JP2021074281A - 安全カバー付きカッター及びカッターシステム - Google Patents

Abstract

【課題】使用する時にのみ刃先が出る構造を持った安全に留意したカッターナイフ、および安全にカッターの替え刃を交換できる替え刃治具を提供する。【解決手段】カッター刃２と、少なくともカッター刃の刃先部及び切刃部をカバーし、使用時に刃先を切る対象物に押し当てる際の押圧によりカッター刃に沿って摺動して刃先部及び切刃部を押圧に応じた量だけ露出させる安全カバー３と、カッター刃と安全カバーとを挟み込んで支持する一対の本体部１と、本体部に備えられた操作部５が有効に機能するか否かを選択的に切り替える安全ロック手段４と、操作部が操作された状態のときだけ摺動し、操作部が操作されていない状態のときは摺動しないように、安全カバーを固定する固定手段とを有する。【選択図】図１

Description

本発明は、安全カバー付きカッター及びカッターシステムに関し、特に使用する時に安全ロック手段解除後、押しボタン押下時にのみ刃先が出る構造により安全性を確実にする、安全に留意した安全カバー付きカッター及びカッターシステムに関する。

従来のカッターとしては、使用しようとした時に刃先は出たままの状態になっているカッターや、ボタンを押して刃先を出しながら使用するカッターが、公知である。しかし、このようなカッターは、非力な子供や、カッターの使用に不慣れな者にとっては危険である。また、刃を替え刃に交換する時も剥き出しの刃を扱うものが多く、この点においても使用者のけがの危険性がある。

特許文献１には、カッターの刃を安全カバー内に配置し、手をすべらし切断面よりカッターが離れると、バネにより安全カバーが前に押し出され、刃がただちに覆われる安全自動カバーを備えたカッターが開示されている。しかし、特許文献１のカッターは、安全カバーが刃に対して常に前後に動くため、子供が悪ふざけで安全カバーを押した場合に、刃が出てしまいケガをする可能性がある。

特許文献２には、カッターのロックを解除しカッター刃ガイドと刃を使用したい長さに露呈させ、更に、カッター刃ガイドで保護されている刃を使用するためには、切断しようとしている部材に押圧させるカッターが開示されている。特許文献２には、カッター刃ガイドはスプリング部材にて弾発支持されているので、この弾発力に抗して、後方に戻され、刃先が露呈することとなり、切断しょうとしている物を切ることが出来るとの記載はあるが、２段階のロック解除や替え刃に触れずに替え刃の交換ができる機構については考慮されていない。

実開昭６２−１２７２７１号公報 特開平８−２１５４４３公報

本発明は、上記従来のカッターナイフにおける問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、使用する時に安全ロック手段解除後、押しボタン押下時のみ刃先が出る構造を持つことにより、非力な子供や、カッターナイフの使用に不慣れな者でも安全に使用できるカッターと、安全にカッターの替え刃を交換できる替え刃治具を備えるカッターシステムを提供するところにある。

上記目的を達成するためになされた本発明による安全カバー付きカッターは、カッター刃と、少なくとも前記カッター刃の刃先部及び切刃部をカバーし、使用時に刃先を切る対象物に押し当てる際の押圧により前記カッター刃に沿って摺動して刃先部及び切刃部を前記押圧に応じた量だけ露出させる安全カバーと、前記カッター刃と前記安全カバーとを挟み込んで支持する一対の本体部と、前記本体部に備えられた操作部が有効に機能するか否かを選択的に切り替える安全ロック手段と、前記操作部が操作されたときだけ、摺動し、操作部が操作されていない状態のときは、摺動しないように、安全カバーを固定する固定手段と、を有し、前記安全ロック手段を前記操作部が有効に機能するように切り替えた上、前期操作部が操作されないと前記安全カバーは摺動せず、前記カッター刃の刃先部及び切刃部が露出しないようにすることを特徴とする。

