JP6461658B2 - 転倒検知端末およびプログラム - Google Patents

転倒検知端末およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6461658B2
JP6461658B2 JP2015055613A JP2015055613A JP6461658B2 JP 6461658 B2 JP6461658 B2 JP 6461658B2 JP 2015055613 A JP2015055613 A JP 2015055613A JP 2015055613 A JP2015055613 A JP 2015055613A JP 6461658 B2 JP6461658 B2 JP 6461658B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fall
acceleration
evaluation value
user
detection terminal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015055613A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016177402A (ja
Inventor
古田 展康
展康 古田
宏幸 小嶋
宏幸 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Secom Co Ltd
Original Assignee
Secom Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Secom Co Ltd filed Critical Secom Co Ltd
Priority to JP2015055613A priority Critical patent/JP6461658B2/ja
Publication of JP2016177402A publication Critical patent/JP2016177402A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6461658B2 publication Critical patent/JP6461658B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、利用者(携帯者)の転倒を検知する機能を有する転倒検知端末に関する。
従来から、人の転倒を検知するための方法が提案されている。例えば、特許文献1の方法では、人の体幹に取り付けられた加速度センサから得られた加速度デジタル信号値の絶対値(加速度絶対値)が閾値以上であるか、すなわち、歩行等の通常動作では検知することが希な大きな加速度が検知されたかに基づいて、人の転倒が検知される。
特開2009−163538号公報
しかしながら、転倒の態様は多種多様であり、従来の転倒検知の方法では検知が困難な場合も少なくない。例えば、強く腕を振った場合などには、衝突(衝撃)を伴わない動きでも大きな加速度変化が生じるため、単に加速度の絶対値(ピーク値)のみを観察するだけでは、転倒を日常動作と区別するのは難しいという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、利用者の転倒可能性を高精度に判定することのできる転倒検知端末を提供することを目的とする。
本発明の転倒検知端末は、利用者により携帯され、当該利用者の転倒を検知する転倒検知端末において、前記転倒検知端末の動きにより生じる加速度を検出して加速度データを出力する加速度センサと、前記加速度データから所定基準値を超える加速度のピーク値を検出するピーク検出手段と、所定期間における前記加速度の総変化量を算出する総変化量算出手段と、前記ピーク値の検出時に対応する所定期間における前記総変化量の当該ピーク値に対する大きさに基づいて、前記利用者の転倒の可能性を判定する転倒判定手段と、を備える。
この構成により、加速度のピーク値と、所定期間における加速度の総変化量が算出され、そのピーク値に対するピーク検出時に対応する所定期間における総変化量の大きさに基づいて、利用者の転倒の可能性が判定される。例えば、ピーク検出時の近傍における総変化量の最大値がピーク値との比較対象とされる。日常動作でも、転倒時と同程度のピーク(加速度のピーク値)が検出されることがあり得るが、加速度の変化は衝撃が加わると激しくなるため、総変化量が大きくなる。また、ピークを形成する加速度が大きいほど、それに伴い総変化量も大きくなる。そこで、ピーク値に対する総変化量の大きさを用いることにより、大きな加速度ピークが生じる日常動作と転倒を区別することができる。これにより、単にピーク値のみから判定する場合や変化量のみから判定する場合に比べて、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができる。
