JP2021084683A - ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム - Google Patents

ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム Download PDF

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誠 江口
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Abstract

【課題】高い衛生性および高い環境負荷低減性を有すると共に、高い耐衝撃性を有するポリエステル容器の提供。【解決手段】本発明のポリエステル容器は、口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備えるポリエステル容器であって、少なくとも底部は、バージンポリエステルからなる単層により構成されており、口部と、首部と、肩部と、胴部の少なくとも一部とは、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、リサイクルポリエステルからなる層とを少なくとも有する多層により構成されており、バージンポリエステルが、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステルおよびゲルマニウム触媒ポリエステルから選択される1以上のポリエステルであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエステル容器およびこのポリエステル容器の製造に用いるポリエステルプリフォームに関する。
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルは、機械的特性、化学的安定性、耐熱性、ガスバリア性および透明性などに優れ、かつ安価であることから、飲料品などを充填する容器などの製造に広く使用されている。
容器の製造に使用されるポリエステルには、その重合触媒として、アンチモン触媒を使用したもの(以下、アンチモン触媒ポリエステルという)やゲルマニウム触媒を使用したもの(以下、ゲルマニウム触媒ポリエステルという)が使用されている。これらの重合触媒の中でも、コストの面からアンチモン触媒ポリエステルが特に多く使用されている。
ところで、近年、環境負荷の低減を目的として、使用済みのポリエステル容器を、種々の方法によりリサイクルし、得られたポリエステル(以下、リサイクルポリエステルという)を用いた容器の製造が行われている。
しかしながら、ポリエステル容器のリサイクルは、ポリエステル合成に使用された重合触媒ごとに行われているわけではないため、リサイクルポリエステルには、アンチモン触媒が含有される可能性が極めて高い。また、ポリエステル容器は、回収過程や、非食品(例えば、農薬や機械油)の保存などの使用用途によっても汚染される恐れがあり、リサイクルポリエステルから汚染物質を完全に除去することは困難である。
そのため、ポリエステル容器のリサイクルを繰り返した場合、除去できなかった汚染物質やアンチモン触媒がリサイクルポリエステル中に蓄積し、リサイクルポリエステル容器では充填された内容物へのこれらの溶出が懸念される。また、コンビニエンスストアなどにおいては、内容物が充填された容器を正立させ、ホットウォーマー内で加温し販売することが行われているが、このような加温状態の場合に上記アンチモン溶出は特に問題となる。
本発明者らは、アンチモン触媒ポリエステルを含まないバージンポリエステルからなる内層と、リサイクルポリエステルからなる外層とを有するポリエステル容器によって、内容物への汚染物質やアンチモンの溶出を抑制することができると考えた。しかしながら、このようなポリエステル容器は、バージンポリエステルにより構成されたポリエステル容器に比べ、耐衝撃性が劣り、落下などの衝撃が加えられると、容器、特にその底部が割れるおそれがあった。本発明者らは、鋭意検討した結果、バージンポリエステル層とリサイクルポリエステル層とを有する多層のポリエステル容器であっても、少なくとも底部をバージンポリエステルからなる単層により構成することで、容器の製造における環境負荷低減を達成しつつ、耐衝撃性を顕著に改善できるとの知見を得た。
本発明は、上記知見に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い衛生性および高い環境負荷低減性を有すると共に、高い耐衝撃性を有するポリエステル容器を提供することである。
また、このポリエステル容器の製造に用いるポリエステルプリフォームを提供することである。
本発明は、口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備えるポリエステル容器であって、
少なくとも底部は、バージンポリエステルからなる単層により構成されており、
口部と、首部と、肩部と、胴部の少なくとも一部とは、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、リサイクルポリエステルからなる層とを少なくとも有する多層により構成されており、
バージンポリエステルが、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステルおよびゲルマニウム触媒ポリエステルから選択される1以上のポリエステルであることを特徴とする。
