到達させることで大当たり種別を明確にすることができるので、入球前範囲へ向けた球の発射を促すことができる。
ここで、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002とで性能が異なる場合には(図157参照)、大当たり遊技においていずれの特定入賞口B1001,B1002が開放されるのかは利益に直結する重要な情報であるが、ラウンド遊技の開始と共にいずれの特定入賞口B1001,B1002が開放されるかが判明する場合、それが利益の低い側の特定入賞口B1002(図157参照)であると、ラウンド遊技に対する興味を早々に失ってしまい、遊技者の興趣を低下させることになる。
これに対し、本実施形態では、ラウンド遊技が開始される時には、案内板B1300,B1500が両方共正面側へ変位して、入球前範囲に球が到達するまでは、いずれの特定入賞口B1001,B1002が開放されるのかを不明としている。これにより、いずれの大当たり種別なのかを知りたいと望む遊技者の注目力を高め、球が入球前範囲に到達するまでは、遊技者の興趣が向上した状態を維持することができる。
このように構成することで、案内板B1300,B1500が駆動変位された後においても、どの大当たり種別の大当たりなのか予想する楽しみを継続することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
本実施形態におけるエラー報知の実行に関わる制御について説明する。本実施形態では、上述の通り、伝達回転体B24720が回転するよう制御されることに伴い案内板B1300,B1500の両方が開放状態を構成し得る。そのため、例えば、検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じたことをもって無条件にエラー報知を実行するように制御することは不適当である。
そのため、本実施形態では、案内板B1300,B1500の両方が開放状態を構成し得る状況を検出し、その状況においては検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じることを許容するように制御している。
即ち、伝達回転体B24720の姿勢を判定可能な検出センサ等の判定手段を設け、その判定手段によって、伝達回転体B24720の第1演出区間B24760に伝達棒B7422が配置されると共に、第2演出区間B24770に伝達棒B7622が配置されていると判定されている状況(以下、「許容状況」とも称する)においては、検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じてもエラー報知を実行しないように制御される。
一方、上述した許容状況以外の状況では、検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じた場合には、エラー報知を実行するように制御される。これにより、遊技者の興趣の向上を図る効果は維持しつつ、異常の早期発見を図ることができる。
なお、本実施形態では、案内板B1300,B1500の転動面B1321,B1521が正面側へ向かう程下降傾斜する傾斜面で形成される。これにより、転動面B1321,B1521に乗った球の自重に起因して前後方向の負荷を生じ易くすることができる。
また、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態で球が乗る位置(転動面B1321,B1521、図180参照)においてのみ前後方向の傾斜面が形成され、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態で球が乗らない転動面B1311,B1511については前後方向の傾斜面を構成しても上記の効果を奏さないので、前後方向に傾斜しない平面状に形成している。
そのため、転動面B1311,B1511にまで前後方向の傾斜面を構成する場合に生じるような、特定入賞口B1001,B1002への入球が阻害される事態の発生を回避することができる。
また、本実施形態においては、特定入賞口B1001,B1002が入球前範囲の後面側(基礎部材B1100側)に寄っていることから(図126参照)、転動面B1311,B1511については、背面側へ向かう程下降傾斜する傾斜面として構成しても良い。これにより、特定入賞口B1001,B1002への入球を滑らかにすることができる。
この傾斜によっては球の重みを分解した前後方向の成分が正面側を向くが、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態で球が乗ることはないので、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態からの球の自重に寄る状態変化に影響を与えるものではない。
なお、本実施形態では、突設部B24763,B24778を形成し、伝達部B7422,B7622の変位抵抗を増加させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位許容溝部B24762,B24777の表面に波状や鋸刃状の溝を形成することで伝達部B7422,B7622の変位抵抗が変化するようにしても良いし、変位許容溝部B24762,B24777の表面にシボ加工を施す(シボを付与する)ことで伝達部B7422,B7622の変位抵抗が変化するようにしても良い。
上記のように、本実施形態では、非駆動区間B7731以外の範囲に伝達棒B7422,B7622が配置される場合には、被進入溝部B24730の形状によって案内板B1300,B1500の配置が規定されるので、案内板B1300,B1500の予想外の連動が生じることを防止することができる。
次いで、第25実施形態について説明する。第23実施形態では、特定入賞口B1001,B1002を開閉する案内板B23300,B23500が係合しながら変位することで不正な入球を防止する場合について説明したが、第25実施形態では、一対の電動役物B640aが係合しながら変位することで第2入賞口640への不正な入賞を防止可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図200(a)及び図200(b)は、第25実施形態における電動役物B640aの右側面図である。図200(a)及び図200(b)では、理解を容易とするために、電動役物B640a、駆動ソレノイドB25110、伝達部材B25640及び切替装置B25700のみを図示し、これらの部材を保持する他の構成についての図示を省略している。なお、電動役物B640aの配置としては、上記各実施形態で既に例示されている(図177参照)ので、以下の説明では、説明済みの図面(例えば、図177)を適宜参照する。
電動役物B640aは、第2入賞口640への入球のし易さを変化させるために左右一対で配設され、第2入賞口640への入球確率を低く維持する閉鎖状態(図177参照)と、下端部を軸に左右に傾倒することで第2入賞口640への入球確率が増加する開放状態と、で状態切り替え可能とされている。
電動役物B640aはベース板60の正面側に配設されている。ベース板60の板前面よりも後方に配設される他の部材(装置)として、ベース板60に対して位置固定される駆動ソレノイドB25110と、その駆動ソレノイドB25110と電動役物B640aとの間に配設され駆動ソレノイドB25110から生じる駆動力を電動役物B640aに伝達可能に構成される伝達部材B25640と、電動役物B640aの状態を切替可能となるように電動役物B640の下側に配設される切替装置B25700と、が設けられている。
駆動ソレノイドB25110は、励磁によって前後方向にスライド移動する先端部材B25111と、その先端部材B25111に付勢力を付与するコイルスプリングB25112と、を備える。
駆動ソレノイドB25110が非励磁の状態では、コイルスプリングB25112の付勢力により先端部材B25111は正面側位置(図200(a)参照)に配置され、駆動ソレノイドB25110が励磁された状態では、コイルスプリングB25112の付勢力に抗して先端部材B25111が駆動され背面側位置(図200(b)参照)に配置される。
図200(a)では、電動役物B640aの閉鎖状態(縮小状態)が図示され、図200(b)では、電動役物B640aの開放状態(拡大状態、作動状態)が図示される。即ち、駆動ソレノイドB25110が非励磁の状態とされ、先端部材B25111が正面側位置に配置されると、伝達部材B25640は下傾斜姿勢とされ(図200(a)参照)、駆動ソレノイドB25110が励磁状態とされ、先端部材B25111が背面側位置に配置されると、伝達部材B25640は上傾斜姿勢とされる(図200(b)参照)。
なお、本実施形態では、先端部材B25111に駆動ソレノイドB25110のプランジャーに対する若干の変位(ぐらつき)を許容するように構成することにより、左右一対の電動役物B640aに対応する(把持する)部分における伝達部材B25640の姿勢のずれを許容している。これにより、電動役物B640aが左右非対称に動作することを可能としているが、詳細は後述する。
切替装置B25700は、ベース板60の厚み範囲に貫通孔を設けたり、ベース板60の後方側の隙間スペースを利用してベース板60の板前面よりも後方(遊技領域よりも後方)に配設されており、上下方向にプランジャーが変位可能に配置される切替ソレノイドB25710と、その切替ソレノイドB25710が非励磁の状態では電動役物B640aの背面と対向して配置されるように上方へ付勢される一方、切替ソレノイドB25710が励磁されると電動役物B640aの背面側から下方へ退避するように構成される切替部材B25720と、を備える。
切替部材B25720は、切替ソレノイドB25710のプランジャーに対して左右方向に相対変位可能となるように切替ソレノイドB25710に連結されている。これにより、後述するように電動役物B640aの偏心突設部B640bと左右方向で当接可能に構成する場合に、球の衝突等によって電動役物B640aに回転方向の付勢力が生じた際に切替部材B25720と偏心突設部B640bとの間に負荷が集中して偏心突設部B640bが破損する可能性を低くすることができる。
電動役物B640aは、ベース板60の正面側において固定配置される円柱状部B25013bに回転可能に軸支され、その回転軸に対して偏心する位置から背面側へ突設される偏心突設部B640bを備える。
この偏心突設部B640bは、伝達部材B25640の爪状部B3642と上下で当接可能に配置されており、偏心突設部B640bが爪状部B3642と連動して変位することに伴って、電動役物B640aの状態が変化する。
突設受け部B25013aは、伝達部材B25640や先端部材B25111と当接可能に構成され、その移動終端位置を規定する部分であるが、詳細は後述する。
伝達部材B25640は、上述の伝達部材B3640と類似の形状部材が2個連結されるように構成されており、ベース板60の背面側において回転可能に軸支(枢支)され、回転先端部に配置される爪状部B3642と電動役物B640aとが係合するように構成される。これにより、伝達部材B25640の姿勢の変化に伴って、電動役物B640aの状態(開放状態または閉鎖状態)の変化が生じるように構成される。次いで、図201を参照して伝達部材B25640の詳細について説明する。
図201(a)は、伝達部材B25640を回転軸BJ1方向から視認した伝達部材B25640の右側面図であり、図201(b)は、図201(a)の矢印CCIb方向視における伝達部材B25640の正面図である。なお、図201の説明では、図200を適宜参照する。
伝達部材B25640は、可撓性を有する樹脂材料から形成され、回転軸BJ1と交差(直交)する板状部から構成される左右一対の回転腕部B25641と、その回転腕部B25641の回転先端にC字の爪状に形成される爪状部B3642と、回転軸BJ1を中心とする円柱状に回転腕部B25641から左右外方へ突設される一対の突設軸部B3643と、回転腕部B25641の回転基端側から径方向に延設される基端側延設部B3644と、回転腕部B25641の回転先端側から基端側延設部B3644と平行な方向に延設される先端側延設部B3645と、回転軸BJ1上に軸中心が配置される円柱棒状に形成され左右一対の回転腕部B25641に差し込まれる態様で回転腕部B25641同士を相対回転可能に連結する非固定連結棒部B25646と、を備える。
伝達部材B25640の前端は突設受け部B25013aの下端部と当接することで、それ以上の回転が規制される(図200(a)参照)。伝達部材B25640は、上述したように、電動役物B640aを開閉動作させるための部分であり、電動役物B640aの開放状態において球が第2入賞口640へ入球可能とされる。
一対の回転腕部B25641は、球の直径よりも大きな間隔を空けて対向配置される。これにより、回転腕部B25641の間を球が通過するように球の流路を形成することができるので、第2入賞口640の下流側の流下経路の設計自由度を向上することができる。
即ち、回転腕部B25641が球の直径(11mm)よりも長い間隔を空けて配置されるので、回転腕部B25641の対向間に球を流すことができる。これにより、球の流下経路を上側から囲う態様で伝達部材B25640を配置することができるので、伝達部材B25640と球の流下経路とをコンパクトに配置することができる。
電動役物B640aへの駆動力伝達について説明する。駆動ソレノイドB25110の非励磁の状態において、先端部材B25111の下端部が、伝達部材B25640の先端側延設部B3645と当接している(図200(a)参照)。先端部材B25111はコイルスプリングB25112によって正面側へ付勢されており、この付勢力により伝達部材B25640の姿勢が維持されている。これにより電動役物B640aが閉鎖状態で維持される。
駆動ソレノイドB25110の励磁状態では、先端部材B25111の下端部が、伝達部材B25640の基端側延設部B3644と当接している(図200(b)参照)。先端部材B25111は駆動ソレノイドB25110の駆動力によって背面側へ付勢されており、この駆動力により背面側へ押し込まれる態様で伝達部材B25640の姿勢が維持されている。これにより、電動役物B640aが開放状態で維持される。
従って、先端部材B25111側を上流とする負荷伝達では、下流側に配置される一対の回転腕部B25641は、互いに姿勢を一致させるようにして回転変位する。これに対し、本実施形態では、非固定連結棒部B25645によって左右の回転腕部B25641が相対的に姿勢変化可能に敢えて構成されている。
従って、電動役物B640a側を上流とする負荷伝達(例えば、球の衝突により生じる負荷の伝達や、遊技領域に差し込まれた糸や金属細線などの異物を利用し電動役物B640aに不正に与えられる負荷の伝達)では、左右一対の回転腕部B25641の姿勢を異ならせることができるように構成されている。以下、これについて説明する。
図202(a)から図202(c)は、電動役物B640a及び第2入賞口640の正面図である。図202(a)では、電動役物B640aの閉鎖状態が図示され、図202(b)では、駆動ソレノイドB25110が駆動されたことによって状態が切り替えられた電動役物B640aの開放状態が図示され、図202(c)では、駆動ソレノイドB25110が駆動されていない状態で右側の電動役物B640aが開放状態の位置に強制的に変位させられた状態が図示される。
図202(a)に示すように、電動役物B640aの閉鎖状態では、切替部材B25720が偏心突設部B640bの間の位置に配置されており、偏心突設部B640bの左右変位と連動可能に構成されている。
第2図柄の抽選が当たりとなった場合等において、主制御装置110(図4参照)からの信号に基づいて駆動ソレノイドB25110を励磁し、電動役物B640aを開閉動作させる場合には、予め切替ソレノイドB25710が励磁され、偏心突設部B640bの下端よりも下方(偏心突設部B640bの移動軌跡よりも外方)へ切替部材B25720を予め退避させるように(図202(b)参照)制御プログラムが構成される。
図202(b)に示すように、切替ソレノイドB25710が励磁され、切替部材B25720が下方へ退避した状態では、偏心突設部B640bが切替部材B25720と干渉することなく、電動役物B640aを回転変位させることができる。
一方、図202(c)に示されるのは、駆動ソレノイドB25110が駆動されるタイミングから外れたタイミング等、切替ソレノイドB25710が非励磁の状態で電動役物B640aの一方(例えば、右側の電動役物B640a)が傾倒変位した場合の様子である。
切替装置B25720は依然として偏心突設部B640bの変位軌跡内に配置されているので、切替部材B25720が偏心突設部B640bに押されて左方へ変位し、この切替部材B25720に電動役物B640aの他方(左側の電動役物B640a)が押されることで変位する。これにより、他方の電動役物B640aが第2入賞口640を入球不能に閉鎖する。
従って、駆動ソレノイドB25110(図200(a)参照)からの駆動力によらず電動役物B640aが変位する場合に、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
駆動ソレノイドB25110からの駆動力によらず電動役物B640aが変位する場合としては、例えば、遊技領域を流下する球が衝突した際の衝撃で変位する場合や、不正行為者が遊技領域に異物(例えば、糸や金属細線)を不正に進入させ、その異物を介して電動役物B640aを無理矢理変位させる場合等が例示される。即ち、本実施形態によれば、このように例示される事態が生じても、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、切替部材B25720は左右方向にスライド変位可能とされるので、左側の電動役物B640aが駆動ソレノイドB25110の駆動によらず傾倒変位させられる場合には、右側の電動役物B640aが第2入賞口640を入球不能に閉鎖するように変位する。即ち、負荷が与えられる電動役物B640aが左右いずれの電動役物B640aであっても、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、第2入賞口640を入球に閉鎖する状態としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、本実施形態で例示するように、第2入賞口640の全体は塞がないまでも、球の大きさと第2入賞口640として例示される一般的な入球口の大きさ(図137、案内口B1160参照)との相対関係に基づいて、第2入賞口640の正面視での大きさを球の大きさよりも小さくする程度に塞ぐ態様でも良いし、第2入賞口640の全体を塞ぐような態様でも良い。
本実施形態では、図202(c)に示すように、一対の電動役物B640aの間の距離が球の直径未満となるように設定しており、球が第2入賞口640の正面側に到達することも防止している。
また、第2入賞口640を塞ぐように変位した電動役物B640aの回動先端は、第2入賞口640の左右中心を左右方向に超えるまで変位しているので、第2入賞口640の左右中心を通る鉛直方向に沿って流下する球からの衝突を受けた場合に、その球に対して第2入賞口640から左右方向外方へ遠ざかる方向の負荷を与えることができる。
なお、上述したような電動役物B640aを傾倒変位させる負荷が、左右一対の電動役物B640aの双方に生じた場合には、切替部材B25720を介して、偏心突設部B640b同士が左右方向で押し合う状態となり、偏心突設部B640bの左右内側への変位が切替部材B25720により抑制される。これにより、電動役物B640aの変位を抑制することができるので、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、切替部材B25720は、遊技領域よりも後方に配置されており、遊技領域を流下する球や、遊技領域に進入する異物等が直接的に切替部材B25720に負荷を与えることを防止可能に構成されている。これにより、予定されていないタイミングで第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、図202(c)の状態では、偏心突設部B640bの上下位置がずれており、伝達部材B25640の一対の回転腕部B25641の姿勢が互いにずれることになるが、本実施形態における伝達部材B25640は、上述のように、一対の回転腕部B25641が非固定連結棒部B25645に連結される構成を採用することで、姿勢ずれを許容している。
なお、本実施形態においても、上記各実施形態と同様に、検出センサBSC221,BSC222に対応する装置を配設して、電動役物B640aの状態(姿勢や、動作パターン等の動作態様)を検出可能に構成しても良い。この場合、電動役物B640aが正常に動作しているか否かを、主制御装置110(図4参照)により判定することができ、その判定結果に基づいてエラー報知を実行するように制御することができる。
次いで、第26実施形態について説明する。第26実施形態は、第19実施形態の別形態である。第19実施形態では、案内口B4160及び球案内受部B4260が常に球を受け入れ可能な状態とされる場合を説明したが、第26実施形態における可変入賞装置B26000は、案内口B4160及び球案内受部B4260を開閉する開閉板B26500を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図203は、第26実施形態における可変入賞装置B26000の正面図である。図203に示すように、可変入賞装置B26000は、基礎部材B9100の正面側に張り出す閉鎖位置と、基礎部材B9100の正面側から後方へ退避する開放位置とで前後変位可能に構成される開閉板B26500を備える。
開閉板B26500が閉鎖位置に配置される場合には、案内口B4160及び球案内受部B4260への球の入球を防止可能とされる。また、開閉板B26500を変位させる駆動力を発生させる開閉ソレノイド(図示せず)が励磁され、開閉板B26500が開放位置に配置される場合には、案内口B4160及び球案内受部B4260への入球が許容される。
開閉板B26500の上面は、正面視で左側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として構成されるので、開閉板B26500の上面を転動する球は左側へ流下し易いように構成される。これにより、開閉板B26500が閉鎖位置に配置される場合に案内板B9300が閉鎖状態とされ、転動面B9311に乗っていた複数の球が落下する場合であっても、球案内受部B4260と右側延設部B1220との間であって左右幅が先細りする範囲に複数球が流れ込み、球の流下が阻害される事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、案内板B9300は、第1ソレノイドB1410(図167参照)で駆動され、開閉板B26500は、第1ソレノイドB1410とは異なる駆動装置(例えば、第2ソレノイドB1610又は第2ソレノイドB2610等)によって駆動される。そのため、案内板B9300と開閉板B26500とは、主制御装置110(図4参照)の制御に基づいて独立して動作可能に構成される。
ここで、案内板B9300と開閉板B26500との変位の係合状態と、解除状態とを切替可能な態様で、上述の切替装置B23800(図193参照)を採用するようにしても良い。即ち、主制御装置110の制御に基づいて案内板B9300や開閉板B26500が駆動される場合には独立して動作可能(係合を解除可能)な一方で、主制御装置110の制御によらず、不正の負荷により案内板B9300又は開閉板B26500が強制的に変位させられる場合には連動する(係合される)ように構成しても良い。
この場合、不正の負荷が生じたとしても、案内板B9300が後方に配置される(閉鎖状態)と共に開閉板B26500が前方に配置される(閉鎖状態)状態か、案内板B9300が前方に配置される(開放状態)と共に開閉板B26500が後方に配置される(開放状態)状態かに、取り得る状態を限定することができる。
案内口B4160への入球のためには、案内板B9300が後方に配置される(閉鎖状態)と共に開閉板B26500が後方に配置される(開放状態)ことが必要になるので、案内口B4160への不正の入球を防止することができる。
なお、案内口B4160の機能は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入球に伴い賞球の払い出しが生じる賞球口でも良いし、賞球の払い出しが生じないアウト口でも良いし、図柄の抽選を伴う始動口でも良いし、球通過により遊技者が有利な状態を獲得するための特定領域を下流側に有するV入球口でも良いし、球通過により遊技者が不利な状態を獲得するための転落領域を下流側に有する転落入球口でも良い。
次いで、第27実施形態について説明する。第27実施形態は、第19実施形態または第26実施形態の別形態である。第19実施形態では、第1検出センサB1230の開口を通過した球が排出路まで流下する経路は一通りである場合を説明したが、第27実施形態における可変入賞装置B27000は、第1検出センサB1230の下流側の経路が枝分かれしており、複数通りの経路で球が流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図204は、第27実施形態における可変入賞装置B27000の正面図である。図204に示すように、可変入賞装置B27000は、基礎部材B9100の正面側に張り出す閉鎖位置と、基礎部材B9100の正面側から後方へ退避する開放位置とで前後変位可能に構成される開閉板B27500を備える。
また、可変入賞装置B27000は、第1検出センサB1230の開口の下流側に球を配置可能な分岐範囲B27180を備える。その分岐範囲B27180は、開閉板B27500の真下において球が通過可能に形成される有利側入球口B27181と、開閉板B27500の上面を右側へ転動した球が通過可能に形成される不利側入球口B27182と、を備える。
本実施形態では、大当たり中に有利側入球口B27181への入球が検出されることにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態(確変中)となる権利を付与可能に構成される(特定領域として機能する)。一方、大当たり中に不利側入球口B27182への入球しか検出されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態(時短中)となるように構成される(非特定領域として機能する)。即ち、不利側入球口B27182への入球により遊技者に与えられる利益は、有利側入球口B27181への入球により遊技者に与えられる利益よりも低く設定される。
なお、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182への入球により生じる利益は、これに限られるものではない。例えば、小当たり遊技で案内板B9300が開閉するように制御し、有利側入球口B27181への入球により大当たり遊技へ移行する権利を獲得可能に構成しても良い(所謂、一種二種混合機として構成しても良い)。
分岐範囲B27180に入球した球が有利側入球口B27181へ入球するのか、不利側入球口B27182へ入球するのかは、開閉板B27500の作動パターンにより制御可能とされる。
開閉板B27500が開放位置(薄板部材B1110の板前面よりも後方に退避した位置)に配置される場合には、有利側入球口B27181への球の入球が許容される。また、開閉板B27500を変位させる駆動力を発生させる開閉ソレノイド(図示せず)が励磁され、開閉板B27500が閉鎖位置(薄板部材B1110の板前面よりも前方に張り出した位置)に配置される場合には、有利側入球口B27181への球の入球を防止可能とされる。
開閉板B27500の上面は、正面視で右側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として構成されるので、開閉板B27500の上面を転動する球は右側へ流下し易いように構成される。これにより、開閉板B27500が閉鎖位置に配置される場合に開閉板B27500の上面を転動する球を不利側入球口B27182へ滑らかに案内することができる。
本実施形態では、案内板B9300は、第1ソレノイドB1410(図167参照)で駆動され、開閉板B27500は、第1ソレノイドB1410とは異なる駆動装置(例えば、第2ソレノイドB1610又は第2ソレノイドB2610等)によって駆動される。そのため、案内板B9300と開閉板B27500とは、主制御装置110(図4参照)の制御に基づいて独立して動作可能に構成される。
ここで、案内板B9300と開閉板B27500との変位の係合状態と、解除状態とを切替可能な態様で、上述の切替装置B23800(図193参照)を採用するようにしても良い。即ち、主制御装置110の制御に基づいて案内板B9300や開閉板B27500が駆動される場合には独立して動作可能(係合を解除可能)な一方で、主制御装置110の制御によらず、不正の負荷により案内板B9300又は開閉板B27500が強制的に変位させられる場合には連動する(係合される)ように構成しても良い。
この場合、閉鎖状態の案内板B9300に対して不正の負荷が与えられ、開放状態へ向けて強制的に変位させられることで第1検出センサB1230の開口に球が入球可能となる事態が生じたとしても、その案内板B9300の変位に伴って開閉板B27500を閉鎖位置へ変位させることができる。そのため、球が有利側入球口B27181に入球することを防止することができる。従って、不正の手段で有利側入球口B27181への入球が生じることを防止することができる。
なお、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182の機能は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入球に伴い賞球の払い出しが生じる賞球口でも良いし、賞球の払い出しが生じないアウト口でも良いし、図柄の抽選を伴う始動口でも良いし、球通過により遊技者が有利な状態を獲得するための特定領域を下流側に有するV入球口でも良いし、球通過により遊技者が不利な状態を獲得するための転落領域を下流側に有する転落入球口でも良い。
また、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182の機能に差がある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182の機能を同一に設定しても良い。また、有利不利を逆転させて設定しても良い。
なお、開閉板B27500について、ソレノイドの励磁により閉鎖位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ソレノイドの非励磁状態において閉鎖位置に配置され、ソレノイドが励磁されることで開放位置へ変位するようにしても良い。
なお、開閉板B27500が駆動装置で駆動されると説明したが、その駆動態様は何ら限定されるものではない。例えば、案内板B9300の作動のタイミングを基準として、所定時間経過後に開閉動作するように制御しても良いし、電源投入から常に一定動作する態様で開閉動作するように制御しても良い。
次いで、図205から図220を参照して、第28実施形態におけるセンターフレームC86について説明する。
第1実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第28実施形態におけるセンターフレームC86は、上側フレームC86aと下側フレームC86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図205は、第28実施形態における遊技盤C13の正面図である。図205に示すように、センターフレームC86は、ベース板60の窓部60a(図90参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームC86aと下側フレームC86bとを備える。
上側フレームC86aは、ベース板60の窓部60a(図90参照)における上側(図205上側)及び左右(図205左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームC86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図205下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームC86a及び下側フレームC86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームC86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図90参照)における下側(図205下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームC86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームC86bについて説明する。図206は、下側フレームC86bの正面斜視図であり、図207は、下側フレームC86bの背面斜視図である。なお、図206及び図207では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図206及び図207に示すように、下側フレームC86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COPinと、その受入口COPinに連通される第1通路CRt1と、その第1通路CRt1を案内された球が流下される第2通路CRt2と、その第2通路CRt2を案内された球(第2通路CRt2をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第3通路CRt3と、その第3通路CRt3を案内された球が振分部材C170により振り分けられて流下される第4通路CRt4及び第5通路CRt5と、第4通路CRt4を案内された球が流下される第6通路CRt6と、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COPoutとが形成される(図214及び図215参照)。
なお、上側フレームC86aには、上側フレーム通路CRt0(図205参照)が形成される。上側フレーム通路CRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図205左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路CRt0の下流端に下側フレームC86bの受入口COPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路CRt0に流入(入球)した球は、受入口COPinを介して、上側フレーム通路CRt0から下側フレームC86bの第1通路CRt1へ流入(入球)される。
下側フレームC86bには、球の重さにより動作する振分部材C170が配設されており(図214及び図215参照)、連なった状態の球が第3通路CRt3を案内される場合には、先行する球が第4通路CRt4へ振り分けられる一方、後行する球が第5通路CRt5へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第4通路CRt4へ振り分けられる。
ここで、第5通路CRt5の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt5へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt6には、その第6通路CRt6を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図205左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt6には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt4へ振り分けられた球は、第6通路CRt6において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt5へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC86bは、連なった状態の球が第3通路CRt3へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第4通路CRt4)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt5))へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図206から図207に加え、図208から図220を参照して、下側フレームC86bの詳細構成について説明する。
図208は、下側フレームC86bの分解正面斜視図であり、図209は、下側フレームC86bの分解背面斜視図である。図210は、下側フレームC86bの上面図であり、図211は、下側フレームC86bの正面図であり、図212は、下側フレームC86bの背面図である。図213(a)は、図211の矢印CCXIIIa方向視における下側フレームC86bの側面図であり、図213(b)は、図211の矢印CCXIIIb方向視における下側フレームC86bの側面図である。
図214及び図215は、図210のCCXIV−CCXIV線における下側フレームC86bの断面図であり、図216は、図211のCCXVI−CCXVI線における下側フレームC86bの断面図である。図217(a)は、図214のCCXVIIa部における下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図217(b)は、図210のCCXVIIb−CCXVIIb線における下側フレームC86bの部分拡大断面図である。なお、図214では、振分部材C170が第1位置に配置された状態が、図215では、振分部材C170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図206から図217に示すように、下側フレームC86bは、正面部材C110と、その正面部材C110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C120と、正面部材C110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C130と、その背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C140と、背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される第2中間部材C150と、背面部材C130及び第2中間部材C150の対向間に介設される第1介設部材C160及び振分部材C170と、正面部材C110並びに第1及び第2中間部材C140,C150の対向間に介設される第2介設部材C180と、背面部材C130の背面に配設される装飾部材C190及び迂回部材C200と、を備える。
なお、下側フレームC86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C170及び装飾部材C190が背面部材C130に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図206参照)。
また、下側フレームC86bは、振分部材C170及び装飾部材C190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C170及び装飾部材C190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt1から第6通路CRt6を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C170による振り分け動作とその動作に伴う装飾部材C190の変位を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC86bは、第1中間部材C140または第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第3通路CRt3における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C170による振り分け動作との少なくとも一方または両方を遊技者に視認させられる一方で、後行する球が振分部材C170により第5通路CRt5に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態ではほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt5を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C170及び装飾部材C190は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt3を通過する球や振分部材C170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112と、それら正面部C111及び底面部C112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部C113とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C180の底面が対向配置され、底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、第2介設部材C180に貫通形成した貫通孔を第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
連結部C113には、受入口COPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口COPinは、上述したように、上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0から球を受け入れる開口である。なお、ベース板60にセンターフレームC86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームC86aの背面が正面部C111及び連結部C113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路CRt0の下流端と受入口COPinとが連通される。
皿部材C120は、通路の底面を形成する上側底面部C121及び下側底面部C122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C123及び下側側壁部C124とを備える。
上側底面部C121は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共に、受入口COPinから離間する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部C121は、受入口COPinよりも鉛直方向下方(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路CRt0との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材C120は、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部C121には、その幅方向(矢印L−R方向)中央に断面コ字状の凹溝C121aが凹設される(図217参照)。凹溝C121aは、前後方向(矢印F−B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝C121の溝幅(矢印L−R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝C121aの溝深さ(矢印U−D方向の寸法)は、凹溝C121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部C121上の球を2箇所(上側底面部C121と凹溝C121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝C121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路CRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を落下させると共に、上側底面部C121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121(第1通路CRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部C121(第1通路CRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部C123は、上側底面部C121(第1通路CRt1)の上流側および下流側の端部と、上側底面部C121(第1通路CRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部C123には、上側底面部C121(第1通路CRt1)の下流側の端部に切り欠き部C123aが切り欠き形成され、この切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図217(b)参照)。
下側側壁部C124は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C122(第2通路CRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C122は、上面視において、上側底面部C121と平行に並設され、上側底面部C121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部C122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C123における切り欠き部C123aに対応する位置では、下側側壁部C124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側側壁部C124には、円弧状に湾曲した下側底面部C122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C122の長手方向における一端側)に上側底面部C121(第1通路CRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ流入する場合に、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C122(第2通路CRt2)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F−B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図210参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C122(第2通路CRt2)に流下した球が、かかる下側底面部C122(第2通路CRt2)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図217参照)。これにより、下側底面部C122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C122(第2通路CRt2)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C122(第2通路CRt2)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C122の円弧形状(下側底面部C122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図217(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材C120は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の延設方向を前後方向(矢印F−B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部C122(第2通路CRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材C130は、板状に形成される本体部C131と、その本体部C131の正面から立設される下ストッパ部C132、上ストッパ部C133及び軸支座部C134とを備える。
本体部C131には、その本体部C131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt5)を連通するための開口である開口C131aが開口形成される。開口C131aの下方には、本体部C131の外縁を窪ませた凹部C131bが形成される。凹部C131bは、迂回部材C200との対向間に第5通路CRt5の一部を形成する。
下ストッパ部C132は、振分部材C170が下方へ変位された際に、その振分部材C170の下面に当接可能に形成され、振分部材C170の第2位置を規定する(図215参照)。一方、上ストッパ部C133は、振分部材C170が上方へ変位された際に、その振分部材C170の上面に当接可能に形成され、振分部材C170の第1位置(所定位置)を規定する(図214参照)。
軸支座部C134は、軸C192を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C192は、装飾部材C190に固着されており、本体部C131の背面から挿通された軸C192に振分部材C170が回転不能に連結されることで、振分部材C170及び装飾部材C190が一体となって本体部C131(軸支座部C134)に回転可能に軸支される。また、軸C192は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う姿勢で軸支座部C134に軸支される。
第1中間部材C140は、板状の本体部C141と、その本体部C141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C142、天面部C143及び通路部C144とを備え、背面部材C130の正面視左側に配設される。
第1中間部材C140が背面部材C130に配設された状態では、底面部C142、天面部C143及び通路部C144の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。これにより、背面部材C130と第1中間部材C140(本体部C141、底面部C142及び天面部C143)とに区画された空間により第3通路CRt3が形成されると共に、背面部材C130と第1中間部材C140(通路部C144)と第2位置にある振分部材C170とにより区画された空間により第4通路CRt4が形成される(図215参照)。
なお、底面部C142は、皿部材C120側から振分部材C170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C144は、第2位置にある振分部材C170に対向する位置に形成される対向部C144aと、球の転動面を形成する底面部C144bとを備え、底面部C144bは、第2位置にある振分部材C170側から対向部C144a側へ向けて下降傾斜されると共に、背面部材C130側から正面部材C110側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、第2位置へ変位した振分部材C170から球を第4通路CRt4に受け入れると共にその球を第6通路CRt6へ流出(転動)させることができる。
ここで、皿部材C120の下側底面部C122(第2通路CRt2)は前後方向(矢印F−B方向)に沿って球を転動させ、皿部材C120から底面部C142へは、左右方向(矢印L−R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)球が流下され、底面部C142(第3通路CRt3)は皿部材C120から流下された球を左右方向(矢印L−R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)転動させる。
この場合、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動によって先行の球CB1及び後行の球CB2(図218参照)の間隔が決定されるところ、それら両球CB1,CB2は、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ左右方向に沿って流下されると共に、底面部C142(第3通路CRt3)を左右方向に沿って流下(転動)されるので、両球CB1,CB2の間隔を正面視により確認可能とし、遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C150は、板状の本体部C151と、その本体部C151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C152とを備え、背面部材C130の正面視右側に配設される。第2中間部材C150が背面部材C130に配設された状態では、底面部C152の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。
本体部C151には、その外縁を窪ませた凹部C151aが形成される。底面部C152は、その下面に迂回部材C200(樋部C203)が対向配置され、凹部C151a及び底面部C152と迂回部材C200(樋部C203)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、迂回部材C200を筒状に形成して第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
第1介設部材C160は、第5通路CRt5の一部における球の転動面を形成する部材であり、背面部材C130と第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、背面部材C130と第2中間部材C150(本体部C151)と第1介設部材C160とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される。
第1介設部材C160は、その延設方向(矢印L−R方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図215参照)。よって、振分部材C170によって第1介設部材C160(第5通路CRt5)に振り分けられた球を、第1介設部材C160上で往復動させた後、開口C131aへ流出させることができる。
これにより、例えば、振分部材C170によって振り分けられた球を開口C131aへ直接流出させる構成と比較して、開口C131aへ流出するまでに要する時間を長くすることができる。即ち、第1入賞口64に入球(入賞)する確率が高い状態の形成を期待する遊技者に対し、かかる状態が形成されたことを気づかせ易くできると共に、かかる状態を楽しむ時間を確保させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1介設部材C160には、背面部材C130の開口C131aに対応する位置(即ち、第1介設部材C160の転動面の内の鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C160aが凹設される。流出面C160aは、第1介設部材C160を案内される球を、開口C131aへ流出させるための部位であり、開口C131aへ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
振分部材C170は、嵌合穴C171aが一側に形成される本体部C171と、その本体部C171の嵌合穴C171aが形成される側と反対側となる他側に形成される受入部C172と、本体部C171の上面側に形成される転動部C173とを備え、嵌合穴C171aに嵌合された軸C192(軸支座部C134)を中心として回転可能とされる。
嵌合穴C171aは、断面D字状の穴として形成され、その断面形状に一致した断面形状を有する軸C192が嵌合されることで、本体部C171に軸C192が回転不能に固着される。軸C192は、装飾部材C190にも回転不要に固着されており、よって、軸C192を介して、本体部C171(振分部材C170)と装飾部材C190とが一体化(1のユニットとして形成)される。
この場合、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットは、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C170と反対側、図214右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C170は、受入部C172側が上昇され(正面視において軸C192を中心として時計回りに回転され)、上ストッパ部C133に回転が規制された状態(第1位置(所定位置)に配置された状態)とされる(図214参照)。
一方、振分部材C170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C170が配設される側、図214左側)に偏心される。よって、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C170は、受入部C172側が下降され(正面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C132に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図215参照)。
装飾部材C190は、本体部C191の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされ、振分部材C170の第1位置と第2位置との間の変位(回転)に伴って、装飾部材C190(本体部C191)も回転され、遊技者から視認される位置(形態)が変化される。よって、かかる装飾部材C190の位置(形態)に基づいて、振分部材C170の状態(即ち、球の振り分け方向)を遊技者に認識させることができる。また、振分部材C170を変位させるための錘としての役割と、球の振り分け方向を認識させる部位としての役割とを装飾部材C190に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
なお、振分部材C170が第2位置に配置された後、受入部C172から第1中間部材C140の通路部C144へ球が排出(流出)されると、振分部材C170は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重心位置の軸C192からの偏心)の作用により、第1位置(所定位置)へ復帰される。
このように、振分部材C170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C173へ到達させる可能性を付与できる(図218から図220参照)。
受入部C172は、第1位置において第3通路CRt3に対向する位置に形成される対向部C172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C172bとを備える。
受入部C172は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交し、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図214参照)。
ここで、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C172aの転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第3通路CRt3へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C172aは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から受け入れた球を対向部C172aにより受け止めて、第3通路CRt3へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142(通路部C144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C172に受け入れた球が早期に第1中間部材C140の通路部C144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C172bは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C172に受け入れた球が第1中間部材C140の通路部C144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C170を第2位置に確実に到達させることができる。
なお、上述した理由(第3通路CRt3への逆流防止)により、対向部C172aを、転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C172は、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の通路部C144へ向けて下降傾斜するように形成される(図215参照)。これにより、受入部C172に受け入れた球を、第1中間部材C140の通路部C144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C172bを転動している間、その球の重量を振分部材C170に作用させ、振分部材C170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C173(第5通路CRt5)へ案内可能な状態)に維持しやすくできる。
転動部C173は、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球を、第2介設部材C160(第5通路CRt5)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)の下流端と、第2介設部材C160(第5通路CRt5)の上流端との間に位置(架設)される。
転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)は、受入部C172の対向部C172aから突出して形成される。即ち、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)には、対向部C172aから上流側(第1中間部材C140(第3通路CRt3)側、矢印L方向)へ向けて突出される板状の部位が形成される。この板状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球が受入部C172へ流入されると、その球の重量で振分部材C170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C170の下面が下ストッパ部C132に当接されることで、振分部材C170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C132に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C142(転動面)の下流端と転動部C173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C142の下流端よりも転動部C173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
更に、振分部材C170は、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)が、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成される。即ち、転動部C173の上流側の端面は、転動部C173の転動面側の縁部よりも、受入部C172(対向部C172a)側の縁部の方が、第1中間部材C140に近接される形状に形成される。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
受入部C172と転動部C173とは、C192に対して、同じ側(球の重量により振分部材C170を回転させる方向が同じとなる側)に配置される。よって、受入部C172に受け入れた球の重量により振分部材C170が第2位置に配置された後、球が受入部C172から排出されたとしても、転動部C173を転動する球の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持することができる。即ち、第5通路CRt5へ案内する球がある場合、その球の重量を利用して、振分部材C170の姿勢を、球を第5通路CRt5へ案内するための姿勢に維持させることとができる。
よって、受入部C172に受け入れた球(底面部C172bを転動する球)の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持する必要がなく、かかる底面部C172bの延設長さを短くすることができ、その分、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
ここで、振分部材C170は、底面部C142(第3通路CRt3)から受入部C172へ向けて球が転動する方向(受入部C172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C172が球を受け入れる方向と受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C170(受入部C172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C172に滞留される球の重量を利用して振分部材C170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C173において球を安定して転動させることができる。
また、球の反転を利用して、その滞留時間を確保できることで、その分、受入部C172における底面部C172bの延設長さを短くして、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
第2介設部材C180は、第6通路CRt6における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C111と第1中間部材C140及び第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、正面部材C110と第1中間部材C140及び第2中間部材C150と第2介設部材C180とに区画された空間により第6通路CRt6が形成される。
第2介設部材C180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C180(第6通路CRt6)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt6の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C110の底面部C112との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。
装飾部材C190は、板状に形成される本体部C191と、その本体部C191に固着される軸C192とを備え、上述したように、軸C192を介して、振分部材C170に連結(一体化)される。なお、本体部C191の正面には、キャラクターなどの図柄が印刷やシールの添付により表示され、そのキャラクターの動き(変位)に基づいて、振分部材C170の動作が遊技者に視認可能とされる。
なお、軸C192は、ベース板60(図205参照)に直交する姿勢で配置される。よって、下側フレームC86bの前後方向(矢印F−B方向)寸法の小型化を図ることができる。
迂回部材C200は、板状の本体部C201と、その本体部C201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C202と、その壁面部C202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C203とを備え、開口C131aに対向する位置において、背面部材C130の背面側に配設される。
迂回部材C200が背面部材C130に配設された状態では、壁面部C202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C130(本体部C131)の背面に当接され、且つ、樋部C203の立設先端(矢印F方向側)が第2中間部材C150(本体部C151)の背面に当接されると共に、樋部C203の縁部が第2中間部材C150(底面部C152)の底面に当接される。
これにより、背面部材C130(本体部C131)と迂回部材C200(本体部C201及び壁面部C202)とに区画された空間、及び、第2中間部材C150(底面部C152)と迂回部材C200(樋部C203)とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される(図216参照)。
なお、樋部C203は、背面部材C130側から第2中間部材C150側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C130の開口C131aから迂回部材C200内へ流入された球を樋部C203上を転動させて、正面部材C110の底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt5へ流入させることができる。
次いで、振分部材C170による球の振り分け動作について説明する。図218から図220は、振分部材C170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
なお、図218(a)及び図218(b)は、振分部材C170が第1位置に配置された状態を示し、図214に対応する。図219(b)及び図220は、振分部材C170が第2位置に配置された状態を示し、図215に対応する。
図218(a)に示すように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、受入部C172は、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C172は、底面部C142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C172aが配置され、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C172bが配置される。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C173は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C173は、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C172bが配置される。なお、転動部C173と、底面部C142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の天面部C143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。但し、かかる間隔を球の直径よりも大きな間隔としても良い。
第1中間部材C140の底面部C142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図218(b)に示すように、球CB1が振分部材C170の受入部C172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C172aに当接され(受け止められ)、受入部C172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。上述したように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、天面部C143の下流端と、転動部C173の上流端との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定されるので、球CB2が、球CB1を乗り越えて、転動部C173へ流入されることを抑制できる。即ち、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図218(b)に示すように、球CB1が受入部C172に受け入れられると、図219(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C170に作用される。
ここで、受入部C172は、対向部C172aの底面部C172bに連結される側の領域と、底面部C172bの対向部C172aに結される側の領域とが、即ち、対向部C172aと底面部C172bとの連結部分が、軸C192側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図219(a)と図219(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C172(対向部C172aと底面部C172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C192と反対側の外縁)よりも、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)の軌跡が、軸C192に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図219(a)に示す状態から振分部材C170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、球CB1が通路部C144へ向けて底面部C172bを転動されると共に、球CB2が転動部C173に流下される(転動部C173に受け入れられる)。
図219(b)及び図220に示すように、振分部材C170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C172から通路部C144(第4通路CRt4)へ流入されると共に、球CB2が転動部C173を転動して、第1介設部材C160(第5通路CRt5)へ流入される。
球CB1,CB2が第4通路CRt4及び第5通路CRt5へ流入された後は、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。なお、振分部材C170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C173到達し、その転動部C173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C173を転動して第5通路CRt5へ流入(案内)される。
上述したように、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)は、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成されるので、振分部材C170が第2位置から第1位置へ変位(回転)を開始した後であっても、転動部C173の上流側の傾斜面(端面)を利用して、第3の球を転動部C173へ流入させ易くできる。
なお、振分部材C170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第4通路CRt4へ振り分けられる。
以上のように、第28実施形態における下側フレームC86bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図221から図236を参照して、第29実施形態におけるセンターフレームC2086について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図221は、第29実施形態における下側フレームC2086bの正面斜視図であり、図222は、下側フレームC2086bの背面斜視図である。なお、図221及び図222では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC2086bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図221及び図222に示すように、下側フレームC2086bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COP2000inと、その受入口COP2000inに連通される第1通路CRt2001と、その第1通路CRt2001を案内された球(第1通路CRt2001をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第2通路CRt2002と、その第2通路CRt2002を案内された球が振分部材C2170により振り分けられて流下される第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004と、第3通路CRt2003を案内された球および第4通路CRt2004から落下した球(第4通路CRt2004の終端に到達しなかった球)が流下される第6通路CRt2006と、第4通路CRt2004を案内された球(第4通路CRt2004の終端に達した球)が流下される第5通路CRt2005と、その第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COP2000outとが形成される(図229及び図230参照)。
なお、第29実施形態におけるセンターフレームは、上側フレーム(図示せず)と下側フレームC2086bとから構成される。第29実施形態における上側フレームは、その上側フレーム通路(図示せず)の形状が、第28実施形態における上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0と異なる点を除き、他の構成は第28実施形態における上側フレームC86aと同一の構成であるので、その説明は省略する。
上側フレーム通路は、遊技領域のうちの正面視左側(図205左側)の領域(センターフレーム(上側フレーム)とレール61(図205参照)との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路の下流端に下側フレームC2086bの受入口COP2000inが連通される。即ち、遊技領域から上側フレーム通路に流入(入球)した球は、受入口COP2000inを介して、上側フレーム通路から下側フレームC2086bの第1通路CRt2001へ流入(入球)される。
下側フレームC2086bには、球の重さにより動作する振分部材C2170が配設されており(図229及び図230参照)、連なった状態の球が第2通路CRt2002を案内される場合には、先行する球が第3通路CRt2003へ振り分けられる一方、後行する球が第4通路CRt2004へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第3通路CRt2003へ振り分けられる。
ここで、第4通路CRt4の終端に達した球は、第5通路CRt5へ流下されるところ、第5通路CRt2005の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt2005を案内された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt2006には、その第6通路CRt2006に案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図205左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt2006には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt2004へ振り分けられた球は、第6通路CRt2006において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt2005を案内される球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC2086bは、第28実施形態の場合と同様に、連なった状態の球が第2通路CRt2002へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第3通路CRt2003)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt2005))へ球を流下させる第4通路CRt2004へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、本実施形態では、第4通路CRt2004を案内される球が途中で第6通路へ落下可能に形成され、落下せずに第4通路CRt2004の終端に達した球のみが第5通路CRt2005へ流下(流入)可能とされる。そのため、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、連なった状態の球のうちの後行する球が第4通路CRt2004に振り分けられた後は、かかる第4通路CRt2004の終端まで球が落下せずに達することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図221から図222に加え、図223から図236を参照して、下側フレームC2086bの詳細構成について説明する。
図223は、下側フレームC2086bの分解正面斜視図であり、図224は、下側フレームC2086bの分解背面斜視図である。図225は、下側フレームC2086bの上面図であり、図226は、下側フレームC2086bの正面図であり、図227は、下側フレームC2086bの背面図である。図228(a)は、図226の矢印CCXXVIIIa方向視における下側フレームC2086bの側面図であり、図228(b)は、図226の矢印CCXXVIIIb方向視における下側フレームC2086bの側面図である。
図229及び図230は、図225のCCXXIX−CCXXIX線における下側フレームC2086bの断面図である。図231は、図227のCCXXXI−CCXXXI線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図232は、図227のCCXXXII−CCXXXII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図でる。なお、図229では、振分部材C2170が第1位置に配置された状態が、図230では、振分部材C2170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図221から図232に示すように、下側フレームC2086bは、正面部材C2110と、その正面部材C2110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C2120と、正面部材C2110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C2130と、その背面部材C2130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C2140、第2中間部材C2150、第1介設部材C2160、磁性部C2400及び受け部材C2500と、背面部材C2130及び第1中間部材C2140の対向間に介設される振分部材C2170と、正面部材C2110及び背面部材C2130の対向間に介設される第2介設部材C2180と、背面部材C2130の背面に配設される迂回部材C2200及び磁石C2300と、を備える。
なお、下側フレームC2086bは、各部材どうしそれぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C2170が背面部材C2130及び第1中間部材C2140に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図221参照)。
また、下側フレームC2086bは、振分部材C2170を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C2170が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt2001から第6通路CRt2006を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C2170による振り分け動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC2086bは、少なくとも第1中間部材C2140が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第2通路CRt2002における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C2170による振り分け動作とを遊技者に視認させられると共に、後行する球が振分部材C2170により第4通路CRt2004に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態では第5通路CRt2005に流入されれば、ほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt2005を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C2170は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C2140が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C2140に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt2003を通過する球や振分部材C2170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C2110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC2086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C2180の底面が対向配置される。なお、底面部C112には、流出口COPoutに連通する筒状の部位が形成され、この筒状の部位が第5通路CRt2005の一部とされる。よって、第5通路CRt2005の内壁面に正面部材C2110と第2介設部材C180との重なり部分(継ぎ目)が形成されないので、流出口COPoutから第5通路CRt2005内を遊技者が覗き込んだ際の外観を良くすることができると共に、重なり部分(継ぎ目)から針金等の異物が侵入されることを回避できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
皿部材C2120は、通路の底面を形成する上側底面部C2121及び下側底面部C2122と、通路の側壁を形成する側壁部C2124を備える。
上側底面部C2121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印L−R方向)に沿って延設されると共に、受入口COP2000inから離間する方向(矢印
方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
下側底面部C2122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図217(b)参照)。
側壁部C2124は、上側底面部C2121(第1通路CRt2001)の通路幅と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C2122は、上面視において、上側底面部C2121と略90度に交差され、上側底面部C2121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C2122の長手方向における一端側(矢印F方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
側壁部C2124には、円弧状に湾曲した下側底面部C2122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)から底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C2122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C2122の長手方向における一端側)に上側底面部C2121から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C2121から下側底面部C2122(第1通路CRt2001)へ流入する場合に、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C2122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を案内される球を、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出させるための部位であり、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C2122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C2142(第2通路CRt2002)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C2122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F−B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図225参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C2124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C2124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C2122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C2122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に流下した球が、かかる下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C2122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図229参照)。これにより、下側底面部C2122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する側壁部C2124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C2122(第1通路CRt2001)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C2122の円弧形状(下側底面部C2122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図217(b)及び図228(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させ易くできる。
背面部材C2130は、板状に形成される本体部C2131と、その本体部C2131の正面から立設される軸支座部C2134とを備える。
本体部C2131には、その本体部C2131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt2005)を連通するための開口である開口C2131aと、振分部材C2170(錘C2175)との干渉を回避するための開口である開口C2131cとが開口形成される。開口C2131aの下方には、本体部C2131の外縁を窪ませた凹部C2131bが形成される。凹部C2131bは、迂回部材C2200との対向間に第5通路CRt2005の一部を形成する。
軸支座部C2134は、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C2174は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う姿勢で軸支座部C2134と第1中間部材C2140の軸支座部C2141bとに軸支される。
第1中間部材C2140は、板状の本体部C2141と、その本体部C2141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2142、天面部C2143、通路部C2144及び下ストッパ部C2145とを備え、背面部材C2130の正面視左側に配設される。
本体部C2141には、その本体部C2141の正面側と背面側とに形成される通路(第3通路CRt2003及び第6通路CRt2006)を連通するための開口である開口C2141aが形成される。また、本体部C2141の背面からは、軸支座部C2141bが立設される。軸支座部C2141bは、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。
第1中間部材C2140が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2142及び天面部C2143の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。これにより、背面部材C2130と第1中間部材C2140(本体部C2141、底面部C2142及び天面部C2143)とに区画された空間により第2通路CRt2002が形成されると共に、背面部材C2130と第1中間部材C2140(底面部C2142及び通路部C2144)と第2位置にある振分部材C2170とにより区画された空間により第3通路CRt2003が形成される(図230参照)。
底面部C2142は、皿部材C2120側から振分部材C2170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C2144は、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)と開口C2141aとの対向間に位置し、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)側から開口C2141a側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、通路部C2144は、第2位置へ変位した振分部材C2170から球を受け入れると、その球を開口C2141aを介して第6通路CRt2006へ流出(転動)させることができる。
なお、底面部C2142は、振分部材C2170(底面部C2172b)が上方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の上面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第1位置を規定する(図229参照)。一方、下ストッパ部C2145は、振分部材C2170(底面部C2172b)が下方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の下面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第2位置を規定する(図230参照)。
なお、振分部材C2170は、第1位置から第2位置に変位(回転)されると、転動部C2173の上面(転動面)が上方へ変位(上昇)される。即ち、振分部材C2170が第2位置に配置された状態における底面部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態における底面部C2173の上面(転動面)よりも上方(矢印U側)に位置される。
第2中間部材C2150は、板状の本体部C2151と、その本体部C2151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2152及び壁面部C2153,C2154とを備え、第1中間部材C2140との間に所定の間隔を隔てつつ、背面部材C2130の正面視右側に配設される。
なお、本実施形態では、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との間の対向間隔(矢印L−R方向の間隔)が、受け部材C2500の長手方向(矢印L−R方向)寸法に球の直径の少なくとも2倍以上の大きさを加算した寸法よりも大きな値に設定される。よって、受け部材C2500の長手方向(矢印L−R方向)両側(第1中間部材C2140との間、及び、第2中間部材C2150との間の両方)に、球が通過可能な空間をそれぞれ確保することができる。よって、球の流下する方向の種類(バリエーション)を増やし、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152が、背面部材C2130の開口C2131aに連通可能となる位置に配置されると共に、開口2131aへ向けて下降傾斜される。よって、底面部C2152は、第4通路CRt2004の終端に達した球(磁性部C2400の終端から落下した球)を受け入れると、その球を開口C2131a内へ流入(転動)させることができる。即ち、底面部C2152の上面側に第5通路CRt2005の一部が形成される。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152及び壁面部C2153,C2154の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。また、底面部C2152の上面(転動面)の縁部に沿って本体部C2151及び壁面部C2153,C2154が所定量だけ上方(矢印U方向)へ突出される。
磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153は、第4通路CRt2004を案内される球の移動方向(磁性部C2400の下縁(球を吸着する縁部)に沿う方向)の延長線と交差する面を形成する。これにより、第4通路CRt2004から排球された(磁性部C2400から落下した)球を、壁面部C2153により直接受け止めて、或いは、底面部C2152でバウンドした(跳ね上がった)後に壁面部C2153により受け止めて、底面部C2152上へ落下させることができる。なお、実施形態では、壁面部C2153は、磁性部C2400の終端(矢印R方向の端部)における下縁(球が吸着される縁部)よりも高い位置まで形成される。
一方、底面部C2152の上面からの突出寸法は、磁性部C2400に近い側に位置する壁面部C2154の突出寸法、及び、本体部C2151の突出寸法が、磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153の突出寸法よりも小さく(低く)される。これにより、底面部2152(第5通路CRt2005)から第1介設部材C2160又は第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)へ球が落下可能として、遊技の興趣を高められる。なお、壁面部C2154及び本体部C2151の突出寸法は、球の直径よりも小さくされることが好ましい。
受け部材C2500は、上面(転動面)を形成する第1底面部C2501及び第2底面部C2502を備え、第1中間部材C2140と第2中間部材2150との対向間であって、磁性部C2400の下方(矢印U方向側)となる位置に配設される。よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を第1底面部C2501及び第2底面部C2502で受け止めて、第1介設部材C2160へ流下(転動)させることができる。
第1底面部C2501は、第2底面部C2502との接続部から第1中間部材C2140側(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成され、第2底面部C2502は、第1底面部C2501との接続部から第2中間部材C2150側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、第1底面部C2501及び第2底面部C2502は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて下降傾斜される(図232参照)。
上述したように、受け部材C2500の長手方向(矢印L−R方向)両側には、第1中間部材C2140及び第2中間部材C2150との間に少なくとも球1個分の空間がそれぞれ形成される。
よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L−R方向)に転動させて、第1介設部材C2160へ流下させることができる。この場合、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を受け止めた部位(第1底面部C2501又は第2底面部C2502)に応じて、その球を流下させる方向を異ならせることができる。
また、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L−R方向)に転動させた上で、それら第1底面部C2501又は第2底面部C2502の下流端から第1介設部材C2160へ流下させることができる。これにより、かかる球を、第1介設部材C2160の長手方向に沿って転動させ易くできる。
なお、第1底面部C2501及び第2底面部C2502の少なくとも一方または両方は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて上昇傾斜されていても良く、或いは、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて非傾斜(即ち、水平)とされていても良い。
また、受け部材C2500は、その長手方向(矢印L−R方向)の一側のみに球が通過可能な空間が確保される形態(即ち、第1中間部材C2140又は第2中間部材C2150の一方との間のみに球が流下(通過)可能な空間が形成され、他方との間では球の流下(通過)が不能とされる形態)でも良い。この場合には、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向寸法を確保して、その分、球の転動時間を長くできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
第1介設部材C2160は、受け部材C2500から流下された球を、第2介設部材C2180へ流下させる転動面を形成する部材であり、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との対向間に介設される。
第1介設部材C2160の上面(転動面)には、球を第2介設部材C2180へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C2161及び側方流出面C2162)が形成される。中央流出面C2161は、第2介設部材C2180の中央流出面C181(即ち、第1入賞口64)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)され、側方流出面C2162は、中央流出面C2161から遊技盤13の幅方向(図205左右方向)へ位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。また、第1介設部材C2160の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C2162が形成され、起伏の頂部に中央流出面C2161が形成される。
なお、側方流出面C2162は、第2介設部材C2180の側方流出面C182に対して、遊技盤13の幅方向(図205左右方向)における外側(矢印L方向または矢印R方向)へ位置を異ならせて形成(配置)される。よって、側方流出面C2162から流下される球を、第2介設部材C2180の側方流出面C182よりも外側(即ち、側方流出面C182へ向けて下降傾斜する第2介設部材C2180の上面(転動面))へ流下させることができる。従って、かかる球を、第2介設部材C2180の長手方向に沿って転動させ易くできる。その結果、第2介設部材C2180の中央流出面C181から流下させる(即ち、第1入賞口64へ入球(入賞)する)機会を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
振分部材C2170は、軸C2174が軸支される本体部C2171と、その本体部C2171の一側に形成される受入部C2172と、本体部C2171の上面側に形成される転動部C2173と、軸C2174を挟んで受入部C2172と反対側となる位置において本体部C2171に配設(取着)される真鍮製の錘C2175とを備え、軸C2174(軸支座部C2134,C2141b)を中心として回転可能とされる。
振分部材C2170は、その重心位置が回転中心(軸C2174)に対して他側(錘C2175が配設される側、即ち、軸C2174を挟んで受入部C21720と反対側、図229右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が上昇され(正面視において軸C2174を中心として時計回りに回転され)、底面部C2142に回転が規制された状態(第1位置に配置された状態)とされる(図229参照)。
一方、振分部材C2170の受入部C2172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C2174)に対して一側(受入部C2172が形成される側、即ち、軸C2174に対して錘C2175と反対側、図230左側)に偏心される。よって、受入部C2172に球を受け入れた状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が下降され(正面視において軸C2174を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C2145に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図230参照)。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された後、受入部C2172から第1中間部材C2140の通路部C2144へ球が排出(流出)されると、振分部材C2170は、振分部材C2170の自重(重心位置の軸C2174からの偏心)の作用により、第1位置へ復帰される。
このように、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C2170の自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C2170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C2173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C2173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C2173へ到達させる可能性を付与できる(図233から図235参照)。
受入部C2172は、第1位置において第2通路CRt2002に対向する位置に形成される対向部C2172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C2144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C2172bとを備える。
受入部C2172は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交し、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図229参照)。
ここで、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C2172aの転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C2172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第2通路CRt2002へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C2172aは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から受け入れた球を対向部C2172aにより受け止めて、第3通路CRt2003へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142(通路部C2144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C2172に受け入れた球が早期に第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C2170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C2170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C2172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C2172に受け入れた球が第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C2170を第2位置に確実に到達させることができる。
この場合、本実施形態では、底面部C2172bは、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、対向部C2172aに接続される基端側(図229右側、矢印R方向側)の領域における上昇傾斜の角度が、対向部C2172aと反対側となる先端側(図229左側、矢印L方向側)の領域における上昇傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。また、言い換えると、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aと反対側となる先端側(図229左側)の領域における下降傾斜の角度が、対向部C2172aに接続される基端側(図229右側)の領域における下降傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。
よって、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)される初期段階では、底面部C2172bの基端側(図229右側)の領域における上昇傾斜を利用して、受入部C2172(底面部C2172b)における球の保持を確実としつつ、後期段階では、底面部C2172bの先端側(図229左側)の領域における下降傾斜を利用して、通路部C2144(第3通路CRt2003)への球の排球をスムーズに行わせることができる。
なお、上述した理由(第2通路CRt2002への逆流防止)により、対向部C2172aを、転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C2172は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の通路部C2144へ向けて下降傾斜するように形成される(図230参照)。これにより、受入部C2172に受け入れた球を、第1中間部材C2140の通路部C2144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C2172bを転動している間、その球の重量を振分部材C2170に作用させ、振分部材C2170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C2173(第4通路CRt4)へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
転動部C2173は、受入部2172(底面部2172b)に対して軸C2174を挟んで反対側となる領域に形成される。即ち、受入部C2172に受け入れられた球の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、その回転に伴って上方(矢印U方向)へ上昇される領域を少なくとも含む領域に転動部C2173が形成される。即ち、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、転動部C2173の下流側が上方へ持ち上げられ、磁性部C2400との間の距離が短縮される。よって、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
この場合、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、転動部C2173が、軸C2174を挟んで水平方向(矢印L−R方向)反対側のみに形成されていると、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いによって、振分部材C2170が第1位置へ向けて回転される虞がある。よって、転動部C2173の高さ位置(鉛直方向位置)が下がり、磁性部C2400との間の距離が拡大されることで、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)られない虞がある。
これに対し転動部C2173は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、軸C2174と鉛直方向において重なる範囲(領域)にわたって形成される(図230参照)。即ち、転動部C2173の上流側(第2通路CRt2002側)の領域は、軸C2174よりも水平方向一側(矢印L方向側)に位置し、その上流側を転動する球の重量を、振分部材C2170を第2位置に維持する方向の力として作用させることができる。
よって、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いを利用して、第2位置にある状態を維持させる方向の慣性力を振分部材C2170に作用させ、その慣性力の作用により第2位置にある状態を維持する方向へ振分部材C2170が変位(回転)しようとしている間に、球を転動部C2173の下流側の領域まで転動させることができる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
受入部C2172の底面部C2172bの延設長さ(球を案内する方向の長さ)は、転動部C2173の延設長さよりも大きな寸法に設定される。よって、転動部C2173を球が転動する間、同時に、受入部C2172の底面部C2172bを別の球が転動する状態を形成しやすくできる。即ち、転動部C2173を球が転動する間、受入部C2172の底面部C2172bに別の球の重量を振分部材C2170に作用させておくことができる。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
特に、受入部C2172の底面部C2172bは、軸C2174から離間する方向(軸C2174に直交する方向)へ延設されるので、底面部C2172bを球が転動するに従って、力の作用点(球の重量が作用する位置)と支点(回転中心)との距離を大きく(増加)させることができる。即ち、底面部C2172bを球が転動するに従って、振分部材C2170を第2位置へ維持し易くできる(第2位置に配置された振分部材C2170を第1位置へ変位(回転させる)のに必要な力を大きくできる)。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
ここで、振分部材C2170は、底面部C2142(第2通路CRt2002)から受入部C2172へ向けて球が転動する方向(受入部C2172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C2172を球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C2172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C2172が球を受け入れる方向と受入部C2172を球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C2170(受入部C2172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C2172に滞留される球の重量を利用して振分部材C2170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C2173において球を安定して転動させることができる。
転動部C2173は、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球を、磁性部C2400(第4通路CRt2004)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C2170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)の下流端と、磁性部C2400(第4通路CRt2004)の上流端との間に位置(架設)される。
上述したように、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間で変位(回転)されることで、その上面(転動面)の高さ位置が上下方向(矢印U−D)方向へ変位(昇降)される。これにより、転動部C2173を磁性部C2400よりも下方となる位置に配置できる。
その結果、振分部材C2170を第2位置に配置して、転動部C2173を上方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400に近づけて、重力の作用に抗して、球を吸着させ易くできる一方、振分部材C2170を第1位置に配置して、転動部C2173を下方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400から離間させて、重力の作用も利用して、球を吸着させない態様を確実に形成できる。
転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)と受入部C2172の対向部C2172aとの連結部分は、上流側(第1中間部材C2140(第2通路CRt2002)側、矢印L方向)へ向けて突出される鋭角な突部形状に形成される。この突部形状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球が受入部C2172へ流入されると、その球の重量で振分部材C2170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C2170の下面が下ストッパ部C2145に当接されることで、振分部材C2170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C2145に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C2170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C2170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C2170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C2170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C2173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C2172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C2142(転動面)の下流端と転動部C2173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C2170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C2142の下流端よりも転動部C2173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C2170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
なお、第28実施形態の場合と同様に、転動部C2173の上流側の端面(第1中間部材C2140に対向する側の面、矢印L方向側の面)を、転動部C2173から第1中間部材C2140(底面部C2142)へ向けて下降傾斜させても良い。即ち、転動部C2173の上流側の端面を、転動部C2173の転動面側の縁部よりも、受入部C2172(対向部C2172a)側の縁部の方が、第1中間部材C2140に近接される断面形状としても良い。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C2170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
磁性部C2400は、金属製の長尺板状体であり、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C2400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C2400の上流端へ飛び付く。即ち、磁性部C2400の下縁(正面(矢印F方向の面)と下面(矢印D方向の面)とが交差して形成される稜線)に吸着される(図236参照)。磁性部C2400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C2400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿って移動される。
この場合、球の状態(振分部材C2170の転動部C2173から磁性部C2400へ飛び付く際の球の速度や球の位置、球の回転状態など)に応じて、磁性部C2400の下縁から球が落下する可能性(終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態を形成できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
特に、磁性部C2400(第4通路CRt2004)は、振分部材C2170と第5通路CRt2005との間の通路を形成するので、遊技の興趣を高めることができる。即ち、振分部材C2170によって第4通路CRt2004に振り分けられる球は、先行する球CB1との間の距離が所定量より小さい状態(即ち、先行する球CB1と連なった状態)で第2通路CRt2002を流下(転動)する球(後行する球CB2)だけであり、かかる後行する球B2が発生する可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て振分部材C2170に到達した球(後行する球B2)を、落下する可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)がある不安定な状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
磁性部C2400の厚み寸法は、球の直径よりも小さい値(本実施形態では、球の直径の6%)に設定される。よって、磁性部C2400の下縁に外面点CP1が吸着された球は、位置CP1よりも下方となる位置の外面点CP2が本体部C2131の正面に当接される。この場合、球の重心は、外面点CP2よりも本体部C2131の正面から離れて位置するので、球の自重(重心に作用する重力)が、外面点CP1を支点として、外面点CP2を本体部2131の正面に押し当てる方向の力(即ち、図236において外面点CP1を中心として球を右回り(時計まわり)に回転させる力)として作用される(図236参照)。
これにより、磁性部C2400に球が吸着されると、かかる球を、外面点CP1と外面点CP2との2点で支持することができ、その結果、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿った球の移動を安定化できる。また、外面点CP2における本体部2131の正面との間の摩擦抵抗を利用して、球の移動速度を緩やか(低速化)することができる。よって、これによっても、球の移動を安定化できると共に、第4通路CRt2004の通過に要する時間を嵩ませて、球が落下せずに第5通路CRt2005に到達することを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、背面部材C2130の本体部c2131を挟んで、磁石C2300と磁性部C2400を配設し、磁性部C2400に沿って球を移動(摺動)させる構成とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化とを容易としつつ、球の通過経路を簡素な構造で形成できる。
第2介設部材C2180は、第6通路CRt2006における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160との対向間に介設される。即ち、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160と第2介設部材C2180に区画された空間により第6通路CRt2006が形成される。
第2介設部材C2180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt2006の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C2110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C2180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C2180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C2180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C2110の底面部C112との対向間に第5通路CRt2005の一部が形成される。
迂回部材C2200は、板状の本体部C2201と、その本体部C2201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C2202と、その壁面部C2202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C2203とを備え、開口C2131aに対向する位置において、背面部材C2130の背面側に配設される。
迂回部材C2200が背面部材C2130に配設された状態では、壁面部C2202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C2130(本体部C2131)の背面に当接され、且つ、樋部C2203の立設先端(矢印F方向側)が第2介設部材C2180の背面に当接されると共に、樋部C2203の縁部が第1介設部材C2160の底面に当接される。
これにより、背面部材C2130(本体部C2131)と迂回部材C2200(本体部C2201及び壁面部C2202)とに区画された空間、及び、第1介設部材C2160と迂回部材C2200(樋部C2203)とに区画された空間により第5通路CRt2005の一部が形成される(図231及び図232参照)。
なお、樋部C2203は、背面部材C2130側から第2介設部材C2180側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C2130の開口C2131aから迂回部材C2200内へ流入された球を樋部C2203上を転動させて、正面部材C2110の底面部C112と第2介設部材C2180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt2005へ流入させることができる。
次いで、振分部材C2170による球の振り分け動作について説明する。図233から図235は、振分部材C2170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。図2366は、図235(b)のCCXXXVI−CCXXXVI線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。
なお、図233(a)及び図233(b)は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態を示し、図229に対応する。図235(a)及び図235(b)は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態を示し、図230に対応する。
図233(a)に示すように、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、受入部C2172は、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C2172は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C2172aが配置され、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C2172bが配置される。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、転動部C2173と対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C2173は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C2172bが配置される。なお、転動部C2173と、底面部C2142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを抑制できる。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の天面部C2143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを許容できる。
この場合、振分部材C2170が第1位置にある状態では、転動部C2173が、水平方向(矢印L−R方向)において、軸C2174を挟んで、底面部C2142(第2通路CRt2002)と反対側に位置し、且つ、底面部C2142(第2通路CRt2002)から離間する方向(矢印R方向)へ向かって下降傾斜される。
よって、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入したとしても、かかる球により、振分部材C2170が第2位置へ向けて回転される(即ち、転動部C2173が上方へ持ち上げられる)ことを抑制できると共に、転動部C2173の下降傾斜に沿って球を第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下させることができる。その結果、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付いて(吸着されて)、第4通路CRt2004を流下する(第5通路CRt2005へ到達する)ことを抑制できる。
但し、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付く(吸着される)ことが可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。即ち、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さく、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1を乗り越える場合に、球CB2が磁性部C2400に飛び付き(吸着)可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。球CB2は、本来は、第4通路CRt2004へ振り分けられるべき球であるので、かかる球が第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されることを抑制して、遊技者に不利になることを抑制できる。
第1中間部材C2140の底面部C2142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図233(b)に示すように、球CB1が振分部材C2170の受入部C2172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C2172aに当接され(受け止められ)、受入部C2172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。これにより、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図233(b)に示すように、球CB1が受入部C2172に受け入れられると、図234(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C2170に作用される。
ここで、受入部C2172は、対向部C2172aの底面部C2172bに連結される側の領域と、底面部C2172bの対向部C2172aに連結される側の領域とが、即ち、対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分が、軸C2174側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図234(a)と図234(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C2170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C2170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C2170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C2170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C2172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C2172(対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C2174と反対側の外縁)よりも、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)の軌跡が、軸C2174に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C2173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C2172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C2173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図234(a)に示す状態から振分部材C2170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、図234(b)に示すように、球CB1が通路部C2144へ向けて底面部C2172bを転動されると共に、球CB2が転動部C2173に流下される(転動部C2173に受け入れられる)。
図235(a)及び図235(b)に示すように、振分部材C2170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C2172から通路部C2144(第3通路CRt2003)へ流入されると共に、転動部C2173を転動した球CB2が、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入される。
球CB1,CB2が第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004へ流入された後は、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C2170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C2173到達し、その転動部C2173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C2173を転動する。この場合、球CB1が受入部C2172(底面部C2172b)上にあるか否か、第3の球の転動速度(勢い)などに起因して、第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されるか、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入されるかが決定される。即ち、2つの状態を形成可能とできる。
なお、振分部材C2170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C2172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第3通路CRt2003へ振り分けられる。
以上のように、第29実施形態における下側フレームC2086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第3通路CRt2003へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C2170により球CB2を上方へ持ち上げて第4通路CRt2004へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第3通路CRt2003へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図237から図240を参照して、第30実施形態におけるセンターフレームC3086について説明する。
上記第28実施形態では、振分部材C170が回転される場合を説明したが、第29実施形態における振分部材C3170は、スライド変位される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図237及び図239は、第30実施形態における下側フレームC3086bの部分拡大断面図であり、図238及び図240は、下側フレームC3086bの背面図である。なお、図237及び図238では、振分部材C3170が第1位置に配置された状態が、図239及び図240では、振分部材C3170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図237及び図239は、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
ここで、第30実施形態における下側フレームC3086bは、第28実施形態における下側フレームC86bに対し、振分部材C3170を変位させる構造および振分部材C3170に装飾部材C3190を連動ささせる構造が異なる点を除き、その他の構成は同一に構成される。
図237から図240に示すように、背面部材C3130の本体部C131には、直線状の2本の案内溝C3131cが互いに平行な姿勢で上下方向に沿って延設される。これら2本の案内溝C3131cは、下方側(矢印D方向側)ほど第1中間部材C140に近接する方向に傾斜する姿勢で配設される。
即ち、第2位置における振分部材C3170の水平方向(矢印L−R方向)位置は、第1位置における振分部材C3170の水平方向位置よりも中間部材C140に近接する側(矢印L側)に位置されるる。
振分部材C3170には、上下一対を一組とする合計4本の軸C3171aが本体部C3171の背面から突出される。軸C3171aは、案内溝C3131cに摺動可能に挿通される被案内部であり、かかる軸C3171aが案内溝C3131cに沿って摺動されることで、振分部材C3170が第1位置と第2位置との間をスライド変位(直動)される。
左右の案内溝C3131cには、軸C3171aが一組ずつ配設される。よって、振分部材C3170は、回転による姿勢の変化を生じさせずに(即ち、底面部C172b及び転動部C173の傾斜角度を一定に維持させたまま)、第1位置と第2位置との間をスライド変位可能とされる。
なお、案内溝C3131cに挿通された軸C3171aの先端には、案内溝C3131cの溝幅よりも大径のカラーCWが配設され、かかるカラーCWが、軸C3171aが案内溝C3131cから抜け出ることを規制する抜け止めとされる。
振分部材C3170は、案内溝C3131cの上端(矢印U方向の端部)に軸c3171aが当接して、上方への変位が規制されることで、第1位置に規定(配置)され(図237及び図238参照)、振分部材C3170の下面に下ストッパ部C132が当接して、下方への変位が規制されることで、第2位置に規定(配置)される(図239及び図240参照)。
装飾部材C3190は、本体部C191と一体に形成され、軸C192を中心として径方向外方へ延設されるアーム部C3193を備え、アーム部C3193には、直線状の案内溝C3193aが軸C192を中心とする径方向に沿って延設される。案内溝C3193aには、軸C3171aが摺動可能に挿通される。
装飾部材C3190は、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C3170と反対側、図238左側)に偏心される。よって、無負荷状態では、装飾部材C3190は、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされ(背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、図238参照)、振分部材C3170は、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、第1位置に配置された状態とされる(図237及び図238参照)。
一方、振分部材C3170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、振分部材C3170及び装飾部材C3190全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C3170が配設される側、図240右側)に偏心される。即ち、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C3170は、球の重量により案内溝C3131cに沿って下降され、第2位置に配置される。また、装飾部材C3190は、アーム部C3193が軸C3171aにより下方へ押し下げられ、背面視において軸C192を中心として時計回りに回転された状態とされる(図240参照)。
第2位置において、受入部C172から通路部C144へ球が排球されると、装飾部材C3190が、その重心位置の偏心を利用して、背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされる。これに伴い、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、振分部材C3170が第1位置に配置(復帰)される(図237及び図238参照)。
振分部材C3170が第1位置と第2位置との間でスライド変位されることによる球CB1及び球CB2の振り分け動作については、上述した第28実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、第30実施形態における下側フレームC3086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
ここで、第28実施形態の場合のように、振分部材C170が軸C192を中心として回転される構造では、受入部C172の変位量を確保する(第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能とする)ために、軸C192と受入部C172との間の長さ(距離)を大きくする必要があり、幅方向(軸C192と受入部C172とを結ぶ方向)における振分部材C170の大型化を招く。
これに対し、本実施形態では、振分部材C3170を上下方向にスライド変位させるので、受入部C172の変位量を確保(即ち、第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能と)しつつ、回転中心(軸C192)と受入部C172とを連結する部位を設ける必要がない分、幅方向における振分部材C3170の小型化を図ることができる。即ち、振分部材C3170の幅方向の寸法を、転動部C173の転動面の長さ寸法(矢印L−R方向寸法)とすることができる。
次いで、図241を参照して、第31実施形態における皿部材C4120について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図241(a)は、第31実施形態における皿部材C4120の上面図であり、図241(b)は、図241(a)のCCXLIb−CCXLIb線における皿部材C4120の断面図であり、図241(c)は、図241(a)のCCXLIc−CCXLIc線における皿部材C4120の断面図である。
皿部材C4120は、通路の底面を形成する上側底面部C4121及び下側底面部C4122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C4123及び下側側壁部C4124を備える。
上側底面部C4121は、上面視において略直線状の通路(第1通路CRt4001)として左右方向(矢印L−R方向)に沿って延設されると共に、下側底面部C4122へ近接する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
上側側壁部C4123は、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の通路幅を区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。但し、通路幅は、複数の球を並列の状態で案内可能な寸法(球の2倍よりも大きい寸法)であっても良い。
上側側壁部C4123には、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の下流側の端部に切り欠き部C4123aが切り欠き形成され、この切り欠き部c4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上面視において、前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設され、その延設方向一端側および他端側における形状が略直線状の直線部C4122aと、それら一対の直線部C4122aの間において、上面視において、流出面C122a側が凹となる円弧状に湾曲する円弧部C4122bとから形成される。なお、円弧部C4122bは、前後方向の略中央において、上側底面部C4121の延設方向(矢印L−R方向)上流側(矢印L方向側)へ最も張り出した形状とされる。
また、下側底面部C4122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、一対の直線部C4122aでは円弧部C4122bへ向かうにつれて鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて下降傾斜する平面として形成され、円弧部C4122bでは略水平に形成される。即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される。
下側側壁部C4124は、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C4122の直線部C4122aは、上面視において、上側底面部C4121に対し、略直行して配設され、上側底面部C4121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C4122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部、直線部C4122aの上昇傾斜側)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C4123における切り欠き部C4123aに対応する位置では、下側側壁部C4124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)における下側側壁部C4124には、円弧部C4122bの前後方向の略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)から底面部C142(第3通路CRt3、図214参照)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上述したように、一対の直線部C4122a及び円弧部C4122bから形成され、直線部C4122aの上昇傾斜側(下側底面部C4122の長手方向における一端側)に上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3、図214参照)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ流入する場合に、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C4122の円弧部C4122bには、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、円弧部C4122bの前後方向(矢印F−B方向)における略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される(図214参照)。
よって、下側底面部C4122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる(図214参照)。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C4122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F−B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側、矢印L方向側)に位置する下側側壁部C4124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C4124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C4112を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C4122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に流下した球が、かかる下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C4122が円弧状に湾曲して形成され、その円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)に切り欠き部C124aが形成される。よって、円弧部C4122bを転動する球には切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124へ向けて遠心力が作用され、これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3、図214参照)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
次いで、図242(a)を参照して、第32実施形態における下側フレームC5086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図242(a)は、第32実施形態における下側フレームC5086bの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応する。なお、図242(a)では、下側フレームC5086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C5400の断面のみ図示される。
磁性部C5400は、金属製の長尺体であり、背面部材C2130と反対側(矢印F方向側)における端部から突部が鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される。よって、磁性部C5400は、断面形状が略L字状に形成される。また、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな間隔を隔てた位置に配設されると共に、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F−B方向)に直線状に形成される。
磁性部C5400は、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C5400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C5400の上流端へ飛び付く(図235参照)。即ち、磁性部C5400の突部の底面に吸着される。磁性部C5400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C5400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C5400の長手方向に沿って磁性部C5400の下流端へ移動される。これにより、磁性部C5400に沿って流下された球を第5通路CRt2005(図230参照)へ案内できる。
上述したように、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな距離隔てた位置に配設されるため、磁性部C5400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することが抑制される。よって、球に摩擦力が作用されることが抑制できるので、球の流下速度を高くすることができる。また、球が背面部材C2130の正面に支持されないことで、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図242(b)を参照して、第33実施形態における下側フレームC6086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図242(b)は、第33実施形態における下側フレームC6086bの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応する。なお、図242(b)では、下側フレームC6086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C6400の断面のみ図示される。
第33実施形態における磁性部C6400は、第32実施形態における磁性部C5400に対し、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される点を除き、他の構成は第32実施形態における磁性部C5400と同一の構成である。
磁性部C6400の突部の底面に吸着された球は、その底面の傾斜と、磁石部C2300から直接作用される磁力との効果により、背面部材C2130に当接される。従って、球に摩擦力を作用させることができ、磁性部C6400に沿って流下する球の流下速度を遅くできる。これにより、球の移動時間を長くでき、遊戯の興趣を高めることができる。
また、磁性部C6400の突部と背面部材C2130とで球を挟み込むことができ、球が磁性部C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、突条部154により球流下ユニット150を流下する球を減速される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、内面に粘着性の部材を配設するなどして、球の流下抵抗を増大させても良いし、流路内に空気を送り込む等しても良いし、磁力で球の流下速度を調整しても良い。
上記第1実施形態では、変位規制装置180が背面ケース510に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位規制装置180が可動役物側に配設されても良い。演出部材700の背面側に変位規制装置180を配設し、押し込み操作により背面側への張出幅を変化可能に構成しても良い。
この場合、張出幅が長い状態で、変位規制装置180の操作部材183の本体部183aを背面ケース510に挿通させることができるように構成することで、演出部材700の変位を規制することができる。一方で、操作部材183を操作し張出幅を短くした状態で背面ケース510への挿通が解除されるように構成することで演出部材700が変位可能となるが、この時、演出部材700の変位に伴い変位規制装置180も変位する。そのため、変位規制装置180に意匠形状を付加したり、LED等の発光装置を配置したりすることで、変位規制装置180を遊技者に視認させて演出することができる。
上記第1実施形態では、変位規制装置180の状態変化が手動操作により生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位規制装置180が駆動装置を備え、操作部材183の配置が電動で切り替えられるものでも良い。この場合、電源オンからの初期動作に先立って変位規制装置180が規制解除状態となるように制御することで、変位規制装置180が規制状態のままで拡大縮小ユニット600が変位開始することを回避することができる。これにより、操作部材183に過負荷がかけられることを防止することができる。
また、操作部材183の円筒部183dの周囲にクッション性の高い緩衝材を配設しても良い。また、変位規制装置180を駆動するまではしなくても、操作部材183の配置を検出可能な検出センサを配設し、この検出センサにより変位規制装置180が規制状態であると判定される場合には、拡大縮小ユニット600の駆動を開始しないように制御しても良い。
上記第1実施形態では、変位規制装置180が背面ケース510の背面側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、背面ケース510の上下側の少なくとも一方に配置しても良いし、背面ケース510の左右側の少なくとも一方に配置しても良いし、これらの組み合わせでも良い。
例えば、演出部材700の配置を維持するためには、下アーム部材630の配置変化を防止すれば足りるので、演出待機状態における下アーム部材630の上面部に凹部を設け、背面ケース510の上側から操作部材183の円筒部183dを張り出した場合に円筒部183dが下アーム部材630に設けられる凹部と係合するように構成することで、下アーム部材630の左右方向への配置変化を防止することができる。
上記第1実施形態では、遊技領域の上側に配置される拡大縮小ユニット600の変位を規制する装置の一例として変位規制装置180を配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、射出装置400の粒状部材320(内部空間IE1を自由に変位可能な部材)の変位を規制(制限)するための装置を配設することにより、出荷時に粒状部材320が内部空間IE1を変位することで区画部材310の壁面と擦れ、粒状部材320が割れたり、区画部材310に傷が付いたりすることを防止するように図っても良い。
例えば、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置されている状態(演出待機状態)で出荷することで、粒状部材320が蓋部材480を超えて内部空間IE1を変位することを防止することができるので、出荷時に粒状部材320が接触できる区画部材310の範囲を制限することができると共に、粒状部材320の変位量を抑制できることから粒状部材320同士の衝突による割れが生じる事態を避けることができる。
また、他例として、導光板演出手段160の下側支持部材163に配設され、区画部材310の内部空間IE1に張り出し可能に構成され、張り出した状態で内部空間IE1に配置される粒状部材320の変位を制限可能に構成される張出部材を設けても良い。
この張出部材を、下側支持部材163の前側(遊技盤13の前側)から押し込み操作可能に構成し、押し込み操作の度に張出状態と、非張出状態とが切り替わるよう構成することで、遊技機店にパチンコ機10を設置した後は、正面枠14を開放することで前側から張出部材を操作することができるので、張出部材の操作性を向上することができる。
なお、張出部材の状態変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、変位規制装置180と同様にラッチ機構により状態変化させても良いし、爪と爪との係合や係合解除により状態変化させても良い。
また、他例として、区画部材310の内部気圧を上昇した状態で出荷することで、粒状部材320の配置を維持するようにしても良い。この場合、遊技機店にパチンコ機10を設置し、稼働させる前に区画部材310内の気圧を下げることで、粒状部材320の配置を自由にすることができる。
また、他例として、粒状部材320の材料となる樹脂に強磁性体の金属粉を混ぜて形成し、出荷時には区画部材310の下端付近に磁石を配置するようにしても良い。これにより、出荷時には、磁石の磁力で粒状部材320の配置を維持することができる。一方で、稼働時には、この磁石を取り去ることで、粒状部材320の配置を自由にすることができる。
なお、磁石は、稼働時に取り去る必要があるものに限るものではない。例えば、他の可動役物の一部に磁石が配設されても良く、一例として、蓋部材480に磁石が配設されるようにしても良い。
なお、粒状部材320に強磁性体の金属粉を混ぜる態様では、例えば、発射演出実行後に、区画部材310付近に磁力を生じさせるように動作する(例えば、磁石を区画部材310に近接させるように動作する)演出用役物を配設することにより、粒状部材320を空中で停止させる(浮いているように視認させる)演出態様を発射演出に含めることができる。
上記第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の変位を規制する変位規制装置180が背面ケース510に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものでは無い。例えば、拡大縮小ユニット600の伝達ギア650が所定の終端位置に配置された状態における被規制孔657の中心軸と同一直線上で穿設される挿通孔が背面ケース510に形成され、出荷時には、その挿通孔を通して金属棒または樹脂棒を被規制孔657に挿通し、テープ等で固定しておき、遊技機店に到着後は、遊技機店の店員が金属棒または樹脂棒を抜き去ることで拡大縮小ユニット600が変位可能となるように構成しても良い。
一方で、この方法だと、固定のためのテープでパチンコ機10が汚れる可能性が合ったり、パチンコ機10の他店への配送のために金属棒または樹脂棒を捨てるわけにはいかず、保管する必要が生じたりする。
また、金属棒または樹脂棒の保管を各遊技機店に任せる場合、紛失の可能性が高まり、金属棒または樹脂棒が無い状態で他店へ配送した場合には、パチンコ機10の品質を確保できない可能性がある。この観点を改善したものが、背面ケース510に締結固定される変位規制装置180であると認識することもできる。
上記第1実施形態では、内部空間IE1の前後幅と、湾曲板部312の左右中央部312bと背面区画下部314との前後幅とが同程度となる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、左右中央部312bと背面区画下部314との前後幅も、左右部312aと背面区画下部314との前後幅と同程度に狭く構成しても良い。この場合、粒状部材320の移動抵抗を、左右位置に関わらず内部空間IE1の下側において大きくすることができるので、射出される粒状部材320の勢いを落とすことができるので、前面板部311と粒状部材320とが衝突により破損したり、傷ついたりする確率を低減することができる。
また、例えば、左右部312aと背面区画下部314との前後幅が、内部空間IE1の前後幅と同程度に広げられても良い。この場合、射出される粒状部材320の勢いを落とすことなく内部空間IE1に粒状部材320を進入させることができる。
また、内部空間IE1の前後幅も一定である必要はない。例えば、射出された粒状部材320の移動方向(上側)に向かう程、先細りする形状としても良い。この場合、粒状部材320の勢いを徐々に落とすことができるので、区画部材310に局所的に過大な負荷が生じることを避け易くすることができる。更に、先細りの向きを正面側へ寄せることで、飛散する粒状部材320を正面側へ寄せやすくすることができる。
また、例えば、前面板部311の一部であって、射出された粒状部材320がまとまって到達すると予測される箇所に、背面側へ向けて隆起する態様で張り出す瘤状部を設けても良い。この瘤状部は、前面板部311の背面に別部材が配設固定されるようにしても良いし、前面板部311の一部を背面側へ張り出させるように成形可能なように金型に凸部を設けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、粒状部材320がサッカーボール形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、球状でも良いし、ラグビーボール形状でも良いし、星形状(立体的に突部が形成される形状)でも良い。ある程度の大きさの部材で構成することで、部材間に隙間を生じさせることができるので、発射演出を実行した場合に粒状部材320を激しく散らばらせることができる。
上記第1実施形態では、射出装置400が導光板161の背面側下方に配置され、斜め前上方向に粒状部材320を発射するように構成したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、射出装置400の配置は導光板161の左右位置でも良いし、上側の位置でも良い。この場合であっても、斜め前側へ粒状部材320を発射する演出を実行することができる。なお、上側の位置に射出装置400を配置する場合には、粒状部材320を演出待機位置まで持ち上げる装置を追加することが好ましい。
上記第1実施形態では、粒状部材320が単色(本実施形態では、赤色)の樹脂部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、2色成形や、異なる色の2部材を合体して一つの粒状部材320を構成するようにしても良い。この場合に、重心位置を考慮して色分けすることで、堆積時の見え方を工夫することができる。例えば、重心位置を考慮して、粒状部材320の安定姿勢における水平位置で色を変化させることで、粒状部材320の堆積時に色の層を視認させることができる。
また、粒状部材320の個数は限定されるものでは無く、1個でも良い。例えば、粒状部材320として衝突部材420と同程度の大きさの部材を採用し、衝突部材420の湾曲板部421と同程度の凹側の湾曲形状を外面に構成しても良い。これにより、湾曲形状がうまくはまった状態で発射演出が実行される場合と、湾曲形状がはまっていない状態で発射演出が実行される場合とで、粒状部材320の飛び方および見え方を変化させることができる。
上記第1実施形態では、粒状部材320が内部空間IE1に飛散可能に配置され、重力で衝突部材420の上に集まってくる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、粒状部材320を初期位置側(演出待機状態の位置側)へ向けて付勢する付勢手段を備え、その付勢手段の付勢力により粒状部材320を初期位置側へ戻すように構成しても良い。この場合、粒状部材320の初期位置側が下側に限定されることを避けることができる。
付勢手段としては、例えば、スプリングや、伸縮可能なゴム状部材や、端部が固定配置される網状部材や、粒状部材320の経路を部分的に覆う弾性シート等が例示される。
付勢手段と粒状部材320との関係は、何ら限定されるものではない。例えば、粒状部材320と付勢手段とが接着されている態様でも良いし、接着はされていないものの離れているわけではなく、付勢手段の一部が粒状部材320の内部に配置され一体的に変位可能な態様でも良いし、付勢手段は内部空間IE1に支持される一方で粒状部材320とは離れて配置可能な態様でも良い。
また、付勢手段は、粒状部材320と接触可能な物体に限られるものでは無い。例えば、上記第1実施形態において重力が粒状部材320に作用したのと同様に、内部空間IE1の気圧を調整する気圧調整手段を採用しても良い。この場合、内部空間IE1の気圧を上昇させたり、下降させたりすることで、粒状部材320の配置に影響を与えることができる。
例えば、内部空間IE1に上側からガスを注入する態様で内部空間IE1の気圧を上昇させる場合、粒状部材320を内部空間IE1の下側に維持し易くすることができ、逆に内部空間IE1の上側からガスを抜き取る態様で内部空間IE1の気圧を下降させる場合、粒状部材320を内部空間IE1の上側へ向けて変位(浮く変位)させることができる。また、ガスの注入の方向や、ガスを抜き取る方向は、上側に限るものでは無く、上下左右前後の任意の側に設定可能である。
なお、気圧変化を生じさせる場合には、異形貫通部315を閉塞することが好ましい。異形貫通部315を閉塞させる機能を、蓋部材480に付与することは容易に可能である。例えば、蓋部材480に柔軟で薄く変形性に富む変形可能部材(例えば、スポンジ状部材や、低摩擦のゴム状部材)を貼り付け、異形貫通部315に蓋部材480が進入する場合に、蓋部材480と異形貫通部315との間の隙間を変形可能部材で埋めるようにしても良い。これにより、蓋部材480の異形貫通部315に対する変位に合わせて、異形貫通部315を閉塞したり、開放したりすることができる。
上記第1実施形態では、直動部材410の突条部414が直線に沿うように形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、右側先端部の伝達突部446に対向する側の面が、前側伝達部材440の伝達突部446の変位軌跡に沿う湾曲状面として形成されても良い。この場合、伝達突部446が下端位置に配置される場合に限らず、湾曲状面と当接している間に亘って直動部材410を変位下端位置に維持することができるので、コイルスプリングSP1の付勢力を最大で維持したまま、発射状態に移行することができる。
上記第1実施形態では、衝突部材420の左右中央部が上に突の湾曲形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、中央部が尖り左右方向に下る坂状でも良いし、寄棟状でも良い。この場合、湾曲形状に比較して、中央部の尖りを粒状部材320が左右方向に通過し難いようにすることができる。そのため、粒状部材320の左右配置の偏りを大きくすることができる。
また、例えば、変位方向に直交する平面形状でも良いし、左右中央部が下に凹む湾曲形状から構成しても良い。この場合、第1実施形態と異なり、区画部材310の内壁に衝突するまでは粒状部材320を塊で変位させ、衝突により離散させるという変位態様を構成することができる。
なお、衝突部材420の形状を変化させる場合には、それに合わせて蓋部材480の形状も変化させることが好ましい。例えば、衝突部材420の上面を左右中央部が下に凹む湾曲形状から構成する場合には、蓋部材480の進退部481は左右中央部が上に凸の湾曲形状から構成することが好ましく、これにより粒状部材320と蓋部材480とが衝突することを回避し易くすることができる。
上記第1実施形態では、衝突部材420の湾曲板部421が側方視で平坦形状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、下半分が張り出して側方視で屈曲した形状に構成されても良い。この場合、粒状部材320の密集位置を上半分側に寄せることができる。
上記第1実施形態では、区画部材310の正面視における大きさが、導光板161の大きさと同程度で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、区画部材310の正面視における大きさが、第3図柄表示装置81の表示領域の内、遊技者が表示を視認可能とされる視認領域の大きさ程度または大きさ以上で設計されるようにしても良い。これにより、区画部材310の縁部が第3図柄表示装置81による表示に重なって視認される事態の発生を避けることができるので、第3図柄表示装置81の表示の視認性を向上することができる。
上記第1実施形態では、粒状部材320に対して負荷を与える部材として単一の衝突部材420を採用したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、粒状部材320に負荷を付与可能に配置される複数個の衝突部材420を採用し、別々の駆動装置で協調動作または個別動作させても良い。
上記第1実施形態では、直動部材410が衝突部材420と当接し、前側伝達部材440は衝突部材420と当接しない場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、板部422から背面側へ突設される柱部が中間部材401を貫通し、前側伝達部材440と当接可能に構成しても良い。この場合において、柱部との前側伝達部材440の当接部が角度配置に応じて径方向長さが切り替わる態様で凹凸形成されることにより、前側伝達部材440の回転に伴い、柱部の配置を変化させることができる。これを利用して、衝突部材420を上下に微小変位させ、粒状部材320を振動(微小変位)させるようにしても良い。
上記第1実施形態では、蓋部材480が回転変位で区画部材310に進入する場合を説明したが、蓋部材480の変位態様は何ら限定されるものでは無く、必ずしもこれに限るものではない。例えば、直線方向に沿ったスライド変位により進入しても良い。この場合、異形貫通部315の形状を簡易に形成することができる。
上記第1実施形態では、蓋部材480の左右に配置される延設板部485が背面側へ向けて凹む形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、凹部を形成しないでも良い。この場合、左右から衝突部材420への粒状部材320の流入を防止し易くすることができる。
上記第1実施形態では、射出装置400の演出待機状態において、蓋部材480の下方に粒状部材320が離れて収まる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、蓋部材480の下面(内径側面)から内径側へ向けて突設される突出部が形成され、この突出部が粒状部材320と当接可能に構成しても良い。この場合、粒状部材320が局所的に堆積する場合に、突出部により粒状部材320を押進することにより、蓋部材480の進入側への変位に伴って粒状部材320の堆積を崩すことができる。これにより、粒状部材320の配置の均一化を図ることができる。
蓋部材480の突出部の形状は何ら限定されるものではない。例えば、複数の突起が散在するように構成しても良い。この場合、粒状部材320の堆積が生じる位置に関わらず、堆積する粒状部材320に突起を接触させることができ、粒状部材320の堆積を崩すことができる。
また、張出部482の進入側先端部の左右中央部を起点として、進退部481の退避側先端部へ向かうにつれて左右両外側へ傾斜して配置される一対の突条として構成しても良い。この場合、蓋部材480の進入側の変位に伴い、粒状部材320を左右外側へ向けて押し進める方向の負荷を粒状部材320にかけることができる。
また、突条の向きはこれに限られるものではない。例えば、逆の傾斜でも良いし、突条が一対の傾斜方向では無く、単一の傾斜方向に沿って形成されるものでも良いし、異なる傾斜度合いの突条を組み合わせたものでも良いし、傾斜の無い突条(回転軸に対して直交する平面上を延びる突条や、回転軸と平行な(または重なる)平面上を延びる突条)でも良い。また、突条の本数はこれに限られるものではなく、任意に設定可能とされる。
なお、突出部の突設長さは何ら限定されるものでは無い。例えば、突出先端が蓋部材480の回転軸と同軸同径の円に到達するまで突出されるものでも良いし、蓋部材480の進退部481からの突出長さが一定となるように構成しても良い。後者の場合、突出部の突出先端を結んだ面が、進退部481の下面(内径側面)に沿う形状となるので、蓋部材480の形状から奏する効果として上述した効果と同様の効果を、突出部により奏することができる。
蓋部材480に突出部が形成される場合の突出部の作用タイミングは、粒状部材320が停止し、蓋部材480が進入側へ変位する時に限られるものでは無い。例えば、粒状部材320が蓋部材480の下方に収まっている状態において、演出待機状態を基準として前側伝達部材440が正回転方向で66度回転した状態付近で、駆動モータMT1を小刻みに正逆方向回転させる(例えば、56度から76度の間で往復動作させる)ことで、直動部材410及び衝突部材420を小刻みに上下変位させることができ、衝突部材420の上に乗っている粒状部材320を上下変位させることができる。
粒状部材320は衝突部材420に固着しているものではないので、衝突部材420の上下変位により跳ね上げられ、蓋部材480の突出部と衝突させることができる。この衝突により、粒状部材320の配置替えを実行することができ、粒状部材320の堆積の崩れを図ることができる。
また、衝突部材420が粒状部材320を跳ね上げる際(上昇変位する際)には、蓋部材480は進入側へ変位することになるので、突出部を介する粒状部材320への負荷をかけやすくすることができる。
なお、駆動モータMT1の小刻みな正逆方向回転の実行は、駆動力を正逆で反転させるように制御するものでも良いし、正方向の回転を短い時間間隔を空けて生じさせるものでも良い。この場合、コイルスプリングSP1の付勢力により、直動部材410を介して前側伝達部材440の伝達突部446が逆回転方向に変位することで、駆動モータMT1の逆回転を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、蓋部材480の進退部481と対向配置される湾曲板部312が左右に亘り同一平面に沿う形状で形成されることで、蓋部材480の形状に対応して蓋部材480と湾曲板部312との間隔が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、蓋部材480と対向配置される湾曲板部312が平面では無く凹凸(波形状)を有する形状から構成され、蓋部材480の形状と湾曲板部312の形状との相対関係に寄り蓋部材480と湾曲板部312との間隔が変化するように構成しても良い。また、蓋部材480の進退部481の進入側端部が回転軸O1の軸線と平行に形成されるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、左カバー部材489の当接面489a〜489cの傾斜角度を変化させることで伝達アーム部材470と左カバー部材489との当接面積を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伝達アーム部材470の伝達突部473に姿勢変化可能なローラー部材を配設し、そのローラー部材の姿勢変化により左カバー部材489の内面との当接面積を確保するようにしても良い。この場合、左カバー部材489の内壁を簡易な貫通孔として形成することができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を介して駆動モータMT1の駆動力を伝達し、複数の部材(直動部材410、衝突部材420、当接部材430、伝達アーム部材470及び蓋部材480)を変位させる状況において、全ての部材が同時に変位することは無いように変位タイミングが工夫されている場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、駆動モータMT1の駆動力により、複数の部材の内、全ての部材を変位させるタイミングがあっても良い。この場合には、採用する駆動モータMT1を若干大型化すれば良い。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440が直動部材410と当接することで駆動力を伝達する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440の伝達突部446の少なくとも一部を磁性材料で構成し、直動部材410の突条部414を磁性材料で構成することで、間に斥力が生じる場合には、前側伝達部材440と直動部材410とが非当接の状態で直動部材410に負荷を伝達することができる。
例えば、伝達突部446の内、直動部材410の突条部414と対向配置される円周方向半部には、突条部414との間に引力が生じる磁極の磁性材料が配設される一方、反対側の円周半部には、突条部414との間に斥力が生じる磁極の磁性材料が配設されるように構成することで、斥力が、直動部材410を下端位置に維持しようとする側に生じるように構成できるので、直動部材410と当接部材430との当接開始時の負荷を低減させることができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440の前面に形成される溝形成部442と、後側伝達部材460の後面に形成される溝形成部462との2位置で駆動力伝達を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440又は後側伝達部材460の少なくとも一方の円周面に溝部を形成し、この溝部を介して駆動力伝達を行うことで、駆動力の伝達対象を増やしても良い。
上記第1実施形態では、検出センサSC4による検出により前側伝達部材440を逆回転させるべきタイミングか否かが不明となる可能性がある場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、検出センサSC4に加えて、直動部材410又は衝突部材420の配置を検出する検出センサを配設し、その検出センサと検出センサSC4との検出結果により、前側伝達部材440の逆回転の可否を判定しても良い。これにより、正回転方向の駆動で発射状態を経由したか否かを判定することができるので、発射状態に至っていなければ逆回転が可能であり、発射状態を超えていれば逆回転は不可能であると判定することができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の少なくとも一方が、回転以外の変位(例えば、直動スライド)で変位するものでも良い。
上記第1実施形態では、演出部材700の延設爪部734の形状を上下で異ならせることにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の集合配置状態へ向けての変位に関する不具合を防止するよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。
例えば、延設爪部734の形状を異ならせることにより、径方向の拡大変位の開始タイミングが、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に比較して、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の方が早くなるように構成しても良い。これにより、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が自重により変位開始が早まることとの均衡を図り、遊技者に対しては、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が全方向で同時に変位開始しているように見せることができる。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740に回転板730を当接させることで、回転板730の回転軸を中心とする円の径方向へ負荷を生じさせる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伸縮変位部材740に付勢力を与えるバネ部材を配設し、付勢力を伸縮変位部材740に与えても良いし、磁石を配置して、伸縮変位部材740に磁力を与えるようにしても良い。
上記第1実施形態では、回転板730が、伸縮変位部材740に負荷を伝達する手段と、伸縮変位部材740を変位させる手段として兼用される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伸縮変位部材740に負荷を与える手段と、伸縮変位部材740を変位させる手段とを別で設けるようにしても良い。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740が集合配置状態へ向けて変位する場合に、第1被案内突部743bが先に負荷を受け、第1被案内突部743bよりも径方向外側に配置される第2被案内突部744bが後から負荷を受ける場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、順番が逆となるように回転板730の延設爪部734の形状を構成しても良いし、第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bへの負荷伝達が同時に生じるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740が第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bという2本の突部を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、1本の突部が、回転板730の回転軸に対して斜めに突設されるように構成しても良い。この場合、伸縮変位部材740の配置変化の機能に加えて、遮蔽意匠部材760の姿勢調整のための負荷を生じさせる機能を1本の突部に生じさせることができる。
上記第1実施形態では、円周外方に配設される延設爪部734が、伸縮変位部材740の集合配置状態へ向けた変位を補助するように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、回転板730の円周外方に張出部が形成され、その張出部で第1被案内突部743bを径方向外側へ押し出し可能に構成することで、伸縮変位部材740の離散状態側へ向けた変位を補助することができる。
上記第1実施形態では、下アーム部材630が、演出部材700を変位下端位置において姿勢変化を抑制し、上下中間位置において許容される演出部材700の姿勢変化の度合いを緩めにする場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位下端位置へ向かう程、演出部材700の姿勢変化の許容度合いを大きくするように構成しても良い。
また、姿勢変化の度合いは、演出部材700に対する作用力の発生位置の増減により構成したが、これに限られるものではない。例えば、作用力の発生面積の増減により構成しても良い。
即ち、円弧状孔634と補助突部712との接触面積を変化可能に構成しても良い。例えば、下アーム部材630の先端部の厚みを部分ごとに変化させることで、円弧状孔634の厚さ(孔深さ)を変化させることができるので、円弧状孔634と補助突部712との接触面積を変化させることができる。
演出部材700の姿勢変化の度合いは、下アーム部材630と演出部材700との連結位置のみで特定されるものでは無い。例えば、下アーム部材630の押圧部材PC1と対向配置される本体部材601の板前面や、正面カバー610の摺動部612aに凹凸を設けて、押圧部材PC1との間隔を変化させるようにしても良い。この場合、下アーム部材630の変位の過程において本体部材601の板前面や、正面カバー610の摺動部612aと押圧部材PC1との間隔が広い部分においては演出部材700の姿勢変化を許容し易くなり、間隔が狭い部分においては、姿勢変化を抑制し易くなる。また、演出部材700が下降終端に近づくにつれて間隔が徐々に狭くなるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、下アーム部材630と演出部材700との連結位置における構成は変化しないように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、下アーム部材630と演出部材700との連結位置において、下アーム部材630と演出部材700との相対変位の変位抵抗を増減可能な抵抗増減装置を配設するようにしても良い。抵抗増減装置としては、摩擦抵抗を増減可能なブレーキ装置でも良いし、磁力で変位抵抗を増減させる装置でも良いし、下アーム部材630の変位を機械的に規制可能な位置に張り出す装置でも良い。磁力による装置の場合は、下アーム部材630の先端側部として近接配置される部分(例えば、円弧状孔634が形成される補助腕部)に磁性体を配設することで、容易に構成することができる。
上記第1実施形態では、演出部材700が、配置位置が下側へ向かう程、拡大方向の変位として大変位が許容され、演出部材700の上下位置が固定されてから演出部材700の拡大方向の変位が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、演出部材700の上下方向の変位途中で拡大方向の変位が生じるように制御しても良い。この場合、演出部材700が下降変位する最中に演出部材700を縮小する(径方向内側へ変位する)方向に伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760を変位させることで、下アーム部材630が左右に長尺な姿勢から上下に長尺な姿勢に変化することによる影響を相殺することができ、演出部材700の前傾方向の姿勢変化を抑制することができる。
上記第1実施形態では、演出部材700が上下に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前後に変位するようにしても良い。この場合において、センターフレーム86の中央部に開口を設け、演出部材700が集合配置状態のままセンターフレーム86の正面側まで張り出し、センターフレーム86の正面側で離散状態へ状態変化することで、開口よりも大きな状態に変化するように構成しても良い。
なお、この場合は、ガラスユニット16と演出部材700との衝突を避けるために、ガラスユニット16のセンターフレーム86正面側部分に開口を空けることが好ましい。即ち、遊技領域の前面を覆うガラスユニット16とは別で、ガラスユニット16の前側を覆う2層目のガラスユニットを設けることが好ましい。また、この2層目のガラスユニットは、ガラスユニット16の下端と同様の前後位置から、上側へ向かう程に正面側へ向かう傾斜姿勢とされることが、上皿17の大きさを維持する観点からは好ましい。
上記第1実施形態では、第2長尺部材743の位置関係によって遮蔽意匠部材760や先端調整部材744の姿勢が傾斜し易い場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、第2長尺部材743と先端調整部材744との間に付勢力を発生されるバネなどの付勢手段を配設し、その付勢力により先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢を変化させるように構成しても良い。この場合、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を意図的に形成することができるので、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜による効果を奏し易くすることができる。
上記第1実施形態では、配線DK2にケーブルチューブを巻き付ける場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、電気配線DK1にケーブルチューブを巻き付けるようにしても良い。特に、基端側貫通孔635aの上側に配置される部分にケーブルチューブを巻き付けることで、本体部材601や正面カバー部材610と電気配線DK1とが擦れることを防止することができる。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、配線アーム部材870が案内凹部886の形状に沿って変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、配線アーム部材870の配置を変化させるためのソレノイド等の駆動装置を設けても良い。縦スライド部材820の位置の検出を基に駆動装置の動作制御を実行することで、配線アーム部材870の配置を適切に変更することができる。
上記第1実施形態では、電気配線DK2が配線アーム部材870の絞り部871aで挟まれることで仮留めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、結束バンド等の固定具で電気配線DK2を配線アーム部材870に固定しても良いし、電気配線DK2の変位方向を制限するようにしても良い。
また、電気配線DK2の留め位置は任意に設定可能である。例えば、配線アーム部材870と縦スライド部材820との連結位置を通して配設される電気配線DK2において、連結位置よりも配線アーム部材870側に留め位置(例えば、絞り部871a)を設けても良いし、連結位置よりも縦スライド部材820側に留め位置を設けても良い。
また、電気配線DK2を留める手段は、電気配線DK2への利用に限定されるものではない。例えば、拡大縮小ユニット600の電気配線DK1を留めるために利用しても良い。即ち、電気配線DK1が配設される配置用部635の一部の幅が狭められることで、電気配線DK1を挟み込んで変位を制限するように構成しても良いし、配置用部635の内側や、電気配線DK1の配線経路としての配置用部635よりも上流側または下流側の位置で結束バンド等の固定具で電気配線DK1を仮留めするように構成しても良い。
この場合において、電気配線DK1が仮留めされる対象は、配置用部635を備える下アーム部材630でも良いし、下アーム部材630の先端側(一端側)に配設される演出部材700でも良いし、下アーム部材630の基端側(他端側)に配設される本体部材601や正面カバー部材610でも良いし、本体部材601が締結固定される背面ケース510でも良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、横スライド部材840が上下左右平面上を変位することに対応付けて、配線アーム部材870が上下左右平面から近接離反する方向(前後方向)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、横スライド部材840の変位方向を前後左右平面上とする場合には、配線アーム部材870を上下方向に変位させることは当然可能であるし、近接離反する方向として、前後左右平面に対して傾斜して変位する方向としても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとの関係を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、大小関係が逆転しても良いし、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとが同径で構成されても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、電気配線DK2を、上側巻き部DK2aや、下側巻き部DK2bにおいて渦巻き状に変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、縦スライド部材820の上下変位に伴い姿勢変化可能な複数のアーム部材が、上側巻き部DK2aや下側巻き部DK2bの配置に合わせて配設され、それら複数のアーム部材に電気配線を通しておくことで、アーム部材の姿勢変化により電気配線の配置を変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、縦スライド部材820と配線アーム部材870とが一体的に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、縦スライド部材820と配線アーム部材870とが離れて配置されても良い。
この場合、配線アーム部材870を変位させるソレノイド等の駆動装置を配設することで、縦スライド部材820の停止中においても配線アーム部材870を変位させることができる。そのため、例えば、羽状部材854の回転変位中に配線アーム部材870を更に縦スライド部材820から離すことにより、縦スライド部材820の停止中においても、必要な場合には配線アーム部材870を変位させるように駆動制御することができる。
上記第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出部材700の張出状態や拡大状態への状態変化が、変位回転ユニット800の演出待機状態において生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、演出部材700に対して前後方向の位置が同じとなる変位回転ユニット800の羽状部材854が、離散状態の演出部材700の遮蔽意匠部材760間の隙間に配置される場合において演出部材700を拡大状態へ状態変化可能に構成しても良い。
この場合、演出部材700と変位回転ユニット800との衝突を避けることができると共に、変位回転ユニット800の配置から演出部材700の状態変化を予想されることを避けることができる。なお、この場合、変位回転ユニット800の羽状部材854の上下配置を検出するための検出センサを追加することが好ましい。
上記第1実施形態では、中間流路LM1の形状が案内経路DL1と同様の形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、案内経路DL1に比較して長い左右幅で屈曲する流路として形成されても良いし、前後方向に屈曲しても良いし、屈曲せずに鉛直に延びる流路として形成されても良い。
上記第1実施形態では、中間流路LM1を、第2入賞口640に入球した球を流下させる経路として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、中間流路LM1を、一般入賞口63に入球した球の経路として利用しても良いし、特定入賞口65aに入球した球の経路として利用しても良いし、兼用しても良い。また、中間流路LM1はアウト口71を通過した球の経路として構成しても良い。
また、各入賞口63,64,640,65の配置は遊技領域内の任意位置に設定されることから、中間流路LM1の配置も任意に設定することができる。例えば、中間流路LM1を遊技領域の左側に配置するようにしても良い。
また、中間流路LM1は遊技領域の背面側に配置される場合に限られるものでは無い。例えば、遊技領域の左右に並んで配置されても良いし、遊技領域の前側(ガラスユニット16の内部等)に配置されても良い。この場合においても、中間流路LM1は、遊技領域を流下する球の正面視における経路に沿って流下する区間を備えることが好ましい。
また、中間流路LM1を流下する球を遊技者の視界に入れるという目的から、中間流路LM1は遊技領域の左右中心側へ寄るように形成されれば足りる。そのため、正面視でセンターフレーム86の内方にまでは到達しないような経路でも良い。
上記第1実施形態では、横置き基板ユニット166の電飾基板が、厚み方向が上下方向と一致する姿勢で配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、半球状照明装置613のように、電飾基板が鉛直方向に対して傾斜するように配置されても良い。
また、電飾基板の全範囲を第1装飾部材171で隠されるものに限るものではない。例えば、電飾基板の一部は遮蔽されず、LED等の発光手段から照射される光を直接的に視認可能に構成しても良い。
上記第3実施形態では、案内孔733の形状を異ならせることにより、伸縮変位部材740の変位開始タイミングが変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、案内孔733の形状を階段状に形成することで、伸縮変位部材740が変位する区間と停止する区間とが交互に生じるように構成しても良い。
また、階段状に形成される案内孔733を一部の案内孔733に留めることで、異なる変位軌跡や、異なる変位タイミングで遮蔽意匠部材760を近接または当接させるように変位させることができる。
上記第6実施形態では、発射演出ユニット6300の左右に配置される第1光照射装置6330や第2光照射装置6340が複数枚の電飾基板を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、導光板演出手段160の横置き基板ユニット166や縦置き基板ユニット167に、複数の電飾基板による構成を採用しても良い。また、装飾手段170の横長溝部171aに対応する部分(左右長尺部分)を光透過が良好となるように構成し、横長溝部171aを複数の電飾基板の交差位置として採用し、交差部にLED等の発光手段を配置することで、横長溝部171aを通して光を視認させることができるように構成しても良い。
また、光の照射方向を増やすという観点からすれば、硬質の電飾基板を複数枚利用する場合に限られるものではない。例えば、フレキシブル基板(フレキシブルプリント基板)にLED等の発光手段を配設するようにしても良い。この場合、フレキシブル基板を巻いたり、部分で固定したりすることで、フレキシブル基板の面を様々な方向に向けることができる。これにより、フレキシブル基板の面に配設されるLED等の発光手段の光軸を様々な方向に向けることができ、光の照射方向を増やすことができる。また、この場合、単一基板で構成することができる。
上記各実施形態において、その構成の数が単数または複数かに関わらず、その構成を省略(複数の場合は構成数を削減)しても良い。同様に、構成の数を増加させても良い。
例えば、上記各実施形態では、キー装置A130の2箇所に突部A133bが形成される場合を説明したが、かかる突部A133bの数(形成数)を1に削減しても良い。同様に、上記各実施形態では、主制御装置A110に1のキー装置A130が配設される場合を説明したが、かかるキー装置A130の数(配設数)を2以上に増加させても良い。
また、上記各実施形態において、各構成の他の構成に対する配設位置、各構成の他の構成に対する配設方向(向き、姿勢、位相)、或いは、各構成の他の構成を基準とする配置の順序をそれぞれ変更しても良い。配置の順序は、全ての構成に対して変更しても良く、一部の構成のみ入れ替えても良い。即ち、各構成の配設位置、配設方向、配置の順序は任意である。
例えば、上記各実施形態では、開口A260(キー装置A130)が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に配置される場合を説明したが、開口A260(キー装置A130)を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央に配置しても良く、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向他側(第3接続壁部A240側)に配置しても良い。
また、例えば、上記各実施形態では、キー装置A130(被覆部A270)が、一対の突部A133b(突部A271b)を結ぶ方向が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に対して直交される配設方向(姿勢、位相)で配設される場合を説明したが、一対の突部A133b(突部A271b)を結ぶ方向が、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)と平行となる配設方向(姿勢、位相)や、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)と所定の角度(0°よりも大きく90°よりも小さい角度)を有する配設方向(姿勢、位相)でキー装置A130(被覆部A270)が配設されても良い。
また、例えば、上記各実施形態では、第1接続壁部A220に近い側から順に、開口A260(被覆部A270)、開口A250(ガイド壁A251)、開口AOP1が配置される場合を説明したが、例えば、上記各実施形態の配置の順序とは逆(即ち、第1接続壁部A220に近い側から順に、開口AOP1、開口A250(ガイド壁A251)、開口A260(被覆部A270)を配置する順序)としても良く、一部のみの配置の順序を入れ替えても良い(例えば、開口AOP1が、開口A250(ガイド壁A251)と開口A260(被覆部A270)との間に位置する配置の順序が例示される)。
上記各実施形態では、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)に突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作用壁部A210を端面壁部A272,A2272と同じ高さ位置に形成し(即ち、端面壁部A272,A2272を操作用壁部A210が兼用する)、周壁部A271に相当する構成を操作用壁部A210の背面側(矢印B方向側)に設けても良い。
上記各実施形態では、開口A250が操作用壁部A210に、開口A260が被覆部A270(端面壁部A272)に、それぞれ形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部位に形成されていても良い。即ち、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の外面のうちの一段低くされた部位に形成される必要はない。他の部位としては、例えば、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の外面を形成する部位、即ち、ボックスカバーA200,A3200の正面壁部A201、上壁部A202、下壁部A203、左壁部A204又は右壁部A205や、ボックスベースA300の背面壁部A301、上壁部A302、下壁部A303、左壁部A304又は右壁部A305などが例示される。また、同様に、他の部位としては、例えば、第1接続壁部A220、第2接続壁部A230又は第3接続壁部A240が例示される。
上記各実施形態では、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)に突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作用壁部A210を端面壁部A272,A2272と同じ高さ位置に形成し(即ち、端面壁部A272,A2272を操作用壁部A210が兼用する)、周壁部A271に相当する構成を操作用壁部A210の背面側(矢印B方向側)に設けても良い。
この場合、スイッチ装置A120は、操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)から突出される位置まで操作部A122の長さ寸法を延長すれば良い。なお、操作部A122の長さ寸法の延長に伴い、ガイド壁A251を操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)にも設けることが好ましい。
上記各実施形態では、ボックスカバーA200,A3200の外面(正面)に凹部が形成され、その凹部の凹設底面を形成する部位が操作用壁部A210とされる場合(即ち、正面壁部A201よりも一段低い位置(主制御装置A110側)に操作用壁部A210が位置される場合)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボックスカバーA200,A3200の外面(例えば、正面)に突部を形成し、その突部の突設先端面を形成する部位を操作用壁部A210としても良い(即ち、正面壁部A201よりも一段高い位置(主制御装置A110と反対側)に操作用壁部A210を位置させる)。
上記各実施形態では、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100に主制御装置100が収納される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の開口を介して操作子を操作するものであれば、その収納物は任意である。例えば、電気的な構成を有さないものであっても良い。このような収納物としては、例えば、球の流路から球を排出する排出口を開閉する開閉蓋に連結される連結部を有し、その連結部が操作子として操作されることで開閉蓋を開閉させる部材(構造体、装置)が例示される。
上記各実施形態では、操作手段(スイッチ装置A120、キー装置A130)として、押ボタンスイッチ、鍵操作式のセレクタスイッチを採用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他のタイプの操作手段を採用しても良い。他のタイプの操作手段としては、例えば、タクタイルスイッチ、ロッカースイッチ、ディップスイッチ、サムロータリースイッチ、トグルスイッチ等が例示される。
上記各実施形態では、操作子(操作部A122、鍵A140)の操作態様が、押し込み及び回転である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボックスカバーA200,A3200に形成された開口(上記各実施形態では開口A250,A260)を介して操作可能に配設されていれば、どのような操作態様であっても良い。他の操作態様としては、引き抜き、スライド、シーソー変位(例えば、ロッカースイッチの操作ボタンのように、両端が交互に押されることで操作ボタンがシーソーのように変位する態様)、傾倒(例えば、トグルスイッチの操作レバーのように、基端側を支点として操作レバーが一方へ倒れるように変位する態様)等が例示される。
この場合、操作子のスライド方向、シーソー変位する操作子の両端を結ぶ方向、傾倒する操作子の倒れる方向が、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に平行となる姿勢で、操作手段を配設することが好ましい。操作用壁部A210(第2領域)の長手方向に沿って形成される空間を有効に活用して、操作手段の操作性を向上できるからである。
なお、上述した操作態様のいずれの形態においても、開口A250,A260の正面視形状を、操作子の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成される形状としても良い。
上記各実施形態では、鍵A140の指で把持する面および端面と端面壁部A272,A2272(円環部A272a及び角形部A272bの外縁)との間に所定の隙間が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鍵A140又はキー装置A130に外力が作用されていない状態で、鍵A140の指で把持する面または端面の少なくとも一方と端面壁部A272,A2272(円環部A272a又は角形部A272bの外縁)とが当接される構成であっても良い。即ち、オフ位置またはオン位置にある鍵A140の指で把持する面または端面の少なくとも一方が端面壁部A272,A2272(円環部A272a又は角形部A272bの外縁)に当接され、鍵A140が操作(回転)される際には、鍵A140の端面が端面壁部A272,A2272(円環部A272aの外縁)に対して摺動される構成でも良い。
なお、鍵A140の指で把持する面および端面と端面壁部A272,A2272(円環部A272a及び角形部A272bの外縁)との間の隙間、キー装置A130の外面と被覆部A270の内面との間の隙間、キー装置A130の外面と立設壁A290及び下壁部A203の内面との間の隙間は、プリント基板A119に対するキー装置A130の傾倒が規定角度(キー装置A130の傾倒を許容できる角度、即ち、脚A131の抜けや損傷、はんだの剥がれが生じ難い角度)に達する前に、上記隙間の少なくとも一の隙間が無くなる(鍵A140又はキー装置A130が当接される)値に設定される。規定角度は、10度以下が好ましく、7度以下がより好ましく、5度以下が更に好ましい。本実施形態では、7度に設定される。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bを、それぞれ周方向の2箇所に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突部A271b,A133bの形成は、1箇所のみでも良く、3箇所以上でも良い。また、2箇所以上に形成する場合、それらの周方向位置(位相)は任意である。即ち、上記各実施形態のように周方向等間隔に形成しても良く、或いは、周方向不等間隔に形成しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bを、それぞれ周方向に断続的に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突部A271b,A133bを周方向に連続して形成しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bが径方向外方へ突設され、突部A271bにより形成された空間へ装置A130の突部A133bが配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被覆部A270の周壁部A271の内面から径方向内方へ突部を突設し、キー装置A130の基部A133aの外面に径方向内方へ凹む凹部を凹設し、被覆部A270の突部がキー装置A130の凹部の内部空間に配置される構成でも良い。この場合には、被覆部A270をキー装置A130に被せる(突部を凹部へ挿入する)ことができるように、基部A133aの端面(矢印F方向側の面)まで凹部を連続させれば(突部を凹部へ挿入するための開口を端面に形成すれば)良い。
上記各実施形態では、被覆部A270に第1突条A211及び第2突条A212を連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに加えて、ガイド壁A251に突条を連結しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270に2本の突条(第1突条A211及び第2突条A212)を連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる形成本数は、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数本を形成する場合、それらの一端と被覆部A270との連結位置は任意である。但し、第1突条A211及び第2突条A212とそれぞれ位相を略180度異ならせた位置に他の突条を連結することが好ましい。オフ位置・オン位置にある鍵A140から被覆部A270へ入力される荷重を効率的に受け止めることができるからである。
なお、第1突条A211及び第2突条A212、他の突条の断面形状、その断面形状の高さ寸法(操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)からの立設寸法)や幅寸法(断面消え状の高さ方向に直交する方向の寸法)は、任意であり、適宜設定可能である。端面形状としては、矩形形状、半円形状、三角形状、これらを組み合わせた形状等が例示される。断面形状の高さ寸法と幅寸法との関係は任意であり、どちらが大きい値であっても良い。
上記各実施形態では、第1突条A211及び第2突条A212の高さ寸法(操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)からの立設寸法)がその延設方向に沿って一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、延設方向に沿って変化させても良い。
なお、被覆部A270に連結される一端から離間されるに従って高さ寸法が漸次低くなるように構成しても良い。この場合には、材料コストを低減しつつ、被覆部A270の剛性を効率的に高めることができる。
上記各実施形態では、鍵A140の回転角度(オン位置とオフ位置との位相差)が90°に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の回転角度(位相差)に設定しても良い。即ち、鍵A140の回転角度は、90°よりも小さい角度に設定されても良く、90°よりも大きい角度に設定されても良い。
この場合、開口A260の形状(端面壁部A272の縁部の形状)は、鍵A140がオフ位置とオン位置との間で変位(回転)される際のその鍵A140の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成されることが好ましい。即ち、鍵A140の回転角度がθとされる場合、開口A260は、鍵A140の回転中心よりも一側の部分の変位を許容するための中心角略θの第1の扇形状の開口と、鍵A140の回転中心よりも他側(一側と反対側)の部分の変位を許容するための中心角略θの第2の扇形状の開口とが、位相を略180度異ならせて結合された形状に形成される。
上記各実施形態では、鍵A140が、回転中心よりも一側の部分の回転半径(回転中心から端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)までの距離)と、回転中心よりも他側の部分の回転半径とが異なる寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一側および他側において、その回転半径(回転中心から端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)までの距離)が略同一とされるものであっても良い。即ち、開口A260の第1の扇形状の開口と第2の扇形状の開口とが略同一の大きさ(半径)の開口とされるものであっても良い。
上記各実施形態では、操作用壁部A210の正面視形状が略横長矩形(長方形状)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは、他の正面視形状であっても良い。他の正面視形状としては、例えば、略正方形、略円形、略楕円形、略三角形、五角字以上の略多角形、これらを組み合わせた形状が例示される。
上記各実施形態では、操作用壁部A210の長手方向が、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100(ボックスカバーA200,A3200)の長手方向と略平行とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非平行であっても良い。或いは、略直交するもの(即ち、操作用壁部A210の長手方向を矢印U,D方向に沿わせる形態)であっても良い。
上記各実施の形態では、操作用壁部A210の外縁の一部(上記各実施形態では3辺)が接続壁部(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)により取り囲まれ、外縁の残りの部分(上記各実施形態では1辺)が取り囲まれない(開放された)形態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。操作用壁部A210の外縁の全域が接続壁部により取り囲まれていても良い。
即ち、ボックスカバーA200,A3200の正面視において、上記各実施形態では、ボックスカバーA200,A3200の外縁の一部に操作用壁部A210の外縁の一部が一致される位置に操作用壁部A210が配置(形成)されたが、ボックスカバーA200,A3200の外縁に操作用壁部A210の外縁が一致されない位置に操作用壁部A210を配置(形成)しても良い。
上記各実施形態では、開口AOP1、開口A250(ガイド壁A251)及び開口A260(被覆部A270)が略直列(略一列)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の配置としても良い。他の配置としては、千鳥状の配置、規則性を有さない位置へ分散された配置、格子状の配置(複数の互いに直交する直線の交差点への配置)などが例示される。また、略直列(略一列)に配置する場合、その直列方向が、操作用壁部A210(ボックスカバーA200,A3200)の長手方向と非平行となる配置であっても良く、略直交される配置であっても良い。
上記各実施形態では、端面壁部A272,A2272の正面(矢印F方向側の面)が平坦面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、端面壁部A272,A2272の正面(矢印F方向側の面)から1又は複数の突起や突条(リブ)を立設しても良い。
この場合、突条(リブ)(例えば、略半円または略矩形の断面形状を維持しつつすじ状に延設して形成される部位)は、正面視(矢印B方向視)において、端面壁部A272,A2272の中央(周壁部A271の軸心)から径方向外方へ向けて放射直線状に延設される形態が好ましい。また、このような突条(リブ)が周方向に所定間隔を隔てつつ複数配設されることが好ましい。これにより、鍵A140を抜き取る際に、鍵A140が端面壁部A272,A2272の縁部に係合し、鍵A140の抜き取り方向(矢印F方向)へ端面壁部A272,A2272が持ち上げられても、突条(リブ)の剛性を利用して、端面壁部A272,A2272の破損を抑制できるからである。
或いは、突条(リブ)は、周方向に連続する正面視円環状に形成されるものでも良い。かかる突条(リブ)は、径を異ならせて(即ち、径方向に所定間隔を隔てつつ)複数が配設されても良い。なお、周方向に断続的(非連続)でも良い。
上記各実施形態では、立設壁A209の立設先端面の高さ位置が、立設壁A208,A280,A290の立設先端面の高さ位置よりも後退される(即ち、プリント基板A119から離間する側に位置される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別の立設壁A208,A280,A290が後退されていても良い。
また、各立設壁A208,A209,A280,A290の基準面からの後退量が他の立設壁A208,A209,A280,A290の基準面からの後退量とそれぞれ異なるものであっても良い。更に、1の立設壁A208,A209,A280,A290において、その後退量が変化するものであっても良い。
この場合、締結孔A206aから遠い立設壁ほど立設先端面の基準面からの後退量を小さくすることが好ましい。プリント基板A119は、締結孔A206aから遠い領域ほど、近い領域と比較して、ねじASCによる規制が弱くなる分、立設壁が当接された際に、その当接された立設壁から離間する方向へ変形(変位)しやすくなり、プリント基板A119の正面との密着度が弱まるところ、締結孔A206aから遠い立設壁ほど立設先端面の基準面からの後退量を小さくすることで、立設壁の立設先端面とプリント基板A119の正面との密着を、全ての立設壁においてそれぞれ確保しやすくできるからである。
例えば、本実施形態では、締結孔A206aに最も近い立設壁A209の立設先端面を基準面と仮定した場合、立設壁A280、立設壁A290、立設壁A208の順に締結孔A206a(立設壁A209)からの距離が遠くなるため、この順に、締結孔A206aからの離間距離に応じて、上述した基準面からの後退量を小さくする(即ち、立設壁A208の立設先端面の基準面からの後退量を最小とする)ことが好ましい。
また、各立設壁A208,A209,A280,A290においても、締結孔A206aからの離間距離が遠くなるに従って、上述した基準面からの後退量が小さくなるように変化させても良い。即ち、1の立設壁A208,A209,A280,A290における立設先端面が、例えば、ボックスカバーA200,A3200の正面壁部A201に対して、それぞれ傾斜した面とされる構成としても良い。
上記各実施形態では、設定変更モードでは、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の少なくとも一方に設定値が表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、他の表示装置に表示しても良い。他の表示装置としては、例えば、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84などが例示される。
また、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器のいずれにも設定値が表示されない構成でも良い。
この場合は、設定変更モードの起動時は、その起動前における設定値に関わらず、所定の初期値(例えば、第1の値)に設定値を更新し、スイッチ装置A120の操作部A122を押し込む回数に基づいて、設定値を作業者が認識する構成としても良い。不正な手段(例えば、ホールに設置した隠しカメラにより第3図柄表示装置81の表示を撮影する手段)により、設定値を不正に取得されることを抑制できる。また、遊技中に設定変更を行う場合に、遊技者に設定値が認識されることを抑制できる。なお、この場合、設定確認モードは、省略しても良い。
上記各実施形態では説明を省略したが、外枠11に対する内枠12の相対位置(ヒンジ18を回転中心とする回転位置)を検出する第1の検出センサを設け、外枠11に対して内枠12が所定角度以上だけ開放(回転)されていることが第1の検出センサにより検出されている場合には、上述した設定変更が許容され、外枠11に対する内枠12の所定角度以上の開放(回転)が第1の検出センサにより検出されていない場合には、設定変更が禁止される(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130からの入力を無効とする)ように構成しても良い。不正に設定変更がなされることを抑制できるからである。
また、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の相対位置(回転軸A410を回転中心とする回転位置)を検出する第2の検出センサを設け、内枠12に対して基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100が所定角度以上だけ開放(回転)されていることが第2の検出センサにより検出されている場合には、上述した設定変更が禁止され(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130からの入力が無効とされ)、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の所定角度以上の開放(回転)が第2の検出センサにより検出されていない場合には、設定変更が許容されるように構成しても良い。不正に設定変更がなされることを抑制できるからである。
なお、第1の検出センサ及び第2の検出センサの両方を設けても良く、一方のみを設けても良い(他方を省略しても良い)。両方を設ける場合には、第1の検出センサにより外枠11に対する内枠12の所定角度以上の開放(回転)が検出され、且つ、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の所定角度以上の開放(回転)が第2の検出センサにより検出されていない場合に、上述した設定変更が許容されるようにしても良い。なお、第1の検出センサ及び第2の検出センサとしては、例えば、回転角度を検出するロータリセンサや、開閉に伴い機械的検出部が変位されるリミットスイッチが例示される。
上記各実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容される(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、設定変更が禁止される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の電気的接続線は任意に設定(選択)できる。
例えば、所定の電気的接続線を、電源装置115を主制御装置A110に接続する電気的接続線のみとしても良い。即ち、少なくとも電源装置115が主制御装置A110に電気的接続線により接続されていれば、他の電気的接続線の接続の状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容されるように構成しても良い。この場合、設定変更に伴う設定値は、第3図柄表示装置81では確認できないが、主制御装置A110の7セグメント表示器により確認できる。
上記各実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容される場合(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、設定変更が禁止される)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の電気的接続線が主制御装置A110から解除されていなければ、他の電気的接続線の接続状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容されない(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されている場合には、設定変更が禁止される)ように構成しても良い。この場合も、所定の電気的接続線は任意に設定(選択)できる。
例えば、所定の電気的接続線としては、払出制御装置111が例示される。これによれば、払出制御装置111の電源がオフされるため、かかる払出制御装置111が不正に動作され、遊技球の払出が行われることを抑制できる。
上記第8実施形態では、端面壁部A2272の背面(矢印B方向側の面)から突設される部位の形態として、突条A2273がすじ状に延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の突部が、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの間において、所定間隔を隔てつつ並設される構成でも良い。或いは、突条A2273が、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの間において、断続的に形成される構成でも良い。
なお、突条A2273又は複数の突部が形成される範囲は、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの範囲に限れるものではなく、かかる範囲を縮小しても拡大しても良い。かかる範囲を円環部A272a及び角形部A272bの外縁の全域としても良い。
上記第9実施形態では、基板ボックスA3100が回転軸A410を回転中心として回転されることで、第2の位置(操作用壁部A210の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く位置、図122(b)参照)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の変位形態を採用することは当然可能である。
他の変位形態としては、例えば、基板ボックスを内枠12に対してその幅方向(矢印L,R方向)にスライド変位可能に配設し、ヒンジ18と反対側(矢印L方向)へスライド変位されることで、基板ボックスが第2の位置に配置される形態、回転軸A410をパチンコ機A10(内枠12)の前後方向(矢印F,B方向)に沿う軸として形成し、その回転軸A410を回転中心として変位(回転)されることで、基板ボックスが第2の位置に配置される形態などが例示される。
上記第10実施形態では、回転軸A4410が、封印ユニットA400及びサブカバーA500のそれぞれに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一方または両方の回転軸A4410を、ボックスカバーA200,A3200又はボックスベースA300に形成しても良い。この場合、ボックスカバーA200,A3200とボックスベースA300とのそれぞれに回転軸A4410の分割体を形成し、ボックスカバーA200,A3200をボックスベースA300に連結した状態で、それぞれの分割体から1の回転軸A4410が形成されるようにしても良い。
なお、上記第7実施形態から第9実施形態でも同様であり、封印ユニットA400に回転軸A410が形成される場合を説明したが、回転軸A410をボックスカバーA200,A3200又はボックスベースA300に形成しても良い。また、上述した場合と同様に、ボックスカバーA200,A3200をボックスベースA300に連結した状態で、それぞれに形成される分割体から1の回転軸A410が形成されるようにしても良い。
上記第11実施形態では、覆設部材B1200の本体部材B1210と上方延設部B1312,B1512とが擦れる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、覆設部材B1200側に開口を設け、その開口に進入可能な寸法で上方延設部B1312,B1512の前側面を前側へ張り出しても良い。この場合、摩擦抵抗では無く、係合(嵌め合い)により案内部材B1310,B1510の下流側端部の上下位置を安定させることができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500の一部が薄板部材B1110の前側から組み付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通形成部B1120の形状を、案内板B1300,B1500を上方延設部B1312,B1512も含めて前後に挿通可能な形状とすることで、案内板B1300,B1500の組み付けを薄板部材B1110の背面側で完結することができる。
また、上方延設部B1312,B1512を案内部材B1310,B1510から分解可能に構成しても良い。これにより、薄板部材B1110の正面側からの組み付けが要求される部分を、球からの衝突負荷が生じやすく、破損の可能性が他の部分に比較して高い上方延設部B1312,B1512に限定することができる。このように、破損する可能性が高い箇所のみを正面側からの組み付けとすることによって、メンテナンス性を向上することができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500の開放順序を交互にする場合と、どちらか一方が開放されるように統一する場合とを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、交互に開放するラウンド区間と、どちらか一方が連続して開放するラウンド区間の割合を変化させる他のバリエーションを用意しても良い。
例えば、1〜8ラウンドまでは交互に開放し、9〜15ラウンドまでは第1案内板B1300のみが開放するようにしても良い。この場合、各作動パターンの特徴(払い出し球数、ラウンド遊技時間、零れ球の球数など)を半分ずつ併せ持つ作動パターンとすることができる。
上記第11実施形態では、突設部B1140,B1211の左右配置間隔は等間隔として、突設長さを変更したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設長さは同じとして配置間隔を変化させる区間を設けても良いし、突設長さを同じとしつつ配置間隔も等間隔にしても良い。希望する減速態様に合わせて突設部B1140,B1211を設計すれば良い。
第11実施形態では、入球前範囲下部を転動する球とは当接しない高さに突設部B1140,B1211が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、球の上端部付近をかすめる程度の高さにしても良い。この場合、突設部B1140,B1211を、一側傾斜(例えば、右下へ向けた傾斜)では、球への減速作用が大である突設部として機能させ、他側傾斜(例えば、左下へ向けた傾斜)では、球への減速作用が小である突設部として機能させることができる。
減速区間は、遊技球と当接する部分の形状(案内経路の内側へ張り出す突部の付加または案内経路の傾斜の変化)により構成される。その点で、突設部B1140、B1211は、前後方向に突設されるものに限るものではない。例えば、延設支持部B1212の上端部が転動面B1321,B1521の下端位置から上方へ出張る態様でも良い。
