JP2021078013A - 弾性波素子およびその製造方法 - Google Patents

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山之内 和彦
Kazuhiko Yamanouchi
和彦 山之内
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Abstract

【課題】小型化が可能で、比較的容易に作製することができ、実用化可能で、弾性表面波の伝搬損失を抑えることができ、周波数温度特性および速度分散特性に優れ、すだれ状電極の反射係数の増加を抑制可能な、弾性波素子およびその製造方法を提供する。【解決手段】圧電基板11の両面に設けられた1対の電極12とを有している。あるいは、圧電基板11の一方の表面11aに設けられたすだれ状電極31を有している。電極12、或いはすだれ状電極31は、電極を伝搬する横波の音速が、圧電基板11を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上であり、かつ電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、弾性波素子およびその製造方法に関する。
従来、周波数温度特性(Temperature Coefficient of Frequency; TCF)の良好な圧電基板を用いた振動子や共振器として、水晶振動子が一般的に用いられている。しかし、水晶は、電気機械結合係数が小さく、広帯域のフィルタや、広い周波数範囲を必要とする可変周波数発信器などには使用することができない。また、電気機械結合係数の大きなLiNbO3やLiTaO3などの圧電体単結晶は、周波数温度特性が大きいため実用的ではない。そこで、この大きな温度特性を補償するために、正の周波数温度特性を有する大きな膜厚比(H/λeff、ここで、λeffは動作波長、Hは膜厚)のSiO2膜を、圧電基板上に付着させた弾性表面波基板が、本発明者により開発されている(例えば、特許文献1参照)。また、圧電薄膜を用いた薄膜共振器でも、ゼロTCFを得るために、SiO2薄膜を付着した基板が開発されている。
特開2006−203839号公報
特許文献1に記載の弾性表面波基板では、圧電基板上に付着した正の周波数温度特性をもつSiO膜により周波数温度特性を改善するためには、SiO膜の膜厚を大きくする必要があり、伝搬損失が増大し、作製も困難であるという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、圧電基板を伝搬する弾性波の速度より大きな伝搬速度を有する電極膜をもちいて、正の速度分散性と圧電基板と電極膜の線膨張係数の差を用いた熱歪効果を用いて、周波数温度特性を改善する、全く新しい着想に基づく発明であり、小型化が可能で、比較的容易に作製することができ、弾性表面波の伝搬損失を抑えることができ、周波数温度特性および速度分散特性に優れ、すだれ状電極の反射係数の増加を抑制可能な、弾性波素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る弾性波素子は、圧電基板と、前記圧電基板の両面にそれぞれ設けられた1対の電極と、前記圧電基板の少なくともいずれか一方の表面に設けられた電極を有し、前記電極膜は、電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極膜TVEであり、かつ電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜TBEからなる電極TVBEであることを特徴とする。この場合、電極を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極膜TVEと前記電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜TBEを組み合わせた電極膜FVBEでも良い。電極膜TVBE、或いは、電極膜FVBの場合、弾性波が前記圧電基板の各表面に対して垂直方向に伝搬し、周波数温度特性が、−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲であることが好ましい。
また、本発明に係る弾性波素子は、圧電基板と、前記圧電基板の一方の表面に設けられたすだれ状電極を有し、前記すだれ状電極は、すだれ状電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極膜TVSEであり、かつ前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極TBSEからなる電極TVBSEであることを特徴とする。この場合、電極が前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極TVSEと前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜TBSEを組み合わせた電極FVBSEでも良い。電極TVBSE、或いは、電極FVBSEの場合、弾性波が前記圧電基板の各表面に対して平行方向に伝搬し、周波数温度特性が、−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲であることが好ましい。
本発明に係る弾性波素子は、例えば、弾性波振動子、弾性波共振器、バルク波共振器、圧電薄膜共振器、弾性表面波振動子、弾性表面波共振器、弾性波フィルタ素子、弾性表面波フィルタ素子、温度特性に優れた共振器、遅延線、温度補償を必要としない高感度センサーなどを構成することができる。圧電基板は、圧電体単結晶基板、圧電性セラミックス基板、支持基板上に圧電体単結晶を貼り付けた構造の基板、または、支持基板上に付着した圧電性薄膜構造の基板から成っていても良い。また、使用する弾性波は、レイリー波、縦波、横波、縦波を主成分とする疑似縦波、横波を主成分とする疑似横波、圧電基板の遅い横波より遅い伝搬速度の弾性表面波、ラブ波、ラム波、圧電基板の遅い横波より速い伝搬速度の擬似弾性表面波、または、圧電基板の速い横波速度より速い伝搬速度の疑似弾性縦波表面波である。
本発明に係る弾性波素子は、少なくとも電極が、電極膜TVBE或いは、電極膜FVBEであるため、弾性表面波用の素子として構成されるときには、圧電基板中に漏洩する弾性波のエネルギー放射がゼロとなる弾性表面波とすると共に、速度分散性の大きな基板とすることができる。また、疑似弾性表面波の伝搬減衰が零となる回転角を得て、伝搬損失の小さな、速度分散性の大きな基板を得ることができる。また、周波数温度特性を零の値に近づけることができる。また、素子の小型化が可能である。これにより、弾性表面波を使用する場合には、その伝搬損失を抑えて、圧電基板の表面に弾性表面波のエネルギーを集中させることができ、Q値および速度分散性を大きくすることができる。また、電極や誘電体膜の厚みを薄くすることができるため、製作が容易、かつ小型化が可能である。
本発明に係る弾性波素子は、上記の電極膜TVBE,電極膜FVBEにより、すだれ状電極の反射係数の増加を抑制することもできる。また、薄い電極膜で、伝搬損失の小さい、大きな反射係数を得ることもできる。また、各電極やすだれ状電極、誘電体膜を用いて大きな速度分散性を得るとともに、それらを周波数温度特性が負の値を有する圧電基板に設けることにより、周波数温度特性を零に近い値または正の値に改善することができ、優れた周波数温度特性を得ることができる。また、すだれ状電極および誘電体膜の速度分散特性を利用することにより、広い帯域幅および低損失特性を有するフィルタを構成することができると共に、そのフィルタの分散特性を制御することもできる。
