JP2021076703A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021076703A
JP2021076703A JP2019202969A JP2019202969A JP2021076703A JP 2021076703 A JP2021076703 A JP 2021076703A JP 2019202969 A JP2019202969 A JP 2019202969A JP 2019202969 A JP2019202969 A JP 2019202969A JP 2021076703 A JP2021076703 A JP 2021076703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
polymerizable monomer
particles
monomer composition
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019202969A
Other languages
English (en)
Inventor
順也 浅岡
Junya Asaoka
順也 浅岡
義広 中川
Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
優 笹野
Masaru Sasano
優 笹野
雄平 照井
Yuhei Terui
雄平 照井
洸紀 井上
Koki Inoue
洸紀 井上
篤史 高本
Atsushi Takamoto
篤史 高本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019202969A priority Critical patent/JP2021076703A/ja
Publication of JP2021076703A publication Critical patent/JP2021076703A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】有機ケイ素重合体を含む所定粒径外の粒子を原材料とする重合法による現像性の高いトナーの製造方法を提供する。【解決手段】有機ケイ素重合体で形成された表層を有するトナーの製造方法であって、有機ケイ素化合物Qを含有する重合性単量体組成物Aを水系媒体中で分散処理し、重合性単量体および有機ケイ素化合物Qを重合させてトナー粒子を製造する、もしくは重合性単量体組成物Bを水系媒体中で分散処理し、重合性単量体を重合させ、有機ケイ素化合物Qを加えトナー母粒子の表面において重合させるトナー粒子製造工程、および重合性単量体組成物Aもしくは重合性単量体組成物Bが、有機ケイ素重合体Pを含有し、有機ケイ素重合体Pは別のロットの分級工程において除去された所定粒径外の粒子Pに由来する有機ケイ素重合体であり、分散装置による分散は、乱流エネルギー散逸率ε(W/kg)が8.0×103≦ε≦2.0×104の範囲。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などの方法によって形成される静電潜像を現像してトナー画像を形成するために用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、複写機及びレーザービームプリンターの如き電子写真技術を用いた画像形成装置の機能が多様化し、画像の高精細化、高画質化が求められており、それらに適したトナーが求められている。
こうした要求に対し、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式製法のトナーに関する提案が多くなされている。
例えば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤およびその他の添加剤を均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物とする。これを、分散剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて重合性単量体組成物分散液とし、重合性単量体組成物分散液中の重合性単量体を重合反応させて、所望の粒径を有するトナー粒子を得る(特許文献1)。
懸濁重合法で得られるトナー粒子の粒度分布は非常にシャープではあるが、シャープな粒度分布幅をもたせるために使用される水系分散媒の分散剤の濃度及び添加条件によっては、水相で重合が併発し、所定外の超微粒子が生成する。
一方では、反応中で粒子凝集が発生し、反応槽壁面や撹拌翼等に重合粒子凝集体が付着する。また分散・造粒工程によってシャープな粒度分布幅をもたせ、かつ種々の技術によって粒子凝集をできるだけ押さえた製造条件の下でも、前述の所定外の粗粒子の混入を完全に除外することは簡単ではない。
これら所定外の粒子は、分級工程によって取り除かれる。取り除かれた所定外粒子を廃棄すると、生産性の低下に繋がり、経済的な損失となる。
特許文献2では、取り除かれた所定粒径外のトナー粒子を次バッチの重合性単量体組成物中に溶解または膨潤させ、トナー粒子の生産工程に導入させることで、電子写真特性を損なうことなく所定粒径外のトナー粒子を原材料として使用することが提案されている。さらに、特許文献3では、所定粒径外のトナー粒子の高分子量成分を物理的に剪断し溶解しやすくする手法も提案されている。
特開2011−74289号公報 特許第3799127号 特開2005−107442号公法
しかしながら、昨今の画像の高精細化、高画質化に伴い使用される添加剤を含むトナー粒子の製造においては、特許文献2および3に提案されているような手法を用いても、得られるトナー粒子の現像性を悪化させてしまう等の新たな課題が生じている。
本発明の目的は、有機ケイ素重合体を含む所定粒径外の粒子を原材料とする懸濁重合法によるトナーの製造方法において、現像性の高いトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、
結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナー母粒子の表面に有機ケイ素重合体で形成された表層を有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該製造方法は、
該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、該着色剤および該離型剤ならびに該有機ケイ素重合体を形成し得る有機ケイ素化合物Qを含有する重合性単量体組成物Aを得て、該重合性単量体組成物Aを水系媒体中で分散装置を用いて分散処理し、重合性単量体組成物の粒子を得て、該重合性単量体および該有機ケイ素化合物Qを重合させることによってトナー粒子を製造する、もしくは、
該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、該着色剤および該離型剤を含有する重合性単量体組成物Bを得て、該重合性単量体組成物Bを水系媒体中で分散装置を用いて分散処理し、重合性単量体組成物Bの粒子を得て、該重合性単量体を重合させることによってトナー母粒子を得て、該水系媒体中に該有機ケイ素重合体を形成し得る有機ケイ素化合物Qを加え、該トナー母粒子の表面において該有機ケイ素化合物Qを重合させることによってトナー粒子を製造するトナー粒子製造工程、および、
