JP2021085001A - 金色顔料、分散液、インク、並びに塗膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料、分散液、インク、並びに塗膜及びその製造方法の提供。【解決手段】酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが100nm以上200nm以下であり、Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下の組成比率である金色顔料である。【選択図】なし

Description

本発明は、金色顔料、分散液、インク、並びに塗膜及び塗膜の製造方法に関する。
従来より、金色及び/又は金色調の色彩を有する光沢顔料は、華麗な装飾的効果と優れた意匠性が得られることから、工業的に自動車コーティング材、装飾用コーティング材、プラスチック、印刷インク、化粧用製剤等に広く用いられているが、顔料として金そのものを含む金粉あるいは金を被覆した複合顔料を用いた場合、金が高価で希少であるため、汎用性に問題がある。
近年、金そのものを用いずに、金色調の色彩を有する光沢顔料(以下、「金色顔料」と称する)について種々検討されている。
例えば、フレーク状基材及び該基材上に位置する少なくとも1つの層を含む金色干渉顔料であって、前記フレーク状基材が、緑色固有干渉色をそれ自体が有する合成的に製造された透明基材であり、Fe及びTiOの混合物又は混合酸化物を含む少なくとも1つの層が、前記基材上に位置する干渉顔料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2015−532676号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の顔料は、金属酸化物の積層体であり、厚みが厚く、大粒径であるためインクジェット印刷等の各種印刷方式に適用することが困難であり、印刷後に粒子感(ラメ感)が顕著に表れてしまい、意匠性に劣るという問題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料、分散液、インク、並びに塗膜及び塗膜の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、
累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが100nm以上200nm以下であり、
Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下の組成比率であることを特徴とする金色顔料である。
<2> 単層構造である前記<1>に記載の金色顔料である。
<3> 鱗片状粒子である前記<1>から<2>のいずれかに記載の金色顔料である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の金色顔料を含有することを特徴とする分散液である。
<5> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の金色顔料を含有することを特徴とするインクである。
<6> 酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料を含有してなり、
CIE Lab表色系において、a値が−5以上5以下、b値が5以上であることを特徴とする塗膜である。
<7> 入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの和(Gs20°+Gs60°)が33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が−10以上の少なくともいずれか一方を満たす、前記<6>に記載の塗膜である。
<8> 酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料を含有する分散液又はインクを基材上に付与し、
前記分散液又はインクの塗膜についてCIE Lab表色系におけるa値が−5以上5以下、b値が5以上となるように、前記分散液又はインクの付与を行うことを特徴とする塗膜の製造方法である。
<9> 入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの和(Gs20°+Gs60°)が33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が−10以上の少なくともいずれか一方を満たすように前記分散液又はインクの付与を行う前記<8>に記載の塗膜の製造方法である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料、分散液、インク、及び塗膜を提供することができる。
図1は、実施例9における鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の長辺面のSEM写真である。 図2は、実施例9における鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の断面SEM写真である。 図3は、比較例5の鱗片状粒子の構造を示す模式図である。 図4は、比較例5における鱗片状粒子の長辺面のSEM写真である。 図5は、比較例5における鱗片状粒子の断面SEM写真である。 図6は、実施例1における塩化ビニル印刷メディア上に形成した塗膜の反射スペクトルである。 図7は、実施例2における塩化ビニル印刷メディア上に形成した塗膜の反射スペクトルである。 図8は、実施例9における塩化ビニル印刷メディア上に形成した塗膜の反射スペクトルである。 図9は、比較例5における塩化ビニル印刷メディア上に形成した塗膜の反射スペクトルである。 