JP2021084116A - プレス加工装置及びプレス加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のワークが異なる位置に位置決め穴を有する場合でも、プレス加工の作業効率の低下を抑制できるプレス加工装置及びプレス加工方法を提供する。【解決手段】プレス加工装置100は、ワークW1,W2の位置決め穴H1,H2に挿入される位置決め用のピン部材30と、パンチ10に設けられ、ピン部材30の基端部を収容して保持する保持穴40と、保持穴40に対してピン部材30をその軸心C1回りの異なる複数の位置でロックするロック機構50と、を備え、ピン部材30は、その先端部に、位置決め穴H1,H2に挿入されるピン32を有し、ピン32は、基端部に対し、偏心して配置される。【選択図】図1

Description

本開示は、プレス加工装置及びプレス加工方法に関する。
プレス加工装置としては、パンチと、パンチと協働してワークをプレス加工するダイと、位置決め用のピン部材と、を備えた装置が知られている。
特表2009−529427号公報 特開2000−153324号公報
しかしながら、上記のプレス加工装置では、複数のワークが異なる位置に位置決め穴を有する場合に、例えばワーク毎にパンチを交換して、ピン部材の位置を変更する必要がある。そのため、このような交換に時間が掛かり、プレス加工の作業効率が低下するという問題がある。
そこで、本開示は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、複数のワークが異なる位置に位置決め穴を有する場合でも、プレス加工の作業効率の低下を抑制できるプレス加工装置及びプレス加工方法を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、パンチと、前記パンチと協働してワークをプレス加工するダイと、を備えたプレス加工装置であって、前記ワークの位置決め穴に挿入される位置決め用のピン部材と、前記パンチに設けられ、前記ピン部材の基端部を収容して保持する保持穴と、前記保持穴に対して前記ピン部材をその軸心回りの異なる複数の位置でロックするロック機構と、を備え、前記ピン部材は、その先端部に、前記位置決め穴に挿入されるピンを有し、前記ピンは、前記基端部に対し、偏心して配置されることを特徴とするプレス加工装置が提供される。
好ましくは、前記プレス加工装置は、前記パンチに対向して配置され、前記ダイに収容されるパッドを更に備え、前記パッドは、前記位置決め穴から突出された前記ピンが挿入される逃げ穴を有し、前記逃げ穴は、前記ロック機構により前記ピン部材が何れの位置にロックされた場合でも、前記ピンを挿入可能な大きさに設定される。
また、前記ピン部材は、その基端部に、前記保持穴に移動可能に嵌合されるシャンクを有し、前記ロック機構は、前記保持穴の内周部に出没可能に設けられた係合部材と、前記シャンクの外周部に設けられ、前記係合部材が係合する被係合部と、を有し、前記被係合部は、前記シャンクの周方向に間隔を空けて複数配置される。
また、本開示の一の態様によれば、前記プレス加工装置を用いたプレス加工方法であって、第1ワークの位置決め穴に前記ピン部材を挿入して、前記第1ワークを位置決めしつつプレス加工する第1工程と、前記位置決め穴の位置が前記第1ワークと異なる第2ワークをセットし、前記第2ワークの位置決め穴に対応した位置に前記ピンを移動して、前記ピン部材をロックする第2工程と、前記第2ワークの位置決め穴に前記ピン部材を挿入して、前記第2ワークを位置決めしつつプレス加工する第3工程と、を備えることを特徴とするプレス加工方法が提供される。
本開示に係るプレス加工装置及びプレス加工方法によれば、複数のワークが異なる位置に位置決め穴を有する場合でも、プレス加工の作業効率の低下を抑制できる。
第1ワークをセットしてピン部材をロックした状態を示すプレス加工装置の概略断面図である。 第1ワークを位置決めした状態を示すプレス加工装置の概略断面図である。 第1ワークをプレス加工した状態を示すプレス加工装置の概略断面図である。 第2ワークをセットしてピン部材をロックした状態を示すプレス加工装置の概略断面図である。 第2ワークを位置決めした状態を示すプレス加工装置の概略断面図である。 第2ワークをプレス加工した状態を示すプレス加工装置の概略断面図である。 図1に示したVII部の拡大断面図である。 図7に示したVIII−VIII線の断面図である。 図4に示したIX部の拡大断面図である。 図9に示したX−X線の断面図である。 パッドの逃げ穴の断面図である。 第1変形例を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図中に示す上下前後左右の各方向は、説明の便宜上定められたものに過ぎないものとする。
