JP2021087741A - 電子機器、転倒判定システム及び転倒判定プログラム - Google Patents

電子機器、転倒判定システム及び転倒判定プログラム Download PDF

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和宏 松田
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Abstract

【課題】気圧センサーを用いることなく監視対象の転倒を判定することが可能な電子機器及び転倒判定プログラムを提供する。【解決手段】角速度測定部53から取得したX軸角速度と、加速度測定部52から取得した3軸の各加速度を合成した合成加速度に基づき鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、鉛直加速度が閾値以上の場合に、監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、衝撃検出時からの設定時間内における最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部と、落下時間を検出する落下時間検出部と、落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、X軸加速度の分散が閾値未満であり、合成加速度の分散と最大鉛直加速度とのうち少なくとも一方が閾領域に含まれない場合に、監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電子機器、転倒判定システム及び転倒判定プログラムに関する。
従来、ウェアラブルデバイス等の電子機器において、監視対象者の姿勢変化を検出することによって、監視対象者が転倒したか否かを判定する転倒判定プログラムが広く知られている。
転倒判定プログラムに用いられるセンサーとして、気圧センサーが主に用いられている。気圧センサーによって気圧の変化を測定することによって、高さ変化を検出することができる。特許文献1には、測定された気圧と基準気圧との比較結果に基づき、監視対象の転倒を判定する転倒判定プログラムが開示されている。
特開2018−121870号公報
しかしながら、気圧は天候に応じて変化する。そのため、特許文献1に記載されている転倒判定プログラムのように、気圧センサーを用いて監視対象の転倒を判定する場合、天候によっては判定が精確になされない可能性がある。
また、室内(例えば工場等)においても、気密性や気流の変化などによって気圧が変化する場合がある。そのため、特許文献1に記載されている転倒判定プログラムのように、気圧センサーを用いて監視対象の転倒を判定する場合、室内にいる監視対象の転倒判定が精確になされない可能性がある。
この点に鑑み、本発明は、気圧センサーを用いることなく監視対象の転倒を判定することが可能な電子機器、転倒判定システム及び転倒判定プログラムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、(1)監視対象が転倒したか否かを判定する電子機器であって、少なくともX軸角速度を測定する角速度測定部と、3軸の各加速度を測定する加速度測定部と、前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が第1落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記最大の鉛直加速度とのうち少なくとも一方が第1閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、を備えることを特徴とする電子機器。
(2)前記電子機器は、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出部を備え、前記転倒判定部は、さらに、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度との少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定することを特徴とする(1)に記載の電子機器。
(3)監視対象が転倒したか否かを判定する電子機器であって、少なくともX軸角速度を測定する角速度測定部と、3軸の各加速度を測定する加速度測定部と、前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出部と、前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度とのうち少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、を備えることを特徴とする電子機器。
(4)前記電子機器は、さらに、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部を備えることを特徴とする(3)に記載の電子機器。
(5)前記電子機器は、さらに、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記第3所定時間における鉛直加速度が、第1起き上がり検出閾値を超えた場合、または前記第1起き上がり検出閾値より小さい第2起き上がり検出閾値を下回った場合に、前記監視対象が起き上がったことを検出する起き上がり検出部と、前記第3所定時間の開始時から、前記起き上がり検出部が前記監視対象の起き上がりを検出した起き上がり検出時までの時間を、復帰時間として検出する復帰時間検出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記復帰時間における合成加速度が第1静止検出閾値を超えない連続した時間を、静止時間として検出し、そのうち最大の静止時間を最大静止時間として検出する最大静止時間検出部と、前記最大の鉛直加速度と、前記復帰時間と、前記最大静止時間と、を用いた算出式によって、前記監視対象の転倒の転倒スコアを算出する転倒スコア算出部と、を備えることを特徴とする(1)、(2)または(4)のいずれか1つに記載の電子機器。
(6)前記衝撃検出部が、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出しなかった場合、前記転倒スコア算出部は、最小値の転倒スコアを算出することを特徴とする(5)に記載の電子機器。
(7)前記起き上がり検出部が前記監視対象の起き上がりを検出しなかった場合、前記復帰時間検出部は、前記第3所定時間の長さを復帰時間として検出することを特徴とする(5)または(6)に記載の電子機器。
(8)前記最大静止時間検出部が検出する前記静止時間は、前記復帰時間における合成加速度が前記第1静止検出閾値を超えない連続した時間のうち、前記第1静止検出閾値より小さい第2静止検出閾値を下回らない連続した時間であることを特徴とする(5)ないし(7)のうちいずれか1つに記載の電子機器。
(9)前記電子機器は、さらに、前記転倒スコア算出部によって算出された転倒スコアが、第1転倒スコア閾値未満である場合、前記監視対象が転倒していないと評価する転倒スコア評価部を備えることを特徴とする(5)ないし(8)のいずれか1つに記載の電子機器。
(10)前記転倒スコア評価部は、前記転倒スコア算出部によって算出された転倒スコアが、前記第1転倒スコア閾値以上、前記第1転倒スコア閾値より大きい第2転倒スコア閾値未満である場合、前記監視対象がヒヤリハット動作を行ったと評価することを特徴とする(9)に記載の電子機器。
(11)前記電子機器はさらに、前記電子機器の現在位置を検出する位置検出装置と、前記位置検出装置から前記電子機器の現在位置を取得する位置情報取得部と、を備えることを特徴とする(1)ないし(10)のいずれか1つに記載の電子機器。
(12)前記落下時間検出部が検出する前記落下時間は、前記第1所定時間における鉛直加速度が前記第1落下時間検出閾値以下である時間のうち、前記第1落下時間検出閾値より小さい第2落下時間検出閾値以上である時間であることを特徴とする(1)ないし(11)のいずれか1つに記載の電子機器。
(13)監視対象が転倒したか否かを判定する転倒判定システムであって、電子機器と、前記電子機器とネットワークを介して接続されるサーバと、を備え、前記電子機器は、少なくともX軸角速度を測定する角速度測定部と、3軸の各加速度を測定する加速度測定部と、を備え、前記サーバは、前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が第1落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記最大の鉛直加速度とのうち少なくとも一方が第1閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、を備えることを特徴とする転倒判定システム。
(14)監視対象が転倒したか否かを判定する転倒判定システムであって、電子機器と、前記電子機器とネットワークを介して接続されるサーバと、を備え、前記電子機器は、前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、を備え、前記サーバは、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出部と、前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度とのうち少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、を備えることを特徴とする転倒判定システム。