また、本発明の転倒検知端末では、前記転倒判定手段は、前記ピーク値に対する前記総変化量の比率が大きいほど前記利用者の転倒の可能性が高いと判定してもよい。
この構成により、ピーク値に対する総変化量の比率が大きいほど、利用者の転倒の可能性が高いと判定される。このようにして、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができる。
また、本発明の転倒検知端末では、前記ピーク検出手段は、前記ピーク値に対する前記総変化量の比率に基づいて前記利用者の転倒可能性を示す第一評価値を算出し、前記転倒判定手段は、前記第一評価値および前記第一評価値と異なる第二評価値を総合的に評価した総合評価値に基づいて、前記利用者が転倒したか否かを判定してもよい。
この構成により、ピーク値に対する総変化量の比率に基づいて利用者の転倒可能性を示す第一評価値が算出される。そして、第一評価値と第二評価値(第一評価値と異なる第二評価値)を総合的に評価した総合評価値に基づいて、利用者が転倒したか否かの判定(転倒判定)が行われる。これにより、一つの評価値(例えば、加速度のピーク値)のみから判定する場合に比べて、高精度な転倒判定を行うことができる。
また、本発明の転倒検知端末では、前記転倒検知端末は、さらに、前記加速度データから前記転倒検知端末が自由落下するときに現れる落下特性を検出し、当該落下特性に基づく転倒可能性を示す落下評価値を算出する落下検出手段を備え、前記転倒判定手段は、前記落下評価値を前記第二評価値として、前記第一評価値と前記第二評価値を合算することにより前記総合評価値を求めてもよい。
この構成により、転倒検知端末が自由落下するときに現れる落下特性から、落下特性に基づく転倒可能性(落下評価値)が求められ、その落下評価値を第二評価値として、第一評価値と第二評価値を合算して総合評価値が求められる。そして、このようにして求めた総合評価値に基づいて、利用者が転倒したか否かの判定(転倒判定)が行われる。これにより、単に加速度のピーク値のみ、あるいは、単に落下特性のみから判定する場合に比べて、高精度な転倒判定を行うことができる。
本発明のプログラムは、利用者の転倒を検知する転倒検知端末で実行されるプログラムであって、前記転倒検知端末には、前記転倒検知端末の動きにより生じる加速度を検出して加速度データを出力する加速度センサが備えられており、前記プログラムは、コンピュータに、前記加速度データから所定基準値を超える加速度のピーク値を検出する処理と、所定期間における前記加速度の総変化量を算出する処理と、前記ピーク値の検出時に対応する所定期間における前記総変化量の当該ピーク値に対する大きさに基づいて、前記利用者の転倒の可能性を判定する処理と、を実行させる。
このプログラムによっても、上記の端末と同様、加速度のピーク値と、ピーク値の検出時に対応する所定期間における加速度の総変化量とが比較され、ピーク値に対する総変化量の大きさに基づいて、利用者の転倒の可能性が判定される。日常動作でも、転倒時と同程度のピーク(加速度のピーク値)が検出されることがあり得るが、ピーク値に対する総変化量を用いることにより、そのような日常動作と転倒を区別することができる。これにより、単にピーク値のみから判定する場合や変化量のみから判定する場合に比べて、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができる。
本発明によれば、ピーク値に対する総変化量の大きさに基づいて、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができる。
本発明の実施の形態における転倒検知端末のブロック図である。 (a)転倒の加速度データの一例を示す図である。 (b)非転倒(壁に手をぶつけたとき)の加速度データの一例を示す図である。 (a)安静時の転倒の加速度データの一例を示す図である。 (b)歩行中の転倒の加速度データの一例を示す図である。 (c)走行中の転倒の加速度データの一例を示す図である。 加速度変化量の算出方法を説明するための加速度データ一例を示す図である。 (a)転倒時の加速度及び加速度変化量のデータの一例を示す図である。 (b)運動時(非転倒)の加速度及び加速度変化量のデータの一例を示す図である。 本発明の実施の形態における転倒検知端末の動作説明のためのフロー図である。
以下、本発明の実施の形態の転倒検知端末について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、高齢者の転倒を検知する監視システム等に用いられる転倒検知端末の場合を例示する。この転倒検知端末の機能(転倒検知機能)は、端末のメモリ等に格納されたプログラムによって実現することができる。
