JP2021075279A - 車輪駆動装置及び車輪駆動装置のシリーズ - Google Patents

車輪駆動装置及び車輪駆動装置のシリーズ Download PDF

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Abstract

【課題】フレッティング摩耗への対策を図れる車輪駆動装置を提供する。【解決手段】駆動源から伝達される回転を減速する減速機構と、減速機構で減速された回転が伝達される筒状の出力部材24と、出力部材24に外嵌されるベースバンド26と、ベースバンド26に取り付けられるタイヤ28と、を備える車輪駆動装置であって、出力部材24の外周面とベースバンド26の内周面とにはテーパ面50、52が設けられ、ベースバンド26は、出力部材24との間で互いのテーパ面50、52を接触させた状態で締まり嵌めにより出力部材24に外嵌される。【選択図】図2

Description

本発明は、車輪駆動装置及び車輪駆動装置のシリーズに関する。
従来より、搬送台車等の車輪を駆動する車輪駆動装置として、減速機構が内部に組み込まれたものが知られている。たとえば、特許文献1には、減速機構から回転が伝達される回転体と、その回転体の外周側に嵌められたタイヤとを備える車輪駆動装置が開示されている。
特開2012−71810号公報
特許文献1の車輪駆動装置では、回転体の外周面に軸方向に平行な階段状の嵌着面を設け、その嵌着面の外側にタイヤのホイールを嵌めた構造を採用している。本発明者が検討したところ、この構造では、回転体の嵌着面とホイールとの間でフレッティング摩耗が生じ易くなるという知見を得た。フレッティング摩耗は不具合の原因となるため、その対策が望まれる。
本発明のある態様は、こうした状況に鑑みてなされ、その目的の1つは、フレッティング摩耗への対策を図れる車輪駆動装置を提供することにある。
本発明のある態様は車輪駆動装置に関し、駆動源から伝達される回転を減速する減速機構と、前記減速機構で減速された回転が伝達される筒状の出力部材と、前記出力部材に外嵌されるベースバンドと、前記ベースバンドに取り付けられるタイヤと、を備える車輪駆動装置であって、前記出力部材の外周面と前記ベースバンドの内周面とにはテーパ面が設けられ、前記ベースバンドは、前記出力部材との間で互いのテーパ面を接触させた状態で締まり嵌めにより前記出力部材に外嵌される。
本発明によれば、フレッティング摩耗への対策を図れる車輪駆動装置を提供できる。
本実施形態の車輪駆動装置を示す正面断面図である。 図1の一部の拡大図である。 本実施形態の第2車輪駆動装置の正面断面図である。 図4(a)は、第1車輪駆動装置の一部の拡大図であり、図4(b)は、第2車輪駆動装置の一部の拡大図である。
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
まず、本実施形態の車輪駆動装置を想到するに到った背景から説明する。本実施形態の車輪駆動装置は、減速機構の回転が伝達される筒状の出力部材と、出力部材に外嵌されるベースバンドと、ベースバンドに取り付けられるタイヤとを備える。この種の車輪駆動装置において、出力部材とベースバンドの接触面でフィッティング摩耗が生じてしまうと、摩耗粉により周辺環境の汚損を招く。これは、クリーンルーム等のクリーン性が要求される環境下で車輪駆動装置を用いる場合に問題となる。
また、この種の車輪駆動装置では、タイヤが経年的に摩耗するため、タイヤの交換を目的として、出力部材からベースバンドを取り外す場合がある。この場合に、出力部材とベースバンドの接触面でフィッティング摩耗が生じてしまうと、摩耗粉により出力部材とベースバンドが固着してしまい、出力部材からベースバンドを取り外し不能になり得る。
このように、出力部材とベースバンドの間で生じるフィッティング摩耗は不具合の原因となる。この対策として、本実施形態の車輪駆動装置では、締まり嵌めにより出力部材にベースバンドを外嵌させている。これにより、ベースバンドや出力部材が微振動したときでも、両者の接触面を密着させた状態を維持できる。よって、この微振動に伴う接触面の相対変位を抑制でき、その相対変位に伴うフレッティング摩耗の発生を防止できる。
また、本実施形態の車輪駆動装置では、ベースバンドと出力部材にテーパ面を設け、互いのテーパ面を接触させた状態で出力部材にベースバンドを外嵌させている。これにより、出力部材に対するベースバンドの組み付け性を良好にしつつ、十分な締め代を持った締まり嵌めを実現でき、フレッティング摩耗への対策を効果的に図れる。以下、この車輪駆動装置の詳細を説明する。