前記操作部は、使用者が前記本体部を自然な形で把持した際に指で押し込めるよう前記本体部の上部の刃先に近い先端側に備えられることが好ましい。

記安全カバー付きカッターは、前記安全カバーを付勢する第１の弾性手段をさらに有し、前記安全カバーの先端は、対象物を切る際の押圧により摺動方向の分力を受けやすいように丸みを帯び、前記第１の弾性手段は、前記摺動方向の分力に対応して変形し、押圧が解除されると安全カバーを前記刃先部の方向に押し戻して刃先部をカバーするように付勢することが好ましい。

前記安全カバー付きカッターは、前記一対の本体部を組み合わせて固定する固定ネジと、前記固定ネジと離隔し、前記一対の本体部と直交する方向に前記本体部に挟み込まれて支持されるピンとをさらに有し、前記カッター刃は前記切刃部を底辺とする略台形であり、少なくとも１つの貫通孔を備え、前記カッター刃は、前記貫通孔の１つを貫通する前記固定ネジと、前記刃先部と反対側である後端側の辺に当接する前記ピンにより、使用時に回動がないように固定されることが好ましい。

前記安全カバーは、前記カッター刃の切刃部と切刃部の反対側の背面部を覆う２つの凹部を備え、前記２つの凹部は、互いに対向して前記カッター刃の収納溝を形成し、前記収納溝の外側は、前記カッター刃を替え刃と交換するための替え刃治具と嵌合可能な嵌合部を備え、前記嵌合部を前記替え刃治具の嵌合溝と嵌合することにより、前記替え刃治具の替え刃を摺動可能に支持する摺動溝と、前記収納溝とが連通し、前記摺動溝に載置した前記替え刃を前記摺動溝に沿って摺動させ前記収納溝に押し込むことにより、前記替え刃の切刃部を露出させずに替え刃を取り付けることを可能とすることが好ましい。

上記目的を達成するためになされた本発明による安全カバー付きカッター及びカッターシステムは、安全カバー付きカッターのカッター刃を交換するための替え刃治具を備える安全カバー付きカッターシステムであって、前記安全カバー付きカッターは、カッター刃と、少なくとも前記カッター刃の先端及び切刃部をカバーし、使用時の押圧により前記カッター刃に沿って摺動して刃先部を前記押圧に応じた量だけ露出させる安全カバーと、前記カッター刃と前記安全カバーとを挟み込んで支持する一対の本体部と、前記本体部に備えられ、押し込まれた状態のときだけ、前記安全カバーが摺動して前記刃先部が露出しないように固定する固定手段が解除される押しボタンと、前記本体部に備えられ、前記押しボタンが有効に機能するか否かを選択的に切り替える安全ロック手段と、を備え、前記替え刃治具は、前記カッター刃の替え刃を摺動可能に支持する摺動溝と、前記安全カバーに嵌合する嵌合溝と、を備え、前記嵌合溝と前記安全カバーを嵌合することにより、前記摺動溝と前記安全カバー付きカッターのカッター刃取り付け位置とがほぼ同一平面となるように連通し、前記摺動溝に載置した前記替え刃を前記摺動溝に沿って摺動させ前記安全カバー付きカッターのカッター刃取り付け位置に押し込むことにより、前記替え刃の切刃部を露出させずに替え刃を取り付けることを可能とすることを特徴とする。

前記安全カバー付きカッターは、前記一対の本体部を組み合わせて固定する固定ネジをさらに備え、前記替え刃治具は、前記固定ネジを螺合するためのネジ回し部を備えることが好ましい。

本発明に係る安全カバー付きカッター及びカッターシステムによれば、カッターの安全ロック手段を解除し、さらに固定手段を解除するための操作部を操作しながら、安全カバー付きカッターを押さないと刃先が出ない。これにより安全でかつ必要な長さの刃先が出て切断できる。また、従来のカッターでは古い刃を交換する時は、刃先が露出するが、本発明に係る安全カバー付きカッター及びカッターシステムによれば、刃を露出して交換作業を行うことがないため子供や、カッターの使用に不慣れな者でも、刃先に触れることなく安全に交換できる。

