JP2021069174A - 制御装置および制御方法、撮像装置 - Google Patents

制御装置および制御方法、撮像装置 Download PDF

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Abstract

【課題】パルス幅変調(PWM)駆動方式にて制御性を加味しつつ、ノイズ抑制効果を発揮し得る、アクチュエータの制御装置を提供する。【解決手段】カメラシステム制御部5は制御指令部5a、信号生成部60、Hブリッジドライバ61、電圧制御回路62を備え、アクチュエータの駆動制御を行う。制御指令部5aは、アクチュエータを制御する為の操作量を決定し、信号生成部60は操作量に応じて駆動電圧およびPWM信号のデューティ比を決定する。電圧制御回路62は駆動電圧の指令に従って電圧を変更し、Hブリッジドライバ61は駆動電圧とPWM信号にしたがってアクチュエータの駆動波形を生成する。操作量に応じて決定された駆動電圧とデューティ比に基づく駆動波形により、像ブレ補正部14の備えるアクチュエータが動作することで、撮像素子により取得される画像の像ブレ補正が行われる。【選択図】 図1

Description

本発明は、パルス幅変調(以下、PWMともいう)方式でアクチュエータの駆動電圧および供給電力を調整する制御技術に関する。
像ブレ補正機能を有する撮像装置には、例えば、撮像素子を平行移動させる像ブレ補正機構(像面防振機構)が搭載されている。撮像素子の近傍にアクチュエータが配置されるため、磁気的な相互作用を利用して像面を移動させる機構部において磁気的なノイズの発生に対する注意が必要である。一般的に、像面防振機構には扁平VCM(Voice Coil Motor)と呼ばれるアクチュエータが利用され、磁気的なノイズが発生する可能性がある。
特許文献1に開示された制御装置は、PWM駆動方式とリニア駆動方式の2種類を切り替える時のチャタリングを防止することが可能である。具体的には、低ノイズを重視する制御ではリニア駆動方式が使用され、電力効率を重視する制御ではPWM駆動方式が使用される。
特開2005−073104号公報
特許文献1に開示された従来技術では、リニア駆動方式に切り替えた場合にノイズがPWM駆動方式に比べて少なくなるが、その引き換えに電力効率が低下してしまう。
本発明の目的は、PWM駆動方式にて制御性を加味しつつ、ノイズ抑制効果を発揮し得る、アクチュエータの制御装置を提供することである。
本発明の実施形態の装置は、アクチュエータの駆動制御を行う制御装置であって、前記アクチュエータの操作量に対応する駆動電圧と駆動信号のデューティ比を決定して前記アクチュエータのパルス幅変調制御を行う制御手段と、前記アクチュエータの駆動電圧を、前記制御手段が決定した前記駆動電圧に変更する変更手段と、前記変更手段により変更された前記駆動電圧、および前記制御手段が決定した前記デューティ比にしたがって駆動波形を生成して前記アクチュエータに出力する生成手段と、を備える。
本発明によれば、PWM駆動方式にて制御性を加味しつつ、ノイズ抑制効果を発揮し得る、アクチュエータの駆動制御装置を提供することができる。
実施形態の主要な構成部を示すブロック図である。 撮像装置の中央断面図および電気的構成を示すブロック図である。 像ブレ補正機構部の分解斜視図である。 磁束の発生と撮像素子への影響を説明する図である。 PWM制御とリップル電流の関係を説明する図である。 駆動電圧によるリップル電流の違いを説明する図である。 第1実施形態の処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態にて操作量、駆動電圧、デューティ比、駆動波形の例を示す図である。 第2実施形態の処理を説明するフローチャートである。 第2実施形態にて操作量、駆動電圧、デューティ比の例を示す図である。 第2実施形態にて操作量、駆動電圧、デューティ比の別例を示す図である。 PWM制御を行うための電気回路を説明する図である。 PWMの通電方式とリップル電流の関係について説明する図である。 第3実施形態におけるPWM制御方式の周期変更処理を説明する図である。 第3実施形態におけるPWM周期変更処理を説明するフローチャートである。 第4実施形態における電気回路の説明図である。 アクチュエータの電流の大きさと、入力電圧およびPWM周期との関係を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。各実施形態では、パルス幅変調制御によりアクチュエータを駆動する制御装置を備え、像面防振機構の駆動によって像ブレ補正を行う撮像装置への適用例を示すが、各種の電子機器に適用可能である。
[第1実施形態]
図1から図8を参照して、本実施形態の撮像装置について説明する。図1は撮像装置における主要な構成部を示すブロック図であり、各構成部およびその動作については後述する。図2は撮像装置の構成例を示す図である。
図2(A)は撮像装置1を模式的に示す中央断面図である。撮像装置1の一例として、装置本体部にレンズユニット2を装着して使用する交換レンズ式カメラを説明する。レンズユニット2は、複数のレンズや絞りからなる撮像光学系3を備える。撮像光学系3の光軸を光軸4で示す。レンズシステム制御部12は、電気接点11を介して撮像装置1の装置本体部内の制御部と通信可能である。
撮像装置1の装置本体部は撮像素子6を備え、背面部に表示装置9aが設けられている。ユーザは電子ビューファインダ(EVF)9bによって被写体を観察可能である。装置本体部は、撮像された画像の像ブレを補正する像ブレ補正部14と、手振れ等による装置の振れを検出するブレ検出部15を備える。像ブレ補正部14は像面防振機構およびその駆動部を備える。シャッタ機構部16は撮像素子6に対して被写体側に配置され、露光時間の制御に用いられる。
図2(B)は撮像システムの主要な構成部を示すブロック図である。撮像システムは撮像部、画像処理部、記録再生部、制御部を備える。撮像部は撮像光学系3、撮像素子6、シャッタ機構部16を含む。記録再生部はメモリ部8、表示部9(図2(A):表示装置9a,EVF9b)を含む。制御部は、カメラシステム制御部5、操作検出部10、レンズシステム制御部12、レンズ駆動部13、像ブレ補正部14、およびブレ検出部15を含む。
レンズシステム制御部12は、レンズ駆動部13を介して、焦点(フォーカス)レンズ、像ブレ補正レンズ、絞り等の駆動制御を行う。撮像素子6は、撮像光学系3、シャッタ機構部16を介して被写体からの光を受光し、光電変換により電気信号を出力する。画像処理部7は撮像素子6の出力する画像信号を取得して現像処理等を実行する。画像処理後の画像データはメモリ部8に記憶される。
ブレ検出部15は光軸4を中心軸とする回転を検出可能であり、ピッチ方向、ヨー方向、ロール方向における撮像装置の回転ブレを検出する。例えばジャイロセンサ等を用いて振れ検出が行われ、振れ検出信号はカメラシステム制御部5に出力される。
カメラシステム制御部5は、操作検出部10により検出される操作信号にしたがって、撮像装置1およびレンズユニット2の制御を統括する。カメラシステム制御部5はCPU(中央演算処理装置)を備え、CPUは所定のプログラムを実行して撮像システムにおける各種の処理を行う。
像ブレ補正部14は、カメラシステム制御部5からの制御指令にしたがって像ブレ補正を行う。像ブレ補正部14は、光軸4に直交する平面内にて撮像素子6を並進方向に移動させるとともに、光軸4を中心軸として撮像素子6を回転させる機構部を備える。具体的な構造については後述する。
次に撮像装置1の動作について説明する。被写体からの光は、撮像光学系3を介して撮像素子6の撮像面に結像する。撮像素子6の出力信号からピント評価量や露光量が得られ、これらの情報に基づいて撮像光学系3の光学調整処理が実行される。すなわち、撮像素子6が適正に露光され、被写体像に対応する撮像信号が撮像素子6から出力される。
シャッタ機構部16はシャッタ幕を走行させることで撮像素子6に対する遮光制御を行う。シャッタ機構部16は遮光部材(メカ後幕)を備えており、撮像素子6への露光の完了はシャッタ機構部16によって行われる。撮像素子6では、シャッタ機構部16の後幕走行に先だって電子先幕の処理が行われる。これは、ラインごとに電荷をリセットすることによって露光開始のタイミングを制御する処理である。電子先幕のモードでは、撮像素子6の電荷のリセット動作とシャッタ機構部16の後幕の移動とを同期させて露光制御が行われる。電子先幕の技術は公知であるため、その詳細な説明は割愛する。
画像処理部7は、A/D変換器、ホワイトバランス調整回路、ガンマ補正回路、補間演算回路等を有する。例えば、画像処理部7は、撮像素子6から取得したベイヤ配列の信号から色補間(デモザイキング)処理を施してカラー画像データを生成し、記録用画像データをメモリ部8に出力する。また画像処理部7は静止画像、動画像、音声等のデータ圧縮を行う。