なお、球を案内する部材の変位態様により好ましい減速区間の構成が異なる。例えば、直動変位する部材であれば、突設部の付加も転動面の傾斜の変化も容易である。また、例えば、案内経路の幅方向から張り出すように回転変位する部材であれば、突部の付加は容易であるが、傾斜の変化は回転軸との関係から設計自由度が低くなる。また、例えば、案内経路の長手方向から張り出すように回転変位する部材であれば、突部の付加は、変位する部材の変位軌跡を避けて行う必要があるので自由度が低くなりがちであるが、傾斜の変化の設計自由度は高い。
上記第11実施形態では、一の可変入賞装置B1000に複数の検出センサを配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可変入賞装置B1000の構成の一部を流用して、単一の検出センサに球を案内する可変入賞装置として構成しても良い。
上記第11実施形態では、両方の案内板B1300,B1500共に中間に隙間がある構造としたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、一方にのみ隙間が形成され、他方には隙間が形成されず一枚板で構成されても良い。
上記第11実施形態では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500共に、連結固定部材B1330,B1530がブロック状に形成され、前後で間隔を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、連結固定部材B1530から正面視で連結固定部材B1330と重なる部分を削除して、連結固定部材B1530を正面視L字形状の部材として構成することで、連結固定部材B1530を連結固定部材B1330の真上に配置可能としても良い。
即ち、待機状態において、連結固定部材B1330,B1530は、前後方向に同位置に配置可能とされるようにしても良い。この場合、案内板B1300,B1500の配置に要する前後幅を短くすることができる。
上記第11実施形態では、延設支持部B1212により、案内部材B1310,B1510と上流側部材B1320,B1520との間の隙間を埋める場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い、例えば、延設支持部B1212の形成を省略しても良い。この場合、案内部材B1310,B1510と上流側部材B1320,B1520との間の隙間が段となり、若干球の流れが乱れるものの、検出センサB1230,B1250へ問題なく球を案内することができる。また、延設支持部B1212の形成を省略することで空く空間を利用して、案内部材B1310,B1510や上流側部材B1320,B1520の端部を延ばして隙間を狭めるように構成することで、球の流れの乱れを最小限に抑えることができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500において、案内部材B1310,B1510と上流側部材B1320,B1520との相対位置が変化せず前後移動のみが生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連結固定部材B1330,B1530に対して上流側部材B1320,B1520が左右方向変位可能に連結されるように構成しても良い。この場合、案内板B1300,B1500の前後変位に合わせて上流側部材B1320,B1520を案内部材B1310,B1510に近づけるように変位させるよう構成することができる。これにより、案内板B1300,B1500が正面視で交差する構成ながら、交差位置に生じる隙間を上流側部材B1320,B1520の左右方向変位により塞ぐことができるので、延設支持部B1212の形成を省略することができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際に、上方延設部B1312,B1512が特定入賞口B1001,B1002の上流側に配置され、球の入球を遮断する。この場合において、上方延設部B1312,B1512は特定入賞口B1001,B1002の正面側から背面側へ変位するように構成した。そのため、上方延設部B1312,B1512から球に与えられる負荷の方向が背面側向きとなるので、変位中の上方延設部B1312,B1512から負荷を与えられた球は、まず基礎部材B1100の薄板部材B1110に衝突し、意匠面を構成する覆設部材B1200の本体部材B1210にはバウンドにより勢いが低減された球が衝突する。
そのため、本体部材B1210にかけられる負荷を低減することができ、意匠面が割れる等の不具合を回避し易くすることができるが、上方延設部B1312,B1512の変位は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上方延設部B1312,B1512が球の入球を遮断する場合に、背面側から正面側へ変位するように構成しても良い。この場合、特定入賞口B1001,B1002の内側縁が基礎部材B1100の薄板部材B1110の板面と面一に構成される場合において、球の遮断を早期に生じさせることができる。
なお、特定入賞口B1001,B1002を遮断する部材を背面側から正面側へ変位させる態様は何ら限定されるものではない。例えば、案内板B1300,B1500が、閉鎖状態への切り替えの際に正面側へ変位するように構成しても良いし、上方延設部B1312,B1512を案内板B1300,B1500とは別体で構成し、案内板B1300,B1500が閉鎖状態への切り替えの際に背面側に変位することに伴って、上方延設部B1312,B1512が正面側に変位するように構成しても良い。
上記第11実施形態では、延設支持部B1212と、転動面B1321,B1521とが面一である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設支持部B1212の上端部よりも転動面B1321,B1521の下端部が低い位置に配置されても良い。この場合、転動面B1321,B1521を転動する球に対して、延設支持部B1212の上端部が段(階段)を形成し、この段により球の流下速度を減速させることができる。
即ち、突設部B1140,B1211のように、球との当接により球の流下速度を減速させる突設部は、流下経路の前後方向から突設される場合に限定されるものではなく、流下面から上方へ向けて突設されるように構成されても良い。なお、球の流下経路の上側から下方へ突設される態様の一例として、突設部B1140,B1211を記載した。
例えば、延設支持部B1212の上端部よりも転動面B1321,B1521の下端部が高い位置に配置されても良い。この場合、延設支持部B1212に対して上流側部材B1320,B1520が段(階段)を形成し、この段により、転動面B1321,B1521の下端部よりも下流側から、球が逆流して転動面B1321,B1521に乗り上げることを防止することができる。従って、球を第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へスムーズに案内することができる。
このように、延設支持部B1212は、第1開閉板B1300及び第2開閉板B1500の閉鎖状態においても入球前範囲に常時配置されることで球の落下を遅らせる作用の他に、転動面B1321,B1521に対する配置の設計によって、球の流下を減速させる手段として利用できたり、球の逆流を防止する手段として利用できたりする。
上記第12実施形態では、転動面B2531が前後方向に対して水平となるように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動面B2531が前後に傾斜するようにしても良い。この時、例えば、背面側へ向けて下降傾斜するようにすることで、閉鎖状態への切り替え時に球をスムーズに落下させることができるので、開閉棒B2500の変位をスムーズにすることができる。
上記第11実施形態では、球を振分装置B1800で左右に振り分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右に交互に球を振り分ける機構を可変入賞装置B1000の上流側に設けても良いし、電源投入時から一定動作する可動体により球を振分られるように構成しても良い。また、可変入賞装置B1000の上流側の振分機構を省略しても良い。
また、ソレノイドが非励磁で、振分装置B1800が上がっている状態の時にのみ、球案内受部B1260に球が入球し得る例を説明したが、逆でも良い。例えば、いずれかのソレノイドが励磁された場合に振分装置B1800が上がるよう構成する。この場合、通常中や、時短中には、球案内受部B1260に入賞することを防止できる。
球案内受部B1260が、振分装置B1800よりも上流側に配置されても良い。また、球案内受部B1260を省略しても良い。この場合、特別遊技状態の進行の時間効率を良くすることができる。また、振分装置B1800のどちらに流れても、その下流側の経路が球案内受部B1260に入球し得るよう構成されていても良い。振分装置B1800で、球の経路を100%切り分けることに限定されるものではない。例えば、8割がた切り分けるといったような、釘に類似の機能を持たせるようにしても良い。
上記第11実施形態では、延設支持部B1212が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設支持部B1212が可動とされても良い。この場合に、案内板B1300,B1500と連動して(例えば、押されて)動作するように構成しても良い。
上記第11実施形態では、入球前範囲が遊技領域程度の前後幅とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後に長く構成されても良い(球の直径の2倍以上の長さで構成されても良い)。この場合、正面視では交差しても、上面視では前後に離れている構成とすることができる。そのため、真上に配置される必要はない。換言すれば、交差することで、前後幅が19mmの遊技領域であっても、左右に配置される入球口への案内流路の左右長さを双方共長くすることができる。対して、前後に球が2つ配置可能な前後幅であれば、交差せずとも、上下幅小さく複数の特定入賞口を配置できる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500の双方が背面側から正面側へ張り出す場合を説明したが、少なくとも一方が、正面側から背面側へ向けて変位することで開放状態を構成するようにしても良い。
上記第11実施形態では、入球前範囲上部を狙った球の方が、入球前範囲下部を狙った球に比較して、減速される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部B1140等の形成を省略し、入球前範囲上部(傾斜上流側)に打ち出した球の方が加速され、入球前範囲下部(傾斜下流側)に打ち出した球の方が、左右方向が反転することに起因して遅くなるように構成しても良い。
上記第12実施形態では、開閉板B2300と開閉棒B2500とが独立して動作することを前提とする設計について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位軌跡BE11と変位軌跡BE12とが部分的に重なるため、零れ球を防止するためにラウンド間インターバルを短くした場合に、開閉板B2300と開閉棒B2500とが接触し相互に関連して動作する(連動する)場合もある可能性を考慮して設計するようにしても良い。
例えば、開閉板B2300の開放状態から閉鎖状態への切り替えが完了する前に連結部B2530が開放状態へ向けて変位する場合に、板部B2310の下側部に連結部B2530が係合してしまうと、開閉板B2300の動作不良を引き起こす虞がある。
これに対し、開閉板B2300に、板部B2310の回動先端側における左右中央部から開閉棒B2500側へ向けて半球状に突設される先行衝突部を形成し、開閉棒B2500に、連結部B2530の左右中央部から開閉板B2300側へ向けて半球状に突設される先行衝突部を形成し、それら先行衝突部同士が互いに衝突可能に配置しても良い。
各先行衝突部が、他の構成部材に先んじて相手部材に近接する部分として構成されることで、板部B2310の下側部に連結部B2530が係合する前に先行衝突部同士を衝突させることができる。
そして、先行衝突部同士の衝突による負荷が、開閉板B2300及び開閉棒B2500を閉鎖状態へ向けて変位させる方向に生じるよう構成すれば、開閉板B2300又は開閉棒B2500が閉鎖状態へ切り替えられる途中で開閉棒B2500又は開閉板B2300が開放状態へ向けた変位を開始したとしても、開放状態へ向けて切り替えられる開閉棒B2500又は開閉板B2300が閉鎖状態へ向けて変位する開閉板B2300又はB2500に負荷を与えることで、状態切り替えを促進させることができる。
これにより、ラウンド間インターバルが短くなりすぎて、開閉板B2300及び開閉棒B2500の内、一方の部材が閉鎖状態を形成する前に他方の部材が開放状態へ向けて変位開始して、部材同士が衝突する事態が生じたとしても、衝突による負荷は一方の部材を閉鎖状態へ向けて押し込むように作用するに留まり、開閉板B2300及び開閉棒B2500の動作不良を引き起こすことを回避することができる。
これにより、ラウンド間インターバルを短く設定する場合における不具合が生じる可能性を低くすることができ、零れ球を回避するために必要な程度にラウンド間インターバルを短く設定する制御を実行し易くすることができる。なお、先行衝突部の形状および配置は任意に設定可能である。例えば、零れ防止部B2524を先行衝突部として機能させても良い。
上記第12実施形態では、開閉板B2300の開放状態へ向けた変位が、上辺を軸とした上昇変位(起き上がり変位)とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、起立した閉鎖状態から、下辺を軸とした下降変位(傾倒変位)によって開放状態とされ、開放状態における上側面が球の流下面(転動面)として利用されるようにしても良い。
この場合、閉鎖状態における開閉板の背面側を球が進入可能な大きさで凹設し、その凹設部分の下流に検出センサを配置することが好ましい。開閉板の開放状態における上側面に球が乗っている場合に開閉板が閉鎖状態に切り替えられると、乗っていた球が零れることなく凹設部分に引き入れられるように構成することができる。
上記第12実施形態では、開放状態への切り替えの際に正面側へ変位する開閉板B2300と、開放状態への切り替えの際に背面側へ変位する開閉棒B2500とで入球前範囲の球の流下態様を切り替え可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面側へ変位する部材を、開閉棒B2500と同様の構成を有する部材として構成しても良い。
上記第12実施形態では、開閉板B2300の転動面B2311が同一傾斜の平面状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動面を山形状に形成し、途中で傾斜角度が変化するようにしても良い。この場合、転動面の形状によって、球の減速の程度の変化を生じさせることができる。
上記第12実施形態では、右アーム部B2520が左アーム部B2510と同様の形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、右アーム部B2520の形状は任意に設定できる。例えば、右アーム部B2520が直線棒状に形成されても良いし、左アーム部B2510の湾曲の逆側に湾曲するJ字形状でも良い。この場合、開閉棒B2500の閉鎖状態において右アーム部B2520を第2検出センサB1250の開口へ向けて転動する球の流下経路から離すことができる。これにより、開閉板B2300の転動面B2311に沿って流下する球の流下を阻害する可能性を低くすることができる。
上記第12実施形態では、センターフレーム86を境に流路が左右に分岐する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、センターフレーム86の左右いずれか(例えば、右側)に、球の流下経路を分ける仕切りを設けるようにしても良い。この場合、センターフレーム86の左右いずれかにおいて、球の流下経路を複数構成することができる。
上記第13実施形態では、第1案内板B3300と第1回動部材B3700とを単一の第1駆動装置B1400で駆動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1案内板B3300を駆動する駆動装置と、第1回動部材B3700を駆動する駆動装置とを個別に配設し、制御により変位タイミングを合わせるようにしても良い。
上記第13実施形態では、入球前範囲において、入球前範囲上部では案内板B3300,B3500が球を案内し、入球前範囲下部では回動部材B3700,B3900が球を案内する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板および回動部材を入球前範囲の左右に亘る長さで構成し、第1検出センサB1230の開口への案内は案内板で行い、第2検出センサB1250の開口への案内は回動部材で行うように構成しても良い。
この場合において、回動部材は、閉鎖状態への切り替えによって更に傾倒するように構成しても良い。この場合、開放状態への切り替えによって回動部材が球を救い上げる変位方向となるので、零れ球の個数を低減することができる。
また、左右に配置される回動部材を入球前範囲の左右に亘る長さで構成するようにしても良い。この場合、交差位置付近での衝突が生じることを防止するために、回転先端側から回転基端側へ向けて凹設される凹設部分を有するように構成し(例えば、軸方向の幅が狭くなるように構成したり、径方向に歯が延びる櫛状に構成したりし)、一方の回動部材の凹設部分に他方の回動部材の非凹設部分が進入可能な位置関係となるように設計することが好ましい。これにより、左右の回動部材が変位中に正面視で重なるよう構成しても、部材間の衝突が生じることを防止できる。
この場合、回動部材を、閉鎖状態への切り替えによって更に傾倒するように構成しても良い。この場合、開放状態への切り替えによって回動部材が球を救い上げる変位方向となるので、交差位置を通り過ぎた球(入球前範囲下部に配置された球)を救い上げ易くすることができ、零れ球の個数を低減することができる。
また、回動部材B3700,B3900の転動面B3721,B3921は平面状に構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の平面から構成され傾斜が変化するように構成しても良いし、湾曲面で構成しても良い。これにより、転動面を転動する球の流下態様を複雑化することができる。
上記第13実施形態では、案内板B3300,B3500が正面側へスライド変位することで開放状態を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B3300,B3500が背面側へスライド変位することで開放状態を構成するようにしても良い。
上記第13実施形態では、入球前範囲上部を構成する転動面B3321,B3521の水平面に対する傾斜角度に対して、入球前範囲下部を構成する転動面B3721,B3921の水平面に対する傾斜角度の方が大きい場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入球前範囲下部の方が、傾斜角度が小さくなるようにしても良い。即ち、入球前範囲下部の方が、減速の程度が高くなるように構成しても良い。
この場合、入球前範囲下部において転動面B3721,B3921に複数の球が配置される状況を生じ易くすることができるので、回動部材B3700,B3900が閉鎖状態に状態変化する際に回動部材B3700,B3900に押されて検出センサB1230,B1250へ巻き込まれる球の数を多くすることができる。
なお、減速の程度の変化は、必ずしも転動面の傾斜の違いで生じさせる必要はない。例えば、突設部B1140等の入球前範囲に張り出す突起の形成幅、突設長さ、形成間隔(密度)を任意に設定することで、減速の程度に差を設けるようにしても良い。
上記第13実施形態では、回動部材B3700,B3900と案内板B3300,B3500とで球の案内経路を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位する案内板B3300,B3500の代わりに、開閉板B2300と同様の変位をする回動部材を案内板B3300,B3500と同様の左右幅で構成しても良い。
この場合、代替品としての回動部材と回動部材B3700,B3900との回転方向が対向するので、当接時に負荷を相殺させることで、早期に停止させることができる。更に、上下方向から互いに近づくように変位するので、隙間をうめ易い。
上記第13実施形態では、双方共変位可能に構成される案内板B3300,B3500と、回動部材B3700,B3900とが近接変位して隙間を塞ぐ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B3300,B3500と、回動部材B3700,B3900との間に固定部材を介在させ、案内板B3300,B3500と回動部材B3700,B3900とは直接は当接しないようにして、隙間を塞ぐようにしても良い。
また、案内板B3300,B3500と、回動部材B3700,B3900との双方共に変位し、互いに当接して隙間を塞ぐ場合には、一方が他方よりも柔軟に形成され、当接時に撓むように構成しても良い。例えば、案内板B3300,B3500の方が、回動部材B3700,B3900よりも固く構成しても良い。これにより、回動部材B3700,B3900の撓みによって、隙間を埋め易くすることができる。
また、例えば、例えば、案内板B3300,B3500の方が、回動部材B3700,B3900よりも柔軟に構成される場合には、案内板B3300,B3500が破損する事態を回避することができるので、案内板B3300,B3500を薄肉に構成し易くすることができる。
上記第13実施形態では、回動部材B3700,B3900が球5個分程度離れて配置される場合を説明したが、回動部材B3700,B3900の配置間隔は任意である。例えば、回動部材B3700,B3900が遊技領域の左右両端に離れて配置されていても良い。
また、回動部材B3700,B3900の上方に庇部を形成し、閉鎖状態における球の衝突を防止するように構成しても良い。
上記第14実施形態では、開閉棒B2500の転動面B2531が前後方向に傾斜しない場合を説明したが、前後に傾斜するようにしても良い。特に、開閉棒B2500を転動する球の減速を意図しないので、突設部B1140との当接のしやすさは問題にならない。例えば、転動面B2531が正面側へ下降傾斜するように構成することで、突設部B1140から離れた経路で球を転動させることができる。
上記第16実施形態の構成を利用して、案内経路の交差位置の下方に案内口B4160を配設しても良い。この場合、案内経路の上下幅の内側に十分なスペースを設けることができるので、案内経路の上下幅の内側に案内口B4160を配置し易くすることができる。
上記第14実施形態では、背面側へ張り出す開閉棒B2500を回転変位で、正面側へ張り出す案内板B4300をスライド変位で構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、背面側へ張り出す部材をスライド変位で、正面側へ張り出す部材を回転変位で構成するようにしても良い。
上記第14実施形態では、開閉棒B2500に案内される場合に、突設部B1140との衝突が避けられる構成から、球の減速が十分に生じない可能性があるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉棒B2500を中間位置で折曲形成し、開放状態において球の案内経路を屈曲させる(案内経路の上下方向傾斜を途中で変化させる)ように構成しても良い。これにより、傾斜角度の変化により球の減速を生じさせることができる。
上記第14実施形態では、庇部B2271から流れた球が球案内受部B4260を通りすぎる構成とすることで、左右での球案内受部B4260への入球頻度を変えるように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部B1140の中間位置に突設部B1140を追加しつつ、センターフレーム86の下縁をその追加した突設部B1140の突設先端よりも前側に張り出させて構成しても良い。
この場合、センターフレーム86の下縁から落下する球は突設部B1140には当接し難くすることができ球案内受部B4260への入球を阻害しないように構成できる一方、開閉棒B2500が閉鎖状態へ切り替えられる際に開閉棒B2500から滑落する球(背面側へ寄せられる球)を突設部B1140に当接させ、球の軌道を球案内受部B4260の左右に逸らせることができる。これにより、開閉棒B2500からの球案内受部B4260への入球頻度のみを低下させることができる。
上記第14実施形態では、球集合壁B4020により球がスルーゲート67に入り易いように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スルーゲート67の上流側に交互振分装置が配設され、2球に1球の割合(交互)で球がスルーゲート67を通過するようにしても良いし、左側にスルーゲート67を複数個配置しても良い。
上記第17実施形態では、可変入賞装置B1000の構成を基にして、駆動モータB7710単品で複数の案内板B1300,B1500を駆動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、兼用駆動装置B7700での駆動を可変入賞装置B2000の構成に追加するようにしても良い。なお、被進入溝部B7730は新たに設計し直すことが必要になる。
上記第14実施形態では、可変入賞装置B4000に球案内受部B4260が配設され、案内口B4160と同様に可変入賞装置B4000にユニット化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球案内受部B4260や案内口B4160はベース板60に配設され、基礎部材B4100に球案内受部B4260との干渉を避けるための凹設部が形成されるようにしても良い。この場合、球案内受部B4260と基礎部材B4100の凹設部との間の隙間において、ベース板60に釘を植設することができる。これにより、球案内受部B4260を第1入賞口64の代わりとする場合に、命釘を容易に植設することができる。
また、球案内受部B4260を第1入賞口64の代わりとしてでは無く、一般入賞口63の代わりとして機能させても良い。払い出し賞球個数を増加させることができる。また、案内経路の下側なので、上流側に配置する場合に比較して、特別遊技状態が長引くことを防止することができる。
上記第14実施形態では、前側突設部B4260が案内板B4300に一体的に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B4300とは独立した部材として、覆設部材B4200に固定されるものでも良い。これによれば、案内板B4300の閉鎖状態においても、前側突設部B4260を球に衝突させることができる。また、前側突設部B4260はブロック形状でも良いし、背面側へ延びる柱状に形成されても良い。
上記第19実施形態では、突設部B9140の機能の違いを、配置高さの違いで説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、突設長さを変えるようにしても良い。また、球の案内経路が右下傾斜の経路のみの場合を説明したが、上記各実施形態と同様に、経路が双方向で構成されても良い。
なお、遊技球を留まり易くする構成は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下経路の内側へ向けて突設される突条により遊技球が減速されることにより遊技球が留まり易くなる態様でも良いし、案内経路の傾斜の度合いを切り替えることで遊技球を減速させることにより遊技球が留まり易くなる態様でも良い。
また、経路構成手段の転動面に凹凸形状(波形状)が形成されることで遊技球を減速可能に構成することにより遊技球が留まり易くなる態様でも良いし、風車が配設され遊技球の運動エネルギーが風車の回転に利用されることで遊技球が減速されることにより遊技球が留まり易くなる態様でも良い。
なお、例えば、経路構成手段が特別遊技において所定のラウンド回数に対応して変位する態様において、経路構成手段が複数配設され、一方の経路構成手段から零れた遊技球を他方の経路構成手段が救い上げ可能に構成されている場合は、特別遊技における最終ラウンドで案内経路を構成する側の経路構成手段において遊技球が留まり易い位置の下方に第2入球口を配置することが好ましい。
上記各実施形態では、交差する球の案内経路が左右対称形状である場合を説明したが、左右非対称でも良い。上記各実施形態では、交差する経路から零れた方が損との内容で記載したが、零れた方が遊技者に与える利益が大きくなるように構成しても良い。
上記各実施形態では、案内経路を転動する球に当接可能な突設部B1140等について記載したが、突設部の配置はこれに限られるものではない。例えば、案内経路の交差位置の左右において、球が落下する位置に突設部を設けても良い。この場合、球の上下方向速度の減速を図り、落下速度を低下させることができるので、ラウンド間インターバルの設定自由度を向上させる工夫。即ち、0.04秒よりも長い数値で設定可能とすることができる。
上記各実施形態では、入球前範囲の左右中間位置を境界として球の減速の程度を切り替えるように構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、減速の程度の切り替えを3区間以上に構成しても良いし、左右中間位置から左右に寄った位置を境界として減速の程度を変化させるように構成しても良い。
上記各実施形態では、入球前範囲に張り出し一対の検出センサB1230,B1250の開口へ球を案内する部材を、検出センサB1230,B1250毎に個別に配設したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入球前範囲の左右幅程度の軸方向長さを有する回転体が入球前範囲の背面側に配設され、その回転体によって検出センサB1230,B1250の双方へ球を案内可能に構成しても良い。
即ち、例えば、回転体が左右方向に長尺の四角柱形状で構成される場合において、回転角度が90度異なるごとに、第1外面から第4外面まで入球前範囲に対向する外面が切り替えられるように構成する。第1外面には、第1検出センサB1230へ球を案内可能な転動面が径方向外側に張り出すように形成され、第3外面には、第2検出センサB1250へ球を案内可能な転動面が径方向外側に張り出すように形成される。また、第2外面および第4外面には張出部分は形成されず、入球前範囲に対向配置された場合には入球前範囲の外方に配置されるようにしている。更に、回転体を回転駆動する駆動モータが配設され、回転体は正逆両方向に回転可能に構成される。
この場合、回転体を駆動モータにより回転し、第1外面から第4外面までのいずれかを入球前範囲に対向させる姿勢にすることで、第1検出センサB1230の開口へ球を案内可能な状態(第1外面が対向、第1開放状態)と、第2検出センサB1250の開口へ球を案内可能な状態(第3外面が対向、第2開放状態)と、検出センサB1230,B1250へは球を案内しない状態(第2外面または第4外面が対向、閉鎖状態)とで、状態を切り替えることができる。従って、一対の検出センサB1230,B1250の開口へ球を案内する部材を、単一の部材および単一の駆動装置で構成することができる。
また、上述の閉鎖状態から、開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ切り替えられる際の回転体の変位の方向は、正逆両方向で可能である。即ち、開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ切り替えられる際に、入球前範囲に転動面が上昇変位して配置される場合と、入球前範囲に転動面が下降変位して配置される場合とを構成することができる。
入球前範囲からの零れ球の個数を低減する目的では、転動面が上昇変位して配置される場合の方が、球を救い上げ易く有利である。従って、回転体の回転方向を異なる方向で制御可能に構成することで、遊技者にとって有利な開放態様と、遊技者にとって不利な開放態様とを構成することができる。
このように、回転体を採用する場合、個別の部材で構成する場合のように部材間の干渉を考慮する必要がないので、設計自由度の向上を図ることができる。例えば、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250を同じ側(例えば、右側)に上下位置を異ならせて配置し、案内経路を同方向傾斜で構成し、上流側で一方の案内経路の上側に配置されていた他方の案内経路を、下流側において一方の案内経路の下側に配置する(例えば、段差を付ける)ことで案内経路を交差させる構造を容易に構成することができる。
なお、このような構造(同方向傾斜の構造)を、上記各実施形態の案内部材(案内板B1300,B1500,B3300,B3500,B4300、開閉板B2300,B5500、開閉棒B2500及び回動部材B3700,B3900)の形状を変化させて構成しても良い。
上記各実施形態では、可変入賞装置B1000等が遊技領域の下部付近に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域の上部(例えば、センターフレーム86よりも上方や、センターフレーム86の上下中間位置よりも上方)に可変入賞装置B1000等が配置されても良い。
上記各実施形態では、球の転動経路を交差させる構造を、入賞口を開閉する部材の構造として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域の一範囲において球の流下経路を変化させる手段として、入賞口を伴わずに(入賞口とは離れて)利用されても良い。
上記各実施形態では、可変入賞装置B1000等の上流側の流下経路を異ならせたり、別の入賞口を配置したりすることで、第1検出口B1230の開口が開放されるラウンドと、第2検出口B1250の開口が開放されるラウンドとで、ラウンド消化時間に差が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1検出口B1230の開口へ向けて案内される球の流下速度と、第2検出口B1250の開口へ向けて案内される球の流下速度とが異なるように、減速の程度を異ならせることで、ラウンド消化時間に差を生じさせるようにしても良い。
上記第17実施形態では、特別遊技状態で非駆動区間B7731に伝達棒B7422,B7622が進入する状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別遊技状態以外の状態において、伝達棒B7422は第1溝部B7741に配置され、伝達棒B7622は第1溝部B7751に配置されるように制御するようにしても良い。この場合、特別遊技状態以外の状態において、伝達棒B7422,B7622の配置を第1の平面BS71上に保持することができる。これにより、例えば、案内板B1300,B1500を無理矢理引き出す不正行為(例えば、金属細線を遊技領域に進入させたり、ガラスユニット16を部分的に破壊して遊技領域に指や小さな器具を進入させたりするなどの不正の手段で案内板B1300,B1500に負荷を与える不正行為)により不正の利益が発生することを、構造面から防止することができる。
上記第20実施形態では、双方の回転部材B20700,B20900が、同じ検出センサ(例えば、第2検出センサB1250)の開口へ球を近づけるように機能する場合があることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動部材B20700,B20900が同時に開放状態を構成可能に構成されることで、球が、いずれの検出センサB1230,B1250の開口へも近づかない(排出口B20001の上方に停留する)ように構成しても良い。この場合、入球前範囲に球が停留する状態を構成することができる。
また、回転部材B20700,B20900が同時に開放状態を構成する状態は任意に設計可能である。例えば、回転部材B20700,B20900の先端を短くし、両検出センサB1230,B1250の開口に同時に球を入球可能に構成しても良いし、回転部材B20700,B20900を十分長く構成し、回転先端側の検出センサB1230,B1250の開口を塞ぐようにすることで、いずれの検出センサB1230,B1250の開口へも入球不能となるように構成しても良い。
また、回転部材B20700,B20900の一方が開放状態を構成する場合に、その回転先端と、回転部材B20700,B20900の他方の回転基端側部との間に球を1個滞留させることができるように構成しても良い。この場合、回転部材B20700,B20900の双方が閉鎖状態となり、特別遊技状態が終了した後で、その滞留球を排出口B20001に入球させることができる。
上記第22実施形態では、前後方向にスライドする案内板B22300,B22500が同時に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板B2300及び開閉棒B2500のように変位方向が対向する構成において、開閉板B2300と開閉棒B2500とが同時動作するように構成しても良い。この場合、開閉板B2300の動作軌跡と開閉棒B2500の動作軌跡とが重複するので、同時動作する場合、開閉板B2300と開閉棒B2500とは変位終端に到達する前に当たって停止する。即ち、開閉板B2300及び開閉棒B2500の一方が、他方の変位を規制するように機能するので、特定入賞口B1001,B1002への不正な入球を防止し易くすることができる。
上記第22実施形態では、被検出部B22350,B22550が案内板B22300,B22500に形成され、その被検出部B22350,B22550の配置に合わせて検出センサBSC221,BSC222の位置を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被検出部を駆動装置B1400,B1600の直動部材B1420,B1620に形成し、その配置に合わせて検出センサBSC221,BSC222の位置を設定するようにしても良い。
この場合において、検出センサBSC221,BSC222を、直動部材B1420,B1620がソレノイドB1410,B1610の励磁による変位における動作終端に配置された状態(回転部材B1430,B1630の長手突設部B1433,B1633が伝達孔B1340,B1540の曲線部B1342,B1542に配置された状態)と、案内板B22300,B22500が不正に負荷を受けて前側へ引き出された状態(回転部材B1430,B1630の長手突設部B1433,B1633が伝達孔B1340,B1540の直線部B1341,B1541に押されて変位し、依然として直線部B1341,B1541に配置されている状態)と、を区別して検出できるように構成しても良い。
これにより、案内板B22300,B22500の変位が、ソレノイドB1410,B1610の励磁による変位なのか、不正に与えられた負荷や、反対側の案内板B22300,B22500との間の摩擦力による変位なのかを、検出センサBSC221,BSC222の検出結果(出力)から判定することができ、不正または異常の早期発見を図ることができる。
上記第22実施形態では、案内板B22300,B22500のいずれか一方が不正に開放されたと判定した場合に、非常時処理として、他方を開放状態へ向けて駆動し、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能となるように制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物640aが開放し易くなるように制御しても良い。
この場合、特定入賞口B1001,B1002へ向けて打ち出された球の内、少なくとも一部が第2入賞口640へ入球するようになるので、特定入賞口B1001,B1002へ不正に入球する球の個数を削減することができる。電動役物640aの回転径方向長さを延長し、開放状態において到達した全ての球が第2入賞口640に入球するように構成すれば、特定入賞口B1001,B1002への不正な入球を防止することができる。
また、第2入賞口640への入球に起因する賞球の払い出し個数を1個にすることで、賞球個数が発射球数を超えることを防止することができるので、不正行為を行う者が不正な払い出し賞球を得ることを防止することができる。
このような制御で時間を稼いでいる間に、エラー報知に気付いた店員が到着すれば、第2入賞口640への入球に基づく抽選で大当たりが生じたとしても、その大当たりを無効として処理することで、不正行為を行う者が不正の利益を獲得することを未然に防ぐことができる。
上記第22実施形態において、検出センサBSC221,BSC222が遊技領域の後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ガラスユニット16に窪みを設ける等して、遊技領域の前側にスペースを作り、そこに検出センサBSC221,BSC222を配設するようにしても良い。この場合であっても、案内板B22300,B22500の被検出部を張り出し先端側に形成し検出センサBSC221,BSC222の検出溝に進入可能に構成することで、検出センサBSC221,BSC222によって案内板B22300,B22500の位置を検出することができる。
この場合、パチンコ機10の外方と検出センサBSC221,BSC222との間に入る構成部材の厚みを薄くすることができるので、電磁波照射による付勢が行われた場合に、微弱な電磁波であっても検出し易くすることができる。
上記第22実施形態の第3制御例において、小当たりにおける作動パターンとして第6の作動パターン及び第7の作動パターンを例に挙げて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たりAにおいて駆動されるのが、第1案内板B22300又は第2案内板B22500のいずれか一方とされても良い。また、小当たりAを小当たりA1と小当たりA2とで分け、小当たりA1では第1案内板B22300のみが駆動され、小当たりA2では第2案内板B22500のみが駆動されるようにしても良い。
また、例えば、小当たりAにおける第1案内板B22300と第2案内板B22500との動作順序は逆でも良い。また、小当たりAを小当たりA3と小当たりA4とで分け、小当たりA3では第1案内板B22300が先に駆動され、小当たりA4では第2案内板B22500が先に駆動されるようにしても良い。
また、小当たりAにおいて、1セットの開閉回数は2回の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1回でも良いし、3回以上の複数回でも良い。また、第1案内板B22300の動作の後で第2案内板B22500の動作が生じて小当たり動作が終了する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1案内板B22300の動作のセットと、第2案内板B22500の動作のセットとが交互に複数回生じるように構成しても良い。
また、例えば、小当たりBにおける第1案内板B22300と第2案内板B22500との動作順序は逆でも良い。また、小当たりBを小当たりB1と小当たりB2とで分け、小当たりB1では第1案内板B22300が先に退避されるよう駆動され、小当たりB2では第2案内板B22500が先に退避されるよう駆動されるようにしても良い。また、小当たりBにおいて、1セットの開閉回数は2回の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1回でも良いし、3回以上の複数回でも良い。
なお、これら小当たりとして説明したような作動パターンを、音声ランプ制御装置113(図4参照)のMPU221により実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、ソレノイドB1410,B1610の他に、伝達回転体B7720(図179参照)によっても案内板B22300,B22500を変位可能に構成することで、誤動作の恐れなく制御を構成することができる。
即ち、ソレノイドB1410,B1610については主制御装置110(図4参照)のMPU201により制御される一方で、伝達回転体B7720については音声ランプ制御装置113(図4参照)のMPU221により制御されるように構成すればよい。
また、小当たりA及び小当たりBにおいて、特定入賞口B1001,B1002の開放時間が0.1秒とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開放時間を0.2秒以上に延長し、球が特定入賞口B1001,B1002に入球可能に構成しても良い。
第8の作動パターン、第9の作動パターンの説明において、ラウンド中に確認動作を行うようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、インターバル中に確認動作を行うように制御しても良い。
上記第3制御例では、案内板B22300,B22500の両方共を小当たり遊技で駆動される部材との前提で、小当たり確率を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1検出センサB1230の開口は第1特定入賞口B1001として機能させ、第2検出センサB1250は第2入賞口640として機能させるようにしても良い。即ち、第2案内板B22500は第2図柄の抽選結果によって駆動の有無が決定されることになる。
これにより、可変入賞装置B22000が正常に動作しているかの検出をすることによって、大当たり遊技で使用される第1特定入賞口B1001への入球に異常が生じないかだけでなく、時短中や確変中に使用される第2入賞口640への入球に異常が生じないかの判定を行うことができる。
この場合、小当たり遊技の実行によって第1案内板B22300を駆動し、第2図柄の抽選結果が当たりであれば第2案内板B22500を駆動することから、案内板B22300,B22500の駆動頻度は、小当たり確率と、第2図柄の当選確率とを合算した確率が基準となる。そのため、第3制御例(案内板B22300,B22500の少なくとも一方を小当たり遊技の実行によって駆動する場合)と同様の頻度で案内板B22300,B22500を駆動させるために設定される小当たり確率を、第3制御例における小当たり確率よりも低くすることができる。
上記第3制御例では、特別図柄1の大当たりにおいてのみ、ラウンド遊技Rにおいて第6の作動パターンの一部や第7の作動パターンの一部を含む制御態様で動作させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄2の大当たりにおいてのみ、ラウンド遊技Rにおいて第6の作動パターンの一部や第7の作動パターンの一部を含む制御態様で動作させるようにしても良い。この場合、遊技機のスペックとして、特別図柄2の大当たりが過剰に連続で生じ得る(例えば、平均10回連続で生じる)場合においても、大当たり遊技中に可変入賞装置B22000に生じる不良の発生を見逃さずに発見することができる。
また、例えば、特別図柄1の大当たりと特別図柄2の大当たりとの両方で、ラウンド遊技Rにおいて第6の作動パターンの一部や第7の作動パターンの一部を含む制御態様で動作させるようにしても良い。この場合、特別図柄1の大当たりを経由せずに特別図柄2の大当たりが生じる場合(例えば、通常状態において第2入賞口640に入賞可能に構成される場合や、所定の入賞口の下流で経路が枝分かれし、その内の第1経路に流れた球が入賞可能な位置に第1入賞口64を配設し、第2経路に流れた球が入賞可能な位置に第2入賞口640を配設する場合など)においても、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
上記第3制御例では、大当たり遊技において検出センサBSC221,BSC222の検出結果と、正常検出パターンとが異なる場合に、即座にエラー報知を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサBSC221,BSC222の検出結果と正常検出パターンとが異なること(不良)が検出されたとしても、すぐにはエラー報知を実行せず、その検出結果を所定期間記憶して、後からエラー報知を実行するようにしても良い。
例えば、主制御装置MPU201において検出結果を記憶し、大当たり遊技の継続中や、確変状態の継続中はエラー報知を実行しないでおき、通常状態に遊技状態が移行してからエラー報知を実行するように制御するようにしても良い。この場合、遊技者の興趣が向上する大当たり遊技中や確変中において遊技が停止される事態が発生することを回避することで、遊技者の不満が大きくなることを防止することができる。
この場合には、不良の検出から、暫くは遊技を継続可能に構成することが好ましいので、検出センサBSC221,BSC222の検出結果と正常検出パターンとが異なると判定する閾値を、緩い側(誤差の許容値が大きい側)ではなく、厳しい側(誤差の許容値が小さい側)に寄せて設定しておくことが好ましい。
上記第3制御例では、第9の作動パターンにおいて、一方の案内板B22300,B22500が閉鎖状態への変位が開始された直後に他方の案内板B22500,B22300を開放状態へ変位させるために作動させるよう制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一方の案内板B22300,B22500が閉鎖状態へ変位開始する直前に他方の案内板B22500,B22300を開放状態へ変位させるために作動させるように制御しても良い。
この場合、両案内板B22300,B22500が同時に動作する時間を比較的長くすることができる。また、同時動作が発生していても、両方の案内板B22300,B22500が開放状態(前方に配置された状態)とされる場合は、両特定入賞口B1001,B1002が閉鎖されるし、念入りに構成するのであれば両案内板B22300,B22500が同時動作する場合には常に両特定入賞口B1001,B1002への球の入球が防止されるように両案内板B22300,B22500を構成することによって、特定入賞口B1001,B1002に誤って入賞することを防止することができる。
上記第3制御例では、案内板B22300,B22500の双方が、小当たり遊技および大当たり遊技で開閉するように制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、大当たり遊技では、第1案内板B22300のみが開閉するように構成し、小当たり遊技では、第2案内板B22500のみが開閉するように構成しても良い。
また、この場合において、小当たり遊技における作動パターンを、第2特定入賞口B1002への入球が生じやすい作動パターン(例えば、1.8秒間開放状態を維持する作動パターンや、間欠的に繰り返される開放状態の合計が1.8秒間以内とされる作動パターン)としても良い。これによれば、確変中に第2入賞口640に入球が生じることに伴い第2案内板B22500が開放状態とされる場合を構成でき、第2特定入賞口B1002へ入球させることが可能となるので、第2特定入賞口B1002への入球による払い出し賞球を獲得可能な状態で確変中の遊技を実行することができる。
この場合において、特別図柄2の抽選における小当たり判定値の設定は上述の場合に限られるものではなく、任意に設定可能である。例えば、確変中(又は通常中,時短中)において、特別図柄2乱数テーブル202a2における第1当たり乱数カウンタ値C3のほとんどの値(例えば、10〜319)を小当たり判定値に設定しても良い。この場合、第2入賞口640に入球する度に第2案内板B22500を開放状態にさせることができ、第2特定入賞口B1002への入球を高頻度で生じさせることができる。
そして、本実施形態によれば、第2案内板B22500の変位を利用して第1案内板B22300に生じ得る不良の早期発見を図ることができるので、大当たり遊技が開始され、第1案内板B22300が駆動開始されて初めて、第1案内板B22300の不良が発覚する事態を回避し易くすることができる。
また、第1案内板B22300についても同様のことが言える。即ち、本実施形態によれば、第1案内板B22300の変位を利用して第2案内板B22500に生じ得る不良の早期発見を図ることができるので、大当たり遊技が終了し、確変状態に移行して第2案内板B22500が駆動開始されて初めて、第2案内板B22500の不良が発覚する事態を回避し易くすることができる。
これによって、例えば、大当たり遊技で獲得可能な払い出し賞球個数よりも、確変中の遊技で獲得可能な払い出し賞球個数の方が多くなるよう設定されることで、第1案内板B22300の駆動よりも第2案内板B22500の駆動の方が高頻度で生じるような遊技機についても、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
即ち、第1案内板B22300又は第2案内板B22500の内、動作頻度が高い側の駆動変位を利用して、動作頻度が低い側の不良の早期発見を図ることができる構成を、少なくとも有するように構成することにより、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。これにより、多量の払い出し賞球を得られる有利状態に遊技状態が移行する前に可変入賞装置B22000の不良を発見し、修理を行うことができるので、遊技者が不測の不利益を被ることを回避することができ、遊技者の興趣が低下する事態の発生を回避することができる。
上記第3制御例では、ソレノイドB1410,B1610の双方が同時に励磁され得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、同時点での励磁が機械的に防止されるよう構成しても良い。即ち、既存のスイッチリレー(有接点リレー、無接点リレー)等の切替装置により構成される切替手段を、第1ソレノイドB1410へ通電する回路の上流側と、第2ソレノイドB1610へ通電する回路の上流側とにそれぞれ接続し、スイッチリレーの機能により、第1ソレノイドB1410,B1610のいずれにも通電不能な状態と、第1ソレノイドB1410にのみ通電可能な状態と、第2ソレノイドB1610にのみ通電可能な状態とで切替可能に構成する。この場合、スイッチリレーの機能によって、ソレノイドB1410,B1610の双方に通電する事態が生じることを防止することができる。
上記第3制御例では、特別図柄2の抽選における小当たりの方が、特別図柄1の抽選における小当たりに比較して、生じやくなるように設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たりの発生頻度を、特別図柄1と特別図柄2とで同等になるように設定しても良い。また、特別図柄1の抽選における小当たりの方が、特別図柄2の抽選における小当たりに比較して、生じやくなるように設定しても良い。
この場合、確変中に小当たりが頻発して、可変入賞装置B22000が動作する場合に比較して、快適な遊技を提供し易くすることができる。即ち、確変中では、遊技者の視線は遊技領域の右側に集まりがちになるところ、この状態で可変入賞装置B22000の小当たり動作が生じると、可変入賞装置B22000が視界に入っている遊技者に対して、有利状態が発生しているかのように思わせてしまい、遊技者を惑わせることにつながる。これが頻発すると、遊技者の不満が大きくなる可能性がある。そのため、特別図柄2での小当たりの発生頻度を抑えることで、上述のように遊技者を惑わせる頻度を減らすことができるので、遊技者に、より快適に遊技させることができる。
上記第3制御例では、小当たり遊技や大当たり遊技における動作により、可変入賞装置B22000の不具合の有無を判定可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110の立ち上げ処理において、可変入賞装置B22000のソレノイドB1410,B1610を励磁するように制御し、その際の検出センサBSC221,BSC222の検出パターンから可変入賞装置B22000が正常に動作しているかを判定するようにしても良い。この場合、毎回の電源投入時に可変入賞装置B22000が正常に動作するかを確認することができる。
なお、この場合において、立ち上げ処理の実行中には検出センサB1230,B1250の機能を停止させるように制御しても良い。これにより、例えば、遊技領域に残存する遊技球がある状態で電源投入した場合に、立ち上げ処理の実行中に、その残存遊技球が検出センサB1230,B1250の開口に入球したとしても、賞球の払い出しを生じないようにすることができる。そのため、停電を利用して不正の利益(賞球)を得ようとする遊技態様(例えば、敢えて遊技領域に多数の遊技球を残した状態で電源を復帰する遊技態様)を実現不可能とすることができる。
上記第3制御例において、通常中は、検出センサBSC221,BSC222での被検出部B22350,B22550の検出が常に生じないはずなので(正常検出パターンは常時不検知のパターン)、検出センサBSC221,BSC222で被検出部B22350,B22550が検出されたと判定されたら、その判定に基づいて異常が生じていると判定することができるので、対処するように制御することが望ましい。例えば、エラー報知を実行するように制御しても良い。
また、例えば、案内板B22300,B22500を後方位置(閉鎖状態の位置)に戻すための駆動を実行するように制御しても良い。この場合に、制御実行後も依然として検出センサBSC221,BSC222での検出状態が変化しない場合には、不正に照射された電磁波によって検出センサBSC221,BSC222の出力が変化していることが想定されるので、即座にエラー報知を実行し、遊技継続不能な状態とすることが好ましい。
上記第23実施形態では、回転部材B23430の長手突設部B23433が第2曲線部B23343の軌跡に沿って滑らかに変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長手突設部B23433の変位が安定せず、第2曲線部B23343との間で摩擦力が生じて第1案内板B23300が変位開始するという誤動作が生じ得るような構成でも良い。この場合、第1案内板B23300が後方へ変位するように付勢する付勢バネを設け、摩擦力よりも大きな付勢力を生じさせることで、長手突設部B23433が伝達孔B23340の直線部B1341に到達する前(押進力発生前)に第1案内板B23300の前後方向の変位が生じることを防止することができる。
上記第23実施形態では、切替装置B23800の位置をソレノイドB1410,B1610からの負荷で変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切替装置B23800の位置を変化させる別の駆動装置を用意しても良い。この場合において、駆動解除状態で係合しており、駆動装置の駆動によって係合を解除する構成の方が、駆動状態で係合しており、駆動装置の駆動の解除によって係合を解除する構成に比較して、通電時間を短くすることができ、駆動装置の耐久性を向上させることができる。
また、この場合において、切替装置B23800の駆動の切替は、遊技状態の切替タイミングで行うようにすればいい。例えば、大当たり遊技および小当たり遊技以外(通常中、時短中、確変中など)では、係合状態を構成するように切り換え、大当たり遊技または小当たり遊技への切替タイミングで、係合を解除するように切り換える。これにより、大当たり遊技および小当たり遊技以外の状態で、案内板B1300,B1500が別々に動作することを防止することができるので、案内板B1300,B1500が不正に変位された場合であっても、特定入賞口B1001,B1002を常に入球不能な状態に維持できる。そのため、入球に伴う不正な賞球の払い出しを防止することができる。
上記第23実施形態では、伝達孔B23340の形状変更を行うことで、案内板B23300,B23500と切替装置B23800との動作順序を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達孔B23340の形状は同じとして、伝達孔B23340付近の材料の性質(硬さ、反発力等)を変化させることで動作順序を設定しても良い。この場合、性質を変化させる範囲の設定により、ソレノイドB1410,B1610の励磁による動作と、ソレノイドB1410,B1610の励磁によらない動作とで、動作順序を変化させることができる。
例えば、伝達孔B1340の曲線部B1342の反対側の端部における直線部B1341の後側壁部のみ柔らかく構成することで、案内板B23300,B23500が不正に前方へ引き出された場合に、伝達孔B1340の柔らかい部分の変形を先に生じさせ、回転部材B23430が回転するタイミングを遅らせることができる。
上記第23実施形態では、スライド本体部B23810のスライド変位で案内板B23300,B23500が連動するか、独立して動作するかを切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位ではなく、姿勢変化が生じることで切り換えが行われるように構成しても良い。この場合、スライド変位の変位量を確保するためのスペースが不要となるので、切替装置B23800の配置自由度を向上することができる。
上記第23実施形態では、スライド補助部B23820の前後配置によってスライド本体部B23810に許容される変位が変化する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、進入突設部B23821の先端に鉤状に折曲形成される鉤状部が形成され、受入凹設部B23350,B23550の内側に鉤状部に係合可能に張り出す係合部が形成され、案内板B23300,B23500が閉鎖位置(後方に退避した位置)に配置されている状態では係合部は鉤状部の変位軌跡の外方に位置するが、案内板B23300,B23500が閉鎖位置から前方へ変位開始した後では、係合部が鉤状部の変位軌跡に進入するよう構成されるようにしても良い。この場合、鉤状部と係合部との係合の有無によって、案内板B23300,B23500の状態を連動する状態と、独立動作可能な状態とで切り替えることができる。
上記第23実施形態では、切替装置B23800が遊技領域の背面側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切替装置B23800が遊技領域内に配置され、遊技球との衝突が生じ得るように構成しても良い。この場合であっても、切替装置B23800は可変入賞装置B23000のソレノイドB1410,B1610の駆動によって状態変化するので、一定の遊技性を維持することができる。
上記第23実施形態では、スライド補助部B23820を剛体として説明しており、進入突設部B23821と係合する状態で案内板B23300,B23500が一体で変位するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド補助部B23820を樹脂材料から構成し、進入突設部B23821に撓み変形を許容するようにしても良い。この場合、例えば、第1案内板B23300が第1ソレノイドB1410の駆動力によらず、強制的(例えば、不正)に正面側へ変位させられた場合に、若干の時間遅れを生じながら第2案内板B23500が正面側へ変位する。これにより、特定入賞口B1001,B1002の閉鎖状態を維持することができる。
上記第23実施形態では、スライド本体部B23810に対してスライド補助部B23820が連結される部分の形状は簡略化して図示しているが、この部分の形状は任意に設計可能である。例えば、図示の通りに、矩形の凹部に対応する形状の部材が差し込まれる態様でも良い。
また、例えば、長尺溝の溝断面を深部が幅広のT字形状に構成してスライド補助部B23820側の連結部分をT字形状に構成して溝の長尺方向から連結部分が差し込まれる態様でも良い。この場合、幅広部分が引っかかることで、スライド補助部B23820のスライド本体部B23810からの抜け止めを図ることができる。また、T字の角部にテーパ(傾斜面)を設ける等の設計的工夫は任意に行うことができる。
上記第23実施形態では、案内板B23300,B23500の双方共を、特定入賞口B1001,B1002の開閉に関わる部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1案内板B23300を特定入賞口B1001の開閉に利用する部材として構成する一方で、第2案内板B23500を始動口(例えば、第2入賞口640)の開閉に利用する部材として構成しても良い。この場合、切替装置B23800を利用した係合によって入球を防止することができる入球口を、始動口にまで拡張することができる。また、始動口の開閉に利用される部材に限らず、例えば、電源投入から一定動作するように制御される可動部材として構成しても良い。
上記第24実施形態では、ソレノイドB1410,B1610が非励磁の状態において、伝達回転体B24720の構成によって案内板B1300,B1500の配置を維持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達回転体B24720を省略した場合において、案内板B1300,B1500間の摩擦力によって案内板B1300,B1500の配置を維持するように構成しても良い。
即ち、ソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力を上回る強さの摩擦力が案内板B1300,B1500間に生じるように構成することで、例えば、両ソレノイドB1410,B1610を励磁した後で、第1ソレノイドB1410を非励磁にしたとしても、案内板B1300,B1500間に生じる摩擦力によって第1案内板B1300を前方位置で維持することができる。
この場合において、摩擦力は常に生じるように構成しても良いし、案内板B1300,B1500の前後位置に応じて変化可能に構成しても良い。例えば、案内板B1300,B1500が後方位置に配置される場合の摩擦力をソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力よりも小さくするように、案内板B1300,B1500間の隙間を拡げたり、他の部材を介在させることで接触しなくしたりすることにより、案内板B1300,B1500が独立して前方へ駆動変位できなくなる事態を回避することができる。
この場合において、更なる利点は、案内板B1300,B1500を目視していても、遊技者は、ソレノイドB1410,B1610の作動パターンを認識することができないことである。換言すれば、案内板B1300,B1500に球を到達させて初めてソレノイドB1410,B1610の作動パターンに気付くことができるよう構成することができるので、ソレノイドB1410,B1610が特定の作動パターンの時に狙いを定めて特定入賞口B1001,B1002へ向けて球を発射する遊技の仕方を困難とすることができる。
なお、この効果は、例えば、第1特定入賞口B1001に大当たり遊技での賞球口としての機能を持たせ、第2特定入賞口B1002には有利な状態を獲得するための特定領域としての機能を持たせるよう構成されるパチンコ機(例えば、1種2種混合パチンコ機や、特定領域への入球により大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態へ移行するよう構成されるパチンコ機等)において、案内板B1300,B1500の作動パターンの違いにより第2特定入賞口B1002への入球可能性が変化する場合に特に有効である。
上記第24実施形態では、特定入賞口B1001,B1002に、払い出し賞球個数やカウント数に利益差が生じるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定領域への入球確率や、有利状態の継続確率等について、利益差を生じさせるように構成しても良い。
この場合、特定入賞口B1001,B1002への入球によって生じる利益の違いが、実行中の特別遊技だけでなく、その特別遊技に引き続いて実行される他の遊技(次の特別遊技や、特別遊技状態への移行を目的に行う弾球遊技)における利益の違いにつながるので、特定入賞口B1001,B1002へ発射された球に対する注目力を向上させることができる。
上記第24実施形態では、演出区間B24760,B24770を、いずれかの特定入賞口B1001,B1002へ球を案内する状態を構成する区間として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出区間B24760,B24770の溝形状の配置関係を調整することにより、上述の状態に加えて、又は上述の状態に替えて、案内板B1300,B1500が両方共前方へ変位した後で、球の負荷によって両方共後方へ退避してしまい特定入賞口B1001,B1002に球を案内不能となる状態や、案内板B1300,B1500が両方共前方へ変位したまま配置が規制されることで特定入賞口B1001,B1002に球を案内不能となる状態を構成するようにしても良い。
この場合、入球前範囲に到達した球が特定入賞口B1001,B1002のいずれかには入球することが確定している場合に比較して、遊技者が得られる利益差の上下幅を大きくすることができるので、入球前範囲の注目力を向上させることができる。
上記第24実施形態では、入球前範囲に球が到達すると、球からの負荷によって案内板B1300,B1500のいずれかが後方へ押されて変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B1300,B1500の交差位置から排出口B7160を通して球を排出可能に構成し、案内板B1300,B1500に所定個数の球が滞留するまでは負荷が足りず案内板B1300,B1500を後方へ変位させられないように構成しても良い。
この場合、複数球が入球前範囲に溜まるまでは案内板B1300,B1500が球の負荷に押されて変位する事態が生じないので、伝達回転体B24720の回転途中で十分な負荷が生じてしまい、不適切なタイミングで案内板B1300,B1500のいずれかが後方へ押されて変位するという不具合を生じる可能性を低くすることができる。
この場合において、例えば、排出口B7160が、球を遊技領域から排出するだけのアウト口であれば、なるべく無駄球を減らすために、ひたすら入球前範囲へ球を発射するように促すような報知を実行することが想定される。
また、例えば、排出口B7160が賞球口であれば、球を入球前範囲に頻度良く到達させ、案内板B1300,B1500のいずれかを後方に変位させ、特定入賞口B1001,B1002のいずれかに球が入球可能な状態に移行させるか、排出口B7160に入球可能な状態を維持するかを、発射頻度、又は入球前範囲への球の到達頻度によって選択可能とすることができ、又、そのように遊技者に示唆する報知を実行することが想定される。
上記第25実施形態では、非固定連結棒部B25645を軸として左右一対の回転腕部B25641が相対回転可能となるように構成することで、左右の回転腕部B25641の姿勢に差が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の回転腕部B25641が所定の連結部により連結固定される場合であっても、その連結部が柔軟に構成されていれば、連結部の変形により一対の回転腕部B25641に姿勢差を生じさせることができる。
また、左右一対の回転腕部B25641が単一の先端部材B25111から負荷を受けて変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端部材B25111が複数構成され、一対の回転腕部B25641に負荷を与える各部材として分離して構成されるようにしても良い。
この場合に、各先端部材B25111に対応して、異なるプランジャーを設けても良い。これにより、各先端部材B25111の前後位置が異なる状態を容易に形成可能となるので、プランジャーに対して先端部材B25111を強固に固定することができる。この場合であっても、励磁状態での先端部材B25111の位置はストッパーの設計次第で任意に設定することが可能なので、開放状態における各電動役物B640aの姿勢にずれが残る事態は回避することができる。また、プランジャーを複数設ける場合には、各プランジャーに駆動力を与えるソレノイドは1個でも良いし、複数のソレノイドを配設するようにしても良い。
上記第25実施形態では、切替装置B25700が、電動役物B640aの片方に予期せぬ負荷が与えられた場合には一対の電動役物B640aを連動させ、電動役物B640aの両方に予期せぬ負荷が与えられた場合には一対の電動役物B640aの変位を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物B640aに与えられる負荷の態様に関わらず、電動役物B640aの変位を抑制または規制するように切替装置B25700を構成しても良い。
上記第25実施形態では、電動役物B640a間で負荷伝達が生じる状態と、生じない状態とを、切替ソレノイドB25710の励磁の有無で切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達部材B25640の構成を工夫することで偏心突設部B640bを左右外方へ移動させる負荷を発生可能に構成しても良い。
例えば、一対の回転腕部B25641が、非固定連結棒部B25645の周囲に外接可能な寸法で延設される円筒形状部を備え、その円筒形状部同士が延設端で互いに面で当接するように構成する場合において、その当接面が回転軸BJ1と直交する平面に対して傾斜する傾斜面として形成されるようにしても良い。即ち、所謂、円筒または円板同士を近接離反させて当接状態と非当接状態とを構成し、三角形状爪や鋸刃形状爪で噛み合い可能に構成されるクラッチ機構に例示される形状を採用しても良い。
この場合、一対の回転腕部B25641に姿勢差が無い状態を基準として、回転腕部B25641に姿勢差が生じると、上記形状の噛み合い歯同士の噛み合い状態が変化して、その変化に伴って円筒形状部の左右位置を変化させることができる。
そして、回転腕部B25641の姿勢差が生じることで発生する上記の左右方向の変位を、偏心突設部B640bの変位に利用できるように構成することで、切替ソレノイドB25710を利用することなく第2入賞口640への入球を防止する作用を生じさせることができる。
上記第25実施形態では、電動役物B640aが第2入賞口640への入球を防止するように変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口640の鉛直上方において球が鉛直落下しないよう張出形成される屋根部材が配設される場合において、駆動ソレノイドB25110の励磁で電動役物B640aが傾倒変位する場合には屋根部材は変位しない一方で、駆動ソレノイドb25110の励磁によらず電動役物B640aが変位させられる場合に、屋根部材が移動可能に構成されたり、電動役物B640aの傾倒に合わせて左右に拡大可能に構成されたりすることで、電動役物B640aと屋根部材との隙間が拡大しないように変位する状態を構成可能としても良い。即ち、ソレノイドによる制御の有無で、屋根部材と電動役物B640aとの連動の有無の切替を行うようにしても良い。
上記第25実施形態では、切替部材B25720の素材を特に指定していないが、硬質樹脂でも良いし、軟質樹脂でも良いし、金属でも良い。なお、樹脂にした方が、切替部材B25720の変形により偏心突設部B640bに生じる応力を緩和することができる。
上記各実施形態では、可変入賞装置B1000〜B24000の備える球の経路を切り替え可能に構成される可動部材が、主に特定入賞口B1001,B1002への球の入球の可否を切り替えるために利用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の特定入賞口の下流側に配置され、球が通過することで遊技者が所定の利益を獲得可能に構成される特定領域への入球の可否を切り替えるための部材に利用されても良い。
この場合において、例えば、第1検出センサB1230の開口および、その下流側に特定領域を設ける一方で、第2検出センサB1250の開口および、その下流側に転落領域(球が入球することで大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態に移行する領域)を設けるように構成しても良い。この場合、第1検出センサB1230へ入球するか、第2検出センサB1250へ入球するかによって、遊技者が得られる利益が著しく変化するので、入球する球に対する遊技者の注目力の向上を図ることができる。
また、特に、上記第24実施形態の可変入賞装置B24000で説明したように、入球前範囲に球が到達するまで第1検出センサB1230の開口に入球可能か、第2検出センサB1250の開口に入球可能かが不明な場合には、入球前範囲に対する遊技者の注目力を向上し易くすることができる。
なお、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250の両方に入球する場合の検出態様については、種々の態様が例示される。例えば、入球個数が多い方を有効としても良いし、一方への入球が検出されたら他方への入球は無効とするようにしても良いし、所定個数目の入球(例えば、1個目や、最後の球)のみを有効とするようにしても良い。
上記各実施形態では、案内板B1300,B1500間の隙間を確保し、互いに擦れる箇所を極力減らすように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、互いに当接する面積を確保する当接部を構成し、正常な状態で案内板B1300,B1500が一体で動作するように構成し、両案内板B1300,B1500を前方に変位させた後で、片側を後方へ退避させるようにソレノイドB1410,B1610を制御するようにしても良い。
この場合、当接部が次第に擦れ、一体で動作しなくなるタイミングを検出センサBSC221,BSC222によって検出することにより、可変入賞装置B1000の動作回数が所定値(限界値)に到達したことを判定することができる。この判定に基づいて、第3図柄表示装置81や音響装置等で報知することにより、可変入賞装置B1000が交換タイミングに達していることを把握し易くすることができる。
上記各実施形態では、正常検出パターンと検出センサBSC221,BSC222の出力との照合を行った結果、不一致の場合にエラー報知をしたり、通常中(可変入賞装置B1000〜B24000の可動部材が閉鎖状態を維持している状態)に検出センサB1230,B1250の開口を球が通過したと判定された場合にエラー報知をしたりすることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域への発射球の進入を検出したら、所定の報知を実行するように制御しても良い。
例えば、遊技領域へ球が発射されたと判定した場合に、第3図柄表示装置81において、発射球の到達位置として狙うべき箇所や、好ましい発射のタイミングを、音、光または画像等(「ここを狙え」等の表示)によって遊技者に分かるように示す報知を実行するように制御しても良い。
この場合、その報知に基づいて、遊技者は球の発射強度を調整したり、球の発射を継続するか停止するかの選択をしたりという判断を行うことができる。換言すれば、報知に基づいて、より好ましい遊技態様で遊技しているという実感を遊技者に持たせることができるので、遊技者の不安の一部を取り除くことができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記各実施形態では、特定入賞口B1001,B1002の両方が案内板B1300,B1500の左右側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一方の特定入賞口B1001は案内板B1300,B1500の左右側に配置され、他方の特定入賞口B1002は案内板B1300,B1500の下側に配置されるようにしても良いし、または、他方の特定入賞口B1002を前方への傾倒で開閉する開閉板を設けて、その開閉板の後方に特定入賞口B1002を配設するようにしても良い。また、案内板B1300,B1500の下側の領域を区切り、その区切られた領域に特定入賞口B1001,B1002を配置するようにしても良い。これにより、可変入賞装置B1000の配置の自由度を向上することができる。
上記第28から第33実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第28から第33実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図205左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図205右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第28から第33実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第28から第33実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第28及び第29実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第29実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第30実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第31実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F−B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第31実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第31実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第28、第29及び第31実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第32実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F−B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第33実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第29及び第33実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400, C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400, C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400, C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400, C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、
球が磁性部C2400, C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400, C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、磁性部C2400, C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400, C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400, C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、磁性部C2400, C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400, C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400, C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第29、第32及び第33実施形態では、磁性部C2400, C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400, C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400, C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<ランダム性を取り入れた演出>
作用手段と、その作用手段から作用を受けて変位可能に構成される変位手段とを備え、その変位手段の変位態様が複数態様となるよう構成される補助手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示領域の正面側に変位可能に配置され、モータ等の駆動装置の駆動に伴い変位する変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の動作パターンが乏しく、液晶表示領域の正面側における演出が単調になり、遊技者の注目力が徐々に低くなってしまうという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、補助手段が変位手段の変位態様を複数態様にするという補助手段の働きにより、変位手段の変位を複雑にすることができる。これにより、遊技者を飽きさせることを防止でき、遊技者の注目力を高い状態で保つことができる。
なお、補助手段の具体例は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段が変位可能な空間を構成する箱状の空間構成手段でも良いし、作用手段とは別の駆動装置により変位し変位手段を押進することで変位手段の変位態様を変える押進手段でも良い。また、押進手段の駆動装置を、作用手段を駆動する駆動装置と兼用しても良い。
遊技機A1において、前記作用手段は、第1作用部で前記変位手段へ作用可能な第1状態と、第2作用部で前記変位手段へ作用可能な第2状態とを構成可能とされることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、作用手段が変位手段に作用する際の部分を異ならせることができるので、作用手段の作用時の動きが同じであっても、変位手段の変位態様を異ならせることができる。
遊技機A1又はA2において、前記作用手段は、前記変位手段に対して当接して負荷を与える当接手段を備え、その当接手段を介して複数種類の態様で負荷発生可能に構成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、当接手段を介して生じる負荷の態様が複数種類あることにより、変位手段の変位態様を複数種類とすることができる。
遊技機A3において、前記当接手段は、変位可能に構成され、前記変位手段に当接可能に構成される第1当接部と、前記変位手段に当接可能に構成され前記第1当接部とは異なる第2当接部とを備え、前記当接手段の変位方向と前記第1当接部(又は第1当接部の接線)との間の所定方向視での角度は、前記当接手段の変位方向と前記第2当接部(又は第2当接部の接線)との間の前記所定方向視での角度と異なるよう構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、当接手段の変位方向を変えることなく、変位手段に与えられる負荷の方向を異ならせることができるので、変位手段の変位を複数種類の方向で生じさせることができる。
遊技機A4において、前記当接手段は、前記第1当接部および第2当接部に引いた接線であって互いに平行な接線が、前記当接手段の前記変位方向に対して直交するよう構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、当接手段の変位方向に沿う平面に対して平行な方向で変位手段に負荷を与えることができるので、エネルギー損失少なく変位手段を変位させることができる。これにより、変位手段の変位量を大きく確保することができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記作用手段を変位させるための負荷を発生可能に構成される負荷発生手段を備え、その負荷発生手段は、前記変位手段の配置がより密な位置で負荷を発生させるよう構成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段に負荷を効率よく伝達することができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記作用手段は、姿勢変化を許容する支持態様で支持され、前記姿勢変化は、前記変位手段の前記作用手段に対する配置の均衡を維持し易い側に生じることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、作用手段の姿勢変化によって、変位手段の配置の均衡を維持することができるので、作用手段の局所に過負荷が生じることを回避することができる。
なお、作用手段の姿勢変化が生じる原因は何ら限定されるものでは無い。例えば、変位手段からの負荷の均衡により生じても良いし、作用手段を姿勢変化させる駆動装置を設けるようにしても良い。変位手段からの負荷の均衡により作用手段の姿勢変化を生じさせる場合は、変位手段との対向部から作用手段の支持位置までの長さを複数種類設けることで、作用手段の姿勢変化のし易さを複数種類で生じさせることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記補助手段は、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、その案内手段は、前記変位手段の一の方向への変位を案内可能な第1案内部と、前記変位手段の他の方向への変位を案内可能な第2案内部とを備え、前記第1案内部と前記第2案内部とは、前記変位手段と対向する面の形成態様が異なることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位方向に対応して、変位手段の変位態様を異ならせることができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記作用手段は、変位可能に構成され、その配置によって前記変位手段の均衡の保ち易さが変化するよう構成され、前記変位手段の均衡を保ち易い位置で前記変位手段に作用可能に構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、作用手段に対する変位手段の均衡を保ち易くすることができる。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記変位手段は、一または複数の部材を備え、それらは互いに結合しないよう構成されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が複数の部材で構成される場合に、複数の部材が結合し固まりになることを防止することができるので、複数の部材が飛散する構成を容易に実現することができる。
遊技機A10において、前記一または複数の部材は、部材中心と異なる位置に重心が配置されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、作用手段に変位手段が配置される場合の、変位手段の姿勢を安定させることができる。
なお、重心の形成方法は何ら限定されるものでは無い。例えば、部材の密度を部分的に変化させる方法でも良いし、部分的に部材に孔を空ける方法でも良い。
<変位手段の変位する範囲に進退変位する進退手段による変化>
所定の範囲に配置可能に構成される配置手段と、前記範囲に対する進退方向へ変位可能に構成される進退手段とを備え、その進退手段は、前記範囲の所定部に進入することで、前記範囲の幅を変化可能に構成され、その幅の変化態様が複数種類となるように構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、左右に変位する第1可動部材と、その第1可動部材の変位に伴って第1可動部材の間に生じた範囲に進入する第2可動部材とを備える遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、範囲に第2可動部材が進入する際の変位態様が一通りしかなく、第2可動部材の変位態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、進退手段が、範囲に進入する場合の範囲の幅の変化態様が複数種類で構成されるので、配置手段の変位態様を複数種類で構成でき、配置手段の変位態様を改良することができる。
なお、配置手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、樹脂材料から形成される粒状の演出部材でも良いし、粉状部材でも良いし、液体でも良いし、遊技球でも良い。
また、進退手段の変位による範囲の幅の変化態様を複数種類で構成する方法は何ら限定されるものではない。例えば、進退手段の進入側部が傾斜面で形成され、範囲に入り込む幅が異なる部分を備えることで範囲の幅が変化するようにしても良いし、進退手段の変位幅を変化させることで範囲の幅を変化可能にしても良い。
遊技機B1において、前記範囲は、前記配置手段の出入りを防止可能に構成される箱状手段の内部に形成され、変化可能に構成され、前記進退手段は、前記範囲の非変化状態において進入する態様で変位可能に構成され、前記箱状手段は、前記進退手段を挿通可能であって、前記配置手段を挿通不能に形成される開放部を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、開放部を通して、範囲に進退手段を進入可能とされる一方、範囲からの配置手段の脱落を防止することができる。
なお、開放部の配置は何ら限定されるものでは無い。例えば、配置手段が到達し難い箇所に配置しても良い。この場合は、配置手段が誤って範囲の外方へ脱落する可能性を更に低くすることができる。また、開放部を配置手段からの負荷が生じにくい箇所(例えば重力方向の逆側としての上側)に配置しても良い。この場合は、配置手段からの負荷が変位中の進退手段に与えられ、進退手段の変位が妨害されたり、進退手段または配置手段に欠損が生じたりすることを回避することができる。
遊技機B1又はB2において、前記進退手段は、前記配置手段と当接する向きに対応して、前記配置手段を案内する方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、同じ進退手段によって配置手段が異なる方向に案内されているように遊技者に見せることができる。これにより、演出の種類を増やすことができるので、配置手段および進退手段を利用した演出の演出効果を向上することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記進退手段は、前記範囲に進入した状態において、前記範囲の対向面との間の隙間が前記配置手段の幅長さに比較して短くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、配置手段が進退手段から遠い側に配置される場合であっても、進入した状態において、進退手段を配置手段に作用させることができる。
なお、進退手段と範囲の対向面との間に隙間が無いように構成しても良い。また、一部には隙間があって、他の部分で隙間が無いように構成しても良い。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記進退手段は、所定の軸を中心とした回転変位により前記範囲へ進入するよう構成され、進入側の先端において、前記軸から最も遠い代表先端部が前記範囲との間の隙間が最短となるように構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、軸からの位置ずれが最も大きくなり易い代表先端部が最初に範囲に進入するようにすることで、軸からの位置ずれに早期に対応することができ、その後に続く進入動作の抵抗を低減することができる。
遊技機B5において、前記代表先端部は、所定の張出部を備え、その張出部に対し前記軸方向に沿って遠ざかるほど、前記範囲から退く側に傾斜するよう形成されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、進退手段の進入過程において、配置手段を所定の張出部から遠ざけるように変位させることができる。
遊技機B6において、前記進退手段は、前記軸方向に前記張出部から離れた位置において、前記範囲側が開放される形状から構成されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、進退手段の形状が、張出部から離れた位置において範囲側が開放される形状とされるので、張出部に押しのけられた配置手段の配置箇所を確保することができる。
なお、範囲側が開放される形状としては、種々の態様が例示される。例えば、進退手段の進入前において範囲側が開放される形状でも良いし、進退手段が進入した状態において範囲側が開放される形状でも良い。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、駆動力を発生可能な駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記進退手段に伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記伝達手段と前記進退手段とは、当接することで駆動力の伝達がされ、前記伝達手段と前記進退手段との当接面の接触面積が変化可能に構成され、その接触面積は、前記進退手段の前記範囲への進入初期に最大となり、その後減少するように構成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、進退手段が配置手段と当接開始することで大きな負荷が生じやすい進入初期に接触面積が最大となるように構成することで、接触面の単位面積あたりにかかる負荷を低減することができる。これにより、進退手段および伝達手段の耐久性を向上することができる。
なお、進退手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技領域外において変位する手段でも良いし、遊技領域内に変位する手段でも良い。
<伝達カムで2部材を同期動作させる>
駆動手段と、変位可能に構成され1又は複数の部材から構成される変位手段と、その変位手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記伝達手段は、第1の態様で前記変位手段の第1対象部に前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される第1伝達部と、前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記変位手段の第2対象部に前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される第2伝達部とを備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段の変位に利用する駆動装置であって、変位手段を昇降変位させるための第1駆動装置と、変位手段を回転変位させるための第2駆動装置とを備える遊技機がある(例えば、特開2016−202210号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の動作演出を実行させるために、第1駆動装置と第2駆動装置とを同期させて複数の変位手段を変位させたとしても、駆動タイミングがずれる可能性を排除できず、変位手段の変位が不安定になり易いという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、伝達手段に第1伝達部および第2伝達部が配設されており、それぞれ変位手段の第1対象部または第2対象部に駆動力を伝達するよう構成されているので、第1対象部および第2対象部への駆動力の伝達の同期を自動的にとることができ、変位手段の変位を安定させることができる。
なお、駆動力が伝達される時期は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1対象部および第2対象部に同時に駆動力が伝達される態様でも良いし、駆動力が伝達される時期を分けても良いし、その組み合わせ(部分的に同時に伝達)でも良い。
また、第1対象部および第2対象部に同時に駆動力を伝達する場合には、駆動力の少なくとも一部の発生方向が重力方向に沿うように配置することが好ましい。これにより、駆動力伝達に自重を利用することができる。
遊技機C1において、前記第1対象部への駆動力伝達と、前記第2対象部への駆動力伝達とは、時期を分けて生じるよう構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、駆動抵抗の最大値を低く抑えることで、駆動手段に要求される駆動力を抑えることができる。
なお、ここで駆動力伝達とは、駆動力により伝達手段が変位する進行方向の負荷のことを意味するとしても良いし、進行方向を考慮せずに、駆動力により生じる変位で生じる負荷伝達としても良い。
遊技機C1又はC2において、前記変位手段は、前記第1対象部を有する第1部材と、前記第2対象部を有する第2部材とを備え、前記第1部材の変位軌跡と前記第2部材の変位軌跡とは、部分的に交わるよう構成され、前記第1部材は、所定配置において前記第2部材に当接可能に構成され、その当接した状態において、前記第1部材を介して前記第2部材へ駆動力を伝達可能に構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、変位手段へ駆動力が伝達される状態を、複数種類構成することができる。換言すれば、第2部材に伝達手段から直接的に駆動力が伝達される場合と、第1部材を介して間接的に駆動力が伝達される場合とを構成することができる。
遊技機C3において、前記第1部材が前記所定配置へ向けて変位する状態において、前記第2部材は前記第1部材と当接しない位置に退避可能に構成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位中の第1部材が第2部材と当接することを回避することができる。これにより、第2部材と第1部材との当接は、第1部材が所定配置に到着し停止した状態で生じるので、第2部材への駆動力伝達の態様の切り替わりを滑らかに生じさせることを容易にすることができる。
遊技機C3又はC4において、前記第1部材の状態は、前記伝達手段の配置と対応づけられることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、駆動力の伝達態様の切り替えを伝達手段の配置変化で行うことができるので、第1部材および第2部材の変位を安定させることができ、各部材の意図しない衝突または接触を避けることができる。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、前記第2部材を所定方向に付勢可能に構成される付勢手段を備え、前記第2部材への駆動力伝達は、前記付勢力に対抗する方向で行われ、前記第1部材は、前記所定配置において、前記第2部材に対して前記所定方向側に配置されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5のいずれかの奏する効果に加え、第2部材を第1部材に対して所定方向反対側に配置した状態で、第1部材を所定配置とすることができる。これにより、伝達手段の変位に伴い第2部材を付勢力に対抗して変位させるタイミングと、第2部材を付勢力に抗して留めるタイミングとを形成することができる。
遊技機C6において、前記伝達手段の前記第1伝達部が前記所定方向側へ変位する間に、前記第1部材が前記所定配置へ向けて変位するよう構成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第1部材の変位に必要な負荷の一部を、付勢手段の付勢力により発生させることができる。即ち、付勢力を補助的に利用することができる。
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記第2伝達部は、前記第2部材と非当接となる非当接状態を形成可能とされ、前記非当接状態において、前記第2部材の変位を前記第2伝達部が妨害しないように前記第2部材が構成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、第2部材の変位状態として、第2伝達部に押される変位状態と、第2伝達部とは離れた変位状態とを構成することができる。
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記所定配置とされた前記第1部材と前記伝達手段との当接点から、前記所定方向と平行に延びる直線は、前記伝達手段の変位を所定の態様に規制する規制部を通ることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C3からC8のいずれかの奏する効果に加え、第1部材を介して伝達手段へ伝達される付勢力を規制部で遮断することで、駆動手段まで到達することを防止することができる(度合いを下げることができる)。
なお、規制部の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、変位を規制することで変位態様をスライド変位に限定する案内部でも良いし、回転変位に限定する軸支部でも良い。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記変位手段の第1対象部は、前記駆動手段の駆動力を受けて変位したり停止したりする第1状態と、前記第2対象部から負荷を受けて変位したり停止したりする第2状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかの奏する効果に加え、第1対象部の変位態様を複雑化することができる。
<負荷の発生を離れている時に限定することで、負荷伝達を遮断する>
駆動手段と、変位可能に構成される変位手段と、その変位手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される伝達手段とを備える遊技機であって、前記変位手段に当接する当接状態と、前記変位手段に非当接な非当接状態とで状態変化可能に構成される第1手段を備え、その第1手段に外部から与えられる負荷を伝達する対象が切替可能に構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動手段の駆動力により変位する一の可動体から構成される変位手段が、変位終端位置(上端位置)で他の可動体と当接し負荷を受け得る遊技機がある(例えば、特開2016−028623号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、他の可動体からの負荷が、変位手段を介して駆動手段に伝達される虞があり、制御による駆動手段の状態(例えば、モータの回転角度)と、実際の駆動手段の状態とに差異が生じる可能性があるため、駆動状態を安定させる観点から改善の余地があった。
また、駆動手段に与えられる負荷により、駆動手段の動作抵抗が不安定に増減し、駆動手段の劣化を早める可能性も考えられる。
これに対し、遊技機D1によれば、当接状態における負荷伝達を抑制可能に構成されることから、駆動手段の駆動状態を安定させることができる。また、駆動手段の動作抵抗の不安定な増減を抑制することで、駆動手段の耐久性を向上することができる。
なお、当接状態における負荷伝達の抑制の方法は、何ら限定されるものでは無い。例えば、当接部分において負荷を吸収可能な部材を介在させても良いし、負荷を生じさせる原因となる第1手段の変位(例えば、第1手段が外力を受けること)が、第1手段の非当接状態においてのみ生じるよう構成しても良い。
遊技機D1において、前記変位手段が前記第1手段から受ける負荷と、前記変位手段が前記伝達手段を介して受ける駆動力とが、同じ側を向くことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、第1手段からの負荷と、駆動力とが反対側を向く場合に比較して、変位手段が受ける負荷を低減することができる。
遊技機D1又はD2において、前記第1手段に衝突可能に配置される配置手段を備え、その配置手段の衝突は、前記伝達手段と、前記変位手段とが非当接の状態で生じるよう構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、配置手段の衝突が、伝達手段および変位手段の非当接の状態で生じるので、伝達手段および変位手段の間で負荷伝達を遮断することができる。
なお、配置手段の衝突は、第1手段の当接状態で生じても良いし、非当接状態で生じても良い。配置手段の衝突が非当接状態において生じる場合は、第1手段と変位手段との間の負荷伝達を遮断することができるので、伝達手段の配置(伝達手段と変位手段との当接の有無)に関わらず、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、その当接部は、当接により生じる負荷の方向に撓める(変形できる)程度に柔軟に構成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、当接部の撓み(変形)により負荷を吸収することで、変位手段と伝達手段との間の負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記第1手段および前記変位手段は、当接可能に構成される第2当接部を備え、前記第1手段または前記変位手段の少なくとも一方の前記第2当接部は、衝撃吸収可能な材料から形成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、第2当接部により衝撃を吸収できるので、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、前記変位手段を付勢する付勢手段を備え、前記変位手段の待機位置は、前記付勢手段の付勢方向変位範囲端部に設定されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の待機位置(伝達手段からの負荷発生を待機する位置)がずれることを回避することができるので、第1手段と変位手段とが離れる位置まで伝達手段を高速動作する制御の、伝達手段の停止位置(高速回転開始位置)を適切な位置に配置し易い。これにより、駆動手段の制御を容易かつ適切に行うことができる。
また、第1手段および変位手段の配置の自由度を低くすることで、不用意に第1手段と変位手段とが当接することを回避することができる。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記配置手段の衝突に伴う姿勢変化を許容されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の姿勢変化に配置手段からの負荷を利用することができるので、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D6又はD7において、前記第1手段と前記変位手段とが当接し、前記伝達手段と前記変位手段とが非当接とされることで前記第1手段が前記付勢手段の付勢力を受ける付勢状態と、前記伝達手段が前記変位手段と当接し、前記付勢手段の付勢力の方向の反対側へ前記変位手段を変位させており、前記付勢手段の付勢力の前記第1手段への伝達が無効とされる無効当接状態と、前記第1手段と前記変位手段とが離れている非当接状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6又はD7の奏する効果に加え、第1手段の状態(例えば、配置手段の衝突に対する姿勢変化のし易さの度合い)を複数種類構成することができる。
<正逆回転の一方の回転を条件付きで規制する>
所定位置を含む経路で変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、前記所定位置から変位態様の変わる基準点となる基準位置へ変位可能に構成され、その基準位置から、複数種類の態様で前記所定位置へ変位可能に構成されていることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、同一の可動役物を複数の演出で異なる動作をするよう制御する遊技機がある(例えば、特開2016−73517号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、異なる動作は、駆動装置の駆動方向の切り替わりの有無と対応しているので、駆動装置の駆動音から演出の種類が判別できてしまい、これから実行される演出について遊技者が予測できてしまうので、遊技者の興趣の向上という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、判別関与手段により、これから実行される演出を遊技者が判別し難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、変位手段の変位態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、当確演出と、外れ演出とで変位手段の変位を伴う異なる演出としても良い。この場合、変位手段の所定位置への変位態様が一通りであると、所定位置からの変位が生じる(例えば、駆動音が生じる)ことにより当確か否かが分かってしまう。一方、変位態様を複数通りとすることで、変位が生じた(例えば、駆動音が生じた)としても、当確か否かを分かり難くすることができる。
また、変位の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、経路でも良いし、変位速度でも良いし、変位の速度パターンでも良い。
遊技機E1において、前記変位手段を変位させるための駆動力を発生させる駆動手段と、前記変位手段の変位を規制する規制手段とを備え、その規制手段は、前記駆動手段が駆動力を生じていない状態において、前記変位手段の変位を規制可能に構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、変位手段の規制時に駆動手段の駆動音を消すことができるので、その後で再駆動した場合に、その駆動方向が正方向なのか、逆方向なのかを判別し難くすることができる。
また、変位手段の変位を規制した状態で長時間演出(ロングリーチ等)を実行する場合に駆動手段で駆動力を発生し続ける場合と異なり、駆動手段が発熱することを抑制することができる。
遊技機E1又はE2において、前記規制手段は、前記駆動手段の駆動力により変位手段に作用可能な位置へ変位することを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、規制手段を駆動するための駆動手段を別で設ける場合に比較して、駆動手段の配設個数を減らすことができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記複数種類の態様の内、どの態様で変位しているかを判別し難くする区間を有するように構成される判別関与手段を備えることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、判別関与手段により、所定区間で変位手段の変位態様の判別がし難いように構成することができるので、所定地点においてのみ変位態様の判別がし難い場合に比較して、変位態様の判別をし難いままでの変位手段の変位継続を行い易くすることができる。
遊技機E4において、前記区間において、前記変位手段の配置を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位手段を維持したままで、駆動手段の駆動方向切替を行うことが可能となる。これにより、駆動音から変位手段の変位態様の種類が発覚することを防止することができる。そのため、例えば、当否の報知前に駆動手段を駆動開始させるといった駆動制御が可能となる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記変位手段の位置を検出可能な検出手段を備え、その検出手段は、前記複数種類の変位態様での変位の内、実行可能な変位の切替を判定する判定手段と兼用されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の位置検出用のセンサと、変位態様切替判定用のセンサとを兼用することができるので、検出センサの配設個数を低減することができる。
<複数部材の一体感>
第1部材と第2部材とが変位可能に構成される遊技機であって、前記第1部材と前記第2部材とが近接する態様が、前記第1部材と前記第2部材とで異なるように構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に構成される第1部材および第2部材が、近接した状態を維持したまま昇降変位するよう制御する遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1部材および第2部材の変位は同一直線上で生じているので、近接する速度によっては、第1部材および第2部材が当接後に逆戻りする虞があり、見栄えが悪くなる可能性がある。即ち、変位速度に関わらず、演出態様を維持する観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、第1部材と第2部材との近接する態様を異ならせるようにしている。例えば、第1部材と第2部材との変位態様を同一直線上での近接とせず、別直線上での近接後に方向を変えて互いに近づくようにすることで、第1部材および第2部材の逆戻りを回避し、演出態様を維持し易くすることができる。
遊技機F1において、前記第1部材および前記第2部材の変位は、互いに近接するための第1区間と、互いに当接するための準備区間としての第2区間とに少なくとも分かれ、前記第1部材および前記第2部材は、前記第1区間と前記第2区間とにおける姿勢が異なるように構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1部材および第2部材の姿勢を、変位の目的に合わせて変化させることができる。
遊技機F1又はF2において、前記第1部材および前記第2部材の近接配置を維持する側へ向く負荷を発生可能な負荷発生手段を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、負荷発生手段により前記第1部材および第2部材の配置を維持することができる。
なお、負荷発生手段により生じる負荷は一定の方向の負荷や、一定の大きさの負荷に限定されるものでは無い。例えば、状況(例えば、遊技状態)によって受けやすい負荷(例えば、外力を生じる演出態様)が変化する場合には、それに合わせて負荷発生手段により生じる負荷の方向や大きさを変化させても良い。
また、負荷発生手段による負荷は常時生じている必要はない。例えば、上述の状況の変化に合わせて、負荷の発生と、負荷の解消とを切り替えるようにしても良い。なお、負荷発生手段は外部的なものでも良い。
遊技機F3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方を変位させるよう構成され、その変位により所定状態を構成可能に構成される変位発生手段を備え、前記負荷発生手段は、前記変位発生手段と一体的に構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、負荷発生手段による負荷の発生タイミングと、第1部材および第2部材の配置との関係を適切に維持することができ、ずれたタイミングで負荷が生じることを防止することができる。
また、負荷発生手段の作用と、変位発生手段の作用とを互いに補完し合うことができる。例えば、負荷発生手段の負荷を利用して、変位発生手段で生じさせる第1部材または第2部材の変位を補助することができる。
遊技機F4において、前記所定状態は、前記第1部材の少なくとも一部が前記第2部材と当接する当接状態であることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1部材と第2部材との隙間を埋める態様の演出を実行し易くすることができる。
遊技機F4又はF5において、前記負荷発生手段は、前記所定状態において負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、所定状態を除く状態においてまで負荷発生手段の負荷が第1部材および第2部材に影響することを避けることができる。
遊技機F3からF6のいずれかにおいて、前記負荷発生手段は、前記第1部材または前記第2部材に対して、複数箇所で負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F3からF6のいずれかにおいて、負荷発生手段が第1部材または第2部材に対して複数箇所で負荷を生じるので、一方向の変位に対する状態の維持に留まらず、第1部材または第2部材の姿勢変化に対する状態の維持も図ることができる。これにより、第1部材および第2部材が立体的に構成されている場合であっても、配置のずれが目立つことを避けることができる。
遊技機F7において、前記第1部材または前記第2部材は、前記負荷発生手段から負荷を受ける複数の被負荷部を備え、前記複数の被負荷部は、第1被負荷部と、その第1被負荷部よりも前記負荷発生手段に対する変位量が大きい第2被負荷部とを備え、前記負荷発生手段は、前記第2被負荷部よりも先に前記第1被負荷部に負荷を与えるよう構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、負荷発生手段からの負荷を段階的に第1部材または第2部材に与えることができる。また、第1被負荷部と、第2被負荷部とに与えられる負荷の役割を分けることができる。例えば、第1被負荷部を所定位置への配置の役割で、第2被負荷部を姿勢調整の役割で利用することができる。
遊技機F3からF8のいずれかにおいて、前記負荷発生手段は、重力に対向する側へ向く負荷を前記第1部材または第2部材に与える部分が、他の部分に比較して、前記第1部材または前記第2部材に対向する対向面の迎え長さが長く形成されることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F3からF8のいずれかの奏する効果に加え、第1部材または第2部材の自重による垂れ下がりに対応し易くすることができる。一方、他の部分については、第1部材または第2部材に対向する対向面を短く形成できるので、負荷発生手段の設計自由度を向上したり、対向面を隠しやすくしたりすることができる。
遊技機F3からF9のいずれかにおいて、前記第1部材および前記第2部材の組み付けは、前記第1部材および前記第2部材が離れた状態において可能に構成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F3からF9のいずれかの奏する効果に加え、組み付け作業で生じる負荷により第1部材または第2部材に割れや欠けが生じることを回避し易くすることができる。即ち、当接状態で組み付け作業をする場合に比較して、第1部材と第2部材との間で負荷伝達が生じることを避け易いので、第1部材および第2部材を欠損無く組み付けることができる。
これにより、第1部材および第2部材に設計通りの当接面を設けることができるので、隙間が生じている場合など、負荷発生手段による負荷により、かえって配置ずれが生じ易くなるという事態を防止することができる。
<変位手段のぐらつき状態を複数種類構成>
変位手段と、その変位手段を変位させる作用手段を備え、その作用手段は、前記変位手段の所定方向への姿勢変化を抑制するよう構成されることを特徴とする遊技機G0。
パチンコ機等の遊技機において、配置変化と回転とで構成される変位を可能に構成される変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、アーム先端に配設される変位手段を支持する部分は、大径に形成されているものの、変位を確保するために隙間を設ける必要性から変位手段の姿勢変化に対する対策が十分でなく、変位手段の姿勢変化を抑制するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G0によれば、作用手段の構成により、変位手段の姿勢変化を抑制することができる。これにより、変位手段の変位が許容されるスペースが狭い場合であっても、そのスペースを形成する壁部材と変位手段との衝突が生じることを回避し易くすることができる。
なお、変位手段の姿勢変化の方向は、何ら限定されるものでは無い。例えば、横方向(水平方向等)に沿う直線を軸とした傾倒でも良いし、縦方向(鉛直方向等)に沿う直線を軸とした横振りでも良い。
遊技機G0において、前記作用手段は、前記変位手段の配置位置に対応して、前記変位手段の姿勢変化を抑制する作用力を増減可能に構成されることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、変位手段の配置に対応して、変位手段の姿勢変化の抑制の度合いを変化させることができる。これにより、変位手段の演出の自由度を高く維持しながら、変位手段の配置スペースを狭くすることができる。
例えば、変位手段が往復変位する場合には、変位方向の切換が行われる変位終端において変位手段の姿勢が崩れやすい傾向があるところ、変位終端に変位手段が配置された際に作用力発生位置を増やすことで、変位手段の姿勢の崩れを抑制することができる。
また、例えば、変位手段に搭載されている駆動力で、変位手段自体が拡大縮小変位したり、回転変位したりする場合も、変位手段の姿勢が崩れやすい傾向があるので、その駆動力発生位置において作用力発生位置を増やすことで、変位手段の姿勢の崩れを抑制することができる。
遊技機G0又はG1において、前記作用手段は、前記変位手段の重心を通る水平面上に配置される複数の主支持手段で前記変位手段を支持するよう構成されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、作用手段が変位手段の重心位置の水平面上の複数の主支持手段で変位手段を支持するので、変位手段の傾倒を防止し易くすることができる。
遊技機G2において、前記作用手段は、前記主支持手段の配置される水平面とは異なる位置で前記変位手段を支持する補助支持手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、主支持手段および補助支持手段で、一直線上に配置されてはいない3点以上の支持点で変位手段を支持するので、変位手段の姿勢変化を全方位で抑制することができる。
遊技機G3において、前記補助支持手段は、前記作用手段に対する前記変位手段の変位を案内する案内手段としても機能することを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、補助支持手段を、支持力発生位置としてだけでは無く、変位を案内する位置としての機能を付加することができる。
遊技機G1において、前記変位手段は、所定方向視の面積が増減する態様で変位可能とされ、前記作用手段は、前記変位手段の変位終端位置で、作用力発生位置が最大となるよう構成されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、変位手段の面積増大演出が最も効果的となる変位終端位置において、複数点で変位手段に対して作用力を発生させることができるので、変位手段の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
更に、変位手段の変位中における作用力発生位置を相対的に減らすことにより、変位手段の変位抵抗を減らし変位を滑らかにすることができる。即ち、変位手段の変位中は、その変位に伴う慣性により姿勢維持し易い状況にあるので、作用力発生位置をむやみに増加させると作用力が過剰となり、変位手段の変位抵抗が只々上昇し、駆動装置が大型化するという問題点が想定される。
これに対し、変位終端位置以外の位置では作用力発生位置を減らすように構成することで、変位手段の変位抵抗が過剰となることを避け、駆動装置の大型化を避けることができる。
<プロペラユニットの配線案内>
変位手段と、その変位手段に接続される電気配線と、その電気配線の所定部を変位可能に構成される電気配線変位手段とを備え、その電気配線変位手段は、前記変位手段が前記所定部に近づく側へ変位する場合に、前記変位手段を避ける側に前記所定部を変位可能に構成されることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段に接続される電気配線を、変位手段に連動する長尺部材に添わせ、電気配線の配置を限定する遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段と電気配線との接触を避ける目的から、変位手段が電気配線を超えて変位し続けるよう構成することが困難であり、変位手段の変位終端よりも外方に電気配線を配置するためのスペースが必要となるので、変位手段の配置自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、電気配線変位手段により、電気配線の所定部を、変位手段を避ける側に変位可能に構成されているので、変位手段と電気配線との接触を積極的に避けることができるので、変位手段が電気配線を超えて変位するように構成することができる。従って、変位手段の配置自由度を高くすることができる。
なお、変位手段が所定部に近づく場合は、何ら限定されるものでない。例えば、所定部が止まっていたら変位手段と所定部とが接触する危険がある場合でも良いし、所定部と変位手段との間の距離が基準の長さよりも近づく場合としても良い。
遊技機H1において、前記変位手段は、少なくとも第1方向と第2方向とで変位可能に構成され、前記所定部は、前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1方向および第2方向により形成される所定平面における変位手段の変位量が電気配線に制限されることを避けることができる。
遊技機H2において、前記第1方向および前記第2方向は、所定の方向視と直交する平面と平行な方向とされることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、所定部の変位する変位方向を所定の方向視に沿う方向とすることができるので、電気配線が変位することで所定の方向視における見え方に生じる影響を小さくすることができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記所定部に対して前記変位手段の反対側に配置される前記電気配線の第2所定部を停留させる停留手段を備え、前記電気配線変位手段は、前記第2所定部が前記停留手段に対して変位し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、停留手段に配置される電気配線の第2所定部の耐久性を向上することができる。
なお、第2所定部が停留手段に対して変位し易くなる構成は、何ら限定されるものではない。例えば、停留手段において第2所定部が渦巻き状に配設される場合において、その渦巻きの外周部の接線方向に沿って第2所定部を押し込む態様でも良いし、第2所定部が可動部材に案内される場合において、その可動部材を変位させるよう第2所定部または可動部材を押し込む態様でも良い。
遊技機H4において、前記停留手段は、前記変位手段の前記第1方向の変位終端よりも外方に配置されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、停留手段が変位手段の第1方向の変位終端よりも外方に配置されるので、停留手段を変位手段が変位する平面側に張り出して構成することができる。これにより、停留手段の電気配線の収容量を増やすことができるので、停留手段との離間分を第2所定部で補う変位手段の変位量をより大きくすることができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記電気配線変位手段は、変位手段と一体に構成され、前記変位手段の配置に対応して、前記電気配線変位手段の配置を変化させる対応変化手段を備えることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、対応変化手段により、電気配線と変位手段との相対配置を適切に管理することができる。
<電チュー通した球の流路>
遊技領域と、その遊技領域から排出された遊技球を流下させる流下手段とを備え、その流下手段は、前記遊技領域から排出された遊技球を視認可能に構成される区間を備えることを特徴とする遊技機I0。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域を構成するベース板がベニヤ板で構成される遊技機がある(例えば、特開2017−80178号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技領域から排出された遊技球がベース板の背面側へ流れると、ベース板で隠れてしまい、遊技者は遊技球を視認することができない。そのため、遊技者は遊技球を見失う事態が生じ易く、排出タイミングに注目していないと、遊技領域から突然、遊技球が無くなったかのような印象を受ける可能性がある。
また、排出タイミングに注目していたとしても、昨今のパチンコ機では、入賞口とアウト口とが近接配置されている場合が多く、実際はアウト口に入球したのにも関わらず、入賞口に入球したものと見間違える可能性がある。この場合には、賞球の払い出しが無いことに対して不信感を覚える可能性がある。即ち、従来の遊技機では、遊技領域からの遊技球の排出に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機I0によれば、流下手段が、遊技領域から排出された遊技球を視認可能な区間を備えて構成されるので、遊技者は、その区間を流下する遊技球を目視することで、遊技球が遊技領域からどのように配置されたのかを確認することができる。これにより、遊技領域からの遊技球の排出を改良することができる。
なお、遊技領域からの遊技球の排出は、遊技領域から遊技球が排出される態様の全般を意味する。例えば、賞球口を通り排出される場合でも良いし、賞球の無いアウト口を通り排出される場合でも良い。
遊技機I0において、前記遊技領域を流下した遊技球が通過可能に配置され、遊技球が通過することに基づいて遊技者に所定の利益を付与可能に構成される利益付与手段を備え、前記流下手段は、前記利益付与手段よりも上側において前記利益付与手段へ近づく側へ遊技球を案内可能に構成される第1構成部と、その第1構成部よりも下流側に配設され、前記利益付与手段よりも上側において前記利益付与手段から離れる側へ遊技球を案内可能に構成される第2構成部とを備えることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球を視認することで遊技球が遊技領域からどのように排出したかを遊技者が把握可能にすると共に、その遊技球が下側の利益付与手段に近づくことを回避することができる。これにより、既に遊技領域から排出された遊技球と、依然として遊技領域を流下している遊技球とを利益付与手段の付近において明確に見分けることができるので、遊技者が遊技を快適に行うことができるように図ることができる。
なお、所定の利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、賞球の払い出しでも良いし、第1図柄や第2図柄等の図柄の抽選でも良いし、その他の利益でも良い。
遊技機I0又はI1において、前記遊技領域の内方に形成される注目手段と、その注目手段の周りに枠状に配設される枠手段とを備え、前記流下手段は、正面視において前記枠手段の内方側へ遊技球を流下させるように構成されることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、流下手段によって、注目手段に注目している遊技者の視界に遊技領域から排出された遊技球を進入させることができる。これにより、遊技者が注目手段に注目している状況においても、遊技球が遊技領域から排出されたことを把握させることができる。
なお、注目手段としては何ら限定されるものでは無く、種々の態様が例示される。例えば、導光板(イルミネーションプレート)でも良いし、図柄が変動表示される液晶表示手段でも良いし、モータなどの駆動手段で変位可能に構成される可動役物でも良いし、LED等の発光手段でも良い。
遊技機I2において、前記流下手段は、前記注目手段の内方側において遊技球を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、注目手段に注目している遊技者の視界に遊技球が滞在する期間を長くすることができる。
<盤面意匠部分、導光板周りの工夫>
発光手段を備える所定基板と、所定方向視において前記所定基板の少なくとも一部の手前側に配置される被配置手段と、を備え、前記所定基板は、前記所定方向視で視認される面積が、前記発光手段から照射される光が視認される面積に比較して小さくなるように配置されることを特徴とすることを特徴とする遊技機J0。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域が前面に構成されるベース板の背面側にLED等の発光手段を有する電飾基板が配置され、その電飾基板の板面とベース板の板面とがほぼ平行に配置される遊技機がある(例えば、特開2006−333887号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、正面視において視認される電飾基板の面積が大きいので、電飾基板の正面側に配置される装飾部材にLED光を照射する場合に、その視界に電飾基板が入り込み、装飾部材と電飾基板とが前後で重なっているように視認される可能性がある。
電飾基板の表面には、回路や抵抗等の機能上必要となる構成が配置されているのみであり、通常、意匠性の高いものでは無い。そのため、装飾部材と電飾基板とが前後で重なって視認される場合には、見栄えが悪く、遊技者の興趣を低下させる可能性があった。即ち、従来の遊技機では、所定基板の演出効果に改善の余地があった。
これに対し、遊技機J0によれば、所定方向視で視認される所定基板の面積が、照射される光の面積に比較して小さくなるように所定基板を配置しているので、少なくとも、所定基板と重なることなく光のみを視認可能な領域を構成することができる。これにより、所定基板の演出効果を向上させることができる。
なお、所定基板の配置は、何ら限定されるものでは無い。例えば、部分的に隠されることで、視認される面積が小さくされても良いし、全体が遮蔽されることで視認される面積が無いような態様でも良い。
なお、所定基板に配置される発光手段から照射される光の光軸は、任意に設定可能である。例えば、所定基板の厚さ方向に光軸が向けられるものでも良いし、所定基板の厚さ方向に対して直角な方向に光軸が向けられるものでも良いし、その間の角度で光軸が向けられるものでも良い。
なお配置手段の光透過性は、何ら限定されるものではない。例えば、光透過が良好に構成しても良いし、低透過性に構成しても良いし、光透過性の程度を部分ごとに変化させても良い。
遊技機J0において、前記被配置手段は、前記所定基板の両面側に配置され前記発光手段から照射される光の進行方向を変化させる複数の方向変化手段を備え、前記複数の方向変化手段の間に、その方向変化手段に比較して光透過率が低い低透過手段が配設され、所定方向視において、前記所定基板は、少なくとも一部が前記低透過手段の内側に配置されることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、所定基板を低透過手段により隠すことができる。これにより、所定基板が視認される範囲を狭めることができる。
なお、方向変化手段としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、導光板やイルミネーションプレートでも良いし、駆動装置で変位可能に構成される可動役物でも良いし、遊技球が流下する遊技領域や流路でも良いし、固定配置されるケース部材や装飾部材でも良い。
遊技機J1において、前記低透過手段は、所定の模様や図形の形状を構成する形状部の少なくとも一部であることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、低透過手段を所定の模様や図形の形状に紛れさせることができるので、遊技者に違和感を与えることを回避することができる。
なお、所定の模様や図形の形状としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、窓枠等の枠形状の骨部でも良いし、タイヤ等の回転体の軸と回転外周部とをつなぐ骨部でも良いし、任意の文字列と模様とで構成され一連の意味内容を表現する意匠(例えば、タイトルロゴ)の一部でも良い。
遊技機J0からJ2のいずれかにおいて、前記所定基板は、前記所定方向に板の端面を向けて配置されることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、所定基板の所定方向視における面積を最小化することができる。
遊技機J3において、所定方向視で視認可能な表示演出を実行する表示手段と、その表示手段の前方に配置される遊技領域とを備え、前記所定基板は、前記表示手段の表示領域と、前記遊技領域との所定方向視における境界に配置されることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、所定基板が境界に配置されることで、遊技領域の背面から光を正面側へ照射し、全体的に光演出を実行する場合と異なり、所定基板から表示領域側のみに光を照射する演出や、遊技領域側のみに光を照射する演出を実行することができる。
遊技機J4において、前記所定基板は、前記遊技領域を前面側に構成する遊技盤に固定配置されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、所定基板が遊技盤に固定配置されるので、例えば、可動役物等が配設される背面ケースの内側面に固定配置される場合に比較して、発光手段の配置の自由度を向上することができる。
また、発光手段に電気を供給する電気配線を、遊技盤の背面を伝って背面ケースの外方に案内することができるので、遊技盤の窓部から背面ケース側を視認される場合であっても、特別広い視野で見まわさないと遊技盤の背面まで見ることは不可能なので、遊技者に電気配線が見られることを防止し易くすることができる。
更に、背面ケースの中央部に液晶表示装置が配設される場合、所定基板の配置スペースは液晶表示装置の外側に限定されることになるが、遊技盤の背面に所定基板を配置する方法であれば、液晶表示装置の大きさに制限されずに、任意位置で所定基板を配置することができる。従って、所定基板の配置自由度を向上することができる。
<出荷時の役物位置ずれを防止するロック部材>
変位手段と、その変位手段の変位を制限可能に構成される制限手段とを備え、その制限手段は、前記変位手段に作用可能な第1状態と、前記変位手段に作用不能な第2状態とで状態変化可能に構成され、前記第1状態において、変位手段の所定方向の移動を抑制するよう構成されることを特徴とする遊技機K1。
パチンコ機等の遊技機において、待機位置から液晶表示領域の前方に下降変位する可動役物(変位手段)を備える遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の配置固定および解除の観点で改良の余地があるという問題点があった。
即ち、遊技機は設置された後において正常に動作可能となるように構成されている一方で、出荷時等の遊技機に大きな振動や外力が加わり得る状況に対してまで可動役物の固定が機能するようには構成されていない。
そのため、出荷時に可動役物を固定するための対処として、可動役物が変位する範囲に緩衝材を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段をとっていたが、遊技盤の中央の開口部が閉塞された構成の場合、緩衝材を容易に抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
これに対し、遊技機K1によれば、制限手段を状態変化させることで、変位手段の変位に対する制限を解除することができるので、変位手段の配置固定および解除を良好とすることができる。
一方、緩衝材を抜き取る場合と異なり、制限手段を抜き取ってはいないので、遊技中に生じ得る外力によって容易に状態変化が生じるようでは遊技を継続し難い。これに対し、制限手段が第1状態において、意図しない状態変化を抑制するよう構成されることにより、遊技中の不具合の発生を抑制することができる。
遊技機K1において、前記制限手段は、非通電時において、前記第1状態と前記第2状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、制限手段の状態変化を遊技機の非通電時に生じさせることができるので、制限手段の誤動作の発生を抑制することができる。これにより、停電状態や、停電状態からの復旧作業において、作業者の作業が困難となることを防止することができる。
遊技機K1又はK2において、前記制限手段の操作部を所定方向に付勢する付勢手段を備え、前記制限手段は、前記操作部が基準位置から前記所定方向の反対側へ所定量変位することに伴い状態変化するよう構成され、前記操作部は、前記付勢手段の付勢力により前記基準位置から前記所定方向へ離れるように変位可能とされ、前記第2状態において前記基準位置から前記所定方向へ離れた離間位置に配置されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1又はK2の奏する効果に加え、第2状態において操作部が基準位置から離れた離間位置に配置されるので、扉の開閉等、設置後の遊技機に与えられ得る外力によって、制限手段の状態変化に要する所定量の変位が生じることを回避することができ、制限手段が第2状態から状態変化することを防止し易くすることができる。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、前記制限手段の操作部は、変位手段が変位可能な領域を構成する領域構成手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかの奏する効果に加え、操作部が領域構成手段の外方に配置されるので、操作手段の操作に伴い変位手段が変位したとしても、変位手段が作業者に接触することを避けることができる。
遊技機K1からK4のいずれかにおいて、前記制限手段の操作部を所定方向に付勢する付勢手段を備え、前記制限手段は、前記操作部が基準位置から前記所定方向の反対側へ所定量変位することに伴い状態変化するよう構成され、前記制限手段は、前記操作部の前記所定方向の変位を案内する案内手段を備え、その案内手段は、前記所定方向と交差する方向への前記操作部の変位許容幅(姿勢変化幅)を確保するよう構成されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K1からK4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の変位が、所定方向と交差する方向へも可能となるように構成されることから、操作部に方向不明の負荷が与えられた場合に、容易に所定方向に変位することを防止することができ、操作部が所定量変位することを防止し易くすることができる。これにより、扉の開閉などで生じる意図しない外力により、制限手段が状態変化することを回避することができる。
遊技機K5において、前記操作部は、前記案内手段と係合可能に構成される係合部を備え、前記付勢手段は、前記操作部の中心に配置され、前記係合部は、前記操作部の中心から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、制限手段の第1状態において、制限手段に方向不明の外力が与えられたとしても、操作部は、係合部を支点とした変位(姿勢変化)をするに留まり、状態変化に要する所定量の変位を生じることを防止することができる。従って、扉の開閉等の外力や、出荷時の振動等により、制限手段が第1状態から第2状態へ状態変化することを防止することができる。
遊技機K6において、前記制限手段は、左右位置側の支持軸で回動可能に構成される前記領域構成手段の背面側に配設され、前記係合部は、前記支持軸の反対側に配置されることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、制限手段の係合部を押し込むことで容易に制限手段の状態を変化させることができることから、遊技ホールの店員が、前扉を開放して制御手段を操作する場合の操作を容易にすることができる。即ち、前扉を開放した場合に、開放幅が大きくなる側(支持軸の反対側)に係合部が配置されるので、制限手段の操作位置を、より手前側にすることができる。
遊技機K7において、前記制限手段は、前記領域構成手段の支持軸側に配設されることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、制限手段が支持軸側に配設されるので、前扉を開放して作業する作業者が、誤って制限手段に触れることを防止することができる。
加えて、支持軸の反対側に配設される場合に比較して、前扉の開閉時に制限手段に与えられる負荷を小さくすることができるので、前扉の開閉に伴う衝撃で制限手段が状態変化することを防止することができる。
遊技機K1からK8のいずれかにおいて、前記第1状態において、前記変位手段は前記制限手段の変位を案内するよう構成されることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K1からK8のいずれかの奏する効果に加え、制限手段単体の変位の案内精度を落とした状態で、制限手段が変位手段に作用する場合の変位の案内精度は向上することができる。
遊技機K1からK9のいずれかにおいて、前記第1状態で通電した場合に、その通電状態の継続を防止するよう報知する防止報知手段を備えることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K1からK9のいずれかの奏する効果に加え、防止報知手段により、制限手段の状態を第1状態から切り替えるよう報知することができる。
なお、報知の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、エラー表示を液晶表示装置に表示することで報知しても良いし、スピーカーから報知音を出力することで報知しても良いし、所定の照明手段を光らせる(又は消灯状態で維持する)ことで報知しても良い。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、前記収容体には、前記操作手段に対応する位置に開口が形成されることを特徴とする遊技機L0。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。基板ボックスは、封印されており、制御基板に不正が加えられることが抑制されている。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板に操作手段が設けられている場合に、その操作手段を操作するためには、基板ボックスを開封する必要がある。そのため、手間がかかるという問題点があった。
遊技機L0によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、収容体には、操作手段に対応する位置に開口が形成されるので、開口を介して操作手段を操作することができる。即ち、操作手段を操作する際に収容体を開封することを不要とできる。よって、手間を抑制できる。
<基板ボックスA100、A2100(被覆部A270,A2270)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記操作手段は、前記収容体の開口に対面する第1面を備え、前記収容体は、前記操作手段の第1面に対向する対向部を備えることを特徴とする遊技機M1。
遊技機M1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、操作手段は、収容体の開口に対面する第1面を備え、収容体は、操作手段の第1面に対向する対向部を備えるので、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M1において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記対向部は、前記操作手段の第1面のうちの前記操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、対向部は、操作子の第1面のうちの操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されるので、操作子の操作手段への差し込み及びその差し込んだ操作子の変位が阻害されることを抑制しつつ、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M1又はM2において、前記対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されるので、形状を簡素化して、成形性を確保できる。その結果、歩留まりを向上させ、製品コストを低減できる。
遊技機M3において、前記対向部には、突部が突設されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、対向部には、突部が突設されるので、対向部の剛性を高め、その破損を抑制できる。
なお、突部は、すじ状に延設される突条として形成されていても良い。
遊技機M4において、前記突部は、前記対向部における前記操作手段の第1面に対向する側の面から突設されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、突部は、対向部における操作手段の第1面に対向する側の面から突設されるので、対向部と操作手段の第1面との間の隙間を小さくして、かかる隙間から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M5において、前記突部は、前記操作手段の第1面に当接されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、突部は、操作手段の第1面に当接されるので、かかる当接箇所では、対向部と操作手段の第1面との間の隙間を無くして、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、突部が操作手段の第1面に当接されていることで、操作手段へ操作子を差し込む際に、対向部が操作子により差し込み方向へ押されても、その差し込み方向へ対向部が変形することを抑制できる。よって、対向部の基端側が破損することを抑制できる。
なお、対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されるので、対向部の弾性変形を利用して、突部を当接させた状態の形成と、その維持(即ち、密着度を高めて、針金等の異物が挿入されることを抑制)とを達成できる。
遊技機M3からM5のいずれかにおいて、前記突部は、すじ状に延設される突条として形成されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M3からM5のいずれかの奏する効果に加え、突部は、すじ状に延設される突条として形成されるので、対向部の剛性をより高めることができると共に、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制しやすくできる。
遊技機M1からM7のいずれかにおいて、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記対向部は、前記操作手段に差し込まれた前記操作子に縁部が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機M8。
ここで、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も傾倒され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。また、操作手段に差し込まれた操作子の変位(例えば、回転)が過大となると、その変位の方向へ操作手段も変位され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。これらの場合、操作手段が対象物から脱落する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が折れる)虞がある。
これに対し、遊技機M8によれば、遊技機M1からM7のいずれかの奏する効果に加え、対向部は、操作手段に差し込まれた操作子に縁部が当接可能に形成されるので、操作子(即ち、操作手段が傾倒する際の支点からより遠い位置)を対向部の縁部に当接させて、操作子の傾倒や過大な変位を抑制できる。その結果、操作手段の傾倒や過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M1からM8のいずれかにおいて、前記収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M1からM8のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えるので、操作手段と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
ここで、操作手段が、操作子が差し込まれて変位されることで操作されるものである場合、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も傾倒され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。この場合、操作手段が対象物から脱落する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が折れる)虞がある。
これに対し、遊技機M9によれば、操作手段の一端側に被覆部が被さっているので、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M9において、前記操作手段の前記一端側とは反対の基端側における外形が、前記被覆部の内形よりも大きくされることを特徴とする遊技機M10。
遊技機M10によれば、遊技機M9の奏する効果に加え、操作手段の一端側とは反対の基端側における外形が、被覆部の内形よりも大きくされるので、操作手段の基端側と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M9又はM10において、前記被覆部または前記操作手段の一方は、膨出して形成される膨出部を備え、前記被覆部または前記操作手段の他方は、前記膨出部を受け入れる受入部を備えることを特徴とする遊技機M11。
遊技機M11によれば、遊技機M9又はM10のいずれかの奏する効果に加え、被覆部または操作手段の一方は、膨出して形成される膨出部を備え、被覆部または操作手段の他方は、膨出部を受け入れる受入部を備えるので、膨出部と受入部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M11において、前記膨出部および受入部が周方向に部分的に形成されることを特徴とする遊技機M12。
遊技機M12によれば、遊技機M11の奏する効果に加え、膨出部および受入部が周方向に部分的に形成されるので、膨出部と受入部とを当接させて、操作手段の過大な変位(特に、周方向への変位(回転))を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M1からM12のいずれかにおいて、前記収容体は、その内面から立設され立設先端が前記対象物に当接する立設壁を備えることを特徴とする遊技機M13。
遊技機M13によれば、遊技機M1からM12の奏する効果に加え、収容体は、その内面から立設され立設先端が対象物に当接する立設壁を備えるので、かかる立設壁を、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として機能させることができる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13において、前記立設壁は、前記操作手段を取り囲む形態に形成されることを特徴とする遊技機M14。
遊技機M14によれば、遊技機M13の奏する効果に加え、立設壁は、操作手段を取り囲む形態に形成されるので、収容体の内部へ侵入するための経路を遮断することができる。即ち、開口から針金等の異物が挿入されても、それ以上の挿入を規制できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13又はM14において、前記対象物は電子部品が搭載される制御基板として形成され、前記制御基板の回路に前記電子部品をハンダにより接続する面が、前記操作手段が配設される側とは反対側の面に設定されることを特徴とする遊技機M15。
遊技機M15によれば、遊技機M13又はM14の奏する効果に加え、対象物は電子部品が搭載される制御基板として形成され、制御基板の回路に電子部品をハンダにより接続する面が、操作手段が配設される側とは反対側の面に設定されるので、立設壁の立設先端を対象物(制御基板)に密着させやすくして、対象物(制御基板)と立設壁との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、立設壁を、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として確実に機能させ、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13からM15のいずれかにおいて、前記立設壁は、板状に形成され、立設先端の厚み寸法が小さくされることを特徴とする遊技機M16。
遊技機M16によれば、遊技機M13からM15のいずれかの奏する効果に加え、立設壁は、板状に形成され、立設先端の厚み寸法が小さくされるので、対象物へ当接させた立設先端における面圧を高めて、対象物と立設先端との間から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M16において、前記立設壁の立設先端は、前記操作手段側の面にテーパ面が形成されることで、立設先端の厚み寸法が小さくされることを特徴とする遊技機M17。
遊技機M17によれば、遊技機M16の奏する効果に加え、立設壁の立設先端は、操作手段側の面にテーパ面が形成されることで、立設先端の厚み寸法が小さくされるので、成形性の向上を図りつつ、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。即ち、テーパ面とすることで、形状変化を緩やかとして、成形型内での樹脂の流動性を確保できる。一方で、立設壁の立設先端が対象物に当接されると、テーパ面と対象物とにより溝を形成できる。よって、開口から挿入された針金等の異物の先端を、上述した溝に沿って移動(誘導)することができる。即ち、立設壁と対象物との間を通過させ難くできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M9からM12のいずれかにおいて、前記収容体は、第1領域と、その第1領域よりも前記対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、前記第2領域から前記被覆部が突設されることを特徴とする遊技機M18。
遊技機M18によれば、遊技機M9からM12のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、第1領域と、その第1領域よりも対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、第2領域から被覆部が突設されるので、被覆部の突設高さを高くできる。よって、操作手段に被覆部が被さる領域(針金等の異物の挿入を抑制する領域、及び、操作手段に当接してその操作手段の傾倒や変位を抑制する領域)をより大きくできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることの抑制と、操作手段が対象物から脱落することの抑制とを図ることができる。
遊技機M9からM12のいずれかにおいて、前記被覆部は、前記収容体の外面から突設され、その被覆部の突設先端側に前記開口が形成されることを特徴とする遊技機M19。
遊技機M19によれば、遊技機M9からM12の奏する効果に加え、被覆部は、収容体の外面から突設され、その被覆部の突設先端側に開口が形成されるので、針金等の異物の先端を開口へ到達させ難くできる。
例えば、遮蔽物などにより開口を視認できず、針金等の異物の先端を開口へ直接挿入することが困難な場合、針金等の異物の先端を収容体の外面で摺動させて開口へ到達させる方法が行われる。これに対し、遊技機M19によれば、針金等の異物の先端を収容体の外面で摺動させた場合に、その針金等の異物の先端を被覆部の外面に突き当たらせて、それ以上の進行を止めることができる。即ち、被覆部の外面を、針金等の異物の摺動を規制する壁として機能させることができる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
<基板ボックスA100(立設壁A280,A290)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記収容体は、前記操作手段または前記操作子の外面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機N1。
ここで、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も変位(対象物に対して傾倒)される。この場合、変位(傾倒)された操作手段が破損する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が抜けたり折れる)虞がある。
これに対し、遊技機N1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、収容体は、操作手段または操作子の外面に当接可能に形成されるので、操作手段または操作子を収容体で受け止めて、操作手段の変位を抑制できる。その結果、操作手段の破損を抑制できる。
遊技機N1において、前記収容体は、その内面から立設され立設先端が前記対象物に当接する立設壁を備えることを特徴とする遊技機N2。
ここで、変位(傾倒)された操作手段を収容体が受け止める構成であると、収容体が変形し破損する虞がある。
これに対し、遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、収容体は、その内面から立設され立設先端が対象物に当接する立設壁を備えるので、かかる立設壁が支えとなり、収容体の変形を抑制できる。その結果、収容体の破損を抑制できる。
同時に、立設壁の支えにより収容体の変形が抑制されることで、操作手段の傾倒をより確実に抑制できる。その結果、操作手段の破損も抑制しやすくできる。
遊技機N2において、前記立設壁は、前記操作手段を取り囲む形態に形成されることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、立設壁は、操作手段を取り囲む形態に形成されるので、操作手段のいずれの方向への傾倒に対しても、立設壁を支えとして、収容体の変形を抑制できる。よって、収容体の破損を抑制できる。
また、立設壁により収容体の内部へ侵入するための経路を遮断することができる。即ち、開口から針金等の異物が挿入されても、それ以上の挿入を規制できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機N3において、前記立設壁は、その立設壁が立設される前記収容体の内面とは異なる他の内面に連結されることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、立設壁は、その立設壁が立設される収容体の内面とは異なる他の内面に連結されるので、収容体の剛性を利用して、立設壁の剛性を高めることができると共に、内面どうしの連結により、収容体全体の剛性を高めることができる。よって、操作手段が傾倒した際の収容体の変形を抑制する立設壁の支持部(変形抑制手段)としての機能を高めることができる。その結果、収容体の破損を抑制できる。
遊技機N1からN4のいずれかにおいて、前記収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N1からN4のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えるので、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
また、遊技機N5によれば、操作手段の一端側に被覆部が被さっているので、操作手段と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機N5において、前記被覆部は、前記収容体の外面から突設され、前記収容体は、その外面から突設されすじ状に延設される突条を備え、前記突条の一端が前記被覆部に連結されることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、被覆部は、収容体の外面から突設され、収容体は、その外面から突設されすじ状に延設される突条を備え、突条の一端が被覆部に連結されるので、突条をリブとして機能させて、被覆部を突条により支えることができる。よって、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できると共に、その際の被覆部の破損を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
また、被覆部が収容体の外面から突設されることで、その分、被覆部の突設高さを高くできる。よって、操作手段に被覆部が被さる領域(針金等の異物の挿入を抑制する領域、及び、操作手段に当接してその操作手段の傾倒や変位を抑制する領域)をより大きくできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることの抑制と、操作手段が対象物から脱落することの抑制とを図ることができる。
遊技機N6において、前記収容体は、その外面に形成され所定の情報を表示する表示部を備え、その表示部が前記突条の他端側に隣接されることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、収容体は、その外面に形成され所定の情報を表示する表示部を備え、その表示部が突条の他端側に隣接されるので、表示部が表示する所定の情報に対応する位置を指し示すための指示線としての機能を突条に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを低減できる。
遊技機N6又はN7において、前記操作手段は、前記収容体の開口に対面する第1面を備え、前記第1面に操作子が差し込まれて変位されることで操作手段が操作され、前記収容体は、前記操作手段の第1面に対向する対向部を備え、前記対向部は、前記操作手段に差し込まれた前記操作子に縁部が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N6又はN7の奏する効果に加え、操作手段は、収容体の開口に対面する第1面を備え、収容体は、操作手段の第1面に対向する対向部を備えるので、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、対向部は、操作手段に差し込まれた操作子に縁部が当接可能に形成されるので、操作子(即ち、操作手段が傾倒する際の支点からより遠い位置)を対向部の縁部に当接させて、操作子の傾倒や過大な変位を抑制できる。その結果、操作手段の傾倒や過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機N8において、前記対向部は、前記操作手段の第1面のうちの前記操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N8の奏する効果に加え、対向部は、操作子の第1面のうちの操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に配設されるので、操作子の操作手段への差し込み及びその差し込んだ操作子の変位が阻害されることを抑制しつつ、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、変位された操作子に当接する対向部の面積を大きくして、操作子の過大な変位(特に、周方向への変位(回転))を抑制しやすくできる。その結果、操作手段の過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機N9において、前記操作手段は、前記操作子を第1位置に変位可能に形成され、前記突条の一端が前記被覆部に連結される位置が、前記第1位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされることを特徴とする遊技機N10。
遊技機N9又はN10において、前記操作手段は、前記操作子を前記第1位置と異なる第2位置に変位可能に形成され、前記突条の一端が前記被覆部に連結される位置が、前記第2位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされることを特徴とする遊技機N11。
遊技機N10又はN11によれば、遊技機N9又はN10の奏する効果に加え、操作手段は、操作子を第1位置および第2位置に変位可能に形成され、突条の一端が被覆部に連結される位置が、第1位置または第2位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされるので、第1位置または第2位置へ変位させた操作子が対向部に当接した際に対向部や被覆部が破損することを突条を利用して効果的に抑制できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100(操作用壁部A210)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記収容体は、第1領域と、その第1領域よりも前記対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、前記第2領域に前記開口が形成されることを特徴とする遊技機O1。
ここで、開口を介して操作手段を操作できることで、操作手段を操作する際に収容体を開封することを不要とできる。よって、手間を抑制できる。しかしながら、開口から針金等の異物を挿入する不正の行われる虞がある。
これに対し、遊技機O1によれば、収容体は、第1領域と、その第1領域よりも対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、第2領域に開口が形成されるので、収容体の外面から奥まった位置に開口を配置すると共に、第1領域と第2領域とを接続する段差(接続面)を開口の周りに配置することができる。これにより、開口までの距離を遠くすると共に開口の位置を視認させ難くできる。その結果、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。即ち、不正が行われることを抑制できる。
遊技機O1において、前記第1領域と前記第2領域とを接続する接続面のうちの少なくとも一部が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機O2。
ここで、収容体(基板ボックス)は、対象物(制御基板)からの放熱を考慮すると、対象物(制御基板)と内面との距離(内部空間)を確保する必要がある。一方で、操作手段から開口が離れすぎると、操作性が悪化する。そこで、第2領域に開口が形成されることで、操作手段の操作性を確保しやすくできると共に、上述したように、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。しかしながら、操作手段を操作する際に第1領域と第2領域との間の段差(接続面)に作業者(操作者)の手が干渉して操作の邪魔になる。そのため、操作手段を操作する際の操作性が悪化する虞がある。
これに対し、遊技機O2によれば、第1領域と前記第2領域とを接続する接続面のうちの少なくとも一部が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜されるので、遊技機O1の奏する効果に加え、下降傾斜の分、第2領域に連なる空間を拡大して、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O2において、前記第2領域は、一方向に沿う長さ寸法が一方向に直交する他方向に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形の領域として形成され、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記操作手段に差し込む又は前記操作手段から引く抜く際の前記操作子の姿勢が前記他方向に沿う姿勢とされることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、第2領域は、一方向に沿う長さ寸法が一方向に直交する他方向に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形の領域として形成され、操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、操作手段に差し込む又は操作手段から引く抜く際の操作子の姿勢が他方向に沿う姿勢とされるので、操作子を把持する面を第2領域の長手方向へ向けて、かかる把持する面が対向する側に空間を確保できる。よって、操作子を操作手段に差し込む又は操作手段から引き抜く際に、操作子を把持した手指が収容体と干渉することを抑制できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O3において、前記開口は、前記第2領域における長手方向中央よりも一側に配設され、前記第2領域における長手方向一側に位置する前記接続面が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、開口は、第2領域における長手方向中央よりも一側に配設され、第2領域における長手方向一側に位置する接続面が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜されるので、操作子を把持して変位させる際に、把持した手指とは異なる手指が収容体に干渉することを抑制できる。例えば、操作子を人差し指と親指で把持し、操作子を変位(例えば、回転)させる際に、接続面の下降傾斜により形成された空間、及び、第2領域における長手方向他側の空間を、小指側を移動させるための空間として確保でき、小指側と収容体との干渉を抑制できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O4において、前記第2領域における長手方向他側に前記接続面が形成されることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第2領域のける長手方向他側に前記接続面が形成されるので、かかる長手方向他側における接続面(第1領域)により操作手段を保護することができる。例えば、製造時における他の部材との干渉を抑制して、操作手段の破損を抑制できる。また、開口の位置を視認させ難くして、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、第2領域のける長手方向他側に前記接続面が形成されることで、その分、第1領域の面積を拡大できる、即ち、対象物(制御基板)からの放熱に対応するための収容体の内部空間の体積を大きくできる。
遊技機O3からO5のいずれかにおいて、前記第2領域における短手方向一側には前記接続面が形成され、前記第2領域における短手方向他側には前記接続面が非形成とされることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O3からO5のいずれかにおいて、第2領域における短手方向一側には接続面が形成され、第2領域における短手方向他側には接続面が非形成とされるので、第2領域における短手方向他側を開放させることができる。よって、操作子を手指で把持して操作(操作手段への差し込み、操作手段からの引き抜き、又は、操作子の変位(例えば、回転))する際に、把持した手指(例えば、親指と人差し指)とは異なる手指を配置する又は変位させるための空間として、上述した開放された空間を利用することができる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O3からO6のいずれかにおいて、前記第2領域における長手方向一側に位置する前記接続面が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜され、他の接続面は前記第1領域および前記第2領域に対して略直交されることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O3からO6のいずれかの奏する効果に加え、第2領域における長手方向一側に位置する接続面が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜され、他の接続面は第1領域および第2領域に対して略直交されるので、接続面を下降傾斜させることによる効果を確保しつつ、対象物(制御基板)からの放熱に対応するための収容体の内部空間の体積を確保できる。即ち、接続面を下降傾斜させることによる収容体の内部空間の体積の減少を最小限とできる。
遊技機O4又はO5において、前記収容体が配設されるベース体と、そのベース体を回転可能に軸支する回転軸とを備え、前記第2領域における長手方向が前記回転軸の軸方向と略直交されると共に短手方向が前記回転軸の軸方向と略平行とされ、前記第2領域における長手方向一側が長手方向他側よりも前記回転軸から遠い側に配置されることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O4又はO5の奏する効果に加え、収容体が配設されるベース体と、そのベース体を回転可能に軸支する回転軸とを備え、第2領域における長手方向が回転軸の軸方向と略直交されると共に短手方向が回転軸の軸方向と略平行とされ、第2領域における長手方向一側が長手方向他側よりも回転軸から遠い側に配置されるので、回転軸を軸としてベース体を回転させて形成された空間において操作手段の操作を行う場合に、接続面の下降傾斜により形成された空間を有効に活用できる。即ち、作業者(操作者)の手を操作手段にアクセスさせるための空間を、接続面の下降傾斜により形成された空間の分、確保できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、遊技領域に配設される表示装置と、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、前記操作手段の操作に関する情報が前記表示装置に表示可能とされることを特徴とする遊技機P1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作状態を把握し難いという問題点があった。
遊技機P1によれば、遊技領域に配設される表示装置と、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、操作手段の操作に関する情報が表示装置に表示可能とされるので、表示装置の表示に基づいて操作手段の操作状態を把握しやすくできる。また、表示手段が遊技領域に配設されることで、かかる表示手段を遊技に関する情報を表示する装置として兼用することができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機P1において、前記収容体は、変位可能に形成されることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、収容体は、変位可能に形成されるので、表示装置を視認しながら操作手段が操作できる位置に収容体を配置する(変位させる)ことができる。その結果、表示(情報)を確認しながら操作できるので、操作性を向上できると共に、操作間違いを抑制できる。一方、操作手段の操作を行わない状態では、所定の位置(例えば、外部から視認され難い位置)に配置できるので、不正が施されることを抑制できる。
遊技機P2において、前記収容体の前記操作手段が配設される面と前記表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に前記収容体が変位可能とされることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、収容体の操作手段が配設される面と表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に収容体が変位可能とされるので、表示装置の表示を確認しながら操作手段を操作する作業を行いやすくできる。その結果、操作性の向上と操作間違いの抑制とをより確実に達成できる。
遊技機P3において、前記収容体は回転可能に軸支され、前記操作手段は前記収容体の中央よりも前記軸支される位置から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、収容体は回転可能に軸支され、操作手段は収容体の中央よりも軸支される位置から遠い側に配設されるので、収容体の操作手段が配設される面と表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に収容体を変位(回転)させた状態において、操作手段を遊技機本体の外縁からより遠い位置に配置できる。よって、操作手段を操作する手指が遊技機本体の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
遊技機P4において、前記操作手段は複数からなり、第1の操作手段と比較して操作頻度の高い第2の操作手段が、前記第1の操作手段よりも前記軸支される位置から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、操作手段は複数からなり、第1の操作手段と比較して操作頻度の高い第2の操作手段が、第1の操作手段よりも軸支される位置から遠い側に配設されるので、操作頻度の高い操作手段(第1の操作手段)を遊技機本体の外縁からより遠い位置に配置できる。よって、操作頻度の高い操作手段(第1の操作手段)を操作する際に、手指が遊技機本体の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、前記対象物には1又は複数の電気的接続線が接続され、前記電気的接続線の前記対象物との接続状態に応じて前記操作手段の操作可否が変更されることを特徴とする遊技機Q1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作可否について改良の余地があった。即ち、1又は複数の電気的接続線の対象物への接続状態に関わらず操作を許容すれば、操作手段が不正に操作されやすくなる虞がある一方、1又は複数の電気的接続線の接続状態に関わらず操作を禁止すれば、操作手段の操作に伴う作業の作業性の悪化を招く虞がある。
遊技機Q1によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、対象物には1又は複数の電気的接続線が接続され、電気的接続線の対象物との接続状態に応じて操作手段の操作可否が変更されるので、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
遊技機Q1において、前記収容体は、変位可能に形成されることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、収容体は、変位可能に形成されるので、操作手段を操作しやすい位置に収容体を配置する(変位させる)ことができる。その結果、操作性を向上できる。一方、操作手段の操作を行わない状態では、所定の位置(例えば、外部から視認され難い位置)に配置できるので、不正が施されることを抑制できる。この場合、収容体を変位させる際には、少なくとも1の電気的接続線が対象物から解除される(抜かれる)ため、電気的接続線の接続状態に応じて操作手段の操作可否が変更される構成が、不正の抑制と作業性の向上とを図る上で特に有効となる。
遊技機Q1又はQ2において、前記電気的接続線の内の少なくとも所定の電気的接続線が前記対象物に接続されている状態では、前記操作手段の操作が許容されることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、電気的接続線の内の少なくとも所定の電気的接続線が接続されている状態では、操作手段の操作が許容されるので、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。即ち、所定の電気的接続線が対象物に接続されていなければ、操作手段の操作が禁止されるので、不正を抑制できる。一方で、所定の電気的接続線の対象物への接続が確保され、不正が抑制できる場合には、その他の電気的接続線が対象物から解除されて(抜かれて)いても、操作手段の操作を許容することで、作業性の向上(汎用性の確保)を図ることができる。
特に、収容体が変位可能に形成される構成においては、収容体を変位させる(即ち、操作しやすい配置する)ために対象物から解除した(抜いた)他の電気的接続線を、収容体を変位させた後に、操作手段の操作を許容させるために、例えば、延長線を対象物と他の電気的接続線との間に介在させて、解除した(抜いた)他の電気的接続線を対象物に再接続するという手間を回避できる。
遊技機Q1又はQ2において、前記電気的接続線の内の少なくとも1の電気的接続線が前記対象物から解除されている状態では、前記操作手段の操作が禁止されることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、電気的接続線の内の少なくとも1の電気的接続線が対象物から解除されている状態では(即ち、全ての電気的接続線が対象物に接続されていなければ)、操作手段の操作が禁止されるので、不正に操作手段が操作されることを抑制できる。
なお、収容体が変位可能に形成される構成においては、収容体を変位させる(即ち、操作しやすい配置する)ために対象物から解除した(抜いた)他の電気的接続線を、収容体を変位させた後に、例えば、延長線を対象物と他の電気的接続線との間に介在させて、解除した(抜いた)他の電気的接続線を対象物に再接続すれば、操作手段の操作を許容させることができるので、操作手段の操作による作業を可能とできる。
<基板ボックスA3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、前記収容体は、変位可能に形成され、遊技時に配設される位置よりも前記操作手段が操作しやすい位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機R1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作性が不十分であるという問題点があった。
遊技機R1によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、収容体は、変位可能に形成され、遊技時に配設される位置よりも操作手段が操作しやすい位置に変位可能とされるので、操作手段の操作性を向上できる。
遊技機R1において、前記収容体は、回転可能に軸支され、その軸支された部分を回転中心とする回転により変位されることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、収容体は、回転可能に軸支され、その軸支された部分を回転中心とする回転により変位されるので、収容体を変位させる構造を簡素化できる。その結果、製品コストを低減できる。
遊技機R1又はR2において、前記収容体は、前記遊技時に配設される位置では、前記操作手段に別部材が対面されることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、収容体は、遊技時に配設される位置では、操作手段に別部材が対面されるので、操作手段が不正に操作されることを抑制できる。
遊技機R3において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記操作子が差し込まれた状態では、前記操作子が前記別部材に当接されることで、前記収容体が前記遊技時に配設される位置まで変位不能とされることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、操作子が差し込まれた状態では、操作子が別部材に当接されることで、収容体が遊技時に配設される位置まで変位不能とされるので、操作子の抜き取り忘れを抑制できる。よって、操作子が不正に使用されることを抑制できる。
<一方の案内経路に他方の案内経路よりも上方に配置される部分がある>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、前記案内経路として、第1案内経路と、その第1案内経路とは異なる第2案内経路と、を構成可能とされ、前記第1案内経路は、前記第2案内経路よりも上側に配置される上側配置部を備えることを特徴とする遊技機XA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上の案内経路に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015−181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、案内経路から落下した球がアウト口へ向かう構成であるところ、球を発射し続ける遊技者と、球を発射したり発射停止させたりする遊技者とで、遊技効率に差が生じる虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XA1によれば、第1案内経路から遊技球が落下する場合であっても、その遊技球が上側配置部から落下する場合には、その遊技球を救い上げることで第2案内経路に乗せることができる。この救い上げられた遊技球は、所定の入球領域へ案内されることになるので、案内経路から落下した多くの球が零れ球としてアウト口へ向かう構成に比較して、遊技の仕方による遊技効率の変化を抑えることができる。
遊技機XA1において、前記入球領域は、第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域とを備え、前記第1案内経路は、前記第1入球領域へ遊技球を案内可能に構成され、前記第2案内経路は、前記第2入球領域へ遊技球を案内可能に構成され、前記第2案内経路は、前記第1案内経路よりも上側に配置される上側配置部を備えることを特徴とする遊技機XA2。
遊技機XA2によれば、遊技機XA1の奏する効果に加え、第2案内経路から遊技球が落下する場合であっても、その遊技球が第2案内経路の上側配置部から落下する場合には、その遊技球を救い上げることで第1案内経路に乗せることができる。即ち、第1案内経路からの遊技球の落下のみでなく、第2案内経路からの遊技球の落下に対しても遊技効率の変化を抑える効果を奏することができる。
遊技機XA1又はXA2において、前記第1案内経路と前記第2案内経路とが所定方向視で交差するよう構成されることを特徴とする遊技機XA3。
遊技機XA3によれば、遊技機XA1又はXA2の奏する効果に加え、一方の案内経路の上側配置部を、他方の案内経路の上方(真上)に配置することができる。
なお、交差位置は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1案内経路の中央と第2案内経路の中央とで交差しても良い。この場合、救い上げ易さが左右平等となる。
例えば、第1案内経路の中央よりも下側と、第2案内経路の中央よりも下側とで交差しても良い。この場合、交差位置から第1,第2入球領域までの距離が短くなることで相手側経路の下側を遊技球が流下する期間を短くできるという利点と、交差位置よりも上側に配置可能な遊技球の個数を多くすることができるという利点と、がある。
例えば、第1案内経路の中央よりも上側と、第2案内経路の中央よりも上側とで交差しても良い。
例えば、第1案内経路の中央よりも下側と、第2案内経路の中央よりも上側とで交差しても良い。この場合、第1案内経路側から第2案内経路側へ落下する場合の方が、逆の場合に比較して、遊技球を救い易くすることができる。
この場合において、第1案内経路を構成する可動部材を、救い上げるように上側へ回動変位する羽部材で構成することで、第2案内経路から落下する遊技球を救い上げ易くするようにしても良い。
遊技機XA1からXA3のいずれかにおいて、第1案内経路を構成する第1経路構成手段と、第2案内経路を構成する第2経路構成手段と、を備え、第1経路構成手段は、第2経路構成手段よりも下側を経由して張り出す救い部を備えることを特徴とする遊技機XA4。
なお、第1経路構成手段は、第2経路構成手段よりも下側を経由しないでも、同様の作用効果を奏することができる場合がある。例えば、第2経路構成手段よりも上側に張り出す場合であっても、その上下差が遊技球の半径未満であれば、第1経路構成手段を遊技球の中心よりも下側に潜り込ませることが可能であり、遊技球を第1経路構成手段に乗せやすくすることができる。
更に、遊技球の中心よりも下側に潜り込むことの説明において、少なくとも、遊技球と当接開始する点が球の中心よりも下側にあれば良い。即ち、例えば、遊技球と当接開始する点以外の部分が球の中心よりも上側に配置されている場合でも、遊技球との当接後に、遊技球を上方に押し上げることなどにより遊技球を第1経路構成手段に乗せるようにすることができる。
遊技機XA4において、前記救い部が、前記第1案内経路の下部側流路を構成することを特徴とする遊技機XA5。
遊技機XA5によれば、遊技機XA4の奏する効果に加え、第1入球領域に入球する寸前の遊技球をも救い上げることができる。
遊技機XA3からXA5のいずれかにおいて、前記第1案内経路の傾斜と、前記第2案内経路の傾斜とが、左右反対で構成されることを特徴とする遊技機XA6。
遊技機XA6によれば、遊技機XA3からXA5のいずれかの奏する効果に加え、第1案内経路および第2案内経路が配置される上下幅を抑えることができる。
遊技機XA3からXA6のいずれかにおいて、前記第1案内経路と前記第2案内経路との交差位置よりも下側(不利側)において、前記第1案内経路または前記第2案内経路に配置される遊技球の個数が1個になるように構成されることを特徴とする遊技機XA7。
遊技機XA7によれば、遊技機XA3からXA6のいずれかの奏する効果に加え、零れ球の発生を回避し易くすることができる。
遊技機XA7において、前記交差位置よりも上側(有利側)において、前記交差位置よりも下側よりも、遊技球を減速させる減速手段が配設されることを特徴とする遊技機XA8。
遊技機XA8によれば、遊技機XA7の奏する効果に加え、減速手段によって遊技球を減速させることにより、減速手段を通る前後における遊技球の間隔を調整することができる。
また、遊技球の速度変化により、遊技者に遊技球の配置位置を報知することができるので、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。即ち、遊技球の流下速度によって、遊技球が交差位置よりも有利側に配置されているのか、不利側に配置されているのかを容易に把握させることができる。
<出球感を得られる案内経路構成手段>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、前記案内経路に到達した遊技球が前記入球領域に入球するまでにかかる期間を複数種類で変化可能に構成されることを特徴とする遊技機XB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上の案内経路に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015−181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、動作部材までの流下経路がほぼ一通りとされているので通常の発射態様(規定間隔で遊技球の発射が継続する態様)では遊技球が間隔を空けて到達し易く、遊技球が動作部材(作動部材100)の上面を伝うように検出口へ案内されるので遊技球の流下速度が抑えられ易いので、遊技球が間を空けずに連続で検出口を通過する事態は生じ難かった。そのため、払い出しに間が空き易く、遊技者に出球感を与えることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機XB1によれば、経路構成手段が、遊技球が入球領域を通過するまでの期間を変化可能に構成されているので、経路構成手段に遊技球が到達する間隔が等間隔であったとしても、経路構成手段において遊技球同士の間隔を変化させることができるので、特定の2個の遊技球の間隔を縮めることで、遊技球が入球領域を連続で通過する事態を生じさせることができる。これにより、上述の通常の発射態様で遊技する場合であっても、意図的に遊技球が短い間隔で払い出される状態を生じさせることができるので、遊技者に出球感を与えることができる。
なお、期間を変化させる手段については、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が案内される入球領域が途中で切り替えられる態様でも良いし、入球領域の案内経路における異なる位置に遊技球が到達可能に構成される態様でも良い。
遊技機XB1において、前記案内経路への流下経路が複数構成され、一の流下経路と前記入球領域との距離と、他の流下経路と前記入球領域との距離が異なるように構成されることを特徴とする遊技機XB2。
遊技機XB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、等間隔で遊技球が発射される場合であっても、入球領域への遊技球の到達のタイミングをずらし易くすることができる。これにより、入球領域に入球する遊技球同士の間隔を変化させることができる。
遊技機XB1又はXB2において、前記入球領域は、第1入球領域と、第2入球領域とを備えることを特徴とする遊技機XB3。
遊技機XB3によれば、遊技機XB1又はXB2の奏する効果に加え、経路構成手段により案内される入球領域が変更されたり、切り替えられたりすることによって、入球領域に入球する遊技球同士の間隔を変化させることができる。
遊技機XB3において、前記経路構成手段は、前記第1入球領域へ遊技球を案内する第1案内状態と、前記第2入球領域へ遊技球を案内する第2案内状態とで状態変化可能に構成される状態変化手段を備えることを特徴とする遊技機XB4。
遊技機XB4によれば、遊技機XB3の奏する効果に加え、状態変化手段の状態の変化によって、入球領域に入球する遊技球同士の間隔を変化させ易くすることができる。
なお、状態変化手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、電動制御されるものでも良いし、球との当接によって状態変化されるもの(振り子部材や、シーソー状部材)でも良い。
遊技機XB4において、前記状態変化手段は電動制御され、状態変化後の所定期間における遊技球の前記入球領域への入球間隔を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機XB5。
遊技機XB5によれば、遊技機XB4の奏する効果に加え、状態変化後の所定期間における連続入球を生じさせ易くすることができる。これにより、入球領域への入球による賞球の払い出しの粗密を生じさせることができると共に、状態変化前の所定期間における入球間隔を短縮する場合に比較して、オーバー入賞を抑制することができる。
遊技機XB3からXB5のいずれかにおいて、前記案内経路は、前記第1入球領域へ遊技球を案内可能に構成される第1案内経路と、前記第2入球領域へ遊技球を案内可能に構成される第2案内経路と、を備え、前記第1案内経路の内、配置される遊技球が前記第2案内経路に到達可能な有利側範囲において、遊技球を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機XB6。
遊技機XB6によれば、遊技機XB3からXB5のいずれかの奏する効果に加え、第1案内経路上で減速手段により遊技球が減速され、遊技球同士の間隔が狭められた状態で、第2案内経路へ遊技球が到達することで、第2入球領域への入球間隔を狭めることができる。
<2板で開閉板の役割をする>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、前記案内経路を構成するよう変位可能に構成される第1構成手段および第2構成手段と、前記第1構成手段と前記第2構成手段との間の隙間を減少させるよう構成される隙間減少手段と、を備えることを特徴とする遊技機XC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の正面側に延びる回転軸で回転移動して開閉される一対の可動部材が、同一の検出口へ向けて遊技球を案内する案内経路を構成する遊技機がある(例えば特開2017−29531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の挟み込みを防止するために可動部材間に隙間を設けているが、この隙間があるが故に、遊技球の転動時に片側の可動部材の配置がずれたり、隙間に遊技球が引っかかったりするといった悪影響を及ぼす虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XC1によれば、隙間減少手段により第1構成手段と第2構成手段との間の隙間が減少することにより、遊技球の転動時に第1構成手段または第2構成手段が配置ずれしたり、隙間に遊技球が引っかかったりするという事態の発生を防止することができる。
なお、隙間減少手段の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1,第2構成手段が変位可能に構成され、その変位方向で当接可能に対向配置するようにしても良い。この場合、当接状態で隙間を埋めることができる。また、例えば、第1,第2構成手段が変位可能に構成され、その変位方向に直交する側に対向配置され、徐々に間隔が狭められるよう構成されるようにしても良い(間隔が無くなった後は摺動するようにしても良い)。この場合、第1,第2構成手段が受ける負荷を低減することができる。
なお、隙間減少手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第1構成手段および第2構成手段が同一直線状の案内経路を構成する場合に、その直線の一部に生じる隙間を狭めるよう構成される手段でも良いし、第1構成手段が構成する案内経路と、第2構成手段が構成する案内経路とが異なる場合(例えば、同一直線上には無い場合)に、それら異なる案内経路の間隔を狭めるよう構成される手段でも良い。
なお、第1構成手段および第2構成手段の変位方向は、何ら限定されるものではない。例えば、互いに平行でも良いし、互いに非平行でも良い。
遊技機XC1において、前記隙間減少手段は、前記案内経路を区画する区画部材に配設されることを特徴とする遊技機XC2。
遊技機XC2によれば、遊技機XC1の奏する効果に加え、隙間減少手段を容易に配設することができる。なお、隙間減少手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、固定された部分でも良いし、可動部分でも良い。
また、隙間減少手段が固定された部分である場合、例えば、案内経路の手前側に配置される意匠部材に配設されても良いし、その意匠部材の反対側(背面側)に配置される部材に配設されても良い。
遊技機XC1又はXC2において、前記隙間減少手段は、前記第1構成手段または前記第2構成手段の変位方向と交差する方向への前記第1構成手段または前記第2構成手段の変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機XC3。
遊技機XC3によれば、遊技機XC1又はXC2の奏する効果に加え、隙間減少手段によって、第1構成手段または第2構成手段の、変位方向とは交差する方向における配置の安定性を向上させることができる。なお、変位方向の交差の態様は何ら限定されるものではなく、第1構成手段または第2構成手段の変位方向に対して非平行な方向であれば良い。
遊技機XC1からXC3のいずれかにおいて、前記隙間減少手段は、前記第1構成手段または前記第2構成手段の、停止中または変位中の少なくとも一部において、第1構成手段または第2構成手段を支持するように構成されることを特徴とする遊技機XC4。
遊技機XC4によれば、遊技機XC1からXC3のいずれかの奏する効果に加え、第1構成手段または第2構成手段を支持する部材として、隙間減少手段を兼用することができるので、部材の多機能化および部材の配置スペースの削減を図ることができる。
遊技機XC1からXC5のいずれかにおいて、前記隙間減少手段は、前記第1構成手段または第2構成手段と一体的に構成されることを特徴とする遊技機XC6。
遊技機XC6によれば、遊技機XC1からXC5のいずれかの奏する効果に加え、第1構成手段または第2構成手段を変位させることにより、隙間減少手段を変位させることができるので、隙間減少手段により案内経路の設計自由度が低減されることを回避することができる。
遊技機XC1からXC6のいずれかにおいて、前記第1構成手段の変位方向と、前記第2構成手段の変位方向とが非平行であることを特徴とする遊技機XC7。
遊技機XC7によれば、遊技機XC1からXC6のいずれかの奏する効果に加え、第1構成手段および第2構成手段の変位前の隙間に比較して、変位後の隙間を変位方向の非平行さを利用して狭めることができる。
なお、変位態様が斜めとなる態様は、通常の経路構成手段の変位方向としての前後左右方向に対する斜め方向を意味するものであるが、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1,第2構成手段の双方の変位方向が斜めに構成されても良いし、第1構成手段または第2構成手段の一方が斜めに構成されても良い。
前者において、第1,第2構成手段の双方の変位方向が斜めに構成され、変位方向が平行となる場合は除く趣旨である。即ち、第1構成手段の変位方向と、第2構成手段の変位方向とが、相対的に斜め(非平行)であることを要求している。この非平行とは、平行でなければ良く、変位方向の相対角度が90度であっても良い。
なお、経路構成手段の斜め変位の方向は何ら限定されるものではないが、例えば、案内経路を消失させる側の変位時に、重力に逆らう方向に変位するよう構成することで、上面に乗る遊技球との摩擦抵抗により、遊技球をこすり上げる効果を期待することができる。これにより、遊技球の入球領域への入球効率を向上させることができる。
また、第1構成手段または第2構成手段において、変位中に亘って変位方向が互いに非平行である必要はない。即ち、例えば、変位方向が平行な区間と、変位方向が非平行な区間との両区間で構成されても良い。
<可変手段と共に案内経路を構成する補助手段>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、変位可能な可変手段と、前記案内経路を補助する補助手段と、を備えることを特徴とする遊技機XD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、開閉部材30a,31a(可変手段)の上面を伝って遊技球が案内されるように構成される遊技機がある(例えば特開2015−159997号公報を参照)。本来、開閉部材30a,31aの設計は自由形状で良いはずであるが、上述した従来の遊技機では、遊技球の重みや衝撃による負荷に対して自らの剛性のみで耐える必要から、開閉部材30a,31aを分厚く設計する必要が生じ、開閉部材30a,31aの設計自由度が低減されるという問題点があった。
これに対し、遊技機XD1によれば、案内経路が可変手段のみではなく、可変手段と補助手段とで構成されるので、遊技球からの負荷を可変手段のみで受ける必要を無くすことができる。これにより、例えば、可変手段を薄肉で形成することが可能となる等、可変手段の設計自由度を向上することができる。
更に、可変手段を薄肉で構成した他の効果として、可変手段の軽量化を図ることができるので、可変手段の変位速度の向上や、可変手段を駆動する駆動手段の小型化を図ることができる。
遊技機XD1において、前記補助手段への遊技球の衝突を抑えるよう構成される衝突抑制手段を備えることを特徴とする遊技機XD2。
遊技機XD2によれば、遊技機XD1の奏する効果に加え、補助手段の破損を防止することができる。なお、衝突抑制手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、補助手段の上方に入球可能なポケット状部が形成されることで、補助手段の上方で落下する球がポケット状部を通じて遊技領域から排出されるように構成しても良いし、球の落下を防止する屋根状部を形成するようにしても良い。
遊技機XD1又はXD2において、前記補助手段は、前記可変手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XD3。
遊技機XD3によれば、遊技機XD1又はXD2の奏する効果に加え、補助手段を、遊技球の案内経路を構成する手段としてだけではなく、可変手段の変位を案内する手段として兼用することができる。
なお、可変手段と補助手段とは、別体として構成しても良いし、一体に構成しても良い。一体で構成する場合には、例えば、可変手段を転動面構成部とし、補助手段を転動面構成部と一体で変位する形成部としても良い。
遊技機XD3において、前記補助手段は、前記可変手段の、変位方向とは非平行な方向への変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機XD4。
遊技機XD4によれば、遊技機XD3の奏する効果に加え、前記可変手段の変位後の配置を補助手段によって安定させることができる。
遊技機XD3又はXD4において、前記補助手段は、前記可変手段と連動可能に構成されることを特徴とする遊技機XD5。
遊技機XD5によれば、遊技機XD3又はXD4の奏する効果に加え、補助手段が固定配置される場合に比較して、補助手段の作用の設定自由度を向上させることができる。
例えば、可変手段は遊技領域から回避する一方で補助手段が入球領域を閉塞する位置に配置することにより、入球領域の閉鎖状態における経路構成手段の遊技領域内における配置スペースを削減することができる。これにより、入球領域の閉鎖状態における遊技領域の遊技球流下範囲を広げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
また、例えば、補助手段として、案内経路の幅方向から固定の突条が配設され、遊技球の減速作用を生じさせようとする場合、案内経路が複数形成され、特定の案内経路にのみ減速作用を生じさせようとしても、複数の案内経路が密に配置される場合には困難であることがある。これに対し、補助手段を可変手段と連動するよう構成することにより、特定の案内経路に減速作用を生じさせることを容易とすることができる。
遊技機XD1からXD5のいずれかにおいて、前記補助手段は、遊技球の流下方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機XD6。
遊技機XD6によれば、遊技機XD1からXD5のいずれかの奏する効果に加え、案内経路における遊技球の流下経路を可変手段の配置とは独立して(別で)設定することができる。
遊技機XD6において、前記補助手段は、前記可変手段の配置が異なることにより、遊技球の流下方向の変化態様が変化することを特徴とする遊技機XD7。
遊技機XD7によれば、遊技機XD6の奏する効果に加え、同一の補助手段によって遊技球の流下態様の変化を複数種類で生じさせることができる。なお、可変手段の配置が異なることにより補助手段が遊技球に及ぼす作用が変化する原因については、何ら限定されるものではない。例えば、可変手段の配置が異なることにより、遊技球と補助手段との間が閉塞され、遊技球が補助手段に到達しないようになることに起因するものでも良いし、可変手段の配置が異なることにより、補助手段と当接する際の遊技球の流下状態が、転動状態か、落下状態かで異なることに起因するものでも良い。
<案内経路の途中位置からの案内>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記案内経路から逸れた遊技球が入球可能に配置される所定の入球領域を備え、その入球領域は、前記案内経路の途中位置から、前記案内経路から逸れた少なくとも一部の遊技球が入球可能に構成されることを特徴とする遊技機XE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内する特別可変入賞球装置7の大入賞口扉の上側に第1始動入賞口および第2始動入賞口が配置される遊技機がある(例えば特開2015−231434号公報を参照)。この場合、遊技球を発射して狙う位置を同様の位置に固めることができるので遊技者にとって遊技が分かり易いという利点がある。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の入賞口(入球領域)が上下に配置され、下側の入賞口が上側の入賞口に隠されるように構成されているために、上側の入賞口から逸れた球が下側の入賞口をも逸れる可能性が高く、遊技者の興趣を向上する観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XE1によれば、案内経路から逸れた遊技球が入球領域に入球し易いように構成されているので、遊技者の興趣を向上することができる。
遊技機XE1において、前記入球領域は、前記経路構成手段の下端位置と上端位置との間の高さに少なくとも一部が配置されることを特徴とする遊技機XE2。
遊技機XE2によれば、遊技機XE1の奏する効果に加え、入球領域を経路構成手段の上下幅の内側の高さ位置に配置することにより、経路構成手段と入球領域との上下方向距離を短くすることができるので、遊技球が入球領域の左右に逸れる度合いを少なくすることができる。
加えて、複数の入球領域を上下に重ねるように配置する場合であっても、その上下幅が嵩む度合いを低減でき、限られた広さの遊技領域において、複数の入球領域の配置自由度を向上することができる。
遊技機XE1又はXE2において、前記経路構成手段は、遊技球が前記入球領域へ案内される第2案内経路を構成し、その第2案内経路から逸れた遊技球が第2入球領域に入球可能に構成されることを特徴とする遊技機XE3。
遊技機XE3によれば、遊技機XE1又はXE2の奏する効果に加え、経路構成手段は、入球領域に遊技球を案内する第2案内経路と、第2入球領域に遊技球を案内する経路とを構成可能とされ、一方の経路から逸れた遊技球を他方の経路に乗せることができる。これにより、経路構成手段が単一の入球領域へ遊技球を案内する場合に比較して、経路構成手段の注目力を向上させることができる。
遊技機XE3において、前記案内経路と前記第2案内経路とが所定位置で交差するように構成され、前記案内経路の下降傾斜方向と、前記第2案内経路の下降傾斜方向とが左右反対で構成されることを特徴とする遊技機XE4。
遊技機XE4によれば、遊技機XE3の奏する効果に加え、所定位置を境界として、一方の案内経路が下方に配置される側において、他方の案内経路を上方に配置することで、案内経路の配置に必要な上下幅を抑制することができる。これにより、案内経路、第2案内経路、(第1)入球領域および第2入球領域の配置自由度を向上することができる。
遊技機XE1において、前記入球領域は、前記経路構成手段の上下方向位置に配置されることを特徴とする遊技機XE5。
遊技機XE5によれば、遊技機XE1の奏する効果に加え、案内経路または入球領域から逸れた遊技球を入球領域または案内経路に到達し易くすることができる。
なお、入球領域の配置は何ら限定されるものでは無い。例えば、入球領域は、経路構成手段の上側に配置されても良いし、下側に配置されても良い。
また、入球領域の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、入球領域は、始動口として構成されても良いし、一般入賞口として構成されても良いし、普通入賞口として構成されても良いし、特別入賞口として構成されても良いし、排出口(アウト口)として構成されても良い。
遊技機XE1からXE5のいずれかにおいて、制御手段を備え、前記経路構成手段は、前記案内経路を構成する第1状態と、第2案内経路を構成する第2状態とで、状態が切り替え可能に構成され、前記制御手段は、前記経路構成手段を前記第1状態と前記第2状態とで切り替える制御を、所定パターンに基づき実行可能に構成されることを特徴とする遊技機XE6。
遊技機XE6によれば、遊技機XE1からXE5のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の状態を切り替えるパターンの選択によって、(第1)入球領域から逸れた遊技球を第2入球領域に案内し易い場合と、(第1)入球領域から逸れた遊技球を第2入球領域に案内し難い場合とを構成することができる。
<流下経路に配置される複数の開閉板の変位方向が対向>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記入球領域は、第1入球領域と、第2入球領域と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球を前記第1入球領域へ案内可能に構成される第1案内経路を構成するよう変位可能に構成される第1経路構成手段と、遊技球を前記第2入球領域へ案内可能に構成される第2案内経路を構成するよう変位可能に構成される第2経路構成手段と、を備え、前記第1経路構成手段の変位方向と前記第2経路構成手段の変位方向とが互いに近づく方向であることを特徴とする遊技機XF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、開閉部材30a,31a(経路構成手段)が、互いに同じ側に変位するように構成される遊技機がある(例えば特開2015−159997号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、一の開閉部材から逸れて流下する(開閉部材の右側を流下する)遊技球は、他の開放部材に対しても同様に逸れることが予想されてしまい、遊技者の注目力を集めるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
即ち、遊技球が上流側の開閉部材31aに救われずに遊技領域を継続して流下する場合に、次の開閉部材30aに救われるか否かに注目させることができれば、遊技領域の上下幅全体を利用して、流下する遊技球を遊技者に見せて、遊技者の遊技意欲を維持し易いが、上述の遊技機では、上流側の開閉部材31aから逸れると、その下方の開閉部材30aに救われる可能性は低いように遊技者に感じさせてしまい、遊技者の視線を下流側まで導くことがし難い。
これに対し、遊技機XF1によれば、第1経路構成手段の開放変位方向が、第2経路構成手段の開放変位方向の逆側を向くことにより、上流側の経路構成手段を逸れた遊技球は、下流側の経路構成手段へ向かい易くなる。これにより、上流側で経路構成手段から逸れた遊技球を下流側において救い上げやすく(拾い易く)構成することができるので、遊技者は、上流側の経路構成手段から逸れた遊技球に対して他の経路構成手段で拾われるかもしれないという期待感を持ち続けることができ、遊技球に対する遊技者の注目力を集め易くすることができる。
遊技機XF1において、前記第1案内経路および前記第2案内経路の一方の経路部は、他方の経路部の上方に配置されることを特徴とする遊技機XF2。
遊技機XF2によれば、遊技機XF1の奏する効果に加え、上下差を利用して遊技球の零れを防止し易く(救い易く)することができる。
遊技機XF1又はXF2において、前記第1経路構成手段と前記第2経路構成手段とは、所定方向視で交差するよう構成されることを特徴とする遊技機XF3。
遊技機XF3によれば、遊技機XF1又はXF2の奏する効果に加え、変位方向を所定方向に沿うように設定することで、交差位置で一方の経路構成手段が他方の経路構成手段に分割される構成とすることを不要にできる。従って、両方の経路構成手段を非分割で形成することができる。
遊技機XF1からXF3のいずれかにおいて、前記第1経路構成手段は、変位の前後において、前記第2経路構成手段に対して同じ側に配置されるよう構成されることを特徴とする遊技機XF4。
遊技機XF4によれば、遊技機XF1からXF3のいずれかにおいて、第1経路構成手段が変位前後で第2経路構成手段を通過する構成ではないので、両方の経路構成手段を非分割で形成することができる。
遊技機XF1からXF4のいずれかにおいて、前記第1経路構成手段は、所定の第1方向においては前記第2経路構成手段に対して同じ側に配置され、前記第1方向と交差する所定の第2方向においては前記第2経路構成手段に対して反対側に配置されることを特徴とする遊技機XF5。
遊技機XF5によれば、遊技機XF1からXF4のいずれかの奏する効果に加え、第1経路構成手段および第2経路構成手段を、それぞれ非分割で構成可能であることに加え、遊技者に対して、第1経路構成手段が第2経路構成手段を通り過ぎて変位しているように視認させることができる。これにより、変位の意外性を高めることができる。
遊技機XF1からXF5のいずれかにおいて、前記第1経路構成手段または前記第2経路構成手段は、前記案内経路の幅方向に沿って変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XF6。
遊技機XF6によれば、遊技機XF1からXF5のいずれかの奏する効果に加え、案内経路の幅直角方向に沿って変位する場合に比較して、変位時に経路構成手段が遊技球に与える負荷の程度を低減し易くすることができ、経路構成手段の変位が遊技球に与える影響を最小限に抑えることができる。例えば、経路構成手段が斜め下方へ向けて変位する場合に、その変位に追従して遊技球が斜め下方へ向けて流下することを避けることができる。
<球の流下に影響する作用部についてのポイント>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記案内経路を流下する遊技球に当接して作用可能に構成される作用部を備え、その作用部は、遊技球に対する作用の程度が、前記案内経路における遊技球の変位に対応して増加するよう構成されることを特徴とする遊技機XG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技領域側へリブを設けて、球の流下速度を遅くするように構成される遊技機がある(例えば特開2016−016095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、リブの形成範囲を流下する球が状況に関わらず同様に減速されることが遊技の妨げになる可能性があった。
例えば、リブの下流側に可変入賞装置が配置される場合、可変入賞装置が閉鎖状態(遊技者に不利な状態)である場合には、可変入賞装置が開放状態となるまで球の流下を遅らせたいと思うことになるが、可変入賞装置が開放状態(遊技者に有利な状態)である場合には、球の流下が遅れることは遊技者にとって不利益となる可能性がある。即ち、リブが遊技球に及ぼす作用が、遊技者に不利益を与える場合が発生し得ることから、遊技領域の設計に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XG1によれば、リブに例示される作用部の作用の程度が、遊技球の変位に対応して増加するように構成されている。これにより、遊技球の挙動と、遊技者に与えられる利益の増減とを繋げやすくすることができるので、遊技球に対する注目力の向上を図ることができる。
遊技機XG1において、前記作用部は、案内経路に対する配置が異なるように構成され、その度合いは、前記遊技球の変位が増加するほどに増加することを特徴とする遊技機XG2。
遊技機XG2によれば、遊技機XG1の奏する効果に加え、作用部の配置を徐々に変化させることにより、遊技球に対する作用を徐々に変化させることができる。
遊技機XG1又はXG2において、作用部が遊技球に与える作用は、流下速度の減速であることを特徴とする遊技機XG3。
遊技機XG3によれば、遊技機XG1又はXG2の奏する効果に加え、遊技球を所定位置に滞留させ易くすることができる。これにより、一定間隔で遊技球を発射する遊技態様においても、所定位置に対する注目力を向上させ易くすることができる。
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記案内経路を流下する遊技球に当接して作用可能に構成される作用部を備え、その作用部は、遊技球への作用が、前記案内経路における遊技球の配置に対応して異なるように構成されることを特徴とする遊技機XG4。
遊技機XG1からXG4のいずれかにおいて、所定入球領域と、その他の入球領域とを備え、前記所定入球領域を開閉するように変位可能に構成される開閉変位手段を備え、前記作用部は、前記所定入球領域の開放状態において案内経路を流下する遊技球に対する第1作用と、前記所定入球領域の閉鎖状態において案内経路を流下する遊技球に対する第2作用と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機XG5。
遊技機XG5によれば、遊技機XG1からXG4のいずれかの奏する効果に加え、開閉変位手段の状態が切り替えられることに対応して作用部の作用が変化するように構成することにより、作用部の配置スペースが制限される場合であっても、遊技球の流下態様の設計自由度を向上させることができる。
なお、第1作用と第2作用との関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球に負荷が与えられる場合に、その負荷の方向が変化するものでも良いし、負荷の大きさが変化するものでも良い。
また、第1作用と第2作用との関係を、遊技球の流下態様への作用として特定しても良い。例えば、遊技球の入球領域への到達を遅らせる第1作用と、遊技球の入球領域への到達を早める第2作用とのように相反する作用関係としても良い。
遊技機XG4又はXG5において、前記作用部により生じる作用の変化は、遊技球の経路構成手段に対する配置の違いによって生じることを特徴とする遊技機XG6。
遊技機XG6によれば、遊技機XG4又はXG5の奏する効果に加え、作用部の作用が、遊技球の経路構成手段に対する配置関係により生じるよう構成されるので、作用を変化させるために作用部を可動とすることを不要にできる。
なお、遊技球の経路構成手段に対する配置関係の態様の特定は、何ら限定されるものではない。例えば、経路構成手段の所定部からの遊技球の配置間隔で特定しても良いし、経路構成手段に遊技球が接しているか、落下途中で未だ当接していないかで特定しても良い。
遊技機XG4からXG6のいずれかにおいて、前記案内経路は、第1区間と、その第1区間に対して前記入球領域から離れて配置される第2区間とを備え、前記第1区間と前記第2区間とで、前記作用部が遊技球に及ぼす作用の程度を変化させるよう構成されることを特徴とする遊技機XG7。
遊技機XG7によれば、遊技機XG4からXG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の発射が一定間隔であっても、案内経路において遊技球の間隔を詰めたり、離したりすることができ、第1区間と第2区間との設定により、案内経路上で遊技球が溜まり易い箇所を設定することができる。
なお、減速の程度を変化させる方法は、何ら限定されるものではない。例えば、案内経路に向けて張り出す突設部を構成し、遊技球に当接させることで遊技球を減速させるようにしても良い。この場合において、減速の程度は、突設部の突設長さや、所定区間に配置される突設部の密度によって変化させることができる。
また、この場合において、突設部が、遊技球のどの高さ位置に当接するかによっても減速の程度を変化させることができる。例えば、突設部が遊技球の中心よりも上側に当たる場合、突設方向への負荷に加えて、上下方向の負荷も生じる。この場合、転動中の遊技球を押さえつける方向の負荷が生じることになり、減速作用は大となり易い。従って、突設部の配置間隔を同じとしながらも、遊技球との当たり所が違う突設部によって減速作用に違いを生じさせることができる。
遊技機XG7において、前記第1区間での遊技球に対する作用の方が、前記第2区間を流下する遊技球に対する作用に比較して小さく設定されることを特徴とする遊技機XG8。
遊技機XG8によれば、遊技機XG7の奏する効果に加え、入球領域に近い側の区間における遊技球の流下速度を大きくすることで、遊技球が連なって入球領域に入球する事態を避け易くすることができる。
遊技機XG5からXG8のいずれかにおいて、前記所定入球領域と、第2入球領域とを備え、前記案内経路は、前記所定入球領域へ遊技球を案内可能な第1案内経路と、前記第2入球領域へ遊技球を案内可能な第2案内経路と、を備え、前記第1案内経路と前記第2案内経路とは、所定位置付近で交差するよう構成され、入れ違いで発生可能に構成され、前記所定位置を基準として上流側に配置される上流側区間を流下する遊技球よりも、下流側に配置される下流側区間を流下する遊技球の方が、流下速度が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機XG9。
遊技機XG9によれば、遊技機XG5からXG8のいずれかの奏する効果に加え、所定位置としての交差位置の下流側において遊技球が溜まる事態を回避することで、第1案内経路と第2案内経路との発生の切り替え時に、遊技球が交差位置の下流側から落下する事態を回避し易くすることができる。これにより、零れ球の発生を抑えることができる。
なお、上流側区間と下流側区間との境目は、交差位置に限定されるものではない。例えば、交差位置よりも上流側に所定位置を設定する場合でも、交差位置よりも下流側において遊技球が溜まり難いようにすることができる。また、例えば、交差位置よりも下流側に所定位置を設定する場合でも、その所定位置から入球領域までの間では、遊技球が溜まり難いようにすることができるので、所定位置が設定されない場合に比較して零れ球の発生個数を低減することができる。
遊技機XG9において、遊技球が前記入球領域へ向けて所定の直線に沿って流下する場合において、前記下流側区間を遊技球が通過するのに要する時間が、前記上流側区間を遊技球が直径分流下するのに要する時間よりも短くされることを特徴とする遊技機XG10。
遊技機XG10によれば、遊技機XG9の奏する効果に加え、先に流下する遊技球が下流側区間を通過する間に、後から流下する遊技球が下流側区間に進入しないように構成することができるので、下流側区間に複数の遊技球が溜まることを流下に必要な時間の設定から防止することができる。
遊技機XG9又はXG10において、前記作用部は、前記交差位置において遊技球に対する作用の度合いが最大となるように構成されることを特徴とする遊技機XG11。
遊技機XG11によれば、遊技機XG9又はXG10の奏する効果に加え、上流側区間(零れ防止有利区間)から下流側区間(零れ防止不利区間)へ遊技球が進入する点において遊技球の流下速度を最大幅で低下させることにより、遊技球の流下態様の変化を最大とし、遊技球に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機XG9からXG11のいずれかにおいて、前記作用部は、前記第1案内経路で流下する遊技球に作用可能に構成される一方で、前記第2案内経路で流下する遊技球に作用しない又は異なる態様で作用するよう構成される作用選択部を備えることを特徴とする遊技機XG12。
遊技機XG12によれば、遊技機XG9からXG11のいずれかの奏する効果に加え、作用部を特定の経路を前提として設計することができるので、作用部の設計を容易とすることができる。なお、作用部の設計は何ら限定されるものではない。例えば、案内経路と交差する方向における作用部の配置や、形成長さ、作用部の案内経路側への形成長さ等を設計することにより、遊技球に対する作用部の作用を任意に設定することができる。
遊技機XG12において、前記作用部は、前記経路構成手段に到達する前の遊技球に作用可能に構成され、その作用が前記経路構成手段に到達した後で遊技球に生じる作用と異なるように構成されることを特徴とする遊技機XG13。
遊技機XG13によれば、遊技機XG12の奏する効果に加え、作用部は、経路構成手段の状態に関わらず、遊技球に対して何らかの作用を生じさせることができるので、作用部の配置の意義を高めることができる。
<一対の駆動装置の配置間隔と一対の開閉板の配置間隔との関係>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、第1経路構成手段と、その第1経路構成手段とは異なる第2経路構成手段とを備え、前記第1経路構成手段を駆動する第1駆動手段と、前記第2経路構成手段を駆動する第2駆動手段と、の配置間隔に比較して、前記第1経路構成手段と前記第2経路構成手段との配置間隔が狭くなるよう構成されることを特徴とする遊技機XH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、複数の開閉部材30a,31aが、複数の異なる駆動手段(ソレノイドに相当)によって独立して開閉可能に構成される遊技機がある(例えば特開2015−159997号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の駆動手段が各開閉部材30a,31aに同様に配置されており、複数の駆動手段の配置間隔が、開閉部材30a,31aの配置間隔と同等に設定される。この場合、駆動手段の大きさに開閉部材30a,31aの大きさや配置が制限される虞があるという問題点があった。換言すれば、入球領域への流下経路構成手段の設計自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機XH1によれば、第1経路構成手段と第2経路構成手段との配置間隔が、第1駆動手段と第2駆動手段との配置間隔に比較して狭くなるよう構成されるので、第1経路構成手段と第2経路構成手段との設計自由度を向上させることができる。
