JP2021078241A - ロータの製造方法およびロータ - Google Patents

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【課題】シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの電磁鋼板同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することが可能なロータの製造方法を提供する。【解決手段】このロータ1の製造方法は、ハイドロフォーミングを行うことによりシャフト3をロータコア4に固定する工程を備える。また、ロータ1の製造方法は、回転軸線Cに沿った断面視において、ロータコア4の軸方向の端面4c側から、ロータコア4の軸方向の中央部4d側に向かって、シャフト3の外周面3bとロータコア4の貫通孔4bの内周面4eとの間の径方向における距離D1が大きくなるように、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、ロータの製造方法およびロータに関する。
従来、シャフトを回転軸とするロータコアを備えるロータの製造方法およびロータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、パイプ構造を有した中空形状の回転軸と、回転軸が挿入される挿入孔を有し、複数の積層鋼板が積層されることにより構成された積層鉄心とを備えるモータ用ロータが開示されている。また、回転軸には、ハイドロフォーミングにより形成された抜止部が設けられている。抜止部は、ハイドロフォーミングにより、回転軸が外径側に膨張することによって形成されている。また、抜止部は、積層鉄心の軸方向の一方側と他方側とに、積層鉄心を軸方向に挟み込むように2つ設けられている。すなわち、2つの抜止部は、積層鉄心の軸方向の端面よりも外側に設けられている。これにより、積層鉄心と回転軸とは、2つの抜止部により軸方向に固定(位置決め)されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のモータ用ロータでは、積層鉄心と回転軸とを固定(位置決め)する2つの抜止部が、積層鉄心の軸方向の端面よりも外側に設けられているため、モータ用ロータの軸方向の長さが、抜止部の軸方向の長さの分、大きくなる。そこで、モータ用ロータの軸方向の長さが抜止部の軸方向の長さの分大きくなるのを抑制するために、抜止部が形成されないようにハイドロフォーミングを行う方法が考えられている。
特開2001−268858号公報
しかしながら、抜止部が形成されないようにハイドロフォーミングを行う場合では、ハイドロフォーミング後に、抜止部によりロータコアの両端面が押さえられていない。ここで、シャフトは、ハイドロフォーミングによって軸方向の中央部が最も膨張するとともに軸方向の端部側に向かって膨張量が小さくなるように膨張(樽状に塑性変形)する。したがって、ロータコアの両端面が押さえられていない状態でハイドロフォーミングが行われる場合において、シャフトが上記のように膨張することに起因してロータコアの端面側よりもロータコアの中央部側の方が大きく変形される(ロータコアが樽状(弧状)になるように変形される)ため、ロータコアを構成する積層鋼板同士の間に開き(隙間)が発生する場合がある。この場合、ロータコアの軸方向の長さが大きくなる。したがって、上記特許文献1に記載のモータ用ロータでは、シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの積層鋼板(電磁鋼板)同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの電磁鋼板同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することが可能なロータの製造方法およびロータを提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータの製造方法は、中心に貫通孔を有するロータコア、および、ロータコアの貫通孔に配置される筒状のシャフトを準備する工程と、ロータコアの貫通孔にシャフトを配置する工程と、ロータコアの貫通孔にシャフトが配置された状態で、シャフトの内部に液体を充填させるとともに液体を加圧することによってシャフトを膨張させるハイドロフォーミングを行うことにより、シャフトをロータコアに固定する工程と、を備え、ロータコアおよびシャフトを準備する工程は、シャフトを配置する工程においてロータコアの貫通孔にシャフトが配置された状態で、ロータコアの回転軸線に沿った断面視において、ロータコアの軸方向の端面側から、ロータコアの軸方向の中央部側に向かって、シャフトの外周面とロータコアの貫通孔の内周面との間の径方向における距離が大きくなるように、ロータコアおよびシャフトを準備する工程である。
この発明の第1の局面によるロータの製造方法では、上記のように、シャフトを配置する工程においてロータコアの貫通孔にシャフトが配置された状態で、回転軸線に沿った断面視において、ロータコアの軸方向の端面側から、ロータコアの軸方向の中央部側に向かって、シャフトの外周面とロータコアの貫通孔の内周面との間の径方向における距離が大きくなるようにロータコアおよびシャフトが準備される。ここで、シャフトをハイドロフォーミングにより変形させる場合、シャフトの膨張量は、シャフトの中央部から端部側に向かって小さくなる。したがって、シャフトの膨張量が比較的大きい箇所において、シャフトの外周面とロータコアの貫通孔の内周面との間の上記距離を大きくすることができるので、ハイドロフォーミングによってシャフトが膨張した場合にも、ロータコアの端面側よりもロータコアの中央部側の方が大きく変形される(ロータコアが樽状(弧状)になるように変形される)のを防止することができる。その結果、シャフトをハイドロフォーミングによって膨張させることによってロータコアの端面を押さえる部分を形成しなくても、ロータコアを構成する電磁鋼板同士の間が開くのを防止することができる。これにより、シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの電磁鋼板同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することができる。
また、ロータコアの電磁鋼板同士の間が開くのを防止することによって、電磁鋼板同士が開いた状態と閉じた状態とを繰り返すことに起因して、電磁鋼板が破損すること、および、ノイズが発生すること等を防止することができる。また、ロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することによって、ロータコアの一部が、ロータコアの径方向外側に設けられるステータコアと対向しないことに起因してモータのトルクが低下することを防止することができる。
この発明の第2の局面におけるロータは、中心に貫通孔を有するロータコアと、ロータコアの貫通孔に配置される筒状のシャフトと、を備え、シャフトは、シャフトの内部に液体を充填させるとともに液体を加圧することによってシャフトを膨張させるハイドロフォーミングにより膨張するとともにロータコアに固定される固定部分を含み、シャフトは、ロータコアの回転軸線に沿った断面視において、シャフトの固定部分の厚みが、ロータコアの軸方向の端面側から、ロータコアの軸方向の中央部側に向かって小さくなるように構成されている。
