JP2021089236A - 携帯端末距離推定システムおよび車載システム - Google Patents

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Abstract

【課題】精度よく携帯端末までの距離を推定することができる携帯端末距離推定システムを提供する。【解決手段】車両に搭載され、超広帯域通信により、インパルス信号である応答要求信号を送信するUWB通信機12と、ユーザに携帯され、応答要求信号を受信した場合に、インパルス信号である応答信号を車載通信機に送信する携帯端末と、UWB通信機12が、応答要求信号を送信してから、応答信号を受信するまでのラウンドトリップ時間Tpに基づいて、UWB通信機12と携帯端末との間の距離を推定する距離推定部F5とを備えた携帯端末距離推定システムであって、UWB通信機12および携帯端末は、超広帯域通信する周波数帯域が可変であり、広帯域化条件が成立した場合、UWB通信機12および携帯端末は、広帯域化条件が成立しない場合よりも通信周波数を広帯域化することで、波形の立ち上がりを急峻にしたインパルス信号を送受信する。【選択図】図5

Description

本開示は、携帯端末から車両に搭載されている車載通信機までの信号の伝播時間に基づいて、車載通信機から携帯端末までの距離を推定する携帯端末距離推定システム、および、車載システムに関する。
位置が既知の3以上の車載通信機がスマートフォン等の携帯端末と無線通信を行うことで各車載通信機から携帯端末までの距離を特定する方法が提案されている。また、各車載通信機から携帯端末までの距離に基づいて携帯端末の位置を推定する方法も知られている。車載通信機から携帯端末までの距離は、例えば、計測された電波の伝播時間(換言すれば飛行時間)に電波の速度を乗じることで算出される。なお、電波の伝播時間を用いた測位方式としては、TOA(Time Of Arrival)方式や、TDOA(Time Difference Of Arrival)方式などがある。
特許文献1には車載システムと携帯端末とがUWB(Ultra Wide Band)通信可能に構成されており、車載システムが、UWB通信で用いられるインパルス信号を送信してから携帯端末からの応答信号を受信するまでの時間(以降、ラウンドトリップ時間)に基づいて車両に対する携帯端末の距離を推定する構成が開示されている。
特許第6093647号公報
特許文献1に開示されているように携帯端末−車載通信機間のインパルス信号の伝播時間を用いて、車両に対する携帯端末の相対位置を推定する場合、伝播時間の計測誤差が車載通信機から携帯端末までの距離(ひいては位置)の推定精度に与える影響が大きい。具体的には、伝播時間が1ナノ秒ずれるだけで、車載通信機から携帯端末までの推定距離が30センチずれてしまう。
伝播時間は、携帯端末および車載通信機の一方がインパルス信号を送信してから他方がインパルス信号を受信したことを検出するまでの時間である。インパルス信号を受信したことを検出する処理は、受信信号の強度が閾値を超えたことを検出する処理である。
受信信号の強度が閾値を超える時刻と、受信信号の強度がピークとなる時刻との間には時間差がある。受信信号の検出時刻と、受信信号のピーク時刻との時間差が大きいと、距離の誤差が大きくなってしまう。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、精度よく携帯端末までの距離を推定することができる携帯端末距離推定システム、および車載システムを提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための携帯端末距離推定システムに係る1つの開示は、
車両(Hv)に搭載され、超広帯域通信により、インパルス信号である応答要求信号を送信する車載通信機(12)と、
ユーザに携帯され、超広帯域通信により応答要求信号を受信し、かつ、応答要求信号を受信した場合に、インパルス信号である応答信号を車載通信機に送信する携帯端末(2)と、
車載通信機が、応答要求信号を送信してから、応答信号を受信するまでのラウンドトリップ時間(Tp)に基づいて、車載通信機と携帯端末との間の距離を推定する距離推定部(F5)とを備えた携帯端末距離推定システムであって、
携帯端末は、応答要求信号の受信強度が検出閾値を超えた時刻を、応答要求信号を受信した時刻とし、
車載通信機は、応答信号の受信強度が検出閾値を超えた時刻を、応答信号を受信した時刻とし、
車載通信機および携帯端末は、超広帯域通信する周波数帯域が可変であり、
広帯域化条件が成立した場合、車載通信機および携帯端末は、広帯域化条件が成立しない場合よりも通信周波数を広帯域化することで、波形の立ち上がりを急峻にしたインパルス信号を送受信する。
インパルス信号の波形の立ち上がりが急峻である方が、受信信号としてインパルス信号において、検出閾値を超えた時点と、受信信号のピーク時点との時間差が短くなる。しかし、インパルス信号の立ち上がりを急峻にするためには、インパルス信号が使う周波数帯域を広くする必要がある。そこで、広帯域化条件が成立した場合に限り、通信周波数を広帯域化することで、波形の立ち上がりを急峻にする。このようにすることで、法規制を遵守しつつ、精度よく携帯端末までの距離を推定することができる。
上記目的を達成するための車載システムは、上記携帯端末距離推定システムが備えることができる車載システムである。すなわち、その車載システムは、
車両に搭載され、超広帯域通信により、インパルス信号である応答要求信号を送信する車載通信機(12)と、
車載通信機が、応答要求信号を送信してから、ユーザに携帯される携帯端末から送信されたインパルス信号である応答信号を受信するまでのラウンドトリップ時間(Tp)に基づいて、車載通信機と携帯端末との間の距離を推定する距離推定部(F5)とを備えた車載システムであって、
車載通信機は、
応答信号の受信強度が検出閾値を超えた時刻を、応答信号を受信した時刻とし、
超広帯域通信する周波数帯域が可変であり、
広帯域化条件が成立した場合、広帯域化条件が成立しない場合よりも通信周波数を広帯域化することで、波形の立ち上がりを急峻にしたインパルス信号を送信する。
デジタルキーシステムの全体構成を示す図である。 スマートフォン2の内部構成の一部を示すブロック図である。 車載システム1の構成を説明するブロック図である。 UWB通信機12の取り付け位置の一例を説明する図である。 スマートECU11およびUWB通信機12の構成を示すブロック図である。 UWB通信機12が備える送信回路311の構成を示すブロック図である。 UWB通信機12が備える受信回路322の構成を示すブロック図である。 ラウンドトリップ時間Tpを説明する図である。 車両Hvからスマートフォン2へのインパルス信号の送受信を示す図である。 スマートフォン2から車両Hvへのインパルス信号の送受信を示す図である。 位置推定処理においてスマートECU11が実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本開示の携帯端末距離推定システムを、図を用いて説明する。以下の実施形態では、携帯端末距離推定システムの機能を備えるデジタルキーシステムを説明する。図1に示すように、実施形態のデジタルキーシステムは、車両Hvに搭載された車載システム1と、当該車両Hvのユーザによって携帯される携帯端末であるスマートフォン2とを備えている。
〔全体の概要〕
スマートフォン2は車載システム1に対するデジタルキーとして機能する。スマートフォン2がデジタルキーとして機能するためには、車載システム1によって認証されるデジタルキー情報を、車載システム1に送信する必要がある。スマートフォン2は、デジタルキー情報を、事前にサーバなどから取得して記憶している。
デジタルキー情報は有効期限があり、有効期限内であれば車載システム1は、スマートフォン2による車載装置の操作を許可する。ただし、車載システム1がスマートフォン2による車載装置の操作を許可する条件は、デジタルキー情報が認証できることのみではない。車両Hvに対するスマートフォン2の位置あるいは距離も条件とする。したがって、車載システム1はスマートフォン2の距離あるいは位置を決定する。