(15)コンピュータに、少なくともX軸角速度を測定する角速度測定手段と、3軸の各加速度を測定する加速度測定手段と、前記角速度測定手段からX軸角速度を取得するX軸角速度取得手段と、前記加速度測定手段から3軸の各加速度を取得する加速度取得手段と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出手段と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出手段と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出手段が検出した衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出手段と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が第1落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出手段と、前記X軸角速度取得手段が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出手段と、前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出手段と、前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記最大の鉛直加速度とのうち少なくとも一方が第1閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定手段と、を実行させることを特徴とする転倒判定プログラム。
(16)コンピュータに、少なくともX軸角速度を測定する角速度測定手段と、3軸の各加速度を測定する加速度測定手段と、前記角速度測定手段からX軸角速度を取得するX軸角速度取得手段と、前記加速度測定手段から3軸の各加速度を取得する加速度取得手段と、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出手段と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出手段と、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出手段が検出した衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出手段と、前記X軸角速度取得手段が取得したX軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出手段と、前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出手段と、前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出手段と、前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度とのうち少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定手段と、を実行させることを特徴とする転倒判定プログラム。
本発明によれば、気圧センサーを用いることなく監視対象の転倒を判定することが可能であるため、天候や場所によらず精確な転倒判定が可能となる。
第1実施形態に係る転倒判定システムの一例を示す図である。 ウェアラブルデバイス5のハードウェア構成を示す図である。 ウェアラブルデバイス5の機能構成を示す図である。 ウェアラブルデバイス5において行われる処理の流れを示すフローチャートである。 転倒判定部66における転倒判定処理の流れを示すフローチャートである。 衝撃検出部642が行う処理を説明する図である。 起き上がり検出部645が行う処理を説明する図である。 最大静止時間644が行う処理を説明する図である。 落下時間検出部643が行う処理を説明する図である。 合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性及び第1閾領域について説明するための図である。 ウェアラブルデバイス5´の機能構成を示す図である。 ウェアラブルデバイス5´において行われる処理の流れを示すフローチャートである。 転倒判定部66´における転倒判定処理の流れを示すフローチャートである。 合成加速度分散と周波数最大強度との関係性及び第2閾領域について説明するための図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、第1実施形態に係る電子機器について説明する。図1は、第1実施形態に係る転倒判定システムの一例を示す図である。本実施形態においては、電子機器として、監視対象(工場の作業員等)が装着するウェアラブルデバイスを用いるが、本発明はこれに限られず、例えば携帯端末等であってもよい。転倒判定システム1は、サーバ2と、管理端末3と、ゲートウェイ4と、ウェアラブルデバイス5と、を有する。サーバ2、管理端末3及びゲートウェイ4は、ネットワークAを介して接続される。ゲートウェイ4及びウェアラブルデバイス5は、無線通信によって接続される。
ネットワークAとしては、有線であるか無線であるかを問わず、インターネットやLAN(Local Area Network)、VPN(Virtual Private Network)等、任意の種類の通信網を用いることができる。ゲートウェイ4及びウェアラブルデバイス5の接続に用いられる無線通信としては、3G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(Wireless Fidelity)等の無線通信のほか、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信を用いることができる。
サーバ2は、各監視対象が装着するウェアラブルデバイス5を統合管理するサーバ装置である。管理端末3は、監視対象を監視する管理者が使用する端末であり、例えばスマートフォンやパソコン等である。監視対象が転倒すると、監視対象が転倒した旨の通知がサーバ2から管理端末3へと送られ、管理者が監視対象の状態を認識することが可能となる。
ゲートウェイ4は、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象の近傍に配置される、スマートフォンや中継用のステーション等のコンピュータである。ゲートウェイ4は、ウェアラブルデバイス5から、監視対象が転倒したか否かの判定結果や、所定時間ごとのログデータを受信し、ネットワークAを介してサーバ2に送信する。
ウェアラブルデバイス5は、監視対象が装着するコンピュータであり、腕時計型やバッジ型、タグ型等である。ウェアラブルデバイス5は少なくとも加速度センサー(加速度測定部)及び角速度センサー(角速度測定部)を備えており、監視対象に関するデータを取得する。監視対象としては、例えば工場内で労働する現場作業員が挙げられるが、これに限られず、例えば高齢者等であってよい。
(ハードウェア構成)
図2は、ウェアラブルデバイス5のハードウェア構成を示す図である。図2を参照して、ウェアラブルデバイス5は、無線部51、加速度センサー52、角速度センサー53、HDD54、メモリ55、プロセッサ56、位置検出装置57、重力方向センサー58を有する。
無線部51は、ゲートウェイ4と無線通信を行うための通信インターフェースである。加速度センサー52は、ウェアラブルデバイス5に生じる加速度を検出するセンサーであり、X軸、Y軸及びZ軸の3方向の加速度を検出することができる。角速度センサー53は、ウェアラブルデバイス5に生じる角速度を検出するセンサーである。角速度センサー53は、後述するように、監視対象の腕のひねりを検出するために用いられるため、少なくともX軸の角速度を検出できるよう構成されている。重力方向センサー58は、重力方向を検出するセンサーである。位置検出装置57は、ウェアラブルデバイス5の現在位置を検出する装置であり、一般的に、GPS(Global Positioning System)やBLE(Bluetooth Low Energy、Bluetoothは登録商標)、赤外線や可視光を利用したものが用いられる。
HDD54やメモリ55は、各種のデータやプログラムを記憶する記憶装置である。プロセッサ56は、後述する各処理を実行するプログラムをHDD54から読みだしてメモリ55に展開し、読みだしたプログラムを実行する。
(機能構成)
図3は、ウェアラブルデバイス5の機能構成を示す図である。図3を参照して、ウェアラブルデバイス5は、X軸角速度取得部61と、加速度取得部62と、記憶部63と、検出部64と、算出部65と、転倒判定部66と、転倒スコア算出部67と、転倒スコア評価部68と、通知部69と、位置情報取得部70と、重力方向取得部71と、を備える。なお、記憶部63は、HDD54やメモリ55に格納される。X軸角速度取得部61、加速度取得部62、検出部64、算出部65、転倒判定部66、転倒スコア算出部67、転倒スコア評価部68、通知部69、位置情報取得部70、重力方向取得部71は、プロセッサ56が有する電子回路の一例や、プロセッサ56が実行するプロセスの一例である。
X軸角速度取得部61は、角速度センサー53によって測定されたX軸角速度を取得して、記憶部63が備えるX軸角速度データDB631に格納する処理部である。X軸角速度データDB631には、角速度センサー53によって測定されたX軸角速度が、例えば時系列で記憶される。
加速度取得部62は、加速度センサー52によって測定された加速度データを取得して、記憶部63が備える加速度DB632に格納する処理部である。加速度DB632には、加速度センサー52によって測定されたX軸、Y軸、Z軸の各加速度が、例えば時系列で記憶される。
重力方向取得部71は、重力方向センサー58によって取得された重力方向データを取得して、記憶部63が備える重力方向DB635に格納する処理部である。重力方向DB635には、重力方向センサー58によって測定された重力方向データが、例えば時系列で記憶される。
重力方向DB635に記憶された重力方向データと、加速度DB632に記憶されたX軸加速度データ、Y軸加速度データ、Z軸加速度データを合成した合成加速度データと、は算出部65が備える鉛直加速度算出部654に読み出される。鉛直加速度算出部654は、合成加速度データ及び重力方向データに基づき、鉛直方向の加速度(以下、鉛直加速度と称す)を算出する。鉛直加速度は、合成加速度のベクトルと重力方向のベクトルとの内積を用いて求めることができるが、これに限られない。鉛直加速度算出部654で算出された鉛直加速度は、記憶部63が備える鉛直加速度DB636に格納される。
位置情報取得部70は、位置検出装置57によって検出されたウェアラブルデバイス5の現在位置のデータを取得して、記憶部63が備える位置情報データDB634に格納する処理部である。
