{実施形態}
以下、実施形態に係るトレイ及びそれを備える物品自動取扱装置について説明する。
<物品自動取扱装置の全体構成>
まず物品自動取扱装置の全体構成について先に説明する。図1は、実施形態に係る物品自動取扱装置10を示す概略斜視図である。図2は、実施形態に係る物品自動取扱装置10の内部構成を示す概略平面図である。図3は、実施形態に係る物品自動取扱装置10の内部構成を示す概略背面図である。なお以下では、鉛直方向に沿う方向をZ方向とし、Z方向に直交する2方向をX方向及びY方向として説明する。各図におけるX、Y、Z方向はこれに対応している。
物品自動取扱装置10は、利用者から入庫される物品又は利用者に出庫される物品を保管しておく装置である。物品自動取扱装置10において、利用者は、取扱口40hを通じて係る物品の入庫及び出庫のうち少なくとも一方を行うことができる。物品自動取扱装置10は、利用者からの指示に応じて、取扱口40hを通じた入庫処理及び出庫処理の少なくとも一方を行う。つまり、物品自動取扱装置10は、取扱口40hを通じて、利用者から入庫指示のあった物品を入庫したり、利用者から出庫指示のあった物品を利用者に出庫したりする。なお、管理者は、取扱口40hを通じた入出庫が可能であってもよいし、取扱口40h以外の入出庫口を通じた入出庫が可能であってもよい。具体的には、物品自動取扱装置10は、物品保持部の一例としてのトレイ20と、格納部30と、取扱口機構40と、搬送機構70とを備える。物品自動取扱装置10は、受付部14と物品情報表示部18と制御部100とをさらに備える。
筐体12の内部に格納部30が収容されている。複数のトレイ20は、格納部30に格納されている。トレイ20には、物品が載置される。係る物品は、トレイ20に載置可能なものであれば、特に限定されるものではない。例えば、係る物品は、図書であってもよい。また例えば、係る物品は、CD、DVD、ブルーレイディスクなどの光ディスクであってもよい。利用状況によって、格納部30に格納された複数のトレイ20のすべてに物品が載置されていることもあり得るし、複数のトレイ20のすべてが空であることもあり得るし、物品が載置されたトレイ20と空のトレイ20とが混在していることもあり得る。トレイ20は、格納部30と取扱口機構40との間で、搬送機構70によって搬送される。利用者は、取扱口機構40において、物品の入庫及び出庫の少なくとも一方を行うことができる。
取扱口機構40を通じた利用者による物品の出庫は以下のように行われる。すなわち、利用者は物品自動取扱装置10に出庫したい物品を指示する。これを受けて、搬送機構70は、当該物品が載置されたトレイ20を格納部30から取扱口機構40に搬送する。当該物品が載置されたトレイ20が取扱口機構40に位置する状態で、利用者は、取扱口機構40において、トレイ20から当該物品を取り出す。
取扱口機構40を通じた利用者による物品の入庫は以下のように行われる。すなわち、利用者は物品自動取扱装置10に入庫を指示する。これを受けて、搬送機構70は、取扱口機構40に空のトレイ20がない場合、空のトレイ20を格納部30から取扱口機構40に搬送する。空のトレイ20が取扱口機構40に位置する状態で、利用者は、取扱口機構40において、トレイ20に入庫したい物品を載置する。そして搬送機構70は、当該物品が載置されたトレイ20を取扱口機構40から格納部30に搬送する。
受付部14は、利用者から入出庫にかかる上記指示を受け付ける。物品情報表示部18は、筐体12に収容されている物品に関する情報を利用者に表示する。制御部100は、上記入出庫処理にかかる動作を含む物品自動取扱装置10における各動作を制御可能に構成されている。
以下では、物品自動取扱装置10が物品自動貸出返却装置であるものとして説明する。また係る物品が図書であるものとして説明する。従って、物品自動取扱装置10における利用者による物品の出庫処理は、図書の貸出処理に相当する。また物品自動取扱装置10における利用者による物品の入庫処理は、図書の返却処理に相当する。
<トレイ20>
次に図4から図6を参照しつつトレイ20について詳述する。図4は、実施形態に係るトレイ20を示す概略斜視図である。図5は、実施形態に係るトレイ20を示す概略平面図である。図6は、実施形態に係るトレイ20を示す概略側面図である。なお図5において、底板部22に載置される物品200(ここでは図書)が仮想線によって示されている。なお物品200aは、物品自動取扱装置10において取り扱われる上限サイズの物品を示している。また物品200bは、物品自動取扱装置10において取り扱われる下限サイズの物品を示している。また図4から図6におけるX、Y、Z方向は、トレイ20が物品自動取扱装置10において格納部30又は取扱口機構40に位置した状態での、図1から図3における上記X、Y、Z方向に対応している。
トレイ20は、物品自動取扱装置10用のトレイである。トレイ20は、物品自動取扱装置10において搬送機構70によって格納部30と取扱口40hとの間で搬送される。トレイ20は、載置部21と受部25とを備える。
載置部21は物品200が載置される部分である。載置部21は底板部22を含む。ここでは載置部21は側板部23と物品用ストッパ24とをさらに含む。またここでは底板部22に孔22hが形成されている。
底板部22は物品200を載置可能に設けられている。トレイ20は、底板部22における最も大きい主面が水平方向(重力方向に対して垂直な方向)に平行な状態で使用される。底板部22は、平面視で方形状(ここでは長方形状)に形成されている。このため、底板部22は、4つの縁部22a、22b、22c、22dを含む。縁部22a、22bは、長方形における短辺の縁部であり、縁部22c、22dは、長方形における長辺の縁部である。底板部22に凹部22eが形成されている。凹部22eは、縁部22aに形成されている。縁部22aが第1縁部である。
凹部22eは、縁部22aとは反対側の縁部22bに向けて凹むように形成されている。凹部22eは縁部22aのうち延在方向に沿った中間部に設けられている。縁部22aのうち延在方向に沿った端部は凹んでいない。凹部22eは、平面視で等脚台形状に形成されている。なお等脚台形の角に相当する部分は、丸められていてもよい。凹部22eは、開口部の幅寸法が底部の幅寸法よりも大きくなるように凹んでいる。凹部22eの縁であって、開口部と底とを結ぶ部分は、縁部22b、22c、22dと平行でない。凹部22eの縁であって、凹部22eの底をなす部分は、縁部22bと平行である。凹部が上記形状であることは必須ではない。凹部は、平面視において、方形状に凹んでいてもよいし、弧状に凹んでいてもよい。
底板部22のうち縁部22aにおける裏面は、傾斜面とされる。これによりトレイ20が縁部22a側から台等にスライド移動しつつ移載される際、トレイ20の角が台の角に接触して移載ミスが生じることが抑制される。
側板部23は、底板部22に載置された物品200が縁部22b、22c、22dから脱落することを抑制する。側板部23は底板部22上に突出するように設けられる。側板部23は、底板部22のうち縁部22a以外の縁部22b、22c、22dに設けられている。ここでは、縁部22a以外の3つの縁部22b、22c、22dにそれぞれ側板部23が設けられる。以下、3つの側板部23について区別が必要な場合、設けられる縁部22b、22c、22dに対応する符号が付され、側板部23b、23c、23dと称されることがある。
側板部23bは、縁部22aと反対側の縁部22bに設けられる。側板部23bは、縁部22bの延在方向に沿って全体に亘って設けられる。側板部23bは、縁部22bの延在方向に沿って部分的に設けられていてもよい。側板部23c、23dは、縁部22a、22bを結ぶ縁部22c、22dにそれぞれ設けられる。側板部23c、23dは、縁部22c、22dの延在方向に沿って全体に亘って設けられる。側板部23c、23dは、縁部22c、22dの延在方向に沿って部分的に設けられてもよい。側板部23c、23dは、側板部23bとつながっている。
側板部23b、23c、23dは、側板部23c、23dにおける端部において丸められた部分以外では、それぞれ一定の高さで連続している。もっとも、側板部23b、23c、23dにおいて、上記以外に高さが異なる部分があってもよい。また側板部23b、23c、23dの高さは、同じ高さである。もっとも、側板部23b、23c、23dの高さは、異なる高さであってもよい。また側板部23b、23c、23dは、底板部22に垂直に設けられている。もっとも、側板部23b、23c、23dは、垂直以外の角度で底板部22と交差するように設けられていてもよい。
物品用ストッパ24は、物品200が底板部22の縁部22a側から脱落することを抑制する。物品用ストッパ24は底板部22上に突出するように設けられている。物品用ストッパ24は、底板部22のうち凹部22eを避けた位置に設けられている。具体的には、物品用ストッパ24は、Y方向に沿って凹部22eの底よりも開口部側に設けられている。これにより、物品200が物品用ストッパ24に接触した状態で、物品200の一部が凹部22eの上方に位置することができる。この結果、利用者が物品200を載置部21から取り出す際に、凹部22eに手を挿し込むことによって物品200の下に手を挿し込みやすくなる。
物品用ストッパ24は、縁部22aにおいて凹部22eが形成されていない部分であって、開口部の隣に位置する部分のみに形成されている。物品用ストッパ24は、縁部22bと平行に延びている。物品用ストッパ24は、凹部22eの底に達しない範囲であれば、凹部22eの縁であって、開口部と底とを結ぶ部分に沿って設けられた部分を有していてもよい。
物品用ストッパ24の高さ方向は底板部22の主面に直交する方向とされる。ここでは物品用ストッパ24の高さ方向はZ方向である。物品用ストッパ24の高さは、側板部23の高さよりも低い。これにより、利用者が載置部21との間で物品200を出し入れする際、物品200が物品用ストッパ24を越えやすくなり、出し入れが容易となる。もっとも、物品用ストッパ24の高さは、側板部23の高さと同じかそれよりも高くてもよい。
