JP2021088256A - 無人航空機 - Google Patents

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【課題】無人航空機の機体についてその強度と軽量化との両立を図る。【解決手段】水平回転翼をそれぞれ支持する複数のアーム部材と、樹脂層が単一方向に積層されてなる積層体である支持部材と、を備え、前記支持部材は中空形状に形成され、前記支持部材にはカーボン長繊維が配合され、前記複数のアーム部材は前記支持部材に直接または他の部材を介して接続されることを特徴とする無人航空機により解決する。【選択図】図8

Description

本発明は無人航空機技術に関する。
下記特許文献1には、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製の板材を組み合わせて構成された胴体を備える無人航空機が開示されている。
特開2018−070079号公報
空中を移動する航空機は、その自重を減らすことが燃費の向上や最大積載量の増加につながる。一方、飛行の安全性を確保するためには、十分な強度を有する機体構造や機体材料を選択する必要がある。
上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、無人航空機の機体についてその強度と軽量化との両立を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明の無人航空機は、水平回転翼をそれぞれ支持する複数のアーム部材と、樹脂層が単一方向に積層されてなる積層体である支持部材と、を備え、前記支持部材は中空形状に形成され、前記支持部材にはカーボン長繊維が配合され、前記複数のアーム部材は前記支持部材に直接または他の部材を介して接続されることを特徴とする。
アーム部材が接続される支持部材には、無人航空機の全備重量を支持可能な強度が必要である。支持部材をカーボン長繊維が配合された樹脂層の積層体とし、さらにこれを中空形状に形成することにより、アーム部材の支持構造についてその強度と軽量化との両立を図ることが可能となる。
また、上記課題を解決するため、本発明の無人航空機は、水平回転翼をそれぞれ支持する複数のアーム部材と、樹脂層が単一方向に積層されてなる積層体である支持部材と、を備え、前記支持部材にはカーボン長繊維が配合され、前記支持部材は、板部および/または柱部により構成されたフレーム体であり、前記板部および/または柱部の少なくとも一部にはその内部に空洞が設けられ、前記空洞内には、板面を水平方向に向けた補強板が形成され、前記複数のアーム部材は前記支持部材に直接または他の部材を介して接続されることを特徴とする。
上記構成により、アーム部材の支持構造についてその強度と軽量化との両立を図ることが可能となる。また、アーム部材を支える支持部材には、飛行中に上下方向の曲げモーメントが加えられる。本発明では、板面を水平方向に向けた補強板が板部等の空洞内に形成されることにより、支持部材の上下方向の曲げモーメントに対する抵抗力が高められる。
このとき、前記補強板は、前記空洞内を平面視したときに三角形格子を形成するように配置されていることが好ましい。補強板を平面視三角形格子状に配置することにより、狭小な空洞であっても比較的高い密度で補強板を配置することが可能となる。
また、本発明の無人航空機おいて、前記カーボン長繊維は、複数の前記樹脂層のいずれかとこれに隣接する他の前記樹脂層との間に配合されていることが好ましい。例えばプリプレグ(炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた半硬化状態のシート)が積層された板材を組み立てて支持部材の形状にしたり、プリプレグを型材に貼りつけて支持部材の形状に成形したりするのではなく、支持部材の積層工程において樹脂層の間にカーボン長繊維を配合することにより、例えば3Dプリンタなどを利用してより簡便に支持部材を製造することが可能となる。
また、本発明の無人航空機においては、前記支持部材は、前記カーボン長繊維の主配向方向が水平となるように配置され、前記複数のアーム部材は、前記支持部材の、前記カーボン長繊維の主配向方向における両端に直接または他の部材を介して接続されることが好ましい。水平に配向されたカーボン長繊維の主配向方向における両端にアーム部材が接続されることにより、支持部材の上下方向の曲げモーメントに対する抵抗力が高められ、アーム部材をより安定して支持することが可能となる。