記憶部63は、X軸角速度データDB631、加速度DB632、重力方向DB635、鉛直加速度DB636、位置情報データDB634のほか、閾値DB633を備える。閾値DB633は、衝撃検出閾値データDB633aと、落下時間検出閾値データDB633bと、静止検出閾値データDB633cと、起き上がり検出閾値データDB633dと、転倒時落下時間閾値データDB633eと、X軸角速度分散閾値データDB633fと、第1閾領域データDB633gと、転倒スコア閾値データDB633hと、を備える。衝撃検出閾値データDB633aには、衝撃検出閾値データが記憶されている。落下時間検出閾値データDB633bには、落下時間検出閾値データが記憶されている。静止検出閾値データDB633cには、静止検出閾値データが記憶されている。起き上がり検出閾値データDB633dには、起き上がり検出閾値データが記憶されている。転倒時落下時間閾値データDB633eには、転倒時落下時間閾値データが記憶されている。X軸角速度分散閾値データDB633fには、X軸角速度分散閾値データが記憶されている。第1閾領域データDB633gには、第1閾領域データが記憶されている。転倒スコア閾値データDB633hには、転倒スコア閾値データが記憶されている。
なお、衝撃検出閾値、落下時間検出閾値、静止検出閾値、起き上がり検出閾値、転倒時落下時間閾値、X軸角速度分散閾値、第1閾領域、転倒スコア閾値は、それぞれ任意に設定することができる。
検出部64は、最大鉛直加速度検出部641と、衝撃検出部642と、落下時間検出部643と、最大静止時間検出部644と、起き上がり検出部645と、復帰時間検出部646と、を備える。
衝撃検出部642は、鉛直加速度に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象が受けた衝撃を検出する処理部である。ここで、衝撃検出部642が行う処理について、図6を参照して具体的に説明する。図6は、衝撃検出部642が行う処理を説明する図である。衝撃検出部642は、鉛直加速度DB636から鉛直加速度データを読み出すとともに、衝撃検出閾値データDB633aから衝撃検出閾値データを読み出す。読み出した鉛直加速度が衝撃検出閾値以上となる場合には、衝撃検出部642は「監視対象が衝撃を受けた(転倒の可能性がある)」と検出する。一方、読み出した鉛直加速度が衝撃検出閾値未満である場合には、衝撃検出部642は衝撃を検出しない(すなわち、監視対象は転倒していない)。
衝撃検出部642が「監視対象が衝撃を受けた(転倒の可能性がある)」と検出した場合、衝撃検出部642が読みだした鉛直加速度データ(鉛直加速度DB636から読みだされた鉛直加速度データ)に基づき、最大鉛直加速度検出部641において最大鉛直加速度が検出される。最大鉛直加速度は、衝撃検出部642が「監視対象が衝撃を受けた(転倒の可能性がある)」と検出した衝撃検出時Pから設定時間内(例えば1秒以内)における、最も大きい値の鉛直加速度とすることができる。
ここで、衝撃検出時Pより前の所定時間を第1所定時間T1、衝撃検出時Pから衝撃検出時Pより後の区切り時Qまでの所定時間を第2所定時間T2、区切り時Qより後の所定時間を第3所定時間T3とする。第1所定時間T1は、衝撃検出時Pを起点として衝撃検出時Pから遡る所定時間のみならず、衝撃検出時Pより前の第1基準時を起点として第1基準時から遡る所定時間も含む。また、第3所定時間T3は、区切り時Qを起点として区切り時Qからの所定時間のみならず、区切り時Qより後の第2基準時を起点として第2基準時からの所定時間を含む。本実施形態において、第1所定時間T1は衝撃検出時Pを起点として衝撃検出時Pから遡る所定時間とし、第3所定時間T3は区切り時Qを起点として区切り時Qからの所定時間とする。
第1所定時間T1が短すぎると、落下時間(後述)の検出が困難となる可能性がある。第2所定時間T2が短すぎると、T2におけるX軸角速度の分散(後述)を正確に算出することが困難となる。第3所定時間T3が短すぎると、T3における合成加速度(X軸加速度、Y軸加速度、Z軸加速度を合成した加速度)の分散(後述)を正確に算出することが困難となる。一方、第1所定時間T1が長すぎると、処理するデータ量が膨大となり、落下時間(後述)の検出が遅延する可能性がある。第2所定時間T2が長すぎると、処理するデータ量が膨大となり、T2におけるX軸角速度の分散(後述)の算出が遅延する可能性がある。第3所定時間T3が長すぎると、処理するデータ量が膨大となり、T3における合成加速度の分散(後述)の算出が遅延する可能性がある。この点を踏まえ、第1所定時間T1、第2所定時間T2及び第3所定時間T3の長さを適宜設定する必要がある。例えば、T1は、0.1≦T1≦1.0から選択することができ、T2は、0.1≦T2≦2.0から選択することができ、T3は、1.0≦T3≦9.0から選択することができる。
監視対象が衝撃を受けた直後は、合成加速度の分散を正確に算出することができないため、合成加速度の分散の算出は、衝撃検出時Pから所定時間経過後に行う必要がある。一方、監視対象が衝撃を受けた直後においては、X軸角速度の分散を算出することにより、監視対象が転倒しているか否か(腕をひねっていないか否か)を検出することができる。この点を考慮して、第2所定時間T2を適宜設定する必要がある。
起き上がり検出部645は、鉛直加速度に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象が起き上がったことを検出する処理部である。ここで、起き上がり検出部645が行う処理について、図7を参照して具体的に説明する。図7は、起き上がり検出部645が行う処理を説明する図である。起き上がり検出部645は、鉛直加速度DB636から鉛直加速度データを読み出すとともに、起き上がり検出閾値データDB633dから起き上がり検出閾値データを読み出す。起き上がり検出閾値は、第1起き上がり検出閾値と第2起き上がり検出閾値とから構成される(第1起き上がり検出閾値>第2起き上がり検出閾値)。読み出した鉛直加速度データのうち第3所定時間における鉛直加速度が第1起き上がり検出閾値を超えた場合または第2起き上がり検出閾値を下回った場合には、起き上がり検出部645は「監視対象が起き上がった」と検出する。これは、「第1起き上がり検出閾値を超えた場合」は「起き上がるために腕を持ち上げた場合」、「第2起き上がり検出閾値を下回った場合」は「起き上がるために持ち上げた腕が無重力となっている場合」とそれぞれみなすことができるためである。一方、読み出した鉛直加速度データのうち第3所定時間における鉛直加速度が第1起き上がり検出閾値と第2起き上がり検出閾値との間にある場合(第1起き上がり検出閾値を超えずかつ第2起き上がり検出閾値を下回らなかった場合)には、監視対象の起き上がりは検出されない。
起き上がり検出閾値は、第1起き上がり検出閾値のみから構成されてもよい。この場合、起き上がり検出部645は、読み出した鉛直加速度データのうち第3所定時間内の鉛直加速度が第1起き上がり検出閾値を超えた場合に、「監視対象が起き上がった」ことを検出する。また、起き上がり検出閾値は、第2起き上がり検出閾値のみから構成されてもよい。この場合、起き上がり検出部645は、読み出した鉛直加速度データのうち第3所定時間内の鉛直加速度が第2起き上がり検出閾値を下回った場合に、「監視対象が起き上がった」ことを検出する。ただし、起き上がり検出閾値を第1起き上がり検出閾値と第2起き上がり検出閾値とから構成することにより、より精確に「監視対象が起き上がった」ことを検出することができる。
復帰時間検出部646は、第3所定時間の開始時から、起き上がり検出部645が監視対象の起き上がりを検出した起き上がり検出時までの時間を、「復帰時間」として検出する。なお、起き上がり検出部645が監視対象の起き上がりを検出しなかった場合、復帰時間検出部646は第3所定時間の長さを復帰時間として検出する。
最大静止時間検出部644は、合成加速度に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象の最大静止時間を検出する処理部である。ここで、最大静止時間検出部644が行う処理について、図8を参照して具体的に説明する。図8は、最大静止時間644が行う処理を説明する図である。最大静止時間検出部644は、加速度データDB632からX軸加速度データ、Y軸加速度データ、Z軸加速度データを合成した合成加速度データを読み出すとともに、静止検出閾値データDB633cから静止検出閾値データを読み出す。ここで、静止検出閾値は、第1静止検出閾値と第2静止検出閾値とから構成される(第1静止検出閾値>第2静止検出閾値)。最大静止時間検出部644は、読み出した合成加速度データのうち復帰時間における合成加速度について、第1静止検出閾値を超えずかつ第2静止検出閾値を下回らない連続した時間を「静止時間」として検出し、そのうち最大の静止時間を「最大静止時間」として検出する。図8においては、Ts1及びTs2が静止時間に相当し、Ts2が最大静止時間として検出される。
なお、静止検出閾値は、第1静止検出閾値のみから構成されてもよい。この場合、最大静止時間検出部644は、読み出した合成加速度データのうち復帰時間内の合成加速度について、第1静止検出閾値を超えない連続した時間を「静止時間」として検出し、そのうち最大の静止時間を「最大静止時間」として検出する。
落下時間検出部643は、鉛直加速度に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象が落下した落下時間を検出する処理部である。ここで、落下時間検出部643が行う処理について、図9を参照して具体的に説明する。図9は、落下時間検出部643が行う処理を説明する図である。落下時間検出部643は、鉛直加速度DB636から鉛直加速度データを読み出すとともに、落下時間検出閾値データDB633bから落下時間検出閾値データを読み出す。落下時間検出閾値は、第1落下時間検出閾値と第2落下時間検出閾値とから構成される(第1落下時間検出閾値>第2落下時間検出閾値)。読み出した鉛直加速度データのうち第1所定時間内の鉛直加速度について、第1落下時間検出閾値と第2落下時間検出閾値との間の時間(第1落下時間検出閾値を超えずかつ第2落下時間検出閾値を下回らない時間の合計)を、「落下時間」として検出する。
なお、落下時間検出閾値は、第1落下時間検出閾値のみから構成されてもよい。この場合、読み出した鉛直加速度データのうち第1所定時間内の鉛直加速度について、第1落下時間検出閾値を超えない時間を、「落下時間」として検出する。
算出部65は、上述した鉛直加速度算出部654のほか、X軸角速度分散算出部651と、合成加速度分散算出部652と、を備える。X軸角速度分散算出部651は、X軸角速度データDB631からX軸角速度データを読み出し、X軸角速度のうち第2所定期間内のX軸角速度(図9の領域S1)の分散を算出する。合成加速度分散算出部652は、加速度データDB632から合成加速度データを読み出し、合成加速度のうち第3所定期間内の合成加速度(図9の領域S2)の分散を算出する。
