JP2021088738A - 電子材料用銅合金、電子部品及び電子材料用銅合金の製造方法 - Google Patents

電子材料用銅合金、電子部品及び電子材料用銅合金の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、電子材料用途として好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び張り出し加工性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金を提供することを課題とする。【解決手段】この発明の電子材料用銅合金は、0.5〜3.0質量%のCo、及び0.0〜2.0質量%のNiを含有し、かつSiを質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、圧延方向、圧延方向と45°をなす方向、圧延方向と90°をなす方向の加工硬化指数をそれぞれn0、n45、n90としたとき、n45が0.010〜0.100であり、かつΔn=|n0+n90−2×n45|/(n0+n90)で定義されるΔnの値が0.050〜0.600であり、圧延方向の0.2%耐力が600MPa以上であり、圧延方向の導電率が50%IACS以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子材料用銅合金、電子部品及び電子材料用銅合金の製造方法に関する。
コネクタ、スイッチ、リレー、ピン、端子、リードフレーム等の各種電子部品に使用される電子材料用銅合金には、基本特性として高強度及び高導電性を両立させることが要求される。近年の電子機器の小型化に伴い、これらに搭載される基板やコネクタ等も軽薄化、短小化が進んでおり、銅合金の特性に対する要求レベルはますます高くなっている。特にコネクタを大型化させないために、銅合金としては、600MPa以上の圧延平行方向の0.2%耐力と50%IACS以上の導電率とを有することが望まれる。また母材を種々のコネクタ形状に加工できるよう、銅合金には高い曲げ加工性も要求される。
高い強度、導電性、曲げ加工性を兼備する代表的な銅合金として、コルソン合金と一般に称されるCu−Ni−Si系合金が知られている。この銅合金は、析出硬化型の銅合金であり、銅マトリックス中に微細なNi−Si系金属間化合物粒子を析出させることにより強度と導電性の向上を図っている。またより高い導電性を得るために、Niの一部または全部をCoに置き換えたCu−Co−Ni−Si系合金やCu−Co−Si系合金も提案されている。
そして、従来、コルソン合金としては、例えば特許文献1(特許第5448763号公報)において、コルソン合金のCube方位およびRDW方位の面積率を制御し、強度と曲げ加工性を両立させる技術が記載されている。
また、特許文献2(特許第6310004号公報)においては、Cu−Co−Ni−Si合金のΣ3対応粒界の割合と加工硬化指数を所定の割合に制御し、曲げ加工性を向上させる技術が記載されている。
さらに、特許文献3(特許第5972484号公報)においては、圧延平行方向と垂直方向の加工硬化指数の比、およびCube方位{001}<100>の面積率の板厚方向における平均値を所定の割合に制御することで、曲げ加工性を向上させる技術が記載されている。
加えて、特許文献4(特許第5437519号公報)においては、ランクフォード値rを所定の値に制御することで、絞り加工性を向上させる技術が記載されている。
特許第5448763号公報 特許第6310004号公報 特許第5972484号公報 特許第5437519号公報
ところで、近年コネクタの形状が従来よりもさらに小型化・複雑化しており、銅合金には単純な曲げ加工のみならず、ノッチ曲げ加工や180°密着曲げ加工、たたき曲げ加工などのより厳しい曲げ加工が施される場合もある。また、端子の接点部などに張り出し加工が施される場合もあり、これら多種多様の複雑な加工に対応できるような電子材料用銅合金が要求されている。しかし、上述のような従来の銅合金は、これら多種多様の複雑な加工への要求に対し改善の余地を有していた。
すなわち、特許文献1には強度及び曲げ加工性の改善についての記載があるが、より高度な曲げ加工性が求められる場合、特許文献1に記載の技術では十分な加工が難しいと思われる。また、張り出し加工性に関しては検討されていない。
特許文献2および特許文献3には曲げ加工性の改善についての記載があるが、張り出し加工性については検討されていない。ただし、いずれの文献にも張り出し加工性と相関があると言われる加工硬化指数に関しての記載がある。特許文献2に記載の技術は圧延平行方向の加工硬化指数を一定以上に制御する技術であり、特許文献3に記載の技術は圧延平行方向および圧延垂直方向の加工硬化指数を一定以下に制御する技術である。本発明者は、特許文献2および特許文献3に記載の工程に従って製造した銅合金について、張り出し加工性の検証試験を行ったが、これらは十分といえる張り出し加工性を有していなかった。このことから、圧延平行方向および圧延垂直方向の加工硬化指数のみを制御するだけでは、張り出し加工を含む多種多様の複雑な加工への要求に対応することは難しいと考えられる。
