JP2021073195A - 安定な味および匂いを有する組成物 - Google Patents

安定な味および匂いを有する組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】化粧品および食品の分野において、含まれる脂肪酸およびそのエステルの味および/または匂いを安定化するための組成物、ならびに安定化された味および/または匂いを有する前記組成物を含むパーソナルケア製品および食品を提供する。【解決手段】】(a)[6]−パラドールおよび、(b)少なくとも1種のモノ不飽和若しくはポリ不飽和C8−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C1−C18脂肪族アルコールエステルを含んでなる、安定した味および/または匂いを有する組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、化粧品および食品の分野に属し、含まれる脂肪酸およびそのエステルの味および/または匂いを安定化するために[6]−パラドールを含む組成物、ならびに安定化された味および/または匂いを有する前記組成物を含むパーソナルケア製品および食品に関する。
脂肪酸(エステル)は、油脂の主成分である。それらは、約12〜22個の炭素原子を有する長い炭化水素鎖および1つ以上のカルボン酸(アシル)基からなる単純な構造を有する。炭素原子間に存在する二重結合の数に従い、脂肪酸(エステル)は、一般に、飽和、モノ不飽和およびポリ不飽和脂肪酸(エステル)に分けられる。現在のところ、ほとんどの脂肪酸(エステル)は、植物および動物起源、例えば、硬質動物性脂肪、ヤシ油、パーム核油および大豆油などの天然起源から得られる。最も一般的な天然に存在する脂肪酸は、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸およびリノール酸である。ヤシ油やココナッツオイルのような熱帯の油を除き、商業的に重要な植物由来および動物由来のほとんどの脂肪酸(エステル)の多くは18個の炭素原子を含む。他の脂肪酸(エステル)は、石油から得られる合成化合物に属する。有益な物理的および生物学的特性のおかげで、脂肪酸(エステル)の利用は圧倒的である。
脂肪酸(エステル)は、化粧品産業において非常に重要であり、顔、体および毛髪の日常ケアのための多くの化粧品調製物において、ますます一般的に使用される成分になっている。天然に存在する脂肪酸(エステル)は皮膚の成分であり、最外層を構成する複雑な混合物の成分である。脂肪酸(エステル)は、それらの油性、軟化、平滑化および保護特性のために、主に表皮上に保護層を形成することにより、皮膚の水分損失を防ぐことができる。さらに、それらは角質層を軟化させ、皮膚の炎症を軽減し、それによって痛みの感覚を弱める。しかしながら、加齢とともに、皮膚の脂肪酸(エステル)の天然合成が低下し、皮膚が過度に脱水する原因となる。脂肪酸(エステル)の不足により生じる皮膚の望ましくない乾燥を避けるために、市販されているほとんどの化粧品では、脂肪酸(エステル)が不可欠な化粧品成分として利用される。
脂肪酸(エステル)は、(代謝における主要な代謝燃料としての(エネルギーの貯蔵および輸送)、すべての膜の必須成分としての、および遺伝子調節因子としての)人体の適当な機能における生物学的効果のために、化粧品の分野での応用の他に食品および栄養産業において重要な役割を果たす。食用脂肪酸(エステル)は主として多価不飽和脂肪酸に属し、それらは哺乳類で代謝的に合成されないため「必須脂肪酸」と呼ばれる。例えば、人におけるω−3脂肪酸(ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)など)の摂取の欠乏による臨床症状を避けるための最低摂取量は、1日あたり約5gであると報告されている。さらに、多くの疫学的および実験的研究により、「必須脂肪酸」の追加摂取が有意に有益な効果を有することが判明している。必須脂肪酸(エステル)に対する消費者の大きな要求を満たすために、市場において十分な量の必須脂肪酸(エステル)を供給する様々な食品および栄養製品が増えている。
化粧品および食品における脂肪酸(エステル)の適用は成熟した技術であるが、主に、含まれる不飽和脂肪酸(エステル)の酸敗により引き起こされる原料の複雑な貯蔵や最終製品の貯蔵寿命の制限に関連する未解決の問題が未だ存在する。酸敗化は、物質の酸敗を生じるプロセスであり、悪臭のする不快な臭いや味を有することを意味する。具体的には、主に揮発性であり、味や臭いを不快にさせる短鎖のアルデヒドおよびケトンへの脂肪の加水分解および/または酸化であると考えられる。このプロセスは、脂肪酸(エステル)および最終製品の酸敗をもたらす。酸敗した脂肪酸(エステル)を含む油脂を対応する最終製品へさらに加工することはできず、酸敗した最終製品を市場で販売することや、消費者がそれ以上使用できないことも明らかである。それらはどちらも製造コストの増加につながり、製造者と消費者の双方にとって受け入れがたい。
脂肪酸(エステル)の酸敗を防止または軽減するために、多くの方法が行われている。例えば、産業界においては、酸化に起因する酸敗の開始を遅らせる、または、酸敗の進行を遅くするために、脂肪含有食品や化粧品において酸化防止剤が防腐剤としてしばしば利用される。最先端の多くの出版物からも酸敗問題を解決することが知られている。
韓国特許出願第20100105234号は、塩化カリウム、炭酸カリウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウムおよびクエン酸ナトリウムを含む、不飽和脂肪酸の酸敗を防止するための組成物を報告している。
国際特許出願である国際公開第92/22282は、化粧品用および/または医薬品用の油成分を開示している。この公表された油成分は全てまたは主にゲルベ炭酸塩から構成される。このような油成分は、皮膚および粘膜との良好な親和性を有するだけでなく、酸敗に関する高い安定性も有する。
米国特許出願第2005/0244564には、油含有食品の酸化安定性を高める方法が記載されている。開示された方法は、より高濃度のオレイン酸とより低濃度のリノール酸が酸化安定性の改善に寄与するという発見に基づいて、オレイン酸とリノール酸間での比が大きい生成物にω−3脂肪酸が豊富な油を添加することを特徴とする。
英国特許出願813,538の主題は、酸化の有害な影響を排除するための、および、固体脂肪、脂肪油などを含む酸化可能な組成物の安定性を改善するための酸化防止剤としての5−アセトナフソールの使用に言及する。
米国特許出願第2521856号は、脂肪酸のグリセリド含量に起因して通常は酸化的酸敗の影響を受けやすい物質の安定性を改善するための、(a)アルキル基が1〜4個の炭素原子を含むブチル化ヒドロキノンモノアルキルエーテル;(b)ハイドロキノンおよび(c)クエン酸、アスコルビン酸、シュウ酸、リン酸、リン酸エチルおよびリン酸トリエチルからなる群から選択される酸性物質を含む新規の混合物を提供する。
英国特許出願595838は、安定化した食用植物、動物、魚油、脂肪およびワックスを提供するものであり、ここで、前記食用材料は少量のチオ二飽和脂肪酸またはそれらのアミド、塩若しくは無水物と接触させられる。
英国特許第618409号は、密封容器での包装および高温気候条件での長期保存を可能にするために、ラード、バター、食用油などを新鮮で可食性の状態で長期間保存するための酸化防止剤として、植物起源のノルジヒドログアイアレチン酸を開示する。
韓国特許出願公開第20100105234号 国際公開第92/22282号 米国特許出願公開第2005/0244564号 英国特許出願公開第813538号 米国特許出願公開第2521856号 英国特許出願公開第595838号 英国特許出願公開第618409号
酸敗に関して良好な安定性を有すると報告されているいくつかの脂肪酸(エステル)含有組成物が既に存在するが、それらの大部分は得られる組成物において飽和脂肪酸の比率を増加させることに基づく。しかしながら、不飽和脂肪酸に対する飽和脂肪酸の比率は人の栄養にとって非常に重要である。これは、高濃度の飽和脂肪酸が、一方では脂肪酸(エステル)の安定性を高めるために望ましいが、他方では、例えば、高濃度の飽和脂肪酸がしばしば低密度リポタンパク質(LDL)の濃度を増加させ、LDL対HDL(高密度リポタンパク質)の比に影響を及ぼし、凝固や血管平滑筋の増殖を促進することにより影響を及ぼすと考えられるため、栄養的に望ましくないことを意味する。
したがって、安定した味および/または匂いならびに酸化および酸敗に対する改善された耐性を有する新規な脂肪酸(エステル)含有組成物を見出す必要がある。この脂肪酸(エステル)含有組成物を利用することにより、意図的に不飽和脂肪酸(エステル)の濃度を下げることなく、脂肪酸(エステル)を原料としてより効果的に貯蔵し、脂肪酸(エステル)を含む最終製品のより長い貯蔵寿命を実現することができる。新しい組成物は、含まれる脂肪酸(エステル)の優れた物理的および生物学的特性をすべて維持し、さらに酸敗に対する優れた耐性を有するべきである。好ましくは、組成物中に含まれ用いられる安定化剤は、規定された化学構造および純度であるべきであり、使用において毒性学的に安全であり、十分に耐容性があり、既に低濃度で有効であり、配合が容易であり、無色および無臭であるべきである。
本発明の根本的な主な課題は、化粧品および食品産業において安定した味および/または匂いを有する脂肪酸(エステル)含有組成物の公知の重要な利点に基づいて、含まれる不飽和脂肪酸(エステル)が本来の物理的および生物学的特性を依然として発現し、酸化および酸敗から十分に保護される、新規の脂肪酸(エステル)含有組成物を提供することである。本発明により解決しようとする別の課題は、不飽和脂肪酸(エステル)を酸化および酸敗から保護するための新規の方法を提供することである。さらに、本発明の根本的なさらなる課題は、化粧品および食品に、酸敗に対する良好な耐性およびより長い貯蔵寿命を提供することである。
本発明の主題は、
(a)[6]−パラドール、および
(b)少なくとも1種のモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステル
を含んでなる、安定した味および/または匂いを有する組成物である。
本発明の組成物において、[6]−パラドールの量は、組成物の総重量に対して、約0.0001〜1重量%の範囲、好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲、特に好ましくは0.005〜0.05重量%の範囲である。
驚くべきことに、既知の酸化防止剤としての[6]−パラドールは、α−トコフェロールなどの従来の酸化防止剤とほぼ同等の抗酸化活性を有するが、[6]−パラドールは低濃度であっても、種々のモノ不飽和またはポリ不飽和C〜C22脂肪酸およびそれらのエステルを酸敗から保護するために他の酸化防止剤よりも優れた活性を示すことが認められた。
[6]−パラドールは公知の物質[IUPAC名:1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−デカン−3−オン、CAS番号:27113−22−0、FEMA 4665]である。[6]−パラドールは、例えば、H.D.Locksley等により報告された手順(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.I 1972,442,3001-3006)に従い、対応する不飽和類似体を接触水素化することにより合成することができ、また、天然源から精製することもできる。[6]−パラドールは、温度に応じて淡黄色から無色の固体または液体であり(融点31〜32℃、天然生成物辞典)、特に、本発明の組成物で必要とされる低い使用量において低臭気である。
[6]−パラドールおよびその同族体の抗酸化および抗腫瘍促進効果が報告されている(Mutation Research 2001,400279,1−8)。[6]−パラドールは、インビトロでHおよびUV誘導性の酸化DNA塩基の形成を弱める。[6]−パラドールの抗酸化効果は、14日間隔日でDMBAを塗布することにより得られたDMBA処理ハムスターへの30mg/kg(体重)の[6]−パラドールの経口投与が、酸化防止剤の状態を著しく改善させたという結果からも推測された(Pharmacological reports,2010,62,1178−1185)。
本発明によれば、[6]−パラドールは、単独で、または他の公知の安定剤、例えば、トコフェロールおよびトコフェロール誘導体(例えば、酢酸トコフェロールなど)、アスコルビン酸およびその誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビルなど)、Oxynex ST Liquid(Merck、INCI名:ジエチルヘキシルシリンジリデンマロネート、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、Tinogard AS(BASF、INCI名:ブメトリゾール)、Tinogard TT(BASF, INCI名:ペンタエリスリチルテトラ−ジ−t−ブチルヒドロキシヒドロシンナメート)、Tinogard TS(BASF、INCI名:オクタデシルジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、Tinogard TL(BASF、INCI名:ベンゾトリアゾリルドデシルp−クレゾール)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、クエン酸、酒石酸若しくはシュウ酸などの酸またはEDTAおよびその塩との組み合わせで使用できる。
不飽和脂肪酸およびそのエステル
本発明において、成分(b)としての不飽和脂肪酸およびそのエステルは、モノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸およびその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステルを意味する。
好ましくは、本発明の組成物の成分(b)は、(b−1)式(II):
Figure 2021073195
〔式中、Rは水素原子またはC−C18アルキル基を表し、
Xはモノ不飽和またはポリ不飽和のC−C22アシル基を表す〕
で表される少なくとも1種のアシル化合物
および/または
(b−2)式(III):
Figure 2021073195
〔式中、
X’、X’’およびX’’’は、互いに独立して、水素原子または飽和若しくはモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22アシル基を表し、ただし、X’、X’’およびX’’’は、同時に水素原子ではなく、かつ、少なくとも1つのX’、X’’およびX’’’は不飽和アシル基である〕
で表される少なくとも1種のアシルグリセロール化合物
を含む。
本発明によれば、成分(b−1)としての式(II)のアシル化合物は、モノ若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸およびそれらのC−C18アルコールとのエステルを含む。
成分(b−1)の典型的な例としては、限定されるものではないが、パルミトレイン酸(C16:1)、オレイン酸(C18:1)、エライジン酸(C18:1)、リシノール酸(C18:1)、ペテロセリン酸(C18:1)、バクセン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、α−リノレン酸(C18:3)、γ−リノレン酸(C18:3)、シス−リノレン酸(C18:3)、プニシック酸(C18:3)、エレオステアリン酸(C18:3)、ステアリドン酸(C18:4)、イコセン酸(C20:1)、ガドレイン酸(C20:1)、パウリン酸(C20:1)、アラキドン酸(C20:4)、エルカ酸(C22:1)、EPA(C20:5)、ドコサペンタエン酸(C20:5)、DHA(C22:6)、オレイン酸ミリスチル、エルカ酸ミリスチル、オレイン酸セチル、エルカ酸セチル、オレイン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸ベヘニル、エルカ酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシルおよびエルカ酸エルシルが含まれる。
本発明の好適な実施態様において、式(II)のアシル化合物におけるRは水素原子であり、Xは、モノ若しくはポリ不飽和C16−C22アシル基である。
本発明の最も好適な実施態様において、成分(b−1)は、オレイン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、EPAおよびDHAである。
リノール酸は、ヒマワリ油、大豆油、ベニバナ油、コーン油、ゴマ油、ピーナッツ油、グレープシード油および小麦胚芽油に最も豊富に存在する。リノール酸は皮膚のバリア機能に不可欠である。乾燥肌では、表皮の脂質バリアを強化し、経表皮の水の損失を防ぎ、皮膚の代謝を正常化する。にきび肌の人においては、皮脂中のリノール酸含量の減少が観察され、これが毛穴の閉塞およびにきびや湿疹の形成につながる。脂性肌や問題のあるスキンケアにリノール酸を使用すると、皮脂腺の働きが改善され、毛穴の閉塞が解消され、にきびの数が減少する。
γ−リノレン酸は、ω−6系に属し、ルリヂサ油、ブラックカラント油、月見草油および大麻油を含む天然源から得ることができる。さらに、α−リノレン酸はω−3群の代表例であり、亜麻仁油、大豆油、菜種油、小麦胚芽油、クルミ油、藻類、海藻植物プランクトンに含まれている。α−リノレン酸およびγ−リノレン酸はいずれもヒト細胞における細胞膜またはミトコンドリア膜の生理学的成分である。
エイコサペンタエン酸(EPA)またはドコサヘキサエン酸(DHA)などの多価不飽和脂肪酸は、サケ、タラ、ニシン、サバ由来の魚油に含まれ、藻類および海藻植物プランクトンの代謝産物である。
アシルグリセロール化合物
本発明の組成物の成分(b−2)としての式(III)のアシルグリセロール化合物は、グリセロールおよびC8〜C22脂肪酸から形成されるモノ−、ジ−若しくはトリグリセリドに関し、前記脂肪酸としては、限定されるものではないが、カプリル酸(C8:0)、デカン酸(C10:0)、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)、パルミトレイン酸(C16:1)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、エライジン酸(C18:1)、リシノール酸(C18:1)、ペトロセリン酸(C18:1)、バクセン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)、α−リノレン酸(C18:3)、γ−リノレン酸(C18:3)、シス−リノレン酸(C18:3)、プニシック酸(C18:3)、エレオステアリン酸(C18:3)、ステアリドン酸(C18:4)、アラキジン酸(C20:1)、イコセン酸(C20:1)、ガドレイン酸(C20:1)、パウリン酸(C20:1)、アラキドン酸(C20:4)、エルカ酸(C22:1)、EPA(C20:5)、ドコサペンタエン酸(C20:5)、ドコサン酸(C22:0)、DHA(C22:6)が含まれる。
