JP2021069029A - 電子機器および電子機器における超音波送受信方法 - Google Patents

電子機器および電子機器における超音波送受信方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021069029A
JP2021069029A JP2019193579A JP2019193579A JP2021069029A JP 2021069029 A JP2021069029 A JP 2021069029A JP 2019193579 A JP2019193579 A JP 2019193579A JP 2019193579 A JP2019193579 A JP 2019193579A JP 2021069029 A JP2021069029 A JP 2021069029A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
wave
distance
ultrasonic
ultrasonic wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019193579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7344085B2 (ja
Inventor
恒久 渡部
Tsunehisa Watabe
恒久 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2019193579A priority Critical patent/JP7344085B2/ja
Publication of JP2021069029A publication Critical patent/JP2021069029A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7344085B2 publication Critical patent/JP7344085B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Obtaining Desirable Characteristics In Audible-Bandwidth Transducers (AREA)

Abstract

【課題】複合機の周囲に居るユーザにのみ音声案内等を送信可能にする。【解決手段】複合機1の超音波送受信装置3において、離間した配置された2つの指向性スピーカ11,12それぞれより超音波を照射したタイミングから、ユーザ10からの反射波を受信したタイミングまでの時間をもとにユーザ10と複合機1間の距離を算出し、それに基づいてユーザ10の居る場所を特定する。その後、一方のスピーカ11より超音波を出力し、他方のスピーカ12より超音波と可聴音声波との重畳波を出力する。これによりユーザ10は、音声メッセージを可聴できる。【選択図】図1

Description

本発明は、ユーザに音声案内等の音声メッセージを提供する電子機器および超音波送受信方法に関する。
近年、多くの電子機器には、ユーザに対して警報音のみならず音声による操作案内、注意喚起等を提供する機能が搭載されている。例えば、デジタル複合機において、ユーザフレンドリーの観点から、起動時のメッセージ、操作時における使用方法の音声案内、紙切れ、トナー切れが発生した旨の音声通知、紙切れ、トナー切れになる旨の警告をする音声通知、原稿読取部における原稿の取り忘れの報知、あるいは排紙トレイにおける用紙の取り忘れの報知等を発する態様がある。
一方、複合機に代表されるビジネス用途の電子機器は、オフィス等の設置場所によっては、静音環境の保持が要求される。そのため、上述した音声案内等が複合機の周囲に拡がる態様で発せられた場合、その音声案内等が邪魔となってオフィスでの業務に支障を与える等の不具合が生じることが想定される。
警報音を周囲に拡散させないという観点から考案された技術として、例えば特許文献1には、電動モータで駆動される走行音の小さい車両において、指向性の高いスピーカを使用することで、車両の接近を警報音により歩行者等に報知するとともに、車両周辺に警報音を拡散させない自動車接近警告システムが記載されている。
特開2017−24538号公報
特許文献1では、車両の接近を報知する対象である歩行者等を、ステレオカメラの撮像画像より生成した視差画像をもとに検知している。そのため、周辺への警報音の拡散防止を行う際に画像処理が必要となり、それが装置構成を複雑化するとともに装置のコストアップになるという問題がある。
