JP2021091913A - 発泡体及び発泡体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期間又は繰り返し荷重が加わった場合でもへたりが起こりにくく、低密度であり、外観品質が良好な発泡体、および該発泡体の製造方法を提供する。【解決手段】エラストマー樹脂中にセルが分散した発泡体であって、発泡体の厚みが300μm以上、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上、前記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上であり、前記セルの平均直径が70μm以上である、発泡体である。【選択図】なし
Description
本発明は、発泡体及び該発泡体の製造方法に関する。
医療用部材、又は、自動車、鉄道、線路、橋梁、建物等に用いられる部材として、従来から、ゴム、熱可塑性エラストマー等の基材樹脂を板状等に成形した、クッション性、制振性等の性能に優れた成形体が用いられている。また、クッション性、制振性等の性能を更に向上させるために、基材樹脂を発泡成形することが検討されている。
基材樹脂を発泡成形する方法として、例えば、基材樹脂に、加熱すると分解してガスが発生する揮発性発泡剤を加えて発泡成形する方法、炭酸ガス等のガスの溶解性を高めて基材樹脂に溶解させ、その後にガスの溶解性を下げることでガスを発生させる方法等が挙げられる。例えば、特許文献1には、オレフィン系樹脂からなる樹脂シートに揮発性発泡剤を含浸した後、スチームにより0.2〜1.0倍/秒の発泡速度で発泡せしめることにより、高発泡シートを製造する方法が記載されている。
また、基材樹脂を発泡成形する方法として、基材樹脂に、ポリマーを含有するシェルにコア剤として揮発性液体を内包する熱膨張性マイクロカプセルを加えて発泡成形する方法も提案されている。例えば、特許文献2には、熱硬化性ミラブル型シリコーンゴム組成物に、80〜200℃の温度で膨張する熱膨張性マイクロカプセル0.1〜20重量部配合したシリコーンゴムスポンジ組成物及びシリコーンゴムスポンジが記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の発泡体は、長期間又は繰り返し圧縮に対する耐疲労性が充分に得られないという問題がある。また、発泡体として充分な軽量性を有しておらず、発泡体表面の外観品質に劣るものとなっている。
本発明は、長期間又は繰り返し荷重が加わった場合でもへたりが起こりにくく、低密度であり、外観品質が良好な発泡体を提供することを目的とする。また、該発泡体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、エラストマー樹脂中にセルが分散した発泡体であって、発泡体の厚みが300μm以上、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上、前記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上であり、前記セルの平均直径が70μm以上である、発泡体である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明の発泡体は、エラストマー樹脂中にセルが分散した発泡体である。本明細書中、セルとは、エラストマー樹脂中に分散した空孔部分を意味する。なお、上記セルは独立気泡であることが好ましい。
上記エラストマー樹脂は、発泡成形に通常用いられるエラストマー樹脂であれば特に限定されないが、熱可塑性エラストマー、ゴムが好ましい。
上記エラストマー樹脂は、発泡成形に通常用いられるエラストマー樹脂であれば特に限定されないが、熱可塑性エラストマー、ゴムが好ましい。
本明細書中、熱可塑性エラストマーとは、常温ではエラストマー、即ち、加硫ゴムの性質を示し、高温では熱可塑性を示す物質を意味する。
上記熱可塑性エラストマーは特に限定されず、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBCと略記される。以下、括弧内は略記号を表す)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO、TPV)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)などが挙げられる。
なかでも、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)が好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、ハードセグメントとしてポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのオレフィン系樹脂、ソフトセグメントとしてEPDMやEPRなどのエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを構成要素とし、架橋タイプと非架橋タイプに分類する事ができる。
上記架橋タイプはゴム部分を化学的に架橋したもので、非架橋タイプに比べてゴム弾性や耐熱性に優れる。加硫ゴムが一般に、静的条件で架橋されるのに対して、架橋タイプのTPOは押出機中などの混練状態下で架橋反応させる、いわゆる動的架橋技術により製造される。TPO分野でもっとも多く用いられているのは、PP−EPDM系で架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)であり、最近では、特に自動車産業分野などで地球環境問題への取組みが本格化する中で加硫ゴムや軟質ポリ塩化ビニルに代わって、TPVが採用される事例が増えてきている。
上記非架橋タイプのTPOとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン共重合体が挙げられる。また、EPゴムマトリックス中でポリオレフィン樹脂がネットワーク構造を形成したエラストマーマトリックス結晶擬似架橋型TPO等が好適に使用される。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。
また、そのほか、塩ビ系熱可塑性エラストマー(TPVC)、イオンクラスター型熱可塑性エラストマー(アイオノマー)、フッ素樹脂を拘束ブロックとして含むフッ素系熱可塑性エラストマーなどがある。
これら熱可塑性エラストマーは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記熱可塑性エラストマーは特に限定されず、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBCと略記される。以下、括弧内は略記号を表す)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO、TPV)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)などが挙げられる。
なかでも、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)が好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)は、ハードセグメントとしてポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などのオレフィン系樹脂、ソフトセグメントとしてEPDMやEPRなどのエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムを構成要素とし、架橋タイプと非架橋タイプに分類する事ができる。
上記架橋タイプはゴム部分を化学的に架橋したもので、非架橋タイプに比べてゴム弾性や耐熱性に優れる。加硫ゴムが一般に、静的条件で架橋されるのに対して、架橋タイプのTPOは押出機中などの混練状態下で架橋反応させる、いわゆる動的架橋技術により製造される。TPO分野でもっとも多く用いられているのは、PP−EPDM系で架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)であり、最近では、特に自動車産業分野などで地球環境問題への取組みが本格化する中で加硫ゴムや軟質ポリ塩化ビニルに代わって、TPVが採用される事例が増えてきている。
上記非架橋タイプのTPOとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィン共重合体が挙げられる。また、EPゴムマトリックス中でポリオレフィン樹脂がネットワーク構造を形成したエラストマーマトリックス結晶擬似架橋型TPO等が好適に使用される。
上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)等が挙げられる。
また、そのほか、塩ビ系熱可塑性エラストマー(TPVC)、イオンクラスター型熱可塑性エラストマー(アイオノマー)、フッ素樹脂を拘束ブロックとして含むフッ素系熱可塑性エラストマーなどがある。
これら熱可塑性エラストマーは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)の市販品としては、ミラストマー(三井化学社製)等が用いられる。
上記ミラストマーは、PPの海相と、架橋されたEPDMの島相とからなる海島構造を有しており、島相の平均分散粒径は数μm程度である。海相と島相の界面には化学結合が存在し、界面を強化することで機械特性やゴム弾性を向上させる役割を果たしている。
上記ミラストマーは、PPの海相と、架橋されたEPDMの島相とからなる海島構造を有しており、島相の平均分散粒径は数μm程度である。海相と島相の界面には化学結合が存在し、界面を強化することで機械特性やゴム弾性を向上させる役割を果たしている。
本明細書中、ゴムとは、室温において弾性を示す高分子物質を意味する。上記ゴムは特に限定されず、天然ゴム(NR)であってもよく、合成ゴムであってもよい。上記合成ゴムとして、例えば、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンアクリロゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO、ECO)、多硫化ゴム(T)等が挙げられる。これらのなかでは、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンアクリロゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)が好ましい。
