JP2021078250A - 出力範囲決定装置、出力範囲決定方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

出力範囲決定装置、出力範囲決定方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】蓄電池および発電機を備える自立型の電力設備を安定的に運用可能な蓄電池および発電機の構成を提案することができる出力範囲決定装置を提供する。【解決手段】自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置であって、前記電力設備に含まれる発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部とを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、出力範囲決定装置、出力範囲決定方法およびコンピュータプログラムに関する。
商用の電力系統から切り離された自立型の電力設備においては、停電などの商用の電力系統の影響を受けずに、重要負荷に対して長時間に亘り、継続して電力供給を行うことが可能である。その一方、電力需給のアンバランスに対する電力供給や、電圧または周波数などの電力品質の維持に関する補助を受けることができない。このため、自立型の電力設備においては電力需給のバランスの調整や電力品質を維持するための方法が重要になる。
自立型の電力設備には、電圧および周波数の維持を主に蓄電池が担う蓄電池型と、主に発電機が担う発電機型とがある。蓄電池型の電力設備では、パワーエレクトロニクス技術の発展に伴う高速なスイッチング技術により、負荷の必要とする電力に応じて極めて高速かつ精度良く蓄電池の出力を切り替えることができる。
特許文献1には、蓄電池を備えるマイクログリッドまたはスマートグリッドの供給設備構築装置について開示されている。
特開2016−213933号公報
蓄電池型の電力設備を安定的に運用するためには、発電機などの他の電源設備から電力供給を受けつつ、蓄電池の充電残量が無くならないような、コストの低い蓄電池構成を決定する必要がある。
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであり、蓄電池および発電機を備える自立型の電力設備を安定的に運用可能な蓄電池および発電機の構成を提案することができる出力範囲決定装置、出力範囲決定方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る出力範囲決定装置は、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置であって、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部とを備える。
本開示の他の態様に係る出力範囲決定方法は、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定方法であって、コンピュータが、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得するステップと、前記コンピュータが、前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定するステップとを含む。
本開示の他の態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部として機能させる。
本開示に係るコンピュータプログラムを、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等のコンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体を用いて流通させることができるのは言うまでもない。また、本開示は、出力範囲決定装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、出力範囲決定装置を含むシステムとして実現したりすることもできる。
本開示によると、蓄電池および発電機を備える自立型の電力設備を安定的に運用可能な蓄電池および発電機の構成を提案することができる。
図1は、自立型電力設備の構成の一例を示す図である。 図2は、出力範囲決定装置の機能的構成を示すブロック図である。 図3は、蓄電池および発電機の出力範囲の一例を示す図である。 図4は、図3に示す蓄電池および発電機の出力範囲において、負荷の運用が可能な範囲を示す図である。 図5は、蓄電池および発電機の出力範囲を一般化して示す図である。 図6は、図5に示す蓄電池および発電機の出力範囲において、負荷の運用が可能な範囲を示す図である。 図7は、負荷運用条件について説明するための図である。 図8は、負荷の定常状態において消費電力の変動が生じる場合の問題について説明するための図である。 図9は、第2選定条件について説明するための図である。 図10は、本開示の実施形態1に係る出力範囲決定装置の処理手順を示すフローチャートである。 図11Aは、設備構成提案画面の一例を示す図である。 図11Bは、設備情報を入力した後の設備構成提案画面の一例を示す図である。 図11Cは、表示装置52に表示される設備構成提案画面の一例を示す図である。 図12は、本開示の実施形態2に係る出力範囲決定装置の処理手順を示すフローチャートである。 図13Aは、設備構成提案画面の一例を示す図である。 図13Bは、設備情報を入力した後の設備構成提案画面の一例を示す図である。 図13Cは、表示装置に表示される設備構成提案画面の一例を示す図である。
[本開示の実施形態の概要]
最初に本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本開示の一実施形態に係る出力範囲決定装置は、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置であって、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部とを備える。