本発明に係る弾性波素子は、前記圧電基板を伝搬する弾性波の波長をλeff、各電極または前記すだれ状電極の厚みをhとすると、h/λeff=0.005〜0.3であってもよい。この場合、特に、速度分散性が大きくなるため、周波数温度特性をさらに改善することができる。このため、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
本発明に係る弾性波素子で、前記圧電基板は、33°〜39°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、161°〜167°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、LiNbO基板、44°〜50°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、162°〜168°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、LiTaO基板、ランガサイト基板、水晶基板、ZnO基板、圧電性セラミックス基板、AlN薄膜基板、ZnO薄膜基板、圧電性セラミックス薄膜基板、またはScAlN薄膜基板であり、上記圧電基板上に電極或いは、すだれ状電極が設けられ、
各電極は、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEであり、かつ各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TVBEである構造、または、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである Al, ZrO,,Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,、C、ダイヤモンドである各電極TBE,
または、圧電版板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBE各電極TBE として、Al、,ZrO, Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,
もしくは、各電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極(膜厚:hV)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極TBE(膜厚:hB)とを組み合わせた電極FVBEからなる構造,または、Al、.ZrO, SiC,Cr,Ti,Si,Pt,W、C、ダイヤモンドを用いた構造、または、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する場合の電極である、通常の電極、Al、SiC,Zn、Ru、ZrO,Cr、SiC,Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、C、ダイヤモンドもしくは、これらのうちの2種類以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
また、本発明に係る弾性波素子で、前記圧電基板は、−10°〜75°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、120°〜170°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、Y−Z LiNbO基板、Xカット35°〜45°Y伝搬のLiNbO基板、Xカット160°〜175°Y伝搬のLiNbO基板、LiNbO基板、−10°〜60°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、Xカット35°〜45°Y伝搬のLiTaO基板、LiTaO基板、ランガサイト基板、水晶基板、ZnO基板、圧電性セラミックス基板、AlN薄膜基板、ZnO薄膜基板、圧電性セラミックス薄膜基板、または、ScAlN薄膜基板であり、各電極または、すだれ状電極は、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEであり、かつ各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極なる、Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,
また、各電極または、すだれ状電極は、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEであり、かつ各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TVBEである構造、または、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである Al,ZrO,Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,
または、板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEまたはすだれ状各電極TBE として、Al,ZrO,Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,
もしくは、各電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極(膜厚:hV)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極TBE(膜厚:hB)とを組み合わせた電極FVBEからなる構造、もしくはこの構造として、Al、.ZrO, SiC,Cr,Ti,Si,Pt,W、C、ダイヤモンドを用いた構造、
或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する場合の電極である、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、もしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
本発明に係る弾性波素子で、
各電極または前記すだれ状電極は、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEまたは前記すだれ状電極TVSEであり、かつ各電極または前記すだれ状電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEまたは前記すだれ状電極TBSEからなる各電極TEまたは前記すだれ状電極TSEである構造、または、各電極TEまたは前記すだれ状電極TSEとして、
各電極またはすだれ状電極は、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEであり、かつ各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TVBEである構造、または、、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである Al,ZrO,Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,。または、板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBE各電極TBE として、Al,ZrO,Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,