一実施形態において、胴部は、ポリエステル容器を自立させた場合の高さ方向において、底部の接地部から0.1mm以上、10.0mm以下がバージンポリエステルからなる単層により構成されている。
一実施形態において、底部の単層の厚さが、0.05mm以上0.54mm以下である。
一実施形態において、本発明のポリエステル容器は、溶出アンチモン濃度が、6ppb未満である。
一実施形態において、リサイクルポリエステルの含有量が、ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、40質量部以上90質量部以下である。
一実施形態において、多層におけるバージンポリエステル層の厚さが、0.01mm以上0.33mm以下である。
一実施形態において、本発明のポリエステル容器は、加温用容器である。
本発明のポリエステルプリフォームは、上記ポリエステル容器を製造するためのポリエステルプリフォームであって、
ポリエステルプリフォームが、口部と、胴部と、底部とを備え、
少なくとも底部は、バージンポリエステルからなる単層により構成されており、
口部と、胴部の少なくとも一部とは、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、リサイクルポリエステルからなる層とを少なくとも有する多層により構成されており、
バージンポリエステルが、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステルおよびゲルマニウム触媒ポリエステルから選択される1以上のポリエステルであることを特徴とする。
本発明によれば、高い衛生性および高い環境負荷低減性を有すると共に、高い耐衝撃性を有するポリエステル容器を提供することができる。
また、このポリエステル容器の製造に用いるポリエステルプリフォームを提供することができる。
本発明のポリエステル容器の一実施形態を表す模式半断面図である。 本発明のポリエステル容器の一実施形態を表す模式半断面図である。 本発明のポリエステルプリフォームの一実施形態を表す模式半断面図である。 本発明のポリエステルプリフォームの一実施形態を表す模式半断面図である。
(ポリエステル容器)
本発明のポリエステル容器10は、図1および図2に示すように、口部13と、首部14と、肩部15と、胴部16と、底部17とを備えている。また、底部17は、接地部22を有し、この接地部22において胴部16と連接している。
本発明のポリエステル容器10を構成する上記した各部位において、口部13と、首部14と、肩部15と、胴部16の少なくとも一部は、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層(以下、バージンポリエステル層ともいう)11と、リサイクルポリエステルからなる層(以下、リサイクルポリエステル層ともいう)12とを有する多層断面を有しており、少なくとも底部17は単層断面を有している。本発明の一実施形態においては、ポリエステル容器10は、内面全域にわたって蒸着膜を有していてもよい(図示せず)。
なお、本発明のポリエステル容器において、「底部」とは、ポリエステル容器を自立させた場合の接地部から内側の部分を意味する。
一実施形態において、口部13は、図1に示すように、キャップが嵌合(打栓)される外側嵌合部18と、サポートリング19とを備える。外側嵌合部はキャップを嵌合できる形状であれば特に限定はなく、例えば、円周凸形状や雄ネジ形状であってもよい。
口部13は、口部13の下端にサポートリング19を備えてもよい。また、口部13は、口部13の上端と、サポートリング19との間に外側嵌合部18を備えてもよい。これにより、ポリエステル容器は、内容物が充填された後、口部にキャップを嵌合することで密封できる。
一実施形態において、口部13は、図2に示すように、キャップが螺着される外側嵌合部18と、カブラ20と、サポートリング19とを備える。
口部13は、口部13の下端にサポートリング19を備えてもよい。また、口部13は、口部13の上端と、サポートリング19との間に外側嵌合部18を備えてもよい。これにより、ポリエステル容器は、内容物が充填された後、口部にキャップを螺着することで密封できる。
一実施形態において、首部14は、図1および図2に示すように、サポートリング19と肩部15との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部15は、首部14側から胴部16側に向けて径が徐々に拡大する円筒形状を有する。
一実施形態において、胴部16は、図1および図2に示すように、肩部15と底部17との間に位置している。また、胴部16は、図1および図2に示すように、パネル部23を備える。このような構成とすることにより、ポリエステル容器内に加熱された内容物を充填したときや充填後の加熱冷却における内圧の増減による容器の変形を抑制することができる。
一実施形態において、底部17は、図1および図2に示すように、中央に位置する陥没部21と、陥没部21の周囲に設けられた接地部22とを備える。このような構成とすることにより、ポリエステル容器内に加熱された内容物を充填したときや充填後加熱したときにおける内圧の増減による容器の変形を抑制することができる。
本発明のポリエステル容器は、少なくとも底部をバージンポリエステルからなる単層により構成することを特徴とするものである。これにより、ポリエステル容器の高い耐衝撃性を確保することができる。その理由は定かではないが以下の通りであると推測する。
