JP2021076283A - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Abstract
【課題】確実に上へ送風することができる空気調和機の室内機を提供する。【解決手段】空気調和機の室内機1Aは、吹出口30が設けられた前面部12を有し、内部にファン40を収容する筐体10と、第一基部及び、ファン40が送風する空気を吹出口30から上に送風する上向き送風をする場合に第一基部よりも上かつ前方に向いて、ファン40に送風される空気を上方へ導風する第一先端部を有する上ベーン71と、上向き送風をする場合に第一基部と上下方向に隣り合う第二基部及び、上向き送風をする場合に後方に向き、筐体10の内側の、ファン40に送風される空気を上ベーン71へ導風する第二先端部を有する下ベーン73と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は空気調和機の室内機に関する。
空気調和機の室内機には、吹出口から空気を水平又は上へ送風するため、吹出口にベーンが配置されたものがある。
例えば、特許文献1には、箱状の筐体が有する前面壁と底面壁にわたって形成された吹出口に配置された平板状の前面ベーンと、吹出口に配置され、湾曲した形状の底面ベーンと、を備える室内機が開示されている。
特許文献1に記載の室内機では、前面ベーンの先端部がその基部よりも前方かつ上に向けられる。また、底面ベーンは、下に湾曲した状態に向けられると共に、基部が水平、先端部が基部よりも後方、かつ上に向けられる。これにより、特許文献1に記載の室内機は、空気を吹出口の上方へ吹き出す。
また、特許文献2には、特許文献1と同様の位置に配置された前面ベーン及び底面ベーンと、その底面ベーンの後側に配置された後側ベーンと、を備える室内機が開示されている。
特許文献2に記載の室内機では、前面ベーンが水平方向に向けられる。また、底面ベーンは、吹出口の下にせり出して水平方向に向けられる。さらに、後側ベーンの先端部は、底面ベーンに導風するため、底面ベーンに向けられる。これにより、特許文献2に記載の室内機は、空気を水平方向に吹き出す。
室内機では、冷房、除湿等の各運転時に冷気が室内の床付近に溜まることを防ぐため、調和された空気を上に送風することがある。この場合、確実に上へ送風することが望ましい。
しかし、特許文献1に記載の室内機では、前面ベーンと底面ベーンが上下方向に離れている。このため、各ベーンの風向方向の長さだけしか空気を導風できず、導風する距離が短くなってしまうことがある。その結果、確実に上へ送風することが難しくなるおそれがある。
一方、特許文献2に記載の室内機は、水平に送風し、上に送風するものでないが、この室内機を上に送風することに利用することが考えられる。しかし、特許文献2に記載の室内機の場合、底面ベーンが吹出口の下にせり出している。特許文献2には開示されていないが、底面ベーンが吹出口の下にせり出すため、特殊な駆動機構が必要になると考えられる。この場合、確実に上へ送風することが難しくなるおそれがある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、確実に上へ送風することができる空気調和機の室内機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る空気調和機の室内機は、吹出口が設けられた前面部を有し、内部にファンを収容する筐体と、第一基部及び第一先端部を有する第一ベーンと、第二基部及び第二先端部を有する第二ベーンと、を備える。第一先端部は、ファンが送風する空気を吹出口から上に送風する上向き送風をする場合に第一基部よりも上かつ前方に向いて、ファンに送風される空気を上方へ導風する。第二基部は、上向き送風をする場合に第一基部と上下方向に隣り合う。第二先端部は、上向き送風をする場合に後方に向き、筐体の内側の、ファンに送風される空気を第一ベーンへ導風する。
本発明の構成によれば、第二ベーンの第二先端部が後方に向き、筐体の内側の、ファンに送風される空気を第一ベーンへ導風し、第一ベーンの第一先端部が第一基部よりも上かつ前方に向いて、ファンに送風される空気を上方へ導風する。このため、空気調和機の室内機は、第一ベーン、第二ベーンでそれぞれ導風するときよりも長い距離だけ空気を導風することができる。その結果、空気調和機の室内機は、より確実に上へ送風することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室内機について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。図に示す直交座標系XYZにおいて、室内機の空気の吸込口を上面、吹出口を前面に向けた場合の左右方向をX方向、上下方向をZ方向、Z軸とX軸とに直交する方向がY軸である。以下、適宜、この座標系を引用して説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る空気調和機の室内機は、吹出口を開閉する上ベーン及び下ベーンを可動させて冷房運転、暖房運転等の各運転で風向きを制御する室内機である。まず、図1−図3を参照して、室内機の構成について説明する。次に、図4を参照して、室内機の冷房運転時の動作について説明する。続いて、図5を参照して、室内機の暖房運転時の動作について説明する。
実施の形態1に係る空気調和機の室内機は、吹出口を開閉する上ベーン及び下ベーンを可動させて冷房運転、暖房運転等の各運転で風向きを制御する室内機である。まず、図1−図3を参照して、室内機の構成について説明する。次に、図4を参照して、室内機の冷房運転時の動作について説明する。続いて、図5を参照して、室内機の暖房運転時の動作について説明する。
図1は、実施の形態1に係る空気調和機の室内機1Aの斜視図である。図2は、図1に示すII−II切断線の断面図である。図3は、室内機1Aのブロック図である。なお、図1及び図2では、空気調和の運転を停止した状態の室内機1Aを示している。また、理解を容易にするため、図3では、制御部3と接続された部分だけを示している。
図1に示すように、室内機1Aは、箱形に形成された筐体10を備える。
筐体10は、箱形に形成されることにより、後面部11、前面部12、上面部13、底面部14、右側面部15及び、左側面部16の各外郭壁を有する。
後面部11は、図示しないが、その後ろの面の側に係止部材が設けられている。図1に示すように、室内機1Aは、部屋の壁100に設置されている。その部屋の壁100には、図示しない据付板が固定される。後面部11は、その据付板に上記の係止部材が係止することにより、部屋の壁100に固定されている。
