JP2021087909A - 表面処理器具と表面処理器具集合体と表面処理装置と表面処理方法 - Google Patents

表面処理器具と表面処理器具集合体と表面処理装置と表面処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】対象物の表面処理を効率よく合理的に実施するための技術を提供する。【解決手段】乾燥気体・湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系18から受けたりその供給された噴射用流体を表面処理対象物Wに向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管11と、回転駆動系41からの回転動力を流体噴射管11に伝えるための伝動用部品21とを備えている。流体供給系18からの噴射用流体を流入させるための流体流入部(導入口12)が流体噴射管11における先端部以外の部位に形成されており、その流入流体を噴射するための複数のノズル13が流体噴射管11の先端部に分岐状に設けられている。伝動用部品21が流体噴射管11の外周部に取り付けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、各種の物品や物体についてその表面を処理するための技術分野に属するものであり、しかもそれは、気体・液体・気液混合体・蒸気・ミスト・粉体・粒体・粉粒体やその他で代表される流体のうちのいずれか一つまたは複数を用いて物品の表面や物体の表面を処理するための技術的手段に関するものである。より具体的にいうと、本発明は、物品の表面や物体の表面を処理するための表面処理器具と表面処理器具集合体と表面処理装置と表面処理方法に関するものである。
本発明に係る表面処理器具、本発明に係る表面処理器具集合体、本発明に係る表面処理装置、本発明に係る表面処理方法は、清掃・消毒・塗布・湿潤・含液・濡らし・払拭・冷却・加熱・供給など各種の処理に適用することができる。それはたとえば、フィルム・ラミネートフィルム・シート・ラミネートシート・プラスチック製薄板・プラスチック製薄型合板・半導体基板・プリント基板・木製薄板・薄型木版・木製薄型合板・金属製薄板・金属製薄型合板・金属箔・板ガラス・セラミック板・紙・板紙等の薄形状物体やその他の薄形状物体(積層構造のものも含む)について上記の各処理作業を行うことができ、さらに、棒状物・ブロック状物・構造物・異形形状物等の物品や物体についても上記の各処理作業を行うことができるものである。
清浄な空気など気体の流動性を利用して処理対象物の表面を清浄化するというクリーニング装置が下記の特許文献1に開示されている。この場合の処理対象物については、単に対象物という呼び方があるほか、噴射対象物・除塵対象物・清浄化対象物・被噴射物・表面処理対象物などのような種々の呼び方がある。
特許文献1のクリーニング装置は、薄形状物体の表面を安定・高品質・高能率にクリーニングすることができ、しかも、それが簡潔で安価に実施できるというのである。しかしながらこの文献記載のクリーニング装置は、薄形状物体に付着している塵などをクリーニング機構の粘着ローラで粘着除去するものであるため、汚れの増した粘着ローラを新規粘着ローラと定期的に交換しなければならい煩わしさがあった。これ以外にも、薄形状物体を搬送するための搬送機構が大掛かりなものになるという難点もあった。
これに対し下記の特許文献2に開示されたスピンノズルによるときは、薄形状物体に付着している塵などをエアーの噴射力で除塵することができる。このスピンノズル除塵方式の場合、粘着ローラ除塵方式(特許文献1)とは異なり、既述の煩わしいローラ交換がないのでメンテナンス上の負担が軽減される。
特許文献2のスピンノズル(パイプノズルとも称される)についていうと、これはノズル先端の噴射口がノズル回転軸に対して斜めに指向しているものである。特許文献2のスピンノズルでは、かかるノズル構成とすることにより、エアー噴射にともなってノズル自身が自動旋回するのである。さらにいうと、この場合のスピンノズルの回転速度は、これに供給するエアーの圧力や単位時間あたりエアー流量に依存する。つまり、エアー圧力やエアー流量を増した場合にはスピンノズルが増速回転することとなり、逆に、エアー圧力やエアー流量を減じた場合にはスピンノズルが減速回転することとなる。
上述した特許文献2のスピンノズルには、いくつかの改善の余地が残されている。それは下記の<01>〜<05>のようなものである。
<01> スピンノズルの回転速度がこれに供給するエアー圧力やエアー流量に依存するものであるため、ノズル低速回転での高圧エアー噴射とか、ノズル高速回転での低圧エアー噴射とかのような回転噴射態様をとることができない。ゆえに、除塵対象物の状況に応じた細やかな除塵作業が行いがたいものになる。
<02> ノズル先端の斜めに指向した噴射口がスピンノズルの回転方向を決定づけている。すなわちスピンノズルは、右回転(時計回り)のみ、または、左回転(反時計回り)のみのように一定方向に回転するだけである。これはスピンノズルの回転方向について随時切り替えや定時切り替えができないということである。もちろんこれも、除塵対象物の状況に応じた細やかな除塵作業を行いがたいものにする。
<03> スピンノズルからのエアー噴射によるときは、その噴射エアーの除塵作用でこの処理を受ける処理対象物が清浄化される。端的にいってこれは、噴射エアーのみによる除塵処理である。それゆえ、噴射エアーで除去することが困難な汚れなどには対処することができず、その適用範囲が限られてしまう。
<04> スピンノズルのエアー噴射とノズル回転とは一体不可分のものである。ゆえに、スピンノズルの停止状態(非回転状態)においてエアー噴射をすることができず、逆には、スピンノズルの回転状態を維持しつつエアー噴射状態のみを停止することもできないのである。このタイプのものは、さらに、スピンノズルを非回転状態にして特定方向へ集中的にエアー噴射するようなこともできない。
<05> スピンノズルは上述のようにエアーを噴射するだけのものである。しかもこれに関する従来の技術文献等には、他の手段を併用するなどして除塵機能をさらに高めるという技術開示がない。したがって現状は、より高機能の除塵手段を具現する上での技術示唆やインセンティブがとぼしい状況にあるといえる。