リサイクルポリエステルは、リサイクル工程を経ることにより、数平均分子量が低下する傾向にある。数平均分子量が低下すると、ポリエステル樹脂材料の耐衝撃性などの機械的強度が低下するものと考えられる。これに対し、バージンポリエステルは、このようなリサイクル工程を経ておらず、数平均分子量に変化がないため高い耐衝撃性を維持できるものと考えられる。図1および図2のようなポリエステル容器10が地面などに落下してポリエステル容器10の底部17が地面などと衝突した場合に、底部17の接地部22が点で地面に衝突し、落下時の衝撃がその点に集中する。そのため、底部17がリサイクルポリエステル層を含む場合に割れが発生してしまう。本発明によれば、ポリエステル容器の底部をバージンポリエステルからなる単層により構成することで、ポリエステル容器の耐衝撃性を向上することができる。
本発明のポリエステル容器において胴部は、ポリエステル容器を自立させた場合の高さ方向において、底部の接地部から、0.1mm以上、10.0mm以下が単層により構成されていることが好ましく、1.0mm以上、5.0mm以下がバージンポリエステルからなる単層により構成されていることがより好ましい。
上記下限値を0.1mm以上とすることにより、ポリエステル容器の耐衝撃性をより向上することができる。
上記上限値を10.0mm以下とすることにより、ポリエステル容器におけるリサイクルポリエステルの割合を増やすことができ、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
本発明のポリエステル容器は、高温の内容物を充填した場合、内容物充填後に加温した場合であっても、内容物にアンチモンなどが溶出してしまうことを防止することができ、高い衛生性を有するものであるため、加温用容器として好適に用いることができる。
本発明のポリエステル容器は、容量/重量が、5mL/g以上、50mL/g以下であることが好ましく、8mL/g以上、45mL/g以下であることがより好ましい。
ポリエステル容器の容量/重量を5mL/g以上とすることにより、ポリエステル容器のブロー成形性を向上することができる。
また、ポリエステル容器の容量/重量を50mL/g以下とすることにより、ポリエステル容器の耐熱性および強度を向上することができる。
本発明のポリエステル容器は、内面全域にわたって蒸着膜を備えていてもよい。これにより、ポリエステル容器のガスバリア性を向上することができる。
蒸着膜としては、例えば、アルミニウムなどの金属、並びに酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化ホウ素、酸化ハフニウム、酸化バリウムなどの無機酸化物、ヘキサメチルジシロキサンなどの有機珪素化合物、DLC(Diamond Like Carbon)膜などの硬質炭素膜から構成される、蒸着膜を挙げることができる。
なお、DLC膜からなる硬質炭素膜とは、iカーボン膜または水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H)とも呼ばれる硬質炭素膜のことで、SP3結合を主体にしたアモルファスな炭素膜のことである。
また、蒸着膜の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1nm以上150nm以下とすることができる。
蒸着膜の形成は、従来公知の方法を用いて行うことができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法およびイオンプレーティング法などの物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、並びにプラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法および光化学気相成長法などの化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)などを挙げることができる。
以下、単層および多層について、より詳細に説明する。
(単層)
本発明のポリエステル容器において、単層は、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステルおよびゲルマニウム触媒ポリエステルから選択されるバージンポリエステルからなる、容器の底部はこの単層により構成されることを特徴とする。これにより、ポリエステル容器底部の高い耐衝撃性を確保することができる。本発明において、「バージンポリエステル」とは、下記するリサイクル処理が施されていないポリエステル、すなわち、未使用のポリエステルを指す。
また、胴部の一部は、上記したように底部の接地部から一定の範囲が、この単層により構成されていてもよい。
マンガン触媒としては、例えば、酢酸マンガンなどの脂肪酸マンガン塩、炭酸マンガン、塩化マンガン、マンガンのアセチルアセトナート塩、水酸化マンガンなどが挙げられる。
チタン触媒としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネートなどのチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、酢酸チタン、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、臭化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、六フッ化チタン酸アンモニウムおよびチタンアセチルアセトナートなどが挙げられる。