また、本発明の無人航空機は、前記支持部材が水平方向に貫通した穴部を有し、前記穴部の貫通方向を前記支持部材の長さ方向、該長さ方向に直交する方向を前記支持部材の幅方向というときに、前記支持部材は、その長さ方向における両端の開口面積が、前記穴部を幅方向に切断したときの最大断面積よりも小さい構成としてもよい。例えばアルミブロックの切削などでは成形困難な形状であっても、樹脂層の積層により支持部材を構成することにより、支持部材の形状の自由度が高められる。
以上のように、本発明の無人航空機によれば、無人航空機の機体についてその強度と軽量化との両立を図ることが可能となる。
実施形態にかかるマルチコプターの斜視図である。 アームが展開されたマルチコプターの平面図である アームが折り畳まれたマルチコプターの平面図である アームの接続構造を示す透視斜視図である。 第1アームおよび第2アームの展開および固定の手順を示す部分拡大図である。 固定具の構造を示す斜視図である。 コアフレームの斜視図である。 コアフレームに配合されたカーボン長繊維の配合位置および配向方向を示す模式図である。 コアフレームを構成する柱部および板部の内部構造を示す平面視透視図である。 マルチコプターの機能構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に示す実施形態は、複数のロータを備える無人航空機であるマルチコプター10についての例である。なお、以下の説明における「上」および「下」とは、各図に描かれた座標軸のZ軸に平行な方向であって、Z1側を上、Z2側を下とする。「水平」とは同座標軸におけるX−Y平面をいう。マルチコプター10について「周方向」とは、マルチコプター10を平面視したときの時計回りまたは反時計回り方向をいう。
[構成概要]
図1−図3は、本実施形態にかかるマルチコプター10の外観を示す図である。図1はマルチコプター10の斜視図、図2はマルチコプター10の平面図である。図1および図2のマルチコプター10はアーム12が展開され、飛行準備が整った状態にある。図3は、運搬または保管のためにマルチコプター10のアーム12を折り畳んだ状態を示す平面図である。なお、以下の説明において、アーム12について「展開する」とは、マルチコプター10が飛行可能な状態にアーム12を配置することをいい、アーム12について「折り畳む」とは、アーム12をマルチコプター10の運搬または保管に適した状態に配置することをいう。
マルチコプター10は、機体の中心部である胴部11と、胴部11から水平に延びる4本のアーム部材であるアーム12と、各アーム12の先端に取り付けられた水平回転翼であるロータ13と、を有するクアッドコプターである。
胴部11はその内部に制御機器やバッテリー等が収容されるケース体である。胴部11の上面には持ち手であるハンドル111が一体化されており、マルチコプター10を持ち運ぶ際の利便性が高められている。胴部11の正面(前面)には姿勢安定化装置にマウントされたカメラ93が取り付けられている。操縦者はカメラ93で撮影した映像を手元で確認しながらマルチコプター10を操縦することができる。また、胴部11の左右の側面にはアーム12が接続されるアルミ製のアームホルダ112が一基ずつ設けられている。
左右のアームホルダ112にはそれぞれ、一対のアーム12である第1アーム40および第2アーム50が接続されている。すなわち本形態のアーム12は二組の第1アーム40および第2アーム50により構成されており、これら各組が胴部11の左右にそれぞれ接続されている。マルチコプター10を飛行させる際にはこれらアーム12は平面視X形状に展開される(図1および図2を参照)。マルチコプター10を運搬または保管する際には、これらアーム12は、第1アーム40および第2アーム50の各組が前後に一直線となるように折り畳まれる(図3を参照)。なお、本形態のロータ13は、モータ131とその出力軸に装着された折り畳み式のプロペラ132により構成されており、マルチコプター10を運搬または保管する際には、アーム12を折り畳んだ上でプロペラ132も各アーム12の軸線方向に沿うように折り畳まれる。これによりマルチコプター10は全体として細長形状に折り畳まれる。
第1アーム40および第2アーム50の基端部とアームホルダ112とはヒンジ機構を構成しており、第1アーム40および第2アーム50はアームホルダ112との接続部を回転中心として互いに接近/離間する方向へ旋回することができる。
