JP2021088808A - 吐水装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成による整流吐水を実現できる吐水装置を提供する。【解決手段】吐水装置1は、中心軸C方向(所定方向)に延びて設けられており、上流側から流入する水を中心軸Cに流通させる整流部40と、整流部40の下流側に連続して設けられており、整流部40から流入する水を合流させる合流部50と、合流部50の下流側に連続して設けられており、合流部50の流路面積よりも小さな面積で所定方向に開口する吐水口60Aが形成された吐水部60と、を備えている。【選択図】図3
Description
本開示は吐水装置に関する。
特許文献1は従来の吐水装置を開示している。この吐水装置は整流器を有している。整流器は、キャップと、整流器本体と、網状部材とを備えている。キャップは樹脂製であり、吐水管の先端に装着される。キャップの下流側端部には整流板が一体に設けられている。整流器本体は樹脂製であり、螺合によってキャップの下流側端部に取り付けられる。整流器本体の下流側端部には他の整流板が一体に設けられている。網状部材は、キャップと整流器本体との間に挟持される。この吐水装置において、吐水管から吐水された水は、キャップに設けられた整流板を流通することで一次整流され、網状部材を通過して整流器本体の整流板を流通することで二次整流されて吐水口から吐水される。このように、吐水装置は、2箇所の整流板を流通することで2段にわたって整流された水を吐水する。
特許文献1の吐水装置において、整流器は構造が簡単であるとは言い難い。このため、吐水装置の更なる簡素化が望まれていた。
本開示は、簡易な構成による整流吐水を実現できる吐水装置を提供することを解決すべき課題としている。
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る吐水装置は、所定方向に延びて設けられており、上流側から流入する水を前記所定方向に流通させる整流部と、前記整流部の下流側に連続して設けられており、前記整流部から流入する水を合流させる合流部と、前記合流部の下流側に連続して設けられており、前記合流部の流路面積よりも小さな面積で前記所定方向に開口する吐水口が形成された吐水部と、を備えている。
<実施形態1>
図1に示すように、吐水装置1は、トイレ室内に設置された便器Bの洗浄タンクTに取り付けられた手洗い用の吐水装置である。洗浄タンクTは便器Bに排出する洗浄水を貯留する。洗浄タンクTには給水配管(図示せず)が接続されている。給水配管から供給される洗浄水は、洗浄タンクT内の水位に応じて自動的に洗浄タンクT内に給水される。給水配管からの洗浄水は、一部は洗浄タンクTに給水され、他の一部は、手洗い用の水として吐水装置1から吐出される。吐水装置1から吐出された洗浄水は、洗浄タンクTの上部の手洗い鉢tを経由して洗浄タンクT内に貯留される。狭小空間であるトイレ室に設置される洗浄タンクTは、奥行寸法が高さ及び幅寸法よりも小さく設定されている。吐水装置1は、このような洗浄タンクTの幅方向中央部奥側から上方に立ち上がり、先端を前方斜め下方の手洗い鉢tの中央部に向けた構成とされている。
図1に示すように、吐水装置1は、トイレ室内に設置された便器Bの洗浄タンクTに取り付けられた手洗い用の吐水装置である。洗浄タンクTは便器Bに排出する洗浄水を貯留する。洗浄タンクTには給水配管(図示せず)が接続されている。給水配管から供給される洗浄水は、洗浄タンクT内の水位に応じて自動的に洗浄タンクT内に給水される。給水配管からの洗浄水は、一部は洗浄タンクTに給水され、他の一部は、手洗い用の水として吐水装置1から吐出される。吐水装置1から吐出された洗浄水は、洗浄タンクTの上部の手洗い鉢tを経由して洗浄タンクT内に貯留される。狭小空間であるトイレ室に設置される洗浄タンクTは、奥行寸法が高さ及び幅寸法よりも小さく設定されている。吐水装置1は、このような洗浄タンクTの幅方向中央部奥側から上方に立ち上がり、先端を前方斜め下方の手洗い鉢tの中央部に向けた構成とされている。
以下の説明では、鉛直方向を上下方向、便器Bを着座状態で使用する使用者から見た方向をそのまま前後左右方向として説明する。
図2及び図3に示すように、吐水装置1は、基端部10、通水部20、及び先端部30を備えている。吐水装置1は、基端部10、通水部20、及び先端部30の順に、内部を水が流通する。