アルミニウム触媒としては、例えば、アルミニウムトリスアセチルアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
リチウム触媒としては、例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウおよびフェニルリチウムなどが挙げられる。
ゲルマニウム触媒としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラプロポキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラペンタキシドおよびゲルマニウムテトラヘキソキシドなどが挙げられる。
本発明において、「ポリエステル」とは、ジカルボン酸化合物とジオール化合物との共重合体を意味する。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸およびエチルマロン酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸およびこれらのエステル誘導体などが挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノール、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、アダマンジオール、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS,スチレングリコール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールなどが挙げられる。
ポリエステルの中でも、テレフタル酸と、エチレングリコールとの共重合体であるポリエチレンテレフタレート、またはこれに共重合モノマーが添加された改質ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエステルは、ジカルボン酸化合物およびジオール化合物以外のモノマーを含んでいてもよいが、その含有量は、全構成単位に対し、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、3モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明の特性を損なわない範囲において、単層は、添加剤を含んでいてもよく、例えば、酸素吸収剤、ガスバリア性樹脂(ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド)、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、アセトアルデヒド吸収剤(例えば、Color Matrix社製のAA Scavengers)および着色剤などが挙げられる。
ポリエステル容器における底部を構成する単層の厚さは、0.05mm以上0.54mm以下であることが好ましく、0.125mm以上0.50mm以下であることが好ましい。
ポリエステル容器における底部の単層の厚さを0.05mm以上とすることにより、ポリエステル容器の耐衝撃性をより向上することができる。
また、ポリエステル容器における底部の単層の厚さを0.54mm以下とすることにより、本発明のポリエステル容器の環境負荷低減性を向上することができる。
なお、底部の単層の厚さは、ポリエステル容器の底部において、単層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
胴部の上記した範囲が単層により構成されている場合、胴部の単層の厚さは、0.05mm以上0.54mm以下であることが好ましく、0.125mm以上0.50mm以下であることが好ましい。
ポリエステル容器における胴部の単層の厚さを0.05mm以上とすることにより、ポリエステル容器の耐衝撃性をより向上することができる。
また、ポリエステル容器における胴部の単層の厚さを0.54mm以下とすることにより、本発明のポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
なお、胴部の単層の厚さは、ポリエステル容器の胴部において、単層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
(多層)
本発明のポリエステル容器において、多層は、最内面に位置するバージンポリエステル層と、リサイクルポリエステル層とを少なくとも有し、容器の口部と、首部と、肩部と、胴部の少なくとも一部とは、この多層により構成されている。これにより、ポリエステル容器の衛生性および環境負荷低減性を向上することができる。
一実施形態において、多層は、3層以上であってもよく、例えば、内側から、バージンポリエステル層と、リサイクルポリエステル層と、バージンポリエステル層とを順に有してもよい。多層は、各層の厚さを調整することが容易であり、かつリサイクルポリエステルの使用量を容易に増加させることができるという観点から、バージンポリエステルからなる内層と、リサイクルポリエステルからなる外層とを有する2層であることが好ましい。
本発明のポリエステル容器において、多層におけるバージンポリエステル層を構成するバージンポリエステルとしては、上記バージンポリエステルと同様のものを用いることができる。このような構成とすることにより、ポリエステル容器にリサイクルポリエステルを使用した場合であっても、内容物への汚染物質の溶出を防止することができる。