車載システム1がスマートフォン2の距離あるいは位置を決定するために、車載システム1とスマートフォン2との間の電波を利用する。具体的には、電波の伝播時間を利用する。伝播時間を精度よく測定するために、車載システム1とスマートフォン2は、UWB−IR(Ultra Wide Band - Impulse Radio)方式の無線通信(以降、UWB通信)を実施可能に構成されている。すなわち、車載システム1とスマートフォン2はUWB通信で使用されるインパルス状の電波(以降、インパルス信号)を送受信可能に構成されている。UWB通信で用いられるインパルス信号とは、パルス幅が極短時間(たとえば2ナノ秒)であって、かつ、500MHz程度あるいはそれ以上の帯域幅(つまり超広帯域幅)を有する信号である。なお、UWB通信は超広帯域通信と呼ばれることもある。
UWB通信に利用できる周波数帯(以降、UWB帯)は、法規により定められている。たとえば、3.2GHz〜10.6GHzや、3.4GHz〜4.8GHz、7.25GHz〜10.6GHz、22GHz〜29GHz等が規定されている。
日本では、2種類のUWB帯が規定されている。これら2種類のUWB帯のうち、相対的に低いUWB帯(以下、低UWB帯)は3.4〜4.8GHzである。高い側のUWB帯(以下、高UWB帯)は7.25〜10.25GHzである。低周波数帯域である低UWB帯の帯域幅は1.4GHzであるのに対して、高周波数帯域である高UWB帯の帯域幅は3GHzであり、高UWB帯の方が広帯域である。インパルス信号に使用される周波数帯は、当該車両Hvが使用される国に応じて適宜選定されればよい。本実施形態におけるインパルス信号は、日本で使用可能な上記2種類の周波数帯で送受信される。
UWB−IR通信の変調方式としては、パルスの発生位置で変調を行うPPM(pulse position modulation)方式など、多様なものを採用可能である。具体的には、オンオフ変調(OOK:On Off Keying)方式や、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)、パルス振幅変調(PAM:Pulse-Amplitude Modulation)方式、パルス符号変調(PCM:Pulse-Code Modulation)などを採用可能である。なお、オンオフ変調方式はインパルス信号の存在/欠如によって情報(たとえば0と1)を表現する方式であり、パルス幅変調方式はパルス幅によって情報を表現する方式である。パルス振幅変調方式は、インパルス信号の振幅によって情報を表現する方式である。パルス符号変調方式はパルスの組み合わせによって情報を表現する方式である。
また、本実施形態の車載システム1とスマートフォン2は、第2の通信方式として、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)規格に準拠した無線通信(以降、BLE通信)も実施可能に構成されている。なお、第1の通信方式とは前述のUWB通信を指す。第2の通信方式としては、Bluetooth Low Energy以外にも、たとえばWi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)等、通信距離を10メートル程度に設定可能な多様な近距離無線通信方式を採用可能である。第2の通信方式は、たとえば、数メートル〜数10メートル程度の通信距離を提供可能なものであればよい。以降では、UWB通信の信号とBLE通信の信号とを区別するために、BLE規格に準拠した無線信号のことをBLE信号とも記載する。以下、車載システム1、およびスマートフォン2の具体的な構成について順に説明する。
〔スマートフォン2の構成〕
まず、スマートフォン2の構成および作動について説明する。スマートフォン2は、図2に示すように、UWB通信部21、BLE通信部22、広域通信部23、GNSS受信器24、端末記憶部25、通知部26、入力装置27および端末側制御部28を備える。端末側制御部28は、UWB通信部21、BLE通信部22、広域通信部23、GNSS受信器24、端末記憶部25、通知部26、入力装置27のそれぞれと相互通信可能に接続されている。
UWB通信部21は、UWBのインパルス信号を送受信するための通信モジュールである。UWB通信部21は、端末側制御部28から入力されたベースバンド信号に合わせたインパルス信号をUWB通信により送信する。UWB通信部21の構成は、後述するUWB通信機12と同じである。また、UWB通信部21は、車載システム1から送信された複数のインパルス信号からなるパルス系列信号を受信すると、受信した信号からベースバンド信号を復元する。そして、ベースバンド信号を端末側制御部28に出力する。
BLE通信部22は、BLE通信を実施するための通信モジュールである。BLE通信部22は、車両Hvから送信されたBLE信号を受信して端末側制御部28に提供するとともに、端末側制御部28から入力されたデータを変調して車両Hvに送信する。
広域通信部23は、公衆通信回線網を利用した広域通信が可能な通信部である。広域通信部23は、広域通信部31と通信することができる。GNSS受信器24は、衛星航法システムであるGNSS(Global Navigation Satellite System)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信し、受信した航法信号に基づいて現在位置を逐次算出する。端末記憶部25は書き込み可能な不揮発性のメモリである。端末記憶部25には、サーバから送信されたデジタルキー情報が記憶される。通知部26は、表示部およびスピーカの一方または両方である。通知部26からは、種々の通知が出力される。入力装置27は、表示部の表示面に重畳されたタッチパネルである。
端末側制御部28は、たとえばCPU、RAM、およびROM等を備えた、コンピュータを用いて実現されている。端末側制御部28は、UWB通信部21から応答要求信号を示す受信データが入力されると、応答要求信号に応答する応答信号に相当するベースバンド信号を生成し、このベースバンド信号をUWB通信部21に出力する。端末側制御部28がUWB通信部21に出力したベースバンド信号は、UWB通信部21にて変調され、応答電波として送信される。
端末側制御部28は位置検出部29を備える。位置検出部29は、GNSS受信器24から現在位置を取得することで、スマートフォン2の現在位置を検出する。
〔車載システム1〕
車載システム1は、スマートフォン2と所定の周波数帯の電波を用いた無線通信を実施することで、スマートフォン2の位置に応じた所定の車両制御を実施するパッシブ・エントリ・パッシブ・スタートシステム(以降、PEPSシステム)を実現する。
たとえば車載システム1は、スマートフォン2が車両Hvに対して予め設定されている作動エリア内に存在することを確認できている場合には、後述するドアボタン14に対するユーザ操作に基づいて、ドアの施錠や開錠といった制御を実行する。また、車載システム1は、スマートフォン2との無線通信によってスマートフォン2が車室内に存在することを確認できている場合には、後述するスタートボタン15に対するユーザ操作に基づいて、エンジンの始動制御を実行する。
作動エリアとは、当該エリア内にスマートフォン2が存在することに基づいて、車載システム1がドアの施錠や開錠といった所定の車両制御を実行するためのエリアである。たとえば、運転席用のドア付近や、助手席用のドア付近、トランクドア付近が作動エリアに設定されている。ドア付近とは、外側ドアハンドルから、所定の作動距離以内となる範囲を指す。外側ドアハンドルとは、ドアの外側面に設けられた、ドアを開閉するための把持部材を指す。作動エリアの大きさを規定する作動距離は、たとえば0.7mである。もちろん、作動距離は1mであってもよいし、1.5mであってもよい。作動距離は、防犯性の観点から2mよりも小さく設定されていることが多い。