図1〜図3は、第1ワークW1をプレス加工する際の工程を示したプレス加工装置100の縦断面図であり、図4〜図6は、第2ワークW2をプレス加工する際の工程を示したプレス加工装置100の縦断面図である。
図1及び図4に示すように、第1ワークW1及び第2ワークW2は、平板状に形成された金属製の被成形材であり、図3及び図6に示すように、プレス加工装置100により曲げ加工され、車両用のフレーム等に成形される。また、第1ワークW1及び第2ワークW2は、貫通形成された位置決め穴H1,H2をそれぞれ有する。
第1ワークW1の位置決め穴H1及び第2ワークW2の位置決め穴H2は、丸穴状にそれぞれ形成され、互いに同じ大きさの内径を有する。
また、第1ワークW1及び第2ワークW2では、異なる位置に位置決め穴H1,H2が設けられる。本実施形態では、第1ワークW1の位置決め穴H1の位置に対して、第2ワークW2の位置決め穴H2が右側にずれた位置(図示例では、概ね穴の半径の距離だけ右側に移動した位置)に配置される。
以下、図1〜図3を参照して、主に第1ワークW1をプレス加工する際のプレス加工装置100の構造を説明する。
図1に示すように、プレス加工装置100は、パンチ10と、パンチ10と協働して第1ワークW1をプレス加工するダイ20と、第1ワークW1の位置決め穴H1に挿入される位置決め用のピン部材30と、を備える。また、プレス加工装置100は、パンチ10に設けられ、ピン部材30の基端部を収容して保持する保持穴40と、保持穴40に対してピン部材30をロックするロック機構50と、を備える。
また、本実施形態のプレス加工装置100は、パンチ10に対向して配置され、ダイ20に収容されるパッド21を更に備える。また、図示しないが、プレス加工装置100は、プレス金型の上型及び下型を備える。
パンチ10は、上型に設けられ、ダイ20及びパッド21は、下型に設けられる。ダイ20には、パンチ10を挿入可能な空間20aが形成される。パッド21は、ダイ20の空間20a内で昇降可能に設けられる。また、詳細は後述するが、図2に示すように、パッド21の上面部には、逃げ穴21aが設けられる。
本実施形態のパンチ10は、第1ワークW1を押圧する押圧面11と、押圧面11に形成された有底のリテーナ取付穴12と、リテーナ取付穴12内に嵌合されて取り付けられたリテーナ13と、を備える。
押圧面11は、パンチ10の下面部に平面状に形成される。但し、押圧面11は、平面状に限られず、プレス成形したい形状に合わせて凹凸を有していても良い。
図7及び図8に示すように、リテーナ取付穴12は、横断面視において、略矩形状に形成される。
リテーナ13は、ピン部材30を保持する保持部材である。リテーナ13は、リテーナ取付穴12に対応した略矩形の外形を有し、リテーナ取付穴12に挿入されて嵌合される。また、リテーナ13には、ボルト挿通穴14及び前述の保持穴40が形成される。また、リテーナ13には、後述するロック機構50の収容穴15及び操作穴16が形成される。
ボルト挿通穴14は、リテーナ13の四隅の部分に上下方向に貫通形成される。リテーナ取付穴12の上面部(底部)には、ボルト挿通穴14と同軸に配置された雌ネジ穴12aが形成される。リテーナ13は、ボルト17が下方からボルト挿通穴14に挿通されて雌ネジ穴12aに螺合されることで、リテーナ取付穴12内に締結される。
保持穴40は、リテーナ13の中央部分に上下方向に貫通形成される。保持穴40の上端部には、円盤状に形成されたスペーサ41が嵌合される。スペーサ41の上面は、リテーナ取付穴12の上面に当接される。リテーナ13及びスペーサ41は、パンチ10の一部を成し、ピン部材30を保持する。
ピン部材30には、所謂パイロットピンが用いられる。ピン部材30は、その基端部に、保持穴40に移動可能に嵌合されるシャンク31を有する。また、ピン部材30は、その先端部に、第1ワークW1の位置決め穴H1(図1を参照)に挿入されるピン32を有する。
シャンク31は、円柱状に形成され、ピン部材30の軸心C1と同軸に配置される。また、シャンク31は、保持穴40内でスライド可能となるような大きさの外径D1を有する。
シャンク31の上面は、スペーサ41の下面に当接される。これにより、ピン部材30に下方から掛かる荷重が、スペーサ41を介してパンチ10で受け止められる。
ピン32は、円柱状に形成され、シャンク31の下端から下方に突出するように設けられる。また、ピン32は、第1ワークW1の位置決め穴H1内でスライド可能となるような大きさの外径D2を有する。
