本開示は、空気調和装置に関するものである。
特許文献1には、カビや細菌の繁殖を抑制する機能を備えた空気調和装置が開示されている。
特許文献1の空気調和装置では、除湿運転が実行された後、送風運転、暖房運転が順に実行される。除湿運転では、室内熱交換器の表面で結露水が発生する。送風運転では、圧縮機が停止し、室内送風機が運転する。室内送風機が搬送する空気によって室内熱交換器が乾燥される。暖房運転では、室内熱交換器が凝縮器として機能し、室内送風機が運転する。室内熱交換器は、その内部の冷媒によってさらに乾燥される。
上述したように、特許文献1の空気調和装置は、利用熱交換器(室内熱交換器)を乾燥させるために暖房運転を行う。暖房運転で加熱された空気は、送風機によって対象空間へ供給される。このため、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることにより、対象空間の人が不快さを感じてしまう。
本開示の目的は、利用熱交換器を乾燥させる動作において、対象空間の人が不快さを感じることを抑制することである。
本開示の第1の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、及び利用熱交換器(53)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、前記利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、該第1運転の終了後に該利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、前記冷媒回路(11)及び前記送風機(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、前記制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、前記第2運転を制限する制限処理を行う。
第1の態様では、制御装置(C)は、冷媒回路(11)及び送風機(52)を制御して、第1運転と第2運転とを行う。第1運転では、利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる。第2運転では、第1運転の終了後に利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する。そして、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、第2運転を制限する制限処理を行うようにしている。
これにより、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転の終了後に、前記第1運転及び前記第2運転を順に実行させる。
第2の態様では、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転及び第2運転が順に実行される。
本開示の第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転の終了後に、前記第1運転、該利用熱交換器(53)を停止させた状態で前記送風機(52)を運転する第3運転、及び前記第2運転を順に実行させる。
第3の態様では、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転、利用熱交換器(53)を停止させた状態で送風機(52)を運転する第3運転、及び第2運転が順に実行される。
本開示の第4の態様は、第1乃至第3の態様うち何れか1つにおいて、前記制御装置(C)は、前記室外温度が前記第1温度よりも高く、且つ前記室内温度が前記第2温度よりも高い場合に、前記制限処理を行う。
第4の態様では、制限処理は、室外温度が第1温度よりも高く、且つ室内温度が第2温度よりも高い場合に行われる。
このように、対象空間の温度が高いかを判断するのにあたって、室外温度及び室内温度の両方を確認することで、室外温度及び室内温度の誤検知を防止することができる。
本開示の第5の態様は、第1乃至第4の態様のうち何れか1つにおいて、前記制限処理では、前記第2運転を行わない。
第5の態様では、制限処理では、第2運転を行わないようにしている。これにより、気温が高い環境下において、高温の空気が対象空間へ供給されることがなく、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第6の態様は、第1乃至第5の態様のうち何れか1つにおいて、前記制限処理では、前記第2運転の実行時間を、該制限処理を行わない場合の該第2運転の実行時間よりも短くする。
第6の態様では、制限処理では、第2運転の実行時間を、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くするようにしている。これにより、気温が高い環境下において、高温の空気が対象空間へ供給される時間を短くして、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第7の態様は、第1乃至第6の態様のうち何れか1つにおいて、前記制限処理では、前記第2運転を行わないで、前記利用熱交換器(53)を停止させた状態で前記送風機(52)を運転する第3運転を行う。
第7の態様では、制限処理では、第2運転を行わないで、送風機(52)を運転する第3運転を行うようにしている。これにより、気温が高い環境下において、高温の空気が対象空間へ供給されることなく、利用熱交換器(53)の乾燥を行うことができる。
本開示の第8の態様は、第7の態様において、前記第3運転では、第1送風運転と、該第1送風運転よりも風量が少ない第2送風運転とを行う。
第8の態様では、第3運転では、第1送風運転と第2送風運転とが行われる。第2送風運転では、第1送風運転よりも少ない風量で送風が行われる。このように、対象空間の空気と利用ユニット(40)内の空気とを循環させることで、菌やカビの発生を抑制できる。
本開示の第9の態様は、第1乃至第8の態様のうち何れか1つにおいて、前記制限処理中であることを報知する報知部(80)をさらに備えている。
第9の態様では、報知部(80)により、制限処理中であることが報知される。これにより、ユーザは、利用ユニット(40)が制限処理中であることを把握することができる。
本開示の第10の態様は、第1乃至第9の態様のうち何れか1つにおいて、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転を実行させ、 前記空調運転は、前記利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を前記対象空間に供給する暖房運転を含み、前記制御装置(C)は、前記室外温度が第3温度よりも高い場合に、前記暖房運転を制限し、前記第1温度は、前記第3温度よりも低い。
第10の態様では、空調運転は、利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室外温度が第3温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第1温度は、第3温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第3温度よりも低い第1温度で第2運転を制限することで、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第11の態様は、第1乃至第10の態様のうち何れか1つにおいて、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転を実行させ、前記空調運転は、前記利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を前記対象空間に供給する暖房運転を含み、前記制御装置(C)は、前記室内温度が第4温度よりも高い場合に、前記暖房運転を制限し、前記第2温度は、前記第4温度よりも低い。
第11の態様では、空調運転は、利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室内温度が第4温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第2温度は、第4温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第4温度よりも低い第2温度で第2運転を制限することで、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
図1は、実施形態1に係る空気調和装置の全体構成図である。
図2は、空気調和装置の配管系統図である。
図3は、室内ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
図4は、室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが閉位置にある状態を示している。
図5は、室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが水平吹出位置にある状態を示している。
図6は、ドレンパン及び排水路の概略構成図である。
図7は、制御装置、及び制御装置と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。
図8は、空調運転、及び第1モードにおける各機器の動作を示すタイムチャートである。
図9は、第1モードの開始前の判定に係るフローチャートである。
図10は、第1運転時の判定に係るフローチャートである。
図11は、第3運転時の判定に係るフローチャートである。
図12は、第2運転時の判定に係るフローチャートである。
図13は、排水動作時の判定に係るフローチャートである。
図14は、実施形態2の第1運転時の判定に係るフローチャートである。
図15は、制限処理中の第3運転時の判定に係るフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
〈空気調和装置の全体構成〉
空気調和装置(10)は、対象空間の空気の温度を調節する。本例の対象空間は、室内空間である。空気調和装置(10)は、冷房運転、暖房運転、及び除湿運転を行う。空気調和装置(10)は、第1モードを行う。第1モードは、室内熱交換器(53)を洗浄するための運転である。
図1及び図2に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)と、室内ユニット(40)と、液連絡管(12)と、ガス連絡管(13)とを備える。室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とは、液連絡管(12)及びガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。
冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。本例の冷媒は、ジフルオロメタンである。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、膨張弁(23)と、室内熱交換器(53)と、四方切換弁(25)とを有する。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)は、室外に設置される。図2に示すように、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、膨張弁(23)と、四方切換弁(25)と、室外ファン(26)とを有する。
圧縮機(21)は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。言い換えると、圧縮機(21)は、電動機の運転周波数(回転数)が調節可能に構成される。
室外熱交換器(22)は、熱源熱交換器に対応する。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と、冷媒とを熱交換させる。
膨張弁(23)は、減圧機構に対応する。膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。減圧機構は、感温式の膨張弁、膨張機、キャピラリーチューブなどであってもよい。膨張弁(23)は、冷媒回路(11)の液連絡管(12)に接続されていればよく、室内ユニット(40)に設けられてもよい。
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と、第2ポート(P2)と、第3ポート(P3)と、第4ポート(P4)とを有する。第1ポート(P1)は、圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は、圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は、室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)は、ガス連絡管(13)に繋がる。
四方切換弁(25)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
冷媒回路(11)は、四方切換弁(25)の切換に応じて第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を放熱器とする冷凍サイクルである。
室外ユニット(20)は、吐出圧力センサ(27)と、吐出温度センサ(28)と、吸入温度センサ(29)と、外気温度センサ(30)と、第1冷媒温度センサ(31)とを有する。
吐出圧力センサ(27)は、圧縮機(21)から吐出される高圧媒の圧力を検出する。吸入温度センサ(29)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の圧力を検出する。外気温度センサ(30)は、室外空気の温度を検出する。第1冷媒温度センサ(31)は、室外熱交換器(22)の内部の冷媒の温度を検出する。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(40)は、室内に設置される。図3に示すように、室内ユニット(40)は、天井に設置される天井設置式である。具体的には、室内ユニット(40)は、天井裏の梁に吊り下げられる天井吊り式である。より具体的には、天井面に埋め込まれる天井埋込式である。室内ユニット(40)は、利用ユニットに対応する。
室内ユニット(40)は、ケーシング(41)と、フィルタ(50)と、ベルマウス(51)と、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(54)と、風向調節部(55)とを有する。
ケーシング(41)は、ケーシング本体(42)と、パネル(43)とを有する。ケーシング本体(42)は、下側に開放面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(43)は、ケーシング本体(42)の開口面に着脱可能に設けられる。パネル(43)は、平面視において矩形枠状のパネル本体(44)と、パネル本体(44)の中央に設けられる吸込グリル(45)とを有する。パネル本体(44)の中央には、1つの吸込口(46)が形成される。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に取り付けられる。
パネル本体(44)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(47)が1つずつ形成される。各吹出口(47)は、4つの側縁に沿うように延びている。ケーシング(41)の内部では、吸込口(46)から吹出口(47)までの間の空気通路(48)が形成される。パネル(43)の4つの角部のそれぞれには、各吹出口(47)と連続するように補助吹出口が形成される。
フィルタ(50)は、吸込グリル(45)の上方に配置される。フィルタ(50)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。フィルタ(50)は、吸込口(46)から吸い込まれる空気である吸込空気中の塵埃を捕集する。
ベルマウス(51)は、フィルタ(50)の上方に配置される。ベルマウス(51)は吸込空気を整流する。
室内ファン(52)は、ベルマウス(51)の上方に配置される。室内ファン(52)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。室内ファン(52)は、送風機に対応する。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。室内ファン(52)は、ベルマウス(51)側から吸い込んだ空気を径方向外方へ搬送する。
室内ファン(52)は、その風量が4段階に切り替え可能に構成される。具体的に、これらの4段階の風量は、小さい風量から順に、微風量(LL)、小風量(L)中風量(M)、大風量(H)である。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量をこれらの4段階の風量の間で制御する。
室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)は、ケーシング本体(42)の4つの側面に沿うように折り曲げられている。室内熱交換器(53)は、利用熱交換器に対応する。室内熱交換器(53)では、室内ファン(52)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。
ドレンパン(54)は、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパン(54)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の内部で発生した結露水を受ける。
風向調節部(55)は、吹出口(47)から吹き出される空気である吹出空気の風向を調節する。風向調節部(55)は、図示しないモータと、モータに連結する軸(56)と、軸(56)の回転に伴い回動するフラップ(57)とを有する。フラップ(57)は、パネル本体(44)の側縁、あるいは吹出口(47)の長手方向に沿って延びる長板状に形成される。フラップ(57)の縦断面の形状は略円弧状である。
フラップ(57)は、吹出口(47)を開閉する。フラップ(57)は、傾斜角度を段階的に変えられるように構成される。本例のフラップ(57)が調節される位置は、6つの位置を含む。これらの6つ位置は、図4に示す閉位置と、5つの開位置とを含む。5つの開位置は、図5に示す水平吹出位置を含む。閉位置のフラップ(57)は、吹出口(47)を実質的に閉じる。閉位置のフラップ(57)と、吹出口(47)の間に隙間が形成されていてもよい。
水平吹出位置のフラップ(57)は、吹出空気を略水平方向に吹き出す。水平吹出位置は、フラップ(57)の閉位置からの角度の変化が最小となる位置である。フラップ(57)が水平吹出位置にあると、複数の開位置の中で、吹出口(47)の内縁とフラップ(57)との間の隙間が最も狭くなる。
