JP2021081633A - ビームパラメータ積可変機構及びレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空間光学系を用いることなくビームパラメータ積を変えることができるビームパラメータ積可変機構及びレーザ装置を提供する。【解決手段】ビームパラメータ積可変機構40は、レーザ光Lを伝送する光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせる屈折率分布生成部41と、屈折率分布生成部41によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布を制御する制御部42と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、ビームパラメータ積可変機構及びレーザ装置に関する。
ビームパラメータ積(BPP:Beam Parameter Products)は、レーザのビーム品質の指標の1つである。ビームパラメータ積は、ビームウェストの半径と、ビームの発散角の半値半幅との積で定義される。ビームパラメータ積の単位としては、ミリメートル・ミリラジアン[mm・mrad]が用いられることが多い。ビームパラメータ積は、値が小さいほどビーム品質が高いことを意味する。
近年では、一台のレーザ装置で様々な用途に対応できるように、ビームパラメータ積を変えることができるレーザ装置が求められている。以下の特許文献1〜3には、光軸に対して移動可能なレンズ系を有し、焦点距離を変化させることで、ビームパラメータ積を変えることができるビームパラメータ積可変機構が開示されている。
ところで、上述した特許文献1〜3に開示されたビームパラメータ積可変機構は全て、移動可能なレンズ系を含む空間光学系を備える。このようなビームパラメータ積可変機構をレーザ装置に適用しようとすると、適用箇所が限定されるとともに、大型化及び高コスト化につながるという問題がある。また、上記の空間光学系は、機械的な振動や衝撃に弱いため、信頼性が低く、不調が生じた場合にはメンテナンス費用が高額になるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、空間光学系を用いることなくビームパラメータ積を変えることができるビームパラメータ積可変機構及びレーザ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構(40)は、レーザ光(L)を伝送する光ファイバ(30)に、前記光ファイバの長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせる屈折率分布生成部(41)と、前記屈折率分布生成部によって前記光ファイバに生じさせる前記屈折率分布を制御する制御部(42)と、を備える。
本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構では、レーザ光を伝送する光ファイバに屈折率分布生成部が取り付けられており、制御部が屈折率分布生成部を制御して、光ファイバの長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせることでビームパラメータ積を変えるようにしている。これにより、空間光学系を用いることなくビームパラメータ積を変えることができる。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記屈折率分布生成部が、前記光ファイバに、前記光ファイバの長手方向に沿って周期的な温度分布を生じさせることにより、前記屈折率分布を生じさせるものであり、前記制御部が、前記屈折率分布生成部によって前記光ファイバに生じさせる前記温度分布を制御することにより、前記屈折率分布を制御する。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記屈折率分布生成部が、前記光ファイバに少なくとも一部が直接的又は間接的に接するように配置された構造体(61)と、前記構造体に取り付けられて、前記光ファイバに前記温度分布を生じさせる温度調整機構(62)と、を備える。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記構造体が、少なくとも一部が、前記構造体を冷却する冷却機構(64)に接触した状態に配置される。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記光ファイバ近傍の温度を検出する温度センサ(63)を備える。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記制御部が、予め取得した、前記光ファイバ近傍の温度と、前記レーザ光のビームパラメータ積との関係を示す第1情報(TB1)を用い、前記温度センサで検出される温度が、所望のビームパラメータ積が得られる温度となるように、前記温度調整機構を制御する。
或いは、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記屈折率分布生成部が、前記光ファイバに、前記光ファイバの長手方向に沿って周期的な応力分布を生じさせることにより、前記屈折率分布を生じさせるものであり、前記制御部が、前記屈折率分布生成部によって前記光ファイバに生じさせる前記応力分布を制御することにより、前記屈折率分布を制御する。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記屈折率分布生成部が、前記光ファイバに対し、前記光ファイバの長手方向に一定の間隔をもって直接的又は間接的に接する構造体(71)と、前記構造体によって前記光ファイバに作用する応力を調整する応力調整機構(72)と、を備える。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記構造体によって前記光ファイバに作用する応力を検出する応力センサ(73)を備える。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記制御部が、予め取得した、前記構造体によって前記光ファイバに作用する応力と、前記レーザ光のビームパラメータ積との関係を示す第2情報(TB2)を用い、前記応力センサで検出される応力が、所望のビームパラメータ積が得られる応力となるように、前記応力調整機構を制御する。
