概要
本開示の1つの局面は細胞培養モジュールを提供する。細胞培養モジュールは、(a)複数のチャンバを含むアレイであって、複数チャンバの各チャンバが、1個または複数個の細胞を格納するように構成されていてもよく、かつ、それぞれの細胞導入用通路によりそれぞれの細胞導入用ポートに作動的に連結されていてもよい、複数のチャンバを含むアレイと;(b)複数チャンバのチャンバに流体連結されていてもよい少なくとも1つの灌流チャネルとを、備えていてもよい。いくつかの態様において、チャンバのアレイは、少なくとも3つのチャンバであってもよい。いくつかの態様において、複数チャンバの各チャンバの容積は、少なくとも約4500立法マイクロメートル(μm3)であってもよい。いくつかの態様において、複数チャンバと複数の細胞導入用通路とは、細胞培養モジュールのモノリスマトリックス内に少なくとも部分的に形成されていてもよい。いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、細胞培養モジュールの上部領域と下部領域とをさらに備えていてもよい。アレイは下部領域内に形成されていてもよく、複数の細胞導入用ポートは上部領域内に形成されていてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、積重ねアレイ内に配置された複数の灌流チャネルであってもよい。いくつかの態様において、積重ねアレイは、下部領域、上部領域、またはそれらの組み合わせの中に形成されていてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、下部領域と上部領域との間のインタフェース部の実質的に付近に配されていてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、少なくとも1つの関連する灌流ポートに流体連結されてコンジットを形成していてもよい。コンジットは、前記少なくとも1つの関連する灌流ポートから、前記少なくとも1つの灌流チャネルに流体連結されていてもよいチャンバに向かって、下向きに傾斜していてもよい。いくつかの態様において、チャンバアレイの水平軸に対するコンジットの角度は約50度未満であってもよい。いくつかの態様において、積重ねアレイの複数灌流チャネルのグループは、アレイに対して同じ水平方向高さに配されていてもよい。そのグループは共通の灌流ポートに流体連結されていてもよい。いくつかの態様において、それぞれの細胞導入用通路は狭窄部を含んでいてもよい。いくつかの態様において、狭窄部は、チャンバアレイの水平軸に対して横向きに配向されていてもよい。いくつかの態様において、狭窄部は、複数チャンバのチャンバの入口近傍に配されていてもよい。
いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、可動式遮断要素をさらに備えていてもよい。可動式遮断要素は、細胞が複数チャンバのチャンバから出ることを防ぐため、狭窄部における遮断構成へと可動であるように構成されていてもよい。いくつかの態様において、可動式遮断要素は、遮断構成から非遮断構成へと可動であるように構成されていてもよい。いくつかの態様において、可動式遮断要素はビーズであってもよい。いくつかの態様において、遮断構成への、または非遮断構成へのビーズの移動は、重力、印加された磁場、印加された電場、加えられた流体フロー、機械力、またはそれらの任意の組み合わせによって差し向けられてもよい。いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、(a)複数チャンバのチャンバをそれぞれの細胞導入用通路に流体連結するか、(b)複数チャンバのチャンバを前記少なくとも1つの灌流チャネルに流体連結するか、または(c)それらの組み合わせを流体連結する、少なくとも1つのバイパスチャネルをさらに備えていてもよい。いくつかの態様において、可動式遮断要素が遮断構成になっていてもよい時に、前記少なくとも1つのバイパスチャネルは、(a)複数チャンバのチャンバと、それぞれの細胞導入用通路もしくは前記少なくとも1つの灌流チャネルとの間の流体交換;(b)複数チャンバのチャンバから、それぞれの細胞導入用通路もしくは前記少なくとも1つの灌流チャネルへの、細胞の少なくとも一部の成長;または(c)それらの組み合わせを許容してもよい。
いくつかの態様において、それぞれの細胞導入用ポートの端部は、細胞培養モジュールの上部領域の上面に配されていてもよい。いくつかの態様において、複数チャンバの各チャンバについて、上面に配されたそれぞれの細胞導入用ポートの端部から、それぞれのチャンバの底部内面まで、直線の視線が形成されていてもよい。
いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、少なくとも1つの電極をさらに備えていてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は、支持部およびヘッド部を含んでいてもよい。いくつかの態様において、支持部は、外部回路網に作動的に連結していてもよい。いくつかの態様において、ヘッド部は、支持部より横幅が大きい、丸みを帯びた形状を含んでいてもよい。いくつかの態様において、ヘッド部は、複数の突起、複数の凹部、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は、細胞培養モジュールの基材上に形成されていてもよい。モノリスマトリックスは、基材上の前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部を囲んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は、少なくとも1つの突起、少なくとも1つの凹部、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は前記少なくとも1つの突起を含んでいてもよく、そして前記少なくとも1つの突起は半球状の突起であってもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は前記少なくとも1つの凹部を含んでいてもよく、そして前記少なくとも1つの凹部は半球状の凹部であってもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は、少なくとも約100個の突起、少なくとも約100個の凹部、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は、1平方マイクロメートルあたりの突起数(pro/μm2)が少なくとも約0.05である複数突起の表面密度か、1平方マイクロメートルあたりの凹部数(rec/μm2)が少なくとも約0.05である複数凹部の表面密度か、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極は、約10ナノメートル(nm)〜約100 nmの表面粗さを含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極の幅は、約2マイクロメートル(μm)〜約20μmであってもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの電極の形状はキノコ形であってもよい。
いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、1つまたは複数のセンサをさらに備えていてもよい。いくつかの態様において、前記1つまたは複数のセンサは、温度センサ、pHセンサ、ガスセンサ、グルコースセンサ、レベルセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、ガスセンサは、O2センサ、CO2センサ、またはそれらの組み合わせであってもよい。いくつかの態様において、前記1つまたは複数のセンサは、光学センサ、電気化学センサ、光電センサ、圧電センサ、バイオセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、複数チャンバの各チャンバが、少なくとも1つのセンサを含んでいてもよい。いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、前記1つまたは複数のセンサのそれぞれの計量(metric)について1つまたは複数の測定を行うよう、前記1つまたは複数のセンサに指示するための制御システムをさらに備えていてもよい。
いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、外部光源からの光を複数チャンバのチャンバの一部に伝導するように構成された、少なくとも1つの光ガイドをさらに備えていてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの光ガイドは、複数の光ガイドであってもよい。複数の光ガイドの各々は、複数チャンバの各々と特異的対応関係となるように構成されていてもよい。
いくつかの態様において、複数チャンバのチャンバに、少なくとも2個の細胞が存在していてもよい。いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、少なくとも2個の細胞を格納するための追加的チャンバから前記少なくとも1つの灌流チャネルを仕切るように構成された、隔壁アレンジメントをさらに備えていてもよい。隔壁アレンジメントは、前記少なくとも1つの灌流チャネルと追加的チャンバとの間で成分が通過することを選択的に許容するための、複数の細孔を含んでいてもよい。いくつかの態様において、隔壁アレンジメントは、血液脳関門アレンジメントのモデルとなるように適合されていてもよい。いくつかの態様において、複数の細孔の細孔直径は約5マイクロメートル(μm)未満であってもよい。いくつかの態様において、複数の細孔の細孔直径は約100ナノメートル(nm)未満であってもよい。いくつかの態様において、隔壁アレンジメントの透過性は、サイズに基づくかまたは電荷に基づいていてもよい。いくつかの態様において、成分は、ガス、ケモカイン、サイトカイン、小分子、タンパク質、核酸、または、それらの任意の組み合わせであってもよい。
本開示の別の局面は、細胞培養モジュールを備える細胞培養システムを提供する。細胞培養システムは、細胞培養モジュールの少なくとも一部の温度を検知するように構成された、少なくとも1つの温度センサをさらに備えていてもよい。細胞培養システムは、細胞培養モジュールの少なくとも一部を加温するように構成された、少なくとも1つの加温要素をさらに備えていてもよい。細胞培養システムは、細胞培養モジュールに流体を送達するように構成された流体送達システムをさらに備えていてもよい。細胞培養システムは、加温要素、流体送達システム、前記少なくとも1つの温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせを制御するように構成された制御システムをさらに備えていてもよい。細胞培養システムは、前記少なくとも1つの温度センサ、前記少なくとも1つの加温要素、流体送達システム、または制御システムの、任意の組み合わせを備えていてもよい。いくつかの態様において、流体送達システムはポンプを含んでいてもよい。いくつかの態様において、ポンプは、容積式ポンプ、インパルスポンプ、速度ポンプ(velocity pump)、重力ポンプ、蒸気ポンプ、または無弁ポンプであってもよい。いくつかの態様において、細胞培養システムは、(a)流体送達システムと制御システムとを保持するように構成されたベースユニットと;(b)細胞培養モジュールをベースユニットに解放可能式に固定するために、ならびに細胞培養モジュールを流体送達システムおよび制御システムに作動的に連結するために細胞培養モジュール上に配された受け領域とを、さらに備えていてもよい。いくつかの態様において、制御システムは、設定温度に合致するよう、前記少なくとも1つの加温要素から細胞培養モジュールへの熱供給を指示してもよい。いくつかの態様において、設定温度は、ユーザによって制御システムに入力されてもよい。
本開示の別の局面は、細胞培養モジュールに1個または複数個の細胞を存在させる方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、複数チャンバの各チャンバに、それぞれの細胞導入用通路を介して、1個または複数個の細胞を挿入する段階を含んでいてもよい。いくつかの態様において、方法は、それぞれの細胞導入用通路を可動式遮断要素で遮断する段階をさらに含んでいてもよい。
本開示の別の局面は、細胞培養モジュールに1個または複数個の細胞を存在させる方法を提供する。方法は、前記少なくとも1つの電極の表面の少なくとも一部を改変する段階と;複数チャンバの各チャンバに、それぞれの細胞導入用通路を介して、1個または複数個の細胞を挿入する段階とを、含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記1個または複数個の細胞は、前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部に接触してもよい。いくつかの態様において、改変する段階は、前記表面の前記一部に成分を添加することを含んでいてもよい。いくつかの態様において、改変する段階は、前記表面の前記一部の表面粗さを増大させることを含んでいてもよい。いくつかの態様において、改変する段階は、前記表面の前記一部の近傍に、少なくとも1つの突起、少なくとも1つの凹部、またはそれらの組み合わせを付加することを含んでいてもよい。いくつかの態様において、方法は、前記少なくとも1つの灌流チャネルを介して、複数チャンバのチャンバに流体を灌流させる段階をさらに含んでいてもよい。
本開示の別の局面は、細胞培養モジュールの少なくとも1個の細胞を調べる方法を提供する。いくつかの態様において、細胞は、複数チャンバのチャンバ内に位置していてもよい。方法は、顕微鏡を利用して、細胞培養モジュールの上面を介して細胞を可視化する段階を含んでいてもよい。
本開示の別の局面は、細胞培養モジュール内に含有されている前記1個または複数個の細胞に化合物を適用する段階を含む方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、前記少なくとも1つの灌流チャネルおよび/またはそれぞれの細胞導入用通路に化合物を添加する段階をさらに含んでいてもよい。いくつかの態様において、方法は、化合物に対する前記1個または複数個の細胞の反応を測定する段階をさらに含んでいてもよい。いくつかの態様において、測定する段階は、センサを利用して反応を測定することを含んでいてもよい。
本開示の別の局面は、細胞培養モジュールを製造する方法を提供する。方法は、細胞培養モジュールの少なくとも一部を3D印刷する段階を含んでいてもよい。
いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、流体をチャンバに導入するかまたはチャンバから除去するように構成されていてもよい。いくつかの態様において、流体は、ガス、細胞培地、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの態様において、流体は化合物を含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記1個または複数個の細胞は、対象から単離されたニューロンを含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記1個または複数個の細胞は、脳組織、脊髄組織、脳脊髄液、またはそれらの任意の組み合わせから取得されてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、約5マイクロメートル(μm)未満のチャネル内幅を含んでいてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルのチャネル内幅は、その長さに沿って変化していてもよい。いくつかの態様において、それぞれの細胞導入用通路の内幅は、その長さに沿って変化していてもよい。いくつかの態様において、可動式遮断要素の幅は、それぞれの細胞導入用通路の長さに沿った最小の内幅と等しくてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、複数チャンバの各チャンバに流体連結されていてもよい。いくつかの態様において、前記少なくとも1つの灌流チャネルは、複数の流体用分枝を含んでいてもよい。いくつかの態様において、細胞培養モジュールの外部長さおよび外幅は約6インチ未満であってもよい。いくつかの態様において、コンジットの長さは約1ミリメートル(mm)より長くてもよい。いくつかの態様において、複数チャンバの各チャンバの容積は、約0.5立法ミリメートル(mm3)〜約90 mm3であってもよい。
いくつかの態様において、細胞培養システムは、細胞培養モジュールから取得した結果を、通信媒体を介して通信してもよい。いくつかの態様において、通信媒体は、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットデバイス、またはそれらの組み合わせであってもよい。
いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、複数チャンバを含むアレイを備えていてもよく;複数チャンバの各チャンバは、1個または複数個の細胞を格納するように構成されていてもよく、かつ、それぞれの細胞導入用通路によって、それぞれの細胞導入用ポートに作動的に連結されていてもよく;そして、少なくとも1つの灌流チャネルが、複数チャンバのチャンバに流体連結されていてもよい。
いくつかの態様において、細胞培養モジュールは、複数チャンバを含むアレイを備えていてもよく;複数チャンバの各チャンバは、1個または複数個の細胞を格納するように構成されていてもよく、かつ、それ自体の細胞導入用通路によって、それ自体の細胞導入用ポートに作動的に連結されていてもよく;そして、少なくとも1つの灌流チャネルが、複数チャンバのチャンバに流体連結されていてもよい。
当技術分野において現時点で示されているところによれば、インビボにおける細胞の挙動をインビトロにおいてより密接に模倣するための、複雑なシステムの開発に関心が持たれている。これにより、例えば、マルチウェルプレート内の単離細胞による単純な試験より向上した様式で(例えば)有効性および毒性を評価するため、薬剤候補化合物を細胞で試験することが可能となる。
薬剤開発、バイオマーカー研究、またはヒトの病理の理解に最も適したプラットフォームは、人体システムまたはそれに最も近い近似物である。この最も近い近似物を開発するうえで、研究者らは大きな課題に直面しており、これらの課題は多くの場合、必要とされるリソースに学際的性質があることから、生産性に影響を与え、コストを増大させており、そして、質の低い結果をもたらす可能性もある。こうした難点として、非限定的に、組織の調達および幹細胞株への均質な分化;規制上の問題;習得の困難さ;労働力、資本、材料、および時間的コスト;ならびに、データの抽出および解釈などがある。
本開示は、上述の問題のうち少なくとも1つに対処するために考案されている。好ましくは、本開示は、上述の問題のうち少なくとも1つを、低減、改善、回避、または克服する。