図6に示すように、室内ユニット(40)は、ドレンポンプ(58)と、排水路(70)とを有する。
ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を排出するポンプに対応する。ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を、排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ排出する。
本例の排水路(70)は、第1立上部(70a)、第1中継部(70b)、第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)を含む。第1立上部(70a)及び第1中継部(70b)はケーシング(41)の内部に配置される。第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)はケーシング(41)の外部に配置される。
第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)から上方に延びている。第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。第1中継部(70b)は、第1立上部(70a)の上端部から略水平方向に延びている。第2中継部(70c)は、柔軟なホースで構成される。第2中継部(70c)は第1中継部(70b)とクランプ金具を介して連結される。第2中継部(70c)は略水平方向に延びている。第2立上部(70d)は、第2中継部(70c)の端部から上方に延びている。第2立上部(70d)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。傾斜部(70e)は、柔軟なホースで構成される。傾斜部(70e)は、第2立上部(70d)の上端から斜め下方に延びている。ドレンポンプ(58)が停止中において、傾斜部(70e)の内部の水は、自重により下方へ流れ落ちる。本例の排水路(70)では、第1立上部(70a)及び第2立上部(70d)を設けることにより、傾斜部(70e)の水を自重により流すための揚程を確保している。
図2に示すように、室内ユニット(40)は、内気温度センサ(61)と、内気湿度センサ(62)と、第2冷媒温度センサ(63)とを有する。
内気温度センサ(61)は、対象空間の室内空気の温度を室内温度(T1)として検出する。空気温度(T1)は、吸込空気の温度である。
内気湿度センサ(62)は、対象空間の室内空気の湿度を室内湿度(R1)として検出する。室内湿度(R1)は、吸込空気の湿度である。本例の内気湿度センサ(62)は、室内空気の絶対湿度を検出する。内気湿度センサ(62)は、室内空気の相対湿度を検出してもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内熱交換器(53)の冷媒の温度を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、蒸発器として機能する室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、放熱器として機能する室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)を検出する。蒸発温度(Te)は、冷媒の低圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。凝縮温度(Tc)は、冷媒の高圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内ユニット(40)の機内温度(T2)を検出するセンサを兼用している。機内温度(T2)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の空気通路(48)の空気の温度に相当する。空気調和装置(10)は、第2冷媒温度センサ(63)と別に、機内温度(T2)を検出する他のセンサを有してもよい。
〈制御装置〉
図7に示すように、空気調和装置(10)は、制御装置(C)を有する。制御装置(C)は、冷媒回路(11)を制御する。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)を制御する。制御装置(C)は、室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)を含む。室外制御部(C1)は、室外ユニット(20)に設けられる。室内制御部(C2)は、室内ユニット(40)に設けられる。
リモートコントローラ(C3)は、対象空間に設けられる。リモートコントローラ(C3)は、ユーザが操作可能な位置にある。リモートコントローラ(C3)は、表示部(80)を有する。表示部(80)は、ユーザやメンテナンス業者などに所定の情報を知らせるためのサインを表示する。ここでいうサインは、文字、コード、記号、絵、アイコンなどを含む。表示部(80)は、例えば液晶モニタによって構成される。表示部(80)は、報知部に対応する。
室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)のそれぞれは、制御基板を有する。制御基板のそれぞれには、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
制御装置(C)は、複数の第1通信線を含む。室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)は、これらの第1通信線を介して信号の授受を行う。第1通信線は、有線である。第1通信線は、無線であってもよい。
制御装置(C)は、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、
室内ファン(52)、風向調節部(55)、ドレンポンプ(58)、及び各センサと接続する複数の第2通信線を含む。
制御装置(C)は、少なくとも、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、風向調節部(55)、及びドレンポンプ(58)に制御信号を出力する出力部を有する。制御装置(C)は、各センサの検出値が入力される入力部を有する。
−運転動作−
〈運転動作の概要〉
空気調和装置(10)は、空調運転と、第1モードとを行う。
空調運転は、対象空間を空調する。空調運転は、冷房運転、除湿運転、及び暖房運転を含む。
冷房運転は、対象空間の空気を冷却する運転である。除湿運転は、対象空間の空気を除湿する運転である。冷房運転及び除湿運転は、冷却運転に対応する。冷却運転は、第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした室内熱交換器(53)により空気を冷却する運転である。
暖房運転は、対象空間の空気を加熱する運転である。暖房運転は、第2冷凍サイクルを行い放熱器とした室内熱交換器(53)により空気を加熱する運転である。
第1モードは、室内熱交換器(53)を洗浄するための運転である。第1モードは、第1運転、第2運転、及び第3運転を含む。第1モードは、さらに排水動作を含む。
第1運転は、室内ファン(52)を運転するとともに第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした室内熱交換器(53)に結露水を生じさせる動作である。
第2運転は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を放熱器とする動作である。
第3運転は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を停止する動作である。
排水動作は、ドレンパン(54)に溜まった水をケーシング(41)の外部へ排出する動作である。
〈冷房運転〉
冷房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。冷房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
冷房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気から吸熱した蒸発する。室内熱交換器(53)により冷却された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
冷房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈除湿運転〉
除湿運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。除湿運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。除湿運転の冷媒の流れは、冷房運転の冷媒の流れと同じである。
除湿運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)を下回るように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の冷却能力を制御する。制御装置(C)は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)と、内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)とに基づいて露点温度(Td)を求める。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が露点温度(Td)以下になるように目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
以上の制御により、除湿運転では、室内熱交換器(53)で冷却された室内空気中の水分が結露する。これにより、室内空気が除湿される。ドレンパン(54)は、結露した水分を受ける。除湿された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。暖房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
暖房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(53)で加熱された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
暖房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標凝縮温度(TcS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の凝縮温度(Tc)が目標凝縮温度(TcS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈第1モード〉
制御装置(C)は、原則として、空調運転が終了すると第1モードを実行させる。厳密には、制御装置(C)は、冷房運転及び除湿運転が終了すると、第1モードを開始させる。制御装置(C)は、暖房運転が終了しても第1モードを開始させない。
第1モードでは、制御装置(C)は、原則として、第1運転、第3運転、第2運転、及び排水動作を順に実行させる。
第1運転の実行時間をΔT1、第3運転の実行時間をΔT2、第2運転の実行時間をΔT3、排水動作の実行時間をΔT4とする。原則として、第3運転の実行時間ΔT2は、第2運転の実行時間ΔT3より長い。第3運転の実行時間ΔT2は、第1運転の実行時間ΔT1より長い。第3運転の実行時間ΔT2は、排水動作の実行時間ΔT4より長い。
第1運転、第3運転、第2運転、及び排水動作の詳細について図8を参照しながら説明する。
〈第1運転〉
第1運転は、室内熱交換器(53)の表面に付着した埃などの汚れを落とす動作である。第1運転の実行時間ΔT1は、原則として10分である。
第1運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
第1運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)以下になるように、制御装置(C)が目標蒸発温度(TeS)を調節する。冷房運転の終了後、第1運転が実行された場合、第1運転時の目標蒸発温度(TeS)は、冷房運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)より低い値に設定される。除湿運転の終了後、第1運転が実行された場合、第1運転時の目標蒸発温度(TeS)は、除湿運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)と同じ値に設定される。
第1運転では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、冷媒により空気が露点温度以下まで冷却される。この結果、室内熱交換器(53)の表面において結露水が生成する。結露水は、室内熱交換器(53)の表面の埃などの汚れを落とす。室内熱交換器(53)の洗浄に利用された結露水は、ドレンパン(54)に溜まる。室内熱交換器(53)を通過した空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第1運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。これにより、吹出空気の風量が小さくなるため、対象空間の人が冷風により不快に感じることを抑制できる。
第1運転では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に溜まった水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第1運転では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に冷風が直接的に当たることを抑制できる。
第1運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の蒸発温度域よりも低い。具体的には、第1運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲よりも低い。例えば冷房運転の蒸発温度の制御範囲は10℃〜30℃であり、第1運転の蒸発温度の制御範囲は、4℃〜30℃である。このように、本実施形態では、第1運転の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)の上限値と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)の上限値とが同じであり、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
なお、第1蒸発温度域と、第2蒸発温度域とが全く重なっていなくてもよい。この場合、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低くなる。第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低くてもよい。
〈第3運転〉
第3運転は、室内熱交換器(53)の表面の水を室内ファン(52)が搬送する空気によって乾燥させる動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。第3運転の実行時間ΔT2は、原則として100分である。
第3運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)及び室外ファン(26)を停止させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)を運転させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。第3運転では、第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルが行われず、冷媒が室内熱交換器(53)を流れない。このため、室内熱交換器(53)は停止する。ここでいう、「室内熱交換器が停止する」とは、室内熱交換器(53)が放熱器及び蒸発器としての機能を発揮しないことを意味する。
第3運転では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が停止状態の室内熱交換器(53)を通過する。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分が蒸発していく。室内熱交換器(53)の乾燥に利用された空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第3運転の実行時間ΔT2は、第2運転の実行時間ΔT3より長い。第3運転では、室内熱交換器(53)が放熱器とならず停止状態となる。このため、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することがない。よって、高温高湿の空気が長時間に亘って対象空間に供給されることを制限することで、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、風量が微風量(LL)であるときと比べて室内熱交換器(53)の乾燥を促進できる。風量が中風量(M)や大風量(H)であるときと比べて、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3運転では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第1運転から第3運転に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第3運転では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に湿った空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈第2運転〉
第2運転は、室内熱交換器(53)の表面を冷媒により加熱し、該表面を急速に乾かす動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。室内熱交換器(53)の表面の温度を高温にすることで、殺菌効果を得ることもできる。第2運転の実行時間ΔT3は、原則として10分〜15分である。
第2運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第2運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
第2運転では、制御装置(C)が目標凝縮温度(TcS)を所定値に調節する。