また、本発明の一態様によるビームパラメータ積可変機構は、前記屈折率分布生成部が、前記光ファイバの長手方向に亘って複数設けられており、前記制御部が、複数の前記屈折率分布生成部を個別に制御することで、前記光ファイバに生ずる前記屈折率分布を個別に制御する。
本発明の一態様によるレーザ装置(1)は、レーザ光(L)を射出するレーザ光源(10)と、前記レーザ光源から射出されたレーザ光を伝送する光ファイバ(30)と、前記光ファイバに設けられた上記の何れかに記載のビームパラメータ積可変機構(40)と、前記光ファイバを伝送したレーザ光を外部に出力する出力端(50)と、を備える。
本発明の一態様によるレーザ装置(1)は、レーザ光(L)を射出するレーザ光源(10)と、前記レーザ光源から射出されたレーザ光を伝送する光ファイバ(30)と、前記光ファイバに設けられた上記の何れかに記載のビームパラメータ積可変機構(40)と、前記光ファイバを伝送したレーザ光を外部に出力する出力端(50)と、を備える。
本発明によれば、空間光学系を用いることなくビームパラメータ積を変えることができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるビームパラメータ積可変機構及びレーザ装置について詳細に説明する。尚、以下の説明で用いる図面は、特徴を分かりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
〔第1実施形態〕
〈レーザ装置〉
図1は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置の要部構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態のレーザ装置1は、複数のレーザユニット10(レーザ光源)、光コンバイナ20、光ファイバ30、ビームパラメータ積可変機構40、及び出力端50を備えており、出力端50から外部に向けてレーザ光Lを射出する。尚、レーザ装置1が、例えばレーザ加工に用いられるものである場合には、レーザ光Lは出力端50から被加工面に向けて射出される。本実施形態のレーザ装置1は、出力端50から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変えることが可能である。
〈レーザ装置〉
図1は、本発明の第1実施形態によるレーザ装置の要部構成を示す図である。図1に示す通り、本実施形態のレーザ装置1は、複数のレーザユニット10(レーザ光源)、光コンバイナ20、光ファイバ30、ビームパラメータ積可変機構40、及び出力端50を備えており、出力端50から外部に向けてレーザ光Lを射出する。尚、レーザ装置1が、例えばレーザ加工に用いられるものである場合には、レーザ光Lは出力端50から被加工面に向けて射出される。本実施形態のレーザ装置1は、出力端50から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変えることが可能である。
レーザユニット10は、所定波長のレーザ光Lを射出する。レーザ装置1に複数のレーザユニット10が設けられているのは、高出力のレーザ光Lを得るためである。図1では、7個のレーザユニット10が設けられている例を図示しているが、レーザユニット10の数は任意であって良い。例えば、レーザユニット10の数は、必要となるレーザ光Lの出力に応じて決定して良い。
レーザユニット10としては、例えば、ファイバレーザ装置や固体レーザ装置を用いることができる。レーザユニット10が、ファイバレーザ装置である場合には、共振器型のファイバレーザ装置であっても、MO−PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置であっても良い。レーザユニット10が射出するレーザ光Lの波長は、例えば、1070[nm]である。
光コンバイナ20は、レーザユニット10に接続された複数の光ファイバ21のコアと、出力端50に接続された光ファイバ30のコアとを光学的に接続するものである。この光コンバイナ20によって、複数のレーザユニット10から射出されて光ファイバ21によって伝送されるレーザ光Lが光学的に結合される。光コンバイナ20は、例えば、光ファイバ21の各々と、光ファイバ21よりも直径が大きな光ファイバ30とが端面接続されることによって実現される。
光ファイバ30は、光コンバイナ20で光学的に結合されたレーザ光Lを伝送する。光ファイバ30は、デリバリファイバとも呼ばれる。光ファイバ30は、コアと、コアを囲うクラッドと、クラッドを覆う被覆と備える。光ファイバ30としては、例えば、コアの直径が50〜100[μm]程度、クラッドの外径が360[μm]程度のマルチモードファイバを用いることができる。光ファイバ30は、フューモードファイバであっても良い。フューモードファイバが伝搬するモードの数は、例えば、2以上25以下である。
ビームパラメータ積可変機構40は、出力端50から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変えるための機構である。ビームパラメータ積可変機構40は、光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせることによってレーザ光Lのビームパラメータ積を変える。尚、ビームパラメータ積可変機構40の詳細については後述する。