なお、配置間隔を狭める態様は何ら限定されるものではない。例えば、特開2015−159997号公報において、開閉部材30a,31aに対する駆動手段の配置を、開閉部材30a,31aごとにそれぞれ異ならせることで開閉部材30a,31aの大きさや配置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機XH1において、前記第1経路構成手段または前記第2経路構成手段の少なくとも一方は、駆動により他方の前記第2経路構成手段または前記第1経路構成手段に近接変位するよう構成されることを特徴とする遊技機XH2。
遊技機XH2によれば、遊技機XH1の奏する効果に加え、第1経路構成手段および第2経路構成手段の変位に要する範囲を狭く維持することができる。
遊技機XH1又はXH2において、前記第1経路構成手段と前記第2経路構成手段とが所定方向視で交差するよう構成されることを特徴とする遊技機XH3。
遊技機XH3によれば、遊技機XH1又はXH2の奏する効果に加え、交差範囲を第1経路構成手段と第2経路構成手段とで兼用することができる。これにより、第1経路構成手段および第2経路構成手段の配置に要する範囲を狭くすることができる。
遊技機XH3において、交差する位置において、前記第1経路構成手段および前記第2経路構成手段の位置ずれを抑制可能に構成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機XH4。
遊技機XH4によれば、遊技機XH3の奏する効果に加え、第1経路構成手段または第2経路構成手段の一方が、他方の変位を妨害する事態を生じ易い位置において、第1経路構成手段および第2経路構成手段の位置ずれを抑制することにより、第1経路構成手段および第2経路構成手段の変位が妨害されることを防止することができる。
遊技機XH3又はXH4において、交差する位置は、遊技領域の外方に配置されることを特徴とする遊技機XH5。
遊技機XH5によれば、遊技機XH3又はXH4の奏する効果に加え、遊技領域の外方(例えば、背面側)における第1経路構成手段および第2経路構成手段の配置に要する範囲を狭めることができる。
遊技機XH1からXH5のいずれかにおいて、前記第1駆動手段は、前記経路構成手段の一側に配置され、前記第2駆動手段は、前記経路構成手段の他側に配置されることを特徴とする遊技機XH6。
遊技機XH6によれば、遊技機XH1からXH5のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を基準とした第1駆動手段および第2駆動手段の配置を反対にすることで、第1駆動手段と第2駆動手段との配置間隔を空けることができる。
<誤V防止のための短開放を不要とするポイント>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、遊技球が入球することにより遊技者に所定の利益を与える利益付与手段と、その利益付与手段に遊技球を案内可能な第1状態と前記利益付与手段に遊技球を案内不能な第2状態とで切り替えられる利益切替手段と、を備え、前記経路構成手段を第1状態に維持したまま、前記利益切替手段が前記第1状態に切り替えられることを特徴とする遊技機XI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口を通過した球が振分部により有利ルートか不利ルートかのいずれかに振り分けられ、その振り分けの結果により遊技者に付与される利益が変化する遊技機がある(例えば特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振分部が有利ルートに球を振り分け可能な状態とされる期間における大入賞口の開閉板の動作態様が、球を有利ルートへ流下させる場合用の動作態様と、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様とで明確に分けられており、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様では、そもそも大入賞口に球が入球しないように開閉板が動作(閉鎖)されるので、大入賞口へ向かう球への注目力を維持することができず、球の挙動に注目させるという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XI1によれば、経路構成手段が第1状態に維持されたままにおいて、利益付与手段に球が通過可能な場合と、利益付与手段に球が通過不能な場合とを切り替えられるので、経路構成手段が入球領域への球の入球を遮ることがない。これにより、入球領域へ向かう球に対する注目力を維持することができる。
遊技機XI1において、前記経路構成手段の前記第1状態により、前記利益付与手段への入球が防止されるよう構成されることを特徴とする遊技機XI2。
遊技機XI2によれば、遊技機XI1の奏する効果に加え、利益付与手段への入球を経路構成手段により防止することができる。
遊技機XI1又はXI2において、前記経路構成手段の前記第2状態において、前記利益付与手段へ遊技球を入球可能に構成されることを特徴とする遊技機XI3。
遊技機XI3によれば、遊技機XI1又はXI2の奏する効果に加え、経路構成手段の第2状態の際に流下する遊技球から遊技者が得られる利益を高めることができる。
遊技機XI1からXI3のいずれかにおいて、前記利益付与手段は、前記入球領域の上流側に配置可能に構成されることを特徴とする遊技機XI4。
遊技機XI4によれば、遊技機XI1からXI3のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の状態と、利益付与手段への入球の実行とを非対応とすることができる。
遊技機XI4において、前記経路構成手段の第1状態において、前記利益切替手段が前記第1状態とされ、前記利益切替手段の前記第1状態において、前記入球領域への入球が防止されることを特徴とする遊技機XI5。
遊技機XI5によれば、遊技機XI4の奏する効果に加え、入球領域への入球を防止しながら、利益付与手段への入球を構成することができる。これにより、例えば、入球領域への入球に伴う賞球の払い出しが極めて少ない一方で、利益付与手段への入球に伴う利益を遊技者が獲得可能なラウンド遊技を構成することができる。
<遊技球の入球を待たずして不具合または不正を検出可能に構成する>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段の状態を検出可能な検出手段を備える遊技機XJ1。
パチンコ機等の遊技機において、不正な入賞を、その入賞のタイミングで判定し、不正入賞に該当すると判定した場合にエラー報知を実行する遊技機がある(例えば、特開2017−000562号公報、段落0333を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入賞しないとエラー報知がされず、不正の準備段階(例えば、入賞口を開閉する部材(経路構成手段に相当)を不正に変位させている段階)においては不正を発見できないので、遊技領域を正常に保つ観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XJ1によれば、経路構成手段の状態を検出手段によって検出可能に構成されるので、入賞口への遊技球の入球を待たずに不正を発見できることから、遊技領域を正常に保つことができる。
遊技機XJ1において、遊技領域に関する検出パターンを、所定の基準パターンと比較可能に構成される比較手段を備えることを特徴とする遊技機XJ2。
遊技機XJ2によれば、遊技機XJ1の奏する効果に加え、所定の基準パターンと比較し、その比較結果を報知に利用することができるので、正常な状態と異なることの判定に留まらず、基準パターンとの差異から、どのような異常が生じているかの判定まで行うことができる。
なお、検出パターンとしては、入賞口へ入球する遊技球を検出することによる検出パターンや、経路構成手段の状態切り替えタイミングのパターン等が例示される。
遊技機XJ1又はXJ2において、前記第1状態において前記経路構成手段によって遊技球が案内される所定入賞口を備え、前記検出手段は、前記所定入賞口への遊技球の入球が不能とされる状態で、前記経路構成手段の状態を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機XJ3。
遊技機XJ3によれば、遊技機XJ1又はXJ2の奏する効果に加え、遊技領域が正常な状態へ戻るまでに、入賞口に遊技球が入球することを防止することができる。これにより、不正な利益が生じることを防止し易くすることができる。
遊技機XJ1からXJ3のいずれかにおいて、前記検出手段は、品質確認の用途の検出手段と兼用されることを特徴とする遊技機XJ4。
遊技機XJ4によれば、遊技機XJ1からXJ3のいずれかにおいて、検出手段を他の用途に兼用することにより、部品個数の削減を図ることができる。
<不正または不良の事前把握や早期発見のための構成>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、所定の有利状態へ移行する前に、前記経路構成手段が状態を切り替え可能か判定可能に構成される判定手段を備えることを特徴とする遊技機XK1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉板(経路構成手段に相当)の動作開始前の入賞や、動作終了後の入賞について、不正入賞に該当すると判定した場合にエラー報知を実行する遊技機がある(例えば、特開2017−000562号公報、段落0333を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、開閉板自体に不具合が生じている場合(例えば、破損して閉鎖しない状態となっている場合)であっても、入賞しないと報知がされないので、悪意なく入賞させた遊技者に対して不快な思いをさせる可能性があり、不具合の早期発見という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XK1によれば、判定手段が、所定の有利状態が開始される前に、経路構成手段の不具合に対処可能に構成されることから、不具合の早期発見を図ることができ、遊技者に快適な遊技を提供することができる。
なお、所定の有利状態としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、通常状態に対して有利な状態であれば該当するので、所定の有利状態には、時短中、確変中、大当たり遊技中等が含まれる。
遊技機XK1において、前記所定の有利状態へ移行する前に、前記経路構成手段を前記第1状態と前記第2状態とで切り替えることを特徴とする遊技機XK2。
遊技機XK2によれば、遊技機XK1の奏する効果に加え、所定の有利状態に移行する前に経路構成手段を実際に動作させることで、その不具合に気づき易くすることができる。
遊技機XK1又はXK2において、前記判定手段による判定に基づき、前記経路構成手段の状態を修復可能に構成される修復手段を備えることを特徴とする遊技機XK3。
遊技機XK3によれば、遊技機XK1又はXK2の奏する効果に加え、修復手段により経路構成手段の状態を修復することにより、早期に正常な状態へ戻すことができる。
遊技機XK1からXK3のいずれかにおいて、前記判定手段が判定可能な作動態様として、前記経路構成手段は、複数の作動態様で作動可能に設定されることを特徴とする遊技機XK4。
遊技機XK4によれば、遊技機XK1からXK3のいずれかの奏する効果に加え、複数の作動態様を判定手段が判定可能に構成されるので、判定結果から、経路構成手段に生じている不具合の原因を究明し易くすることができる。
遊技機XK1からXK4のいずれかにおいて、前記所定の有利状態は、複数段階で構成され、その段階に対応して、前記判定手段による判定の生じ易さが変化するよう構成されることを特徴とする遊技機XK5。
遊技機XK5によれば、遊技機XK1からXK4のいずれかの奏する効果に加え、段階ごとの有利状態に対応して、適切な頻度で判定手段の判定を生じさせることで、経路構成手段の不具合を適切に発見することができる。
遊技機XK1からXK5のいずれかにおいて、前記判定手段は、検出手段を備えており、その検出手段は、品質確認の用途の検出手段と兼用されることを特徴とする遊技機XK6。
遊技機XK6によれば、遊技機XK1からXK5のいずれかにおいて、検出手段を他の用途に兼用することにより、部品個数の削減を図ることができる。
遊技機XK1からXK6のいずれかにおいて、遊技機XK3を含み、遊技球が入球可能な入球領域を備え、前記修復手段は、前記経路構成手段の状態を、前記入球領域への遊技球の入球を妨害する側に切り替えることを特徴とする遊技機XK7。
遊技機XK7によれば、遊技機XK1からXK6のいずれかの奏する効果に加え、修復手段により経路構成手段の状態が切り替えることで、入球領域への不正な入球を妨害することができる。
なお、入球の妨害の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、入球領域への到達を遅らせる態様でも良いし、少なくとも一部の遊技球が上流側で遊技領域から排出されるようにして遊技球が入球領域まで到達しないようにする態様でも良いし、入球領域への経路を閉鎖して入球領域に遊技球が到達できないようにする態様でも良い。
<遊技球が通過可能な所定の経路の開閉に複数部材が関わる構成>
遊技球が通過可能な所定領域と、その所定領域へ通じる通過経路を遊技球が通過可能となるように開放する第1状態と、前記通過経路を遊技球が通過不能となるように閉鎖する第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記所定領域への遊技球の案内を防止する案内防止状態を構成可能な防止手段と、を備える遊技機において、前記第1状態において前記開閉手段が所定位置に配置される場合に、前記防止手段は、前記案内防止状態と、前記所定領域への遊技球の通過を可能とする通過可能状態とのいずれか一方を前記開閉手段の変位態様に対応して構成可能とされることを特徴とする遊技機XL1。
パチンコ機等の遊技機において、第1開閉板(開閉手段に相当)と、第2開閉板(防止手段に相当)とが大入賞口(所定領域に相当)を開閉する遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1開閉板が開放されている状態において、第1開閉板の変位態様に対応して第2開閉板の開閉状態を切り替えることについての記載は無く、第1開閉板が強制的に開放される場合への対策が十分でなく、所定領域への遊技球の流下を正常にするという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XL1によれば、開閉手段が第1状態として所定位置に配置される場合に、通過防止状態を構成するか、通過可能状態を構成するかを、開閉手段の変位態様に対応して構成することができるので、変位態様が正常か不正かを判定し、不正な場合には通過防止状態を構成するようにすることで、所定領域への遊技球の通過を正常にすることができる。
なお、所定領域の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球が1個通れる程度の開口でも良いし、経路でも良いし、複数球が同時に配置され得る範囲でも良いし、遊技球が乗ることのできる板上面でも良い。
遊技機XL1において、前記防止手段は、前記開閉手段と複数種類の動作態様で連動可能に構成されることを特徴とする遊技機XL2。
遊技機XL2によれば、遊技機XL1の奏する効果に加え、防止手段を複数の用途で利用することができる。
遊技機XL2において、前記開閉手段と前記防止手段との動作態様を切り替え可能に構成される切替手段を備えることを特徴とする遊技機XL3。
遊技機XL3によれば、遊技機XL2の奏する効果に加え、切替手段によって、開閉手段と防止手段との対応関係を任意に変化させることができる。
なお、切替手段の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への駆動力伝達の方向によって切り替えが行われる手段でも良いし、独自の駆動力発生装置を備え、その駆動力発生装置から生じる駆動力によって切り替えが行われる手段でも良い。
また、切替手段によって切り替えられる動作態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、開閉手段と防止手段とが、一体で動作する(又は所定の時間遅れで追従し最終的には追いつくように動作する)態様と、分離して動作する態様とで切り替えられるものでも良い。また、例えば、開閉手段と防止手段とが分離して動作する状態を維持したまま、その動作関係が切り替えられる(例えば、同方向変位と逆方向変位とで切り替えられたり、動作速度が切り替えられたりする)ものでも良い。
遊技機XL1からXL3のいずれかにおいて、前記開閉手段の状態を変化させるための駆動力を発生可能な駆動手段を備え、前記防止手段は、前記駆動手段の駆動力によらず前記開閉手段の状態が変化される場合に、前記流下防止状態を構成することを特徴とする遊技機XL4。
遊技機XL4によれば、遊技機XL1からXL3のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段によらず開閉手段が開放される異常事態が生じても、所定領域へ遊技球が到達しない状態を構成することができるので、遊技者が不測の利益を得ることを回避することができる。
遊技機XL1からXL4のいずれかにおいて、前記防止手段は、前記開閉手段を基準とする前記所定領域側または前記所定領域の反対側に配置可能であることを特徴とする遊技機XL5。
遊技機XL5によれば、遊技機XL1からXL4のいずれかの奏する効果に加え、防止手段の配置の自由度を向上させることができる。また、通過経路上のいずれの位置に配置するかによって、防止手段の通過防止状態において遊技球が通過可能となる位置を任意に設定することができるので、遊技性の設計自由度を向上させることができる。
なお、防止手段は、固定配置される必要はなく、種々の態様が例示される。例えば、開閉手段の上流側に配置可能としても良いし、開閉手段の下流側に配置可能としても良いし、開閉手段の上流側と下流側とで配置交換可能(例えば、開閉手段の下流側から上流側に変位することで遊技球の通過を防止するよう)に構成しても良い。即ち、配置はともかくとして、結果的に遊技球が所定領域を通過しないようにできる構成であれば良い。
遊技機XL1からXL5のいずれかにおいて、前記開閉手段の状態を変化させるための駆動力を発生可能な駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記開閉手段に伝達するための伝達手段と、を備え、その伝達手段の状態が変化することで、前記開閉手段と前記防止手段との動作態様を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機XL6。
遊技機XL6によれば、遊技機XL1からXL5のいずれかの奏する効果に加え、伝達手段の状態の変わり易さが、開閉手段と防止手段との動作態様の切り替わり易さに直結するので、動作態様の切り替わり易さとして望む程度を設定した後における伝達手段の設計を容易とすることができる。
これにより、経路構成手段の動作に必要となる駆動力を伝達する伝達手段を、開閉手段と防止手段との動作態様の切り替えに兼用することができる。なお、伝達手段の状態の変化の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、変形の有無でも良いし、伝達手段が複数の構成を有する場合における各構成の動作関係の変化でも良いし、動作経路(相対的、絶対的)の変化でも良いし、姿勢の変化(相対的、絶対的)でも良い。
遊技機XL1からXL6のいずれかにおいて、前記防止手段は、前記開閉手段と複数種類の動作態様で連動可能に構成され、その連動は、遊技領域からの負荷が生じても解除されにくいように構成されることを特徴とする遊技機XL7。
遊技機XL7によれば、遊技機XL1からXL6のいずれかの奏する効果に加え、遊技領域が流下する遊技領域で生じる負荷が開閉手段または防止手段に伝達されることで連動が解除される事態の発生を防止し易くすることができる。
なお、遊技領域で生じる負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の衝突により生じる負荷(例えば、衝撃力)でも良いし、遊技領域に進入した糸や金属細線を介して伝達される負荷でも良い。
<振分部材C170〜C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017−148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機CA10。
遊技機CA10によれば、遊技機CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機CA11。
遊技機CA11によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機CA12。
遊技機CA12によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機CA13によれば、遊技機CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機CA14。
遊技機CA14によれば、遊技機CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機CA15。
遊技機CA15によれば、遊技機CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機CA16。
遊技機CA16によれば、遊技機CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機CA17。
遊技機CA17によれば、遊技機CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機CA18。
遊技機CA18によれば、遊技機CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機CA19。
遊技機CA19によれば、遊技機CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機CA20。
遊技機CA20によれば、遊技機CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機CA21。
遊技機CA21によれば、遊技機CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機CA22。
遊技機CA22によれば、遊技機CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機CA23。
遊技機CA23によれば、遊技機CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA24。
遊技機CA24によれば、遊技機CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA25。
遊技機CA25によれば、遊技機CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA26。
遊技機CA26によれば、遊技機CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016−198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、
前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017−148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
遊技機A1からA11、B1からB8、C1からC10、D1からD8、E1からE6、F1からF10、G0からG5、H1からH6、I0からI3、J0からJ5、K1からK10、L0、M1からM19、N1からN11、O1からO8、P1からP5、Q1からQ4、R1からR4、XA1からXA8、XB1からXB6、XC1からXC7、XD1からXD7、XE1からXE6、XF1からXF6、XG1からXG13、XH1からXH6、XI1からXI5、XJ1からXJ4、XK1からXK7、XL1からXL7、CA1からCA26、CB1からCB4及びCC1からCC4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB8、C1からC10、D1からD8、E1からE6、F1からF10、G0からG5、H1からH6、I0からI3、J0からJ5、K1からK10、L0、M1からM19、N1からN11、O1からO8、P1からP5、Q1からQ4、R1からR4、XA1からXA8、XB1からXB6、XC1からXC7、XD1からXD7、XE1からXE6、XF1からXF6、XG1からXG13、XH1からXH6、XI1からXI5、XJ1からXJ4、XK1からXK7、XL1からXL7、CA1からCA26、CB1からCB4及びCC1からCC4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB8、C1からC10、D1からD8、E1からE6、F1からF10、G0からG5、H1からH6、I0からI3、J0からJ5、K1からK10、L0、M1からM19、N1からN11、O1からO8、P1からP5、Q1からQ4、R1からR4、XA1からXA8、XB1からXB6、XC1からXC7、XD1からXD7、XE1からXE6、XF1からXF6、XG1からXG13、XH1からXH6、XI1からXI5、XJ1からXJ4、XK1からXK7、XL1からXL7、CA1からCA26、CB1からCB4及びCC1からCC4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(領域構成手段の一部)
18 ヒンジ(支持軸の一部)
19 ヒンジ(支持軸の一部)
65a 特定入賞口(利益付与手段の一部)
81 第3図柄表示装置(注目手段の一部、表示手段)
86 センターフレーム(枠手段)
150 球流下ユニット(流下手段の一部)
152 第1受入流路(第1構成部、第2構成部)
153 第2受入流路部材(第2構成部)
154 突条部(減速手段の一部)
161 導光板(注目手段の一部)
166 横置き基板ユニット(所定基板)
170 装飾手段(被配置手段)
171a 横長溝部(低透過手段)
171b 反射形状部(方向変化手段)
180 変位規制装置(制限手段)
181 当接部材(案内手段の一部)
181b 筒状保持部(案内手段の一部)
183 操作部材(操作部)
183f 係合部
184 コイルスプリング(付勢手段)
221 MPU(防止報知手段)
310 区画部材(補助手段の一部、案内手段、箱状手段)
312 湾曲板部(第1案内部)
314 背面区画下部(第2案内部)
315 異形貫通部(開放部)
320 粒状部材(変位手段の一部、配置手段の一部)
362 軸部(規制部)
410 直動部材(変位手段の一部、第2部材)
413 台形突設部(第2当接部)
414 突条部(第2対象部)
420 衝突部材(作用手段の一部、当接手段、第1手段)
424 緩衝部材(第2当接部)
430 当接部材(変位手段の一部、第1部材、規制手段)
432 突設部(第1対象部)
440 前側伝達部材(伝達手段の一部)
442 溝形成部(第2伝達部、判別関与手段)
446 伝達突部(第1伝達部、当接部)
470 伝達アーム部材(伝達手段)
480 蓋部材(作用手段の一部、当接手段、進退手段)
482 張出部(代表先端部)
489a 第1当接面(当接面)
489b 第2当接面(当接面)
489c 第3当接面(当接面)
510 背面ケース(領域構成手段の一部)
630 下アーム部材(作用手段の一部)
633 支持孔(主支持手段)
634 円弧状孔(補助支持手段、案内手段)
700 演出部材(変位手段)
730 回転板(負荷発生手段、変位発生手段)
740 伸縮変位部材(第1部材の一部、第2部材の一部)
743b 第1被案内突部(第1被負荷部)
744b 第2被案内突部(第2被負荷部)
760 遮蔽意匠部材(第1部材の一部、第2部材の一部)
820 縦スライド部材(変位手段の一部)
840 横スライド部材(変位手段の一部)
870 長尺アーム部材(電気配線変位手段)
882a 壁部(停留手段の一部)
886 案内凹部(対応変化手段)
887 円柱突設部(停留手段の一部)
DK2 電気配線
DK2b 下側巻き部(第2所定部)
LM1 中間流路(流下手段の一部、第1構成部)
MT1 駆動モータ(駆動手段)
IE1 内部空間(範囲)
SC4 検出センサ(検出手段)
SP1 コイルスプリング(負荷発生手段の一部、付勢手段)
A10,A3010,A4010 パチンコ機(遊技機)
11 外枠
12 内枠(ベース体)
18 ヒンジ(回転軸)
A100,A2100,A3100,A4100 基板ボックス(収容体)
A110 主制御装置(対象物)
A119 プリント基板(対象物、制御基板)
A120 スイッチ装置(操作手段)
A122 操作部(操作子)
A123b 突部(第1面)
A130 キー装置(操作手段)
A133b 突部(受入部)
A133c 端部(第1面)
A140 鍵(操作子)
A200,A3200 ボックスカバー(収容体)
A203 下壁部(立設壁)
A210 操作用壁部(対向部)
A211 第1突条(突条)
A212 第2突条(突条)
A220 第1接続壁部(接続面)
A230 第2接続壁部(接続面、他の接続面)
A240 第3接続壁部(接続面、他の接続面)
A250 開口
A260 開口
A270,A2270 被覆部
A271 周壁部(被覆部)
A271a 基部(被覆部)
A271b 突部(膨出部)
A272,A2272 端面壁部(被覆部、対向部)
A272a 円環部(対向部)
A272b 角形部(対向部)
A2273 突条(突部)
A280,A290 立設壁
A280a,A290a テーパ面
A281,A291 第1立設壁(立設壁)
A282,A292 第2立設壁(立設壁)
A283,A293 第3立設壁(立設壁)
A284 第4立設壁(立設壁)
A300 ボックスベース(収容体)
A410,A4410 回転軸
110 主制御装置(制御手段)
B1000 可変入賞手段(経路構成手段の一部、状態変化手段の一部)
B1140 突設部(減速手段、作用部の一部、作用選択部の一部)
B1200 覆設部材(区画部材の一部)
B1211 突設部(減速手段、作用部の一部、作用選択部の一部)
B1212 延設支持部(隙間減少手段、補助手段の一部)
B1230 第1検出センサ(入球領域の一部、第1入球領域)
B1250 第2検出センサ(入球領域の一部、第2入球領域)
B1260 球案内受部(衝突抑制手段)
B1300 第1案内板(経路構成手段の一部、状態変化手段の一部、第1(経路)構成手段、可変手段の一部、開閉変位手段の一部)
B1310 案内部(救い部)
B1311 転動面(案内経路の一部)
B1313 摺動部(隙間減少手段)
B1323 摺動部(隙間減少手段)
B1500 第2案内板(経路構成手段の一部、状態変化手段の一部、第2(経路)構成手段、可変手段の一部)
B1510 案内部(救い部)
B1511 転動面(案内経路の一部)
B1513 摺動部(隙間減少手段)
B1523 摺動部(隙間減少手段)
B2300 開閉板(経路構成手段の一部、第1経路構成手段、開閉変位手段の一部)
B2500 開閉棒(経路構成手段の一部、第2経路構成手段)
B4260 球案内受部(入球領域の一部)
B4360 前側突設部(補助手段の一部)
B9140 突設部(作用部の一部)
BKL1 左傾斜軌跡(案内経路の一部、第2案内経路)
BKL2 右傾斜軌跡(案内経路の一部、第1案内経路)
BL1 左側流下経路(流下経路の一部)
BL2 右側流下経路(流下経路の一部)
BL21 左打ち流下経路(流下経路の一部)
BL22 右打ち流下経路(流下経路の一部)
B22300 第1案内板(経路構成手段の一部)
B22500 第2案内板(経路構成手段の一部)
B23300 第1案内板(開閉手段の一部、防止手段の一部)
B23340 伝達孔(伝達手段の一部)
B23430 回転部材(伝達手段の一部)
B23500 第2案内板(防止手段の一部、開閉手段の一部)
B23800 切替装置(切替手段の一部)
B24720 伝達回転体(修復手段の一部)
B25110 駆動ソレノイド(駆動手段の一部)
B25640 伝達部材(伝達手段の一部)
B25700 切替装置(切替手段の一部)
B1001 第1特定入賞口(所定入賞口の一部、入球領域の一部、所定領域の一部)
B1002 第2特定入賞口(所定入賞口の一部、入球領域の一部、所定領域の一部)
B1410 第1ソレノイド(修復手段の一部、駆動手段の一部)
B1610 第2ソレノイド(修復手段の一部、駆動手段の一部)
110 主制御装置(比較手段の一部、判定手段の一部)
640 第2入賞口(所定領域の一部)
B640a 電動役物(開閉手段の一部、防止手段の一部)
BSC221 第1検出センサ(検出手段の一部、判定手段の一部)
BSC222 第2検出センサ(検出手段の一部、判定手段の一部)
C13 遊技盤
C60 ベース板(遊技盤)
C60a 開口
C122,C2122,C4122 下側底面部(往復面、第1の通路)
C122a 流出面(流出部)
C123a,C4123a 切り欠き部(流入部)
C130,C2130 背面部材(ベース部材)
C140,C2140 第1中間部材(ベース部材)
C142,C2142 底面部(上流面、第2の通路)
C144,C2144 通路部(第1の通路)
C170,C2170,C3170 振分部材(変位部材、本体部)
C172,C2172 受入部(第1面)
C172b,C2172b 底面部(第1面)
C173,C2173 転動部(第2面)
C2174 軸
C190 装飾部材(錘部)
C192 軸
C2300 磁石(吸着部材)
C2400,C5400 磁性部(吸着部材、下面形成部材)
COPin,COP2000in 受入口(流入部)
CRt2 第2通路(第1の通路)
CRt3 第3通路(第2の通路)
CRt4 第4通路(第1の通路)
CRt5 第5通路(第2の通路)
CRt2001 第1通路(第1の通路)
CRt2002 第2通路(第2の通路)
CRt2003 第3通路(第1の通路)
CRt2004 第4通路(第2の通路)
CRt2005 第5通路(第2の通路)
CB1 球(第1の球)
CB2 球(第2の球)
本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
遊技球を案内する案内経路を構成する遊技機がある(特許文献1)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下態様について改善の余地があるという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技球の流下態様の改善を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と前記案内経路を構成しない第2状態とを構成可能な経路構成手段と、を備える遊技機であって、前記経路構成手段は、前記案内経路における所定の経路を構成するよう変位可能に構成される第1構成手段と、前記案内経路において前記第1構成手段の下流側に配設され、前記所定の経路を構成するよう変位可能に構成される第2構成手段と、前記第1構成手段と前記第2構成手段との間に配設され、少なくとも前記第1構成手段が前記所定の経路を構成している状態において遊技球が当接可能な当接手段と、を備える。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技球の流下態様の改善を図ることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。
パチンコ機の遊技盤の正面図である。
パチンコ機の背面図である。
パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
遊技盤及び動作ユニットの分解正面斜視図である。
遊技盤及び動作ユニットの分解背面斜視図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
動作ユニットの正面図である。
(a)及び(b)は、図7のXIIa−XIIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)及び(b)は、図9のXIIIa−XIIIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図9のXIV−XIV線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
(a)は、変位規制装置の背面斜視図であり、(b)は、変位規制装置の正面斜視図であり、(c)は、変位規制装置の正面斜視図である。
変位規制装置の分解背面斜視図である。
変位規制装置の分解正面斜視図である。
(a)は、当接部材の背面図であり、(b)は、案内部材の正面図であり、(c)は、操作部材の正面図である。
パチンコ機の正面斜視図である。
遊技盤及び動作ユニットの背面図である。
(a)及び(b)は、図20のXXIa−XXIa線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
遊技盤及び発射演出ユニットの分解正面斜視図である。
遊技盤及び発射演出ユニットの分解背面斜視図である。
発射演出ユニットの分解正面斜視図である。
発射演出ユニットの分解背面斜視図である。
(a)は、図25の矢印R方向視における第1光照射装置の側面図であり、(b)は、図25の矢印L方向視における第2光照射装置の側面図である。
図2のXXVII−XXVII線における遊技盤及び発射ユニットの断面図である。
射出装置の正面分解斜視図である。
射出装置の正面分解斜視図である。
射出装置の正面分解斜視図である。
射出装置の背面分解斜視図である。
射出装置の背面分解斜視図である。
射出装置の背面分解斜視図である。
(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図34(b)のXXXIVc−XXXIVc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。
(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図35(a)の矢印XXXVb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図35(b)のXXXVc−XXXVc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。
(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の平面図であり、(b)は、図36(a)の矢印XXXVIb方向視における伝達アーム部材及び蓋部材の側面図であり、(c)は、図36(b)のXXXVIc−XXXVIc線における伝達アーム部材及び蓋部材の部分断面図である。
(a)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における前側伝達部材の平面図であり、(b)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
(a)から(f)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材、衝突部材、当接部材及び前側伝達部材の平面図である。
(a)から(e)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材、衝突部材、当接部材及び前側伝達部材の平面図である。
(a)から(f)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材、伝達アーム部材及び蓋部材の平面図である。
図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置の平面図である。
前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。
拡大縮小ユニットの正面斜視図である。
拡大縮小ユニットの正面斜視図である。
拡大縮小ユニットの背面斜視図である。
拡大縮小ユニットの背面斜視図である。
拡大縮小ユニットの正面分解斜視図である。
拡大縮小ユニットの背面分解斜視図である。
演出部材の正面分解斜視図である。
演出部材の背面分解斜視図である。
機能板部の正面図である。
回転板の正面図である。
回転板の側面図である。
(a)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の正面斜視図であり、(b)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の背面斜視図である。
(a)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の正面斜視図であり、(b)は、伸縮変位部材及び遮蔽意匠部材の背面斜視図である。
機能板部の正面図である。
機能板部の正面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
拡大縮小ユニットの正面図である。
拡大縮小ユニットの背面図である。
(a)及び(b)は、演出部材の背面図である。
演出部材の背面図である。
(a)は、演出部材の背面図であり、(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における演出部材の上面図である。
(a)は、演出部材の背面図であり、(b)は、図75(a)の矢印LXXVb方向視における演出部材の上面図である。
図75のLXXVI−LXXVI線における演出部材の断面図である。
変位回転ユニットの正面斜視図である。
変位回転ユニットの背面斜視図である。
変位回転ユニットの正面分解斜視図である。
変位回転ユニットの背面分解斜視図である。
横スライド部材の分解正面斜視図である。
横スライド部材の分解背面斜視図である。
図7のLXXXIII−LXXXIII線における変位回転ユニットの部分断面図である。
配線アーム部材の斜視図である。
配線案内部材の経路形成部材の斜視図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における変位回転ユニットの断面図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における変位回転ユニットの断面図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における変位回転ユニットの断面図である。
(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニットの側面図であり、(b)は、図89(a)のLXXXIXb−LXXXIXb線における変位回転ユニットの断面図である。
遊技盤の分解正面斜視図である。
遊技盤の分解背面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解正面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解正面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解背面斜視図である。
センターフレーム、導光板演出手段及び装飾手段の分解背面斜視図である。
図2のXCVI−XCVI線における遊技盤及び動作ユニットの断面図である。
図2の範囲XCVIIにおける第1装飾部材の部分正面拡大図である。
第2実施形態における遊技盤の正面図である。
第3実施形態における拡大縮小ユニットの正面図である。
回転板の正面図である。
第4実施形態における前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。
第5実施形態における前側伝達部材及び後側伝達部材の回転に伴う、検出センサの出力状態、直動部材の配置、衝突部材の配置、当接部材の突設部の配置および伝達アーム部材の円柱状突部の配置の計時変化を示した図である。
図2のXXVII−XXVII線に対応する線における第6実施形態における遊技盤及び発射ユニットの断面図である。
第7実施形態におけるパチンコ機の背面図である。
第7実施形態における基板ボックスの正面斜視図である。
基板ボックスの背面斜視図である。
(a)は、基板ボックスの正面図であり、(b)は、基板ボックスの側面図である。
ボックスカバーの正面斜視図である。
ボックスカバーの背面斜視図である。
(a)は、図108の矢印CXa方向視におけるボックスカバーの部分拡大正面図であり、(b)は、図109の矢印CXb方向視におけるボックスカバーの部分拡大背面図である。
(a)は、ボックスベースの正面斜視図であり、(b)は、ボックスベースの背面斜視図である。
(a)は、主制御装置の正面斜視図であり、(b)は、主制御装置の背面斜視図である。
図112(a)の部分CXIIIにおける主制御装置の部分拡大正面斜視図である。
(a)は、図112(a)の矢印CXIVa方向視における主制御装置の正面図であり、(b)は、図114(a)の矢印CXIVb方向視における主制御装置の側面図であり、(c)は、図114(a)の矢印CXIVc方向視における主制御装置の側面図である。
(a)は、鍵がオフ位置に操作された状態における基板ボックスの部分拡大正面図であり、(b)は、鍵がオン位置に操作された状態における基板ボックスの部分拡大正面図である。
(a)は、図115(a)の矢印CXVIa方向視における基板ボックスの部分拡大側面図であり、(b)は、図115(b)の矢印CXVIb方向視における基板ボックスの部分拡大側面図である。
(a)は、図115(a)の切断線CXVIIa−CXVIIaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図115(a)の切断線CXVIIb−CXVIIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
(a)は、図115(a)の切断線CXVIIIa−CXVIIIaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図115(a)の切断線CXVIIIb−CXVIIIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
(a)は、図116(a)の切断線CXIXa−CXIXaにおける基板ボックスの部分拡大断面図であり、(b)は、図116(a)の切断線CXIXb−CXIXbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
パチンコ機の正面斜視図である。
(a)は、第8実施形態における基板ボックスの部分拡大背面図であり、(b)は、図121(a)の切断線CXXIb−CXXIbにおける基板ボックスの部分拡大断面図である。
(a)は、第9実施形態における基板ボックスの正面図であり、(b)は、パチンコ機の正面模式図である。
(a)は、第10実施形態における基板ボックスの正面図であり、(b)は、パチンコ機の正面模式図である。
第11実施形態における遊技盤の正面図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の分解正面斜視図である。
可変入賞装置の分解背面斜視図である。
可変入賞装置の正面図である。
図130のCXXXI−CXXXI線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図132(a)の範囲CXXXIIbにおける可変入賞装置の部分正面拡大図である。
図132(a)のCXXXIII−CXXXIII線における可変入賞装置の断面図である。
可変入賞装置の上面図である。
可変入賞装置の上面図である。
可変入賞装置の上面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図137(a)の矢印CXXXVIIb方向視における可変入賞装置の上面図である。
(a)は、図137(a)のCXXXVIIIa−CXXXVIIIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図137(a)のCXXXVIIIb−CXXXVIIIb線における可変入賞装置の断面図である。
可変入賞装置の正面図である。
(a)及び(b)は、入球前範囲において転動する球の移動軌跡を模式的に示す転動面、右上配置傾斜面及び左上配置傾斜面の正面模式図である。
可変入賞装置付近を示す遊技盤の部分正面拡大図である。
(a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、第1の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口及び第2特定入賞口の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、(b)は、第2の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口及び第2特定入賞口の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、(c)は、第3の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口及び第2特定入賞口の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図である。
第12実施形態における遊技盤の正面図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の分解正面斜視図である。
可変入賞装置の分解背面斜視図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図150(a)の矢印CLb方向視における可変入賞装置の上面図であり、(c)は、図150(b)の矢印CLc方向視における可変入賞装置の背面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図151(a)の矢印CLIb方向視における可変入賞装置の上面図であり、(c)は、図151(b)の矢印CLIc方向視における可変入賞装置の背面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図152(a)の矢印CLIIb方向視における可変入賞装置の上面図であり、(c)は、図152(b)の矢印CLIIc方向視における可変入賞装置の背面図である。
(a)は、図150(a)のCLIIIa−CLIIIa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図150(a)のCLIIIb−CLIIIb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図151(a)のCLIIIc−CLIIIc線における可変入賞装置の断面図であり、(d)は、図152(a)のCLIIId−CLIIId線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図151(a)のCLIVa−CLIVa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図151(a)のCLIVb−CLIVb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図151(a)のCLIVc−CLIVc線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図152(a)のCLVa−CLVa線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図152(a)のCLVb−CLVb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図152(a)のCLVc−CLVc線における可変入賞装置の断面図である。
(a)及び(b)は、第1入賞口、第2入賞口及び可変入賞装置の正面図である。
第12実施形態の第1制御例における可変入賞装置の性能の一例を模式的に示した模式図である。
第13実施形態における可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の上面図である。
第2回動部材及び伝達部材の正面斜視図である。
(a)及び(b)は、図158の矢印CLXIa方向視における第2回動部材及び伝達部材の右側側面図である。
(a)から(c)は、図158の範囲CLXIIaにおける入球前範囲の正面図である。
第14実施形態における遊技盤の正面図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の正面斜視図である。
可変入賞装置の分解正面斜視図である。
可変入賞装置の分解背面斜視図である。
可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の正面図である。
第15実施形態における可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の背面図である。
(a)及び(b)は、図173のCLXXIVa−CLXXIVa線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置の断面図である。
(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置の断面図である。
第16実施形態における遊技盤及び可変入賞装置の正面図である。
第17実施形態における可変入賞装置の上面図である。
(a)は、伝達回転体の正面図であり、(b)は、図179(a)の矢印CLXXIXb方向視における伝達回転体の側面図であり、(c)は、伝達回転体の円周面を展開した展開図であり、(d)は、伝達回転体の回転方向と第1案内板及び第2案内板の状態との関係を模式的に示す模式図である。
可変入賞装置の正面図である。
(a)は、第4の作動パターンにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化を示した図であり、(b)は、第5の作動パターンにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化を示した図である。
第19実施形態における可変入賞装置の正面図である。
(a)及び(b)は、図158の範囲CLXIIaに対応する範囲における第20実施形態における可変入賞装置の部分正面図であり、(c)は、図183(a)の矢印CLXXXIIIc方向視における可変入賞装置の部分上面図である。
第21実施形態における遊技盤の部分正面図である。
(a)は、第22実施形態における可変入賞装置の上面図であり、(b)は、図185(a)のCLXXXVb−CLXXXVb線における可変入賞装置の断面図であり、(c)は、図185(b)の矢印CLXXXVc方向視における可変入賞装置の部分側面図である。
第22実施形態における第3制御例における主制御装置のMPUにおけるROMの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、第1当たり乱数テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
(a)から(c)は、小当たり種別選択テーブルの内容を模式的に示した模式図である。
小当たりAにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化および小当たりBにおける第1案内板及び第2案内板の計時変化を示した図である。
第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。
(a)は、第8の作動パターンにおける特定入賞口の計時変化を示した図であり、(b)は、第9の作動パターンにおける特定入賞口の計時変化を示した図である。
メイン処理を示すフローチャートである。
(a)及び(b)は、第23実施形態における可変入賞装置の上面図である。
可変入賞装置の右面図である。
可変入賞装置の正面図である。
可変入賞装置の正面図である。
第1案内板の伝達孔、直動部材及び回転部材の上面図である。
(a)は、可変入賞装置の正面図であり、(b)は、図198(a)の矢印CXCVIIIb方向視における可変入賞装置の部分上面拡大図であり、(c)は、可変入賞装置の正面図であり、(d)は、図198(c)の矢印CXCVIIId方向視における可変入賞装置の部分上面拡大図である。
(a)は、第24実施形態における伝達回転体の円周面を展開した展開図であり、(b)は、第1演出区間B24760の部分展開図であり、(c)は、第2演出区間B24770の部分展開図である。
(a)及び(b)は、第25実施形態における電動役物の右側面図である。
(a)は、伝達部材を回転軸方向から視認した伝達部材の右側面図であり、(b)は、図201(a)の矢印CCIb方向視における伝達部材の正面図である。
(a)から(c)は、電動役物及び第2入賞口の正面図である。
第26実施形態における可変入賞装置の正面図である。
第27実施形態における可変入賞装置の正面図である。
第28実施形態における遊技盤の正面図である。
下側フレームの正面斜視図である。
下側フレームの背面斜視図である。
下側フレームの分解正面斜視図である。
下側フレームの分解背面斜視図である。
下側フレームの上面図である。
下側フレームの正面図である。
下側フレームの背面図である。
(a)は、図211の矢印CCXIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図211の矢印CCXIIIb方向視における下側フレームの側面図である。
図210のCCXIV−CCXIV線における下側フレームの断面図である。
図210のCCXIV−CCXIV線における下側フレームの断面図である。
図211のCCXVI−CCXVI線における下側フレームの断面図である。
(a)は、図214のCCXVIIa部における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図210のCCXVIIb−CCXVIIb線における下側フレームの部分拡大断面図である。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
第29実施形態における下側フレームの正面斜視図である。
下側フレームの背面斜視図である。
下側フレームの分解正面斜視図である。
下側フレームの分解背面斜視図である。
下側フレームの上面図である。
下側フレームの正面図である。
下側フレームの背面図である。
(a)は、図226の矢印CCXXVIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図226の矢印CCXXVIIIb方向視における下側フレームの側面図である。
図225のCCXXIX−CCXXIX線における下側フレームの断面図である。
図225のCCXXIX−CCXXIX線における下側フレームの断面図である。
図227のCCXXXI−CCXXXI線における下側フレームの部分拡大断面図である。
図227のCCXXXII−CCXXXII線における下側フレームの部分拡大断面図でる。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。
振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。
図235(b)のCCXXXVI−CCXXXVI線における下側フレームの部分拡大断面図である。
第30実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。
下側フレームの背面図である。
第30実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。
下側フレームの背面図である。
(a)は、第31実施形態における皿部材の上面図であり、(b)は、図241(a)のCCXLIb−CCXLIb線における皿部材の断面図であり、(c)は、図241(a)のCCXLIc−CCXLIc線における皿部材の断面図である。
(a)は、第32実施形態における下側フレームの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応し、(b)は、第33実施形態における下側フレームの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応する。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図97を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴(例えば、図5参照)に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
電動役物640aの開放状態と閉鎖状態との状態変化は、下端部に回転軸を備え、遊技領域側へ傾倒または起立する態様で回転変位する開閉板の開閉動作により生じる。電動役物640aが開放状態の時は、開閉板の上面を伝って球が第2入賞口640に案内され易く構成され、電動役物640aが閉鎖状態の時は、開閉板が遊技領域と第2入賞口640との間を塞ぐことで球が第2入賞口640に入球し難くなるように構成している。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分を通して視認可能な位置(ベース板60の窓部の後方)に、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、ベース板60には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、スルーゲート67の正面視右下側には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。なお、第2入賞口640の配置は、これに限られるものではない。例えば、第1入賞口64の正面視下方でも良いし、遊技領域の左右中央よりも左側でも良い。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10とは異なり、遊技盤13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機10では、「右打ち」では第1入賞口64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲート67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口64の右方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右方に限らず、例えば、第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側や、可変表示装置ユニット80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物640aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータMT1,MT2,MT3,MT4,MT5等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤13及び動作ユニット500の構造について説明する。図5は、遊技盤13及び動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図6は、遊技盤13及び動作ユニット500の分解背面斜視図である。なお、図5及び図6では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
遊技盤13は、上述のように、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、スルーゲート67、可変入賞装置65、ベース板60に開口される窓部60a(図90参照)に正面側から嵌合可能な形状で構成されるセンターフレーム86、遊技領域から排出された球が流下可能に構成される球流下ユニット150、第3図柄表示装置81の正面側へ向けて粒状部材320(図54参照)を発射可能に構成される発射演出ユニット300等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の表面と対向配置され固定される態様で内枠12に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から板状に形成されており、正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させ易いように構成される。これにより、ベース板60の形状や配置に関わらず、その背面側に配設される構造体を視認させ、各種演出に利用することができる。
例えば、ベース板60の背面側に球流下ユニット150を配設する場合であっても、ベース板60が透けて奥側が見えるので、球流下ユニット150を流下している球を視認させることができる。本実施形態では、球流下ユニット150が、視認される球により奏する効果を考慮して設計されているが、詳細は後述する。
なお、遊技者に対して見せたくない箇所がある場合には、光透過性の低い(又は光不透過の)シール部材を貼り付ける等して対処すれば良い。
センターフレーム86は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等によりベース板60に固定される。
発射演出ユニット300は、粒状部材320(図54参照)を受け入れ、粒状部材320が飛散可能な範囲を区画する区画部材310がセンターフレーム86の内側に配置されることで、粒状部材320をセンターフレーム86の内側へ向けて発射可能とされる。そのため、センターフレーム86の内側窓部を通して第3図柄表示装置81の表示を視認する遊技者に対して、第3図柄表示装置81の正面側で飛散する粒状部材320を効果的に視認させることができる。なお、発射演出ユニット300の詳細については後述する。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側上部に配設される拡大縮小ユニット600と、背面ケース510の内側左右部に左右対称で配設される変位回転ユニット800とを備える。
具体的には、拡大縮小ユニット600は、開口511aの上方位置において、変位回転ユニット800は、開口511aの左右位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図7から図11は、動作ユニット500の動作制御の一例を時系列で示す動作ユニット500の正面図である。なお、図7では、演出待機状態の拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が図示され、図8では、張出状態の拡大縮小ユニット600と、演出待機状態の変位回転ユニット800とが図示され、図9では、拡大状態の拡大縮小ユニット600と、演出待機状態の変位回転ユニット800とが図示される。
また、図10では、演出待機状態の拡大縮小ユニット600と、演出上端状態の変位回転ユニット800とが図示され、図11では、左側の変位回転ユニット800は演出上端状態とされ、右側の変位回転ユニット800は演出下端状態とされる。
図7から図11に図示されるように、拡大縮小ユニット600の変位軌跡と変位回転ユニット800の変位軌跡とは正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、変位回転ユニット800が演出上端状態(図10参照)の時に、拡大縮小ユニット600が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、変位回転ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、変位回転ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、拡大縮小ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、拡大縮小ユニット600と変位回転ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
図7から図9に示すように、拡大縮小ユニット600は、演出部材700が一箇所に集合配置された状態で下降変位可能に構成され、下降変位後に第3図柄表示装置81の表示領域の前方に配置された状態で演出部材700の構成部材が互いに離散して、正面視で視認される面積が大きくなるよう動作制御される(図9参照)。
その後、拡大縮小ユニット600は、演出部材700が再び集合し(図8参照)、一箇所に集合配置された状態で上昇変位し、図7に示す演出待機状態に復帰するよう制御される。
図10及び図11に示す状態変化は、拡大縮小ユニット600が演出待機状態の時に実行される。図7、図10及び図11に示すように、変位回転ユニット800は、横スライド部材840が演出待機状態から、上下方向成分のみでは無く、左右方向成分を有する方向で変位可能に構成される。
本実施形態では、後述の機構により設定される経路曲線S1に沿って横スライド部材840が変位する。経路曲線S1は、各中心点C1を中心とする円弧形状からなる共通円弧部S1aと、その共通円弧部S1aの下端から左右外側下方へ延びる進退経路部S1bとを備える。
図10では、左右一対の横スライド部材840が共通円弧部S1aの上端位置に配置されており、図11では、左側の横スライド部材840は共通円弧部S1aの上端位置に配置される一方、右側の横スライド部材840は共通円弧部S1aの下端位置よりも上側の位置に配置される。
そのため、図11に示す状態から、左側の横スライド部材840を下側へ変位させ、右側の横スライド部材840を上側へ変位させるよう制御すると、あたかも横スライド部材840が第3図柄表示装置81の中心寄りに配置される中心点C1を中心に回転変位しているかのように遊技者に視認させることができる。
即ち、横スライド部材840を第3図柄表示装置81の表示領域と同等の大きさの回転演出体の一部として視認させることができ、横スライド部材840を利用した演出の演出自由度を向上することができる。
図12(a)及び図12(b)は、図7のXIIa−XIIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図であり、図13(a)及び図13(b)は、図9のXIIIa−XIIIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図であり、図14は、図9のXIV−XIV線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。
なお、図7及び図9では遊技盤13は図示されていないが、図12から図14では、遊技盤13が動作ユニット500の正面側に組み付いた状態(図2参照)が図示される。
また、図12(a)及び図13(a)では、粒状部材320が下方に滞留した状態の一例が図示され、図12(b)及び図13(b)では、粒状部材320が発射され飛散した状態の一例が図示される。
拡大縮小ユニット600の演出部材700は、図12(a)及び図12(b)に示す演出待機状態では集合配置の中央部分が発射演出ユニット300の区画部材310よりも上側に配置され、区画部材310を通して第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を視認可能に構成される。
一方、図13(a)及び図13(b)に示す拡大状態では発射演出ユニット300の区画部材310の背後に演出部材700が近接配置され、演出部材700に目隠しされることで(図9参照)、第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が視認不能に遮蔽される。
拡大縮小ユニット600の変位軌跡と、区画部材310とは干渉しないので、拡大縮小ユニット600の配置に関わらず、区画部材310に粒状部材320を発射する動作演出を実行するように発射演出ユニット300を制御することが可能である。
図12(a)に示すように、粒状部材320は第3図柄表示装置81の表示領域の下縁よりも下側に配置されており、前方へ向かうほど上昇傾斜する経路で発射されることで、区画部材310の前壁部に打ち付けられ、区画部材310により形成される範囲で跳ね返りながら上昇する。
これにより、遊技者に対して、粒状部材320が、あたかも自分の側へ向かって来るかのように見せることができるので、粒状部材320を利用した演出に対する注目力を向上することができる。
また、このように構成することにより、粒状部材320を飛散させる範囲を遊技者側へ寄せることができると共に、第1入賞口64(図2参照)等、遊技領域に配設される構成部材の配置自由度が低くなることを避けることができる。
換言すれば、本実施形態の区画部材310へ向けて発射される粒状部材320の待機位置として、区画部材310の真下の位置や、前寄りの位置を採用することもできる。しかし、この場合、第1入賞口64の背面側のスペースに発射演出ユニット300が配設されるので、第1入賞口64に入球した球を流す案内経路の配設スペースを確保することが難しくなり、第1入賞口64の位置を移動させて対処することが必要となる虞がある。
これに対し、本実施形態では、区画部材310は最前面位置に配置し、粒状部材320の待機位置を斜め後方に配置することで、第1入賞口64の背面側のスペースを確保できるので、球の案内経路を問題なく配設することができ、第1入賞口64を自由に配置できないという事態が生じることを未然に防ぐことができる。
図12(a)に示す状態で、粒状部材320を発射する制御を行うと、図12(b)に示すように、区画部材310の内部で飛散する粒状部材320と第3図柄表示装置81の表示領域における表示とを合わせて遊技者に見せることができる。これにより、平面的な表示と、三次元的に変位する粒状部材320の動きとを組み合わせて遊技者に視認させることができる。
図13(a)に示す状態で、粒状部材320を発射する制御を行うと、図13(b)に示すように、区画部材310の内部における粒状部材320の飛散と、拡大縮小ユニット600の状態変化とを合わせて遊技者に見せることができる。この場合、例えば、粒状部材320の飛散のタイミングと、拡大縮小ユニット600の演出部材700が離散する態様で変位するタイミングとを合わせることで、状態変化する拡大縮小ユニット600の正面側で粒状部材320が飛び散る様子を視認させることができ、拡大縮小ユニット600の状態変化の迫力を強化することができる。
ここで、拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて演出する方法として、第3図柄表示装置81の表示を拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて切り替える方法も考えられる。
しかし、本実施形態のように、第3図柄表示装置81が拡大縮小ユニット600の背面側に配置され、拡大縮小ユニット600により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が遮蔽される状況では、第3図柄表示装置81の表示を切り替えたとしても、その表示を見せ難く、効果的に演出することは困難であると考えられる。
これに対し、本実施形態では、拡大縮小ユニット600の状態変化と合わせて動作演出する粒状部材320が飛散する範囲を形成する区画部材310の位置を、拡大縮小ユニット600の正面側に設けているので、拡大縮小ユニット600が第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を遮蔽する状況においても、粒状部材320を遊技者に見せ難いということは無い。
更に、粒状部材320を小形の部材で構成することにより、粒状部材320を大形の部材で構成する場合に比較して、拡大縮小ユニット600が、かえって見え難くなることを防止することができる。
従って、拡大縮小ユニット600により第3図柄表示装置81の表示領域の大部分が遮蔽されている状態においても、拡大縮小ユニット600の演出効果を向上させることができる。
また、粒状部材320の飛散を、拡大縮小ユニット600と組み合わせて視認させる演出は、そのまま粒状部材320の飛散を変位回転ユニット800と組み合わせて視認させる演出に利用できる。
即ち、変位回転ユニット800は、拡大縮小ユニット600と同様に、横スライド部材840が第3図柄表示装置81の表示領域から退避して配置される状態(演出待機状態、図7参照)と、横スライド部材840が第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に配置される状態(演出下端状態、演出上端状態、図10及び図11参照)とで状態変化できるので、その状態に対応して、飛散する粒状部材320と第3図柄表示装置81の表示とを組み合わせて視認させる演出と、飛散する粒状部材320と変位回転ユニット800の横スライド部材840とを組み合わせて視認させる演出とを実行することができる。
この場合、拡大縮小ユニット600では、演出部材700を離散させる態様の変位に合わせて粒状部材320を飛散させることで効果的に演出することができると説明したが、変位回転ユニット800では、回転可能に配設される羽状部材854の回転に合わせて粒状部材320を飛散させることで、羽状部材854の回転により空気の流れが生じている(空気の流れが生じるほどに羽状部材854が高速回転している)かのように視認させることができ、変位回転ユニット800の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、粒状部材320の飛散を、第3図柄表示装置81の表示領域と組み合わせて視認させる演出と、拡大縮小ユニット600又は変位回転ユニット800と組み合わせて視認させる演出とに兼用することができる。
図14に示すように、発射演出ユニット300の一部であって変位回転ユニット800の横スライド部材840の真上に配置される第1光照射装置330の後端ラインBL1は、図14に示す断面上における変位回転ユニット800の前端ラインFL1よりも背面側に配置される。そのため、変位回転ユニット800の横スライド部材840の変位軌跡によっては(例えば、図14に示す状態から横スライド部材840が真上への変位を継続すると)、第1光照射装置330と変位回転ユニット800とが衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、進退経路部S1bを発射演出ユニット300と変位回転ユニット800との衝突を回避可能な経路として設定している。即ち、発射演出ユニット300の射出装置400と第1光照射装置330との間に斜め方向で設けられる隙間を通る経路として進退経路部S1bを設定することで、後端ラインBL1及び前端ラインFL1の設定自由度を向上することができると共に、後端ラインBL1を設定する第1光照射装置330を超えて上昇変位可能に構成されており、変位回転ユニット800の変位幅を大きく確保することができる。
図13に示すように、演出部材700の変位時、演出部材700と区画部材310とは前後方向で近接配置される。遊技可能状態においては、演出部材700と区画部材310との間で間隔を確保できる程度に配置しているが、搬送時においてまで演出部材700と区画部材310との間に間隔を確保することまで考慮しているものでは無い。そのため、搬送時においては、演出部材700を変位範囲の上側終端位置に維持し、区画部材310と演出部材700とが近接配置されないように規制することが望ましい。
図6に戻って説明する。動作ユニット500は、背面ケース510に締結固定される変位規制装置180を備える。変位規制装置180は、背面ケース510の背面からの手動操作で状態変化可能に構成されており、規制状態において、拡大縮小ユニット600が演出待機状態から下降変位することを規制する。
変位規制装置180を採用することにより、本実施形態のように、ベース板60の中央の開口が閉塞される場合であっても、パチンコ機10の出荷や搬送を容易とすることができる。
詳述すると、従来、可動役物が変位する範囲に緩衝材(わた等のクッション部材)を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段により、出荷時や搬送時に可動役物が変位することを防止する場合があった。しかし、ベース板60の中央の開口部が本実施形態のように閉塞されていると(図12(a)参照)、緩衝材を抜き取るための貫通箇所が無いため、遊技盤13と背面ケース510とを分解しないと緩衝材を抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
この対策として、本実施形態では変位形成装置180を採用している。これにより、遊技盤13及び背面ケース510の固定を解除することなく、拡大縮小ユニット600の昇降変位を規制する規制状態と、その規制が解除される規制解除状態とで変位規制装置180の状態を切り替えることができる。以下、まず変位形成装置180の構成の詳細を説明し、その後で状態変化の詳細について説明する。
図15(a)は、変位規制装置180の背面斜視図であり、図15(b)は、変位規制装置180の正面斜視図であり、図15(c)は、変位規制装置180の正面斜視図である。
なお、図15(a)及び図15(b)では、規制解除状態の変位規制装置180が図示され、図15(c)では、規制状態の変位規制装置180が図示される。図15(a)から図15(c)で示すように、変位規制装置180は、当接部材181から円筒部183dが出没することにより、規制状態と規制解除状態とが切り替えられる。変位規制装置180の規制状態において、円筒部183dは、背面ケース510の内側まで張り出し、拡大縮小ユニット600の被規制孔657と係合可能に構成されるが、詳細は後述する。
図16は、変位規制装置180の分解背面斜視図であり、図17は、変位規制装置180の分解正面斜視図であり、図18(a)は、当接部材181の背面図であり、図18(b)は、案内部材182の正面図であり、図18(c)は、操作部材183の正面図である。
図16から図18に示すように、変位規制装置180は、背面ケース510(図6参照)に当接配置される当接部材181と、その当接部材181の背面側に配置され当接部材181に締結固定されると共に操作部材183を前後方向に案内する案内部材182と、その案内部材182に変位を案内される操作部材183と、その操作部材183と当接部材181との間に配設され操作部材181に背面側へ向く付勢力を付与可能に構成されるコイルスプリング184とを主に備える。
操作部材183が背面視で左右に長尺の略楕円形状から形成されることに伴い、操作部材183を収容する当接部材181や案内部材182も背面視で左右に長尺の略楕円形状から形成されるので、変位規制装置180の外観形状は、背面視で左右に長尺の略楕円形状となる。
当接部材181は、背面ケース510との接触面積を大きくすることで保持力を高めるよう主に板状で設計されており、その板端から背面側へ向けて案内部材182を保持するための壁部が延設されており、左右端部において穿設され背面ケース510から突出する締結部が挿通される挿通孔181aと、コイルスプリング184を隙間に配置可能な形状の二重筒状で背面側へ突設される筒状保持部181bと、操作部材183との関係で周知のラッチ機構を構成し操作部材183と係合可能に構成される被係合部181cとを備える。
案内部材182は、当接部材181の外周に沿う楕円の環状で前後方向に延設される本体部182aと、挿通孔181aに挿通される締結部に螺入される締結ネジが挿通されるネジ挿通部182bと、当接部材181に挿通される締結ネジが螺入される締結部182cと、本体部182aの背面側端部において径方向内側に張り出す抜け止め部182dと、本体部182aの上下内側部において前後方向に亘って径方向内側に突設される突条182eとを備える。
本構成から、当接部材181と案内部材182とを締結固定することで、当接部材181と案内部材182との間に操作部材183を配置し、脱落不能に保持することができるが、本実施形態では、その締結方向の設定により、当接部材181と案内部材182とを分解可能な状況を限定している。
換言すれば、本実施形態では、当接部材181と案内部材182とを締結固定するための締結ネジを、当接部材182の正面側(背面ケース510により覆われる側)から挿通させる構成としているので、背面ケース510に変位規制装置180が組み付けられている状態では、締結ネジに触れることができない。従って、変位規制装置180を背面ケース510から取り外した状態でのみ当接部材181と案内部材182とを分解することができる。
なお、変位規制装置180を背面ケース510に締結固定するための締結ネジは、案内部材182の背面側からネジ挿通部182bに挿通されているので、背面ケース510の背面側が露出する状態(図19参照)において容易に触れることができ、変位規制装置180を背面ケース510から取り外すことを容易とすることができる。
操作部材183は、案内部材182の抜け止め部182dよりも若干小さな楕円形で背面視外形が形成され正面側が開放されるカップ状に形成される本体部183aと、その本体部183aの前縁部から径方向外方へ張り出すフランジ部183bと、そのフランジ部183bに凹設される溝部183cと、本体部183aの底部中央から正面側へ円筒状に突設される円筒部183dと、その円筒部183dを中心としてコイルスプリング184の外径よりも大径の円弧形状で正面側に突設される円弧形状突条部183eと、当接部材181の被係合部181cに係合可能な位置に突設され、被係合部181cとの関係で周知のラッチ機構を構成可能とされる係合部183fとを備える。
操作部材183の板背面には、楕円形状のシールが貼り付けられている。このシールは、短手方向の端部の一方に凹形状が形成されており(図15(a)参照)、この凹形状を上向きに配置することで、組み付け時における上下姿勢間違いを容易に防止することができる。
本体部183aを楕円形とすることにより、操作部材183が回転変位することを容易に防止することができる。即ち、操作部材183が回転変位しそうになっても、案内部材182の本体部182aと当接することで回転が規制される。
フランジ部183bは、案内部材182の抜け止め部182dよりも背面視で大きく形成されており、これにより操作部材183が案内部材182から抜け落ちることを防止することができる。即ち、操作部材183は、フランジ部183bが当接部材181と案内部材182との間に保持された状態において前後方向に変位可能とされる。
溝部183cは、案内部材182の突条182eと対応する位置に形成されており、操作部材183の前後変位を滑らかに行わせる役割がある。なお、本実施形態では、突条182eが上側に2箇所、下側に1箇所で形成されていることに伴い、溝部183cも上側に2箇所、下側に1箇所で形成される。これにより、操作部材183の上下を間違えて行う誤組立を防止することができる。
円筒部183dは、コイルスプリング184の巻き中心に挿通される部分であって、当接部材181の筒状保持部181bの中央開口に挿通可能に構成される。円筒部183dが当接部材181の中央開口から張り出した状態では、後述するように、円筒部183dは拡大縮小ユニット600の被規制孔657と係合し、演出部材700の昇降変位を規制する。
即ち、本実施形態では、円筒部183dを、拡大縮小ユニット600の演出部材700の昇降変位を規制する部分と、コイルスプリング184を支持する部分とで兼用することができる。
円弧形状突条部183eは、コイルスプリング184の外径側と対向配置可能に配設され、当接部材181の筒状保持部181bの大径側筒状部と前後方向で対向配置される。操作部材183が押し込み操作される際には、他の部分に先行して円弧形状突条部183eと筒状保持部181bとが当接するので、負荷発生面積を増やすことができ、局所的に大負荷が生じることを防止することができる。
円弧形状突条部183eは、円状では無く、円が途切れた円弧状に形成され、その途切れた位置において係合部183fが配設される。これにより、係合部183fと、円筒部183d及びコイルスプリング184とが離れすぎることを回避することができる。
操作部材183の状態変化について説明する。操作部材183には、コイルスプリング184により背面側へ付勢されているところ、この付勢力に抗して操作部材183を正面側へ押し込むと、係合部183fと被係合部181cとで構成されるラッチ機構が作用し、ラッチ機構が作用する最小ストローク以上で押し込む度に、上述した規制状態と、規制解除状態とで交互に切り替えられる。
このように、ラッチ機構により状態変化可能に構成されているので、操作部材183が意図的に操作された場合に限らず、パチンコ機10に大きな外力が与えられることで操作部材183が上述の最小ストローク分だけ変位してしまうと、意図せず変位規制装置180が状態変化する虞がある。
例えば、変位規制装置180の規制状態において、出荷時の衝撃や、搬送時の振動で、意図せずに変位規制装置180に状態変化が生じると、拡大縮小ユニット600が演出待機状態(演出部材700が上側変位終端に配置される状態)から変位する可能性がある。演出待機状態から変位した演出部材700が区画部材310に近接配置された状態(図13参照)で、出荷時の衝撃や搬送時の振動を受けると、演出部材700が発射演出ユニット300の区画部材310に衝突する虞があり、演出部材700や区画部材310が破損する虞がある。
これに対し、本実施形態では、操作部材183に対して付勢力が加えられる位置(中央位置)から離れた位置(右側に偏心した位置)に係合部183fが配置されていると共に、操作部材183の溝部183cと案内部材182の突条182eとの隙間寸法が大きく設定され、操作部材183の姿勢維持能力を敢えて下げて構成される。
これにより、案内部材182に対する操作部材183の姿勢を予め傾斜させておくことができることから、操作部材183の変位抵抗を増加させておくことができる。従って、意図しない外力により操作部材183が前後方向に変位する変位量を抑制することができる。
変位規制装置180の動作ユニット500との関係について説明する。図19は、正面枠14を開放した状態におけるパチンコ機10の正面斜視図であり、図20は、遊技盤13及び動作ユニット500の背面図であり、図21(a)及び図21(b)は、図20のXXIa−XXIa線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。
なお、図21(a)では、変位規制装置180の規制状態が図示され、図21(b)では、変位規制装置180の規制解除状態が図示される。
図19に示すように、変位規制装置180は、内枠12の開閉基端側(左側)に配置されており、裏パック92を内枠12に対して開放することにより作業者が手を延ばせば触れられるよう構成される。この位置は、内枠12を開放して作業を行う作業者が進入する側(開閉先端側、右側)の反対側であるので、内枠12の開放時に、作業者が意図せず変位規制装置180に触れることを回避することができる。
図21(a)及び図21(b)に示すように、上述のラッチ機構を構成する係合部183f及び被係合部181cは、変位規制装置180の右側部に形成されている。操作部材183は緩い支持とされているので、操作部材183を押しこむ負荷の全てが操作部材183の前後移動に使用されるものでは無く、操作部材183の姿勢変化にも使用される。
例えば、操作部材183の右側を押し込んだ場合に、右側部は十分に前後移動するとしても、操作部材183が姿勢変化して、左側部が十分に押し込まれないという事態が十分生じ得る。
そのため、変位規制装置180を押し込んで状態の切り替えを行う目的からすれば、作業者は、ラッチ機構の形成部をピンポイントで押し込む方が、変位規制装置180に必要な変位を生じさせ易く、変位規制装置180の状態切り替えに成功し易いといえる。
本実施形態では、上述のように、ラッチ機構を構成する係合部183f及び被係合部181cは、変位規制装置180の右側部に形成されており、作業者は右側から進入して変位規制装置180を操作するので、作業者は最小限の動作で変位規制装置180に到達することができる。従って、作業者は、ラッチ機構の形成部をピンポイントで押し込む操作を容易に実行することができる。
また、操作部材183を押し込む際の姿勢変化は、押し込まれる側へ押圧面(円筒部183dの基端側に形成される面)を向ける態様で生じる。従って、押し込み量が大きくなるにしたがって、作業者の押し込み負荷が操作部材183に伝達され易く構成することができる。
図21(a)に示す規制状態では、操作部材183の円筒部183dが、伝達ギア650の被規制孔657に挿通され、伝達ギア650の変位を規制している。これにより、拡大縮小ユニット600の状態が変化することを防止することができる。
伝達ギア650の変位方向(前後方向軸を中心とした回転方向)と、操作部材183の変位方向(前後方向)とは直交しているので、伝達ギア650から操作部材183が変位方向の負荷を受けることを防止することができる。これにより、ラッチ機構の形成部を強固な構成とせずとも、伝達ギア650の変位を有効に規制することができる。
このように、変位規制装置180を規制状態とすることで、拡大縮小ユニット600の状態を維持することができることから、変位規制装置180の用途は、搬送時に限られるものでは無い。例えば、遊技機店に設置後、メンテナンス時において、変位規制装置180を規制状態として拡大縮小ユニット600の状態を維持することで、後述する変位回転ユニット800のメンテナンスを安全簡易に行うことができる。
即ち、本実施形態のように、拡大縮小ユニット600の変位軌跡と、変位回転ユニット800の変位軌跡とが部分的に重なる場合において、変位回転ユニット800のメンテナンス作業中に拡大縮小ユニット600の駆動モータMT2を誤動作させてしまったとしても、変位規制装置180により拡大縮小ユニット600の状態(配置)を維持することができるので、拡大縮小ユニット600と変位回転ユニット800とが衝突することを防止することができる。
パチンコ機10に電源が投入される前において、変位規制装置180が規制状態である場合には、変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作することで、変位規制装置180が規制解除状態に切り替えられる(図21(b)参照)。これにより、伝達ギア650は変位可能となり、拡大縮小ユニット600に状態変化を伴う演出動作を実行させることができる。
ここで、電源投入前に、正面枠14及び内枠12を外枠11に対してわずかに開放し、開放先端側(右側)から覗き込むことで、変位規制装置180が規制解除状態となっているかを確認可能に構成されることについて説明する。
図21(a)に示すように、変位規制装置180の規制状態では、操作部材183が背面ケース510の底壁部511の形状部よりも前側に配置されているので、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511の形状部に隠される。
一方、図21(b)に示すように、変位規制装置180の規制解除状態では、操作部材183が背面ケース510の底壁部511の形状部よりも背面側に張り出して配置されているので、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511からはみ出す位置に視認される。
従って、作業者は、電源投入前の確認作業として、正面枠14及び内枠12を外枠11に対して全開にしなくても、正面枠14及び内枠12を外枠11に対してわずかに開放し、右側から覗き込む方向視において、操作部材183が底壁部511からはみ出していることを視認することで、変位規制装置180が規制解除状態となっていることを確認することができる。
なお、本実施形態では、背面ケース510が無色透明の樹脂材料から形成され、操作部材183が赤色透明の樹脂材料から形成されているので、操作部材183の視認性を向上することができる。
ここで、変位規制装置180の規制状態において拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の被規制孔657に円筒部183dが挿通されたまま(図21(a)参照)、電源投入された場合について説明する。本実施形態では、変位規制装置180が規制状態のままパチンコ機10の電源が投入された場合、電源導入時動作において拡大縮小ユニット600が状態変化していないことが検出センサSC7(図52参照)の出力から判定され、この判定に伴う位置検出エラー表示が第3図柄表示装置81により表示される。
この位置検出エラー表示を遊技機店の店員に見せることで、変位規制装置180の状態を変化させていないかもしれないことに気付かせることができる。なお、このエラー表示は、拡大縮小ユニット600の状態変化の有無の検出により表示されるものであり、変位規制装置180の状態を検出したものでは無い。
即ち、本実施形態では、追加のエラー表示のためのプログラムや、表示素材を用意することなく、拡大縮小ユニット600に通常備えられる位置検出エラー表示を利用して変位規制装置180の状態に関する警報を出力することができる。これにより、設計コストの低減を図ることができる。
なお、本実施形態では、変位規制装置180の規制状態において拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の被規制孔657に円筒部183dが挿通されたまま(図21(a)参照)、電源を投入した場合に、電源投入中は操作部材183の押し込み操作を不能に構成され、一端電源をオフすることを要求されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電源投入中においても操作部材183の操作が可能に構成されても良い。
また、操作部材183の押し込み操作を不能にする構成は任意に設定可能である。例えば、伝達ギア650と操作部材183との間で生じる摩擦により押し込み操作を不能とする構成でも良いし、操作部材183の円筒部183dの基端側に大径部を設け、伝達ギア650の変位中においては、伝達ギア650の板背面と、円筒部183dの大径部とが前後で係合し、操作部材183の変位を制限するように構成しても良い。
異なるシチュエーションとして、遊技機店でのメンテナンス中に変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作する場合の一例について説明する。本実施形態では、操作部材183の押し込み操作は、拡大縮小ユニット600の被規制孔657が円筒部183dと前後で合致する場合においてのみ可能であるものではない。
例えば、メンテナンスの際に、拡大縮小ユニット600を張出状態(図8参照)としながら操作部材183を押し込み操作した場合でも、変位規制装置180は規制状態に状態変化する。この場合、拡大縮小ユニット600の伝達ギア650の変位軌跡上に円筒部183dが配置されることになるので、メンテナンス終了後に駆動力が生じ伝達ギア650が変位する場合に、その変位が円筒部183dに制限される。
本実施形態では、伝達ギア650の変位が制限されていることを判定可能に構成されており、この判定に基づきエラー表示(異常の報知)を行うことで、変位規制装置180が規制状態のままであることを遊技機店の店員に報知することができるが、詳細は後述する。
これにより、変位規制装置180の状態を検出する装置を別途設けなくても、拡大縮小ユニット600の状態を検出する装置を流用して変位規制装置180の状態を判定することができる。
なお、変位規制装置180の操作は、遊技盤13及び動作ユニット500を内枠12に組み付ける前でも、組み付けた後でも実行可能である。内枠12に組み付けた後においては、内枠12を開放するだけでなく、裏パック92を内枠12に対して開放する作業を要するので、可能であれば内枠12に組み付ける前に変位規制装置180の操作を行っておくことが好ましい。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。これら演出装置について、発射演出ユニット300から順に説明する。
図22は、遊技盤13及び発射演出ユニット300の分解正面斜視図であり、図23は、遊技盤13及び発射演出ユニット300の分解背面斜視図である。図22及び図23に示すように、発射演出ユニット300は組立状態において、区画部材310が導光板161に対向配置される。即ち、遊技者に対して、導光板161と区画部材310とを重ねて視認させる演出を実行することができる。
区画部材310は、無色で光透過性の樹脂材料から形成されているので内部で飛散する粒状部材320を遊技者に視認させることができ、センターフレーム86で囲まれる範囲を視認する遊技者に対して、導光板161と飛散する粒状部材320とを重ねて視認させる演出を実行することができる。
図24は、発射演出ユニット300の分解正面斜視図であり、図25は、発射演出ユニット300の分解背面斜視図である。図24及び図25では、区画部材310が分解して図示される。
図24及び図25に示すように、発射演出ユニット300は、センターフレーム86(図22及び図23参照)の内方に配置され下側が開放された箱形状を形成する区画部材310と、その区画部材310の内部を変位可能に配置される複数の粒状部材320と、その粒状部材320が区画部材310から脱落しないよう下側の開放部分を塞ぐ態様で配設される射出装置400と、区画部材310の右側に配設される第1光照射装置330と、区画部材310の左側に配設される第2光照射装置340と、を備える。
区画部材310は、光透過性の樹脂材料から形成され、最前面に配置される板状部である前面板部311と、その前面板部311の下方に一体的に形成される湾曲板部312と、前面板部311の背面側に前面板部311と平行な関係の底板部が対向配置され、その底板部の左右および上部から空隙を塞ぐように前面側へ延設される閉塞壁を有する背面区画部313と、その背面区画部313の下方に一体的に形成され、前面板部311と背面区画部313との間に構成される内部空間IE1(図12(a)参照)に連通する経路を湾曲板部312との間で構成可能とされる背面区画下部314と、その背面区画下部314に貫通形成される異形貫通部315と、を備える。
区画部材310の大きさは何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、センターフレーム86の内側において導光板161を囲む窓部の大きさと、区画部材310の正面視の大きさとが同程度となるように形成される。即ち、導光板161と前面板部311とが略同一形状となるように形成される。
これにより、導光板161の縁部を隠すための構成部材を、区画部材310の縁部を隠す用途で兼用することができる。区画部材310の縁部を隠すための専用の構成部材を不要とし、部材個数の削減を図りながら、区画部材310の縁部が第3図柄表示装置81による表示に重なって視認されることにより表示が分断される事態の発生を避けることができるので、第3図柄表示装置81による表示の視認性を維持することができる。
内部空間IE1は、粒状部材320が飛散可能な範囲としての役割を持つが、この空間が広すぎると、粒状部材320が散らばりすぎて、迫力のある演出のために粒状部材320の個数を非常に多くする必要が生じる。そのため、ある程度狭い空間として形成するほうが、少数の粒状部材320を密度高く視認させることで迫力のある演出を実行できる。
一方で、空間を狭くし過ぎると、粒状部材320の詰まりを生じる虞がある。これに対し、本実施形態では、内部空間IE1の前後幅は、湾曲板部312の左右中央部312bと背面区画下部314との間の前後幅と同程度で確保される。そのため、前後幅が短縮される場合に比較して、内部空間IE1における粒状部材320の詰まりや、射出時の急激な減速を回避することができる。
更に、湾曲板部312の左右部312aが左右中央部312bよりも背面区画下部314に近接配置されることから、左右中央部312b付近における粒状部材320の移動経路に比較して、左右部312b付近における粒状部材320の移動経路を狭くすることができる。
即ち、射出装置400により粒状部材320が内部空間IE1へ射出される場合に、粒状部材320の移動経路が左右中央部312b付近に集中するようにすることができ、粒状部材320が内部空間IE1の中央部付近に到達し易くすることができる。これにより、粒状部材320を遊技者に視認させ易くすることができる。
加えて、粒状部材320が内部空間IE1の中央部付近に到達した後は、粒状部材320は前面板部311と衝突し、内部空間IE1を飛散する。これにより、遊技者に対して、あたかも内部空間IE1の中央部付近から粒状部材320が爆発して四方八方に飛散しているかのように視認させることができるので、粒状部材320の動作演出の迫力を向上することができる。
湾曲板部312は、内部空間IE1に射出された粒状部材320が落下する際に、その粒状部材320を受け止める部分とし機能する。この観点で、湾曲板部312は、本実施形態では、背面側へ向かうほど下降傾斜し、左右中央へ向かうほど下降傾斜するように設計される。
これにより、粒状部材320が内部空間IE1のどこに配置されたかに関わらず、自重で下降変位する粒状部材320を左右中央側へ寄せつつ、背面側下方へ向けて変位させることができる。
更に、湾曲板部312の左右部312aにおける下降傾斜の度合いは、背面側へ向けた下降傾斜に比較して、左右中央側へ向けた下降傾斜の方が急激となるように構成されている。これにより、粒状部材320の下降変位の傾向として、背面側へ向かう変位に優先して左右中央側へ向かう変位を生じさせることができる。そのため、後述する射出装置400の構成から粒状部材320が密集し易い左右端位置において粒状部材320が一斉に背面側へ変位しようとして、粒状部材320が下降変位の途中で滞留する(詰まる)という事態の発生を回避することができる。
加えて、湾曲板部312の左右中央部312bにおける背面側へ向けた下降傾斜の度合いは、湾曲板部312の左右部312aにおける左右中央側へ向けた下降傾斜の度合いに比較して急激となるように構成されている。これにより、粒状部材320が流下途中で密集することを避け易くすることができる。
これに対し、背面区画下部314は、湾曲板部312の背面側に対向配置される板部が、湾曲板部312の左右中央部312bと側面視(図12(a)参照)で同程度(若干、正面側へ向かう程に左右中央部312bとの間隔が広くなる態様、即ち、水平方向に対する角度が大)の傾斜角度の平板状に形成される。
本実施形態では、背面区画下部314の上下方向に対する傾斜角度は、粒状部材320を射出する衝突部材420の変位方向の上下方向に対する傾斜角度と同等(若干、大きい角度)とされる。
そのため、左右に変化し得る粒状部材320の射出方向に寄らず、背面区画下部314に対する粒状部材320の入射角が同じになるので、背面区画下部314から粒状部材320に与えられる抵抗をほぼ均一とすることができる。
異形貫通部315は、蓋部材480を挿入可能な形状で形成されており、左右両端において上下に延びる短尺部と、その短尺部の上端同士を結ぶ態様で左右に湾曲して延びる長尺部とを備える。貫通方向は、背面区画下部314の板面に対し背面側から正面側へ向かうにつれて斜め上向きに傾斜して形成される(図12(a)参照)。これにより、異形貫通部315を構成する背面区画下部314の鋭角部分(図12(a)において、異形貫通部315の下側部分)は、粒状部材320の射出方向と対向配置されない。
これにより、粒状部材320の射出時に、粒状部材320が鋭角部分に衝突する可能性を低くすることができるので、粒状部材320や背面区画下部314に局所的な負荷が生じることを回避でき、粒状部材320や背面区画下部314に割れや欠けが生じることを防ぐことができる。
粒状部材320は、図24及び図25に拡大して図示されるように、比較的柔軟(少なくとも区画部材310を形成する樹脂材料よりも柔軟)な樹脂材料から略サッカーボール形状(12の正五角形と20の正六角形からなる32面体であり、準正多面体)に形成され、互いに平行な複数の直線に沿って非貫通で凹設される非貫通凹部321を備える。
この非貫通凹部321により、粒状部材320の軽量化を図ることができると共に、粒状部材320の重心を形状的な中心位置から偏らせることができる。即ち、非貫通凹部321が形成される直線方向において、非貫通凹部321が形成されていない側には肉部が残るので、非貫通凹部321が形成されていない側に重心を偏らせることができる。
これにより、粒状部材320の待機姿勢を調整することができる。即ち、粒状部材320の待機姿勢を、非貫通凹部321が上方を向く姿勢に調整することができる(図24参照)。
この場合、射出装置400からの負荷を、非貫通凹部321が形成されていない側の面(図25参照)で受けることができるので、粒状部材320の破損や欠けを回避し易くすることができる。更に、射出装置400から負荷を受けて射出される際の射出方向側に非貫通凹部321を向けることになるので、非貫通凹部321が形成される側の面を前面板部311に衝突させることができる。これにより、前面板部311との衝突時の負荷を粒状部材320の変形により吸収し易くすることができ、前面板部311を傷付ける可能性を低くすることができる。
第1光照射部330は、背面区画部313の背面側に締結固定される固定板部331と、その固定板部331の右側に締結固定される電飾基板332と、その電飾基板332の右側に配設され固定板部331に締結固定され固定板部331との間に電飾基板332を収容可能に形成される蓋部333と、を備える。
電飾基板332は、左右両面にLED等の光照射部332aが配設され、光照射部332aから左右方向へ光軸を有する光が照射される。固定板部331及び蓋部333は、光透過性の低い樹脂材料から形成され、光照射部332aに対応する位置に貫通孔331a,333aが穿設される。これにより、粒状に分割された光として視認させることができる。
電飾基板332から照射される光の内、右側へ照射される光は、スルーゲート67等(図2参照)が配設される遊技領域の右側経路(右打ち流路)を照らすことが一つの目的となる。左側へ照射される光については後述する。
固定板部331及び蓋部333は、光透過性の低い(又は光不透過の)樹脂材料から形成され、光照射部332aに対応する位置に貫通孔331a,333aが穿設される。これにより、光照射部332aから照射される光を、粒状に分割された光として視認させることができると共に、光照射部332aから離れた範囲において電飾基板332が固定板部331及び蓋部333により遮蔽され、視認されることを避けることができる。
第2光照射部340は、背面区画部313の背面側に締結固定される固定板部341と、その固定板部341の左側に締結固定される電飾基板342と、その電飾基板342の左側に配設され固定板部341に締結固定され固定板部341との間に電飾基板342を収容可能に形成される蓋部343と、を備える。
固定板部341は光透過性の低い(又は光不透過の)樹脂材料から形成される一方で、蓋部343は、無色で光透過性の樹脂材料から形成される。そのため、左方向から視認すると電飾基板342が見えてしまう構成であるが、本実施形態では、センターフレーム86(図2参照)の左側部が左方へ長く張り出して構成される。これにより、遊技者の視界を予め狭めることができ、正面視で電飾基板342の左側面が視認されることを避けることができる。
これにより、電飾基板342が視認されることは避けながら、透明な蓋部343を通して光を照射することができる。
電飾基板342は、左右両面にLED等の光照射部342aが配設される。左側面に配設される光照射部342aからは、前方向へ向く光軸を有する光が照射される。この光は、遊技領域の左側経路を照らさないようにしつつ、センターフレーム86の左側部を照らすことが一つの目的となる。
ここで、右側の電飾基板332の光照射部342aから照射される光を遊技領域に積極的に向ける構成と違う構成を採用しているのは、本パチンコ機10の遊技性(通常時は左打ちで遊技を行い、確変中、時短中および大当たり遊技中は右打ちで遊技を行うこと)を考慮したものである。これについて以下で説明する。
本パチンコ機10の遊技領域は、遊技領域の左側部における球の流下経路の自由度は高いので、通常時の遊技中には、好みの経路で球が流下するように球の発射強度を調整するという操作が遊技者により行われる。そのため、遊技領域の左側部における発光強度を高くし過ぎると、球の視認性が悪くなり、球の発射強度調整に支障をきたし、遊技者の不満の原因となる虞がある。
一方で、遊技領域の右側部へ球を発射する際、基本的には、遊技者は球を最大の発射強度で打ち出す。発射された球は、返しゴム69で勢いが抑えられ、その下流側での球の流下経路の選択自由度は著しく低くなり、専ら同様の経路を通るようになる。
詳述すると、本実施形態では、第2入賞口640よりも下流側において球が1個通る幅で単一の案内経路DL1(図2参照)が形成されており、第2入賞口640に入球しなかった球は全て案内経路DL1を通り、その下流側に配置される可変入賞装置65や一般入賞口63へ向かうことになる。
このように、球の発射強度を調整する必要性が乏しいことから、遊技領域の右側部(特に、案内経路DL1が形成される箇所)において球の視認性が悪くなったとしても遊技に支障をきたす可能性が低いので、この範囲においては発光強度の高い演出を実行可能となる。
このような事情から、本実施形態では、右側に配置される電飾基板332では、遊技領域に光を向けるように光照射部332aを配設する一方で、左側に配置される電飾基板342では、遊技領域に光を向けないように光照射部342aを配設するようにしている。これにより、遊技者の不満の発生を抑えながら、効果的な発光演出を実行することができる。
右側面に配設される光照射部342aからは、右方へ向く光軸を有する光が照射される。固定板部341には、光照射部342aに対応する位置に貫通孔341aが穿設される。これにより、光照射部342aから照射される光を、粒状に分割された光として視認させることができると共に、光照射部342aから離れた範囲において電飾基板342が固定板部341により遮蔽され、視認されることを避けることができる。なお、右側面に配設される光照射部342aにより照らされる対象については後述する。
図26(a)は、図25の矢印R方向視における第1光照射装置330の側面図であり、図26(b)は、図25の矢印L方向視における第2光照射装置340の側面図である。図26(a)及び図26(b)では、区画部材310の外形が想像線で図示される。
図26(a)に示すように、第1光照射装置330の左面側に配設される光照射部332aは、区画部材310を光軸が通過するLEDと、区画部材310の背面側を光軸が通過するLEDとを備える。
これにより、区画部材310の内部で粒状部材320に光を照射する演出だけでなく、区画部材310の背面側に配置される他の可動手段(拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800)に光を照射する演出を実行することができる。
図26(b)に示すように、第2光照射装置340の右面側に配設される光照射部342aは、区画部材310を光軸が通過するLEDは無く、区画部材310の背面側を光軸が通過するLEDのみにより構成される。
これにより、区画部材310の内部への発光強度を抑制しながら、区画部材310の背面側に配置される他の可動手段(拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800)へ向けた光の照射強度を向上させることができる。
第2照射装置340において、区画部材310の内部への発光強度を抑制することにより、通常状態での遊技の快適性を向上することができる。即ち、通常状態での遊技において、遊技者の視線は固定されるものではないが、主に遊技領域の左側や、第3図柄表示装置81の表示または第1入賞口64付近に向けられるので、遊技領域の中央から左側の範囲を見ていることが多い。
この場合において、第2照射装置340から区画部材310の内部へ光が照射されると、遊技領域と同程度に前寄りの位置で光ることから、遊技領域の左側を視認する遊技者にとっては逆光となり、遊技者にとって遊技領域の視認性が悪くなる虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2照射装置340の光照射部342aの配置を背面側に寄せ、遊技領域と光照射部342aとを離しているので、光照射部342aから照射される光が遊技領域の視認性に与える影響の度合いを弱めることができる。
このように、本実施形態によれば、第2照射装置340の光照射部342aから照射された光が遊技領域を光らせる度合いを下げながら、正面視におけるセンターフレーム86の内側を高強度に光らせる発光演出を実行することができる。従って、遊技領域の視認性を下げることなく、拡大縮小ユニット600や変位回転ユニット800(図5参照)を光らせる演出を実行することができる。
図27は、図2のXXVII−XXVII線における遊技盤13及び発射ユニット300の断面図である。即ち、図27では、遊技盤13及び発射ユニット300が図示され、動作ユニット500の図示は省略されている。また、第1光照射装置330や第2光照射装置340から照射される光の方向が模式的に矢印で図示される。
図27に示すように、第2光照射装置340は、導光板161へ光を照射する後述する縦置き基板ユニット167を避けて、縦置き基板ユニット167の左側かつ背面側に配置されている。これにより、導光板161に光照射部342aからの光が入射することを避けて発光演出を行うことができるので、光照射部342aから照射される光で行う光演出と、導光板161を光らせる演出とを切り分けることができる。
本実施形態のように導光板161を採用する場合、光の照射経路によっては、意図せず導光板161が発光してしまい、演出効果を下げる虞がある。特に、導光板161周辺(例えば、センターフレーム86の前側)に照射された光は導光板161を光らせやすいことから、発光強度を抑える必要性が生じる虞があり、演出自由度を下げる原因になっていた。
これに対し、本実施形態によれば、光照射部342aからの光が導光板161を避けて進行するよう構成されるので、光照射部342aからの光の照射強度の設定自由度を向上することができる。これにより、導光板161周辺の発光演出の自由度を向上することができる。
図24及び図25に戻って説明する。射出装置400は、区画部材310の下側に配設され、区画部材310の内部空間IE1(図12(a)参照)から下方へ流下した粒状部材320が乗る装置である。
図28、図29及び図30は、射出装置400の正面分解斜視図であり、図31、図32及び図33は、射出装置400の背面分解斜視図である。なお、図28及び図31には、射出装置400の構成が概要として図示され、図29及び図32には、正面側寄りに配置される射出装置400の一部の構成の詳細が図示され、図30及び図33には、背面側寄りに配置される射出装置400の一部の構成の詳細が図示される。また、図28から図33の説明においては、図24及び図25を適宜参照する。
図28から図33に示すように、射出装置400は、固定される部材として、区画部材310(図24参照)に締結固定される固定部材350と、その固定部材350の背面側において締結固定され固定部材350との間に他の可動部材を収容可能な空間を形成可能に構成される空間形成部材360と、その空間形成部材360の背面側において締結固定され後述する電気配線や伝達アーム部材470の前後方向の変位を制限する制限部材370と、固定部材350と空間形成部材360との間に配設され中央部に鍵穴形状の開口402が穿設される中間部材401と、を備える。
区画部材310への固定部材350の締結固定に利用される締結ネジは、区画部材310に正面側から挿通される。そのため、区画部材310から固定部材350を取り外す場合には、この締結ネジをドライバーで緩めて取り外す必要があるが、遊技盤13と発射ユニット300とが組み付いた状態(図12(a)参照)では、固定部材350の正面側にベース板60が配置されており、締結ネジにドライバーを差しこむことができないように構成される。
そのため、区画部材310から固定部材350を取り外す前準備として、発射ユニット300を遊技盤13から取り外す作業を行わせることができる。これにより、発射ユニット300が遊技盤13に組み付いた状態で、誤って固定部材350を区画部材310から取り外してしまい粒状部材320が固定部材310から排出される事態が発生することを未然に防ぐことができる。
射出装置400は、中間部材401と固定部材350との間に変位可能に配置される部材として、中間部材401の前面側に固定される複数の金属棒MB1が挿通され直動変位可能に構成される直動部材410と、その直動部材410の上側に配置され、直動部材410の変位方向に沿って変位可能に支持されると共に上部にアーチ形状の衝突面を有する衝突部材420と、直動部材410の下側に配置され、直動部材410の変位方向で当接可能な状態と当接不能な状態とで状態変化可能に構成される当接部材430と、を備える。
射出装置400は、中間部材401と空間形成部材360との間に変位可能に配置される部材として、直動部材410及び当接部材430に負荷を伝達可能に形成され空間形成部材360に回転可能に軸支されると共に外周面にギア歯が形成される前側伝達部材440と、固定部材350に締結固定される駆動モータMT1の駆動軸に固定され前側伝達部材440のギア歯に歯合する駆動ギア450と、その駆動ギア450に対して前側伝達部材440のフランジ部444の反対側に配設され、回転伝達部材440に締結固定される後側伝達部材460と、を備える。
射出装置400は、空間形成部材360の背面側で変位可能に配置される部材として、前側伝達部材440の回転軸と平行な回転軸で回転変位可能に軸支され、後側伝達部材460からの作用で変位可能に構成される伝達アーム部材470と、左右方向を向く直線を回転軸として回転変位可能に軸支され、伝達アーム部材470から受ける負荷により変位する蓋部材480と、を備える。
上述の構成を備える射出装置400の、設計思想について説明する。射出装置400では、固定の中間部材401と空間形成部材360とによって、空間形成部材360から突設される軸部362の突設方向に沿って、構成部材の配置範囲が3つに区切られる。このように区切られた配置範囲の内、駆動モータMT1の駆動力で回転する駆動ギア450が配置される中間の範囲に駆動モータMT1の駆動力が生じ、その駆動力が前側の範囲および後側の範囲にそれぞれ伝達されることで、前側の範囲および後側の範囲で各構成部材の変位が生じる。
このような設計思想から、中間部材401及び空間形成部材360には、それぞれ駆動力伝達用の開口部が穿設される。即ち、中間部401は、鍵穴形状で穿設される開口402を備え、空間形成部材360は、レモン形状(略楕円形状)で穿設される開口361を備える。
駆動力の伝達は、中間部401の前側の範囲、空間形成部材360の後側の範囲でそれぞれ完結するので、以下、前側の範囲、後側の範囲の順で構成の詳細を説明し、その後、中間の範囲の構成の詳細を説明し、動作態様について説明する。
まず、前側の範囲に着目して説明する。図29及び図32図示されるように、中間部材401は、上述の開口402と、上端部から正面側へ円柱状に突設される複数の円柱状突部403と、その円柱状突部403に上端部が支持される複数のコイルスプリングSP1と、複数の金属棒MB1を固定可能に左右対称位置で配置される複数の棒固定部404と、下端部付近において正面側へ円柱状に突設される支持柱部405と、を備えており、コイルスプリングSP1の下端部が直動部材410の下端部に形成される複数の爪部411のそれぞれ引っかけられている。
コイルスプリングSP1の自然長は、直動部材410が上端位置に配置された状態において、円柱状突部403と爪部411との間の距離よりも短くなるように形成される。従って、直動部材410は、コイルスプリングSP1により常時付勢されることになり、中間の範囲からの駆動力伝達前において、直動部材410は付勢力により上端位置に配置される。コイルスプリングSP1は、直動部材410の斜め下側に配置されているが、これには、粒状部材320の溜まり易い側にコイルスプリングSP1の付勢力を集中させる狙いもある。
直動部材410は、上述の爪部411と、金属棒MB1を挿通可能に形成される複数の挿通部412と、左右中央における上端部から台形形状に突設される台形突設部413と、背面側において上下幅方向略中央位置で左右方向に延びる直線状の突条部414と、その突条部414の下側において突条部414よりも短い突条として形成される下側突条部415と、左右中央における下端部から正面側へ向けて突設される変位規制部416と、を備える。
台形突設部413は、直動部材410が上端位置に配置された状態で衝突部材420と当接可能に形成される。換言すると、直動部材410は、台形突設部413のみが衝突部材420と当接可能とされ、台形突設部413を除く部分は、衝突部材420とは非当接となるように形成される。
突条部414及び下側突条部415は、負荷伝達の際に他の構成部材から負荷を受ける部分であるが、詳細は後述する。
変位規制部416は、固定部材350の緩衝部材352と変位方向で当接する部分であり、この当接により直動部材410の変位が規制される(上昇側変位終端が設定される)。
衝突部材420は、アーチ形状の衝突面を形成する湾曲板部421と、その湾曲板部421の背面側端部から直動部材410の変位する平面に対して平行に延設される平板状の板部422と、その板部422の延設方向に沿って延びる長孔形状で穿設される複数の案内孔423と、板部422の左右中央部下端において台形突設部413の変位方向で対向配置される位置に固定され、台形突設部413と当接可能に配置される緩衝部材424と、を備える。
案内孔423には、円柱状突部403が挿通される。即ち、円柱状突部403は、コイルスプリングSP1の上端部を支持する部分と、衝突部材420の変位を案内する部分とに兼用される。
緩衝部材424は、耐久性が高く、柔軟性の高い樹脂材料から外形正方形の小片として形成される。特に限定されるものでは無いが、例えば、ナイロン樹脂や、ウレタン樹脂等を利用することができる。この場合、緩衝部材424と直動部材410の台形突設部413とが当接した場合の負荷や衝撃を樹脂材料の特性により和らげることができ、台形突設部413の破損や欠けの発生を抑制することができる。
当接部材430は、略三角形の長尺板状に形成され、その長尺板の一端において支持柱部405を挿通可能な円形開口として穿設される支持孔431と、長尺板の他端において背面側へ断面円形で突設される突設部432と、支持孔431と突設部432との間の位置において断面鉤状で正面側へ突設される鉤状突部433と、を備える。
支持孔431は、支持柱部405が挿通される開口部であり、これにより、当接部材430は支持柱部405に回転変位可能に軸支される。
突設部432及び鉤状突部433は、負荷伝達の際に他の構成部材から負荷を受ける部分であるが、詳細は後述する。
固定部材350は、上述の駆動モータMT1が配設固定されるモータ固定部351と、変位規制部416と当接可能に配置される緩衝部材352と、円形状突部403の先端を受け入れ可能な凹部として形成され、その内側の貫通孔に正面側から挿通された締結ネジを円形状突部403に形成される雌ネジに螺入し締結固定可能に構成される複数の締結用凹部353と、正面側および左右の三方向からすぼまる態様の傾斜面から構成され粒状部材320(図24参照)の変位を案内する案内部354と、を備える。
緩衝部材352は、耐久性が高く、柔軟性の高い樹脂材料から外形正方形の小片として形成される。特に限定されるものでは無いが、例えば、ナイロン樹脂や、ウレタン樹脂等を利用することができる。この場合、緩衝部材352と直動部材410の変位規制部416とが当接した場合の負荷や衝撃を樹脂材料の特性により和らげることができ、変位規制部416の破損や欠けの発生を抑制することができる。
このように、本実施形態では、直動部材410が付勢方向の変位終端で当接する複数箇所に緩衝部材352,424が配設されている。これにより、後述するように、直動部材410がコイルスプリングSP1の付勢力により高速で上昇変位し、急停止するような変位態様であっても、急停止の際に直動部材410が受ける負荷を緩衝部材352,424の変形で吸収することができると共に、その負荷を複数箇所に分散させることができる。
締結用凹部353を介して、円柱状突部403と固定部材350とが連結され、この連結を解除するには、連結用凹部353に挿通される締結ネジを回して取り外す必要がある。一方で、この締結ネジは固定部材350の正面側から挿通されているので、遊技盤13と発射演出ユニット300とが組み付けられている状態(図12参照)では、締結ネジにドライバーを差すことができないように構成される。
これにより、遊技盤13と発射演出ユニット300とが組み付けられている状態で、誤って締結ネジが緩められ、固定部材350と中間部材401との締結が緩む事態が発生することを未然に防ぐことができる。
次に、後側の範囲に着目して説明する。図30及び図33に図示されるように、空間形成部材360は、上述の開口361と、背面板部の略中央位置から正面側へ向けて円柱状に突設される軸部362と、背面板部の上端位置左右端部において正面側へ延設される板状部の上面に傾斜面として形成される左右一対の案内傾斜面363と、それら案内傾斜面363の左右内側の下方に配設され背面板部から正面側に突設される左右一対の突設支持部364と、左右両端部において円筒状に形成され同一線上に配置され蓋部材480を軸支可能な大きさで形成される複数の支持柱部365と、左側の支持柱部364に巻きつけられ蓋部材480を退避させる側へ付勢力を発生させるトーションスプリングSP2と、開口361の左上部において背面側に円柱状に突設される円柱状突部366と、を備える。
軸部362は、後述するように前側伝達部材440及び後側伝達部材460を回転可能に軸支する部分である。これに合わせて、軸部362を中心とした円弧形状の内面を有する壁部が、空間形成部材360の背面板部から正面側へ延設されている。この壁部によって、内部の前側伝達部材440及び後側伝達部材460をカバーすることができる。
案内傾斜面363は、左右内側面の傾斜が案内部354(図32参照)の左右内ぐぁ面と面一となるように構成され、流下する粒状部材320を衝突部材420側(左右中央側)へ向けて案内可能に形成される。
突設支持部364は、突設先端が中間部材401の背面と当接し、上面が中間部材401と面一となるように形成される。この面一の上面で、衝突部材420が下端位置に配置された状態において湾曲板部421の左右端を下支えする。
支持柱部365は、左右で形状が異なる。即ち、右側では、左右外側へ向けて突設される小径筒状に形成され、左側では、左カバー部材489の筒状部を受け入れ可能な内径を備える筒状に形成される。
円柱状突部366は、伝達アーム470に挿通されることで伝達アーム470を回転可能に軸支する部分である。円柱状突部366の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが固定されることで、伝達アーム470が脱落不能に支持される。
伝達アーム部材470は、外観略への字状に形成される長尺部材であって、円柱状突部366の外径よりも若干大きな直径で穿設され円柱状突部366が挿通される支持孔471と、長尺方向の一端から正面側へ向けて支持孔471の軸方向と平行に突設される円柱状突部472と、長尺方向の他端から支持孔471の軸と直交する平面に沿って円柱状に突設される伝達突部473と、を備える。
円柱状突部472は、空間形成部材360の開口361を通り正面側へ張り出し、後側伝達部材460と係合可能に形成される。本実施形態では、後側伝達部材460の姿勢変化に伴い、円柱状突部472の配置が変化して、伝達アーム部材470の姿勢が変化するように構成されるが、詳細は後述する。
円柱状突部472の背面側には、制限部材370が配設される。即ち、制限部材370は、空間形成部材360の背面側に締結固定される板状部材であって、円柱状突部472の移動経路を背面側から覆う覆設板部371と、電気配線を押さえる又は束ねる目的で爪状に形成される複数の押さえ爪部372と、を備える。
覆設板部371は、伝達アーム部材470の背面側に近接配置され、円柱状突部472の背面側(伝達アーム部材470の回転軸方向背面側)への変位を規制する。これにより、円柱状突部472が後側伝達部材460から離れることを防止することができるので、円柱状突部472と後側伝達部材460との係合が解除されることを防止することができる。
押さえ爪部372は、駆動モータMT1や検出センサSC4に接続される電気配線を空間形成部材360の背面側板との間で仮留めする部分である。これにより、電気配線の配置揺れ(例えば、振動等で電気配線の配置が変化すること)が生じることを防ぐことができ、他の構成部材の進入経路を確保できるので、上述のように、射出装置400に近接する位置を含む経路で変位回転ユニット800の横スライド部材840及び羽状部材854(図10及び図12参照)を変位させるよう構成することができる。
伝達突部473は、蓋部材480に挿通され、蓋部材480へ駆動力を伝達するための部分である。
蓋部材480は、区画部材310の異形貫通部315(図12(a)参照)を通して、区画部材310の内外へ進退変位可能に構成される部材であって、湾曲板状に形成される進退部481と、その進退部481の左右両端部から同方向に延設される複数の延設板部485と、その延設板部485の延設端部において支持柱部365と同軸に受け入れられる複数の受入部486と、左側の延設板部485において湾曲した長孔形状で穿設され伝達アーム部材470の伝達突部473が挿通される伝達孔487と、右側の受入部486を囲む筒状部を有する円板状に形成され、受入部486を囲んだ状態で、支持柱部365の先端に形成される雌ネジに締結される締結ネジを挿通可能な挿通孔を有し、その締結ネジにより抜け止めされる右カバー部材488と、左側の受入部486に挿通される筒状部と、伝達孔487に連続的に連なる長孔形状部とを有する左カバー部材489と、を備える。
左カバー部材489には、軸方向に沿ってドリル孔のように穿設されるのではなく、機能的に形成される当接面489a〜489cが形成されるが、詳細は後述する。
蓋部材480の進退部481の断面形状は、受入部486に想定される回転軸を中心とした円弧状とされることにより、外径側からの負荷(粒状部材320から与えられる負荷)が回転軸へ向かうように構成されるが、単純にパイプを分割した形状では無く、左右位置に対応して円弧の半径や、形成長さを変化させている。この設計意図について説明する。
第1に、進退部481は、左右中央位置において進入側に出張る張出部482を備える。張出部482は、左右外側へ向かうほど張出幅が短くなるように形成されており、進入側の端面は、左右外側へ向けて傾斜形成される。これにより、張出部482と他の構成部材(本実施形態では、粒状部材320(図24参照)が想定される)とが当接した場合に、その構成部材に対して左右外側へ向く負荷を与えることができ、構成部材を左右外側へ追いやることができる。
第2に、進退部481は、上述のように、区画部材310の異形貫通部315(図25参照)を通して、区画部材310に進入可能に構成されるところ、張出部482が先行して区画部材310に進入することから、張出部482が形成される左右中央位置において進退部481の円弧半径を短くしている。
これにより、異形貫通部315に進入し始める箇所(張出部482の左右中央)に生じ得る位置ずれを小さく抑えることができるので、進退部481が異形貫通部315に進入不能となる不具合の発生を抑えることができる。
第3に、張出部482の左右中央位置とは反対に、進退部481の左右外側付近において円弧半径を長くしている。これは、粒状部材320との接触を避けることが主な目的である。即ち、本実施形態では、衝突部材420の上面に配置される粒状部材320(図12(a)参照)は、湾曲板部421の形状により左右外側に寄って滞留する。
この滞留の仕方は、完全に左右均一となるわけでは無く、左右不均一となる可能性がある。例えば、右側に極端に多くの粒状部材320が滞留する可能性もあり、十分なスペースが確保されていない場合には、偏って滞留した粒状部材320と進退部481とが衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、粒状部材320が多く滞留し易い左右外側部付近において、進退部481の円弧半径を長くしている。これにより、予め進退部481と湾曲板部421との間隔を十分長く確保することができるので、粒状部材320の滞留の仕方が不均一となった場合でも、粒状部材320と進退部481とが衝突することを避けることができる。
他の設計思想について説明する。延設板部485は蓋部材480の回転軸に直交する平面上に形成されるところ、進入側の端面が退避側へ向けて凹設形成される。これにより、延設板部485が、滞留している粒状部材320に衝突することを避けることができる。
加えて、粒状部材320が流下しきる前に蓋部材480を進入側の変位終端に配置した場合であっても、粒状部材320を、延設板部485の凹設形成部と区画部材310の湾曲板部312(図25参照)との間の隙間を通過可能な程度の大きさで構成することにより、粒状部材320を衝突部材420の上部に集めることができる。
受入部486は、左右で形状が異なる。即ち、左側の左受入部486aは、円形筒状に形成され、右側の右受入部486bは半円筒状(ハーフパイプ形状)に形成されるが、これは、組み付けを考慮した設計である。
図28及び図31に戻って説明する。蓋部材480を支持する支持柱部365は、特に右側において左右方向外側へ延びているので、蓋部材480の受入部486が両方とも円形筒状で形成される場合には、蓋部材480を支持柱部365に組み付けるために進退部481を分割する必要がある。
上述のように、本実施形態において蓋部材480は異形貫通部315(図25参照)を通り進退変位する。異形貫通部315は、区画部材310に蓋部材480を進退変位可能に構成される一方で、粒状部材320の区画部材310からの排出を防止可能に構成される必要がある。即ち、異形貫通部315を無制限に大きくすることはできず、異形貫通部315の設計自由度は限定的となる。
ここで、蓋部材480が異形貫通部315を通過できない程度に形状が崩れてしまうと進退変位が不能となることから、形状に精度が求められる。一方、蓋部材480の進退部481を複数部材の結合により構成する場合には、組み付け誤差等の要因により形状が崩れる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、受入部486の形状を左右で異ならせ、進退部481の分割が不要となるように構成している。組み付け過程としては、まず支持柱部365の軸方向外側(左側)に左受入部486aを配置し、左受入部486aに左カバー部材489の筒状部を挿通させつつ支持柱部365に挿通することで、左受入部486aを支持柱部365と同軸に配置することができる。
この時、右受入部486bは半筒の開放側に支持柱部365が対向配置されることになる。左カバー部材489に複数形成されるネジ挿通孔を通して締結ネジを挿通し、蓋部材480の左側の延設板部485に螺入することで、左カバー部材489を延設板部485に締結固定することができる。
この後、軸方向外側から右カバー部材488を取り付け、右側の支持柱部365の先端に形成される雌ネジに螺入される締結ネジのネジ頭で脱落不能に支持すれば蓋部材480を空間形成部材360に対して回転可能に支持することができる。
図34から図36を参照して、伝達アーム部材470の伝達突部473と左カバー部材489との設計思想について説明する。図34から図36では、伝達アーム部材470及び蓋部材480の変位が時系列で図示される。
図34(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図34(b)は、図34(a)の矢印XXXIVb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図34(c)は、図34(b)のXXXIVc−XXXIVc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図35(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図35(b)は、図35(a)の矢印XXXVb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図35(c)は、図35(b)のXXXVc−XXXVc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図36(a)は、図28の矢印XXXIVa方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図であり、図36(b)は、図36(a)の矢印XXXVIb方向視における伝達アーム部材470及び蓋部材480の側面図であり、図36(c)は、図36(b)のXXXVIc−XXXVIc線における伝達アーム部材470及び蓋部材480の部分断面図である。
図35及び図36では、図34に示す状態から伝達アーム部材470の伝達突部473が上昇変位し、蓋部材480の進退部481が進入側に変位する過程が図示される。詳細には、図36では、蓋部材480が、変位範囲の内の進入側端部に配置された状態が図示され、図34では、蓋部材480が、変位範囲の内の退避側端部に配置された状態が図示され、図35では、蓋部材480が、変位範囲の中間位置に配置された状態が図示される。
図34から図36に示すように、本実施形態では、伝達アーム部材470の回転軸と、蓋部材480の回転軸とが平行ではない。詳述すると、伝達アーム部材470の回転軸と直交する平面(図34(a)に図示される平面)と、蓋部材480の回転軸と直交する平面(図34(b)に図示される平面)とが直交する。
そのため、対策なしでは、左カバー部材489と当接する伝達突部473の姿勢が変化することに伴い、その当接面積が変化することが通常である。例えば、左カバー部材489の開口の内側面が蓋部材480の軸方向と平行に延びる面で形成される場合、図34(a)に示すように伝達突部473の長尺方向が左右方向に対して傾斜している状態では、伝達突部473の上側面が左カバー部材489の右寄り(伝達アーム部材470の支持孔471寄り)位置で当接すると考えられる。
一方、図36(a)に示すように伝達突部473の長尺方向が左右方向に沿う状態では、伝達突部473の上側面が、左カバー部材489の幅方向に亘って当接すると考えられる。
これに対し、本実施形態では、図34(c)、図35(c)及び図36(c)に示すように、伝達突部473の姿勢変化に対応して、伝達突部473の上側面と左カバー部材489の開口上側面とが左右幅方向に亘って当接可能となる形状で左カバー部材489が設計される。
即ち、左カバー部材489は、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される状態で伝達突部473と当接する第1当接面489aと、その第1当接面489aに比較して左右方向に対する傾斜が小さく形成される第2当接面489bと、その第2当接面489bに比較して左右方向に対する傾斜が小さく形成され蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置される状態で伝達突部473と当接する第3当接面489cと、を備える。
このように、本実施形態では、左カバー部材489の開口上側面の形状における左右方向に対する傾斜が、第1当接面489aを最大として、蓋部材480の回転軸に近づくにつれて徐々に減少するように設計される。
詳述すれば、伝達アーム部材470の回転に伴い伝達突部473と左カバー部材489の開口上側面との当接位置が蓋部材480の軸径方向に変化することから、伝達突部473と左カバー部材489の開口上側面との当接位置における傾斜を、その当接状態の伝達突部473の上面に沿う傾斜角度で設計するようにしている。
これにより、伝達アーム部材470と左カバー部材489との当接状態において、伝達アーム部材470の姿勢に依存せず、常に伝達突部473と左カバー部材489との当接面積を確保することができるので、伝達突部473に左カバー部材489から局所的な負荷(過負荷)が与えられることを防止することができる。
更に、本実施形態では、蓋部材480を重力に対抗して変位させ始めるタイミングという、大きな負荷が生じるタイミングにおいて、伝達突部473の傾斜角度が左右方向(左カバー部材489の幅方向)に対して最大とされているので、伝達突部473と左カバー部材489との当接面積(当接長さ)を最大とすることができる。
これにより、伝達突部473にかけられる負荷を受け持つ面積を大きくすることができ、単位面積あたりにかけられる負荷を小さくすることができるので、伝達突部473の耐久性を向上することができる。
一方、本実施形態によれば、蓋部材480が進入側の変位終端に配置された状態において、伝達突部473の傾斜角度が左右方向(左カバー部材489の幅方向)に沿うので、伝達突部473と左カバー部材489との当接面積(当接長さ)が小さくなることに加え、トーションスプリングSP2の付勢力は最大となっており、伝達突部473に過負荷が生じる可能性がある。
この対策として、本実施形態では、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態において、蓋部材480の自重の内、伝達突部473に負荷される割合が小さくなるように構成している。
即ち、図36(b)に示すように、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態において、蓋部材の480の自重の大半を占める進退部481は、蓋部材480の回転軸O1に対して前後方向における伝達突部473の反対側(正面側)に配置される。そのため、蓋部材480の自重の大半は、蓋部材480を進入側へ変位させる方向に生じることになり、伝達突部473に与えられる負荷を低減することができる。
この場合において、蓋部材480にかけられるトーションスプリングSP2の付勢力は最大となっているが、蓋部材480の自重の大半がトーションスプリングSP2の付勢力に対抗して生じているので、付勢力の少なくとも一部を蓋部材480の自重によって相殺することができる。
これにより、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置された状態においてトーションスプリングSP2の付勢力の大半が伝達突部473に伝達される場合に比較して、伝達突部473に与えられる負荷を低減することができる。
また、上述のように、本実施形態では伝達突部473と左カバー部材489との当接位置は、蓋部材480の回転軸O1の軸径方向に変化する。詳述すると、蓋部材480を退避側の位置から、進入側の位置へ変位させる過程における伝達突部473と左カバー部材489との当接位置と蓋部材480の回転軸との距離は、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される場合に最長となるように構成される。
加えて、第1当接面489aは、蓋部材480の回転軸O1と直交する平面において伝達突部473との当接位置における法線が、蓋部材480の回転軸O1を中心とする円弧に沿う(傾斜角度が小さくなる)ように第1当接面489aの傾斜が設計されるので、伝達突部473から蓋部材480へ伝達される負荷を、蓋部材480の回転軸O1を中心とする円弧に沿って生じさせることができる。
これにより、伝達突部473から蓋部材480へ負荷が伝達され始める際に、蓋部材480に生じるモーメントの腕長さが長くなることで、蓋部材480を回転させるのに必要となる負荷を低減することができる。
伝達突部473自体の形状の工夫としては、図34(c)に示すように、伝達突部473は、長手方向に沿って形成される溝部473aを備える。即ち、伝達突部473には、長手方向に沿う溝部473aが、正面側から背面側へ向けて幅方向中心を超える位置まで形成される。
これにより、伝達突部473は、左カバー部材489との当接方向で圧縮変形可能とされるので、当接時の負荷を変形により逃がすことができると共に、変形により当接面積を増加させ易くすることができる。
図34(b)、図35(b)及び図36(b)に示すように、蓋部材480の進退部481と対向配置される湾曲板部312は、左右に亘り同一平面に沿う形状で形成される。そのため、進退部481及び張出部482の形状から、蓋部材480と湾曲板部312との間隔が左右方向中央側に行くほど短くなる。
なお、蓋部材480の張出部482の左右中央位置における半径は、回転軸O1から湾曲板部312までの距離(長さ)未満となるように設計される。これにより、進入幅が最大となる張出部482が湾曲板部312と衝突することを回避することができるので、蓋部材480に若干(部材ごとの設計誤差により生じる程度)の過回転が生じた場合に、蓋部材480と湾曲板部312とが衝突し破損することを避けることができる。
図28及び図31に戻り、中間の範囲に着目して説明する。駆動ギア450は前側伝達部材440と歯合され、その前側伝達部材440には後側伝達部材460が締結固定されるので、結果として、駆動ギア450の回転に伴い、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が一体で空間形成部材360の軸部362を中心として回転する。なお、以下において、正面視(前側伝達部材440側視)で反時計回り方向の回転を正回転として、説明する。
前側伝達部材440及び後側伝達部材460は、互いに対向配置される側には互いの相対位置確保および剛性確保のための構成が形成されており、反対側の面に駆動力伝達に利用される形状部が形成されている。この駆動力伝達に利用される形状部の詳細について以下で説明する。
図37(a)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における前側伝達部材440の平面図であり、図37(b)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材460の平面図である。なお、矢印XXXVIIa方向および矢印XXXVIIb方向は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転軸と平行な方向として設定される。
図37(a)に示すように、前側伝達部材440は、略円板形状の本体板部441と、その本体板部441の縁部よりも中央側において軸方向に張り出し、その内側に溝が凹設される溝形成部442と、本体板部441の中心部において軸部362を挿通可能な大きさに穿設される円形開口である支持孔443と、本体板部441に形成されるギア歯に覆設されるフランジ部444と、そのフランジ部444から径方向外方へ延設され検出センサSC4(図32参照)の検出溝に進入可能に形成される被検出部445と、溝形成部442に形成される溝よりも支持孔443側において支持孔443に対して偏心した位置から回転軸と平行に突設される伝達突部446と、を備える。
溝形成部442は、当接部材430(図28参照)の突設部432が進入可能となるように突設部432の直径よりも若干長い溝幅で形成される溝が凹設され、その溝は、第1の円弧形状に沿って形成される第1溝部442aと、その第1溝部442aに当接部材430の突設部432が配置された状態で前側伝達部材440が正回転することで突設部432が案内される第2溝部442bと、その第2溝部442bに対して第1溝部442aの反対側に形成され、第1溝部442aの基準となる円弧よりも大径の円弧形状に沿って形成される第3溝部442cと、その第3溝部442cと第1溝部442aとを連結する第4溝部442dと、を備える。
第2溝部442b及び第4溝部442dは、第1溝部442aと第3溝部442cとの間を連結するという共通の役割を有する一方で、その形成角度範囲は共通では無い。即ち、第2溝部442bに比較して、第4溝部442dの方が小さな形成角度範囲とされており、前側伝達部材440の回転角度に対する溝と支持孔443との間の距離の変化が急激となるように設計される。
伝達突部446は、単純な円筒形状とされているのではなく、中央部と外径側の一点とを結ぶ直線状に突設方向に沿って形成される溝部446aを備える。これにより、径方向から入力される負荷に対する伝達突部446の変形の度合いを、負荷の入力角度に対応して変化させることができる。即ち、溝部446aの基準となる直線と直交する方向から負荷が入力される場合に変形度合いが最大となるように伝達突部446を形成することができる。
図37(b)に示すように、後側伝達部材460は、前側伝達部材440のフランジ部444と同程度の直径で略円板形状に形成される本体板部461と、その本体板部461の軸方向に張り出し、その内側に溝が凹設される溝形成部462と、本体板部461の中心部において軸部362の土台側外径よりも十分大きな内径で穿設され軸部362との接触を避けるように形成される非接触開放部463と、を備える。
本体板部461は、凹設される溝部が溝形成部462に形成されておらず、溝としては機能していない範囲において径方向に拡大形成される錘部461aを備える。錘部461aは、回転変位する後側伝達部材460の重心の回転軸からのずれ量を修正する目的で形成される調整部である。
本実施形態では、一体で回転変位する後側伝達部材460及び前側伝達部材440を一体物としてみた場合の重心を計算し、その重心を回転軸状に修正する目的で、錘部461aの配置および重量を計算し、後側伝達部材460に一体的に形成している。これにより、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の重心を回転軸に一致させるよう図ることができるので、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転軸に対する姿勢変化を抑制することができる。
溝形成部462は、伝達アーム部材470(図28参照)の円柱状突部472が進入可能となるように円柱状突部472の直径よりも若干長い溝幅で形成される溝が凹設され、その溝は、第1の円弧形状に沿って形成される第1溝部462aと、その第1溝部462aに伝達アーム部材470の円柱状突部472が配置された状態で後側伝達部材460が正回転(背面視時計回り方向回転)することで円柱状突部472が案内される第2溝部462bと、その第2溝部462bに対して第1溝部462aの反対側に形成され、第1溝部462aの基準となる円弧よりも大径の円弧形状に沿って形成される第3溝部462cと、その第3溝部462cと第1溝部462aとを連結する第4溝部462dと、を備える。
第2溝部462b及び第4溝部462dは、第1溝部462aと第3溝部462cとの間を連結するという共通の役割を有する一方で、その形成角度範囲は共通では無い。即ち、第2溝部462bに比較して、第4溝部462dの方が著しく大きな形成角度範囲(約180度)とされており、後側伝達部材460の回転角度に対する溝と非接触開放部463との間の距離の変化が緩慢となるように設計される。
以下、射出装置400により可能とされる変位態様の一例について説明する。まず、射出装置400の変位態様の概要について説明する。
図38、図39、図40及び図41は、図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置400の平面図である。なお、図38、図39、図40及び図41では、固定部材350の図示が省略され、射出装置400の内部構造を視認可能とされる。また、理解を容易とするために、コイルスプリングSP1については、長さの変化が把握可能な程度の模式図として想像線で図示される。
図38から図41では、射出装置400の変位が時系列に沿って図示される。即ち、図38には、粒状部材320が衝突部材420へ向けて流下し停止した直後の状態が図示され、図39には、射出装置400の演出待機状態が図示され、図40には、射出装置400の発射タイミング待ちの状態である発射待機状態が図示され、図41には、射出装置400が発射演出を実行した直後の状態である発射状態が図示される。なお、図41では、粒状部材320が依然として衝突部材420に乗っている状態が図示されるが、粒状部材320は、この直後、湾曲板部421の法線方向に飛散する。
図38に示す状態では、衝突部材420は直動部材410に下支えされ、蓋部材480は退避側の変位終端位置に配置されている。なお、図38に示す状態から、蓋部材480が進入側変位終端まで変位した状態を射出装置400の演出待機状態(図39参照)として説明する。
図39に示す演出待機状態では、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置されているので、蓋部材480により、遊技者の粒状部材320への視線を部分的に遮ることができる。これにより、粒状部材320に対する遊技者の注目力を下げることができるので、その後の粒状部材320や、その下側に配置される衝突部材420の変位から遊技者の目を離させることができる。
図40に示す発射待機状態では、衝突部材420は、円柱状突部403が案内孔423の上側内面と当接する態様で吊り下げられ、蓋部材480は退避側の変位終端位置に配置されている。加えて、後述するように、直動部材410は当接部材430に変位を規制され、コイルスプリングSP1の付勢力が蓄積されている。
図41に示す発射状態では、蓋部材480の配置は退避側の変位終端位置に維持されており、衝突部材420は、直動部材410に跳ね飛ばされ上昇し、円柱状突部403が案内孔423の下側内面と当接する位置で止まる。その後、自重または粒状部材320の重みで衝突部材420は下降変位し、図38に示す配置まで戻る。
衝突部材420に跳ね飛ばされ飛散した粒状部材320の流下は、区画部材310の湾曲板部312(図25参照)の形状により、左右中央側に寄せられた後で、衝突部材420側へ案内される(図38に模式的に示す矢印参照)。
本実施形態では、粒状部材320が衝突部材420側へ案内される際に、衝突部材420が比較的上方に配置されることから、固定部材350の案内部354(図32参照)と衝突部材420の湾曲板部421の上面とで構成される受け皿形状の深さが浅く設定されている。
そのため、形状的に、複数の粒状部材320を偏って受けきることができない可能性がある。本実施形態では、偏って受けきることができない数の粒状部材320を区画部材310に収容するようにしている。
これにより、例えば、粒状部材320が衝突部材420の右側に多数偏って戻り始めた場合であっても、その後から粒状部材320が戻る際には、先に戻った粒状部材320によって衝突部材420の右側部に左側へ向かう程下降傾斜する坂が構成されることになるので、後から戻った粒状部材320は、この坂に沿って左側へ流れることになる。即ち、粒状部材320の上に乗って流れる態様で左側へ流れることになる。
これにより、衝突部材420の湾曲板部421の上面に溜まる粒状部材320の左右の偏りを少なくすることができるので、毎回の発射演出における粒状部材320の配置の偏り(飛散態様の違い)を少なくすることができる。
また、粒状部材320が衝突部材420側へ案内される際に、衝突部材420は、変位区間の途中位置に配置されており、下側の直動部材410とは台形突設部413との一点で当接しているだけである。そのため、衝突部材420は、円柱状突部403と案内孔423との間に生じる隙間分だけ姿勢変化することが許容される。即ち、一方の円柱状突部403の軸と平行な軸を中心として回転する態様で姿勢変化することが許容される。
上述の説明のように、例えば、粒状部材320が衝突部材420の右側に多数偏って戻り始めた場合、衝突部材420は右側部が左側部に比較して下降する態様で姿勢変化することになるが、この場合、湾曲板部421の最上部が、相対的に右側に変位することになる。
そのため、案内部354(図32参照)の左右中央位置付近を流下して衝突部材420側に戻る粒状部材320を、左側に案内し易くなる。例えば、衝突部材420が姿勢変化する前であれば、案内部354の左右中央位置と湾曲板部421の最上部の位置とは正面視で一致しており、案内部354の調度左右中央位置を流下する粒状部材320が左右いずれに流下するかは粒状部材320と湾曲板部421との当たり所の違いにより、ほぼ均一に左右に振り分けられることになると考えられる。
一方、衝突部材420が姿勢変化していると、案内部354の左右中央位置に対して湾曲板部421の最上部の位置が右側にずれており、案内部354の調度左右中央位置を流下する粒状部材320は湾曲板部421の傾斜に沿って左側に案内されると考えられる。これにより、滞留している粒状部材320が少ない側に、後から戻った粒状部材320を流下させ易くなるので、粒状部材320を略左右均等に振分易くすることができる。
なお、衝突部材420の姿勢変化は、常時同様に許容されるものでは無い。例えば、射出装置400の発射待機状態(図40参照)では、一対の案内孔423の双方の上端位置に円柱状突部403がそれぞれ配置され、衝突部材420が左右対称の2点で吊り下げられることになるので、射出装置400の演出待機状態に比較して衝突部材420の姿勢変化が抑制される。
また、例えば、射出装置400の発射状態(図41参照)では、一対の案内孔423の双方の下端位置に円柱状突部403がそれぞれ配置され、衝突部材420が左右対称の2点で上方への変位を規制されることから、射出装置400の演出待機状態に比較して衝突部材420の姿勢変化が抑制される。
加えて、衝突部材420が直動部材410から負荷を受ける際、その負荷は、一対の案内孔423の長尺方向と平行な方向に伸縮する一対のコイルスプリングSP1により生じる付勢力であるため、衝突部材420の姿勢は安定し易い。
従って、発射待機状態から発射状態へ至るまでの間における衝突部材420の姿勢変化の抑制を図ることができる。これにより、粒状部材320の滞留状態(粒の個数の左右の偏り)が同等の場合において、衝突部材420から負荷を受けて飛散する粒状部材320の飛び散り方を安定させることができる。
上述のように、射出装置400が発射演出を実行することにより、粒状部材320が飛散した後、区画部材310(図25参照)の内部形状に沿って流下し、衝突部材420の湾曲板部421の上面に戻り、再び演出待機状態に戻る。即ち、本実施形態では、射出装置400は、図38から図41の状態変化を繰り返し実行可能に構成される。この状態変化を実行可能とするための射出装置400の構造間の関係について、以下で詳細に説明する。
図42(a)から図42(f)及び図43(a)から図43(e)は、図28の矢印XXXVIIa方向視における直動部材410、衝突部材420、当接部材430及び前側伝達部材440の平面図である。
なお、図42(a)から図42(f)及び図43(a)から図43(e)では、直動部材410、衝突部材420及び当接部材430の外形が想像線で図示され、外形を除き互いの負荷伝達に関わる部分として、直動部材410の突条部414及び下側突条部415と、衝突部材420の緩衝部材424と、当接部材430の突設部432及び鉤状突部433と、の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
また、衝突部材420の変位可能区間の理解を容易とするために、円柱状突部403の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
また、駆動制御との関連の理解を容易とするために、検出センサSC4の配置が想像線で図示される。
図42及び図43では、前側伝達部材440が正回転することに伴う直動部材410、衝突部材420及び当接部材430(以下、図42及び図43の説明において、「各構成部材」とも称す)の配置の変化が時系列で図示される。以下、順に説明する。
図42(a)では、射出装置400の演出待機状態における各構成部材の配置が図示される。図42(a)に示すように、射出装置400の演出待機状態では、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が進入し始める。
そのため、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)は、駆動モータMT1が正回転で駆動制御されている状態において、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が配置されていない状態から、被検出部445が進入される状態への切り替わりを検出することで、射出装置400が演出待機状態であると判定できる。
図42(b)では、前側伝達部材440の伝達突部446が直動部材410の突条部414に当接し直動部材410を押し下げ開始する状態における各構成部材の配置が図示される。図42(b)に示す状態から、前側伝達部材440がコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力に対抗して直動部材410を押し下げ開始する。
従って、図42(a)から図42(b)までの間は、直動部材410と前側伝達部材440とが当接していないので、部材間の直接的な負荷伝達は遮断される。そのため、例えば、粒状部材320(図38参照)が流下し、衝突部材420に衝突することで衝突部材420が微振動したとしても、その振動や負荷が前側伝達部材440に直接的に伝達することは遮断可能に構成される。
図42(c)では、衝突部材420が変位範囲の下側終端位置に配置され、直動部材410と衝突部材420との当接が解除され始める状態における各構成部材の配置が図示される。
図42(b)に示す状態から図42(c)に示す状態までにおいて、直動部材410と衝突部材420とが一体的に下降変位する。この状態では、衝突部材420と直動部材410とが当接し、直動部材410と前側伝達部材440とが当接しているので、粒状部材320が衝突部材420に衝突して生じる振動や負荷が、間接的に前側伝達部材440に伝達し得る。
一方で、粒状部材320が衝突部材420に衝突することで生じる負荷は、直動部材410を押し下げる方向の負荷であり、これは直動部材410を、伝達部材440との当接箇所である伝達突部446から離す方向である。そのため、前側伝達部材440に伝達される負荷や振動が、伝達部材440の正回転変位に与える影響を低減することができる。
なお、正回転変位に与える影響としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、回転変位として駆動制御される速度と実際の速度とを異ならせるような影響や、回転変位を妨げ、駆動モータMT1(図38参照)を発熱させるような影響が例示される。
図42(d)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第1溝部442aの終端位置に配置され、当接部材430が傾倒し始める状態における各構成部材の配置が図示される。
当接部材430は、他の付勢手段から付勢力を与えられているわけでは無く、溝形成部442の形状に従い姿勢変化する部材である。図42(d)以降は、前側伝達部材440が変位させる部材の個数が、直動部材410及び当接部材430の2個に増えるが、当接部材430の変位方向は自重で変位する方向と同様なので、実質的には、前側伝達部材440が受ける負荷の状態は、直動部材410のみを変位させていた図42(d)以前の状態に対して変化は少ない。
図42(e)では、直動部材410が変位範囲の下側終端位置に配置された状態における各構成部材の配置が図示される。図42(e)に示すように、直動部材410が下側終端位置に配置された状態では、依然として、直動部材410と当接部材430とは離れて配置される。
図42(e)に示す状態以降は、前側伝達部材440の伝達突部446は上側へ向けた変位を開始する。そのため、直動部材410に与えられるコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力が伝達突部446を押進する方向に生じることになるので、前側伝達部材440の回転と、当接部材430の姿勢変化とに必要となる負荷を、コイルスプリングSP1の付勢力で補助することができる。これにより、駆動モータMT1(図38参照)の負担を軽くすることができる。
図42(f)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第2溝部442bの終端位置に配置され、当接部材430が傾倒し終える状態における各構成部材の配置が図示される。
図42(f)に示すように、直動部材410と当接部材430とは依然として離れて配置されているが、図42(f)に示す状態以降は、当接部材430の突設部432が第3溝部442cに配置される状態において、当接部材430の姿勢は維持される(姿勢変化が防止される)。
従って、この後の直動部材410と当接部材430との当接に関して、直動部材410及び当接部材430が向かい合う方向への速度を有して当接する場合に比較して、当接の態様を柔らかくすることができる。
図43(a)では、理解を容易にするために、図42(f)と同じ状態の図が図示される。図43(b)では、前側伝達部材440の伝達突部446が上側へ向けて変位することに伴い直動部材410が上昇変位し、直動部材410の下側突条部415と当接部材430の鉤状突部433とが当接開始した状態における各構成部材の配置が図示される。
なお、図43(a)に示す状態から図43(d)に示す状態の直前までが、発射待機状態(例えば、図40参照)に対応する。
下側突条部415及び鉤状突部433には、互いに対向する側の先端部に、互いに対向する側へ向けて張り出す張出部を備える。これにより、下側突条部415と鉤状突部433との当接位置において滑りが生じることを抑制することができ、安定して下側突条部415と鉤状突部433とを当接させることができる。
図43(b)に示す状態では、前側伝達部材440の被検出部445の終端位置が検出センサSC4の検出溝に配置される。そのため、図43(b)に示す状態から前側伝達部材440が正回転すると、被検出部445は検出センサSC4の検出溝から退避することになり、この状態の切り替わりがMPU221(図4参照)に出力される。
即ち、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)は、駆動モータMT1が正回転で駆動制御されている状態において、検出センサSC4の検出溝に前側伝達部材440の被検出部445が配置されている状態から、被検出部445が検出センサSC4の検出溝から退避する状態への切り替わりを検出することで、射出装置400が発射待機状態へ移行したと判定するように制御される。
図43(b)に示す状態以降は、直動部材410の変位が当接部材430により規制される。直動部材410にはコイルスプリングSP1(図38参照)による付勢力が生じており、当接部材430を起立させる方向の負荷を当接部材430に与えるが、当接部材430の変位は、突設部432の変位が溝形成部442に妨げられることにより規制される。
突設部432と溝形成部442との当接は、円形に湾曲する面(突設部432の外側面)と円弧状面(第3溝部442cの内側面)との当接になるので、その際に生じる負荷は、円の中心へ向く。
即ち、図43(b)に示す状態において、突設部432から溝形成部442に与えられる負荷は、前側伝達部材440の回転軸へ向けて生じるので、突設部432から与えられる負荷が前側伝達部材440の回転に影響を与えることを防止することができると共に、前側伝達部材440の駆動状態に関わらず、突設部432の変位を規制することができる。
そのため、図43(b)に示す発射待機状態において、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除した後も、図43(b)に示す状態を維持可能に構成される。これにより、例えば、発射待機状態において常に駆動モータMT1を通電させておく必要がある構成に比較して、駆動モータMT1の発熱を抑えることができるので、駆動モータMT1の駆動制御の設定自由度を向上させることができる。
これは、例えば、第3図柄表示装置81における表示演出と連動して射出装置400を駆動制御させる場合に、発射待機状態となってから発射状態となるまでの表示演出の長さの設定に対する制限が駆動モータMT1の発熱の観点からは生じないという点で、有利である。
図43(c)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第3溝部442cの終端位置に配置され、当接部材430が起立し始める状態における各構成部材の配置が図示される。
図43(c)の状態以降は、突設部432と当接する溝形成部442の位置が第3溝部442cから変わるので、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷の方向が前側伝達部材440の回転軸からずれることになる。
従って、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除して発射待機状態で維持するためには、図43(b)で示す状態から図43(c)で示す状態となる前に駆動モータMT1の通電を解除する必要がある。
図43(d)では、直動部材410の下側突条部415の変位軌跡から当接部材430の鉤状突部433が退避することで、直動部材410の上昇変位の規制が解除され、コイルスプリングSP1(図38参照)に蓄積された付勢力により直動部材410が上昇変位し、衝突部材420が上側へ跳ね飛ばされた状態における各構成部材の配置が図示される。図43(d)に示す状態が、発射状態(図41参照)に対応する。
当接部材430の起立方向の変位は、基本的には前側伝達部材440の溝形成部442の形状に沿って生じることから、その駆動力は駆動モータMT1(図38参照)から発生している。一方で、直動部材410の変位が前側伝達部材440の伝達突部446に規制されている状態には無いことから、直動部材410を介して当接部材430に伝達されているコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力も、当接部材430の起立方向の変位を補助するように働く。
本実施形態では、駆動モータMT1の駆動力により生じる当接部材430の変位方向と、直動部材410を介して与えられるコイルスプリングSP1の付勢力により生じる当接部材430の変位方向とが、共に起立する方向で同じに構成されるので、当接部材430に対して与えられる駆動力と付勢力とを互いに補助し合う態様で発生させることができる。
図43(e)では、当接部材430の突設部432が前側伝達部材440の第4溝部442dの終端位置に配置され、当接部材430が起立し終える状態における各構成部材の配置が図示される。
図43(e)に示す状態以降では、当接部材430の突設部432と当接する溝形成部442の位置は、第1溝部442aになる。これにより、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転軸へ向かうことになるので、突設部432から溝形成部442へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転に与える影響を低減することができる。
例えば、本実施形態では、図43(d)に示す状態の直前まで、コイルスプリングSP1(図38参照)に蓄積される付勢力が当接部材430に負荷されていたことから、図43(d)以降の変位において当接部材430を起立させる方向に生じる負荷も、大きくなることが予想される。そのため、対策なしでは、当接部材430が起立する変位により、前側伝達部材440の回転が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、当接部材430が起立し終えるや否や、当接部材430の突設部432を第1溝部442aに配置し、突設部432を介して当接部材430から前側伝達部材440へ与えられる負荷が前側伝達部材440の回転軸へ向くように構成している。これにより、当接部材430が起立する変位により前側伝達部材440の回転が阻害されることを回避し易くすることができる。
図43(e)に示す状態から、前側伝達部材440を正回転させる方向に駆動モータMT1(図38参照)を駆動させ、被検出部445が検出センサSC4の検出溝に進入したことを検出したら、駆動モータMT1を停止させるよう制御することで、射出装置400を演出待機状態に戻すことができ、図42及び図43に示す状態変化が、一連の発射演出として制御可能となるようにMPU221(図4参照)の制御プログラムが設計されている。
図42及び図43を参照した上述の説明では、射出装置400の制御の一例として、射出装置400の演出待機状態から前側伝達部材440を正回転方向に1回転させる発射実行制御を説明した。発射実行制御では、発射状態において、コイルスプリングSP1の付勢力で上昇する直動部材410により衝突部材420が跳ね飛ばされ、粒状部材320が飛散する演出が実行される。
この演出は、遊技者の視界に粒状部材320を飛散させることから、派手で、遊技者の注目力を向上させることができるので、例えば、大当たりか否か遊技者に分からせない状態で数分続くロングリーチの終盤付近のタイミングで、もしも大当たりであれば、発射状態に移行し粒状部材320を飛散させて演出することで、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方で、もしも大当たりではなければ(はずれであれば)、粒状部材320を飛散させる演出を実行すると、遊技者に対して大当たりであると勘違いさせる虞があり、好ましくない。
また、発射状態に移行しない場合(はずれの場合)に、射出装置400の駆動モータMT1(図38参照)を全く駆動させないと、駆動モータMT1の駆動音から、実行中のロングリーチの結果、大当たりとなるのか、はずれとなるのかを遊技者が把握できてしまうことになり、遊技者の興趣を下げる虞がある。
これに対し、本実施形態では、はずれの場合に、射出装置400を発射待機状態とした後で、前側伝達部材440を逆回転させる方向に駆動モータMT1を駆動制御することにより、射出装置400の発射状態を経由せずに射出装置400の演出待機状態に復帰可能に構成される。
つまり、例えば図43(c)に示す状態から、前側伝達部材440を逆回転(時計回り)させる方向に駆動モータMT1を駆動制御することにより、上述の時系列の逆方向で各構成部材を変位させることができる。
この場合において、当接部材430が起立する方向へ変位開始する(図42(e)参照)よりも前に、直動部材410を押し下げて、直動部材410と当接部材430との当接を解除していることにより(図42(f)参照)、直動部材410と当接部材430との間で当接を解除する際に擦れが生じることを回避することができる。
また、図42(e)以降は、直動部材410を介して前側伝達突部440の伝達突部446に与えられるコイルスプリングSP1(図38参照)の付勢力が前側伝達突部440の回転を補助する向きで働くので、駆動モータMT1(図38参照)に要求される駆動力の大きさを低減することができる。
この場合における直動部材410の上昇変位は、コイルスプリングSP1(図38参照)の弾性復帰に基づく瞬間的なものでは無く、伝達突部446の変位に伴う緩やかな変位として構成される。
これにより、直動部材410が衝突部材420を跳ね飛ばすことを回避することができるので、粒状部材320が飛散する演出を実行しないで、射出装置400を演出待機状態(図42(a)参照)に復帰させることができる。
なお、前側伝達部材440の逆回転の後、図42(a)に示す状態とするためには、検出センサSC4の検出溝から被検出部445が退避したことを検出した後で、検出センサSC4の検出溝に被検出溝445が再び進入したと検出されるまで前側伝達部材440を正回転させるよう駆動モータMT1(図38参照)を駆動制御すれば良い。
これにより、粒状部材320を飛散させる演出制御と、粒状部材320を飛散させない演出制御の双方を、駆動モータMT1の駆動に伴う予備動作を同じとして実行することができる。従って、大当たりかはずれかを遊技者が分かり易いように演出することができると共に、駆動音の違いにより遊技者が当否結果を予測可能となることを回避することができる。
特に、本実施形態によれば、発射待機状態(図43(c)参照)において、駆動モータMT1(図38参照)の通電を解除して、駆動モータMT1の駆動音を一端消失させることができる。これにより、駆動モータMT1の駆動を継続した状態から駆動方向を切り替える制御を行う場合に比較して、駆動方向が同じなのか、逆方向となったのかを駆動音から把握し難くすることができる。
そのため、演出における当否報知タイミングに先行して駆動モータMT1を駆動制御し、駆動音が生じたとしても、その駆動方向を判定し難いことから、遊技者に当否結果を把握される事態を回避することができる。
これにより、遊技者に駆動音で当否結果を把握される危険を冒すことなく、当否報知タイミングに先行して駆動モータMT1の駆動制御を開始することができるので、発射待機状態における駆動モータMT1の停止タイミングに幅を持たせることができる。換言すれば、発射状態の直前の状態で駆動モータMT1を停止させることを不要とすることができ、発射状態の十分前の状態で駆動モータMT1を停止してもその後の演出に支障をきたさないので、制御に反して駆動モータMT1が過回転し意図せず発射状態となる事態を回避することができる。
図44(a)から図44(f)は、図28の矢印XXXVIIb方向視における後側伝達部材460、伝達アーム部材470及び蓋部材480の平面図である。
図44では、後側伝達部材460が正回転(時計回り)することに伴う伝達アーム部材470及び蓋部材480(以下、図44の説明において、「各構成部材」とも称す)の配置の変化が時系列で図示される。以下、順に説明する。
図44(a)では、射出装置400の演出待機状態(図42(a)参照)における各構成部材の配置が図示される。図44(a)に示すように、射出装置400の演出待機状態では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第3溝部462cの終端位置に配置され、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置される。
蓋部材480は、トーションスプリングSP2(図33参照)から退避側へ向かう付勢力を受けるため、蓋部材480を介して伝達アーム部材470の伝達突部473を押し下げる方向の負荷が生じ、この負荷が後側伝達部材460に伝達されることで、対策なしでは、後側伝達部材460の回転に影響を与える虞がある。
これに対し、本実施形態では、図44(a)以降の状態において、伝達アーム部材470の円柱状突部472が、溝形成部462の第3溝部462cと当接し、その当接点を介して後側伝達部材460に負荷が与えられるところ、円形状の湾曲面と円弧形状面との当接なので、当接により生じる負荷は円の中心へ向かう。
従って、円柱状突部472を介して溝形成部462に与えられる負荷は、後側伝達部材460の回転軸へ向かうので、円柱状突部472を介して溝形成部462に与えられる負荷が後側伝達部材460の回転に与える影響を少なくすることができる。
図44(b)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第3溝部462cの終端位置に配置され、蓋部材480が進入側の変位終端位置に依然として配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(c)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第4溝部462dの中間位置に配置され、蓋部材480が変位範囲の略中間位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
伝達アーム部材470の姿勢変化は、基本的には後側伝達部材460の溝形成部462の形状に沿って生じることから、その姿勢変化のための駆動力は後側伝達部材460を回転駆動する駆動モータMT1(図38参照)から発生している。
一方で、トーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力が、蓋部材480を介して伝達アーム部材470の伝達突部473を押し下げる方向に働き、同時に、この付勢力は円柱状突部472を上側へ変位させる方向に働くことから、トーションスプリングSP2の付勢力も、伝達アーム部材470の姿勢変化を補助するように働く。
本実施形態では、駆動モータMT1の駆動力により生じる伝達アーム部材470の姿勢変化方向と、蓋部材480を介して与えられるトーションスプリングSP2の付勢力により生じる伝達アーム部材470の姿勢変化方向とが、共に時計回り方向で同じに構成されるので、伝達アーム部材470に対して与えられる駆動力と付勢力とを互いに補助し合う態様で発生させることができる。
図44(d)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第4溝部462dの終端位置に配置され、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(d)に示す状態において、蓋部材480はトーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力により退避側の変位終端に維持される。また、伝達アーム部材470の伝達突部473と左カバー部材489とは非当接で配置される。
これにより、蓋部材480を進入側へ変位させる必要が無い場合にまで伝達突部473に負荷が与えられることを回避することができ、伝達アーム部材470への疲労の蓄積度合いを和らげることができる。
図44(e)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第1溝部462aの途中位置に配置され、蓋部材480が依然として退避側の変位終端に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(e)に示す状態以降、発射待機状態(図43(b)参照)が構成される。発射待機状態から発射状態に亘り、蓋部材480は退避側の変位終端に配置され、射出される粒状部材320(図41参照)との衝突を回避可能に構成される。
図44(f)では、伝達アーム部材470の円柱状突部472が後側伝達部材460の第1溝部462aの終端位置に配置され、蓋部材480が依然として退避側の変位終端位置に配置される状態における各構成部材の配置が図示される。
図44(e)に示す状態から図44(f)に示す状態までに、射出装置400は発射状態(図41参照)を経由する。そして、図44(f)に示す状態から正回転を継続することで、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置され、演出待機状態へ復帰する(図44(a)参照)。
ここで、図44(f)に示す状態は、発射演出実行後の状態であるので、直動部材410又は当接部材430からの前側伝達部材440への負荷伝達は無い(例えば、図43(e)参照)。従って、駆動モータMT1(図38参照)の駆動力の内、前側伝達部材440側へ振り分ける分量を非常に少なくすることができる。
これにより、蓋部材480の変位の方向が、トーションスプリングSP2(図33参照)の付勢力に対抗する方向であるために大きな駆動力が必要となる場合であっても、駆動モータMT1の駆動力の大半を、後側伝達部材460に当接する他の構成部材を回転させるための駆動力として利用することができるので、十分な駆動力を確保することができる。
図45は、図28の矢印XXXVIIa方向視における射出装置400の平面図である。なお、図45では、固定部材350の図示が省略され、射出装置400の内部構造を視認可能とされる。
図45では、直動部材410、衝突部材420及び当接部材430が、図42及び図43での説明と同様の態様で図示される。また、衝突部材420の変位可能区間の理解を容易とするために、円柱状突部403の外形が実線で図示され、その内部が透明に図示され、その背面側に配置される前側伝達部材440が隠されることなく図示される。
図45では、直動部材410が上昇側の変位終端位置に配置された状態(例えば、演出待機状態、図42(a)参照)で、前側伝達部材440が逆回転方向に駆動され、前側伝達部材440の伝達突部446が直動部材410の下側突条部415に下側から当接し、それ以上の回転変位を規制される状態が図示される。
このように、本実施形態では、前側伝達部材440に許容される変位態様に限界が設定される。即ち、正回転方向の駆動では、図42及び図43に示すように、前側伝達部材440の変位が規制されることなく継続的に駆動可能であるのに対して、逆回転方向の駆動では、変位角度が許容角度を超えると、直動部材410に伝達突部446が変位を規制され、それ以上の継続駆動が規制される。
変位が規制された状態で駆動モータMT1の駆動を継続する場合、駆動モータMT1が発熱し、損傷する虞があるので、本実施形態では、前側伝達部材440を逆回転させる方向の駆動制御に制限を設けることで、駆動モータMT1の損傷を回避しているが、詳細は後述する。
図46は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図46では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
また、図46では、演出待機状態(図42(a)及び図44(a))からの正回転の回転角度の目安が横軸に図示される。即ち、0度は図42(a)に対応し、66度は図42(b)に対応し、125度は図42(c)に対応し、162度は図42(d)に対応し、202度は図42(e)に対応し、219度は図42(f)及び図43(a)に対応し、228度は図43(b)に対応し、266度は図43(c)に対応し、287度は図43(d)に対応し、295度は図43(e)に対応する。
また、図46では、0度は図44(a)に対応し、21度は図44(b)に対応し、96度は図44(c)に対応し、173度は図44(d)に対応し、304度は図44(e)に対応し、360度は図44(f)に対応する。
図46では、演出待機状態を基準(角度が0度)として、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の正回転の回転角度が横軸に記載され、その角度に対応する上述の各構成部材における状態変化について記載される。なお、正回転での駆動制御による各構成の配置変化は、図46の右方向へ向けた変化に対応し、逆回転での駆動制御による各構成の配置変化は、図46の左方向へ向けた変化に対応する。
図46に示すように、発射状態(角度が287度)になる前に、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を逆回転させることにより、衝突部材420を上昇変位させる場合の変位速度は、発射状態に到達して衝突部材420が上昇変位する場合の変位速度に比較して遅くなる。即ち、本実施形態では、衝突部材420の上昇変位の速度を複数通りで構成することができる。
なお、発射状態を超えた後は、既に衝突部材420が上昇してしまっているので、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の逆回転は途中で規制される(図45参照)。一方、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間にあるかは、検出センサSC4の出力状態のみからは判定できない。
例えば、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間である場合に、パチンコ機10の電源が再投入されたとしても、MPU221(図4参照)は、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の逆回転が規制される配置か、否かを判定することができない。
これに対し、本実施形態では、電源再投入時に、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の配置が発射状態(角度が287度)から演出待機状態(角度が360度)の間である疑いがある場合、即ち、検出センサSC4に被検出部445が配置されていない場合(検出センサSC4の出力OFFの場合)には、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を正回転させる方向に駆動モータMT1が回転するよう制御される。
この回転により射出装置400を、一端、演出待機状態に復帰し、その後で各演出の実行制御を行うよう構成される。これにより、電源再投入時等、制御が途切れる事態の後において、意図せず前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転が規制され、駆動モータMT1が発熱する事態が生じることを防止することができる。
本実施形態では、発射状態(角度が287度)から伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置が変化し始める状態(角度が304度)までに、粒状部材320(図38参照)の配置が安定するような回転速度で、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転駆動される。
例えば、発射から2秒で配置が安定するのであれば、毎秒8度(45秒/回転)で前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転するように駆動制御することで、流下途中の粒状部材320が蓋部材480(図38参照)に噛み込まれる事態が発生することを回避できる。
なお、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転速度は、これに限られるものでは無く、任意に設定可能である。例えば、4倍速で回転させても良い。この場合、粒状部材320が流下開始する程度のタイミングで蓋部材480を進入側に変位開始させることができる。この場合、粒状部材320が蓋部材480の進行方向に配置される前に蓋部材480を変位完了することができる。
この状態で、演出待機状態で駆動を停止することで、蓋部材480の上方に粒状部材320を堆積させることができるので、蓋部材480の形状に沿って粒状部材320を左右中央側へ集めることができる。その後、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を正回転方向に駆動制御することで、蓋部材480が退避側へ変位することに伴って粒状部材320が蓋部材480から落下し衝突部材420の上に乗る。
このように、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転速度を異なるように制御することで、粒状部材320が衝突部材420に到達するまでの態様を複数種類構成することができる。
これにより、発射実行制御ごとに、各粒状部材320(各球状部材)の衝突部材420に対する相対位置を変化させることができる。そのため、例えば、形状や色の異なる複数の球状部材で粒状部材320を構成することで、発射される粒状部材320の見え方(各粒状部材320の配置や変位方向)を異ならせることができるので、演出効果を向上させることができる。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。次いで、拡大縮小ユニット600について説明する。
図47及び図48は、拡大縮小ユニット600の正面斜視図であり、図49及び図50は、拡大縮小ユニット600の背面斜視図である。図47及び図49では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図48及び図50では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
図47から図50に示すように、拡大縮小ユニット600は、左右方向中央位置を昇降変位可能であり発光演出可能に構成される演出部材700と、その左右に離れて固定配置される半球状照明装置613とを備える。
演出部材700及び半球状照明装置613により発光演出を行うことで、第3図柄表示装置81(図7参照)の手前側から遊技者に対して光を出射し、煌びやかに視認させる演出を実行することができる。
図51は、拡大縮小ユニット600の正面分解斜視図であり、図52は、拡大縮小ユニット600の背面分解斜視図である。図51及び図52では、演出部材700は組立状態で図示される。なお、図47及び図49に示すように、組立状態において、演出部材700と連結される下アーム部材630の先端部は後板部611の正面側に配置されるが、図51及び図52では、便宜的に後板部611の背面側に配置する。
図51及び図52に示すように、拡大縮小ユニット600は、背面ケース510(図5参照)の底壁部511に締結固定される左右長尺形状の本体部材601と、その本体部材601の正面側に配置され意匠面を有する正面カバー部材610と、本体部材601の円柱軸部603に回転可能に軸支され歯合関係で連動する一対の上アーム部材620と、その上アーム部材620と中間部で連結されており上アーム部材620の回転に伴い姿勢変化する一対の下アーム部材630と、本体部材601の背面側に締結固定される駆動モータMT2と、その駆動モータMT2の駆動ギアと歯合され、左側の上アーム部材620に駆動モータMT2の駆動力を伝達可能に係合し、本体部材601に回転可能に軸支される伝達ギア650と、本体部材601に環状部が組み付けられ、上アーム部材620に上昇方向の付勢力を負荷するトーションスプリングSP3と、下アーム部材630の先端部に連結される演出部材700と、を備える。
本体部材601は、左右長尺の板状に形成され、左右一直線上に配置される左右一対の長孔である案内孔602と、左右対称位置から前後両方向へ円柱状に突設される一対の円柱軸部603と、その円柱軸部603を中心軸とした円弧状に穿設される一対の円弧状孔604と、左側部から背面側へ円柱状に突設される円柱軸部605と、その円柱軸部605を中心軸とした円弧状に穿設される円弧状孔606と、円柱軸部605を中心とした円状において検出溝を円柱軸部605側に向けた姿勢で背面側に締結固定される検出センサ607と、を備える。
案内孔602は、下アーム部材630の円柱状突部632の外径よりも若干長い上下幅で形成される。案内孔602は、下アーム部材630の円柱状突部632が挿通されることにより、下アーム部材630の変位を案内する長孔として機能する。
円柱軸部603は、正面側に突設される部分が、上アーム部材620の支持孔621に挿通され、上アーム部材620を回転可能に支持する。円柱軸部603の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、上アーム部材620が、脱落不能に支持される。
円柱軸部603は、背面側に突設される部分が、トーションスプリングSP3の巻き状本体部に挿通され、これにより、トーションスプリングSP3の配置が安定する。
トーションスプリングSP3の一方の腕部は、本体部材601の背面側からく字状に張り出す張出部601aに上側から押さえられ、他方の腕部は、上アーム部材620の被付勢部625に係合される。これにより、トーションスプリングSP3の弾性回復力が被付勢部625を押し下げる方向に機能するので、上アーム部材620は、連結部623が上昇変位する方向に付勢される。
円弧状孔604は、上アーム部材620の被付勢部625を本体部材601の背面側へ通すための貫通孔である。これにより、上アーム部材620の被付勢部625とトーションスプリングSP3とを係合可能に構成することができる。
円柱軸部605は、伝達ギア650の支持孔653に挿通され、伝達ギア650を回転可能に支持する。円柱軸部605の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、伝達ギア650が脱落不能に支持される。
円弧状孔606は、伝達ギア650の円柱状突部654を本体部材601の正面側へ通すための貫通孔である。これにより、上アーム部材620の伝達孔624と伝達ギア650とを係合可能に構成することができる。伝達ギア650の円柱状突部654の先端に形成される雌ネジに頭部大径のネジが螺入されることにより、伝達ギア650に上アーム部材620が脱落不能に支持される。
検出センサ607は、伝達ギア650の被検出板部655が進入可能な検出溝を備え、伝達ギア650が拡大縮小ユニット600を演出待機状態とする位置に配置されているか、それ以外の位置に配置されているかを判定可能に構成される。
正面カバー部材610は、光透過性の低い樹脂材料から形成され、本体部材601に締結固定される薄肉の部材であって、左右中央部に形成される後板部611と、その後板部611の左右上端部との連結位置から左右外側に形成され、後板部611よりも正面側に張り出して形成される前板部612と、その前板部612の正面側に締結固定され発光可能に構成される半球状照明装置613と、を備える。
後板部611は、本体部材601の円柱軸部603の正面側に配設され、円柱軸部603が視認されないように視界を遮蔽する。後板部611の背面側には、上アーム部材620のギア部622の移動軌跡を避けて、そのギア部622の前後幅よりも若干長い寸法で背面側へ張り出し、本体部材601と面で当接する張出当接部611aを備える。
これにより、後板部611の本体部材601に対する締結状態の安定を図ることができると共に、後板部611と本体部材601とにより区分けされる空間において上アーム部材620を変位させるよう構成することができる。換言すれば、上アーム部材620の姿勢変化(例えば、回転軸に対して撓むような姿勢変化)を、軸方向両側で抑制することができるので、上アーム部材620の状態を安定させることができる。
前板部612は、上アーム部材620や下アーム部材630の正面側に配置され、これら部材の構造的な部分を遊技者に視認させないように構成される板状部であって、本体部材601の正面板部に対して平行な平面として左右一対で形成される摺動面612aと、左側上端部から背面へ向けて張り出す板部において、背面側へ開放される凹部として形成される配線通し凹部612bと、を備える。
摺動面612aは、下アーム部材630に正面側から組み付けられ締結固定され、その形状および材料から低摩擦に形成される押圧部材PC1が摺動可能な平面として構成される。即ち、下アーム部材630の長尺方向の途中に固定される押圧部材PC1が、下アーム部材630の変位に伴い変位する軌跡に沿って形成される平面状板面である。
押圧部材PC1の摺動面612aに対向する側の形状は、摺動面612a側に突き出た略半円形状とされ、押圧部材PC1と摺動面612aとが接触した場合の状態は、点接触となるように構成される。これにより、押圧部材PC1と摺動面612aとの間で生じる抵抗を低減することができ、下アーム部材630を滑らかに変位させ易くすることができる。
摺動面612aと押圧部材PC1とは常時接触しているものでは無く、隙間が設けられている。一方で、下アーム部材630が正面側に変位する量が許容量を超える前に、摺動面612aと押圧部材PC1が当接し下アーム部材630の正面側への変位を制限するように構成される。
本実施形態では、下アーム部材630の正面側への変位量の許容量は、区画部材310(図13(a)参照)の背面側板部と演出部材700との寸法関係により設定される。即ち、下アーム部材630の配置から想定される配置の演出部材700が、区画部材310と当接しない程度の寸法で、下アーム部材630の正面側への変位量の許容量が設定される。
即ち、本実施形態によれば、摺動面612aが押圧部材PC1と当接し、下アーム部材630の正面側への変位を制限することにより、拡大縮小ユニット600の演出部材700が区画部材310と当接することを防止することができる。
なお、右側に配置される摺動部612aは押圧部材PC1の軌跡に沿った円弧形状で形成されるが、左側に配置される摺動部612aは、押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状を含む大きな平面として形成されているが、左右の摺動部612aの機能は共通である。即ち、少なくとも押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状が平面状に形成されていれば良く、それ以外の部分における形状は任意に設定可能である。例えば、本実施形態の右側部分のように、摺動部612aが押圧部材PC1の軌跡としての円弧形状に限定して形成され、それ以外の部分において背面側に張り出す(正面側の意匠部分が背面側寄りに配置される影響で背面側に張り出す)ように構成しても良いし、本実施形態の左側部分のように、摺動部612aの周囲も同様の平面形状で構成しても良い。
なお、下アーム部材630の前方への変位が押圧部材PC1と摺動部612aとの当接により制限されることに加え、上アーム部材620は、トーションスプリングSP3と、円柱状突部654に締結固定される締結ネジとにより前方への変位が規制される。即ち、下アーム部材630の前方への変位の制限に加えて、上アーム部材620の変位の制限も行っていることにより、局所的に大きな負荷が生じることを避けることができる。
配線通し凹部612bは、下アーム部材630の基端側貫通孔635aを通される電気配線の通り道として機能する凹部である。即ち、背面ケース510と拡大縮小ユニット600との間に到達した電気配線は、配線通し凹部612bを通り、下アーム部材630の基端側貫通孔635a通ったのち、下アーム部材630の先端側へ案内され、演出部材700に通される。
このように、拡大縮小ユニット600の内部への電気配線の挿通経路を上側からとすることで、演出部材700と連結される長尺の下アーム部材630が、変位に伴い左右方向に大きく変位する(本実施形態では、背面ケース510の左右幅の約半分の距離を変位する)場合であっても、電気配線が弛んで下方に垂れる事態の発生を防止し易くすることができる。
半球状照明装置613は、半球状のレンズ部材を備え、その背面側に配設されるLED等の発光手段から照射される光を半球状のレンズ部材を通して正面側へ照射させるための装置である。本実施形態では、発光手段から照射される光の光軸が、左右方向中央側下方へ傾斜するよう構成されている。
これにより、半球状照明装置613から照射される光の光軸が前後方向を向く場合に比較して、半球状照明装置613から照射される光に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。例えば、第3図柄表示装置81の中央を視認している遊技者の視界に光を入れ易くしたり、張出状態または拡大状態の演出部材700に光を照射することで光に気付かせ易くしたりすることができる。
上アーム部材620は、長尺板状に形成され、円柱軸部603の外径よりも若干大径の円形孔として形成されることで円柱軸部603を挿通可能に構成される支持孔621と、その支持孔621を中心とした円弧上に形成され、一対の上アーム部材620で互いに歯合可能に構成されるギア部622と、長尺方向端部に円形に穿設され下アーム部材630の円柱状突部631を挿通可能に構成される連結部623と、左側の上アーム部材620にのみ形成され、伝達ギア650の円柱状突部654の外径よりも若干長い幅の長孔として形成される伝達孔624と、上アーム部材620の背面側から突設され先端部が鉤状に形成される被付勢部625と、を備える。
伝達孔624は、支持孔621の中心を通る直線に沿って形成される伝達部624aと、伝達ギア650の回転軸を中心とする円弧に沿って伝達部624aの一端から連続的に延ばされる余裕部624bと、を備える。
伝達部624aは、伝達ギア650を介して伝達される駆動力を受ける部分として機能し、余裕部624bは、駆動力伝達を遮断するための部分として機能するが、詳細は後述する。
被付勢部625は、トーションスプリングSP3の腕部の一端が係合される部分であり、この被付勢部625を介して上アーム部材620の左右外側を上昇変位させる方向の付勢力を上アーム部材620は受ける。
また、被付勢部625の先端鉤状部とトーションスプリングSP3の係合により、上アーム部材620の前方への変位を規制することができる(図49参照)。
下アーム部材630は、左側のアームが電気配線を通す経路を有することを除き、長尺板部材から略左右対称に構成され、長尺方向中間位置から背面側に円柱状に突設される円柱状突部631と、その円柱状突部631に対して左右外側位置から背面側に円柱状に突設される円柱状突部632と、円柱状突部631に対して左右内側位置において前後方向に円形に穿設される支持孔633と、その支持孔633を中心とする一対の円弧に沿って貫通形成される複数の円弧状孔634と、を備える。
円柱状突部631は、上アーム部材620の連結部623に挿通され、円柱状突部631の先端に形成される雌ネジに背面側から頭部大径のネジが螺入されることで、下アーム部材630が上アーム部材620に対して脱落不能に支持される。
円柱状突部632は、抵抗低減用として円筒形状に形成されるカラー部材C1を介して本体部材601の案内孔602に挿通され、円柱状突部632の先端に形成される雌ネジに背面側から頭部大径のネジが螺入されることで、下アーム部材630が本体部材601に対して脱落不能に支持される。
支持孔633及び円弧状孔634は、演出部材700との連結に利用される。後述する配置用部635との関係により、円弧状孔634が形成される箇所の肉厚が、上側部に比較して下側部の方が分厚く構成されている。これにより、演出部材700が下端位置に配置されて場合に、分厚い箇所で演出部材700を左右から抱え込むように支持することができるので、演出部材700が前傾姿勢に姿勢変化することを効果的に規制することができる。
また、左側の下アーム部材630は、アーム本体の長尺方向に亘り電気配線を通すための空間を形成するために背面側へ開放形成される配置用部635と、その配置用部635の背面側に配設され配置用部635の蓋として機能する薄肉蓋部636と、を備える。
配置用部635は、円柱状突部632側端部で前後方向に穿設される基端側貫通孔635aを備える。
基端側貫通孔635aは、配置用部635に配置される電気配線を前後方向に通すための貫通孔である。即ち、配置用部635に配置される電気配線は、基端側貫通孔635aを正面側から通り配置用部635に案内され、配置用部635から下アーム部材630の先端側へ抜ける。
下アーム部材630は、下アーム部材630の長尺方向に沿う境界を有し、演出待機状態において、その境界よりも下側に配設される下側肉部637が、背面側に奥まって形成される。換言すれば、接線を境界として上側が、薄肉の板部として形成される。
この下側肉部637は、右側の下アーム部材630においては、短手方向に延設される複数のリブにより補強される。また、下側肉部637は、左側の下アーム部材630においては、配置用部635の上側壁部を構成し、内部に電気配線を案内可能に構成され、その案内経路に蓋として配設される薄肉蓋部636が締結固定されることで補強される。
電気配線は、下アーム部材630の内部(配置用部635と薄肉蓋部636との間)を通り演出部材700側へ案内されるので、下アーム部材630の前後に配置される部材(例えば、上アーム部材620)と電気配線とが当接することを防止することができる。これにより、これらの部材に電気配線が絡まったり、擦れたりして電気配線が損傷することを避けることができる。
下アーム部材630は、正面側から組み付けられる上述の押圧部材PC1の他に、同一部材から構成され背面側から組み付けられる押圧部材PC1を備える。この押圧部材PC1を介して、下アーム部材630は、本体部材601の本体板状部と前後で当接可能に構成される。なお、本体部材601と押圧部材PC1とは、常時接触しているものでは無く若干の隙間を有しており、下アーム部材630が背面側へ変位した場合に当接し、その変位を制限するように機能することは、前側の押圧部材PC1の場合と同様である。
即ち、下アーム部材630は、前後両側に押圧部材PC1が組み付けられ、その押圧部材PC1を介して本体部材601又は正面カバー部材610と当接可能に構成されるので、前後方向に変位した場合の変位の制限を容易とし、変位制限時に昇降変位に対して生じる抵抗を低減し易くすることができる。
背面側から組み付けられる押圧部材PC1の背面側への張り出し先端は、上アーム部材620の背面側端部よりも背面側寄りに配置される。これにより、押圧部材PC1の先端が本体部材601に当接する程度に背面側へ変位した場合においても、上アーム部材620が本体部材601と当接することを回避することができる。従って、本実施形態によれば、上アーム部材620が、前後に配置される本体部材601又は正面カバー部材610と当接することを防止することができる。
この構成は、下アーム部材630が意図せず前後方向に変位し易い場合に特に有効である。例えば、本実施形態では、下アーム部材630の先端部が演出部材700の後端面付近に配置されており、演出部材700の重心と、演出部材700と下アーム部材630との連結位置とが前後方向に位置ずれしているので、下アーム部材630に前後方向変位が生じやすい構成と言える。他にも、下アーム部材630の変位態様や、演出部材700自体の駆動変位により、下アーム部材630の前後方向変位が生じやすい構成とされている。
伝達ギア650は、略半円形状の板状に形成される半円本体部651と、その半円本体部651の径方向外側にギア状に刻設されるギア部652と、半円本体部651の半円形状の中心軸上に円柱軸部605を挿通可能な円形孔として貫通形成される支持孔653と、半円本体部651の外径端部から正面側へ円柱形状で突設される円柱状突部654と、半円本体部651の周方向端部に検出センサ607の検出溝に進入可能な薄さの板状に形成される被検出板部655と、その被検出板部655と支持孔653との間に亘り増厚形成される増厚部656と、その増厚部656の支持孔653側の位置において前後方向に貫通形成される被規制孔657と、を備える。
ギア部652は、駆動モータMT2の駆動ギアと歯合した状態で配設され、駆動モータMT2の駆動力が直接的に伝達される。
円柱状突部654は、本体部材601の円弧状孔606を通り、上アーム部材620の伝達孔624の内側に配置される。これにより、伝達ギア650の回転に伴い、円柱状突部654を介して、駆動力が上アーム部材620に伝達可能とされる。円柱状突部654は、伝達孔624の幅よりも外径が若干短いカラー部材に挿通され、円柱状突部654の突設先端に形成される雌ネジ部に頭部大径の締結ネジが螺入されることにより、カラー部材および上アーム部材620が脱落不能に支持され、上アーム部材620の前方への変位が規制される。
増厚部656及び被規制孔657は、上述の変位規制装置180(図6参照)と係合可能に構成される部分である。被規制孔657が支持孔653側(支持孔653寄りの位置)に配設されることで、変位規制装置180の規制状態(図21(a)参照)において伝達ギア650から変位規制装置180に伝達される負荷(モーメント)が低減されるよう構成される。
また、伝達ギア650の厚みの設計思想として、変位規制装置180との係合により生じる負荷に耐えられることが必要な箇所として増厚部656を設定している。即ち、変位規制装置180との係合が生じ得ない箇所は薄肉で形成することで、伝達ギア650に要する材料費用の低減を図ることができる。
図53は、演出部材700の正面分解斜視図であり、図54は、演出部材700の背面分解斜視図である。なお、図53及び図54の説明では、図51及び図52を適宜参照する。
図53及び図54に示すように、演出部材700は、下アーム部材630の先端部に連結される板状本体710と、その板状本体710の正面側に締結固定される機能板部720と、その機能板部720と板状本体710との間に配設され機能板部720に対して回転変位可能に支持される回転板730と、その回転板730と機能板部720との間に配設され回転板730の回転に連動してマジックハンドと同様の変位を可能に構成される伸縮変位部材740と、機能板部720の正面側に締結固定され駆動ギアMG3が機能板部720の背面側に配置される駆動モータMT3と、機能板部720の正面側に締結固定され発光演出を実行する発光演出装置750と、複数の伸縮変位部材740の先端部にそれぞれ締結固定され演出待機状態において発光演出装置750の正面側における光の通過を遮蔽するように組み合わせられる複数の遮蔽意匠部材760と、を備える。
板状本体710は、左右対称な位置から背面側に下アーム部材630の支持孔633の内径よりも若干短い外径の円柱形状で突設される一対の円柱突部711と、その円柱突部711を中心とした円弧上位置から背面側に下アーム部材630の円弧上孔634の幅よりも若干短い外径の円柱形状で突設される複数の補助突部712と、一対の円柱突部711の間の位置において前後方向に穿設される通し孔713と、その通し孔713の下側に配設され正面側のみが開放される配線案内部材714と、板背面に配設される押圧部材PC1と、を備える。
通し孔713は、下アーム部材630を通り、配置用部635と薄肉蓋部636との間を下アーム部材630の先端側へ案内された電気配線DK1を正面側へ通すための貫通孔である。下アーム部材630の先端から通し孔713までの区間は、電気配線DK1は配線案内部材714により案内される。これにより、下アーム部材630から通し孔713までの限られた区間においても、電気配線DK1が他の部材と当接したり、遊技者から視認されたりする可能性を無くすことができる。
配線案内部材714は、電気配線DK1を案内する機能の他に、上面が背面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面で形成されていることから、正面カバー部材610の後板部611の下端部との当接を和らげる機能を併せ持つ。
即ち、配線案内部材714の上側面は、演出部材700が上昇変位する際に、正面カバー部材610の後板部611と対向配置されており、演出部材700が背面側に位置ずれしている場合であっても、配線案内部材714が後板部611に当接することで、配線案内部材714の上面の傾斜に沿って上昇変位途中で演出部材700を正面側へ戻すことができる。
押圧部材PC1も配線案内部材714と同様に、正面カバー部材610の後板部611と摺動可能に配設される。即ち、本実施形態では、演出部材700の上昇変位の過程において、上端部に配置される押圧部材PC1及び下部に配置される配線案内部材714を正面カバー部材610の後板部611と当接可能に構成することで、演出部材700の姿勢維持のための負荷の発生位置を分けることができる。
図55は、機能板部720の正面図である。なお、図55の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
機能板部720は、樹脂材料から略板状に形成され、中心部において背面側へ筒状に突設され筒内部が貫通形成される筒状部721と、その筒状部721の中心軸と同軸の円弧形状に沿って穿設される円弧形状孔722と、その円弧形状孔722の一端に検出センサSC7を配置可能に形成されるセンサ配置部723と、駆動モータMT3の駆動軸を挿通可能な開口部を有し駆動モータMT3を締結固定可能に形成されるモータ固定部724と、筒状部721の中心軸を通る直線に沿う径方向長孔725aと、その径方向長孔725aに対して直角に交差する一対の交差長孔725bとから構成される複数(本実施形態では、5組)の案内孔725と、径方向長孔725aの延長線上において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5箇所)の延設板部726と、その延設板部726の延設基端に配置される平面部の背面側端部から延設板部726の幅方向両端において突設される一対(本実施形態では、延設板部726それぞれに一対)の補助突部727と、径外方向端部付近から背面側へ柱状に突設される一対の柱状突設部728と、を備える。
筒状部721は、背面側端部が板状本体710と当接するように配置され、内部の貫通孔が板状本体710の通し孔713と連通している状態で板状本体710と締結固定される。この際、締結ネジは板状本体710の背面側から板状本体710に挿通され、ネジ部が、筒状部721の背面側端部に形成される雌ネジに螺入される。
これにより、機能板部720は板状本体710に締結固定され、その中央部に貫通孔が形成されることになり、本実施形態では、この貫通孔を通して電気配線DK1が正面側へ案内される。
正面側に案内された電気配線DK1(図76参照)は、センサ配置部723に締結固定される検出センサSC7や、モータ固定部724に締結固定される駆動モータMT3に接続される。これにより、検出センサSC7及び駆動モータMT3を通電状態にすることができる。
円弧形状孔722は、回転板730の被検出部731aを正面側に張り出し可能とするための貫通孔であり、この被検出部731aが検出センサSC7の検出溝に進入することで回転板730の姿勢を判定可能としている。
案内孔725は、伸縮変位部材740の被案内突部741b,741c,742aを配置可能な幅で形成される貫通孔群であり、筒状部721の中心軸から径方向に延びる直線に沿って形成される長孔状の径方向長孔725aと、その径方向長孔725aの外径側端部の両側において径方向長孔725aの基準となった直線と直交する直線に沿って長孔状に形成される一対の交差長孔725bと、を備える。
径方向長孔725a及び交差長孔725bは、伸縮変位部材740の変位を制限するように機能し、延設板部726及び補助突部727は、伸縮変位部材740の集合配置状態における姿勢を修正するように機能するが、詳細は後述する。
柱状突設部728は、背面側先端が板状本体710と当接可能に構成されている。当接状態において、柱状突設部728の先端側に形成される雌ネジに、板状本体710に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、機能板部720は板状本体710に締結固定される。
組立状態では、柱状突設部728は、回転板730の円弧形状孔732に挿通され、回転板730の回転角度を制限する。即ち、柱状突設部728は、機能板部720を板状本体710に締結固定する部分と、回転板730の回転角度を制限する部分とで兼用される。
図56は、回転板730の正面図であり、図57は、回転板730の側面図である。図56及び図57の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
回転板730は、樹脂材料から略円板形状に形成され、中心部において正面側へ筒状に突設され筒内部が貫通形成される筒状部731と、その筒状部731の中心軸と同軸の円弧形状に沿って穿設される複数の円弧形状孔732と、筒状部731よりも外径側であり円弧形状孔732よりも内径側である位置に長尺の貫通孔として形成される複数(本実施形態では5箇所)の案内孔733と、その案内孔733と対応する位置において径外方向へ爪状に延設される延設爪部734と、を備える。
筒状部731は、内径が機能板部720の筒状部721の外径よりも若干長く設計され、正面側先端から正面側へ延設され機能板部720の円弧形状孔722を通して検出センサSC7の被検出溝に進入可能に形成される被検出部731aと、駆動モータMT3の駆動ギアMG3と歯合可能なギア状に外周側に形成されるギア部731bと、を備える。
円弧形状孔732は、機能板部720の柱状突設部728が配置される開口部であり、回転板730の回転角度を約120度弱で確保可能な長さで形成される。
案内孔733は、それぞれ同形状で形成されており、筒状部731の中心軸を中心とする円弧形状で形成される小径円弧部733aと、その小径円弧部733aよりも筒状部731の中心軸からの長さが長い大径円弧部733bと、その大径円弧部733b及び小径円弧部733aを連結する連結部733cと、を備える。
連結部733cの態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、単位角度あたりにおける筒状部731の中心軸からの長さの変化が、位置に対応して変化するように形成される。特に、本実施形態では、小径円弧部733aや大径円弧部733b付近における単位角度あたりの筒状部731の中心軸からの長さの変化が比較的小さく設計される。
これにより、伸縮変位部材740への負荷伝達の際に生じる抵抗を低減することができると共に、伸縮変位部材740の変位速度を不均一とすることにより演出効果を向上することができる。
延設爪部734は、正面視時計回りの向きへ張り出す爪状に形成され、正面側に配置される伸縮変位部材740と係合可能に構成され、厚み方向背面側に寄って形成される背面側爪部734aと、その背面側爪部734aよりも正面側に形成される正面側爪部734bと、を備える。本実施形態では、延設爪部734の厚み寸法の略中間位置で、背面側爪部734aと正面側爪部734bとが区分けされる。
延設爪部734は、伸縮変位部材740の第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bと係合する部分として機能する。伸縮変位部材740からの突設先端位置が前後で異なる第2被案内突部744bと第1被案内突部743bとに、それぞれ正面側爪部734bと背面側爪部734aとが対応し、順に径方向内側へ案内するが、詳細は後述する。
本実施形態では、延設爪部734は、上側に配置される延設爪部734に比較して、下側に配置される延設爪部734の方が、延設長さが長くなるように形成される。本実施形態では、周方向および径方向の両方向で延設長さが長くされる。これにより、重力の影響を緩和することができる。
即ち、伸縮変位部材740が同一形状で構成されるとしても、変位可能な方向と重力方向との関係が異なるので、重力の作用により生じる変位は伸縮変位部材740ごとに異なる。例えば、下側に配設される伸縮変位部材740は、自重により垂れ下がり、回転板730の回転軸から離れる方向へ変位するので、対策なしでは、延設爪部734の径方向外側に伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが配置されてしまい、延設爪部734による径方向内側への案内が失敗する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、下側に配置される延設爪部734の延設長さを、伸縮変位部材740の垂れ下がりを考慮して、十分に長く設計しているので、延設爪部734による径方向内側への案内を安定して実行することができる。
一方で、上側に配置される伸縮変位部材740が自重の影響で変位したとしても、その変位は回転板730の回転軸に近寄る方向の変位なので、延設爪部734の径方向内側への案内が失敗する可能性は低い。そのため、上側に配置される延設爪部734については、必要以上に長く延設することはせず、短く形成することで、材料コストの低減と、回転板730の小型化と、を図ることができる。
図58及び図59を参照して、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760について説明する。なお、図58及び図59の説明では、図53及び図54を適宜参照する。
図58(a)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の正面斜視図であり、図58(b)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の背面斜視図であり、図59(a)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の正面斜視図であり、図59(b)は、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の背面斜視図である。
図58(a)及び図58(b)では、5組の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の内、最上部に配置される一組が、集合配置される場合の状態で図示され、図59(a)及び図59(b)では、同じ一組が、離散される場合の状態で図示される。
伸縮変位部材740は、前後2層に配置される複数の長尺部材により構成されるリンク機構を構成する部材であるので、以下の説明において、伸縮変位部材740の内、前側に配置される複数の長尺部材が変位可能な平面を前層平面、後側に配置される複数の長尺部材が変位可能な平面を後層平面とも称する。
伸縮変位部材740は、前後2層に配置され下端部で相対回転可能に軸支される一対の基端側部材741と、その基端側部材741の上端部において相対回転可能に軸支される一対の第1長尺部材742と、その第1長尺部材742の上端部において相対回転可能に軸支される一対の第2長尺部材743と、その第2長尺部材742の上端部を案内可能に直線状に延設される案内長孔744aを有する先端調整部材744と、を備える。
前後一対で構成される基端側部材741、第1長尺部材742及び第2長尺部材743は、長尺方向の長さ及び支持位置が、一対で互いに同一で設計される。
基端側部材741は、後層平面側の部材の下端部から背面側へ円柱状に突設される被伝達突部741aと、その円柱突部741aが突設される裏面から正面側へ円柱状に突設され前層平面側の部材に挿通される被案内突部741bと、後層平面側の部材の上端部から正面側へ円柱状に突設され第1長尺部材742の下端部に穿設される貫通孔に挿通される被案内突部741cと、を備える。
被伝達突部741aは、回転板730の案内孔733(図56参照)に配置され回転板730の回転に伴い径方向に変位するよう構成される。
被案内突部741b及び被案内突部741cは、機能板部725の案内孔725に配置され、その長尺方向に案内される。なお、被案内突部741bは径方向長孔725aに配置され、被案内突部741cは交差長孔725bに配置される(図55参照)。
第1長尺部材742は、長尺方向の略中間位置において前後方向軸で相対回転可能に軸支され、後層平面側の部材の下端部から正面側へ円柱状に突設され前層平面側の基端側部材741の上端部に挿通される被案内突部742aを備える。
被案内突部742aは、機能板部725の交差長孔725bに配置され、その長尺方向に案内される(図55参照)。
第2長尺部材743は、長尺方向の略中間位置において前後方向軸で相対回転可能に軸支され、前層平面側の部材の上端部からは正面側へ円柱状に突設され、後層平面側の部材の上端部からは部材幅程度の径で前層平面側の部材の前端面と面一まで突設され、その突設先端から正面側へ円柱状に突設される一対の支持突部743aと、後層平面側の部材の略中間位置から背面側へ円柱状に突設される第1被案内突部743bと、を備える。
第1被案内突部743bは、回転板730の延設爪部734の背面側爪部734aに案内され、この案内により径方向内側へ向けた負荷を受ける(図56参照)。
先端調整部材744は、正面側に遮蔽意匠部材760が締結固定される部材であって、第2長尺部材743の支持突部743aを挿通可能な幅で直線方向に沿って延設される長孔形状で穿設される一対の案内長孔744aと、長尺方向の中央位置から背面側へ円柱状に突設される第2被案内突部744bと、を備える。
第2被案内突部744bは、突設先端が第1被案内突部743bの突設先端よりも前側に配置され、回転板730の延設爪部734の正面側爪部734bに案内され、この案内により径方向内側へ向けた負荷を受ける(図57参照)。
第2被案内突部744bは、突設先端の形状が円形では無く、被伝達突部741a側に回転中心を備える回転板730が背面視反時計回り方向に回転変位することに伴い近接する傾斜面734c(図57参照)に対向配置する側の面(図59(b)の左側の面)が、面取りされる態様の傾斜面を備える。
この傾斜面により、伸縮変位部材740の配置が前後方向に多少ずれている場合であっても、回転板730の延設爪部734との当接時の抵抗が過大となることを回避することができる。
図58(b)及び図59(b)に示すように、伸縮変位部材740が集合配置される場合および離散される場合では、伸縮変位部材740の第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aが、先端調整部材744の案内長孔744aの外側両端部または内側両端部に配置される。これにより、一対の支持突部743aに対する先端調整部材744の配置(長尺方向の配置)を安定させることができる。
遮蔽意匠部材760は、先端調整部材744の正面側に締結固定され、その締結部を端として正面側へ延設され、その延設先端から正面側へ向かう程に伸縮変位部材740を覆う側へ向けて傾斜して延設され、その延設先端から伸縮変位部材740が変位する平面(前層平面または後層平面)と平行に延設される形状部を有する正面視略三角形状の部材である。
遮蔽意匠部材760は、表裏に有色(本実施形態では赤色)の反射シートが貼り付けられることで背面側の装飾部材752を視認不能に遮蔽するよう構成され、右側端部において、部材背面に沿って板表面が形成される態様で右側へ板状に延設される延設板部761を備える。
延設板部761は、遮蔽意匠部材760の本体部と同様に表裏に有色(本実施形態では赤色)の反射シートが貼り付けられ、正面視右隣(時計回り方向隣)に配置される遮蔽意匠部材760の左側端部の背面側と対向配置され、その遮蔽意匠部材760が背面側へ位置ずれする場合に当接し、その位置ずれを抑制可能に構成される。
延設板部761の配置は、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、板正面が、遮蔽意匠部材760の本体部の背面よりも背面側にずれて配置されても良い。この場合、複数の遮蔽意匠部材760が集合配置位置に変位する際に、遮蔽意匠部材760の本体部と延設板部761とが遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
この作用は、延設板部761の配置を遮蔽意匠部材760の本体部から離すほど顕著になるが、少なくとも、遮蔽意匠部材760の前後方向の位置ずれとして遮蔽意匠部材760に許容される寸法分は離して延設板部761を配置することにより、延設板部761と遮蔽意匠部材760の本体部とが遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
また、延設板部761の前面の形状は、傾斜面として形成しても良いし、法線を前後方向に向ける平面として形成しても良い。本実施形態では、遮蔽意匠部材760から離れるほど背面側へ寄る態様の傾斜面として構成される。
これにより、例えば、最上部の遮蔽意匠部材760に対して、最上部の遮蔽意匠部材760の正面視右隣りの遮蔽意匠部材760が背面側に若干位置ずれした状態で、遮蔽意匠部材760が集合配置(図63参照)位置へ変位する場合であっても、最上部の遮蔽意匠部材760の延設板部761の前面傾斜に沿って、正面視右隣りの遮蔽意匠部材760の前後方向の位置ずれを修正することができる。これにより、隣り合う遮蔽意匠部材760の相対的な前後方向位置を合わせ易くすることができる。
また、図58(b)に示すように、遮蔽意匠部材760を支持する伸縮変位部材740の第2長尺部材743は、遮蔽意匠部材760の右側部を支持する部材が後層平面に配置され、遮蔽意匠部材760の左側部を支持する部材が前層平面に配置され、これら一対の第2長尺部材743の中間部が前後に重ねられる態様で交差することで、左側部が右側部に比較して前側へ配置される姿勢に遮蔽意匠部材760を傾かせ易いよう構成される。
遮蔽意匠部材760を支持する伸縮変位部材740の構成は5組とも共通とされるので、各遮蔽意匠部材760は共通で、左側部が右側部(延設板部761が形成される側)に比較して前側へ配置される姿勢に傾き易いよう構成される。
この遮蔽意匠部材760の姿勢の傾斜により、延設板部761を、その延設板部761側に対向配置される遮蔽意匠部材760の背面側から離して位置させることができる。この状態で遮蔽意匠部材760が集合配置の位置へ変位することにより、遮蔽意匠部材760の本体部と、延設板部761とが、遮蔽意匠部材760又は伸縮変位部材740の変位方向(変位平面)に沿って当接(衝突)することを避けることができる。
5組の遮蔽意匠部材760が集合配置した状態(図53参照)では、遮蔽意匠部材760が円状に配置され、全ての遮蔽意匠部材760が、左隣(正面視反時計回り方向隣)の遮蔽意匠部材760の延設板部761に背面側への位置ずれを抑制される。
この構成によれば、遮蔽意匠部材760は、延設板部761が右隣(正面視時計回り方向隣)の遮蔽意匠部材760に当接することで正面側への位置ずれを抑制される。そのため、5組の遮蔽意匠部材760が互いに前後方向で対向配置されることで、5組の遮蔽意匠部材760それぞれについて、前後方向の位置ずれを抑制することができる。
図60及び図61を参照して、回転板730と伸縮変位部材740との連動について説明する。図60及び図61は、機能板部720の正面図である。図60及び図61では、回転板730の案内孔733が想像線で図示され、伸縮変位部材740の被伝達突部741a、被案内突部741b,741c,742aの外形の配置の一例が図示される。
図60では、伸縮変位部材740が集合配置される状態(図58参照)が図示され、図61では、回転板730が正面視反時計回りに約120度回転し、伸縮変位部材740が離散される状態(図59参照)が図示される。
本実施形態では、被案内突部741b,741c,742aが案内孔725に沿って案内されると共に、回転板730の回転に伴い案内孔733に配置される被伝達突部741aの配置が回転板730の回転軸側へ近接する方向に変位することで、伸縮変位部材740の状態が変化する。
この状態変化において、被案内突部741c,742aが依然として機能板部720の外径側に維持されるので、被案内突部741c,742aの位置を基準として遮蔽意匠部材760が外径側へ張り出すように変位可能に構成されるが、詳細は後述する。
図53及び図54に戻って説明する。発光演出装置750は、中央部に開口を有する電飾基板751と、その電飾基板751の正面側に配設され光透過性の樹脂材料から形成される装飾部材752と、を備える。電飾基板751の中央部には開口が形成され、装飾部材752は正面側に張り出すドーム状に形成されているので、駆動モータMT3の配設領域を確保することができる。
電飾基板751は、中央部に開口751aが形成される。開口751aの内側には、駆動モータMT3と、下アーム部材630を通り案内された電気配線とが配置される。開口751aが大きくなるほど、駆動モータMT3や電気配線を楽に配置可能となるが、発光手段としてのLEDの配置領域が制限されることになるので、発光演出の観点からは、開口751aは小さい方が望ましい。
開口751aには、LEDを配設することができないので、その正面側が暗く視認され易い。これに対し、本実施形態では、装飾部材752の構成を2分割することにより対処している。
即ち、装飾部材752は、無色で光透過性の樹脂材料から形成される光透過部材752aと、その光透過部材752aに正面側から組み付けられ視認面が鏡面状の(例えば、銀メッキ塗装が施される)鏡面部材752bと、を備える。
光透過部材752aの中央部に開口が形成されており、鏡面部材752bは中央部が閉塞されていることにより、正面視において駆動モータMT3が配置される位置に鏡面部材752bを配置することができる。これにより、背面側からのLEDからの光照射が無くても、他の方向からの光照射(例えば、半球状照明装置613からの光照射)による反射光を遊技者に視認させることができるので、開口751aの正面側部分が暗く視認されることを防ぐことができる。