第2運転では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、該室内熱交換器(53)の表面が内部の冷媒によって加熱される。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分がさらに蒸発する。蒸発した水分を含んだ空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第2運転の実行時間ΔT3は、第3運転の実行時間ΔT2より短い。このため、高温高湿の空気が対象空間に供給されることを制限することで、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2運転では、冷媒の熱を利用して室内熱交換器(53)を乾燥する。このため、実行時間ΔT3が比較的短くても、室内熱交換器(53)の水分を確実に除去できる。この結果、その後のカビや菌の繁殖を抑えることができる。
第2運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、吹出空気の風量が比較的小さくなるため、対象空間の人が高湿高温の風により不快に感じることを抑制できる。
第2運転では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第3運転から第2運転に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第2運転では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に高温高湿の空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈排水動作〉
排水動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を停止させる。排水動作では、室内ユニット(40)が実質的に停止状態となる。
排水動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転させる。厳密には、制御装置(C)は、第2運転から排水動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
排水動作が終了すると、第1モードが終了する。第1モードの終了時には、制御装置(C)がフラップ(57)を閉状態に制御する。
−各運転及び各動作の切り換えの判定−
次いで、上述した各運転及び各動作の切り換えの判定について図9〜図13のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
〈第1モードの開始前の判定〉
図9に示すように、ステップST1において空調運転が終了すると、制御装置(C)は、どの運転が終了したかを判定する。ステップST2では、制御装置(C)が、暖房運転が終了したか否かを判定する。ステップST2において制御装置(C)が、暖房運転が終了したと判定すると、ステップST8において、制御装置(C)は第1モードを実行させない。言い換えると、暖房運転の終了後には、制御装置(C)は第1モードの実行を禁止する。このため、第1運転は実行されない。
ステップST3では、制御装置(C)が、冷房運転が終了したか否かを判定する。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了していないと判定すると、ステップST4が行われる。
ステップST4では、制御装置(C)が、除湿運転が終了したか否かを判定する。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了していないと判定すると、ステップST8が行われる。
ステップST5では、制御装置(C)が、リモートコントローラ(C3)の設定を確認する。ユーザ等は、リモートコントローラ(C3)において第1モードを実行させるか否かを選択できる。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第1モードを実行する選択がされていない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第1モードを実行させない。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第1モードを実行する選択がされている場合、ステップST6が行われる。
ステップST6において、制御装置(C)は、直前の冷却運転の実行時間が所定時間より長いか判定する。ステップST6で用いられる所定時間は1分である。ここでいう冷却運転は、直前に実行された冷房運転、あるいは除湿運転である。冷却運転の実行時間が短すぎる場合、ユーザ等が誤って冷房運転や除湿運転を開始させ、その後すぐに終了させた可能性がある。そこで、ステップST6の条件が成立しない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第1モードを実行させない。ステップST6の条件が成立すると、ステップST7が行われる。
ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1運転における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1運転を行っても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST7の条件が成立する場合、制御装置(C)は、ステップST10の第1運転を実行させず、ステップST20の第3運転を実行させる(図11を参照)。
なお、ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、冷却運転の終了時の室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST7の条件が成立しない場合、ステップST9において制御装置(C)は、第1モードを実行させる。制御装置(C)は、ステップST10の第1運転を実行させる(図10参照)。
〈第1運転時の判定〉
図10に示すように、ステップST10において第1運転が開始されると、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1運転における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1運転を継続しても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST11の条件が成立する場合、制御装置(C)は、第1運転を継続して実行させず、ステップST20の第3運転を実行させる。
なお、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST11の条件が成立しない場合、ステップST12が行われる。ステップST12において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定の下限温度以下であるか判定する。下限温度は、冷却運転の終了時の室内温度(T1)から所定の温度(例えば3℃)を引いた値である。ステップST12において、室内温度(T1)が下限温度以下である場合、第1運転により室内空間が過剰に冷却されていると判断できる。そこで、ステップST12の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1運転を継続して実行させず、ステップST20の第3運転を実行させる。これにより、対象空間の人が第1運転に起因して過剰に寒さを感じることを抑制できる。
ステップST12の条件が成立しない場合、ステップST13が行われる。ステップST13において、制御装置(C)は、第1運転の実行時間がΔT1以上であるかを判定する。このΔT1は10分である。ステップST13の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1運転を終了させ、ステップST20の第3運転を実行させる。ステップST13の条件が成立しない場合、ステップST14が行われる。
ステップST14において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第1運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる(図13を参照)。ここでいう、空気調和装置(10)の異常は、室内ユニット(40)の各機器の異常、室外ユニット(20)の各機器の異常、冷媒回路(11)の各機器の異常、各センサの異常、各通信線の異常などを含む。ステップST14の条件が成立しない場合、ステップST11に戻る。
〈第3運転時の判定〉
図11に示すように、ステップST20において第3運転が開始されると、ステップST21において、制御装置(C)は、第3運転の実行時間がΔT2以上であるかを判定する。ΔT2は100分である。ステップST21の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3運転を終了させ、ステップST30の第2運転に移行する。ステップST21の条件が成立しない場合、ステップST22が行われる。
ステップST22において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST22の条件が成立しない場合、ステップST21に戻る。
〈第2運転の判定〉
図12に示すように、ステップST30において、制御装置(C)は、室外温度(T2)が第1温度より高いかを判定する。第1温度は、空調運転時に暖房運転を制御する第3温度よりも低い温度である。第3温度は、例えば、20℃〜35℃の間で設定される。第1温度は、第3温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。
ステップST30の条件が成立すると、ステップST32が行われる。ステップST30の条件が成立しない場合には、ステップST31が行われる。
ステップST31において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が第2温度より高いかを判定する。第2温度は、第4温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。なお、第1温度と第2温度は、同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
ステップST31の条件が成立すると、ステップST32が行われる。ステップST31の条件が成立しない場合には、ステップST33が行われる。
ステップST32において、制御装置(C)は、第2運転の動作を制限する制限処理を行うために、第2運転の実行時間ΔT3を変更する。具体的に、制御装置(C)は、第2運転の実行時間ΔT3が短くなるように、ΔT3の値を変更する。
これにより、制限処理では、第2運転の実行時間ΔT3が、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くなる。例えば、通常の第2運転の実行時間が10分の場合、制限処理中の第2運転の実行時間を5分とすればよい。
なお、本例では、第3運転の終了後、第2運転を開始する前に、室外温度及び室内温度が所定温度よりも高いかを判定して、制限処理を行うか否かを決定しているが、この形態に限定するものではない。例えば、空調運転の終了後、第1モードを開始する前に、制限処理を行うか否かを決定してもよい。
ステップST33において第2運転が開始されると、ステップST34において、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定する。ステップST34において、制御装置(C)は、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定してもよい。ステップST34の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST34の条件が成立しない場合、ステップST35が行われる。
ステップST35において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定の上限温度より高いか判定する。上限温度は、第2運転の開始時の室内温度(T1)に所定の温度(例えば3℃)を加えた値である。ステップST35において、室内温度(T1)が上限温度より高い場合、第2運転により対象空間の空気が過剰に加熱されていると判断できる。そこで、ステップST35の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を継続して実行させず、ステップST40の排水動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第2運転に起因して過剰に暑さを感じることを抑制できる。ステップST35の条件が成立しない場合、ステップST36が行われる。
ステップST36において、制御装置(C)は、対象空間の空気の不快指数が所定値より大きいか判定する。不快指数は、制御装置(C)の演算部により、室内空気の湿度及び温度に基づいて求められる。具体的に、制御装置(C)の演算部は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)、及び内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)に基づいて不快指数を求める。ステップST36において、不快指数が所定値より高い場合、対象空間の人の快適性が損なわれてしまうと判断できる。そこで、ステップST36の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を継続して実行させず、ステップST40の排水動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第2運転に起因して不快さを感じたり、体調が損なわれたりすることを抑制できる。ステップST36の条件が成立しない場合、ステップST37が行われる。なお、ステップST36において、制御装置(C)は、不快指数以外の指標を用いることもできる。この指標は、室内空気の温度及び湿度を用いる指標であることが好ましい。この指標として、暑さ指数を用いることもできる。暑さ指数は、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)である。
ステップST37において、制御装置(C)は、第2運転の実行時間がΔT3以上であるかを判定する。ΔT3は10〜15分である。ステップST37の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST37の条件が成立しない場合、ステップST38が行われる。
ステップST38において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第2運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST38の条件が成立しない場合、ステップST34に戻る。
〈排水動作時の判定〉
図13に示すように、ステップST40において排水動作が開始されると、上述したように、室内ユニット(40)が実質的に停止する。制御装置(C)は、ドレンポンプ(58)を運転させる。
上述したように、排水動作は、第1運転において異常が発生した場合、第3運転において異常が発生した場合、及び第2運転において異常が発生した場合のいずれにおいても実行される。
これらの異常が発生した場合に、排水動作が実行されず、ドレンポンプ(58)が停止することを想定する。第1運転、第3運転、及び第2運転では、ドレンパン(54)の水を確実に排出するためにドレンポンプ(58)が運転される。ドレンポンプ(58)が運転されると、ドレンパン(54)の水は、図6に示す排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ送られる。この状態で、空気調和装置(10)の異常に伴いドレンポンプ(58)を停止させると、第2立上部(70d)、第2中継部(70c)、第1中継部(70b)、及び第1立上部(70a)にある水がドレンパン(54)に逆流してしまう。上述したように、排水路(70)では、傾斜部(70e)から自重により水を排水するために、ある程度の揚程が確保されているからである。
これに対し、本実施形態では、第1運転、第3運転、及び第2運転のいずれにおいても、制御装置(C)が排水動作を実行させ、ドレンポンプ(58)を継続して運転する。このため、排水路(70)にある水がドレンパン(54)に逆流することを防止できる。
特に、第2運転において異常が発生した後、排水路(70)の水がドレンパン(54)に逆流すると、室内熱交換器(53)の熱によりドレンパン(54)の水が蒸発してしまう。この場合、室内熱交換器(53)の表面に水分が付着し、室内熱交換器(53)を十分に乾燥できない。加えて、高温高湿の空気が対象空間へ供給されることで対象空間の人が不快さを感じてしまう。これに対し、本実施形態では、第2運転において異常が発生した場合にも、排水動作によりドレンポンプ(58)が継続して運転される。このため、排水路(70)の水の逆流を抑制でき、ドレンパン(54)の水が蒸発することを抑制できる。
ステップST41において、制御装置(C)は、機内温度(T2)が所定の下限温度より低いか判定する。下限温度は、室内温度(T1)に所定の温度(例えば2℃)を加えた値である。機内温度(T2)が下限温度より低い場合、ケーシング(41)の内部の温度がある程度低く、ドレンパン(54)に水が逆流しても、この水が蒸発する可能性が低いと判断できる。そこで、制御装置(C)は、ステップST41の条件を、排水動作を終了させる必要条件としている。言い換えると、制御装置(C)は、空気通路(48)の空気の温度が所定温度以下になったときに第2運転を終了させる。
ステップST42において、制御装置(C)は、機内湿度が所定の下限湿度以下であるか判定する。機内湿度は、ケーシング(41)内の相対湿度である。相対湿度は、制御装置(C)の演算部により、室内温度(T1)及び室内湿度(R1)に基づいて求められる。下限湿度は、例えば65%である。
制御装置(C)は、ステップST41の条件が成立し、且つステップST42の条件が成立すると、ステップST43において排水動作を終了させる。制御装置(C)は、ステップST41及びステップST42のいずれか一方の条件が成立すると、ステップST43において排水動作を終了させてもよい。
ステップST41の条件が成立しない場合、あるいはステップST42の条件が成立しない場合、ステップST43が行われる。ステップST43において制御装置(C)は、排水動作の実行時間がΔT4以上であるか判定する。ΔT4はΔT2よりも短い所定時間である。ステップST43の条件が成立すると、制御装置(C)は、ステップST43において排水動作を終了させる。これにより、第1モードが終了する(ステップST44)。
−排水動作中の表示部の制御−
排水動作の実行中には、リモートコントローラ(C3)の表示部(80)が、サインを表示する。このサインは、排水動作が実行中であることを知らせるサインである。第2運転の終了に伴い室内ファン(52)などが停止すると、ユーザ等は第1モードが終了したと判断する。それにも拘わらず、排水動作においてドレンポンプ(58)が運転状態となると、ドレンポンプ(58)の作動音をきいたユーザ等が、現在どのような運転状況なのをわからなくなる。表示部(80)に排水動作が実行中であることを知らせるサインを表示することで、ユーザは、そのことを把握できる。表示部(80)のサインは、排水動作が終了すると消える。
