以下、図面を参照して本開示に係るダンプトラックの実施形態を説明する。
[実施形態1]
図1は、本開示に係るダンプトラックの実施形態1を示す側面図である。本実施形態のダンプトラック10は、たとえば、鉱山の採掘オペレーションに使用されるリジッドダンプトラックである。本実施形態のダンプトラック10は、たとえば、車体フレーム11と、左右の前輪12Fと、左右の後輪12Rと、左右の前輪側サスペンション装置と、左右の後輪側サスペンション装置13Rと、センサ13Sと、を有している。
また、ダンプトラック10は、たとえば、積載物を積載するボディ14と、左右のホイストシリンダ15と、キャブ16と、走行駆動装置17と、建屋18と、グリッドボックス19と、を有している。ダンプトラック10のボディ14に積み込まれる積載物は、特に限定はされないが、たとえば、土砂、砕石、鉱物資源などである。また、センサ13Sは、たとえば、後輪側サスペンション装置13Rの油圧シリンダ内に収容された油圧センサであり、シリンダ内の油圧を検知することで、ボディ14に積載された積載物の重量を検知する。
図2は、本実施形態のダンプトラック10の動力システム100のブロック図である。動力システム100は、図1に示すダンプトラック10に搭載され、ダンプトラック10を駆動させる。動力システム100は、たとえば、走行モータ110と、インバータ111と、高圧直流ライン112と、電圧計113と、ダイオードブリッジ114と、発電機120と、エンジン130と、を有している。また、動力システム100は、たとえば、メインコントローラ140と、パワーコントローラ150と、電力回生装置160と、蓄電装置170と、補機直流ライン180と、グリッドボックス抵抗191と、グリッドボックスファンモータ192と、を有している。
走行モータ110は、たとえば、左右の後輪12Rをそれぞれ独立して駆動させるように、左右の後輪12Rのそれぞれに対して設けられている。図2では、二つの走行モータ110のうち、一つの走行モータ110の図示を省略している。走行モータ110は、たとえば、減速機を介して後輪12Rに連結され、後輪12Rを駆動する走行駆動装置17を構成している。走行モータ110は、たとえば、インバータ111を介して高圧直流ライン112に接続されている。走行モータ110は、高圧直流ライン112の直流電力がインバータ111を介して交流電力に変換されて供給されることで駆動される。
高圧直流ライン112は、インバータ111とグリッドボックス抵抗191とを接続するとともに、ダイオードブリッジ114を介して発電機120に接続されている。また、高圧直流ライン112は、電力回生装置160に接続されている。電圧計113は、高圧直流ライン112に接続され、高圧直流ライン112の電圧を測定し、測定結果を出力信号S2としてパワーコントローラ150へ出力する。
発電機120は、たとえば、エンジン130の出力軸に対して動力伝達機構を介して機械的に接続された入力軸を備えている。発電機120は、エンジン130の出力軸が回転することで、動力伝達機構を介して入力軸が回転させられて発電する。発電機120は、発電した三相交流電力を、ダイオードブリッジ114によって直流電力に変換して高圧直流ライン112へ供給する。
エンジン130は、たとえば、ダンプトラック10の車体フレーム11に支持されている。エンジン130は、メインコントローラ140から出力された制御信号が入力されることで、メインコントローラ140によって制御される。エンジン130は、各種のセンサによって検知した運転状態等をメインコントローラ140へ出力する。
メインコントローラ140は、たとえば、マイクロコンピュータやファームウェアによって構成され、CPUなどの処理装置、RAMなどのメモリやハードディスクを含む記憶装置、記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムおよびデータ、入出力装置などを含む制御部である。メインコントローラ140は、たとえば、ダンプトラック10の状態を検知する各種のセンサの出力が入力される。
また、メインコントローラ140は、たとえば、図示を省略するキャブ16内に設置されてダンプトラック10のオペレータによって操作されるアクセルペダル、ブレーキペダル、ホイストレバー、ステアリングホイールなどの操作装置の操作量が入力される。メインコントローラ140は、たとえば、前述のような各種のセンサの出力および操作装置の操作量に基づいて、エンジン130およびパワーコントローラ150に制御信号を出力することで、これらを統合的に制御している。
パワーコントローラ150は、たとえば、メインコントローラ140と同様の構成を備えた制御部である。パワーコントローラ150は、メインコントローラ140から入力された制御信号に基づいて、走行モータ110用のインバータ111、発電機120、グリッドボックス抵抗191、グリッドボックスファンモータ192、電力回生装置160、および蓄電装置170へ制御信号を出力する。これにより、走行モータ110、発電機120、電力回生装置160、蓄電装置170、グリッドボックス抵抗191、およびグリッドボックスファンモータ192が、適切なタイミングおよび出力で駆動される。
より詳細には、パワーコントローラ150は、たとえば、電力回生装置160から入力された電流や電圧等の情報に基づいて、電力回生装置160の出力電圧を制御するための制御信号を電力回生装置160へ出力する。また、パワーコントローラ150は、たとえば、蓄電装置170から入力された電圧の情報と、電圧計181から入力された補機直流ライン180の電圧の情報に基づいて、蓄電装置170の充放電を制御するための制御信号を、蓄電装置170へ出力する。
電力回生装置160は、入力側が高圧直流ライン112を介して走行モータ110に接続され、出力側が補機直流ライン180を介して蓄電装置170およびグリッドボックスファンモータ192などの補機に接続されている。電力回生装置160は、たとえば、複数の電力変換モジュール161と、複数のバイパス回路162と、リレー163と、を備えている。より具体的には、電力回生装置160は、たとえば、入力側が直列に接続されたN台(Nは2以上の自然数)の電力変換モジュール161と、各々の電力変換モジュール161の両端に設けられたバイパス回路162と、電力回生装置160の入力側に設けられた一つのリレー163とを有している。
図3は、電力変換モジュール161の一例を示す回路図である。電力変換モジュール161は、たとえば、DC/DCコンバータである。電力変換モジュール161は、たとえば、インバータ161aと、トランス161bと、整流回路161cとを備える。また、電力変換モジュール161は、たとえば、ヒューズなどの保護部品、ノイズフィルタ、電圧検出器、電流検出器などを備えていてもよい。
インバータ161aは、たとえば電力変換モジュール161の入力端子に接続されている。特に限定はされないが、図3に示す例において、インバータ161aは、四個のスイッチング素子を備えるフルブリッジインバータ回路によって構成されている。インバータ161aを構成するスイッチング素子としては、たとえば、MOSFETやIGBTなどを使用することができる。インバータ161aは、電力変換モジュール161に入力される直流電圧を交流電圧に変換し、出力端子を介してトランス161bの入力端子に交流電圧を印加する。
トランス161bは、インバータ161aの出力端子に接続された一次巻線と、整流回路161cの入力端子に接続された二次巻線とを備えている。特に限定はされないが、図3に示す例において、トランス161bは、二個の二次巻線を備えるセンタータップ型のトランスである。トランス161bは、一次巻線に印加された交流電圧を二次巻線によって降圧し、その降圧された交流電圧を出力端子から出力する。