図10は、実施例1〜10及び比較例1〜5における塗膜のa値とb値との関係を示すグラフである。 図11は、実施例1〜10における塗膜のa値とb値との関係を示すグラフである。 図12は、比較例1〜5における塗膜のa値とb値との関係を示すグラフである。 図13Aは、実施例9における塗膜の傾斜角度0°でのSEM写真である。 図13Bは、実施例9における塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真である。 図13Cは、実施例9における塗膜の光学顕微鏡写真である。 図14Aは、比較例5における塗膜の傾斜角度0°でのSEM写真である。 図14Bは、比較例5における塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真である。 図14Cは、比較例5における塗膜の光学顕微鏡写真である。
(金色顔料)
本発明の金色顔料は、酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが100nm以上200nm以下であり、Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下の組成比率である。
本発明においては、従来に比べて薄く、小粒径である酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料によって、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現することができる。
ケイ素(Si、シリコン)にはバンドギャップが存在しており、入射光の波長がバンドギャップに相当する波長(光学吸収端の波長)より短いと光を透過しなくなり、吸収される色の補色に着色すると考えられる。
光学吸収端の波長とバンドギャップとの関係は、下記式(1)で示すことができる。
光学吸収端(nm)=1239.8/バンドギャップ(eV)・・・式(1)
この場合、硫化カドニウム(バンドギャップ:2.6eV)は、476.8nm(青色)の波長まで吸収するため、硫化カドニウムの塊は黄色になっている。
そこで、Siの場合には、バンドギャップは1.1eV(結晶化Si)であるため、可視光領域以上の長波長側となる1127.0nmの波長まで吸収するので、黒色となる。更に、Siは屈折率が高いため、下記の計算式(1)から、Siは可視光領域の波長に対して約35%程度の高い反射率をもち、金属光沢があるような振る舞いをする。
[計算式(1)]
R(%)={(n−1)+k}/{(n+1)+k}×100
ただし、上記計算式(1)中、Rは垂直入射の反射率、nは屈折率、kは消光係数(光の吸収を表す光学定数)である。
しかし、Si蒸着膜のような疎な薄膜では、入射光をすべて吸収することは難しく、厚みが薄いと透過成分も多くなる。そのため、反射と吸収、透過のバランスがSi量(膜厚)に応じて異なり、20nm〜200nm程度の厚みの範囲であっても、様々な色に着色してしまう。
そこで、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、Si蒸着膜の場合、70nm程度が最も金色発色の強い厚さであること、このような厚さのSi蒸着膜を粉体加工し、印刷すると、Si本来の高い屈折率が影響して、塗膜の内部散乱が強くなるために薄く黄色味がかった銀色になってしまうことを知見した。
そして、上記知見に基づき本発明者らが更に鋭意検討を重ねた結果、金色を発色するSi量はそのままでSiを酸化させて酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))とすることによって屈折率を下げ(反射強度を下げ)、主として吸収された色の補色に着色し、薄く、小粒径であり、かつ反射率がそれほど高くないSiOx(0<x≦2)粒子が得られることを知見し、このSiOx(0<x≦2)粒子特有の高い配向性によって、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できることを見出し、本発明をなすに至った。
本発明の金色顔料は、鱗片状粒子であることが好ましい。前記鱗片状粒子は、薄片状粒子、平板状粒子、フレーク状粒子などと称されることもある。
本発明において、鱗片状粒子とは、略平坦な面を有し、かつ該略平坦な面に対して垂直方向の厚さが略均一である粒子を意味する。また、前記鱗片状粒子とは、前記厚さが非常に薄く、略平坦な面の長さが非常に長い形状の粒子を意味する。なお、略平坦な面の長さは、前記鱗片状粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円の直径である。
略平坦な面の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略長方形、略正方形、略円形、略楕円形、略三角形、略四角形、略五角形、略六角形、略七角形、略八角形等の多角形、ランダムな不定形などが挙げられる。これらの中でも、略円形や略楕円形であることが好ましい。
金色顔料は、酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む単層構造であることが好ましい。金色顔料は単層構造であることによって、従来の積層構造の金色顔料に比べて薄く、小粒径の粒子とすることができ、インクジェット印刷等の各種印刷方式に汎用的に使用することができる。
前記金色顔料は、Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下の組成比率であり、Siが30原子%以上60原子%以下、Oが40原子%以上70原子%以下の組成比率であることが好ましい。
上記組成比率の範囲を満たすことにより、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料が得られる。
