JP2021082876A - 通信システム、通信アダプタ、通信方法及びプログラム - Google Patents

通信システム、通信アダプタ、通信方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】機器と複数のネットワークとの通信を適切に制御する。【解決手段】通信システム1は、機器2と第1通信アダプタ10と第2通信アダプタ20とを備える。第1通信アダプタ10は、機器2とネットワークNT1との通信を中継する。第2通信アダプタ20は、機器2とネットワークNT2との通信を中継する。第1通信アダプタ10と機器2との間の通信経路と、第2通信アダプタ20と機器2との間の通信経路とは重複する経路を有する。第1通信アダプタ10は、機器2との通信に関する通信設定を保存する記憶部と、通信設定に基づいて機器2との通信を制御する通信制御部と、機器2に送信したデータに対する機器2からの応答を正常に受信できないとき、通信設定を変更して記憶部に保存する設定変更部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、通信システム、通信アダプタ、通信方法及びプログラムに関する。
機器に通信アダプタを装着して、機器とネットワークとの通信を可能にする技術が知られている。例えば特許文献1には、エアコンにHEMS(Home Energy Management System)アダプタを装着することにより、エアコンと家電コントローラとの通信を可能とする技術が開示されている。
特開2018−121445号公報
ところで、アダプタを1つしか装着できない機器について、当該機器を更新することなく、複数のネットワークとの通信を可能にしたいという要求がある。例えば、機器を更新することなく、有線ネットワークを介して家電コントローラとの通信を可能にしつつ、無線ネットワークとインターネットとを介してクラウドサーバとの通信も可能にしたいという要求がある。
このような要求に対応する手法として、例えば、機器と複数の通信アダプタとを接続し、機器と各通信アダプタとの通信を中継する中継器を利用する手法が考えられる。また、別の手法として、通信アダプタに他の通信アダプタを接続するためのインタフェースを設け、他の通信アダプタと機器との通信を中継可能にする手法も考えられる。
しかし、上記のいずれの手法においても、それぞれの通信アダプタと機器との間の通信経路に重複する経路が存在するため、当該重複する経路においてトラフィックが増大し、機器との通信が失敗する可能性が高くなる。
本発明の目的は、上記の事情に鑑み、機器と複数のネットワークとの通信を適切に制御する通信システム等を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る通信システムは、
機器と第1通信アダプタと第2通信アダプタとを備え、
前記第1通信アダプタは、前記機器と第1ネットワークとの通信を中継し、
前記第2通信アダプタは、前記機器と第2ネットワークとの通信を中継し、
前記第1通信アダプタと前記機器との間の通信経路と、前記第2通信アダプタと前記機器との間の通信経路とは重複する経路を有し、
前記第1通信アダプタは、
前記機器との通信に関する通信設定を保存する記憶手段と、
前記通信設定に基づいて前記機器との通信を制御する通信制御手段と、
前記機器に送信したデータに対する前記機器からの応答を正常に受信できないとき、前記通信設定を変更して前記記憶手段に保存する設定変更手段と、
を備える。
本発明によれば、機器と複数のネットワークとの通信を適切に制御できる。
本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る第1通信アダプタの機能的構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る第1通信アダプタにおける、通信設定の変更の一例を示す図 本発明の実施の形態1に係る第2通信アダプタの機能的構成を示す図 本発明の実施の形態1に係る第1通信アダプタ及び第2通信アダプタのハードウェア構成の一例を示す図 本発明の実施の形態1に係る第1通信アダプタによる、機器との通信の制御についての動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態1に係る第1通信アダプタによる、通信設定変更についての動作の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示す図 本発明の実施の形態の変形例1に係る通信設定の一例を示す図