一方、上面部13には、調和される空気を室内機1Aが吸い込むための吸込口20が形成されている。吸込口20は、格子状のグリル21と、図2に示すフィルター22とが設けられている。これにより、吸込口20からの塵埃の進入が防止されている。
また、図2に示すように、前面部12と底面部14には、調和された空気を吹き出すための吹出口30が形成されている。吹出口30は、前方と下方に空気を吹き出し可能とするため、前面部12の下側領域と底面部14の前側領域とにまたがって形成されている。すなわち、吹出口30は、空気を前方に吹き出すために前面部12側で開口する前面開口31と、空気を下方に吹き出すために底面部14側で開口する底面開口32と、を有する。
前面開口31は、図1に示すように、長手方向を左右方向、すなわち、X方向に向けた矩形状に形成されている。また、図示しないが、底面開口32は、長手方向をX方向に向けた矩形状に形成されている。そして、前面開口31と底面開口32のX方向の幅は、同じである。また、前面開口31と底面開口32のX方向の位置が揃えられている。これにより、前面開口31と底面開口32が同じ幅で空気を吹き出すことを可能にしている。
これに対して、筐体10内、すなわち、上述した後面部11、前面部12、上面部13、底面部14等の各外郭壁で囲まれた空間には、図2に示すように、ファン40と熱交換器50が収容されている。
ファン40は、図示しない駆動源によって回転する羽根車41を有する。ファン40は、吸込口20のフィルター22の下に配置されている。ファン40は、羽根車41が正回転することにより、室内の空気をフィルター22に吸い込ませる。さらに、ファン40は、フィルター22を通過した空気を下へ送風する。ファン40の下には、熱交換器50が配置され、フィルター22を通過した空気は、熱交換器50に送風される。
熱交換器50は、伝熱管に多数のフィンが嵌められた、いわゆるフィン・アンド・チューブ型である。熱交換器50は、図示しないが、冷媒管によって室外機が備える圧縮機、室外機熱交換器、四方弁、膨張弁等の空調用部品と接続されている。これにより、熱交換器50は、これら室外機の空調用機器と冷凍サイクルを形成している。
室内機1Aは、図3に示すように、ユーザーが所望の運転条件を選択、例えば、冷房運転、暖房運転を選択するためのリモートコントローラ2と、リモートコントローラ2に基づいて室外機と室内機1Aの運転を制御する制御部3と、制御部3の制御信号に基づいて上述した冷凍サイクルを制御する冷凍サイクル制御部4と、を備えている。制御部3は、リモートコントローラ2によって冷房運転が選択されたときに、冷凍サイクル制御部4に制御信号を送信して、図示しない四方弁を切り換えて冷房運転を行う。
熱交換器50は、空気調和機がこの冷房運転をするときに、フィンと接する空気の熱を吸収する。これにより、熱交換器50は、空気を冷却する。また、リモートコントローラ2によって暖房運転が選択されて、冷凍サイクル制御部4が四方弁を切り換えることにより、空気調和機が暖房運転をするとき、熱交換器50は、フィンと接する空気に冷媒の熱を放出する。これにより、熱交換器50は、空気を加温する。
また、熱交換器50は、図2に示すように、付着する水滴を一時的に貯水するドレンパン60を有する。ドレンパン60は、熱交換器50の下に配置されている。熱交換器50には、空気を冷却するときにその空気の水分が水滴として付着する。ドレンパン60は、その水滴の落下を受け止めて貯水する。ドレンパン60には、図示しない排水管が接続され、貯えた水を排出する。
また、ドレンパン60は、上面視で、熱交換器50よりも小さい。そして、後面部11、前面部12等の筐体10の各外郭壁及び後述する回動軸74から水平方向に離れて配置されている。これにより、ドレンパン60と筐体10の各外郭壁との間に空間が設けられている。また、ドレンパン60と回動軸74との間に風路となる隙間G1が設けられている。その結果、ファン40の送風によって熱交換器50を通過した空気は、各外郭壁との間の空間、隙間G1からドレンパン60の下へ流れる。
熱交換器50の下側かつ後ろ側には、後面部11内壁に形成されたガイドウォール111が配置されている。ガイドウォール111は、下に向かうに従い前方に向かう曲面を有する。これにより、ガイドウォール111は、熱交換器50によって冷却又は加温された空気がファン40によって下へ送風されると、その空気を前方の吹出口30へ案内する。その結果、送風された空気は、吹出口30から吹き出す。
一般に、熱交換器50によって冷却された空気、すなわち、冷気は、室内の空気よりも重い。また、熱交換器50によって加温された空気、すなわち、暖気は、室内の空気よりも軽い。このため、吹出口30から冷気又は暖気をそのまま吹き出すと、冷気は下へ落ち込み、暖気は上へ舞い上がる。その結果、冷気が室内の下に留まったり、又は暖気が室内の上に溜まったりして、室内を均一に空気調和できないことがある。
そこで、吹出口30には、ガイドウォール111に案内された空気を、冷房又は暖房の各運転に応じて上向き又は下向きに吹き出させるため、上向き、下向き等の所望の方向に可動する、複数のベーンが設けられている。
詳細に説明すると、吹出口30には、空気を上向き又は下向きに導風するため、吹出口30の前面開口31内の上側に配置された上ベーン71と、前面開口31内の下側に配置された下ベーン73と、吹出口30の底面開口32に配置された底ベーン75と、底面開口32内の、底ベーン75の後ろに配置された後ベーン77と、が設けられている。
上ベーン71は、図1及び図2に示すように、平板状に形成されている。また、上ベーン71は、図1に示すように、矩形状に形成されている。その長手方向の長さは、前面開口31の左右方向、すなわちX方向の幅W1と同じである。また、短手方向の長さは、前面開口31のZ方向の高さH1の半分である。そして、上ベーン71の下端部は、図2に示すように、回動軸72に支持されている。
回動軸72は、前面開口31内の上下方向中央部に配置され、水平かつ左右方向、すなわち、X方向に延在している。そして、回動軸72は、図3に示す制御部3によって制御される上ベーン駆動部5に駆動されることによって回動する。これにより、回動軸72は、上ベーン71を回動させる。その結果、上ベーン71が可動する。
回動軸72は、上ベーン駆動部5によって、室内機1Aが運転を停止しているとき、図1に示すように、上ベーン71の長手方向を左右方向、短手方向を上下方向に向けさせる。これにより、回動軸72は、室内機1Aの運転停止時に、上ベーン71で前面開口31の上側領域を閉鎖する。