本発明の特性を損なわない範囲において、バージンポリエステル層は、上記した添加剤を含んでいてもよく、例えば、酸素吸収剤、ガスバリア性樹脂(ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド)、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、アセトアルデヒド吸収剤(例えば、Color Matrix社製のAA Scavengers)および着色剤などが挙げられる。
多層を構成するバージンポリエステル層の厚さは、0.01mm以上0.33mm以下であることが好ましく、0.025mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
多層を構成するバージンポリエステル層の厚さを0.01mm以上とすることにより、ポリエステル容器にリサイクルポリエステルを使用した場合であっても、内容物へ汚染物質の溶出を効果的に防止することができる。
また、多層を構成するバージンポリエステル層の厚さを0.33mm以下とすることにより、ポリエステル容器におけるリサイクルポリエステルの割合を増やすことができ、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
なお、バージンポリエステル層の厚さは、例えば、ポリエステル容器の胴部において、バージンポリエステル層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
本発明において、多層におけるリサイクルポリエステル層を構成する「リサイクルポリエステル」とは、ケミカルリサイクルポリエステルまたはメカニカルリサイクルポリエステルを指す。
ケミカルリサイクルポリエステルとは、ポリエステル容器をモノマーレベルまで分解して、再度重合することにより得られたポリエステルを指す。
メカニカルリサイクルポリエステルとは、ポリエステル容器を選別・粉砕・洗浄して汚染物質や異物を除去し、フレークを得て、フレークを更に高温・減圧下などで一定時間処理して樹脂内部の汚染物質を除去することにより得られたポリエステルを指す。
本発明の特性を損なわない範囲において、リサイクルポリエステル層は、添加剤を含んでいてもよく、例えば、酸素吸収剤、ガスバリア性樹脂(ナイロン6、ナイロン6,6およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などのポリアミド)、可塑剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、アセトアルデヒド吸収剤(例えば、Color Matrix社製のAA Scavengers)および着色剤などが挙げられる。
多層を構成するリサイクルポリエステル層の厚さは、0.04mm以上0.49mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.4mm以下であることが好ましい。
多層を構成するリサイクルポリエステル層の厚さを0.04mm以上とすることにより、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
また、多層を構成するリサイクルポリエステル層の厚さを0.49mm以下とすることにより、ポリエステル容器の作製においてリサイクルポリエステルが内容物側へ露出してしまうことを防止することができる。
なお、リサイクルポリエステル層の厚さは、例えば、ポリエステル容器の胴部において、リサイクルポリエステル層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
本発明のポリエステル容器の溶出アンチモン濃度は、6ppb未満であることが好ましく、3ppb未満であることがより好ましい。
溶出アンチモン濃度を6ppb未満とすることにより、アメリカ食品医薬品局(FDA)の21CFR(連邦法第21章)において推奨される値を満たすこととなるため好ましい。
また、本発明のポリエステル容器に充填する内容物の種類によっては、既に微量のアンチモンを含んでいる場合がある。ポリエステル容器の溶出アンチモン濃度を3ppb未満としておくことにより、内容物へ最終的に溶存するアンチモンを低減できる。
なお、本発明において、「ポリエステル容器の溶出アンチモン濃度」は、本発明のポリエステル容器に、23℃の超純水を充填し、正立させた状態で、70℃の環境下において14日間静置した後、ポリエステル容器から取り出した水について測定したものである。
本発明のポリエステル容器において、リサイクルポリエステルの含有量は、ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、40質量部以上90質量部以下であることが好ましく、60質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。
リサイクルポリエステルの含有量を、ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、40質量部以上とすることにより、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
リサイクルポリエステルの含有量を、ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、90質量部以下とすることにより、ポリエステル容器の作製においてリサイクルポリエステルが内層側へ露出してしまうことを防止することができる。
(ポリエステルプリフォーム)