メモリ部8は不揮発性メモリを備え、画像データを含む各種データ等を記憶する。カメラシステム制御部5はメモリ部8へのデータの記憶処理や、メモリ部8から読み出したデータを表示部9に出力してユーザに提示する処理を行う。
カメラシステム制御部5は、ユーザ操作信号に応じて、撮像処理、画像処理、記録再生処理等の制御を行う。例えば、操作検出部10はシャッタレリーズ釦の押下を検出する。シャッタレリーズ釦の半押し操作によって第1スイッチがオンし、以下ではS1操作という。さらにシャッタレリーズ釦の全押し操作によりユーザが釦を最後まで押し切ると第2スイッチがオンし、以下ではS2操作という。カメラシステム制御部5は操作検出部10からS2操作による撮影指示を受け付けると、撮像素子6の駆動制御や、画像処理、圧縮処理等を行い、さらに表示部9の画面上に画像情報等を表示する制御を行う。また操作検出部10は、本体部背面の表示装置9aに設けられたタッチパネルの操作を検出して、ユーザの操作指示をカメラシステム制御部5に伝達する。
次に撮像光学系3の動作について説明する。カメラシステム制御部5は画像処理部7と接続され、撮像素子6からの信号に基づいて適切な焦点位置、絞り値を算出する。つまり、カメラシステム制御部5は撮像素子6の出力信号により、測光および焦点状態検出を行い、露光条件(F値、シャッタ速度等)を決定する。カメラシステム制御部5は絞り制御やシャッタ制御によって撮像素子6の露光制御を行う。カメラシステム制御部5は、電気接点11を介してレンズシステム制御部12に指令信号を送信する。レンズシステム制御部12は、カメラシステム制御部5からの指令信号にしたがってレンズ駆動部13を制御する。例えば手振れ等による画像ブレを補正するモードにおいて、撮像素子6から得られた信号に基づくカメラシステム制御部5からレンズシステム制御部12への指令信号により、レンズ駆動部13は補正レンズ(シフトレンズ等)を移動させて像ブレ補正動作を行う。
ユーザ操作に応じて撮像装置1の各部の動作を制御することで、静止画および動画の撮影が可能である。ユーザが撮像装置1の操作部材を用いて静止画や動画の撮影を指示すると、カメラシステム制御部5は操作検出部10からの操作信号にしたがって撮影動作の制御を行う。カメラシステム制御部5は、ブレ検出部15からの検出信号に基づいて目標値を算出し、像ブレ補正部14の駆動制御を行う。つまり、ブレ検出部15の検出信号に基づく目標値の生成および像ブレ補正部14の駆動制御は、カメラシステム制御部5が担っている。その際にカメラシステム制御部5は、撮影条件や露光条件等に応じて像ブレ補正動作の制御を行う。
像ブレ補正部14の駆動制御の流れを簡単に説明すると、ユーザによるS1操作が行われ、これを操作検出部10が検出して撮影準備動作が開始される。いわゆる構図を定めるエイミング動作中にユーザの構図決めを容易にするために、像ブレ補正部14による像ブレ補正が行われる。すなわち、ブレ検出部15の検出信号に基づく像ブレ補正部14の制御により撮像素子6が駆動(移動または回転)される。その後、ユーザによるS2操作が行われ、これを操作検出部10が検出して撮影動作(画像記録動作)が開始される。この時、露光動作により取得される被写体像の像ブレを抑制するために、ブレ検出部15の検出信号に基づく像ブレ補正部14の制御により撮像素子6が駆動される。露光後に一定時間が経過すると像ブレ補正動作が停止される。
図3を参照して、像面防振機構を有する像ブレ補正部14の具体例を説明する。像ブレ補正部14は像ブレ補正機構部とその制御回路部を有する。図3は像ブレ補正機構部の分解斜視図である。像ブレ補正機構部の制御を行う電気的な仕組みについては図示を省略している。図3の上下方向(Z軸方向)を光軸4と平行な方向とし、Z軸方向に直交するX軸方向およびY軸方向を定義する。像ブレ補正機構部は固定部と可動部を備える。移動しない固定部には100番台の番号を付し、可動部には200番台の番号を付して示す。固定部と可動部との間で挟持されるボール301(本実施形態では3個のボール301a〜c)は転動部材である。
まず固定部を構成する、上部ヨーク101、下部ヨーク108、ベース板110を説明する。上部ヨーク101には、上部磁石103a,103b,103c,103d,103e,103fが吸着した状態で接着固定される。上部磁石103aおよび103b,103cおよび103d,103eおよび103fがそれぞれ隣接している。上部ヨーク101は、ビス102a,102b,102cを用いて、ベース板110に締結固定される。下部ヨーク108には、下部磁石107a,107b,107c,107d,107e,107fが吸着した状態で接着固定される。下部磁石107aおよび107b,107cおよび107d,107eおよび107fがそれぞれ隣接している。
ベース板110には、下部磁石107a〜fを避けるように複数の穴部が設けられており、各穴部から下部磁石の面がそれぞれ突出するように構成される。ベース板110と下部ヨーク108は、ビス109a,109b,109cによって締結固定される。下部磁石107a〜fは、ベース板110よりも厚み方向の寸法が大きいので、ベース板110の穴部から突出した状態となる。
上部ヨーク101および上部磁石103a〜fと、下部ヨーク108および下部磁石107a〜fは磁気回路を形成し、いわゆる閉磁路を為している。上部磁石103a〜fおよび下部磁石107a〜fは、それぞれ光軸方向(図3の上下方向)に着磁されており、隣接する磁石(例えば上部磁石103aと103b)が互いに異なる向きに着磁されている。また、対向する上部磁石と下部磁石(例えば上部磁石103aと下部磁石107a)は互いに同じ向きに着磁されている。このようにすることで、上部ヨーク101と下部ヨーク108との間には光軸方向に強い磁束密度が生じる。
上部ヨーク101と下部ヨーク108との間には強い吸引力が生じるので、ベース板110上ではメインスペーサ105a,105b,105cおよび補助スペーサ104a,104bによって適当な間隔を保つように構成されている。ここでいう適当な間隔とは、上部磁石103a〜fと下部磁石107a〜fとの間に、後述するコイル205a〜cおよびフレキシブルプリント基板(以下、FPCと記す)201を配置するとともに適当な空隙を確保できる間隔である。メインスペーサ105a,105b,105cにはネジ穴が設けられている。ビス102a,102b,102cによって上部ヨーク101がメインスペーサ105a,105b,105cに固定される。各メインスペーサの胴部にはゴムが設置されており、可動部に対する機械的端部(いわゆるストッパー)を形成している。
可動枠206およびFPC201は可動部を構成する。可動枠206は、上部ヨーク101とベース板110との間に配置される。可動枠206はマグネシウムダイキャストまたはアルミニウムダイキャストで形成されており、軽量で剛性が高い。可動枠206には複数の凹部が形成されており、コイル205a,205b,205cがそれぞれ収容される。可動枠206はプリント基板203を備える。プリント基板203は不図示の撮像素子6、コイル205a,205b,205cおよび後述の位置検出素子と電気的に接続される。プリント基板203はコネクタを介して外部回路との間で信号の送受を行う。
FPC201にはホール素子等の位置検出素子が実装され、その取り付け位置202a,202b,202cを示す。複数の位置検出素子は、図3では見えない反対側の面において取り付け位置202a,202b,202cに取り付けられている。
ベース板110には固定部転動板106a,106b,106cが接着固定され、可動枠206には可動部転動板204a,204b,204cが接着固定されている。これらの転動板は互いに対向しており、ボール301a,301b,301cの転動面をそれぞれ形成する。つまり、ボール301a〜cは、固定部転動板106a〜cと可動部転動板204a〜cとの間にそれぞれ挟持されるので、ベース板110に対して可動枠206が移動可能に支持される。固定部転動板および可動部転動板を使用せずにボール301a〜cをベース板110と可動枠206との間に介在させる方法に比較して、転動板を別途設けることで表面粗さや硬さ等を好ましい状態に設計することが容易となる。
上述した構成の像ブレ補正機構部において、コイル205a〜cに電流を流すことで、フレミングの左手の法則に従う力が発生し、可動部を動かすことができる。本実施形態では、前述した磁気回路を利用して位置を検出できるように、磁気検出素子を用いて可動部の位置検出が行われる。例えばホール素子は小型の素子であるため、コイル205a〜cの巻き線の内側に入れ子になるように配置することができる。またホール素子の信号を用いることでフィードバック制御を行える。ホール素子の信号値に基づき、光軸4に直交する平面内で可動部の並進運動とともに光軸4を中心とする回転運動の制御を行うことができる。