なお、本形態のアームホルダ112は胴部11の前後方向における中心よりも前側に偏った位置に配置されている。本形態のマルチコプター10は胴部11から前方にカメラ93が突き出した機体構造を採用しているため、機体の重心が胴部11の中心よりも前側に存在する。アームホルダ112の位置が機体の重心から離れている場合、機体を水平に維持する際のロータ13の負担が偏り、所定方向への舵が利きにくくなるおそれがある。本形態では、アームホルダ112を胴部11の中心よりも前側に配置することにより、ロータ13の負担の均衡を図っている。なお、胴部11のハンドル111も機体の重心を考慮して胴部11の中心よりも前側に配置されている。
第1アーム40および第2アーム50は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製の円筒パイプ材である主軸部41,51と、主軸部41,51の基端部を保持するアルミ製の筒状部であるソケット部42,52と、を有している(ソケット部52については図3を参照)。アームホルダ112にはソケット部42,52が接続されている。主軸部41,51の先端にはアルミ製のモータマウント121が装着され、ロータ13はモータマウント121にねじ固定されている。また、主軸部41,51にはそれぞれ、着陸時の脚部であるランディングギア122と、操縦者との通信を行うアンテナを保持するアンテナホルダ94とが装着されている。なお、本形態のアンテナホルダ94には、操縦者からの操縦信号の受信やテレメトリー情報の送信を行う2.4GHz帯のアンテナと、主にカメラ93で取得した映像信号を転送する5GHz帯のアンテナの2種類のアンテナを保持する。
[アームの展開構造]
以下、マルチコプター10のアーム12の展開構造について説明する。上でも述べたように、第1アーム40および第2アーム50とアームホルダ112とはヒンジ機構を構成しており、第1アーム40および第2アーム50は、アームホルダ112との接続部を回転中心として周方向に水平に旋回させることができる。マルチコプター10を飛行させる際にはアーム12を平面視X形状に展開し、その展開位置を固定具60により固定する。また、マルチコプター10を運搬または保管する際にはマルチコプター10がその全体として細長形状となるようにアーム12を折り畳む。
第1アーム40は第2アーム50側に突き出した凸部である位置決め片43(図3参照)を有している。本形態の位置決め片43はアルミ製の小片であり、第1アーム40のソケット部42に設けられている。位置決め片43は、第1アーム40と第2アーム50とを所定の相対角度まで接近させたときに第2アーム50の外面に接触する。固定具60は、位置決め片43が第2アーム50と接触した状態で位置決め片43と第2アーム50とを分離不能に固定する。
本形態のマルチコプター10は、第1アーム40に第2アーム50側に突き出した凸部(位置決め片43)を設け、その位置決め片43と第2アーム50とを固定具60で結合することにより、2本の可動アーム(第1アーム40および第2アーム50)の相対位置を一つの固定具60で、かつ一度の結合作業で固定することが可能とされている。これにより、機体構造の複雑化や飛行準備の作業負担を抑えつつ、マルチコプター10の可搬性およびスペース効率が高められている。
図4は、アーム12の接続構造を示す透視斜視図である。胴部11内には、アーム12と胴部11とを接続し、機体全体の重量を支える支持部材であるコアフレーム30が配置されている。コアフレーム30は略角筒形状の枠体であり、カーボン長繊維が配合された樹脂層が積層されてなる高剛性部材である。アームホルダ112はコアフレーム30の左右の端面に接合されており、コアフレーム30のカーボン長繊維はその主たる配向方向が左右となるように配合されている。
図5は、第1アーム40および第2アーム50の展開および固定の手順を示す部分拡大図である。図6は固定具60の構造を示す斜視図である。以下、図5および図6を参照してアーム12の展開構造についてより詳細に説明する。
図5(a)は、マルチコプター10のアーム12が折り畳まれている状態を示す図である。このとき第1アーム40および第2アーム50はその軸線aが一直線となるように配置されている。なお、本形態の位置決め片43はねじ431でソケット部42に接合されている。
マルチコプター10では、機体の運搬時や保管時に第1アーム40と第2アーム50とが一直線になるように折り畳むことで、これらアーム40,50の展開時におけるアーム40,50間のデッドスペース(図2参照)が開放される。これにより機体が占拠する空間がその全体として縮小される。例えば本形態のマルチコプター10では機体が細長形状に折り畳まれ、(図3参照)その可搬性やスペース効率が高められる。ただし本発明の第1アームおよび第2アームの折り畳み方は本形態の方法には限られず、その無人航空機の運搬方法や保管方法に応じて適宜変更してよい。胴部に対する第1アームおよび第2アームの接続方法や、位置決め片および固定具の構造を工夫することにより、第1アームおよび第2アームの両方を胴部に対して前後・左右・上下の同方向に折り畳むことも可能と考えられる。