このとき、回動軸72は、図2に示すように、上ベーン71の前側の面を、前面部12の前壁面に平行かつその前壁面と前後方向に同じ位置へ配置する。これにより、回動軸72は、上ベーン71が前面開口31の上側領域を閉鎖する時に、上ベーン71を前面部12よりも出っ張ったり窪んだりした状態にしない。これにより、回動軸72は、室内機1Aの運転停止時の意匠性を高めている。
なお、上ベーン71と回動軸72は、本明細書でいうところの第一ベーン、第一回動軸の一例である。また、上ベーン71の上端部、下端部は、その第一ベーンの第一先端部、第一基部の一例である。
これに対して、下ベーン73は、図1に示すように、長手方向の長さが上ベーン71と同じで、短手方向の長さが上ベーン71よりも短い矩形の形状に形成されている。また、下ベーン73は、図1及び図2に示すように、上ベーン71と同じ平板の形状に形成されている。そして、下ベーン73の上端部は、図2に示すように、回動軸74に支持されている。
回動軸74は、回動軸72と同様に、左右方向、すなわちX方向に延在する。また、回動軸74は、上ベーン71の回動軸72の下側に回動軸72と離れて配置されている。そして、回動軸74は、図3に示す下ベーン駆動部6によって回動する。これにより、回動軸74は、下ベーン73を回動させる。その結果、下ベーン73が可動する。
回動軸74は、下ベーン駆動部6によって、図1に示すように、室内機1Aの運転停止時に下ベーン73の長手方向を左右方向、短手方向を上下方向に向けさせる。これにより、回動軸74は、室内機1Aの運転停止時に、下ベーン73で前面開口31の下側領域を閉鎖する。
このとき、回動軸74は、図2に示すように、下ベーン73の前側の面を、前面部12の前壁面と平行かつ前後方向に同じ位置へ配置する。これにより、回動軸74は、上ベーン71の回動軸72と同様に、室内機1Aの意匠性を高めている。
なお、下ベーン73と回動軸74は、本明細書でいうところの第二ベーン、第二回動軸の一例である。また、下ベーン73の上端部、下端部は、その第二ベーンの第二先端部、第二基部の一例である。
さらに、底ベーン75は、図示しないが、矩形状の板の形状に形成されている。その長手方向の長さは、上述した上ベーン71、下ベーン73と同じである。また、底ベーン75の短手方向の長さは、図2に示すように、底面開口32の前後方向の長さ、すなわちY方向の長さの1/3−2/5程度である。そして、底ベーン75の上側には、底ベーン75によってX方向へ揺動可能に支持された左右ベーン79が設けられている。
左右ベーン79は、図示しないが、前後方向に板面を向けた複数の板状体と、それら複数の板状体を前面視で左右方向に揺動させる揺動機構と、を有している。左右ベーン79は、揺動機構が複数の板状体を揺動させることにより、底面開口32内の空気が流れる場合に、その流れを所望の左右方向に向ける。
また、底ベーン75は、左右ベーン79と共に、図2に示すように、底ベーン75の前後方向中間部に配置された回動軸76によって支持されている。
回動軸76は、底面開口32内で回動軸72、74と平行に配置されている。また、回動軸76は、図3に示す底ベーン駆動部7によって回動する。これにより、回動軸76は、底ベーン75及び左右ベーン79を揺動させる。その結果、底ベーン75及び左右ベーン79が可動する。
回動軸76は、室内機1Aの運転停止時に、底ベーン駆動部7によって底ベーン75を、図2に示すように、底面部14と平行に、換言すると、XY平面に平行にする。これにより、回動軸76は、室内機1Aの運転停止時に底面開口32の前側領域を閉鎖する。このとき、回動軸76は、底ベーン75の下側の面を底面部14の下壁面と上下方向に概ね同じ位置へ配置する。これにより、回動軸76は、室内機1Aの意匠性を高める。
なお、底ベーン75は、本明細書でいうところの第三ベーンの一例である。また、底ベーン75の前端部と後端部は、本明細書でいうところの第三先端部と第三基部の一例である。
後ベーン77は、図示しないが、長手方向の長さが底ベーン75の長手方向と同じ長さの矩形の形状に形成されている。後ベーン77の短手方向の長さは、底面開口32の後側領域の、底ベーン75が配置されていない箇所を塞ぐため、図2に示すように、底面開口32の前後方向の長さの3/5−2/3程度である。そして、後ベーン77は、図示しないリンクアームを介して、後ベーン77の前後方向中間部に配置された回動軸78によって支持されている。
回動軸78は、底面開口32内で回動軸72、74、76と平行に配置され、図3に示す後ベーン駆動部8によって回動する。これにより、回動軸78は、後ベーン77を回動させる。その結果、後ベーン77が可動する。
回動軸78は、室内機1Aの運転停止時に、後ベーン駆動部8によって後ベーン77を、底ベーン75と平行にする。これにより、回動軸76は、底面開口32の後側領域を閉鎖する。このとき、回動軸78は、底ベーン75の下側の面を底面部14の下壁面と上下方向に同じ位置に配置する。これにより、回動軸76は、室内機1Aの意匠性を高める。
なお、後ベーン77は、本明細書でいうところの第四ベーンの一例である。また、後ベーン77の前端部と後端部は、本明細書でいうところの第四先端部と第四基部の一例である。
このように、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77は、室内機1Aの運転停止時に、前面開口31と底面開口32、すなわち、吹出口30を閉鎖する。
一方、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77は、室内機1Aの運転時に、その運転に応じて、吹出口30を閉鎖した状態から動くことにより、吹出口30を開放する。そして、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77は、吹出口30から吹き出す空気を導風する。
次に、図4を参照して、それら上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77の動作について、室内機1Aの冷房運転の動作と共に説明する。
なお、以下の説明では、図3に示すリモートコントローラ2を操作することにより、空気調和機が冷房運転、暖房運転の各動作をするものとする。また、空気調和機が運転を停止し、その結果、室内機1Aの吹出口30が上述したように、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77によって閉鎖されているものとする。その状態から、ユーザーがリモートコントローラ2を操作することにより、制御部3が空気調和機に冷房運転をさせるものとする。