整流回路161cは、たとえば、二個のダイオードとチョークコイルとによって構成されている。整流回路161cの入力端子は、トランス161bの出力端子に接続されている。整流回路161cは、トランス161bの出力端子を介して入力端子に印加された交流電圧を直流電圧に変換する。整流回路161cの出力端子は、電力変換モジュール161の出力端子に接続されている。
このような構成により、電力変換モジュール161は、入出力端子間がトランス161bによって絶縁されている。電力変換モジュール161は、たとえば、高圧直流ライン112から入力端子に入力された高圧の直流電圧を降圧し、出力端子から補機直流ライン180へ低圧の直流電圧を出力する。また、電力変換モジュール161は、たとえば、補機直流ライン180から出力端子に入力された低圧の直流電圧を昇圧し、入力端子から高圧直流ライン112へ高圧の直流電圧を出力することも可能である。
複数の電力変換モジュール161の入力側の端子は、それぞれ、バイパス回路162を介して直列に接続されている。また、図2に示す例では、複数の電力変換モジュール161の出力側の端子も、それぞれ、バイパス回路162を介して直列に接続されている。これにより、各々の電力変換モジュール161において、高速動作が可能で低電力損失の低耐圧スイッチング素子を使用することができ、トランスの小型軽量化が可能になる。しかし、補機直流ライン180の電圧が高圧直流ライン112の電圧と比較して十分に低くなる場合には、複数の電力変換モジュール161の出力側の端子を、並列に接続してもよい。また、電力変換モジュール161の入力端子間および出力端子間に平滑コンデンサを接続してもよい。
たとえば、電力回生装置160の入力側に接続された高圧直流ライン112の電圧をViとする。この場合、N台の電力変換モジュール161の入力側を直列に接続することで、各々の電力変換モジュール161にかかる電圧は、たとえばVi/Nとなる。すなわち、電力回生装置160の入力側にかかる電圧を、各々の電力変換モジュール161に分散させて低下させることができる。したがって、電力変換モジュール161に低耐圧の部品を使用することができる。また、電力変換モジュール161の出力側を直列に接続することで、電力回生装置160の出力電圧は、すべての電力変換モジュール161の出力電圧の和になる。
バイパス回路162は、たとえば、スイッチング素子やリレーを含み、パワーコントローラ150から入力される制御信号CS1に基づいて、電力変換モジュール161の入力端子間と出力端子間とを、それぞれ短絡させる。バイパス回路162は、たとえば、故障が発生した電力変換モジュール161の入力端子間と出力端子間とをそれぞれ短絡させる。これにより、電力回生装置160から故障が発生した電力変換モジュール161を切り離しつつ、他の複数の健全な電力変換モジュール161の接続を維持して電力回生装置160の運転を継続することができる。なお、複数の電力変換モジュール161の出力側の端子を並列に接続する場合には、出力側のバイパス回路162は省略可能である。
リレー163は、パワーコントローラ150から入力される制御信号CS1と遮断制御信号CS1’とに基づいて開閉することで、電力回生装置160の入力側と高圧直流ライン112との間を切断したり接続したりする。なお、電力回生装置160は、たとえば、電力変換モジュール161、バイパス回路162、およびリレー163の他に、図示を省略するブレーカやリレーなどの制御部品、ヒューズなどの保護部品、電圧検出器、電流検出器、およびノイズフィルタなどを備えていてもよい。また、電力回生装置160は、各々の電力変換モジュール161の電圧、電流、温度、その他の電力変換モジュール161の状態を示す物理量を検出するセンサを備え、検出した物理量をパワーコントローラ150へ出力する。
電力回生装置160は、たとえば、センサの出力に基づいて各々の電力変換モジュール161の状態を検知し、各々の電力変換モジュール161の状態を表す状態信号S1をパワーコントローラ150へ出力する。電力変換モジュール161の状態信号S1は、たとえば、特定の電力変換モジュール161が故障していることを表す故障信号や、各々の電力変換モジュール161が正常に動作していることを示す正常信号などを含む。
図4は、蓄電装置170の一例を示す回路図である。蓄電装置170は、たとえば、二次電池171と、充放電部172と、電圧計173とを備えている。また、蓄電装置170は、たとえば、ヒューズなどの保護部品、ノイズフィルタ、および電流検出器などを備えてもよい。また、蓄電装置170の入出力端子間に平滑コンデンサを接続してもよい。
二次電池171は、たとえば、リチウムイオン二次電池などの複数の電池セルによって構成されている。充放電部172は、たとえば、インバータ172a,172bおよびトランス172cを備えたDC/DCコンバータである。なお、インバータ172a,172bの回路構成は、図4に示す構成に限定されない。インバータ172a,172bのスイッチング素子としては、たとえば、MOSFETやIGBTなどを使用することができる。
インバータ172aの一方の端子は、たとえば、蓄電装置170の入出力端子に接続され、インバータ172aの他方の端子は、トランス172cの一方の端子に接続される。さらに、トランス172cの他方の端子は、インバータ172bの一方の端子に接続され、インバータ172bの他方の端子は、二次電池171の入出力端子に接続される。電圧計173は、二次電池171の一対の入出力端子に接続され、一対の入出力端子間の電圧を測定する。
このような構成により、蓄電装置170は、充電時に、補機直流ライン180から入出力端子に直流電圧が入力されると、充放電部172を介して二次電池171が充電される。また、蓄電装置170は、放電時に、二次電池171に蓄積された電気エネルギーを充放電部172を介して入出力端子から補機直流ライン180へ直流電圧として出力する。
補機直流ライン180は、電力回生装置160と蓄電装置170とを接続するとともに、グリッドボックスファンモータ192を電力回生装置160および蓄電装置170に接続している。補機直流ライン180には、グリッドボックスファンモータ192の電圧を測定する電圧計181が接続されている。電圧計181は、測定したグリッドボックスファンモータ192の電圧の情報を、パワーコントローラ150へ出力する。グリッドボックス抵抗191およびグリッドボックスファンモータ192は、たとえば、図1に示すグリッドボックス19内に収容されている。
グリッドボックス抵抗191は、チョッパ191aを備え、高圧直流ライン112に接続されている。グリッドボックス抵抗191は、パワーコントローラ150から出力される制御信号が入力され、制御信号に基づいて、グリッドボックス抵抗191を高圧直流ライン112に対して接続したり切り離したりする。グリッドボックス抵抗191は、たとえば、電圧計113によって検出された電圧が規定値を超えたときにチョッパ191aによって高圧直流ライン112に接続され、高圧直流ライン112に蓄えられた電気エネルギーを熱に変換して大気に放出する。
グリッドボックスファンモータ192は、補機直流ライン180に接続され、パワーコントローラ150から出力される制御信号が入力される。グリッドボックスファンモータ192は、パワーコントローラ150の制御信号に基づいて駆動され、図示を省略するグリッドボックスファンを回転させてグリッドボックス抵抗191を空冷する。グリッドボックスファンモータ192は、たとえば、グリッドボックス抵抗191に印加される電圧が規定値を超えた場合に入力される制御信号に基づいて回転し、グリッドボックス抵抗191を強制空冷する。グリッドボックスファンモータ192を含む補機類は、それぞれの補機の負荷の情報を含む出力信号S6をパワーコントローラ150へ出力する。
