JP2021070712A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスバリア性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)、耐衝撃材(B)、及び無機核剤(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記無機核剤(C)の平均粒子径が2〜18μm であり、前記ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー径44mm、L/D35であるTEX−44二軸押出機で溶融混練してペレットを得た後、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、金型内平均射出速度50mm/secで射出成形して得られた厚さ1mmの 成形片の、JIS K7126−1に従って、23℃で測定した、水素透過度及び窒素透過度が下記の要件を満たす。水素透過度(cc/m2・24h・atm):55未満窒素透過度(cc/m2・24h・atm):0.35未満【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物に関する。
ポリアミド樹脂は、ガスバリア性に優れた樹脂として知られており、各種用途としてガスバリア性を有するポリアミド樹脂組成物が求められている。
そのようなポリアミド樹脂組成物としては、例えば、マイクロタルクを含む組成物が知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1では、ポリアミド樹脂に耐衝撃材のみを加えた比較例とポリアミド樹脂に耐衝撃材及びマイクロタルクを加えた実施例において、ヘリウムの透過性を確認し、マイクロタルクを加えた実施例が比較例よりもヘリウムの透過性が低いことを示している。
特許文献1において、ヘリウムは、原子サイズが小さいため、高いガスバリア性の確認のために採用されていると考えられる。しかしながら、ガスの透過性は、必ずしもガスの分子サイズが小さいほど高いということはなく、様々な要因が関与すると考えられている。
特表2014−501818号公報
本発明は、ガスバリア性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、以下の[1]〜[5]である。
[1]ポリアミド樹脂(A)、耐衝撃材(B)、及び無機核剤(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記無機核剤(C)の平均粒子径が2〜18μm であり、
前記ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー径44mm、L/D35であるTEX−44二軸押出機で溶融混練してペレットを得た後、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、金型内平均射出速度50mm/secで射出成形して得られた厚さ1mmの 成形片の、JIS K7126−1に従って、23℃
で測定した、水素透過度及び窒素透過度が下記の要件を満たす、ポリアミド樹脂組成物。
水素透過度(cc/m・24h・atm):55未満
窒素透過度(cc/m・24h・atm):0.35未満
[2] 前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6/66からなる群より選択される少なくとも1種である[1]のポリアミド樹脂組成物。
[3] 前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6、又はポリアミド6とポリアミド6/66との混合物である[1]又は[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4] 前記無機核剤(C)がタルクである[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]ポリアミド樹脂組成物100質量%中、ポリアミド樹脂(A)78〜94質量%、耐衝撃材(B)5〜20質量%、及び無機核剤(C)0.01〜0.5質量%を含有する[1]〜[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ガスバリア性に優れる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)、耐衝撃材(B)、及び無機核剤(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
前記無機核剤(C)の平均粒子径が2〜18μm であり、
前記ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー径44mm、L/D35であるTEX−44二軸押出機で溶融混練してペレットを得た後、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、金型内平均射出速度50mm/secで射出成形して得られた厚さ1mmの 成形片の、JIS K7126−1に従って、23℃
で測定した、水素透過度及び窒素透過度が下記の要件を満たす。
水素透過度(cc/m・24h・atm):55未満
窒素透過度(cc/m・24h・atm):0.35未満
<ポリアミド樹脂(A)>
ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)を含む。ポリアミド樹脂(A)としては、脂肪族ホモポリアミド(A−1)、脂肪族共重合ポリアミド(A−2)、芳香族ホモポリアミド(A−3)及び芳香族共重合ポリアミド(A−4)が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
(脂肪族ホモポリアミド(A−1))
脂肪族ホモポリアミド(A−1)は、脂肪族モノマー由来の1種類の構成単位からなるポリアミド樹脂である。脂肪族ホモポリアミド(A−1)は、1種類のラクタム及び当該ラクタムの加水分解物であるアミノカルボン酸の少なくとも一方からなるものであってもよく、1種類のジアミンと1種類のジカルボン酸との組合せからなるものであってもよい。ここで、ジアミンとジカルボン酸の組み合わせは、1種類のジアミンと1種類のジカルボン酸の組合せで1種類のモノマーとみなす。
ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられる。これらの中でも重合生産性の観点から、ε−カプロラクタム、ウンデカンラクタム及びドデカンラクタムからなる群から選択される1種が好ましい。
また、アミノカルボン酸としては6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸が挙げられる。
ジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカンジアミン、テトラデカンジアミン、ペンタデカンジアミン、ヘキサデカンジアミン、ヘプタデカンジアミン、オクタデカンジアミン、ノナデカンジアミン、エイコサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2,2,4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−/1,4−シクロヘキシルジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,3−/1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、5−アミノ−2,2,4−トリメチル−1−シクロペンタンメチルアミン、5−アミノ−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンメチルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジン、ノルボルナンジメチレンジアミン等の脂環式ジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸、ペンタデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、オクタデカンジオン酸、エイコサンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−/1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキサンメタン−4,4’−ジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ホモポリアミド(A−1)として具体的には、ポリカプロラクタム(ポリアミド6)、ポリエナントラクタム(ポリアミド7)、ポリウンデカンラクタム(ポリアミド11)、ポリラウリルラクタム(ポリアミド12)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリテトラメチレンドデカミド(ポリアミド412)、ポリペンタメチレンアゼラミド(ポリアミド59)、ポリペンタメチレンセバカミド(ポリアミド510)、ポリペンタメチレンドデカミド(ポリアミド512)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ポリアミド69)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリノナメチレンアジパミド(ポリアミド96)、ポリノナメチレンアゼラミド(ポリアミド99)、ポリノナメチレンセバカミド(ポリアミド910)、ポリノナメチレンドデカミド(ポリアミド912)、ポリデカメチレンアジパミド(ポリアミド106)、ポリデカメチレンアゼラミド(ポリアミド109)、ポリデカメチレンデカミド(ポリアミド1010)、ポリデカメチレンドデカミド(ポリアミド1012)、ポリドデカメチレンアジパミド(ポリアミド126)、ポリドデカメチレンアゼラミド(ポリアミド129)、ポリドデカメチレンセバカミド(ポリアミド1210)、ポリドデカメチレンドデカミド(ポリアミド1212)、ポリアミド122等が挙げられる。これらの脂肪族ホモポリアミド(A−1)は、各々単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
(脂肪族共重合ポリアミド(A−2))
脂肪族共重合ポリアミド(A−2)は、脂肪族モノマー由来の2種以上の構成単位からなるポリアミド樹脂である。脂肪族共重合ポリアミド(A−2)は、ジアミンとジカルボン酸の組合せ、ラクタム及びアミノカルボン酸からなる群から選択される2種以上の共重合体である。ここで、ジアミンとジカルボン酸の組み合わせは、1種類のジアミンと1種類のジカルボン酸の組合せで1種類のモノマーとみなす。
ジアミンとしては、脂肪族ホモポリアミドの原料として例示したものと同様のものが挙げられる。挙げられる。
ジカルボン酸としては、脂肪族ホモポリアミドの原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
ラクタムとしては、脂肪族ホモポリアミドの原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては脂肪族ホモポリアミドの原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
これらのジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
脂肪族共重合ポリアミド(A−2)として具体的には、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸共重合体(ポリアミド6/66)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアゼライン酸共重合体(ポリアミド6/69)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(ポリアミド6/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノウンデカンジカルボン酸共重合体(ポリアミド6/611)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノドデカンジカルボン酸共重合体(ポリアミド6/612)、カプロラクタム/アミノウンデカン酸共重合体(ポリアミド6/11)、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ポリアミド6/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ラウリルラクタム共重合体(ポリアミド6/66/12)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノセバシン酸共重合体(ポリアミド6/66/610)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミノアジピン酸/ヘキサメチレンジアミノドデカンジカルボン酸共重合体(ポリアミド6/66/612)等の脂肪族共重合ポリアミドが挙げられる。これらの脂肪族共重合ポリアミド(A−2)は、各々単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