そこで、本発明は上記課題を解決するため、電子機器の周囲に居るユーザにのみ音声案内等を送信可能にする電子機器および超音波送受信方法を提供することを目的とする。
本発明の電子機器によれば、複数の装置機能を有する電子機器であって、超音波を使用して前記電子機器の周辺におけるユーザの存在および位置を特定する特定手段と、前記特定された位置のユーザのみに対して所定の音声情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の電子機器の超音波送受信方法によれば、異なる2方向から第1の超音波と第2の超音波を放射する第1の放射工程と、前記第1の超音波のユーザからの第1の反射波と、前記第2の超音波のユーザからの第2の反射波とを受信する受信工程と、前記第1の超音波の放射開始から前記第1の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第1の超音波の送信点から前記ユーザを介して受信点に至るまでの第1の距離を測定する工程と、前記第2の超音波の放射開始から前記第2の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第2の超音波の送信点から前記ユーザを介して受信点に至るまでの第2の距離を測定する工程と、2次元平面上における前記第1の超音波の送信点および受信点の位置と前記第1の距離とで表わされる前記ユーザの第1の仮想軌跡と、2次元平面上における前記第2の超音波の送信点および受信点の位置と前記第2の距離とで表わされる前記ユーザの第2の仮想軌跡とに基づいて、前記2次元平面上における前記電子機器と前記ユーザ間の距離および該ユーザの位置を特定する工程と、前記第2の超音波に可聴信号を重畳した重畳波を生成する工程と、前記特定されたユーザに向けて前記第1の超音波と前記重畳波を放射する工程とを備え、前記特定された位置のユーザのみに対して前記重畳波に重畳された前記可聴信号を聴取可能にすることを特徴とする。
さらに、本発明の電子機器の超音波送受信方法によれば、所定方向へ超音波を放射する放射工程と、前記超音波のユーザからの第1の反射波を受信する工程と、前記超音波のユーザからの第2の反射波を受信する工程と、前記超音波の放射開始から前記第1の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記超音波の送信点から前記ユーザを介して受信点に至るまでの第1の距離を測定する工程と、前記超音波の放射開始から前記第2の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記超音波の送信点から前記ユーザを介して受信されるまでの第2の距離を測定する工程と、2次元平面上における前記超音波の送信点および前記第1の反射波の受信点の位置と前記第1の距離とで表わされる前記ユーザの第1の仮想軌跡と、2次元平面上における前記超音波の送信点および前記第2の反射波の受信点の位置と前記第2の距離とで表わされる前記ユーザの第2の仮想軌跡とに基づいて、前記2次元平面上における前記電子機器と前記ユーザ間の距離および該ユーザの位置を特定する工程と、前記超音波を搬送波として可聴音声信号で変調する工程と、前記特定されたユーザに向けて、前記変調された信号波を放射する工程とを備え、前記特定された位置のユーザのみに対して前記可聴音声信号を聴取可能にすることを特徴とする。
本発明によれば、電子機器の周辺におけるユーザの位置を特定し、その特定された位置に居るユーザにのみ音声案内等が提供されるので、電子機器の設置環境における静音性を保持できる。
本発明の第1の実施の形態に係る複合機(電子機器)に搭載された超音波送受信装置の構成を示すブロック図である。 超音波送受信装置が搭載された複合機の外観である。 第1の実施の形態に係る超音波送受信装置におけるユーザの位置検出時のタイミングチャートであるである。 第1の実施の形態に係る超音波送受信装置の演算部におけるユーザの位置測定方法の一例を説明する図である。 超音波送受信装置の演算部によりユーザの位置測定を行う方法を説明する図である。 第1の実施の形態に係る超音波送受信装置における処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る複合機(電子機器)に搭載された超音波送受信装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る超音波送受信装置におけるユーザの位置検出時のタイミングチャートである。 