図1は、本実施形態の車輪駆動装置10を示す正面断面図である。本実施形態の車輪駆動装置10は、搬送台車の車体12に組み付けられ、搬送台車のタイヤ28の駆動に用いられる。本実施形態の搬送台車は有軌道台車であり、本実施形態のタイヤ28は床面に敷設されたレール16の走行面16a上を走行する。以下、タイヤ28の回転中心線Laに沿った方向を車輪駆動装置10の軸方向Xとする。また、その回転中心線Laを中心とする円の円周方向、半径方向を、単に「周方向」、「径方向」とする。
車輪駆動装置10は、主に、減速機構18と、キャリア20、22と、出力部材24と、ベースバンド26と、タイヤ28とを備える。
減速機構18は、駆動源から伝達される回転を減速可能である。本実施形態での駆動源は、モータであるが、これに限定されず、モータと減速装置が一体化されたギヤモータ、エンジン等でもよい。本実施形態の減速機構18は偏心揺動型減速機構である。減速機構18は、主に、入力軸30と、偏心体32と、外歯歯車34と、偏心体軸受36と、内歯歯車38とを有する。
入力軸30には、車体12から車幅方向外側に突出する駆動源の出力軸40が接続され、その出力軸40から出力される回転が入力される。
偏心体32は、入力軸30と一体的に回転可能に設けられる。偏心体32は、軸方向Xに間を置いて複数設けられる。
外歯歯車34は、複数の偏心体32のそれぞれに対応して個別に設けられる。外歯歯車34は、偏心体軸受36を介して対応する偏心体32に支持される。外歯歯車34は、対応する偏心体32によって、自らの軸心が回転中心線La周りを回転するように揺動させられる。
内歯歯車38には、外歯歯車34が内接噛合している。本実施形態の内歯歯車38は、出力部材24の内周部に支持される複数の外ピン38aと、複数の外ピン38aのそれぞれに回転自在に支持される複数の外ローラ38bとを有する。複数の外ローラ38bのそれぞれは内歯歯車38の内歯を構成する。内歯歯車38の内歯数(外ローラ38bの数)は、本実施形態において、外歯歯車34の外歯数より一つ多い。
キャリア20、22には、外歯歯車34より車体側に配置される内側キャリア20と、外歯歯車34より反車体側に配置される外側キャリア22とが含まれる。本明細書での車体側とは軸方向Xの車体12側をいい、反車体側とは車体12とは軸方向Xの反対側をいう。
キャリア20、22には径方向の中央部を貫通する貫通穴42が形成される。貫通穴42の内周側には入力軸軸受44が配置され、キャリア20、22は入力軸軸受44を介して入力軸30を回転自在に支持する。本実施形態の入力軸軸受44は玉軸受等の転がり軸受けである。
出力部材24は、全体として筒状をなし、鋼材等の金属を用いて構成される。出力部材24の内周側には、減速機構18やキャリア20、22が配置される。出力部材24には、減速機構18で減速された回転が伝達される。本実施形態の出力部材24は、減速機構18のケーシングを兼ねており、その内周部には減速機構18の内歯歯車38が設けられる。
出力部材24とキャリア20、22の間には主軸受46が配置される。本実施形態の主軸受46は、ローラ軸受等の転がり軸受けである。キャリア20、22は、後述する車輪カバー56を介して車体12に接続され、主軸受46を介して出力部材24を回転自在に支持する支持部材として機能する。
図2は、図1の一部の拡大図である。ベースバンド26は、出力部材24の外周側に配置され、出力部材24に外嵌される。ベースバンド26は、全体として筒状をなし、鋼材等の金属を用いて構成される。ベースバンド26の内周部には軸方向Xの両側に開口端48が形成される。出力部材24は、ベースバンド26の開口端48より軸方向Xの内側に収まるように設けられる。ベースバンド26は、後述のように、締まり嵌めにより出力部材24に外嵌されることで出力部材24と一体化される。
タイヤ28は、ベースバンド26の外周部に接着等により取り付けられる。タイヤ28は、ベースバンド26より軟質な軟質素材を用いて構成される。この一例を挙げると、タイヤ28は、ウレタンゴム等の弾性体を用いて構成される。
以上の減速機構18の動作を説明する。
駆動源の回転が出力軸40から入力軸30に伝達されると入力軸30が回転する。入力軸30が回転すると、入力軸30の回転が減速機構18で減速されて出力部材24に伝達される。出力部材24に減速機構18から回転が伝達されると、出力部材24に一体化されているベースバンド26とともにタイヤ28が回転することで、タイヤ28が走行面16a上を走行する。
本実施形態の減速機構18では、入力軸30が回転すると、入力軸30とともに偏心体32が回転中心線La周りに回転する。偏心体32がその回転中心線La周りに回転すると、外歯歯車34の軸心がその回転中心線La周りを回転するように外歯歯車34が揺動する。外歯歯車34が揺動すると、外歯歯車34と内歯歯車38の噛合位置が順次ずれる。この結果、内歯歯車38は、入力軸30が一回転する毎に、外歯歯車34との歯数差に相当する分、外歯歯車34に対して相対回転(自転)し、その自転成分を出力部材24に伝達する。このとき、入力軸30の回転は、外歯歯車34と内歯歯車38の歯数差に応じた減速比で減速されて、内歯歯車38から出力部材24に伝達される。