また、上記他の樹脂成分として、一般的な熱可塑性樹脂を使用してもよい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン等の一般的な熱可塑性樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。なお、これらのなかでは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリプロピレンオキシド、ポリスチレン等の一般的な熱可塑性樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックが挙げられる。なお、これらのなかでは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記セルは、平均直径の下限が70μmである。上記セルの平均直径が70μm以上であると、発泡体の密度を低減することができる。
上記セルの平均直径の好ましい下限は71μm、好ましい上限は100μmであり、より好ましい下限は72μm、より好ましい上限は90μmである。また、更に好ましい下限は80μm、特に好ましい下限は81μm、より特に好ましい下限は82μmである。
なお、上記平均直径は、発泡体をカミソリ等の鋭利な刃物、マイクロトーム、集束イオンビーム等を用いて切断し、得られた断面を白金、金等でスパッタリングした後、電子顕微鏡にて観察し、任意の100個(n=100)についてセルの直径をそれぞれ計測し、平均を算出した値を意味する。なお、セルの断面形状が円形ではない場合、セルの直径とは、セルの長径と短径の平均値を意味する。
また、上記セルは、直径のCV値の好ましい上限が40%である。好ましい下限は特に限定されないが10%である。
上記セルの平均直径の好ましい下限は71μm、好ましい上限は100μmであり、より好ましい下限は72μm、より好ましい上限は90μmである。また、更に好ましい下限は80μm、特に好ましい下限は81μm、より特に好ましい下限は82μmである。
なお、上記平均直径は、発泡体をカミソリ等の鋭利な刃物、マイクロトーム、集束イオンビーム等を用いて切断し、得られた断面を白金、金等でスパッタリングした後、電子顕微鏡にて観察し、任意の100個(n=100)についてセルの直径をそれぞれ計測し、平均を算出した値を意味する。なお、セルの断面形状が円形ではない場合、セルの直径とは、セルの長径と短径の平均値を意味する。
また、上記セルは、直径のCV値の好ましい上限が40%である。好ましい下限は特に限定されないが10%である。
本発明の発泡体は、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上である。上記表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上であると、更に発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。
上記表面層におけるセルは、平均円形度の好ましい下限は0.985である。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
上記平均円形度とは、上記平均直径と同様に、発泡体断面を切断した後、顕微鏡写真からの画像解析によって、複数のセルの円形度を測定し、それを平均した値をいう。ここでいう円形度は、電子顕微鏡にてセルの投影面積(A)、セルの周囲長(B)を測定した場合に4πA/B2として定義される。上記円形度の数値はセルの形状が真円に近くなるほど大きくなり、完全な真円形状を有するセルの円形度は1.00となる。逆に、セルの形状が真円から離れるにつれて円形度の数値は小さくなる。
また、表面から深さ100μmとは、発泡体の表面から接線方向に向かって100μmのことをいう。
上記表面層におけるセルは、平均円形度の好ましい下限は0.985である。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
上記平均円形度とは、上記平均直径と同様に、発泡体断面を切断した後、顕微鏡写真からの画像解析によって、複数のセルの円形度を測定し、それを平均した値をいう。ここでいう円形度は、電子顕微鏡にてセルの投影面積(A)、セルの周囲長(B)を測定した場合に4πA/B2として定義される。上記円形度の数値はセルの形状が真円に近くなるほど大きくなり、完全な真円形状を有するセルの円形度は1.00となる。逆に、セルの形状が真円から離れるにつれて円形度の数値は小さくなる。
また、表面から深さ100μmとは、発泡体の表面から接線方向に向かって100μmのことをいう。
本発明の発泡体は、上記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上である。上記中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上であると、更に圧縮永久歪を向上させることができる。
また、上記中心部におけるセルは、平均円形度のより好ましい下限が0.992である。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
また、上記中心部におけるセルは、平均円形度のより好ましい下限が0.992である。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
本発明の発泡体は、発泡体全体のセルの平均円形度の好ましい下限が0.990である。上記発泡体全体のセルの平均円形度が0.990以上であると、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。
上記発泡体全体のセルの平均円形度のより好ましい下限は0.992、更に好ましい下限は0.995である。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
なお、発泡体全体のセルの平均円形度は、上述した「表面層におけるセルの平均円形度」及び「中心部におけるセルの平均円形度」を算出した後、「表面層」及び「中心部」の断面面積比から算出する。
上記発泡体全体のセルの平均円形度のより好ましい下限は0.992、更に好ましい下限は0.995である。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
なお、発泡体全体のセルの平均円形度は、上述した「表面層におけるセルの平均円形度」及び「中心部におけるセルの平均円形度」を算出した後、「表面層」及び「中心部」の断面面積比から算出する。
本発明の発泡体は、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均長短比が0.86以上であることが好ましい。このような表面層におけるセルの平均長短比を規定することで、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。上記表面層におけるセルは、平均長短比のより好ましい下限が0.88である。上記表面層におけるセルの平均長短比が0.88以上であると、更に発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
上記平均長短比とは、上記平均直径と同様に、発泡体断面を切断した後、顕微鏡写真からの画像解析によって、複数のセルの長短比を測定し、それを平均した値をいう。ここでいう長短比は、電子顕微鏡にてセルの投影画像の最大径[長径(C)]及び最小径[短径(D)]を測定し場合のD/Cとして定義される。
上記平均長短比とは、上記平均直径と同様に、発泡体断面を切断した後、顕微鏡写真からの画像解析によって、複数のセルの長短比を測定し、それを平均した値をいう。ここでいう長短比は、電子顕微鏡にてセルの投影画像の最大径[長径(C)]及び最小径[短径(D)]を測定し場合のD/Cとして定義される。
本発明の発泡体は、上記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均長短比が0.87以上であることが好ましい。このような中心部におけるセルの平均長短比を規定することで、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。
また、上記中心部におけるセルは、平均長短比のより好ましい下限が0.89である。上記中心部におけるセルの平均長短比が0.89以上であると、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを更に向上させることができる。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
また、上記中心部におけるセルは、平均長短比のより好ましい下限が0.89である。上記中心部におけるセルの平均長短比が0.89以上であると、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを更に向上させることができる。好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
本発明の発泡体は、発泡体全体のセルの平均長短比の好ましい下限が0.87である。上記発泡体全体のセルの平均長短比が0.87以上であると、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。
上記発泡体全体のセルの平均長短比のより好ましい下限は0.88、好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
上記発泡体全体のセルの平均長短比のより好ましい下限は0.88、好ましい上限は特に限定されないが、例えば1.00(真円)である。
本発明の発泡体は、発泡体全体のセルの平均投影面積の好ましい下限が3800μm2である。上記セルの平均投影面積が3800μm2以上であると、発泡体の密度を低減することができる。
上記セルの平均投影面積のより好ましい下限は3900μm2、更に好ましい下限は4000μm2である。好ましい上限は特に限定されないが、7900μm2である。
なお、上記セルの平均投影面積は、上記平均円形度を測定する際に得られる複数のセルの投影面積(A)を平均した値をいう。