上述のような先行技術の課題を解決するための表面処理手段については、安全処理・安定処理・高精度処理・的確な処理・高性能処理・高速処理なども満足させることが要求される。
特開2015−202471号公報 特開2001−054747号公報
本発明は既述の技術課題に鑑み、処理対象物の表面処理を安全で効率よく合理的に実施することのできる表面処理器具と表面処理器具集合体と表面処理装置と表面処理方法を提供しようとするものである。
本発明に係る表面処理器具と表面処理器具集合体と表面処理装置と表面処理方法は、所期の目的を達成するための課題解決手段として、下記の第1項〜第14項に記載された技術内容を特徴とするものである。
[第1項]
湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系から受けたりその供給された噴射用流体を被噴射物に向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管と、回転駆動系からの回転動力を前記流体噴射管に伝えるための伝動用部品とを備えていること、および、
前記流体供給系からの前記噴射用流体を流入させるための流体流入部が前記流体噴射管における先端部以外の部位に形成されており、かつ、その流入流体を噴射するための複数のノズルが前記流体噴射管の先端部に分岐状に設けられていること、および、
前記伝動用部品が前記流体噴射管の外周部に取り付けられて前記流体噴射管と前記伝動用部品とが互いに組み合わされていること
を特徴とする表面処理器具。
[第2項]
湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系から受けたり供給された噴射用流体を表面処理対象物に向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管と、表面処理対象物に接触させるための変形自在な接触部材とを備えていること、および、
前記流体供給系からの前記噴射用流体を流入させるための流体流入部が前記流体噴射管における先端部以外の部位に形成されており、かつ、その流入流体を噴射するための複数のノズルが前記流体噴射管の先端部に分岐状に設けられていること、および、
前記接触部材が前記流体噴射管の前記各ノズル側にそれぞれ取り付けられて前記流体噴射管と前記接触部材とが互いに組み合わされていること、および、
前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射される前記噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動するものであること
を特徴とする表面処理器具。
[第3項]
湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系から受けたりその供給された噴射用流体を表面処理対象物に向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管と、回転駆動系からの回転動力を前記流体噴射管に伝えるための伝動用部品と、表面処理対象物に接触させるための変形自在な接触部材とを備えていること、および、
前記流体供給系からの前記噴射用流体を流入させるための流体流入部が前記流体噴射管における先端部以外の部位に形成されており、かつ、その流入流体を噴射するための複数のノズルが前記流体噴射管の先端部に分岐状に形成されていること、および、
前記伝動用部品が前記流体噴射管の外周部に取り付けられて前記流体噴射管と前記伝動用部品互いに組み合わされていること、および、
前記接触部材が前記流体噴射管の前記各ノズル側に取り付けられて前記流体噴射管と前記接触部材とが互いに組み合わされていること、および、
前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射される前記噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動するものであること
を特徴とする表面処理器具。
[第4項]
前記伝動用部品がマグネット式のものからなる前記第1項または前記第3項に記載された表面処理器具。
[第5項]
前記流体噴射管に取り付けられた前記接触部材が天然繊維・合成繊維・混紡繊維のうちから選択されたいずれかの繊維を含むものである前記第2項または前記第3項に記載された表面処理器具。
[第6項]
前記流体噴射管に取り付けられた前記接触部材が組紐からなり、その先端部が解繊されている前記第2項ないし前記第4項のいずれかに記載された表面処理器具。
[第7項]
前記噴射用流体が粉体および/または粒体を含むものである前記第1項ないし前記第6項のいずれかに記載された表面処理器具。
[第8項]
前記流体噴射管が連続回転および/または間欠回転するものである前記第1項ないし前記第7項のいずれかに記載された表面処理器具。
[第9項]
前記第1項ないし前記第8項のいずれかに記載された表面処理器具を複数備えていること、および、
複数の前記表面処理器具が横列・縦列・斜め配列・山形配列・谷形配列・千鳥状配列・ランダム配列のうちのいずれかの配列態様を保持して組み合わされていること
を特徴とする表面処理器具集合体。
[第10項]
複数の前記表面処理器具におけるそれぞれの前記流体噴射管には、単一または複数の流体供給系を介して前記噴射用流体が供給されるものである前記第9項に記載された表面処理器具集合体。
[第11項]
対象物を内部に進入させるための入口と対象物を内部から退出させるための出口とを有するケーシングと、前記第1項ないし前記第8項のいずれかに記載された前記表面処理器具または前記第9項ないし前記第10項のいずれかに記載された前記表面処理器具集合体とを備えていること、および、
前記表面処理器具または前記表面処理器具集合体が前記ケーシング内に配置されていること、および、
前記ケーシング入口から前記ケーシング内を経由して前記ケーシング出口に至るときの前記ケーシング内の前記対象物に流体噴射することのできる流体噴射角度が、前記表面処理器具の前記各ノズルに付されていること
を特徴とする表面処理装置。
[第12項]
対象物を内部に進入させるための入口と対象物を内部から退出させるための出口とを有するケーシングと、吸引部を有するものであって前記ケーシング内を吸引するための吸引手段と、前記第1項ないし前記第8項のいずれかに記載された前記表面処理器具あるいは前記第9項ないし前記第10項のいずれかに記載された前記表面処理器具集合体とを備えていること、および、