図4は、室内機1Aの冷房運転時の断面図である。なお、図4は、冷房運転するときの室内機1Aを、図1に示すII−II切断線と同じ切断線で室内機1Aを切断したときの断面を示している。
ユーザーが図3に示すリモートコントローラ2で冷房運転を選択すると、制御部3が空気調和機に冷房運転を開始させる。
冷房運転が開始されると、制御部3は、冷房した空気を吹出口30から室内に供給するため、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77の各ベーンを回動させる。
詳細には、制御部3は、上ベーン71を回動させるため、回動軸72を反時計回りに回動させる。ここで、反時計回りとは、室内機1Aの右側面視での反時計回りのことである。制御部3は、上ベーン71の上端部が回動軸72の上斜めに位置するまで回動軸72を回動させる。これにより、上ベーン71は、図4に示すように、上端部を前かつ下端部よりも上に向ける。換言すると、上ベーン71は、前方に向かうに従い高くなる状態に傾く。その結果、上ベーン71は、吹出口30の前面開口31の上側領域を開放する。また、上ベーン71は、前面開口31の上側領域から外へ向かう空気をその上側領域よりも上かつ前へ導風できる状態となる。
また、制御部3は、下ベーン73を回動させるため、回動軸74を回動させる。その回動方向は、回動軸72と同じ反時計回りである。制御部3は、下ベーン73が水平になるまで回動軸74を回動させる。これにより、制御部3は、図4に示すように、下ベーン73の下端部を後方に向ける。また、下ベーン73の下端部をドレンパン60に当接させる。その結果、下ベーン73は、吹出口30の前面開口31の下側領域を開放する。また、下ベーン73は、ドレンパン60と回動軸74との間の、図2に示す隙間G1を塞ぐ。そして、下ベーン73は、筐体10内の空気をドレンパン60側から回動軸74の側へ、換言すると筐体10内部から前面開口31へ導風できる状態となる。
さらに、制御部3は、後ベーン77を回動させるため、回動軸78を反時計回りに回動させる。また、図示しないリンクアームで回動軸78を上へ移動させる。これにより、制御部3は、図4に示すように、後ベーン77の前端部が後ベーン77の後端部よりも低くなる状態に後ベーン77を傾ける。そして、後ベーン77をガイドウォール111の下端部と同じ傾きにする。その結果、後ベーン77は、筐体10内の空気がガイドウォール111に案内されたときに、その案内された空気をガイドウォール111の下端部と同じ方向に導風できる状態となる。
このとき、後ベーン77の後端部は、底面開口32の内壁よりも高くなり、筐体10の内側に位置する。その結果、後ベーン77の後端部と底面開口32の内壁との間に隙間G2が形成される。これにより、その隙間G2から空気を流すことができる状態となる。
さらに、制御部3は、底ベーン75を回動させるため、回動軸76を、後ベーン77の回動軸78と反対側の時計回りに回動させる。ここで、時計回りとは、室内機1Aの右側面視での時計回りのことである。これにより、制御部3は、図4に示すように、底ベーン75の前端部を後端部よりも上にする。すなわち、制御部3は、底ベーン75を前方に向かうに従い高くなる状態に傾ける。また、制御部3は、底ベーン75の後端部を後ベーン77の前端部の突端に向ける。その結果、底ベーン75は、後ベーン77に導風された空気を、前かつ上に向かって導風できる状態となる。また、底ベーン75の前側では前面開口31が開放されているので、底ベーン75は、その前面開口31へ空気を導風できる状態となる。さらに、底ベーン75の上側には、左右ベーン79が位置する。このため、底ベーン75は、左右ベーン79の図示しない複数の板状体を所望の方向に向けることにより、筐体10内の空気をそれら板状体の向きに導風できる状態となる。
制御部3は、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77を上記の状態にして、熱交換器50と図示しない室外機熱交換器との間で冷媒を循環させる。そして、室内機1Aは、熱交換器50に吸熱させる。また、制御部3は、図3に示すファン駆動部9を介してファン40を回転させる。これにより、吸込口20から部屋内の空気が吸い込まれ、その吸い込まれた空気が熱交換器50によって冷却される。冷却された空気は、ファン40によって吹出口30へ送風される。
冷却された空気のうち、筐体10内の前方部分を流れる空気は、図4の矢印A1に示すように、吹出口30のうち、上ベーン71が開放した、前面開口31の上側領域から筐体10の外側へ、すなわち部屋へ送風される。
このとき、筐体10内の前方部分を流れる空気は、ドレンパン60と回動軸74との間の隙間G1が下ベーン73によって塞がれていることから、その隙間G1を通って下に流れることができない。その結果、その空気は、下ベーン73に沿って、前面開口31の上側領域へ導風される。
さらに、前面開口31の上側領域では、上ベーン71が前方に向かうに従い高くなる方向に傾いている。このため、下ベーン73によって導風された空気は、上ベーン71に沿って流れ、前面開口31の上側領域から前かつ上に向かって流れる。その結果、前面開口31の上側領域から上向きに空気が送風される。
これに対して、冷却された空気のうち、筐体10内の前後方向中央を流れる空気は、図4の矢印A2に示すように、ファン40によって下に送風される。しかし、底面開口32が底ベーン75及び後ベーン77によって塞がれているため、その空気は、開放された前面開口31の下側領域に向かって流れる。
このとき、前面開口31の下側領域に向かって流れる空気は、図4の矢印A3に示すように、底ベーン75及び後ベーン77に沿って流れる。そして、底ベーン75が前方に向かうに従い高くなる方向に傾いているので、その空気は、前面開口31の下側領域から前かつ上に向かって流れる。その結果、前面開口31の下側領域からも、上向きに空気が送風される。
また、冷却された空気のうち、筐体10内の後方部分を流れる空気は、ファン40によって下に送風されることから、図4の矢印A4に示すように、ガイドウォール111に案内される。ガイドウォール111の下端には底面開口32が位置する。そして、その底面開口32の内壁と後ベーン77の後端部との間に隙間G2が形成されている。このため、ガイドウォール111に案内された空気は、隙間G2から筐体10の外へ流れる。