像ブレ補正機構部の可動部をほぼ光軸回りに回転させる制御に関して簡単に説明すると、取り付け位置202aにあるホール素子の信号を一定に保ったまま、取り付け位置202bと202cにあるホール素子信号が逆位相となるように駆動制御が行われる。これによって、おおよそ光軸4を中心とする回転運動を発生させることができる。
位置検出素子の取り付け位置202a,202b,202cで検出されるのは光軸方向の磁束密度である。上部磁石103a〜fと下部磁石107a〜f等からなる磁気回路の特性は一般的に非線形である。そのため、位置検出素子の取り付け位置202a,202b,202cにおいて検出される磁束密度に関しては、必ずしも駆動範囲のすべてで一定の分解能となっていない。つまり、駆動範囲内において検出分解能が変化する。例えば磁束密度の変化が、急峻な位置となだらかな位置とがあり、急峻な位置ほど検出分解能が高い(移動量に対する磁束密度変化が大きい)。図3に示した磁気回路では、磁石の境界位置(例えば上部磁石103aと103bとの境界位置)にて、最も磁束密度の変化が大きく検出分解能が高い。尚、制御方法の詳細に関しては周知であるため、これ以上の説明を省略する。
図4を参照して、漏れ磁束について説明する。図4は像ブレ補正部14に撮像素子6が取り付けられた状態を示しており、図4(A)は光軸方向から見た場合の図である。図4(B)は、図4(A)のA−A線で示す位置での断面図である。図4において図3で使用した符号を用いて説明を行う。撮像素子6内に設けられたCMOSセンサ6a、カバーガラス6b、センサ筐体6c、センサホルダ210をそれぞれ示す。図4(B)には漏れ磁束を矢印31,32によって模式的に示す。
図4(A)に示すように、撮像素子6はセンサホルダ210に接着等の方法で固定されたのち、可動枠206に固定される。よって可動枠206が移動すると一体的に撮像素子6も移動する。磁束はコイル205cに電流が流れることにより発生する(図4ではコイル205cを例示しているが他のコイルも同様である)。多くの磁束は、軟磁性材料で形成されている上部ヨーク101、下部ヨーク108により遮断される。しかし、一部の磁束は矢印31,32で示す経路をたどってCMOSセンサ6aに到達する。CMOSセンサ6aに対し、後述するように信号読出しの際に変化する漏れ磁束が作用すると、縞状のノイズの原因となる。
コイル205の通電は一般的にはパルス幅変調(PWM)方式で行われ、電流の向きや量が一定の周期で変動する。その結果、いわゆるリップル電流が生じて、不要な磁束が発生する。この不要磁束によりノイズが発生する。
図5を参照して、PWM駆動方式での通電に伴うリップル電流の発生と画像に生じる縞状のノイズの関係について説明する。図5(A)は通電における駆動電圧と電流との関係を示す図である。図5(B)はリップル電流と縞状のノイズとの関係を模式的に示す図である。
図5(A)にて上側に示す駆動電圧波形41は矩形波状に変化し、駆動信号であるPWM信号のDUTY(デューティ比)を切り替えるタイミング42でパルス幅が変化する。図5(A)にて下側に示す電流波形43は三角波であり、I1は切り替えタイミング42以前の平均電流値を表し、I2は切り替えタイミング42以後の平均電流値を表す。図5(B)に示す枠44は、取得される画像の領域を示す。枠44内の複数の横線45は、縞状のノイズを模式的に表しており、矢印46は信号の読出しが順次行われることを示している。
PWM駆動方式では、制御電圧をデジタル的に制御するとともに、一定周期(PWM周期)内の通電におけるDUTYを切り替えることで、任意の比率を表現する。例として、図5(A)では切り替えタイミング42以前に、+50%の通電を行う状態を示し、切り替えタイミング42以後に、+25%の通電を行う状態を示している。電圧値は+Vまたは0である。これに対して、反対方向への通電を行う場合には、−Vまたは0の2値をとるように電圧値が変化するとともに、その比率が変化する。
PWM周波数は、機械的な応答に対応する周波数よりも十分に高い周波数に設定される。例えば、手振れに対する像ブレ補正において100Hz程度までの制御を行う場合を想定する。この場合、PWM周波数は100kHz等に設定される。これによりPWM信号の揺らぎは、実際上の制御では問題とならず平均的な応答のみが出力される。図3で説明した像ブレ補正機構部では、可動枠206の質量の効果により高周波成分が十分に遮断される。つまり、像ブレ補正機構部が機械的なLPF(ローパスフィルタ)となっていると理解すればよい。そのため、PWM周波数での揺らぎは可動枠206の移動(実際に作用しているのは駆動力)として観測されない。
一方で、図5(A)の電流波形43で示すように、平均電流値はI1からI2へ変化する。アクチュエータのコイルの抵抗をRと表記すると、I1=V×(PWMのDUTY)/Rとして、PWMのDUTYが決定される。具体的には図5(A)では、切り替えタイミング42以前にはDUTY=+50%であり、I1=V/(2R)の電流値である。切り替えタイミング42以後にはDUTY=+25%であり、I2=V/(4R)の電流値である。I1,I2のような平均的な電流が、可動枠206の駆動力に対応する電流として出力される。すなわちDUTYを変化させることで可動枠206に作用する駆動力を制御することができる。
図5(A)に示したように、電流波形43はPWM周波数に対応する周期で変動し、三角波として変化する。電流波形43はコイルのインピーダンス(抵抗値とインダクタンス)によって変化する。一般的にはPWM周波数は十分に高いので、コイルのインピーダンスで決まるカットオフ周波数よりも高い周波数である。その場合、図5(A)で示すような三角波が応答として得られる。三角波の振幅はコイルのインピーダンスで決まる。この三角波によって生じる電流をリップル電流と呼ぶ。リップル電流はPWM周波数の成分を多く含む。リップル電流は正弦波ではなく三角波であるので、高調波成分等も含むがPWM周波数の成分も大きい。また、コイルに電流が流れるとそれに対応した磁束が発生する。リップル電流によっても磁束が発生する。結果として、PWM周波数で変化する磁束が発生する。
図5(B)の縞状のノイズは、画像の情報を読み出す際に発生する様子を模式的に示している。撮像素子6の信号は、矢印46で示すように順次読み出される。図5(B)では行方向に順次読み出す様子を示している。その読出し周期は像ブレ補正機構部を制御するためのPWM周期とは完全には同期していない。このため、読み出し行ごとに作用するリップル電流によって生じた磁束変化を、図5(B)では模式的にN,S,N,S,・・・と交互に変化するように示している。
信号読み出しの際、アンプ等の電気回路に前記磁束が作用すると、読み出しの電位が変化する場合がある。特に高感度と呼ばれる撮像素子の状態(ISO感度が高い状態)において、その影響を受けやすい。図5(B)ではNの時に暗く、Sの時に明るくなるように模式的に示しており、画像には横方向の縞状のレベル差が発生して読み出しが行われる。これを本明細書では縞状のノイズと呼ぶ。尚、図5(B)ではNの時に暗く、Sの時に明るくなる例を示したが、これは電気回路の構成等によって異なる。要するに、リップル電流によって生じたPWM周波数での磁束変化が、画像では縞状のノイズとなって観測されるということである。
図6は、像ブレ補正のアクチュエータの駆動電圧が変化した場合の電圧波形と電流波形の関係を示す図である。図6(A)は駆動電圧の最大値が10Vで、DUTYが10%の場合の駆動電圧波形と電流波形を示す。図6(B)は駆動電圧の最大値が5Vで、DUTYが20%の場合の駆動電圧波形と電流波形を示す。図6(A)と図6(B)は同じ平均電流が流れるように駆動電圧およびDUTYを設定した例を示す。図6(A)と図6(B)とでコイルの抵抗およびインダクタンスが同じである場合、PWMの駆動電圧が低いほど、リップル電流は小さくなる。つまり、平均電流が同じである場合、PWMの駆動電圧が低い方が、磁束が小さくなりノイズ低減の面では有利である。一方で、PWMの駆動電圧が高い方が、電流は早く所望の値に到達するので、制御性が高い。
次に図1を参照して、操作量に応じた駆動電圧およびDUTYの制御について説明する。カメラシステム制御部5は制御指令部5a、信号生成部60、Hブリッジドライバ61、電圧制御回路62を備える。制御指令部5aは信号生成部60に操作量を指示する。また制御指令部5aは信号生成部60に対してVset,Vlim,BandWidthを出力する。各信号については後述する。