上記セルの平均投影面積のより好ましい下限は3900μm2、更に好ましい下限は4000μm2である。好ましい上限は特に限定されないが、7900μm2である。
なお、上記セルの平均投影面積は、上記平均円形度を測定する際に得られる複数のセルの投影面積(A)を平均した値をいう。
本発明の発泡体は、発泡体全体のセルの平均周囲長の好ましい下限が185μmである。上記セルの平均周囲長が185μm以上であると、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。上記セルの平均周囲長のより好ましい下限は188μm、好ましい上限は225μm、より好ましい上限は220μm、更に好ましい上限は215μmである。
なお、上記セルの平均周囲長は、上記平均円形度を測定する際に得られる複数のセルの周囲長(B)を平均した値をいう。
なお、上記セルの平均周囲長は、上記平均円形度を測定する際に得られる複数のセルの周囲長(B)を平均した値をいう。
本発明の発泡体は、厚みが300μm以上である。上記厚みを300μm以上とすることで、発泡体の曲げ強度(剛性)が向上する。また、セル形状の測定精度を向上させることが可能となる。上記厚みの好ましい下限は500μm、好ましい上限は5000μmである。ここでいう厚みとは、発泡体の一方の表面から接線方向に向かって他方の表面までの長さとして定義される。上記厚みは、ノギス、ダイヤルゲージ、マイクロメータ等の測定器を用いて測定できる。
なお、本発明の発泡体の形状は特に限定されないが、例えば、板状や直方体(ブロック)状のほか、角柱状、円柱状、角すい状、円すい状、円すい台状、角すい台状、箱型(凹型)状等が挙げられる。なかでも、板状や直方体が好ましい。
なお、本発明の発泡体の形状は特に限定されないが、例えば、板状や直方体(ブロック)状のほか、角柱状、円柱状、角すい状、円すい状、円すい台状、角すい台状、箱型(凹型)状等が挙げられる。なかでも、板状や直方体が好ましい。
上記セルは、重合体を含有するシェルにコア剤として揮発性液体を内包する熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することにより形成されるものであることが好ましい。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、加熱により、上記シェルが可塑化するとともに上記コア剤が気化して蒸気圧が高くなり、膨張する。そのため、上記エラストマー樹脂に上記熱膨張性マイクロカプセルを加えて発泡成形することにより、得られる発泡体には、上記熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することによって形成されたセルが分散することとなる。このようなセルは上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルにより形成される。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、加熱により、上記シェルが可塑化するとともに上記コア剤が気化して蒸気圧が高くなり、膨張する。そのため、上記エラストマー樹脂に上記熱膨張性マイクロカプセルを加えて発泡成形することにより、得られる発泡体には、上記熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することによって形成されたセルが分散することとなる。このようなセルは上記熱膨張性マイクロカプセルのシェルにより形成される。
上記熱膨張性マイクロカプセルを構成するシェルは、アクリロニトリル、メタクリロニトリル及び塩化ビニリデンから選択される少なくとも1種からなる重合性モノマー(I)を含有するモノマー混合物を重合させてなる重合体からなることが好ましい。
上記重合性モノマー(I)を添加することで、シェルのガスバリア性を向上させることができる。
上記重合性モノマー(I)を添加することで、シェルのガスバリア性を向上させることができる。
また、更に耐熱性を向上させたい場合には、上記熱膨張性マイクロカプセルを構成するシェルは、重合性モノマー(I)40〜90重量%と、カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)5〜50重量%とを含有するモノマー混合物を重合させてなる重合体からなることが好ましい。
上記モノマー混合物中の重合性モノマー(I)の含有量の好ましい下限は40重量%、好ましい上限は90重量%である。上記モノマー混合物中の重合性モノマー(I)の含有量が40重量%未満であると、シェルのガスバリア性が低くなるため発泡倍率が低下することがある。上記モノマー混合物中の重合性モノマー(I)の含有量が90重量%を超えると、耐熱性が上がってこないことがある。上記モノマー混合物中の重合性モノマー(I)の含有量のより好ましい下限は50重量%、より好ましい上限は80重量%である。
上記カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)としては、例えば、イオン架橋させるための遊離カルボキシル基を分子当たり1個以上持つものを用いることができる。具体的には例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸やその無水物、不飽和ジカルボン酸のモノエステルやその誘導体等が挙げられる。
上記不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等が挙げられる。上記不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等が挙げられる。上記不飽和ジカルボン酸のモノエステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸が好ましい。
上記不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等が挙げられる。上記不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等が挙げられる。上記不飽和ジカルボン酸のモノエステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸が好ましい。
上記モノマー混合物中における、上記カルボキシル基を有し、炭素数3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)に由来するセグメントの含有量の好ましい下限は5重量%、好ましい上限は50重量%である。上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)に由来するセグメントの含有量が5重量%未満であると、最大発泡温度が190℃以下となることがあり、上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)に由来するセグメントの含有量が50重量%を超えると、最大発泡温度は向上するものの、発泡倍率が低下する。上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)に由来するセグメントの含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は40重量%である。
上記モノマー混合物としては、上記重合性モノマー(I)、及び、上記カルボキシル基を有し、炭素数3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)に由来するセグメントの含有量が上述した範囲内であれば、特に限定されないが、下記モノマー混合物(1)〜(3)を用いることが好ましい。
上記モノマー混合物(1)は、上記重合性モノマー(I)40〜90重量%と、上記カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)5〜50重量%とを含有し、かつ、好ましくは、分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しないものである。
上記モノマー混合物(1)は、上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しないことが好ましい。上記重合性モノマー(III)は、一般的に架橋剤として用いられているものである。
上記モノマー混合物(1)では、上記重合性モノマー(I)とラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)とを所定量含有するモノマー混合物を用いることで、充分な強度を有するシェルが得られる。これにより、上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しない場合でも、優れた耐剪断性、耐熱性、発泡性を有する熱膨張性マイクロカプセルとすることができる。上述のように充分な強度を有する理由は明確でないが、カルボキシル基同士の脱水縮合反応による架橋が関係していると考えられる。
また、上記重合性モノマー(III)を添加した場合、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が歪なものとなり、結果として嵩比重が低下してしまう。
上記モノマー混合物(1)では、上記重合性モノマー(I)とラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)とを所定量含有するモノマー混合物を用いることで、充分な強度を有するシェルが得られる。これにより、上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しない場合でも、優れた耐剪断性、耐熱性、発泡性を有する熱膨張性マイクロカプセルとすることができる。上述のように充分な強度を有する理由は明確でないが、カルボキシル基同士の脱水縮合反応による架橋が関係していると考えられる。
また、上記重合性モノマー(III)を添加した場合、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が歪なものとなり、結果として嵩比重が低下してしまう。