物品用ストッパ24の厚み方向は、縁部22aの延在方向と直交する方向とされる。ここでは物品用ストッパ24の厚み方向は、Y方向である。物品用ストッパ24の厚み寸法は、側板部23の厚み寸法よりも厚い。ここで、トレイ20のうち物品用ストッパ24が設けられる部分は、後述するトレイ用ストッパ45と接触(衝突)し得る部分である。このとき、物品用ストッパ24の厚みが、側板部23の厚みよりも厚いことによって、トレイ20のうちトレイ用ストッパ45と接触する部分の剛性を高めることができる。さらに、底板部22のうち縁部22aにおける裏面は、傾斜面とされている。このため、底板部22のうち縁部22aの部分は、他の部分と比べて厚みが薄く、剛性が低い。この場合でも、物品用ストッパ24によって、トレイ20において縁部22aの部分の剛性が高められる。もっとも、物品用ストッパ24は物品200の脱落を抑制できるものであればよく、物品用ストッパ24の厚み寸法は、側板部23の厚み寸法と同じかそれよりも薄くてもよい。
孔22hは、底板部22に物品200が載置されていることを検知するために設けられている。孔22hは、後述する検知センサ60に使用される。ここでは底板部22に載置される物品200(図書)の大きさが異なる場合がある。このとき、検知センサ60が1つであると、底板部22に載置される物品200のサイズが小さい場合、検知ミスが生じる恐れがある。そこで、底板部22に載置される物品200のサイズが小さい場合でも検知ミスが生じないように、検知センサ60が複数設けられている。そして、複数の検知センサ60に対応するため、孔22hが複数形成されている。
具体的には、ここでは底板部22に載置される物品(図書)200の大きさの上限は、A4サイズと同程度が想定されている。このため、底板部22はA4サイズと同じかそれより大きく(ここでは若干大きく)設定されている。このとき、底板部22の周囲に設けられている側板部23及び物品用ストッパ24によって、A4サイズの物品200aについては、底板部22上で大きく動くことが抑制される。これにより、A4サイズの物品200aについては、複数の検知部のいずれでも検知可能とされる。
一方、底板部22に載置される物品(図書)200の大きさの下限は、A6サイズ(いわゆる文庫本サイズ)と同程度が想定されている。底板部22がA4サイズに対応する大きさであるため、底板部22の周囲に側板部23及び物品用ストッパ24が設けられていても、A6サイズの物品200bは、底板部22上において所定の位置に収まらない場合が起こり得る。この場合でも、ここでは、複数の検知センサ60のいずれかがA6サイズの物品200bを検知できるように、複数の検知センサ60が分かれて配置されている。そして、各検知センサ60の位置に対応する位置に孔22hが形成されている。
トレイ20に載置される物品として想定される最大サイズ及び最小サイズは、上記例に限られない。
より具体的には、底板部22に孔22hが5つ形成されている。5つの孔22hのうち4つの孔22haは、それぞれが長方形の4つの角に対応する位置に設けられている。孔22haは、A6サイズの物品200bが底板部22の対応する隅に位置した状態で、どの向きを向いている場合にも、検知可能な位置に設けられている。図5には底板部22の隅に位置するA6サイズの物品200bが縦向きの場合及び横向きの場合が示されている。なお縦向きとは、物品200bの長手方向が底板部22の長手方向(Y方向)に沿う向きである。横向きとは、物品200bの長手方向が底板部22の長手方向(Y方向)に直交する向きである。孔22haは、底板部22の隅に位置する物品200bが、縦向きと横向きとの間のいずれの向きを向く場合でも重なる位置に設けられている。
例えば、載置が想定される物品(図書)200の最短寸法(短辺寸法)を想定する。最小サイズがA6サイズであれば、最短寸法は、A6サイズの短辺寸法である。底板部22の1つの角に対応して設けられた孔22haに着目し、当該角で交差する物品用ストッパ24又は側板部23bと孔22haの中心との距離は、前記最短寸法よりも小さく設定される。他の角に対応して設けられる孔22haについても、最短寸法との関係で同様に設定されるとよい。また、例えば、トレイ20の短辺方向(X方向)において、孔22haの中心間の距離は、最短寸法よりも小さく設定される。
5つの孔22hのうち残りの1つの孔22hbは、4つの孔22haを結ぶ長方形の内部に位置する位置に設けられている。孔22hbは、長方形の対角線の交点の位置に設けられている。図5に示されるように、A6サイズの物品200bは、底板部22上で横向き又は斜めに載置されると、4つの孔22haと重ならない場合が生じうる。孔22hbは、この場合の物品200bを検知可能な位置に設けられている。
例えば、孔22hbの中心と、上記4つの孔22haの中心との距離は、上記最短寸法よりも小さく設定される。また、例えば、トレイ20の幅方向(X方向)両端に設けられる側板部23c又は23dと、孔22hbの中心との距離は、上記最短寸法よりも小さく設定される。
受部25は、トレイ20が格納部30又は取扱口40hと搬送機構70との間で移載されるときに搬送機構70からの力を受ける部分である。受部25は受面25a及び対向受面25bを有する。受面25aは、搬送機構70による押込力を受ける面である。対向受面25bは搬送機構70による引込力を受ける面である。受部25は縁部22a以外の縁部22b、22c、22dの位置に設けられる。ここでは受部25は、縁部22bの位置に設けられる。受部25は側板部23bを含む。また受部25は、突出板部26と対向板部27とを含む。突出板部26は側板部23bの外面からY方向に突出する。対向板部27は、突出板部26の先端からZ方向に突出する。対向板部27は側板部23bと対向する。側板部23bの外面が受面25aである。受面25aは、トレイ20が搬送機構70から格納部30又は取扱口機構40に移載されるときに、搬送機構70からの力を受ける。対向板部27のうち側板部23bを向く内面が対向受面25bである。対向受面25bは受面25aに対して間隔をあけて対向している。対向受面25bは、トレイ20が格納部30又は取扱口機構40から搬送機構70に移載されるときに、搬送機構70からの力を受ける。受部は、底板部に設けられてもよい。
トレイ20の幅方向(X方向)に沿った載置部21の寸法は、受部25のうち突出板部26と対向板部27の寸法よりも大きい。受部25のうち突出板部26と対向板部27は、トレイ20の幅方向に沿って載置部21の中間部に設けられる。トレイ20の幅方向に沿って載置部21の両端部に受部25のうち突出板部26と対向板部27が設けられていない。この突出板部26と対向板部27が設けられていない部分に、格納部30における後述する第1ストッパ36が接触可能とされる。
トレイ20は、取扱口40hまで搬送された状態においては、人手が取扱口40hから凹部22eにアクセス可能な姿勢で支持される。トレイ20は、縁部22aを取扱口40hに向けた姿勢で支持される。
トレイ20は、金型を用いた射出成形によって、載置部21及び受部25を含む形状に一体成形されていてもよい。またトレイ20は、別体に成形された複数の部材が、合体された構成とされていてもよい。例えば、載置部21を含む部材及び受部25を含む部材がそれぞれ別に一体成形された後に、2つの部材が合体されてもよい。この際、複数の部材は、ねじ等の固定部品によって合体されてもよいし、嵌め合い構造など各部材に設けられた固定構造を用いて合体されてもよいし、溶接等によって合体されていてもよい。
トレイ20を構成する材料は、特に限定されるものではなく、樹脂、金属などを用いることができる。またトレイ20を構成する材料は、一種類のみであってもよいし、複数種類であってもよい。またトレイ20を構成する材料は、樹脂のみであってもよいし、金属のみであってもよいし、樹脂と金属とが混在していてもよい。
トレイ20には底板部22を覆うカバーが設けられていない。このため、高さ方向において、側板部23以上の高さを有する物品200が載置部21に載置可能である。もちろん、トレイ20には底板部22を覆うカバーが設けられていてもよい。
<筐体>
筐体12は、格納部30及び搬送機構70を収容している。筐体12は、例えば直方体箱状に形成される。筐体12は、例えば、フレーム及びパネルを備える。筐体12はドアを備えていてもよい。筐体12の正面に、取扱口40h、受付部14及び物品情報表示部18が設けられる。図1に示す例では、横方向に沿って、取扱口40hが受付部14と物品情報表示部18との間に位置している。もっとも、取扱口40h、受付部14及び物品情報表示部18の並び順はこれに限られない。例えば、横方向に沿って、取扱口40h、受付部14、物品情報表示部18の順に並んでいてもよい。また例えば、物品情報表示部18が取扱口40h及び受付部14の上方に位置していてもよい。
筐体12には、開閉可能な開閉部が設けられている。ここでは筐体12において正面のパネルが開閉可能とされる。また筐体12において、側部に設けられたドアが開閉可能とされる。開閉部が開かれることによって、筐体12の内部にアクセス可能とされる。これにより、筐体12の内部に収められた各機構のメンテナンスを行うことができる。物品自動取扱装置10の管理者によって、開閉部を通じた物品200の入出庫が行われてもよい。
<格納部30>
次に図7から図9を参照しつつ格納部30について詳述する。図7は、格納部30及び取扱口機構40を示す概略正面図である。図8は、格納部30及び取扱口機構40を示す概略側面図である。図9は、格納部30を示す概略平面図である。
