JP2021075945A - 基礎梁接合構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】配筋の手間を低減するとともに、フーチングの耐力を向上させることができる基礎梁接合構造を提供する。【解決手段】基礎梁接合構造10は、柱16の下端部が埋設され、柱16を支持するコンクリート造のフーチング12と、フーチング12の側面に接合されるコンクリート造の基礎梁14と、基礎梁14に配筋され、端部がフーチング12に埋設された複数の梁主筋18と、フーチング12に埋設され、梁主筋18と平行に延び、柱16の両側に配置されるとともに、少なくとも一部が梁主筋18同士の間に配置され、梁主筋18とあき重ね継手によって接続された複数の基礎主筋24と、フーチング12に埋設され、基礎主筋24と梁主筋18とを取り囲むせん断補強筋28と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、基礎梁接合構造に関する。
柱の下端部が埋設されたフーチングに基礎梁を接合することで、柱と基礎梁とを接合する基礎梁接合構造が知られている。従来、コンクリート造のフーチングにコンクリート造の基礎梁を接合する場合には、フーチングの基礎主筋と基礎梁の梁主筋とを機械式継手等によって接続する必要があり、基礎主筋及び梁主筋の配筋に手間がかかっていた。
この問題を解決するため、例えば下記の特許文献1には、フーチングの基礎主筋(第一の鉄筋)と基礎梁の梁主筋(主鉄筋)とを、あき重ね継手によって接続したコンクリート構造体が開示されている。特許文献1に示すコンクリート構造体では、フーチングの基礎主筋(第一の鉄筋)と基礎梁の梁主筋(主鉄筋)とを、機械式継手等によって接続する必要がないため、基礎主筋(第一の鉄筋)及び梁主筋(主鉄筋)の配筋の自由度を高めることができ、配筋の手間を低減することができる。
特開2013−256848号公報
一般的に、フーチングにおいて、あき重ね継手によって接続された基礎主筋(第一の鉄筋)と梁主筋(主鉄筋)との間には、せん断面が形成される。また、せん断面の数が多いほどフーチングの耐力が向上する。
ここで、特許文献1に示すコンクリート構造体では、一対の基礎主筋(第一の鉄筋)の間に複数の梁主筋(主鉄筋)が配置されているため、基礎主筋(第一の鉄筋)と梁主筋(主鉄筋)との間にせん断面は2面しか形成されない。このため、フーチングのせん断破壊を防ぐために、梁主筋(主鉄筋)に直交する鉄筋(第二の鉄筋)を基礎主筋(第一の鉄筋)とは別に配筋する必要があり、配筋に手間がかかっていた。
本発明は上記事実に鑑み、配筋の手間を低減するとともに、フーチングの耐力を向上させることができる基礎梁接合構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の基礎梁接合構造は、柱の下端部が埋設され、前記柱を支持するコンクリート造のフーチングと、前記フーチングの側面に接合されるコンクリート造の基礎梁と、前記基礎梁に配筋され、端部が前記フーチングに埋設された複数の梁主筋と、前記フーチングに埋設され、前記梁主筋と平行に延び、前記柱の両側に配置されるとともに、少なくとも一部が前記梁主筋同士の間に配置され、前記梁主筋とあき重ね継手によって接続された複数の基礎主筋と、前記フーチングに埋設され、前記基礎主筋と前記梁主筋とを取り囲むせん断補強筋と、を有する。
上記構成によれば、柱を支持するコンクリート造のフーチングの側面に、コンクリート造の基礎梁が接合されており、基礎梁の梁主筋とフーチングの基礎主筋とがあき重ね継手によって接続されるとともに、基礎主筋と梁主筋とがせん断補強筋によって取り囲まれている。このため、梁主筋と基礎主筋とを機械式継手等によって接続する構成と比較して、梁主筋と基礎主筋の配置の自由度を高めることができ、配筋の手間を低減することができる。