転倒判定部66は、X軸角速度分散算出部651によって算出されたX軸角速度分散と、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、落下時間検出部643によって検出された落下時間と、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度と、に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象が転倒したか否かを判定する処理部である。具体的には、転倒判定部66は、転倒時落下時間閾値データDB633eから転倒時落下時間閾値を読み出し、X軸角速度分散閾値データDB633fからX軸角速度分散閾値を読み出し、第1閾領域データDB633gから第1閾領域データを読み出す。そして、(1)落下時間検出部643によって検出された落下時間が転倒時落下時間閾値より小さいか(以下、第1判定過程と称す)、(2)X軸角速度分散算出部651によって算出されたX軸角速度分散がX軸角速度分散閾値以上であるか(以下、第2判定過程と称す)、(3)合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度と、の関係性が、第1閾領域に含まれないか(以下、第3判定過程と称す)を判定する。第1判定過程〜第3判定過程のすべてにおいて「YES」である場合には、「監視対象が転倒した」と判定する。一方、第1判定過程〜第3判定過程の少なくとも1つにおいて「NO」である場合には、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定する。
図10は、合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性及び第1閾領域について説明するための図である。図10を参照して、「合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性」とは、合成加速度分散と最大鉛直加速度のうち、一方を横軸、他方を縦軸にとった合成加速度分散−最大鉛直加速度座標系において、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散Aと、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度Bと、に応じてプロットされる実測点Cを指すものとする。また、「第1閾領域」とは、図10に示すように、合成加速度分散−最大鉛直加速度座標系において設定された閾領域(領域S3)を指すものとする。
領域S3は、合成加速度分散−最大鉛直加速度座標系において、(D,0)から(D,E)まで延びる直線R1と、(D,E)から(F,G)まで延びる直線R2と、(F,G)から合成加速度分散が増加する方向に最大鉛直加速度=Gで延びる直線R3と、で囲まれた領域である(ただし、D<F、E<G、D>0、E>0)。図10において、実測点Cは、合成加速度分散についてA<Dであり、かつ最大鉛直加速度についてB>Gであるため、実測点Cが第1閾領域に含まれていない。
なお、第1閾領域(領域S3)は、図10に示すものに限られない。例えば、合成加速度分散−最大鉛直加速度座標系において、(D,0)から(D,G)まで延びる直線と、(D,G)から合成加速度分散が増加する方向に最大鉛直加速度=Gで延びる直線と、で囲まれた領域であってもよい。この場合、実測点Cは合成加速度分散についてA<Dであり、かつ最大鉛直加速度についてB>Gであるため、実測点Cは第1閾領域に含まれない。
また、合成加速度分散=Dで延びる直線で区切られた領域のうち、合成加速度分散≧Dに属する領域であってもよい。この場合、実測点Cは合成加速度分散についてA<Dであるため、実測点Cは第1閾領域に含まれない。なお、このように第1閾領域を設定する場合には、最大鉛直加速度を考慮せず、合成加速度分散≧Dを第1閾領域としてもよい。
さらに、最大鉛直加速度=Gで延びる直線で区切られた領域のうち、最大鉛直加速度≦Gに属する領域であってもよい。この場合、実測点Cは最大鉛直加速度についてB>Gであるため、実測点Cは第1閾領域に含まれない。なお、このように第1閾領域を設定する場合には、合成加速度分散を考慮せず、最大鉛直加速度≦Gを第1閾領域としてもよい。
このように、実測点C(合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度と、の関係性)が第1閾領域(領域S3)に含まれるか否かを判定する場合には、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散Aと、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度Bと、の双方が第1閾領域(領域S3)に含まれるか否かを判定する。合成加速度分散Aと最大鉛直加速度Bとの双方が第1閾領域(領域S3)に含まれる場合には、「実測点Cは第1閾領域(領域S3)に含まれる」と判定される。一方、合成加速度分散Aと最大鉛直加速度Bの少なくとも一方が第1閾領域(領域S3)に含まれない場合には、「実測点Cは第1閾領域(領域S3)に含まれない」と判定される。
第1判定過程〜第3判定過程を経ることにより、監視対象が転倒したか否かの判定をより精確に行うことができる。第1判定過程では、落下時間を判定対象とすることにより、ウェアラブルデバイス5をぶつけた場合や腕を振った場合など、転倒時の落下に相当し得ない落下動作(転倒時の落下より短時間の落下動作)の誤検出を防止することができる。第2判定過程では、X軸角速度の分散を判定対象とすることにより、腕をひねることによって発生する誤検知を防止することができる。第3判定過程では、合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性を判定対象とすることにより、歩行動作など、周期的な動作によって生じる誤検知を防止することができる。このように、第1判定過程〜第3判定過程を用いて転倒判定を行うことにより、従来「転倒」として誤検知されていた種々の動作を、正しく「非転倒」と判定することができる。
転倒スコア算出部67は、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度と、最大静止時間検出部644によって検出された最大静止時間と、復帰時間検出部646によって検出された復帰時間と、に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象の転倒スコアを算出する処理部である。具体的には、転倒判定部66において「監視対象が転倒した」と判定された場合、最大鉛直加速度と、最大静止時間と、復帰時間と、を用いた算出式によって、転倒スコアが算出される。転倒スコアを算出する算出式としては、種々の式が用いられてよい。例えば、最大鉛直加速度と、最大静止時間と、復帰時間と、のそれぞれに重みづけをして合算するものであってもよく、最大鉛直加速度と、最大静止時間及び復帰時間と、を別々の算出式(途中式)で計算した後、両者を合算するものであってもよい。また、転倒スコアの最小値及び最大値は、用いられた算出式に応じて任意に設定してよい。一方、衝撃検出部642において衝撃を検出しなかった場合(すなわち、監視対象は転倒していない)または転倒判定部66において「監視対象が転倒していない」と判定された場合、転倒スコア算出部67において転倒スコアは最小値(例えば0)と算出される。
転倒スコア算出部67の算出式において、最大鉛直加速度と、最大静止時間と、復帰時間と、を用いることにより、他のパラメータを用いる場合と比べ、より精確に転倒スコアを算出することができる。最大鉛直加速度は、監視対象が受けた衝撃の程度を示す。最大静止時間及び復帰時間は、転倒の程度を示す。したがって、転倒スコアの算出式に最大鉛直加速度、最大静止時間及び復帰時間を用いることにより、監視対象の転倒の激しさを、より精確に求めることができる。なお、転倒スコア算出部67の算出式に用いられる他のパラメータとしては、例えば落下時間やX軸加速度の分散などが挙げられる。
転倒スコア評価部68は、転倒スコア算出部67によって算出された転倒スコアに基づき、転倒の激しさのランクを評価する処理部である。具体的には、転倒スコア評価部68は、転倒スコア閾値データDB633hから転倒スコア閾値データを読み出す。転倒スコア閾値データには、1つ以上の転倒スコア閾値が含まれる。例えば、転倒スコア閾値データには、第1転倒スコア閾値、第2転倒スコア閾値及び第3転倒スコア閾値が含まれる(第3転倒スコア閾値>第2転倒スコア閾値>第1転倒スコア閾値)。第1転倒スコア閾値、第2転倒スコア閾値及び第3転倒スコア閾値の各値は、転倒スコア算出部67において用いられる転倒スコア算出式に応じて、適宜設定することができる。転倒スコアが第1転倒スコア閾値未満である場合には、「監視対象は転倒していない(非転倒)」と評価する。転倒スコアが第1転倒スコア閾値以上第2転倒スコア閾値未満である場合には、「監視対象がヒヤリハット動作を行った(低程度)」(例えば、つまずき等)と評価する。転倒スコアが第2転倒スコア閾値以上第3転倒スコア閾値未満である場合には、「監視対象の転倒が激しい(中程度)」と評価する。転倒スコアが第3転倒スコア閾値以上となる場合には、「監視対象の転倒が非常に激しい(高程度)」と評価する。
通知部69は、転倒スコア評価部68における評価結果を、ネットワークAを介して管理端末3に送信する。通知部69は、評価結果とともに、位置情報データDB634から読みだされた位置情報(転倒場所)を管理端末3に送信する。さらに、通知部69は例えば、監視対象の情報(監視対象のID等)を送信する。
評価結果を受信した管理者は、評価結果に応じて、初動対応を迅速に決定することができる。例えば、「監視対象の転倒が非常に激しい(高程度)」との評価結果であった場合には、救急車を呼ぶ等の緊急対応を行い、「監視対象の転倒が激しい(中程度)」との評価結果であった場合には、管理者自ら転倒場所に赴いて状況把握を行い、「監視対象がヒヤリハット動作を行った(低程度)」との評価結果であった場合には、転倒情報(監視対象のIDなど)を記録する。