前記吸引手段の吸引部が前記ケーシングの内部と連通していること、および、
前記表面処理器具または前記表面処理器具集合体が前記ケーシング内に配置されていること、および、
前記ケーシング入口から前記ケーシング内を経由して前記ケーシング出口に至るときの前記ケーシング内の前記対象物に流体噴射することのできる流体噴射角度が、前記表面処理器具の前記各ノズルに付されていること
を特徴とする表面処理装置。
[第13項]
正逆回転自在な流体噴射管を有する表面処理器具について、一つ以上の当該表面処理器具が内部に装備されているケーシングを用いること、および、
前記ケーシングについては清浄処理対象物を進入させるための入口と清浄処理対象物を退出させるための出口とを有するものであること、および、
前記表面処理器具については前記流体噴射管の先端部にある前記各ノズルから噴射用の流体が噴射されるものであること
を前提条件とする表面処理方法において、
前記表面処理器具の前記流体噴射管を回転状態にしたり、前記流体噴射管に噴射用流体を供給してその噴射用流体を前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射状態にしたり、さらには、噴射用流体の噴射を受ける対象物を前記ケーシング入口から前記ケーシング内に進入させて前記ケーシング出口へと進行させたりすること、および、
前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射された前記噴射用流体を前記ケーシング内の前記対象物に噴き付け、この噴き付けによる清掃作用によって前記対象物を表面処理すること
を特徴とする表面処理方法。
[第14項]
正逆回転自在な流体噴射管を有する表面処理器具について、一つ以上の当該表面処理器具が内部に装備されているケーシングを用いること、および、
表面処理器具については清浄処理対象物に接触させるための変形自在な接触部材が前記流体噴射管のノズル側に取り付けられているものであること、および、
前記ケーシングについては清浄処理対象物を進入させるための入口と清浄処理対象物を退出させるための出口とを有するものであること、および、
前記表面処理器具については前記流体噴射管の先端部にある前記各ノズルから噴射用の流体が噴射され、かつ、その噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動するものであること、および、
前記ケーシングの内部については吸引手段で吸引され、かつ、その吸引されたものが前記ケーシング外に排出されること
を前提条件とする表面処理方法において、
前記表面処理器具における前記接触部材付きの前記流体噴射管を回転状態にしたり、前記流体噴射管に噴射用流体を供給してその噴射用流体を前記流体噴射管のノズルから噴射状態にしながらその噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動させたり、さらには、噴射用流体の噴射を受ける対象物を前記ケーシング入口から前記ケーシング内に進入させて前記ケーシング出口へと進行させたりすること、および、
前記ケーシング内の前記対象物に対し、前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射された前記噴射用流体を噴き付けたり前記接触部材を接触させたりして、当該噴射用流体の噴き付けによる清掃作用と当該接触部材の接触による清掃作用とよって前記対象物を表面処理すること、および、
前記対象物を表面処理しているときに、前記ケーシング内の内部流体を吸引手段により吸引して前記ケーシング外に排出すること
を特徴とする表面処理方法。
本発明に係る表面処理器具は下記<11>〜<16>のような効果を有する。
<11> 流体噴射管は、回転駆動系からの動力を同管外周部の伝動用部品で受けるという動力伝達方式で回転する。これは流体の噴射にともなって回転する従来タイプと基本的に異なるものである。しかも、流体噴射管による流体噴射と流体噴射管の回転とは、互いに独立していて双方の相互干渉がないのである。すなわち流体噴射管は、噴射用流体の状況いかんに関わらず、流体噴射管が自由に回転したり自由に回転停止したりすることができるのである。この選択の自由が可能な当該流体噴射管の代表的な稼働状態を上げると、それは「回転停止状態での流体噴射」、「低速回転状態での流体噴射」、「中速回転状態での流体噴射」、「高速回転状態での流体噴射」などである。その際の噴射流体についても、流体の少量供給・流体の中量供給・流体の多量供給などが自由に設定できる。ゆえに表面処理器具の場合、流体噴射管の回転と流体の噴射について多種多様の態様をとることができようになり、もって、作業内容や作業状況に応じた処理も高度かつ適切に行えるようになる。
<12> 回転駆動系から動力伝達を受けて回転するという表面処理器具の流体噴射管は、また、流体噴射にともなって回転する従来方式のものと異なり、回転駆動系の速度制御で回転速度を正確に制御することができるので、連続回転や間欠回転のいずれであっても、安定した回転を期することができる。
<13> 表面処理器具の流体噴射管には、その先端部に複数のノズルが分岐状に設けられている。複数かつ分岐状のノズルを有するこの流体噴射管の場合、単位時間当たりの流体噴射量が多くてその噴射範囲も広いから、表面処理能力が高く、その高い表面処理能力に依拠して高能率の表面処理作業や高効率の表面処理作業を実施することができる。
<14> 表面処理器具の流体噴射管であって、同管の先端部に被噴射物(処理対象物)と接触することのできる接触部材が取り付けられているものの場合、流体噴射管と接触部材とによる相乗効果も得ることができる。たとえば、処理対象物を清掃処理するというとき、流体噴射管からの噴射流体による清掃作業と接触部材による清掃作業とが相俟って清掃効果が格段に向上する。塗布・払拭・その他の処理作業を実施するときでも、噴射流体と清掃作業との相乗効果で作業性を高めることができる。
<15> 表面処理器具の一つは、流体噴射管の外周部に伝動部品が取り付けられるというものである。表面処理器具の他の一つは、流体噴射管の先端部(ノズル)側に接触部材が取り付けられるというものである。表面処理器具のさらに他の一つは、流体噴射管の上記各所定部に伝動部品や接触部材が取り付けられるというものである。表面処理器具はこのように、構成部品ないし構成部材が少ない上にそれらの構造も単純潔なものであるから、総じて器具構成が簡潔となる。