出力端50は、光コンバイナ20で光学的に結合されて、光ファイバ30によって伝送されてきたレーザ光Lを外部に射出する。出力端50は、例えば、石英からなる円柱形状のエンドキャップと、熱伝導性に優れる銅(Cu)等の金属によって形成された筐体とを備える。エンドキャップの一端面には、光ファイバ30の他端が融着接続されている。エンドキャップの他端面は、レーザ光Lが射出される射出面とされる。
〈ビームパラメータ積可変機構〉
図1に示す通り、ビームパラメータ積可変機構40は、屈折率分布生成部41及び制御部42を備える。屈折率分布生成部41は、レーザ光Lを伝送する光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせるものである。このような屈折率分布を生じさせるのは、TMI(Transverse Mode Instability:Thermal modal Instability ともいう)現象を擬似的に生じさせて、レーザ光Lのビームパラメータ積を変えるためである。
図1に示す通り、ビームパラメータ積可変機構40は、屈折率分布生成部41及び制御部42を備える。屈折率分布生成部41は、レーザ光Lを伝送する光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせるものである。このような屈折率分布を生じさせるのは、TMI(Transverse Mode Instability:Thermal modal Instability ともいう)現象を擬似的に生じさせて、レーザ光Lのビームパラメータ積を変えるためである。
ここで、TMI現象とは、増幅用ファイバに投入する励起光のパワーを増大させていくと、量子欠損に起因した周期的な熱グレーティングが発生する現象である。この現象が生じると、基本モードから高次モードへモード間の結合が生じるため、レーザ光Lのビームパラメータ積を変えることができる。尚、光ファイバ30に対する屈折率分布生成部41の取り付け位置は、特に制限されない。屈折率分布生成部41は、光コンバイナ20と出力端50との間の任意の位置において光ファイバ30に取り付けることができる。
図2は、本発明の第1実施形態によるビームパラメータ積可変機構が備える屈折率分布生成部の外観を示す図である。尚、図2(a)は、屈折率分布生成部41の側面図であり、図2(b)は、屈折率分布生成部の構成の一部を示す斜視図である。図2(a)に示す通り、屈折率分布生成部41は、構造体61、ヒータ62(温度調整機構)、及び温度センサ63を備える。このような屈折率分布生成部41は、光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な温度分布を生じさせることにより、上述した屈折率分布を生じさせるものである。
構造体61は、2つの板状部材61a,61bと固定金具61cとによって構成され、光ファイバ30に少なくとも一部が接するように配置される。板状部材61a,61bは、平面視形状が四角形状であり、光ファイバ30の長手方向の長さが、例えば、数〜数十センチメートル程度の平板状の部材である。板状部材61a,61bの平面視形状は、四角形状に制限される訳ではなく、円形、多角形、その他の任意の形状であって良い。但し、板状部材61aと板状部材61bとは、平面視形状が同じであることが望ましい。
板状部材61a,61bは、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の熱伝導率が高い材料で形成されている。尚、板状部材61a,61bは、熱伝導率が高ければ、金属以外の材料(例えば、樹脂)で形成されていても良い。これら板状部材61a,61bは、板状部材61aの第1主面PL1と、板状部材61bの第1主面PL1との間に光ファイバ30を挟み込んだ状態で、固定金具61cによって固定されている。
構造体61は、光ファイバ30と直接的に接するようにされていても良い。例えば、構造体61の一部をなす板状部材61aの第1主面PL1と、光ファイバ30の側面(被覆の側面)とが直に接するようにされていても良い。或いは、構造体61は、光ファイバ30と間接的に接するようにされていても良い。例えば、構造体61の一部をなす板状部材61aの第1主面PL1と、光ファイバ30の側面(被覆の側面)とが、樹脂、ゴム等を介して接するようにされていても良い。
ヒータ62は、光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な温度分布を生じさせるために設けられる。ヒータ62としては、上記の周期的な温度分布を生じさせることができるのであれば任意のものを用いることができる。例えば、ニクロム線等の電熱線を用いても良い。或いは、ペルチェ素子を用いても良い。尚、ペルチェ素子を用いる場合には、温度を上昇させるのではなく下降させることによって、上記の周期的な温度分布を生じさせることも可能である。
ヒータ62は、板状部材61bの第1主面PL1に取り付けられる。具体的に、ヒータ62は、図2(b)に示す通り、板状部材61bの第1主面PL1上において、光ファイバ30の長手方向と交差する方向に延びるように、且つ、光ファイバ30の長手方向に一定の間隔をもって配列されるように取り付けられる。上述の通り、光ファイバ30は、板状部材61a,61bの第1主面PL1の間に挟み込まれることから、光ファイバ30は、光ファイバ30の長手方向に沿って一定の間隔でヒータ62に接することとなる。
ヒータ62は、前述したTMI現象を擬似的に生じさせるため、例えば、0.7〜3.0[mm]程度の間隔をもって、光ファイバ30の長手方向に配列されている。尚、TMI現象が生ずるか否かは、光ファイバ30の径やレーザ光Lの波長にも依存することから、ヒータ62は、例えば、0.5〜3.5[mm]程度の間隔をもって、或いは、0.1〜5.0[mm]程度の間隔をもって、光ファイバ30の長手方向に配列されていても良い。光ファイバ30の長手方向におけるヒータ62の全長は、例えば、50〜1000[mm]程度とすることができる。ヒータ62は、分割されることなく一括して形成されていても良く、分割して形成されていても良い。分割して形成されている場合には、各々の長さの合計が、上記の全長とされている。
