JP2021091219A - 積層シートおよび容器 - Google Patents

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峻人 是澤
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峻人 是澤
勇人 當銘
Yuto Tomei
勇人 當銘
康宏 中野
Yasuhiro Nakano
康宏 中野
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Abstract

【課題】熱処理の影響が低減しつつ、層間剥離によって容器の開封を容易にすることが可能な、積層シート、及び容器を提供する。【解決手段】ホモポリプロピレンを主成分とし引張弾性率が1500MPa以上の樹脂組成物で形成される表面層11と、表面層11に隣接し、ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成される表面下層12とを少なくとも含む積層シート10である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層シートおよび容器に関する。
従来から、医薬品や医療品、化粧品、食品、飲料、工業部材、電子部品などの容器に積層シートが使用されている。このような積層シートでは、耐衝撃性に優れた材料としてポリオレフィン樹脂が多く用いられている。特に食品や飲料などの容器では、加熱殺菌工程における熱処理の影響を受けにくい積層シートが好適に用いられる。例えば特許文献1では、基材層およびシール層からなるシートにおいて、シール層にプロピレン由来の重合体成分を用いることで耐ブロッキング性、ヒートシール強度および耐衝撃性に優れ、かつ熱処理による外観不良を軽減する技術が記載されている。
特開2013−71409号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載された積層シートは、層間の剥離性が低いため、例えば層間剥離を利用して開封を容易にした容器には用いられない。
そこで、本発明は、熱処理の影響を低減しつつ、層間剥離によって容器の開封を容易にすることが可能な、積層シートおよび容器を提供することを目的とする。
[1]ホモポリプロピレンを主成分とし引張弾性率が1500MPa以上の樹脂組成物で形成される表面層と、前記表面層に隣接し、ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成される表面下層とを少なくとも含む積層シート。
[2]前記表面下層は、高密度ポリエチレン70質量%以上を含む、[1]に記載の積層シート。
[3]前記表面下層は、ホモポリプロピレン30質量%以下をさらに含む、[2]に記載の積層シート。
[4]前記表面層の厚みは、10μm以上30μm以下である、[1]から[3]のいずれか1項に記載の積層シート。
[5]前記表面下層に対して前記表面層とは反対側に積層される第1および第2の基材層と、前記第1および第2の基材層の間に積層される酸素バリア層とをさらに含む、[1]から[4]のいずれか1項に記載の積層シート。
[6]前記酸素バリア層は、エチレンビニルアルコール樹脂を含む、[5]に記載の積層シート。
[7]厚みが0.3mm以上1.2mm以下である、[1]から[6]のいずれか1項に記載の積層シート。
[8][1]から[7]のいずれか1項に記載の積層シートが、前記表面層が内容物側になるように成形された容器。
[9]ホモポリプロピレンを主成分とし引張弾性率が1500MPa以上の樹脂組成物で形成され、厚みが10μm以上30μm以下である表面層と、表面層に隣接し、高密度ポリエチレン55質量%超、ホモポリプロピレン45質量%未満を含む表面下層とを少なくとも含む積層シート。
[10]表面層の厚みは、5μm以上40μm以下である、[1]から[3]または[9]のいずれか1項に記載の積層シート。
[11]厚みが0.2mm以上1.5mm以下である、[1]から[6]、[9]または[10]に記載の積層シート。
[12][9]から[11]のいずれか1項に記載の積層シートが、表面層が内容物側になるように成形された容器。
上記の構成によれば、表面層の主成分をホモポリプロピレンとすることによって、熱処理時の変形や外観不良を防止することができる。加えて、表面層の主成分がポリプロピレン、表面下層の主成分がポリエチレンであり、表面層の引張弾性率が1500MPa以上であることによって、表面層と表面下層との間が剥離しやすく、また表面層が接合領域の縁で破断しやすい。従って、層間剥離による容器の開封を容易にすることができる。