図2に示すように、基端部10は、吐水装置1において最も上流側に位置する部位である。吐水装置1は、この基端部10において洗浄タンクTに取り付けられる。基端部10は、内部の空間を基端側流路10Aとする筒状に形成されている。詳細には、基端部10は直線状の中心軸を有する略円筒形状をなしている。基端部10には図示しない給水配管からの水が下端側から流入し、上端側に向かって流通する。基端部10は雄ねじ部11を有している。雄ねじ部11は基端部10の外周面の下端側に形成されている。基端部10は、雄ねじ部11が形成された下端側から洗浄タンクTの取付孔に挿通され、洗浄タンクTの内部から雄ねじ部11にナット(図示せず)が締結されることによって洗浄タンクTに固定される。基端部10は、洗浄タンクTに取り付けられた状態(設置状態)の吐水装置1において最も下部に位置し、その略全体が洗浄タンクT内に挿通されて外部からは視認不能となる。設置状態の基端部10は、中心軸を上下方向に沿って配置される。設置状態の基端部10は、下端から流入する水が上端に向かって流通する。
図2に示すように、通水部20は基端部10に連続して設けられている。通水部20は、内部の空間を通水流路20Aとする筒状に形成されている。詳細には、通水部20は、左右方向を長手方向とする断面略矩形状の角筒状をなしている。通水部20の上流端は基端部10の下流端に連通している。通水部20は、上流側から下流側に向かって上方に延びて形成されている。通水部20は、下端である上流端から上端である下流端に向かって、断面積が徐々に小さくなるように形成されている。通水部20は、下流側に向かうにつれて前方に緩やかに湾曲している。図3に示すように、通水部20の通水流路20Aにおける水の流通方向の鉛直軸Vに対する角度θ20は、後述する先端部30の中心軸Cと交差する点において、約125°に設定されている。換言すると、通水流路20Aにおける水の流通方向は、後述する先端部30の中心軸Cと交差する点において、鉛直方向に延びる軸Vに対して約125°の角度をなしている。
図2及び図3に示すように、先端部30は通水部20の上端側に連なって設けられている。先端部30は、通水部20の上端側(下流側)において、通水部20の下方を向いた面から下方に延びて設けられている。先端部30は、通水部20における水の流通方向に交差する方向である前方斜め下方に延びている。先端部30は、直線状の中心軸Cに沿って延びる筒状をなしている。中心軸C方向とは、後述する吐水口60Aの開口方向であり、吐水装置1における吐水方向である。中心軸Cと鉛直軸Vとのなす角度θ30は約15°に設定されている。換言すると、先端部30は、中心軸Cを鉛直軸Vに対して約15°の角度で傾斜させて通水部20に連結されている。上述のように、通水部20の通水流路20Aにおける水の流通方向の鉛直軸Vに対する角度θ20は約125°に設定されている。したがって、先端部30は、通水部20の通水流路20Aにおける水の流通方向に対して交差する方向に延びる流路を形成しているといえる。詳細には、先端部30は、通水部20の通水流路20Aにおける水の流通方向に対して中心軸Cを約110°の角度で交差させている。
先端部30は、周壁31、底壁32、及び区画壁33を有している。周壁31は、中心軸Cに沿って延びる断面略円形の筒状をなしている。周壁31の上端は通水部20に斜めに連結されている。周壁31の上端側の部分は、中心軸Cに対して斜めに交差する平面に沿って切り落としたような形態である。周壁31の下端側の部分は、中心軸Cに対して直交する平面に沿って切り落としたような形態である。
底壁32は周壁31の下端に連結されている。底壁32は、底壁32の上面32A及び下面32Bが中心軸Cに直交する方向、すなわち周壁31の径方向に延びる略円板形状をなしている。底壁32は、周壁31の内部空間と外部の空間とを仕切るように周壁31の下端に連結されている。底壁32の上面32Aは、底壁32の外周側に形成された断面円弧状の曲面32Cを介して、周壁31の内側の壁面31Aからなだらかに連続して延びている。「なだらか」とは、段差や角等の急激な変化がないことを意図している。
底壁32には貫通孔32Dが形成されている。貫通孔32Dは、底壁32を中心軸C方向に貫通して形成されている。貫通孔32Dは、中心軸Cに同軸に貫通している。貫通孔32Dは、底壁32の上面32A側から下面32B側に向かってなだらかに縮径して形成されている。具体的には、図3に示すように、貫通孔32Dを形成する壁面は、上端が上面32Aに連続し、下端が中心軸Cに平行に延びる断面四半円弧状の曲面をなしている。