ここで、管理端末3には、位置情報データDB634から読みだされた位置情報(転倒場所)も送信されることから、この位置情報と評価結果とを組み合わせることにより、管理者が初動対応をより迅速に行うことができる。例えば、「監視対象の転倒が激しい(中程度)」との評価結果に基づいて管理者自ら転倒場所に赴く場合、転倒場所を予め把握できるため、転倒場所への到着をより早めることができる。
また、「監視対象がヒヤリハット動作を行った(低程度)」との評価結果に基づいて転倒情報を記録する場合、位置情報に関連させて記録することにより、ヒヤリハット動作がどの場所で起こりやすいかを知ることができる。すなわち、位置情報データDB634から読みだされた位置情報(転倒場所)と転倒情報とを組み合わせることにより、転倒に関するヒヤリハットマップを作成することができるため、危険な場所を監視対象に予め周知することによって転倒事故を予防することができる。
(処理の流れ)
ウェアラブルデバイス5において行われる処理の流れを説明する。図4は、ウェアラブルデバイス5において行われる処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、転倒検知が開始されると、X軸角速度取得部61は、角速度センサー53によって測定されたX軸角速度を取得し(S100)、加速度取得部62は、加速度センサー52によって測定された加速度データを取得し(S101)、重力方向取得部71は、重力方向センサー58によって測定された重力方向データを取得し(S102)、位置情報取得部70は、位置検出装置57によって検出されたウェアラブルデバイス5の現在位置を取得する(S103)。このとき、X軸角速度取得部61は、X軸角速度データDB631にX軸角速度を格納し、加速度取得部62は、X軸、Y軸、Z軸の各加速度を加速度データDB632に格納し、重力方向取得部71は、重力方向DB635に重力方向を格納し、位置情報取得部70は、位置情報データDB634に位置情報を格納する。
続いて、鉛直加速度算出部654が、加速度DB632から合成加速度データを読み出すとともに、重力方向DB635から重力方向データを読み出し、合成加速度データ及び重力方向データに基づいて鉛直加速度を算出する(S104)。鉛直加速度算出部654で算出された鉛直加速度は、鉛直加速度DB636に格納される。
続いて、衝撃検出部642が、鉛直加速度DB636から鉛直加速度データを読み出すとともに、衝撃検出閾値データDB633aから衝撃検出閾値データを読み出し、読み出した鉛直加速度が衝撃検出閾値以上であるか否かを判定する(S105)。鉛直加速度が衝撃検出閾値以上である場合には(S105でYES)、衝撃検出部642が読みだした鉛直加速度データ(鉛直加速度DB636から読みだされた鉛直加速度データ)に基づき、最大鉛直加速度検出部641において最大鉛直加速度が検出される(S106)。一方、鉛直加速度が衝撃検出閾値未満である場合には(S105でNO)、衝撃検出部642は衝撃を検出せず(すなわち、監視対象は転倒していない)、転倒スコア算出部67において転倒スコアが最小値(例えば0)と算出される(S115)。
続いて、起き上がり検出部645は、鉛直加速度DB636から鉛直加速度データを読み出すとともに、起き上がり検出閾値データDB633dから起き上がり検出閾値データを読み出す。ここで、起き上がり検出閾値は、第1起き上がり検出閾値と第2起き上がり検出閾値とから構成される(第1起き上がり検出閾値>第2起き上がり検出閾値)。起き上がり検出部645は、読み出した鉛直加速度データのうち第3所定時間内の鉛直加速度が第1起き上がり検出閾値(上限閾値)を超えた場合または第2起き上がり検出閾値(下限閾値)を下回った場合には(S107でYES)、「監視対象が起き上がった」と検出し(S108)、復帰時間検出部646は、第3所定時間の開始時から、起き上がり検出部645が監視対象の起き上がりを検出した起き上がり検出時までの時間を、「復帰時間」として検出する(S109a)。
一方、読み出した鉛直加速度データのうち第3所定時間内の鉛直加速度が第1起き上がり検出閾値(上限閾値)を超えずかつ第2起き上がり検出閾値(下限閾値)を下回らなかった場合には(S107でNO)、復帰時間検出部646は、第3所定時間の長さを復帰時間として検出する(S109b)。
続いて、最大静止時間検出部644は、加速度データDB632から合成加速度データを読み出すとともに、静止検出閾値データDB633cから静止検出閾値データを読み出す。ここで、静止検出閾値は、第1静止検出閾値と第2静止検出閾値とから構成される。最大静止時間検出部644は、読み出した合成加速度データのうち復帰時間における合成加速度について、第1静止検出閾値を超えずかつ第2静止検出閾値を下回らない連続した時間を「静止時間」として検出し、そのうち最大の静止時間を「最大静止時間」として検出する(S110)。
続いて、落下時間検出部643は、鉛直加速度DB636から鉛直加速度データを読み出すとともに、落下時間検出閾値データDB633bから落下時間検出閾値データを読み出す。ここで、落下時間検出閾値は、第1落下時間検出閾値と第2落下時間検出閾値とから構成される(第1落下時間検出閾値>第2落下時間検出閾値)。読み出した鉛直加速度データのうち第1所定時間内の鉛直加速度について、第1落下時間検出閾値と第2落下時間検出閾値との間の時間(第1落下時間検出閾値を超えずかつ第2落下時間検出閾値を下回らない時間の合計)を、「落下時間」として検出する(S111)。
落下時間検出部643による落下時間の検出と並行して、X軸角速度分散算出部651が、X軸角速度のうち第2所定期間内のX軸角速度(図9の領域S1)の分散を算出し(S112)、合成加速度分散算出部652が、合成加速度のうち第3所定期間内の合成加速度(図9の領域S2)の分散を算出する(S113)。
続いて、転倒判定部66は、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象が転倒したか否かを判定する(S114)。ここで、図5を用いて、転倒判定部66における転倒判定処理の流れを説明する。図5は、転倒判定部66における転倒判定処理の流れを示すフローチャートである。転倒判定部66においては、まず、落下時間検出部643によって検出された落下時間が転倒時落下時間閾値より小さいかを判定する(S114a、第1判定過程)。落下時間が転倒時落下時間閾値より小さい場合(S114aでYES)、「転倒とは異なる別の落下動作(転倒時の落下より短時間の落下動作)が生じた」として、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定される(S114d)。一方、落下時間検出部643によって検出された落下時間が転倒時落下時間閾値以上である場合(S114aでNO)、X軸角速度分散算出部651によって算出されたX軸角速度分散がX軸角速度分散閾値以上であるかを判定する(S114b)。X軸角速度分散がX軸角速度分散閾値以上である場合(S114bでYES)、「腕をひねる動作が生じた」として、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定される(S114d)。一方、X軸角速度分散がX軸角速度分散閾値未満である場合(S114bでNO)、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、最大鉛直加速度検出部641において検出された最大鉛直加速度と、の関係性が、第1閾領域内に含まれるかを判定する(S114c)。合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性が第1閾領域内に含まれる場合(S114cでYES)、「周期的な動作(歩行動作等)を行っている」として、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定される(S114d)。一方、合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性が第1閾領域内に含まれない場合(S114cでNO)、「監視対象が転倒した」と判定される(S114e)。ここで、S114aは第1判定過程に相当し、S114bは第2判定過程に相当し、S114cは第3判定過程に相当する。
転倒判定部66が「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定した場合(S114でNO(S114d))、転倒スコア算出部67において転倒スコアは最小値(例えば0)と算出される(S115)。一方、転倒判定部66が「監視対象が転倒した」と判定した場合(S114でYES(S114e))、転倒スコア算出部67において、最大鉛直加速度と、最大静止時間と、復帰時間と、が用いられる算出式によって、転倒スコアが算出される(S116)。
続いて、転倒スコア評価部68は、転倒スコア閾値データDB633hから転倒スコア閾値データを読み出す。転倒スコア閾値データは、第1転倒スコア閾値、第2転倒スコア閾値及び第3転倒スコア閾値を含む(第3転倒スコア閾値>第2転倒スコア閾値>第1転倒スコア閾値)。転倒スコアが第1転倒スコア閾値未満である場合には、「監視対象は転倒していない(非転倒)」と評価し、転倒スコアが第1転倒スコア閾値以上第2転倒スコア閾値未満である場合には、「監視対象がヒヤリハット動作を行った(低程度)」と評価し、転倒スコアが第2転倒スコア閾値以上第3転倒スコア閾値未満である場合には、「監視対象の転倒が激しい(中程度)」と評価し、転倒スコアが第3転倒スコア閾値以上である場合には、「監視対象の転倒が非常に激しい(高程度)」と評価する(S117)。
通知部69は、転倒スコア評価部68における評価結果とともに、位置情報データDB634から読みだされた位置情報(転倒場所)を、ネットワークAを介して管理端末3に送信する(S118)。
このように、本発明によれば、気圧センサーを用いることなく監視対象の転倒を判定することが可能であるため、天候によらず精確な転倒判定が可能となる。また、室内(例えば工場等)において、気密性や気流の変化などによって気圧が変化する場合があるが、この場合においても、本発明によれば精確な転倒判定が可能となる。さらに、気圧センサーは加速度センサー及び角速度センサーに比して高額であるため、気圧センサーの使用を避けることにより、コスト面でも有利となる。
(第2実施形態)