第2の実施の形態に係る超音波送受信装置の演算部におけるユーザの位置測定方法の一例を説明する図である。 超音波の搬送波の可聴音声信号によるAM変調を模式的に示す図である。 第2の実施の形態に係る超音波送受信装置における処理手順を示すフローチャートである。 複合機からユーザが遠い場合にスピーカA,B間の距離を大きくする例を示す図である。 複合機からユーザが近い場合にスピーカA,B間の距離を小さくする例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器に搭載された超音波送受信装置の構成を示すブロック図である。ここでは、電子機器として複合機を例に挙げて説明する。図1において、複合機1はデジタル複合機またはアナログ複合機であり、例えばコピー機能、スキャン機能、印刷機能等の各種画像形成機能、FAX送受信等の通信機能に加えて、超音波送受信装置3によるユーザ10の位置を特定する機能と、特定された位置に基づいてユーザ10に向けて種々の音声メッセージを送信する機能を有する。
複合機1内に載置された超音波送受信装置3は、上述したユーザの位置特定機能と、ユーザに対する音声メッセージ送信機能を実現する。そのため超音波送受信装置3は、制御部5、2つの超音波送信部A,B(スピーカA,B)11,12、超音波受信部(マイク)8、信号増幅部A,B(13,14)、超音波信号生成部15、音声信号生成部17、回転駆動部A(18),B(19)等を含んで構成される。
図2は、超音波送受信装置3が搭載された複合機の外観を示している。複合機1は、原稿読取部110、画像形成部120、操作部130、給紙部140、手差し給紙トレイ142、排紙処理部150、排紙トレイ152を備える。操作部130は、タッチパネルディスプレイ132および操作キー部134を備える。タッチパネルディスプレイ132は、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、ユーザがタッチした位置を検出するタッチパネルとを含む。操作キー部134には、不図示の機能ボタンが配置される場合もある。操作キー部134には、テンキーが配置される場合もある。
複合機1において、ユーザの位置特定と音声メッセージの送信を行うため、例えば、原稿読取部110の正面側の両端部にスピーカA,B(11,12)が配置され、原稿読取部110の正面側中央部にマイク8が配置されている。このような配置により、後述するようにスピーカより発信された超音波等がユーザの身体の面積的に広い部位に当たり、反射波が得られ易くなる。
以下、超音波送受信装置3の構成、動作等について具体的に説明する。
<ユーザの位置検出>
複合機1内に設けた超音波送受信装置3は、超音波を利用して、複合機周辺におけるユーザの存在、およびユーザの位置を特定する。そのため超音波送受信装置3は、超音波送信部として2つのスピーカA,Bと、スピーカA,Bから発せられた超音波がユーザ10に当たって反射した反射波を検知する超音波受信部としてのマイク8を備える。
超音波送受信装置3は、ユーザ10に対して直線的かつ高指向で超音波を到達させるため、スピーカA,Bとして、指向性の強いパラメトリックスピーカを使用する。パラメトリックスピーカは、超音波振動子(超音波発音体)からなる複数個の発音素子が配置されたスピーカである。その動作原理等は公知であるため、ここでは、その説明を省略する。
超音波受信部(マイク)8は、ユーザ10より反射した超音波を検知する超音波マイクである。なお、超音波マイクに代えて超音波センサを使用してもよい。
図3は、超音波送受信装置3におけるユーザの位置検出時のタイミングチャートである。図4は、複合機周辺におけるユーザ、超音波送信部として2つのスピーカA,B、およびユーザからの反射波を検知する超音波受信部としてのマイク8の相互の位置関係を平面視した図である。
ユーザの位置検出を行う場合、超音波送受信装置3の制御部5は、信号増幅部A(13)を駆動して、図3のタイミングt0Aで、超音波信号生成部15で生成された周波数fc(例えば、40〜100kHz)の超音波をスピーカA(11)より出力する。図3の信号波形21は、スピーカAより出力された超音波信号である。
制御部5は、ユーザの位置を検出する際、回転駆動部A(18)を作動して、スピーカAを、その垂直方向の中心軸回りに水平方向に所定角度、回転させる。このとき、スピーカAを回転させながらスピーカAから超音波を所定の間隔で連続して発信する。連続する発信波の間隔は、直接波と反射波を区別するために反射波が往復する時間よりも長い間隔を開けて発信する。同時に制御部5は、マイク8における周波数fcの超音波の受信の有無を監視し、所定レベルの超音波を受信した時点(図3のt1A)でスピーカAの回転を止める。