もしくは、各電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極(膜厚:hV)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極TBE(膜厚:hB)とを組み合わせた電極FVBEからなる構造,もしくは、上記の3/2倍の電極、或いは線膨張係数が、6/5倍以上のAl.ZrO, SiC,Cr,Ti,Si,Pt,W、C、ダイヤモンドを用いた構造、
または、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、
或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する場合の電極である、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、もしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
もしくは、各電極または前記すだれ状電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極(膜厚:hV)または前記すだれ状電極(膜厚:hV)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極TBE(膜厚:hB)または前記すだれ状電極TBSE(膜厚:hB)とを組み合わせた電極FEまたはすもしくは、従来は、基板とAuの密着性をよくするため、非常に薄い10nm以下のAu/Cr 膜が用いられ、そのCr厚は無視さだれ状電極FSE,もしくは、電極TBE(膜厚:hB)または前記すだれ状電極TBSE(膜厚:hB)として、電極TB8E(膜厚:h8B)または前記すだれ状電極TB8SE(膜厚:h8B)である構造、及び、
C電極の膜厚をhC、Crの膜厚をhcrとしたとき、hcr/(hC+hCr)=0.15から0.6の範囲のC/Cr構造のすだれ状電極FVBSEからなる構造、もしくは、すだれ状電極TBSE(膜厚:hB)Cr,Ti,Si,Pt,W、C、ダイヤモンドを用いた、各々の膜厚をhseとしたとき、hse/(h8B+hse) =0.1から0.6の範囲のAu/(Si,Pt,W、C)、 Ag/(Cr,Ti,Si,Pt,W、C),Bi/(Cr、T、Si,Pt,W、C)、InSb/(Cr、Ti,Si,Pt,W、C)の電極TBSE構造のすだれ状電極FVBSEからなる構造、または、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する、
通常の電極またはすだれ状電極として、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Cu/Ti,Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、SiC,C,ダイヤモンドもしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。これらの場合、すだれ状電極の横波の音速が、圧電基板のものよりも非常に遅いため、速度分散性をさらに大きくすることができるとともに、周波数温度特性が大きく改善される。
本発明に係る弾性波素子は、圧電基板と、前記圧電基板の両面にそれぞれ設けられた1対の電極とを有し、前記電極は、伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2以上であり、かつ前記電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5以上の電極TVBEからなり、周波数温度特性が−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲であり、前記圧電基板を伝搬する弾性波の波長をλeff、各電極の厚みをhとすると、h/λeff=0.005〜0.3であってもよい。
この場合、各電極は、各電極を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極膜TVEと前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜TBEを組み合わせた複合電極膜FVBEでも良い。
本発明に係る弾性波素子は、圧電基板と、前記圧電基板上に設けられたすだれ状電極とを有し、前記すだれ状電極は、伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上であり、かつ前記電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上のすだれ状電極TVBSEからなり、周波数温度特性が−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲であり、前記圧電基板を伝搬する弾性波の波長をλeff、すだれ状電極の厚みをhseとすると、hes/λeff=0.05〜0.3であってもよい。
この場合、すだれ状電極は、すだれ状電極を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極膜TVEとすだれ状電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上であるすだれ状電極膜TBSEを組み合わせた複合電極膜FVBSEでも良い。
この場合、正負の各電極またはすだれ状電極の音速が、すだれ状電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上であり、かつ前記すだれ状電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5以上のすだれ状電極TVBSEからなり、弾性表面波用の素子として構成されるときには、圧電基板中に漏洩する弾性波のエネルギー放射がゼロとなる弾性表面波とすると共に、速度分散性の大きな基板とすることができる。また、疑似弾性表面波の伝搬減衰が零となる回転角と膜厚の基板を得て、速度分散性の大きな基板を得ることができる。また、素子の小型化が可能である。これにより、弾性表面波を使用する場合には、その伝搬損失を抑えて、圧電基板の表面に弾性表面波のエネルギーを集中させることができ、Q値および速度分散性を大きくすることができる。このように、誘電体膜を用いなくとも、速度分散性を大きくすることができ、優れた周波数温度特性を得ることができる。
本発明に係る弾性波素子は、前記すだれ状電極の交互に配置された電極の本数を2N+1本、伝搬する弾性波の動作中心波長をλ、そのときの前記弾性波の速度をV、前記弾性波の波長がλn=λ[1+{N−(n−1)}δ]のときの前記弾性波の速度をVとし(ここで、n=1〜2N+1)、Nδの値を0.005〜0.3、aの値を0.8〜1.2とすると、n本目の電極の幅は、L=X/2=a(λ/4)×(V/V)、隣り合う電極の中心間隔はX=a(λ/2)×(V/V)であってもよい。この場合にも、速度分散性を大きくすることができる。