温度センサ63は、光ファイバ30近傍の温度を検出するためのセンサである。この温度センサ63としては、サーミスタ用いる温度センサ、熱電対を用いる温度センサ、白金(Pt)等の測温抵抗体を用いる温度センサ等を用いることができる。温度センサ63は、例えば、板状部材61bの第1主面PL1に埋め込まれた状態で設置される。温度センサ63は、光ファイバ30近傍の温度を検出することができるのであれば、第1主面PL1内における設置位置は任意である。
尚、構造体61は、少なくとも一部が、構造体61を冷却する冷却機構64に接した状態に配置されるのが望ましい。例えば、図2(a)に示す通り、構造体61の一部をなす板状部材61aの第2主面PL2が、冷却機構64に接した状態に配置されるのが望ましい。これは、周辺温度の影響を少なくして構造体61の温度の安定性を高めるとともに、制御性を向上させるためである。
つまり、構造体61の温度が、ヒータ62から与えられる熱量と、冷却機構64に奪われる熱量とによってほぼ決まるようにして、周辺温度が変化しても構造体61の温度が殆ど変化しないようにする(安定性を高める)ためである。構造体61の温度が安定することで、光ファイバ30の長手方向に沿って生じさせる周期的な温度分布の安定性も高まる。
また、構造体61の熱が常に冷却機構64に奪われるようにして、ヒータ62からの熱供給を停止させた際に、急速に構造体61の温度を低下させることができるようにする(制御性を向上させる)ためである。尚、冷却機構64は、構造体61を冷却することができるのであれば、任意のものを用いることができる。例えば、水冷板等の水冷ヒートシンクであっても良く、空冷ヒートシンクであっても良い。
上述したヒータ62は、板状部材61aの第1主面PL1に取り付けられていても良い。ヒータ62が板状部材61aの第1主面PL1に取り付けられている場合には、例えば、板状部材61bの第2主面PL2が冷却機構64に接した状態にされる。
制御部42は、屈折率分布生成部41によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布を制御するものである。具体的に、制御部42は、ヒータ62に流れる電流を制御して、光ファイバ30に生じさせる温度分布を制御することにより、上記の屈折率分布を制御する。制御部42は、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータによって実現されていても良く、ワンチップマイクロコンピュータによって実現されていても良い。
制御部42は、温度センサ63で検出される温度が、所望のビームパラメータ積が得られる温度となるようにヒータ62を制御する。制御部42は、このような制御を行う場合には、図3に示すテーブルを用いる。図3は、本発明の第1実施形態において制御部で用いられるテーブルの一例を示す図である。
図3に示すテーブルTB1(第1情報)は、光ファイバ30近傍の温度(温度センサ63の検出結果)と、出力端50から外部に射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積(実測値)とが対応づけられたテーブルである。テーブルTB1は、例えば、制御部42が、ヒータ62に供給する電流を変えながら、温度センサ63の検出結果と、レーザ光Lのビームパラメータ積の実測値とを取得して対応づけることによって作成される。このテーブルTB1は、予め作成される。
〈レーザ装置の動作〉
次に、上記構成におけるレーザ装置1の動作について説明する。レーザ装置1の動作が開始されると、レーザユニット10の各々からレーザ光Lが射出される。レーザユニット10の各々から射出されたレーザ光Lは、複数の光ファイバ21によってそれぞれ伝送された後に光コンバイナ20によって光学的に結合される。光学的に結合されたレーザ光Lは、光ファイバ30によって伝送された後に出力端50から外部に射出される。
次に、上記構成におけるレーザ装置1の動作について説明する。レーザ装置1の動作が開始されると、レーザユニット10の各々からレーザ光Lが射出される。レーザユニット10の各々から射出されたレーザ光Lは、複数の光ファイバ21によってそれぞれ伝送された後に光コンバイナ20によって光学的に結合される。光学的に結合されたレーザ光Lは、光ファイバ30によって伝送された後に出力端50から外部に射出される。
制御部42による制御(ヒータ62の制御)が行われていない場合には、光ファイバ30の長手方向に沿う周期的な屈折率分布(温度分布)は生じていない。このため、光ファイバ30によって伝送されるレーザ光Lの伝送モードは、基本的には、低次モード(例えば、基本モード)であるから、ビームパラメータ積が小さなレーザ光Lが出力端50から外部に射出される。
レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変える場合には、変更後のビームパラメータ積(目標とするビームパラメータ積)の設定が行われる。ここでは、変更後のビームパラメータ積として、図3に示すビームパラメータ積「PR23」が設定されたとする。尚、変更後のビームパラメータ積の設定は、例えば、ユーザが、制御部42に設けられた不図示の操作部を操作することによって行われる。
変更後のビームパラメータ積の設定が行われると、設定されたビームパラメータ積に対応する温度を、テーブルTB1から読み出す処理が制御部42によって行われる。図3に示すテーブルTB1では、ビームパラメータ積「PR23」に対して、温度「TP3」が対応している。このため、テーブルTB1から温度「TP3」を読み出す処理が制御部42によって行われる。