また、柱の両側に配置される基礎主筋の少なくとも一部が、梁主筋同士の間に配置されている。このため、基礎主筋が梁主筋同士の間に配置されていない構成と比較して、梁主筋と基礎主筋の間に形成されるフーチングのせん断面の数を増やすことができ、せん断面によるせん断破壊に対して、フーチングの耐力を向上させることができる。
請求項2に記載の基礎梁接合構造は、請求項1に記載の基礎梁接合構造であって、前記基礎主筋は、前記柱を挟んで一方側に配置された複数の第1基礎主筋と、前記柱を挟んで他方側に配置された複数の第2基礎主筋と、によって構成されており、前記第1基礎主筋及び前記第2基礎主筋の双方の少なくとも一部が、前記梁主筋同士の間に配置されている。
上記構成によれば、柱を挟んで両側にそれぞれ配置された複数の第1基礎主筋、及び複数の第2基礎主筋の双方の少なくとも一部が、梁主筋同士の間に配置されている。このため、柱の両側において、梁主筋と基礎主筋の間に形成されるフーチングのせん断面の数を増やすことができ、フーチングの耐力をより向上させることができる。
請求項3に記載の基礎梁接合構造は、請求項1又は2に記載の基礎梁接合構造であって、前記基礎主筋及び前記梁主筋の端部には、定着部がそれぞれ設けられている。
上記構成によれば、基礎主筋及び梁主筋の端部に定着部がそれぞれ設けられている。このため、基礎主筋及び梁主筋の端部に定着部が設けられていない構成と比較して、フーチングのコンクリートに対する基礎主筋及び梁主筋の定着長を短くすることができ、フーチングをコンパクトにすることができる。
本発明に係る基礎梁接合構造によれば、配筋の手間を低減するとともに、フーチングの耐力を向上させることができる。
(A)は第1実施形態に係る基礎梁接合構造を示す部分平面断面図であり、(B)はそのA−A線断面図である。 (A)〜(C)は第1実施形態に係る基礎梁接合構造の基礎梁のバリエーションを示す断面図である。 比較例に係る基礎梁接合構造の力伝達メカニズムを示す部分平面断面図である。 第1実施形態に係る基礎梁接合構造の力伝達メカニズムを示す部分平面断面図である。 第1実施形態及び変形例に係る基礎梁接合構造の耐力を示すグラフである。 第2実施形態に係る基礎梁接合構造を示す全体平面断面図である。 (A)は第2実施形態に係る基礎梁接合構造を示す部分平面断面図であり、(B)はそのB−B線断面図である。 (A)、(B)は、変形例に係る基礎梁接合構造を示す部分平面断面図である。
以下、本発明の第1、第2実施形態、及び変形例に係る基礎梁接合構造について、図1〜図8を用いて順に説明する。なお、図中において、矢印Xは基礎梁の材軸方向、矢印Yは基礎梁の梁幅方向、矢印Zは鉛直方向又は基礎梁の梁成方向を指す。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る基礎梁接合構造について、図1〜図5を用いて説明する。
(構造)
図1(A)に示すように、本実施形態の基礎梁接合構造10は、コンクリート造のフーチング12と、コンクリート造の基礎梁14と、を有している。
フーチング12は、直方体形状とされている。また、フーチング12には、鉛直方向に延びるコンクリート造の柱16の下端部が埋設されている。本実施形態では、柱16は、平面視においてフーチング12の略中央部に位置しており、フーチング12によって柱16が支持されている。なお、柱16はコンクリート造に限らず、鉄骨造等であってもよい。
基礎梁14は、水平方向に延びており、材軸方向の端部がフーチング12の側面の略中央部に接合されている。また、本実施形態では、基礎梁14は、プレキャストコンクリート造の3つの梁部材14A〜14Cによって構成されている。
図1(B)に示すように、3つの梁部材14A〜14Cは、互いに僅かに隙間をあけた状態で、基礎梁14の梁幅方向に隣り合って配置されている。また、本実施形態では、3つの梁部材14A〜14Cのうち、中央の梁部材14Bは断面矩形状とされ、両側の梁部材14A、14Cは側面の一部が切欠かれた断面C字形状とされている。