該トナー粒子製造工程で得られたトナー粒子から所定粒径外の粒子を除去し、所定粒径内のトナー粒子を得る分級工程
を有し、
該重合性単量体組成物Aもしくは該重合性単量体組成物Bが、有機ケイ素重合体Pを含有し、
該有機ケイ素重合体Pは、別のロットでトナー粒子を製造した際の分級工程において除去された所定粒径外の粒子Pに由来する有機ケイ素重合体であり、
該分散装置による分散は、乱流エネルギー散逸率ε(W/kg)が8.0×103≦ε≦2.0×104の範囲で行われることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明によれば、有機ケイ素重合体を含む所定外粒子を原材料とした、現像性に優れたトナー粒子を得ることが出来る。
本発明の造粒工程に適用できる、分散装置を具備したトナー製造システムの一例を示す概略図である。 比較例の造粒工程に適用できる、分散装置を具備したトナー製造システムの一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合にいて説明する。懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナーの製造法について、工程毎に説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
重合性単量体組成物には、別のロットでトナー粒子を製造した際の、分級工程において除去された所定外のトナー粒子Pを含有させる。所定外のトナー粒子Pに由来する有機ケイ素重合体Pがトナー粒子の重合性単量体に由来する結着樹脂に包埋されることによって、物理的衝撃による劣化が抑制されたトナー粒子を得る。これにより、カートリッジ内でのトナー劣化が少なくなり安定した現像性を実現できるため好ましい。所定外の粒子Pに由来する有機ケイ素重合体Pであることで、トナー粒子中に有機ケイ素重合体Pが包埋されやすくなる。これは、所定外の粒子Pの樹脂成分が疎水性のため、後述の造粒工程において生成する重合性単量体組成物分散液的中に有機ケイ素重合体Pが包埋されやすくなるため好ましい。
重合性単量体組成物に含まれる所定粒径外の粒子Pの含有率は、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。この範囲であれば、後述する造粒工程において生成する重合性単量体組成物分散液滴中に有機ケイ素重合体Pが十分に包埋されるため好ましい。0.1質量%より小さい場合、物理的衝撃による劣化を抑制する効果が得られにくいため好ましくない。10質量%より大きい場合、単量体組成物分散液滴中に包埋されない有機ケイ素重合体Pが存在するようになる。こうした包埋されない有機ケイ素化合物Pは重合性単量体組成物分散液滴中で単独で存在したり、トナー表面に存在するようになる。これにより、トナー粒子の均一性が失われ、現像性を損なうため好ましくない。
所定粒径外の粒子Pに含まれる有機ケイ素化合物Pの含有率は、1質量%以上8質量%以下であることが好ましい。この範囲であれば、後述する造粒工程において生成する重合性単量体組成物分散液滴中に有機ケイ素重合体Pが十分に包埋されるため好ましい。1質量%より小さい場合、物理的衝撃による劣化を抑制する効果が得られにくいため好ましくない。8質量%より大きい場合、単量体組成物分散液滴中に包埋されない有機ケイ素重合体Pが存在するようになる。こうした包埋されない有機ケイ素化合物Pは重合性単量体組成物分散液滴中で単独で存在したり、トナー表面に存在するようになる。これにより、トナー粒子の均一性が失われ、現像性を損なうため好ましくない。
(造粒工程)
造粒工程は例えば高剪断力を有する分散装置を具備した造粒システムで行なうことができる。無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散装置で分散させることにより、重合性単量体組成物分散液を得る。分散装置での分散は、特に限定はしないが、非処理物を蓄えた分散容器に具備した分散装置で行ってもいい。また、分散容器に蓄えた非処理物の一部を分散装置に送液する方式でもよい。高剪断力を有する分散装置としては特に限定されるものではない。例えば、ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、キャビトロン(大平洋機工社製)の如き市販のものを用いることができる。
図1は、上記分散装置を具備したトナー製造システムの一例を示しており、本発明における造粒工程に適用できる。詳細は後述の実施例において述べる。
分散装置による分散は、乱流エネルギー散逸率ε(W/kg)が8.0×103≦ε≦2.0×104の範囲で行われる。本範囲であれば、所定粒径外の粒子Pが剪断を受け、有機ケイ素化合物Pが十分微細化される。このため、重合性単量体組成物分散液滴中に有機ケイ素重合体Pが十分に包埋される。これにより、物理的衝撃による劣化が抑制されたトナー粒子を得られるため好ましい。乱流エネルギー散逸率εを2.0×104より大きくするには、分散装置の動力を大きくしたり、機械的強度を大きくするなどの必要がある。これには、過多な設備投資が必要であり、生産性を著しく低下させるため好ましくない。
乱流エネルギー散逸率ε(W/kg)は、数値流体力学を用いて、RNG k‐εモデルにて計算される。壁近傍の処理は、Enhanced Wall Treatmentにて処理する。分散装置の処理部の容積にて計算する。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(反応工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液中の重合性単量体を重合することにより、トナー粒子の分散液を得る。本発明における反応工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。
撹拌に用いられる撹拌羽根は重合性単量体組成物分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
重合体粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子の分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水で重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離して湿潤重合体粒子を得る。得られた湿潤重合体粒子は公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
乾燥後、要求される粒度分布にするために、風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の所定粒径内のトナー粒子(トナー母粒子)を得る。このとき取り除かれた粒子が所定粒径外の粒子Pとなる。
(ケイ素化合物被覆工程)
次に、ケイ素化合物Qでトナー粒子(トナー母粒子)表面を被覆するケイ素化合物被覆工程について述べる。ケイ素化合物被覆工程の方法は以下ケイ素化合物被覆工程A,Bのいずれかの方法で行うことができ、トナー母粒子の表面に有機ケイ素重合体で形成された表層を有するトナー粒子が得られ、また、それらの組み合わせで行うことができるが特に限定されない。
ケイ素化合物被覆工程A:
前述の重合性単量体組成物調製工程に有機ケイ素重合体を形成するための有機ケイ素化合物Qを含有させる(重合性単量体組成物Aの調製)。重合工程で重合性単量体および有機ケイ素化合物Qを重合させた後、前述の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程、分級工程を経てケイ素化合物Qで覆われた被処理トナー粒子を得る。
ケイ素化合物被覆工程B:
有機ケイ素化合物Qを有さない重合性単量体組成物Bに基づく重合体粒子を得た後、水系媒体中に有機ケイ素化合物Q、または、有機ケイ素化合物Qと有機ケイ素重合体の混合物を添加し、撹拌しながら有機ケイ素化合物Qを重合する。その後、前述の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程、分級工程を経てケイ素化合物で覆われた被処理トナー粒子を得る。
(外添工程)
上記トナー粒子製造によって得られたトナー粒子への各種特性付与を目的として外添剤とトナー粒子を混合することで、トナーを得ることができる。
次に、本発明に係るトナーの構成素材について説明する。
本発明に用いる結着樹脂としてはスチレンアクリル系共重合体を挙げることができる。
該スチレンアクリル系共重合体は、スチレン系単量体とアクリル系単量体(アクリル酸又はメタクリル酸及びそれらのアルキルエステル)との共重合体である。
ここで、スチレンアクリル系共重合体は、スチレンアクリル系共重合体のみから構成された状態で結着樹脂中に含有されていてもよいし、他の重合体などとのブロック共重合体、グラフト共重合体、又はそれらの混合物の状態で結着樹脂中に含有されていてもよい。
また、結着樹脂中のスチレンアクリル系重合体の含有量は、50質量%以上であり、80質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
結着樹脂が、スチレンアクリル系共重合体を含有することで、トナーの現像特性及び耐久性が向上する。
なお、結着樹脂には、該スチレンアクリル系共重合体以外に、トナーに用いられる公知の樹脂又は重合体を用いることができる。
スチレン系単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼンなど。
該スチレン系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
該アクリル系単量体としては、以下のものが挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレートのようなアクリル酸アルキルエステル類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレートのようなメタクリル酸アルキルエステル類;
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどのアクリル酸ジエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸など。
該アクリル系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)はスチレン系単量体とアクリル系単量体の重合比率を調整することにより所望の範囲とすることができる。
具体的には、スチレン系単量体とアクリル系単量体との重合比率(スチレン系単量体:アクリル系単量体)は、質量基準で、65:35〜100:0であることが好ましく、70:30〜85:15であることがより好ましい。
該結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上65℃以下であることが好ましい。
トナー粒子の製造時に使用する重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。
有機系の過酸化物系重合開始剤としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。
有機過酸化物系重合開始剤の具体例としては、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;
ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどが挙げられる。
無機系の過酸化物系重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。
また、アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。
該重合開始剤の使用量は、重合性単量体100.0質量部に対して、0.10質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
該トナー粒子は、極性樹脂を含有することもできる。極性樹脂としては、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。極性樹脂としてポリエステル系樹脂を用いることで、当該樹脂がトナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、当該樹脂自身のもつ潤滑性が期待できる。
ポリエステル系樹脂としては、アルコールモノマーとカルボン酸モノマーとの縮重合体が挙げられる。
該アルコールモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
一方、カルボン酸モノマーとしては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
また、その他にも以下のモノマーを使用することが可能である。
ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルなどの多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物などの多価カルボン酸類。
それらの中でも、下記式(I)で表されるビスフェノール誘導体と、2価以上のカルボン酸との縮重合物が、良好な帯電特性を有するので好ましい。
2価以上のカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びそれらの酸無水物、それらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。
Figure 2021076703
(式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2以上10以下である。)
該極性樹脂の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
本発明に用いる有機ケイ素重合体は下記式(1)で表される構造を有することが好ましい。
1−SiO3/2 式(1)
式(1)中R1は炭素数1以上4以下のアルキル基を示す。式(1)の構造を有する有機ケイ素重合体は、下記式(2)で表される構造を有する有機ケイ素化合物の縮重合物であることが好ましい。
Figure 2021076703
式(2)中、R1は、炭素数1以上4以下の炭化水素基を表し、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基を表す。