なお、表示部(80)は、排水動作中において、第1モードが実行中であることを知らせるサインを表示してもよい。表示部(80)は、報知部に対応する。表示部(80)は、第2運転が行われていない等、制限処理中であることを報知するサインを表示してもよい。
表示部(80)は、LEDなどの光によって第1モードが実行中であることを表示してもよい。表示部(80)は、室内ユニット(40)などのリモートコントローラ(C3)以外の機器に設けられてもよい。
−実施形態1の効果−
実施形態の特徴は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)(熱源熱交換器)、及び室内熱交換器(53)(利用熱交換器)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、室内熱交換器(53)が設けられ、室内熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する室内ファン(52)(送風機)を有する室内ユニット(40)(利用ユニット)と、室内熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、第1運転の終了後に室内熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、冷媒回路(11)及び室内ファン(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、第2運転を制限する制限処理を行うことである。
実施形態の特徴では、制御装置(C)は、冷媒回路(11)及び室内ファン(52)を制御して、第1運転と第2運転とを行う。第1運転では、室内熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる。第2運転では、第1運転の終了後に室内熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する。そして、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、第2運転を制限する制限処理を行うようにしている。
ここで、室外温度が高い環境下では、室外温度に応じて室内温度も高くなる。そして、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されると、対象空間の人が不快さを感じることとなる。
そこで、本実施形態では、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されるのを制限することで、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できるようにしている。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転の終了後に、第1運転及び第2運転を順に実行させることである。
実施形態の特徴によれば、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転及び第2運転が順に実行される。このため、空調運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を自動的に洗浄した後、室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を自動的に乾燥できる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転の終了後に、第1運転、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転、及び第2運転を順に実行させることである。
実施形態の特徴によれば、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転、及び第2運転が順に実行される。このため、空調運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を自動的に洗浄した後、室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を自動的に乾燥できる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高く、且つ室内温度が第2温度よりも高い場合に、制限処理を行うことである。
実施形態の特徴によれば、制限処理は、室外温度が第1温度よりも高く、且つ室内温度が第2温度よりも高い場合に行われる。
このように、対象空間の温度が高いかを判断するのにあたって、室外温度及び室内温度の両方を確認することで、室外温度及び室内温度の誤検知を防止することができる。
実施形態の特徴は、制限処理では、第2運転の実行時間を、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くすることである。
実施形態の特徴によれば、制限処理では、第2運転の実行時間を、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くするようにしている。これにより、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給される時間を短くして、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
実施形態の特徴は、制限処理中であることを報知する表示部(80)(報知部)をさらに備えたことである。
実施形態の特徴によれば、表示部(80)により、制限処理中であることが報知される。これにより、ユーザは、利用ユニット(40)が制限処理中であることを把握することができる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転を実行させ、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含み、制御装置(C)は、室外温度が第3温度よりも高い場合に、暖房運転を制限し、第1温度は、第3温度よりも低いことである。
実施形態の特徴によれば、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室外温度が第3温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第1温度は、第3温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第3温度よりも低い第1温度で第2運転を制限することで、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転を実行させ、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含み、制御装置(C)は、室内温度が第4温度よりも高い場合に、暖房運転を制限し、第2温度は、第4温度よりも低いことである。
実施形態の特徴によれば、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室内温度が第4温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第2温度は、第4温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第4温度よりも低い第2温度で第2運転を制限することで、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
《実施形態2》
以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
〈第1運転時の判定〉
図14に示すように、ステップST10において第1運転が開始されると、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ステップST11の条件が成立すると、ステップST15が行われる。ステップST11の条件が成立しない場合、ステップST12が行われる。
ステップST12において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定の下限温度以下であるか判定する。ステップST12の条件が成立すると、ステップST15が行われる。ステップST12の条件が成立しない場合、ステップST13が行われる。
ステップST13において、制御装置(C)は、第1運転の実行時間がΔT1以上であるかを判定する。ステップST13の条件が成立すると、ステップST15が行われる。ステップST13の条件が成立しない場合、ステップST14が行われる。
ステップST14において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第1運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST14の条件が成立しない場合、ステップST11に戻る。
ステップS15において、制御装置(C)は、室外温度(T2)が第1温度より高いかを判定する。第1温度は、空調運転時に暖房運転を制御する第3温度よりも低い温度である。第3温度は、例えば、20℃〜35℃の間で設定される。第1温度は、第3温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。
ステップST15の条件が成立すると、ステップST50の制限処理時の第3運転を実行させる。ステップST15の条件が成立しない場合には、ステップST16が行われる。
ステップST16において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が第2温度より高いかを判定する。第2温度は、第4温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。なお、第1温度と第2温度は、同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
ステップST16の条件が成立すると、ステップST50の制限処理時の第3運転を実行させる。ステップST16の条件が成立しない場合には、ステップST20の通常の第3運転を実行させる。
なお、本例では、第1運転の終了後、第3運転を開始する前に、室外温度及び室内温度が所定温度よりも高いかを判定して、制限処理を行うか否かを決定しているが、この形態に限定するものではない。例えば、空調運転の終了後、第1モードを開始する前に、制限処理を行うか否かを決定してもよい。
〈制限処理中の第3運転時の判定〉
制限処理中の第3運転では、制御装置(C)は、第1送風運転と、第1送風運転よりも風量が少ない第2送風運転とを行う。
図15に示すように、ステップST50において第3運転が開始されると、ステップST51において、第1送風運転が開始される。第1送風運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。そして、ステップST52において、制御装置(C)は、第1送風運転の実行時間がΔT5以上であるかを判定する。ΔT5は100分である。
ステップST52の条件が成立すると、ステップST54が行われる。ステップST52の条件が成立しない場合、ステップST53が行われる。
ステップST53において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3運転における第1送風運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST53の条件が成立しない場合、ステップST52に戻る。
ステップST54において、第2送風運転が開始される。第2送風運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。そして、ステップST55において、制御装置(C)は、第2送風運転の実行時間がΔT6以上であるかを判定する。ΔT6は4時間である。
ステップST55の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3運転における第2送風運転を終了させ、第2運転を行うことなく、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST55の条件が成立しない場合、ステップST56が行われる。
ステップST56において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3運転における第2送風運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST56の条件が成立しない場合、ステップST55に戻る。
−実施形態2の効果−
実施形態の特徴は、制限処理では、第2運転を行わないことである。
実施形態の特徴によれば、制限処理では、第2運転を行わないようにしている。これにより、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることがなく、対象空間の人が不快さを感じたり、体調が損なわれたりすることを抑制できる。
実施形態の特徴は、制限処理では、第2運転を行わないで、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転を行うことである。
実施形態の特徴によれば、制限処理では、第2運転を行わないで、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転を行うようにしている。これにより、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることなく、室内熱交換器(53)の乾燥を行うことができる。
実施形態の特徴は、第3運転では、第1送風運転と、第1送風運転よりも風量が少ない第2送風運転とを行うことである。
実施形態の特徴によれば、第3運転では、第1送風運転と第2送風運転とが行われる。第2送風運転では、第1送風運転よりも少ない風量で送風が行われる。このように、対象空間の空気と室内ユニット(40)内の空気とを循環させることで、菌やカビの発生を抑制できる。
具体的に、室内熱交換器(53)の表面に水が付着した状態で、第3運転が終了すると、室内熱交換器(53)が生乾きとなり、菌やカビが繁殖したり、臭気が発生したりする。これに対し、実施形態の特徴によれば、長時間に亘って第3運転を行うことで、室内熱交換器(53)に水が付着することを抑制できる。このため、菌やカビの繁殖、及び臭気の発生を抑制できる。
《その他の実施形態》
上述した実施形態においては、適用可能な範囲において以下の構成としてもよい。
〈対象空間〉
空気調和装置(10)の対象空間は、室内空間に限られない。対象空間は、倉庫などの庫内空間であってもよいし、工場内の空間であってもよい。
〈空気調和装置の方式〉
空気調和装置(10)は、複数の室内ユニット(40)を有するマルチ式であってもよい。マルチ式の空気調和装置(10)は、一部の室内ユニット(40)において暖房を行うと同時に他の室内ユニット(40)において冷房を行う方式であってもよい。空気調和装置(10)は、複数系統の冷媒回路を有する空調システムであってもよい。空気調和装置(10)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)に冷媒回路(11)が一体に収容させる形式であってもよい。この例の空気調和装置としては、ウインド型の空気調和装置が挙げられる。
〈室内ユニットの方式〉
室内ユニット(40)は、天井面の表側に配置されるとともに、天上面に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、天上面の裏側に配置され、天井の梁に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、吸込ダクト及び吹出ダクトの一方、又は両方を有する方式であってもよい。吸込ダクトは、室内空気を空気通路に吸い込む流路を構成する。吹出ダクトは、室内熱交換器(53)を通過した空気を室内に供給する流路を構成する。室内ユニット(40)は、壁掛け式であってもよいし、床置き式であってもよい。
〈制御装置〉
制御装置(C)は、室内ユニット(40)のみに設けられてもよいし、室外ユニット(20)のみに設けられてもよい。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)とは別体の集中管理装置であってもよい。
〈第1運転〉
第1運転は、蒸発器とした室内熱交換器(53)に氷を生成させる動作であってもよい。第1運転において、室内熱交換器(53)の表面に氷を生成する。その後の第3運転及び第2運転により、この氷を室内熱交換器(53)の表面から剥がす。これにより、室内熱交換器(53)の汚れを落とすことができる。
第1運転は、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成する運転であればよく、冷房運転及び除湿運転を含む。具体的には、制御装置(C)は、第1運転としての冷房運転、あるいは除湿運転を行い、その後、第3運転及び第2運転を順に実行させてもよい。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、空気調和装置について有用である。
10 空気調和装置
11 冷媒回路
21 圧縮機
22 室外熱交換器(熱源熱交換器)
40 室内ユニット(利用ユニット)
52 室内ファン(送風機)
53 室内熱交換器(利用熱交換器)
80 表示部(報知部)
C 制御装置
本開示は、空気調和装置に関するものである。
特許文献1には、カビや細菌の繁殖を抑制する機能を備えた空気調和装置が開示されている。
特許文献1の空気調和装置では、除湿運転が実行された後、送風運転、暖房運転が順に実行される。除湿運転では、室内熱交換器の表面で結露水が発生する。送風運転では、圧縮機が停止し、室内送風機が運転する。室内送風機が搬送する空気によって室内熱交換器が乾燥される。暖房運転では、室内熱交換器が凝縮器として機能し、室内送風機が運転する。室内熱交換器は、その内部の冷媒によってさらに乾燥される。
上述したように、特許文献1の空気調和装置は、利用熱交換器(室内熱交換器)を乾燥させるために暖房運転を行う。暖房運転で加熱された空気は、送風機によって対象空間へ供給される。このため、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることにより、対象空間の人が不快さを感じてしまう。
本開示の目的は、利用熱交換器を乾燥させる動作において、対象空間の人が不快さを感じることを抑制することである。