なお、基礎梁14は、必ずしも3つの梁部材14A〜14Cによって構成されている必要はない。例えば図2(A)に示すように、梁幅方向に間隔をあけて配置された断面C字形状の2つの梁部材114A、114Bによって基礎梁114を構成してもよく、図2(B)に示すように、梁幅方向に隣り合って配置された断面I字形状の2つの梁部材214A、214Bによって基礎梁214を構成してもよい。
また、図2(C)に示すように、梁幅方向に隣り合って配置された断面T字形状の2つの梁部材314A、314Bによって基礎梁314を構成してもよい。その他、図示を省略するが、1つ又は4つ以上の梁部材によって基礎梁を構成してもよく、梁成方向に隣り合って配置された複数の梁部材によって基礎梁を構成してもよい。
また、図1(B)に示すように、基礎梁14には、複数の梁主筋18が配筋されている。本実施形態では、梁主筋18は、梁部材14A〜14C(基礎梁14)の上下部にそれぞれ上下二段に配置されており、環状に配置された複数のせん断補強筋20によって取り囲まれている。
図1(A)に示すように、梁主筋18は、基礎梁14の材軸方向にそれぞれ延びている。また、複数(平面視で6本)の梁主筋18の端部は、フーチング12に接合される基礎梁14(梁部材14A〜14C)の端部からそれぞれ突出しており、フーチング12に埋設されている。
フーチング12に埋設された複数の梁主筋18の端部は、柱16の側面近傍まで達している。また、梁主筋18の端部には、定着部としての機械式定着板22がそれぞれ取付けられている。
一方、フーチング12には、複数の基礎主筋24が埋設されている。基礎主筋24は、フーチング12において柱16を挟んで一方側に配置された複数(平面視で3本)の第1基礎主筋24Aと、他方側に配置された複数(平面視で3本)の第2基礎主筋24Bと、によって構成されている。
複数の第1基礎主筋24Aの端部、及び複数の第2基礎主筋24Bの端部には、定着部としての機械式定着板26がそれぞれ取付けられている。また、第1基礎主筋24A及び第2基礎主筋24B(基礎主筋24)は、複数の梁主筋18の梁幅方向の両側において、梁主筋18と平行に、すなわち基礎梁14の材軸方向に延びている。なお、梁主筋18と同様に、基礎主筋24もフーチング12の上下部にそれぞれ上下二段に配置されている。
また、第1基礎主筋24A及び第2基礎主筋24Bは、フーチング12に埋設された梁主筋18に対して梁幅方向に所定の間隔をあけて配置されているとともに、基礎梁14の材軸方向(水平方向)に所定の長さで重なり合っている。
これにより、隣り合う基礎主筋24(第1基礎主筋24A及び第2基礎主筋24B)と梁主筋18とが、互いにあき重ね継手によって接続されている。なお、隣り合う基礎主筋24と梁主筋18との間には、一例として、約25mm以上の間隔が形成されている。
また、複数の第1基礎主筋24Aのうちの一部(平面視で1本)は、複数の梁主筋18同士の間に配置されている。同様に、複数の第2基礎主筋24Bのうちの一部(平面視で1本)は、複数の梁主筋18同士の間に配置されている。さらに、フーチング12には、基礎主筋24と梁主筋18とを取り囲むように環状に配置された複数のせん断補強筋28が埋設されている。
(作用効果)
次に、比較例を用いて本実施形態に係る基礎梁接合構造10の作用効果を説明する。図3に示すように、比較例に係る基礎梁接合構造410は、本実施形態に係る基礎梁接合構造10と同様に、柱16の両側に配置された複数の第1基礎主筋424A及び複数の第2基礎主筋424Bと、基礎梁414の端部から突出する複数の梁主筋418とが、互いにあき重ね継手によって接続されている。
一方、本実施形態では、基礎主筋24の一部が梁主筋18同士の間に配置されている(図4参照)のに対し、比較例では、基礎主筋424は梁主筋418同士の間に配置されておらず、第1基礎主筋424Aと第2基礎主筋424Bの間に全ての梁主筋418が配置されている。
比較例に係る基礎梁接合構造410では、梁主筋418と基礎主筋424とがあき重ね継手によって接続されていることにより、梁主筋418から基礎主筋424へ圧縮応力が伝達される。