格納部30はトレイ20を複数格納可能に設けられている。格納部30における格納空間は、複数の区分部材によって区分されている。これにより、格納部30に、それぞれがトレイ20を1つ格納可能なトレイ格納部が複数設けられている。複数の区分部材は、複数の第1区分部材32と複数対の第2区分部材34とを含む。第1区分部材32は、格納空間をX方向に区分する。第2区分部材34は、格納空間をZ方向に区分する。複数のトレイ格納部は、X方向及びZ方向に並んでいる。複数の格納部30において、X方向に並ぶものは列と称され、Z方向に並ぶものは段と称されることがある。なお、ここでの区分は、格納空間が区分部材を手がかりとして空間的に区別されるという意味であり、区分部材自体が格納空間を仕切る必要は無い。
第1区分部材32は、平板状に形成されている。第1区分部材32は、YZ方向に広がるように配置される。向い合う第1区分部材32の間にトレイ20が格納される。トレイ格納部は4列設けられるように、複数の第1区分部材32がX方向に並んでいる。第1区分部材は、平板状でなくてもよい。例えば、第1区分部材は、第2区分部材を複数段に亘って支持する支持柱であってもよい。
複数対の第2区分部材34は、向い合う第1区分部材32の間を区分する。向い合う第1区分部材32の間において、複数対の第2区分部材34がZ方向に沿って並んで設けられる。一対の第2区分部材34は、向い合う第1区分部材32それぞれの対応する位置に設けられる。各第2区分部材34は第1区分部材32からX方向に突出するように設けられた格納側ガイド部35を含む。格納側ガイド部35はレール状に形成されている。一対の格納側ガイド部35が、X方向に向い合って配置される。トレイ20は、この一対の格納側ガイド部35上をスライド移動する。そして、一対の格納側ガイド部35にトレイ20が載置される。これにより、トレイ格納部にトレイ20が格納された状態となる。各格納側ガイド部35には、第1ストッパ36及び第2ストッパ37が設けられている。
第1ストッパ36は、Y方向に延びる格納側ガイド部35のうち搬送機構70側(Y方向正の側)の端部に上方に突出して設けられる。なお、本実施形態において、Y方向正の側とは、格納部30又は取扱口機構40と搬送機構70との関係において、搬送機構70側であり、Y方向負の側とは、格納部30又は取扱口機構40と搬送機構70との関係において、格納部30又は取扱口機構40の側である。トレイ20のうち凹部22eが設けられる側は、トレイ20においてY方向正の側に設けられる前側であり、トレイ20のうち受部25が設けられる側は、トレイ20においてY方向負の側に設けられる後側であると把握されてもよい。第1ストッパ36は、格納部30に格納されたトレイ20の後部を押さえる。第1ストッパ36は、トレイ20がトレイ格納部から脱落することを抑制する脱落抑制ストッパの一例である。第1ストッパ36は、ストッパ面36a及びガイド面36bを有する。
ストッパ面36aは、トレイ格納部に格納されたトレイ20側を向く面であり、ここではY方向負の側を向く面である。ストッパ面36aは、側板部23bの外面のうち受部25が設けられていない部分に接触可能に設けられている。一対のストッパ面36aは、側板部23bの外面のうち幅方向に沿った両端部に接触可能に設けられている。ここではストッパ面36aは垂直面である。
ガイド面36bは、搬送機構70側を向く面であり、ここではY方向正の側を向く面である。ガイド面36bは、格納部30にトレイ20が格納されるときに、トレイ20がストッパ面36aを越えやすくする。ガイド面36bは、傾斜面である。ガイド面36bは、ストッパ面36aよりも緩やかに傾斜している。
第2ストッパ37は、Y方向に延びる格納側ガイド部35のうち第1ストッパ36が設けられる側とは反対側(Y方向負の側)の端部に設けられる。第2ストッパ37は、格納部30に格納されたトレイ20の前部を押さえる。第2ストッパ37の高さ寸法は、第1ストッパ36の高さ寸法よりも高い。第2ストッパ37のトレイ20側の面は垂直面である。
第2区分部材34は、格納側ガイド部35から突出する固定部分38を含む。第2区分部材34は、固定部分38を用いて第1区分部材32に固定されている。例えば第2区分部材34は、固定部分38が第1区分部材32にねじ止め固定される。第2区分部材34は、1枚の板材によって、格納側ガイド部35、第1ストッパ36、第2ストッパ37、及び固定部分38を含む形状に形成されている。1枚の板材には、適宜打ち抜き加工及び折曲げ加工等が施されている。
第1区分部材32a、32bの間、第1区分部材32c、32dの間、及び第1区分部材32d、32eの間では、第2区分部材34が鉛直方向に沿って一定ピッチで設けられている。第1区分部材32a、32bの間、第1区分部材32c、32dの間、及び第1区分部材32d、32eの間では、例えば、第2区分部材34が20段から30段ほど設けられる。第1区分部材32b、32cの間には、第2区分部材34が設けられていない部分が存在する。この部分に、取扱口機構40が設けられている。取扱口機構40の上方及び下方も格納部30の一部とされている。
なお格納部30の構成は上記したものに限られない。例えば、第1区分部材32が平板状ではなく柱状に設けられて、2つの柱状の第1区分部材32がY方向に離れて配置されてもよい。また例えば、第2区分部材34が、一枚の板状に形成されて、向い合う第1区分部材32をつなぐように設けられていてもよい。
<取扱口機構40>
次に図7及び図8に加えて図10から図13を参照しつつ取扱口機構40について詳述する。図10は、格納部30及び取扱口機構40を示す概略正面図である。図11は、取扱口機構40を示す概略斜視図である。図12はトレイ20が取扱口機構40に位置する様子を示す概略平面図である。図13は図12におけるXIII−XIII線に沿った概略断面図である。なお、図7及び図8は扉49が閉まった状態が示されている。図10は扉49が開いた状態が示されている。図11では扉49が省略されている。
取扱口機構40には、取扱口40hが形成されている。取扱口40hは、利用者が物品200の入庫作業又は出庫作業の少なくとも一方を行うために設けられた部分である。物品自動取扱装置10における取扱口40hは、筐体12における取扱口と後述する支持部42における取扱口とが連通して構成されている。取扱口機構40は、支持部42と扉機構48と検知センサ60、61、62、63と読取部64とを含む。
支持部42は、取扱口40hの内側に設けられている。支持部42は、トレイ20を支持可能である。トレイ20は縁部22aが取扱口40hを向くように支持部42に配置される。支持部42は基台43と取扱口側ガイド部44とトレイ用ストッパ45とを含む。
基台43の上方空間が取扱口機構40におけるトレイ20の収容空間とされる。基台43の両側方(基台43のX方向両端部)には側壁46a、46bが設けられている。基台43の上方には、基台43と間隔をあけて天井部47が設けられている。天井部47の後方(Y方向正の側の端部)から垂れ下がるように側壁46cが設けられている。側壁46cは基台43まで達していない。側壁46cと基台43との間は開口している。収容空間は、基台43、側壁46a、46b、46c及び天井部47によって囲まれた空間である。支持部42はY方向両側に開口している。支持部42におけるY方向負の側の開口部が支持部42における取扱口40hである。支持部42におけるY方向正の側の開口部(側壁46cと基台43との間の開口部)は、搬送機構70との間でトレイ20が移載されるための開口部である。基台43の上面は、平坦に形成されている。基台43上に取扱口側ガイド部44が設けられている。基台43上には検知センサ60における後述する反射部60bが設けられている。
取扱口側ガイド部44は、基台43上に突出するように設けられている。取扱口側ガイド部44は、搬送機構70によって取扱口機構40に搬送されるトレイ20がスライド移動する。取扱口側ガイド部44は、レール状に形成される。取扱口側ガイド部44のうちトレイ20をガイドする上面44Fは、トレイ20を水平方向にガイド可能な形状に形成されている。この取扱口側ガイド部44のうち搬送機構70側端部には、トレイ20の脱落を抑制する上向きの突部は設けられていない。ここでは、上面44Fは、水平面44Faと、傾斜面44Fbとを含む。水平面44Faは、XY平面に沿う平面でかつY方向に沿って細長い平面に形成されている。傾斜面44Fbは、取扱口側ガイド部44のうち搬送機構70側の端部に形成されている。傾斜面44Fbは、搬送機構70に向けて下向き傾斜している。傾斜面44Fbがある端部を除き、上面44Fの大部分は水平面44Faである。搬送機構70から取扱口側ガイド部44にトレイ20が移載されると、トレイ20は取扱口側ガイド部44の上面44Fに移載される。トレイ20は、主として水平面44Fa上をスライド移動することができるため、上面44Fはトレイ20を水平方向にガイド可能な面の一例である。傾斜面44Fbは、トレイ20の前端部を水平面44Faに向けて案内し、もって、トレイ20が水平方向に移動するように矯正する補助的な役割を果たす。取扱口側ガイド部44のうち取扱口40h側の端部にトレイ用ストッパ45が設けられている。
トレイ用ストッパ45は、取扱口側ガイド部44のうち取扱口40h側の端部に上方に突出している。トレイ用ストッパ45は、取扱口側ガイド部44上のトレイ20が取扱口40hに向けて突出することを抑制する。トレイ用ストッパ45は、L字状に形成され、取扱口側ガイド部44の側方に突出する部分を有する。トレイ用ストッパ45は、取扱口側ガイド部44の側方に突出する部分において基台43に支持されている。トレイ用ストッパ45の構成は上記したものに限られない。例えばトレイ用ストッパは基台43に支持される部分が省略された構成であってもよい。また例えばトレイ用ストッパは側壁46a、46bから取扱口側ガイド部44上に突出するように設けられていてもよい。
扉機構48は、取扱口40hを開閉可能に設けられている。扉機構48は、扉49と扉開閉部50とを含む。