本発明の一実施形態に係る積層シートの構造を示す模式的な断面図である。 図1に示される積層シートが成形された容器の例を示す断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、本明細書において、積層シートの各層を形成する樹脂組成物の主成分は、その層を形成している樹脂組成物の中で最も含有率が多い樹脂成分を意味する。従って、樹脂組成物は主成分に加えて他の成分を含んでもよい。主成分は、例えばIR法によって確認することができる。本明細書において、積層シートの各層を形成する樹脂組成物の成分の含有率は、別途記載がない限りその層を形成する樹脂組成物全体に対する質量%で表記する。また、本明細書において、引張弾性率は、積層シートの各層を形成する樹脂組成物を単層製膜したものについて、JIS K7161「プラスチック−引張特性の試験方法」に従って測定される。ただし、他の試験方法によって測定された引張弾性率をJIS K7161による測定値に換算することも可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層シートの構造を示す模式的な断面図である。図1に示されるように、積層シート10は、表面層11と、表面下層12,15と、基材層13,14とを有する。以下、各層の構成について説明する。なお、積層シート10は、後述するような容器を構成するのに適した厚み、具体的には例えば0.2mm以上、1.5mm以下の厚みで形成され、好ましくは0.3mm以上、1.2mm以下の厚みで形成されるが、この例には限定されない。
表面層11は、積層シート10が後述する容器に成形されたときに、ヒートシールなどによって蓋体に接合される層である。具体的には、表面層11は、ホモポリプロピレン(HPP)を主成分とし、引張弾性率が1500MPa以上の樹脂組成物で形成される。表面層11を形成する樹脂組成物は、主成分のHPP以外にも、ランダムポリプロピレン(RPP)またはブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)もしくは低密度ポリエチレン(LDPE)などのポリエチレン系樹脂、または直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体などを含んでもよい。限定的でない例として、容器の開封時に表面層11が破断される場合、表面層11の厚みを5μm以上40μm以下とすることが好ましく、10μm以上30μm以下にすることがより好ましい。
ここで、本明細書において、HDPEは、密度が920kg/m以上990kg/m以下のポリエチレンを意味する。HDPEの密度は、好ましくは935kg/m以上であり、より好ましくは945kg/m以上である。また、HDPEの密度は、好ましくは966kg/m以下であり、より好ましくは960kg/m以下である。
表面下層12は、ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成される。表面層11の主成分がHPPであるため、表面下層12の主成分をポリエチレンとすることによって、表面層11と表面下層12との間を剥離し易くすることができる。具体的には、例えば、表面下層12は、HDPEを主成分とする樹脂組成物で形成される。この場合、後述する実施例に示されるように、HDPEの含有率は55質量%超とすることが好ましく、58質量%以上とすることがより好ましく、65質量%以上とすることがさらに好ましく、70質量%以上とすることが特に好ましい。HDPEの含有率は100質量%であってもよい。また、この場合において、表面下層12は、HPPをさらに含んでもよい。HPPの含有率は、HDPEの残部、つまり45質量%未満とすることが好ましく、42質量%以下とすることがより好ましく、35質量%以下とすることがさらに好ましく、30質量%以下とすることが特に好ましい。上記のようにHDPEの含有率は100質量%であってもよいため、HPPの含有率は0%であってもよい。表面下層15は、基材層13,14を挟んで表面層11および表面下層12とは反対側に位置し、表面下層12と同様の樹脂組成物で形成される。
上記の例において、表面下層12は、例えばメルトフローレート(MFR)が異なる2種類以上のHDPEを含有することが好ましい。例えばHDPEの平均MFRが同じ場合でも、1種類のHDPEを含有するよりも2種類以上のHDPEを含有する方が開封性がより向上する。開封強度は、2.0kgf以下であることが好ましく、1.5kgf以下であることがより好ましく、1.0kgf以下であることがさらに好ましく、0.8kgf以下であることが特に好ましい。また、開封強度は、0.1kgf以上であることが好ましく、0.3kgf以上であることがより好ましく、0.4kgf以上であることがさらに好ましい。なお、開封強度が0.1kgf未満であると、意図せず開封がなされる可能性が高まり好ましくない。