拡大縮小ユニット600の演出部材700の上下変位について説明する。図62から図64は、演出部材700の下降変位を時系列で示す拡大縮小ユニット600の正面図である。なお、図62から図64では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図62では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図63では、演出待機状態から演出部材700が下降した下降途中状態が図示され、図64では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
なお、図63に示す下降途中状態は、下アーム部材630の回転角度が演出待機状態から張出状態までの下アーム部材630の回転角度の半分となる状態として図示される。本実施形態では、上アーム部材620の回転角度も同様に半分となっている。
図62に示すように、拡大縮小ユニット600の演出待機状態では、円柱状突部654が、上アーム部材620の伝達部624aと余裕部624bとの境界位置に配置される。即ち、円柱状突部654が即座に伝達部624aに進入し、演出部材700の下降変位を開始可能な位置に配置される状態が、拡大縮小ユニット600の演出待機状態とされる。
この演出待機状態は、例えば、パチンコ機10に配設される第3図柄表示装置81(図7参照)も含めた演出用部材により、拡大縮小ユニット600の演出部材700が下降変位することを示唆する演出の実行に合わせて切り替えられる状態であり、その示唆演出が実行される前においては、円柱状突部654は余裕部624b側に配置される。
余裕部624bは、上述のように、伝達ギア650の回転軸を中心とする円弧に沿って伝達部624aの一端から連続的に延ばされる形状部であり、図62に示す状態において、円弧状孔606と前後方向で重なる位置に配置される。
そのため、上アーム部材620の伝達孔624を介して円柱状突部654に与えられる負荷は、伝達ギア650の回転軸へ向かうことになり、伝達ギア650を回転させる負荷としては機能しない。従って、駆動モータMT2(図51参照)の通電の有無に関わらず、上アーム部材620の変位を規制することができ、これにより、上アーム部材620に連結される下アーム部材630に連結される演出部材700の変位を規制することができる。
なお、上述の、演出部材700が下降変位することを示唆する演出が、最終的に演出部材700が下降変位しない演出態様であったとしても、本実施形態では、拡大縮小ユニット600を演出待機状態へ状態変化させるよう制御される。
この場合、演出部材700が下降変位しないことが遊技者に報知された直後に、円柱状突部654を余裕部624b側へ戻すために、伝達ギア650が正面視反時計回りに回転する方向で駆動モータMT2(図51参照)が駆動される。
これにより、演出部材700が下降変位することを示唆する演出が実行された場合に、駆動モータMT2の駆動音の違いにより、その後の演出部材700に関する演出が予測されることを回避することができる。
余裕部624bには、演出部材700を上昇させる方向に駆動モータMT2を回転駆動させる際の、駆動停止位置に要求される精度を低くする機能もある。即ち、演出部材700を上昇させる駆動態様の際、図62に示す状態で演出部材700は既に上端側の変位終端位置に配置されており、この後の円柱状突部654の変位は、余裕部624bに沿って摺動するだけの変位となる。
そして、円柱状突部654が余裕部624bのどの位置に配置されていても、上アーム部材620の変位を規制するという機能に差が生じることは無い。そのため、円柱状突部654の停止位置の設定精度が低くなることが許容されるので、検出センサ607(図52参照)に被検出板部655が進入したら即座に伝達ギア650を停止可能な回転速度に限定されず、演出部材700を上昇変位させる際の駆動モータMT2(図51参照)の回転速度を大きく設定することができる。これにより、演出部材700の上昇速度を大きく設定することができる。
加えて、上昇速度が過大であっても、上アーム部材620が円柱状突部654と当接した場合に、円柱状突部654へ与えられる負荷は、伝達ギア650の径方向へ向かうことになるので、円柱状突部654を回転方向へ変位させるようには機能しない。従って、上昇速度が過大であっても、上アーム部材620の変位を、円柱状突部654と当接する位置で規制することができる。
更に、上昇速度が過大であっても、下アーム部材630は上アーム部材620に上昇変位を規制されることになるが、詳細は後述する。
図62から図64に示すように、一対の下アーム部材630の端部間の左右距離(本体部材601の案内孔602に配置される端部間の左右距離)の変化は、演出待機状態から下降途中状態までに比較して、下降途中状態から張出状態までの方が大きく設定される。
このように、演出部材700の下降変位に伴う一対の下アーム部材630の端部間の変位速度を増速させることで、演出部材700を支えている下アーム部材630が幅方向に激しく変位しているように視認させることができ、遊技者に対して、あたかも、演出部材700の変位速度が激しく増速しているかのように視認させることができ、演出部材700の昇降変位の演出効果を向上させることができる。
図65から図67は、演出部材700の下降変位を時系列で示す拡大縮小ユニット600の背面図である。なお、図65では、理解を容易とするために、本体部材601及び正面カバー部材610の図示が省略された図として図65(b)が併記される。
図65(a)及び図65(b)では、拡大縮小ユニット600の演出待機状態が図示され、図66では、演出待機状態から演出部材700が下降した下降途中状態が図示され、図67では、拡大縮小ユニット600の張出状態が図示される。
図65(a)に示すように、拡大縮小ユニット600の演出待機状態において、伝達ギア650の被検出板部655は検出センサ607の検出溝から退避している。即ち、本実施形態では、演出部材700が下降変位することを示唆する演出の実行前は、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に配置されている状態において駆動モータMT2が停止されているところ、上述の示唆演出の実行に伴い駆動モータMT2が駆動制御され、被検出板部655が検出センサ607の検出溝から退避したと判定される位置で駆動モータMT2を一端停止させることで、拡大縮小ユニット600を演出待機状態に状態変化させるよう制御されている。
逆に、演出部材700を上昇変位させる側へ伝達ギア650を回転駆動させる場合には、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入したと判定された場合に、駆動モータMT2の通電を解除するよう制御することで、演出待機状態における円柱状突部654の位置から余裕部624bに若干でも進入した位置で伝達ギア650を停止させることができ、上述のように、上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700の変位を規制することができる。
本実施形態では、被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入したと判定されたら駆動モータMT2の駆動を即座に停止させるのではなく、駆動速度を保つか減速するかに関わらず、円柱状突部654の位置が余裕部624bの端部に配置されるのに十分な時間の時間遅れの後で駆動モータMT2の駆動を停止するよう制御している。
これにより、伝達ギア650の停止位置を円柱状突部654の位置が余裕部624bの端部に配置される位置とすることができる。この位置において、変位規制装置180の円筒部183が、伝達ギア650の被規制孔657に挿通可能とされる(図21(a)参照)。なお、伝達ギア650の停止位置が若干ずれた場合でも、円筒部183の先端にテーパ面が形成されているので(図15(c)参照)、円筒部183を被規制孔657に容易に挿通することができる。
なお、円筒部183が挿通可能な時の被規制孔657の位置は、図65(a)に示す状態から背面視で時計回りに若干回転移動した位置であり、図65(a)に示す被規制孔657と部分的に重なる位置に設定される。
そのため、例えば、図66又は図67に示す状態において変位規制装置180の操作部材183を押し込み操作して変位規制装置180を規制状態(図15(c)参照)とした後で、伝達ギア650を駆動制御して演出部材700を上昇変位させる方向に伝達ギア650を回転制御したとしても、円筒部183に伝達ギア650の変位が妨害され、図65(a)に示す状態まで至らない。
駆動モータMT2の駆動を継続しているにも関わらず被検出板部655が検出センサ607の検出溝に進入しないことで、MPU221(図4参照)は、伝達ギア650の変位不良を判定することができる。
この判定を基に、第3図柄表示装置81(図4参照)に拡大縮小ユニット600の変位不良のエラー表示を行う等の方法で、異常を報知することができ、この報知により、遊技機店の店員に、変位規制装置180が規制状態のままであるかもしれないことを把握させることができる。
これにより、拡大縮小ユニット600の変位に関するエラー表示等の報知を流用して、変位規制装置180の状態に関する情報を遊技機店の店員に伝えることができる。そのため、変位規制装置180の状態を検出する装置を別途設けることを不要とすることができる。
ここで、伝達ギア650の停止位置は、伝達孔624の余裕部624bの長さ分の余裕があるので、伝達ギア650の回転速度を大きく設定することが可能に構成されているところ、演出部材700を上昇変位させる際の伝達ギア650の回転速度が過大であると、上アーム部材620に吊り下げられている下アーム部材630の上昇速度が過大となり、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、演出部材700を演出待機状態へ向けて変位させる方向が重力方向と逆方向(上方向)で設定されているので、下アーム部材630に常に下向きの加速度を付加することができ、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突した場合の当接位置における上下方向負荷を低減することができる。
加えて、図65(b)に示すように、下アーム部材630の下側肉部637の上側面形状が、上アーム部材620の下側面形状に沿って形成されているので、下アーム部材630が上アーム部材620に衝突した場合の当接面積を増大させることができる。これにより、上アーム部材620及び下アーム部材630に局所的に大きな負荷が生じることを回避することができ、上アーム部材620又は下アーム部材630の破損や折れの発生を防止することができる。
このように、下アーム部材630は上アーム部材620の下面に十分に広い当接面積で当接可能に構成されているので、演出部材700を上昇変位させる際の伝達ギア650の回転速度が過大であり、上アーム部材620に吊り下げられている下アーム部材630の上昇速度が過大となっても、上述のように円柱状突部654により変位を規制される上アーム部材620によって、下アーム部材630の上昇変位を規制することができる。これにより、演出部材700が、演出待機状態における配置を超えて上側へ変位することを防止することができる。
図66及び図67で示される状態は、駆動モータMT2の駆動力によりトーションスプリングSP3の付勢力に対抗して、上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700を演出待機状態から下降変位させた状態に対応する。
図66に示す状態では、演出部材700の補助突部712が下アーム部材630の円弧状孔634の中間位置に配置され、図67に示す状態では、図65に示す状態と同様に、演出部材700の補助突部712が下アーム部材630の円弧状孔634の端部に配置される。
これにより、下アーム部材630が演出部材700を保持する程度(姿勢を安定させる程度)を変化させることができる。即ち、下降途中状態に比較して、演出待機状態や張出状態の方が、下アーム部材630が演出部材700を保持する程度を高くすることができる。
換言すれば、演出部材700が円柱突部711を中心として回転する方向に姿勢変化することを防止し易くすることができる。例えば、補助突部712が円弧形状孔732の中間位置に配置され回転方向の変位を規制されていない場合(図66参照)、右側の円柱状突部711を中心として演出部材700が回転方向に姿勢変化する可能性がある。
本実施形態では、演出部材700は左側の円柱状突部711も含めた2点で左右一対の下アーム部材630に支持されているが、右側の円柱状突部711を中心として回転する方向に演出部材700が姿勢変化する場合の左側の円柱状突部711の変位方向は、下アーム部材630の短手方向、即ち下アーム部材630を変位させる方向を向く。そのため、演出部材700の姿勢変化が下アーム部材630に規制されずに、目に見えて生じる可能性があり、遊技者に対して違和感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、張出状態において、右側の円柱状突部711を中心として回転する方向に演出部材700が姿勢変化する場合の左側の円柱状突部711の変位方向は、下アーム部材630の長手方向に沿うように下アーム部材630が配置される。これにより、演出部材700の姿勢変化を下アーム部材630により有効に制限することができ、演出部材700が判別可能な程度に姿勢変化することを防止することができる。
加えて、張出状態において、右側に配置される一対の補助突部712が円弧形状孔732の終端位置に配置されているので、補助突部712と円弧形状孔732との当接により、右側の円柱状突部711を中心として演出部材700が背面視時計回り方向に姿勢変化することを防止することができる。なお、背面視反時計回り方向に姿勢変化することは、上述のように、左側の円柱状突部711の変位方向が左側の下アーム部材630の長手方向に沿うことにより制限される。
同様に、張出状態において、左側に配置される一対の補助突部712が円弧形状孔732の終端位置に配置されているので、補助突部712と円弧形状孔732との当接により、左側の円柱状突部711を中心として演出部材700が背面視反時計回り方向に姿勢変化することを防止することができる。なお、背面視時計回り方向に姿勢変化することは、上述のように、右側の円柱状突部711の変位方向が右側の下アーム部材630の長手方向に沿うことにより制限される。
更に、補助突部712は、演出部材700の回転方向(前後方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化のみでなく、傾倒方向(左右方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化や、横振り方向(上下方向にのびる軸を中心とする回転方向)の姿勢変化も抑制するよう機能する。
例えば、下アーム部材630と演出部材700とが、左右一対の円柱突部711のみで連結されるのではなく、円柱突部711の上側に配置される補助突部712や、円柱突部711の左右外側下方に配置される補助突部712によっても連結されることにより、下アーム部材630と演出部材700とを上下3位置で連結することができるので、演出部材700の傾倒方向の姿勢変化を抑制することができる。
加えて、円柱突部711の上側に配置される補助突部712は、下アーム部材630の長尺本体部の途中(円弧状孔634の根元側)に配置されるので、演出部材700の傾倒方向の姿勢変化により生じる負荷を下アーム部材630の長尺本体部で耐えることができる。
更に、下アーム部材630の長尺本体部には上述のように押圧部材PC1が配設され(図64及び図67参照)、その押圧部材PC1を介して本体部材601又は正面カバー部材610により下アーム部材630の前後方向変位が規制される。
このように、演出部材700の姿勢変化による負荷が下アーム部材630の長尺本体部に与えられ、下アーム部材630が長尺方向に沿った撓み方向に負荷を受ける場合、下アーム部材630の変位を規制する構成を利用して、演出部材700の姿勢変化を強固に防止することができる。
また、上述のように円柱突部711の左右外側(下方)に配置される補助突部712により、下アーム部材630と演出部材700との連結位置を増加させることができ、演出部材700が下アーム部材630に対して横振り方向に姿勢変化することを抑制することができる。
本実施形態では、下アーム部材630と演出部材700との連結位置が、演出部材700の板状本体710の上下中心を通る水平面上に配置される。なお、本実施形態では、同一の水平面上に演出部材700の重心が配置される。
これにより、下アーム部材630との連結部分を中心に演出部材700が前倒れする態様で姿勢変化した場合における前後方向への変位量を最小限に抑えることができると共に、下アーム部材630との連結部分を中心に演出部材700が後倒れする態様で姿勢変化した場合における前後方向への変位量を最小限に抑えることができる。
即ち、演出部材700に複数種類の姿勢変化が生じる可能性がある場合であっても、それら複数の姿勢変化のいずれの姿勢変化が生じた場合であっても演出部材700の前後方向変位を抑制できるので、いずれの姿勢変化にも対応することができる。
これにより、演出部材700と区画部材310(図13(a)参照)との前後間隔を狭めて配置する場合であっても、演出部材700が区画部材310に擦れたり、衝突したりすることを回避することができるので、演出部材700の破損や意匠部分の劣化、区画部材310の損傷や擦れ傷による視認性の低下(透過性の低下)等が生じ難くすることができる。
演出部材700が下側終端位置に配置された状態において、伝達ギア650は、回転方向で本体部材601の形状部と当接し、それ以上の回転を規制される。従って、駆動モータMT2の駆動を継続しても、伝達ギア650に駆動力を蓄積するだけで上アーム部材620、下アーム部材630及び演出部材700が過度に変位することを防止することができる。
本実施形態では、図67に示す張出状態において、トーションスプリングSP3の付勢力を若干超える程度の駆動力を継続的に与え続け、演出部材700が上昇側に跳ね返り変位することを防止するように制御している。
これにより、トーションスプリングSP3の付勢力を大きめ(例えば、演出部材700を持ち上げ可能な程度の大きさ)に設定しながら、演出部材700を下側終端位置で安定して停止させることができる。
一方で、演出部材700を上側へ変位開始させる場合には、トーションスプリングSP3の付勢力を利用することができるので、駆動モータMT2に過大な負荷が生じることを回避することができる。
例えば、上側へ変位開始させる場合には、演出部材700を下側終端位置に安定配置させるための駆動力を解除した後で、トーションスプリングSP3の付勢力により演出部材700が上昇変位し始めるのを待ってから駆動モータMT2の駆動力を発生させることにより(駆動モータMT2の駆動開始までの待ち時間を設けることにより)、変位開始した後の演出部材700に対して駆動力を与えることができる。
これにより、停止状態の演出部材700を上昇変位させる場合に比較して、駆動モータMT2にかけられる負担を低減することができる。
図65から図67では、下アーム部材630に通される電気配線DK1の配置の変化が想像線で図示され、その電気配線DK1を案内するための配線案内部材714の内側面形状が隠れ線で図示される。
図65(b)に示すように、電気配線DK1は、下アーム部材630の薄肉蓋部636の正面側を通り、円弧状孔634の内径側を抜けて配線案内部材714の内側へ案内され、通し孔713を通り正面側へ通される。
図65から図67に示すように、下アーム部材630の演出部材700に対する相対変位により生じ得る電気配線DK1の張りを、配線案内部材714の内部に予め配置する電気配線DK1の余分長さにより相殺するようにしている。これにより、電気配線DK1の変位を、配線案内部材714付近で完結させることができるので、通し孔713の正面側や、下アーム部材630の内部における電気配線DK1の変位を抑制することができる。
配線案内部材714の内側面の形状は、電気配線DK1側に中心を持つ円弧形状から形成される。これにより、電気配線DK1が配線案内部材714から受ける負荷を低減することができる。
加えて、下アーム部材630の円弧状孔634が形成される形状部が、電気配線DK1の変位を案内するように機能する。例えば、拡大縮小ユニット600の張出状態(図67参照)から演出部材700を上昇変位させる場合、電気配線DK1に対して、下アーム部材630の円弧状孔634が形成される形状部が電気配線DK1を配線案内部材714側へ押し込み可能な配置で構成される。
これにより、電気配線DK1を安定的に配線案内部材714から出し入れすることができ、拡大縮小ユニット600の状態変化を安定して生じさせることができる。
図65から図67に示すように、薄肉蓋部636の正面側に配置され薄肉蓋部636に大部分が隠されている円弧状孔634に配置される補助突部712は、張出状態でのみ背面視で視認可能な位置に配置される(図67参照)。
補助突部712は、円弧状孔634に案内される部分であると同時に、下アーム部材630と演出部材700との連結に利用される締結部である。従って、下アーム部材630と演出部材700とを組み立てる(又は、分解する)には、補助突部712に締結ネジを螺入する(又は、取り外す)必要がある。
そのため、本実施形態では、下アーム部材630と演出部材700とを組み立てる状態(又は、分解する状態)を、拡大縮小ユニット600の張出状態に限定することができる。これにより、組立効率や、メンテナンス効率を向上することができる。また、演出部材700が中途半端な位置に配置される状態で組立やメンテナンスを行う結果、演出部材700や他の構成部材に損傷を与える事態が発生することを防止することができる。
次いで、演出部材700の伸縮変位部材740の状態変化に伴う変位(拡大縮小変位)について説明する。本実施形態では、演出部材700の拡大縮小変位の度合いを、演出部材700の配置によって変化可能に制御している。
図68は、拡大縮小ユニット600の正面図であり、図69は、拡大縮小ユニット600の背面図である。図68及び図69では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図68及び図69では、拡大縮小ユニット600の下降途中状態が図示される。図68及び図69に示すように、拡大縮小ユニット600の下降途中状態では、伸縮変位部材740が最大径で離散するまでは演出部材700が拡大変位するようには制御されず、途中位置までの拡大変位を許容するように制御している。
換言すれば、駆動モータMT3(図53参照)の駆動時間を短くすることで回転板730の回転角度を制限している。そのため、演出部材700の正面視での大きさが過大となることを回避できるので、区画部材310(図22参照)との当接を回避するという観点で演出部材700に許容される姿勢変化量を大きくすることができる。
演出部材700の拡大変位の途中位置において、装飾部材752は部分的に遮蔽意匠部材760に覆われる(外径側部分が覆われる)。正面視における装飾部材752の配置として、光透過部材752aは、演出部材700に覆われない位置(隙間位置)に配置され、鏡面部材752bは、演出部材700に覆われる位置も含め、光透過部材752aが視認される位置以外の位置に配置される。
これにより、電飾基板751(図53参照)に配置されるLED等から光透過部材752aを通り照射される光の視認性を向上することができると共に、光透過部材752aを透過して遮蔽意匠部材760の背面側で反射した光を鏡面部材752bで反射させることで、鏡面部材752bの演出効果を向上することができる。
例えば、鏡面部材752bの演出態様として、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射しない場合には、鏡面部材752bに遮蔽意匠部材760の地の色(本実施形態では、赤色)を反射して遊技者に視認させることができる。
一方、電飾基板751のLEDから光を照射する場合には、鏡面部材752bから反射して視認される色を、遮蔽意匠部材760の地の色と、LEDから照射した光の色とが混ざった色とすることができる。従って、鏡面部材752bの見え方を、鏡面部材752以外の部分(例えば、光透過部材752a)を通る光により変化させることができる。
なお、制御態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、図68に示す状態で遮蔽意匠部材760を停止させた後、集合配置状態に戻すように制御しても良いし、図68に示す状態から駆動モータMT3(図53参照)の駆動方向を正逆に小刻みに切り替えることで、遮蔽意匠部材760を径方向に振動させるように制御しても良い。
遮蔽意匠部材760を振動させるように制御する場合、更に遮蔽意匠部材760の変位を複雑にすることができる。本実施形態では、途中位置までの拡大変位の状態において、図69に示すように、伸縮変位部材740の第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aの位置が、先端調整部材744の案内長孔744aの中間位置とされる。これにより、先端調整部材744が案内長孔744aの長尺方向に変位可能となるので、遮蔽意匠部材760を、径方向だけでなく、周方向にも変位させることができる。
このような変位を達成可能としながら、遮蔽意匠部材760が集合配置される場合や、径方向に最大まで拡大変位する場合には、第2長尺部材743の先端に配置される支持突部743aの位置が、先端調整部材744の案内長孔744aの両端位置に配置されることで、遮蔽意匠部材760の周方向の配置を戻すことができる(図58(b)及び図59(b)参照)。
また、演出部材700の拡大変位として許容される途中位置は、図69に示される位置に限るものではなく、任意に設定可能である。例えば、集合配置状態から、わずかにずれた位置でも良いし、最大に拡大変位する位置の若干手前の位置でも良い。
ここで、集合配置状態からわずかにずれた位置(例えば、正面視で延設板部761が対向配置される遮蔽意匠部材760と重なって視認される位置)に拡大変位した状態では、延設板部761が遮蔽意匠部材760間の隙間を埋める役割を果たすので、遊技者に対して、集合配置状態を維持しているように視認させることができる。
本実施形態では、遮蔽意匠部材760の本体部と同様に、延設板部761に赤色の反射シートが貼り付けられるので、遮蔽意匠部材760の間の隙間に延設板部761の赤色が視認された場合であっても、その赤色が延設板部761の色なのか、遮蔽意匠部材760の色なのかを判別し難く構成することができる。
なお、本実施形態とは異なり、延設板部761を他の色(例えば、金色)で塗装する等の手段により、演出部材700が集合配置状態からわずかにずれた位置に拡大変位した状態において遮蔽意匠部材760の間の隙間に視認される延設板部761を目立たせるようにしても良い。
本実施形態では、光透過部材752aが無色で光透過性の樹脂材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、赤色の樹脂材料から形成しても良い。
この場合、集合配置状態から、遮蔽意匠部材760が延設板部761との重なり代を超えて変位した場合であっても、遮蔽意匠部材760間の隙間に視認される光透過部材752aが遮蔽意匠部材760と同様に赤色で視認されるので、遊技者に対して、遮蔽意匠部材760同士が少なくとも部分的に連なっているように視認させることができる。
一方で、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射する場合には、遮蔽意匠部材760間の隙間に視認される光透過部材752aを発光させて目立たせることができ、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図70は、拡大縮小ユニット600の正面図であり、図71は、拡大縮小ユニット600の背面図である。図70及び図71では、理解を容易とするために、正面カバー部材610の図示が省略される。
図70及び図71では、拡大縮小ユニット600の張出状態かつ演出部材700の拡大状態が図示される。図70及び図71に示すように、拡大縮小ユニット600の張出状態では、伸縮変位部材740が最大径で離散するまで演出部材700が拡大変位可能に制御される。
そのため、演出部材700の正面視での大きさが最大となり、区画部材310(図22参照)との当接を回避するという観点で演出部材700に許容される姿勢変化量は最小となる。なお、演出部材700の姿勢変化を抑制する工夫は、上述の通りである。
演出部材700の拡大状態では、遮蔽意匠部材760は正面視で装飾部材752から退避して配置される。そのため、電飾基板751(図53参照)のLEDから光を照射した場合に鏡面部材752bに写る態様を、演出部材700が拡大変位の途中位置に配置される場合と変更することができる。
即ち、遮蔽意匠部材760の地の色の反射を抑え、鏡面部材752bの地の色(本実施形態では、銀色)が遊技者に視認され易いようにすることができる。そのため、伸縮変位部材740が変位して遮蔽意匠部材760が拡大変位する場合に、電飾基板751(図53参照)のLEDから同色の光を照射し続ける制御態様においても、装飾部材752を視認する遊技者に視認させる光の色味を時系列で変化させることができる。
詳述すれば、例えば、電飾基板751から白色光を照射する場合において、拡大開始付近では、遮蔽意匠部材760の地の色(赤色)が視認される一方で、拡大変位に伴い遮蔽意匠部材760の字の色が弱まり(範囲が狭まり)、拡大変位の終端位置では鏡面部材752bの地の色(銀色)が視認され易くなる。これにより、発光色を変化させることなく、遊技者が視認する光の色味を変化させることができる。
なお、本実施形態では、図68及び図69に示す拡大変位と、図70及び図71に示す拡大変位とが連続的に生じる制御態様では無く、あくまで演出部材700の上下位置を固定した状態で、演出部材700の拡大変位を実行するように制御される。
即ち、演出部材700の上下変位は演出部材700が集合配置された状態でのみ実行可能に制御される。これにより、遮蔽意匠部材760が半球状正面装置613(図47参照)等の他の構成部材と衝突することを防止することができる。
なお、他の構成部材との衝突の回避を考慮したり、他の構成部材との衝突により変位に問題が生じないように構成したりした上で、演出部材700の上下変位の途中で拡大変位可能に制御しても良い。
図72から図75を参照して、遮蔽意匠部材760の径方向縮小変位について説明する。図72(a)、図72(b)、図73、図74(a)及び図75(a)は、演出部材700の縮小変位を時系列で示す演出部材700の背面図である。図74(b)は、図74(a)の矢印LXXIVb方向視における演出部材700の上面図であり、図75(b)は、図75(a)の矢印LXXVb方向視における演出部材700の上面図である。
図72(a)、図72(b)、図73、図74(a)及び図75(a)では、理解を容易とするために、板状本体710の図示が省略され、図72を基準として、回転板730が背面視反時計回りに回転する様子が図示される。図74(b)及び図75(b)では、更に、回転板730bの図示が省略される。
図72(a)では、演出部材700の遮蔽意匠部材760が最大径で離散した状態(図70及び図71参照)が図示され、図72(b)では、演出部材700の遮蔽意匠部材760が途中位置まで拡大変位した状態(図68及び図69参照)が図示される。
図72(a)に示す状態では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の小径円弧部733aと連結部733cとの境界位置に配置され、図72(b)に示す状態では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の連結部733cの途中位置に配置される。
図73では、下側に配置される伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが回転板730の背面側爪部734aと当接開始した状態が図示され、図74では、下側に配置される伸縮変位部材740の第1被案内突部743bが回転板730の背面側爪部734aに案内され、集合配置状態の直前位置に到達した状態が図示される。
上側に配置される部材と下側に配置される部材とで重力の影響が異なることにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の変位態様が上側に配置される部材と下側に配置される部材とで異なる。
図73に示すように、上側に配置される伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760は自重で回転板730側に近接配置される状態において、下側に配置される伸縮変位部材740は自重が回転板730から離れる方向に作用するので、案内孔733と被伝達突部741aとの隙間に許容される程度、回転板730から離れる方向へ垂れ下がる。
この垂れ下がり分が、回転板730の延設爪部734からの負荷により持ち上げられ、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760は集合配置状態の位置に到達することになる。従って、遮蔽意匠部材760が集合配置状態に到達するタイミングは5個で同時では無く、少なくとも、上側3個の方が、下側2個に比較して、早い。
これにより、演出部材700の集合配置状態への変位を安定して行わせることができる。即ち、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が先に配置される場合、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が勢いよく集合配置状態へ到達することで下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に衝突すると、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に疲労が蓄積し、早期の破損の原因になる虞がある。
これに対し、本実施形態のように上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が先に配置され、その後から下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760を集合配置状態に配置する場合には、自重が下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の変位に対抗する向きで生じるので、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に衝突する勢いを抑えることができる。これにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の衝突による疲労の蓄積を抑えることができる。
図74では、伸縮変位部材740の被伝達突部741aが回転板730の大径円弧部733bと連結部733cとの境界位置に配置される。この直後、伸縮変位部材740は背面側爪部734aに押され切り、集合配置状態とされる。一方で、先端調整部材744の第2被案内突部744bは、正面側爪部734bとは離れて配置される。
図75では、演出部材700の集合配置状態が図示される。即ち、回転板730の円弧形状孔732の端部に機能板部720の柱状突設部728が配置される終端位置まで、回転板730が背面視反時計回りに回転した状態が図示される。
図76は、図75のLXXVI−LXXVI線における演出部材700の断面図である。図76に示すように、演出部材700の集合配置状態では、伸縮変位部材740の第1被案内突部743bに背面側爪部734aの中心軸側の面が当接し、伸縮変位部材740の径方向外側への変位が規制される。
加えて、伸縮変位部材740の第2被案内突部744bに正面側爪部734bの中心軸側の面が当接し、伸縮変位部材740の径方向外側への変位が規制される。この時、第2被案内突部744bと第1被案内突部743bとが、突設方向の前後幅をもって径方向で当接することで、第2長尺部材743及び先端調整部材744の配置および姿勢を安定させることができる。
更に、先端調整部材744の前面は、延設板部726の背面に摺動可能に構成される。この摺動の過程において、伸縮変位部材740の第2被案内突部744bの突設先端は回転板730の傾斜面734cと前後方向で当接するところ、傾斜面734cが回転方向に傾斜している(集合配置状態に近づくほど、正面側へ張り出す態様で傾斜している)ので、傾斜面734cにより、第2被案内突部744bに対して正面側への負荷を与えることができる。
これにより、先端調整部材744を機能板部720の延設板部726と回転板730の傾斜面734cとで挟む構成において、回転板730が回転し演出部材700が集合配置状態に近づくにつれて、先端調整部材744を延設板部726に徐々に密着させる態様で、先端調整部材744を正面側へ向けて変位させることができる。
従って、回転板730の回転により生じる抵抗が過度に増大することを防止しながら、先端調整部材744に対して前後方向で挟む負荷を漸増させる態様で与え、先端調整部材744の前後方向位置および姿勢の安定化を図ることができるので、遮蔽意匠部材760の前後方向位置および姿勢の安定化を図ることができると共に、集合配置状態において遮蔽意匠部材760を隙間なく密着配置させることができる。
図74(b)及び図75(b)を参照して、第2被案内突部744bに与えられる負荷により、遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を修正可能とされることについて説明する。遮蔽意匠部材760の構成はいずれも共通とされており、遮蔽意匠部材760を変位させる伸縮変位部材740の構成も共通とされている。
遮蔽意匠部材760は、上述のように、幅方向で延設板部761(図59(a)参照)が形成される側(最上部に配置される遮蔽意匠部材760の場合は右側、図74(b)参照)が反対側に比較して後側へ配置されるように姿勢傾斜し易く構成される。
これは、第2長尺部材743の形成態様に起因するものであり、この姿勢傾斜は、遮蔽意匠部材760が締結固定される先端調整部材744にも同様に生じる。この先端調整部材744の姿勢の傾斜により、第2被案内突部744bの先端位置は、第1被案内突部743bの先端位置(突設方向が前後方向に沿うもの)に比較して、背面視時計回り方向側(最上部に配置される遮蔽意匠部材760の場合は左側、図74(b)参照)に位置ずれし易い。
一方で、回転板730は、延設爪部734が第2被案内突部744bの背面視時計回り方向側に対向配置され、第2被案内突部744bに対して背面視反時計回り方向の負荷を付与可能に回転変位する。
即ち、例えば、正面側爪部734bの内径側面や、傾斜面734cの正面側面(図56及び図57参照)が第2被案内突部744bと当接することにより、第2被案内突部744bの先端位置を背面視反時計回り方向側に戻すことができるので、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢の傾斜度合いを緩めることができる(傾斜を解消することができる)。これにより、演出部材700の集合配置の位置における遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消し易くすることができる。
この第2被案内突部744bに対する負荷は、図74に示す状態から図75に示す状態までで生じるように構成される。そのため、図72から図75に時系列で示す演出部材700の状態変化の過程において、変位許容範囲の小径側終端(縮小側終端)に遮蔽意匠部材760が配置されるまでは(図74参照)、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜が維持され、その後で先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消(修正)するような姿勢変化を生じさせることができる。
即ち、遮蔽意匠部材760同士が互いに接近する間は先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を維持することで、遮蔽意匠部材760の本体部と延設板部761とが当接(衝突)することを回避し易くすることができる一方で、遮蔽意匠部材760同士の接近が完了した後は先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を解消(修正)することで、遮蔽意匠部材760の最前面に配置される板部を面一に配置することができ、集合配置状態における遮蔽意匠部材760の一体感を演出し易くすることができる。
なお、図74(b)に示す状態は、遮蔽意匠部材760の姿勢ずれが最大に生じた状態として図示されている。また、図74(b)の姿勢ずれの逆側の姿勢ずれは、第2長尺部材743の前後配置構成から、生じ難いように構成される。これにより、延設板部761が、対向配置される遮蔽意匠部材760の本体部と衝突することを回避し易くすることができる。
また、延設板部726の反対側に配置される補助突部727(図54参照)が、先端調整部材744の拡大縮小変位における縮小側壁部に当接可能に構成される。補助突部727が延設板部726の左右側に一対で形成されることから、変位範囲の縮小側端部に到達した先端調整部材744の左右端部に当接することで先端調整部材744の姿勢ずれを修正することができる。
これにより、他の遮蔽意匠部材760との係合により姿勢を修正するだけでなく、先端調整部材744の単品で、変位範囲の縮小側端部に到達した際の姿勢の安定化を図ることができる。
図5及び図6に戻って説明する。本実施形態では、第3図柄表示装置81の他に、遊技を盛り上げる演出装置として、上述の発射演出ユニット300、拡大縮小ユニット600及び変位回転ユニット800が配設される。次いで、変位回転ユニット800について説明する。
変位回転ユニット800は一対のユニットが左右対称に配置され、互いに左右対称の形状から構成されるので、以下では、左側の変位回転ユニット800の構成について説明し、右側の変位回転ユニット800の説明は省略する。なお、以下の説明では、図5を適宜参照する。
図77は、変位回転ユニット800の正面斜視図であり、図78は、変位回転ユニット800の背面斜視図である。図77及び図78では、変位回転ユニット800の演出待機状態が図示される。
図79は、変位回転ユニット800の正面分解斜視図であり、図80は、変位回転ユニット800の背面分解斜視図である。なお、図79及び図80では、横スライド部材840は組立状態のまま図示される。
図79及び図80に示すように、変位回転ユニット800は、背面ケース510の底壁部511に締結固定されるベース板部810と、そのベース板部810にネジ等の部材で固定される金属棒MB2と、その金属棒MB2が挿通され上下方向にスライド変位可能に構成される縦スライド部材820と、その縦スライド部材820の背面側に締結固定され、ベース板部810に締結固定される駆動モータMT4の駆動力が伝達可能に構成される伝達部材830と、縦スライド部材820にネジ等の部材で固定される金属棒MB3と、その金属棒MB3が挿通され左右方向にスライド変位可能に構成される横スライド部材840と、縦スライド部材820の上下方向変位に伴い、駆動モータMT4の駆動力を、縦スライド部材820を介して横スライド部材840に伝達可能に構成される伝達手段860と、縦スライド部材820の金属棒MB2側上端位置において縦スライド部材820に回転変位可能に締結固定される配線アーム部材870と、その配線アーム部材870及び電気配線を案内する配線案内部材880と、を備える。
ベース板部810は、金属棒MB2が配設される一対の両端固定部811と、正面側に配設される伝達部材830を案内可能に形成されるスライド案内部812と、背面側に長尺溝状に形成され伝達手段860の円柱状突部862bを案内可能に形成される伝達案内部813と、背面側に締結固定される駆動モータMT4と、伝達案内部813に案内されるラック部材862の脱落を防止するために背面側に配設される脱落防止板814と、を備える。
縦スライド部材820は、平面板部821と、その平面板部821の縁部から背面側へ延設される壁部822と、その壁部822により囲まれる領域の略中央位置から背面側へ円柱状に突設される円柱状突部823と、電気配線のコネクタ部を挿通可能な程度の大きさで壁部の形成が省略される省略部824a,824bと、平面板部821の左端部において金属棒MB2を挿通可能な筒状に形成(又は、筒状部材が配設)される上下一対の金属棒挿通部825と、平面板部821の上下中央部において金属棒MB3を挿通可能な通常に形成(又は、筒状部材が配設)される左右一対の金属棒挿通部826と、その金属棒挿通部826の端部付近で平面板部821に締結固定され金属棒MB3の脱落を防止可能に構成される脱落防止部材827と、平面板部821の背面側に柱状に突設形成され2段ピニオン861を軸支可能に形成される軸支部828と、上端部から水平方向左右外側(図79左方)へ向けて円筒状に突設される支持突部829と、を備える。
壁部822は、配線アーム部材870と横スライド部材840との間に配置される電気配線が変位可能な領域を内側に構成し、電気配線の耐久性を確保するための部分である。壁部822の途絶える部分として形成される省略部824a,824bは、開口形成される第1省略部824aと、背面側に開放される凹部として形成される第2省略部824bとから構成される。
金属棒挿通部825は、その上側部において背面側に板状に延設され、ベース部材810の正面側に検出溝を向ける姿勢でベース部材810に締結固定される上側検出センサSC8及び下側検出センサSC9の検出溝に配置可能に構成される被検出板部825aを備える。
伝達部材830は、上下方向に長尺の板状に形成される本体部831と、その本体部831の上側部において、縦スライド部材820の円柱状突部823の先端部に形成される雌ネジに螺入可能な締結ネジを挿通可能に開口形成される挿通孔832と、その挿通孔832が穿設される板部であって、縦スライド部材820の壁部822により構成される領域に背面側から蓋をする蓋形状部833と、本体部831の左側面に上下方向に直線的にギア歯が形成される直線状ギア部834と、を備える。
円柱状突部823は、上述の挿通孔832に挿通される締結ネジが螺入される部分としての役割と、後述するように、電気配線の巻き中心としての役割を併せ持つ。
直線状ギア部834は、駆動モータMT4の駆動ギアMG4と歯合される。即ち、駆動モータMT4が回転駆動制御されることに伴って、伝達部材830は上下方向に昇降変位する。これにより、縦スライド部材820が昇降変位する。
図81は、横スライド部材840の分解正面斜視図であり、図82は、横スライド部材840の分解背面斜視図である。図81及び図82に示すように、横スライド部材840は、略円形板状に形成され金属棒MB3が挿通され左右方向に変位を制限される本体板部材841と、その本体板部841の背面側上部に締結固定され電気配線の案内経路を構成する配線案内部材844と、本体板部材841の正面側に配設され正面視円形の板状に形成される円形部材847と、その円形部材847と本体板部材841との間に配設される電飾基板850と、円形部材847の正面側に締結固定される円環状の装飾部材853と、円筒状のカラー部材C8を介して円形部材847に回転可能に軸支される羽状部材854と、その羽状部材854の中心開口径をカラー部材C8の開口径に合わせるために羽状部材854の開口に正面側から嵌め込まれる仲介部材857と、その仲介部材857の中心開口に挿通可能な外径の柱状部材が背面側に突設される中央意匠部材858と、を備える。
本体板部材841は、駆動モータMT5が背面側に締結固定され、その駆動ギアMG5が正面側に配置され、金属棒MB3が配置される棒配置部842と、その棒配置部842の下側において左右方向に沿ってギア歯が刻設されるラックギア部843と、を備える。
配線案内部材844は、電気配線の左右方向変位を案内するための部材であって、電気配線を迂回させる形状から形成される。これにより、電気配線が他の構成部材と擦れることを回避することができるが、詳細は後述する。
円形部材847は、光透過性の樹脂材料から形成され、互いに歯合可能に形成される羽状部材854と駆動ギアMG5とが、前後異なる方向から組み付けられる態様で構成される。
円形部材847は、羽状部材854を受け入れ可能な大きさのカップ状に背面側へ向けて凹設形成される受入部848と、その受入部848の中心部から正面側へ円筒状に突設される円筒状突部849と、を備える。
受入部848は、駆動モータMT5の駆動軸を中心とした円柱と重なる形状が切り取られる態様で貫通形成される貫通孔部848aを備え、この貫通孔部848aを通して羽状部材854のギア部855が背面視で視認可能な位置まで露出する。
このように、ギア部855の露出する部分が、駆動ギアMG5と歯合可能とされ、駆動モータMT5の回転に伴い、駆動力伝達がされ、羽状部材854が回転制御される。この羽状部材854の回転駆動は、変位回転ユニット800の状態によらず可能とされる。即ち、演出待機状態においても可能となるように、経路形成部材882の壁部882aの形状が設計される。
円筒状突部849は、先端部に線状の切り欠き849aが形成される。これは、中央意匠部材858の径方向突設部858bが配置されることで、中央意匠部材858の姿勢維持を容易とするための形状部であるが、詳細は後述する。
図83は、図7のLXXXIII−LXXXIII線における変位回転ユニット800の部分断面図である。図83の説明では、図81及び図82を適宜参照する。
電飾基板850は、円形部材847の受入部848の外径よりも若干大きな内径で穿設される円形開口と、その上方に延長される長尺開口により形成される異形開口851と、その異形開口851付近において正面側に配設される複数のLED等から構成される正面側発光手段852aと、電飾基板850の外径端部において背面側に配設される複数のLED等から構成される背面側発光手段852bと、を備える。
異形開口851は、開口内側に円形部材847の受入部848を配置可能とされ、組立状態において、羽状部材854のギア部855は異形開口851の背面側に配置される。
異形開口851の上方に延びる長孔形状部は、駆動ギアMG5の回転軸との当接を避ける目的で形成されている。これにより、駆動ギアMG5を電飾基板850に寄せることができ、羽状部材854のギア部855と駆動ギアMG5とを歯合させ易くすることができる。
正面側発光手段852aは、光軸が前後方向を向くLED等から構成される。これにより、羽状部材854の回転軸付近において矢印D8aに沿って光を正面側へ照射することができる。
背面側発光手段852bは、光軸が径方向外側を向くLED等から構成される。これにより、矢印D8bに沿って円形部材847の外径側へ向けて光を照射することができる。この光を、円形部材847の板背面に形成される凹凸形状により正面側へ反射(屈折)させることにより、羽状部材854の回転軸から遠い位置において光を正面側へ進行させることができる。なお、本実施形態では、円形部材847の板背面には、羽状部材854の回転軸と同心円の円弧に沿って形成される複数の長尺凹凸形状が密に形成されているので、遊技者に対して、正面視で円弧状(又は円状)の光を視認させることができる。
即ち、本実施形態によれば、電飾基板850の正面側に、羽状部材854の回転軸から遠い位置において光軸が前後方向を向くLED等を配置することをせずとも、遊技者から光が視認される位置を径外方向に寄せることができる。換言すれば、羽状部材854の最外径よりも小径の電飾基板850を利用しながら、電飾基板850が形成される面の外側、即ち、羽状部材854の最外径よりも外側において光を視認させることができる(図14参照)。
これにより、電飾基板850を大型化しなくても、羽状部材854の径方向外側に光を視認させる演出を実行することができる。本実施形態では、後述のように、羽状部材854が高速回転する際、羽状部材854の背面側が影になり、この範囲における発光演出を効果的に行うことが困難となる虞があった。これを解消するためには、羽状部材854の回転軌跡の径方向外側から光を照射することが効果的と考えられるが、そのためには、LED等の配置面積を増大させる必要がある。換言すれば、電飾基板の面積を増大させる必要が生じるので、基板の製造コストが増大する。
これに対し、本実施形態では、電飾基板850の大きさを羽状部材854の回転軌跡よりも小さく維持したまま、光の視認位置のみを羽状部材854の回転軌跡よりも径外方向に変位させることができる。これにより、製造コストを増大させずに、発光演出の演出効果を向上させることができる。
図81及び図82に戻って説明する。装飾部材853は、光不透過性の樹脂材料から形成され、円形部材847の正面側に同軸で締結固定される部材である。そのため、円形部材847を通る光は、装飾部材853により区切られるので、装飾部材853を境界として、その内側と外側とで光の見え方を変える演出を効果的に行うことができる。
例えば、正面側発光手段852aからは青色の光を照射する一方、後側発光手段852bからは赤色の光を照射することで、青色に発光して見える領域と、赤色に発光して見える領域とを装飾部材853で明確に区切ることができる。
羽状部材854は、光透過性の樹脂材料から形成され、中央部において前後方向に穿設される円形開口854aと、その円形開口854aを中心として周方向等間隔で径外方向に延設される複数の羽根部854bと、背面側において円形開口854aと同軸のギア形状に形成されるギア部855と、隣り合う羽根部854bの中間位置において背面側に凹設される複数の凹設部856と、を備える。
円形開口854aは、その内径がカラー部材C8の外径よりも若干長い直径で形成される。
羽状部材854は、駆動モータMT5により回転駆動される駆動ギアMG5を介して回転可能に構成されるところ、羽状部材854の姿勢を検出する検出センサは配設されておらず、駆動モータMT5の駆動時間の長短によって羽状部材854の姿勢を管理している。この構成において、羽状部材854は回転軸と重心位置とが一致するように構成されており、駆動モータMT5への通電解除後の空回りを最小限とするようにしていることで、駆動モータMT5の駆動時間により想定される羽状部材854の姿勢と、羽状部材854の実際の姿勢とのずれが小さくなるように図ることができる。なお、駆動モータMT5をステッピングモータで構成することで、羽状部材854の姿勢を検出可能に構成しても良い。
仲介部材857は、円形開口854aの正面側開口部に嵌合可能に形成され、開口部857aの内径は円形部材847の円筒状突部849の外径よりも若干長く形成される。これにより、仲介部材857が円筒状突部849を中心に回転可能とすることができる。
中央意匠部材858は、中央部から背面側に円柱状に突設される中央突部858aと、その中央突部858aの径外方向に突設される径方向突設部858bと、円形本体部から上方に突設される意匠突条部858cと、を備える。
中央突部858aは、径方向突設部858bを切り欠き849aに進入させる姿勢で円筒状突部849に挿通される部分であり、先端部に形成される雌ネジに円形部材847の背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、中央意匠部材858が円形部材847に締結固定される。
意匠突条部858cは、意匠部分としての機能の他に、羽状部材854と当接し、羽状部材854の回転態様を調整するよう機能させることができる。即ち、意匠突条部858cの背面と羽状部材854の前面とが擦れる程度に近接配置される場合に、この擦れ時の抵抗増加を利用して、羽状部材854の停止姿勢の安定化を図ることができる。
これにより、羽状部材854の駆動制御態様として、長時間に亘り回転を継続する駆動態様と、一回転程度の回転を断続的に生じさせる駆動態様(回転し始めの不規則な動作を演出する駆動態様)とがある場合に、後者の駆動態様における羽状部材854の断続的な停止姿勢の安定化を図ることができる。
図79及び図80に戻って説明する。伝達手段860は、縦スライド部材820に回転可能に軸支される2段ピニオン861と、その2段ピニオン861の小径ピニオン861aと歯合し左右方向にスライド変位可能に縦スライド部材820に支持されるラック部材862と、そのラック部材862の縦スライド部材820からの脱落を防ぐ脱落防止部材863と、を備える。
2段ピニオン861は、ラック部材862のギア歯と歯合する小径ピニオン861aと、その小径ピニオン861aよりもピッチ円半径が長いピニオンとして形成され、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯と歯合する大径ピニオン861bと、を備え、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとが一体形成される。
ラック部材862は、左右長尺に形成され、2段ピニオン861の小径ピニオン861aと歯合可能なラックギアとして形成されるギア部862aと、そのギア部862aの形成位置に対して長尺方向反対側端部から正面側に円柱状に突設される円柱状突部862bと、を備える。
本実施形態では、ラック部材862のギア部862aのギア歯と、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯とが、同一形状のギア歯で構成されており、小径ピニオン861aのピッチ円半径と、大径ピニオン861bのピッチ円半径との比が9:16で設計される。従って、ラック部材862の左右方向の変位量と、横スライド部材840の左右方向の変位量との比は、9:16で維持される。
円柱状突部862bは、ベース部材810の伝達案内部813の内側に配置可能な外径で形成される。また、ラック部材862の、円柱状突部862bが形成される側の板厚は、円柱状突部862bが伝達案内部813に配置された状態において、ラック部材862の背面側端部が脱落防止板814と当接するまで背面側に寄ったとしても、円柱状突部862bが伝達案内部813から脱落しないような板厚とされる。
これにより、脱落防止板814が組立状態にある場合において、ラック部材862が伝達案内部813から脱落することを防止することができる。
本実施形態では、ギア部862aのギア歯と、横スライド部材840のラックギア部843のギア歯とが同一形状のギア歯として形成されるので、ラック部材862の変位量に、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとのギア比を掛け合わせて算出される変位量で横スライド部材840が左右方向に変位する。
そのため、ラック部材862の変位量に比較して、横スライド部材840の変位量を増大させることができる。これにより、伝達案内部813の左右幅を小さく抑えながら、横スライド部材840の左右方向変位幅を大きく確保することができるが、詳細は後述する。
図84は、配線アーム部材870の斜視図であり、図85は、配線案内部材880の経路形成部材882の斜視図である。なお、図84及び図85の説明では、図79及び図80を適宜参照する。
図84に示すように、配線アーム部材870は、樹脂材料から形成される長尺部材であり、長尺湾曲形状で形成され一側が開放される長尺本体部871と、その長尺本体部871の長尺方向における一方の端部に円形で穿設される支持孔872と、その支持孔872と近接配置されると共に同方向に穿設され電気配線が配置可能とされる配線配置孔873と、長尺本体部871の開放側端部において一方の壁部から他方の壁部へ向けて延設される複数の爪部874と、その爪部874を形成するための樹脂型を抜き取り可能とするための貫通孔875と、長尺本体部871の長尺方向における他方の端部付近から支持孔872の軸方向と平行に断面円形で突設される円形突設部876と、を備える。
長尺本体部871は、配線配置孔873を通り開放側部に案内された電気配線が配置される部分であり、その中間部に幅長さが短くなる絞り部871aを備える。電気配線は、長尺本体部871の長尺方向に沿って配置され、長尺方向における他方の端部(支持孔872が形成される側の反対側の端部)から外部へ案内される。
絞り部871aは、長尺本体部871の開放側部に配置される電気配線を断線が生じない程度に緩く挟み込み、電気配線の配置が過度にずれないようにする部分として機能する。絞り部871aにより、長尺本体部871の開放側部に配置される電気配線が絞り部871aを超えて位置ずれすることを防止することができる。
支持孔872は、縦スライド部材820(図79参照)の支持突部829が挿通可能な大きさで形成され、これにより、配線アーム部材870は縦スライド部820に回転可能に軸支される。
配線配置孔873は、配線アーム部材870に配置される電気配線が縦スライド部材820へ渡る際に通る貫通孔である。本実施形態では、配線配置孔873が支持孔872に近接配置されているので、配線アーム部材870が回転した場合の配線配置孔873の位置ずれ量を低減することができる。これにより、配線アーム部材870の回転に伴い電気配線にかけられる負荷を低減することができる。
爪部874は、長尺本体部871の開放部側に収容される態様で配置される電気配線が長尺本体部871から脱落することを防止する。また、爪部874の形成に必要とされる樹脂型の抜き取りのための空間は、最小限の面積の貫通孔875により確保されるので、電気配線が長尺本体部871の開放部側の反対側(本実施形態において貫通孔875が形成される側)から外方へ抜け出ることを防止することができる。
円形突設部876は、配線案内部880(図79参照)の案内凹部886に配置可能な外径および突設長さで形成される。本実施形態では、配線案内部880の案内凹部886は、配線アーム部材870の変位を適切に生じさせるという観点から設計される。
図79に示すように、配線案内部材880は、配線アーム部材870の案内凹部886からの脱落を防止するための防止板881と、その防止板881が締結固定されることで内部経路を構成する部材であって、ベース部材810に締結固定される経路形成部材882と、を備える。
図85に示すように、経路形成部材882は、一側が開放される箱状に形成され、その開放部分に防止板881が締結固定されることで、上下方向に離れた位置において背面側へ開放される上開放部883及び下開放部884を通る経路を構成する。
即ち、経路形成部材882は、縁部において一側に張り出す壁部882aを備え、その壁部882aが欠けることで経路の上側開放部を構成する上開放部883と、経路形成部材882の下端部において電気配線のコネクタを挿通可能な大きさで壁部882aに穿設される下開放部884と、左右方向視で防止板881と重ならない範囲で壁部882aから上開放部883へ向けて延設される延設部885と、左右方向視で延設部885と重ならない範囲で長尺溝状に凹設される案内凹部886と、その案内凹部886の下縁部よりも下側において防止板881側に円柱状に突設され、先端に形成される雌ネジに防止板881に挿通された締結ネジが螺入される円柱突設部887と、を備える。
経路形成部材882の背面側には、縦スライド部材820が上下方向変位可能な空間が形成され、その変位に伴い左右方向に変位する横スライド部材840は、壁部882aが最も正面側に寄って配置される位置(変位下端付近の位置)において壁部882aの背面側に進入する(図86(a)参照)。
即ち、横スライド部材840は、変位下端付近の位置において、電気配線が案内される経路を構成する配線案内部材880の背面側に配置される。これにより、正面視における電気配線と横スライド部材840の配置の重なりを許容しながら、電気配線が横スライド部材840と当接したり、擦れたりすることを防止することができる。
組立状態では、上開放部883を通して配線アーム部材870が配線案内部材880の経路に案内され、配線アーム部材870の変位の内、配線案内部材880の経路の幅方向の変位は、延設部885及び防止板881に規制される。更に、配線案内部材880の経路の幅方向長さは、配線アーム部材870の長尺本体部871と円形突設部876との幅方向長さの合計よりも短く設計される。これにより、組立状態において、配線アーム部材870の円形突設部876が案内凹部886から脱落することを規制することができる。
下開放部884は、円柱突設部887の周囲に巻かれるように配設される電気配線を背面側へ通す配線通し孔として機能する。
案内凹部886は、下端から鉛直上方へ延びる前側鉛直凹部886aと、上端から鉛直下方へ延びる後側鉛直凹部886bと、その後側鉛直凹部886bの下端と前側鉛直凹部886aの上端とをつなぐ連結凹部886cとを備える。
円柱突設部887は、電気配線の変位を制限する制限部としての役割と、防止板881を経路形成部材882に固定するための締結部としての役割と、を備える。
図86から図89を参照して、変位回転ユニット800の変位態様について説明する。図86から図89では、変位回転ユニット800が演出待機状態から演出上端状態まで状態変化するする様子が時系列で図示される。
図86(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図86(b)は、図86(a)のLXXXVIb−LXXXVIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図87(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図87(b)は、図87(a)のLXXXVIIb−LXXXVIIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図88(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図88(b)は、図88(a)のLXXXVIIIb−LXXXVIIIb線における変位回転ユニット800の断面図であり、図89(a)は、図77の矢印L方向視における変位回転ユニット800の側面図であり、図89(b)は、図89(a)のLXXXIXb−LXXXIXb線における変位回転ユニット800の断面図である。
図86では、変位回転ユニット800の演出待機状態が図示され、図87では、縦スライド部材820の被検出板部825a(図80参照)が上側検出センサSC8に配置され横スライド部材840が変位経路の右端に配置される途中右端状態が図示され、図88では、縦スライド部材820が途中右端状態と演出上端状態との中間位置に配置され、横スライド部材840が途中右端状態と演出上端状態との間における変位経路の左端に配置される途中左端状態が図示され、図89では、変位回転ユニット800の演出上端状態が図示される。
図86(a)、図87(a)、図88(a)及び図89(a)では、理解を容易とするために、配線案内部材880は、壁部882a、案内凹部886及び円柱突設部887の外形が想像線で図示され、その他の形状部の図示が省略されることで配線アーム部材870や横スライド部材840を視認可能としている。また、ベース板810の上端部付近の形状部を一部破断することで、昇降変位中に縦スライド部材820が隠れることを防止している。
図86(b)、図87(b)、図88(b)及び図89(b)では、ベース部材810の伝達案内部813の形状線が想像線で図示され、横スライド部材840については、左右方向変位幅のみを図示する目的で本体板部材841の外形に沿う円形状の想像線で図示される。
また、図86から図89では、駆動モータMT5に接続される電気配線DK2の、変位回転ユニット800の状態変化に伴う変位の様子が想像線で図示される。電気配線DK2は、配線案内部材880の下開放部884(図85参照)から配線案内部材880の内部に案内され、配線アーム部材870の内部を通った後、縦スライド部材820の壁部822に囲まれる空間を通り横スライド部材840へ案内されるが、変位の詳細は後述する。
変位回転ユニット800は、縦スライド部材820が上下方向に往復変位可能に構成される。まず、縦スライド部材820及び横スライド部材840の上昇変位について説明する。
本実施形態では、演出待機状態において、縦スライド部材820が上下方向の下端位置に配置される(図86参照)。演出待機状態において、縦スライド部材820の被検出板部825aが下側検出センサSC9の検出溝に配置されるので、下側検出センサSC9の出力により変位回転ユニット800が演出待機状態とされていることを、MPU221(図4参照)は判定することができる。
また、演出待機状態において、横スライド部材840が変位経路の左端(左右外側端部)に配置される一方で、配線アーム部材870の下端側が正面側に配置される。即ち、配線アーム部材870を横スライド部材840の変位軌跡から退避させるように前側に配置することで、配線アーム部材870の左右位置に、横スライド部材840の左右方向変位が制限されることを回避することができる。従って、左右外側一杯まで、横スライド部材840を変位させることができる。
演出待機状態から、縦スライド部材820を上昇変位させる方向に駆動モータMT4を駆動制御し、被検出板部825aが上側検出センサSC8に配置された状態が、途中右端状態に対応する(図87参照)。従って、上側検出センサSC8の出力により変位回転ユニット800が途中右端状態とされていることを、MPU221(図4参照)は判定することができる。
途中右端状態では、演出待機状態から横スライド部材840が上昇方向および右方向へ変位している一方で、配線アーム部材870は上昇方向の変位が生じているのみで、姿勢は維持されている。
即ち、途中右端状態では、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、依然として案内凹部886の前側鉛直凹部886aに配置されているので、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、演出待機状態から維持される。
このように、本実施形態では、演出待機状態から途中右端状態までの縦スライド部材820の上昇変位に伴う、横スライド部材840の右方への変位が、配線アーム部材870の姿勢変化無く実行される。これにより、横スライド部材840と配線アーム部材870を共に変位させる場合に生じがちな、変位タイミングのずれによる部材同士の衝突を避けることができる。
図86(b)及び図87(b)に示すように、縦スライド部材820の上昇変位に伴い、横スライド部材840は左右方向へ変位する。この変位では、伝達案内部813の形状に沿って変位方向が切り替えられるが、伝達案内部813の左右幅を超えて左右方向へ変位する。
これは、横スライド部材840の変位が、2段ピニオン861を介して伝達されるためである。即ち、伝達案内部813を案内されるのは、伝達手段860のラック部材862であり、2段ピニオン861には、ラック部材862のギア部862aと、横スライド部材840のラックギア部843とが歯合される。そのため、2段ピニオン861のピッチ円半径の比が、ラック部材862の変位幅と、横スライド部材864の変位幅との比に対応する。
本実施形態では、2段ピニオン861(図80参照)の小径ピニオン861aのピッチ円半径と大径ピニオン861bのピッチ円半径との比が9:16とされるので、伝達案内部813の左右位置の変化量に、定数(即ち、16/9=約1.78)を掛け合わせた左右幅で横スライド部材864が左右方向に変位する。
図88(b)に示すように、途中左端状態では、横スライド部材840は演出待機状態ほどには左右外方へ変位しない。換言すれば、横スライド部材840が配線アーム部材870と前後方向視で重なる位置までは変位しない。
このような配置において、図88(a)に示すように、配線アーム部材870の姿勢変化が生じる。即ち、途中右端状態から途中左端状態に至る過程において、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、案内凹部886の前側鉛直凹部よりも背面側に形成される連結凹部886cに配置され、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、演出待機状態に比較して縮められる。
従って、本実施形態では、横スライド部材840が前後方向視で配線アーム部材870と重ならない状態となってから、配線アーム部材870の姿勢変化が生じるように構成される。また、下降変位時には、逆(配線アーム部材870の姿勢変化が生じないようになってから、横スライド部材840が前後方向視で配線アーム部材870と重なる位置に配置される)が成立する。
これにより、横スライド部材840の変位タイミングと配線アーム部材870の変位タイミングとにずれが生じても、横スライド部材840と配線アーム部材870とが衝突する事態となることを避けることができる。
配線アーム部材870は、変位回転ユニット800の左端部(左右方向外側端部)に配置され、変位は、昇降変位と、前後方向の姿勢変化のみとされる。即ち、変位回転ユニット800の状態に関わらず、配線アーム部材870を遊技者に注目されにくい左右外側端部に配置し続けることができるので、配線アーム部材870及びその配線アーム部材870に案内される電気配線DK2が遊技者の視界に入り込むことを回避することができる。
図89(a)及び図89(b)に示すように、変位回転ユニット800の演出上端状態に到達するまでの期間においては、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)が、案内凹部886の連結凹部886cよりも背面側に形成される後側鉛直凹部886bに配置され、配線アーム部材870の支持点としての支持突部829と、配線アーム部材870の円形突設部876(図84参照)との前後方向距離が、最小の状態で維持される。
このように、本実施形態では、縦スライド部材820の昇降変位に伴い姿勢変化可能に構成される配線アーム部材870を利用して、電気配線DK2を、上下位置に対応して異なる前後位置に配置可能に構成することで、構成部材の配置スペースを確保することができるという有利な効果を奏する。
例えば、電気配線DK2を、後寄りの位置に配置する場合、横スライド部材840の左右方向変位が制限される。詳述すれば、電気配線DK2との接触を避けるために、演出待機状態における横スライド部材840の配置が右寄り(左右内側寄り)に設定される。本実施形態では、横スライド部材840の右寄り(左右内側寄り)の位置には、射出装置400(図6参照)が配置されているので、接触を避けるために変位回転ユニット800を小形化させるなどの対処が必要となる虞がある。即ち、変位回転ユニット800の設計自由度が低下する。
また、例えば、電気配線DK2を、前寄りの位置に配置する場合、横スライド部材840の左右方向変位は十分確保することができる一方で、変位回転ユニット800の正面側に配置される遊技盤13の裏側の構成部材の配置自由度が低下する。
本実施形態では、変位回転ユニット800が左右対称で配置されているので、特に遊技盤13の右側領域に配設される第2入賞口640の電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド等の構成の設計自由度が低くなり易い。
これに対し、本実施形態では、配線アーム部材870により電気配線DK2の配置を前後方向で変位可能に構成することで、横スライド部材840の左右方向変位が制限されることを回避しながら、遊技盤13の裏側の構成部材の配置自由度が低下することを回避できる。
即ち、横スライド部材840を左右外側に退避させたい下端位置においては、配線アーム部材870の下端部を前側へ配置することで電気配線DK2を横スライド部材840の前側に配置し、横スライド部材840の変位が電気配線DK2により制限されることを回避している。
加えて、横スライド部材840は左右内側へ変位し、第2入賞口640(図2参照)を配置したい上側位置においては、配線アーム部材870の下端部を後側へ配置することで、電気配線DK2を後ろ寄りに配置し、前側のスペースを空けている。これにより、第2入賞口640の電動役物640a(図2参照)を駆動するためのソレノイド等の構成として遊技盤13に配設される部材の配置自由度を向上させることができる。
図86から図89に示す状態変化における、電気配線DK2の状態変化について説明する。なお、ここでいう電気配線DK2の状態変化とは、柱を中心に電気配線DK2が巻かれている状態における、電気配線DK2の巻き状態の変化のことを意味する。
電気配線DK2において、下側巻き部DK2bの上側部(配線アーム部材870に近い側)は、専ら上下に延び、湾曲することを好まれない。特に、下降変位時には、電気配線DK2を円柱突設部887の前側に滑り込ませる(図86(a)参照)ことが必要となるので、下側巻き部DK2bの巻き変位する部分に比較して剛性が高い方が好ましい。
そこで、本実施形態では、下側巻き部DK2bの上側部に樹脂製のケーブルチューブを巻き付け、巻き変位する部分に比較して剛性が高いような挙動を示すようにしている。
図89(a)に示す状態では、そのケーブルチューブが壁部882aと電気配線DK2との間に配置されることで、電気配線DK2と壁部882aとの間で擦れが生じることを回避している。
また、配線アーム部材870の下端開放向きが鉛直下方へ向くように構成しているので、下降変位開始時の電気配線DK2の変位方向を、鉛直下方へ向けることができる。これにより、電気配線DK2に不要な湾曲変形が生じることを回避することができる。
図86から図89に示すように、電気配線DK2は、上側巻き部DK2aが配線アーム部材870と横スライド部材840との間において円柱状突部823の周りに巻かれるように配置され、下側巻き部DK2bが配線アーム部材870の下方において円柱突設部887の周りに巻かれるように配置される。
電気配線DK2の内、円柱状突部823に巻かれるように配置される上側巻き部DK2aは、円柱状突部823の中心軸と直交する平面に沿って径方向に拡大縮小する態様で変位可能に構成される。
電気配線DK2の内、円柱突設部887に巻かれるように配置される下側巻き部DK2bは、円柱突設部887の中心軸と直交する平面に沿って径方向に拡大縮小する態様で変位可能に構成される。
即ち、配線アーム部材870と横スライド部材840との間における電気配線DK2の変位が生じる平面と、配線アーム部材870の下方における電気配線DK2の変位が生じる平面とは、異なるよう構成される。なお、本実施形態では、各平面が直交し、配線アーム部材870と横スライド部材840との間における電気配線DK2の変位が生じる平面が第1省略部824a、第2省略部824b及び配線配置孔873を通るように構成される。
電気配線DK2は、配線アーム部材870の長尺本体部871の内側に配置される部分が、上述のように絞り部871aに挟まれることで変位を抑制される。そのため、配線アーム部材870に対する電気配線DK2の相対変位は抑制される。
ここから、本実施形態では、変位回転ユニット800の状態変化に伴い電気配線DK2に必要となる変位が、上側巻き部DK2aと下側巻き部DK2bとのそれぞれで独立して完結するように構成されるので、以下では、別々に説明する。
まず、上側巻き部DK2aの変位について説明する。上側巻き部DK2aは、配線アーム部材870の配線配置孔873を右側へ通過した箇所から、円柱状突部823を中心に正面視反時計回りに巻きつけられる部分を含み、配線案内部材844の左側先端部に案内される箇所までの部分を意味する。
上側巻き部DK2aは、壁部822に囲まれる空間を限界として円柱状突部823中心の径方向に変位可能に構成されるところ、径方向に最も広がる演出待機状態(図86(b)参照)において、無負荷で配置される電気配線DK2の配置に沿う位置(又は、若干の隙間が空く位置)に壁部822が形成される。これにより、演出待機状態において壁部822から電気配線DK2に与えられる負荷を低減することができる。
演出待機状態から、横スライド部材840が右側へ変位すると、配線案内部材844に案内される側が右側へ変位することで上側巻き部DK2aが引かれ、円柱状突部823を中心とする径方向内側に上側巻き部DK2aが変位することにより生じる余剰長さによって、横スライド部材840の変位長さが補完される。これにより、電気配線DK2に引張力が与えられることを回避することができる。
一方、横スライド部材840が左側へ変位すると、配線案内部材844に案内される側が左側へ変位することで上側巻き部DK2aが押され、円柱状突部823を中心とする径方向外側へ上側巻き部DK2aが変位する。この際、配線案内部材844の左端部から、左方へ向かうほど下降傾斜する案内片844aが突設されていることにより、上側巻き部DK2aが外方(縦スライド部材820と配線案内部材844との間を上方)へはみ出すことを防止することができ、上側巻き部DK2aを壁部822の形状に沿って適切に押し込むことができる。
次に、下側巻き部DK2bの変位について説明する。下側巻き部DK2bは、配線アーム部材870から下方へ垂れる箇所から、円柱突設部887を中心に左面視(左右外側からの方向視)で時計回りに巻きつけられる(円柱突設部887の前側を通り前転方向に巻きつけられる)部分を含み、下開放部884(図85参照)に配置される箇所までの部分を意味する。
下側巻き部DK2bは、壁部882aに囲まれる空間を限界として円柱突設部887中心の径方向に変位可能に構成されるところ、径方向に最も広がる演出待機状態(図86(a)参照)において、無負荷で配置される電気配線DK2の配置に沿う位置(又は、若干の隙間が空く位置)に壁部882aが形成される。これにより、演出待機状態において壁部882aから電気配線DK2に与えられる負荷を低減することができる。
演出待機状態から、縦スライド部材820が上昇変位することに伴い配線アーム部材870が上昇変位すると、配線アーム部材870に案内される側が上方へ変位することで下側巻き部DK2bが上方へ引かれ、円柱突設部887を中心とする径方向内側に下側巻き部DK2bが変位することにより生じる余剰長さによって、配線アーム部材870の変位長さが補完される。これにより、電気配線DK2に引張力が与えられることを回避することができる。
一方、配線アーム部材870が下方へ変位すると、配線アーム部材870に配置される側が下方へ変位することで下側巻き部DK2bが押され、円柱突設部887を中心とする径方向外側へ下側巻き部DK2bが変位する。この際、配線アーム部材870の下端部が、下方へ向かうほど正面側へ向かう傾斜方向に開口していることにより、下側巻き部DK2bが円柱突設部887と壁部882aとの間(円柱突設部887の上方)に入り込むことを防止することができ、下側巻き部DK2bを壁部882aの形状に沿って適切に押し込むことができる。
なお、本実施形態では、下側巻き部DK2bが配置される空間を、横スライド部材840の変位範囲下端位置よりも下側に配置している。これにより、下側巻き部DK2bが径方向に変位する空間の大きさが横スライド部材840の配置により制限されることを回避することができるので、下側巻き部DK2bを背面ケース510(図5参照)の前後幅を一杯まで利用して変位させることができる。
従って、配線アーム部材870の下方において下側巻き部DK2bを収容可能なスペースを大きく確保することができるので、下側巻き部DK2bの長さを十分長くすることができると共に、配線アーム部材870に許容される上下変位量を長くすることができる。
図90は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図91は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図90及び図91に示すように、遊技盤13は、ベース板60に開口形成される窓部60aの正面側に配設されるセンターフレーム86と、樹脂部材から正面側が開放される複数の流路形状で形成されベース板60の背面側下部に配設される球流下ユニット150と、を備える。
球流下ユニット150は、ベース板60に締結固定される固定板部151の上端部付近において第2入賞口640に入球した遊技球の流路下端LB1を流下した球を受け入れ可能に形成される第1受入流路152と、正面側が開放される長尺の箱状部材であって受入流路151の下流側に連結される態様で固定板部151に背面側から締結固定される第2受入流路部材153と、その第2受入流路部材153の左右壁内側部から球の流下方向と直交する方向に亘って内方へ突設される複数の突条部154と、を備える。
複数の突条部154は、左右の壁部ごとに球の直径程度の間隔を空けて、左右互い違いに配置される。これにより、第2受入流路部材153を流下する球の流下を減速させることができる。
第1受入流路152及び第2受入流路部材153の機能について説明する。第1受入流路152及び第2受入流路部材153には、第2入賞口640に入球した遊技球を図示しない球排出路へ案内する機能の他に、第2入賞口640に入球後の遊技球を、遊技者に視認可能とすることで演出効果を向上する機能がある。なお、以下の説明では、図2を適宜参照する。
第2入賞口640は、図90に示す下縁付近に球通過検出用の検出センサが配設される。これにより、賞球の払い出しや第3図柄表示装置81における保留表示を即座に実行することができ、快適な遊技を遊技者に提供することができる。第2入賞口640への入球を見ていなくても、第1受入流路152を流下する球を視認することで第2入賞口640への入球に遊技者が気づくことができるので、例えば、遊技機店側の不具合で払い出しが行われていない事態に気付き易くすることができる。
なお、以下で説明するように、中間流路LM1を流下する球を視認させることで第2入賞口640に球が入球したことは明らかなので、検出センサの位置を中間流路LM1の下流等に配設するようにして、賞球の払い出しのタイミングや保留表示のタイミングを遅らせるようにしても良い。
第2入賞口640に入球した遊技球は、第2入賞口640から逸れた球が流下する案内経路DL1の、左右方向内側に正面視で視認可能に配設される中間流路LM1(図27参照)を流下する。
中間流路LM1は、案内流路DL1と同様に、球を左右にジグザグに変位させつつ鉛直下方へ向けて案内可能に形成される。即ち、中間流路LM1を流下する球と、案内流路DL1を流下する球とは、流下態様が同じに見えることから、右打ち遊技の際に第3図柄表示装置81の右側の経路における球を視認しても、球が中間流路LM1を流下しているのか、案内流路DL1を流下しているのか、判別し難くすることができる。
ここで、右打ち遊技の際に球がどの流路を流下しているのかの情報は、遊技者の利益に直結する情報であり、ベース板60に植設される釘(図示せず)の状態に対応して、パチンコ機10の個体差が生じる部分である。
本実施形態では、ベース板60の肉部がスルーゲート付近67に残されており、この位置にスルーゲート67を通過する前の球が衝突したり、第2入賞口640に入球する前の球が衝突したりする釘が植設されていることから、右打ち遊技の際に球が中間流路LM1を流下し易いか、案内流路DL1を流下し易いかは、パチンコ機10ごとに異なる。
右打ち遊技を行う確変中か時短中において、第2入賞口640に入球しなかった球は、案内経路DL1を流下し、その下流側に配置される一般入賞口63に入球しない限り、アウト口71を通り遊技領域から排出され遊技者の利益にはならない(無駄球となる)。
ここから、第2入賞口640に入球するか否かと、球が案内経路DL1を流下するか否かとは、一義的に対応する。そして、第2入賞口640のみに注目する場合に比較して、案内経路DL1に注目する場合の方が、注目位置の自由度が高くなることは案内経路DL1が上下方向に延びていることから明確である。
そのため、遊技者によっては、案内経路DL1を球が流下する頻度を確認して、第2入賞口640への球の入球頻度や、右打ち遊技における無駄球の発生頻度等を算定し、これを加味して、遊技を継続するか否かを考えるものと予想される。
これに対し、本実施形態によれば、案内経路DL1を流下する球と、第2入賞口640に入球し中間流路LM1を流下する球との見分けを付け難くすることができる。これにより、あたかも第2入賞口640への入球頻度が高いように思わせることができ、遊技継続を促すことができる。
一方で、中間流路LM1を流下している球は、既に第2入賞口640に入球し、遊技領域から排出されている球なので、そのまま鉛直下方に流下し、正面視で特定入賞口65aと重なる位置まで流下すると、実際に特定入賞口65aに入球し得る球と区別し難く、遊技に支障をきたす虞がある。
そのため、本実施形態では、特定入賞口65aよりも上方において、第1受入流路152により左右内側へ球を流下させることで、球が正面視で特定入賞口65aと重なる位置まで到達することを防止している(図2参照)。これにより、実際に特定入賞口65aに入球し得る球と、既に第2入賞口640に入球しており、特定入賞口65aに入球し得ない球とを区別し易くすることができる。
第1受入流路152は、正面視における第3図柄表示装置81(図7参照)の表示領域の右側から、正面視における第3図柄表示装置81の表示領域の下縁付近を通り、表示領域の左右中央位置側へ球を流下させる。即ち、第1受入流路152に案内される球は、第3図柄表示装置81の表示に注目している遊技者の視界に進入するので、第3図柄表示装置81の表示に注目しており、右打ち経路に注目していない遊技者に対して、第2入賞口640への入球の有無を認識させることができる。
これにより、第3図柄表示装置81に注目したまま視界を動かさずとも、第2入賞口640への入球の有無を遊技者に認識させることができる。そのため、第2入賞口640を見るための第3図柄表示装置81から目を逸らした時に重要な表示が実行され、遊技者がその表示を見逃すという事態の発生を避けることができ、快適な遊技を提供することができる。
第2受入流路部材153を流下する球は、正面視で第1入賞口64の右側において左斜め下方へ向けて流下する。この球は、突条部154により減速されるので、流下する球の滞在時間を延ばすことができる。これにより、正面視において、遊技領域に視認される遊技球の個数を増大させ易くすることができる。
また、球の流下経路の左右幅を長く確保することにより、第3図柄表示装置81の表示領域へ向けられる視線と、第2受入流路部材153の流下経路とが交差し易くなる。これにより、第2受入流路部材153の内側を流下する球が遊技者の視界に入り易くすることができる。
図92及び図93は、センターフレーム86、導光板演出手段160及び装飾手段170の分解正面斜視図であり、図94及び図95は、センターフレーム86、導光板演出手段160及び装飾手段170の分解背面斜視図である。
図92から図95に示すように、導光板演出手段160は、導光板161と、センターフレーム86に背面側から締結固定され、導光板161の正面側および上面側と当接可能に構成される不透過性の樹脂材料から形成され、導光板161を位置合わせする上側支持部材162と、光透過性の樹脂材料から形成され導光板161の下側部を背面側から押さえる態様でセンターフレーム86に締結固定可能に構成される下側支持部材163と、その下側支持部材163に締結固定され光透過性の樹脂材料から形成され球流路を構成する球流路構成部材164と、光透過性の樹脂材料から形成され導光板161の左右両側部を背面側から押さえる態様でセンターフレーム86に締結固定可能に構成される複数の左右側支持部材165と、左右長尺形状に形成され、上側支持部材162の上側を通りセンターフレーム86の前側まで張り出した状態でセンターフレーム86に締結固定される横置き基板ユニット166と、上下長尺形状に形成され、センターフレーム86の正面側からセンターフレーム86の左側内壁に沿って配置され締結固定される縦置き基板ユニット167と、を備える。
装飾手段170は、光透過性の樹脂材料から形成されセンターフレーム86の上部付近左右中央位置に配置される第1装飾部材171と、光透過性の樹脂材料から形成され第1装飾部材171の左側においてセンターフレーム86の左側枠部の正面側に配置される第2装飾部材174と、光透過性の樹脂材料から形成され第1装飾部材171の右側においてセンターフレーム86の右側枠部の正面側に配置される第3装飾部材177と、を備える。
第1装飾部材171は、その中央部に締結固定可能に構成される横長矩形の中央装飾部材172と、パチンコ機10を代表するタイトル等の余白部分として別部材から構成される余白部材173と、を備える。
第1装飾部材171は、図E4に示すように、背面側に横長溝状の横長溝部171aが凹設される。横長溝部171aは、導光板演出手段160の横置き基板ユニット166の電飾基板を配置可能な溝幅で形成される。
第1装飾部材171は、センターフレーム86の上部において前後方向に穿設される開口部86aの下側に若干重なる位置で配設される。本実施形態では、開口部86aを通して、演出待機状態における演出部材700を視認可能に構成される(図2参照)。
このように、本実施形態では、センターフレーム86の内方において、第3図柄表示装置81の前側位置は導光板161で閉塞されている一方で、演出待機状態における演出部材700の前側位置は開口部86aにより開放されている。そのため、演出待機状態における演出部材700による発光演出を、導光板161に遮蔽されることなく遊技者に視認させることができる。
図96を参照して、横長溝部171aと横置き基板ユニット166との関係について説明する。図96は、図2のXCVI−XCVI線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。なお、図96では、横長溝部171a付近が別途拡大図として図示される。また、図96の説明では、図92から図95を適宜参照する。
本実施形態では、横置き基板ユニット166の電飾基板の先端側において表裏にLED等の発光手段166aが配設され、上下方向に矢印D1a,D1bに沿って光が照射されることで、第1装飾部材171の背面側において横長溝部171aの上下側に横長の楔状に形成される反射形状部171bに到達した光を際立って視認させることができる。
これにより、発光手段の配置を横置き基板ユニット166に集中させた状態においても、反射形状部171bの形成範囲または形成形状によって、遊技者に視認される発光演出の態様(発光範囲または発光形状)を異ならせて視認させることができる。
なお、本実施形態では、横置き基板ユニット166の上面には、LED等の発光手段166aが横1列に並べられ、下面には、LED等の発光手段166aが上面においてLEDが並べられる列に上下で対応する列と、その列と平行な列であって背面側に形成される列との横2列に並べられる。これら発光手段166aとしてのLEDが並べられる列の内、上面の列と、下面の前列とが横長溝部171aの内側に配置され、下面の後列が横長溝部171aの外側に配置される。
このように構成することで、上面の列と、下面の前列とに配置されるLEDで反射形状部171bに光を照射することができ、下面の後列に配置されるLEDで別の発光対象に光を照射することができる。
本実施形態では、下面の後列に配置されるLED等の発光手段166bは、導光板161の上方に配置されており、照射されるLED光は導光板161のエッジから入射される。即ち、横置き基板ユニット166の下面の後列に配置されるLED等の発光手段166bは導光板161を光らせるために利用される。
なお、横置き基板ユニット166の下面に配置されるLEDは、前後2列の間に上側支持部材162が配置される。これにより、前後2列のLEDから照射される光を上側支持部材162により分けることができる。
横置き基板ユニット166は、導光板161の上縁の真上、即ち、正面視における第3図柄表示装置81の表示領域の上縁付近に配置される。換言すれば、正面視における表示領域と遊技領域との境界位置に配置される。これにより、表示領域側へ照射する光と、表示領域側へは照射せずに遊技領域側へ照射する光とを明確に分けることができる。
中央装飾部材172は、反射形状部171bと同様の前後位置に配置される一方で、前後面が平坦面で形成される。これにより、横置き基板ユニット166から光が照射された場合であっても、強度に光が反射することを回避することができ、視認性を維持することができる。
本実施形態では、中央装飾部材172の前面に星形状などの模様が描かれており、この星形状の個数によりパチンコ機10の性能の種類(例えば、スペックの種類。所謂、別スペック)を表示できるように構成している。この中央装飾部材172を第1装飾部材171とは別部材として構成することで、性能の種類を異ならせたパチンコ機10を製造する場合において、中央装飾部材172のみを取り替えることでパチンコ機10を構成することができる。
余白部材173は、第1装飾部材171とは別部材として構成されており、板前後面の形状として、反射形状部171bに形成される形状とは異なる形状(本実施形態では、縞状の溝)が形成されることで、反射する光の見え方が反射形状部171bと異なるように構成される。
図97は、図2の範囲XCVIIにおける第1装飾部材171の部分正面拡大図である。本実施形態では、矢印D1a,D1bに沿って横置き基板ユニット166の上下方向へ光が照射された場合に、反射形状部171bに到達した光は、反射や屈折により正面側へ進行し、煌びやかに視認される一方で、余白部材173に到達した光は、反射が主では無く、大部分が透過してそのまま進行するように構成されるので、若干暗く視認される。
これにより、横置き基板ユニット166から照射された光を上下方向に進行させるという構成を採用しながら、余白部材173の形状を影として視認させることができるので、正面視において任意形状で発光しているように視認させることができる。換言すれば、あたかも、背面側にLEDを配置して発光演出を行っているように視認させることができる。
第2装飾部材174は、透過性の低い薄板部材(シート状部材)に任意の態様で着色がされた遮蔽部材175を備え、その遮蔽部材175が第2装飾部材174の背面側に固定される。これにより、第2装飾部材174の背面側を視認し難く構成することができる。
これにより、ベース板60の正面側に形成される遊技領域(特に左側部)と、正面視における導光板161の形成領域(第3図柄表示装置81の表示領域と前後で重なる領域を含む)とを明確に分けることができる。従って、導光板161の演出に伴う光や、第3図柄表示装置81から照射される光により遊技領域を流下する球の視認性が低下することを防止することができる。
第3装飾部材177は、正面側に六角形の装飾模様が立体的に複数形成され、その背面側に、前後に位置ずれして配設される複数の六角形形状部が組み合わせられる態様で立体的に形成される複数の立体装飾部材178を備える。
立体装飾部材178は、第3装飾部材177と同様に、光透過性の樹脂材料から形成され、センターフレーム86における導光板161配置部分と案内経路DL1との間に配置される空間に配設される。
これにより、導光板161配置部分と案内経路DL1との間において平面的に視認される光演出では無く、立体的に視認させる光演出を実行することができる。即ち、正面視において、奥行きのある発光演出を実行することができる。
例えば、立体装飾部材178へ背面側から光が照射される場合、その光が正面視における立体装飾部材178のどの位置に照射されるかにより、立体装飾部材178の前後方向位置のいずれの位置が明るくなるかが変化する。そのため、遊技者目線で、手前側を光らせて見せたり、奥側を光らせて見せたりする光演出を実行することができる。
本実施形態では、立体装飾部材178に背面側から光を照射する手段として、第3図柄表示装置81や、変位回転ユニット800の正面側発光手段852a等(図81参照)が想定されることから、光の出射位置は変化可能とされる。そのため、固定配置されるLED等の発光手段から立体装飾部材178へ向けて光を照射する場合に比較して、光演出の種類を容易に増やすことができる。
また、例えば、立体装飾部材178へ左右方向または上下方向から光が照射される場合、その光が正面視における立体装飾部材178のどの位置に照射されるかにより、立体装飾部材178の前後方向位置のいずれの位置が明るくなるかが変化する。そのため、遊技者目線で、手前側を光らせて見せたり、奥側を光らせて見せたりする光演出を実行することができる。
本実施形態では、立体装飾部材178に左右方向から光を照射する手段として、発射演出ユニット300の第1光照射装置330が想定される(図27参照)。第1光照射装置330は、その配置から、第3図柄表示装置81の表示領域から照射される光の内、立体装飾部材178へ向かう光の少なくとも一部を遮蔽するように機能する。
これにより、立体装飾部材178を介して視認される光の態様が、第3図柄表示装置81の表示演出態様に依存する程度を抑えることができる。例えば、第3図柄表示装置81から照射される光の色が青である場合に、第1光照射装置330から出射される光の色が赤であっても、立体装飾部材178を介して遊技者が視認する光の色が紫(青色の光と赤色の光とが混じった色)となることを回避し易くすることができる。即ち、立体装飾部材178を介して視認される光を、第3図柄表示装置81の表示とは独立して視認させ易くすることができる。
図98を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、球流下ユニット150を流下する球が正面視で視認可能に構成され、全球が同一経路で流下するように構成される場合を説明したが、第2実施形態の球流下ユニット2150では、流下する球が複数の経路の内のいずれかを流下するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図98は、第2実施形態における遊技盤2013の正面図である。図98では、発射直後の粒状部材320の見え方の一例が図示される。図98に示すように、球流下ユニット2150は、第1実施形態で説明した球流下ユニット150との相違点として、第1受入流路152の下端から左方へ向けて下降傾斜して形成される流路であって、球が流下可能な大きさで形成される第3受入流路2155を備える。
第3受入流路2155は、上流側に形成され第1受入流路152よりも傾斜角度が緩く設定され、下端(左端)が第1入賞口64の正面視左側に設定される傾斜部2155aと、その傾斜部2155aの下端(左側)から正面視鉛直下方へ延設される排出部2155bと、を備える。
傾斜部2155aを流下する球の流下速度は、その傾斜角度の浅さから、第1受入流路152における球の流下速度よりも遅くなる。傾斜部2155aを流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、傾斜部2155aの配置は正面視において導光板161の下縁付近とされる。そのため、傾斜部2155aを流下する球を長時間に亘り遊技者の視界に入れることができる。
これにより、傾斜部2155aを流下する球が、導光板161を通して第3図柄表示装置81(図12(a)参照)を視認しながら遊技を行う遊技者の視界に入るように構成することができる。換言すれば、傾斜部2155aを流下する球に対する注目力を、違和感なく向上させることができる。
傾斜部2155aへの球の案内について説明する。本実施形態では、第2入賞口640に入球した球は第1受入流路152の下端までは同様に流下し、第1受入流路152の下端において第2受入流路部材153に沿って流下する第1方向D21で流下するか、第3受入流路2155に沿って流下する第2方向D22で流下するかが切替手段によって切り替えられる。
本実施形態では、第2受入流路部材153に形成される突条部154(図90参照)により第2受入流路部材153を流れる球の流下抵抗を増大させている。そのため、第2受入流路部材153を球が流下する最中に次の球が第1受入流路152の下端に到達した場合、その球は第3受入流路2155に案内されることになる。
このような状況は、例えば、第2入賞口640に複数の球が連なって入球する等、短期間に複数の球が連続して入球した場合に生じやすい。そのため、第3受入流路2155を球が流下する状況を視認することで、遊技者は、第2入賞口640に複数の球が連なって入球したことを把握することができる。
なお、切替手段の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1方向D21への球の流下を許容する状態と、規制する状態とを、ソレノイド等の駆動手段を利用して切り替え可能に構成される開閉板を球流下ユニット2150に配設しても良いし、第1方向D21と第2方向D22との分岐点において磁力を発生可能に配設される電磁石を配設し、その発生する磁力を引っ張り力または斥力として利用することで球の流下経路を切り替えるようにしても良い。
これらの方法によれば、球の流下経路を第1方向D21又は第2方向D22に切り替えるだけでなく、球を停留させたり、球を逆戻りさせたりすることができる。遊技領域を流下する球と異なり、第2入賞口640に入球した球の流下経路を変化させても、その後の遊技結果に影響を及ぼすものではないので、上述のように磁力を用いた球の流下経路を切替を実行することが可能となる。
上述のように、電気を利用した装置で球の流下経路を切り替える場合、球が第1方向D21に流下するか、第2方向D22に流下するかをMPU221(図4参照)で制御することができる。そのため、第2入賞口640への入球による抽選の結果と、その球が第1方向D21で流下するか第2方向D22で流下するかの切替とを関連付けることができる。
例えば、第2入賞口640への入球による抽選が大当たりの場合の60%で、球が第3受入流路2155を流下するように切替手段を制御するようにすれば、第3受入流路2155を球が流下しているのを視認した遊技者の大当たりに対する期待感を向上させることができる。
この場合、第3受入流路2155への案内路となる第1受入流路152の下端位置に遊技者の視線を最も集め易くなり、結果的に、球流下ユニット2150を流下する排出球(遊技領域から既に排出された球)への注目力を向上させることができる。
上述のように、第3受入流路2155を球が流下することは、第2入賞口640への入球頻度が高い場合や、第2入賞口640への入球による抽選の大当たりの期待値が高い場合を示唆している。
そこで、本実施形態では、排出部2155bの途中に球の通過を検出可能な検出センサSC21を配設し、球の通過が判定された場合に、粒状部材320を発射するように制御している。
なお、上述のように、粒状部材320の発射のためには、予め射出装置400を演出待機状態(図38参照)から、発射待機状態(図40)に状態変化させる必要があるので、ある程度の時間がかかる。一方で、第2入賞口640に球が入球したタイミングで粒状部材320の発射を実行するか否かが決まり、そこから球が排出部2155bへ到達するまでにもある程度の時間がかかるので、この流下時間を利用して射出装置400を状態変化させるように制御している。
これにより、球の通過が検出センサSC21に判定されると同時に、粒状部材320を発射するように制御することができる。このように制御することにより、第2入賞口640に入球してから球が第3受入流路2155を流下するのに要すると予想される一定の時間遅れの後に粒状部材320を発射するように制御する場合に比較して、球の流下と粒状部材320の発射タイミングとを合わせ易くすることができる。
例えば、球に付着した油が第1受入流路152に付着することにより球の流下速度の低下が生じている場合があり、この場合に一定の時間遅れ分だけ待って粒状部材320を発射するように制御すると、球が第3受入流路2155に到達する前に粒状部材320の発射が実行されてしまい、演出効果が低下する可能性がある。
これに対し、球の通過が検出センサSC21に判定されると同時に、粒状部材320を発射するように制御することで、球が第3受入流路2155に到達するのを見届けさせるまで遊技者の注目力を第3受入流路2155に集中させた後で、粒状部材320の発射により導光板161の面積程度に広がる迫力のある演出を実行するという、一連の演出の演出効果を向上することができる。
なお、球が流下する第3受入流路2155の配置と、導光板161を通して視認される第3図柄表示装置81(図12(a)参照)の表示領域の配置とは、正面視で部分的に重なるので、遊技者に視線の変化を要求することなく、上述の一連の演出を視認させることができる。
なお、検出センサSC21を球が通過した場合に粒状部材320を発射しない制御も組み合わせるようにしても良い。例えば、粒状部材320の発射が実行されない場合に大当たりとなると、上述の確変大当たりの可能性が高くなるように制御しても良い。
この場合、第3受入流路2155に球が案内された後の演出の種類を増やすことができるので、第3受入流路2155に球が案内された段階で第3受入流路2155に対する遊技者の注目力が低下することを避けることができる。
加えて、粒状部材320の発射が実行されなかった場合に、その後の第3図柄表示装置81での表示演出に対する注目力を向上させることができる。
なお、検出センサSC21の機能と同様の機能を有する検出センサを、他の箇所に配置するようにしても良い。例えば、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な箇所に配置しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球の通過タイミングで、粒状部材320を発射する演出を実行することができる。この場合に、検出センサSC21を、遊技球が通過することで遊技者に付与する利益がより有利なものとなる特定領域に配設するようにしても良い。
図99及び図100を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出部材700が、左右対称で離散するように径方向に拡大縮小変位するように構成される場合を説明したが、第3実施形態の演出部材3700では、径方向の拡大縮小変位において、左右対称では無い区間を形成可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図99は、第3実施形態における拡大縮小ユニット3600の正面図である。なお、拡大縮小ユニット3600の第1実施形態との相違点は、演出部材3700にのみあり、本体部材601、正面カバー部材610、上アーム部材620、下アーム部材630及び伝達ギア650の構成は共通であるので、説明は省略する。
図99では、演出部材3700の遮蔽意匠部材760が径方向の拡大縮小変位の途中位置(中間位置)に配置された状態が図示される。図99に示すように、本実施形態では、5枚の遮蔽意匠部材760を採用していることは第1実施形態と同様であるが、遮蔽意匠部材760の内、下側2枚および左上1枚が同様の長さで径方向拡大変位している一方で、上側1枚および右上1枚は依然として集合配置状態とされている(径方向拡大変位していない)。この変位を実現するための構成について説明する。
図100は、回転板3730の正面図である。回転板3730は、第1実施形態で説明した回転板730に対して、一部の案内孔733が別案内孔3733に変化していることを除き、共通の構成を備える。
図100に示すように、回転板730は、正面視で上側および右上側の案内孔733の代わりとして、別案内孔3733を備える。別案内孔3733は、上述の小径円弧部733aと、大径円弧部733bと、それら小径円弧部733a及び大径円弧部733bを連結する調整連結部3733cと、を備える。
調整連結部3733cは、大径円弧部733bとの連結部から中間位置付近まで同一円弧形状に沿って延び、大径円弧部733bの反対側において(右回り方向に隣設される案内孔733又は別案内孔3733に近接する位置において)小径円弧部733a側へ向けて急激に近づくよう形成される。
即ち、伸縮変位部材740を集合配置状態(図63参照)から変位させる変位態様において、連結部733cに案内される伸縮変位部材740は早い段階から径方向に拡大変位する一方で、調整連結部3733cに案内される伸縮変位部材740は、大径円弧部733bと同一円弧形状に案内されている間は径方向の拡大変位が生じない。そのため、図99に示すように、遮蔽意匠部材760の配置にずれを生じさせることができる。遮蔽意匠部材760の配置ずれにより生じる作用について説明する。
図99に示すように、遮蔽意匠部材760の配置を左右非対称とすることで、演出部材3700の重心位置を左右方向中心や、上下方向中心からずらすことができる。特に、図99に示す状態では、右上位置に配置される遮蔽意匠部材760が集合配置状態に依然として留まっていることから、その分だけ、演出部材3700の重心G31が左下位置にずれる。
この結果、演出部材3700には、重心G31のずれを修正する方向の負荷、即ち、正面視反時計回り方向の負荷が自重により生じる。この負荷により、演出部材3700に、前後方向軸中心の回転方向の姿勢変化を生じさせることができるので、遮蔽意匠部材760を、演出部材3700の回転軸を中心とした径方向と、回転方向とを組み合わせた方向に変位させることができる。
これにより、遮蔽意匠部材760を変位させるための部材である機能板部720(図55参照)、回転板3730及び伸縮変位部材740(図59参照)の形状のみからは予定されていない方向(即ち、回転方向)に遮蔽意匠部材760を変位させることができる。
本実施形態では、連結部733cと調整連結部3733cとが異なるだけで、それ以外の部分については、案内孔733と別案内孔3733との形状は同じであり、小径円弧部733a及び大径円弧部733bの配置は案内孔733と別案内孔3733とで同じである。
そのため、図99に示す状態で重心G31の位置がずれた後、遮蔽意匠部材760が集合配置状態とされるか、径方向の拡大変位終端位置に配置されることで、遮蔽意匠部材760は左右対称に配置されることになるので、再び重心G31は演出部材3700の左右中心位置および上下中心位置に戻る。これにより、重心G31の位置がずれたまま維持され不具合の発生を防止することができる。
この重心G31の戻りを利用した演出例について説明する。第1実施形態では、演出部材700の上下変位と径方向変位とが同時に行われることは無く、個別に実行される場合を説明したが、この目的は他の構成との衝突を避けることである。
本実施形態では、他の構成との衝突を避ける工夫を採用した上で、演出部材3700の上下変位と径方向変位とを同時に実行可能に制御される。即ち、図99に示す状態から、演出部材3700を下降変位させながら、遮蔽意匠部材760を径方向に拡大変位させることが可能に構成される。
この場合、演出部材3700の下降変位と、遮蔽意匠部材760の径方向の拡大変位とに加えて、演出部材3700の重心G31の戻りが生じることになるので、演出部材3700に、図99に示す状態から想定される回転方向(正面視反時計回り)とは逆回転の姿勢変化を生じさせることができる。
このように、演出部材3700の径方向の拡大変位に対して、正逆方向の回転変位を加えることができるので、遮蔽意匠部材760を径方向に拡大縮小変位させることに特化した簡易な構成を採用しながら、結果として回転方向の変位も加わった複雑な動きとすることができる。これにより、演出部材3700による演出効果を向上することができる。
図101を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、演出待機状態から駆動モータM1が正回転方向に駆動されることで、直動部材410と伝達アーム部材470とが同時に変位する場合を説明したが、第4実施形態では、後側伝達部材460の溝形成部462の形状が変化され、直動部材410の変位に先立って伝達アーム部材470の変位、即ち蓋部材480の変位が完了する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図101は、第4実施形態における前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図101では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
図101に示すように、第4実施形態では、直動部材410及び衝突部材420の変位に先立って伝達アーム部材470の変位が完了する。そのため、蓋部材480が退避側の変位終端位置に配置された状態で直動部材410及び衝突部材420の下降変位が開始されるので、遊技者は、蓋部材480に視線を遮られることなく、衝突部材420の下降変位に伴う粒状部材の変位を視認することができる(図12(a)、図38参照)。
この状況において、図101に示す角度66度から角度125度の間において直動部材410を往復動作させることで、粒状部材320を振動(微小変位)させて遊技者に視認させることができる。
本実施形態では、コイルスプリングSP1の付勢力が強力なので、駆動モータM1の駆動を解消すると、コイルスプリングSP1の付勢力で直動部材410及び衝突部材420が上昇変位する。
そのため、駆動モータMT1に断続的に通電することで、直動部材410を往復動作させることができる。これにより、駆動モータMT1の駆動方向を切り替えることを不要とすることができるので、制御を容易とすることができる。
また、このように粒状部材320を振動(微小変位)させて遊技者に視認させる態様において、蓋部材480が共に変位する場合に比較して、トーションスプリングSP2が受ける負荷(疲労)を低減することができる。
なお、粒状部材320を振動(微小変位)させるために衝突部材420を変位させる態様はこれに限るものではない。例えば、他の振動装置から衝突部材420へ振動を伝達して、衝突部材420を振動させるようにしても良い。この場合、他の振動装置は衝突部材420の変位方向下側に配置されることが好ましい。これにより、コイルスプリングSP1の付勢力による衝突部材420の変位時に他の振動装置が負荷を受けることを回避することができる。
図102を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、演出待機状態から駆動モータM1が正回転方向に駆動されることで、直動部材410と伝達アーム部材470とが同時に変位する場合を説明したが、第5実施形態では、後側伝達部材460の溝形成部462の形状が変化され、直動部材410の変位が完了した後で伝達アーム部材470の変位、即ち蓋部材480の変位が開始する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図102は、第5実施形態における前側伝達部材440及び後側伝達部材460の回転に伴う、検出センサSC4の出力状態、直動部材410の配置、衝突部材420の配置、当接部材430の突設部432の配置および伝達アーム部材470の円柱状突部472の配置の計時変化を示した図である。
なお、図102では、各構成の配置変化の変化幅同士での相対関係が記載されているわけではなく、配置変化が生じるタイミングの相対関係の目安が示される。また、直動部材410の配置変化は、コイルスプリングSP1に蓄積される付勢力の変化に対応する。
図102に示すように、第5実施形態では、直動部材410及び衝突部材420の変位が完了した後で伝達アーム部材470の変位が開始する。更に、粒状部材320の発射後、粒状部材320が衝突部材420に到達する前に蓋部材480の変位が完了するように構成される(角度290度付近を参照)。
そのため、粒状部材320の少なくとも一部を蓋部材480の上側に乗せ、滞留させることができる。粒状部材320が蓋部材480に衝突することで蓋部材480の回転を阻害する可能性も考えられるが、本実施形態では蓋部材480の進退部481が回転軸を中心とする円弧形状から形成されるので、粒状部材320から受ける負荷を回転軸側へ向けることができる。これにより、蓋部材480の回転を阻害し難くすることができる。
蓋部材480の上に粒状部材320が乗ったまま、駆動モータMT1の正回転方向の駆動を継続すると、伝達アーム部材470が退避側(図102小径側)へ変位することにより粒状部材320は衝突部材420の上に落ちる。
一方、このタイミングでは衝突部材420と直動部材410との接触は解けているので、粒状部材320から衝突部材420に伝達される負荷が直動部材410まで伝達されることを回避することができる。
また、発射待機状態から駆動モータMT1は逆回転方向に回転駆動させる場合に、高速とすると直動部材410及び衝突部材420の上昇速度を向上させることができ粒状部材320を発射することができる。
この場合において、発射時に、蓋部材480は進入側の変位終端位置に配置されているので、張出部482が配置される左右中央部において粒状部材320の発射が阻害され、左右方向への発射た主になるように視認させることができる。
即ち、駆動モータMT1を正回転させる場合の発射態様と、逆回転させる場合の発射態様とで、粒状部材320が打ち出される方向を変化させることができる。これにより、粒状部材320の発射方向にバリエーションを持たせることができ、演出効果を向上することができる。
図103を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、第1光照射装置330や第2光照射装置340が平板状の基板を備え、前後方向や左右方向に光を照射する場合を説明したが、第6実施形態では、第1光照射装置6330や第2光照射装置6340が折れ曲がり配置される電飾基板を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図103は、図2のXXVII−XXVII線に対応する線における第6実施形態における遊技盤13及び発射ユニット6300の断面図である。即ち、図103では、遊技盤13及び発射ユニット6300が図示され、動作ユニット500の図示は省略されている。また、第1光照射装置6330や第2光照射装置6340から照射される光の方向が模式的に矢印で図示される。
図103に示すように、第1光照射装置6330は、電飾基板332に加えて、その電飾基板332の正面側端部に正面側端部が近接し、背面側端部が電飾基板332から離れる姿勢で傾斜配置される第2電飾基板6334を備える。
第2電飾基板6334は、少なくとも正面側面から光を照射可能に配設されるLED等の発光手段を備えている。この発光手段により、区画部材310へ光を向け易くなり、区画部材310の内部空間IE1を飛散する粒状部材320を光らせる演出の演出効果を向上させることができる。
第2光照射装置6340は、電飾基板342に加えて、その電飾基板342の背面側端部に背面側端部が近接し、正面側端部が電飾基板342から離れる姿勢で傾斜配置される第2電飾基板6344を備える。
第2電飾基板6344は、少なくとも背面側面から光を照射可能に配設されるLED等の発光手段を備えている。この発光手段により、発射ユニット6300の背面側に配置される拡大縮小ユニット600の演出部材700や変位回転ユニット800等に光を向け易くなり、発光演出の演出効果を向上させることができる。
なお、電飾基板の配置はこれに限るものでは無い。例えば、第2電飾基板6334,6344のみ採用し、電飾基板332,342を省略しても良いし、その他の組み合わせを採用しても良い。また、第2電飾基板6334,6344において発光手段を配置しなかった側に発光手段を配置するようにしても良いし、両面から光を照射可能に構成しても良い。
また、光照射の方向を斜めにするという目的からすれば、電飾基板を増やすという方法をとらずに、発光手段の姿勢を変化可能な装置を構成するようにしてもいい。また、電飾基板332,342と第2電飾基板6334,6344の交差位置に発光手段を配置し、光照射可能に構成しても良い。
図104から図120を参照して、本発明の第7実施形態における基板ボックスA100について説明する。まず、図104から図107を参照して、基板ボックスA100の概略構成について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図104は、第7実施形態におけるパチンコ機A10の背面図であり、図105は、第7実施形態における基板ボックスA100の正面斜視図であり、図106は、基板ボックスA100の背面斜視図であり、図107(a)は、基板ボックスA100の正面図であり、図107(b)は、基板ボックスA100の側面図である。
なお、図105から図107における矢印F,B、矢印L,R及び矢印U,Dは、基板ボックスA100の前後方向、左右方向および上下方向をそれぞれ示している。なお、以下の各図においても同様であるので、その説明は省略する。
また、第7実施形態におけるパチンコ機A10は、第1実施形態におけるパチンコ機10に対し、基板ボックスA100を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
図104から図107に示すように、基板ボックスA100は、ボックスカバーA200と、そのボックスカバーA200により開口が覆われるボックスベースA300と、それらボックスカバーA200及びボックスベースA300を開封不能に連結(かしめ構造による連結)する封印ユニットA400と、その封印ユニットA400により連結されたボックスカバーA200及びボックスベースA300の封印ユニットA400とは反対側の端部に配設されるサブカバーA500とを備え、主制御装置A110(図112参照)が収納される。
封印ユニットA400には、回転軸A410が形成される。回転軸A410は、基板ボックスA100を内枠12の背面側に回転可能に軸支するための軸であり(図120参照)、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の短手方向(矢印U,D方向)に平行、且つ、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向(矢印L,R方向)に直交する軸として形成される。
また、回転軸A410は、正面視(矢印B方向視)において、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向一側(後述する被覆部A270を挟んで第1接続壁部A220と反対側、矢印R方向側)に配設される。なお、回転軸A410を基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向一側と反対側となる長手方向他側(矢印L方向側)に配設しても良い。
主制御装置A110には、スイッチ装置A120とキー装置A130とが配設(搭載)される。なお、主制御装置A110は、第1実施形態における主制御装置110に対し、スイッチ装置A120及びキー装置A130が更に配設(搭載)されて構成される。即ち、主制御装置A110と第1実施形態における主制御装置110とは、スイッチ装置A120及びキー装置A130の有無を除き、その他の構成は同一とされる。よって、その他の説明は省略する。
スイッチ装置A120は、操作部A122が初期位置から押し込まれることにより動作(オン)されると共に押し込みが解除されることによりオフされる(操作部A122が初期位置へ復帰される)モーメンタリ式の押ボタンスイッチとして構成され、主制御装置A110への入力に利用される。なお、スイッチ装置A120及びキー装置A130は、主制御装置A110(主制御装置110)における各種スイッチ208(図4参照)の一部に相当する。
スイッチ装置A120は、操作部A122が動作位置(オンされる位置)まで押し込まれる際に、所定のクリック感(押し込み力の変化)が発生するように構成され、かかるクリック感に基づいて、主制御装置A110への入力の完了を操作者が検知可能とされる。よって、操作部A122を視認できない状況で操作する必要がある場合に有効となる。
キー装置A130は、初期位置(以下「オフ位置」と称す)において鍵A140が挿抜可能とされ、オフ位置において差し込まれた鍵A140が回転(本実施形態では右回転)され所定位置(以下「オン位置」と称す)に配置されることにより動作(オン)されると共に鍵A140が回転(本実施形態では左回転)されオフ位置に配置されることによりオフされる鍵操作式のセレクタスイッチ(モード切替スイッチ)として構成される。
なお、本実施形態では、オフ位置とオン位置との位相差は略90度に設定される。また、キー装置A130は、オフ位置においては、鍵A140の挿抜が可能とされる一方、オン位置においては、鍵A140の抜き取りが不能とされる。
また、キー装置A130のオン・オフの状態に応じて、スイッチ装置A120の機能を切り替えられる。例えば、本実施形態では、キー装置A130がオフされている状態では、スイッチ装置A120は、主制御装置A110を初期化(RAM消去を実行)するリセットスイッチ(RAMクリアスイッチ)として機能し、キー装置A130がオンされている状態では、スイッチ装置A120は、後述するように、抽選における当たり確率の値を変更(以下「設定変更」と称す)するための設定変更スイッチとして機能する形態が例示される。
ここで、上述のように、基板ボックスA100(ボックスカバーA200及びボックスベースA300)は開封不能に連結されるため、主制御装置A110(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130)の操作を行うためには、基板ボックスA100を開封する必要があり、手間がかかる。
これに対し、本実施形態における基板ボックスA100によれば、ボックスカバーA200に開口A250,A260が形成され、それら開口A250,A260を介して、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作可能とされる。即ち、基板ボックスA100の開封を不要として、手間を抑制できる。詳細については後述する。
スイッチ装置A120及びキー装置A130の背面側(操作部A122の押し込み方向側、鍵A140の差し込み方向側、矢印B方向側)には、脚A121,A131(電気的接続端子、図114参照))が突出され、それら脚A121,A131が、主制御装置A110(プリント基板A119)に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされることで、スイッチ装置A120及びキー装置A130は、主制御装置A110(プリント基板A119)の正面側に配設される。
この場合、スイッチ装置A120及びキー装置A130に外力(例えば、操作部A122や鍵A140を押し込み方向(差し込み方向)と直交する方向へ変位させる力、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向の力)が作用され、主制御装置A110(プリント基板A119)に対して傾倒されると、スイッチ装置A120及びキー装置A130の一側(傾倒によりプリント基板A119から持ち上げられる側)の脚A121,A131に引張力が作用される一方、他側(傾倒によりプリント基板A119に押さえ付けられる側)の脚A121,A131に圧縮力が作用される。そのため、脚A121,A131の破断や屈曲、孔からの脚A121,A131の抜け、はんだの剥がれが発生し、断線や接触不良を招く虞がある。これに対し、基板ボックスA100には、かかる問題点を解決する手段が採用される。詳細については後述する。
主制御装置100は、複数(本実施形態では4個)の7セグメント表示器(図示せず)を備え、かかる7セグメント表示器がプリント基板A119に搭載される。なお、ボックスカバーA200が光透過性の樹脂材料から構成されるため、作業者は、7セグメント表示器の表示を、ボックスカバーA200を介して、視認できる。
ここで、スイッチ装置A120及びキー装置A130を用いた設定変更の方法について説明する。
まず、パチンコ機A10の電源がオフされた状態において、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオン位置に配置した上で、スイッチ装置A120の操作部A122を動作位置まで押し込みつつ、パチンコ機A10の電源をオンする。これにより、設定変更モードとして起動され、スイッチ装置A120の操作部A122が押し込み操作される毎に、設定が変更される。
本実施形態では、設定値として、第1から第6の6値が規定されており、これらの値が循環される(例えば、操作部A122の押し込み操作により、設定値が第1の値から第6の値へ順に進み、第6の値に設定された状態から操作部A122が押し込み操作されると、設定値が第1の値に進む)。
設定値は、液晶ディスプレイ(表示装置)である第3図柄表示装置81に表示され、スイッチ装置A120の操作部A122が押し込み操作されると(設定値が変更されると)、第3図柄表示装置81に表示される設定値も変更される。本実施形態では、設定値が7セグメント表示器にも表示される。
なお、第3図柄表示装置81に表示される設定変更に関する情報は、設定値に限られず、他の情報を含むものであっても良い。他の情報としては、現在のモード(設定変更モード、設定確認モード)、前回の設定値などが例示される。このように、第3図柄表示装置81を利用することで、例えば、7セグメント表示器を利用する場合と比較して、表示できる情報量を確保(多く)できる。その結果、操作状態を把握し易くなり、操作性の向上と操作間違いの抑制とを図ることができる。また、遊技に関する情報を表示する装置(第3図柄表示装置81)を兼用することで、その分、製品コストを低減できる。
また、設定値の表示は、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の一方のみに表示され、他方には表示されない形態でも良い。或いは、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器の両者ともに表示されない形態であっても良い。
所望の設定値を変更した後は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置する。これにより、設定変更モードが終了される(設定値が確定される)。この場合、キー装置A130のオフエッジが検出され、その検出を契機に復電処理が実行され、設定(変更)した設定値での通常モードが起動される。
なお、所望の設定値を変更した後、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置せず(即ち、オン位置に配置された状態のままで)、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130の鍵A140がオフ位置に配置された状態で、パチンコ機A10の電源をオンすることによっても、設定(変更)した設定値での通常モードが起動される。
また、設定変更モードでは、RAM消去が実行される。かかるRAM消去は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140がオフ位置に配置されることで確定される。なお、RAM消去を実行するタイミングとしては、パチンコ機A10の電源がオンされたタイミング、そのタイミングから所定時間が経過したタイミング、鍵A140がオフ位置に配置されたタイミングなどが例示される。即ち、RAM消去を実行するタイミングは適宜設定できる。
また、設定変更モード中(即ち、スイッチ装置A120の操作部A122の押し込み操作により設定値の変更が可能となった状態において、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置せず(即ち、オン位置に配置された状態のままで)、パチンコ機A10の電源をオフした場合、キー装置A130から鍵A140が抜き取られた状態で、又は、キー装置A130に差し込まれている鍵A140がオフ位置に配置された状態で、パチンコ機A10の電源がオンされると、通常モードでの起動が行われず、エラー状態とされ、第3図柄表示装置81にエラー表示が表示される。なお、第3図柄表示装置81と同時に、又は、これに代えて、7セグメント表示器にエラー表示を表示しても良い。
次いで、設定変更モードで設定された設定値の確認は、まず、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオン位置に配置した上で、パチンコ機A10の電源をオンする。これにより、設定値を確認するための設定確認モードが起動され、その時点で設定されている設定値が第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器に表示される。
なお、設定確認モードでの設定値の表示は、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の一方のみに表示され、他方には表示されない形態でも良い。或いは、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器の両者ともに表示されない形態であっても良い。
この設定確認モードにおいて、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置する。これにより、設定確認モードが終了される。また、キー装置A130のオフエッジが検出され、その検出を契機に復電処理が実行され、その時点で設定されている設定値での通常モードが起動される。
なお、設定確認モードにおいて、パチンコ機A10の電源をオフし、キー装置A130に差し込まれている鍵A140をオフ位置に配置した状態で、パチンコ機A10の電源をオンすることによっても、その時点で設定されている設定値での通常モードが起動される。
本実施形態では、設定変更モードでの設定値の変更が完了(確定)すると、7セグメント表示器が所定の態様で発行される。所定の態様としては、例えば、所定の表示(例えば、「7」)が一定の時間間隔で点滅される態様が例示される。
また、7セグメント表示器は、4個が並設されることで、4桁の表示が可能とされ、前半の2桁(2個)によりモードが表示され(例えば、設定変更モードでは「01」が、設定確認モードでは「02」が、それぞれ表示され)、後半の2桁(2個)により設定値が表示される(例えば、第1の値は「01」が、第2の値は「02」が、・・、第6の値は「06」が、それぞれ表示され)。
次いで、図108から図114を参照して、基板ボックスA100を構成する各部品(ボックスカバーA200、ボックスベースA300及び主制御装置A110)について順に説明する。まず、図108から図110を参照して、ボックスカバーA200について説明する。
図108は、ボックスカバーA200の正面斜視図であり、図109は、ボックスカバーA200の背面斜視図であり、図110(a)は、図108の矢印CXa方向視におけるボックスカバーA200の部分拡大正面図であり、図110(b)は、図109の矢印CXb方向視におけるボックスカバーA200の部分拡大背面図である。
図108から図110に示すように、ボックスカバーA200は、正面視略横長矩形の板状に形成される正面壁部A201と、その正面壁部A201の4辺から背面側(矢印B方向)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部A202、下壁部A203、それら上壁部A202及び下壁部A203を連結する左壁部A204及び右壁部A205)とを主に備え、これら各壁部A201〜A205により背面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスカバーA200は、光透過性の樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
上壁部A202、下壁部A203、左壁部A204及び右壁部A205の立設先端面(矢印B方向側の面)には、2段の段差が形成される。段差は、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の内部空間側に第1の面(第1の段)が形成され、その第1の面の外方側(内部空間と反対側)に第2の面(第1の段)が形成される。第1の面は、第2の面よりも低く(正面壁部A201からの立設高さが小さく)され、主制御装置A110(プリント基板A119)を載置する面(以下「座面A206」と称す)として形成される。
座面A206は、各壁部A201〜A205の面(第1の面)が連続した正面視略矩形枠状に形成され、正面壁部A201と平行な面として形成される。座面A206の4箇所の角部分(各壁部A201〜A205の面(第1の面)どうしが連結される部分)には、内周にめねじが螺刻された締結孔A206aが凹設される。
よって、主制御装置A110(プリント基板A119)は、その正面のうちの外縁側を座面A206に当接させ、主制御装置A110(プリント基板A119)の挿通孔A112に挿通されたねじASC(図117(b)及び図118(b)参照)が締結孔A206aに螺合されることで、正面壁部A201と平行な姿勢でボックスカバーA200(座面A206)に締結固定され、基板ボックスA100に収納される。
上壁部A202及び下壁部A203には、複数の係合片A207が所定間隔を隔てて並設される。係合片A207は、上壁部A202及び下壁部A203から背面側(矢印B方向)へ立設される基部と、その基部の立設先端から一方向(矢印R方向)へ延設される延設部とから略L字状に屈曲した形状に形成され、後述するように、ボックスベースA300の被係合部A307に係合される。
正面壁部A201には、その一部に背面側(矢印B方向)へ向けて凹設される部分が形成される。かかる凹設部分は、正面壁部A201よりも背面側(主制御装置110側)へ後退して位置する板状の操作用壁部A210と、その操作用壁部A210の各辺を正面壁部A201に接続する板状の壁部(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)とによって正面壁部A201に形成される。
即ち、基板ボックスA100の正面側の外面(矢印F方向側の面)は、正面壁部A201により形成される第1領域と、その第1領域よりも主制御装置A110に近い側に位置し操作用壁部A210により形成される第2領域とから形成される。
操作用壁部A210は、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作面を形成する部位であり、正面視略横長矩形(矢印U,D方向における長さ寸法に対して矢印L,R方向における長さ寸法が長くされる長方形状)に形成され、正面壁部A201と略平行な姿勢で配設される。
なお、操作用壁部A210は、正面視(矢印B方向視)において、ボックスカバーA200の長手方向中央よりも一側(封印ユニットA400の回転軸A410側)に配設される。
第1接続壁部A220は、操作用壁部A210の長手方向一側(矢印L方向側)における一辺を正面壁部A201に接続する壁部であり、正面壁部A201から操作用壁部A210へ向かうに従って主制御装置A110へ近接する方向に傾斜(下降傾斜)して形成される。よって、第1接続壁部A220の正面側(矢印F方向側)に、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)の空間に連なる空間を形成でき、それら第1接続壁部A220及び操作用壁部A210の正面側の空間を合せた空間として、全体としての空間(キー装置A130の操作の際に使用できる空間)を拡大できる。
なお、本実施形態では、正面壁部A201及び操作用壁部A210に対する第1接続壁部A220の傾斜角度が略45度に設定される。これにより、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)における空間の拡大と、基板ボックスA100の内部における空間の確保との両立を図ることができる。
第2接続壁部A230は、操作用壁部A210の短手方向一側(矢印U方向側)における一辺を、第3接続壁部A240は、操作用壁部A210の長手方向他側(矢印R方向側)における一辺を、それぞれ正面壁部A201に接続する壁部であり、正面壁部A201及び操作用壁部A210に略直交する姿勢で配設される。
操作用壁部A210には、操作部A122を基板ボックスA100の外部へ突出させるための開口A250と、鍵A140のキー装置A130への挿抜を可能とするための開口A260と、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載されるコネクタ(図示せず)への接続を可能とするための開口AOP1〜AOP8とがそれぞれ形成される。
開口A250は、その正面視形状が、操作部A122の外形に対応する形状(本実施形態では正面視略正方形)に形成され、操作用壁部A210の長手方向(矢印L,R方向)における略中央に配置される。開口A250の周囲には、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)からガイド壁A251が立設される。
ガイド壁A251は、操作部A122の押し込み方向(矢印B方向)への変位をガイドすると共に押し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)への変位(倒れ)を規制するための部位であり、開口A250を取り囲む正面視略正方形の額縁状に形成され、その内周面が開口A250の内周面に滑らかに連なって形成される。
ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さは、本実施形態では、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端よりも操作用壁部A210からの立設先端が低い位置となる(操作部A122の先端がガイド壁A251の立設先端よりも外方(矢印F方向側)へ突出される)寸法に設定される。これにより、操作部A122の押し込み操作がガイド壁A251によって阻害されることを回避でき、操作部A122の操作性の向上を図ることができる。
但し、ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さを、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端よりも操作用壁部A210からの立設先端が高い位置となる(操作部A122の先端がガイド壁A251の立設先端よりも内方(矢印B方向側)へ没入される)寸法に設定しても良い。これにより、作業者の不用意な操作や他の部材との当接(干渉)によって操作部A122が意図せずに動作位置へ押し込まれる(オンされる)ことを抑制できる。
また、ガイド壁A251の操作用壁部A210からの立設高さを、動作位置(オンされる位置)まで押し込まれた操作部A122の先端が、操作用壁部A210からの立設先端と略同一の高さ位置となる寸法に設定しても良い。操作部A122を押し込む際に、手指がガイド壁A251の立設先端に当接されるので、かかる当接を基準として、操作部A122を動作位置まで押し込んだことを作業者に認識させることができる。操作部A122を視認できない状況で操作する必要がある場合に有効となる。
操作用壁部A210には、その正面(外面、矢印F方向側の面)から被覆部A270が突設される。被覆部A270は、キー装置A130(図112(a)参照)の先端側(矢印F方向側)の一部に被さる部位であり、操作用壁部A210から立設され円筒状に形成される周壁部A271と、その周壁部A271の突設先端を塞ぐ(端面を形成する)板状の端面壁部A272とを主に備え、その内部の空間にキー装置A130の先端側の一部が収納される。
周壁部A271は、断面略円形の筒状に形成される基部A271aと、その基部A271aの対向する2箇所(位相を略180度異ならせた位置)から径方向外方へ突出される一対の突部A271bとを備える。周壁部A271(基部A271a及び突部A271b)は、軸方向(矢印F,B方向)に沿って全体が略同一の断面形状に形成される。よって、操作用壁部A210には、周壁部A271(基部A271a及び突部A271b)の断面形状(即ち、円形のうちの対向する2箇所を径方向外方へ突出させた形状)と略同形状の開口が形成される(図110(b)参照)。
開口A260は、被覆部A270の突設先端面、即ち、端面壁部A272に形成される。これにより、端面壁部A272は、周壁部A271の突設先端の内周面から径方向内方へ延設される板状に形成される。即ち、端面壁部A272は、基端が周壁部A271の内周面に固定され、一端(開口A260側)が自由な状態の板状(片持ち梁)として形成される。
ここで、開口A260は、鍵A140がオフ位置とオン位置との間で変位(回転)される際のその鍵A140の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成される。詳細には、開口A260は、鍵A140の回転中心よりも一側の部分の変位を許容するための中心角略90度の第1の扇形状の開口と、鍵A140の回転中心よりも他側(一側と反対側)の部分の変位を許容するための中心角略90度の第2の扇形状の開口とが、位相を略180度異ならせて結合された形状に形成される。
これにより、端面壁部A272には、周壁部A271の突設先端の内周面から径方向内方へ延設され正面視(矢印B方向視)略円環形状に形成される円環部A272aと、その円環部A272aの内縁から径方向内方へ延設され正面視(矢印B方向視)略三角形状に形成される角形部A272bとが形成される。角形部A272bは、正面視(矢印B方向視)において、径方向内方へ向けて先細となる姿勢で配設され、位相を略180度異ならせた2箇所に形成される。
なお、鍵A140は、回転中心よりも一側の部分の回転半径と、回転中心よりも他側の部分の回転半径とが異なる寸法とされる。よって、開口A260は、第1の扇形状の開口と第2の扇形状の開口とが異なる大きさ(半径)の開口とされる。
操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212が突設される。これら第1突条A211及び第2突条A212は、略矩形の断面形状を維持しつつすじ状に延設される突条であり、一端が被覆部A270の外周面(外面)に連結される。
詳細には、第1突条A211の一端は、オフ位置にある鍵A140の縁部と対向する位置(位相)において、周壁部A271の突部A271bの外周面(外面)に連結され、第2突条A212の一端は、オン位置にある鍵A140の縁部と対向する位置(位相)において、周壁部A271の基部A271aの外周面(外面)に連結される。即ち、第1突条A211の一端と第2突条A212の一端とは、位相を略180度異ならせた位置において、それぞれ被覆部A270の外周面(外面)に連結される。
また、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212の他端に隣接する位置(他端の延長線上)に表示部がそれぞれ形成される。表示部は、鍵A140の操作位置(回転位置)の情報を示す部位であり、「OFF」及び「ON」が表示される。即ち、縁部を第1突条A211の一端へ向けた姿勢の鍵A140はオフ位置に配置され(図115(a)参照)、縁部を第2突条A212の一端へ向けた姿勢の鍵A140はオン位置に配置される(図115(b)参照)。
開口AOP1は、操作用壁部A210に形成され、開口AOP2〜AOP8は、正面壁部A201の縁部に沿って直列(一列)に形成(並設)される。
操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A280,A290が立設される。立設壁A280は、第1立設壁A281、第2立設壁A282、第3立設壁A283及び第4立設壁A284を備え、これら各立設壁A281,A282,A283,A284により開口A250が取り囲まれる(図110(b)参照)。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、スイッチ装置A120が立設壁A280により取り囲まれる。
第1立設壁A281は、開口A250と第2接続壁部A230との間に配置され、第2接続壁部A230及び下壁部A203のそれぞれと略平行な板状に形成される。第2立設壁A282及び第3立設壁A283は、開口A250を挟んで対向配置され、第1立設壁A281と略直交する板状に形成される。第4立設壁A284は、開口A250と下壁部A203との間に配置され、第1立設壁A281と略平行な板状に形成される。
第2立設壁A282及び第3立設壁A283は、一側が第1立設壁A281に、他側が下壁部A203に、それぞれ連結される。即ち、第1立設壁A281は、第2立設壁A282及び第3立設壁A283を介して、下壁部A203に連結される。また、第4立設壁A284は、一側が第2立設壁A282に、他側が第3立設壁A283に、それぞれ連結される。
また、立設壁A290は、第1立設壁A291、第2立設壁A292及び第3立設壁A293を備え、これら各立設壁A291,A292,A293により開口A260が取り囲まれる(図110(b)参照)。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、キー装置A130が立設壁A290により取り囲まれる。
第1立設壁A291は、開口A260と第2接続壁部A230との間に配置され、第2接続壁部A230及び下壁部A203のそれぞれと略平行な板状に形成される。第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、開口A260を挟んで対向配置され、第1立設壁A291と略直交する板状に形成される。
第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、一側が第1立設壁A291に、他側が下壁部A203に、それぞれ連結される。即ち、第1立設壁A291は、第2立設壁A292及び第3立設壁A293を介して、下壁部A203に連結される。また、第4立設壁A284は、一側が第2立設壁A292に、他側が第3立設壁A293に、それぞれ連結される。
立設壁A290は、正面視(矢印B方向視)において、被覆部A270の周囲を取り囲む大きさ(被覆部A270よりも外方となる位置)に形成される。詳細には、正面視(矢印B方向視)において、被覆部A270の周壁部A271における基部A271aの外面(円弧)が、第2立設壁A292及び第3立設壁A293の内面(直線)にそれぞれ内接され、被覆部A270の周壁部A271における突部A271bの外面(円弧)が、第1立設壁A291及び下壁部A203の内面(直線)にそれぞれ内接される。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293は、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)からの立設高さがそれぞれ同じ寸法とされると共に、それら各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)が座面A206と同じ高さ位置に配置される。
よって、立設壁A280,A290は、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端面が座面A206に連なり、座面A206と各立設壁A281,A293,A282,A292,A283,A293の立設先端面とが同一の平面状に位置する(同一平面を形成する)。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)がボックスカバーA200(座面A206)に締結固定されると、第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)が主制御装置A110(プリント基板A119)の正面(矢印F方向側の面)に当接される。
ここで、立設壁A280では、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の長さ寸法(矢印U,D方向寸法)が、第1立設壁A281の長さ寸法(矢印L,R方向寸法)よりも大きな値とされる。そのため、後述するように、傾倒されたスイッチ装置A120の外面が立設壁A280(第2立設壁A282及び第3立設壁A283)の内面に当接された際に、第2立設壁A282及び第3立設壁A283が変形して、スイッチ装置A120の傾倒を抑制できない虞がある。
これに対し、本実施形態では、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の対向間が第4立設壁A284により連結されるので、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の変形を抑制できる。その結果、スイッチ装置A120の傾倒を抑制できる。
一方で、第4立設壁A284が下壁部A203と近接した位置に配置されることで、かかる第4立設壁A284近傍の材料ボリュームが大きくなる。これは、板厚寸法の大きな部位が部分的に形成されることに相当し、他の部位との収縮率の差に伴い、部分的に板厚寸法が大きい部位およびその近傍での成形不良を生じさせる。
これに対し、第4立設壁A284の立設高さは、第1立設壁A281、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の立設高さよりも小さく(低く)される。これにより、第2立設壁A282及び第3立設壁A283の変形を抑制する機能は確保しつつ、第4立設壁A284近傍の材料ボリュームを小さくして、収縮率の差に伴う成形不良を抑制できる。
また、下壁部A203よりも開口A250に近接する位置に第4立設壁A284が設けられていることで、後述するように、スイッチ装置A120の矢印D方向側への傾倒に対し、かかるスイッチ装置A120の外面を第4立設壁A284の内面に当接させ、その傾倒を適切な範囲で(即ち、下壁部A203に当接させる場合よりも小さい角度の傾倒に)抑制させることができる。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端側の内面には、立設先端側(矢印B方向)へ向かうに従って外面側へ近接する傾斜面であるテーパ面A280a,A290aがそれぞれ形成される。これにより、各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端における厚み寸法(板厚寸法)が立設先端側へ向かうに従って漸次小さくされ、その分、各立設壁A281,A291,A282,A292,A283,A293の立設先端面(矢印B方向側の面)の面積が小さくされる。
なお、テーパ面A280a,A290aを省略しても良い。また、テーパ面A280a,A290aを、立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293の立設先端側の外面に設けても良い。
正面壁部A201の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A208が立設される。また、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、上述した立設壁A280,A290の他に、立設壁A209が立設される。
立設壁A208は、4辺の板状体を連結し正面壁部A201と反対側が開放される箱状に形成され、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載される演算装置(MPU201、図4参照)に対応する位置に形成される。また、立設壁A209は、開口AOP1に対応する内形を有し、操作用壁部A210と反対側が開放される箱状に形成され、主制御装置A110(プリント基板A119)に搭載されるコネクタに対応する位置に形成される。よって、基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、演算装置(MPU201)が立設壁A208により、コネクタが立設壁A209により、それぞれ取り囲まれる。
ここで、複数の対象物をそれぞれ取り囲む複数の立設壁A208,A209,A280,A290は、1又は複数の立設壁の立設先端面の高さ位置が、残りの立設壁の立設先端面の高さ位置と異なる高さ位置に設定される。本実施形態では、立設壁A209の立設先端面の高さ位置が、立設壁A208,A280,A290の立設先端面の高さ位置よりも後退される(即ち、プリント基板A119から離間する側に位置する)。これにより、立設壁A208,A209,A280,A290の寸法公差、プリント基板A119のボックスカバーA200への取付公差、或いは、プリント基板A119の寸法公差(例えば、平面度のばらつき)が存在する場合でも、立設壁A209に比較して、立設壁A208,A280,A290の立設先端面をプリント基板A119に密着させやすくできる。即ち、重要度の高い対象物を取り囲む立設壁のプリント基板A119への密着を確保できる。
次いで、図111を参照して、ボックスベースA300について説明する。図111(a)は、ボックスベースA300の正面斜視図であり、図111(b)は、ボックスベースA300の背面斜視図である。
図111に示すように、ボックスベースA300は、正面視略横長矩形の板状に形成される背面壁部A301と、その背面壁部A301の4辺から正面側(矢印F方向)へ向けて立設され板状に形成される壁部(上壁部A302、下壁部A303、それら上壁部A302及び下壁部A303を連結する左壁部A304及び右壁部A305)とを主に備え、これら各壁部A301〜A305により正面側が開放された箱状に形成される。なお、ボックスベースA300は、樹脂材料を素材とし、樹脂成形型を用いて成形される。
上壁部A302及び下壁部A303には、複数の被係合部A307が所定間隔を隔てて並設される。被係合部A307は、ボックスカバーA200の係合片A207が係合される部位であり、下方側(矢印D方向側)へ張り出して形成される。
ボックスベースA300とボックスカバーA200との連結は、まず、係合片A207における延設部の延設方向と反対側(矢印L方向側)にその延設部の延設長さの分だけ位相をずらした位置で対面させ、ボックスカバーA200をボックスベースA300へ向けて押し込む。これにより、隣り合う被係合部A307どうしの間の空間に係合片A207が入り込むので、次いで、ボックスベースA300に対してボックスカバーA200を、係合片A207における延設部の延設方向(矢印R方向)へ向けてスライド変位させる。これにより、係合片A207が被係合部A307の背面側(矢印B方向側)へ入り込み、両者が係合(矢印F方向へのボックスカバーA200の変位が規制)される。
次いで、図112から図114を参照して、主制御装置A110について説明する。図112(a)は、主制御装置A110の正面斜視図であり、図112(b)は、主制御装置A110の背面斜視図であり、図113は、図112(a)の部分CXIIIにおける主制御装置A110の部分拡大正面斜視図である。
図114(a)は、図112(a)の矢印CXIVa方向視における主制御装置A110の正面図であり、図114(b)は、図114(a)の矢印CXIVb方向視における主制御装置A110の側面図であり、図114(c)は、図114(a)の矢印CXIVc方向視における主制御装置A110の側面図である。
なお、図112から図114では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、プリント基板A119に搭載される各種電子部品のうちの主要なもののみを図示し、その他の図示を省略する。
図112から図114に示すように、主制御装置A110は、プリント基板A119と、そのプリント基板A119に搭載されるスイッチ装置A120及びキー装置A130とを備える。プリント基板A119は、絶縁性の樹脂材料からなる板に各種電子部品(IC、抵抗器、コンデンサやトランジスタ)を搭載し、それら電子部品の間を接続する回路(パターン)が銅箔などの導電体で形成して構成され、4箇所の角部分に挿通孔A112が穿設される。
プリント基板A119は、正面(スイッチ装置A120及びキー装置A130が搭載される側の面、矢印F方向側の面)をボックスカバーA200(正面壁部A201)の背面に対面させた姿勢で基板ボックスA100に収納される。
この場合、プリント基板A119の正面のうちの少なくともボックスカバーA200における立設壁A280,A290の立設先端面および下壁部A203の座面A206が当接される領域AS1,AS2には(図114(a)参照)、電子部品が搭載または回路が形成されず、かかる領域AS1,AS2が平坦な面として形成される。なお、図114(a)では、座面A206が当接される領域のうちの立設壁A280,A290に連なる部分のみが図示される。
スイッチ装置A120は、操作部A122を変位(押し込み操作)可能に保持する本体A123と、その本体A123の内部に配設され操作部A122に初期位置へ復帰するための付勢力を付与するコイルスプリング(付勢手段、図示せず)と、本体A123の内部に配設され操作部A122の変位に伴い接触が切り替えられる接点(図示せず)と、その接点に電気的に接続される脚A121とを備える。
本体A123は、略立方体形状に形成されプリント基板A119の正面に搭載される基部A123aと、その基部A123aの正面(矢印F方向側の面)から突出される円柱状の突部A123bとを備え、突部A123bの外径寸法は、開口A250(ガイド壁A251の内縁)の最大の寸法(対角線の長さ)よりも大きくされる。基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)とが対面される。
なお、本実施形態では、基部A123aの底面から突出される部分(基部A123aの底面の一部であって脚A121が突出される部位)がプリント基板A119の正面に当接される。但し、基部A123aの底面(基部A123aの底面の一部であって脚A121が突出される部位)とプリント基板A119の正面との間に隙間が形成されても良い。即ち、脚A121によりプリント基板A119の正面から基部A123aが嵩上げされて配設されていても良い。
また、本実施形態では、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)との間に所定の隙間が形成される。但し、突部A123bの正面と操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)とが当接するように構成しても良い。
脚A121は、本体A123における基部A123aの背面(矢印B方向側の面、プリント基板A119との対向面)から突出され、上述したように、プリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされる。これにより、スイッチ装置A120がプリント基板A119の正面側に配設(搭載)される。
キー装置A130は、適合する鍵A140が内筒A132aに差し込まれた場合に外筒A132bに対する内筒A132aの回転を許容する錠前として形成されるシリンダ部A132と、そのシリンダ部A132を内部に配設して保持する本体A133と、その本体A133の外周面(外面)を支持する支持体A134と、シリンダ部A132の状態(外筒A132bに対する内筒A132aの回転位置)に応じて接触が切り替えられる接点(図示せず)と、その接点に電気的に接続される脚A131とを備える。
本体A133は、略円筒状に形成されその内周側(内部)にシリンダ部A132を保持する基部A133aと、その基部A133aの外周面(外面)における2箇所(位相を略180度異ならせた位置)から径方向外方へ突出される一対の突部A133bと、基部A133aの先端側(矢印F方向側)の端面を形成する端部A133cとを備える。
なお、本実施形態では、本体A133の底面から突出される部分(本体A133の底面の一部であって脚A131が突出される部位)がプリント基板A119の正面に当接される。但し、本体A133の底面(本体A133の底面の一部であって脚A131が突出される部位)とプリント基板A119の正面との間に隙間が形成されても良い。即ち、脚A131によりプリント基板A119の正面から本体A133が嵩上げされて配設されていても良い。
突部A133bの矢印F方向側の端面は、端部A133cにより形成される端面(矢印F方向側の面)から一段低い位置(矢印B方向側)に形成される。端部A133cには、基部A133aと略同芯となる位置に正面視円形の開口が形成され、かかる開口を介して、シリンダ部A132(内筒A132a)への鍵A140の挿抜が可能とされる。
基板ボックスA100に主制御装置A110が収納された状態では、本体A133の先端側(矢印F方向側)の一部が被覆部A270の内部空間に収納される。
詳細には、本体A133の基部A133aの外径が、被覆部A270の周壁部A271における基部A271aの内径と同等または若干小さい値に設定されると共に、本体A133の突部A133bの突出形状が、被覆部A270における周壁部A271の突部A271bの凹設形状と同等または若干小さい大きさに形成され、これにより、本体A133の基部A133aが周壁部A271の基部A271aの内周側(内側)に、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に、それぞれ収納される。
また、この場合、本体A133の端部A133cの正面(端面、矢印F方向側の面)と被覆部A270における端面壁部A272の背面(矢印B方向側の面)との間に所定の隙間が形成される。なお、端部A133cの正面と端面壁部A272の背面とが当接するように構成しても良い。
脚A131は、本体A133における基部A133aの背面(矢印B方向側の面、プリント基板A119との対向面)から突出され、上述したように、プリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされる。これにより、キー装置A130がプリント基板A119の正面側に配設(搭載)される。
支持体A134は、略中央に開口が形成されその開口に本体A133(基部A133a及び突部A133b)が挿通されるベース部A134aと、そのベース部A134aの対向する2辺からプリント基板A119へ向けて延設される一対の延設部A134bと、ベース部A134aの残りの2辺からプリント基板A119へ向けて延設される一対の補強部A134cとを備え、金属製の板状体を折り曲げて一体に形成される。
延設部A134bのベース部A134aからの延設長さは、補強部A134cのベース部A134aからの延設長さよりも大きくされ、延設部A134bの延設先端面(矢印B方向側の面)がプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接される。また、延設部A134bの延設先端面には、脚A134b1が突設される。支持体A134は、脚A134b1がプリント基板A119に開口する孔に正面側から挿通されて背面側に突出した部分がはんだ付けされることで、プリント基板A119の正面側に配設され自立される。その結果、本体A133を支持体A134により支持して、かかる本体A133がプリント基板A119に対して傾倒することを支持体A134により抑制することができる。
なお、延設部A134bの延設先端面(矢印B方向側の面)とプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)との間に隙間を設けても良い。即ち、脚A131によりプリント基板A119の正面から支持体A134が嵩上げされて配設されていても良い。この場合には、隙間の分、キー装置A130の放熱性を高めることができる。
一方、延設部A134bのベース部A134aからの延設長さと、補強部A134cからの延設長さとを同じ寸法としても良い。即ち、補強部A134cの延設先端面(矢印B方向側の面)もプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接されるように構成しても良い。この場合には、本体A133を、延設部A134b及び補強部A134cの両者により支持して、かかる本体A133がプリント基板A119に対して傾倒することをより強固に抑制できる。また、針金等の異物がキー装置A130の脚A131側へ侵入されることを抑制できる。
また、脚A134b1のはんだ付けを省略し、脚A134b1を略くの字状や略S字状に屈曲させた断面形状に形成し、弾性変形させた状態でプリント基板A119の孔に脚A134b1を挿通する構成としても良い。即ち、脚A134b1の弾性回復力を利用して、脚A134b1をプリント基板A119の孔の内周面(内面)に弾性的に係合させても良い。はんだ付けを省略できる分、製造コストを低減できる。或いは、かかる脚A134b1の孔への弾性的な係合に加え、はんだ付けも行う構成であっても良い。脚A134b1が孔から抜ける出ることをより強固に抑制できる。よって、本体A133の傾倒を支持する支持体A134の機能をより高めることができる。
脚A134b1は、支持体A134を構成する板状体の厚み寸法よりも幅寸法(矢印L,B方向寸法、図114(b)左右方向寸法)が大きな値に設定され(即ち、脚A134b1の断面形状の長方形状とし)、かかる脚A134b1が挿通されるプリント基板A119の孔が長方形状に形成される。これにより、脚A134b1の剛性を高めて、本体A133の傾倒を支持体A134により支持する際に、脚A134b1の基部(延設部A134bとの連結部分)が変形や破断することを抑制できる。
但し、脚A134b1の幅寸法を、厚み寸法と略同一の寸法としても良い。即ち、脚A134b1の断面形状を正方形状としても良い。
また、支持体A134の対向する2辺に補強部A134cが形成されることで、ベース部A134aの撓みやねじれを規制することができる。これにより、支持体A134全体としての剛性を高めて、本体A133を支持する機能を高められるので、本体A133のプリント基板A119に対する傾倒をより強固に規制(抑制)することができる。
次いで、図115から図119を参照して、基板ボックスA100の詳細構成について説明する。
図115(a)は、鍵A140がオフ位置に操作された状態における基板ボックスA100の部分拡大正面図であり、図115(b)は、鍵A140がオン位置に操作された状態における基板ボックスA100の部分拡大正面図であり、図116(a)は、図115(a)の矢印CXVIa方向視における基板ボックスA100の部分拡大側面図であり、図116(b)は、図115(b)の矢印CXVIb方向視における基板ボックスA100の部分拡大側面図である。
図117(a)は、図115(a)の切断線CXVIIa−CXVIIaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図117(b)は、図115(a)の切断線CXVIIb−CXVIIbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図118(a)は、図115(a)の切断線CXVIIIa−CXVIIIaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図118(b)は、図115(a)の切断線CXVIIIb−CXVIIIbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図である。
図119(a)は、図116(a)の切断線CXIXa−CXIXaにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図であり、図119(b)は、図116(a)の切断線CXIXb−CXIXbにおける基板ボックスA100の部分拡大断面図である。
なお、図117から図119では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、内部構造を図示せず、断面に単一のハッチングを付して、スイッチ装置A120及びキー装置A130を模式的に図示する。
図115から図118に示すように、基板ボックスA100は、ボックスカバーA200の操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)から被覆部A270が突設され、その被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)を形成する端面壁部A272に開口A260が形成される。これにより、針金等の異物の先端を開口A260へ到達させ難くできる。
例えば、不正を行う者から開口A260が遮蔽物などにより視認できず、針金等の異物の先端を開口A260へ直接挿入することが困難な場合、針金等の異物の先端をボックスカバーA200(操作用壁部A210)の正面(外面、矢印F方向側の面)で摺動させて開口A260へ到達させる方法が行われる。
これに対し、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(外面)から突設されていることで、針金等の異物の先端を操作用壁部A210の正面(外面)で摺動させた場合、その針金等の異物の先端を被覆部A270の外面(周壁部A271の外周面)に突き当たらせて、それ以上の進行(摺動)を止めることができる。即ち、被覆部A270(周壁部A271)の外面を、針金等の異物の摺動を規制する壁として機能させることができる。その結果、開口A260から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
被覆部A270は、内部空間を有し、その内部空間に主制御装置A110のキー装置A130の先端側(一端側、矢印F方向側)の一部が収納される。即ち、キー装置A130の先端側の一部に被覆部A270が被さる。
これにより、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(端面壁部A272と端部A133cとの間の隙間、及び、周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(端面壁部A272と端部A133cとの間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、周壁部A271の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図117(a)及び図117(b)参照)。
キー装置A130は、略円柱形状の本体A133が、略直方体形状の外形を有する支持体A134に挿通されて形成される。この場合、支持体A134の幅寸法(図117(a)及び図117(b)の左右方向寸法)が被覆部A270(周壁部A271)の内径寸法(図117(a)及び図117(b)の左右方向寸法)よりも大きな値に設定される。
これにより、支持体A134の上面(矢印F方向側の面)を操作用壁部A210の内面(矢印B方向側の面)に対面させることができる。よって、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、支持体A134の上面。また、支持体A134の上面に突き当たって進行方向が変更された針金等の異物に対しては、各立設壁A291,A292,A293及び下壁部A203の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図117(a)及び図117(b)参照)。
被覆部A270の周壁部A271には、突部A271bが形成され、本体A133には、突部A133bが形成され、本体A133の基部A133aが周壁部A271の基部A271aの内周側(内側)に、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に、それぞれ収納される。
これにより、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)と突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)とを対面させることができる。よって、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A260から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間により周方向に沿って形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(周壁部A271と基部A133a及び突部A133bとの間の隙間を周方向に沿って通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、突部A133bの周方向の外面、及び、突部A271bの周方向の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図118(a)参照)。
スイッチ装置A120は、突部A123bの外径寸法が、開口A250(ガイド壁A251の内縁)の最大の寸法(対角線の長さ)よりも大きくな値に設定される。これにより、突部A123bの上面(矢印F方向側の面)を操作用壁部A210の内面(矢印B方向側の面)に対面させることができる。よって、ガイド壁A251及び操作用壁部A210の内面とスイッチ装置A120の外面との間の隙間を屈曲させることができる。
即ち、開口A250から基板ボックスA100内へ針金等の異物が挿入された場合に、その針金等の異物が通過する経路(ガイド壁A251及び操作用壁部A210と操作部A122及び突部A123bとの間の隙間により形成される経路)を屈曲させ、針金等の異物の先端が突き当たる壁(ガイド壁A251と操作部A122との間の隙間を通過する針金等の異物の先端が突き当たる壁、即ち、突部A123bの上面。また、突部A123bの上面に突き当たって進行方向が変更された針金等の異物に対しては、各立設壁A281,A282,A283及び下壁部A203の内面)を経路中に形成することができる。よって、挿入された針金等の異物により主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる(図118(a)及び図118(b)参照)。
上述したように、被覆部A270は、内部空間を有し、その内部空間に主制御装置A110のキー装置A130の先端側(一端側、矢印F方向側)の一部が収納される。即ち、キー装置A130の先端側の一部に被覆部A270が被さる。
これにより、被覆部A270の内面とキー装置A130の外面とを鍵A140の差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)で対面させることができる。よって、例えば、キー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における鍵A140への他の部材の衝突などにより、鍵A140にその差し込み方向と直交する方向の外力が作用された場合に、被覆部170の内面にキー装置A130の外面を当接させて、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できる。
よって、上述したように、脚A131の破断や屈曲、プリント基板A119の孔からの脚A131の抜け、はんだの剥がれが発生することを抑制できる。その結果、キー装置A130が主制御装置A110(プリント基板A119)から脱落することや、キー装置A130(脚A131)の断線や接触不良が発生することを抑制できる。
被覆部A270には、その突設先端(矢印F方向側)に端面壁部A272が形成され、この端面壁部A272がキー装置A130の端部A133cに対面される。これにより、開口A260の面積(正面視(矢印B方向視)における開口A260の面積に加え、針金等の異物が通過する経路の断面積)を小さくできる。よって、針金等の異物が基板ボックスA100内へ挿入されて、主制御装置A110に不正が加えられることを抑制できる。
特に、被覆部A270の端面壁部A272は、円環部A272aの内縁の2箇所から角形部A272bが径方向内方へ延設される。即ち、被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)は、鍵A140の変位を許容する領域(鍵A140の変位軌跡に対応する領域)のみが開口し、被覆部A270の突設先端面(矢印F方向側の面)のうちの他の領域が全て端面壁部A272とされる。よって、開口A260の面積を最小として、針金等の異物を開口A260へ挿入し難くできる。また、端面壁部A272の内面とキー装置A130(端部A133c)の外面との対向面積を最大とできるので、開口A260から針金等の異物が挿入されたとしても、その針金等の異物を通過し難くできる。
このように、開口A260を異形(一対の扇形状を対向させて組み合わせた形状)とするために、端面壁部A272が、円環部A272aの内縁から一対の角形部A272bが張り出す比較的複雑な形状に形成される。この場合、端面壁部A272(円環部A272a及び角形部A272b)は、厚み寸法が一定の板状(基端が周壁部A271に固定され一端(延設先端)が自由な状態の片持ち梁状)に形成されるので、形状を簡素化して、その成形性を確保できる。その結果、歩留まりを向上させ、製品コストを低減できる。
ここで、被覆部A270に周壁部A271のみが形成され、端面壁部A272が形成されていない構成(即ち、周壁部A271の突設先端側(矢印F方向側)の内縁が開口A260とされる構成)であっても、鍵A140にその差し込み方向と直交する方向の外力が作用された場合に、周壁部A271の内面にキー装置A130の外面を当接させて、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できる。
これに対し、本実施形態では、被覆部A270の突設先端側(矢印F方向側)に端面壁部A272が形成され、その端面壁部A272の内縁(開口A260を形成する部分)に鍵A140を当接させることができる。即ち、上述した外力の作用によりキー装置A130が傾倒する際の支点(脚A131)からより遠い位置(鍵A140)を端面壁部A272に当接させることができる。その結果、キー装置A130の傾倒を抑制(規制)できると共に、ボックスカバーA200(被覆部A270)の破損を抑制できる。
また、本体A133の突部A133bと周壁部A271の突部A271bとが周方向に部分的に形成され、本体A133の突部A133bが周壁部A271の突部A271bの内周側(内側)に収納されるので、上述したように、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)と突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)とを対面させることができる(図118(a)参照)。
よって、例えば、キー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における鍵A140への他の部材の衝突などにより、鍵A140に回転方向の外力が作用された場合に、突部A133bの周方向の外面(矢印L,R方向側の面)を突部A271bの周方向の内面(矢印L,R方向側の面)に当接させて、キー装置A130の回転(周方向の変位)を規制できる。
よって、上述したように、脚A131の破断や屈曲、プリント基板A119の孔からの脚A131の抜け、はんだの剥がれが発生することを抑制できる。その結果、キー装置A130が主制御装置A110(プリント基板A119)から脱落することや、キー装置A130(脚A131)の断線や接触不良が発生することを抑制できる。
ここで、例えば、スイッチ装置A120の操作部A122又はキー装置A130に差し込まれた鍵A140に対する作業者の不用意な操作や乱暴な操作、外枠11に対する内枠12の開放動作時における操作部A122又は鍵A140への他の部材の衝突などにより、操作部A122又は鍵A140に押し込み方向または差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)の外力が作用された場合、スイッチ装置A120、キー装置A130或いは鍵A140が傾倒し、それらの当接により、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)が変形して破損する虞がある。
これに対し、操作用壁部A210の背面(内面、矢印B方向側の面)には、立設壁A280,A290が立設され、これら立設壁A280,A290は、その立設先端面(矢印B方向側の面)がプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に当接される(図117(a)及び図117(b)参照)。
これにより、立設壁A280,A290が立設される(リブとして機能する)ことによる操作用壁部A210の剛性の向上に加え、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)として立設壁A280,A290を機能させることができる。その結果、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)の変形を抑制して、その破損を抑制できる。
また、外力の作用によりスイッチ装置A120又はキー装置A130が傾倒された場合には、それらスイッチ装置A120又はキー装置A130の外面を立設壁A280,A290の内面に当接させて、スイッチ装置A120又はキー装置A130の傾倒を抑制(規制)することができる。即ち、スイッチ装置A120又はキー装置A130に当接してその傾倒を抑制する部分を、操作用壁部A210又は被覆部A270だけでなく、立設壁A280,A290にも分担させ、その分、荷重を分散させることができる。この点からもボックスカバーA200の破損を抑制できる。
更に、立設壁A280,A290の立設先端面がプリント基板A119の正面に当接されていることで、開口A250,A260から挿入された針金等の異物がプリント基板A119まで達したとしても、かかる針金等の異物の先端が突き当たる壁(それ以上の進行を規制する壁)として立設壁A280,A290を機能させることができる。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)に不正が加えられることを抑制できる。
立設壁A280,A290は、下壁部A203と共に、スイッチ装置A120及びキー装置A130の周囲を取り囲む形態に形成される(図118(b)参照)。即ち、立設壁A280,A290の立設先端面(矢印B方向側の面)及び下壁部A203の座面A206とプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)とが当接する領域AS1,AS2は、略矩形枠状であって、無端の連続した形状(閉じた形状)として形成される(図114(a)参照)。
よって、針金等の異物が基板ボックスA100の内部へ侵入するための経路を立設壁A280,A290により遮断(分断)することができる。即ち、開口A250,A260から挿入された針金等の異物がプリント基板A119まで達したとしても、立設壁A280,A290及び下壁部A203により囲まれた空間よりも外への進行を規制することができる。これにより、主制御装置A110(プリント基板A119)に不正が加えられることを抑制できる。
また、立設壁A280,A290が、下壁部A203と共に、スイッチ装置A120及びキー装置A130の周囲を取り囲む形態で形成されることで、立設壁A280,A290が立設される(リブとして機能する)ことによる操作用壁部A210の剛性をより向上させることができるだけでなく、操作部A122又は鍵A140に作用される外力の方向によらず(即ち、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面内のいずれの方向の外力が作用した場合であっても)、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を確実に発揮させることができる。その結果、ボックスカバーA200(特に、操作用壁部A210や被覆部A270)の変形を抑制して、その破損を抑制できる。
なお、第1立設壁A291は、オフ位置にある鍵A140に対しては直交し、オン位置にある鍵A140に対しては平行となる姿勢で配設され、第2立設壁A292及び第3立設壁A293は、オン位置にある鍵A140に対しては直交し、オフ位置にある鍵A140に対しては平行となる姿勢で配設される。よって、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を立設壁A290に能率的に発揮させることができる。
即ち、矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向への外力のうち、矢印U,D方向または矢印L,R方向の外力が鍵A140に作用される場合に、立設壁A290の受ける荷重(立設壁A290が支持部として発揮すべき耐荷重)が最大となる一方、矢印U,D方向または矢印L,R方向と所定の角度だけ傾斜する方向の外力が作用される場合には、その外力の作用方向の傾斜により、鍵A140が回転される可能性が高く、その回転で外力が逃げる分、立設壁A290の受ける荷重(立設壁A290が支持部として発揮すべき耐荷重)は低くなる。その結果、立設壁A290の姿勢を上述の配置とすることで、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての機能を立設壁A290に能率的に発揮させることができる。
立設壁A280,A290(第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293)は、下壁部A203に連結されるので、ボックスカバーA200の剛性を利用して、立設壁A280,A290の剛性を高めることができると共に、立設壁A280,A290を介した操作用壁部A210及び下壁部A203の内面どうしの連結により、ボックスカバーA200全体の剛性を高めることができる。よって、操作用壁部A210や被覆部A270を支える支持部(変形抑制手段)としての立設壁A280,A290の機能を高めることができる。その結果、ボックスカバーA200の破損を抑制できる。
プリント基板A119は、電子部品をはんだにより接続する面が、ボックスベースA300に対面する側(スイッチ装置A120やキー装置A130が搭載される面と反対側)の面とされ、また、立設壁A280,A290の立設先端面および下壁部A203の座面A206が当接される領域AS1,AS2には(図114(a)参照)、電子部品が搭載または回路が形成されず、かかる領域AS1,AS2が平坦な面として形成される。
よって、立設壁A280,A290の立設先端面(矢印B方向側の面)をプリント基板A119の正面(矢印F方向側の面)に密着させやすくして、それら立設壁A280,A290とプリント基板A119との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、立設壁A280,A290を、開口A250,A260から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として確実に機能させることができる。
立設壁A280,A290における第1立設壁A281,A291、第2立設壁A282,A292及び第3立設壁A283,A293は、テーパ面A280a,A290aが形成されることで、立設先端面(矢印B方向側の面)の面積が小さくされる(図117及び図118参照)。これにより、プリント基板A119へ当接させた立設先端面における面圧を高めて、プリント基板A119と立設壁A280,A290との間から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
この場合、テーパ面A280a,A290aは、立設壁A280,A290の立設先端側の内面(スイッチ装置A120やキー装置A130に対面する側の面)に形成されるので、成形性の向上を図りつつ、基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
即ち、立設先端側(矢印B方向)へ向かうに従って外面側へ漸次近接する傾斜面(テーパ面A280a,A290a)により立設先端面の面積を小さくすることで、立設壁A280,A290の形状変化を緩やかとして、成形型内での樹脂の流動性を確保できる。よって、成形性を向上できる。
更に、立設壁A280,A290の立設先端面がプリント基板A119の正面に当接されると、テーパ面A280a,A290aとプリント基板A119の正面とにより断面略V字状の溝を形成できる(図117(a)及び図117(b)参照)。よって、開口A250,A260から挿入された針金等の異物の先端を、上述した溝に沿って移動(誘導)することができる。即ち、立設壁A280,A290の立設先端面とプリント基板A119の正面との間を通過(間に侵入)させ難くできる。よって、基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212が突設される。これら第1突条A211及び第2突条A212の一端が被覆部A270(周壁部A271の基部A271a又は突部A271b)の外周面(外面)に連結される(図115(a)及び図115(b)参照)。
これにより、第1突条A211及び第2突条A212を剛性を高めるためのリブとして機能させて、被覆部A270を第1突条A211及び第2突条A212により支えることができる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130の外面が被覆部A270の内面に当接された際に、各突条A211,222の剛性を利用して、スイッチ装置A120やキー装置A130の傾倒をより確実に抑制できると共に、被覆部A270の破損を抑制できる。
また、操作用壁部A210の正面(外面、矢印F方向側の面)には、第1突条A211及び第2突条A212の他端に隣接する位置(他端の延長線上)に表示部(「ON」及び「OFF」)がそれぞれ形成される。これにより、表示部が表示する所定の情報に対応する位置を指し示すための指示線としての機能を第1突条A211及び第2突条A212に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを低減できる。
この場合、第1突条A211の一端が被覆部A270(周壁部A271の突部A271b)の外周面(外面)に連結される位置は、オフ位置にある鍵A140の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)と同じ位相位置(鍵A140の端面と対向する位置)とされ(図115(a)参照)、第2突条A212の一端が被覆部A270(周壁部A271の基部A271a)の外周面(外面)に連結される位置は、オン位置にある鍵A140の端面と同じ位相位置とされる(図115(b)参照)。
これにより、オフ位置にある鍵A140に外力が作用して、その鍵A140が矢印U方向側の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)を被覆部A270(端面壁部A272)へ当接させる方向(矢印U方向)へ傾倒される際には、その鍵A140から入力される荷重の延長線上に第1突条A211が位置し(図115(a)参照)、オン位置にある鍵A140に外力が作用して、その鍵A140が矢印L方向側の端面を被覆部A270(端面壁部A272)へ当接させる方向(矢印L方向)へ傾倒される際には、その鍵A140から入力される荷重の延長線上に第2突条A212が位置する(図115(b)参照)。
その結果、外力の作用によりキー装置A130が傾倒される際に鍵A140の端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)から荷重が入力される部分(鍵A140の端面が当接される部分)を第1突条A211及び第2突条A212により効率的に補強することができる。その結果、被覆部A270の破損を抑制できる。
なお、オフ位置にある鍵A140に上述した場合と逆方向への外力(鍵A140を矢印D方向へ変位させる力)が作用することは、第2接続壁部A230により抑制でき(図115(a)参照)、オン位置にある鍵A140に上述した場合と逆方向への外力(鍵A140を矢印R方向へ変位させる力)が作用することは、第1接続壁部A220により抑制でき(図115(b)参照)。
即ち、後述するように、操作用壁部A210が正面視横長の長方形に形成され、かかる操作用壁部A210(第2領域)における短手方向(矢印U,D方向)の他側(矢印D方向側)が開放(接続壁が非形成)とされる。また、キー装置A130が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に位置され、キー装置A130から第3接続壁部A240までの距離が大きくされる。
そのため、開放側の空間、及び、第3接続壁部A240側の空間があることで、それらの空間側にある作業者の手や他の構成が鍵A140に衝突して、鍵A140を矢印D方向または矢印L方向へ変位させる外力が作用されやすい。よって、かかる外力に対してのキー装置A130の傾倒を抑制する側(受け止める側)に第1突条A211及び第2突条A212を形成することで、材料コストの低減と、剛性の確保とを効率的に行うことができる。
端面壁部A272の角形部A272bは、上述したように、位相を略180度異ならせた2箇所に配設され、正面視(矢印B方向視)略三角形状に形成される。この場合、角形部A272bの三角形状における2辺(外縁、開口A260を形成する縁部)の長さ寸法が異なる値に設定される(即ち、正面視形状が不等辺三角形として形成される)。
詳細には、オフ位置にある鍵A140に対し、第1接続壁部A220に近い側にある角形部A272bは、鍵A140の把持面(指で把持する面)に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が長く(大きく)され、オフ位置にある鍵A140に対し、第1接続壁部A220から遠い側(鍵A140を挟んで反対側)にある角形部A272bは、鍵A140の把持面に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が短く(小さく)される(図115(a)参照)。
よって、言い換えると、第1接続壁部A220に近い側にある角形部A272bは、オン位置にある鍵A140の把持面(指で把持する面)に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が短く(小さく)され、第1接続壁部A220から遠い側にある角形部A272bは、オン位置にある鍵A140の把持面に対面する側の辺(外縁)の長さ寸法が長く(大きく)される(図115(b)参照)。
上述したように、開放側の空間、及び、第3接続壁部A240側の空間があることで、それらの空間側にある作業者の手や他の構成が鍵A140に衝突して、鍵A140を矢印D方向または矢印L方向へ変位させる外力が作用されやすいところ、本実施形態における角形部A272bによれば、かかる矢印D方向または矢印F方向の外力が作用された鍵A140を受け止める側の辺(外縁)の長さ寸法が長くされるので、角形部A272bの剛性を効率的に高め、鍵A140(キー装置A130)の傾倒を確実に抑制できる。また、面圧を抑制して、角形部A272bの破損を抑制できる。
基板ボックスA100の正面側の外面(矢印F方向側の面)は、正面壁部A201により形成される第1領域と、その第1領域よりも主制御装置A110に近い側に位置し操作用壁部A210により形成される第2領域とから形成され、第2領域に開口A250,A260が形成される。
これにより、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の外面(正面壁部A201により形成される第1領域)から奥まった位置に開口A250,A260を配置すると共に、第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)を開口A250,A260の周りに配置することができる。これにより、正面壁部A201(第1領域)に開口A250,A260が形成される場合と比較して、不正を行う者に対して、開口A250,A260までの距離を遠くすることができると共に、開口A250,A260を視認し難くして、針金等の異物の先端を開口A260へ直接挿入することを困難とできる。
ここで、基板ボックスA100は、主制御装置A110からの放熱を考慮すると、主制御装置A110との間の距離(例えば、プリント基板A119の正面とボックスカバーA200の内面との間の距離(内部空間))を確保する必要がある。一方で、スイッチ装置A120やキー装置A130から開口A250,A260が離れすぎると、操作性が悪化する。
この場合、操作用壁部A210(第2領域)に開口A250,A260が形成されることで、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性を確保しやすくできると共に、上述したように、開口A250,A260から基板ボックスA100の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。しかしながら、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際に第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に作業者(操作者)の手が干渉して操作の邪魔になる。そのため、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際の操作性が悪化する。
これに対し、本実施形態では、第1接続壁部A220が、正面壁部A201から操作用壁部A210へ向かうに従って主制御装置A110へ近接する方向に傾斜(下降傾斜)して形成されるので、かかる傾斜の分(第1接続壁部A220の正面側の空間の分)、操作用壁部A210の正面側(矢印F方向側)の空間を拡大できる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
操作用壁部A210(第2領域)は、正面視(矢印B方向視)において、一方向(矢印L,R方向)に沿う長さ寸法が、一方向に直交する他方向(矢印U,D方向)に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形(横長の長方形)の領域として形成される(図115(a)及び図115(b)参照)。
キー装置A130は、オフ位置にある鍵A140の姿勢が、上述した他方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢となるように配置される(図115(a)参照)。即ち、オフ位置にある鍵A140は、指で把持する面が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に臨み、正面視(矢印B方向視)における鍵A140の長手方向が操作用壁部A210(第2領域)の短手方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢とされる。
これにより、オフ位置にある鍵A140の指で把持する面が望む側(図115(a)の右側および左側)に空間を確保することができる。よって、鍵A140をキー装置A130に差し込む又はキー装置A130から引き抜く際に、鍵A140を把持する手指(例えば、親指と人差し指)が第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に干渉することを抑制できる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
この場合、キー装置A130は、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に位置されるところ、上述した通り、第1接続壁部A220が下降傾斜して形成されるので、鍵A140を手指で把持して操作(オフ位置からオン位置へ回転、又は、その逆へ回転)させる際に、鍵A140を把持する手指とは異なる手指が第1領域と第2領域とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)に干渉することを抑制できる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
例えば、オフ位置にある鍵A140を人差し指と親指で把持する際には、小指や薬指を、第1接続壁部A220の下降傾斜により確保された空間を利用して配置でき、オフ位置からオン位置へ鍵A140を操作(回転)させる際には、小指や薬指を、第1接続壁部A220の下降傾斜により確保された空間を利用して変位(移動)させることができる。
また、オン位置にある鍵A140を人差し指と親指で把持する際には、小指や薬指を、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形に形成すると共にキー装置A130を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側に位置させることにより操作用壁部A210の正面側に確保された長手方向他側(矢印R方向側)の空間を利用して配置でき、オフ位置からオン位置へ鍵A140を操作(回転)させる際には、小指や薬指を、上述した長手方向他側(矢印R方向側)の空間を利用して変位(移動)させることができる。
なお、スイッチ装置A120は、初期位置にある操作部A122の突設先端面(矢印F方向側の面)の位置(操作用壁部A210からの立設高さ)が、被覆部A270の突設先端面(端面壁部A272の正面、矢印F方向側の面)の位置(操作用壁部A210からの立設高さ)よりも低い位置(小さい寸法)に設定される。よって、鍵A140を操作する際の操作部A122と手指との干渉を抑制できる。
操作用壁部A210(第2領域)には、長手方向の一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側9の両側に接続面(第1接続壁部A220及び第3接続壁部A240)が形成され、短手方向の一側(矢印U方向側)には接続面(第2接続壁部A230)が形成される一方、短手方向の他側(矢印D方向側)には接続面が非形成とされる。
これにより、操作用壁部A210(第2領域)における短手方向の他側(矢印D方向側)を開放させることができる。即ち、かかる開放により、操作用壁部A210(第2領域)の正面側の空間と外部の空間と連通させることができる。よって、鍵A140を手指で把持して操作(キー装置A130への差し込み、キー装置A130からの引き抜き、オフ位置からオン位置への回転、又は、その逆の回転)を行う際に、鍵A140を把持した手指(例えば、親指と人差し指)とは異なる手指(小指や薬指)を配置すると共に変位(移動)させるための空間として、上述した開放に連通された空間(外部の空間)を利用することができる。その結果、キー装置A130を操作する際の操作性を向上できる。
ここで、上述したように、基板ボックスA100は、主制御装置A110からの放熱を考慮すると、主制御装置A110との間の距離(例えば、プリント基板A119の正面とボックスカバーA200の内面との間の距離(内部空間))を確保する必要がある。
この場合、正面壁部A201(第1領域)と操作用壁部A210(第2領域)とを接続する段差(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)は、第1接続壁部A220が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜される一方、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240は、正面壁部A201(第1領域)及び操作用壁部A210(第2領域)に対して略直交する形態に形成される。
即ち、第1接続壁部A220を下降傾斜させることにより、手指との干渉を抑制して、キー装置A130の操作性の向上を図りつつ、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240を非傾斜とすることで(下降傾斜させるものを第1接続壁部A220のみとすることで)、主制御装置A110からの放熱に対応するための基板ボックスA100の内部空間の体積を確保できる。
このように、第1接続壁部A220のみを下降傾斜させ、他(第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)を非傾斜としても、手指との干渉を抑制することができたのは、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形状とし、且つ、その操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側(第1接続壁部A220側)にキー装置A130を近接させて配置する構成の採用による。
なお、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向他側(第1接続壁部A220と反対側)に第3接続壁部A240が形成されることで、かかる第3接続壁部A240によりスイッチ装置A120やキー装置A130(鍵A140)を保護することができる。例えば、製造時に基板ボックスA100をハンドリングするロボットアームがスイッチ装置A120やキー装置A130に衝突することを抑制できる。
図120は、パチンコ機A10の正面斜視図であり、外枠11に対して内枠12を開放した状態が図示される。なお、図120では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、構成の一部(例えば、主制御装置A110に接続される各種の電気的接続線)の図示が省略されると共に、主要な構成のみに符号が図示される。
図120に示すように、パチンコ機A10は、上述したように、内枠12を外枠11に支持するためのヒンジ18(回転軸)が正面視左側の上下2カ所に取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に外枠11に支持される。
ここで、ヒンジ18を開閉の軸として内枠12が正面手前側に開放された状態において、その解放角度を十分に大きくすることができる場合(例えば、図120に示すように、略90度程度の開放角度を確保できる場合)には、作業者は、基板ボックスA100の正面に対面する位置に立つことで、上述した要領(図115から図119で説明した要領)でスイッチ装置A120やキー装置A130を操作でき、その操作性を確保できる。
一方、その解放角度を十分に大きくすることができない場合(例えば、開放角度が略45度程度しか確保できず、その開放により内枠12の背面側に形成された空間へ外枠11と内枠12との間から手を差し入れて、キー装置A130を操作する必要がある場合)であっても、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性が確保される。
即ち、基板ボックスA100は、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(例えば、図115(a)における矢印R,L方向)をヒンジ18(回転軸)の軸方向と略直交する方向へ向けると共に短手方向(図115(a)における矢印U,D方向)をヒンジ18(回転軸)の軸方向と略平行となる方向へ向け、長手方向一側(図115(a)の矢印L方向側)をヒンジ18側に位置させる姿勢で配設される。よって、キー装置A130よりもヒンジ18に近い側に第1接続壁部A220が、キー装置A130よりもヒンジ18から遠い側にスイッチ装置A120が、それぞれ配置される。
これにより、操作用壁部A210(第2領域)と同じ高さ位置において、外枠11と内枠12との間から内枠12の背面(基板ボックスA100の正面)へ手を差し入れると、親指および親指の付け根付近の手のひらを、キー装置A130と第3接続壁部A240との間の空間(即ち、操作用壁部A210(第2領域)を正面視横長の長方形に形成すると共にキー装置A130を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央よりも一側に位置させることにより操作用壁部A210の正面側に確保された長手方向他側(矢印R方向側)の空間)を利用して配置できる。
このように配置した状態であれば、スイッチ装置A120に対しては、親指または人差し指で操作部A122を操作する(押し込む)ことができ、キー装置A130に対しては、鍵A140を回転させる際に、鍵A140を把持する親指および人差し指を変位(移動)させる空間として、第1接続壁部A220を下降傾斜させて確保された空間を利用できる。その結果、スイッチ装置A120やキー装置A130の操作性を確保できる。
なお、基板ボックスA100を、図120に示す状態から回転軸A410を回転中心として回転させた状態で、上述した設定変更(スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作)を行っても良い。スイッチ装置A120及びキー装置A130をより前面側(外枠11の正面側)に位置させることができるので、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作性を向上できる。
ヒンジ18を開閉の軸として内枠12が正面手前側に開放された状態において、更に、基板ボックスA100を、回転軸A410を開閉の軸として正面手前側(図120紙面手前側)に開放させても良い。これにより、作業者が、外枠11と干渉しない位置において、基板ボックスA100の正面に対面する位置に立つことができ、上述した要領(図115から図119で説明した要領)でスイッチ装置A120やキー装置A130を操作でき、その操作性を確保できる。
この場合、主制御装置A110(入出力ポート205)には、開口AOP1〜AOP8を介して、各種装置(電源装置115、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、図4参照)に一端が接続される電気的接続線の他端(コネクタ)がそれぞれ接続される。
ここで、これら電気的接続線の主制御装置A110への接続状態に関わらず、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を許容すれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作されやすくなる虞がある一方、複数の電気的接続線の接続状態に関わらずスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を一律に禁止すれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作に伴う作業(設定変更)の作業性の悪化を招く虞がある。
これに対し、本実施形態では、電気的接続線の主制御装置A110との接続状態に応じてスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作可否が変更される。これにより、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
具体的には、本実施形態では、複数の電気的接続線の内の少なくとも電源装置115及び音声ランプ制御装置113に一端が接続される電気的接続線の他端(コネクタ)が主制御装置A110(入出力ポート205)に接続されていれば、他の電気的接続線の接続状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が許容される。これにより、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
即ち、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていなければ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が禁止されるので、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が不正に操作されることを抑制できる。
一方で、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)の主制御装置A110への接続が確保され、不正が抑制できる場合には、その他の電気的接続線(払出制御装置111、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、及び、第2図柄保留ランプ84を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110から解除されて(抜かれて)いても、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)を許容することで、作業性の向上(汎用性の確保)を図ることができる。
即ち、主制御装置A110を、回転軸A410を開閉の軸として正面手前側(図120紙面手前側)に開放させる場合には、主制御装置A110を回転させるために(電気的接続線に主制御装置A110の回転が制限されないように)、電気的接続線を解除する(抜き取る)必要がある。
そのため、全ての電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定の変更)が許容されない構成では、主制御装置A110を所定位置(スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作が行い易い位置)まで回転させて後に、主制御装置A110から解除した(抜いた)電気的接続線を、主制御装置A110に接続し直す必要がある。
特に、主制御装置A110が変位(回転)により内枠12の背面から離間されており、電気的接続線の長さが不足する場合には、延長線を介在させて、解除した(抜いた)電気的接続線を、主制御装置A110に接続し直す必要があり、手間が嵩む。
これに対し、本実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定の変更)が許容されるので、他の電気的接続線(払出制御装置111、各種スイッチ208、ソレノイド209、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、及び、第2図柄保留ランプ84を主制御装置A110に接続する電気的接続線)を、延長線を介在させて、接続し直す(再接続する)ことを不要とできる。
その結果、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作がし易い位置へ主制御装置A110を配置可能としつつ、手間を抑制して、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)に伴う作業性を向上できる。
次いで、図121を参照して、第8実施形態における基板ボックスA2100について説明する。第7実施形態では、端面壁部A272の背面全体が平坦面として形成される場合を説明したが、第8実施形態における端面壁部A2272には、その背面から突条A2273が突設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図121(a)は、第8実施形態における基板ボックスA2100の部分拡大背面図であり、図121(b)は、図121(a)の切断線CXXIb−CXXIbにおける基板ボックスA2100の部分拡大断面図である。
なお、図121(a)は、図110(b)に対応する。また、図121(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、断面視される部位のみが図示される。
図121に示すように、第8実施形態の被覆部A2270における端面壁部A2272には、その背面(内面、矢印B方向側の面)から突条A2273が突設される。突条A2273は、略半円の断面形状を維持しつつすじ状に延設される部位(突条)であり、端面壁部A2272の外縁(周壁部A271から径方向内側へ張り出す張り出し方向先端側の縁部)に沿って所定の範囲に形成される。
詳細には、突条A2273が形成される範囲は、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)に対面(対向)する位置であって、角形部A272bの外縁に沿う範囲(位置AP2を含む位置AP1と位置AP3との間の範囲、及び、位置AP5を含む位置AP4と位置AP6との間の範囲)と、角形部A272bを挟んで一方側(周壁部A271から径方向内方への張り出し寸法が大きい側)の円環部A272aの内縁に沿う範囲(位置AP3と位置AP4との間の範囲)とに設定され、この範囲(位置AP1と位置AP6との間の範囲)で連続して形成される。
突条A2273の端面壁部A2272(円環部A272a及び角形部A272b)の背面からの突設寸法は、位置AP3と位置AP4との間の範囲で一定の値に設定され、位置AP3から位置AP2へ向かうに従って漸次大きな値に変化されると共に、位置AP2から位置AP1へ向かうに従って漸次小さな値に変化され、位置AP2では位置AP3と同じ値に設定される。同様に、かかる突設寸法は、位置AP4から位置AP5へ向かうに従って漸次大きな値に変化されると共に、位置AP5から位置AP6へ向かうに従って漸次小さな値に変化され、位置AP6では位置AP4と同じ値に設定される。また、位置AP2と位置AP5とは同じ値(突設寸法)に設定される。
このように、端面壁部A2272に突条A2273が突設されることで、端面壁部A2272の剛性を高めることができる。よって、キー装置A130に差し込まれた鍵A140にその差し込み方向と直交する方向(矢印U,D及び矢印L,Rを含む平面に平行な方向)の力が作用され、キー装置A130の傾倒に伴い、鍵A140が端面壁部A2272の内縁に当接される際に、端面壁部A2272が破損することを抑制できる。
突条A2273は、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)に対面(対向)する位置に形成されるので、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間を小さくして、かかる隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることを抑制できる。
ここで、本実施形態では、突条A2273は、位置AP3と位置AP4との間の範囲における突設寸法が、端面壁部A2272の背面とキー装置A130の本体A133における端部A133cの正面との間の対向間隔と略同等の値に設定される。よって、突条A2273の突設先端(矢印B方向側)が、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)の正面に当接される。
これにより、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間を無くして、かかる隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることを抑制できる。
特に、位置AP2,AP5では、突条A2273の突設寸法が大きな値に設定されるので、外縁側が自由な状態の板状(片持ち梁)として形成される角形部A272bの弾性変形を利用して、位置AP1から位置AP3の範囲、及び、位置AP4から位置AP6の範囲における突条A2273をキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面に強固に密着させることができる。これにより、端面壁部A2272の背面とキー装置A130(本体A133の端部A133c)の正面との間の隙間から針金等の異物が基板ボックスA2100の内部へ挿入されることをより確実に抑制できる。
また、このように、突条A2273の突設先端(矢印B方向側)が、キー装置A130の本体A133における端部A133c(図113参照)の正面に当接されていることで、キー装置A130に鍵A140を差し込む際に、誤って端面壁部A2272が鍵A140によって差し込み方向へ押されても、その差し込み方向へ端面壁部A2272が変形することを抑制できる。よって、端面壁部A2272の基端側(周壁部A271に連結される側)が破損することを抑制できる。
次いで、図122を参照して、第9実施形態における基板ボックスA3100について説明する。第7実施形態では、基板ボックスA100(ボックスカバーA200)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも回転軸A410に近い側(矢印R方向側)にスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される場合を説明したが、第9実施形態におけるスイッチ装置A120及びキー装置A130は、基板ボックスA3100(ボックスカバーA3200)の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側に配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図122(a)は、第9実施形態における基板ボックスA3100の正面図であり、図122(b)は、パチンコ機A3010の正面模式図である。なお、図122(b)では、基板ボックスA3100を可動範囲(回転可能範囲)のうちの最大可動位置(第2の位置)まで変位(回転)させた状態が図示される。また、図122(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが模式的に図示される。
ここで、第9実施形態における基板ボックスA3100は、第7実施形態における基板ボックスA100に対し、操作用壁部A210の形成位置、及び、その操作用壁部A210における開口A260(被覆部A270、キー装置A130)及び開口A250(ガイド壁A251、スイッチ装置A120)の配置が異なる一方、その他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
図122に示すように、第9実施形態における基板ボックスA3100は、操作用壁部A210がボックスカバーA3200の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側(矢印L方向側)に形成され、その操作用壁部A210の3辺が、第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240により正面壁部A201に接続される。
操作用壁部A210には、開口AOP1、開口A260(被覆部A270)及び開口A250(ガイド壁A251)が形成され、それら開口A250,A260を介して、スイッチ装置A120及びキー装置A130が操作可能とされる。
この場合、本実施形態では、スイッチ装置A120が、キー装置A130よりも、回転軸A410から遠い側(第1接続壁部A220に近い側、矢印L方向側)に配置される。即ち、第7実施形態における配置と逆の配置とされる。
ここで、基板ボックスA3100は、回転軸A410を回転中心として回転される際の可動範囲(回転可能範囲)が、内枠12の背面側に配置される第1の位置(遊技時に配設される位置、図120参照)から、内枠12の背面から離間する方向へ変位(回転)され、ボックスカバーA3200(操作用壁部A210)の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く第2の位置(即ち、第3図柄表示装置81の表示面と同じ側を向く位置、図122(b)参照)までの略180°の範囲に設定される。
これにより、第3図柄表示装置81に表示される情報(例えば、設定変更に関する情報、設定値)を視認しながらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作できる位置に基板ボックスA3100を配置する(変位させる)ことができる。その結果、表示(情報)を確認しながら操作できるので、表示(情報)に基づいて、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作状態を把握しやすくできる。その結果、操作性を向上できると共に、操作間違いを抑制できる。
一方、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作を行わない状態では、パチンコ機A3010(内枠12)の背面側(即ち、外部から視認され難い位置、図120参照)に配置できるので、不正が施される(スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作される)ことを抑制できる。
特に、本実施形態では、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とが同じ方向(矢印B方向)を望む姿勢(本実施形態では、両面が略平行となる姿勢)となる位置に基板ボックスA3100を変位(回転)させることができる。なお、操作用壁部A210の正面と、第3図柄表示装置81の表示面とがなす角度は、略0°から略45°の範囲に設定されることが好ましい。
即ち、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とを同時に視認可能となる位置に、基板ボックスA3100を変位(回転)させることができる。その結果、第3図柄表示装置81を視認しつつ、スイッチ装置A120やキー装置A130を操作するために、手をパチンコ機A3010の背面側に回り込ませるといった無理な姿勢を取る必要を無くすことができる。
その結果、第3図柄表示装置81に表示される情報(例えば、設定変更に関する情報)を確認しながらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作する作業をより行い易くでき、操作性の向上と操作間違いの抑制とをより確実に達成できる。
また、上述したように、操作用壁部A210がボックスカバーA3200の長手方向中央よりも回転軸A410から遠い側(矢印L方向側)に形成され、その操作用壁部A210にスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される。
これにより、基板ボックスA3100のスイッチ装置A120及びキー装置A130が配設される面(操作用壁部A210の正面)と、第3図柄表示装置81の表示面とを同時に視認可能となる位置に基板ボックスA3100を変位(回転)させた状態において(図122(b)参照)、スイッチ装置A120及びキー装置A130をパチンコ機A10(内枠12)の外縁からより遠い位置(図122(b)右側)に配置できる。よって、スイッチ装置A120(操作部A122)及びキー装置A130(鍵A140)を操作する手指がパチンコ機A10(内枠12)の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
ここで、設定変更モードでは、スイッチ装置A120(操作部A122)の押し込み動作を繰り返し行う必要があり、キー装置A130よりもスイッチ装置A120の操作頻度が高くされる。
これに対し、本実施形態では、キー装置A130と比較して操作頻度が高いスイッチ装置A120が、キー装置A130よりも回転軸A410から遠い側(即ち、第1接続壁部A220に近い側)に配設される。これにより、操作頻度の高いスイッチ装置A120をパチンコ機A10(内枠12)の外縁からより遠い位置(図122(b)右側)に配置できる。よって、スイッチ装置A120(操作部A122)を操作する手指がパチンコ機A10(内枠12)の外縁と干渉することをより確実に抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
更に、スイッチ装置A120が第1接続壁部A220に隣接して配設されるので、第1接続壁部A220の傾斜により形成される空間も、スイッチ装置A120(操作部A122)を操作する際の空間(手指とボックスカバーA3200との干渉を避けるための空間)として利用できる。その結果、この点からも操作性を向上できる。
ここで、第9実施形態におけるパチンコ機A3010は、基板ボックスA3100が上述した第2の位置(操作用壁部A210の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く位置、図122(b)参照)まで変位(回転)されると、基板ボックスA3100に係合して、かかる基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)を規制(即ち、基板ボックスA3100を第2の位置に固定)する規制手段を備える。これにより、スイッチ装置A120及びキー装置A130を操作する際に、基板ボックスA3100を手で保持する必要がないので、操作性を向上できる。
なお、規制手段としては、磁石の磁力(吸着力)を利用して、基板ボックスA3100を第2の位置に固定(保持)するもの(吸着力を越える力が作用されることで、第1の位置へ向かう方向への変位(回転)が許容されるもの)、弾性変形された付勢手段(例えば、コイルばね)の弾性回復力により突出位置に配置される突出部材を備え、突出位置に配置された突出部材が、第2の位置に配置された基板ボックスA3100に係合し、基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)を規制するもの(突出位置から付勢手段の付勢力に抗して突出部材を没入させると、基板ボックスA3100の第1の位置へ向かう方向への変位(回転)が許容されるもの)などが例示される。
次いで、図123を参照して、第10実施形態における基板ボックスA4100について説明する。第7実施形態では、基板ボックスA100の回転軸A410がパチンコ機A10の上下方向(矢印U,D方向)に沿う姿勢で配置される場合を説明したが、第10実施形態における回転軸A4410は、パチンコ機A4010の幅方向(左右方向、矢印L,R方向)に沿う姿勢で配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図123(a)は、第10実施形態における基板ボックスA4100の正面図であり、図123(b)は、パチンコ機A4010の正面模式図である。なお、図123(b)では、基板ボックスA4100を可動範囲(回転可能範囲)のうちの最大可動位置(第2の位置)まで変位(回転)させた状態が図示され、第1の位置に変位(回転)された基板ボックスA4100が破線で図示される。また、図123(b)では、図面を簡素化して、理解を容易とするために、主要な構成のみが模式的に図示される。
ここで、第10実施形態における基板ボックスA4100は、第7実施形態における基板ボックスA100に対し、回転軸A4410の配置(配設位置および向き)と配設数とが異なる一方、その他の構成は同一であるので、その説明は省略する。
図123に示すように、第10実施形態における基板ボックスA4100は、封印ユニットA400及びサブカバーA500のそれぞれから互いに離間する方向へ突設される一対の回転軸A4410を備える。一対の回転軸A4410は、基板ボックスA4100の短手方向(矢印U,D方向)一側(操作用壁部A210と反対側、矢印U方向側)に位置し、基板ボックスA4100の長手方向(矢印L,R方向)両端からその基板ボックスA4100の長手方向に沿って外方へ突出する姿勢で形成される。また、一対の回転軸A4410は同軸上に配置される。
ここで、基板ボックスA4100は、回転軸A4410を回転中心として回転される際の可動範囲(回転可能範囲)が、内枠12の背面側に配置される第1の位置(遊技時に配設される位置、図123(b)に破線で示す位置)から、内枠12の背面から離間する方向(矢印B方向)へ変位(回転)され、ボックスカバー4200(操作用壁部A210)の正面が鉛直方向上方(矢印U方向)を向く第2の位置(即ち、基板ボックスA4100が内枠12の背面側へ最も張り出す位置、図123(b)参照)までの略90°の範囲に設定される。
これにより、第2の位置においては、操作用壁部A210を上方へ向けると共に、その解放側(第2接続壁部A230と反対側)を作業者が居る側へ向けることができ、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作性を向上できる。
一方、第1の位置においては、操作用壁部A210の正面を、内枠12に配設される別部品の背面に対面させることができる。よって、スイッチ装置A120及びキー装置A130に別部品を対面させ、これらスイッチ装置A120及びキー装置A130を操作し難い位置に配置できる。その結果、不正が施される(スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作される)ことを抑制できる。
また、本実施形態では、キー装置A130に鍵A140が差し込まれた状態では、基板ボックスA4100が第1の位置へ向けて変位(回転)されても、内枠12の別部材に鍵A140が当接されることで、基板ボックスA4100を第1の位置に配置不能に形成される。これにより、鍵A140の抜き忘れを抑制できる。よって、抜き忘れた鍵A140が不正に取得されることを抑制できる。