扉49は、取扱口40hを開閉する。扉49は筐体12における外面のパネルと支持部42との間に設けられる。扉49は平板状に形成されている。扉49は扉本体49aと延出部49bとを有する。扉本体49aは取扱口40hに応じた大きさに形成されて、取扱口40hを開閉する。扉本体49aは方形状に形成されている。延出部49bは、扉49が開状態で取扱口40hの側方に位置する。これにより、支持部42と筐体12における外面パネルとの間に利用者の指等が入ることが抑制される。また扉49において、取扱口40hの周縁における扉49と支持部42との隙間及び扉49とパネルとの隙間を覆うリブが設けられていてもよい。ここでは扉49は、鉛直方向に沿って移動するように設けられている。扉本体49aは、開状態で取扱口40hの下方に位置する。延出部49bは、扉本体49aの両側方の上方に突出するように設けられる。
扉開閉部50は、扉49を開閉駆動する。扉開閉部50は、扉支持部51と開閉機構56とを含む。
扉支持部51は、扉49を開閉移動可能に支持する。扉支持部51は扉49と支持部42との間に設けられる。扉支持部51は支持フレーム52とスライド支持部53とを含む。支持フレーム52は、方形状に形成されている。支持フレーム52には取扱口40hに応じた孔52hが形成されている。このため支持フレーム52は、X方向に延びる2つの第1部分52aとZ方向に延びる2つの第2部分52bとを有する。第1部分52aは孔52hの上方及び下方においてX方向に延びる部分である。第2部分52bは、2つの第1部分52aの各端部を連結するようにZ方向に延びる部分である。支持フレーム52の主面(Y方向負の側を向く面)において、第2部分52bにスライド支持部53が設けられている。また支持フレーム52の主面(Y方向負の側を向く面)において、第2部分52bに検知センサ63が設けられている。
スライド支持部53は、扉49を鉛直方向に移動可能に支持する。スライド支持部53は、スライドガイド54とスライダ55とを含む。2つの第2部分52bそれぞれにスライドガイド54が設けられる。スライドガイド54はレール状に形成される。スライドガイド54は第2部分52b上にZ方向に沿って延びるように設けられる。スライダ55はスライドガイド54に沿って移動可能に設けられる。スライダ55に扉49が支持されている。
開閉機構56は、スライダ55を往復移動可能に設けられる。ここでは開閉機構56は、2つの歯車57と環状チェーン58と開閉駆動部59とを含む。2つの歯車57は支持フレーム52の側面に設けられている。2つの歯車57はX方向に沿った軸回りに回転可能に支持されている。2つの歯車57はZ方向に離れて配置される。環状チェーン58は2つの歯車57に循環回転可能に支持されている。開閉駆動部59は2つの歯車57の一方を回転駆動する。開閉駆動部59は例えば回転駆動力を発生させるサーボモータ等によって構成されている。2つのスライダ55の一方が環状チェーン58に連結されている。開閉駆動部59の正逆両方向の回転駆動力が一方の歯車57に伝達され、これにより、環状チェーン58が正逆いずれかの方向に回転する。環状チェーン58の回転に伴って、当該環状チェーン58に連結されたスライダ55が扉49の開位置と閉位置との間で両方向に移動駆動される。なお、駆動部の構成は上記したものに限られない。例えば、開閉駆動部59としてシリンダ、ボールねじ等が採用されてもよい。
なお、制御部100は、開閉駆動部59からの回転位置信号又は扉49の移動経路等に設けられた位置センサの検出信号等に基づいて、扉49を開くように又は閉じるように、開閉駆動部59の回転方向、回転量等を制御する。
なお扉49は扉49の移動方向(ここではZ方向)に弾性変形可能な弾性部材(コイルバネ等)を介して支持されているとよい。これにより、取扱口40hの周縁部と扉49との間に、利用者の手などが挟まった場合に、弾性部材が弾性変形することによって、挟持する力を弱めることができる。
検知センサ60は、基台43において取扱口側ガイド部44を避けた位置に設けられている。検知センサ60は、取扱口機構40に位置するトレイ20に物品200が載置されていることを検知する。例えば検知センサ60は、投受光部60aと反射部60bとを含む。投受光部60aは、天井部47の裏側に設けられている。反射部60bが基台43上に設けられている。天井部47に検知センサ60用の孔47hが形成されている。孔47hと反射部60bとは対応する位置に設けられている。また支持部42における所定の位置にトレイ20が位置する状態で、トレイ20の孔22hは、検知センサ60用の孔47h及び反射部60bと対応する位置に位置する。
投受光部60aは、投光部及び受光部を備える。投光部は光を発する。受光部は当該光の反射光を受光する。反射部60bは当該光を反射する。トレイ20に物品200が載置されている場合、光を遮る。このため、受光部が受光する光の強度が低いときにトレイ20に物品200が載置されていることを検知できる。ここでは検知センサ60は複数(ここでは5つ)設けられている。検出光の遮光の有無によって、収容空間における物体(トレイ20、物品200、利用者の手等)の有無を検出できるようになっている。例えば、複数の検知センサ60のうち1つでも受光する光の強度が低いものがあったときに、トレイ20に物品200が載置されていることを検知できる。検知センサ60は、透過型の光センサであってもよい。この場合、投光部と受光部とが天井部47と基台43とに対向して設けられ、検知光が孔22hを通るように設定されているとよい。
検知センサ61、62が側壁46a、46bの外側に設けられていてもよい。検知センサ61、62は、収容空間における物体の有無を検知する。例えば検知センサ61、62は投受光部と反射部とを含む。投受光部は側壁46a、46bのうち一方の外側に設けられる。反射部は側壁46a、46bのうち他方の外側に設けられる。2つの側壁46a、46bには検知センサ61、62用の孔46hが形成されている。検出光の遮光の有無によって、収容空間における物体(トレイ20、物品200、利用者の手等)の有無を検出できるようになっている。ここでは検知センサ61、62は複数設けられている。
検知センサ61はトレイ20が支持部42における所定位置に位置する状態で検出光がトレイ20の先端部に遮られるように設けられる。これにより、検知センサ61はトレイ20が支持部42に所定の位置に位置するかどうかを検知する。
検知センサ62はトレイ20が支持部42における所定位置に位置する状態で検出光がトレイ20に遮られないように設けられる。検知センサ62aは検出光がトレイ用ストッパ45の上方であってトレイ20の前方を通過するように設けられる。検知センサ62b、62cは検出光が、トレイ20の中間部及び後部の位置でトレイ20の上方を通過するように設けられる。これにより、検知センサ62は利用者の手又は物品200等が収容空間に位置するかどうかを検知する。
検知センサ63は支持フレーム52に設けられている。検知センサ63は、取扱口40hのうち扉49の端部の移動軌跡上に物体があるかどうかを検知する。これにより、検知センサ63は、扉49が閉じる際、取扱口40hに入っていた利用者の手などが扉49と取扱口40hの周縁部とで挟まれることを抑制できる。例えば検知センサ63は投光部と受光部とを含む。投光部は第2部分52bの一方に設けられる。受光部は第2部分52bの他方に設けられる。
読取部64は、取扱口機構40に位置する物品200の識別情報を読み取り可能に設けられる。例えば読取部64は、物品200に設けられた識別タグを読み取る。かかる識別タグは、特に限定されるものではなく、各種識別タグを採用可能である。例えば、識別タグは、磁気によって自己の識別符号を記録したもの(磁気バーコード等)、一次元又は二次元の図形の形状でデータを記録したもの(バーコード又はQRコード(登録商標)等)が採用されてもよい。識別タグは、RFID(Radio Frequency Identifier)タグなどであってもよい。読取部64は、識別タグに準拠するものが用いられる。識別タグと読取装置とは、非接触で読取可能であるものが好ましい。読取部64は、例えば物品200が返却される際、当該物品200が当該物品自動取扱装置10に属する物品がどうかを読み取る。読取部64は天井部47の裏側に設けられている。
支持フレーム52の主面(Y方向負の側を向く面)において、第1部分52aに扉ストッパ65が設けられている。扉ストッパ65は閉状態となるように向けて扉49が移動したときに、移動超過を抑制する。このほか、支持フレーム52の主面(Y方向負の側を向く面)において、第1部分52aに報知部が設けられていてもよい。報知部は光又は音などによって扉49の開閉を利用者に報知する。
<搬送機構70>
次に図14から図17を参照しつつ搬送機構70について詳述する。図14は、搬送機構70を示す概略斜視図である。図15は、移載ユニット80を示す概略平面図である。図16は、移載ユニット80を示す概略正面図である。図17は、押引作用部86と移載機構90部との関係を示す説明図である。
搬送機構70は、格納部30と取扱口機構40との間でトレイ20を搬送する。搬送機構70は、走行機構71と昇降機構76と移載ユニット80とを備える。
走行機構71は、走行台車72と転動体73と走行駆動部74とを備える。
走行台車72は、格納部30の隣の位置で、X方向に沿って走行可能に設けられる。走行台車72は、走行駆動部74、昇降機構76等を支持した状態で、走行可能な構成であればよい。図14に示す例では走行台車72は、扁平な箱形状に簡略化されているが、走行台車72は、その他、複数の金属製の棒状部材が枠状に組合わされた構成であってもよい。
転動体73は、走行台車72の底部に取付けられている。転動体73は、格納部30の前の床を走行可能に構成されている。転動体73は、格納部30の隣に敷設されたレール等を走行可能に構成されていてもよい。転動体73は、例えば車輪等である。