成分(b−2)の典型的な例には、限定されるものではないが、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸のトリ−、ジ−またはモノグリセリルエステル、例えばトリオレイン、トリリノレイン、トリリノレニン、1,3−ジオレイン、1,2−ジオレイン、1,3−ジリノレイン、1,2−ジリノレイン、1,3−ジリノレニン、1,2−ジリノレニン、1−モノオレイン、2−モノオレイン、1−モノリノレイン、2−モノリノレイン、1−モノリノレニン、2−モノリノレニンおよび混合ジ−若しくはトリグリセリルエステル、例えばグリセリル−1−ステアレート−3−オレエート、グリセリル−1−ステアレート−2−オレエート、グリセリル−2−ステアレート−1−オレエート、グリセリル−1−ステアレート−3−リノレエート、グリセリル−1−ステアレート−2−リノレエート、グリセリル−2−ステアレート−1−リノレエート、グリセリル−1−ステアレート−3−リノレネート、グリセリル−1−ステアレート−2−リノレネート、グリセリル−2−ステアレート−1−リノレネート、グリセリル−1−パルミテート−3−オレエート、グリセリル−1−パルミテート−2−オレエート、グリセリル−2−パルミテート−1−オレエート、グリセリル−1−パルミテート−3−リノレエート、グリセリル−1−パルミテート−2−リノレエート、グリセリル−2−パルミテート−1−リノレエート、グリセリル−1−パルミテート−3−リノレネート、グリセリル−1−パルミテート−2−リノレネート、グリセリル−2−パルミテート−1−リノレネート,グリセリル−1,2−ジステアレート−3−オレエート,グリセリル−1,3−ジステアレート−2−オレエート、グリセリル−2,3−ジステアレート−1−オレエート、グリセリル−1,2−ジステアレート−3−リノレエート、グリセリル−1,3−ジステアレート−2−リノレエート、グリセリル−2,3−ジステアレート−1−リノレエート、、グリセリル−1,2−ジステアレート−3−リノレネート、グリセリル−1,3−ジステアレート−2−リノレネート、グリセリル−2,3−ジステアレート−1−リノレネート、グリセリル−1,2−ジパルミテート−3−オレエート、グリセリル−1,3−ジパルミテート−2−オレエート、グリセリル−2,3−ジパルミテート−1−オレエート、グリセリル−1,2−ジパルミテート−3−リノレエート、グリセリル−1,3−ジパルミテート−2−リノレエート、グリセリル−2,3−ジパルミテート−1−リノレエート、グリセリル−1,2−diパルミテート−3−リノレネート、グリセリル−1,3−ジパルミテート−2−リノレネート、グリセリル−2,3−ジパルミテート−1−リノレネート、グリセリル−1,2−ジオレエート−3−ステアレート、グリセリル−1,3−ジオレエート−2−ステアレート、グリセリル−1,2−ジリノレエート−3−ステアレート、グリセリル−1,3−ジリノレエート−2−ステアレート、グリセリル−1,2−ジリノレネート−3−ステアレート、グリセリル−1,3−ジリノレネート−2−ステアレート、グリセリル−1,2−ジオレエート−3−パルミテート、グリセリル−1,3−ジオレエート−2−パルミテート、グリセリル−1,2−ジリノレエート−3−パルミテート、グリセリル−1,3−ジリノレエート−2−パルミテート、グリセリル−1,2−ジリノレネート−3−パルミテート、グリセリル−1,3−ジリノレネート−2−パルミテートが含まれる。
本発明の好適な実施態様において、式(III)のアシルグリセロール化合物は、植物油由来のモノ−、ジ−またはトリグリセリドである。
本発明の別の好適な実施態様において、式(III)のアシルグリセロール化合物は、主として植物油に由来するジグリセリドであり、すなわち、式(III)のX’、X’’およびX’’’のうち2つは飽和またはモノ若しくはポリ不飽和C−C22アシル基を表し、それらの1つは不飽和である。
本発明の別の好適な実施態様において、式(III)のアシルグリセロール化合物は、主に植物油由来のモノグリセリドであり、すなわち式(III)の1つのX’、X’’およびX’’’が、互いに独立して、モノまたはポリ不飽和C8〜C22アシル基を表す。
植物油は、室温において液体である液体植物脂肪である。これらの脂質は、通常、種子、果実または植物苗木のような植物の様々な部分から抽出される。化学的用語において、それらは高級飽和および不飽和脂肪酸のトリグリセリドの組合せである。換言すれば、これらの化合物はグリセロールと高級脂肪酸とのエステルであり、それらの構造中に長い脂肪族炭素鎖を含む。本発明によれば、植物油としては、限定されるものではないが、アルガン油、チョークベリー(種子)油、アボカド油、ピーチ油、カノーラ油、ニゲラ油、カボチャ種子油、ワイルドローズ(種子)油、ザクロ種子油、ホホバ(液体ワックス)油、ココア/ココアバター、小麦芽油、ココナッツ/ココナッツバター、ベニバナ油、コーン油、カメリナ油、亜麻油、マカデミア油、ラズベリー種子油、メドウフォーム種子油、パッシフロラス種子油、アーモンド油、ニーム油、モリンガ油、ボラゴ油、オリーブ油、ピーナッツ油、ヘーゼルナッツ油、クルミ油、パーム油、パパイヤ種子油、パセリ種子油、シーバックソーン油、ヒマシ油、米油、ゴマ油、シアバター/カリテバター、ヒマワリ油、大豆油、タマヌ油、月見草油、グレープシード油、クランベリー種子油が含まれる。
本発明の最も好ましい実施形態では、式(III)の成分(b−2)は、種々の組み合わせにおいてグリセロール分子上でエステル化されたオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から主に構成される。
さらに、本発明は、不飽和脂肪酸(エステル)の味および/または匂いを安定化するための[6]−パラドールの使用をクレームする。
好適な実施態様において、不飽和脂肪酸(エステル)は、モノ不飽和若しくはポリ不飽和C〜C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C〜C18脂肪族アルコールエステルである。
より好適な実施態様において、モノ不飽和若しくはポリ不飽和C〜C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C〜C18脂肪族アルコールエステルは、
(b−1)式(II):
Figure 2021073195
〔式中、Rは水素原子またはC−C18アルキル基を表し、
Xはモノ不飽和またはポリ不飽和のC−C22アシル基を表す〕
で表される少なくとも1種のアシル化合物
および/または
(b−2)式(III):
Figure 2021073195
〔式中、
X’、X’’およびX’’’は、互いに独立して、水素原子または飽和若しくはモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22アシル基を表し、ただし、X’、X’’およびX’’’は、同時に水素原子ではなく、かつ、少なくとも1つのX’、X’’およびX’’’は不飽和アシル基である〕
で表される少なくとも1種のアシルグリセロール化合物
を含む。
別の好ましい実施態様において、[6]−パラドールの使用量は、組成物の総重量に対して、0.0001〜1重量%であり、好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲であり、特に好ましくは0.005〜0.05重量%の範囲である。
さらに、本発明は、少なくとも部分的に他の不安定性(これは、例えば酸素、温度および/または光感受性の化粧品および/または食品成分の臭気変化および/または変色を意味する)を安定化するための[6]−パラドールの使用をクレームする。[6]−パラドールおよびこれらの不安定な化粧品成分を含む組成物も本発明の対象である。
不安定な化粧品および/または食品成分は、変色する傾向にある、例えば4−(1−フェニルエチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン(INCI:フェニルエチルレゾルシノール、商品名:Symrise製のSymWhite 377)などのレゾルシノール、または、4−ヘキシルレゾルシノール(INCI:ヘキシルレゾルシノール、商品名:例えば例えばSytheon製のSynovea HR若しくはKumar Organic Products製のKopnol)および4−ブチルレゾルシノール(INCI:ブチルレゾルシノール、商品名:Kuraray社製のRucinol若しくはVivimed Labs製のVivinol)などの4−アルキルレゾルシノール、並びに、他のフェノール化合物、ビタミンおよびビタミン誘導体、例えばビタミンA、レチノイド、レチノイン酸およびその誘導体、レチノールおよびその誘導体、例えば、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、オレイン酸レチニル、リノール酸レチニル、レチノイン酸レチニルである。
不安定な化粧品成分は、例えば、SymWhite 377、4−ヘキシルレゾルシノールおよび4−ブチルレゾルシノールなどのレゾルシノール、および/または、例えば酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、パルミチン酸レチニル、レチノイン酸レチニルなどのレチノールおよびその誘導体から選択されることが好ましい。
化粧品またはパーソナルケア組成物
本発明の他の対象は、本発明の安定な味および/または匂いを有する組成物を含むパーソナルケア組成物または化粧品組成物を包含する。
本発明のパーソナルケア組成物または化粧品組成物は、追加の助剤および添加剤として、研磨剤、抗ニキビ剤、皮膚のアンチエイジング剤、抗蜂窩織炎薬、フケ防止剤、抗炎症薬、刺激防止薬、刺激抑制薬、酸化防止剤、収斂剤、制汗抑制剤、防腐剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、担体材料、キレート化剤、細胞賦活剤、クレンジング剤、ケア剤、脱毛剤、界面活性物質、脱臭剤、制汗剤、軟化剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、膜形成剤、定着剤、泡形成剤、泡安定剤、泡立ち防止物質、泡立ちブースター、ゲル剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアセット剤、ヘアストレート剤、潤いを与える剤、潤い物質、潤い保持物質、漂白剤、補強材、シミ除去剤、光学的ブライトニング剤、含浸剤、汚れ忌避剤、摩擦低減剤、潤滑剤、モイスチュアクリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、艶出し剤、ブライトニング剤、ポリマー、紛体、タンパク質、リオイル化剤、研磨剤、シリコーン、皮膚鎮静化剤、スキンクレンジング剤、スキンケア剤、スキンヒーリング剤、スキンライトニング剤、スキン保護剤、スキン軟化剤、育毛促進剤、クーリング剤、スキンクーリング剤、ウォーミング剤、スキンウォーミング剤、安定剤、UV吸収剤、UVフィルター、洗浄剤、織物コンディショニング剤、懸濁剤、皮膚日焼け剤、増粘剤、ビタミン、オイル、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ−またはポリ−不飽和脂肪酸、α−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、抗腐食剤、香料、香料添加物質、臭気物質、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体などを含有してもよい。
界面活性剤
他の好ましい助剤および添加剤は、アニオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤である。アニオン性活性剤の代表的な例は、石けん、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキル硫酸塩、脂肪アルコールエーテル硫酸塩、グリセロールエーテル硫酸塩、脂肪酸エーテル硫酸塩、ヒドロキシ混合エーテル硫酸塩、モノグリセリド(エーテル)硫酸塩、脂肪酸アミド(エーテル)硫酸塩、モノ−およびジアルキルスルホサクシネート、モノ−およびジアルキルスルホコハク酸塩、スルホトリグリセリド、アミド石けん、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、例えばアシルラクチレート、アシルタートレート、アシルグルタメート、およびアシルアスパルテートなどのN−アシルアミノ酸、アルキルオリゴグルコシド硫酸塩、タンパク質脂肪酸縮合物(特に小麦に基づく植物生成物)およびアルキル(エーテル)リン酸塩である。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは狭い同族分布を有することが好ましいが、従来の同族分布を有していてもよい。両性または双性イオン性界面活性剤の代表的な例はアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。言及した上記の界面活性剤はすべて周知化合物である。それらの構造および製造に関する情報は関連する概要の文献、例えばJ.Falbe(著者)、「Surfactants in Consumer Products」、Springer Verlag、Berlin、1987、第54〜124頁またはJ.Falbe(著者)、「Katalysatoren,Tenside und Mineraloeladditive」(Catalysts,Surfactants and Mineral Oil additives)、Thieme Verlag、Stuttgart、1978、第123〜217頁で見つけることができる。界面活性剤の百分率含有量は、製剤に基づき0.1〜10重量%であってよく、好ましくは0.5〜5重量%である。
油体
O/Wエマルションの成分を構成する適当な油体は、例えば炭素原子を6〜18個、好ましくは8〜10個有する脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6〜C22脂肪酸と直鎖または分岐鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル、または分岐鎖C6〜C13カルボン酸と直鎖または分岐鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、ベヘン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、ベヘン酸エルシルである。以下のものも適当である。飽和直鎖C6〜C22脂肪酸と分岐鎖アルコール、特に2−エチルヘキサノールとのエステル、C18〜C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6〜C22脂肪アルコールとのエステル、特にリンゴ酸ジオクチル、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えばプロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオールなど)および/またはゲルベアルコールとのエステル、飽和C6〜C10脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6〜C18脂肪酸に基づく液体モノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6〜C22脂肪酸アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル、C2〜C12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル、植物油、分岐第1級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝鎖C6〜C22脂肪アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol(登録商標)CC)、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分枝鎖C6〜C22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、各アルキル基が6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖、対称または非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油(シクロメチコーン、シリコーンメチコーン種など)、および/または脂肪族もしくはナフテン族炭化水素、例えばスクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン。
乳化剤
また、例えば、以下のような他の界面活性剤を乳化剤として本調製物に添加してもよい:
− エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルと、直鎖C8〜C22脂肪アルコール、C12〜C22脂肪アルコール、またはアルキル基中に炭素原子を8〜15個含有するアルキルフェノールとの付加生成物、
− エチレンオキシド1〜30モルと、グリセロールとの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル
− 6〜22個の炭素原子を含む飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノ−およびジ−エステルおよびソルビタンモノ−およびジ−エステルおよびそれらのエチレン付加生成物
− エチレンオキシド15〜60モルとヒマシ油および/または水添ヒマシ油との付加生成物
− ポリオールエステルおよび、特に、例えばポリグリセロールポリリシノレート、ポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートまたはポリグリセロールジメレートイソステアレートとの付加生成物、これら数種の化合物の混合物もまた適当である。
− エチレンオキシド2〜15モルとヒマシ油および/または水添ヒマシ油との付加生成物、
− 直鎖、分岐鎖、不飽和または飽和C6/C12脂肪酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸およびグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)に基づく部分エステル、
− モノ−、ジ−およびトリ−アルキルホスフェートおよびモノ−、ジ−およびトリ−PEG−アルキルホスフェートおよびその塩、
− ウールワックスアルコール、
− ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテル共重合体および対応する誘導体、
− ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/またはC6〜22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混合エステル、
− ポリアルキレングリコールおよび
− グリセロールカーボネート。
エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ−およびジ−エステルおよびソルビタンモノ−およびジ−エステルまたはヒマシ油との付加生成物は周知の市販品である。それらは平均アルコキシル化度がエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、反応が行われる基質の量の比に対応する同族体混合物である。エチレンオキシドとグリセロールとの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは化粧品製剤の脂質層エンハンサーとして知られている。好ましい乳化剤を以下に詳述する。
部分グリセリド
適当な部分グリセリドの代表的な例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、および、製造工程からの少量のトリグリセリドを含有していてもよいそれらの工業用混合物である。エチレンオキシド1〜30および好ましくは5〜10モルと上記部分グリセリドとの付加生成物もまた適当である。
ソルビタンエステル
適当なソルビタンエステルは、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタンおよびそれらの工業用混合物である。エチレンオキシド1〜30および好ましくは5〜10モルと上記ソルビタンエステルとの付加生成物もまた適当である。
ポリグリセロールエステル
適当なポリグリセロールエステルの代表的な例は、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標)PGPH)、ポリグリセリン−3−ジイソステアレート(Lameform(登録商標)TGI)、ポリグリセリル−4イソステアレート(Isolan(登録商標)GI34)、ポリグリセリル−3オレエート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3ジイソステアレート(Isolan(登録商標)PDI)、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート(Tego Care(登録商標)450)、ポリグリセリル−3蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル−3セチルエーテル(Chimexane(登録商標)NL)、ポリグリセリル−3ジステアレート(Cremophor(登録商標)GS32)およびポリグリセリルポリリシノレート(Admul(登録商標)WOL1403)、ポリグリセリルジメレートイソステアレート、およびそれらの混合物である。他の適当なポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルであって、場合によりエチレンオキシド1〜30モルと反応したものである。