この発明の第2の局面によるロータは、上記のように、シャフトが、回転軸線に沿った断面視において、シャフトの固定部分の厚みが、ロータコアの軸方向の端面側から、ロータコアの軸方向の中央部側に向かって小さくなるように構成されている。これにより、ハイドロフォーミングを行うためにシャフトとロータコアとを位置決めした状態で、ロータコアの端面側からロータコアの中央部側に向かって、シャフトの外周面とロータコアの貫通孔の内周面との間の径方向における距離を容易に大きくすることができる。ここで、シャフトをハイドロフォーミングにより変形させる場合、シャフトの膨張量は、シャフトの中央部から端部側に向かって小さくなる。したがって、シャフトの膨張量が比較的大きい箇所において、シャフトの外周面とロータコアの貫通孔の内周面との間の上記距離を大きくすることができるので、ハイドロフォーミングによってシャフトが膨張した場合にも、ロータコアの端面側よりもロータコアの中央部側の方が大きく変形される(ロータコアが樽状(弧状)になるように変形される)のを防止することができる。これにより、シャフトをハイドロフォーミングによって膨張させることによってロータコアの端面を押さえる部分を形成しなくても、ロータコアを構成する電磁鋼板同士の間が開くのを防止することができる。その結果、シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの電磁鋼板同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することが可能なロータを提供することができる。
この発明の第3の局面におけるロータは、中心に貫通孔を有するロータコアと、ロータコアの貫通孔に配置される筒状のシャフトと、を備え、ロータコアは、ロータコアの回転軸線に沿った断面視において、貫通孔の内径が、ロータコアの軸方向の端面側から、ロータコアの軸方向の中央部側に向かって大きくなるように構成されている。
この発明の第3の局面によるロータは、上記のように、ロータコアが、回転軸線に沿った断面視において、貫通孔の内径が、ロータコアの軸方向の端面側から、ロータコアの軸方向の中央部側に向かって大きくなるように構成されている。ここで、シャフトをハイドロフォーミングにより変形させる場合、シャフトの膨張量は、シャフトの中央部から端部側に向かって小さくなる。したがって、ハイドロフォーミングによってシャフトをロータコアに固定する場合に、ハイドロフォーミングを行うためにシャフトとロータコアとを位置決めした状態で、シャフトの膨張量が比較的大きい箇所においてシャフトの外周面とロータコアの貫通孔の内周面との間の距離を大きくすることができる。その結果、ハイドロフォーミングによってシャフトが膨張した場合にも、ロータコアの端面側よりもロータコアの中央部側の方が大きく変形される(ロータコアが樽状(弧状)になるように変形される)のを防止することができる。これにより、シャフトをハイドロフォーミングによって膨張させることによってロータコアの端面を押さえる部分を形成しなくても、ロータコアを構成する電磁鋼板同士の間が開くのを防止することができる。その結果、シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの電磁鋼板同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することが可能なロータを提供することができる。
本発明によれば、上記のように、シャフトを含むロータの軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコアの電磁鋼板同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコアの軸方向の長さが大きくなるのを防止することができる。
第1実施形態による回転電機の平面図である。 図1の200−200線に沿った断面図である。 図2の300−300線に沿った断面図である。 第1実施形態によるハイドロフォーミング成形機の構成を示した図である。 第1実施形態によるロータの製造方法を示すフロー図である。 第1実施形態によるハイドロフォーミングを行う前のシャフトとロータコアとの構成を示す断面図である。 第1実施形態によるシャフトの断面図である。(図7(a)は、シャフトを切削する前の状態を示した図である。図7(b)は、シャフトを切削した後の状態を示した図である。) 図6の400−400線に沿った断面図である。 第1実施形態によるハイドロフォーミング中のロータの状態を示した図である。 第2実施形態によるロータの構成を示した図である。 第2実施形態によるハイドロフォーミングを行う前のシャフトとロータコアとの構成を示す断面図である。 第1実施形態の変形例によるハイドロフォーミングを行う前のシャフトとロータコアとの構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態の構成]
(ロータの構造)
図1〜図9を参照して、第1実施形態によるロータ1の構造について説明する。
本明細書では、「軸方向」とは、ロータ1(ロータコア4)の回転軸線Cに沿った方向を意味し、図中のZ方向を意味する。また、「径方向」とは、ロータ1(ロータコア4)の径方向(R1方向またはR2方向)を意味し、「周方向」は、ロータ1(ロータコア4)の周方向(E1方向またはE2方向)を意味する。
図1に示すように、回転電機100は、ロータ1とステータ2とを備える。また、ロータ1およびステータ2は、それぞれ、円環状に形成されている。そして、ロータ1は、ステータ2の径方向内側に対向して配置されている。すなわち、第1実施形態では、回転電機100は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。また、ロータ1(ロータコア4)の径方向内側には、筒状のシャフト3が配置されている。シャフト3は、ギア等の回転力伝達部材を介して、エンジンや車軸等に接続されている。たとえば、回転電機100は、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成されており、車両に搭載されるように構成されている。
また、ロータ1は、ロータコア4を備える。ロータコア4は、複数の電磁鋼板4a(図2参照)が積層され、電磁鋼板4aの積層方向に延びる磁石収容部40を有する。また、ロータコア4は、回転軸線C回りに回転されるとともに、中心に貫通孔4bを有する。シャフト3は、ロータコア4の貫通孔4bに配置(挿入)されている。
また、ロータコア4は、磁石収容部40に挿入される永久磁石5を含む。磁石収容部40(永久磁石5)は、ロータコア4に複数設けられている。すなわち、回転電機100は、埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)として構成されている。
また、永久磁石5は、ロータコア4の軸方向(Z方向)から見て長方形形状を有している。たとえば、永久磁石5は、磁化方向(着磁方向)が短手方向となるように構成されている。