したがって、第一の好ましい局面において、本開示は、上部領域と下部領域とを有する配向となるように構成可能である細胞培養モジュールであって:各チャンバが1個または複数個の細胞を格納するようになっている、下部領域内のチャンバのアレイと;各チャンバに対する、それぞれの細胞導入用通路およびそれぞれの細胞導入用ポートであって、細胞導入用ポートは上部領域内に位置しかつ細胞導入用通路を介してチャンバにリンクされているような、それぞれの細胞導入用通路およびそれぞれの細胞導入用ポートと;チャンバ内の細胞に、および、チャンバ内の細胞から、細胞培地を伝導するための、少なくとも1つの灌流チャネルとを備え;少なくともチャンバと細胞導入用通路とが、モノリスマトリックス内に少なくとも部分的に形成されている、細胞培養モジュールを提供する。
第二の好ましい局面において、本開示は、第一の局面に基づく細胞培養モジュールを備え;細胞培養モジュールの少なくとも一部分の温度を検知するように適合された、少なくとも1つの温度センサと;細胞培養モジュールの少なくとも一部分を加温するように適合された、少なくとも1つの加温要素と;細胞培養モジュールに培地を送達するように適合された流体送達システム(細胞培地を送達するシステムなど)と;加温要素および/または流体送達システムを制御するように適合された制御システムとをさらに備える細胞培養システムを提供する。流体送達システムは細胞培地の送達を含んでいてもよい。流体送達システムは、酸素または二酸化炭素などのガスの送達を含んでいてもよい。流体送達システムは、抗体、タンパク質、酵素、小分子、核酸、サイトカイン、ケモカイン、アプタマー、またはそれらの任意の組み合わせなどの試薬の送達を含んでいてもよい。
第三の好ましい局面において、本開示は、第一の局面に基づく細胞培養モジュールに存在させる方法であって、細胞導入用通路を介して細胞培養モジュールの少なくとも1つのチャンバに少なくとも1個の細胞を挿入する段階;細胞をチャンバ内に保持するため細胞導入用通路を遮断する段階;および、灌流チャネルを介して細胞に細胞培地を灌流させる段階を含む方法を提供する。
第四の好ましい局面において、本開示は、細胞を存在させた、第一の局面に基づく細胞培養モジュールを提供する段階;灌流チャネルおよび/または細胞導入用通路を介して細胞に化合物を伝導する段階;ならびに、細胞のうち少なくとも1つの、化合物に対する反応を評価する段階を含む、化合物を試験する方法を提供する。
第五の好ましい局面において、本開示は、チャンバと細胞導入用通路とを形成するためモノリスマトリックスを3D印刷する段階を含む、第一の局面に基づく細胞培養モジュールを製造する方法を提供する。
第六の好ましい局面において、本開示は、第一の局面に基づくモジュールのチャンバ内に位置する少なくとも1個の細胞を調べる方法であって、モジュールの上面を介してチャンバ上の光学顕微鏡観察を行う段階を含む方法を提供する。
本開示の第一、第二、第三、第四、第五、および/または第六の局面は、以下の随意的特徴のうち任意の1つ、または互いに適合する範囲内の任意の組み合わせを、有していてもよい。
好ましくは、モジュールは、複数の前記灌流チャネルをさらに備える。このことにより、細胞培地は、チャンバに向かって、およびチャンバから離れるように、モジュールを通って灌流できる。灌流チャネルは、モジュールの下部領域から上部領域まで、積重ねアレイ内に配置されていてもよい。このことにより、チャンバ内の細胞を確実にカバーできるよう、少なくともモジュールの下部領域またはその近くのチャネルを、培地で満たされた状態に保つことができる。例えば、設計および製造を容易にするため、モジュールが上部領域と下部領域とを有するように配向されている場合は、灌流チャネルの少なくとも一部が、モジュールを実質的に水平方向に横切るように伸びていてもよい。しかし、後述するように、例えば灌流チャネルの構造が生理学的モデリングに基づいている場合など、規則的および/または直線的なアレイ内に灌流チャネルが形成されているのでなくてもよい。
各灌流チャネルは、それぞれの灌流チャネルと流体連絡しているモジュールの外部からのコンジットであって、灌流ポートから灌流チャネルへと沿った方向において下向きに傾斜しているコンジットを提供する、少なくとも1つの関連する灌流ポートを有していてもよい。各灌流チャネルは、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の関連する灌流ポートなど、関連する灌流ポートを1つより多く有していてもよい。各グループが、関連する灌流ポートのうち少なくとも1つを共有しているような、互いに同じ水平レベルに提供された灌流チャネルのグループが、灌流チャネルの積重ねアレイ内に提供されていてもよい。これにより、コンジットの傾斜が、モジュールの灌流チャネル内における細胞培地の保持を補助するような、灌流ポートの積重ねアレイ(外観が例えば鰓式システムに似たもの)が確立される。このようにして、モジュールに流体貯留システムが提供される。直径が比較的小さい灌流チャネルと連絡している、灌流ポートの積重ねアレイの角度付けは、流体のアウトフローに対して一連の積重ね抵抗を提供する。流体のアウトフローに対するこのような抵抗は、システムのベースユニットへの輸送後にモジュールが切り替えられる際に特に重要である。
細胞導入用通路は、少なくとも1つの横寸法における狭窄部などの、狭窄部を含んでいてもよい。狭窄部は円周状の狭窄部であってもよい。細胞導入用通路は1つまたは複数の狭窄部を含んでいてもよい。細胞導入用通路は少なくとも2つの狭窄部を含んでいてもよい。細胞導入用通路は少なくとも3つの狭窄部を含んでいてもよい。狭窄部は、細胞導入用通路の内幅の狭小化を含んでいてもよい。狭窄部は、チャンバアレイの水平軸に対して横向きに配向されていてもよい。狭窄部は、チャンバの入口の実質的近傍に配されていてもよい。狭窄部は、チャンバと細胞導入用通路とが流体連結されている部分である、チャンバと細胞導入用通路との間のインタフェース部に配されていてもよい。このことは、モジュールが可動式遮断要素をさらに備える場合に特に有用である。この要素は、チャンバ内の細胞がチャンバから出ることを抑制するため、狭窄部における遮断構成へと可動であるように適合されていてもよい。加えて、可動式遮断要素は、遮断構成から非遮断構成へと可動であるように適合されていてもよい。例えば、可動式遮断要素は、印加された磁場および/または電場の影響下で移動できるビーズであってもよい。
可動式遮断要素の移動は、制御システムもしくはユーザ、またはそれらの組み合わせによって制御されてもよい。可動式遮断要素の移動は、磁場、電場、重力、円周状の制限力、横方向もしくは垂直方向の力、またはそれらの任意の組み合わせを利用することによって、遮断ポジションから非遮断ポジションに、またはその逆に、差し向けられてもよい。
可動式遮断要素はビーズであってもよい。可動式遮断要素は弁であってもよい。可動式遮断要素は、滑動可能な平面シートなどの、平面シートであってもよい。可動式遮断要素は、狭窄および拡張して、チャンバ開口部か、チャネルか、または細胞導入用通路の内径を減少および拡大できる、狭窄バンドであってもよい。可動式遮断要素はポストのアレイであってもよい。
好ましくは、可動式遮断要素が遮断構成になっているときに、チャンバから細胞導入用通路または灌流チャネルへの流体のフローおよび/または細胞の成長を許容する、少なくとも1つのバイパスチャネルが提供される。バイパスチャネルは、好ましくは、チャンバ内の細胞がバイパスチャネルに沿って通過することを防ぐように寸法決定される。
バイパスチャネルのチャネル内幅は約20マイクロメートル(μm)未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約10μm未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約5μm未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約1μm未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約0.5μm未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約0.1μm未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約0.05μm未満であってもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は約0.01μm未満であってもよい。
バイパスチャネルのチャネル内幅は、その長さに沿って変化していてもよい。バイパスチャネルのチャネル内幅は、その長さに沿って実質的に同じであってもよい。
細胞導入用ポートは、典型的に、モジュールの上部領域において、モジュールの上面に提供され、細胞導入用通路がチャンバに向かって下向きに傾斜している。この傾斜は、細胞をチャンバ内に導入することおよび細胞をチャンバ内で保持することを補助する。
好ましくは、少なくとも1つのチャンバについて、モジュールの上面からチャンバまで細胞導入用通路と交差することのない垂直の視線が存在する。このことは、チャンバ内の細胞を顕微鏡で調べることを可能にする。
好ましくは、チャンバは、細胞と相互作用するように形成された少なくとも1つの電極を含む。電極は、外部回路網に接続されているかまたは接続可能である支持部と、支持部より横幅が大きい丸みを帯びた形状を有するヘッド部とを有していてもよい。電極のヘッド部は、丸みを帯びた形状部に形成された、追加の突起および/または凹みを含んでいてもよく、これにより、丸みを帯びた形状だけの場合と比べて、さらに利用可能表面積を提供してもよい。
好ましくは、電極は基材上に形成され、そして電極をチャンバ内に封入するため、基材上にモノリスマトリックスが形成される。モジュールは、外部光源からチャンバに光を伝導するように適合された、少なくとも1つの光ガイドをさらに備えていてもよい。チャンバアレイの少なくとも一部分に対応した、光ガイドのアレイが提供されていてもよい。
好ましい態様において、チャンバに、1個または複数個の細胞が存在している。
細胞導入用通路の壁は、故意に、粗さ、段もしくはかえしを伴うように形成されるか、またはその他ぎざぎざに形成されていてもよい。このことは、いくらかの圧力を伴って挿入された細胞が、チャンバから出て通路に沿って移動することが困難になるように、方向性を提供してもよい。追加的または代替的に、細胞導入用通路の壁は、例えば細胞が細胞導入用通路に沿って成長することを防ぐように、化学的に機能付与されていてもよい。
チャンバとリンクした灌流チャネルを、少なくとも1つの二次チャンバから分離する、隔壁アレンジメントが追加的に提供されていてもよい。二次チャンバは、好ましくは前記チャンバ内の細胞とは異なる、1個または複数個の細胞を格納するためのものであってもよい。隔壁アレンジメントは、好ましくは、灌流チャネルと二次チャンバとの間の選択的連絡を許容するための、細孔のアレイを含む。
隔壁アレンジメントは、血液脳関門のモデルとなるように適合されていることが好ましい。
本発明のシステムにおいて、好ましくは、前記流体送達システムと前記制御システムとを保持し、かつ、前記細胞培養モジュールを解放可能式に保持するためおよび細胞培養モジュールを流体送達システムと制御システムとに連絡するための細胞培養モジュール受け領域を有する、ベースユニットが提供される。
[本発明1001]
複数のチャンバを含むアレイであって、該複数チャンバの各チャンバが、1個または複数個の細胞を格納するように構成され、かつそれぞれの細胞導入用通路によりそれぞれの細胞導入用ポートに作動的に連結されている、複数のチャンバを含むアレイと;
該複数チャンバのチャンバに流体連結された少なくとも1つの灌流チャネルと
を備える、細胞培養モジュール。
[本発明1002]
前記チャンバアレイが、少なくとも3つのチャンバである、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1003]
前記複数チャンバの各チャンバの容積が、少なくとも約4500立法マイクロメートル(μm3)である、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1004]
前記複数チャンバと複数の細胞導入用通路とが、細胞培養モジュールのモノリスマトリックス内に少なくとも部分的に形成されている、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1005]
細胞培養モジュールの上部領域および下部領域であって、該下部領域内に前記アレイが形成され、かつ該上部領域内に複数の細胞導入用ポートが形成されている、上部領域および下部領域
をさらに備える、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1006]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、積重ねアレイ内に配置された複数の灌流チャネルである、本発明1005の細胞培養モジュール。
[本発明1007]
前記積重ねアレイが、下部領域、上部領域、またはそれらの組み合わせの中に形成されている、本発明1006の細胞培養モジュール。
[本発明1008]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、下部領域と上部領域との間のインタフェース部の実質的に付近に配されている、本発明1005の細胞培養モジュール。
[本発明1009]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、少なくとも1つの関連する灌流ポートに流体連結されてコンジットを形成しており、該コンジットは、該少なくとも1つの関連する灌流ポートから、前記少なくとも1つの灌流チャネルに流体連結されたチャンバに向かって、下向きに傾斜している、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1010]
前記チャンバアレイの水平軸に対する前記コンジットの角度が約50度未満である、本発明1009の細胞培養モジュール。
[本発明1011]
前記積重ねアレイの複数灌流チャネルのグループが、前記アレイに対して同じ水平方向高さに配されており、該グループは共通の灌流ポートに流体連結されている、本発明1006の細胞培養モジュール。
[本発明1012]
それぞれの細胞導入用通路が狭窄部を備える、前記本発明のいずれかの細胞培養モジュール。
[本発明1013]
前記狭窄部が、前記チャンバアレイの水平軸に対して横向きに配向されている、本発明1011の細胞培養モジュール。
[本発明1014]
前記狭窄部が、前記複数チャンバのチャンバの入口近傍に配されている、本発明1011の細胞培養モジュール。
[本発明1015]
細胞が前記複数チャンバのチャンバから出ることを防ぐため、前記狭窄部における遮断構成へと可動であるように構成された可動式遮断要素をさらに備える、本発明1011の細胞培養モジュール。
[本発明1016]
前記可動式遮断要素が、遮断構成から非遮断構成へと可動であるように構成されている、本発明1014の細胞培養モジュール。
[本発明1017]
前記可動式遮断要素がビーズである、本発明1014または1015の細胞培養モジュール。
[本発明1018]
遮断構成への、または非遮断構成へのビーズの移動が、重力、印加された磁場、印加された電場、加えられた流体フロー、機械力、またはそれらの任意の組み合わせによって差し向けられる、本発明1016の細胞培養モジュール。
[本発明1019]
(a)前記複数チャンバのチャンバをそれぞれの細胞導入用通路に流体連結するか、(b)前記複数チャンバのチャンバを前記少なくとも1つの灌流チャネルに流体連結するか、または(c)それらの組み合わせを流体連結する、少なくとも1つのバイパスチャネルをさらに備える、本発明1014の細胞培養モジュール。
[本発明1020]
前記可動式遮断要素が遮断構成になっている時に、前記少なくとも1つのバイパスチャネルが、(a)前記複数チャンバのチャンバと、それぞれの細胞導入用通路もしくは前記少なくとも1つの灌流チャネルとの間の流体交換;(b)前記複数チャンバのチャンバから、それぞれの細胞導入用通路もしくは前記少なくとも1つの灌流チャネルへの、細胞の少なくとも一部の成長;または(c)それらの組み合わせを許容する、本発明1018の細胞培養モジュール。
[本発明1021]
それぞれの細胞導入用ポートの端部が、細胞培養モジュールの上部領域の上面に配されている、本発明1005の細胞培養モジュール。
[本発明1022]
前記複数チャンバの各チャンバについて、上面に配されたそれぞれの細胞導入用ポートの端部から、それぞれのチャンバの底部内面まで、直線の視線が形成されている、本発明1021の細胞培養モジュール。
[本発明1023]
少なくとも1つの電極をさらに備える、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1024]
前記少なくとも1つの電極が、支持部およびヘッド部を含む、本発明1023の細胞培養モジュール。
[本発明1025]
前記支持部が、外部回路網に作動的に連結している、本発明1024の細胞培養モジュール。
[本発明1026]
前記ヘッド部が、前記支持部より横幅が大きい、丸みを帯びた形状を含む、本発明1024の細胞培養モジュール。
[本発明1027]
前記ヘッド部が、複数の突起、複数の凹部、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1024の細胞培養モジュール。
[本発明1028]
前記少なくとも1つの電極が細胞培養モジュールの基材上に形成され、かつモノリスマトリックスが該基材上の前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部を囲んでいる、本発明1023の細胞培養モジュール。
[本発明1029]
前記少なくとも1つの電極が、少なくとも1つの突起、少なくとも1つの凹部、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1023の細胞培養モジュール。
[本発明1030]
前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの突起を含み、かつ前記少なくとも1つの突起が半球状の突起である、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1031]
前記少なくとも1つの電極が前記少なくとも1つの凹部を含み、かつ前記少なくとも1つの凹部が半球状の凹部である、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1032]
前記少なくとも1つの電極が、少なくとも約100個の突起、少なくとも約100個の凹部、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1033]
前記少なくとも1つの電極が、1平方マイクロメートルあたりの突起数(pro/μm2)が少なくとも約0.05である複数突起の表面密度か、1平方マイクロメートルあたりの凹部数(rec/μm2)が少なくとも約0.05である複数凹部の表面密度か、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1034]