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る通信システムを説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。
(実施の形態1)
図1を参照しながら、実施の形態1に係る通信システム1を説明する。通信システム1は、機器2とネットワークNT1との通信と、機器2とネットワークNT2との通信との両方を可能にするための通信システムである。通信システム1は、本発明に係る通信システムの一例である。
通信システム1は、機器2と第1通信アダプタ10とコントローラ4と第2通信アダプタ20と無線ルータ5とサーバ6とを備える。機器2と第1通信アダプタ10とは、通信線L1により直接接続されている。第1通信アダプタ10と第2通信アダプタ20とは、通信線L2により直接接続されている。第1通信アダプタ10とコントローラ4とは、ネットワークNT1により通信可能に接続されている。第2通信アダプタ20と無線ルータ5とは、ネットワークNT2により通信可能に接続されている。無線ルータ5は、インターネットINを介してサーバ6と通信する。
上記のように各装置、各ネットワーク等が接続されることにより、機器2は、第1通信アダプタ10及びネットワークNT1を介してコントローラ4と通信することも、第1通信アダプタ10、第2通信アダプタ20、無線ルータ5及びインターネットINを介してサーバ6と通信することもできる。ただし、これらの通信はいずれも、通信経路に通信線L1を含むものであり、重複する経路である通信線L1のトラフィックが増大する。そのため、適切な通信制御なしでは、通信線L1のトラフィックの増大を原因として通信が失敗するおそれがある。後述するように、通信システム1によれば、適切な通信制御により、このような通信の失敗を軽減することができる。
次に、各構成を概略的に説明する。機器2は、単独ではネットワークと通信することができず、第1通信アダプタ10、第2通信アダプタ20などの通信アダプタが接続されることにより初めてネットワークと通信することが可能となる機器である。機器2は、例えばエアコン、照明機器、給湯器などの電気機器である。機器2は通信アダプタを介した通信によりデータを受信したときには何らかのデータを送信することにより応答するが、機器2から自発的に何らかのデータを送信することはないものとする。機器2は、本発明に係る機器の一例である。
第1通信アダプタ10は、機器2とネットワークNT1との通信を中継する。また、第1通信アダプタ10は、機器2と第2通信アダプタ20との通信も中継する。また、第1通信アダプタ10は、機器2とネットワークNT1との通信を適切に制御することにより、上述のような通信の失敗を軽減する。第1通信アダプタ10は、本発明に係る第1通信アダプタの一例である。
なお、第1通信アダプタ10は、第2通信アダプタ20を接続することなく、通常の通信アダプタと同様の使い方をすることもできる。
第2通信アダプタ20は、第1通信アダプタ10とネットワークNT2との通信を中継する。機器2は第1通信アダプタ10と接続されているので、この中継により、機器2とネットワークNT2との通信を中継することができる。また、第2通信アダプタ20は、第1通信アダプタ10と同様に、機器2とネットワークNT2との通信を適切に制御することにより、上述のような通信の失敗を軽減する。第2通信アダプタ20は、本発明に係る第2通信アダプタの一例である。
なお、第2通信アダプタ20は、第1通信アダプタ10に接続する代わりに、通常の通信アダプタと同様に、機器2などの機器に直接接続することもできる。つまり、第2通信アダプタ20は、通常の通信アダプタと同様の使い方をすることもできる。そのため、第1通信アダプタ10と第2通信アダプタ20とを接続するインタフェースの仕様は、機器2と第1通信アダプタ10とを接続するインタフェースの仕様と同様である。
コントローラ4は、ネットワークNT1に接続され、ネットワークNT1及び第1通信アダプタ10を介して機器2と通信することにより機器2を制御する。コントローラ4は、例えばHEMSコントローラである。
ネットワークNT1は、例えば有線接続により構成されたHEMSネットワークである。ネットワークNT1は、本発明に係る第1ネットワークの一例である。
無線ルータ5は、ネットワークNT2に接続され、ネットワークNT2、第2通信アダプタ20及び第1通信アダプタ10を介して機器2と通信する。また、無線ルータ5は、インターネットINに接続され、サーバ6と通信する。無線ルータ5は、ネットワークNT2とインターネットINとの通信を中継する。
ネットワークNT2は、例えば無線LAN(Local Area Network)である。ネットワークNT2は、本発明に係る第2ネットワークの一例である。