転倒検知端末は、利用者(高齢者など)に携帯される端末装置である。例えば、転倒検知端末は、リストバンド型(腕時計型)のウェアラブル端末で構成され、利用者(高齢者など)が手首や腕に装着される。転倒検知端末は、首からぶら下げるペンダント型であってもよく、頭や耳に装着するタイプの頭部装着型でもよく、また、ベルトタイプなどの腰装着型であってもよい。
まず、本実施の形態の転倒検知端末の構成を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態の転倒検知端末の構成を示すブロック図である。図1に示すように、転倒検知端末1は、加速度センサ2、装着センサ3、高度センサ4、救急ボタン5を備えている。また、この転倒検知端末1は、操作表示部6、振動部7、電源部8、無線通信部9、監視制御部10を備えている。
加速度センサ2は、利用者の動きを検出し、利用者の動きを示す動きデータ(加速度データ)を出力する機能を備えたセンサであり、例えば3軸加速度センサで構成される。加速度センサ2は、所定のサンプリング周期で検出した加速度データを出力する。装着センサ3は、人体(腕)への装着状態(装着されているか否か)を検出する機能を備えたセンサであり、例えば静電容量方式センサなど、人体の装着部位の接触や近接を電気的に検出可能なセンサで構成される。高度センサ4は、気圧変化等を利用して端末の高さの変化を検出する機能を備えたセンサであり、例えば気圧センサで構成される。救急ボタン5は、利用者が非常時に救急通報するための操作部(救急操作部)である。
操作表示部6は、例えばタッチパネルディスプレイで構成され、異常報知などの各種の情報表示をする機能(情報表示機能)と、キャンセル操作などの各種の入力操作をする機能(入力操作機能)を備えている。振動部7は、バイブレーション装置などで構成され、振動による刺激で利用者へ異常や操作受付などを報知する機能を備えている。電源部8は、電池などのバッテリなどで構成される。無線通信部9は、例えば携帯通信網を介して遠隔の監視センタ11に設置されたセキュリティ端末12と無線通信を行う機能を備えている。また、無線通信部9は、ブルートゥース(登録商標)や特定小電力無線などで、宅内に設置されたセキュリティ端末(図示せず)と無線通信を行う機能を備えている。
監視制御部10は、各センサ(加速度センサ2、装着センサ3、高度センサ4)や操作部(救急ボタン5、操作表示部6)からの入力に基づいて、救急監視を行う機能を有する救急監視部13と、生活監視を行う機能を有する生活監視部14と、転倒監視を行う機能を有する転倒監視部15を備えている。また、この監視制御部10は、転倒検知端末1の各部を制御する機能を備えている。
救急監視部13は、利用者が救急対応を求めて救急ボタン5を操作した際に、監視センタ11に救急通報を行う機能を備えている。例えば、救急ボタン5が2秒間押され続けると、救急異常と判定し、救急異常を監視センタ11に通報するとともに、異常確定したことを振動・画面・音・光などで周囲に報知する。救急異常は、意識的な操作による異常であるため、キャンセル操作は受け付けない。なお、生活異常や転倒異常(後述する)の発生中でも、救急異常が発生した場合は、救急異常が優先される。
生活監視部14は、加速度センサ2の出力に基づき、利用者(携帯者、装着者)が日常生活で生じる程度に動いているかを監視し、急病などにより動けない状態が継続していることを通報する機能を備えている。生活監視部14は、装着状態(装着された状態)のときに生活監視を実行する。例えば、加速度センサ2の出力から利用者の動き(体動)を検出し、日常生活レベルの体動が一定期間(例えば1時間)継続して生じていないと、生活異常と判定する。生活異常と判定すると、その旨を利用者に振動・画面・音・光などにより報知する。この生活監視部14は、生活異常と判定・報知した後、所定のキャンセル時間(例えば10秒)の間に体動が検出されるか、またはキャンセル操作が入力された場合、生活異常を取り消す(異常通報しない)処理を行う。体動の検出処理については、転倒監視における処理と同様(後述する)である。
転倒監視部15は、加速度センサ2の出力に基づいて、利用者(携帯者、装着者)の転倒を自動検出し、転倒事故の発生を通報する機能を備えている。転倒監視部15は、装着状態(装着された状態)のときに転倒監視を実行する。この場合、加速度センサ2の出力から「衝撃」と「自由落下特性」を検出し、この検出結果を評価して転倒を検出する。そして、転倒を検出した後、所定時間(例えば15秒)のあいだ、立ち上がって歩くなどの体動を検出できない場合に、転倒異常と判定する。この所定時間には、転倒検出直後の数秒(例えば5秒)は含まれない。そして、転倒異常と判定すると、その旨を利用者に振動・画面・音・光などにより報知する。この転倒監視部15は、転倒異常と判定・報知した後、所定のキャンセル時間(例えば20秒)の間にキャンセル操作が入力された場合、転倒異常を取り消す(異常通報しない)処理を行う。