このときマイク8で受信された超音波は、スピーカAより出力された超音波がユーザ10に当たって反射した反射波である(図3の信号波形22を参照)。そこで、制御部5の演算部7は、超音波の発信タイミングt0Aと受信タイミングt1Aとの差分時間Tを求める。
制御部5は、スピーカAと同様、スピーカBを、その垂直方向の中心軸回りに水平方向に回転させるために回転駆動部B(19)を作動する。同時に制御部5は、マイク8における周波数fcの超音波の受信の有無を監視し、所定レベルの超音波を受信した時点(図3のt1B)でスピーカBの回転を止める。
このときマイク8で受信された超音波は、図3において符号24で示すように、スピーカBより出力された超音波がユーザ10に当たって反射した反射波である。そこで、制御部5の演算部7は、超音波の発信タイミングt0Bと受信タイミングt1Bとの差分時間Tを求める。
なお、マイク8における超音波の受信レベルに対して閾値を設け、受信レベルがその閾値を超えた場合、マイク8において適正に超音波が受信されたと判断するようにしてもよい。
図5は、図4に示す位置関係を有するスピーカとマイクを使用して、超音波送受信装置3の演算部7によりユーザの位置測定を行う方法を説明する図である。
図4に示すように、複合機1の前面側にユーザ10が位置している場合、複合機1側から放射されてユーザ10に当たり、反射して再び複合機に戻ってくる超音波の到達時間(遅延時間)は、ユーザ10と複合機1間の距離に比例する。
このように対象物に超音波を照射し、超音波の送信時刻と対象物からの反射波の受信時刻との差に基づいて対象物までの距離を測定する場合、図4に示すようにスピーカAとマイク8間の距離、およびスピーカBとマイク8間の距離はそれぞれ一定であることから、各スピーカからユーザまで放射波が直進する距離と、ユーザからマイクまで反射波が直進する距離との和は常に一定となる。
したがって、2つの定点からの距離の和が一定の動点の軌跡は楕円となるので、図5に示すように、スピーカAの位置(SP1)とマイク8の位置(M)を2定点とする仮想楕円軌跡E1と、スピーカBの位置(SP2)とマイク8の位置(M)を2定点とする仮想楕円軌跡E2を描くことができる。
ここで、スピーカA,Bとマイク8を結ぶ直線をx軸とし、マイク8の位置(M)でx軸と直交する直線をy軸とし、楕円軌跡E1の長軸の長さを2a、短軸の長さを2b、SP1−M間(焦点間)の距離を2cとすると、点Mは原点Oであって、その座標は(0,0)、点SP1の座標は(−2c,0)、焦点間の中点の座標は(−c,0)となる。また、ユーザの位置を点Pとすると、SP1−P間の距離L1、P−M間の距離L2については、点Pが楕円軌跡E1上にあるため、L1+L2=2aとなる。
上記の2a(=L1+L2)は、スピーカ→ユーザ→マイクの経路における超音波の到達時間(図3の差分時間T)と超音波の伝搬速度とを乗算して求めることができる。また、楕円軌跡E1において、
=√(a −b )(a>b) …(1)
が成立する。よって、楕円軌跡E1は、
{(x+c/a }+{y/b }=1 …(2)
と表すことができる。
同様に楕円軌跡E2については、長軸の長さを2a、短軸の長さを2b、SP2−M間(焦点間)の距離を2cとすると、点SP2の座標は(2c,0)、焦点間の中点の座標は(c,0)となる。また、SP2−P間の距離L3、P−M間の距離L4についても、点Pが楕円軌跡E2上にあるため、L3+L4=2aとなる。
楕円軌跡E2の場合、2a(=L3+L4)は、超音波の遅延時間(図3の差分時間T)と超音波の伝搬速度とを乗じて求めることができる。また、楕円軌跡E2については、
=√(a −b )(a>b) …(3)
が成立する。よって、楕円軌跡E2は、
{(x−c/a }+{y/b }=1 …(4)
と表すことができる。
超音波送受信装置3の演算部7は、上記の式(1)〜(4)より、楕円軌跡E1,E2の交点P(x,y)の座標を求める演算を行う。交点Pは、x軸、y軸がなす2次元座標上で一意に定まるため、交点Pを複合機1の前面側におけるユーザ10の居る位置と判定できる。
<ユーザへの音声メッセージ送信>
超音波送受信装置3は、ユーザ10の位置を特定した後、ユーザへ所定の音声メッセージを送信する。そのため制御部5は、信号増幅部A(13)を駆動して、超音波信号生成部15からの周波数fcの超音波をスピーカAより出力する。それとともに、制御部5は重畳部16を駆動して、音声信号生成部17で生成された周波数fsの可聴音声信号と、超音波信号生成部15より出力された周波数fcの超音波とを重畳し、重畳後の信号(周波数fc−s)を、信号増幅部B(14)を介してスピーカBより出力する。