具体的には、図3に示すように、基礎梁414の端部に生じる曲げモーメントによって基礎梁414の梁主筋418に引張力Tが作用した場合、図3に網掛けにて示すように、
平面視において、フーチング412には2つの圧縮応力伝達領域(以下、「圧縮ストラット」とする)430が生じる。
フーチング412において、圧縮ストラット430は、梁主筋418の端部に取付けられた機械式定着板422と基礎主筋424の端部に取り付けられた機械式定着板426との間に水平方向に(平面視にて)略V字状に形成される。なお、フーチング412に生じる圧縮ストラット430は、FEM(有限要素法)解析等によって確認することができる。
また、あき重ね継手の範囲において、隣り合う基礎主筋424と梁主筋418との間には、せん断面432が形成される。比較例では、基礎主筋424と梁主筋418とが隣り合う箇所が2箇所であるため、図3に破線で示すように、せん断面432が2面形成される。
一方、本実施形態の基礎梁接合構造10では、図4に示すように、基礎梁14の梁主筋18に引張力Tが作用した場合、図4に網掛けにて示すように、平面視において、フーチング12には8つの圧縮ストラット30が生じる。
フーチング12において、圧縮ストラット30は、梁主筋18の端部に取付けられた機械式定着板22と基礎主筋24の端部に取り付けられた機械式定着板26との間に水平方向に(平面視にて)略V字状に形成される。
また、あき重ね継手の範囲において、フーチング12の隣り合う基礎主筋24と梁主筋18との間には、せん断面32が形成される。本実施形態では、基礎主筋24と梁主筋18とが隣り合う箇所が6箇所であるため、図4に破線で示すように、せん断面32が6面形成される。
基礎梁14に作用する引張力Tは、主に圧縮ストラット30によってフーチング12へ伝達される。すなわち、平面視において、基礎梁14に作用する引張力Tは、梁主筋18の端部から基礎主筋24へ水平方向に略V字状に作用し、基礎主筋24を介してフーチング12に伝達される。
このとき、フーチング12に形成されるせん断面32の数が多いほど、せん断面32でのフーチング12の破壊が抑制され、フーチング12の耐力が向上する。具体的には、図5のグラフに示すように、せん断面432が2面である比較例のフーチング412(図3参照)の引張耐力M1(kN)よりも、せん断面32が6面である本実施形態のフーチング12(図4参照)の引張耐力M2(kN)の方が高くなる。
本実施形態のフーチング12は、比較例のフーチング412と比較して耐力が高い。このため、本実施形態の基礎梁接合構造10では、引張力Tが所定値以上になった場合に、基礎梁14の端部に図示しない降伏ヒンジが生じる。これにより、基礎梁14に作用する引張力Tが所定値以上になった場合に、フーチング12がせん断破壊する前に基礎梁14を曲げ破壊させることが可能となる。
以上より、本実施形態に係る基礎梁接合構造10によれば、柱16の両側に配置される複数の基礎主筋24のうちの一部が、梁主筋18同士の間に配置されている。このため、基礎主筋24が梁主筋18同士の間に配置されていない構成と比較して、梁主筋18と基礎主筋24の間に形成されるフーチング12のせん断面32の数を増やすことができ、せん断面32によるせん断破壊に対して、フーチング12の耐力を向上させることができる。
特に、本実施形態によれば、基礎主筋24が複数の第1基礎主筋24Aと複数の第2基礎主筋24Bとによって構成されており、複数の第1基礎主筋24A及び複数の第2基礎主筋24Bの双方の一部が、梁主筋18同士の間にそれぞれ配置されている。このため、柱16の両側において、梁主筋18と基礎主筋24の間に形成されるフーチング12のせん断面32の数を増やすことができ、フーチング12の耐力をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、フーチング12の基礎主筋24と、フーチング12の側面に接合された基礎梁14の梁主筋18とが、あき重ね継手によって接続されている。このため、梁主筋18と基礎主筋24とを機械式継手等によって直列に接続する構成と比較して、フーチング12内における梁主筋18と基礎主筋24の配置の自由度を高めることができ、配筋の手間を低減することができる。これにより、簡易に建物の基礎部を構築することができ、省人化、施工コスト削減、及び施工期間短縮を図ることができる。