ここで、本実施形態の出力部材24の外周面には外周テーパ面50が設けられる。ベースバンド26の内周面には出力部材24の外周テーパ面50と径方向に対向する内周テーパ面52が設けられる。外周テーパ面50や内周テーパ面52は、軸方向Xの一方側から他方側に向かうにつれて外径又は内径が縮径するように形成される。本実施形態の外周テーパ面50や内周テーパ面52は、軸方向Xの車体側(図2中の右側)から反車体側(図2中の左側)に向かうにつれて縮径するように形成される。以下、軸方向Xのうちテーパ面50、52が縮径する方向を縮径方向Paといい、テーパ面50、52が拡径する方向を拡径方向Pbという。
外周テーパ面50と内周テーパ面52は、軸方向Xでの距離の変化に対して径が線形に(直線的に)変化する線形テーパである。外周テーパ面50と内周テーパ面52のテーパ率は同じ大きさに設定される。ここでのテーパ率とは、軸方向Xでの距離の変化に対する径の変化率を意味する。また、内周テーパ面52は、外周テーパ面50より軸方向寸法が大きくなるように設定される。ここでの軸方向寸法とは軸方向Xに沿った寸法をいう。なお、本明細書での「同じ」とは、完全に同じである場合の他に、ほぼ同じである場合も含まれる。
ベースバンド26は、出力部材24との間で互いのテーパ面50、52を接触させた状態で締まり嵌めにより出力部材24に外嵌されている。これは、出力部材24とベースバンド26が径方向での締め代を持ってベースバンド26が出力部材24に外嵌されていることを意味する。出力部材24とベースバンド26が径方向に弾性変形した状態でベースバンド26が出力部材24に外嵌されているとも捉えられる。この締まり嵌めを用いた嵌め合いにより、ベースバンド26は、出力部材24との間で互いのテーパ面50、52を密着させた状態で出力部材24に一体化される。
ベースバンド26は、出力部材24の軸方向両側の端面部24aより軸方向X外側に位置するように設けられる。つまり、出力部材24は、軸方向Xの全長に亘り、ベースバンド26により径方向外側から覆われる。ベースバンド26は、その縮径方向Pa側の一端部(内径が小さい方の端部)から径方向内周側に延在するフランジ部26aを有する。ベースバンド26のフランジ部26aは、出力部材24の縮径方向Pa側の端面部24aと軸方向Xから見たときに重なる位置に配置される。
ベースバンド26のフランジ部26aと出力部材24の縮径方向Pa側の端面部24aとはボルトB1により締結される。ボルトB1の軸部は、フランジ部26aに形成される挿通孔26bに挿通されるとともに、出力部材24の端面部24aに形成される雌ねじ孔24bにねじ込まれる。ベースバンド26のフランジ部26aと出力部材24の端面部24aの間には隙間54が形成される。
以上の車輪駆動装置10では、前述の通り、締まり嵌めによりベースバンド26を出力部材24に外嵌させている。よって、微振動に伴う内周テーパ面52と外周テーパ面50の相対変位を抑制でき、その相対変位に伴うフレッティング摩耗の発生を防止できる。
特許文献1の構造では、回転体とホイールの接触面が軸方向に平行である。よって、締まり嵌めによりホイールを回転体に外嵌するとなると、回転体の外径よりホイールの内径を小さくした状況のもと、回転体にホイールを組み付けることになり、ホイールの組み付け性に問題がある。また、特許文献1の構造のもとでは、回転体とホイールの締め代を事後的に調整できない。これらが相まって、良好な組み付け性を得つつフレッティング摩耗の防止に要する所要の締め代の確保が困難である。
これに対して、本実施形態のベースバンド26は、出力部材24との間で互いのテーパ面50、52を接触させた状態で出力部材24に外嵌される。よって、ベースバンド26の内周テーパ面52の内周側に出力部材24の外周テーパ面50を配置した状態で、ベースバンド26と出力部材24に軸方向Xでの締め付け力を付与することで、ベースバンド26と出力部材24が締まり嵌めされた状態を容易に実現できる。このため、出力部材24に対するベースバンドの組み付け性が良好である。なお、ここでの軸方向Xでの締め付け力とは、出力部材24とベースバンド26を軸方向Xで互いに近づける方向に付与される力をいう。
また、ベースバンド26と出力部材24に付与される軸方向Xでの締め付け力の大きさを調整することで、ベースバンド26と出力部材24の径方向での締め代を調整できる。よって、ベースバンド26と出力部材24に付与される締め付け力の調整を通じて、フレッティング摩耗の防止に要する所要の締め代を容易に確保できる。これらが相まって、本実施形態の車輪駆動装置10によれば、フレッティング摩耗への対策を効果的に図れる。
