JP2021080518A - アルミニウム形材、アルミニウム形材の製造方法 - Google Patents

アルミニウム形材、アルミニウム形材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム基材の色調の影響を受けることなく、無彩色のグレー色を呈し、アルミニウム基材の基材表面の質感を維持したアルミニウム形材およびアルミニウム形材の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のアルミニウム形材1は、アルミニウム基材10と、アルミニウム基材10の基材表面10aに形成された陽極酸化皮膜20と、陽極酸化皮膜20のアルミニウム基材10とは反対側の面20aに形成された電着塗膜30と、を備え、電着塗膜30は、白色顔料32および黒色顔料33を含み、電着塗膜30における白色顔料32の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、電着塗膜30における黒色顔料33の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミニウム形材およびアルミニウム形材の製造方法に関する。
サッシ等の建築材料としては、アルミニウム合金製のアルミニウム形材が用いられている。アルミニウム形材は、通常、アルミニウム合金のビレットを押出成形し、押出成形後に得られるアルミニウム基材を陽極酸化処理することによって製造される。アルミニウム基材に形成された陽極酸化皮膜に、電着塗装を施すことにより、陽極酸化皮膜と電着塗膜からなる複合皮膜を形成して、アルミニウム形材を着色する方法が知られている。
陽極酸化皮膜と電着塗膜からなる複合皮膜を形成して、アルミニウム形材を着色する方法としては、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金に陽極酸化処理を施した後、電解着色処理を施し、あるいは陽極酸化処理の後、電解着色処理を施すことなく、L*値で30以上の任意の明度とした陽極酸化皮膜に、樹脂固形分に対して0.7質量%〜1.2質量%の白色顔料と0.03質量%〜0.08質量%の黒色顔料を含有する半透明の灰色塗料による電着塗装を施す方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載方法によれば、電解着色皮膜をその色変化に影響されることなく、その明度に応じた所望の濃淡度を備えた無彩色グレーに着色することができる。
特開平11−106994号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値が4を超えてしまい、無彩色グレーとしては充分な彩度が得られなかった。特許文献1に記載の方法は、複合皮膜の下地となるアルミニウム基材の色調によって、複合皮膜のc値が影響を受けるため、複合皮膜のc値を所望の値にするには、電着塗膜の厚みを厚くする必要があった。特許文献1に記載の方法では、アルミニウム基材の基材表面の質感を維持したまま、複合皮膜のc値を所望の値にすることができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、アルミニウム基材の色調の影響を受けることなく、無彩色のグレー色を呈し、アルミニウム基材の基材表面の質感を維持したアルミニウム形材およびアルミニウム形材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のアルミニウム形材は、アルミニウム基材と、前記アルミニウム基材の基材表面に形成された陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜の前記アルミニウム基材とは反対側の面に形成された電着塗膜と、を備え、前記電着塗膜は、白色顔料および黒色顔料を含み、前記電着塗膜における前記白色顔料の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、前記電着塗膜における前記黒色顔料の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下であることを特徴とする。
本発明の一実施形態のアルミニウム形材を示す断面模式図である。
以下、本発明のアルミニウム形材およびアルミニウム形材の製造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
[アルミニウム形材]
図1に示すように、アルミニウム形材1は、アルミニウム基材10と、アルミニウム基材10の基材表面10aに形成された陽極酸化皮膜20と、陽極酸化皮膜20のアルミニウム基材10とは反対側の面(以下、「表面」と記載する。)20aに形成された電着塗膜30と、を備える。
アルミニウム基材10は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、合金の種類は問わない。
アルミニウム基材10の基材表面10aには、長手方向に沿ってヘアライン(図示略)が複数形成されていてもよい。