サーバ6は、インターネットIN、無線ルータ5、ネットワークNT2、第2通信アダプタ20及び第1通信アダプタ10を介して機器2と通信することにより、機器2を制御する。サーバ6は、例えば遠隔操作サービスを提供するために機器2の製造者が運営するクラウドサーバである。
次に、図2を参照しながら、第1通信アダプタ10の機能的構成を説明する。第1通信アダプタ10は、制御部100と記憶部110と第1通信部120と第2通信部130と第3通信部140とを備える。
制御部100は、第1通信アダプタ10を統括制御する。制御部100は、通信制御部101と設定変更部102とを備える。通信制御部101及び設定変更部102の詳細は後述する。
記憶部110は、機器2との通信に関する通信設定ST1を保存する。通信設定ST1は、例えば応答待ち時間、再送回数上限などデータ送受信に関するパラメータを含む。記憶部110は、本発明に係る記憶手段の一例である。通信設定ST1は、本発明に係る通信設定の一例である。
通信設定ST1をより具体的に説明する。応答待ち時間は、機器2に送信したデータに対する機器2からの応答を待ち受ける時間である。再送回数上限は、機器2からの応答を受信できなかったときに同一のデータを機器2に再送することが可能な回数である。再送回数が上限到達後にも機器2からの応答がなかったとき、後述の通信制御部101は、機器2との通信に失敗したと判定する。また、後述するとおり、通信設定ST1は、設定変更部102により変更され保存される。例えば図3に示すとおり、通信設定ST1は、予め初期値として応答待ち時間と再送回数上限とが設定され、設定変更部102により応答待ち時間と再送回数上限とが増加するように変更され保存される。
第1通信部120は、機器2と通信する。第1通信部120は、例えば機器2と通信するためのシリアル通信インタフェースである。
第2通信部130は、ネットワークNT1と通信する。第2通信部130は、例えばHEMSネットワークであるネットワークNT1と通信するための有線LANインタフェースである。
第3通信部140は、第2通信アダプタ20と通信する。上述のとおり、第1通信アダプタ10と第2通信アダプタ20とを接続するインタフェースの仕様は、機器2と第1通信アダプタ10とを接続するインタフェースの仕様と同様であるため、第3通信部140は、例えば第1通信部120と同様の仕様のシリアル通信インタフェースである。
通信制御部101は、第1通信部120及び第2通信部130を介した機器2とネットワークNT1との通信と、第1通信部120及び第3通信部140を介した機器2と第2通信アダプタ20との通信とを制御する。通信制御部101は、特に、記憶部110に保存された通信設定ST1に基づいて、機器2とネットワークNT1との通信を制御する。通信制御部101は、本発明に係る通信制御手段の一例である。
以下、通信制御部101をより詳細に説明する。通信制御部101は、ネットワークNT1から受信したデータを機器2に送信することにより、ネットワークNT1から機器2への通信を中継する。詳細は動作の説明の際に後述するが、通信制御部101は、通信設定ST1に基づいて、機器2からの応答待ち、データの再送、通信の失敗判定等を行う。機器2からの応答があったとき、通信制御部101は、当該応答をネットワークNT1に送信することにより、機器2からネットワークNT1への応答を中継する。
一方、通信制御部101は、機器2と第2通信アダプタ20との通信については、受信したデータをそのまま転送する。つまり、通信制御部101は、機器2と第2通信アダプタ20との通信については、通信設定ST1に基づく通信制御をしない。これは、第1通信アダプタ10による通信制御と第2通信アダプタ20による通信制御とでミスマッチが生じるおそれがあるからである。例えば、第1通信アダプタ10の通信制御では応答待ち時間が500msであり、第2通信アダプタ20の通信制御では応答待ち時間が200msである場合、第1通信アダプタ10にて応答待ちをしている間に第2通信アダプタ20では異常判定がされてしまうおそれがある。
設定変更部102は、通信制御部101の制御により機器2に送信したデータに対する機器2からの応答を正常に受信できないとき、通信設定ST1を変更して記憶部110に保存する。設定変更部102は、本発明に係る設定変更手段の一例である。
設定変更部102は、予め定められた計測時間以内に応答なし回数が閾値以上となったとき、機器2からの応答を正常に受信できないとみなして、通信設定ST1を変更する。設定変更部102は、例えば図3に示すように通信設定ST1を変更して記憶部110に保存する。この設定変更により、再送を中止して失敗判定とする可能性が減り、機器2からの応答を得やすくなる。つまり、この設定変更により、機器2とネットワークNT1との通信が成功しやすくなる。また、変更された通信設定ST1は記憶部110に保存されるため、次回以降の通信にも適用される。そのため、次回以降の通信においては、初めから通信が成功しやすくなる。