本発明の実施形態による安全カバー付きカッターの外観の斜視図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッターの分解図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッターの安全ロック手段と固定手段が共にロックされた状態にある時の断面図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター安全ロック手段が解除され、固定手段がロックされた状態にある時の断面図である。 本発明の実施形態による安全ロック手段が、押しボタンを有効に機能するように切り替えされ、押しボタンが利用者によって押された状態にある時の断面図である。 本発明の実施形態による安全ロック手段が、押しボタンを有効に機能するように切り替えされ、押しボタンが利用者によって押され、さらに安全カバーが後方へ押し込まれた状態にある時の断面図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換で替え刃を挿入する時の替え刃治具を表す図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に替え刃治具のネジ回し部により固定ネジを外す状態を示す図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に固定ネジを外した状態を表す図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に使用済みのカッター刃を引き抜く時の状態を表す図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に替え刃を挿入するために安全カバーと替え刃治具を嵌合した時の状態を表す図である。 本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に替え刃の挿入が終了した時の状態を表す図である。

次に、本発明に係る安全カバー付きカッター及びカッターシステムを実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、説明にあたり、図１に示す左側の２及び３側を「前」と、図１の右側を「後」と、図１における紙面の手前側を「左」と、紙面の奥側を「右」と、上側を「上」と、下側を「下」と、表現し、図２以降も統一して表現する。図１は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッターの外観の斜視図である。本発明の実施形態による安全カバー付きカッター１００は、カッター刃２と、カッター刃２の刃先部及び切刃部をカバーし、使用時に刃先を切る対象物に押し当てる際の押圧によりカッター刃２に沿って摺動して刃先部及び切刃部を押圧に応じた量だけ露出させる安全カバー３と、カッター刃２と安全カバー３とを挟み込んで支持する後述する一対からなる本体部１を備えており、本体部１に備えられた押しボタン５が有効に機能するか否かを選択的に切り替えるため安全ロック手段４と、押しボタン５を備える。本発明の実施形態による安全カバー付きカッター１００では、安全ロック手段４を押しボタン５が有効に機能するように切り換えた上、押しボタン５を押し込まないと安全カバー３は、摺動しないのでカッター刃２の刃先部及び切刃部が露出しない。
すなわち刃先及び切刃部をカバーする安全カバー３は、通常、図３を参照して後述する固定手段により摺動しないように固定されている。しかし、利用者が押しボタン５を押すと固定手段が解除され、カッターを対象物に押し当てる際の押圧により安全カバー３が後退して、刃先及び切刃部が出て対象物を切ることができる。カッターを対象物に押し当てるのをやめると、安全カバー３は、元の位置に戻り、刃先と切刃部は、カバーされるため誤って手で安全カバー３を押そうとしても、安全カバー３は、後退せず安全が得られる。また、押しボタン５は、安全ロック手段４が押しボタン５を有効に機能するように切り替えされないと押し込めない。この様に本発明の実施形態による安全カバー付きカッター１００は、安全ロック手段４と押しボタン５との２重の安全機構により刃先が出ないようにした安全なカッターである。押しボタン５と、安全ロック手段４とは、使用者が本体部を自然な形で把持した際に指で操作しやすいように本体上部の刃先に近い先端側に備えられる。指は、どの指で操作してもかまわないが使用者が鉛筆を持つように把持すると第２指が丁度かかって使い易いので、カッターの使用に不慣れな使用者でも正しい持ち方ができるようにガイドする効果も得られる。

図２は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッターの分解図である。図２に示すように、本体部１に、カッター刃２、安全カバー３、安全ロック手段４、押しボタン５、第１の弾性手段８、固定ネジ９、ピン１０、ナット１１、キャップ１２、キャップ１３、および第２の弾性手段１７を備える。