走行駆動部74は、サーボモータ等によって構成されている。走行駆動部74は、上記走行台車72に取付けられている。走行駆動部74の回転駆動力は、チェーン、ベルト、ギヤ等の伝達機構を介して転動体73の少なくとも1つに伝達される。そして、走行駆動部74の駆動によって転動体73の少なくとも1つが回転駆動される。これにより、走行機構71が格納部30の隣で横方向(X方向)に走行可能とされている。また、走行駆動部74の回転位置信号は、制御部100に与えられる。制御部100は、走行台車72を所望の位置に向けて移動及び停止させるように、走行駆動部74を制御する。走行台車72の位置制御は、走行台車72又は格納部30等に設けられた位置センサの出力に基づいて行われてもよい。
昇降機構76は、支柱部77と昇降用チェーン78と昇降駆動部79とを備える。
支柱部77は、格納部30の高さ寸法程度の棒状に形成されている。ここでは、一対の支柱部77が、走行台車72のうちその走行方向に沿った方向(X方向)における両端部に立設状に固定されている。この一対の支柱部77に沿って移載ユニット80が昇降可能に支持されている。もっとも、移載ユニット80は、1本の支柱部77によって片持ち状に昇降可能に支持される構成であってもよい。
昇降用チェーン78は、一方の支柱部77の上下端側に設けられた図示省略の歯車に循環回転走行可能に巻掛けられている。
昇降駆動部79は、サーボモータ等によって構成されており、上記走行台車72に取付けられている。昇降駆動部79の回転駆動力は、チェーン、チェーン、ギヤ等の伝達機構を介して一方の歯車に伝達される。そして、昇降駆動部79の駆動によって当該一方側の歯車が回転駆動され、これにより、昇降用チェーン78が支柱部77に沿った上下方向に循環回転可能とされている。また、昇降駆動部79の回転位置信号は、制御部100に与えられる。制御部100は、移載ユニット80を所望の上下位置に向けて移動及び停止させるように、昇降駆動部79を制御する。移載ユニット80の移動位置制御は、走行台車72、支柱部77、移載ユニット80等に設けられた位置センサの出力に基づいて行われてもよい。
移載ユニット80は、一対のスライド載置部83と、押引作用部86と、移載機構90とを備える。
移載ユニット80のベース部材81に一対のスライド載置部83が組込まれている。また、このベース部材81に対して、押引作用部86が移載方向(ここではY方向)に移動可能に支持されている。さらに、ベース部材81に移載機構90が組込まれている。そして、移載機構90の駆動によって押引作用部86が格納部30又は取扱口機構40に向けて進退移動し、トレイ20の移載動作を行う。具体的には、押引作用部86が格納部30又は取扱口機構40に格納されたトレイ20をベース部材81の一対のスライド載置部83上に取込む。また、押引作用部86が一対のスライド載置部83上に載置されたトレイ20を格納部30又は取扱口機構40に押込む。
ベース部材81は、トレイ20をスライドさせつつ載置可能な一対のスライド載置部83を含む。一対のスライド載置部83は、トレイ20を格納部30又は取扱口機構40に対してスライド移動可能に支持可能に構成されている。すなわち、スライド載置部83は、移載方向(ここではY方向)に延びる長尺部材に形成されている。スライド載置部83は、トレイ20の一側部底面部分を載置状かつスライド可能に支持する移載ユニット側ガイド部83aとトレイ20の側面をガイド支持する側面ガイド部83bとを含む。一対のスライド載置部83は、それぞれの側面ガイド部83bを対向させると共にそれらの間に間隔をあけた平行姿勢で、一対の横フレーム84を介して連結固定されている。一対のスライド載置部83の対向する移載ユニット側ガイド部83aの内側縁部間の間隔は、トレイ20の幅よりも小さく、かつ、対向する側面ガイド部83b間の間隔はトレイ20の幅よりも大きい。なお、移載ユニット側ガイド部83aの端部及び一対の側面ガイド部83bの格納部30側の端部は、外方に向けて外向き傾斜する傾斜面に形成されている。
そして、一対のスライド載置部83の外方にあるトレイ20が、一対の側面ガイド部83bによって幅方向の位置を規制されつつ、一対の移載ユニット側ガイド部83a上を滑るようにして移動して、一対のスライド載置部83間で載置状に支持される。また、逆に、一対のスライド載置部83間で載置状に支持されたトレイ20が、一対の側面ガイド部83bによって幅方向の位置を規制されつつ、一対の移載ユニット側ガイド部83a上を滑るようにして移動して、一対のスライド載置部83間の外方に移動される。
押引作用部86は、トレイ20を一対のスライド載置部83と外方との間で引込み又は押出し可能に構成されている。すなわち、押引作用部86は、移載ベース部87と、作用片88とを含む。移載ベース部87は、水平方向に沿って延在する方形板状に形成されている。移載ベース部87のうちの格納部30側の端部に作用片88が形成されている。作用片88は、移載ベース部87の端部から上方に向うと共にスライド載置部83の延在方向に対して略直交する方向に延びる長尺板状に形成されている。作用片88は、スライド載置部83の移載ユニット側ガイド部83aよりも上方に突出している。この作用片88は、トレイ20の受面25aに対向配置される。ここでは、作用片88は、受面25aと対向受面25bとの間に位置した状態で、受面25aに接触する。そして、作用片88がトレイ20の受部25における受面25aに接触した状態で、押引作用部86が格納部30又は支持部42に向けて移動する。これにより、当該トレイ20が押出されて、格納部30又は支持部42に向けて移動する。また作用片88がトレイ20の受部25の対向受面25bに接触した状態で、押引作用部86がスライド載置部83側に移動する。これにより、トレイ20が格納部30又は支持部42から引出され、スライド載置部83に引込まれる。つまり、作用片88は、トレイ20に対して移動力を作用させる。これらの動作について詳細は後述する。
上記押引作用部86は、Y方向に沿ってスライド載置部83から格納部30又は取扱口機構40側に向けて延出した延出位置(図17の左側位置参照)と、その反対側寄りに位置した退避位置(図17の右側位置参照)との間で移動可能に支持されている。
ここでは、押引作用部86は、次の可動支持機構89によって移動可能に支持されている。
すなわち、上記一対のスライド載置部83間において上記一対の横フレーム84間に掛渡すようにして中間ベース部材85が取付けられている。中間ベース部材85は上部が開口する半筒状に形成されている。この中間ベース部材85に可動支持機構89が組付けられている。
可動支持機構89は、ベース側可動支持部89aと、中間可動体89bと、作用部側可動支持部89cとを備える。
ベース側可動支持部89aは、上記中間ベース部材85の底部上でスライド載置部83の延在方向に沿って設けられている。このベース側可動支持部89aは、レールと当該レールを直線状に移動する走行部材(例えば、リニアガイド)等によって構成されており、上記中間可動体89bを移動可能に支持している。
中間可動体89bは、天井面を有している。この天井面に作用部側可動支持部89cがスライド載置部83の延在方向に沿って設けられている。
作用部側可動支持部89cは、レールと当該レールを直線状に移動する走行部材(例えば、リニアガイド)等によって構成されており、上記押引作用部86を一対のスライド載置部83間で直線状に移動可能に支持している。
そして、一対のスライド載置部83間で、中間ベース部材85に対して中間可動体89bをその移動方向一方側に移動させると共に、中間可動体89bに対して押引作用部86をその移動方向一方側に移動させることで、押引作用部86が上記延出位置に移動する。また、一対のスライド載置部83間で、中間ベース部材85に対して中間可動体89bをその移動方向他方側に移動させると共に、中間可動体89bに対して押引作用部86をその移動方向他方側に移動させることで、押引作用部86が上記退避位置に移動する。
移載機構90は、上記のように移動可能に支持された押引作用部86を、延出位置と退避位置との間で移動駆動させるように構成されている。移載機構90は一対の歯車91と環状チェーン92と移載駆動部93とを備える。
一対の歯車91は、中間ベース部材85内の両端部位置に回転可能に支持されている。環状チェーン92は、当該一対の歯車91に循環回転可能に巻掛けられている。この環状チェーン92のうち上方を走行する直線状部分の1箇所が上記押引作用部86に連結されている。
移載駆動部93は、回転駆動力を発生させるサーボモータ等によって構成されている。ここでは移載駆動部93の回転軸は、歯車91の回転軸と平行な位置に設けられる。このため、移載駆動部93は伝達機構94を介して歯車91を回転駆動している。係る伝達機構94は、例えば、移載駆動部93の回転軸に取付けられた歯車と歯車91とに掛け渡される環状チェーン等が採用可能である。もちろん、移載駆動部93は歯車91を直接回転駆動してもよい。移載駆動部93の正逆両方向の回転駆動力が一方の歯車91に伝達され、これにより、環状チェーン92が正逆いずれかの方向に回転する。環状チェーン92の回転に伴って、当該環状チェーン92に連結された押引作用部86が上記延出位置と退避位置との間で両方向に移動駆動される。
なお、制御部100は、移載駆動部93からの回転位置信号、又は、押引作用部86の位置を検出する位置センサの検出信号等に基づいて、押引作用部86が所定の位置に向けて移動して停止するように、移載駆動部93の回転方向、回転量等を制御する。
特に、搬送機構70は、支持部42に支持されたトレイ20に対して利用者が入庫作業及び出庫作業の少なくとも一方を行う際に、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保つ。例えば、上記作用片88が受面25aを介してトレイ20を支持部42に向けて移動させた後、作用片88が受面25aに接触した状態を保つことで、トレイ20の移動を抑制した状態に保つ。搬送機構70が支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保つ期間は、扉49が開いている間であってもよい。搬送機構70によるトレイ20の移動抑制動作については、後にさらに説明される。