本発明に係る弾性波素子の製造方法は、各電極もしくは前記すだれ状電極、および/または前記誘電体膜を、前記弾性波素子の中心動作温度より100℃以上高い温度、または、前記弾性波素子の中心動作温度より100℃以上低い温度で蒸着して形成することを特徴とする。
本発明に係る弾性波素子の製造方法によれば、蒸着時の温度を制御することにより、1対の電極またはすだれ状電極に歪が発生し、それぞれの弾性波速度を大きく変化させることができる。これにより、弾性波素子の周波数温度特性をさらに大きく改善することができ、優れた周波数温度特性を有する弾性波素子を製造することができる。
本発明によれば、小型化が可能で、比較的容易に作製することができ、弾性表面波の伝搬損失を抑えることができ、周波数温度特性および速度分散特性に優れ、すだれ状電極の反射係数の増加を抑制可能な、弾性波素子およびその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態の弾性波素子を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態の弾性波素子の、支持基板を有する変形例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態の弾性波素子の、多層構造の誘電体膜反射器を有する変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性波素子を示す(A)断面図、(B)平面図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の、多層構造の誘電体膜反射器を有する変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の、すだれ状電極側の圧電基板表面に誘電体膜が設けられていない変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の、圧電基板の表面に沿って弾性表面波または擬似弾性表面波が伝搬する変形例を示す(A)断面図、(B)平面図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の、支持基板を有する圧電基板の表面に沿って弾性表面波または擬似弾性表面波が伝搬する変形例を示す(A)断面図、(B)平面図である。 本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の、すだれ状電極を挟むよう1対の反射器を設けた変形例を示す(A)断面図、(B)平面図である。 本発明の第1または第2の実施の形態のバルク圧電基板上にSiC金属膜(膜厚:hSiC)を付着させた場合の速度分散特性を示す図である。 本発明の第1または第2の実施の形態の弾性表面波圧電基板上にSiC金属膜(膜厚:hSiC)を付着させた場合の速度分散特性を示す図である。 すだれ状電極が速度分散性をもった電極
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
[本発明の第1の実施の形態の弾性波素子の構成]
図1乃至図3は、本発明の第1の実施の形態の弾性波素子を示している。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態の弾性波素子10は、圧電基板11と1対の電極12を有している。
圧電基板11は、平板構造の基板または圧電薄膜から成っている。圧電基板11は、33°〜39°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、161°〜167°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、LiNbO基板、44°〜50°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、162°〜168°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、LiTaO基板、ランガサイト基板、水晶基板、ZnO基板、圧電性セラミックス基板、AlN薄膜基板、ZnO薄膜基板、圧電性セラミックス薄膜基板、または、ScAlN薄膜基板から成っている。
正負1対の電極12は、圧電基板11の両面11a、11bにそれぞれ設けられている。
各導体電極12は、導体を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の電極TVEであり、かつ前記電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上の電極TBEの電極TVBE、または、電極TEとして、
各電極は、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEであり、かつ各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TVBEである構造、または、
各電極は、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEであり、かつ各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TVBEである構造、または、各電極TVE極として、A
または、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBE TBE として、Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドである各電極TBE,
もしくは、各電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の電極(膜厚:hV)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極TBE(膜厚:hB)とを組み合わせた電極FVBEからなる構造,もしくは、
C電極を用い、その膜厚をhC基板の線膨張係数の最大値の6/5以上である各電極TBEとしてCrを用い、その膜厚をhCrとしたとき、C/Cr膜の構造であり、その膜厚がhCr/(hCr+hAu)=0.15から0.6の範囲のAu/Cr構造の電極FVBEからなる構造、もしくは、電極TBEとして、Cr,Ti,Si,Pt,W、C、ダイヤモンドを用いた、各々の膜厚をhBEとしたとき、電極TVEの膜厚をhVEとして、
BE/(hBE+hVE) =0.1から0.6の範囲のAu/(Si,Pt,W、C)、 Ag/(Cr,Ti,Si,Pt,W、C),Bi/(Cr、T、Si,Pt,W、C)、InSb/(Cr、Ti,Si,Pt,W、C、ダイヤモンドの電極TBE構造の電極FVBEからなる構造、または、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する場合の電極膜としては、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、SiC,もしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
これらの場合、すだれ状電極の横波の音速が、圧電基板のものよりも非常に遅いため、速度分散性をさらに大きくすることができるとともに、周波数温度特性が大きく改善される。また、各電極12と通常の電極との組合せであってもよい。
弾性波素子10は、各電極12間に電圧を印加することにより、弾性波が圧電基板11の各表面に対して垂直方向に伝搬するようになっている。また、弾性波素子10は、周波数温度特性が、−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲になっている。
弾性波素子10は、動作共振周波数をf、圧電基板11を伝搬する弾性波の波長(動作波長)をλeff、その弾性波の速度をVeff、圧電基板11と誘電体膜13と電極12の全体の膜厚をLとしたとき、f=Veff/λeff、および、L=(λeff/2)×(2N+1)(Nは、0を含む整数)となる。
なお、図2に示すように、弾性波素子10で、誘電体膜13が、圧電基板11の一方の表面11aに、その表面に設けられた電極12、および、電極12が設けられていない部分を覆うよう設けられており、さらに、圧電基板11の他方の表面11bの両端にそれぞれ設けられた1対の支持基板21を有していてもよい。この場合、弾性波により、各支持基板21の間の圧電基板11が振動するようになっている。
また、図3に示すように、弾性波素子10で、圧電基板11の両面11a、11bが設けられ、圧電基板11の他方の表面11bの側に設けられた誘電体膜13bが、弾性波を反射する第1反射膜22aおよび第2反射膜22bを有する多層構造を成しており、さらに、その多層構造の誘電体膜13bを覆うよう設けられた支持基板21を有していてもよい。
[本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の構成]
図4乃至図9は、本発明の第2の実施の形態の弾性波素子を示している。
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態の弾性波素子30は、圧電基板11とすだれ状電極31と誘電体膜13とを有している。なお、以下の説明では、本発明の第1の実施の形態の弾性波素子10と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
圧電基板11は、平板構造の基板または圧電薄膜から成っている。圧電基板11は、−10°〜75°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、120°〜170°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、LiNbO基板、−5°〜60°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、LiTaO基板、ランガサイト基板、水晶基板、ZnO基板、AlN薄膜基板、ZnO薄膜基板、または、ScAlN薄膜基板から成っている。
すだれ状電極31は、圧電基板11の一方の表面11aに設けられている。
すだれ状電極31は、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の前記すだれ状電極TVSEであり、かつ前記すだれ状電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以下である前記すだれ状電極TBSEからなる前記すだれ状電極TSEである構造、または、
前記すだれ状電極TVSEとして、もしくは、前記すだれ状電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の前記すだれ状電極(膜厚:hVS)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以下である前記すだれ状電極TBSE(膜厚:hBŞ)と
もしくは、電極TBE(膜厚:hB)として、Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,Cを用いた、各々の膜厚をhSEとしたとき、前記すだれ状電極TVSE(膜厚:hVSE)と組み合わせた、膜厚がhSE/(hSE+hse) =0.1から0.6の範囲のAu/(Si,Pt,W、C)、 Ag/(Cr,Ti,Si,Pt,W、C),Bi/(Cr、T、Si,Pt,W、C)、InSb/(Cr、Ti,Si,Pt,W、SiC,C)の電極FVBEからなる構造、または、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の 3/2以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以下である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、SiC,もしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
これらの場合、すだれ状電極の横波の音速が、圧電基板のものよりも非常に遅いため、速度分散性をさらに大きくすることができるとともに、周波数温度特性が大きく改善される。また、各電極12と通常の電極との組合せであってもよい。
すだれ状電極31は、正極側バスバー41aと負極側バスバー42aと複数の正電極41bと複数の負電極42bとを有している。正極側バスバー41aおよび負極側バスバー42aは、所定の間隔を開けて、互いに平行に並んで配置されている。各正電極41bは、正極側バスバー41aに沿って互いに間隔をあけて、正極側バスバー41aから負極側バスバー42aに向かって垂直に伸びるよう設けられている。各負電極42bは、負極側バスバー42aに沿って互いに間隔を開けて、負極側バスバー42aから正極側バスバー41aに向かって垂直に伸びるよう設けられている。各正電極41bおよび各負電極42bは、正極側バスバー41aおよび負極側バスバー42aに沿って、互いに接触しないよう、交互に等周期あるいは異なる周期で配置されている。
また、図5に示すように、弾性波素子30は、圧電基板11の他方の表面11bにも、弾性波を反射する第1反射膜22aおよび第2反射膜22bを有する多層構造の誘電体膜13bが設けられている。この場合、弾性波素子30は、弾性波が圧電基板11の各表面に沿って伝搬するようになっている。また、図6に示すように、弾性波素子30は、圧電基板11の一方の表面11aの側には誘電体膜13が設けられておらず、圧電基板11の他方の表面11bにのみ誘電体膜13が設けられ、さらに、誘電体から成る反射膜43と、その反射膜43を覆うよう設けられた支持基板21とを有していてもよい。反射膜43は、横波速度が圧電基板11よりも大きく、弾性波を反射可能になっている。この場合、弾性波素子30は、弾性波が圧電基板11の各表面に沿って伝搬するようになっている。
また、図7に示すように、弾性波素子30は、すだれ状電極41から成り、圧電基板11の表面に沿って弾性表面波が伝搬するよう構成されていてもよい。また、図8に示すように、弾性波素子30は、支持基板21を有し、圧電基板11の表面に沿って弾性表面波または擬似弾性表面波が伝搬するよう構成されていてもよい。また、図9に示すように、弾性波素子30は、多数本電極指から成る1対の反射器44を有し、各反射器44が圧電基板11の一方の表面11aに、すだれ状電極31を挟むよう設けられた共振器から成っていてもよい。この場合にも、圧電基板11の表面に沿って弾性表面波が伝搬するようになっている。
[本発明の第1および第2の実施の形態の弾性波素子の作用]
次に、本発明の第1および第2の実施の形態の弾性波素子10、30の作用について説明する。
弾性波素子10、30は、例えば、弾性波振動子、弾性波共振器、バルク波共振器、圧電薄膜共振器、弾性表面波振動子、弾性表面波共振器、弾性波フィルタ素子、弾性表面波フィルタ素子、温度特性に優れた共振器、遅延線、温度補償を必要としない高感度センサーなどを構成することができる。また、使用する弾性波は、レイリー波、縦波、横波、縦波を主成分とする疑似縦波、横波を主成分とする疑似横波、圧電基板の遅い横波速度より遅い伝搬速度の弾性表面波、ラブ波、ラム波、圧電基板の遅い横波より速い伝搬速度の擬似弾性表面波、または、圧電基板の速い横波速度より速い伝搬速度の疑似弾性縦波表面波である。