結着樹脂との親和性をよくする観点から、R1は炭素数1以上4以下の炭化水素基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基である(以下、反応基ともいう)。これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮重合させて架橋構造を形成し、耐部材汚染及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。加水分解性が室温で穏やかであり、トナー粒子の表面への析出性と被覆性の観点から、炭素数1以上3以下のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基やエトキシ基であることがより好ましい。また、R2、R3及びR4の加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
本発明に用いられる有機ケイ素重合体を得るには、上記に示す式(2)中のR1を除く一分子中に3つの反応基(R2、R3及びR4)を有する有機ケイ素化合物(以下、三官能性シランともいう)を1種又は複数種を組み合わせて用いるとよい。
上記式(2)としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
また、本発明の効果を損なわない程度に、式(2)で表される構造を有する有機ケイ素化合物とともに、以下を併用して得られた有機ケイ素重合体を用いてもよい。一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)又は1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)。例えば以下のようなものが挙げられる。
ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリイソシアネートシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のビニルシラン。
本発明に用いる該着色剤としては、従来知られている種々の染料や顔料などが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、111、128、155、174、180、185などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレット19などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが挙げられる。
該トナーは、磁性トナーとして用いることができる。その場合には、トナー粒子に磁性体を含有させればよい。この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。
該磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
該着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナー粒子中の分散性の観点から選択するとよい。該着色剤は、単独又は混合し、さらには固溶体の状態で用いることができる。
該着色剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明に用いる離型剤として、ワックスは特に制限はなく公知のワックスを利用することができるが、ワックスの溶解度パラメーターSPwが8.40(cal/cm31/2以上9.00(cal/cm31/2以下であることが好ましい。
結着樹脂に含まれるスチレンアクリル系共重合体に対する相溶性の観点から、該ワックスは、アルコール成分とカルボン酸成分との縮合物であるエステルワックスが好適に用いられる。
本発明においては、上記の関係を満たすワックスであれば特に制限されないが、結着樹脂に含まれるスチレンアクリル系共重合体との相溶性と定着時の離型性の観点から、エステルワックスが好ましい。また、一官能または二官能のエステルワックスがより可塑性に優れるため好ましい。
一官能または二官能のエステルワックスは、一価もしくは二価の直鎖飽和アルコールと一価の直鎖飽和脂肪酸とのエステル、または一価もしくは二価の直鎖飽和脂肪酸と一価の直鎖飽和アルコールとのエステルが挙げられる。
一価の直鎖飽和アルコールとしては、炭素数6以上24以下のアルコールが用いられ、以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。例えばヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノニルアルコール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。
二価の直鎖飽和アルコールとしては、炭素数6以上24以下のジオールが用いられ、例えば以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−イコサンジオール、1,22−ドコサンジオール、1,24−テトラコサンジオールが挙げられる。
一価の直鎖飽和脂肪酸としては、炭素数8以上24以下のものが用いられ、以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。例えばヘキサン酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。
二価の直鎖飽和脂肪酸としては、炭素数8以上24以下のジカルボン酸が用いられ、以下の化合物を挙げることができるがこれに限定されるものではない。例えばスベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸が挙げられる。
上記ワックスは、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上30.0質量部以下使用するのが好ましい。
該トナー粒子は、エステルワックス以外にさらに炭化水素ワックスを含有してもよい。
炭化水素ワックスとしては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;脂肪族炭化水素ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類などが挙げられる。
炭化水素ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
エステル系ワックス及び炭化水素ワックスの融点は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、60℃以上100℃以下であることがより好ましい。該熱特性を呈することにより、得られるトナーの低温定着性及び耐熱保存性の両立を確保しやすい。
トナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。該荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
有機金属化合物、キレート化合物、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、ノンメタルカルボン酸系化合物及びその誘導体、スルホン酸基、スルホン酸塩基、又は、スルホン酸エステル基を有するスルホン酸樹脂。
具体的には、負帯電用荷電制御剤として以下のものが挙げられる。
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体;アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなど。