アニオン性乳化剤
代表的なアニオン性乳化剤は、例えばパルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸などのC12〜22脂肪酸、および例えばアゼライン酸またはセバシン酸などのC12〜22ジカルボン酸である。
両性乳化剤
他の適当な乳化剤は両性または双性イオン性界面活性剤である。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第4級アンモニウム基、および少なくとも1個のカルボキシレート基および1個のスルホネート基を含む界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、例えば、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N−N−ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン(いずれの場合もアルキルもしくはアシル基に8〜18個の炭素原子を有する)、およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートなどの、いわゆるベタインである。コカミドプロピルベタインのCTFA名で知られる脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。両性界面活性剤もまた適当な乳化剤である。両性界面活性剤は、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOH−または−SOH−基を含み、分子内塩を形成し得る界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、アルキル基中に炭素原子を約8〜18個含む、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。
過脂肪剤および粘稠度因子
過脂肪剤は、例えば、ラノリン、レシチン、またポリエトキシレート化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドのような物質から選択してもよく、脂肪酸アルカノールアミドは泡安定剤としても機能する。
主に使用される粘稠度因子は、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を含む脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコールおよび部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質とアルキルオリゴグルコシドおよび/または同じ鎖長の脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組み合わせを用いることが好ましい。
増粘剤およびレオロジー添加剤
適当な増粘剤は、例えばアエロジルグレード(親水性シリカ)、多糖、より具体的にはキサンタンゴム、グアーゴム、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチル−およびヒドロキシプロピルセルロース、また脂肪酸の比較的高分子量分子量ポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopols(登録商標)(Goodrich)またはSynthalenes(登録商標)(Sigma)、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、エトキシ化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール、例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパンとのエステル、狭い範囲の脂肪アルコールエトキシレート、および塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどの電解質である。
ポリマー
適当なカチオン性ポリマーの例には、カチオン性セルロース誘導体、例えば、ポリマーJR400(登録商標)という名でAmerchol社より入手できる四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとの共重合体、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)などの四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、ポリグリコールとアミン化合物との縮合生成物、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat L(登録商標)Gruenau)などの四級化コラーゲンポリペプチド、四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、例えば、アモジメチコンなどのカチオン性シリコーンポリマー、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロライドとの共重合体(Merquat(登録商標)550、Chemviron)、ポリアミノポリアミド、ならびにそれらの架橋水溶性ポリマー、例えば、四級化キトサンなどのカチオン性キチン誘導体、ジハロゲンアルキル(例えばジブロモブタン)とビスジアルキルアミン(例えば、ビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との微結晶分布していてもよい縮合生成物、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16などのカチオン性グアガム、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1などの四級アンモニウム塩ポリマー、およびRheocare(登録商標)CCまたはUltragel(登録商標)300という商品名で市場に出ている様々なポリ四級型のポリマーがある。
適当なアニオン性、双性、両性および非イオン性ポリマーは、例えばビニルアセテート−クロトン酸共重合体、ビニルピロリドン−ビニルアクリレート共重合体、ビニルアセテート−ブチルマレエート−イソボルニルアクリレート共重合体、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体およびそのエステル、未架橋およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド−アクリレート共重合体、オクチルアクリルアミド−メチルメタクリレート−tert−ブチルアミノエチルメタクリレート−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体、ビニルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリレート−ビニルカプロラクタム三元重合体および誘導体化されていてもよいセルロースエーテルおよびシリコーンである。
真珠光沢ワックス
適当な真珠光沢ワックスは、例えばアルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にココ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;ヒドロキシ置換されていてもよいポリ塩基カルボン酸と6〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネートなどの、いずれも少なくとも24個の炭素原子を含む脂肪化合物、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸などの脂肪酸、12〜22個の炭素原子を含むオレフィンエポキシドと12〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールとの開環生成物および/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を含むポリオールとの開環生成物およびこれらの混物である。
シリコーン
適当なシリコーン化合物は、例えば、室温で液体および樹脂様であり得るジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンおよびアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル変性シリコーン化合物である。他の適当なシリコーン化合物は平均鎖長がジメチルシロキサン単位200〜300個のジメチコーンと水添シリケートとの混合物であるシメチコーンである。適当な揮発性シリコーンの概略の詳細は、Todd等Cosm.Toil.91,27(1976)で見つけることができる。
ワックスおよび安定剤
使用される天然油の他に、ワックスが製剤中に存在していてもよい。より具体的には、例えばキャンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、ライスオイルワックス、シュガーケインワックス、オーリキュリーワックス、モンタンワックス、蜜蝋、シェラックワックス、スペルマセティ、ラノリン(ウールワックス)、尾脂、セレシン、オゾケライト(アースワックス)、ペトロラクタム、パラフィンワックスおよびマイクロワックスなどの天然ワックス;例えばモンタンエステルワックス、サソールワックス、水添ホホバワックスなどの化学修飾ワックス(ハードワックス)、および、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどの合成ワックスである。
例えば、ステアリン酸マグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛またはリシノール酸マグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛などの脂肪酸の金属塩を安定剤として用いてもよい。
第1の日焼け防止ファクター
本発明の文脈における第1の日焼け防止ファクターは、例えば、室温で液体または結晶であり、紫外線放射を吸収することができ、吸収したエネルギーを例えば熱などの長波長放射の形で放出することができる有機物質(光フィルタ)である。
本発明の調製物は、少なくとも1つのUV−Aフィルタおよび/または少なくとも1つのUV−Bフィルタおよび/または広帯域フィルタおよび/または少なくとも1種の無機顔料を有利に含む。より具体的には、本発明の調製物は好ましくは少なくとも1つのUV−Bフィルタまたは広帯域フィルタ、特により好ましくは少なくとも1つのUV−Aフィルタおよび少なくとも1つのUV−Bフィルタを含む。
本発明の好ましい化粧品組成物、好ましくは局所用製剤は、4−アミノ安息香酸および誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3−イミダゾール−4−イルアクリル酸およびそのエステル、ベンゾフラン誘導体、ベンジリデンマロネート誘導体、1個以上のオルガノシリコン基を含む高分子UV吸収剤、桂皮酸誘導体、ショウノウ誘導体、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、2−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体およびその塩、アントラニル酸メンチルエステル、ベンゾトリアゾール誘導体およびインドール誘導体から成る群から選択される、1つ、2つ、3つ以上の日焼け防止ファクターを含む。
さらに、式(I)の化合物を、皮膚に浸透し、日光誘発の損傷から皮膚細胞を内部から保護し、皮膚マトリックスメタロプロテアーゼのレベルを低下させる活性成分と組み合わせることが有利である。好ましい各成分、いわゆるアリール炭化水素受容体アンタゴニストは、国際公開第2007/128723号に記載されている(参照によりここに組み込まれる)。2−ベンジリデン−5,6−ジメトキシ−3,3−ジメチルインダン−1−オンが好ましい。
本発明において用い得る下記UVフィルタが好ましいが、当然ながらこれらに限定されるものではない。
好ましく用いられるUVフィルタは以下の群から選択される。
− p−アミノ安息香酸
− p−アミノ安息香酸エチルエステル(25mol)(エトキシ化、INCI名:PEG−25PABA)
− p−ジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルエステル
− p−アミノ安息香酸エチルエステル(N−プロポキシ化度:2mol)
− p−アミノ安息香酸グリセロールエステル
− サリチル酸ホモメンチルエステル(ホモサレート)(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
− サリチル酸2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)
− トリエタノールアミンサリチレート
− 4−イソプロピルべンジルサリチレート
− アントラニル酸メンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
− ジイソプロピル桂皮酸エチルエステル
− p−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
− ジイソプロピル桂皮酸メチルエステル
− p−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標)E 1000)
− p−メトキシ桂皮酸ジエタノールアミン塩
− p−メトキシ桂皮酸イソプロピルエステル
− 2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸おおびその塩(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
− 3−(4’−トリメチルアンモニウム)ベンジリデンボルナン−2−オンメチルサルフェート
− β−イミダゾール−4(5)−アクリル酸(ウロカニン酸)
− 3−(4’−スルホ)ベンジリデンボルナン−2−オンおよびその塩
− 3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)
− 3−ベンジリデン−D,L−カンファー
− N−[(2および4)−[2−(オキソボロン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
− 4,4’−[(6−[4−(1,1−ジメチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス−(安息香酸−2−エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)
− ベンジリデンマロネートポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
− ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル
− ジプロピレングリコールサリチレート、
− トリス(2−エチルヘキシル)−4,4’−4’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリルトリイミノ)トリベンゾエート(=2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン)(Uvinul(登録商標)T150)
本発明の調製物において、1つ以上の式(I)の化合物と組み合わせて用いられる広帯域フィルタは、以下の群から選択される。
− 2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)
− エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート
− 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)
− 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸
− ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
− 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
− テトラヒドロキシベンゾフェノン
− 2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン
− 2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン
− 2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン
− ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム
− 2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノン二ナトリウム
− フェノール,2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)オキシ)ジシロキサニル)プロピル(Mexoryl(登録商標)XL)
− 2,2’−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(Tinosorb(登録商標)M)
− 2,4−ビス−[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシフェニル]−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
− 2,4−ビス−[{(4−(3−スルホナト)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンナトリウム塩
− 2,4−ビス−[{(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−メトキシエチルカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス−[{4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−[4−(2−エチルカルボキシル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(1−メチルピロール−2−イル)−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス−[{(4−トリス(トリメチルシロキシシリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス−[{4−(2’’−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
− 2,4−ビス−[{4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルシロキシ−2’’−メチルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ}フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン。