信号生成部60は制御指令部5aからの操作量等にしたがって電圧指令を電圧制御回路62に出力し、PWM信号をHブリッジドライバ61に出力する。電圧制御回路62は電圧指令に応じた駆動電圧をHブリッジドライバ61に出力する。Hブリッジドライバ61は信号生成部60からのPWM信号と電圧制御回路62の駆動電圧にしたがって像ブレ補正部14への駆動波形を出力する。なお、図1には像ブレ補正部14の駆動制御を行う構成を示すが、フォーカスレンズ、絞り、像ブレ補正レンズ等の駆動制御についても図1と同様の構成を適用可能である。
図7は、操作量に応じた駆動電圧およびデューティ比(DUTY)の決定処理を説明するフローチャートである。制御変数をn、操作量をeと表記する。Vset(n)は、設定可能な駆動電圧を昇順に並べた配列を表す。設定可能な最大の駆動電圧をVmaxと表記し、PWMのDUTY設定値をDutySetと表記する。以下では、駆動電圧がVmaxであって、かつDUTYが100%である場合の操作量を100%として説明する。
まず信号生成部60は、制御変数nの値をゼロに初期化する(S11)。次に信号生成部60は、設定する駆動電圧で操作可能か否かを判定する(S12)。具体的には、操作量eがVset(n)/Vmaxと比較され、「e≦Vset(n)/Vmax」を満たす場合、操作可能であると判定されて、S14の処理に進む。また「e>Vset(n)/Vmax」を満たす場合、操作可能でないと判定されて、S13の処理に進む。S13で信号生成部60は、制御変数nに1を加算した(インクリメント)後、S12の判定処理に戻る。
S14で信号生成部60は、S12で判定した駆動電圧に基づいてDutySetを決定する。具体的には、「DutySet=Vmax/Vset(n)*e」からDutySetが決定される。そして信号生成部60は、決定された電圧指令とPWM信号を出力する(S15)。信号生成部60はVset(n)を駆動電圧に設定し、電圧指令を電圧制御回路62に出力する。また信号生成部60は、決定されたDutySetをデューティ比に設定してPWM信号をHブリッジドライバ61に出力する。
図8を参照して操作量、電圧制御回路62による駆動電圧、PWM信号のDUTY、駆動波形について説明する。図8は、図7に示す処理を実行した場合の、操作量と駆動電圧とDUTYと駆動波形の例を示す。横軸はいずれも時間軸である。図8では、図8(A)に示す操作量(指令値)の変化に応じて、図8(B)の駆動電圧、図8(C)のPWM信号のDUTY、図8(D)の駆動波形が時系列でどのように変化するかを表している。駆動電圧が6Vであって、かつDUTYが100%の場合に操作量100%として説明する。
図8(A)に示す操作量は、時間の経過につれて25%ずつ段階的に増加している。図8(B)の駆動電圧は3Vから6Vに変化する。本実施形態では0Vを除いた2種類の電圧値で説明するが、3種類以上の電圧値でもよいし、また連続的に変化する電圧値でもよい。
図8(C)に示すDUTYは0から100%の範囲で段階的に変化している。例えば、操作量が25%である場合、駆動電圧を3VとするとDUTYは50%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは25%となる。信号生成部60は3Vで制御可能であると判断し、駆動電圧3V、DUTY50%を出力として選択する。また、操作量が50%である場合、駆動電圧を3VとするとDUTYは100%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは50%となる。信号生成部60は3Vで制御可能であると判断し、駆動電圧3V、DUTY100%を出力として選択する。操作量が75%である場合、駆動電圧が3Vでは出力不足となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは75%となる。信号生成部60は駆動電圧6V、DUTY75%を出力として選択する。操作量が100%である場合、駆動電圧が3Vでは出力不足となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは100%となる。信号生成部60は駆動電圧6V、DUTY100%を出力として選択する。
本実施形態によれば、アクチュエータのパルス幅変調制御において、操作量に応じて駆動電圧とデューティ比を設定することで、所望の制御を達成しつつ、ノイズの抑制効果を発揮することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では図1と図9から図11を参照して、上限電圧Vlimおよび制御幅BandWidthに基づく駆動制御を説明する。本実施形態にて第1実施形態と同様の事項については既に使用した符号や記号を流用することで説明を省略し、相違点を説明する。このような説明の省略方法は後述の実施形態でも同じである。
図9は、操作量に応じた駆動電圧およびDUTYの決定処理を説明するフローチャートである。制御変数n、操作量e、配列Vset(n)、Vmax、DutySetについては図7にて説明済みである。制御幅をBandWidth、上限電圧をVlim、現在の駆動電圧値をVnowと表記する。駆動電圧がVmaxであって、かつDUTYが100%である場合の操作量を100%として説明する。
まず信号生成部60は、操作量eが現在の駆動電圧値Vnowでの制御幅BandWidthの範囲内であるか否かを判定する(S26)。つまり、操作量eが「Vnow/Vmax−BandWidth<e≦Vnow/Vmax」の条件を満たすか否かの判定処理が行われる。操作量eが条件に示す範囲内であると判定された場合、S27の処理に進み、また操作量eが条件を満たさないと判定された場合にはS21に進む。
S27で信号生成部60は、現在の駆動電圧値Vnowに基づいてDutySetを決定する。具体的には、「DutySet=Vmax/Vnow*e」からDutySetが決定される。そして信号生成部60は、S27で決定されたDutySetをPWM信号のデューティ比に設定してPWM信号をHブリッジドライバ61に出力する(S28)。
一方、S21では制御変数nがゼロに初期化された後、S22の処理に進む。S22で信号生成部60は、設定する駆動電圧で操作可能か否かを判定する。具体的には、操作量eが「e≦Vset(n)/Vmax−BandWidth」を満たす場合、操作可能であると判定されて、S29の処理に進む。また「e>Vset(n)/Vmax−BandWidth」を満たす場合、操作可能でないと判定されて、S23の処理に進む。S23では制御変数nに1が加算された後、S22の判定処理に戻る。
S29で信号生成部60は、S22で判定された駆動電圧Vset(n)が上限電圧Vlim以下であるか否かを判定する。S29でVset(n)≦Vlimであると判定された場合、S24の処理に進み、Vset(n)>Vlimであると判定された場合、S30の処理に進む。
S24で信号生成部60は、S22で判定された駆動電圧Vset(n)に基づいてDutySetを決定する。具体的には、「DutySet=Vmax/Vset(n)*e」からDutySetが決定される。そして信号生成部60は、決定されたVset(n)を駆動電圧に設定して電圧指令を電圧制御回路62に出力し、決定されたDutySetをデューティ比に設定してPWM信号をHブリッジドライバ61に出力する(S25)。
S30で信号生成部60は、上限電圧Vlimを駆動電圧に設定して電圧指令を電圧制御回路62に出力し、DUTYを100%に設定してPWM信号をHブリッジドライバ61に出力する。S25、S28、S30の後、一連の処理を終了する。
図10は、図9に示す処理を実行した場合の、操作量と駆動電圧とDUTYの例を示す。横軸はいずれも時間軸であり、期間tj(j=1から8)は時間経過を表し、j値が小さいほど過去であることを意味する。図10では、図10(A)に示す操作量の変化に応じて、図10(B)の駆動電圧と図10(C)のDUTYが時系列でどのように変化するかを表している。
図10(A)のt1からt6の期間にかけて操作量は20%ずつ増加して100%に到達し、t6からt8の期間にかけて操作量は40%ずつ減少する。図10(B)にてt1およびt2の期間で駆動電圧は2Vであり、t3およびt4の期間で駆動電圧は4Vである。t5からt7までの期間で駆動電圧は6Vであり、期間t8で駆動電圧は2Vである。本実施形態では3種類の電圧値(6V,4V,2V)の例を説明するが、4種類以上の電圧値でもよいし、連続的に変化する電圧値でもよい。制御幅BandWidthを10%、上限電圧Vlimを未設定として、駆動電圧が6Vで、かつDUTYが100%の場合の操作量を100%として説明する。