このとき、スピーカA,Bは指向性が強いことから、スピーカA,B各々の音波放射面は、上述したように位置特定されたユーザ10の方向を向いているので、ユーザ10には、スピーカAから出力された超音波、およびスピーカBから出力された超音波と可聴音声波との重畳波が到達する。すなわち、スピーカAより放射された超音波と、スピーカBより放射された重畳波とが重なる領域が、ユーザ10の居る領域と一致することになる。
この場合、超音波は人間の可聴域を外れているためユーザ10には聞こえないが、周波数の異なる、スピーカAからの超音波とスピーカBからの重畳波とが干渉する。そのため、周波数fcと周波数fc−sの差分の周波数によるうなりが生じ、それが可聴音としてユーザ10に聞こえる。その結果、ユーザ10に対して音声信号生成部17からの可聴音声信号を音声メッセージとして伝達できる。
音声メッセージとして、例えば、複合機の操作に関する音声案内、エラーメッセージ、紙切れ、トナー切れに対する注意喚起の音声案内等を提供する。
図6は、超音波送受信装置3における処理手順を示すフローチャートである。超音波送受信装置3の制御部5は時分割、すなわち、所定の時間帯にユーザの位置検出処理を行った後、それに続く所定の時間帯にユーザへの音声メッセージ送信処理を行う。
最初に制御部5は、図6のステップS11において、回転駆動部A(18)を作動してスピーカAの回転を開始し、同時に、超音波信号生成部15で生成された超音波(周波数fc)をスピーカAより出力する。制御部5は、続くステップS13で、マイク8において所定レベルの超音波(ユーザ10からの反射波)が受信されたか否かを判断する。
制御部5は、マイク8により超音波が受信されない場合、ステップS51において、回転駆動部A(18)の回転角度(すなわち、スピーカAの水平方向の回転角度)が最大値(MAX)に達したか否かを判定する。スピーカAの回転角度が最大値(MAX)に達していない場合、制御部5は、処理をステップS11に戻し、スピーカAの回転を継続するとともに、スピーカAより超音波(周波数fc)を出力する。
マイク8により超音波が受信された場合、制御部5は、ステップS14において、上述したようにスピーカAの回転を止め、続くステップS15において、スピーカAからの超音波の送信時刻とユーザ10からの反射波の受信時刻との差分時間Tと、超音波の伝搬速度より、スピーカAよりユーザ10を介してマイク8に至る距離(L1+L2)を算出する。
次に制御部5は、ステップS17において、回転駆動部B(19)を作動してスピーカBの回転を開始し、同時に、超音波信号生成部15からの超音波(周波数fc)をスピーカBより出力し、ステップS19で、マイク8において所定レベルの超音波(ユーザ10からの反射波)が受信されたか否かを判断する。
制御部5は、マイク8により超音波が受信されない場合、ステップS61において、回転駆動部B(19)の回転角度(すなわち、スピーカBの水平方向の回転角度)が最大値(MAX)に達したか否かを判定する。スピーカBの回転角度が最大値(MAX)に達していない場合、制御部5は、処理をステップS17に戻し、スピーカBの回転を継続するとともに、スピーカBより超音波(周波数fc)を出力する。
マイク8により超音波が受信された場合、制御部5は、ステップS20においてスピーカBの回転を止め、続くステップS21において、スピーカBからの超音波の送信時刻とユーザ10からの反射波の受信時刻との差分時間Tと超音波の伝搬速度より、スピーカBよりマイク8を介してユーザ10に至る距離(L3+L4)を算出する。
制御部5は、ステップS23において、図5を参照して説明した方法によって、2次元座標上におけるユーザ10の居る位置を算出する。そして、算出された位置を、複合機1の前面側に実際にユーザ10が居る位置として特定する。
一方、制御部5は、上記のステップS51においてスピーカAの回転角度が最大値(MAX)に達し、かつ、スピーカAから超音波を発信したタイミング(時刻)より所定時間が経過した後においても、マイク8においてユーザ10からの反射波を受信できないと判定した場合、ステップS53において複合機1の周辺にユーザが居ないと判断する。そして、続くステップS55においてスピーカAの回転を止めた後、処理を終了する。
同様に制御部5は、上記のステップS61においてスピーカBの回転角度が最大値(MAX)に達し、かつ、スピーカBから超音波を発信したタイミング(時刻)より所定時間が経過した後においても、マイク8においてユーザ10からの反射波を受信できないと判定した場合には、ステップS63において複合機1の周辺にユーザが居ないと判断し、続くステップS65においてスピーカBの回転を止めた後、処理を終了する。