ここで、図2を参照しながら、転倒検知の基本的なロジックについて説明する。転倒監視部15は、転倒時に端末に加わる衝撃と、転倒にいたる過程で発生する落下特性を評価し、転倒を検出する。特に本発明では、衝撃に基づく転倒らしさ、落下特性に基づく転倒らしさを総合的に評価して、最終的な転倒判定を行う。そのための構成として、転倒監視部15は、衝撃検出部16と落下検出部17と転倒判定部18を備えている。
衝撃検出部16は、加速度データから転倒検知端末1に生じた衝撃を検出し、その衝撃に基づく転倒可能性を示す衝撃評価値を算出する機能を備えている。転倒は、地面等への身体の衝突を伴うため、転倒検知端末1に加わる衝撃によって加速度が大きく変化する。そこで、この衝撃検出部16は、加速度のピーク値に基づいて、転倒時に端末に加わる衝撃を検出するように構成されている。
図2および図3は、加速度データの例を示す図である。この場合、前処理として、3軸の各軸(X軸、Y軸、Z軸)ごとに出力された加速度データがスカラー化され、移動平均処理(ローパスフィルタ)が施されている。衝撃検出部16は、所定の閾値(例えば30m/sec2)以上の加速度のピーク(時間T1)を検出し、そのピーク値Pを得る。そして、衝撃検出部16は、例えば、以下の式1を用いることにより、ピーク値Pに基づいて衝撃評価値Esを求める。ここで、cは、総合評価のための調整係数である。
Es=P×c (式1)
落下検出部17は、加速度データから転倒検知端末1が自由落下するときに現れる落下特性を検出し、その落下特性に基づく転倒可能性を示す落下評価値を算出する機能を備えている。転倒は、地面方向に向かって落下を生じる現象であるため、落下中の加速度は重力加速度(9.8m/sec2)よりも小さくなる。そこで、落下検出部17は、加速度のピーク(時間T1)から時間を遡り、重力加速度との交点(時間T2)を求め、その時点から一定期間前(時間T3)までの加速度平均値Aを算出する。時間T3から時間T2までの期間(例えば500msec)は、落下判定期間と呼ぶことができる。そして、落下検出部17は、例えば、以下の式2を用いることにより、加速度平均値Aに基づいて落下評価値Efを求める。ここで、aは、落下基準の定数であり、bは、総合評価のための調整係数である。
Ef=(a−A)×b (式2)
定数aは、落下特性の有無を区別する基準点となる加速度であり、例えば、8m/sec2や、重力加速度9.8m/sec2が用いられる。この定数aより加速度平均値Aが小さいと、落下評価値Efは正値をとる。
転倒判定部18は、衝撃評価値および落下評価値を総合的に評価した総合評価値に基づいて、利用者が転倒したか否かを判定する機能を備えている。転倒の態様は様々であり、衝撃が大きく落下特性も顕著な場合もあるが、衝撃が小さく落下特性が顕著な場合もあり、逆に落下特性は顕著でないが衝撃は大きい場合もある。そこで、転倒判定部18は、以下の式3を用いることにより、衝撃評価値と落下評価値を合算して総合評価値Etを求め、総合評価値が転倒判定の基準値Th以上のとき、利用者の転倒を検出する。
Et=Es+Ef (式3)
この転倒判定部18では、体動検出による自動キャンセル判定が行われる。転倒が検出された場合であっても、その後に体動が検出されれば利用者は危険な状態ではないと考えられるため、転倒判定部18は、転倒検出を自動キャンセルする。この体動検出(自動キャンセル判定)では、転倒判定したときのピークの時点(T1)から所定の遅延時間(例えば5秒)の体動は無視し、それ以降の体動判定時間(例えば15秒)の間の体動の有無を判定する。体動の有無の判定は、加速度のピーク値または変化量の観測により行う。例えば、所定の閾値以上のピーク値が所定回数検出されたとき、またはこのピーク値の合計が一定値を超えたときに、体動を検出する。あるいは、所的期間(例えば数秒間)または体動判定時間における加速度の変化量の合計が一定値を超えたとき、または単位時間当たりの加速度の変化量が一定値を超えたときに、体動を検出する。自動キャンセル判定後、すなわち体動判定時間の経過時までに体動が検出されなければ、転倒判定部18は転倒異常を確定する。
また、この転倒判定部18では、利用者の活動状況(活動量)を考慮した転倒判定が行われる。意識があるか否か、激しく動いているか否か、といった転倒の態様によって得られる衝撃と落下特性は異なる。そこで、転倒判定部18は、加速度データから利用者の活動量を算出し、衝撃の発生時を基準とした所定期間における利用者の活動量に応じて、衝撃評価値および落下評価値に重み付けを加えて総合評価値を求める。
