JP2010281044A - 混合構造梁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】混合構造梁Aは、鉄筋コンクリート造の一対の柱1からそれぞれ内側に向けて突設した一対の鉄筋コンクリート部2と、両端部側がそれぞれ各鉄筋コンクリート部2に埋設されて架構された鉄骨部3とを備えている。鉄筋コンクリート部2は、その軸線O1方向外側に突出して柱1と一体に接合される梁主筋4と、軸線O1方向に所定間隔をもって配筋された複数のせん断補強筋5と、鉄筋コンクリート部2の一端2aから他端2bに向かう方向に長手方向を向けて延びるとともに、その延在方向に緊張されたPC鋼棒6とを備えている。
【選択図】図2
Description
この種の混合構造梁では、一対の柱とそれぞれ接合する梁両端部側に、それぞれ鉄筋コンクリート部が設けられ、これら鉄筋コンクリート部のそれぞれに所定埋設長だけ埋設して鉄骨梁を設けたものであり、架構剛性の向上と梁のたわみが軽減できるという利点を有する。
すなわち、鉄骨梁の両端部に設けられた鉄筋コンクリート部が鉄骨梁からの入力せん断力による支圧力を負担することになる。そして、この鉄筋コンクリート部のせん断破壊を防止するためには、鉄筋コンクリートの材軸方向に所定間隔をあけて多数のせん断補強筋を設ける必要があることから過密配筋となっていた。この場合における施工では、鉄骨梁を取り囲むようにして多数のせん断補強筋を配筋しなければならず、過密配筋による部材数の増加によって、多大な労力を要するうえ、当該部にコンクリートを密実に打設するには細心の注意を払う必要があり、施工性が低下するという問題があった。
さらに、補強棒材に緊張力を導入する場合には鉄筋コンクリート部の略軸線方向に圧縮力がかかり、鉄筋コンクリート部に作用する引張応力に補強棒材が抵抗することから、前記引張応力の発生が抑えられ、せん断耐力が向上することになる。また、補強棒材に緊張力を導入しない場合でも、変形に伴い見掛け上緊張力が導入された状態になる。そのため、いずれの場合にも鉄筋コンクリート部に設けられるせん断補強筋の数量を減少させることができ、過密配筋のない構造を実現することができる。
また、鉄筋コンクリート部2の軸線O1方向内側の他端4bに配された複数のせん断補強筋5、5、…は、軸線O1方向の間隔が他の部分よりも小さく集中した状態で配筋されて集中補強筋部5Aを形成している。
これにより、本第1の実施の形態の混合構造梁Aは、鉄筋コンクリート部2の梁主筋4が柱1に接合し、一対の柱1、1間に架構される。このように架構した混合構造梁Aは、鉄骨部3を鉄筋コンクリート部2の梁主筋4に接合することなく、且つこの鉄骨部3を柱1に貫入することなく柱1と接合されるため、その施工が容易である。
とくに、本第1の実施の形態では、鉄骨部3の両側にPC鋼棒6を設けることによって、鉄骨部3の上下フランジ3c、3dとウェブ3eとによって囲まれた鉄骨部内領域R(図3の二点鎖線の領域)外のコンクリート部分にPC鋼棒6の緊張力によって作用する圧縮力がかかった状態となり、これにより前記鉄骨部内領域Rのコンクリート部分にアーチ機構が形成され、その鉄筋コンクリート部2のせん断耐力がより向上することになる。
本第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様に、斜めに配されるPC鋼棒61に緊張力を導入することで、この鉄筋コンクリート部2のほぼ軸線O1方向に圧縮力がかかり、鉄筋コンクリート部2の斜め方向に作用する引張応力に対しても有効に対応することができ、その作用する引張応力の発生が抑えられ、せん断耐力の向上が図れる効果を奏する。
このように、本第3の実施の形態による混合構造梁Cでは、緊張力が導入されているPC鋼棒62が鉄筋コンクリート部2と柱1との両方に埋設されているので、鉄筋コンクリート部2に作用する引張応力を柱にも負担させることができる。したがって、鉄筋コンクリート部2のせん断耐力が向上し、せん断補強筋の数量を少なくすることができる利点を有する。
例えば、本第1乃至第4の実施の形態では混合構造梁の構築時においてPC鋼棒6、61、62、63にプレテンションにより緊張力を与えているが、これに限らず、ポストテンションにより緊張力を与えるようにしてもかまわない。この場合、例えばシース管を予め鉄筋コンクリート部2内に設けておき、そのシース管内にPC鋼棒を挿通させ、鉄筋コンクリート部2のコンクリートを打設した後に緊張力を導入し、その後、PC鋼棒とシース管との間にグラウト材を充填する手順により施工することができる。
さらに、PC鋼棒および梁主筋の本数、位置、柱1に対する埋設長さ等の構成は鉄骨部3の収まりを勘案したうえで、鉄筋コンクリート部2がせん断破壊しないように設定することができる。
2 鉄筋コンクリート部
3 鉄骨部
4 梁主筋
5 せん断補強筋
5A 集中補強筋部
6、61、62、63 PC鋼棒(補強棒材)
6c 定着プレート
6d 支圧プレート
A、B、C、D 混合構造梁
O1 鉄筋コンクリート部2の軸線
O2 鉄骨部3の軸線
T 緊張力導入部
R 鉄骨部内領域
Claims (5)
- 鉄筋コンクリート造の一対の柱からそれぞれ内側に向けて突設した一対の鉄筋コンクリート部と、両端部側がそれぞれ前記各鉄筋コンクリート部に埋設されて架構された鉄骨部とを備える混合構造梁であって、
前記鉄筋コンクリート部には、
その軸線方向外側に突出して前記柱と一体に接合される梁主筋と、
前記軸線方向に所定間隔をもって配筋された複数のせん断補強筋と、
前記鉄筋コンクリート部の一端から他端に向かう方向に長手方向を向けて延びるとともに、その延在方向に緊張可能とされた補強棒材と、
が設けられていることを特徴とする混合構造梁。 - 前記補強棒材は、前記鉄骨部の上下フランジとウェブとに囲まれた領域の側部に沿う位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の混合構造梁。
- 前記補強棒材は、側面視でX型に配されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の混合構造梁。
- 前記補強棒材は、柱側端部の定着部が前記鉄筋コンクリート部内に定着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の混合構造梁。
- 前記補強棒材は、柱側端部の定着部が前記柱内に定着されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の混合構造梁。
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