特許文献4に記載の技術においては、一般に張り出し加工性を測る試験であるエリクセン試験において、評価結果が改善していることから、特許文献4に記載の銅合金は一定の張り出し加工性を有すると考えられる。ただし、張り出し高さがより高く、張り出し部の半径が小さいような高度な張り出し加工には十分に対応できないと思われる。また、曲げ加工性については検討されていない。
そこで本発明の一実施態様では、電子材料用途として好適な0.2%耐力及び導電率を有し、曲げ加工性及び張り出し加工性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金、当該電子材料用銅合金を備えた電子部品、並びに、電子材料用銅合金の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討の結果、圧延方向や圧延方向と90°の角度をなす方向の加工硬化指数だけでなく、圧延方向と45°の角度をなす方向の加工硬化指数を同時に制御し、加工硬化指数の異方性を小さくすることで、曲げ加工性と張り出し加工性がともに向上することを見出した。また、溶体化処理と時効処理の間に短時間の熱処理を加えて、各工程条件を調整することで、この圧延方向と45°の角度をなす方向の加工硬化指数を制御できることを見出した。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
本発明の電子材料用銅合金は一実施態様において、0.5〜3.0質量%のCo、及び0.0〜2.0質量%のNiを含有し、かつSiを質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向の加工硬化指数をそれぞれn0、n45、n90としたとき、n45が0.010〜0.100であり、かつΔn=|n0+n90−2×n45|/(n0+n90)で定義されるΔnの値が0.050〜0.600であり、圧延方向の0.2%耐力が600MPa以上であり、圧延方向の導電率が50%IACS以上である。
本発明の電子材料用銅合金は一実施態様において、圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向の0.2%耐力をそれぞれYS0、YS45、YS90としたとき、ΔYS=|YS0+YS90−2×YS45|/(YS0+YS90)で定義されるΔYSの値を0.100以下とすることができる。
本発明の電子材料用銅合金は一実施態様において、さらにCr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnから選択される少なくとも1種類以上を総計で1.0質量%以下含有することができる。
本発明の電子部品は一実施態様において、上記のいずれかの電子材料用銅合金を備える。
本発明の電子材料用銅合金の製造方法は一実施態様において、電子材料用銅合金の製造方法は、0.5〜3.0質量%のCo、及び0.0〜2.0質量%のNiを含有し、かつSiを質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金のインゴットを熱間圧延する熱間圧延工程と、当該熱間圧延工程後の銅合金材料を冷間圧延する冷間圧延工程と、当該冷間圧延工程後の当該銅合金材料を溶体化処理する溶体化処理工程と、当該溶体化処理工程後の当該銅合金材料を予備焼鈍する予備焼鈍工程と、当該予備焼鈍工程後の当該銅合金材料を時効処理する時効処理工程と、を含み、溶体化処理工程において、溶体化処理温度を850〜1025℃、溶体化処理時間を5〜300sec、当該溶体化処理温度から500℃までの冷却速度を30〜100℃/secとし、予備焼鈍工程において、予備焼鈍温度を600℃〜800℃、予備焼鈍時間を5〜100sec、当該予備焼鈍温度から300℃までの冷却速度を15〜80℃/secとし、時効処理工程において、時効処理温度を400〜600℃とし、室温から当該時効処理温度までの昇温速度を5〜20℃/minとする。
本発明の一実施態様によれば、電子材料用途として好適な0.2%耐力及び導電率を有し、曲げ加工性及び張り出し加工性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金、当該電子材料用銅合金を備えた電子部品、並びに、電子材料用銅合金の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の電子材料用銅合金において、当該電子材料用銅合金の圧延面における圧延方向、圧延方向と45°をなす方向、圧延方向と90°をなす方向をそれぞれ示す図である。