<16> 表面処理器具は上述のように部品数や部材数が少なくて構成が簡潔なものである。このような表面処理器具は組み立てや製作も容易である。ゆえに表面処理器具の場合、小数部品・簡潔構成・組み立て容易・製作容易など、これらによってローコストで提供できるようになる。
本発明に係る表面処理器具集合体は下記<17>〜<20>のような効果を有する。
<17> 表面処理器具集合体における個々の表面処理器具は、既述の表面処理器具と共通する構成を具備しているので、上記に記載された<11>〜<16>の効果がある。
<18> 表面処理器具集合体における各流体噴射管(複数)の場合、これらが分散することなくまとめられているので、取り扱いについては、分離独立した単一の流体噴射管を複数取り扱う場合よりも容易である。
<19> 表面処理器具集合体の場合、複数の流体噴射管がすでに配列状態にあるので、たとえば多数の流体噴射管を広域にわたって整列配置(レイアウト)などするとき、多数の単一の流体噴射管を整列配置する場合に比し、当該配置作業が容易かつ迅速に行えるようになる。
<20> 表面処理器具集合体をつくる際の流体噴射管の配列(レイアウト)については、事後の装置作製で要求される噴射管配列(レイアウト)を想定して当該集合体を組み立てることができる。かかる表面処理器具集合体によるときは、流体噴射管が所定配列をなす表面処理装置の作製において主要工程が簡素化されるので、当該装置を作製する際の合理化をはかることができる。
本発明に係る表面処理装置は、下記<21>〜<23>のような効果を有する。
<21> 表面処理装置は、既述の表面処理器具または既述の表面処理器具集合体を構成要素として具備するものであるから、上記に記載された<11>〜<16>の効果または上記に記載された<17>〜<20>の効果がある。
<22> 表面処理装置においては表面処理器具または表面処理器具集合体がケーシング内に配置される。この場合は表面処理器具または表面処理器具集合体をケーシング内に配置するだけでよいので、表面処理装置の要部構成が簡潔なものとなり、かつ、当該装置の組み立ても簡単・容易なものとなる。
<23> 表面処理装置について、ケーシング内の流体噴射管(表面処理器具の主要部材)に接触部材が取り付けられている場合は、流体噴射管による流体噴射作用と接触部材による接触作用とが重畳するので、対象物(被噴射物)に対して高度かつ強度のある作用力を発揮する。このような表面処理装置の場合、既述の各処理において、高速処理・処理時間の短縮・処理効果の確実性などを期することができる。
本発明に係る表面処理方法は、下記<24>〜<25>のような効果を有する。
<24> 表面処理方法の一つは数少ない低難易度操作を実施するだけである。その要点となるものは、a.表面処理器具の流体噴射管を回転状態にすること、b.流体噴射管に噴射用流体を供給してその噴射用流体を流体噴射管のノズルから噴射状態にすること、c.噴射用流体の噴射を受ける対象物をケーシング入口からケーシング内に進入させてケーシング出口へと進行させることの三つだけである。もちろんこの単純な三つの操作のみであっても、対象物は十分に表面処理される。具体例でいうと、流体噴射管のノズルからケーシング内の対象物表面に向けて清掃のための噴射用流体が噴き付けられたとき、その噴射用流体の噴射清掃作用によって対象物の表面が高度にクリーンアップされる。
<25> 表面処理方法の他の一つは、上記の流体噴射処理に加え、流体噴射管に取り付けられた接触部材による対象物への接触処理を行う。ちなみに、流体噴射処理のみとか部材接触処理のみとかの場合は、それぞれ単独の処理結果しか得られない。これに対し、流体噴射処理と部材接触処理とを同期させながら対象物を表面処理する本発明方法の場合、[噴射流体の噴射除去作用+接触部材の叩き(はたき)除去作用+接触部材の払拭除去作用]などの協調(相乗効果)により、この種の表面処理が飛躍的に向上する。たとえば、対象物表面から塵埃(塵芥)を除去したりする処理が迅速化する。かかる本発明方法においてケーシング内の吸引作用が加わるときは、その吸引作用で用済み噴射流体が速やかにケーシング外へ排出されてケーシング内部が清浄度の高い状態に保持されるので、たとえば、清浄処理時のケーシング内環境が好ましいものになる。そして対象物は、この好条件下でより高度にクリーンアップされるようになる。
本発明に係る表面処理器具の一実施形態を示した縦断面図である。 本発明に係る表面処理器具集合体の一実施形態と本発明に係る表面処理装置の一実施形態と本発明に係る表面処理方法の一実施形態とを略示した平面図(内部構造を透視した平面図)である。 本発明に係る表面処理器具集合体の一実施形態と本発明に係る表面処理装置の一実施形態と本発明に係る表面処理方法の一実施形態とを略示した正面図(内部構造を透視した正面図)である。 本発明に係る表面処理器具集合体の一実施形態と本発明に係る表面処理装置の一実施形態と本発明に係る表面処理方法の一実施形態とを略示した左側面図(内部構造を透視した左側面図)である。 本発明に係る表面処理器具や本発明に係る表面処理器具集合体の回転方向についてその一例を略示した説明図である。
本発明に係る表面処理器具・表面処理器具集合体・表面処理装置・表面処理方法などについて、以下、添付の図面を参照してこれらの実施形態を説明する。その説明順序としては、1番目に表面処理器具を説明し、2番目に表面処理器具集合体を説明し、3番目に表面処理装置を説明し、4番目に表面処理方法を説明する。
図面を参照して説明する以下の表面処理器具・表面処理器具集合体・表面処理装置などにおいて、材料や材質をとくに説明しない部品や部材は、金属製・プラスチック製・複合材製など周知のものからなり、これらについては、それぞれの機能や用途に応じた機械的特性(強度)がある。
本発明における処理対象物(図中の処理対象物W)については、単に対象物という呼び方があるほか、噴射対象物・除塵対象物・清浄化対象物・被噴射物などのような種々の呼び方もある。
回転駆動系41
図1・図2に例示された表面処理器具とこれに関連する構成部分において、11は流体噴射管、21は接触部材をそれぞれ示す。さらに、31は伝動部品、41は回転駆動系、48は伝動部品をそれぞれ示す。