以上の処理が終了すると、温度センサ63で検出される温度が、テーブルTB1から読み出された温度「TP3」となるように、ヒータ62に流れる電流が制御部42によって制御される。例えば、温度センサ63で検出される温度が、テーブルTB1から読み出された温度「TP3」よりも小さければ、ヒータ62に供給する電流を大きくする制御が行われる。そして、温度センサ63で検出される温度が、テーブルTB1から読み出された温度「TP3」になると、温度センサ63で検出される温度が、温度「TP3」に維持されるように、ヒータ62に流れる電流が制御部42によって制御される。
このような制御が行われることで、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布(温度分布)が生ずる。これにより、TMI現象が擬似的に生じ、光ファイバ30によって伝送されているレーザ光Lの一部が低次モードから高次モードに変換される。すると、光ファイバ30によって伝送されるレーザ光Lの伝送モードは、低次モード以外に、高次モードが含まれるものとなる。これにより、出力端50から外部に射出されるレーザ光Lは、ビームパラメータ積が大きなものとなる。
また、制御部42による制御が終了し、ヒータ62に対する電流供給が停止された場合には、ヒータ62から構造体61への熱供給が停止される。すると、例えば、図2(a)に示す冷却機構64によって、構造体61の熱が奪われることから、構造体61の温度は急速に低下する。これにより、光ファイバ30の長手方向に沿った周期的な屈折率分布(温度分布)が無くなる。
光ファイバ30の長手方向に沿った周期的な屈折率分布(温度分布)が無くなると、光ファイバ30によって伝送されるレーザ光Lのうち、低次モードから高次モードに変換されるものが無くなる(或いは、少なくなる)。これにより、出力端50から外部に射出されるレーザ光Lは、再びビームパラメータ積が小さなものとなる。
以上の通り、本実施形態では、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布(温度分布)を生じさせる屈折率分布生成部41を光ファイバ30に取り付けている。そして、制御部42が、屈折率分布生成部41によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布(温度分布)を制御し、TMI現象を擬似的に生じさせて、ビームパラメータ積を変えるようにしている。このため、本実施形態では、従来のように空間光学系を用いることなくビームパラメータ積を変えることができる。これにより、本実施形態は、従来に比べて、小型及び低コストであり、信頼性が高く、メンテナンス性も高いという優れた利点を有する。
また、本実施形態では、光ファイバ30近傍の温度を検出する温度センサ63を構造体61に取り付け、温度センサ63で検出される温度が、所望のビームパラメータ積が得られる温度となるように、制御部42がヒータ62に流れる電流を制御している。これにより、光ファイバ30の長手方向に沿って生じさせる周期的な屈折率分布(温度分布)の調整を容易に行うことができる。
〔第2実施形態〕
〈レーザ装置〉
本実施形態によるレーザ装置の要部構成は、図1に示すレーザ装置1と同様である。こため、本実施形態によるレーザ装置の構成の詳細な説明は省略する。
〈レーザ装置〉
本実施形態によるレーザ装置の要部構成は、図1に示すレーザ装置1と同様である。こため、本実施形態によるレーザ装置の構成の詳細な説明は省略する。
〈ビームパラメータ積可変機構〉
図4は、本発明の第2実施形態によるビームパラメータ積可変機構が備える屈折率分布生成部の外観を示す正面図である。図4に示す通り、屈折率分布生成部41は、構造体71、加圧素子72(応力調整機構)、及び感圧センサ73(応力センサ)を備える。このような屈折率分布生成部41は、光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な応力分布を生じさせることにより、前述した屈折率分布(光ファイバ30の長手方向に沿う周期的な屈折率分布)を生じさせるものである。
図4は、本発明の第2実施形態によるビームパラメータ積可変機構が備える屈折率分布生成部の外観を示す正面図である。図4に示す通り、屈折率分布生成部41は、構造体71、加圧素子72(応力調整機構)、及び感圧センサ73(応力センサ)を備える。このような屈折率分布生成部41は、光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な応力分布を生じさせることにより、前述した屈折率分布(光ファイバ30の長手方向に沿う周期的な屈折率分布)を生じさせるものである。
構造体71は、加圧部材71a、支持部材71b、及び固定金具71cによって構成され、光ファイバ30に少なくとも一部が接するように配置される。加圧部材71aは、加圧素子72によって加圧されることにより、光ファイバ30の側面を加圧して、光ファイバ30に応力を作用させるための部材である。加圧部材71aは、平面視形状が四角形状であり、光ファイバ30の長手方向の長さが、例えば、数〜数十センチメートル程度の部材である。尚、加圧部材71aの平面視形状は、任意の形状であって良い。
加圧部材71aは、凹凸が形成された第1主面PL1と、平面とされた第2主面PL2とを有する。具体的に、加圧部材71aの第1主面PL1には、図4に示す通り、光ファイバ30の長手方向の断面形状が三角波形状である凹凸が形成されている。このような凹凸が形成されているのは、光ファイバ30に、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な応力分布を生じさせるためである。