前記金色顔料における酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))のSiとOの組成比率は、以下のようにして測定することができる。
SEM試料台へ直接、金色顔料としての鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3〜5滴を滴下後、乾燥し、試料台上で乾燥させて鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子のSEM観察を行い、鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の長辺面にピントを合わせた後、以下の条件のEDX分析にて組成比率を求めることができる。
[条件]
・エネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy dispersive X−ray spectrometry、株式会社堀場製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10sec
・分析条件:加速電圧20kV、倍率×200k、傾斜角度0°、ライブタイム300sec、スペクトル収集範囲0keV〜10keV
前記金色顔料は、純度が95%以上(好ましくは98%以上)の酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、微量の不純物を含んでいてもよいが、他の金属との合金については含まれない。
前記金色顔料の累積50%体積粒径D50としては、20μm以下であり、10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、0.5μm以上5μm以下が更に好ましい。
累積50%体積粒径D50が20μm以下であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料が得られる。
前記累積50%体積粒径(D50)は、レーザー回折法により得られる粒径分布曲線の体積分布累積量の50%に相当する粒径であり、非球形の金色顔料粒子を完全な球体と仮定して測定した場合の、金色顔料粒子の長径及び短径を平均化した長さである。しかし、実際の金色顔料粒子は、球形ではなく、長辺及び短辺を有する鱗片状である。したがって、前記D50は、金色顔料粒子の実際の長辺方向の長さ(長径)及び短辺方向の長さ(短径)とは異なる値である。
前記累積50%体積粒径(D50)は、例えば、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(装置名:レーザーマイクロンサイザーLMS−2000e、株式会社セイシン企業製、湿式分散ユニット)を用いて、レーザー回折法により、フラウンホーファーの近似法を用いて測定することができる。
前記金色顔料の平均厚さは、100nm以上200nm以下であり、120nm以上180nm以下が好ましく、130nm以上160nm以下がより好ましい。前記平均厚さが100nm以上200nm以下であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料が得られる。
前記金色顔料の平均厚さとは、鱗片状の金色顔料粒子の三次元方向において、最も短い部分の長さと定義する。
前記平均厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)観察、蛍光X線分析法(XRF)、紫外可視分光法などから求めることができ、金色顔料の平均厚さはSiOx(0<x≦2)蒸着膜の平均蒸着厚さと同じである。
走査型電子顕微鏡(SEM)観察を用いる場合、SiOx(0<x≦2)蒸着膜の平均蒸着厚さは、粉体加工後に走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、断面観察を行い5〜10箇所のSiOx(0<x≦2)粒子の厚さを計測し、平均した値である。
蛍光X線分析法(XRF)を用いる場合、定量分析により平均厚さを測定することができる。
紫外可視分光法を用いる場合、紫外可視分光光度計により反射率を測定し、得られたスペクトルから平均厚さを算出することができる。
<金色顔料の製造方法>
金色顔料の製造方法は、剥離層形成工程と、蒸着工程と、剥離工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
<剥離層形成工程>
前記剥離層形成工程は、基材上に剥離層を設ける工程であり、剥離層形成手段により実施される。
−基材−
基材としては、平滑な表面を有するものであれば特に制限はなく、各種のものを用いることができる。これらの中でも、可撓性、耐熱性、耐溶剤性、及び寸法安定性を有する樹脂フィルム、金属、金属と樹脂フィルムの複合フィルムを適宜使用できる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。また金属としては、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、鉄箔、合金箔などが挙げられる。また金属と樹脂フィルムの複合フィルムとしては、上記樹脂フィルムと金属をラミネートしたものが挙げられる。
−剥離層−
剥離層としては、後の剥離工程で溶解可能な各種の有機物を用いることができる。また、剥離層を構成する有機物材料を適切に選択すれば、SiOx(0<x≦2)蒸着膜に付着・残留した有機物を、鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の保護層として機能させることができるので、好適である。