例えば、表面下層12が第1および第2の種類のHDPEを含有する場合において、第1の種類のHDPEのMFRは、例えば5g/10分以上であり、好ましくは8g/10分以上であり、より好ましくは10g/10分以上である。また、第1の種類のHDPEのMFRは、例えば20g/10分以下であり、好ましくは18g/10分以下であり、より好ましくは15g/10分以下である。第2の種類のHDPEのMFRは、例えば0.1g/10分以上であり、好ましくは0.2g/10分以上であり、より好ましくは0.3g/10分以上である。また、第2の種類のHDPEのMFRは、例えば5g/10分以下であり、好ましくは3g/10分以下であり、より好ましくは2g/10分以下である。第1の種類のHDPEの含有率は、例えば1%以上であり、好ましくは3%以上であり、より好ましくは5%以上である。また、第1の種類のHDPEの含有率は、例えば50%以下であり、好ましくは30%以下であり、より好ましくは15%以下である。第2の種類のHDPEの含有率は、例えば50%以上であり、好ましくは70%以上であり、より好ましくは85%以上である。また、第2の種類のHDPEの含有率は、例えば99%以下であり、好ましくは97%以下であり、より好ましくは95%以下である。
基材層13,14は、例えばオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群の少なくともいずれかを含む樹脂で形成される。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、およびポリエチレンが例示される。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)が例示される。基材層13,14には、剛性を向上させるためにタルクなどの無機フィラーが添加されてもよい。基材層13,14の間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのエチレンビニルアルコール樹脂を含む酸素バリア層が追加されてもよい。
なお、以上で説明した積層シート10において、表面層11および表面下層12以外の層構成は任意であり、例えば必要とされる剛性やバリア性に応じて追加の層が含まれてもよく、またいずれかの層が省略されてもよい。
図2は、図1に示される積層シートが成形された容器の例を示す断面図である。図2に示された容器100は、積層シート10を成形した容器本体と、容器本体に接合される蓋体20とを含む。図示された例では、容器本体が底面部101、側面部102およびフランジ部103を含む形状に成形され、蓋体20がフランジ部103に形成される接合領域105で例えばヒートシールなどによって容器本体に接合されている。この例において、積層シート10は、表面層11が蓋体20および内容物が収納される収納空間SPに向くように配置される。つまり、容器本体は、積層シート10を用いて、表面層11が内容物側になるように成形される。従って、接合領域105では、蓋体20と積層シート10の表面層11とが接合される。
上記のような容器100を内容物の殺菌などのために熱処理した場合、高温になる内容物や収納空間SPの内部雰囲気に接する表面層11がHPPを主成分とする樹脂組成物で形成されていることによって、熱処理時の容器本体の変形や、熱処理後における容器本体の内面の外観不良を防止することができる。
また、上述の通り、積層シート10の表面層11の主成分がポリプロピレン、表面下層12の主成分がポリエチレンであるため、表面層11と表面下層12との間は剥離しやすい。これを利用して、容器100では、容器本体を構成する積層シート10の表面層11と表面下層12との間の層間接合強度を、接合領域105における蓋体20と表面層11との間の接合強度、および表面下層12と基材層13との間の層間接合強度よりも弱くすることができる。これによって、ユーザーが蓋体20の端部を摘持して引き剥がしたときに、接合領域105では表面層11が蓋体20とともに引き剥がされ、表面層11と表面下層12との間が層間剥離する。蓋体20および表面層11が接合領域105の内側の縁まで引き剥がされると、そこで表面層11が破断し(エッジ切れ)、以降は蓋体20のみが容器本体から引き剥がされる。表面層11の引張弾性率が1500MPa以上であることによって、上記のような状況で表面層11が破断しやすくなり、容器100の開封をより小さい力で行うことができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、積層シートを成形した容器を用いた試験結果について説明する。以下で説明する実施例および比較例では、全層厚み300μm、表面層の厚み10μm〜20μm、表面層側の表面下層の厚み50μmとなるように調整した積層シートを成形した容器に、油分の多い食品を内容物として充填し、120℃、30分の加熱殺菌工程(熱処理)を行った後の容器の表面層側の外観を評価した。また、容器の表面層側にフィルムをヒートシールし、開封時における表面層の剥離性を示す開封強度を測定するとともに、破断性(エッジ切れのしやすさ)を定性的に評価した。結果を表1に示す。剥離性は開封強度の数値(kgf)およびA(良)〜C(不良)、破断性はA(良)〜D(不良)で評価され、いずれも不良(CまたはD)でない場合は実用に適すると判断した。引張弾性率は、各例において表面層を形成する樹脂組成物を単層製膜し、JIS K7161に従って測定した。