当該車載システム1は、図3に示すように、スマートECU11、複数のUWB通信機12、BLE通信機13、ドアボタン14、スタートボタン15、エンジンECU16、ボディECU17、および広域通信機19を備える。また、車載システム1は、車載アクチュエータ171、車載センサ172なども備える。なお、部材名称中のECUは、Electronic Control Unitの略であり、電子制御装置を意味する。
スマートECU11は、スマートフォン2とUWB通信を実施することでドアの施開錠やエンジンの始動等の車両制御を実行するECUである。スマートECU11は、車両内に構築されている通信ネットワークを介してエンジンECU16およびボディECU17と相互通信可能に接続されている。また、スマートECU11は、UWB通信機12やBLE通信機13、ドアボタン14、スタートボタン15とも電気的に接続されている。当該スマートECU11は、たとえばコンピュータを用いて実現されている。すなわち、スマートECU11は、CPU111、フラッシュメモリ112、RAM113、I/O114、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えている。
フラッシュメモリ112には、コンピュータをスマートECU11として機能させるためのプログラム(以降、位置推定プログラム)等が格納されている。なお、上述の位置推定プログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよい。CPU111が位置推定プログラムを実行することは、位置推定プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。スマートECU11の詳細については別途後述する。
UWB通信機12は、スマートフォン2とUWB通信を実施するための通信モジュールである。UWB通信機12はスマートフォン2の位置を推定するために備えられている車載通信機である。各UWB通信機12は専用の通信線または車両内ネットワークを介してスマートECU11と相互通信可能に接続されている。各UWB通信機12の動作はスマートECU11によって制御される。各UWB通信機12には、固有の通信機番号が設定されている。通信機番号は、スマートフォン2にとっての端末IDに相当する情報である。通信機番号は、複数のUWB通信機12を識別するための情報として機能する。複数のUWB通信機12の取り付け位置や電気的構成については別途後述する。
BLE通信機13は、BLE通信を実施するための通信モジュールである。BLE通信機13はスマートECU11と相互通信可能に接続されている。BLE通信機13は、スマートフォン2から送信されたBLE信号を受信してスマートECU11に提供する。また、BLE通信機13は、スマートECU11から入力されたデータを変調してスマートフォン2に無線送信する。BLE通信機13は車両Hvの任意の位置に取り付けられている。たとえばBLE通信機13は、インストゥルメントパネルや、フロントガラスの上端部、Bピラー、ロッカー部等に取り付けられている。BLE通信機13は1つであってもよいし、複数あってもよい。
ドアボタン14は、ユーザが車両Hvのドアを開錠および施錠するためのボタンである。ドアボタン14は、たとえば車両Hvの各ドアハンドルに設けられている。ドアボタン14は、ユーザによって押下されると、その旨を示す電気信号を、スマートECU11に出力する。ドアボタン14は、スマートECU11がユーザの開錠指示および施錠指示を受け付けるための構成に相当する。なお、ユーザの開錠指示および施錠指示の少なくとも何れか一方を受け付けるための構成としては、タッチセンサを採用することもできる。タッチセンサは、ユーザがそのドアハンドルを触れていることを検出する装置である。
スタートボタン15は、ユーザが車両Hvの駆動源(たとえばエンジン)を始動させるためのプッシュスイッチである。スタートボタン15は、ユーザによってプッシュ操作がされると、その旨を示す電気信号をスマートECU11に出力する。なお、ここでは一例として車両Hvは、エンジンを動力源として備える車両とするがこれに限らない。車両Hvは、電気自動車やハイブリッド車であってもよい。車両Hvがモータを駆動源として備える車両である場合には、スタートボタン15は駆動用のモータを始動させるためのスイッチである。
エンジンECU16は、車両Hvに搭載されたエンジンの動作を制御するECUである。たとえばエンジンECU16は、スマートECU11からエンジンの始動を指示する始動指示信号を取得すると、エンジンを始動させる。
ボディECU17は、スマートECU11からの要求に基づいて車載アクチュエータ171を制御するECUである。ボディECU17は、種々の車載アクチュエータ171や、種々の車載センサ172と通信可能に接続されている。ここでの車載アクチュエータ171とは、たとえば、各ドアのロック機構を構成するドアロックモータや、座席位置を調整するためのシートアクチュエータなどである。また、ここでの車載センサ172とは、ドア毎に配置されているカーテシスイッチなどである。カーテシスイッチは、ドアの開閉を検出するセンサである。ボディECU17は、たとえばスマートECU11からの要求に基づいて、車両Hvの各ドアに設けられたドアロックモータに所定の制御信号を出力することで各ドアを施錠したり開錠したりする。
〔各UWB通信機12の取り付け位置および電気的構成について〕
本実施形態の車載システム1は、UWB通信機12として図4に示すように、右前通信機12A、左前通信機12B、右後通信機12C、および左後通信機12Dを備える。右前通信機12Aは、たとえば車両右側のAピラーの上側領域に配置されている。Aピラーは車両Hvにおいて前から1番目のピラーである。Aピラーはフロントピラーとも称される。ピラーの上側領域とは、ピラーの上半分となる領域を指す。ピラーの上側領域には、ピラーの上端部も含まれる。左前通信機12Bは、たとえば車両左側のAピラーの上側領域に配置されている。右後通信機12Cは車両右側のCピラーの上側領域に配置されている。左後通信機12Dは車両左側のCピラーの上側領域に配置されている。Cピラーは前から3番目のピラーである。Cピラーはリアピラーとも称される。
本実施形態のように電波の伝播時間を用いて距離の測定を行う構成においては、各UWB通信機12は、車室内と車室外の両方に対して見通しが良い位置に配置されていることが好ましい。車室内と車室外の両方に対して見通しの良い場所とは、たとえば、室内天井、および各種ピラーである。つまり、上述したように各種UWB通信機12の配置態様は、各UWB通信機12を車室内および車室外を見通しやすい位置に配置した態様の一例に相当する。
車両Hvにおける各UWB通信機12の設置位置は、車両の任意の点を基準点(換言すれば原点)とする3次元直交座標系の点として表現されていればよい。ここでは一例として、前輪車軸の中心を原点とし、互いに直交するX、Y、Z軸を備える3次元座標系(以降、車両3次元座標系)上の点として表されている。車両3次元座標系を形成するX軸は車幅方向に平行であって、車両右側を正方向とする軸である。Y軸は車両前後方向に平行であって、車両前方を正方向とする軸である。Z軸は、車両高さ方向に平行であって、車両上方を正方向とする軸である。3次元座標系の中心は、たとえば後輪車軸の中心など、適宜変更可能である。もちろん、他の態様として各UWB通信機12の搭載位置は極座標で表されていてもよい。各UWB通信機12の設置位置を示す通信機位置データは、フラッシュメモリ112に格納されている。各UWB通信機12の設置位置は通信機番号と対応付けられて保存されていればよい。
