JP2021082152A - 連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラム - Google Patents

連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】接合状態に応じて連続梁の曲げモーメント等をより適切に評価できる連続梁の評価方法を提供する。【解決手段】長手方向に隣合う端部同士が互いに半剛接合されて中間支点とされたn本の梁を備える連続梁であって、全体の両端が一対の端支点とされた連続梁評価方法S11であって、中間支点及び一対の端支点での曲げモーメント、及び一対の端支点での回転角を、与条件に基づいて求める解決定工程S12を行い、与条件は、n本の梁の長さ及び曲げ剛性と、中間支点及び一対の端支点での回転剛性と、n本の梁に作用する鉛直荷重と、中間支点及び一対の端支点での鉛直変位と、を含み、解決定工程では、曲げモーメント及び回転角を複数の未知数とし、回転剛性、曲げモーメント、及び回転角の関係式と、鉛直変位の関係式とを、複数の未知数の数と同数の複数の第1境界条件としたときに、複数の未知数が複数の第1境界条件を満たすように複数の未知数を解く。【選択図】図10

Description

本発明は、連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラムに関する。
従来、複数本の梁を互いに半剛接合した連続梁が知られている(例えば、特許文献1及び2、非特許文献1参照)。
特開2015−068001号公報 特開2005−282019号公報
"Eurocode 4: Design of composite steel and concrete structures - Part 1-1: General rules and rules for buildings", December 2004, Authority: The European Union Per Regulation 305/2011, Directive 98/34/EC, Directive 2004/18/EC
しかしながら、この種の連続梁では、連続梁に荷重が作用したときに生じる曲げモーメントやたわみ分布の実用的な評価方法が提供されていなかった。
両端が端支持部と剛接合された連続梁であっても、例えば端支持部が鉄骨の大梁の場合、剛接合と評価するには大梁のねじれ抵抗が不十分である。このため、剛接合を仮定してしまうと、連続梁の梁毎に大きさの異なる荷重が作用した際に、曲げモーメントやたわみ分布を過小評価して、連続梁を危険側に評価する恐れがある。
さらに、正曲げと負曲げの曲げ剛性が異なる連続梁については、これらの曲げ剛性と両端での接合状態を考慮して連続梁の曲げモーメントやたわみ分布を求める実用的な評価方法が提供されていなかった。
連続梁を危険側に評価しないように、従来は、連続梁の両端がピン接合で支持されているとして連続梁を評価し、連続梁の長手方向の中央に発生する曲げモーメントやたわみ分布を過大評価している。これにより、長手方向に直交する断面が大きい梁を連続梁に用いる必要があると判断され、必要以上に高価な連続梁を用いている。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、両端での接合状態に応じて連続梁の曲げモーメントやたわみ分布をより適切に評価できる連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の連続梁の評価方法は、長手方向に並べて配置されるとともに、前記長手方向に隣り合う端部同士が互いに半剛接合されて中間支点とされたn本の梁を備える連続梁であって、前記連続梁全体の両端が一対の端支点とされた前記連続梁を評価する連続梁の評価方法であって、前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の曲げモーメント、及び前記一対の端支点での複数の回転角を、与条件に基づいて求める解決定工程を行い、前記与条件は、前記n本の梁それぞれの長さ及び曲げ剛性と、前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の回転剛性と、前記n本の梁に作用する鉛直荷重と、前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の鉛直変位と、を含み、前記解決定工程では、前記複数の曲げモーメント及び前記複数の回転角を複数の未知数とし、前記複数の回転剛性、前記複数の曲げモーメント、及び前記複数の回転角の関係式と、前記複数の鉛直変位の関係式とを、前記複数の未知数の数と同数の複数の第1境界条件としたときに、前記複数の未知数が前記複数の第1境界条件を満たすように前記複数の未知数を解いて、前記連続梁の曲げモーメント及びたわみ分布を評価することを特徴としている。
また、本発明の連続梁の評価プログラムは、長手方向に並べて配置されるとともに、前記長手方向に隣り合う端部同士が互いに半剛接合されて中間支点とされたn本の梁を備える連続梁であって、前記連続梁全体の両端が一対の端支点とされた前記連続梁を評価する評価装置用の連続梁の評価プログラムであって、前記評価装置を、前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の曲げモーメント、及び前記一対の端支点での複数の回転角を、与条件に基づいて求める解決定部として機能させ、前記与条件は、前記n本の梁それぞれの長さ及び曲げ剛性と、前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の回転剛性と、前記n本の梁に作用する鉛直荷重と、前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の鉛直変位と、を含み、前記解決定部は、前記複数の曲げモーメント及び前記複数の回転角を複数の未知数とし、前記複数の回転剛性、前記複数の曲げモーメント、及び前記複数の回転角の関係式と、前記複数の鉛直変位の関係式とを、前記複数の未知数の数と同数の複数の第1境界条件としたときに、前記複数の未知数が前記複数の第1境界条件を満たすように前記複数の未知数を解いて、前記連続梁の曲げモーメント及びたわみ分布を評価することを特徴としている。
これらの発明によれば、複数の未知数の数と複数の第1境界条件の数とが同数であるため、与条件として与えられた梁の長さ及び曲げ剛性、複数の回転剛性、鉛直荷重、乃至中間支点及び一対の端支点での複数の鉛直変位に基づいて、複数の第1境界条件を満たすように複数の未知数を解くことにより、複数の未知数に含まれる複数の曲げモーメント及び複数の回転角を求めることができる。
そして、求めた複数の曲げモーメント及び複数の回転角から、複数の鉛直変位の関係式に基づいて複数の鉛直変位を算出することにより、例えば一対の端支点での接合状態に応じて、連続梁の曲げモーメントやたわみ分布をより適切に評価することができる。
また、上記の連続梁の評価方法において、前記解決定工程では、前記複数の鉛直変位を含む設計値を与える第1設計工程と、前記一対の端支点での接合状態に応じて前記一対の端支点に第2境界条件を与える第2設計工程と、前記一対の端支点での接合状態に応じて、前記一対の端支点及び前記中間支点に作用する前記曲げモーメントを含む仮設計値を与える仮設計工程と、前記仮設計値に基づいて、前記複数の第1境界条件及び前記第2境界条件を満たすように、前記中間支点での鉛直変位の計算結果を含む計算値を算出する解算出工程と、前記設計値と前記計算値との残差である変位残差を求める残差算出工程と、前記変位残差が、予め定められた閾値よりも小さいか否かを判定する判定工程と、を行ってもよい。
この発明によれば、判定工程において変位残差が閾値よりも小さいか否かを判定することにより、仮設計値に基づいて算出された計算値を、設計値及び変位残差に基づいて評価することができる。
また、上記の連続梁の評価方法において、前記解決定工程では、前記仮設計工程の後で、前記仮設計値を記憶する記憶工程を行い、前記判定工程において、前記変位残差が前記閾値以上であるときには、前記記憶工程で記憶された前記仮設計値に代えて前記仮設計工程で他の新たな仮設計値を与えること、及び、この新たな仮設計値に基づいて前記解算出工程、前記残差算出工程、前記判定工程を行うこと、を組にして、前記判定工程において前記変位残差が前記閾値よりも小さいと判定されるまで繰り返し、前記判定工程において前記変位残差が前記閾値よりも小さいと判定されたときの前記仮設計値の前記曲げモーメントを、前記中間支点に作用する前記曲げモーメントとして、この曲げモーメントに基づいて前記複数の回転角を求めてもよい。
この発明によれば、判定工程において変位残差が閾値よりも小さいと判定されるまで、新たな仮設計値を与えること、及び、この新たな仮設計値に基づいて解算出工程、残差算出工程、判定工程を行うこと、を組にして繰り返すことにより、曲げモーメントを任意の精度で算出することができる。そして、この曲げモーメントに基づいて複数の回転角を求めることができる。
また、上記の連続梁の評価方法において、前記解算出工程では、前記n本の梁のうち、前記連続梁の一方の前記端支点である第1端支点から前記連続梁の他方の前記端支点である第2端支点に向かって、1以上n以下のiに対して、i本目の前記梁における前記第1端支点側の前記中間支点又は前記端支点での前記鉛直変位δ0i(m)を前記与条件とし、i本目の前記梁における前記第2端支点側の前記中間支点又は前記端支点での前記鉛直変位の計算結果δi,calc(m)を、(1)式から(8)式を用いて(9)式により前記計算値として算出し、1以上(n−1)以下のiに対する、(i+1)本目の前記梁における前記第1端支点側の前記中間支点での前記鉛直変位δ0(i+1)と、i本目の前記梁における前記第2端支点側の前記中間支点での前記鉛直変位の計算結果δi,calcと、の残差を第i残差としたときに、前記残差算出工程では、前記第1残差から前記第(i−1)残差までの和である中間残差を算出し、前記与条件である前記第2端支点における前記鉛直変位δと、n本目の前記梁における前記第2端支点での前記鉛直変位の計算結果δn,calcと、の残差である第2端支点残差を算出し、前記中間残差と前記第2端支点残差との和である前記変位残差を算出してもよい。