保護層とは、鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の凝集、酸化、溶媒への溶出等を抑制する機能を有する。特に、剥離層に用いた有機物を保護層として利用することにより、表面処理工程を別途設ける必要がなくなるので好ましい。
保護層として利用可能な剥離層を構成する有機物としては、例えば、セルロースアセテートブチレート(CAB)、その他のセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、変性ナイロン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、保護層としての機能の高さから、セルロースアセテートブチレート(CAB)が好ましい。
前記剥離層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<蒸着工程>
前記蒸着工程は、前記剥離層上に金色顔料を含有する層を蒸着する工程であり、蒸着手段により実施される。本発明においては、Siを酸化させるため、酸素ガスを導入して酸素雰囲気下で蒸着を行うことが好ましい。なお、Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下である組成比率の範囲を満たすことができれば、酸素ガスを導入しないで蒸着を行う方法を採用してもよい。
酸素ガスの導入量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100sccm以上1000sccm以下であることが好ましい。
金色顔料を含有する層の平均蒸着厚さは100nm以上200nm以下が好ましく、120nm以上180nm以下がより好ましく、130nm以上160nm以下が更に好ましい。なお、金色顔料を含有する層の平均蒸着厚さは、金色顔料粒子の平均厚さと同じである。
金色顔料を含有する層の平均蒸着厚さが100nm以上200nm以下であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できるという利点がある。
前記平均蒸着厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、金色顔料を含有する層の断面観察を行い、5〜10箇所の金色顔料を含有する層の厚さを計測し、平均した平均値である。
蒸着法は、樹脂製基材にも成膜可能である点、廃液が出ない点等においてめっき法より好ましく、真空度を高くできる点、成膜速度(蒸着レート)が大きい点から、スパッタリング法より好ましい。
蒸着法における蒸着レートは、100nm/sec以上で大きければ大きい方が好ましい。
最終的に得られる金色顔料粒子の形状や累積50%体積粒径、平均厚さに影響する操業要因としては、成膜方法、基材に飛来するSiのエネルギー(運動エネルギー・温度など)、剥離層の表面自由エネルギー、酸素ガスとの衝突頻度、材質・温度、基材の冷却方法・温度、成膜速度などが挙げられる。
<剥離工程>
前記剥離工程は、前記剥離層を溶解することにより金色顔料を含有する層を剥離する工程であり、剥離手段により実施される。
前記剥離層を溶解可能な溶剤としては、剥離層を溶解可能な溶剤であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、金色顔料分散液の溶媒としてそのまま用いることができるものが好ましい。水性塗料や水性インクの場合には、水との相溶性を有することが好ましい。
前記剥離層を溶解可能な溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等のエステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類;フェノール、クレゾール等のフェノール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、オクタデカン、オクタデセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメシン、ニトロベンゼン、アニリン、メトキシベンゼン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の脂肪族もしくは芳香族塩化炭化水素;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等の含窒素化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
剥離層を溶解することによって、基材から金色顔料含有膜が剥離し、金色顔料粒子となる。これにより、特に粉砕工程を経ることなく金色顔料分散液が得られるが、必要に応じて粉砕、分級を行ってもよい。また、金色顔料粒子の一次粒子が凝集している場合には、必要に応じてこれを解砕してもよい。
更に必要に応じて、金色顔料粒子の回収や物性の調整のために種々の処理を行ってもよい。例えば、分級によって金色顔料粒子の粒度を調整してもよいし、遠心分離、吸引ろ過などの方法で金色顔料粒子を回収することや、金色顔料分散液の固形分濃度を調整してもよい。また、溶媒置換を行ってもよいし、添加剤を用いて粘度調整等を行ってもよい。なお、分散剤を添加してもよいが、本発明では、剥離層として適切な有機物を選択しておけば分散性のよい金色顔料粒子からなる金色顔料分散液が得られるので、新たに分散剤を添加しなくてもよい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、例えば、剥離した金色顔料粒子を分散液として取り出す工程、分散液から金色顔料粒子として回収する工程などが挙げられる。
(分散液)