図10の期間t2では、駆動電圧を2VとするとDUTYは60%となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは30%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは20%となる。信号生成部60は2Vで制御可能であると判断し、駆動電圧2V、DUTY60%を出力として選択する。
図10の期間t3では、駆動電圧を2VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは60%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは40%となる。信号生成部60は4Vで制御可能であると判断し、駆動電圧4V、DUTY60%を出力として選択する。
図10の期間t4では、駆動電圧を2VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは90%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは60%となる。直前の期間t3での駆動電圧は4Vであるので、信号生成部60は駆動電圧4V、DUTY90%を出力として選択する。図10の期間t5,t6でも信号生成部60は同様にして駆動電圧およびDUTYを決定する。期間t5では駆動電圧6V、DUTY80%の出力が選択され、期間t6では駆動電圧6V、DUTY100%の出力が選択される。
図10の期間t7では、駆動電圧を2VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは90%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは60%となる。直前の期間t6での駆動電圧は6Vであるので、期間t4とは異なり、信号生成部60は駆動電圧6V、DUTY60%を出力として選択する。
図10の期間t8では、駆動電圧を2VとするとDUTYは60%となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは30%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは20%となる。信号生成部60は2Vで制御可能であると判断し、駆動電圧2V、DUTY60%を出力として選択する。
ここで、図9の処理を実行する信号生成部60に関して、像ブレ補正部14の機構部にかかる重力について説明する。例えば、手振れ等に対する像ブレ補正において、像ブレ補正部14の機構部はその向きに応じて重力を受ける。この場合、像ブレ補正の目的とは違った重力に対する駆動を行う必要がある。このような状況において、例えば、図2(A)に示す撮像装置1の下方向(−Y方向)に60%の操作量に相当する重力がかかっているとする。像ブレ補正の操作量として、図3に示すコイル205a,205b,205cに各々20%の操作量を加えることを想定する。制御指令部5aから信号生成部60には、コイル205aに対して80%、コイル205bに対して20%、コイル205cに対して20%の各操作量が入力される。この場合、コイル205aにより、重力方向における可動部(撮像素子6を含む)の駆動が行われる。
図9の処理に従って信号生成部60は、以下の出力を決定する。
・第1のコイル205aに対する駆動電圧6V、DUTY80%
・第2のコイル205bに対する駆動電圧2V、DUTY60%
・第3のコイル205cに対する駆動電圧2V、DUTY60%
この例では重力方向とは異なる方向における駆動電圧を2Vに下げることができ、ノイズを低減できる。撮像装置1はブレ検出部15が備える角速度センサ、あるいはさらに加速度センサ等を用いて、重力方向に対する撮像装置の姿勢を公知の方法で検出する。信号生成部60は重力方向に加わる力に対応する操作量から駆動電圧を決定する。
次に、図9の処理を実行する信号生成部60に関して、像ブレ補正部14の制御応答性が低くてもよい場合を説明する。例えば、撮像装置1の動作モードによっては、信号生成部60が出力する電圧指令の上限をVlimに設定し、上限電圧以下の駆動電圧に変更して制御応答性を制限することで、ノイズを低減可能である。図11を用いて具体例を説明する。
図11は、図9の処理を実行した場合の、操作量と駆動電圧とDUTYの例を示しており、上限電圧Vlimを4Vとし、BandWidthを0%とする。図11では、図11(A)に示す操作量の変化に応じて、図11(B)の駆動電圧と図11(C)のDUTYが時系列でどのように変化するかを表している。以下、図10との相違点を説明する。駆動電圧は、t1およびt2の期間で2Vであり、t3からt7までの期間で4Vであり、期間t8で2Vである。
図11の期間t5では、駆動電圧を2VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは80%となる。上限電圧は4Vであるので、信号生成部60は駆動電圧4V、DUTY100%を出力として選択する。
図11の期間t6では、駆動電圧を2VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは100%となる。上限電圧は4Vであるので、信号生成部60は駆動電圧4V、DUTY100%を出力として選択する。
図11の期間t7では、駆動電圧を2VとするとDUTYは出力不足となり、駆動電圧を4VとするとDUTYは90%となり、駆動電圧を6VとするとDUTYは60%となる。直前の期間t6での駆動電圧は4Vであるので、信号生成部60は駆動電圧4V、DUTY90%を出力として選択する。
本実施形態によれば、アクチュエータのパルス幅変調制御において、操作量に応じた駆動電圧を設定する際に、上限電圧と制御幅を参照することで、所望の制御性を考慮しつつ、ノイズの抑制効果を発揮することができる。
[第3実施形態]
図12から図15を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。前記実施形態では、アクチュエータの駆動電圧を変更する例を示したが、本実施形態ではカメラシステム制御部5により駆動信号(PWM信号)の周波数を変更する例を説明する。
図12は、PWM制御を行うための電気回路を説明する図であり、Hブリッジドライバ61の構成例を示す。4つのスイッチSW1,SW2,SW3,SW4は半導体スイッチ素子であり、SW1とSW2が第1のレグを構成し、SW3とSW4が第2のレグを構成している。アクチュエータのコイル205は、第1の端子がSW1とSW2との接続点TER1に接続され、第2の端子がSW3とSW4との接続点TER2に接続されている。図12(A)は、HブリッジドライバのスイッチSW1〜SW4をすべてOFFにしてハイインピーダンスにした状態を示す。図12(B)はコイル205をグランド(GND)に対して短絡した状態を示す。図12(C)はTER1からTER2の方向に電流を流す状態を示し、矢印48,49は電流を模式的に示している。
図12に示すHブリッジドライバは、中央にコイル205を配して、4つのスイッチSW1〜SW4を備えており、英文字のH形状に形成された回路構成である。1組のスイッチSW1,SW2は1つの制御信号Ctrl1によって制御され、もう1組のスイッチSW3,SW4は1つの制御信号Ctrl2によって制御される。それぞれの組のスイッチは択一的にしかONにならない。すなわちSW1とSW2、またはSW3とSW4が同時にONにならないように制御される。これは、SW1とSW2、またはSW3とSW4が同時にONになった場合、電圧源(V参照)とGNDが短絡して大電流が流れ、回路が破壊されてしまうためである。SW1がONでSW2がOFFの状態から、SW1がOFFでSW2がONの状態に移行する場合には、必ず一定時間中にSW1とSW2がともにOFFの状態が発生するように制御が行われる。この時間をデッドタイムと呼び、制御的には反応ができない時間となる。
コイル205に対して通電を行わない場合、図12(A)に示すようにSW1〜SW4がすべてOFFの状態であるか、または、図12(B)に示すようにスイッチSW1とSW3がOFFでスイッチSW2とSW4がONの状態に制御される。例えば、図12(B)ではTER1とTER2が短絡した状態にあるので、コイル205から逆起電力が発生する場合(回転型モータであればモータが慣性負荷などで回転している場合)はブレーキがかかる。
一方、コイル205に対して通電を行う場合、第1のレグを構成する2つのスイッチの一方がONで他方がOFFの状態となり、第2のレグを構成する2つのスイッチの一方がOFFで他方がONの状態となる。図12には、SW1とSW4がONで、SW2とSW3がOFFの状態を示す。つまりSW1がONでSW4がONのときには、組をなすスイッチは択一的にしかONにならないのでSW2とSW3はOFFとなる。このとき、TER1からTER2の方向に矢印48,49で示すように電流が流れる。これとは反対方向に電流を流すときには、SW2とSW3がONでSW1とSW4がOFFの状態にすればよい。