また、ステータ2は、ステータコア2aと、ステータコア2aに配置されたコイル2bとを含む。ステータコア2aは、たとえば、複数の電磁鋼板(珪素鋼板)が軸方向に積層されており、磁束を通過可能に構成されている。コイル2bは、外部の電源部に接続されており、電力(たとえば、3相交流の電力)が供給されるように構成されている。そして、コイル2bは、電力が供給されることにより、磁界を発生させるように構成されている。また、ロータ1およびシャフト3は、コイル2bに電力が供給されない場合でも、エンジン等の駆動に伴って、ステータ2に対して回転するように構成されている。なお、コイル2bは、ステータコア2aの全周に亘って配置されている。
また、ロータコア4は、磁石収容部40に配置され、永久磁石5を磁石収容部40において固定する図示しない固定部材を備える。固定部材は、たとえば、接着剤、発泡性の接着シート、または、樹脂等により構成されている。
また、図2に示すように、シャフト3は、シャフト3の内部に液体800(図9参照)を充填させるとともに液体800を加圧することによってシャフト3を膨張させるハイドロフォーミングにより膨張するとともにロータコア4に固定される固定部分3aを含む。具体的には、シャフト3の外周面3bは、ロータコア4の軸方向(Z方向)の端面4c(軸方向の両側の端面4c)側からロータコア4の軸方向の中央部4d側に渡って、ロータコア4の貫通孔4bの内周面4eに圧接されている。すなわち、固定部分3aとは、シャフト3のうち、ロータコア4の貫通孔4bに挿入されている部分の全体である。なお、図2では、簡略化のため、ステータコア2aの図示は省略している。
ここで、第1実施形態では、シャフト3は、回転軸線Cに沿った断面視において、シャフト3の固定部分3aの厚みt1が、ロータコア4の軸方向(Z方向)の両端面4c側から、ロータコア4の軸方向の中央部4d側に向かって小さくなるように構成されている。具体的には、シャフト3は、シャフト3の固定部分3aの厚みt1が、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって徐々に小さくなるように構成されている。
また、シャフト3は、シャフト3の内径r1が、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって大きくなるように構成されている。具体的には、シャフト3は、シャフト3の内径r1が、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって徐々に大きくなるように構成されている。
詳細には、シャフト3は、軸方向(Z方向)にシャフト3を貫通する貫通孔3cを有している。貫通孔3cは、ハイドロフォーミングにより樽状に膨張されている。また、回転軸線Cを含む断面視において、シャフト3の貫通孔3cは、貫通孔3cの内周面3dが径方向外側に凸の弧状に形成されている。なお、図2では、内周面3dが弧形状を有することを強調するために、内周面3dが実際よりも大きい曲率で湾曲しているように図示している。
また、シャフト3の外周面3bは、ロータコア4の貫通孔4bの内周面4eに沿って軸方向に延びるように設けられている。すなわち、シャフト3の外径r2は、ロータコア4の両端面4c間において略一定である。
また、図3に示すように、ロータコア4の貫通孔4bは、軸方向(Z1方向側)から見て、多角形形状を有している。たとえば、ロータコア4の貫通孔4bは、軸方向から見て正16角形形状を有している。これにより、ハイドロフォーミングにより膨張されたシャフト3の外周面3b(内周面3d)は、軸方向から見て、ロータコア4の貫通孔4bに沿うように正16角形形状を有している。その結果、ロータコア4の貫通孔4bが円形形状を有している場合に比べて、シャフト3がロータコア4に対して周方向に相対的に移動(回転)するのを防止することが可能である。なお、ロータコア4の貫通孔4b(シャフト3の外周面3bおよび内周面3d)は、軸方向から見て正16角形形状以外の多角形形状を有していてもよい。
(ハイドロフォーミング成形機の構造)
図4を参照して、ハイドロフォーミング成形機900の構造について説明する。
図4に示すように、ロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が配置された状態で、かつ、ロータコア4およびシャフト3がハイドロフォーミング成形機900に配置(セット)された状態で、ハイドロフォーミングが行われる。
ハイドロフォーミング成形機900は、ロータコア4のZ1方向側の端面4cを押圧する上型901と、ロータコア4のZ2方向側の端面4cを押圧する下型902とを含む。また、ハイドロフォーミング成形機900は、ロータコア4の径方向の移動を径方向外側から規制する規制部903を含む。
また、ハイドロフォーミング成形機900は、シャフト3のZ1方向側の端部をシールする上側シール部904と、シャフト3のZ2方向側の端部をシールする下側シール部905とを含む。上側シール部904および下側シール部905には、それぞれ、シャフト3の貫通孔3cに液体800(図9参照)を導入するための導入路904aおよび905aが設けられている。
(ロータの製造方法)
次に、図5〜図9を参照して、ロータ1の製造方法について説明する。
図5のステップS1に示すように、まず、ロータ1の製造方法は、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程を備える。
ここで、第1実施形態では、図6に示すように、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程(ステップS1)は、シャフト3を配置する工程(後述するステップS2)においてロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が配置された状態で、回転軸線Cに沿った断面視において、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって、シャフト3の外周面3bとロータコア4の貫通孔4bの内周面4eとの間の径方向における距離D1が大きくなるように、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程である。具体的には、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程は、ロータコア4の貫通孔4bの内径r3が軸方向(Z方向)において略一定なるようにロータコア4を形成するとともに、シャフト3の外径r2がロータコア4の両端面4cに対応する位置からロータコア4の中央部4dに対応する位置に向かって小さくなるようにシャフト3を形成する工程である。
また、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程(ステップS1)は、シャフト3を配置する工程(後述するステップS2)においてロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が配置された状態で、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって径方向の深さd1(図6参照)が大きくなる凹部3eを、シャフト3の外周面3bに形成する工程を含む。