このように、上記モノマー混合物(1)では、上記分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を用いずとも、充分な強度及び耐熱性を有する熱膨張性マイクロカプセルを得ることを可能としている。なお、本明細書において、「上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しない」とは、重合性モノマー(III)を実質的に含有しないことを意味し、上記重合性モノマー(III)をごく微量含む場合は、上記重合性モノマー(III)を含有しないものとみなすこととする。
なお、上記重合性モノマー(III)としては、ラジカル重合性二重結合を2以上有するモノマーが挙げられる。具体的には例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
加えて、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルホルマールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
加えて、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記モノマー混合物(2)は、上記重合性モノマー(I)40〜90重量%と、上記カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)5〜50重量%と、上記重合性モノマー(III)0.2重量%以下と、金属カチオン水酸化物(IV)0.1〜10重量%とを含有するものである。
上記モノマー混合物(2)は、分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有することが好ましい。上記重合性モノマー(III)は、架橋剤としての役割を有する。
上記重合性モノマー(III)を含有することにより、シェルの強度を強化することができ、熱膨張時にセル壁が破泡し難くなる。
上記重合性モノマー(III)を含有することにより、シェルの強度を強化することができ、熱膨張時にセル壁が破泡し難くなる。
上記重合性モノマー(III)としては、上記カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)と異なるものであれば、特に限定はされず、一般的にはラジカル重合性二重結合を2以上有するモノマーが好適に用いられる。具体的には例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、分子量が200〜600のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記モノマー混合物(2)中における、上記重合性モノマー(III)の含有量の好ましい上限は0.2重量%である。上記重合性モノマー(III)を0.2重量%を超えて添加した場合、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が歪なものとなり、結果として嵩比重が低下してしまう。嵩比重が低下してしまうと、次工程において、特に押出成形を行う場合に、熱膨張性マイクロカプセルに剪断がかかりやすくなるため、熱膨張性マイクロカプセルが発泡気味となる。本発明では、上記重合性モノマー(III)の含有量を0.2重量%以下とすることで、嵩比重の低下を防止することができる。上記重合性モノマー(III)の含有量の好ましい下限は0重量%、より好ましい上限は0.1重量%である。
上記モノマー混合物(2)は、金属カチオン水酸化物(IV)を含有することが好ましい。
上記金属カチオン水酸化物(IV)を含有することで、上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)のカルボキシル基との間でイオン結合が起こることから、剛性が上がり、耐熱性を高くすることが可能となる。その結果、高温領域において長時間破裂、収縮の起こらない熱膨張性マイクロカプセルとすることが可能となる。また、高温領域においてもシェルの弾性率が低下しにくいことから、強い剪断力が加えられる混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の成形加工を行う場合であっても、熱膨張性マイクロカプセルの破裂、収縮が起こることがない。
また、共有結合でなくイオン結合であるから、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が真球に近くなり、歪みが生じにくくなる。これは、イオン結合による架橋が、共有結合による架橋に比べて結合力が弱いため、重合中のモノマーからポリマーへ転化時において、熱膨張性マイクロカプセルの体積が収縮する際に均一に収縮が生じることが原因と考えられる。
上記金属カチオン水酸化物(IV)を含有することで、上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)のカルボキシル基との間でイオン結合が起こることから、剛性が上がり、耐熱性を高くすることが可能となる。その結果、高温領域において長時間破裂、収縮の起こらない熱膨張性マイクロカプセルとすることが可能となる。また、高温領域においてもシェルの弾性率が低下しにくいことから、強い剪断力が加えられる混練成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形等の成形加工を行う場合であっても、熱膨張性マイクロカプセルの破裂、収縮が起こることがない。
また、共有結合でなくイオン結合であるから、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が真球に近くなり、歪みが生じにくくなる。これは、イオン結合による架橋が、共有結合による架橋に比べて結合力が弱いため、重合中のモノマーからポリマーへ転化時において、熱膨張性マイクロカプセルの体積が収縮する際に均一に収縮が生じることが原因と考えられる。
上記金属カチオン水酸化物(IV)の金属カチオンとしては、上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)と反応してイオン結合させる金属カチオンであれば、特に限定されず、例えば、Na、K、Li、Zn、Mg、Ca、Ba、Sr、Mn、Al、Ti、Ru、Fe、Ni、Cu、Cs、Sn、Cr、Pb等のイオンが挙げられる。但し、上記ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)とイオン結合させることが目的なので、水酸化物であることが必要で、NaCl等の塩化物はイオン結合が弱く、ここでは該当しない。これらのなかでは、2〜3価の金属カチオンであるCa、Zn、Alのイオンが好ましく、特にZnのイオンが好適である。これらの金属カチオン水酸化物(IV)は、単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記モノマー混合物(2)中における、上記金属カチオン水酸化物(IV)の含有量の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限が10重量%である。上記金属カチオン水酸化物(IV)の含有量が0.1重量%未満であると、耐熱性に効果が得られないことがあり、上記金属カチオン水酸化物(IV)の含有量が10重量%を超えると、発泡倍率が著しく悪くなることがある。上記金属カチオン水酸化物(IV)の含有量のより好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は5重量%である。
上記モノマー混合物(3)は、上記重合性モノマー(I)40〜90重量%と、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)5〜50重量%と、金属カチオン水酸化物(IV)0.1〜10重量%とを含有し、かつ、好ましくは、分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しないものである。
本発明の好適な実施態様において、上記モノマー混合物(3)は、分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しないことを特徴とする。
ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)と金属カチオン水酸化物(IV)との間でイオン結合による架橋が起こることで、上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しない場合でも、得られるシェルは充分な強度及び耐熱性を有する。なお、上記重合性モノマー(III)を添加した場合、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が歪なものとなり、結果として嵩比重が低下してしまうことがある。嵩比重が低下してしまうと、次工程において、特に押出成形を行う場合に、熱膨張性マイクロカプセルに剪断がかかりやすくなるため、熱膨張性マイクロカプセルが発泡気味となる。
ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)と金属カチオン水酸化物(IV)との間でイオン結合による架橋が起こることで、上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しない場合でも、得られるシェルは充分な強度及び耐熱性を有する。なお、上記重合性モノマー(III)を添加した場合、熱膨張性マイクロカプセルの粒子形状が歪なものとなり、結果として嵩比重が低下してしまうことがある。嵩比重が低下してしまうと、次工程において、特に押出成形を行う場合に、熱膨張性マイクロカプセルに剪断がかかりやすくなるため、熱膨張性マイクロカプセルが発泡気味となる。
上記モノマー混合物(3)では、イオン結合による架橋を主として、共有結合による架橋を減らすことで、上記分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を用いずに、充分な強度及び耐熱性を有する熱膨張性マイクロカプセルを得ることを可能としている。なお、本明細書において、「上記モノマー混合物中に分子内に二重結合を2つ以上有する重合性モノマー(III)を含有しない」とは、重合性モノマー(III)を実質的に含有しないことを意味し、上記重合性モノマー(III)をごく微量含む場合は、上記重合性モノマー(III)を含有しないものとみなすこととする。