以下、図面を参照しながら、第2実施形態に係る電子機器について説明する。なお、第1実施形態と機能や構成が共通する部分については対応する符号を付し、説明を省略するものとする。本実施形態において、電子機器として、監視対象が装着するウェアラブルデバイス5´を用いるが、本発明はこれに限られず、例えば携帯端末等であってもよい。図11は、ウェアラブルデバイス5´の機能構成を示す図である。第2実施形態におけるウェアラブルデバイス5´は、第1実施形態におけるウェアラブルデバイス5と比べて、算出部65が合成加速度の周波数最大強度算出部(以下、単に「周波数最大強度算出部」と称す)653を備える点が異なっている。
周波数最大強度算出部653は、加速度データDB632から合成加速度データを読み出し、合成加速度のうち第3所定期間内の合成加速度(図9の領域S2)の周波数最大強度を算出する。周波数最大強度を算出する手段としては、適宜な方法が用いられる。
転倒判定部66´は、X軸角速度分散算出部651によって算出されたX軸角速度分散と、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、落下時間検出部643によって検出された落下時間と、周波数最大強度算出部653によって算出された周波数最大強度と、に基づいて、ウェアラブルデバイス5を装着した監視対象が転倒したか否かを判定する処理部である。具体的には、転倒判定部66´は、転倒時落下時間閾値データDB633eから転倒時落下時間閾値を読み出し、X軸角速度分散閾値データDB633fからX軸角速度分散閾値を読み出し、第2閾領域データDB633g´から第2閾領域データを読み出す。そして、(1)落下時間検出部643によって検出された落下時間が転倒時落下時間閾値より小さいか(第1判定過程)、(2)X軸角速度分散算出部651によって算出されたX軸角速度分散がX軸角速度分散閾値以上であるか(第2判定過程)、(3)合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、周波数最大強度算出部653によって算出された周波数最大強度と、の関係性が、第2閾領域に含まれないか(以下、第4判定過程と称す)を判定する。第1判定過程、第2判定過程及び第4判定過程のすべてにおいて「YES」である場合には、「監視対象が転倒した」と判定する。一方、第1判定過程、第2判定過程及び第4判定過程の少なくとも1つにおいて「NO」である場合には、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定する。
図14は、合成加速度分散と周波数最大強度との関係性及び第2閾領域について説明するための図である。図14を参照して、「合成加速度分散と周波数最大強度との関係性」とは、合成加速度分散と周波数最大強度のうち、一方を横軸、他方を縦軸にとった合成加速度分散−周波数最大強度座標系において、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散Aと、周波数最大強度算出部653によって算出された周波数最大強度Hと、に応じてプロットされる実測点Iを指すものとする。また、「第2閾領域」とは、図14に示すように、合成加速度分散−周波数最大強度座標系において設定された閾領域(領域S4)を指すものとする。
領域S4は、合成加速度分散−周波数最大強度座標系において、(L,K)から(L,J)まで延びる直線R4と、(L,K)から合成加速度分散が増加する方向に周波数最大強度=Kで延びる直線R5と、(L,J)から合成加速度分散が増加する方向に周波数最大強度=Jで延びる直線R6と、で囲まれた領域である(ただし、J>K、L>0、K>0)。図14において、実測点Iは、合成加速度分散についてA<Lであり、かつ周波数最大強度についてH<Kであるため、実測点Iが第2閾領域に含まれていない。
なお、第2閾領域(領域S4)は、図14に示すものに限られない。例えば、合成加速度分散−周波数最大強度座標系において、周波数最大強度=Kで延びる直線で区切られた領域のうち、周波数最大強度≧Kに属する領域であってもよい。この場合、実測点Iは周波数最大強度についてH<Kであるため、実測点Iは第2閾領域に含まれない。なお、このように第2閾領域を設定する場合には、合成加速度分散を考慮せず、周波数最大強度≧Kを第2閾領域としてもよい。
また、合成加速度分散=Lで延びる直線で区切られた領域のうち、合成加速度分散≧Lに属する領域であってもよい。この場合、実測点Iは合成加速度分散についてA<Lであるため、実測点Iは第2閾領域に含まれない。なお、このように第2閾領域を設定する場合には、周波数最大強度を考慮せず、合成加速度分散≧Lを第2閾領域としてもよい。
このように、実測点I(合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、周波数最大強度算出部653によって算出された周波数最大強度と、の関係性)が第2閾領域(領域S4)に含まれるか否かを判定する場合には、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散Aと、周波数最大強度算出部653によって算出された周波数最大強度Hと、の双方が第2閾領域(領域S4)に含まれるか否かを判定する。合成加速度分散Aと周波数最大強度Hとの双方が第2閾領域(領域S4)に含まれる場合には、「実測点Iは第2閾領域(領域S4)に含まれる」と判定される。一方、合成加速度分散Aと周波数最大強度Hの少なくとも一方が第2閾領域(領域S4)に含まれない場合には、「実測点Cは第2閾領域(領域S4)に含まれない」と判定される。
第4判定過程では、合成加速度分散と周波数最大強度との関係性を判定対象とすることにより、歩行動作など、周期的な動作によって生じる誤検知を防止することができる。したがって、第1判定過程、第2判定過程及び第4判定過程を用いて転倒判定を行うことにより、従来「転倒」として誤検知されていた種々の動作を、正しく「非転倒」と判定することができる。言い換えると、転倒判定部66において監視対象の転倒の有無を判定する際、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度に代えて、周波数最大強度算出部653によって算出された、合成加速度の周波数最大強度を用いることによっても、第1実施形態における転倒判定部66と同等の効果を奏することができる。
監視対象が衝撃を受けた直後は、合成加速度の周波数最大強度を正確に算出することができないため、合成加速度の周波数最大強度の算出は、衝撃検出時Pから所定時間経過後に行う必要がある。一方、監視対象が衝撃を受けた直後においては、X軸角速度の分散を算出することにより、監視対象が転倒しているか否か(腕をひねっていないか否か)を検出することができる。この点を考慮して、第2所定時間T2を適宜設定する必要がある。
(処理の流れ)
図12は、ウェアラブルデバイス5´において行われる処理の流れを示すフローチャートである。S100〜S110及びS115〜S118については、第1実施形態において詳述したため、説明を省略する。図12を参照して、第2実施形態においては、落下時間検出部643による落下時間の検出(S111)と並行して、X軸角速度分散算出部651が、X軸角速度のうち第2所定期間内のX軸角速度(図9の領域S1)の分散を算出し(S112)、合成加速度分散算出部652が、合成加速度のうち第3所定期間内の合成加速度(図9の領域S2)の分散を算出する(S113)とともに、周波数最大強度算出部653が、合成加速度のうち第3所定期間内の合成加速度(図9の領域S2)の周波数最大強度を算出する(S119)。
続いて、転倒判定部66´は、ウェアラブルデバイス5´を装着した監視対象が転倒したか否かを判定する(S114´)。ここで、図13を用いて、転倒判定部66における転倒判定処理の流れを説明する。図13は、転倒判定部66´における転倒判定処理の流れを示すフローチャートである。転倒判定部66´においては、まず、落下時間検出部643によって検出された落下時間が転倒時落下時間閾値より小さいかを判定する(S114a、第1判定過程)。落下時間が転倒時落下時間閾値より小さい場合(S114aでYES)、「転倒とは異なる別の落下動作(転倒時の落下より短時間の落下動作)が生じた」として、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定される(S114d)。一方、落下時間検出部643によって検出された落下時間が転倒時落下時間閾値以上である場合(S114aでNO)、X軸角速度分散算出部651によって算出されたX軸角速度分散がX軸角速度分散閾値以上であるかを判定する(S114b)。X軸角速度分散がX軸角速度分散閾値以上である場合(S114bでYES)、「腕をひねる動作が生じた」として、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定される(S114d)。一方、X軸角速度分散がX軸角速度分散閾値未満である場合(S114bでNO)、合成加速度分散算出部652によって算出された合成加速度分散と、周波数最大強度算出部653によって算出された周波数最大強度と、の関係性が、第2閾領域内に含まれるかを判定する(S114f)。合成加速度分散と周波数最大強度との関係性が第2閾領域内に含まれる場合(S114fでYES)、「周期的な動作(歩行動作等)を行っている」として、「監視対象が転倒していない(非転倒)」と判定される(S114d)。一方、合成加速度分散と周波数最大強度の関係性が第2閾領域内に含まれない場合(S114fでNO)、「監視対象が転倒した」と判定される(S114e)。ここで、S114aは第1判定過程に相当し、S114bは第2判定過程に相当し、S114fは第4判定過程に相当する。
このように、本発明によれば、気圧センサーを用いることなく監視対象の転倒を判定することが可能であるため、天候によらず精確な転倒判定が可能となる。また、室内(例えば工場等)において、気密性や気流の変化などによって気圧が変化する場合があるが、この場合においても、本発明によれば精確な転倒判定が可能となる。さらに、気圧センサーは加速度センサー及び角速度センサーに比して高額であるため、気圧センサーの使用を避けることにより、コスト面でも有利となる。
上述の電子機器又は転倒判定システムを構成する各機能は、プログラムによって実現可能であり、各機能を実現するために予め用意されたコンピュータプログラムが補助記憶装置に格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行することで、各部の機能を動作させることができる。
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータ(例えば、サーバ2)に提供することも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