<受付部14>
受付部14は、物品自動取扱装置10に対する入庫指示及び出庫指示を受付ける部分である。ここでは、受付部14は、表示部及び入力受付部としての機能を備えるタッチパネル装置15と、カードリーダ16とを備える。
タッチパネル装置15には、入出庫を受付けるための諸画面が表示される。例えば、利用者の判別後、当該利用者に出庫予約がなされている場合には、当該出庫予約された物品200を表示し、出庫指示を受付ける。なお、予約は、事前にインターネット回線等を介して受付けることができるようにされているとよい。また、例えば、利用者の判別後、格納された物品200のリストの表示又は物品200の検索画面等を表示し、当該表示に基づいて出庫を望む物品200の指示を受付ける。
カードリーダ16は、各利用者に付与された利用者カード等を読取る装置である。カードリーダ16が当該利用者カードを読取ることによって、利用者が設備の利用権限があるかどうか等を判断することができる。
<物品情報表示部18>
物品情報表示部18は物品に関する情報、例えば、物品リストを表示する。例えば、係る物品リストとして、入庫されている物品を表す文字、記号等が表示されてもよい。また例えば、入庫されている物品の画像(例えば図書の表紙)等が表示されてもよい。物品情報表示部18は、利用者が操作可能であってもよい。係る物品情報表示部18は、タッチパネルディスプレイであってもよい。物品情報表示部18は、利用者が操作不可であってもよい。係る物品情報表示部18は、タッチパネル式でないディスプレイであってもよい。
<制御部100>
次に図18を参照しつつ制御部100について詳述する。図18は、制御部100を示すブロック図である。
制御部100は、本物品自動取扱装置10の動作制御を司る。なお、ここでは、制御部100は、物理的に1つの制御部によって構成されている例で説明するが、物理的に別々の制御部が下記に説明する処理を分散して行う構成であってもよい。
この制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、外部記憶装置104等がバスラインを介して相互接続されたコンピュータによって構成されている。ROM102は本コンピュータを起動させるための基本プログラム(BIOS)等を格納しており、RAM103はCPU101が所定の手順に従った処理を行う際の作業領域として供される。外部記憶装置104は、フラッシュメモリ或はハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置によって構成されている。
外部記憶装置104には、OS(オペレーションシステム)104a、入出庫制御プログラム104b、物品管理データ104c等が格納されている。
入出庫制御プログラム104bは、上記したように物品自動取扱装置10におけるトレイ20の搬送処理を行うための手順を定めたものである。この入出庫制御プログラム104bに記述された手順に従って、主制御部としてのCPU101が演算処理を行うことにより、トレイ20の入出庫処理がなされる。
物品管理データ104cは、物品200(例えば図書)の特定情報に対して、物品200の在庫の有無、在庫のある物品200の格納部30における各位置等を対応付けたテーブルである。物品管理データ104cにおいて、物品200(例えば図書)の特定情報(物品名、例えば、図書の題名等)に対して、予約登録、出庫中の物品200の持主、出庫中の物品200の返却期限(返却が必要である場合)が対応付けられていてもよい。物品200の特定情報は、各物品200に割り与えられた固有の識別符号であり、通常、物品200に設けられた上記識別タグに付与された識別符号と同じである。この物品管理データ104cが参照されることによって、特定された物品200が格納部30においてどの位置に格納されているかが特定される。また、物品管理データ104cが参照されることによって、格納部30内における空き位置が特定され得る。予約登録は、各物品200に対する予約者の有無を示す情報である。ある物品200に対する予約者が存在する場合には、その予約者の名称(或は予約者の識別情報)が登録されている。この情報を参照することによって、ある予約者に対する物品200の予約の有無が判別される。持主は、在庫が無い図書、すなわち、出庫中の物品200の持主を特定する情報(氏名或は持主の識別符号等)である。また、返却期限は、出庫中の物品200の返却期限である。この物品管理データ104cは、物品200が入出庫されたときなどに生成、更新される。
また、CPU101は、入出力インターフェース105を介して、搬送機構70、受付部14及び取扱口機構40と通信可能に接続されている。受付部14を通じた指令が制御部100に与えられる。制御部100は、受付部14を通じた指令及び各種センサからの信号に基づいて、物品200を入庫し又は出庫するように、取扱口機構40及び搬送機構70を制御する。
なお、本制御部100が、通信インターフェースを介して外部の管理サーバに相互通信可能に接続され、当該外部の管理サーバに上記物品管理データ104cが格納されていてもよい。この場合に、利用者が、自己の端末装置等を通じて、公衆通信網等を介して管理サーバにアクセスし、当該端末から物品(図書)200の予約を行えるようにするとよい。
<出庫処理>
次に物品自動取扱装置10における出庫処理の流れについて説明する。図19は、出庫処理にかかるフローチャートである。
まず、ステップS1において、制御部100は、受付部14からの出力に基づいて、出庫の対象を特定した出庫指示の有無が判定される。出庫の対象を特定した出庫指示は、利用者により、上記受付部14を通じてなされる。出庫指示は、受付部14における格納された物品200のリスト等を利用してなされる場合もあるし、事前の予約に基づいてなされる場合もある。ステップS1において、出庫指示有りと判定されると、次ステップS2に進む。
ステップS2では、制御部100は、物品管理データ104cを参照して、格納部30における出庫対象の物品200の格納位置を特定する。その後、ステップS3に進む。
ステップS3では、制御部100は、搬送機構70を制御して、移載ユニット80を上記格納位置に向けて移動させ、さらに、格納位置において物品200を格納部30から取出して移載ユニット80に移載させる。
続くステップS4において、制御部100は、搬送機構70を制御して、移載ユニット80を取扱口機構40に向けて移動させる。この後、制御部100は、搬送機構70を制御して、移載ユニット80上の物品200を、支持部42に向けて移動させる。
続くステップS5において、制御部100は、搬送機構70を制御して、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保つ。つまり、搬送機構70がトレイ20を支持部42に搬送した後、当該搬送した直後の状態を保ち、作用片88を受面25aに接触させた状態を保つ。
次ステップS6において、制御部100は、取扱口機構40を制御して、扉49を開く。これにより、取扱口40hは開いた状態となり、利用者は、取扱口40hを通じて、トレイ20上の物品200にアクセスできるようになる。利用者がトレイ20から物品200を取出す作業が、出庫作業の一例である。この出庫作業中、搬送機構70は、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保っている。このため、利用者がトレイ20を押してしまったとしても、トレイ20は搬送機構70側へ移動し難い。
次ステップS7において、制御部100は、検知センサ60の出力等に基づいてトレイ20からの物品200の取出が終了したか否かを判定する。判定結果がNOとなるとステップS7を繰返し、判定結果がYESになるとステップS8に進む。物品200の取出の終了は、他のセンサ出力、例えば、取扱口40hにおける物品の通過検知センサ等の出力に基づいてなされてもよい。物品200の取出の終了は、読取部64による読取りの可否によって判定されてもよい。
次ステップS8において、制御部100は、取扱口機構40を制御して、扉49を閉じる。これにより、取扱口40hが扉49によって閉じられた状態となる。扉49が閉じられた後に、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態(ステップS5参照)は解除されてもよくなる。搬送機構70は、支持部42における空きトレイ20を、格納部30における空き位置に格納してもよい。搬送機構70は、支持部42に空きトレイ20を支持させた状態のまま、格納部30における他のトレイ20を他の格納位置に移動させるようにしてもよい。
ステップS8の後、ステップS9に進み、制御部100は、取出された物品200が出庫された状況となるように、物品管理データ104cを更新する。更新するデータとしては、例えば、物品管理データ104cのうち出庫が完了した物品200の在庫を無しに更新する。必要に応じて、出庫が完了した物品200に対して、持主を記録し、返却期限を記録する。
これにより、出庫処理が終了する。
<入庫処理>
次に物品自動取扱装置10における入庫処理の流れについて説明する。図20は、入庫処理にかかるフローチャートである。
ここでは、利用者が取扱口機構40を通じて物品200を入庫する処理について説明する。
ステップS11において、制御部100は、受付部14を通じた入庫指示の有無を判定する。入庫指示有りと判定されると、次ステップS12に進む。
ステップS12では、制御部100は、搬送機構70を制御し、空きトレイ20を取扱口機構40の支持部42に向けて移動させる。例えば、搬送機構70は、物品管理データ104cを参照して、格納部30において空きトレイ20が格納されている位置を特定し、当該特定された位置から空きトレイ20を取出して、支持部42に向けて搬送する。事前に空きトレイ20が支持部42によって支持されている場合には、搬送機構70は取扱口機構40に向けて移動すればよい。