上記モノマー混合物中には、上記重合性モノマー(I)、ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)等に加えて、これら以外の他のモノマーを添加してもよい。上記他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ジシクロペンテニルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、イソボルニルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、酢酸ビニル、スチレン等のビニルモノマー等が挙げられる。これら他のモノマーは、熱膨張性マイクロカプセルに必要な特性に応じて適宜選択されて使用され得るが、これらのなかでメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル等が好適に用いられる。シェルを構成する全モノマー中の他のモノマーの含有量は10重量%未満が好ましい。上記他のモノマーの含有量が10重量%以上であると、セル壁のガスバリア性が低下し、熱膨張性が悪化しやすいので好ましくない。
上記モノマー混合物中には、上記モノマーを重合させるため、重合開始剤を含有させる。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が好適に用いられる。
上記過酸化ジアルキルとしては、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
上記過酸化ジアシルとしては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等が挙げられる。
上記パーオキシエステルとしては、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
上記パーオキシジカーボネートとしては、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。
上記重合開始剤としては、例えば、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アゾ化合物等が好適に用いられる。
上記過酸化ジアルキルとしては、メチルエチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
上記過酸化ジアシルとしては、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等が挙げられる。
上記パーオキシエステルとしては、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。
上記パーオキシジカーボネートとしては、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピル−オキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルエチルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
上記アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。
上記シェルを構成する重合体の重量平均分子量の好ましい下限は10万、好ましい上限は200万である。重量平均分子量が10万以上であると、シェルの強度を高めることができ、重量平均分子量が200万以下であると、シェルの強度の過剰な上昇が抑制され、発泡倍率の低下を抑えることができる。
上記シェルは、更に必要に応じて、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シランカップリング剤、色剤等を含有していてもよい。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、上記シェルにコア剤として揮発性膨張剤が内包されている。
上記揮発性膨張剤は、シェルを構成するポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であり、低沸点有機溶剤が好適である。
上記揮発性膨張剤としては、例えば、低分子量炭化水素、クロロフルオロカーボン、テトラアルキルシラン等が挙げられる。
上記低分子量炭化水素としては、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、イソオクタン、石油エーテル等が挙げられる。
上記クロロフルオロカーボンとしては、CCl3F、CCl2F2、CClF3、CClF2−CClF2等が挙げられる。
上記テトラアルキルシランとしては、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシラン等が挙げられる。
なかでも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、イソオクタン、石油エーテル、及び、これらの混合物が好ましい。これらの揮発性膨張剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状となる熱分解型化合物を用いてもよい。
上記揮発性膨張剤は、シェルを構成するポリマーの軟化点以下の温度でガス状になる物質であり、低沸点有機溶剤が好適である。
上記揮発性膨張剤としては、例えば、低分子量炭化水素、クロロフルオロカーボン、テトラアルキルシラン等が挙げられる。
上記低分子量炭化水素としては、エタン、エチレン、プロパン、プロペン、n−ブタン、イソブタン、ブテン、イソブテン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、ヘプタン、イソオクタン、石油エーテル等が挙げられる。
上記クロロフルオロカーボンとしては、CCl3F、CCl2F2、CClF3、CClF2−CClF2等が挙げられる。
上記テトラアルキルシランとしては、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン、トリメチルイソプロピルシラン、トリメチル−n−プロピルシラン等が挙げられる。
なかでも、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、イソオクタン、石油エーテル、及び、これらの混合物が好ましい。これらの揮発性膨張剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状となる熱分解型化合物を用いてもよい。
上記熱膨張性マイクロカプセルでは、上述した揮発性膨張剤のなかでも、炭素数が5以下の低沸点炭化水素を用いることが好ましい。このような炭化水素を用いることにより、発泡倍率が高く、速やかに発泡を開始する熱膨張性マイクロカプセルとすることができる。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物を用いることとしてもよい。
また、揮発性膨張剤として、加熱により熱分解してガス状になる熱分解型化合物を用いることとしてもよい。
上記コア剤として用いる揮発性膨張剤の含有量の好ましい下限は10重量%、好ましい上限は25重量%である。
コア剤の含有量が10重量%以上であると、シェルの厚みが大きくなり過ぎず、発泡倍率の低下を抑制することができる。コア剤の含有量が25重量%以下であると、シェルの強度の低下を抑制することができる。また、上記コア剤の含有量を10〜25重量%とした場合、熱膨張性マイクロカプセルのへたり防止と発泡性能向上とを両立させることが可能となる。
コア剤の含有量が10重量%以上であると、シェルの厚みが大きくなり過ぎず、発泡倍率の低下を抑制することができる。コア剤の含有量が25重量%以下であると、シェルの強度の低下を抑制することができる。また、上記コア剤の含有量を10〜25重量%とした場合、熱膨張性マイクロカプセルのへたり防止と発泡性能向上とを両立させることが可能となる。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、最大発泡温度(Tmax)の好ましい下限が180℃、好ましい上限が230℃である。最大発泡温度が180℃以上であると、耐熱性を高くすることができ、高温領域や成形加工時において、熱膨張性マイクロカプセルの破裂や収縮を抑制することができる。熱膨張性マイクロカプセルの破裂や収縮をさらに抑制できる観点から、最大発泡温度のより好ましい下限は190℃である。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となったとき(最大変位量)における温度を意味する。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となったとき(最大変位量)における温度を意味する。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、熱機械分析で測定した最大変位量(Dmax)の好ましい下限が300μm、好ましい上限が1200μmである。
なお、上記最大変位量は、所定量の熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、所定量全体の熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となるときの値をいう。
また、発泡開始温度(Ts)の好ましい下限は160℃、好ましい上限は200℃である。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルが最大変位量となったときにおける温度を意味する。
なお、上記最大変位量は、所定量の熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、所定量全体の熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となるときの値をいう。
また、発泡開始温度(Ts)の好ましい下限は160℃、好ましい上限は200℃である。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルが最大変位量となったときにおける温度を意味する。