このとき、隙間G2から筐体10の外へ流れた空気は、後ベーン77がガイドウォール111の下端部と同方向に向いているので、後ベーン77の下面に沿って流れる。その下面に沿って流れる空気は、コアンダ効果により、後ベーン77の前方にある底ベーン75の下面に沿って流れる。ここで、コアンダ効果とは、気流がその近傍にある壁に引き寄せられ、その壁に沿った方向に流れる効果のことである。その結果、空気は、上向きに送風される。
このように、制御部3は、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77を回動させて、吹出口30から送風される空気を上向きにする。
送風される空気は、熱交換器50によって冷却された冷気である。室内機1Aは、その冷気を上向きに送風するので、室内の下に冷気が溜まりにくい。その結果、室内機1Aは、室内の空気を均一に調和する。
また、底ベーン75及び後ベーン77では、それらの上と下に冷気が流れる。このため、底ベーン75及び後ベーン77の上下で温度差が生じにくい。その結果、底ベーン75及び後ベーン77が結露しにくい。
続いて、図5を参照して、室内機1Aの暖房運転の動作について説明する。以下の説明では、空気調和機が運転を停止しており、室内機1Aの吹出口30が、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77によって閉鎖されているものとする。その状態から、ユーザーがリモートコントローラ2を操作して、空気調和機に暖房運転をさせるものとする。
図5は、室内機1Aの暖房運転時の断面図である。なお、図5は、暖房運転するときの室内機1Aを、図1に示すII−II切断線と同じ切断線で室内機1Aを切断したときの断面を示している。
まず、ユーザーが図3に示すリモートコントローラ2で暖房運転を選択する。これにより、制御部3は、空気調和機に暖房運転を開始させる。
暖房運転が開始されると、制御部3は、暖房した空気を吹出口30から室内に供給するため、下ベーン73と底ベーン75を回動させる。
詳細には、制御部3は、下ベーン73を回動させるため、冷房時と反対側の時計回りに回動軸74を回動させる。制御部3は、下ベーン73の下端部が回動軸74の斜め下に位置するまで回動軸74を回動させる。これにより、下ベーン73は、図5に示すように、下端部を前かつ下に向ける。換言すると、下ベーン73は、前方に向かうに従い低くなる状態に傾く。その結果、下ベーン73は、前面開口31の下側領域を開放する。また、下ベーン73は、前面開口31の下側領域から外へ向かう空気をその下側領域よりも下かつ前へ導風できる状態となる。
また、制御部3は、底ベーン75を回動させるため、回動軸76を冷房時と同じ方向の時計回りに回動させる。制御部3は、左右ベーン79が底ベーン75に対して後側かつ下側に位置するまで回動軸76を回動させる。これにより、底ベーン75は、前方に向かうに従い低くなる状態に傾く。その結果、底ベーン75は、底面開口32の前側領域を開放する。また、底ベーン75は、底面開口32の前側領域から外へ向かう空気をその前側領域よりも下かつ前へ導風できる状態となる。
なお、暖房運転では、制御部3は、上ベーン71を回動させない。これにより、吹出口30の前面開口31の上側領域を閉鎖して、その上側領域から空気が吹き出さない状態にする。また、制御部3は、後ベーン77を回動させない。これにより、底面開口32の後側領域を閉鎖して、その後側領域から空気が吹き出さない状態にする。
制御部3は、下ベーン73と底ベーン75を上記の状態にして、熱交換器50と図示しない室外機熱交換器との間で冷媒を循環させる。そして、制御部3は、熱交換器50に放熱させる。また、ファン40を回転させる。これにより、吸込口20から部屋の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気が熱交換器50によって加温される。そして、加温された空気が吹出口30へ送風される。
加温された空気のうち、筐体10内の前方部分を流れる空気は、図5の矢印A5に示すように、下ベーン73が開放した前面開口31の下側領域から筐体10の外へ送風される。
このとき、その送風される空気は、前面開口31の下側領域にある下ベーン73に沿って流れる。そして、下ベーン73が前方に向かうに従い低くなる状態に傾いているので、その下ベーン73に沿って流れた空気は、前かつ下に向かって流れる。その結果、前面開口31の下側領域から下向きに空気が送風される。
また、加温された空気のうち、筐体10内の前後方向中央を流れる空気は、後ベーン77が底面開口32の後側領域を塞いでいるので、図5の矢印A6に示すように、後ベーン77に沿って、前方に位置する底面開口32の前側領域へ流れる。
さらに、加温された空気のうち、筐体10内の後方部分を流れる空気は、図5の矢印A7に示すように、ガイドウォール111に沿って後ベーン77へ流れる。そして、後ベーン77に沿って、底面開口32の前側領域へ流れる。
その底面開口32の前側領域では、底ベーン75が上端部を筐体10の内部に位置させたまま、前方に傾いている。このため、底面開口32の前側領域へ流れた空気は、底ベーン75に当たって、底ベーン75に沿って流れる。底ベーン75は、前方に向かうに従い低くなる状態に傾いているので、その空気は、底ベーン75に沿って下方へ流れる。その結果、底面開口32の前側領域から下向きに空気が送風される。
このように、制御部3は、下ベーン73と底ベーン75を回動させて、吹出口30から送風される空気を下向きにする。
暖房運転では、送風される空気が熱交換器50によって加温された暖気であるところ、室内機1Aは、その暖気を下向きに送風するので、室内の上に暖気が溜まりにくい。その結果、室内機1Aは、室内の空気を均一に調和する。
なお、下ベーン73と底ベーン75が回動して前面開口31の下側領域と底面開口32の前側領域を開放したときの、図5に示す下ベーン73から底ベーン75までの距離D1は、底ベーン75から後ベーン77までの距離D2よりも小さい事が望ましい。このような形態であれば、底ベーン75の前面側を流れる暖気の流速を、底ベーン75の後面側を流れる暖気の流速よりも速くすることができる。その結果、底ベーン75の後面側を流れる暖気が上に舞い上がりにくい。これにより、暖気が室内の上により溜まりにくい。