図5は、図2に示すパワーコントローラ150の機能ブロック図である。パワーコントローラ150は、たとえば、故障判定機能F1と、動作判定機能F2と、電圧判定機能F3と、平均負荷算出機能F4と、充放電判定機能F5と、を有している。また、パワーコントローラ150は、たとえば、バイパススイッチ制御信号出力機能F6と、モジュール制御信号出力機能F7と、充放電制御信号出力機能F8と、健全性通知機能F9とを有している。これらの各機能は、たとえば、パワーコントローラ150を構成する処理装置、記憶装置、コンピュータプログラム、入出力装置等によって実現されている。
故障判定機能F1は、電力回生装置160から出力された状態信号S1を入力とし、各々の電力変換モジュール161の故障を判定する。また、故障判定機能F1は、たとえば、状態信号S1に故障信号が含まれる場合、故障した電力変換モジュール161を特定するとともに、故障した電力変換モジュール161の数、すなわち故障数を算出する。故障判定機能F1は、故障した電力変換モジュール161の情報および故障数の情報を動作判定機能F2およびバイパススイッチ制御信号出力機能F6へ出力する。
動作判定機能F2は、高圧直流ライン112の電圧を検出する電圧計113の出力信号S2と、ダンプトラック10の状態を検知する各種のセンサからの出力信号S3と、補機直流ライン180の電圧を検出する電圧計181からの出力信号S4とを入力とする。さらに、動作判定機能F2は、故障判定機能F1の出力を入力とする。動作判定機能F2は、入力された情報に基づく電力回生装置160の動作状態、電力変換モジュール161の運転指令を、充放電判定機能F5、モジュール制御信号出力機能F7、および健全性通知機能F9へ出力する。
電圧判定機能F3は、図4に示す蓄電装置170の二次電池171の一対の入出力端子間の電圧を検出する電圧計173の出力信号S5を入力とする。電圧判定機能F3は、入力された出力信号S5に基づく二次電池171の現在の電圧値と、あらかじめ設定されて記憶装置に記憶された充電開始電圧値および充電停止電圧値とを比較する。充電開始電圧値は、たとえば、二次電池171の充電を開始する基準となる電圧のしきい値であり、充電停止電圧値は、たとえば、二次電池171の充電を停止する基準となる電圧のしきい値である。電圧判定機能F3は、たとえば、二次電池171の現在の電圧値と充電開始電圧値および充電停止電圧値との比較の結果に基づく蓄電装置170の充放電動作情報を充放電判定機能F5へ出力する。蓄電装置170の充放電動作情報は、たとえば、二次電池171の充電を実施する充電状態、二次電池171の放電を実施する放電状態、または、二次電池171の充電および放電のいずれもが可能な充放電状態を含む。
平均負荷算出機能F4は、グリッドボックスファンモータ192を含む補機類から出力された補機の負荷の情報を含む出力信号S6を入力とする。平均負荷算出機能F4は、補機類の出力信号S6に基づいて、一定期間の補機の負荷の平均値を算出して健全性通知機能F9へ出力する。この補機の負荷の平均値を算出する一定期間は、たとえば、ダンプトラック10がボディ14に積載物を積み込み、ボディ14に積載物を積載した状態で目的地へ走行し、ボディ14の積載物を目的地で放出し、再びボディ14に積載物を積み込むために走行するダンプトラック10の稼働サイクルよりも長い時間とする。より具体的には、たとえば、12[h]、24[h]など、ダンプトラック10の走行時および停車時を含めた補機の負荷の平均を算出することができる期間を、上記一定期間として設定することができる。
充放電判定機能F5は、電圧判定機能F3の出力である蓄電装置170の充放電動作情報と、補機直流ライン180の電圧を検出する電圧計181の出力信号S4とを入力とする。また、充放電判定機能F5は、グリッドボックスファンモータ192などの補機類の負荷の情報を含む出力信号S6と、動作判定機能F2の出力である電力回生装置160の動作状態を入力とする。充放電判定機能F5は、入力された情報に基づいて蓄電装置170の充放電動作を決定し、決定した蓄電装置170の充放電動作に必要な情報を、動作判定機能F2および充放電制御信号出力機能F8へ出力する。
バイパススイッチ制御信号出力機能F6は、故障判定機能F1の出力である故障した電力変換モジュール161の情報および故障数を入力とする。バイパススイッチ制御信号出力機能F6は、故障した電力変換モジュール161に対応するバイパス回路162へスイッチング素子やリレーをオンにする制御信号CS1を、電力回生装置160へ出力する。
また、バイパススイッチ制御信号出力機能F6は、入力された故障数を、あらかじめ設定されて記憶装置に記憶された故障数のしきい値である許容数と比較し、入力された故障数が許容数を超えた場合に、リレー163をオフにする遮断制御信号CS1’を、電力回生装置160へ出力する。なお、電力変換モジュール161の故障数のしきい値である許容数は、たとえば、各々の電力変換モジュール161が出力可能な電圧の範囲と補機直流ライン180の設定電圧とから算出される電圧を出力可能な電力変換モジュール161の個数に基づいて決定することができる。具体的には電力変換モジュール161の故障数の許容数は、補機直流ライン180の設定電圧を、各々の電力変換モジュール161の出力可能な電圧範囲の最小値で除した値としてもよいし、他の観点に基づいて決定してもよい。
モジュール制御信号出力機能F7は、動作判定機能F2から出力された電力変換モジュール161の運転指令を入力とする。また、モジュール制御信号出力機能F7は、電力変換モジュール161の運転指令に基づく制御信号CS2を、電力回生装置160へ出力する。
充放電制御信号出力機能F8は、充放電判定機能F5から出力された蓄電装置170の充放電動作に必要な情報、たとえば、インバータ172a,172bの操作タイミングを入力とする。充放電制御信号出力機能F8は、たとえば、入力されたインバータ172a,172bの操作タイミングの情報などに基づいて、インバータ172a,172bのスイッチング素子を駆動させる制御信号CS3を、蓄電装置170へ出力する。
健全性通知機能F9は、動作判定機能F2から出力された電力変換モジュール161の状態の判定結果、充放電判定機能F5から出力された蓄電装置170の充放電動作に必要な情報、たとえば二次電池171の容量、および、平均負荷算出機能F4から出力された補機の負荷の情報を入力とする。健全性通知機能F9は、入力された情報に基づいて、たとえば、ダンプトラック10を稼働させることができる期間を算出する。また、健全性通知機能F9は、たとえば、ダンプトラック10のキャブ16内に設置された表示装置20に対し、動力システム100の健全性を表示させる制御信号CS4を出力する。
図6は、図5のパワーコントローラ150の各機能による電力回生装置160の制御の流れの一例を示すフロー図である。パワーコントローラ150は、電力回生装置160の制御を開始すると、まず、故障判定機能F1により、電力回生装置160から出力される状態信号S1を受信する(処理P1)。次に、故障判定機能F1は、たとえば、受信した状態信号S1に含まれる故障信号の有無に基づいて、電力回生装置160を構成する各々の電力変換モジュール161の故障の有無を判定する(処理P2)。
処理P2において、故障判定機能F1によって電力変換モジュール161の故障がないと判定された場合(NO)、すなわち状態信号S1に故障信号が含まれていない場合、動作判定機能F2は、充放電判定機能F5から出力された蓄電装置170の充放電動作に必要な情報を取得する(処理P3)。次に、動作判定機能F2は、取得した情報に基づく電力回生装置160の運転指令が強制運転を示す信号であるか否かを判定する(処理P4)。なお、電力回生装置160の強制運転では、故障した電力変換モジュール161に対応するバイパス回路162がオンにされ、故障した電力変換モジュール161を除く正常な電力変換モジュール161が動作する。