複数のUWB通信機12のそれぞれは、図5に示すように、送信部310、受信部320、及びラウンドトリップ時間計測部330を備える。送信部310は、送信回路311と送信アンテナ312を備える。図6に、送信回路311の具体的な構成を示す。送信回路311は、インパルス発生器313と、可変バンドパスフィルタ314と、増幅器315とを備えている。インパルス発生器313には、スマートECU11から送信データが入力される。インパルス発生器313は、入力された送信データに合わせたインパルス信号を発生させ、そのインパルス信号を可変バンドパスフィルタ314に入力する。
可変バンドパスフィルタ314は、通過周波数帯域が可変である。この可変バンドパスフィルタ314を備えることで、UWB通信機12は、通信周波数が可変である。通過周波数帯域は、スマートECU11により制御される。可変バンドパスフィルタ314は、通過周波数帯域を、低UWB帯すなわち3.4−4.8GHzと、高UWB帯すなわち7.25−10.25GHzに切り替え可能になっている。増幅器315は、可変バンドパスフィルタ314を通過したインパルス信号を増幅して送信アンテナ312に出力する。増幅器315の増幅率は一定であって、空中線電力が電波法を遵守している電力になるように設定されている。
説明を図5に戻す。受信部320は、受信アンテナ321と受信回路322を備える。図7に受信回路322の具体的な構成を示す。受信回路322は、増幅器323と検波器324とを備える。増幅器323は、受信アンテナ321により受信された受信信号を増幅する。検波器324は、増幅器323により増幅された受信信号から受信データであるインパルス信号を取り出す。検波器324は、たとえば、包絡線検波によりインパルス信号を取り出す。検波器324は、取り出したインパルス信号をスマートECU11に出力する。
ラウンドトリップ時間計測部330は、送信部310がインパルス信号を送信してから、受信部320がインパルス信号を受信するまでの経過時間(以降、ラウンドトリップ時間Tp)を計測するタイマである。送信部310がインパルス信号を送信したタイミングは送信通知信号の入力によって特定される。また、受信部320がインパルス信号を受信したタイミングは受信通知信号の入力によって特定される。すなわち、ラウンドトリップ時間計測部330は、送信回路311が送信通知信号を出力してから、受信回路322が受信通知信号を出力するまでの時間を計測する。図8に示すように、ラウンドトリップ時間Tpは、往復分の伝播時間Taに、スマートフォン2での内部処理時間Tbを加えた時間に相当する。
ラウンドトリップ時間計測部330は、図示しないクロック発振器から入力されるクロック信号を計数することによって、送信部310がインパルス信号を送信してからの経過時間を測定する。ラウンドトリップ時間計測部330によるカウントは、受信通知信号が入力された場合や、所定の上限値まで達した場合に停止され、そのカウント値をスマートECU11に出力する。つまり、スマートECU11にラウンドトリップ時間Tpを報告する。なお、スマートECU11へのラウンドトリップ時間Tpの報告が完了するとラウンドトリップ時間計測部330のカウント値は0に戻る(つまりリセットされる)。
ラウンドトリップ時間計測部330は、ラウンドトリップ時間Tpの計測が完了すると、当該ラウンドトリップ時間TpをスマートECU11に提供する。ラウンドトリップ時間計測部330はたとえばICを用いて実現されている。なお、ここではUWB通信機12は、送信用のアンテナ(つまり送信アンテナ312)と、受信用のアンテナ(つまり受信アンテナ321)とが別々に設けられている態様を示しているが、これに限らない。UWB通信機12は方向性結合器を用いて送信と受信とで1つのアンテナ素子を共用するように構成されていても良い。また、送信回路311や受信回路322はラウンドトリップ時間計測部330としての機能を提供するICに内蔵されていても良い。つまり、UWB通信機12は、1つのアンテナと、種々の回路機能を有する1つの専用ICとを用いて実現されていても良い。
〔スマートECU11の機能について〕
スマートECU11は、上述した位置推定プログラムを実行することで、図7に示す種々の機能ブロックに対応する機能を提供する。すなわち、スマートECU11は機能ブロックとして、車両情報取得部F1、通信処理部F2、認証処理部F3、補正時間算出部F4、距離推定部F5、位置推定部F6、車両制御部F7を備えている。
車両情報取得部F1は、車両Hvに搭載されたセンサやECU(たとえばボディECU17)、スイッチなどから、車両Hvの状態を示す種々の情報(以降、車両情報)を取得する。車両情報としては、たとえば、ドアの開閉状態や、各ドアの施錠/開錠状態、ドアボタン14の押下の有無、スタートボタン15の押下の有無等が該当する。また、車両情報取得部F1は、上述した種々の情報に基づいて、車両Hvの現在の状態を特定する。たとえば車両情報取得部F1は、エンジンがオフであり、全てのドアが施錠されている場合に、車両Hvは駐車されていると判定する。もちろん、車両Hvが駐車されていると判定する条件は適宜設計されればよく、多様な判定条件を適用することができる。
なお、各ドアの施錠/開錠状態を示す情報を取得することは、各ドアの施錠/開錠状態を判定すること、および、ユーザによるドアの施錠操作/開錠操作を検出することに相当する。また、ドアボタン14やスタートボタン15からの電気信号を取得することは、これらのボタンに対するユーザ操作を検出することに相当する。つまり、車両情報取得部F1はドアの開閉や、ドアボタン14の押下、スタートボタン15の押下などといった、車両Hvに対するユーザの操作を検出する構成に相当する。以降における車両情報には、車両Hvに対するユーザ操作も含まれる。加えて、車両情報に含まれる情報の種類は、上述したものに限らない。図示しないシフトポジションセンサが検出するシフトポジションや、ブレーキペダルが踏み込まれているか否かを検出するブレーキセンサの検出結果なども車両情報に含まれる。パーキングブレーキの作動状態もまた車両情報に含めることができる。
通信処理部F2は、UWB通信機12やBLE通信機13と協働してスマートフォン2とのデータの送受信を実施する構成である。たとえば通信処理部F2は、スマートフォン2宛のデータを生成し、BLE通信機13に出力する。これにより、所望のデータに対応する信号を電波として送信させる。また、通信処理部F2は、BLE通信機13が受信したスマートフォン2からのデータを受信する。本実施形態ではより好ましい態様としてスマートECU11とスマートフォン2との無線通信は、暗号化して実施されるように構成されている。暗号化の方式としては、Bluetoothで規定されている方式など、多様な方式を援用することができる。
なお、本実施形態ではセキュリティ向上のためにスマートECU11およびスマートフォン2は、認証等のためのデータ通信を暗号化して実施するように構成されているものとするが、これに限らない。他の態様として、スマートECU11及びスマートフォン2は、暗号化せずにデータ通信を実施するように構成されていても良い。
通信処理部F2は、スマートフォン2とのBLE通信が確立していることに基づいて、ユーザが車両Hv周辺に存在することを認識する。また、通信処理部F2は、BLE通信機13から、当該BLE通信機13が通信接続しているスマートフォン2の端末IDを取得する。このような構成によれば、車両Hvが複数のユーザによって共有される車両であっても、スマートECU11は、BLE通信機13が通信接続しているスマートフォン2の端末IDに基づいて車両Hv周辺に存在するユーザを特定することができる。
また、通信処理部F2は、UWB通信機12が受信したスマートフォン2からのデータを取得する。加えて、通信処理部F2は、スマートフォン2宛のデータを生成し、UWB通信機12に出力する。これにより、所望のデータに対応するパルス系列信号を無線送信させる。さらに通信処理部F2は、位置推定部F6からの指示に基づいて、任意のUWB通信機12からインパルス信号を送信させる。