前記少なくとも1つの電極が、約10ナノメートル(nm)〜約100 nmの表面粗さを含む、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1035]
前記少なくとも1つの電極の幅が、約2マイクロメートル(μm)〜約20μmである、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1036]
前記少なくとも1つの電極の形状がキノコ形である、本発明1029の細胞培養モジュール。
[本発明1037]
1つまたは複数のセンサをさらに備える、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1038]
前記1つまたは複数のセンサが、温度センサ、pHセンサ、ガスセンサ、グルコースセンサ、レベルセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1037の細胞培養モジュール。
[本発明1039]
ガスセンサが、O2センサ、CO2センサ、またはそれらの組み合わせである、本発明1038の細胞培養モジュール。
[本発明1040]
前記1つまたは複数のセンサが、光学センサ、電気化学センサ、光電センサ、圧電センサ、バイオセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、本発明1037の細胞培養モジュール。
[本発明1041]
前記複数チャンバの各チャンバが、少なくとも1つのセンサを含む、本発明1037の細胞培養モジュール。
[本発明1042]
前記1つまたは複数のセンサのそれぞれの計量(metric)について1つまたは複数の測定を行うよう前記1つまたは複数のセンサに指示するための制御システムをさらに備える、本発明1037の細胞培養モジュール。
[本発明1043]
外部光源からの光を前記複数チャンバのチャンバの一部に伝導するように構成された、少なくとも1つの光ガイドをさらに備える、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1044]
前記少なくとも1つの光ガイドが複数の光ガイドであり、該複数の光ガイドの各々が、前記複数チャンバの各々と特異的対応関係となるように構成されている、本発明1043の細胞培養モジュール。
[本発明1045]
前記複数チャンバのチャンバに、少なくとも2個の細胞が存在している、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1046]
少なくとも2個の細胞を格納するための追加的チャンバから前記少なくとも1つの灌流チャネルを仕切るように構成された隔壁アレンジメントをさらに備える細胞培養モジュールであって、該隔壁アレンジメントが、前記少なくとも1つの灌流チャネルと該追加的チャンバとの間で成分が通過することを選択的に許容するための複数の細孔を含む、本発明1045の細胞培養モジュール。
[本発明1047]
前記隔壁アレンジメントが、血液脳関門アレンジメントのモデルとなるように適合されている、本発明1046の細胞培養モジュール。
[本発明1048]
複数の細孔の細孔直径が約5マイクロメートル(μm)未満である、本発明1046の細胞培養モジュール。
[本発明1049]
複数の細孔の細孔直径が約100ナノメートル(nm)未満である、本発明1046の細胞培養モジュール。
[本発明1050]
前記隔壁アレンジメントの透過性が、サイズに基づくかまたは電荷に基づく、本発明1046の細胞培養モジュール。
[本発明1051]
前記成分が、ガス、ケモカイン、サイトカイン、小分子、タンパク質、核酸、またはそれらの任意の組み合わせである、本発明1046の細胞培養モジュール。
[本発明1052]
本発明1001の細胞培養モジュールを備える細胞培養システムであって、
該細胞培養モジュールの少なくとも一部の温度を検知するように構成された、少なくとも1つの温度センサと;
該細胞培養モジュールの少なくとも一部を加温するように構成された、少なくとも1つの加温要素と;
該細胞培養モジュールに流体を送達するように構成された流体送達システムと;
該加温要素、該流体送達システム、該少なくとも1つの温度センサ、またはそれらの任意の組み合わせを制御するように構成された制御システムと
をさらに備える前記細胞培養システム。
[本発明1053]
前記流体送達システムがポンプを含む、本発明1052の細胞培養システム。
[本発明1054]
前記ポンプが、容積式ポンプ、インパルスポンプ、速度ポンプ(velocity pump)、重力ポンプ、蒸気ポンプ、または無弁ポンプである、本発明1053の細胞培養システム。
[本発明1055]
(a)前記流体送達システムと前記制御システムとを保持するように構成されたベースユニットと;(b)前記細胞培養モジュールを該ベースユニットに解放可能式に固定するために、ならびに前記細胞培養モジュールを前記流体送達システムおよび前記制御システムに作動的に連結するために前記細胞培養モジュール上に配された受け領域とをさらに備える、本発明1052の細胞培養システム。
[本発明1056]
設定温度に合致するよう、前記制御システムが、前記少なくとも1つの加温要素から前記細胞培養モジュールへの熱供給を指示する、本発明1052の細胞培養システム。
[本発明1057]
前記設定温度が、ユーザによって前記制御システムに入力される、本発明1056の細胞培養システム。
[本発明1058]
本発明1015の細胞培養モジュールに1個または複数個の細胞を存在させる方法であって、前記複数チャンバの各チャンバに、それぞれの細胞導入用通路を介して、該1個または複数個の細胞を挿入する段階を含む前記方法。
[本発明1059]
それぞれの細胞導入用通路を前記可動式遮断要素で遮断する段階をさらに含む、本発明1058の方法。
[本発明1060]
本発明1023の細胞培養モジュールに1個または複数個の細胞を存在させる方法であって、該方法が、
前記少なくとも1つの電極の表面の少なくとも一部を改変する段階;および
前記複数チャンバの各チャンバに、それぞれの細胞導入用通路を介して、該1個または複数個の細胞を挿入する段階
を含み、
該1個または複数個の細胞が、前記少なくとも1つの電極の少なくとも一部に接触する、
前記方法。
[本発明1061]
改変する段階が、前記表面の前記一部に成分を添加することを含む、本発明1060の方法。
[本発明1062]
改変する段階が、前記表面の前記一部の表面粗さを増大させることを含む、本発明1060の方法。
[本発明1063]
改変する段階が、前記表面の前記一部の近傍に、少なくとも1つの突起、少なくとも1つの凹部、またはそれらの組み合わせを付加することを含む、本発明1060の方法。
[本発明1064]
前記少なくとも1つの灌流チャネルを介して、前記複数チャンバのチャンバに流体を灌流させる段階をさらに含む、本発明1059の方法。
[本発明1065]
本発明1022の複数チャンバのチャンバ内に位置する、細胞培養モジュールの少なくとも1個の細胞を調べる方法であって、顕微鏡を利用して、該細胞培養モジュールの上面を介して該細胞を可視化する段階を含む前記方法。
[本発明1066]
本発明1001の細胞培養モジュール内に含有されている前記1個または複数個の細胞に化合物を適用する段階を含む方法。
[本発明1067]
前記少なくとも1つの灌流チャネルおよび/またはそれぞれの細胞導入用通路に前記化合物を添加する段階をさらに含む、本発明1066の方法。
[本発明1068]
前記化合物に対する前記1個または複数個の細胞の反応を測定する段階をさらに含む、本発明1067の方法。
[本発明1069]
測定する段階が、センサを利用して前記反応を測定することを含む、本発明1068の方法。
[本発明1070]
本発明1001の細胞培養モジュールを製造する方法であって、該細胞培養モジュールの少なくとも一部を3D印刷する段階を含む前記方法。
[本発明1071]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、流体をチャンバに導入するかまたはチャンバから除去するように構成されている、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1072]
前記流体が、ガス、細胞培地、またはそれらの組み合わせを含む、本発明1071の細胞培養モジュール。
[本発明1073]
前記流体が化合物を含む、本発明1071の細胞培養モジュール。
[本発明1074]
前記1個または複数個の細胞が、対象から単離されたニューロンを含む、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1075]
前記1個または複数個の細胞が、脳組織、脊髄組織、脳脊髄液、またはそれらの任意の組み合わせから取得される、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1076]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、約5マイクロメートル(μm)未満のチャネル内幅を含む、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1077]
前記少なくとも1つの灌流チャネルのチャネル内幅が、その長さに沿って変化している、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1078]
それぞれの細胞導入用通路の内幅が、その長さに沿って変化している、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1079]
前記可動式遮断要素の幅が、それぞれの細胞導入用通路の長さに沿った最小の内幅と等しい、本発明1078の細胞培養モジュール。
[本発明1080]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、前記複数チャンバの各チャンバに流体連結されている、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1081]
前記少なくとも1つの灌流チャネルが、複数の流体用分枝を含む、本発明1080の細胞培養モジュール。
[本発明1082]
細胞培養モジュールの外部長さおよび外幅が約6インチ未満である、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1083]
前記コンジットの長さが約1ミリメートル(mm)より長い、本発明1009の細胞培養モジュール。
[本発明1084]
前記複数チャンバの各チャンバの容積が、約0.5立法ミリメートル(mm3)〜約90 mm3である、本発明1001の細胞培養モジュール。
[本発明1085]
前記細胞培養モジュールから取得した結果を、通信媒体を介して通信する、本発明1052の細胞培養システム。
[本発明1086]
前記通信媒体が、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレットデバイス、またはそれらの組み合わせである、本発明1085の細胞培養システム。
本開示のさらなる局面および利点は、本開示の態様が提示および説明される以下の詳細な説明から当事者には容易に明らかになるであろうが、これらの態様は例示的なものにすぎない。理解されるように、本開示には、他の態様および異なる態様も可能であり、かつ、本開示の複数の細部は、種々の明白な点において改変が可能であり、それらはすべて本開示から逸脱することなく可能である。したがって、添付の図面および本明細書の説明は、制限的ではなく例示的な性質のものとみなされるべきである。
参照による組み入れ
本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個別的に参照により組み入れられると示された場合と同様に、参照により本明細書に組み入れられる。参照により組み入れられる刊行物および特許または特許請求が、本明細書に含有される開示内容と矛盾する範囲において、本明細書は、そのような矛盾する資料を破棄するかかつ/またはこれに優先すると意図される。
詳細な説明
以上に本発明の様々な態様を提示および説明したが、当業者には、そのような態様が例としてのみ提供されていることが明白であろう。当業者は、本発明から逸脱することなく、多数のバリエーション、変更、および置換を考えつく可能性がある。本明細書に説明される本発明の各態様に対して、様々な代替物が用いられてもよいことが理解されるべきである。
「約(about)」という用語は、参照される数値、および、その参照される数値のプラスまたはマイナス15%であってもよい。
本明細書において用いられる「細胞(cell)」という用語は、概して、1個または複数個の細胞を指す。細胞は対象から取得または単離されてもよい。対象は、ヒト、マウス、ラット、ブタ、イヌ、ウサギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリ、およびその他などの動物であってもよい。細胞はニューロンであってもよい。ニューロンは、中枢ニューロン、末梢ニューロン、感覚ニューロン、介在ニューロン、運動ニューロン、多極ニューロン、双極ニューロン、または偽単極ニューロンであってもよい。細胞は、Schwann細胞など、ニューロンの支持細胞であってもよい。細胞は血液脳関門系の細胞の1つであってもよい。細胞は神経細胞株などの細胞株であってもよい。細胞は、対象の脳から取得された細胞など、初代細胞であってもよい。細胞は、組織生検、細胞診検体、血液試料、細針吸引(FNA)試料、またはそれらの任意の組み合わせなど、対象から単離されてもよい細胞の集団であってもよい。細胞は、尿、乳、汗、リンパ、血液、痰、羊水、房水、硝子体液、胆汁、脳脊髄液、乳糜、糜汁、滲出液、内リンパ、外リンパ、胃酸、粘液、心膜液、腹腔液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、漿液、スメグマ、痰、涙、嘔吐物、または他の体液などの体液から取得されてもよい。細胞は、癌性細胞、非癌性細胞、腫瘍細胞、非腫瘍細胞、健常細胞、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
本明細書において用いられる「組織(tissue)」という用語は、概して、任意の組織試料を指す。組織は、疾患または状態を有すると疑われるかまたは確認された試料であってもよい。組織は、遺伝的に改変された試料であってもよい。組織は、健常か、良性か、またはその他疾患のない試料であってもよい。組織は、組織生検、組織切除物、吸引物(細針吸引物など)、組織洗浄物、細胞診検体、体液、またはそれらの任意の組み合わせなど、対象から除去された試料であってもよい。組織は、癌性細胞、腫瘍細胞、非癌性細胞、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。組織はニューロンを含んでいてもよい。組織は、脳組織、脊髄組織、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。組織は、血液脳関門を代表する細胞を含んでいてもよい。組織は、乳房組織、膀胱組織、腎臓組織、肝臓組織、結腸組織、甲状腺組織、頚部組織、前立腺組織、肺組織、心臓組織、筋肉組織、膵臓組織、肛門組織、胆管組織、骨組織、子宮組織、卵巣組織、子宮内膜組織、膣組織、外陰部組織、胃組織、眼組織、鼻組織、洞組織、陰茎組織、唾液腺組織、腸組織、胆嚢組織、胃腸組織、膀胱組織、脳組織、脊髄組織、血液試料、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
本明細書において用いられる「化合物(compound)」という用語は、概して、細胞反応に変化をもたらしてもよい組成物を指す。化合物は、薬剤もしくは薬学的組成物、またはその塩であってもよい。化合物は、タンパク質、ペプチド、核酸、抗体、アプタマー、小分子であってもよい。化合物は、細胞または細胞断片であってもよい。化合物は、組織または組織断片であってもよい。化合物は、天然由来の組成物または合成組成物であってもよい。
本明細書において用いられる「表面粗さ(surface roughness)」という用語は、概して、表面のテクスチャを指すか、または、表面上の逸脱の頻度および/もしくは振幅を指す。逸脱は突起および/または凹部であってもよい。逸脱は規則的なパターンを形成してもよく、またはランダムであってもよい。
本開示の好ましい態様は、生きた細胞を含有するかまたはこれを含有するように意図される細胞培養モジュールを提供する。これらの細胞は、任意の好適な由来のものであってよい。例えば、それらは、模擬的、合成、または天然のものであってもよい。モジュールは、温度を制御しかつ栄養素および他の物質を細胞に送達するなど、これら細胞にとって好適な環境を保つことができ、細胞に生命維持を提供するよう意図されていてもよい。ゆえにモジュールは、正常な生理機能を妨げることなく生きた細胞を輸送するための他のシステムと組み合わされてもよい。本開示の好ましい態様は、起電信号をモニタする目的で、細胞と相互作用するための電極を提供する。本開示の好ましい態様はまた、薬剤または化合物を細胞に送達すること、および、細胞反応をモニタすることも可能にする。本開示の好ましい態様はまた、細胞の反応または機能をモニタするための画像モダリティをサポートしてもよい。
いくつかの態様において、本開示は、完全に自律性の、生理学的に現実的な多臓器オンチップデバイスを提供する。そのようなデバイスは、高度な細胞アドレス指定、細胞膜またはバリアのモデリング、および、起電性細胞に対するより向上した信号対雑音比によって、起電性細胞をサポートできてもよい。
概して、本開示の好ましい態様の細胞培養モジュールは、その中に細胞を格納できる構造((x、y、z座標における)基材とみなすことができるもの)を提供し、この構造は、栄養素、成長培地、成長因子、化合物などを細胞に灌流させるためのアレンジメントを提供する。
細胞培養モジュールは、細胞培養モジュールを通る細胞培地の灌流を駆動するガス送達システムを提供する、ベースユニットの一部を形成するように意図される。加えて、細胞培養システムは、細胞培養モジュール内の生命維持を保つための加温要素を含む。温度、pH、ガス種、粒子分析などをモニタするため、様々なセンサもまた閉ループ内に含まれる。
前述のものに加えて、例えば、特定のタンパク質またはイオン性分子の存在を検知するよう適合されたものなど、他のセンサが提供されていてもよい。そのようなセンサおよび検出器は、分析読み出し情報をゲノミクス、プロテオミクス、ウェスタンブロットアッセイ、および他のラボオンチップデバイス用に提供するため、二次的な様式で細胞培養モジュールとインタフェースしていてもよい。
図1〜17を参照すると、これらの図面は、本開示の態様に基づく細胞培養モジュールの略透視図である。各図面は、この比較的複雑なモジュールの構造を理解できるよう、それぞれ異なる特徴または特徴の組み合わせを示している。これらの図面において、同じ特徴は同じ符番で示されており、そして、同じ特徴を繰り返し説明する必要はないとの理解から、異なる図面間において対応している特徴は、各々の図面について詳しく述べられない場合もある。