この構成によると、発電機の出力範囲の条件と蓄電池の出力範囲の条件の両方を考慮して蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。これにより、発電機の停止状態および稼働状態の両方の状態において、自立型の電力設備を安定的に運用可能な蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。
(2)好ましくは、前記第1選定条件は、前記発電機の停止状態および稼働状態において、前記蓄電池が過充電または過放電とならない条件である。
この構成によると、発電機の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池が過充電または過放電とならないような蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。
(3)さらに好ましくは、前記第1選定条件は、前記発電機を停止させ、かつ前記蓄電池を稼働させた場合に取り得る前記蓄電池の出力範囲の条件と、前記蓄電池および前記発電機の双方を稼働させた場合に取り得る前記蓄電池および前記発電機の組の出力範囲の条件とに基づいて定められる。
この構成によると、発電機の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池が過充電または過放電とならないような蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。
(4)また、前記第1選定条件は、前記蓄電池の最大充電電力と前記発電機の最小定格出力とに基づいて定められていてもよい。
この構成によると、発電機を停止させて蓄電池を充電させた場合の蓄電池の出力範囲と、発電機を稼働させて蓄電池を充電させた場合の蓄電池および発電機の組の出力範囲とが少なくとも1点で重複するように蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。このため、発電機の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池が過充電とならないような蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。
(5)また、前記第1選定条件は、前記蓄電池の最大放電電力と前記発電機の最小定格出力とに基づいて定められていてもよい。
この構成によると、発電機を停止させて蓄電池を放電させた場合の蓄電池の出力範囲と、発電機を稼働させて蓄電池を放電させた場合の蓄電池および発電機の組の出力範囲とが少なくとも1点で重複するように蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。このため、発電機の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池が過放電とならないような蓄電池および発電機の出力範囲を決定することができる。
(6)また、前記条件取得部は、さらに、前記電力設備に含まれる負荷の運用範囲を前記発電機の最大定格出力に基づいて定める前記負荷の運用条件を取得し、前記出力範囲決定部は、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件および前記運用条件と、前記負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定してもよい。
この構成によると、蓄電池を過充電または過放電な状態にすることなく充電および放電の切り替えが可能な範囲において負荷を運用することができる。このため、自立型の電力設備を安定的に運用することができる。
(7)また、前記運用条件は、前記負荷の消費電力変動量を考慮して定められてもよい。
この構成によると、負荷の消費電力が変動した場合であっても、蓄電池を過充電または過放電な状態にすることなく充電および放電の切り替えが可能な範囲において負荷を運用することができる。
(8)また、前記第1選定条件は前記負荷の消費電力変動量を考慮して定められてもよい。
この構成によると、負荷の消費電力が変動した場合であっても、発電機の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池が過充電または過放電とならないように自立型の電力設備を安定的に運用することができる。
(9)また、前記条件取得部は、さらに、前記電力設備に対して追加または削減する負荷の消費電力の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる前記蓄電池の第2選定条件を取得し、前記出力範囲決定部は、前記第2選定条件を考慮して、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定してもよい。
この構成によると、電力設備に負荷が追加されたり、電力設備から負荷が削減されたりした場合であっても、負荷に安定的に電力を供給し続けることができる。このため、自立型の電力設備を安定的に運用することができる。
(10)また、前記第2選定条件は前記電力設備に含まれる前記負荷の消費電力変動量を考慮して定められてもよい。
この構成によると、負荷の消費電力が変動し、かつ電力設備に負荷が追加されたり、電力設備から負荷が削減されたりした場合であっても、負荷に安定的に電力を供給し続けることができる。
(11)本開示の他の実施形態に係る出力範囲決定方法は、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定方法であって、コンピュータが、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得するステップと、前記コンピュータが、前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定するステップとを含む。
この構成は、上述の出力範囲決定装置が備える特徴的な処理部に対応するステップを含む。このため、この構成によると、上述の出力範囲決定装置と同様の作用および効果を奏することができる。