制御部5は、上述したユーザの位置検出処理を完了した後、ユーザへの音声メッセージ送信処理に移行する。すなわち、ステップS27において、超音波信号生成部15からの周波数fcの超音波をスピーカAより出力し、ステップS29において、可聴音声信号(周波数fs)と基準超音波信号(周波数fc)とを重畳した周波数fc−sの重畳波をスピーカBより出力する。
なお、ユーザは複合機の近傍において、その位置を変えることがある。そこで、図6に示す処理を所定の時間間隔で繰り返すことで、複合機1の周辺で移動するユーザ10を随時、追跡しながら、音声メッセージを送信することができる。
以上説明したように、互いに離間して配置された2つの指向性スピーカと、それらの間に配置されたマイクとを使用して、超音波によるユーザの位置検出処理を行う時間帯と、ユーザへの音声メッセージ送信処理を行う時間帯を時分割で区切る。
すなわち、2つのスピーカそれぞれから超音波を照射したタイミングより、ユーザからの反射波を受信したタイミングまでの時間をもとに、複合機の前面側におけるユーザの位置と距離を算出する。その結果、簡単な超音波送受信構成によって、ユーザの位置を迅速かつ高精度に特定できる。
ユーザの居る場所を特定した後、一方のスピーカより超音波を出力し、他方のスピーカより超音波と可聴音声波との重畳波を出力する。その際、特定された位置より、複合機からユーザまでの距離が分かるので、スピーカより出力された超音波と、超音波と可聴音声波の重畳波とが重なる領域を、ユーザの居る領域と一致させるとともに、距離に応じた超音波を出力する。これにより、複合機の設置場所の静音性を保持しながら、複合機の周辺に居るユーザに対してのみ、音声による操作案内、注意喚起等を提供できる。
さらには、複合機の周辺にユーザが居ない場合、スピーカからの音声メッセージの出力を行わないことで、無駄な音声出力による電力消費等を防止できる。
なお、スピーカA,Bから発信される超音波も、ある程度の広がりがあることを考慮して、スピーカA,Bを回転させずにユーザからの反射波を受信し、それにより特定されたユーザに向くようにスピーカA,Bを回転させるようにしてもよい。
また、上記のステップS14,S20のように反射波を受信後にスピーカA,Bの回転を止めず、ユーザの位置検出後にユーザの位置に基づいて、ユーザに向くようにスピーカA、Bを回転させるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電子機器に搭載された超音波送受信装置の構成を示すブロック図である。ここでも第1の実施の形態と同様、電子機器として複合機を例に挙げて説明する。複合機51は、デジタル複合機またはアナログ複合機であり、例えばコピー機能、スキャン機能、印刷機能等の各種画像形成機能、FAX送受信等の通信機能と、超音波送受信装置53によるユーザ10の位置を特定する機能と、特定された位置に基づいてユーザ10に向けて音声メッセージを送信する機能を有する。
超音波送受信装置53は、制御部35、超音波送信部(スピーカ)47、2つの超音波受信部A,B(マイクA,B)(48,49)、信号増幅部43、超音波信号生成部55、音声信号生成部57、回転駆動部50等を含んで構成される。
ここで図2を参照して説明すると、第2の実施の形態に係る複合機には、原稿読取部110の正面側の両端部にマイク48,49が配置され、原稿読取部110の正面側中央部にスピーカ47が配置されている。
以下、超音波送受信装置53の構成、動作等について具体的に説明する。
<ユーザの位置検出>
複合機51内に設けた超音波送受信装置53は、スピーカ47から発せられた超音波がユーザ10に当たって反射した反射波を、2つのマイク48,49で検知することで、複合機の周辺におけるユーザ10の存在、およびその位置を特定する。
スピーカ47として指向性の強いパラメトリックスピーカを使用する。また、超音波受信部としてのマイク48,49は、ユーザ10からの反射波を検知する超音波マイクである。超音波マイクに代えて超音波センサを使用してもよい。
図8は、超音波送受信装置53におけるユーザの位置検出時のタイミングチャートである。図9は、複合機周辺におけるユーザ、超音波送信部としてスピーカ47、およびユーザからの反射波を検知する超音波受信部としての2つのマイク48,49の相互の位置関係を平面視した図である。
図9に示すように、複合機1の前面側にユーザ10が位置している場合、複合機1側から放射されてユーザ10に当たり、反射して再び複合機に戻ってくる超音波の到達時間(遅延時間)は、ユーザ10と複合機1間の距離に比例する。