図1において、細胞培養モジュールは全体的に符番10で示される。これは、上面12を境界とする上部領域と、下面14を境界とする下部領域とを備えた、概ね細長の角柱形状を有する。直立する側面16, 18もまた提供される。前部領域20に、モジュールを後述の細胞培養システムに統合するためのプロフィール表面が提供される。加えて、モジュールの上部領域の後方に切欠き22が形成される。モジュールの前部および後部の形状は、フッキングシステムがモジュールを持ち上げそしてベースユニット内に置くことを可能にするための掛かり部を提供する(図には示していない)。
モジュールは、3D印刷または類似の微細加工技術によって製造されてもよい。これについてはより詳しく後述する。そのような加工技術は、細胞を位置決めし、細胞培地を灌流させ、そして必要であれば細胞成長用のチャネルとするための、相互接続した複雑な通路および空間の形成を可能にするという、本件におけるニーズに鑑みて、関心対象である。これらについてはより詳しく後述する。
図1において、モジュールの下部領域内に位置するチャンバ30が示されている。チャンバ30は、1個または複数個の細胞(図には示していない)を格納するように意図される。チャンバ30は、モジュールの上面12にある細胞導入用ポート34からつながっている、それぞれの細胞導入用通路32を有する。図1に示されているように、細胞導入用通路は、上部領域から、下部領域内のチャンバまで、概ね下向きに傾斜および湾曲している。このことは、ポート34および通路32を介して1個または複数個の細胞をチャンバ30内に導入することを可能にし、チャンバ30内に含有される細胞の数および種類について確実性を提供する。
細胞培養モジュールの外部長さは約12インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約11インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約10インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約9インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約8インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約7インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約6インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約5インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約4インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約3インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約2インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約1インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外部長さは約0.5インチ未満であってもよい。
細胞培養モジュールの外幅は約12インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約11インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約10インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約9インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約8インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約7インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約6インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約5インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約4インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約3インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約2インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約1インチ未満であってもよい。細胞培養モジュールの外幅は約0.5インチ未満であってもよい。
チャンバ容積は少なくとも約4立法マイクロメートル(μm3)であってもよい。チャンバ容積は約4立法マイクロメートル(μm3)未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約10μm3であってもよい。チャンバ容積は約10μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約50μm3であってもよい。チャンバ容積は約50μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約100μm3であってもよい。チャンバ容積は約100μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約250μm3であってもよい。チャンバ容積は約250μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約500μm3であってもよい。チャンバ容積は約500μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約1000μm3であってもよい。チャンバ容積は約1000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約2000μm3であってもよい。チャンバ容積は約2000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約3000μm3であってもよい。チャンバ容積は約3000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約4000μm3であってもよい。チャンバ容積は約4000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約5000μm3であってもよい。チャンバ容積は約5000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は約10,000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約10,000μm3であってもよい。チャンバ容積は約14,000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約14,000μm3であってもよい。チャンバ容積は約15,000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約15,000μm3であってもよい。チャンバ容積は約20,000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約20,000μm3であってもよい。チャンバ容積は約25,000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約25,000μm3であってもよい。チャンバ容積は約30,000μm3未満であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約30,000μm3であってもよい。チャンバ容積は少なくとも約33,500μm3であってもよい。チャンバ容積は約33,000μm3未満であってもよい。
チャンバ容積は少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90立法ミリメートル(mm3)であってもよい。チャンバ容積は約90 mm3未満であってもよい。チャンバ容積は約80 mm3未満であってもよい。チャンバ容積は約70 mm3未満であってもよい。チャンバ容積は約60 mm3未満であってもよい。チャンバ容積は約50 mm3未満であってもよい。チャンバ容積は約40 mm3未満であってもよい。チャンバ容積は約30 mm3未満であってもよい。
チャンバ容積は約0.5〜約90 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.5〜約80 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.5〜約70 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.5〜約60 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.5〜約50 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.5〜約40 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.5〜約30 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.01〜約10 mm3であってもよい。チャンバ容積は約0.01〜約1 mm3であってもよい。チャンバ容積は約1〜約30 mm3であってもよい。
チャンバ容積は約1個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約2個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約5個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約10個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約15個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約20個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約25個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約30個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約40個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約50個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約60個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約80個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約100個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、100個、またはそれ以上の細胞の容積に比例していてもよい。
チャンバ容積は約1個〜約5個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約1個〜約10個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約1個〜約20個の細胞の容積に比例していてもよい。チャンバ容積は約1個〜約50個の細胞の容積に比例していてもよい。
チャンバ容積は、単一細胞の1回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の2回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の3回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の4回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の5回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の6回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の7回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、単一細胞の8回の細胞分裂を収容できてもよい。
チャンバ容積は、2個の細胞の1回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の2回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の3回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の4回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の5回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の6回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の7回の細胞分裂を収容できてもよい。チャンバ容積は、2個の細胞の8回の細胞分裂を収容できてもよい。
チャンバは1個もしくは複数個の細胞を含んでいてもよい。チャンバは、1つもしくは複数の磁性ビーズなど、1つもしくは複数のビーズを含んでいてもよい。チャンバは、1個もしくは複数個の細胞、1つもしくは複数のビーズ、1つもしくは複数の細菌、1つもしくは複数の酵母、1つもしくは複数のウイルス、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
コンジットの傾斜は、細胞培養モジュールの下部領域内のチャンバアレイに対するコンジットの角度として定義されてもよい。コンジットの傾斜は、約5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、または85度であってもよい。コンジットの傾斜は約20度であってもよい。コンジットの傾斜は約25度であってもよい。コンジットの傾斜は約30度であってもよい。コンジットの傾斜は約35度であってもよい。コンジットの傾斜は約40度であってもよい。コンジットの傾斜は約45度であってもよい。コンジットの傾斜は約50度であってもよい。コンジットの傾斜は約55度であってもよい。コンジットの傾斜は約60度であってもよい。コンジットの傾斜は約65度であってもよい。コンジットの傾斜は約70度であってもよい。コンジットの傾斜は約75度であってもよい。コンジットの傾斜は約80度であってもよい。
コンジットの傾斜は、約5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、または85度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約20度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約25度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約30度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約35度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約40度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約45度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約50度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約55度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約60度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約65度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約70度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約75度未満であってもよい。コンジットの傾斜は約80度未満であってもよい。
コンジットの傾斜は約5〜約80度であってもよい。コンジットの傾斜は約5〜約55度であってもよい。コンジットの傾斜は約30〜約80度であってもよい。コンジットの傾斜は約30〜約55度であってもよい。コンジットの傾斜は約55〜約80度であってもよい。コンジットの傾斜は約20〜約40度であってもよい。コンジットの傾斜は約40〜60度であってもよい。コンジットの傾斜は約60〜約80度であってもよい。
コンジットの長さは約0.01ミリメートル(mm)を超えていてもよい。コンジットの長さは約0.1 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約0.5 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約1 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約2 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約5 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約10 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約20 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約30 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約50 mmを超えていてもよい。コンジットの長さは約1 mm〜約10 mmであってもよい。コンジットの長さは約0.5 mm〜約5 mmであってもよい。コンジットの長さは約0.1〜約5 mmであってもよい。コンジットの長さは約0.1 mm〜約1 mmであってもよい。
図2に示されているように、チャンバ30は、モジュール10の下部領域内に形成されたチャンバアレイの1つである。この態様において、アレイは10x6のアレイである。わかりやすくするため、図2には細胞導入用通路32が1つのみ示されているが、各チャンバ30は、それぞれの細胞導入用ポート34とそれぞれの細胞導入用通路32とを有する。ゆえに、図から理解されるように、細胞を1つの細胞導入用ポート34に入れ、そしてそれぞれの細胞導入用通路32に沿って導入すると、結果として、その細胞はそれぞれのチャンバ内に位置することになり、その細胞を異なるチャンバ30内に位置決めしてしまうリスクは伴わない。