本発明のポリエステルプリフォーム30は、図3および図4に示すように、口部33と、胴部34と、底部35とを備える。また、底部35は胴部34と連接している。
本発明のポリエステルプリフォーム30を構成する各部位において、口部33と、胴部34の少なくとも一部とは、最内面に位置するバージンポリエステル層31とリサイクルポリエステル層32とを有する多層断面を有しており、少なくとも底部35は単層断面を有している。
なお、本発明のポリエステルプリフォームにおいて、「底部」とは、略半球形状部分を意味する。
一実施形態において、図3および4に示すように、口部33は、上記したポリエステル容器10の口部13に対応するものであり、口部13と略同一の形状を有している。また、胴部34は、上記したポリエステル容器10の首部14、肩部15および胴部16に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部35は、上記したポリエステル容器10の底部17に対応するものである。
一実施形態において、口部33は、図3に示すように、キャップが嵌合(打栓)される外側嵌合部36と、サポートリング37とを備える。外側嵌合部はキャップを嵌合できる形状であれば特に限定はなく、例えば、円周凸形状や雄ネジ形状であってもよい。
口部33は、口部33の下端にサポートリング37を備えてもよい。また、口部33は、口部33の上端と、サポートリング37との間に外側嵌合部36を備えてもよい。これにより、ポリエステルプリフォームから作製されたポリエステル容器は、内容物が充填された後口部にキャップを嵌合することで密封できる。
一実施形態において、口部13は、図4に示すように、キャップが螺着される外側嵌合部36と、カブラ38と、サポートリング37とを備える。
口部33は、口部33の下端にサポートリング37を備えてもよい。また、口部33は、口部33の上端と、サポートリング37との間に外側嵌合部36を備えてもよい。これにより、ポリエステルプリフォームから作製されたポリエステル容器は、内容物が充填された後口部にキャップを螺着することで密封できる。
本発明のポリエステルプリフォームにおいて胴部は、ポリエステルプリフォームの底部との境目から、0.1mm以上、3.0mm以下が単層により構成されていることが好ましく、0.5mm以上、2.0mm以下が単層により構成されていることがより好ましい。
上記下限値を0.1mm以上とすることにより、耐衝撃性がより向上されたポリエステル容器を得ることができる。
上記上限値を3.0mm以下とすることにより、ポリエステル容器におけるリサイクルポリエステルの割合を増やすことができ、環境負荷低減性がより向上されたポリエステル容器を得ることができる。
(単層)
本発明のポリエステルプリフォームにおいて、単層は、バージンポリエステルからなり、プリフォームの底部はこの単層により構成されることを特徴とする。これにより、耐衝撃性がより向上されたポリエステル容器を得ることができる。
また、胴部の一部は、上記したように底部との境目から一定の範囲が、この単層により構成されていてもよい。
単層を構成する材料については、上述したため、ここでは記載を省略する。
ポリエステルプリフォームにおける底部を構成する単層の厚さは、1.3mm以上4.7mm以下であることが好ましく、2.1mm以上4.0mm以下であることが好ましい。ポリエステルプリフォームの底部を構成する単層の厚さを上記範囲とすることにより、上述したようなポリエステル容器を得ることができる。
なお、底部の単層の厚さは、ポリエステルプリフォームの底部において、単層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
胴部の上記した範囲が単層により構成されている場合、胴部の単層の厚さは、1.3mm以上4.7mm以下であることが好ましく、2.1mm以上4.0mm以下であることが好ましい。
ポリエステルプリフォームにおける胴部の単層の厚さを1.3mm以上とすることにより、耐衝撃性がより向上されたポリエステル容器を得ることができる。
また、ポリエステルプリフォームにおける胴部の単層の厚さを4.7mm以下とすることにより、環境負荷低減性がより向上されたポリエステル容器を得ることができる。
なお、胴部の単層の厚さは、ポリエステルプリフォームの胴部において、単層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
(多層)
本発明のポリエステルプリフォームにおいて、多層は、最内面に位置するバージンポリエステル層と、リサイクルポリエステル層とを少なくとも有し、プリフォームの口部と、胴部の少なくとも一部とは、この多層により構成されている。これにより、衛生性および環境負荷低減性が向上されたポリエステル容器を得ることができる。
一実施形態において、多層は、3層以上であってもよく、例えば、内側から、バージンポリエステル層と、リサイクルポリエステル層と、バージンポリエステル層とを順に有してもよい。多層は、各層の厚さを調整することが容易であり、かつリサイクルポリエステルの使用量を容易に増加させることができるという観点から、バージンポリエステルからなる内層と、リサイクルポリエステルからなる外層とを有する2層であることが好ましい。
バージンポリエステル層を構成する材料については、上述したため、ここでは記載を省略する。
多層を構成するバージンポリエステル層の厚さは、0.1mm以上2.9mm以下であることが好ましく、0.2mm以上2.0mm以下であることが好ましい。多層を構成するバージンポリエステル層の厚さを上記範囲とすることにより、上述したようなポリエステル容器を得ることができる。