具体的には、図7(a)に示すように、まず、(少なくともロータコア4の貫通孔4bに挿入される部分の)シャフト3の外径r2が、シャフト3の軸方向において略一定となるようにシャフト3が形成される。すなわち、この時点では、シャフト3の外周面3bに凹部3e(図6参照)は設けられていない。また、この時点において、(少なくともロータコア4の貫通孔4bに挿入される部分の)シャフト3の厚みt1は、シャフト3の軸方向において略一定である。
次に、図7(b)に示すように、シャフト3の外周面3bが切削加工により部分的に除去されることにより、シャフト3の外周面3bに凹部3eが形成される。具体的には、凹部3eの深さd1(図6参照)は、ロータコア4の中央部4dに対応する箇所において最大となり、かつ、シャフト3の両端部側に向かって小さくなる。
また、第1実施形態では、図6に示すように、シャフト3の外周面3bに凹部3eを形成する工程は、シャフト3を配置する工程(後述するステップS2)においてロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が配置された状態で、回転軸線Cに沿った断面視において、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって距離D1が徐々に大きくなるように、シャフト3の外周面3bに弧状の凹部3eを形成する工程である。
すなわち、シャフト3の外周面3bの凹部3eの深さd1は、ロータコア4の両端面4cに対応する位置からロータコア4の中央部4dに対応する位置に向かって徐々に大きくなる。具体的には、凹部3eには段差部および角部等が設けられていない。すなわち、凹部3eは、滑らかな表面を有している。
また、第1実施形態では、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程は、シャフト3を配置する工程(後述するステップS2)においてロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が配置された状態で、シャフト3の周方向の全周において、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって距離D1が大きくなるように、ロータコア4およびシャフト3を準備する工程である。言い換えると、回転軸線Cに沿った全方向(回転軸線Cを中心に周方向における全周)における断面視において、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって距離D1が大きくなるように、ロータコア4およびシャフト3が準備される。
次に、図5のステップS2に示すように、ロータ1の製造方法は、ロータコア4の貫通孔4bにシャフト3を配置する工程を備える。具体的には、シャフト3をロータコア4に対して相対的に移動させることにより、ロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が挿入(図6参照)される。詳細には、シャフト3の外周面3bの凹部3eの深さd1が最大となる箇所が、ロータコア4の中央部4dと軸方向(Z方向)において同じ位置に配置されるように、シャフト3とロータコア4とを相対的に位置決めする。なお、この時点では、シャフト3の外周面3b(内周面3d)は、軸方向から見て円形形状(図8参照)を有している。
次に、図5のステップS3に示すように、ロータ1の製造方法は、シャフト3をロータコア4に固定する工程を備える。具体的には、図9に示すように、ロータコア4の貫通孔4bにシャフト3が配置された状態で、シャフト3の内部に液体800を充填させるとともに液体800を加圧することによってシャフト3を膨張させるハイドロフォーミングを行うことにより、シャフト3がロータコア4に固定される。なお、この際、ロータコア4およびシャフト3は、ハイドロフォーミング成形機900に配置(セット)されている。
ここで、第1実施形態では、シャフト3をロータコア4に固定する工程は、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に渡って、シャフト3の外周面3bがロータコア4の貫通孔4bの内周面4eに圧接されるように、ハイドロフォーミングによってシャフト3を膨張させる工程である。
この工程により、シャフト3は、シャフト3の内径r1(図2参照)が、ロータコア4の両端面4c側からロータコア4の中央部4d側に向かって大きくなるように(塑性)変形される。また、シャフト3は、シャフト3の外径r2(図2参照)が、軸方向(Z方向)の両端面4c間において略一定になるように変形される。また、シャフト3は、シャフト3の外周面3bは、軸方向から見て、ロータコア4の貫通孔4bの内周面4eに沿うように正16角形(図3参照)に変形される。
そして、ハイドロフォーミングが完了した後、ハイドロフォーミング成形機900からロータ10が解放される。ハイドロフォーミング成形機900からロータ10が解放された後も、ロータコア4とシャフト3とが固定された状態が保持される。
[第2実施形態]
次に、図10および図11を参照して、第2実施形態によるロータ10の製造方法およびロータ10について説明する。第2実施形態のロータ10の製造方法およびロータ10では、ロータコア4の貫通孔4bの内径r3が軸方向において略一定である上記第1実施形態と異なり、ロータコア14の内径r13が、軸方向の位置によって互いに異なる。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
(ロータの構造)
図10を参照して、第2実施形態によるロータ10の構造について説明する。
図10に示すように、ロータ10は、シャフト13と、ロータコア14とを備える。シャフト13は、ロータコア14の貫通孔14bに配置(挿入)されている。
ここで、第2実施形態では、ロータコア14は、軸方向(Z方向)に沿った断面視において、貫通孔14bの内径r13が、ロータコア14の軸方向の両端面14c側から、ロータコア14の軸方向の中央部14d側に向かって大きくなるように構成されている。具体的には、ロータコア14の貫通孔14bの内径r13は、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって、段階的に大きくなるように構成されている。なお、後述するブロックコア140同士の内径r13の差は、たとえば数十μm程度である。図10では、ブロックコア140同士の内径r13の差を強調するために、実際よりもブロックコア140同士の内径r13の差を大きく図示している。
詳細には、ロータコア14は、互いに内径(内径r13)が異なる複数(第2実施形態では5つ)のブロックコア140が積層されることにより形成されている。複数のブロックコア140の内径(内径r13)は、ロータコア14の両端面14c側のブロックコア140から、ロータコア14の中央部14d側のブロックコア140に向かって大きくなる。すなわち、5つのブロックコア140のうち、中央のブロックコア140の内径(内径r13)が最も大きい。また、中央のブロックコア140と隣接する(中央のブロックコア140を軸方向に挟む)2つのブロックコア140の内径(内径r13)よりも、軸方向の両端の2つのブロックコア140の内径(内径r13)の方が小さい。なお、複数のブロックコア140の各々は、複数の円環状の電磁鋼板14aが積層されることにより構成されている。各ブロックコア140における複数の電磁鋼板14aの内径は、互いに略等しい。