すなわち、転倒判定部18は、単に「Et=Es+Ef」として総合評価値を求めるのではなく、転倒時の利用者の活動状況(活動量)に応じて、各評価値(Es、Ef)を重み付けした上で加算し、総合評価値Etを求める。この場合、利用者の活動状況(活動量)は、転倒(衝撃)が検出される前の一定期間(活動判定期間)における動きを分析し、その活動判定期間(例えば3秒)における加速度データ(ピークや変化量)に基づいて判定する。なお、上述の落下判定期間(例えば、時間T3から時間T2までの期間)には転倒している最中の動きが含まれるため、この活動判定期間(例えば、時間T4から時間T3までの期間)には落下判定期間以降の期間(例えば、時間T3から時間T1までの期間)を含めず、落下判定期間より前の期間を設定するものとする(図3参照)。
具体的には、転倒判定部18は、活動判定期間における加速度の総変化量である運動量Wを求め、この運動量Wと活動基準値との比較により、活動状況(動きの激しさ)を判定する。運動量Wは、例えば、以下の式4を用いることにより、活動判定期間における加速度データ(スカラー化された加速度データa1、a2、・・・、an−1、an)の差分を積算して求めることができる。この運動量Wは、3軸の各軸(X軸、Y軸、Z軸)ごとに算出してもよく、また、3軸の合計や平均として算出してもよい。
W=|a1−a2|+|a2−a3|+・・・+|an−1−an| (式4)
また、運動量Wは、ピーク値の大きさや検出回数に基づいて求めることもできる。例えば、運動量Wは、一定以上のピーク値が検出された回数でもよく、上記ピーク値の合計でもよく、上記ピーク値の最大または平均によって重み付けされた回数でもよい。
本実施の形態では、転倒判定部18は、活動判定期間における利用者の運動量Wが第1基準活動量Th1より小さい場合には安静状態であると判定し、利用者の運動量Wが第1基準活動量Th1以上でありかつ第2基準活動量Th2より小さい場合には通常状態であると判定し、利用者の運動量Wが第2基準活動量Th2以上である場合には運動状態であると判定する。そして、安静状態の場合には、通常状態の場合と比較して、衝撃評価値より落下評価値の重み付けを高くして総合評価値を求め、運動状態の場合には、通常状態の場合と比較して、落下評価値より衝撃評価値の重み付けを高くして総合評価値を求める。
また、本実施の形態では、衝撃検出部16は、加速度データから所定基準値を超える加速度のピーク値を検出し、ピーク値の検出時に対応する所定期間における加速度の総変化量を算出する。そして、転倒判定部18は、ピーク値に対する総変化量の大きさに基づいて、前記利用者の転倒の可能性を判定する。具体的には、ピーク値に対する総変化量の比率が大きいほど利用者の転倒の可能性が高いと判定する。また、この場合、衝撃検出部16は、ピーク値に対する総変化量の比率に基づいて利用者の転倒可能性を示す評価値(衝撃評価値)を算出する。
転倒のように衝撃が発生するとセンサが強く揺さぶられるため、3軸の加速度センサ2の各軸の出力は、日常生活で生じる加速度と比較して、加速度の変化が激しくなる。つまり、加速度変化量hが大きくなる。そこで、スカラー化した加速度データにおいて、一定期間における加速度の変化量を積算して加速度変化量hを算出する。例えば、以下の式5を用いることにより、所定期間(例えば100msec)内の加速度データ(a1、a2、・・・、a5)について、直前の加速度との差分絶対値を求め、この期間にわたって積算する(図4参照)。衝撃検出部16は、順次得られる加速度データに対して前後所定期間の加速度変化量hを求め、あるいは、上述の所定期間(例えば100msec)を1周期として所定期間ごとの加速度変化量hを求める。ここで、加速度変化量hは、3軸の各軸(X軸、Y軸、Z軸)ごとに算出し、3軸の合計や平均として算出してもよい。
h=|a1−a2|+|a2−a3|+・・・+|a4−a5| (式5)
図5は、加速度及び加速度変化量のデータの一例を示す図であり、(a)は衝撃を伴う転倒時のデータ、(b)は衝撃を伴わない運動時(強く腕を振る)のデータである。なお、図5において、加速度は実線で図示されており、加速度変化量は斜線ハッチングで図示されている。上述のように、衝撃を伴う加速度変化と日常生活で生じる加速度変化とを比較すると、加速度ピークの大きさ(ピーク値P)は同等レベル以上にも発生し得るが、加速度ピークの大きさが同等であれば加速度変化量hは衝撃を伴う方が大きくなる。このため、衝撃を伴う加速度変化の方が、加速度ピーク(ピーク値P)に対する加速度変化量hの比率rが大きくなる。そこで、転倒判定部18は、この比率rに基づいて転倒の可能性を判定する。この場合、転倒判定部18は、落下特性など他の転倒判定指標を併用しなくてもよい。