Figure 2021082152
ただし、1以上n以下のiに対して、i本目の前記梁の長さをL(m)、i本目の前記梁において、前記第1端支点側の端を原点、前記第1端支点から前記第2端支点に向かう向きを正として規定される座標をx(m)、i本目の前記梁に作用する鉛直荷重をw(N/m)、i本目の前記梁における前記第1端支点側の端での回転剛性をSjl,i(Nm/rad)、i本目の前記梁における前記第2端支点側の端での回転剛性をSjr,i(Nm/rad)、i本目の前記梁における正曲げの曲げ剛性をEIs,i(Nm)、i本目の前記梁における負曲げの曲げ剛性をEIh,i(Nm)、i本目の前記梁における前記第2端支点側の前記中間支点又は前記端支点での曲げモーメントをMj,i(Nm)とし、前記第2境界条件に含まれる1本目の前記梁における前記第1端支点での曲げモーメントMj,0(Nm)は、前記第1端支点がピン接合の場合は0、剛接合又は半剛接合の場合は未知数であり、1本目の前記梁における前記第1端支点での回転角φ01(rad)は、前記第1端支点が剛接合の場合は0、ピン接合または半剛接合の場合は未知数である。
この発明によれば、中間支点及び一対の端支点における複数の鉛直変位を、数式を用いて精度良く評価することができる。
本発明の連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラムによれば、両端での接合状態に応じて連続梁の曲げモーメントやたわみ分布をより適切に評価することができる。
本発明の連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラムによれば、正曲げと負曲げの曲げ剛性が異なる連続梁について、これらの曲げ剛性と両端での接合状態に応じて連続梁の曲げモーメントやたわみ分布をより適切に評価することができる。
本発明の一実施形態の連続梁の評価方法が適用される連続梁が用いられる建築物の平面図である。 図1中の切断線A1−A1の断面図である。 梁の諸元及び梁に作用する曲げモーメントを説明する模式図である。 梁に作用する外力及び荷重を説明する模式図である。 梁に作用するせん断力を説明する模式図である。 同連続梁及び作用する外力を説明する模式図である。 長手方向に隣接する一対の梁において、回転剛性が生じる位置間の距離を考慮した場合の梁の端における回転剛性及び回転角の関係を説明する図である。 長手方向に隣接する一対の梁において、回転剛性が生じる位置間の距離を無視した場合の梁の端における回転剛性及び回転角の関係を説明する図である。 同連続梁の評価方法を行うのに用いられる連続梁の評価装置のブロック図である。 同連続梁の評価方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の連続梁の評価プログラムの入力シートの一例を示す図である。 本発明の一実施形態の連続梁の評価プログラムを用いて評価した、第1端支点からの距離に対する連続梁に作用する曲げモーメント分布の関係を示す図である。 本発明の一実施形態の連続梁の評価プログラムを用いて評価した、第1端支点からの距離に対する回転角分布の関係を示す図である。 本発明の一実施形態の連続梁の評価プログラムを用いて評価した、第1端支点からの距離に対するたわみ分布の関係を示す図である。
以下、本発明に係る連続梁の評価方法及び連続梁の評価プログラムの一実施形態を、図1から図14を参照しながら説明する。
〔1.連続梁〕
本実施形態の連続梁の評価方法(以下、単に評価方法とも言う)は、例えば、図1及び図2に示す建築物1を構成する連続梁11を評価するのに好適に用いられる。なお、図1では後述する床17を透過して示し、図2では後述する柱33を示していない。ここで言う連続梁11を評価するとは、連続梁11の曲げモーメント、回転角、及びたわみ分布等を求めて、例えば連続梁11の曲げ耐力が連続梁11の曲げモーメントに対してどの程度余裕があるかを評価することを意味する。
この例では、連続梁11は、長手方向に隣り合う端部同士が互いに半剛接合されて中間支点12aとされたn本(この例では2本)の梁(小梁)13を備えている。
この例では、梁13は、床17と、梁本体18と、を備えている。なお、梁13の構成はこの例に限定されない。
床17は、いわゆる合成スラブであり、梁本体18により下方から支持されている。床17は、デッキプレート20と、デッキプレート20上に配置されたRC(Reinforced Concrete)スラブ21と、を備えている。
デッキプレート20の凹凸形状は、水平面に沿う方向であって、梁本体18が延びる方向とは直交する方向に延びている。
RCスラブ21は、コンクリート22と、鉄筋23と、を備えている。コンクリート22は、上下方向が厚さ方向となる板状に形成されている。コンクリート22は、デッキプレート20により下方から支持されている。
鉄筋23は、水平面に沿って延びていて、コンクリート22内に埋設されている。例えば、鉄筋23は、平面視で格子状に配置されている。
n本の梁13は、梁13の長手方向に並べて配置されている。
梁本体18は鉄骨のH形鋼で形成され、水平面に沿って延びている。梁本体18の上フランジには、スタッド26の下端部が固定されている。スタッド26は、デッキプレート20を貫通している。スタッド26の上端部は、コンクリート22内に埋設されている。
梁本体18の端は、中間支点12aにおいて、水平面に沿って延びる第1大梁(中間支持部)27にそれぞれ半剛接合されて、上下方向に支持されている。第1大梁27は、梁本体18に直交する方向に延びている。梁本体18と第1大梁27との半剛接合は、例えばシアプレート28及びボルト29等により行われている。
連続梁11全体の両端である一対の端支点12bは、一対の第2大梁(端支持部)31により上下方向に支持されている。第1大梁27及び第2大梁31は、水平面に沿う第1方向に沿って延びている。端支点12bにおける梁本体18の端と第2大梁31との接合の状態は特に限定されず、ピン接合、半剛接合、及び剛接合のいずれでもよい。
建築物1は、水平面に沿うとともに第1方向に直交する第2方向に沿って延びる第3大梁32を備えている。第1大梁27及び第2大梁31と、第3大梁32と、の接続部分は、柱33により上下方向に支持されている。
以下では、このように構成された連続梁11の評価方法について説明する。
〔2.連続梁のせん断力分布及びモーメント分布の導出〕
〔2.1.基本式〕
n本(スパン)の梁13を備える連続梁11において、連続梁11の一方の端支点12bから数えて任意のi本目(iは自然数で、1≦i≦n)の梁13の諸元、及び梁13に作用する曲げモーメント、外力、せん断力等を、図3から図5に示すように仮定する。
すなわち、図3に示すように、i本目の梁13が水平面に沿って延びるとし、梁13の長さがL(m)であるとする。なお、各梁13を区別しないで言うときには、梁13とも言う。
梁13では、正曲げ(下に凸)の曲げ剛性と負曲げ(上に凸)の曲げ剛性とが互いに異なるとする。梁13の正曲げの曲げ剛性をEIs,i(Nm)とし、梁13の負曲げの曲げ剛性をEIh,i(Nm)とする。
図4に示すように、梁13に沿って右向きを正とする座標x(m)を規定する。梁13の左端の位置を、座標xの原点(x=0の位置)とする。梁13には、全長にわたって下方向きの等分布荷重(鉛直荷重)w(N/m)が作用するとする。梁13の左端の回転剛性をSjl,i(Nm/rad)とし、梁13の右端の回転剛性をSjr,i(Nm/rad)とする。
図3に示すように、梁13の左端に作用する曲げモーメント(負曲げモーメント)の絶対値をMjl,i(Nm)とし、梁13の右端に作用する曲げモーメント(負曲げモーメント)の絶対値をMjr,i(Nm)とする。梁13には、曲線L1で示す曲げモーメントが作用する。なお、曲げモーメントは下に凸の曲げを生じる向きを正とする。梁13において、曲げモーメントが0になる座標xを、xh,i(m),xs,i(m)(0≦xh,i<xs,i≦L)とする。
図5に示すように、梁13の左端が大梁27,31等により下方から支持されるせん断力(外力)をVjl,i(N)とし、梁13の右端が大梁27,31等により下方から支持されるせん断力をVjr,i(N)とする。梁13には、曲線L2で示すせん断力が作用する。
このとき、梁13に作用するせん断力分布V(x)(N)と曲げモーメント分布M(x)(Nm)は、(21)式及び(22)式で表せる。なお、せん断力Vjl,i、Vjr,i、及びせん断力分布V(x)は、時計回りの回転を生じる方向を正(+)とする。
Figure 2021082152
(22)式に、x=Lにおける曲げモーメントの境界条件を用いると、(23)式及び(24)式が得られる。
Figure 2021082152
ここで、(22)式から(24)式における曲げモーメントの絶対値Mjl,i,Mjr,iは、負曲げモーメントの大きさを表し、(24−1)及び(24−2)で定義される。
Figure 2021082152
(21)式に(24)式を代入し、x=Lにおける力の釣り合い条件を用いると、(25)式及び(26)式が得られる。
Figure 2021082152
(21)式に(26)式を代入すると、せん断力分布V(x)についての(27)式が得られる。
Figure 2021082152
(22)式に(24)式を代入すると、(28)式が得られる。
Figure 2021082152