また、第2実施形態では、シャフト13は、シャフト13の内径r11が、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって大きくなるように構成されている。具体的には、シャフト13は、シャフト13の内径r11が、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって段階的に大きくなるように構成されている。
また、シャフト13の外径r12は、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって段階的に大きくなるように構成されている。
また、シャフト13は、シャフト13の固定部分13aの厚みt11が軸方向(Z方向)において略一定になるように構成されている。
(ロータの製造方法)
次に、図11を参照して、ロータ10の製造方法について説明する。
第2実施形態におけるロータ10の製造方法は、ロータコア14およびシャフト13を準備する工程を備える。
ここで、第2実施形態では、図11に示すように、ロータコア14およびシャフト13を準備する工程(上記第1実施形態のステップS1に相当する工程:図5参照)は、シャフト3を配置する工程(上記第1実施形態のステップS2に相当する工程:図5参照)においてロータコア14の貫通孔14bにシャフト13が配置された状態で、回転軸線Cに沿った断面視において、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって、シャフト13の外周面13bとロータコア14の貫通孔14bの内周面14eとの間の径方向における距離D11が大きくなるように、ロータコア14およびシャフト13を準備する工程である。
また、ロータコア14およびシャフト13を準備する工程は、ロータコア14の貫通孔14bの内径r13が、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって大きくなるように、ロータコア14を形成する工程を含む。具体的には、ロータコア14を形成する工程は、ロータコア14の内周面14eに、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって深さd11が大きくなる凹部14fが形成されるように、ロータコア14を形成する工程である。
また、ロータコア14およびシャフト13を準備する工程は、シャフト13の外径r12(内径r11)が軸方向において略一定になるようにシャフト13を形成する工程を含む。
また、ロータコア14を形成する工程は、ロータコア14の貫通孔14bの内径r13が、ロータコア14の両端面14c側からロータコア14の中央部14d側に向かって段階的に大きくなるように、互いに内径(内径r13)が異なる複数のブロックコア140を積層することによってロータコア14を形成する工程である。言い換えると、この工程では、ブロックコア140同士の間に段差部14gが形成されるように、複数のブロックコア140が積層される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
[第1および第2実施形態の効果]
第1および第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
(ロータの製造方法の効果)
第1および第2実施形態では、上記のように、ロータコア(4、14)およびシャフト(3、13)を準備する工程は、シャフト(3、13)を配置する工程においてロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)にシャフト(3、13)が配置された状態で、ロータコア(4、14)の回転軸線(C)に沿った断面視において、ロータコア(4、14)の軸方向の端面(4c、14c)側から、ロータコア(4、14)の軸方向の中央部(4d、14d)側に向かって、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)との間の径方向における距離(D1、D11)が大きくなるように、ロータコア(4、14)およびシャフト(3、13)を準備する工程である。ここで、シャフト(3、13)をハイドロフォーミングにより変形させる場合、シャフト(3、13)の膨張量は、シャフト(3、13)の中央部から端部側に向かって小さくなる。したがって、シャフト(3、13)の膨張量が比較的大きい箇所において、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)との間の上記距離(D1、D11)を大きくすることができるので、ハイドロフォーミングによってシャフト(3、13)が膨張した場合にも、ロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側よりもロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側の方が大きく変形される(ロータコア(4、14)が樽状(弧状)になるように変形される)のを防止することができる。その結果、シャフト(3、13)をハイドロフォーミングによって膨張させることによってロータコア(4、14)の端面(4c、14c)を押さえる部分を形成しなくても、ロータコア(4、14)を構成する電磁鋼板(4a、14a)同士の間が開くのを防止することができる。これにより、シャフト(3、13)を含むロータ(1、10)の軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコア(4、14)の電磁鋼板(4a、14a)同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコア(4、14)の軸方向の長さが大きくなるのを防止することができる。
また、ロータコア(4、14)の電磁鋼板(4a、14a)同士の間が開くのを防止することによって、電磁鋼板(4a、14a)同士が開いた状態と閉じた状態とを繰り返すことに起因して、電磁鋼板(4a、14a)が破損すること、および、ノイズが発生すること等を防止することができる。また、ロータコア(4、14)の軸方向の長さが大きくなるのを防止することによって、ロータコア(4、14)の一部が、ロータコア(4、14)の径方向外側に設けられるステータコア(2a)と対向しないことに起因してモータのトルクが低下することを防止することができる。
また、第1および第2実施形態では、上記のように、シャフト(3、13)をロータコア(4、14)に固定する工程は、ロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側からロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側に渡って、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)がロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)に圧接されるように、ハイドロフォーミングによってシャフト(3、13)を膨張させる工程である。このように構成すれば、ハイドロフォーミングを行う前において、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)との間の径方向における距離(D1、D11)が軸方向における位置によって互いに異なっていても、ハイドロフォーミングを行うことによって、シャフト(3、13)とロータコア(4、14)との間の隙間が埋められるようにシャフト(3、13)が膨張するので、シャフト(3、13)をロータコアに安定的に固定することができる。