また、ベースバンド26のフランジ部26aと出力部材24の端面部24aとがボルトB1により締結されている。よって、ボルトB1の締め付けトルクの管理といった簡易な手法を通じてベースバンド26と出力部材24の間での軸方向Xでの締め付け力を管理でき、フレッティング摩耗の防止に要する所要の締め代を容易に確保できる。なお、ボルトB1の締め付けトルクは、トルクレンチ等を用いて管理できる。
また、ベースバンド26のフランジ部26aと出力部材24の端面部24aとの間には隙間54が形成されている。この隙間54の軸方向寸法は、ベースバンド26と出力部材24の間での締め代が大きくなるに従って減少する。よって、この隙間54の軸方向寸法の目視による管理を通じて、ベースバンド26と出力部材24の間での締め代を容易に把握できる。
ここで、出力部材24とベースバンド26に付与される軸方向Xの締め付け力(以下、単に「締め付け力」ともいう)は、次の条件を満たすように設定されていてもよい。これは、出力部材24とベースバンド26の径方向の締め代、あるいは、ボルトB1の締め付けトルクに関して、次の条件を満たすように設定していると言うこともできる。ベースバンド26に付与される荷重であって、ベースバンド26が回転し始めるために必要な荷重をベースバンド26の起動荷重[kgf]という。
このとき、ベースバンド26等の締め付け力は、減速機構18と駆動源の動力伝達経路を切り離した条件のもと、ベースバンド26の起動荷重が4kgf以上10kgf以下となるように設定されると好ましい。この数値条件は、本発明者の実験的な検討結果に基づき設定している。減速機構18と駆動源の間の動力伝達経路を切り離すのは、ベースバンド26の起動荷重を考慮するにあたり、駆動源の回転抵抗を除外するためである。この動力伝達経路の切り離しは、駆動源の出力軸40から減速機構18の入力軸30を取り外すことで実現される。本実施形態では、ボルトB1の締め付けトルクを管理することで、前述の起動荷重の範囲を満たす締め付け力に設定する。
ベースバンド26の起動荷重4kgf未満の場合、ベースバンド26等の締め付け力が不足し、出力部材24の締め代が不足する。これに伴い、出力部材24の内周側で軸方向Xに間を置いて配置される一対の軸受の両方に十分な予圧が付与されず、それら軸受の寿命の低下が懸念される。ここでの「一対の軸受」とは、本実施形態でいえば、たとえば、車体側の主軸受46と反車体側の主軸受46をいう。
ベースバンド26の起動荷重が10kgf超の場合、ベースバンド26等の締め付け力が過剰となり、出力部材24の締め代が過剰になる。これに伴い、減速機構18のバックラッシュが過度に小さくなったり、出力部材24の内周側に配置される軸受の予圧が過剰となり、回転体の回転抵抗が過度に大きくなる恐れがある。ここでの回転体とは、外歯歯車34、内歯歯車38、主軸受46等である。回転体の回転抵抗が過度に大きくなると、減速機構18に負荷を付与しない状況下での特性(以下、無負荷特性という)の大幅な変化が悪影響として懸念される。
ベースバンド26の起動荷重が前述の条件を満たしている場合、減速機構18の無負荷特性や軸受への悪影響の発生を防止しつつ、ベースバンド26と出力部材24の締まり嵌めを実現できる。
ベースバンド26の起動荷重の測定方法を説明する。まず、プッシュプルゲージをフランジ48がある側のベースバンド26の軸方向Xの端面部に取り付ける。次に、タイヤ28の回転軸線Laを中心とする円の接線方向に向かって、ベースバンド26の端面部24aをプッシュプルゲージを介して引っ張る。このとき、タイヤ28は走行面16aから離しておき、タイヤ28に負荷が付与されないようにする。ベースバンド26が回転し始めたら、プッシュプルゲージを引っ張り始めてからベースバンド26が回転し始めるまでの間でプッシュプルゲージにより測定された最大引張荷重をベースバンド26の起動荷重とする。
なお、本実施形態の車輪駆動装置10は、ボルトB1の緩みを規制するための緩み止め機構55を備える。本実施形態の緩み止め機構55は、ボルトB1の頭部とベースバンド26のフランジ部26aとの間に介装される緩み止めワッシャである。これにより、ボルトB1の締め付け力の経年的な変化を防止でき、ベースバンド26の起動荷重を長期に亘り確保できる。緩み止め機構55は、この他にも、緩み止めボルト等でもよい。
次に、車輪駆動装置10の他の特徴を説明する。
図1を参照する。車輪駆動装置10は、ベースバンド26やタイヤ28を覆う車輪カバー56を備える。車輪カバー56には、ベースバンド26やタイヤ28が下向きに突き出る開口部56aが形成される。車輪カバー56は、車体12に不図示のボルトにより組み付けられる内側カバー部材58と、不図示のボルトにより内側カバー部材58に着脱可能に取り付けられる外側カバー部材60とを有する。