(22)式を用いて、曲げモーメント分布M(x)=0のときの座標x(xh,i,xs,i)を求める。(29)式をxについて解くと、(xh,i<xs,i)であることを考慮して(30)式及び(31)式が得られる。
Figure 2021082152
〔2.2.回転角分布〕
梁13の曲率分布を下に凸の場合を正(+)として、ρ(x)(1/m)、梁13の上下方向のたわみ(変位)分布を鉛直下向きを正(+)としてδ(x)(m)とすると、曲率分布ρ(x)は(34)式で表せる。
Figure 2021082152
〔2.2.1.区間[a]=[0,xh,i]の回転角分布〕
座標xが0以上xh,i以下のとき、梁13の回転角分布をφ(x)(rad:ラジアン)とする。水平線からの回転方向が時計回りの場合を正(+)とすると、回転角分布φ(x)は、曲率分布ρ(x)を(28)式及び(34)式で表し、さらに曲率分布ρ(x)を区間[0,x]で積分して、(35)式を用いて(36)式のように求められる。回転角分布φ(x)を求めるときに、x=0における境界条件である、回転角分布φ(x=0)=φ0iを考慮する。すなわち、梁13における左側(後述する第1端支点12b側)の回転角は、φ0iである。
なお、区間[a]での回転角分布φ(x)を、回転角分布φ(x)とも言う。
Figure 2021082152
〔2.2.2.区間[b]=[xh,i,xs,i]の回転角分布〕
座標xがxh,i以上xs,i以下のとき、梁13の回転角分布φ(x)は、曲率分布ρ(x)を(28)式及び(34)式で表し、区間[xh,i,x]で積分して、(37)式のように求められる。回転角分布φ(x)を求めるときに、x=xh,iにおける境界条件を考慮する。
なお、区間[b]での回転角分布φ(x)を、回転角分布φ(x)とも言う。
Figure 2021082152
〔2.2.3.区間[c]=[xs,i,L]の回転角分布〕
座標xがxs,i以上L以下のとき、梁13の回転角分布φ(x)は、曲率分布ρ(x)を(28)式及び(34)式で表し、区間[xs,i,x]で積分して、(38)式のように求められる。回転角分布φ(x)を求めるときに、x=xs,iにおける境界条件を考慮する。
なお、区間[c]での回転角分布φ(x)を、回転角分布φ(x)とも言う。
Figure 2021082152
〔2.3.たわみ分布〕
〔2.3.1.区間[a]=[0,xh,i]のたわみ分布〕
座標xが0以上xh,i以下のとき、梁13のたわみ分布δ(x)は、回転角分布φ(x)を区間[0,x]で積分して、(41)式を用いて(42)式のように求められる。たわみ分布δ(x)を求めるときに、x=0における境界条件である、鉛直変位δ(x=0)=δ0iを考慮する。
なお、区間[a]でのたわみ分布δ(x)を、たわみ分布δ(x)とも言う。
Figure 2021082152
〔2.3.2.区間[b]=[xh,i,xs,i]のたわみ分布〕
座標xがxh,i以上xs,i以下のとき、たわみ分布δ(x)は、回転角分布φ(x)を区間[xh,i,x]で積分して、(43)式のように求められる。たわみ分布δ(x)を求めるときに、x=xh,iにおける境界条件を考慮する。
なお、区間[b]でのたわみ分布δ(x)を、たわみ分布δ(x)とも言う。
Figure 2021082152
〔2.3.3.区間[c]=[xs,i,L]のたわみ分布〕
座標xがxs,i以上L以下のとき、たわみ分布δ(x)は、回転角分布φ(x)を区間[xs,i,x]で積分して、(44)式のように求められる。たわみ分布δ(x)を求めるときに、x=xs,iにおける境界条件を考慮する。
なお、区間[c]でのたわみ分布δ(x)を、たわみ分布δ(x)とも言う。
Figure 2021082152
〔3.連続梁の評価方法における計算手順〕
評価方法では、中間支点12a及び一対の端支点12bでの複数の曲げモーメントMj,i、及び一対の端支点12bでの複数の回転角φ01、φを、与条件に基づいて求める。
ここで言う与条件を説明する前に、複数の鉛直変位、複数の回転剛性について説明する。
まず、図6に示すように、一対の端支点12bのうち、左側の端支点12b(一方の端支点)を第1端支点12bとも言う。一対の端支点12bのうち、右側の端支点12b(他方の端支点)を第2端支点12bとも言う。なお、図6中には、座標の一例として第i梁13の座標xを示す。
前記座標xは、梁13の第1端支点12b側の端を原点とし、第1端支点12bから第2端支点12bに向かう向きを正とする。以下では、n本の梁13のうち、第1端支点12bから第2端支点12bに向かってi本目の梁13を、第i梁13とも言う。例えば、n本の梁13のうち最も第1端支点12b側の梁13は、第1梁13である。
前記回転剛性Sjl,iは第i梁13における第1端支点12b側の端(中間支点12a)での回転剛性であり、前記回転剛性Sjr,iは第i梁13における第2端支点12b側の端(中間支点12a)での回転剛性である。
第1梁13における第1端支点12bで上下方向のたわみを、鉛直下方を正(+)として、δ(m)とする。1以上(n−1)以下のiに対して、第i梁13における第2端支点12b側の中間支点12aでの鉛直変位を、δ(m)とする。第n梁13における第2端支点12bでの鉛直変位を、δ(m)とする。与条件における複数の鉛直変位は、0以上n以下の自然数iに対する鉛直変位δである。
例えば、図1に示す連続梁11の中間支点12aでの鉛直変位δは、公知の方法により第1大梁27に作用すると規定される分布荷重の範囲Rから求めてもよい。そして、その範囲R内に作用する分布荷重、及び第1大梁27の曲げ剛性等から、中間支点12aでの鉛直変位δを求める。
各支点12a,12bに、例えば大梁の回転抵抗等による曲げモーメントは作用せず、長手方向に隣接する梁13の端に作用する曲げモーメントは同じ値とする。すなわち、例えば、第i梁13の右端に作用する曲げモーメントの絶対値Mjr,iと、第(i+1)梁13i+1の左端に作用する曲げモーメントの絶対値Mjl,i+1と、は等しく、その値をMj,i(Nm)とする。曲げモーメントMj,iは、1以上(n−1)以下のiに対して、第i梁13における第2端支点12b側の中間支点12aでの曲げモーメントである。
なお、曲げモーメントMj,0は、第1梁13の左端に作用する曲げモーメントの絶対値Mjl,1(第1梁13における第1端支点12bでの曲げモーメント)と等しい。曲げモーメントMj,nは、第n梁13の右端に作用する曲げモーメントの絶対値Mjr,n(第n梁13における第2端支点12bでの曲げモーメント)と等しい。
このように、連続梁11における中間支点12a及び一対の端支点12bでの複数(n+1)の曲げモーメントMj,0,‥,Mj,nが規定される。
前記与条件は、前記複数の鉛直変位と、複数の回転剛性Sj,iと、n本の梁13それぞれの長さL、n本の梁13それぞれの曲げ剛性(正曲げの曲げ剛性EIs,i及び負曲げの曲げ剛性EIh,i)と、n本の梁13それぞれに作用する等分布荷重wと、を含む。
このとき、各支点12a,12bにおける梁13の回転角は、各支点12a,12bにおける梁13の回転剛性と、曲げモーメントの絶対値Mjl,i,Mjr,iを用いて表せる。
ここで、第1梁13の左端の回転剛性Sjl,1をSj,0、中間支点12aの代表点における回転剛性をSj,iとする。
図6に示すように、連続梁11は、n本の梁13を備えている。連続梁11の中間支点12aは、第1大梁27にそれぞれ半剛接合され、連続梁11の端支点12bは、第2大梁31により支持されている。
図7に示すように、(i−1)本目の第(i−1)梁13i−1と、i本目の第i梁13との接合部を考える。
第i梁13の左端での回転角をφjl,i(rad)とし、第i梁13の右端での回転角をφjr,i(rad)とする。この場合、(i−1)本目の第(i−1)梁13i−1の右端での回転角は、φjr,i−1(rad)となる。水平面に対する第i梁13の左端での回転角をφl,i(rad)とし、水平面に対する第i梁13の右端での回転角をφr,i(rad)とする。この場合、水平面に対する第(i−1)梁13i−1の右端での回転角は、φr,i−1(rad)となる。
第(i−1)梁13i−1の右端で回転剛性Sjr,i−1が生じる位置と、第i梁13の左端で回転剛性Sjl,iが生じる位置との距離が、極小長さであるとする。
回転角分布の正負を考慮して、各変数の定義から(47)式及び(48)式が得られる。
Figure 2021082152
図7の変形状態の幾何学的関係から、(49)式が得られる。
Figure 2021082152
この場合、極小長さが無視できるとすると、図8に示すように、第(i−1)梁13i−1の回転剛性Sjr,i−1及び第i梁13の回転剛性Sjl,iが、回転剛性Sj,i−1で代表される。回転剛性Sj,i−1は、(47)式及び(48)式を(49)式に代入した、(50)式及び(51)式から得られる。
Figure 2021082152
従って、回転剛性Sj,i−1は、各中間支点12aを挟む左右の接合部の回転ばねの直列結合で表せる。
ここで、i=2〜(n−1)に対し、(38)式におけるφ0iは、次のように求められる。図8から、第i梁13の左端の中間支点12aにおける回転角φ0i=φl,iは、この中間支点12aにおけるモーメントの絶対値Mj,i−1と回転剛性Sj,i−1を用いて、(49)式を用いて右端の中間支点12aにおける回転角φr,i−1と関係づけられる。さらに、φr,i−1は第(i−1)梁13i−1の右端における回転角なので、第(i−1)梁13i−1における(38)式にxi−1=Li−1を代入した値に等しい。
従って、(38)式を(49)式に代入し、(8)式が導出される。第1端支点12bの回転角初期値φ01及び各中間支点12aと両端支点12bのモーメントが与えられると、i=2〜(n−1)に対するφ0iは(8)式によって順に求められる。