(芳香族ホモポリアミド(A−3))
芳香族ホモポリアミドとは、芳香族系モノマー成分由来の1種類の構成単位からなる芳香族ポリアミド樹脂であり、例えば、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンまたは芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンを原料とし、これらの重縮合によって得られるポリアミド樹脂である。ここで、ジアミンとジカルボン酸の組み合わせは、1種類のジアミンと1種類のジカルボン酸の組合せで1種類のモノマーとみなす。
原料の脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカルボン酸としては、前記の脂肪族ホモポリアミド樹脂と同様のものが挙げられ、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸として例示したものも含まれる。
芳香族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸としては、ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等が挙げられる。
芳香族ホモポリアミド(A−3)の具体的な例としては、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T) 、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)などが挙げられる。これらの芳香族ホモポリアミド(A−3)は、各々単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
(芳香族共重合ポリアミド(A−4))
芳香族共重合ポリアミド樹脂とは、芳香族系モノマー成分由来の構成単位を少なくとも1種類含み、2種以上の構成単位からなるポリアミド樹脂であり、例えば、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジアミン、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンまたは芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸を原料とし、これらの重縮合によって得られる芳香族ポリアミド樹脂の中で、2種以上の構成単位からなるポリアミド樹脂である。ここで、ジアミンとジカルボン酸の組み合わせは、1種類のジアミンと1種類のジカルボン酸の組合せで1種類のモノマーとみなす。
原料の脂肪族ジアミン及び脂肪族ジカルボン酸としては、前記の脂肪族ホモポリアミド樹脂の原料として例示したものと同様のものが挙げられ、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸として例示したものも含まれる。
芳香族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸としては、ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等が挙げられる。
また、芳香族共重合ポリアミド樹脂は、ラクタム、アミノカルボン酸由来の構成単位を含んでいてもよく、ラクタム、アミノカルボン酸としては、前記の脂肪族ホモポリアミド樹脂の原料として例示したものと同様のものが挙げられる。
これらのジアミン、ジカルボン酸、ラクタム、アミノカルボン酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
芳香族共重合ポリアミド(A−4)の具体的な例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6T/6)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド/ポリカプロアミドコポリマー(ポリアミド6I/6)、ポリドデカミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド12/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリ(2−メチルペンタメチレンテレフタルアミド)コポリマー(ポリアミド6T/M5T)およびこれらの混合物ないし共重合樹脂などが挙げられる。これらの芳香族共重合ポリアミド(A−4)は、各々単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。
(ポリアミド樹脂の製造)
ポリアミド樹脂の製造装置としては、バッチ式反応釜、一槽式ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置、一軸型混練押出機、二軸型混練押出機等の混練反応押出機等、公知のポリアミド製造装置が挙げられる。重合方法としては溶融重合、溶液重合や固相重合等の公知の方法を用い、常圧、減圧、加圧操作を繰り返して重合することができる。これらの重合方法は単独で、あるいは適宜、組合せて用いることができる。
ポリアミド樹脂の中でも、ポリアミド樹脂の結晶性の観点から、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6/66からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、ポリアミド6及びポリアミド6/66からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、ポリアミド6及びポリアミド6とポリアミド6/66との混合物がさらに好ましい。