そこで、超音波送受信装置53の制御部35は、ユーザの位置検出時、信号増幅部43を駆動して、図8のタイミングtで、超音波信号生成部55で生成された周波数fcの超音波をスピーカ47より出力する(図8の超音波信号波形61を参照)。
すなわち、制御部35は、ユーザの位置検出のため回転駆動部50を作動して、スピーカ47を、その垂直方向の中心軸回りに水平方向に所定角度、回転させる。このとき、スピーカ47を回転させながらスピーカ47から超音波を所定の間隔で連続して発信する。連続する発信波の間隔は、直接波と反射波を区別するために反射波が往復する時間よりも長い間隔を開けて発信する。そして、制御部35は、受信部としてのマイク48,49それぞれにおける、周波数fcの超音波の受信の有無を監視し、所定レベルの超音波を受信した時点でスピーカ47の回転を止める。
このときマイク48で受信された超音波は、スピーカ47より出力された超音波がユーザ10に当たって反射した反射波(図8の信号波形62)であり、超音波信号生成部55で生成された超音波信号をスピーカ47より出力したタイミングtから時間Tが経過したタイミングtにおいてマイク48で受信された信号であることが分かる。
同様に、マイク49で受信された超音波は、スピーカ47より出力された超音波がユーザ10に当たって反射した反射波(図8の信号波形63)である。信号波形63は、超音波信号生成部55で生成された超音波信号がスピーカ47より出力されたタイミングtから時間Tが経過したタイミングtにおいてマイク49で受信された信号である。
なお、マイク48,49における超音波の受信レベルに対して閾値を設け、受信レベルが閾値を超えた場合にマイク48,49において適正に超音波が受信されたと判断するようにしてもよい。
図9に示すスピーカとマイクの位置関係より、スピーカ47とマイク48間の距離、およびスピーカ47とマイク49間の距離はそれぞれ一定であることから、スピーカからユーザまで放射波が直進する距離と、ユーザからマイクまで反射波が直進する距離との和は常に一定となる。
したがって、2つの定点からの距離の和が一定の動点の軌跡は楕円となるので、上述した図5に示す例と同様、スピーカ47の位置とマイク48の位置を2定点とする仮想楕円軌跡と、スピーカ47の位置とマイク49の位置を2定点とする仮想楕円軌跡を描くことができる。
第2の実施の形態に係る複合機における超音波送受信装置においても、第1の実施の形態と同様、これらの楕円軌跡の交点座標を求めることで、2次元座標上で一意に定まる交点Pを、複合機51の前面側におけるユーザ10が居る位置と判定できる。よって、ここでは、超音波送受信装置53の演算部37における、ユーザの位置測定方法については、説明を省略する。
<ユーザへの音声メッセージ送信>
超音波送受信装置53は、ユーザ10の位置を特定した後、ユーザへ所定の音声メッセージを送信する。そのため制御部35は、変調部46を駆動して、図10に示す超音波の搬送波73(周波数fc)を、音声信号生成部57より出力された、図10に示す周波数fsの可聴音声信号71で変調(AM変調)し、その変調信号(図10の信号波形75)を、信号増幅部43を介してスピーカ47より出力する。
スピーカ47の音波放射面は、上述したように位置特定されたユーザ10の方向を向いている。よって、スピーカ47より出力された超音波AM変調信号は、空気の弾性特性の非線形性の影響を受けて、AM変調の包絡線成分(すなわち、可聴音声信号成分)が可聴音としてユーザ10に聞こえる。
図11は、第2の実施の形態に係る超音波送受信装置53における処理手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態に係る超音波送受信装置53の制御部35は、上述した第1の実施の形態と同様、最初にユーザの位置検出処理を行い、その後、ユーザへの音声メッセージ送信処理を行う。
制御部35は、図11のステップS31において、回転駆動部50を作動してスピーカ47の回転を開始し、同時に、超音波信号生成部55で生成された超音波(周波数fc)をスピーカ47より出力する。制御部35は、続くステップS33で、受信部としてのマイクA,B(48,49)それぞれにおいて所定レベルの超音波(ユーザ10からの反射波)が受信されたか否かを判断する。
制御部35は、マイクA,Bにより超音波が受信されない場合、ステップS42において、回転駆動部50の回転角度(すなわち、スピーカ47の水平方向の回転角度)が最大値(MAX)に達したか否かを判定する。スピーカ47の回転角度が最大値(MAX)に達していない場合、制御部5は、処理をステップS31に戻し、スピーカ47の回転を継続するとともに、スピーカ47より超音波(周波数fc)を出力する。