連続梁11を評価するのに際し、曲げモーメントについては、0以上n以下の自然数iに対する曲げモーメントMj,i(複数の曲げモーメント)である(n+1)個の未知数がある。
連続梁11の両端支点12bにおける接合状態にもよるが、一般的に以下のことが言える。
第1梁13の両端での曲げモーメントMj,0,Mj,1、及び未知数である第1端支点12bでの第1梁13の回転角φ01(φjl,1)にそれぞれ初期値を与えると、x=Lにおける(38)式の回転角分布φ(x)によって第1梁13の回転角φr,1が決まる。(49)式によって、第1梁13に隣接する2本目の第2梁13の回転角φl,2が決まる。
回転角φl,2は、第2梁13に対して(38)式を適用する際の回転角分布φ(x)のx=0における値であるφ02に相当する。
同様に、3以上n以下であるiに対して、第(i−1)梁13i−1の両端接合部の曲げモーメントMj,i−2,Mj,i−1を与えると、xi−1=Li−1における(38)式の回転角分布φ(xi−1)によって第(i−1)梁13i−1の右端での回転角φr,i−1が決まり、(49)式によって第(i−1)梁13i−1に隣接する第i梁13の左端での回転角φl,iが決まる。なお、第i梁13の左端での回転角φl,iは、第i梁13に対して(38)式を適用する際の回転角分布φ(xi)のx=0における値であるφ0iに相当する。
こうしてi=1〜nまで曲げモーメントMj,i−1,Mj,iを仮定し、順に対応する回転角φr,i−1及び回転角φl,iを求めると、x=Lにおける(44)式のたわみ分布δ(x)から各支点12a,12bでの鉛直変位δ0iが得られる。
なお、第2端支点12bでの第n梁13の回転角φr,nも未知数である。すなわち、回転角については、2個の回転角φ01及び回転角φr,nが未知数である。
こうして未知数の数は、例えば、各支点12a,12bでの曲げモーメントMj,i、及び両端支点12bでの回転角の(n+3)である。
これに対し、複数の未知数を解くための複数の第1境界条件は、以下のようになる。
与条件である第1端支点12bでの鉛直変位δ01、及び1以上n以下のiに対するx=Lにおける(44)式から、0以上n以下のiに対して、複数の鉛直変位δの関係式として、複数の第1境界条件である(54−1)式から(54−(n+1))式の(n+1)個の関係式が得られる。
Figure 2021082152
例えば、(54−2)式は、曲げモーメントMj,0,Mj,1についての方程式である。(54−3)式は曲げモーメントMj,0,Mj,1,Mj,2についての方程式であり、(54−(n+1))式は曲げモーメントMj,0,Mj,1,Mj,2,‥,Mj,nについての方程式である。
連続梁11の両端支点12bでの回転剛性、曲げモーメント、及び回転角の関係式から、(55−1)式及び(55−2)式の2個の関係式が得られる。
Figure 2021082152
(55−1)式及び(55−2)式は、連続梁11の両端支点12bでの接合状態に応じて得られる。例えば、連続梁11の左側の端支点12b(第1端支点12b)がピン接合であれば、曲げモーメントMj,0は0である。
こうして第1境界条件の数は、(n+3)個の関係式の(n+3)である。すなわち、複数の第1境界条件の数は複数の未知数の数と同数になる。
従って、複数の未知数が複数の第1境界条件を満たすように複数の未知数を解けば、(n+1)個の曲げモーメントMj,iの組み合わせは一つに決まる。
ここで、全ての支点12a,12bでの曲げモーメントMj,iの値を仮定し、仮定した曲げモーメントMj,iから得られた、各支点12a,12bでの鉛直変位δに対応する鉛直変位の計算結果を、δi,calc(m)とする。全ての支点12a,12bでの曲げモーメントMj,iの値を仮定し、仮定した曲げモーメントMj,iから得られた鉛直変位の計算結果δi,calcと、変形の適合条件から決まる鉛直変位δとの差の2乗の、全ての支点12a,12bでの和((57)式による値、変位残差)を目的関数とし、目的関数が最小となる曲げモーメントMj,iの組み合わせを探す最適化計算により、全ての支点12a,12bでの曲げモーメントMj,iを同定することができる。
最適化計算には、公知の差分進化法(Differential Evolution Method)等を用いることができる。
なお、連続梁11の両端支点12bでの接合状態に応じた連続梁の評価方法における計算手順については、後述する。
Figure 2021082152
〔4.連続梁の評価方法に用いられる評価装置〕
連続梁の評価方法を行い連続梁11を評価するには、例えば図9に示す評価装置101が用いられる。評価装置101はコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)111と、主記憶装置125と、補助記憶装置126と、入出力インタフェース(IO・I/F)131と、記録・再生装置136と、を備えている。
主記憶装置125は、CPU111のワークエリア等になるRAM(Random Access Memory)等である。
入出力インタフェース131は、キーボードやマウス等の入力装置132、及び表示装置133に接続される。
記録・再生装置136は、CDやDVD等のディスク型等の記録媒体137に対するデータの記録や再生を行う。
補助記憶装置126は、各種データやプログラム等が記憶されるハードディスクドライブ装置等である。補助記憶装置126には、前記コンピュータを評価装置101として機能させるための連続梁の評価プログラム(以下、単に評価プログラムと言う)127や、OSプログラム等の各種プログラム、予め定められた閾値等が格納されている。評価プログラム127を含む各種プログラムは、記録・再生装置136を介して記録媒体137から補助記憶装置126に取り込まれる。評価プログラム等は、記録媒体137に格納される。
なお、これらのプログラムは、フラッシュメモリ等の携帯可能なメモリや、図示されていない通信装置を介して外部装置から補助記憶装置126に取り込まれてもよい。
この補助記憶装置126には、さらに、評価プログラム127の実行過程で、仮設定値ファイル128が設けられる。仮設定値ファイル128には、後述する仮設計値が格納される。
CPU111は、各種演算処理を実行する。
CPU111は、機能的に、複数の曲げモーメント、及び複数の回転角を、与条件に基づいて求める解決定部112を備えている。さらに、解決定部112は、機能的に、第1設計部113と、第2設計部114と、仮設計部115と、記憶部116と、解算出部117と、残差算出部118と、判定部119と、解設定部120と、を備えている。
これらのCPU111の機能構成要素である第1設計部113、第2設計部114、仮設計部115、記憶部116、解算出部117、残差算出部118、判定部119、及び解設定部120は、いずれも、補助記憶装置126に格納されている評価プログラム127等をCPU111が実行することで機能する。評価プログラム127等は、評価装置101用のプログラムである。評価プログラム127は、評価装置101を解決定部112として機能させる。
〔5.連続梁の評価方法〕
次に、評価装置101の評価動作(評価方法)について説明する。なお、表1に示すように、連続梁11の一対の端支点12bでの接合状態は、第1端支点12bがピン接合、半剛接合、剛接合の3通りあり、第2端支点12bがピン接合、半剛接合、剛接合の3通りあるため、全部で9通りある。
Figure 2021082152
ただし、例えば、第1端支点12bがピン接合で第2端支点12bが半剛接合の場合と、第1端支点12bが半剛接合で第2端支点12bがピン接合の場合とでは、連続梁11の向きを反対にすれば同一の構成となる。このため、両端支点12b,12bがピン接合の場合をケース1、両端支点12b,12bが半剛接合の場合をケース2、両端支点12b,12bが剛接合の場合をケース3、第1端支点12bがピン接合で第2端支点12bが半剛接合の場合をケース4A、第1端支点12bがピン接合で第2端支点12bが剛接合の場合をケース5A、第1端支点12bが剛接合で第2端支点12bが半剛接合の場合をケース6Aとして説明する。そして、第1端支点12bが半剛接合で第2端支点12bがピン接合の場合のケース4Bは、連続梁11がケース4Aと同様の構成なので説明を省略する。第1端支点12bが剛接合で第2端支点12bがピン接合の場合のケース5B、第1端支点12bが半剛接合で第2端支点12bが剛接合の場合のケース6Bも同様である。
〔5.1.ケース1(一対の端支点がピン接合)の場合の連続梁の評価方法〕
図10は、連続梁11がケース1の場合の本実施形態の評価方法S11を示すフローチャートである。評価方法S11では、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める解決定工程(図10に示すステップS12)を行う。
解決定工程S12では、まず、第1設計部113は第1設計工程(ステップS14)を行う。第1設計工程S14では、連続梁11の一対の端支点12b及び中間支点12aでの複数の鉛直変位δを含む設計値を与える。複数の鉛直変位δは、前記与条件として与えられる。第1設計工程S14では、前記設計値には、前記複数の回転剛性と、n本の梁13それぞれの長さLと、n本の梁13それぞれの曲げ剛性と、n本の梁13それぞれに作用する等分布荷重wと、を含む。
第1設計工程S14が終了すると、ステップS16に移行する。
次に、第2設計工程S16において、第2設計部114は一対の端支点12bでの接合状態に応じて一対の端支点12bに第2境界条件を与える。ケース1の場合には、第2境界条件は、曲げモーメントMj,0,Mj,nがそれぞれ0Nmであることである。すなわち、第2境界条件には回転角φ01が未知数であることが含まれる。
第2設計工程S16が終了すると、ステップS18に移行する。