本発明の調製物において、1つ以上の式(I)の化合物と組み合わせて用いられるUV−Aフィルタは、以下の群から選択される。
− 4−イソプロピルジベンゾイルメタン
− テレフタリリデン−ジボルナンスルホン酸および塩(Mexoryl(登録商標)SX)
− 4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(アボベンゾン)/(Neo Heliopan(登録商標)357)
− フェニレンビス−ベンゾイミダジル−テトラスルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
− 2,2’−(1,4−フェニレン)−ビス−(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)一ナトリウム塩
− 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸へキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)
− ドイツ特許出願第1005940号明細書(国際公開第2002/038537号)に従うインダニリデン化合物。
本発明の調製物において、1つ以上の式(I)の化合物と組み合わせて用いられるUVフィルタは、以下の群から選択される。
− p−アミノ安息香酸
− 3−(4’−トリメチルアンモニウム)−ベンジリデン−ボルナン−2−オン硫酸メチル
− サリチル酸ホモメンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)
− 2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)
− 2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)
− テレフタリリデン−ジボルナンスルホン酸および塩(Mexoryl(登録商標)SX)
− 4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Neo Heliopan(登録商標)357)
− 3−(4’−スルホ)ベンジリデン−ボルナン−2−オンおよび塩
− 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(Neo Heliopan(登録商標)303)
− N−[(2および4)−[2−(オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドポリマー
− p−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)
− p−アミノ安息香酸エチル(25モル)(エトキシ化)(INCI名:PEG−25 PABA)
− p−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)
− 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)
− フェノール,2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリル)−オキシ)ジシロキシアニル)プロピル)(Mexoryl(登録商標)XL)
− 4,4’−[(6−[4−(1,1−ジメチル)−アミノカルボニル)−フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)−ジイミノ]−ビス−(安息香酸2−エチルヘキシルエステル)UvasorbHEB)
− 3−(4’−メチルベンジリデン)−D,L−カンファー(Neo Helipan(登録商標)MBC)
− 3−ベンジリデンカンファー
− サリチル酸2−エチルヘキシルエステル(Neo Helipan(登録商標)OS)
− 4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル(Padimate O)
− ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびNa塩
− 2,2’−メチレンビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(Tinosorb(登録商標)M)
− フェニレン−ビス−ベンゾイミダジル−四スルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)
− 2,4−ビス−[{(4−(2−エチル−へキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(Tinosorb(登録商標)S)
− ベンジリデンマロン酸ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)
− アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)
− 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)
− ドイツ特許出願第10055940号明細書(国際公開第02/38537号)に従うインダニリデン化合物。
第2の日焼け防止ファクター
有利な第1および第2の日焼け防止ファクターは国際公開第2005/123101号にも言及されている。有利には、これらの調製物は少なくとも1つのUV−Aフィルタおよび/または少なくとも1つのUV−Bフィルタおよび/少なくとも1つの無機顔料を含む。本調製物は日焼け防止製剤に従来使用される種々の形態で存在してもよい。従って、本調製物は溶液、油中水型(W/O)または水中油型(О/W)のエマルション、多層エマルション、例えば水中油中水型(W/O/W)のエマルション、ゲル、固体スティックまたはエアロゾルなどの様々な形態で存在してもよい。
さらに好ましい実施形態では、本発明の調製物は、本発明の調製物が2以上(好ましくは5以上)の光防護指数を有するような総量で、日焼け止め剤、すなわち特にUVフィルタおよび/または無機顔料(UV−フィルタリング顔料)を含有する。本発明のこのような製剤は、特に皮膚および髪を保護するために好適である。
上述の第1の日焼け防止ファクターの群の他に、抗酸化剤型の第2の日焼け防止ファクターを使用してもよい。抗酸化剤型の第2の日焼け防止ファクターは、紫外線が皮膚に浸入すると開始する光化学反応の連鎖を遮断する。代表的な例は、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびこれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸とその誘導体、リポ酸とその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、α−リノレイル、コレステリルおよびこれらのグリセリルエステル)、並びにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)および混合しても化学反応を起こさない非常に低い用量の、スルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタチオニンスルホキシイミン)であり、また(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびこれらの誘導体、不飽和脂肪酸とその誘導体(例えばリノール酸、オレイン酸)、葉酸とその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびこれらの誘導体、ビタミンCとその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールとその誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAとその誘導体(ビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸とその誘導体、グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤ樹脂酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸とその誘導体、マンノースとその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、二酸化チタン(例えばエタノール中の分散液)、亜鉛とその誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンとその誘導体(例えばセレニウムメチオニン)、スチルベンとその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランススチルベンオキシド)および本発明の目的に適したこれらの活性物質の誘導体である(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)。
有利な無機の第2日焼け防止顔料は、国際公開第2005/123101号でも言及されている微細に分散した金属酸化物と金属塩である。本発明の最終的な化粧品における無機顔料、特に疎水性の無機マイクロ顔料の合計量は有利には、各場合において製剤の全重量に対して0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10.0重量%である。
また、微粒子状の紫外線フィルタまたは無機顔料(場合により疎水化されていてもよい)を使用することも好ましく、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(Fe)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化マンガン(例えばMnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化セリウム(例えばCe)、および/またはこれらの混合物を使用し得る。
アンチエイジング剤
本発明の文脈において、アンチエイジング剤または生体物質とは、例えば、抗酸化剤、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)、肌保湿剤、グリコサミングリカン刺激剤、抗炎症薬、TRPV1アンタゴニスト、および植物抽出物である。
抗酸化剤
アミノ酸(好ましくはグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびこれらの誘導体、イミダゾール(好ましくはウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、好ましくはD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびこれらの誘導体(好ましくはアンセリン)、カルニチン、クレアチン、マトリキンペプチド(好ましくはリシル−トレオニル−トレオニル−リシル−セリン)およびパルミトイル化されたペンタペプチド、カロテノイド、カロテン(好ましくはα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびこれらの誘導体、リポ酸およびその誘導体(好ましくはジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(好ましくはチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、およびグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル、グリセリルおよびこれらのオリゴグリセリルエステル)、並びにこれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸とその誘導体(好ましくはエステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、非常に僅かな許容量(例えばpmol〜μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(好ましくはブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、また(金属)キレート剤(好ましくはα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α−ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、タンニン、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびこれらの誘導体)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびその誘導体、ユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(好ましくはアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート、アスコルビルグルコシド)、トコフェロールとその誘導体(好ましくはビタミンEアセテート)、ビタミンAとその誘導体(ビタミンAパルミテート)およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、フラボノイドおよびそのグリコシル化誘導体、特にケルセチンおよびその誘導体、好ましくはα−グルコシルルチン、ローズマリー酸、カルノソール、カルノソール酸、レスベラトロール、コーヒー酸およびその誘導体、シナピン酸およびその誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、クルクミノイド、クロロゲン酸およびその誘導体、レチノイド、好ましくはレチニルパルミテート、レチノールまたはトレチノイン、ウルソール酸、レブリン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(好ましくはZnO、ZnSO)、セレニウムおよびその誘導体(好ましくはセレニウムメチオニン)、スーパーオキシドジスムターゼ、スチルベンおよびその誘導体(好ましくは酸化スチルベン、トランス酸化スチルベン)、および本発明に適した上記列挙した活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、および脂質)、または抗酸化作用を有する植物(好ましくは緑茶、ルイボス、ハニーブッシュ、ブドウ、ローズマリー、セージ、メリッサ、タイム、ラベンダー、オリーブ、オート麦、ココア、イチョウ、薬用ニンジン、カンゾウ、スイカズラ、エンジュ、葛根、マツ、ミカン、ユカン、フィランサスエンブリカまたはセイヨウオトギリ、ブドウの種、小麦胚芽の抽出物または留分、コエンザイム、好ましくはコエンザイムQ10、プラストキノンおよびメナキノン。好ましい抗酸化剤は、ビタミンAおよびその誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体(好ましくはトコフェリルアセテート)、およびユビキノンから成る群から選択される。
マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤(MMPI)
好ましい組成物は、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤を含有し、これらは特に、コラーゲンを酵素的に切断するマトリックスメタロプロテアーゼを阻害するものであり、以下のものから成る群から選択される:ウルソール酸、レチニルパルミテート、プロピルガレート、プレコセン、6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−1(2H)−ベンゾピラン、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−7−メトキシ−2,2−ジメチル−1(2H)−ベンゾピラン、ベンズアミジンヒドロクロリド、システインプロテアーゼ阻害剤であるN−エチルマレイミド、およびセリンプロテアーゼ阻害剤であるε−アミノ−n−カプロン酸、フェニルメチルスルホニルフルオリド、コルヒビン(Pentapharm社、INCI:加水分解米タンパク質)、エノテロール(Soliance社、INCI:プロピレングリコール、水、マツヨイグサ根抽出物、エラグ酸、およびエラジタンニン、例えばザクロ由来のもの)、ホスホアミドンヒノキチオール、EDTA、ガラルジン、EquiStat(Collaborative Group社、リンゴ果実抽出物、大豆種抽出物、ウルソール酸、大豆イソフラボンおよび大豆タンパク質)、セージ抽出物、MDI(Atrium社、INCI:グリコサミノグリカン)、fermiskin(Silab/Mawi社、水およびシイタケ抽出物)、actimp1.9.3(Expanscience/Rahn、INCI:加水分解ルピナスタンパク質)、リポベルソーヤグリコン(Mibelle社、INCI:アルコール、ポリソルベート80、レシチンおよび大豆イソフラボン)、緑茶と紅茶からの抽出物、さらに国際公開第02/069992号に記載された植物抽出物(表1〜12参照、この内容は参照により本明細書に組み込まれる)、大豆由来のタンパク質または糖タンパク質、米、エンドウまたはルピナス由来の加水分解タンパク質、MMPを阻害する植物抽出物、シイタケキノコ由来の抽出物、バラ科、バラ亜科の葉由来の抽出物、極めて特に好ましくはブラックベリーの葉由来の抽出物(好ましくは国際公開第2005/123101号に記載のもの、この内容は参照により本明細書に組み込まれる)、例えばSymMatrix(Symrise社、INCI:マルトデキストリン、Rubus Fruticosus(ブラックベリー)の葉抽出物)。好ましい活性物質は、レチニルパルミテート、ウルソール酸、バラ科の葉由来の抽出物、バラ亜科の葉由来の抽出物、ゲニステイン、およびダイゼインから成る群から選択される。
皮膚保湿剤
好ましい皮膚保湿剤は、3〜12個の炭素原子を含むアルカンジオールまたはアルカントリオール、好ましくはC3〜C10アルカンジオールおよびC3〜C10アルカントリオールから成る群から選択される。皮膚保湿剤はより好ましくは、グリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールおよび1,2−デカンジオールから成る群から選択される。
グルコサミノグリカン刺激剤
好ましい組成物は、以下から成る群から選択されるグリコサミノグリカンの合成を刺激する物質を含む:ヒアルロン酸およびその誘導体若しくは塩、Subliskin(Sederma社、INCI:シノリゾビウムメリロティ発酵物濾過体、セチルヒドロキシエチルセルロース、レシチン)、Hylufix(BASF社、INCI:水、ブチレングリコール、ナンキョウソウの葉抽出物、キサンタンガム、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、Stimuhyal(Soliance社、INCI:カルシウムケトグルコネート)、Syn−Glycan(DSM社、INCI:テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアトリフルオロアセテート、グリセリン、塩化マグネシウム)、Kalpariane(Biotec Marine社)、DC Upregulex(Distinctive Cosmetic Ingredients社、INCI:水、ブチレングリコール、リン脂質、加水分解セリシン)、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、レチノイド、好ましくはレチノールおよびビタミンA、ゴボウの実抽出液、ビワ抽出液、ゲンクワニン、N−メチル−L−セリン、(−)−α−ビサボロールまたは合成α−ビサボロール、例えばSymrise社のDragosantolとDragosantol 100、およびオーツグルカン、ムラサキバレンギク抽出物、および大豆タンパク質加水分解物。好ましい活性物質は、ヒアルロン酸とその誘導体若しくは塩、レチノールとその誘導体、(−)−α−ビサボロール、または合成α−ビサボロール、例えばSymrise社のDragosantolとDragosantol 100、オーツグルカン、ムラサキバレンギク抽出物、シノリゾビウムメリロティ発酵物濾過体、カルシウムケトグルコネート、ナンキョウソウ葉抽出物、およびテトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアトリフルオロアセテートからなる群から選択される。
抗炎症剤
本組成物は、抗炎症剤および/または赤みおよび/または痒み改善成分を含有してもよく、特にヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはメチルコルチゾンから成る群から選択されるコルチコステロイド型のステロイド物質は、抗炎症性活性成分として、または発赤と痒みを軽減するための活性成分として有利に使用され、これらの例には他のステロイド性抗炎症剤を加えることもできる。非ステロイド系の抗炎症薬も使用することができる。本明細書中で挙げることができる例は、オキシカム(例えばピロキシカム若しくはテノキシカム)、サリチレート(例えばアスピリン、ジサリシド、ソルプリン若しくはフェンドサール)、酢酸誘導体(例えばジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、若しくはクリンダナク)、フェナメート(例えばメフェナミック、メクロフェナミック、フルフェナミック、若しくはニフルミック)、プロピオン酸誘導体(例えばイブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン)、またはピラゾール(例えばフェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾン、若しくはアザプロパゾン)である。アントラニル酸誘導体(特に国際公開第2004/047833号に記載のアベナンスラミド)は、本発明の組成物において、好ましい抗痒み成分である。
天然の若しくは天然由来の、抗炎症性物質の混合物、または赤みおよび/または痒みを軽減する物質の混合物も有用であり、それは特に以下のものからの抽出物または蒸留物である:カモミール、アロエベラ、モツヤクジュ、アカネ、ヤナギ、ヤナギハーブ、オート麦、キンセンカ、アルニカ、オトギリソウ、スイカズラ、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガ、およびエキナセア。好ましいのは、以下の群から選択される抽出物または留分である:カモミール、アロエベラ、オート麦、キンセンカ、アルニカ、スイカズラ、ローズマリー、マンサク、ショウガまたはエキナシア、および/または純粋物質、好ましくはα−ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン−7−グルコシド、ジンゲロール、ショウガオール、ジンジャージオール、デヒドロジンジャージオン、パラドール、天然の若しくは天然由来のアベナンスラミド(好ましくはトラニラスト、アベナンスラミドA、アベナンスラミドB、アベナンスラミドC)、非天然の若しくは非天然由来のアベナンスラミド(好ましくはジヒドロアベナンスラミドD、ジヒドロアベナンスラミドE、アベナンスラミドD、アベナンスラミドE、アベナンスラミドF、ボスウェル酸、フィトステロール、グリシリジンおよびリコカルコンA。好ましくは(国際公開第2004/047833号に記載の)以下の群から選択される:α−ビサボロール、天然アベナンスラミド、非天然のアベナンスラミド(好ましくはジヒドロアベナンスラミドD)、ボスウェリン酸、フィトステロール、グリシリジン、およびリコカルコンA、および/またはアラントイン、パンテノール、ラノリン、(疑似)セラミド[好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N−(1−ヘキサデカノイル)−4−ヒドロキシ−L−プロリン(1−ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド]、グリコスフィンゴリピド、フィトステロール、キトサン、マンノース、ラクトースおよびβ−グルカン、特にオート麦由来の1,3−1,4−β−グルカン。
TRPV1アンタゴニスト
TRPV1アンタゴニストとしての作用に基づき皮膚神経の過敏性を減少させる適当な化合物には、例えば、国際公開第2009/087242号に記載のトランス−4−tert−ブチルシクロヘキサノール、またはマイクロ受容体の活性化によるTRPV1の間接的なモジュレーター、例えばアセチルテトラペプチド−15が好ましい。
植物抽出物
本発明は、種々の植物の抽出物、例えば、イチョウ(Ginkgo biloba)、オリーブの木(Oleacea europensis)、スペインカンゾウ(Glyzyrrhiza glabra)、セイヨウスノキ(Vaccinium myrtillus)、ムラサキツメクサ(Trifolium pratense)、ライチ(Litchi sinensis)、ブドウ属(Vitis)、ヨーロッパブドウ(vinifera)、ヤセイカンラン(Brassica oleracea)、ザクロ(Punica granatum)、パセリ(Petroselinium crispum)、ツボクサ(Centella asiatica)、チャボトケイソウ(Passiflora incarnata)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、レモンバーム(Melissa officinalis)、セイヨウカノコソウ(Valeriana officinalis)、ヨーロッパグリ(Castanea sativa)、ヤナギ(Salix alba)およびライオンゴロシ(Hapagophytum procumbens)などを含んでもよい。
冷却剤
また本組成物は、生理学的な冷却効果を有する物質(冷却剤)を1種以上含有してもよく、これは好ましくは以下のリストから選択されるものである:メントールおよびその誘導体(例えばL−メントール、D−メントール、ラセミ体のメントール、イソメントール、ネオイソメントール、ネオメントール)、メンチルエーテル(例えば(l−メントキシ)−1,2−プロパンジオール、(l−メントキシ)−2−メンチル−1,2−プロパンジオール、l−メンチルメチルエーテル)、メンチルエステル(例えばメンチルホルメート、メンチルアセテート、メンチルイソブチレート、メンチルアセテート、L−メンチル−L−ラクテート、L−メンチル−D−ラクテート、メンチル−(2−メトキシ)アセテート、メンチル−(2−メトキシエトキシ)アセテート、メンチルピログルタメート)、メンチルカーボネート(例えばメンチルプロピレングリコールカーボネート、メンチルエチレングリコールカーボネート、メンチルグリセロールカーボネート若しくはこれらの混合物)、メントールとジカルボン酸若しくはその誘導体とのセミエステル(例えばコハク酸モノメンチル、マロン酸モノメンチル、O−メンチルコハク酸エステル−N,N−(ジメチル)アミド、O−メンチルコハク酸エステルアミド)、メンタンカルボン酸アミド(この場合、:US4,150,052に記載のメンタンカルボン酸−N−エチルアミド[WS3]またはNα−(メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル[WS5]が好ましい)、メンタンカルボン酸−N−(4−シアノフェニル)アミドまたは国際公開第2005/049553号に記載のメンタンカルボン酸−N−(4−シアノメチルフェニル)アミドまたはメタンカルボン酸−N−(アルコキシアルキル)アミド)、メントンおよびメントン誘導体(例えばL−メントングリセロールケタール)、2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)酪酸誘導体(例えば2,3−ジメチル−2−(2−プロピル)酪酸−N−メチルアミド[WS23])、イソプレゴールまたはそのエステル(l−(−)−イソプレゴール、l−(−)−イソプレゴールアセテート)、メンタン誘導体(例えばp−メンタン−3,8−ジオール)、クベボール、合成若しくは天然のクベボール含有混合物、シクロアルキルジオン誘導体のピロリドン誘導体(例えば3−メチル−2(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン)またはテトラヒドロピリミジン−2−オン(例えば国際公開第2004/026840号に記載のイシリンまたはその関連化合物)、さらなるカルボキサミド(例えばN−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−3−p−メンタンカルボキサミドまたはその関連化合物)、(1R,2S,5R)−N−(4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−(1−イソプロピル)シクロヘキサンカルボキサミド[WS12]、オキサメート(好ましくは欧州特許出願第2033688号に記載のもの)。
抗菌剤
適当な抗菌剤は原則的に、グラム陽性菌に対して有効なあらゆる物質であり、それは例えば、4−ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メトキシエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌性芳香剤、チモール、タイム油、オイゲノール、クローブ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸N−アルキルアミド(例えばn−オクチルサリチルアミド、若しくはn−デシルサリチルアミド)である。
酵素阻害剤
適当な酵素阻害剤は例えば、エステラーゼ阻害剤である。これらは好ましくは、トリアルキルシトレート、例えばトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレートおよび、特に、トリエチルシトレートである(Hydagen CAT)。これらの物質は酵素活性を阻害し、これによって匂いの形成が低下させる。適当なエステラーゼ阻害剤である他の物質は、ステロールサルフェートまたはホスフェートであり、それは例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールサルフェートまたはホスフェート、ジカルボン酸およびそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸、アジピン酸モノエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸およびマロン酸ジエチル、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチル、およびグリシン酸亜鉛である。
臭気吸収剤および制汗活性成分
適当な臭気吸収剤とは、臭気形成化合物を吸収し、その大部分を保持可能な物質である。臭気吸収剤は各成分の分圧を低下させ、これにより各成分の拡散速度を減少させる。この過程において、香料が損なわれずにいることが重要である。臭気吸収剤は細菌に対しては効果的ではない。臭気吸収剤は例えば、主成分として、リシノール酸の亜鉛錯塩、または、当業者には「定着剤」として知られる、ほとんど匂いがない特定の香料を含有し、それは例えば、ラブダナムからの抽出物、またはスチラックス、または特定のアビエチン酸誘導体である。臭気マスキング剤とは、臭気マスキング剤としての作用に加えて、消臭剤にそれぞれの香調をもたらす香料または香油である。香油として挙げられるのは例えば、天然香料と合成香料の混合物である。天然香料は、花、幹並びに葉、果実、果皮、根、木材、香草並びに草、棘並びに枝、および樹脂並びにバルサムからの抽出物である。適当なのはまた、動物性製品、例えばシベットおよびカストリウムである。代表的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、および型の生成物である。エステル型の香料化合物は、例えば、ベンジルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートである。エーテルには例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナールが含まれ、ケトンには例えば、イオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれ、炭化水素には主に、テルペンとバルサムが含まれる。しかしながら、種々の香料の混合物(これらが一緒になって心地よい香調を作り出す)を用いるのが好ましい。主に芳香成分として使用される揮発性が比較的低い精油も、香油として適当であり、それは例えば、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモンリーフオイル、シナノキの花の油、セイヨウネズ果実油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油およびラバンジン油である。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデライス、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール、ラバンジン油、クラリセージ油、β−ダマスコン、ゼラニウムブルボン油、シクロヘキシルサリチレート、ベルトフィックスクール、イソ−E−スーパー、フィクソリドNP、エベルニル、イラルデイン−γ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミレート、イロチルおよびフロラメートを単独で、または混合物で用いることが好ましい。
適当な収斂性の制汗活性物質は、アルミニウム、ジルコニウム、または亜鉛の第一級塩である。このような汗を防止する適当な制汗活性成分は例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロ水和物、アルミニウムジクロロ水和物、アルミニウムセスキクロロ水和物およびこれらの錯体化合物(例えば1,2−プロピレングリコールとの錯体化合物)、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、塩化アルミニウムタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムテトラクロロ水和物、アルミニウムジルコニウムペンタクロロ水和物およびこれらの錯体化合物(例えばアミノ酸(例えばグリシン)との錯体化合物)である。
被膜形成剤、フケ防止剤
標準的な被膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶性キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、アクリル酸系ポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびこれらの塩並びに類似化合物である。
適当なフケ防止剤は、Pirocton Olamin(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(Climbazole)、Ketoconazol(登録商標)(4−アセチル−1−{4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)r−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキシラン−c−4−イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化サレン、コロイド状硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール蒸留物、サリチル酸(またはヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミドスルホコハク酸Na塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質−ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン、およびマグネシウムピリチオンージピリチオンマグネシウム硫酸塩である。
担体およびハイドロトロープ
好ましい化粧品担体材料は、25℃、1013mabrで固体状または液状であり(高粘度物質を含む)、それは例えばグリセロール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、水、並びに前記液状担体材料2種以上と、水との混合物である。本発明のこれらの製剤は任意に、保存料または可溶化剤を用いて作ることができる。本発明による調製物の成分となり得る他の好ましい液状担体物質は、油、例えば植物油、中性油、および鉱油から成る群から選択される。
本発明の調製物の成分となり得る好ましい固体担体材料は、親水コロイド、例えばデンプン、分解デンプン、化学的若しくは物理的に変性されたデンプン、デキストリン、(粉末状)マルトデキストリン(好ましくはデキストロース等量が2〜20、好ましくは10〜20のもの)、ラクトース、二酸化ケイ素、グルコース、変性セルロース、アラビアガム、ガティガム、トラガント、カラヤ、カラギナン、プルラン、カードラン、キサンタンガム、ゲランガム、グアール粉、キャロブ豆粉、アルギネート、寒天、ペクチンおよびイヌリンおよびこれらの固体2種以上の混合物、特にマルトデキストリン(好ましくはデキストロース等量が15〜20のもの)、ラクトース、二酸化ケイ素、および/またはグルコースである。
さらに、ハイドロトロープ(例えばエタノール、イソプロピルアルコール、若しくはポリオール)を流動性改善のために使用してもよい。適当なポリオールは好ましくは、炭素原子を2〜15個、およびヒドロキシル基を少なくとも2個含む。ポリオールは他の官能基、特にアミノ基を含んでいてもよく、窒素で変性されていてよい。その代表的な例は、
− グリセロール
− アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および平均分子量が100〜1000ダルトンであるポリエチレングリコール、
− 自己縮合度が1.5〜10である工業用オリゴグリセリン混合物、例えばジグリセリロール含量が40〜50重量%の工業用ジグリセロール混合物
− メチロール化合物、例えば特に、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、およびジペンタエリスリトール、
− 低級アルキルグルコシド、特にアルキル基中に炭素原子を1〜8個有するもの、例えばメチルグルコシドおよびブチルグルコシド、
− 5〜12個の炭素原子を含有する糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール、
− 5〜12個の炭素原子を含有する糖、例えばグルコースまたはスクロース、
− アミノ糖、例えばグルカミン、
− ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノプロパン−1,3−ジオール
である。
防腐剤
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびKosmetikverordnung(「Cosmetics Directive」)の付属書6、パートAおよびパートBで挙げられた他の化合物群である。
香油および香料