処理P4において、動作判定機能F2は、電力変換モジュール161の運転指令が強制運転を示す信号ではない場合(NO)、ダンプトラック10の状態を検出するセンサの出力信号S3を取得する(処理P5)。ここで、出力信号S3は、たとえば、ダンプトラック10の走行速度、走行モータ110の回転数および出力トルク、リタードペダルの操作量、ダンプトラック10の運転支援機能によるリタード指令などを含む。
処理P5の終了後、動作判定機能F2は、ダンプトラック10が回生動作中であるか否かを判定する(処理P6)。動作判定機能F2は、たとえば、ダンプトラック10の加速度や、走行モータ110の回転数と出力トルクとの関係などに基づいて、ダンプトラック10が回生動作中であるか否かを判定することができる。
処理P6において、動作判定機能F2は、ダンプトラック10が回生動作中ではない(NO)と判定すると、電力回生装置160の動作状態を停止状態に設定する(処理P7)。処理P7の終了後、動作判定機能F2は、電力回生装置160の動作状態をモジュール制御信号出力機能F7へ出力し、モジュール制御信号出力機能F7は、すべての電力変換モジュール161のインバータ161aのスイッチング素子を停止させる制御信号CS2を生成する(処理P8)。
処理P8の終了後、モジュール制御信号出力機能F7は、生成した制御信号CS2を電力回生装置160へ出力する(処理P9)。処理P9の終了後、動作判定機能F2は、前の処理で設定した電力回生装置160の動作状態に、電力変換モジュール161の故障数の情報を追加する(処理P10)。
一方、前述の処理P4において、動作判定機能F2は、電力変換モジュール161の運転指令が強制運転を示す信号である場合(YES)、電力回生装置160の動作状態を運転状態に設定する(処理P11)。また、前述の処理P6において、動作判定機能F2は、ダンプトラック10が回生動作中である(YES)と判定した場合も同様に、電力回生装置160の動作状態を運転状態に設定する(処理P11)。
この処理P11において、動作判定機能F2は、電力回生装置160の出力電圧が常に一定になるように、故障していない電力変換モジュール161の出力電圧を、電力変換モジュール161の故障数に応じて変化させるための情報を出力する。たとえば、電力回生装置160が故障した電力変換モジュール161を含む場合を想定する。この場合、動作判定機能F2は、電力回生装置160の出力電圧が、すべての電力変換モジュール161が正常な場合と同じ出力電圧になるように、故障していない電力変換モジュール161の出力電圧を上昇させるための情報を出力する。
より詳細には、電力回生装置160がN台の電力変換モジュール161を備えているとする。また、すべての電力変換モジュール161が正常であるときの各々の電力変換モジュール161の出力電圧をV1とし、M台の電力変換モジュール161が故障しているときの他の正常な各々の電力変換モジュール161の出力電圧をV2とする。この場合には、V2=V1×N/(N−M)となる。動作判定機能F2は、たとえば、このような演算を行うことで、故障していない電力変換モジュール161の出力電圧を上昇させるための情報をモジュール制御信号出力機能F7へ出力する。
処理P11の終了後、モジュール制御信号出力機能F7は、動作判定機能F2から入力された情報に基づいて、電力変換モジュール161のインバータ161aを動作させる制御信号CS2を生成する(処理P12)。具体的には、モジュール制御信号出力機能F7は、たとえば、各々の電力変換モジュール161の出力電圧をV2とするように、インバータ161aのスイッチング素子のオンデューティを増加させる制御信号CS2を生成する。この処理P12の終了後、動作判定機能F2は、前述の処理P9および処理P10を実施して、生成した制御信号CS2を電力回生装置160へ出力し、電力変換モジュール161の故障数の情報を追加し、電力回生装置160の制御を終了する。
一方、前述の処理P2において、故障判定機能F1によって電力変換モジュール161の故障があると判定された場合(YES)、すなわち状態信号S1に故障信号が含まれている場合、故障判定機能F1は、故障した電力変換モジュール161の情報を、バイパススイッチ制御信号出力機能F6へ出力する(処理P13)。この処理P13において、バイパススイッチ制御信号出力機能F6は、入力された情報に基づいて、故障した電力変換モジュール161を短絡させるバイパス回路162のスイッチング素子を閉じてオンにするための制御信号CS1を、電力回生装置160へ出力する。
処理P13の終了後または処理P13と並行して、故障判定機能F1は、電力変換モジュール161の故障数を算出して、バイパススイッチ制御信号出力機能F6へ出力する(処理P14)。次に、バイパススイッチ制御信号出力機能F6は、入力された故障数が、許容数よりも多いか否かを判定する(処理P15)。この処理P15において、バイパススイッチ制御信号出力機能F6により、入力された故障数が許容数以下である(NO)と判定されると、動作判定機能F2は、前述の処理P3を実施する。
一方、処理P15において、バイパススイッチ制御信号出力機能F6は、入力された故障数が許容数よりも多い(YES)と判定すると、リレー163を開にしてオフにする遮断制御信号CS1’を、電力回生装置160へ出力する(処理P16)。その後、動作判定機能F2は、故障判定機能F1から出力された電力変換モジュール161の故障数に基づいて、電力回生装置160の動作状態を、故障状態に設定する(処理P17)。
処理P17の終了後、動作判定機能F2は、前述の処理P8から処理P10を実施する。すなわち、動作判定機能F2は、電力回生装置160の動作状態をモジュール制御信号出力機能F7へ出力し、モジュール制御信号出力機能F7は、すべての電力変換モジュール161のインバータ161aのスイッチング素子を停止させる制御信号CS2を生成する。その後、動作判定機能F2は、生成した制御信号CS2を電力回生装置160へ出力し、電力変換モジュール161の故障数の情報を追加し、電力回生装置160の制御を終了する。
以上のように、パワーコントローラ150は、図6に示す開始から終了までの処理を繰り返し実行して、電力回生装置160を制御する。これにより、本実施形態のダンプトラック10は、電力回生装置160が故障した電力変換モジュール161を含む場合であっても、その故障した電力変換モジュール161をバイパス回路162によって短絡させることができる。そのため、故障した電力変換モジュール161以外の正常な電力変換モジュール161を動作させ、電力回生装置160の運転を継続することができる。また、複数の電力変換モジュール161のうち、一つ以上の電力変換モジュール161が故障して、動作可能な電力変換モジュール161の数が減少しても、動作可能な電力変換モジュール161の出力電圧を上昇させることで、電力回生装置160の出力電圧を維持することができる。
図7は、図5のパワーコントローラ150の各機能による蓄電装置170の制御の流れの一例を示すフロー図である。パワーコントローラ150は、蓄電装置170の制御を開始すると、まず、充放電判定機能F5により、動作判定機能F2の出力である電力回生装置160の動作状態を取得する(処理P21)。次に、充放電判定機能F5は、取得した電力回生装置160の動作状態が、故障状態であるか否かを判定する(処理P22)。