具体的には、衝撃検出部16は、所定の閾値(例えば、30m/sec2)以上の加速度のピークについて、ピーク時を含む一定期間(例えば100msec、前後50msecずつ)において算出された複数の加速度変化量hのうちの最大値hxを用い、以下の式6を用いることにより、ピーク値Pとの比率rを算出する。ピーク時に(ピーク時の前後所定期間の加速度データを対象として)算出された加速度変化量hをそのまま用いても良いが、加速度変化量hの最大値が得られるタイミングはピーク出現時とずれが生じるため、ピーク出現時の近傍(ピーク時を含む一定期間)における加速度変化量の最大値を用いるのが好適である。
r=hx/P (式6)
また、衝撃検出部16は、以下の式7を用いて、比率rに基づいて衝撃評価値Esを求める。ここで、cは、総合評価のための調整係数、Thは、衝撃基準値(例えば0.28)である。この場合、比率rが大きいほど、Esが高くなるように衝撃評価値が算出される。なお、比率rに調整係数cを乗算した値を衝撃評価値Esとしてもよい。
Es=(r−Th)×c (式7)
このようにして求められた衝撃評価値Esを用いて、転倒判定部18は、利用者の転倒を検出する。すなわち、転倒判定部18は、比率rが大きいほど転倒可能性が高いと判定する。上記(式7)の場合では、比率rが所定の衝撃基準値Th以上のとき、転倒の可能性ありと判定する。
つぎに、本実施の形態の転倒検知端末1について、落下評価を用いず衝撃評価によって転倒判定を行う場合の動作を、図6のフロー図を参照して説明する。本実施の形態の転倒検知端末1では、まず、加速度データからピーク値Pを検出し(S1)、ピーク検出時を基準とする所定期間(例えば100msec、前後50msecずつ)における加速度の総変化量hを算出する(S2)。そして、ピーク値Pに対する総変化量hの大きさ(変化量ピーク比率r)に基づいて、利用者の転倒可能性を判定する(S3)。転倒可能性(衝撃評価値)が基準より高い場合には、転倒と判定される。
転倒と判定された場合には、転倒フラグをONにする(S4)。その後、体動検出(自動キャンセル判定)が行われる。そして、体動が検出された場合には(S5)、転倒フラグをOFFにする(S6)。一方、体動が検出されなかった場合には(S5)、所定のキャンセル時間が経過した後(S7)、転倒異常が確定される(S8)。
このような本実施の形態の転倒検知端末1によれば、加速度のピーク値Pと、ピーク値Pの検出時を基準とする所定期間における加速度の総変化量hが算出され、そのピーク値Pに対する総変化量hの大きさ(変化量ピーク比率r)に基づいて、利用者の転倒の可能性が判定される。日常動作でも、転倒時と同程度のピーク(加速度のピーク値P)が検出されることがあり得るが、本実施の形態によれば、ピーク値Pに対する総変化量hの大きさを用いることにより、そのような日常動作と転倒を区別することができる。これにより、単にピーク値のみから判定する場合や変化量のみから判定する場合に比べて、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができる。
具体的には、ピーク値Pに対する総変化量hの比率rが大きいほど、利用者の転倒の可能性が高いと判定される。このようにして、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができる。
また、本実施の形態では、ピーク値Pに対する総変化量hの比率rに基づいて利用者の転倒可能性を示す第一評価値(衝撃評価値Es)が算出される。そして、第一評価値Esと別途求められた第二評価値Efを総合的に評価した総合評価値Etに基づいて、利用者が転倒したか否かの判定(転倒判定)が行われる。これにより、一つの評価値(例えば、加速度のピーク値)のみから判定する場合に比べて、高精度な転倒判定を行うことができる。
この場合、転倒検知端末1が自由落下するときに現れる落下特性から、落下特性に基づく転倒可能性(落下評価値Ef)が求められ、その落下評価値Efを第二評価値として、第一評価値Esと第二評価値Efを合算して総合評価値Etが求められる。そして、このようにして求めた総合評価値Etに基づいて、利用者が転倒したか否かの判定(転倒判定)が行われる。これにより、単に加速度のピーク値のみ、あるいは、単に落下特性のみから判定する場合に比べて、高精度な転倒判定を行うことができる。
なお、本実施の形態では、落下検出部18は、落下判定期間における加速度平均値Aに基づき落下評価値Efを求めるように構成されているが、加速度平均値Aに替えて、落下判定期間における最小加速度、または基準加速度(上記の定数a)を下回る加速度が検出された連続時間や積算時間に基づいて落下を検出する構成としてもよい。
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
以上のように、本発明にかかる転倒検知端末は、利用者の転倒可能性を高精度に判定することができるという効果を有し、高齢者の転倒を検知する監視システム等に用いられ、有用である。