上記熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径の好ましい下限は15μm、好ましい上限は25μmである。平均粒子径が15μm以上であることで、得られる成形体の発泡が充分なものとなり、平均粒子径が25μm以下であることで、得られる成形体の強度を充分なものとすることができる。平均粒子径のより好ましい下限は18μm、更に好ましい下限は19μm、より好ましい上限は23μmである。
なお、上記熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径とは、粒度分布径測定器等を用いて測定した体積平均粒子径を意味する。
なお、上記熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径とは、粒度分布径測定器等を用いて測定した体積平均粒子径を意味する。
本発明においては、上記熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法も提供される。上記熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法としては、例えば、水性媒体を調製する工程、上記重合性モノマー(I)40〜90重量%と、カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)5〜50重量%と、揮発性膨張剤とを含有する油性混合液を水性媒体中に分散させる工程を行う。その後、上記モノマーを重合させる工程を行う方法等が挙げられる。
上記熱膨張性マイクロカプセルを製造する場合、最初に水性媒体を調製する工程を行う。具体的には例えば、重合反応容器に、水と分散安定剤、必要に応じて補助安定剤を加えることにより、分散安定剤を含有する水性分散媒体を調製する。また、必要に応じて、亜硝酸アルカリ金属塩、塩化第一スズ、塩化第二スズ、重クロム酸カリウム等を添加してもよい。
上記分散安定剤としては、例えば、シリカ、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、シュウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、上記シリカとしては、コロイダルシリカが好ましい。
上記分散安定剤の添加量は特に限定されず、分散安定剤の種類、熱膨張性マイクロカプセルの粒子径等により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が20重量部である。
上記補助安定剤としては、例えば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物、尿素とホルムアルデヒドとの縮合生成物等が挙げられる。また、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ジオクチルスルホサクシネート、ソルビタンエステル、各種乳化剤等が挙げられる。
また、上記分散安定剤と補助安定剤との組み合わせとしては特に限定されず、例えば、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせ、コロイダルシリカと水溶性窒素含有化合物との組み合わせ、水酸化マグネシウム又はリン酸カルシウムと乳化剤との組み合わせ等が挙げられる。これらの中では、コロイダルシリカと縮合生成物との組み合わせが好ましい。
更に、上記縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。
更に、上記縮合生成物としては、ジエタノールアミンと脂肪族ジカルボン酸との縮合生成物が好ましく、特にジエタノールアミンとアジピン酸との縮合物やジエタノールアミンとイタコン酸との縮合生成物が好ましい。
上記水溶性窒素含有化合物としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ポリアクリルアミド、ポリカチオン性アクリルアミド、ポリアミンサルフォン、ポリアリルアミン等が挙げられる。
上記ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
上記ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドやポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等が挙げられる。これらのなかでは、ポリビニルピロリドンが好適に用いられる。
上記ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチルアクリレート等が挙げられる。
上記ポリジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドやポリジメチルアミノプロピルメタクリルアミド等が挙げられる。これらのなかでは、ポリビニルピロリドンが好適に用いられる。
上記コロイダルシリカの添加量は、熱膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記コロイダルシリカの添加量の更に好ましい下限は2重量部、更に好ましい上限は10重量部である。また、上記縮合生成物又は水溶性窒素含有化合物の添加量についても熱膨張性マイクロカプセルの粒子径により適宜決定されるが、モノマー100重量部に対して、好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が2重量部である。
上記分散安定剤及び補助安定剤に加えて、更に塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を添加してもよい。無機塩を添加することで、より均一な粒子形状を有する熱膨張性マイクロカプセルを得ることができる。上記無機塩の添加量は、通常、モノマー100重量部に対して0〜100重量部が好ましい。
上記分散安定剤を含有する水性分散媒体は、分散安定剤や補助安定剤を脱イオン水に配合して調製され、この際の水相のpHは、使用する分散安定剤や補助安定剤の種類によって適宜決められる。例えば、分散安定剤としてコロイダルシリカ等のシリカを使用する場合は、酸性媒体で重合がおこなわれ、水性媒体を酸性にするには、必要に応じて塩酸等の酸を加えて系のpHが3〜4に調製される。一方、水酸化マグネシウム又はリン酸カルシウムを使用する場合は、アルカリ性媒体の中で重合させる。
次いで、熱膨張性マイクロカプセルを製造する方法では、上記重合性モノマー(I)40〜90重量%と、カルボキシル基を有し、炭素数が3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)5〜50重量%と、揮発性膨張剤とを含有する油性混合液を水性媒体中に分散させる工程を行う。この工程では、モノマー及び揮発性膨張剤を別々に水性分散媒体に添加して、水性分散媒体中で油性混合液を調製してもよいが、通常は、予め両者を混合し油性混合液としてから、水性分散媒体に添加する。この際、油性混合液と水性分散媒体とを予め別々の容器で調製しておき、別の容器で攪拌しながら混合することにより油性混合液を水性分散媒体に分散させた後、重合反応容器に添加しても良い。
なお、上記モノマーを重合するために、重合開始剤が使用されるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、水性分散媒体と油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
なお、上記モノマーを重合するために、重合開始剤が使用されるが、上記重合開始剤は、予め上記油性混合液に添加してもよく、水性分散媒体と油性混合液とを重合反応容器内で攪拌混合した後に添加してもよい。
上記油性混合液を水性分散媒体中に所定の粒子径で乳化分散させる方法としては、ホモミキサー(例えば、特殊機化工業社製)等により攪拌する方法や、ラインミキサーやエレメント式静止型分散器等の静止型分散装置を通過させる方法等が挙げられる。
なお、上記静止型分散装置には水系分散媒体と重合性混合物を別々に供給してもよいし、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
なお、上記静止型分散装置には水系分散媒体と重合性混合物を別々に供給してもよいし、予め混合、攪拌した分散液を供給してもよい。
上記熱膨張性マイクロカプセルは、上述した工程を経て得られた分散液を、例えば、加熱することによりモノマーを重合させる工程を行うことにより、製造することができる。このような方法により製造された熱膨張性マイクロカプセルは、最大発泡温度が高く、耐熱性に優れ、高温領域や成形加工時においても破裂、収縮することがない。
本発明の発泡体は、密度の好ましい上限が0.50g/cm3である。上記密度が0.50g/cm3以下であると、優れた軽量性を実現することができる。
上記密度の好ましい上限は0.48g/cm3、より好ましい上限は0.47g/cm3である。好ましい下限については特に限定されないが、0.2g/cm3である。上記密度は、JIS K 7112 A法(水中置換法)に準拠した方法により測定することができる。
上記密度の好ましい上限は0.48g/cm3、より好ましい上限は0.47g/cm3である。好ましい下限については特に限定されないが、0.2g/cm3である。上記密度は、JIS K 7112 A法(水中置換法)に準拠した方法により測定することができる。
本発明の発泡体は、平均表面粗さ(Ra)の好ましい上限が15μmである。15μm以下とすることで、高外観となる。上記平均表面粗さは平滑であればあるほどよく、好ましい上限は13μm、より好ましい上限は12μmである。好ましい下限については特に限定されないが、0.2μmである。なお、上記平均表面粗さ(Ra)は、3D形状測定機(キーエンス社製、VR−3000)により、成形体表面の表面粗さ(Ra)を計測することで測定できる。
本発明の発泡体は、70℃における圧縮永久歪みの好ましい上限が60%である。上記70℃における圧縮永久歪みが60%以下であることにより、特に自動車用のシール材に好適とすることができる。上記70℃における圧縮永久歪みは、50%以下であることが好ましい。上記70℃における圧縮永久歪みの下限は特に限定されないが、実質的には0%、例えば20%が下限である。
上記70℃における圧縮永久歪みとは、試験片を圧縮板によって規定の割合で圧縮し、70℃の環境下で規定時間(22時間等)保持することで生じる、試験片の「残留歪み」を意味する。