ピン32の外径D2は、シャンク31の外径D1よりも小さく設定される(D1>D2)。例えば、本実施形態では、シャンク31の外径D1に対して、ピン32の外径D2が2/3程度の大きさに設定される。ピン32の先端部ないし下端部32aは、下方に向かうにつれ縮径されたテーパ状に形成される。なお、ピン32の外径D2は、任意の大きさであって良く、例えば、シャンク31の外径D1よりも大きく設定されていても良い(D1<D2)。
本実施形態のピン32は、ピン部材30の基端部(シャンク31)に対して偏心して配置される。すなわち、ピン32の中心軸C2は、ピン部材30の軸心C1に対し水平方向にずれている。
ピン32の上端部32bは、ピン32の外径D2からシャンク31の外径D1に移行すべく、上方に向かうにつれ拡径された接続部分を有する。
また、ピン32は、シャンク31が保持穴40内で軸心C1回りに回転移動することで、軸心C1回りの異なる位置に位置される。例えば、第1ワークW1をプレス加工する際には、図7及び図8に示すように、ピン32が軸心C1に対して左側に位置され、第1ワークW1の位置決め穴H1(図1を参照)と同軸になる。一方、第2ワークをプレス加工する際には、図9及び図10に示すように、ピン32が軸心C1に対して右側に位置され、第2ワークW2の位置決め穴H2(図4を参照)と同軸になる。
ロック機構50には、所謂ボールロック機構が用いられる。ロック機構50は、保持穴40の内周部に出没可能に設けられた係合部材としてのボール51と、シャンク31の外周部に設けられ、ボール51が係合する被係合部としてのボール係合穴52と、を有する。
本実施形態では、ボール51がボール係合穴52に係合されることで、ピン部材30がロックされる。これにより、保持穴40に対して、ピン部材30の軸方向及び周方向の移動が規制される。
ボール51は、コイルスプリングからなるバネ部材53と共に、リテーナ13に形成された収容穴15に収容される。収容穴15は、保持穴40よりも径方向外側(図示、左側)に位置するリテーナ13の上面から、保持穴40の下部に位置する内周面にかけて、斜めに貫通形成される。
また、ボール51は、バネ部材53によって保持穴40の径方向内側に付勢され、収容穴15から一部が突出するように設けられる。
収容穴15の下端部には、リテーナ13の下面から上方に向かって貫通形成された小径の操作穴16が連通される。ピン部材30のロックを解除するときは、操作穴16に下方から小径のピン等(不図示)が挿入される。これにより、ボール51が、バネ部材53の付勢力に反して押し戻され、ボール係合穴52から離間されることで、ピン部材30のロックが解除される。その結果、保持穴40に対して、ピン部材30の軸方向及び周方向の移動が可能になる。
また、本実施形態のロック機構50は、保持穴40に対してピン部材30を軸心C1回りの異なる2つの位置でロックするように構成される。
具体的には、ボール係合穴52は、シャンク31の周方向に180°の間隔で2つ配置される。本実施形態では、ピン部材30の軸心C1からピン32の中心軸C2を通った延長線上に、第1ボール係合穴52aが配置され、第1ボール係合穴52aと反対側の位置に第2ボール係合穴52bが配置される。
図7に示すように、第1ワークW1をプレス加工する際には、第1ボール係合穴52aにボール51が係合され、この位置(以下、第1ロック位置P1とする。)でピン部材30がロックされる。また、図9に示すように、第2ワークW2をプレス加工する際には、第2ボール係合穴52bにボール51が係合され、この位置(以下、第2ロック位置P2とする。)でピン部材30がロックされる。
次に、本実施形態のプレス加工装置100を用いたプレス加工方法を説明する。図1に示すように、初期状態では、第1ワークW1がセットされ、ピン部材30が第1ロック位置P1でロックされている。第1ワークW1は、ダイ20及びパッド21上の所定位置にセットされ、ピン32は、ピン部材30の軸心C1に対して左側に配置され、第1ワークW1の位置決め穴H1と略同軸になる。
図2及び図3に示すように、本実施形態のプレス加工方法は、第1ワークW1の位置決め穴H1にピン部材30を挿入して、第1ワークW1を位置決めしつつプレス加工する第1工程を備える。
また、図4に示すように、プレス加工方法は、第2ワークW2をセットし、第2ワークW2の位置決め穴H2に対応した位置にピン32を移動して、ピン部材30をロックする第2工程を備える。
また、図5及び図6に示すように、プレス加工方法は、第2ワークW2の位置決め穴H2にピン部材30を挿入して、第2ワークW2を位置決めしつつプレス加工する第3工程を備える。