以上、好ましいポリアミド樹脂について例示したが、ポリアミド樹脂は好ましい例示に必ずしも限定されない。本発明は、ポリアミド樹脂の種類に関わらず、タルクの平均粒子径によって、ガス透過性が異なることを見出したものであるからである。
(ポリアミド樹脂の相対粘度)
ポリアミド樹脂(A)は、JIS K−6920に準拠し、ポリアミド樹脂1gを96%濃硫酸100mlに溶解させ、25℃で測定される相対粘度が2.7以上であり、2.7以上5.0以下であることが好ましい。前記範囲であると結晶性が高くなり、ガス透過性を高めると考えられる。
ポリアミド樹脂(A)が、相対粘度が異なる2種以上のポリアミド樹脂含む場合、ポリアミド樹脂(A)における相対粘度は、上記内容で測定されるのが好ましいが、それぞれのポリアミド樹脂の相対粘度とその混合比が判明している場合、それぞれの相対粘度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値を、ポリアミド樹脂(A)の相対粘度としてもよい。
ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度は、フェノールとメタノールの混合溶媒に溶解させ中和滴定で求められる末端アミノ基濃度として、30μmol/g以上であり、30μmol/g以上110μmol/g以下の範囲が好ましく、30μmol/g以上70μmol/g以下の範囲がより好ましい。前記範囲であると、ポリアミド樹脂組成物を用いた成形物の成形加工性が良好である。
ポリアミド樹脂(A)が、末端アミノ基濃度の異なる2種以上のポリアミド樹脂を含む場合、ポリアミド樹脂(A)における末端アミノ基濃度は、上記中和摘定で測定されるのが好ましいが、それぞれのポリアミド樹脂の末端アミノ基濃度とその混合比が判明している場合、それぞれの末端アミノ基濃度にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値を、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度としてもよい。
ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、78〜94質量%含まれることが好ましく、80〜92質量%含まれることがより好ましい。ポリアミド樹脂(A)の含有割合が前記範囲であると、ポリアミド樹脂組成物を用いた成形物の成形加工性が良好である。
<耐衝撃材(B)>
ポリアミド樹脂組成物は、耐衝撃材(B)を含む。耐衝撃材(B)としてはゴム状重合体が挙げられる。耐衝撃材は、ASTM D−790に準拠して測定した曲げ弾性率が500MPa以下であることが好ましい。
耐衝撃材(B)として具体的には、(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体、(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステル)系共重合体等を挙げることができる。これらは1種単独で又は2種以上を組合せて用いることができる。耐衝撃材(B)として好ましくは、エチレン/α−オレフィン系共重合体である。
(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンと炭素数3以上又は4以上のα−オレフィンとを共重合した重合体である。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、 4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセン等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いてもよい。
また共重合体は、非共役ジエン等のポリエンを共重合したものであってもよい。非共役ジエンとしては、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いてもよい。
(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、エチレン及び/又はプロピレンとα,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステル単量体を共重合した重合体である。α,β−不飽和カルボン酸単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸エステル単量体としては、これらα,β−不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いてもよい。
また、耐衝撃材(B)として用いられる(エチレン及び/又はプロピレン)/α−オレフィン系共重合体、並びに(エチレン及び/又はプロピレン)/(α,β−不飽和カルボン酸及び/又はα,β−不飽和カルボン酸エステル)系共重合体は、カルボン酸及び/又はその誘導体で変性された重合体であることが好ましく、不飽和カルボン酸又はその酸無水物等により酸変性された重合体であることがより好ましい。このような成分により変性することにより、ポリアミド樹脂(A)に対して親和性を有する官能基をその分子中に含むこととなる。
ポリアミド樹脂(A)に対して親和性を有する官能基としては、カルボキシ基、酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸金属塩、カルボン酸イミド基、カルボン酸アミド基、エポキシ基等が挙げられる。
これらの官能基を含む化合物、すなわちカルボン酸及びその誘導体の例として、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸及びこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノメチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル等が挙げられる。これらは1種単独でも又は2種以上を組合せて用いることができる。これらの中では無水マレイン酸が好ましい。
耐衝撃材(B)における酸無水物基の含有量は、25μmol/g超過100μmol/g未満であり、35μmol/g以上95μmol未満が好ましく、40μmol/g以上90μmol/g以下がより好ましい。含有量が25μmol/g超過では高い溶融粘度の組成物を得ることができ、ブロー成形において目標の肉厚寸法を得ることができる。また含有量が100μmol/g未満であると溶融粘度が高すぎず、押出機に負荷を抑えて良好に成形加工できる。耐衝撃材(B)が有する酸無水物基の含有量は、トルエン、エタノールを用いて調製した試料溶液を用いて、フェノールフタレインを指示薬とし、0.1規定のKOHエタノール溶液による中和滴定で測定される。