上記70℃における圧縮永久歪みとは、試験片を圧縮板によって規定の割合で圧縮し、70℃の環境下で規定時間(22時間等)保持することで生じる、試験片の「残留歪み」を意味する。
本発明の発泡体の用途としては、例えば、ドアトリム、インストルメントパネル(インパネ)等の自動車内装材や、バンパー等の自動車外装材等が挙げられる。また、木粉プラスチック等の建材用途、靴底、人工コルク等の用途が挙げられる。
本発明の発泡体を製造する方法は特に限定されず、例えば、上記エラストマー樹脂に上記熱膨張性マイクロカプセルを加えて混合し、成形機等に投入して発泡成形する方法が挙げられる。また、上記熱膨張性マイクロカプセルをポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のマスターバッチ用基材樹脂と熱混練してペレット状のマスターバッチを作製した後、上記エラストマー樹脂にマスターバッチを加えて混合し、成形機等に投入して発泡成形する方法等が挙げられる。
発泡成形する際の成形方法は特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形等が挙げられる。また、発泡成形する際のスクリューの形状及び回転数は特に限定されず、スクリューの回転による剪断力と滞留時間とを考慮して適宜設計すればよい。
発泡成形する際の成形方法は特に限定されず、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形等が挙げられる。また、発泡成形する際のスクリューの形状及び回転数は特に限定されず、スクリューの回転による剪断力と滞留時間とを考慮して適宜設計すればよい。
本発明の発泡体は、押出成形で製造することが好ましい。特に、平均粒子径が10〜30μmの熱膨張性マイクロカプセル及びエラストマー樹脂を含有する発泡成形用組成物を作製する工程、及び、前記発泡成形用組成物を押出成形する工程を有し、前記押出成形する工程において、押出成形機の金型内の脱圧速度を10MPa/cm以上とする方法を用いることが好ましい。
このような方法を用いることで、発泡体の厚みが300μm以上、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上、前記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上であり、前記セルの平均直径が70μm以上である発泡体を好適に製造することができる。
このような方法を用いることで、発泡体の厚みが300μm以上、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上、前記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上であり、前記セルの平均直径が70μm以上である発泡体を好適に製造することができる。
上記製造方法において、熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径は10〜30μmであることが好ましい。より好ましくは15〜28μmである。
また、本発明の発泡体を製造する際、上記熱膨張性マイクロカプセルの配合量は特に限定されないが、上記エラストマー樹脂100重量部に対する好ましい下限が3重量部、好ましい上限が8重量部である。
また、本発明の発泡体を製造する際、上記熱膨張性マイクロカプセルの配合量は特に限定されないが、上記エラストマー樹脂100重量部に対する好ましい下限が3重量部、好ましい上限が8重量部である。
上記製造方法では、押出成形機の金型内の脱圧速度を10MPa/cm以上とすることが好ましい。これにより、発泡体の表面外観と圧縮永久歪とを向上させることができる。
なお、金型内の脱圧速度とは、キャピログラフにて測定した樹脂の溶融粘度データ及び押出成型の条件から金型入口の圧力を算出し、金型長さで割った値である。
なお、金型内の脱圧速度とは、キャピログラフにて測定した樹脂の溶融粘度データ及び押出成型の条件から金型入口の圧力を算出し、金型長さで割った値である。
本発明の発泡体を製造する際には、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記熱膨張性マイクロカプセルに加えて、加熱すると分解してガスが発生するアゾジカルボンアミド等の化学発泡剤を配合してもよい。
上記化学発泡剤の配合量は、発泡体の繰り返し圧縮に対する耐疲労性を損なわないためには、上記熱膨張性マイクロカプセル100重量部に対する好ましい上限が50重量部である。
上記化学発泡剤の配合量は、発泡体の繰り返し圧縮に対する耐疲労性を損なわないためには、上記熱膨張性マイクロカプセル100重量部に対する好ましい上限が50重量部である。
上記化学発泡剤としては、常温で粉末状のものであれば特に限定されず、従来から化学発泡剤として汎用されているものを使用することができる。具体的には例えば、炭酸水素ナトリウム等の無機系化学発泡剤、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、パラトルエンスルホニルヒドラジド等の有機系化学発泡剤が挙げられる。
本発明の発泡体を製造する際には、本発明の効果を損なわない範囲内で、滑剤等の添加剤を含有していてもよい。上記滑剤を含有させることで、熱膨張性マイクロカプセルにかかるシェアが抑制され、微発泡等が発生し難くなり、また、熱膨張性マイクロカプセルの分散性を向上させることができる。
上記滑剤としては、製造時の温度で溶解するものであれば、特に限定されず、従来から滑剤として汎用されているものを使用することができる。具体的には例えば、粘度平均分子量3,000以下のポリエチレンワックス、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸等の脂肪酸、及び、複合滑剤と呼ばれるものが挙げられる。
本発明によれば、長期間又は繰り返し荷重が加わった場合でもへたりが起こりにくく、低密度であり、外観品質が良好な発泡体を提供できる。また、該発泡体の製造方法を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(熱膨張性マイクロカプセルの作製)
重合反応容器に、水300重量部と、調整剤として塩化ナトリウム89重量部、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.07重量部、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製)8重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.3重量部を投入し、水性分散媒体を調製した。次いで、表1に示した配合量の金属塩、モノマー、揮発性膨張剤、重合開始剤からなる油性混合液を水性分散媒体に添加、混合することにより、分散液を調製した。全分散液は15kgである。得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器(20L)内へ仕込み、加圧(0.2MPa)し、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、遠心分離機にて脱水と水洗を繰り返した後、乾燥して熱膨張性マイクロカプセル(No.1〜4)を得た。なお、コロイダルシリカの添加量については、各熱膨張性マイクロカプセルについて表1に示す量とした。
また、表1では、重合性モノマー(I)をモノマー(I)、ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)をモノマー(II)、重合性モノマー(III)をモノマー(III)とした。
重合反応容器に、水300重量部と、調整剤として塩化ナトリウム89重量部、水溶性重合禁止剤として亜硝酸ナトリウム0.07重量部、分散安定剤としてコロイダルシリカ(旭電化社製)8重量部及びポリビニルピロリドン(BASF社製)0.3重量部を投入し、水性分散媒体を調製した。次いで、表1に示した配合量の金属塩、モノマー、揮発性膨張剤、重合開始剤からなる油性混合液を水性分散媒体に添加、混合することにより、分散液を調製した。全分散液は15kgである。得られた分散液をホモジナイザーで攪拌混合し、窒素置換した加圧重合器(20L)内へ仕込み、加圧(0.2MPa)し、60℃で20時間反応させることにより、反応生成物を調製した。得られた反応生成物について、遠心分離機にて脱水と水洗を繰り返した後、乾燥して熱膨張性マイクロカプセル(No.1〜4)を得た。なお、コロイダルシリカの添加量については、各熱膨張性マイクロカプセルについて表1に示す量とした。
また、表1では、重合性モノマー(I)をモノマー(I)、ラジカル重合性不飽和カルボン酸モノマー(II)をモノマー(II)、重合性モノマー(III)をモノマー(III)とした。
(実施例1〜6及び比較例1〜9)
表2に示す種別、添加量の樹脂及び熱膨張性マイクロカプセルを押出成形機(GT−40、プラスチック工学研究所製)で混合し、樹脂温度200℃、滞留時間1分、スクリュー回転数60rpm、最大圧力は表2に示す条件で押出成形を行い、表2に示す厚みの発泡体を得た。
表2中、「ミラストマー」はミラストマー7030BS(エラストマー樹脂、三井化学社製)、「非架橋TPO」はEXCELINK 3700B(JSR社製)、「スチレン系(熱可塑性エラストマー)」はAR−1060(アロン化成社製)を示す。なお、ミラストマー7030BSは、PPの海相と、架橋されたEPDMの島相とからなる海島構造を有する架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)である。EXCELINK 3700Bは、EPゴムマトリックス中でポリオレフィン樹脂がネットワーク構造を形成したエラストマーマトリックス結晶擬似架橋型TPO(非架橋TPO)である。AR−1060は、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)である。
また、表2には、スクリュー構成(サブフライト型、フルフライト型)、金型出口厚み[mm]、脱圧速度[MPa/cm]の詳細を示した。
なお、脱圧速度は、キャピログラフ(東洋精機社製 キャピログラフ1B)にて以下の条件で、測定した樹脂の溶融粘度データ及び押出成型の条件から金型入口の圧力を算出し、金型長さで割った値である。