(12)本開示の他の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、前記コンピュータを、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部として機能させる。
この構成によると、コンピュータを、上述の出力範囲決定装置として機能させることができる。このため、上述の出力範囲決定装置と同様の作用および効果を奏することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
また、同一の構成要素には同一の符号を付す。それらの機能および名称も同様であるため、それらの説明は適宜省略する。
<実施形態1>
実施形態1では、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置について説明する。
〔自立型電力設備について〕
まず、実施形態1が対象とする自立型電力設備について説明する。なお、本開示では、蓄電池型の自立型電力設備を想定する。
図1は、自立型電力設備の構成の一例を示す図である。
自立型電力設備1は、蓄電池11と、発電機12と、重要負荷13と、保安負荷14と、通常負荷15と、太陽光発電機16と、風力発電機17とを含む。
自立型電力設備1に設置された各電力機器11〜17は、電力線20に接続される。電力線20は、電力系統21に接続される。
電力系統21と自立型電力設備1との経路中には、連系用遮断器22が設けられている。連系用遮断器22は、例えば、真空遮断器であり、自立型電力設備1の電力系統21への連系(並列)と、自立型電力設備1の電力系統21からの遮断(解列)とを切り替える。つまり、連系用遮断器22をクローズすることにより、自立型電力設備1は電力系統21に並列し、連系用遮断器22をオープンにすることにより、自立型電力設備1は、電力系統21から解列する。
蓄電池11は、例えば、レドックスフロー(RF)電池、リチウムイオン電池、溶融塩電池、鉛蓄電池などの二次電池を含む。蓄電池11は、パワーコンディショナーまたはバッテリーマネジメントシステムなどを介して電力線20に接続される。
発電機12は、例えば、都市ガスなどのガスを燃焼させることにより発電を行うガス発電機である。なお、発電機12は、水素等の燃料の化学エネルギーから電力を取り出す燃料電池であってもよい。
重要負荷13は、停電等により電力系統21から電力が供給されない場合であっても一定の期間動作させることを保証しなければならない負荷である。長時間に亘って実験を行わなければならない場合の実験装置や、病院で用いられる医療機器などはその一例である。
保安負荷14は、停電等により電力系統21から電力が供給されない場合に保安のために動作する負荷である。非常灯などはその一例である。
通常負荷15は、重要負荷のように動作時間の保証の必要のない一般的な負荷である。エアコンなどはその一例である。
太陽光発電機16は、再生可能エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー発電機の一例であり、太陽光エネルギーを直流の電力に変換する。なお、太陽光発電機16は、パワーコンディショナーを介して電力線20に接続される。また、太陽光発電機16は、負の出力を有する負荷とみなす。
風力発電機17は、再生可能エネルギーを利用して発電する再生可能エネルギー発電機の一例であり、風力エネルギーを直流の電力に変換する。なお、風力発電機17は、パワーコンディショナーを介して電力線20に接続される。また、風力発電機17は、負の出力を有する負荷とみなす。
〔出力範囲決定装置について〕
図2は、出力範囲決定装置の機能的構成を示すブロック図である。
出力範囲決定装置3は、図1に示した自立型電力設備1が電力系統21から解列して自立運転する場合に、安定的に負荷を運用させることのできる蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する。ここで、負荷とは、重要負荷13、保安負荷14および通常負荷15を指す。なお、負荷に太陽光発電機16および風力発電機17が含まれていてもよい。
出力範囲決定装置3は、条件取得部31と、出力範囲決定部32と、入力受付部33と、表示制御部34と、記憶部35とを備える。
出力範囲決定装置3は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などから構成されるコンピュータシステムとして構成されてもよい。例えば、出力範囲決定装置3は、HDDに記憶されているコンピュータプログラムをRAMにロードし、マイクロプロセッサ上でコンピュータプログラムを実行する。これにより、各処理部31〜34が機能的に実現される。
条件取得部31は、記憶部35に記憶されている第1選定条件41を読み出し、第1選定条件41を出力範囲決定部32に出力する。第1選定条件41は、発電機12の出力範囲の条件と蓄電池11の出力範囲の条件とに基づいて定められる、蓄電池11および発電機12の出力範囲に関する条件であり、発電機12の停止状態および稼働状態において、蓄電池11が過充電または過放電とならない条件である。なお、第1選定条件41の詳細については後述する。
また、条件取得部31は、記憶部35に記憶されている第2選定条件42を読み出し、第2選定条件42を出力範囲決定部32に出力する。第2選定条件42は、自立型電力設備1に対して追加または削減する負荷の消費電力の条件と蓄電池11の出力範囲の条件とに基づいて定められる蓄電池11の出力範囲に関する条件である。第2選定条件は自立型電力設備1に含まれる負荷の消費電力変動量を考慮して定められる。なお、第2選定条件42の詳細については後述する。
さらに、条件取得部31は、記憶部35に記憶されている負荷運用条件43を読み出し、負荷運用条件43を出力範囲決定部32に出力する。負荷運用条件43は、自立型電力設備1に含まれる負荷の運用範囲(負荷の消費電力)に関する条件である。なお、負荷運用条件43の詳細については後述する。
入力受付部33は、ユーザが入力装置51(例えば、キーボードまたはマウス)を操作して入力した、自立型電力設備1に含まれる負荷の消費電力などの自立型電力設備1の設備情報を受け付ける。入力受付部33は、受け付けた自立型電力設備1の設備情報を、出力範囲決定部32に出力する。