以上のように、実施の形態1に係る空気調和機の室内機1Aは、冷房運転時に下端部を後方に向けて筐体10内部の空気を導風する下ベーン73と、冷房運転時に上端部を上かつ前に向け、下ベーン73が導風した空気を上かつ前へ流す上ベーン71と、を備える。このため、室内機1Aでは、上ベーン71、下ベーン73それぞれで導風するときよりも長い距離、空気を導風することができる。その結果、室内機1Aは、より確実に上へ送風することができる。
上ベーン71と下ベーン73とは、上下方向に隣り合っている回動軸72、74に支持されている。このため、冷房運転時、暖房運転時に上ベーン71と下ベーン73が回動しても、上ベーン71と下ベーン73は、隣り合ったままである。その結果、上ベーン71と下ベーン73は、それぞれの長さを合わせた距離で空気を導風することができる。これにより、より多くの空気を集めて、その空気を上ベーン71と下ベーン73が向く方向に導風することができる。
冷房運転時に、下ベーン73がドレンパン60との隙間G1を塞ぐので、筐体10内の前方部分を流れる空気と筐体10内の前後方向中央を流れる空気が互いに干渉することを防ぐことができる。その結果、室内機1Aの風量損失を小さくすることができる。
上ベーン71と下ベーン73は、回動軸72、74が回動することにより、その向きを変更する。そして、その向きに空気を導風する。このように、室内機1Aでは、空気を導風する構成が簡易である。
(実施の形態2)
実施の形態1に係る空気調和機の室内機1Aでは、ファン40が熱交換器50に送風している。換言すると、ファン40が熱交換器50よりも上流側に配置されている。しかし、ファン40と熱交換器50の位置関係はこれに限定されない。ファン40は、熱交換器50の下流側に配置されも良い。実施の形態2に係る空気調和機の室内機1Bは、熱交換器90の下流側に配置されたファン80を備える。
実施の形態1に係る空気調和機の室内機1Aでは、ファン40が熱交換器50に送風している。換言すると、ファン40が熱交換器50よりも上流側に配置されている。しかし、ファン40と熱交換器50の位置関係はこれに限定されない。ファン40は、熱交換器50の下流側に配置されも良い。実施の形態2に係る空気調和機の室内機1Bは、熱交換器90の下流側に配置されたファン80を備える。
以下、図6−図9を参照して、実施の形態2に係る空気調和機の室内機1Bについて説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成を中心に説明する。
図6は、実施の形態2に係る空気調和機の室内機1Bの斜視図である。図7は、図6に示すVII−VII切断線の断面図である。図8は、室内機1Bの冷房運転時の断面図である。図9は、室内機1Bの暖房運転時の断面図である。なお、図8と図9は、図6に示すVII−VII切断線と同じ切断線で室内機1Bを切断したときの断面を示している。
図6及び図7に示すように、室内機1Bは、直方体状の中空の筐体10を備える。
筐体10の内部は、図7に示すように、筐体10が有する前面部12から後方に突出する前方区画壁61と、筐体10が有する後面部11から前方に突出する後方区画壁62と、によって、上下方向に区切られている。ここで、前方区画壁61と後方区画壁62は、後述するファン80の風を安定化させることから、スタビライザーと呼ばれる部分である。
筐体10の内部は、前方区画壁61と後方区画壁62に区切られることにより、筐体10は上側空間Uと下側空間Lを有する。そして、上側空間Uは、筐体10が有する上面部13に形成され、室内の空気を吸い込むための吸込口20とつながっている。また、下側空間Lは、筐体10が有する前面部12の下側領域と底面部14の前側領域とにまたがって形成され、筐体10内の空気を吹き出すための吹出口30とつながっている。
さらに、上側空間Uには、ファン80と熱交換器90が収容されている。
ファン80は、前方区画壁61と後方区画壁62の上側近傍かつ、前方区画壁61と後方区画壁62の間に配置されている。そして、ファン80は、回転軸が筐体10の左右方向、すなわち、X方向に向いた筒型の羽根車81を有する貫流ファンによって構成されている。ファン80は、羽根車81の回転軸が図示しない駆動源によって回転することにより、上側空間Uの空気を下側空間Lへ送風する。これにより、ファン80は、室内の空気を吸込口20から上側空間Uへ吸い込ませ、吸い込んだ空気を下側空間Lへ送風する。さらに、ファン80は、下側空間Lの空気を吹出口30から吹き出させる。
また、熱交換器90は、上側空間Uで、ファン80を上側から取り囲んでいる。詳細には、熱交換器90は、ファン80に対して吸込口20の側からファン80を囲む形状を有する。上記のように、ファン80は、上側空間Uの空気を下側空間Lへ送風する。このため、吸込口20から吸い込まれた空気は、熱交換器90に送風される。そして、その空気は、熱交換器90を通過して、下側空間Lへ送風される。その結果、熱交換器90は、吸込口20から吸い込まれた空気と熱交換する。
熱交換器90は、ファン80を囲む形状を有することにより、ファン80の前方に位置する前端部91と、ファン80の後方に位置する後端部92と、を有する。これに対して、前方区画壁61は、前端部91の下側に位置する凹部63を有する。また、後方区画壁62は、筐体10の後面部11内壁面との間に凹部64を有する。これにより、凹部63、64は、熱交換器90が空気を冷却するときに付着し、熱交換器90から滴下する水滴を集める。すなわち、凹部63、64は、実施の形態1で説明したドレンパン60として機能する。凹部63、64は、図示しない排水管に接続され、集めた水滴を排水する。
一方、筐体10は、吹出口30に、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75、後ベーン77及び、左右ベーン79が設けられている。これらベーンの構成は、実施の形態1の構成と同じである。このため、実施の形態2では、その説明を省略する。
また、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75、後ベーン77及び、左右ベーン79は、室内機1Bの冷房運転時に、ドレンパン60として機能する凹部63を有する前方区画壁61に下ベーン73が当接しないことを除いて、図8に示すように、実施の形態1と同じ動作をする。