1 転倒検知端末
2 加速度センサ
3 装着センサ
4 高度センサ
5 救急ボタン
6 操作表示部
7 振動部
8 電源部
9 無線通信部
10 監視制御部
11 監視センタ
12 セキュリティ端末
13 救急監視部
14 生活監視部
15 転倒監視部
16 衝撃検出部(ピーク検出手段、総変化量算出手段)
17 落下検出部(落下検出手段)
18 転倒判定部(転倒判定手段)

Claims (5)

  1. 利用者により携帯され、当該利用者の転倒を検知する転倒検知端末において、
    前記転倒検知端末の動きにより生じる加速度を検出して加速度データを出力する加速度センサと、
    前記加速度データから所定基準値を超える加速度のピーク値を検出するピーク検出手段と、
    所定期間における前記加速度の総変化量を算出する総変化量算出手段と、
    前記ピーク値の検出時に対応する所定期間における前記総変化量の当該ピーク値に対する大きさに基づいて、前記利用者の転倒の可能性を判定する転倒判定手段と、
    を備えることを特徴とする転倒検知端末。
  2. 前記転倒判定手段は、前記ピーク値に対する前記総変化量の比率が大きいほど前記利用者の転倒の可能性が高いと判定する、請求項1に記載の転倒検知端末。
  3. 前記ピーク検出手段は、前記ピーク値に対する前記総変化量の比率に基づいて前記利用者の転倒可能性を示す第一評価値を算出し、
    前記転倒判定手段は、前記第一評価値および前記第一評価値と異なる第二評価値を総合的に評価した総合評価値に基づいて、前記利用者が転倒したか否かを判定する、請求項2に記載の転倒検知端末。
  4. 前記転倒検知端末は、
    さらに、前記加速度データから前記転倒検知端末が自由落下するときに現れる落下特性を検出し、当該落下特性に基づく転倒可能性を示す落下評価値を算出する落下検出手段を備え、
    前記転倒判定手段は、前記落下評価値を前記第二評価値として、前記第一評価値と前記第二評価値を合算することにより前記総合評価値を求める、請求項3に記載の転倒検知端末。
  5. 利用者の転倒を検知する転倒検知端末で実行されるプログラムであって、
    前記転倒検知端末には、当該転倒検知端末の動きにより生じる加速度を検出して加速度データを出力する加速度センサが備えられており、
    前記プログラムは、コンピュータに
    前記加速度データから所定基準値を超える加速度のピーク値を検出する処理と、
    所定期間における前記加速度の総変化量を算出する処理と、
    前記ピーク値の検出時に対応する所定期間における前記総変化量の当該ピーク値に対する大きさに基づいて、前記利用者の転倒の可能性を判定する処理と、
    を実行させることを特徴とするプログラム。
JP2015055613A 2015-03-19 2015-03-19 転倒検知端末およびプログラム Active JP6461658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015055613A JP6461658B2 (ja) 2015-03-19 2015-03-19 転倒検知端末およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015055613A JP6461658B2 (ja) 2015-03-19 2015-03-19 転倒検知端末およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016177402A JP2016177402A (ja) 2016-10-06
JP6461658B2 true JP6461658B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=57071096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015055613A Active JP6461658B2 (ja) 2015-03-19 2015-03-19 転倒検知端末およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6461658B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6698727B2 (ja) * 2018-03-12 2020-05-27 ファナック株式会社 非常停止システム
WO2020147098A1 (zh) * 2019-01-18 2020-07-23 深圳大学 基于地面振动信号的人体摔倒检测系统