出力範囲決定部32は、条件取得部31が取得した第1選定条件41、第2選定条件42および負荷運用条件43と、入力受付部33が受け付けた自立型電力設備1の設備情報とに基づいて、蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する。つまり、出力範囲決定部32は、第1選定条件41、第2選定条件42および負荷運用条件43を満たすように、自立型電力設備1の設備情報に基づいて、蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する。出力範囲決定部32は、決定した蓄電池11および発電機12の出力範囲の情報を表示制御部34に出力する。
表示制御部34は、出力範囲決定部32から蓄電池11および発電機12の出力範囲の情報を受け、その情報を表示装置52(例えば、ディスプレイ)に表示させる。
記憶部35は、例えば、HDDまたはROMなどにより構成される。
〔第1選定条件について〕
次に、第1選定条件41について詳細に説明する。
図3は、蓄電池11および発電機12の出力範囲の一例を示す図である。図3に示すように、蓄電池11の出力範囲は−500kWから500kWの間とする。なお、正の出力範囲では蓄電池11が放電を行い、負の出力範囲では蓄電池11が充電を行うものとする。また、発電機12の出力範囲は900kWから1800kWの間とする。これは、発電機12を起動してから定常運転状態に移行した後の出力範囲である。
図4は、図3に示す蓄電池11および発電機12の出力範囲において、負荷(全ての負荷)の運用が可能な範囲を示す。図4の左側(i)には、蓄電池11が充電する場合の負荷の運用可能範囲を示し、図4の右側(ii)には、蓄電池11が放電する場合の負荷の運用可能範囲を示す。
図4の(i)に示すように、発電機12を稼働させずに、蓄電池11が充電する場合の、蓄電池11および発電機12の合計出力(以下、単に「合計出力」ともいう)は、−500kW〜0kWである。また、発電機12を稼働させて、蓄電池11が充電する場合の合計出力は、400kW〜1800kWである。このため、蓄電池11が充電する場合の負荷の運用可能範囲は、−500kW〜0kWおよび400kW〜1800kWである。
一方、図4の(ii)に示すように、発電機12を稼働させずに、蓄電池11が放電する場合の合計出力は、0kW〜500kWである。また、発電機12を稼働させて、蓄電池11が放電する場合の合計出力は、900kW〜2300kWである。このため、蓄電池11が放電する場合の負荷の運用範囲(全ての負荷の合計消費電力)は、0kW〜500kWおよび900kW〜2300kWである。
このように、蓄電池11の放電時および充電時のそれぞれにおいて、負荷の運用範囲が不連続となる範囲61、62が存在する。
範囲61においては、蓄電池11を充電状態にした上で負荷を運用することができない。このため、蓄電池11が過放電となる可能性がある。例えば、範囲61内の200kWの消費電力の負荷を運用する場合には、蓄電池11を充電することができないが、放電することはできる。このため、常に、蓄電池11を放電し続けなければならず、いずれ過放電となる。
一方、範囲62においては、蓄電池11を放電状態にした上で負荷を運用することができない。このため、過充電となる可能性がある。例えば、範囲62内の800kWの消費電力の負荷を運用する場合には、蓄電池11を放電することができないが充電することはできる。このため、常に、蓄電池11を充電し続けなければならず、いずれ過充電となる。
そこで、蓄電池11が過充電または過放電とならずに、負荷を運用することのできる蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する必要がある。第1選定条件41は、このような出力範囲に関する条件である。
図5は、蓄電池11および発電機12の出力範囲を一般化して示す図である。図5に示すように、蓄電池11の出力範囲は−AkWからBkWの間とする。なお、正の出力範囲では蓄電池11が放電を行い、負の出力範囲では蓄電池11が充電を行うものとする。また、発電機12の定常運転状態における出力範囲はCkWからDkWの間とする。ただし、A、B、CおよびDはいずれも正の値とする。
図6は、図5に示す蓄電池11および発電機12の出力範囲において、負荷(全ての負荷)の運用が可能な範囲を示す。図6の左側(i)には、蓄電池11が充電する場合の負荷の運用可能範囲を示し、図6の右側(ii)には、蓄電池11が放電する場合の負荷の運用可能範囲を示す。
図6の(i)に示すように、発電機12を稼働させずに、蓄電池11が充電する場合の、合計出力は、−AkW〜0kWである。また、発電機12を稼働させて、蓄電池11が充電する場合の合計出力は、(−A+C)kW〜DkWである。このため、蓄電池11が充電する場合の負荷の運用可能範囲は、−AkW〜0kWおよび(−A+C)kW〜DkWである。蓄電池11の充電時において負荷の運用範囲に不連続な範囲を生じさせないための条件は、以下の式1で示すことができる。
−A+C≦0 …(式1)
一方、図6の(ii)に示すように、発電機12を稼働させずに、蓄電池11が放電する場合の合計出力は、0kW〜BkWである。また、発電機12を稼働させて、蓄電池11が放電する場合の合計出力は、CkW〜(D+B)kWである。このため、蓄電池11が放電する場合の負荷の運用範囲は、0kW〜BkWおよびCkW〜(D+B)kWである。蓄電池11の放電時において負荷の運用範囲(全ての負荷の合計消費電力)に不連続な範囲を生じさせないための条件は、以下の式2で示すことができる。
C≦B …(式2)
多くの場合、蓄電池11の最大充電電力Aと最大放電電力Bとは同じである。このため、以下の説明では、A=Bと仮定する。すると、式1および式2は、以下の式3に集約することができる。
C≦A(=B) …(式3)
よって、式1および式2、または式3を、蓄電池11および発電機12の出力範囲に関する第1選定条件41とする。
〔負荷運用条件について〕
次に、負荷運用条件43について詳細に説明する。