次に、仮設計工程S18において、仮設計部115は一対の端支点12bでの接合状態に応じて、一対の端支点12b及び中間支点12aに作用する曲げモーメントMj,iを含む仮設計値を与える。連続梁11がケース1の場合には、仮設計部115はさらに、仮設計値として第1端支点12bでの梁13の回転角φ01を与える。
仮設計工程S18が終了すると、ステップS20に移行する。
次に、記憶工程S20において、記憶部116は仮設計工程S18の後で、仮設定値ファイル128に仮設計値を記憶する。記憶工程S20が終了すると、ステップS22に移行する。
次に、解算出工程S22において、解算出部117は、仮設定値ファイル128に記憶された仮設計値に基づいて、複数の第1境界条件及び第2境界条件を満たすように、中間支点12aでの鉛直変位の計算結果δi,calcを含む計算値を算出する。計算値は、第2端支点12bでの鉛直変位の計算結果である鉛直変位の計算結果δn,calcを含む。鉛直変位の計算結果δi,calcは、(54−2)式から(54−(n+1))式における鉛直変位δから鉛直変位δまでのn個の値である。
鉛直変位の計算結果δ0,calcである鉛直変位δ01(鉛直変位δ)は、与条件として与えられる複数の鉛直変位の1つの要素であるため、解算出工程S22では値は新たに算出されない。鉛直変位の計算結果δi,calcは、δ1,calc、δ2,calc、‥、δn,calcの順に算出される。
解算出工程S22が終了すると、ステップS24に移行する。
次に、残差算出工程S24において、残差算出部118は設計値と計算値との残差である変位残差を求める。変位残差は、解算出工程S22で算出された複数の鉛直変位の計算結果δi,calc、及び第1設計工程S14で前記与条件として与えられた複数の鉛直変位δを用いて、(57)式により求められる。
変位残差について、より詳しく説明する。ここで、1以上(n−1)以下のiに対する、梁13(i+1)における第1端支点12b側の中間支点12aでの鉛直変位δ0(i+1)と、梁13における第2端支点12b側の中間支点12aでの鉛直変位の計算結果δi,calcとの残差を、第i残差とする。
残差算出工程S24では、第1残差から第(i−1)残差までの和である中間残差を算出する。与条件である第2端支点12bにおける鉛直変位δと、梁13における第2端支点12bでの鉛直変位の計算結果δn,calcと、の残差である第2端支点残差を算出する。このとき、変位残差は、中間残差と第2端支点残差との和になる。
なお、残差算出工程S24では、回転角分布φ(x)、曲げモーメント分布M(x)Mj,i、曲げ剛性EI、曲げモーメントMj,i、回転剛性Sj,i、回転角φl,i,φr,i−1に関する(60)式及び(61)式である適合条件が成り立つか否かを判定する。曲げモーメント分布M(x)は、(22)式から求められる。
Figure 2021082152
ただし、曲げ剛性EIは、正曲げの場合には正曲げの曲げ剛性EIs,iであり、負曲げの場合には負曲げの曲げ剛性EIh,iである。
残差算出工程S24が終了すると、ステップS26に移行する。
次に、判定工程S26において、判定部119は変位残差が閾値よりも小さいか否かを判定する。判定工程S26において、変位残差が閾値よりも小さい(Yes)と判定されたときには、ステップS28に移行する。一方で、判定工程S26において、変位残差が閾値以上である(No)と判定されたときには、ステップS18に移行する。
解設定工程S28では、解設定部120は、仮設定値ファイル128に記憶された仮設計値の曲げモーメントを、中間支点12aに作用する曲げモーメントとする。そして、この曲げモーメントに基づいて複数の回転角とたわみ分布を求める。
以上で、評価方法S11における全ての工程を終了する。
仮設計工程S18では、記憶工程S20で仮設定値ファイル128に記憶された仮設計値に代えて、他の新たな仮設計値を与える。仮設計工程S18から移行した記憶工程S20では前記他の新たな仮設計値を仮設定値ファイル128に記憶する。そして、前記他の新たな仮設計値に基づいて、記憶工程S20、解算出工程S22、残差算出工程S24、及び判定工程S26を行う。
このように、判定工程S26において、変位残差が閾値以上である(No)と判定されたときには、記憶工程S20で他の新たな仮設計値を与えること、及び、この他の新たな仮設計値に基づいて、記憶工程S20、解算出工程S22、残差算出工程S24、及び判定工程S26を行うこと、を組にして、判定工程S26において変位残差が閾値よりも小さいと判定されるまで繰り返す。2回目以降の仮設計工程S18においては、例えば差分進化法に従って仮設計値を再設定し、仮設計工程S18〜判定工程S26の計算を行うことで、効果的に変位残差の収斂計算を行うことができる。
〔5.2.ケース2(一対の端支点が半剛接合)の場合の連続梁の評価方法〕
この場合の評価方法S36では、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める解決定工程S37を行う。
解決定工程S37では、まず、前記第1設計工程S14を行う。第1設計工程S14が終了すると、ステップS39に移行する。
次に、第2設計工程S39において、第2設計部114は一対の端支点12bでの接合状態に応じて第2境界条件を与える。ケース2の場合には、第2境界条件は、連続梁11の端支点12b,12bにおける(64)式及び(65)式である。すなわち、曲げモーメントMj,0,Mj,nは、未知数である。第2境界条件には、回転角φ01が未知数であることが含まれる。
Figure 2021082152
回転剛性Sj,0,Sj,iはそれぞれ定数であるため、例えば、(64)式において、曲げモーメントMj,0及び回転角φjl,1の一方が求まれば、(64)式から曲げモーメントMj,0及び回転角φjl,1の他方が求まる。(65)式についても、(64)式と同様である。第2設計工程S39が終了すると、ステップS41に移行する。
次に、仮設計工程S41において、仮設計部115は一対の端支点12bでの接合状態に応じて、中間支点12aに作用する曲げモーメントMj,iを含む仮設計値を与える。連続梁11がケース2の場合には、さらに曲げモーメントMj,0及び回転角φjl,1の一方を仮設計値として与える。
仮設計工程S41が終了すると、記憶工程S20、解算出工程S22、残差算出工程S24、判定工程S26を行い、判定工程S26での判定に基づいて解設定工程S28又は仮設計工程S41に移行する。
この場合の解設定工程S28では、算出した回転角φr,nを用いて(65)式から曲げモーメントMj,nを算出する。
〔5.3.ケース3(一対の端支点が剛接合)の場合の連続梁の評価方法〕
この場合の評価方法S46では、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める解決定工程S47を行う。
解決定工程S47では、まず、前記第1設計工程S14を行う。第1設計工程S14が終了すると、ステップS49に移行する。
次に、第2設計工程S49において、第2設計部114は一対の端支点12bでの接合状態に応じて第2境界条件を与える。ケース3の場合には、第2境界条件は、回転角φjl,1(φl,1、φ01)及び回転角φjr,n(φr,n)がそれぞれ0radであることである。すなわち、曲げモーメントMj,0,Mj,nは、未知数である。
第2設計工程S49が終了すると、ステップS51に移行する。
次に、仮設計工程S51において、仮設計部115は一対の端支点12bでの接合状態に応じて、中間支点12aに作用する曲げモーメントMj,iを含む仮設計値を与える。連続梁11がケース3の場合には、仮設計値としてさらに一対の端支点12bに作用する曲げモーメントMj,0,Mj,nを与える。
仮設計工程S51が終了すると、記憶工程S20、解算出工程S22、残差算出工程S24、判定工程S26を行い、判定工程S26での判定に基づいて解設定工程S28又は仮設計工程S51に移行する。
ただし、残差算出工程S24では、鉛直変位の計算結果δ0,calcは新たに計算せずに、鉛直変位の計算結果δ0,calcとして与条件で与えられる鉛直変位δの値であるとする。回転角φl,1は、新たに計算せずに0radであるとする。
連続梁11がケース3の場合には、残差算出工程S24において、与条件であるφr,n=0を考慮して、(38)式においてx=Lとした(68)式から回転角φr,nを算出し、回転角φr,nの二乗に適切な重み係数(正の値)を乗じて、変位残差に加える。
Figure 2021082152
〔5.4.ケース4A(第1端支点がピン接合で第2端支点が半剛接合)の場合の連続梁の評価方法〕
この場合の評価方法S56では、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める解決定工程S57を行う。
解決定工程S57では、まず、前記第1設計工程S14を行う。第1設計工程S14が終了すると、ステップS59に移行する。
次に、第2設計工程S59において、第2設計部114は一対の端支点12bでの接合状態に応じて第2境界条件を与える。ケース4Aの場合には、第2境界条件は、曲げモーメントMj,0が0Nmであることと、(65)式である。すなわち、第2境界条件には回転角φ01が未知数であることが含まれる。
第2設計工程S59が終了すると、ステップS61に移行する。
次に、仮設計工程S61において、仮設計部115は一対の端支点12bでの接合状態に応じて、中間支点12aに作用する曲げモーメントMj,iを含む仮設計値を与える。連続梁11がケース4Aの場合には、仮設計値としてさらに第1端支点12bでの回転角φl,1、第2端支点12bに作用する曲げモーメントMj,nを与える。
仮設計工程S61が終了すると、記憶工程S20、解算出工程S22、残差算出工程S24、判定工程S26を行い、判定工程S26での判定に基づいて解設定工程S28又は仮設計工程S61に移行する。