陽極酸化皮膜20は、アルミニウム基材10の耐食性や耐摩耗性を高めるために、少なくともアルミニウム基材10の基材表面10aに陽極酸化処理を施すことによって形成される。
陽極酸化皮膜20は、多孔質皮膜である。陽極酸化皮膜20には、陽極酸化皮膜20の表面20aに開口する微細孔21が複数形成されている。微細孔21内には、金属や金属化合物等からなる着色用物質22が存在する。金属や金属化合物は、特定の物質に限定されない。
陽極酸化皮膜20の厚みは、6μm以上30μm以下であることが好ましい。陽極酸化皮膜20の厚みが6μm以上であれば、アルミニウム基材10の耐食性や耐摩耗性を高めることができ、アルミニウム形材1を所望の用途に用いることができる。陽極酸化皮膜20の厚みが30μm以下であれば、陽極酸化皮膜20に含まれるFe51に起因する白濁が生じることがない。
陽極酸化皮膜20の表面20aのL表色系におけるL値は、20以上であることが好ましく、31.4以上50.7以下であることがより好ましい。陽極酸化皮膜20の表面20aのL値が20以上であれば、陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値が4以下となる。また、陽極酸化皮膜20の表面20aのL値が31.4以上50.7以下であれば、陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値が1.8以下となる。
表色系は、国際照明委員会(以下、「CIE」と記載する。)による表色系の基準の1つである。陽極酸化皮膜20の表面20aの明度の評価基準として、L表色系を採用することによって、アルミニウム形材1の使用者や観察者の眼に近い色差を表すことができる。L値は、L表色系において明るさの軸上の値を表している。L値が相対的に小さいと、明度が低いといえる。L値が相対的に大きいと、明度が高いといえる。
陽極酸化皮膜20の表面20aのL値は、例えば、色彩色差計CR−400、分光測色計CM−700d、CM−M6(販売元:コニカミノルタジャパン株式会社)等を用いて測定できる。
電着塗膜30は、樹脂からなる基材(主材)31と、基材31内に含まれる白色顔料32および黒色顔料33と、を含有する。白色顔料32および黒色顔料33は、基材31内にほぼ均一に分散している。
電着塗膜30における白色顔料32の含有量、すなわち、基材31、白色顔料32および黒色顔料33の合計質量を100質量%とした場合の白色顔料32の含有量は、1.5質量%以上2.3質量%以下であり、1.7質量%以上2.1質量%以下であることが好ましい。白色顔料32の含有量が1.5質量%未満では、陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値が4を超えるため、アルミニウム形材1は、その表面1a(電着塗膜30の陽極酸化皮膜20とは反対側の面(以下、「表面」と記載する。)30a)において、無彩色のグレー色を呈しなくなる。白色顔料32の含有量が2.3質量%を超えると、色調が異なるアルミニウム基材10のそれぞれに電着塗膜30を形成した場合に、それぞれのアルミニウム基材10に形成された電着塗膜30の表面30aのΔLが5以下となる。したがって、複合皮膜の明度L値を広い範囲(5以上)で調整することができなくなる。結果として、アルミニウム形材1をライトグレーからダークグレーに着色することができなくなる。また、アルミニウム基材10の基材表面10aの質感が損なわれる。なお、アルミニウム基材10の基材表面10aの質感とは、アルミニウム基材10の基材表面10aに形成されたヘアライン等を視認できることを言う。
電着塗膜30における黒色顔料33の含有量、すなわち、基材31、白色顔料32および黒色顔料33の合計質量を100質量%とした場合の黒色顔料33の含有量は、0.1質量%以上0.3質量%以下であり、0.15質量%以上0.25質量%以下であることが好ましい。黒色顔料33の含有量が0.1質量%未満では、陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値が4を超えるため、アルミニウム形材1は、その表面1a(電着塗膜30の表面30a)において、無彩色のグレー色を呈しなくなる。黒色顔料33の含有量が0.3質量%を超えると、色調が異なるアルミニウム基材10のそれぞれに電着塗膜30を形成した場合に、それぞれのアルミニウム基材10に形成された電着塗膜30の表面30aのΔLが5以下となる。したがって、複合皮膜の明度L値を広い範囲(5以上)で調整することができなくなる。結果として、アルミニウム形材1をライトグレーからダークグレーに着色することができなくなる。また、アルミニウム基材10の基材表面10aの質感が損なわれる。