図7は、負荷運用条件43について説明するための図である。図7には、図6に示した蓄電池11の放電時の合計出力の範囲(範囲71および72)と、蓄電池11の充電時の合計出力の範囲(範囲73および74)とを上下に並べて示している。式3に示した第1選定条件41を満たす場合の、蓄電池11の放電時の合計出力の範囲は0kW〜(D+B)kWであり、蓄電池11の充電時の合計出力の範囲は−AkW〜DkWである。
このため、2つの合計出力の範囲が重複する範囲75(0kW〜DkW)においては、蓄電池11は充電および放電のいずれの状態も取ることができる。つまり、範囲75において、蓄電池11は充電および放電の切り替えを行うことができる。このため、蓄電池11が過放電または過充電にならないように制御することが可能である。よって、負荷の運用範囲(全ての負荷の消費電力)を範囲75内に収めることにより、負荷に電力が供給できないなどの状況を避けつつ、負荷を安定的に運用することができる。よって、式3を満たしているとの条件の下で、以下の式4を負荷運用条件43とする。ただし、負荷の運用範囲の下限値は厳密に0である必要はなく、0よりも少し大きな値であってもよい。同様に、負荷の運用範囲の上限値は厳密にDである必要はなく、Dよりも少し小さな値であってもよい。
0≦負荷の運用範囲≦D …(式4)
〔負荷の消費電力変動量を考慮した第1選定条件および負荷運用条件について〕
上述したように第1選定条件41は式1および式2、または式3で示され、負荷運用条件43は式4で示される。これらは、負荷の定常状態における消費電力の変動が全くない理想的な状態での条件である。しかし、負荷は定常状態であったとしても消費電力が変動する。以下では、負荷の定常状態における消費電力の変動が生じた場合の問題点と、その問題点を解決した第1選定条件41および負荷運用条件43について説明する。
図8は、負荷の定常状態において消費電力の変動が生じる場合の問題について説明するための図である。図8は、図7と同様に、図6に示した蓄電池11の放電時の合計出力の範囲(範囲71および72)と、蓄電池11の充電時の合計出力の範囲(範囲73および74)とを上下に並べて示している。
例えば、蓄電池11からの放電のみでBkWの負荷を運用しているとする。つまり、範囲72において蓄電池11がBkWの出力を行っているとする。このとき、負荷の消費電力に変動が生じて消費電力がBkWよりも大きくなった場合には、範囲72を超えるため、例えば、範囲71に遷移する必要がある。つまり、発電機12を起動させて発電機12から電力を出力させる必要がある。
同様に、範囲73において蓄電池11および発電機12が(−A+C)kWの負荷を運用しているとする。つまり、範囲73において蓄電池11および発電機12の合計出力が(−A+C)kWであるとする。このとき、負荷の消費電力に変動が生じて消費電力が(−A+C)kWよりも小さくなった場合には、範囲73から範囲74に遷移する必要がある。つまり、発電機12を停止させる必要がある。
このように、負荷の消費電力量が変動すると、発電機12の起動回数および停止回数が増えるという問題がある(問題1)。
また、範囲71において蓄電池11および発電機12がCkWの負荷を運用しているとする。つまり、範囲71において蓄電池11および発電機12の合計出力がCkWであるとする。このとき、負荷の消費電力に変動が生じて消費電力がCkWよりも小さくなったとする。この場合には、範囲71を超えてしまう。また、発電機12をいきなり停止させることは困難である。このため、範囲71から範囲73に遷移する。つまり、蓄電池11の状態を放電から充電に切り替える。しかし、蓄電池11の充電残量が多い場合に充電に切り替えてしまうと過充電になる場合がある。
同様に、範囲73において蓄電池11および発電機12がDkWの負荷を運用しているとする。つまり、範囲73において蓄電池11および発電機12の合計出力がDkWであるとする。このとき、負荷の消費電力に変動が生じて消費電力がDkWよりも大きくなったとする。この場合には、範囲73を超えるため、範囲73から範囲71に遷移する。つまり、蓄電池11の状態を充電から放電に切り替える。しかし、蓄電池11の充電残量が少ない場合に放電に切り替えてしまうと過放電になる場合がある。
このように、負荷の消費電力量が変動すると、蓄電池11の予期せぬ充電または放電が行われることにより、充電残量の調整を行うことが困難であるという問題がある(問題2)。
上記した問題1および問題2を解決するために、第1選定条件41である式1および式2、または式3を、以下の式1´および式2´、または式3´にそれぞれ変更する。
−A+C+ΔP≦―ΔP …(式1´)
C+ΔP≦B−ΔP …(式2´)
C+ΔP≦A−ΔP(=B−ΔP) …(式3´)
ここで、ΔPは、自立型電力設備1における負荷の仮想的な変動量(以下、「仮想負荷変動量」という)である。
これにより、範囲71と範囲72をオーバーラップさせて連続させることができる。また、範囲73と範囲74をオーバーラップさせて連続させることができる。
また、負荷運用条件43である式4を、以下の式4´にそれぞれ変更する。
ΔP≦負荷の運用範囲≦D−ΔP …(式4´)
ただし、式4´は、式3´を満たしていることが前提の条件である。
これにより、負荷の消費電力が変動したとしても、負荷の運用範囲を0kWからDkWの間に収めることができる。
このように、第1選定条件41および負荷運用条件43を変更することにより、負荷の定常状態における消費電力量が仮想負荷変動量ΔPだけ変動した場合であっても、蓄電池11を過放電および過充電にすることなく、負荷を安定的に運用することができる。
〔第2選定条件について〕
次に、第2選定条件42について説明する。
図9は、第2選定条件42について説明するための図である。図9は、蓄電池11の出力範囲(−AkW〜BkW)を示しており、このうち−AkW〜0kWが充電時の出力範囲(充電範囲)であり、0kW〜BkWが放電時の出力範囲(放電範囲)である。
自立型電力設備1から1台ずつ負荷を解列する(切り離す)ことが可能であるとする。また、自立型電力設備1には新規の負荷を1台ずつ投入する(接続する)ことが可能であるとする。自立型電力設備1に解列または投入される負荷の最大消費電力をPmaxとする。