詳細には、図8に示すように、室内機1Bが冷房運転をする時に、上ベーン71は、前方に向かうに従い高くなる状態に傾き、前面開口31の上側領域から外へ向かう空気をその上側領域よりも上かつ前へ導風する。また、下ベーン73は、下端部を後方に向けて、その下端部を左右ベーン79に向ける。これにより、下ベーン73は、上ベーン71へ空気を導風する。後ベーン77は、ガイドウォール111の下端部の延長線上の傾きに近い状態まで傾き、ガイドウォール111に案内された空気を導風する。底ベーン75は、前方に向かうに従い高くなる状態に傾き、後ベーン77に導風された空気を、前かつ上に向かって導風する。また、底ベーン75は、ガイドウォール111と後ベーン77の隙間から外へ流れた空気を、コアンダ効果により前かつ上ヘ導風する。その結果、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77は、吹出口30から送風される空気を上向きにする。
また、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75、後ベーン77及び、左右ベーン79は、室内機1Bの暖房運転時に、実施の形態1と同じ動作をする。詳細には、図9に示すように、室内機1Bが暖房運転をする時に、下ベーン73は、前方に向かうに従い低くなる状態に傾き、筐体10内の空気を下かつ前へ導風する。また、底ベーン75は、前方に向かうに従い低くなる状態に傾き、空気を下かつ前へ導風する。一方、上ベーン71は、前面開口31の上側領域を閉鎖して、その上側領域から空気を吹き出させない。また、後ベーン77は、底面開口32の後側領域を閉鎖して、その後側領域から空気を吹き出させない。その結果、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び後ベーン77は、吹出口30から送風される空気を下向きにする。
以上のように、実施の形態2に係る空気調和機の室内機1Bは、熱交換器90の下流側に配置されたファン80を備える。室内機1Bでも、冷房運転時に、下ベーン73が下端部を後方に向けて、筐体10内部の空気を導風し、上ベーン71が下ベーン73の導風した空気を上かつ前へ流す。このため、室内機1Bでは、実施の形態1と同様に、上ベーン71、下ベーン73それぞれで導風するときよりも長い距離、空気が導風される。その結果、室内機1Aは、より確実に上へ送風することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る空気調和機の室内機1A、1Bについて説明したが、室内機1A、1Bはこれに限定されない。例えば、実施の形態1及び2では、冷房運転時に、上ベーン71の上端部が前かつ上に向き、下ベーン73の下端部が後方に向いているが、上ベーン71及び下ベーン73は、これに限定されない。下ベーン73の上端部が前かつ上に向き、上ベーン71の下端部が後方に向いても良い。
図10は、実施の形態1に係る室内機1Aの変形例の断面図である。図10では、図1に示すII−II切断線と同じ切断線で室内機1Aの変形例を切断したときの断面を示している。
図10に示すように、変形例に係る室内機1Cでは、冷房運転時に、回動軸72が時計回りに回動することにより、上ベーン71が後方に倒れても良い。この場合、倒れた上ベーン71がドレンパン60に当接すれば良い。また、冷房運転時に、回動軸74が時計回りに回動することにより、下ベーン73が、下端部を前かつ上に向けても良い。ここで、時計回りとは、実施の形態1の説明と同じく、室内機1Cの右側面視での時計回りのことである。このような形態であっても、冷房運転時に、冷気を上向きに送風することができる。
このように、上ベーン71が筐体10内の冷気を下ベーン73に導風し、下ベーン73が導風された空気を上向きにしても良い。この場合、下ベーン73と回動軸74が、上述した第一ベーンと第一回動軸の一例であり、上ベーン71と回動軸72が、上述した第二ベーンと第二回動軸の一例である。
なお、実施の形態1及び2では、上ベーン71が第一ベーン、回動軸72が第一回動軸の一例である。そして、上ベーン71の下端部が第一基部、上ベーン71の上端部が第一先端部の一例である。また、下ベーン73が第二ベーン、回動軸74が第二回動軸の一例である。そして、下ベーン73の上端部が第二基部、上ベーン71の下端部が第二先端部の一例である。
また、実施の形態1及び2では、冷房運転時に吹出口30から冷気が上向きに送風され、暖房運転時に吹出口30から暖気が下向きに送風されている。しかし、室内機1A−1Cでは、上向きに送風するときに、より確実に上へ送風し、下向きに送風するとき、より確実に下へ送風することが実現できれば良い。このため、上向きの送風時の室内機1A−1Cの運転の種別は任意である。また、下向きの送風時の室内機1A−1Cの運転の種別は任意である。例えば、上向きの送風時に、室内機1A−1Cが除湿運転をしても良い。また、上向きの送風時に、室内機1A−1Cが送風運転のみをしても良い。すなわち、冷房も暖房もしない送風だけの運転をしても良い。なお、本明細書では、上向きに送風することを上向き送風、下向きに送風することを下向き送風ともいう。
また、実施の形態1及び2では、室内機1A−1Cが底ベーン75、後ベーン77及び、左右ベーン79を備えているが、これらのベーンの有無は任意である。室内機1A−1Cでは、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75、後ベーン77及び、左右ベーン79のうち、少なくとも上ベーン71と下ベーン73を備えていれば良い。このような形態であっても、冷房運転時に、冷気を上向きに送風することができる。
実施の形態1及び2では、上ベーン71、下ベーン73、底ベーン75及び、後ベーン77が、前後方向と上下方向とに垂直な断面で視たとき、すなわち図1−図10のYZ平面視で、矩形状である。しかし、これらのベーンの断面形状は、これに限定されない。これらベーンは、風向を決める板、例えば、風向制御版、羽板と呼ばれる板の形状であると良い。従って、YZ平面で、+Y面と−Y面が流線型状であっても良い。また、YZ平面視で楕円状、長円状の形状であっても良い。
1A−1C 室内機、2 リモートコントローラ、3 制御部、4 冷凍サイクル制御部、5 上ベーン駆動部、6 下ベーン駆動部、7 底ベーン駆動部、8 後ベーン駆動部、9 ファン駆動部、10 筐体、11 後面部、12 前面部、13 上面部、14 底面部、15 右側面部、16 左側面部、20 吸込口、21 グリル、22 フィルター、30 吹出口、31 前面開口、32 底面開口、40 ファン、41 羽根車、50 熱交換器、60 ドレンパン、61 前方区画壁、62 後方区画壁、63,64 凹部、71 上ベーン、72 回動軸、73 下ベーン、74 回動軸、75 底ベーン、76 回動軸、77 後ベーン、78 回動軸、79 左右ベーン、80 ファン、81 羽根車、90 熱交換器、91 前端部、92 後端部、100 壁、111 ガイドウォール、A1−A8 矢印、D1,D2 距離、G1,G2 隙間、L 下側空間、U 上側空間。