本発明の分散液は、本発明の金色顔料を含有し、有機溶剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記金色顔料の含有量は、分散液の全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。なお、分散液ではなく、金色顔料を乾燥した乾燥粉を用いることもできる。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、特に制限はなく、剥離時に使用する有機溶剤を用いることができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類;テトラヒドロン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル等のエステル類、が挙げられ、多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエンのような芳香族化合物や、ゼラチンのようなアミノ酸のポリマーを用いることができる。
(インク)
本発明のインクは、本発明の金色顔料を含有し、有機溶剤及びバインダーを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のインクは、水性及び溶剤性のいずれであってもよいが、環境性の点から水性が好ましい。なお、酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料は、長辺面がマイクロサイズのため、多くの球状Siナノ粒子よりも常温で純水に対しては反応性が弱いため、水性インクに好適に用いられる。
−金色顔料−
前記金色顔料の含有量は、インクの全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
なお、前記インクには、必要に応じて前記金色顔料以外の光輝性顔料を含んでいてもよい。他の光輝性顔料としては、金属製の顔料(例えば、アルミニウム顔料、インジウム顔料)や、天然マイカから得られる顔料(例えば、パール顔料)や、ガラスフレーク顔料などが挙げられる。
−有機溶剤−
前記インクにおける有機溶剤としては、前記分散剤における有機溶剤と同様である。
−バインダー−
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−シリコーン系樹脂などが挙げられる。
前記インクが前記バインダーを含むと、定着性や分散性に優れたインクが得られる。
前記バインダーの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インク全量に対して、0.1質量%以上50質量%以下が好ましい。
−その他の成分−
前記インクにおけるその他の成分としては、前記分散剤におけるその他の成分と同様である。
(塗膜)
本発明の塗膜は、酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料を含有してなり、
CIE Lab表色系において、a値が−5以上5以下、b値が5以上であることが好ましい。
CIE Lab表色系のa値、b値は、紫外可視近赤分光光度計を用い、波長領域300nm〜800nmの範囲、入射角5°の反射スペクトルより算出することができる。
前記塗膜は、入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの和(Gs20°+Gs60°)が33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が−10以上の少なくともいずれか一方を満たすことが好ましく、和(Gs20°+Gs60°)が7以上33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が10以上の少なくともいずれか一方を満たすことがより好ましい。
前記塗膜のグロス値は、例えば、光沢計を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度−測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角を20°及び60°として測定することができる。
ここで、入射角20°のグロス値(Gs20°)は、正反射成分に近い反射強度を示す。入射角60°のグロス値(Gs60°)は、拡散成分に近い反射強度を示す。
和(Gs20°+Gs60°)は、スパークリング又は粒子感によるギラツキを示し、金色顔料の一粒子が独自で高い反射特性を持つ場合、それが配向していないと、60°から入射した光も十分に反射することとなる。そのため、入射角を変えても、金色顔料の一粒子が独自で光を反射しているように見え(粒子感)、ギラギラしているように見える。
したがって、金色顔料の一粒子の反射を下げ、配向性を上げる(膜厚を薄く、粒径を小さくする)ことで、シームレス(粒子感のなさ)感を演出するためには、正反射成分(Gs20°)と拡散成分(Gs60°)の和が高すぎない方が好ましい。
一方、差(Gs20°−Gs60°)は、写像性又は鏡面光沢感を示し、正反射成分(Gs20°)と拡散成分(Gs60°)の差(Gs20°−Gs60°)が大きければ大きいほど入射した光線はより正反射の光沢に寄与していると言えることから、差(Gs20°−Gs60°)が大きいほど印刷表面で得られる像は正反射し、写像性又は鏡面光沢感が高くなるので好ましい。
ここで、前記塗膜のグロス値は、例えば、光沢計を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度−測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角を20°及び60°として測定することができる。
前記塗膜は、CIE Lab表色系において、a値が−5以上5以下、b値が5以上であることが好ましく、a値が−3以上3以下、b値が10以上であることがより好ましい。