また、第1および第2実施形態では、上記のように、ロータコア(4、14)およびシャフト(3、13)を準備する工程は、シャフト(3、13)を配置する工程においてロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)にシャフト(3、13)が配置された状態で、シャフト(3、13)の周方向の全周において、ロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側からロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側に向かって、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)との間の径方向における距離(D1、D11)が大きくなるように、ロータコア(4、14)およびシャフト(3、13)を準備する工程である。このように構成すれば、ロータコア(4、14)が、シャフト(3、13)の膨張により、ロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側よりもロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側の方が大きく変形される(ロータコア(4、14)が樽状(弧状)になるように変形される)のをより確実に防止することができる。
また、第1および第2実施形態では、上記のように、ロータコア(4、14)およびシャフト(3、13)を準備する工程は、シャフト(3、13)を配置する工程においてロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)にシャフト(3、13)が配置された状態で、断面視において、ロータコア(4、14)の軸方向の両端面(4c、14c)側からロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側に向かって、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)との間の径方向における距離(D1、D11)が大きくなるように、ロータコア(4、14)およびシャフト(3、13)を準備する工程である。このように構成すれば、ロータコア(4、14)の両端面(4c、14c)側において、ロータコア(4、14)がシャフト(3、13)の膨張により、ロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側よりもロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側の方が大きく変形されるのを防止することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ロータコア(4)およびシャフト(3)を準備する工程は、シャフト(3)を配置する工程においてロータコア(4)の貫通孔(4b、14b)にシャフト(3)が配置された状態で、ロータコア(4)の端面(4c)側からロータコア(4)の中央部(4d)側に向かって径方向の深さ(d1)が大きくなる凹部(3e)を、シャフト(3)の外周面(3b)に形成する工程を含む。このように構成すれば、凹部(3e)の深さ(d1)に応じて距離(D1)を容易に変化させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、シャフト(3)の外周面(3b)に凹部(3e)を形成する工程は、シャフト(3)を配置する工程においてロータコア(4)の貫通孔(4b)にシャフト(3)が配置された状態で、断面視において、ロータコア(4)の端面(4c)側からロータコア(4)の中央部(4d)側に向かって、シャフト(3)の外周面(3b)とロータコア(4)の貫通孔(4b)の内周面(4e)との間の径方向における距離(D1)が徐々に大きくなるように、シャフト(3)の外周面(3b)に弧状の凹部(3e)を形成する工程である。このように構成すれば、ハイドロフォーミング前のシャフト(3)の外周面(3b)が滑らかな弧状の表面であることによって、ハイドロフォーミングによって膨張した後のシャフト(3)の外周面(3b)を滑らかな(段差等のない)表面にすることができる。その結果、ロータコア(4)の貫通孔(4b)の内周面(4e)が段差等のない滑らかな表面である場合に、シャフト(3)の外周面(3b)とロータコア(4)の貫通孔(4b)の内周面(4e)とを、ハイドロフォーミングによってより確実に圧接させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、ロータコア(14)およびシャフト(13)を準備する工程は、ロータコア(14)の貫通孔(14b)の内径(r13)が、ロータコア(14)の端面(14c)側からロータコア(14)の中央部(14d)側に向かって大きくなるように、ロータコア(14)を形成する工程を含む。このように構成すれば、シャフト(13)の厚み(t11)を軸方向の位置によって互いに異ならせなくても、シャフト(13)の外周面(13b)とロータコア(14)の貫通孔(14b)の内周面(14e)との間の径方向における距離(D11)を軸方向の位置によって互いに異ならせることができる。その結果、シャフト(13)の厚み(t11)が軸方向において一定であることに起因して、ハイドロフォーミングによるシャフト(13)の膨張量を容易に制御することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、ロータコア(14)を形成する工程は、ロータコア(14)の貫通孔(14b)の内径(r13)が、ロータコア(14)の端面(14c)側からロータコア(14)の中央部(14d)側に向かって段階的に大きくなるように、複数の円環状の電磁鋼板(14a)が積層されることにより構成され、互いに内径(r13)が異なる複数のブロックコア(140)を積層することによってロータコア(14)を形成する工程である。このように構成すれば、ロータコア(14)を構成する全ての電磁鋼板(14a)の内径を互いに異ならせる場合に比べて、電磁鋼板(14a)の種類を低減することができる。その結果、電磁鋼板(14a)の製造工程を簡略化することができる分、ロータ(10)の製造プロセスを簡略化することができる。
(ロータの効果)