〔5.5.ケース5A(第1端支点がピン接合で第2端支点が剛接合)の場合の連続梁の評価方法〕
この場合の評価方法S66では、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める解決定工程S67を行う。
解決定工程S67では、まず、前記第1設計工程S14を行う。第1設計工程S14が終了すると、ステップS69に移行する。
次に、第2設計工程S69において、第2設計部114は一対の端支点12bでの接合状態に応じて第2境界条件を与える。ケース5Aの場合には、第2境界条件は、曲げモーメントMj,0が0Nmであることと、回転角φr,nが0radであることである。すなわち、第2境界条件には回転角φ01が未知数であることが含まれる。第2設計工程S69が終了すると、前記仮設計工程S61を行う。
これ以降は、一対の端支点12bでの接合状態がケース4Aの場合と同一なので、説明を省略する。ただし、連続梁11がケース5Aの場合には、残差算出工程S24では、前記適合条件が成り立つか否かを判定する際に、残差算出工程S24において、与条件であるφr,n=0を考慮して、(38)式においてx=Lとした(68)式から回転角φr,nを算出し、回転角φr,nの二乗に適切な重み係数(正の値)を乗じて、変位残差に加える。
〔5.6.ケース6A(第1端支点が剛接合で第2端支点が半剛接合)の場合の連続梁の評価方法〕
この場合の評価方法S76では、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める解決定工程S77を行う。
解決定工程S77では、まず、前記第1設計工程S14を行う。第1設計工程S14が終了すると、ステップS79に移行する。
次に、第2設計工程S79において、第2設計部114は一対の端支点12bでの接合状態に応じて第2境界条件を与える。ケース6Aの場合には、第2境界条件は、回転角φl,1が0radであることと、(65)式である。すなわち、曲げモーメントMj,0は、未知数である。第2設計工程S79が終了すると、ステップS81に移行する。
次に、仮設計工程S81において、仮設計部115は一対の端支点12bでの接合状態に応じて、中間支点12aに作用する曲げモーメントMj,iを含む仮設計値を与える。連続梁11がケース6Aの場合には、仮設計値としてさらに一対の端支点12bに作用する曲げモーメントMj,0,Mj,nをそれぞれ与える。
仮設計工程S81が終了すると、記憶工程S20、解算出工程S22、残差算出工程S24、判定工程S26を行い、判定工程S26での判定に基づいて解設定工程S28又は仮設計工程S81に移行する。ただし、連続梁11がケース6Aの場合には、残差算出工程S24では、前記適合条件が成り立つか否かを判定する際に、解算出工程S22で得られた回転角φr,nと、前記第2境界条件に含まれる(65)式と仮設計値のMj,nによって計算される回転角φr,nとの差の二乗に適切な重み係数(正の値)を乗じて、変位残差に加える。
以上説明したように、n本の梁13を備える連続梁11において、連続梁11が備える支点(中間支点12a及び端支点12b)の数は(n+1)である。各支点において、モーメント及び回転角が未知であることから、(n+1)×2の式により2(n+1)の未知数がある。すなわち、複数の未知数の数は、2(n+1)である。
一方で、複数の回転剛性、複数の曲げモーメント、及び複数の回転角の関係式として、(n+1)の条件式が与えられる。
第2境界条件を与える場合には、以下のようになる。
(1)連続梁11の端支点12bの少なくとも一方がピン接合の場合
ピン接合されている端支点12bでの曲げモーメントが0であるため、ピン接合されている端支点12bの数(0以上2以下)だけ未知数が減る。これにより、ピン接合における回転角と曲げモーメントと回転剛性の式も、M=S×φの式において、M=S=0のため回転角φは不定となり、ピン接合されている端支点12bの数だけ第1境界条件による条件式が減る。
(2)連続梁11の端支点12bの少なくとも一方が剛接合の場合
剛接合されている端支点12bでの回転角が0であるため、剛接合されている端支点12bの数(0以上2以下)だけ未知数が減る。これにより、剛接合における回転角と曲げモーメントと回転剛性の式も、M=S×φの式においてφ=0、S=∞(無限大)のため曲げモーメントMは不定となり、剛接合されている端支点12bの数だけ第1境界条件による条件式が減る。
また、各支点の鉛直変位の与条件として、(n+1)の条件式が与えられる。
端支点12bがピン接合又は剛接合であるという第2境界条件を与えることで、第2境界条件の数だけ、複数の未知数数が減る。しかし、条件式が不定になり、第1境界条件の数が減る。
この結果、複数の未知数の数と、複数の第1条件式の数と複数の第2条件式の数との和とは同数(一定)である、という条件が保たれる。
以上説明した、連続梁11がケース1からケース6の場合の評価方法を行うことにより、連続梁11の一対の端支点12bでの接合状態によらず、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求めることができる。
なお、連続梁11の曲げモーメントは、(22)式において、(24)式で求めたせん断力Vjl,i、曲げモーメントMj,i等から、(70)式により得られる。
Figure 2021082152
連続梁11のたわみ分布は、座標xの区間に応じて(42)式から(44)式により得られる。
また、本実施形態の評価方法を用いて、連続梁11を設計する連続梁の設計方法を行ってもよい。
〔6.評価例1〕
発明者らは、前記差分進化法を用いて評価方法を行い、複数の曲げモーメント及び複数の回転角を与条件に基づいて求める評価プログラムを作成した。評価プログラムの入力シートCを図11に示す。入力シートCに入力する、主な連続梁11の諸元等について説明する。
入力シートCにおいて、連続梁11の梁13の本数(Number of continuous beam span)nを、セルC1に入力する。この例では、nを5とした。収斂計算に用いる閾値(Threshold for ending convergence)を、セルC2に入力する。この例では、閾値を1.38×10−2mmとした。
梁13から梁13の長さ(Span)Lを、それぞれセルC3に入力する。この例では、梁13から梁13の長さLを、それぞれ13800mm(13.8m)とした。
梁13から梁13に作用する等分布荷重(Composite stage load)wを、それぞれセルC6に入力する。この例では、梁13から梁13に作用する等分布荷重wは互いに等しく、28.56kN/mとした。
各中間支点12aでの鉛直変位δは、それぞれ0mとした。
この例では、スラブコンクリート及び鉄骨の自重(構造質量×重力加速度、ww_SW)を、両端支点12b及び中間支点12aにおいてピン接合された純鉄骨架構の梁13で支持すると仮定し、この値をセルC7に入力している。
そして、連続梁11の供用開始後に梁13に積載された荷重は、コンクリート硬化後に半剛接合として挙動する接合部(中間支点12a)、及び両端支点12bにおいてピン接合で支持された合成梁(梁本体18と床17が一体で挙動する梁13)が支えるものと仮定している。
図12に、本評価プログラムを用いて評価した、第1端支点12bからの距離に対する連続梁11に作用する曲げモーメント分布の関係を示す。図12において、横軸は連続梁11における第1端支点12bから第2端支点12bに向かって移動した距離(mm)を表し、縦軸は連続梁11に作用する曲げモーメント分布(kNm)を表す。
実線で示した曲線L4は、コンクリート硬化後の積載荷重(等分布荷重)に対する曲げモーメント分布を表す。点線で示した曲線L5は、曲線L4で示した値に加えて、スラブコンクリート(コンクリート22)及び鉄骨(梁本体18)の自重による曲げモーメント分布を考慮した値を示している。すなわち、曲線L4は、構造体である連続梁11の質量を考慮しない場合の曲げモーメント分布を表している。
上方の部分が尖った白抜きの三角印(△)、及び下方の部分が尖った白抜きの三角印(▽)は、梁13の弾性限曲げ耐力を表し、白抜きの四角印(□)は、接合部(中間支点12a及び端支点12b)の弾性限曲げ耐力を表す。
いずれの曲げモーメント分布も、梁13及び接合部の弾性限曲げ耐力以下であることが分かった。
図13に、本評価プログラムを用いて評価した、第1端支点12bからの距離に対する連続梁11の回転角分布の関係を示す。図13において、横軸は連続梁11における第1端支点12bから第2端支点12bに向かって移動した距離(mm)を表し、縦軸は連続梁11の回転角分布(rad)を表す。
連続梁11では、半剛接合されている中間支点12aにおいて回転剛性に応じた回転角が生じる。このため、回転角分布は、中間支点12aにおいて不連続である。例えば、図13中に、第3梁13の右端での回転角φr,3、及び第4梁13の左端での回転角φl,4を示す。回転角φr,3と回転角φl,4とは、不連続である。
なお、中間支点12aにおける隣接する梁13同士の回転角の絶対値の差は、接合部の曲げモーメントの回転剛性に対する比により生じる。具体的には、回転剛性が小さく、曲げモーメントが大きいほど、中間支点12aにおける隣接する梁13同士の回転角の絶対値の和が大きくなる。
図14に、本評価プログラムを用いて評価した、第1端支点12bからの距離に対する連続梁11のたわみ分布の関係を示す。図14において、横軸は連続梁11における第1端支点12bから第2端支点12bに向かって移動した距離(mm)を表し、縦軸は連続梁11のたわみ分布(mm)を表す。片端がピン接合となる第1梁13及び第5梁13の最大たわみは、第2梁13、第3梁13、及び第4梁13の最大たわみよりも大きい。