次に、図4を参照しながら第2通信アダプタ20の機能的構成を説明する。ただし、第2通信アダプタ20の機能的構成は、第1通信アダプタ10の機能的構成と概ね同様であるため、異なる点を主に説明する。
第2通信アダプタ20は、制御部200と記憶部210と第1通信部220と第2通信部230とを備える。また、制御部200は、通信制御部201と設定変更部202とを備える。記憶部210は、通信設定ST2を保存する。
制御部200、記憶部210、第1通信部220及び第2通信部230は、それぞれ制御部100、記憶部110、第1通信部120及び第2通信部130と概ね同様の機能を有する。そのため、第2通信アダプタ20の制御部200は、第1通信アダプタ10の制御部100と同様に、通信制御部201による通信制御と設定変更部202による通信設定ST2の変更、保存を行う。
第2通信アダプタ20は、第3通信部140と同様の構成を備えない点が第1通信アダプタ10と異なる。第2通信部230は、ネットワークNT1ではなくネットワークNT2と通信する点が、第2通信部130と異なる。第2通信部230は、例えば無線LANインタフェースである。
以上、第1通信アダプタ10及び第2通信アダプタ20の機能的構成を説明した。次に、第1通信アダプタ10のハードウェア構成の一例について、図5を参照しながら説明する。図5に示す第1通信アダプタ10は、例えばマイクロコントローラ等のコンピュータにより実現される。なお、第2通信アダプタ20についても同様に、図5に示すハードウェア構成を採用することができる。
第1通信アダプタ10は、バス1000を介して互いに接続された、プロセッサ1001と、メモリ1002と、インタフェース1003と、二次記憶装置1004と、を備える。
プロセッサ1001は、例えばCPU(Central Processing Unit:中央演算装置)である。プロセッサ1001が、二次記憶装置1004に記憶された動作プログラムをメモリ1002に読み込んで実行することにより、第1通信アダプタ10の各機能が実現される。
メモリ1002は、例えば、RAM(Random Access Memory)により構成される主記憶装置である。メモリ1002は、プロセッサ1001が二次記憶装置1004から読み込んだ動作プログラムを記憶する。また、メモリ1002は、プロセッサ1001が動作プログラムを実行する際のワークメモリとして機能する。
インタフェース1003は、例えばシリアルポート、パラレルポート、ネットワークインタフェースなどのI/O(Input/Output)インタフェースである。インタフェース1003により第1通信部120、第2通信部130及び第3通信部140の機能が実現される。
二次記憶装置1004は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)である。二次記憶装置1004は、プロセッサ1001が実行する動作プログラムを記憶する。また、二次記憶装置1004により記憶部110の機能が実現される。
次に、図6を参照しながら、第1通信アダプタ10による、機器2との通信の制御についての動作の一例を説明する。図6に示す動作は、第2通信部130がネットワークNT1からデータを受信したタイミングで行われる。なお、第2通信アダプタ20においても、同様の動作が行われる。また、この動作の開始時に再送回数が0にリセットされる。
第1通信アダプタ10の制御部100の通信制御部101は、第2通信部130がネットワークNT1から受信したデータを、第1通信部120を介して機器2に送信する(ステップS101)。
通信制御部101は、記憶部110に保存された通信設定ST1が示す応答待ち時間を参照し、機器2から応答を受信するか応答待ち時間が経過するまで待機する(ステップS102)。
機器2からの応答があったとき(ステップS103:Yes)、通信制御部101は、機器2との通信に成功したと判定して機器2との通信の制御を終了する。そして通信制御部101は、第2通信部130を介して、機器2からの応答をネットワークNT1に転送する。
機器2からの応答がなかったとき(ステップS103:No)、通信制御部101は、応答なし回数を1増やす(ステップS104)。なお、応答なし回数は、後述の設定変更の動作にて使用及びリセットされるパラメータである。