特に、本実施形態では、基板ボックスA4100は、第2の位置が第1の位置よりも重力方向(鉛直方向)下方に位置されるため、上述のように、キー装置A130に鍵A140が差し込まれた状態で、基板ボックスA4100が第1の位置へ向けて変位(回転)された場合には、その後、基板ボックスA4100をその自重により第2の位置へ変位(回転)させることができる。よって、作業者に、基板ボックスA4100が第1の位置へ配置不能な状態にあることを認識させやすくできる。
なお、別部材は、基板ボックスA4100が第1の位置に変位(回転)された状態において、その別部材の一部が、ボックスカバー4200の正面壁部A201よりも操作用壁部A210の正面側へ入り込む形状とされることが好ましい。これにより、操作用壁部A210の正面側に形成される空間を小さくして、スイッチ装置A120及びキー装置A130が不正に操作されることを抑制できる。
図124から図143を参照して、第11実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技領域に配設される可変入賞装置65が特別遊技状態において開放され、遊技球が入球し易くなる入賞口(特定入賞口65)が1個である場合を説明したが、第11実施形態の可変入賞装置B1000では、特別遊技状態において遊技球が入球し易くなる入賞口が複数配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図124は、第11実施形態における遊技盤13の正面図である。遊技盤13の正面を球(以下、遊技球やパチンコ球とも称す)が流下することにより弾球遊技が行われる。
遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置B1000普通入賞口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置B1000、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図124を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の円弧部材70とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図124の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
以下、入賞に基づく抽選について詳しく説明する。本実施形態におけるパチンコ機10では、第1入賞口64、および第2入賞口640へ入賞(遊技者に対して何らかの利益(例えば、賞球の払い出し、抽選の実行、更に有利な状態への移行の利益等)の付与が期待できる入球)があったことを契機として特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入賞口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入賞口64、および第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。
なお、本パチンコ機10では、特別図柄の低確率状態では、例えば、320分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定され、特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変状態とも称する)では、例えば、60分の1の確率で特別図柄の大当たりと判定される。なお、説明の便宜上、第1入賞口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄1の抽選」と称し、第2入賞口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選を「特別図柄2の抽選」と称する。
特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返される。その結果、その第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。なお、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002への入球に伴い賞球の払い出しがあることや、払い出し個数については後述する。
なお、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりa」、「大当たりb」、「大当たりc」の6種類が設けられている。詳細については後述するが、大当たり種別によって、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開放パターンが異なって構成される。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球すると、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入賞口64についての保留球数(特別図柄1の保留球数)、または第2入賞口640についての保留球数(特別図柄2の保留球数)が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。なお、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
なお、本実施形態では、特別図柄1の保留球数と特別図柄2の保留球数が共に残っている場合は、特別図柄2の保留球に基づく抽選が優先的に実行されるように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、特別図柄の取得順(入球順)に優先的に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで交互に抽選を実行しても良いし、特別図柄1と特別図柄2とで同時に抽選を実行しても良い。
普通図柄(第2図柄)の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放され、第2入賞口640へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第2入賞口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入賞口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入賞口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
本実施形態では、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
なお、本実施形態では、特別遊技状態の終了後に特別図柄の確変状態が付与される場合に、その特別図柄の確変状態が特別図柄の抽選の回数に応じて終了するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば、所定の大当たり種別(例えば、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりa)の大当たり遊技の後に、その大当たり終了後から次に大当たりとなるまでの間、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行するようにしても良い。この場合、他の大当たり種別(例えば、後述する大当たりC、大当たりb、大当たりc)の大当たり遊技の後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで普通図柄の時短状態となるように構成しても良い。
なお、上述した特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与される特別図柄の抽選回数は、100回に限られるものではない。例えば、50回でも良いし、200回でも良い。
また、上述した普通図柄の時短状態となる特別図柄の抽選回数は、100回に限られる物ではない。例えば、50回でも良いし、5回でも良いし、0回でも良い。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)は、普通図柄(第2図柄)の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。一方、「特別図柄の低確率状態」とは、特別図柄の確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、特別図柄の確変中よりも大当たり確率が低い状態をいう。
また、「普通図柄の時短状態(時短中)」とは、普通図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。また、「通常状態」とは、特別図柄の確変中でも普通図柄の時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も普通図柄(第2図柄)の当たり確率もアップしていない状態)のことをいう。
特別図柄の確変中や、普通図柄の時短中では、普通図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態に比較して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態、下端部を軸に回転先端が右側へ移動し傾倒姿勢とされる状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態、回転先端が第2入賞口640側(左側)に寄って起立している状態)にある場合と比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入球し易い状態となる。即ち、特別図柄の抽選が行われやすくなる。
なお、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放回数を、通常状態よりも増やすように構成してもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、普通図柄(第2図柄)の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間、および電動役物640aの開放回数のうち少なくとも一方を変更するものとしてもよい。
また、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、電動役物640aの開放回数は変更せず、普通図柄(第2図柄)の当たり確率だけを、通常状態に比較してアップするように構成してもよい。
遊技領域の正面視右側上部(図124の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、第1入賞口64、または第2入賞口640への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入賞口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入賞口64、または第2入賞口640へと入球した場合、その入球回数は入賞口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入賞口64、および第2入賞口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりa、大当たりb、大当たりc)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。
可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」とも称す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通入賞口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83と、普通入賞口67を遊技球が通過した回数に対応する保留球数を点灯状態により示す第2図柄保留ランプ84と、が設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。
本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置は液晶ディスプレイを備える装置に限られるものではなく、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
本実施形態では、第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図4参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示(同一の主図柄が揃った状態で最終的に停止する変動表示)が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生(特別遊技状態への移行が開始)するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示(揃わない状態で最終的に停止する変動表示)が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりb」、「大当たりc」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、「大当たりA」、「大当たりa」であれば、奇数番号も加えたすべての番号「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9」のうちいずれかの番号が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
次に、第3図柄表示装置81に表示される、遊技盤13の右側の経路(流路)を狙って球を打ち出すように促す表示(右打ちナビ)について説明する。
上述した通り、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態となった場合に、電動役物640aが開放しやすくなるので、遊技盤13の右側へと球を打ち出す(右打ちする)ことにより、第2入賞口640へと球を入球させやすくなる。また、詳細については後述するが、第2入賞口640へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄2の抽選)により大当たりとなると、第1入賞口64へと球が入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選(特別図柄1の抽選)により大当たりとなる場合に比較して、最大の利益を獲得できる大当たり(大当たりa)となりやすい。
よって、大当たりの終了後に付与される特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態では、右打ちを実行することにより、遊技者にとって有利となる。換言すれば、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態に設定されたとしても、遊技者が右打ちしなければ第2入賞口640へと球を入球させることができないため、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態の恩恵を遊技者が十分に受けることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、特別図柄の確変状態や、普通図柄の時短状態においては、特定の画像(右打ちナビ)を表示させることにより、遊技者が特別図柄の確変状態や普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に得られるように構成している。
右打ちナビでは、第3図柄表示装置81に「右を狙え!!」との文字が表示されると共に、その文字の上下に右向きの矢印が3つずつ表示される。これらの文字、および矢印が表示されることにより、遊技者に対して球を遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと打ち出すべきであると感じさせることができる。よって、遊技者に対して、特別図柄の確変状態、および普通図柄の時短状態となることによる恩恵を確実に獲得させることができる。
次に、本実施形態のパチンコ機10において第3図柄表示装置81に対して表示される警告画像の一例について説明する。この警告画像は、遊技者が遊技盤13の右側に設けられた経路(流路)へと球を打ち出す(右打ちする)べき期間でないにもかかわらず、右打ちを実行していると判別された場合に第3図柄表示装置81に対して表示される画像(右打ち警告画像)である。より具体的には、通常状態(特別図柄の確変状態でも、普通図柄の時短状態でもない状態)において、遊技者が右打ちを行っていると判別した場合に表示される。
本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において電動役物640aが開放されにくくなるように制御される(右打ちを行ったとしても第2入賞口640へと球を入球させにくい)。このため、通常状態において右打ちを行うと、左打ちにより第1入賞口64を狙って球を打ち出す場合に比較して、特別図柄の抽選を受ける機会が少なくなってしまう。即ち、通常状態において右打ちを行うと、大当たりとなりにくくなるので、遊技者にとって損となってしまう。よって、右打ち警告画像を表示させて左打ちを促すことにより、遊技者が損をしてしまうことを防止(抑制)できるように構成している。
通常状態において遊技者が右打ちを行っていると判別した場合には、第3図柄表示装置81に対して、「警告」との文字と、「左打ちで遊技してね!!」との文字とが表示される。これらの文字が表示されることにより、遊技者に対して右打ちをすべきではない(左打ちを行うべきである)と気付かせることができる。また、ホールの店員も右打ち警告画面の有無を確認することにより、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法を実行している遊技者がいるか否かを容易に判別することができる。
本実施形態では、右打ちを行っているか否かの判断方法として、右打ちを行った場合に球が流入し得る普通入賞口(スルーゲート)67(図124参照)に対して球が入球したか否かによって判断する。
本実施形態では、通常状態において普通入賞口(スルーゲート)67(図124参照)に球が入球したことを検出した場合に、右打ち警告画像を表示させるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へと球が入賞(入球)したことを検出した場合に、不正遊技(右打ち遊技に限らず、例えば、可変入賞装置B1000に負荷を与えて第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を開放させ、遊技球を無理やり入球させる遊技態様も含む)が行われていると判別して、右打ち警告画像を表示させるように構成してもよい。これにより、ホールの店員は右打ち警告画像の有無を確認するだけで容易に不正の有無を判別することができる。
また、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)以外の状態において、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へと球が入球したことを検出した場合に、ホールコンピュータに対して不正が行われていることを示す信号を出力するように構成してもよい。これにより、ホールコンピュータの操作者は容易に不正が行われている可能性の有無、および不正行為が行われているパチンコ機10の台番号(位置)を判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の右側流路を狭めることで、遊技球が通過せざるを得ない範囲を構成し、その範囲に、遊技球の通過を検出可能な検出センサを配設するようにしても良い。この場合、その検出センサにより遊技球の通過が検出されたことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
また、例えば、可変表示装置ユニット80の最上位置(図124における左右中心位置に相当)よりも左側に配置される可動部材(例えば、風車)の変位を検出可能な検出センサを配設しても良い。この場合、遊技球の打ち出しが行われている場合に、予想される動作タイミングを過ぎても可動部材の変位が検出されないことに基づいて、右打ちが行われていると判断することができる。
次に、可変入賞装置B1000において異常が発生していることを検知した場合に表示される警告画像について説明する。ここで、可変入賞装置B1000の異常とは、例えば、特別遊技状態(大当たり状態)でないにもかかわらず第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球を検出した場合などが例示される。
可変入賞装置B1000において異常が発生していると判別した場合は、第3図柄表示装置81の中央部分に「警告」との文字が大きく表示される。また、その下部には、「ゲートエラー係員を呼んで下さい」との文字が表示される。これらの文字により、遊技者は、パチンコ機10においてエラーが発生していると判別することができるので、ホールの店員等に対して迅速に修理等を依頼することができる。
第2図柄表示装置83は、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通入賞口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、第2図柄の当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間(変動時間)は、遊技状態が通常状態中よりも、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中の方が短くなるように設定される。これにより、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、普通図柄(第2図柄)の抽選を通常状態中よりも多く行うことができる。よって、普通図柄の当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。従って、特別図柄の確変中、および普通図柄の時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、当たり確率をアップさせたり、電動役物640aの開放時間や開放回数を増やしたりするなど、その他の方法によって第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、特別図柄の確変中、または普通図柄の時短中において、通常状態中よりも短く設定する場合は、普通図柄の当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、1回の普通図柄の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通入賞口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の右側において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。
球の普通入賞口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、普通入賞口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通入賞口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通入賞口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37で示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口(賞球口)の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。また、賞球数の関係をその逆にしても良い。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通入賞口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態中に比較して普通図柄の当たり確率が高く、また、普通図柄の変動表示にかかる時間も短いので、普通図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなる。よって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常状態中より長くなる。
よって、特別図柄の確変中および普通図柄の時短中は、通常状態に比較して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640に設けられているような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として最大の利益(出球)が得られる大当たり(大当たりA、大当たりa)となる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。
通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、特別図柄の確変中や普通図柄の時短中は、普通入賞口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通入賞口(スルーゲート)67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側(第2入賞口640の下方左側)には、可変入賞装置B1000が配設されており、その略上下中央部分に左右方向に開口される第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002が設けられている。
パチンコ機10においては、第1入賞口64、または第2入賞口640への入賞に起因して行われた特別図柄の抽選で大当たりになると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37を点灯させる。加えて、大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が報知される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される。
この第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002は、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が所定時間開放される。この第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002の開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量(本実施形態では、1個の球の入賞に基づき15個)の賞球の払い出しが行われる。
遊技盤13には、第1入賞口64の下方にアウト口66が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,640,B1001,B1002にも入賞しなかった球は、アウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
可変入賞装置B1000は、具体的には、前後方向のスライド移動により球を第1特定入賞口B1001へ案内する開放状態を構成する第1案内板B1300と、その第1案内板B1300を動作させる第1ソレノイドB1410と、前後方向のスライド移動により球を第2特定入賞口B1002へ案内する開放状態を構成する第2案内板B1500と、その第2案内板B1500を動作させる第2ソレノイドB1610と、を備えている。
第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002は、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉鎖状態になっている。大当たりの際には、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610を駆動して第1案内板B1300又は第2案内板B1500を前後方向にスライド移動させ、球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態とを交互に繰り返すように作動する。
次いで、可変入賞装置B1000について説明する。図125、図126及び図127は、可変入賞装置B1000の正面斜視図である。図125では、案内板B1300,B1500の閉鎖状態が図示され、図126では、第1案内板B1300の閉鎖状態および第2案内板B1500の開放状態が図示され、図127では、第1案内板B1300の開放状態および第2案内板B1500の閉鎖状態が図示される。
なお、図125、図126及び図127では、視認性を良くして理解を容易とするために、覆設部材B1200の本体部材B1210が外形を除き透明に図示され、その背面側の形状を視認可能に図示される。
可変入賞装置B1000は、遊技者が右打ちを行うことで可変表時装置ユニット80の右方を流下する球の内、上面に備える傾斜面B1223,B1243に到達した球のほぼ全てを第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間の範囲(流路構成範囲、入球前範囲とも称す)に案内可能に構成される。
図128は、可変入賞装置B1000の分解正面斜視図であり、図129は、可変入賞装置B1000の分解背面斜視図である。可変入賞装置B1000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B1100と、その基礎部材B1100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B1200と、基礎部材B1100の背面側から前方にスライド移動可能に構成される第1案内板B1300と、その第1案内板B1300を駆動する第1駆動装置B1400と、基礎部材B1100の背面側から前方にスライド移動可能に構成される第2案内板B1500と、その第2案内板B1500を駆動する第2駆動装置B1600と、基礎部材B1100に背面側から組み付けられ、第1案内板B1300、第1駆動装置B1400、第2案内板B1500及び第2駆動装置B1600を背面側から覆うように構成される後カバー部材B1700と、を主に備える。
基礎部材B1100は、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材B1110と、その薄板部材B1110の略中央部において第1案内板B1300及び第2案内板B1500の形状に沿って(若干大きな形状で)貫通形成される貫通形成部B1120と、その貫通形成部B1120の左右両側において一対の検出センサB1230,B1250が嵌挿される貫通孔である一対の保持孔B1130と、薄板部材B1110の正面側において球の流下経路に向けて正面側へ突設される複数の突設部B1140と、薄板部材B1110の正面側から背面側へ球を排出する一対の排出口B1150と、一対の保持孔B1130の左右方向内側において薄板部材B1110に配置され正面側から背面側へ球を案内する案内口B1160と、その案内口B1160を通過した球を案内する迂回経路B1170と、を主に備える。
貫通形成部B1120は、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の双方を別々のタイミングで案内する案内手段として機能すると共に、覆設部材B1200の延設支持部B1212を支持する支持孔としても機能する。
貫通形成部B1120は、左右対称形状の貫通孔として形成されており、横長直線状に延びる平面状に形成される下平面B1121と、その下平面B1121と上下方向で対向配置され左右中央へ向けて下降傾斜するよう構成される天井面B1122と、それら下平面B1121及び天井面B1122の間の範囲に左右端部から左右内側へ向けて突設される左右一対の支持突部B1123と、それら一対の支持突部B1123の下方において下平面B1121から上方へ突設される左右一対の補助突部B1124と、を備える。
天井面B1122は、第1案内板B1300の転動面B1321や、第2案内板B1500の転動面B1521と対向配置される面であり、その傾斜角度は転動面B1321,B1521に沿うように形成される。即ち、水平面に対する傾斜角度が7度で左右中央側へ向けて下降傾斜するように形成される。
支持突部B1123は、第1案内板B1300や第2案内板B1500と上下方向で対向する位置まで突設されており、対向配置される面が第1案内板B1300や第2案内板B1500の対向面と沿う(本実施形態では、平行となる)ように設計される。
即ち、支持突部B1123の上側面は、水平面に対する傾斜角度が7度で貫通形成部B1120の左右中央部側へ向けて下降傾斜するように構成される傾斜平面であり、支持突部B1123の下側面は、水平面に対する傾斜角度が7度で貫通形成部B1120の左右中央部側へ向けて上昇傾斜するように構成される傾斜平面である。これにより、案内板B1300,B1500の左右端部であって支持突部B1123と上下方向で対向配置される部分と支持突部B1123とが面で当接可能となるので、案内板B1300,B1500の支持安定性を高めることができる。
補助突部B1124は、上述の支持突部B1123の突設長さと同様の左右幅を有しており、その機能も支持突部B1123の機能として上述したものと同様である。即ち、補助突部B1124の上側面は、水平面に対する傾斜角度が7度で貫通形成部B1120の左右中央部側へ向けて上昇傾斜する傾斜平面として構成され、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)と上下方向で対向配置される。
これにより、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)と補助突部B1124とが面で当接可能となるので、案内板B1300,B1500の支持安定性を高めることができる。
特に、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)は、球が検出センサB1230,B1250の開口へ橋渡しされる部分であるので、位置安定性が要求される。これに対し、本実施形態では、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)の上方変位は支持突部B1123に抑制され、下方変位は補助突部B1124に抑制されることになるので、案内部材B1310,B1510の左右外側端部(下流側端部)の位置安定性を向上させることができる。
突設部B1140は、球の半径程度の長さで上下方向に延設される突条であり、開放状態の第1案内板B1300又は開放状態の第2案内板B1500に案内され流下する球の流下経路に沿って配置され、流下する球に当接可能な位置まで突設される。これにより、開放状態の第1案内板B1300又は開放状態の第2案内板B1500に案内され流下する球は、突設部B1140と当接することにより減速される。
迂回経路B1170は、案内口B1160を通過した球の流下経路を囲むように背面側へ延設される区画壁部B1171と、その区画壁部B1171の背面側開口を閉塞する閉塞板部B1172と、を備える。
区画壁部B1171は背面視逆L字状に形成されており、球の流下経路の下流側端部において下方へ球が通過可能な開口が形成される。その開口から、迂回経路B1170を流下した球が排出される。なお、区画壁部B1171により形成される流下経路は、左側の排出口B1150から背面側へ通過する球の流下経路と合流するように構成されている。従って、左側の排出口B1150を背面側へ通過した球も、区画壁部B1171に形成される開口を通して下方へ排出される。
本実施形態では、第1案内板B1300又は第2案内板B1500に乗る球が、左右中央位置よりも上流側を転動している場合に突設部B1140と当接可能とされ、左右中央位置よりも下流側を転動している場合には突設部B1140と当接しないように、突設部B1140の突設範囲が設定されているが、詳細は後述する。
なお、覆設部材B1200にも、同様の突設部B1211が、突設部B1140と前後方向視で重ならない位置に配設される(球の直径程度の間隔を空けて前後に互い違いで配設される)。
覆設部材B1200は、基礎部材B1100の薄板部材B1110から正面側に所定距離離れて配設される板状の本体部材B1210と、その本体部材B1210の右側部から背面側へ向けて枠形状で延設される右側延設部B1220と、その右側延設部B1220に配設固定される第1検出センサB1230と、本体部材B1210の左側部から背面側へ向けて枠形状で延設される左側延設部B1240と、その左側延設部B1240に配設固定される第2検出センサB1250と、本体部材B1210に配設され案内口B1160へ球を案内する球案内受部B1260と、を主に備える。
なお、本実施形態では、右側延設部B1220と左側延設部B1240とは、左右対称形状で構成され、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250は同一形状の検出センサが採用されている。
本体部材B1210と、右側延設部B1220の正面視左側壁部と、左側延設部B1240の正面視右側壁部と、基礎部材B1100の薄板部材B1110と、で囲まれる範囲を球が流下可能に構成される。以下では、この範囲を「入球前範囲」とも称する。
本体部材B1210は、背面側において球の流下経路に向けて背面側へ突設される複数の突設部B1211と、基礎部材B1100の貫通形成部B1120の中央部に挿通可能な配置および断面形状で背面側へ延設される延設支持部B1212と、を備える。
なお、突設部B1211の配置による作用と、延設支持部B1212の形状による作用については後述する。
本体部材B1210は、光透過性の材料から形成される。従って、遊技者は、入球前範囲を流下する球を視認可能となる。なお、本体部材B1210の態様はこれに限られるものでは無く、部分的に不透過に構成されても良い。
特に、第1特定入賞口B1001の付近および第2特定入賞口B1002の付近や、それら第1特定入賞口B1001、第2特定入賞口B1002へ球を案内する直線経路付近や、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を通過した球が流下する案内部B1222,B1242付近等を除く範囲を不透過に構成した場合であっても、球の視認性に大きな影響を及ぼさない。そのため、これらの範囲以外の範囲を覆う形状のシール部材を用意して貼り付けるようにしても良く、そのシール部材の表面側に図形や模様などが印刷された意匠面を構成するようにして演出性を向上させても良い。
また、本体部材B1210の背面側に正面側へ光を照射するLED等の発光手段を配置し、本体部材B1210の光透過の程度が変化するように構成しても良い(例えば、透過液晶)。
延設支持部B1212は、組立状態(図125参照)において、基礎部材B1100の貫通形成部B1120に挿通され、その下側部が貫通形成部B1120の下平面B1121に乗るように配置される。即ち、延設支持部B1212は、延設端側が貫通形成部B1120に支持されており、基端側の本体部材B1210と基礎部材B1100の薄板部材B1110に両持ちで支持されている。これにより、延設支持部B1212に球の重みが負荷される構成としながら、延設支持部B1212の位置安定性を高くすることができる。
延設支持部B1212は、組立状態(図125参照)において、貫通形成部B1120に留まらず、更に後方へ延設され、第1案内板B1300の摺動部B1313,B1323や、第2案内板B1500の摺動部B1513,B1523と、案内板B1300,B1500の配置に関わらず常に対向配置(当接)するように構成される。これにより、案内板B1300,B1500を安定して前後方向に案内することができる。
右側延設部B1220は、左端部において第1検出センサB1230を支持可能に形成されるセンサ支持部B1221と、そのセンサ支持部B1221に支持された第1検出センサB1230を通過した球を背面側の排出口B1150へ案内可能に形成される案内部B1222と、天井部において正面視左方へ向かうほど下降傾斜するように形成される傾斜面B1223と、左側面から左方へ向けて突設される突条部B1224と、その突条部B1224の下方において左方へ向けて突設される突条支持部B1225と、を備える。
突条部B1224は、第1検出センサB1230の上端部付近から傾斜面B1243の傾斜方向と略平行に突設されることにより、第1検出センサB1230への球の進入経路を狭める作用がある。
突条支持部B1225は、第1検出センサB1230の下端部付近から第1特定入賞口B1001の開口方向と略平行に突設されることにより、後述する第1案内板B1300のスライド変位を案内する作用がある。
第1検出センサB1230は、第1特定入賞口B1001としての貫通孔を備える。第1特定入賞口B1001を球が通過することにより、その通過を第1検出センサB1230が検出し、信号がMPU201(図4参照)に送信され、入賞個数のカウントが行われる。
左側延設部B1240は、右端部において第2検出センサB1250を支持可能に形成されるセンサ支持部B1241と、そのセンサ支持部B1241に支持された第2検出センサB1250を通過した球を背面側の排出口B1150へ案内可能に形成される案内部B1242と、天井部において正面視右方へ向かうほど下降傾斜するように形成される傾斜面B1243と、右側面から右方へ向けて突設される複数の突条部B1244と、その突条部B1244の下方において右方へ向けて突設される突条支持部B1245と、を備える。
突条部B1244は、第2検出センサB1250の上端部付近から傾斜面B1243の傾斜方向と略平行に突設されることにより、第2検出センサB1250への球の進入経路を狭める作用がある。
突条支持部B1245は、第2検出センサB1250の下端部付近から第2特定入賞口B1002の開口方向と略平行に突設されることにより、後述する第2案内板B1500のスライド変位を案内する作用がある。
第2検出センサB1250は、第2特定入賞口B1002としての貫通孔を備える。第2特定入賞口B1002を球が通過することにより、その通過を第2検出センサB1250が検出し、信号がMPU201(図4参照)に送信され、入賞個数のカウントが行われる。
球案内受部B1260は、内側に入球した球が、背面側の案内口B1160へ案内され、薄板部材B1110の背面側へ排出されるように構成および配設される。
第1案内板B1300は、前後にスライド変位可能に支持され、薄板部材B1110の前側へ張り出した状態であって、球を第1特定入賞口B1001へ向けて案内する(転動させる)ことが可能な開放状態と、その開放状態よりも後側へ引き込んだ状態であって、球を落下させる閉鎖状態と、で状態を切替可能に構成される部材であって、第1特定入賞口B1001へ球を案内可能に配設される案内部材B1310と、その案内部材B1310の上流側に配置され案内部材B1310へ球を案内可能に配設される上流側部材B1320と、案内部材B1310及び上流側部材B1320が固定される連結固定部材B1330と、その連結固定部材B1330に開口形成され第1駆動装置B1400からの駆動力の伝達に関わる伝達孔B1340と、を備える。
案内部材B1310及び上流側部材B1320は、組立時には基礎部材B1100に対して正面側から挿通される部分であるが、理解を容易とするために、基礎部材B1100の背面側に配置した状態(連結固定部材B1330に組み付けられた状態)で図示される。なお、組立方法の詳細については後述する。
案内部材B1310は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の右端部が第1検出センサB1230に近接配置可能に構成されており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1311と、右端側前端から斜め上方へ向けて延設される上方延設部B1312と、左側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1313と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1330に連結される連結用延設部B1314と、を備える。
なお、転動面B1311は、水平に対して正面視で右下がりに7度傾斜する傾斜面として形成されている。
上方延設部B1312は、第1特定入賞口B1001への予期せぬ入球を妨害するための部分である。即ち、上方延設部B1312が、第1特定入賞口B1001の開口方向視で、第1案内板B1310の閉鎖状態においては第1特定入賞口B1001を構成する開口の内側に配置されることで、球が第1特定入賞口B1001へ入球することを妨害することができる。
一方、第1案内板B1310の開放状態においては第1特定入賞口B1001を構成する開口の外側に配置されることで、第1特定入賞口B1001への入球を阻害することを回避することができる。
また、上方延設部B1312は、第1案内板B1300の開放状態において、覆設部材B1200の本体部材B1210と当接する寸法で形成される。これにより、第1案内板B1300の開放状態において、上方延設部B1312の前側面と本体部材B1210との間で生じる摩擦抵抗を増大させることができる。
これにより、案内部材B1310の下流側端部の上下位置を安定させることができる。即ち、案内部材B1310の下流側端部が下降変位(沈み込み変位)することや、上昇変位(例えば、球のバウンドの衝撃により生じる跳ね上がり変位)することを防止することができる。
本実施形態では、上方延設部B1312が転動面B1311,B1321の正面側端部よりも正面側へ張り出し形成されており、転動面B1311,B1321の正面側端部の形成は覆設部材B1200の本体部材B1210との隙間が球の半径未満となる程度の位置までで留まる。これにより、上述のように案内部材B1310の上下位置を安定させる効果を維持しながら、転動面B1311,B1321の形成幅を短く抑え材料コストの削減を図ることができる。加えて、隙間が球の半径未満であることから、第1案内板B1300が開放状態とされる場合に球の下端部を転動面B1311,B1321に乗せることができるので、転動面B1311,B1321を転動する球を前後に蛇行させることを容易とすることができる。
更に、上方延設部B1312は、第1検出センサB1230の反対側に傾斜面B1312aが形成される。傾斜面B1312aは、第1案内板B1300の開放状態においては当接する球を背面側へ寄せることができるように形成されることで球を第1検出センサB1230側へ案内するように機能する。
加えて、傾斜面B1312aは、第1案内板B1300が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には当接する球を第1検出センサB1230の左右方向反対側へ寄せることができるように形成されることで球を第1検出センサB1230から離し、超過入球を防止する(断ち切る)ように機能する。
これにより、傾斜面B1312aにより、第1検出センサB1230への入球を滑らかに発生させつつ、規定個数を超える入球を生じ難くすることができる。
摺動部B1313の形状は、延設支持部B1212の右下配置側面B1215及び右中配置傾斜面B1217に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1314は、案内部材B1310の長手方向中間位置から左側寄り(上流側部材B1320寄り)で配置される。
上流側部材B1320は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の左端部が突条部B1244の下方位置まで延びており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1321と、右側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1323と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1330に連結される連結用延設部B1324と、転動面B1321の上端側において背面側端部を残し正面側部分が除去されるように形成される形成部B1325と、を備える。なお、転動面B1321の傾斜の詳細については後述する。
摺動部B1323の形状は、延設支持部B1212の左上配置傾斜面B1214に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1324は、上流側部材B1320の長手方向中間位置から右側寄り(案内部材B1310寄り)で配置される。
形成部B1325は、第1案内板B1300の変位時における第2案内板B1500の上方延設部B1512との衝突を避ける目的で切りかかれる部分である。即ち、上方延設部B1512との衝突を避けるために、十分な左右幅で形成部B1325が形成される。
一方で、形成部B1325の切欠きの後端部(上方延設部B1512と対向配置される部分)は、第1案内板B1300が前側位置に配置される状態(開放状態)において当接可能に形成される。これにより、第1案内板B1300の開放状態における上流側部材B1320と上方延設部B1512との間で摩擦抵抗を生じさせることができるので、上流側部材B1320の位置安定性を向上させることができる。
連結固定部材B1330は、上下厚さの薄い略直方体形状に形成され、連結用延設部B1314,B1324を受け入れ可能に形成される複数の受入部B1331を備える。
本実施形態では、受入部B1331は、連結用延設部B1314,B1324の後端部と対応する形状で凹設される凹部として形成され、この凹部が、連結用延設部B1314,B1324の後端部と係合することで、連結固定部材B1330に対する連結用延設部B1314,B1324の位置ずれを防止している。
加えて、連結用延設部B1314,B1324に上下方向に穿設される挿通孔(図示せず)に締結ネジが挿通され、その挿通された締結ネジが連結固定部材B1330に上下方向で形成されている雌ネジに螺入されることで、連結用延設部B1314,B1324が連結固定部材B1330に締結固定されるように構成されている。
伝達孔B1340は、左右方向に直線状に延びる直線部B1341と、その直線部B1341の右端から第1駆動装置B1400の突設軸部B1432を中心とする円弧に沿って延びる曲線部B1342とを備える貫通孔として構成されているが、その機能については後述する。
第1駆動装置B1400は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第1ソレノイドB1410と、その第1ソレノイドB1410のプランジャー(直動棒)の先端に固定される直動部材B1420と、その直動部材B1420に短手突設部B1434が連結され突設軸部B1432を中心に回転可能に支持される回転部材B1430と、を備える。
直動部材B1420は、第1ソレノイドB1410に固定される側の反対側部に貫通孔B1421が穿設されている。貫通孔B1421は、回転部材B1430の短手突設部B1434の変位を受け入れられるように、前後に長尺の長孔として形成される。
回転部材B1430は、屈曲棒状の本体部B1431と、その本体部B1431の屈曲部分付近から上下方向に円柱形状で突設される突設軸部B1432と、本体部B1431の端部であって突設軸部B1432よりも左側に配置される端部(第1の端部)から突設軸部B1432と平行な方向に円柱形状で突設される長手突設部B1433と、本体部B1431の端部であって突設軸部B1432よりも右側に配置され得る端部(第2の端部)から突設軸部B1432と平行な方向に円柱形状で突設される短手突設部B1434と、を備える。
突設軸部B1432は、後カバー部材B1700に支持されるが、詳細は後述する。
長手突設部B1433は、伝達孔B1340に挿通されているので、回転部材B1430が回転移動することにより長手突設部B1433が突設軸部B1432を中心とする円弧軌跡に沿って変位することに伴って第1案内板B1300が前後方向に変位する。
短手突設部B1434は、貫通孔B1421に挿通されており、第1ソレノイドB1410の励磁状態の切り替えにより直動部材B1420が直動変位することで貫通孔B1421が変位することに伴って変位する。
短手突設部B1434の変位は突設軸部B1432を中心とした回転変位である。短手突設部B1434と長手突設部B1433とは本体部B1431を介して一体に形成されているので、短手突設部B1434の変位に対応して長手突設部B1433も回転変位する。
本実施形態では、伝達孔B1340の曲線部B1342の形状が、突設軸部B1432を中心とする円弧であって、半径が突設軸部B1432と長手突設部B1433との距離と等しい円弧に沿う形状とされる。
これにより、第1案内板B1300の変位を生じさせるための長手突設部B1433の変位量に要求される精度を低くすることができる。この効果は、長手突設部B1433の変位量と、伝達孔B1340の変位に伴う第1案内板B1300の変位量とをずらすことにより奏する効果である。
詳述すると、第1案内板B1300の変位は、長手突設部B1433が直線部B1341を変位する場合に生じる。一方で、長手突設部B1433が曲線部B1342に配置されている場合には、長手突設部B1433は曲線部B1342に沿って変位するだけであり、長手突設部B1433が伝達孔B1340の内壁を前後方向に押す作用が生じないので、第1案内板B1300の変位は生じない。
従って、長手突設部B1433が曲線部B1342に配置されてさえいれば、長手突設部B1433が曲線部B1342の内のどの位置に配置されているかに関わらず、第1案内板B1300の変位量を一定に保つことができる。
換言すれば、曲線部B1342を長手突設部B1433の変位量の誤差を吸収する部分として利用することができる。そのため、例えば、経年劣化によって貫通孔B1421の形状が変形したり、励磁状態における第1ソレノイドB1410のプランジャの変位量が不足したりして、回転部材B1430の変位量が不足したとしても、その不足分を曲線部B1342によって吸収することができ、第1案内板B1300の変位量を一定に保つことができる。
長手突設部B1433と突設軸部B1432との間の距離は、短手突設部B1434と突設軸部B1432との間の距離よりも長く設計される。これにより、直動部材B1420の変位量(第1ソレノイドB1410のプランジャの変位量)を小さく抑えながら、第1案内板B1300の変位量を確保することができる。
第2案内板B1500は、第1案内板B1300を左右対称に反転した形状を基本として構成されているので、その機能は、左右方向で反対になることを除き共通とされる。
即ち、第2案内板B1500は、前後にスライド変位可能に支持され、薄板部材B1110の前側へ張り出した状態であって、球を第2特定入賞口B1002へ向けて案内する(転動させる)ことが可能な開放状態と、その開放状態よりも後側へ引き込んだ状態であって、球を落下させる閉鎖状態と、で状態を切替可能に構成される部材であって、第2特定入賞口B1002へ球を案内可能に配設される案内部材B1510と、その案内部材B1510の上流側に配置され案内部材B1510へ球を案内可能に配設される上流側部材B1520と、案内部材B1510及び上流側部材B1520が固定される連結固定部材B1530と、その連結固定部材B1530に開口形成され第2駆動装置B1600からの駆動力の伝達に関わる伝達孔B1540と、を備える。
案内部材B1510及び上流側部材B1520は、組立時には基礎部材B1100に対して正面側から挿通される部分であるが、理解を容易とするために、基礎部材B1100の背面側に配置した状態(連結固定部材B1530に組み付けられた状態)で図示される。なお、組立方法の詳細については後述する。
案内部材B1510は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の左端部が第2検出センサB1250に近接配置可能に構成されており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1511と、左端側前端から斜め上方へ向けて延設される上方延設部B1512と、右側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1513と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1530に連結される連結用延設部B1514と、を備える。
なお、転動面B1511は、水平に対して正面視で左下がりに7度傾斜する傾斜面として形成されている。
上方延設部B1512は、第2特定入賞口B1002への予期せぬ入球を妨害するための部分である。即ち、上方延設部B1512が、第2特定入賞口B1002の開口方向視で、第2案内板B1510の閉鎖状態においては第2特定入賞口B1002を構成する開口の内側に配置されているので、球が第2特定入賞口B1002へ入球することを妨害することができる。
一方、第2案内板B1510の開放状態においては第2特定入賞口B1002を構成する開口の外側に配置されることで、第2特定入賞口B1002への入球を阻害することを回避することができる。
また、上方延設部B1512は、第2案内板B1500の開放状態において、覆設部材B1200の本体部材B1210と当接する寸法で形成される。これにより、第2案内板B1500の開放状態において、上方延設部B1512の前側面と本体部材B1210との間で生じる摩擦抵抗を増大させることができる。
これにより、案内部材B1510の下流側端部の上下位置を安定させることができる。即ち、案内部材B1510の下流側端部が下降変位(沈み込み変位)することや、上昇変位(例えば、球のバウンドの衝撃により生じる跳ね上がり変位)することを防止することができる。
本実施形態では、上方延設部B1512が転動面B1511,B1521の正面側端部よりも正面側へ張り出し形成されており、転動面B1511,B1521の正面側端部の形成は覆設部材B1200の本体部材B1210との隙間が球の半径未満となる程度の位置までで留まる。これにより、上述のように案内部材B1510の上下位置を安定させる効果を維持しながら、転動面B1511,B1521の形成幅を短く抑え材料コストの削減を図ることができる。加えて、隙間が球の半径未満であることから、第2案内板B1500が開放状態とされる場合に球の下端部を転動面B1511,B1521に乗せることができるので、転動面B1511,B1521を転動する球を前後に蛇行させることを容易とすることができる。
更に、上方延設部B1512は、第2検出センサB1250の反対側に傾斜面B1512aが形成される。傾斜面B1512aは、第2案内板B1500の開放状態においては当接する球を背面側へ寄せることができるように形成されることで球を第2検出センサB1250側へ案内するように機能する。
加えて、傾斜面B1512aは、第2案内板B1500が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には当接する球を第2検出センサB1250の左右方向反対側へ寄せることができるように形成されることで球を第2検出センサB1250から離し、超過入球を防止する(断ち切る)ように機能する。
これにより、傾斜面B1512aにより、第2検出センサB1250への入球を滑らかに発生させつつ、規定個数を超える入球を生じ難くすることができる。
摺動部B1513の形状は、延設支持部B1212の左下配置側面B1216及び左中配置傾斜面B1218に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1514は、案内部材B1510の長手方向中間位置から左側寄り(上流側部材B1520の反対側寄り)で配置される。
上流側部材B1520は、左右長尺の板状部を含む部材であって、短手方向幅が球の直径程度の長さで構成され、長手方向の右端部が突条部B1224の下方位置まで延びており、球が転動する傾斜面として上面に形成される転動面B1521と、左側部であって延設支持部B1212に摺動可能とされる摺動部B1523と、板状部の背面側へ延設され連結固定部材B1530に連結される連結用延設部B1524と、転動面B1521の上端側において背面側端部を残し正面側部分が除去されるように形成される形成部B1525と、を備える。なお、転動面B1521の傾斜の詳細については後述する。
摺動部B1523の形状は、延設支持部B1212の右上配置傾斜面B1213に対向配置される側面が、対向する側面に平行な平面状とされる。なお、延設支持部B1212との関係については後述する。
連結用延設部B1524は、上流側部材B1520の長手方向中間位置から右側寄り(案内部材B1510の反対側寄り)で配置される。
形成部B1525は、第2案内板B1500の変位時における第1案内板B1300の上方延設部B1312との衝突を避ける目的で切りかかれる部分である。即ち、上方延設部B1312との衝突を避けるために、十分な左右幅で形成部B1525が形成される。
一方で、形成部B1525の切欠きの後端部(上方延設部B1312と対向配置される部分)は、第2案内板B1500が前側位置に配置される状態(開放状態)において当接可能に形成される。これにより、第2案内板B1500の開放状態における上流側部材B1520と上方延設部B1312との間で摩擦抵抗を生じさせることができるので、上流側部材B1520の位置安定性を向上させることができる。
連結固定部材B1530は、上下厚さの薄い略直方体形状に形成され、連結用延設部B1514,B1524を受け入れ可能に形成される複数の受入部B1531を備える。
本実施形態では、受入部B1531は、連結用延設部B1514,B1524の後端部と対応する形状で凹設される凹部として形成され、この凹部が、連結用延設部B1514,B1524の後端部と係合することで、連結固定部材B1530に対する連結用延設部B1514,B1524の位置ずれを防止している。
加えて、連結用延設部B1514,B1524に上下方向に穿設される挿通孔(図示せず)に締結ネジが挿通され、その挿通された締結ネジが連結固定部材B1530に上下方向で形成されている雌ネジに螺入されることで、連結用延設部B1514,B1524が連結固定部材B1530に締結固定されるように構成されている。
伝達孔B1540は、左右方向に直線状に延びる直線部B1541と、その直線部B1541の右端から第2駆動装置B1600の突設軸部B1632を中心とする円弧に沿って延びる曲線部B1542とを備える貫通孔として構成されているが、その機能については後述する。
上述のように、第1案内板B1300と第2案内板B1500とは、略同等の構成を備えているが、形状や配置が異なる部分がある。特に、第1案内板B1300の連結固定部材B1330の形状および配置と、第2案内板B1500の連結固定部材B1530の形状および配置とが異なり、それに伴い、第1案内板B1300の連結用延設部B1314,B1324の配置および延設長さと、第2案内板B1500の連結用延設部B1514,B1524の配置および延設長さとが異なる。
詳細には、連結固定部材B1330は、連結固定部材B1530に比較して、左右長さが短く形成されており、正面側に配置されている。これに伴い、連結用延設部B1314,B1324は、連結用延設部B1514,B1524に比較して、前後方向の延設長さが短く形成されており、左右内側に配置されている。これにより、第1案内板B1300と第2案内板B1500とが衝突することを回避することができるが、詳細は後述する。
第2駆動装置B1600は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第2ソレノイドB1610と、その第2ソレノイドB1610のプランジャー(直動棒)の先端に固定される直動部材B1620と、その直動部材B1620に短手突設部B1634が連結され突設軸部B1632を中心に回転可能に支持される回転部材B1630と、を備える。
直動部材B1620は、第2ソレノイドB1610に固定される側の反対側部に貫通孔B1621が穿設されている。貫通孔B1621は、回転部材B1630の短手突設部B1634の変位を受け入れられるように、前後に長尺の長孔として形成される。
回転部材B1630は、屈曲棒状の本体部B1631と、その本体部B1631の屈曲部分付近から上下方向に円柱形状で突設される突設軸部B1632と、本体部B1631の端部であって突設軸部B1632よりも左側に配置される端部(第1の端部)から突設軸部B1632と平行な方向に円柱形状で突設される長手突設部B1633と、本体部B1631の端部であって突設軸部B1632よりも右側に配置され得る端部(第2の端部)から突設軸部B1632と平行な方向に円柱形状で突設される短手突設部B1634と、を備える。
突設軸部B1632は、後カバー部材B1700に支持されるが、詳細は後述する。
長手突設部B1633は、伝達孔B1540に挿通されているので、回転部材B1630が回転移動することにより長手突設部B1633が突設軸部B1632を中心とする円弧軌跡に沿って変位することに伴って第2案内板B1500が前後方向に変位する。
短手突設部B1634は、貫通孔B1621に挿通されており、第2ソレノイドB1610の励磁状態の切り替えにより直動部材B1620が直動変位することで貫通孔B1621が変位することに伴って変位する。
短手突設部B1634の変位は突設軸部B1632を中心とした回転変位である。短手突設部B1634と長手突設部B1633とは本体部B1631を介して一体に形成されているので、短手突設部B1634の変位に対応して長手突設部B1633も回転変位する。
本実施形態では、伝達孔B1540の曲線部B1542の形状が、突設軸部B1632を中心とする円弧であって、半径が突設軸部B1632と長手突設部B1633との距離と等しい円弧に沿う形状とされる。
これにより、第2案内板B1500の変位を生じさせるための長手突設部B1633の変位量に要求される精度を低くすることができる。この効果は、長手突設部B1633の変位量と、伝達孔B1540の変位に伴う第2案内板B1500の変位量とをずらすことにより奏する効果である。
詳述すると、第2案内板B1500の変位は、長手突設部B1633が直線部B1541を変位する場合に生じる。一方で、長手突設部B1633が曲線部B1542に配置されている場合には、長手突設部B1633は曲線部B1542に沿って変位するだけであり、長手突設部B1633が伝達孔B1540の内壁を前後方向に押す作用が生じないので、第2案内板B1500の変位は生じない。
従って、長手突設部B1633が曲線部B1542に配置されてさえいれば、長手突設部B1633が曲線部B1542の内のどの位置に配置されているかに関わらず、第2案内板B1500の変位量を一定に保つことができる。
換言すれば、曲線部B1542を長手突設部B1633の変位量の誤差を吸収する部分として利用することができる。そのため、例えば、経年劣化によって貫通孔B1621の形状が変形したり、励磁状態における第2ソレノイドB1610のプランジャの変位量が不足したりして、回転部材B1630の変位量が不足したとしても、その不足分を曲線部B1542によって吸収することができ、第2案内板B1500の変位量を一定に保つことができる。
長手突設部B1633と突設軸部B1632との間の距離は、短手突設部B1634と突設軸部B1632との間の距離よりも長く設計される。これにより、直動部材B1620の変位量(第2ソレノイドB1610のプランジャの変位量)を小さく抑えながら、第2案内板B1500の変位量を確保することができる。
後カバー部材B1700は、断面コ字形状の本体部B1710と、その本体部B1710の先端部から左右外側へ延設され薄板部材B1110との結合面を構成する左右一対の結合板部B1720と、本体部B1710の左右内側下端位置に配設され第1ソレノイドB1410を上面側に支持可能に構成される第1支持板B1730と、その第1支持板B1730の上方に配置され第1案内板B1300の連結固定部材B1330の下面に上面が当接するように配設される第2支持板B1740と、その第2支持板B1740の上方に配置され第2案内板B1500の連結固定部材B1530の上面に下面が当接するように配設される第3支持板B1750と、その第3支持板B1750の上方であり且つ本体部B1710の左右内側上端位置に配設され第2ソレノイドB1610を下面側に支持可能に構成差される第4支持板B1760と、を備える。
本体部B1710は、第1支持板B1730を下方に、第4支持板B1760を上方に、それぞれ分解可能に構成される。即ち、第1支持板B1730に支持される第1ソレノイドB1410を含む第1駆動装置B1400と、第4支持板B1760に支持される第2ソレノイドB1610を含む第2駆動装置B1600とは、本体部B1710から上下方向に取り外し可能とされる。
結合板部B1720は、締結ネジのネジ部を挿通可能な受部B1721を備える。その受部B1721に挿通された締結ネジが薄板部材B1110の雌ネジ部に螺入されることにより、後カバー部材B1700が薄板部材B1110に締結固定される。
第1支持板B1730は、結合板部B1720の前端位置よりも後側に配置されることで、薄板部材B1110との間に隙間を構成するための排出部B1731を備える。
排出部B1731は、薄板部材B1110との間において排出口B1150から排出された球が通過する貫通孔を形成する。この貫通孔から排出された球(排出口B1150や、迂回経路B1170から排出された球)は、図示しない球排出路へと案内される。
第2支持板B1740は、第1駆動装置B1400の長手突設部B1433の上下方向への通過を許容するための凹設部B1741を備えている。凹設部B1741の形成範囲は、長手突設部B1433の移動軌跡を含む範囲であることを前提として、極力小さな範囲で形成される。これにより、凹設部B1741以外の平面部を確保することができ、第1案内板B1300の連結固定部材B1330を安定的に下支えすることができる。
第3支持板B1750は、第2駆動装置B1600の長手突設部B1633の上下方向への通過を許容するための凹設部B1751を備えている。凹設部B1751の形成範囲は、長手突設部B1633の移動軌跡を含む範囲であることを前提として、極力小さな範囲で形成される。これにより、凹設部B1751以外の平面部を確保することができ、第2案内板B1500の連結固定部材B1530を上面側から安定的に面支持することができる。
ここで、可変入賞装置B1000の組立方法およびベース板60への組み付け方法の一例について説明する。薄板部材B1110に対して、前側から組み付けられるのは、覆設部材B1200と、案内板B1300,B1500の案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520のみであり、その他は後側から組み付けられる。
可変入賞装置B1000の組立にあたっては、まず、薄板部材B1110に対して前側から案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520を貫通形成部B1120に挿通し、薄板部材B1110の背面側において連結固定部材B1330,B1530と締結固定する。
次に、第1支持板B1730及び第4支持板B1760が取り外された状態の後カバー部材B1700を薄板部材B1110に締結固定する。この際、連結固定部材B1330,B1530は第2支持板B1740及び第3支持板B1750の上下方向内側に収められる。
次に、第1駆動装置B1400が組み付けられた第1支持板B1730を、長手突設部B1433を第1案内板B1300の伝達孔B1340に挿通しながら本体部B1710に組み付ける。同様に、第2駆動装置B1600が組み付けられた第4支持板B1760を、長手突設部B1633を第2案内板B1500の伝達孔B1540に挿通しながら本体部B1710に組み付ける。
そして、薄板部材B1110に覆設部材B1200を締結固定した後で、可変入賞装置B1000をベース板60に正面側から組み付け、締結固定することで可変入賞装置B1000をベース板60に組み付けることができる。
図130及び図131を参照して、第2案内板B1500の閉鎖状態について説明する。図130は、可変入賞装置B1000の正面図であり、図131は、図130のCXXXI−CXXXI線における可変入賞装置B1000の断面図である。なお、図130及び図131では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が閉鎖状態とされ、図130では、覆設部材B1200の本体部材B1210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。
なお、図130では、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。即ち、図130において水玉模様(ドット)が付されている範囲のうち、延設支持部B1212は、基礎部材B1100と覆設部材B1200との間の範囲に亘って形成されていることで球を通過不能に構成され、上方延設部B1312,B1512は、基礎部材B1100と覆設部材B1200との略中間位置に配置されることで球を通過不能に構成される。
図130及び図131に示すように、第2案内板B1500が閉鎖状態にされると、案内部材B1510及び上流側部材B1520が貫通形成部B1120に案内され薄板部材B1110の前板面よりも背面側に配置されることにより、基礎部材B1100の薄板部材B1110と覆設部材B1200の本体部材B1210との間の間隔を狭めることなく維持することができる。
基礎部材B1100の薄板部材B1110と覆設部材B1200の本体部材B1210とは、球が通過可能な間隔で並設されており、図130及び図131に示す状態において、右側延設部B1220と左側延設部B1240との間に到達した球を可変入賞装置B1000の下方に落下させることができる。
図131に示すように、第2案内板B1500の閉鎖状態では、上方延設部B1512が第2検出センサB1250の開口を部分的に塞ぐように配置される。そのため、球が第2特定入賞口B1002を通過することを物理的に防止することができる。
そのため、イレギュラー入賞(例えば、第2案内板B1500に案内されずとも、他の構成部分などにぶつかった球が横方向に飛ばされ第2特定入賞口B1002に入球すること)や、不正行為(例えば、磁石で球を引き付けて入賞させる行為や、糸が接着された状態で打ち出された球の反対側の糸端部を引っ張ったり振ったりして球の位置を操って入賞させる行為等)による入賞を防止することができる。
図132及び図133を参照して、第2案内板B1500の開放状態について説明する。図132(a)は、可変入賞装置B1000の正面図であり、図132(b)は、図132(a)の範囲CXXXIIbにおける可変入賞装置B1000の部分正面拡大図であり、図133は、図132(a)のCXXXIII−CXXXIII線における可変入賞装置B1000の断面図である。
なお、図132(a)、図132(b)及び図133では、第1案内板B1300が閉鎖状態とされ、第2案内板B1500が開放状態とされ、図132(a)及び図132(b)では、覆設部材B1200の本体部材B1210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。また、図132(a)では、流下する球の一例として第2検出センサB1250を通過している球が図示され、図133では、球の大きさを把握するために球の外形が想像線で図示される。
なお、図132(a)及び図132(b)では、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。図132(a)及び図132(b)において水玉模様(ドット)が付されている範囲は、図130において上述した範囲に対して、案内部材B1510及び上流側部材B1520の板状部が追加される一方、上方延設部B1512からは水玉模様(ドット)が消されている。
即ち、第2案内板B1500の開放状態では、第2案内板B1500が正面側へスライド変位されることで、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間の隙間が球の直径未満とされ、球が第2案内板B1500の正面側を下方へ通過不能に構成される。
一方、第2案内板B1500の開放状態では、上方延設部B1512は、覆設部材B1200に近接配置されることで、第2特定入賞口B1002への入球を妨害しないように構成される。
図132(a)、図132(b)及び図133に示すように、第2案内板B1500が開放状態にされると、案内部材B1510及び上流側部材B1520が貫通形成部B1120に案内され薄板部材B1110の前板面よりも正面側へ張り出し、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間隔が球の直径未満とされることにより、右側延設部B1220と左側延設部B1240との間に到達した球の落下が防止される。
なお、本実施形態では、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間隔が球の半径未満とされているので、球の下端部は転動面B1311,B1321に乗る。これにより、転動面B1311,B1321を転動する球の前後方向へ容易に蛇行させることができる。
図133に示すように、第2案内板B1500の開放状態では、上方延設部B1512が第2検出センサB1250の開口を塞がない位置に配置される。具体的には、第2検出センサB1250の開口を形成する枠部と重なる位置まで移動される。そのため、球が第2特定入賞口B1002を通過可能とすることができる。
第2案内板B1500の開放状態において右側延設部B1220と左側延設部B1240との間に到達した球は、第2案内板B1500の転動面B1511,B1521を傾斜に沿って転動し、その左端から第2検出センサB1250を通過する。
なお、第2案内板B1500の開放状態において、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520と覆設部材B1200の本体部材B1210との間には球の半径よりも短い隙間が空けられる。これにより、案内部材B1510の板状部および上流側部材B1520が本体部材B1210に当接する程度にまで大幅で形成される場合に比較して必要な材料を少なくできたり、当接する場合に比較して負荷の発生を防止できることから第2案内板B1500の耐久性を向上することができたりするという有利な効果を奏し得る。
ここで、図132(b)を参照して、第2案内板B1500の前後スライド変位に対する、延設支持部B1212の作用について説明する。上述のように、延設支持部B1212は貫通形成部B1120よりも後方まで延設され、第2案内板B1500の配置によらず第2案内板B1500と上下方向で当接可能とされる。
図132(b)に示すように、延設支持部B1212は、断面が横に長尺の菱形状に形成される本体部と、その本体部の下端部に連結され、断面が横長の長方形の上側に三角形を乗せた五角形状に形成される下側支持部と、を備え、本体部と下側支持部との間が左右内側へ括れるように構成されている。
延設支持部B1212の本体部は、その上面に、突設部B1211の左右方向中心と一致する左右中心位置を頂点として、左右外側へ向かって下降傾斜する傾斜面として形成される右上配置傾斜面B1213及び左上配置傾斜面B1214と、下側支持部との間に形成される括れの上側面を構成する右下配置側面B1215及び左下配置側面B1216と、を備える。
延設支持部B1212の下側支持部は、その上面に、突設部B1211の左右方向中心と一致する左右中心位置を頂点として、左右外側へ向かって下降傾斜する傾斜面として形成される右中配置傾斜面B1217及び左中配置傾斜面B1218を備える。
右上配置傾斜面B1213は、摺動部B1523の下側面と対向配置され、摺動部B1523の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1523の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1523の下降変位を抑えながら、摺動部B1523の前後方向変位を安定して案内することができる。
左上配置傾斜面B1214は、摺動部B1323の下側面と対向配置され、摺動部B1323の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1323の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1523の下降変位を抑えながら、摺動部B1323の前後方向変位を安定して案内することができる。
右下配置側面B1215は、摺動部B1313の上側面と対向配置され、摺動部B1313の上側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1313の上側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。また、右中配置傾斜面B1217は、摺動部B1313の下側面と対向配置され、摺動部B1313の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1313の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1313の上下方向変位を抑えながら、摺動部B1313の前後方向変位を安定して案内することができる。
左下配置側面B1216は、摺動部B1513の上側面と対向配置され、摺動部B1513の上側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1513の上側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。また、左中配置傾斜面B1218は、摺動部B1513の下側面と対向配置され、摺動部B1513の下側面に対応する形状(本実施形態では、摺動部B1513の下側平面に平行な平面状)とされ面接触可能に構成される。これにより、摺動部B1513の上下方向変位を抑えながら、摺動部B1513の前後方向変位を安定して案内することができる。
なお、本実施形態では説明の便宜上、図132(b)に示すように、右上配置傾斜面B1213は転動面B1311,B1321が配置される平面と同一平面に形成され、左上配置傾斜面B1214は転動面B1511,B1521が配置される平面と同一平面に形成され、右下配置側面B1215及び左中配置傾斜面B1218は案内部材B1510及び上流側部材B1520の下側面が配置される平面と同一平面に形成され、左下配置側面B1216及び右中配置傾斜面B1217は案内部材B1310及び上流側部材B1320の下側面が配置される平面と同一平面に形成されるものとして、設計した。
一方で、必ずしもこれに限るものではない。例えば、延設支持部B1212に形成される各面を、平面のみでは無く、他の形状(曲面形状や、凹凸形状や、のこぎり刃形状など)を含む形状から採用することは当然考えられる。
特に、球の転動面としての機能を有する右上配置傾斜面B1213及び左上配置傾斜面B1214が平面状に形成されることに機能上の意味があることに対して、他の部分については、摺動部B1313,B1323,B1513,B1523の形状に対応させることで上述の作用を生じさせることができる。
その場合の設計思想として、線での接触に比較して面での接触の方が変位を案内する作用は向上する一方で、摩擦抵抗は大きくなることは共通する事項であると考えられる。本実施形態では、変位を案内する作用は確保しながら、摩擦抵抗を低減できるように延設支持部B1212の左右幅を設計している。
なお、摺動部B1313,B1323,B1513,B1523は、延設支持部B1212を省略するような構成においても、球の案内が可能な形状とされている。即ち、第1案内板B1300の摺動部B1313,B1323も、第2案内板B1500の摺動部B1513,B1523も、左右方向の隙間を狭めるように左右内方へ張り出している。これにより、延設支持部B1212の状態を問わず(例えば、破損している場合であっても)、案内板B1300,B1500の上面に球を転動させることにより、特定入賞口B1001,B1002へ球を案内することができる。
図134から図136は、可変入賞装置B1000の上面図である。図134では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が閉鎖状態である場合が図示され、図135では、第1案内板B1300が開放状態とされ第2案内板B1500が閉鎖状態とされる場合が図示され、図136では、第1案内板B1300が閉鎖状態とされ第2案内板B1500が開放状態とされる場合が図示される。
以下、ソレノイドの励磁の切り替えについて説明する。図134では、第1ソレノイドB1410及び第2ソレノイドB1610の双方共に通電されておらず、非励磁の状態とされている。これが、可変入賞装置B1000の待機状態であり、遊技開始前や、通常状態で維持される状態であり、可変入賞装置B1000は稼働時間における大半をこの状態で維持される。
主に特別遊技状態において、図135や図136に示すように、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610に通電され、励磁されることで、第1案内板B1300又は第2案内板B1500の状態が切り替えられる。
図135に示すように、第2ソレノイドB1610は非励磁で維持され、第1ソレノイドB1410が励磁されると、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられ、第1検出センサB1230の第1特定入賞口B1001へ球を案内可能となる。
第1案内板B1300の状態切り替えは、前後スライド変位により行われるが、第1案内板B1300の案内部材B1310及び上流側部材B1320の前後方向変位は、覆設部材B1200により支持されることで滑らかに行われる。
案内部材B1310の下流側端部(右側端部)は、突条支持部B1225により下支えされており、案内部材B1310の上流側端部(左側端部)は、延設支持部B1212の右下配置側面B1215及び右中配置傾斜面B1217により上下方向から挟み込まれて支持される(図132(b)参照)。
これにより、第1に、案内部材B1310に球が複数個乗った場合であっても、案内部材B1310が沈み込み変位することを回避することができ、第1特定入賞口B1001への球の入球を滑らかに行わせることができる。
第2に、延設支持部B1212の上面と、案内部材B1310の上面と、の位置ずれを抑制できるので、延設支持部B1212の上面から案内部材B1310の上面への球の流下を滑らかにすることができる。
なお、突条支持部B1225及び延設支持部B1212は、案内部材B1310の長さ方向(左右方向)に亘って形成することもできるが、本実施形態では、案内部材B1310の左右端部付近にのみ形成するに留めている。これにより、第1案内板B1300の変位抵抗(摩擦抵抗)を低減することができる。
上流側部材B1320の下流側端部(右側端部)は、延設支持部B1212により下支えされる。これにより、上流側部材B1320に球が複数個乗った場合であっても、上流側部材B1320が沈み込み変位することを回避することができ、延設支持部B1212への球の入球を滑らかに行わせることができる。
本実施形態では、上流側部材B1320の転動面B1321と、延設支持部B1212の右下がり傾斜の上面と、案内部材B1310の転動面B1311とが、面一となると共に、同一の傾斜角度となるように設計される。これにより、球の流下経路から上下方向の段を取り払うことができ、第1特定入賞口B1001への球の流下を滑らかにすることができる。
図136に示すように、第1ソレノイドB1410は非励磁で維持され、第2ソレノイドB1610が励磁されると、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられ、第2検出センサB1250の第2特定入賞口B1002へ球を案内可能となる。
第2案内板B1500の状態切り替えは、前後スライド変位により行われるが、第2案内板B1500の案内部材B1510及び上流側部材B1520の前後方向変位は、覆設部材B1200により支持されることで滑らかに行われる。
案内部材B1510の下流側端部(左側端部)は、突条支持部B1245により下支えされており、案内部材B1510の上流側端部(右側端部)は、延設支持部B1212の左下配置側面B1216及び左中配置傾斜面B1218により上下方向から挟み込まれて支持される(図132(b)参照)。
これにより、第1に、案内部材B1510に球が複数個乗った場合であっても、案内部材B1510が沈み込み変位することを回避することができ、第2特定入賞口B1002への球の入球を滑らかに行わせることができる。
第2に、延設支持部B1212の上面と、案内部材B1510の上面と、の位置ずれを抑制できるので、延設支持部B1212の上面から案内部材B1510の上面への球の流下を滑らかにすることができる。
なお、突条支持部B1245及び延設支持部B1212は、案内部材B1510の長さ方向(左右方向)に亘って形成することもできるが、本実施形態では、案内部材B1510の左右端部付近にのみ形成するに留めている。これにより、第2案内板B1500の変位抵抗(摩擦抵抗)を低減することができる。
上流側部材B1520の下流側端部(左側端部)は、延設支持部B1212により下支えされる。これにより、上流側部材B1520に球が複数個乗った場合であっても、上流側部材B1520が沈み込み変位することを回避することができ、延設支持部B1212への球の流下を滑らかに行わせることができる。
本実施形態では、上流側部材B1520の転動面B1521と、延設支持部B1212の右下がり傾斜の上面と、案内部材B1510の転動面B1511とが、面一となると共に、同一の傾斜角度となるように設計される。これにより、球の流下経路から上下方向の段を取り払うことができ、第2特定入賞口B1002への球の流下を滑らかにすることができる。
次いで、球の流下態様の一例について説明する。図137(a)は、可変入賞装置B1000の正面図であり、図137(b)は、図137(a)の矢印CXXXVIIb方向視における可変入賞装置B1000の上面図であり、図138(a)は、図137(a)のCXXXVIIIa−CXXXVIIIa線における可変入賞装置B1000の断面図であり、図138(b)は、図137(a)のCXXXVIIIb−CXXXVIIIb線における可変入賞装置B1000の断面図である。
図137及び図138では、第1案内板B1300が閉鎖状態とされる一方、第2案内板B1500が開放状態とされ、複数の球が第1案内板B1500の上面を転動している状態が図示される。
図137では、第2案内板B1500の上面に球が3個乗っている状態が図示されているが、第2案内板B1500は、球を同時に5個までは乗せることができる左右長さで構成されている。なお、上流側で連なっている球は、理解を容易にするために、突設部B1140の中心を通る断面(図138(b)参照)または突設部B1211の中心を通る断面(図138(a)参照)に、球の中心が位置するように配置される。
突設部B1140,B1211は、基礎部材B1100に形成されるか覆設部材B1200に形成されるかの違いはあるが、入球前範囲に到達した球の経路側に突設され、球の流下に影響を与えるという共通の目的から設計されている。
本実施形態では、突設部B1140,B1211は、延設支持部B1212の左右中心位置を基準として、下流側を転動する球には影響を与えないようにする一方、上流側を転動する球には影響を与えるように設計される。
即ち、延設支持部B1212の左右中心位置の真上に形成される突設部B1211よりも下流側(第2案内板B1500の開放状態においては左側、以下単に「入球前範囲下部」とも称す。)に配置される突設部B1140,B1211は、球の転動軌跡よりも上方に配置される。そのため、球が第2案内板B1500を転動する場合には、入球前範囲下部に配置される突設部B1140,B1211に球が衝突することは無い。
一方、延設支持部B1212の左右中心位置の真上に形成される突設部B1211よりも上流側(第2案内板B1500の開放状態においては右側、以下単に「入球前範囲上部」とも称す。)に配置される突設部B1140,B1211は、球の転動軌跡の内側に少なくとも一部が配置される。
入球前範囲に到達し流下する球に対する突設部B1140,B1211の配置について説明する。本実施形態では、右打ちで球を発射した場合に、第2入賞口640(図124参照)に入球しなかった球が可変入賞装置B1000の傾斜面B1223に到達すると、その傾斜に沿って左方へ流下し、入球前範囲に到達することになる。
この場合において、球がベース板60に近接する側(流下経路の後側部)を流下するのか、ガラスユニット16(図1参照)側(流下経路の前側部)を流下するのかは不明であるが、球は少なくとも2回以上、突設部B1140,B1211に当たるように構成されている。
例えば、球が流下経路の前側部を流下する場合、図138(a)に示すように、球は突設部B1211に当接し、流下経路の後側部へ変位しながら流下することになる。以降は、突設部B1140,B1211が前後互い違いに配置されているので、入球前範囲下部に到達するまでに突設部B1140,B1211に3回当接することになり、球の流下速度が減速される。
また、例えば、球が流下経路の後側部を流下する場合、最上流に配置される突設部B1211には当接しないものの、図138(b)に示すように、球は突設部B1140に当接し、流下経路の前側部へ変位しながら流下することになる。以降は、延設支持部B1212の真上に配置されている突設部B1211に当接することになるので、入球前範囲下部に到達するまでに突設部B1140,B1211に2回当接することになり、球の流下速度が減速される。
ここで、第1案内板B1300の転動面B1311を転動する球の移動軌跡の外側に突設部B1140と、左右に配置される突設部B1211を配置する関係上、それらの下端位置が異なるように設計されていることに伴い、当接する球の位置(当接高さ)が異なる。そのため、対策なしでは、球の湾曲の分だけ球が突設部B1140,B1211から逃げてしまい、減速作用が弱まる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140の突設長さを、左右に配置される突設部B1211の突設長さよりも長くすることにより、突設部B1140が球に与える減速の作用と、左右に配置される突設部B1211が球に与える減速の作用とを、同等に維持できるように構成している。以下、詳しく説明する。
図138(a)に示すように、右端の突設部B1211と前後方向で当接する球BP2の位置(当接高さ)は、球の中心BCPから上方に長さBH1だけ離れた位置となる。これに対し、図138(b)に示すように、突設部B1140と前後方向で当接する球BP1の位置(当接高さ)は、球の中心BCPから上方に長さBH2だけ離れた位置となる。
ここで、長さBH2の方が、長さBH1よりも長いので(BH2>BH1)、突設部B1140,B1211の突設長さが同じであれば、球BP1,BP2が突設部B1140,B1211の基端側の板部材(薄板部材B1110又は本体部材B1210)に当接した状態で上流側部材B1520の転動面B1521を転動する場合において、突設部B1140,B1211を避けるために球BP1,BP2に要求される前後方向の変位量は、右端の突設部B1211を避ける場合の変位量の方が、突設部B1140を避ける場合の変位量に比較して大きくなる。
換言すれば、突設部B1140,B1211によって球BP1,BP2に生じる前後方向変位が、前後均等では無く、前側への変位に比較して後側への変位の方が大とされ、球の流下経路が前後非対称の屈曲(湾曲)線状となるので、突設部B1140,B1211と前後方向で当接する球BP1,BP2の位置(当接高さ)が球の中心BCPである場合に比較して、球BP1,BP2を減速させる作用が若干弱まる。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140の突設長さを左右の突設部B1211の突設長さよりも長く形成し、球BP1,BP2が突設部B1140,B1211の基端側の板部材(薄板部材B1110又は本体部材B1210)に当接した状態で上流側部材B1520の転動面B1521を転動する場合において、突設部B1140,B1211を避けるために球BP1,BP2に要求される前後方向の変位量が同等となるように構成されている。これにより、突設部B1140,B1211と転動球との当接による減速作用を十分に発揮させることができる。
なお、突設部B1140の突設長さを長くしてはいるが、この設計変更は、球BP1,BP2の転動経路を、突設部B1140,B1211と前後方向で当接する球BP1,BP2の位置(当接高さ)が球の中心BCPである場合の転動経路と同等にするための設計変更に過ぎず、突設部B1140,B1211に対向配置される板部材(薄板部材B1110又は本体部材B1210)に当接した状態における球BP1,BP2と突設部B1140,B1211との隙間幅BCL1,BCL2を狭めるような設計変更ではない。
即ち、上流側部材B1520を転動する球BP2が薄板部材B1110に当接する状態における突設部B1211との間の隙間幅BCL1(図138(a)参照)と、上流側部材B1520を転動する球BP1が本体部材B1210に当接する状態における突設部B1140との間の隙間幅BCL2(図138(b)参照)とは同等となる(BCL1=BCL2)。従って、突設部B1140の突設長さは増大させながら、球BP1の詰まりの発生は防止することができる。
このように、本実施形態では、突設部B1140,B1211の形成範囲について、流下経路において球の減速を生じさせたい位置に限るという設計思想を採用している。これにより、入球前範囲上部を流下する球の流下速度と、入球前範囲下部を流下する球の流下速度とを異ならせることができる。
本実施形態では、突設部B1211の突設長さは左右3箇所で同等となるように設計されている。即ち、左右に配置される突設部B1211の突設長さと、延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1211の突設長さとが同等とされている。
左右中央に配置される突設部B1211の形成高さは球の転動軌跡の上下幅全域に亘っているので、左右中央に配置される突設部B1211と当接する球の位置(当接高さ)は、球の中心BCPと同等となる。
そのため、球BP1,BP2が突設部B1211の基端側の板部材(本体部材B1210)に当接した状態で上流側部材B1520の転動面B1521を転動する場合において、左右中央に配置される突設部B1211を避けるために球BP1,BP2に要求される前後方向の変位量は、右端の突設部B1211を避ける場合の変位量に比較して大きくなる。
従って、本実施形態では、左右中央に配置される突設部B1211による球の減速作用が、他の突設部B1140,B1211による球の減速作用に比較して大きくなるように構成される(最大となるように構成される)。これにより、左右中央の突設部B1211を境界として、案内板B1300,B1500の上面を転動する球を切り分け易くする(分断し易くする)ことができる。
図138(b)に示すように、突設部B1140と本体部材B1210との隙間は球の直径未満となっている。そのため、突設部B1140の鉛直上方から球が流下する構成とすると、突設部B1140と本体部材B1210との間を球の中心が通過できず、左右片方へ寄って流下することになるが、寄った側に別の球が配置されていると、その配置されていた球によって球の流下が阻害され、球の流れが悪くなる虞がある。加えて、球が詰まって流れない状態(滞留する状態)となると、遊技を継続することができなくなり問題である。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140の鉛直上方からの球の流下を阻害可能な位置に球案内受部B1260が配設される。これにより、突設部B1140の鉛直上方から球が流下する事態が生じることを防止することができるので、球の流れを良好に保ち易くすることができる。
球の流下速度について、本実施形態では、入球前範囲上部では、突設部B1140,B1211の左右間隔を流下するのに約0.5秒を要するように構成され(約60[mm/秒])、入球前範囲下部では、延設支持部B1212から第2検出センサB1250の中心(球の通過が検出される位置を想定)までの距離を流下するのに約0.5秒を要するように構成される(約22[mm/秒])。即ち、入球前範囲下部における流下速度が入球前範囲上部における流下速度の約3倍となるように構成される。
この速度設定は、入球前範囲下部における球の滞在個数を少なくする目的でも設定されている。この速度設定によれば、例えば、連なって流下する複数個の球BP1,BP2が第1案内板B1300に乗り転動する場合に(図137(a)参照)、下流側の球BP1が延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1212を過ぎて第2検出センサB1250に通過を検出されるまでの間に、上流側の球BP2が延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1212を通過することは無い。
即ち、入球前範囲上部を複数個の球BP1,BP2が連なって流下する場合であっても、入球前範囲下部に滞在する球の個数を1個に限定することができる。これにより、規定個数目の球が第2特定入賞口B1002に入球することに伴い第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられる時に、案内部材B1510の転動面B1511から球が落下する事態が発生することを避けることができる。
このように、入球前範囲上部は、入球前範囲下部に比較して、少なくとも球が落下する事態の発生頻度を下げられるという意味で有利側の区間であるといえる。本実施形態では、第1案内板B1300に乗り転動する球が、入球前範囲上部に配置されている場合と、入球前範囲下部に配置されている場合とで、球の流下速度が異なるように構成されている。
これにより、一定速度で球が流下する場合に比較して球を視認している遊技者の注目を集め易いという効果や、球が入球前範囲上部(有利側の区間)に配置されているのか入球前範囲下部に配置されているのかを容易に見分けることができるという効果を奏する。
加えて、第2案内板B1500と入れ替わりで開放状態に切り替えられる第1案内板B1300の上面側に球を乗せやすくすることができる。
図139は、可変入賞装置B1000の正面図である。図139では、第1案内板B1300が開放状態とされる一方、第2案内板B1500が閉鎖状態とされる。また、図137(a)で図示した球BP1,BP2を流用して図示する。なお、図139の説明では、図137(a)を適宜参照する。
図137(a)に示す状態から、球BP1が規定個数目の入球として検出されたことに伴い第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられ、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられた場合(図139参照)、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられるまでに球BP2が延設支持部B1212の傾斜上面に乗っている限り(例えば、ラウンド間インターバルが0.04秒間で設定される場合)、球BP2は第1案内板B1300の上流側部材B1320の転動面B1321に乗り上げる。
詳述すると、図137(a)に示す状態においては、球BP2は、球BP1が延設支持部B1212の真上に配置される突設部B1211を通過した後、延設支持部B1212の左側傾斜上面を流下し得るが、流下しきる前に第1案内板B1300が開放状態とされる場合、上流側部材B1320が球BP2の中心よりも下側に潜り込み、球BP2を下から支える。
これにより、球BP2は、第1案内板B1300の転動面B1311を転動し、第1特定入賞口B1001を通過可能となる。このように、本実施形態では、開放状態の第2案内板B1500に途中まで案内されていた球BP2が第2特定入賞口B1002を通過する前に第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられた場合であっても、その球BP2が第1案内板B1300に乗り易いように構成されている。
そのため、球BP2は、当初案内されていた第2特定入賞口B1002とは異なるが、第1特定入賞口B1001に入球することになるので、特別遊技状態において入球前範囲に到達した球からアウト口66(図124参照)へ向かう球(以下、「零れ球」とも称す。)が発生することを抑制することができる。
加えて、球BP2よりも後で傾斜面B1223から落下する球は、球BP2よりも上方(入球前範囲上部)に配置されている状態で第1案内板B1300が開放状態に切り替えられるので、球BP2よりも第1案内板B1300に救われ易い。これにより、第1案内板B1300の状態と第2案内板B1500の状態とを切り替える際に球が第1案内板B1300及び第2案内板B1500の下方に零れる事態が発生する可能性を低減することができる。
なお、ラウンド間インターバルの定義付けについては、種々の態様が例示される。例えば、開放状態とされていた案内板B1300,B1500が閉鎖状態へ切り替えられてから、次に案内板B1300,B1500が開放状態に切り替えられるまでの期間としても良いし、案内板B1300,B1500を駆動するためのソレノイドB1400,B1600に着目し、励磁されていたソレノイドB1400,B1600が非励磁に切り替えられて殻、次にソレノイドB1400,B1600が励磁状態に切り替えられるまでの期間としても良い。
本実施形態では、上述のように、零れ球を抑制可能な長さでラウンド間インターバルが設定される。そのため、ラウンド間インターバルに合わせて球の発射を停止させる遊技態様と、球の発射を停止させずに継続する遊技態様とで、生じる零れ球の数の差を小さくすることができる。従って、遊技者が得られる利益の平等性を高めることができる。
図139において、球BP2以外にも、後発で到達する球が傾斜面B1223から第1案内板B1300に落下する。ここで、突設部B1140,B1211は、上述のように第1案内板B1300の上面を転動する球には当接しないように設計されているが、第1案内板B1300に到達するまで(落下中)には球が突設部B1140,B1211に衝突し得る。
落下中の球と突設部B1140,B1211との衝突により生じる作用について説明する。落下中の球が、ベース板60に近接する側(流下経路の後側部)に配置されるのか、ガラスユニット16(図1参照)側(流下経路の前側部)に配置されるのかは不明であるが、流下経路の前側部に配置される場合の方が、傾斜面B1223に近接配置される突設部B1211と当接し易い。
一方で、球が流下経路の後側部に配置される場合には突設部B1140と当接する可能性が無いわけでは無い。例えば、傾斜面B1223において球同士が衝突し、球の流下速度の左右方向成分が増大した状態で落下する場合には、球は傾斜面B1223から若干離れて配置される突設部B1140とも当接し得る。
このように、落下中の球の前後配置に関わらず、球は突設部B1140,B1211と衝突し得る。突設部B1140,B1211に衝突した球は、突設部B1140,B1211の先端の湾曲に沿って前後方向に変位し反対側の壁面と衝突して跳ねて突設部B1140,B1211に再度衝突し、前後での衝突を複数回繰り返すことになる。
この衝突により球の左右方向の速度が落ち、球の速度は落下方向の成分が主となる。そのため、傾斜面B1223の傾斜方向とは傾斜方向が反対となる案内部材B1310の転動面B1311又は上流側部材B1320の転動面B1321に球が乗って転動する場合であっても、第1特定入賞口B1001へ球が入球されるまでの時間を短くすることができる。
詳述すると、突設部B1140,B1211が省略される場合、傾斜面B1223を通過して第1案内板B1300に乗った球は、転動面B1311又は転動面B1321の傾斜に沿って転動する過程で減速した後、反対側(第1特定入賞口B1001側)へ流下する。
この場合、球は転動面B1311又は転動面B1321に着地してから減速され切るまでの間に第1特定入賞口B1001から遠ざかり、その後、遠ざかった分の距離も含めて流下した後で第1特定入賞口B1001を通過することになる。そのため、傾斜面B1223から落下した球が第1特定入賞口B1001を通過するまでの期間が長くなり易く、特別遊技状態を短時間で消化することが難しかった。
加えて、転動面B1311又は転動面B1321に先に着地した球が第1特定入賞口B1001へ向けて転動する間に、その球の後で傾斜面B1223から落下した球が、先に着地していた球と第1特定入賞口B1001との間に着地する事態が生じ易く、球同士が衝突し、連なって第1特定入賞口B1001に案内され易いので、超過入賞が生じやすかった。
これに対し、突設部B1140,B1211は、球が第1案内板B1300に着地する前に球に当接することで球の左右方向の速度成分を低下させることができるので、球の第1特定入賞口B1001への流下経路を短くすることができると共に、球同士の衝突の発生を抑え、超過入賞の発生を抑えることができる。
このように、突設部B1140,B1211は、可変入賞装置B1000の状態に応じて異なった効果を奏する。即ち、球が傾斜面B1223側から流下するという前提の基で、その傾斜面B1223の傾斜と左右同じ側の傾斜を有する第2案内板B1500の開放状態では、第2案内板B1500に乗り転動する球の流下速度(転動速度)を低下させる減速手段として機能する一方、傾斜面B1223の傾斜と左右反対側の傾斜を有する第1案内板B1300の開放状態では、第1案内板B1300に乗る前の球の流下速度の左右方向成分を低減させ、球の落下方向を鉛直方向に寄せる落下方向調整手段として機能する。
図140を参照して、入球前範囲に到達し転動面B1311,B1321,B1511,B1521を転動する球の流下態様について説明する。
図140(a)及び図140(b)は、入球前範囲において転動する球の移動軌跡を模式的に示す転動面B1311,B1321,B1511,B1521、右上配置傾斜面B1213及び左上配置傾斜面B1214の正面模式図である。
なお、転動面B1311,B1321,B1511,B1521は、入球前範囲に張り出して配置され球を受け止め可能な状態が実線で図示され、入球前範囲の外側(後側)に配置され球を受け止め不能な状態が想像線で図示される。
即ち、図140(a)では、第2案内板B1500の開放状態(図137参照)が図示され、図140(b)では、第1案内板B1300の開放状態(図139参照)が図示される。
図140(a)及び図140(b)では、転動面B1311,B1321,B1511,B1521を転動する球の移動軌跡の説明のために、球の中心BCPの移動軌跡が図示される。即ち、第2案内板B1500の開放状態において転動面B1511,B1521及び左上配置傾斜面B1214を転動する球の中心BCPの移動軌跡が左傾斜軌跡BKL1として左下がりの直線で図示され(図140(a)参照)、第1案内板B1300の開放状態において転動面B1311,B1321及び右上配置傾斜面B1213を転動する球の中心BCPの移動軌跡が右傾斜軌跡BKL2として右下がりの直線で図示される(図140(b)参照)。
ここで、開放状態の第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられ、ラウンド間インターバル(本実施形態では、0.04秒)を空けて第1案内板B1300が開放状態に切り替えられる場合、その間に球の中心BCPは下降変位し得る。その下降変位した後の中心BCPが転動面B1311,B1321及び右上配置傾斜面B1213よりも上側にあれば、開放状態に切り替えられる第1案内板B1300の転動面B1311,B1321の正面側端部を球の下半球部分に潜り込ませることで球を救い上げることができる。そのため、下降変位した後の球の中心BCPの配置と、転動面B1311,B1321との上下関係が重要となる。
ラウンド間インターバル(本実施形態では、0.04秒)における球の下降変位を自由落下として算出し(本実施形態では、約7.84mm)、その分だけ左傾斜軌跡BKL1から下降変位した球の中心BCPが配置され得る軌跡を下降後軌跡BKD1として図示する(図140(a)参照)。同様に、右傾斜軌跡BKL2から下降変位した球の中心BCPが配置され得る軌跡を下降後軌跡BKD2として図示する。
下降後軌跡BKD1,BKD2は、自由落下後の球の中心BCPが配置され得る点を結んだ線として図示される。そのため、自由落下が妨害される範囲である右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214の上方と、それ以外の範囲とでは線の態様が異なる。
即ち、下降後軌跡BKD1,BKD2は、右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214の上方においては右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214と平行に図示され、右上配置傾斜面B1213又は左上配置傾斜面B1214の左右外側においては、若干の連結範囲を挟んで、左傾斜軌跡BKL1又は右傾斜軌跡BKL2から下方にオフセットされた線(本実施形態では、平行な直線)として図示される。
第2案内板B1500が閉鎖状態となってから第1案内板B1300が開放状態とされる状態の切り替えの際、転動面B1311,B1321が球の中心BCPよりも下側に配置される状態で切り替えが行われれば、転動面B1311,B1321の正面側端部を球の下半球部に潜り込ませることができ、球を救い上げることができる。
換言すれば、下降後軌跡BKD1が、転動面B1311,B1321よりも上側に配置されている左右方向配置において、転動面B1511,B1521から落下した球は転動面B1311,B1321に救われ得る。
そのため、本実施形態では、入球前範囲上部(図140(a)において、右上配置傾斜面B1213と左上配置傾斜面B1214との頂点位置よりも右側)に配置される球は漏れなく救い上げ可能とされる一方、入球前範囲下部(図140(a)において、右上配置傾斜面B1213と左上配置傾斜面B1214との頂点位置よりも左側)に配置される球の内、下降後軌跡BKD1と転動面B1321との交差位置よりも左側に配置される球は零れ球になり易い。
特に、入球前範囲において転動する球は左右方向の速度成分を有しているので、第2案内板B1500が閉鎖状態となった後の落下態様は、鉛直方向では無く、鉛直方向の変位と左右方向の変位とが合成された放物線に沿う落下となる。そのため、ラウンド間インターバルにおける下降変位量は上述の通り(本実施形態では、約7.84mm)であるとしても、左右方向の位置は球が転動していた転動面B1511,B1521の傾斜に伴う転動方向(本実施形態では、左方向)に寄るので、鉛直方向で自由落下する場合に比較して、球の中心BCPに対する転動面B1311,B1321の配置は上側に寄ることになり、零れ球が発生し易くなる。
これに対し、本実施形態では上述のように、球が入球前範囲下部に複数個配置されることを防止するよう構成されるので、入球前範囲下部からの球の落下の発生を抑制することができる。これにより、零れ球の発生を抑制することができる。
なお、図140で説明した、約7.84mmだけ下降変位する下降後軌跡BKD1,BKD2は、本実施形態におけるラウンド間インターバルに対応したものであり、ラウンド間インターバルの長短に対応して、変更される。
また、本実施形態では転動面B1511,B1521が正面視で同一直線上に配置されるよう構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。ラウンド間インターバルに対応して変更した下降後軌跡を基に案内板B1300,B1500の設計を変更することで、零れ球がより少ない可変入賞装置を製造することができる。
例えば、ラウンド間インターバルが本実施形態での値(0.04秒)よりも長くなる場合には、下のラインが案内部材B1310,B1510の転動面B1311,B1511よりも下側に配置される可能性があるが、上流側部材B1320,B1520に対する案内部材B1310,B1510の配置を下方にずらすように設計変更する(上流側部材B1320,B1520の下流側端部と、案内部材B1310,B1510の上流側端部との間に段が形成されるようにする)ことで、本実施形態と同様に零れ球を防止する効果を奏する構造とすることができる。
なお、案内部材B1300,B1500の張出側先端部が肉厚に形成されるように図示されているが、正面側へ張り出し変位する際の張出側先端部と球との前後方向当接面積が小さくなるように構成しても良い。これにより、案内部材B1300,B1500と覆設部材B1200の本体部材B1210との間に球が挟み込まれ、停留する事態が発生することを防止し易くすることができる。また、この場合において、図14−2に図示される転動面B1311,B1321,B1511,B1521の配置が、張出側先端部の上縁に対応する。
なお、本実施形態では、零れ球を防止する目的から、ラウンド間インターバルを短く設定したが、零れ球の発生を許容してラウンド間インターバルを長く(例えば、2秒)設定しても良い。また、ラウンド間インターバルが長いラウンド間と、ラウンド間インターバルが短いラウンド間を任意に設定しても良い。
図141は、可変入賞装置B1000付近を示す遊技盤13の部分正面拡大図である。図141に示すように、可変入賞装置B1000の上方には、可変入賞装置B1000と連動して動作可能に構成される振分装置B1800が配置される。可変入賞装置B1000の構成から生じる効果により、振分装置B1800の配置範囲が捻出されている。
即ち、従来でも、第2入賞口640の下方に複数の可変入賞装置を配置することは行われていた。しかし、この場合、複数の可変入賞装置の配置に要する範囲が上下方向に大きくなりがちであり、振分装置B1800のような球の流下に作用する可動機構を配置する範囲を捻出することが難しかった。なお、第2入賞口640を上方に配置して範囲を捻出することも考えられるが、それに伴い、スルーゲート67や、その上流側の釘などの構成の配設自由度の低下を招くことになるので、好ましくはなかった。
これに対し、本実施形態の可変入賞装置B1000は、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002を上下に積むのではなく左右に配置される構成を採用すると共に、第1特定入賞口B1001へ球を案内する右傾斜軌跡BKL2の上下高さと第2特定入賞口B1002へ球を案内する左傾斜軌跡BKL1の上下高さとが同等となる構成を採用することで、複数の特定入賞口B1001,B1002を備える可変入賞装置B1000の上下寸法を抑制することができる。
更に、右傾斜軌跡BKL2と左傾斜軌跡BKL1とが交差し、球の軌跡が部分的に重なるように構成することで、ベース板60(図124参照)とガラスユニット16(図1参照)との間の隙間幅という球1個が通れる程度の前後幅(本実施形態では、約19mm)に遊技領域の少なくとも一部を限定して構成する場合であっても、右傾斜軌跡BKL2及び左傾斜軌跡BKL1の双方の左右方向長さを十分に確保することができる。
なお、本実施形態では、右傾斜軌跡BKL2の上下高さと、左傾斜軌跡BKL1の上下高さとが全域に亘って同等となることで、複数の特定入賞口B1001,B1002を備える可変入賞装置B1000の上下寸法を抑制することができる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、右傾斜軌跡BKL2の少なくとも一部の上下高さと、左傾斜軌跡BKL1の少なくとも一部の上下高さとが同等となるように構成しても良い。即ち、右傾斜軌跡BKL2と、左傾斜軌跡BKL1とが左右非対称な位置で交差しても良いし、右傾斜軌跡BKL2の長さと、左傾斜軌跡BKL1の長さとが異なるように構成しても良い。
振分装置B1800は、左端部がベース板60に回転可能に軸支される板状部材を備え、不図示の機構によって、第2駆動装置B1600(図134参照)の状態切り替えに連動して姿勢変化するように構成される。即ち、第2駆動装置B1600の第2ソレノイドB1610が励磁されると右下がり傾斜の姿勢とされ(図141の想像線部分参照)、第2ソレノイドB1610が非励磁の状態では左下がり傾斜の姿勢とされる(図141の実線部分参照)。
なお、振分装置B1800に第2駆動装置B1600の駆動力を伝達する機構としては、種々の態様が例示されるが、例えば、振分装置B1800の回動先端部からベース板60の背側面を超えて棒状部が突設され、その棒状部と係合する係合部材がベース板60の背面側に左右方向変位可能に配設され、その係合部材が第2駆動装置B1600の直動部材B1620に連結するようにしても良い。この場合において、係合部材が右方に変位するのに伴い、棒状部との係合位置が下方に変位するよう形成される(例えば、正面視左下がりに傾斜する形状から形成される)ことで、第2駆動装置B1600で生じる駆動力により振分装置B1800の姿勢を変化させることができる。
振分装置B1800で分岐する球の流下経路BL1,BL2について説明する。第2駆動装置B1600(図134参照)が非励磁の状態の場合、振分装置B1800が左下がり傾斜の姿勢で維持されるので、球は左側流下経路BL1で流下し易い。
左側流下経路BL1で流下する球は、振分装置B1800よりも左側の範囲に植設される釘を伝って左方へ流下し、釘により設定される分岐点で、球案内受部B1260に入球可能な流路と、傾斜面B1243に到達する流路とに分岐される。
そのため、振分装置B1800よりも左側に植設される釘の配置態様によって、球案内受部B1260への球の向かい易さを設定することができる。なお、本実施形態では、約2:1の比で、傾斜面B1243に到達する流路へ分岐される球と、球案内受部B1260に入球可能な流路へ分岐される球とが振り分けられるように釘の配置態様が設定されている。
従って、本実施形態で例示されるように、球案内受部B1260が、一般入賞口63として構成され賞球個数が3個に設定される場合には、時短中や確変中に振分装置B1800に到達し左側流下経路BL1で3個の球が流下する度に、その内の1個の球が球案内受部B1260に入球し賞球として3個の球が払い出されるので、時短中や確変中における球減りを抑制することができる。
一方、第2駆動装置B1600が励磁されると、振分装置B1800が右下がり傾斜の姿勢とされるので、球は右側流下経路BL2で流下し易い。右側流下経路BL2で流下する球は、傾斜面B1223に到達する。
ここで、可変入賞装置B1000を利用した特別遊技状態の進行について説明する。特別遊技状態では、上述のように、通常時には閉鎖されている第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個(規定個数)入賞するまで)開放される動作が最大15回(15ラウンド)繰り返されるが、各ラウンドで第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002のどちらが開放されるかを種々の態様で設定することができる。なお、以下の説明において、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が開放される状態を、単に「ラウンド」とも称する。
例えば、全てのラウンドにおいて第1特定入賞口B1001が開放されるように設定することも可能であるし、全てのラウンドにおいて第2特定入賞口B1002が開放されるように設定することも可能であるし、第1特定入賞口B1001が開放されるラウンドと第2特定入賞口B1002が開放されるラウンドとを織り交ぜることも可能である。なお、本実施形態では、ラウンドと開放される特定入賞口B1001,B1002との関係が、後述する大当たり種別ごとに予め設定される。
本実施形態では、大当たり種別が後述する大当たりA、大当たりB、大当たりC又は大当たりaである場合、奇数ラウンドにおいて第2特定入賞口B1002が開放され、偶数ラウンドにおいて第1特定入賞口B1001が開放されるように設定される(第1の作動パターン)。即ち、ラウンドが進行するごとに、開放される特定入賞口B1001,B1002が交互に切り替えられる。
この場合、第1の特徴として、遊技状態が特別遊技状態に移行すると、第2ソレノイドB1610が励磁されることで、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられると共に、振分装置B1800が傾倒変位する。
そのため、前後スライド変位という正面視での状態の変化が乏しく状態の切り替えを見逃しやすい変位態様で第2案内板B1500が変位する場合であっても、振分装置B1800が正面視での状態の変化が大きい変位態様で第2案内板B1500の変位と同時に変位することにより、振分装置B1800の状態の切り替えを視認することで、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられたタイミングを見逃す事態の発生を防止し易くすることができる。
第2の特徴として、可変入賞装置B1000へ球が案内される経路が切り替えられることで、第1案内板B1300又は第2案内板B1500の内、開放状態となっている側の上流に配置される傾斜面B1223,B1243に球を着地させることができる。これにより、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の開閉の状態切り替えの際に球の落下を抑制する仕組み(図137及び図139参照)を、毎ラウンドで生じさせることができる。
換言すれば、例えば、複数の連続したラウンドにおいて、傾斜面B1223又は傾斜面B1243の内の片方(例えば、傾斜面B1223)に球が着地する場合、球の入球前範囲上部に球を受け入れる案内板(第2案内板B1500に相当)が開放状態から閉鎖状態に切り替えられ、反対側の案内板(第1案内板B1300に相当)が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ開始される大当たりラウンドの開始時には球の落下を防止し易い。
一方、その次のラウンドは、入球前範囲下部に球を受け入れる案内板(第1案内板B1300に相当)が開放状態から閉鎖状態に切り替えられ、反対側の案内板(第2案内板B1500に相当)が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ開始されるが、開放状態に切り替えられる案内板が球の下方に配置されているわけでは無いので、球の落下を防止し難い。従って、球の落下を抑制する効果を毎ラウンドで生じさせることは難しい。
これに対し、後述する大当たりA、大当たりB、大当たりC又は大当たりaでは、球の流下経路をラウンド毎に左側流下経路BL1と右側流下経路BL2とで交互に切り替えることで、球が着地する傾斜面B1223,B1243をラウンド毎に交互に切り替えることができ、球の落下の抑制効果を毎ラウンドで生じさせることができる。
第3の特徴として、球案内受部B1260に球が案内され得るラウンドと球案内受部B1260に球が案内されないラウンドとを交互に生じさせ、時間が長くなり易いが特定入賞口B1001への入球の他に球案内受部B1260への入球による賞球の払い出しを期待できるラウンドと時間が短くなり易いが球案内受部B1260への入球による賞球の払い出しは期待できないラウンドとを交互に生じさせることができる。
ここで、ラウンド遊技は、規定個数(本実施形態では、10個)の球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入球することで終了する。球の発射間隔の最短時間は一定に制限されており(本実施形態では、0.6秒間隔)、これにより可変入賞装置B1000に規定個数の球が到達し得る最短時間も制限されている。
球が右側流下経路BL2を流下して可変入賞装置B1000に到達する場合、振分装置B1800よりも下流側に流下した球が全て可変入賞装置B1000に到達するので、発射した球を全て第2特定入賞口B1002へ入球させることが可能である。従って、球の発射からラウンド遊技の終了までに要する時間は、第2特定入賞口B1002に入球し得る1個目の球の発射開始から10個目の球が第2特定入賞口B1002に入球するまでの時間となる。
一方、球が左側流下経路BL1を流下して可変入賞装置B1000に到達する場合、振分装置B1800よりも下流側に流下した球が全て可変入賞装置B1000に到達するのではなく、3個に1個の割合で球案内受部B1260に入球し、可変入賞装置B1000の第1特定入賞口B1001には到達しない。
この場合、発射した球を全て第1特定入賞口B1001へ入球させることはできず、規定個数の球を第1特定入賞口B1001に入球させるためには規定個数よりも多くの球を発射することを要する。詳述すれば、規定個数の1.5倍の個数の球を発射することを要する。
従って、球の発射からラウンド遊技の終了までに要する時間は、第1特定入賞口B1001に入球し得る1個目の球の発射開始から15個目の球が第1特定入賞口B1001に入球するまでの時間となる。
このように、規定個数の球を可変入賞装置B1000に到達させるために要する発射球数を、連続するラウンド間で1.5倍異ならせることができるので、ラウンド遊技に要する時間が短いラウンドとラウンド遊技に要する時間が長いラウンドとを生じさせることができる。これにより、大当たり遊技の実行(消化)に要する時間を調整する制御を行い易くすることができる。
また、ラウンド遊技に要する時間が短いラウンドとラウンド遊技に要する時間が長いラウンドとが交互に生じるので、遊技者に対して大当たり遊技が間延びしている印象を与えることを避け易くすることができる。
なお、球案内受部B1260への入球確率は、釘の配設位置の設計変更等により容易に変更することができる。例えば、2球に1球が球案内受部B1260に案内される設計とすれば、左側流下経路BL1で球が流下するラウンド遊技に要する時間を更に延ばすことができる。また、例えば、10球以上に1球が球案内受部B1260に案内される設計とすれば、左側流下経路BL1で球が流下するラウンド遊技に要する時間と右側流下経路BL2で球が流下するラウンド遊技に要する時間との違いを小さくすることができる。
第4の特徴として、球の入球間隔を、第1案内板B1300又は第2案内板B1500が開放状態で維持されている間と、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の状態の切り替えのタイミングと、で変化させ易くすることができる。これにより、大当たり遊技における入球態様が単調になることを防ぐことができると共に、球の払い出しが途切れやすいラウンド間インターバルの前後(本実施形態では直後)に払い出される賞球個数を多くし易くすることができるように構成することができる。
これについて、第2案内板B1500が開放状態で維持され、第2特定入賞口B1002へ球が案内されている状態を例に説明する。この場合、振分装置B1800まで到達した球は、振分装置B1800の傾斜に沿って可変入賞装置B1000の傾斜面B1223に着地し、傾斜面B1223の傾斜に沿って第2特定入賞口B1002へ向けて転動する。
図141に示すように、続々と発射される球は傾斜面B1223の傾斜に沿って第2案内板B1500の上面に着地する。上述のように、第2案内板B1500の開放状態において入球前範囲の内、入球前範囲下部(延設支持部B1212を基準とする下流側部)の流下経路を球が通過するのに0.5秒を要し、入球前範囲上部(延設支持部B1212を基準とする上流側部)の流下経路を通過する場合に突設部間の通過に0.5秒を要するところ突設部B1140,B1211が3本あることから1.0秒を要する。
そのため、図141に示すように、球BP3が第2案内板B1500に乗ってから第2検出センサB1250の開口に到達するまでに(約1.5秒間)、後から発射された2個の球BP4,BP5が第2案内板B1500に容易に乗り得る(発射間隔が0.6秒なので、3個の球BP3,BP4,BP5を発射するのに要する時間は約1.2秒)。また、第2案内板B1500に到達しないまでも、振分装置B1800を超えて傾斜面B1223に到達する球BP6もある。
図141に示す球BP3が、第2案内板B1500の開放状態により構成される大当たりラウンドの規定個数目の入球として第2検出センサB1250に検出された場合、第2案内板B1500は閉鎖状態へ切り替えられ、その後、ラウンド間インターバル(本実施形態では、約0.04秒間)を空けて第1案内板B1300が開放状態へ切り替えられる。
この場合、球BP4,BP5の中心BCPは共に第1案内板B1300よりも上方に配置されているので、第1案内板B1300が開放状態を構成する前に第1案内板B1300の下方に落下することを回避することができる(図140(a)、図140(b)参照)。
第1案内板B1300が開放状態に切り替えられると、球BP4,BP5が第1案内板B1300の傾斜に沿って第1特定入賞口B1001へ向けて流下する。上述した通り、入球前範囲の内、入球前範囲下部(延設支持部B1212よりも下流側)を転動する球との関係においては、突設部B1140及び左右に配置される突設部B1211は、球と当接しないように構成されているので、球BP4,BP5は突設部B1140及び左右に配置される突設部B1211により減速されることなく第1特定入賞口B1001に案内される。
その際、球BP5、球BP4の順で第1特定入賞口B1001を通過する。即ち、第2特定入賞口B1002に近い側の球BP4の方が、第2特定入賞口B1002から離れて配置される球BP5よりも後で第1特定入賞口B1001を通過する。
また、球BP6も、突設部B1140及び左右に配置される突設部B1211と当接することで左右方向の速度成分が低減されるので、第1案内板B1300に着地した後、速やかに第1特定入賞口B1001に入球する。
このように、第2案内板B1500の開放状態から、第1案内板B1300の開放状態に状態が切り替えられた直後において、球BP4,BP5,BP6が短時間で連続して第1特定入賞口B1001に入球し、多量の賞球の払い出しが発生する。
即ち、第2案内板B1500が開放状態で維持されている間は約0.5秒に1個の間隔で球の入球が生じていたが、第2案内板B1500が閉鎖状態に切り替えられ、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられた直後においては、約0.5秒以内に3個の球BP4,BP5,BP6が第1特定入賞口に入球する。これにより、大当たり遊技において球の入球間隔が一定となることに起因する、入球態様や、入球に伴う演出(例えば、第3図柄表示装置81において表示される賞球の払い出し個数を報知する表示演出や、同様の目的で出力される音声出力演出)の単調さを低減し、入球態様や演出に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
また、本実施形態では、第1案内板B1300の状態が切り替えられると共に振分装置B1800の姿勢が切り替えられ、球の流下経路が左側流下経路BL1に切り替えられるので、第1案内板B1300の状態が切り替えられてから振分装置B1800に到達した球が第1案内板B1300に到達するまでに時間が空き易い構成である。
そのため、対策なしでは、賞球の払い出しが途切れ易く、遊技者が、大当たり遊技で得られる賞球が少ないと感じたり、大当たり遊技が間延びしていると感じたりしやすく、遊技者の興趣の低下を招く虞がある。
これに対し、本実施形態によれば、上述のように、第1案内板B1300が開放状態に切り替えられた直後に複数個の球BP4,BP5,BP6が第1特定入賞口B1001に入球されることで、払い出しが予定(予約)される賞球個数を確保している。
そのため、第1案内板B1300の状態が切り替えられてから振分装置B1800に到達した球が第1特定入賞口B1001に入球するまでに払い出される賞球を、球BP4,BP5,BP6の第1特定入賞口B1001への入球に伴う賞球で賄うことができるので、本実施形態のように球の流下経路が長く構成される場合であっても、賞球の払い出しが途切れることを防止することができる。これにより、遊技者が大当たり遊技で得られる賞球が少ないと感じたり、大当たり遊技が間延びしていると感じたりすることを防止することができる。
なお、第1案内板B1300が開放状態とされ、球が左側流下経路BL1を流下する場合、一部の球が球案内受部B1260に入ることになる結果、第1案内板B1300の上面に形成される球の入球前範囲上部に配置される球の個数が2個よりも少ない場合が多くなるので、第1案内板B1300が閉鎖状態に切り替えられた後、第2案内板B1500が開放状態に切り替えられた直後に生じ得る第2特定入賞口B1002への入球に伴う払い出しの増加程度は、球BP4,BP5,BP6等で上述したもの(即ち、第2開閉板B1500が閉鎖状態へ切り替えられた後で、第1開閉板B1300が開放状態に切り替えられた直後に生じ得る第1特定入賞口B1001への入球に伴う払い出しの増加程度)に比較して緩やかになる。
一方で、特定入賞口B1001,B1002の開閉に関わらず、球案内受部B1260への入球が生じ得る。この入球によっても球の払い出しが生じるので、そもそもの課題とした、払い出しの単調さや、ラウンド間インターバルでの球の払い出しの途切れが発生しにくい。
図142を参照して、第11実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図142(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図142(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図142(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図142(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図142(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入球口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりAが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b1参照)。
大当たりAとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、大当たりBが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b2参照)。
大当たりBとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約1160個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりCが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b3参照)。
大当たりCとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約580個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、可変入賞装置B1000は第1の作動パターンで動作する。従って、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も長くなる。
特別図柄1の抽選(第1入球口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b4参照)。
大当たりaとなった場合は、大当たりAの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第1の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜89」の範囲には、大当たりbが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b5参照)。
大当たりbとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、発射分の球を差し引いた増加分として約2100個とされ、大当たり遊技にかかる時間が大当たりaにかかる時間よりも短くなり易くなる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、大当たりcが対応付けられて規定されている(図142(b)の202b6参照)。
大当たりcとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B1000の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者に払い出される賞球は、発射分の球を差し引いた増加分として約2250個とされ、大当たり遊技にかかる時間が大当たりaにかかる時間よりも長くなり易くなる。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、大当たり種別に応じて、可変入賞装置B1000の作動パターンが変化する。この作動パターンの違いにより、大当たりラウンド数を不変とする一方で、払い出し個数と、可変入賞装置B1000に到達したものの第1特定入賞口B1001にも第2特定入賞口B1002にも入球せずにアウト口66へ向かう球(以下、「零れ球」とも称す)の発生頻度と、大当たり遊技に要する時間と、に差を設けることができる。
詳述すれば、球案内受部B1260への入球の有無で賞球個数に差を設けたり、大当たり遊技に要する時間を強制的に長期化したりすることに加え、ラウンド間インターバルにおける零れ球の発生確率に差を設けることができるので、大当たり種別の違いによって大当たり遊技により遊技者が得られる単位時間あたりの利益(時間効率を含めた払い出し個数、遊技効率)に差を設けることができる。
これにより、特別図柄2の抽選(第2入球口640への入球に基づく抽選)での大当たりの内訳に、時間効率よく多量の払い出しを受けられる大当たり(大当たりa)と、時間効率または払い出し個数の少なくとも一方が劣化する大当たり(大当たりb、大当たりc)とを設ける事ができ、大当たりaを獲得した場合に得られる遊技者の利益バランスを良化させることができる。これにより、大当たりaを獲得する確率を大きく維持しても、小さな確率で利益バランスの劣化した大当たりb,cを獲得することになるので、所定時間継続して遊技をする場合の利益バランスの振り幅が大きい遊技機を構成することができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入球口640へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図142(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図142(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図142(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
次いで、図143を参照して、第11実施形態の第1制御例における第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開放パターンについて説明する。図143(a)は、第1の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、図143(b)は、第2の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図であり、図143(c)は、第3の作動パターンの、ラウンドに対応した第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の開閉パターンと、払い出し個数と、遊技効率と、を示した図である。
図143(a)に示すように、第1の作動パターンでは、ラウンドが切り替わるごとに開放される特定入賞口B1001,B1002が交互に切り替えられる。即ち、第2ソレノイドB1610が励磁されるラウンドと第1ソレノイドB1410が励磁されるラウンドとが交互に生じ、球が右側流下経路BL2を流下するラウンドと球が左側流下経路BL1を流下するラウンドとが交互に生じる。
15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数について説明する。なお、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002での超過入賞による払い出し(10個を超える球が入球した場合における超過分の払い出し)個数は考慮しない。
まず、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球により15個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数が10個となっているので、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、2100個(=(ラウンド数×規定個数×(払い出し個数−1))=(15×10×(15−1)))となる。
次に、偶数ラウンドでは、球案内受部B1260への入球により3個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数である10個の球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へ入球することに対して、球案内受部B1260へは5個の球の入球が期待できるので、球案内受部B1260への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、70個(=(ラウンド数×期待個数×(払い出し個数−1))=(7×5×(3−1)))となる。
そのため、第1の作動パターンで第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002が開閉する15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数は2170個となる。
15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間について、発射球数を基に説明する。なお、0.6秒間隔で球を発射し続ける遊技態様を前提とする。
奇数ラウンドでは、発射した球が全て第2特定入賞口B1002へ入球することが期待できるので、規定個数(本実施形態では、10個)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、6秒(=球数×発射間隔=10×0.6)となる。
一方、偶数ラウンドでは、発射した球の内、3球に2球が第1特定入賞口B1001へ入球することが期待できるので、15個(=規定個数×3/2=10×3/2)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、9秒(=球数×発射間隔=15×0.6)となる。
ここから、15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間が111秒(=奇数ラウンドの数×6+偶数ラウンドの数×9=8×6+7×9)と算出される。
第1の作動パターンによれば、上述の説明から、零れ球の発生は0個に抑えられるので、遊技効率を、約19.5[個/秒](=(賞球個数−零れ球数)/遊技時間=(2170−0)/111)と算出することができる。
図143(b)に示すように、第2の作動パターンでは、ラウンド遊技において開放されるのが、第2特定入賞口B1002に固定される。即ち、第2ソレノイドB1610が励磁されるラウンドのみで構成され第1ソレノイドB1410は非励磁の状態で維持されるので、球が右側流下経路BL2を流下するラウンドのみが生じ、球が左側流下経路BL1を流下するラウンドが生じない。
15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数について説明する。なお、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002での超過入賞による払い出し(10個を超える球が入球した場合における超過分の払い出し)個数は考慮しない。
まず、第2特定入賞口B1002への入球により15個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数が10個となっているので、第2特定入賞口B1002への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、2100個(=(ラウンド数×規定個数×(払い出し個数−1))=(15×10×(15−1)))となる。
次に、球の流下が右側流下経路BL2に限定される関係上、球案内受部B1260への入球は生じない。従って、球案内受部B1260の入球に関する球の増加個数は0個である。
そのため、第2の作動パターンで第2特定入賞口B1002が開閉する15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数は2100個となる。
15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間について、発射球数を基に説明する。なお、0.6秒間隔で球を発射し続ける遊技態様を前提とする。
第2の作動パターンでは、球が球案内受部B1260に入球しないので、発射した球が全て第2特定入賞口B1002へ入球することが期待できるので、規定個数(本実施形態では、10個)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、6秒(=球数×発射間隔=10×0.6)となる。
ここから、15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間が90秒(=ラウンドの数×6=15×6)と算出される。
第2の作動パターンによれば、零れ球の発生を無くすことは困難である。仮に、ラウンド間で平均2個の零れ球が発生すると想定すると、零れ球の総数は28[個](=2×14)となる。この場合、遊技効率を、約23.0[個/秒](=(賞球個数−零れ球数)/遊技時間=(2100−28)/90)と算出することができる。
図143(c)に示すように、第3の作動パターンでは、ラウンド遊技により開放されるのが第1特定入賞口B1001に固定される。即ち、第1ソレノイドB1410が励磁されるラウンドのみで構成され第2ソレノイドB1610は非励磁の状態で維持されるので、球が左側流下経路BL1を流下するラウンドのみが生じ、球が右側流下経路BL2を流下するラウンドが生じない。
15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数について説明する。なお、第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002での超過入賞による払い出し(10個を超える球が入球した場合における超過分の払い出し)個数は考慮しない。
まず、第1特定入賞口B1001への入球により15個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数が10個となっているので、第1特定入賞口B1001への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、2100個(=(ラウンド数×規定個数×(払い出し個数−1))=(15×10×(15−1)))となる。
次に、球案内受部B1260への入球により3個の賞球の払い出しがあり、各ラウンドの規定個数である10個の球が第1特定入賞口B1001へ入球することに対して、球案内受部B1260へは5個の球の入球が期待できるので、球案内受部B1260への入球に関して、発射球分を差し引いた増加個数は、150個(=(ラウンド数×期待個数×(払い出し個数−1))=(15×5×(3−1)))となる。
そのため、第3の作動パターンで第1特定入賞口B1001が開閉する15ラウンドの大当たりにおいて、払い出しにより増加が期待される賞球の個数は2250個となる。
15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間について、発射球数を基に説明する。なお、0.6秒間隔で球を発射し続ける遊技態様を前提とする。
各ラウンドにおいて、発射した球の内、3球に2球が第1特定入賞口B1001へ入球することが期待できるので、15個(=規定個数×3/2=10×3/2)の球を発射すれば大当たり遊技を終了させることができる。そのため、発射球数を基に必要となる遊技時間は、9秒(=球数×発射間隔=15×0.6)となる。
ここから、15ラウンドの大当たりを終了するまでにかかる遊技時間が135秒(=ラウンドの数×9=15×9)と算出される。
第3の作動パターンによれば、零れ球の発生を無くすことは困難である。仮に、ラウンド間で平均2個の零れ球が発生すると想定すると、零れ球の総数は28[個](=2×14)となる。この場合、遊技効率を、約16.5[個/秒](=(賞球個数−零れ球数)/遊技時間=(2250−28)/135)と算出することができる。
従って、15ラウンドの大当たり遊技を実行する場合であっても、それに要する時間や、払い出し賞球個数が異なる。即ち、大当たり遊技が第3の作動パターンで実行される場合の方が、第1の作動パターンで実行されるよりも大当たり遊技に必要な遊技時間が長くなり、第1の作動パターンで実行される場合の方が、第2の作動パターンで実行されるよりも大当たり遊技に必要な遊技時間が長くなる。
また、大当たり遊技が第3の作動パターンで実行される場合の方が、第1の作動パターンで実行されるよりも払い出し賞球個数が多くなり、第1の作動パターンで実行される場合の方が、第2の作動パターンで実行されるよりも払い出し賞球個数が多くなる。
更に、上記定義における遊技効率に着目すると、大当たり遊技が第2の作動パターンで実行される場合の方が、第1の作動パターンで実行されるよりも遊技効率が高くなり(23.0>19.5)、第1の作動パターンで実行される場合の方が、第3の作動パターンで実行されるよりも遊技効率が高くなる(19.5>16.5)。
このように、本実施形態によれば、特別図柄2の大当たりのラウンド数は同等としながら、賞球個数や遊技時間が異なるように設定することができる。遊技効率も含めた対比によれば、第1の作動パターンが、第2,第3の作動パターンとの比較において、常に中位の性能を発揮する、バランスの取れた作動パターンであるといえる。
本実施形態によれば、特別図柄1の大当たりでは、大当たり種別に関わらず可変入賞装置B1000が第1の作動パターンで制御されるので、零れ球の発生を極力抑えることができる。特別図柄1の大当たりの時は、遊技者の持ち球が少ないため、遊技者は1個でも球を増加させたいと欲している。零れ球は、確実に無駄球になる球であるので、特別図柄1の大当たりにおける零れ球の発生は、特に遊技者を落胆させる。一方で、本実施形態によれば、特別図柄1の大当たりにおける零れ球の発生を極力抑えることができるので、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一方、特別図柄2の大当たりでは、第1の作動パターンの他に、第1の作動パターンに比較して大当たり遊技に要する時間が短くなる第2の作動パターンと、第1の作動パターンに比較して賞球個数が多くなる第3の作動パターンと、が追加される。
これにより、獲得した大当たりの大当たり種別ごとに得られる利益を若干変更させることができるので、大当たり種別に関わらず作動パターンが変化しない場合に比較して大当たり遊技が単調になることを回避することができる。
第2の作動パターン及び第3の作動パターンでは、零れ球の発生を抑えることは難しいが、特別図柄2の大当たりは、特別図柄1の大当たりを経て獲得するものであるので、遊技者は既にまとまった賞球の払い出しを得ている。そのため、零れ球の発生に対する落胆の程度を下げることができ、零れ球の発生により遊技者の興趣が下がる程度を低減することができる。
図144から図157を参照して、第12実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の案内板B1300,B1500が前後方向にスライド移動して開放状態を構成する場合を説明したが、第12実施形態における可変入賞装置B2000は、開閉板B2300及び開閉棒B2500が所定の回転軸を中心に回転移動して開放状態を構成可能である。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図144は、第12実施形態における遊技盤13の正面図である。第12実施形態では、遊技領域の構成部が左右対称に構成され、遊技者は、常時、左打ち遊技を行うか、右打ち遊技を行うかを、任意に選択可能とされ、その選択により生じる不利益が少なくなるように構成されている。可変入賞装置B2000は、遊技領域の左右中央下部に配置される。
図145、図146及び図147は、可変入賞装置B2000の正面斜視図である。図145では、開閉板B2300及び開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図146では、開閉棒B2500の閉鎖状態および開閉板B2300の開放状態が図示され、図147では、開閉棒B2500の開放状態および開閉板B2300の閉鎖状態が図示される。
なお、図145、図146及び図147では、視認性を良くして理解を容易とするために、覆設部材B2200の本体部材B2210が外形を除き透明に図示され、その背面側の形状を視認可能に図示される。
可変入賞装置B2000は、発射され可変表時装置ユニット80の左右側を流下する球の内、上面に備える傾斜面B1223,B1243に到達した球のほぼ全てを第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間の範囲(流路構成範囲、入球前範囲)に案内可能に構成される。
図148は、可変入賞装置B2000の分解正面斜視図であり、図149は、可変入賞装置B2000の分解背面斜視図である。可変入賞装置B2000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B2100と、その基礎部材B2100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B2200と、それら本体部材B2100と覆設部材B2200との間に挟まれることで軸支される開閉板B2300と、その開閉板B2300を駆動する第1駆動装置B2400と、本体部材B2100と覆設部材B2200との間に挟まれることで軸支される開閉棒B2500と、その開閉棒B2500を駆動する第2駆動装置B2600と、基礎部材B2100に背面側から組み付けられ第1駆動装置B2400及び第2駆動装置B2600を背面側から覆うように構成される後カバー部材(図示せず)と、を主に備える。後カバー部材は、排出口B1150から排出された球が通過する貫通孔である排出部を備え、その排出部から排出された球は、図示しない球排出路へと案内される。
基礎部材B2100は、第1実施形態で説明した基礎部材B1100と比較して貫通形成部B1120及び案内口B1160を備えていない代わりに、他の構成部を備える。即ち、基礎部材B2100は、詳細については上述した部分として、一対の保持孔B1130と、複数の突設部B1140と、一対の排出口B1150と、を備える。
また、基礎部材B2100は、新たに説明する部分として、遊技盤の正面側に配置される横長矩形の薄板から形成される薄板部材B2110と、その薄板部材B2110に正面から背面側へ向けて凹設され開閉板B2300の軸部B2320を収容し部分的に貫通形成される第1収容部B2111と、薄板部材B2110に正面から背面側へ向けて凹設され開閉棒B2500の軸部B2511,B2521を収容し部分的に貫通形成される第2収容部B2115と、薄板部材B2110の背面側へ突設され第1駆動装置B2400の動力伝達部材B2430を支持する回転支持部B2170と、薄板部材B2110の背面側に形成され第2駆動装置B2600の従動回転部材B2630及び伝達下流部材B2640の変位を案内する案内支持部B2180と、を主に備える。
第1収容部B2111は、開閉板B2300の軸部B2320が収容される左右一組の支持凹部B2112と、その支持凹部B2112の間を繋ぐ直線の下方において矩形状に凹設される矩形凹部B2113と、その矩形凹部B2113の右端に沿って動作する開閉板B2300の被荷重部B2330を薄板部材B2110の前後に移動させるために一対の支持凹部B2112を繋ぐ直線に対して垂直な方向に沿う矩形形状で貫通形成される貫通孔B2114と、を主に備える。
支持凹部B2112は、左右で構造が異なる。右側の支持凹部B2112は、開閉板B2300の軸部B2320よりも若干大きな幅で正面側から背面側へ向けて凹設形成され、組立状態において、開閉板B2300の軸部B2320が収容され、覆設部材B2200の背面によって凹設開口が閉鎖される。即ち、支持凹部B2112と覆設部材B2200の背面とで開閉板B2300が軸支される。
これに対し、左側の支持凹部B2112は、開閉板B2300の軸部B2320よりも若干大きな幅で背面側から正面側へ向けて凹設形成され、組立の際には、開閉板B2300の軸部B2320が矩形凹部B2113側から斜めに差し込まれる態様で収容される。即ち、支持凹部B2112の正面側底部と、矩形凹部B2113の端部とで開閉板B2300が軸支される。
矩形凹部B2113は、開閉板B2300の板部B2310よりも表面積が大きくされ、その凹設長さは板部B2310の板厚よりも若干長くされる。これにより、開閉板B2300が傾倒する姿勢(閉鎖状態)において、板部B2310を完全に矩形凹部B2113に収容でき、薄板部材B2110の正面側に開閉板B2300が張り出すことを防止できる。
第2収容部B2115は、開閉棒B2500の軸部B2511,B2521が収容される左右一対の支持凹部B2116と、その支持凹部B2116の左右内側において開閉棒B2500の軸部B2511,B2521の軸方向に直交する平面に沿う長孔状に開口形成される開口部B2117と、を主に備える。
支持凹部B2116は、非貫通凹部として形成され、開閉棒B2500の軸部B2511,B2521よりも幅が若干大きく形成され、組立状態において、開閉棒B2500の軸部B2511,B2521が収容され、覆設部材B2200の背面によって凹設開口が閉鎖される。即ち、支持凹部B2116と覆設部材B2200の背面とで開閉棒B2500が軸支される。
詳述すれば、左アーム部B2510の軸部B2511は左側延設部B1240の背側面と支持凹部B2116とにより軸支され、右アーム部B2520の軸部B2521は右側延設部B1220に配設される庇部B2271の背側面と支持凹部B2116とにより軸支される。
開口部B2117は、開閉棒B2500の開閉部B2513の短手方向幅よりも短手方向幅が若干長く形成され、開閉棒B2500の開放状態において開閉部B2513が進入可能となるように構成される。本実施形態では、開閉棒B2500の開放状態(下降位置の状態)において、開閉部B2513を完全に開口部B2117に収容できることで、開閉棒B2500の回動角度を大きく確保し易くすることができる。なお、縦長の開口の途中位置から支持凹部B2116の反対側へ延びる切り欠きは左アーム部B2510の作用部B2512を背面側へ通す開口部として機能する。
回転支持部B2170は、動力伝達部材B2430を回転可能に軸支する軸部B2171と、その軸部B2171と同軸の円形状または円弧形状に沿って薄板部材B2110の背面側へ均等な突設高さのリブ状に形成される円形リブB2172と、を主に備える。
円形リブB2172は、動力伝達部材B2430の回転先端部B2436と、薄板部材B2110の背面との間隔を一定距離以上に維持する。即ち、動力伝達部材B2430の動作中において、回転先端部B2436と当接する全角度範囲において、円形リブB2172が形成される。
案内支持部B2180は、軸部B2171と平行かつ同様の形状で突設され第2駆動装置B2600の従動回転部材B2630を回転可能に軸支する軸部B2181と、その軸部B22181の左側において上下方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条B2182と、を備える。案内突条B2182は、一対が平行に並設されており、後述する伝達下流部材B2640の上下変位を案内可能に構成されている。
覆設部材B2200は、第1実施形態で説明した覆設部材B1200と比較して球案内受部B1260を備えていない代わりに、他の構成部を備える。即ち、覆設部材B2200は、詳細については上述した部分として、右側延設部B1220と、第1検出センサB1230と、左側延設部B1240と、第2検出センサB1250と、を備える。
また、覆設部材B2200は、新たに説明する部分として、基礎部材B2100の薄板部材B2110から正面側に所定距離離れて配設される板状の本体部材B2210と、右側延設部B1220の延設先端部から左側延設部B1240側へ突条状に延びる蓋板部B2270と、を主に備える。
本体部材B2210と、右側延設部B1220の正面視左側壁部と、左側延設部B1240の正面視右側壁部と、基礎部材B2100の薄板部材B2110と、で囲まれる範囲(入球前範囲)を球が流下可能に構成される。
本体部材B2210は、背面側において球の流下経路に向けて背面側へ突設される複数の突設部B2211と、開閉棒B2500の回転軸線の傾斜に沿う長尺矩形状に開口形成される長尺開口部B2215と、を備える。
突設部B2211は、機能としては上記各実施形態で記載の突設部B1211と同様であるが、本実施形態では、長尺開口部B2215からは突設形成することができないことと、開閉棒B2500との衝突を回避する必要性とに起因して、形状が異なる。
即ち、突設部B2211は、球の流下経路側を向く側面の外形が、突設部B1140の形状と同等とすることで球を減速させる効果を維持しながら、長尺開口部B2215側を向く側面に、連結部B2530の変位軌跡から若干離れて形成される湾曲面B2212が形成され、長尺開口部B2215よりも上側の部分から下方へ延びる下方延設部B2213が形成される。
突設部B2211の突設長さは、突設部B1140の突設長さと同等とされる。また、開放状態における開閉板B2300又は開閉棒B2500を転動する球の中心からの下端部の高さ位置は、突設部B1140と突設部B2211とで同等とされる。従って、開閉板B2300又は開閉棒B2500を転動する球の前後方向の蛇行程度を同程度とすることができるので、高い減速効果を生じさせることができる。
このように、当接位置を球の中心からずらし、突設部B2211の前後方向の突設長さを長くすると共に上下方向の形成長さを短くすることによって、連結部B2530の変位軌跡の外側に突設部B2211を形成し易くすることができる。
本実施形態では、湾曲面B2212を連結部B2530の変位軌跡から離すための逃げとして構成し、若干隙間を空けたが、連結部B2530と当接可能となるように湾曲面B2212を形成しても良い。即ち、連結部B2530の変位軌跡の後縁部に沿って湾曲面B2212を形成するように設計しても良い。
この場合、湾曲面B2212により連結部B2530の変位を案内することができ、連結部B2530の変位を安定化させることができると共に、開閉棒B2500の閉鎖状態における連結部B2530の後方への変位を湾曲面B2212により規制することができる。
従って、例えば、支持位置において隙間が大きくなっており開閉棒B2500の配置が不安定な場合であっても、開閉棒B2500が閉鎖状態の場合に連結部B2530が後方へ変位し、入球前範囲に張り出すことを防止することができる。これにより、球の流下が阻害されることを防止することができる。
下方延設部B2213は、長尺開口部B2215の外側に突設部B2211の基端部を形成するための部分として機能しており、下方延設部B2213により、突設部B2211を正面視で長尺開口部B2215の内側まで張り出させることができる。
下方延設部B2213は、長尺開口部B2215の上方から垂れる形状とされ、開閉棒B2500の閉鎖状態における連結部B2530の上方および後方を部分的に塞ぐよう構成される。そのため、連結部B2530に球が流下する場合であっても、連結部B2530に衝突する前に下方延設部B2213に衝突させることで、連結部B2530に負荷が与えられることを防止することができる。
なお、図145に示す構成に加えて、下方延設部B2213の形状部のみを長尺開口部B2215の上部に左右に密に並ぶように配置しても良い。これにより、減速の程度は維持しながら、連結部B2530への球の衝突を防止するための下方延設部B2213の形成範囲を広げることができるので、連結部B2530に負荷が与えられることを高確率で防止することができる。
長尺開口部B2215は、開閉棒B2500の連結部B2530が進入可能な形状から形成される。即ち、開閉棒B2500の連結部B2530の移動軌跡を避ける形で開口の形状が設計されている。
本体部材B2210は、光透過性の材料から形成される。従って、遊技者は、入球前範囲を流下する球を視認可能となる。なお、本体部材B2210の態様はこれに限られるものでは無く、部分的に不透過に構成されても良く、その他、上述した本体部材B1210と同様の工夫を施しても良い。
また、本実施形態によれば、長尺開口部B2215を通して本体部材B2210の背面側を視認することができるので、本体部材B2210が光不透過に構成されていても、入球前範囲を流下する球を視認し易くすることができる。
右側延設部B1220は、第1実施形態とほぼ同等の構成を備えているが、開閉板B2300の動作実現のために、突条支持部B1225は形成していない(省略している)。左側延設部B1240は、第1実施形態とほぼ同等の構成を備えているが、突条支持部B1245は形成していない(省略している)。
蓋板部B2270は、基礎部材B2100の支持凹部B2116を正面側から閉塞可能となる位置に形成され、開閉棒B2500の軸部B2521の脱落を防止する部分である。即ち、開閉棒B2500の軸部B2521は、支持凹部B2116と蓋部材B2270によって支持される。
開閉板B2300は、姿勢の違いにより、球を第1検出センサB1230へ向けて転動させる場合と、球と当接せず下方へ落下させる場合とを切り替える部材であって、横長矩形状の板部B2310と、その板部B2310の短手方向端部から長手方向に沿って突設される一対の軸部B2320と、正面視右側の軸部B2320の根本において軸部B2320と直角な平面に沿って延設される被荷重部B2330と、を主に備える。
板部B2310は、上昇姿勢(開放状態、図146参照)において球が転動する転動面B2311を備え、短手方向の長さが、短手方向を前後方向に沿わせる上昇姿勢(開放状態)において覆設部材B2200との間隔が球の半径以下となる長さとされ、長手方向の右端部が、第1検出センサB1230と近接する態様とされる。
また、板部B2310は、軸部B2320の反対側の端部の、上昇姿勢(開放状態)における上側の角部に断面円弧形状に面取りされる面取り部B2312を備える。
板部B2310は、左右方向に長尺の平板状に形成され、球を横並びで5個まで載置可能な長さとされる。
被荷重部B2330は、転動面B2311の正面側に延設される円弧形状の入球防止部B2331と、その入球防止部B2331の軸部B2320側端部から延設される介在伝達部B2332と、その介在伝達部B2332から背面視右側(動力伝達部材B2430が配設される側)に突設される係合部B2333と、を主に備える。
係合部B2333は、動力伝達部材B2430の動作軌跡に進入する位置まで延設され、上面部に円弧形状に面取りされる面取り部B2333aを備える。動力伝達部材B2430との当接時には、角部ではなく面取り部B2333aが動力伝達部材B2430と当接するので、係合部B2333と動力伝達部材B2430との当接時における応力の集中を避けることができる。
第1駆動装置B2400は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第1ソレノイドB2410と、その第1ソレノイドB2410の可動部材の先端に配設される正面視H形状(上下にそれぞれ凹部を備える形状)の先端部材B2420と、基礎部材B2100の軸部B2171に回転可能に軸支され回転により開閉板B2300に負荷を与える動力伝達部材B2430と、を主に備える。
先端部材B2420は、その上側の凹部が、動力伝達部材B2430の突設ピンB2433を収容可能な形状で構成される。詳細には、動力伝達部材B2430が回転動作する間中、突設ピンB2433を内側に収容したままにする形状で凹部が形成される(図151(c)参照)。
動力伝達部材B2430は、円板形状の本体部B2431と、その本体部B2431から軸径方向に延設される延設部B2435と、を主に備える。
本体部B2431は、軸部B2171が挿通される支持孔B2432と、外周部付近から支持孔B2432の穿設方向と平行に突設される突設ピンB2433と、を主に備える。
突設ピンB2433は、先端部材B2420に係合する部分であり、第1ソレノイドB2410の励磁の切替により先端部材B2420が直線動作することに伴い、突設ピンB2433が変位し、動力伝達部材B2430が回転動作する。
延設部B2435は、延設先端部分に支持孔B2432の中心と同軸の円弧形状から形成される回転先端部B2436と、その回転先端部B2436から正面側に突設される押込部B2437と、を備える。
開閉棒B2500は、基礎部材B2100の薄板部材B2110に対して一方端部が揺動可能に支持されると共に前面側において左右方向に離間する左右一対のアーム部B2510,B2520と、それら一対のアーム部B2510,B2520の枢支端部と反対側に位置する他方端部とを連結する連結部B2530と、を備え、略コ字状に形成される。
開閉棒B2500は、アーム部B2510,B2520が揺動した際に、薄板部材B2110の前面側において連結部B2530が薄板部材B2110に対して近接および離間するように構成され、アーム部B2510,B2520は、開閉棒B2500の開放状態において薄板部材B2110側に位置する上端部(一方端部)に、相互に離間する方向へ突出するよう左右の軸部B2511,B2521が形成されて、軸線が正面視左下がりに傾く姿勢で左右の軸部B2511,B2521が薄板部材B2110の支持凹部B2116(図148参照)に支持されている。
連結部B2530は、一対のアーム部B2510,B2520の枢支端部側(薄板部材B2110に枢支される一方端部側)を向く面に、長手方向に沿って延在するように設けられる転動面B2531を備える。
なお、以下の説明では、左側のアーム部を左アーム部B2510と称し、右側のアーム部を右アーム部B2520と称して、区別する場合がある。
左アーム部B2510は、図145に示すように、第2特別入賞口B1002の開口縁に隣接して位置するように設けられ、薄板部材B2110の開口部B2117を通して左アーム部B2510の後端部が薄板部材B2110の後側に突出するよう構成されている。
左アーム部B2510において薄板部材B2110の後側に突出する位置に作用部B2512が設けられており、その作用部B2512が第2駆動装置B2600の伝達下流部材B2640に前側から差し込み可能に構成されている。
これにより、第2ソレノイドB2610の駆動(励磁)に伴って開閉棒B2500が開放状態および閉鎖状態に変位可能(揺動可能)に構成されている。なお、開閉棒B2500の開放状態および開閉状態の詳細については後述する。
ここで、開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態に揺動する際には、軸部B2511,B2521を中心として連結部B2530が下方へ移動しつつ薄板部材B2110に近接移動し、反対に開放状態から閉鎖状態に揺動する際には、軸部B2511,B2521を中心として連結部B2530が薄板部材B2110から離間しつつ上方へ移動するようになっている(図154及び図155参照)。即ち、開閉棒B2500は、開放状態から閉鎖状態に変位する際に、転動面B2531に乗っていた球を下方へ通過させるように揺動するよう構成されている。
ここで、図151(b)及び図152(b)に示すように、一対のアーム部B2510,B2520は、それら一対のアーム部B2510,B2520及び連結部B2530で囲まれる領域を球が通過し得るよう、連結部B2530を薄板部材B2110から離間させ得る長さ寸法で形成されている。
そして、閉鎖状態では、薄板部材B2110との間を球が通過し得るよう連結部B2530を薄板部材B2110から前方へ離間させる一方、開放状態では、薄板部材B2110との間を球が通過不能となるよう連結部B2530を閉鎖状態よりも薄板部材B2110の前方へ近接させるよう構成されている。
即ち、開閉棒B2500は、一対のアーム部B2510,B2520の揺動に伴って連結部B2530が薄板部材B2110の前面側で前後動することで閉鎖状態と開放状態とが切り替えられ、閉鎖状態において、薄板部材B2110との間を球が通過し得るよう連結部B2530が薄板部材B2110の前方に離間して、一対のアーム部B2510,B2520及び連結部B2530により囲まれる領域を球が下方へ通過することを許容する一方、開放状態において、薄板部材B2110との間を球が通過不能となるよう連結部B2530が薄板部材B2110の前方に位置して球を受け止めるよう構成されている。
また、図145に示すように、開閉棒B2500が閉鎖状態にある場合には、第2特定入賞口B1002の開口右側に左アーム部B2510の一部が位置して第2特定入賞口B1002への球の入球を防止すると共に、開閉棒B2530が開放状態にある場合には、第2特定入賞口B1002の開口右側から後方へ左アーム部B2510が退避して第2特定入賞口B1002への球の入球を許容するよう構成されている。
即ち、開閉棒B2500が閉鎖状態および開放状態に切り替えられるのに伴い、第2特定入賞口B1002は、左アーム部B2510により開閉されるようになっている。そこで、以下の説明では、左アーム部B2510において第2特定入賞口B1002を開閉する部分を開閉部B2513と称する。
即ち、開閉棒B2500は、第2特定入賞口B1002に球を入球不能に閉鎖する開閉部B2513を転動面B2531の左右方向の傾斜下端側に備え、開閉棒B2500が上昇位置に配置される閉鎖状態において、開閉部B2513が第2特定入賞口B1002を閉鎖し、開閉棒B2500が下降位置に配置される開放状態において、開閉部B2513が第2特定入賞口B1002を開放するよう構成されている。
本実施形態では、開閉部B2513を後方に向かって凹となる湾曲形状(断面J字形状)に形成することで、開放状態において第2特定入賞口B1002の開口と重ならないよう、左アーム部B2510が後方へ退避するよう構成されている。
なお、開閉部B2513により第2特定入賞口B1002が閉鎖された状態において、球が入球し得ない開口幅で第2特定入賞口B1002の一部は開口する(開口方向から隠されない)よう構成してあるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2特定入賞口B1002の開口右側が開閉部B2513で完全にふさがれる構成としても良い。
また、開閉部B2513は、第2特定入賞口B1002と反対側を向く右側面が前縁側に近づくにつれて第2特定入賞口B1002側に傾斜する傾斜面状に形成されて、開閉棒B2500が開放状態から閉鎖状態に状態切り替えした際に、第2特定入賞口B1002の開口に近接する位置で、第2特定入賞口B1002と転動面B2531上の球との間に開閉部B2513を差し込ませ得るようになっている。
即ち、前記開閉部B2513を傾斜面状に形成することで、第2特定入賞口B1002に入球する間際の球(第2検出センサB1250で検出される間際の球)を第2特定入賞口B1002から押し戻し得るようになっている。
また、開閉棒B2500が開放状態にある場合に、開閉部B2513の一部が薄板部材B2110の前側に突出すると共に、転動面B2531より上方に位置するよう構成されており(図153(d)参照)、薄板部材B2110に接した状態で転動面B2531を転動する球が開閉部B2513に接触するようになっている。
従って、薄板部材B2110に接した状態で転動面B2531を転動する球が、転動面B2531の左右方向の傾斜下端部において開閉部B2513に接触することで、開閉部B2513の傾斜に沿って球を薄板部材B2110から離間させて、第2特定入賞口B1002の開口の中心に球を誘導し得るようになっている。
このように、開閉部B2513は、第2特定入賞口B1002に入球する間際の球を押し戻すように機能している一方で、転動面B2531を転動する球を薄板部材B2110から離間させて第2特定入賞口B1002に誘導する誘導面としても機能している。
右アーム部B2520は、左アーム部B2510と略同等の湾曲形状(J字形状)で形成されており、連結部B2530との接続端部(他方端部)に錘部B2522が設けられており、開閉棒B2500を閉鎖状態から開放状態へ向けて付勢するように構成されている。
即ち、開閉棒B2500において、薄板部材B2110に枢支される軸部B2511,B2521から離間する端部側に錘部B2522を設けることで、開閉棒B2500を閉鎖状態から開放状態へ速やかに変位させ得ると共に、開放状態における開閉棒B2500の安定性を錘部B2522により高めて、到達した球が転動面B2531に接触した際の衝撃により開閉棒B2500が開放状態から閉鎖状態へ向けて変位するのを防止(抑制)し得るよう構成されている。
錘部B2522は、図148に示すように、右側方へ開口する円筒状の錘固定部B2522aの側方開口から金属製の錘部材B2523を嵌入固定することで形成されている。
錘部B2522は、開閉棒B2500の閉鎖状態において覆設部材B2200の長尺開口部B2215の上縁よりも下方に配置され、本体部材B2210の後側面よりも前側に位置するよう設けられ、更に、蓋板部B2270の庇部B2271の下方に位置するよう設けられており、流下する球が錘部B2522に接触するのを防止している。
即ち、覆設部材B2200には、薄板部材B2110の前面側で錘部B2522の移動範囲の上方に、錘部B2522に対する球の接触を防止する庇部B2271が設けられており、流下する球が錘部B2522に接触して開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態へ向けて付勢されるのを防ぐようになっている。
連結部B2530は、軸部B2511,B2521の軸線と平行に延在する棒状に形成されており(図148参照)、開閉棒B2500が基礎部材B2100に支持された状態で、連結部B2530の左端部が右端部より下側に位置して左下がりに傾斜するよう構成されている。
そして、連結部B2530において、一対のアーム部B2510,B2520の枢支端側を向く面(開放状態において上側を向く面)に転動面B2531が形成されており、開閉棒B2500の開放状態において連結棒B2530に受け止められた球を、左右方向の傾斜下端となる左端部へ向けて転動させ得るようになっている。
ここで、開閉棒B2500の開放状態において転動面B2531の左端部は、第2特定入賞口B1002の開口下端部と略整合する高さ位置に位置するよう構成されており、転動面B2531上の球を第2特定入賞口B1002へ向けて転動させ得るよう構成されている。
即ち、転動面B2531は、開閉棒B2500の開放状態において第2特定入賞口B1002へ向かう球の流路の下流側へ下方傾斜するよう開閉棒B2500に設けられており、下方への通過を連結部B2530で規制された球を第2特定入賞口B1002へ向けて転動させるようになっている。
また、開放状態において、連結部B2530は球の直径より狭い間隔で薄板部材B2110の前側に離間するよう構成されており(図152(b)参照)、開閉棒B2500を閉鎖状態へ向けて変位させることで、連結棒B2530と薄板部材B2110との間の間隔を球の直径以上の間隔に速やかに拡大して転動面B2531上の球を下方へ落下させ得るようになっている。
また、図145に示すように、開閉棒B2500が閉鎖状態にある場合には、覆設部材B2200の長尺開口部B2215の上縁を形成する上縁部B2216に連結部B2530が当接するよう構成されており、閉鎖状態での転動面B2531の少なくとも一部が上縁部B2216に対向するようになっている。
本実施形態では、閉鎖状態において連結部B2530の全長が上縁部B2216に当接するよう構成されている。即ち、閉鎖状態における転動面B2531に対して上方から流下する球が接触しないよう構成されており、球との接触により開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態に変位されるのを防止している。
また、図152(a)に示すように、転動面B2531は、開放状態において第2特定入賞口B1002へ向けて下方傾斜する一方、前後方向には水平となるように構成されている(前後方向には非傾斜で構成されている)。これにより、転動面B2531上を転動する球を前後に変位させ易くすることができるので、突設部B1140,B2211との当接による減速作用を有効に生じさせることができる。
また、転動面B2531は、左右方向における傾斜上端側と傾斜下端側とで幅寸法が異なるように形成されている。具体的に、転動面B2531は、左右方向の傾斜上端側に位置する帯状の第1の転動面部B2532と、その第1の転動面部B2532における左右方向の傾斜下端に連設して第1の転動面部B2532より幅寸法が大きな第2の転動面部B2533とを備えている。
第1の転動面部B2532及び第2の転動面部B2533は、開放状態において薄板部材B2110に対向する後端部が両転動面部B2532,B2533の形成部位に亘って連続した直線状に形成されている。
一方、第2の転動面部B2533における覆設部材B2200の本体部材B2210側に位置する前端部は、第1の転動面部B2532における本体部材B2210側に位置する前端部よりも前方へ位置するように形成されている。
即ち、開閉棒B2500には、転動面B2531の前願部に、両転動面部B2532,B2533の連設部に対応して段部B2534が形成されている。この段部B2534は、開閉棒B2500が閉鎖状態にある場合に、覆設部材B2200の長尺開口部B2215の左端側上縁部から上方に凹設される係合凹部B2217に下方から係合するように構成され、開閉棒B2500の軸線方向への位置ずれを防止(修正)している。
このように、転動面B2531において、開閉部B2513が形成された傾斜下端部に対応して第2の転動面部B2533を幅広にすることで、開閉部B2513の傾斜に沿って転動面B2531を転動する球が前方へ誘導されたとしても、第2の転動面部B2533上を転動させ得るから、球を安定して転動面B2531上を転動させることができる。なお、第2の転動面部B2533は、開閉部B2513の右端部(左アーム部B2510の右側面)から、球の直径を超える左右幅で形成してある。
第2駆動装置B2600は、励磁の切替により可動部材を直線動作させる第2ソレノイドB2610と、その第2ソレノイドB2610の可動部材の先端に配設される正面視H形状(上下にそれぞれ凹部を備える形状)の先端部材B2620と、その先端部材B2620の左右方向変位に伴い回転可能となるように軸部B2181に枢支(軸支)される従動回転部材B2630と、その従動回転部材B2630の回転変位に伴い変位可能とされ案内突条B2182によって上下方向に案内される伝達下流部材B2640と、を備える。
先端部材B2620は、その下側の凹部が、従動回転部材B2630の突設ピンB2633を収容可能な形状で構成される。詳細には、従動回転部材B2630が回転動作する間中、突設ピンB2633を内側に収容したままにする形状で凹部が形成される(図150(c)、図152(c)参照)。
従動回転部材B2630は、円板形状の本体部B2631と、その本体部B2631に軸部B2181を挿通可能な直径(若干大径)で穿設される支持孔B2632と、本体部B2631から外径側へ延設される延設腕部から支持孔B2632の穿設方向と平行に円柱形状で突設される突設ピンB2633と、本体部B2631から軸径方向に延設される延設部B2635と、その延設部B2635の延設先端部分に支持孔B2632の穿設方向と平行に円柱形状で突設される突設ピンB2636と、を主に備える。
突設ピンB2633は、先端部材B2620に係合する部分であり、第2ソレノイドB2610の励磁の切替により先端部材B2620が直線動作することに伴い、突設ピンB2633が変位し、従動回転部材B2630が回転動作する。
突設ピンB2636は、伝達下流部材B2640の本体板部B2641側へ突設され、長孔B2643に挿通可能とされる。突設ピンB2636と支持孔B2632との間の距離は、突設ピンB2633と支持孔B2632との間の距離よりも長く構成される。突設ピンB2636の先端部には、その突設方向に対して垂直な方向に抜け止め突設部が形成される。
抜け止め突設部は、長尺方向を揃えた場合に長孔B2643に挿通可能な形状に形成されており、組み付け時に挿通可能とされる一方、組立完了後においては、抜け止め突設部の長尺方向と長孔B2643の長尺方向とが揃わないように構成されている。これにより、伝達下流部材B2640が前後方向に変位する場合に、突設ピンB2636から脱落することを防止することができる。
伝達下流部材B2640は、薄板部材B2110の背面側に対向配置される板状の本体板部B2641と、その本体板部B2641の左側部から上下に長尺の突条として正面側に突設される被案内突条B2642と、本体板部B2641に左右長尺形状で穿設される長孔B2643と、本体板部B2641の左側において前後方向に幅広の板部として上下に並設される一対の板部B2644と、を備える。
被案内突条B2642は、左右幅が、一対の案内突状B2182の隙間寸法よりも若干短い寸法で形成される。これにより、被案内突条B2642を案内突条B2182により案内することができるので、伝達下流部材B2640の姿勢を安定させることができると共に、伝達下流部材B2640の変位方向を上下方向に安定させることができる。
長孔B2643は、従動回転部材B2630の突設ピンB2636が挿通される貫通孔であって、上下幅が突設ピンB2636の直径よりも若干長くされていることから、突設ピンB2636の上下方向の変位に対する伝達下流部材B2640の追従性を向上させることができる。また、長孔B2643は、左右幅が上下幅よりも長く形成されることで突設ピンB2636の左右方向の位置ずれを許容できるように構成されている。
板部B2644は、開閉棒B2500の作用部B2512を上下方向で挟むように配置される。これにより、伝達下流部材B2640の上下方向変位に伴って、板部B2644から作用部B2512に対して上下方向の負荷が生じ、開閉棒B2500を変位させることができるように構成されている。
開閉棒B2500の変位態様は、上述のように、軸部B2511,B2521を中心とした回動変位であるので、作用部B2512は、上下方向だけでなく前後方向にも変位することになるが、作用部B2512が前後方向のいずれの位置に配置される場合においても板部B2644が作用部B2512を上下方向で挟む位置関係となるように、板部B2644の前後長さが設定される。従って、開閉棒B2500の配置に関わらず、開閉棒B2500の変位の許容幅を板部B2644の配置により規制することができる。
許容幅について、更に詳しく説明する。まず、板部B2644は、開閉棒B2500の状態を開放状態と閉鎖状態とで切り替えることのみを考えるのであれば、上側の一枚のみでも良い。上側の板部B2644aが有りさえすれば、第2ソレノイドB2610が非励磁とされ先端部材B2620が左方へ変位した状態で板部B2644aにより作用部B2512が押し下げられることにより、開閉棒B2500は閉鎖状態を構成する(図150(a)、図150(c)参照)。
この閉鎖状態において、開閉棒B2500の重心は錘部B2522側(軸部B2511,B2521よりも正面側)に配置されることになるので、開閉棒B2500単体では錘部B2522が下方へ向かう回転方向(前下方向とも称す)に付勢されている。
板部B2644aは、開閉棒B2500に対して前下方向の逆方向である回転方向(前上方向とも称す)の負荷を与えており、本実施形態では、前上方向の負荷が前下方向の負荷を上回っていることにより、開閉棒B2500が閉鎖状態で維持される。
第2ソレノイドB2610が励磁され先端部材B2620が右方へ変位されると、板部B2644aが上方へ変位することにより、板部B2644aから作用部B2512を押し下げる方向の負荷が一時的に弱まる。本実施形態では、板部B2644aが作用部B2512の配置範囲よりも上方に退避することで、作用部B2512に対する負荷が無くなるように構成される。
これにより、開閉棒B2500は、錘部B2522による付勢により前下方向に変位可能となり、開放状態に切り替えられる。この状態から第2ソレノイドB2610を非励磁とすれば、再び板部B2644aが作用部B2512を押し下げ、閉鎖状態を構成することができる。このように、開閉棒B2500の状態を開放状態と閉鎖状態とで切り替えることのみを考えるのであれば、板部B2644aのみが必須であり、下側の板部B2644bは不要である。
一方、板部B2644aのみでは、開閉棒B2500の開放状態における開閉棒B2500の姿勢の安定性に問題が生じる虞がある。例えば、開閉棒B2500の開放状態において、球が開閉棒B2500に衝突することにより開閉棒B2500が変位することは容易に想定可能であるところ、板部B2644aのみでは開閉棒B2500の前上方向の変位を規制できない。
そのため、第2ソレノイドB2610は励磁されており開閉棒B2500を開放状態に維持するよう制御されているにも関わらず、球の衝突の衝撃により開閉棒B2500が前上方向に変位し、閉鎖状態を構成するという不具合を生じ得る。
これに対し、本実施形態では、板部B2644aの下側に板部B2644bを配置することで、開放状態の開閉棒B2500の前上方向の変位を規制している。これにより、開放状態の開閉棒B2500が、球の衝撃や、その他の外乱(例えば、遊技者がパチンコ機10に負荷を与え動かすことや、可動役物の変位に伴い生じる負荷や、遊技領域内外から加えられる負荷等)によって変位し、閉鎖状態を構成する不具合を回避することができる。
次いで、可変入賞装置B2000の状態切り替えについて説明する。図150(a)は、可変入賞装置B2000の正面図であり、図150(b)は、図150(a)の矢印CLb方向視における可変入賞装置B2000の上面図であり、図150(c)は、図150(b)の矢印CLc方向視における可変入賞装置B2000の背面図である。
図151(a)は、可変入賞装置B2000の正面図であり、図151(b)は、図151(a)の矢印CLIb方向視における可変入賞装置B2000の上面図であり、図151(c)は、図151(b)の矢印CLIc方向視における可変入賞装置B2000の背面図である。
図152(a)は、可変入賞装置B2000の正面図であり、図152(b)は、図152(a)の矢印CLIIb方向視における可変入賞装置B2000の上面図であり、図152(c)は、図152(b)の矢印CLIIc方向視における可変入賞装置B2000の背面図である。
図153(a)は、図150(a)のCLIIIa−CLIIIa線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図153(b)は、図150(a)のCLIIIb−CLIIIb線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図153(c)は、図151(a)のCLIIIc−CLIIIc線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図153(d)は、図152(a)のCLIIId−CLIIId線における可変入賞装置B2000の断面図である。
なお、図150では、開閉板B2300の閉鎖状態および開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図151では、開閉板B2300の開放状態および開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図152では、開閉板B2300の閉鎖状態および開閉棒B2500の開放状態が図示される。また、図150から図152では、覆設部材B2200の本体部材B2210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。
図150(a)、図151(a)及び図152(a)では、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。
図150(a)において水玉模様(ドット)が付されているように、開閉板B2300の閉鎖状態においては、入球防止部B2331が第1特定入賞口B1001の開口左側に配置され、図153(a)に示すように、第1特定入賞口B1001が部分的に塞がれることで球の入球が防止される。また、開閉棒B2500の閉鎖状態においては、開閉部B2513が第2特定入賞口B1002の開口右側に配置され、図153(b)に示すように、第2特定入賞口B1002が部分的に塞がれることで球の入球が防止される。
このように、図150(a)に示す状態において入球前範囲を流下する球は、第1特定入賞口B1001にも第2特定入賞口B1002にも入球せずに下方へ落下することになる。即ち、開閉板B2300の閉鎖状態では、入球防止部B2331が第1検出センサB1230の開口を部分的に塞ぐように配置され、開閉棒B2500の閉鎖状態では、開閉部B2513が第2検出センサB1250の開口を部分的に塞ぐように配置される。そのため、球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を通過することを物理的に防止することができる。
そのため、イレギュラー入賞(例えば、開閉板B2300や開閉棒B2500に案内されずとも、他の構成部分などにぶつかった球が横方向に飛ばされ第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入球すること)や、不正行為(例えば、磁石で球を引き付けて入賞させる行為や、糸が接着された状態で打ち出された球の反対側の糸端部を引っ張ったり振ったりして球の位置を操って入賞させる行為等)による入賞を防止することができる。
また、図151(a)において水玉模様(ドット)が付されている範囲は、図150(a)において上述した範囲に対して、開閉板B2300の板部B2310が追加される一方、入球防止部B2331からは水玉模様(ドット)が消されている。
即ち、第1ソレノイドB2410が励磁され開閉板B2300が開放状態に切り替えられたことで、板部B2310と覆設部材B2200の本体部材B2210との間の隙間が球の直径未満とされ、球が開閉板B2300の正面側を下方へ通過不能に構成される。
一方、図153(c)に示すように、開閉板B2300の開放状態では、入球防止部B2331は貫通孔B2114に進入し薄板部材B2110の前側面よりも(少なくとも、第1特定入賞口B1001の開口範囲よりも)背面側に退避することで、第1検出センサB1230の開口を塞がない位置に配置され、第1特定入賞口B1001への入球を妨害しないように構成される。
そのため、図151(a)に示す状態において入球前範囲を流下する球は、第1特定入賞口B1001側へ案内され、第1特定入賞口B1001に入球可能に構成される。
また、図152(a)において水玉模様(ドット)が付されている範囲は、図150(a)において上述した範囲に対して、開閉棒B2500の連結部B2530が追加される一方、開閉部B2513からは水玉模様(ドット)が消されている。
即ち、第2ソレノイドB2610が励磁され開閉棒B2500が開放状態に切り替えられたことで、連結部B2530と基礎部材B2100の薄板部材B2110との間の隙間が球の直径未満とされると共に、連結部B2530と覆設部材B2200の本体部材B2210との間の隙間が球の直径未満とされることで、球が開閉棒B2500の前後を下方へ通過不能に構成される。
一方、図153(d)に示すように、開閉棒B2500の開放状態では、開閉部B2513は開口部B2117に進入し薄板部材B2110の前側面よりも背面側(少なくとも、第2特定入賞口B1002の開口範囲の外方側)に退避することで、第2検出センサB1250の開口を塞がない位置に配置され、第2特定入賞口B1002への入球を妨害しないように構成される。
そのため、図152(a)に示す状態において入球前範囲を流下する球は、第2特定入賞口B1002側へ案内され、第2特定入賞口B1002に入球可能に構成される。第1特定入賞口B1001への入球は、第1特定入賞口B1001が開閉板B2300の入球防止部B2331に塞がれることに加え、開閉棒B2500の右アーム部B2520及び連結部B2530が第1特定入賞口B1001の開口方向に配置されることによって防止されている。
以下、ソレノイドの励磁の切り替えについて説明する。図150(c)では、第1ソレノイドB2410及び第2ソレノイドB2610の双方共に通電されておらず、非励磁の状態とされている。これが、可変入賞装置B2000の待機状態であり、遊技開始前や、通常状態で維持される状態であり、可変入賞装置B2000は稼働時間における大半をこの状態で維持される。
主に特別遊技状態において、図151(c)や図152(c)に示すように、第1ソレノイドB2410又は第2ソレノイドB2610に通電され、励磁されることで、開閉板B2300又は開閉棒B2500の状態が切り替えられる。
図151(c)に示すように、第2ソレノイドB2610は非励磁で維持され、第1ソレノイドB2410が励磁されると、開閉板B2300が開放状態に切り替えられ、第1検出センサB1230の第1特定入賞口B1001へ球を案内可能となる。
開閉板B2300は、開放状態への状態切り替えにおいて、動力伝達部材B2430から係合部B2333が押し下げられることにより、軸部B2320(図153(a)参照)の軸線を中心として回動変位される。この開閉板B2300の状態切り替え及び開放状態の詳細について説明する。即ち、図153(a)の紙面に直交する軸線を中心として回動変位される。
開閉板B2300が開放状態のとき、第1ソレノイドB2410は励磁された状態であり、動力伝達部材B2430の回転先端部B2436が背面視反時計回りに変位し、開閉板B2300の係合部B2333が押込部B2437(図148参照)に押し込まれる。
本実施形態では、図153(a)及び図153(c)に示すように、開閉板B2300の係合部B2333は、開閉板B2300が閉鎖状態から動作開始する際には動力伝達部材B2430の動作軌跡BE1上に配置される一方で、開閉板B2300が開放状態に切り替わると、動力伝達部材B2430の回転軸方向に沿って動作軌跡BE1の外方(前側)へ押しやられる。なお、動作軌跡BE1は、押込部B2437を含む部分の移動軌跡の外形として図示される。
従って、開閉板B2300が開放状態に切り替えられた後で開閉板B2300から動力伝達部材B2430に伝達される負荷は、動力伝達部材B2430の動作方向(回転方向)では無く、その回転方向を形成する面と垂直方向である軸方向にかけられる。そのため、開閉板B2300にかけられる軸部B2320(図153(a)参照)回りの負荷が動力伝達部材B2430を介して第1ソレノイドB2410に伝達されることを防止することができる。
これにより、開閉板B2300を一度開放状態に切り替えてしまえば、開閉板B2300を開放状態で維持するための第1ソレノイドB2410の駆動力が、開閉板B2300にかけられる負荷により変動することを防止することができる。従って、第1ソレノイドB2410に印加する電圧を開閉板B2300に最大値でかけ続けることを不要とできる。
このように、開閉板B2300に変動する負荷がかけられたとしても、その負荷に影響されず、開閉板B2300を開放状態に維持することができる。なお、開閉板B2300にかけられる変動する負荷としては、球の重みにより与えられる負荷が例示される。即ち、例えば、開閉板B2300は、転動面B2311に球が着地する構成であるので、球が着地した際に球の重みによる負荷を受けるところ、その球の数は一定では無く変化し得るので、開閉板B2300に与えられる負荷は変動し得るといえる。
第1ソレノイドB2410が非励磁の状態になると、動力伝達部材B2430の延設部B2435が上昇変位し、開閉板B2300への負荷が解消され、開閉板B2300は板部B2310が下降変位する態様で回動変位する。この回動変位により入球防止部B2331が第1特定入賞口B1001を塞ぐように張り出す(図153(a)参照)。
即ち、入球防止部B2331は、第1特定入賞口B1001の開口を背面側縁から狭める態様で閉塞する。本実施形態では、第1特定入賞口B1001の背面側内面が基礎部材B2100の薄板部材B2110の前側面と面一で構成されているので、入球防止部B2331の変位開始と同時に第1特定入賞口B1001の開口を狭め始めることができる。これにより、第1特定入賞口B1001を速やかに閉塞することができる。
図152(c)に示すように、第1ソレノイドB2410は非励磁で維持され、第2ソレノイドB2610が励磁されると、開閉棒B2500が開放状態に切り替えられ、第2検出センサB1250の第2特定入賞口B1002へ球を案内可能となる。
開閉棒B2500は、開放状態への状態切り替えにおいて、板部B2644が上昇変位して開閉棒B2500の作用部B2512にかけられていた押し下げ方向の負荷が解除されることにより、軸部B2511,B2521(図153(b)参照)の軸線を中心として回動変位される。即ち、図153(b)の紙面に垂直な軸線を中心として回動変位される。この開閉棒B2500の状態切り替え及び開放状態の詳細について説明する。
開閉棒B2500が開放状態のとき、第2ソレノイドB2610は励磁された状態である。即ち、第2ソレノイドB2610に通電され励磁状態となることで、従動回転部材B2630が背面視反時計回りに変位することに伴い、伝達下流部材B2640が上昇変位することで開閉棒B2500に与えられていた負荷が解除され、開閉棒B2500が開放状態に切り替えられる。
第2ソレノイドB2610の励磁状態において、板部B2644bが開閉棒B2500の作用部B2512の下側に配置され、開閉棒B2500の前上方向の回転を規制している。これにより、開閉棒B2500に球が衝突すること等で生じ得る衝撃によって開閉棒B2500が閉鎖状態へ向けて状態変化することを防止することができる。
なお、開閉棒B2500の閉鎖状態から開放状態へ向けた変位は下降変位であり、左アーム部B2510から軸線方向と平行に突設される変位規制突部B2514(図149参照)が基礎部材B2100に当接する位置で開放状態を形成する。そのため、開閉棒B2500の転動面B2531に乗る球の自重による負荷が増大することによって開閉棒B2500が閉鎖状態に状態切り替えされる可能性は低く、むしろ開放状態で維持され易い。
そのため、開閉棒B2500を一度開放状態に切り替えてしまえば、開閉棒B2500を開放状態で維持するための第2ソレノイドB2610の駆動力が開閉棒B2500にかけられる負荷により変動することを防止することができる(そもそも、開閉棒B2500は駆動力によって開放状態に維持されている関係にない)。従って、第2ソレノイドB2610に印加する電圧を最大値でかけ続けることを不要とできる。
このように、開閉棒B2500に変動する負荷がかけられたとしても、その負荷に影響されず、開閉棒B2500を開放状態に維持することができる。なお、開閉棒B2500にかけられる変動する負荷としては、球の重みにより与えられる負荷が例示される。即ち、例えば、開閉棒B2500は、転動面B2531に球が着地する構成であるので、球が着地した際に球の重みによる負荷を受けるところ、その球の数は一定では無く変化し得るので、開閉棒B2500に与えられる負荷は変動し得るといえる。
第2ソレノイドB2610が非励磁の状態になると、伝達下流部材B2640の板部B2644が下降変位し、開閉棒B2500の作用部B2512を押し下げる方向の負荷が生じ、開閉棒B2500は一対のアーム部B2510,B2520及び連結部B2530が上昇変位する態様で回動変位する。この回動変位により開閉部B2513が第2特定入賞口B1002を塞ぐように張り出す(図153(b)参照)。
即ち、開閉部B2513は、第2特定入賞口B1002の開口を背面側縁から狭める態様で閉塞する。本実施形態では、第2特定入賞口B1002の背面側内面が基礎部材B2100の薄板部材B2110の前側面と面一で構成されているので、開閉部B2513の変位開始と同時に第2特定入賞口B1002の開口を狭め始めることができる。これにより、第2特定入賞口B1002を速やかに閉塞することができる。
次いで、図154及び図155を参照して、流下する球に対する開閉板B2300及び開閉棒B2500の作用について説明する。
図154(a)は、図151(a)のCLIVa−CLIVa線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図154(b)は、図151(a)のCLIVb−CLIVb線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図154(c)は、図151(a)のCLIVc−CLIVc線における可変入賞装置B2000の断面図である。
また、図155(a)は、図152(a)のCLVa−CLVa線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図155(b)は、図152(a)のCLVb−CLVb線における可変入賞装置B2000の断面図であり、図155(c)は、図152(a)のCLVc−CLVc線における可変入賞装置B2000の断面図である。
なお、図154及び図155では、理解を容易とするために、球の外径が想像線で図示される。また、図154及び図155では、第1駆動装置B2400及び第2駆動装置B2600の記載が省略される。
特別遊技状態では、図154に示す状態と、図155に示す状態とが、交互に切り替えられる。その際、開閉板B2300又は開閉棒B2500の内、開放状態にある側を閉鎖状態に切り替えた後で、予め時間長さが規定されるラウンド間インターバルを空けて閉鎖状態にある側を開放状態に切り替えるが、この切り替えの間隔を球が落下するよりも短くする(例えば、0.04秒とする)ことで、零れ球の発生を防止することができる。
ここで、開閉板B2300又は開閉棒B2500の内、開放状態から閉鎖状態に切り替えられた側に乗っていた球が、閉鎖状態から開放状態に切り替えられる側よりも上方に配置されている場合の方が零れ球の発生を防止し易いことは上記各実施形態で説明した通りである。これに対し、本実施形態では、零れ球の発生を防止するための他の有効な構成を採用している。これについて順に説明する。
第1に、開閉板B2300が開放状態から閉鎖状態へ向かう変位が、後端部を軸とした前下がりの回動変位であるので、開閉板B2300に乗っていた球は前側へ寄せられながら流下するところ、開閉棒B2500が閉鎖状態から開放状態へ向かう際の連結部B2530の変位方向が背面側下方へ潜り込む態様の、後端部を中心軸とした円弧方向に沿う。即ち、連結部B2530の変位方向は、球の流下方向と前後方向で対向する。
同様に、開閉棒B2500の連結部B2530が開放状態から閉鎖状態へ向かう変位が、正面側上方へ上る態様の、後端部を中心軸とした円弧方向に沿うので、連結部B2530に乗っていた球は後側へ寄せられながら流下するところ、開閉板B2300が閉鎖状態から開放状態へ向かう際の変位方向が後端部を軸とした前上がりの回動変位となる。即ち、開閉板B2300の変位方向は、球の流下方向と前後方向で対向する。
そのため、球が鉛直下方に流下する場合に比較して、開閉状態に切り替えられ球を受け止め開始するまでの開閉板B2300や連結部B2530の変位量を低減することができるので、零れ球を回避し易くすることができる。
第2に、図154及び図155に示すように、開閉板B2300の板部B2310の変位軌跡BE11と、開閉棒B2500の連結部B2530の変位軌跡BE12とは、少なくとも一部が、相手部材(開閉板B2300又は開閉棒B2500)に乗っている球の球中心よりも下方に位置する。従って、相手部材が閉鎖状態に切り替えられ、球が落下を開始したとしても、球が変位軌跡BE11,BE12に入っている間に開放状態を構成することにより零れ球の発生を防止することができる。
特に、図154(c)に示すように、開閉板B2300を転動する球の入球前範囲下部に乗った球は変位軌跡BE12の下方にはみ出しており、零れ球が生じやすいが、本実施形態では、連結部B2530の右アーム部B2520付近から延設される零れ防止部B2524により球を救い上げやすくなるように構成されている。
零れ防止部B2524は、右アーム部B2520の回動先端部から、開閉棒B2500の閉鎖状態の姿勢における下方へ向けて湾曲する薄板状に延設される。この薄板は軸方向断面での断面形状が一定とされ、湾曲形状の曲率半径は、軸方向視で球の半径よりも大きくなるように構成される。これにより、零れ防止部B2524と球との当接を一点での当接とすることができる。
零れ防止部B2524の延設先端は、軸方向断面形状において先細りするように形成されている。これにより、零れ防止部B2524が球に近接変位する場合の球との当接面積を抑えることができるので、零れ防止部B2524を球の下半球部に潜り込ませ易くすることができる。
ここで、上記案内板B1300,B1500のように、前後方向変位する部材の先端に前垂れする部分を付けて球の救い上げを行おうとすると、救い上げを行う部分の正面視での面積が広がってしまうし、負荷の方向が前側面と直交するので球を介する負荷の逃げ場が無くなり易く、案内板B1300,B1500が停止し易い。
一方、零れ防止部B2524の変位は、上下方向の変位を含むので、先端を細くしても球に接する面を多くできる。加えて、負荷の方向が前後側面に対して傾斜するので、負荷を好適に逃がすことができる。これにより開閉棒B2500が停止する事態の発生を回避し易くすることができる。
本実施形態では、零れ防止部B2524が連結部B2530の軸方向長さの半分の幅で下流側端部から形成されているので、開閉板B2300を転動する球の入球前範囲下部に球が乗っている場合に開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられたとしても、その後で開閉棒B2500が開放状態とされることで球を零れ防止部B2524によって救い上げ易くすることができる。これにより、零れ球を発生し難くすることができる。
一方で、開閉棒B2500を転動する球に着目すると、開閉棒B2500に乗って流下する球の流下経路の全域において、球は変位軌跡BE11の下縁よりも上側に配置される。そのため、零れ防止部B2524に対応する部分を開閉板B2300に形成せずとも、板部B2310の短手方向幅を利用して球を救い上げ易くすることができる。これにより、零れ球を発生し難くすることができる。
図154及び図155に示すように、開閉板B2300は、閉鎖状態から開放状態へ向けて変位する場合、上方へ向けて変位するので、球を挟んで突設部B1140,B2211と上下方向で対向する。そのため、対策なしでは、開閉板B2300と突設部B1140,B2211との間に球が固定されてしまい、開閉板B2300の動作が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、突設部B1140,B2211が左右に位置ずれして配置され、各突設長さが球の半径よりも短くされる(本実施形態では、2.7mm)ので、開閉板B2300の動作時に球が突設部B1140,B2211に当接した場合、球の湾曲を利用して、球を左右方向に変位させることができる。また、突設部B1140,B2211の下端部は、開閉板B2300を転動する球の中心位置よりも上側に配置されるので、球の湾曲を利用して、球を前後方向に変位させることができる。これにより、球が固定されることを回避することができるので、開閉板B2300の動作を良好に保つことができる。
開閉棒B2500は、開放状態から閉鎖状態へ向けて変位する場合、上方へ向けて変位するので、球を挟んで突設部B1140,B2211と上下方向で対向する。そのため、対策なしでは、開閉棒B2500と突設部B1140,B2211との間に球が固定されてしまい、開閉棒B2500の動作が阻害される虞がある。
これに対し、本実施形態では、連結部B2530の変位軌跡の半径が、球の半径よりも大きく設定されるので、連結部B2530が球の外側に回り込むように移動するよう構成することができる。これにより、開閉棒B2500の連結部B2530と突設部B1140,B2211との間に球が固定される事態の発生を回避し易くすることができる。
また、開閉棒B2500が閉鎖状態へ向けて変位する際、連結部B2530は覆設部材B2200側(前側)へ変位する一方で、連結部B2530に乗っている球は、開閉棒B2500の変位に伴い転動面B2531が後下がり方向に傾斜していくことで基礎部材B2100側(後側)へ変位する。
即ち、連結部B2530に乗っている球は、連結部B2530の上側を、連結部B2530の変位を妨害しない側へ寄るように構成される。これにより、連結部B2530の変位が球により阻害されることを回避し易くすることができるので、開閉棒B2500の連結部B2530と突設部B1140,B2211との間に球が固定される事態の発生を回避し易くすることができる。
図156を参照して、可変入賞装置B2000への球の入球態様について説明する。図156(a)及び図156(b)は、第1入賞口64、第2入賞口640及び可変入賞装置B2000の正面図である。
なお、図156(a)では、開閉板B2300が開放状態とされ、開閉棒B2500が閉鎖状態とされており、図156(b)では、開閉板B2300が閉鎖状態とされ、開閉棒B2500が開放状態とされる。
本実施形態では、図144で上述したように、可変入賞装置B2000は遊技領域の左右中央下部(第1入賞口64の下方)に配置されているので、左打ち遊技でも、右打ち遊技でも、可変入賞装置B2000へ球を到達させることができる。加えて、遊技領域が略左右対称形状で構成されているので、左打ち遊技か右打ち遊技かで、発射された球が可変入賞装置B2000に到達するまでの時間に大差は無い。
このような遊技機において、例えば、可変入賞装置の開閉板が、下辺を軸として遊技者の手前側に傾倒変位することで開放されるように構成され、その開閉板の奥に検出センサが左右対称で配置される場合には、左打ち遊技でも、右打ち遊技でも、可変入賞装置に到達した後に球が検出センサを通過するまでの時間に大差はないと考えられる。
これに対し、本実施形態の可変入賞装置B2000では、入球前範囲に到達した後に球が検出センサB1230,B1250を通過するまでの時間に、左打ち遊技か、右打ち遊技かで大きな差が生じる。
第1に、到達してから入球までの時間に差が生じることについて説明する。例えば、左打ちで遊技を行う場合、発射強度が強く第1入賞口64の上方を右側へ逸れた球を除き、多くの球が左打ち流下経路BL21に沿って可変入賞装置B2000の入球前範囲へ向かう。
この場合、開閉板B2300が開放状態とされる場合には(図156(a)参照)、球が開閉板B2300の左側部(上流側部)に乗り、第1特定入賞口B1001へ向けて流下する。そのため、球が開閉板B2300に乗ってから、第1特定入賞口B1001を通過するまでに、球が開閉板B2300の左右長さの半分を流下するのに要する時間以上の時間がかかる。
一方で、開閉棒B2500が開放状態とされる場合には(図156(b)参照)、球が開閉棒B2500の左側部(下流側部)に乗り、第2特定入賞口B1002へ向けて流下する。そのため、球が開閉棒B2500に乗ってから、第2特定入賞口B1002を通過するまでに要する時間が、球が開閉棒B2500の左右長さの半分を流下するのに要する時間未満に収まる。
また、例えば、右打ちで遊技を行う場合、第1入賞口64の上方を左側へ逸れた球を除き、多くの球が右打ち流下経路BL22に沿って可変入賞装置B2000の入球前範囲へ向かう。
この場合、開閉板B2300が開放状態とされる場合には(図156(a)参照)、球が開閉板B2300の右側部(下流側部)に乗り、第1特定入賞口B1001へ向けて流下する。そのため、球が開閉板B2300に乗ってから、第1特定入賞口B1001を通過するまでに要する時間が、球が開閉板B2300の左右長さの半分を流下するのに要する時間未満に収まる。
一方で、開閉棒B2500が開放状態とされる場合には(図156(b)参照)、球が開閉棒B2500の右側部(上流側部)に乗り、第2特定入賞口B1002へ向けて流下する。そのため、球が開閉棒B2500に乗ってから、第2特定入賞口B1002を通過するまでに、球が開閉棒B2500の左右長さの半分を流下するのに要する時間以上の時間がかかる。
このように、可変入賞装置B2000では、左打ち流下経路BL21(又は右打ち流下経路BL22)から第1検出センサB1230までの距離と、左打ち流下経路BL21(又は右打ち流下経路BL22)から第2検出センサB1250までの距離が異なるように配置されるので、入球前範囲に到達した球が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002を通過するまでの期間を、左打ち遊技か右打ち遊技かで変化させることができる。
そのため、球の発射態様の選択(左打ち遊技か右打ち遊技かの選択)を、大当たり遊技の消化速度に対応づけることができるので、大当たり遊技において遊技者に球の発射態様の切り替えを要求することができる。これにより、大当たり遊技への遊技者の参加意欲を向上させることができる。
大当たり遊技の消化速度が遊技者に有利になる(例えば、迅速になる)発射態様について示唆する報知を、表示装置や音声出力により実行するようにしても良い。例えば、開閉板B2300が開放状態となるラウンド遊技の実行に合わせて「右打ち」と表示したり、音声出力を行ったりする一方、開閉棒B2500が開放状態となるラウンド遊技の実行に合わせて「左打ち」と表示したり、音声出力を行ったりしても良い。この場合、遊技者は、報知に従って球の発射態様を切り替えることにより、大当たり遊技の進行を迅速にすることができる。
第2に、零れ球の生じ易さに差が生じることについて説明する。例えば、開閉板B2300が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(a)参照)、左打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2311を転動する球の内、左右中央の突設部B2211よりも下流側(図156(a)において右側、入球前範囲下部)に配置される球を1個に限定することができる。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第1特定入賞口B1001に入球し、開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられたとしても、転動面B2311を転動する球は、左右中央の突設部B2211よりも上流側(図156(a)において左側、入球前範囲上部)にのみ配置されているので、直後に開放状態に切り替えられる開閉棒B2500によって救うことができる。これにより、零れ球の発生個数を低減することができる。
一方、開閉板B2300が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(a)参照)、右打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2311に到達した球は速やかに第1特定入賞口B1001に案内されるが、入球前範囲下部に配置される球の個数は1個に限定されるものではない。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第1特定入賞口B1001に入球し、開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられた場合に、入球前範囲下部において開閉板B2300から球が滑落し得る。直後に開放状態に切り替えられる開閉棒B2500の連結部B2530は、球の下側に配置される構成にないので、零れ球が生じ得る。従って、開閉板B2300が開放状態とされるラウンドでは、左打ち遊技を行う方が、右打ち遊技を行う場合に比較して、零れ球の発生個数を低減し易い構成とされる。
また、例えば、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(b)参照)、右打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2531を転動する球の内、左右中央の突設部B2211よりも下流側(図156(b)において左側、入球前範囲下部)に配置される球を1個に限定することができる。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第2特定入賞口B1002に入球し、開閉棒B2500が閉鎖状態に切り替えられたとしても、転動面B2531を転動する球は、左右中央の突設部B2211よりも上流側(図156(b)において右側、入球前範囲上部)にのみ配置されているので、直後に開放状態に切り替えられる開閉板B2300によって救うことができる。これにより、零れ球の発生個数を低減することができる。
一方、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンドにおいて(図156(b)参照)、左打ち遊技を行う場合には、突設部B1140,B2211の作用によって、転動面B2531に到達した球は速やかに第2特定入賞口B1002に案内されるが、入球前範囲下部に配置される球の個数は1個に限定されるものではない。
そのため、入球前範囲下部から規定個数目の球が第2特定入賞口B1002に入球し、開閉棒B2500が閉鎖状態に切り替えられた場合に、入球前範囲下部において開閉棒B2500から球が滑落し得る。直後に開放状態に切り替えられる開閉板B2300の変位軌跡BE11(図155(a)参照)は入球前範囲下部において開閉棒B2500に乗っていた球の下側にまで及ぶものの、開閉板B2300と球とが前後で重なる位置に配置されているので、零れ球が生じ得る。従って、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンドでは、右打ち遊技を行う方が、左打ち遊技を行う場合に比較して、零れ球の発生個数を低減し易い構成とされる。
このように、本実施形態では、開閉板B2300が開放状態とされているか、開閉棒B2500が開放状態とされているかで、零れ球の発生個数を低減する目的で有利な発射の仕方が右打ちか左打ちかで異なる。そのため、開閉板B2300が開放状態とされているか、又は開閉棒B2500が開放状態とされているかに対応して、有利な打ち出し方向を報知するように制御しても良い。
例えば、第3図柄表示装置81において、遊技者にとって有利な打ち出し方向を、「右を狙え」や「左を狙え」等の表示をすることで、報知しても良い。この場合、例えば、開閉板B2300が開放状態とされるラウンド中に「左を狙え」と表示し、開閉棒B2500が開放状態とされるラウンド中に「右を狙え」と表示すればいい。遊技者は、報知に従い球を発射することで、零れ球の少なくなる打ち出し方向で球を発射することができる。
なお、同様の報知を、音声出力や、遊技領域への発光により行うようにしても良い。例えば、発光で行う場合には、遊技領域を照射するLED等の発光手段により、発射された球の進行経路を筋状に光らせることで、遊技者に球の打ち出し方向を報知することができる。
なお、可変入賞装置B2000について、上述の説明では、開閉板B2300及び開閉棒B2500が交互に開閉する場合を想定して説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板B2300のみが開閉する場合があっても良いし、開閉棒B2500のみが開閉する場合があっても良いし、開閉板B2300又は開閉棒B2500の同じ部材が繰り返し開閉するラウンド区間と開閉板B2300及び開閉棒B2500が交互に開閉するラウンド区間とが混合されていても良い。
開閉板B2300又は開閉棒B2500の同じ部材が繰り返し開閉するラウンド区間を備えるようにすることで零れ球を抑制する効果は弱まるが、可変入賞装置B2000の構成から奏する、入球前範囲に到達した球が第1特定入賞口B1001へ入球する場合と、第2特定入賞口B1002へ入球する場合と、を両立できるという効果は依然として有する。
図157は、第12実施形態の第1制御例における可変入賞装置B2000の性能の一例を模式的に示した模式図である。図157に示すように、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002とは、払い出し賞球個数が異なるように設定され、更に、特別遊技状態におけるラウンド遊技における規定個数が異なるように設定される。
本実施形態では、入球前範囲に開閉板B2300を転動する球の流下経路と、開閉棒B2500を転動する球の流下経路とが含まれるので、開閉板B2300が開放状態か、開閉棒B2500が開放状態かに関わらず、共通の発射態様(例えば、右打ち)で球を発射することで、大当たり遊技を進行させることができる。
換言すれば、大当たり遊技において、開閉板B2300が開放状態とされ第1特定入賞口B1001が開放されている場合であっても、開閉棒B2500が開放状態とされ第2特定入賞口B1002が開放されている場合であっても、共通の範囲(入球前範囲)を狙って球を発射することで遊技を行うことができるので、大当たり種別の違いを遊技者に感じさせないようにすることができる。これにより、大当たり遊技を行う遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
一方で、本制御例では、図157に示すように、第1特定入賞口B1001の性能と第2特定入賞口B1002の性能とが異なるように設定される。これにより、大当たり種別の違いに伴う払い出し賞球個数に差を生じさせることができる。
例えば、同じラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たりであっても、一方の大当たり種別の大当たりでは、開閉板B2300のみが繰り返し開放状態を構成し第1特定入賞口B1001に入球可能に設定され(払い出し賞球個数は2250個(=15×10×15))、他方の大当たり種別の大当たりでは、開閉棒B2500のみが繰り返し開放状態を構成し第2特定入賞口B1002に入球可能に設定される場合(払い出し賞球個数は375個(=5×5×15))、その払い出し賞球個数の差は約1875個となる。更に、大当たり種別を多く設定し、異なるラウンド数の大当たりも設定することで、払い出し賞球個数の種類を多くすることができる。
これにより、賞球個数が最少の大当たりと、賞球個数が最多の大当たりとの、賞球個数の差を大きくすることができる。加えて、このような出球性能の向上を省スペースで実現することができる。
即ち、従来でも、遊技領域に複数の可変入賞装置を配置し、それらの賞球個数や規定個数を異なるように設定することで出球性能の向上を図ることは可能であった。しかし、この場合、複数の可変入賞装置の配置に要する範囲が大きくなりがちであった。
特に、本実施形態のように遊技領域を左右対称とする場合には、複数の可変入賞装置を左右に配置すると、配置範囲が大きくなるばかりでなく、開放される可変入賞装置に応じて、左打ち遊技または右打ち遊技のうち適切な方で遊技することが要求され、左右に自由に打ち分けられるという左右対称の遊技領域の利点が阻害される。
また、複数の可変入賞装置を上下に配置すると、複数の特定入賞口の高さが上下に積まれることになり可変入賞装置の上下幅が長くなり配置範囲が大きくなるばかりでなく、それに伴って、第3図柄表示装置81、第1入賞口64及び第2入賞口640の配置の自由度が低下するという問題点が生じ易かった。
これに対し、本実施形態の可変入賞装置B2000は、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002が左右に配置される構成を採用することで可変入賞装置B2000の上下寸法を抑えながら、部分的に重なることで上下幅が抑えられる複数の経路を入球前範囲において構成することによって左右の打ち分けを不要とすることができる。
なお、本実施形態では、特別遊技状態において片方の特定入賞口B1001,B1002が連続して開放状態を構成するように説明したが、上記第1の作動パターン(図143(a)参照)のように、左右交互に開放状態を構成するように制御しても良い。
この場合において、奇数ラウンドから偶数ラウンドへ移行するラウンド間インターバル(以下、「ラウンド間インターバルA」とも称す)と、偶数ラウンドから奇数ラウンドへ移行するラウンド間インターバル(以下、「ラウンド間インターバルB」とも称す)の長短を異ならせるように設定しても良い。
例えば、ラウンド間インターバルAを短く(例えば、0.04秒)で設定し、ラウンド間インターバルBを長く(例えば、2秒)で設定する場合を説明する。この場合、ラウンド間インターバルBでは、入球前範囲に乗っていた球は全球零れ球となるので、ラウンド間インターバルAでの零れ球の発生の防止を狙って球を発射することで、遊技者の利益を高めることができる。
ラウンド間インターバルBの直前では、第1特定入賞口B1001が開放しており、多量の賞球個数を獲得できるので、遊技者は規定個数以上の球の入球を狙って球を多めに発射し易い傾向がある。一方で、本実施形態でのラウンド間インターバルBの長さ設定では、それら多めに発射した球が全て零れ球となり得ることから、遊技者の獲得できる利益を間引くことができる。即ち、オーバー入賞狙いで多めに発射した球が、零れ球となる可能性を高めるように構成される。
奇数ラウンド(入球前範囲において左下方へ向けて球が案内されるラウンド)から偶数ラウンド(入球前範囲において右下方へ向けて球が案内されるラウンド)への移行の際に零れ球を減らすためには、奇数ラウンドにおける上流側(入球前範囲上部)である右側へ向けて球を発射すれば良いので、遊技領域の右側へ向けて球を発射することで零れ球を低減することができる。
ラウンド間インターバルAの直前では、第2特定入賞口B1002への入球が可能であるが、そもそもの賞球個数が少ないので、オーバー入賞狙いで球を多めに発射することが普通である。その際に、多めの球を全て零れ球とするのは、遊技者の損失が大きく、興趣を著しく低下させる虞も考えられる。そこで、本実施形態では、第2特定入賞口B1002への入球を狙って多めに発射された球については、零れ球とはしないように、ラウンド間インターバルAを短く設定するようにしている。
このように、ラウンド間インターバルの長さを長短異ならせて設定することで、例えば、オーバー入賞の生じやすい可変入賞装置とすることも可能である。即ち、ラウンド間インターバルを短く設定し、零れ球を低減する機構では、ラウンド間インターバルの直後に特定入賞口B1001,B1002にまとまった個数の球が入球し易いことは上記の通りであるが、例えば、特定入賞口B1001,B1002の規定個数を1個で設定する場合、2個目以降の球の入球は、全てオーバー入賞(ラウンド遊技の規定個数を超える個数の球が特定入賞口B1001,B1002に入球すること)となる。従って、規定個数の設定次第では、オーバー入賞を多く発生させられるよう構成することができる。
なお、ラウンド間インターバルの長短の設定は、任意に可能である。ラウンド間インターバルA,Bの長短を上記の逆で設定しても良いし、一部のラウンド間インターバルのみ長短を設定し、その他のラウンド間インターバルはラウンド間インターバルA,Bの違いなく一定の長さとしても良いし、全てのラウンド間インターバルを異なる長さとしても良い。
次いで、図158から図162を参照して、第13実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の開放状態が案内板B1300,B1500単品が前後方向にスライド移動することにより構成される場合を説明したが、第13実施形態における可変入賞装置B3000は、変位によって開放状態を構成する部材が複数個で構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図158は、第13実施形態における可変入賞装置B3000の正面図である。図158では、入球前範囲を視認可能とするために、覆設部材B1200の本体部材B1210の図示を省略し、その背面側を視認可能としている。
図158に示すように、可変入賞装置B3000は、突設部B1211及び延設支持部B1212が省略された状態における覆設部材B1200を備え、その覆設部材B1200の背面側に基礎部材B3100が配設され、第1案内板B3300と、第2案内板B3500と、第1案内板B3300に近接するように回動変位することで球の案内経路を構成する第1回動部材B3700と、第2案内板B3500に近接するように回動変位することで球の案内経路を構成する第2回動部材B3900と、を備える。
基礎部材B3100は、基礎部材B1100(図128参照)と同様に、薄板部材B1100と、保持孔B1130と、排出口B1150とを備える一方、突設部B1140及び案内口B1160は省略され、新たに、薄板部材B1110の略中央部において上流側部材B3320及び上流側部材B3520の形状に沿って(若干大きな形状で)貫通形成される貫通形成部B3120と、回動部材B3700,B3900を軸支可能に円柱状に突設される左右一対の突設軸部B3171と、その突設軸部B3171を中心とした円弧に沿って穿設され突設部B3711,B3911の変位を案内する円弧状孔B3172と、を備える。
貫通形成部B3120は、正面視で略V字状に形成され、左右端部の上下幅に比較して中央部の上下幅が若干長く形成される。
第1案内板B3300は、貫通形成部B3120の左半部に挿通され、前後スライド変位可能に形成される上流側部材B3320を備える。上流側部材B3320は、入球前範囲の左右中央側(右側)へ向けて下降傾斜する板状に形成され、遊技球を乗せ得るように上面側に形成される転動面B3321と、右側下端部から右方へ延設され第1回動部材B3700と当接可能に構成される延設受部B3322と、を備える。