図5(b)は、位置決め片43が第2アーム50に接触した状態を示す図である。本形態の位置決め片43は、第1アーム40および第2アーム50の軸線aが交わる角度θが略直角となる位置で第2アーム50に接触する。これにより胴部11に対するロータ13配置の偏りが軽減され、マルチコプター10の飛行動作がより安定する。
第2アーム50のソケット部52には、位置決め片43が嵌入される凹部521が形成されている。本形態では第2アーム50の外面に位置決め片43を嵌入させることにより、位置決め片43を第2アーム50に接触させるとともに、第2アーム50の外面の凹凸を軽減している。これにより、後述する一般的な構造の固定具60を使って位置決め片43と第2アーム50とを固定することが可能とされている。
また、本形態の位置決め片43は、第1アーム40および第2アーム50の両方が胴部11に対してそれぞれ所定の角度に配置されたときに第2アーム50に接触する。位置決め片43によって第1アーム40および第2アーム50の相対角度を定めるだけでなく、同時に、胴部11に対する第1アーム40および第2アーム50の延出方向も一に定めることにより、アーム12をより速やかに、かつ高い精度で展開することができる。例えば、第1アーム40および第2アーム50をその上下方向における位置を違えて配置し、これらの回転中心を同軸に重ねる場合、第1アーム40および第2アーム50の相対角度を固定するだけでは胴部11に対するこれらアーム40,50の延出方向は固定されない。本形態では第1アーム40および第2アーム50が同一水平面上に配置され、さらに位置決め片43によりこれらアーム40,50の相対角度が固定されることで、胴部11に対するアーム40,50の延出方向も一に定められる。
図5(c)は、固定具60により位置決め片43と第2アーム50とを固定した状態を示す図である。図6に示すように、本形態の固定具60は、スリット611が設けられた筒部61と、スリット611の幅を狭めるように筒部61を締め付ける締結部であるねじ62およびレバー63と、を有するアルミ製のクランプ部材である。固定具60の筒部61は第2アーム50に装着されている。筒部61はその軸線方向における一端に、ねじ穴が形成された肉厚のリブであるクランプ部612を有しており、ねじ62はクランプ部612のねじ穴に差し込まれている。なお、クランプ部612のねじ穴の雌ねじはスリット611を境界として下側の部分にのみ形成されてる。
図5(b)の状態から、固定具60をその筒内61に位置決め片43を収めるようにスライドさせ、ねじ62を締め、レバー63を倒してクランプ部612の上側の部分をさらに押し下げつつロックする。これにより筒部61が締め付けられ、位置決め片43と第2アーム50とが分離不能に固定することができる。
本形態では位置決め片43とこれを保持するソケット部42がアルミ製であり、固定具60もアルミ製の部材である。そのため、位置決め片43が小片であっても第1アーム40と第2アーム50とは強固に固定される。
なお、本形態のソケット部42,52は同一の部品である。ソケット部52には位置決め片43は接合されないが、ソケット部52には位置決め片43のボルト431用のねじ穴が形成されている。また、ソケット部52の凹部521に相当する凹部はソケット部42にも設けられている。ソケット部42の凹部は固定具60のクランプ部612を逃がすスペースとして利用されている。ソケット部42,52を共通部品とすることによりマルチコプター10の部品効率が高められている。
また、固定具60はマルチコプター10の運搬時や保管時にも第2アーム50に装着したままにすることができる。これにより固定具60をマルチコプター10の機体とは別に管理したり持ち運んだりする手間がなくなり、固定具60の紛失が防止されるだけでなく、飛行準備の作業負担も軽減される。特に、本形態では工具を用いることなく締結部(ねじ62およびレバー63)を操作できるため、飛行準備の作業負担がさらに軽減されている。
なお、本発明の固定具の形態は固定具60のようなクランプ部材には限られない。例えば、固定具をその内周面に雌ねじが形成された筒状体とし、第2アーム50のソケット部52の外周面に雄ねじを形成し、固定具をその筒内に位置決め片43を収めるように第2アーム50に螺合することで位置決め片43と第2アーム50とを分離不能に固定することも考えられる。
[コアフレーム]