また、第1実施形態では、上記のように、シャフト(3)は、ロータコア(4)の回転軸線(C)に沿った断面視において、シャフト(3)の固定部分(3a)の厚み(t1)が、ロータコア(4)の軸方向の端面(4c)側から、ロータコア(4)の軸方向の中央部(4d)側に向かって小さくなるように構成されている。これにより、ハイドロフォーミングを行うためにシャフト(3)とロータコア(4)とを位置決めした状態で、ロータコア(4)の端面(4c)側からロータコア(4)の中央部(4d)側に向かって、シャフト(3)の外周面(3b)とロータコア(4)の貫通孔(4b)の内周面(4e)との間の径方向における距離(D1、D11)を容易に大きくすることができる。ここで、シャフト(3)をハイドロフォーミングにより変形させる場合、シャフト(3)の膨張量は、シャフト(3)の中央部から端部側に向かって小さくなる。したがって、シャフト(3)の膨張量が比較的大きい箇所において、シャフト(3)の外周面(3b)とロータコア(4)の貫通孔(4b)の内周面(4e)との間の上記距離(D1)を大きくすることができるので、ハイドロフォーミングによってシャフト(3)が膨張した場合にも、ロータコア(4)の端面(4c)側よりもロータコア(4)の中央部(4d)側の方が大きく変形される(ロータコア(4)が樽状(弧状)になるように変形される)のを防止することができる。これにより、シャフト(3)をハイドロフォーミングによって膨張させることによってロータコア(4)の端面(4c)を押さえる部分を形成しなくても、ロータコア(4)を構成する電磁鋼板(4a)同士の間が開くのを防止することができる。その結果、シャフト(3)を含むロータ(1)の軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコア(4)の電磁鋼板(4a)同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコア(4)の軸方向の長さが大きくなるのを防止することが可能なロータ(1)を提供することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、ロータコア(14)は、ロータコア(14)の回転軸線(C)に沿った断面視において、貫通孔(14b)の内径(r13)が、ロータコア(14)の軸方向の端面(14c)側から、ロータコア(14)の軸方向の中央部(14d)側に向かって大きくなるように構成されている。ここで、シャフト(13)をハイドロフォーミングにより変形させる場合、シャフト(13)の膨張量は、シャフト(13)の中央部から端部側に向かって小さくなる。したがって、ハイドロフォーミングによってシャフト(13)をロータコア(14)に固定する場合に、ハイドロフォーミングを行うためにシャフト(13)とロータコア(14)とを位置決めした状態で、シャフト(13)の膨張量が比較的大きい箇所において、シャフト(13)の外周面(13b)とロータコア(14)の貫通孔(14b)の内周面(14e)との間の距離(D11)を大きくすることができる。その結果、ハイドロフォーミングによってシャフト(13)が膨張した場合にも、ロータコア(14)の端面(14c)側よりもロータコア(14)の中央部(14d)側の方が大きく変形される(ロータコア(14)が樽状(弧状)になるように変形される)のを防止することができる。これにより、シャフト(13)をハイドロフォーミングによって膨張させることによってロータコア(14)の端面(14c)を押さえる部分を形成しなくても、ロータコア(14)を構成する電磁鋼板(14a)同士の間が開くのを防止することができる。その結果、シャフト(13)を含むロータ(10)の軸方向の長さが大きくなるのを防止しながら、ロータコア(14)の電磁鋼板(14a)同士の間に開き(隙間)が生じることに起因してロータコア(14)の軸方向の長さが大きくなるのを防止することが可能なロータ(10)を提供することができる。
また、第1および第2実施形態では、上記のように、シャフト(3、13)は、シャフト(3、13)の内径(r1、r11)が、ロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側からロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側に向かって大きくなるように構成されている。このように構成すれば、ハイドロフォーミングを行う前において、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)との間の距離(D1、D11)がロータコア(4、14)の端面(4c、14c)側からロータコア(4、14)の中央部(4d、14d)側に向かって大きくなっている場合に、シャフト(3、13)の外周面(3b、13b)とロータコア(4、14)の貫通孔(4b、14b)の内周面(4e、14e)とを、ハイドロフォーミングによってより確実に圧接させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、ロータコア4(14)の軸方向の両方の端面4c(14c)側から中央部4d(14d)側に向かって、シャフト3(13)の外周面3b(13b)とロータコア4(14)の貫通孔4b(14b)の内周面4e(14e)との間の径方向における距離D1(D11)が大きくなるように、ロータコア4(14)およびシャフト3(13)を準備する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコア4(14)の軸方向の一方側の端面4c(14c)側から中央部4d(14d)側に向かって距離D1(D11)が大きくなるように、ロータコア4(14)およびシャフト3(13)を準備してもよい。
また、上記第1実施形態では、シャフト3の外周面3bとロータコア4の貫通孔4bの内周面4eとの間の径方向における距離D1が、ロータコア4の端面4c側から中央部4d側に向かって徐々に大きくなるように、シャフト3の外周面3bに弧状の凹部3eが形成される例を示したが、本発明はこれに限られない。シャフト3の外周面3bに弧状以外の形状の凹部を形成してもよい。
たとえば、図12に示すように、シャフト23の外周面23bとロータコア4の貫通孔4bの内周面4eとの間の径方向における距離D21が、ロータコア4の端面4c側から中央部4d側に向かって段階的に大きくなるように、シャフト23の外周面23bに階段状(段差を有する)の凹部23eが形成されている。なお、図12は、ハイドロフォーミングを行う前の状態を示した図である。
また、上記第2実施形態では、互いに内径の異なるブロックコア140を複数積層する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコアの中央側に向かって電磁鋼板14aの内径を少しずつ大きくすることによって、ロータコアの内径が、ロータコアの両端面側から中央部側に向かって徐々に大きくなるように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ロータコア4(14)の貫通孔4b(14b)の内径r3(r13)、および、シャフト3(13)の外径r2(r12)のいずれか一方が、軸方向の位置によって互いに異なるように、ロータコア4(14)およびシャフト3(13)が準備される例を示したが、本発明はこれに限られない。ロータコアの貫通孔の内径、および、シャフトの外径の両方が、軸方向の位置によって互いに異なるように、ロータコアおよびシャフトが準備されてもよい。たとえば、上記第1実施形態のシャフト3と、上記第2実施形態のロータコア14とを組み合わせてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、軸方向から見て、ロータコア4(14)の貫通孔4b(14b)が多角形形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ロータコア4(14)の貫通孔4b(14b)が円形形状を有していてもよい。