加圧部材71aの第1主面PL1に形成された凹凸の先端部Qは、前述したTMI現象を擬似的に生じさせるため、例えば、0.7〜3.0[mm]程度の間隔をもって、光ファイバ30の長手方向に配列されている。尚、TMI現象が生ずるか否かは、光ファイバ30の径やレーザ光Lの波長にも依存することから、凹凸の先端部Qは、例えば、0.5〜3.5[mm]程度の間隔をもって、或いは、0.1〜5.0[mm]程度の間隔をもって、光ファイバ30の長手方向に配列されていても良い。
支持部材71bは、加圧部材71aによって加圧される光ファイバ30を支持するための部材である。支持部材71bは、加圧部材71aと同様に、平面視形状が四角形状であり、光ファイバ30の長手方向の長さが、例えば、数〜数十センチメートル程度の部材である。尚、支持部材71bの平面視形状は、任意の形状であって良い。支持部材71bは、平面とされた第1主面PL1及び第2主面PL2を有する平板状の部材である。
加圧部材71a及び支持部材71bは、例えば、ステンレスやSUS等の強度の高い材料で形成されている。尚、加圧部材71aは、強度が高ければ、金属以外の材料(例えば、樹脂やセラミック)で形成されていても良い。加圧部材71a及び支持部材71bは、加圧部材71aの第1主面PL1と、支持部材71bの第1主面PL1との間に光ファイバ30を挟み込んだ状態で、固定金具71cによって固定されている。
このため、光ファイバ30は、光ファイバ30の長手方向に沿って一定の間隔で、加圧部材71aの第1主面PL1に形成された凹凸の先端部Qに接することとなる。尚、加圧部材71aの第1主面PL1に形成された凹凸の形状(光ファイバ30の長手方向における断面形状)は、三角波形状である。このため、凹凸の先端部Qは、光ファイバ30の側面に対し、点状に、又は光ファイバ30の長手方向に直交する方向に線状に接することとなる。
構造体71は、光ファイバ30と直接的に接するようにされていても良い。例えば、構造体71の一部をなす支持部材71bの第1主面PL1と、光ファイバ30の側面(被覆の側面)とが直に接するようにされていても良い。或いは、構造体71は、光ファイバ30と間接的に接するようにされていても良い。例えば、構造体71の一部をなす支持部材71bの第1主面PL1と、光ファイバ30の側面(被覆の側面)とが、樹脂、ゴム等を介して接するようにされていても良い。
加圧素子72は、構造体71の一部をなす加圧部材71aを加圧して、光ファイバ30に作用する応力を調整するための素子である。加圧素子72としては、加圧部材71aを加圧することができるものであれば任意のものを用いることができる。例えば、ピエゾ素子等の圧電素子を用いても良い。図4に示す通り、加圧素子72は、加圧部材71aの第2主面PL2に取り付けられ、固定金具71cによって、加圧部材71aとともに支持部材71bに固定される。
感圧センサ73は、構造体71によって光ファイバ30に作用する応力を検出するためのセンサである。この感圧センサ73としては、例えば、圧電式センサ、ひずみゲージ式センサ等を用いることができる。感圧センサ73は、構造体71によって光ファイバ30に作用する応力を検出するため、構造体71をなす加圧部材71aと支持部材71bとの間に挟み込まれるように設置される。感圧センサ73は、例えば、加圧部材71aの側方に延出するように設けられたL字形状(逆L字形状)の延出部EXの先端と、支持部材71bの第1主面PL1との間に挟み込まれるように設置される。
図5は、本発明の第2実施形態における屈折率分布生成部の変形例を示す正面図である。尚、図5においては、図4に示す部材に相当する部材には同じ符号を付してある。図5に示す屈折率分布生成部41と、図4に示す屈折率分布生成部41とは、加圧部材71aの第1主面PL1に形成された凹凸の形状が異なる。
図5(a)に示す加圧部材71aの第1主面PL1には、光ファイバ30の長手方向の断面形状が矩形波形状である凹凸が形成されている。このため、加圧部材71aの第1主面PL1に形成された凹凸の先端部Qは、光ファイバ30の側面に対し、光ファイバ30の長手方向に延びる方向に線状又は帯状に接することとなる。
図5(b)に示す加圧部材71aの第1主面PL1には、光ファイバ30の長手方向の断面形状が正弦波形状である凹凸が形成されている。このため、加圧部材71aの第1主面PL1に形成された凹凸の先端部Qは、光ファイバ30の側面に対し、概ね点状に、又は光ファイバ30の長手方向に直交する方向に概ね線状に接することとなる。
本実施形態のビームパラメータ積可変機構40が備える制御部42は、第1実施形態の制御部42と同様に、屈折率分布生成部41によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布を制御する。但し、本実施形態の制御部42は、加圧素子72を制御して、光ファイバ30に生じさせる応力分布を制御することにより、上記の屈折率分布を制御する。
制御部42は、感圧センサ73で検出される応力が、所望のビームパラメータ積が得られる応力となるように加圧素子72を制御する。制御部42は、このような制御を行う場合には、図6に示すテーブルを用いる。図6は、本発明の第2実施形態において制御部で用いられるテーブルの一例を示す図である。
図6に示すテーブルTB2(第2情報)は、構造体71によって光ファイバ30に作用する応力(感圧センサ73の検出結果)と、出力端50から外部に射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積(実測値)とが対応づけられたテーブルである。テーブルTB2は、例えば、制御部42が、加圧素子72の制御量を変えながら、感圧センサ73の検出結果と、レーザ光Lのビームパラメータ積の実測値とを取得して対応づけることによって作成される。このテーブルTB2は、予め作成される。
〈レーザ装置の動作〉
次に、本実施形態におけるレーザ装置1の動作について説明する。尚、以下では、主に、ビームパラメータ積可変機構40によって、レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変える場合の動作を説明する。