〔7.評価例2〕
表2から表8に示す比較例、及び実施例1から3の連続梁に対して、連続梁の評価方法を行った。
Figure 2021082152
Figure 2021082152
Figure 2021082152
Figure 2021082152
Figure 2021082152
表2に示すように、連続梁の特性として、比較例、及び実施例1から3の連続梁が備える梁の数nは、それぞれ4とした。以下では、第1端支点側から数えてi本目の梁を第i梁とも言う。第1端支点側から数えてi番目の中間支点を第i中間支点とも言う。
梁の長さは、比較例、実施例1及び2では、いずれの梁も15500mm(15.5m)とした。実施例3では、第1梁から第4梁の長さは、それぞれ13000mm、15500mm、14000mm、13000mmとした。
比較例及び実施例1では、梁せいは617mm、フランジ幅は230mm、ウェブ厚は13.1mm、フランジ厚は22.1mm、強軸回りの断面2次モーメントは1120000000mm(0.00112m)、梁の単位長さ当たりの質量は140kg/m、梁の鋼材の降伏強度は345N/mmとした。
実施例2及び3では、梁せいは600mm、フランジ幅は250mm、ウェブ厚は9.0mm、フランジ厚は16.0mm、強軸回りの断面2次モーメントは831000000mm、梁の単位長さ当たりの質量は104kg/m、梁の鋼材の降伏強度は355N/mmとした。
表3に示すように、スラブ(RCスラブ)の特性として、比較例、及び実施例1から3の連続梁のいずれにおいても、スラブ厚さは130mm、デッキプレート高さは52mmとした。
梁が負曲げされる部分(梁の両端部)の補強筋として、比較例、実施例1及び3では、径がD10の鉄筋を100mmピッチで配置した。実施例2では、径がD16の鉄筋を100mmピッチで配置した。
梁同士が接合される接合部の補強筋として、実施例1及び3では、径がD10の鉄筋を100mmピッチで配置した。実施例2では、径がD16の鉄筋を100mmピッチで配置した。比較例では、接合部に補強筋を配置しなかった。
比較例、及び実施例1から3で用いた鉄筋の鋼材の降伏強度は、435N/mmとした。
スラブの有効幅は、British Standards ”Eurocode 4: Design of composite steel and concrete structures - Part 1-1: General rules and rules for buildings”に基づいて定めた。なお、スラブの有効幅の定義はこれに限定されず、例えば「各種合成構造設計指針・同解説」、日本建築学会等に基づいて定めてもよい。
この例では、例えば比較例の連続梁では、第1梁から第4梁に対するスラブの有効幅は、それぞれ3294mmとした。実施例1の連続梁では、第1梁から第4梁に対するスラブの有効幅は、3294mm、2713mm、2713mm、3294mm、とした。
表4に示すように、連続梁の各支点での支持条件として、比較例の連続梁では、各端支点及び各中間支点でそれぞれピン接合とした。なお、ピン接合の場合の各支点での回転剛性は0になる。
実施例1から3の連続梁では、各端支点でそれぞれピン接合とし、各中間支点でそれぞれ半剛接合とした。実施例1の連続梁では、第1中間支点から第3中間支点での回転剛性はそれぞれ108kNm/mrad、116kNm/mrad、108kNm/mradとした。実施例2の連続梁では、第1中間支点から第3中間支点での回転剛性はそれぞれ192kNm/mrad、242kNm/mrad、192kNm/mradとした。実施例3の連続梁では、第1中間支点から第3中間支点での回転剛性はそれぞれ103kNm/mrad、116kNm/mrad、102kNm/mradとした。
表5に示すように、梁の曲げ剛性として、比較例の連続梁では、第1梁から第4梁のいずれにおいても、正曲げの曲げ剛性は555000kNm、負曲げの曲げ剛性は308000kNmとした。
実施例1の連続梁では、第1梁及び第4梁において、正曲げの曲げ剛性は555000kNm、負曲げの曲げ剛性は308000kNmとした。第2梁及び第3梁において、正曲げの曲げ剛性は525000kNm、負曲げの曲げ剛性は292000kNmとした。
実施例2の連続梁では、第1梁及び第4梁において、正曲げの曲げ剛性は433594kNm、負曲げの曲げ剛性は241305kNmとした。第2梁及び第3梁において、正曲げの曲げ剛性は413095kNm、負曲げの曲げ剛性は232307kNmとした。
実施例3の連続梁では、第1梁及び第4梁において、正曲げの曲げ剛性は415000kNm、負曲げの曲げ剛性は232000kNmとした。第2梁において、正曲げの曲げ剛性は413000kNm、負曲げの曲げ剛性は232000kNmとした。第3梁において、正曲げの曲げ剛性は402000kNm、負曲げの曲げ剛性は227000kNmとした。
表6に示すように、梁及び接合部の降伏曲げ耐力を設定した。例えば、比較例の連続梁では、第1梁の正曲げの降伏曲げ耐力は1750kNm、負曲げの降伏曲げ耐力は1415kNmとした。実施例1の連続梁では、第1梁の正曲げの降伏曲げ耐力は1750kNm、負曲げの降伏曲げ耐力は1415kNmとした。第1中間支点での負曲げの降伏曲げ耐力は、474kNmとした。
積載荷重として、比較例、及び実施例1から3の連続梁のSDL(構造体を除く死荷重)はそれぞれ1.0kN/mとし、LL(活荷重)はそれぞれ4.5kN/mとした。
比較例、及び実施例1から3の連続梁に対して連続梁の評価方法を行った結果、表7及び表8に示す結果が得られた。
Figure 2021082152
Figure 2021082152
表7に示すように、最大発生曲げモーメントは、例えば比較例の連続梁では、第1梁から第4梁のいずれにおいても、正曲げで1400kNmであり、負曲げで0kNmであった。各中間支点には、負曲げの曲げモーメントは作用しなかった。
実施例1の連続梁では、第1梁に正曲げで1174kNmの曲げモーメントが作用し、負曲げで471kNmの曲げモーメントが作用した。第1中間支点には、負曲げで471kNmの曲げモーメントが作用した。
連続梁の最大たわみは、比較例の連続梁では95mmであった。実施例1から3の連続梁では、それぞれ82mm、104mm、96mmであった。
表8に示す曲げ耐力に対する発生曲げモーメントの割合は、値が0%から100%に近づくほど曲げ耐力に対して余裕が無いことを意味する。この割合は、比較例の連続梁では、梁の正曲げで80%であった。実施例1の連続梁では、梁の正曲げで68%、梁の負曲げで34%、梁同士の接合部の負曲げで99%であった。実施例2の連続梁では、梁の正曲げで83%、梁の負曲げで49%、梁同士の接合部の負曲げで66%であった。実施例3の連続梁では、梁の正曲げで58%、梁の負曲げで37%、梁同士の接合部の負曲げで88%であった。
比較例の連続梁を基準とした梁の最大たわみ比は、値が100%から0%に近づくほど比較例の連続梁に対して最大たわみが小さいことを意味する。この比は、実施例1の連続梁では86%であった。実施例2の連続梁では110%であり、実施例3の連続梁では101%であった。
比較例の連続梁を基準とした梁(鋼)の質量比は、値が100%から0%に近づくほど比較例の連続梁に対して梁を形成するのに必要な鋼材の質量が小さいことを意味する。
この比は、実施例1の連続梁では100%であった。実施例2及び3の連続梁では、74%であった。
本評価プログラムを用いて連続梁を評価した結果、比較例の連続梁に比べて実施例1の連続梁では、梁の質量は変わらないが、連続梁の最大たわみが(82−95)/95の式から14%減ることが分かった。
比較例の連続梁に比べて実施例2の連続梁では、連続梁の最大たわみが(104−95)/95の式から10%増え、曲げ耐力に対する発生曲げモーメントの割合が80〜83%で同等であるが、梁の質量は(104−140)/140の式から26%減ることが分かった。
比較例の連続梁に比べて実施例3の連続梁では、連続梁の最大たわみが95〜96mmで同等であるが、梁の質量は(104−140)/140の式から26%減ることが分かった。
鉄骨梁とコンクリートスラブ等の異種材料が接合された梁(合成梁)は、曲げられる方向によって剛性と耐力が異なる。これは、コンクリートと鋼材の応力ひずみ関係が異なること、コンクリートが圧縮耐力に比べ引張耐力が小さく、材料特性が力の方向に依存することによる。このような梁の剛性を考慮して曲げモーメント分布と耐力を評価する場合、陽な解が得られず、収斂計算によって求める必要があった。さらに、連続梁の端が半剛接合によって支持される場合、解を同定するための式がより複雑になり、設計実務で用いるには煩雑すぎるきらいがあった。
従って、多くの連続梁の評価では、端支点での接合状態がピン接合あるいは剛接合と仮定している。そして、梁の剛性(スラブの合成効果)を考慮しないか、考慮したとしても精度の良い評価式がない。このため、連続梁の設計において安全率を大きくとり、連続梁の設計をする際の経済効果が得られにくい課題があった。
これに対して、本実施形態の評価方法及び評価プログラム127によれば、複数の未知数の数と複数の第1境界条件の数とが同数であるため、与条件として与えられた梁13の長さ及び曲げ剛性、複数の回転剛性、鉛直荷重、及び複数の鉛直変位に基づいて複数の第1境界条件を満たすように複数の未知数を解くことにより、複数の未知数に含まれる複数の曲げモーメント及び複数の回転角を求めることができる。
そして、求めた複数の曲げモーメント及び複数の回転角から、複数の鉛直変位の関係式に基づいて複数の鉛直変位を算出することにより、一対の端支点12bでの接合状態に応じて、連続梁11の曲げモーメントやたわみ分布をより適切に評価することができる。これにより、連続梁11の評価が過大評価及び過小評価になることを避けることができる。