流体噴射管11は金属・プラスチック・木・竹・セラミック・ガラス・石・厚紙のいずれか、または、このうちで二つ以上の材料が組み合わされた複合材からなるものである。流体噴射管11を介して噴射される流体は、気体(乾燥気体・含湿気体を含む)・液体・蒸気・ミスト・粉体・粒体・粉粒体などのいずれか、または、このうちの複数組み合わせからなる混合流体である。したがって流体噴射管11の材料としては、取り扱う流体に適した材質のもの、すなわち、使用する流体を目的にしたがい満足に取り扱うことのできる材質のものが選択される。
流体噴射管11の一端部(図示の上端側)には、流体を導入するための流体流入部として導入口12があり、かつ、流体噴射管11の他端部(図示の下端側)には、導入した流体を噴射するための噴射口(ノズル孔)を有するノズル13がある。流体噴射管11については直状のものでよいほか、「くの字」状などに屈曲していてよいものである。流体噴射管11におけるノズル13の数は一例として単数、他の一例として複数である。図示例の場合、ノズル13の数は3本であるが、このノズル13の本数が2本の実施形態や4本以上の実施形態もある。流体噴射管11は導入口12側に回転自在な周知のスイベルジョイント(スイベル管)16を備えており、そのスイベルジョイント16の端部が流体供給管17に連結されている。流体供給管17には、流体噴射管11に流体(例:清浄空気)を供給するための流体供給系(例:コンプレッサーを含む配管系)18が接続される。各流体噴射管11と流体供給系18とを合わせていうとき、流体供給用のマニホールドということもできる。
流体噴射管11の他端部(下端側)には、各ノズル13を取り付けるためのホルダ14が取り付けられている。ホルダ14は中空形状をしている。ホルダ14は部品の取り付けや他部品との連結のため、部分的に孔があったり部分的に開口されたりしているが、それ以外の部分は気密性が保持できるようになっている。ちなみに、ホルダ14の胴体部分は筒状ないし管状であり、ホルダ14の下面には擂り鉢状の傾斜面がある。これに対する複数本の各ノズル13は、ホルダ14の傾斜した下面にネジ込み手段などで取り付けられて放射状の配列状態を呈している。
接触部材21は、植物繊維・動物繊維・化学繊維・繊維状合成樹脂・金属繊維・織布・不織布・紐・糸などのうちのいずれかからなり、または、これらのうちの複数種が組み合わされたものからなる。もちろん接触部材21については、ゴム製やプラスチック製のものでもよく、その場合に軟質のものだけでなく半硬質のものも採用することができる。接触部材21の具体的な形状構造について代表的な数例をあげると、これには、細長い筒のような形状構造、そのような細長い筒を縦方向に切り開いたような形状構造、短冊を束ねたような形状構造、箒の穂のような形状構造、叩き(はたき)における叩き部分のような形状構造、ブラシにおける刷毛部分のような形状構造などがある。望ましい接触部材21として組紐からなるものをあげることができる。組紐には四角い角打ち紐・平たい平打ち紐・丸い丸打ち紐などがあるが、このいずれの組紐も接触部材21として使用することができる。接触部材21として使用する組紐の典型的な一例は合成樹脂製の組紐であるが、植物繊維製や動物繊維製の組紐も接触部材21として使用することができる。組紐のうちで筒状(パイプ状)をなす丸打ち紐の場合は、流体噴射管11の外周に嵌め込むことで組み付けることができるので、より望ましい。合成樹脂製の丸打ち紐などは、熱溶着で流体噴射管11の外周に取り付け固定されたりする。組紐からなる接触部材21としては、解繊された先端部をもつものがよい。先端部が解繊された接触部材21の場合、その先端部が刷毛のような状態になるから、処理対象物Wに対する叩き(はたき)効果がきわめて高いものになる。
接触部材21は流体噴射管11に組み付けることでこれと一体に組み合わされる。より具体的にいうと、接触部材21の一端部が流体噴射管11の一端部すなわちノズル13の先端部外周に嵌め付けられるとともに、その接触部材21の一端部が固縛材(糸・紐・ゴム紐・ワイヤなど)で流体噴射管11の一端部外周面に固縛固定されるとか、または、その一端部が締め付け用のリング状金具で流体噴射管11の外周部に締め付け固定されるとか、あるいは、その一端部が流体噴射管11の外周部に溶着固定または接着剤固定されるなど、周知の慣用手段で接触部材21は流体噴射管11に組み付け固定される。これとは逆に、接触部材21の一端部が流体噴射管11のノズル13からその内部に嵌め込まれるとともに、その接触部材21の一端部外周面が流体噴射管11の一端部内周面に固定されるという実施形態もある。このようにして流体噴射管11に装着された接触部材21の場合、流体噴射管11の回転中に該管11から外れてしまうといった想定外の事態は原則として起こらないない。
一方の伝動部品31は後述のとおり、流体噴射管11の外周部たとえば流体噴射管11の上端に近い外周部に取り付けられるものである。この一方の伝動部品31は他方の伝動部品48と対をなすものである。一般的な伝動部品は伝動輪(プーリ)や歯車(ギア)などで代表されるものである。これに対する図1・図2の実施形態では、回転駆動系41から伝動部品31にわたる動力の伝達方式として非接触伝動方式が採用されるので、伝動部品31・48なども磁石(磁石片)を備えたマグネットタイプの伝動輪が採用される。磁石付きの伝動輪は周知である。磁石利用の非接触伝動方式は特開2002−218735号公報・特開2002−211785公報・特開昭50−136559号公報などにも開示されている。本発明における磁石利用の非接触伝動方式も、技術的にはこれら公知技術と共通するものである。本発明における二つの伝動部品31・48も、その伝動輪の周面および/または板面に多数の磁石(図示しない磁石片)が所定間隔で取り付けられているものである。
伝動部品31・48を介して流体噴射管11を回転駆動させるための回転駆動系41は図1〜図3を参照してつぎのとおりである。基台42上には複数の軸受スタンド43が適当間隔で配置されて設けられており、回転軸44はそれら軸受スタンド43を介して正逆回転自在に支持されている。典型的な一例として正逆回転自在な電動機(モータ)からなる原動機45が図1〜図2において基台42上の右側に配置されて設けられ、原動機45の出力軸46と回転軸44とが基台42上で一直線状をなしている。回転軸44と原動機45の出力軸46とは、軸継手たるカップリング47を介して連結される。図1を参照して、伝動部品31と対をなす伝動部品48は回転軸44の外周部に取り付けられている。この伝動部品48は既述のとおり、磁石(磁石片)を備えた原動用の伝動輪からなる。さらにいうと、両伝動部品31・38は、これらの間に微小間隙を介在して伝動自在に対応するものである。