次ステップS13では、制御部100は、搬送機構70を制御して、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保つ。例えば、搬送機構70が空きトレイ20を支持部42に搬送した場合には、当該搬送した直後の状態を保ち、作用片88を受面25aに接触させた状態を保つ。事前に空きトレイ20が支持部42によって支持されている場合には、搬送機構70は作用片88を受面25aに接触させるように、作用片88を移動させる。
次ステップS14において、制御部100は、取扱口機構40を制御して、扉49を開く。これにより、取扱口40hは開いた状態となり、利用者は、取扱口40hを通じて、物品200をトレイ20上に載置することができるようになる。利用者が物品200をトレイ20上に載置する作業が、入庫作業の一例である。この入庫作業中、搬送機構70は、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保っている。このため、利用者がトレイ20を押してしまったとしても、トレイ20は搬送機構70側へ移動し難い。
次ステップS15において、制御部100は、検知センサ60の出力等に基づいてトレイ20に対する物品200の入庫作業が終了したか否かを判定する。判定結果がNOとなるとステップS15を繰返し、判定結果がYESになるとステップS16に進む。物品200の入庫作業の終了は、他のセンサ出力、例えば、取扱口40hにおける物品の通過検知センサ等の出力に基づいてなされてもよい。物品200の入庫作業の終了は、読取部64による読取りの可否によって判定されてもよい。
次ステップS16において、制御部100は、読取部64によって物品200の識別情報を読取る。
次ステップS17において、制御部100は、取扱口機構40を制御して、扉49を閉じる。これにより、取扱口40hが扉49によって閉じられた状態となる。扉49が閉じられた後に、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態(ステップS5参照)は解除されてもよくなる。
ステップS7の後、ステップS18に進み、制御部100は、物品管理データ104cに基づいて格納部30における空き位置を特定する。
次ステップS19において、制御部100は、搬送機構70を制御して、支持部42上のトレイ20を移載ユニット80に取込み、移載ユニット80を空き位置に向けて移動させ、さらに、移載ユニット80に載置されたトレイ20を空き位置に格納する。
この後、ステップS20において、制御部100は、格納部30の上記空き位置に格納された物品200が当該空き位置であった場所に入庫された状況となるように、物品管理データ104cを更新する。
これにより、入庫処理が終了する。
なお、入庫処理は、取扱口機構40を通じてなされる必要は無い。例えば、上記した開閉部又はドアを通じて、入庫作業がなされてもよい。この場合、格納部30の一部が入庫作業用の仮格納部として割当てられており、入庫作業者が当該仮格納部に物品200を格納するようにしてもよい。この場合、制御部100は、当該物品200の識別情報を読取りつつ、搬送機構70を通じて仮格納部から他の格納部に物品200を移載して空き位置に格納し、物品200の識別情報と格納位置とを対応付けて管理してもよい。物品200の識別情報の読取りは、移載ユニット80に設けられた読取部によってなされてもよい。物品200の識別情報の読取りは、物品200が支持部42を経由して格納部30に格納されるようにし、支持部42における読取部64によってなされるようにしてもよい。また、作業者が、携帯可能な読取装置等によって物品200の識別情報を読取りつつ、当該物品200を格納部30に格納していくようにしてもよい。この場合、格納部30における各格納位置にバーコード等の識別タグを取付け、作業者が物品200の識別情報と格納位置の識別情報とを対応付けつつ、物品200の格納作業を行うようにしてもよい。
<動作>
次に物品自動取扱装置10における各部の具体的な動作について説明する。
<格納部30と取扱口機構40との間でのトレイ20の搬送動作>
まず格納部30と取扱口機構40との間でのトレイ20の搬送動作について説明する。ここでは図21から図26を参照しつつトレイ20が格納部30から取扱口機構40に搬送される動作について説明する。図21から図24は格納部30に格納されているトレイ20が搬送機構70に移載される様子を示す説明図である。図25及び図26はトレイ20が搬送機構70から取扱口機構40に移載される様子を示す説明図である。なお、図21から図26では説明の便宜上、各構成部分が簡略化又は誇張して描かれている。
<トレイ格納部から搬送機構70へのトレイ20の移載動作>
まず図21から図24を参照しつつトレイ格納部から搬送機構70へのトレイ20の移載動作について説明する。
上記移載ユニット80は、制御部100による制御下、走行機構71及び昇降機構76の動作と連携してトレイ20の移載動作を行う。
まず、図21に示すように、トレイ格納部にトレイ20が載置状に格納されているとする。トレイ20は、受部25を搬送機構70に向けた姿勢で、トレイ格納部に載置されている。この状態では、脱落抑制ストッパの一例である第1ストッパ36が、トレイ20に対して搬送機構70側から対向している。このため、トレイ20が搬送機構70側に脱落することが抑制されている。そして、走行機構71及び昇降機構76の駆動により移載ユニット80がトレイ格納部に対向する位置に移動される。なお、対向初期状態では、一対のスライド載置部83の移載ユニット側ガイド部83aは、トレイ格納部の格納側ガイド部35の支持面よりも下方(移載ユニット側ガイド部83aからの作用片88の突出寸法よりも大きい寸法分程度下方)の高さにある。
上記状態で、図22に示すように、移載機構90の駆動により押引作用部86がトレイ格納部側の延出位置に向けて移動する。そして、作用片88が対向板部27を越えて載置部21側に移動する。
この後、図23に示すように、昇降機構76の駆動により、移載ユニット80全体が上昇する。すると、作用片88が対向板部27と側板部23bとの間に位置する状態となる。このとき、格納部30においては、トレイ20の後部を押さえる第1ストッパ36が設けられている。このため、昇降機構76は、第1ストッパ36の高さと同じかそれよりも高く、トレイ20の後部を持ち上げる。つまり作用片88は突出板部26を下方から押し、上方に向けて持ち上げる。格納部30に対して搬送機構70と反対側には、筐体12を構成するパネル等が存在する。このため、トレイ20から搬送機構70とは反対側への物品200の移動は、筐体12等によって抑制されている。またここではトレイ20に物品用ストッパ24が設けられており、格納部30に第2ストッパ37が設けられている。このため、トレイ20から搬送機構70とは反対側への物品200の移動は、物品用ストッパ24及び第2ストッパ37によっても抑制されている。またトレイ格納部から搬送機構70とは反対側へのトレイ20の移動は、筐体12及び第2ストッパ37等によって抑制されている。
この後、図24に示すように、移載機構90の駆動により押引作用部86が退避位置に向けて移動する。すると、作用片88が対向板部27における対向受面25bと接触して、トレイ20が一対のスライド載置部83上を滑るようにして一対のスライド載置部83上に引込まれ、トレイ格納部から移載ユニット80への移載動作が終了する。
なお、トレイ20の後部が上記第1ストッパを乗越えた後のタイミングで、一対のスライド載置部83の長手方向全体がトレイ20の下面に接触するように、押引作用部86が下降するとよい。押引作用部86の下降タイミングは、Y方向に沿った方向における押引作用部86の移動中であってもよいし、退避位置等で停止した状態であってもよい。押引作用部86が下降した状態でも、作用片88は、受面25aと対向受面25bとの間に位置し、Y方向への移動によって受面25a又は対向受面25bと接触可能な状態に保たれることが好ましい。
搬送機構70からトレイ格納部へのトレイ20の移載動作は、上記移載動作と逆に動作することによってなされてもよい。但し、作用片88は上記とは逆方向に移動するので、作用片88は、受面25aに接触した状態で、トレイ20を搬送機構70からトレイ格納部に向けて押して移動させることになる。
トレイ格納部においてはトレイ20後部を押さえる第1ストッパ36が設けられている。しかしながら、第1ストッパ36には傾斜面が設けられているため、搬送機構70からトレイ格納部にトレイ20が移載される際には、トレイ20を持上げる必要は無く、後述するように、搬送機構70から取扱口機構40にトレイ20が移載される場合と同様にトレイ20を押し込んで移載することができる。
<搬送機構70から取扱口機構40へのトレイ20の移載動作>
次に図25及び図26を参照しつつ搬送機構70から取扱口機構40へのトレイ20の移載動作について説明する。
格納部30から搬送機構70にトレイ20が移載されると、図24に示すように、押引作用部86の作用片88が対向板部27と側板部23bとの間に位置した状態で、スライド載置部83上にトレイ20が載置された状態となる。この状態で、走行機構71及び昇降機構76の駆動により、図25に示すように、移載ユニット80が取扱口機構40に対向する位置に移動される。なお、対向初期状態では、一対のスライド載置部83の移載ユニット側ガイド部83aは、取扱口側ガイド部44における支持面と同程度の高さにある。
上記状態で、図26に示すように、移載機構90の駆動により押引作用部86が延出位置に向けて移動する。すると、作用片88が側板部23bの外面である受面25aに接触してトレイ20を押すように移動させる。すると、トレイ20が一対のスライド載置部83上を滑るように水平方向に沿って移動して、取扱口機構40における支持部42に所定位置まで押込まれる。