自立型電力設備1から最大消費電力Pmaxの負荷が解列したとしても、残りの負荷に電力を供給して、安定して運用するには、蓄電池11に、解列により減少した電力Pmaxを充電できる容量が必要となる。このため、自立型電力設備1における仮想負荷変動量ΔPを考慮した上で、蓄電池11の充電範囲は、以下の式5の条件を満たす必要がある。
−A+ΔP≦−Pmax …(式5)
また、自立型電力設備1に最大消費電力Pmaxの負荷が投入されたとしても、投入された負荷を含む自立型電力設備1の負荷に電力を供給して、安定して運用するには、蓄電池11に、投入により増加した電力Pmaxを放電できる容量が必要となる。このため、自立型電力設備1における仮想負荷変動量ΔPを考慮した上で、蓄電池11の放電範囲は、以下の式6の条件を満たす必要がある。
Pmax≦B−ΔP …(式6)
蓄電池11の最大充電電力Aと最大放電電力Bとが同じであると仮定すると、式5および式6は、以下の式7集約することができる。
Pmax+ΔP≦A(=B) …(式7)
よって、式5および式6、または式7を、蓄電池11の出力範囲に関する第2選定条件42とする。
〔出力範囲決定装置による蓄電池および発電機の出力範囲決定処理について〕
次に、出力範囲決定装置3による蓄電池11および発電機12の出力範囲の決定処理について、具体例を挙げながら説明する。
図10は、本開示の実施形態1に係る出力範囲決定装置3の処理手順を示すフローチャートである。
表示制御部34は、表示装置52に、蓄電池11および発電機12の設備構成を提案するための設備構成提案画面を表示する(S1)。図11Aは、設備構成提案画面の一例を示す図である。設備構成提案画面の左側には、自立型電力設備1の設備情報を入力するための入力欄81が表示される。同画面の左側には、蓄電池11および発電機12の設備構成案として蓄電池11および発電機12の出力範囲を示すための設備構成案表示欄82が表示される。
入力欄81は、負荷の合計(kW)の入力欄と、負荷の変動量(%)の入力欄と、自立型電力設備1に解列または投入される負荷の最大消費電力(最大負荷/台)(kW)の入力欄とを含む。
設備構成案表示欄82には、蓄電池11および発電機12の出力範囲(最小出力および最大出力)が表示される。
図10を参照して、入力受付部33は、ユーザが入力装置51を操作して、設備校正提案画面の入力欄81に入力した自立型電力設備1の設備情報を受け付ける(S2)。図11Bは、設備情報を入力した後の設備構成提案画面の一例を示す図である。入力欄81に入力された負荷の合計「1000」kWは、自立型電力設備1の自立運転時に想定される負荷の消費電力の合計Psumを示す。Psum(=1000kW)のうち、入力された負荷の変動量「5」%の割合50kWが仮想負荷変動量ΔPを示す。また、入力された最大負荷/台「300」kWが、自立型電力設備1に解列または投入される負荷の最大消費電力Pmaxを示す。
図10を参照して、条件取得部31は、記憶部35から第1選定条件41および第2選定条件42を読み出す(S3)。ここでは、第1選定条件41として、式3´に示したものを用いる。また、第2選定条件42として、式7に示したものを用いる。
条件取得部31は、記憶部35から負荷運用条件43を読み出す(S4)。ここでは、負荷運用条件43として、式4´に示したものを用いる。
出力範囲決定部32は、ステップS2において受け付けられた自立型電力設備1の設備情報と、ステップS3において読み出された第1選定条件41および第2選定条件42と、ステップS4において読み出された負荷運用条件43とに基づいて、蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する(S5)。
例えば、出力範囲決定部32は、Pmax=300kW、ΔP=50kWであることより、式7を満たすAおよびBの最小値350kWをAおよびBの値と決定する。また、出力範囲決定部32は、A=B=350kWであることより、式3´を満たすCの最大値250kWをCの値と決定する。また、出力範囲決定部32は、Psum=1000kW、ΔP=50kWであることより、式4´を満たすDの最小値1050kWをDの値と決定する。
表示制御部34は、ステップS5で決定された蓄電池11および発電機12の出力範囲を示す設備構成提案画面を表示装置52に表示する(S6)。図11Cは、表示装置52に表示される設備構成提案画面の一例を示す図である。設備構成提案画面の設備構成案表示欄82には、蓄電池11の出力範囲として−350kW〜350kWが表示され、発電機12の出力範囲として250kW〜1050kWが表示される。
〔実施形態1の効果〕
以上説明したように、本開示の実施形態1によると、第1選定条件41を考慮して蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定することができる。これにより、発電機12の停止状態および稼働状態の両方の状態において、自立型電力設備1を安定的に運用可能な蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定することができる。このため、自立型電力設備1を安定的に運用可能な最低限の性能を備える低コストの蓄電池11および発電機12の構成を提案することができる。
また、第1選定条件41を考慮して蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定することにより、発電機12の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池11が過充電または過放電とならないような蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定することができる。
また、負荷運用条件43を考慮して蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定することができる。これにより、蓄電池11を過充電または過放電な状態にすることなく充電および放電の切り替えが可能な範囲において負荷を運用することができる。このため、自立型電力設備1を安定的に運用することができる。