適当な香油は、天然および合成の香料の混合物である。天然香料にとしては、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、橙花、イランイラン)からの抽出物、幹と葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゲリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アヤメ、ショウブ)、木材(マツ、ビャクダン、グアヤクウッド、シダーウッド、シタン)、薬草と草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナックス)である。動物性原料、例えばシベットとビーバーも使用できる。代表的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素類の生成物である。エステル型の香料化合物としては、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリチレートが挙げられる。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8〜18の炭素原子を含有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナールである。適当なケトンの例は、イオノン、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンである。適当なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素に挙げられるのは主に、テルペンとバルサムである。しかしながら、ともに調和的な香りをもたらす異なる香料化合物の混合物を使用するのが好ましい。他の適当な香油は、比較的揮発性が低い精油であり、これはたいてい芳香成分として用いられる。その例はセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリ−油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバム油、ラダナム油およびラバンジン油である。以下のものを単独でまたは混合物の形で使用するのが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサンブレン・フォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデライス、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール、ラバンジン油、サルビア油、ダマスコン、ゼラニウムブルボン油、シクロヘキシルサリチレート、ヴェルトフィックスクール、イソ−E−スーパー、フィクソリドNP、エヴェルニル、イラルデイン−γ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキサイド、ロミレート、イロチルおよびフロラマート。
染料
適当な染料は、化粧品目的のために適し、また認められている任意の物質であり、例えば「Farbstoff−kommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft」という刊行物(Verlag Chemie,Weinheim,1984年)の「Kosmetische Faerbemittel」、第81〜106頁に挙げられている。例としては、コチニールレッド(C.I.16255)、パテントブルーV(C.I.42051)、インディゴチン(C.I.73015)、クロロフィリン(C.I.75810)、キノリンイエロー(C.I.47005)、二酸化チタン(C.I.77891)、インダントレンブルーRS(C.I.69800)およびマダーレーキ(C.I.58000)が挙げられる。ルミノールもまた、発光性着色剤として存在していてもよい。有利な着色顔料は例えば、二酸化チタン、雲母、酸化鉄(例えばFe、Fe、FeO(OH))および/または酸化スズである。有利な染料は例えば、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルーおよび/またはマンガンバイオレットである。
製剤
本発明の好ましい組成物は、治療用、保護用、ケア用、毛髪および/または皮膚の洗浄用の製品、またはメイクアップ化粧品としての製品、好ましくはリーブオン製品(つまり、洗い流し製品と比較して、1種以上の式(I)の化合物が皮膚および/または毛髪に長時間留まることにより、その保湿および/またはアンチエイジングおよび/または傷の治癒促進作用がより顕著である)としてのこれらの製品から選択される。
本発明の調製物は好ましくは、エマルション形態、例えばW/O(油中水型)、O/W型(水中油型)、W/O/W型(水中油中水型)、O/W/O型(油中水中油型)のエマルション、PITエマルション、ピッカリングエマルション、低油分エマルション、マイクロ−またはナノエマルション、溶液形態(例えば油中(脂肪油若しくは脂肪酸エステル、特にC6〜C32脂肪酸、C2〜C30エステル)、またはシリコーン油中の溶液)、製造法と成分に応じて、分散液、懸濁液、クリーム、ローションまたは乳液といった形態、ゲル(水性ゲル、水性分散ゲル、オレオゲルを含む)、スプレー(例えばポンプ式スプレー、もしくは噴射剤を有するスプレー)、フォーム、または化粧品拭き取り用の含浸液、洗剤(例えばセッケン)、合成洗剤、液体洗浄用、シャワー用、製剤、浴用製品(カプセル、オイル、タブレット、ソルト、バスソルト、セッケンなど)、発泡製剤、スキンケア製品、例えばエマルション(前述の通り)、軟膏、ペースト、ゲル(前述の通り)、オイル、バルサム、セラム、粉末(例えば顔用粉末、身体用粉末)、マスク、ペンシル、スティック、ロールオン、ポンプ、エアロゾル(泡状、非泡状または後発泡性)、消臭剤、および/または制汗剤、口内洗浄剤、洗口液、足用ケア用品(角質溶解剤、消臭剤)、昆虫忌避剤、日焼け止め、日焼けケア剤、ヒゲ剃り用品、アフターシェーブバーム、プリシェーブローション、アフターシェーブローション、脱毛剤、ヘアケア用品、例えばシャンプー(2液一体型シャンプー、フケ防止シャンプー、ベビーシャンプー、頭皮用シャンプー、濃縮シャンプーを含む)、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアウォーター、ヘアリンス、スタイリングクリーム、ポマード、パーマセットローション、ヘアスプレー、スタイリング助剤(例えばゲルまたはワックス)、髪を滑らかにする薬剤(絡み防止剤、リラクサ)、髪染め、例えば一時的な直接染髪剤、半永久的な染髪剤、永久的な染髪剤、ヘアコンディショナー、ヘアムース、目のケア用品、メイクアップ製品、メイクアップリムーバーまたはベビー製品の形態である。
本発明の調製物は、特に好ましくはエマルション形態(特にW/O、O/W、W/O/W、O/W/Oのエマルションの形態)、PITエマルション、ピッカリングエマルション、低油分エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション、ゲル(水性ゲル、水性分散ゲル、オレオゲルを含む)、溶液(例えば油中(脂肪油若しくは脂肪酸エステル、特にC6〜C32脂肪酸、C2〜C30エステル)またはシリコーン油中の溶液)、またはスプレー(例えばポンプ式スプレー、若しくは噴射剤を有するスプレー)である。
補助物質と添加剤は、製剤の総重量に対して5〜99重量%、好ましくは10〜80重量%の量で含まれていてよい。それぞれの場合において、使用される化粧品用もしくは外皮用の助剤および添加剤および香料の量は、当業者が、特定の製品の性質に基づき簡単な試行錯誤によって、容易に特定することができる。
本調製物は、水を調製物の総重量に対して最大99重量%、好ましくは5〜80重量%の量で含有することもできる。
食品組成物
本発明の別の課題は、本発明による安定した味および/または匂いを有する組成物を含む食品組成物を提供することである。
本発明の食品組成物は、消化に適しており、かつ栄養または嗜好目的で使用される調製物または組成物であって、一般にヒトまたは動物の口腔に投与され、一定時間口腔内に滞留し、その後消費される(例えば、すぐに摂取可能な食料品または飼料、以下も参照のこと)または再び口腔から取り出される(例えば、チューインガム)ことが意図された製品である。そのような製品には、加工された状態、部分的に加工された状態または未加工の状態で、ヒトまたは動物により摂取される物質または製品が含まれる。それらはまた、その製造、調製または処理の間に口腔消耗製品に添加される物質であり、ヒトまたは動物の口腔に投与されることが意図される物質を含む。
本発明の食品組成物は、そのままの状態、処理または調製された状態でヒトまたは動物によって飲み込まれ、次いで消化される物質を含む。これに関して、本発明の口腔消耗製品は、同時に飲み込まれるか、または飲み込まれることが予想されるケーシング、コーティングまたは他の封入物質も含む。用語「口腔消耗製品」には、そのまま摂取可能な食料品および飼料、すなわち味に重要な物質に関して既に完全な食料または飼料を含む。用語「そのまま摂取可能な食料品」および「そのまま摂取可能な飼料」には、飲料、固形または半固体の即席食料品または飼料も含まれる。挙げ得る例としては、食べる前に解凍し、食べる温度まで加熱しなければならない冷凍食品がある。ヨーグルトまたはアイスクリームのような製品ならびにチューインガムまたはハードキャラメルも、すぐに摂取可能な食料品または飼料の中に含まれる。
また、本発明の食品組成物は「半製品」を含む。本明細書において、半製品とは、調味成分や味覚付与物質の含有量が非常に高いために、そのまま摂取可能な口腔消耗製品(特に食料品または試料)としての用途には適さない口腔消耗製品であると理解されるべきである。少なくとも1つのさらなる構成成分を混合することにより(例えば、問題となる調味成分および味覚付与物質の濃度を低下させることによって)および場合によりさらなる処理工程(例えば、加熱、冷凍)を行うことのみにより、半完成品をそのまま摂取可能な口腔消耗製品(特に食料品または飼料)へと転化することができる。挙げ得る半製品の例。
本発明の食品組成物は、好ましくは栄養目的または嗜好目的の1種以上の調製物を含む。具体的にはこれらは、下記を含む:(低カロリーの)焼成製品(例えばパン、乾燥ビスケット、ケーキその他の焼かれた製品)、菓子類(例えばチョコレート、チョコレートバー、バー形状の他の製品、フルーツガム、ドラジェ、ハードキャラメルおよびソフトキャラメル、チューインガム)、ノンアルコール飲料(例えばココア、コーヒー、緑茶、紅茶、茶(緑茶)抽出物の濃縮物配合の茶飲料(緑茶および紅茶)、ルイボスティー、その他のハーブティー、果実含有ソフトドリンク、アイソトニック飲料、清涼飲料、ネクター、フルーツジュースおよび野菜ジュース、フルーツ飲料または野菜ジュース調製物)、インスタント飲料(例えばインスタントココア飲料、インスタント紅茶飲料、インスタントコーヒー飲料)、食肉製品(例えば、ハム、フレッシュソーセージまたは生ソーセージ製品、香辛料添加製品、生鮮マリネ製品、または塩添加食肉製品)、玉子または玉子製品(乾燥玉子、卵白、卵黄)、穀物製品(例えば朝食用シリアル、ミューズリーバー、調理済でそのまま摂取可能な米製品)、乳製品(例えば全脂肪、低脂肪または無脂肪の牛乳飲料、ライスプディング、ヨーグルト、ケフィア、クリームチーズ、柔らかいチーズ、固いチーズ、乾燥粉乳、乳漿、バター、バターミルク、全部または一部を加水分解した乳タンパク質含有製品)、大豆タンパク質または他の大豆蒸留物(例えば豆乳や豆乳製品、分離または酵素処理された大豆タンパクを含有する飲料、大豆粉含有飲料、豆腐、テンペなどの大豆レシチン含有製品、またはそれらから製造される製品でフルーツ製品および調味添加物との混合物であるもの)、果実製品(例えばジャム、シャーベット、フルーツソース、フルーツペースト)、野菜製品(例えばケチャップ、ソース、乾燥野菜、冷凍野菜、調理済野菜、煮つめた野菜)、スナック類(例えばベークドもしくはフライドポテトチップスまたはジャガイモ生地製品、トウモロコシベースの押出品または落花生ベースの押出品)、油脂類ベース製品またはそのエマルション(例えばマヨネーズ、レムラードソース、ドレッシング、いずれの場合も全脂肪または低脂肪化製品)、他のレトルト食品およびスープ(例えば、乾燥スープ、インスタントスープ、調理済スープ)、スパイス類、スパイス混合物、特にスナック分野において用いられる調味料、甘味料、錠剤またはサッシェ、ホワイトニングドリンク、またはその他の食品。本発明の範囲内の調製物は、半製品の形で栄養目的または嗜好目的のさらなる製品の製造のためにも用いることができる。本発明の範囲内の調製物は、カプセル、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば腸溶性コーティング)、糖衣錠、顆粒、ペレット、固体混合物の形のもの、液相中の分散物、エマルション形態、パウダー形態、溶液形態、もしくはペースト形態、あるいはその他の嚥下可能なまたは咀嚼可能な調製物、および栄養補助食品の形態とすることができる。
本発明の調製物は、カプセル、錠剤(非被覆および被覆錠剤、例えば腸溶性コーティング)、糖衣錠、顆粒、ペレット、固体混合物の形のもの、液相中の分散物、エマルション形態、パウダー形態、溶液形態、もしくはペースト形態、あるいはその他の嚥下可能なまたは咀嚼可能な調製物、および栄養補助食品の形態とすることができる。
半製品は、一般に、栄養目的または嗜好目的のために、即用調製物またはそのまま摂取可能な調製物の製造に用いられる。
栄養目的または嗜好目的用のそのまま摂取可能な調製物または半製品のさらなる成分は、例えば以下のような従来の食料品あるいは嗜好品のベース物質、補助物質、および添加剤であって、例えば以下に例示するものであってよい:水、加工していないもしくは加工済みの野菜、動物由来食料品または生のままの物質(例えば生の、ローストした、乾燥した、発酵した、燻製したおよび/またはゆでた肉、骨、軟骨、魚、野菜、ハーブ、ナッツ、野菜のジュース、野菜のペースト、またはこれらの混合物)、可消化性のまたは非消化性の炭水化物(例えばスクロース、マルトース、フラクトース、グルコース、デキストリン、アミロース、アミロペクチン、イヌリン、キシラン、セルロース、タガトース)、糖アルコール(例えばソルビトール、エリトリトール)、天然のまたは硬化した油脂(例えば獣脂、ラード、ヤシ脂肪、ココア油、硬化植物性脂肪)、油(例えばひまわり油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、魚油、大豆油、ゴマ油)、脂肪酸またはその塩(例えばステアリン酸カリウム)、タンパク質原性あるいは非タンパク質原性アミノ酸関連化合物(例えばγ−アミノ酪酸、タウリン)、ペプチド(例えばグルタチオン)、天然または加工蛋白質(例えばゼラチン)、酵素(例えばペプチダーゼ)、核酸、ヌクレオチド、不快な風味を修正する風味修正物質、また一般に不快でない風味をさらに調整する風味調整物質、その他の風味調整物質(例えばイノシトールリン酸、グアノシン一リン酸やアデノシン一リン酸などのヌクレオチド、グルタミン酸ナトリウムもしくは2−フェノキシプロピオン酸などの他の物質)、乳化剤(例えばレシチン、ジアシルグリセロール、アラビアゴム)、安定剤(例えばカラギーナン、アルギン酸塩)、防腐剤(例えば、安息香酸およびその塩、ソルビン酸およびその塩)、抗酸化剤(例えばトコフェロール、アスコルビン酸)、キレート剤(例えばクエン酸)、有機または無機の酸性化剤(例えば酢酸、リン酸)、付加的な苦味物質(例えばキニーネ、カフェイン、リモネン、アマロゲンチン、フムロン、ルプロン、カテコール、タンニン)、酵素的褐変抑制物質(例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸)、精油、植物抽出物、天然または合成着色剤あるいは着色顔料(例えばカロチノイド、フラボノイド、アントシアン、葉緑素およびそれらの誘導体)、スパイス、三叉神経活性物質またはそのような三叉神経活性物質を含有する植物抽出物、合成香料、天然香料、ネイチャーアイデンティカル香料または着臭剤、および芳香修正剤。
本発明の食品組成物は、例えば調製物または半製品の形であり、その味および/または匂いを仕上げより良いものとするために、好ましくは香味組成物を含む。調製物は、成分として固体担体と香味成分とを含んでいてよい。適当な香味組成物としては、例えば下記のものを含む:合成、天然、またはネイチャーアイデンティカルな調味料、芳香物質および調味物質、反応調味料、燻煙調味料または他の調味調製物(例えばタンパク質(部分)加水分解物、好ましくは高アルギニン含量のタンパク質(部分)加水分解物、バーベキュー調味料、植物抽出物、スパイス、スパイス調製物、野菜および/または植物性調製物)、および適当な補助物質並びに担体。ここで香味成分またはその成分であって、下記の風味を生じるものが特に適当である:ローストした肉類の風味(特に、鶏肉、魚肉、シーフード、牛肉、豚肉、ラム、マトン、ヤギ肉などの風味)、野菜類風味(特にトマト、タマネギ、ニンニク、セロリ、リーキ、マッシュルーム、ナス、海草などの風味)、香辛料風味(特に、黒コショウ、白コショウ、カルダモン、ナツメグ、ピメント、マスタード、およびマスタード製品風味)、揚げものの風味、酵母製品の風味、ゆでた製品の風味、脂肪質の風味、塩辛い風味および/または刺激的な風味であって香辛料風味を増すことができるもの。香味組成物は、一般に前述の成分の2つ以上を含む。
本発明の食品組成物は、好ましくは以下の群から選択される:
・菓子、好ましくは低カロリーまたはカロリーフリーの菓子、好ましくはミューズリーバー製品、フルーツガム、糖衣錠、ハードキャラメルおよびチューインガムを含む群から選択される菓子類、
・ノンアルコール飲料、好ましくは、緑茶、紅茶、茶(緑茶)抽出物の濃縮物配合の茶飲料(緑茶および紅茶)、ルイボスティー、その他のハーブティー、果実含有低糖若しくは無糖ソフトドリンク、アイソトニック飲料、ネクター、フルーツジュースおよび野菜ジュース、フルーツおよび野菜ジュース調製物からなる群から選択されるノンアルコール飲料
・インスタント飲料、好ましくはインスタント(緑茶、紅茶、ルイボスティー、ハーブティーの)茶飲料からなる群から選択されるインスタント飲料、
・穀物製品、好ましくは、低糖または無糖の朝食用シリアルおよびミューズリーバーからなる群から選択される穀物製品、
・乳製品、好ましくは低脂肪または無脂肪の牛乳飲料、ヨーグルト、ケフィア、乳漿、バターミルクおよびアイスクリームからなる群から選択される乳製品、
・大豆タンパク質または他の大豆蒸留物、好ましくは豆乳や豆乳製品、分離または酵素処理された大豆タンパクを含有する飲料、大豆粉含有飲料、大豆レシチン含有製品、大豆レシチン含有製品から製造される調製物およびフルーツ製品並びに場合により香味成分との混合物からなる群から選択される大豆タンパク質または他の大豆蒸留物、
・甘味料調製物、錠剤およびサッシェ
・無糖ドラジェ
・乳成分含有または非含有のアイスクリーム、好ましくは無糖アイスクリーム。
芳香または香味化合物
本発明の香味組成物に添加し得る芳香化合物および香味料(成分d)は、当該技術分野において周知である。これらの香味料は、合成香味料液体および/または植物の葉、花、果実などに由来する油、およびそれらの組み合わせから選択することができる。代表的な香味料液体には、以下のものが含まれる:ユーカリ、レモン、オレンジ、バナナ、ブドウ、ライム、アプリコットおよびグレープフルーツ油などの人工、天然若しくは合成果物香料、および、リンゴ、イチゴ、チェリー、オレンジ、パイナップルなどの果物抽出物、コーヒー、ココア、コーラ、ピーナッツ、アーモンドなどの豆およびナッツ由来の香料、甘草またはショウガのような根由来の香料。
香味料は、好ましくは、精油および抽出物、チンキおよびバルサム、例えば、アニソール、バジル油、ベルガモット油、ビターアーモンド油、カンファー油、シトロネラ油、レモン油;ユーカリ油、ユーカリ油、フェンネル油、グレープフルーツ油、カモミール油、スピアミント油、キャラウェー油、ライム油、マンダリン油、ナツメグ油(特にナツメグの花油=マーズ油、メイス油)、ミルラ油、クローブ油、クローブ花油、オレンジ油、オレガノ油、パセリ(種子)油、ペパーミント油、ローズマリー油、セージ油(クラリーセージ、ダルメシアンまたはスペインセージ油)、スターアニス油、タイム油、バニラ抽出液、ジュニパー油(特に、ジュニパーベリー油)、ウィンターグリーン油、シナモンリーフ油、シナモンバーク油、およびそれらの画分、またはそれから単離された成分からなる群から選択される。