通信処理部F2は、UWB通信機12を通常モードで動作させるか、高周波モードで動作させるかを決定し、決定したモードをUWB通信機12に指示する。また、UWB通信機12あるいはBLE通信機13から、スマートフォン2にも、UWB通信部21を通常モードで動作させるか、高周波モードで動作させるかを指示する信号を送信する。通常モードとするか、高周波モードとするかは、距離推定部F5が決定する。通常モードおよび高周波モードの内容は、補正時間算出部F4にて説明する。
通常モードおよび高周波モードにおいて使用する周波数帯域は通信処理部F2が決定する。通信処理部F2は、通常モードおよび高周波モードにおいて使用する周波数帯域を、車載システム1およびスマートフォン2が位置する地域により決定する。地域は、電波についての法規を定める地域を意味し、多くの場合、国単位となる。ただし、電波の法規を定める地域が国よりも大きいこともあり、また、電波の法規については複数の国が1つの地域となっていることもある。
本実施形態では、通信処理部F2は、この地域を決定するために、スマートフォン2との通信により現在位置を取得する。スマートフォン2は、位置検出部29を備えているので現在位置を検出することができる。スマートフォン2は位置検出部29が検出した現在位置を車載システム1に送信する。これにより、通信処理部F2は現在位置を取得することができる。なお、位置検出部29を車載システム1が備えることもできる。通信処理部F2は、取得した現在位置をもとに地域を決定する。地域が日本であれば、通常モードでは低UWB帯を使用し、高周波モードでは高UWB帯を使用する。なお、現在位置をもとに地域を決定することに代えて、スマートフォン2が備える入力装置27から、ユーザに直接、地域を入力してもらい、通信処理部F2は、無線通信を介して、入力された域を取得してもよい。
スマートフォン2も、同様の構成により、通常モードおよび高周波モードで使用する周波数帯域を決定することができる。また、車載システム1からスマートフォン2に、通常モードおよび高周波モードで使用する周波数帯域を通知してもよい。反対に、スマートフォン2から車載システム1に、通常モードおよび高周波モードで使用する周波数帯域を通知してもよい。
認証処理部F3は、BLE通信機13と連携して、通信相手がユーザのスマートフォン2であることを確認(換言すれば認証)する処理を実施する。認証のための通信は、BLE通信機13を介して暗号化されて実施される。つまり、認証処理は暗号通信によって実施される。認証処理自体は、チャレンジ−レスポンス方式など多様な方式を用いて実施されればよい。ここではその詳細な説明は省略する。認証処理部F3が認証処理を実施するタイミングは、たとえばBLE通信機13とスマートフォン2との通信接続が確立したタイミングとすればよい。認証処理部F3は、BLE通信機13とスマートフォン2とが通信接続している間、所定の周期で認証処理を実施するように構成されていても良い。また、ユーザによってスタートボタン15が押下された場合など、車両Hvに対する所定のユーザ操作をトリガとして認証処理のための暗号通信を実施するように構成されていても良い。
ところで、Bluetooth規格においてBLE通信機13とスマートフォン2との通信接続が確立したということは、BLE通信機13の通信相手が予め登録されているスマートフォン2であることを意味する。故に、スマートECU11は、BLE通信機13とスマートフォン2との通信接続が確立したことに基づいて、スマートフォン2の認証が成功したと判定するように構成されていても良い。
補正時間算出部F4は、通常モードにおいて、ラウンドトリップ時間Tpを補正する補正時間ΔTを算出する。通常モードは、ラウンドトリップ時間Tpに基づいてスマートフォン2までの距離を推定するモードの1つである。スマートフォン2までの距離を推定するモードには、通常モードの他に高周波モードがある。
本実施形態のUBW通信は、低UWB帯と高UWB帯とを使用することができる。通常時には、低UWB帯を用いる。よって、通常モードは低UWB帯を用いるモードである。一方、高周波モードは高UWB帯を用いるモードである。同じ送信電力である場合、周波数が低い方が通信距離は長い。UWB通信は、通信距離がそれほど長くないため、通常時は、通信距離が長くなる低UWB帯を用いることにしているのである。
通常モードでは、低UWB帯の全部に渡る周波数帯域のインパルス信号を送受信する。高周波モードでは、高UWB帯の全部に渡る周波数帯域のインパルス信号を送受信する。前述したように、低UWB帯の帯域幅は1.4GHzであるのに対して、高UWB帯の帯域幅は3GHzである。したがって、高周波モードは、通常モードよりも広帯域化された周波数帯を用いるモードであると言える。換言すれば、通常モードは、高周波モードよりも狭帯域化された周波数帯を用いるモードであると言える。
次に、補正時間ΔTを算出する理由を説明する。車載システム1が備えるUWB通信機12およびスマートフォン2が備えるUWB通信部21は、いずれも、受信した電波の信号強度が検出閾値THを超えた時刻を、信号の受信時刻とする。したがって、インパルス信号の受信時刻はインパルス信号の受信強度がピークとなる時刻とは相違する。前述したように、伝播時間が1ナノ秒ずれるだけで推定距離が30センチずれてしまう。したがって、精度よく距離を推定するためには、インパルス信号の受信時刻がインパルス信号の受信強度がピークとなる時刻に近い方が好ましい。
ところでインパルス信号が広帯域であるほど、時間領域ではインパルス信号は狭幅となる。よって、インパルス信号が広帯域であるほど、インパルス信号の受信時刻とインパルス信号の受信強度がピークとなる時刻とは近づくことになる。
そこで、広帯域化された周波数帯すなわち高UWB帯において検出したインパルス信号の受信時刻を誤差のない時刻とみなす。この受信時刻と、狭帯域である周波数帯すなわち低UWB帯において検出したインパルス信号の受信時刻との時間差は、通常モードにおいて、距離の誤差につながる時間誤差である。
図9には、UWB通信機12がインパルス信号を送信し、UWB通信部21がそのインパルス信号を受信する場合の種々の時刻を示している。なお、図9においては、UWB通信機12とUWB通信部21に代えて、それらがそれぞれ備えられている装置である車両Hvおよびスマートフォン2と表記している。UWB通信機12とUWB通信部21の区別を容易にするためである。また、破線は、通常モードにおけるインパルス信号であり、実線は高周波モードでのインパルス信号である。図9に示されるように、高周波モードでのインパルス信号は、通常モードでのインパルス信号よりも波形の立ち上がりが急峻である。高周波モードでのインパルス信号は、信号の周波数帯域が広いので時間領域では時間幅が狭くなるからである。
図9では、車両Hvに搭載されたUWB通信機12は、時刻t0に応答要求信号であるインパルス信号を送信している。スマートフォン2に搭載されたUWB通信部21がこのインパルス信号を受信したと判断する受信時刻は、通常モードでは時刻t1であり、高周波モードでは時刻t2である。受信信号のピークは、時刻t2よりも後の時刻t3に生じる。
通常モードでは、車両Hvからスマートフォン2までインパルス信号が伝播する伝播時間はT10と算出される。一方、高周波モードでは、その伝播時間はT20と算出される。これら2つの伝播時間には時間差ΔTmが存在する。
図10では、応答要求信号を受信したスマートフォン2が応答信号であるインパルス信号を送信している。なお、図10においても、UWB通信機12とUWB通信部21に代えて、車両Hvおよびスマートフォン2と表記している。また、破線は、通常モードにおけるインパルス信号であり、実線は高周波モードでのインパルス信号である。
図10では、スマートフォン2に搭載されたUWB通信部21は、時刻t4に応答信号であるインパルス信号を送信している。時刻t4は、時刻t3から内部処理時間Tbが経過した時刻である。車両Hvに搭載されたUWB通信機12がこのインパルス信号を受信したと判断する受信時刻は、通常モードでは時刻t5であり、高周波モードでは時刻t6である。受信信号のピークは、時刻t6よりも後の時刻t7に生じる。