本体部１は、右ケースおよび左ケースを備える。

カッター刃２は、切刃部を底辺とする略台形であり、少なくとも１つの貫通孔を備える。

安全カバー３は、カッター刃２の切刃部と切刃部の反対側の背面部を覆う２つの壁部３１を備え、２つの壁部３１は、互いに対向してカッター刃２の収納溝３２を形成し、２つの壁部３１のうちの一方の壁部外側は、カッター刃２を替え刃と交換するための後述する替え刃治具２０と嵌合可能な嵌合部３３を備える。図１１、図１２を参照して後述するように、嵌合部３３を替え刃治具の嵌合溝２４と嵌合することにより、替え刃治具２０の替え刃を摺動可能に支持する摺動溝２３と、収納溝３２とが連通し、摺動溝２３に載置した替え刃を摺動溝２３に沿って摺動させ収納溝３２に押し込むことにより、替え刃の切刃部を露出させずに替え刃を取り付けることを可能とする。また安全カバー３は、前後方向に長孔３４を備え、長孔３４に凹み部３５を備える。後述する固定ネジ９とピン１０とが、長孔３４に配置されることで、安全カバー３の前後方向への摺動をガイドする。さらに、安全カバー３の前方には、後述する替え刃との交換の際に使用される穴１６が備えられる。安全カバー３の先端は、対象物を切る際の押圧により摺動方向の分力を受けやすいように丸みを帯びている。

安全ロック手段４は、前方向および後方向に摺動可能に本体部１に備えられる。安全ロック手段４は、前方向に突出した突出部４１を備える。

押しボタン５は、操作部として機能し、本体部１から外に突出し利用者の指に当接されるつば部５１と、つば部５１に接続され上下方向に配置される軸部５２と、軸部５２から左方向に突出し長孔内に配置される突起部５３と、を備える。

第１の弾性手段８は、図２ではコイルバネで示したがこれに限らず板バネ若しくは反発力のあるゴムであってもよく、安全カバー３の後方部と本体部１との間に配置され、安全カバー３を前方向へ付勢する。具体的には、第１の弾性手段８は、摺動方向の分力に対応して変形し、押圧が解除されると安全カバー３を刃先部の方向に押し戻して刃先部をカバーするように付勢する。

固定ネジ９は、右ケースおよび左ケースを組合せたうえで、右ケース側から、安全カバー３の長孔３４およびカッター刃２の貫通孔に差し込まれ、後述するナット１１とねじ止めされる。

ピン１０は、固定ネジ９の後方側であって、安全カバー３の長孔３４内に配置される。このピン１０および上述の固定ネジ９と、安全カバー３の長孔３４とがガイド機能を構成し、安全カバー３が前後方向に安定して摺動できるようになる。また、ピン１０がカッター刃２の後方端部に当接されることで、切断時にカッター刃２が回動しない。

ナット１１は、左側ケース側に配置され、固定ネジ９とねじ止めされる。

キャップ１２およびキャップ１３は、固定ネジ９およびナット１１を隠すために本体部１に対して差し込まれる。

第２の弾性手段１７は、図２ではコイルバネで示したがこれに限らず板バネ若しくは反発力のあるゴムであってもよく、押しボタン５を上方向へ付勢する。

図３は、安全ロック手段４が押しボタン５を有効に機能しないように切り替えされ、押しボタン５が利用者によって押せない状態（以後、安全ロック手段４と押しボタン５とが共にロックされた状態と表現する。）にある時の断面図である。

図４は、安全ロック手段４が押しボタン５を有効に機能するように切り替えされ、押しボタン５が利用者によって押されていない状態（以後、安全ロック手段４が解除され、押しボタン５がロックされた状態と表現する。）にある時の断面図である。