本発明の香味組成物が、以下の群から選択される少なくとも1つの香味料、好ましくは2、3、4、5、6、7、8またはそれ以上の香味料を含む場合、特に有利である:メントール(好ましくは、l−メントールおよび/またはラセミ体メントール)、アネトール、アニソール、アニスアルデヒド、アニシルアルコール、(ラセミ)ネオメントール、ユーカリプトール(1,8−シネオール)、メントン(好ましくは、L−メントン)、イソメントン(好ましくは、D−イソメントン)、イソプレゴール、メンチルアセテート(好ましくはL−メンチルアセテート)、メンチルプロピオネート、カルボン(好ましくは(−)−カルボン、場合によりスペアミント油の成分として)、サリチル酸メチル(場合によりウィンターグリーン油の成分として)、オイゲノールアセテート、イソオイゲノールメチルエーテル、β−ホモシクロシトラール、オイゲノール、イソブチルアルデヒド、3−オクタノール、ジメチルスルフィド、ヘキサノール、ヘキサナール、トランス−2−ヘキサナール、cis−3−ヘキサノール、4−テルピネオール、ピペリトン、リナロール、8−オシメニルアセテート、イソアミルアルコール、イソバレルアルデヒド、α−ピネン、β−ピネン、リモネン(好ましくは、D−リモネン、場合により精油の成分として)、ピペリトン、トランス−サビネンハイドレート、メントフラン、カリオフィレン、ゲルマクレンD、シンナムアルデヒド、ミントラクトン、チモール、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、(1,3E,5Z)−ウンデカトリエン、2−ブタノン、エチルホルメート、3−オクチルアセテート、イソアミルイソバラレート、シス−およびトランス−カルビルアセテート、p−シモール、ダマスケノン、ダマスコン、シス−ローズオキシド、トランス−ローズオキシド、フェンコール、アセトアルデヒドジエチルアセタール、1−エトキシエチルアセテート、シス−4−ヘプテナール、シス−ジャスモン、メチルジヒドロジャスモネート、2’−ヒドロキシプロピオフェノン、メンチルメチルエーテル、ミリテニルアセテート、2−フェニルエチルアルコール、2−フェニルエチルイソブチレート、2−フェニルエチルイソバレレート、ゲラニオール、ネロールおよびビリジフロロール。
特に好ましい芳香または香味化合物には、メントール、シネオール、オイゲノール、チモール、シンナミックアルデヒド、ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、タイム油、シナモン油、クローブ油、スプルースニードル油、フェンネル油、セイジ油、アニス油、スターアニス油、カモミール油、キャラウェイ油、およびそれらの混合物が包含される。
甘味料
ここで用語「甘味料」は、スクロースの甘味度(従って、1の甘味度を有する)に基づいて少なくとも25の相対甘味度を有する物質を意味する。本発明(a)による口腔消耗製品(特に食料品、飼料または医薬品)に使用される甘味料は、好ましくは非齲蝕原性であり、および/または口腔消耗製品1グラム当たり5kcal以下のエネルギー含量を有する。
本発明の好適な食品組成物における有利な甘味料は、以下の群から選択される:
天然由来甘味料、好ましくは以下の群から選択される天然由来甘味料:
・ミラクリン、モネリン、マビンリン、タウマチン、クルクリン、ブラゼイン、ペンタジイン、D-フェニルアラニン、D-トリプトファン、およびこれらのアミノ酸および/またはタンパク質を含む天然源から得られる抽出物または画分、およびこれらのアミノ酸および/またはタンパク質の生理学的適合性塩、特にナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはアンモニウム塩;
・ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンジンジヒドロカルコン、ステビオサイド、ステビオールビオシド、レバウジオシド、特にレバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドH、ズルコシドおよびルブソシド、スアビオシドA、スアビオシドB、スアビオシドG、スアビオシドH、スアビオシドI、スアビオシドJ、バイユノシド1、バイユノシド2、フロミソシド1、フロミソシド2、フロミソシド3およびフロミソシド4、アブルソシドA、アブルソシドB、アブルソシドC、アブルソシドD、シクロカリオシドAおよびシクロカリオシドI、オスラジン、ポリポドシドA、ストロジン1、ストロジン2、ストロジン4、セリゲアインA、ジヒドロクェルセチン3−アセテート、ペリラルチン、テルスモシドA15、ペリアンドリンI−V、プテロカリオシド、シクロカリオシド、ムクロジオシド、トランス−アネトール、トランス−シンナムアルデヒド、ビヨシド、ブリオノシド、ブリオノダルコシド、カルノシフロシド、スカンデノシド、ジフェノシド、トリロバチン、フロリジン、ジヒドロフラバノール、ヘマトキシリン、シアニン、クロロゲン酸、アルビザアサポニン、テロスモシド、ガウディコウジオシド、モグロシド、モグロシドV、ヘルナンダルシン、モナチン、フィロダルシン、グリシルレチン酸およびそれらの誘導体、特にそれらのグリコシド、例えばグリシルリジン、およびこれらの化合物の生理学的適合性塩、特にナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはアンモニウム塩;
・ソーマトコッカス抽出物(ミラクルフルーツ)、Stevia亜種由来の抽出物(特にStevia rebaudiana)、ラカンカ抽出物(MomordicaまたはSiratia grosvenorii,Luo−Han−Guo)、カンゾウ亜種由来抽出物(特にGlycerrhyzia glabra)、キイチゴ亜種由来抽出物(特にRubus suavissimus)、シトラス抽出物およびメキシカン・スイートハーブ由来抽出物からなる群から選択される抽出物または抽出物の濃縮画分。
好ましくは、マガップ、シクラミン酸ナトリウムまたはシクラミン酸の生理学的に許容される他の塩、アセスルファムKまたはアセスルファムの生理学的に許容される他の塩、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ナリンギンジヒドロカルコン、サッカリン、サッカリンナトリウム塩、アスパルテーム、スーパーアスパルテーム、ネオテーム、アリタム、アドバンテーム、ペリラルチン、スクラロース、ラグドナメ、カレレーム、スクロロネートおよびスクロオクテートからなる群から選択される合成甘味物質。
増粘剤
本発明の好適な口腔消耗製品(特に食料品、飼料または医薬品)における有利な増粘剤は、下記の群から選択される:架橋ポリアクリル酸およびその誘導体、多糖およびその誘導体、例えば、キサンタンガム、寒天、アルギン酸塩またはチロース、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、モノグリセリドおよび脂肪酸、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン。
本発明によれば、乳酸菌で増粘した乳および/または乳酸菌で増粘したクリームを含む口腔消耗製品(特に食料品、飼料または医薬品)、好ましくはヨーグルト、ケフィアおよびクォークからなる群から選択される口腔消耗製品が好ましい。
乳酸菌で増粘した乳および/または乳酸菌で増粘したクリームを含む本発明の食品組成物は、有利にはプロバイオティクスを含む口腔消耗製品であり、プロバイオティクスは好ましくはビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティスBB−12、ビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティスDN−173 010、ビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティスHN019、ラクトバチルス・アシドフィルスLA5、ラクトバチルス・アシドフィルスNCFM、ラクトバチルス・ジョンソニLa1、ラクトバチルス・カゼイ・イミュニタス/ディフェンス、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ(DSM 20312)、ラクトバチルス・カゼイCRL431、ラクトバチルス・ロイテリ(ATCC 55730)およびラクトバチルス・ラムノサス(ATCC 53013)からなる群から選択される。
チューインガム用添加剤
特に好ましい本発明の口腔消耗製品(特に食料品、飼料または医薬品)は、チューインガムおよびチューインガムベースを含むものである。チューインガムベースは、好ましくは、チューインガムまたはバブルガムベースを含む群から選択される。後者はより軟質であるので、それによりゴム泡を形成することができる。本発明による好ましいチューインガムベースには、従来使用されている天然樹脂または天然ラテックスチクルに加えて、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリエチレン、(低または中分子量)ポリイソブテン(PIB)、ポリブタジエン、イソブテン−イソプレンコポリマー(ブチルゴム)、ポリビニルエチルエーテル(PVE)、ポリビニルブチルエーテル、ビニルエステルとビニルエーテルのコポリマー、スチレン/ブタジエンコポリマー(スチレン/ブタジエンゴム、SBR)またはビニルエラストマー、例えば、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/ステアリン酸ビニルまたはエチレン/酢酸ビニルに基づくもの、またはEP0242325、US4,518,615、US5,093,136、US5,266,336、US5,601,858若しくはUS6,986,709に記載されるようなエラストマーが含まれる。さらに、本発明で使用されるチューインガムベースは、さらなる成分、例えば、(ミネラル)充填剤、可塑剤、乳化剤、抗酸化剤、ワックス、脂肪または脂肪油、例えば、硬化処理された(水素化された)植物性脂肪または動物性脂肪、またはモノ−、ジ−またはトリグリセリドを含む。適切な(ミネラル)充填剤は、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、タルク、酸化アルミニウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、水酸化マグネシウムおよびこれらの混合物である。適切な可塑剤または粘着を防止する物質(剥離剤)は、例えば、ラノリン、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、酢酸エチル、ジアセチン(グリセロールジアセテート)、トリアセチン(グリセロールトリアセテート)またはトリエチルシトレートである。適切なワックスは、例えば、パラフィンワックス、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、マイクロクリスタリンワックスまたはポリエチレンワックスである。適切な乳化剤は、例えば、リン脂質、例えばレシチン、または脂肪酸のモノ−またはジグリセリド、例えばグリセロールモノステアレートである。
本発明によるチューインガム(特に上述したようなチューインガム)は、好ましくは以下のような成分を含む:異なる種類の糖、糖代用品、他の甘味物質、糖アルコール(特にソルビトール、キシリトール、マンニトール)、清涼効果を有する成分、不快な風味を防止するための風味修正物質、さらに、風味調整物質(例えば、イノシトールリン酸、ヌクレオチド(例えばグアノシン一リン酸、アデノシン一リン酸)または他の物質(例えばグルタミン酸ナトリウムまたは2−フェノキシプロピオン酸))、湿潤剤、増粘剤、乳化剤、安定剤、芳香修正剤および香味成分(例えばユーカリノキ−メントール、サクランボ、イチゴ、グレープフルーツ、バニラ、バナナ、シトラス、桃、クロフサスグリ、トロピカルフリーツ、ショウガ、コーヒー、シナモン、およびこれら(上記香味成分)とミント香味成分およびスペアミント香味成分やペパーミント香味成分との組合せあるいはこれら単独での使用)。とりわけ、さらに清涼効果、加温効果および/または口内湿潤性能を有する香味成分は特に有益である。
脂肪酸(エステル)の味および/または匂いを安定化させる方法
本発明の別の課題は、不飽和脂肪酸(エステル)の味および/または匂いを安定化させる方法を提供することであり、[6]−パラドールを不飽和脂肪酸(エステル)に加える。
好ましい実施態様において、不飽和脂肪酸(エステル)は、モノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステルである。
より好ましい実施態様において、モノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステルは、
(b−1)式(II):
Figure 2021073195
〔式中、Rは水素原子またはC−C18アルキル基を表し、
Xはモノ不飽和またはポリ不飽和のC−C22アシル基を表す〕
で表される少なくとも1種のアシル化合物
および/または
(b−2)式(III):
Figure 2021073195
〔式中、
X’、X’’およびX’’’は、互いに独立して、水素原子または飽和若しくはモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22アシル基を表し、ただし、X’、X’’およびX’’’は、同時に水素原子ではなく、かつ、少なくとも1つのX’、X’’およびX’’’は不飽和アシル基である〕
で表される少なくとも1種のアシルグリセロール化合物
を含む。
別の好ましい実施態様において、[6]−パラドールの添加量は、組成物の総重量に対して、約0.0001〜1重量%の範囲であり、好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲であり、特に好ましくは0.005〜0.05重量%の範囲である。
実施例1
抗酸化活性の評価
6−パラドールは、公知の酸化防止剤である。ABTSアッセイを用いて[6]−パラドールとα−トコフェロールの抗酸化能を比較した。
2,2’−アジノビス−(3−エチルベンゾチアゾリン6−スルホン酸)(ABTS)を過硫酸カリウムにより、青緑色カチオンABTS・に変換した。[6]−パラドールおよびα−トコフェロールの添加により、ラジカルカチオンが還元され、変色が観察された(これは734nmでの吸収によって測光的に測定された)。試験物質のラジカル形成の阻害は、以下の式によって計算される。
Figure 2021073195
ここで、略語は以下の意味を有する:
・A試験物質:[6]−パラドールおよびα−トコフェロールを含む試験物質を含むウェルでの吸収
・Aコントロール:試験物質を含まないウェルでの吸収。
試験試料の希釈液系におけるラジカル形成の阻害[%]から、IC50を算出した。これは、ラジカル生成が50%阻害される濃度である。結果を表1に示す。
Figure 2021073195
この結果は、6−パラドールおよびα−トコフェロールが同様のラジカル捕捉活性を意味する同様のIC50値を示し、6−パラドールがα−トコフェロールよりもわずかに(1.5倍)優れていることを示している。
実施例2
アルガン油の嗅覚評価
油に対する[6]−パラドールの臭気防止効果を評価するために、(A)[6]−パラドールを含むおよび(B)[6]−パラドールを含まないアルガン油を含む油試料を表2に示される通り調製した。
Figure 2021073195
一般にアルガン油(INCI:アルガニアスピノサ核油)は、42〜50%のオレイン酸(C18:1)、30〜36%のリノール酸、12〜16%のパルミチン酸(C16:0)および4〜6%ステアリン酸(C18:0)を含有するアシルグリセロールを特徴とする透明で黄色〜オレンジ色の液体である。アルガン油は、非常に特徴的で強い臭気を有する。
本実験に用いたアルガン油の品質は、51%のオレイン酸(C18:1)、35%のリノール酸、14%のパルミチン酸(C16:0)および6%のステアリン酸(C18:0)を含有するアシルグリセロール化合物により特徴づけられた(各脂肪酸メチルエステルを用いてメタノリシス後、GC分析により測定した)。さらに、遊離脂肪酸として0.29%のオレイン酸(C18:1)および0.25%のリノール酸を含有していた(光散乱検出およびダイオードアレイ検出を用いたHPLC分析により測定した)。
アシル化合物およびアシルグリセロール化合物をHPLC−MSにより特徴付け、表3に示した。
HPLC−MS: YMC ODS−AQ、5μm、150x3mm(プレカラムを含む)、温度:40℃、流速:0.4ml/分、勾配100%メタノールから100%イソプロパノール、検出波長205nm、シリンジポンプによる100mMメタノール性アンモニウムギ酸溶液のカラム添加後、流速:0.150μl/時間、MSイオントラップ、自動MS/MSフラグメンテーションを有する陽イオンおよび陰イオンモードにおけるESI、スキャン200〜1500。
Figure 2021073195
Figure 2021073195
(1)[M−H]イオンに対してM−1
(2)[M+NHイオンに対してM+18
(3)[M+Na]イオンに対してM+23
表中、アシルラジカルは以下のように略す。
O=オレイン酸、L=リノール酸、P=パルミチン酸およびS=ステアリン酸
油試料AおよびBをそれぞれ2つに分けた。各油試料の1つを室温に保った(A1およびB1)。他方を、Mikrolab Aarhus製のOxypress装置を用いて5barの酸素に60℃で72時間暴露した(A2およびB2)。
酸素処理の後、油試料AおよびBの2つの試料を、18人のパネリストにより直接比較(A1とA2およびB1とB2)で評価した。嗅覚評価のために、以下の2つの基準を用いて、パネリストに2つの酸素処理油試料(A2およびB2)のどちらの試料が、室温に保たれたそれぞれの油試料(A1およびB1)に最も類似した匂いであるかを質問した。
1=より類似し、より臭いが少ない
0=それほど類似せず、より臭う
統計分析のために、khi試験を用いた。評価の結果を表4に示す。
Figure 2021073195
これらの結果は、中性油中2%の[6]−パラドール1%溶液(すなわち、0.02%の純粋[6]−パラドール)が悪臭の発生に対して有意な抑制を示すことを証明している。
実施例3
アボカド油の安定化
油に対する[6]−パラドールの臭気防止効果を評価するために、(A)種々の添加剤を含まないおよび(B〜D)種々の添加剤を含むアボカド油含有油試料を表5に示される通り調製した。
Figure 2021073195
一般に、アボカド油(INCI:Persea Gratissima Oil)は、約65%のオレイン酸(C18:1)および6〜10%のリノール酸(C18:2)を含有するアシルグリセロールによって特徴付けられる、透明または濁った無色から黄緑色の液体である(Oelpflanzen−Pflanzenoele,L.RothおよびK.Kormann ecomed 2000,117頁)。
この実験で用いたアボカド油の品質は、63%のオレイン酸(C18:1)、21%のパルミチン酸(C16:0)、11%のリノール酸および10%のパルミトレイン酸(C16:1)を含有するアシルグリセロールにより特徴付られた(各脂肪酸メチルエステルを用いてメタノリシス後、GC分析により測定した)。
アシル化合物およびアシルグリセロール化合物をHPLC−MSにより特徴付け、表6に示した。
HPLC−MS:YMC ODS−AQ、5μm、150x3mm(プレカラムを含む)、温度:40℃、流速:0.4ml/分、勾配100%メタノールから100%イソプロパノール、検出波長205nm、シリンジポンプによる100mMメタノール性アンモニウムギ酸溶液のカラム添加後、流速:0.150μl/時間、MSイオントラップ、自動MS/MSフラグメンテーションを有する陽イオンおよび陰イオンモードにおけるESI、スキャン200〜1500。
Figure 2021073195
Figure 2021073195
(1)[M−H]イオンに対してM−1
(2)[M+NHイオンに対してM+18
(3)[M+Na]イオンに対してM+23
表中、アシルラジカルは以下のように略す。
O=オレイン酸、L=リノール酸、P=パルミチン酸およびp=パルミトレイン酸
油試料をそれぞれ3つに分け、1つを太陽光試験装置(Original Hanau−キセノンランプ)中550〜600W/m(300〜800nm)で8時間人工UV光に曝露した。他の2つは、通常の昼光(RTL)に曝露された室温または加熱キャビネット(50℃)中50℃でそれぞれ1ヶ月間貯蔵した。処理後、232nmの吸光度を測定した(この正は特定の酸化化合物として共役ジエンを検出することにより酸化状態と相関する)。初期t=0に対する変化は、以下の式により計算し、表7に記載した。
Figure 2021073195
Figure 2021073195
表から分かるように、0.01%および0.02%の純粋[6]−パラドールに相当する、1%および2%の中性油中[6]−パラドール1%溶液は、添加剤を含まないアボカド油と比較した場合、232nmにおける吸光度のより低い増加をもたらした。3つの処理すべてにおいて[6]−パラドールの保護効果が観察された。驚くべきことに、0.02%[6]−パラドール(C)は、実施例1で挙げられたように抗酸化能がわずかに異なるだけにもかかわらず、0.5%の濃度でα−トコフェロール(D)より25倍高い優れた保護を示した。