通常モードでは、スマートフォン2から車両Hvまでインパルス信号が伝播する伝播時間はT54と算出される。一方、高周波モードでは、その伝播時間はT64と算出される。これら2つの伝播時間には時間差ΔTcが存在する。
図9は、時間差ΔTmを説明する概念図であり、実際には、2つのモードにて同時に時刻t0にインパルス信号が送信されるわけではない。したがって、伝播時間T10、T20は算出できない。また、図10も、時間差ΔTcを説明する概念図であり、実際には、2つのモードにて同時に時刻t4にインパルス信号が送信されるわけではない。したがって、伝播時間T54、T64は算出できない。
そこで、広帯域化された周波数帯すなわち高UWB帯を用いて算出したラウンドトリップ時間Tpと、狭帯域である周波数帯すなわち低UWB帯を用いて算出したラウンドトリップ時間Tpとの差を補正時間ΔTとして算出する。
高UWB帯を用いたときのラウンドトリップ時間Tpおよび低UWB帯を用いたときのラウンドトリップ時間Tpを順次、算出することはできる。高UWB帯を用いたときのラウンドトリップ時間TpはT20+Tb+T64である。低UWB帯を用いたときのラウンドトリップ時間TpはT10+Tb+T54である。したがって、補正時間ΔTは、式1で表すことができる。
(式1) ΔT=T20+Tb+T64−(T10+Tb+T54)
式1を計算して整理すると式2が得られる。
(式2) ΔT=(T20−T10)+(T64−T54)
=ΔTm+ΔTc
式2から、高UWB帯を用いて算出したラウンドトリップ時間Tpと、低UWB帯を用いて算出したラウンドトリップ時間Tpとの差は、高UWB帯を用いたときと低UWB帯を用いたときのインパルス信号の検出時間差を表していることが分かる。補正時間算出部F4は、算出した補正時間ΔTをフラッシュメモリ112に記憶する。
距離推定部F5は、各UWB通信機12に所定の順にスマートフォン2とインパルス信号を送受信させ、通信処理部F2を介して、各UWB通信機12からラウンドトリップ時間Tpを取得する。このラウンドトリップ時間Tpと内部処理時間Tbとに基づいて、各UWB通信機12からスマートフォン2までの距離を推定する。なお、内部処理時間Tbは、予め標準値がフラッシュメモリ112に記憶されているとする。
詳しくは、距離推定部F5は、高周波モードであれば、ラウンドトリップ時間Tpから内部処理時間Tbを減算し、減算後の値を2で割る。これにより、伝播時間Taが算出できる。すなわち、式3により伝播時間Taを算出する。そして、この伝播時間Taに光速を乗じることで、スマートフォン2までの距離を算出する。
(式3) Ta=(Tp−Tb)/2
一方、距離推定部F5は、通常モードであれば、以下の式4により、伝播時間Taを算出する。
(式4) Ta=(Tp+ΔT−Tb)/2
位置推定部F6は、距離推定部F5が推定した各UWB通信機12からスマートフォン2までの距離に基づいて、スマートフォン2の位置を推定する。当該位置推定部F6が実行する処理を含む、スマートフォン2の位置を推定する位置推定処理については別途後述する。
車両制御部F7は、認証処理部F3によるスマートフォン2の認証が成功している場合に、スマートフォン2(換言すればユーザ)の位置および車両Hvの状態に応じた車両制御を、ボディECU17等と協働して実行する構成である。車両Hvの状態は車両情報取得部F1によって判定される。スマートフォン2の位置は位置推定部F6によって判定される。
たとえば車両制御部F7は、車両Hvが駐車されている状況下で、スマートフォン2が車室外に存在し、ユーザによってドアボタン14が押下された場合には、ボディECU17と連携してドアのロック機構を開錠する。また、たとえば位置推定部F6によってスマートフォン2は車室内に存在すると判定されており、かつ、スタートボタン15がユーザによって押下されたことを検出した場合には、エンジンECU16と連携してエンジンを始動させる。このように車両制御部F7は、基本的には車両Hvへのユーザ操作をトリガとしてユーザの位置および車両Hvの状態に応じた車両制御を実行するように構成されている。ただし、車両制御部F7が実施可能な車両制御の中には、車両Hvへのユーザ操作を必要とせずに、ユーザの位置に応じて自動的に実行するものがあってもよい。
〔位置推定処理〕
次に、図11に示すフローチャートを用いて、スマートECU11が実行する位置推定処理について説明する。位置推定処理は、スマートフォン2の位置を推定する処理である。位置推定処理は、BLE通信機13とスマートフォン2のBLE通信部22との接続が確立されている状態において所定の位置推定周期で実施される。位置推定周期は、たとえば200ミリ秒である。もちろん、位置推定周期は100ミリ秒や300ミリ秒であってもよい。
図11に示す各ステップのうち、ステップ(以下、ステップは省略する)S12、S21は位置推定部F6が実行し、S14〜S19は補正時間算出部F4が実行する。S11、S13、S20は距離推定部F5が実行する。なお、補正時間算出部F4、距離推定部F5は、通信処理部F2と連携しつつ処理を実行する。距離推定部F5は、UWB通信機12ごとに各処理を実行する。
まず、S11では、通常モードで距離推定をする。通常モードでは、使用する周波数帯を低UWB帯とし、応答要求信号をインパルス信号にして送信する。この応答要求信号に応答して応答信号であるインパルス信号を受信した場合に、上記式4から、伝播時間Taを算出する。なお、補正時間算出部F4により補正時間ΔTが算出される前は、予め設定されているデフォルト値を補正時間ΔTとして用いる。デフォルト値は、たとえば、メーカから提供される公称値とすることができる。
S12は、3つ以上のUWB通信機12がスマートフォン2までの距離を算出している場合に実行する。S12では、各UWB通信機12の設置位置と各UWB通信機12からスマートフォン2までの距離に基づいてスマートフォン2の位置を推定する。
各UWB通信機12の設置位置は、フラッシュメモリ112に格納されている通信機位置データを使用すれば良い。各UWB通信機12の設置位置と各UWB通信機12からスマートフォン2までの距離に基づく位置の推定は、三角測量の原理を用いて実施することができる。各UWB通信機12の設置位置およびスマートフォン2までの距離を用いた位置推定法としては、最小二乗法や、Newton-Raphson法、最小二乗平均推定法(MMSE:Minimum Mean Square Estimate)など、多様なアルゴリズムを採用することができる。
以上によって推定されたスマートフォン2の位置(以降、端末位置)は、車両制御部F7等によって参照される。たとえば、端末位置が作動エリアや車室内に該当するか否かを判定する。端末位置が作動エリア内に該当する場合には、車両制御部F7は当該判定結果に基づいてドアの開錠や施錠を実行する。また、端末位置が車室内に該当する場合には車両制御部F7は、当該判定結果に基づいて走行駆動源を始動させる。
S13では、S12で推定された位置に基づいて高周波モード可能位置であるか否かを判断する。S13において判断する条件が広帯域化条件である。高周波モードは通常モードよりも通信距離が短いので高周波モードが可能であると推定できるエリアが予め設定されている。S12で推定した位置がこの予め設定されているエリア内であれば、高周波モード可能位置であると判断する。高周波モード可能位置は、スマートフォン2とUWB通信機12との間の距離が、高周波モードが可能な距離、すなわち高周波数可能距離であることを意味する。
S13の判断結果がNOであればS11へ戻る。一方、S13の判断結果がYESであればS14に進む。S14では、補正時間ΔTを算出する必要があるか否かを判断する。本実施形態では、補正時間ΔTは、UWB通信の接続が確立した後、一度、算出するとしている。その後は、接続が確立している間は再度の補正時間ΔTの算出はしない。補正時間ΔTは、通信環境、装置の個体差など、種々の要因で変動するが、装置の個体差は接続確立中に変化する要因ではなく、また、通信環境も、接続確立中の変化は少ないからである。