次に、本実施形態におけるレーザ装置1の動作について説明する。尚、以下では、主に、ビームパラメータ積可変機構40によって、レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変える場合の動作を説明する。
レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変える場合には、まず、第1実施形態と同様に、変更後のビームパラメータ積(目標とするビームパラメータ積)の設定が行われる。ここでは、変更後のビームパラメータ積として、図6に示すビームパラメータ積「PR12」が設定されたとする。
変更後のビームパラメータ積の設定が行われると、設定されたビームパラメータ積に対応する応力を、テーブルTB2から読み出す処理が制御部42によって行われる。図6に示すテーブルTB2では、ビームパラメータ積「PR12」に対して、応力「ST2」が対応している。このため、テーブルTB2から応力「ST2」を読み出す処理が制御部42によって行われる。
以上の処理が終了すると、感圧センサ73で検出される応力が、テーブルTB2から読み出された応力「ST2」となるように、加圧素子72が制御部42によって制御される。例えば、感圧センサ73で検出される応力が、テーブルTB2から読み出された応力「ST2」よりも小さければ、加圧素子72が加圧部材71aを加圧する圧力を大きくする制御が行われる。そして、感圧センサ73で検出される応力が、テーブルTB2から読み出された応力「ST2」になると、感圧センサ73で検出される応力が、応力「ST2」に維持されるように、加圧素子72が制御部42によって制御される。
このような制御が行われることで、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布(応力分布)が生ずる。これにより、TMI現象が擬似的に生じ、光ファイバ30によって伝送されているレーザ光Lの一部が低次モードから高次モードに変換される。これにより、出力端50から外部に射出されるレーザ光Lは、ビームパラメータ積が大きなものとなる。
このようにして、レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積が制御される。以上の例では、レーザ光Lのビームパラメータ積をより大きくする場合の制御について説明したが、レーザ光Lのビームパラメータ積をより小さくする場合にも、上述した制御と同様の制御が行われる。
以上の通り、本実施形態では、光ファイバ30の長手方向に沿って周期的な屈折率分布(応力分布)を生じさせる屈折率分布生成部41を光ファイバ30に取り付けている。そして、制御部42が、屈折率分布生成部41によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布(応力分布)を制御し、TMI現象を擬似的に生じさせて、ビームパラメータ積を変えるようにしている。このため、本実施形態においても、従来のように空間光学系を用いることなくビームパラメータ積を変えることができる。これにより、本実施形態は、従来に比べて、小型及び低コストであり、信頼性が高く、メンテナンス性も高いという優れた利点を有する。
また、本実施形態では、構造体71によって光ファイバ30に作用する応力を検出する感圧センサ73を構造体71に取り付け、感圧センサ73で検出される応力が、所望のビームパラメータ積が得られる応力となるように、制御部42が加圧素子72を制御している。これにより、光ファイバ30の長手方向に沿って生じさせる周期的な屈折率分布(応力分布)の調整を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上述した第1実施形態では、光ファイバ30近傍の温度と、レーザ光Lのビームパラメータ積との関係を示す情報がテーブルTB1として用意されている例について説明した。また、上述した第2実施形態では、光ファイバ30に作用する応力と、レーザ光Lのビームパラメータ積との関係を示す情報がテーブルTB2として用意されている例について説明した。しかしながら、これらの関係を示す情報は、必ずしもテーブル形式で要されている必要はない。例えば、これらの関係を示す情報が、式(近似式)で用意されていても良い。
また、上述した第2実施形態で用いていた加圧部材71aは、光ファイバ30の長手方向の断面形状が三角波形状、矩形波形状、又は正弦波形状である凹凸が第1主面PL1に形成されていたものであった。しかしながら、図7に示す通り、例えば、複数の加圧板74を備える加圧部材71aを用いても良い。
図7は、本発明の第2実施形態における加圧部材の変形例を示す図である。図7に示す通り、加圧板74は、矩形形状の板状部材である。加圧板74は、例えば、ステンレスやSUS等の強度の高い材料で形成されている。加圧板74の一方の長辺SD1の中央部には、半円形状の凹部74aが形成されている。加圧板74の他方の長辺SD2は、加圧部材71aの第1主面PL1に固定される。尚、このような加圧板74を備える加圧部材71aは、第1主面PL1が平面とされている。
加圧板74は、凹部74aが一直線状に配置され、互いに一定の間隔をもって配列された状態で、加圧部材71aの第1主面PL1に固定される。図7に示す通り、光ファイバ30は、一直線状に配置された加圧板74の凹部74aに嵌合される。このため、加圧板74は、光ファイバ30の側面周方向に沿って線状に接することとなる。
また、図8に示す通り、ビームパラメータ積可変機構40の屈折率分布生成部41が複数設けられていても良い。図8は、本発明の第1,第2実施形態によるビームパラメータ積可変機構の変形例を示す図である。本変形例に係るビームパラメータ積可変機構40は、図8に示す通り、屈折率分布生成部41が、光ファイバ30の長手方向に亘って複数取り付けられている。そして、制御部42が、複数の屈折率分布生成部41を個別に制御することで、複数の屈折率分布生成部41によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布を個別に制御する。