なお、実施例1〜4では、それぞれ表面層がHPP(実施例1は商品名Y−2000GV(株式会社プライムポリマー製)、実施例2は商品名MA2(日本ポリプロ株式会社製)、実施例3は商品名EA9HD(日本ポリプロ株式会社製)、実施例4は商品名F−133A(株式会社プライムポリマー製))100質量%を含む樹脂組成物で形成された。上記のHPPは、いずれも単層製膜したときの引張弾性率が1500MPa以上である。これに対して、比較例1,2では、表面層がHPP(比較例1は商品名F−127D(株式会社プライムポリマー製)、比較例2は商品名E−111G(株式会社プライムポリマー製))100質量%を含む樹脂組成物で形成された。これらのHPPは、いずれも単層製膜したときの引張弾性率が1500Mpa未満である。また、実施例1〜4および比較例1,2を通じて、表面下層はHDPE(商品名6203B(株式会社プライムポリマー製;密度956kg/m))70質量%、HPP(商品名Y−2000GV(株式会社プライムポリマー製))30質量%を含む樹脂組成物で形成された。
一方、比較例3は、表面層がHPPを主成分としない(HDPEを主成分とする)従来例である。具体的には、比較例3では、表面層がHDPE(商品名HE481(日本ポリエチレン株式会社製;密度956kg/m))100%を含む樹脂組成物で形成され、表面下層がHPP(商品名E−111G(株式会社プライムポリマー製))80%、LDPE(商品名R300(宇部丸善ポリエチレン株式会社製))10%、およびHDPE(商品名6203B(株式会社プライムポリマー製;MFR0.35g/10分))10%を含む樹脂組成物で形成された。
実施例5では、表面層がHPP(商品名MA2(日本ポリプロ株式会社製))100質量%を含む樹脂組成物で形成され、表面下層が2種類のHDPEを合計70質量%(具体的には、商品名HE481(日本ポリエチレン株式会社製;MFR13g/10分)10質量%および商品名6203B(株式会社プライムポリマー製;MFR0.35g/10分)60質量%)と、HPP(商品名E−111G(株式会社プライムポリマー製))30質量%とを含む樹脂組成物で形成された。
実施例6では、表面層がHPP(商品名MA2(日本ポリプロ株式会社製))95質量%およびHDPE(商品名6203B(株式会社プライムポリマー製))5質量%を含む樹脂組成物で形成され、表面下層が2種類のHDPEを合計60質量%(具体的には、商品名HE481(日本ポリエチレン株式会社製;MFR13g/10分)10質量%および商品名6203B(株式会社プライムポリマー製;MFR0.35g/10分)50質量%)と、HPP(商品名E−111G(株式会社プライムポリマー製))40質量%とを含む樹脂組成物で形成された。
Figure 2021091219
上記で表1に示されるように、表面層がHPPを主成分とし、表面層の引張弾性率が1500MPa以上である実施例1〜4では、熱処理後の外観不良が発生しなかった(OK)のに加えて、剥離性および破断性についても実用に適する(剥離性はAまたはB、破断性はA〜C)という評価が得られた。これに対して、表面層がHPPを主成分とするものの、表面層の引張弾性率が1500MPa未満である比較例1,2では、熱処理後の外観不良は発生しなかったが、剥離性および破断性が実用に適さない(剥離性がC、破断性がD)という評価が得られた。また、従来例である比較例3では、剥離性および破断性は良好であるものの、熱処理後の外観不良が発生した(NG)。
また、実施例5では、熱処理後の外観不良が発生せず剥離性および破断性について実用に適するという評価が得られたのに加えて、開封強度が低下して開封性が向上した。実施例5の開封強度(0.6kgf)は、実施例1〜4の開封強度よりも低い。一方、実施例6では、表面下層におけるHDPEの含有率が60%でも、熱処理後の外観不良が発生せず剥離性および破断性について実用に適するという評価が得られた。
以上の結果から、積層シートにおいて表面層の主成分をHPPとし、かつ表面層の引張弾性率を1500MPa以上とすることによって、熱処理時の外観不良を防止しつつ、剥離性や破断性を維持して層間剥離による容器の開封を容易にできることがわかる。