CIE Lab表色系のa値及びb値が、上記の数値範囲であると、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる塗膜が得られる。
CIE Lab表色系のa値及びb値は、紫外可視近赤分光光度計を用い、波長領域300nm〜800nmの範囲、入射角5°の反射スペクトルより算出することができる。
(塗膜の製造方法)
本発明の塗膜の製造方法は、酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料を含有する分散液又はインクを基材上に付与し、前記分散液又はインクの塗膜についてCIE Lab表色系において、a値が−5以上5以下、b値が5以上となるように、前記分散液又はインクの付与を行う。
この場合、入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの和(Gs20°+Gs60°)が33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が−10以上の少なくともいずれか一方を満たすように前記分散液又はインクの付与を行うことが好ましい。
前記基材としては、特に制限はなく、各種のものを用いることができ、例えば、樹脂フィルム、ガラス、金属、金属と樹脂フィルムの複合フィルムなどが挙げられる。
本発明の塗膜は、本発明の分散液又は本発明のインクを用いて製造することができる。
前記基材上に金色顔料を含む分散液又はインクの付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法、スクリーンコート法、オフセットコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本ロールコート法、5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、ドリップコート法などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる点から、スピンコート法、インクジェット法、バーコート法、及びドリップコート法が特に好ましい。
<用途>
本発明の金色顔料は、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できるので、各種分野に幅広く用いられ、例えば、インクジェット用又はその他の印刷用光輝性インク、自動車内外装部材、家電、建材等の用途における塗装用光輝性塗料、導電性ペーストの導電性顔料、加飾フィルムに金属調意匠性を付与する光輝性顔料、3Dプリンタ用金属調フィラメントに使用される光輝性顔料、溶融押し出し、及びキャスティング工法における金属調意匠性シートやフィルムの練り込み光輝性顔料などに適用される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
平均厚さが12μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、5質量%のセルロースアセテートブチレート(CAB)を含む溶液をグラビアコート法で塗工し、110℃以上120℃以下で乾燥して、剥離層を形成した。セルロースアセテートブチレート(CAB)の塗工量は0.06g/m±0.01g/mであった。剥離層上に、EB加熱・真空蒸着法によって、圧力が高い状態での成膜により、Siを蒸着レート277Å/secで蒸着し、平均蒸着厚さが120nmのSiOx(0<x≦2)蒸着膜を形成した。
次に、剥離層及びSiOx(0<x≦2)蒸着膜を形成したPETフィルム面に酢酸ブチルをスプレーして剥離層を溶解し、SiOx(0<x≦2)蒸着膜をドクターブレードで掻き落とした。得られたSiOx(0<x≦2)粒子は鱗片状であった。
次に、得られたSiOx(0<x≦2)粒子と酢酸ブチルの混合物に対して、微粉砕機を用いて粉砕した。以上により、金色顔料としての単層構造である鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子を得た。
(実施例2〜10及び比較例1〜4)
実施例1において、表1に示す蒸着条件に変更した以外に、低い圧力下で、実施例1と同様にして、実施例2〜10及び比較例3〜4の金色顔料としての鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子を得た。
実施例2〜10及び比較例3〜4においては、Siが基材へ到達するまでの空間に酸素ガスを表1に示す量導入し、酸素雰囲気下でSiの蒸着を行った。
比較例1及び2においては、Siが基材へ到達するまでの空間に酸素ガスを導入しない真空雰囲気下でSiの蒸着を行った。
なお、実施例2〜10及び比較例1〜4の鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子はいずれも単層構造であった。
ここで、図1に実施例9の鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の長辺面におけるSEM写真を示した。図2に実施例9の鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子の断面SEM写真を示した。図2から実施例9の鱗片状SiOx(0<x≦2)粒子が単層構造を有していることがわかる。
(比較例5)
金色顔料としてSchlenk社製のZenexo(登録商標)Goldenshine21YYを比較例5として用いた。この比較例5の鱗片状粒子の模式図を図3に示した。この図3の比較例5の鱗片状粒子は中央部にAlを有し、FeとSiOとの積層構造である。また、図4に比較例5の鱗片状粒子の長辺面におけるSEM写真を示した。図5に比較例5の鱗片状粒子の断面SEM写真を示した。図5から比較例5の鱗片状粒子は積層構造であることがわかる。