また、負荷運用条件43は、負荷の消費電力変動量を考慮して定められる。このため、負荷の消費電力が変動した場合であっても、蓄電池11を過充電または過放電な状態にすることなく充電および放電の切り替えが可能な範囲において負荷を運用することができる。
また、第1選定条件41は、負荷の消費電力変動量を考慮して定められる。このため、負荷の消費電力が変動した場合であっても、発電機12の停止状態および稼働状態の両方の状態において、蓄電池11が過充電または過放電とならないように自立型電力設備1を安定的に運用することができる。
また、出力範囲決定部32は、第2選定条件42を考慮して、蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する。このため、自立型電力設備1に負荷が追加されたり、自立型電力設備1から負荷が削減されたりした場合であっても、負荷に安定的に電力を供給し続けることができる。このため、自立型電力設備1を安定的に運用することができる。
また、第2選定条件42は、負荷の消費電力変動量を考慮して定められる。このため、負荷の消費電力が変動し、かつ自立型電力設備1に負荷が追加されたり、自立型電力設備1から負荷が削減されたりした場合であっても、負荷に安定的に電力を供給し続けることができる。
<実施形態2>
実施形態2では、自立型電力設備1の設備情報として、発電機12の台数、蓄電池11および発電機12の単価などの情報をユーザが入力することにより、最も投資額の少ない蓄電池11および発電機12の設備構成を算出する例について説明する。
自立型電力設備1および出力範囲決定装置3の構成は実施形態1と同様である。ただし、実施形態2では発電機12の台数を複数台とすることが可能である。また、発電機12の性能(出力範囲)は同じであるものとする。
以下では、出力範囲決定装置3による蓄電池11および発電機12の出力範囲の決定処理について、具体例を挙げながら説明する。
図12は、本開示の実施形態2に係る出力範囲決定装置3の処理手順を示すフローチャートである。
表示制御部34は、表示装置52に、蓄電池11および発電機12の設備構成を提案するための設備構成提案画面を表示する(S11)。図13Aは、設備構成提案画面の一例を示す図である。設備構成提案画面の左側には、自立型電力設備1の設備情報を入力するための入力欄91が表示される。同画面の左側には、蓄電池11および発電機12の設備構成案として蓄電池11および発電機12の出力範囲と、蓄電池11および発電機12の合計金額とを示すための設備構成案表示欄92が表示される。
入力欄91は、図11Aの入力欄81に示したのと同じ、負荷の合計(kW)の入力欄と、負荷の変動量(%)の入力欄と、自立型電力設備1に解列または投入される負荷の最大消費電力(最大負荷/台)(kW)の入力欄とを含む。それに加え、入力欄91は、発電機台数(台)の入力欄と、発電機12の最低出力(%)の入力欄と、蓄電池11の単価(円/kW)の入力欄と、発電機12の単価(円/kW)の入力欄とを含む。
設備構成案表示欄92には、図11Aの設備構成案表示欄82に示したのと同様に、蓄電池11および発電機12の出力範囲(最小出力および最大出力)が表示される。それに加え、設備構成案表示欄92には、蓄電池11および発電機12の合計金額が表示される。
図12を参照して、入力受付部33は、ユーザが入力装置51を操作して、設備校正提案画面の入力欄91に入力した自立型電力設備1の設備情報を受け付ける(S12)。図13Bは、設備情報を入力した後の設備構成提案画面の一例を示す図である。入力欄91に入力された負荷の合計、負荷の変動量、および最大負荷/台は、図11Bに示したものと同じである。入力欄91に入力された発電機台数「2」台は、発電機12の台数nを示す。また、入力された最低出力「50」%を100で除した値をmとする。また、蓄電池単価「300」円/kWをxとし、発電機単価「200」円/kWをyとする。
図12参照して、条件取得部31は、記憶部35から第1選定条件41および第2選定条件42を読み出す(S13)。ここでは、実施形態1と同様に、第1選定条件41として、式3´に示したものを用いる。また、第2選定条件42として、式7に示したものを用いる。
条件取得部31は、記憶部35から負荷運用条件43を読み出す(S14)。ここでは、負荷運用条件43として、実施形態1と同様に、式4´に示したものを用いる。
出力範囲決定部32は、ステップS12において受け付けられた自立型電力設備1の設備情報と、ステップS13において読み出された第1選定条件41および第2選定条件42と、ステップS14において読み出された負荷運用条件43とに基づいて、蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定する(S15)。
具体的には、1台当たりの発電機12の最低出力Cは、以下の式8で示される。なお、発電機12の最大出力Dは、n台の発電機12の最大出力の合計である。
C=(D/n)×m …(式8)
また、蓄電池11および発電機12の合計金額f(A,D)は、以下の式9で示される。
f(A,D)=Ax+Dy …(式9)
出力範囲決定部32は、第1選定条件(式3´)、第2選定条件(式7)および負荷運用条件(式4´)の制約条件を満たしつつ、式9に示す合計金額f(A,D)が最小となるAおよびDを算出する。なお、BおよびCについては、AおよびBを算出する過程で導出される。合計金額f(A,D)を最小にするためには、AおよびDをできるだけ小さくする必要がある。
例えば、出力範囲決定部32は、Psum=1000kW、ΔP=50kWであることより、式4´を満たすDの最小値1050kWをDの値と決定する。
また、出力範囲決定部32は、D=1050、n=2、m=0.5を式8に代入することにより、C=262.5を算出する。
また、出力範囲決定部32は、C=262.5、ΔP=50kW、Pmax=300kWであることより、式3´および式7を満たすAおよびBの最小値を362.5と算出する。よって、A=B=362.5とする。