通信制御部101は、通信設定ST1が示す再送回数上限を参照し、再送回数が再送回数上限未満か否かを判定する(ステップS105)。再送回数が再送回数上限未満ではないとき(ステップS105:No)、もうデータを再送すべきではないため、通信制御部101は、機器2との通信に失敗したと判定する。そして、通信制御部101は、通信に失敗した旨の応答をネットワークNT1に送信する。
再送回数が再送回数上限未満であるとき(ステップS105:Yes)、通信制御部101は、同一のデータを機器2に再送して再送回数を1増やす(ステップS106)。そして制御部100は、ステップS101からの動作を繰り返す。
次に、図7を参照しながら、第1通信アダプタ10による通信設定変更についての動作の一例を説明する。図7に示す動作は、図6に示す機器2との通信の制御についての動作と並行して行われる。なお、第2通信アダプタ20においても、同様の動作が行われる。
第1通信アダプタ10の制御部100の設定変更部102は、応答なし回数をリセットする(ステップS201)。
設定変更部102は、予め定められた計測時間が経過するまで待機する(ステップS202)。待機している間は図6に示す動作が並行して行われるため、図6のステップS104が実行されて応答なし回数が増加する可能性がある。
設定変更部102は、応答なし回数が予め定められた閾値以上か否かを判定する(ステップS203)。応答なし回数が閾値以上でないとき(ステップS203:No)、制御部100は、ステップS201からの動作を繰り返す。
応答なし回数が閾値以上であるとき(ステップS203:Yes)、設定変更部102は、再送回数上限と応答待ち時間とを増加させるように通信設定ST1を変更する(ステップS204)。この動作により、例えば図3に示すように通信設定ST1が変更される。
設定変更部102は、ステップS204にて変更した通信設定ST1を記憶部110に保存する(ステップS205)。そして制御部100は、ステップS201からの動作を繰り返す。
このような設定変更により、応答待ち時間が増加するので、データの再送頻度が減り、重複する通信経路である通信線L1のトラフィックが減少する。さらに、このような設定変更により、再送回数上限が増加するので、機器2からの応答を受信できず通信に失敗したと判定される可能性が低くなる。したがって、このような設定変更により、機器2との通信に成功する可能性が高くなる。
以上、実施の形態1に係る通信システム1を説明した。通信システム1によれば、第1通信アダプタ10と機器2との間の通信経路と、第2通信アダプタ20と機器2との間の通信経路とに重複する経路があるにも関わらず、通信制御及び通信設定変更により、機器2との通信に成功する可能性が高くなる。つまり、通信システム1により、重複する経路がある場合であっても、機器と複数のネットワークとの通信を適切に制御できる。
また、通信システム1によれば、変更した設定は保存されるので、次回以降の通信は、初めから成功する可能性が高いものとなる。
また、通信システム1において、機器2は1の通信アダプタのみと接続可能なものであればよい。したがって、通信システム1を構成するにあたって、機器2を更新する必要がない。
また、第1通信アダプタ10及び第2通信アダプタ20は、1の機器に直接接続して通常の通信アダプタとしても使用可能である。また、通常の通信アダプタとして使用する場合、再送上限回数及び応答待ち時間を増加するような設定変更が生じないため、レスポンスのよい通信をすることができる。
(実施の形態2)
図8を参照しながら、実施の形態2に係る通信システム1Aを説明する。通信システム1Aは主に、機器2が中継器3Aと接続されている点、第1通信アダプタ10A及び第2通信アダプタ20が中継器3Aと接続されている点が、実施の形態1の通信システム1と異なる。
中継器3Aと第1通信アダプタ10Aとは、通信線L3Aにより直接接続されている。中継器3Aと第2通信アダプタ20とは、通信線L4Aにより直接接続されている。機器2と中継器3Aとは、通信線L5Aにより直接接続されている。
第2通信アダプタ20は、実施の形態1と全く同様の構成である。第1通信アダプタ10Aは、ネットワークNT2でなくネットワークNT1と通信する点を除いて、第2通信アダプタ20と全く同様の構成である。つまり、第1通信アダプタ10Aは、実施の形態1の第1通信アダプタ10と異なり、他の通信アダプタと接続されない。
中継器3Aは、機器2と第1通信アダプタ10Aとの通信を中継し、機器2と第2通信アダプタ20との通信を中継する。中継器3Aによる中継は、特段の通信制御が行われない単純なものである。中継器3Aは、本発明に係る中継器の一例である。