電着塗膜30の厚さは10μm以上24μm以下であることが好ましく、12μm以上18μm以下であることがより好ましい。電着塗膜30の厚さが10μm未満では、陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値が4を超えるため、アルミニウム形材1は、その表面1a(電着塗膜30の表面30a)において、無彩色のグレー色を呈しなくなる。電着塗膜30の厚さが24μmを超えると、色調が異なるアルミニウム基材10のそれぞれに電着塗膜30を形成した場合に、それぞれのアルミニウム基材10に形成された電着塗膜30の表面30aのΔLが5以下となる。したがって、複合皮膜の明度L値を広い範囲(5以上)で調整することができなくなる。結果として、アルミニウム形材1をライトグレーからダークグレーに着色することができなくなる。また、アルミニウム基材10の基材表面10aの質感が損なわれる。
陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値は4以下であることが好ましい。前記複合皮膜のc値が4以下であれば、アルミニウム形材1は、その表面1a(電着塗膜30の表面30a)において、無彩色のグレー色を呈する。
複合皮膜のc値は、a値とb値から、下記の式(1)で算出される。
Figure 2021080518
電着塗膜30に含まれる基材31を構成する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリルメラミン樹脂、エポキシエステル樹脂、ポルエステル樹脂、ポリブタジエン樹脂系等が挙げられる。
白色顔料32としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン等が挙げられる。白色顔料32の粒径は、特に限定されないが、例えば、1μm以上8μm以下であることが好ましい。
黒色顔料33としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。黒色顔料33の粒径は、特に限定されないが、例えば、1μm以上8μm以下であることが好ましい。
本実施形態のアルミニウム形材1によれば、アルミニウム基材10と、アルミニウム基材10の基材表面10aに形成された陽極酸化皮膜20と、陽極酸化皮膜20の表面20aに形成された電着塗膜30と、を備え、電着塗膜30は、白色顔料32および黒色顔料33を含み、電着塗膜30における白色顔料32の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、電着塗膜30における黒色顔料33の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下であるため、アルミニウム形材1は、その表面1aにおいて、アルミニウム基材10の色調の影響を受けることなく、無彩色のグレー色を呈する。アルミニウム形材1は、アルミニウム基材10の基材表面10aの質感を維持することができる。
[アルミニウム形材の製造方法]
図1を参照して、本発明の一実施形態のアルミニウム形材の製造方法を説明する。本実施形態のアルミニウム形材の製造方法は、アルミニウム基材に陽極酸化処理を施し、前記アルミニウム基材の基材表面に陽極酸化皮膜を形成する工程(以下、「表面処理工程」と記載する。)と、前記陽極酸化皮膜の前記アルミニウム基材とは反対側の面に、塗料を用いて電着塗装を施して電着塗膜を形成する工程(以下、「電着塗装工程」と記載する。)と、を有する。
本実施形態のアルミニウム形材の製造方法は、表面処理工程と電着塗装工程の他に、鋳造工程、押出工程、研磨工程を有していてもよい。本実施形態のアルミニウム形材の製造方法によって、図1に示すアルミニウム形材1を製造できる。
表面処理工程では、アルミニウム基材10に陽極酸化処理を施し、アルミニウム基材10の基材表面10aに陽極酸化皮膜20を形成する。アルミニウム基材10の陽極酸化処理は、アルミニウム基材10を陽極として電解液中で通電することによって行うことができる。電解液の種類は、硫酸、燐酸、クロム酸、蓚酸等の無機酸や有機酸、あるいはそれらの混酸を使用できる。このようにアルミニウム基材10に通電すると、基材表面10aから酸素が発生すると共に、この酸素とAlが結合し、酸化アルミニウムを主体とする陽極酸化皮膜20が、基材表面10a上に成長する。
電着塗装工程では、陽極酸化皮膜20の表面20aに、塗料を用いて電着塗装を施して電着塗膜30を形成する。塗料は、白色顔料32および黒色顔料33を含み、塗料における白色顔料32の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、塗料における黒色顔料33の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下である。
電着塗装工程では、10℃以上30℃以下に保持した上記の塗料中に、陽極酸化皮膜20が形成されたアルミニウム基材10を浸漬して、対極との間に100V以上300V以下の電圧を印加することによって1分間以上5分間以下通電した後、水洗し、150℃以上300℃以下の炉中で10分間以上60分間以下の焼付乾燥を行うことによって、電着塗膜30を有するアルミニウム形材1を得る。