以下に、本発明の実施形態(以下、本実施形態とも称す)について詳細に説明する。
本実施形態の電子材料用銅合金(以下、単に銅合金とも称す)は、0.5〜3.0質量%のCo、及び0.0〜2.0質量%のNiを含有し、かつSiを質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向の加工硬化指数をそれぞれn0、n45、n90としたとき、n45が0.010〜0.100であり、かつΔn=|n0+n90−2×n45|/(n0+n90)で定義されるΔnの値が0.050〜0.600であり、圧延方向の0.2%耐力が600MPa以上であり、圧延方向の導電率が50%IACS以上である。
また、本実施形態の銅合金は、より具体的には、各種電子部品への適用に好適な析出硬化型銅合金であるCu−Co−Ni−Si系合金あるいはCu−Co−Si系合金とすることができる。
(Co、Ni、Siの添加量)
Co、NiおよびSiは、適当な熱処理を施すことによりCo2SiやNi2Siとして母相中に析出し、導電率を低下させずに高強度化を図ることができる。ただしCo濃度が0.5質量%未満の場合は、析出硬化が不十分となり、所望とする強度を得ることができない。また、Ni濃度が2.0質量%を超える場合、Co濃度が3.0質量%を超える場合は、十分な強度が得られるものの、導電性や曲げ加工性、熱間加工性が低下する。
NiおよびCoの濃度としては、好ましくは、Niが0.0〜1.7質量%、Coが1.0〜2.5質量%である。
Siの濃度は、質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように調整する。上記割合とすれば、析出硬化後の強度と導電率を共に向上させることができる。上記割合が5.0を超えると、時効処理でのCo2SiやNi2Siの析出が不十分になり、強度が低下する。上記割合が3.0未満であると、Co2SiやNi2Siとして析出しないSiが母相中に固溶し、導電率が低下する。
(Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnの添加量)
Cr、Mn、Sn、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnは、微量の添加で、導電率を損なわずに強度、応力緩和特性等の製品特性を改善することができる。Pは脱酸効果を有し、Bは鋳造組織の微細化効果を有し、Mnは熱間加工性を向上させる効果を有する。添加の効果は主に母相への固溶により発揮されるが、第二相粒子に含有されることで一層の効果を発揮させることもできる。
しかしながら、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnの濃度が総計で1.0質量%を超えると導電率および曲げ特性が低下する恐れがあるうえ、製造性も損なわれることがある。
従って、本実施形態では、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnの添加量は総計で1.0質量%以下であることが好ましい。また、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnの添加量は総計で0.7質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。但し、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnの合計が0.01質量%未満ではその効果が小さい傾向があるので、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnの添加量は、総計で0.01質量%以上であることが好ましい。また、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。
なお、本実施形態において、上記以外の成分である残部は、Cu及び不可避的不純物からなる。ここで、不可避的不純物とは、製造工程中に、材料中への混入が避けられない不純物元素のことを意味する。当該不可避的不純物の濃度としては、例えば0.10質量%以下とすることができ、好ましくは0.05質量%以下である。
(加工硬化指数)
引張試験において、降伏点以上の塑性域における真応力σtと真ひずみεtとの間には、下記の式(1)の関係が成立する。これをn乗硬化則という。
σt=Kεt n (1)
ここで式(1)中のベキ数nを加工硬化指数といい、0≦n≦1の値をとる(須藤一著:材料試験法、内田老鶴圃社、(1976)、p.34)。