内側カバー部材58は、ベースバンド26やタイヤ28を軸方向Xの拡径方向Pbから覆う内側サイドカバー部58aを有する。内側サイドカバー部58aには、内側キャリア20がキャリアボルトB3により固定される。本実施形態の内側カバー部材58は、この他にも、タイヤ28やベースバンド26を外周側から覆う外周カバー部58bを有する。
外側カバー部材60は、タイヤ28やベースバンド26を軸方向Xの縮径方向Paから覆う外側サイドカバー部60aを有する。外側サイドカバー部60aには、外側キャリア22が嵌め合いにより固定される。
外側カバー部材60を内側カバー部材58から取り外した状態にあるとき、タイヤ28やベースバンド26に対して軸方向Xの縮径方向Paに車輪カバー56の一部が存在しない状況になる。よって、この状態にあるとき、タイヤ28やベースバンド26に対して縮径方向Paにある空間を作業空間として、タイヤ28やベースバンド26の交換作業をできる。
なお、外側カバー部材60は、車輪駆動装置10を車体12に組み付けた状態のまま、内側カバー部材58から取り外し可能である。また、内側カバー部材58から外側カバー部材60を取り外したとき、車輪駆動装置10を車体12に組み付けた状態のまま、出力部材24やベースバンド26に対してボルトB1を脱着可能である。また、出力部材24やベースバンド26からボルトB1を取り外したとき、車輪駆動装置10を車体12に組み付けた状態のまま、出力部材24に対してベースバンド26を脱着可能である。
出力部材24の内周側には減速機構18を収納する収納空間62が形成される。収納空間62は、複数の封止部材64a〜64dを用いて封止される。この封止部材64a〜64dで封止された収納空間62には潤滑剤(不図示)が封入される。
封止部材64a〜64dには、出力部材24とキャリア20、22の間に介装される外周側オイルシール64aと、外側キャリア22の貫通穴42を塞ぐシールキャップ64bと、内側キャリア20の貫通穴42を塞ぐ軸カバー64c及び内周側オイルシール64dとが含まれる。外周側オイルシール64aは、出力部材24とキャリア20、22の間で主軸受46より外部空間寄りの箇所に配置される。軸カバー64cは、入力軸軸受44より車体側に配置され、入力軸30が軸方向Xに貫通している。内周側オイルシール64dは、軸カバー64cと入力軸30の間に介装される。
このように、封止部材64a〜64dは、出力部材24とキャリア20、22の間やキャリア20、22の貫通穴42の内周側に配置され、キャリア20、22と車輪カバー56の間には配置されない。よって、車輪カバー56の外側カバー部材60を内側カバー部材58から取り外したとき、出力部材24の内周側の収納空間62が封止部材64a〜64dにより封止された状態を維持できる。これにより、減速機構18の分解や潤滑剤の出し入れを伴うことなく、タイヤ28を交換できる。
次に、車輪駆動装置10のシリーズを説明する。なお、以下に説明する車輪駆動装置10のシリーズ(製品群)の発明は、車輪駆動装置10のシリーズの製造方法の発明や、車輪駆動装置10のシリーズの設計方法(構築方法)の発明と捉えることもできる。
車輪駆動装置10のタイヤ28の外径は、車輪駆動装置10の納入先からの要求等に応じて、様々な大きさになり得る。このようにタイヤ28の外径が異なる複数の車輪駆動装置10の間では、管理労力の削減を図る観点から、できる限り管理項目の共通化が望まれる。本実施形態の車輪駆動装置10のシリーズは、このような背景のもとでなされている。
車輪駆動装置のシリーズは、第1車輪駆動装置10−Aと、第2車輪駆動装置10−Bとを備える。第1車輪駆動装置10−Aは、図1、図2を用いて説明した車輪駆動装置である。図3は、第2車輪駆動装置10−Bの正面断面図である。第2車輪駆動装置10−Bは、第1車輪駆動装置10−Aと多くの点で同様の構成要素を備える。以下、第1車輪駆動装置10−Aと第2車輪駆動装置10−Bで同様の構成要素は同じ名称を用いて説明する。第1車輪駆動装置10−Aと第2車輪駆動装置10−Bで同様の構成要素を区別するときは、名称の冒頭に「第1、第2」と付し、符号の末尾に「−A、−B」と付すことで区別する。
第2車輪駆動装置10−Bは、主に、第2減速機構18−Bと、第2キャリア20−B、22−Bと、第2出力部材24−Bと、第2ベースバンド26−Bと、第2タイヤ28−Bとを備える。第2減速機構18−B、第2キャリア20−B、22−Bのそれぞれは、第1車輪駆動装置10−Aの第1減速機構18−A、第1キャリア20−A、22−Aと共通したものが用いられる。ここでの「共通」とは、第1車輪駆動装置10−Aと第2車輪駆動装置10−Bとの間で、言及しているハードウェア要素(ここでは減速機構、キャリア)の構成部品の形状、寸法は勿論のこと、その構成部品の素材も含めて同じであることを意味する。