図５は、安全ロック手段４が押しボタン５を有効に機能するように切り替えされ、押しボタン５が利用者によって押された状態（以後、安全ロック手段４と押しボタン５とが共に解除された状態と表現する。）にある時の断面図である。

図６は、安全ロック手段４が押しボタン５を有効に機能するように切り替えされ、押しボタン５が利用者によって押され、さらに安全カバー３が後方へ押し込まれた状態にある時の断面図である。

ここで、図３を用いて、安全ロック手段４について説明する。安全ロック手段４は、利用者による操作によって本体部１の前後方向に摺動され、押しボタン５が有効に機能し、または機能しないように切り替えられる。図３に示すように、カッターを使用しないときには、安全ロック手段４が前方へ摺動され、突出部４１と押しボタン５のつば部５１とが、嵌合した状態となっている。この状態では、押しボタン５を下方向に押しても、つば部５１が突出部４１の妨げによって、押し下げられない状態となっている。この状態のことを、押しボタン５を有効に機能しないように切り替えされる状態という。

利用者がカッターを使う場合には、図４に示すように、安全ロック手段４を後方へ摺動させることで、つば部５１に対して妨げとなる突出部４１が嵌合していないことにより、押しボタン５を下方向に押し下げられる状態となる。この状態のことを、押しボタン５を有効に機能するように切り替えされる状態という。

次に図３を用いて、固定手段について説明する。固定手段は、押しボタン５に備えられた突起部５３と安全カバー３に備えられた長孔３４の凹み部３５とを備える。固定手段とは、突起部５３と凹み部３５とが嵌合し安全カバー３の前後方向への摺動を防止する手段をいう。

図５に示すように、利用者が押しボタン５を押し下げることで、突起部５３が下の方へ移動し、突起部５３と長孔３４の凹み部３５とが嵌合しなくなり、安全カバー３が前後方向に摺動可能となる。この安全カバー３が摺動可能になった状態を、固定手段の解除という。

第１の弾性手段８により付勢されているので、対象物に押し当てる際の押圧により、安全カバー３が押し込まれない限り刃先部が出ることはない。図６に示すように、安全カバー３が押し込まれた状態では、カッター刃２の刃先が安全カバー３より露出して対象物を切断することができる。

ここで安全カバー３を押し込むのをやめ、押しボタン５を押すのをやめると、第１の弾性手段８により安全カバー３は、前方に押し出され、押しボタン５の突起部５３の位置と安全カバー３の凹み部３５の位置とが揃うと、第２の弾性手段１７で押しボタン５が押し上げられ、再び固定手段によって、安全カバー３がカッター刃２の刃先をカバーする位置で固定される。

図７は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換で替え刃を挿入する時の替え刃治具を表す図である。替え刃治具２０は、図１から４で参照した安全カバー付きカッター１００と組み合わせて使う替え刃治具２０であり、安全カバー３と嵌合する時に安全カバー３の穴１６と組み合わせるための突起部２１と固定ネジ９を螺合するためのネジ回し部２２を備えている。
替え刃治具２０は、カッター刃２の替え刃を摺動可能に支持する摺動溝２３と、安全カバー３に嵌合する嵌合溝２４と、を備え、嵌合溝２４と安全カバー３の嵌合部３３を嵌合することにより、摺動溝２３と安全カバー付きカッター１００のカッター刃取り付け位置とがほぼ同一平面となるように連通し、摺動溝２３に載置した替え刃を摺動溝２３に沿って摺動させ安全カバー付きカッターのカッター刃取り付け位置に押し込むことにより、替え刃の切刃部を露出させずに替え刃を取り付けることを可能とする安全カバー付きカッターシステムである。替え刃治具２０は、安全カバー付きカッター１００と組み合わせて使用することで替え刃交換時に替え刃である新しいカッター刃や使用済みのカッター刃の刃先に触れることなく安全に使用可能な、カッターシステムを構成する。