なお、バージンポリエステル層の厚さは、例えば、ポリエステルプリフォームの胴部において、バージンポリエステル層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
リサイクルポリエステル層を構成する材料については、上述したため、ここでは記載を省略する。
多層を構成するリサイクルポリエステル層の厚さは、0.5mm以上4.3mm以下であることが好ましく、1.9mm以上4.0mm以下であることが好ましい。多層を構成するリサイクルポリエステル層の厚さを上記範囲とすることにより、上述したようなポリエステル容器を得ることができる。
なお、リサイクルポリエステル層の厚さは、例えば、ポリエステルプリフォームの胴部において、リサイクルポリエステル層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
(ポリエステル容器の製造方法)
本発明のポリエステル容器は、上記した単層、およびバージンポリエステル層とリサイクルポリエステル層とを有する多層を構成する材料を、共射出成形することにより、ポリエステルプリフォームを作製し、これをブロー成形することにより本発明のポリエステル容器を製造することができる。
各層の形成位置は、樹脂温度などの射出成形条件により調整することができる。
また、本発明のポリエステル容器は、二色成形やインサート成形を利用することによっても製造することができる。
さらに、本発明のポリエステル容器は、内部金型内にバージンポリエステルを射出成形し、単層と、多層における最内面に位置するバージンポリエステル層とを形成し、内部金型を後退させ、内部金型とバージンポリエステル層との間に隙間を設け、この隙間にリサイクルポリエステルを射出して成形し、多層におけるリサイクルポリエステル層を形成することにより製造することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
バージンポリエステル(ゲルマニウム触媒PET、三井化学(株)製、J−125S)と、メカニカルリサイクルポリエステル(協栄産業(株)製、NA−BT7906)を用意した。
これらを、射出成形機を用いて、口部と、胴部と、底部とを備えるポリエステルプリフォームを作製した。ポリエステルプリフォームの作製では、まず、バージンポリエステルとメカニカルリサイクルポリエステルとを共射出して、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、メカニカルリサイクルポリエステルからなる層とを有する多層により構成される、口部および胴部を成形し、続いて、連続でバージンポリエステルのみを射出して底部を形成した。該ポリエステルプリフォームの口部は、口部の上端から雄ネジ部、カブラおよびサポートリングを順に備えている。
メカニカルリサイクルポリステルの使用量は、ポリエステルプリフォームを構成する樹脂材料100質量部に対し、70質量部となるように調整した。
ポリエステルプリフォームの口部の上端から下端までの距離は、21mmであった。
ポリエステルプリフォームの胴部の厚さは3.5mm、底部の厚さは2.8mm、目付量は22gであった。
次いで、ポリエステルプリフォームを110℃に加熱し、ブロー成形金型内において、二軸延伸ブロー成形を行い、図2に示す形状を有する、内容量が500mLのポリエステル容器を得た。
このポリエステル容器において、底部は、バージンポリエステルからなる単層により構成されており、口部と、首部と、肩部と、胴部とは、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、リサイクルポリエステルからなる層とを有する多層により構成されている。
ポリエステル容器の口部の上端から下端までの距離は、21mmであった。
ポリエステル容器の胴部の厚さは0.32mm、底部の厚さは0.4mmであった。
比較例1
ポリエステルプリフォームの口部、胴部および底部の全てが、上記したバージンポリエステルからなる層と、メカニカルリサイクルポリエステルからなる層とを有する多層により構成されていること以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルプリフォームを作製した。また、本比較例のポリエステルプリフォームを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル容器を作製した。
比較例2
ポリエステルプリフォームの口部、胴部および底部の全てが、上記したバージンポリエステルからなる単層により構成されていること以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルプリフォームを作製した。また、本比較例のポリエステルプリフォームを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル容器を作製した。
比較例3
ポリエステルプリフォームの口部、胴部および底部の全てが、上記したメカニカルリサイクルポリエステルからなる単層により構成されていること以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルプリフォームを作製した。また、本比較例のポリエステルプリフォームを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル容器を作製した。
<<溶出アンチモン濃度評価>>