第2車輪駆動装置10−Bは、第2出力部材24−Bの内周側に配置される他の内部部品も、第1出力部材24−Aの内周側に配置される他の内部部品と共通したものが用いられる。ここでの他の内部部品とは、入力軸軸受44、主軸受46、オイルシール64a、64d、シールキャップ64b、軸カバー64c等である。これにより、第1車輪駆動装置10−Aと第2車輪駆動装置10−Bとの間で、管理すべき部品点数を削減できる。
図4(a)は、第1車輪駆動装置10−Aの一部の拡大図であり、図4(b)は、第2車輪駆動装置10−Bの一部の拡大図である。第2出力部材24−Bは、軸方向Xの全範囲で第1出力部材24−Aより厚みが大きい。ここでの厚みとは径方向に沿った寸法をいう。また、第2出力部材24−Bは、第1出力部材24−Aとの間で、内周部及び外周部の形状及び軸方向寸法が同じである。第1出力部材24−Aと第2出力部材24−Bの内周部の形状及び軸方向寸法が同じであるというのは、これらの間で外周テーパ面50のテーパ率、軸方向寸法が同じであるということでもある。第2出力部材24−Bの内周部は、第1出力部材24−Aとの間で径方向寸法も同じである。また、第2出力部材24−Bは、第1出力部材24−Aとの間で全体の軸方向寸法や素材も同じである。ここでの「形状が同じ」とは、軸方向Aに沿った切断面での輪郭が同じであることを意味する。
第2ベースバンド26−Bは、軸方向Xの全範囲で第1ベースバンド26−Aより厚みが大きい。また、第2ベースバンド26−Bは、第1ベースバンド26−Aとの間で、内周部及び外周部の形状及び軸方向寸法が同じである。第1ベースバンド26−Aと第2ベースバンド26−Bの内周部の形状及び軸方向寸法が同じであるというのは、これらの間で内周テーパ面52のテーパ率、軸方向寸法が同じであるということでもある。また、第2出力部材24−Bは、第1出力部材24−Aとの間で全体の軸方向寸法や素材が同じである。
第2タイヤ28−Bは、第1タイヤ28−Aより大きい外径である。また、第2タイヤ28−Bは、第1タイヤ28と走行抵抗を合わせるため、第1タイヤ28と同じ厚みである。また、第2タイヤ28−Bは、第1タイヤ28との間で全体の形状及び軸方向寸法や素材が同じである。
ここで、前述の通り、減速機構18に関して所望の特性を得るためには、所要のベースバンド26の起動荷重を得られるように、ベースバンド26等の締め付け力の管理を要する。複数の車輪駆動装置の間で管理項目の共通化を図るうえでは、この締め付け力の共通化が望まれる。
このような背景のもと、前述のような、複数の車輪駆動装置の間で外径が異なるタイヤ28を用いる場合を考える。この場合に、第2車輪駆動装置10−Bの第2タイヤ28−Bの外径の増加に合わせて、第2ベースバンド26−Bの外径が増加するように第2ベースバンド26−Bの厚みを増加させるケースを考える。本実施形態では第2タイヤ28−Bと第1タイヤ28−Aで厚みを同じにしていることに合わせて、このように第2ベースバンド26−Bの外径が増加するように第2ベースバンド26−Bの厚みを増加させている。
このケースにおいて、複数の車輪駆動装置の間で出力部材も共通化するとなると、第2ベースバンド26−Bの厚みのみ増加させて、第2出力部材24−Bは第1出力部材24−Aと同じ厚みにすることになる。このとき、第1ベースバンド26−Aと比べて第2ベースバンド26−Bの剛性が増大する一方で、第1出力部材24−Aと第2出力部材24−Bの剛性が同じになる。
ここで、第1車輪駆動装置10−Aで所要の起動荷重を得られる所定の範囲の締め付け力を第2車輪駆動装置10−Bの第2ベースバンド26−B等にも付与した場合、次の現象が生じるという知見を本発明者は得た。まず、第2ベースバンド26−Bでは、第1車輪駆動装置10−Aと同じ所定の範囲の締め付け力を付与したとき、第2ベースバンド26−Bの剛性の増大に起因して、第1ベースバンド26−Aよりも径方向外周側への変形量が減少する傾向がある。一方、第2出力部材24−Bでは、第1ベースバンド26−Aからの第2ベースバンド26−Bの変形量の減少に伴い、第1出力部材24−Aよりも径方向内周側への変形量が大きくなる傾向がある。この結果、第1車輪駆動装置10−Aと同じ所定の範囲の締め付け力を第2ベースバンド26−Bや第2出力部材24−Bにも付与したとき、第1ベースバンド26−Aより第2ベースバンド26−Bの起動荷重が過度に増大してしまい、所要のベースバンド26の起動荷重を得られない恐れがある。
(A)そこで、本実施形態の第2車輪駆動装置10−Bでは、第1ベースバンド26−Aよりも第2ベースバンド26−Bの厚みを大きくしたことに合わせて、第1出力部材24−Aよりも第2出力部材24−Bの厚みを大きくしている。これにより、各車輪駆動装置10で同じ所定の範囲の締め付け力を付与したとき、第1出力部材24−Aと第2出力部材24−Bの厚みを同じにするときと比べ、第2出力部材24−Bの径方向内周側への変形量が過度に大きくなるのを抑制できる。この結果、各車輪駆動装置10で同じ所定の範囲の締め付け力を付与したとき、第1ベースバンド26−Aより第2ベースバンド26−Bの起動荷重が過度に増大することで、所要の起動荷重を得られない事態を避け易くなる。