処理P22において、充放電判定機能F5が故障状態である(YES)と判定すると、その判定結果に基づいて、充放電判定機能F5は、動作判定機能F2に対して、電力変換モジュール161を停止させるための停止指令を出力する(処理P23)。さらに、この処理P23において、モジュール制御信号出力機能F7は、動作判定機能F2から入力された停止指令に基づいて、電力回生装置160を停止させるための制御信号CS2を電力回生装置160へ出力する。電力回生装置160の停止は、たとえば、リレー163をオフにすることにより行う。
次に、平均負荷算出機能F4および充放電判定機能F5は、電圧計181の出力信号S4と、グリッドボックスファンモータ192を含む補機の出力信号S6に基づいて、補機直流ライン180の電圧と補機の負荷を取得する(処理P24)。ここで、補機の負荷は、補機直流ライン180の電圧と、補機へ流れる電流を計測する電流計(図示略)で計測した電流値の積から求めてもよいし、補機の動作指令とあらかじめ記憶装置に記憶させたテーブルから動作指令に応じて求めてもよい。
次に、充放電判定機能F5は、補機直流ライン180の電圧に基づいて、蓄電装置170のインバータ172a,172bのスイッチング素子の駆動信号を生成する(処理P25)。具体的には、補機直流ライン180の電圧があらかじめ設定された補機の使用電圧となるように、スイッチング素子のオンデューティを変更する。補機の使用電圧は、補機として使用する機器の電圧範囲および構成に基づいて決定する。
次に、充放電制御信号出力機能F8は、充放電判定機能F5によって生成された駆動信号に基づいてインバータ172a,172bのスイッチング素子を駆動させる制御信号CS3を、蓄電装置170へ出力する(処理P26)。以上の処理P21から処理P26により、パワーコントローラ150は、電力回生装置160を構成する電力変換モジュール161の故障数が許容数を超えた故障状態において、たとえば、蓄電装置170を放電させてグリッドボックスファンモータ192を含む補機を駆動させる。
一方、前述の処理P22において、充放電判定機能F5が故障状態でない(NO)と判定すると、電圧判定機能F3は、電圧計173の出力信号S5に基づいて、蓄電装置170を構成する二次電池171の一対の入出力端子間の電圧を取得する(処理P27)。さらに、電圧判定機能F3は、二次電池171の電圧と動作判定機能F2で生成された電力変換モジュール161の運転指令が、特定の条件を満たすか否かを判定する(処理P28)。
この処理P28における上記特定の条件の一つは、たとえば、処理P27で取得した二次電池171の電圧Vbが、二次電池171の最低使用電圧VbL以下になっていることである。また、上記特定の条件のもう一つは、たとえば、二次電池171の電圧Vbが二次電池171の定格電圧VbR未満であり、かつ、動作判定機能F2で生成された運転指令が電力変換モジュール161に強制運転を行わせるための強制運転指令となっていることである。すなわち、処理P28において、電圧判定機能F3は、たとえば、二次電池171の電圧Vbが最低使用電圧VbL以下である条件、または、二次電池171の電圧Vbが定格電圧VbR未満かつ運転指令が強制運転指令である条件を満たすか否かを判定する。
処理P28において、上記特定の条件を満たさない場合(NO)、充放電判定機能F5は、動作判定機能F2に対して、電力回生装置160に通常運転を行わせるための通常運転指令を出力する(処理P29)。電力回生装置160の通常運転では、すべての電力変換モジュール161に対応するバイパス回路162をオフにする。次に、充放電判定機能F5は、電力回生装置160の動作状態が運転状態か否かを判定する(処理P30)。
処理P30において、充放電判定機能F5が、電力回生装置160の動作状態を運転状態ではない(NO)と判定すると、パワーコントローラ150は、前述の処理P24から処理P26を実施する。これにより、パワーコントローラ150は、蓄電装置170を放電させてグリッドボックスファンモータ192を含む補機を駆動させる。
一方、処理P30において、充放電判定機能F5が、電力回生装置160の動作状態を運転状態である(YES)と判定すると、電圧判定機能F3は、電圧計173の出力信号S5に基づく二次電池171の電圧Vbが所定の条件を満たすか否かを判定する(処理P31)。この処理P31において、二次電池171の電圧Vbの所定の条件は、たとえば、二次電池171の電圧Vbが二次電池171の最高使用電圧VbH以上(Vb≧VbH)という条件である。
処理P31において、電圧判定機能F3が、二次電池171の電圧Vbの所定の条件(Vb≧VbH)を満たす(YES)と判定すると、充放電判定機能F5は、蓄電装置170のインバータ172a,172bのスイッチング素子を停止させるための信号を生成する(処理P32)。その後、パワーコントローラ150は、前述の処理P26を実施して、インバータ172a,172bのスイッチング素子を停止させる制御信号CS3を、蓄電装置170へ出力する。この場合、蓄電装置170は、放電動作も行わない停止状態になる。
一方、処理P31において、電圧判定機能F3が、二次電池171の電圧Vbの所定の条件(Vb≧VbH)を満たさない(NO)と判定すると、平均負荷算出機能F4および充放電判定機能F5は、補機の負荷と、補機直流ライン180の電圧と、を取得する(処理P33)。なお、補機の負荷は、グリッドボックスファンモータ192を含む補機の出力信号S6に基づいて取得され、補機直流ライン180の電圧は、電圧計181の出力信号S4に基づいて取得される。
その後、充放電判定機能F5は、取得した補機の負荷と、補機直流ライン180の電圧と、電力変換モジュール161の故障数に基づいて、蓄電装置170のインバータ172aのスイッチング素子の駆動信号を生成する(処理P34)。具体的には、充放電判定機能F5は、まず、電力変換モジュール161の故障数の分だけ低下している電力回生装置160の出力電力を計算する。次に、充放電判定機能F5は、算出した電力回生装置160の出力電力から補機の負荷を減算した電力が二次電池171に充電されるように、二次電池171のインバータ172aのスイッチング素子のオンデューティを制御する駆動信号を生成する。
その後、パワーコントローラ150は、前述の処理P26を実施して、インバータ172aのスイッチング素子を制御するための制御信号CS3を、蓄電装置170へ出力する。これにより、ダンプトラック10の回生動作中に、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180へ電力が供給され、蓄電装置170の二次電池171を充電することができる。
一方、処理P28において、上記特定の条件、たとえば、二次電池171の電圧Vbが最低使用電圧VbL以下である条件、または、二次電池171の電圧Vbが定格電圧VbR未満かつ運転指令が強制運転指令である条件を満たした(YES)とする。この場合、充放電判定機能F5は、動作判定機能F2に対して、電力変換モジュール161に強制運転を行わせるための強制運転指令を出力する(処理P35)。さらに、この処理P35において、モジュール制御信号出力機能F7は、動作判定機能F2から入力された強制運転指令に基づいて、電力変換モジュール161を強制運転させるための制御信号CS2を電力回生装置160へ出力する。
その後、パワーコントローラ150は、前述の処理P33、処理P34、および処理P26を実施する。これにより、電力回生装置160の強制運転中、すなわち故障した電力変換モジュール161に対応するバイパス回路162がオンにされた状態で、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180へ電力が供給され、蓄電装置170の二次電池171を充電することができる。なお、パワーコントローラ150は、たとえば、図7に示す開始から終了までの処理を、所定の周期で繰り返し実行する。