転動面B3321は、水平面に対する傾斜角度が3度で形成される。即ち、上記実施形態で説明した第1案内板B1300(図139参照)の転動面B1321の傾斜角度(7度)よりも、小さな傾斜角度で形成される。これにより、突設部B1140,B1211の形成が省略される本実施形態においても、転動面B3321の傾斜角度を小さくすることによって減速作用を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、上流側部材B3320を左右で厚みが均一とされる板状に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下面は水平とし、上面のみ傾斜させる楔状に形成しても良い。この場合でも、転動面B3321の傾斜状態を維持することができる。
第1回動部材B3700は、第1特定入賞口B1001への球の入球を防止する閉鎖状態(図158参照)と、第1案内板B3300との隙間を埋めるように回動変位され第1特定入賞口B1001へ球を案内可能とされる開放状態とで状態が切替可能に構成され、右側の突設軸部B3171に回動変位可能に軸支される本体部B3710と、その本体部B3710の径方向に沿って延設される延設板部B3720と、を備える。
本体部B3710は、突設軸部B3171よりも左右内側(左側)位置から回転軸線と平行に背面側へ突設される突設部B3711を備える。突設部B3711は、円弧状孔B3172を通って薄板部材B1110の背面側へ張り出している。
延設板部B3720は、前後方向で同一断面形状とされ、正面視で延設先端側へ向かう程に先細りするように形成され、遊技球を乗せ得る転動面B3721と、延設先端における転動面B3721の逆側に湾曲形状に面取り形成される湾曲部B3722と、を備える。
転動面B3721は、球を案内する開放状態における水平面に対する傾斜角度が7度に設定される。即ち、転動面B3321の傾斜角度に比較して、転動面B3721の傾斜角度の方が大きく形成されており、転動面B3321,B3721を転動する球は、転動面B3321,B3721の境界位置を第1特定入賞口B1001側へ進入することに伴い減速の程度が弱まるよう構成される。
湾曲部B3722は、第1案内板B3300の延設受部B3322の右上面形状に合わせた形状とされる。即ち、湾曲部B3722の形状を延設受部B3322の右上面形状に合わせて形成することにより、第1回動部材B3700の開放状態において第1回動部材B3700を延設受部B3322の湾曲面で面支持することができるので、第1回動部材B3700の姿勢を安定させることができる。
第2案内板B3500は、貫通形成部B3120の右半部に挿通され、前後スライド変位可能に形成される上流側部材B3520を備える。上流側部材B3520は、上流側部材B3320と左右対称形状で入球前範囲の左右中央側(左側)へ向けて下降傾斜する板状に形成され、遊技球を乗せ得るように上面側に形成される転動面B3521と、左側下端部から左方へ延設され第2回動部材B3900と当接可能に構成される延設受部B3522と、を備える。
転動面B3521は、水平面に対する傾斜角度が3度で形成される。即ち、上記実施形態で説明した第2案内板B1500(図137参照)の転動面B1521の傾斜角度(7度)よりも、小さな傾斜角度で形成される。これにより、突設部B1140,B1211の形成が省略される本実施形態においても、転動面B3521の傾斜角度を小さくすることによって減速作用を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、上流側部材B3520を左右で厚みが均一とされる板状に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下面は水平とし、上面のみ傾斜させる楔状に形成しても良い。この場合でも、転動面B3521の傾斜状態を維持することができる。
第2回動部材B3900は、第2特定入賞口B1002への球の入球を防止する閉鎖状態(図158参照)と、第2案内板B3500との隙間を埋めるように回動変位され第2特定入賞口B1002へ球を案内可能とされる開放状態とで状態が切替可能に構成され、左側の突設軸部B3171に回動変位可能に軸支される本体部B3910と、その本体部B3910の径方向に沿って延設される延設板部B3920と、を備える。
本体部B3910は、突設軸部B3171よりも左右内側(右側)位置から回転軸線と平行に背面側へ突設される突設部B3911を備える。突設部B3911は、円弧状孔B3172を通って薄板部材B1110の背面側へ張り出している。
延設板部B3920は、前後方向で同一断面形状とされ、正面視で延設先端側へ向かう程に先細りするように形成され、遊技球を乗せ得る転動面B3921と、延設先端における転動面B3921の逆側に湾曲形状に面取り形成される湾曲部B3922と、を備える。
転動面B3921は、球を案内する開放状態における水平面に対する傾斜角度が7度に設定される。即ち、転動面B3521の傾斜角度に比較して、転動面B3921の傾斜角度の方が大きく形成されており、転動面B3521,B3921を転動する球は、転動面B3521,B3921の境界位置を第2特定入賞口B1002側へ進入することに伴い減速の程度が弱まるよう構成される。
湾曲部B3922は、第2案内板B3500の延設受部B3522の左上面形状に合わせた形状とされる。即ち、湾曲部B3922の形状を延設受部B3522の左上面形状に合わせて形成することにより、第2回動部材B3900の開放状態において第2回動部材B3900を延設受部B3522の湾曲面で面支持することができるので、第2回動部材B3900の姿勢を安定させることができる。
このように、本実施形態によれば、第1案内板B3300及び第1回動部材B3700、又は第2案内板B3500及び第2回動部材B3900が、互いに作用し合いながら閉鎖状態または開放状態を構成する。この場合において、第1案内板B3300及び第1回動部材B3700は第1駆動装置B1400により駆動され、第2案内板B3500及び第2回動部材B3900は第2駆動装置B1600により駆動される。
図159は、可変入賞装置B3000の上面図であり、図160は、第2回動部材B3900及び伝達部材B3640の正面斜視図であり、図161(a)及び図161(b)は、図158の矢印CLXIa方向視における第2回動部材B3900及び伝達部材B3640の右側側面図である。
なお、図161(a)及び図161(b)では、理解を容易とするために、第2回動部材B3900、伝達部材B3640及び伝達用延設部B3550のみが図示され、これら部材を保持する他の構成についての図示を省略している。また、図161(a)では、第2回動部材B3900の閉鎖状態(第2ソレノイドB1610が非励磁の状態)が図示され、図161(b)では、第2回動部材B3900の開放状態(第2ソレノイドB1610が励磁された状態)が図示される。
即ち、第2ソレノイドB1610が非励磁の状態とされ、伝達用延設部B3550が背面側に配置されると、第2回動部材B3900は起き上がり姿勢とされ(図161(a)参照)、第2ソレノイドB1610が励磁状態とされ、伝達用延設部B3550が正面側に配置されると、第2回動部材B3900は傾斜姿勢とされる(図161(b)参照)。
図159に示すように、本実施形態では、上記可変入賞装置B1000と同様の駆動装置B1400,B1600を採用しながら、各回動部材B3700,B3900に駆動力を伝達可能な伝達部材B3440,B3640を、案内板B3300,B3500と回動部材B3700,B3900との間に介在させることにより、案内板B3300,B3500及び回動部材B3700,B3900を一度に変位可能に構成している。
即ち、薄板部材B1110の背面側へU字形状に突設される一対の支持爪部B3111が、左右両側に配設され、各支持爪部B3111に伝達部材B3440,B3640が回転可能に枢支される。
伝達部材B3440,B3640は、自らの回転変位を回動部材B3700,B3900の変位に変化可能に構成される。伝達部材B3440,B3640には、案内板B3300,B3500と一体的に形成される伝達用延設部B3350,B3550が当接可能とされ、案内板B3300,B3500の前後方向変位に起因して伝達部材B3440,B3640が回転変位するように構成されている。
詳述すると、第1案内板B3300は、上述の上流側部材B3320と、その上流側部材B3320を支持する連結固定部材B1330と、伝達孔B1340と、を備えることに加え、連結固定部材B1330の右下部から正面側へ伝達部材B3440に当接可能な位置まで延設される伝達用延設部B3350を備える。
また、第2案内板B3500は、上述の上流側部材B3520と、その上流側部材B3520を支持する連結固定部材B1530と、伝達孔B1540と、を備えることに加え、連結固定部材B1530の左下部から正面側へ伝達部材B3640に当接可能な位置まで延設される伝達用延設部B3550を備える。
図160及び図161では、第2回動部材B3900への駆動力伝達の仕組みが図示される。なお、左右の回動部材B3700,B3900への駆動力伝達の仕組みは同一なので、第2回動部材B3900への駆動力伝達について説明し、第1回動部材B3700への駆動力伝達の説明を省略する。
伝達部材B3640は、薄板部材B1110の背面側に回転可能に軸支され伝達用延設部B3550と係合する部材であって、回転先端部に配置される爪状部B3642と突設部B3911とが係合するように構成される。これにより、伝達部材B3640の姿勢の変化に伴って、第2回動部材B3900の状態(開放状態または閉鎖状態)の変化が生じるように構成される。
伝達部材B3640は、可撓性を有する樹脂材料から形成され、回転軸BJ1と交差(直交)する板状部から構成される回転腕部B3641と、その回転腕部B3641の回転先端にC字の爪状に形成される爪状部B3642と、回転軸BJ1を中心とする円柱状に回転腕部B3641から突設される一対の突設軸部B3643と、回転腕部B3641の回転基端側から径方向に延設される基端側延設部B3644と、回転腕部B3641の回転先端側から基端側延設部B3644と平行な方向に延設される先端側延設部B3645と、を備える。
伝達部材B3640は、突設軸部B3643が、支持爪部B3111に先端側から嵌め入れられることで、薄板部材B1110に支持される。この際、支持爪部B3111を弾性変形させつつ嵌め入れる形状関係(支持爪部B3111の先端側の隙間が突設軸部B3643の直径未満の形状関係)とすることで、伝達部材B3640の支持爪部B3111からの脱落防止を図っている。
第2回動部材B3900への駆動力伝達について説明する。図161(a)に示すように、第2駆動装置B1600の第2ソレノイドB1610の非励磁の状態において、伝達用延設部B3550の先端側下端部が、伝達部材B3640の基端側延設部B3644と当接している。伝達用延設部B3550は第2ソレノイドB1610の戻りバネによって背面側へ付勢されており、この付勢力により背面側へ押し込まれる態様で伝達部材B3640の姿勢が維持されている。これにより第2回動部材B3900の閉鎖状態が維持される。
図161(b)に示すように、第2駆動装置B1600の第2ソレノイドB1610の励磁状態では、伝達用延設部B3550の先端側下端部が伝達部材B3640の先端側延設部B3645と当接している。伝達用延設部B3550は第2ソレノイドB1610の駆動力によって正面側へ付勢されており、この駆動力により背面側へ押し込まれる態様で伝達部材B3640の姿勢が維持されている。これにより、第2回動部材B3900の開放状態が維持される。
図162(a)から図162(c)は、図158の範囲CLXIIaにおける入球前範囲の正面図である。図162(a)から図162(c)では、第2特定入賞口B1002の状態が、閉鎖状態から開放状態に切り替えられる様子が時系列で図示される。
即ち、可変入賞装置B3000では、上流側部材B3520の正面側先端と覆設部材B1200との前後間隔が球の直径未満となった後で(図162(b)参照)、第2回動部材B3900が回動終端まで変位するという順序で変位が生じるように、伝達用延設部B3550、伝達部材B3640及び第2回動部材B3900が設計される。
また、開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には、第2回動部材B3900が遅れなく変位開始するように、伝達用延設部B3550と基端側延設部B3644との隙間が極力小さくなるように形成されており(図161(b)参照)、上流側部材B3520がスライド変位を開始する前に第2回動部材B3900と上流側部材B3520との当接を解除可能に構成される。これにより、第2回動部材B3900と上流側部材B3520との間での擦れの発生を抑制することができる。
このように、開放状態への状態切り替えにおいて、第2回動部材B3900は第2案内板B3500の上流側部材B3520の変位方向である前後方向と直角に交差する方向(非平行方向)に変位するので、第2回動部材B3900と上流側部材B3520との間の隙間を変位により狭めることができる。
第2特定入賞口B1002の開放状態から閉鎖状態への切り替えは、図162(a)から図162(c)を逆にたどるように生じる。この場合において、転動面B3921は第2特定入賞口B1002へ近接するように上昇変位するので、転動面B3921に球が乗っていた場合には、その球が第2特定入賞口B1002に案内され易い構成となる。即ち、本実施形態によれば、オーバー入賞(ラウンド遊技の規定個数を超える個数の球が第2特定入賞口B1002に入球すること)を発生させ易くすることができる。
次いで、図163から図171を参照して、第14実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の開放状態が案内板B1300,B1500が正面側へ変位することにより構成される場合を説明したが、第14実施形態における可変入賞装置B4000は、正面側へ変位する案内板B4300と背面側へ変位する開閉棒B2500とによって開放状態を構成する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図163は、第14実施形態における遊技盤13の正面図である。図163に示すように、本実施形態における遊技領域では、図144で上述した遊技領域において可変入賞装置B2000と第3図柄表示装置81との間に配置されていた第1入賞口64及び第2入賞口640が省略されており、これらの機能を可変入賞装置B4000に配設される構成で補うようにしている。
即ち、本実施形態では、図163に示す構成の内、第1入賞口64(図144参照)の機能は案内口B4160に移され、第2入賞口640(図144参照)の機能は第2検出センサB1250に移され、電動役物640a(図144参照)の機能は開閉棒B2500に移されている。第1検出センサB1230は第1特定入賞口B1001として利用されることは上述と同様である。
このように構成することで、レール61,62で囲まれる領域(遊技領域を含む領域)の設計自由度を向上することができる。例えば、第1入賞口64及び第2入賞口640を省略することにより生じた範囲を利用して第3図柄表示装置81の表示領域を拡大するように構成しても良いし、第1入賞口64及び第2入賞口640を省略することにより生じた範囲に別の振分機構(例えば、到達した球を交互に左右に振り分ける機構や、常時一定動作で駆動され球の流下経路を変化させる駆動機構等)を配置して、球の流下態様のバリエーションを増やすようにしても良い。
図164、図165及び図166は、可変入賞装置B4000の正面斜視図である。図164では、案内板B4300及び開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図165では、案内板B4300の開放状態および開閉棒B2500の閉鎖状態が図示され、図166では、案内板B4300の閉鎖状態および開閉棒B2500の開放状態が図示される。
図164から図166に示すように、可変入賞装置B4000では、可変入賞装置B1000よりも駆動装置の前後幅を縮小でき配置スペースを抑制することができると共に、可変入賞装置B2000よりも入球前範囲における球の案内経路の下方の領域を空けることができることから、球案内受部B4260を配設することができる。
図167は、可変入賞装置B4000の分解正面斜視図であり、図168は、可変入賞装置B4000の分解背面斜視図である。図167及び図168に示すように、可変入賞装置B4000の各構成は、上述した可変入賞装置B1000,B2000の構成が部分的に流用され、組み合わされている。以下、それについて説明する。
可変入賞装置B4000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B4100と、その基礎部材B4100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B4200と、基礎部材B4100の背面側から前方にスライド移動可能に構成される案内板B4300と、その案内板B4300を駆動する上述の第1駆動装置B1400と、上述の開閉棒B2500と、上述の第2駆動装置B2600と、基礎部材B4100に背面側から組み付けられ、案内板B4300及び第1駆動装置B1400を背面側から覆うように構成される後カバー部材B4700と、を主に備える。
基礎部材B4100は、上述の基礎部材B1100と同様に、薄板部材B1110、保持孔B1130、突設部B1140及び排出口B1150を備えることに加え、上述の基礎部材B2100と同様に、第2収容部B2115及び案内支持部B2180を備える。
更に、基礎部材B4100は、上述の貫通形成部B1120が挿通される案内板B4300に適した形状に設計変更される貫通形成部B4120と、突設部B1140の上端部から左右外側へ延設される補助突部B4141と、貫通形成部B4120の下方において正面側から背面側へ球を案内可能に穿設される案内口B4160と、その案内口B4160を通過した球を案内する迂回経路B4170と、薄板部材B1110の右側部から覆設部材B4200の右側延設部B1220に被さるように正面側へ張り出し形成される張出部B4190と、を備える。貫通形成部B4120は、正面視で右下がり傾斜の長尺矩形の開口として形成される。
補助突部B4141は、突設部B1140と同様の断面形状で左右外側へ向けて上昇傾斜する方向に延びる。この構成により、補助突部B4141は、球び流下を補助する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
張出部B4190は、右側延設部B1220の傾斜面B1223と同様の角度で正面視左下がりに傾斜するように形成され、組立状態(図164参照)において下側面が右側延設部B1220の傾斜面B1223に面で当接するように構成される。上側面を構成する転動面B4191は、正面側へ向かう程に下降傾斜する傾斜面として形成される。
転動面B4191は、球が転動し得る平面状に形成されている。転動面B4191を転動する球は、その傾斜に沿って、正面側へ寄せられた状態で入球前範囲へ流入する。これにより、転動面B4191を転動して入球前範囲へ流入する球が突設部B1140を避けて流下し易くすることができるので、球に与えられる減速作用を弱めることができる。
覆設部材B4200は、上述の覆設部材B2200と同様に、本体部材B2210、右側延設部B1220、第1検出センサB1230、左側延設部B1240、第2検出センサB1250及び蓋板部B2270を備えることに加え、本体部材B2210に配設され案内口B4160へ球を案内する球案内受部B4260を備える。
なお、本体部材B2210に配設されていた突設部B2211は、覆設部材B4200では省略されている。これにより、後述する球案内受部B4260へ向けて流下する球が突設部B2211に衝突して球案内受部B4260から逸れる事態が発生することを避けることができる。また、左右の突設部B2211により球が減速される事態の発生を避けることができる。
右側延設部B1220には、上述の可変入賞装置B1000と同様に突条支持部B1225が形成されており、案内板B4300の案内部材B1310の前後方向変位が案内される。また、左側延設部B1240は、上述の可変入賞装置B2000と同様に突条支持部B1245の形成が省略される。
案内板B4300は、上述の第1案内板B1300と同様の構成を備え、案内部材B1310と上流側部材B1320との隙間を無くすよう形成され転動面B1311と転動面B1321とを面一で連結する隙間閉塞部B4350と、案内部材B1310と上流側部材B1320との間の位置の前端部から上方へ突設される前側突設部B4360と、を備える。
前側突設部B4360は、前側面B4361が正面視で案内口B4160の中心位置の鉛直上方に上側の頂点を有し左右対称に傾斜する三角形状に形成され、上側面B4362が正面側へ向けて上昇傾斜する傾斜面として形成される。
このように構成することで、前側突設部B4360は、案内板B4300の開放状態において転動面B1321を転動する球が覆設部材B4200の本体部材B2210側(正面側)に寄って流下する場合に、その球に当接することで、球の流下経路が背面側に寄るように図ることができる。即ち、前側突設部B4360は、案内板B4300の開放状態において本体部材B2210側に寄って入球前範囲を流下する球に当接可能に形成され、その当接により球を薄板部材B1110と当接する側、即ち、検出センサB1230,B1250の開口の内側面と面一の関係とされることで入球の抵抗が少ない側(図126参照)に案内することができる。
また、案内板B4300の閉鎖状態においては、前側突設部B4360が貫通形成部B4120に入り込み、薄板部材B1110の前側面から張り出さないように構成される。これにより、案内板B4300の閉鎖状態において前側突設部B4360が球と当接する事態の発生を回避することができる。
なお、案内板B4300が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際には、前側突設部B4360は球と当接し得る。この当接により、球の球案内受部B4260への入球を抑制できるように図っているが、詳細は後述する。
なお、前側突設部B4360の態様は本実施形態の態様に限られるものではない。例えば、案内板B4300の閉鎖状態において薄板部材B1110の前側面から正面側へ張り出すように構成しても良い。この場合、案内板B4300の閉鎖状態において前側突設部B4360が球と当接し得ることから、球の流下態様を異ならせることができる。
後カバー部材B4700は、上述の後カバー部材B1700から、第2駆動装置B1600が省略されることにより不要となった第3支持板B1750及び第4支持板B1760の形成を省略し、本体部B1710の上下寸法および前後寸法を縮小するようにして形成される。
即ち、後カバー部材B4700が上述の後カバー部材B1700に比較して小型に形成されているので、可変入賞装置B4000は、上述の可変入賞装置B1000と同様に前後スライド変位する案内板B4300を含む構成ながら、駆動装置B1400,B2600を配置させるために遊技領域の背面側に必要となるスペースを(特に前後に)低減することができる。
図169から図171を参照して、可変入賞装置B4000の状態の切り替えについて説明する。図169、図170及び図171は、可変入賞装置B4000の正面図である。なお、図169では、案内板B4300及び開閉棒B2500が閉鎖状態とされ、図170では、案内板B4300が開放状態とされ開閉棒B2500が閉鎖状態とされ、図171では、案内板B4300が閉鎖状態とされ開閉棒B2500が開放状態とされる。
また、図169から図171では、覆設部材B4200の本体部材B2210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。また、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。また、図169から図171の説明では、図163を適宜参照する。
まず、本実施形態におけるパチンコ機10の遊技進行の概要について説明する。遊技の進行は、第11実施形態で説明した内容を基本とする。即ち、通常中は、特別図柄1の抽選による大当たりを目指して、左打ちで案内口B4160へ球を入球させる。
大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄2の抽選を受けやすい状態が続くようになり、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
そのため、大当たり終了後は、特別遊技状態が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまでは、第2検出センサB1250の開口に入球させることを狙って球を発射する。特別遊技状態では、第1検出センサB1230の開口に入球させることで賞球の払い出しが行われる。
次に、遊技進行の各部を詳細について説明する。本実施形態における遊技領域は、左右対称の構成を基本としており、左右どちらへ打ち出した球でも、可変入賞装置B4000に到達可能に構成される。一方で、追加される構成の影響により、特別図柄1の大当たりの獲得を目指す通常状態においては左打ちで遊技することが推奨される。
遊技盤13には、左右対称には構成していない部分として、センターフレーム86の下側においてベース板60の正面側に張り出すように固定され、球の通過を妨害する張出壁B4010と、左側のスルーゲート67の上方においてベース板60の正面側に逆ハの字形状で張り出すように固定される球集合壁B4020と、が追加されている。
張出壁B4010は、センターフレーム86の左右中央よりも右側位置において上下方向に延びる壁部であって、左右への球の通過を妨害する。これにより、センターフレーム86の真下に配設される道釘によってセンターフレーム86の左右中央真下まで案内可能な球を、左打ちの球に限定することができる。
即ち、左打ちされた球は、道釘によってセンターフレーム86の左右中央真下まで案内された後、センターフレーム86の左右中心に沿って鉛直方向に延びる流下経路BL41で落下すれば案内口B4160に入球可能とされるので、特別図柄1の抽選を獲得し易い。
更に、流下経路BL41の左右に突設部B1140が配設されているので、球が流下経路BL41から左右に逸れた場合であっても、突設部B1140が球に当接することにより、球を流下経路BL41側へ戻すことができる。これにより、案内口B4160への入球確率を向上することができる。
一方で、右打ちされた球は、張出壁B4010に左右への通過を阻害されるので、道釘によってセンターフレーム86の左右中央真下まで案内されることはなく、可変入賞装置B4000へ到達する場合も、転動面B4191に着地することになり、転動面B4191に沿って流下経路BL42で流下する。
転動面B4191は、正面側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されているので、流下経路BL42で転動面B4191を転動する球は、手前寄りの経路を通る。そのため、突設部B1140との当接により減速される程度を少なくすることができる。
転動面B4191の左端を通り過ぎた球は、補助突部B4141の上面を伝って案内口B4160の上側を右から左へ通過するように構成される。特に、右側延設部B1220には蓋板部B2270が配設されており、球を案内する転動面B4191が左側よりも中央側へ張り出しているので、球を補助突部B4141の上面に容易に乗せることができる。これにより、案内口B4160への入球確率を下げることができる。
このように、本実施形態によれば、左右どちらへ打ち出した球でも、可変入賞装置B4000に到達可能に構成されるが、右打ちで発射された球に比較して、左打ちで発射された球の方が案内口B4160への入球確率が高くなるように構成されている。従って、特別図柄1の大当たりの獲得を目指す通常状態においては左打ちで遊技することが推奨される。
確変状態では、左打ちで遊技するか、右打ちで遊技するかを、遊技者の好みで選択させるように構成される。この際、遊技者は、得られる利益と不利益とを検討し、左打ちで遊技するか、右打ちで遊技するかを選択することになる。これについて、以下で説明する。
確変状態では、スルーゲート67に球を通過させ、その抽選の結果によって開閉棒B2500が開放状態に切り替えられ、第2検出センサB1250の開口へ入球可能となる。スルーゲート67は左右に配設されているので、左右どちらへ打ち出した球でもスルーゲート67を通過し得るが、左右のスルーゲート67への入球確率が、球集合壁B4020によって異ならされている。
即ち、右側のスルーゲート67では、その上流側に配設される釘との衝突により経路が変化され、スルーゲート67に到達した球のみがスルーゲート67を通過する一方で、左側のスルーゲート67では、釘との衝突により経路が変化された球に加え、球集合壁B4020の上面を転動した球がスルーゲート67を通過し得る。
球集合壁B4020は、スルーゲート67の上方に球の直径程度の隙間を空けて配設される一対の板状壁部から構成される。左側の板状壁部は、内レール61との隙間が球の半径未満とされており、右側の板状壁部は、センターフレーム86との隙間が球の直径よりも若干長くされている。
一対の板状壁部の下端部間は球の直径よりも若干長い隙間を空けて配置されており、その隙間の中央位置がスルーゲート67の中央の鉛直上方に位置する。そのため、球集合壁B4020の隙間を流れた球は(右打ちされた球が右側のスルーゲート67を通過する確率よりも)高確率でスルーゲート67を通過する。従って、スルーゲート67へ球を通過させることに着目すると、左打ちで球を発射する方が、遊技者にとって有利である。
一方、上述の通り、特別図柄1の抽選が行われる案内口B4160へは、右打ちされた球よりも、左打ちされた球の方が、高確率で入球する。特別図柄1の抽選が、特別図柄2の抽選に比較して、抽選結果が大当たりであった場合に遊技者が得られる利益が低くなるように設定されている場合には(例えば、図142(b)参照)、特別図柄2の抽選が行われ易い状況においては、特別図柄1の抽選が行われないように遊技を進行させる方が、遊技者の利益が大きくなる場合がある。
従って、案内口B4160に球を入球させないように(特別図柄1の抽選が行われないように)遊技を進行させることに着目すると、右打ちで球を発射する方が遊技者にとって有利である。
このように、本実施形態によれば、確変状態の遊技を、スルーゲート67を球が通過し易い点で有利な一方で、案内口B4160への入球が生じ易い点で不利な左打ちで行うか、スルーゲート67への球の通過確率が劣る点で不利な一方で、案内口B4160への入球が生じ難い点で有利な右打ちで行うか、遊技者の選択にゆだねることができる。
特別遊技状態(大当たり状態)では、ラウンド進行に合わせて案内板B4300が開放状態を構成するように制御される。この場合において、案内口B4160への入球確率を下げるという目的から、右打ち遊技が推奨される。
即ち、左打ち遊技では、開閉板B4300が閉鎖状態の時に流下経路BL41で球が流下すると、球は案内口B4160に入球することになるので、これを避けるために右打ち遊技が推奨される。右打ちされた球は、開閉板B4300の閉鎖状態においても流下経路BL42に沿って入球前範囲に流入するので、球は案内口B4160の上方を右から左へ通過するので、案内口B4160への入球が生じ難い。
一方、右打ちされた球は流下経路BL42に沿って入球前範囲に流入するので、第1検出口B1230へ向かうまでの間に、案内口B4160の真上を通過する。そのため、対策なしでは、開閉板B4300から滑落した球が案内口B4160に入球し得る。これに対し、本実施形態では、前側突設部B4360の作用によって、案内口B4160への入球を回避することができる。
即ち、開閉板B4300からの球の滑落は開閉板B4300が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際に生じるが、この際の開閉板B4300の変位によって、前側突設部B4360が球の転動軌跡の下部を背面側へ通過する。そのため、前側突設部B4360の後方に球が配置されていた場合、その球は前側突設部B4360の上側面B4362に押され、前側面B4361の形状の作用で左右外側へ寄せられた状態で滑落する。そのため、球が案内口B4160に入球する事態を回避し易くすることができる。
ここで、上述の開閉板B2300に同形状の部分を設けることでも、閉鎖状態へ切り替えられた後の球の流下経路を制御することは可能であるが、開閉板B2300の傾倒変位の変位方向と、球の落下方向とが、両方とも下方向であるので、球を置き去りにした変位が生じやすい。そのため、球を押す程度が弱くなり易い。また、閉鎖状態においても入球前範囲に張り出したままとすると、入球前範囲を流下する球に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対し、本実施形態では、球の落下方向と、前側突設部B4360の移動方向とが交差する(直交する)ことに加え、前側突設部B4360が球と当接する程度に案内板B4300が後方へ変位した後でしか球は案内板B4300から滑落しないので、前側突設部B4360が球を押す程度が強くなり易くすることができる。そのため、開閉板B2300で構成する場合に比較して、球を左右外側へ大幅に寄せることができるので、球が案内口B4160に入球する事態を回避し易くすることができる。
このような構成から、上述の遊技性を保ちながら、案内口B4160を、案内板B4300の真下において案内口B4160に近接する位置に配置することができる。この場合において、本実施形態よりも案内口B4160を上方に配置しても良い。例えば、案内板B4300の下端部の上下位置(及び開閉棒B2500の下端部の上下位置)よりも、案内口B4160の上縁部の上下位置の方が高い位置に配置されるようにしても良い。この場合、入球口としての案内口B4160及び検出センサB1230,B1250の開口を配置するための上下幅を狭めることができる。
このように構成するためには、開閉板B2300よりも、案内板B4300の方が有利である。即ち、開閉板B2300では、閉鎖状態において板部B2310(図150(a)参照)が下方に垂れて配置される範囲には案内口B4160を配置することができないが、本実施形態によれば、案内板B4300は閉鎖状態において下方に垂れる構成ではないので、より上方の位置に案内口B4160を配設することができる。
このように、本実施形態によれば、第1入賞口64、第2入賞口640及び特定入賞口65a(図2参照)に相当する入球口を可変入賞装置B4000に集合配置することができる。その上で、通常状態では左打ちを推奨し、特別遊技状態(大当たり状態)では右打ちを推奨し、確変状態においては、遊技者の好みによって左打ち遊技か右打ち遊技かを選択させる遊技性を構成することができる。
また、第1入賞口64に相当する案内口B4160を、入球前範囲における転動経路よりも下方に配置する構成ながら、左打ち遊技か右打ち遊技かで、案内口B4160への入球確率を異ならせることで、特別図柄1の抽選を行わせないように遊技を進行させることができる。
次いで、図172から図176を参照して、第15実施形態について説明する。第12実施形態では、開閉板B2300を入球前範囲の背面側に配置する場合を説明したが、第15実施形態における可変入賞装置B5000は、正面側へ変位する開閉板B2300と、その開閉板B2300と同様の変位で背面側へ変位する第2開閉板B5500とによって開放状態を構成する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図172は、第15実施形態における可変入賞装置B5000の正面図であり、図173は、可変入賞装置B5000の背面図である。なお、図172では、開閉板B2300及び第2開閉板B5500が閉鎖状態とされており、覆設部材B5200の本体部材B1210が透明に図示されており、その背面側の形状を視認可能とされる。また、入球前範囲において、球が通過不能な範囲の少なくとも一部に補助的に水玉模様(ドット)が付されている。
また、図173では、第1駆動装置B2400が図示される一方で、第2開閉板B5500の開閉させる駆動力を発生する第2駆動装置B5600が想像線で図示される。
可変入賞装置B5000は、横長矩形の板形状から構成され、ベース板60に固定される基礎部材B5100と、その基礎部材B5100に正面側から締結固定され流路構成範囲(入球前範囲)を前側から覆う覆設部材B5200と、上述の開閉板B2300と、上述の第1駆動装置B2400と、覆設部材B5200に回転可能に支持される第2開閉板B5500と、その第2開閉板B5500を駆動する駆動力を発生させる第2駆動装置B5600と、基礎部材B5100に背面側から組み付けられ第1駆動装置B2400及び第2駆動装置B5600を背面側から覆うように構成される後カバー部材(図示せず)と、を主に備える。後カバー部材は、排出口B1150から排出された球が通過する貫通孔である排出部を備え、その排出部から排出された球は、図示しない球排出路へと案内される。
基礎部材B5100は、上述の基礎部材B2100と同様に、薄板部材B2110、保持孔B1130、突設部B1140、排出口B1150及び回転支持部B2170を備えることに加え、薄板部材B2110に穿設され第2駆動装置B5600のスライド棒B5610を挿通可能に形成されるスライド案内孔B5180を備える。
スライド案内孔B5180は、貫通孔B2114と動力伝達部材B2430(の動作軌跡BE1)との間の隙間に穿設される。なお、本実施形態では、第12実施形態で上述した動力伝達部材B2430に比較して、延設部B2435が若干短く形成されており、スライド案内孔B5180を形成する隙間が捻出されている。
覆設部材B5200は、上述の覆設部材B1200と同様に、本体部材B1210、右側延設部B1220、第1検出センサB1230、左側延設部B1240及び第2検出センサB1250を備える一方、延設支持部B1212、突条支持部B1225,B1245及び球案内受部B1260は省略される。
更に、覆設部材B5200は、本体部材B1210に背面から正面側へ向けて凹設され第2開閉板B5500の軸部B5520を収容し部分的に貫通形成される収容部B5270を備える。
収容部B5270は、第2開閉板B5500の軸部B5520が収容される左右一対の支持凹部と、その支持凹部の間を繋ぐ直線の下方において矩形状に凹設(貫通形成)される矩形凹部B5272と、その矩形凹部B5272の右端に沿って動作する第2開閉板B5500の小形被荷重部B5530を本体部材B1210の前後幅内側に進入するように移動させるために一対の支持凹部を繋ぐ直線に対して垂直な方向に沿う矩形形状で貫通形成される貫通孔B5273と、を主に備える。
支持凹部は、第2開閉板B5500の軸部B5520の直径よりも若干大きな幅で正面側から背面側へ凹設形成され、組立状態において、第2開閉板B5500の軸部B5520が収容される。この支持凹部を塞ぐように正面側から矩形状の蓋板B5273(図174参照)が固定されることで、軸部B5520が支持凹部から脱落することが防止されている。
矩形凹部B5273は、第2開閉板B5500の板部B5510よりも表面積が大きくされ、その凹設長さは板部B5510の板厚よりも若干長くされる。これにより、第2開閉板B5500が傾倒する姿勢(閉鎖状態)において、板部B5510を完全に矩形凹部B5272に収容でき、本体部材B1210の背面側に開閉板B5500が張り出すことを防止できる。
第2開閉板B5500は、姿勢の違いにより、球を第2検出センサB1250へ向けて転動させる場合と、球と当接せず下方へ落下させる場合とを切り替える部材であって、上述の開閉板B2300と同様の大きさで形成される横長矩形状の板部B5510及びその板部B5510の短手方向端部から長手方向に沿って突設される一対の軸部B5520を備え、新たに説明する部分として、正面視右側の軸部B5520の根本において軸部B5520と直角な平面に沿って延設される小形被荷重部B5530と、正面視左側の軸部B5520の根本において軸部5520と直角な平面に沿って延設され閉鎖状態における第2検出センサB1250の開口への入球を防止可能に開口を(部分的に)閉塞する入球防止部B5540と、を主に備える。
板部B5510は、上昇姿勢(開放状態)において球が転動する転動面B5511を備え、短手方向の長さが、短手方向を前後方向に沿わせる上昇姿勢(開放状態)において基礎部材B5100との間隔が球の半径以下となる長さとされ、長手方向の左端部が、第2検出センサB1250と近接する態様とされる。
また、板部B5510は、軸部B5520の反対側の端部の、上昇姿勢(開放状態)における上側の角部に断面円弧形状に面取りされる面取り部B5512を備える。
板部B5510は、左右方向に長尺の平板状に形成され、球を横並びで5個まで載置可能な長さとされる。
小形被荷重部B5530は、軸部B5520を基準として転動面B5511の反対側に突設され、軸方向視断面が円形状の一部を構成する形状とされる、第2駆動装置B5600からの駆動力伝達を受ける部分である。
入球防止部B5540は、転動面B5511の正面側に軸方向視断面が平行四辺形で延設され、第2検出センサB1250の開口の少なくとも一部を塞ぐ位置まで延設され、閉鎖状態において球が第2特定入賞口B1002に入球することを防止可能に構成される部分である。
図174(a)及び図174(b)は、図173のCLXXIVa−CLXXIVa線における可変入賞装置B5000の断面図である。図174(a)では、第2開閉板B5500の閉鎖状態が図示され、図174(b)では、第2開閉板B5500の開放状態が図示される。
第2駆動装置B5600は、スライド案内孔B5180に挿通され、不図示の第2ソレノイドの動作に伴って前後変位するよう構成されるスライド棒B5610を備える。スライド棒B5610は、第2ソレノイドが非励磁の状態においては薄板部材B2110の前側面よりも背面側に引き込まれて配置され(図174(a)参照)、第2ソレノイドが励磁された状態においては薄板部材B2110の正面側へ張り出し、小形被荷重部B5530を押進可能に構成される(図174(b)参照)。
図174(b)に示すように、第2開閉板B5500の開放状態では、貫通孔B5273の上縁と小形被荷重部B5530との間にスライド棒B5610が入り込む。この状態において、第2開閉板B5500の転動面B5511に球が乗ると、球の重みにより第2開閉板B5500が閉鎖状態(傾倒状態)へ付勢される。一方、小形被荷重部B5530の変位軌跡内にスライド棒B5610が進入しているので、第2開閉板B5500が閉鎖状態へ向けて変位する際にスライド棒B5610が小形被荷重部B5530に押進される(上方変位する)ことになるが、スライド棒B5610は貫通孔B5273の上側面に上方変位を規制されている。これにより、小形被荷重部B5530の変位を規制することができるので、第2開閉板B5500を開放状態で維持することができる。
本実施形態では、第2開閉板B5500の開放状態においてスライド棒B5610が入球前範囲に張り出す構成を採用している。そのため、対策なしでは、入球前範囲を流下する球がスライド棒B5610に流下を妨害される事態が発生する可能性がある。例えば、第2開閉板B5500の左側の軸部B5520付近から正面側へ張り出すように配置すると、スライド棒B5610が第2検出センサB1250の開口の右側に配置されることで、球の流下を妨害する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド棒B5610を第2開閉板B5500の右側の軸部B5520付近、即ち、第2検出センサB1250の反対側に配置している。これにより、第2検出センサB1250の開口へ向かう球の流下がスライド棒B5610に妨害されることを回避することができる。
図175(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図175(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図175(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図である。なお、図175(a)から図175(c)では、開閉板B2300の開放状態および第2開閉板B5500の閉鎖状態が図示される。
同様に、図176(a)は、図172のCLXXVa−CLXXVa線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図176(b)は、図172のCLXXVb−CLXXVb線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図であり、図176(c)は、図172のCLXXVc−CLXXVc線に対応する線における可変入賞装置B5000の断面図である。なお、図176(a)から図176(c)では、開閉板B2300の閉鎖状態および第2開閉板B5500の開放状態が図示される。
図176(a)から図176(c)に図示されるように、開閉板B2300の左右方向の配置に関わらず、開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられる際の、開閉板B2300に乗っていた球の滑落開始位置の下側を通るようにして、第2開閉板B5500が開放状態へ向かって変位するよう構成される。これは、第2開閉板B5500が閉鎖状態に切り替えられる際における開閉板B2300の変位についても同様である。
これにより、開閉板B2300及び第2開閉板B5500の開閉において、開閉の順序や、開閉板B2300,B5500に対する球の配置に関わらず、零れ球の発生個数を低減する効果を生じさせることができる。
なお、この効果は、入球前範囲上部に配置されていた球が滑落する際(図176(a)参照)に特に大きくなる。即ち、開閉板B2300から球が滑落する際に、開放状態における転動面B2311,B5511間の上下距離に加えて、第2開閉板B5500の板部B5510の短手方向幅長さ分下側から転動面B5511を上昇変位(上方へ回動変位)させることができるので、球を救い上げ易くすることができる。
本実施形態では、例えば、特別遊技状態において、開閉板B2300が開放状態(図175参照)で維持されるラウンドが終了し開閉板B2300が閉鎖状態に切り替えられた後で、第2開閉板B5500が閉鎖状態から開放状態(図176参照)へ切り替えられる場合に、開閉板B2300から滑落しかけた球を第2開閉板B5500で救い上げやすく構成することができる。
従って、特別遊技状態において、上述の第1の作動パターンのように、開閉板B2300と第2開閉板B5500とをラウンド進行に合わせて交互に開閉するように制御することで、全てのラウンド間インターバルにおいて零れ球の発生を抑制する作用を生じさせることができる。
零れ球の発生の抑制のためにはラウンド間インターバルを短くすることが求められるところ、本実施形態では、閉鎖状態へ向けた開閉板B2300,B5500の変位方向と、開放状態へ向けた開閉板B5500,B2300の変位方向とが上下方向で対向し、変位軌跡が部分的に重なっている。そのため、開閉板B2300,B5500の閉鎖状態への変位が遅れると、開放状態へ向けて変位する開閉板B5500,B2300と衝突する虞がある。
ここで、例えば、上述の第1回動部材B3700のように、閉鎖状態への変位方向が球を救い上げる方向である場合には、球の個数によって変位抵抗が異なるため、閉鎖状態への変位が遅れる可能性がある。
これに対し、本実施形態における開閉板B2300,B5500の閉鎖状態への変位方向は、下方へ傾倒する方向なので、球の個数によって変位抵抗は変化しない。更に、球の個数が増えれば、球の自重が開閉板B2300,B5500の変位方向へ向けて付勢する程度が大きくなるので、閉鎖状態への変位の迅速さを向上させることができる。
従って、開閉板B2300,B5500の閉鎖状態への変位の遅れが生じることを防止することができるので、閉鎖状態へ向けて変位する開閉板B2300,B5500と開放状態へ向けて変位する開閉板B5500,B2300との衝突を避けることができる。
次いで、第16実施形態について説明する。第12実施形態では、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002とが60mm程度の間隔を空けて配設される場合を説明したが、第16実施形態における可変入賞装置B6000は、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間隔が長くされている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図177は、第16実施形態における遊技盤13及び可変入賞装置B6000の正面図である。図177に示すように、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の配置が左右外側にずらされており、間隔が長くなっている。
本実施形態では、第1特定入賞口B1001は、電動役物640aとの左右間隔が65mmとなる位置に配置され、第2特定入賞口B1002は、電動役物640aとの左右間隔が65mmとなる位置に配置されている。閉鎖状態における電動役物640aの外幅が約30mmなので、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間隔は、約160mmとされる。なお、この場合において、入球前範囲に球が流入可能な左右長さは、電動役物640aの外幅の長さを差し引いて、約130mmとされる。
なお、電動役物640aは、下端部に配置される回動軸を中心に互いに離れる方向へ傾倒することで開放状態を構成し、互いに近づく方向へ起き上がることで閉鎖状態を構成する。
入球前範囲において開閉変位する部材の構成は、上述したものを設計変更して流用することができる。例えば、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002との間隔に合わせて、上述の案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520を長尺方向に延長して案内板B1300,B1500を構成することで、入球前範囲に到達した球を第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002に入球させるように可変入賞装置B6000を構成することができる。
案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520の傾斜角度は、上述のように、水平面に対して7度で構成される。この場合、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との上下方向長さは約19.6mm(=160×tan(7度))となる。そのため、上述したよりもラウンド間インターバルを長めに設定したとしても、零れ球の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、案内部材B1310,B1510及び上流側部材B1320,B1520の傾斜角度が7度の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜角度を45度で設定しても良い。この場合、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との上下方向長さを更に長くすることができるので、ラウンド間インターバルを更に長めに設定したとしても、零れ球の発生を抑制することができる。
更に、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との間に、球が横から進入可能な程度の空間が形成される。そのため、上流側部材B1320,B1520に案内されず、その左右外側へ流下した球が、その下流側で他の部材(釘や、樹脂部材)に衝突した後で、上述の空間を通って案内部材B1510,B1310に到達するような事態を生じさせることができる。
これは、入球前範囲下部を狙って右打ち又は左打ちするか、入球前範囲上部を狙って左打ち又は右打ちするかを遊技者が選択する際の判断材料になる。なお、第1特定入賞口B1001へ球を案内可能な状況においては、左打ちによって入球前範囲上部を狙うことができ、右打ちによって入球前範囲下部を狙うことができる。一方、第2特定入賞口B1002へ球を案内可能な状況においては、右打ちによって入球前範囲上部を狙うことができ、左打ちによって入球前範囲下部を狙うことができるというように、発射態様と狙いとの関係は球を案内可能な特定入賞口B1001,B1002が変わると反転するので、遊技者を遊技に集中させることができる。
入球前範囲上部を狙って球を打ち出す場合、上記各実施形態で説明した突設部B1140等による減速作用によって、入球前範囲下部に複数の球が配置されることを回避することができ、零れ球の発生個数を低減することができるという点で有利である。一方で、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との間の空間から入球前範囲に球が進入したとしても、その球はアウト口71へ向けて流下し易いという点で不利である。
一方、入球前範囲下部を狙って球を打ち出す場合、減速作用に期待することはできないので、入球前範囲下部に複数の球が配置されることになり、零れ球の発生個数が多くなり易いという点で不利である。一方で、上流側部材B1320,B1520の上端部と、その下方に配置される案内部材B1510,B1310の下端部との間の空間から入球前範囲に進入した球は、入球前範囲下部に到達し、特定入賞口B1001,B1002に案内され得るという点で有利である。
簡潔に言えば、入球前範囲上部を狙って球を打ち出す場合、可変入賞装置B6000の上方から落下した後の球が零れ球となる可能性は低いが、横から入球前範囲に進入した球が零れ球となる可能性が高い。これに対し、入球前範囲下部を狙って球を打ち出す場合、可変入賞装置B6000の上方から落下した後の球であっても零れ球となることが十分に考えられるが、横から入球前範囲に進入した球であっても零れ球とならずに特定入賞口B1001,B1002へ案内される可能性がある。
このように、本実施形態では、可変入賞装置B6000へ向かう球の流下経路が違う場合に遊技者が得られる利益にバランスが設定されているので、遊技者は、好みの利益バランスを選択して、球の発射態様を選択することができる。
また、本実施形態では、可変入賞装置B6000と同様の駆動態様で、球が右下がりに案内される状態と、球が左下がりに案内される状態と、球を案内しない状態とで状態が切り替え可能に構成される可変装置B6001,B6002が、遊技領域に配設される。なお、状態切り替えのタイミングは何ら限定されるものではないが、本実施形態では、電源投入から一定パターンで状態が切り替えられる(一定の状態切り替えのパターンが繰り返し実行される、又は、一定の間隔で状態が切り替えられる)。
第1可変装置B6001は、左側のスルーゲート67の真下に配置されている。左下がりに球を案内する状態では、球を案内する板の下端と、内レール61との間隔が球の直径未満とされていることから、球が一時的に滞留される。これにより、等間隔で発射される球の配置間隔を故意に異ならせるよう制御することができる。
また、右下がりに球を案内する状態では、案内される球がセンターフレーム86の内部流路86aへ案内される。内部流路86aに入球した球は、センターフレーム86の内部を通り、第1入賞口64の真上位置付近からベース板60側(正面側)へ案内され、ベース板60とガラスユニット16(図1参照)との間を落下することになる。そのため、第1入賞口64へ入球し易くすることができる。
なお、遊技領域の右側には第1可変装置B6001は配設されていない。そのため、センターフレーム86の左側へ狙って球を打つ場合と、センターフレーム86の右側へ狙って球を打つ場合とで、内部流路86aへの入り易さを変えることができ、第1入賞口64への入球し易さを変化させることができる。
第2可変装置B6002は、センターフレーム86の真上に配置され、案内経路の交差位置がセンターフレーム86の左右中心位置と一致するように配設されており、外レール62との間で球が十分に通過できる間隔を空けて配置されている。
第2可変装置B6002により、センターフレーム86の上端部に着地する程度の強度で発射された球を、遊技領域の左側へ流す状態と、遊技領域の右側へ流す状態とで切り替えることができる。これにより、左右に均等に球が流下する事態を回避して、左側または右側にまとまった個数の球を流下させることができる。
これにより、第2可変装置B6002の状態を把握して球を発射することで、遊技領域の狙いの範囲に球を案内し易くすることができるので、第2可変装置B6002への遊技者の注目力を向上することができる。
次いで、第17実施形態について説明する。第11実施形態では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が別々の駆動装置B1400,B1600で駆動される場合を説明したが、第17実施形態における可変入賞装置B7000は、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の変位に兼用される兼用駆動装置B7700を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図178は、第17実施形態における可変入賞装置B7000の上面図である。図178に示すように、可変入賞装置B7000は、上述の可変入賞装置B1000の構成に加え、背面側に配設される兼用駆動装置B7700と、その兼用駆動装置B7700へ向かって、直動部材B1420から背面側へ延設され延設先端で屈曲し上方へ延設される伝達棒B7422と、直動部材B1620から背面側へ延設され延設先端で屈曲し下方へ延設される伝達棒B7622と、を備える。
伝達棒B7422,B7622を通して、兼用駆動装置B7700で発生した駆動力が直動部材B1420,B1620へ伝達され、案内板B1300,B1500が変位可能に構成されている。
兼用駆動装置B7700は、回転駆動される駆動モータB7710と、その駆動モータB7710の回転力により、左右方向(水平方向)を向くように固定された軸を中心として回転変位することで伝達棒B7422,B7622に駆動力を伝達可能に構成される伝達回転体B7720と、を備える。
伝達棒B7422,B7622は、延設先端側が伝達回転体B7720の軸線の鉛直上下方向に沿って延設されている。そして、伝達棒B7422,B7622の延設先端は伝達回転体B7720の上下位置(軸中心に180度離れた位置、図179(a)参照)において伝達回転体B7720と係合するように構成されている。以下、伝達回転体B7720の構成を詳細に説明し、伝達棒B7422,B7622への駆動力伝達の態様を説明する。
図179(a)は、伝達回転体B7720の正面図であり、図179(b)は、図179(a)の矢印CLXXIXb方向視における伝達回転体B7720の側面図であり、図179(c)は、伝達回転体B7720の円周面を展開した展開図である。
図179(a)から図179(c)に示すように、伝達回転体B7720は、円形板状に形成される部材であって、駆動モータB7710の軸部が固着される中心孔B7721と、外周面から径方向内側へ向けて凹設され円周方向に沿って連続的に形成される被進入溝部B7730と、を備える。
図179(a)に示すように、伝達棒B7422,B7622は、被進入溝部B7730に入り込むように配置される。被進入溝部B7730は、最小の溝幅Wminが、伝達棒B7422,B7622の先端太さよりも若干長くなる寸法で構成されているので、被進入溝部B7730に伝達棒B7422,B7622が入り込んだ状態で伝達回転体B7720を360度以上回転させることが可能である。
被進入溝部B7730は、ほとんどの角度範囲において溝幅Wminで形成されており、特定の角度範囲において溝幅が最大の溝幅Wmaxまで拡大されている。溝幅Wmaxは、ソレノイドB1410,B1610により許容されている伝達棒B7422,B7622の変位を制限しない十分長い幅として設定される。
被進入溝部B7730は、溝幅Wminで形成される範囲が、回転軸に垂直な2つの平面BS71,BS72の内の片方に沿って延びる区間と、2つの平面BS71,BS72を回転軸線に対して傾斜する線に沿って結ぶ区間とにより構成される。
2つの平面BS71,BS72は、伝達棒B7422,B7622の左右位置に対応する。本実施形態では、2つの平面BS71,BS72の間の間隔が、ソレノイドB1410,B1610の直動部材B1420,B1620の変位幅に対応するように設定される。
即ち、伝達棒B7422が第1の平面BS71上に配置されている場合には、直動部材B1420は第1ソレノイドB1410の非励磁の状態における位置に配置されるので、第1案内板B1300は閉鎖状態とされる。一方、伝達棒B7422が第2の平面BS72上に配置されている場合には、直動部材B1420は第1ソレノイドB1410の励磁状態における位置に配置されるので、第1案内板B1300は開放状態とされる。
また、伝達棒B7622が第1の平面BS71上に配置されている場合には、直動部材B1620は第2ソレノイドB1610の非励磁の状態における位置に配置されるので、第2案内板B1500は閉鎖状態とされる。一方、伝達棒B7622が第2の平面BS72上に配置されている場合には、直動部材B1620は第2ソレノイドB1610の励磁状態における位置に配置されるので、第2案内板B1500は開放状態とされる。
従って、被進入溝部B7730を適切に設計することによって、伝達回転体B7720の回転と同期して案内板B1300,B1500の状態を切り替えることができる。以下、被進入溝部B7730の形状の詳細について説明する。
被進入溝部B7730は、境界位置BCL71を基準として、上側の溝部に伝達棒B7622が案内され、下側の溝部に伝達棒B7422が案内されるよう構成されており、境界位置BCL71の上下にそれぞれ、同様の角度範囲および順序で、非駆動区間B7731、駆動区間B7740,B7750及び演出区間B7760が構成される。
非駆動区間B7731は、約30度の区間が180度間隔で2箇所に配置され、角度方向中央部が溝幅Wmaxとされている。この溝幅Wmaxの部分に伝達棒B7422,B7622が進入する状態では、伝達棒B7422,B7622の変位が被進入溝部B7730に制限されない。そのため、ソレノイドB1410,B1610を駆動制御することにより、案内板B1300,B1500の状態を閉鎖状態や開放状態に切り替えることができる。
駆動区間B7740,B7750は、非駆動区間B7731の端から105度の区間で連続的に形成されるが、境界位置BCL71を挟んで形状が異なるので、順に説明する。
図179(c)で境界位置BCL71よりも下側に配置されている第1駆動区間B7740は、伝達棒B7422の変位に関係する区間であって、約15度にわたって形成される第1溝部B7741と、その第1溝部B7741から約45度にわたって連続的に形成される第2溝部B7742と、その第2溝部B7742から約45度にわたって連続的に形成される第3溝部B7743と、を備える。
第1溝部B7741及び第2溝部B7742は、第1の平面BS71上に配置され、第3溝部B7743は、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に配置が移る。
図179(c)で境界位置BCL71よりも上側に配置されている第2駆動区間B7750は、伝達棒B7622の変位に関係する区間であって、約15度にわたって形成される第1溝部B7751と、その第1溝部B7751から約45度にわたって連続的に形成される第2溝部B7752と、その第2溝部B7752から約45度にわたって連続的に形成される第3溝部B7753と、を備える。
第1溝部B7751及び第3溝部B7753は、第1の平面BS71上に配置され、第2溝部B7752は、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に配置が移る。
そのため、駆動区間B7740,B7750に伝達棒B7422,B7622が進入する状態では、伝達棒B7422,B7622が被進入溝部B7730の形状に沿って変位される。従って、伝達回転体B7720の回転によって、案内板B1300,B1500を閉鎖状態および開放状態で切り替えることができる。
図179(d)は、伝達回転体B7720の回転方向と第1案内板B1300及び第2案内板B1500の状態との関係を模式的に示す模式図である。図179(d)では、駆動区間B7740,B7750に伝達棒B7422,B7622が進入している状態を前提としている。
図179(d)によれば、駆動モータB7710の回転方向を適切に切り替えることで、第1案内板B1300のみを開閉する作動パターンも、第2案内板B1500のみを開閉する作動パターンも、案内板B1300,B1500を交互に開閉する作動パターンも、実行可能とされる。
待機状態で伝達棒B7422,B7622が第1溝部B7741,B7751に配置される場合には、第2案内板B1500のみを開閉する作動パターンを開始する場合であっても、第2案内板B1500の開放状態を構成する前に、第1案内板B1300の開放状態を経由する必要が生じるが、駆動モータB7710の回転速度を上げることで、第1案内板B1300を即座に閉鎖状態に切り替えることができるので、実用上は問題となりにくい。
また、最終ラウンドで第2案内板B1500が開放される場合には、ラウンド終了時に伝達棒B7422,B7622を第1溝部B7741,B7751に配置する状態に戻すには第2溝部B7742,B7752を経由する必要があり、第1案内板B1300が開放されてしまうという問題が生じるとも思われる。
一方で、実際は、上述のように駆動モータB7710の回転速度を上げることで対応したり、伝達棒B7422,B7622を第2溝部B7742,B7752と第3溝部B7743,B7753との境界位置に配置することで案内板B1300,B1500の両方を閉鎖状態とすることで対応したりできるので、実用上は問題となりにくい。
伝達棒B7422,B7622を第2溝部B7742,B7752と第3溝部B7743,B7753との境界位置に配置することで案内板B1300,B1500の両方を閉鎖状態として特別遊技状態を終えた場合であっても、伝達棒B7422,B7622の配置を次の特別遊技状態の開始時まで記憶しておけば、(即ち、伝達棒B7422,B7622が第2溝部B7742,B7752と第3溝部B7743,B7753との境界位置から開始されることを記憶しておけば)、初回のラウンドで第1案内板B1300を開放状態にする場合にも、第2案内板B1500を開放状態する場合にも対応することができる。
伝達回転体B7720の回転によって案内板B1300,B1500を変位させる場合の利点として、伝達回転体B7720を回転駆動するのみで、案内板B1300,B1500の動作順序を機械的に規定することができることがあげられる。
そのため、案内板B1300,B1500を別々の駆動装置で駆動する場合に必要となる複雑な制御プログラムは不要であり、伝達回転体B7720の速度に関わらず、案内板B1300,B1500を適切な順序で連動させることができる。
この場合、駆動モータB7710の回転速度を増加させ、伝達回転体B7720を高速で回転させれば、ラウンド間インターバルを短縮することができる。また、第1案内板B1300と第2案内板B1500とで、閉鎖状態と開放状態とを入れ替えるように駆動する際に、駆動モータB7710の回転方向を反転させる必要が無いので、ラウンド間インターバルを短縮し易くすることができる。
演出区間B7760は、非駆動区間B7731と駆動区間B7740,B7750との間を連結するように、約45度の区間が180度間隔で2箇所に配置され、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に配置が移るように形成されている。即ち、伝達棒B7422,B7622が演出区間B7760に入り込む状態においては、案内板B1300,B1500の双方が開放状態に切り替えられる。
図180は、可変入賞装置B7000の正面図である。図180では、伝達棒B7422,B7622が演出区間B7760に入り込んだ状態が図示されている。即ち、案内板B1300,B1500の双方が開放状態に切り替えられた状態が図示されている。
図180に示すように、案内板B1300,B1500の双方が開放状態とされると、第1特定入賞口B1001への入球は上流側部材B1520により妨害され、第2特定入賞口B1002への入球は上流側部材B1320により妨害される。また、入球前範囲に到達した球は案内板B1300,B1500の交差位置に集められ、案内板B1300,B1500が閉鎖状態へ変位することで下方へ落下する。
即ち、図180に示す状態では、案内板B1300,B1500の双方が開放状態とされながら、双方の特定入賞口B1001,B1002への入球を防止することができる。そのため、案内板B1300,B1500を開閉させることで遊技者の注目を集めながら、球が特定入賞口B1001,B1002へ入球することを防止することができる。
図180に示す状態は、案内板B1300,B1500の状態が変化しているものの、特定入賞口B1001,B1002への入球が防止されるので、厳密には開放状態ではない。そのため、例えば、音声ランプ制御装置113のMPU221(図4参照)からの出力により駆動モータB7710を回転駆動可能に構成し、通常状態における演出動作として、図180に示す状態を構成するように制御しても良い。また、大当たり遊技の開始に伴わないで案内板B1300,B1500が開放状態を構成する場合(例えば、小当たり)を、図180に示す態様で構成しても良い。
また、案内板B1300,B1500の閉鎖状態として、案内板B1300,B1500の双方が背面側に配置されている状態と、案内板B1300,B1500の双方が正面側に配置されている状態との両方で構成可能としても良い。双方が正面側に配置されている状態では、案内板B1300,B1500のどちらか一方を背面側へ変位させることで、特定入賞口B1001,B1002のいずれかに球を入球可能となり、開放状態を構成可能となる。
本実施形態では、案内板B1300,B1500の交差位置から球を背面側へ排出可能な排出口B7160が穿設される。これにより、案内板B1300,B1500の交差位置に球が溜まることを回避することができる。
なお、排出口B7160を通過した球をアウト球として扱っても良いし、排出口B7160から連通する迂回流路を介して再度遊技領域に戻るように構成して、その戻り球が入球口に入り得るように構成しても良い。
本実施形態では、ソレノイドB1410,B1610に追加して駆動モータB7710を配設したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ソレノイドB1410,B1610を省略し、駆動モータB7710のみで案内板B1300,B1500を駆動するようにしても良い。
また、特別遊技状態における案内板B1300,B1500の駆動を、第1状態においてはソレノイドB1410,B1610の駆動力で実行し、第1状態とは異なる第2状態においては駆動モータB7710の駆動力で実行するようにしても良い。
また、特別遊技状態はソレノイドB1410,B1610の駆動力で実行し、駆動モータB7710は音声ランプ制御装置113のMPU221により制御が実行されるようにしても良い。この場合、特別遊技状態においては、非駆動区間B7731に伝達棒B7422,B7622が進入する状態とすればよい。
次いで、第18実施形態について説明する。この実施形態は、第11実施形態の別制御例に対応する。第11実施形態では、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250が、双方共に特別入賞口B1001,B1002を構成する場合を説明したが、第18実施形態における可変入賞装置B1000は、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が同時に変位することが許容され、第1検出センサB1230は第1特定入賞口B1001を構成する一方で、第2検出センサB1250は、特定領域として機能するよう構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図181(a)は、第4の作動パターンにおける第1案内板B1300及び第2案内板B1500の計時変化を示した図であり、図181(b)は、第5の作動パターンにおける第1案内板B1300及び第2案内板B1500の計時変化を示した図である。なお、図181の説明では、図130、図132及び図137を参照する。
本実施形態では、第2案内板B1500及び第2検出センサB1250が、確率変動判定部として機能する。即ち、第2検出センサB1250は、特定領域の球の通過を検出するセンサとして機能する。
即ち、本実施形態では、特別遊技状態において、第2検出センサB1250を球が通過すると、その大当たり遊技の終了後、特別図柄の確変状態(高確率状態)へ移行するように制御される。
主制御装置110のMPU201(図4参照)が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利取得に関する判定を行うのは、大当たり遊技中の特別ラウンド(この実施形態では第1ラウンド目)においてのみとされる。以下では、この特別ラウンドの作動パターンについて詳しく説明する。
本実施形態では、特別図柄の大当たり種別として、大当たりDと大当たりEとの2種類が設けられている。大当たり種別によって、第1案内板B1300及び第2案内板B1500の作動パターンが異なって構成されており、入球に伴う払い出し賞球の個数や、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得する確率を変化させるように構成される。
大当たりDとなった場合は、1ラウンド目の大当たり遊技が、第4の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、ほぼ確実に特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるが、賞球の払い出しをほとんど受けることができないように構成される。
大当たりEとなった場合は、1ラウンド目の大当たり遊技が、第5の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、約150個の賞球の払い出しを受けることができると共に、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利をほとんどの場合に取得することができない。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる第1案内板B1300及び第2案内板B1500の作動制御について説明する。
<第4の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりDの大当たり遊技の場合には、前記第4の作動パターンに基づいて案内板B1300,B1500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B1300,B1500を閉状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B1300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御する。第1ソレノイドB1410の駆動は3秒間隔で切り替えられるよう制御されており、第1案内板B1300は3秒間隔で開放状態と閉鎖状態とを切り替えられる。
第2案内板B1500は、第1ソレノイドB1410の初回の駆動タイミングから、2秒後に第2ソレノイドB1610が駆動制御されることで、開放状態に切り替えられる。第2ソレノイドB1610は、以降28秒間駆動を維持される。そのため、第2案内板B1500は開放状態で維持される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B1300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述の第4の作動パターンによれば、第1案内板B1300が開放状態を構成してから2秒間は、第1特定入賞口B1001へ入球させることが可能となるが、2秒経過後は、第2案内板B1500が開放状態とされることで第2検出センサB1250の特定領域に入球させることができる一方、第2案内板B1500により第1特定入賞口B1001が閉鎖されるので、規定個数の入球を実現することができない。
これにより、1ラウンド目の特別遊技において、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができるが、規定時間の経過を待つ必要があるように制御することができる。
<第5の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりEの大当たり遊技の場合には、前記第5の作動パターンに基づいて案内板B1300,B1500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B1300,B1500を閉状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B1300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御する。第1ソレノイドB1410の駆動は第1案内板B1300が開放状態で維持されるよう制御されており、第1案内板B1300はラウンド終了まで開放状態が維持される。
第2案内板B1500は、第1ソレノイドB1410の初回の駆動タイミングから、2秒後に第2ソレノイドB1610が駆動制御されることで、開放状態に切り替えられる。第2ソレノイドB1610は、0.5秒後に駆動が解除されるので、第2案内板B1500は閉鎖状態に戻る。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施絵形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B1300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
上述の第5の作動パターンによれば、第1案内板B1300が開放状態を構成してから、第1特定入賞口B1001へ入球させることが可能となる。2秒経過後に第2案内板B1500が開放状態とされるが、即座に閉鎖状態に切り替えられるので、第1特定入賞口B1001への入球の障害にはならない。一方、第2案内板B1500が開放状態となる期間に亘って、第1案内板B1300が開放状態で維持されるので、第2検出センサB1250は第1案内板B1300により塞がれることになる。そのため、球が特定領域を通過することはない。
これにより、1ラウンド目の特別遊技において、遊技者は特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができないが、規定時間の経過を待たずに、第1特定入賞口B1001へ規定個数の球を入球させることで1ラウンド目の特別遊技を終えることができる。
このように、本実施形態によれば、可変入賞装置B1000では、1ラウンド目の制御として異なる作動パターンを設けることにより、ラウンド遊技における賞球の払い出しはほとんど許容せず、特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得させるラウンドを構成することができる。
ここで、従来技術と異なり、第4の作動パターン及び第5の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技において第2案内板B1500が動作前に閉鎖状態とされている間において第1案内板B1300を閉鎖状態とする必要がないので、第1案内板B1300に到達した球が零れることを防止し易くすることができる。以下、このことについて説明する。
従来技術では、特定領域の開閉を行う動作部材の動作開始前に第1特定入賞口B1001に規定個数の球が入賞してラウンド遊技が終了してしまうと、動作部材は開放状態となっているのに第1特定入賞口B1001に球を入賞させられず、遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができないという不具合が生じる虞があることから、それを防止するために、ラウンド開始後において第1特定入賞口B1001を開閉する開閉部材を閉鎖状態で数秒維持するように制御していた。
そのため、ラウンド開始後に流下し、第1特定入賞口B1001に入球し得るタイミングで開閉部材に到達した球が、開閉部材が閉鎖状態で維持されるために零れてしまい、遊技者の残念感が増す虞があった。
これに対し、本実施形態では、第2検出センサB1250が第1特定入賞口B1001の下流に配設される構成ではないので、第1案内板B1300が閉鎖状態を構成し第1特定入賞口B1001に球が入球不可能な状態となったとしても、第2案内板B1500が開放状態となりさえすれば、問題無く遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができる。
また、駆動開始までの時間を2秒とすることで、第1特定入賞口B1001への規定個数(本実施形態では、10個)の入球が生じる前に第2案内板B1500を開放状態に切り替えるようにしている。
そのため、本作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技において第2案内板B1500が動作前に閉鎖状態とされている間においても、第1案内板B1300を開放状態で維持することで第1案内板B1300の動作に対して遊技者が違和感を抱くことを防止しつつ、入賞の態様により遊技者が特別図柄の確変状態(高確率状態)への移行の権利を取得することができなくなるという不具合が生じることを防止することができる。
更に、第5の作動パターンにおいては、第1案内板B1300を開放状態で維持し、閉鎖状態へ変化しないので、従来技術として上述したように開閉部材が閉鎖状態で数秒維持される場合に比較して、第1ラウンド目の遊技中の零れ球の発生個数を低減することができる。
なお、特別ラウンドの態様は、上記の説明に限られるものではない。例えば、1ラウンド目ではなく、2ラウンド目に構成しても良いし、最終ラウンドに構成しても良く、何ラウンド目に構成するかは任意である。また、特別ラウンドを複数構成しても良い。
なお、大当たりD及び大当たりEの2ラウンド目以降の作動パターンについては、特に説明しないが、共通で構成しても良い。例えば、第1開閉板B1300がラウンド中に開放状態を維持し、第2開閉板B1500は常時閉鎖状態で維持される。
次いで、第19実施形態について説明する。第14実施形態では、案内板B4300を転動した球が球案内受部B4260に入球し難くなるように構成される場合を説明したが、第19実施形態における可変入賞装置B9000は、球案内受部B4260への入球が容易になるように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
また、球案内受部B4260への入球が遊技者にどのような利益を付与するかは、任意に設定可能である。例えば、特別図柄の抽選や、賞球の払い出しや、確変状態の付与などの有利なものでも良いし、転落抽選などの不利なものでも良い。
図182は、第19実施形態における可変入賞装置B9000の正面図である。図182に示すように、可変入賞装置B9000では、左側延設部B1240の形成が省略され、基礎部材B9100に穿設される貫通形成部B9120が、上述の貫通形成部B4120の左端部から傾斜を維持して左方へ延長される形状とされ、それと同様に、第1検出センサB1230の開口へ球を案内可能な開放状態と、球を案内不能な閉鎖状態とで状態を切り替えるように前後方向にスライド変位可能に構成される案内板B9300が、上述の案内板B4300の左端部から傾斜を維持して左方へ延長される形状とされる。
即ち、可変入賞装置B9000は、第1検出センサB1230の開口へ向けて球を案内する右下がりの案内経路のみを形成し、上記各実施形態とは異なり、左下がりの案内経路の形成を省略している。
案内板B9300が開放状態の時に、案内板B9300への球の到達の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、案内板B9300の上方から球が落下する態様や、案内板B9300の左方(上流側)において案内板B9300へ球を案内可能な配設態様(傾斜態様)でベース板60(図124参照)に植設される釘BKG91に衝突した球が案内板B9300の左側部に到達する態様等が例示される。
基礎部材B9100は、開放状態の案内板B9300の転動面9311を転動する球に作用する複数の突設部B9140を備える。複数の突設部B9140は、鉛直方向に長尺の柱状に形成されており、案内板B9300を転動する球に当接可能となる長さで突設形成されるが、その形成位置がそれぞれ異なる。
即ち、左端に配設される第1突設部B9141は、転動面B9311と球の直径程度の間隔を空けて配設されており、第1突設部B9141の右隣に球の直径の2倍長さ程度の左右間隔で配設される第2突設部B9142は、転動面B9311と球の直径の5/6程度の間隔を空けて配設されている。
第2突設部B9142の右隣に球の直径程度の左右間隔で配設される第3突設部B9143は、転動面B9311と球の直径の4/6(=2/3)程度の間隔を空けて配設されており、第3突設部B9143の右隣に球の直径程度の左右間隔で配設される第4突設部B9144は、転動面B9311と球の半径程度の間隔を空けて配設されている。第4突設部B9144は、球案内受部B4260の真上から、若干左に位置ずれした位置に形成される。
即ち、突設部B9140は、第1突設部B9141から第4突設部B9144へ向かうほど、転動面B9311を転動する球との当接位置が球の中心へ近づくことになるので、球を減速させる作用が徐々に増大する。従って、突設部B9140により、転動面B9311を転動する球の減速の程度を下流へ向かう程に大きくすることができる。
これにより、転動面B9311の位置ごとの転動球の滞在時間に差を持たせることができる。特に、第4突設部B9141付近における球の滞在時間を相対的に長くすることができるので、案内板B9300が閉鎖状態に切り替えられる際に球が球案内受部B4260へ向けて流下する確率を上げることができる。
第4突設部B9144の右隣に球の直径の1.5倍程度の左右間隔で配設される第5突設部B9145は、転動面B9311と球の直径の4/6(=2/3)程度の間隔を空けて配設されており、第5突設部B9145の右隣に球の直径程度の左右間隔で配設される第6突設部B9146は、転動面B9311と球の直径の5/6程度の間隔を空けて配設されている。
即ち、突設部B9140は、第4突設部B9144から第6突設部B9146へ向かうほど、転動面B9311を転動する球との当接位置が球の中心から離れることになるので、球を減速させる作用が徐々に減少する。従って、突設部B9140により、転動面B9311を転動する球の加速の程度を下流へ向かう程に大きくすることができる。
これにより、転動面B9311の位置ごとの転動球の滞在時間に差を持たせることができる。特に、第1検出センサB1230の直前位置における球の滞在時間を相対的に短くすることができるので、案内板B9300が閉鎖状態に切り替えられるよりも前に第1検出センサB1230へ球を入球させ易くすることができる。これにより、第1検出センサB1230の開口への入球効率を向上させることができ、零れ球の個数を低減することができる。
また、本実施形態のように、球との当接位置を上下で異ならせることにより、球に対して上下方向の負荷がかかり易くなる。そのため、球が転動面B9311に常に密着して転動する場合のみでなく、跳ねながら流下する(暴れる)場合も生じ得る。これにより、案内板B9300に案内される球の流下態様に種類を持たせることができ、球に注目する遊技者を飽きさせることがない。
なお、突設部B9140は、鉛直方向に長尺の棒状として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、鉛直方向に対して、長尺方向が傾斜しても良い。例えば、左側へ向けて下降傾斜する方向に長尺方向が一致するようにしても良い。この場合、転動面B9311を転動する球の速度によって、球の減速の程度に差を生じさせることができる。例えば、球が高速で転動する場合には、突設部B9140の傾斜に乗り上げやすく、減速の程度が小さくなる一方で、球の転動速度が遅い場合には、乗り上げを生じさせず、十分に減速させることができるように構成することができる。この場合、球の転動速度の大小の違いによって、突設部B9140に寄る球の減速の程度を異ならせることができる。
なお、本実施形態における徐々に減速の程度が増大する区間(第1突設部B9141から第4突設部B9144までの区間)に、徐々に加速する区間を設けても良いし、徐々に加速の程度が増大する区間(第4突設部B9144から第6突設部B9146までの区間)に、徐々に減速する区間を設けても良い。
なお、本実施形態の構成を、上記各実施形態で説明した案内経路が交差する装置に採用しても良い。また、突設部B9140は基礎部材B9100に固定される場合に限定されるものではない。
例えば、案内板B9300に一体的に形成され、基礎部材B9100に形成される開口を通して、案内板B9300と連動して入球前範囲に突出する状態と、入球前範囲から埋没する状態とで切り替え可能に構成しても良い。この場合、閉鎖状態において突設部B9140に球が衝突する事態が発生することを回避することができる。この場合において、全ての突設部B9140が案内板B9300と連動するように構成しても良いし、一部の突設部B9140が案内板B9300と連動し、他の突設部B9140は基礎部材B9100に固定されるようにしても良い。
なお、球案内受部B4260は、案内板B9300の下端よりも下側に離れて配置されることに限定されるものではない。例えば、案内板B9300に近接配置され、案内板B9300の下端部(突条支持部B1225と当接する部分)よりも上側に入り込んで配置されても良い。この場合、案内板B9300と球案内受部B4260との上下間隔を狭めることで、案内板B9300から滑落した球が球案内受部B4260に入球する事態を生じ易くすることができる。
次いで、第20実施形態について説明する。第13実施形態では、回動部材B3700,B3900が下側へ回動変位することで開放状態となるように構成される場合を説明したが、第20実施形態における可変入賞装置B20000は、上側へ回動変位することで開放状態となるように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図183(a)及び図183(b)は、図158の範囲CLXIIaに対応する範囲における第20実施形態における可変入賞装置B20000の部分正面図であり、図183(c)は、図183(a)の矢印CLXXXIIIc方向視における可変入賞装置B20000の部分上面図である。
図183(a)及び図183(c)では、可変入賞装置B20000の閉鎖状態が図示され、図183(b)では、第2回動部材B20900の開放状態が図示される。図183に示すように、可変入賞装置B20000は、回動変位することで球の案内経路を構成する第1回動部材B20700と、回動変位することで球の案内経路を構成する第2回動部材B20900と、を備える。
回動部材B20700,B20900を支持する支持部材には、上述の突設軸部B3171と、その突設軸部B3171を中心とした円弧に沿って穿設され突設部B20711,B20911の変位を案内する円弧状孔B20172とが形成される。
第1回動部材B20700と第2回動部材B20900とは、略対称の形状から形成されるので、第1回動部材B20700について説明し、第2回動部材B20900の説明を省略する。
第1回動部材B20700は、第1特定入賞口B1001への球の入球を防止する閉鎖状態(図183(a)参照)と、起き上がり方向に回動変位され第1特定入賞口B1001へ球を案内可能とされる開放状態(第2回動部材B20900についての図183(b)参照)とで状態が切替可能に構成され、右側の突設軸部B3171に回動変位可能に軸支される本体部B20710と、その本体部B20710の径方向に沿って延設される延設板部B20720と、を備える。
本体部B20710は、突設軸部B3171よりも左右内側(左側)位置から回転軸線と平行に背面側へ突設される突設部B20711を備える。突設部B20711は、円弧状孔B20172を通って背面側へ張り出している。
また、本体部B20710は、径方向に沿って張り出す板部B20712を備える。板部B20712は、第1検出センサB1230の開口側へ張り出しており、閉鎖状態において第1検出センサB1230の開口へ球が入球することを防止可能とされる。一方、開放状態(先端が上昇した状態)において、板部B20712と第1検出センサB1230の開口の下縁とが、なだらかに繋がる形状とされており、開放状態において第1検出センサB1230の開口へ球を入球させることができる。
延設板部B20720は、正面視で延設先端側へ向かう程に先細りするように形成され、遊技球を乗せ得る転動面B20721と、回転軸方向と垂直な平面に沿って凹設される凹設部B20722と、を備える。
凹設部B20722は、第2回動部材B20900との干渉を避けるために正面視における第2回動部材B20900の移動軌跡から退避する位置まで形成される凹設部であり、対応する凹設部B20922が第2回動部材B20900にも形成される。
凹設部B20722と、凹設部B20922とが、軸線方向で互い違いに形成されている。これにより、第1回動部材B20700及び第2回動部材B20900の衝突を避けながら、転動面B20721,B20921の形成面積を確保するようにしている。
転動面B20721,B20921には、回動部材B20700,B20900の状態に関わらず球は当接可能とされる。そのため、例えば、閉鎖状態の転動面B20721に案内されて中央位置付近に到達した直後に転動面B20921が開放状態となり第2検出センサB1250の開口へ球を案内する事態を生じさせることができる。即ち、双方の回動部材B20700,B20900が、同じ検出センサ(例えば、第2検出センサB1250)の開口へ球を近づけるように機能する場合がある。
図183(a)に示す閉鎖状態では、回動部材B20700,B20900の転動面B20721,B20921が交差し、そのままでは球が溜まってしまう。これに対し、本実施形態では、転動面B20721,B20921の交差位置に至った球を背面側へ排出するための排出口B20001が形成される。これにより、閉鎖状態において転動面B20721,B20921の交差位置に球が溜まることを回避することができる。
なお、排出口B20001に入球した球により遊技者に与えられる利益は、何ら限定されるものではない。例えば、排出口B20001をアウト口として構成し何ら利益を与えないように構成しても良いし、排出口B20001への入球により賞球の払い出しが生じるようにしても良いし、排出口B20001に入球した球が再度遊技領域に戻るように構成しても良いし、その場合において戻り位置がいずれかの入賞口に入球し易い位置として構成されても良い。
次いで、第21実施形態について説明する。第11実施形態では、球案内受部B1260が固定される場合を説明したが、第21実施形態における可変入賞装置B21000は、球案内受部B21260が、回動変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図184は、第21実施形態における遊技盤13の部分正面図である。図184に示すように、本実施形態における可変入賞装置B21000では、案内板B1300,B1500の交差位置の鉛直上方に、球を1個受け止め可能な凹部を備えるように形成される球案内受部B21260が配設される。
球案内受部B21260は、凹部が上側を向く受け止め姿勢において1個の球を受け止め可能とされ、その受け止められた球は受け止め姿勢が維持される限り球案内受部B21260に保持される。球案内受部B21260に球が受け止められた状態で更に別の球が球案内受部B21260に到達した場合には、その球は球案内受部B21260に保持されている球に衝突して球案内受部B21260の左右外側を流れて流下する。
球案内受部B21260は、回動軸B21261を回転軸として時計回りに回転されることで凹部が右斜め下方を向く排出姿勢に切り替え可能とされており、この排出姿勢となることで、受け止められていた球を下方へ排出可能に構成される。排出姿勢から反時計回りに回転変位されることで、球案内受部B21260は、受け止め姿勢に戻るよう構成される。
これにより、左側流下経路BL1で流下する球を球案内受部B21260で1個まで保持可能となるので、入球前範囲に球案内受部B21260が含まれるとする場合に、入球前範囲に到達した球が検出センサB1230,B1250に入球されるまでの期間を球案内受部B21260によって異ならせることができる。
なお、球案内受部B21260の姿勢が変化するタイミングは、何ら限定されるものではない。例えば、電源投入から一定の間隔で姿勢が変化しても良いし、排出姿勢へは球の衝突の負荷により姿勢変化し受け止め姿勢へはバネ等の付勢手段によって姿勢が戻るようにしても良いし、案内板B1300,B1500を駆動させるソレノイドと連動して姿勢変化するように構成しても良い。
ソレノイドと連動する場合において、案内板B1300,B1500が開放状態に切り替えられるタイミングで、毎回、球案内受部B21260が受け止め姿勢から排出姿勢に切り替えられる一方、閉鎖状態に切り替えられるタイミングで球案内受部B21260が受け止め姿勢に戻るようにすることで、閉鎖状態において入球前範囲を通過する可能性のある球を球案内受部B21260で一時的に滞留させることができるので、アウト球の発生個数を低減することができる。
また、球案内受部B21260の変位を、凹部が回転軸B21261の右側を往復動作する変位として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球案内受部B21260が一回転以上で同一方向に変位することで、受け止め姿勢から排出姿勢を経て、再度受け止め姿勢に戻るよう構成しても良い。
図185を参照して、第22実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の案内板B1300,B1500が個別に変位する前提で説明したが、第22実施形態における可変入賞装置B22000は、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が同時に変位し得ることを考慮して構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図185(a)は、第22実施形態における可変入賞装置B22000の上面図であり、図185(b)は、図185(a)のCLXXXVb−CLXXXVb線における可変入賞装置B22000の断面図であり、図185(c)は、図185(b)の矢印CLXXXVc方向視における可変入賞装置B22000の部分側面図である。
本実施形態では、各ソレノイドB1410,B1610を励磁するための回路がそれぞれ複数用意される。即ち、戻りバネの付勢力に反する方向にプランジャーを変位させるように通電し、励磁するための正方向回路が各ソレノイドB1410,B1610に用意され、戻りバネの付勢力に沿う方向にプランジャーを変位させるように通電し、励磁するための逆方向回路が各ソレノイドB1410,B1610に用意される。なお、このような回路を他の実施形態において追加することは、当然可能である。
図185(a)から図185(c)に示すように、可変入賞装置B22000の第2案内板B22500は、連結固定部材B22530が、第11実施形態における第2案内板B1500の連結固定部B1530から、第1案内板B22300の連結固定部材B1330を前後方向に投影した形状部が除かれるように正面視L字形状に形成される。
これにより、連結固定部材B22530は、第1案内板B22300の連結固定部材B1330と同じ前後位置で配置可能とされるので、第1案内板B22300及び第2案内板B22500を配置するのに要する前後幅を低減することができる。
一方、上記各実施形態のように複数の可動部材(案内板B1300,B1500等)を密に配置する場合や、本実施形態のように構成する場合には、例えば、第1ソレノイドB1410を励磁させて第1案内板B22300のみを開閉動作させる場合に、連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間で生じる摩擦力の作用によって第2案内板B22500が連動する可能性が考えられる。
なお、連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間で摩擦力が生じる状況は、設計が故意であるか否かを問題とするものでは無い。例えば、設計段階では連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間に隙間を空けて摩擦力が発生しないようにしていたとしても、経年変化により連結固定部材B1330,B22530の配置がずれたり、隙間に埃が溜まったり、隙間に進入した他の液体や流体等が連結固定部材B1330,B22530と固着したりする等の理由によって連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間の隙間が塞がり、摩擦力が生じる可能性がある。
なお、本実施形態では、隙間を空けるように設計している。後カバー部材B23700を、案内板B22300,B22500の一部であって互いに近接配置される連結固定部材B1330,B22530を上から覆うような形状で形成することで、連結固定部材B1330,B22530への埃の到達を抑制することができる。また、後述するように、大当たり遊技への移行前から、小当たりが高頻度で発生することで、連結固定部材B1330,B22530の間に配置された埃を散らすことができる。これにより、埃の堆積を抑制し、埃の堆積によって生じる誤動作の防止を図ることができる。
また、例えば、設計段階から連結固定部材B1330と連結固定部材B22530との間の隙間を塞ぐことで、一方の連結固定部材B1330,B22530が他方の連結固定部材B22530,B1330の変位を案内する効果を期待する設計をしても良い。
この場合には、第1案内板B22300又は第2案内板B22500の一方が駆動される場合に、他方に摩擦力を与える前提があるので、他方の変位を防止するための負荷(例えば、ソレノイドB1410,B1610の付勢バネの付勢力)が生じるように構成すれば良い。
この場合であっても、埃の進入などで摩擦力が増大したり、他の液体や流体等が固着したり、変位を防止するための負荷が経年劣化によって衰えたりする等の理由によって、第1案内板B22300と第2案内板B22500とが、一方の変位に伴い他方の変位が生じる可能性がある。
ここで、第1実施形態と同様に、第1案内板B22300及び第2案内板B22500は、前側へ変位することで、対応する特定入賞口B1001,B1002の開放状態を構成するが、第1案内板B22300と第2案内板B22500とが共に前側へ変位する状態では、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002の双方への入球が防止される(図180参照)。
そのため、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610に通電され、励磁された場合に、励磁されたソレノイドB1410,B1610によって変位されるべき案内板B22300,B22500とは違う案内板B22500,B22300が、第1案内板B22300と第2案内板B22500との間で生じる摩擦力によって動かされた状態で放置されると、問題である。
即ち、ラウンド遊技として、主制御装置110のMPU201(図4参照)が第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002への入球が可能な状態を構成するように制御されているのにも関わらず、特定入賞口B1001,B1002へ球を入球させることができないことになり、正常な遊技を継続することができなくなる。
換言すれば、ラウンド遊技として、発射球が特定入賞口B1001,B1002のいずれかに入球し易く、多量の賞球の払い出しが期待できる状態に切り替えられるように制御されており、第3図柄表示装置81(図124参照)等の表示も多量の賞球が期待できる前提の設計とされ球の発射を促すものになっているのに、球をいくら発射しても賞球の払い出しを得られず遊技者を困惑させることになる。この場合、遊技者の興趣を著しく低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第1案内板B22300の配置と、第2案内板B22500の配置とを検出可能に構成し、第1案内板B22300及び第2案内板B22500の誤動作を早期に把握可能としている。
詳述すると、可変入賞装置B22000には、第1検出センサBSC221と第2検出センサBSC222とが配設され、第1案内板B22300及び第2案内板B22500には、検出センサBSC221,BSC222の検出溝に配置可能な板状の被検出部B22350,B22550がそれぞれ形成される。なお、被検出部B22350,B22550の形成位置は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、案内板B22300,B22500の閉鎖状態では検出溝に配置されず、案内板B22300,B22500の開放状態では検出溝に配置されるように形成される。
検出センサBSC221,BSC222は、案内板B22300,B22500の位置を検出するフォトカプラ形式のセンサである。フォトカプラ形式のセンサとは、光を投光する投光部と、この投光部からの光を受光する受光部とを備え、検出する部分(被検出部B22350,B22550)を挿入可能な隙間(スリット、検出溝)を備えて略コ字状に配置されるセンサを意味する。
即ち、上記構成によって、主制御装置110のMPU201(図4参照)は、検出センサBSC221,BSC222の出力から、案内板B22300,B22500の配置を判定することができるので、その配置が誤動作に基づくものであれば、正常な配置に戻るように制御する等の種々の方法によって対策することができる。以下、いくつかの対策例について具体例を挙げて説明する。
まず、第1の対策例について説明する。第1案内板B22300を開放状態とするために第1ソレノイドB1410に通電し、励磁した場合、正常に動作すれば、第1検出センサBSC221には被検出部B22350が配置されると共に、第2検出センサBSC222には被検出部B22550が配置されない状況となるはずである。
ここで、第1の対策例では、第2検出センサBSC222に被検出部B22550が配置されたことが検出された場合には、主制御装置110のMPU201(図4参照)において、案内板B22300,B22500に誤動作が生じていると判定される。
即ち、第2ソレノイドB1610が励磁されていないにも関わらず、第1案内板B22300から第2案内板B22500へ伝達される負荷によって、第2案内板B22500が前側へ変位すると共に、直動部材B1620が左側へ変位して、第2ソレノイドB1610のプランジャーが左方へ押し込まれている状況が生じていると判定される。
この場合、主制御装置110のMPU201(図4参照)の制御プログラムを、直動部材B1620を右側(通常とは逆側)へ変位させるように第2ソレノイドB1610を励磁する駆動回路を通して第2ソレノイドB1610を励磁するように構成することで、第2案内板B22500を後ろ側へ退避させる(修復するように制御させる)ことができる。これにより、一時的に案内板B22300,B22500が連動する態様で誤動作した場合であっても、その連動を解消することができるので、遊技を継続可能とすることができる。
次に、第2の対策例について説明する。第1案内板B22300を開放状態とするために第1ソレノイドB1410に通電し、励磁した場合には、第1検出センサBSC221には被検出部B22350が配置されると共に、第2検出センサBSC222には被検出部B22550が配置されない状況となり、その後で第1ソレノイドB1410の通電が解除されれば、第1検出センサBSC221には被検出部B22350が配置されない状況となるはずである。
ここで、第2の対策例では、第1ソレノイドB1410の通電が解除された後も第1検出センサBSC221に被検出部B22350が配置されたままとされる場合には、主制御装置110のMPU201(図4参照)において、案内板B22300,B22500に誤動作が生じていると判定される。
即ち、第1ソレノイドB1410の励磁が解消されているにも関わらず、上記例示した事情により第2案内板B22500と第1案内板B22300との間で生じる変位抵抗が増加したり、予期せぬ事情(例えば、不正に第1案内板B22300の変位を妨害する不正行為がされている等の事情)によって第1案内板B22300の変位が妨害されたりすることによって、直動部材B1420が左側位置で維持され、第1案内板B22300が開放状態の位置で維持される状況が生じていると判定される。
この場合、主制御装置110のMPU201(図4参照)の制御プログラムを、直動部材B1420を右側(通常とは逆側)へ変位させるように第1ソレノイドB1410を励磁する駆動回路を通して第1ソレノイドB1410を励磁するように構成することで、第1案内板B22300を後ろ側へ退避させることができる。これにより、案内板B22300,B22500の退避に不具合が生じる態様で誤動作した場合であっても、ソレノイドB1410,B1610の駆動力を利用することで不具合を解消することができるので、遊技を継続可能とすることができる。
次に、第3の対策例について説明する。第1ソレノイドB1410及び第2ソレノイドB1610が非励磁の状態で維持されている場合には、いずれの検出センサBSC221,BSC222にも被検出部B22350,B22550が配置されることは無いはずである。
ここで、第3の対策例では、第1ソレノイドB1410及び第2ソレノイドB1610が非励磁の状態で維持されているにも関わらず第1検出センサBSC221に被検出部B22350が配置されるか、又は、第2検出センサBSC222に被検出部B22550が配置される場合には、主制御装置110のMPU201(図4参照)において、案内板B22300又はB22500に誤動作が生じていると判定される。
即ち、不正行為(例えば、遊技領域と下皿50(図1参照)とをつなぐファール球通路などの貫通路を通して遊技領域にピアノ線などの細線を進入させ、そのピアノ線を介して案内板B22300,B22500等の可動部材に遊技領域の外方から負荷を与えて案内板B22300,B22500等の可動部材の状態を変化させる不正行為)を行う遊技者によって、案内板B22300又はB22500が不正に開放されている状況が生じていると判定される。
この場合、主制御装置110のMPU201(図4参照)の制御プログラムを、少なくとも検出センサBSC221,BSC222に検出されていない被検出部B22350,B22550を有している側の案内板B22300,B22500を駆動させる側のソレノイドB1410,B1610に通電し、双方の案内板B22300,B22500が開放状態となるように構成し、エラー報知を実行することで、特定入賞口B1001,B1002の閉鎖を維持した状態(図180参照)でエラー報知することができる。
なお、本実施形態では、より確実に特定入賞口B1001,B1002の閉鎖状態を構成するために、ソレノイドB1410,B1610の両方共に通電し、双方の案内板B22300,B22500が開放状態となるように構成される。
これにより、案内板B22300,B22500を不正に開放させる不正行為が行われた場合に、入賞に伴う払い出しを生じさせることなくエラー報知を実行することができる。
即ち、従来であれば、可変入賞装置B22000を不正に開放させる不正行為に対しては、例えば、閉鎖状態で制御される場合(例えば、ラウンド遊技の実行前や、通常遊技中等)において特定入賞口B1001,B1002への入球が検出された場合にはエラー報知がされるよう制御される場合があった。
しかし、この場合、入球に伴う賞球の払い出しが生じる可能性があり、不正行為者が不正の利益(払い出し賞球)を得られる可能性があると考えられる。例えば、不正行為者は、エラー報知からそのエラー報知に対する対処が行われるまでの間に、まとまった個数の球を特定入賞口B1001,B1002に入球させ、払い出し賞球を獲得することが可能な場合があると考えられ、問題である。
これに対し、本実施形態によれば、特定入賞口B1001,B1002への入球を待たずに案内板B22300,B22500の双方を開放状態とすることで、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を構成し(図180参照)、その状態を維持しながらエラー報知を実行することができるので、入賞に伴う払い出しを生じさせることなくエラー報知を実行することができる。
なお、対策の方法は、上記第1の対策例から第3の対策例に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。
総括すれば、ソレノイドB1410,B1610の駆動態様から出力が変化されるべき検出センサBSC221,BSC222を設定し、予想した変化が生じないか、予想しなかった変化が生じるという不具合が発生した場合に、その不具合を解消するか、エラー報知するように制御される。
なお、検出センサB1230,B1250や、検出センサBSC221,BSC222の検出を、電磁波照射により賞球を得ようとする不正(電磁波照射不正)の対策に利用しても良い。この電磁波照射不正は、専用の装置を利用して遊技盤13に向けて電磁波を発射することで、検出センサB1230,B1250に球が通過したものと誤検知させる不正行為である。検出センサB1230,B1250が賞球センサである場合には賞球の払い出しによる不正の利益が生じ得るし、検出センサB1230,B1250が入球により抽選(例えば、特別図柄の抽選)が実行されるセンサである場合には不正の抽選に基づく利益が生じ得るため、電磁波照射不正の早期発見、防止が望まれる。
ここで、検出センサB1230,B1250は、可変入賞装置B22000に収まるように近接して配置されているので、強力な電磁波が照射された場合に、第1検出センサB1230で誤検知が生じる場合には、同時に第2検出センサB1250でも誤検知が生じるものと考えられる。一方、構造上、第1検出センサB1230への入球と、第2検出センサB1250への入球とが同時に生じることは防止される。
従って、検出センサB1230,B1250で同時に入球が検出された場合に、電磁波照射不正が行われている可能性が高いとして、エラー報知を実行することにより、電磁波照射不正を早期に発見することができる。
また、検出センサBSC221,BSC222は、可変入賞装置B22000に収まるように近接して配置されているので、強力な電磁波が照射された場合に、第1検出センサBSC221で誤検知が生じる場合には、同時に第2検出センサBSC222でも誤検知が生じるものと考えられる。
従って、検出センサBSC221,BSC222で同時に検出された場合に、電磁波照射不正が行われている可能性が高いとして、エラー報知を実行することにより、電磁波照射不正を早期に発見することができる。
なお、正常な制御において第1検出センサBSC221での被検出部B22350の検出と、第2検出センサBSC222での被検出部B22550の検出とが同時に生じ得る場合には、その場合に限って、上述のようなエラー報知を実行しないように制御するようにすることが好ましい。
ここで、エラー報知の実行の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、エラー報知と同時に遊技不能とする(例えば、払出制御装置111(図4参照)の動作を停止する)ように制御しても良いし、エラー報知と同時に一部の入賞口への入球を不能とする(例えば、両ソレノイドB1410,B1610を励磁し、両特定入賞口B1001,B1002を閉鎖状態とする)ように制御しても良いし、エラー報知の実行中も遊技自体は可能とし所定時間経過してもエラー報知が継続されていた場合には遊技不能とするように制御しても良いし、エラー報知が特別遊技状態において実行された場合に、その特別遊技状態が終了するまでは遊技を継続可能とし、特別遊技状態が終了したら遊技不能とするように制御しても良いし、その他の態様で制御しても良い。
なお、エラー報知の原因が、緊急な対応を要するものである場合は、エラー報知と同時に遊技不能とすることが好ましい。緊急な対応を要するものとしては、種々の態様が例示されるが、案内板B22300,B22500間で生じる摩擦力等の負荷を考慮しても、正常な制御が実行されている場合には生じ得ない状況が判定された場合に相当する。
例えば、ソレノイドB1410,B1610が非励磁の状態(ここでは、励磁された状態の直後に非励磁とされた状態を除く)において、検出センサBSC221,BSC222に被検出部B22350,B22550が進入したと判定された場合、案内板B22300,B22500に外部から負荷を与える不正行為が疑われるので、緊急な対応を要する。
例えば、ソレノイドB1410,B1610が励磁された状態において、検出センサBSC221,BSC222に被検出部B22350,B22550が進入したと判定されない場合、駆動装置B1400,B1600又は検出センサBSC221,BSC222の故障が疑われるので、緊急な対応を要する。
特に、駆動装置B1400,B1600が故障している場合(例えば、長手突設部B1433,B1633が折れて案内板B22300,B22500へ駆動力を伝達できなくなっている場合や、ソレノイドB1410,B1610の電線が焼損している場合等)には、大当たり遊技の実行が不可能となるので、遊技者が大当たりを獲得したとしても、その大当たり遊技では遊技者に十分な賞球の払い出しを行うことができない。そのため、遊技者の不満が増大することになり、問題であるので、早期に遊技を停止させることが好ましい。
なお、エラー報知としては、種々の態様が例示される。例えば、第3図柄表示装置81で「エラー発生」等の注意喚起用文を表示するようにしても良いし、電飾部29〜33等(図1参照)で赤色発光を実行し警告するようにしても良いし、警告用の音声を音声出力装置から出力するようにしても良い。
また、不正の可能性も、経年劣化の可能性もある場合には、エラー報知の前に、補助的に行う修復制御を実行し、この修復制御によって正常な状態に戻った場合にはエラー報知は実行せず、遊技を継続可能とする一方で、修復制御によっても正常な状態に戻らなかった場合にエラー報知を実行し、遊技不能とするように制御しても良い。
なお、エラー報知の前提として検出される出力信号の扱いとしては、種々の態様が例示される。例えば、正常検出パターンとして想定される出力との差異を判定したことに伴ってエラー報知を実行するようにしても良い。
また、例えば、予め1又は複数の原因の異なる誤検出パターンを設定し、いずれかの誤検出パターンと一致したら、その誤検出パターンに想定される原因をエラー報知において同時に表示するようにしても良い。この場合、原因の究明に要する時間を削減できるので、不良個所の修理に要する時間の短縮を図ることができる。
次いで、第22実施形態の構成を利用して第3制御例について説明する。なお、第3制御例では、便宜上、第22実施形態の構成を利用して説明するが、この制御例を他の実施形態で利用することも可能である。これについては、他の制御例についても同様である。
まず、図186を参照し、第3制御例におけるROM202について説明する。図186は、第3制御例における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cと、第1当たり種別選択テーブル202bと、変動パターン選択テーブル202dと、小当たり種別選択テーブル202eが少なくとも設けられている。
この小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64又は第2入賞口640への遊技球の入球に基づいて小当たりとなった場合に、その小当たり種別を選択するために用いられるものである。
図187を参照して、第1当たり乱数テーブル202aの内容について説明する。図187(a)から図187(c)は、第1当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図である。
本制御例では、上述した第11実施形態と同様に、大当たり終了後の付加価値として、特別遊技状態(大当たり遊技)が終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで特別図柄の確変状態(高確率状態)が付与され、特別図柄の抽選が100回終了して以降は通常状態に設定されるように構成される。
第1当たり乱数テーブル202aは、図187(a)に示す通り、第1入賞口64へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄1乱数テーブル202a1と、第2入賞口640へ遊技球が入球することにより取得される第1当たり乱数カウンタC3の値が、大当たりであるか否かを判別するための特別図柄2乱数テーブル202a2とが設定されたテーブルである。
具体的には、特別図柄1乱数テーブル202a1は、図187(b)に示す通り、第1入賞口64への入球に基づく、第1特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第1特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0」であるかが判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「10〜19」であるか判別されて、「10〜19」であれば小当たりであると判別される。その他、「1〜9」又は「20〜319」の値であると判別された場合は、外れであると判別される。
一方、特別図柄2乱数テーブル202a2は、図187(c)に示す通り、第2入賞口640への入球に基づく、第2特別図柄の抽選において、当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。第2特別図柄の抽選では、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「0〜9」であるかが判別されて、「0〜9」であれば、大当たりであると判別される。また、取得した第1当たり乱数カウンタC3の値が「10〜39」であるか判別されて、「10〜39」であれば小当たりであると判別される。その他、「40〜319」であると判別された場合は、外れであると判別される。
このように、本制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC3は、0〜319の範囲の、2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC3において、第1入賞口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選時に、第1特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、第1特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は10個であるので、第1特別図柄の小当たりとなる確率は「10/320」となる。
一方で、第2入賞口640への入球に基づく第2特別図柄の抽選時に、第2特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個であり、乱数値の総数が320ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、第2特別図柄の大当たりとなる確率は、「10/320」となる。また、小当たりとなる乱数値の総数は30個であるので、第2特別図柄の小当たりとなる確率は「30/320」となる。
なお、上述の各実施形態または各制御例と同じく、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが所定時間だけ開放される。
本実施形態における電動役物640aは、確変中の場合は1秒間×2回で開放されるが、確変中でない場合は0.2秒間しか開放されない。よって、確変中でない場合に第2当たり乱数カウンタC4(図142(c)参照)の値が当たりとなったとしても、第2入賞口640へと遊技球を入賞させることが困難となされる。これにより、確変中でないにも関わらず、第2入賞口640へと入球させようとする遊技を抑制することができる。
上記した小当たり判定値の総数の変化は、大当たり遊技の終了から、次回の大当たりを獲得するまでに概ね要する抽選数を目安として設定される。即ち、第1特別図柄の小当たりについては約1/30の頻度に設定しているのは、大当たりとなる確率が「1/320」であれば、次回の大当たりまでに少なくとも約30回程度の抽選を要するという体感的な予想を根拠としている。また、第2特別図柄の小当たりについては約1/10の頻度に設定しているのは、大当たりとなる確率が「10/320」であれば、次回の大当たりまでに少なくとも約10回程度の抽選を要するという体感的な予想を根拠としている。
このように設定することで、多くの場合において、先の大当たり遊技の終了後から、その直後の大当たり遊技の開始前までに、少なくとも1回の小当たりを発生させることができる。これにより、可変入賞装置B22000に不良が発生している場合に、その不良を大当たり遊技の開始前に発見し易くすることができる。従って、大当たり遊技に遊技状態が移行し、多量の賞球の払い出しが期待できる期間が開始されてから初めて可変入賞装置B22000の不良が発覚するという、遊技者の興趣を著しく低下させる事態が生じることを回避し易くすることができる。
なお、小当たりの頻度については、任意に設定可能である。頻度が低いほど、可変入賞装置B22000の短開放が生じる頻度を低くでき遊技者の集中力を乱す虞を低くできるが、可変入賞装置B22000の不良の早期発見の効果は低くなる。逆に頻度が高いほど、可変入賞装置B22000の短開放が生じる頻度が高くなるので遊技者の集中力を乱す虞が高まるが、可変入賞装置B22000の不良を早期に発見し易くすることができる。即ち、小当たりの頻度については、これら例示される長所や短所から取捨選択して任意に設定することが可能である。
次に、図188を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの内容について説明する。図188(a)から図188(c)は、小当たり種別選択テーブル202eの内容を模式的に示した模式図である。
小当たり種別選択テーブル202eは、第1入賞口64に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄1小当たり選択テーブル202e1と、第2入賞口640に基づく小当たりの、小当たり種別を選択するための特別図柄2小当たり選択テーブル202e2とを有している(図188(a)参照)。
図188(b)に示すように、第1入賞口64に基づく小当たり時には、小当たり種別カウンタC6の値が、「0〜49」の場合は小当たりAが選択され、「50〜99」の場合は小当たりBが選択される。
一方、図188(c)に示すように、第2入賞口640に基づく小当たり時には、第1当たり種別カウンタC6の値が、「0〜9」の場合は小当たりAが選択され、「10〜99」の場合は小当たりBが選択される。
本制御例では、小当たり種別に応じて、案内板B22300,B22500の動作が設定される(図189参照)。詳細は後述するが、小当たりAは、案内板B22300,B22500の意図しない連動に基づく不良を判定することを狙って動作が設定され、小当たりBは、案内板B22300,B22500の戻りバネの劣化に基づく不良を判定することを狙って動作が設定される。
なお、第2入賞口640に基づく小当たりとして、小当たりAに比較して、小当たりBが選択され易いようにしているのは、種々の理由による。第1の理由として、小当たりBの方が小当たりAに比較して、特定入賞口B1001,B1002への入球を防止し易いため、第2入賞口640へ入球させるために実行される右打ち遊技において第2入賞口640に入球せずに流下する球が可変入賞装置B22000を通り流下する状況においても、小当たり実行時における特定入賞口B1001,B1002への入球を生じ難くして、払い出し賞球個数を低減することが挙げられる。なお、小当たりBの方が小当たりAに比較して、特定入賞口B1001,B1002への入球を防止し易いことについての詳細は後述する。
また、第2の理由として、第2入賞口640に基づく大当たりは複数回連続で発生することが多いと考えられるので、長期間停止状態が続いて部材間の隙間が埋まってしまうなどした場合に発生し易いと考えられる案内板B22300,B22500の連動に基づく不良が、生じる可能性が低いと予想される。それよりも、案内板B22300,B22500を繰り返し駆動する場合に生じ易いと考えられる戻りバネの劣化の方が、検出する優先順位が高いと考えられることが挙げられる。
なお、小当たりAと小当たりBとが選択される確率は、これに限定されるものではない。例えば、小当たりAの方が、小当たりBに比較して選択され易いように設定しても良い。この場合、案内板B22300,B22500の間に生じる摩擦力がより小さい段階で、その兆候を見つけることができるので、不良の未然の発見や、早期発見を図ることができる。
これは、小当たりAと小当たりBとで、案内板B22300,B22500の間に生じる摩擦力によって変位開始する時点における戻りバネの状態の違いが異なることから説明することができる。
即ち、小当たりAでは、伸びた状態(付勢力小の状態)の戻りバネの付勢力に対抗して、駆動されていない側の案内板B22300,B22500が摩擦力によって変位することを検出し不良と判定することを狙っている。一方、小当たりBでは、縮んだ状態(付勢力大の状態)の戻りバネの付勢力に対抗して、駆動されていない側の案内板B22300,B22500が摩擦力によって変位しないことを検出し不良と判定することを狙っている。
そのため、摩擦力が対抗する戻りバネの付勢力が、小当たりBの場合に比較して小当たりAの場合の方が小さいので、案内板B22300,B22500の間に生じる摩擦力がより小さい場合であっても、その不良の兆候を見つけることができる。これにより、不良の未然の発見や、早期発見を図ることができる。
換言すれば、早期から不具合を発見できる側の作動(例えば、小当たりA)の発生頻度を、その目的では劣る側の作動(例えば、小当たりB)の発生頻度に比較して高くすることにより、不良の未然の発見や、早期発見を図ることができる。
図189は、小当たりAにおける第1案内板B22300及び第2案内板B22500の計時変化および小当たりBにおける第1案内板B22300及び第2案内板B22500の計時変化を示した図である。
なお、図189では、案内板B22300,B22500の動作タイミングと、ソレノイドB1410,B1610の通電(励磁)のタイミングのずれについての図示が省略され、タイミングが同じとされるものとして図示される。
また、後述する正常検出パターンは、実際は、ソレノイドB1410,B1610の励磁のタイミングを示すタイミングチャートとして後述する第6の作動パターンや第7の作動パターンから、案内板B22300,B22500が変位する時間を考慮して若干時間遅れしたパターンとして設定することが望ましいが、図189の説明においては、便宜上、第6の作動パターンや第7の作動パターンのタイミングチャートにおける切替タイミング(励磁または励磁解除のタイミング)を正常検出パターンにおける切替タイミングと同じと仮定して図示し、説明する。
まず、小当たりAにおける動作の概要を説明する。小当たりAでは、小当たりの開始から、0.1秒間にかけて第1案内板B22300が開放状態で維持されるように第1ソレノイドB1410が駆動(励磁)され、その0.1秒が経過したら、第1ソレノイドB1410の駆動(励磁)が解除され、この解除状態が0.1秒継続する。これを、1セットとして、第1案内板B22300の動作として2セットが繰り返される。
その後、0.1秒間にかけて第2案内板B22500が開放状態で維持されるように第2ソレノイドB1610が駆動(励磁)され、その0.1秒が経過したら、第2ソレノイドB1610の駆動(励磁)が解除され、この解除状態が0.1秒継続する。これを、1セットとして、第2案内板B22500の動作として2セットが繰り返される。
次に、小当たりBにおける動作の概要を説明する。小当たりBでは、第1案内板B22300については、小当たりの開始から0.2秒間にかけて第1案内板22300が開放状態で維持されるように第1ソレノイドB1410が駆動(励磁)され、その0.2秒が経過したら、第1ソレノイドB1410の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.4秒に到達するまで継続される。
一方、第2案内板B22500については、小当たりの開始から0.3秒間にかけて第2案内板22500が開放状態で維持されるように第2ソレノイドB1610が駆動(励磁)され、その0.3秒が経過したら、第2ソレノイドB1610の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.4秒に到達するまで継続される。
小当たり開始後0.4秒経過してから、0.3秒間にかけて第1案内板22300が開放状態で維持されるように第1ソレノイドB1410が駆動(励磁)され、その0.3秒が経過したら、第1ソレノイドB1410の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.8秒に到達するまで継続される。
一方、第2案内板B22500については、小当たり開始後0.4秒経過してから、0.2秒間にかけて第2案内板22500が開放状態で維持されるように第2ソレノイドB1610が駆動(励磁)され、その0.2秒が経過したら、第2ソレノイドB1610の駆動(励磁)が解除され、その解除状態が小当たりの開始から0.8秒に到達するまで継続される。
このように、小当たりBでは、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に後方に位置する閉鎖状態と、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に前方に位置することで構造的に特定入賞口B1001,B1002への入球を防止する状態(以下、「特殊閉鎖状態」とも称する)と、第1案内板B22300又は第2案内板B22500の一方が前方に位置する開放状態と、で状態が切り替えられる。
このように、小当たりAと、小当たりBとは、小当たり遊技の時間自体は同一(0.8秒)としながら、小当たり遊技中における案内板B22300,B22500の動作態様が異なる。
小当たりAは、上述したように、案内板B22300,B22500の意図しない連動に基づく不良を判定することを狙って動作が設定されている。即ち、小当たりAに設定されている第6の作動パターンを基にして、第6の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定しておく。その正常検出パターンと、検出センサBSC221,BSC222での実際の検出結果(出力)とを比較して、それらが一致しないと判定された場合(例えば、駆動されていない側の案内板B22300,B22500の正面側への変位が検出センサBSC221,BSC222によって検出された場合)にエラー報知するように制御することで、案内板B22300,B22500間の摩擦力が増加することで案内板B22300,B22500が連動する状態となっていることを判定できると共に、エラー報知によって遊技者や遊技機店の店員に不良を把握させることができる。
なお、検出パターン同士が一致するか、不一致となるかの判定をする際の許容値は、任意に設定可能である。また、許容値の種類(パターンのずれ幅や、ずれ頻度等)についても、任意に設定可能である。本制御例では、パターンのずれ幅で判定を行い、ずれ幅が0.1秒以上の箇所が生じた場合に、不一致であると判定する。
この場合、ずれ頻度としては、0を超えていれば不一致と判定されることになる。これでは実用上厳しすぎる場合には、例えば、ずれ頻度の判定も同時に行い、ずれ頻度が10回/秒の場合に、不一致であると判定するようにしても良い。なお、ずれ頻度の数値設定については、任意に変更可能である。
なお、小当たりAにおいては、第1案内板B22300の駆動および解除と、第2案内板B22500の駆動および解除とをセットで実行している。そのため、いずれの案内板B22300,B22500の駆動時に不良が生じる場合であっても、一度の小当たりで不良を発見することができるので、不良の早期発見を図ることができる。
小当たりBは、案内板B22300,B22500の戻りバネの劣化に基づく不良を判定することを狙って動作が設定される。即ち、小当たりBに設定されている第7の作動パターンと、第7の作動パターンを基にして、第7の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定しておく。その正常検出パターンと、検出センサBSC221,BSC222での実際の検出結果(出力)とを比較して、それらが一致しないと判定された場合(例えば、駆動が解除された側の案内板B22300,B22500が依然として検出センサBSC221,BSC222に検出されている場合)にエラー報知するように制御することで、例えば、案内板B22300,B22500間の摩擦力が、ソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力を上回る状態となっていることを判定できると共に、エラー報知によって遊技者や遊技機店の店員に不良を把握させることができる。
なお、小当たりBにおいては、第1案内板B22300の駆動力を先に解除する場合と、第2案内板B22500の駆動力を先に解除する場合とをセットで実行している。そのため、いずれのソレノイドB1410,B1610の戻りバネに不良がある場合であっても、一度の小当たりで不良を発見することができるので、不良の早期発見を図ることができる。
また、小当たりBにおいて、第7の作動パターンと正常検出パターンとの違いが生じているタイミングを検出することにより、どちらのソレノイドB1410,B1610の戻りバネに不良が生じているのかを判定することができる。
即ち、小当たりの開始から0.4秒の間に違いが生じているのであれば、第1ソレノイドB1410の励磁を解除しているにも関わらず第1案内板B22300が開放状態で維持されているのであり、第1ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力が低くなっていると判定することができ、小当たりの開始から0.4秒経過後に違いが生じているのであれば、第2ソレノイドB1610の励磁を解除しているにも関わらず第2案内板B22500が開放状態で維持されているのであり、第2ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力が低くなっていると判定することができる。
この判定結果を利用して報知の種類を変えることで、修理が必要な位置を的確に報知できるので、修理が必要な位置を作業者が見つけるための時間を削減でき、メンテナンスのための作業時間の短縮を図ることができる。
小当たりAにおける第6の作動パターンと、小当たりBにおける第7の作動パターンとの比較として、小当たり実行時における特定入賞口B1001,B1002への入球の可能性について説明する。
図189では、各作動パターンにおける特定入賞口B1001,B1002に入球可能な状態となるタイミングが、作動パターンに並べて模式的に記載される。即ち、第1特定入賞口B1001及び第2特定入賞口B1002として記載されている直線が、実線の区間は入球可能とされることを示しており、破線の区間は入球不能とされることを示している。
小当たりA及び小当たりBの双方共、特定入賞口B1001,B1002が開放状態で維持される時間は0.1秒間なので、(落下により入球する状況と違い)球を左右に転動させて検出センサB1230,B1250の開口に入球させるには球が案内される時間が不十分であり、小当たり実行時に特定入賞口B1001,B1002に入球する可能性は低い。
敢えて比較するとすれば、第1案内板B22300又は第2案内板B22500が単独で開閉動作する小当たりAに比較して、同時動作するタイミングがある小当たりBの方が、特定入賞口B1001,B1002への入球がより生じ難いと想定される。
つまり、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に前方へ変位している場合(図180参照)、特定入賞口B1001,B1002の開口付近における球の流下が上流側部材B1320、B1520に妨害されている分、変位直後に案内板B22300,B22500の転動面B1311,B1511に球が到達するのが遅くなる。
加えて、第1案内板B22300及び第2案内板B22500が共に前方へ変位している時に特定入賞口B1001,B1002の上流側近くに到達した球は転動面B1321,B1521に沿って中央側に寄せられるように形成されているので、特定入賞口B1001,B1002から離れる方向への速度が生じることになり、特定入賞口B1001,B1002への入球が生じ難くなる。
これらのことから、小当たりAに比較して、小当たりBの方が、特定入賞口B1001,B1002への入球がより生じ難い。そのため、小当たりとして小当たりBを選択できるように制御を構成することにより、小当たり実行時に生じる払い出し賞球個数を少なくすることができる。
なお、上記説明した検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンと一致しない場合として想定される状況においては、図189に示すように、特定入賞口B1001,B1002は入球不能な状態(破線)で維持される。そのため、案内板B22300,B22500が上述のように誤動作した場合であっても、特定入賞口B1001,B1002へ入球させることができる事態となることは回避することができる。
上記第7の作動パターンにおいて設定した時間差(本実施形態では、0.1秒)は、特定入賞口B1001,B1002への入球を防止するために十分短い時間として設定したものであるが、検出センサBSC221,BSC222には、サンプリング周期(分解能)が0.1秒よりも十分短い性能の装置が選定される。これにより、0.1秒という短い時間差の作動パターンが正常に生じているかの判定を有効に行うことができる。
正常検出パターンとのずれを検出する目的としては、上述したような、一方の案内板B22300,B22500のみが変位するはずのタイミングで、他方の案内板B22300,B22500に変位が生じていることを判定する目的の他、種々の目的が想定される。
例えば、駆動実行のタイミングや駆動解除のタイミングからの動作遅れが生じていることを判定する目的が想定される。この動作遅れは、駆動実行のタイミングにおける遅れ(開始動作の遅れ)と、駆動解除のタイミングにおける遅れ(戻り動作の遅れ)と、が少なくとも想定される。
駆動実行のタイミングにおける遅れの原因としては、経年劣化による動作抵抗の増加や、大当たり遊技における利益率の調整のために案内板B22300,B22500の開放動作を遅れさせるよう装置(構造または制御)に手を加える不正などが想定される。
同じ作動パターンで駆動制御されていても、案内板B22300,B22500の開放動作が遅れるよう手を加えられている場合には、案内板B22300,B22500を開放状態で維持可能な時間長さが短くなるので、特定入賞口B1001,B1002への入球個数が少なくなり易く、これを利益率の調整のために不正に利用されることが想定される。
これに対し、本実施形態によれば、正常検出パターンとの不一致を判定した場合に、エラー報知を実行することで、上記の不正の早期発見を図ることができる。即ち、小当たり遊技の実行時に上記不正を発見することで、大当たり遊技において遊技者が不利益を被る事態が発生することを回避することができる。
駆動解除のタイミングにおける遅れの原因としては、経年劣化による動作抵抗の増加や、経年劣化による戻りバネの付勢力の低下や、大当たり遊技において通常予定されている利益を超える利益(例えば、ラウンド間インターバルにおける入賞(超過入賞)による払い出し賞球)を過大に得るように図るために戻り動作を遅らせるよう装置(構造または制御)に手を加える(例えば、外部から金属細線を進入させ、その金属細線を案内板B22300,B22500に引っかけることにより後方への退避変位を妨害する方向の負荷与える)ことなどが想定される。
これに対し、本実施形態によれば、正常検出パターンとの不一致を判定した場合に、エラー報知を実行することで、上記の不正の早期発見を図ることができる。即ち、小当たり遊技の実行時に上記不正を発見することで、大当たり遊技において遊技者が不利益を被る事態や、不正行為を行う者が不正の利益を得られる事態が発生することを回避することができる。
一方で、時間遅れは、球との絡みで通常生じ得る。そのため、時間遅れとしてエラー報知を行う場合には、時間遅れ自体の長さだけで設定する方法の他、予め設定される超過入賞の最大限度の値を超えたらエラー報知を行い、それまでは時間遅れの長さに関わらずエラー報知しないように設定する方法も考えられる。
この場合、例えば、下流側に球詰まりが生じ、入球前範囲にまで球が滞留し、その滞留球が案内板B22300,B22500の動作に影響を与える等、遊技領域における球の流下態様がイレギュラーな態様となった場合にも、エラー報知が生じずに遊技を継続できる可能性を高くすることができる。これにより、遊技性の自由度を向上することができる。
図190は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図である。第1当たり種別選択テーブル202bは、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、大当たりFが対応付けられて規定されている(図190の202b11参照)。
大当たりFとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第8の作動パターン(詳細は後述する)で実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、大当たりGが対応付けられて規定されている(図190の202b12参照)。
大当たりGとなった場合は、8ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第8の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約1160個の賞球の払い出しを受けることができる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、大当たりHが対応付けられて規定されている(図190の202b13参照)。
大当たりHとなった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第8の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約580個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、可変入賞装置B22000は第8の作動パターンで動作する。従って、遊技者が獲得できる賞球の払い出し個数の差はラウンド数による差として表れ、ラウンド数が多くなるほど、払い出しの賞球個数が多くなると共に、大当たり遊技にかかる時間も長くなる。
特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)に基づく大当たりでは、20%の確率で15ラウンドの大当たりを獲得できる一方、50%の確率で4ラウンドの大当たりとなるので、基本的には、大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口640への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の範囲(全範囲)には、大当たりfが対応付けられて規定されている(図190の202b14参照)。
大当たりfとなった場合は、大当たりFの時と同様に、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置B22000の第9の作動パターンで実行される。この場合、遊技者は、発射分の球を差し引いた増加分として約2170個の賞球の払い出しを受けることができる。
上述した通り、特別図柄1の抽選による大当たりでは、大当たり遊技の総ラウンド数が3種類から選択され、第8の作動パターンで制御される。一方、特別図柄2の抽選による大当たりでは、大当たり遊技の総ラウンド数は毎回同じであり、第9の作動パターンで制御される。
なお、説明の便宜から特別図柄2の抽選による大当たりの総ラウンド数を毎回同じとするように制御したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄1の抽選と同様に、大当たり遊技の総ラウンド数が複数種類から選択されるようにしても良い。以下、第8の作動パターンと第9の作動パターンとの違いについて説明する。
図191(a)は、第8の作動パターンにおける特定入賞口B1001,B1002の計時変化を示した図であり、図191(b)は、第9の作動パターンにおける特定入賞口B1001,B1002の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる案内板B22300,B22500の作動制御について説明する。
<第8の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりF、大当たりG又は大当たりHの大当たり遊技の場合には、前記第8の作動パターンに基づいて案内板B22300,B22500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、第8の作動パターンを基にして、第8の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定し、その正常検出パターンと検出センサBSC221,BSC222での検出結果(出力)とを、常時または規定のタイミングで照合可能に構成される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、第1案内板B22300に長時間動作を行わせる。この際、1ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、短開放動作(第6の作動パターンの一部、図189参照)が実行されるよう制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、案内板B22300,B22500間の摩擦力が増加することで案内板B22300,B22500が連動する状態となっていることによる不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B22300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
なお、ラウンド間第1インターバル時間Int1は、案内板B22300,B22500に案内された球が特定入賞口B1001,B1002を通過(遊技領域から排出)するのに十分な時間として設定されている。
ここで、可変入賞装置B22000の構成では、案内板B22300,B22500の下端部に隣設して特定入賞口B1001,B1002が配設され(例えば、図180参照)、案内板B22300,B22500に案内された球が特定入賞口B1001,B1002を通過するまでの時間遅れがほとんど無いことから、ラウンド間第1インターバル時間Int1を極端に短い時間(例えば、0.01秒)で設定することも可能である。
例えば、ラウンド間第1インターバル時間Int1を極端に短い時間に設定することで、ラウンド間第1インターバル時間Int1に入球前範囲に配置された球がアウト球となることを防止し易くすることができる。
また、ラウンド間インターバルの長さは、各ラウンド間で統一する必要は無い。各ラウンド間のラウンド間インターバルの長さが少なくとも一部で異なるように設定された大当たり種別や、各ラウンド間のラウンド間インターバルの長さが全て異なるように設定された大当たり種別を設定することも可能である。この場合、例えば、ラウンド間の特徴として、対象となるラウンドが異なる場合に、零れ球が発生し易いラウンド間と、零れ球が発生し難いラウンド間とを、同一の大当たり遊技内で生じさせることができる。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を開放するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、第2案内板B22500に長時間動作を行わせる。この際、2ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、短開放動作(第6の作動パターンの一部、図189参照)が実行されるよう制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、案内板B22300,B22500間の摩擦力が増加することで案内板B22300,B22500が連動する状態となっていることによる不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第2案内板B22500を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を閉鎖するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、3ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
3ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300及び第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させるようソレノイドB1410,B1610を駆動制御するが、この状態では第1特定入賞口B1001は依然として閉鎖状態が維持される(図180参照)。その後、第2ソレノイドB1610の駆動のみ解除して、第1案内板B22300に長時間動作を行わせることで、第1特定入賞口B1001を開放状態で維持する。
換言すれば、3ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、第7の作動パターンの一部(図189参照)が実行されるよう制御される。この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、第2ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力の低下等に伴う不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、3ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B22300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
3ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、4ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
4ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300及び第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させるようソレノイドB1410,B1610を駆動制御するが、この状態では第2特定入賞口B1001は依然として閉鎖状態が維持される(図180参照)。その後、第1ソレノイドB1410の駆動のみ解除して、第2案内板B22500に長時間動作を行わせることで、第2特定入賞口B1002を開放状態で維持する。
換言すれば、4ラウンド目のラウンド遊技Rの開始直後に、第7の作動パターンの一部(図189参照)が実行されるよう制御される。この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、第1ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力の低下等に伴う不良の早期発見(初期側のラウンドの開始時付近における発見)を図ることができる。
そして、4ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第2案内板B22500を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を閉鎖するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
4ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、5ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
5ラウンド目以降は、ラウンド遊技R毎に案内板B22300,B22500が交互に長時間動作される態様(即ち、奇数ラウンドでは第1案内板B22300が開放され、偶数ラウンドでは第2案内板B22500が開放される態様)で、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで5ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、案内板B22300,B22500が閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口B1001,B1002を開閉するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第8の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
<第9の作動パターンで動作する場合>
大当たり種別が、大当たりfの大当たり遊技の場合には、前記第9の作動パターンに基づいて案内板B22300,B22500が動作するようMPU201がソレノイドB1410,B1610を駆動制御する。
MPU201は、第9の作動パターンを基にして、第9の作動パターンで正常に動作した場合に検出センサBSC221,BSC222で検出されると想定される正常検出パターンを設定し、その正常検出パターンと検出センサBSC221,BSC222での検出結果(出力)とを、常時または規定のタイミングで照合可能に構成される。
MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第1案内板B22300を閉鎖状態から開放状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を開放するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、第1案内板B22300に長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第1案内板B22300を閉鎖状態へ変位させて第1特定入賞口B1001を閉鎖するよう第1ソレノイドB1410を駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2(0.04秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に第2案内板B22500を閉鎖状態から開放開状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を開放するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、第2案内板B22500に長時間動作を行わせる。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、第2案内板B22500を閉鎖状態へ変位させて第2特定入賞口B1002を閉鎖するよう第2ソレノイドB1610を駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第2インターバル時間Int2が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610を駆動制御し、ラウンド間第2インターバル時間Int2の経過後に、3ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
3ラウンド目以降は、ラウンド遊技R毎に案内板B22300,B22500が交互に長時間動作される態様(即ち、奇数ラウンドでは第1案内板B22300が開放され、偶数ラウンドでは第2案内板B22500が開放される態様)で、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第2インターバル時間Int2を挟んで3ラウンド目〜最大15ラウンド目のラウンド遊技Rが繰り返されて、案内板B22300,B22500が閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口B1001,B1002を開閉するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御される。
この場合に、検出センサBSC221,BSC222における実際の検出結果と、第9の作動パターンを基に設定される正常検出パターンとが異なる場合に、エラー報知が実行される。これにより、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで案内板B22300,B22500を閉鎖状態に保持するようソレノイドB1410,B1610が駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
上述した第8の作動パターンと、第9の作動パターンとでは、主に以下の相違点がある。第1の相違点として、第8の作動パターンでは1ラウンド目から4ラウンド目までにおいて、ラウンド遊技Rの開始時に第6の作動パターンの一部または第7の作動パターンの一部が実行される。第2の相違点として、第8の作動パターンではラウンド遊技Rの間がラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)で設定されているのに対し、第9の作動パターンではラウンド遊技Rの間がラウンド間第2インターバル時間Int2(0.04秒)で設定されている。以下、各相違点について順に説明する。
第1の相違点によれば、第8の作動パターンにおいて、検出センサBSC221,BSC222の正常検出パターンとのずれを検出することによる不良の発見を、大当たり遊技の初期に実行することができる。これにより、以降に続く確変中に不良が顕在化し、遊技が継続できない事態となり、遊技者の不満が大きくなることを防止することができる。
第9の作動パターンにおいては、第8の作動パターンで実行される特別図柄1の大当たり(初回大当たり)において不良が発見されなかったことから、敢えて何度も不良の発見を試みることは不要であるとの考えからラウンド遊技Rの開始時に第6の作動パターンの一部または第7の作動パターンの一部を実行することは省略される。
そのため、第6の作動パターンの一部または第7の作動パターンの一部の実行中において球が特定入賞口B1001,B1002に入球不能となる不利益が遊技者に生じたり、入球前範囲に到達していた球が案内板B22300,B22500から零れてアウト口66(図124参照)へ案内される不利益が遊技者に生じたりする可能性を低下させることができる。
これにより、ラウンド遊技Rの開始直後から特定入賞口B1001,B1002に球を案内し、入球させることができるので、ラウンド遊技Rに要する時間を短縮化することができると共に、零れ球の発生個数を削減することができる。
第2の相違点によれば、第8の作動パターンに比較して、第9の作動パターンの方が、ラウンド遊技R間の時間が短く、大当たり遊技全体で要する時間を短縮化することができる。そのため、確変中において、特別図柄2の抽選が行われやすくなって特別図柄2の大当たりが連続で生じる場合であっても、大当たり遊技が間延びすることを防止でき、短い時間であっても効率的に大当たり遊技を複数回実行させることができ、遊技者が十分な賞球を獲得できるように図ることができる。
更に、第8の作動パターンに比較して、第9の作動パターンの方が、ラウンド遊技R間の時間が短く、ラウンド遊技R間に入球前範囲を通過してアウト口66へ向かうような零れ球の個数を削減し易い。これにより、球の発射態様によらず、零れ球の発生個数を削減することができる。
そのため、第9の作動パターンは、第8の作動パターンに比較して、大当たり遊技全体で要する時間を短縮化しながら(同じ賞球個数を短時間で得られる利点)、零れ球を削減することができる(賞球を得るための発射球(投資)の無駄を減らせる利点)ので、2重に遊技者にとって有利である。そのため、特別図柄2の大当たりを獲得することに対しての遊技者の意欲を高めることができ、実際に特別図柄2の大当たりを獲得した際の遊技者の興趣の向上を図ることができる。
また、第9の作動パターンによれば、ラウンド間第2インターバル時間Int2が短いため、閉鎖状態へ変位する案内板B22300,B22500と、開放状態へ変位する案内板B22500,B22300との動作タイミングを部分的に重ね易くすることができる。換言すれば、先に変位開始した一方の案内板B22300,B22500の動作が完了し停止する前に、他方の案内板B22500,B22300が変位開始する状況を構成し易い。
動作中の方が、停止している状態の案内板B22300,B22500の配置関係に比較して、案内板B22300,B22500の配置が、不安定になり易い。不安定な状態において敢えて案内板B22300,B22500を近接位置で動作させることで、案内板B22300,B22500間の隙間が埋まる状況を構成し易くなり、摩擦力を発生し易くすることができる。
更に、閉鎖状態へ変位する側の案内板B22300,B22500は、特定入賞口B1001,B1002へ案内される前の球の重みが負荷された状態から後方へ変位するので、閉鎖状態で安定した位置に比較して配置が下方にずれ易い。このことからも、案内板B22300,B22500の間の隙間が設計時の寸法よりも短くなり易く、案内板B22300,B22500間で摩擦力を発生し易くすることができる。
これにより、例えば、摩擦力によって、閉鎖状態へ変位するはずの案内板B22300,B22500が開放状態(前方位置)で維持されたり、変位に遅れが生じたりすることによって、正常検出パターンとは異なるパターンが検出センサBSC221,BSC222により検出(出力)された場合に、MPU201は不良が生じていると判定することができ、この判定を基にエラー報知を実行することができる。
これにより、例えば、ソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力が低下して生じる不良の早期発見を図ることができ、その不良が遊技に影響を与える前に修理を実行させることができる。
次に、図192を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図192は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1009の各処理が実行され、その残余時間でS1012,S1013のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理(図192参照)においては、まず、タイマ割込処理(図示せず、以下同じ)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、スイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理や始動入賞処理で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理で設定されたラウンド数コマンド等のコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置B22000の特定入賞口B1001,B1002を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口B1001,B1002を開放し、特定入賞口B1001,B1002の最大開放時間が経過したか、特定入賞口B1001,B1002に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口B1001,B1002を閉鎖する。この特定入賞口B1001,B1002の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理(図192参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図109参照)において実行しても良い。
次に、小当たり制御処理(S1005)を実行する。小当たり制御処理では、設定された作動パターン(本制御例では、第6の作動パターン又は第7の作動パターン、図189参照)で特定入賞口B1001,B1002を開放し、閉鎖する。尚、本実施形態では、小当たり制御処理(S1005)をメイン処理(図192参照)において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、異常処理(S1006)を実行する。異常処理では、正常の場合に各検出センサ(検出センサB1230,B1250,BSC221,BSC222等)で検出されるパターンを基準として(正常検出パターン)、その基準と異なる検出がされている場合に、その基準に戻すように修正する制御を実行したり、誤動作と判定してエラー報知をしたりする。尚、本実施形態では、異常処理(S1006)をメイン処理(図192参照)において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理(S1007)を実行する。電動役物開閉処理では、電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理において設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S1008)では、特別図柄変動開始処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図110参照)によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1009)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1010)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1010:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1011)、既に所定時間が経過していれば(S1011:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1011:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1012,S1013)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1012)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では319、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1013)。
ここで、S1001〜S1009の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC3の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1010の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1010:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理が実行されたということなので、S1014以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1014)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1015)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1016)、RAM203のアクセスを禁止して(S1017)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1010の処理は、S1001〜S1009で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1012とS1013の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存したりしなくても、初期設定の処理において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
図193から図198を参照して、第23実施形態について説明する。第11実施形態では、可変入賞装置B1000の案内板B1300,B1500が個別に変位する前提で説明したが、第23実施形態における可変入賞装置B23000は、第1案内板B23300及び第2案内板B23500が制御に基づいて同時に変位し得ることを考慮して構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図193(a)及び図193(b)は、第23実施形態における可変入賞装置B23000の上面図である。図193(a)では、切替装置B23800により第1案内板B23300及び第2案内板B23500が一体的に連結されている状態が図示され、図193(b)では、切替装置B23800による第1案内板B23300及び第2案内板B23500の連結が解除された状態が図示される。
図194は、可変入賞装置B23000の右面図であり、図195は、可変入賞装置B23000の正面図である。なお、図194では、理解を容易とするために後カバー部材B23700の図示が省略され、切替装置B23800の一部が想像線で図示される。また、図195では、後カバー部材B23700の内、切替装置B23800と関わる右側の板部のみが図示され、その他の部分についての図示が省略される。また、図194及び図195では、ソレノイドB1410,B1610が非励磁とされた状態が図示される。
第1案内板B23300及び第2案内板B23500の、第11実施形態で上述した案内板B1300,B1500との違いは、主に、切替装置B23800との係合部が設けられるか否かである。
即ち、第1案内板B23300は、連結固定部材B1330に右側から凹設形成される受入凹設部B23350を備え、第2案内板B23500は、連結固定部材B1530に右側から凹設形成される受入凹設部B23550を備える。これら受入凹設部B23350,B23550が、切替装置B23800との係合部として機能する。
切替装置B23800は、左右方向にスライド変位可能に構成されるスライド本体部B23810と、そのスライド本体部B23810の左側部に配設され受入凹設部B23350,B23550に進入可能な形状で前後一対で突設形成される進入突設部B23821を有するスライド補助部B23820と、ソレノイドB1410,B1610の駆動力をスライド本体部B23810へ伝達可能に構成される伝達部材B23830と、スライド本体部B23810の変位を一方向に案内する案内レール状部B23840と、スライド本体部B23810を左側へ移動させるための付勢力を発生させる付勢手段B23850と、を備える。
スライド本体部B23810は、後カバー部材B1700を一部形状変更して構成される後カバー部材B23700の上下側内面に形成される一対の案内レール状部B23840に左右方向へスライド変位可能に支持され、付勢手段B23850によって左側位置(係合位置)に配置されるよう付勢されている。
スライド補助部B23820は、前後方向にスライド変位可能にスライド本体部B23810に支持されていることから、進入突設部B23821を左右方向だけでなく前後方向にも変位可能に構成し、進入突設部B23821の配置の自由度を高めている。即ち、進入突設部B23821の変位は、左右方向についてはスライド本体部B23810によって確保され、前後方向についてはスライド補助部B23820によって確保される。
進入突設部B23821は、スライド本体部B23810の前後両端部から案内板B23300,B23500側へ向けて突設されており、スライド本体部B23810が左側位置(係合位置、図193(a)参照)に配置される場合に受入凹設部B23350,B23550の内側に配置されることで案内板B23300,B23500を連動可能に係合する一方、スライド本体部B23810が右側位置(解除位置、図193(b)参照)に配置される場合に受入凹設部B23350,B23550から退避することで案内板B23300,B23500が独立して変位可能となるように構成される。
伝達部材B23830は、ソレノイドB1410,B1610のプランジャーが変位することに伴い変位され、スライド本体部B23810の配置を変化させるように機能する。これについて、図196を参照して説明する。
図196は、可変入賞装置B23000の正面図である。なお、図196では、後カバー部材B23700の内、切替装置B23800と関わる右側の板部のみが図示され、その他の部分についての図示が省略される。また、図196では、第2ソレノイドB1610が非励磁とされる一方、第1ソレノイドB1410が励磁された状態が図示される。
伝達部材B23830は、上下一対で配設され、後カバー部材B23700に回転可能に枢支される基端側部B23831と、その基端側部B23831からソレノイドB1410,B1610のプランジャーの変位軌跡側(上側または下側)へ向けて延設される被負荷部B23832と、基端側部B23831からスライド本体部B23810側へ延設されスライド本体部B23810と当接可能に構成される作用部B23833と、を備える。
図196に示すように、第1ソレノイドB1410が励磁されることにより直動部材B1420が変位することに伴って、被負荷部B23832に駆動力が伝達され、伝達部材B23830が回転する。
この回転により、非励磁状態においてはスライド本体部B23810の上下外側に配置されていた作用部B23833が上下内側に入り込み、スライド本体部B23810を押進することにより、付勢手段B23850の付勢力に対抗してスライド本体部B23810を右側位置(解除位置、図193(b)参照)へ変位させることができる。
なお、伝達部材B23830が上下一対で配置されており、各伝達部材B23830が各ソレノイドB1410,B1610に対応することから、図196に示すスライド本体部B23810の変位は、第1ソレノイドB1410が励磁される場合に限らず、第2ソレノイドB1610が励磁される場合にも同様に生じる。
従って、第1ソレノイドB1410又は第2ソレノイドB1610に通電され、励磁されることに伴い生じる駆動力を利用して、スライド本体部B23810を解除位置へ変位させることができる。
即ち、案内板B23300,B23500を駆動するためのソレノイドB1410,B1610の駆動力を利用して、案内板B23300,B23500を一体的に連動させる状態と、案内板B23300,B23500の変位をそれぞれ独立させる状態とを切り替えることができる。
これにより、案内板B23300,B23500を一体的に連動させる状態と、案内板B23300,B23500の変位をそれぞれ独立させる状態とを切り替えるための駆動力を発生させる別個の駆動手段を用意することを不要とすることができるので、製品コストの削減を図ることができる。
なお、切替装置B23800を駆動する装置については、これに限定されるものではない。例えば、製品コストのことを考えない場合等には、切替装置B23800を駆動させるための別個の駆動装置を設けるようにしても良いし、案内板B23300,B23500と切替装置B23800とを単一の駆動装置によって駆動するようにしても良い。
図197は、第1案内板B23300の伝達孔B23340、直動部材B1420及び回転部材B23430の上面図である。伝達孔B23340は、ソレノイドB1410の励磁に伴い生じる変位の関係として、第1案内板B23300の変位よりも前に伝達部材B23830の変位を生じさせることを目的として、伝達孔B1340(図134参照)から設計変更されている。なお、第2案内板B23500についての説明は省略するが、第1案内板B23300と同様の設計変更を行っている。以下、詳しく説明する。
図197に示すように、伝達孔B23340は、伝達孔B1340の説明において上述した直線部B1341及び曲線部B1342と、直線部B1341の左端から第1駆動装置B23400の突設軸部B1432を中心とする円弧に沿って延設される第2曲線部B23343と、を備える貫通孔として構成される。
第1駆動装置B23400は、既に上述した第1ソレノイドB1410及び直動部材B1420と、伝達孔B23340の設計変更に起因して回転部材B1430(図134参照)から設計変更された回転部材B23430と、を備える。
回転部材B23430は、回転部材B1430の説明において上述した突設軸部B1432及び短手突設部B1434を後述する本体部B23431から突設される部分として備え、長手突設部B1433の配置を変更する目的で本体部B1431から設計変更されている屈曲棒状の本体部B23431と、その本体部B23431の端部であって突設軸部B1432よりも左側に配置される端部(第1の端部)から突設軸部B1432と平行な方向に円柱形状で突設される長手突設部B23433と、を備える。
長手突設部B23433は、伝達孔B23340に挿通可能とされ、第1ソレノイドB1410が非励磁の状態において第2曲線部B23343の延設端部に配置されるよう構成される。
長手突設部B23433が伝達孔B23340に挿通されているので、回転部材B23430が回転移動することにより長手突設部B23433が突設軸部B1432を中心とする円弧軌跡に沿って変位することに伴って、第1案内板B23300が前後方向に変位する。
本実施形態では、伝達孔B23340の曲線部B1342及び第2曲線部B23343の形状が、突設軸部B1432を中心とする円弧であって、半径が突設軸部B1432と長手突設部B23433との距離と等しい円弧に沿う形状とされる。これにより、回転部材B23340の変位と、第1案内板B23300の変位とに時間差を生じさせることができる。
詳述すると、第1案内板B23300の変位は、長手突設部B23433が直線部B1341を変位する場合に生じる。一方で、長手突設部B23433が曲線部B1342又は第2曲線部B23343に配置されている場合には、長手突設部B23433は曲線部B1342又は第2曲線部B23343に沿って変位するだけであり、長手突設部B23433が伝達孔B23340の内壁を前後方向に押す作用が生じないので、第1案内板B23300の変位は生じない。
即ち、第1ソレノイドB1410が励磁され、回転部材B23430が回転開始してから、長手突設部B23433が直線部B1341に配置されるまでの間は、直動部材B1420の変位は開始されるが、第1案内板B23300には変位が生じず、配置が維持される。
本実施形態では、この間に、切替装置B23800のスライド本体部B23810の配置が、左側位置(図195参照)から右側位置(図196参照)へ変化するように構成される。これにより、スライド本体部B23810が左側位置に配置されたままの状態で第1案内板B23300と第2案内板B23500とが一体的に駆動される誤動作の発生を、構造面から防止することができる。
なお、曲線部B1342には、そもそも長手突設部B1433の配置誤差を吸収する機能があるので、曲線部B1342において長手突設部B23433の配置が多少ずれたとしても、長手突設部B1433の説明で上述したように第1案内板B23300の変位量には影響しない。そのため、回転部材B1430の説明で上述した回転角度と同様の角度で回転部材B23430を回転させるよう構成しても、第1案内板B23300の変位量として第1案内板B1300の変位量と同程度の変位量を確保することができるので、第1ソレノイドB1410、直動部材B1420、突設軸部B1432及び短手突設部B1434の設計変更を要さずに上述した追加の機能を付加することができる。
上述したように構成される可変入賞装置B23000の機能について、伝達孔B23340の形状により奏する効果に焦点を当てて、詳しく説明する。
図198(a)は、可変入賞装置B23000の正面図であり、図198(b)は、図198(a)の矢印CXCVIIIb方向視における可変入賞装置B23000の部分上面拡大図であり、図198(c)は、可変入賞装置B23000の正面図であり、図198(d)は、図198(c)の矢印CXCVIIId方向視における可変入賞装置B23000の部分上面拡大図である。
図198(a)及び図198(b)では、第1ソレノイドB1410が励磁されることにより生じる回転部材B23430の回転変位の変位途中が図示され、図198(c)及び図198(d)では、回転部材B23430の姿勢が図198(a)及び図198(b)に示す姿勢へ向けて変化する途中で第1案内板B23300が正面側に変位している状態が図示される。
ここで、図198(a)及び図198(b)に示す状態は、第1ソレノイドB1410が正常に駆動制御された場合における回転部材B23430の状態を示しており、図198(c)及び図198(d)に示す状態は、第1ソレノイドB1410が駆動されていないにも関わらず第1案内板B23300に不正な負荷(例えば、不正行為を行う遊技者が第1案内板B23300を正面側へ引っ張り出そうとする負荷)が付与されることで第1案内板B23300が変位したことに伴って変位した回転部材B23430の状態を示している。
図198(a)及び図198(b)に示すように、第1ソレノイドB1410が正常に駆動された場合、第1案内板B23300が変位を開始する前に伝達部材B23830が回転され、スライド本体部B23810が右側位置(解除位置)に配置される。これにより、第1案内板B23300を単独で変位させることができる。
一方、図198(c)及び図198(d)に示すように、回転部材B23430の変位に先行して第1案内板B23300が正面側へ変位する場合、長手突設部B23433が第2曲線部B23343の延設端部に配置されたまま変位が生じる。この場合、第2曲線部B23343が沿う方向BPRと、長手突設部B23433の変位軌跡BKRとが交差するために、長手突設部B23433の変位が規制され、第1案内板B23300の変位継続が不可能となる。これにより、第1案内板B23300が不正に開放されることを防止することができる。
なお、この不正防止の効果は、伝達孔B23340の形状によって奏するものであり、切替装置B23800が無い場合であっても有効に生じる。一方で、不正行為によって付与される負荷により長手突設部B23433が破損するなどの、稀にではあるが生じ得る事態を想定すると、この対策だけでは不十分である。そこで、同様の目的で構成される、切替装置B23800によって生じる効果について説明する。
切替装置B23800によれば、長手突設部B23433が破損してしまい不正な負荷によって第1案内板B23300の変位を継続可能な場合であっても、第1案内板B23300の変位が切替装置B23800のスライド本体部B23810の退避前に生じるようにすることで、第1案内板B23300及び第2案内板B23500が一体的に変位する状態を維持するように構成することができる。これにより、第1案内板B23300が正面側へ変位継続しても、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持することができる(図180参照)。
詳しく説明すると、本実施形態では、スライド本体部B23810の退避前に案内板B23300,B23500が正面側へ変位し、スライド補助部B23820が正面側に変位した場合に、スライド本体部B23810の退避動作が防止されるように構成される。具体的には、スライド本体部B23810の変位方向を案内する案内棒がスライド補助部B23820の変位方向に配置されるようになり、その案内棒にスライド補助部B23820の変位が規制される。
換言すれば、初期の前後位置(図193(a)参照)から、スライド補助部B23820が前後方向に変位した状態では、スライド本体部B23810が右方に変位しないように構成される。
このように構成することで、図198(a)及び図198(b)に示す正常な駆動制御のもとでは、案内板B23300,B23500が正面側へ向けて変位する前にスライド補助部B23820が右側へ変位しているので(図198(a)参照)、案内板B23300,B23500を独立して変位させることができる。
これに対し、図198(c)及び図198(d)に示す不正な変位態様では、案内板B23300,B23500が正面側へ向けて変位する前にスライド補助部B23820が右側へ変位する前にスライド補助部B23820の前後方向への変位が開始されることになるので、スライド本体部B23810が右方へ変位しなくなり、スライド補助部B23820の右側への変位が規制される。
これにより、案内板B23300,B23500は一体的に変位する状態(図193(a)参照)が維持されるので、第1案内板B23300が正面側へ変位継続しても、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持することができる(図180参照)。
加えて、スライド補助部B23820の右側への変位が規制されることにより、伝達部材B23830の回転変位が途中で規制されることから、直動部材B1420の変位が途中で妨害されるので、案内板B23300,B23500の変位も途中で妨害されることになる。従って、案内板B23300,B23500が開ききらないことにより、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持することができる。
このように、本実施形態によれば、正常な駆動制御では案内板B23300,B23500がそれぞれ独立で変位され、不正行為に基づく変位では案内板B23300,B23500が一体的に変位する。そのため、上述の検出センサBSC221,BSC222(図185参照)に対応する検出センサを設け、案内板B23300,B23500の配置を検出できるようにしておけば、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能な状態を維持したまま案内板B23300,B23500の異常な配置を判定でき、この判定に伴いエラー報知を実行することで、不正行為の早期発見を図ることができる。
なお、可変入賞装置B23000においても、上述した種々の作動パターンで駆動制御することが可能である。特に、本実施形態によれば、ソレノイドB1410,B1610のいずれか一方が励磁される状況に限らず、ソレノイドB1410,B1610の少なくとも一方が励磁される状況において切替装置B23800のスライド本体部B23810が解除位置に配置されるので、上記第9の作動パターン(図191(b)参照)のようにラウンド間インターバル時間が短い作動パターンで駆動制御した場合であっても、スライド本体部B23810が誤って係合位置に配置されることがない。
換言すれば、ソレノイドB1410,B1610の励磁の切り替えが極めて短い時間間隔で生じることで、あたかも両ソレノイドB1410,B1610が励磁されているのと同一視できる場合や、両ソレノイドB1410,B1610共が励磁されている場合において、スライド本体部B23810が係合位置に配置されることを回避することができる。これにより、案内板B23300,B23500の動作の自由度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、案内板B23300,B23500の双方が正面側に配置され、特殊閉鎖状態を構成する場合に、入球前範囲に到達した球との衝突による衝撃によって、案内板B23300,B23500と切替装置B23800との係合が解除される事態が生じる可能性が低くなるように構成される。
即ち、入球前範囲に到達した球から負荷を受ける場合、特殊閉鎖状態の案内板B23300,B23500は上下方向に若干(微量に)変位する(貫通形成部B1120が形成される基礎部材B1100を支点として連結固定部材B1330,B1530が上下に振れる)可能性があるところ、本実施形態では、スライド補助部B23820及び進入突設部B23821の突設方向視における断面の幅長さが上下方向に長尺となるように構成されている(図194参照)。
そのため、進入突設部B23821が連結固定部材B1330,B1530の受入凹設部B23350,B23550から外れて、係合が解除される事態が発生することを回避し易くすることができる。
また、このように構成することにより、球からの衝撃に関わらず、遊技領域から案内板B23300,B23500に与えられる負荷に対する係合の抵抗力を向上することができる。即ち、例えば、ファール球通路や遊技領域の周囲に生じる隙間などから糸や金属細線の一端を遊技領域に進入させ一端が案内板B23300,B23500に触れた状態で、他端を引っ張ったり押したりすることにより、案内板B23300,B23500に負荷が与えられた場合に係合が解除される事態が発生することを回避し易くすることができる。従って、不正に対する抵抗力を向上することができる。
図199を参照して、第24実施形態について説明する。この実施形態は、第17実施形態の別例に対応する。第17実施形態では、伝達回転体7720が駆動力を伝達する部材としてのみ機能する場合を説明したが、第24実施形態における可変入賞装置B24000は、遊技領域側からの負荷を受けて変位する前提で伝達回転体B24720が設計される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図199(a)は、第24実施形態における伝達回転体B24720の円周面を展開した展開図であり、図199(b)は、第1演出区間B24760の部分展開図であり、図199(c)は、第2演出区間B24770の部分展開図である。
伝達回転体B24720は、上述の兼用駆動装置B7700に備えられる伝達回転体B7720の代替品として、伝達回転体B7720と同一の直径で形成され、被進入溝部B7730と同じ態様で凹設されるものの部分的に設計変更された被進入溝部B24730を備える。
被進入溝部B24730は、被進入溝部B7730との対比において、主に演出区間B7760が異なる。即ち、被進入溝部B24730は、演出区間B7760から設計変更された演出区間B24760,B24770を備える。
図199(a)に示す状態において、境界位置BCL71よりも下側に配置されている第1演出区間B24760は、伝達棒B7422(図178参照)の変位に関係する区間であって、その上端側領域においては、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に伝達棒B7422の配置が移るように形成される共通溝部B24761を備えている。
また、境界位置BCL71よりも上側に配置されている第2演出区間B24770は、伝達棒B7622(図178参照)の変位に関係する区間であって、その上端側領域においては、第1の平面BS71から第2の平面BS72上に伝達棒B7622の配置が移るように形成される共通溝部B24771を備えている。
即ち、伝達棒B7422が第1演出区間B24760の共通溝部B24761に入り込むと共に伝達棒B7622が第2演出区間B24770の共通溝部B24771に入り込む状態においては、第1案内板B1300及び第2案内板B1500が開放状態に切り替えられる。
一方、伝達棒B7422,B7622が平面BS72上に配置された後の構成、即ち、共通溝部B24761,B24771の下側位置における構成は、第1演出区間B24760と第2演出区間B24770とで異なるように設計されている。以下、その違いについて詳述する。
図199(b)に示すように、第1演出区間B24760は、共通溝部B24761に連結される態様で第2の平面BS72から第1の平面BS71に亘る幅広の溝として凹設形成される変位許容溝部B24762と、その変位許容溝部B24762の下側部から第2の平面BS72に沿って延設される変位制限溝部B24767と、を備える。
変位許容溝部B24762には、第2の平面BS72と平行な平面に沿って複数の突設部B24763が突設されている。突設部B24763は、突設部B24763から与えられる負荷(摩擦力)によって、ソレノイドB1410の戻りバネ(図134参照)の付勢力による伝達部B7422の変位を制限できる程度の突設態様で形成される。
即ち、伝達棒B7422が第1演出区間B24760の共通溝部B24761から変位許容溝部B24762へ進入する状態においては、ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力が生じている状況においても、伝達棒B7422は第2の平面BS72上に維持されるので、第1案内板B1300は開放状態で維持される。
一方、本実施形態では、ソレノイドB1410の戻りバネ(図134参照)の付勢力を超える負荷がかけられる場合、伝達棒B7422を右方に変位させようとする付勢力が、突設部B24763から生じる負荷(摩擦力)を超えると、伝達棒B7422が右側へ変位する。伝達棒B7422が突設部B24763よりも右側へ変位すると、突設部B24763からの摩擦力が生じ無くなり、戻りバネの付勢力によって、伝達棒B7422が第1の平面BS71へ向けて変位する。
即ち、伝達棒B7422が第1演出区間B24760の変位許容溝部B24762に配置された状態においては、ソレノイドB1410の戻りバネの付勢力を超える負荷が生じて、伝達棒B7422が突設部B24763よりも右側へ変位した場合には、第1案内板B1300は閉鎖状態に状態変化する。
なお、戻りバネ以外の付勢力の態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、上述の戻りバネの付勢力を超える負荷は、球の重みによって生じるものとして説明する。
変位制限溝部B24767は、溝幅Wminの凹設溝として第2の平面BS72に沿って形成される。そのため、伝達棒B7422が変位制限溝部B24763に配置された状態においては、伝達棒B7422は第2の平面BS72上に機械的に維持されるので、第1案内板B1300は開放状態で維持される。
このように、第1演出区間B24760に伝達棒B7422が配置される状態では、第1案内板B1300が戻りバネの付勢力を超える負荷が生じるまでは開放状態で維持される場合と、第1案内板B1300が付勢力の大小に関わらず開放状態で維持される場合とが切り替えられる。
図199(c)に示すように、第2演出区間B24770は、共通溝部B24771の下側部に連結される態様で第2の平面BS72に沿って延設される変位制限溝部B24772と、その変位制限溝部B24772に連結される態様で第2の平面BS72から第1の平面BS71に亘る幅広の溝として凹設形成される変位許容溝部B24777と、を備える。
変位制限溝部B24772は、溝幅Wminの凹設溝として第2の平面BS72に沿って形成される。そのため、伝達棒B7622が変位制限溝部B24772に配置された状態においては、伝達棒B7622は第2の平面BS72上に機械的に維持されるので、第2案内板B1500は開放状態で維持される。
変位許容溝部B24777には、第2の平面BS72と平行な平面に沿って複数の突設部B24778が突設されている。突設部B24778は、突設部B24778から与えられる負荷(摩擦力)によって、ソレノイドB1610の戻りバネ(図178参照)の付勢力による伝達部B7622の変位を制限できる程度の突設態様で形成される。
即ち、伝達棒B7622が第2演出区間B24770の変位制限溝部B24772から変位許容溝部B24777へ進入する状態においては、ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力が生じている状況においても、伝達棒B7622は第2の平面BS72上に維持されるので、第2案内板B1500は開放状態で維持される。
一方、本実施形態では、ソレノイドB1610の戻りバネ(図178参照)の付勢力を超える負荷がかけられる場合、伝達棒B7622を右方に変位させようとする付勢力が、突設部B24778から生じる負荷(摩擦力)を超えると、伝達棒B7622が右側へ変位する。伝達棒B7622が突設部B24778よりも右側へ変位すると、突設部B24778からの摩擦力が生じなくなり、戻りバネの付勢力によって、伝達棒B7622が第1の平面BS71へ向けて変位する。
即ち、伝達棒B7622が第2演出区間B24770の変位許容溝部B24777に配置された状態においては、ソレノイドB1610の戻りバネの付勢力を超える負荷が生じて、伝達棒B7622が突設部B24778よりも右側へ変位した場合には、第2案内板B1500は閉鎖状態に状態変化する。
なお、戻りバネ以外の付勢力の態様は何ら限定されるものでは無いが、本実施形態では、上述の戻りバネの付勢力を超える負荷は、球の重みによって生じるものとして説明する。
このように、第2演出区間B24770に伝達棒B7622が配置される状態では、第2案内板B1500が戻りバネの付勢力を超える負荷が生じるまでは開放状態で維持される場合と、第2案内板B1500が付勢力の大小に関わらず開放状態で維持される場合とが切り替えられる。
上述のように、伝達棒B7422,B7622は180度間隔で配置されるので、一方の演出区間B24760,B24770に伝達棒B7422,B7622が配置される場合には、他方の演出区間B24770,B24760にも伝達棒B7622,B7422が配置される。
伝達棒B7422,B7622が演出区間B24760,B24770に配置される場合、演出区間B24760,B24770に対する伝達棒B7422,B7622の位置を伝達回転体B24720の回転方向で変化させることにより案内板B1300,B1500の状態を切り替えることができる。なお、本実施形態では、第1案内板B1300の状態と、第2案内板B1500の状態とを異ならせることができるよう構成される。
即ち、伝達回転体B24720の回転位置を調整することによって、伝達棒B7422が変位制限溝部B24767に配置されると共に伝達棒B7622が変位許容溝部B24777に配置される状態(第1開放状態)と、伝達棒B7422が変位許容溝部B24762に配置されると共に伝達棒B7622が変位制限溝部B24772に配置される状態(第2開放状態)と、を任意に構成することができる。
そのため、例えば、伝達回転体B24720が正回転するよう制御され、伝達棒B7422,B7622が共通溝部B24761,B24771を通り案内板B1300,B1500が両方共前方に変位した後で(図180参照)、伝達回転体B24720が第1開放状態とされる場合には、入球前領域に到達する球から与えられる負荷によって第2案内板B1500が背面側へ退避するように変位し、第1特定入賞口B1001へ入球可能な状態に切り替えられる。
また、例えば、伝達回転体B24720が正回転するよう制御され、伝達棒B7422,B7622が共通溝部B24761,B24771を通り案内板B1300,B1500が両方共前方に変位した後で(図180参照)、伝達回転体B24720が第2開放状態とされる場合には、入球前領域に到達する球から与えられる負荷によって第1案内板B1300が背面側へ退避するように変位し、第2特定入賞口B1002へ入球可能な状態に切り替えられる。
このように、球が入球前範囲に到達するまでは案内板B1300,B1500が両方共正面側へ変位された状態が維持され、いずれの特定入賞口B1001,B1002に入球可能な状態なのかを不明とし、入球前範囲に球が到達することによって初めて、第1特定入賞口B1001に入球可能な状態なのか、第2特定入賞口B1002に入球可能な状態なのかを把握可能となるように構成している。
これによって、駆動変位した後の案内板B1300,B1500を見ても、第1特定入賞口B1001に入球可能な大当たり種別の大当たりなのか、第2特定入賞口B1002に入球可能な大当たり種別の大当たりなのか、を判別不能とすることができる。加えて、入球前範囲に球を到達させることで大当たり種別を明確にすることができるので、入球前範囲へ向けた球の発射を促すことができる。
ここで、第1特定入賞口B1001と第2特定入賞口B1002とで性能が異なる場合には(図157参照)、大当たり遊技においていずれの特定入賞口B1001,B1002が開放されるのかは利益に直結する重要な情報であるが、ラウンド遊技の開始と共にいずれの特定入賞口B1001,B1002が開放されるかが判明する場合、それが利益の低い側の特定入賞口B1002(図157参照)であると、ラウンド遊技に対する興味を早々に失ってしまい、遊技者の興趣を低下させることになる。
これに対し、本実施形態では、ラウンド遊技が開始される時には、案内板B1300,B1500が両方共正面側へ変位して、入球前範囲に球が到達するまでは、いずれの特定入賞口B1001,B1002が開放されるのかを不明としている。これにより、いずれの大当たり種別なのかを知りたいと望む遊技者の注目力を高め、球が入球前範囲に到達するまでは、遊技者の興趣が向上した状態を維持することができる。
このように構成することで、案内板B1300,B1500が駆動変位された後においても、どの大当たり種別の大当たりなのか予想する楽しみを継続することができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
本実施形態におけるエラー報知の実行に関わる制御について説明する。本実施形態では、上述の通り、伝達回転体B24720が回転するよう制御されることに伴い案内板B1300,B1500の両方が開放状態を構成し得る。そのため、例えば、検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じたことをもって無条件にエラー報知を実行するように制御することは不適当である。
そのため、本実施形態では、案内板B1300,B1500の両方が開放状態を構成し得る状況を検出し、その状況においては検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じることを許容するように制御している。
即ち、伝達回転体B24720の姿勢を判定可能な検出センサ等の判定手段を設け、その判定手段によって、伝達回転体B24720の第1演出区間B24760に伝達棒B7422が配置されると共に、第2演出区間B24770に伝達棒B7622が配置されていると判定されている状況(以下、「許容状況」とも称する)においては、検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じてもエラー報知を実行しないように制御される。
一方、上述した許容状況以外の状況では、検出センサBSC221,BSC222で同時に出力が生じた場合には、エラー報知を実行するように制御される。これにより、遊技者の興趣の向上を図る効果は維持しつつ、異常の早期発見を図ることができる。
なお、本実施形態では、案内板B1300,B1500の転動面B1321,B1521が正面側へ向かう程下降傾斜する傾斜面で形成される。これにより、転動面B1321,B1521に乗った球の自重に起因して前後方向の負荷を生じ易くすることができる。
また、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態で球が乗る位置(転動面B1321,B1521、図180参照)においてのみ前後方向の傾斜面が形成され、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態で球が乗らない転動面B1311,B1511については前後方向の傾斜面を構成しても上記の効果を奏さないので、前後方向に傾斜しない平面状に形成している。
そのため、転動面B1311,B1511にまで前後方向の傾斜面を構成する場合に生じるような、特定入賞口B1001,B1002への入球が阻害される事態の発生を回避することができる。
また、本実施形態においては、特定入賞口B1001,B1002が入球前範囲の後面側(基礎部材B1100側)に寄っていることから(図126参照)、転動面B1311,B1511については、背面側へ向かう程下降傾斜する傾斜面として構成しても良い。これにより、特定入賞口B1001,B1002への入球を滑らかにすることができる。
この傾斜によっては球の重みを分解した前後方向の成分が正面側を向くが、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態で球が乗ることはないので、案内板B1300,B1500が両方共前方に変位している状態からの球の自重に寄る状態変化に影響を与えるものではない。
なお、本実施形態では、突設部B24763,B24778を形成し、伝達部B7422,B7622の変位抵抗を増加させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位許容溝部B24762,B24777の表面に波状や鋸刃状の溝を形成することで伝達部B7422,B7622の変位抵抗が変化するようにしても良いし、変位許容溝部B24762,B24777の表面にシボ加工を施す(シボを付与する)ことで伝達部B7422,B7622の変位抵抗が変化するようにしても良い。
上記のように、本実施形態では、非駆動区間B7731以外の範囲に伝達棒B7422,B7622が配置される場合には、被進入溝部B24730の形状によって案内板B1300,B1500の配置が規定されるので、案内板B1300,B1500の予想外の連動が生じることを防止することができる。
次いで、第25実施形態について説明する。第23実施形態では、特定入賞口B1001,B1002を開閉する案内板B23300,B23500が係合しながら変位することで不正な入球を防止する場合について説明したが、第25実施形態では、一対の電動役物B640aが係合しながら変位することで第2入賞口640への不正な入賞を防止可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図200(a)及び図200(b)は、第25実施形態における電動役物B640aの右側面図である。図200(a)及び図200(b)では、理解を容易とするために、電動役物B640a、駆動ソレノイドB25110、伝達部材B25640及び切替装置B25700のみを図示し、これらの部材を保持する他の構成についての図示を省略している。なお、電動役物B640aの配置としては、上記各実施形態で既に例示されている(図177参照)ので、以下の説明では、説明済みの図面(例えば、図177)を適宜参照する。
電動役物B640aは、第2入賞口640への入球のし易さを変化させるために左右一対で配設され、第2入賞口640への入球確率を低く維持する閉鎖状態(図177参照)と、下端部を軸に左右に傾倒することで第2入賞口640への入球確率が増加する開放状態と、で状態切り替え可能とされている。
電動役物B640aはベース板60の正面側に配設されている。ベース板60の板前面よりも後方に配設される他の部材(装置)として、ベース板60に対して位置固定される駆動ソレノイドB25110と、その駆動ソレノイドB25110と電動役物B640aとの間に配設され駆動ソレノイドB25110から生じる駆動力を電動役物B640aに伝達可能に構成される伝達部材B25640と、電動役物B640aの状態を切替可能となるように電動役物B640の下側に配設される切替装置B25700と、が設けられている。
駆動ソレノイドB25110は、励磁によって前後方向にスライド移動する先端部材B25111と、その先端部材B25111に付勢力を付与するコイルスプリングB25112と、を備える。
駆動ソレノイドB25110が非励磁の状態では、コイルスプリングB25112の付勢力により先端部材B25111は正面側位置(図200(a)参照)に配置され、駆動ソレノイドB25110が励磁された状態では、コイルスプリングB25112の付勢力に抗して先端部材B25111が駆動され背面側位置(図200(b)参照)に配置される。
図200(a)では、電動役物B640aの閉鎖状態(縮小状態)が図示され、図200(b)では、電動役物B640aの開放状態(拡大状態、作動状態)が図示される。即ち、駆動ソレノイドB25110が非励磁の状態とされ、先端部材B25111が正面側位置に配置されると、伝達部材B25640は下傾斜姿勢とされ(図200(a)参照)、駆動ソレノイドB25110が励磁状態とされ、先端部材B25111が背面側位置に配置されると、伝達部材B25640は上傾斜姿勢とされる(図200(b)参照)。
なお、本実施形態では、先端部材B25111に駆動ソレノイドB25110のプランジャーに対する若干の変位(ぐらつき)を許容するように構成することにより、左右一対の電動役物B640aに対応する(把持する)部分における伝達部材B25640の姿勢のずれを許容している。これにより、電動役物B640aが左右非対称に動作することを可能としているが、詳細は後述する。
切替装置B25700は、ベース板60の厚み範囲に貫通孔を設けたり、ベース板60の後方側の隙間スペースを利用してベース板60の板前面よりも後方(遊技領域よりも後方)に配設されており、上下方向にプランジャーが変位可能に配置される切替ソレノイドB25710と、その切替ソレノイドB25710が非励磁の状態では電動役物B640aの背面と対向して配置されるように上方へ付勢される一方、切替ソレノイドB25710が励磁されると電動役物B640aの背面側から下方へ退避するように構成される切替部材B25720と、を備える。
切替部材B25720は、切替ソレノイドB25710のプランジャーに対して左右方向に相対変位可能となるように切替ソレノイドB25710に連結されている。これにより、後述するように電動役物B640aの偏心突設部B640bと左右方向で当接可能に構成する場合に、球の衝突等によって電動役物B640aに回転方向の付勢力が生じた際に切替部材B25720と偏心突設部B640bとの間に負荷が集中して偏心突設部B640bが破損する可能性を低くすることができる。
電動役物B640aは、ベース板60の正面側において固定配置される円柱状部B25013bに回転可能に軸支され、その回転軸に対して偏心する位置から背面側へ突設される偏心突設部B640bを備える。
この偏心突設部B640bは、伝達部材B25640の爪状部B3642と上下で当接可能に配置されており、偏心突設部B640bが爪状部B3642と連動して変位することに伴って、電動役物B640aの状態が変化する。
突設受け部B25013aは、伝達部材B25640や先端部材B25111と当接可能に構成され、その移動終端位置を規定する部分であるが、詳細は後述する。
伝達部材B25640は、上述の伝達部材B3640と類似の形状部材が2個連結されるように構成されており、ベース板60の背面側において回転可能に軸支(枢支)され、回転先端部に配置される爪状部B3642と電動役物B640aとが係合するように構成される。これにより、伝達部材B25640の姿勢の変化に伴って、電動役物B640aの状態(開放状態または閉鎖状態)の変化が生じるように構成される。次いで、図201を参照して伝達部材B25640の詳細について説明する。
図201(a)は、伝達部材B25640を回転軸BJ1方向から視認した伝達部材B25640の右側面図であり、図201(b)は、図201(a)の矢印CCIb方向視における伝達部材B25640の正面図である。なお、図201の説明では、図200を適宜参照する。
伝達部材B25640は、可撓性を有する樹脂材料から形成され、回転軸BJ1と交差(直交)する板状部から構成される左右一対の回転腕部B25641と、その回転腕部B25641の回転先端にC字の爪状に形成される爪状部B3642と、回転軸BJ1を中心とする円柱状に回転腕部B25641から左右外方へ突設される一対の突設軸部B3643と、回転腕部B25641の回転基端側から径方向に延設される基端側延設部B3644と、回転腕部B25641の回転先端側から基端側延設部B3644と平行な方向に延設される先端側延設部B3645と、回転軸BJ1上に軸中心が配置される円柱棒状に形成され左右一対の回転腕部B25641に差し込まれる態様で回転腕部B25641同士を相対回転可能に連結する非固定連結棒部B25646と、を備える。
伝達部材B25640の前端は突設受け部B25013aの下端部と当接することで、それ以上の回転が規制される(図200(a)参照)。伝達部材B25640は、上述したように、電動役物B640aを開閉動作させるための部分であり、電動役物B640aの開放状態において球が第2入賞口640へ入球可能とされる。
一対の回転腕部B25641は、球の直径よりも大きな間隔を空けて対向配置される。これにより、回転腕部B25641の間を球が通過するように球の流路を形成することができるので、第2入賞口640の下流側の流下経路の設計自由度を向上することができる。
即ち、回転腕部B25641が球の直径(11mm)よりも長い間隔を空けて配置されるので、回転腕部B25641の対向間に球を流すことができる。これにより、球の流下経路を上側から囲う態様で伝達部材B25640を配置することができるので、伝達部材B25640と球の流下経路とをコンパクトに配置することができる。
電動役物B640aへの駆動力伝達について説明する。駆動ソレノイドB25110の非励磁の状態において、先端部材B25111の下端部が、伝達部材B25640の先端側延設部B3645と当接している(図200(a)参照)。先端部材B25111はコイルスプリングB25112によって正面側へ付勢されており、この付勢力により伝達部材B25640の姿勢が維持されている。これにより電動役物B640aが閉鎖状態で維持される。
駆動ソレノイドB25110の励磁状態では、先端部材B25111の下端部が、伝達部材B25640の基端側延設部B3644と当接している(図200(b)参照)。先端部材B25111は駆動ソレノイドB25110の駆動力によって背面側へ付勢されており、この駆動力により背面側へ押し込まれる態様で伝達部材B25640の姿勢が維持されている。これにより、電動役物B640aが開放状態で維持される。
従って、先端部材B25111側を上流とする負荷伝達では、下流側に配置される一対の回転腕部B25641は、互いに姿勢を一致させるようにして回転変位する。これに対し、本実施形態では、非固定連結棒部B25645によって左右の回転腕部B25641が相対的に姿勢変化可能に敢えて構成されている。
従って、電動役物B640a側を上流とする負荷伝達(例えば、球の衝突により生じる負荷の伝達や、遊技領域に差し込まれた糸や金属細線などの異物を利用し電動役物B640aに不正に与えられる負荷の伝達)では、左右一対の回転腕部B25641の姿勢を異ならせることができるように構成されている。以下、これについて説明する。
図202(a)から図202(c)は、電動役物B640a及び第2入賞口640の正面図である。図202(a)では、電動役物B640aの閉鎖状態が図示され、図202(b)では、駆動ソレノイドB25110が駆動されたことによって状態が切り替えられた電動役物B640aの開放状態が図示され、図202(c)では、駆動ソレノイドB25110が駆動されていない状態で右側の電動役物B640aが開放状態の位置に強制的に変位させられた状態が図示される。
図202(a)に示すように、電動役物B640aの閉鎖状態では、切替部材B25720が偏心突設部B640bの間の位置に配置されており、偏心突設部B640bの左右変位と連動可能に構成されている。
第2図柄の抽選が当たりとなった場合等において、主制御装置110(図4参照)からの信号に基づいて駆動ソレノイドB25110を励磁し、電動役物B640aを開閉動作させる場合には、予め切替ソレノイドB25710が励磁され、偏心突設部B640bの下端よりも下方(偏心突設部B640bの移動軌跡よりも外方)へ切替部材B25720を予め退避させるように(図202(b)参照)制御プログラムが構成される。
図202(b)に示すように、切替ソレノイドB25710が励磁され、切替部材B25720が下方へ退避した状態では、偏心突設部B640bが切替部材B25720と干渉することなく、電動役物B640aを回転変位させることができる。
一方、図202(c)に示されるのは、駆動ソレノイドB25110が駆動されるタイミングから外れたタイミング等、切替ソレノイドB25710が非励磁の状態で電動役物B640aの一方(例えば、右側の電動役物B640a)が傾倒変位した場合の様子である。
切替装置B25720は依然として偏心突設部B640bの変位軌跡内に配置されているので、切替部材B25720が偏心突設部B640bに押されて左方へ変位し、この切替部材B25720に電動役物B640aの他方(左側の電動役物B640a)が押されることで変位する。これにより、他方の電動役物B640aが第2入賞口640を入球不能に閉鎖する。
従って、駆動ソレノイドB25110(図200(a)参照)からの駆動力によらず電動役物B640aが変位する場合に、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
駆動ソレノイドB25110からの駆動力によらず電動役物B640aが変位する場合としては、例えば、遊技領域を流下する球が衝突した際の衝撃で変位する場合や、不正行為者が遊技領域に異物(例えば、糸や金属細線)を不正に進入させ、その異物を介して電動役物B640aを無理矢理変位させる場合等が例示される。即ち、本実施形態によれば、このように例示される事態が生じても、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、切替部材B25720は左右方向にスライド変位可能とされるので、左側の電動役物B640aが駆動ソレノイドB25110の駆動によらず傾倒変位させられる場合には、右側の電動役物B640aが第2入賞口640を入球不能に閉鎖するように変位する。即ち、負荷が与えられる電動役物B640aが左右いずれの電動役物B640aであっても、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、第2入賞口640を入球に閉鎖する状態としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、本実施形態で例示するように、第2入賞口640の全体は塞がないまでも、球の大きさと第2入賞口640として例示される一般的な入球口の大きさ(図137、案内口B1160参照)との相対関係に基づいて、第2入賞口640の正面視での大きさを球の大きさよりも小さくする程度に塞ぐ態様でも良いし、第2入賞口640の全体を塞ぐような態様でも良い。
本実施形態では、図202(c)に示すように、一対の電動役物B640aの間の距離が球の直径未満となるように設定しており、球が第2入賞口640の正面側に到達することも防止している。
また、第2入賞口640を塞ぐように変位した電動役物B640aの回動先端は、第2入賞口640の左右中心を左右方向に超えるまで変位しているので、第2入賞口640の左右中心を通る鉛直方向に沿って流下する球からの衝突を受けた場合に、その球に対して第2入賞口640から左右方向外方へ遠ざかる方向の負荷を与えることができる。
なお、上述したような電動役物B640aを傾倒変位させる負荷が、左右一対の電動役物B640aの双方に生じた場合には、切替部材B25720を介して、偏心突設部B640b同士が左右方向で押し合う状態となり、偏心突設部B640bの左右内側への変位が切替部材B25720により抑制される。これにより、電動役物B640aの変位を抑制することができるので、第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、切替部材B25720は、遊技領域よりも後方に配置されており、遊技領域を流下する球や、遊技領域に進入する異物等が直接的に切替部材B25720に負荷を与えることを防止可能に構成されている。これにより、予定されていないタイミングで第2入賞口640への入球が容易となることを防止することができる。
なお、図202(c)の状態では、偏心突設部B640bの上下位置がずれており、伝達部材B25640の一対の回転腕部B25641の姿勢が互いにずれることになるが、本実施形態における伝達部材B25640は、上述のように、一対の回転腕部B25641が非固定連結棒部B25645に連結される構成を採用することで、姿勢ずれを許容している。
なお、本実施形態においても、上記各実施形態と同様に、検出センサBSC221,BSC222に対応する装置を配設して、電動役物B640aの状態(姿勢や、動作パターン等の動作態様)を検出可能に構成しても良い。この場合、電動役物B640aが正常に動作しているか否かを、主制御装置110(図4参照)により判定することができ、その判定結果に基づいてエラー報知を実行するように制御することができる。
次いで、第26実施形態について説明する。第26実施形態は、第19実施形態の別形態である。第19実施形態では、案内口B4160及び球案内受部B4260が常に球を受け入れ可能な状態とされる場合を説明したが、第26実施形態における可変入賞装置B26000は、案内口B4160及び球案内受部B4260を開閉する開閉板B26500を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図203は、第26実施形態における可変入賞装置B26000の正面図である。図203に示すように、可変入賞装置B26000は、基礎部材B9100の正面側に張り出す閉鎖位置と、基礎部材B9100の正面側から後方へ退避する開放位置とで前後変位可能に構成される開閉板B26500を備える。
開閉板B26500が閉鎖位置に配置される場合には、案内口B4160及び球案内受部B4260への球の入球を防止可能とされる。また、開閉板B26500を変位させる駆動力を発生させる開閉ソレノイド(図示せず)が励磁され、開閉板B26500が開放位置に配置される場合には、案内口B4160及び球案内受部B4260への入球が許容される。
開閉板B26500の上面は、正面視で左側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として構成されるので、開閉板B26500の上面を転動する球は左側へ流下し易いように構成される。これにより、開閉板B26500が閉鎖位置に配置される場合に案内板B9300が閉鎖状態とされ、転動面B9311に乗っていた複数の球が落下する場合であっても、球案内受部B4260と右側延設部B1220との間であって左右幅が先細りする範囲に複数球が流れ込み、球の流下が阻害される事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、案内板B9300は、第1ソレノイドB1410(図167参照)で駆動され、開閉板B26500は、第1ソレノイドB1410とは異なる駆動装置(例えば、第2ソレノイドB1610又は第2ソレノイドB2610等)によって駆動される。そのため、案内板B9300と開閉板B26500とは、主制御装置110(図4参照)の制御に基づいて独立して動作可能に構成される。
ここで、案内板B9300と開閉板B26500との変位の係合状態と、解除状態とを切替可能な態様で、上述の切替装置B23800(図193参照)を採用するようにしても良い。即ち、主制御装置110の制御に基づいて案内板B9300や開閉板B26500が駆動される場合には独立して動作可能(係合を解除可能)な一方で、主制御装置110の制御によらず、不正の負荷により案内板B9300又は開閉板B26500が強制的に変位させられる場合には連動する(係合される)ように構成しても良い。
この場合、不正の負荷が生じたとしても、案内板B9300が後方に配置される(閉鎖状態)と共に開閉板B26500が前方に配置される(閉鎖状態)状態か、案内板B9300が前方に配置される(開放状態)と共に開閉板B26500が後方に配置される(開放状態)状態かに、取り得る状態を限定することができる。
案内口B4160への入球のためには、案内板B9300が後方に配置される(閉鎖状態)と共に開閉板B26500が後方に配置される(開放状態)ことが必要になるので、案内口B4160への不正の入球を防止することができる。
なお、案内口B4160の機能は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入球に伴い賞球の払い出しが生じる賞球口でも良いし、賞球の払い出しが生じないアウト口でも良いし、図柄の抽選を伴う始動口でも良いし、球通過により遊技者が有利な状態を獲得するための特定領域を下流側に有するV入球口でも良いし、球通過により遊技者が不利な状態を獲得するための転落領域を下流側に有する転落入球口でも良い。
次いで、第27実施形態について説明する。第27実施形態は、第19実施形態または第26実施形態の別形態である。第19実施形態では、第1検出センサB1230の開口を通過した球が排出路まで流下する経路は一通りである場合を説明したが、第27実施形態における可変入賞装置B27000は、第1検出センサB1230の下流側の経路が枝分かれしており、複数通りの経路で球が流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図204は、第27実施形態における可変入賞装置B27000の正面図である。図204に示すように、可変入賞装置B27000は、基礎部材B9100の正面側に張り出す閉鎖位置と、基礎部材B9100の正面側から後方へ退避する開放位置とで前後変位可能に構成される開閉板B27500を備える。
また、可変入賞装置B27000は、第1検出センサB1230の開口の下流側に球を配置可能な分岐範囲B27180を備える。その分岐範囲B27180は、開閉板B27500の真下において球が通過可能に形成される有利側入球口B27181と、開閉板B27500の上面を右側へ転動した球が通過可能に形成される不利側入球口B27182と、を備える。
本実施形態では、大当たり中に有利側入球口B27181への入球が検出されることにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態(確変中)となる権利を付与可能に構成される(特定領域として機能する)。一方、大当たり中に不利側入球口B27182への入球しか検出されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態(時短中)となるように構成される(非特定領域として機能する)。即ち、不利側入球口B27182への入球により遊技者に与えられる利益は、有利側入球口B27181への入球により遊技者に与えられる利益よりも低く設定される。
なお、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182への入球により生じる利益は、これに限られるものではない。例えば、小当たり遊技で案内板B9300が開閉するように制御し、有利側入球口B27181への入球により大当たり遊技へ移行する権利を獲得可能に構成しても良い(所謂、一種二種混合機として構成しても良い)。
分岐範囲B27180に入球した球が有利側入球口B27181へ入球するのか、不利側入球口B27182へ入球するのかは、開閉板B27500の作動パターンにより制御可能とされる。
開閉板B27500が開放位置(薄板部材B1110の板前面よりも後方に退避した位置)に配置される場合には、有利側入球口B27181への球の入球が許容される。また、開閉板B27500を変位させる駆動力を発生させる開閉ソレノイド(図示せず)が励磁され、開閉板B27500が閉鎖位置(薄板部材B1110の板前面よりも前方に張り出した位置)に配置される場合には、有利側入球口B27181への球の入球を防止可能とされる。
開閉板B27500の上面は、正面視で右側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として構成されるので、開閉板B27500の上面を転動する球は右側へ流下し易いように構成される。これにより、開閉板B27500が閉鎖位置に配置される場合に開閉板B27500の上面を転動する球を不利側入球口B27182へ滑らかに案内することができる。
本実施形態では、案内板B9300は、第1ソレノイドB1410(図167参照)で駆動され、開閉板B27500は、第1ソレノイドB1410とは異なる駆動装置(例えば、第2ソレノイドB1610又は第2ソレノイドB2610等)によって駆動される。そのため、案内板B9300と開閉板B27500とは、主制御装置110(図4参照)の制御に基づいて独立して動作可能に構成される。
ここで、案内板B9300と開閉板B27500との変位の係合状態と、解除状態とを切替可能な態様で、上述の切替装置B23800(図193参照)を採用するようにしても良い。即ち、主制御装置110の制御に基づいて案内板B9300や開閉板B27500が駆動される場合には独立して動作可能(係合を解除可能)な一方で、主制御装置110の制御によらず、不正の負荷により案内板B9300又は開閉板B27500が強制的に変位させられる場合には連動する(係合される)ように構成しても良い。
この場合、閉鎖状態の案内板B9300に対して不正の負荷が与えられ、開放状態へ向けて強制的に変位させられることで第1検出センサB1230の開口に球が入球可能となる事態が生じたとしても、その案内板B9300の変位に伴って開閉板B27500を閉鎖位置へ変位させることができる。そのため、球が有利側入球口B27181に入球することを防止することができる。従って、不正の手段で有利側入球口B27181への入球が生じることを防止することができる。
なお、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182の機能は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、入球に伴い賞球の払い出しが生じる賞球口でも良いし、賞球の払い出しが生じないアウト口でも良いし、図柄の抽選を伴う始動口でも良いし、球通過により遊技者が有利な状態を獲得するための特定領域を下流側に有するV入球口でも良いし、球通過により遊技者が不利な状態を獲得するための転落領域を下流側に有する転落入球口でも良い。
また、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182の機能に差がある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、有利側入球口B27181及び不利側入球口B27182の機能を同一に設定しても良い。また、有利不利を逆転させて設定しても良い。
なお、開閉板B27500について、ソレノイドの励磁により閉鎖位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ソレノイドの非励磁状態において閉鎖位置に配置され、ソレノイドが励磁されることで開放位置へ変位するようにしても良い。
なお、開閉板B27500が駆動装置で駆動されると説明したが、その駆動態様は何ら限定されるものではない。例えば、案内板B9300の作動のタイミングを基準として、所定時間経過後に開閉動作するように制御しても良いし、電源投入から常に一定動作する態様で開閉動作するように制御しても良い。
次いで、図205から図220を参照して、第28実施形態におけるセンターフレームC86について説明する。
第1実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第28実施形態におけるセンターフレームC86は、上側フレームC86aと下側フレームC86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図205は、第28実施形態における遊技盤C13の正面図である。図205に示すように、センターフレームC86は、ベース板60の窓部60a(図90参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームC86aと下側フレームC86bとを備える。
上側フレームC86aは、ベース板60の窓部60a(図90参照)における上側(図205上側)及び左右(図205左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームC86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図205下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームC86a及び下側フレームC86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームC86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図90参照)における下側(図205下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームC86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームC86bについて説明する。図206は、下側フレームC86bの正面斜視図であり、図207は、下側フレームC86bの背面斜視図である。なお、図206及び図207では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図206及び図207に示すように、下側フレームC86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COPinと、その受入口COPinに連通される第1通路CRt1と、その第1通路CRt1を案内された球が流下される第2通路CRt2と、その第2通路CRt2を案内された球(第2通路CRt2をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第3通路CRt3と、その第3通路CRt3を案内された球が振分部材C170により振り分けられて流下される第4通路CRt4及び第5通路CRt5と、第4通路CRt4を案内された球が流下される第6通路CRt6と、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COPoutとが形成される(図214及び図215参照)。