このように、本変形例では、光ファイバ30の長手方向に沿って屈折率分布生成部41を複数設け、屈折率分布生成部41の各々によって光ファイバ30に生じさせる屈折率分布を個別に制御するようにしている。これにより、レーザ装置1から射出されるレーザ光Lのビームパラメータ積を変えることができる範囲を広げることができる。
また、上述した第1,第2実施形態のレーザ装置1は、1つの出力端50を有するものであったが、出力端50の先にさらに光ファイバ等を接続してもよい。また、出力端50の先にビームコンバイナを接続し、複数のレーザ装置からのレーザ光を束ねるように構成されていてもよい。
また、上述した第1,第2実施形態のレーザ装置1は、複数のレーザユニット10と光コンバイナ20とを備えるものであった。しかしながら、ビームパラメータ積可変機構40が適用されるレーザ装置は、光コンバイナ20が設けられておらず、レーザユニット10が1つのみ設けられているものであっても良い。
また、上述した第,第2実施形態のレーザ装置1に設けられたビームパラメータ積可変機構40を、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式のファイバレーザ装置に採用してもよい。更に、ビームパラメータ積可変機構40は、半導体レーザ(DDL:Direct Diode Laser)やディスクレーザのように、共振器が光ファイバ以外で構成され、共振器から射出されるレーザ光を光ファイバに集光するレーザ装置にも適用可能である。
1…レーザ装置、10…レーザユニット、30…光ファイバ、40…ビームパラメータ積可変機構、41…屈折率分布生成部、42…制御部、50…出力端、61…構造体、62…ヒータ、63…温度センサ、64…冷却機構、71…構造体、72…加圧素子、73…感圧センサ、L…レーザ光、TB1,TB2…テーブル
Claims (12)
- レーザ光を伝送する光ファイバに、前記光ファイバの長手方向に沿って周期的な屈折率分布を生じさせる屈折率分布生成部と、
前記屈折率分布生成部によって前記光ファイバに生じさせる前記屈折率分布を制御する制御部と、
を備えるビームパラメータ積可変機構。 - 前記屈折率分布生成部は、前記光ファイバに、前記光ファイバの長手方向に沿って周期的な温度分布を生じさせることにより、前記屈折率分布を生じさせるものであり、
前記制御部は、前記屈折率分布生成部によって前記光ファイバに生じさせる前記温度分布を制御することにより、前記屈折率分布を制御する、
請求項1記載のビームパラメータ積可変機構。 - 前記屈折率分布生成部は、前記光ファイバに少なくとも一部が直接的又は間接的に接するように配置された構造体と、
前記構造体に取り付けられて、前記光ファイバに前記温度分布を生じさせる温度調整機構と、
を備える請求項2記載のビームパラメータ積可変機構。 - 前記構造体は、少なくとも一部が、前記構造体を冷却する冷却機構に接触した状態に配置される、請求項3記載のビームパラメータ積可変機構。
- 前記光ファイバ近傍の温度を検出する温度センサを備える、請求項3又は請求項4記載のビームパラメータ積可変機構。
- 前記制御部は、予め取得した、前記光ファイバ近傍の温度と、前記レーザ光のビームパラメータ積との関係を示す第1情報を用い、前記温度センサで検出される温度が、所望のビームパラメータ積が得られる温度となるように、前記温度調整機構を制御する、請求項5記載のビームパラメータ積可変機構。
- 前記屈折率分布生成部は、前記光ファイバに、前記光ファイバの長手方向に沿って周期的な応力分布を生じさせることにより、前記屈折率分布を生じさせるものであり、
前記制御部は、前記屈折率分布生成部によって前記光ファイバに生じさせる前記応力分布を制御することにより、前記屈折率分布を制御する、
請求項1記載のビームパラメータ積可変機構。 - 前記屈折率分布生成部は、前記光ファイバに対し、前記光ファイバの長手方向に一定の間隔をもって直接的又は間接的に接する構造体と、
前記構造体によって前記光ファイバに作用する応力を調整する応力調整機構と、
を備える請求項7記載のビームパラメータ積可変機構。 - 前記構造体によって前記光ファイバに作用する応力を検出する応力センサを備える、請求項8記載のビームパラメータ積可変機構。
- 前記制御部は、予め取得した、前記構造体によって前記光ファイバに作用する応力と、前記レーザ光のビームパラメータ積との関係を示す第2情報を用い、前記応力センサで検出される応力が、所望のビームパラメータ積が得られる応力となるように、前記応力調整機構を制御する、請求項9記載のビームパラメータ積可変機構。
- 前記屈折率分布生成部は、前記光ファイバの長手方向に亘って複数設けられており、
前記制御部は、複数の前記屈折率分布生成部を個別に制御することで、前記光ファイバに生ずる前記屈折率分布を個別に制御する。
請求項1から請求項10の何れか一項に記載のビームパラメータ積可変機構。 - レーザ光を射出するレーザ光源と、
前記レーザ光源から射出されたレーザ光を伝送する光ファイバと、
前記光ファイバに設けられた請求項1から請求項11の何れか一項に記載のビームパラメータ積可変機構と、
前記光ファイバを伝送したレーザ光を外部に出力する出力端と、
を備えるレーザ装置。
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JP2019210169A JP2021081633A (ja) | 2019-11-21 | 2019-11-21 | ビームパラメータ積可変機構及びレーザ装置 |
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