電着塗装工程では、陽極酸化皮膜20の表面20aのL値に応じて、塗料における白色顔料32および黒色顔料33の含有量を調整することにより、アルミニウム形材1の表面1aの色調を目的とする無彩色のグレー色とすることができる。すなわち、塗料における白色顔料32および黒色顔料33の含有量を調整することにより、アルミニウム形材1の表面1aにおいて、c値が4以下の範囲で、陽極酸化皮膜20と電着塗膜30からなる複合皮膜のc値を所望の値に調整することができる。
上述の各工程を行うことによって、アルミニウム形材1を製造できる。
本実施形態のアルミニウム形材の製造方法によれば、表面処理工程と、電着塗装工程と、を有し、電着塗装工程にて、陽極酸化皮膜20の表面20aに、白色顔料32および黒色顔料33を含み、塗料における白色顔料32の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、塗料における黒色顔料33の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下である塗料を用いて電着塗装を施して電着塗膜30を形成するため、アルミニウム基材10の色調の影響を受けることなく、アルミニウム形材1の表面1aを無彩色のグレー色に着色することができる。本実施形態のアルミニウム形材の製造方法によれば、アルミニウム基材10の基材表面10aの質感を損なうことなく、アルミニウム形材1の表面1aを無彩色のグレー色に着色することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。本発明は、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、変更可能である。
以下、実験例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に限定されるものではない。
[実験例1〜実験例10]
JIS H 4100に、A6063S−T5として規定されるアルミニウム合金押出形材を上述の一実施形態のアルミニウム形材の製造方法において、表1に示すように、塗料における白色顔料の含有量を一定(1.7質量%)、塗料における黒色顔料の含有量を変化させて、厚み15μmの電着塗膜を形成し、アルミニウム形材を形成した。なお、電着塗膜における白色顔料の含有量および黒色顔料の含有量は、塗料における白色顔料の含有量および黒色顔料の含有量と同一である。
アルミニウム基材の種類、陽極酸化皮膜のL表色系のL値、a値およびb値、複合皮膜のL表色系のL値、a値、b値およびc値を、表1に示す。陽極酸化皮膜のL表色系のL値、a値およびb値、並びに、複合皮膜のL表色系のL値、a値、b値およびc値は、上述の通り、色彩色差計CR−400(販売元:コニカミノルタジャパン株式会社)を用いて測定した。
表1に記載のc値判定は、複合皮膜のc値が4以下の場合に「合格」、複合皮膜のc値が4を超える場合に「不合格」とした。
Figure 2021080518
陽極酸化皮膜の色のステンカラーとは、L表色系のL値が64以上70以下、かつa値が1.4以上1.8以下、かつb値が10以上12以下の色調のことである。陽極酸化皮膜の色のブラックとは、L表色系のL値が19以上23以下、かつa値が0以上1以下、かつb値が0以上4以下の色調のことである。
表1の結果から、電着塗膜における黒色顔料の含有量が0.1質量%未満では、複合皮膜のc値が4を超えるため、判定が「不合格」となることが分かった。
実験例2と実験例7、実験例3と実験例8、実験例4と実験例9、実験例5と実験例10を比較すると、それぞれの組み合わせは、アルミニウム基材の色調が異なっている。実験例2と実験例7では複合皮膜のL値の差ΔLが11.01であった。実験例3と実験例8では複合皮膜のL値の差ΔLが9.07であった。実験例4と実験例9では複合皮膜のL値の差ΔLが5.5であった。実験例5と実験例10では複合皮膜のL値の差ΔLが3.65であった。したがって、電着塗膜における黒色顔料の含有量が0.3質量%を超えると、アルミニウム基材の色調の影響を受けて、複合皮膜の明度L値を広い範囲(5以上)で調整することができなくなる。結果として、アルミニウム形材をライトグレーからダークグレーに着色することができなくなる。
[実験例11〜実験例19]
JIS H 4100に、A6063S−T5として規定されるアルミニウム合金押出形材を上述の一実施形態のアルミニウム形材の製造方法において、表2に示すように、塗料における黒色顔料の含有量を一定(0.24質量%)、塗料における白色顔料の含有量を変化させて、厚み15μmの電着塗膜を形成し、アルミニウム形材を形成した。なお、電着塗膜における白色顔料の含有量および黒色顔料の含有量は、塗料における白色顔料の含有量および黒色顔料の含有量と同一である。
アルミニウム基材の種類、陽極酸化皮膜のL表色系のL値、a値およびb値、複合皮膜のL表色系のL値、a値、b値およびc値を、表2に示す。陽極酸化皮膜のL表色系のL値、a値およびb値、並びに、複合皮膜のL表色系のL値、a値、b値およびc値は、上述の通り、色彩色差計CR−400(販売元:コニカミノルタジャパン株式会社)を用いて測定した。