図7は本形態のコアフレーム30の斜視図である。図8はコアフレーム30に配合されたカーボン長繊維36の配合位置および配向方向を示す模式図である。図9は、コアフレーム30を構成する柱部32および板部33の内部構造を示す平面視透視図である。以下図7から図9を参照して本形態のコアフレーム30の構造について説明する。
上でも述べたように、コアフレーム30は、アーム12と胴部11とを接続(一体化)し、機体全体の重量を支える支持部材である。本形態のコアフレーム30は、柱部32および板部33により構成された略角筒形状の枠体である。なお、柱部32と板部33は厳密には区別されず、枠体であるコアフレーム30の骨格を構成する棒状の部分(柱部32)や壁状の部分(板部33)という程度の意味である。コアフレーム30の上面30aおよび下面30bにはそれぞれ、略矩形状の3つの開口341が左右に並べて設けられている。同様に、コアフレーム30の左右の面30cにもそれぞれ、略矩形状の3つの開口342が左右に並べて設けられている。コアフレーム30の前後の面30dにはその中央に円形の開口343が設けられている。また、コアフレーム30の外面には、他の部材のボス等が嵌合される複数の凹部39が形成されている。なお、ここでいう「枠体」とは、いわゆるフレーム体であり、外形や強度を確保するための骨格を残しつつ他の部分を省略した構造体である。
本形態のコアフレーム30は、カーボン長繊維36を配合可能な3Dプリンタを使って樹脂層を上下に積層することで成形されている。図8(a)は、コアフレーム30内におけるカーボン長繊維36の配合位置を示す側面視透視図である。図8(a)に示すように、本形態のコアフレーム30では、その上面30aの近傍の層、および下面30bの近傍の層にのみカーボン長繊維36が配合されている。図8(b)は、カーボン長繊維36の配向方向を示す平面視透視図である。なお図8(b)は、コアフレーム30の上面30a近傍に配合されたカーボン長繊維36の配向方向を示しているが、コアフレーム30の下面30b近傍に配合されるカーボン長繊維36についてもその配向方向は同様である。図8(b)に示すように、本形態のカーボン長繊維36は、コアフレーム30の上面30aに形成された開口341や、コアフレーム30の前後左右の面30c,30dに沿って水平に、その主配向方向が左右方向となるように配向している。そしてマルチコプター10のアーム12は、コアフレーム30の左右の面30dに、すなわちカーボン長繊維36の主配向方向における両端の面に接続されている。なお、ここでいう「主配向方向」とは、配合されたカーボン長繊維36の繊維方向のうち、その全体に占める割合が最も大きな方向をいう。
図8(c)は、図8(b)のA−A断面図の一部である。図8(c)に示すように、本形態のカーボン長繊維36は、コアフレーム30の上面30a近傍および下面30b近傍の層において、一の樹脂層31とこれに隣接する他の樹脂層31との間に配合されている。例えばプリプレグ(炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた半硬化状態のシート)が積層された板材を組み立ててコアフレーム30の形状にしたり、プリプレグを型材に貼りつけてコアフレーム30の形状に成形したりするのではなく、3Dプリンタによるコアフレーム30の積層工程において樹脂層31の間にカーボン長繊維36を配合することにより、簡便にコアフレーム30を製造することが可能とされている。
アーム12が接続されるコアフレーム30には、マルチコプター10の全備重量を安定して支持可能な強度が必要である。本形態のマルチコプター10は、コアフレーム30を樹脂層31の積層体とし、さらにこれを柱部32および板部33により構成された中空の枠体とすることにより、アルミ等の金属材料でこれを構成する形態に比べてアーム12の支持構造を軽量化している。そして、コアフレーム30にカーボン長繊維36を配合し、その主配向方向における両端にアーム12を接続することによりコアフレーム30に必要な強度を確保している。なお、コアフレーム30の形状は本形態の角筒形状には限られず、また、枠体にも限られない。コアフレーム30の形状は、例えば、中空の立方体や直方体、円柱などであってもよく、その他、柱部や板部を組み合わせて構成された複雑な形状であってもよい。また、本形態ではカーボン長繊維36の主配向方向における両端にアーム12が接続されているが、曲げモーメントに対するコアフレーム30の強度が十分である場合にはアーム12の接続位置は任意である。