区画壁33は、底壁32から中心軸C方向に離れた位置に配置されている。区画壁33は、中心軸Cに沿って延びて形成されている。区画壁33は、周壁31の内側の空間を中心軸Cの直交方向に複数に区画する。区画壁33の外周部は周壁31に連結されている。図4に示すように、区画壁33はハニカム状に形成されている。区画壁33によって区画された各空間はそれぞれ断面略六角形状をなしている。区画壁33は、中心軸C方向に所定の長さで形成されている。区画壁33の中心軸C方向の長さは、六角形状をなす流路断面における対角長の3倍以上を確保している。
先端部30は、機能的には、整流部40、合流部50、及び吐水部60を有して構成されている。これら整流部40、合流部50、及び吐水部60は、先端部30の上流側から順に、先端部30の中心軸に沿って配置されている。すなわち、先端部30は、これら整流部40、合流部50、及び吐水部60の順に、内部を水が流通する。
整流部40は、先端部30において区画壁33の上端から下端までの部位に相当する。整流部40は、上流側から流入する水を所定方向としての中心軸C方向に流通させる。整流部40は整流通路40Aを形成している。整流通路40Aは中心軸Cの延伸方向に延びて形成されている。整流通路40Aは、上流側の通水部20から先端部30に流入した水を、所定方向としての中心軸Cの延びる方向に流通させる。具体的には、整流通路40Aは、区画壁33によって区画された断面六角形状の各空間である。整流通路40Aは、流入した水を、中心軸C方向に延びて形成された区画壁33の壁面に沿って流通させる。
合流部50は、整流部40の下流側に連続して設けられている。合流部50は、先端部30において区画壁33の下端から底壁32の上面32Aまでの部位に相当する。合流部50は、整流部40から流入する水を合流させる。合流部50は合流通路50Aを形成している。合流通路50Aは、整流通路40Aと同様に、中心軸Cの延伸方向に延びて形成されている。合流通路50Aは、整流部40の下流側における周壁31に囲まれた1つの空間である。すなわち、合流部50は、合流通路50Aを形成する筒状の周壁31を有して構成されているといえる。合流通路50Aの流路面積は、整流通路40Aの流路面積よりも大きい。すなわち、周壁31の内側に区画壁33を配置して形成されている整流通路40Aの流路面積は、区画壁33の断面積の分だけ、合流通路50Aの流路面積よりも小さい。したがって、合流部50における流速は整流部40の流速よりも低下する。
吐水部60は、合流部50の下流側に連続して設けられている。吐水部60は、先端部30において底壁32の上面32Aから下面32Bまでの部位、すなわち底壁32の部位に相当する。吐水部60は吐水口60Aを形成している。吐水口60Aは、合流通路50Aの流路面積よりも小さな流路面積で開口する。したがって、吐水部60における流速は合流部50の流速よりも上昇する。
吐水口60Aは中心軸Cに同軸に開口している。吐水口60Aは、底壁32の貫通孔32Dの下端に相当する。上述のように、貫通孔32Dを形成する壁面は、上端が底壁32の上面32Aに連続し、下端が中心軸Cに平行に延びる断面四半円弧状の曲面をなしている。底壁32の上面32Aは、曲面32Cを介して周壁31の内側の壁面31Aに連続している。したがって、吐水口60Aは、合流部50の内壁面である壁面31Aを上流側からなだらかに絞って形成されているといえる。
上記構成の吐水装置1の作用について説明する。
洗浄タンクTから便器Bへ洗浄水が排出されると、洗浄タンクTには、図示しない給水配管から新たな水が補充される。このとき供給される水の一部は吐水装置1を流通し、吐水口60Aから吐出されて洗浄タンクTに貯留される。吐水装置1を流通する水は、基端部10から流入して通水部20を流通し、先端部30に流入する。先端部30に流入直後の水は、通水部20の通水流路20Aにおける流通方向から90°以上(約110°)の角度で向きを変更される。この時、流路の内側と外側(内回りと外回り)とでは旋回距離に差が生じる。このため、先端部30に流入した水流には流速の偏りや渦流れ等の流れの乱れが生じている。