次に、得られた各鱗片状粒子について、以下のようにして、鱗片状粒子の平均厚さ、及び累積50%体積粒径(D50)を測定した。なお、鱗片状粒子の厚さは蒸着膜の厚さと同じである。結果を表1に示した。
<鱗片状粒子の累積50%体積粒径(D50)>
レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(装置名:レーザーマイクロンサイザーLMS−2000e、株式会社セイシン企業製、湿式分散ユニット)を用いて、レーザー回折法により、フラウンホーファーの近似法を用いて、鱗片状粒子の累積50%体積粒径(D50)を測定した。
<鱗片状粒子の平均厚さ>
鱗片状粒子の平均厚さは、SEM試料台へ直接10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3〜5滴を滴下後、乾燥したものをサンプルとし、以下の条件で、SEM試料台を60°に傾け、鱗片状粒子のエッジ部分(厚み)を合計10点観察し、その平均値を算出した。
[条件]
・走査型電子顕微鏡(SEM: Scanning Electron Microscope)HITACHI S−4700(株式会社日立製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10sec〜20sec
・観察条件:加速電圧5kV〜10kV、各種倍率及び角度
<鱗片状粒子のSiとOの組成比率>
SEM試料台へ直接10質量%酢酸ブチル分散液をスポイトで3〜5滴滴下後、乾燥し、試料台上で乾燥させて鱗片状粒子のSEM観察を行い、鱗片状粒子の長辺面にピントを合わせた後、以下の条件のEDX分析により、SiとOの組成比率を測定した。
[条件]
・エネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy dispersive X−ray spectrometry、株式会社堀場製作所製)
・観察サンプル前処理:Ptスパッタ/10sec
・分析条件:加速電圧20kV、倍率×200k、傾斜角度0°、ライブタイム300sec、スペクトル収集範囲0keV〜10keV
<塗膜の形成>
−塩化ビニル印刷メディアへのバーコート塗膜の形成−
各鱗片状粒子を10質量%酢酸ブチル分散液に調製し、ローランドD.G.社製の塩化ビニル印刷メディア(光沢塩化ビニル、MV−G−18G)上に、バーコーター(#4、株式会社丸協技研製)を用い、各分散液を常温(25℃)にて塗布し、常温(25℃)にて乾燥することでバーコート塗膜を形成した。
−ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムへのバーコート塗膜の形成−
各鱗片状粒子を10質量%酢酸ブチル分散液に調製し、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ75μm、東洋紡株式会社製)上に、バーコーター(#4、株式会社丸協技研製)を用い、各分散液を常温(25℃)にて塗布し、常温(25℃)にて乾燥することでバーコート塗膜を形成した。なお、全光線透過率が10%以下になるように隠蔽性を出すため、比較例5については、15質量%酢酸ブチル分散液に調製し、上記同様にしてPETフィルムへ塗布した。
<グロス値の測定>
−塩化ビニル印刷メディア上のバーコート塗膜−
塩化ビニル印刷メディア上に形成した各バーコート塗膜について、バーコート面を測定面とし、グロス値を測定した。グロス値の測定は、光沢計(日本電色工業株式会社製、VG−7000)を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度−測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)を測定し、これらのグロス値から、和(Gs20°+Gs60°)(スパークリング)を算出した。結果を表2に示した。
−ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上のバーコート塗膜−
PETフィルム上に形成した各バーコート塗膜について、黒ビニールテープをバーコート面に貼り付け、裏打ち状態でPET面から、グロス値を測定した。グロス値の測定は、光沢計(日本電色工業株式会社製、VG−7000)を用い、JIS Z8741「鏡面光沢度−測定方法」に準拠した平行光方式で、入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)を測定し、これらのグロス値から、差(Gs20°−Gs60°)(鏡面光沢感)を算出した。結果を表3に示した。
<色相(L値、a値、b値)及び反射スペクトル>
−塩化ビニル印刷メディア上のバーコート塗膜−
塩化ビニル印刷メディア上に形成した各バーコート塗膜について、バーコート面を測定面とし、紫外可視近赤分光光度計(株式会社島津製作所製、SolidSpec−3700)を用い、波長領域300nm〜800nmの範囲、入射角5°の反射スペクトルを測定し、L値、a値、b値を求めた。結果を表2に示した。
次に、実施例1における塩化ビニル印刷メディア上に形成したバーコート塗膜の反射スペクトルを図6に示した。実施例2における塩化ビニル印刷メディア上に形成したバーコート塗膜の反射スペクトルを図7に示した。実施例9における塩化ビニル印刷メディア上に形成したバーコート塗膜の反射スペクトルを図8に示した。比較例5における塩化ビニル印刷メディア上に形成したバーコート塗膜の反射スペクトルを図9に示した。
図6から図9の結果から、実施例1、2、9及び比較例5の反射スペクトルから、吸収域が400〜450nmにみられ、いずれも優れた金色調の色彩を有していることがわかった。