一方、正帯電用荷電制御剤としては以下のものが挙げられる。
四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物など。
これらのうち、負帯電用荷電制御剤を用いることが多い。
また、該スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などに代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体又は他のビニル系モノマーと該スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などが挙げられる。
該荷電制御剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
該トナーは、画質向上の観点より、トナー粒子に外添剤が添加されていることが好ましい。
外添剤としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、及び酸化アルミニウム微粒子のような無機微粒子が挙げられる。
該無機微粒子は、シランカップリング剤、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化処理されていることが好ましい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
以下に、本発明で規定する各物性値の計算方法及び測定方法を記載する。
<トナー粒子中の有機ケイ素重合体の含有量の測定>
有機ケイ素重合体の含有量の測定は、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー粒子4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いる。
有機ケイ素重合体を含まないトナー粒子100質量部に対して、シリカ(SiO2)微粉末を0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を5.0質量部、10.0質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。
次に、分析対象のトナー粒子を、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線からトナー粒子中の有機ケイ素重合体含有量を求める。
<体積平均メディアン径(Dv50)、個数平均メディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
粒度分布は下記の計算式(3)により導かれる数値を指標とした。
体積平均メディアン径(Dv50)÷個数平均メディアン径(Dn50)…式(3)
上記指標は数値が1に近いほど粒度分布がシャープなことを表す。以下この指標をDv50/Dn50とする。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。実施例中及び比較例中の部は特に断りがない場合、全て質量基準である。
〔所定粒径外の粒子Aの取得〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン25.0部に対して、顔料としてC.I.ピグメントレッド155を1.56部、C.I.ピグメントレッド122を2.60部を混合した。更に、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.365質量部、サリチル酸アルミニウム化合物 0.02部、スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)0.63部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(重合性単量体組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 23.92部
・スチレン 12.11部
・n−ブチルアクリレート 10.64部
・ポリエステル樹脂 2.13部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
4.68部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
更に、60℃に加温した後、ベヘン酸ベヘニル 融点72.1℃ 4.26部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.81部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水117.29部、リン酸ナトリウム12水和物2.12部、10質量%塩酸0.88部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水9.62部に塩化カルシウム2水和物1.23部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌し、難水溶性無機微粒子分散液を調製した。
(造粒工程)
図1に示す、トナー製造システム1を用いて造粒工程を行った。水系分散媒体中に重合性単量体有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、撹拌機3であるクレアミックス(エム・テクニック株式会社製)にて周速16m/sで造粒容器2内を撹拌した。更に、造粒容器2内の液をポンプ5で分散装置7であるキャビトロン(大平洋機工株式会社製)に送液した。キャビトロンは計算される乱流エネルギー散逸率εが1.5×104となる条件にて運転し、キャビトロンを通過した液は背圧弁8と分散液戻り口9を介して造粒容器2へ戻した。下記式Aにて示される値が5を超えたところで装置の運転を停止し重合性単量体組成物分散液を得た。
(式A)
ポンプの積算流量(kg)÷(水系分散媒質量(kg)+重合性単量体組成物質量(kg)
(反応工程)
重合性単量体組成物分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体の分散液を得た。その後、トナー粒子前駆体の分散液を40℃まで冷却した。
(有機ケイ素化合物の重合工程)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを4.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を40℃にした。その後、有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
得られたトナー粒子前駆体の分散液の温度を55℃に昇温したのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液で、pHを5.5に調整した。55℃で撹拌を継続したまま、有機ケイ素化合物の加水分解液を10.78部添加して有機ケイ素化合物の重合を開始した。そのまま60分保持した後に、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpHを9.5に調整し、更に240分保持してトナー粒子の分散液を得た。
(洗浄/濾過/乾燥/分級 工程)