S14の判断結果がNOであればS20に直接進む。S14の判断結果がYESであればS15に進む。S15では、通常モードで応答要求信号の送信および応答信号の受信を行い、ラウンドトリップ時間Tp(以下、Tp(n))を測定する。S16では、スマートフォン2に高周波モードを指示する。S17では、UWB通信機12を高周波モードに変更する。
S18では、高周波モードでラウンドトリップ時間Tpを計測する。S15〜S18を連続的に実行することで、時間幅が相互に異なる応答要求信号および応答信号が、連続して、低UWB帯および高UWB帯で送受信される。連続しての信号の送受信であるので、低UWB帯を使用したとき、および、高UWB帯を使用したときのスマートフォン2の位置は変化していないとみなすことができる。
S19では、S18で計測したラウンドトリップ時間Tp(c)から、S15で計測したラウンドトリップ時間Tp(n)を引くことで補正時間ΔTを算出し、算出した補正時間ΔTをフラッシュメモリ112に記憶する。
S20では、高周波モードで、スマートフォン2までの距離を推定する。S21は、3つ以上のUWB通信機12がスマートフォン2までの距離を算出している場合に実行する。S21では、各UWB通信機12の設置位置と各UWB通信機12からスマートフォン2までの距離に基づいてスマートフォン2の位置を推定する。S21を実行したら、S13に戻る。
〔実施形態のまとめ〕
以上、説明した本実施形態では、高周波モード可能位置である場合(S13:YES)、広帯域化条件が成立したとして、高周波モード、すなわち、通常モードよりもインパルス信号の周波数帯域を広帯域化したモードで、スマートフォン2の距離を推定する(S20)。インパルス信号の周波数帯域が広帯域化されることで、時間領域では、インパルス信号は時間幅が狭くなる。よって、インパルス信号の検出時刻に生じる誤差が低減されるので、スマートフォン2までの距離を推定する精度が向上する。
また、本実施形態では、スマートフォン2の位置が高周波モード可能位置であって、且つ、補正時間ΔTを算出していない場合(S14:YES)には、通常モードと高周波モードでそれぞれラウンドトリップ時間Tp(n)、Tp(c)を計測し(S15、S18)、それらのラウンドトリップ時間Tp(n)、Tp(c)から補正時間ΔTが算出される(S19)。
通常モードでは、ラウンドトリップ時間Tpに補正時間ΔTを加えた式4により伝播時間Taを算出する。これにより、通常モードでも、高周波モードに近い精度で、スマートフォン2までの距離を推定することができる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。たとえば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。
<変形例1>
実施形態では、波形の立ち上がりを急峻にしたインパルス信号として、時間幅を狭くしたインパルス信号を例示した。しかし、低UWB帯と高UWB帯とが同時に使用可能な構成とする場合、低UWB帯で生成した信号と高UWB帯で生成した信号とを合成した合成信号をインパルス信号としてもよい。合成信号も、低UWB帯のみを用いて生成したインパルス信号よりも、波形の立ち上がりを急峻にすることができる。
<変形例2>
実施形態では、広帯域化する場合には、周波数帯域を高周波数帯にシフトして広帯域化していた。しかし、高周波数帯にシフトすることなく広帯域化してもよい。UWB通信に割り当てられている周波数帯が2つに区分されていない国もある。たとえば、UWB通信に3.1〜10.6GHzが割り当てられている国もある。このような国において、UWB通信機12およびUWB通信部21は、通常モードにおいて、3.1〜10.6GHzのうちの一部の周波数帯のみを利用してインパルス信号を生成しているとする。この場合、使用する周波数を、通常モードで使用している周波数帯域を含みつつ、それよりも広い周波数帯域、たとえば、3.1〜10.6GHzの全範囲とすることができる。
高周波数帯にシフトしない場合であっても、必要なときに限り広帯域化したモードを用いることで、通常モードにおいては、他の無線通信に妨害を与えてしまうことを抑制しつつ、広帯域化したモードでは、精度よくスマートフォン2までの距離を推定することができる。
また、高周波数帯にシフトしない場合であっても、広帯域化したモードで補正時間ΔTを算出することで、通常モードにおける距離推定精度を向上させることができる。
<変形例3>
実施形態では、スマートフォン2までの距離が高周波数可能距離であるか否かを、距離推定部F5が推定した距離に基づいて判断していた。しかし、この距離推定部F5を第1距離推定部とし、これとは別に、スマートフォン2までの距離を推定する第2距離推定部を備えていてもよい。第2距離推定部は、たとえば、GNSS受信器を用いて定められるUWB通信機12およびスマートフォン2のそれぞれの現在位置から、距離を推定する。このような第2距離推定部は、車両Hvに備えられているGNSS受信器から現在位置を取得し、GNSS受信器の現在位置と、事前に計測しておいたGNSS受信器に対するUWB通信機12の相対位置から、UWB通信機12の現在位置を決定する。また、スマートフォン2の現在位置も取得する。そして、UWB通信機12の現在位置とスマートフォン2の現在位置とから、スマートフォン2までの距離を推定する。また、第2距離推定部は、カメラ画像から距離を推定する構成でもよい。
<変形例4>
実施形態では、補正時間ΔTを、接続が確立した後、一度だけ算出していた。しかし、補正時間ΔTを、距離を推定する都度、算出してもよい。この場合、S14の判断を省略すればよい。補正時間ΔTは、通信環境によっても変動する。よって、補正時間ΔTは、厳密には、距離を推定する都度変動する。したがって、補正時間ΔTを、距離を推定する都度、算出すると、距離推定精度が向上する。
<変形例5>
また、補正時間ΔTは、通信環境によっても変動するので、通信環境の変化を検出するセンサ等を備え、前回、補正時間ΔTを算出したときの通信環境と現在の通信環境を比較して、補正時間ΔTを算出し直す通信を行うか否かを決定してもよい。
通信環境の変化を検出するセンサの一例としては、雰囲気温度を検出するセンサを例示することができる。ラウンドトリップ時間Tpにより距離を推定する場合には、ナノ秒レベルでの変動が問題になり、温度変化により、電子回路内の信号伝達時間はナノ秒レベルでの変動があるからである。通信環境の変化を検出するセンサの他の例としては、アンテナの通電状態を監視するセンサを例示できる。
<変形例5>
実施形態では、補正時間ΔTを算出した場合には、必ず、フラッシュメモリ112に記憶していた補正時間ΔTを、算出した補正時間ΔTに更新していた。しかし、補正時間ΔTを算出した後、公称値との差分を算出し、その差分が更新閾値よりも大きい場合に、新たに算出した補正時間ΔTに更新してもよい。
<変形例6>
実施形態では、携帯端末としてスマートフォン2を例示した。しかし、携帯端末としては、タブレット端末、ウェアラブル端末など、スマートフォン2以外のものを用いることもできる。
<変形例7>
実施形態の車載システム1はUWB通信機12を4つ備えていた。しかし、スマートフォン2の位置を推定する場合、UWB通信機12の数は3以上であればよい。
<変形例8>
実施形態では、UWB通信機12からスマートフォン2までの距離を3つ以上推定した後、その距離に基づいてスマートフォン2の位置を推定していた。しかし、位置までは推定せず、スマートフォン2の距離により、車載装置の操作を許可するか否かを決定してもよい。