また、図9に示すように、柱部32および板部33は、その内部に空洞が設けられた中空体である。本形態ではこれによりコアフレーム30のさらなる軽量化が図られている。そして、柱部32および板部33の空洞内には、板面を水平方向に向けた補強板35が形成されている。補強板35は、空洞内を平面視したときに三角形格子を形成するように配置されている。アーム12を支持するコアフレーム30には、飛行中に上下方向の曲げモーメントが加えられる。本形態のマルチコプター10は、板面を水平方向に向けた補強板35が柱部32および板部33の内部に形成されることにより、コアフレーム30の上下方向の曲げモーメントに対する抵抗力が高められている。また、本形態では補強板35を平面視三角形格子状に配置することにより、狭小な空洞であっても比較的高い密度で補強板を配置することが可能とされている。なお、補強板35の構造は本形態の三角形格子には限られず、補強板35の板面が水平方向に向けられることを条件として、例えば補強板35をハニカム構造に配置したり、補強板35を幾重にも平行に並べて配置したりしてもよい。
また、図7に示すように、コアフレーム30は、左右に貫通した穴部である筒穴hを有している。筒穴hの貫通方向(左右)をコアフレーム30の長さ方向、その長さ方向に直交する方向をコアフレーム30の幅方向としたときに、コアフレーム30は、その長さ方向における両端に形成された開口343の開口面積C1が、筒穴hを幅方向に切断したときの最大断面積C2よりも小さい。このように、例えばアルミブロックの切削加工などでは成形困難な形状であっても、樹脂層31の積層によりコアフレーム30を構成することにより、その形状の自由度が高められている。
[その他の機能構成]
図10はマルチコプター10の機能構成を示すブロック図である。マルチコプター10の機能は、制御部であるフライトコントローラFC、4基のロータ13、操縦者(オペレータ端末91)と通信を行う通信装置92、外部装置である正面カメラ93、および、これらに電力を供給する図示しないバッテリーにより構成されている。
フライトコントローラFCは制御装置20を有している。本形態の制御装置20は、中央処理装置であるCPUと、RAMやROM・フラッシュメモリなどの記憶装置からなるメモリとを有するマイクロコントローラである。制御装置20は単体のマイクロコントローラには限られずいわゆるコンパニオンコンピュータとの組み合わせであってもよい。その他、制御装置20を例えばFPGA(field-programmable gate array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成することも考えられる。
フライトコントローラFCはさらに、IMU21(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)、GPS受信器22、気圧センサ23、下方に向けられたレーザ測距センサ24、および電子コンパス25を含む飛行制御センサ群Sを有しており、これらは制御装置20に接続されている。
IMU21はマルチコプター10の機体の傾きを検出するセンサであり、主に3軸加速度センサおよび3軸角速度センサにより構成されている。気圧センサ23は、検出した気圧高度からマルチコプター10の海抜高度(標高)を算出する高度センサである。本形態では気圧センサ23に加え、レーザ測距センサ24により対地高度も取得されている。これにより、気圧変化による飛行高度の誤差を補正することが可能とされている。本形態の電子コンパス25には3軸地磁気センサが用いられている。電子コンパス25はマルチコプター10の機首の方位角を検出する。GPS受信器22は、正確には航法衛星システム(NSS:Navigation Satellite System)の受信器である。GPS受信器22は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)または地域航法衛星システム(RNSS:Regional Navigational Satellite System)から現在の経緯度値を取得する。フライトコンローラFCは、これら飛行制御センサ群Sにより、機体の傾きや回転のほか、飛行中の経緯度、高度、および機首の方位角を含む自機の位置情報を取得することが可能とされている。
制御装置20は、マルチコプター10の飛行時における姿勢や基本的な飛行動作を制御するプログラムである飛行制御プログラムFSを有している。飛行制御プログラムFSは、飛行制御センサ群Sから取得した情報を基に個々のロータ13の回転数を調節し、機体の姿勢や位置の乱れを補正しながらマルチコプター10を飛行させる。なお、本形態のプロペラ132は固定ピッチプロペラであり、制御装置20はESC(Electronic Speed Controller)を介してモータ131の回転数を制御することで操舵を行うが、例えば可変ピッチプロペラからなるロータを搭載し、ピッチ変更機構で個々のロータのピッチ角を変更することにより操舵を行う構成としてもよい。