本開示の第1の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、及び利用熱交換器(53)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、前記利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、該第1運転の終了後に該利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、前記冷媒回路(11)及び前記送風機(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、前記制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、前記第2運転を制限する制限処理を行い、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転の終了後に、前記第1運転、該利用熱交換器(53)を停止させた状態で前記送風機(52)を運転する第3運転、及び前記第2運転を順に実行させる。
第1の態様では、制御装置(C)は、冷媒回路(11)及び送風機(52)を制御して、第1運転と第2運転とを行う。第1運転では、利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる。第2運転では、第1運転の終了後に利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する。そして、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、第2運転を制限する制限処理を行うようにしている。また、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転、利用熱交換器(53)を停止させた状態で送風機(52)を運転する第3運転、及び第2運転が順に実行される。
これにより、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第2の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、及び利用熱交換器(53)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、前記利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、該第1運転の終了後に該利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、前記冷媒回路(11)及び前記送風機(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、前記制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、前記第2運転を制限する制限処理を行い、前記制限処理では、前記第2運転の実行時間を、該制限処理を行わない場合の該第2運転の実行時間よりも短くする。
第2の態様では、制限処理では、第2運転の実行時間を、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くするようにしている。これにより、気温が高い環境下において、高温の空気が対象空間へ供給される時間を短くして、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第3の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、及び利用熱交換器(53)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、前記利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、該第1運転の終了後に該利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、前記冷媒回路(11)及び前記送風機(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、前記制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、前記第2運転を制限する制限処理を行い、前記制限処理では、前記第2運転を行わないで、前記利用熱交換器(53)を停止させた状態で前記送風機(52)を運転する第3運転を行い、前記第3運転では、第1送風運転と、該第1送風運転よりも風量が少ない第2送風運転とを行う。
第3の態様では、制限処理では、第2運転を行わないで、送風機(52)を運転する第3運転を行うようにしている。これにより、気温が高い環境下において、高温の空気が対象空間へ供給されることなく、利用熱交換器(53)の乾燥を行うことができる。
また、第3運転では、第1送風運転と第2送風運転とが行われる。第2送風運転では、第1送風運転よりも少ない風量で送風が行われる。このように、対象空間の空気と利用ユニット(40)内の空気とを循環させることで、菌やカビの発生を抑制できる。
本開示の第4の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、及び利用熱交換器(53)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、前記利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、該第1運転の終了後に該利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、前記冷媒回路(11)及び前記送風機(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、前記制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、前記第2運転を制限する制限処理を行い、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転を実行させ、 前記空調運転は、前記利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を前記対象空間に供給する暖房運転を含み、前記制御装置(C)は、前記室外温度が第3温度よりも高い場合に、前記暖房運転を制限し、前記第1温度は、前記第3温度よりも低い。
第4の態様では、空調運転は、利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室外温度が第3温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第1温度は、第3温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第3温度よりも低い第1温度で第2運転を制限することで、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第5の態様は、圧縮機(21)、熱源熱交換器(22)、及び利用熱交換器(53)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、前記利用熱交換器(53)が設けられ、該利用熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する送風機(52)を有する利用ユニット(40)と、前記利用熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、該第1運転の終了後に該利用熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、前記冷媒回路(11)及び前記送風機(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、前記制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、前記第2運転を制限する制限処理を行い、前記制御装置(C)は、前記利用熱交換器(53)により前記対象空間を空調する空調運転を実行させ、前記空調運転は、前記利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を前記対象空間に供給する暖房運転を含み、前記制御装置(C)は、前記室内温度が第4温度よりも高い場合に、前記暖房運転を制限し、前記第2温度は、前記第4温度よりも低い。
第5の態様では、空調運転は、利用熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室内温度が第4温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第2温度は、第4温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第4温度よりも低い第2温度で第2運転を制限することで、気温が高い環境下では、高温の空気が対象空間へ供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
本開示の第6の態様は、第1乃至第5の態様うち何れか1つにおいて、前記制御装置(C)は、前記室外温度が前記第1温度よりも高く、且つ前記室内温度が前記第2温度よりも高い場合に、前記制限処理を行う。
第6の態様では、制限処理は、室外温度が第1温度よりも高く、且つ室内温度が第2温度よりも高い場合に行われる。
このように、対象空間の温度が高いかを判断するのにあたって、室外温度及び室内温度の両方を確認することで、室外温度及び室内温度の誤検知を防止することができる。
本開示の第7の態様は、第1乃至第6の態様のうち何れか1つにおいて、前記制限処理中であることを報知する報知部(80)をさらに備えている。
第7の態様では、報知部(80)により、制限処理中であることが報知される。これにより、ユーザは、利用ユニット(40)が制限処理中であることを把握することができる。
図1は、実施形態1に係る空気調和装置の全体構成図である。
図2は、空気調和装置の配管系統図である。
図3は、室内ユニットの内部構造を示す縦断面図である。
図4は、室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが閉位置にある状態を示している。
図5は、室内ユニットの吹出口の近傍を拡大した図であり、フラップが水平吹出位置にある状態を示している。
図6は、ドレンパン及び排水路の概略構成図である。
図7は、制御装置、及び制御装置と通信線を介して接続する機器を示すブロック図である。
図8は、空調運転、及び第1モードにおける各機器の動作を示すタイムチャートである。
図9は、第1モードの開始前の判定に係るフローチャートである。
図10は、第1運転時の判定に係るフローチャートである。
図11は、第3運転時の判定に係るフローチャートである。
図12は、第2運転時の判定に係るフローチャートである。
図13は、排水動作時の判定に係るフローチャートである。
図14は、実施形態2の第1運転時の判定に係るフローチャートである。
図15は、制限処理中の第3運転時の判定に係るフローチャートである。
以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
〈空気調和装置の全体構成〉
空気調和装置(10)は、対象空間の空気の温度を調節する。本例の対象空間は、室内空間である。空気調和装置(10)は、冷房運転、暖房運転、及び除湿運転を行う。空気調和装置(10)は、第1モードを行う。第1モードは、室内熱交換器(53)を洗浄するための運転である。
図1及び図2に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)と、室内ユニット(40)と、液連絡管(12)と、ガス連絡管(13)とを備える。室外ユニット(20)と室内ユニット(40)とは、液連絡管(12)及びガス連絡管(13)を介して互いに接続される。これらが接続されることにより、冷媒回路(11)が構成される。
冷媒回路(11)には、冷媒が充填される。本例の冷媒は、ジフルオロメタンである。冷媒回路(11)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、膨張弁(23)と、室内熱交換器(53)と、四方切換弁(25)とを有する。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)は、室外に設置される。図2に示すように、室外ユニット(20)は、圧縮機(21)と、室外熱交換器(22)と、膨張弁(23)と、四方切換弁(25)と、室外ファン(26)とを有する。
圧縮機(21)は、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮する。圧縮機(21)は、圧縮した冷媒を吐出する。圧縮機(21)は、インバータ回路から電動機へ電力が供給される、可変容量式である。言い換えると、圧縮機(21)は、電動機の運転周波数(回転数)が調節可能に構成される。
室外熱交換器(22)は、熱源熱交換器に対応する。室外ファン(26)は、室外熱交換器(22)を通過する室外空気を搬送する。室外熱交換器(22)は、室外ファン(26)が搬送する室外空気と、冷媒とを熱交換させる。
膨張弁(23)は、減圧機構に対応する。膨張弁(23)は、冷媒を減圧する。膨張弁(23)は、開度が調節可能な電動膨張弁である。減圧機構は、感温式の膨張弁、膨張機、キャピラリーチューブなどであってもよい。膨張弁(23)は、冷媒回路(11)の液連絡管(12)に接続されていればよく、室内ユニット(40)に設けられてもよい。
四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と、第2ポート(P2)と、第3ポート(P3)と、第4ポート(P4)とを有する。第1ポート(P1)は、圧縮機(21)の吐出部に繋がる。第2ポート(P2)は、圧縮機(21)の吸入部に繋がる。第3ポート(P3)は、室外熱交換器(22)のガス端部に繋がる。第4ポート(P4)は、ガス連絡管(13)に繋がる。
四方切換弁(25)は、第1状態(図2の実線で示す状態)と、第2状態(図2の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とを連通させる。第2状態の四方切換弁(25)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とを連通させ且つ第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とを連通させる。
冷媒回路(11)は、四方切換弁(25)の切換に応じて第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルとを行う。第1冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を蒸発器とする冷凍サイクルである。第2冷凍サイクルは、室内熱交換器(53)を放熱器とする冷凍サイクルである。
室外ユニット(20)は、吐出圧力センサ(27)と、吐出温度センサ(28)と、吸入温度センサ(29)と、外気温度センサ(30)と、第1冷媒温度センサ(31)とを有する。
吐出圧力センサ(27)は、圧縮機(21)から吐出される高圧媒の圧力を検出する。吸入温度センサ(29)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の圧力を検出する。外気温度センサ(30)は、室外空気の温度を検出する。第1冷媒温度センサ(31)は、室外熱交換器(22)の内部の冷媒の温度を検出する。
〈室内ユニット〉
室内ユニット(40)は、室内に設置される。図3に示すように、室内ユニット(40)は、天井に設置される天井設置式である。具体的には、室内ユニット(40)は、天井裏の梁に吊り下げられる天井吊り式である。より具体的には、天井面に埋め込まれる天井埋込式である。室内ユニット(40)は、利用ユニットに対応する。
室内ユニット(40)は、ケーシング(41)と、フィルタ(50)と、ベルマウス(51)と、室内ファン(52)と、室内熱交換器(53)と、ドレンパン(54)と、風向調節部(55)とを有する。
ケーシング(41)は、ケーシング本体(42)と、パネル(43)とを有する。ケーシング本体(42)は、下側に開放面が形成される矩形箱状に形成される。パネル(43)は、ケーシング本体(42)の開口面に着脱可能に設けられる。パネル(43)は、平面視において矩形枠状のパネル本体(44)と、パネル本体(44)の中央に設けられる吸込グリル(45)とを有する。パネル本体(44)の中央には、1つの吸込口(46)が形成される。吸込グリル(45)は、吸込口(46)に取り付けられる。
パネル本体(44)の4つの側縁部には、それぞれ吹出口(47)が1つずつ形成される。各吹出口(47)は、4つの側縁に沿うように延びている。ケーシング(41)の内部では、吸込口(46)から吹出口(47)までの間の空気通路(48)が形成される。パネル(43)の4つの角部のそれぞれには、各吹出口(47)と連続するように補助吹出口が形成される。
フィルタ(50)は、吸込グリル(45)の上方に配置される。フィルタ(50)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。フィルタ(50)は、吸込口(46)から吸い込まれる空気である吸込空気中の塵埃を捕集する。
ベルマウス(51)は、フィルタ(50)の上方に配置される。ベルマウス(51)は吸込空気を整流する。
室内ファン(52)は、ベルマウス(51)の上方に配置される。室内ファン(52)は、空気通路(48)における室内熱交換器(53)の上流側に配置される。室内ファン(52)は、送風機に対応する。室内ファン(52)は、遠心式である。室内ファン(52)は、室内熱交換器(53)を通過する空気を搬送する。室内ファン(52)は、ベルマウス(51)側から吸い込んだ空気を径方向外方へ搬送する。
室内ファン(52)は、その風量が4段階に切り替え可能に構成される。具体的に、これらの4段階の風量は、小さい風量から順に、微風量(LL)、小風量(L)中風量(M)、大風量(H)である。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量をこれらの4段階の風量の間で制御する。
室内熱交換器(53)は、室内ファン(52)の周囲に配置される。室内熱交換器(53)は、ケーシング本体(42)の4つの側面に沿うように折り曲げられている。室内熱交換器(53)は、利用熱交換器に対応する。室内熱交換器(53)では、室内ファン(52)が搬送する空気と、冷媒とが熱交換する。
ドレンパン(54)は、室内熱交換器(53)の下側に配置される。ドレンパン(54)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の内部で発生した結露水を受ける。