第1工程では、図2に示すように、パンチ10がパッド21に向かって下降され、第1ワークW1がプレス加工される直前に、ピン32が第1ワークW1の位置決め穴H1に挿入される。これにより、第1ワークW1が正確な位置に位置決めされる。
また、このとき、第1ワークW1の位置決め穴H1から下方に突出されたピン32は、パッド21の逃げ穴21aに挿入される。
次に、図3に示すように、パンチ10が更に下降され、パッド21を押し下げつつ第1ワークW1を押圧する。これにより、第1ワークW1は、パッド21上でパンチ10及びダイ20に挟まれて、断面L字状に曲げ加工される。
その後、パンチ10、パッド21、及び、曲げ加工された第1ワークW1は、図1に示した初期位置まで上昇される。そして、パッド21上から第1ワークW1が取り出される。
次に、第2工程では、図4に示すように、第2ワークW2がダイ20及びパッド21上の所定位置にセットされる。
また、第2工程では、ピン部材30の位置を、図1に示した第1ロック位置P1から、図4に示した第2ロック位置P2に切り替える。このとき、ピン等を操作穴16に差し込んで、ボール51を第1ボール係合穴52aから離間させ、ロックを一旦解除して、ピン部材30を保持穴40から取り外す。次に、ピン部材30を軸心C1回りに180°回転移動させた状態で、再び保持穴40に嵌合させる。そして、ボール51を第2ボール係合穴52bに係合させて、ピン部材30を再びロックする。これにより、ピン部材30は、第2ロック位置P2でロックされ、ピン32は、ピン部材30の軸心C1に対して右側に配置され、第2ワークW2の位置決め穴H2と略同軸になる。
但し、本実施形態のシャンク31は、円柱状に形成されており、保持穴40に対して周方向に移動可能であるので、保持穴40から取り外さなくても、ロックを解除するだけで、軸心C1回りに回転させて、第1ロック位置P1から第2ロック位置P2に切り替え可能である。
第3工程では、図5に示すように、パンチ10がパッド21に向かって再び下降され、第2ワークW2がプレス加工される直前に、ピン32が第2ワークW2の位置決め穴H2に挿入される。これにより、第2ワークW2が正確な位置で位置決めされる。
また、このとき、第2ワークW2の位置決め穴H2から下方に突出されたピン32は、パッド21の逃げ穴21aに挿入される。
次に、図6に示すように、パンチ10が更に下降されて、パッド21を押し下げつつ第2ワークW2を押圧する。これにより、第1ワークW1と同様に、第2ワークW2が断面L字状に曲げ加工される。
その後、パンチ10、パッド21、及び、曲げ加工された第2ワークW2は、図4に示した初期位置まで上昇される。そして、パッド21上から第2ワークW2が取り出される。
ところで、図示しないが、一般的なプレス加工装置では、ピンがピン部材の軸心と同軸に配置される。そのため、複数のワークが異なる位置に位置決め穴を有する場合には、それぞれのワークの位置決め穴にピンを挿入するために、例えば、ワーク毎にリテーナ或いはパンチ自体を交換して、ピン部材の位置を変更する必要がある。
しかしながら、このような交換には時間が掛かるため、プレス加工の作業効率が低下する可能性がある。また、位置決め穴の位置が異なるワークに対して、リテーナ或いはパンチを共有することができず、プレス加工のコストが増加する虞がある。
これに対して、本実施形態では、ピン32がピン部材30の軸心C1に対して偏心して配置されるので、ピン部材30を軸心C1回りの異なる位置にするだけで、ピン32の位置を変更できる。そのため、ワークW1,W2毎にリテーナ13或いはパンチ10自体を交換する必要がなくなり、作業時間を短縮できる。
よって、本実施形態であれば、複数のワークが異なる位置に位置決め穴を有する場合でも、プレス加工の作業効率の低下を抑制できる。また、本実施形態では、第1ワークW1及び第2ワークW2に対して、リテーナ13及びパンチ10を共有できるので、プレス加工のコストを抑制できる。
他方、図示しないが、一般的なロック機構では、ボール及びボール係合穴が一つずつ設けられる。しかしながら、このようなロック機構では、保持穴に対して、ピン部材を軸心回りの異なる位置でロックできない。
これに対して、本実施形態のロック機構50では、シャンク31の外周部に、周方向に間隔を空けて2つのボール係合穴52a,52bが設けられる。これにより、ボール51に係合されるボール係合穴52a,52bを切り替えることで、ピン部材30を軸心C1回りの異なる位置でロックできる。そして、ピン32の位置を容易かつ的確に変更できる。