次に、実施例1〜10及び比較例1〜5におけるバーコート塗膜のa値とb値の関係を図10に示した。実施例1〜10におけるバーコート塗膜のa値とb値の関係を図11に示した。比較例1〜5におけるバーコート塗膜のa値とb値の関係を図12に示した。
図10から図12の結果から、実施例1〜10、比較例5はa値が−5以上5以下、b値が5以上を満たしており、いずれも優れた金色調の色彩を実現できていることがわかった。これに対して、比較例1〜4は金色調の色彩を実現できなかった。
−ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上のバーコート塗膜−
PETフィルム上に形成した各バーコート塗膜について、黒ビニールテープをバーコート面に貼り付け、裏打ち状態でPET面から、紫外可視近赤分光光度計(株式会社島津製作所製、SolidSpec−3700)を用い、波長領域300nm〜800nmの範囲、入射角5°の反射スペクトルを測定し、L値、a値、及びb値を求めた。結果を表3に示した。
次に、図13Aは、実施例9における塗膜の傾斜角度0°でのSEM写真、図13Bは、実施例9における塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真、図13Cは、実施例9における塗膜の光学顕微鏡写真を示す。図14Aは、比較例5における塗膜の傾斜角度0°でのSEM写真、図14Bは、比較例5における塗膜の傾斜角度60°でのSEM写真、図14Cは、比較例5における塗膜の光学顕微鏡写真を示す。光学顕微鏡としてはデジタルマイクロスコープ SE−1300 株式会社セルミック製を用い、対物レンズSEL−270(270倍〜2700倍)を使用して、ピントを合わせた。
図13Aから図13Cの実施例9のバーコート塗膜と図14Aから図14Cの比較例5のバーコート塗膜を比べると、比較例5は実施例9に比べて粒子感(シームレス)が強く生じていることが認められる。
<塗膜の官能評価>
各塗膜について、5名の評価者により、色目を評価した。また、各塗膜について、5名の評価者により、下記基準によりシームレス(粒子感のなさ)感を評価した。結果を表2に示した。
[シームレス感の評価基準]
〇:目視にて、粒子の存在が認められない
△:塗工方法によっては、目視にて、若干粒子の存在が認められる
×:塗工方法に限らず、目視にて、明らかに独立した粒子の存在が認められる
Figure 2021085001
Figure 2021085001
Figure 2021085001
表1から表3の結果から、「酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが100nm以上200nm以下であり、Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下である組成比率である」という要件をすべて満たす実施例1〜10は、「酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが100nm以上200nm以下であり、Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下である組成比率である」という要件の少なくともいずれかを満たさない比較例1〜5に比べて、粒子感がないシームレスな意匠性を有し、優れた金色調の色彩を実現できる金色顔料が得られていることがわかった。

Claims (9)

  1. 酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含み、
    累積50%体積粒径(D50)が20μm以下、平均厚さが100nm以上200nm以下であり、
    Siが30原子%以上80原子%以下、Oが20原子%以上70原子%以下の組成比率であることを特徴とする金色顔料。
  2. 単層構造である請求項1に記載の金色顔料。
  3. 鱗片状粒子である請求項1から2のいずれかに記載の金色顔料。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の金色顔料を含有することを特徴とする分散液。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の金色顔料を含有することを特徴とするインク。
  6. 酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料を含有してなり、
    CIE Lab表色系において、a値が−5以上5以下、b値が5以上であることを特徴とする塗膜。
  7. 入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの和(Gs20°+Gs60°)が33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が−10以上の少なくともいずれか一方を満たす、請求項6に記載の塗膜。
  8. 酸化ケイ素(SiOx(0<x≦2))を含む金色顔料を含有する分散液又はインクを基材上に付与し、
    前記分散液又はインクの塗膜についてCIE Lab表色系におけるa値が−5以上5以下、b値が5以上となるように、前記分散液又はインクの付与を行うことを特徴とする塗膜の製造方法。
  9. 入射角20°のグロス値(Gs20°)及び入射角60°のグロス値(Gs60°)において、これらの和(Gs20°+Gs60°)が33以下、及び差(Gs20°−Gs60°)が−10以上の少なくともいずれか一方を満たすように前記分散液又はインクの付与を行う請求項8に記載の塗膜の製造方法。

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