風向調節部(55)は、吹出口(47)から吹き出される空気である吹出空気の風向を調節する。風向調節部(55)は、図示しないモータと、モータに連結する軸(56)と、軸(56)の回転に伴い回動するフラップ(57)とを有する。フラップ(57)は、パネル本体(44)の側縁、あるいは吹出口(47)の長手方向に沿って延びる長板状に形成される。フラップ(57)の縦断面の形状は略円弧状である。
フラップ(57)は、吹出口(47)を開閉する。フラップ(57)は、傾斜角度を段階的に変えられるように構成される。本例のフラップ(57)が調節される位置は、6つの位置を含む。これらの6つ位置は、図4に示す閉位置と、5つの開位置とを含む。5つの開位置は、図5に示す水平吹出位置を含む。閉位置のフラップ(57)は、吹出口(47)を実質的に閉じる。閉位置のフラップ(57)と、吹出口(47)の間に隙間が形成されていてもよい。
水平吹出位置のフラップ(57)は、吹出空気を略水平方向に吹き出す。水平吹出位置は、フラップ(57)の閉位置からの角度の変化が最小となる位置である。フラップ(57)が水平吹出位置にあると、複数の開位置の中で、吹出口(47)の内縁とフラップ(57)との間の隙間が最も狭くなる。
図6に示すように、室内ユニット(40)は、ドレンポンプ(58)と、排水路(70)とを有する。
ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を排出するポンプに対応する。ドレンポンプ(58)は、ドレンパン(54)内の水を、排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ排出する。
本例の排水路(70)は、第1立上部(70a)、第1中継部(70b)、第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)を含む。第1立上部(70a)及び第1中継部(70b)はケーシング(41)の内部に配置される。第2中継部(70c)、第2立上部(70d)、及び傾斜部(70e)はケーシング(41)の外部に配置される。
第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)から上方に延びている。第1立上部(70a)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。第1中継部(70b)は、第1立上部(70a)の上端部から略水平方向に延びている。第2中継部(70c)は、柔軟なホースで構成される。第2中継部(70c)は第1中継部(70b)とクランプ金具を介して連結される。第2中継部(70c)は略水平方向に延びている。第2立上部(70d)は、第2中継部(70c)の端部から上方に延びている。第2立上部(70d)は、ドレンポンプ(58)によって送られる水の下流側に向かって上方に延びている。傾斜部(70e)は、柔軟なホースで構成される。傾斜部(70e)は、第2立上部(70d)の上端から斜め下方に延びている。ドレンポンプ(58)が停止中において、傾斜部(70e)の内部の水は、自重により下方へ流れ落ちる。本例の排水路(70)では、第1立上部(70a)及び第2立上部(70d)を設けることにより、傾斜部(70e)の水を自重により流すための揚程を確保している。
図2に示すように、室内ユニット(40)は、内気温度センサ(61)と、内気湿度センサ(62)と、第2冷媒温度センサ(63)とを有する。
内気温度センサ(61)は、対象空間の室内空気の温度を室内温度(T1)として検出する。空気温度(T1)は、吸込空気の温度である。
内気湿度センサ(62)は、対象空間の室内空気の湿度を室内湿度(R1)として検出する。室内湿度(R1)は、吸込空気の湿度である。本例の内気湿度センサ(62)は、室内空気の絶対湿度を検出する。内気湿度センサ(62)は、室内空気の相対湿度を検出してもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内熱交換器(53)の冷媒の温度を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、蒸発器として機能する室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)を検出する。第2冷媒温度センサ(63)は、放熱器として機能する室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)を検出する。蒸発温度(Te)は、冷媒の低圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。凝縮温度(Tc)は、冷媒の高圧圧力に相当する飽和温度によって求めてもよい。
第2冷媒温度センサ(63)は、室内ユニット(40)の機内温度(T2)を検出するセンサを兼用している。機内温度(T2)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)の空気通路(48)の空気の温度に相当する。空気調和装置(10)は、第2冷媒温度センサ(63)と別に、機内温度(T2)を検出する他のセンサを有してもよい。
〈制御装置〉
図7に示すように、空気調和装置(10)は、制御装置(C)を有する。制御装置(C)は、冷媒回路(11)を制御する。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)を制御する。制御装置(C)は、室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)を含む。室外制御部(C1)は、室外ユニット(20)に設けられる。室内制御部(C2)は、室内ユニット(40)に設けられる。
リモートコントローラ(C3)は、対象空間に設けられる。リモートコントローラ(C3)は、ユーザが操作可能な位置にある。リモートコントローラ(C3)は、表示部(80)を有する。表示部(80)は、ユーザやメンテナンス業者などに所定の情報を知らせるためのサインを表示する。ここでいうサインは、文字、コード、記号、絵、アイコンなどを含む。表示部(80)は、例えば液晶モニタによって構成される。表示部(80)は、報知部に対応する。
室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)のそれぞれは、制御基板を有する。制御基板のそれぞれには、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイスとが設けられる。
制御装置(C)は、複数の第1通信線を含む。室外制御部(C1)、室内制御部(C2)、及びリモートコントローラ(C3)は、これらの第1通信線を介して信号の授受を行う。第1通信線は、有線である。第1通信線は、無線であってもよい。
制御装置(C)は、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、
室内ファン(52)、風向調節部(55)、ドレンポンプ(58)、及び各センサと接続する複数の第2通信線を含む。
制御装置(C)は、少なくとも、圧縮機(21)、膨張弁(23)、四方切換弁(25)、室外ファン(26)、室内ファン(52)、風向調節部(55)、及びドレンポンプ(58)に制御信号を出力する出力部を有する。制御装置(C)は、各センサの検出値が入力される入力部を有する。
−運転動作−
〈運転動作の概要〉
空気調和装置(10)は、空調運転と、第1モードとを行う。
空調運転は、対象空間を空調する。空調運転は、冷房運転、除湿運転、及び暖房運転を含む。
冷房運転は、対象空間の空気を冷却する運転である。除湿運転は、対象空間の空気を除湿する運転である。冷房運転及び除湿運転は、冷却運転に対応する。冷却運転は、第1冷凍サイクルを行い蒸発器とした室内熱交換器(53)により空気を冷却する運転である。
暖房運転は、対象空間の空気を加熱する運転である。暖房運転は、第2冷凍サイクルを行い放熱器とした室内熱交換器(53)により空気を加熱する運転である。
第1モードは、室内熱交換器(53)を洗浄するための運転である。第1モードは、第1運転、第2運転、及び第3運転を含む。第1モードは、さらに排水動作を含む。
第1運転は、室内ファン(52)を運転するとともに第1冷凍サイクルを行い、蒸発器とした室内熱交換器(53)に結露水を生じさせる動作である。
第2運転は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を放熱器とする動作である。
第3運転は、室内ファン(52)を運転するとともに室内熱交換器(53)を停止する動作である。
排水動作は、ドレンパン(54)に溜まった水をケーシング(41)の外部へ排出する動作である。
〈冷房運転〉
冷房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。冷房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
冷房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気から吸熱した蒸発する。室内熱交換器(53)により冷却された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
冷房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈除湿運転〉
除湿運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。除湿運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。除湿運転の冷媒の流れは、冷房運転の冷媒の流れと同じである。
除湿運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)を下回るように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の冷却能力を制御する。制御装置(C)は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)と、内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)とに基づいて露点温度(Td)を求める。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が露点温度(Td)以下になるように目標蒸発温度(TeS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の蒸発温度(Te)が目標蒸発温度(TeS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
以上の制御により、除湿運転では、室内熱交換器(53)で冷却された室内空気中の水分が結露する。これにより、室内空気が除湿される。ドレンパン(54)は、結露した水分を受ける。除湿された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。
〈暖房運転〉
暖房運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。暖房運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
暖房運転において、圧縮機(21)が圧縮した冷媒は、四方切換弁(25)を通過し、室内熱交換器(53)を流れる。室内熱交換器(53)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(53)で加熱された空気は吹出口(47)から対象空間へ供給される。室内熱交換器(53)で放熱した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、室外熱交換器(22)を流れる。室外熱交換器(22)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
暖房運転では、室内温度(T1)が設定温度に収束するように、制御装置(C)が室内熱交換器(53)の目標凝縮温度(TcS)を調節する。制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の冷媒の凝縮温度(Tc)が目標凝縮温度(TcS)に収束するように圧縮機(21)の回転数を制御する。
〈第1モード〉
制御装置(C)は、原則として、空調運転が終了すると第1モードを実行させる。厳密には、制御装置(C)は、冷房運転及び除湿運転が終了すると、第1モードを開始させる。制御装置(C)は、暖房運転が終了しても第1モードを開始させない。
第1モードでは、制御装置(C)は、原則として、第1運転、第3運転、第2運転、及び排水動作を順に実行させる。
第1運転の実行時間をΔT1、第3運転の実行時間をΔT2、第2運転の実行時間をΔT3、排水動作の実行時間をΔT4とする。原則として、第3運転の実行時間ΔT2は、第2運転の実行時間ΔT3より長い。第3運転の実行時間ΔT2は、第1運転の実行時間ΔT1より長い。第3運転の実行時間ΔT2は、排水動作の実行時間ΔT4より長い。
第1運転、第3運転、第2運転、及び排水動作の詳細について図8を参照しながら説明する。
〈第1運転〉
第1運転は、室内熱交換器(53)の表面に付着した埃などの汚れを落とす動作である。第1運転の実行時間ΔT1は、原則として10分である。
第1運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第1状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第1運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室外熱交換器(22)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室内熱交換器(53)で蒸発する第1冷凍サイクルが行われる。
第1運転では、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)が室内空気の露点温度(Td)以下になるように、制御装置(C)が目標蒸発温度(TeS)を調節する。冷房運転の終了後、第1運転が実行された場合、第1運転時の目標蒸発温度(TeS)は、冷房運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)より低い値に設定される。除湿運転の終了後、第1運転が実行された場合、第1運転時の目標蒸発温度(TeS)は、除湿運転の終了時の目標蒸発温度(TeS)と同じ値に設定される。
第1運転では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、冷媒により空気が露点温度以下まで冷却される。この結果、室内熱交換器(53)の表面において結露水が生成する。結露水は、室内熱交換器(53)の表面の埃などの汚れを落とす。室内熱交換器(53)の洗浄に利用された結露水は、ドレンパン(54)に溜まる。室内熱交換器(53)を通過した空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第1運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。これにより、吹出空気の風量が小さくなるため、対象空間の人が冷風により不快に感じることを抑制できる。
第1運転では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。これにより、ドレンパン(54)に溜まった水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第1運転では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に冷風が直接的に当たることを抑制できる。
第1運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度域は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の蒸発温度域よりも低い。具体的には、第1運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲は、冷房運転中の室内熱交換器(53)の蒸発温度の制御範囲よりも低い。例えば冷房運転の蒸発温度の制御範囲は10℃〜30℃であり、第1運転の蒸発温度の制御範囲は、4℃〜30℃である。このように、本実施形態では、第1運転の蒸発温度域(以下、第1蒸発温度域という)の上限値と、冷房運転の蒸発温度域(以下、第2蒸発温度域という)の上限値とが同じであり、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低い。
なお、第1蒸発温度域と、第2蒸発温度域とが全く重なっていなくてもよい。この場合、第1蒸発温度域の上限値が、第2蒸発温度の下限値より低くなる。第1蒸発温度域と第2蒸発温度域との一部が重なっている場合、第1蒸発温度域の下限値が第2蒸発温度域の下限値より低く、且つ第1蒸発温度域の上限値が第2蒸発温度域の上限値より低くてもよい。
〈第3運転〉
第3運転は、室内熱交換器(53)の表面の水を室内ファン(52)が搬送する空気によって乾燥させる動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。第3運転の実行時間ΔT2は、原則として100分である。
第3運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)及び室外ファン(26)を停止させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)を運転させる。制御装置(C)は、室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。第3運転では、第1冷凍サイクル及び第2冷凍サイクルが行われず、冷媒が室内熱交換器(53)を流れない。このため、室内熱交換器(53)は停止する。ここでいう、「室内熱交換器が停止する」とは、室内熱交換器(53)が放熱器及び蒸発器としての機能を発揮しないことを意味する。
第3運転では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が停止状態の室内熱交換器(53)を通過する。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分が蒸発していく。室内熱交換器(53)の乾燥に利用された空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第3運転の実行時間ΔT2は、第2運転の実行時間ΔT3より長い。第3運転では、室内熱交換器(53)が放熱器とならず停止状態となる。このため、室内熱交換器(53)の表面から多量の水が蒸発することがない。よって、高温高湿の空気が長時間に亘って対象空間に供給されることを制限することで、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、風量が微風量(LL)であるときと比べて室内熱交換器(53)の乾燥を促進できる。風量が中風量(M)や大風量(H)であるときと比べて、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第3運転では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第1運転から第3運転に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第3運転では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に湿った空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈第2運転〉