実施例4
アルガン油の安定化
酸化に対する油の保護効果を評価するために、(A)種々の添加剤を含まないおよび(B〜D)種々の添加剤を含むアルガン油含有油試料を表8に示される通り調製した。
Figure 2021073195
油試料をそれぞれ3つに分けた。1つを太陽光試験装置(Original Hanau−キセノンランプ)中550〜600W/m(300〜800nm)で8時間人工UV光に曝露した。他の2つは、通常の昼光(RTL)に曝露された室温または加熱キャビネット(50℃)中50℃でそれぞれ1ヶ月間貯蔵した。処理後、232nmの吸光度を測定した(これは特定の酸化化合物として共役ジエンを検出することにより酸化状態と相関する)。初期t=0に対する変化は、以下の式により計算し、表9に記載した。
Figure 2021073195
Figure 2021073195
表から分かるように、0.01%および0.02%の純粋[6]−パラドールに相当する、1%および2%の中性油中[6]−パラドール1%溶液は、添加剤を含まないアボカド油と比較した場合、232nmにおける吸光度のより低い増加をもたらした。3つの処理すべてにおいて[6]−パラドールの保護効果が観察された。驚くべきことに、0.02%の[6]−パラドール(C)は、実施例1で挙げられたように抗酸化能がわずかに異なるだけにもかかわらず、0.5%の濃度でα−トコフェロール(D)より25倍高い優れた保護を示した。
アルガン油(INCI:アルガニアスピノサ核油)は、実施例2で記載したように特徴付られる。
実施例5
強力な抗セルライト油の臭気安定化
(A)[6]−パラドールを含むおよび(B)[6]−パラドールを含まない抗セルライト油を表10に従い調製した。
Figure 2021073195
相Aの成分を混合し、透明な溶液が得られるまで35℃で加熱した。相Bの成分を1つずつ添加し、均質になるまで攪拌し続けた。[6]−パラドールを含む(A)および含まない(B)の油をそれぞれ4つに分け、それぞれ40℃および50℃の加熱キャビネットに1か月および2ヶ月間保存した。貯蔵後、油を室温まで冷却し、22人のパネリストによって評価した。嗅覚評価のために、以下の2つの基準を用いて、パネリストに2つの油のAおよびBの臭気を質問した。
1 =最も悪臭
0 =低臭
統計分析のために、khi試験を用いた。評価の結果を表11に示す。
Figure 2021073195
0.02%の[6]−パラドールを含有する油(A)は、より良好な嗅覚特性を常に示すことが明らかである。貯蔵温度が高くなり、貯蔵期間が長くなるほど、この臭気の保護効果(1のスコアを与えるパネリストの数がより少ない)がより有意(p<0.05=統計的に有意)になった。50℃で2ヶ月間貯蔵した後、パネリストの100%は、[6]−パラドールを含有する油の臭気が少ないと述べた。
実施例6
フェイスケア用クリームゲルの嗅覚評価
[6]−パラドールを含む(AおよびB)および含まない(CおよびD)を、表12に示す通り調製した。
Figure 2021073195
相AおよびBの成分をそれぞれ混合した。相Cの成分を相Bに分散させ、混合相Aを高せん断下で添加した。相Dの成分を高せん断下で添加した。pH値を6に調整した。
[6]−パラドールを含むおよび含まないクリームゲル試料A〜Dをそれぞれ2つに分けた。 各クリームゲルの1つを室温(RT)で光から保護し(A1〜D1)、他方をMikrolab Aarhus製のOxypress装置を用いて5バールの酸素に60℃で72時間暴露した(A2〜D2)。
酸素処理の後、クレームゲルA2〜D2とC1を、20人のパネリストによる直接比較で評価した。嗅覚評価のために、パネリストはその悪臭に従い、5つのサンプルをランク付け(1=最も悪臭、5=最も悪臭が少ない)するように求められた。評価の結果を以下の表13に示す。
Figure 2021073195
この結果は、[6]−パラドールの臭気安定化効果を明らかに証明している。評価者の100%が最も悪臭およびより悪臭としてオキシプレス処理のプラセボC2をランク付けした(スコア1(60%))および(スコア2(40%))。予想どおり、ほぼすべての評価者(95%)がオキシプレス処理なしで光から保護された室温貯蔵のプラセボ基準C1を最も悪臭が少ない(スコア5)とランク付けした。
多くの評価者が、0.02%の[6]−パラドールを含有する試料B2と0.01%の[6]−パラドールを含有するA2を4(55%)および3(70%)とそれぞれ評価した事実により[6]−パラドールの悪臭保護効果が明らかに示された。評価者の30%が試料D2を1(最も悪臭)、45%が2(より多くの嫌悪感)と評価したので、0.5%のトコフェロールは6パラドールよりも悪臭発生防止に効果が少なかった。
実施例7
リノール酸に富むフェイスケア用クリームゲルの嗅覚評価
[6]−パラドールを含む(A)および含まない(B)クリームゲルを表14に示される通り調製した。
Figure 2021073195
相AおよびBの成分をそれぞれ混合した。相Cの成分を相Bに分散させ、混合相Aを高せん断下で添加した。相Dの成分を高せん断下で添加した。pH値を6に調整した。
GC分析によると、使用したリノール酸は、67.96%のリノール酸(C18:2)および25.92%のオレイン酸(C18:1)からなっていた。
[6]−パラドールを含むおよび含まないクリームゲル試料(A)および(B)をそれぞれ2つに分けた。各クリームゲルの一方を室温(RT)で光から保護し(A1およびB1)、他方をMikrolab Aarhus製のOxypress装置を用いて5バールの酸素に60℃で72時間暴露した(A2およびB2)。
酸素処理の後、クレームゲルA2、B2およびB1を、20人のパネリストによる直接比較で評価した。嗅覚評価のために、パネリストはその悪臭に従い、3つのサンプルをランク付け(1=最も悪臭、3=最も悪臭が少ない)するように求められた。評価の結果を以下の表15に示す。
Figure 2021073195
この結果は、[6]−パラドールの臭気安定化効果を明らかに証明している。評価者の70%が最も悪臭としてオキシプレス処理のプラセボB2をランク付けした。予想どおり、多くの評価者(85%)がオキシプレス処理なしで光から保護された室温貯蔵のプラセボ基準B1を最も悪臭が少ないとランク付けした。
評価者の55%が試料A2を2と評価し、15%が3(最も悪臭が少ない)と評価した事実から、6−パラドールの悪臭保護効果が明らかに示された。
実施例8
スキンライトニングO/Wクリームの安定化
レゾルシノール、例えば、4−(1−フェニルエチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン(フェニルエチルレゾルシノール)は、より高い温度(例えば、>30℃)での光暴露下の長時間貯蔵において変色する傾向にあることが知られている。[6]−パラドールが、この種の不安定な化粧品成分に対しても安定化作用を有するかどうかを調べるために、(A)[6]−パラドールを含むおよび(BおおびC)[6]−パラドールを含まない、3%アルガン油とホワイトニング活性成分SymWhite 377(フェニルエチルレゾルシノール)とを含有する皮膚美白O/Wクリームを表16に示すように調製し、臭気および色の変化を評価した。
Figure 2021073195
相AおよびBを80℃に加熱した。Aristoflex AVCを乳化前に相Aに分散させた。相Bの成分を高せん断下で相Aに添加した。pH値は約5に調整した。クリーム試料をそれぞれ2つに分けた。一方を太陽光試験装置(Original Hanau−キセノンランプ)中550〜600W/m(300〜800nm)で8時間人工UV光に曝露した。他方を、光から保護された室温(RTD)で1ヶ月間保存した。処理後、6つのクリームゲルを、19人のパネリストによる直接比較において評価した。結果を表17に示す。
Figure 2021073195
表から分かるように、最も臭いのないサンプルは、RTDで1ヶ月保存した2%SymDecanox HA(サンプルC)(63%のパネリストがスコア6を与えた)、次いでRTDで1ヶ月保存した0.2%SymDecanox(サンプルB)(21%のパネリストがスコア6を与えた)およびRTDで1ヶ月間保存したプラセボ(11%のパネリストがスコア6を与えた)であった。100%のパネリストが、太陽光試験処理したプラセボ(A)を最も悪臭であると判断した(47%がスコア1および53%がスコア2をそれぞれ与えた)。SymDecanox HAの添加は、この成分2%(C)および0.2%(B)で顕著な改善をもたらし、パネリストの74%および16%がそれぞれスコア3を与えた。
さらに、嗅覚評価に加えて、太陽光試験の試料については、含有するSymWhite 377に起因する変色も評価した。色は、対色系に基づくCIELABカラーモデルを使用して説明し得る。CIELABは、L*、a*、b*の3つの軸上の値で色を示す。非線形に圧縮された座標に基づいて、明度の次元Lと赤/緑と黄/青の色対比次元a*およびb*を含むL*、a*、b*を有する。L*軸は黒(0)から白色(100)、a*軸は緑(−a)から赤(+a)までの、およびb*軸は青(−b)から黄(+b)に及ぶ。
試験した調製物のL*a*b*値を測定するために、太陽光試験処理後の試料を攪拌し、その後、ペルティディスクに充填した。クロマメトリー測定は、Chroma Meter CR410(コニカ/ミノルタ)を用いて行った。2色の差ΔEは、次の式を使用して計算できる。
Figure 2021073195
式中、p=試料1およびv=試料2。
0.5〜1のΔEの差は訓練された評価により肉眼で視覚的に観察することができる。2〜4の差は、訓練を受けていない評価者によっても視覚的に観察することができる。結果を表19に示す。
Figure 2021073195
結果は、レゾルシノールSymWhite 377(4−(1−フェニルエチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン)に対する[6]−パラドールの色安定化効果を明確に示している。太陽光試験処理後、SymDecanox HAを含まないプラセボ(A)は、SymDecanox HAを含むクリームよりも暗く(L*値が低い)、より黄色(より高い正のb*値)である。0.02%の[6]−パラドールに相当する2%SymDecanox HAの添加(C)は、最高のL*値および最低の正のa*およびb*値ならびにプラセボに対する最大色差ΔEにより示される最良の色保護をもたらす。
実施例9
レチノイドを含むアンチエイジングクリームの安定化
例えば、レチノールなどのレチノイドは、不安定であり、より高い温度(例えば、>30℃)での光曝露下の長時間貯蔵において変色しやすいことで知られている強力なアンチエイジング化粧剤である。[6]−パラドールがこの種の不安定な化粧品成分に対して安定化効果をも有するかどうかを調べるために、[6]−パラドールを含まない(A)および[6]−パラドールを含む(BおよびC)0.2%レチノール10 SU(BASF、9.9−11.1%全E−レチノール)含有アンチエイジングクリームを表20に示すように調製し、色の変化を評価した。
Figure 2021073195
相Aを80℃に加熱した。相Bについては、Carbopol Ultrez 21を水面に振りかけて膨潤させた。その後、グリセリンを添加し、相Bを80℃まで加熱した。次いで、Ultra Turraxを用いて強く撹拌しながら相Bを相Aに添加した。この調製物を冷却し、約40℃でC相を添加した。その後、この調製物を水酸化ナトリウムで中和してpHを5〜5.5にした。調製物が室温である時、攪拌しながら相Eを添加した。最終pHが5〜5.5であることが確認された。
クリーム試料を、太陽光試験装置(Original Hanau−キセノンランプ)中550〜600W/m(300〜800nm)で8時間人工UV光に曝露した。その後、L*a*b*値の測定および実施例8に記載の色差ΔEの計算によって変色を評価した。結果を表21に示す。
Figure 2021073195
結果は、[6]−パラドールのレチノイドレチノールに対する色安定化効果を明確に示している。太陽光試験処理後、プラセボ(A)は、[6]−パラドールを含むクリーム(BおよびC)よりも暗く(L*値が低い)、青みがかっていた(より高い負のb*値)。0.01%および0.02%の[6]−パラドールに相当する1および2%のSymDecanox HAの添加は、プラセボに対する類似の色差ΔEによって示される同等の色保護をもたらす。
SymDecanox HAとは対照的に、周知の安定剤であるトコフェロールは、レチノールを変色から保護するのには適当でないことが判明した。これは、クリームAとDとのL*a*b*値の比較によって示されるように、調製物に安定剤を添加しない場合よりもさらに激しい変色をもたらす。太陽光試験処理後、プラセボ(A)と比較してクリームDは高い負のa*値によって示されるようにより緑色であり、高い正のb*値によって示されるようにより黄色であった。
化粧品調製例
表22aおよび22bは本発明に従う多くの調製物である。
1 =アンチエイジングフェイスオイル
2 =からだおよび毛髪用グリッタリングドライオイル
3 =昇華ヘアオイル
4 = BBクリームSPF15
5 =ベビーナッピーラッシュクリーム−W/O
6 =ソフトリニューアルボディウォッシュスクラブ
7 =ヘアバター
8 =口紅
9 =リップクリーム
10 =コンシーラースティック
11 =デイリーフェイシャルクリームSPF20
12 =クリームシャワーオイル
13 =フェイシャルクレンジングジェル
14 =マスカラ
15 =シャンプー
16 =マッサージクリーム
17 =バスオイル
18 =スキンライトニングクリーム
19 =フェイスジェル
20 =ベビーケアウェットワイプ用O/Wソーキングローション
21 =アンチエイジングクリーム
22 = APDロールオンエマルション
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
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Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
香油PFO1およびPFO2(DPG=ジプロピレングリコール)の組成を表16および17に示す。
Figure 2021073195
Figure 2021073195
Figure 2021073195
実施例10
ゼラチンカプセル
直接消費用のゼラチンカプセル
Figure 2021073195
ゼラチンカプセルで用いた芳香は、以下の組成を有していた(重量%):0.1%のネオテーム粉末、0.05%のアスパルテーム、29.3%のペパーミント油アルベンシス、29.3%のペパーミントピペリタ油ウィラメット、2.97%のスクラロース、2.28%のトリアセチン、5.4%の酒石酸ジエチル、12.1%のペパーミント油yakima、0.7%のエタノール、3.36%の2−ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、3.0%の2−ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、0.27%のバニリン、5.5%のD−リモネン、5.67%のL−メンチルアセテート。
直接消費に適したゼラチンカプセル(国際公開第2004/050069号と類似の方法で製造された)直接消費に適したゼラチンカプセルは、直径5mmであり、コア材料対シェル材料の重量比は90:10であった。カプセルは10秒以内に口の中で開き、50秒未満で完全に溶解した。
実施例11
調理使用のための芳香植物油
Figure 2021073195
これらの植物油は種々の温製料理または冷製料理の風味付けに使用することができる。

Claims (15)

  1. (a)[6]−パラドールおよび
    (b)少なくとも1種のモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステル
    を含んでなる、安定した味および/または匂いを有する組成物。
  2. (b−1)式(II):
    Figure 2021073195
    〔式中、Rは水素原子またはC−C18アルキル基を表し、
    Xはモノ不飽和またはポリ不飽和のC−C22アシル基を表す〕
    で表される少なくとも1種のアシル化合物
    および/または
    (b−2)式(III):
    Figure 2021073195
    〔式中、
    X’、X’’およびX’’’は、互いに独立して、水素原子または飽和若しくはモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22アシル基を表し、ただし、X’、X’’およびX’’’は、同時に水素原子ではなく、かつ、少なくとも1つのX’、X’’およびX’’’は不飽和アシル基である〕
    で表される少なくとも1種のアシルグリセロール化合物
    を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(b−1)においてRが水素原子であり、Xがモノ不飽和またはポリ不飽和C16−C22アシル基である、請求項2に記載の組成物。
  4. 成分(b−1)が、オレイン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、EPAおよびDHAからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
  5. 成分(b−2)が、種々の組み合わせにおいてグリセロール分子上でエステル化されたオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸から構成される、請求項2に記載の組成物。
  6. 成分(a)を、組成物の総重量に基づき0.0001〜1重量%の量で含む、請求項1に記載の組成物。
  7. 請求項1に記載の組成物を含んでなる化粧品組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物を含んでなる食品組成物。
  9. モノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステルの味および/または匂いの安定化のための[6]−パラドールの使用。
  10. モノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22脂肪酸またはその一価若しくは多価C−C18脂肪族アルコールエステルが、
    (b−1)式(II):
    Figure 2021073195
    〔式中、Rは水素原子またはC−C18アルキル基を表し、
    Xはモノ不飽和またはポリ不飽和のC−C22アシル基を表す〕
    で表される少なくとも1種のアシル化合物
    および/または
    (b−2)式(III):
    Figure 2021073195
    〔式中、
    X’、X’’およびX’’’は、互いに独立して、水素原子または飽和若しくはモノ不飽和若しくはポリ不飽和C−C22アシル基を表し、ただし、X’、X’’およびX’’’は、同時に水素原子ではなく、かつ、少なくとも1つのX’、X’’およびX’’’は不飽和アシル基である〕
    で表される少なくとも1種のアシルグリセロール化合物
    を含む、請求項9に記載の使用。
  11. 総重量に基づき、0.0001〜1重量%の量の[6]−パラドールを添加する、請求項9または10に記載の使用。
  12. 不飽和脂肪酸(エステル)に[6]−パラドールを添加することによる、不飽和脂肪酸(エステル)の味および/または匂いを安定化する方法。
  13. 総重量に基づき、0.0001〜1重量%の量の[6]−パラドールを添加する、請求項12に記載の方法。
  14. 不安定な化粧品および/または食品成分の匂い、味および色を安定化するための、[6]−パラドールの使用。
  15. 不安定な化粧品および/または食品成分が、レゾルシノールおよびレチノイドから選択される、請求項14に記載の方法。
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