制御装置20はさらに、マルチコプター10を自律飛行させるプログラムである自律飛行プログラムAPを有している。そして、制御装置20には、マルチコプター10の目的地や経由地の経緯度、飛行中の高度や速度などが指定されたパラメータである飛行計画FPが登録されている。自律飛行プログラムAPは、オペレータ端末91からの指示や所定の時刻などを開始条件として、飛行計画FPに従ってマルチコプター10を自律的に飛行させることができる。
このように、本形態のマルチコプター10は高度な飛行制御機能を備えた無人航空機である。ただし、本発明の無人航空機はマルチコプター10の形態には限定されず、例えば飛行制御センサ群Sから一部のセンサが省略された機体や、自律飛行機能を備えず手動操縦のみにより飛行可能な機体を用いることもできる。逆にさらに機能を追加することも可能である。例えば、機体の水平位置を検出するセンサとして、上述のGPS受信器22に加えオプティカルフローセンサを併用することで、GPS信号の届かない屋内においてもマルチコプター10を自律飛行させることが可能になる。その他、機体とその周辺物との位置関係を特定する超音波センサや深度カメラ、ライダ(LIDAR:Light Detection and Ranging)などを備えることでマルチコプター10の安全性や用途を広げることができる。また、例えば通信装置92に3GやLTE、5Gモジュールを搭載することで、そのサービスエリア内であれば遠方からでもマルチコプター10を操作することが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
10:マルチコプター(無人航空機),11:胴部,112:アームホルダ,12:アーム(アーム部材),13:ロータ(水平回転翼),FC:フライトコントローラ,30:コアフレーム,31:樹脂層,32:柱部,33:板部,341,342,343:開口,h:筒穴(穴部),35:補強板,36:カーボン長繊維,39:凹部,C1:開口面積,C2:断面積,91:オペレータ端末,92:通信装置

Claims (6)

  1. 水平回転翼をそれぞれ支持する複数のアーム部材と、
    樹脂層が単一方向に積層されてなる積層体である支持部材と、を備え、
    前記支持部材は中空形状に形成され、
    前記支持部材にはカーボン長繊維が配合され、
    前記複数のアーム部材は前記支持部材に直接または他の部材を介して接続されることを特徴とする無人航空機。
  2. 水平回転翼をそれぞれ支持する複数のアーム部材と、
    樹脂層が単一方向に積層されてなる積層体である支持部材と、を備え、
    前記支持部材にはカーボン長繊維が配合され、
    前記支持部材は、板部および/または柱部により構成された枠体であり、
    前記板部および/または柱部の少なくとも一部にはその内部に空洞が設けられ、
    前記空洞内には、板面を水平方向に向けた補強板が形成され、
    前記複数のアーム部材は前記支持部材に直接または他の部材を介して接続されることを特徴とする無人航空機。
  3. 前記補強板は、前記空洞内を平面視したときに三角形格子を形成するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の無人航空機。
  4. 前記カーボン長繊維は、複数の前記樹脂層のいずれかと、これに隣接する他の前記樹脂層との間に配合されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の無人航空機。
  5. 前記支持部材は、前記カーボン長繊維の主配向方向が水平となるように配置され、
    前記複数のアーム部材は、前記支持部材の、前記カーボン長繊維の主配向方向における両端に直接または他の部材を介して接続されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無人航空機。
  6. 前記支持部材は水平方向に貫通した穴部を有し、
    前記穴部の貫通方向を前記支持部材の長さ方向、該長さ方向に直交する方向を前記支持部材の幅方向というときに、前記支持部材は、その長さ方向における両端の開口面積が、前記穴部を幅方向に切断したときの最大断面積よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無人航空機。

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