(変形例)
上述の実施形態において、X軸角速度取得部61と、加速度取得部62と、記憶部63と、検出部64と、算出部65と、転倒判定部66と、転倒スコア算出部67と、転倒スコア評価部68と、通知部69と、位置情報取得部70と、重力方向取得部71と、はウェアラブルデバイス5(5´)が備えている。しかしながら、これに限られず、X軸角速度取得部61と、加速度取得部62と、記憶部63と、検出部64と、算出部65と、転倒判定部66と、転倒スコア算出部67と、転倒スコア評価部68と、通知部69と、位置情報取得部70と、重力方向取得部71と、をサーバ2が備える構成であってもよい。この場合、ウェアラブルデバイス5(5´)が備える加速度センサー52によって測定された3軸の各加速度のデータは、ネットワークAを介してサーバ2が備える加速度取得部62に取得され、加速度取得部62によって加速度DB632に格納される。ウェアラブルデバイス5(5´)が備える角速度センサー53によって測定されたX軸角速度のデータは、ネットワークAを介してサーバ2が備えるX軸角速度取得部61に取得され、X軸角速度取得部61によってX軸角速度データDB631に格納される。ウェアラブルデバイス5(5´)が備える重力方向センサー58によって測定された重力方向のデータは、ネットワークAを介してサーバ2が備える重力方向取得部71に取得され、重力方向取得部71によって重力方向DB635に格納される。ウェアラブルデバイス5(5´)が備える位置検出装置54によって取得されたウェアラブルデバイス5(5´)の現在位置のデータは、ネットワークAを介してサーバ2が備える位置情報取得部70に取得され、位置情報取得部70によって位置情報データDB634に格納される。
(変形例)
上述の実施形態では、転倒判定部による転倒判定において、最大鉛直加速度検出部641によって検出された最大鉛直加速度と、周波数最大強度算出部653によって算出された合成加速度の周波数最大強度と、のいずれか一方のみを用いていたが、これに限られない。最大鉛直加速度及び周波数最大強度の双方を用い、合成加速度分散と最大鉛直加速度との関係性と、合成加速度分散と周波数最大強度との関係性と、から転倒判定を行う構成であってもよい。この場合、図10及び図14に示すように、合成加速度分散−最大鉛直加速度座標系と合成加速度分散−周波数最大強度座標系とを用いて転倒判定を行ってもよい。また、合成加速度分散をX軸、最大鉛直加速度をY軸、周波数最大強度をZ軸とした3次元空間座標系において、第1閾領域及び第2閾領域を用いて閾空間を設定したうえで、転倒判定を行ってもよい。
(変形例)
第1実施形態において、落下時間検出部643による落下時間の検出(S111)と、X軸角速度分散算出部651による第2所定期間内のX軸角速度の分散の算出(S112)と、合成加速度分散算出部652による第3所定期間内の合成加速度の分散の算出(S113)と、は並行して行われている。しかしながら、これらの処理を同時に行う必要はなく、順番に処理を行ってもよい。また、例えば、落下時間検出部643による落下時間の検出を行った後、X軸角速度分散算出部651による第2所定期間内のX軸角速度の分散の算出と、合成加速度分散算出部652による第3所定期間内の合成加速度の分散の算出と、を同時に行う構成としてもよい。さらに、S111〜S113は、衝撃検出部642による衝撃検出(S105)から転倒判定部66による転倒判定(S114)の間であれば、任意の位置において実施することができる。
同様に、第2実施形態において、落下時間検出部643による落下時間の検出(S111)と、X軸角速度分散算出部651による第2所定期間内のX軸角速度の分散の算出(S112)と、合成加速度分散算出部652による第3所定期間内の合成加速度の分散の算出(S113)と、周波数最大強度算出部653による第3所定期間内の合成加速度の周波数最大強度の算出(S119)と、は並行して行われている。しかしながら、これらの処理を同時に行う必要はなく、順番に処理を行ってもよい。また、例えば、落下時間検出部643による落下時間の検出を行った後、X軸角速度分散算出部651による第2所定期間内のX軸角速度の分散の算出と、合成加速度分散算出部652による第3所定期間内の合成加速度の分散の算出と、周波数最大強度算出部653による第3所定期間内の合成加速度の周波数最大強度の算出と、を同時に行う構成としてもよい。さらに、S111〜S113、S119は、衝撃検出部642による衝撃検出(S105)から転倒判定部66による転倒判定(S114´)の間であれば、任意の位置において実施することができる。
(変形例)
上述の実施形態において、ウェアラブルデバイス5は、位置検出装置57及び位置情報取得部70を備える構成であるが、これらの構成要素を省略した構成であってもよい。ただし、ウェアラブルデバイス5が位置検出装置57及び位置情報取得部70を備えることにより、上述の第1実施形態において記載した効果(管理者の初動対応のさらなる迅速化、ヒヤリハットマップの作成による転倒の予防)を奏することができる。そのため、ウェアラブルデバイス5が位置検出装置57及び位置情報取得部70を備えることが好ましい。
(変形例)
上述の実施形態において、ウェアラブルデバイス5は、転倒スコア算出部67及び転倒スコア評価部68を備える構成であるが、これらの構成要素を省略した構成であってもよい。この場合、転倒判定部66によって判定された判定結果(監視対象の転倒/非転倒)が、通知部69からネットワークAを介して管理端末3に送信される。
(変形例)
第1実施形態において、転倒判定の処理は、第1判定過程(S114a)→第2判定過程(S114b)→第3判定過程(S114c)の順に行われているが、これに限られない。第1判定過程、第2判定過程、第3判定過程の順序は適宜変更してもよい。また、第1判定過程、第2判定過程、第3判定過程を同時に行ってもよい。
同様に、第2実施形態において、転倒判定の処理は、第1判定過程(S114a)→第2判定過程(S114b)→第4判定過程(S114f)の順に行われているが、これに限られない。第1判定過程、第2判定過程、第4判定過程の順序は適宜変更してもよい。また、第1判定過程、第2判定過程、第4判定過程を同時に行ってもよい。
(変形例)
上述の実施形態において、鉛直加速度算出部654は、合成加速度データ及び重力方向データに基づいて鉛直加速度を算出しているが、これに限られない。鉛直加速度算出部654は、例えば、3軸角速度取得部(不図示)が取得したX軸、Y軸、Z軸の各角速度と、加速度取得部52が取得したX軸加速度データ、Y軸加速度データ、Z軸加速度データを合成した合成加速度データと、に基づいて鉛直加速度を算出する構成であってもよい。
1:転倒判定システム 2:サーバ 3:管理端末 4:ゲートウェイ 5、5´:ウェアラブルデバイス 51:無線部 52:加速度センサー 53:角速度センサー 54:HDD 55:メモリ 56:プロセッサ 57:位置検出装置 61:X軸角速度取得部 62:加速度取得部 63:記憶部 64:検出部 65:算出部 66、66´:転倒判定部 67:転倒スコア算出部 68:転倒スコア評価部 69:通知部 70:位置情報取得部 71:重力方向取得部 631:X軸角速度データDB 632:加速度DB 633:閾値DB 635:重力方向DB 636:鉛直加速度DB 641:最大鉛直加速度検出部 642:衝撃検出部 643:落下時間検出部 644:最大静止時間検出部 645:起き上がり検出部 646:復帰時間検出部 651:X軸角速度分散算出部 652:合成加速度分散算出部 653:周波数最大強度算出部 654:鉛直加速度算出部 S3:第1閾領域 S4:第2閾領域

Claims (16)

  1. 監視対象が転倒したか否かを判定する電子機器であって、
    少なくともX軸角速度を測定する角速度測定部と、
    3軸の各加速度を測定する加速度測定部と、
    前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、
    前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が第1落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、
    前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、
    前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記最大の鉛直加速度とのうち少なくとも一方が第1閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  2. 前記電子機器は、前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出部を備え、
    前記転倒判定部は、さらに、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度との少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 監視対象が転倒したか否かを判定する電子機器であって、
    少なくともX軸角速度を測定する角速度測定部と、
    3軸の各加速度を測定する加速度測定部と、
    前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、
    前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、
    前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出部と、
    前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度とのうち少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  4. 前記電子機器は、さらに、前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部を備えることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記電子機器は、さらに、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記第3所定時間における鉛直加速度が、第1起き上がり検出閾値を超えた場合、または前記第1起き上がり検出閾値より小さい第2起き上がり検出閾値を下回った場合に、前記監視対象が起き上がったことを検出する起き上がり検出部と、