以下、本実施形態のダンプトラック10の作用を説明する。
ダンプトラック10は、エンジン130の出力軸の回転によって発電機120を回転させることによって発電した三相交流電圧をダイオードブリッジ114によって直流電圧に変換し、高圧直流ライン112およびインバータ111を介して走行モータ110に電力を供給する。この状態で、キャブ16内のオペレータが踏み込んだアクセルペダルの操作量、または、メインコントローラ140の自動運転機能に基づいて、パワーコントローラ150にアクセル信号が入力される。すると、パワーコントローラ150は、インバータ111に対して加速制御信号CS7を出力する。これにより、走行モータ110が回転し、走行駆動装置17によって後輪12Rが駆動され、ダンプトラック10が前進または後進する。
一方、たとえば、ダンプトラック10の降坂時や減速時などの制動時には、キャブ16内のオペレータが踏み込んだブレーキペダルまたはリタードペダルの操作量、または、メインコントローラ140の自動運転機能に基づいて、パワーコントローラ150にブレーキ信号が入力される。すると、パワーコントローラ150は、インバータ111に対して減速制御信号CS7’を出力する。これにより、走行モータ110は、発電機として機能して回転方向と逆方向にトルクを発生させ、ダンプトラック10の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する回生動作を行う。
この回生動作によって発生した電力は、インバータ111の高圧直流ライン112に直流電圧として蓄えられるが、安全に蓄えられる電力には限界がある。そのため、パワーコントローラ150は、電圧計113によって検出した直流電圧が規定値を超えた場合に、チョッパ191aへ放電制御信号CS8を出力する。これにより、高圧直流ライン112からグリッドボックス抵抗191に電力が供給され、過剰な電気エネルギーが熱としてグリッドボックス19から大気へ放散される。グリッドボックス19は、通常は、自然空冷されている。
しかし、グリッドボックス抵抗191の発熱量が大きい場合は、パワーコントローラ150からグリッドボックスファンモータ192へ冷却制御信号CS9を出力する。これにより、グリッドボックスファンモータ192が駆動され、図示を省略するグリッドボックスファンが回転し、グリッドボックスファンの送風によってグリッドボックス抵抗191が強制空冷される。なお、パワーコントローラ150は、たとえば、状況に応じて走行モータ110による回生制動と機械式のブレーキシステムのいずれかを選択し、または、これらを併用する。
蓄電装置170は、パワーコントローラ150によって制御され、二次電池171に蓄えられた電気エネルギーを補機直流ライン180を介してグリッドボックスファンモータ192などの補機へ供給する。パワーコントローラ150は、蓄電装置170からグリッドボックスファンモータ192などの補機への電力の供給によって二次電池171に蓄えられた電気エネルギーが減少すると、電力回生装置160を制御して、高圧直流ライン112から補機直流ライン180へ電力を供給する。また、パワーコントローラ150は、高圧直流ライン112から補機直流ライン180への電力供給時に、蓄電装置170を制御して二次電池171の充電を行い、電力回生装置160を介して供給された電力によってグリッドボックスファンモータ192などを駆動させる。
以上のように、本実施形態のダンプトラック10は、走行モータ110と、その走行モータ110に接続された電力回生装置160と、その電力回生装置160に接続された蓄電装置170と、を備えている。さらに、ダンプトラック10は、電力回生装置160および蓄電装置170に接続された補機であるグリッドボックスファンモータ192と、走行モータ110、電力回生装置160および蓄電装置170を制御するパワーコントローラ150と、を備えている。また、電力回生装置160は、直列に接続された複数の電力変換モジュール161と、パワーコントローラ150から出力される制御信号CS1により各々の電力変換モジュール161を短絡させる複数のバイパス回路162とを有している。また、電力変換モジュール161は、走行モータ110に高圧直流ライン112を介して接続されたインバータ161aと、蓄電装置170および補機であるグリッドボックスファンモータ192に補機直流ライン180を介して接続された整流回路161cと、インバータ161aおよび整流回路161cに接続されたトランス161bと、を有している。また、パワーコントローラ150は、一部の電力変換モジュール161の故障時に、故障した電力変換モジュール161を短絡させるバイパス回路162に制御信号CS1を出力するとともに、一部の電力変換モジュール161の故障時かつ電力回生装置160を介した高圧直流ライン112から補機直流ライン180への電力供給時に、蓄電装置170から補機であるグリッドボックスファンモータ192へ不足した電力を供給させる。
このような構成により、本実施形態のダンプトラック10は、電力回生装置160の複数の電力変換モジュール161の一部が故障した場合に、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介してグリッドボックスファンモータ192などの補機に供給する電力が不足した場合でも、蓄電装置170から補機へ不足した電力を供給することができる。したがって、一部の故障した電力変換モジュール161以外の正常な電力変換モジュール161の消費電力の増加を抑制することができ、従来よりも信頼性および耐用性が向上した電力回生装置160を搭載したダンプトラック10を提供することができる。
また、本実施形態のダンプトラック10において、電力回生装置160は、パワーコントローラ150から出力される遮断制御信号CS1’に基づいて高圧直流ライン112と電力変換モジュール161との間の接続を遮断するリレー163を有している。パワーコントローラ150は、故障した電力変換モジュール161の数が許容数を超えた場合に、リレー163へ遮断制御信号CS1’を出力する。
このような構成により、本実施形態のダンプトラック10は、故障した電力変換モジュール161の数が許容数を超えた場合に、電力回生装置160のすべての電力変換モジュール161を停止させることができる。これにより、電力回生装置160の一部の電力変換モジュール161の故障時に、正常な電力変換モジュール161に対する過度の負担を防止することができる。したがって、従来よりも信頼性および耐用性が向上した電力回生装置160を搭載したダンプトラック10を提供することができる。また、電力回生装置160のすべての電力変換モジュール161が停止した場合でも、蓄電装置170から補機直流ライン180を介してグリッドボックスファンモータ192等の補機に電力を供給して、補機を稼働させることができる。
また、本実施形態のダンプトラック10において、パワーコントローラ150は、蓄電装置170を構成する二次電池171の電圧が最低使用電圧VbL以下である場合、または、故障した電力変換モジュール161がバイパス回路162によって短絡されかつ二次電池171の電圧が定格電圧VbR未満である場合に、電力回生装置160および蓄電装置170を制御して高圧直流ライン112から補機直流ライン180へ電力を回生させて蓄電装置170を充電する。