1:車載システム 2:スマートフォン(携帯端末) 11:スマートECU 12:UWB通信機(車載通信機) 13:BLE通信機 21:UWB通信部 22:BLE通信部 24:GNSS受信器 27:入力装置 28:端末側制御部 29:位置検出部 111:CPU 112:フラッシュメモリ 113:RAM 310:送信部 311:送信回路 312:送信アンテナ 313:インパルス発生器 314:可変バンドパスフィルタ 315:増幅器 320:受信部 321:受信アンテナ 322:受信回路 323:増幅器 324:検波器 330:ラウンドトリップ時間計測部 F1:車両情報取得部 F2:通信処理部 F3:認証処理部 F4:補正時間算出部 F5:距離推定部 F6:位置推定部 F7:車両制御部 Hv:車両 TH:検出閾値 Ta:伝播時間 Tb:内部処理時間 Tp:ラウンドトリップ時間 ΔT:補正時間 ΔTc:時間差 ΔTm:時間差

Claims (15)

  1. 車両(Hv)に搭載され、超広帯域通信により、インパルス信号である応答要求信号を送信する車載通信機(12)と、
    ユーザに携帯され、超広帯域通信により前記応答要求信号を受信し、かつ、前記応答要求信号を受信した場合に、インパルス信号である応答信号を前記車載通信機に送信する携帯端末(2)と、
    前記車載通信機が、前記応答要求信号を送信してから、前記応答信号を受信するまでのラウンドトリップ時間(Tp)に基づいて、前記車載通信機と前記携帯端末との間の距離を推定する距離推定部(F5)とを備えた携帯端末距離推定システムであって、
    前記携帯端末は、前記応答要求信号の受信強度が検出閾値を超えた時刻を、前記応答要求信号を受信した時刻とし、
    前記車載通信機は、応答信号の受信強度が検出閾値を超えた時刻を、前記応答信号を受信した時刻とし、
    前記車載通信機および前記携帯端末は、前記超広帯域通信する周波数帯域が可変であり、
    広帯域化条件が成立した場合、前記車載通信機および前記携帯端末は、前記広帯域化条件が成立しない場合よりも通信周波数を広帯域化することで、波形の立ち上がりを急峻にした前記インパルス信号を送受信する、携帯端末距離推定システム。
  2. 請求項1に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    波形の立ち上がりを急峻にした前記インパルス信号は、時間幅を短くした前記インパルス信号である、携帯端末距離推定システム。
  3. 請求項2に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記車載通信機および前記携帯端末は、通信周波数を広帯域化する場合、周波数帯域を高周波数帯にシフトして広帯域化する、携帯端末距離推定システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記携帯端末および前記車載通信機は、広帯域化された前記周波数帯域を、前記携帯端末および前記車載通信機が位置する地域に基づいて決定する、携帯端末距離推定システム。
  5. 請求項4に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    ユーザが前記地域を入力するための入力装置(27)を備え、
    前記携帯端末および前記車載通信機は、前記入力装置から入力された情報に基づいて地域を決定する、携帯端末距離推定システム。
  6. 請求項4に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記携帯端末または前記車載通信機の位置を検出する位置検出部(29)を備え、
    前記携帯端末および前記車載通信機は、前記位置検出部が検出した位置をもとに前記地域を決定する、携帯端末距離推定システム。
  7. 請求項3に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記携帯端末と前記車載通信機との間の距離が高周波数可能距離である場合に前記広帯域化条件が成立したとし、前記通信周波数を、高周波数帯にシフトし、かつ、広帯域化する、携帯端末距離推定システム。
  8. 請求項7に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記距離推定部は、周期的に距離を推定し、
    前記広帯域化条件が成立したかどうかを判断する距離は、前記距離推定部が推定した最新の距離である、携帯端末距離推定システム。
  9. 請求項7に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記距離推定部を第1距離推定部とし、
    前記携帯端末と前記車載通信機との間の距離を、前記ラウンドトリップ時間とは別の手段により推定する第2距離推定部を備え、
    前記広帯域化条件が成立したかどうかを判断する距離は、前記第2距離推定部が推定した距離である、携帯端末距離推定システム。
  10. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記ラウンドトリップ時間を補正する補正時間(ΔT)を算出するための通信である場合に、前記広帯域化条件が成立したとし、
    前記車載通信機は、前記広帯域化された周波数帯および前記広帯域化された周波数帯に比べて相対的に狭帯域である周波数帯で、連続して、時間幅を相互に異ならせた前記応答要求信号を送信し、
    前記携帯端末は、前記広帯域化された周波数帯および前記狭帯域である周波数帯で、それぞれ前記応答要求信号を受信した場合に、それぞれ、前記応答信号を送信し、
    前記広帯域化された周波数帯を用いて算出した前記ラウンドトリップ時間と、前記狭帯域である周波数帯を用いて算出した前記ラウンドトリップ時間との差を前記補正時間として算出する補正時間算出部(F4)を備え、
    前記距離推定部は、前記狭帯域である周波数帯で前記ラウンドトリップ時間を算出した場合、前記ラウンドトリップ時間に前記補正時間を加えた時間をもとに、前記携帯端末までの距離を推定する、携帯端末距離推定システム。
  11. 請求項10に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記補正時間を算出するための通信を、前記距離推定部が前記距離を推定する都度実行する、携帯端末距離推定システム。
  12. 請求項10に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記補正時間を算出するための通信を、前記携帯端末と前記車載通信機との通信が確立した後に、一度、実行する、携帯端末距離推定システム。
  13. 請求項10に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前回、前記補正時間を算出したときの通信環境と現在の通信環境を比較して、前記補正時間を算出するための通信を行うか否かを決定する、携帯端末距離推定システム。
  14. 請求項1に記載の携帯端末距離推定システムであって、
    前記超広帯域通信が可能な周波数帯として、相対的に高周波数帯域と相対的に低周波数帯域とが使用可能であり、
    前記高周波数帯域の信号と前記低周波数帯域の信号とを合成して、波形の立ち上がりを急峻にした前記インパルス信号を生成する携帯端末距離推定システム。
  15. 車両に搭載され、超広帯域通信により、インパルス信号である応答要求信号を送信する車載通信機(12)と、
    前記車載通信機が、前記応答要求信号を送信してから、ユーザに携帯される携帯端末から送信された前記インパルス信号である応答信号を受信するまでのラウンドトリップ時間(Tp)に基づいて、前記車載通信機と前記携帯端末との間の距離を推定する距離推定部(F5)とを備えた車載システムであって、
    前記車載通信機は、
    応答信号の受信強度が検出閾値を超えた時刻を、前記応答信号を受信した時刻とし、
    前記超広帯域通信する周波数帯域が可変であり、
    広帯域化条件が成立した場合、前記広帯域化条件が成立しない場合よりも通信周波数を広帯域化することで、波形の立ち上がりを急峻にした前記インパルス信号を送信する、車載システム。
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