図８は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に替え刃治具２０のネジ回し部２２により固定ネジ９を外す状態を示す図である。替え刃交換に際し、キャップ１２を開けて替え刃治具２０のねじ回し部２２またはドライバにより固定ネジ９を緩めて、その後固定ネジ９を引き抜く。替え刃治具２０は、ネジ回し部２２を備えているため、別途ドライバを用意しなくても替え刃交換できる。

図９は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に固定ネジ９を外した状態を表す図である。図９は、替え刃交換時に固定ネジ９を引き抜いた状態であり、これによりカッター刃２を引き出せるようになる。

図１０は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に使用済みのカッター刃２を引き抜く時の状態を表わす図である。固定ネジ９が引き抜かれ、使用済みのカッター刃２が固定されていない状態で、使用済みのカッター刃２の穴にボールペン等の先の細いものを差し使用済みのカッター刃２を引き抜き、厚紙等で包み廃棄する。本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムでは、このように手で使用済みのカッター刃２を触ることなく安全に使用済みのカッター刃２を取り外しできる。

図１１は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に替え刃を挿入するために安全カバーと替え刃治具を嵌合した時の状態を表す図である。安全カバー３の先端外側にある壁部３１は、替え刃であるカッター刃２の収納溝を形成するとともに替え刃と交換するための替え刃治具２０と嵌合可能な嵌合部３３を形成しているため安全カバー３の先端外側にある嵌合部１５と替え刃治具２０の嵌合溝２４を嵌合し、かつ安全カバー３の先端にある穴部１６と替え刃治具２０の突起部２１で強固に固定し、カッター刃２の穴にボールペン等を差し替え刃を本体に挿入する。

図１２は、本発明の実施形態による安全カバー付きカッター及びカッターシステムの替え刃交換時に替え刃の挿入が終了した時の状態を表わす図である。図１２の状態のように替え刃であるカッター刃２が止まるまで本体部に挿入する。その後で、固定ネジ９を締めて、キャップ１２をはめて交換終了となる。このように使用者は、カッター刃２に触れることなく安全に替え刃交換できる。

以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更することが可能である。

１ 本体部
２ カッター刃
３ 安全カバー
４ 安全ロック手段
５ 押しボタン
８ 第１の弾性手段
９ 固定ネジ
１０ ピン
１１ ナット
１２ キャップ
１３ キャップ
１７ 第２の弾性手段
２０ 替え刃治具
２１ 替え刃治具の突起部
２２ ネジ回し部
２３ 替え刃治具の摺動溝
２４ 替え刃治具の嵌合溝
３１ 安全カバーの壁部
３２ カッター刃の収納溝
３３ 嵌合部
３４ 安全カバーの長孔
３５ 安全カバーの固定手段である凹み部
４１ 前方向に突出した突出部
５１ つば部
５２ 軸部
５３ 押しボタンの一部として形成された突起部
１００安全カバー付きカッター

Claims (7)