3、13、23 シャフト
3a 固定部分
3b、13b 外周面
3e 凹部
4、14 ロータコア
4b、14b 貫通孔
4c、14c 端面
4d、14d 中央部
4e、14e 内周面
14a 電磁鋼板
140 ブロックコア
800 液体
C 回転軸線
d1 深さ
D1、D11、D21 距離
r1、r11 内径(シャフトの内径)
r13 内径(貫通孔の内径、ブロックコアの内径)
t1 厚み

Claims (11)

  1. 中心に貫通孔を有するロータコア、および、前記ロータコアの前記貫通孔に配置される筒状のシャフトを準備する工程と、
    前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトを配置する工程と、
    前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトが配置された状態で、前記シャフトの内部に液体を充填させるとともに前記液体を加圧することによって前記シャフトを膨張させるハイドロフォーミングを行うことにより、前記シャフトを前記ロータコアに固定する工程と、を備え、
    前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程は、前記シャフトを配置する工程において前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトが配置された状態で、前記ロータコアの回転軸線に沿った断面視において、前記ロータコアの軸方向の端面側から、前記ロータコアの前記軸方向の中央部側に向かって、前記シャフトの外周面と前記ロータコアの前記貫通孔の内周面との間の径方向における距離が大きくなるように、前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程である、ロータの製造方法。
  2. 前記シャフトを前記ロータコアに固定する工程は、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に渡って、前記シャフトの前記外周面が前記ロータコアの前記貫通孔の前記内周面に圧接されるように、前記ハイドロフォーミングによって前記シャフトを膨張させる工程である、請求項1に記載のロータの製造方法。
  3. 前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程は、前記シャフトを配置する工程において前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトが配置された状態で、前記シャフトの周方向の全周において、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって、前記シャフトの前記外周面と前記ロータコアの前記貫通孔の前記内周面との間の径方向における前記距離が大きくなるように、前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程である、請求項1または2に記載のロータの製造方法。
  4. 前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程は、前記シャフトを配置する工程において前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトが配置された状態で、前記断面視において、前記ロータコアの前記軸方向の両端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって、前記シャフトの前記外周面と前記ロータコアの前記貫通孔の前記内周面との間の径方向における前記距離が大きくなるように、前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  5. 前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程は、前記シャフトを配置する工程において前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトが配置された状態で、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって径方向の深さが大きくなる凹部を、前記シャフトの前記外周面に形成する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  6. 前記シャフトの前記外周面に前記凹部を形成する工程は、前記シャフトを配置する工程において前記ロータコアの前記貫通孔に前記シャフトが配置された状態で、前記断面視において、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって、前記シャフトの前記外周面と前記ロータコアの前記貫通孔の前記内周面との間の径方向における前記距離が徐々に大きくなるように、前記シャフトの前記外周面に弧状の前記凹部を形成する工程である、請求項5に記載のロータの製造方法。
  7. 前記ロータコアおよび前記シャフトを準備する工程は、前記ロータコアの前記貫通孔の内径が、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって大きくなるように、前記ロータコアを形成する工程を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータの製造方法。
  8. 前記ロータコアを形成する工程は、前記ロータコアの前記貫通孔の前記内径が、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって段階的に大きくなるように、複数の円環状の電磁鋼板が積層されることにより構成され、互いに内径が異なる複数のブロックコアを積層することによって前記ロータコアを形成する工程である、請求項7に記載のロータの製造方法。
  9. 中心に貫通孔を有するロータコアと、
    前記ロータコアの前記貫通孔に配置される筒状のシャフトと、を備え、
    前記シャフトは、前記シャフトの内部に液体を充填させるとともに前記液体を加圧することによって前記シャフトを膨張させるハイドロフォーミングにより膨張するとともに前記ロータコアに固定される固定部分を含み、
    前記シャフトは、前記ロータコアの回転軸線に沿った断面視において、前記シャフトの前記固定部分の厚みが、前記ロータコアの軸方向の端面側から、前記ロータコアの前記軸方向の中央部側に向かって小さくなるように構成されている、ロータ。
  10. 中心に貫通孔を有するロータコアと、
    前記ロータコアの前記貫通孔に配置される筒状のシャフトと、を備え、
    前記ロータコアは、前記ロータコアの回転軸線に沿った断面視において、前記貫通孔の内径が、前記ロータコアの軸方向の端面側から、前記ロータコアの前記軸方向の中央部側に向かって大きくなるように構成されている、ロータ。
  11. 前記シャフトは、前記シャフトの内径が、前記ロータコアの前記端面側から前記ロータコアの前記中央部側に向かって大きくなるように構成されている、請求項9または10に記載のロータ。

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