先端部30に流入した水は、整流部40、合流部50、吐水部60の順に流通する。水は、整流部40の整流通路40Aを流通することによって、所定方向としての中心軸Cに沿った方向に流通方向が整えられる。具体的には、整流部40に流入した水は、整流通路40Aを形成する区画壁33の壁面に沿って流通する。区画壁33は、中心軸Cに沿って延びて形成されている。このため、区画壁33の壁面に沿って流通することによって、水の流通方向が中心軸Cに沿った方向に向けられる。整流通路40Aは、区画壁33によって中心軸Cの直交方向に区画された複数の流路である。整流通路40Aの複数の流路は、六角形状をなす流路断面の対角長に比して十分に長い流路長さが確保されており、十分な整流効果が発揮される。
整流部40を流通した水は合流部50に流入する。合流部50では、複数に区画された整流通路40Aの各流路から合流通路50Aに流入した水が合流して纏められ、中心軸Cに沿って更に流通する。合流通路50Aの流路面積は、整流通路40Aの流路面積よりも大きい。このため、合流部50に流入した水は、整流部40における流速と比較して相対的に低下した流速で流通する。
上述のように、整流通路40Aは区画壁33によって複数に区画されているため、区画毎に流速の差が生じてしまう場合がある。特に、吐水装置1では、狭小な洗浄タンクT上部の空間における手洗いを実現するために、基端部10から通水部20を上方に立ち上げ、先端部30を急激に曲げて前方斜め下方に向けて設けている。このような先端部30に設けられている整流部40における水の流通方向は、上流側の通水部20における水の流通方向に対して90°以上変化する。このため、整流部40では、整流通路40Aの区画毎の流速の差が生じ易い。合流部50は、整流部40において生じた流速の差を緩和する。合流部50においては、整流通路40Aの各区画から流入する水が合流して纏められることによって、速度差が低減される。
更に、吐水開始時において、整流通路40Aの各区画を流通する水の流速が異なっていると、一部の区画を流通した水が先に合流部50に流入してくる場合がある。しかし、整流部40の下流側に合流部50を連続して設けたことにより、先に流入した水の一部は底壁32の上面32Aに受け止められ、1つの空間として形成されている合流通路50A内に滞留する。すなわち、合流部50は、先に整流部40を通過した水流を滞留させ、水勢そのままに直接吐出されることを抑制するように作用する。
合流通路50Aの下流端では、合流した水が底壁32の上面32Aにおいて部分的に受け止められ、中心軸C側に更に纏められる。この時、底壁32の上面32Aは、曲面32Cによって周壁31になだらかに連続しているため、中心軸Cから離れた位置を流通する水が中心軸C側にスムーズに纏められる。
合流部50を流通した水は吐水部60に流入する。すなわち、合流通路50Aを流通した水は、底壁32に形成された貫通孔32Dに流入し、底壁32の下面32B側の開口端である吐水口60Aから吐出される。貫通孔32Dは、合流通路50A側となる底壁32の上面32A側から、吐水口60A側となる底壁32の下面32B側に向かって、なだらかに縮径して形成されている。このため、合流部50から吐水部60に流入した水は流速が速められる。
合流通路50Aを流通した水は、合流通路50Aよりも縮径された貫通孔32Dにスムーズに流入する。すなわち、合流通路50Aを流通した水のうち、底壁32の上面32Aに受け止められた部分が、上面32Aに沿って中心軸C側に流通したのち、貫通孔32Dを形成する壁面に沿って貫通孔32Dにスムーズに流入する。
貫通孔32Dを形成する壁面は断面四半円弧状の曲面をなしており、その下端は中心軸Cに平行に延びている。吐水口60Aは、貫通孔32Dの底壁32の下面32B側の開口端である。したがって、吐水口60Aは、底壁32の下面32Bに対して略直交して開口している。このため、吐水口60Aから吐出される水は、底壁32の下面32Bを伝うことなく、中心軸C方向にきれいに放出される。
以上のように、吐水装置1は、整流部40、合流部50、及び吐水部60を備えている。整流部40は、所定方向としての先端部30の中心軸C方向に延びて設けられており、上流側から流入する水を中心軸C方向に流通させる。合流部50は、整流部40の下流側に連続して設けられており、整流部40から流入する水を合流させる。吐水部60は、合流部50の下流側に連続して設けられており、合流部50の流路面積よりも小さな面積で中心軸C方向に開口する吐水口60Aが形成されている。