トナー粒子の分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.2に調整し2時間撹拌した。その後、加圧ろ過器にてろ過を行い、水で洗浄し湿潤トナー粒子を得た。湿潤トナー粒子を解砕し、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。乾燥したトナー粒子から風力分級機(エルボージェット分級機:日鉄鉱業(株)製)を用いて所定粒径外の粒子Aを取り除くことによって、所定粒径外の粒子Aを得た。
〔所定粒径外の粒子Bの取得〕
有機ケイ素化合物の重合工程において、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を1.08部とした以外は、所定粒径外の粒子Aの取得と同様の条件方法にて、所定粒径外の粒子Bを得た。
〔所定粒径外の粒子Cの取得〕
有機ケイ素化合物の重合工程において、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を2.16部とした以外は、所定粒径外の粒子Aの取得と同様の条件方法にて、所定粒径外の粒子Cを得た。
〔所定粒径外の粒子Dの取得〕
有機ケイ素化合物の重合工程において、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を17.25部とした以外は、所定粒径外の粒子Aの取得と同様の条件方法にて、所定粒径外の粒子Dを得た。
〔所定粒径外の粒子Eの取得〕
有機ケイ素化合物の重合工程において、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を21.56部とした以外は、所定粒径外の粒子Aの取得と同様の条件方法にて、所定粒径外の粒子Eを得た。
下記の実施例1〜10は、重合性単量体組成物Bもしくはケイ素化合物被覆工程Bを含む例であり、実施例11は、重合性単量体組成物Aもしくはケイ素化合物被覆工程Aを含む例である。
〔実施例1〕
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン25.0質量部に対して、C.I.ピグメントレッド155を1.56部、C.I.ピグメントレッド122を2.60部を混合した。更に、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.365部、サリチル酸アルミニウム化合物 0.02部、スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)0.63部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(重合性単量体組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 23.92部
・スチレン 12.11部
・n−ブチルアクリレート 10.64部
・ポリエステル樹脂 2.13部
・所定粒径外の粒子A 1.90部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
4.68部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
更に、60℃に加温した後、ベヘン酸ベヘニル 融点72.1℃ 4.26部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.81部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水117.29部、リン酸ナトリウム12水和物2.12部、10質量%塩酸0.88部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水9.62部に塩化カルシウム2水和物1.23部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)を用いて周速23m/sにて30分撹拌し、水系分散媒体を調製した。
(造粒工程)
図1に示す、トナー製造システム1を用いて造粒工程を行った。水系分散媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、撹拌機3であるクレアミックス(エム・テクニック株式会社製)にて周速16m/sで造粒容器2内を撹拌した。更に、造粒容器2内の液をポンプ5で分散装置7であるキャビトロン(大平洋機工株式会社製)に送液した。使用したキャビトロンはローターの周速を60m/secにて運転できるように改造したものを使用した。キャビトロンは計算される乱流エネルギー散逸率εが1.5×104となる条件にて運転し、キャビトロンを通過した液は背圧弁8と分散液戻り口9を介して造粒容器2へ戻した。下記式Aにて示される値が5を超えたところで装置の運転を停止し重合性単量体組成物分散液を得た。
(式A)
ポンプの積算流量(kg)÷(水系分散媒重量(kg)+重合性単量体組成物重量(kg)
(反応工程)
重合性単量体組成物分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させトナー粒子前駆体の分散液を得た。その後、トナー粒子前駆体の分散液を40℃まで冷却した。
(有機ケイ素化合物の重合工程)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを4.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を40℃にした。その後、有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン20.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
得られたトナー粒子前駆体の分散液の温度を55℃に昇温したのち、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液で、pHを5.5に調整した。55℃で撹拌を継続したまま、有機ケイ素化合物の加水分解液を11.1部添加して有機ケイ素化合物の重合を開始した。そのまま60分保持した後に、3.0%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いてpHを9.5に調整し、更に240分保持してトナー粒子の分散液を得た。
(洗浄/濾過/乾燥/分級 工程)
トナー粒子の分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.2に調整し2時間撹拌した。その後、加圧ろ過器にてろ過を行い、水で洗浄し湿潤トナー粒子を得た。湿潤トナー粒子を解砕し、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。乾燥したトナー粒子から風力分級機(エルボージェット分級機:日鉄鉱業(株)製)を用いて所定粒径外の粒子を取り除きトナー粒子を得た。
(外添工程)
トナー粒子100.0部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
分散装置による乱流エネルギー散逸率ε(W/kg)、重合性単量体組成物中の所定粒径外の粒子の含有率(質量%)、所定粒径外の粒子中の有機ケイ素重合体の含有率(質量%)を表1に示す。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