次に、積層シートの表面層を上記のように構成した場合における、表面下層の組成に関する実験結果について説明する。表2には、上記で表1に示した実施例1〜4および比較例1,2と同様にHPPを主成分とする樹脂組成物で表面層を形成したときに、表面下層の組成を変更した例が示されている。
Figure 2021091219
表3には、上記で表1に示した実施例1〜4および比較例1,2と同様にHPP100質量%を含む樹脂組成物で表面層を形成したときに、表面下層の組成におけるHDPEとHPPとの配合割合を変更した例が示されている。具体的には、表面下層を形成する樹脂組成物におけるHDPEの含有率が55質量%、または40質量%に低下する一方で、HPPの含有率が45質量%、または60質量%に上昇している。これらの例では、剥離性および破断性が実用に適さない(剥離性がC、破断性がD)という評価が得られた。この結果から、HPPを主成分とする樹脂組成物で表面層を形成した場合、表面下層におけるHDPEの含有率は55質量%超とすることが好ましく、58質量%以上とすることがより好ましく、65質量%以上とすることがさらに好ましく、70質量%以上とすることが特に好ましいことがわかる。HPPの含有率は、HDPEの残部、つまり45質量%未満とすることが好ましく、42質量%以下とすることがより好ましく、35質量%以下とすることがさらに好ましく、30質量%以下とすることが特に好ましいことがわかる。また、上記で比較例1,2として示した、表面層の主成分がHPPであっても引張弾性率が1500MPa未満の例では、表面下層におけるHDPEとHPPとの配合割合を変更しても評価は向上しないことがわかる。
Figure 2021091219
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。本発明の属する技術の分野の当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10…積層シート、11…表面層、12…表面下層、13…基材層、14…基材層、15…表面下層、20…蓋体、100…容器、101…底面部、102…側面部、103…フランジ部、SP…収納空間。

Claims (12)

  1. ホモポリプロピレンを主成分とし引張弾性率が1500MPa以上の樹脂組成物で形成される表面層と、
    前記表面層に隣接し、ポリエチレンを主成分とする樹脂組成物で形成される表面下層と
    を少なくとも含む積層シート。
  2. 前記表面下層は、高密度ポリエチレン70質量%以上を含む、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記表面下層は、ホモポリプロピレン30質量%以下をさらに含む、請求項2に記載の積層シート。
  4. 前記表面層の厚みは、10μm以上30μm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の積層シート。
  5. 前記表面下層に対して前記表面層とは反対側に積層される第1および第2の基材層と、前記第1および第2の基材層の間に積層される酸素バリア層とをさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の積層シート。
  6. 前記酸素バリア層は、エチレンビニルアルコール樹脂を含む、請求項5に記載の積層シート。
  7. 厚みが0.3mm以上1.2mm以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の積層シート。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の積層シートが、前記表面層が内容物側になるように成形された容器。
  9. ホモポリプロピレンを主成分とし引張弾性率が1500MPa以上の樹脂組成物で形成され、厚みが10μm以上30μm以下である表面層と、
    前記表面層に隣接し、高密度ポリエチレン55質量%超、ホモポリプロピレン45質量%未満を含む表面下層と
    を少なくとも含む積層シート。
  10. 前記表面層の厚みは、5μm以上40μm以下である、請求項1から請求項3または請求項9のいずれか1項に記載の積層シート。
  11. 厚みが0.2mm以上1.5mm以下である、請求項1から請求項6、請求項9または請求項10のいずれか1項に記載の積層シート。
  12. 請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の積層シートが、前記表面層が内容物側になるように成形された容器。
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