上記実施例および比較例において得られたポリエステル容器に、超純水480mLを充填した。各容器において、超純水は、口部の上端から28.7mmの位置から底部の位置まで充填されていた。
次いで、70℃に設定したホットウォーマー内において、横に倒した状態で14日間静置した。
静置後、ポリエステル容器から水を取り出し、そのアンチモン濃度を誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)により測定した。測定結果を表1にまとめた。
<<耐衝撃性試験>>
上記実施例および比較例において得られたポリエステル容器に、水480mLを充填し、1.8mの高さから10回垂直落下させ、下記評価基準に基づいて評価した。評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
OK:100本中、全てのポリエステル容器において、底部の割れが生じなかった。
NG:100本中、1本以上のポリエステル容器において、底部の割れが生じた。
<<環境負荷低減性>>
上記実施例および比較例において得られたポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対するリサイクルポリエステルの含有量を基に、環境負荷低減性のレベルを下記の通り定義した。
OK:リサイクルポリエステルの含有量が30質量部以上
NG:リサイクルポリエステルの含有量が30質量部未満
Figure 2021084683
上記表からも明らかなように、本発明のポリエステル容器は、優れた環境負荷低減性を有していることがわかる。
また、本発明のポリエステル容器は、高い耐衝撃性を有することがわかる。
また、本発明のポリエステル容器は、加温後における溶出アンチモン濃度を効果的に低減できており、加温用容器に好適に用いることができることがわかる。
10:ポリエステル容器
11:バージンポリエステル層
12:リサイクルポリエステル層
13:口部
14:首部
15:肩部
16:胴部
17:底部
18:外側嵌合部
19:サポートリング
20:カブラ
21:陥没部
22:接地部
30:ポリエステルプリフォーム
31:バージンポリエステル層
32:リサイクルポリエステル層
33:口部
34:胴部
35:底部
36:外側嵌合部
37:サポートリング
38:カブラ

Claims (8)

  1. 口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備えるポリエステル容器であって、
    少なくとも前記底部は、バージンポリエステルからなる単層により構成されており、
    前記口部と、前記首部と、前記肩部と、前記胴部の少なくとも一部とは、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、リサイクルポリエステルからなる層とを少なくとも有する多層により構成されており、
    前記バージンポリエステルが、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステルおよびゲルマニウム触媒ポリエステルから選択される1以上のポリエステルであることを特徴とする、ポリエステル容器。
  2. 前記胴部は、前記ポリエステル容器を自立させた場合の高さ方向において、前記底部の接地部から0.1mm以上、10.0mm以下が前記バージンポリエステルからなる単層により構成されている、請求項1に記載のポリエステル容器。
  3. 前記底部の単層の厚さが、0.05mm以上0.54mm以下である、請求項1または2に記載のポリエステル容器。
  4. 溶出アンチモン濃度が、6ppb未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエステル容器。
  5. 前記リサイクルポリエステルの含有量が、前記ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、40質量部以上90質量部以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリエステル容器。
  6. 前記多層におけるバージンポリエステル層の厚さが、0.01mm以上0.33mm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステル容器。
  7. 加温用容器である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステル容器。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエステル容器を製造するためのポリエステルプリフォームであって、
    前記ポリエステルプリフォームが、口部と、胴部と、底部とを備え、
    前記底部は、バージンポリエステルからなる単層により構成されており、
    前記口部と、前記胴部の少なくとも一部とは、最内面に位置するバージンポリエステルからなる層と、リサイクルポリエステルからなる層とを少なくとも有する多層により構成されており、
    前記バージンポリエステルが、マンガン触媒ポリエステル、チタン触媒ポリエステル、アルミニウム触媒ポリエステル、リチウム触媒ポリエステルおよびゲルマニウム触媒ポリエステルから選択される1以上のポリエステルであることを特徴とする、ポリエステルプリフォーム。
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