吐水装置1は、整流部40において上流側から流入する水を中心軸C方向に流通させて整流し、吐水口60Aの開口面積よりも大きな流路面積の流路を形成する合流部50において合流させたのち、吐水口60Aから吐出する。このため、整流部40を流通する水の速度に差が生じている場合でも、合流部50において合流させることによって速度差を緩和して吐水口60Aから吐出することができる。したがって、吐水装置1は、簡易な構成による整流吐水を実現することができる。
整流部40は、所定方向としての中心軸Cに沿って延びて形成され、内部の流路を中心軸Cに交差する方向に複数に区画する区画壁33を有している。このように、区画壁33によって整流部40における整流通路40Aを複数に区画しているので、整流効果を更に向上させることができる。すなわち、整流部を流通する水流の単位流路面積当たりの壁面との接触長さを大きくできるので、壁面に沿った方向に流通させやすくできる。その結果、整流効果を向上させることができる。
合流部50は、所定方向としての中心軸C方向に延びて内部の流路を形成する筒状の周壁31を有している。吐水口60Aは、合流部50の内壁面である周壁31の内面を上流側からなだらかに絞って形成されている。このため、合流部50から吐水部60に流入する際の水の流通抵抗を抑えることができ、水を吐水口60Aに向けて集めることができる。
先端部30の周壁31は、中心軸Cに沿って延びる円筒形状をなしており、吐水口60Aは、この周壁31の中心軸Cに同軸に開口する円形状に形成されている。このため、合流部50から吐水口60Aに流入する水の流通方向に交差する方向における偏りを抑制することができる。すなわち、合流部50から吐水口60Aに水を周方向で均等に流入させやすくなる。その結果、吐水口60Aからの更なる整流吐水を実現することができる。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係る吐水装置201について、図5等を参照しつつ説明する。実施形態2において、上記実施形態1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
次に、実施形態2に係る吐水装置201について、図5等を参照しつつ説明する。実施形態2において、上記実施形態1と略同じ構成部位には同符号を付けて、構造、作用及び効果の説明は省略する。
実施形態2の吐水装置201は、図5に示すように、実施形態1の構成に加えて滞留部70を備えた吐水装置である。滞留部70は、整流部40よりも上流側に設けられ、整流部40に流入する水の流速のばらつきを抑制する。具体的には、滞留部70は、通水部20からの水が整流部40に流入する部分である先端部30の上端部からみて、通水部20の上流側とは反対側の位置に設けられている。滞留部70は、通水部20の延伸方向に通水部20の上端部を更に延伸した形態である。滞留部70は滞留空間70Aを形成している。滞留空間70Aは、通水流路20Aに連通した袋小路のように形成されている。
上記構成の吐水装置201の作用について説明する。
吐水装置201において、通水部20を流通した水は、実施形態1と同様に、先端部30に流入する。先端部30に流入する水流は、一部が通水部20の上流側から直接的に流入する。他の一部の水流は、滞留部70を経由して流入する。すなわち、通水部20を流通した水の一部は、先端部30を一旦通過して滞留部70に向かい、滞留空間70Aに滞留する。滞留部70において、滞留空間70Aは通水流路20Aにのみ連通しているので、通水流路20Aの流通方向とは反対側に流れの向きを変更して先端部30に流入する。このように、通水部20の下流側からの流れとは向きの異なる流れが流入することにより、流れの偏りを部分的に相殺することができる。このため、整流部40に流入する時点において水流の速度差が緩和され、更なる整流吐水を実現することができる。
吐水開始時においては、通水部20を流通する水は、水勢そのままに先端部30を一旦通過して滞留部70にして滞留空間70Aに滞留する。その後、通水流路20Aの流通方向とは反対側に流れの向きを変更し、通水流路20Aの下流側からの水流と合流しつつ、先端部30に流入する。このように、滞留部70を設けたことによって水勢の比較的強い通水初期の水流を滞留させる。これにより、整流部40に流入させる時点で、水流の速度差を緩和しておくことができる。
本開示は、上記記述及び図面によって説明した各実施形態の開示に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も含まれる。