また、出力範囲決定部32は、式9に基づいて蓄電池11および発電機12の合計金額を算出する(S16)。具体的には、出力範囲決定部32は、式9に、ステップS12で受け付けられたxおよびyの値と、ステップS15で算出されたAおよびDの値を入力することにより合計金額f(A,D)を算出する。例えば、出力範囲決定部32は、式9にx=300、y=200、A=362.5、D=1050を入力することにより、合計金額f(A,D)=318750を算出する。
表示制御部34は、ステップS15で決定された蓄電池11および発電機12の出力範囲を示す設備構成提案画面を表示装置52に表示する(S17)。図13Cは、表示装置52に表示される設備構成提案画面の一例を示す図である。設備構成提案画面の設備構成案表示欄92には、蓄電池11の出力範囲として−362.5kW〜362.5kWが表示され、発電機12の出力範囲として262.5kW〜1050kWが表示される。
表示制御部34は、ステップS16で算出された蓄電池11および発電機12の合計金額を設備構成提案画面上に表示する(S18)。例えば、表示制御部34は、図13Cに示す設備構成提案画面の設備構成案表示欄92に、蓄電池11および発電機12の合計金額である318750円を表示させる。
〔実施形態2の効果〕
実施形態2によると、蓄電池11および発電機12の合計金額が最小となるような蓄電池11および発電機12の出力範囲を決定することができる。
[付記]
以上、本開示の実施形態に係る出力範囲決定装置3について説明したが、本開示は、この実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 自立型電力設備
3 出力範囲決定装置
11 蓄電池
12 発電機
13 重要負荷
14 保安負荷
15 通常負荷
16 太陽光発電機
17 風力発電機
20 電力線
21 電力系統
22 連系用遮断器
31 条件取得部
32 出力範囲決定部
33 入力受付部
34 表示制御部
35 記憶部
41 第1選定条件
42 第2選定条件
43 負荷運用条件
51 入力装置
52 表示装置
61 範囲
62 範囲
71 範囲
72 範囲
73 範囲
74 範囲
75 範囲
81 入力欄
82 設備構成案表示欄
91 入力欄
92 設備構成案表示欄

Claims (12)

  1. 自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置であって、
    前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、
    前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部とを備える、出力範囲決定装置。
  2. 前記第1選定条件は、前記発電機の停止状態および稼働状態において、前記蓄電池が過充電または過放電とならない条件である、請求項1に記載の出力範囲決定装置。
  3. 前記第1選定条件は、前記発電機を停止させ、かつ前記蓄電池を稼働させた場合に取り得る前記蓄電池の出力範囲の条件と、前記蓄電池および前記発電機の双方を稼働させた場合に取り得る前記蓄電池および前記発電機の組の出力範囲の条件とに基づいて定められる、請求項1または請求項2に記載の出力範囲決定装置。
  4. 前記第1選定条件は、前記蓄電池の最大充電電力と前記発電機の最小定格出力とに基づいて定められる、請求項3に記載の出力範囲決定装置。
  5. 前記第1選定条件は、前記蓄電池の最大放電電力と前記発電機の最小定格出力とに基づいて定められる、請求項3または請求項4に記載の出力範囲決定装置。
  6. 前記条件取得部は、さらに、前記電力設備に含まれる負荷の運用範囲を前記発電機の最大定格出力に基づいて定める前記負荷の運用条件を取得し、
    前記出力範囲決定部は、前記条件取得部が取得した前記第1選定条件および前記運用条件と、前記負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の出力範囲決定装置。
  7. 前記運用条件は、前記負荷の消費電力変動量を考慮して定められる、請求項6に記載の出力範囲決定装置。
  8. 前記第1選定条件は前記負荷の消費電力変動量を考慮して定められる、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の出力範囲決定装置。
  9. 前記条件取得部は、さらに、前記電力設備に対して追加または削減する負荷の消費電力の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる前記蓄電池の第2選定条件を取得し、
    前記出力範囲決定部は、前記第2選定条件を考慮して、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の出力範囲決定装置。
  10. 前記第2選定条件は前記電力設備に含まれる前記負荷の消費電力変動量を考慮して定められる、請求項9に記載の出力範囲決定装置。
  11. 自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定方法であって、
    コンピュータが、前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得するステップと、
    前記コンピュータが、前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定するステップとを含む、出力範囲決定方法。
  12. コンピュータを、自立型の電力設備へ設置される蓄電池および発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記発電機の出力範囲の条件と前記蓄電池の出力範囲の条件とに基づいて定められる第1選定条件を取得する条件取得部と、
    前記条件取得部が取得した前記第1選定条件と、前記電力設備に含まれる負荷の消費電力とに基づいて、前記蓄電池および前記発電機の出力範囲を決定する出力範囲決定部として機能させるための、コンピュータプログラム。
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