上記のように各装置、各ネットワーク等が接続されることにより、機器2は、中継器3A、第1通信アダプタ10A及びネットワークNT1を介してコントローラ4と通信することも、中継器3A、第2通信アダプタ20、無線ルータ5及びインターネットINを介してサーバ6と通信することもできる。これらの通信はいずれも、通信経路に通信線L5Aを含むものであり、重複する経路である通信線L5Aのトラフィックが増大する。そのため、適切な通信制御なしでは、通信線L5Aのトラフィックの増大を原因として通信が失敗するおそれがある。しかし、実施の形態1の通信システム1と全く同様に、通信システム1Aによれば、適切な通信制御により、このような通信の失敗を軽減することができる。
実施の形態2に係る通信システム1Aによれば、実施の形態1と全く同様に、機器と複数のネットワークとの通信を適切に制御できるなどの効果を奏する。また、通信システム1Aによれば、複数の通信アダプタを接続可能な中継器3Aを利用するので、実施の形態1の第1通信アダプタ10のように、通信アダプタを他の通信アダプタと接続可能な構成とする必要がない。
(変形例1)
実施の形態1及び2において、通信設定ST1が、ネットワークNT1から機器2へ送信されるデータの種別ごとに設定されるものであってもよい。通信設定ST1は、例えば図9に示すとおり、優先度に応じて、データの種別ごとに異なる設定が適用されている。なお、「操作直後の状態取得コマンド」とは、例えば「操作コマンド」が送信されてから5秒以内に送信されるときの「状態取得コマンド」であり、「定期的な状態取得コマンド」とは、「操作コマンド」の送信とは無関係に定期的に送信される「状態取得コマンド」である。通信制御部101は、機器2に送信すべきデータが、どの種別のデータであるかを判定し、通信設定ST1のうち判定した種別に対応する設定を参照する。
優先度の高いデータに関する通信については、失敗することが好ましくないため、再送回数上限が多く設定されている。一方、優先度の低いデータに関する通信については、失敗してもさほど問題ないため、再送回数上限が少なく設定されている。そして、通信制御部101は、通信設定ST1のうちデータの種別に応じた設定を参照して通信制御を行い、設定変更部102は、データの種別に応じた設定を変更して保存する。
この変形例によれば、通信設定ST1がデータの種別ごとに設定されることにより、データの種別に応じた適切な通信制御をすることができる。
なお、通信設定ST2も同様に、ネットワークNT2から機器2へ送信されるデータの種別ごとに設定されるものであってもよい。
(変形例2)
実施の形態1においては、第1通信アダプタ10及び第2通信アダプタ20の双方が通信制御及び設定変更をするものであった。しかし、第1通信アダプタ10のみが通信制御及び設定変更をするものであってもよい。この場合も、第1通信アダプタ10が通信制御及び設定変更をすることにより、重複する通信経路である通信線L1のトラフィックが減少する。そのため、通信制御及び設定変更をしない通信アダプタと機器2との通信についても、成功する可能性が高くなる。
同様に、第2通信アダプタ20のみが通信制御及び設定変更をするものであってもよい。ただし、この場合は、第2通信アダプタ20が本発明に係る第1通信アダプタの一例であり、第1通信アダプタ10は本発明に係る第2通信アダプタの一例である。
この変形例によれば、第1通信アダプタ10及び第2通信アダプタ20のうち一方が従来の通信アダプタであっても、適切な通信制御をすることができる。なお、実施の形態2においても同様に、第1通信アダプタ10A及び第2通信アダプタ20のうち一方の通信アダプタのみが通信制御及び設定変更をするものであってもよい。また、上述の変形例1とこの変形例とを組み合わせてもよい。
(変形例3)
実施の形態1において、第1通信アダプタ10の通信制御部101は、機器2からの応答を正常に受信できないとき、コントローラ4に対して、通信周期を長くするように要求してもよい。コントローラ4に対して通信周期を長くするように要求することにより、通信線L1のトラフィックが減少し、通信に成功する可能性が高くなる。この場合、コントローラ4は、本発明に係る制御装置の一例である。
同様に、第2通信アダプタ20の通信制御部201は、機器2からの応答を正常に受信できないとき、サーバ6に対して、通信周期を長くするように要求してもよい。この場合、サーバ6は、本発明に係る制御装置の一例である。
なお、実施の形態2及び上述の各変形例と、この変形例とを組み合わせてもよい。
(その他)
図5に示すハードウェア構成においては、第1通信アダプタ10が二次記憶装置1004を備えている。しかし、これに限らず、二次記憶装置1004を第1通信アダプタ10の外部に設け、インタフェース1003を介して第1通信アダプタ10と二次記憶装置1004とが接続される形態としてもよい。この形態においては、USB(Universal Serial Bus)フラッシュドライブ、メモリカードなどのリムーバブルメディアも二次記憶装置1004として使用可能である。