ここで、本発明者は、この問題について更に検討したところ、出力部材24とベースバンド26の剛性のバランスが重要であるとの知見を得た。つまり、第2ベースバンド26−Bの剛性を第1ベースバンド26−Aより大きく増大させた場合、第1出力部材24−Aより第2出力部材24−Bの変形量が増大するのを抑えるべく、第2ベースバンド26−Bの剛性の増大に合わせてバランスよく第2出力部材24−Bの剛性を増大させることが重要となる。言い換えると、各車輪駆動装置10で出力部材24とベースバンド26の剛性のバランスがとれていれば、タイヤ28の外径の増加に合わせてベースバンド26の厚みを増大させたときでも、所要の起動荷重を得るために要する所定の範囲の締め付け力を各車輪駆動装置10で共用できる。本実施形態のシリーズでは、このような出力部材24とベースバンド26の剛性のバランスを複数の車輪駆動装置10の間でとるため、出力部材24とベースバンド26の肉厚比に関して、次の条件を規定している。
まず、前提として、第2出力部材24−Bは、第1出力部材24−Aと内周部及び外周部が同じ形状である。また、第2ベースバンド26−Bは、第1ベースバンド26−Aと内周部及び外周部の形状が同じである。これは、第1車輪駆動装置10−Aと第2車輪駆動装置10−Bの間で、これらの形状を変えると出力部材24とベースバンド26の剛性のバランスをとれなくなるためである。
次に、出力部材24の外周テーパ面50が最小径となる最小外径部24cの厚みをtb1[mm]とする。出力部材24の外周テーパ面50が最大径となる最大外径部24dの厚みをtb2[mm]とする。出力部材24の最小外径部24cと軸方向Xでの位置が一致するベースバンド26の小内径部26cの厚みをta1[mm]とする。出力部材24の最大外径部24dと軸方向Xでの位置が一致するベースバンド26の大内径部26dの厚みをta2とする。
このとき、出力部材24の最小外径部24cの厚みtb1は、ベースバンド26の小内径部26cの厚みta1の1.1倍以上1.2倍以下に設定される。また、出力部材24の最大外径部24dの厚みtb2は、ベースバンド26の大内径部26dの厚みta2の1.5倍以上2.0倍以下に設定される。この数値条件は、本発明者の実験的な検討結果に基づき設定している。この条件は、第1車輪駆動装置10−Aと第2車輪駆動装置10−Bの両方で個別に満足するように設定される。つまり、第1ベースバンド26−Aより第2ベースバンド26−Bの厚みを大きく増大させたとき、第2ベースバンド26−Bの厚みに応じた範囲で第1出力部材24−Aより第2出力部材24−Bを厚くすることで、出力部材24とベースバンド26の剛性のバランスをとるようにする。
第1車輪駆動装置10−A及び第2車輪駆動装置10−Bの何れかの出力部材24の厚みtb1がベースバンド26の厚みta1の1.1倍未満の場合、ベースバンド26と比べて出力部材24の剛性が過度に小さくなる。この結果、各車輪駆動装置10で同じ所定の範囲の締め付け力を出力部材24やベースバンド26に付与したとき、この条件を満たさない車輪駆動装置10の出力部材24の径方向内周側への変形量が過度に大きくなり、所要の起動荷重を得られなくなる恐れがある。第1車輪駆動装置10−A及び第2車輪駆動装置10−Bの何れかの出力部材24の厚みtb2がベースバンド26の厚みta2の1.5倍未満の場合も同様である。
第1車輪駆動装置10−A及び第2車輪駆動装置10−Bの何れかの出力部材24の厚みtb1がベースバンド26の厚みta1の1.2倍超の場合、ベースバンド26と比べて出力部材24の剛性が過度に大きくなる。この結果、各車輪駆動装置10で同じ所定の範囲の締め付け力を出力部材24やベースバンド26に付与したとき、この条件を満たさない車輪駆動装置10の出力部材24の径方向内周側への変形量が過度に小さくなり、所要の起動荷重を得られなくなる恐れがある。第1車輪駆動装置10−A及び第2車輪駆動装置10−Bの何れかの出力部材24の厚みtb2がベースバンド26の厚みta2の2.0倍超の場合も同様である。
一方、この条件を満たす場合、各車輪駆動装置10で同じ所定の範囲の締め付け力をベースバンド26や出力部材24に付与したとき、各車輪駆動装置10のベースバンド26や出力部材24の厚みの変化によらず、所要のベースバンド26の起動荷重を得やすくなる。この結果、ベースバンド26及び出力部材24の内周部や外周部の形状が同じであり、減速機構18が共通する複数の車輪駆動装置10の間でベースバンド26の厚みを変えても、所要の起動荷重を得るために必要な締め付け力の範囲の共通化を図れる。