弾性波素子10、30は、電極膜12が設けられ、電極を伝搬する横波の音速の最大値が、圧電基板11を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上であるため、弾性表面波用の素子として構成されるときには、圧電基板11中に漏洩する弾性波のエネルギー放射がゼロとなる弾性表面波とすると共に、速度分散性の大きな基板とすることができる。また、疑似弾性表面波の伝搬減衰が零となる回転角を得て、速度分散性の大きな基板を得ることができる。また、素子の小型化が可能である。これにより、弾性表面波を使用する場合には、その伝搬損失を抑えて、圧電基板11の表面に弾性表面波のエネルギーを集中させることができ、Q値および速度分散性を大きくすることができる。また、電極12や誘電体膜13の厚みを薄くすることができるため、製作が容易、かつ小型化が可能である。
図10、図11のように、大きな正の速度分散性が得られている。
図12は、すだれ状電極31は、分散型のものである。弾性波素子50は、すだれ状電極31の交互に配置された正電極41bと負電極42bの本数を2N+1本、伝搬する弾性波の動作中心波長をλ、そのときの弾性波の速度をV、弾性波の波長がλn=λ[1+{N−(n−1)}δ]のときの弾性波の速度をVとし(ここで、n=1〜2N+1)、Nδの値を0.005〜0.3、aの値を0.8〜1.2とすると、n本目の電極の幅は、L=X/2=a(λ/4)×(V/V)、隣り合う電極の中心間の間隔はX=a(λ/2)×(V/V)であってもよい。この場合、広帯域の弾性波変換器、弾性表面波変換器を得ることができる。
また、弾性波素子10、30は、すだれ状電極31を設けることにより、中心周波数の調整および温度補償を行うことができる。これにより、例えば、すだれ状電極31を1対有する場合に、中心周波数が高い方のすだれ状電極31の上に誘電体膜13を設けて、中心周波数の調整を行うことにより、各すだれ状電極31で励振または受信する弾性表面波の中心周波数が等しくなるようにすることができる。また、この方法により、フィルタの周波数調整を行うことができる。
また、弾性波素子10、30は、各電極12またはすだれ状電極31が設けられた圧電基板11と、SiO膜もしくは温度補償用誘電体膜を有していてもよく、この場合、非常に薄い膜厚のSiO膜もしくは温度補償用誘電体膜を用いることにより、優れた温度特性が得られる。SiO膜は、例えば、その膜厚をH、圧電基板を伝搬する弾性波の波長をλeffとすると、H/λeff=0.005〜0.15(H:SiO2の膜厚)である。温度補償用誘電体膜は、例えば、SiOF、ランガサイト系薄膜、HfO系薄膜、不純物を含むSiO等である。
[周波数温度特性(TCF)]
弾性波素子10、30の周波数温度特性(TCF)は、
TCF=TCV−α (1)
で与えられる。ここで、TCVは速度温度係数、αは伝搬方向の線膨張係数である。TCVは、温度tのときの速度をVt1、温度tのときの速度をVt2としたとき、
TCV=[(Vt1−Vt2)/Vt1]/(t−t) (2)
で与えられる。
一般に、多くの物質は、温度の上昇と共に伸びるため、αは正の値となる。また、温度の上昇と共に、物質は柔らかくなるため、TCVは負の値となる。弾性波素子10、30で用いられるLiNbO単結晶基板のTCFは、−50ppm/℃から−100ppm/℃の範囲であり、LiTaO単結晶基板のTCFは、−25ppm/℃から−50ppm/℃の範囲である。そこで、従来、ゼロTCFを得るために、正の周波数温度特性をR有するSiO薄膜が用いられている。
図9,10に示す構造で、圧電基板上に基板より早い音速の電極、或いは誘電体膜を付着させると、膜厚の増加に対して、速度が増加する。温度の増加に対して、基板はのびるので、λefffは大きくなり、h/λefff は、減少し、速度は低下するが、熱歪のために、密度が小さくなるので、速度が増加し、熱歪効果により、正の周波数温度特性を示すようになる。従って、正の速度分散性特性を示す材料のくみあわせでも、周波数温度特性の改善が期待される。
電極TBE(膜厚:hB)として、Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,Cを用いた、各々の膜厚をhSEとしたとき、前記すだれ状電極TVSE(膜厚:hVSE)と組み合わせた、膜厚がhSE/(hSE+hse) =0.1から0.6の範囲のAu/(Si,Pt,W、C)、 Ag/(Cr,Ti,Si,Pt,W、C),Bi/(Cr、T、Si,Pt,W、C)、InSb/(Cr、Ti,Si,Pt,W、SiC,C)の電極FVBEからなる構造、または、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、SiC,もしくは、これらのうちの2種類以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
これらの場合、すだれ状電極の横波の音速が、圧電基板のものよりも非常に遅いため、速度分散性をさらに大きくすることができるとともに、周波数温度特性が大きく改善される。また、各電極12と通常の電極との組合せであってもよい。
また、図1に示す構造で、164°回転YカットX伝搬のLiTaO圧電基板11の両面11a、11bに、それぞれ1対の電極12としてAu膜(膜厚:hAU)を設けた場合、及び厚いCr膜(膜厚:hCr)とAu膜厚を設け、( Au+Cr)の膜厚をh、膜厚比、hCR/h=0.3の場合の速度Veffの低下を示す図が、図12であり、大きなCr膜厚でも速度の低下は、Auのみの場合と変わらず、大きな速度低下が見られる。一方、図10のAu/Crように、線膨張係数は、14ppm/°Cから、9ppm/°Cと小さくなっている。
このような大きな負の速度分散性は、電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上であり、かつ前記電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極12、31からなっていることによるものであると考えられる。
図1〜図9に対応する共振器、変換器では、圧電基板11、各電極12、すだれ状電極31のTCFは、それぞれ単独では、αが正の値、TCVが負の値であり、全体でも負のTCFしか得られない。しかし、図4に示す構造で、36°回転YカットX伝搬のLiNbO圧電基板11の両面11a、11bに、1対の電極12としてSi膜(膜厚:hSI)を設けた場合、hSI/λEffの増加にたいして、大きな速度増加がみられる。線膨張係数の伸びのため、H/λは小さくなるが、密度の変化、及びhSIの増加により、速度Vは、温度増加に対して、層度が増加し、正の温度係数が得られる。
電極TBE(膜厚:hB)として、Cr,Ti,Si,Pt,W、Cを用いた、各々の膜厚をhSEとしたとき、前記すだれ状電極TVSE(膜厚:hVSE)と組み合わせた、膜厚がhSE/(hSE+hse) =0.1から0.6の範囲のAu/(Si,Pt,W、C)、 Ag/(Cr,Ti,Si,Pt,W、C),Bi/(Cr、T、Si,Pt,W、C)、InSb/(Cr、Ti,Si,Pt,W、C)の電極FVBEからなる構造、または、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、もしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