係る所定位置は、トレイ20とトレイ用ストッパ45とが接触する位置であってもよいし、接触する手前の位置であってもよい。係る所定位置がトレイ20とトレイ用ストッパ45とが接触する位置である場合、作用片88に弾性部材が連結されているとよい。弾性部材は押込方向(ここではY方向)に弾性変形可能である。作用片88が延出位置に向けて移動する途中でトレイ20とトレイ用ストッパ45とが接触した際、弾性部材が弾性変形し、それ以上の作用片88の移動を抑制する。これにより、トレイ20に強い押し込み力がかかることを抑制する。
以上により、移載ユニット80から取扱口機構40へのトレイ20の移載動作が終了する。トレイ20は、取扱口40hまで搬送された状態においては取扱口40hから凹部22eにアクセス可能な姿勢で支持される。この状態において、作用片88は、受面25aと接触した状態を保つ。このため、トレイ20が搬送機構70側に押されても、搬送機構70側には移動し難い。
なお、取扱口機構40からトレイ格納部へのトレイ20の搬送動作も、押引作用部86を用いて上記と同様に行うことができる。ただし、取扱口機構40においては、トレイ20後部を押さえるストッパが設けられていない。このため、取扱口機構40から搬送機構70にトレイ20が移載される際、トレイ20後部を持ち上げる動作は省略可能である。
<取扱口40hにおける物品200の取扱動作>
次に物品200の取扱動作について説明する。ここでは図27を参照しつつトレイ20が取扱口機構40に位置する状態において物品200が取り扱われる動作について説明する。図27はトレイ20が取扱口機構40に位置する状態において物品200が取り扱われる様子を示す概略断面図である。
図26に示すように、トレイ20が取扱口機構40に搬送されると、扉開閉部50が扉49を開く。扉49が開いた後、利用者がトレイ20に対して入庫作業及び出庫作業の少なくとも一方を行う。このとき、トレイ20が取扱口機構40に位置すると共に扉49が開状態において、図27に示すように、作用片88が受部25に位置したままとされる。特にここでは作用片88が受面25aに接触した状態を保つ。これにより、トレイ20の移動(特にY方向への移動)が抑制されて、トレイ20の姿勢が安定する。この際、トレイ20は作用片88によってトレイ用ストッパ45に向けて押圧されていても良い。例えば、トレイ20がトレイ用ストッパ45と接触する位置で作用片88が静止することによって、トレイ20は作用片88によってトレイ用ストッパ45に向けて押圧された状態とされてもよい。また例えば、作用片88に上記弾性部材が連結されている場合、弾性部材が弾性変形して、その復元力がトレイ20をトレイ用ストッパ45に向けて押圧してもよい。もちろん、トレイ20は作用片88によってトレイ用ストッパ45に向けて押圧されていなくてもよい。
扉49が開いたら、利用者は底板部22上に載置された物品200を取り出す。このとき、利用者は凹部22eを利用して底板部22上に載置された物品200をつかむことができる。ここで物品200のサイズが大きい場合、自重が大きかったり、物品200と側板部23との間の隙間が狭かったりして、利用者が物品200をつかみにくい恐れがある。この場合でも、利用者は凹部22eを利用して底板部22上に載置された物品200をつかむことができる。このため、物品200サイズが大きい場合でも、利用者は物品200をつかみやすい。なお物品200のサイズが小さい場合でも利用者は凹部22eを利用して物品200をつかんでもよい。
具体的には、トレイ20に載置された物品200のサイズが大きい場合、物品200が底板部22上のどの位置にいても、物品200の一部は凹部22eに重なる。このため、利用者は、図27に示すように、そのまま凹部22eに手UHを差し込んで物品200の底面を支持することができる。ここでトレイ20が取扱口側ガイド部44に載置されているため、基台43と物品200との間隔が大きくなる。このため、利用者は手UHを物品200の下方に差し込みやすい。
なお、トレイ20に載置された物品200のサイズが小さい場合、物品200が底板部22上を動くことが可能な領域が大きくなり、物品200が載置されたトレイ20が取扱口機構40に搬送された初期状態で、物品200が凹部22eに重ならない位置に位置しうる。この場合でも、利用者は手UHで物品200を縁部22a側に寄せることによって、物品200が凹部22eに重なるように配置できる。これにより、物品200のサイズが小さい場合でも、利用者は凹部22eを利用して底板部22上に載置された物品200をつかむことができる。
また空のトレイ20に利用者が物品200を載置する場合にも、利用者は凹部22eを利用して物品200を載置させてもよい。
<効果等>
本実施形態によると、格納部30と取扱口機構40との間でトレイ20を搬送する搬送機構70が、支持部42に支持されたトレイ20に対して利用者が入庫作業及び出庫作業の少なくとも一方を行う際に、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保つ。このため、取扱口40hにおいて、トレイ20を簡易な構成で位置決めできる。
ここでは、トレイ20が受面25aを含み、搬送機構70は、作用片88を受面25aに接触させた状態で、作用片88を格納部30又は支持部42に向けて位置させることで、トレイ20を格納部30又は支持部42に押して移動させることができる。搬送機構70は、当該押込用の作用片88が受面25aを介してトレイ20を支持部42に向けて移動させた後、作用片88が受面25aに接触した状態を保ってトレイ20の移動を抑制する。このため、トレイ20の移動後、円滑にトレイ20の移動抑制状態に移行することができる。よって、簡易な構成で、かつ、円滑にトレイ20の移動を抑制することができる。
また、トレイ20は、受付部14に対して間隔をあけて対向する対向受面25bを含み、作用片88は、受面25aと対向受面25bとの間に位置した状態で、受面25aに接触する。このため、作用片88が受面25aに接触した状態を保ってトレイ20の移動を抑制した状態に保った後、作用片88が受面25aから離れる方向に移動すると、作用片88は対向受面25bに接することができる。そして、作用片88が受面25aからさらに離れる方向に移動することで、トレイ20を搬送機構70に取込むことができる。このため、トレイ20の移動を抑制した状態から、トレイ20を搬送機構70に取込む動作を円滑に行える。
上記搬送機構70は、支持部42に支持されたトレイ20に対して利用者が入庫作業及び出庫作業の少なくとも一方を行う際に、支持部42におけるトレイ20の移動を抑制した状態に保つ。本実施形態において、搬送機構70が、入庫作業及び出庫作業の少なくとも一方を行う期間として、トレイ20の移動を抑制した状態に保つ期間は、扉49が開いている期間を含む。例えば、制御部100から開閉駆動部59を開く指令が出力されたタイミングから開閉駆動部59を閉じる指令が出力されたタイミングとの間では、作用片88が受面25aに接触してトレイ20の異動を抑制した状態を保っているとよい。これにより、扉49が開かれて利用者がトレイ20上の物品200にアクセス可能な状態、つまり、利用者が実際にトレイ20を押してしまう可能性がある適切な状態で、トレイ20の移動を抑制することができる。その他、取扱口40hに設けられたセンサ等によって当該取扱口40hに手等が差込まれた場合に、作用片88が受面25aに接触してトレイ20の移動を抑制した状態に保ってもよい。
また、格納部30は、脱落抑制ストッパとして第1ストッパ36が設けられた格納側ガイド部35を含む。このため、格納部30における各トレイ格納部では、搬送機構70がトレイ20を押えなくても、トレイ20の脱落が抑制されている。これに対して、取扱口機構40における取扱口側ガイド部44の上面は、トレイ20を水平方向にガイド可能な形状に形成されており、トレイ20が搬送機構70側に脱落することを抑制するストッパは設けられていない。支持部42におけるトレイ20の脱落は、上記したように、当該支持部42との間でトレイ20を出し入れする搬送機構70が行うからである。このため、支持部42と移載ユニット80との間では、トレイ20は、傾いたり、がたついたりせずに、水平姿勢で水平方向に沿って移動することができる。結果、トレイ20の姿勢が安定し、トレイ20内での物品の保持状態が安定する。
{変形例}
物品保持部がトレイであることは必須ではない。物品保持部は、箱、前後等が開口するケース形状等であってもよい。物品保持部が、物品を載置状態で保持する構成であることは必須ではない。物品保持部は、物品を吊下げたり、片持ち状に支持したりする構成であってもよい。すなわち、外形状、物品を保持する構成については特に限定されず、物品保持部は、物品を保持可能な構成であればよい。
トレイ等の物品保持部が搬送機構70、格納部30及び取扱口機構40等において、レール上をスライド移動することは必須ではない。物品保持部は、搬送機構、格納部及び取扱口機構等に設けられたローラ上を移動してもよいし、レールによって吊下げられた状態で移動してもよい。
上記実施形態では、作用片88がトレイ20を押す例で説明したが、必ずしもその必要は無い。移載ユニットがトレイに引っ掛かる爪、トレイの一部を把持するハンド、トレイに吸着するバキューム装置又は電磁石等を有し、それらのうちのいずれかの構造を介してトレイを押込むか引込むようにしてもよい。この場合において、利用者による出庫作業及び出庫作業の少なくとも一方のタイミングにおいて、爪がトレイに引っ掛かった状態、ハンドがトレイを把持した状態及び吸着状態のいずれかを保つことで、トレイの移動が抑制されていてもよい。
また、格納側ガイド部35における第1ストッパ36は省略されてもよい。取扱口側ガイド部44に、第1ストッパ36と同様のストッパがトレイ脱落防止用に設けられてもよい。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。