表2に記載のc値判定は、複合皮膜のc値が4以下の場合に「合格」、複合皮膜のc値が4を超える場合に「不合格」とした。
Figure 2021080518
表2の結果から、電着塗膜における白色顔料の含有量が1.5質量%未満では、複合皮膜のc値が4を超えるため、判定が「不合格」となることが分かった。
実験例12と実験例16、実験例13と実験例17、実験例14と実験例18、実験例15と実験例19を比較すると、それぞれの組み合わせは、アルミニウム基材の色が異なっている。実験例12と実験例16では複合皮膜のL値の差ΔLが5.57であった。実験例13と実験例17では複合皮膜のL値の差ΔLが5.22であった。実験例14と実験例18では複合皮膜のL値の差ΔLが5.24であった。実験例15と実験例19では複合皮膜のL値の差ΔLが4.06であった。したがって、電着塗膜における白色顔料の含有量が2.3質量%を超えると、アルミニウム基材の色調の影響を受けて、複合皮膜の明度L値を広い範囲(5以上)で調整することができなくなる。結果として、アルミニウム形材をライトグレーからダークグレーに着色することができなくなる。
[実験例21〜実験例30]
JIS H 4100に、A6063S−T5として規定されるアルミニウム合金押出形材を上述の一実施形態のアルミニウム形材の製造方法において、表3に示すように、塗料における白色顔料の含有量を一定(1.7質量%)、塗料における黒色顔料の含有量を一定(0.24質量%)とし、厚みの異なる電着塗膜を形成し、アルミニウム形材を形成した。なお、電着塗膜における白色顔料の含有量および黒色顔料の含有量は、塗料における白色顔料の含有量および黒色顔料の含有量と同一である。
アルミニウム基材の種類、陽極酸化皮膜のL表色系のL値、a値およびb値、複合皮膜のL表色系のL値、a値、b値およびc値を、表3に示す。陽極酸化皮膜のL表色系のL値、a値およびb値、並びに、複合皮膜のL表色系のL値、a値、b値およびc値は、上述の通り、色彩色差計CR−400(販売元:コニカミノルタジャパン株式会社)を用いて測定した。
表1に記載のc値判定は、複合皮膜のc値が4以下の場合に「合格」、複合皮膜のc値が4を超える場合に「不合格」とした。
Figure 2021080518
表3の結果から、電着塗膜の厚みが10未満では、1.5質量%未満では、複合皮膜のc値が4を超えるため、判定が「不合格」となることが分かった。
実験例23と実験例27、実験例24と実験例28、実験例25と実験例29、実験例26と実験例30を比較すると、それぞれの組み合わせは、アルミニウム基材の色が異なっている。実験例23と実験例27では複合皮膜のL値の差ΔLが11.53であった。実験例24と実験例28では複合皮膜のL値の差ΔLが5.79であった。実験例25と実験例29では複合皮膜のL値の差ΔLが5.14であった。実験例26と実験例30では複合皮膜のL値の差ΔLが4.29であった。したがって、電着塗膜の厚みが24μmを超えると、アルミニウム基材の色調の影響を受けて、複合皮膜の明度L値を広い範囲(5以上)で調整することができなくなる。結果として、アルミニウム形材をライトグレーからダークグレーに着色することができなくなる。
1 アルミニウム形材、10 アルミニウム基材、20 陽極酸化皮膜、30 電着塗膜、32 白色顔料、33 黒色顔料

Claims (4)

  1. アルミニウム基材と、前記アルミニウム基材の基材表面に形成された陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜の前記アルミニウム基材とは反対側の面に形成された電着塗膜と、を備え、
    前記電着塗膜は、白色顔料および黒色顔料を含み、
    前記電着塗膜における前記白色顔料の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、前記電着塗膜における前記黒色顔料の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下であることを特徴とするアルミニウム形材。
  2. 前記電着塗膜の厚みは10μm以上24μm以下である請求項1に記載のアルミニウム形材。
  3. 前記陽極酸化皮膜と前記電着塗膜からなる複合皮膜のL表色系の彩度を表すc値は4以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム形材。
  4. アルミニウム基材に陽極酸化処理を施し、前記アルミニウム基材の基材表面に陽極酸化皮膜を形成する工程と、
    前記陽極酸化皮膜の前記アルミニウム基材とは反対側の面に、塗料を用いて電着塗装を施して電着塗膜を形成する工程と、を有し、
    前記塗料は、白色顔料および黒色顔料を含み、
    前記塗料における前記白色顔料の含有量は1.5質量%以上2.3質量%以下、前記塗料における前記黒色顔料の含有量は0.1質量%以上0.3質量%以下であることを特徴とするアルミニウム形材の製造方法。
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