また、本実施形態によれば、梁主筋18と基礎主筋24とがせん断補強筋28によって取り囲まれている。このため、せん断補強筋28が抵抗部材(いわゆるダボ鉄筋)となり、梁主筋18から基礎主筋24への応力伝達効率を向上させることができる。また、せん断補強筋28によってフーチング12のコンクリートを拘束することで、コンクリートの圧縮強度をコンファインド効果によって高めることができる。
さらに、本実施形態によれば、基礎主筋24及び梁主筋18の端部に定着部としての機械式定着板22、26がそれぞれ取付けられている。このため、基礎主筋24及び梁主筋18の端部に定着部が設けられていない構成と比較して、フーチング12のコンクリートに対する基礎主筋24及び梁主筋18の定着長を短くすることができ、フーチング12をコンパクトにすることができる。
また、本実施形態によれば、プレキャストコンクリート造の梁部材14A〜14Cによって基礎梁14が構成されている。このように、基礎梁14をプレキャストコンクリート造とすることで、基礎梁14が現場打ちとされている構成と比較して、現場での作業手間を低減し、基礎梁14の施工品質を容易に確保することができる。
また、3つの梁部材14A〜14Cを1本の基礎梁14として構成することで、基礎梁14が1つの梁部材によって構成されている態様と比較して、各梁部材14A〜14Cの重量を軽くすることができる。これにより、梁部材14A〜14Cの運搬効率を向上させたり、揚重機の小型化を図ったりすることができ、施工コストを低減することができる。
特に本実施形態によれば、3つの梁部材14A〜14Cのうち、両側の梁部材14A、14Cは、側面の一部が切欠かれた断面C字形状とされている。このため、両側の梁部材14A、14Cが断面矩形状とされている構成、すなわち側面の一部が切欠かれていない構成と比較して、梁部材14A、14Cのコンクリート量を減らすことができ、梁部材14A、14Cの軽量化を図ることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る基礎梁接合構造について、図6及び図7を用いて説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、図示及び説明を省略する。
(構造)
第1実施形態の基礎梁接合構造10では、1本の基礎梁14がプレキャストコンクリート造の3つの梁部材14A〜14Cによって構成されていた。これに対し、本実施形態の基礎梁接合構造510では、図6に示すように、基礎梁514が現場打ちコンクリート造とされている。
また、第1実施形態では、平面視で矩形状とされたフーチング12の側面に1本の基礎梁14が接合されていたのに対し、本実施形態では、平面視で十字形状とされたフーチング512の四方の側面に4本の基礎梁514がそれぞれ接合されている。なお、4本の基礎梁514はそれぞれ同様の構成とされているため、4本のうちの1本について以下説明する。
基礎梁514には、複数の梁主筋518が配筋されている。図7(B)に示すように、梁主筋518は、第1実施形態と同様に、基礎梁514の上下部にそれぞれ上下二段に配置されており、環状に配置された複数のせん断補強筋520によって取り囲まれている。
図7(A)に示すように、梁主筋518は、基礎梁514の材軸方向にそれぞれ延びている。また、複数(平面視で4本)の梁主筋518の端部は、フーチング512に接合される基礎梁514の端部からそれぞれ突出しており、フーチング512に埋設されている。さらに、フーチング512に埋設された梁主筋518の端部には、定着部としての機械式定着板522がそれぞれ取付けられている。