第2運転は、室内熱交換器(53)の表面を冷媒により加熱し、該表面を急速に乾かす動作である。室内熱交換器(53)の表面の水を乾燥させることで、室内熱交換器(53)の表面でのカビや菌の発生を抑制できる。室内熱交換器(53)の表面の温度を高温にすることで、殺菌効果を得ることもできる。第2運転の実行時間ΔT3は、原則として10分〜15分である。
第2運転では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を運転させる。制御装置(C)は、四方切換弁(25)を第2状態に設定する。制御装置(C)は、膨張弁(23)の開度を適宜調節する。第2運転では、圧縮機(21)で圧縮した冷媒が室内熱交換器(53)で放熱し、膨張弁(23)で減圧され、室外熱交換器(22)で蒸発する第2冷凍サイクルが行われる。
第2運転では、制御装置(C)が目標凝縮温度(TcS)を所定値に調節する。
第2運転では、吸込口(46)から吸い込まれた空気が室内熱交換器(53)を通過する。室内熱交換器(53)では、該室内熱交換器(53)の表面が内部の冷媒によって加熱される。この結果、室内熱交換器(53)の表面の水分がさらに蒸発する。蒸発した水分を含んだ空気は、吹出口(47)から対象空間へ流出する。
第2運転の実行時間ΔT3は、第3運転の実行時間ΔT2より短い。このため、高温高湿の空気が対象空間に供給されることを制限することで、対象空間の人が不快に感じることを抑制できる。
第2運転では、冷媒の熱を利用して室内熱交換器(53)を乾燥する。このため、実行時間ΔT3が比較的短くても、室内熱交換器(53)の水分を確実に除去できる。この結果、その後のカビや菌の繁殖を抑えることができる。
第2運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。これにより、吹出空気の風量が比較的小さくなるため、対象空間の人が高湿高温の風により不快に感じることを抑制できる。
第2運転では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転する。厳密には、制御装置(C)は、第3運転から第2運転に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
第2運転では、制御装置(C)がフラップ(57)を水平吹出位置に調節する。これにより、対象空間の人に高温高湿の空気が直接的に当たることを抑制できる。
〈排水動作〉
排水動作では、制御装置(C)が、圧縮機(21)、室内ファン(52)、室外ファン(26)を停止させる。排水動作では、室内ユニット(40)が実質的に停止状態となる。
排水動作では、制御装置(C)がドレンポンプ(58)を運転させる。厳密には、制御装置(C)は、第2運転から排水動作に亘ってドレンポンプ(58)を連続的に運転する。これにより、ドレンパン(54)に残った水をケーシング(41)の外部へ排出できる。
排水動作が終了すると、第1モードが終了する。第1モードの終了時には、制御装置(C)がフラップ(57)を閉状態に制御する。
−各運転及び各動作の切り換えの判定−
次いで、上述した各運転及び各動作の切り換えの判定について図9〜図13のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
〈第1モードの開始前の判定〉
図9に示すように、ステップST1において空調運転が終了すると、制御装置(C)は、どの運転が終了したかを判定する。ステップST2では、制御装置(C)が、暖房運転が終了したか否かを判定する。ステップST2において制御装置(C)が、暖房運転が終了したと判定すると、ステップST8において、制御装置(C)は第1モードを実行させない。言い換えると、暖房運転の終了後には、制御装置(C)は第1モードの実行を禁止する。このため、第1運転は実行されない。
ステップST3では、制御装置(C)が、冷房運転が終了したか否かを判定する。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST3において制御装置(C)が、冷房運転が終了していないと判定すると、ステップST4が行われる。
ステップST4では、制御装置(C)が、除湿運転が終了したか否かを判定する。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了したと判定すると、ステップST5が行われる。ステップST4において制御装置(C)が、除湿運転が終了していないと判定すると、ステップST8が行われる。
ステップST5では、制御装置(C)が、リモートコントローラ(C3)の設定を確認する。ユーザ等は、リモートコントローラ(C3)において第1モードを実行させるか否かを選択できる。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第1モードを実行する選択がされていない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第1モードを実行させない。ステップST5において、リモートコントローラ(C3)に第1モードを実行する選択がされている場合、ステップST6が行われる。
ステップST6において、制御装置(C)は、直前の冷却運転の実行時間が所定時間より長いか判定する。ステップST6で用いられる所定時間は1分である。ここでいう冷却運転は、直前に実行された冷房運転、あるいは除湿運転である。冷却運転の実行時間が短すぎる場合、ユーザ等が誤って冷房運転や除湿運転を開始させ、その後すぐに終了させた可能性がある。そこで、ステップST6の条件が成立しない場合、ステップST8において制御装置(C)は、第1モードを実行させない。ステップST6の条件が成立すると、ステップST7が行われる。
ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1運転における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1運転を行っても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST7の条件が成立する場合、制御装置(C)は、ステップST10の第1運転を実行させず、ステップST20の第3運転を実行させる(図11を参照)。
なお、ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、冷却運転の終了時の室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST7の条件が成立しない場合、ステップST9において制御装置(C)は、第1モードを実行させる。制御装置(C)は、ステップST10の第1運転を実行させる(図10参照)。
〈第1運転時の判定〉
図10に示すように、ステップST10において第1運転が開始されると、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ここでいう目標蒸発温度(TeS)の下限値は、第1運転における目標蒸発温度(TeS)の制御範囲の下限値である。現在の室内空気の露点温度(Td)が目標蒸発温度(TeS)の下限値より低い場合、第1運転を継続しても、室内空気中から水分を結露させることができない。そこで、ステップST11の条件が成立する場合、制御装置(C)は、第1運転を継続して実行させず、ステップST20の第3運転を実行させる。
なお、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、所定の目標蒸発温度(TeS)より低い条件が成立するか判定してもよい。ステップST7において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が、室内熱交換器(53)の蒸発温度(Te)より低い条件が成立するか判定してもよい。
ステップST11の条件が成立しない場合、ステップST12が行われる。ステップST12において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定の下限温度以下であるか判定する。下限温度は、冷却運転の終了時の室内温度(T1)から所定の温度(例えば3℃)を引いた値である。ステップST12において、室内温度(T1)が下限温度以下である場合、第1運転により室内空間が過剰に冷却されていると判断できる。そこで、ステップST12の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1運転を継続して実行させず、ステップST20の第3運転を実行させる。これにより、対象空間の人が第1運転に起因して過剰に寒さを感じることを抑制できる。
ステップST12の条件が成立しない場合、ステップST13が行われる。ステップST13において、制御装置(C)は、第1運転の実行時間がΔT1以上であるかを判定する。このΔT1は10分である。ステップST13の条件が成立すると、制御装置(C)は、第1運転を終了させ、ステップST20の第3運転を実行させる。ステップST13の条件が成立しない場合、ステップST14が行われる。
ステップST14において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第1運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる(図13を参照)。ここでいう、空気調和装置(10)の異常は、室内ユニット(40)の各機器の異常、室外ユニット(20)の各機器の異常、冷媒回路(11)の各機器の異常、各センサの異常、各通信線の異常などを含む。ステップST14の条件が成立しない場合、ステップST11に戻る。
〈第3運転時の判定〉
図11に示すように、ステップST20において第3運転が開始されると、ステップST21において、制御装置(C)は、第3運転の実行時間がΔT2以上であるかを判定する。ΔT2は100分である。ステップST21の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3運転を終了させ、ステップST30の第2運転に移行する。ステップST21の条件が成立しない場合、ステップST22が行われる。
ステップST22において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST22の条件が成立しない場合、ステップST21に戻る。
〈第2運転の判定〉
図12に示すように、ステップST30において、制御装置(C)は、室外温度(T2)が第1温度より高いかを判定する。第1温度は、空調運転時に暖房運転を制御する第3温度よりも低い温度である。第3温度は、例えば、20℃〜35℃の間で設定される。第1温度は、第3温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。
ステップST30の条件が成立すると、ステップST32が行われる。ステップST30の条件が成立しない場合には、ステップST31が行われる。
ステップST31において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が第2温度より高いかを判定する。第2温度は、第4温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。なお、第1温度と第2温度は、同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
ステップST31の条件が成立すると、ステップST32が行われる。ステップST31の条件が成立しない場合には、ステップST33が行われる。
ステップST32において、制御装置(C)は、第2運転の動作を制限する制限処理を行うために、第2運転の実行時間ΔT3を変更する。具体的に、制御装置(C)は、第2運転の実行時間ΔT3が短くなるように、ΔT3の値を変更する。
これにより、制限処理では、第2運転の実行時間ΔT3が、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くなる。例えば、通常の第2運転の実行時間が10分の場合、制限処理中の第2運転の実行時間を5分とすればよい。
なお、本例では、第3運転の終了後、第2運転を開始する前に、室外温度及び室内温度が所定温度よりも高いかを判定して、制限処理を行うか否かを決定しているが、この形態に限定するものではない。例えば、空調運転の終了後、第1モードを開始する前に、制限処理を行うか否かを決定してもよい。
ステップST33において第2運転が開始されると、ステップST34において、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)の凝縮温度(Tc)が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定する。ステップST34において、制御装置(C)は、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が所定値以上である状態が所定時間以上継続することを判定してもよい。ステップST34の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST34の条件が成立しない場合、ステップST35が行われる。
ステップST35において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定の上限温度より高いか判定する。上限温度は、第2運転の開始時の室内温度(T1)に所定の温度(例えば3℃)を加えた値である。ステップST35において、室内温度(T1)が上限温度より高い場合、第2運転により対象空間の空気が過剰に加熱されていると判断できる。そこで、ステップST35の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を継続して実行させず、ステップST40の排水動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第2運転に起因して過剰に暑さを感じることを抑制できる。ステップST35の条件が成立しない場合、ステップST36が行われる。
ステップST36において、制御装置(C)は、対象空間の空気の不快指数が所定値より大きいか判定する。不快指数は、制御装置(C)の演算部により、室内空気の湿度及び温度に基づいて求められる。具体的に、制御装置(C)の演算部は、内気温度センサ(61)で検出した室内温度(T1)、及び内気湿度センサ(62)で検出した室内湿度(R1)に基づいて不快指数を求める。ステップST36において、不快指数が所定値より高い場合、対象空間の人の快適性が損なわれてしまうと判断できる。そこで、ステップST36の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を継続して実行させず、ステップST40の排水動作を実行させる。これにより、対象空間の人が第2運転に起因して不快さを感じたり、体調が損なわれたりすることを抑制できる。ステップST36の条件が成立しない場合、ステップST37が行われる。なお、ステップST36において、制御装置(C)は、不快指数以外の指標を用いることもできる。この指標は、室内空気の温度及び湿度を用いる指標であることが好ましい。この指標として、暑さ指数を用いることもできる。暑さ指数は、WBGT(Wet-Bulb Globe Temperature)である。
ステップST37において、制御装置(C)は、第2運転の実行時間がΔT3以上であるかを判定する。ΔT3は10〜15分である。ステップST37の条件が成立すると、制御装置(C)は、第2運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST37の条件が成立しない場合、ステップST38が行われる。
ステップST38において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第2運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST38の条件が成立しない場合、ステップST34に戻る。
〈排水動作時の判定〉
図13に示すように、ステップST40において排水動作が開始されると、上述したように、室内ユニット(40)が実質的に停止する。制御装置(C)は、ドレンポンプ(58)を運転させる。
上述したように、排水動作は、第1運転において異常が発生した場合、第3運転において異常が発生した場合、及び第2運転において異常が発生した場合のいずれにおいても実行される。
これらの異常が発生した場合に、排水動作が実行されず、ドレンポンプ(58)が停止することを想定する。第1運転、第3運転、及び第2運転では、ドレンパン(54)の水を確実に排出するためにドレンポンプ(58)が運転される。ドレンポンプ(58)が運転されると、ドレンパン(54)の水は、図6に示す排水路(70)を経由してケーシング(41)の外部へ送られる。この状態で、空気調和装置(10)の異常に伴いドレンポンプ(58)を停止させると、第2立上部(70d)、第2中継部(70c)、第1中継部(70b)、及び第1立上部(70a)にある水がドレンパン(54)に逆流してしまう。上述したように、排水路(70)では、傾斜部(70e)から自重により水を排水するために、ある程度の揚程が確保されているからである。
これに対し、本実施形態では、第1運転、第3運転、及び第2運転のいずれにおいても、制御装置(C)が排水動作を実行させ、ドレンポンプ(58)を継続して運転する。このため、排水路(70)にある水がドレンパン(54)に逆流することを防止できる。
特に、第2運転において異常が発生した後、排水路(70)の水がドレンパン(54)に逆流すると、室内熱交換器(53)の熱によりドレンパン(54)の水が蒸発してしまう。この場合、室内熱交換器(53)の表面に水分が付着し、室内熱交換器(53)を十分に乾燥できない。加えて、高温高湿の空気が対象空間へ供給されることで対象空間の人が不快さを感じてしまう。これに対し、本実施形態では、第2運転において異常が発生した場合にも、排水動作によりドレンポンプ(58)が継続して運転される。このため、排水路(70)の水の逆流を抑制でき、ドレンパン(54)の水が蒸発することを抑制できる。