また、図5に示すハードウェア構成に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いた専用回路により第1通信アダプタ10を構成してもよい。また、図5に示すハードウェア構成において、第1通信アダプタ10の機能の一部を、例えばインタフェース1003に接続された専用回路により実現してもよい。
1,1A 通信システム、2 機器、3A 中継器、4 コントローラ、5 無線ルータ、6 サーバ、10,10A 第1通信アダプタ、20 第2通信アダプタ、100 制御部、101 通信制御部、102 設定変更部、110 記憶部、120 第1通信部、130 第2通信部、140 第3通信部、200 制御部、201 通信制御部、202 設定変更部、210 記憶部、220 第1通信部、230 第2通信部、1000 バス、1001 プロセッサ、1002 メモリ、1003 インタフェース、1004 二次記憶装置、IN インターネット、L1,L2,L3A,L4A,L5A 通信線、NT1,NT2 ネットワーク、ST1,ST2 通信設定。

Claims (9)

  1. 機器と第1通信アダプタと第2通信アダプタとを備え、
    前記第1通信アダプタは、前記機器と第1ネットワークとの通信を中継し、
    前記第2通信アダプタは、前記機器と第2ネットワークとの通信を中継し、
    前記第1通信アダプタと前記機器との間の通信経路と、前記第2通信アダプタと前記機器との間の通信経路とは重複する経路を有し、
    前記第1通信アダプタは、
    前記機器との通信に関する通信設定を保存する記憶手段と、
    前記通信設定に基づいて前記機器との通信を制御する通信制御手段と、
    前記機器に送信したデータに対する前記機器からの応答を正常に受信できないとき、前記通信設定を変更して前記記憶手段に保存する設定変更手段と、
    を備える通信システム。
  2. 前記通信設定は、前記第1ネットワークから前記機器へ送信されるデータの種別ごとに設定される、
    請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第1ネットワークに接続され前記第1通信アダプタを介して前記機器と通信する制御装置をさらに備え、
    前記通信制御手段は、前記機器に送信したデータに対する前記機器からの応答を正常に受信できないとき、前記制御装置に通信周期を長くするように要求する、
    請求項1又は2に記載の通信システム。
  4. 前記第1通信アダプタはさらに、前記機器と前記第2通信アダプタと通信を中継し、
    前記重複する経路は、前記機器と前記第1通信アダプタとの間の通信経路を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 前記第2通信アダプタはさらに、前記機器と前記第1通信アダプタと通信を中継し、
    前記重複する経路は、前記機器と前記第2通信アダプタとの間の通信経路を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
  6. 前記機器と前記第1通信アダプタとの通信を中継し、前記機器と前記第2通信アダプタとの通信を中継する中継器をさらに備え、
    前記重複する経路は、前記機器と前記中継器との間の通信経路を含む、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の通信システム。
  7. 機器とネットワークとの通信を中継する通信アダプタであって、
    前記機器との通信に関する通信設定を保存する記憶手段と、
    前記通信設定に基づいて前記機器との通信を制御する通信制御手段と、
    前記機器に送信したデータに対する前記機器からの応答を正常に受信できないとき、前記通信設定を変更して前記記憶手段に保存する設定変更手段と、
    を備える通信アダプタ。
  8. 記憶手段に保存された通信設定に基づいて機器とネットワークとの通信を中継し、
    前記機器に送信したデータに対する前記機器からの応答を正常に受信できないとき、前記通信設定を変更して前記記憶手段に保存する、
    通信方法。
  9. 機器との通信に関する通信設定が保存された記憶手段を備えるコンピュータに、
    前記機器とネットワークとの通信を中継させ、
    前記機器に送信したデータに対する前記機器からの応答を正常に受信できないとき、前記通信設定を変更して前記記憶手段に保存させる、
    プログラム。
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