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4663503B2 (ja) * 2005-12-07 2011-04-06 関西電力株式会社 転倒判定方法及びその装置
JP5111993B2 (ja) * 2007-10-03 2013-01-09 バイセン株式会社 行動識別システム
JP2009163538A (ja) * 2008-01-08 2009-07-23 Hoya Corp 転倒判定システム、転倒判定方法、および転倒判定プログラム
JP2009290504A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Kyocera Corp 携帯電子機器
JP5590301B2 (ja) * 2010-03-30 2014-09-17 日本電気株式会社 行動判定装置、行動判定システム、端末装置、行動判定方法、及びプログラム
JP2015026353A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社美光堂札幌 多機能携帯電話端末とアプリケーションソフトによる転倒転落検知と緊急通知の方法及びシステム。

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016177402A (ja) 2016-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6464002B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
US9402568B2 (en) Method and system for detecting a fall based on comparing data to criteria derived from multiple fall data sets
JP6563220B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
CN105530865B (zh) 跌倒检测系统和方法
CN110638421B (zh) 响应于用户手势而显示可见性改变的方法、系统及设备
EP2696760B1 (en) Fall detection methods and devices
CN104224182B (zh) 一种监测人体跌倒的方法及装置
JP6491504B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
KR101461306B1 (ko) 신체에 걸리는 방식으로 착용되는 낙상 감지 장치 및 그 방법 그리고 이를 이용한 낙상 사고 통합 관리 시스템 및 낙상 사고 관리 방법
JP2014518668A (ja) 転倒可能性を検出する方法及び転倒検出器
JP6563662B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
KR101883008B1 (ko) 낙상 예측 또는 감지 장치 및 그를 위한 방법
JP6461658B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
JP6502135B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
JP6442336B2 (ja) 異常検知端末及びプログラム
JP6456202B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
KR20210136722A (ko) 전자 장치의 낙상 이벤트 타입 판단 방법 및 그 전자 장치
JP6464003B2 (ja) 転倒検知端末およびプログラム
AU2021107475A4 (en) Method and System for Monitoring Body Movements
CN112438721A (zh) 状态判断方法、电子设备以及计算机存储介质
JP2019092625A (ja) 歩行状態解析方法および装置
JP2021108048A (ja) 転倒検知端末及びプログラム
Chen et al. Self-adaptive fall-detection apparatus embedded in glasses
Tsai et al. Gesture-aware fall detection system: Design and implementation
JP6490461B2 (ja) 異常検出端末及びプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6461658

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250