チャンバアレイは2個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは5個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは10個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは20個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは50個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは100個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは200個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは500個またはそれ以上のチャンバであってもよい。チャンバアレイは、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個またはそれ以上のチャンバであってもよい。
チャンバアレイは500個未満のチャンバであってもよい。チャンバアレイは200個未満のチャンバであってもよい。チャンバアレイは100個未満のチャンバであってもよい。チャンバアレイは50個未満のチャンバであってもよい。チャンバアレイは20個未満のチャンバであってもよい。チャンバアレイは10個未満のチャンバであってもよい。チャンバアレイは5個未満のチャンバであってもよい。
チャンバアレイは2個〜500個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜400個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜300個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜200個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜100個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜50個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜20個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜10個のチャンバであってもよい。チャンバアレイは2個〜5個のチャンバであってもよい。
複数チャンバは2個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは5個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは10個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは20個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは50個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは100個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは200個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは500個またはそれ以上のチャンバであってもよい。複数チャンバは、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、100個、150個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、500個またはそれ以上のチャンバであってもよい。
複数チャンバは500個未満のチャンバであってもよい。複数チャンバは200個未満のチャンバであってもよい。複数チャンバは100個未満のチャンバであってもよい。複数チャンバは50個未満のチャンバであってもよい。複数チャンバは20個未満のチャンバであってもよい。複数チャンバは10個未満のチャンバであってもよい。複数チャンバは5個未満のチャンバであってもよい。
複数チャンバは2個〜500個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜400個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜300個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜200個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜100個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜50個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜20個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜10個のチャンバであってもよい。複数チャンバは2個〜5個のチャンバであってもよい。
アレイ密度は、1マイクロメートルあたりのチャンバ数(チャンバ数/μm)が約0.2、0.15、0.1、0.09、0.08、0.07、0.06、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.1またはそれ以下であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.15またはそれ以下であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.2またはそれ以下であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.25またはそれ以下であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.3またはそれ以下であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.35またはそれ以下であってもよい。アレイ密度はチャンバ数/μmが約0.4またはそれ以下であってもよい。いくつかの場合において、神経細胞などの細胞の、チャンバから灌流チャネル内への成長が、アレイ密度を決定する。
チャンバ形状は、球形、立方体、電球状の形状、梨状の形状など、均一な形状であってもよい。チャンバ形状は、不均一な形状であるかまたは不規則性を含んでいてもよい。チャンバ形状は、生体構造またはインビボ組織構造を模していてもよい。チャンバ形状は神経シナプスを模していてもよい。チャンバ形状は軸索終末を模していてもよい。チャンバ形状はシナプス前細胞を模していてもよい。
チャンバは、ビーズ、細胞、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。チャンバは1つより多いビーズを含んでいてもよい。ビーズは、細胞に取り付けられ、これにより、細胞がチャンバ内に導入される際にチャンバ内に導入されてもよい。ビーズは、チャンバ内面に結合されるなど、チャンバの一部と関連していていてもよい。ビーズは、チャンバ内の容積を占めるなど、チャンバの一部と関連していてもよい。ビーズは、チャンバの出口ポートに向かって、および出口ポートから移動できるビーズなど、細胞がチャンバから出ることを遮断するように構成されていてもよい。ビーズは、細胞、チャンバの一部、またはそれらの組み合わせに結合していてもよい。ビーズは、固有の識別子を含むビーズなど、固有のビーズであってもよい。ビーズは、公知の識別子を含むビーズなど、公知のビーズであってもよい。ビーズは細胞を識別してもよい。ビーズはチャンバを識別してもよい。
細胞培養モジュールの1つまたは複数のチャンバは基材でコーティングされていてもよい。チャンバの一部が基材でコーティングされていてもよい。基材は細胞接着を促進してもよい。基材は細胞接着を低減または防止してもよい。例えば、細胞がチャンバから出て遊走することを防ぐため、開口部または細胞導入用通路に近いチャンバの部分が、細胞接着を防止する基材でコーティングされていてもよい。基材は、チャンバの温度を保つことを容易にしてもよい。例えば、基材が導電材料を含んでいてもよい。基材は、チャンバ内の光学観察を容易にしてもよい。例えば、基材は、透明もしくは半透明であるか、または光が歪みなく通過することを許容してもよい。細胞導入用通路などのチャネルが、細胞接着を低減または防止する基材など、基材でコーティングされていてもよい。
チャンバは、その上で細胞が培養され、かつ、細胞と細胞培養モジュールの1つまたは複数の外部構成要素との間の電気的相互作用を提供するように構成された、基材を含むように構成されていてもよい。基材は、細胞からの出力を捕捉すること、および/または、その出力を細胞培養モジュールの外部構成要素にエクスポートすることを容易にするように構成されていてもよい。例えば、基材は、細胞からの電気信号を捕捉するための電極を含んでいてもよい。基材は、外部構成要素から細胞に刺激を伝達または伝導するように構成されていてもよい。例えば、基材は、外部加温要素による熱を表面基材に提供することによって、細胞の温度を保つように構成されていてもよい。基材は1つまたは複数のセンサを含んでいてもよい。基材は表面粗さを含んでいてもよい。
細胞培養システムの1つまたは複数のチャンバに、1つまたは複数の生物学的試料が添加されていてもよい。チャンバに添加される生物学的試料は、単一の細胞であってもよい。生物学的試料は2個の細胞であってもよい。生物学的試料は、3個、4個、5個、10個、20個、50個、100個、200個、500個、またはそれ以上の細胞であってもよい。生物学的試料は、組織切片、生検試料、組織切除物、体液、または組織吸引物であってもよい。生物学的試料は、オルガノイドまたは3D細胞培養試料であってもよい。生物学的試料は、細胞の均質な集団を含んでいてもよい。生物学的試料は、細胞の不均質な集団を含んでいてもよい。生物学的試料は、単一のニューロンなど、公知の集団を含んでいてもよい。生物学的試料は、対象に由来する組織生検など、未定義の集団を含んでいてもよい。
チャンバに添加された生物学的試料は、細胞培養システム内で少なくとも約1日間培養されてもよく、そして、生存状態を保つとともにその表現形特性を保持してもよい。例えば、チャンバに添加されたインスリン産生細胞が、細胞培養システム内で、少なくとも約1日間、生存状態を保ちかつインスリンの産生を続けてもよい。例えば、チャンバに添加されたGABA表現ニューロンが、細胞培養システム内で、少なくとも約1日間、生存状態を保ちかつGABAの表現を続けてもよい。
生物学的試料は、少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、14日、28日、30日、60日、100日、150日、200日、250日、350日、365日、またはそれ以上にわたって、生存状態を保ってもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも約7日間、生存状態を保ってもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも約14日間、生存状態を保ってもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも約28日間、生存状態を保ってもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも60日間、生存状態を保ってもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも90日間、生存状態を保ってもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも120日間、生存状態を保ってもよい。
生物学的試料は、少なくとも約1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、14日、28日、30日、60日、100日、150日、200日、250日、350日、365日、またはそれ以上にわたって、その表現形特性を保持してもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも約7日間、その表現形特性を保持してもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも約14日間、その表現形特性を保持してもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも約28日間、その表現形特性を保持してもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも60日間、その表現形特性を保持してもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも90日間、その表現形特性を保持してもよい。細胞培養システム内で培養される生物学的試料は、少なくとも120日間、その表現形特性を保持してもよい。
図2に示されている一次細胞導入用アレイは、細胞の位置またはアドレスが既知となりかつ細胞がその位置に閉じ込められるように、細胞が既定の方式でモジュールに挿入されることを可能にする。細胞は、チャンバに到達するうえで、磁場、電場、化学的コーティング、重力、または任意の好適な組み合わせを用いて補助されてもよい。
モノリスは、好ましくは透明のモノリスである。デバイスの製造は、現在のリソグラフィ技術によって、または、3D空間で操作される光を用いた多光子リソグラフィによって、実現されてもよい。光の操作は、標準的なスキャナ、ホログラフィ技術、または、他の空間的もしくは時間的な光変調技術、マイクロミラーアレイ技術、もしくは関連する方法によって実現されてもよい。モノリスマトリックスに透明材料を用いることは、細胞の健康状態、反応などを評価するため、レーザスキャン技術を用いてモジュールの最上部または側部から細胞を観察することを可能にするので、特に利点が大きい。
細胞導入用通路32の具体的構造については、より詳しく後述する。無論、細胞導入用通路は、所望の細胞の導入を許容するのに適した直径を有するべきである。チャンバ30内への格納が意図される細胞の性質に応じて、チャンバ30のサイズ、細胞導入用ポート34の直径、および細胞導入用通路32の直径を設計することができる。
図3は、チャンバ30と流体連絡している灌流チャネルのセットを示した略図である。図示を簡潔にするため、これらの灌流チャネルは、直線的でありかつ互いに直交するものとして示されている。しかし、灌流チャネルは、任意の好適な形態であってよく、そして特に、生理学的にモデリングされた形状に基づいていてもよく、したがって、直線的ではなく蛇行していてもよく、かつ、図示と異なる方向に伸びていてもよい。
灌流チャネルのチャネル内幅は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、10、15、20マイクロメートル(μm)であってもよい。灌流チャネルのチャネル内幅は約5μm未満であってもよい。灌流チャネルのチャネル内幅は約1μm未満であってもよい。灌流チャネルのチャネル内幅は約0.5μm未満であってもよい。灌流チャネルのチャネル内幅は約0.1μm未満であってもよい。灌流チャネルのチャネル内幅は、可動式遮断要素の外幅より小さくてもよい。灌流チャネルのチャネル内幅は、細胞導入用通路の内幅より小さくてもよい。
複数の灌流チャネルが積重ねアレイに配置されていてもよい。積重ねアレイは、垂直に積重ねられたアレイか、水平に積重ねられたアレイか、またはそれらの組み合わせであってもよい。
図3に、垂直灌流チャネル40、側方灌流チャネル42、および縦方向灌流チャネル44が示されている。垂直灌流チャネル40はチャンバ30と直接流体連絡している。側方灌流チャネル42は垂直灌流チャネル40と流体連絡している。同様に、縦方向灌流チャネル44も垂直灌流チャネル40と流体連絡している。理解されるように、灌流チャネルは異なるアレンジメントを有していてもよい。
灌流チャネルは、チャンバ30内に位置する細胞が灌流チャネルに沿って移動することを防げるだけの充分に小さい寸法を有する。例えば、チャンバ30と直接流体連絡している灌流チャネルの直径は、好ましくは、チャンバ30内に位置決めされるよう意図される細胞の直径の、最大でも50%である。
図4は、図3に対応する図を、図2と組み合わせて示したものである。
図5は、1つの横方向灌流チャネル42を備えたモジュールを示している。図6は、横方向灌流チャネル42のアレイを備えたモジュールを示している。理解されるように、横方向、縦方向、および垂直の灌流チャネルのアレイが存在する図面は示されていないが、それは、そのような図面は緻密になりすぎて理解不能になると考えられるからである。
図7に、二次チャンバ52につながる二次細胞導入用ポート50を有するモジュールが示されている。図面においてチャンバは概ね立方形を有するものとして示されているが、本開示は、必ずしもこれに限定されるわけではなく、また、必ずしも図示のような配向に限定されるわけでもない。二次チャンバ52の近傍かつその後方に配されているのは、細胞培地用のリザーバを提供するよう意図された二次リザーバ54である。
図8に示されているように、二次チャンバ52と二次リザーバ54との間で流体が流れることができるよう、二次チャンバ内に含有される細胞のサイズより小さなサイズの開口部を有する膜構造51が、二次チャンバ52と二次リザーバ54との間に提供される。
図9は、図7に対応する図面を示しているが、二次チャンバ52の前側に隔壁アレンジメント60が形成されている。隔壁アレンジメント60は、二次チャンバ52へと開口している細孔のアレイからなる。図9において、細孔のアレイは規則的なアレイとして示されているが、このことは必ずしも必要でない。
隔壁アレンジメントは複数の細孔を含んでいてもよい。細孔直径は約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1マイクロメートル(μm)より小さくてもよい。細孔直径は約1、0.5、0.1、0.05、0.01μmより小さくてもよい。細孔直径は約5μmより小さくてもよい。細孔直径は約1μmより小さくてもよい。細孔直径は約0.5μmより小さくてもよい。細孔直径は約0.1μmより小さくてもよい。隔壁アレンジメントの透過性は、(a)細孔サイズに基づくなど、サイズに基づくか、(b)全体的な実効電荷に基づくなど、電荷に基づくか、または(c)それらの組み合わせであってもよい。隔壁アレンジメントは、ある成分が隔壁アレンジメントの細孔を通過することを選択的に許容してもよい。成分は、ガス状分子、ケモカイン、サイトカイン、小分子、タンパク質もしくはその断片、核酸、細胞もしくはその断片、または、それらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。細胞培養モジュールは、1つまたは複数の隔壁アレンジメントを備えていてもよい。細胞培養モジュールは、複数チャンバの各々のチャンバに対する隔壁アレンジメントを備えていてもよい。隔壁アレンジメントは、灌流チャネルとチャンバとの間である成分が通過することを選択的に許容するなどのため、灌流チャネルをチャンバから仕切ってもよい。