このような構成により、本実施形態のダンプトラック10は、電圧計173によって検出した二次電池171の電圧が、最低使用電圧VbL以上となるように、二次電池171を充電することができる。または、本実施形態のダンプトラック10は、電圧計173によって検出した二次電池171の電圧が、一部の電力変換モジュール161の故障時に定格電圧VbR以上となるように、二次電池171を充電することができる。したがって、蓄電装置170からグリッドボックスファンモータ192などの補機に対してより確実に電力を供給することが可能になる。
また、本実施形態のダンプトラック10において、パワーコントローラ150は、一部の電力変換モジュール161の故障時かつ電力回生装置160を介した高圧直流ライン112から補機直流ライン180への電力供給時に、故障した電力変換モジュール161の出力電圧を補償して電力回生装置160の出力電圧を維持するように、正常な電力変換モジュール161の出力電圧を上昇させる。
このような構成により、本実施形態のダンプトラック10は、故障した一部の電力回生装置160を除く正常な電力変換モジュール161の消費電力を抑制しつつ、一部の電力変換モジュール161の故障前と故障後で、電力回生装置160の出力電圧を一定にすることができる。したがって、従来よりも信頼性および耐用性が向上した電力回生装置160を搭載したダンプトラック10を提供することができる。
以下、図8を参照して、本実施形態のダンプトラック10の作用を、より具体的に説明する。図8は、ダンプトラック10の動作を示すタイムチャートである。図8に示す各グラフは、それぞれ、横軸を時間としている。また、各グラフの縦軸は、上から下へ、それぞれ、二次電池171の電圧(電池電圧)、電力回生装置160の電力変換モジュール161の数(モジュール数)、ダンプトラック10の減速の有無(減速)、電力回生装置160の出力電力、蓄電装置170の充放電電力量である。なお、図8に示す例では、上から二番目のグラフに示すように、電力回生装置160が備える電力変換モジュール161の数を5台としているが、電力変換モジュール161の数がこの例に限定されないことは言うまでもない。
図8に示すように、時刻t0から時刻t1までの間は、電力回生装置160を構成する5台の電力変換モジュール161がすべて正常に動作している(モジュール数=5)。また、時刻t0から時刻taまでの間は、グリッドボックスファンモータ192などの補機が、蓄電装置170から補機直流ライン180を介して供給される電力によって駆動されることで、電池電圧、すなわち蓄電装置170を構成する二次電池171の電圧が漸減している。
時刻taから時刻tbの間は、ダンプトラック10が減速することで(減速=1)、走行モータ110が発電する回生動作が行われて、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180へ電力が供給され、二次電池171が充電される。これにより、電池電圧が漸増している。時刻tb以降、ダンプトラック10は、非減速時(減速=0)に蓄電装置170から補機へ電力を供給し、減速時(減速=1)に高圧直流ライン112から補機直流ライン180へ回生した電力によって二次電池171を充電することを繰り返す。
電力回生装置160の出力電力は、グリッドボックスファンモータ192を含むすべての補機が最大出力で作動している状態で、二次電池を充電可能な電力になっている。そのため、電力回生装置160のすべての電力変換モジュール161が正常に作動しているときには、二次電池171の電圧である電池電圧は、最高使用電圧VbHと最低使用電圧VbLとの間に維持される。
時刻t1において、電力回生装置160を構成する5台の電力変換モジュール161のうちの1台に故障が発生し、故障した電力変換モジュール161がバイパス回路162によって短絡されている。これにより、モジュール数、すなわち、電力回生装置160を構成する正常な電力変換モジュール161の数が、5台から4台に減少している。すなわち、時刻t1以降は、グリッドボックスファンモータ192を含む補機の負荷は変化せず、電力回生装置160の出力電力が、たとえば20[%]程度減少し、時刻t1前の80[%]程度になっている。そのため、電力回生装置160の出力電力の減少した分の電力が蓄電装置170の二次電池171の放電によって賄われ、電池電圧が時間の経過とともに漸減する。
さらに、時刻t2において、電力回生装置160を構成する5台の電力変換モジュール161のうちの2台に故障が発生し、故障した電力変換モジュール161がバイパス回路162によって短絡されている。これにより、モジュール数、すなわち、電力回生装置160を構成する正常な電力変換モジュール161の数が、4台から3台に減少している。その結果、時刻t2以降は、電力回生装置160の出力電力が、さらに20[%]程度減少し、時刻t1前の60[%]程度になっている。そのため、より多くの電力が蓄電装置170の二次電池171の放電によって賄われ、電池電圧がより短時間に低下している。
その後、時刻t3において、二次電池171の電圧である電池電圧が最低使用電圧VbL以下になると、パワーコントローラ150は、ダンプトラック10の減速の有無すなわち回生動作に関わらず、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180へ電力を供給させる。これにより、時刻t3以降は、蓄電装置170の二次電池171が充電され、電池電圧が時間の経過とともに漸増している。この二次電池171の充電は、たとえば、二次電池171の電圧が定格電圧VbRを超えるまで継続される。二次電池171の電圧が定格電圧VbRを超えると、時刻t2から時刻t3までと同様に、ダンプトラック10の回生動作中に二次電池171を充電し、ダンプトラック10が回生動作中ではないときに二次電池171を放電させることを繰り返す。
以上のように、本実施形態のダンプトラック10によれば、電力回生装置160の複数の電力変換モジュール161の一部が故障しても、グリッドボックスファンモータ192を含む補機への電力および二次電池171の充電を継続し、ダンプトラック10の稼働を継続することができる。また、蓄電装置170を備えることで、電力回生装置160の出力電力を、故障した電力変換モジュール161の出力電力の分だけ減少させることができる。これにより、故障していない正常な電力変換モジュール161の負荷が、一部の電力変換モジュール161が故障する前とほぼ変化せず、正常な電力変換モジュール161が負荷の上昇によって故障することを防止できる。したがって、本実施形態によれば、従来よりも信頼性および耐用性が向上した電力回生装置160を搭載したダンプトラック10を提供することができる。
[実施形態2]
以下、図1から図4を援用し、図9および図10を参照して本開示に係るダンプトラックの実施形態2を説明する。図9は、本実施形態のダンプトラック10のパワーコントローラ150の機能ブロック図である。なお、本実施形態のダンプトラック10は、パワーコントローラ150が、実施形態1で説明した各機能に加えて、積載判定機能F11と、縮退運転制御機能F12と、を有する点で、実施形態1のダンプトラック10と異なっている。本実施形態のダンプトラック10のその他の構成は、前述の実施形態1のダンプトラック10と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
積載判定機能F11は、ダンプトラック10の後輪側サスペンション装置13R内の油圧を検出するセンサ13Sの出力信号S7を入力とする。積載判定機能F11は、センサ13Sの出力信号S7に基づいて、ボディ14に積載物が積載されているか否かを判定し、判定結果を縮退運転制御機能F12へ出力する。