伝動部品31付き流体噴射管11と関連するその他の構成について、図1を参照して詳述する。盤状をなす基台42には、これを厚さ方向に貫通する貫通孔51が形成されている。流体噴射管11は基台42の貫通孔51を貫通した状態でこの箇所に正逆回転自在に取り付け保持される。具体的にいうと、流体噴射管11は、この管11の外周面と貫通孔51の内周面との間に介在された軸受部材(ベアリング)52を介して基台42の貫通孔51に正逆回転自在に保持される。さらにいうと、軸受部材(ベアリング)52は、上端外周部にフランジを有する筒状の保持部材53内に保持されているものであり、その保持部材53に保持された状態で基台42の貫通孔51に装着されている。基台42の貫通孔51には、周知のセットカラーが基台42の下面側から装着されることもある。基台42上で正逆回転自在に支持されている回転軸44は、流体噴射管11の一端部(図1の上端部)に近接してこれと直交しており、かつ、流体噴射管11の上端部外周面に取り付けられた伝動部品31と回転軸44の外周面に取り付けられた伝動部品48とが対をなして動力伝達可能なるように対応する。さらに、基台42上の軸受スタンド43側に配置された原動機45の出力軸46は、既述のように回転軸44と一直線状をなし、かつ、カップリング47を介してその回転軸44と連結されている。このようにして所要の部品部材が搭載された基台42の上面は、図3・図4に示されているように、ダクト状のカバー53で囲われて覆われている。カバー53は基台42に対して着脱自在なものである。ただし、カバー53で覆われているときの基台42の上面内部は、外部と遮断されていて気密状態になっている。このカバー53については、ケーシングとかハウジングとかということもできる。
伝動部品31・伝動部品38・回転軸44などのいずれか一つまたは二つ、あるいは、すべてに回転検出器(回転検出センサ)49が設けられる。既述の図示例では図2に略示するとおり、伝動部品31に対応して回転検出器49が設けられている。回転検出器49は公知ないし周知のものであり、その一例として光電式(非接触方式)の回転検出器49が採用される。これは光発生手段から回転体(伝動部品31)に向けて光を放ち、その回転体(伝動部品31)からの反射光を検出するというものである。
上記図示例の場合、流体供給系(流体供給手段)18から所要の流体が供給され、その流体が表面処理器具(流体噴射管11)を介して噴射される。この場合の流体としては表面処理器具の目的や用途に応じて種々のものが選択される。基本的には、湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体など、いずれの流体であってもこの際に用いることができる。典型的一例でいうと、図1〜図4の表面処理器具では、清浄空気(クリーンエア)が上記流体として採用され、それが流体供給系18を通じて流体噴射管11に供給される。流体供給系18としては既述のとおり、エアコンプレッサやエアフィルタ機構(空気清浄機)などを配管系に備えるのが望ましい。このときに供給される空気清浄度は国際規格(ISO)14644−1のクラス1〜9の範囲内で設定されたりする。流体供給系18の他の例として蒸気・ミスト・液体などの流体を流体噴射管11に供給する場合には、そのような流体供給に適した流体供給系18が採用される。
図1などに例示された表面処理器具は、原動機45を運転状態にして正回転または逆回転させたとき、その回転が出力軸46→カップリング47→回転軸44→伝動部品48→伝動部品31のように伝わり、それによって流体噴射管11が正回転または逆回転する。このときには、また、流体供給系18を介して流体供給管17に所要の流体が連続的または間欠的に供給されるので、その供給流体が流体噴射管11の導入口12から該管11内に流入して該管11のノズル13から噴射される。したがって、たとえば図1・図3に略示されたフィルム状またはシート状の処理対象物Wが図2の矢印方向に進行しているようなときには、流体噴射管11のノズル13から噴射された流体が処理対象物Wの表面に噴き付けられ、それによって処理対象物Wの表面が処理される。具体的一例でいうと、流体噴射管11から噴射される流体が清浄空気のようなクリーニング処理用気体とか清浄水のようなクリーニング処理用液体とかであるとき、処理対象物Wの表面に付着している塵埃(塵芥)や各種の汚れなどは、そのクリーニング処理用の噴射流体の物理的な噴射清掃作用を受けて取り除かれたり噴き飛ばされたりする。そして処理対象物Wは、かかる噴射清浄処理を受けたことでクリーンな表面状態に仕上がるのである。
図1に示されているとおり、上述した流体噴射管11のノズル13側には接触部材21が取り付けられており、この接触部材21も流体噴射管11と共に正回転または逆回転する。こうして回転するときの接触部材21は、処理対象物Wの表面に対して清掃作用のある動的状態で接触する。それは回転しながら処理対象物Wの表面を叩き・擦り・拭うというものである。この接触部材21の叩き作用・擦り作用・拭う作用を受ける処理対象物Wの場合、それによって、表面に付着している塵埃や汚れなどが取り除かれたり弾き飛ばされたりする。ゆえに処理対象物Wは、この接触清浄処理によっても表面がクリーンな状態になる。
噴射清浄処理と接触清浄処理とが重畳して作用する上記処理のときは、また、この二元的な処理を同時に受けながら処理対象物Wの表面が清浄化される。これは噴射による物理的作用と接触による物理的作用というように、二様の異なる除塵清掃力が同期的に作用するのであるから、処理対象物表面における塵埃や汚れ等の表面乖離性が格段に高まる。ゆえに処理対象物Wの表面は、噴射清浄処理と接触清浄処理とが重畳する状況下での相乗効果として、より高度なクリーン状態に仕上げられるのである。