一方、フーチング512には、複数の基礎主筋524が埋設されている。基礎主筋524は、フーチング512において柱16を挟んで一方側に配置された複数(平面視で3本)の第1基礎主筋524Aと、他方側に配置された複数(平面視で3本)の第2基礎主筋524Bと、によって構成されている。
第1基礎主筋524A及び第2基礎主筋524Bの端部には、定着部としての機械式定着板526がそれぞれ取付けられている。また、第1基礎主筋524A及び第2基礎主筋524Bは、梁主筋518の両側において、梁主筋518と平行に、すなわち基礎梁514の材軸方向に延びている。
第1基礎主筋524A及び第2基礎主筋524Bは、フーチング512に埋設された梁主筋518に対して梁幅方向に所定の隙間をあけて配置されているとともに、平面視にて基礎梁514の材軸方向(水平方向)に所定の長さで重なり合っている。これにより、隣り合う基礎主筋524(第1基礎主筋524A及び第2基礎主筋524B)と梁主筋518とが、互いにあき重ね継手によって接続されている。
また、第1実施形態と同様に、複数の第1基礎主筋524A及び複数の第2基礎主筋524Bのうちの一部(平面視で1本ずつ)は、複数の梁主筋518同士の間に配置されている。さらに、基礎主筋524及び梁主筋518は、環状に配置された複数のせん断補強筋528によって取り囲まれている。
(作用効果)
本実施形態に係る基礎梁接合構造510によれば、第1実施形態と同様に、基礎梁514の梁主筋518とフーチング512の基礎主筋524とがあき重ね継手によって接続されている。このため、フーチング512内における梁主筋518と基礎主筋524の配置の自由度を高めることができ、フーチング512の四方に4本の基礎梁514を接合する場合であっても、簡易に建物の基礎部を構築することができる。
また、複数の第1基礎主筋524A及び複数の第2基礎主筋524Bの双方の一部が、梁主筋518同士の間にそれぞれ配置されている。このため、柱16の両側において、梁主筋518と基礎主筋524の間に形成されるフーチング512のせん断面(図4参照)の数を増やすことができ、フーチング512の耐力を向上させることができる。
また、基礎主筋524及び梁主筋518の端部に、定着部としての機械式定着板522、526がそれぞれ取付けられている。このため、フーチング512のコンクリートに対する基礎主筋524及び梁主筋518の定着長を短くすることができ、フーチング512の四方に4本の基礎梁514を接合する場合であっても、フーチング512をコンパクトにすることができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明について第1、第2実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。また、上記第1、第2実施形態の構成は、適宜組み合わせることが可能である。
例えば、第1実施形態では、フーチング12が平面視で矩形状となっており、第2実施形態では、フーチング512が平面視で十字形状となっていたが、第1実施形態のフーチング12を平面視で十字形状としてもよい。
また、上記実施形態では、平面視におけるフーチング12、512の略中央部に柱16が位置しており、フーチング12、512の側面の略中央部に基礎梁14、514が接合されていた。しかし、例えば図8(A)に変形例として示すように、フーチング612の中心に対してオフセットした位置に柱616及び基礎梁614(梁部材)をそれぞれ設ける構成としてもよい。
本変形例では、フーチング612において柱616を挟んで一方側(柱616のオフセット側)に配置された第1基礎主筋624Aの数(平面視で1本)が、他方側に配置された第2基礎主筋624Bの数(平面視で3本)よりも少なくなっている。また、第1基礎主筋624Aが複数の梁主筋618同士の間に配置されているのに対し、第2基礎主筋624Bは複数の梁主筋618同士の間に配置されていない。