表2に示す種別、添加量の樹脂及び熱膨張性マイクロカプセルを押出成形機(GT−40、プラスチック工学研究所製)で混合し、樹脂温度200℃、滞留時間1分、スクリュー回転数60rpm、最大圧力は表2に示す条件で押出成形を行い、表2に示す厚みの発泡体を得た。
表2中、「ミラストマー」はミラストマー7030BS(エラストマー樹脂、三井化学社製)、「非架橋TPO」はEXCELINK 3700B(JSR社製)、「スチレン系(熱可塑性エラストマー)」はAR−1060(アロン化成社製)を示す。なお、ミラストマー7030BSは、PPの海相と、架橋されたEPDMの島相とからなる海島構造を有する架橋タイプオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPV)である。EXCELINK 3700Bは、EPゴムマトリックス中でポリオレフィン樹脂がネットワーク構造を形成したエラストマーマトリックス結晶擬似架橋型TPO(非架橋TPO)である。AR−1060は、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)である。
また、表2には、スクリュー構成(サブフライト型、フルフライト型)、金型出口厚み[mm]、脱圧速度[MPa/cm]の詳細を示した。
なお、脱圧速度は、キャピログラフ(東洋精機社製 キャピログラフ1B)にて以下の条件で、測定した樹脂の溶融粘度データ及び押出成型の条件から金型入口の圧力を算出し、金型長さで割った値である。
[キャピログラフの測定条件]
・試験温度:180℃、190℃、200℃
・キャピラリー長:1mm、キャピラリー径:1mm
・ピストンスピード(mm/min):0.5〜300
・試験温度:180℃、190℃、200℃
・キャピラリー長:1mm、キャピラリー径:1mm
・ピストンスピード(mm/min):0.5〜300
(評価)
熱膨張性マイクロカプセル(No.1〜4)、及び、実施例1〜6及び比較例1〜9で得られた発泡体について、下記性能を評価した。結果を表1及び表2に示した。
熱膨張性マイクロカプセル(No.1〜4)、及び、実施例1〜6及び比較例1〜9で得られた発泡体について、下記性能を評価した。結果を表1及び表2に示した。
(1)熱膨張性マイクロカプセルの評価
(1−1)体積平均粒子径
粒度分布径測定器(LA−910、HORIBA社製)を用い、体積平均粒子径を測定した。
(1−1)体積平均粒子径
粒度分布径測定器(LA−910、HORIBA社製)を用い、体積平均粒子径を測定した。
(1−2)発泡開始温度、最大発泡温度、最大変位量
熱機械分析装置(TMA)(TMA2940、TA instruments社製)を用い、発泡開始温度(Ts)、最大変位量(Dmax)及び最大発泡温度(Tmax)を測定した。具体的には、試料25μgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/minの昇温速度で80℃から220℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定し、変位が上がり始める温度を発泡開始温度、その変位の最大値を最大変位量とし、最大変位量における温度を最大発泡温度とした。
熱機械分析装置(TMA)(TMA2940、TA instruments社製)を用い、発泡開始温度(Ts)、最大変位量(Dmax)及び最大発泡温度(Tmax)を測定した。具体的には、試料25μgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/minの昇温速度で80℃から220℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定し、変位が上がり始める温度を発泡開始温度、その変位の最大値を最大変位量とし、最大変位量における温度を最大発泡温度とした。
(2)セルの評価
(2−1)平均直径
得られた発泡体をカミソリを用いて切断し、得られた断面を白金でスパッタリングした後、電子顕微鏡にて観察し、任意の100個のセル(気泡)について、投影される気泡の長径、短径を測定し、以下の方法で平均直径を算出した。なお、平均直径は断面全体のセルについて平均値を算出した。
平均直径:長径と短径の平均から気泡の直径を求めた後、更に平均値を算出することで平均直径とした。また、上記平均直径のCV値(%)を表に示した。
(2−1)平均直径
得られた発泡体をカミソリを用いて切断し、得られた断面を白金でスパッタリングした後、電子顕微鏡にて観察し、任意の100個のセル(気泡)について、投影される気泡の長径、短径を測定し、以下の方法で平均直径を算出した。なお、平均直径は断面全体のセルについて平均値を算出した。
平均直径:長径と短径の平均から気泡の直径を求めた後、更に平均値を算出することで平均直径とした。また、上記平均直径のCV値(%)を表に示した。
(2−2)平均円形度
「(2−1)平均直径」と同様に電子顕微鏡にて観察し、表面層(表面から深さ100μmまでの部分)及び中心部(上記表面層以外の部分)の任意の100個のセル(気泡)について、投影される気泡の面積(投影面積)、周囲長を測定し、以下の方法で、平均円形度を算出した。なお、表面層及び中心部のそれぞれについて平均円形度を算出した後、表面層及び中心部の断面面積比に応じた発泡体全体の平均円形度を算出した。
平均円形度:面積(A)及び周囲長(B)から、下記式にて円形度を求め、平均値を算出することで平均円形度とした。
円形度 = 4πA/B2
また、上記で測定した投影面積、周囲長について、発泡体全体の平均値を算出し、平均投影面積、平均周囲長として表2に示した。
「(2−1)平均直径」と同様に電子顕微鏡にて観察し、表面層(表面から深さ100μmまでの部分)及び中心部(上記表面層以外の部分)の任意の100個のセル(気泡)について、投影される気泡の面積(投影面積)、周囲長を測定し、以下の方法で、平均円形度を算出した。なお、表面層及び中心部のそれぞれについて平均円形度を算出した後、表面層及び中心部の断面面積比に応じた発泡体全体の平均円形度を算出した。
平均円形度:面積(A)及び周囲長(B)から、下記式にて円形度を求め、平均値を算出することで平均円形度とした。
円形度 = 4πA/B2
また、上記で測定した投影面積、周囲長について、発泡体全体の平均値を算出し、平均投影面積、平均周囲長として表2に示した。
(2−3)平均長短比
「(2−1)平均直径」と同様に電子顕微鏡にて観察し、表面層(表面から深さ100μmまでの部分)及び中心部(上記表面層以外の部分)の任意の100個のセル(気泡)について、投影される気泡の長径、短径を測定し、以下の方法で、平均長短比を算出した。なお、表面層及び中心部のそれぞれについて平均長短比を算出した後、表面層及び中心部の断面面積比に応じた発泡体全体の平均長短比を算出した。
平均長短比:短径/長径から、気泡の長短比を求め、平均値を算出することで平均長短比とした。
「(2−1)平均直径」と同様に電子顕微鏡にて観察し、表面層(表面から深さ100μmまでの部分)及び中心部(上記表面層以外の部分)の任意の100個のセル(気泡)について、投影される気泡の長径、短径を測定し、以下の方法で、平均長短比を算出した。なお、表面層及び中心部のそれぞれについて平均長短比を算出した後、表面層及び中心部の断面面積比に応じた発泡体全体の平均長短比を算出した。
平均長短比:短径/長径から、気泡の長短比を求め、平均値を算出することで平均長短比とした。
(3)発泡体の評価
(3−1)厚みの測定
得られた発泡体について厚みをノギス(Mitutoyo社製、CD−S10C)を用いて測定した。なお、上記厚みは、任意の位置での発泡体の一方の表面から、接線方向に向かって他方の表面までの長さを計測した。
(3−1)厚みの測定
得られた発泡体について厚みをノギス(Mitutoyo社製、CD−S10C)を用いて測定した。なお、上記厚みは、任意の位置での発泡体の一方の表面から、接線方向に向かって他方の表面までの長さを計測した。
(3−2)密度の測定
比重計MD−200S(ミラージュ社製)を用いて発泡体の密度をJIS K 7112 A法(水中置換法)に準拠した方法により計測した。
比重計MD−200S(ミラージュ社製)を用いて発泡体の密度をJIS K 7112 A法(水中置換法)に準拠した方法により計測した。
(3−3)表面粗さ
3D形状測定機(キーエンス社製、VR−3000)により、発泡体表面の表面粗さ(Ra)を計測した。
3D形状測定機(キーエンス社製、VR−3000)により、発泡体表面の表面粗さ(Ra)を計測した。
(3−4)圧縮永久歪みの測定
得られた発泡体について、JIS K6262に準拠した方法により、70℃、22時間、25%圧縮の条件で圧縮永久歪みを測定した。
得られた発泡体について、JIS K6262に準拠した方法により、70℃、22時間、25%圧縮の条件で圧縮永久歪みを測定した。
本発明によれば、長期間又は繰り返し荷重が加わった場合でもへたりが起こりにくく、低密度であり、外観品質が良好な発泡体を提供できる。また、該発泡体の製造方法を提供できる。
Claims (6)
- エラストマー樹脂中にセルが分散した発泡体であって、
発泡体の厚みが300μm以上、表面から深さ100μmまでの部分である表面層におけるセルの平均円形度が0.980以上、前記表面層以外の部分である中心部におけるセルの平均円形度が0.990以上であり、
前記セルの平均直径が70μm以上である、発泡体。 - 発泡体のセルは、重合体を含有するシェルにコア剤として揮発性液体を内包する熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張することにより形成されるものである、請求項1記載の発泡体。
- 平均表面粗さ(Ra)が15μm以下である、請求項1〜2の何れかに記載の発泡体。
- 70℃における圧縮永久歪みが60%以下である、請求項1〜3の何れかに記載の発泡体。
- エラストマー樹脂は、オレフィン系熱可塑性エラストマーである、請求項1〜4の何れかに記載の発泡体。
- 平均粒子径が10〜30μmの熱膨張性マイクロカプセル及びエラストマー樹脂を含有する発泡成形用組成物を作製する工程、及び、前記発泡成形用組成物を押出成形する工程を有し、
前記押出成形する工程において、押出成形機の金型内の脱圧速度を10MPa/cm以上とする、請求項1〜5の何れかに記載の発泡体の製造方法。
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