これらの場合、すだれ状電極の横波の音速が、圧電基板のものよりも非常に遅いため、速度分散性をさらに大きくすることができるとともに、周波数温度特性が大きく改善される。また、各電極12と通常の電極との組合せであってもよい。
[本発明の第2の実施の形態の弾性波素子の構成]
図13は、本発明の第2の実施の形態の弾性波素子を示している。
図13に示すように、本発明の第2の実施の形態の弾性波素子50は、圧電基板11とすだれ状電極31と誘電体膜13とを有している。なお、以下の説明では、本発明の第1および第2の実施の形態の弾性波素子10、30と同一の構成には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
すだれ状電極31は、分散型のものである。弾性波素子50は、すだれ状電極31の交互に配置された正電極41bと負電極42bの本数を2N+1本、伝搬する弾性波の動作中心波長をλ、そのときの弾性波の速度をV、弾性波の波長がλn=λ[1+{N−(n−1)}δ]のときの弾性波の速度をVとし(ここで、n=1〜2N+1)、Nδの値を0.005〜0.3、aの値を0.8〜1.2とすると、n本目の電極の幅は、L=X/2=a(λ/4)×(V/V)、隣り合う電極の中心間の間隔はX=a(λ/2)×(V/V)であってもよい。この場合、広帯域の弾性波変換器、弾性表面波変換器を得ることができる。
10 弾性波素子(第1の実施の形態)
11 圧電基板
11a 一方の表面
11b 他方の表面
12 電極
21 支持基板
22a 第1反射膜
22b 第2反射膜

30 弾性波素子(第2の実施の形態)
31 すだれ状電極
41a 正極側バスバー
41b 正電極
42a 負極側バスバー
42b 負電極
43 反射膜
44 反射器

50 弾性波素子(第13の実施の形態)
70 弾性波素子(第24の実施の形態)

Claims (20)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板の両面にそれぞれ設けられた1対の電極を有し、
    前記電極膜の少なくともいずれか一方の電極膜は、前記電極膜を伝搬する遅い横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上であり、かつ前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜あることを特徴とする弾性波素子。
  2. 前記圧電基板の両面にそれぞれ設けられた1対の電極を有し、前記電極膜の少なくともいずれか一方の電極膜は、前記電極膜
    を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極膜と、前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5バイ以上である電極膜を組み合わせた構造の電極膜であることを特徴とする弾性波素子。
  3. 前記圧電基板の両面にそれぞれ設けられた1対の電極を有し、一方の面の前記電極膜は、
    前記電極膜を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極膜であり、他方の面の前記電極膜は、前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜であることを特徴とする弾性波素子。
  4. 弾性波が前記圧電基板の各表面に対して垂直方向に伝搬し、周波数温度特性が、−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲であることを特徴とする請求項1、2,3記載の弾性波素子。
  5. 圧電基板と、
    前記圧電基板の一方の表面に設けられた金属体すだれ状電極を有し、
    前記すだれ状電極膜は、前記誘電体を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上であり、かつ前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜であることを特徴とする弾性波素子。
  6. 前記圧電基板の一方の表面に設けられた金属体すだれ状電極を有し、
    前記すだれ状電極膜は、前記電極膜を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上である電極膜と前記電極膜誘電体の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である電極膜を組み合わせた構造の電極膜であることを特徴とする弾性波素子。
  7. 弾性波が前記圧電基板の各表面に沿って、および/または、前記圧電基板の各表面に対して垂直方向に伝搬し、周波数温度特性が、−20ppm/℃から+5ppm/℃の範囲であることを特徴とする請求項5.6記載の弾性波素子。
  8. 前記圧電基板を伝搬する弾性波の波長をλeff、各電極または前記すだれ状電極の厚みをhとすると、h/λeff=0.005〜0.3であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  9. 前記圧電基板は、33°〜39°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、161°〜167°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、LiNbO基板、44°〜50°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、162°〜168°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、LiTaO基板、ランガサイト基板、水晶基板、ZnO基板、圧電性セラミックス基板、AlN薄膜基板、ZnO薄膜基板、圧電性セラミックス薄膜基板、または、ScAlN薄膜基板であり、基板上に各電極を設け、各電極上に前記誘電体膜を設けた構造であり、
    各電極として、前記電極膜を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上であることに合致する、前記各電極である構造、または、前記電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の構造であり、請求項1乃至4、乃至8記載の弾性波素子。
  10. (表面波)
    前記圧電基板は、−10°〜75°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、120°〜170°回転YカットX伝搬のLiNbO基板、Y−Z LiNbO基板、Xカット35°〜45°Y伝搬のLiNbO基板、Xカット160°〜175°Y伝搬のLiNbO基板、LiNbO基板、−10°〜60°回転YカットX伝搬のLiTaO基板、Xカット35°〜45°Y伝搬のLiTaO基板、LiTaO基板、ランガサイト基板、水晶基板、ZnO基板、圧電性セラミックス基板、AlN薄膜基板、ZnO薄膜基板、圧電性セラミックス薄膜基板、または、ScAlN薄膜基板であり、
    すだれ状電極として、前記電極膜を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上であることに合致する、