なお、上側フレームC86aには、上側フレーム通路CRt0(図205参照)が形成される。上側フレーム通路CRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図205左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路CRt0の下流端に下側フレームC86bの受入口COPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路CRt0に流入(入球)した球は、受入口COPinを介して、上側フレーム通路CRt0から下側フレームC86bの第1通路CRt1へ流入(入球)される。
下側フレームC86bには、球の重さにより動作する振分部材C170が配設されており(図214及び図215参照)、連なった状態の球が第3通路CRt3を案内される場合には、先行する球が第4通路CRt4へ振り分けられる一方、後行する球が第5通路CRt5へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第4通路CRt4へ振り分けられる。
ここで、第5通路CRt5の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt5へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt6には、その第6通路CRt6を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図205左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt6には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt4へ振り分けられた球は、第6通路CRt6において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt5へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC86bは、連なった状態の球が第3通路CRt3へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第4通路CRt4)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt5))へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図206から図207に加え、図208から図220を参照して、下側フレームC86bの詳細構成について説明する。
図208は、下側フレームC86bの分解正面斜視図であり、図209は、下側フレームC86bの分解背面斜視図である。図210は、下側フレームC86bの上面図であり、図211は、下側フレームC86bの正面図であり、図212は、下側フレームC86bの背面図である。図213(a)は、図211の矢印CCXIIIa方向視における下側フレームC86bの側面図であり、図213(b)は、図211の矢印CCXIIIb方向視における下側フレームC86bの側面図である。
図214及び図215は、図210のCCXIV−CCXIV線における下側フレームC86bの断面図であり、図216は、図211のCCXVI−CCXVI線における下側フレームC86bの断面図である。図217(a)は、図214のCCXVIIa部における下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図217(b)は、図210のCCXVIIb−CCXVIIb線における下側フレームC86bの部分拡大断面図である。なお、図214では、振分部材C170が第1位置に配置された状態が、図215では、振分部材C170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図206から図217に示すように、下側フレームC86bは、正面部材C110と、その正面部材C110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C120と、正面部材C110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C130と、その背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C140と、背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される第2中間部材C150と、背面部材C130及び第2中間部材C150の対向間に介設される第1介設部材C160及び振分部材C170と、正面部材C110並びに第1及び第2中間部材C140,C150の対向間に介設される第2介設部材C180と、背面部材C130の背面に配設される装飾部材C190及び迂回部材C200と、を備える。
なお、下側フレームC86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C170及び装飾部材C190が背面部材C130に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図206参照)。
また、下側フレームC86bは、振分部材C170及び装飾部材C190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C170及び装飾部材C190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt1から第6通路CRt6を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C170による振り分け動作とその動作に伴う装飾部材C190の変位を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC86bは、第1中間部材C140または第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第3通路CRt3における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C170による振り分け動作との少なくとも一方または両方を遊技者に視認させられる一方で、後行する球が振分部材C170により第5通路CRt5に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態ではほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt5を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C170及び装飾部材C190は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt3を通過する球や振分部材C170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112と、それら正面部C111及び底面部C112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部C113とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C180の底面が対向配置され、底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、第2介設部材C180に貫通形成した貫通孔を第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
連結部C113には、受入口COPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口COPinは、上述したように、上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0から球を受け入れる開口である。なお、ベース板60にセンターフレームC86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームC86aの背面が正面部C111及び連結部C113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路CRt0の下流端と受入口COPinとが連通される。
皿部材C120は、通路の底面を形成する上側底面部C121及び下側底面部C122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C123及び下側側壁部C124とを備える。
上側底面部C121は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共に、受入口COPinから離間する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部C121は、受入口COPinよりも鉛直方向下方(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路CRt0との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材C120は、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部C121には、その幅方向(矢印L−R方向)中央に断面コ字状の凹溝C121aが凹設される(図217参照)。凹溝C121aは、前後方向(矢印F−B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝C121の溝幅(矢印L−R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝C121aの溝深さ(矢印U−D方向の寸法)は、凹溝C121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部C121上の球を2箇所(上側底面部C121と凹溝C121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝C121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路CRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を落下させると共に、上側底面部C121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121(第1通路CRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部C121(第1通路CRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部C123は、上側底面部C121(第1通路CRt1)の上流側および下流側の端部と、上側底面部C121(第1通路CRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部C123には、上側底面部C121(第1通路CRt1)の下流側の端部に切り欠き部C123aが切り欠き形成され、この切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図217(b)参照)。
下側側壁部C124は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C122(第2通路CRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C122は、上面視において、上側底面部C121と平行に並設され、上側底面部C121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部C122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C123における切り欠き部C123aに対応する位置では、下側側壁部C124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側側壁部C124には、円弧状に湾曲した下側底面部C122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C122の長手方向における一端側)に上側底面部C121(第1通路CRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ流入する場合に、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C122(第2通路CRt2)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F−B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図210参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C122(第2通路CRt2)に流下した球が、かかる下側底面部C122(第2通路CRt2)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図217参照)。これにより、下側底面部C122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C122(第2通路CRt2)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C122(第2通路CRt2)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C122の円弧形状(下側底面部C122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図217(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材C120は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の延設方向を前後方向(矢印F−B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部C122(第2通路CRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材C130は、板状に形成される本体部C131と、その本体部C131の正面から立設される下ストッパ部C132、上ストッパ部C133及び軸支座部C134とを備える。
本体部C131には、その本体部C131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt5)を連通するための開口である開口C131aが開口形成される。開口C131aの下方には、本体部C131の外縁を窪ませた凹部C131bが形成される。凹部C131bは、迂回部材C200との対向間に第5通路CRt5の一部を形成する。
下ストッパ部C132は、振分部材C170が下方へ変位された際に、その振分部材C170の下面に当接可能に形成され、振分部材C170の第2位置を規定する(図215参照)。一方、上ストッパ部C133は、振分部材C170が上方へ変位された際に、その振分部材C170の上面に当接可能に形成され、振分部材C170の第1位置(所定位置)を規定する(図214参照)。
軸支座部C134は、軸C192を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C192は、装飾部材C190に固着されており、本体部C131の背面から挿通された軸C192に振分部材C170が回転不能に連結されることで、振分部材C170及び装飾部材C190が一体となって本体部C131(軸支座部C134)に回転可能に軸支される。また、軸C192は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う姿勢で軸支座部C134に軸支される。
第1中間部材C140は、板状の本体部C141と、その本体部C141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C142、天面部C143及び通路部C144とを備え、背面部材C130の正面視左側に配設される。
第1中間部材C140が背面部材C130に配設された状態では、底面部C142、天面部C143及び通路部C144の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。これにより、背面部材C130と第1中間部材C140(本体部C141、底面部C142及び天面部C143)とに区画された空間により第3通路CRt3が形成されると共に、背面部材C130と第1中間部材C140(通路部C144)と第2位置にある振分部材C170とにより区画された空間により第4通路CRt4が形成される(図215参照)。
なお、底面部C142は、皿部材C120側から振分部材C170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C144は、第2位置にある振分部材C170に対向する位置に形成される対向部C144aと、球の転動面を形成する底面部C144bとを備え、底面部C144bは、第2位置にある振分部材C170側から対向部C144a側へ向けて下降傾斜されると共に、背面部材C130側から正面部材C110側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、第2位置へ変位した振分部材C170から球を第4通路CRt4に受け入れると共にその球を第6通路CRt6へ流出(転動)させることができる。
ここで、皿部材C120の下側底面部C122(第2通路CRt2)は前後方向(矢印F−B方向)に沿って球を転動させ、皿部材C120から底面部C142へは、左右方向(矢印L−R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)球が流下され、底面部C142(第3通路CRt3)は皿部材C120から流下された球を左右方向(矢印L−R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)転動させる。
この場合、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動によって先行の球CB1及び後行の球CB2(図218参照)の間隔が決定されるところ、それら両球CB1,CB2は、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ左右方向に沿って流下されると共に、底面部C142(第3通路CRt3)を左右方向に沿って流下(転動)されるので、両球CB1,CB2の間隔を正面視により確認可能とし、遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C150は、板状の本体部C151と、その本体部C151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C152とを備え、背面部材C130の正面視右側に配設される。第2中間部材C150が背面部材C130に配設された状態では、底面部C152の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。
本体部C151には、その外縁を窪ませた凹部C151aが形成される。底面部C152は、その下面に迂回部材C200(樋部C203)が対向配置され、凹部C151a及び底面部C152と迂回部材C200(樋部C203)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、迂回部材C200を筒状に形成して第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
第1介設部材C160は、第5通路CRt5の一部における球の転動面を形成する部材であり、背面部材C130と第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、背面部材C130と第2中間部材C150(本体部C151)と第1介設部材C160とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される。
第1介設部材C160は、その延設方向(矢印L−R方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図215参照)。よって、振分部材C170によって第1介設部材C160(第5通路CRt5)に振り分けられた球を、第1介設部材C160上で往復動させた後、開口C131aへ流出させることができる。
これにより、例えば、振分部材C170によって振り分けられた球を開口C131aへ直接流出させる構成と比較して、開口C131aへ流出するまでに要する時間を長くすることができる。即ち、第1入賞口64に入球(入賞)する確率が高い状態の形成を期待する遊技者に対し、かかる状態が形成されたことを気づかせ易くできると共に、かかる状態を楽しむ時間を確保させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1介設部材C160には、背面部材C130の開口C131aに対応する位置(即ち、第1介設部材C160の転動面の内の鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C160aが凹設される。流出面C160aは、第1介設部材C160を案内される球を、開口C131aへ流出させるための部位であり、開口C131aへ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
振分部材C170は、嵌合穴C171aが一側に形成される本体部C171と、その本体部C171の嵌合穴C171aが形成される側と反対側となる他側に形成される受入部C172と、本体部C171の上面側に形成される転動部C173とを備え、嵌合穴C171aに嵌合された軸C192(軸支座部C134)を中心として回転可能とされる。
嵌合穴C171aは、断面D字状の穴として形成され、その断面形状に一致した断面形状を有する軸C192が嵌合されることで、本体部C171に軸C192が回転不能に固着される。軸C192は、装飾部材C190にも回転不要に固着されており、よって、軸C192を介して、本体部C171(振分部材C170)と装飾部材C190とが一体化(1のユニットとして形成)される。
この場合、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットは、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C170と反対側、図214右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C170は、受入部C172側が上昇され(正面視において軸C192を中心として時計回りに回転され)、上ストッパ部C133に回転が規制された状態(第1位置(所定位置)に配置された状態)とされる(図214参照)。
一方、振分部材C170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C170が配設される側、図214左側)に偏心される。よって、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C170は、受入部C172側が下降され(正面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C132に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図215参照)。
装飾部材C190は、本体部C191の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされ、振分部材C170の第1位置と第2位置との間の変位(回転)に伴って、装飾部材C190(本体部C191)も回転され、遊技者から視認される位置(形態)が変化される。よって、かかる装飾部材C190の位置(形態)に基づいて、振分部材C170の状態(即ち、球の振り分け方向)を遊技者に認識させることができる。また、振分部材C170を変位させるための錘としての役割と、球の振り分け方向を認識させる部位としての役割とを装飾部材C190に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
なお、振分部材C170が第2位置に配置された後、受入部C172から第1中間部材C140の通路部C144へ球が排出(流出)されると、振分部材C170は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重心位置の軸C192からの偏心)の作用により、第1位置(所定位置)へ復帰される。
このように、振分部材C170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C173へ到達させる可能性を付与できる(図218から図220参照)。
受入部C172は、第1位置において第3通路CRt3に対向する位置に形成される対向部C172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C172bとを備える。
受入部C172は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交し、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図214参照)。
ここで、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C172aの転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第3通路CRt3へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C172aは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から受け入れた球を対向部C172aにより受け止めて、第3通路CRt3へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142(通路部C144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C172に受け入れた球が早期に第1中間部材C140の通路部C144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C172bは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C172に受け入れた球が第1中間部材C140の通路部C144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C170を第2位置に確実に到達させることができる。
なお、上述した理由(第3通路CRt3への逆流防止)により、対向部C172aを、転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C172は、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の通路部C144へ向けて下降傾斜するように形成される(図215参照)。これにより、受入部C172に受け入れた球を、第1中間部材C140の通路部C144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C172bを転動している間、その球の重量を振分部材C170に作用させ、振分部材C170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C173(第5通路CRt5)へ案内可能な状態)に維持しやすくできる。
転動部C173は、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球を、第2介設部材C160(第5通路CRt5)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)の下流端と、第2介設部材C160(第5通路CRt5)の上流端との間に位置(架設)される。
転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)は、受入部C172の対向部C172aから突出して形成される。即ち、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)には、対向部C172aから上流側(第1中間部材C140(第3通路CRt3)側、矢印L方向)へ向けて突出される板状の部位が形成される。この板状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球が受入部C172へ流入されると、その球の重量で振分部材C170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C170の下面が下ストッパ部C132に当接されることで、振分部材C170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C132に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C142(転動面)の下流端と転動部C173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C142の下流端よりも転動部C173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
更に、振分部材C170は、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)が、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成される。即ち、転動部C173の上流側の端面は、転動部C173の転動面側の縁部よりも、受入部C172(対向部C172a)側の縁部の方が、第1中間部材C140に近接される形状に形成される。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
受入部C172と転動部C173とは、C192に対して、同じ側(球の重量により振分部材C170を回転させる方向が同じとなる側)に配置される。よって、受入部C172に受け入れた球の重量により振分部材C170が第2位置に配置された後、球が受入部C172から排出されたとしても、転動部C173を転動する球の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持することができる。即ち、第5通路CRt5へ案内する球がある場合、その球の重量を利用して、振分部材C170の姿勢を、球を第5通路CRt5へ案内するための姿勢に維持させることとができる。
よって、受入部C172に受け入れた球(底面部C172bを転動する球)の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持する必要がなく、かかる底面部C172bの延設長さを短くすることができ、その分、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
ここで、振分部材C170は、底面部C142(第3通路CRt3)から受入部C172へ向けて球が転動する方向(受入部C172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C172が球を受け入れる方向と受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C170(受入部C172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C172に滞留される球の重量を利用して振分部材C170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C173において球を安定して転動させることができる。
また、球の反転を利用して、その滞留時間を確保できることで、その分、受入部C172における底面部C172bの延設長さを短くして、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
第2介設部材C180は、第6通路CRt6における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C111と第1中間部材C140及び第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、正面部材C110と第1中間部材C140及び第2中間部材C150と第2介設部材C180とに区画された空間により第6通路CRt6が形成される。
第2介設部材C180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C180(第6通路CRt6)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt6の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C110の底面部C112との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。
装飾部材C190は、板状に形成される本体部C191と、その本体部C191に固着される軸C192とを備え、上述したように、軸C192を介して、振分部材C170に連結(一体化)される。なお、本体部C191の正面には、キャラクターなどの図柄が印刷やシールの添付により表示され、そのキャラクターの動き(変位)に基づいて、振分部材C170の動作が遊技者に視認可能とされる。
なお、軸C192は、ベース板60(図205参照)に直交する姿勢で配置される。よって、下側フレームC86bの前後方向(矢印F−B方向)寸法の小型化を図ることができる。
迂回部材C200は、板状の本体部C201と、その本体部C201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C202と、その壁面部C202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C203とを備え、開口C131aに対向する位置において、背面部材C130の背面側に配設される。
迂回部材C200が背面部材C130に配設された状態では、壁面部C202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C130(本体部C131)の背面に当接され、且つ、樋部C203の立設先端(矢印F方向側)が第2中間部材C150(本体部C151)の背面に当接されると共に、樋部C203の縁部が第2中間部材C150(底面部C152)の底面に当接される。
これにより、背面部材C130(本体部C131)と迂回部材C200(本体部C201及び壁面部C202)とに区画された空間、及び、第2中間部材C150(底面部C152)と迂回部材C200(樋部C203)とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される(図216参照)。
なお、樋部C203は、背面部材C130側から第2中間部材C150側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C130の開口C131aから迂回部材C200内へ流入された球を樋部C203上を転動させて、正面部材C110の底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt5へ流入させることができる。
次いで、振分部材C170による球の振り分け動作について説明する。図218から図220は、振分部材C170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
なお、図218(a)及び図218(b)は、振分部材C170が第1位置に配置された状態を示し、図214に対応する。図219(b)及び図220は、振分部材C170が第2位置に配置された状態を示し、図215に対応する。
図218(a)に示すように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、受入部C172は、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C172は、底面部C142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C172aが配置され、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C172bが配置される。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C173は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C173は、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C172bが配置される。なお、転動部C173と、底面部C142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の天面部C143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。但し、かかる間隔を球の直径よりも大きな間隔としても良い。
第1中間部材C140の底面部C142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図218(b)に示すように、球CB1が振分部材C170の受入部C172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C172aに当接され(受け止められ)、受入部C172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。上述したように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、天面部C143の下流端と、転動部C173の上流端との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定されるので、球CB2が、球CB1を乗り越えて、転動部C173へ流入されることを抑制できる。即ち、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図218(b)に示すように、球CB1が受入部C172に受け入れられると、図219(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C170に作用される。
ここで、受入部C172は、対向部C172aの底面部C172bに連結される側の領域と、底面部C172bの対向部C172aに結される側の領域とが、即ち、対向部C172aと底面部C172bとの連結部分が、軸C192側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図219(a)と図219(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C172(対向部C172aと底面部C172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C192と反対側の外縁)よりも、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)の軌跡が、軸C192に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図219(a)に示す状態から振分部材C170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、球CB1が通路部C144へ向けて底面部C172bを転動されると共に、球CB2が転動部C173に流下される(転動部C173に受け入れられる)。
図219(b)及び図220に示すように、振分部材C170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C172から通路部C144(第4通路CRt4)へ流入されると共に、球CB2が転動部C173を転動して、第1介設部材C160(第5通路CRt5)へ流入される。
球CB1,CB2が第4通路CRt4及び第5通路CRt5へ流入された後は、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。なお、振分部材C170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C173到達し、その転動部C173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C173を転動して第5通路CRt5へ流入(案内)される。
上述したように、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)は、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成されるので、振分部材C170が第2位置から第1位置へ変位(回転)を開始した後であっても、転動部C173の上流側の傾斜面(端面)を利用して、第3の球を転動部C173へ流入させ易くできる。
なお、振分部材C170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第4通路CRt4へ振り分けられる。
以上のように、第28実施形態における下側フレームC86bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図221から図236を参照して、第29実施形態におけるセンターフレームC2086について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図221は、第29実施形態における下側フレームC2086bの正面斜視図であり、図222は、下側フレームC2086bの背面斜視図である。なお、図221及び図222では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC2086bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図221及び図222に示すように、下側フレームC2086bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COP2000inと、その受入口COP2000inに連通される第1通路CRt2001と、その第1通路CRt2001を案内された球(第1通路CRt2001をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第2通路CRt2002と、その第2通路CRt2002を案内された球が振分部材C2170により振り分けられて流下される第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004と、第3通路CRt2003を案内された球および第4通路CRt2004から落下した球(第4通路CRt2004の終端に到達しなかった球)が流下される第6通路CRt2006と、第4通路CRt2004を案内された球(第4通路CRt2004の終端に達した球)が流下される第5通路CRt2005と、その第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COP2000outとが形成される(図229及び図230参照)。
なお、第29実施形態におけるセンターフレームは、上側フレーム(図示せず)と下側フレームC2086bとから構成される。第29実施形態における上側フレームは、その上側フレーム通路(図示せず)の形状が、第28実施形態における上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0と異なる点を除き、他の構成は第28実施形態における上側フレームC86aと同一の構成であるので、その説明は省略する。
上側フレーム通路は、遊技領域のうちの正面視左側(図205左側)の領域(センターフレーム(上側フレーム)とレール61(図205参照)との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路の下流端に下側フレームC2086bの受入口COP2000inが連通される。即ち、遊技領域から上側フレーム通路に流入(入球)した球は、受入口COP2000inを介して、上側フレーム通路から下側フレームC2086bの第1通路CRt2001へ流入(入球)される。
下側フレームC2086bには、球の重さにより動作する振分部材C2170が配設されており(図229及び図230参照)、連なった状態の球が第2通路CRt2002を案内される場合には、先行する球が第3通路CRt2003へ振り分けられる一方、後行する球が第4通路CRt2004へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第3通路CRt2003へ振り分けられる。
ここで、第4通路CRt4の終端に達した球は、第5通路CRt5へ流下されるところ、第5通路CRt2005の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt2005を案内された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt2006には、その第6通路CRt2006に案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図205左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt2006には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt2004へ振り分けられた球は、第6通路CRt2006において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt2005を案内される球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC2086bは、第28実施形態の場合と同様に、連なった状態の球が第2通路CRt2002へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第3通路CRt2003)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt2005))へ球を流下させる第4通路CRt2004へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、本実施形態では、第4通路CRt2004を案内される球が途中で第6通路へ落下可能に形成され、落下せずに第4通路CRt2004の終端に達した球のみが第5通路CRt2005へ流下(流入)可能とされる。そのため、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、連なった状態の球のうちの後行する球が第4通路CRt2004に振り分けられた後は、かかる第4通路CRt2004の終端まで球が落下せずに達することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図221から図222に加え、図223から図236を参照して、下側フレームC2086bの詳細構成について説明する。
図223は、下側フレームC2086bの分解正面斜視図であり、図224は、下側フレームC2086bの分解背面斜視図である。図225は、下側フレームC2086bの上面図であり、図226は、下側フレームC2086bの正面図であり、図227は、下側フレームC2086bの背面図である。図228(a)は、図226の矢印CCXXVIIIa方向視における下側フレームC2086bの側面図であり、図228(b)は、図226の矢印CCXXVIIIb方向視における下側フレームC2086bの側面図である。
図229及び図230は、図225のCCXXIX−CCXXIX線における下側フレームC2086bの断面図である。図231は、図227のCCXXXI−CCXXXI線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図232は、図227のCCXXXII−CCXXXII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図でる。なお、図229では、振分部材C2170が第1位置に配置された状態が、図230では、振分部材C2170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図221から図232に示すように、下側フレームC2086bは、正面部材C2110と、その正面部材C2110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C2120と、正面部材C2110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C2130と、その背面部材C2130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C2140、第2中間部材C2150、第1介設部材C2160、磁性部C2400及び受け部材C2500と、背面部材C2130及び第1中間部材C2140の対向間に介設される振分部材C2170と、正面部材C2110及び背面部材C2130の対向間に介設される第2介設部材C2180と、背面部材C2130の背面に配設される迂回部材C2200及び磁石C2300と、を備える。
なお、下側フレームC2086bは、各部材どうしそれぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C2170が背面部材C2130及び第1中間部材C2140に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図221参照)。
また、下側フレームC2086bは、振分部材C2170を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C2170が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt2001から第6通路CRt2006を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C2170による振り分け動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC2086bは、少なくとも第1中間部材C2140が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第2通路CRt2002における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C2170による振り分け動作とを遊技者に視認させられると共に、後行する球が振分部材C2170により第4通路CRt2004に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態では第5通路CRt2005に流入されれば、ほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt2005を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C2170は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C2140が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C2140に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt2003を通過する球や振分部材C2170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C2110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC2086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図205参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C2180の底面が対向配置される。なお、底面部C112には、流出口COPoutに連通する筒状の部位が形成され、この筒状の部位が第5通路CRt2005の一部とされる。よって、第5通路CRt2005の内壁面に正面部材C2110と第2介設部材C180との重なり部分(継ぎ目)が形成されないので、流出口COPoutから第5通路CRt2005内を遊技者が覗き込んだ際の外観を良くすることができると共に、重なり部分(継ぎ目)から針金等の異物が侵入されることを回避できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
皿部材C2120は、通路の底面を形成する上側底面部C2121及び下側底面部C2122と、通路の側壁を形成する側壁部C2124を備える。
上側底面部C2121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印L−R方向)に沿って延設されると共に、受入口COP2000inから離間する方向(矢印
方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
下側底面部C2122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図217(b)参照)。
側壁部C2124は、上側底面部C2121(第1通路CRt2001)の通路幅と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C2122は、上面視において、上側底面部C2121と略90度に交差され、上側底面部C2121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C2122の長手方向における一端側(矢印F方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
側壁部C2124には、円弧状に湾曲した下側底面部C2122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)から底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C2122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C2122の長手方向における一端側)に上側底面部C2121から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C2121から下側底面部C2122(第1通路CRt2001)へ流入する場合に、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C2122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を案内される球を、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出させるための部位であり、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C2122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C2142(第2通路CRt2002)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C2122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F−B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図225参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C2124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C2124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C2122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C2122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に流下した球が、かかる下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C2122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図229参照)。これにより、下側底面部C2122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する側壁部C2124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C2122(第1通路CRt2001)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C2122の円弧形状(下側底面部C2122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図217(b)及び図228(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させ易くできる。
背面部材C2130は、板状に形成される本体部C2131と、その本体部C2131の正面から立設される軸支座部C2134とを備える。
本体部C2131には、その本体部C2131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt2005)を連通するための開口である開口C2131aと、振分部材C2170(錘C2175)との干渉を回避するための開口である開口C2131cとが開口形成される。開口C2131aの下方には、本体部C2131の外縁を窪ませた凹部C2131bが形成される。凹部C2131bは、迂回部材C2200との対向間に第5通路CRt2005の一部を形成する。
軸支座部C2134は、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C2174は、前後方向(矢印F−B方向)に沿う姿勢で軸支座部C2134と第1中間部材C2140の軸支座部C2141bとに軸支される。
第1中間部材C2140は、板状の本体部C2141と、その本体部C2141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2142、天面部C2143、通路部C2144及び下ストッパ部C2145とを備え、背面部材C2130の正面視左側に配設される。
本体部C2141には、その本体部C2141の正面側と背面側とに形成される通路(第3通路CRt2003及び第6通路CRt2006)を連通するための開口である開口C2141aが形成される。また、本体部C2141の背面からは、軸支座部C2141bが立設される。軸支座部C2141bは、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。
第1中間部材C2140が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2142及び天面部C2143の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。これにより、背面部材C2130と第1中間部材C2140(本体部C2141、底面部C2142及び天面部C2143)とに区画された空間により第2通路CRt2002が形成されると共に、背面部材C2130と第1中間部材C2140(底面部C2142及び通路部C2144)と第2位置にある振分部材C2170とにより区画された空間により第3通路CRt2003が形成される(図230参照)。
底面部C2142は、皿部材C2120側から振分部材C2170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C2144は、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)と開口C2141aとの対向間に位置し、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)側から開口C2141a側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、通路部C2144は、第2位置へ変位した振分部材C2170から球を受け入れると、その球を開口C2141aを介して第6通路CRt2006へ流出(転動)させることができる。
なお、底面部C2142は、振分部材C2170(底面部C2172b)が上方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の上面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第1位置を規定する(図229参照)。一方、下ストッパ部C2145は、振分部材C2170(底面部C2172b)が下方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の下面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第2位置を規定する(図230参照)。
なお、振分部材C2170は、第1位置から第2位置に変位(回転)されると、転動部C2173の上面(転動面)が上方へ変位(上昇)される。即ち、振分部材C2170が第2位置に配置された状態における底面部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態における底面部C2173の上面(転動面)よりも上方(矢印U側)に位置される。
第2中間部材C2150は、板状の本体部C2151と、その本体部C2151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2152及び壁面部C2153,C2154とを備え、第1中間部材C2140との間に所定の間隔を隔てつつ、背面部材C2130の正面視右側に配設される。
なお、本実施形態では、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との間の対向間隔(矢印L−R方向の間隔)が、受け部材C2500の長手方向(矢印L−R方向)寸法に球の直径の少なくとも2倍以上の大きさを加算した寸法よりも大きな値に設定される。よって、受け部材C2500の長手方向(矢印L−R方向)両側(第1中間部材C2140との間、及び、第2中間部材C2150との間の両方)に、球が通過可能な空間をそれぞれ確保することができる。よって、球の流下する方向の種類(バリエーション)を増やし、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152が、背面部材C2130の開口C2131aに連通可能となる位置に配置されると共に、開口2131aへ向けて下降傾斜される。よって、底面部C2152は、第4通路CRt2004の終端に達した球(磁性部C2400の終端から落下した球)を受け入れると、その球を開口C2131a内へ流入(転動)させることができる。即ち、底面部C2152の上面側に第5通路CRt2005の一部が形成される。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152及び壁面部C2153,C2154の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。また、底面部C2152の上面(転動面)の縁部に沿って本体部C2151及び壁面部C2153,C2154が所定量だけ上方(矢印U方向)へ突出される。
磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153は、第4通路CRt2004を案内される球の移動方向(磁性部C2400の下縁(球を吸着する縁部)に沿う方向)の延長線と交差する面を形成する。これにより、第4通路CRt2004から排球された(磁性部C2400から落下した)球を、壁面部C2153により直接受け止めて、或いは、底面部C2152でバウンドした(跳ね上がった)後に壁面部C2153により受け止めて、底面部C2152上へ落下させることができる。なお、実施形態では、壁面部C2153は、磁性部C2400の終端(矢印R方向の端部)における下縁(球が吸着される縁部)よりも高い位置まで形成される。
一方、底面部C2152の上面からの突出寸法は、磁性部C2400に近い側に位置する壁面部C2154の突出寸法、及び、本体部C2151の突出寸法が、磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153の突出寸法よりも小さく(低く)される。これにより、底面部2152(第5通路CRt2005)から第1介設部材C2160又は第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)へ球が落下可能として、遊技の興趣を高められる。なお、壁面部C2154及び本体部C2151の突出寸法は、球の直径よりも小さくされることが好ましい。
受け部材C2500は、上面(転動面)を形成する第1底面部C2501及び第2底面部C2502を備え、第1中間部材C2140と第2中間部材2150との対向間であって、磁性部C2400の下方(矢印U方向側)となる位置に配設される。よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を第1底面部C2501及び第2底面部C2502で受け止めて、第1介設部材C2160へ流下(転動)させることができる。
第1底面部C2501は、第2底面部C2502との接続部から第1中間部材C2140側(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成され、第2底面部C2502は、第1底面部C2501との接続部から第2中間部材C2150側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、第1底面部C2501及び第2底面部C2502は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて下降傾斜される(図232参照)。
上述したように、受け部材C2500の長手方向(矢印L−R方向)両側には、第1中間部材C2140及び第2中間部材C2150との間に少なくとも球1個分の空間がそれぞれ形成される。
よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L−R方向)に転動させて、第1介設部材C2160へ流下させることができる。この場合、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を受け止めた部位(第1底面部C2501又は第2底面部C2502)に応じて、その球を流下させる方向を異ならせることができる。
また、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L−R方向)に転動させた上で、それら第1底面部C2501又は第2底面部C2502の下流端から第1介設部材C2160へ流下させることができる。これにより、かかる球を、第1介設部材C2160の長手方向に沿って転動させ易くできる。
なお、第1底面部C2501及び第2底面部C2502の少なくとも一方または両方は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて上昇傾斜されていても良く、或いは、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて非傾斜(即ち、水平)とされていても良い。
また、受け部材C2500は、その長手方向(矢印L−R方向)の一側のみに球が通過可能な空間が確保される形態(即ち、第1中間部材C2140又は第2中間部材C2150の一方との間のみに球が流下(通過)可能な空間が形成され、他方との間では球の流下(通過)が不能とされる形態)でも良い。この場合には、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向寸法を確保して、その分、球の転動時間を長くできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
第1介設部材C2160は、受け部材C2500から流下された球を、第2介設部材C2180へ流下させる転動面を形成する部材であり、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との対向間に介設される。
第1介設部材C2160の上面(転動面)には、球を第2介設部材C2180へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C2161及び側方流出面C2162)が形成される。中央流出面C2161は、第2介設部材C2180の中央流出面C181(即ち、第1入賞口64)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)され、側方流出面C2162は、中央流出面C2161から遊技盤13の幅方向(図205左右方向)へ位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。また、第1介設部材C2160の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C2162が形成され、起伏の頂部に中央流出面C2161が形成される。
なお、側方流出面C2162は、第2介設部材C2180の側方流出面C182に対して、遊技盤13の幅方向(図205左右方向)における外側(矢印L方向または矢印R方向)へ位置を異ならせて形成(配置)される。よって、側方流出面C2162から流下される球を、第2介設部材C2180の側方流出面C182よりも外側(即ち、側方流出面C182へ向けて下降傾斜する第2介設部材C2180の上面(転動面))へ流下させることができる。従って、かかる球を、第2介設部材C2180の長手方向に沿って転動させ易くできる。その結果、第2介設部材C2180の中央流出面C181から流下させる(即ち、第1入賞口64へ入球(入賞)する)機会を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
振分部材C2170は、軸C2174が軸支される本体部C2171と、その本体部C2171の一側に形成される受入部C2172と、本体部C2171の上面側に形成される転動部C2173と、軸C2174を挟んで受入部C2172と反対側となる位置において本体部C2171に配設(取着)される真鍮製の錘C2175とを備え、軸C2174(軸支座部C2134,C2141b)を中心として回転可能とされる。
振分部材C2170は、その重心位置が回転中心(軸C2174)に対して他側(錘C2175が配設される側、即ち、軸C2174を挟んで受入部C21720と反対側、図229右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が上昇され(正面視において軸C2174を中心として時計回りに回転され)、底面部C2142に回転が規制された状態(第1位置に配置された状態)とされる(図229参照)。
一方、振分部材C2170の受入部C2172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C2174)に対して一側(受入部C2172が形成される側、即ち、軸C2174に対して錘C2175と反対側、図230左側)に偏心される。よって、受入部C2172に球を受け入れた状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が下降され(正面視において軸C2174を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C2145に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図230参照)。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された後、受入部C2172から第1中間部材C2140の通路部C2144へ球が排出(流出)されると、振分部材C2170は、振分部材C2170の自重(重心位置の軸C2174からの偏心)の作用により、第1位置へ復帰される。
このように、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C2170の自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C2170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C2173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C2173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C2173へ到達させる可能性を付与できる(図233から図235参照)。
受入部C2172は、第1位置において第2通路CRt2002に対向する位置に形成される対向部C2172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C2144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C2172bとを備える。
受入部C2172は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交し、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図229参照)。
ここで、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C2172aの転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C2172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第2通路CRt2002へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C2172aは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から受け入れた球を対向部C2172aにより受け止めて、第3通路CRt2003へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142(通路部C2144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C2172に受け入れた球が早期に第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C2170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C2170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C2172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C2172に受け入れた球が第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C2170を第2位置に確実に到達させることができる。
この場合、本実施形態では、底面部C2172bは、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、対向部C2172aに接続される基端側(図229右側、矢印R方向側)の領域における上昇傾斜の角度が、対向部C2172aと反対側となる先端側(図229左側、矢印L方向側)の領域における上昇傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。また、言い換えると、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aと反対側となる先端側(図229左側)の領域における下降傾斜の角度が、対向部C2172aに接続される基端側(図229右側)の領域における下降傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。
よって、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)される初期段階では、底面部C2172bの基端側(図229右側)の領域における上昇傾斜を利用して、受入部C2172(底面部C2172b)における球の保持を確実としつつ、後期段階では、底面部C2172bの先端側(図229左側)の領域における下降傾斜を利用して、通路部C2144(第3通路CRt2003)への球の排球をスムーズに行わせることができる。
なお、上述した理由(第2通路CRt2002への逆流防止)により、対向部C2172aを、転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C2172は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の通路部C2144へ向けて下降傾斜するように形成される(図230参照)。これにより、受入部C2172に受け入れた球を、第1中間部材C2140の通路部C2144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C2172bを転動している間、その球の重量を振分部材C2170に作用させ、振分部材C2170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C2173(第4通路CRt4)へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
転動部C2173は、受入部2172(底面部2172b)に対して軸C2174を挟んで反対側となる領域に形成される。即ち、受入部C2172に受け入れられた球の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、その回転に伴って上方(矢印U方向)へ上昇される領域を少なくとも含む領域に転動部C2173が形成される。即ち、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、転動部C2173の下流側が上方へ持ち上げられ、磁性部C2400との間の距離が短縮される。よって、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
この場合、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、転動部C2173が、軸C2174を挟んで水平方向(矢印L−R方向)反対側のみに形成されていると、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いによって、振分部材C2170が第1位置へ向けて回転される虞がある。よって、転動部C2173の高さ位置(鉛直方向位置)が下がり、磁性部C2400との間の距離が拡大されることで、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)られない虞がある。
これに対し転動部C2173は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、軸C2174と鉛直方向において重なる範囲(領域)にわたって形成される(図230参照)。即ち、転動部C2173の上流側(第2通路CRt2002側)の領域は、軸C2174よりも水平方向一側(矢印L方向側)に位置し、その上流側を転動する球の重量を、振分部材C2170を第2位置に維持する方向の力として作用させることができる。
よって、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いを利用して、第2位置にある状態を維持させる方向の慣性力を振分部材C2170に作用させ、その慣性力の作用により第2位置にある状態を維持する方向へ振分部材C2170が変位(回転)しようとしている間に、球を転動部C2173の下流側の領域まで転動させることができる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
受入部C2172の底面部C2172bの延設長さ(球を案内する方向の長さ)は、転動部C2173の延設長さよりも大きな寸法に設定される。よって、転動部C2173を球が転動する間、同時に、受入部C2172の底面部C2172bを別の球が転動する状態を形成しやすくできる。即ち、転動部C2173を球が転動する間、受入部C2172の底面部C2172bに別の球の重量を振分部材C2170に作用させておくことができる。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
特に、受入部C2172の底面部C2172bは、軸C2174から離間する方向(軸C2174に直交する方向)へ延設されるので、底面部C2172bを球が転動するに従って、力の作用点(球の重量が作用する位置)と支点(回転中心)との距離を大きく(増加)させることができる。即ち、底面部C2172bを球が転動するに従って、振分部材C2170を第2位置へ維持し易くできる(第2位置に配置された振分部材C2170を第1位置へ変位(回転させる)のに必要な力を大きくできる)。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
ここで、振分部材C2170は、底面部C2142(第2通路CRt2002)から受入部C2172へ向けて球が転動する方向(受入部C2172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C2172を球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C2172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C2172が球を受け入れる方向と受入部C2172を球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C2170(受入部C2172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C2172に滞留される球の重量を利用して振分部材C2170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C2173において球を安定して転動させることができる。
転動部C2173は、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球を、磁性部C2400(第4通路CRt2004)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C2170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)の下流端と、磁性部C2400(第4通路CRt2004)の上流端との間に位置(架設)される。
上述したように、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間で変位(回転)されることで、その上面(転動面)の高さ位置が上下方向(矢印U−D)方向へ変位(昇降)される。これにより、転動部C2173を磁性部C2400よりも下方となる位置に配置できる。
その結果、振分部材C2170を第2位置に配置して、転動部C2173を上方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400に近づけて、重力の作用に抗して、球を吸着させ易くできる一方、振分部材C2170を第1位置に配置して、転動部C2173を下方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400から離間させて、重力の作用も利用して、球を吸着させない態様を確実に形成できる。
転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)と受入部C2172の対向部C2172aとの連結部分は、上流側(第1中間部材C2140(第2通路CRt2002)側、矢印L方向)へ向けて突出される鋭角な突部形状に形成される。この突部形状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球が受入部C2172へ流入されると、その球の重量で振分部材C2170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C2170の下面が下ストッパ部C2145に当接されることで、振分部材C2170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C2145に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C2170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C2170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C2170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C2170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C2173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C2172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C2142(転動面)の下流端と転動部C2173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C2170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C2142の下流端よりも転動部C2173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C2170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
なお、第28実施形態の場合と同様に、転動部C2173の上流側の端面(第1中間部材C2140に対向する側の面、矢印L方向側の面)を、転動部C2173から第1中間部材C2140(底面部C2142)へ向けて下降傾斜させても良い。即ち、転動部C2173の上流側の端面を、転動部C2173の転動面側の縁部よりも、受入部C2172(対向部C2172a)側の縁部の方が、第1中間部材C2140に近接される断面形状としても良い。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C2170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
磁性部C2400は、金属製の長尺板状体であり、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C2400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C2400の上流端へ飛び付く。即ち、磁性部C2400の下縁(正面(矢印F方向の面)と下面(矢印D方向の面)とが交差して形成される稜線)に吸着される(図236参照)。磁性部C2400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C2400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿って移動される。
この場合、球の状態(振分部材C2170の転動部C2173から磁性部C2400へ飛び付く際の球の速度や球の位置、球の回転状態など)に応じて、磁性部C2400の下縁から球が落下する可能性(終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態を形成できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
特に、磁性部C2400(第4通路CRt2004)は、振分部材C2170と第5通路CRt2005との間の通路を形成するので、遊技の興趣を高めることができる。即ち、振分部材C2170によって第4通路CRt2004に振り分けられる球は、先行する球CB1との間の距離が所定量より小さい状態(即ち、先行する球CB1と連なった状態)で第2通路CRt2002を流下(転動)する球(後行する球CB2)だけであり、かかる後行する球B2が発生する可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て振分部材C2170に到達した球(後行する球B2)を、落下する可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)がある不安定な状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
磁性部C2400の厚み寸法は、球の直径よりも小さい値(本実施形態では、球の直径の6%)に設定される。よって、磁性部C2400の下縁に外面点CP1が吸着された球は、位置CP1よりも下方となる位置の外面点CP2が本体部C2131の正面に当接される。この場合、球の重心は、外面点CP2よりも本体部C2131の正面から離れて位置するので、球の自重(重心に作用する重力)が、外面点CP1を支点として、外面点CP2を本体部2131の正面に押し当てる方向の力(即ち、図236において外面点CP1を中心として球を右回り(時計まわり)に回転させる力)として作用される(図236参照)。
これにより、磁性部C2400に球が吸着されると、かかる球を、外面点CP1と外面点CP2との2点で支持することができ、その結果、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿った球の移動を安定化できる。また、外面点CP2における本体部2131の正面との間の摩擦抵抗を利用して、球の移動速度を緩やか(低速化)することができる。よって、これによっても、球の移動を安定化できると共に、第4通路CRt2004の通過に要する時間を嵩ませて、球が落下せずに第5通路CRt2005に到達することを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、背面部材C2130の本体部c2131を挟んで、磁石C2300と磁性部C2400を配設し、磁性部C2400に沿って球を移動(摺動)させる構成とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化とを容易としつつ、球の通過経路を簡素な構造で形成できる。
第2介設部材C2180は、第6通路CRt2006における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160との対向間に介設される。即ち、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160と第2介設部材C2180に区画された空間により第6通路CRt2006が形成される。
第2介設部材C2180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt2006の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C2110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C2180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C2180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C2180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C2110の底面部C112との対向間に第5通路CRt2005の一部が形成される。
迂回部材C2200は、板状の本体部C2201と、その本体部C2201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C2202と、その壁面部C2202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C2203とを備え、開口C2131aに対向する位置において、背面部材C2130の背面側に配設される。
迂回部材C2200が背面部材C2130に配設された状態では、壁面部C2202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C2130(本体部C2131)の背面に当接され、且つ、樋部C2203の立設先端(矢印F方向側)が第2介設部材C2180の背面に当接されると共に、樋部C2203の縁部が第1介設部材C2160の底面に当接される。
これにより、背面部材C2130(本体部C2131)と迂回部材C2200(本体部C2201及び壁面部C2202)とに区画された空間、及び、第1介設部材C2160と迂回部材C2200(樋部C2203)とに区画された空間により第5通路CRt2005の一部が形成される(図231及び図232参照)。
なお、樋部C2203は、背面部材C2130側から第2介設部材C2180側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C2130の開口C2131aから迂回部材C2200内へ流入された球を樋部C2203上を転動させて、正面部材C2110の底面部C112と第2介設部材C2180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt2005へ流入させることができる。
次いで、振分部材C2170による球の振り分け動作について説明する。図233から図235は、振分部材C2170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図225のCCXXIX−CCXXIX線における断面に対応する。図2366は、図235(b)のCCXXXVI−CCXXXVI線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。
なお、図233(a)及び図233(b)は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態を示し、図229に対応する。図235(a)及び図235(b)は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態を示し、図230に対応する。
図233(a)に示すように、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、受入部C2172は、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C2172は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C2172aが配置され、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C2172bが配置される。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、転動部C2173と対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C2173は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C2172bが配置される。なお、転動部C2173と、底面部C2142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを抑制できる。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の天面部C2143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを許容できる。
この場合、振分部材C2170が第1位置にある状態では、転動部C2173が、水平方向(矢印L−R方向)において、軸C2174を挟んで、底面部C2142(第2通路CRt2002)と反対側に位置し、且つ、底面部C2142(第2通路CRt2002)から離間する方向(矢印R方向)へ向かって下降傾斜される。
よって、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入したとしても、かかる球により、振分部材C2170が第2位置へ向けて回転される(即ち、転動部C2173が上方へ持ち上げられる)ことを抑制できると共に、転動部C2173の下降傾斜に沿って球を第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下させることができる。その結果、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付いて(吸着されて)、第4通路CRt2004を流下する(第5通路CRt2005へ到達する)ことを抑制できる。
但し、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付く(吸着される)ことが可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。即ち、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さく、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1を乗り越える場合に、球CB2が磁性部C2400に飛び付き(吸着)可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。球CB2は、本来は、第4通路CRt2004へ振り分けられるべき球であるので、かかる球が第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されることを抑制して、遊技者に不利になることを抑制できる。
第1中間部材C2140の底面部C2142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図233(b)に示すように、球CB1が振分部材C2170の受入部C2172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C2172aに当接され(受け止められ)、受入部C2172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。これにより、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図233(b)に示すように、球CB1が受入部C2172に受け入れられると、図234(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C2170に作用される。
ここで、受入部C2172は、対向部C2172aの底面部C2172bに連結される側の領域と、底面部C2172bの対向部C2172aに連結される側の領域とが、即ち、対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分が、軸C2174側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図234(a)と図234(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C2170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C2170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C2170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C2170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C2172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C2172(対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C2174と反対側の外縁)よりも、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)の軌跡が、軸C2174に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C2173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C2172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C2173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図234(a)に示す状態から振分部材C2170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、図234(b)に示すように、球CB1が通路部C2144へ向けて底面部C2172bを転動されると共に、球CB2が転動部C2173に流下される(転動部C2173に受け入れられる)。
図235(a)及び図235(b)に示すように、振分部材C2170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C2172から通路部C2144(第3通路CRt2003)へ流入されると共に、転動部C2173を転動した球CB2が、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入される。
球CB1,CB2が第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004へ流入された後は、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C2170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C2173到達し、その転動部C2173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C2173を転動する。この場合、球CB1が受入部C2172(底面部C2172b)上にあるか否か、第3の球の転動速度(勢い)などに起因して、第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されるか、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入されるかが決定される。即ち、2つの状態を形成可能とできる。
なお、振分部材C2170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C2172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第3通路CRt2003へ振り分けられる。
以上のように、第29実施形態における下側フレームC2086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第3通路CRt2003へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C2170により球CB2を上方へ持ち上げて第4通路CRt2004へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第3通路CRt2003へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図237から図240を参照して、第30実施形態におけるセンターフレームC3086について説明する。
上記第28実施形態では、振分部材C170が回転される場合を説明したが、第29実施形態における振分部材C3170は、スライド変位される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図237及び図239は、第30実施形態における下側フレームC3086bの部分拡大断面図であり、図238及び図240は、下側フレームC3086bの背面図である。なお、図237及び図238では、振分部材C3170が第1位置に配置された状態が、図239及び図240では、振分部材C3170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図237及び図239は、図210のCCXIV−CCXIV線における断面に対応する。
ここで、第30実施形態における下側フレームC3086bは、第28実施形態における下側フレームC86bに対し、振分部材C3170を変位させる構造および振分部材C3170に装飾部材C3190を連動ささせる構造が異なる点を除き、その他の構成は同一に構成される。
図237から図240に示すように、背面部材C3130の本体部C131には、直線状の2本の案内溝C3131cが互いに平行な姿勢で上下方向に沿って延設される。これら2本の案内溝C3131cは、下方側(矢印D方向側)ほど第1中間部材C140に近接する方向に傾斜する姿勢で配設される。
即ち、第2位置における振分部材C3170の水平方向(矢印L−R方向)位置は、第1位置における振分部材C3170の水平方向位置よりも中間部材C140に近接する側(矢印L側)に位置されるる。
振分部材C3170には、上下一対を一組とする合計4本の軸C3171aが本体部C3171の背面から突出される。軸C3171aは、案内溝C3131cに摺動可能に挿通される被案内部であり、かかる軸C3171aが案内溝C3131cに沿って摺動されることで、振分部材C3170が第1位置と第2位置との間をスライド変位(直動)される。
左右の案内溝C3131cには、軸C3171aが一組ずつ配設される。よって、振分部材C3170は、回転による姿勢の変化を生じさせずに(即ち、底面部C172b及び転動部C173の傾斜角度を一定に維持させたまま)、第1位置と第2位置との間をスライド変位可能とされる。
なお、案内溝C3131cに挿通された軸C3171aの先端には、案内溝C3131cの溝幅よりも大径のカラーCWが配設され、かかるカラーCWが、軸C3171aが案内溝C3131cから抜け出ることを規制する抜け止めとされる。
振分部材C3170は、案内溝C3131cの上端(矢印U方向の端部)に軸c3171aが当接して、上方への変位が規制されることで、第1位置に規定(配置)され(図237及び図238参照)、振分部材C3170の下面に下ストッパ部C132が当接して、下方への変位が規制されることで、第2位置に規定(配置)される(図239及び図240参照)。
装飾部材C3190は、本体部C191と一体に形成され、軸C192を中心として径方向外方へ延設されるアーム部C3193を備え、アーム部C3193には、直線状の案内溝C3193aが軸C192を中心とする径方向に沿って延設される。案内溝C3193aには、軸C3171aが摺動可能に挿通される。
装飾部材C3190は、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C3170と反対側、図238左側)に偏心される。よって、無負荷状態では、装飾部材C3190は、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされ(背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、図238参照)、振分部材C3170は、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、第1位置に配置された状態とされる(図237及び図238参照)。
一方、振分部材C3170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、振分部材C3170及び装飾部材C3190全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C3170が配設される側、図240右側)に偏心される。即ち、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C3170は、球の重量により案内溝C3131cに沿って下降され、第2位置に配置される。また、装飾部材C3190は、アーム部C3193が軸C3171aにより下方へ押し下げられ、背面視において軸C192を中心として時計回りに回転された状態とされる(図240参照)。
第2位置において、受入部C172から通路部C144へ球が排球されると、装飾部材C3190が、その重心位置の偏心を利用して、背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされる。これに伴い、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、振分部材C3170が第1位置に配置(復帰)される(図237及び図238参照)。
振分部材C3170が第1位置と第2位置との間でスライド変位されることによる球CB1及び球CB2の振り分け動作については、上述した第28実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、第30実施形態における下側フレームC3086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
ここで、第28実施形態の場合のように、振分部材C170が軸C192を中心として回転される構造では、受入部C172の変位量を確保する(第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能とする)ために、軸C192と受入部C172との間の長さ(距離)を大きくする必要があり、幅方向(軸C192と受入部C172とを結ぶ方向)における振分部材C170の大型化を招く。
これに対し、本実施形態では、振分部材C3170を上下方向にスライド変位させるので、受入部C172の変位量を確保(即ち、第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能と)しつつ、回転中心(軸C192)と受入部C172とを連結する部位を設ける必要がない分、幅方向における振分部材C3170の小型化を図ることができる。即ち、振分部材C3170の幅方向の寸法を、転動部C173の転動面の長さ寸法(矢印L−R方向寸法)とすることができる。
次いで、図241を参照して、第31実施形態における皿部材C4120について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図241(a)は、第31実施形態における皿部材C4120の上面図であり、図241(b)は、図241(a)のCCXLIb−CCXLIb線における皿部材C4120の断面図であり、図241(c)は、図241(a)のCCXLIc−CCXLIc線における皿部材C4120の断面図である。
皿部材C4120は、通路の底面を形成する上側底面部C4121及び下側底面部C4122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C4123及び下側側壁部C4124を備える。
上側底面部C4121は、上面視において略直線状の通路(第1通路CRt4001)として左右方向(矢印L−R方向)に沿って延設されると共に、下側底面部C4122へ近接する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
上側側壁部C4123は、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の通路幅を区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。但し、通路幅は、複数の球を並列の状態で案内可能な寸法(球の2倍よりも大きい寸法)であっても良い。
上側側壁部C4123には、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の下流側の端部に切り欠き部C4123aが切り欠き形成され、この切り欠き部c4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上面視において、前後方向(矢印F−B方向)に沿って延設され、その延設方向一端側および他端側における形状が略直線状の直線部C4122aと、それら一対の直線部C4122aの間において、上面視において、流出面C122a側が凹となる円弧状に湾曲する円弧部C4122bとから形成される。なお、円弧部C4122bは、前後方向の略中央において、上側底面部C4121の延設方向(矢印L−R方向)上流側(矢印L方向側)へ最も張り出した形状とされる。
また、下側底面部C4122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、一対の直線部C4122aでは円弧部C4122bへ向かうにつれて鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて下降傾斜する平面として形成され、円弧部C4122bでは略水平に形成される。即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される。
下側側壁部C4124は、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C4122の直線部C4122aは、上面視において、上側底面部C4121に対し、略直行して配設され、上側底面部C4121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C4122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部、直線部C4122aの上昇傾斜側)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C4123における切り欠き部C4123aに対応する位置では、下側側壁部C4124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)における下側側壁部C4124には、円弧部C4122bの前後方向の略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)から底面部C142(第3通路CRt3、図214参照)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上述したように、一対の直線部C4122a及び円弧部C4122bから形成され、直線部C4122aの上昇傾斜側(下側底面部C4122の長手方向における一端側)に上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3、図214参照)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ流入する場合に、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C4122の円弧部C4122bには、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、円弧部C4122bの前後方向(矢印F−B方向)における略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される(図214参照)。
よって、下側底面部C4122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる(図214参照)。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C4122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F−B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側、矢印L方向側)に位置する下側側壁部C4124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C4124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C4112を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C4122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に流下した球が、かかる下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C4122が円弧状に湾曲して形成され、その円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)に切り欠き部C124aが形成される。よって、円弧部C4122bを転動する球には切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124へ向けて遠心力が作用され、これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3、図214参照)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
次いで、図242(a)を参照して、第32実施形態における下側フレームC5086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図242(a)は、第32実施形態における下側フレームC5086bの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応する。なお、図242(a)では、下側フレームC5086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C5400の断面のみ図示される。
磁性部C5400は、金属製の長尺体であり、背面部材C2130と反対側(矢印F方向側)における端部から突部が鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される。よって、磁性部C5400は、断面形状が略L字状に形成される。また、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな間隔を隔てた位置に配設されると共に、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F−B方向)に直線状に形成される。
磁性部C5400は、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C5400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C5400の上流端へ飛び付く(図235参照)。即ち、磁性部C5400の突部の底面に吸着される。磁性部C5400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C5400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C5400の長手方向に沿って磁性部C5400の下流端へ移動される。これにより、磁性部C5400に沿って流下された球を第5通路CRt2005(図230参照)へ案内できる。
上述したように、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな距離隔てた位置に配設されるため、磁性部C5400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することが抑制される。よって、球に摩擦力が作用されることが抑制できるので、球の流下速度を高くすることができる。また、球が背面部材C2130の正面に支持されないことで、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図242(b)を参照して、第33実施形態における下側フレームC6086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図242(b)は、第33実施形態における下側フレームC6086bの断面図であり、図227のCCXXXII−CCXXXII線における断面に対応する。なお、図242(b)では、下側フレームC6086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C6400の断面のみ図示される。
第33実施形態における磁性部C6400は、第32実施形態における磁性部C5400に対し、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される点を除き、他の構成は第32実施形態における磁性部C5400と同一の構成である。
磁性部C6400の突部の底面に吸着された球は、その底面の傾斜と、磁石部C2300から直接作用される磁力との効果により、背面部材C2130に当接される。従って、球に摩擦力を作用させることができ、磁性部C6400に沿って流下する球の流下速度を遅くできる。これにより、球の移動時間を長くでき、遊戯の興趣を高めることができる。
また、磁性部C6400の突部と背面部材C2130とで球を挟み込むことができ、球が磁性部C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、突条部154により球流下ユニット150を流下する球を減速される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、内面に粘着性の部材を配設するなどして、球の流下抵抗を増大させても良いし、流路内に空気を送り込む等しても良いし、磁力で球の流下速度を調整しても良い。
上記第1実施形態では、変位規制装置180が背面ケース510に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位規制装置180が可動役物側に配設されても良い。演出部材700の背面側に変位規制装置180を配設し、押し込み操作により背面側への張出幅を変化可能に構成しても良い。
この場合、張出幅が長い状態で、変位規制装置180の操作部材183の本体部183aを背面ケース510に挿通させることができるように構成することで、演出部材700の変位を規制することができる。一方で、操作部材183を操作し張出幅を短くした状態で背面ケース510への挿通が解除されるように構成することで演出部材700が変位可能となるが、この時、演出部材700の変位に伴い変位規制装置180も変位する。そのため、変位規制装置180に意匠形状を付加したり、LED等の発光装置を配置したりすることで、変位規制装置180を遊技者に視認させて演出することができる。
上記第1実施形態では、変位規制装置180の状態変化が手動操作により生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位規制装置180が駆動装置を備え、操作部材183の配置が電動で切り替えられるものでも良い。この場合、電源オンからの初期動作に先立って変位規制装置180が規制解除状態となるように制御することで、変位規制装置180が規制状態のままで拡大縮小ユニット600が変位開始することを回避することができる。これにより、操作部材183に過負荷がかけられることを防止することができる。
また、操作部材183の円筒部183dの周囲にクッション性の高い緩衝材を配設しても良い。また、変位規制装置180を駆動するまではしなくても、操作部材183の配置を検出可能な検出センサを配設し、この検出センサにより変位規制装置180が規制状態であると判定される場合には、拡大縮小ユニット600の駆動を開始しないように制御しても良い。
上記第1実施形態では、変位規制装置180が背面ケース510の背面側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、背面ケース510の上下側の少なくとも一方に配置しても良いし、背面ケース510の左右側の少なくとも一方に配置しても良いし、これらの組み合わせでも良い。
例えば、演出部材700の配置を維持するためには、下アーム部材630の配置変化を防止すれば足りるので、演出待機状態における下アーム部材630の上面部に凹部を設け、背面ケース510の上側から操作部材183の円筒部183dを張り出した場合に円筒部183dが下アーム部材630に設けられる凹部と係合するように構成することで、下アーム部材630の左右方向への配置変化を防止することができる。
上記第1実施形態では、遊技領域の上側に配置される拡大縮小ユニット600の変位を規制する装置の一例として変位規制装置180を配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、射出装置400の粒状部材320(内部空間IE1を自由に変位可能な部材)の変位を規制(制限)するための装置を配設することにより、出荷時に粒状部材320が内部空間IE1を変位することで区画部材310の壁面と擦れ、粒状部材320が割れたり、区画部材310に傷が付いたりすることを防止するように図っても良い。
例えば、蓋部材480が進入側の変位終端位置に配置されている状態(演出待機状態)で出荷することで、粒状部材320が蓋部材480を超えて内部空間IE1を変位することを防止することができるので、出荷時に粒状部材320が接触できる区画部材310の範囲を制限することができると共に、粒状部材320の変位量を抑制できることから粒状部材320同士の衝突による割れが生じる事態を避けることができる。
また、他例として、導光板演出手段160の下側支持部材163に配設され、区画部材310の内部空間IE1に張り出し可能に構成され、張り出した状態で内部空間IE1に配置される粒状部材320の変位を制限可能に構成される張出部材を設けても良い。
この張出部材を、下側支持部材163の前側(遊技盤13の前側)から押し込み操作可能に構成し、押し込み操作の度に張出状態と、非張出状態とが切り替わるよう構成することで、遊技機店にパチンコ機10を設置した後は、正面枠14を開放することで前側から張出部材を操作することができるので、張出部材の操作性を向上することができる。
なお、張出部材の状態変化の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、変位規制装置180と同様にラッチ機構により状態変化させても良いし、爪と爪との係合や係合解除により状態変化させても良い。
また、他例として、区画部材310の内部気圧を上昇した状態で出荷することで、粒状部材320の配置を維持するようにしても良い。この場合、遊技機店にパチンコ機10を設置し、稼働させる前に区画部材310内の気圧を下げることで、粒状部材320の配置を自由にすることができる。
また、他例として、粒状部材320の材料となる樹脂に強磁性体の金属粉を混ぜて形成し、出荷時には区画部材310の下端付近に磁石を配置するようにしても良い。これにより、出荷時には、磁石の磁力で粒状部材320の配置を維持することができる。一方で、稼働時には、この磁石を取り去ることで、粒状部材320の配置を自由にすることができる。
なお、磁石は、稼働時に取り去る必要があるものに限るものではない。例えば、他の可動役物の一部に磁石が配設されても良く、一例として、蓋部材480に磁石が配設されるようにしても良い。
なお、粒状部材320に強磁性体の金属粉を混ぜる態様では、例えば、発射演出実行後に、区画部材310付近に磁力を生じさせるように動作する(例えば、磁石を区画部材310に近接させるように動作する)演出用役物を配設することにより、粒状部材320を空中で停止させる(浮いているように視認させる)演出態様を発射演出に含めることができる。
上記第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の変位を規制する変位規制装置180が背面ケース510に固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものでは無い。例えば、拡大縮小ユニット600の伝達ギア650が所定の終端位置に配置された状態における被規制孔657の中心軸と同一直線上で穿設される挿通孔が背面ケース510に形成され、出荷時には、その挿通孔を通して金属棒または樹脂棒を被規制孔657に挿通し、テープ等で固定しておき、遊技機店に到着後は、遊技機店の店員が金属棒または樹脂棒を抜き去ることで拡大縮小ユニット600が変位可能となるように構成しても良い。
一方で、この方法だと、固定のためのテープでパチンコ機10が汚れる可能性が合ったり、パチンコ機10の他店への配送のために金属棒または樹脂棒を捨てるわけにはいかず、保管する必要が生じたりする。
また、金属棒または樹脂棒の保管を各遊技機店に任せる場合、紛失の可能性が高まり、金属棒または樹脂棒が無い状態で他店へ配送した場合には、パチンコ機10の品質を確保できない可能性がある。この観点を改善したものが、背面ケース510に締結固定される変位規制装置180であると認識することもできる。
上記第1実施形態では、内部空間IE1の前後幅と、湾曲板部312の左右中央部312bと背面区画下部314との前後幅とが同程度となる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、左右中央部312bと背面区画下部314との前後幅も、左右部312aと背面区画下部314との前後幅と同程度に狭く構成しても良い。この場合、粒状部材320の移動抵抗を、左右位置に関わらず内部空間IE1の下側において大きくすることができるので、射出される粒状部材320の勢いを落とすことができるので、前面板部311と粒状部材320とが衝突により破損したり、傷ついたりする確率を低減することができる。
また、例えば、左右部312aと背面区画下部314との前後幅が、内部空間IE1の前後幅と同程度に広げられても良い。この場合、射出される粒状部材320の勢いを落とすことなく内部空間IE1に粒状部材320を進入させることができる。
また、内部空間IE1の前後幅も一定である必要はない。例えば、射出された粒状部材320の移動方向(上側)に向かう程、先細りする形状としても良い。この場合、粒状部材320の勢いを徐々に落とすことができるので、区画部材310に局所的に過大な負荷が生じることを避け易くすることができる。更に、先細りの向きを正面側へ寄せることで、飛散する粒状部材320を正面側へ寄せやすくすることができる。
また、例えば、前面板部311の一部であって、射出された粒状部材320がまとまって到達すると予測される箇所に、背面側へ向けて隆起する態様で張り出す瘤状部を設けても良い。この瘤状部は、前面板部311の背面に別部材が配設固定されるようにしても良いし、前面板部311の一部を背面側へ張り出させるように成形可能なように金型に凸部を設けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、粒状部材320がサッカーボール形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、球状でも良いし、ラグビーボール形状でも良いし、星形状(立体的に突部が形成される形状)でも良い。ある程度の大きさの部材で構成することで、部材間に隙間を生じさせることができるので、発射演出を実行した場合に粒状部材320を激しく散らばらせることができる。
上記第1実施形態では、射出装置400が導光板161の背面側下方に配置され、斜め前上方向に粒状部材320を発射するように構成したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、射出装置400の配置は導光板161の左右位置でも良いし、上側の位置でも良い。この場合であっても、斜め前側へ粒状部材320を発射する演出を実行することができる。なお、上側の位置に射出装置400を配置する場合には、粒状部材320を演出待機位置まで持ち上げる装置を追加することが好ましい。
上記第1実施形態では、粒状部材320が単色(本実施形態では、赤色)の樹脂部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、2色成形や、異なる色の2部材を合体して一つの粒状部材320を構成するようにしても良い。この場合に、重心位置を考慮して色分けすることで、堆積時の見え方を工夫することができる。例えば、重心位置を考慮して、粒状部材320の安定姿勢における水平位置で色を変化させることで、粒状部材320の堆積時に色の層を視認させることができる。
また、粒状部材320の個数は限定されるものでは無く、1個でも良い。例えば、粒状部材320として衝突部材420と同程度の大きさの部材を採用し、衝突部材420の湾曲板部421と同程度の凹側の湾曲形状を外面に構成しても良い。これにより、湾曲形状がうまくはまった状態で発射演出が実行される場合と、湾曲形状がはまっていない状態で発射演出が実行される場合とで、粒状部材320の飛び方および見え方を変化させることができる。
上記第1実施形態では、粒状部材320が内部空間IE1に飛散可能に配置され、重力で衝突部材420の上に集まってくる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、粒状部材320を初期位置側(演出待機状態の位置側)へ向けて付勢する付勢手段を備え、その付勢手段の付勢力により粒状部材320を初期位置側へ戻すように構成しても良い。この場合、粒状部材320の初期位置側が下側に限定されることを避けることができる。
付勢手段としては、例えば、スプリングや、伸縮可能なゴム状部材や、端部が固定配置される網状部材や、粒状部材320の経路を部分的に覆う弾性シート等が例示される。
付勢手段と粒状部材320との関係は、何ら限定されるものではない。例えば、粒状部材320と付勢手段とが接着されている態様でも良いし、接着はされていないものの離れているわけではなく、付勢手段の一部が粒状部材320の内部に配置され一体的に変位可能な態様でも良いし、付勢手段は内部空間IE1に支持される一方で粒状部材320とは離れて配置可能な態様でも良い。
また、付勢手段は、粒状部材320と接触可能な物体に限られるものでは無い。例えば、上記第1実施形態において重力が粒状部材320に作用したのと同様に、内部空間IE1の気圧を調整する気圧調整手段を採用しても良い。この場合、内部空間IE1の気圧を上昇させたり、下降させたりすることで、粒状部材320の配置に影響を与えることができる。
例えば、内部空間IE1に上側からガスを注入する態様で内部空間IE1の気圧を上昇させる場合、粒状部材320を内部空間IE1の下側に維持し易くすることができ、逆に内部空間IE1の上側からガスを抜き取る態様で内部空間IE1の気圧を下降させる場合、粒状部材320を内部空間IE1の上側へ向けて変位(浮く変位)させることができる。また、ガスの注入の方向や、ガスを抜き取る方向は、上側に限るものでは無く、上下左右前後の任意の側に設定可能である。
なお、気圧変化を生じさせる場合には、異形貫通部315を閉塞することが好ましい。異形貫通部315を閉塞させる機能を、蓋部材480に付与することは容易に可能である。例えば、蓋部材480に柔軟で薄く変形性に富む変形可能部材(例えば、スポンジ状部材や、低摩擦のゴム状部材)を貼り付け、異形貫通部315に蓋部材480が進入する場合に、蓋部材480と異形貫通部315との間の隙間を変形可能部材で埋めるようにしても良い。これにより、蓋部材480の異形貫通部315に対する変位に合わせて、異形貫通部315を閉塞したり、開放したりすることができる。
上記第1実施形態では、直動部材410の突条部414が直線に沿うように形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、右側先端部の伝達突部446に対向する側の面が、前側伝達部材440の伝達突部446の変位軌跡に沿う湾曲状面として形成されても良い。この場合、伝達突部446が下端位置に配置される場合に限らず、湾曲状面と当接している間に亘って直動部材410を変位下端位置に維持することができるので、コイルスプリングSP1の付勢力を最大で維持したまま、発射状態に移行することができる。
上記第1実施形態では、衝突部材420の左右中央部が上に突の湾曲形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、中央部が尖り左右方向に下る坂状でも良いし、寄棟状でも良い。この場合、湾曲形状に比較して、中央部の尖りを粒状部材320が左右方向に通過し難いようにすることができる。そのため、粒状部材320の左右配置の偏りを大きくすることができる。
また、例えば、変位方向に直交する平面形状でも良いし、左右中央部が下に凹む湾曲形状から構成しても良い。この場合、第1実施形態と異なり、区画部材310の内壁に衝突するまでは粒状部材320を塊で変位させ、衝突により離散させるという変位態様を構成することができる。
なお、衝突部材420の形状を変化させる場合には、それに合わせて蓋部材480の形状も変化させることが好ましい。例えば、衝突部材420の上面を左右中央部が下に凹む湾曲形状から構成する場合には、蓋部材480の進退部481は左右中央部が上に凸の湾曲形状から構成することが好ましく、これにより粒状部材320と蓋部材480とが衝突することを回避し易くすることができる。
上記第1実施形態では、衝突部材420の湾曲板部421が側方視で平坦形状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、下半分が張り出して側方視で屈曲した形状に構成されても良い。この場合、粒状部材320の密集位置を上半分側に寄せることができる。
上記第1実施形態では、区画部材310の正面視における大きさが、導光板161の大きさと同程度で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、区画部材310の正面視における大きさが、第3図柄表示装置81の表示領域の内、遊技者が表示を視認可能とされる視認領域の大きさ程度または大きさ以上で設計されるようにしても良い。これにより、区画部材310の縁部が第3図柄表示装置81による表示に重なって視認される事態の発生を避けることができるので、第3図柄表示装置81の表示の視認性を向上することができる。
上記第1実施形態では、粒状部材320に対して負荷を与える部材として単一の衝突部材420を採用したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、粒状部材320に負荷を付与可能に配置される複数個の衝突部材420を採用し、別々の駆動装置で協調動作または個別動作させても良い。
上記第1実施形態では、直動部材410が衝突部材420と当接し、前側伝達部材440は衝突部材420と当接しない場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、板部422から背面側へ突設される柱部が中間部材401を貫通し、前側伝達部材440と当接可能に構成しても良い。この場合において、柱部との前側伝達部材440の当接部が角度配置に応じて径方向長さが切り替わる態様で凹凸形成されることにより、前側伝達部材440の回転に伴い、柱部の配置を変化させることができる。これを利用して、衝突部材420を上下に微小変位させ、粒状部材320を振動(微小変位)させるようにしても良い。
上記第1実施形態では、蓋部材480が回転変位で区画部材310に進入する場合を説明したが、蓋部材480の変位態様は何ら限定されるものでは無く、必ずしもこれに限るものではない。例えば、直線方向に沿ったスライド変位により進入しても良い。この場合、異形貫通部315の形状を簡易に形成することができる。
上記第1実施形態では、蓋部材480の左右に配置される延設板部485が背面側へ向けて凹む形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、凹部を形成しないでも良い。この場合、左右から衝突部材420への粒状部材320の流入を防止し易くすることができる。
上記第1実施形態では、射出装置400の演出待機状態において、蓋部材480の下方に粒状部材320が離れて収まる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、蓋部材480の下面(内径側面)から内径側へ向けて突設される突出部が形成され、この突出部が粒状部材320と当接可能に構成しても良い。この場合、粒状部材320が局所的に堆積する場合に、突出部により粒状部材320を押進することにより、蓋部材480の進入側への変位に伴って粒状部材320の堆積を崩すことができる。これにより、粒状部材320の配置の均一化を図ることができる。
蓋部材480の突出部の形状は何ら限定されるものではない。例えば、複数の突起が散在するように構成しても良い。この場合、粒状部材320の堆積が生じる位置に関わらず、堆積する粒状部材320に突起を接触させることができ、粒状部材320の堆積を崩すことができる。
また、張出部482の進入側先端部の左右中央部を起点として、進退部481の退避側先端部へ向かうにつれて左右両外側へ傾斜して配置される一対の突条として構成しても良い。この場合、蓋部材480の進入側の変位に伴い、粒状部材320を左右外側へ向けて押し進める方向の負荷を粒状部材320にかけることができる。
また、突条の向きはこれに限られるものではない。例えば、逆の傾斜でも良いし、突条が一対の傾斜方向では無く、単一の傾斜方向に沿って形成されるものでも良いし、異なる傾斜度合いの突条を組み合わせたものでも良いし、傾斜の無い突条(回転軸に対して直交する平面上を延びる突条や、回転軸と平行な(または重なる)平面上を延びる突条)でも良い。また、突条の本数はこれに限られるものではなく、任意に設定可能とされる。
なお、突出部の突設長さは何ら限定されるものでは無い。例えば、突出先端が蓋部材480の回転軸と同軸同径の円に到達するまで突出されるものでも良いし、蓋部材480の進退部481からの突出長さが一定となるように構成しても良い。後者の場合、突出部の突出先端を結んだ面が、進退部481の下面(内径側面)に沿う形状となるので、蓋部材480の形状から奏する効果として上述した効果と同様の効果を、突出部により奏することができる。
蓋部材480に突出部が形成される場合の突出部の作用タイミングは、粒状部材320が停止し、蓋部材480が進入側へ変位する時に限られるものでは無い。例えば、粒状部材320が蓋部材480の下方に収まっている状態において、演出待機状態を基準として前側伝達部材440が正回転方向で66度回転した状態付近で、駆動モータMT1を小刻みに正逆方向回転させる(例えば、56度から76度の間で往復動作させる)ことで、直動部材410及び衝突部材420を小刻みに上下変位させることができ、衝突部材420の上に乗っている粒状部材320を上下変位させることができる。
粒状部材320は衝突部材420に固着しているものではないので、衝突部材420の上下変位により跳ね上げられ、蓋部材480の突出部と衝突させることができる。この衝突により、粒状部材320の配置替えを実行することができ、粒状部材320の堆積の崩れを図ることができる。
また、衝突部材420が粒状部材320を跳ね上げる際(上昇変位する際)には、蓋部材480は進入側へ変位することになるので、突出部を介する粒状部材320への負荷をかけやすくすることができる。
なお、駆動モータMT1の小刻みな正逆方向回転の実行は、駆動力を正逆で反転させるように制御するものでも良いし、正方向の回転を短い時間間隔を空けて生じさせるものでも良い。この場合、コイルスプリングSP1の付勢力により、直動部材410を介して前側伝達部材440の伝達突部446が逆回転方向に変位することで、駆動モータMT1の逆回転を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、蓋部材480の進退部481と対向配置される湾曲板部312が左右に亘り同一平面に沿う形状で形成されることで、蓋部材480の形状に対応して蓋部材480と湾曲板部312との間隔が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、蓋部材480と対向配置される湾曲板部312が平面では無く凹凸(波形状)を有する形状から構成され、蓋部材480の形状と湾曲板部312の形状との相対関係に寄り蓋部材480と湾曲板部312との間隔が変化するように構成しても良い。また、蓋部材480の進退部481の進入側端部が回転軸O1の軸線と平行に形成されるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、左カバー部材489の当接面489a〜489cの傾斜角度を変化させることで伝達アーム部材470と左カバー部材489との当接面積を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伝達アーム部材470の伝達突部473に姿勢変化可能なローラー部材を配設し、そのローラー部材の姿勢変化により左カバー部材489の内面との当接面積を確保するようにしても良い。この場合、左カバー部材489の内壁を簡易な貫通孔として形成することができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440及び後側伝達部材460を介して駆動モータMT1の駆動力を伝達し、複数の部材(直動部材410、衝突部材420、当接部材430、伝達アーム部材470及び蓋部材480)を変位させる状況において、全ての部材が同時に変位することは無いように変位タイミングが工夫されている場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、駆動モータMT1の駆動力により、複数の部材の内、全ての部材を変位させるタイミングがあっても良い。この場合には、採用する駆動モータMT1を若干大型化すれば良い。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440が直動部材410と当接することで駆動力を伝達する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440の伝達突部446の少なくとも一部を磁性材料で構成し、直動部材410の突条部414を磁性材料で構成することで、間に斥力が生じる場合には、前側伝達部材440と直動部材410とが非当接の状態で直動部材410に負荷を伝達することができる。
例えば、伝達突部446の内、直動部材410の突条部414と対向配置される円周方向半部には、突条部414との間に引力が生じる磁極の磁性材料が配設される一方、反対側の円周半部には、突条部414との間に斥力が生じる磁極の磁性材料が配設されるように構成することで、斥力が、直動部材410を下端位置に維持しようとする側に生じるように構成できるので、直動部材410と当接部材430との当接開始時の負荷を低減させることができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440の前面に形成される溝形成部442と、後側伝達部材460の後面に形成される溝形成部462との2位置で駆動力伝達を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440又は後側伝達部材460の少なくとも一方の円周面に溝部を形成し、この溝部を介して駆動力伝達を行うことで、駆動力の伝達対象を増やしても良い。
上記第1実施形態では、検出センサSC4による検出により前側伝達部材440を逆回転させるべきタイミングか否かが不明となる可能性がある場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、検出センサSC4に加えて、直動部材410又は衝突部材420の配置を検出する検出センサを配設し、その検出センサと検出センサSC4との検出結果により、前側伝達部材440の逆回転の可否を判定しても良い。これにより、正回転方向の駆動で発射状態を経由したか否かを判定することができるので、発射状態に至っていなければ逆回転が可能であり、発射状態を超えていれば逆回転は不可能であると判定することができる。
上記第1実施形態では、前側伝達部材440及び後側伝達部材460が回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前側伝達部材440及び後側伝達部材460の少なくとも一方が、回転以外の変位(例えば、直動スライド)で変位するものでも良い。
上記第1実施形態では、演出部材700の延設爪部734の形状を上下で異ならせることにより、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の集合配置状態へ向けての変位に関する不具合を防止するよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。
例えば、延設爪部734の形状を異ならせることにより、径方向の拡大変位の開始タイミングが、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760に比較して、上側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760の方が早くなるように構成しても良い。これにより、下側の伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が自重により変位開始が早まることとの均衡を図り、遊技者に対しては、伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760が全方向で同時に変位開始しているように見せることができる。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740に回転板730を当接させることで、回転板730の回転軸を中心とする円の径方向へ負荷を生じさせる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伸縮変位部材740に付勢力を与えるバネ部材を配設し、付勢力を伸縮変位部材740に与えても良いし、磁石を配置して、伸縮変位部材740に磁力を与えるようにしても良い。
上記第1実施形態では、回転板730が、伸縮変位部材740に負荷を伝達する手段と、伸縮変位部材740を変位させる手段として兼用される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、伸縮変位部材740に負荷を与える手段と、伸縮変位部材740を変位させる手段とを別で設けるようにしても良い。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740が集合配置状態へ向けて変位する場合に、第1被案内突部743bが先に負荷を受け、第1被案内突部743bよりも径方向外側に配置される第2被案内突部744bが後から負荷を受ける場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、順番が逆となるように回転板730の延設爪部734の形状を構成しても良いし、第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bへの負荷伝達が同時に生じるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、伸縮変位部材740が第1被案内突部743b及び第2被案内突部744bという2本の突部を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、1本の突部が、回転板730の回転軸に対して斜めに突設されるように構成しても良い。この場合、伸縮変位部材740の配置変化の機能に加えて、遮蔽意匠部材760の姿勢調整のための負荷を生じさせる機能を1本の突部に生じさせることができる。
上記第1実施形態では、円周外方に配設される延設爪部734が、伸縮変位部材740の集合配置状態へ向けた変位を補助するように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、回転板730の円周外方に張出部が形成され、その張出部で第1被案内突部743bを径方向外側へ押し出し可能に構成することで、伸縮変位部材740の離散状態側へ向けた変位を補助することができる。
上記第1実施形態では、下アーム部材630が、演出部材700を変位下端位置において姿勢変化を抑制し、上下中間位置において許容される演出部材700の姿勢変化の度合いを緩めにする場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、変位下端位置へ向かう程、演出部材700の姿勢変化の許容度合いを大きくするように構成しても良い。
また、姿勢変化の度合いは、演出部材700に対する作用力の発生位置の増減により構成したが、これに限られるものではない。例えば、作用力の発生面積の増減により構成しても良い。
即ち、円弧状孔634と補助突部712との接触面積を変化可能に構成しても良い。例えば、下アーム部材630の先端部の厚みを部分ごとに変化させることで、円弧状孔634の厚さ(孔深さ)を変化させることができるので、円弧状孔634と補助突部712との接触面積を変化させることができる。
演出部材700の姿勢変化の度合いは、下アーム部材630と演出部材700との連結位置のみで特定されるものでは無い。例えば、下アーム部材630の押圧部材PC1と対向配置される本体部材601の板前面や、正面カバー610の摺動部612aに凹凸を設けて、押圧部材PC1との間隔を変化させるようにしても良い。この場合、下アーム部材630の変位の過程において本体部材601の板前面や、正面カバー610の摺動部612aと押圧部材PC1との間隔が広い部分においては演出部材700の姿勢変化を許容し易くなり、間隔が狭い部分においては、姿勢変化を抑制し易くなる。また、演出部材700が下降終端に近づくにつれて間隔が徐々に狭くなるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、下アーム部材630と演出部材700との連結位置における構成は変化しないように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、下アーム部材630と演出部材700との連結位置において、下アーム部材630と演出部材700との相対変位の変位抵抗を増減可能な抵抗増減装置を配設するようにしても良い。抵抗増減装置としては、摩擦抵抗を増減可能なブレーキ装置でも良いし、磁力で変位抵抗を増減させる装置でも良いし、下アーム部材630の変位を機械的に規制可能な位置に張り出す装置でも良い。磁力による装置の場合は、下アーム部材630の先端側部として近接配置される部分(例えば、円弧状孔634が形成される補助腕部)に磁性体を配設することで、容易に構成することができる。
上記第1実施形態では、演出部材700が、配置位置が下側へ向かう程、拡大方向の変位として大変位が許容され、演出部材700の上下位置が固定されてから演出部材700の拡大方向の変位が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、演出部材700の上下方向の変位途中で拡大方向の変位が生じるように制御しても良い。この場合、演出部材700が下降変位する最中に演出部材700を縮小する(径方向内側へ変位する)方向に伸縮変位部材740及び遮蔽意匠部材760を変位させることで、下アーム部材630が左右に長尺な姿勢から上下に長尺な姿勢に変化することによる影響を相殺することができ、演出部材700の前傾方向の姿勢変化を抑制することができる。
上記第1実施形態では、演出部材700が上下に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、前後に変位するようにしても良い。この場合において、センターフレーム86の中央部に開口を設け、演出部材700が集合配置状態のままセンターフレーム86の正面側まで張り出し、センターフレーム86の正面側で離散状態へ状態変化することで、開口よりも大きな状態に変化するように構成しても良い。
なお、この場合は、ガラスユニット16と演出部材700との衝突を避けるために、ガラスユニット16のセンターフレーム86正面側部分に開口を空けることが好ましい。即ち、遊技領域の前面を覆うガラスユニット16とは別で、ガラスユニット16の前側を覆う2層目のガラスユニットを設けることが好ましい。また、この2層目のガラスユニットは、ガラスユニット16の下端と同様の前後位置から、上側へ向かう程に正面側へ向かう傾斜姿勢とされることが、上皿17の大きさを維持する観点からは好ましい。
上記第1実施形態では、第2長尺部材743の位置関係によって遮蔽意匠部材760や先端調整部材744の姿勢が傾斜し易い場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、第2長尺部材743と先端調整部材744との間に付勢力を発生されるバネなどの付勢手段を配設し、その付勢力により先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢を変化させるように構成しても良い。この場合、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜を意図的に形成することができるので、先端調整部材744及び遮蔽意匠部材760の姿勢傾斜による効果を奏し易くすることができる。
上記第1実施形態では、配線DK2にケーブルチューブを巻き付ける場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、電気配線DK1にケーブルチューブを巻き付けるようにしても良い。特に、基端側貫通孔635aの上側に配置される部分にケーブルチューブを巻き付けることで、本体部材601や正面カバー部材610と電気配線DK1とが擦れることを防止することができる。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、配線アーム部材870が案内凹部886の形状に沿って変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、配線アーム部材870の配置を変化させるためのソレノイド等の駆動装置を設けても良い。縦スライド部材820の位置の検出を基に駆動装置の動作制御を実行することで、配線アーム部材870の配置を適切に変更することができる。
上記第1実施形態では、電気配線DK2が配線アーム部材870の絞り部871aで挟まれることで仮留めされる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、結束バンド等の固定具で電気配線DK2を配線アーム部材870に固定しても良いし、電気配線DK2の変位方向を制限するようにしても良い。
また、電気配線DK2の留め位置は任意に設定可能である。例えば、配線アーム部材870と縦スライド部材820との連結位置を通して配設される電気配線DK2において、連結位置よりも配線アーム部材870側に留め位置(例えば、絞り部871a)を設けても良いし、連結位置よりも縦スライド部材820側に留め位置を設けても良い。
また、電気配線DK2を留める手段は、電気配線DK2への利用に限定されるものではない。例えば、拡大縮小ユニット600の電気配線DK1を留めるために利用しても良い。即ち、電気配線DK1が配設される配置用部635の一部の幅が狭められることで、電気配線DK1を挟み込んで変位を制限するように構成しても良いし、配置用部635の内側や、電気配線DK1の配線経路としての配置用部635よりも上流側または下流側の位置で結束バンド等の固定具で電気配線DK1を仮留めするように構成しても良い。
この場合において、電気配線DK1が仮留めされる対象は、配置用部635を備える下アーム部材630でも良いし、下アーム部材630の先端側(一端側)に配設される演出部材700でも良いし、下アーム部材630の基端側(他端側)に配設される本体部材601や正面カバー部材610でも良いし、本体部材601が締結固定される背面ケース510でも良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、横スライド部材840が上下左右平面上を変位することに対応付けて、配線アーム部材870が上下左右平面から近接離反する方向(前後方向)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、横スライド部材840の変位方向を前後左右平面上とする場合には、配線アーム部材870を上下方向に変位させることは当然可能であるし、近接離反する方向として、前後左右平面に対して傾斜して変位する方向としても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとの関係を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、大小関係が逆転しても良いし、小径ピニオン861aと大径ピニオン861bとが同径で構成されても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、電気配線DK2を、上側巻き部DK2aや、下側巻き部DK2bにおいて渦巻き状に変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、縦スライド部材820の上下変位に伴い姿勢変化可能な複数のアーム部材が、上側巻き部DK2aや下側巻き部DK2bの配置に合わせて配設され、それら複数のアーム部材に電気配線を通しておくことで、アーム部材の姿勢変化により電気配線の配置を変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、変位回転ユニット800において、縦スライド部材820と配線アーム部材870とが一体的に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、縦スライド部材820と配線アーム部材870とが離れて配置されても良い。
この場合、配線アーム部材870を変位させるソレノイド等の駆動装置を配設することで、縦スライド部材820の停止中においても配線アーム部材870を変位させることができる。そのため、例えば、羽状部材854の回転変位中に配線アーム部材870を更に縦スライド部材820から離すことにより、縦スライド部材820の停止中においても、必要な場合には配線アーム部材870を変位させるように駆動制御することができる。
上記第1実施形態では、拡大縮小ユニット600の演出部材700の張出状態や拡大状態への状態変化が、変位回転ユニット800の演出待機状態において生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、演出部材700に対して前後方向の位置が同じとなる変位回転ユニット800の羽状部材854が、離散状態の演出部材700の遮蔽意匠部材760間の隙間に配置される場合において演出部材700を拡大状態へ状態変化可能に構成しても良い。
この場合、演出部材700と変位回転ユニット800との衝突を避けることができると共に、変位回転ユニット800の配置から演出部材700の状態変化を予想されることを避けることができる。なお、この場合、変位回転ユニット800の羽状部材854の上下配置を検出するための検出センサを追加することが好ましい。
上記第1実施形態では、中間流路LM1の形状が案内経路DL1と同様の形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、案内経路DL1に比較して長い左右幅で屈曲する流路として形成されても良いし、前後方向に屈曲しても良いし、屈曲せずに鉛直に延びる流路として形成されても良い。
上記第1実施形態では、中間流路LM1を、第2入賞口640に入球した球を流下させる経路として構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、中間流路LM1を、一般入賞口63に入球した球の経路として利用しても良いし、特定入賞口65aに入球した球の経路として利用しても良いし、兼用しても良い。また、中間流路LM1はアウト口71を通過した球の経路として構成しても良い。
また、各入賞口63,64,640,65の配置は遊技領域内の任意位置に設定されることから、中間流路LM1の配置も任意に設定することができる。例えば、中間流路LM1を遊技領域の左側に配置するようにしても良い。
また、中間流路LM1は遊技領域の背面側に配置される場合に限られるものでは無い。例えば、遊技領域の左右に並んで配置されても良いし、遊技領域の前側(ガラスユニット16の内部等)に配置されても良い。この場合においても、中間流路LM1は、遊技領域を流下する球の正面視における経路に沿って流下する区間を備えることが好ましい。
また、中間流路LM1を流下する球を遊技者の視界に入れるという目的から、中間流路LM1は遊技領域の左右中心側へ寄るように形成されれば足りる。そのため、正面視でセンターフレーム86の内方にまでは到達しないような経路でも良い。
上記第1実施形態では、横置き基板ユニット166の電飾基板が、厚み方向が上下方向と一致する姿勢で配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、半球状照明装置613のように、電飾基板が鉛直方向に対して傾斜するように配置されても良い。
また、電飾基板の全範囲を第1装飾部材171で隠されるものに限るものではない。例えば、電飾基板の一部は遮蔽されず、LED等の発光手段から照射される光を直接的に視認可能に構成しても良い。
上記第3実施形態では、案内孔733の形状を異ならせることにより、伸縮変位部材740の変位開始タイミングが変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、案内孔733の形状を階段状に形成することで、伸縮変位部材740が変位する区間と停止する区間とが交互に生じるように構成しても良い。
また、階段状に形成される案内孔733を一部の案内孔733に留めることで、異なる変位軌跡や、異なる変位タイミングで遮蔽意匠部材760を近接または当接させるように変位させることができる。
上記第6実施形態では、発射演出ユニット6300の左右に配置される第1光照射装置6330や第2光照射装置6340が複数枚の電飾基板を備える場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、導光板演出手段160の横置き基板ユニット166や縦置き基板ユニット167に、複数の電飾基板による構成を採用しても良い。また、装飾手段170の横長溝部171aに対応する部分(左右長尺部分)を光透過が良好となるように構成し、横長溝部171aを複数の電飾基板の交差位置として採用し、交差部にLED等の発光手段を配置することで、横長溝部171aを通して光を視認させることができるように構成しても良い。
また、光の照射方向を増やすという観点からすれば、硬質の電飾基板を複数枚利用する場合に限られるものではない。例えば、フレキシブル基板(フレキシブルプリント基板)にLED等の発光手段を配設するようにしても良い。この場合、フレキシブル基板を巻いたり、部分で固定したりすることで、フレキシブル基板の面を様々な方向に向けることができる。これにより、フレキシブル基板の面に配設されるLED等の発光手段の光軸を様々な方向に向けることができ、光の照射方向を増やすことができる。また、この場合、単一基板で構成することができる。
上記各実施形態において、その構成の数が単数または複数かに関わらず、その構成を省略(複数の場合は構成数を削減)しても良い。同様に、構成の数を増加させても良い。
例えば、上記各実施形態では、キー装置A130の2箇所に突部A133bが形成される場合を説明したが、かかる突部A133bの数(形成数)を1に削減しても良い。同様に、上記各実施形態では、主制御装置A110に1のキー装置A130が配設される場合を説明したが、かかるキー装置A130の数(配設数)を2以上に増加させても良い。
また、上記各実施形態において、各構成の他の構成に対する配設位置、各構成の他の構成に対する配設方向(向き、姿勢、位相)、或いは、各構成の他の構成を基準とする配置の順序をそれぞれ変更しても良い。配置の順序は、全ての構成に対して変更しても良く、一部の構成のみ入れ替えても良い。即ち、各構成の配設位置、配設方向、配置の順序は任意である。
例えば、上記各実施形態では、開口A260(キー装置A130)が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)中央よりも一側(第1接続壁部A220側)に配置される場合を説明したが、開口A260(キー装置A130)を操作用壁部A210(第2領域)の長手方向中央に配置しても良く、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向他側(第3接続壁部A240側)に配置しても良い。
また、例えば、上記各実施形態では、キー装置A130(被覆部A270)が、一対の突部A133b(突部A271b)を結ぶ方向が操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に対して直交される配設方向(姿勢、位相)で配設される場合を説明したが、一対の突部A133b(突部A271b)を結ぶ方向が、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)と平行となる配設方向(姿勢、位相)や、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)と所定の角度(0°よりも大きく90°よりも小さい角度)を有する配設方向(姿勢、位相)でキー装置A130(被覆部A270)が配設されても良い。
また、例えば、上記各実施形態では、第1接続壁部A220に近い側から順に、開口A260(被覆部A270)、開口A250(ガイド壁A251)、開口AOP1が配置される場合を説明したが、例えば、上記各実施形態の配置の順序とは逆(即ち、第1接続壁部A220に近い側から順に、開口AOP1、開口A250(ガイド壁A251)、開口A260(被覆部A270)を配置する順序)としても良く、一部のみの配置の順序を入れ替えても良い(例えば、開口AOP1が、開口A250(ガイド壁A251)と開口A260(被覆部A270)との間に位置する配置の順序が例示される)。
上記各実施形態では、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)に突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作用壁部A210を端面壁部A272,A2272と同じ高さ位置に形成し(即ち、端面壁部A272,A2272を操作用壁部A210が兼用する)、周壁部A271に相当する構成を操作用壁部A210の背面側(矢印B方向側)に設けても良い。
上記各実施形態では、開口A250が操作用壁部A210に、開口A260が被覆部A270(端面壁部A272)に、それぞれ形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の部位に形成されていても良い。即ち、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の外面のうちの一段低くされた部位に形成される必要はない。他の部位としては、例えば、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の外面を形成する部位、即ち、ボックスカバーA200,A3200の正面壁部A201、上壁部A202、下壁部A203、左壁部A204又は右壁部A205や、ボックスベースA300の背面壁部A301、上壁部A302、下壁部A303、左壁部A304又は右壁部A305などが例示される。また、同様に、他の部位としては、例えば、第1接続壁部A220、第2接続壁部A230又は第3接続壁部A240が例示される。
上記各実施形態では、被覆部A270が操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)に突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、操作用壁部A210を端面壁部A272,A2272と同じ高さ位置に形成し(即ち、端面壁部A272,A2272を操作用壁部A210が兼用する)、周壁部A271に相当する構成を操作用壁部A210の背面側(矢印B方向側)に設けても良い。
この場合、スイッチ装置A120は、操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)から突出される位置まで操作部A122の長さ寸法を延長すれば良い。なお、操作部A122の長さ寸法の延長に伴い、ガイド壁A251を操作用壁部A210の背面(矢印B方向側の面)にも設けることが好ましい。
上記各実施形態では、ボックスカバーA200,A3200の外面(正面)に凹部が形成され、その凹部の凹設底面を形成する部位が操作用壁部A210とされる場合(即ち、正面壁部A201よりも一段低い位置(主制御装置A110側)に操作用壁部A210が位置される場合)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボックスカバーA200,A3200の外面(例えば、正面)に突部を形成し、その突部の突設先端面を形成する部位を操作用壁部A210としても良い(即ち、正面壁部A201よりも一段高い位置(主制御装置A110と反対側)に操作用壁部A210を位置させる)。
上記各実施形態では、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100に主制御装置100が収納される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の開口を介して操作子を操作するものであれば、その収納物は任意である。例えば、電気的な構成を有さないものであっても良い。このような収納物としては、例えば、球の流路から球を排出する排出口を開閉する開閉蓋に連結される連結部を有し、その連結部が操作子として操作されることで開閉蓋を開閉させる部材(構造体、装置)が例示される。
上記各実施形態では、操作手段(スイッチ装置A120、キー装置A130)として、押ボタンスイッチ、鍵操作式のセレクタスイッチを採用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他のタイプの操作手段を採用しても良い。他のタイプの操作手段としては、例えば、タクタイルスイッチ、ロッカースイッチ、ディップスイッチ、サムロータリースイッチ、トグルスイッチ等が例示される。
上記各実施形態では、操作子(操作部A122、鍵A140)の操作態様が、押し込み及び回転である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボックスカバーA200,A3200に形成された開口(上記各実施形態では開口A250,A260)を介して操作可能に配設されていれば、どのような操作態様であっても良い。他の操作態様としては、引き抜き、スライド、シーソー変位(例えば、ロッカースイッチの操作ボタンのように、両端が交互に押されることで操作ボタンがシーソーのように変位する態様)、傾倒(例えば、トグルスイッチの操作レバーのように、基端側を支点として操作レバーが一方へ倒れるように変位する態様)等が例示される。
この場合、操作子のスライド方向、シーソー変位する操作子の両端を結ぶ方向、傾倒する操作子の倒れる方向が、操作用壁部A210(第2領域)の長手方向(矢印L,R方向)に平行となる姿勢で、操作手段を配設することが好ましい。操作用壁部A210(第2領域)の長手方向に沿って形成される空間を有効に活用して、操作手段の操作性を向上できるからである。
なお、上述した操作態様のいずれの形態においても、開口A250,A260の正面視形状を、操作子の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成される形状としても良い。
上記各実施形態では、鍵A140の指で把持する面および端面と端面壁部A272,A2272(円環部A272a及び角形部A272bの外縁)との間に所定の隙間が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鍵A140又はキー装置A130に外力が作用されていない状態で、鍵A140の指で把持する面または端面の少なくとも一方と端面壁部A272,A2272(円環部A272a又は角形部A272bの外縁)とが当接される構成であっても良い。即ち、オフ位置またはオン位置にある鍵A140の指で把持する面または端面の少なくとも一方が端面壁部A272,A2272(円環部A272a又は角形部A272bの外縁)に当接され、鍵A140が操作(回転)される際には、鍵A140の端面が端面壁部A272,A2272(円環部A272aの外縁)に対して摺動される構成でも良い。
なお、鍵A140の指で把持する面および端面と端面壁部A272,A2272(円環部A272a及び角形部A272bの外縁)との間の隙間、キー装置A130の外面と被覆部A270の内面との間の隙間、キー装置A130の外面と立設壁A290及び下壁部A203の内面との間の隙間は、プリント基板A119に対するキー装置A130の傾倒が規定角度(キー装置A130の傾倒を許容できる角度、即ち、脚A131の抜けや損傷、はんだの剥がれが生じ難い角度)に達する前に、上記隙間の少なくとも一の隙間が無くなる(鍵A140又はキー装置A130が当接される)値に設定される。規定角度は、10度以下が好ましく、7度以下がより好ましく、5度以下が更に好ましい。本実施形態では、7度に設定される。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bを、それぞれ周方向の2箇所に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突部A271b,A133bの形成は、1箇所のみでも良く、3箇所以上でも良い。また、2箇所以上に形成する場合、それらの周方向位置(位相)は任意である。即ち、上記各実施形態のように周方向等間隔に形成しても良く、或いは、周方向不等間隔に形成しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bを、それぞれ周方向に断続的に形成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突部A271b,A133bを周方向に連続して形成しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270の突部A271b及びキー装置A130の突部A133bが径方向外方へ突設され、突部A271bにより形成された空間へ装置A130の突部A133bが配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被覆部A270の周壁部A271の内面から径方向内方へ突部を突設し、キー装置A130の基部A133aの外面に径方向内方へ凹む凹部を凹設し、被覆部A270の突部がキー装置A130の凹部の内部空間に配置される構成でも良い。この場合には、被覆部A270をキー装置A130に被せる(突部を凹部へ挿入する)ことができるように、基部A133aの端面(矢印F方向側の面)まで凹部を連続させれば(突部を凹部へ挿入するための開口を端面に形成すれば)良い。
上記各実施形態では、被覆部A270に第1突条A211及び第2突条A212を連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに加えて、ガイド壁A251に突条を連結しても良い。
上記各実施形態では、被覆部A270に2本の突条(第1突条A211及び第2突条A212)を連結する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、かかる形成本数は、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数本を形成する場合、それらの一端と被覆部A270との連結位置は任意である。但し、第1突条A211及び第2突条A212とそれぞれ位相を略180度異ならせた位置に他の突条を連結することが好ましい。オフ位置・オン位置にある鍵A140から被覆部A270へ入力される荷重を効率的に受け止めることができるからである。
なお、第1突条A211及び第2突条A212、他の突条の断面形状、その断面形状の高さ寸法(操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)からの立設寸法)や幅寸法(断面消え状の高さ方向に直交する方向の寸法)は、任意であり、適宜設定可能である。端面形状としては、矩形形状、半円形状、三角形状、これらを組み合わせた形状等が例示される。断面形状の高さ寸法と幅寸法との関係は任意であり、どちらが大きい値であっても良い。
上記各実施形態では、第1突条A211及び第2突条A212の高さ寸法(操作用壁部A210の正面(矢印F方向側の面)からの立設寸法)がその延設方向に沿って一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、延設方向に沿って変化させても良い。
なお、被覆部A270に連結される一端から離間されるに従って高さ寸法が漸次低くなるように構成しても良い。この場合には、材料コストを低減しつつ、被覆部A270の剛性を効率的に高めることができる。
上記各実施形態では、鍵A140の回転角度(オン位置とオフ位置との位相差)が90°に設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の回転角度(位相差)に設定しても良い。即ち、鍵A140の回転角度は、90°よりも小さい角度に設定されても良く、90°よりも大きい角度に設定されても良い。
この場合、開口A260の形状(端面壁部A272の縁部の形状)は、鍵A140がオフ位置とオン位置との間で変位(回転)される際のその鍵A140の変位軌跡に対応する領域(変位を許容するために必要な領域)のみに形成されることが好ましい。即ち、鍵A140の回転角度がθとされる場合、開口A260は、鍵A140の回転中心よりも一側の部分の変位を許容するための中心角略θの第1の扇形状の開口と、鍵A140の回転中心よりも他側(一側と反対側)の部分の変位を許容するための中心角略θの第2の扇形状の開口とが、位相を略180度異ならせて結合された形状に形成される。
上記各実施形態では、鍵A140が、回転中心よりも一側の部分の回転半径(回転中心から端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)までの距離)と、回転中心よりも他側の部分の回転半径とが異なる寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一側および他側において、その回転半径(回転中心から端面(指で把持する面の外縁に沿う細幅の面)までの距離)が略同一とされるものであっても良い。即ち、開口A260の第1の扇形状の開口と第2の扇形状の開口とが略同一の大きさ(半径)の開口とされるものであっても良い。
上記各実施形態では、操作用壁部A210の正面視形状が略横長矩形(長方形状)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは、他の正面視形状であっても良い。他の正面視形状としては、例えば、略正方形、略円形、略楕円形、略三角形、五角字以上の略多角形、これらを組み合わせた形状が例示される。
上記各実施形態では、操作用壁部A210の長手方向が、基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100(ボックスカバーA200,A3200)の長手方向と略平行とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非平行であっても良い。或いは、略直交するもの(即ち、操作用壁部A210の長手方向を矢印U,D方向に沿わせる形態)であっても良い。
上記各実施の形態では、操作用壁部A210の外縁の一部(上記各実施形態では3辺)が接続壁部(第1接続壁部A220、第2接続壁部A230及び第3接続壁部A240)により取り囲まれ、外縁の残りの部分(上記各実施形態では1辺)が取り囲まれない(開放された)形態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。操作用壁部A210の外縁の全域が接続壁部により取り囲まれていても良い。
即ち、ボックスカバーA200,A3200の正面視において、上記各実施形態では、ボックスカバーA200,A3200の外縁の一部に操作用壁部A210の外縁の一部が一致される位置に操作用壁部A210が配置(形成)されたが、ボックスカバーA200,A3200の外縁に操作用壁部A210の外縁が一致されない位置に操作用壁部A210を配置(形成)しても良い。
上記各実施形態では、開口AOP1、開口A250(ガイド壁A251)及び開口A260(被覆部A270)が略直列(略一列)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の配置としても良い。他の配置としては、千鳥状の配置、規則性を有さない位置へ分散された配置、格子状の配置(複数の互いに直交する直線の交差点への配置)などが例示される。また、略直列(略一列)に配置する場合、その直列方向が、操作用壁部A210(ボックスカバーA200,A3200)の長手方向と非平行となる配置であっても良く、略直交される配置であっても良い。
上記各実施形態では、端面壁部A272,A2272の正面(矢印F方向側の面)が平坦面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、端面壁部A272,A2272の正面(矢印F方向側の面)から1又は複数の突起や突条(リブ)を立設しても良い。
この場合、突条(リブ)(例えば、略半円または略矩形の断面形状を維持しつつすじ状に延設して形成される部位)は、正面視(矢印B方向視)において、端面壁部A272,A2272の中央(周壁部A271の軸心)から径方向外方へ向けて放射直線状に延設される形態が好ましい。また、このような突条(リブ)が周方向に所定間隔を隔てつつ複数配設されることが好ましい。これにより、鍵A140を抜き取る際に、鍵A140が端面壁部A272,A2272の縁部に係合し、鍵A140の抜き取り方向(矢印F方向)へ端面壁部A272,A2272が持ち上げられても、突条(リブ)の剛性を利用して、端面壁部A272,A2272の破損を抑制できるからである。
或いは、突条(リブ)は、周方向に連続する正面視円環状に形成されるものでも良い。かかる突条(リブ)は、径を異ならせて(即ち、径方向に所定間隔を隔てつつ)複数が配設されても良い。なお、周方向に断続的(非連続)でも良い。
上記各実施形態では、立設壁A209の立設先端面の高さ位置が、立設壁A208,A280,A290の立設先端面の高さ位置よりも後退される(即ち、プリント基板A119から離間する側に位置される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別の立設壁A208,A280,A290が後退されていても良い。
また、各立設壁A208,A209,A280,A290の基準面からの後退量が他の立設壁A208,A209,A280,A290の基準面からの後退量とそれぞれ異なるものであっても良い。更に、1の立設壁A208,A209,A280,A290において、その後退量が変化するものであっても良い。
この場合、締結孔A206aから遠い立設壁ほど立設先端面の基準面からの後退量を小さくすることが好ましい。プリント基板A119は、締結孔A206aから遠い領域ほど、近い領域と比較して、ねじASCによる規制が弱くなる分、立設壁が当接された際に、その当接された立設壁から離間する方向へ変形(変位)しやすくなり、プリント基板A119の正面との密着度が弱まるところ、締結孔A206aから遠い立設壁ほど立設先端面の基準面からの後退量を小さくすることで、立設壁の立設先端面とプリント基板A119の正面との密着を、全ての立設壁においてそれぞれ確保しやすくできるからである。
例えば、本実施形態では、締結孔A206aに最も近い立設壁A209の立設先端面を基準面と仮定した場合、立設壁A280、立設壁A290、立設壁A208の順に締結孔A206a(立設壁A209)からの距離が遠くなるため、この順に、締結孔A206aからの離間距離に応じて、上述した基準面からの後退量を小さくする(即ち、立設壁A208の立設先端面の基準面からの後退量を最小とする)ことが好ましい。
また、各立設壁A208,A209,A280,A290においても、締結孔A206aからの離間距離が遠くなるに従って、上述した基準面からの後退量が小さくなるように変化させても良い。即ち、1の立設壁A208,A209,A280,A290における立設先端面が、例えば、ボックスカバーA200,A3200の正面壁部A201に対して、それぞれ傾斜した面とされる構成としても良い。
上記各実施形態では、設定変更モードでは、第3図柄表示装置81又は7セグメント表示器の少なくとも一方に設定値が表示される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、これに代えて、或いは、これに加えて、他の表示装置に表示しても良い。他の表示装置としては、例えば、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84などが例示される。
また、第3図柄表示装置81及び7セグメント表示器のいずれにも設定値が表示されない構成でも良い。
この場合は、設定変更モードの起動時は、その起動前における設定値に関わらず、所定の初期値(例えば、第1の値)に設定値を更新し、スイッチ装置A120の操作部A122を押し込む回数に基づいて、設定値を作業者が認識する構成としても良い。不正な手段(例えば、ホールに設置した隠しカメラにより第3図柄表示装置81の表示を撮影する手段)により、設定値を不正に取得されることを抑制できる。また、遊技中に設定変更を行う場合に、遊技者に設定値が認識されることを抑制できる。なお、この場合、設定確認モードは、省略しても良い。
上記各実施形態では説明を省略したが、外枠11に対する内枠12の相対位置(ヒンジ18を回転中心とする回転位置)を検出する第1の検出センサを設け、外枠11に対して内枠12が所定角度以上だけ開放(回転)されていることが第1の検出センサにより検出されている場合には、上述した設定変更が許容され、外枠11に対する内枠12の所定角度以上の開放(回転)が第1の検出センサにより検出されていない場合には、設定変更が禁止される(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130からの入力を無効とする)ように構成しても良い。不正に設定変更がなされることを抑制できるからである。
また、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の相対位置(回転軸A410を回転中心とする回転位置)を検出する第2の検出センサを設け、内枠12に対して基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100が所定角度以上だけ開放(回転)されていることが第2の検出センサにより検出されている場合には、上述した設定変更が禁止され(例えば、スイッチ装置A120やキー装置A130からの入力が無効とされ)、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の所定角度以上の開放(回転)が第2の検出センサにより検出されていない場合には、設定変更が許容されるように構成しても良い。不正に設定変更がなされることを抑制できるからである。
なお、第1の検出センサ及び第2の検出センサの両方を設けても良く、一方のみを設けても良い(他方を省略しても良い)。両方を設ける場合には、第1の検出センサにより外枠11に対する内枠12の所定角度以上の開放(回転)が検出され、且つ、内枠12に対する基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100の所定角度以上の開放(回転)が第2の検出センサにより検出されていない場合に、上述した設定変更が許容されるようにしても良い。なお、第1の検出センサ及び第2の検出センサとしては、例えば、回転角度を検出するロータリセンサや、開閉に伴い機械的検出部が変位されるリミットスイッチが例示される。
上記各実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容される(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、設定変更が禁止される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の電気的接続線は任意に設定(選択)できる。
例えば、所定の電気的接続線を、電源装置115を主制御装置A110に接続する電気的接続線のみとしても良い。即ち、少なくとも電源装置115が主制御装置A110に電気的接続線により接続されていれば、他の電気的接続線の接続の状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容されるように構成しても良い。この場合、設定変更に伴う設定値は、第3図柄表示装置81では確認できないが、主制御装置A110の7セグメント表示器により確認できる。
上記各実施形態では、所定の電気的接続線(電源装置115及び音声ランプ制御装置113を主制御装置A110に接続する電気的接続線)が主制御装置A110に接続されていれば、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容される場合(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されていなければ、設定変更が禁止される)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の電気的接続線が主制御装置A110から解除されていなければ、他の電気的接続線の接続状態に関わらず(即ち、接続されていても、解除されていても、接続と解除とが混在していても)、スイッチ装置A120及びキー装置A130の操作(設定変更)が許容されない(即ち、所定の電気的接続線が主制御装置A110に接続されている場合には、設定変更が禁止される)ように構成しても良い。この場合も、所定の電気的接続線は任意に設定(選択)できる。
例えば、所定の電気的接続線としては、払出制御装置111が例示される。これによれば、払出制御装置111の電源がオフされるため、かかる払出制御装置111が不正に動作され、遊技球の払出が行われることを抑制できる。
上記第8実施形態では、端面壁部A2272の背面(矢印B方向側の面)から突設される部位の形態として、突条A2273がすじ状に延設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の突部が、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの間において、所定間隔を隔てつつ並設される構成でも良い。或いは、突条A2273が、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの間において、断続的に形成される構成でも良い。
なお、突条A2273又は複数の突部が形成される範囲は、位置AP2からAP5を含む位置AP1から位置AP6までの範囲に限れるものではなく、かかる範囲を縮小しても拡大しても良い。かかる範囲を円環部A272a及び角形部A272bの外縁の全域としても良い。
上記第9実施形態では、基板ボックスA3100が回転軸A410を回転中心として回転されることで、第2の位置(操作用壁部A210の正面がパチンコ機A3010の正面側を向く位置、図122(b)参照)に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の変位形態を採用することは当然可能である。
他の変位形態としては、例えば、基板ボックスを内枠12に対してその幅方向(矢印L,R方向)にスライド変位可能に配設し、ヒンジ18と反対側(矢印L方向)へスライド変位されることで、基板ボックスが第2の位置に配置される形態、回転軸A410をパチンコ機A10(内枠12)の前後方向(矢印F,B方向)に沿う軸として形成し、その回転軸A410を回転中心として変位(回転)されることで、基板ボックスが第2の位置に配置される形態などが例示される。
上記第10実施形態では、回転軸A4410が、封印ユニットA400及びサブカバーA500のそれぞれに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一方または両方の回転軸A4410を、ボックスカバーA200,A3200又はボックスベースA300に形成しても良い。この場合、ボックスカバーA200,A3200とボックスベースA300とのそれぞれに回転軸A4410の分割体を形成し、ボックスカバーA200,A3200をボックスベースA300に連結した状態で、それぞれの分割体から1の回転軸A4410が形成されるようにしても良い。
なお、上記第7実施形態から第9実施形態でも同様であり、封印ユニットA400に回転軸A410が形成される場合を説明したが、回転軸A410をボックスカバーA200,A3200又はボックスベースA300に形成しても良い。また、上述した場合と同様に、ボックスカバーA200,A3200をボックスベースA300に連結した状態で、それぞれに形成される分割体から1の回転軸A410が形成されるようにしても良い。
上記第11実施形態では、覆設部材B1200の本体部材B1210と上方延設部B1312,B1512とが擦れる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、覆設部材B1200側に開口を設け、その開口に進入可能な寸法で上方延設部B1312,B1512の前側面を前側へ張り出しても良い。この場合、摩擦抵抗では無く、係合(嵌め合い)により案内部材B1310,B1510の下流側端部の上下位置を安定させることができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500の一部が薄板部材B1110の前側から組み付けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貫通形成部B1120の形状を、案内板B1300,B1500を上方延設部B1312,B1512も含めて前後に挿通可能な形状とすることで、案内板B1300,B1500の組み付けを薄板部材B1110の背面側で完結することができる。
また、上方延設部B1312,B1512を案内部材B1310,B1510から分解可能に構成しても良い。これにより、薄板部材B1110の正面側からの組み付けが要求される部分を、球からの衝突負荷が生じやすく、破損の可能性が他の部分に比較して高い上方延設部B1312,B1512に限定することができる。このように、破損する可能性が高い箇所のみを正面側からの組み付けとすることによって、メンテナンス性を向上することができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500の開放順序を交互にする場合と、どちらか一方が開放されるように統一する場合とを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、交互に開放するラウンド区間と、どちらか一方が連続して開放するラウンド区間の割合を変化させる他のバリエーションを用意しても良い。
例えば、1〜8ラウンドまでは交互に開放し、9〜15ラウンドまでは第1案内板B1300のみが開放するようにしても良い。この場合、各作動パターンの特徴(払い出し球数、ラウンド遊技時間、零れ球の球数など)を半分ずつ併せ持つ作動パターンとすることができる。
上記第11実施形態では、突設部B1140,B1211の左右配置間隔は等間隔として、突設長さを変更したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設長さは同じとして配置間隔を変化させる区間を設けても良いし、突設長さを同じとしつつ配置間隔も等間隔にしても良い。希望する減速態様に合わせて突設部B1140,B1211を設計すれば良い。
第11実施形態では、入球前範囲下部を転動する球とは当接しない高さに突設部B1140,B1211が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、球の上端部付近をかすめる程度の高さにしても良い。この場合、突設部B1140,B1211を、一側傾斜(例えば、右下へ向けた傾斜)では、球への減速作用が大である突設部として機能させ、他側傾斜(例えば、左下へ向けた傾斜)では、球への減速作用が小である突設部として機能させることができる。
減速区間は、遊技球と当接する部分の形状(案内経路の内側へ張り出す突部の付加または案内経路の傾斜の変化)により構成される。その点で、突設部B1140、B1211は、前後方向に突設されるものに限るものではない。例えば、延設支持部B1212の上端部が転動面B1321,B1521の下端位置から上方へ出張る態様でも良い。
なお、球を案内する部材の変位態様により好ましい減速区間の構成が異なる。例えば、直動変位する部材であれば、突設部の付加も転動面の傾斜の変化も容易である。また、例えば、案内経路の幅方向から張り出すように回転変位する部材であれば、突部の付加は容易であるが、傾斜の変化は回転軸との関係から設計自由度が低くなる。また、例えば、案内経路の長手方向から張り出すように回転変位する部材であれば、突部の付加は、変位する部材の変位軌跡を避けて行う必要があるので自由度が低くなりがちであるが、傾斜の変化の設計自由度は高い。
上記第11実施形態では、一の可変入賞装置B1000に複数の検出センサを配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、可変入賞装置B1000の構成の一部を流用して、単一の検出センサに球を案内する可変入賞装置として構成しても良い。
上記第11実施形態では、両方の案内板B1300,B1500共に中間に隙間がある構造としたが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、一方にのみ隙間が形成され、他方には隙間が形成されず一枚板で構成されても良い。
上記第11実施形態では、第1案内板B1300及び第2案内板B1500共に、連結固定部材B1330,B1530がブロック状に形成され、前後で間隔を設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、連結固定部材B1530から正面視で連結固定部材B1330と重なる部分を削除して、連結固定部材B1530を正面視L字形状の部材として構成することで、連結固定部材B1530を連結固定部材B1330の真上に配置可能としても良い。
即ち、待機状態において、連結固定部材B1330,B1530は、前後方向に同位置に配置可能とされるようにしても良い。この場合、案内板B1300,B1500の配置に要する前後幅を短くすることができる。
上記第11実施形態では、延設支持部B1212により、案内部材B1310,B1510と上流側部材B1320,B1520との間の隙間を埋める場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い、例えば、延設支持部B1212の形成を省略しても良い。この場合、案内部材B1310,B1510と上流側部材B1320,B1520との間の隙間が段となり、若干球の流れが乱れるものの、検出センサB1230,B1250へ問題なく球を案内することができる。また、延設支持部B1212の形成を省略することで空く空間を利用して、案内部材B1310,B1510や上流側部材B1320,B1520の端部を延ばして隙間を狭めるように構成することで、球の流れの乱れを最小限に抑えることができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500において、案内部材B1310,B1510と上流側部材B1320,B1520との相対位置が変化せず前後移動のみが生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、連結固定部材B1330,B1530に対して上流側部材B1320,B1520が左右方向変位可能に連結されるように構成しても良い。この場合、案内板B1300,B1500の前後変位に合わせて上流側部材B1320,B1520を案内部材B1310,B1510に近づけるように変位させるよう構成することができる。これにより、案内板B1300,B1500が正面視で交差する構成ながら、交差位置に生じる隙間を上流側部材B1320,B1520の左右方向変位により塞ぐことができるので、延設支持部B1212の形成を省略することができる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500が開放状態から閉鎖状態へ切り替えられる際に、上方延設部B1312,B1512が特定入賞口B1001,B1002の上流側に配置され、球の入球を遮断する。この場合において、上方延設部B1312,B1512は特定入賞口B1001,B1002の正面側から背面側へ変位するように構成した。そのため、上方延設部B1312,B1512から球に与えられる負荷の方向が背面側向きとなるので、変位中の上方延設部B1312,B1512から負荷を与えられた球は、まず基礎部材B1100の薄板部材B1110に衝突し、意匠面を構成する覆設部材B1200の本体部材B1210にはバウンドにより勢いが低減された球が衝突する。
そのため、本体部材B1210にかけられる負荷を低減することができ、意匠面が割れる等の不具合を回避し易くすることができるが、上方延設部B1312,B1512の変位は必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上方延設部B1312,B1512が球の入球を遮断する場合に、背面側から正面側へ変位するように構成しても良い。この場合、特定入賞口B1001,B1002の内側縁が基礎部材B1100の薄板部材B1110の板面と面一に構成される場合において、球の遮断を早期に生じさせることができる。
なお、特定入賞口B1001,B1002を遮断する部材を背面側から正面側へ変位させる態様は何ら限定されるものではない。例えば、案内板B1300,B1500が、閉鎖状態への切り替えの際に正面側へ変位するように構成しても良いし、上方延設部B1312,B1512を案内板B1300,B1500とは別体で構成し、案内板B1300,B1500が閉鎖状態への切り替えの際に背面側に変位することに伴って、上方延設部B1312,B1512が正面側に変位するように構成しても良い。
上記第11実施形態では、延設支持部B1212と、転動面B1321,B1521とが面一である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設支持部B1212の上端部よりも転動面B1321,B1521の下端部が低い位置に配置されても良い。この場合、転動面B1321,B1521を転動する球に対して、延設支持部B1212の上端部が段(階段)を形成し、この段により球の流下速度を減速させることができる。
即ち、突設部B1140,B1211のように、球との当接により球の流下速度を減速させる突設部は、流下経路の前後方向から突設される場合に限定されるものではなく、流下面から上方へ向けて突設されるように構成されても良い。なお、球の流下経路の上側から下方へ突設される態様の一例として、突設部B1140,B1211を記載した。
例えば、延設支持部B1212の上端部よりも転動面B1321,B1521の下端部が高い位置に配置されても良い。この場合、延設支持部B1212に対して上流側部材B1320,B1520が段(階段)を形成し、この段により、転動面B1321,B1521の下端部よりも下流側から、球が逆流して転動面B1321,B1521に乗り上げることを防止することができる。従って、球を第1特定入賞口B1001又は第2特定入賞口B1002へスムーズに案内することができる。
このように、延設支持部B1212は、第1開閉板B1300及び第2開閉板B1500の閉鎖状態においても入球前範囲に常時配置されることで球の落下を遅らせる作用の他に、転動面B1321,B1521に対する配置の設計によって、球の流下を減速させる手段として利用できたり、球の逆流を防止する手段として利用できたりする。
上記第12実施形態では、転動面B2531が前後方向に対して水平となるように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動面B2531が前後に傾斜するようにしても良い。この時、例えば、背面側へ向けて下降傾斜するようにすることで、閉鎖状態への切り替え時に球をスムーズに落下させることができるので、開閉棒B2500の変位をスムーズにすることができる。
上記第11実施形態では、球を振分装置B1800で左右に振り分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右に交互に球を振り分ける機構を可変入賞装置B1000の上流側に設けても良いし、電源投入時から一定動作する可動体により球を振分られるように構成しても良い。また、可変入賞装置B1000の上流側の振分機構を省略しても良い。
また、ソレノイドが非励磁で、振分装置B1800が上がっている状態の時にのみ、球案内受部B1260に球が入球し得る例を説明したが、逆でも良い。例えば、いずれかのソレノイドが励磁された場合に振分装置B1800が上がるよう構成する。この場合、通常中や、時短中には、球案内受部B1260に入賞することを防止できる。
球案内受部B1260が、振分装置B1800よりも上流側に配置されても良い。また、球案内受部B1260を省略しても良い。この場合、特別遊技状態の進行の時間効率を良くすることができる。また、振分装置B1800のどちらに流れても、その下流側の経路が球案内受部B1260に入球し得るよう構成されていても良い。振分装置B1800で、球の経路を100%切り分けることに限定されるものではない。例えば、8割がた切り分けるといったような、釘に類似の機能を持たせるようにしても良い。
上記第11実施形態では、延設支持部B1212が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延設支持部B1212が可動とされても良い。この場合に、案内板B1300,B1500と連動して(例えば、押されて)動作するように構成しても良い。
上記第11実施形態では、入球前範囲が遊技領域程度の前後幅とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後に長く構成されても良い(球の直径の2倍以上の長さで構成されても良い)。この場合、正面視では交差しても、上面視では前後に離れている構成とすることができる。そのため、真上に配置される必要はない。換言すれば、交差することで、前後幅が19mmの遊技領域であっても、左右に配置される入球口への案内流路の左右長さを双方共長くすることができる。対して、前後に球が2つ配置可能な前後幅であれば、交差せずとも、上下幅小さく複数の特定入賞口を配置できる。
上記第11実施形態では、案内板B1300,B1500の双方が背面側から正面側へ張り出す場合を説明したが、少なくとも一方が、正面側から背面側へ向けて変位することで開放状態を構成するようにしても良い。
上記第11実施形態では、入球前範囲上部を狙った球の方が、入球前範囲下部を狙った球に比較して、減速される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部B1140等の形成を省略し、入球前範囲上部(傾斜上流側)に打ち出した球の方が加速され、入球前範囲下部(傾斜下流側)に打ち出した球の方が、左右方向が反転することに起因して遅くなるように構成しても良い。
上記第12実施形態では、開閉板B2300と開閉棒B2500とが独立して動作することを前提とする設計について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位軌跡BE11と変位軌跡BE12とが部分的に重なるため、零れ球を防止するためにラウンド間インターバルを短くした場合に、開閉板B2300と開閉棒B2500とが接触し相互に関連して動作する(連動する)場合もある可能性を考慮して設計するようにしても良い。
例えば、開閉板B2300の開放状態から閉鎖状態への切り替えが完了する前に連結部B2530が開放状態へ向けて変位する場合に、板部B2310の下側部に連結部B2530が係合してしまうと、開閉板B2300の動作不良を引き起こす虞がある。
これに対し、開閉板B2300に、板部B2310の回動先端側における左右中央部から開閉棒B2500側へ向けて半球状に突設される先行衝突部を形成し、開閉棒B2500に、連結部B2530の左右中央部から開閉板B2300側へ向けて半球状に突設される先行衝突部を形成し、それら先行衝突部同士が互いに衝突可能に配置しても良い。
各先行衝突部が、他の構成部材に先んじて相手部材に近接する部分として構成されることで、板部B2310の下側部に連結部B2530が係合する前に先行衝突部同士を衝突させることができる。
そして、先行衝突部同士の衝突による負荷が、開閉板B2300及び開閉棒B2500を閉鎖状態へ向けて変位させる方向に生じるよう構成すれば、開閉板B2300又は開閉棒B2500が閉鎖状態へ切り替えられる途中で開閉棒B2500又は開閉板B2300が開放状態へ向けた変位を開始したとしても、開放状態へ向けて切り替えられる開閉棒B2500又は開閉板B2300が閉鎖状態へ向けて変位する開閉板B2300又はB2500に負荷を与えることで、状態切り替えを促進させることができる。
これにより、ラウンド間インターバルが短くなりすぎて、開閉板B2300及び開閉棒B2500の内、一方の部材が閉鎖状態を形成する前に他方の部材が開放状態へ向けて変位開始して、部材同士が衝突する事態が生じたとしても、衝突による負荷は一方の部材を閉鎖状態へ向けて押し込むように作用するに留まり、開閉板B2300及び開閉棒B2500の動作不良を引き起こすことを回避することができる。
これにより、ラウンド間インターバルを短く設定する場合における不具合が生じる可能性を低くすることができ、零れ球を回避するために必要な程度にラウンド間インターバルを短く設定する制御を実行し易くすることができる。なお、先行衝突部の形状および配置は任意に設定可能である。例えば、零れ防止部B2524を先行衝突部として機能させても良い。
上記第12実施形態では、開閉板B2300の開放状態へ向けた変位が、上辺を軸とした上昇変位(起き上がり変位)とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、起立した閉鎖状態から、下辺を軸とした下降変位(傾倒変位)によって開放状態とされ、開放状態における上側面が球の流下面(転動面)として利用されるようにしても良い。
この場合、閉鎖状態における開閉板の背面側を球が進入可能な大きさで凹設し、その凹設部分の下流に検出センサを配置することが好ましい。開閉板の開放状態における上側面に球が乗っている場合に開閉板が閉鎖状態に切り替えられると、乗っていた球が零れることなく凹設部分に引き入れられるように構成することができる。
上記第12実施形態では、開放状態への切り替えの際に正面側へ変位する開閉板B2300と、開放状態への切り替えの際に背面側へ変位する開閉棒B2500とで入球前範囲の球の流下態様を切り替え可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面側へ変位する部材を、開閉棒B2500と同様の構成を有する部材として構成しても良い。
上記第12実施形態では、開閉板B2300の転動面B2311が同一傾斜の平面状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、転動面を山形状に形成し、途中で傾斜角度が変化するようにしても良い。この場合、転動面の形状によって、球の減速の程度の変化を生じさせることができる。
上記第12実施形態では、右アーム部B2520が左アーム部B2510と同様の形状で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、右アーム部B2520の形状は任意に設定できる。例えば、右アーム部B2520が直線棒状に形成されても良いし、左アーム部B2510の湾曲の逆側に湾曲するJ字形状でも良い。この場合、開閉棒B2500の閉鎖状態において右アーム部B2520を第2検出センサB1250の開口へ向けて転動する球の流下経路から離すことができる。これにより、開閉板B2300の転動面B2311に沿って流下する球の流下を阻害する可能性を低くすることができる。
上記第12実施形態では、センターフレーム86を境に流路が左右に分岐する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、センターフレーム86の左右いずれか(例えば、右側)に、球の流下経路を分ける仕切りを設けるようにしても良い。この場合、センターフレーム86の左右いずれかにおいて、球の流下経路を複数構成することができる。
上記第13実施形態では、第1案内板B3300と第1回動部材B3700とを単一の第1駆動装置B1400で駆動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1案内板B3300を駆動する駆動装置と、第1回動部材B3700を駆動する駆動装置とを個別に配設し、制御により変位タイミングを合わせるようにしても良い。
上記第13実施形態では、入球前範囲において、入球前範囲上部では案内板B3300,B3500が球を案内し、入球前範囲下部では回動部材B3700,B3900が球を案内する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板および回動部材を入球前範囲の左右に亘る長さで構成し、第1検出センサB1230の開口への案内は案内板で行い、第2検出センサB1250の開口への案内は回動部材で行うように構成しても良い。
この場合において、回動部材は、閉鎖状態への切り替えによって更に傾倒するように構成しても良い。この場合、開放状態への切り替えによって回動部材が球を救い上げる変位方向となるので、零れ球の個数を低減することができる。
また、左右に配置される回動部材を入球前範囲の左右に亘る長さで構成するようにしても良い。この場合、交差位置付近での衝突が生じることを防止するために、回転先端側から回転基端側へ向けて凹設される凹設部分を有するように構成し(例えば、軸方向の幅が狭くなるように構成したり、径方向に歯が延びる櫛状に構成したりし)、一方の回動部材の凹設部分に他方の回動部材の非凹設部分が進入可能な位置関係となるように設計することが好ましい。これにより、左右の回動部材が変位中に正面視で重なるよう構成しても、部材間の衝突が生じることを防止できる。
この場合、回動部材を、閉鎖状態への切り替えによって更に傾倒するように構成しても良い。この場合、開放状態への切り替えによって回動部材が球を救い上げる変位方向となるので、交差位置を通り過ぎた球(入球前範囲下部に配置された球)を救い上げ易くすることができ、零れ球の個数を低減することができる。
また、回動部材B3700,B3900の転動面B3721,B3921は平面状に構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数の平面から構成され傾斜が変化するように構成しても良いし、湾曲面で構成しても良い。これにより、転動面を転動する球の流下態様を複雑化することができる。
上記第13実施形態では、案内板B3300,B3500が正面側へスライド変位することで開放状態を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B3300,B3500が背面側へスライド変位することで開放状態を構成するようにしても良い。
上記第13実施形態では、入球前範囲上部を構成する転動面B3321,B3521の水平面に対する傾斜角度に対して、入球前範囲下部を構成する転動面B3721,B3921の水平面に対する傾斜角度の方が大きい場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入球前範囲下部の方が、傾斜角度が小さくなるようにしても良い。即ち、入球前範囲下部の方が、減速の程度が高くなるように構成しても良い。
この場合、入球前範囲下部において転動面B3721,B3921に複数の球が配置される状況を生じ易くすることができるので、回動部材B3700,B3900が閉鎖状態に状態変化する際に回動部材B3700,B3900に押されて検出センサB1230,B1250へ巻き込まれる球の数を多くすることができる。
なお、減速の程度の変化は、必ずしも転動面の傾斜の違いで生じさせる必要はない。例えば、突設部B1140等の入球前範囲に張り出す突起の形成幅、突設長さ、形成間隔(密度)を任意に設定することで、減速の程度に差を設けるようにしても良い。
上記第13実施形態では、回動部材B3700,B3900と案内板B3300,B3500とで球の案内経路を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位する案内板B3300,B3500の代わりに、開閉板B2300と同様の変位をする回動部材を案内板B3300,B3500と同様の左右幅で構成しても良い。
この場合、代替品としての回動部材と回動部材B3700,B3900との回転方向が対向するので、当接時に負荷を相殺させることで、早期に停止させることができる。更に、上下方向から互いに近づくように変位するので、隙間をうめ易い。
上記第13実施形態では、双方共変位可能に構成される案内板B3300,B3500と、回動部材B3700,B3900とが近接変位して隙間を塞ぐ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B3300,B3500と、回動部材B3700,B3900との間に固定部材を介在させ、案内板B3300,B3500と回動部材B3700,B3900とは直接は当接しないようにして、隙間を塞ぐようにしても良い。
また、案内板B3300,B3500と、回動部材B3700,B3900との双方共に変位し、互いに当接して隙間を塞ぐ場合には、一方が他方よりも柔軟に形成され、当接時に撓むように構成しても良い。例えば、案内板B3300,B3500の方が、回動部材B3700,B3900よりも固く構成しても良い。これにより、回動部材B3700,B3900の撓みによって、隙間を埋め易くすることができる。
また、例えば、例えば、案内板B3300,B3500の方が、回動部材B3700,B3900よりも柔軟に構成される場合には、案内板B3300,B3500が破損する事態を回避することができるので、案内板B3300,B3500を薄肉に構成し易くすることができる。
上記第13実施形態では、回動部材B3700,B3900が球5個分程度離れて配置される場合を説明したが、回動部材B3700,B3900の配置間隔は任意である。例えば、回動部材B3700,B3900が遊技領域の左右両端に離れて配置されていても良い。
また、回動部材B3700,B3900の上方に庇部を形成し、閉鎖状態における球の衝突を防止するように構成しても良い。
上記第14実施形態では、開閉棒B2500の転動面B2531が前後方向に傾斜しない場合を説明したが、前後に傾斜するようにしても良い。特に、開閉棒B2500を転動する球の減速を意図しないので、突設部B1140との当接のしやすさは問題にならない。例えば、転動面B2531が正面側へ下降傾斜するように構成することで、突設部B1140から離れた経路で球を転動させることができる。
上記第16実施形態の構成を利用して、案内経路の交差位置の下方に案内口B4160を配設しても良い。この場合、案内経路の上下幅の内側に十分なスペースを設けることができるので、案内経路の上下幅の内側に案内口B4160を配置し易くすることができる。
上記第14実施形態では、背面側へ張り出す開閉棒B2500を回転変位で、正面側へ張り出す案内板B4300をスライド変位で構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、背面側へ張り出す部材をスライド変位で、正面側へ張り出す部材を回転変位で構成するようにしても良い。
上記第14実施形態では、開閉棒B2500に案内される場合に、突設部B1140との衝突が避けられる構成から、球の減速が十分に生じない可能性があるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉棒B2500を中間位置で折曲形成し、開放状態において球の案内経路を屈曲させる(案内経路の上下方向傾斜を途中で変化させる)ように構成しても良い。これにより、傾斜角度の変化により球の減速を生じさせることができる。
上記第14実施形態では、庇部B2271から流れた球が球案内受部B4260を通りすぎる構成とすることで、左右での球案内受部B4260への入球頻度を変えるように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部B1140の中間位置に突設部B1140を追加しつつ、センターフレーム86の下縁をその追加した突設部B1140の突設先端よりも前側に張り出させて構成しても良い。
この場合、センターフレーム86の下縁から落下する球は突設部B1140には当接し難くすることができ球案内受部B4260への入球を阻害しないように構成できる一方、開閉棒B2500が閉鎖状態へ切り替えられる際に開閉棒B2500から滑落する球(背面側へ寄せられる球)を突設部B1140に当接させ、球の軌道を球案内受部B4260の左右に逸らせることができる。これにより、開閉棒B2500からの球案内受部B4260への入球頻度のみを低下させることができる。
上記第14実施形態では、球集合壁B4020により球がスルーゲート67に入り易いように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スルーゲート67の上流側に交互振分装置が配設され、2球に1球の割合(交互)で球がスルーゲート67を通過するようにしても良いし、左側にスルーゲート67を複数個配置しても良い。
上記第17実施形態では、可変入賞装置B1000の構成を基にして、駆動モータB7710単品で複数の案内板B1300,B1500を駆動する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、兼用駆動装置B7700での駆動を可変入賞装置B2000の構成に追加するようにしても良い。なお、被進入溝部B7730は新たに設計し直すことが必要になる。
上記第14実施形態では、可変入賞装置B4000に球案内受部B4260が配設され、案内口B4160と同様に可変入賞装置B4000にユニット化される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球案内受部B4260や案内口B4160はベース板60に配設され、基礎部材B4100に球案内受部B4260との干渉を避けるための凹設部が形成されるようにしても良い。この場合、球案内受部B4260と基礎部材B4100の凹設部との間の隙間において、ベース板60に釘を植設することができる。これにより、球案内受部B4260を第1入賞口64の代わりとする場合に、命釘を容易に植設することができる。
また、球案内受部B4260を第1入賞口64の代わりとしてでは無く、一般入賞口63の代わりとして機能させても良い。払い出し賞球個数を増加させることができる。また、案内経路の下側なので、上流側に配置する場合に比較して、特別遊技状態が長引くことを防止することができる。
上記第14実施形態では、前側突設部B4260が案内板B4300に一体的に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B4300とは独立した部材として、覆設部材B4200に固定されるものでも良い。これによれば、案内板B4300の閉鎖状態においても、前側突設部B4260を球に衝突させることができる。また、前側突設部B4260はブロック形状でも良いし、背面側へ延びる柱状に形成されても良い。
上記第19実施形態では、突設部B9140の機能の違いを、配置高さの違いで説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、突設長さを変えるようにしても良い。また、球の案内経路が右下傾斜の経路のみの場合を説明したが、上記各実施形態と同様に、経路が双方向で構成されても良い。
なお、遊技球を留まり易くする構成は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下経路の内側へ向けて突設される突条により遊技球が減速されることにより遊技球が留まり易くなる態様でも良いし、案内経路の傾斜の度合いを切り替えることで遊技球を減速させることにより遊技球が留まり易くなる態様でも良い。
また、経路構成手段の転動面に凹凸形状(波形状)が形成されることで遊技球を減速可能に構成することにより遊技球が留まり易くなる態様でも良いし、風車が配設され遊技球の運動エネルギーが風車の回転に利用されることで遊技球が減速されることにより遊技球が留まり易くなる態様でも良い。
なお、例えば、経路構成手段が特別遊技において所定のラウンド回数に対応して変位する態様において、経路構成手段が複数配設され、一方の経路構成手段から零れた遊技球を他方の経路構成手段が救い上げ可能に構成されている場合は、特別遊技における最終ラウンドで案内経路を構成する側の経路構成手段において遊技球が留まり易い位置の下方に第2入球口を配置することが好ましい。
上記各実施形態では、交差する球の案内経路が左右対称形状である場合を説明したが、左右非対称でも良い。上記各実施形態では、交差する経路から零れた方が損との内容で記載したが、零れた方が遊技者に与える利益が大きくなるように構成しても良い。
上記各実施形態では、案内経路を転動する球に当接可能な突設部B1140等について記載したが、突設部の配置はこれに限られるものではない。例えば、案内経路の交差位置の左右において、球が落下する位置に突設部を設けても良い。この場合、球の上下方向速度の減速を図り、落下速度を低下させることができるので、ラウンド間インターバルの設定自由度を向上させる工夫。即ち、0.04秒よりも長い数値で設定可能とすることができる。
上記各実施形態では、入球前範囲の左右中間位置を境界として球の減速の程度を切り替えるように構成したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、減速の程度の切り替えを3区間以上に構成しても良いし、左右中間位置から左右に寄った位置を境界として減速の程度を変化させるように構成しても良い。
上記各実施形態では、入球前範囲に張り出し一対の検出センサB1230,B1250の開口へ球を案内する部材を、検出センサB1230,B1250毎に個別に配設したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入球前範囲の左右幅程度の軸方向長さを有する回転体が入球前範囲の背面側に配設され、その回転体によって検出センサB1230,B1250の双方へ球を案内可能に構成しても良い。
即ち、例えば、回転体が左右方向に長尺の四角柱形状で構成される場合において、回転角度が90度異なるごとに、第1外面から第4外面まで入球前範囲に対向する外面が切り替えられるように構成する。第1外面には、第1検出センサB1230へ球を案内可能な転動面が径方向外側に張り出すように形成され、第3外面には、第2検出センサB1250へ球を案内可能な転動面が径方向外側に張り出すように形成される。また、第2外面および第4外面には張出部分は形成されず、入球前範囲に対向配置された場合には入球前範囲の外方に配置されるようにしている。更に、回転体を回転駆動する駆動モータが配設され、回転体は正逆両方向に回転可能に構成される。
この場合、回転体を駆動モータにより回転し、第1外面から第4外面までのいずれかを入球前範囲に対向させる姿勢にすることで、第1検出センサB1230の開口へ球を案内可能な状態(第1外面が対向、第1開放状態)と、第2検出センサB1250の開口へ球を案内可能な状態(第3外面が対向、第2開放状態)と、検出センサB1230,B1250へは球を案内しない状態(第2外面または第4外面が対向、閉鎖状態)とで、状態を切り替えることができる。従って、一対の検出センサB1230,B1250の開口へ球を案内する部材を、単一の部材および単一の駆動装置で構成することができる。
また、上述の閉鎖状態から、開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ切り替えられる際の回転体の変位の方向は、正逆両方向で可能である。即ち、開放状態(第1開放状態または第2開放状態)へ切り替えられる際に、入球前範囲に転動面が上昇変位して配置される場合と、入球前範囲に転動面が下降変位して配置される場合とを構成することができる。
入球前範囲からの零れ球の個数を低減する目的では、転動面が上昇変位して配置される場合の方が、球を救い上げ易く有利である。従って、回転体の回転方向を異なる方向で制御可能に構成することで、遊技者にとって有利な開放態様と、遊技者にとって不利な開放態様とを構成することができる。
このように、回転体を採用する場合、個別の部材で構成する場合のように部材間の干渉を考慮する必要がないので、設計自由度の向上を図ることができる。例えば、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250を同じ側(例えば、右側)に上下位置を異ならせて配置し、案内経路を同方向傾斜で構成し、上流側で一方の案内経路の上側に配置されていた他方の案内経路を、下流側において一方の案内経路の下側に配置する(例えば、段差を付ける)ことで案内経路を交差させる構造を容易に構成することができる。
なお、このような構造(同方向傾斜の構造)を、上記各実施形態の案内部材(案内板B1300,B1500,B3300,B3500,B4300、開閉板B2300,B5500、開閉棒B2500及び回動部材B3700,B3900)の形状を変化させて構成しても良い。
上記各実施形態では、可変入賞装置B1000等が遊技領域の下部付近に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域の上部(例えば、センターフレーム86よりも上方や、センターフレーム86の上下中間位置よりも上方)に可変入賞装置B1000等が配置されても良い。
上記各実施形態では、球の転動経路を交差させる構造を、入賞口を開閉する部材の構造として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域の一範囲において球の流下経路を変化させる手段として、入賞口を伴わずに(入賞口とは離れて)利用されても良い。
上記各実施形態では、可変入賞装置B1000等の上流側の流下経路を異ならせたり、別の入賞口を配置したりすることで、第1検出口B1230の開口が開放されるラウンドと、第2検出口B1250の開口が開放されるラウンドとで、ラウンド消化時間に差が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1検出口B1230の開口へ向けて案内される球の流下速度と、第2検出口B1250の開口へ向けて案内される球の流下速度とが異なるように、減速の程度を異ならせることで、ラウンド消化時間に差を生じさせるようにしても良い。
上記第17実施形態では、特別遊技状態で非駆動区間B7731に伝達棒B7422,B7622が進入する状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別遊技状態以外の状態において、伝達棒B7422は第1溝部B7741に配置され、伝達棒B7622は第1溝部B7751に配置されるように制御するようにしても良い。この場合、特別遊技状態以外の状態において、伝達棒B7422,B7622の配置を第1の平面BS71上に保持することができる。これにより、例えば、案内板B1300,B1500を無理矢理引き出す不正行為(例えば、金属細線を遊技領域に進入させたり、ガラスユニット16を部分的に破壊して遊技領域に指や小さな器具を進入させたりするなどの不正の手段で案内板B1300,B1500に負荷を与える不正行為)により不正の利益が発生することを、構造面から防止することができる。