図13を参照して、PWMの通電方式とリップル電流の関係について説明する。ここでは+Vと−Vという2つの電位を用いる方式について説明する。図13はPWM制御の電圧と電流の関係を示す図であり、電圧波形を上側に示し、電流波形を下側に示す。横軸はいずれも時間軸である。左から順番に、フル通電(DC的に電圧Vをかけた場合)に対して、0%,+50%,+100%,−50%の電流を流す場合の電圧と電流の定常的な様子について、PWM信号の1周期での状態を示している。図13において、PWM信号の1周期をT1と定義する。「定常的な」とは、過渡応答ではなく安定した状態であるという意味である。また、電流波形のグラフにおいてリップル電流は実際には小さいが、理解を容易にするために、リップル電流に関しては縦軸を拡大して表示している。
図13に示す電圧波形51a,51b,51c,51dはそれぞれ電流の平均値(以下、DC的な電流という)が0%,+50%,+100%,−50%となる電圧波形を示す。電流波形52a,52b,52c,52dはそれぞれDC的な電流が0%,+50%,+100%,−50%となる電流波形を示す。矢印53a,53b,53dはそれぞれDC的な電流が0%,+50%,−50%の場合に生じるリップル電流の大きさを示している。
DC的な電流を流さない場合、図13の波形51aで示すように+Vと−Vの電圧が50%の比率でコイル205に印加される。このようにすることで、電流0を中心に揺れる波形52aで示すように、平均的には電流が流れない。波形52aは三角波であり、リップル電流の大きさを矢印53aで示している。+V,−Vの印加により、リップル電流の振幅は最大の状態となる。すなわち矢印53aで示す振幅は、ほかのどの状態よりも大きく、画像に生じる縞状のノイズは大きくなる。
DC的な電流を+50%とする場合、図13の波形51bで示すように+Vの電圧がPWM周期T1の75%に相当する期間でコイル205に印加され、−Vの電圧がPWM周期T1の25%に相当する期間でコイル205に印加される。波形52bにてリップル電流の大きさを矢印53bで示している。
DC的な電流をプラス方向に増やすと+Vの比率が大きくなり、電圧は波形51bから波形51cへと変化する。波形52cで示すようにリップル電流の大きさはゼロとなる。反対に、DC的な電流をマイナス方向に増やすと−Vの比率が大きくなり、−50%での電圧は波形51dのようになる。波形52dにてリップル電流の大きさを矢印53dで示している。
0%での通電時に比較して、+50%または−50%での通電時にはリップル電流の大きさは小さくなる(矢印53b,53d参照)。+100%での通電時に電圧は+V、つまり一定であるのでPWM周期T1での電圧と電流の変動がなく、リップル電流は生じない。−100%での通電については図示を省略するが、電圧は−V、つまり一定であるのでPWM周期T1での電圧と電流の変動がなく、リップル電流は生じない。
図14を参照して、本実施形態におけるPWM制御方式の周期変更処理に関して説明する。図14はPWM制御の電圧と電流の関係を示す図である。左から順番にフル通電(DC的に電圧Vをかけた場合)に対して、0%,+50%,+100%,−50%の電流を流す場合の電圧と電流の定常的な様子を示す。T1に相当する期間における電圧と電流の各波形を示しており、電流波形においてリップル電流は実際には小さいが、理解を容易にするために、リップル電流に関しては縦軸を拡大して表示している。
図14に示す電圧波形11a,11b,11c,11dはそれぞれDC的な電流が0%,+50%,+100%,−50%となる電圧波形を示す。電流波形12a,12b,12c,12dはそれぞれDC的な電流が0%,+50%,+100%,−50%となる電流波形を示す。矢印13a,13b,13dはそれぞれDC的な電流が0%,+50%,−50%の場合に生じるリップル電流の大きさを示している。波形11a,12aのPWM周期をT2と表記し、波形11b,12bと波形11d,12dのPWM周期をT3と表記する。T2<T3<T1の関係である。
DC的な電流を流さない場合、図14の波形11aで示すように+Vと−Vの電圧が50%の比率でコイル205に印加される。このとき、PWM信号の1周期はT2に変更される。図14では、T2をT1の1/3として設定した例を示すが、これに限るものではなく、T1より短い任意の周期T2の設定が可能である。このようにすることで、電流0を中心に揺れる波形12aで示すように、平均的には電流が流れない。波形12aは三角波であり、リップル電流の大きさ(矢印13a参照)は、図13に示す大きさ(矢印53a参照)に対して1/3になる。矢印13aで示すリップル電流の大きさは、周期T2を短くするほど小さくすることができる。ただし、図12にて説明したデッドタイムやHブリッジドライバのスイッチング特性により、周波数の上限値が定められているので、それ以上に設定することはできない。リップル電流が小さくなることで、画像に生じる縞状のノイズは小さくなる。
DC的な電流を+50%とする場合、図14の波形11bで示すように+Vの電圧がPWM周期T3の75%に相当する期間でコイル205に印加され、−Vの電圧がPWM周期T3の25%に相当する期間でコイル205に印加される。波形12bにてリップル電流の大きさを矢印13bで示している。このとき、PWM信号の1周期はT3に変更されている。
DC的な電流をプラス方向に増やすと+Vの比率が大きくなり、電圧は波形11bから波形11cに変化する。反対にDC的な電流をマイナス方向に増やすと−Vの比率が大きくなり、−50%の電圧は波形11dのようになる。このとき、PWMの1周期はT3に変更される。波形12dにてリップル電流の大きさを矢印13dで表している。
図14では、T3をT1の1/2として設定した例を示す。ただし、これに限るものではなく、T3をT1より短く、かつT2より長い任意の周期に設定可能である。このようにすることで、波形12b,12dに示す三角波において、リップル電流の大きさはそれぞれ矢印13b,13dのようになり、図13に矢印53b,53dで示す大きさに対して1/2になる。リップル電流の大きさ(矢印13b,13d参照)はT3を短くするほど小さくすることができる。
+100%での通電時には、電圧は+V、つまり一定であるので周期T1での電圧と電流の変動がなく、リップル電流は生じない。−100%での通電時には電圧が−V、つまり一定であるので周期T1での電圧と電流の変動がなくリップル電流は生じない。本実施形態では+100%または−100%での通電に近づくほど、PWM周期をT1に近づける制御が行われる(周期変更処理)。
図15のフローチャートを参照して、PWM周期の変更処理のシーケンスについて説明する。S800で処理が開始し、カメラシステム制御部5は撮像装置1の像ブレ補正部14を有効にする。ユーザは、像ブレ補正部14を有効にするか無効にするかの指示が可能であり、操作検出部10は操作指示を検出してカメラシステム制御部5に通知する。S801にてカメラシステム制御部5は、ブレ検出部15によって検出されたブレ量を取得し、手振れ等による像ブレを補正するための目標値を算出する。またカメラシステム制御部5は前述したホール素子の信号より、現在の像ブレ補正部14の位置情報を取得する。カメラシステム制御部5は算出した目標値から、像ブレ補正部14の位置情報の示す現在位置を減算して偏差(Aと記す)を算出する。偏差Aの算出後、S802の処理へ進む。
S802にてカメラシステム制御部5は、偏差Aに対応するDUTYを決定する。すなわち、偏差Aが大きいほどDUTYは大きく、偏差Aが小さいほどDUTYは50%に近くなる。また偏差Aがマイナスである場合、DUTYは50%以下である。DUTYに応じた電圧と電流の関係に関しては図14にて説明した通りである。その後、S803の処理へ進む。
S803にてカメラシステム制御部5は、アクチュエータへの駆動指示が微小駆動の指示であるか否かを判定する。ここでいう微小駆動の指示とは、目標とする駆動量が図14に示したフル通電(DC的に電圧Vをかけた場合)に対して、0%付近の電流が流れるようにした場合に相当する駆動量の駆動指示である。本実施形態においては、フル通電に対して、−10%〜+10%までの電流が流れるようにした場合の駆動量でのアクチュエータ駆動を微小駆動として定義する。ただし特にこれに限るものではなく、微小駆動の判定用閾値については任意に設定可能である。S803で駆動指示が微小駆動の指示であると判定された場合、S805の処理へ進むが、駆動指示が微小駆動の指示でないと判定された場合にはS804の処理へ進む。