本実施形態において、図1に示すように、圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向にJIS Z2241(2011)に準拠して引張試験を行った際の加工硬化指数を、それぞれn0、n45、n90と定義する。ここで加工硬化指数はJIS Z2253(2011)に準拠して算出する。
曲げ加工性及び張り出し加工性に優れたCu−Co−Ni−Si系合金あるいはCu−Co−Si系合金を得るには、圧延方向と45°をなす方向の加工硬化指数n45を制御することが特に重要である。すなわち本発明者は、通常のCu−Co−Ni−Si系合金あるいはCu−Co−Si系合金を用いて張り出し加工を行った際に、圧延方向と45°をなす方向に局所的にくびれが生じ破断しやすいことに着目し、その原因を検討したところ、この圧延方向と45°をなす方向の加工硬化指数n45が相対的に小さいことを明らかにした。そして、加工硬化指数n45が大きくなるように制御することで、良好な張り出し加工性を得ることができた。
また、同時にΔn=|n0+n90−2×n45|/(n0+n90)で定義されるΔnの値を制御することも重要である。すなわち本発明者は、通常のCu−Co−Ni−Si系合金あるいはCu−Co−Si系合金を用いた張り出し加工時に、一様な変形を起こすことができず破断しやすいことに着目し、その原因を検討したところ、加工硬化指数の異方性があること、また異方性の指標であるこのΔnの値が大きいことを明らかにした。そして、上記の加工硬化指数n45の制御とともに、Δnが小さくなるようにも制御することで、良好な張り出し加工性を得ることができた。
具体的には、n45が0.010以上かつΔnが0.600以下であるとき、良好な曲げ加工性および張り出し加工性が得られる。ただしn45が大きすぎる場合には曲げ加工性が低下するので、n45は0.100以下とする。またΔnが小さすぎる場合には強度が低下するので、Δnは0.050以上とする。n45の値は、さらに好ましくは0.015以上0.080以下である。またΔnの値は、さらに好ましくは0.100以上0.500以下である。
なおΔnを示す式の分子は絶対値である。
(0.2%耐力)
図1に示すように圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向の0.2%耐力をそれぞれYS0、YS45、YS90と定義する。ここで0.2%耐力は、引張試験機を用いてJIS Z2241(2011)に準拠して測定する。コネクタ等の所定の電子材料で要求される特性を満たすため、圧延方向の0.2%耐力YS0は600MPa以上、より好ましくは650MPa以上とする。
また、ΔYS=|YS0+YS90−2×YS45|/(YS0+YS90)で定義されるΔYSが0.100以下であることが好ましく、より好ましくは0.090以下である。当該ΔYSの値が0.100以下であるとき、良好な曲げ加工性および張り出し加工性が得られる。
なおΔYSを示す式の分子は絶対値である。
(導電率)
圧延方向の導電率は50%IACS以上とする。これにより、電子材料として有効に用いることができる。導電率はJIS H0505(1975)に準拠して4端子法で測定することができる。圧延方向の導電率は、55%IACS以上であることが好ましい。
(製造方法)
本発明に係るCu−Co−Ni−Si合金の好適な製造方法の例を工程毎に説明する。
(インゴット製造)
溶解鋳造は一般的には大気溶解炉で行うが、真空中又は不活性ガス雰囲気中で行うことも可能である。電気銅を溶解した後に、Co、Ni、Si等各試料の組成に応じて原料を添加し、撹拌後一定時間保持して、所望の組成の溶湯を得る。そして、この溶湯を1250℃以上に調整した後、インゴットに鋳造する。Co、Ni、Si以外、Cr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnから選択される少なくとも1種類以上を総計で1.0質量%以下になるように添加することもできる。
(均質化焼鈍・熱間圧延)
鋳造時の凝固過程では粗大な晶出物が、その冷却過程では粗大な析出物が生成し得る。均質化焼鈍を適切な温度・時間で行った後に熱間圧延を行うことで、これらの第二相粒子を母相に再固溶させる。均質化焼鈍温度が高すぎる場合は材料が溶解する可能性があるため好ましくない。具体的には均質化焼鈍温度は850〜1000℃、均質化焼鈍時間は1〜24hが好ましい。熱間圧延終了後の冷却過程では冷却速度をできるだけ速くし、第二相粒子の析出を抑制するのがよい。具体的には熱間圧延終了後から400℃までの冷却速度は10℃/sec以上が好ましい。
(中間冷間圧延)
熱間圧延工程後のインゴットに対して中間冷間圧延を行う。ここで、中間冷間圧延の圧下率は70〜99%とすることができる。
(溶体化処理)