図10は、一連の細孔62となっている、隔壁アレンジメントの一部を示している。
図11は図7と類似の図面を示している。
二次挿入用ポート50は、二次チャンバ52へのアクセスを提供する。一次細胞挿入用アレイについては、必要な位置をアドレス指定しそして選択された細胞を導入する外部システムを用いて、アクセス可能である。同じことを手動で行うこともまた可能であり、オルガノイド、切片、生検試料、または脳全体のオルガノイドについては特にそうである。
一次細胞挿入用アレイは、細胞のネットワークの形成を可能にし、そして二次チャンバは、単層または他の選択される構成の形成を可能にする。
追加的な二次細胞挿入用ポートが提供されていてもよい。二次チャンバ内の細胞は、別の細胞群の出力との関係において他の細胞を観察するという柔軟性をもたらす。例えば、一次細胞チャンバ内で脊髄ニューロンまたは皮質ニューロンが用いられている場合に、二次チャンバで筋肉細胞が用いられてもよい。このことは、ユーザが、電気信号を観察するか、または、例えば顕微鏡観察など他の方法を介して反応をモニタすることを可能にする。
二次チャンバは、チャンバの壁に二次ポリマーで機能付与することを可能にする。この壁は隔壁アレンジメントであってもよい。
図12および図13は、細胞培地の灌流に関する詳細を示している。図12において、モジュールの側面16, 18に、それぞれ側面ポート70, 72が提供されている。側面ポート70, 72は灌流用コンジット74との流体連絡を提供する。図13に示されているように、灌流用コンジット74は、灌流ポート70からゆるやかに下向きに傾斜する、細長のスロットの形態を取る。この傾斜は、重力に抗して、モジュール内の細胞培地を保持することを助けるよう意図されている。
図14は、既に説明した灌流チャネル40、42、および44を備えたモジュールを示している。
図15は、灌流用コンジット74と側方灌流チャネル42との間の流体連絡を示している。そして、側方灌流チャネル42は垂直灌流チャネル40と流体連絡している。そして、垂直灌流チャネル40は縦方向灌流チャネル44と流体連絡している。そして、縦方向灌流チャネル44は隔壁アレンジメント60へとつながっている。
細胞成長をサポートするため、生きた細胞は成長培地で灌流されるべきである。したがって、灌流チャネルのネットワークは、流体がシステム全体を巡ることを可能にする。モノリスに出入りする流体は、モジュール内に投入される前に、ガスで前処理され、そして、温度、pH、化学物質の含量、および溶存タンパク質について制御される。排出された培地も灌流後に分析される。
図12および図13に示されている灌流用コンジットのアレンジメントは、水平の鰓式システムを形成しており、これは、輸送中に細胞が細胞培地に確実にカバーされることを助ける。鰓式システム間の灌流チャネルのアレンジメントは、流体フローに対するいくらかの抵抗を提供し、これにより、流体フローの保持と制御にさらに役立つ。
図16に示されているモジュールは、モジュールの後端面に位置する光ポート82からモジュールの中に伸びている光ガイド80のアレイを備えている。図17に示されているように、光ガイド80は、リザーバ54に到達するように、モジュールの中に縦方向に伸びている。
図18はモジュール10の横断面略図を示している。灌流ポート70, 72は、モジュールの側面16, 18に取り付けられた状態で示されている。この図において、灌流用コンジット74は、全体的に46として示されている灌流チャネルのネットワークに向かってゆるやかに下向きに傾斜していることが、より明確に示されている。
図19は、モジュールの一部の内部透視略図であり、灌流チャネルと隔壁アレンジメントとの相互作用を示すことを意図したものである。隔壁アレンジメント60は、モジュールのマトリックス壁64を通って縦方向に伸びている円柱形の細孔62のアレイとして示されている。図19において、隔壁アレンジメント60の右手側は二次チャンバ52である。図19において、隔壁アレンジメント60の左手側は空隙66であり、これと縦方向灌流チャネル44とが流体連絡している。ゆえに、細胞チャンバ30は、灌流チャネルを介して空隙66と間接的に流体連絡している。モジュールの使用において、隔壁64は、生理学的に関連する血液脳関門モデルを提供するため、より詳しく後述するように適合される。このことは、チャンバ30内の細胞と、二次チャンバ52内に故意に導入される化合物との間に隔壁をもたらす。このようにして、(例えば)神経細胞に対する血流中の候補化合物の影響を、血液脳関門を考慮に入れて評価することができる。
二次チャンバ内で用いるための細胞としては、血液脳関門、胃腸系、反射弓、筋骨格系、または他の多細胞系を形成できる細胞が含まれる。
例えばチャンバ30内に置かれるニューロンなどは、縦方向に伸びている灌流チャネルを通って、外に成長してもよい。細胞の単層が隔壁アレンジメントの左手側に形成されてもよい。細胞のさらなる単層が隔壁アレンジメントの二次チャンバ側に形成されてもよい。本発明のシステムはまた、骨格細胞をアンカーするために用いられてもよい。
図20はモジュールの一部の縦断面略図を示している。この図において、細胞用通路32は、傾斜し湾曲したアレンジメントで、概ね下向きに伸びて、細胞チャンバ30につながっているものとして示されている。より詳しく後述するように、この態様において、チャンバ30の基部に基材90が提供される。
図20に見られるように、各細胞導入用通路32は、そのそれぞれの細胞導入用ポート(図20には示されていない)から、チャンバ30に入る開口部の直前にある狭窄領域36に到達するまで、直径が概ね減少している。チャンバ30内の細胞の望ましくない漏れを防ぐため、より詳しく後述するように、遮断要素を用いて狭窄領域36が遮断されてもよい。
図20は、概して、チャンバ30と関連した灌流チャネルのアレイを図示している。加えて、二次リザーバ54および二次チャンバ52も、二次導入用ポート50とともに示されている。
図21に示されている図面は、図20に示されている図面と対応するが、二次細胞導入用ポート50、二次チャンバ52、および二次リザーバ54が示されていない点が異なる。
図22Aおよび図22Bは、本開示の態様とともに用いるのに適した電極構造の断面略図を示している。図22Aにおいて、電極構造は、柱状支持部100上にある、概ね球状の形態を有している。球状表面102は、丸みを帯びた突起104のアレイを有している。図22Bにおいて、電極は、対応する形式を有するが、突起104が凹み106で置換されている点が異なる。このことの効果は、追加的な表面積と、起電信号を提供してもよい細胞と相互作用するための表面特徴とを提供することである。
図23Aおよび図23Bは、図22Aおよび図22Bと対応しており、それぞれ突起または凹みを備えた好適な電極構造の正面図を示している。
図24Aは、その中に電極108が位置しているチャンバ30の略図であり、細胞導入用通路32は狭窄部36において遮断用ビーズ110で遮断されている。遮断用ビーズ110は、例えば、印加された磁場を用いて所定のポジションに移動される磁性ビーズであってもよい。このことは、チャンバ30内の細胞が外に出るための経路を遮断する。
2つの狭窄部36aおよび36bの間で、細胞導入用通路の一部によって細胞チャンバ30aが提供されている、改変された態様が図24Bに示されている。細胞チャンバ30aにも電極108が提供されている。図24Bに示されているように、チャンバ30aから細胞導入用通路に沿った下流に遮断用ビーズ110aが位置しており、そしてその直径は、チャンバ30aの上流の狭窄部36b内に位置する遮断用ビーズ110bより小さい。狭窄部36bは狭窄部36aより直径が大きく、このことは、遮断用ビーズ110aが狭窄部36bを通過して狭窄部36aに到達することを許容する。
図25は、電極108と、細胞用通路32内の狭窄部36に位置する遮断用ビーズ110とを備えた、細胞チャンバ30を示している。図25において、灌流チャネル45、47、および49が示されている。これらは、上述の態様において示されたような、規則的、直線的、かつ直交する形態を有していない。代わりに、図25は、灌流チャネル、そしてより全般的にモジュール内に形成される開口部の構造が、インビボにおいて細胞が遭遇する生理学的環境により近いモデリングを行うための形状であってもよいことを示すことを意図している。チャネル45、47、および49は、灌流チャネルを提供するだけでなく、それに沿って細胞外構造が成長および拡大してもよい細胞成長用チャネルも提供する。モジュールの内部構造に必要な形状は、細胞およびその環境をインビボでスキャンすることによって設計されてもよいことが理解されるであろう。そのようなスキャンの結果は、細胞培養モジュール内でインビボ構造を模するため、インビボで遭遇される形状を反転印刷するのに用いられる。
いくつかの場合において、細胞の一部分はチャンバ内に残り、そして細胞の一部分は、細胞成長用チャネル内に伸びるなど、チャンバの外に伸びる。例えば、細胞核がチャンバ内に残ってもよく、そして細胞突起または細胞伸展部が、細胞成長用チャネル、バイパスチャネル、または灌流チャネルなど、近傍のチャネル内へと成長してもよい。細胞突起は、泡状突起、波状部、糸状仮足、または葉状仮足を含んでいてもよい。細胞突起はポドソームを含んでいてもよい。細胞突起は偽足伸展部を含んでいてもよい。細胞突起は、樹状突起、樹状突起棘、軸索、成長円錐、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
1つのチャンバ内に格納されている細胞は、細胞間連絡によって、異なるチャンバ内に格納されている細胞と連絡してもよい。1つのチャンバ内に格納されている細胞は、2つの異なるチャンバ内に格納されている少なくとも2個の細胞と連絡してもよい。1つのチャンバ内に格納されている細胞は、細胞培養モジュールの複数の異なるチャンバ内に格納されている各細胞と連絡してもよい。細胞間連絡はパラクリンシグナル伝達によって生じてもよい。例えば、近傍のチャンバ内に格納されている細胞に拡散する、細胞からのケモカインまたはサイトカインの分泌であってもよい。細胞間連絡は、例えば接着性の接触または細胞間結合など、直接的な物理的接触によって生じてもよい。本開示の細胞培養モジュールは、近傍または遠位のチャンバ内に格納されている細胞とともにシナプスを形成できるよう、軸索などの細胞突起が、チャンバから出て、バイパスチャネルもしくは灌流チャネルまたはそれらの組み合わせの中へと成長することを許容する。
細胞は、ビーズが細胞導入用通路内に添加される前に、チャンバ内に導入される。ビーズは細胞の添加後に送り込まれる。ビーズが所定のポジションにロックされることにより、細胞がチャンバに到達したことが検証される。
細胞は、電極に接触するかまたはこれを少なくとも部分的に巻き込み、そして、許容された出口から外に成長する。上述のように、出口のトポロジーは、インビボにおける既知の位置のベクトルからの成長パターンのコピーであってもよく、または、直線もしくは曲線であってもよい。
次に、本発明のモジュールの目的および機能性について、モジュールがその一部を形成すると意図される細胞培養システムを参照しながら、より詳しく説明する。
細胞培養システムは、その中に細胞培養モジュールを解放可能式に取り付けることができるベースユニット(図には示していない)を含む。細胞培養システムは、モジュールに提供されそしてモジュールから抜き取られる細胞培地のためのリザーバを提供する。細胞培養システムは、従来型のフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を用いて制御されるが、これについてはここでさらに説明する必要はないであろう。細胞培養システムは、温度センサを介した温度検知、(例えばO2、CO2などのセンサを介した)ガス検知、グルコース検知、およびpH検知を提供できてもよい。好適なセンサは当業者には周知であると考えられ、ここではこれ以上説明しない。これらパラメータに対する変化率(導関数)の決定もまた想定されている。温度制御は、温度センサと、モジュール内に灌流される細胞培地を加温するように位置決めされることが典型的である電気式加温要素との組み合わせを介して提供される。
細胞培養システムのセンサは、温度センサ、pHセンサ、O2センサもしくはCO2センサなどのガスセンサ、グルコースセンサ、レベルセンサ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。センサは、蛍光信号または発光信号を検知する生物発光センサなどの光学センサであってもよい。センサは、電流測定センサ、伝導性測定センサ、電位差測定センサ、または表層電荷を検知するセンサなど、電気化学センサであってもよい。センサは、共振ミラー、光ファイバ、または表面プラズモン共鳴センサなどの光電センサであってもよい。センサは、水晶共振周波数センサ、表面音波センサ、または表面横波センサなどの圧電センサであってもよい。センサは、酵素電極、免疫センサ、DNAセンサ、微生物センサ、またはそれらの任意の組み合わせなどのバイオセンサであってもよい。細胞培養システムは、1つもしくは複数の電気化学センサ、1つもしくは複数の光学センサ、1つもしくは複数の温度センサ、1つもしくは複数の共振センサ、1つもしくは複数のイオン感応性センサ、またはそれらの任意の組み合わせなど、1つまたは複数のセンサを有していてもよい。細胞培養システムは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、20個、30個、40個、50個、100個、200個、500個またはそれ以上のセンサを有していてもよい。細胞培養システムは、細胞培養システムの各チャンバにつき少なくとも1個のセンサを有していてもよい。細胞培養システムは、細胞培養システムの各チャンバにつき少なくとも2個のセンサを有していてもよい。細胞培養システムは、細胞培養システムの各チャンバにつき少なくとも3個のセンサを有していてもよい。細胞培養システムは、細胞培養システムの各チャンバにつき、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個またはそれ以上のセンサを有していてもよい。
いくつかの態様において、1つまたは複数の分析物が、細胞培養システムの1つまたは複数のチャンバに添加される。前記1つまたは複数の分析物は、前記1つまたは複数のチャンバ内に存在する、酵素、抗体、タンパク質、核酸、抗原、細胞受容体、細胞、またはそれらの組み合わせと相互作用してもよく、または相互作用しなくてもよい。細胞培養システムの1つまたは複数のチャンバと関連する1つまたは複数のセンサは、そのセンサに特異的な計量を検知する。例えば、チャンバと関連する温度センサが温度を検知してもよく、または、チャンバと関連する光学センサが、チャンバと関連する生物発光を検知してもよい。
センサは、単一のチャンバに特異的な計量を検知してもよい。センサは、チャンバアレイの1つまたは複数の計量を検知してもよい。センサは、モジュールの何らかの計量を検知してもよい。センサが検知してもよい計量には、温度、O2 濃度、CO2 濃度、pHレベル、タンパク質の濃度、生物発光の濃度、蛍光の濃度、質量もしくは重量、またはそれらの任意の組み合わせなどが含まれうる。
センサに作動的に連結された制御システムが、ある計量のルーチンの検出を指示してもよい。例えば、制御システムが、60分ごとにチャンバの温度を検知するようサーミスタに指示してもよい。あるいは、センサに作動的に連結された制御システムが、あるパラメータが満たされたときにある計量の特異的な検出を行うよう指示してもよい。例えば、チャンバのpHレベルが7.4を超えて上昇したことをpHセンサが検知したときに、チャンバのCO2 濃度を検知するよう、制御システムがガスセンサに指示してもよい。ユーザがルーチンの検出スケジュールを制御システムに入力してもよい。ユーザが特異的な検出スケジュールを制御システムに入力してもよい。
本開示のシステムは流体送達システムを備えていてもよい。流体送達システムは、細胞培養モジュールの1つまたは複数のチャンバの内部で、ならびに、それらチャンバへおよびそれらチャンバから、流体を移動させるためのポンプを含んでいてもよい。システムは1つまたは複数のポンプを含んでいてもよい。システムは複数チャンバの各々に対してポンプを含んでいてもよい。ポンプは、容積式ポンプ、インパルスポンプ、速度ポンプ、重力ポンプ、蒸気ポンプ、真空ポンプ、または無弁ポンプであってもよい。
本開示のシステムは加温要素を備えていてもよい。加温要素は、細胞培養モジュールの少なくとも一部に熱を提供してもよい。システムは1つまたは複数の加温要素を備えていてもよい。システムは複数チャンバの各チャンバに対して1つの加温要素を備えていてもよい。複数チャンバの各チャンバの温度を、各加温要素によって独立に制御できるよう、各加温要素が、独立した温度ゾーンを含んでいてもよい。
モジュールは、交換可能および使い捨て可能であるよう意図される。そのようなアプローチを用いることによって、モジュール内に装填された細胞を容易に扱うことができ、これにより、層流キャビネットまたはバイオセイフティーキャビネットの必要なく、細胞およびその周囲のモジュールを安全に引き渡すことができる。
FPGAは、細胞培地調整チャンバの2つの側面にアライメントされていてもよいストリップヒータなどのヒータを制御する。pHセンサ、ならびに、酸素センサ、温度センサ、およびマイクロポンプは、閉ループ内に含まれる。この閉ループシステムでは、培地の事前検知および事後検知から、いくつかの要因を推論することが可能である。例えば、上部構造内における細胞と培地との相互作用前のpH、および、培地との相互作用後のpHを測定することによって、反応副産物によるpH変化の指標を得ることができる。さらに、細胞との相互作用前および相互作用後のO2またはCO2 濃度を理解することにより、システム内の代謝活動の率に関する指標が得られる。
pH、酸素、二酸化炭素、および他のパラメータについて事前および事後の検出を行ううえで、流体の出力または入力を遅らせ、これにより測定間に充分な時間と分離が生じるよう、リザーバシステムが用いられる。
本発明のシステムは、細胞の温度および他の環境パラメータを正常な生理学的条件に保つように作動可能である。加えて、システム内のデバイスの組み合わせは、pH、グルコースレベル、および酸素レベルなどを変化させることによって、体内の異常な条件を模するように駆動されてもよい。
本発明のモジュールおよびシステムは、以下の用途のうち1つまたは複数において用いられるよう意図されている。
I. 臨床前の薬剤の発見
II. 神経科学および分子生物学の研究
III. 毒物学の研究
IV. 汚染物質の実地試験
V. パターン認識および身体化学習(embodied learning)のための計算用デバイス
VI. 人工知能用の教育研究ツール、天然のシステムにおける計算用エンジン/方法、ならびに神経工学
VII. (天然、クローン、または他の)具現化されたシステムおよび生きているシステムにおける、病的なまたは強化された神経組織内の、神経埋植物(複数の由来源から構成される、シリコン、天然、または改変された生組織)を開発または試験するための、検証用エンジンまたはプラットフォーム