S804にてカメラシステム制御部5は、駆動指示が大きな駆動の指示であるか否かを判定する。ここでいう大きな駆動の指示とは、目標とする駆動量が図14に示したフル通電に対して、±100%付近の電流が流れるようにした場合に相当する駆動量での駆動指示である。本実施形態においては、フル通電に対して、+90%〜+100%、または−90%〜−100%までの電流が流れるようにした場合の駆動量でのアクチュエータ駆動を大きな駆動として定義する。ただし特にこれに限るものではなく、大きな駆動の判定用閾値については任意に設定可能である。S804で駆動指示が大きな駆動の指示であると判定された場合、S806の処理へ進むが、駆動指示が大きな駆動の指示でないと判定された場合にはS807の処理へ進む。
カメラシステム制御部5は、S805にてPWM周期をT2に設定し、S806にてPWM周期をT1に設定し、S807にてPWM周期をT3に設定する。周期T1,T2,T3に関しては図14で説明済みである。PWM周期の設定後にS808へ進み、カメラシステム制御部5は決定したDUTYとPWM周期にて像ブレ補正部14の動作制御を行う。
S809にてカメラシステム制御部5は、像ブレ補正部14が有効であるか、または無効であるかを判断する。S800で説明したようにユーザは像ブレ補正部14の有効または無効の操作指示が可能である。像ブレ補正部14が無効であると判断された場合、S810へ進む。一方、像ブレ補正部14が有効であると判断された場合にはS801へ処理を戻し、像ブレ補正部14が無効になるまで本シーケンスが繰り返し実行される。なお、本シーケンスの繰り返しの周期は任意に設定可能であり、例えば像ブレ補正部14のフィードバック制御上の観点からは20kHz程度に対応する周期で十分である。S810にて、一連のシーケンスを終了する。
以上のように、DC的な電流を多くする場合にはPWM周期を長くし、DC的な電流を少なくする場合にはPWM周期を短くする制御が行われることで、リップル電流の大きさを抑制できる。さらにはリップル電流の大きさが、コイルの電流量を変えても変化しないように制御することが可能である。
本実施形態では、DC的な電流に対してPWM周期を3段階で切り替える例を示した。リップル電流の大きさが閾値以下である下限周期T2から上限周期T1までの範囲内でPWM周期を決定することにより、撮像素子の信号の読み出しにおけるノイズを抑制可能である。つまり、下限周期T2と上限周期T1は、撮像素子から読み出される信号においてノイズが重畳しない周期範囲を規定する。本発明の適用上、3段階に限らず、DC的な電流の比率に応じて任意の段階でPWM周期を変更可能である。また下限周期T2と上限周期T1を予め設定しておき、駆動量に対して線形関係でPWM周期を決定することができる。例えば、フル通電(DC的に電圧Vをかけた場合)に対して、+50%の電流値とする場合を想定する。この場合、T1とT2との中間の周期をPWM周期T3として設定すればよい。具体的には、(T1+T2)×流したい電流の比率によって、PWM周期を決定することで、リップル電流の大きさをさらに低減可能である。ここではPWM周期を駆動量に対してリニアに変更する例を示したが、これに限るものではない。例えば像ブレ補正部14の構成によってはPWM周期を駆動量に対して2次関数に基づいて決定してもよい。
さらに像ブレ補正部14の可動部を重力方向に対してどのように動かすのかに応じて、PWM周期の設定値を変更することができる。像ブレ補正部14の可動部を重力に対して逆らう方向に動かす場合には、重力による影響を受けるので、電流量は重力による影響がない場合よりも多く必要となる。この場合、カメラシステム制御部5はPWM周期を相対的に長くする。逆に像ブレ補正部14の可動部を重力方向に動かす場合には、必要な電流量は重力による影響がない場合よりも小さくなる。この場合、カメラシステム制御部5はPWM周期を相対的に短くする。このように、重力方向と駆動方向との関係による影響に関しては、同じ駆動量でもDC的な電流の比率を変更し、DC的な電流の比率に応じてパルス幅変調制御の周期を決定する処理が行われる。
本実施形態では、アクチュエータの駆動量に応じて駆動信号のPWM周期を変更することで、電流変動を抑制し、駆動量に応じて電流変動の大きさが変化しない制御を実現できる。電流変動を抑制し、かつ安定させることで、撮像素子への磁気的なノイズの抑制が可能である。
[第4実施形態]
図16、図17を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、アクチュエータに供給される電圧とPWM周期の制御例を示す。図16は、本実施形態におけるPWM制御を行うための電気回路について説明する模式図である。図16の回路はHブリッジ構成であり、TER1からTER2の方向に電流を流す状態を示している。図12(C)の状態と同様であるが、図16では電圧制御部81が追加されている点で相違する。電圧制御部81は電源部82の電圧(V2と記す)の可変制御を行う。
コイル205に対して通電が行われる場合、例えばSW1とSW4がONの状態であるとき、SW2とSW3はいずれもOFFの状態である(前述したように組となっているスイッチは択一的にしかONにならない)。この場合、矢印48,49で示すようにTER1からTER2の方向に電流が流れる。反対方向に電流を流すには、SW2とSW3をONとすればよい。本実施形態では、電圧制御部81によって電圧V2の値を小さくするほど電流は流れなくなるので、リップル電流が小さくなる。以下では、電圧制御部81による電圧V2の変更とPWM周期の変更について説明する。
図17を参照して、アクチュエータの電流の大きさと、アクチュエータへの入力電圧およびPWM周期の関係について説明する。図17の横軸はDC的に流したい電流の大きさを示し、左側の縦軸はモータ(アクチュエータ)への入力電圧V2を示し、右側の縦軸はPWM周期を示している。電圧制御部81がカメラシステム制御部5の指令にしたがってモータに印加する電圧V2をVa,Vc,Vbの3電圧で示す。Va>Vc>Vbの関係であり、択一的な設定が可能な制御方式である。なお、離散的に変更できる電圧を3点として説明するが、これに限らず、電圧制御部81の性能に応じて任意の数の段階でV2の設定が可能である。またPWM周期については下限周期T2と上限周期T1を示している。T1とT2については図14にて説明済みである。
図17の実線91はDC的に流したいアクチュエータの電流の大きさと電圧V2との関係を示し、点線92はDC的に流したいアクチュエータの電流の大きさとPWM周期との関係を示している。ここで電流は0%から+100%の範囲について説明する。つまり、+100%は、DC的に電圧Vaでフル通電を行う場合の電流比率として定義する。0%〜−100%の通電に関しては説明を割愛する。
電圧制御部81が設定可能な下限電圧Vbは、Hブリッジドライバに設定可能な電圧の最小値よりも大きい必要があり、それ以上の値として設定されているものとする。また、上限電圧Vaは図12に示す電圧Vと同様である。
電流比率Aは、電圧Vaでフル通電を行った場合の電流をI1と表記し、電圧Vbでフル通電を行った場合の電流をI2と表記するとき、A=(I2/I1)*100 [%]として定義される。また電流比率Bは、電圧Vcでフル通電を行った場合の電流をI3と表記するとき、B=(I3/I1)*100 [%]として定義される。
電圧制御部81は、例えばDC的に流したい電流比率がB以上である場合、電圧V2をVaに設定する。電流比率が0%〜+100%となる電圧波形がコイルに印加される。この時、PWM周期は電流比率に応じて、T1からT2までの範囲で段階的に変更される。またDC的に流したい電流比率がA以上であってBより小さい範囲において電圧制御部81は、電圧V2をVcに設定し、電流比率が0%〜+100%となる電圧波形がコイルに印加される。この時、PWM周期は電流比率に応じてT1からT2までの範囲で段階的に変更される。またDC的に流したい電流比率がAより小さい場合に電圧制御部81は、電圧V2をVbに設定し、電流比率が0%〜+100%となる電圧波形がコイルに印加される。この時、PWM周期は電流比率に応じてT1からT2までの範囲で段階的に変更される。
図17の例ではVa、Vc、Vbの3電圧それぞれに関して、電流比率に応じてPWM周期を変更することで、リップル電流を抑制することが可能である。PWM周期の設定については詳細な設定が可能な場合を示したが、これに限らず、カメラシステム制御部5がPWM周期をいくつかの設定範囲から離散的に選択してもよい。またカメラシステム制御部5は、アクチュエータのトルク量に対応する電流比率に応じて以下の制御を行うこともできる。