耐衝撃材(B)として、酸無水物基の含有量が異なる2種以上の耐衝撃材を用いる場合、耐衝撃材(B)における酸無水物基の含有量は、トルエン、エタノールを用いて調製した試料溶液を用いて、フェノールフタレインを指示薬とし、0.1規定のKOHエタノール溶液による中和滴定で測定されるのが好ましいが、それぞれの耐衝撃材の酸無水物基の含有量とその混合比が判明している場合、それぞれの酸無水物基の含有量にその混合比を乗じた値を合計して算出される平均値を、耐衝撃材(B)の酸無水物量としてもよい。
耐衝撃材(B)は、ASTM D1238に準拠して、温度230℃、荷重2160gで測定したMFRが0.1g/10分以上10.0g/10分以下であることが好ましい。MFRが0.1g/10分以上であると、ポリアミド樹脂組成物の溶融粘度が高くなりすぎず、例えば押出成形におけるブロー成形時にパリソンの形状が不安定になることが抑制され、成形体の厚みがより均一になる傾向がある。また、MFRが10.0g/10分以下であると、パリソンのドローダウンが大きくなりすぎず、良好なブロー成形性が得られる傾向がある。
耐衝撃材(B)は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、5〜20質量%含まれることが好ましく、6〜19質量%含まれることがより好ましく、7〜18質量%含まれることがさらに好ましい。耐衝撃材(B)の含有割合が上記範囲にあるとガスバリア性が良好である。
<無機核剤(C)>
ポリアミド樹脂組成物は、無機核剤(C)を含む。無機核剤(C)は、平均粒子径が2〜18μmであり、5〜16μmが好ましく、10〜14μmがより好ましい。平均粒子径が前記範囲にあると、ガスバリア性に優れる。
無機核剤(C)の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定方法による平均粒子径である。測定装置としては、株式会社島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−7000が挙げられる。無機核剤として市販品を使用する場合は、無機核剤の平均粒子径は、市販品のカタログ値を採用する。
無機核剤(C)の例としては、タルク、マイカ、合成マイカ、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、クレー、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、水酸化アルミニウム、ドロマイト、カオリン、シリカ、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、水酸化マグネシウム、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト、白土、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維及び硼素繊維等が挙げられる。
これらの中でも、窒素及び水素のガス透過性を抑制する観点から、タルクが好ましい。
無機核剤(C)は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、0.01〜0.5質量%含まれることが好ましく、0.01〜0.4質量%含まれることがより好ましく、0.02〜0.3質量%含まれることがさらに好ましい。無機核剤(C)の含有割合が上記範囲にあるとガスバリア性が良好である。
[任意成分(D)]
ポリアミド樹脂組成物は目的等に応じて、任意成分として、染料、顔料、繊維状補強物、粒子状補強物、可塑剤、酸化防止剤、耐熱剤、発泡剤、耐候剤、結晶核剤(成分(C)を除く)、結晶化促進剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤等の機能性付与剤等を適宜含有していてもよい。本発明の効果向上の為、ポリアミド樹脂組成物は、酸化防止剤を含有するのが好ましい。
任意の添加剤(D)は、ポリアミド樹脂組成物100質量%中、好ましくは0.01〜1質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%含まれる。
[ポリアミド樹脂組成物の製造方法]
ポリアミド樹脂組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば次の方法を適用することができる。
ポリアミド樹脂(A)と、耐衝撃材(B)と、無機核剤(C)と、その他任意成分との混合には、単軸、2軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、及びミキシングロールなど通常公知の溶融混練機が用いられる。例えば、二軸押出機を使用して、全ての原材料を配合後、溶融混練する方法、一部の原材料を配合後、溶融混練し、更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは一部の原材料を配合後、溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。
[水素透過度及び窒素透過度]
ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー径44mm、L/D35であるTEX−44二軸押出機で溶融混練してペレットを得た後、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、金型内平均射出速度50mm/secで射出成形して得られた厚さ1mmの 成形片のJIS K7126−1に従って、23℃で測定した、水素透過度及び窒素透過度は以下の通りである。
水素透過度(cc/m・24h・atm)は、55未満である。
窒素透過度(cc/m・24h・atm)は、0.35未満である。
なお、水素透過度及び窒素透過度の具体的な測定条件は、実施例に記載した条件である。
水素透過度及び窒素透過度が前記範囲にあるため、本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形品としたときにガスバリア性に優れる。
[ポリアミド樹脂組成物の用途]