続いて溶体化処理を行う。溶体化処理において母相にCo、Ni、Siを固溶させる。溶体化処理温度が低すぎると固溶量不足により製品の強度が低下する。また溶体化処理温度が高すぎると結晶粒が粗大化し製品の強度が低下する。そのため、溶体化処理温度は850〜1025℃とする。より好ましくは、溶体化処理温度は900〜1000℃とする。また、溶体化処理時間は5〜300secとすることができる。
溶体化処理温度から500℃までの冷却速度は、30〜100℃/secとする。このようにすることで、溶体化処理において母相に固溶したCo、Ni、Siを微量析出させることができる。この後の予備焼鈍工程、時効処理工程の条件を合わせて調整することで、Co、Ni、Siの析出量や分布などが制御された金属組織を得られる。この冷却速度が30〜100℃/secの範囲外の場合には、n45、Δn、ΔYSを所定の範囲に制御することができない。溶体化処理後の冷却速度は、さらに好ましくは40〜80℃/secとする。溶体化処理後の冷却速度の調整は、例えばAr、N2、H2、Heなどによるガス冷却、水冷により行うことができる。
なお、溶体化処理において、溶体化処理温度までの昇温速度は、特に限定されず、任意に行うことができる。
(予備焼鈍)
溶体化処理に引き続いて短時間の熱処理を行う。この短時間の熱処理をここでは予備焼鈍と呼ぶ。予備焼鈍の目的は、Co、Ni、Siの析出量やその分布の調整であり、この予備焼鈍を長時間にわたって行う場合には所定の金属組織を得ることができない。したがって、この予備焼鈍は短時間の熱処理が可能な連続ラインを用いて通常実施する。予備焼鈍温度は600℃〜800℃とする。この範囲外の場合には、n45、Δn、ΔYSの値を所定の範囲に制御することができない。予備焼鈍温度は、さらに好ましくは650℃〜775℃とする。また、予備焼鈍時間は5〜100secとする。
また、予備焼鈍温度から300℃までの冷却速度は15〜80℃/secとする。予備焼鈍の冷却速度は、さらに好ましくは25〜70℃/secとする。この範囲外の場合には、n45、Δn、ΔYSの値を所定の範囲に制御することができない。予備焼鈍工程後の冷却速度の調整は、例えばAr、N2、H2、Heなどによるガス冷却、または水冷により行うことができる。
なお、予備焼鈍において、予備焼鈍温度までの昇温速度は、特に限定されず、任意に行うことができる。
(時効処理)
次いで時効処理を行う。時効処理を行うことで、適切な大きさの析出物が均一に分布し、所望の強度および導電率が得られる。時効処理温度は、400℃より低いと導電率が低くなり、600℃より高いと強度が低下するので、400〜600℃とする。時効処理温度は、さらに好ましくは450〜550℃とする。なお、この時効処理温度は前述の予備焼鈍温度よりも低く設定する。室温から前述の時効処理温度までの昇温速度は5〜20℃/minとする。これを満たさない場合、所定の析出状態の金属組織を得ることができず、n45、Δn、ΔYSの値を所定の範囲に制御することができない。昇温速度は、さらに好ましくは7〜15℃/minとする。また、時効処理時間は1〜24hとすることができる。時効処理は、酸化被膜の発生を抑制するためにAr、N2、H2等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
なお、時効処理において、室温までの冷却速度は、0.1〜10℃/minとすることができる。
(最終冷間圧延)
時効処理後に引き続いて最終の冷間圧延を行うことができ、当該冷間圧延で、転位を導入し強度上昇をはかる。圧延圧下率が高いほど高強度の材料が得られるが、圧延圧下率が高すぎる場合には曲げ加工性が損なわれる傾向がある。強度と曲げ加工性の良好なバランスを得るために、圧延圧下率を10〜50%とすることができ、好ましくは20〜40%とする。
(歪取焼鈍)
最終の冷間圧延の後、ばね性向上のために歪取焼鈍を行ってもよい。歪取焼鈍の条件は慣用の条件でよいが、具体的には350〜550℃で0.5〜60minとすることができる。
この発明の電子材料用銅合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、更に、この電子材料用銅合金は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子部品等に使用することができる。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
実施例1〜23、比較例1〜23において、表1に示す成分組成の銅合金を、高周波溶解炉を用いて1300℃で溶製し、厚さ150mmのインゴットに鋳造した。次いで、このインゴットに対し900℃で2h均質化焼鈍を行った後、厚さ5mmまで熱間圧延し速やかに水冷を行った。そして、圧下率97%で第1中間冷間圧延を行い、表1に示す条件で溶体化処理、予備焼鈍、時効処理を行った。なお、溶体化処理後、予備焼鈍後は、N2ガスにより冷却を行った。次いで、時効処理後に、圧延圧下率33%の最終冷間圧延を行い、厚さ0.1mmの試料を作製した。