・電流比率が閾値より大きい第1の駆動範囲において、PWM周期を一定として、電流比率の増加に応じて電圧V2を連続的に大きくする第1の制御(電圧制御)。
・電流比率が閾値以下である第2の駆動範囲において、電圧V2を一定として、電流比率の増加に応じてPWM周期を長くする第2の制御(周波数制御)。
カメラシステム制御部5は第1の制御を優先し、電圧V2が所定電圧(許容される最小電圧)に到達した場合に第2の制御に切り替える。
カメラシステム制御部5が電圧V2に応じたPWM周期を決定して像ブレ補正部14の動作を制御することで、撮像素子6により画像の取得が開始されるまでに像ブレ補正が行われる。つまり、決定されるPWM周期は、撮像装置に外力がかかっていない状態で、撮像素子の信号読み出しの開始時点までに像ブレ補正が可能な周期である。
本実施形態では、ドライバの電圧源の電圧値を変更可能な電圧制御部81を備えており、電圧V2および駆動信号のPWM周期をアクチュエータの駆動量(電流量)に応じて変更することで、電流変動を抑制可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
5.カメラシステム制御部
6.撮像素子
14.像ブレ補正部
15.ブレ検出部
60.信号生成部
61.Hブリッジドライバ
62.電圧制御回路

Claims (20)

  1. アクチュエータの駆動制御を行う制御装置であって、
    前記アクチュエータの操作量に対応する駆動電圧と駆動信号のデューティ比を決定して前記アクチュエータのパルス幅変調制御を行う制御手段と、
    前記アクチュエータの駆動電圧を、前記制御手段が決定した前記駆動電圧に変更する変更手段と、
    前記変更手段により変更された前記駆動電圧、および前記制御手段が決定した前記デューティ比にしたがって駆動波形を生成して前記アクチュエータに出力する生成手段と、を備える
    ことを特徴とする制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記操作量を決定する指令手段と、
    前記操作量に対応する前記駆動電圧、および前記デューティ比を決定する決定手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記駆動電圧の指令を前記変更手段に出力し、当該駆動電圧から決定した前記デューティ比の信号を前記生成手段に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記決定手段は、前記操作量に対応する、第1の駆動電圧および第1のデューティ比と前記第1の駆動電圧より大きい第2の駆動電圧および前記第1のデューティ比よりも小さい第2のデューティ比とを比較し、前記第1の駆動電圧および第1のデューティ比を選択する
    ことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記指令手段は、前記駆動電圧の上限を前記決定手段に指令し、前記変更手段は上限電圧以下の駆動電圧に変更する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記指令手段は、前記駆動電圧の制御幅を前記決定手段に指令し、前記変更手段は前記制御幅の範囲内の駆動電圧に変更する
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の制御装置。
  6. 前記制御手段は、前記操作量に対応する前記パルス幅変調制御の周期を決定し、
    前記生成手段は、前記変更手段により変更された前記駆動電圧、および前記制御手段が決定した前記周期およびデューティ比にしたがって前記駆動波形を生成して前記アクチュエータに出力する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の制御装置。
  7. 前記制御手段は、第1の操作量に対応する第1の周期に対して、前記第1の操作量よりも大きい第2の操作量に対応する第2の周期を、前記第1の周期よりも長い周期に決定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記制御手段は、前記アクチュエータの電流の大きさに対応する複数の段階で前記周期を変更する
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  9. 前記制御手段は、下限周期から上限周期までの範囲内で前記周期を変更する
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  10. 前記生成手段を構成するドライバの電圧源の電圧値を変更する電圧制御手段を有し、
    前記制御手段は、前記電圧制御手段により変更された電圧値ごとに、前記操作量に対して前記周期を変更する
    ことを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の制御装置と、
    撮像素子と、を備える
    ことを特徴とする撮像装置。
  12. 前記アクチュエータによって前記撮像素子を移動または回転させることで像ブレを補正する像ブレ補正手段を備える
    ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  13. 重力方向に対する撮像装置の姿勢を検出する検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記検出手段の検出信号に基づく前記重力方向に加わる力に対応する操作量から前記駆動電圧を決定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  14. 前記アクチュエータは複数のコイルを有し、
    前記変更手段は、前記複数のコイルのうち、重力方向における第1のコイルに対する駆動電圧を第1の駆動電圧に変更し、重力方向とは異なる方向における第2のコイルに対する駆動電圧を前記第1の駆動電圧よりも低い第2の駆動電圧に変更する
    ことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
  15. 前記制御手段は、前記操作量に対応する前記パルス幅変調制御の周期を決定する際、重力方向へ前記像ブレ補正手段の可動部を動作させる場合の前記周期を第1の周期に決定し、重力に逆らう方向へ前記像ブレ補正手段の可動部を動作させる場合の前記周期を前記第1の周期よりも長い第2の周期に決定する
    ことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
  16. 前記制御手段は、前記駆動電圧の上限を設定することにより、前記像ブレ補正手段の制御応答性を制限する制御を行う
    ことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  17. 前記制御手段が前記操作量に対応する前記パルス幅変調制御の周期を第1の周期に決定したときに前記アクチュエータの電流波形に発生する変動に比べて、前記第1の周期よりも短い第2の周期に決定したときに前記アクチュエータの電流波形に発生する変動が小さい
    ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
  18. 前記制御手段は、前記電流波形の変動の大きさが閾値以下である下限周期から上限周期までの範囲内で前記パルス幅変調制御の周期を決定することにより、前記撮像素子の信号の読み出しにおけるノイズを抑制する制御を行う
    ことを特徴とする請求項17に記載の撮像装置。
  19. 前記制御手段が前記パルス幅変調制御の周期を決定して前記像ブレ補正手段の動作を制御することで、前記撮像素子による画像の取得が開始されるまでに像ブレ補正が行われる
    ことを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
  20. アクチュエータの駆動制御を行う制御装置にて実行される制御方法であって、
    前記アクチュエータの操作量に対応する駆動電圧と駆動信号のデューティ比を決定して前記アクチュエータのパルス幅変調制御を行う制御工程と、
    前記アクチュエータの駆動電圧を、前記制御工程で決定された前記駆動電圧に変更する変更工程と、
    前記変更工程で変更された前記駆動電圧、および前記制御工程で決定された前記デューティ比にしたがって駆動波形を生成して前記アクチュエータに出力する生成工程と、を有する
    ことを特徴とする制御方法。
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