Claims (12)
- 吹出口が設けられた前面部を有し、内部にファンを収容する筐体と、
第一基部及び、前記ファンが送風する空気を前記吹出口から上に送風する上向き送風をする場合に前記第一基部よりも上かつ前方に向いて、前記ファンに送風される空気を上方へ導風する第一先端部を有する第一ベーンと、
前記上向き送風をする場合に前記第一基部と上下方向に隣り合う第二基部及び、前記上向き送風をする場合に後方に向き、前記筐体の内側の、前記ファンに送風される空気を前記第一ベーンへ導風する第二先端部を有する第二ベーンと、
を備える空気調和機の室内機。 - 前記第一基部を支持し、水平方向に延在する第一回動軸と、
水平方向に延在し、前記第一回動軸と上下方向に隣り合うと共に前記第二基部を支持する第二回動軸と、
を備え、
前記第一ベーンは、前記上向き送風をする場合に、前記第一回動軸が回動することにより、前記第一先端部を前記第一基部よりも上かつ前方に向けて、前記ファンに送風される空気を上方へ導風し、
前記第二ベーンは、前記上向き送風をする場合に、前記第二回動軸が回動することにより、前記第二先端部を後方に向けて、前記筐体の内側の、前記ファンに送風される空気を前記第一ベーンへ導風する、
請求項1に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第一回動軸は、前記第二回動軸よりも上に位置し、
前記第一ベーンは、前記第二ベーンよりも上に位置する、
請求項2に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第一ベーンは、前記ファンが送風する空気を前記吹出口から下に送風する下向き送風をする場合に、前記第一先端部を上に向けて前記吹出口の、前記第一回動軸よりも上側の開口を塞ぎ、
前記第二ベーンは、前記下向き送風をする場合に、前記第二回動軸が回動することにより、前記第二先端部を前記第二基部よりも下かつ前方に向けて、前記ファンに送風される空気を下方に導風する、
請求項3に記載の空気調和機の室内機。 - 前記筐体は、前記前面部の下端とつながる底面部を有し、
前記吹出口は、前記前面部と前記底面部にまたがって形成され、
前記吹出口のうち、前記底面部に配置された底面開口には、第三先端部及び第三基部を有し、前記第三先端部と前記第三基部との間の中間部を中心に上下方向に回動可能な第三ベーンが配置され、
前記第三ベーンは、前記上向き送風をする場合に前記第三先端部を前記第三基部よりも上かつ前方に向けて、前記ファンが送風する空気を前記吹出口へ導風する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第三ベーンは、前記ファンが送風する空気を前記吹出口から下に送風する下向き送風をする場合に、前記第三先端部を前記第三基部よりも上かつ後方に向けて、前記ファンが送風する空気を下かつ前方に導風する、
請求項5に記載の空気調和機の室内機。 - 前記底面開口には、前記第三ベーンの後方で前記第三ベーンと並んで配置された第四ベーンが配置され、
前記第四ベーンは、
第四先端部及び第四基部を有し、前記第四先端部と前記第四基部との間の中間部を中心に上下方向に回動可能であり、
前記上向き送風をする場合に、前記第四先端部を下かつ前方に向けると共に、前記第三ベーンの前記第三基部に向け、前記第四基部を上かつ後方に向けて、前記底面部との間に前記ファンが送風する空気が吹き出す隙間を形成する、
請求項5又は6に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第四ベーンは、前記ファンが送風する空気を前記吹出口から下に送風する下向き送風をする場合、前記第四先端部と前記第四基部を水平にして、前記底面開口の一部を塞ぐ、
請求項7に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第三ベーンは、前面視で左右方向に揺動可能な左右ベーンを有し、
前記左右ベーンは、
前記上向き送風をする場合、前記第三先端部が上かつ前方に向き、前記第三基部が下かつ後方に向いて、前記第三ベーンの上側で、前記ファンが送風する空気を導風し、
前記ファンが送風する空気を前記吹出口から下に送風する下向き送風をする場合、前記第三先端部が上かつ後方に向き、前記第三基部が下かつ前方に向いて、前記第三ベーンの後側で、前記ファンが送風する空気を導風する、
請求項5から8のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第一基部を支持し、水平方向に延在する第一回動軸と、
水平方向に延在し、前記第一回動軸と上下方向に隣り合うと共に前記第二基部を支持する第二回動軸を備え、
前記第二ベーンは、前記上向き送風をする場合に、前記第二回動軸が回動することにより、前記第二先端部を前記左右ベーンに向ける、
請求項9に記載の空気調和機の室内機。 - 前記第一基部を支持し、水平方向に延在する第一回動軸と、
水平方向に延在し、前記第一回動軸と上下方向に隣り合うと共に前記第二基部を支持する第二回動軸と、
を備え、
前記筐体は、熱交換器と、該熱交換器の下に配置され、該熱交換器から滴下する水滴を貯水するドレンパンと、を収容し、
前記ドレンパンは、前記第二回動軸と離れ、かつ前記第二回動軸と水平方向に並んで配置され、前記第二回動軸との間に、前記ファンによって送風された空気が流れる風路を有し、
前記第二ベーンは、前記上向き送風をする場合に、前記第二回動軸が回動して前記第二先端部を後方に向けることにより、前記第二先端部を前記ドレンパンに当接させて前記風路を塞ぎ、前記風路を通過すべき空気を前記第一ベーンへ導風する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。 - 前記吹出口は、前記ファンよりも下に配置されている、
請求項1から11のいずれか1項に記載の空気調和機の室内機。
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2019
- 2019-11-07 JP JP2019202132A patent/JP2021076283A/ja active Pending
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