比較例19は、実施例1の製造方法のうち予備焼鈍を行わずに製造した例である。
比較例20は、表1に示す成分組成の銅合金を用いた例であって、特許文献1(特許第5448763号公報)に示される条件に従い、インゴットを900℃で熱間圧延し、圧下率95%の冷間圧延1、500℃で30minの中間焼鈍、圧下率25%の冷間圧延2、950℃で1minの溶体化処理、500℃で2hの時効処理、圧下率15%の仕上げ圧延、400℃で30secの低温焼鈍を順に行い、厚さ0.1mmの試料を作製した。
比較例21は、表1に示す成分組成の銅合金を用いた例であって、特許文献2(特許第6310004号公報)に示される条件に従い、インゴットを900℃で均質化・熱間圧延した後、930℃で15hの第1熱処理、圧下率97.5%の冷間圧延、500℃で5hの第2熱処理、950℃で1minの溶体化処理、500℃で15hの時効処理、圧下率20%の最終圧延、450℃で25minの歪取焼鈍を順に行い、厚さ0.1mmの試料を作製した。
比較例22は、表1に示す成分組成の銅合金を用いた例であって、特許文献3(特許第5972484号公報)に示される条件に従い、インゴットを冷間圧延した後、1000℃で5時間の均質化熱処理、熱間圧延および水冷を順に行い、総圧下率50%の冷間圧延1、総圧下率75%の冷間圧延2、950℃で1minの中間溶体化処理および水冷処理、500℃で2hの時効処理、圧下率15%の冷間圧延3、400℃で3minの最終焼鈍を順に行って、厚さ0.1mmの試料を作製した。
比較例23は、表1に示す成分組成の銅合金を用いた例であって、特許文献4(特許第5437519号公報)に示される条件に従い、インゴットを900℃で熱間圧延し、圧下率96%の初期冷間圧延、600℃で100secの第1焼鈍、圧下率20%の第1冷間圧延、700℃で50secの第2焼鈍、圧下率30%の第2冷間圧延、950℃で1minの溶体化処理、圧下率10%の最終冷間圧延、500℃で5hの時効処理を行い、厚さ0.1mmの試料を作製した。
このようにして得られた各試験片に対し、以下の特性評価を行った。その結果を表2に示す。
(0.2%耐力)
圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向にJIS Z2241(2011)に準拠して引張試験を行い、YS0、YS45、YS90を測定し、ΔYS=|YS0+YS90−2×YS45|/(YS0+YS90)の値を算出した。
(加工硬化指数)
前述したように圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向に引張試験を行い、JIS Z2253(2011)に準拠して加工硬化指数n0、n45、n90を求め、Δn=|n0+n90−2×n45|/(n0+n90)の値を算出した。
(導電率)
JIS H0505(1975)に準拠し、4端子法で圧延方向の導電率(EC:%IACS)を測定した。
(張り出し加工性)
JIS Z2247(2006)に準拠しエリクセン試験を実施し、試料片に亀裂が入るまでの張り出し高さを測定した。試験片は90mm幅×90mm長さとし、潤滑剤にグリスを用い、パンチを押し込む速度は5mm/minとした。より高度な張り出し加工に耐えうる材料の基準として、張り出し高さ(mm)/材料板厚(mm)の値が18以上の場合は張り出し加工性〇、18未満の場合は張り出し加工性×と評価した。
(曲げ加工性)
本発明例および比較例においては、より厳しい条件での曲げ加工を想定し、180°密着曲げ試験により曲げ加工性を評価した。
幅0.5mm、長さ30mmに切り出した試験片を用いて、JIS Z2248(2014)に準拠し180°曲げ加工性を評価した。曲げ半径(R)がR=0となるようにBadway(曲げ軸が圧延方向と平行)方向に170°程度曲げた後、密着するまで試験片の両端を押し曲げて180°曲げを行った。曲げ部分の外面の亀裂の有無を目視判定し、以下の基準で評価した。評価が○であれば、曲げ加工性が良好である。
○:曲げ部分の外面に亀裂が見られない。
×:曲げ部分の外面に亀裂が見られる。
Figure 2021088738
Figure 2021088738
表1、2に示すように、実施例1〜23ではいずれも、溶体化処理、予備焼鈍処理及び時効処理を適切な条件で行ったことにより、好適な0.2%耐力、導電率を有し、優れた曲げ加工性および張り出し加工性を得ることができた。
比較例1〜12、18は溶体化処理、予備焼鈍処理、時効処理のいずれかが本実施形態に係る製造条件を満たさなかった例であり、0.2%耐力、導電率、曲げ加工性、張り出し加工性のいずれかが悪化した。
比較例13〜17は、本実施形態に係る銅合金の組成を満たさないので、0.2%耐力、導電率、曲げ加工性、張り出し加工性のいずれか1つ以上が悪化した。