図1・図2に例示された表面処理器具の他の用例として、処理対象物Wの表面に液体を塗布することがある。この場合の流体供給系18からは、気体に変えて塗布用の液体が流体噴射管11に供給され、それが流体噴射管11のノズル13から噴射される。こうして流体噴射管11から噴射される液体は、該管11が回転することで振り撒かれながら処理対象物Wの表面上を拡散する。一方で接触部材21は、処理対象物Wの表面を擦りながら噴射液体をその表面に平滑に塗布する。したがって、流体噴射管11から塗布液を噴射してこれを処理対象物Wの表面上に塗布するというとき、当該塗布時の作業の質や作業の効率が高いものになる。
図1・図2に例示された表面処理器具を主体にして処理対象物の清掃(清浄化)を行うための表面処理装置を作製したり、または、その他の目的に使用する表面処理装置を作製したりするとき、単数・複数・多数(たとえば三つ以上)の当該表面処理器具を配設するためのケーシングが用いられたりする。この場合のケーシングの内部は真空吸引式のチャンバとなっており、そのチャンバには、一方方向に進行する処理対象物を入室させたり退室させたりするための入口と出口がある。図1・図2に例示された表面処理器具は、ケーシングのチャンバ内に進入した処理対象物に対して所要の流体が噴射できるように、チャンバ内の空間に配設される。
図1・図2に例示された表面処理器具の流体噴射管11について、これが回転することで該管11内に外気(空気)が導入されるものであるとき、流体供給系18が省略されることもある。このような場合、ダクト状のカバー(ケーシング)54にフィルター付きの外気導入口が設けられたりする。
図2〜図4の実施形態では、表面処理器具の主体である流体噴射管11が複数(多数)配列されて集合している。これは表面処理器具(流体噴射管11)の集合体にほかならないから、本発明に係る表面処理器具集合体の実施形態でもある。
図2〜図4の実施形態は、また、表面処理器具(流体噴射管11)を備えた装置の実施形態でもあるから、本発明に係る表面処理器装置の実施形態にも該当する。
図2〜図4の実施形態は、さらに、表面処理器具(流体噴射管11)を稼働させて処理対象物Wの表面処理を実施しているのであるから、本発明に係る表面処理方法の実施形態にも該当する。
本発明に係る表面処理技術は、静止している処理対象物Wや移動している処理対象物Wのいずれにも適用することができる。また、そのような処理対象物Wが水平状態・垂直状態・傾斜状態のいずれの状態にあっても、本発明に係る表面処理技術はこれら適用することができる。
本発明に係る表面処理技術によるときは、清掃・消毒・塗布・湿潤・含液・濡らし・払拭・冷却・加熱・供給など各種の処理が合理的に行える。本発明に係る表面処理技術は、かかる有用性や有益性からして産業上の利用可能性がきわめて高い。
11 流体噴射管
12 導入口
13 ノズル
14 ホルダ
16 スイベルジョイント
17 流体供給管
18 流体供給系
21 接触部材
31 伝動部品
41 回転駆動系
42 基台
44 回転軸
45 原動機
46 出力軸
47 カップリング
48 伝動部品
51 貫通孔
52 軸受部材
53 カバー

Claims (14)

  1. 湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系から受けたりその供給された噴射用流体を被噴射物に向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管と、回転駆動系からの回転動力を前記流体噴射管に伝えるための伝動用部品とを備えていること、および、
    前記流体供給系からの前記噴射用流体を流入させるための流体流入部が前記流体噴射管における先端部以外の部位に形成されており、かつ、その流入流体を噴射するための複数のノズルが前記流体噴射管の先端部に分岐状に設けられていること、および、
    前記伝動用部品が前記流体噴射管の外周部に取り付けられて前記流体噴射管と前記伝動用部品とが互いに組み合わされていること
    を特徴とする表面処理器具。
  2. 湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系から受けたり供給された噴射用流体を表面処理対象物に向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管と、表面処理対象物に接触させるための接触部材とを備えていること、および、
    前記流体供給系からの前記噴射用流体を流入させるための流体流入部が前記流体噴射管における先端部以外の部位に形成されており、かつ、その流入流体を噴射するための複数のノズルが前記流体噴射管の先端部に分岐状に設けられていること、および、
    前記接触部材が前記流体噴射管の前記各ノズル側にそれぞれ取り付けられて前記流体噴射管と前記接触部材とが互いに組み合わされていること、および、
    前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射される前記噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動するものであること
    を特徴とする表面処理器具。
  3. 湿度50%未満の乾燥気体・湿度50%〜湿度80%未満の低湿潤気体・湿度80%以上の高湿潤気体・水蒸気・ミスト・液体のうちのいずれかからなる噴射用流体の供給を流体供給系から受けたりその供給された噴射用流体を表面処理対象物に向けて噴射したりするための正逆回転自在な回転式の流体噴射管と、回転駆動系からの回転動力を前記流体噴射管に伝えるための伝動用部品と、表面処理対象物に接触させるための接触部材とを備えていること、および、
    前記流体供給系からの前記噴射用流体を流入させるための流体流入部が前記流体噴射管における先端部以外の部位に形成されており、かつ、その流入流体を噴射するための複数のノズルが前記流体噴射管の先端部に分岐状に形成されていること、および、
    前記伝動用部品が前記流体噴射管の外周部に取り付けられて前記流体噴射管と前記伝動用部品互いに組み合わされていること、および、
    前記接触部材が前記流体噴射管の前記各ノズル側に取り付けられて前記流体噴射管と前記接触部材とが互いに組み合わされていること、および、
    前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射される前記噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動するものであること
    を特徴とする表面処理器具。