画像形成装置として、LASER JET2300を用いた。画像形成装置のプロセススピードを150mm/secとし、現像バイアスとして−430Vの直流電圧Vdcに1.6kVpp、周波数2200Hzの交番電界を重畳したものを用いた。この条件において、上記調製したトナーを使用し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)において8ポイントのA文字を用い印字率を4%とした画像にて間欠モードで6,000枚の画出し耐久試験を行った。なお、記録媒体としてはA4の75g/m2の紙を使用した。
<カブリ>
耐久試験50枚後と耐久試験後に白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式Bを用いてカブリを算出した。
(式B)
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通りである。
非常に良好(1.5%未満)
良好(1.5%以上2.5%未満)
普通(2.5%以上4.0%未満)
悪い(4.0%以上)
耐久試験前後のカブリ試験の結果を表2に示す。
〔実施例2〕
造粒工程において、計算される乱流エネルギー散逸率εが8.0×103となる条件にてキャビトロンを運転した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例3〕
造粒工程において、計算される乱流エネルギー散逸率εが2.0×104となる条件にてキャビトロンを運転した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例4〕
所定粒径外の粒子Aを0.062部とし、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を10.78部とした以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例5〕
所定粒径外の粒子Aを6.15部とし、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を11.84部とした以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例6〕
所定粒径外の粒子Aを7.39部とし、有機ケイ素化合物の加水分解液の添加量を12.06部とした以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例7〕
所定粒径外の粒子Bを使用した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例8〕
所定粒径外の粒子Cを使用した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例9〕
所定粒径外の粒子Dを使用した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例10〕
所定粒径外の粒子Eを使用した以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔実施例11〕
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン25.0部に対して、C.I.ピグメントレッド155を1.56部、C.I.ピグメントレッド122を2.60部を混合した。更に、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.365部、サリチル酸アルミニウム化合物 0.02部、スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)0.63部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス社製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(重合性単量体組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 23.92部
・スチレン 12.11部
・n−ブチルアクリレート 10.64部
・ポリエステル樹脂 2.13部
・所定粒径外の粒子A 1.90部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
4.68部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・メチルトリエトキシシラン 20.0部
更に、60℃に加温した後、ベヘン酸ベヘニル 融点72.1℃ 4.26部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.81部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
以降の工程は、メチルトリエトキシシランの添加を除き実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
〔比較例1〕
造粒工程を下記の通りに行った以外は実施例1と同様の条件方法によりトナーを得た。
(造粒工程)
図2に示すトナー製造システム1’を用いて造粒工程を行った。水系分散媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、分散装置として具備されたクレアミックス(エム・テクニック株式会社製)にて乱流エネルギー散逸率εが7.7×103となる条件にて造粒容器内を撹拌した。15分撹拌後、運転を停止し重合性単量体組成物分散液を得た。
〔比較例2〕
造粒工程を下記の通りに行った以外は実施例11と同様の条件方法によりトナーを得た。
(造粒工程)
図2に示すトナー製造システム1’を用いて造粒工程を行った。水系分散媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、分散装置として具備されたクレアミックス(エム・テクニック株式会社製)にて乱流エネルギー散逸率εが7.7×103となる条件にて造粒容器内を撹拌した。15分撹拌後、運転を停止し重合性単量体組成物分散液を得た。
Figure 2021076703
Figure 2021076703
1:造粒工程の分散装置を具備したトナー製造システム、2:造粒容器、3:撹拌機、4:排出弁、5:ポンプ、6:送液配管、7:分散装置、8:背圧弁、9:分散液戻り口

Claims (4)

  1. 結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナー母粒子の表面に有機ケイ素重合体で形成された表層を有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    該製造方法は、
    該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、該着色剤および該離型剤ならびに該有機ケイ素重合体を形成し得る有機ケイ素化合物Qを含有する重合性単量体組成物Aを得て、該重合性単量体組成物Aを水系媒体中で分散装置を用いて分散処理し、重合性単量体組成物の粒子を得て、該重合性単量体および該有機ケイ素化合物Qを重合させることによってトナー粒子を製造する、もしくは、
    該結着樹脂を形成し得る重合性単量体、該着色剤および該離型剤を含有する重合性単量体組成物Bを得て、該重合性単量体組成物Bを水系媒体中で分散装置を用いて分散処理し、重合性単量体組成物Bの粒子を得て、該重合性単量体を重合させることによってトナー母粒子を得て、該水系媒体中に該有機ケイ素重合体を形成し得る有機ケイ素化合物Qを加え、該トナー母粒子の表面において該有機ケイ素化合物Qを重合させることによってトナー粒子を製造するトナー粒子製造工程、および、