本変形例の場合であっても、基礎主筋624の少なくとも一部、すなわち第1基礎主筋624Aが、梁主筋618同士の間に配置されている。このため、基礎主筋624が梁主筋618同士の間に配置されていない構成と比較して、梁主筋618と基礎主筋624の間に形成されるフーチング612のせん断面(図4参照)の数を増やすことができ、フーチング612の耐力を向上させることが可能である。
また、上記実施形態では、複数の基礎主筋24、524のうちの一部が梁主筋18、518同士の間に配置されていた。しかし、図8(B)に変形例として示すように、フーチング712の複数の基礎主筋724の全てを、基礎梁714の梁主筋718同士の間に配置する構成としてもよい。
本変形例の場合であっても、基礎主筋724が梁主筋718同士の間に配置されていない構成と比較して、梁主筋718と基礎主筋724の間に形成されるフーチング712のせん断面(図4参照)の数を増やすことができ、フーチング712の耐力を向上させることが可能である。
また、上記実施形態では、梁主筋18、518及び基礎主筋24、524の端部に定着部として機械式定着板22、26、522、526が取付けられていた。しかし、定着部は、少なくとも梁主筋18、518及び基礎主筋24、524をフーチング12、512のコンクリートに定着させることができる構成とされていれば機械式定着板に限らず、例えば梁主筋18、518及び基礎主筋24、524の端部をフック状に折曲げることで定着部を構成してもよい。また、梁主筋18、518及び基礎主筋24、524の端部に定着部を設けずに、直線定着として定着長を長めにとる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、梁主筋18、518及び基礎主筋24、524を、基礎梁14、514又はフーチング12、512の上下部にそれぞれ上下二段に配置していた。しかし、梁主筋18、518及び基礎主筋24、524をそれぞれ上下三段以上配置する構成としてもよく、それぞれ上下一段だけ配置する構成としてもよい。
10、410、510 基礎梁接合構造
12、412、512、612、712 フーチング
14、114、214、314、414、514、614、714 基礎梁
16、616 柱
18、418、518、618、718 梁主筋
22、422、522 機械式定着板(定着部の一例)
24、424、524、624、724 基礎主筋
24A、424A、524A、624A 第1基礎主筋
24B、424B、524B、624B 第2基礎主筋
26、426、526 機械式定着板(定着部の一例)
28、528 せん断補強筋

Claims (3)

  1. 柱の下端部が埋設され、前記柱を支持するコンクリート造のフーチングと、
    前記フーチングの側面に接合されるコンクリート造の基礎梁と、
    前記基礎梁に配筋され、端部が前記フーチングに埋設された複数の梁主筋と、
    前記フーチングに埋設され、前記梁主筋と平行に延び、前記柱の両側に配置されるとともに、少なくとも一部が前記梁主筋同士の間に配置され、前記梁主筋とあき重ね継手によって接続された複数の基礎主筋と、
    前記フーチングに埋設され、前記基礎主筋と前記梁主筋とを取り囲むせん断補強筋と、
    を有する基礎梁接合構造。
  2. 前記基礎主筋は、前記柱を挟んで一方側に配置された複数の第1基礎主筋と、前記柱を挟んで他方側に配置された複数の第2基礎主筋と、によって構成されており、
    前記第1基礎主筋及び前記第2基礎主筋の双方の少なくとも一部が、前記梁主筋同士の間に配置されている、請求項1に記載の基礎梁接合構造。
  3. 前記基礎主筋及び前記梁主筋の端部には、定着部がそれぞれ設けられている、請求項1又は2に記載の基礎梁接合構造。
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