  4. 前記伝動用部品がマグネット式のものからなる請求項1または請求項3に記載された表面処理器具。
  5. 前記流体噴射管に取り付けられた前記接触部材が天然繊維・合成繊維・混紡繊維のうちから選択されたいずれかの繊維を含むものである請求項2または請求項3に記載された表面処理器具。
  6. 前記流体噴射管に取り付けられた前記接触部材が組紐からなり、その先端部が解繊されている請求項2ないし請求項4のいずれかに記載された表面処理器具。
  7. 前記噴射用流体が粉体および/または粒体を含むものである請求項1ないし請求項6のいずれかに記載された表面処理器具。
  8. 前記流体噴射管が連続回転および/または間欠回転するものである請求項1ないし請求項7のいずれかに記載された表面処理器具。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された表面処理器具を複数備えていること、および、
    複数の前記表面処理器具が横列・縦列・斜め配列・山形配列・谷形配列・千鳥状配列・ランダム配列のうちのいずれかの配列態様を保持して組み合わされていること
    を特徴とする表面処理器具集合体。
  10. 複数の前記表面処理器具におけるそれぞれの前記流体噴射管には、単一または複数の流体供給系を介して前記噴射用流体が供給されるものである請求項9に記載された表面処理器具集合体。
  11. 対象物を内部に進入させるための入口と対象物を内部から退出させるための出口とを有するケーシングと、請求項1ないし8のいずれかに記載された前記表面処理器具または請求項9ないし請求項10のいずれかに記載された前記表面処理器具集合体とを備えていること、および、
    前記表面処理器具または前記表面処理器具集合体が前記ケーシング内に配置されていること、および、
    前記ケーシング入口から前記ケーシング内を経由して前記ケーシング出口に至るときの前記ケーシング内の前記対象物に流体噴射することのできる流体噴射角度が、前記表面処理器具の前記各ノズルに付されていること
    を特徴とする表面処理装置。
  12. 対象物を内部に進入させるための入口と対象物を内部から退出させるための出口とを有するケーシングと、吸引部を有するものであって前記ケーシング内を吸引するための吸引手段と、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載された前記表面処理器具あるいは請求項9ないし請求項10のいずれかに記載された前記表面処理器具集合体とを備えていること、および、
    前記吸引手段の吸引部が前記ケーシングの内部と連通していること、および、
    前記表面処理器具または前記表面処理器具集合体が前記ケーシング内に配置されていること、および、
    前記ケーシング入口から前記ケーシング内を経由して前記ケーシング出口に至るときの前記ケーシング内の前記対象物に流体噴射することのできる流体噴射角度が、前記表面処理器具の前記各ノズルに付されていること
    を特徴とする表面処理装置。
  13. 正逆回転自在な流体噴射管を有する表面処理器具について、一つ以上の当該表面処理器具が内部に装備されているケーシングを用いること、および、
    前記ケーシングについては清浄処理対象物を進入させるための入口と清浄処理対象物を退出させるための出口とを有するものであること、および、
    前記表面処理器具については前記流体噴射管の先端部にある前記各ノズルから噴射用の流体が噴射されるものであること
    を前提条件とする表面処理方法において、
    前記表面処理器具の前記流体噴射管を回転状態にしたり、前記流体噴射管に噴射用流体を供給してその噴射用流体を前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射状態にしたり、さらには、噴射用流体の噴射を受ける対象物を前記ケーシング入口から前記ケーシング内に進入させて前記ケーシング出口へと進行させたりすること、および、
    前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射された前記噴射用流体を前記ケーシング内の前記対象物に噴き付け、この噴き付けによる清掃作用によって前記対象物を表面処理すること
    を特徴とする表面処理方法。
  14. 正逆回転自在な流体噴射管を有する表面処理器具について、一つ以上の当該表面処理器具が内部に装備されているケーシングを用いること、および、
    表面処理器具については清浄処理対象物に接触させるための接触部材が前記流体噴射管のノズル側に取り付けられているものであること、および、
    前記ケーシングについては清浄処理対象物を進入させるための入口と清浄処理対象物を退出させるための出口とを有するものであること、および、
    前記表面処理器具については前記流体噴射管の先端部にある前記各ノズルから噴射用の流体が噴射され、かつ、その噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動するものであること、および、
    前記ケーシングの内部については吸引手段で吸引され、かつ、その吸引されたものが前記ケーシング外に排出されること
    を前提条件とする表面処理方法において、
    前記表面処理器具における前記接触部材付きの前記流体噴射管を回転状態にしたり、前記流体噴射管に噴射用流体を供給してその噴射用流体を前記流体噴射管のノズルから噴射状態にしながらその噴射用流体の少なくとも一部が前記接触部材に沿って噴射流動させたり、さらには、噴射用流体の噴射を受ける対象物を前記ケーシング入口から前記ケーシング内に進入させて前記ケーシング出口へと進行させたりすること、および、
    前記ケーシング内の前記対象物に対し、前記流体噴射管の前記各ノズルから噴射された前記噴射用流体を噴き付けたり前記接触部材を接触させたりして、当該噴射用流体の噴き付けによる清掃作用と当該接触部材の接触による清掃作用とよって前記対象物を表面処理すること、および、
    前記対象物を表面処理しているときに、前記ケーシング内の内部流体を吸引手段により吸引して前記ケーシング外に排出すること
    を特徴とする表面処理方法。
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