本発明のモジュールおよびシステムは、上述に概要を示したように、臨床前の薬剤の発見から毒物の実地試験の安全性確保まで、多数の用途に適する。本発明のモジュールおよびシステムはまた、パターン認識またはパターン計算における計算用デバイスとして用いるためにも展開可能である。本発明のモジュールおよびシステムは、神経埋植物の試験における基礎研究のため、または、具現化システム、すなわちシリコン系内もしくは3D印刷シェル内の生体組織を設計する第一段階のための、プラットフォームとして用いられてもよい。本発明のモジュールおよびシステムは、生きているシステムの基本的機能に関する教示用または研究用ツールとして、教育においても重要な用途がある。
さらに、本発明のモジュールおよびシステムは、薬剤候補のハイスループットスクリーニング後、および、化合物、生物製剤、もしくは他の治療法のインビボ試験前の改良用デバイスとして、薬剤開発においても有用である。コンピュータ科学者、エンジニア、または物理学者は、本発明のモジュールおよびシステムを、複雑なシステムのモデリングまたは人工システムの学習に用いることができる。本発明のモジュールおよびシステムはまた、広範な合成化学物質についても、ヒトおよび/または動物の健康に対する影響を評価するため、すなわち、ヒトまたは動物のシステムにおける有害作用または肯定的な適応についてチェックするために、試験することができる。
本発明のモジュールおよびシステムは、紛争地帯、自然もしくは人的な災害地域、または他の地域において、例えば神経作用物質および他の汚染物質の存在について、人命へのリスクを伴わずに試験するため、より大きな自律的システム内ないし化学工業地帯内で利用されてもよい。
単一の細胞種または複数の細胞種がモジュール内に導入されもよい。モジュールのマトリックスは、単一のベースポリマーから形成されていてもよく、または複数種類のポリマーの混合物から形成されていてもよい。用いられる細胞構成の種類もまた様々であってもよい。単一の細胞、オルガノイドおよび切片、動物胚組織からの外植片、またはヒト生検からの外植片がチャンバ内に導入されもよい。本開示は主としてヒト細胞に焦点を当てているが、本発明のデバイスはヒトまたは動物由来の細胞を用いてもよい。
モジュールは、より大きなベースシステム内にフィットする、使い捨て可能または使い捨て不可能なカートリッジであってもよい。このモジュールに、すでにチャンバ内に導入された細胞が供給されてもよい。あるいは、ユーザが細胞を導入してもよい。細胞は、単純なピペットまたはロボット式システムを用いて導入されてもよい。
薬剤開発プラットフォームとしてのモジュールは、好ましくは、生理学的に現実的な様式で接続された、単一の細胞種または複数の細胞を含有する。例えば、脊髄運動ニューロンと筋肉細胞とを含有する共培養系において、脊髄運動ニューロンは筋肉細胞の収縮を引き起こすことができる。
モジュール内で、細胞は、以下のうち1つまたは両方の方式で接続される:I. 細胞間の機能的連結、すなわち、インビトロの神経筋接合;(それぞれ別のチャンバ内にある)ニューロン間の接続;腸神経系と胃腸管;運動ニューロンと筋肉とのインビトロ反射弓;後根神経節と筋肉;および、CNSまたは脳内の層トポロジーなど。II. 以下のいずれかによる連結:a. 細胞が類似の培地を共有しているかもしくは同じチャンバ内で成長している;または、b. 1つのチャンバを出た流体が他の細胞にチャネル接続され、これにより、元のチャンバから出た代謝産物に他の細胞が接触している。
細胞は、より大きな上部構造内に工学設計される下部構造によって分離される。これらの下部構造は、二次ポリマーのさらなる付着を支持するチャンバとして機能する。上部構造(モノリスマトリックス)それ自体は一次ポリマーで作られ、この一次ポリマーは、それ自体、以下のいずれかによってマイクロ/ナノ構造となる。
光活性重合:
・単光子コリメート光 ― レーザ
・多光子光源または二光子吸収リソグラフィ
・SU8と同様のマスキング技術を伴う標準的なフォトリソグラフィ
金属被覆を伴う微細機械加工
電着
例えば、モジュールの二次チャンバ内で、さらなる基材の付着が行われてもよい。例えば、コラーゲンまたはPAなど従順性のポリマーが、アミノシラン処理された基材に結合されてもよい。これにより、非剛性の基材を必要とする、収縮性の細胞を用いることが可能になる。このことは隔壁アレンジメントについて特に関心対象となる。外部の変調信号によって細胞を機械的に刺激することを可能にする電気活性ポリマーなど、他の表面機能付与も想定される。
チャンバ内の電極は、興奮性シナプス後電位も含め、ニューロンからの活動電位を検出するのに用いられる。電極に接触するかまたはこれを少なくとも部分的に巻き込むニューロンから記録を取るためにキノコ形の電極を利用する公知の方法と対照的に、本開示で用いられそして図22A、図22B、図23A、および図23Bに示されているアプローチは、ニューロンが利用できる表面積を増大させるとともに、細胞接着も促進させる。電極の全体的な形態は、半球状の突起(図22Aおよび図23A)または半球状の凹部(図22Bおよび図23B)を伴う、全球状の形状である。これらの特徴は、細胞とのインタフェースに利用できる面積をさらに増大させる。突起の代わりに凹部を用いると、表面積は増大するが、全体的な電極容積は小さくなる。突起の高さまたは凹部の深さは必要に応じで改変されてもよく、突起または凹部の間隔もまた改変されてもよい。
細胞培養モジュールは、ガラス、シリカ、シリコン、ポリマー、ヒドロゲル、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。ポリマーは、エラストマー、熱硬化性物質、熱可塑性物質、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。ポリマーは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン テレフタレート(PET)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
電極は金属を含んでいてもよい。電極は合金を含んでいてもよい。電極は、アルミニウム、金、リチウム、銅、グラファイト、炭素、チタン、黄銅、銀、白金、パラジウム、炭酸セシウム、酸化モリブデン(VI)、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。電極は酸化金属混合物を含んでいてもよい。
複数の突起および/または複数の凹部による電極の改変、電極表面に表面粗さを付加することによる改変が、電極の表面積を増大させてもよい。この改変または表面積増大が、電極への細胞接着の量を増大させてもよい。この改変が、細胞によって接触されるかまたは少なくとも部分的に巻き込まれる電極の部分を増大させてもよい。この改変が、細胞によって接触される電極の部分を増大させてもよい。この改変が、細胞と電極との間の電気接続を増大させてもよい。
電極は、球形、半球形、キノコ形、ヘッド部および支持部を含む形状、ロッド状の形状、円柱形、円錐形、パッチ形、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。細胞培養モジュールは、同じ形状を有する電極を備えていてもよい。例えば、モジュールは、10個のキノコ形電極を備えていてもよい。細胞培養モジュールは、形状の種類が1つより多い電極を備えていてもよい。例えば、モジュールは、10個のキノコ形電極と10個の円錐形電極とを備えていてもよい。
電極は、1つまたは複数の突起と1つまたは複数の凹部との組み合わせを有していてもよい。電極は、半球状の突起など、1つまたは複数の突起形状と、半球状の凹部など、1つまたは複数の凹部形状との組み合わせを有していてもよい。
突起は半球状の突起であってもよい。突起は、スパイク状の突起、円錐状の突起、正方形もしくは長方形のロッド状の突起、オベリスク状の突起、円柱状の突起、半球状の突起、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。凹部は半球状の凹部であってもよい。凹部は、V溝状の凹部、ダブテール状の凹部、スパイク状の凹部、円錐状の凹部、円柱状の凹部、正方形もしくは長方形のロッド状の凹部、半球状の凹部、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
電極は1つまたは複数の突起を有していてもよい。電極は10個の突起を有していてもよい。電極は少なくとも10個の突起を有していてもよい。電極は20個の突起を有していてもよい。電極は少なくとも20個の突起を有していてもよい。電極は100個の突起を有していてもよい。電極は少なくとも100個の突起を有していてもよい。電極は500個の突起を有していてもよい。電極は少なくとも500個の突起を有していてもよい。電極は1000個の突起を有していてもよい。電極は少なくとも1000個の突起を有していてもよい。電極は2000個の突起を有していてもよい。電極は少なくとも2000個の突起を有していてもよい。電極は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、100個、150個、200個、250個、500個、750個、1000個、1500個、2000個、3000個、4000個、5000個、またはそれ以上の突起を有していてもよい。
電極は、1平方マイクロメートルあたりの突起数(pro/μm2)が約0.0001、0.0005、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10である、突起の表面密度を有していてもよい。電極は、約0.0001 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.001 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.01 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.1 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.5 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.0001〜約0.01 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.001〜約0.01 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.001〜約0.1 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.0005〜約0.5 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。電極は、約0.05〜約5 pro/μm2 の突起表面密度を有していてもよい。
電極は1つまたは複数の凹部を有していてもよい。電極は10個の凹部を有していてもよい。電極は少なくとも10個の凹部を有していてもよい。電極は20個の凹部を有していてもよい。電極は少なくとも20個の凹部を有していてもよい。電極は100個の凹部を有していてもよい。電極は少なくとも100個の凹部を有していてもよい。電極は500個の凹部を有していてもよい。電極は少なくとも500個の凹部を有していてもよい。電極は1000個の凹部を有していてもよい。電極は少なくとも1000個の凹部を有していてもよい。電極は2000個の凹部を有していてもよい。電極は少なくとも2000個の凹部を有していてもよい。電極は、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、100個、150個、200個、250個、500個、750個、1000個、1500個、2000個、3000個、4000個、5000個、またはそれ以上の凹部を有していてもよい。
電極は、1平方マイクロメートルあたりの凹部数(rec/μm2)が約0.0001、0.0005、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10である、凹部の表面密度を有していてもよい。電極は、約0.0001 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.001 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.01 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.1 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.5 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.0001〜約0.01 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.001〜約0.01 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.001〜約0.1 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.0005〜約0.5 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。電極は、約0.05〜約5 rec/μm2 の凹部表面密度を有していてもよい。
電極の表面は滑らかであってもよい。電極の表面は表面粗さを有していてもよい。表面粗さは電極の表面全体にわたって均一であってもよい。電極の最上部、電極の底部など、電極の表面の一部が表面粗さを有していてもよい。電極は、滑らかな部分と粗い部分とが交互になった列を有していてもよい。
表面粗さは、約5、10、15、20、25、30、35、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000ナノメートル(nm)またはそれ以上であってもよい。表面粗さは約5〜約50 nmであってもよい。表面粗さは約5〜約100 nmであってもよい。表面粗さは約5〜約500 nmであってもよい。表面粗さは約10〜約50 nmであってもよい。表面粗さは約10〜約100 nmであってもよい。表面粗さは約10〜約500 nmであってもよい。
電極の幅は、細胞が電極に接触するかまたは電極を少なくとも部分的に巻き込むことを可能にするようなサイズであってもよい。電極の幅は、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50マイクロメートル(μm)であってもよい。電極の幅は約2μmであってもよい。電極の幅は約5μmであってもよい。電極の幅は約10μmであってもよい。電極の幅は約15μmであってもよい。電極の幅は約20μmであってもよい。電極の幅は2μmより大きくてもよい。電極の幅は3μmより大きくてもよい。電極の幅は4μmより大きくてもよい。電極の幅は5μmより大きくてもよい。電極の幅は6μmより大きくてもよい。電極の幅は7μmより大きくてもよい。電極の幅は8μmより大きくてもよい。電極の幅は9μmより大きくてもよい。電極の幅は10μmより大きくてもよい。電極の幅は支持部の幅であってもよい。電極の幅はヘッド部の幅であってもよい。
電極は、1つまたは複数の電極に作動的に連結されていてもよい。電極は、少なくとも2つの電極に作動的に連結されていてもよい。電極は、少なくとも3つの電極に作動的に連結されていてもよい。電極は、細胞培養モジュールの複数電極の各電極に作動的に連結されていてもよい。電極は細胞の出力に反応してもよい。電極は、それが作動的に連結されている電極からの出力に反応してもよい。電極の反応は、電気信号などの出力を生成することを含んでいてもよい。
電極構造はガラスなどの基材上に形成される。基材は、チャンバを形成するため、モジュールのモノリスの基部と働き合う。
電極に必要な形状は、多光子ベースの材料造形および最終的な金属被覆によって形成されてもよい。PECVD、電着、Eビームリソグラフィなどの他の処理、または関連する技法もまた用いられてもよい。多光子リソグラフィ技術および3Dマイクロプリンティングには、微細加工の分野で公知である市販のデバイスが使用できる。電極の形状は、ポリマー、反転金属被覆(inverted metallization)、または電着によって実現されてもよく、次にポリマーがプラズマエッチングによって除去されてもよい。
好適なプロセスが図26〜30に示されている。
導電線が取り付けられた電極を現像するため、DLWまたは二光子リソグラフィを用いてすでに電極を備えて作られたガラス基材200が、シャドーマスク202の下に置かれる。符番203はリソグラフィ用ランプを示している。マスク202は、電極204および導電線206を露出したまま残して犠牲層210(図27に示されている)を付着させるのに用いられる。
露出エリアは、図26〜30を参照しながら説明される以下のプロセスを用いて、さらに現像されてもよい。
I. 露出した電極を、例えばCr(20 nm)/Au(200 nm)などでコーティングするため、シード層が用いられる。
II. 次に、図28に示されているように金または白金が電着される。図28は、犠牲層を伴う基材が入った電気めっき槽212を示している。さらなる機能付与の後に生細胞とインタフェースする表面を形成するため、図29に示されているように、電極部に金または白金が付着される。
III. 次に、図30に示されているように、シーディングされた電極を残すため、アセトン、エッチング、または他のプロセスによって犠牲層が剥がされる。
ニューロン(または他の細胞)の電極への接着を促すため、電極表面のトポロジーは、上述の突起または凹部を提供するように改変される。追加的または代替的に、さらなるDLWまたは電着を用いて、制御された表面粗さがナノメートル範囲で適用される。続いて、電極表面に、poly-d-リジンとラミニンの配列が化学的に機能付与される。
細胞培養モジュールのマトリックスは、SU8などの好適なポリマーまたは他の好適なバイオポリマーで形成される。いくつかの態様において、マトリックスの一部に二次ポリマーが接着される。SU8の上部構造への二次ポリマーの接着を促すため、表面の機能付与が行われる。二次ポリマーは合成または天然のポリマーであってもよい。この機能付与は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)混合物によって行われる。マトリックスは、100Wで3分間、プラズマチャンバ内で洗浄され、次に、0.1M NaOH中に30分間浸漬され、そして室温(22℃)で乾燥される。マトリックスの必要エリアが、室温で4〜5分間、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランでコーティングされ、それから大量の蒸留水で洗い流される。マトリックスは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS - 176.8mM NaCl、2.7mM KCl、1.47mM KH2PO4、8.1mM Na2HPO4、すべてFluka製)中の0.5% グルタルアルデヒド溶液で30分間インキュベートされる。マトリックスは、無菌PBSで3回洗浄され、余分な緩衝液が除去される。次に、チップの所望のエリアに二次ポリマーが充填され、そして、30分間、乾燥/硬化/固定されてから、1時間、-10〜20℃まで冷凍される。ポリマーは-20〜40℃で6時間、凍結乾燥されてもよい。