また、パッド21の逃げ穴21aは、ロック機構50によりピン部材30が何れの位置でロックされた場合でも、ピン32を挿入可能な大きさに設定される。具体的には、図11に示すように、逃げ穴21aは、ピン部材30の軸心C1と同軸の丸穴状に形成される。また、逃げ穴21aは、第1ロック位置P1のときのピン32P1の左端の位置から、第2ロック位置P2のときのピン32P2の右端の位置までの距離dよりも、大きい内径D3を有する(D3>d)。これにより、ワーク毎にパッド21を交換する必要がなくなり、パッド21の共通化が図られる。
以上、本開示の基本実施形態を詳細に述べたが、本開示は以下のような変形例またはそれら変形例の組み合わせとすることができる。なお、下記の説明において、基本実施形態と同一または対応する構成要素には同じ符号を用い、それらの詳細な説明を省略する。
(第1変形例)
ロック機構50は、保持穴40に対して、ピン部材30を軸心C1回りの異なる3つ以上の複数の位置でロックしても良い。
図12に示すように、第1変形例では、シャンク31の周方向において、等間隔に4つのボール係合穴52a〜52dが設けられる。これにより、これら4つのボール係合穴52a〜52dにボール51が係合されることで、ピン部材30をその軸心C1回りの異なる4つの位置でロックできる。
その結果、4つのワークの位置決め穴(不図示)が、これら4つの位置に対応した異なる位置にあるときに、それぞれのワークの位置決め穴にピン32を挿入できる。なお、図示しないが、ボール係合穴は、位置決め穴の位置に応じて、シャンクの周方向に異なる間隔で配置されても良い。
(第2変形例)
保持穴及びシャンクは、多角形等の任意の形状であって良い。例えば、第2変形例では、保持穴が四角穴状に形成され、シャンクが上下方向に延びる四角柱状に形成される。この場合、シャンクは、保持穴に嵌合された状態で周方向に移動できないので、軸心回りの異なる位置に移動するためには、保持穴から一旦取り外す必要がある。
(第3変形例)
保持穴は、パンチ自体に設けられても良い。第3変形例では、パンチからリテーナが省略され、ピン部材は、パンチの下面部に設けられた保持穴に保持される。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
10 パンチ
20 ダイ
21 パッド
30 ピン部材
31 シャンク
32 ピン
40 保持穴
50 ロック機構
51 ボール(係合部材)
52 ボール係合穴(被係合部)
100 プレス加工装置
C1 軸心
C2 ピンの中心軸
H1 位置決め穴
H2 位置決め穴
W1 第1ワーク
W2 第2ワーク

Claims (4)

  1. パンチと、前記パンチと協働してワークをプレス加工するダイと、を備えたプレス加工装置であって、
    前記ワークの位置決め穴に挿入される位置決め用のピン部材と、
    前記パンチに設けられ、前記ピン部材の基端部を収容して保持する保持穴と、
    前記保持穴に対して前記ピン部材をその軸心回りの異なる複数の位置でロックするロック機構と、を備え、
    前記ピン部材は、その先端部に、前記位置決め穴に挿入されるピンを有し、
    前記ピンは、前記基端部に対し、偏心して配置される
    ことを特徴とするプレス加工装置。
  2. 前記プレス加工装置は、前記パンチに対向して配置され、前記ダイに収容されるパッドを更に備え、
    前記パッドは、前記位置決め穴から突出された前記ピンが挿入される逃げ穴を有し、
    前記逃げ穴は、前記ロック機構により前記ピン部材が何れの位置にロックされた場合でも、前記ピンを挿入可能な大きさに設定される
    請求項1に記載のプレス加工装置。
  3. 前記ピン部材は、その基端部に、前記保持穴に移動可能に嵌合されるシャンクを有し、
    前記ロック機構は、
    前記保持穴の内周部に出没可能に設けられた係合部材と、
    前記シャンクの外周部に設けられ、前記係合部材が係合する被係合部と、を有し、
    前記被係合部は、前記シャンクの周方向に間隔を空けて複数配置される
    請求項1または2に記載のプレス加工装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載のプレス加工装置を用いたプレス加工方法であって、
    第1ワークの位置決め穴に前記ピン部材を挿入して、前記第1ワークを位置決めしつつプレス加工する第1工程と、
    前記位置決め穴の位置が前記第1ワークと異なる第2ワークをセットし、前記第2ワークの位置決め穴に対応した位置に前記ピンを移動して、前記ピン部材をロックする第2工程と、
    前記第2ワークの位置決め穴に前記ピン部材を挿入して、前記第2ワークを位置決めしつつプレス加工する第3工程と、を備える
    ことを特徴とするプレス加工方法。
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