ステップST41において、制御装置(C)は、機内温度(T2)が所定の下限温度より低いか判定する。下限温度は、室内温度(T1)に所定の温度(例えば2℃)を加えた値である。機内温度(T2)が下限温度より低い場合、ケーシング(41)の内部の温度がある程度低く、ドレンパン(54)に水が逆流しても、この水が蒸発する可能性が低いと判断できる。そこで、制御装置(C)は、ステップST41の条件を、排水動作を終了させる必要条件としている。言い換えると、制御装置(C)は、空気通路(48)の空気の温度が所定温度以下になったときに第2運転を終了させる。
ステップST42において、制御装置(C)は、機内湿度が所定の下限湿度以下であるか判定する。機内湿度は、ケーシング(41)内の相対湿度である。相対湿度は、制御装置(C)の演算部により、室内温度(T1)及び室内湿度(R1)に基づいて求められる。下限湿度は、例えば65%である。
制御装置(C)は、ステップST41の条件が成立し、且つステップST42の条件が成立すると、ステップST43において排水動作を終了させる。制御装置(C)は、ステップST41及びステップST42のいずれか一方の条件が成立すると、ステップST43において排水動作を終了させてもよい。
ステップST41の条件が成立しない場合、あるいはステップST42の条件が成立しない場合、ステップST43が行われる。ステップST43において制御装置(C)は、排水動作の実行時間がΔT4以上であるか判定する。ΔT4はΔT2よりも短い所定時間である。ステップST43の条件が成立すると、制御装置(C)は、ステップST43において排水動作を終了させる。これにより、第1モードが終了する(ステップST44)。
−排水動作中の表示部の制御−
排水動作の実行中には、リモートコントローラ(C3)の表示部(80)が、サインを表示する。このサインは、排水動作が実行中であることを知らせるサインである。第2運転の終了に伴い室内ファン(52)などが停止すると、ユーザ等は第1モードが終了したと判断する。それにも拘わらず、排水動作においてドレンポンプ(58)が運転状態となると、ドレンポンプ(58)の作動音をきいたユーザ等が、現在どのような運転状況なのをわからなくなる。表示部(80)に排水動作が実行中であることを知らせるサインを表示することで、ユーザは、そのことを把握できる。表示部(80)のサインは、排水動作が終了すると消える。
なお、表示部(80)は、排水動作中において、第1モードが実行中であることを知らせるサインを表示してもよい。表示部(80)は、報知部に対応する。表示部(80)は、第2運転が行われていない等、制限処理中であることを報知するサインを表示してもよい。
表示部(80)は、LEDなどの光によって第1モードが実行中であることを表示してもよい。表示部(80)は、室内ユニット(40)などのリモートコントローラ(C3)以外の機器に設けられてもよい。
−実施形態1の効果−
実施形態の特徴は、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)(熱源熱交換器)、及び室内熱交換器(53)(利用熱交換器)を含み冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、室内熱交換器(53)が設けられ、室内熱交換器(53)を通過する空気を対象空間に供給する室内ファン(52)(送風機)を有する室内ユニット(40)(利用ユニット)と、室内熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる第1運転と、第1運転の終了後に室内熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する第2運転とを行うように、冷媒回路(11)及び室内ファン(52)を制御する制御装置(C)と、を備え、制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、第2運転を制限する制限処理を行うことである。
実施形態の特徴では、制御装置(C)は、冷媒回路(11)及び室内ファン(52)を制御して、第1運転と第2運転とを行う。第1運転では、室内熱交換器(53)を蒸発器として結露水又は氷を生じさせる。第2運転では、第1運転の終了後に室内熱交換器(53)を放熱器として空気を加熱する。そして、室外温度が第1温度よりも高い場合、又は室内温度が第2温度よりも高い場合に、第2運転を制限する制限処理を行うようにしている。
ここで、室外温度が高い環境下では、室外温度に応じて室内温度も高くなる。そして、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されると、対象空間の人が不快さを感じることとなる。
そこで、本実施形態では、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されるのを制限することで、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できるようにしている。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転の終了後に、第1運転及び第2運転を順に実行させることである。
実施形態の特徴によれば、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転及び第2運転が順に実行される。このため、空調運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を自動的に洗浄した後、室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を自動的に乾燥できる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転の終了後に、第1運転、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転、及び第2運転を順に実行させることである。
実施形態の特徴によれば、対象空間を空調する空調運転の終了後、引き続き、第1運転、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転、及び第2運転が順に実行される。このため、空調運転において室内熱交換器(53)に付着した塵埃を自動的に洗浄した後、室内熱交換器(53)の表面で発生した結露水を自動的に乾燥できる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室外温度が第1温度よりも高く、且つ室内温度が第2温度よりも高い場合に、制限処理を行うことである。
実施形態の特徴によれば、制限処理は、室外温度が第1温度よりも高く、且つ室内温度が第2温度よりも高い場合に行われる。
このように、対象空間の温度が高いかを判断するのにあたって、室外温度及び室内温度の両方を確認することで、室外温度及び室内温度の誤検知を防止することができる。
実施形態の特徴は、制限処理では、第2運転の実行時間を、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くすることである。
実施形態の特徴によれば、制限処理では、第2運転の実行時間を、制限処理を行わない場合の第2運転の実行時間よりも短くするようにしている。これにより、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給される時間を短くして、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
実施形態の特徴は、制限処理中であることを報知する表示部(80)(報知部)をさらに備えたことである。
実施形態の特徴によれば、表示部(80)により、制限処理中であることが報知される。これにより、ユーザは、利用ユニット(40)が制限処理中であることを把握することができる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転を実行させ、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含み、制御装置(C)は、室外温度が第3温度よりも高い場合に、暖房運転を制限し、第1温度は、第3温度よりも低いことである。
実施形態の特徴によれば、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室外温度が第3温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第1温度は、第3温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第3温度よりも低い第1温度で第2運転を制限することで、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
実施形態の特徴は、制御装置(C)は、室内熱交換器(53)により対象空間を空調する空調運転を実行させ、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含み、制御装置(C)は、室内温度が第4温度よりも高い場合に、暖房運転を制限し、第2温度は、第4温度よりも低いことである。
実施形態の特徴によれば、空調運転は、室内熱交換器(53)を放熱器として加熱した空気を対象空間に供給する暖房運転を含む。制御装置(C)は、室内温度が第4温度よりも高い場合に、暖房運転を制限する。そして、第2運転を制限する温度条件である第2温度は、第4温度よりも低くなっている。
このように、暖房運転を制限する第4温度よりも低い第2温度で第2運転を制限することで、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることを制限されるので、対象空間の人が不快さを感じることを抑制できる。
《実施形態2》
以下、前記実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
〈第1運転時の判定〉
図14に示すように、ステップST10において第1運転が開始されると、ステップST11において、制御装置(C)は、露点温度(Td)が室内熱交換器(53)の目標蒸発温度(TeS)の下限値よりも小さいか判定する。ステップST11の条件が成立すると、ステップST15が行われる。ステップST11の条件が成立しない場合、ステップST12が行われる。
ステップST12において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が所定の下限温度以下であるか判定する。ステップST12の条件が成立すると、ステップST15が行われる。ステップST12の条件が成立しない場合、ステップST13が行われる。
ステップST13において、制御装置(C)は、第1運転の実行時間がΔT1以上であるかを判定する。ステップST13の条件が成立すると、ステップST15が行われる。ステップST13の条件が成立しない場合、ステップST14が行われる。
ステップST14において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第1運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST14の条件が成立しない場合、ステップST11に戻る。
ステップS15において、制御装置(C)は、室外温度(T2)が第1温度より高いかを判定する。第1温度は、空調運転時に暖房運転を制御する第3温度よりも低い温度である。第3温度は、例えば、20℃〜35℃の間で設定される。第1温度は、第3温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。
ステップST15の条件が成立すると、ステップST50の制限処理時の第3運転を実行させる。ステップST15の条件が成立しない場合には、ステップST16が行われる。
ステップST16において、制御装置(C)は、室内温度(T1)が第2温度より高いかを判定する。第2温度は、第4温度から所定の温度(例えば、2℃)を引いた値である。なお、第1温度と第2温度は、同じ温度であってもよいし、異なる温度であってもよい。
ステップST16の条件が成立すると、ステップST50の制限処理時の第3運転を実行させる。ステップST16の条件が成立しない場合には、ステップST20の通常の第3運転を実行させる。
なお、本例では、第1運転の終了後、第3運転を開始する前に、室外温度及び室内温度が所定温度よりも高いかを判定して、制限処理を行うか否かを決定しているが、この形態に限定するものではない。例えば、空調運転の終了後、第1モードを開始する前に、制限処理を行うか否かを決定してもよい。
〈制限処理中の第3運転時の判定〉
制限処理中の第3運転では、制御装置(C)は、第1送風運転と、第1送風運転よりも風量が少ない第2送風運転とを行う。
図15に示すように、ステップST50において第3運転が開始されると、ステップST51において、第1送風運転が開始される。第1送風運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を小風量(L)に制御する。そして、ステップST52において、制御装置(C)は、第1送風運転の実行時間がΔT5以上であるかを判定する。ΔT5は100分である。
ステップST52の条件が成立すると、ステップST54が行われる。ステップST52の条件が成立しない場合、ステップST53が行われる。
ステップST53において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3運転における第1送風運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST53の条件が成立しない場合、ステップST52に戻る。
ステップST54において、第2送風運転が開始される。第2送風運転では、制御装置(C)が室内ファン(52)の風量を微風量(LL)に制御する。そして、ステップST55において、制御装置(C)は、第2送風運転の実行時間がΔT6以上であるかを判定する。ΔT6は4時間である。
ステップST55の条件が成立すると、制御装置(C)は、第3運転における第2送風運転を終了させ、第2運転を行うことなく、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST55の条件が成立しない場合、ステップST56が行われる。
ステップST56において、空気調和装置(10)の異常が発生すると、制御装置(C)は、第3運転における第2送風運転を終了させ、ステップST40の排水動作を実行させる。ステップST56の条件が成立しない場合、ステップST55に戻る。
−実施形態2の効果−
実施形態の特徴は、制限処理では、第2運転を行わないことである。
実施形態の特徴によれば、制限処理では、第2運転を行わないようにしている。これにより、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることがなく、対象空間の人が不快さを感じたり、体調が損なわれたりすることを抑制できる。
実施形態の特徴は、制限処理では、第2運転を行わないで、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転を行うことである。
実施形態の特徴によれば、制限処理では、第2運転を行わないで、室内熱交換器(53)を停止させた状態で室内ファン(52)を運転する第3運転を行うようにしている。これにより、室内温度が高い対象空間に高温の空気が供給されることなく、室内熱交換器(53)の乾燥を行うことができる。
実施形態の特徴は、第3運転では、第1送風運転と、第1送風運転よりも風量が少ない第2送風運転とを行うことである。
実施形態の特徴によれば、第3運転では、第1送風運転と第2送風運転とが行われる。第2送風運転では、第1送風運転よりも少ない風量で送風が行われる。このように、対象空間の空気と室内ユニット(40)内の空気とを循環させることで、菌やカビの発生を抑制できる。
具体的に、室内熱交換器(53)の表面に水が付着した状態で、第3運転が終了すると、室内熱交換器(53)が生乾きとなり、菌やカビが繁殖したり、臭気が発生したりする。これに対し、実施形態の特徴によれば、長時間に亘って第3運転を行うことで、室内熱交換器(53)に水が付着することを抑制できる。このため、菌やカビの繁殖、及び臭気の発生を抑制できる。
《その他の実施形態》
上述した実施形態においては、適用可能な範囲において以下の構成としてもよい。
〈対象空間〉
空気調和装置(10)の対象空間は、室内空間に限られない。対象空間は、倉庫などの庫内空間であってもよいし、工場内の空間であってもよい。
〈空気調和装置の方式〉
空気調和装置(10)は、複数の室内ユニット(40)を有するマルチ式であってもよい。マルチ式の空気調和装置(10)は、一部の室内ユニット(40)において暖房を行うと同時に他の室内ユニット(40)において冷房を行う方式であってもよい。空気調和装置(10)は、複数系統の冷媒回路を有する空調システムであってもよい。空気調和装置(10)は、室内ユニット(40)のケーシング(41)に冷媒回路(11)が一体に収容させる形式であってもよい。この例の空気調和装置としては、ウインド型の空気調和装置が挙げられる。
〈室内ユニットの方式〉
室内ユニット(40)は、天井面の表側に配置されるとともに、天上面に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、天上面の裏側に配置され、天井の梁に吊り下げられる方式であってもよい。室内ユニット(40)は、吸込ダクト及び吹出ダクトの一方、又は両方を有する方式であってもよい。吸込ダクトは、室内空気を空気通路に吸い込む流路を構成する。吹出ダクトは、室内熱交換器(53)を通過した空気を室内に供給する流路を構成する。室内ユニット(40)は、壁掛け式であってもよいし、床置き式であってもよい。
〈制御装置〉
制御装置(C)は、室内ユニット(40)のみに設けられてもよいし、室外ユニット(20)のみに設けられてもよい。制御装置(C)は、室内ユニット(40)及び室外ユニット(20)とは別体の集中管理装置であってもよい。
〈第1運転〉
第1運転は、蒸発器とした室内熱交換器(53)に氷を生成させる動作であってもよい。第1運転において、室内熱交換器(53)の表面に氷を生成する。その後の第3運転及び第2運転により、この氷を室内熱交換器(53)の表面から剥がす。これにより、室内熱交換器(53)の汚れを落とすことができる。
第1運転は、室内熱交換器(53)の表面で結露水が生成する運転であればよく、冷房運転及び除湿運転を含む。具体的には、制御装置(C)は、第1運転としての冷房運転、あるいは除湿運転を行い、その後、第3運転及び第2運転を順に実行させてもよい。
以上、実施形態及び変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、その他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、空気調和装置について有用である。
10 空気調和装置
11 冷媒回路
21 圧縮機
22 室外熱交換器(熱源熱交換器)
40 室内ユニット(利用ユニット)
52 室内ファン(送風機)
53 室内熱交換器(利用熱交換器)
80 表示部(報知部)
C 制御装置