ポリアミド樹脂組成物は、ブロー成形によるブロー成形品の製造に好適に用いることができる。さらには、押出成形による押出成形品の製造に好適に用いることができる。
ポリアミド樹脂からブロー成形によりブロー成形品を製造する方法については特に制限されず、公知の方法を利用することができる。一般的には、通常のブロー成形機を用いパリソンを形成した後、ブロー成形を実施すればよい。パリソン形成時の好ましい樹脂温度は、ポリアミド樹脂組成物の融点より10℃から70℃高い温度範囲で行うことが好ましい。
ポリアミド樹脂から押出成形により押出成形品を製造する方法については特に制限されず、公知の方法を利用することができる。
また、ポリエチレンなどのポリオレフィンや他の熱可塑性樹脂と共押出した後、ブロー成形を行い、多層構造体を得ることも可能である。その場合ポリアミド樹脂組成物層とポリオレフィンなどの他の熱可塑性樹脂層の間に接着層を設けることも可能である。多層構造体の場合、本発明のポリアミド樹脂組成物は外層、内層のいずれにも使用し得る。
ブロー成形によるブロー成形品及び押出成形による押出成形品としては、特に限定されないが、スポイラー、エアインテークダクト、インテークマニホールド、レゾネーター、燃料タンク、ガスタンク、作動油タンク、燃料フィラーチューブ、燃料デリバリーパイプ、その他各種ホース・チューブ・タンク類などの自動車部品、電動工具ハウジング、パイプ類などの機械部品を始め、タンク、チューブ、ホース、フィルム等の電気・電子部品、家庭・事務用品、建材関係部品、家具用部品など各種用途が好適に挙げられる。
ポリアミド樹脂組成物は、ガスバリア性に優れるため、ガスと接触する成形体、たとえば、ガスに接するタンク、チューブ、ホース、フィルム等に好適に用いられる。
前記ガスの種類としては、特に制限されないが、水素、窒素、酸素、ヘリウム、メタン、ブタン、プロパン等が挙げられ、極性の小さいガスが好ましく、水素、窒素がより好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[評価方法]
水素透過度及び窒素透過度
JIS K7126−1に従い、厚み1mmの試験片を用い、ガスクロマトグラフ法を採用し、23℃、0%RHにおいて、水素透過試験及び窒素透過試験を行った。測定装置は、GTR−21A−B,シリアル番号GTR−1400120(GTRテック社製)を用いた。試験片は、表1に記載した各成分を用いて、下記溶融混錬条件及び下記射出成形条件で製造した。
ポリアミド樹脂:ポリアミド6(宇部興産(株)製 UBEナイロン 1013B)
耐衝撃材:無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体 (三井化学株式会社製、タフマーMH5020)
タルク11μm:(林化成株式会社製 KHP−400、平均粒子径11μm)
タルク13μm:(宇部マテリアルズ社製:LS−408、平均粒子径13μm)
タルク0.6μm:(日本タルク株式会社製 NANO ACE D−600、平均粒子径0.6μm)
タルク19.5μm:(林化成株式会社製 KHP−400B、平均粒子径19.5μm)
タルクの平均粒子径は、カタログ値である。
[実施例1〜2、比較例1〜3]
表1に記載した各成分を表1に記載の割合でブレンドし、下記溶融混錬条件で溶融混練し、目的とするポリアミド樹脂組成物ペレットを作製した。
次に、得られたペレットを下記射出成形条件で、厚さ1mmの試験片を製造し、各種物性測定を行った。結果を表1に示す。
なお、表1中の組成の単位は質量%であり、ポリアミド樹脂組成物全体を100質量%とする。
<溶融混錬条件>
TEX−44二軸押出機を使用
シリンダー径:44mm
L/D:35
スクリュー回転数:120rpm
<射出成形条件>
シリンダー温度:270℃
金型温度:80℃
金型内平均射出速度:50mm/sec
冷却時間:5秒
Figure 2021070712
表1から、実施例1及び2と比較例1とを比較すると、無機核剤の平均粒子径が本願の範囲よりも小さいと窒素の透過性が約10%高くなることがわかる。実施例1及び2と比較例2とを比較すると、無機核剤の平均粒子径が本願の範囲よりも大きいと水素の透過性が約10%及び窒素の透過性が約10%高くなることがわかる。実施例1及び2と比較例3とを比較すると、無機核剤を含まないと水素の透過性が顕著に高くなることがわかる。

Claims (5)

  1. ポリアミド樹脂(A)、耐衝撃材(B)、及び無機核剤(C)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
    前記無機核剤(C)の平均粒子径が2〜18μm であり、
    前記ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー径44mm、L/D35であるTEX−44二軸押出機で溶融混練してペレットを得た後、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、金型内平均射出速度50mm/secで射出成形して得られた厚さ1mmの 成形片の、JIS K7126−1に従って、23℃
    で測定した、水素透過度及び窒素透過度が下記の要件を満たす、ポリアミド樹脂組成物。
    水素透過度(cc/m・24h・atm):55未満
    窒素透過度(cc/m・24h・atm):0.35未満
  2. 前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6/66からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1のポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6、又はポリアミド6とポリアミド6/66との混合物である請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記無機核剤(C)がタルクである請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. ポリアミド樹脂組成物100質量%中、ポリアミド樹脂(A)78〜94質量%、耐衝撃材(B)5〜20質量%、及び無機核剤(C)0.01〜0.5質量%を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
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