また、この条件を満たす第1車輪駆動装置10−Aの観点からみると、ベースバンド26及び出力部材24の内周部や外周部の形状が同じであり、減速機構18が共通する第2車輪駆動装置10−Bとの間でベースバンド26の厚みを変えても、所要の起動荷重を得るために必要な締め付け力の範囲の共通化を図れる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
車輪駆動装置10は搬送台車に組み込まれる例を説明したが、その組み込み相手は特に限定されない。また、この搬送台車は有軌道台車を例に説明したが、無軌道台車でもよい。
減速機構18は、偏心揺動型減速機構を例に説明したが、その種類は特に限定されない。たとえば、遊星歯車機構、平行軸歯車機構、直交軸歯車減速機構、撓み噛み合い型減速機構等の何れかを含んでもよい。また、偏心揺動型減速機構の場合、入力軸(偏心体軸)が内歯歯車の軸心に配置されるセンタークランクタイプの他にも、内歯歯車の軸心からオフセットした位置に複数の入力軸(偏心体軸)が配置される振り分けタイプでもよい。
出力部材24は、減速機構18のケーシングを兼ねている例を説明したが、これに限定されない。たとえば、出力部材24は、減速機構18のケーシングの外周側に配置されるものとし、減速機構18の出力軸により回転させられる構造としてもよい。
第1車輪駆動装置10−A、10−Bとの間ではタイヤ28の厚みを同じにすることは必須とはならない。前述の(A)の効果を得る観点からは、第1ベースバンド26−Aより第2ベースバンド26−Bの厚みが大きく、かつ、第1出力部材24−Aより第2出力部材24−Bの厚みが大きくなるという条件を満たしていればよい。
10…第1車輪駆動装置、10…第2車輪駆動装置、18…減速機構、24…出力部材、24a…端面部、24c…最小外径部、24d…最大外径部、26…ベースバンド、26a…フランジ部、26c…小内径部、26d…大内径部、28…タイヤ、50…テーパ面。

Claims (6)

  1. 駆動源から伝達される回転を減速する減速機構と、
    前記減速機構で減速された回転が伝達される筒状の出力部材と、
    前記出力部材に外嵌されるベースバンドと、
    前記ベースバンドに取り付けられるタイヤと、を備える車輪駆動装置であって、
    前記出力部材の外周面と前記ベースバンドの内周面とにはテーパ面が設けられ、
    前記ベースバンドは、前記出力部材との間で互いのテーパ面を接触させた状態で締まり嵌めにより前記出力部材に外嵌される車輪駆動装置。
  2. 前記ベースバンドは、その軸方向の一端部から径方向内周側に延在するフランジ部を有し、
    前記出力部材の軸方向の端面部と前記フランジ部がボルトにより締結される請求項1に記載の車輪駆動装置。
  3. 前記出力部材の前記テーパ面が最小径となる最小外径部の厚みをtb1、前記出力部材の前記テーパ面が最大径となる最大外径部の厚みをtb2、前記ベースバンドの前記最小外径部と軸方向での位置が一致する小内径部の厚みをta1、前記ベースバンドの前記最大外径部と軸方向での位置が一致する大内径部の厚みをta2としたとき、
    前記厚みtb1は、前記厚みta1の1.1倍以上1.2倍以下に設定され、
    前記厚みtb2は、前記厚みta2の1.5倍以上2.0倍以下に設定される請求項1または2に記載の車輪駆動装置。
  4. 前記ベースバンドと前記出力部材に付与される軸方向の締め付け力は、前記減速機構と前記駆動源の間の動力伝達経路を切り離した条件のもと、前記ベースバンドの起動荷重が4kgf以上10kgf以下となるように設定される請求項1から3のいずれかに記載の車輪駆動装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の車輪駆動装置である第1車輪駆動装置と、
    請求項1から4のいずれかに記載の車輪駆動装置である第2車輪駆動装置と、を備え、
    前記第2車輪駆動装置は、前記第1車輪駆動装置のタイヤより大きい外径のタイヤと、前記第1車輪駆動装置の減速機構と共通の減速機構と、を有する車輪駆動装置のシリーズであって、
    前記第2車輪駆動装置は、
    前記第1車輪駆動装置のベースバンドよりも厚みが大きいベースバンドと、
    前記第1車輪駆動装置の出力部材よりも厚みが大きい出力部材と、を有する車輪駆動装置のシリーズ。
  6. 前記第1車輪駆動装置は、請求項3に記載の車輪駆動装置であり、
    前記第2車輪駆動装置は、請求項3に記載の車輪駆動装置であり、
    前記第2車輪駆動装置のベースバンドは、前記第1車輪駆動装置のベースバンドと内周部及び外周部が同じ形状であり、
    前記第2車輪駆動装置の出力部材は、前記第1車輪駆動装置の出力部材と内周部及び外周部が同じ形状である請求項5に記載の車輪駆動装置のシリーズ。
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