比較例19は予備焼鈍処理を行わなかった例であり、曲げ加工性および張り出し加工性が悪化した。
比較例20は、特許文献1(特許第5448763号公報)に示される条件に従い製造されたものであり、張り出し加工性および曲げ加工性が悪化した。
比較例21は、特許文献2(特許第6310004号公報)に示される条件に従い製造されたものであり、張り出し加工性が悪化した。
比較例22は、特許文献3(特許第5972484号公報)に示される条件に従い製造されたものであり、張り出し加工性および曲げ加工性が悪化した。特許文献3に記載の曲げ加工性評価用の試験片の幅は0.25mmであるが、本発明では曲げ加工性評価用の試験片の幅は0.5mmとより厳しい条件で曲げ加工を施している。特許文献3に記載の方法ではこのようなより厳しい条件の曲げ加工には対応できないと考えられる。
比較例23は、特許文献4(特許第5437519号公報)に示される条件に従い製造されたものであり、張り出し加工性および曲げ加工性が悪化した。特許文献4に記載の方法ではより高度な張り出し加工には対応できないと考えられる。
このように、本開示によれば、電子材料用途として好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び張り出し加工性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金が得られることがわかる。
本発明によれば、電子材料用途として好適な0.2%耐力及び導電率を有し、曲げ加工性及び張り出し加工性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金、及び当該電子材料用銅合金を備えた電子部品を提供することができる。

Claims (5)

  1. 0.5〜3.0質量%のCo、及び0.0〜2.0質量%のNiを含有し、かつSiを質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、
    圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向の加工硬化指数をそれぞれn0、n45、n90としたとき、n45が0.010〜0.100であり、かつΔn=|n0+n90−2×n45|/(n0+n90)で定義されるΔnの値が0.050〜0.600であり、
    圧延方向の0.2%耐力が600MPa以上であり、
    圧延方向の導電率が50%IACS以上である、電子材料用銅合金。
  2. 圧延方向、圧延面と平行であって圧延方向と45°をなす方向、圧延面と平行であって圧延方向と90°をなす方向の0.2%耐力をそれぞれYS0、YS45、YS90としたとき、ΔYS=|YS0+YS90−2×YS45|/(YS0+YS90)で定義されるΔYSの値が0.100以下である、請求項1に記載の電子材料用銅合金。
  3. さらにCr、Mn、Sn、P、B、Zr、Ti、Mg、Al、Ag、Fe及びZnから選択される少なくとも1種類以上を総計で1.0質量%以下含有する、請求項1又は2に記載の電子材料用銅合金。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子材料用銅合金を備えた、電子部品。
  5. 電子材料用銅合金の製造方法であって、
    前記電子材料用銅合金の製造方法は、0.5〜3.0質量%のCo、及び0.0〜2.0質量%のNiを含有し、かつSiを質量割合で(Ni+Co)/Siが3.0〜5.0となるように含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる銅合金のインゴットを熱間圧延する熱間圧延工程と、
    当該熱間圧延工程後の銅合金材料を冷間圧延する冷間圧延工程と、
    当該冷間圧延工程後の当該銅合金材料を溶体化処理する溶体化処理工程と、
    当該溶体化処理工程後の当該銅合金材料を予備焼鈍する予備焼鈍工程と、
    当該予備焼鈍工程後の当該銅合金材料を時効処理する時効処理工程と、を含み、
    前記溶体化処理工程において、溶体化処理温度を850〜1025℃、溶体化処理時間を5〜300sec、当該溶体化処理温度から500℃までの冷却速度を30〜100℃/secとし、
    前記予備焼鈍工程において、予備焼鈍温度を600℃〜800℃、予備焼鈍時間を5〜100sec、当該予備焼鈍温度から300℃までの冷却速度を15〜80℃/secとし、前記時効処理工程において、時効処理温度を400〜600℃とし、室温から当該時効処理温度までの昇温速度を5〜20℃/minとする、電子材料用銅合金の製造方法。
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