    である前記各電極から成る、請求項5乃至9記載の弾性波素子。
  11. 前記電極、或いはすだれ状電極として、、前記電極或いはすだれ状電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上の前記すだれ状電極(膜厚:hVS)と基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である前記すだれ状電極TBSE(膜厚:hBŞ)として、
    電極TBE(膜厚:hB)として、Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンドを用いた、各々の膜厚をhSEとしたとき、前記電極、或いはすだれ状電極TVSE(膜厚:hVSE)と組み合わせた、膜厚がhSE/(hSE+hse) =0.1から0.6の範囲のAu/(Si,Pt,W、C)、 Ag/(Cr,Ti,Si,Pt,W、C),Bi/(Cr、T、Si,Pt,W、ダイヤモンド、C)、SiC/(Cr、Ti,Si,Pt,W、ダイヤモンド、SiC,C) ZrO/(Cr、Ti,Si,Pt,W、ダイヤモンド、SiC,C、ダイヤモンド)の電極FVBEからなる構造、または、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上の各電極TVEである構造、或いは、各電極の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上である各電極TBEからなる各電極TEである構造のいずれかの条件に合致する、通常の電極、Al、Zn、Ru、Cr、Cu/Cr、Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、SiC,、ZrO,,ダイヤモンドもしくは、これらのうちの2種以上の合金から成っていてもよい。また、この場合、速度分散性をさらに大きくすることdaができ、より優れた周波数温度特性および速度分散特性を得ることができる。
    これらの場合、すだれ状電極の横波の音速が、圧電基板の音速よりも非常に遅いため、速度分散性をさらに大きくすることができるとともに、周波数温度特性が大きく改善される。また、各電極11と通常の電極との組合せであってもよい。
  12. 前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の2/3倍以下であるAu電極を用いた構造であり、かつ、ダイヤモンドの膜厚をhC、,Auの膜厚をhAuとしたとき、hc/(hC+hAu)=0.15から0.6の範囲の電極を用いた/Au圧電基板構造であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  13. 前記すだれ状電極として、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上であるCr膜の線膨張と前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上であるC電極を用いた構造であり、かつ、ダイヤモンド或いはCの膜厚をhC、Crの膜厚をhCrとしたとき、hCr/(hCr+hAu)=0.15から0.6の範囲のC/Cr電極を用いたC/Cr/圧電基板構造のはすだれ状電極からなる構造であることを特徴とする請求項乃至12のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  14. 各電極または前記すだれ状電極として、前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上であるTi膜と前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上であるC電極を用いた構造であり、かつ、Cの膜厚をhC、Tiの膜厚をhTiとしたとき、hTi/(hTi+hC)=0.15から0.6の範囲のAu/Ti圧電基板構造の電極膜またはすだれ状電極からなる構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  15. 各電極または前記すだれ状電極として、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上であることに合致する電極膜であり、各々の膜厚をhBES, 前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上である電極の膜厚をhVESとしたとき、
    BES/(hBES+hVES) =0.1から0.6の範囲の構造であることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  16. 前記電極膜、或いはすだれ状電極の線膨張係数の最大値が、前記圧電基板を伝搬する遅い横波の音速の3/2倍以上であることに合致する電極膜として、、Al, Cr,Ti,Si,Pt,W、SiC,C、ダイヤモンド
    であり、前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上であることに合致する場合の電極膜、或いはすだれ状電極膜として、Cr,Ti,Si,Pt,W,Cであることを用いて、これらの金属膜を組み合わせたことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  17. 前記電極、或いはすだれ状電極として、前記電極を伝搬する横波の音速の最大値が、前記圧電基板を伝搬する早い横波の音速の3/2倍以上、或いは、前記電極膜の線膨張係数の最大値が、基板の線膨張係数の最大値の6/5倍以上であることに合致する場合の電極膜として、
    Al、ZrO,Zn、C,、Ru、Cr、Cu/Cr、Cu/Ti,Pt、Pt/Cr、Pt/Ti、もしくは、これらのうちの2種以上の合金からなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  18. 前記すだれ状電極の交互に配置された電極の本数を2N+1本、伝搬する弾性波の動作中心波長をλ、そのときの前記弾性波の速度をV、前記弾性波の波長がλn=λ[1+{N−(n−1)}δ]のときの前記弾性波の速度をVとし(ここで、n=1〜2N+1)、Nδの値を0.005〜0.3、aの値を0.8〜1.2とすると、
    n本目の電極の幅は、L=X/2=a(λ/4)×(V/V)、隣り合う電極の中心間隔はX=a(λ/2)×(V/V)であることを特徴とする請求項5,6、7、8、12,13、14、15、16,17または18記載の弾性波素子。
  19. 各電極または前記すだれ状電極が設けられた前記圧電基板と、前記誘電体膜との間にSiO膜もしくは温度補償用誘電体膜を有すること、または、前記誘電体膜の上にSiO膜を有することを特徴とする請求項1乃至請求項18のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  20. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載の弾性波素子の製造方法であって、
    各電極もしくは前記すだれ状電極、および/または前記誘電体膜を、前記弾性波素子の中心動作温度より100℃以上高い温度、または、前記弾性波素子の中心動作温度より100℃以上低い温度で蒸着して形成することを特徴とする弾性波素子の製造方法。









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