    前記第3所定時間の開始時から、前記起き上がり検出部が前記監視対象の起き上がりを検出した起き上がり検出時までの時間を、復帰時間として検出する復帰時間検出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記復帰時間における合成加速度が第1静止検出閾値を超えない連続した時間を、静止時間として検出し、そのうち最大の静止時間を最大静止時間として検出する最大静止時間検出部と、
    前記最大の鉛直加速度と、前記復帰時間と、前記最大静止時間と、を用いた算出式によって、前記監視対象の転倒の転倒スコアを算出する転倒スコア算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1、2または4のいずれか1つに記載の電子機器。
  6. 前記衝撃検出部が、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出しなかった場合、前記転倒スコア算出部は、最小値の転倒スコアを算出することを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
  7. 前記起き上がり検出部が前記監視対象の起き上がりを検出しなかった場合、前記復帰時間検出部は、前記第3所定時間の長さを復帰時間として検出することを特徴とする請求項5または6に記載の電子機器。
  8. 前記最大静止時間検出部が検出する前記静止時間は、前記復帰時間における合成加速度が前記第1静止検出閾値を超えない連続した時間のうち、前記第1静止検出閾値より小さい第2静止検出閾値を下回らない連続した時間であることを特徴とする請求項5ないし7のうちいずれか1つに記載の電子機器。
  9. 前記電子機器は、さらに、
    前記転倒スコア算出部によって算出された転倒スコアが、第1転倒スコア閾値未満である場合、前記監視対象が転倒していないと評価する転倒スコア評価部を備えることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1つに記載の電子機器。
  10. 前記転倒スコア評価部は、前記転倒スコア算出部によって算出された転倒スコアが、前記第1転倒スコア閾値以上、前記第1転倒スコア閾値より大きい第2転倒スコア閾値未満である場合、前記監視対象がヒヤリハット動作を行ったと評価することを特徴とする請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記電子機器はさらに、
    前記電子機器の現在位置を検出する位置検出装置と、
    前記位置検出装置から前記電子機器の現在位置を取得する位置情報取得部と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の電子機器。
  12. 前記落下時間検出部が検出する前記落下時間は、前記第1所定時間における鉛直加速度が前記第1落下時間検出閾値以下である時間のうち、前記第1落下時間検出閾値より小さい第2落下時間検出閾値以上である時間であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の電子機器。
  13. 監視対象が転倒したか否かを判定する転倒判定システムであって、
    電子機器と、前記電子機器とネットワークを介して接続されるサーバと、を備え、
    前記電子機器は、
    少なくともX軸角速度を測定する角速度測定部と、
    3軸の各加速度を測定する加速度測定部と、
    を備え、
    前記サーバは、
    前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、
    前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち前記衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が第1落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、
    前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、
    前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記最大の鉛直加速度とのうち少なくとも一方が第1閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、
    を備える
    ことを特徴とする転倒判定システム。
  14. 監視対象が転倒したか否かを判定する転倒判定システムであって、
    電子機器と、前記電子機器とネットワークを介して接続されるサーバと、を備え、
    前記電子機器は、
    前記角速度測定部からX軸角速度を取得するX軸角速度取得部と、
    前記加速度測定部から3軸の各加速度を取得する加速度取得部と、
    を備え、
    前記サーバは、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出部と、
    前記鉛直加速度算出部が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出部が検出した衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出部と、
    前記X軸角速度取得部が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出部と、
    前記加速度取得部が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出部と、
    前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度とのうち少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定部と、
    を備える
    ことを特徴とする転倒判定システム。
  15. コンピュータに、
    少なくともX軸角速度を測定する角速度測定手段と、
    3軸の各加速度を測定する加速度測定手段と、
    前記角速度測定手段からX軸角速度を取得するX軸角速度取得手段と、
    前記加速度測定手段から3軸の各加速度を取得する加速度取得手段と、
    前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出手段と、
    前記鉛直加速度算出手段が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出手段と、
    前記鉛直加速度算出手段が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出手段が検出した衝撃検出時からの設定時間内における、最大の鉛直加速度を検出する最大鉛直加速度検出手段と、
    前記鉛直加速度算出手段が算出した前記鉛直加速度のうち前記衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が第1落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出手段と、
    前記X軸角速度取得手段が取得した前記X軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出手段と、
    前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出手段と、
    前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記最大の鉛直加速度とのうち少なくとも一方が第1閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定手段と、
    を実行させることを特徴とする転倒判定プログラム。
  16. コンピュータに、
    少なくともX軸角速度を測定する角速度測定手段と、
    3軸の各加速度を測定する加速度測定手段と、
    前記角速度測定手段からX軸角速度を取得するX軸角速度取得手段と、
    前記加速度測定手段から3軸の各加速度を取得する加速度取得手段と、
    前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した合成加速度に基づき、鉛直加速度を算出する鉛直加速度算出手段と、
    前記鉛直加速度算出手段が算出した前記鉛直加速度が衝撃検出閾値以上の場合に、前記監視対象が衝撃を受けたことを検出する衝撃検出手段と、
    前記鉛直加速度算出手段が算出した前記鉛直加速度のうち、前記監視対象が衝撃を受けたことを前記衝撃検出手段が検出した衝撃検出時より前の第1所定時間における鉛直加速度が落下時間検出閾値以下である時間を、落下時間として検出する、落下時間検出手段と、
    前記X軸角速度取得手段が取得したX軸加速度のうち、前記衝撃検出時から前記衝撃検出時より後の区切り時までの第2所定時間におけるX軸加速度の分散を算出するX軸角速度分散算出手段と、
    前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記区切り時より後の第3所定時間における合成加速度の分散を算出する合成加速度分散算出手段と、
    前記加速度取得手段が取得した3軸の加速度を合成した前記合成加速度のうち、前記第3所定期間における合成加速度の周波数最大強度を算出する周波数最大強度算出手段と、
    前記落下時間が転倒時落下時間閾値以上であり、前記X軸加速度の分散がX軸角速度分散閾値未満であり、前記合成加速度の分散と前記周波数最大強度とのうち少なくとも一方が第2閾領域に含まれない場合に、前記監視対象が転倒したと判定する転倒判定手段と、
    を実行させることを特徴とする転倒判定プログラム。

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