上記第20実施形態では、双方の回転部材B20700,B20900が、同じ検出センサ(例えば、第2検出センサB1250)の開口へ球を近づけるように機能する場合があることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動部材B20700,B20900が同時に開放状態を構成可能に構成されることで、球が、いずれの検出センサB1230,B1250の開口へも近づかない(排出口B20001の上方に停留する)ように構成しても良い。この場合、入球前範囲に球が停留する状態を構成することができる。
また、回転部材B20700,B20900が同時に開放状態を構成する状態は任意に設計可能である。例えば、回転部材B20700,B20900の先端を短くし、両検出センサB1230,B1250の開口に同時に球を入球可能に構成しても良いし、回転部材B20700,B20900を十分長く構成し、回転先端側の検出センサB1230,B1250の開口を塞ぐようにすることで、いずれの検出センサB1230,B1250の開口へも入球不能となるように構成しても良い。
また、回転部材B20700,B20900の一方が開放状態を構成する場合に、その回転先端と、回転部材B20700,B20900の他方の回転基端側部との間に球を1個滞留させることができるように構成しても良い。この場合、回転部材B20700,B20900の双方が閉鎖状態となり、特別遊技状態が終了した後で、その滞留球を排出口B20001に入球させることができる。
上記第22実施形態では、前後方向にスライドする案内板B22300,B22500が同時に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板B2300及び開閉棒B2500のように変位方向が対向する構成において、開閉板B2300と開閉棒B2500とが同時動作するように構成しても良い。この場合、開閉板B2300の動作軌跡と開閉棒B2500の動作軌跡とが重複するので、同時動作する場合、開閉板B2300と開閉棒B2500とは変位終端に到達する前に当たって停止する。即ち、開閉板B2300及び開閉棒B2500の一方が、他方の変位を規制するように機能するので、特定入賞口B1001,B1002への不正な入球を防止し易くすることができる。
上記第22実施形態では、被検出部B22350,B22550が案内板B22300,B22500に形成され、その被検出部B22350,B22550の配置に合わせて検出センサBSC221,BSC222の位置を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被検出部を駆動装置B1400,B1600の直動部材B1420,B1620に形成し、その配置に合わせて検出センサBSC221,BSC222の位置を設定するようにしても良い。
この場合において、検出センサBSC221,BSC222を、直動部材B1420,B1620がソレノイドB1410,B1610の励磁による変位における動作終端に配置された状態(回転部材B1430,B1630の長手突設部B1433,B1633が伝達孔B1340,B1540の曲線部B1342,B1542に配置された状態)と、案内板B22300,B22500が不正に負荷を受けて前側へ引き出された状態(回転部材B1430,B1630の長手突設部B1433,B1633が伝達孔B1340,B1540の直線部B1341,B1541に押されて変位し、依然として直線部B1341,B1541に配置されている状態)と、を区別して検出できるように構成しても良い。
これにより、案内板B22300,B22500の変位が、ソレノイドB1410,B1610の励磁による変位なのか、不正に与えられた負荷や、反対側の案内板B22300,B22500との間の摩擦力による変位なのかを、検出センサBSC221,BSC222の検出結果(出力)から判定することができ、不正または異常の早期発見を図ることができる。
上記第22実施形態では、案内板B22300,B22500のいずれか一方が不正に開放されたと判定した場合に、非常時処理として、他方を開放状態へ向けて駆動し、特定入賞口B1001,B1002への入球が不可能となるように制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物640aが開放し易くなるように制御しても良い。
この場合、特定入賞口B1001,B1002へ向けて打ち出された球の内、少なくとも一部が第2入賞口640へ入球するようになるので、特定入賞口B1001,B1002へ不正に入球する球の個数を削減することができる。電動役物640aの回転径方向長さを延長し、開放状態において到達した全ての球が第2入賞口640に入球するように構成すれば、特定入賞口B1001,B1002への不正な入球を防止することができる。
また、第2入賞口640への入球に起因する賞球の払い出し個数を1個にすることで、賞球個数が発射球数を超えることを防止することができるので、不正行為を行う者が不正な払い出し賞球を得ることを防止することができる。
このような制御で時間を稼いでいる間に、エラー報知に気付いた店員が到着すれば、第2入賞口640への入球に基づく抽選で大当たりが生じたとしても、その大当たりを無効として処理することで、不正行為を行う者が不正の利益を獲得することを未然に防ぐことができる。
上記第22実施形態において、検出センサBSC221,BSC222が遊技領域の後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ガラスユニット16に窪みを設ける等して、遊技領域の前側にスペースを作り、そこに検出センサBSC221,BSC222を配設するようにしても良い。この場合であっても、案内板B22300,B22500の被検出部を張り出し先端側に形成し検出センサBSC221,BSC222の検出溝に進入可能に構成することで、検出センサBSC221,BSC222によって案内板B22300,B22500の位置を検出することができる。
この場合、パチンコ機10の外方と検出センサBSC221,BSC222との間に入る構成部材の厚みを薄くすることができるので、電磁波照射による付勢が行われた場合に、微弱な電磁波であっても検出し易くすることができる。
上記第22実施形態の第3制御例において、小当たりにおける作動パターンとして第6の作動パターン及び第7の作動パターンを例に挙げて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たりAにおいて駆動されるのが、第1案内板B22300又は第2案内板B22500のいずれか一方とされても良い。また、小当たりAを小当たりA1と小当たりA2とで分け、小当たりA1では第1案内板B22300のみが駆動され、小当たりA2では第2案内板B22500のみが駆動されるようにしても良い。
また、例えば、小当たりAにおける第1案内板B22300と第2案内板B22500との動作順序は逆でも良い。また、小当たりAを小当たりA3と小当たりA4とで分け、小当たりA3では第1案内板B22300が先に駆動され、小当たりA4では第2案内板B22500が先に駆動されるようにしても良い。
また、小当たりAにおいて、1セットの開閉回数は2回の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1回でも良いし、3回以上の複数回でも良い。また、第1案内板B22300の動作の後で第2案内板B22500の動作が生じて小当たり動作が終了する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1案内板B22300の動作のセットと、第2案内板B22500の動作のセットとが交互に複数回生じるように構成しても良い。
また、例えば、小当たりBにおける第1案内板B22300と第2案内板B22500との動作順序は逆でも良い。また、小当たりBを小当たりB1と小当たりB2とで分け、小当たりB1では第1案内板B22300が先に退避されるよう駆動され、小当たりB2では第2案内板B22500が先に退避されるよう駆動されるようにしても良い。また、小当たりBにおいて、1セットの開閉回数は2回の場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1回でも良いし、3回以上の複数回でも良い。
なお、これら小当たりとして説明したような作動パターンを、音声ランプ制御装置113(図4参照)のMPU221により実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、ソレノイドB1410,B1610の他に、伝達回転体B7720(図179参照)によっても案内板B22300,B22500を変位可能に構成することで、誤動作の恐れなく制御を構成することができる。
即ち、ソレノイドB1410,B1610については主制御装置110(図4参照)のMPU201により制御される一方で、伝達回転体B7720については音声ランプ制御装置113(図4参照)のMPU221により制御されるように構成すればよい。
また、小当たりA及び小当たりBにおいて、特定入賞口B1001,B1002の開放時間が0.1秒とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開放時間を0.2秒以上に延長し、球が特定入賞口B1001,B1002に入球可能に構成しても良い。
第8の作動パターン、第9の作動パターンの説明において、ラウンド中に確認動作を行うようにしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、インターバル中に確認動作を行うように制御しても良い。
上記第3制御例では、案内板B22300,B22500の両方共を小当たり遊技で駆動される部材との前提で、小当たり確率を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1検出センサB1230の開口は第1特定入賞口B1001として機能させ、第2検出センサB1250は第2入賞口640として機能させるようにしても良い。即ち、第2案内板B22500は第2図柄の抽選結果によって駆動の有無が決定されることになる。
これにより、可変入賞装置B22000が正常に動作しているかの検出をすることによって、大当たり遊技で使用される第1特定入賞口B1001への入球に異常が生じないかだけでなく、時短中や確変中に使用される第2入賞口640への入球に異常が生じないかの判定を行うことができる。
この場合、小当たり遊技の実行によって第1案内板B22300を駆動し、第2図柄の抽選結果が当たりであれば第2案内板B22500を駆動することから、案内板B22300,B22500の駆動頻度は、小当たり確率と、第2図柄の当選確率とを合算した確率が基準となる。そのため、第3制御例(案内板B22300,B22500の少なくとも一方を小当たり遊技の実行によって駆動する場合)と同様の頻度で案内板B22300,B22500を駆動させるために設定される小当たり確率を、第3制御例における小当たり確率よりも低くすることができる。
上記第3制御例では、特別図柄1の大当たりにおいてのみ、ラウンド遊技Rにおいて第6の作動パターンの一部や第7の作動パターンの一部を含む制御態様で動作させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特別図柄2の大当たりにおいてのみ、ラウンド遊技Rにおいて第6の作動パターンの一部や第7の作動パターンの一部を含む制御態様で動作させるようにしても良い。この場合、遊技機のスペックとして、特別図柄2の大当たりが過剰に連続で生じ得る(例えば、平均10回連続で生じる)場合においても、大当たり遊技中に可変入賞装置B22000に生じる不良の発生を見逃さずに発見することができる。
また、例えば、特別図柄1の大当たりと特別図柄2の大当たりとの両方で、ラウンド遊技Rにおいて第6の作動パターンの一部や第7の作動パターンの一部を含む制御態様で動作させるようにしても良い。この場合、特別図柄1の大当たりを経由せずに特別図柄2の大当たりが生じる場合(例えば、通常状態において第2入賞口640に入賞可能に構成される場合や、所定の入賞口の下流で経路が枝分かれし、その内の第1経路に流れた球が入賞可能な位置に第1入賞口64を配設し、第2経路に流れた球が入賞可能な位置に第2入賞口640を配設する場合など)においても、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
上記第3制御例では、大当たり遊技において検出センサBSC221,BSC222の検出結果と、正常検出パターンとが異なる場合に、即座にエラー報知を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサBSC221,BSC222の検出結果と正常検出パターンとが異なること(不良)が検出されたとしても、すぐにはエラー報知を実行せず、その検出結果を所定期間記憶して、後からエラー報知を実行するようにしても良い。
例えば、主制御装置MPU201において検出結果を記憶し、大当たり遊技の継続中や、確変状態の継続中はエラー報知を実行しないでおき、通常状態に遊技状態が移行してからエラー報知を実行するように制御するようにしても良い。この場合、遊技者の興趣が向上する大当たり遊技中や確変中において遊技が停止される事態が発生することを回避することで、遊技者の不満が大きくなることを防止することができる。
この場合には、不良の検出から、暫くは遊技を継続可能に構成することが好ましいので、検出センサBSC221,BSC222の検出結果と正常検出パターンとが異なると判定する閾値を、緩い側(誤差の許容値が大きい側)ではなく、厳しい側(誤差の許容値が小さい側)に寄せて設定しておくことが好ましい。
上記第3制御例では、第9の作動パターンにおいて、一方の案内板B22300,B22500が閉鎖状態への変位が開始された直後に他方の案内板B22500,B22300を開放状態へ変位させるために作動させるよう制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一方の案内板B22300,B22500が閉鎖状態へ変位開始する直前に他方の案内板B22500,B22300を開放状態へ変位させるために作動させるように制御しても良い。
この場合、両案内板B22300,B22500が同時に動作する時間を比較的長くすることができる。また、同時動作が発生していても、両方の案内板B22300,B22500が開放状態(前方に配置された状態)とされる場合は、両特定入賞口B1001,B1002が閉鎖されるし、念入りに構成するのであれば両案内板B22300,B22500が同時動作する場合には常に両特定入賞口B1001,B1002への球の入球が防止されるように両案内板B22300,B22500を構成することによって、特定入賞口B1001,B1002に誤って入賞することを防止することができる。
上記第3制御例では、案内板B22300,B22500の双方が、小当たり遊技および大当たり遊技で開閉するように制御される場合を説明したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば、大当たり遊技では、第1案内板B22300のみが開閉するように構成し、小当たり遊技では、第2案内板B22500のみが開閉するように構成しても良い。
また、この場合において、小当たり遊技における作動パターンを、第2特定入賞口B1002への入球が生じやすい作動パターン(例えば、1.8秒間開放状態を維持する作動パターンや、間欠的に繰り返される開放状態の合計が1.8秒間以内とされる作動パターン)としても良い。これによれば、確変中に第2入賞口640に入球が生じることに伴い第2案内板B22500が開放状態とされる場合を構成でき、第2特定入賞口B1002へ入球させることが可能となるので、第2特定入賞口B1002への入球による払い出し賞球を獲得可能な状態で確変中の遊技を実行することができる。
この場合において、特別図柄2の抽選における小当たり判定値の設定は上述の場合に限られるものではなく、任意に設定可能である。例えば、確変中(又は通常中,時短中)において、特別図柄2乱数テーブル202a2における第1当たり乱数カウンタ値C3のほとんどの値(例えば、10〜319)を小当たり判定値に設定しても良い。この場合、第2入賞口640に入球する度に第2案内板B22500を開放状態にさせることができ、第2特定入賞口B1002への入球を高頻度で生じさせることができる。
そして、本実施形態によれば、第2案内板B22500の変位を利用して第1案内板B22300に生じ得る不良の早期発見を図ることができるので、大当たり遊技が開始され、第1案内板B22300が駆動開始されて初めて、第1案内板B22300の不良が発覚する事態を回避し易くすることができる。
また、第1案内板B22300についても同様のことが言える。即ち、本実施形態によれば、第1案内板B22300の変位を利用して第2案内板B22500に生じ得る不良の早期発見を図ることができるので、大当たり遊技が終了し、確変状態に移行して第2案内板B22500が駆動開始されて初めて、第2案内板B22500の不良が発覚する事態を回避し易くすることができる。
これによって、例えば、大当たり遊技で獲得可能な払い出し賞球個数よりも、確変中の遊技で獲得可能な払い出し賞球個数の方が多くなるよう設定されることで、第1案内板B22300の駆動よりも第2案内板B22500の駆動の方が高頻度で生じるような遊技機についても、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。
即ち、第1案内板B22300又は第2案内板B22500の内、動作頻度が高い側の駆動変位を利用して、動作頻度が低い側の不良の早期発見を図ることができる構成を、少なくとも有するように構成することにより、可変入賞装置B22000の不良の早期発見を図ることができる。これにより、多量の払い出し賞球を得られる有利状態に遊技状態が移行する前に可変入賞装置B22000の不良を発見し、修理を行うことができるので、遊技者が不測の不利益を被ることを回避することができ、遊技者の興趣が低下する事態の発生を回避することができる。
上記第3制御例では、ソレノイドB1410,B1610の双方が同時に励磁され得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、同時点での励磁が機械的に防止されるよう構成しても良い。即ち、既存のスイッチリレー(有接点リレー、無接点リレー)等の切替装置により構成される切替手段を、第1ソレノイドB1410へ通電する回路の上流側と、第2ソレノイドB1610へ通電する回路の上流側とにそれぞれ接続し、スイッチリレーの機能により、第1ソレノイドB1410,B1610のいずれにも通電不能な状態と、第1ソレノイドB1410にのみ通電可能な状態と、第2ソレノイドB1610にのみ通電可能な状態とで切替可能に構成する。この場合、スイッチリレーの機能によって、ソレノイドB1410,B1610の双方に通電する事態が生じることを防止することができる。
上記第3制御例では、特別図柄2の抽選における小当たりの方が、特別図柄1の抽選における小当たりに比較して、生じやくなるように設定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、小当たりの発生頻度を、特別図柄1と特別図柄2とで同等になるように設定しても良い。また、特別図柄1の抽選における小当たりの方が、特別図柄2の抽選における小当たりに比較して、生じやくなるように設定しても良い。
この場合、確変中に小当たりが頻発して、可変入賞装置B22000が動作する場合に比較して、快適な遊技を提供し易くすることができる。即ち、確変中では、遊技者の視線は遊技領域の右側に集まりがちになるところ、この状態で可変入賞装置B22000の小当たり動作が生じると、可変入賞装置B22000が視界に入っている遊技者に対して、有利状態が発生しているかのように思わせてしまい、遊技者を惑わせることにつながる。これが頻発すると、遊技者の不満が大きくなる可能性がある。そのため、特別図柄2での小当たりの発生頻度を抑えることで、上述のように遊技者を惑わせる頻度を減らすことができるので、遊技者に、より快適に遊技させることができる。
上記第3制御例では、小当たり遊技や大当たり遊技における動作により、可変入賞装置B22000の不具合の有無を判定可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110の立ち上げ処理において、可変入賞装置B22000のソレノイドB1410,B1610を励磁するように制御し、その際の検出センサBSC221,BSC222の検出パターンから可変入賞装置B22000が正常に動作しているかを判定するようにしても良い。この場合、毎回の電源投入時に可変入賞装置B22000が正常に動作するかを確認することができる。
なお、この場合において、立ち上げ処理の実行中には検出センサB1230,B1250の機能を停止させるように制御しても良い。これにより、例えば、遊技領域に残存する遊技球がある状態で電源投入した場合に、立ち上げ処理の実行中に、その残存遊技球が検出センサB1230,B1250の開口に入球したとしても、賞球の払い出しを生じないようにすることができる。そのため、停電を利用して不正の利益(賞球)を得ようとする遊技態様(例えば、敢えて遊技領域に多数の遊技球を残した状態で電源を復帰する遊技態様)を実現不可能とすることができる。
上記第3制御例において、通常中は、検出センサBSC221,BSC222での被検出部B22350,B22550の検出が常に生じないはずなので(正常検出パターンは常時不検知のパターン)、検出センサBSC221,BSC222で被検出部B22350,B22550が検出されたと判定されたら、その判定に基づいて異常が生じていると判定することができるので、対処するように制御することが望ましい。例えば、エラー報知を実行するように制御しても良い。
また、例えば、案内板B22300,B22500を後方位置(閉鎖状態の位置)に戻すための駆動を実行するように制御しても良い。この場合に、制御実行後も依然として検出センサBSC221,BSC222での検出状態が変化しない場合には、不正に照射された電磁波によって検出センサBSC221,BSC222の出力が変化していることが想定されるので、即座にエラー報知を実行し、遊技継続不能な状態とすることが好ましい。
上記第23実施形態では、回転部材B23430の長手突設部B23433が第2曲線部B23343の軌跡に沿って滑らかに変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長手突設部B23433の変位が安定せず、第2曲線部B23343との間で摩擦力が生じて第1案内板B23300が変位開始するという誤動作が生じ得るような構成でも良い。この場合、第1案内板B23300が後方へ変位するように付勢する付勢バネを設け、摩擦力よりも大きな付勢力を生じさせることで、長手突設部B23433が伝達孔B23340の直線部B1341に到達する前(押進力発生前)に第1案内板B23300の前後方向の変位が生じることを防止することができる。
上記第23実施形態では、切替装置B23800の位置をソレノイドB1410,B1610からの負荷で変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切替装置B23800の位置を変化させる別の駆動装置を用意しても良い。この場合において、駆動解除状態で係合しており、駆動装置の駆動によって係合を解除する構成の方が、駆動状態で係合しており、駆動装置の駆動の解除によって係合を解除する構成に比較して、通電時間を短くすることができ、駆動装置の耐久性を向上させることができる。
また、この場合において、切替装置B23800の駆動の切替は、遊技状態の切替タイミングで行うようにすればいい。例えば、大当たり遊技および小当たり遊技以外(通常中、時短中、確変中など)では、係合状態を構成するように切り換え、大当たり遊技または小当たり遊技への切替タイミングで、係合を解除するように切り換える。これにより、大当たり遊技および小当たり遊技以外の状態で、案内板B1300,B1500が別々に動作することを防止することができるので、案内板B1300,B1500が不正に変位された場合であっても、特定入賞口B1001,B1002を常に入球不能な状態に維持できる。そのため、入球に伴う不正な賞球の払い出しを防止することができる。
上記第23実施形態では、伝達孔B23340の形状変更を行うことで、案内板B23300,B23500と切替装置B23800との動作順序を設定したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達孔B23340の形状は同じとして、伝達孔B23340付近の材料の性質(硬さ、反発力等)を変化させることで動作順序を設定しても良い。この場合、性質を変化させる範囲の設定により、ソレノイドB1410,B1610の励磁による動作と、ソレノイドB1410,B1610の励磁によらない動作とで、動作順序を変化させることができる。
例えば、伝達孔B1340の曲線部B1342の反対側の端部における直線部B1341の後側壁部のみ柔らかく構成することで、案内板B23300,B23500が不正に前方へ引き出された場合に、伝達孔B1340の柔らかい部分の変形を先に生じさせ、回転部材B23430が回転するタイミングを遅らせることができる。
上記第23実施形態では、スライド本体部B23810のスライド変位で案内板B23300,B23500が連動するか、独立して動作するかを切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位ではなく、姿勢変化が生じることで切り換えが行われるように構成しても良い。この場合、スライド変位の変位量を確保するためのスペースが不要となるので、切替装置B23800の配置自由度を向上することができる。
上記第23実施形態では、スライド補助部B23820の前後配置によってスライド本体部B23810に許容される変位が変化する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、進入突設部B23821の先端に鉤状に折曲形成される鉤状部が形成され、受入凹設部B23350,B23550の内側に鉤状部に係合可能に張り出す係合部が形成され、案内板B23300,B23500が閉鎖位置(後方に退避した位置)に配置されている状態では係合部は鉤状部の変位軌跡の外方に位置するが、案内板B23300,B23500が閉鎖位置から前方へ変位開始した後では、係合部が鉤状部の変位軌跡に進入するよう構成されるようにしても良い。この場合、鉤状部と係合部との係合の有無によって、案内板B23300,B23500の状態を連動する状態と、独立動作可能な状態とで切り替えることができる。
上記第23実施形態では、切替装置B23800が遊技領域の背面側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、切替装置B23800が遊技領域内に配置され、遊技球との衝突が生じ得るように構成しても良い。この場合であっても、切替装置B23800は可変入賞装置B23000のソレノイドB1410,B1610の駆動によって状態変化するので、一定の遊技性を維持することができる。
上記第23実施形態では、スライド補助部B23820を剛体として説明しており、進入突設部B23821と係合する状態で案内板B23300,B23500が一体で変位するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド補助部B23820を樹脂材料から構成し、進入突設部B23821に撓み変形を許容するようにしても良い。この場合、例えば、第1案内板B23300が第1ソレノイドB1410の駆動力によらず、強制的(例えば、不正)に正面側へ変位させられた場合に、若干の時間遅れを生じながら第2案内板B23500が正面側へ変位する。これにより、特定入賞口B1001,B1002の閉鎖状態を維持することができる。
上記第23実施形態では、スライド本体部B23810に対してスライド補助部B23820が連結される部分の形状は簡略化して図示しているが、この部分の形状は任意に設計可能である。例えば、図示の通りに、矩形の凹部に対応する形状の部材が差し込まれる態様でも良い。
また、例えば、長尺溝の溝断面を深部が幅広のT字形状に構成してスライド補助部B23820側の連結部分をT字形状に構成して溝の長尺方向から連結部分が差し込まれる態様でも良い。この場合、幅広部分が引っかかることで、スライド補助部B23820のスライド本体部B23810からの抜け止めを図ることができる。また、T字の角部にテーパ(傾斜面)を設ける等の設計的工夫は任意に行うことができる。
上記第23実施形態では、案内板B23300,B23500の双方共を、特定入賞口B1001,B1002の開閉に関わる部材として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1案内板B23300を特定入賞口B1001の開閉に利用する部材として構成する一方で、第2案内板B23500を始動口(例えば、第2入賞口640)の開閉に利用する部材として構成しても良い。この場合、切替装置B23800を利用した係合によって入球を防止することができる入球口を、始動口にまで拡張することができる。また、始動口の開閉に利用される部材に限らず、例えば、電源投入から一定動作するように制御される可動部材として構成しても良い。
上記第24実施形態では、ソレノイドB1410,B1610が非励磁の状態において、伝達回転体B24720の構成によって案内板B1300,B1500の配置を維持する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達回転体B24720を省略した場合において、案内板B1300,B1500間の摩擦力によって案内板B1300,B1500の配置を維持するように構成しても良い。
即ち、ソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力を上回る強さの摩擦力が案内板B1300,B1500間に生じるように構成することで、例えば、両ソレノイドB1410,B1610を励磁した後で、第1ソレノイドB1410を非励磁にしたとしても、案内板B1300,B1500間に生じる摩擦力によって第1案内板B1300を前方位置で維持することができる。
この場合において、摩擦力は常に生じるように構成しても良いし、案内板B1300,B1500の前後位置に応じて変化可能に構成しても良い。例えば、案内板B1300,B1500が後方位置に配置される場合の摩擦力をソレノイドB1410,B1610の戻りバネの付勢力よりも小さくするように、案内板B1300,B1500間の隙間を拡げたり、他の部材を介在させることで接触しなくしたりすることにより、案内板B1300,B1500が独立して前方へ駆動変位できなくなる事態を回避することができる。
この場合において、更なる利点は、案内板B1300,B1500を目視していても、遊技者は、ソレノイドB1410,B1610の作動パターンを認識することができないことである。換言すれば、案内板B1300,B1500に球を到達させて初めてソレノイドB1410,B1610の作動パターンに気付くことができるよう構成することができるので、ソレノイドB1410,B1610が特定の作動パターンの時に狙いを定めて特定入賞口B1001,B1002へ向けて球を発射する遊技の仕方を困難とすることができる。
なお、この効果は、例えば、第1特定入賞口B1001に大当たり遊技での賞球口としての機能を持たせ、第2特定入賞口B1002には有利な状態を獲得するための特定領域としての機能を持たせるよう構成されるパチンコ機(例えば、1種2種混合パチンコ機や、特定領域への入球により大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態へ移行するよう構成されるパチンコ機等)において、案内板B1300,B1500の作動パターンの違いにより第2特定入賞口B1002への入球可能性が変化する場合に特に有効である。
上記第24実施形態では、特定入賞口B1001,B1002に、払い出し賞球個数やカウント数に利益差が生じるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定領域への入球確率や、有利状態の継続確率等について、利益差を生じさせるように構成しても良い。
この場合、特定入賞口B1001,B1002への入球によって生じる利益の違いが、実行中の特別遊技だけでなく、その特別遊技に引き続いて実行される他の遊技(次の特別遊技や、特別遊技状態への移行を目的に行う弾球遊技)における利益の違いにつながるので、特定入賞口B1001,B1002へ発射された球に対する注目力を向上させることができる。
上記第24実施形態では、演出区間B24760,B24770を、いずれかの特定入賞口B1001,B1002へ球を案内する状態を構成する区間として説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、演出区間B24760,B24770の溝形状の配置関係を調整することにより、上述の状態に加えて、又は上述の状態に替えて、案内板B1300,B1500が両方共前方へ変位した後で、球の負荷によって両方共後方へ退避してしまい特定入賞口B1001,B1002に球を案内不能となる状態や、案内板B1300,B1500が両方共前方へ変位したまま配置が規制されることで特定入賞口B1001,B1002に球を案内不能となる状態を構成するようにしても良い。
この場合、入球前範囲に到達した球が特定入賞口B1001,B1002のいずれかには入球することが確定している場合に比較して、遊技者が得られる利益差の上下幅を大きくすることができるので、入球前範囲の注目力を向上させることができる。
上記第24実施形態では、入球前範囲に球が到達すると、球からの負荷によって案内板B1300,B1500のいずれかが後方へ押されて変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内板B1300,B1500の交差位置から排出口B7160を通して球を排出可能に構成し、案内板B1300,B1500に所定個数の球が滞留するまでは負荷が足りず案内板B1300,B1500を後方へ変位させられないように構成しても良い。
この場合、複数球が入球前範囲に溜まるまでは案内板B1300,B1500が球の負荷に押されて変位する事態が生じないので、伝達回転体B24720の回転途中で十分な負荷が生じてしまい、不適切なタイミングで案内板B1300,B1500のいずれかが後方へ押されて変位するという不具合を生じる可能性を低くすることができる。
この場合において、例えば、排出口B7160が、球を遊技領域から排出するだけのアウト口であれば、なるべく無駄球を減らすために、ひたすら入球前範囲へ球を発射するように促すような報知を実行することが想定される。
また、例えば、排出口B7160が賞球口であれば、球を入球前範囲に頻度良く到達させ、案内板B1300,B1500のいずれかを後方に変位させ、特定入賞口B1001,B1002のいずれかに球が入球可能な状態に移行させるか、排出口B7160に入球可能な状態を維持するかを、発射頻度、又は入球前範囲への球の到達頻度によって選択可能とすることができ、又、そのように遊技者に示唆する報知を実行することが想定される。
上記第25実施形態では、非固定連結棒部B25645を軸として左右一対の回転腕部B25641が相対回転可能となるように構成することで、左右の回転腕部B25641の姿勢に差が生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の回転腕部B25641が所定の連結部により連結固定される場合であっても、その連結部が柔軟に構成されていれば、連結部の変形により一対の回転腕部B25641に姿勢差を生じさせることができる。
また、左右一対の回転腕部B25641が単一の先端部材B25111から負荷を受けて変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、先端部材B25111が複数構成され、一対の回転腕部B25641に負荷を与える各部材として分離して構成されるようにしても良い。
この場合に、各先端部材B25111に対応して、異なるプランジャーを設けても良い。これにより、各先端部材B25111の前後位置が異なる状態を容易に形成可能となるので、プランジャーに対して先端部材B25111を強固に固定することができる。この場合であっても、励磁状態での先端部材B25111の位置はストッパーの設計次第で任意に設定することが可能なので、開放状態における各電動役物B640aの姿勢にずれが残る事態は回避することができる。また、プランジャーを複数設ける場合には、各プランジャーに駆動力を与えるソレノイドは1個でも良いし、複数のソレノイドを配設するようにしても良い。
上記第25実施形態では、切替装置B25700が、電動役物B640aの片方に予期せぬ負荷が与えられた場合には一対の電動役物B640aを連動させ、電動役物B640aの両方に予期せぬ負荷が与えられた場合には一対の電動役物B640aの変位を抑制する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動役物B640aに与えられる負荷の態様に関わらず、電動役物B640aの変位を抑制または規制するように切替装置B25700を構成しても良い。
上記第25実施形態では、電動役物B640a間で負荷伝達が生じる状態と、生じない状態とを、切替ソレノイドB25710の励磁の有無で切り替えられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達部材B25640の構成を工夫することで偏心突設部B640bを左右外方へ移動させる負荷を発生可能に構成しても良い。
例えば、一対の回転腕部B25641が、非固定連結棒部B25645の周囲に外接可能な寸法で延設される円筒形状部を備え、その円筒形状部同士が延設端で互いに面で当接するように構成する場合において、その当接面が回転軸BJ1と直交する平面に対して傾斜する傾斜面として形成されるようにしても良い。即ち、所謂、円筒または円板同士を近接離反させて当接状態と非当接状態とを構成し、三角形状爪や鋸刃形状爪で噛み合い可能に構成されるクラッチ機構に例示される形状を採用しても良い。
この場合、一対の回転腕部B25641に姿勢差が無い状態を基準として、回転腕部B25641に姿勢差が生じると、上記形状の噛み合い歯同士の噛み合い状態が変化して、その変化に伴って円筒形状部の左右位置を変化させることができる。
そして、回転腕部B25641の姿勢差が生じることで発生する上記の左右方向の変位を、偏心突設部B640bの変位に利用できるように構成することで、切替ソレノイドB25710を利用することなく第2入賞口640への入球を防止する作用を生じさせることができる。
上記第25実施形態では、電動役物B640aが第2入賞口640への入球を防止するように変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2入賞口640の鉛直上方において球が鉛直落下しないよう張出形成される屋根部材が配設される場合において、駆動ソレノイドB25110の励磁で電動役物B640aが傾倒変位する場合には屋根部材は変位しない一方で、駆動ソレノイドb25110の励磁によらず電動役物B640aが変位させられる場合に、屋根部材が移動可能に構成されたり、電動役物B640aの傾倒に合わせて左右に拡大可能に構成されたりすることで、電動役物B640aと屋根部材との隙間が拡大しないように変位する状態を構成可能としても良い。即ち、ソレノイドによる制御の有無で、屋根部材と電動役物B640aとの連動の有無の切替を行うようにしても良い。
上記第25実施形態では、切替部材B25720の素材を特に指定していないが、硬質樹脂でも良いし、軟質樹脂でも良いし、金属でも良い。なお、樹脂にした方が、切替部材B25720の変形により偏心突設部B640bに生じる応力を緩和することができる。
上記各実施形態では、可変入賞装置B1000〜B24000の備える球の経路を切り替え可能に構成される可動部材が、主に特定入賞口B1001,B1002への球の入球の可否を切り替えるために利用される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定の特定入賞口の下流側に配置され、球が通過することで遊技者が所定の利益を獲得可能に構成される特定領域への入球の可否を切り替えるための部材に利用されても良い。
この場合において、例えば、第1検出センサB1230の開口および、その下流側に特定領域を設ける一方で、第2検出センサB1250の開口および、その下流側に転落領域(球が入球することで大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態に移行する領域)を設けるように構成しても良い。この場合、第1検出センサB1230へ入球するか、第2検出センサB1250へ入球するかによって、遊技者が得られる利益が著しく変化するので、入球する球に対する遊技者の注目力の向上を図ることができる。
また、特に、上記第24実施形態の可変入賞装置B24000で説明したように、入球前範囲に球が到達するまで第1検出センサB1230の開口に入球可能か、第2検出センサB1250の開口に入球可能かが不明な場合には、入球前範囲に対する遊技者の注目力を向上し易くすることができる。
なお、第1検出センサB1230及び第2検出センサB1250の両方に入球する場合の検出態様については、種々の態様が例示される。例えば、入球個数が多い方を有効としても良いし、一方への入球が検出されたら他方への入球は無効とするようにしても良いし、所定個数目の入球(例えば、1個目や、最後の球)のみを有効とするようにしても良い。
上記各実施形態では、案内板B1300,B1500間の隙間を確保し、互いに擦れる箇所を極力減らすように構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、互いに当接する面積を確保する当接部を構成し、正常な状態で案内板B1300,B1500が一体で動作するように構成し、両案内板B1300,B1500を前方に変位させた後で、片側を後方へ退避させるようにソレノイドB1410,B1610を制御するようにしても良い。
この場合、当接部が次第に擦れ、一体で動作しなくなるタイミングを検出センサBSC221,BSC222によって検出することにより、可変入賞装置B1000の動作回数が所定値(限界値)に到達したことを判定することができる。この判定に基づいて、第3図柄表示装置81や音響装置等で報知することにより、可変入賞装置B1000が交換タイミングに達していることを把握し易くすることができる。
上記各実施形態では、正常検出パターンと検出センサBSC221,BSC222の出力との照合を行った結果、不一致の場合にエラー報知をしたり、通常中(可変入賞装置B1000〜B24000の可動部材が閉鎖状態を維持している状態)に検出センサB1230,B1250の開口を球が通過したと判定された場合にエラー報知をしたりすることについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技領域への発射球の進入を検出したら、所定の報知を実行するように制御しても良い。
例えば、遊技領域へ球が発射されたと判定した場合に、第3図柄表示装置81において、発射球の到達位置として狙うべき箇所や、好ましい発射のタイミングを、音、光または画像等(「ここを狙え」等の表示)によって遊技者に分かるように示す報知を実行するように制御しても良い。
この場合、その報知に基づいて、遊技者は球の発射強度を調整したり、球の発射を継続するか停止するかの選択をしたりという判断を行うことができる。換言すれば、報知に基づいて、より好ましい遊技態様で遊技しているという実感を遊技者に持たせることができるので、遊技者の不安の一部を取り除くことができ、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記各実施形態では、特定入賞口B1001,B1002の両方が案内板B1300,B1500の左右側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一方の特定入賞口B1001は案内板B1300,B1500の左右側に配置され、他方の特定入賞口B1002は案内板B1300,B1500の下側に配置されるようにしても良いし、または、他方の特定入賞口B1002を前方への傾倒で開閉する開閉板を設けて、その開閉板の後方に特定入賞口B1002を配設するようにしても良い。また、案内板B1300,B1500の下側の領域を区切り、その区切られた領域に特定入賞口B1001,B1002を配置するようにしても良い。これにより、可変入賞装置B1000の配置の自由度を向上することができる。
上記第28から第33実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第28から第33実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図205左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図205右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第28から第33実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第28から第33実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第28及び第29実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第29実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第30実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第31実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F−B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第31実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F−B方向)と鉛直方向(矢印U−D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第31実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第28、第29及び第31実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第32実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F−B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第33実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第29及び第33実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400, C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400, C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400, C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400, C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、
球が磁性部C2400, C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400, C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、磁性部C2400, C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400, C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400, C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第29、第32及び第33実施形態では、磁性部C2400, C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400, C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400, C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第29、第32及び第33実施形態では、磁性部C2400, C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400, C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400, C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<ランダム性を取り入れた演出>
作用手段と、その作用手段から作用を受けて変位可能に構成される変位手段とを備え、その変位手段の変位態様が複数態様となるよう構成される補助手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、液晶表示領域の正面側に変位可能に配置され、モータ等の駆動装置の駆動に伴い変位する変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の動作パターンが乏しく、液晶表示領域の正面側における演出が単調になり、遊技者の注目力が徐々に低くなってしまうという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、補助手段が変位手段の変位態様を複数態様にするという補助手段の働きにより、変位手段の変位を複雑にすることができる。これにより、遊技者を飽きさせることを防止でき、遊技者の注目力を高い状態で保つことができる。
なお、補助手段の具体例は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段が変位可能な空間を構成する箱状の空間構成手段でも良いし、作用手段とは別の駆動装置により変位し変位手段を押進することで変位手段の変位態様を変える押進手段でも良い。また、押進手段の駆動装置を、作用手段を駆動する駆動装置と兼用しても良い。
遊技機A1において、前記作用手段は、第1作用部で前記変位手段へ作用可能な第1状態と、第2作用部で前記変位手段へ作用可能な第2状態とを構成可能とされることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、作用手段が変位手段に作用する際の部分を異ならせることができるので、作用手段の作用時の動きが同じであっても、変位手段の変位態様を異ならせることができる。
遊技機A1又はA2において、前記作用手段は、前記変位手段に対して当接して負荷を与える当接手段を備え、その当接手段を介して複数種類の態様で負荷発生可能に構成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、当接手段を介して生じる負荷の態様が複数種類あることにより、変位手段の変位態様を複数種類とすることができる。
遊技機A3において、前記当接手段は、変位可能に構成され、前記変位手段に当接可能に構成される第1当接部と、前記変位手段に当接可能に構成され前記第1当接部とは異なる第2当接部とを備え、前記当接手段の変位方向と前記第1当接部(又は第1当接部の接線)との間の所定方向視での角度は、前記当接手段の変位方向と前記第2当接部(又は第2当接部の接線)との間の前記所定方向視での角度と異なるよう構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、当接手段の変位方向を変えることなく、変位手段に与えられる負荷の方向を異ならせることができるので、変位手段の変位を複数種類の方向で生じさせることができる。
遊技機A4において、前記当接手段は、前記第1当接部および第2当接部に引いた接線であって互いに平行な接線が、前記当接手段の前記変位方向に対して直交するよう構成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、当接手段の変位方向に沿う平面に対して平行な方向で変位手段に負荷を与えることができるので、エネルギー損失少なく変位手段を変位させることができる。これにより、変位手段の変位量を大きく確保することができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記作用手段を変位させるための負荷を発生可能に構成される負荷発生手段を備え、その負荷発生手段は、前記変位手段の配置がより密な位置で負荷を発生させるよう構成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段に負荷を効率よく伝達することができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記作用手段は、姿勢変化を許容する支持態様で支持され、前記姿勢変化は、前記変位手段の前記作用手段に対する配置の均衡を維持し易い側に生じることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、作用手段の姿勢変化によって、変位手段の配置の均衡を維持することができるので、作用手段の局所に過負荷が生じることを回避することができる。
なお、作用手段の姿勢変化が生じる原因は何ら限定されるものでは無い。例えば、変位手段からの負荷の均衡により生じても良いし、作用手段を姿勢変化させる駆動装置を設けるようにしても良い。変位手段からの負荷の均衡により作用手段の姿勢変化を生じさせる場合は、変位手段との対向部から作用手段の支持位置までの長さを複数種類設けることで、作用手段の姿勢変化のし易さを複数種類で生じさせることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記補助手段は、前記変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段を備え、その案内手段は、前記変位手段の一の方向への変位を案内可能な第1案内部と、前記変位手段の他の方向への変位を案内可能な第2案内部とを備え、前記第1案内部と前記第2案内部とは、前記変位手段と対向する面の形成態様が異なることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位方向に対応して、変位手段の変位態様を異ならせることができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記作用手段は、変位可能に構成され、その配置によって前記変位手段の均衡の保ち易さが変化するよう構成され、前記変位手段の均衡を保ち易い位置で前記変位手段に作用可能に構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、作用手段に対する変位手段の均衡を保ち易くすることができる。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記変位手段は、一または複数の部材を備え、それらは互いに結合しないよう構成されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかの奏する効果に加え、変位手段が複数の部材で構成される場合に、複数の部材が結合し固まりになることを防止することができるので、複数の部材が飛散する構成を容易に実現することができる。
遊技機A10において、前記一または複数の部材は、部材中心と異なる位置に重心が配置されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、作用手段に変位手段が配置される場合の、変位手段の姿勢を安定させることができる。
なお、重心の形成方法は何ら限定されるものでは無い。例えば、部材の密度を部分的に変化させる方法でも良いし、部分的に部材に孔を空ける方法でも良い。
<変位手段の変位する範囲に進退変位する進退手段による変化>
所定の範囲に配置可能に構成される配置手段と、前記範囲に対する進退方向へ変位可能に構成される進退手段とを備え、その進退手段は、前記範囲の所定部に進入することで、前記範囲の幅を変化可能に構成され、その幅の変化態様が複数種類となるように構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、左右に変位する第1可動部材と、その第1可動部材の変位に伴って第1可動部材の間に生じた範囲に進入する第2可動部材とを備える遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、範囲に第2可動部材が進入する際の変位態様が一通りしかなく、第2可動部材の変位態様に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、進退手段が、範囲に進入する場合の範囲の幅の変化態様が複数種類で構成されるので、配置手段の変位態様を複数種類で構成でき、配置手段の変位態様を改良することができる。
なお、配置手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、樹脂材料から形成される粒状の演出部材でも良いし、粉状部材でも良いし、液体でも良いし、遊技球でも良い。
また、進退手段の変位による範囲の幅の変化態様を複数種類で構成する方法は何ら限定されるものではない。例えば、進退手段の進入側部が傾斜面で形成され、範囲に入り込む幅が異なる部分を備えることで範囲の幅が変化するようにしても良いし、進退手段の変位幅を変化させることで範囲の幅を変化可能にしても良い。
遊技機B1において、前記範囲は、前記配置手段の出入りを防止可能に構成される箱状手段の内部に形成され、変化可能に構成され、前記進退手段は、前記範囲の非変化状態において進入する態様で変位可能に構成され、前記箱状手段は、前記進退手段を挿通可能であって、前記配置手段を挿通不能に形成される開放部を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、開放部を通して、範囲に進退手段を進入可能とされる一方、範囲からの配置手段の脱落を防止することができる。
なお、開放部の配置は何ら限定されるものでは無い。例えば、配置手段が到達し難い箇所に配置しても良い。この場合は、配置手段が誤って範囲の外方へ脱落する可能性を更に低くすることができる。また、開放部を配置手段からの負荷が生じにくい箇所(例えば重力方向の逆側としての上側)に配置しても良い。この場合は、配置手段からの負荷が変位中の進退手段に与えられ、進退手段の変位が妨害されたり、進退手段または配置手段に欠損が生じたりすることを回避することができる。
遊技機B1又はB2において、前記進退手段は、前記配置手段と当接する向きに対応して、前記配置手段を案内する方向が異なるように構成されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、同じ進退手段によって配置手段が異なる方向に案内されているように遊技者に見せることができる。これにより、演出の種類を増やすことができるので、配置手段および進退手段を利用した演出の演出効果を向上することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記進退手段は、前記範囲に進入した状態において、前記範囲の対向面との間の隙間が前記配置手段の幅長さに比較して短くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、配置手段が進退手段から遠い側に配置される場合であっても、進入した状態において、進退手段を配置手段に作用させることができる。
なお、進退手段と範囲の対向面との間に隙間が無いように構成しても良い。また、一部には隙間があって、他の部分で隙間が無いように構成しても良い。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記進退手段は、所定の軸を中心とした回転変位により前記範囲へ進入するよう構成され、進入側の先端において、前記軸から最も遠い代表先端部が前記範囲との間の隙間が最短となるように構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、軸からの位置ずれが最も大きくなり易い代表先端部が最初に範囲に進入するようにすることで、軸からの位置ずれに早期に対応することができ、その後に続く進入動作の抵抗を低減することができる。
遊技機B5において、前記代表先端部は、所定の張出部を備え、その張出部に対し前記軸方向に沿って遠ざかるほど、前記範囲から退く側に傾斜するよう形成されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、進退手段の進入過程において、配置手段を所定の張出部から遠ざけるように変位させることができる。
遊技機B6において、前記進退手段は、前記軸方向に前記張出部から離れた位置において、前記範囲側が開放される形状から構成されることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、進退手段の形状が、張出部から離れた位置において範囲側が開放される形状とされるので、張出部に押しのけられた配置手段の配置箇所を確保することができる。
なお、範囲側が開放される形状としては、種々の態様が例示される。例えば、進退手段の進入前において範囲側が開放される形状でも良いし、進退手段が進入した状態において範囲側が開放される形状でも良い。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、駆動力を発生可能な駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記進退手段に伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記伝達手段と前記進退手段とは、当接することで駆動力の伝達がされ、前記伝達手段と前記進退手段との当接面の接触面積が変化可能に構成され、その接触面積は、前記進退手段の前記範囲への進入初期に最大となり、その後減少するように構成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、進退手段が配置手段と当接開始することで大きな負荷が生じやすい進入初期に接触面積が最大となるように構成することで、接触面の単位面積あたりにかかる負荷を低減することができる。これにより、進退手段および伝達手段の耐久性を向上することができる。
なお、進退手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技領域外において変位する手段でも良いし、遊技領域内に変位する手段でも良い。
<伝達カムで2部材を同期動作させる>
駆動手段と、変位可能に構成され1又は複数の部材から構成される変位手段と、その変位手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記伝達手段は、第1の態様で前記変位手段の第1対象部に前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される第1伝達部と、前記第1の態様とは異なる第2の態様で前記変位手段の第2対象部に前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される第2伝達部とを備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段の変位に利用する駆動装置であって、変位手段を昇降変位させるための第1駆動装置と、変位手段を回転変位させるための第2駆動装置とを備える遊技機がある(例えば、特開2016−202210号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の動作演出を実行させるために、第1駆動装置と第2駆動装置とを同期させて複数の変位手段を変位させたとしても、駆動タイミングがずれる可能性を排除できず、変位手段の変位が不安定になり易いという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、伝達手段に第1伝達部および第2伝達部が配設されており、それぞれ変位手段の第1対象部または第2対象部に駆動力を伝達するよう構成されているので、第1対象部および第2対象部への駆動力の伝達の同期を自動的にとることができ、変位手段の変位を安定させることができる。
なお、駆動力が伝達される時期は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1対象部および第2対象部に同時に駆動力が伝達される態様でも良いし、駆動力が伝達される時期を分けても良いし、その組み合わせ(部分的に同時に伝達)でも良い。
また、第1対象部および第2対象部に同時に駆動力を伝達する場合には、駆動力の少なくとも一部の発生方向が重力方向に沿うように配置することが好ましい。これにより、駆動力伝達に自重を利用することができる。
遊技機C1において、前記第1対象部への駆動力伝達と、前記第2対象部への駆動力伝達とは、時期を分けて生じるよう構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、駆動抵抗の最大値を低く抑えることで、駆動手段に要求される駆動力を抑えることができる。
なお、ここで駆動力伝達とは、駆動力により伝達手段が変位する進行方向の負荷のことを意味するとしても良いし、進行方向を考慮せずに、駆動力により生じる変位で生じる負荷伝達としても良い。
遊技機C1又はC2において、前記変位手段は、前記第1対象部を有する第1部材と、前記第2対象部を有する第2部材とを備え、前記第1部材の変位軌跡と前記第2部材の変位軌跡とは、部分的に交わるよう構成され、前記第1部材は、所定配置において前記第2部材に当接可能に構成され、その当接した状態において、前記第1部材を介して前記第2部材へ駆動力を伝達可能に構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、変位手段へ駆動力が伝達される状態を、複数種類構成することができる。換言すれば、第2部材に伝達手段から直接的に駆動力が伝達される場合と、第1部材を介して間接的に駆動力が伝達される場合とを構成することができる。
遊技機C3において、前記第1部材が前記所定配置へ向けて変位する状態において、前記第2部材は前記第1部材と当接しない位置に退避可能に構成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、変位中の第1部材が第2部材と当接することを回避することができる。これにより、第2部材と第1部材との当接は、第1部材が所定配置に到着し停止した状態で生じるので、第2部材への駆動力伝達の態様の切り替わりを滑らかに生じさせることを容易にすることができる。
遊技機C3又はC4において、前記第1部材の状態は、前記伝達手段の配置と対応づけられることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、駆動力の伝達態様の切り替えを伝達手段の配置変化で行うことができるので、第1部材および第2部材の変位を安定させることができ、各部材の意図しない衝突または接触を避けることができる。
遊技機C3からC5のいずれかにおいて、前記第2部材を所定方向に付勢可能に構成される付勢手段を備え、前記第2部材への駆動力伝達は、前記付勢力に対抗する方向で行われ、前記第1部材は、前記所定配置において、前記第2部材に対して前記所定方向側に配置されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C3からC5のいずれかの奏する効果に加え、第2部材を第1部材に対して所定方向反対側に配置した状態で、第1部材を所定配置とすることができる。これにより、伝達手段の変位に伴い第2部材を付勢力に対抗して変位させるタイミングと、第2部材を付勢力に抗して留めるタイミングとを形成することができる。
遊技機C6において、前記伝達手段の前記第1伝達部が前記所定方向側へ変位する間に、前記第1部材が前記所定配置へ向けて変位するよう構成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第1部材の変位に必要な負荷の一部を、付勢手段の付勢力により発生させることができる。即ち、付勢力を補助的に利用することができる。
遊技機C3からC7のいずれかにおいて、前記第2伝達部は、前記第2部材と非当接となる非当接状態を形成可能とされ、前記非当接状態において、前記第2部材の変位を前記第2伝達部が妨害しないように前記第2部材が構成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C3からC7のいずれかの奏する効果に加え、第2部材の変位状態として、第2伝達部に押される変位状態と、第2伝達部とは離れた変位状態とを構成することができる。
遊技機C3からC8のいずれかにおいて、前記所定配置とされた前記第1部材と前記伝達手段との当接点から、前記所定方向と平行に延びる直線は、前記伝達手段の変位を所定の態様に規制する規制部を通ることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C3からC8のいずれかの奏する効果に加え、第1部材を介して伝達手段へ伝達される付勢力を規制部で遮断することで、駆動手段まで到達することを防止することができる(度合いを下げることができる)。
なお、規制部の態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、変位を規制することで変位態様をスライド変位に限定する案内部でも良いし、回転変位に限定する軸支部でも良い。
遊技機C1からC9のいずれかにおいて、前記変位手段の第1対象部は、前記駆動手段の駆動力を受けて変位したり停止したりする第1状態と、前記第2対象部から負荷を受けて変位したり停止したりする第2状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C1からC9のいずれかの奏する効果に加え、第1対象部の変位態様を複雑化することができる。
<負荷の発生を離れている時に限定することで、負荷伝達を遮断する>
駆動手段と、変位可能に構成される変位手段と、その変位手段へ前記駆動手段の駆動力を伝達可能に構成される伝達手段とを備える遊技機であって、前記変位手段に当接する当接状態と、前記変位手段に非当接な非当接状態とで状態変化可能に構成される第1手段を備え、その第1手段に外部から与えられる負荷を伝達する対象が切替可能に構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、駆動手段の駆動力により変位する一の可動体から構成される変位手段が、変位終端位置(上端位置)で他の可動体と当接し負荷を受け得る遊技機がある(例えば、特開2016−028623号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、他の可動体からの負荷が、変位手段を介して駆動手段に伝達される虞があり、制御による駆動手段の状態(例えば、モータの回転角度)と、実際の駆動手段の状態とに差異が生じる可能性があるため、駆動状態を安定させる観点から改善の余地があった。
また、駆動手段に与えられる負荷により、駆動手段の動作抵抗が不安定に増減し、駆動手段の劣化を早める可能性も考えられる。
これに対し、遊技機D1によれば、当接状態における負荷伝達を抑制可能に構成されることから、駆動手段の駆動状態を安定させることができる。また、駆動手段の動作抵抗の不安定な増減を抑制することで、駆動手段の耐久性を向上することができる。
なお、当接状態における負荷伝達の抑制の方法は、何ら限定されるものでは無い。例えば、当接部分において負荷を吸収可能な部材を介在させても良いし、負荷を生じさせる原因となる第1手段の変位(例えば、第1手段が外力を受けること)が、第1手段の非当接状態においてのみ生じるよう構成しても良い。
遊技機D1において、前記変位手段が前記第1手段から受ける負荷と、前記変位手段が前記伝達手段を介して受ける駆動力とが、同じ側を向くことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、第1手段からの負荷と、駆動力とが反対側を向く場合に比較して、変位手段が受ける負荷を低減することができる。
遊技機D1又はD2において、前記第1手段に衝突可能に配置される配置手段を備え、その配置手段の衝突は、前記伝達手段と、前記変位手段とが非当接の状態で生じるよう構成されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、配置手段の衝突が、伝達手段および変位手段の非当接の状態で生じるので、伝達手段および変位手段の間で負荷伝達を遮断することができる。
なお、配置手段の衝突は、第1手段の当接状態で生じても良いし、非当接状態で生じても良い。配置手段の衝突が非当接状態において生じる場合は、第1手段と変位手段との間の負荷伝達を遮断することができるので、伝達手段の配置(伝達手段と変位手段との当接の有無)に関わらず、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記伝達手段は、前記変位手段に当接可能に構成される当接部を備え、その当接部は、当接により生じる負荷の方向に撓める(変形できる)程度に柔軟に構成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、当接部の撓み(変形)により負荷を吸収することで、変位手段と伝達手段との間の負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記第1手段および前記変位手段は、当接可能に構成される第2当接部を備え、前記第1手段または前記変位手段の少なくとも一方の前記第2当接部は、衝撃吸収可能な材料から形成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、第2当接部により衝撃を吸収できるので、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、前記変位手段を付勢する付勢手段を備え、前記変位手段の待機位置は、前記付勢手段の付勢方向変位範囲端部に設定されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の待機位置(伝達手段からの負荷発生を待機する位置)がずれることを回避することができるので、第1手段と変位手段とが離れる位置まで伝達手段を高速動作する制御の、伝達手段の停止位置(高速回転開始位置)を適切な位置に配置し易い。これにより、駆動手段の制御を容易かつ適切に行うことができる。
また、第1手段および変位手段の配置の自由度を低くすることで、不用意に第1手段と変位手段とが当接することを回避することができる。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、前記第1手段は、前記配置手段の衝突に伴う姿勢変化を許容されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1手段の姿勢変化に配置手段からの負荷を利用することができるので、駆動手段への負荷伝達を抑制することができる。
遊技機D6又はD7において、前記第1手段と前記変位手段とが当接し、前記伝達手段と前記変位手段とが非当接とされることで前記第1手段が前記付勢手段の付勢力を受ける付勢状態と、前記伝達手段が前記変位手段と当接し、前記付勢手段の付勢力の方向の反対側へ前記変位手段を変位させており、前記付勢手段の付勢力の前記第1手段への伝達が無効とされる無効当接状態と、前記第1手段と前記変位手段とが離れている非当接状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6又はD7の奏する効果に加え、第1手段の状態(例えば、配置手段の衝突に対する姿勢変化のし易さの度合い)を複数種類構成することができる。
<正逆回転の一方の回転を条件付きで規制する>
所定位置を含む経路で変位可能に構成される変位手段を備え、その変位手段は、前記所定位置から変位態様の変わる基準点となる基準位置へ変位可能に構成され、その基準位置から、複数種類の態様で前記所定位置へ変位可能に構成されていることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、同一の可動役物を複数の演出で異なる動作をするよう制御する遊技機がある(例えば、特開2016−73517号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、異なる動作は、駆動装置の駆動方向の切り替わりの有無と対応しているので、駆動装置の駆動音から演出の種類が判別できてしまい、これから実行される演出について遊技者が予測できてしまうので、遊技者の興趣の向上という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、判別関与手段により、これから実行される演出を遊技者が判別し難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、変位手段の変位態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、当確演出と、外れ演出とで変位手段の変位を伴う異なる演出としても良い。この場合、変位手段の所定位置への変位態様が一通りであると、所定位置からの変位が生じる(例えば、駆動音が生じる)ことにより当確か否かが分かってしまう。一方、変位態様を複数通りとすることで、変位が生じた(例えば、駆動音が生じた)としても、当確か否かを分かり難くすることができる。
また、変位の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、経路でも良いし、変位速度でも良いし、変位の速度パターンでも良い。
遊技機E1において、前記変位手段を変位させるための駆動力を発生させる駆動手段と、前記変位手段の変位を規制する規制手段とを備え、その規制手段は、前記駆動手段が駆動力を生じていない状態において、前記変位手段の変位を規制可能に構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、変位手段の規制時に駆動手段の駆動音を消すことができるので、その後で再駆動した場合に、その駆動方向が正方向なのか、逆方向なのかを判別し難くすることができる。
また、変位手段の変位を規制した状態で長時間演出(ロングリーチ等)を実行する場合に駆動手段で駆動力を発生し続ける場合と異なり、駆動手段が発熱することを抑制することができる。
遊技機E1又はE2において、前記規制手段は、前記駆動手段の駆動力により変位手段に作用可能な位置へ変位することを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、規制手段を駆動するための駆動手段を別で設ける場合に比較して、駆動手段の配設個数を減らすことができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記複数種類の態様の内、どの態様で変位しているかを判別し難くする区間を有するように構成される判別関与手段を備えることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、判別関与手段により、所定区間で変位手段の変位態様の判別がし難いように構成することができるので、所定地点においてのみ変位態様の判別がし難い場合に比較して、変位態様の判別をし難いままでの変位手段の変位継続を行い易くすることができる。
遊技機E4において、前記区間において、前記変位手段の配置を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位手段を維持したままで、駆動手段の駆動方向切替を行うことが可能となる。これにより、駆動音から変位手段の変位態様の種類が発覚することを防止することができる。そのため、例えば、当否の報知前に駆動手段を駆動開始させるといった駆動制御が可能となる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記変位手段の位置を検出可能な検出手段を備え、その検出手段は、前記複数種類の変位態様での変位の内、実行可能な変位の切替を判定する判定手段と兼用されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の位置検出用のセンサと、変位態様切替判定用のセンサとを兼用することができるので、検出センサの配設個数を低減することができる。
<複数部材の一体感>
第1部材と第2部材とが変位可能に構成される遊技機であって、前記第1部材と前記第2部材とが近接する態様が、前記第1部材と前記第2部材とで異なるように構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に構成される第1部材および第2部材が、近接した状態を維持したまま昇降変位するよう制御する遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1部材および第2部材の変位は同一直線上で生じているので、近接する速度によっては、第1部材および第2部材が当接後に逆戻りする虞があり、見栄えが悪くなる可能性がある。即ち、変位速度に関わらず、演出態様を維持する観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、第1部材と第2部材との近接する態様を異ならせるようにしている。例えば、第1部材と第2部材との変位態様を同一直線上での近接とせず、別直線上での近接後に方向を変えて互いに近づくようにすることで、第1部材および第2部材の逆戻りを回避し、演出態様を維持し易くすることができる。
遊技機F1において、前記第1部材および前記第2部材の変位は、互いに近接するための第1区間と、互いに当接するための準備区間としての第2区間とに少なくとも分かれ、前記第1部材および前記第2部材は、前記第1区間と前記第2区間とにおける姿勢が異なるように構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、第1部材および第2部材の姿勢を、変位の目的に合わせて変化させることができる。
遊技機F1又はF2において、前記第1部材および前記第2部材の近接配置を維持する側へ向く負荷を発生可能な負荷発生手段を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、負荷発生手段により前記第1部材および第2部材の配置を維持することができる。
なお、負荷発生手段により生じる負荷は一定の方向の負荷や、一定の大きさの負荷に限定されるものでは無い。例えば、状況(例えば、遊技状態)によって受けやすい負荷(例えば、外力を生じる演出態様)が変化する場合には、それに合わせて負荷発生手段により生じる負荷の方向や大きさを変化させても良い。
また、負荷発生手段による負荷は常時生じている必要はない。例えば、上述の状況の変化に合わせて、負荷の発生と、負荷の解消とを切り替えるようにしても良い。なお、負荷発生手段は外部的なものでも良い。
遊技機F3において、前記第1部材または前記第2部材の少なくとも一方を変位させるよう構成され、その変位により所定状態を構成可能に構成される変位発生手段を備え、前記負荷発生手段は、前記変位発生手段と一体的に構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、負荷発生手段による負荷の発生タイミングと、第1部材および第2部材の配置との関係を適切に維持することができ、ずれたタイミングで負荷が生じることを防止することができる。
また、負荷発生手段の作用と、変位発生手段の作用とを互いに補完し合うことができる。例えば、負荷発生手段の負荷を利用して、変位発生手段で生じさせる第1部材または第2部材の変位を補助することができる。
遊技機F4において、前記所定状態は、前記第1部材の少なくとも一部が前記第2部材と当接する当接状態であることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1部材と第2部材との隙間を埋める態様の演出を実行し易くすることができる。
遊技機F4又はF5において、前記負荷発生手段は、前記所定状態において負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、所定状態を除く状態においてまで負荷発生手段の負荷が第1部材および第2部材に影響することを避けることができる。
遊技機F3からF6のいずれかにおいて、前記負荷発生手段は、前記第1部材または前記第2部材に対して、複数箇所で負荷を生じるよう構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F3からF6のいずれかにおいて、負荷発生手段が第1部材または第2部材に対して複数箇所で負荷を生じるので、一方向の変位に対する状態の維持に留まらず、第1部材または第2部材の姿勢変化に対する状態の維持も図ることができる。これにより、第1部材および第2部材が立体的に構成されている場合であっても、配置のずれが目立つことを避けることができる。
遊技機F7において、前記第1部材または前記第2部材は、前記負荷発生手段から負荷を受ける複数の被負荷部を備え、前記複数の被負荷部は、第1被負荷部と、その第1被負荷部よりも前記負荷発生手段に対する変位量が大きい第2被負荷部とを備え、前記負荷発生手段は、前記第2被負荷部よりも先に前記第1被負荷部に負荷を与えるよう構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、負荷発生手段からの負荷を段階的に第1部材または第2部材に与えることができる。また、第1被負荷部と、第2被負荷部とに与えられる負荷の役割を分けることができる。例えば、第1被負荷部を所定位置への配置の役割で、第2被負荷部を姿勢調整の役割で利用することができる。
遊技機F3からF8のいずれかにおいて、前記負荷発生手段は、重力に対向する側へ向く負荷を前記第1部材または第2部材に与える部分が、他の部分に比較して、前記第1部材または前記第2部材に対向する対向面の迎え長さが長く形成されることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F3からF8のいずれかの奏する効果に加え、第1部材または第2部材の自重による垂れ下がりに対応し易くすることができる。一方、他の部分については、第1部材または第2部材に対向する対向面を短く形成できるので、負荷発生手段の設計自由度を向上したり、対向面を隠しやすくしたりすることができる。
遊技機F3からF9のいずれかにおいて、前記第1部材および前記第2部材の組み付けは、前記第1部材および前記第2部材が離れた状態において可能に構成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F3からF9のいずれかの奏する効果に加え、組み付け作業で生じる負荷により第1部材または第2部材に割れや欠けが生じることを回避し易くすることができる。即ち、当接状態で組み付け作業をする場合に比較して、第1部材と第2部材との間で負荷伝達が生じることを避け易いので、第1部材および第2部材を欠損無く組み付けることができる。
これにより、第1部材および第2部材に設計通りの当接面を設けることができるので、隙間が生じている場合など、負荷発生手段による負荷により、かえって配置ずれが生じ易くなるという事態を防止することができる。
<変位手段のぐらつき状態を複数種類構成>
変位手段と、その変位手段を変位させる作用手段を備え、その作用手段は、前記変位手段の所定方向への姿勢変化を抑制するよう構成されることを特徴とする遊技機G0。
パチンコ機等の遊技機において、配置変化と回転とで構成される変位を可能に構成される変位手段を備える遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、アーム先端に配設される変位手段を支持する部分は、大径に形成されているものの、変位を確保するために隙間を設ける必要性から変位手段の姿勢変化に対する対策が十分でなく、変位手段の姿勢変化を抑制するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G0によれば、作用手段の構成により、変位手段の姿勢変化を抑制することができる。これにより、変位手段の変位が許容されるスペースが狭い場合であっても、そのスペースを形成する壁部材と変位手段との衝突が生じることを回避し易くすることができる。
なお、変位手段の姿勢変化の方向は、何ら限定されるものでは無い。例えば、横方向(水平方向等)に沿う直線を軸とした傾倒でも良いし、縦方向(鉛直方向等)に沿う直線を軸とした横振りでも良い。
遊技機G0において、前記作用手段は、前記変位手段の配置位置に対応して、前記変位手段の姿勢変化を抑制する作用力を増減可能に構成されることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、変位手段の配置に対応して、変位手段の姿勢変化の抑制の度合いを変化させることができる。これにより、変位手段の演出の自由度を高く維持しながら、変位手段の配置スペースを狭くすることができる。
例えば、変位手段が往復変位する場合には、変位方向の切換が行われる変位終端において変位手段の姿勢が崩れやすい傾向があるところ、変位終端に変位手段が配置された際に作用力発生位置を増やすことで、変位手段の姿勢の崩れを抑制することができる。
また、例えば、変位手段に搭載されている駆動力で、変位手段自体が拡大縮小変位したり、回転変位したりする場合も、変位手段の姿勢が崩れやすい傾向があるので、その駆動力発生位置において作用力発生位置を増やすことで、変位手段の姿勢の崩れを抑制することができる。
遊技機G0又はG1において、前記作用手段は、前記変位手段の重心を通る水平面上に配置される複数の主支持手段で前記変位手段を支持するよう構成されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G0又はG1の奏する効果に加え、作用手段が変位手段の重心位置の水平面上の複数の主支持手段で変位手段を支持するので、変位手段の傾倒を防止し易くすることができる。
遊技機G2において、前記作用手段は、前記主支持手段の配置される水平面とは異なる位置で前記変位手段を支持する補助支持手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、主支持手段および補助支持手段で、一直線上に配置されてはいない3点以上の支持点で変位手段を支持するので、変位手段の姿勢変化を全方位で抑制することができる。
遊技機G3において、前記補助支持手段は、前記作用手段に対する前記変位手段の変位を案内する案内手段としても機能することを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、補助支持手段を、支持力発生位置としてだけでは無く、変位を案内する位置としての機能を付加することができる。
遊技機G1において、前記変位手段は、所定方向視の面積が増減する態様で変位可能とされ、前記作用手段は、前記変位手段の変位終端位置で、作用力発生位置が最大となるよう構成されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、変位手段の面積増大演出が最も効果的となる変位終端位置において、複数点で変位手段に対して作用力を発生させることができるので、変位手段の姿勢変化を効果的に抑制することができる。
更に、変位手段の変位中における作用力発生位置を相対的に減らすことにより、変位手段の変位抵抗を減らし変位を滑らかにすることができる。即ち、変位手段の変位中は、その変位に伴う慣性により姿勢維持し易い状況にあるので、作用力発生位置をむやみに増加させると作用力が過剰となり、変位手段の変位抵抗が只々上昇し、駆動装置が大型化するという問題点が想定される。
これに対し、変位終端位置以外の位置では作用力発生位置を減らすように構成することで、変位手段の変位抵抗が過剰となることを避け、駆動装置の大型化を避けることができる。
<プロペラユニットの配線案内>
変位手段と、その変位手段に接続される電気配線と、その電気配線の所定部を変位可能に構成される電気配線変位手段とを備え、その電気配線変位手段は、前記変位手段が前記所定部に近づく側へ変位する場合に、前記変位手段を避ける側に前記所定部を変位可能に構成されることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段に接続される電気配線を、変位手段に連動する長尺部材に添わせ、電気配線の配置を限定する遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段と電気配線との接触を避ける目的から、変位手段が電気配線を超えて変位し続けるよう構成することが困難であり、変位手段の変位終端よりも外方に電気配線を配置するためのスペースが必要となるので、変位手段の配置自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、電気配線変位手段により、電気配線の所定部を、変位手段を避ける側に変位可能に構成されているので、変位手段と電気配線との接触を積極的に避けることができるので、変位手段が電気配線を超えて変位するように構成することができる。従って、変位手段の配置自由度を高くすることができる。
なお、変位手段が所定部に近づく場合は、何ら限定されるものでない。例えば、所定部が止まっていたら変位手段と所定部とが接触する危険がある場合でも良いし、所定部と変位手段との間の距離が基準の長さよりも近づく場合としても良い。
遊技機H1において、前記変位手段は、少なくとも第1方向と第2方向とで変位可能に構成され、前記所定部は、前記第1方向および前記第2方向と直交する第3方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第1方向および第2方向により形成される所定平面における変位手段の変位量が電気配線に制限されることを避けることができる。
遊技機H2において、前記第1方向および前記第2方向は、所定の方向視と直交する平面と平行な方向とされることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、所定部の変位する変位方向を所定の方向視に沿う方向とすることができるので、電気配線が変位することで所定の方向視における見え方に生じる影響を小さくすることができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記所定部に対して前記変位手段の反対側に配置される前記電気配線の第2所定部を停留させる停留手段を備え、前記電気配線変位手段は、前記第2所定部が前記停留手段に対して変位し易くなるように構成されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、停留手段に配置される電気配線の第2所定部の耐久性を向上することができる。
なお、第2所定部が停留手段に対して変位し易くなる構成は、何ら限定されるものではない。例えば、停留手段において第2所定部が渦巻き状に配設される場合において、その渦巻きの外周部の接線方向に沿って第2所定部を押し込む態様でも良いし、第2所定部が可動部材に案内される場合において、その可動部材を変位させるよう第2所定部または可動部材を押し込む態様でも良い。
遊技機H4において、前記停留手段は、前記変位手段の前記第1方向の変位終端よりも外方に配置されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、停留手段が変位手段の第1方向の変位終端よりも外方に配置されるので、停留手段を変位手段が変位する平面側に張り出して構成することができる。これにより、停留手段の電気配線の収容量を増やすことができるので、停留手段との離間分を第2所定部で補う変位手段の変位量をより大きくすることができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記電気配線変位手段は、変位手段と一体に構成され、前記変位手段の配置に対応して、前記電気配線変位手段の配置を変化させる対応変化手段を備えることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、対応変化手段により、電気配線と変位手段との相対配置を適切に管理することができる。
<電チュー通した球の流路>
遊技領域と、その遊技領域から排出された遊技球を流下させる流下手段とを備え、その流下手段は、前記遊技領域から排出された遊技球を視認可能に構成される区間を備えることを特徴とする遊技機I0。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域を構成するベース板がベニヤ板で構成される遊技機がある(例えば、特開2017−80178号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技領域から排出された遊技球がベース板の背面側へ流れると、ベース板で隠れてしまい、遊技者は遊技球を視認することができない。そのため、遊技者は遊技球を見失う事態が生じ易く、排出タイミングに注目していないと、遊技領域から突然、遊技球が無くなったかのような印象を受ける可能性がある。
また、排出タイミングに注目していたとしても、昨今のパチンコ機では、入賞口とアウト口とが近接配置されている場合が多く、実際はアウト口に入球したのにも関わらず、入賞口に入球したものと見間違える可能性がある。この場合には、賞球の払い出しが無いことに対して不信感を覚える可能性がある。即ち、従来の遊技機では、遊技領域からの遊技球の排出に改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機I0によれば、流下手段が、遊技領域から排出された遊技球を視認可能な区間を備えて構成されるので、遊技者は、その区間を流下する遊技球を目視することで、遊技球が遊技領域からどのように配置されたのかを確認することができる。これにより、遊技領域からの遊技球の排出を改良することができる。
なお、遊技領域からの遊技球の排出は、遊技領域から遊技球が排出される態様の全般を意味する。例えば、賞球口を通り排出される場合でも良いし、賞球の無いアウト口を通り排出される場合でも良い。
遊技機I0において、前記遊技領域を流下した遊技球が通過可能に配置され、遊技球が通過することに基づいて遊技者に所定の利益を付与可能に構成される利益付与手段を備え、前記流下手段は、前記利益付与手段よりも上側において前記利益付与手段へ近づく側へ遊技球を案内可能に構成される第1構成部と、その第1構成部よりも下流側に配設され、前記利益付与手段よりも上側において前記利益付与手段から離れる側へ遊技球を案内可能に構成される第2構成部とを備えることを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、流下手段を流下する遊技球を視認することで遊技球が遊技領域からどのように排出したかを遊技者が把握可能にすると共に、その遊技球が下側の利益付与手段に近づくことを回避することができる。これにより、既に遊技領域から排出された遊技球と、依然として遊技領域を流下している遊技球とを利益付与手段の付近において明確に見分けることができるので、遊技者が遊技を快適に行うことができるように図ることができる。
なお、所定の利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、賞球の払い出しでも良いし、第1図柄や第2図柄等の図柄の抽選でも良いし、その他の利益でも良い。
遊技機I0又はI1において、前記遊技領域の内方に形成される注目手段と、その注目手段の周りに枠状に配設される枠手段とを備え、前記流下手段は、正面視において前記枠手段の内方側へ遊技球を流下させるように構成されることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、流下手段によって、注目手段に注目している遊技者の視界に遊技領域から排出された遊技球を進入させることができる。これにより、遊技者が注目手段に注目している状況においても、遊技球が遊技領域から排出されたことを把握させることができる。
なお、注目手段としては何ら限定されるものでは無く、種々の態様が例示される。例えば、導光板(イルミネーションプレート)でも良いし、図柄が変動表示される液晶表示手段でも良いし、モータなどの駆動手段で変位可能に構成される可動役物でも良いし、LED等の発光手段でも良い。
遊技機I2において、前記流下手段は、前記注目手段の内方側において遊技球を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、注目手段に注目している遊技者の視界に遊技球が滞在する期間を長くすることができる。
<盤面意匠部分、導光板周りの工夫>
発光手段を備える所定基板と、所定方向視において前記所定基板の少なくとも一部の手前側に配置される被配置手段と、を備え、前記所定基板は、前記所定方向視で視認される面積が、前記発光手段から照射される光が視認される面積に比較して小さくなるように配置されることを特徴とすることを特徴とする遊技機J0。
パチンコ機等の遊技機において、遊技領域が前面に構成されるベース板の背面側にLED等の発光手段を有する電飾基板が配置され、その電飾基板の板面とベース板の板面とがほぼ平行に配置される遊技機がある(例えば、特開2006−333887号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、正面視において視認される電飾基板の面積が大きいので、電飾基板の正面側に配置される装飾部材にLED光を照射する場合に、その視界に電飾基板が入り込み、装飾部材と電飾基板とが前後で重なっているように視認される可能性がある。
電飾基板の表面には、回路や抵抗等の機能上必要となる構成が配置されているのみであり、通常、意匠性の高いものでは無い。そのため、装飾部材と電飾基板とが前後で重なって視認される場合には、見栄えが悪く、遊技者の興趣を低下させる可能性があった。即ち、従来の遊技機では、所定基板の演出効果に改善の余地があった。
これに対し、遊技機J0によれば、所定方向視で視認される所定基板の面積が、照射される光の面積に比較して小さくなるように所定基板を配置しているので、少なくとも、所定基板と重なることなく光のみを視認可能な領域を構成することができる。これにより、所定基板の演出効果を向上させることができる。
なお、所定基板の配置は、何ら限定されるものでは無い。例えば、部分的に隠されることで、視認される面積が小さくされても良いし、全体が遮蔽されることで視認される面積が無いような態様でも良い。
なお、所定基板に配置される発光手段から照射される光の光軸は、任意に設定可能である。例えば、所定基板の厚さ方向に光軸が向けられるものでも良いし、所定基板の厚さ方向に対して直角な方向に光軸が向けられるものでも良いし、その間の角度で光軸が向けられるものでも良い。
なお配置手段の光透過性は、何ら限定されるものではない。例えば、光透過が良好に構成しても良いし、低透過性に構成しても良いし、光透過性の程度を部分ごとに変化させても良い。
遊技機J0において、前記被配置手段は、前記所定基板の両面側に配置され前記発光手段から照射される光の進行方向を変化させる複数の方向変化手段を備え、前記複数の方向変化手段の間に、その方向変化手段に比較して光透過率が低い低透過手段が配設され、所定方向視において、前記所定基板は、少なくとも一部が前記低透過手段の内側に配置されることを特徴とする遊技機J1。
遊技機J1によれば、遊技機J0の奏する効果に加え、所定基板を低透過手段により隠すことができる。これにより、所定基板が視認される範囲を狭めることができる。
なお、方向変化手段としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、導光板やイルミネーションプレートでも良いし、駆動装置で変位可能に構成される可動役物でも良いし、遊技球が流下する遊技領域や流路でも良いし、固定配置されるケース部材や装飾部材でも良い。
遊技機J1において、前記低透過手段は、所定の模様や図形の形状を構成する形状部の少なくとも一部であることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、低透過手段を所定の模様や図形の形状に紛れさせることができるので、遊技者に違和感を与えることを回避することができる。
なお、所定の模様や図形の形状としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、窓枠等の枠形状の骨部でも良いし、タイヤ等の回転体の軸と回転外周部とをつなぐ骨部でも良いし、任意の文字列と模様とで構成され一連の意味内容を表現する意匠(例えば、タイトルロゴ)の一部でも良い。
遊技機J0からJ2のいずれかにおいて、前記所定基板は、前記所定方向に板の端面を向けて配置されることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、所定基板の所定方向視における面積を最小化することができる。
遊技機J3において、所定方向視で視認可能な表示演出を実行する表示手段と、その表示手段の前方に配置される遊技領域とを備え、前記所定基板は、前記表示手段の表示領域と、前記遊技領域との所定方向視における境界に配置されることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、所定基板が境界に配置されることで、遊技領域の背面から光を正面側へ照射し、全体的に光演出を実行する場合と異なり、所定基板から表示領域側のみに光を照射する演出や、遊技領域側のみに光を照射する演出を実行することができる。
遊技機J4において、前記所定基板は、前記遊技領域を前面側に構成する遊技盤に固定配置されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、所定基板が遊技盤に固定配置されるので、例えば、可動役物等が配設される背面ケースの内側面に固定配置される場合に比較して、発光手段の配置の自由度を向上することができる。
また、発光手段に電気を供給する電気配線を、遊技盤の背面を伝って背面ケースの外方に案内することができるので、遊技盤の窓部から背面ケース側を視認される場合であっても、特別広い視野で見まわさないと遊技盤の背面まで見ることは不可能なので、遊技者に電気配線が見られることを防止し易くすることができる。
更に、背面ケースの中央部に液晶表示装置が配設される場合、所定基板の配置スペースは液晶表示装置の外側に限定されることになるが、遊技盤の背面に所定基板を配置する方法であれば、液晶表示装置の大きさに制限されずに、任意位置で所定基板を配置することができる。従って、所定基板の配置自由度を向上することができる。
<出荷時の役物位置ずれを防止するロック部材>
変位手段と、その変位手段の変位を制限可能に構成される制限手段とを備え、その制限手段は、前記変位手段に作用可能な第1状態と、前記変位手段に作用不能な第2状態とで状態変化可能に構成され、前記第1状態において、変位手段の所定方向の移動を抑制するよう構成されることを特徴とする遊技機K1。
パチンコ機等の遊技機において、待機位置から液晶表示領域の前方に下降変位する可動役物(変位手段)を備える遊技機がある(例えば、特開2015−231434号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、変位手段の配置固定および解除の観点で改良の余地があるという問題点があった。
即ち、遊技機は設置された後において正常に動作可能となるように構成されている一方で、出荷時等の遊技機に大きな振動や外力が加わり得る状況に対してまで可動役物の固定が機能するようには構成されていない。
そのため、出荷時に可動役物を固定するための対処として、可動役物が変位する範囲に緩衝材を詰めるなどして可動役物の変位を抑制し、遊技ホールに到着した後で緩衝材を抜き取るという手段をとっていたが、遊技盤の中央の開口部が閉塞された構成の場合、緩衝材を容易に抜き取ることができず、遊技ホールの負担が多大となる可能性がある。
これに対し、遊技機K1によれば、制限手段を状態変化させることで、変位手段の変位に対する制限を解除することができるので、変位手段の配置固定および解除を良好とすることができる。
一方、緩衝材を抜き取る場合と異なり、制限手段を抜き取ってはいないので、遊技中に生じ得る外力によって容易に状態変化が生じるようでは遊技を継続し難い。これに対し、制限手段が第1状態において、意図しない状態変化を抑制するよう構成されることにより、遊技中の不具合の発生を抑制することができる。
遊技機K1において、前記制限手段は、非通電時において、前記第1状態と前記第2状態とで状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、制限手段の状態変化を遊技機の非通電時に生じさせることができるので、制限手段の誤動作の発生を抑制することができる。これにより、停電状態や、停電状態からの復旧作業において、作業者の作業が困難となることを防止することができる。
遊技機K1又はK2において、前記制限手段の操作部を所定方向に付勢する付勢手段を備え、前記制限手段は、前記操作部が基準位置から前記所定方向の反対側へ所定量変位することに伴い状態変化するよう構成され、前記操作部は、前記付勢手段の付勢力により前記基準位置から前記所定方向へ離れるように変位可能とされ、前記第2状態において前記基準位置から前記所定方向へ離れた離間位置に配置されることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K1又はK2の奏する効果に加え、第2状態において操作部が基準位置から離れた離間位置に配置されるので、扉の開閉等、設置後の遊技機に与えられ得る外力によって、制限手段の状態変化に要する所定量の変位が生じることを回避することができ、制限手段が第2状態から状態変化することを防止し易くすることができる。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、前記制限手段の操作部は、変位手段が変位可能な領域を構成する領域構成手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかの奏する効果に加え、操作部が領域構成手段の外方に配置されるので、操作手段の操作に伴い変位手段が変位したとしても、変位手段が作業者に接触することを避けることができる。
遊技機K1からK4のいずれかにおいて、前記制限手段の操作部を所定方向に付勢する付勢手段を備え、前記制限手段は、前記操作部が基準位置から前記所定方向の反対側へ所定量変位することに伴い状態変化するよう構成され、前記制限手段は、前記操作部の前記所定方向の変位を案内する案内手段を備え、その案内手段は、前記所定方向と交差する方向への前記操作部の変位許容幅(姿勢変化幅)を確保するよう構成されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K1からK4のいずれかの奏する効果に加え、操作手段の変位が、所定方向と交差する方向へも可能となるように構成されることから、操作部に方向不明の負荷が与えられた場合に、容易に所定方向に変位することを防止することができ、操作部が所定量変位することを防止し易くすることができる。これにより、扉の開閉などで生じる意図しない外力により、制限手段が状態変化することを回避することができる。
遊技機K5において、前記操作部は、前記案内手段と係合可能に構成される係合部を備え、前記付勢手段は、前記操作部の中心に配置され、前記係合部は、前記操作部の中心から離れた位置に配置されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、制限手段の第1状態において、制限手段に方向不明の外力が与えられたとしても、操作部は、係合部を支点とした変位(姿勢変化)をするに留まり、状態変化に要する所定量の変位を生じることを防止することができる。従って、扉の開閉等の外力や、出荷時の振動等により、制限手段が第1状態から第2状態へ状態変化することを防止することができる。
遊技機K6において、前記制限手段は、左右位置側の支持軸で回動可能に構成される前記領域構成手段の背面側に配設され、前記係合部は、前記支持軸の反対側に配置されることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、制限手段の係合部を押し込むことで容易に制限手段の状態を変化させることができることから、遊技ホールの店員が、前扉を開放して制御手段を操作する場合の操作を容易にすることができる。即ち、前扉を開放した場合に、開放幅が大きくなる側(支持軸の反対側)に係合部が配置されるので、制限手段の操作位置を、より手前側にすることができる。
遊技機K7において、前記制限手段は、前記領域構成手段の支持軸側に配設されることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、制限手段が支持軸側に配設されるので、前扉を開放して作業する作業者が、誤って制限手段に触れることを防止することができる。
加えて、支持軸の反対側に配設される場合に比較して、前扉の開閉時に制限手段に与えられる負荷を小さくすることができるので、前扉の開閉に伴う衝撃で制限手段が状態変化することを防止することができる。
遊技機K1からK8のいずれかにおいて、前記第1状態において、前記変位手段は前記制限手段の変位を案内するよう構成されることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K1からK8のいずれかの奏する効果に加え、制限手段単体の変位の案内精度を落とした状態で、制限手段が変位手段に作用する場合の変位の案内精度は向上することができる。
遊技機K1からK9のいずれかにおいて、前記第1状態で通電した場合に、その通電状態の継続を防止するよう報知する防止報知手段を備えることを特徴とする遊技機K10。
遊技機K10によれば、遊技機K1からK9のいずれかの奏する効果に加え、防止報知手段により、制限手段の状態を第1状態から切り替えるよう報知することができる。
なお、報知の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、エラー表示を液晶表示装置に表示することで報知しても良いし、スピーカーから報知音を出力することで報知しても良いし、所定の照明手段を光らせる(又は消灯状態で維持する)ことで報知しても良い。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、前記収容体には、前記操作手段に対応する位置に開口が形成されることを特徴とする遊技機L0。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。基板ボックスは、封印されており、制御基板に不正が加えられることが抑制されている。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板に操作手段が設けられている場合に、その操作手段を操作するためには、基板ボックスを開封する必要がある。そのため、手間がかかるという問題点があった。
遊技機L0によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、収容体には、操作手段に対応する位置に開口が形成されるので、開口を介して操作手段を操作することができる。即ち、操作手段を操作する際に収容体を開封することを不要とできる。よって、手間を抑制できる。
<基板ボックスA100、A2100(被覆部A270,A2270)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記操作手段は、前記収容体の開口に対面する第1面を備え、前記収容体は、前記操作手段の第1面に対向する対向部を備えることを特徴とする遊技機M1。
遊技機M1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、操作手段は、収容体の開口に対面する第1面を備え、収容体は、操作手段の第1面に対向する対向部を備えるので、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M1において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記対向部は、前記操作手段の第1面のうちの前記操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、対向部は、操作子の第1面のうちの操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されるので、操作子の操作手段への差し込み及びその差し込んだ操作子の変位が阻害されることを抑制しつつ、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M1又はM2において、前記対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されるので、形状を簡素化して、成形性を確保できる。その結果、歩留まりを向上させ、製品コストを低減できる。
遊技機M3において、前記対向部には、突部が突設されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、対向部には、突部が突設されるので、対向部の剛性を高め、その破損を抑制できる。
なお、突部は、すじ状に延設される突条として形成されていても良い。
遊技機M4において、前記突部は、前記対向部における前記操作手段の第1面に対向する側の面から突設されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、突部は、対向部における操作手段の第1面に対向する側の面から突設されるので、対向部と操作手段の第1面との間の隙間を小さくして、かかる隙間から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M5において、前記突部は、前記操作手段の第1面に当接されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、突部は、操作手段の第1面に当接されるので、かかる当接箇所では、対向部と操作手段の第1面との間の隙間を無くして、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、突部が操作手段の第1面に当接されていることで、操作手段へ操作子を差し込む際に、対向部が操作子により差し込み方向へ押されても、その差し込み方向へ対向部が変形することを抑制できる。よって、対向部の基端側が破損することを抑制できる。
なお、対向部は、基端が固定され一端が自由な状態の板状に形成されるので、対向部の弾性変形を利用して、突部を当接させた状態の形成と、その維持(即ち、密着度を高めて、針金等の異物が挿入されることを抑制)とを達成できる。
遊技機M3からM5のいずれかにおいて、前記突部は、すじ状に延設される突条として形成されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M3からM5のいずれかの奏する効果に加え、突部は、すじ状に延設される突条として形成されるので、対向部の剛性をより高めることができると共に、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制しやすくできる。
遊技機M1からM7のいずれかにおいて、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記対向部は、前記操作手段に差し込まれた前記操作子に縁部が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機M8。
ここで、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も傾倒され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。また、操作手段に差し込まれた操作子の変位(例えば、回転)が過大となると、その変位の方向へ操作手段も変位され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。これらの場合、操作手段が対象物から脱落する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が折れる)虞がある。
これに対し、遊技機M8によれば、遊技機M1からM7のいずれかの奏する効果に加え、対向部は、操作手段に差し込まれた操作子に縁部が当接可能に形成されるので、操作子(即ち、操作手段が傾倒する際の支点からより遠い位置)を対向部の縁部に当接させて、操作子の傾倒や過大な変位を抑制できる。その結果、操作手段の傾倒や過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M1からM8のいずれかにおいて、前記収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M1からM8のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えるので、操作手段と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
ここで、操作手段が、操作子が差し込まれて変位されることで操作されるものである場合、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も傾倒され、操作手段の根本(対象物との連結部分)への負荷が大きくなる。この場合、操作手段が対象物から脱落する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が折れる)虞がある。
これに対し、遊技機M9によれば、操作手段の一端側に被覆部が被さっているので、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M9において、前記操作手段の前記一端側とは反対の基端側における外形が、前記被覆部の内形よりも大きくされることを特徴とする遊技機M10。
遊技機M10によれば、遊技機M9の奏する効果に加え、操作手段の一端側とは反対の基端側における外形が、被覆部の内形よりも大きくされるので、操作手段の基端側と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M9又はM10において、前記被覆部または前記操作手段の一方は、膨出して形成される膨出部を備え、前記被覆部または前記操作手段の他方は、前記膨出部を受け入れる受入部を備えることを特徴とする遊技機M11。
遊技機M11によれば、遊技機M9又はM10のいずれかの奏する効果に加え、被覆部または操作手段の一方は、膨出して形成される膨出部を備え、被覆部または操作手段の他方は、膨出部を受け入れる受入部を備えるので、膨出部と受入部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M11において、前記膨出部および受入部が周方向に部分的に形成されることを特徴とする遊技機M12。
遊技機M12によれば、遊技機M11の奏する効果に加え、膨出部および受入部が周方向に部分的に形成されるので、膨出部と受入部とを当接させて、操作手段の過大な変位(特に、周方向への変位(回転))を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機M1からM12のいずれかにおいて、前記収容体は、その内面から立設され立設先端が前記対象物に当接する立設壁を備えることを特徴とする遊技機M13。
遊技機M13によれば、遊技機M1からM12の奏する効果に加え、収容体は、その内面から立設され立設先端が対象物に当接する立設壁を備えるので、かかる立設壁を、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として機能させることができる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13において、前記立設壁は、前記操作手段を取り囲む形態に形成されることを特徴とする遊技機M14。
遊技機M14によれば、遊技機M13の奏する効果に加え、立設壁は、操作手段を取り囲む形態に形成されるので、収容体の内部へ侵入するための経路を遮断することができる。即ち、開口から針金等の異物が挿入されても、それ以上の挿入を規制できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13又はM14において、前記対象物は電子部品が搭載される制御基板として形成され、前記制御基板の回路に前記電子部品をハンダにより接続する面が、前記操作手段が配設される側とは反対側の面に設定されることを特徴とする遊技機M15。
遊技機M15によれば、遊技機M13又はM14の奏する効果に加え、対象物は電子部品が搭載される制御基板として形成され、制御基板の回路に電子部品をハンダにより接続する面が、操作手段が配設される側とは反対側の面に設定されるので、立設壁の立設先端を対象物(制御基板)に密着させやすくして、対象物(制御基板)と立設壁との間に隙間が形成されることを抑制できる。よって、立設壁を、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁として確実に機能させ、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M13からM15のいずれかにおいて、前記立設壁は、板状に形成され、立設先端の厚み寸法が小さくされることを特徴とする遊技機M16。
遊技機M16によれば、遊技機M13からM15のいずれかの奏する効果に加え、立設壁は、板状に形成され、立設先端の厚み寸法が小さくされるので、対象物へ当接させた立設先端における面圧を高めて、対象物と立設先端との間から針金等の異物が挿入されることを抑制できる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M16において、前記立設壁の立設先端は、前記操作手段側の面にテーパ面が形成されることで、立設先端の厚み寸法が小さくされることを特徴とする遊技機M17。
遊技機M17によれば、遊技機M16の奏する効果に加え、立設壁の立設先端は、操作手段側の面にテーパ面が形成されることで、立設先端の厚み寸法が小さくされるので、成形性の向上を図りつつ、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。即ち、テーパ面とすることで、形状変化を緩やかとして、成形型内での樹脂の流動性を確保できる。一方で、立設壁の立設先端が対象物に当接されると、テーパ面と対象物とにより溝を形成できる。よって、開口から挿入された針金等の異物の先端を、上述した溝に沿って移動(誘導)することができる。即ち、立設壁と対象物との間を通過させ難くできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機M9からM12のいずれかにおいて、前記収容体は、第1領域と、その第1領域よりも前記対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、前記第2領域から前記被覆部が突設されることを特徴とする遊技機M18。
遊技機M18によれば、遊技機M9からM12のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、第1領域と、その第1領域よりも対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、第2領域から被覆部が突設されるので、被覆部の突設高さを高くできる。よって、操作手段に被覆部が被さる領域(針金等の異物の挿入を抑制する領域、及び、操作手段に当接してその操作手段の傾倒や変位を抑制する領域)をより大きくできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることの抑制と、操作手段が対象物から脱落することの抑制とを図ることができる。
遊技機M9からM12のいずれかにおいて、前記被覆部は、前記収容体の外面から突設され、その被覆部の突設先端側に前記開口が形成されることを特徴とする遊技機M19。
遊技機M19によれば、遊技機M9からM12の奏する効果に加え、被覆部は、収容体の外面から突設され、その被覆部の突設先端側に開口が形成されるので、針金等の異物の先端を開口へ到達させ難くできる。
例えば、遮蔽物などにより開口を視認できず、針金等の異物の先端を開口へ直接挿入することが困難な場合、針金等の異物の先端を収容体の外面で摺動させて開口へ到達させる方法が行われる。これに対し、遊技機M19によれば、針金等の異物の先端を収容体の外面で摺動させた場合に、その針金等の異物の先端を被覆部の外面に突き当たらせて、それ以上の進行を止めることができる。即ち、被覆部の外面を、針金等の異物の摺動を規制する壁として機能させることができる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
<基板ボックスA100(立設壁A280,A290)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記収容体は、前記操作手段または前記操作子の外面に当接可能に形成されることを特徴とする遊技機N1。
ここで、操作手段に差し込まれた操作子が傾倒されると(例えば、作業者が操作子を不用意に横方向へ操作したり、収容体が配設された部材を不用意に開閉させて、他の部材に衝突された操作子が横方向へ押圧されると)、操作手段も変位(対象物に対して傾倒)される。この場合、変位(傾倒)された操作手段が破損する(例えば、操作手段と対象物とを連結する連結部が抜けたり折れる)虞がある。
これに対し、遊技機N1によれば、遊技機L0の奏する効果に加え、収容体は、操作手段または操作子の外面に当接可能に形成されるので、操作手段または操作子を収容体で受け止めて、操作手段の変位を抑制できる。その結果、操作手段の破損を抑制できる。
遊技機N1において、前記収容体は、その内面から立設され立設先端が前記対象物に当接する立設壁を備えることを特徴とする遊技機N2。
ここで、変位(傾倒)された操作手段を収容体が受け止める構成であると、収容体が変形し破損する虞がある。
これに対し、遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、収容体は、その内面から立設され立設先端が対象物に当接する立設壁を備えるので、かかる立設壁が支えとなり、収容体の変形を抑制できる。その結果、収容体の破損を抑制できる。
同時に、立設壁の支えにより収容体の変形が抑制されることで、操作手段の傾倒をより確実に抑制できる。その結果、操作手段の破損も抑制しやすくできる。
遊技機N2において、前記立設壁は、前記操作手段を取り囲む形態に形成されることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の奏する効果に加え、立設壁は、操作手段を取り囲む形態に形成されるので、操作手段のいずれの方向への傾倒に対しても、立設壁を支えとして、収容体の変形を抑制できる。よって、収容体の破損を抑制できる。
また、立設壁により収容体の内部へ侵入するための経路を遮断することができる。即ち、開口から針金等の異物が挿入されても、それ以上の挿入を規制できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機N3において、前記立設壁は、その立設壁が立設される前記収容体の内面とは異なる他の内面に連結されることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、立設壁は、その立設壁が立設される収容体の内面とは異なる他の内面に連結されるので、収容体の剛性を利用して、立設壁の剛性を高めることができると共に、内面どうしの連結により、収容体全体の剛性を高めることができる。よって、操作手段が傾倒した際の収容体の変形を抑制する立設壁の支持部(変形抑制手段)としての機能を高めることができる。その結果、収容体の破損を抑制できる。
遊技機N1からN4のいずれかにおいて、前記収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N1からN4のいずれかの奏する効果に加え、収容体は、前記操作手段の一端側に被さる被覆部を備えるので、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
また、遊技機N5によれば、操作手段の一端側に被覆部が被さっているので、操作手段と被覆部との間の隙間を屈曲させることができる。即ち、開口から挿入された針金等の異物の先端が突き当たる壁を形成できる。よって、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
遊技機N5において、前記被覆部は、前記収容体の外面から突設され、前記収容体は、その外面から突設されすじ状に延設される突条を備え、前記突条の一端が前記被覆部に連結されることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、被覆部は、収容体の外面から突設され、収容体は、その外面から突設されすじ状に延設される突条を備え、突条の一端が被覆部に連結されるので、突条をリブとして機能させて、被覆部を突条により支えることができる。よって、操作手段を被覆部の内面に当接させて、操作手段の傾倒を抑制できると共に、その際の被覆部の破損を抑制できる。その結果、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
また、被覆部が収容体の外面から突設されることで、その分、被覆部の突設高さを高くできる。よって、操作手段に被覆部が被さる領域(針金等の異物の挿入を抑制する領域、及び、操作手段に当接してその操作手段の傾倒や変位を抑制する領域)をより大きくできる。その結果、収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることの抑制と、操作手段が対象物から脱落することの抑制とを図ることができる。
遊技機N6において、前記収容体は、その外面に形成され所定の情報を表示する表示部を備え、その表示部が前記突条の他端側に隣接されることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N6の奏する効果に加え、収容体は、その外面に形成され所定の情報を表示する表示部を備え、その表示部が突条の他端側に隣接されるので、表示部が表示する所定の情報に対応する位置を指し示すための指示線としての機能を突条に兼用させることができる。よって、その分、製品コストを低減できる。
遊技機N6又はN7において、前記操作手段は、前記収容体の開口に対面する第1面を備え、前記第1面に操作子が差し込まれて変位されることで操作手段が操作され、前記収容体は、前記操作手段の第1面に対向する対向部を備え、前記対向部は、前記操作手段に差し込まれた前記操作子に縁部が当接可能に形成されることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N6又はN7の奏する効果に加え、操作手段は、収容体の開口に対面する第1面を備え、収容体は、操作手段の第1面に対向する対向部を備えるので、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、対向部は、操作手段に差し込まれた操作子に縁部が当接可能に形成されるので、操作子(即ち、操作手段が傾倒する際の支点からより遠い位置)を対向部の縁部に当接させて、操作子の傾倒や過大な変位を抑制できる。その結果、操作手段の傾倒や過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機N8において、前記対向部は、前記操作手段の第1面のうちの前記操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に対向して配設されることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N8の奏する効果に加え、対向部は、操作子の第1面のうちの操作子の変位軌跡を除く範囲の少なくとも一部に配設されるので、操作子の操作手段への差し込み及びその差し込んだ操作子の変位が阻害されることを抑制しつつ、開口の面積を対向部により小さくできる分、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、変位された操作子に当接する対向部の面積を大きくして、操作子の過大な変位(特に、周方向への変位(回転))を抑制しやすくできる。その結果、操作手段の過大な変位を抑制して、操作手段が対象物から脱落することを抑制できる。
遊技機N9において、前記操作手段は、前記操作子を第1位置に変位可能に形成され、前記突条の一端が前記被覆部に連結される位置が、前記第1位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされることを特徴とする遊技機N10。
遊技機N9又はN10において、前記操作手段は、前記操作子を前記第1位置と異なる第2位置に変位可能に形成され、前記突条の一端が前記被覆部に連結される位置が、前記第2位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされることを特徴とする遊技機N11。
遊技機N10又はN11によれば、遊技機N9又はN10の奏する効果に加え、操作手段は、操作子を第1位置および第2位置に変位可能に形成され、突条の一端が被覆部に連結される位置が、第1位置または第2位置に変位された前記操作子と対向部とが当接する位置とされるので、第1位置または第2位置へ変位させた操作子が対向部に当接した際に対向部や被覆部が破損することを突条を利用して効果的に抑制できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100(操作用壁部A210)を一例とする発明の概念について>
遊技機L0において、前記収容体は、第1領域と、その第1領域よりも前記対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、前記第2領域に前記開口が形成されることを特徴とする遊技機O1。
ここで、開口を介して操作手段を操作できることで、操作手段を操作する際に収容体を開封することを不要とできる。よって、手間を抑制できる。しかしながら、開口から針金等の異物を挿入する不正の行われる虞がある。
これに対し、遊技機O1によれば、収容体は、第1領域と、その第1領域よりも対象物に近い側に位置する第2領域とから一側の外面が形成され、第2領域に開口が形成されるので、収容体の外面から奥まった位置に開口を配置すると共に、第1領域と第2領域とを接続する段差(接続面)を開口の周りに配置することができる。これにより、開口までの距離を遠くすると共に開口の位置を視認させ難くできる。その結果、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。即ち、不正が行われることを抑制できる。
遊技機O1において、前記第1領域と前記第2領域とを接続する接続面のうちの少なくとも一部が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機O2。
ここで、収容体(基板ボックス)は、対象物(制御基板)からの放熱を考慮すると、対象物(制御基板)と内面との距離(内部空間)を確保する必要がある。一方で、操作手段から開口が離れすぎると、操作性が悪化する。そこで、第2領域に開口が形成されることで、操作手段の操作性を確保しやすくできると共に、上述したように、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。しかしながら、操作手段を操作する際に第1領域と第2領域との間の段差(接続面)に作業者(操作者)の手が干渉して操作の邪魔になる。そのため、操作手段を操作する際の操作性が悪化する虞がある。
これに対し、遊技機O2によれば、第1領域と前記第2領域とを接続する接続面のうちの少なくとも一部が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜されるので、遊技機O1の奏する効果に加え、下降傾斜の分、第2領域に連なる空間を拡大して、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O2において、前記第2領域は、一方向に沿う長さ寸法が一方向に直交する他方向に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形の領域として形成され、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記操作手段に差し込む又は前記操作手段から引く抜く際の前記操作子の姿勢が前記他方向に沿う姿勢とされることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、第2領域は、一方向に沿う長さ寸法が一方向に直交する他方向に沿う長さ寸法よりも大きい正面視略矩形の領域として形成され、操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、操作手段に差し込む又は操作手段から引く抜く際の操作子の姿勢が他方向に沿う姿勢とされるので、操作子を把持する面を第2領域の長手方向へ向けて、かかる把持する面が対向する側に空間を確保できる。よって、操作子を操作手段に差し込む又は操作手段から引き抜く際に、操作子を把持した手指が収容体と干渉することを抑制できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O3において、前記開口は、前記第2領域における長手方向中央よりも一側に配設され、前記第2領域における長手方向一側に位置する前記接続面が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、開口は、第2領域における長手方向中央よりも一側に配設され、第2領域における長手方向一側に位置する接続面が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜されるので、操作子を把持して変位させる際に、把持した手指とは異なる手指が収容体に干渉することを抑制できる。例えば、操作子を人差し指と親指で把持し、操作子を変位(例えば、回転)させる際に、接続面の下降傾斜により形成された空間、及び、第2領域における長手方向他側の空間を、小指側を移動させるための空間として確保でき、小指側と収容体との干渉を抑制できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O4において、前記第2領域における長手方向他側に前記接続面が形成されることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、第2領域のける長手方向他側に前記接続面が形成されるので、かかる長手方向他側における接続面(第1領域)により操作手段を保護することができる。例えば、製造時における他の部材との干渉を抑制して、操作手段の破損を抑制できる。また、開口の位置を視認させ難くして、開口から収容体の内部へ針金等の異物が挿入されることを抑制できる。
また、第2領域のける長手方向他側に前記接続面が形成されることで、その分、第1領域の面積を拡大できる、即ち、対象物(制御基板)からの放熱に対応するための収容体の内部空間の体積を大きくできる。
遊技機O3からO5のいずれかにおいて、前記第2領域における短手方向一側には前記接続面が形成され、前記第2領域における短手方向他側には前記接続面が非形成とされることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O3からO5のいずれかにおいて、第2領域における短手方向一側には接続面が形成され、第2領域における短手方向他側には接続面が非形成とされるので、第2領域における短手方向他側を開放させることができる。よって、操作子を手指で把持して操作(操作手段への差し込み、操作手段からの引き抜き、又は、操作子の変位(例えば、回転))する際に、把持した手指(例えば、親指と人差し指)とは異なる手指を配置する又は変位させるための空間として、上述した開放された空間を利用することができる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
遊技機O3からO6のいずれかにおいて、前記第2領域における長手方向一側に位置する前記接続面が前記第1領域から前記第2領域へ向けて下降傾斜され、他の接続面は前記第1領域および前記第2領域に対して略直交されることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O3からO6のいずれかの奏する効果に加え、第2領域における長手方向一側に位置する接続面が第1領域から第2領域へ向けて下降傾斜され、他の接続面は第1領域および第2領域に対して略直交されるので、接続面を下降傾斜させることによる効果を確保しつつ、対象物(制御基板)からの放熱に対応するための収容体の内部空間の体積を確保できる。即ち、接続面を下降傾斜させることによる収容体の内部空間の体積の減少を最小限とできる。
遊技機O4又はO5において、前記収容体が配設されるベース体と、そのベース体を回転可能に軸支する回転軸とを備え、前記第2領域における長手方向が前記回転軸の軸方向と略直交されると共に短手方向が前記回転軸の軸方向と略平行とされ、前記第2領域における長手方向一側が長手方向他側よりも前記回転軸から遠い側に配置されることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O4又はO5の奏する効果に加え、収容体が配設されるベース体と、そのベース体を回転可能に軸支する回転軸とを備え、第2領域における長手方向が回転軸の軸方向と略直交されると共に短手方向が回転軸の軸方向と略平行とされ、第2領域における長手方向一側が長手方向他側よりも回転軸から遠い側に配置されるので、回転軸を軸としてベース体を回転させて形成された空間において操作手段の操作を行う場合に、接続面の下降傾斜により形成された空間を有効に活用できる。即ち、作業者(操作者)の手を操作手段にアクセスさせるための空間を、接続面の下降傾斜により形成された空間の分、確保できる。その結果、操作手段を操作する際の操作性を向上できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、遊技領域に配設される表示装置と、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、前記操作手段の操作に関する情報が前記表示装置に表示可能とされることを特徴とする遊技機P1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作状態を把握し難いという問題点があった。
遊技機P1によれば、遊技領域に配設される表示装置と、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、操作手段の操作に関する情報が表示装置に表示可能とされるので、表示装置の表示に基づいて操作手段の操作状態を把握しやすくできる。また、表示手段が遊技領域に配設されることで、かかる表示手段を遊技に関する情報を表示する装置として兼用することができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機P1において、前記収容体は、変位可能に形成されることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、収容体は、変位可能に形成されるので、表示装置を視認しながら操作手段が操作できる位置に収容体を配置する(変位させる)ことができる。その結果、表示(情報)を確認しながら操作できるので、操作性を向上できると共に、操作間違いを抑制できる。一方、操作手段の操作を行わない状態では、所定の位置(例えば、外部から視認され難い位置)に配置できるので、不正が施されることを抑制できる。
遊技機P2において、前記収容体の前記操作手段が配設される面と前記表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に前記収容体が変位可能とされることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P2の奏する効果に加え、収容体の操作手段が配設される面と表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に収容体が変位可能とされるので、表示装置の表示を確認しながら操作手段を操作する作業を行いやすくできる。その結果、操作性の向上と操作間違いの抑制とをより確実に達成できる。
遊技機P3において、前記収容体は回転可能に軸支され、前記操作手段は前記収容体の中央よりも前記軸支される位置から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、収容体は回転可能に軸支され、操作手段は収容体の中央よりも軸支される位置から遠い側に配設されるので、収容体の操作手段が配設される面と表示装置の表示面とを同時に視認可能となる位置に収容体を変位(回転)させた状態において、操作手段を遊技機本体の外縁からより遠い位置に配置できる。よって、操作手段を操作する手指が遊技機本体の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
遊技機P4において、前記操作手段は複数からなり、第1の操作手段と比較して操作頻度の高い第2の操作手段が、前記第1の操作手段よりも前記軸支される位置から遠い側に配設されることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、操作手段は複数からなり、第1の操作手段と比較して操作頻度の高い第2の操作手段が、第1の操作手段よりも軸支される位置から遠い側に配設されるので、操作頻度の高い操作手段(第1の操作手段)を遊技機本体の外縁からより遠い位置に配置できる。よって、操作頻度の高い操作手段(第1の操作手段)を操作する際に、手指が遊技機本体の外縁と干渉することを抑制できる。その結果、操作性を向上できる。
<基板ボックスA100,A2100,A3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、前記対象物には1又は複数の電気的接続線が接続され、前記電気的接続線の前記対象物との接続状態に応じて前記操作手段の操作可否が変更されることを特徴とする遊技機Q1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作可否について改良の余地があった。即ち、1又は複数の電気的接続線の対象物への接続状態に関わらず操作を許容すれば、操作手段が不正に操作されやすくなる虞がある一方、1又は複数の電気的接続線の接続状態に関わらず操作を禁止すれば、操作手段の操作に伴う作業の作業性の悪化を招く虞がある。
遊技機Q1によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段を備え、対象物には1又は複数の電気的接続線が接続され、電気的接続線の対象物との接続状態に応じて操作手段の操作可否が変更されるので、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。
遊技機Q1において、前記収容体は、変位可能に形成されることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、収容体は、変位可能に形成されるので、操作手段を操作しやすい位置に収容体を配置する(変位させる)ことができる。その結果、操作性を向上できる。一方、操作手段の操作を行わない状態では、所定の位置(例えば、外部から視認され難い位置)に配置できるので、不正が施されることを抑制できる。この場合、収容体を変位させる際には、少なくとも1の電気的接続線が対象物から解除される(抜かれる)ため、電気的接続線の接続状態に応じて操作手段の操作可否が変更される構成が、不正の抑制と作業性の向上とを図る上で特に有効となる。
遊技機Q1又はQ2において、前記電気的接続線の内の少なくとも所定の電気的接続線が前記対象物に接続されている状態では、前記操作手段の操作が許容されることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、電気的接続線の内の少なくとも所定の電気的接続線が接続されている状態では、操作手段の操作が許容されるので、不正の抑制と作業性の向上とを図ることができる。即ち、所定の電気的接続線が対象物に接続されていなければ、操作手段の操作が禁止されるので、不正を抑制できる。一方で、所定の電気的接続線の対象物への接続が確保され、不正が抑制できる場合には、その他の電気的接続線が対象物から解除されて(抜かれて)いても、操作手段の操作を許容することで、作業性の向上(汎用性の確保)を図ることができる。
特に、収容体が変位可能に形成される構成においては、収容体を変位させる(即ち、操作しやすい配置する)ために対象物から解除した(抜いた)他の電気的接続線を、収容体を変位させた後に、操作手段の操作を許容させるために、例えば、延長線を対象物と他の電気的接続線との間に介在させて、解除した(抜いた)他の電気的接続線を対象物に再接続するという手間を回避できる。
遊技機Q1又はQ2において、前記電気的接続線の内の少なくとも1の電気的接続線が前記対象物から解除されている状態では、前記操作手段の操作が禁止されることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、電気的接続線の内の少なくとも1の電気的接続線が対象物から解除されている状態では(即ち、全ての電気的接続線が対象物に接続されていなければ)、操作手段の操作が禁止されるので、不正に操作手段が操作されることを抑制できる。
なお、収容体が変位可能に形成される構成においては、収容体を変位させる(即ち、操作しやすい配置する)ために対象物から解除した(抜いた)他の電気的接続線を、収容体を変位させた後に、例えば、延長線を対象物と他の電気的接続線との間に介在させて、解除した(抜いた)他の電気的接続線を対象物に再接続すれば、操作手段の操作を許容させることができるので、操作手段の操作による作業を可能とできる。
<基板ボックスA3100,A4100を一例とする発明の概念について>
対象物を収容する収容体を備えた遊技機において、前記対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、前記収容体は、変位可能に形成され、遊技時に配設される位置よりも前記操作手段が操作しやすい位置に変位可能とされることを特徴とする遊技機R1。
制御基板(対象物)を収容する基板ボックス(収容体)を備えた遊技機が知られている(特開2015−205029)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、制御基板(対象物)に操作手段を配設した場合、その操作手段の操作性が不十分であるという問題点があった。
遊技機R1によれば、対象物に配設され操作可能に形成される操作手段とを備え、収容体は、変位可能に形成され、遊技時に配設される位置よりも操作手段が操作しやすい位置に変位可能とされるので、操作手段の操作性を向上できる。
遊技機R1において、前記収容体は、回転可能に軸支され、その軸支された部分を回転中心とする回転により変位されることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、収容体は、回転可能に軸支され、その軸支された部分を回転中心とする回転により変位されるので、収容体を変位させる構造を簡素化できる。その結果、製品コストを低減できる。
遊技機R1又はR2において、前記収容体は、前記遊技時に配設される位置では、前記操作手段に別部材が対面されることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、収容体は、遊技時に配設される位置では、操作手段に別部材が対面されるので、操作手段が不正に操作されることを抑制できる。
遊技機R3において、前記操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、前記操作子が差し込まれた状態では、前記操作子が前記別部材に当接されることで、前記収容体が前記遊技時に配設される位置まで変位不能とされることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、操作手段は、操作子が差し込まれて変位されることで操作され、操作子が差し込まれた状態では、操作子が別部材に当接されることで、収容体が遊技時に配設される位置まで変位不能とされるので、操作子の抜き取り忘れを抑制できる。よって、操作子が不正に使用されることを抑制できる。
<一方の案内経路に他方の案内経路よりも上方に配置される部分がある>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、前記案内経路として、第1案内経路と、その第1案内経路とは異なる第2案内経路と、を構成可能とされ、前記第1案内経路は、前記第2案内経路よりも上側に配置される上側配置部を備えることを特徴とする遊技機XA1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上の案内経路に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015−181572号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、案内経路から落下した球がアウト口へ向かう構成であるところ、球を発射し続ける遊技者と、球を発射したり発射停止させたりする遊技者とで、遊技効率に差が生じる虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XA1によれば、第1案内経路から遊技球が落下する場合であっても、その遊技球が上側配置部から落下する場合には、その遊技球を救い上げることで第2案内経路に乗せることができる。この救い上げられた遊技球は、所定の入球領域へ案内されることになるので、案内経路から落下した多くの球が零れ球としてアウト口へ向かう構成に比較して、遊技の仕方による遊技効率の変化を抑えることができる。
遊技機XA1において、前記入球領域は、第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域とを備え、前記第1案内経路は、前記第1入球領域へ遊技球を案内可能に構成され、前記第2案内経路は、前記第2入球領域へ遊技球を案内可能に構成され、前記第2案内経路は、前記第1案内経路よりも上側に配置される上側配置部を備えることを特徴とする遊技機XA2。
遊技機XA2によれば、遊技機XA1の奏する効果に加え、第2案内経路から遊技球が落下する場合であっても、その遊技球が第2案内経路の上側配置部から落下する場合には、その遊技球を救い上げることで第1案内経路に乗せることができる。即ち、第1案内経路からの遊技球の落下のみでなく、第2案内経路からの遊技球の落下に対しても遊技効率の変化を抑える効果を奏することができる。
遊技機XA1又はXA2において、前記第1案内経路と前記第2案内経路とが所定方向視で交差するよう構成されることを特徴とする遊技機XA3。
遊技機XA3によれば、遊技機XA1又はXA2の奏する効果に加え、一方の案内経路の上側配置部を、他方の案内経路の上方(真上)に配置することができる。
なお、交差位置は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1案内経路の中央と第2案内経路の中央とで交差しても良い。この場合、救い上げ易さが左右平等となる。
例えば、第1案内経路の中央よりも下側と、第2案内経路の中央よりも下側とで交差しても良い。この場合、交差位置から第1,第2入球領域までの距離が短くなることで相手側経路の下側を遊技球が流下する期間を短くできるという利点と、交差位置よりも上側に配置可能な遊技球の個数を多くすることができるという利点と、がある。
例えば、第1案内経路の中央よりも上側と、第2案内経路の中央よりも上側とで交差しても良い。
例えば、第1案内経路の中央よりも下側と、第2案内経路の中央よりも上側とで交差しても良い。この場合、第1案内経路側から第2案内経路側へ落下する場合の方が、逆の場合に比較して、遊技球を救い易くすることができる。
この場合において、第1案内経路を構成する可動部材を、救い上げるように上側へ回動変位する羽部材で構成することで、第2案内経路から落下する遊技球を救い上げ易くするようにしても良い。
遊技機XA1からXA3のいずれかにおいて、第1案内経路を構成する第1経路構成手段と、第2案内経路を構成する第2経路構成手段と、を備え、第1経路構成手段は、第2経路構成手段よりも下側を経由して張り出す救い部を備えることを特徴とする遊技機XA4。
なお、第1経路構成手段は、第2経路構成手段よりも下側を経由しないでも、同様の作用効果を奏することができる場合がある。例えば、第2経路構成手段よりも上側に張り出す場合であっても、その上下差が遊技球の半径未満であれば、第1経路構成手段を遊技球の中心よりも下側に潜り込ませることが可能であり、遊技球を第1経路構成手段に乗せやすくすることができる。
更に、遊技球の中心よりも下側に潜り込むことの説明において、少なくとも、遊技球と当接開始する点が球の中心よりも下側にあれば良い。即ち、例えば、遊技球と当接開始する点以外の部分が球の中心よりも上側に配置されている場合でも、遊技球との当接後に、遊技球を上方に押し上げることなどにより遊技球を第1経路構成手段に乗せるようにすることができる。
遊技機XA4において、前記救い部が、前記第1案内経路の下部側流路を構成することを特徴とする遊技機XA5。
遊技機XA5によれば、遊技機XA4の奏する効果に加え、第1入球領域に入球する寸前の遊技球をも救い上げることができる。
遊技機XA3からXA5のいずれかにおいて、前記第1案内経路の傾斜と、前記第2案内経路の傾斜とが、左右反対で構成されることを特徴とする遊技機XA6。
遊技機XA6によれば、遊技機XA3からXA5のいずれかの奏する効果に加え、第1案内経路および第2案内経路が配置される上下幅を抑えることができる。
遊技機XA3からXA6のいずれかにおいて、前記第1案内経路と前記第2案内経路との交差位置よりも下側(不利側)において、前記第1案内経路または前記第2案内経路に配置される遊技球の個数が1個になるように構成されることを特徴とする遊技機XA7。
遊技機XA7によれば、遊技機XA3からXA6のいずれかの奏する効果に加え、零れ球の発生を回避し易くすることができる。
遊技機XA7において、前記交差位置よりも上側(有利側)において、前記交差位置よりも下側よりも、遊技球を減速させる減速手段が配設されることを特徴とする遊技機XA8。
遊技機XA8によれば、遊技機XA7の奏する効果に加え、減速手段によって遊技球を減速させることにより、減速手段を通る前後における遊技球の間隔を調整することができる。
また、遊技球の速度変化により、遊技者に遊技球の配置位置を報知することができるので、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。即ち、遊技球の流下速度によって、遊技球が交差位置よりも有利側に配置されているのか、不利側に配置されているのかを容易に把握させることができる。
<出球感を得られる案内経路構成手段>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、前記案内経路に到達した遊技球が前記入球領域に入球するまでにかかる期間を複数種類で変化可能に構成されることを特徴とする遊技機XB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口の検出口が横向きとなるように検出手段が配置され、その検出口へ向けて球を転動させる動作部材が、所定個数の球が検出口を通過したことを契機として動作し、その動作時に動作部材上の案内経路に乗っていた球を落下させることで、所定個数以上の球が検出手段の検出口を通過することを防止する遊技機がある(例えば特開2015−181572号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、動作部材までの流下経路がほぼ一通りとされているので通常の発射態様(規定間隔で遊技球の発射が継続する態様)では遊技球が間隔を空けて到達し易く、遊技球が動作部材(作動部材100)の上面を伝うように検出口へ案内されるので遊技球の流下速度が抑えられ易いので、遊技球が間を空けずに連続で検出口を通過する事態は生じ難かった。そのため、払い出しに間が空き易く、遊技者に出球感を与えることが難しいという問題点があった。
これに対し、遊技機XB1によれば、経路構成手段が、遊技球が入球領域を通過するまでの期間を変化可能に構成されているので、経路構成手段に遊技球が到達する間隔が等間隔であったとしても、経路構成手段において遊技球同士の間隔を変化させることができるので、特定の2個の遊技球の間隔を縮めることで、遊技球が入球領域を連続で通過する事態を生じさせることができる。これにより、上述の通常の発射態様で遊技する場合であっても、意図的に遊技球が短い間隔で払い出される状態を生じさせることができるので、遊技者に出球感を与えることができる。
なお、期間を変化させる手段については、種々の態様が例示される。例えば、遊技球が案内される入球領域が途中で切り替えられる態様でも良いし、入球領域の案内経路における異なる位置に遊技球が到達可能に構成される態様でも良い。
遊技機XB1において、前記案内経路への流下経路が複数構成され、一の流下経路と前記入球領域との距離と、他の流下経路と前記入球領域との距離が異なるように構成されることを特徴とする遊技機XB2。
遊技機XB2によれば、遊技機XB1の奏する効果に加え、等間隔で遊技球が発射される場合であっても、入球領域への遊技球の到達のタイミングをずらし易くすることができる。これにより、入球領域に入球する遊技球同士の間隔を変化させることができる。
遊技機XB1又はXB2において、前記入球領域は、第1入球領域と、第2入球領域とを備えることを特徴とする遊技機XB3。
遊技機XB3によれば、遊技機XB1又はXB2の奏する効果に加え、経路構成手段により案内される入球領域が変更されたり、切り替えられたりすることによって、入球領域に入球する遊技球同士の間隔を変化させることができる。
遊技機XB3において、前記経路構成手段は、前記第1入球領域へ遊技球を案内する第1案内状態と、前記第2入球領域へ遊技球を案内する第2案内状態とで状態変化可能に構成される状態変化手段を備えることを特徴とする遊技機XB4。
遊技機XB4によれば、遊技機XB3の奏する効果に加え、状態変化手段の状態の変化によって、入球領域に入球する遊技球同士の間隔を変化させ易くすることができる。
なお、状態変化手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、電動制御されるものでも良いし、球との当接によって状態変化されるもの(振り子部材や、シーソー状部材)でも良い。
遊技機XB4において、前記状態変化手段は電動制御され、状態変化後の所定期間における遊技球の前記入球領域への入球間隔を短縮可能に構成されることを特徴とする遊技機XB5。
遊技機XB5によれば、遊技機XB4の奏する効果に加え、状態変化後の所定期間における連続入球を生じさせ易くすることができる。これにより、入球領域への入球による賞球の払い出しの粗密を生じさせることができると共に、状態変化前の所定期間における入球間隔を短縮する場合に比較して、オーバー入賞を抑制することができる。
遊技機XB3からXB5のいずれかにおいて、前記案内経路は、前記第1入球領域へ遊技球を案内可能に構成される第1案内経路と、前記第2入球領域へ遊技球を案内可能に構成される第2案内経路と、を備え、前記第1案内経路の内、配置される遊技球が前記第2案内経路に到達可能な有利側範囲において、遊技球を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機XB6。
遊技機XB6によれば、遊技機XB3からXB5のいずれかの奏する効果に加え、第1案内経路上で減速手段により遊技球が減速され、遊技球同士の間隔が狭められた状態で、第2案内経路へ遊技球が到達することで、第2入球領域への入球間隔を狭めることができる。
<2板で開閉板の役割をする>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、前記案内経路を構成するよう変位可能に構成される第1構成手段および第2構成手段と、前記第1構成手段と前記第2構成手段との間の隙間を減少させるよう構成される隙間減少手段と、を備えることを特徴とする遊技機XC1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の正面側に延びる回転軸で回転移動して開閉される一対の可動部材が、同一の検出口へ向けて遊技球を案内する案内経路を構成する遊技機がある(例えば特開2017−29531号公報を参照)。
しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の挟み込みを防止するために可動部材間に隙間を設けているが、この隙間があるが故に、遊技球の転動時に片側の可動部材の配置がずれたり、隙間に遊技球が引っかかったりするといった悪影響を及ぼす虞があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XC1によれば、隙間減少手段により第1構成手段と第2構成手段との間の隙間が減少することにより、遊技球の転動時に第1構成手段または第2構成手段が配置ずれしたり、隙間に遊技球が引っかかったりするという事態の発生を防止することができる。
なお、隙間減少手段の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、第1,第2構成手段が変位可能に構成され、その変位方向で当接可能に対向配置するようにしても良い。この場合、当接状態で隙間を埋めることができる。また、例えば、第1,第2構成手段が変位可能に構成され、その変位方向に直交する側に対向配置され、徐々に間隔が狭められるよう構成されるようにしても良い(間隔が無くなった後は摺動するようにしても良い)。この場合、第1,第2構成手段が受ける負荷を低減することができる。
なお、隙間減少手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第1構成手段および第2構成手段が同一直線状の案内経路を構成する場合に、その直線の一部に生じる隙間を狭めるよう構成される手段でも良いし、第1構成手段が構成する案内経路と、第2構成手段が構成する案内経路とが異なる場合(例えば、同一直線上には無い場合)に、それら異なる案内経路の間隔を狭めるよう構成される手段でも良い。
なお、第1構成手段および第2構成手段の変位方向は、何ら限定されるものではない。例えば、互いに平行でも良いし、互いに非平行でも良い。
遊技機XC1において、前記隙間減少手段は、前記案内経路を区画する区画部材に配設されることを特徴とする遊技機XC2。
遊技機XC2によれば、遊技機XC1の奏する効果に加え、隙間減少手段を容易に配設することができる。なお、隙間減少手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、固定された部分でも良いし、可動部分でも良い。
また、隙間減少手段が固定された部分である場合、例えば、案内経路の手前側に配置される意匠部材に配設されても良いし、その意匠部材の反対側(背面側)に配置される部材に配設されても良い。
遊技機XC1又はXC2において、前記隙間減少手段は、前記第1構成手段または前記第2構成手段の変位方向と交差する方向への前記第1構成手段または前記第2構成手段の変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機XC3。
遊技機XC3によれば、遊技機XC1又はXC2の奏する効果に加え、隙間減少手段によって、第1構成手段または第2構成手段の、変位方向とは交差する方向における配置の安定性を向上させることができる。なお、変位方向の交差の態様は何ら限定されるものではなく、第1構成手段または第2構成手段の変位方向に対して非平行な方向であれば良い。
遊技機XC1からXC3のいずれかにおいて、前記隙間減少手段は、前記第1構成手段または前記第2構成手段の、停止中または変位中の少なくとも一部において、第1構成手段または第2構成手段を支持するように構成されることを特徴とする遊技機XC4。
遊技機XC4によれば、遊技機XC1からXC3のいずれかの奏する効果に加え、第1構成手段または第2構成手段を支持する部材として、隙間減少手段を兼用することができるので、部材の多機能化および部材の配置スペースの削減を図ることができる。
遊技機XC1からXC5のいずれかにおいて、前記隙間減少手段は、前記第1構成手段または第2構成手段と一体的に構成されることを特徴とする遊技機XC6。
遊技機XC6によれば、遊技機XC1からXC5のいずれかの奏する効果に加え、第1構成手段または第2構成手段を変位させることにより、隙間減少手段を変位させることができるので、隙間減少手段により案内経路の設計自由度が低減されることを回避することができる。
遊技機XC1からXC6のいずれかにおいて、前記第1構成手段の変位方向と、前記第2構成手段の変位方向とが非平行であることを特徴とする遊技機XC7。
遊技機XC7によれば、遊技機XC1からXC6のいずれかの奏する効果に加え、第1構成手段および第2構成手段の変位前の隙間に比較して、変位後の隙間を変位方向の非平行さを利用して狭めることができる。
なお、変位態様が斜めとなる態様は、通常の経路構成手段の変位方向としての前後左右方向に対する斜め方向を意味するものであるが、何ら限定されるものでは無い。例えば、第1,第2構成手段の双方の変位方向が斜めに構成されても良いし、第1構成手段または第2構成手段の一方が斜めに構成されても良い。
前者において、第1,第2構成手段の双方の変位方向が斜めに構成され、変位方向が平行となる場合は除く趣旨である。即ち、第1構成手段の変位方向と、第2構成手段の変位方向とが、相対的に斜め(非平行)であることを要求している。この非平行とは、平行でなければ良く、変位方向の相対角度が90度であっても良い。
なお、経路構成手段の斜め変位の方向は何ら限定されるものではないが、例えば、案内経路を消失させる側の変位時に、重力に逆らう方向に変位するよう構成することで、上面に乗る遊技球との摩擦抵抗により、遊技球をこすり上げる効果を期待することができる。これにより、遊技球の入球領域への入球効率を向上させることができる。
また、第1構成手段または第2構成手段において、変位中に亘って変位方向が互いに非平行である必要はない。即ち、例えば、変位方向が平行な区間と、変位方向が非平行な区間との両区間で構成されても良い。
<可変手段と共に案内経路を構成する補助手段>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、変位可能な可変手段と、前記案内経路を補助する補助手段と、を備えることを特徴とする遊技機XD1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、開閉部材30a,31a(可変手段)の上面を伝って遊技球が案内されるように構成される遊技機がある(例えば特開2015−159997号公報を参照)。本来、開閉部材30a,31aの設計は自由形状で良いはずであるが、上述した従来の遊技機では、遊技球の重みや衝撃による負荷に対して自らの剛性のみで耐える必要から、開閉部材30a,31aを分厚く設計する必要が生じ、開閉部材30a,31aの設計自由度が低減されるという問題点があった。
これに対し、遊技機XD1によれば、案内経路が可変手段のみではなく、可変手段と補助手段とで構成されるので、遊技球からの負荷を可変手段のみで受ける必要を無くすことができる。これにより、例えば、可変手段を薄肉で形成することが可能となる等、可変手段の設計自由度を向上することができる。
更に、可変手段を薄肉で構成した他の効果として、可変手段の軽量化を図ることができるので、可変手段の変位速度の向上や、可変手段を駆動する駆動手段の小型化を図ることができる。
遊技機XD1において、前記補助手段への遊技球の衝突を抑えるよう構成される衝突抑制手段を備えることを特徴とする遊技機XD2。
遊技機XD2によれば、遊技機XD1の奏する効果に加え、補助手段の破損を防止することができる。なお、衝突抑制手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、補助手段の上方に入球可能なポケット状部が形成されることで、補助手段の上方で落下する球がポケット状部を通じて遊技領域から排出されるように構成しても良いし、球の落下を防止する屋根状部を形成するようにしても良い。
遊技機XD1又はXD2において、前記補助手段は、前記可変手段の変位を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XD3。
遊技機XD3によれば、遊技機XD1又はXD2の奏する効果に加え、補助手段を、遊技球の案内経路を構成する手段としてだけではなく、可変手段の変位を案内する手段として兼用することができる。
なお、可変手段と補助手段とは、別体として構成しても良いし、一体に構成しても良い。一体で構成する場合には、例えば、可変手段を転動面構成部とし、補助手段を転動面構成部と一体で変位する形成部としても良い。
遊技機XD3において、前記補助手段は、前記可変手段の、変位方向とは非平行な方向への変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機XD4。
遊技機XD4によれば、遊技機XD3の奏する効果に加え、前記可変手段の変位後の配置を補助手段によって安定させることができる。
遊技機XD3又はXD4において、前記補助手段は、前記可変手段と連動可能に構成されることを特徴とする遊技機XD5。
遊技機XD5によれば、遊技機XD3又はXD4の奏する効果に加え、補助手段が固定配置される場合に比較して、補助手段の作用の設定自由度を向上させることができる。
例えば、可変手段は遊技領域から回避する一方で補助手段が入球領域を閉塞する位置に配置することにより、入球領域の閉鎖状態における経路構成手段の遊技領域内における配置スペースを削減することができる。これにより、入球領域の閉鎖状態における遊技領域の遊技球流下範囲を広げることができ、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
また、例えば、補助手段として、案内経路の幅方向から固定の突条が配設され、遊技球の減速作用を生じさせようとする場合、案内経路が複数形成され、特定の案内経路にのみ減速作用を生じさせようとしても、複数の案内経路が密に配置される場合には困難であることがある。これに対し、補助手段を可変手段と連動するよう構成することにより、特定の案内経路に減速作用を生じさせることを容易とすることができる。
遊技機XD1からXD5のいずれかにおいて、前記補助手段は、遊技球の流下方向を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機XD6。
遊技機XD6によれば、遊技機XD1からXD5のいずれかの奏する効果に加え、案内経路における遊技球の流下経路を可変手段の配置とは独立して(別で)設定することができる。
遊技機XD6において、前記補助手段は、前記可変手段の配置が異なることにより、遊技球の流下方向の変化態様が変化することを特徴とする遊技機XD7。
遊技機XD7によれば、遊技機XD6の奏する効果に加え、同一の補助手段によって遊技球の流下態様の変化を複数種類で生じさせることができる。なお、可変手段の配置が異なることにより補助手段が遊技球に及ぼす作用が変化する原因については、何ら限定されるものではない。例えば、可変手段の配置が異なることにより、遊技球と補助手段との間が閉塞され、遊技球が補助手段に到達しないようになることに起因するものでも良いし、可変手段の配置が異なることにより、補助手段と当接する際の遊技球の流下状態が、転動状態か、落下状態かで異なることに起因するものでも良い。
<案内経路の途中位置からの案内>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記案内経路から逸れた遊技球が入球可能に配置される所定の入球領域を備え、その入球領域は、前記案内経路の途中位置から、前記案内経路から逸れた少なくとも一部の遊技球が入球可能に構成されることを特徴とする遊技機XE1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、入球領域に遊技球を案内する特別可変入賞球装置7の大入賞口扉の上側に第1始動入賞口および第2始動入賞口が配置される遊技機がある(例えば特開2015−231434号公報を参照)。この場合、遊技球を発射して狙う位置を同様の位置に固めることができるので遊技者にとって遊技が分かり易いという利点がある。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の入賞口(入球領域)が上下に配置され、下側の入賞口が上側の入賞口に隠されるように構成されているために、上側の入賞口から逸れた球が下側の入賞口をも逸れる可能性が高く、遊技者の興趣を向上する観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XE1によれば、案内経路から逸れた遊技球が入球領域に入球し易いように構成されているので、遊技者の興趣を向上することができる。
遊技機XE1において、前記入球領域は、前記経路構成手段の下端位置と上端位置との間の高さに少なくとも一部が配置されることを特徴とする遊技機XE2。
遊技機XE2によれば、遊技機XE1の奏する効果に加え、入球領域を経路構成手段の上下幅の内側の高さ位置に配置することにより、経路構成手段と入球領域との上下方向距離を短くすることができるので、遊技球が入球領域の左右に逸れる度合いを少なくすることができる。
加えて、複数の入球領域を上下に重ねるように配置する場合であっても、その上下幅が嵩む度合いを低減でき、限られた広さの遊技領域において、複数の入球領域の配置自由度を向上することができる。
遊技機XE1又はXE2において、前記経路構成手段は、遊技球が前記入球領域へ案内される第2案内経路を構成し、その第2案内経路から逸れた遊技球が第2入球領域に入球可能に構成されることを特徴とする遊技機XE3。
遊技機XE3によれば、遊技機XE1又はXE2の奏する効果に加え、経路構成手段は、入球領域に遊技球を案内する第2案内経路と、第2入球領域に遊技球を案内する経路とを構成可能とされ、一方の経路から逸れた遊技球を他方の経路に乗せることができる。これにより、経路構成手段が単一の入球領域へ遊技球を案内する場合に比較して、経路構成手段の注目力を向上させることができる。
遊技機XE3において、前記案内経路と前記第2案内経路とが所定位置で交差するように構成され、前記案内経路の下降傾斜方向と、前記第2案内経路の下降傾斜方向とが左右反対で構成されることを特徴とする遊技機XE4。
遊技機XE4によれば、遊技機XE3の奏する効果に加え、所定位置を境界として、一方の案内経路が下方に配置される側において、他方の案内経路を上方に配置することで、案内経路の配置に必要な上下幅を抑制することができる。これにより、案内経路、第2案内経路、(第1)入球領域および第2入球領域の配置自由度を向上することができる。
遊技機XE1において、前記入球領域は、前記経路構成手段の上下方向位置に配置されることを特徴とする遊技機XE5。
遊技機XE5によれば、遊技機XE1の奏する効果に加え、案内経路または入球領域から逸れた遊技球を入球領域または案内経路に到達し易くすることができる。
なお、入球領域の配置は何ら限定されるものでは無い。例えば、入球領域は、経路構成手段の上側に配置されても良いし、下側に配置されても良い。
また、入球領域の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、入球領域は、始動口として構成されても良いし、一般入賞口として構成されても良いし、普通入賞口として構成されても良いし、特別入賞口として構成されても良いし、排出口(アウト口)として構成されても良い。
遊技機XE1からXE5のいずれかにおいて、制御手段を備え、前記経路構成手段は、前記案内経路を構成する第1状態と、第2案内経路を構成する第2状態とで、状態が切り替え可能に構成され、前記制御手段は、前記経路構成手段を前記第1状態と前記第2状態とで切り替える制御を、所定パターンに基づき実行可能に構成されることを特徴とする遊技機XE6。
遊技機XE6によれば、遊技機XE1からXE5のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の状態を切り替えるパターンの選択によって、(第1)入球領域から逸れた遊技球を第2入球領域に案内し易い場合と、(第1)入球領域から逸れた遊技球を第2入球領域に案内し難い場合とを構成することができる。
<流下経路に配置される複数の開閉板の変位方向が対向>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記入球領域は、第1入球領域と、第2入球領域と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球を前記第1入球領域へ案内可能に構成される第1案内経路を構成するよう変位可能に構成される第1経路構成手段と、遊技球を前記第2入球領域へ案内可能に構成される第2案内経路を構成するよう変位可能に構成される第2経路構成手段と、を備え、前記第1経路構成手段の変位方向と前記第2経路構成手段の変位方向とが互いに近づく方向であることを特徴とする遊技機XF1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、開閉部材30a,31a(経路構成手段)が、互いに同じ側に変位するように構成される遊技機がある(例えば特開2015−159997号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、一の開閉部材から逸れて流下する(開閉部材の右側を流下する)遊技球は、他の開放部材に対しても同様に逸れることが予想されてしまい、遊技者の注目力を集めるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
即ち、遊技球が上流側の開閉部材31aに救われずに遊技領域を継続して流下する場合に、次の開閉部材30aに救われるか否かに注目させることができれば、遊技領域の上下幅全体を利用して、流下する遊技球を遊技者に見せて、遊技者の遊技意欲を維持し易いが、上述の遊技機では、上流側の開閉部材31aから逸れると、その下方の開閉部材30aに救われる可能性は低いように遊技者に感じさせてしまい、遊技者の視線を下流側まで導くことがし難い。
これに対し、遊技機XF1によれば、第1経路構成手段の開放変位方向が、第2経路構成手段の開放変位方向の逆側を向くことにより、上流側の経路構成手段を逸れた遊技球は、下流側の経路構成手段へ向かい易くなる。これにより、上流側で経路構成手段から逸れた遊技球を下流側において救い上げやすく(拾い易く)構成することができるので、遊技者は、上流側の経路構成手段から逸れた遊技球に対して他の経路構成手段で拾われるかもしれないという期待感を持ち続けることができ、遊技球に対する遊技者の注目力を集め易くすることができる。
遊技機XF1において、前記第1案内経路および前記第2案内経路の一方の経路部は、他方の経路部の上方に配置されることを特徴とする遊技機XF2。
遊技機XF2によれば、遊技機XF1の奏する効果に加え、上下差を利用して遊技球の零れを防止し易く(救い易く)することができる。
遊技機XF1又はXF2において、前記第1経路構成手段と前記第2経路構成手段とは、所定方向視で交差するよう構成されることを特徴とする遊技機XF3。
遊技機XF3によれば、遊技機XF1又はXF2の奏する効果に加え、変位方向を所定方向に沿うように設定することで、交差位置で一方の経路構成手段が他方の経路構成手段に分割される構成とすることを不要にできる。従って、両方の経路構成手段を非分割で形成することができる。
遊技機XF1からXF3のいずれかにおいて、前記第1経路構成手段は、変位の前後において、前記第2経路構成手段に対して同じ側に配置されるよう構成されることを特徴とする遊技機XF4。
遊技機XF4によれば、遊技機XF1からXF3のいずれかにおいて、第1経路構成手段が変位前後で第2経路構成手段を通過する構成ではないので、両方の経路構成手段を非分割で形成することができる。
遊技機XF1からXF4のいずれかにおいて、前記第1経路構成手段は、所定の第1方向においては前記第2経路構成手段に対して同じ側に配置され、前記第1方向と交差する所定の第2方向においては前記第2経路構成手段に対して反対側に配置されることを特徴とする遊技機XF5。
遊技機XF5によれば、遊技機XF1からXF4のいずれかの奏する効果に加え、第1経路構成手段および第2経路構成手段を、それぞれ非分割で構成可能であることに加え、遊技者に対して、第1経路構成手段が第2経路構成手段を通り過ぎて変位しているように視認させることができる。これにより、変位の意外性を高めることができる。
遊技機XF1からXF5のいずれかにおいて、前記第1経路構成手段または前記第2経路構成手段は、前記案内経路の幅方向に沿って変位可能に構成されることを特徴とする遊技機XF6。
遊技機XF6によれば、遊技機XF1からXF5のいずれかの奏する効果に加え、案内経路の幅直角方向に沿って変位する場合に比較して、変位時に経路構成手段が遊技球に与える負荷の程度を低減し易くすることができ、経路構成手段の変位が遊技球に与える影響を最小限に抑えることができる。例えば、経路構成手段が斜め下方へ向けて変位する場合に、その変位に追従して遊技球が斜め下方へ向けて流下することを避けることができる。
<球の流下に影響する作用部についてのポイント>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記案内経路を流下する遊技球に当接して作用可能に構成される作用部を備え、その作用部は、遊技球に対する作用の程度が、前記案内経路における遊技球の変位に対応して増加するよう構成されることを特徴とする遊技機XG1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技領域側へリブを設けて、球の流下速度を遅くするように構成される遊技機がある(例えば特開2016−016095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、リブの形成範囲を流下する球が状況に関わらず同様に減速されることが遊技の妨げになる可能性があった。
例えば、リブの下流側に可変入賞装置が配置される場合、可変入賞装置が閉鎖状態(遊技者に不利な状態)である場合には、可変入賞装置が開放状態となるまで球の流下を遅らせたいと思うことになるが、可変入賞装置が開放状態(遊技者に有利な状態)である場合には、球の流下が遅れることは遊技者にとって不利益となる可能性がある。即ち、リブが遊技球に及ぼす作用が、遊技者に不利益を与える場合が発生し得ることから、遊技領域の設計に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XG1によれば、リブに例示される作用部の作用の程度が、遊技球の変位に対応して増加するように構成されている。これにより、遊技球の挙動と、遊技者に与えられる利益の増減とを繋げやすくすることができるので、遊技球に対する注目力の向上を図ることができる。
遊技機XG1において、前記作用部は、案内経路に対する配置が異なるように構成され、その度合いは、前記遊技球の変位が増加するほどに増加することを特徴とする遊技機XG2。
遊技機XG2によれば、遊技機XG1の奏する効果に加え、作用部の配置を徐々に変化させることにより、遊技球に対する作用を徐々に変化させることができる。
遊技機XG1又はXG2において、作用部が遊技球に与える作用は、流下速度の減速であることを特徴とする遊技機XG3。
遊技機XG3によれば、遊技機XG1又はXG2の奏する効果に加え、遊技球を所定位置に滞留させ易くすることができる。これにより、一定間隔で遊技球を発射する遊技態様においても、所定位置に対する注目力を向上させ易くすることができる。
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記案内経路を流下する遊技球に当接して作用可能に構成される作用部を備え、その作用部は、遊技球への作用が、前記案内経路における遊技球の配置に対応して異なるように構成されることを特徴とする遊技機XG4。
遊技機XG1からXG4のいずれかにおいて、所定入球領域と、その他の入球領域とを備え、前記所定入球領域を開閉するように変位可能に構成される開閉変位手段を備え、前記作用部は、前記所定入球領域の開放状態において案内経路を流下する遊技球に対する第1作用と、前記所定入球領域の閉鎖状態において案内経路を流下する遊技球に対する第2作用と、が異なるように構成されることを特徴とする遊技機XG5。
遊技機XG5によれば、遊技機XG1からXG4のいずれかの奏する効果に加え、開閉変位手段の状態が切り替えられることに対応して作用部の作用が変化するように構成することにより、作用部の配置スペースが制限される場合であっても、遊技球の流下態様の設計自由度を向上させることができる。
なお、第1作用と第2作用との関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球に負荷が与えられる場合に、その負荷の方向が変化するものでも良いし、負荷の大きさが変化するものでも良い。
また、第1作用と第2作用との関係を、遊技球の流下態様への作用として特定しても良い。例えば、遊技球の入球領域への到達を遅らせる第1作用と、遊技球の入球領域への到達を早める第2作用とのように相反する作用関係としても良い。
遊技機XG4又はXG5において、前記作用部により生じる作用の変化は、遊技球の経路構成手段に対する配置の違いによって生じることを特徴とする遊技機XG6。
遊技機XG6によれば、遊技機XG4又はXG5の奏する効果に加え、作用部の作用が、遊技球の経路構成手段に対する配置関係により生じるよう構成されるので、作用を変化させるために作用部を可動とすることを不要にできる。
なお、遊技球の経路構成手段に対する配置関係の態様の特定は、何ら限定されるものではない。例えば、経路構成手段の所定部からの遊技球の配置間隔で特定しても良いし、経路構成手段に遊技球が接しているか、落下途中で未だ当接していないかで特定しても良い。
遊技機XG4からXG6のいずれかにおいて、前記案内経路は、第1区間と、その第1区間に対して前記入球領域から離れて配置される第2区間とを備え、前記第1区間と前記第2区間とで、前記作用部が遊技球に及ぼす作用の程度を変化させるよう構成されることを特徴とする遊技機XG7。
遊技機XG7によれば、遊技機XG4からXG6のいずれかの奏する効果に加え、遊技球の発射が一定間隔であっても、案内経路において遊技球の間隔を詰めたり、離したりすることができ、第1区間と第2区間との設定により、案内経路上で遊技球が溜まり易い箇所を設定することができる。
なお、減速の程度を変化させる方法は、何ら限定されるものではない。例えば、案内経路に向けて張り出す突設部を構成し、遊技球に当接させることで遊技球を減速させるようにしても良い。この場合において、減速の程度は、突設部の突設長さや、所定区間に配置される突設部の密度によって変化させることができる。
また、この場合において、突設部が、遊技球のどの高さ位置に当接するかによっても減速の程度を変化させることができる。例えば、突設部が遊技球の中心よりも上側に当たる場合、突設方向への負荷に加えて、上下方向の負荷も生じる。この場合、転動中の遊技球を押さえつける方向の負荷が生じることになり、減速作用は大となり易い。従って、突設部の配置間隔を同じとしながらも、遊技球との当たり所が違う突設部によって減速作用に違いを生じさせることができる。
遊技機XG7において、前記第1区間での遊技球に対する作用の方が、前記第2区間を流下する遊技球に対する作用に比較して小さく設定されることを特徴とする遊技機XG8。
遊技機XG8によれば、遊技機XG7の奏する効果に加え、入球領域に近い側の区間における遊技球の流下速度を大きくすることで、遊技球が連なって入球領域に入球する事態を避け易くすることができる。
遊技機XG5からXG8のいずれかにおいて、前記所定入球領域と、第2入球領域とを備え、前記案内経路は、前記所定入球領域へ遊技球を案内可能な第1案内経路と、前記第2入球領域へ遊技球を案内可能な第2案内経路と、を備え、前記第1案内経路と前記第2案内経路とは、所定位置付近で交差するよう構成され、入れ違いで発生可能に構成され、前記所定位置を基準として上流側に配置される上流側区間を流下する遊技球よりも、下流側に配置される下流側区間を流下する遊技球の方が、流下速度が大きくなるように構成されることを特徴とする遊技機XG9。
遊技機XG9によれば、遊技機XG5からXG8のいずれかの奏する効果に加え、所定位置としての交差位置の下流側において遊技球が溜まる事態を回避することで、第1案内経路と第2案内経路との発生の切り替え時に、遊技球が交差位置の下流側から落下する事態を回避し易くすることができる。これにより、零れ球の発生を抑えることができる。
なお、上流側区間と下流側区間との境目は、交差位置に限定されるものではない。例えば、交差位置よりも上流側に所定位置を設定する場合でも、交差位置よりも下流側において遊技球が溜まり難いようにすることができる。また、例えば、交差位置よりも下流側に所定位置を設定する場合でも、その所定位置から入球領域までの間では、遊技球が溜まり難いようにすることができるので、所定位置が設定されない場合に比較して零れ球の発生個数を低減することができる。
遊技機XG9において、遊技球が前記入球領域へ向けて所定の直線に沿って流下する場合において、前記下流側区間を遊技球が通過するのに要する時間が、前記上流側区間を遊技球が直径分流下するのに要する時間よりも短くされることを特徴とする遊技機XG10。
遊技機XG10によれば、遊技機XG9の奏する効果に加え、先に流下する遊技球が下流側区間を通過する間に、後から流下する遊技球が下流側区間に進入しないように構成することができるので、下流側区間に複数の遊技球が溜まることを流下に必要な時間の設定から防止することができる。
遊技機XG9又はXG10において、前記作用部は、前記交差位置において遊技球に対する作用の度合いが最大となるように構成されることを特徴とする遊技機XG11。
遊技機XG11によれば、遊技機XG9又はXG10の奏する効果に加え、上流側区間(零れ防止有利区間)から下流側区間(零れ防止不利区間)へ遊技球が進入する点において遊技球の流下速度を最大幅で低下させることにより、遊技球の流下態様の変化を最大とし、遊技球に対する遊技者の注目力を向上させることができる。
遊技機XG9からXG11のいずれかにおいて、前記作用部は、前記第1案内経路で流下する遊技球に作用可能に構成される一方で、前記第2案内経路で流下する遊技球に作用しない又は異なる態様で作用するよう構成される作用選択部を備えることを特徴とする遊技機XG12。
遊技機XG12によれば、遊技機XG9からXG11のいずれかの奏する効果に加え、作用部を特定の経路を前提として設計することができるので、作用部の設計を容易とすることができる。なお、作用部の設計は何ら限定されるものではない。例えば、案内経路と交差する方向における作用部の配置や、形成長さ、作用部の案内経路側への形成長さ等を設計することにより、遊技球に対する作用部の作用を任意に設定することができる。
遊技機XG12において、前記作用部は、前記経路構成手段に到達する前の遊技球に作用可能に構成され、その作用が前記経路構成手段に到達した後で遊技球に生じる作用と異なるように構成されることを特徴とする遊技機XG13。
遊技機XG13によれば、遊技機XG12の奏する効果に加え、作用部は、経路構成手段の状態に関わらず、遊技球に対して何らかの作用を生じさせることができるので、作用部の配置の意義を高めることができる。
<一対の駆動装置の配置間隔と一対の開閉板の配置間隔との関係>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段は、第1経路構成手段と、その第1経路構成手段とは異なる第2経路構成手段とを備え、前記第1経路構成手段を駆動する第1駆動手段と、前記第2経路構成手段を駆動する第2駆動手段と、の配置間隔に比較して、前記第1経路構成手段と前記第2経路構成手段との配置間隔が狭くなるよう構成されることを特徴とする遊技機XH1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、複数の開閉部材30a,31aが、複数の異なる駆動手段(ソレノイドに相当)によって独立して開閉可能に構成される遊技機がある(例えば特開2015−159997号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の駆動手段が各開閉部材30a,31aに同様に配置されており、複数の駆動手段の配置間隔が、開閉部材30a,31aの配置間隔と同等に設定される。この場合、駆動手段の大きさに開閉部材30a,31aの大きさや配置が制限される虞があるという問題点があった。換言すれば、入球領域への流下経路構成手段の設計自由度が制限されるという問題点があった。
これに対し、遊技機XH1によれば、第1経路構成手段と第2経路構成手段との配置間隔が、第1駆動手段と第2駆動手段との配置間隔に比較して狭くなるよう構成されるので、第1経路構成手段と第2経路構成手段との設計自由度を向上させることができる。
なお、配置間隔を狭める態様は何ら限定されるものではない。例えば、特開2015−159997号公報において、開閉部材30a,31aに対する駆動手段の配置を、開閉部材30a,31aごとにそれぞれ異ならせることで開閉部材30a,31aの大きさや配置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機XH1において、前記第1経路構成手段または前記第2経路構成手段の少なくとも一方は、駆動により他方の前記第2経路構成手段または前記第1経路構成手段に近接変位するよう構成されることを特徴とする遊技機XH2。
遊技機XH2によれば、遊技機XH1の奏する効果に加え、第1経路構成手段および第2経路構成手段の変位に要する範囲を狭く維持することができる。
遊技機XH1又はXH2において、前記第1経路構成手段と前記第2経路構成手段とが所定方向視で交差するよう構成されることを特徴とする遊技機XH3。
遊技機XH3によれば、遊技機XH1又はXH2の奏する効果に加え、交差範囲を第1経路構成手段と第2経路構成手段とで兼用することができる。これにより、第1経路構成手段および第2経路構成手段の配置に要する範囲を狭くすることができる。
遊技機XH3において、交差する位置において、前記第1経路構成手段および前記第2経路構成手段の位置ずれを抑制可能に構成される抑制手段を備えることを特徴とする遊技機XH4。
遊技機XH4によれば、遊技機XH3の奏する効果に加え、第1経路構成手段または第2経路構成手段の一方が、他方の変位を妨害する事態を生じ易い位置において、第1経路構成手段および第2経路構成手段の位置ずれを抑制することにより、第1経路構成手段および第2経路構成手段の変位が妨害されることを防止することができる。
遊技機XH3又はXH4において、交差する位置は、遊技領域の外方に配置されることを特徴とする遊技機XH5。
遊技機XH5によれば、遊技機XH3又はXH4の奏する効果に加え、遊技領域の外方(例えば、背面側)における第1経路構成手段および第2経路構成手段の配置に要する範囲を狭めることができる。
遊技機XH1からXH5のいずれかにおいて、前記第1駆動手段は、前記経路構成手段の一側に配置され、前記第2駆動手段は、前記経路構成手段の他側に配置されることを特徴とする遊技機XH6。
遊技機XH6によれば、遊技機XH1からXH5のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を基準とした第1駆動手段および第2駆動手段の配置を反対にすることで、第1駆動手段と第2駆動手段との配置間隔を空けることができる。
<誤V防止のための短開放を不要とするポイント>
遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、遊技球が入球することにより遊技者に所定の利益を与える利益付与手段と、その利益付与手段に遊技球を案内可能な第1状態と前記利益付与手段に遊技球を案内不能な第2状態とで切り替えられる利益切替手段と、を備え、前記経路構成手段を第1状態に維持したまま、前記利益切替手段が前記第1状態に切り替えられることを特徴とする遊技機XI1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、大入賞口を通過した球が振分部により有利ルートか不利ルートかのいずれかに振り分けられ、その振り分けの結果により遊技者に付与される利益が変化する遊技機がある(例えば特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、振分部が有利ルートに球を振り分け可能な状態とされる期間における大入賞口の開閉板の動作態様が、球を有利ルートへ流下させる場合用の動作態様と、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様とで明確に分けられており、球を有利ルートへ流下させない場合用の動作態様では、そもそも大入賞口に球が入球しないように開閉板が動作(閉鎖)されるので、大入賞口へ向かう球への注目力を維持することができず、球の挙動に注目させるという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XI1によれば、経路構成手段が第1状態に維持されたままにおいて、利益付与手段に球が通過可能な場合と、利益付与手段に球が通過不能な場合とを切り替えられるので、経路構成手段が入球領域への球の入球を遮ることがない。これにより、入球領域へ向かう球に対する注目力を維持することができる。
遊技機XI1において、前記経路構成手段の前記第1状態により、前記利益付与手段への入球が防止されるよう構成されることを特徴とする遊技機XI2。
遊技機XI2によれば、遊技機XI1の奏する効果に加え、利益付与手段への入球を経路構成手段により防止することができる。
遊技機XI1又はXI2において、前記経路構成手段の前記第2状態において、前記利益付与手段へ遊技球を入球可能に構成されることを特徴とする遊技機XI3。
遊技機XI3によれば、遊技機XI1又はXI2の奏する効果に加え、経路構成手段の第2状態の際に流下する遊技球から遊技者が得られる利益を高めることができる。
遊技機XI1からXI3のいずれかにおいて、前記利益付与手段は、前記入球領域の上流側に配置可能に構成されることを特徴とする遊技機XI4。
遊技機XI4によれば、遊技機XI1からXI3のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の状態と、利益付与手段への入球の実行とを非対応とすることができる。
遊技機XI4において、前記経路構成手段の第1状態において、前記利益切替手段が前記第1状態とされ、前記利益切替手段の前記第1状態において、前記入球領域への入球が防止されることを特徴とする遊技機XI5。
遊技機XI5によれば、遊技機XI4の奏する効果に加え、入球領域への入球を防止しながら、利益付与手段への入球を構成することができる。これにより、例えば、入球領域への入球に伴う賞球の払い出しが極めて少ない一方で、利益付与手段への入球に伴う利益を遊技者が獲得可能なラウンド遊技を構成することができる。
<遊技球の入球を待たずして不具合または不正を検出可能に構成する>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、前記経路構成手段の状態を検出可能な検出手段を備える遊技機XJ1。
パチンコ機等の遊技機において、不正な入賞を、その入賞のタイミングで判定し、不正入賞に該当すると判定した場合にエラー報知を実行する遊技機がある(例えば、特開2017−000562号公報、段落0333を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、入賞しないとエラー報知がされず、不正の準備段階(例えば、入賞口を開閉する部材(経路構成手段に相当)を不正に変位させている段階)においては不正を発見できないので、遊技領域を正常に保つ観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XJ1によれば、経路構成手段の状態を検出手段によって検出可能に構成されるので、入賞口への遊技球の入球を待たずに不正を発見できることから、遊技領域を正常に保つことができる。
遊技機XJ1において、遊技領域に関する検出パターンを、所定の基準パターンと比較可能に構成される比較手段を備えることを特徴とする遊技機XJ2。
遊技機XJ2によれば、遊技機XJ1の奏する効果に加え、所定の基準パターンと比較し、その比較結果を報知に利用することができるので、正常な状態と異なることの判定に留まらず、基準パターンとの差異から、どのような異常が生じているかの判定まで行うことができる。
なお、検出パターンとしては、入賞口へ入球する遊技球を検出することによる検出パターンや、経路構成手段の状態切り替えタイミングのパターン等が例示される。
遊技機XJ1又はXJ2において、前記第1状態において前記経路構成手段によって遊技球が案内される所定入賞口を備え、前記検出手段は、前記所定入賞口への遊技球の入球が不能とされる状態で、前記経路構成手段の状態を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機XJ3。
遊技機XJ3によれば、遊技機XJ1又はXJ2の奏する効果に加え、遊技領域が正常な状態へ戻るまでに、入賞口に遊技球が入球することを防止することができる。これにより、不正な利益が生じることを防止し易くすることができる。
遊技機XJ1からXJ3のいずれかにおいて、前記検出手段は、品質確認の用途の検出手段と兼用されることを特徴とする遊技機XJ4。
遊技機XJ4によれば、遊技機XJ1からXJ3のいずれかにおいて、検出手段を他の用途に兼用することにより、部品個数の削減を図ることができる。
<不正または不良の事前把握や早期発見のための構成>
遊技球が流下する遊技領域と、遊技球を案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機において、所定の有利状態へ移行する前に、前記経路構成手段が状態を切り替え可能か判定可能に構成される判定手段を備えることを特徴とする遊技機XK1。
パチンコ機等の遊技機において、開閉板(経路構成手段に相当)の動作開始前の入賞や、動作終了後の入賞について、不正入賞に該当すると判定した場合にエラー報知を実行する遊技機がある(例えば、特開2017−000562号公報、段落0333を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、開閉板自体に不具合が生じている場合(例えば、破損して閉鎖しない状態となっている場合)であっても、入賞しないと報知がされないので、悪意なく入賞させた遊技者に対して不快な思いをさせる可能性があり、不具合の早期発見という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XK1によれば、判定手段が、所定の有利状態が開始される前に、経路構成手段の不具合に対処可能に構成されることから、不具合の早期発見を図ることができ、遊技者に快適な遊技を提供することができる。
なお、所定の有利状態としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、通常状態に対して有利な状態であれば該当するので、所定の有利状態には、時短中、確変中、大当たり遊技中等が含まれる。
遊技機XK1において、前記所定の有利状態へ移行する前に、前記経路構成手段を前記第1状態と前記第2状態とで切り替えることを特徴とする遊技機XK2。
遊技機XK2によれば、遊技機XK1の奏する効果に加え、所定の有利状態に移行する前に経路構成手段を実際に動作させることで、その不具合に気づき易くすることができる。
遊技機XK1又はXK2において、前記判定手段による判定に基づき、前記経路構成手段の状態を修復可能に構成される修復手段を備えることを特徴とする遊技機XK3。
遊技機XK3によれば、遊技機XK1又はXK2の奏する効果に加え、修復手段により経路構成手段の状態を修復することにより、早期に正常な状態へ戻すことができる。
遊技機XK1からXK3のいずれかにおいて、前記判定手段が判定可能な作動態様として、前記経路構成手段は、複数の作動態様で作動可能に設定されることを特徴とする遊技機XK4。
遊技機XK4によれば、遊技機XK1からXK3のいずれかの奏する効果に加え、複数の作動態様を判定手段が判定可能に構成されるので、判定結果から、経路構成手段に生じている不具合の原因を究明し易くすることができる。
遊技機XK1からXK4のいずれかにおいて、前記所定の有利状態は、複数段階で構成され、その段階に対応して、前記判定手段による判定の生じ易さが変化するよう構成されることを特徴とする遊技機XK5。
遊技機XK5によれば、遊技機XK1からXK4のいずれかの奏する効果に加え、段階ごとの有利状態に対応して、適切な頻度で判定手段の判定を生じさせることで、経路構成手段の不具合を適切に発見することができる。
遊技機XK1からXK5のいずれかにおいて、前記判定手段は、検出手段を備えており、その検出手段は、品質確認の用途の検出手段と兼用されることを特徴とする遊技機XK6。
遊技機XK6によれば、遊技機XK1からXK5のいずれかにおいて、検出手段を他の用途に兼用することにより、部品個数の削減を図ることができる。
遊技機XK1からXK6のいずれかにおいて、遊技機XK3を含み、遊技球が入球可能な入球領域を備え、前記修復手段は、前記経路構成手段の状態を、前記入球領域への遊技球の入球を妨害する側に切り替えることを特徴とする遊技機XK7。
遊技機XK7によれば、遊技機XK1からXK6のいずれかの奏する効果に加え、修復手段により経路構成手段の状態が切り替えることで、入球領域への不正な入球を妨害することができる。
なお、入球の妨害の態様としては、種々の態様が例示される。例えば、入球領域への到達を遅らせる態様でも良いし、少なくとも一部の遊技球が上流側で遊技領域から排出されるようにして遊技球が入球領域まで到達しないようにする態様でも良いし、入球領域への経路を閉鎖して入球領域に遊技球が到達できないようにする態様でも良い。
<遊技球が通過可能な所定の経路の開閉に複数部材が関わる構成>
遊技球が通過可能な所定領域と、その所定領域へ通じる通過経路を遊技球が通過可能となるように開放する第1状態と、前記通過経路を遊技球が通過不能となるように閉鎖する第2状態とで切り替え可能な開閉手段と、前記所定領域への遊技球の案内を防止する案内防止状態を構成可能な防止手段と、を備える遊技機において、前記第1状態において前記開閉手段が所定位置に配置される場合に、前記防止手段は、前記案内防止状態と、前記所定領域への遊技球の通過を可能とする通過可能状態とのいずれか一方を前記開閉手段の変位態様に対応して構成可能とされることを特徴とする遊技機XL1。
パチンコ機等の遊技機において、第1開閉板(開閉手段に相当)と、第2開閉板(防止手段に相当)とが大入賞口(所定領域に相当)を開閉する遊技機がある(例えば、特開2010−220731号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、第1開閉板が開放されている状態において、第1開閉板の変位態様に対応して第2開閉板の開閉状態を切り替えることについての記載は無く、第1開閉板が強制的に開放される場合への対策が十分でなく、所定領域への遊技球の流下を正常にするという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XL1によれば、開閉手段が第1状態として所定位置に配置される場合に、通過防止状態を構成するか、通過可能状態を構成するかを、開閉手段の変位態様に対応して構成することができるので、変位態様が正常か不正かを判定し、不正な場合には通過防止状態を構成するようにすることで、所定領域への遊技球の通過を正常にすることができる。
なお、所定領域の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球が1個通れる程度の開口でも良いし、経路でも良いし、複数球が同時に配置され得る範囲でも良いし、遊技球が乗ることのできる板上面でも良い。
遊技機XL1において、前記防止手段は、前記開閉手段と複数種類の動作態様で連動可能に構成されることを特徴とする遊技機XL2。
遊技機XL2によれば、遊技機XL1の奏する効果に加え、防止手段を複数の用途で利用することができる。
遊技機XL2において、前記開閉手段と前記防止手段との動作態様を切り替え可能に構成される切替手段を備えることを特徴とする遊技機XL3。
遊技機XL3によれば、遊技機XL2の奏する効果に加え、切替手段によって、開閉手段と防止手段との対応関係を任意に変化させることができる。
なお、切替手段の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、切替手段への駆動力伝達の方向によって切り替えが行われる手段でも良いし、独自の駆動力発生装置を備え、その駆動力発生装置から生じる駆動力によって切り替えが行われる手段でも良い。
また、切替手段によって切り替えられる動作態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、開閉手段と防止手段とが、一体で動作する(又は所定の時間遅れで追従し最終的には追いつくように動作する)態様と、分離して動作する態様とで切り替えられるものでも良い。また、例えば、開閉手段と防止手段とが分離して動作する状態を維持したまま、その動作関係が切り替えられる(例えば、同方向変位と逆方向変位とで切り替えられたり、動作速度が切り替えられたりする)ものでも良い。
遊技機XL1からXL3のいずれかにおいて、前記開閉手段の状態を変化させるための駆動力を発生可能な駆動手段を備え、前記防止手段は、前記駆動手段の駆動力によらず前記開閉手段の状態が変化される場合に、前記流下防止状態を構成することを特徴とする遊技機XL4。
遊技機XL4によれば、遊技機XL1からXL3のいずれかの奏する効果に加え、駆動手段によらず開閉手段が開放される異常事態が生じても、所定領域へ遊技球が到達しない状態を構成することができるので、遊技者が不測の利益を得ることを回避することができる。
遊技機XL1からXL4のいずれかにおいて、前記防止手段は、前記開閉手段を基準とする前記所定領域側または前記所定領域の反対側に配置可能であることを特徴とする遊技機XL5。
遊技機XL5によれば、遊技機XL1からXL4のいずれかの奏する効果に加え、防止手段の配置の自由度を向上させることができる。また、通過経路上のいずれの位置に配置するかによって、防止手段の通過防止状態において遊技球が通過可能となる位置を任意に設定することができるので、遊技性の設計自由度を向上させることができる。
なお、防止手段は、固定配置される必要はなく、種々の態様が例示される。例えば、開閉手段の上流側に配置可能としても良いし、開閉手段の下流側に配置可能としても良いし、開閉手段の上流側と下流側とで配置交換可能(例えば、開閉手段の下流側から上流側に変位することで遊技球の通過を防止するよう)に構成しても良い。即ち、配置はともかくとして、結果的に遊技球が所定領域を通過しないようにできる構成であれば良い。
遊技機XL1からXL5のいずれかにおいて、前記開閉手段の状態を変化させるための駆動力を発生可能な駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記開閉手段に伝達するための伝達手段と、を備え、その伝達手段の状態が変化することで、前記開閉手段と前記防止手段との動作態様を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機XL6。
遊技機XL6によれば、遊技機XL1からXL5のいずれかの奏する効果に加え、伝達手段の状態の変わり易さが、開閉手段と防止手段との動作態様の切り替わり易さに直結するので、動作態様の切り替わり易さとして望む程度を設定した後における伝達手段の設計を容易とすることができる。
これにより、経路構成手段の動作に必要となる駆動力を伝達する伝達手段を、開閉手段と防止手段との動作態様の切り替えに兼用することができる。なお、伝達手段の状態の変化の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、変形の有無でも良いし、伝達手段が複数の構成を有する場合における各構成の動作関係の変化でも良いし、動作経路(相対的、絶対的)の変化でも良いし、姿勢の変化(相対的、絶対的)でも良い。
遊技機XL1からXL6のいずれかにおいて、前記防止手段は、前記開閉手段と複数種類の動作態様で連動可能に構成され、その連動は、遊技領域からの負荷が生じても解除されにくいように構成されることを特徴とする遊技機XL7。
遊技機XL7によれば、遊技機XL1からXL6のいずれかの奏する効果に加え、遊技領域が流下する遊技領域で生じる負荷が開閉手段または防止手段に伝達されることで連動が解除される事態の発生を防止し易くすることができる。
なお、遊技領域で生じる負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の衝突により生じる負荷(例えば、衝撃力)でも良いし、遊技領域に進入した糸や金属細線を介して伝達される負荷でも良い。
<振分部材C170〜C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017−148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機CA10。
遊技機CA10によれば、遊技機CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機CA11。
遊技機CA11によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機CA12。
遊技機CA12によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機CA13によれば、遊技機CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機CA14。
遊技機CA14によれば、遊技機CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機CA15。
遊技機CA15によれば、遊技機CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機CA16。
遊技機CA16によれば、遊技機CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機CA17。
遊技機CA17によれば、遊技機CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機CA18。
遊技機CA18によれば、遊技機CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機CA19。
遊技機CA19によれば、遊技機CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機CA20。
遊技機CA20によれば、遊技機CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機CA21。
遊技機CA21によれば、遊技機CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機CA22。
遊技機CA22によれば、遊技機CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機CA23。
遊技機CA23によれば、遊技機CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA24。
遊技機CA24によれば、遊技機CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA25。
遊技機CA25によれば、遊技機CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA26。
遊技機CA26によれば、遊技機CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016−198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、
前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017−148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
遊技機A1からA11、B1からB8、C1からC10、D1からD8、E1からE6、F1からF10、G0からG5、H1からH6、I0からI3、J0からJ5、K1からK10、L0、M1からM19、N1からN11、O1からO8、P1からP5、Q1からQ4、R1からR4、XA1からXA8、XB1からXB6、XC1からXC7、XD1からXD7、XE1からXE6、XF1からXF6、XG1からXG13、XH1からXH6、XI1からXI5、XJ1からXJ4、XK1からXK7、XL1からXL7、CA1からCA26、CB1からCB4及びCC1からCC4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB8、C1からC10、D1からD8、E1からE6、F1からF10、G0からG5、H1からH6、I0からI3、J0からJ5、K1からK10、L0、M1からM19、N1からN11、O1からO8、P1からP5、Q1からQ4、R1からR4、XA1からXA8、XB1からXB6、XC1からXC7、XD1からXD7、XE1からXE6、XF1からXF6、XG1からXG13、XH1からXH6、XI1からXI5、XJ1からXJ4、XK1からXK7、XL1からXL7、CA1からCA26、CB1からCB4及びCC1からCC4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB8、C1からC10、D1からD8、E1からE6、F1からF10、G0からG5、H1からH6、I0からI3、J0からJ5、K1からK10、L0、M1からM19、N1からN11、O1からO8、P1からP5、Q1からQ4、R1からR4、XA1からXA8、XB1からXB6、XC1からXC7、XD1からXD7、XE1からXE6、XF1からXF6、XG1からXG13、XH1からXH6、XI1からXI5、XJ1からXJ4、XK1からXK7、XL1からXL7、CA1からCA26、CB1からCB4及びCC1からCC4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
入賞口を備える遊技機がある(例えば、特許文献1:特開2015−181572号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に出球感を与えることが難しいという問題点があった。本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、出球感の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球が流下する遊技領域と、その遊技領域を流下した遊技球が入球可能な所定の入球領域と、遊技球を前記入球領域へ案内可能な案内経路を構成する第1状態と、その案内経路を構成しない第2状態とで切り替え可能な経路構成手段と、を備える遊技機であって、前記経路構成手段は、前記案内経路に到達した遊技球が前記入球領域に入球するまでにかかる期間を複数種類で変化可能に構成される。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記案内経路への流下経路が複数構成され、一の流下経路と前記入球領域との距離と、他の流下経路と前記入球領域との距離が異なるように構成される。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記入球領域は、第1入球領域と、第2入球領域とを備える。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、出球感の向上を図ることができる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、案内経路への到達経路が異なる場合に、出球感の向上を図ることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第1入球領域への入球による出球と第2入球領域への入球による出球とによって、出球感の向上を図ることができる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(領域構成手段の一部)
18 ヒンジ(支持軸の一部)
19 ヒンジ(支持軸の一部)
65a 特定入賞口(利益付与手段の一部)
81 第3図柄表示装置(注目手段の一部、表示手段)
86 センターフレーム(枠手段)
150 球流下ユニット(流下手段の一部)
152 第1受入流路(第1構成部、第2構成部)
153 第2受入流路部材(第2構成部)
154 突条部(減速手段の一部)
161 導光板(注目手段の一部)
166 横置き基板ユニット(所定基板)
170 装飾手段(被配置手段)
171a 横長溝部(低透過手段)
171b 反射形状部(方向変化手段)
180 変位規制装置(制限手段)
181 当接部材(案内手段の一部)
181b 筒状保持部(案内手段の一部)
183 操作部材(操作部)
183f 係合部
184 コイルスプリング(付勢手段)
221 MPU(防止報知手段)
310 区画部材(補助手段の一部、案内手段、箱状手段)
312 湾曲板部(第1案内部)
314 背面区画下部(第2案内部)
315 異形貫通部(開放部)
320 粒状部材(変位手段の一部、配置手段の一部)
362 軸部(規制部)
410 直動部材(変位手段の一部、第2部材)
413 台形突設部(第2当接部)
414 突条部(第2対象部)
420 衝突部材(作用手段の一部、当接手段、第1手段)
424 緩衝部材(第2当接部)
430 当接部材(変位手段の一部、第1部材、規制手段)
432 突設部(第1対象部)
440 前側伝達部材(伝達手段の一部)
442 溝形成部(第2伝達部、判別関与手段)
446 伝達突部(第1伝達部、当接部)
470 伝達アーム部材(伝達手段)
480 蓋部材(作用手段の一部、当接手段、進退手段)
482 張出部(代表先端部)
489a 第1当接面(当接面)
489b 第2当接面(当接面)
489c 第3当接面(当接面)
510 背面ケース(領域構成手段の一部)
630 下アーム部材(作用手段の一部)
633 支持孔(主支持手段)
634 円弧状孔(補助支持手段、案内手段)
700 演出部材(変位手段)
730 回転板(負荷発生手段、変位発生手段)
740 伸縮変位部材(第1部材の一部、第2部材の一部)
743b 第1被案内突部(第1被負荷部)
744b 第2被案内突部(第2被負荷部)
760 遮蔽意匠部材(第1部材の一部、第2部材の一部)
820 縦スライド部材(変位手段の一部)
840 横スライド部材(変位手段の一部)
870 長尺アーム部材(電気配線変位手段)
882a 壁部(停留手段の一部)
886 案内凹部(対応変化手段)
887 円柱突設部(停留手段の一部)
DK2 電気配線
DK2b 下側巻き部(第2所定部)
LM1 中間流路(流下手段の一部、第1構成部)
MT1 駆動モータ(駆動手段)
IE1 内部空間(範囲)
SC4 検出センサ(検出手段)
SP1 コイルスプリング(負荷発生手段の一部、付勢手段)
A10,A3010,A4010 パチンコ機(遊技機)
11 外枠
12 内枠(ベース体)
18 ヒンジ(回転軸)
A100,A2100,A3100,A4100 基板ボックス(収容体)
A110 主制御装置(対象物)
A119 プリント基板(対象物、制御基板)
A120 スイッチ装置(操作手段)
A122 操作部(操作子)
A123b 突部(第1面)
A130 キー装置(操作手段)
A133b 突部(受入部)
A133c 端部(第1面)
A140 鍵(操作子)
A200,A3200 ボックスカバー(収容体)
A203 下壁部(立設壁)
A210 操作用壁部(対向部)
A211 第1突条(突条)
A212 第2突条(突条)
A220 第1接続壁部(接続面)
A230 第2接続壁部(接続面、他の接続面)
A240 第3接続壁部(接続面、他の接続面)
A250 開口
A260 開口
A270,A2270 被覆部
A271 周壁部(被覆部)
A271a 基部(被覆部)
A271b 突部(膨出部)
A272,A2272 端面壁部(被覆部、対向部)
A272a 円環部(対向部)
A272b 角形部(対向部)
A2273 突条(突部)
A280,A290 立設壁
A280a,A290a テーパ面
A281,A291 第1立設壁(立設壁)
A282,A292 第2立設壁(立設壁)
A283,A293 第3立設壁(立設壁)
A284 第4立設壁(立設壁)
A300 ボックスベース(収容体)
A410,A4410 回転軸
110 主制御装置(制御手段)
B1000 可変入賞手段(経路構成手段の一部、状態変化手段の一部)
B1140 突設部(減速手段、作用部の一部、作用選択部の一部)
B1200 覆設部材(区画部材の一部)
B1211 突設部(減速手段、作用部の一部、作用選択部の一部)
B1212 延設支持部(隙間減少手段、補助手段の一部)
B1230 第1検出センサ(入球領域の一部、第1入球領域)
B1250 第2検出センサ(入球領域の一部、第2入球領域)
B1260 球案内受部(衝突抑制手段)
B1300 第1案内板(経路構成手段の一部、状態変化手段の一部、第1(経路)構成手段、可変手段の一部、開閉変位手段の一部)
B1310 案内部(救い部)
B1311 転動面(案内経路の一部)
B1313 摺動部(隙間減少手段)
B1323 摺動部(隙間減少手段)
B1500 第2案内板(経路構成手段の一部、状態変化手段の一部、第2(経路)構成手段、可変手段の一部)
B1510 案内部(救い部)
B1511 転動面(案内経路の一部)
B1513 摺動部(隙間減少手段)
B1523 摺動部(隙間減少手段)
B2300 開閉板(経路構成手段の一部、第1経路構成手段、開閉変位手段の一部)
B2500 開閉棒(経路構成手段の一部、第2経路構成手段)
B4260 球案内受部(入球領域の一部)
B4360 前側突設部(補助手段の一部)
B9140 突設部(作用部の一部)
BKL1 左傾斜軌跡(案内経路の一部、第2案内経路)
BKL2 右傾斜軌跡(案内経路の一部、第1案内経路)
BL1 左側流下経路(流下経路の一部)
BL2 右側流下経路(流下経路の一部)
BL21 左打ち流下経路(流下経路の一部)
BL22 右打ち流下経路(流下経路の一部)
B22300 第1案内板(経路構成手段の一部)
B22500 第2案内板(経路構成手段の一部)
B23300 第1案内板(開閉手段の一部、防止手段の一部)
B23340 伝達孔(伝達手段の一部)
B23430 回転部材(伝達手段の一部)
B23500 第2案内板(防止手段の一部、開閉手段の一部)
B23800 切替装置(切替手段の一部)
B24720 伝達回転体(修復手段の一部)
B25110 駆動ソレノイド(駆動手段の一部)
B25640 伝達部材(伝達手段の一部)
B25700 切替装置(切替手段の一部)
B1001 第1特定入賞口(所定入賞口の一部、入球領域の一部、所定領域の一部)
B1002 第2特定入賞口(所定入賞口の一部、入球領域の一部、所定領域の一部)
B1410 第1ソレノイド(修復手段の一部、駆動手段の一部)
B1610 第2ソレノイド(修復手段の一部、駆動手段の一部)
110 主制御装置(比較手段の一部、判定手段の一部)
640 第2入賞口(所定領域の一部)
B640a 電動役物(開閉手段の一部、防止手段の一部)
BSC221 第1検出センサ(検出手段の一部、判定手段の一部)
BSC222 第2検出センサ(検出手段の一部、判定手段の一部)
C13 遊技盤
C60 ベース板(遊技盤)
C60a 開口
C122,C2122,C4122 下側底面部(往復面、第1の通路)
C122a 流出面(流出部)
C123a,C4123a 切り欠き部(流入部)
C130,C2130 背面部材(ベース部材)
C140,C2140 第1中間部材(ベース部材)
C142,C2142 底面部(上流面、第2の通路)
C144,C2144 通路部(第1の通路)
C170,C2170,C3170 振分部材(変位部材、本体部)
C172,C2172 受入部(第1面)
C172b,C2172b 底面部(第1面)
C173,C2173 転動部(第2面)
C2174 軸
C190 装飾部材(錘部)
C192 軸
C2300 磁石(吸着部材)
C2400,C5400 磁性部(吸着部材、下面形成部材)
COPin,COP2000in 受入口(流入部)
CRt2 第2通路(第1の通路)
CRt3 第3通路(第2の通路)
CRt4 第4通路(第1の通路)
CRt5 第5通路(第2の通路)
CRt2001 第1通路(第1の通路)
CRt2002 第2通路(第2の通路)
CRt2003 第3通路(第1の通路)
CRt2004 第4通路(第2の通路)
CRt2005 第5通路(第2の通路)
CB1 球(第1の球)
CB2 球(第2の球)