モジュールは、マイクロ/ナノ体積または「ボクセル」内の架橋(または他の化学プロセス)によって機能する多光子吸収リソグラフィ(またはマイクロ/ナノ3D印刷)を用いて製造されてもよい。その方法は、作業波長において透明であるポリマーと、必要なベクトル(すなわちx、y、およびz)において高輝度の光を生成する段階とを必要とした。したがってこの方法は、非常に精密な、任意のまたは規則的な構造を作り出すことができる。市販の好適な製造システムは、基材材料中でレーザ波面を走査させることに基づいている。しかし、そのようなシステムの速度は、走査用モータまたは「ガルボスキャナ」の機械的慣性によって制限される可能性がある。基材に構造をレーザ直描する速度を高めるため、走査しない方法を用いて指定のボクセルで高輝度を実現するシステムもまた、用いられてもよい。
モノリスは、走査型システムまたは非走査型システムのいずれかによるレーザ直描によって作り出される。例えばSU8などのポリマーを用いると、構造は、SU8に固有の材料特性によって、高い縦横比に耐えることができる。
電極は、ガラス基材、ポリマー基材、または複合体基材の上に形成されてもよい。その後、電極を覆うかまたは電極のみを露出させるためにマスクが用いられる。ガラス基材は電気めっきされ、したがって、露出した電極のみがめっきされる。その基材の上にモノリスが形成される。
電極の数およびチャンバの数は特に限定されない。例えば、検証および/または識別用の目的で、いくつかのエッジ電極が用いられてもよい。システムが使用中であるときに、局所または遠隔でシステムおよび/またはモジュールを識別できるよう、そのような電極の抵抗値が意図的に改変されていてもよい。
図16および図17に示されているように、モジュール内に光ガイドが組み込まれていてもよい。これらは、周辺デバイスと光学的にインタフェースするか、かつ/または、オプトジェネティック(optogenetic)な細胞を刺激することを目的としている。光ガイドは、下の電子回路に著しいノイズを引き起こさずかつ電極に接触せずに、光ファイバケーブルまたはLEDを介してモジュール内に光を導くことができるよう、その端部にレンズ構造が統合されていてもよい。光電効果を排除するため、光は、電極への接触を回避する。
モジュールは、反転し傾斜した漏斗形の細胞導入用通路を有する。このことは、単一の細胞、再凝集した細胞、球状体、微小臓器、組織、またはオルガノイドをチャンバに導入することを可能にする。すでに述べたように、細胞導入用通路は、1つまたは複数の位置で狭窄している。狭窄部の直径は、通路に沿って通される細胞体(または組織、オルガノイドなど)よりやや大きいが、細胞の導入後に通路を遮断する遮断用ビーズより小さい。ビーズがチャネルを封鎖する。あるいは、(図24Bに示されているような)複数のビーズが、例えば皮質内の複数のレベルなどのインビボ組織を模すことができる、細胞のレベルを作り出してもよい。
ビーズは2つの目的に役立つ。第一は、例えばチャンバ1つにつき細胞を1つのみ許容するなどのために、チャンバへのアクセスを遮断することである。ビーズは、その遮断構成から選択的に除去されてもよく、これによって、モジュール内の接続性の動力学を変化させてもよい。第二は、ビーズに追加的な機能性が提供されていてもよいことである。例えば、ビーズは、化学物質の徐放を提供してもよい。好適な化学物質が、時間遅延によって、および/または、第一の化学物質を放出させる二次的な化学物質の導入によって、放出されてもよい。この1例は、グルタメートと、有機ポリマーで作られたビーズとである。
あるいは、例えばレーザ波面を用いることにより、全体的または局所的な熱活性化によって放出がもたらされてもよい。あるいは、所与の波長の光への曝露によって放出がもたらされてもよい。ビーズは、細胞に活動を行うよう指示してもよい固定化タンパク質を運んでもよい。ビーズは電位によって活性化されてもよい。さらに、細胞によって放出された化学物質および/またはチャンバ内の細胞の起電特性が、蛍光色(波長)および/または化学物質の放出速度という点でビーズを変化させてもよい。
重要な留意点として、ビーズの機能はまた、狭窄部内に付着されてもよいゲルなどの硬化性材料によって行われてもよい。ビーズまたはゲルは、デルタロボットなどの微細プレーシングデバイスで、アプローチまたは位置設定によって、空間内の任意のポイントに付着されてもよい。
図25に示されているように、灌流/成長チャネルの方向性は、任意の好適な方向であってよい。
本開示の好ましい態様は、細胞隔壁システムを組み込んでいる。そのような隔壁は、例えば以下のようなインビボ様の機能の、異なる局面を再現することが意図されている。
・内皮細胞;例えば血液脳関門
・筋系(平滑筋、骨格筋、または心筋)
・上皮細胞;例えば肺、子宮、および呼吸器
・結合組織;例えば皮膚、肝臓
・他の種類の細胞
隔壁は、ネット状のグリッドとなるよう、上部構造内に作られる。グリッドは、隔壁システム内で用いられる細胞の種類より小さい細孔のアレイによって提供される。モジュールのこの部分はDLWプロセスを用いて作られ、そして、電気めっきにより形成された金属被覆部分を有していてもよい。
本開示の好ましい態様において特に関心対象となるのは、血液脳関門系の再現である。隔壁システムは、他の細胞への近接性によって柔軟性を実現する。好ましい態様において、隔壁は、モノリスマトリックスの一部として、多孔質膜として形成され、その1つの側面に細胞が播種される。
コンピュータ制御システム
本開示は、本開示の方法を実施するようプログラミングされたコンピュータ制御システムを提供する。図31は、モジュールの1つまたは複数のセンサ、モジュールに関連する1つまたは複数の加温要素、1つまたは複数のガス供給(O2もしくはCO2など)、1つまたは複数の顕微鏡、カメラ(CCDカメラなど)を制御するようにプログラミングまたはその他構成された、コンピュータシステム3101を示している。コンピュータシステム3101は、本開示の細胞培養システムの様々な局面を調節してもよく、例えば、ある計量について1つまたは複数の測定を行うよう1つまたは複数のセンサに指示する;調節された温度、ガス組成物、および培地供給などの要素を細胞モジュールシステムに提供するため、1つまたは複数の加温要素、1つまたは複数のガス供給、1つまたは複数の培地供給源とインタフェースするなどしてもよい。コンピュータシステム3101は、ユーザの電子デバイスであってもよく、または、その電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであってもよい。電子デバイスは可搬式の電子デバイスであってもよい。
コンピュータシステム3101は、シングルコアプロセッサもしくはマルチコアプロセッサ、または、並列処理用の複数のプロセッサであってもよい、中央処理装置(CPU、本明細書において「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」ともいう)3105を含む。コンピュータシステム3101はまた、メモリまたはメモリロケーション3110(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置3115(例えばハードディスク)、他の1つまたは複数のシステムと通信するための通信用インタフェース3120(例えばネットワークアダプタ)、ならびに、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶、および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺デバイス3125も含む。メモリ3110、記憶装置3115、インタフェース3120、および周辺デバイス3125は、マザーボードなどの通信バス(実線)を通じて、CPU 3105と連絡している。記憶装置3115は、データを記憶するためのデータ記憶装置(またはデータリポジトリ)であってもよい。コンピュータシステム3101は、通信用インタフェース3120の補助を受けて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)3130に作動的に連結していてもよい。ネットワーク3130は、インターネット、イントラネットおよび/もしくはエクストラネット、または、インターネットと連絡しているイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであってもよい。ネットワーク3130は、いくつかの場合において、テレコミュニケーションおよび/またはデータのネットワークである。ネットワーク3130は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にできる1つまたは複数のコンピュータサーバを含んでいてもよい。ネットワーク3130は、いくつかの場合においてコンピュータシステム3101の補助を受けてピアツーピアネットワークを実現できてもよく、このネットワークは、コンピュータシステム3101に連結されたデバイスがクライアントまたはサーバとして振る舞うことを可能にしてもよい。
CPU 3105は、プログラムまたはソフトウェアとして具現化されてもよい機械可読式の命令のシーケンスを実行できてもよい。命令は、メモリ3110などのメモリロケーション内に記憶されてもよい。命令は、CPU 3105に差し向けられてもよく、続いて、本開示の方法を実施するよう、CPU 3105をプログラミングまたはその他構成してもよい。CPU 3105によって行われる動作の例としては、フェッチ、デコード、エクセキュート、およびライトバックなどがある。
CPU 3105は集積回路などの回路の一部であってもよい。システム3101の1つまたは複数の他の構成要素もまた回路に含まれていてもよい。いくつかの場合において、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
記憶装置3115は、ドライバ、ライブラリ、および保存されたプログラムなどのファイルを記憶してもよい。記憶装置3115は、例えばユーザの好みおよびユーザのプログラムなどのユーザデータを記憶してもよい。コンピュータシステム3101は、いくつかの場合において、例えばイントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム3101と通信している遠隔サーバ上に位置するなど、コンピュータシステム3101の外部にある、1つまたは複数の追加的データ記憶装置を含んでいてもよい。
コンピュータシステム3101は、ネットワーク3130を通じて、1つまたは複数の遠隔コンピュータシステムと通信してもよい。例えば、コンピュータシステム3101は、ユーザの遠隔コンピュータシステム(例えば、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレットデバイス、またはそれらの任意の組み合わせ)と通信してもよい。遠隔コンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(例えばポータブルPC)、スレート型またはタブレット型PC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、アンドロイド(登録商標)対応デバイス、Blackberry(登録商標))、または携帯情報端末などがある。ユーザはネットワーク3130を介してコンピュータシステム3101にアクセスしてもよい。
本明細書に説明されている方法は、例えばメモリ3110または電子記憶装置3115など、コンピュータシステム3101の電子記憶位置上に記憶されている、機械(例えばコンピュータプロセッサ)で実行可能なコードによって実施されてもよい。機械実行可能または機械可読式のコードはソフトウェアの形態で提供されてもよい。使用中、コードはプロセッサ3105によって実行されてもよい。いくつかの場合において、コードは、プロセッサ3105が容易にアクセスできるよう、記憶装置3115から検索されそしてメモリ3110上に記憶されてもよい。いくつかの状況において、電子記憶装置3115が除外され、機械実行可能な命令がメモリ3110上に記憶されてもよい。
コードは、コードを実行するよう適合したプロセッサを有する機械で使用するために事前コンパイルおよび構成されてもよく、または、ランタイム時にコンパイルされてもよい。コードは、事前コンパイルまたはアズコンパイル(as-compiled)の様式でコードを実行可能にするように選択されてもよいプログラミング言語で供給されてもよい。
コンピュータシステム3101など、本明細書において提供されるシステムおよび方法の局面は、プログラミングにおいて具現化されてもよい。その技術の様々な局面は、何らかのタイプの機械可読式媒体に搭載または具現化される、典型的に機械(またはプロセッサ)実行可能なコードおよび/または関連データの形態である「製品」または「製造物」と考えられてもよい。機械実行可能なコードは、メモリ(例えば、読出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなど、電子記憶装置上に記憶されてもよい。「記憶」タイプの媒体には、例えば、様々な半導体メモリ、テープドライブ、およびディスクドライブなど、ソフトウェアプログラミングに対して任意の時点で非一過性の記憶を提供してもよい、コンピュータ、プロセッサ、またはその関連モジュールなどの有形メモリのうち任意またはすべてのものが含まれうる。時に、ソフトウェアの全部または一部に対し、インターネットまたは他の様々なテレコミュニケーションネットワークを通じて、通信が行われてもよい。そのような通信が、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへのソフトウェアのローディングを可能にしてもよく、例として、マネジメントサーバまたはホストコンピュータから、アプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのローディングなどがある。ゆえに、ソフトウェア要素を搭載してもよい別のタイプの媒体には、光波、電波、および電磁波も含まれ、例えば、電線式および光学式の陸線ネットワークならびに様々な空中リンク(air-link)を通じたローカルデバイス間の物理的インタフェースにおいて用いられるものなどがある。有線もしくは無線式のリンク、または光学式リンクなど、そのような波を運ぶ物理的要素もまた、ソフトウェアを搭載した媒体とみなされうる。本明細書において、非一過性で有形の「記憶」媒体に限定されていない限り、コンピュータまたは機械「可読式媒体」などの用語は、命令を実行のためプロセッサに提供することに関与するいかなる媒体も指す。
したがって、コンピュータ実行可能なコードなど、機械可読式の媒体は、多数の形態を取ってもよく、それには非限定的に、有形の記憶媒体、搬送波媒体、または物理的な伝送媒体が含まれる。不揮発性の記憶媒体には、例えば、図面に示されている、データベースなどを実施するために用いられてもよいものなど、任意のコンピュータなどにおける任意の記憶デバイスなどの光学ディスクまたは磁気ディスクが含まれる。揮発性の記憶媒体には、そのようなコンピュータプラットフォームの主メモリなどの、ダイナミックメモリが含まれる。有形の伝送媒体には、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバが含まれ、コンピュータシステム内部のバスを構成する電線もこれに含まれる。搬送波の伝送媒体は、無線周波数(RF)および赤外(IR)のデータ通信中に生成されるものなど、電気信号もしくは電磁信号、または、音波もしくは光波の形態を取ってもよい。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVDもしくはDVD-ROM、他の任意の光学媒体、穿孔カード、紙テープ、穴のパターンを伴う他の任意の物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH(登録商標)-EPROM、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を輸送する搬送波、そのような搬送波を輸送するケーブルもしくはリンク、または、コンピュータがそこからプログラミングコードおよび/もしくはデータを読み取ってもよい他の任意の媒体が含まれる。コンピュータ可読媒体のこれら形態のうち多くは、1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行のためプロセッサまで運ぶことに関与してもよい。
コンピュータシステム3101は、例えば、(a)細胞培養システムの1つまたは複数のチャンバ内の温度、ガス組成、流体組成、流体レベルを維持するため、ユーザにより提供される入力;(b)細胞培養システムの1つまたは複数のセンサを用いて、1回もしくは複数回、または特定の時点で、1つまたは複数の計量を測定するため、ユーザにより提供される入力;(c)センサが適切に構成されていないとき、測定が完了したとき、供給(培地供給もしくはガス供給など)が枯渇したとき、またはそれらの任意の組み合わせのとき、ユーザインタフェース部においてユーザに提供される、リマインダ、アラーム、または視覚的インジケータ;などを提供するため、ユーザインタフェース(UI)3140を含む電子ディスプレイ3135を含むかまたはこれと連絡していてもよい。UIの例としては、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインタフェースなどがあるが、それに限定されるわけではない。
本開示の方法およびシステムは、1つまたは複数のアルゴリズムによって実施されてもよい。アルゴリズムは、ソフトウェアによって、中央処理装置3105による実行時に実施されてもよい。アルゴリズムは、例えば、1つまたは複数のセンサによって測定された計量を、1つまたは複数のチャンバ内に含有された生物学的試料を分析するために設定された参照事項の1つまたは複数の参照用計量に対して、比較してもよい。
本明細書において、本発明の好ましい態様を示しそして説明したが、当業者には、そのような態様が例としてのみ提供されていることが明白であろう。本発明が、本明細書内に提供されている具体例によって限定されることは意図されていない。本発明は、前述の明細を参照しながら説明されているが、本明細書における各態様の説明および図示が限定的な意味で解釈されることは意図されていない。当業者には、本発明から逸脱することなく、多数のバリエーション、変更、および置換が考えられるであろう。さらに、本明細書に記載されている具体的な描写、構成、または相対的比率は、さまざまな条件および変数によって異なりうるものであり、本発明のいかなる局面も、これらの描写、構成、または相対的比率に限定されないことが理解されるべきである。本発明の実施において、本明細書に説明されている本発明の態様に対し、さまざまな代替物が利用されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのようないかなる代替、改変、バリエーション、または等価物もまた包含すべきものとして企図されている。添付の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義すること、そして、それら特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物が特許請求の範囲に包含されることが、意図されている。