(1)通水部を備える場合、その構成は上記各実施形態に示した構成に限定されない。通水部は、例えば、逆J字状に湾曲したいわゆるグースネック状に形成されていてもよいし、湾曲していない直線状に形成されていてもよい。
(2)通水部を備える場合、整流部の延びる方向(所定方向)に対して通水部における水の流通方向がなす角度は特に限定されない。通水部における水の流通方向は、例えば、整流部の延びる方向に対して平行な方向であってもよい。具体的には、グースネック状の通水部を備える場合等においては、整流部は通水部の先端部に設けられていてもよい。
(3)整流部の構成は上記各実施形態に示した構成に限定されない。整流部は、例えば、区画壁を有することなく構成されていてもよい。
(4)整流部が区画壁を有して構成されている場合、区画壁はハニカム状に限定されない。すなわち、区画壁によって形成される流路の断面形状は、例えば、円形状、楕円形状、三角形状や四角形状等の多角形状等の種々の形状であることができる。区画壁による流路の区画数も特に限定されない。区画毎に流路断面の形状が異なっていてもよい。
(5)合流部が内部の通路を形成する筒状の周壁を有する場合、その形状は、上記各実施形態に示した形状に限定されない。例えば、角筒状、楕円筒状等の形状であってもよい。合流部の形状に対して、整流部の形状、及び吐水部の形状がそれぞれ異なっていてもよい。
(6)吐水口の開口形状は円形状に限定されない。吐水口の開口形状は、例えば、円形状、楕円形状、三角形状や四角形状等の多角形状等の種々の形状であることができる。
(7)吐水口は、合流部の内部の通路(吐水部の上流側の流路)に対して、流路断面方向にオフセットして開口していてもよい。
(8)吐水口が合流部の内部の流路を形成する壁面を上流側からなだらかに絞って形成されていることは必須ではない。吐水口は、例えば、合流部の内部の流路を形成する壁面から中心方向に部分的に突出した部分によって部分的に絞られて形成されていてもよい。
(9)吐水装置は、トイレの洗浄タンク用に限定されない。吐水装置は、洗面所やキッチン等の水回り全般に採用することができる。
1,201…吐水装置、20…通水部、33…区画壁、40…整流部、50…合流部、60…吐水部、60A…吐水口、70…滞留部
Claims (7)
- 所定方向に延びて設けられており、上流側から流入する水を前記所定方向に流通させる整流部と、
前記整流部の下流側に連続して設けられており、前記整流部から流入する水を合流させる合流部と、
前記合流部の下流側に連続して設けられており、前記合流部の流路面積よりも小さな面積で前記所定方向に開口する吐水口が形成された吐水部と、
を備えている吐水装置。 - 前記整流部は、前記所定方向に沿って延びて形成され、内部の流路を前記所定方向に交差する方向に複数に区画する区画壁を有している請求項1に記載の吐水装置。
- 前記合流部は、前記所定方向に延びて内部の流路を形成する筒状の周壁を有している請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の吐水装置。
- 前記吐水口は、前記周壁を上流側からなだらかに絞って形成されている請求項3に記載の吐水装置。
- 前記周壁は、中心軸が前記所定方向に沿って延びる円筒形状をなしており、
前記吐水口は、前記周壁の中心軸に同軸に開口する円形状に形成されている請求項3から請求項4までのいずれか一項に記載の吐水装置。 - 前記整流部よりも上流側に設けられ、前記整流部に流入する水の流速のばらつきを抑制する滞留部を備えている請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の吐水装置。
- 前記整流部の上流側に連続して設けられ、前記所定方向に対して交差する方向に水を流通させる通水部を備えており、
前記滞留部は、前記通水部からの水が前記整流部に流入する部分からみて、前記通水部の上流側とは反対側の位置に設けられている請求項6に記載の吐水装置。
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JP2019217876A JP2021088808A (ja) | 2019-12-02 | 2019-12-02 | 吐水装置 |
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