縮退運転制御機能F12は、動作判定機能F2から出力された電力回生装置160の動作状態を入力として、電力回生装置160の動作状態が故障状態か否かを判定する。また、縮退運転制御機能F12は、電圧判定機能F3から出力された蓄電装置170の充放電動作情報を入力とし、その充放電動作情報が充電状態か否かを判定する。縮退運転制御機能F12は、電力回生装置160の動作状態が故障状態、かつ蓄電装置170の充放電動作情報が充電状態の場合は、充放電判定機能F5および動作判定機能F2へ縮退運転指令を出力する。また、縮退運転制御機能F12は、走行モータ110のインバータ111およびグリッドボックスファンモータ192を含む補機に、負荷を制限するための制御信号CS10を出力する。
このように、電力回生装置160の動作状態が故障状態の場合は、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180に接続されたグリッドボックスファンモータ192を含む補機へ電力を供給できない。また、蓄電装置170の充放電動作情報が充電状態の場合は、二次電池171の電圧が最低使用電圧VbL以下になっており、二次電池171から補機へ電力を供給できない。そのため、電力回生装置160の動作状態が故障状態、かつ蓄電装置170の充放電動作情報が充電状態の場合に、縮退運転制御機能F12は、充放電判定機能F5および動作判定機能F2へ縮退運転指令を出力し、走行モータ110のインバータ111および補機に、負荷を制限する制御信号CS10を出力する。
走行モータ110のインバータ111の負荷の制限は、たとえば、走行モータ110の電流値の上限である許容電流値を規定し、走行モータ110の電流値が許容電流値を超えないように、インバータ111のオンデューティを制御することによって行う。また、グリッドボックスファンモータ192などの補機の負荷の制限は、たとえば、周波数指令の上限を規定し、回転数を減少させることによって行う。
また、縮退運転制御機能F12は、上記のような電力回生装置160の動作状態が故障状態、かつ蓄電装置170の充放電動作情報が充電状態である場合の動作を行っている縮退運転中に、積載判定機能F11からボディ14に積載物が積載されている判定が入力されると、次のように動作する。縮退運転制御機能F12は、たとえば、走行モータ110のインバータ111に対して出力していた負荷を制限するための制御信号CS10を停止して、負荷の制限を解除する。
また、動作判定機能F2は、縮退運転制御機能F12の出力である縮退運転指令が入力された場合に、前述の実施形態1において説明した動作に加えて、次の動作を行う。動作判定機能F2は、電力変換モジュール161の故障数が許容数を超えている場合でも、高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180へ電力を供給するように、インバータ161aの操作タイミングを決定してモジュール制御信号出力機能F7へ出力する。
また、充放電判定機能F5は、縮退運転制御機能F12の出力である縮退運転指令が入力された場合に、実施形態1において説明した動作に加えて、次の動作を行う。充放電判定機能F5は、蓄電装置170のインバータ172a,172bのすべてのスイッチング素子を停止させる制御信号を生成する指令を充放電制御信号出力機能F8へ出力する。
図10は、図9のパワーコントローラ150を備える本実施形態のダンプトラック10の動作を示すタイムチャートである。図10の各グラフの縦軸と横軸は、前述の実施形態1において説明した図8の各グラフと同様である。また、以下の本実施形態のダンプトラック10において、前述の実施形態1のダンプトラック10と重複する説明は省略する。
図10に示すように、時刻t0から時刻t4までの間は、電力回生装置160を構成する5台の電力変換モジュール161がすべて正常に動作している(モジュール数=5)。時刻t4において、2台の電力変換モジュール161が故障し、これらをバイパス回路162によって短絡させる。これにより、時刻t4以降は、3台の正常な電力変換モジュール161が動作しているが、二次電池171の放電によって電池電圧が時間の経過とともに漸減していく。
時刻t5において、二次電池171の電圧である電池電圧が、最低使用電圧VbL以下になると、ダンプトラック10の回生動作に関わらず高圧直流ライン112から電力回生装置160を介して補機直流ライン180へ電力が供給される。これにより、時刻t5以降に電池電圧が時間の経過とともに漸増している。しかし、時刻t6でさらに1台の電力変換モジュール161が故障してバイパス回路162によって短絡され、正常な電力変換モジュール161が2台になっている。
ここで、電力変換モジュール161の故障数の許容数が2台に設定されているとする。この場合、時刻t6において、電力変換モジュール161の故障数が3台となり、故障数が許容数を超える。すると、パワーコントローラ150は、電力回生装置160を停止させ、走行モータ110と、グリッドボックスファンモータ192を含む補機の負荷を制限する縮退運転を実施する。また、パワーコントローラ150は、ダンプトラック10の動作によらず、蓄電装置170の二次電池171を放電させてグリッドボックスファンモータ192を含む補機を駆動させる。これにより、時刻t6以降、電池電圧が時間の経過とともに漸減している。
時刻t7以降は、二次電池171の電圧である電池電圧が最低使用電圧VbL以下になった場合のダンプトラック10の動作を示している。パワーコントローラ150の電圧判定機能F3により二次電池171の電圧が最低使用電圧VbL以下であると判定されると、縮退運転制御機能F12は、走行モータ110と補機の負荷を制限する。その後、動作判定機能F2は、モジュール制御信号出力機能F7に電力回生装置160を駆動させる指令を出力する。また、動作判定機能F2は、充放電判定機能F5に蓄電装置170の二次電池171の充放電を停止させる指令を出力する。また、積載判定機能F11によりボディ14に積載物が積載されていると判定され、かつ、動作判定機能F2により回生動作中であると判定された場合は、走行モータ110と補機の負荷の制限を解除する。
以上のように、本実施形態のダンプトラック10において、パワーコントローラ150は、故障した電力変換モジュール161の数が許容数を超え、かつ蓄電装置170を構成する二次電池171の電圧が最低使用電圧VbL以下である場合に、走行モータ110および補機の負荷を制限する。
この構成により、本実施形態のダンプトラック10は、電力回生装置160の複数の電力変換モジュール161の一部が故障し、必要な電力を補機等へ供給できなくなった場合でも、補機等において必要とする電力を低減させ、ダンプトラック10の最低限の動作を継続することができる。
また、本実施形態のダンプトラック10は、積載物を積載するボディ14と、そのボディ14に積載された積載物の重量を検知するセンサ13Sと、を備えている。そして、パワーコントローラ150は、センサ13Sの出力に基づいてボディ14に積載物が積載されていることを判定し、かつ、走行モータ110が発電する回生動作中であることを判定した場合に、走行モータ110および補機の負荷の制限を解除する。
ダンプトラック10の総重量は、たとえば、ボディ14に積載物を積載している状態とボディ14が空の状態とで、倍になったり半分になったりする。そのため、ダンプトラック10は、ボディ14に積載物を積載しているときに走行モータ110の出力に制限をかけている状態で減速すると、制動力が足りずに逸走してしまう可能性がある。しかし、本実施形態のダンプトラック10によれば、ボディ14に積載物を積載した状態で走行モータ110の負荷の制限を解除することで、十分な制動力を確保して逸走を防止することができる。
以上、図面を用いて本開示に係るダンプトラックの実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。