    該トナー粒子製造工程で得られたトナー粒子から所定粒径外の粒子を除去し、所定粒径内のトナー粒子を得る分級工程
    を有し、
    該重合性単量体組成物Aもしくは該重合性単量体組成物Bが、有機ケイ素重合体Pを含有し、
    該有機ケイ素重合体Pは、別のロットでトナー粒子を製造した際の分級工程において除去された所定粒径外の粒子Pに由来する有機ケイ素重合体であり、
    該分散装置による分散は、乱流エネルギー散逸率ε(W/kg)が8.0×103≦ε≦2.0×104の範囲で行われることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記重合性単量体組成物に含まれる前記所定粒径外の粒子Pの含有率が、0.1質量%以上10質量%以下である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記所定粒径外のトナー粒子Pに含まれる有機ケイ素重合体の含有率が、1質量%以上8質量%以下である請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記有機ケイ素重合体が、下記式(1)で表される構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
    1−SiO3/2 (1)
    (式(1)中、R1は、炭素数1以上4以下のアルキル基である。)
JP2019202969A 2019-11-08 2019-11-08 トナーの製造方法 Pending JP2021076703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019202969A JP2021076703A (ja) 2019-11-08 2019-11-08 トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019202969A JP2021076703A (ja) 2019-11-08 2019-11-08 トナーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021076703A true JP2021076703A (ja) 2021-05-20

Family

ID=75898976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019202969A Pending JP2021076703A (ja) 2019-11-08 2019-11-08 トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021076703A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007199268A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Canon Inc トナー粒子およびトナーの製造方法
JP2008122557A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc 重合トナーの再利用方法
JP2016194620A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 キヤノン株式会社 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2018194837A (ja) * 2017-05-15 2018-12-06 キヤノン株式会社 トナー
JP2019133130A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 キヤノン株式会社 トナー及び該トナーの製造方法
JP2019191451A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 キヤノン株式会社 トナー

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007199268A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Canon Inc トナー粒子およびトナーの製造方法
JP2008122557A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Canon Inc 重合トナーの再利用方法
JP2016194620A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 キヤノン株式会社 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2018194837A (ja) * 2017-05-15 2018-12-06 キヤノン株式会社 トナー
JP2019133130A (ja) * 2018-01-30 2019-08-08 キヤノン株式会社 トナー及び該トナーの製造方法
JP2019191451A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 キヤノン株式会社 トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7062373B2 (ja) トナー
JP6812134B2 (ja) トナーおよびトナーの製造方法
JP6525736B2 (ja) トナー
JP7254990B2 (ja) トナーの製造方法
JP6739982B2 (ja) トナー
JP2018010286A (ja) トナー、現像装置及び画像形成装置
JP7210222B2 (ja) トナー
JP7267740B2 (ja) トナー
JP2008268366A (ja) トナー
JP5430168B2 (ja) トナー
JP5539052B2 (ja) トナー
JP2018194821A (ja) トナーの製造方法
JP5419586B2 (ja) トナー
JP2021076703A (ja) トナーの製造方法
JP6904726B2 (ja) トナー
JP2016218104A (ja) トナー
JP5294890B2 (ja) トナー
US20230047560A1 (en) Toner and method for producing toner
JP2019032465A (ja) 磁性トナー
JP2019020491A (ja) トナー
JP5517754B2 (ja) トナー
JP2024003293A (ja) 分散機、樹脂粒子の製造方法、トナー粒子の製造方法
JP6987614B2 (ja) トナー、現像装置および画像形成装置
JP2009186735A (ja) トナーの製造方法
JP6494421B2 (ja) トナーの製造方法およびブロックポリマーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230725

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240130