1. カッター刃と、
   少なくとも前記カッター刃の刃先部及び切刃部をカバーし、使用時に刃先を切る対象物に押し当てる際の押圧により前記カッター刃に沿って摺動して刃先部及び切刃部を前記押圧に応じた量だけ露出させる安全カバーと、
   前記カッター刃と前記安全カバーとを挟み込んで支持する一対の本体部と、
   前記本体部に備えられた操作部が有効に機能するか否かを選択的に切り替える安全ロック手段と、
   前記操作部が操作された状態のときだけ、摺動し、操作部が操作されていない状態のときは、摺動しないように、安全カバーを固定する固定手段と、を有し 前記安全ロック手段を前記操作部が有効に機能するように切り替えた上、前記操作部が操作されないと前記安全カバーは摺動せず、前記カッター刃の刃先部及び切刃部が露出しないようにすることを特徴とする安全カバー付きカッター。
2. 前記操作部は、使用者が前記本体部を自然な形で把持した際に指で押し込めるよう前記本体部の上部の刃先に近い先端側に備えられることを特徴とする請求項１に記載の安全カバー付きカッター。
3. 前記安全カバー付きカッターは、前記安全カバーを付勢する弾性手段をさらに有し、
   前記安全カバーの先端は、対象物を切る際の押圧により摺動方向の分力を受けやすいように丸みを帯び、
   前記弾性手段は、前記摺動方向の分力に対応して変形し、押圧が解除されると安全カバーを前記刃先部の方向に押し戻して刃先部をカバーするように付勢することを特徴とする請求項１に記載の安全カバー付きカッター。
4. 前記安全カバー付きカッターは、前記一対の本体部を組み合わせて固定する固定ネジと、前記固定ネジと離隔し、前記一対の本体部と直交する方向に前記本体部に挟み込まれて支持されるピンとをさらに有し、
   前記カッター刃は、前記切刃部を底辺とする略台形であり、少なくとも１つの貫通孔を備え、
   前記カッター刃は、前記貫通孔の１つを貫通する前記固定ネジと、前記刃先部と反対側である後端側の辺に当接する前記ピンにより、使用時に回動がないように固定されることを特徴とする請求項１に記載の安全カバー付きカッター。
5. 前記安全カバーは、前記カッター刃の切刃部と切刃部の反対側の背面部を覆う２つの凹部を備え、
   前記２つの凹部は、互いに対向して前記カッター刃の収納溝を形成し、
   前記収納溝の外側は、前記カッター刃を替え刃と交換するための替え刃治具と嵌合可能な嵌合部を備え、
   前記嵌合部を前記替え刃治具の嵌合溝と嵌合することにより、前記替え刃治具の替え刃を摺動可能に支持する摺動溝と、前記収納溝とが連通し、前記摺動溝に載置した前記替え刃を前記摺動溝に沿って摺動させ前記収納溝に押し込むことにより、前記替え刃の切刃部を露出させずに替え刃を取り付けることを可能とすることを特徴とする請求項１乃至４のいずれか１項に記載の安全カバー付きカッター。
6. 安全カバー付きカッターと、前記安全カバー付きカッターのカッター刃を交換するための替え刃治具とを備える安全カバー付きカッターシステムであって、
   前記安全カバー付きカッターは、
   カッター刃と、
   少なくとも前記カッター刃の先端及び切刃部をカバーし、使用時の押圧により前記カッター刃に沿って摺動して刃先部を前記押圧に応じた量だけ露出させる安全カバーと、
   前記カッター刃と前記安全カバーとを挟み込んで支持する一対の本体部と、
   前記本体部に備えられ、押し込まれた状態のときだけ、前記安全カバーが摺動して前記刃先部が露出しないように固定する固定手段が解除される押しボタンと、
   前記本体部に備えられ、前記押しボタンが有効に機能するか否かを選択的に切り替える安全ロック手段と、を備え、
   前記替え刃治具は、
   前記カッター刃の替え刃を摺動可能に支持する摺動溝と、
   前記安全カバーに嵌合する嵌合溝と、を備え、
   前記嵌合溝と前記安全カバーを嵌合することにより、前記摺動溝と前記安全カバー付きカッターのカッター刃取り付け位置とがほぼ同一平面となるように連通し、前記摺動溝に載置した前記替え刃を前記摺動溝に沿って摺動させ前記安全カバー付きカッターのカッター刃取り付け位置に押し込むことにより、前記替え刃の切刃部を露出させずに替え刃を取り付けることを可能とすることを特徴とする安全カバー付きカッターシステム。
7. 前記安全カバー付きカッターは、前記一対の本体部を組み合わせて固定する固定ネジをさらに備え、
   前記替え刃治具は、前記固定ネジを螺合するためのねじ回し部を備えることを特徴とする請求項６に記載の安全カバー付きカッターシステム。

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