本実施形態では、コンクリートスラブと鉄骨梁からなり正曲げと負曲げの曲げ剛性が異なる梁で構成される連続梁11が中間支点12aに有限な回転剛性を持つ接合部(半剛接合)を有する場合(半剛連続梁)の評価方法を提案した。この評価方法によれば、任意の位置における曲げモーメント分布、回転角分布、及びたわみ分布を、接合部の曲げモーメントの値を用いて表し、第1境界条件を考慮した最適化計算によって、接合部の曲げモーメントの値を同定し、設計における必要性能(設計用曲げモーメント分布、接合部の回転角)、及び梁のたわみ分布を導出することができる。
解決定工程では、第1設計工程S14、第2設計工程、仮設計工程、解算出工程S22、残差算出工程S24、及び判定工程S26を行う。判定工程S26において変位残差が閾値よりも小さいか否かを判定することにより、仮設計値に基づいて算出された計算値を、設計値及び変位残差に基づいて評価することができる。
判定工程S26において、変位残差が閾値以上であるときには、記憶工程S20で記憶された仮設計値に代えて仮設計工程で他の新たな仮設計値を与えること、及び、この新たな仮設計値に基づいて解算出工程S22、残差算出工程S24、判定工程S26を行うこと、を組にして、判定工程S26において変位残差が閾値よりも小さいと判定されるまで繰り返す。従って、曲げモーメントを精度良く算出することができ、この曲げモーメントに基づいて複数の回転角を求めることができる。
鉛直変位の計算結果δi,calcを、(24)式等を用いて、(44)式においてx=Lとした式により算出する。これにより、中間支点12a及び一対の端支点12bにおける複数の鉛直変位を、数式を用いて精度良く評価することができる。
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態の評価方法では、判定工程S26における判定に基づいて、解設定工程S28又は仮設計工程に移行しなくてもよい。この場合、評価方法で記憶工程S20は行われない。
梁13では、正曲げの曲げ剛性と負曲げの曲げ剛性とが互いに等しいとしてもよい。
端支持部は第2大梁31であるとしたが、端支持部は他の建築物等の剛体でもよい。
11 連続梁
12a 中間支点
12b 端支点
13 梁(小梁)
27 第1大梁(中間支持部)
31 第2大梁(端支持部)
101 評価装置
112 解決定部
S11,S36,S46,S56,S66,S76 評価方法(連続梁の評価方法)
S12,S37,S47,S57,S67,S77 解決定工程
S14 第1設計工程
S16,S39,S49,S59,S69,S79 第2設計工程
S18,S41,S51,S61,S81 仮設計工程
S20 記憶工程
S22 解算出工程
S24 残差算出工程
S26 判定工程

Claims (5)

  1. 長手方向に並べて配置されるとともに、前記長手方向に隣り合う端部同士が互いに半剛接合されて中間支点とされたn本の梁を備える連続梁であって、前記連続梁全体の両端が一対の端支点とされた前記連続梁を評価する連続梁の評価方法であって、
    前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の曲げモーメント、及び前記一対の端支点での複数の回転角を、与条件に基づいて求める解決定工程を行い、
    前記与条件は、
    前記n本の梁それぞれの長さ及び曲げ剛性と、
    前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の回転剛性と、
    前記n本の梁に作用する鉛直荷重と、
    前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の鉛直変位と、を含み、
    前記解決定工程では、
    前記複数の曲げモーメント及び前記複数の回転角を複数の未知数とし、
    前記複数の回転剛性、前記複数の曲げモーメント、及び前記複数の回転角の関係式と、前記複数の鉛直変位の関係式とを、前記複数の未知数の数と同数の複数の第1境界条件としたときに、
    前記複数の未知数が前記複数の第1境界条件を満たすように前記複数の未知数を解いて、前記連続梁の曲げモーメント及びたわみ分布を評価する連続梁の評価方法。
  2. 前記解決定工程では、
    前記複数の鉛直変位を含む設計値を与える第1設計工程と、
    前記一対の端支点での接合状態に応じて前記一対の端支点に第2境界条件を与える第2設計工程と、
    前記一対の端支点での接合状態に応じて、前記一対の端支点及び前記中間支点に作用する前記曲げモーメントを含む仮設計値を与える仮設計工程と、
    前記仮設計値に基づいて、前記複数の第1境界条件及び前記第2境界条件を満たすように、前記中間支点での鉛直変位の計算結果を含む計算値を算出する解算出工程と、
    前記設計値と前記計算値との残差である変位残差を求める残差算出工程と、
    前記変位残差が、予め定められた閾値よりも小さいか否かを判定する判定工程と、
    を行う請求項1に記載の連続梁の評価方法。
  3. 前記解決定工程では、前記仮設計工程の後で、前記仮設計値を記憶する記憶工程を行い、
    前記判定工程において、前記変位残差が前記閾値以上であるときには、前記記憶工程で記憶された前記仮設計値に代えて前記仮設計工程で他の新たな仮設計値を与えること、及び、この新たな仮設計値に基づいて前記解算出工程、前記残差算出工程、前記判定工程を行うこと、を組にして、前記判定工程において前記変位残差が前記閾値よりも小さいと判定されるまで繰り返し、
    前記判定工程において前記変位残差が前記閾値よりも小さいと判定されたときの前記仮設計値の前記曲げモーメントを、前記中間支点に作用する前記曲げモーメントとして、この曲げモーメントに基づいて前記複数の回転角を求める請求項2に記載の連続梁の評価方法。
  4. 前記解算出工程では、前記n本の梁のうち、前記連続梁の一方の前記端支点である第1端支点から前記連続梁の他方の前記端支点である第2端支点に向かって、1以上n以下のiに対して、i本目の前記梁における前記第1端支点側の前記中間支点又は前記端支点での前記鉛直変位δ0i(m)を前記与条件とし、i本目の前記梁における前記第2端支点側の前記中間支点又は前記端支点での前記鉛直変位の計算結果δi,calc(m)を、(1)式から(8)式を用いて(9)式により前記計算値として算出し、
    1以上(n−1)以下のiに対する、(i+1)本目の前記梁における前記第1端支点側の前記中間支点での前記鉛直変位δ0(i+1)と、i本目の前記梁における前記第2端支点側の前記中間支点での前記鉛直変位の計算結果δi,calcと、の残差を第i残差としたときに、
    前記残差算出工程では、
    前記第1残差から前記第(i−1)残差までの和である中間残差を算出し、
    前記与条件である前記第2端支点における前記鉛直変位δと、n本目の前記梁における前記第2端支点での前記鉛直変位の計算結果δn,calcと、の残差である第2端支点残差を算出し、
    前記中間残差と前記第2端支点残差との和である前記変位残差を算出する請求項2又は3に記載の連続梁の評価方法。
    Figure 2021082152
    ただし、1以上n以下のiに対して、i本目の前記梁の長さをL(m)、i本目の前記梁において、前記第1端支点側の端を原点、前記第1端支点から前記第2端支点に向かう向きを正として規定される座標をx(m)、i本目の前記梁に作用する鉛直荷重をw(N/m)、i本目の前記梁における前記第1端支点側の端での回転剛性をSjl,i(Nm/rad)、i本目の前記梁における前記第2端支点側の端での回転剛性をSjr,i(Nm/rad)、i本目の前記梁における正曲げの曲げ剛性をEIs,i(Nm)、i本目の前記梁における負曲げの曲げ剛性をEIh,i(Nm)、i本目の前記梁における前記第2端支点側の前記中間支点又は前記端支点での曲げモーメントをMj,i(Nm)とし、前記第2境界条件に含まれる1本目の前記梁における前記第1端支点での曲げモーメントMj,0(Nm)は、前記第1端支点がピン接合の場合は0、剛接合又は半剛接合の場合は未知数であり、1本目の前記梁における前記第1端支点での回転角φ01(rad)は、前記第1端支点が剛接合の場合は0、ピン接合または半剛接合の場合は未知数である。
  5. 長手方向に並べて配置されるとともに、前記長手方向に隣り合う端部同士が互いに半剛接合されて中間支点とされたn本の梁を備える連続梁であって、前記連続梁全体の両端が一対の端支点とされた前記連続梁を評価する評価装置用の連続梁の評価プログラムであって、前記評価装置を、
    前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の曲げモーメント、及び前記一対の端支点での複数の回転角を、与条件に基づいて求める解決定部として機能させ、
    前記与条件は、
    前記n本の梁それぞれの長さ及び曲げ剛性と、
    前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の回転剛性と、
    前記n本の梁に作用する鉛直荷重と、
    前記中間支点及び前記一対の端支点での複数の鉛直変位と、を含み、
    前記解決定部は、
    前記複数の曲げモーメント及び前記複数の回転角を複数の未知数とし、
    前記複数の回転剛性、前記複数の曲げモーメント、及び前記複数の回転角の関係式と、前記複数の鉛直変位の関係式とを、前記複数の未知数の数と同数の複数の第1境界条件としたときに、
    前記複数の未知数が前記複数の第1境界条件を満たすように前記複数の未知数を解いて、前記連続梁の曲げモーメント及びたわみ分布を評価する連続梁の評価プログラム。
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