マイクA,Bそれぞれが超音波を受信した場合、制御部35は、ステップS34においてスピーカ47の回転を止めた後、ステップS35で、マイクAにおいて、スピーカ47より超音波が送信された時刻から、ユーザ10からの反射波を受信した時刻までの時間Tと、マイク49において、スピーカ47より超音波が送信された時刻から、ユーザ10からの反射波を受信した時刻までの時間Tを求める。
すなわち、演算部37は、スピーカ→ユーザ→マイクの経路における超音波の到達時間と超音波の伝搬速度とを乗算した結果をもとに、スピーカからユーザを介してマイクに至る距離を算出する。
制御部5は、ステップS37において、上記のステップS35での算出結果(スピーカ−ユーザ−マイクA,Bの距離)より、2次元座標上におけるユーザ10が居る位置を特定する。
一方、制御部35は、上記のステップS42において、スピーカ47の回転角度が最大値(MAX)に達し、かつ、スピーカ47から超音波を送信した後、所定時間が経過した後においてもマイクA,Bにおいてユーザ10からの反射波を受信できないと判定した場合、ステップS43において複合機51の周辺にユーザが居ないと判断し、ステップS44においてスピーカ47の回転を止めた後、処理を終了する。
制御部35は、上記のユーザの位置検出処理を完了した後、ユーザへの音声メッセージ送信処理に移行する。すなわち、ステップS39において、変調部46によって、周波数fcの超音波搬送波を、周波数fsの可聴音声信号でAM変調する。そして、ステップS41において、ステップS39で生成した変調信号を、信号増幅部43を介してスピーカ47より出力する。
なお、ユーザが複合機の近傍において、その位置を変えた場合に対処するため、図11に示す処理を所定の時間間隔で繰り返すことで、複合機51の周辺で移動するユーザ10を随時、追跡しながら、音声メッセージを送信することができる。
以上説明したように、互いに離間して配置された2つのマイクと、それらの間に配置されたスピーカとを使用して超音波によるユーザの位置検出処理を行うことで、簡単な超音波送受信構成で複合機の前面側におけるユーザの位置を迅速かつ正確に特定できる。
また、超音波を可聴音声信号でAM変調した信号を単一のスピーカより出力することで、ユーザへの音声メッセージ送信の構成を簡略化できる。
なお、スピーカ47から発信される超音波も、ある程度の広がりがあることを考慮して、スピーカ47を回転させずにユーザからの反射波を受信し、それにより特定されたユーザに向くようにスピーカ47を回転させるようにしてもよい。
また、上記のステップS34のように反射波を受信後にスピーカ47の回転を止めず、ユーザの位置検出後にユーザの位置に基づいて、ユーザに向くようにスピーカ47を回転させるようにしてもよい。
上述したユーザの位置特定と音声メッセージ送信のためのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述した実施の形態は例示にすぎず、限定的に解釈されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更はすべて本発明の範囲内のものである。
<変形例1>
例えば、上述した第1の実施の形態において、複合機の原稿読取部の正面側の両端部に配置したスピーカA,Bを水平方向に移動可能にする機構を設け、複合機からユーザまでの距離に応じてスピーカA,B間の距離を変える構成としてもよい。
図12は、複合機1からユーザ10までの距離が大きい(ユーザ10が複合機1から遠い位置に居る)場合、スピーカAとスピーカBを、通常時の距離(Nとする)よりも遠ざけて、N1(N1>N)となるように移動したときの様子である。スピーカ同士を離すことで、スピーカAより放射された超音波と、スピーカBより放射された超音波とが重なる領域81を、複合機1から離れた位置において十分に確保でき、領域81内に居るユーザ10に対して音声メッセージを確実に提供できる。
図13は、複合機1からユーザ10までの距離が小さい(ユーザ10が複合機1から近い位置に居る)場合、スピーカAとスピーカBを、通常時の距離(N)よりも近づけて、N2(N2<N)となるように移動したときの様子である。スピーカ同士を近づけることで、スピーカAより放射された超音波と、スピーカBより放射された超音波とが重なる領域83を、複合機1から近い位置において確保でき、領域83内に居るユーザ10に対して音声メッセージを確実に提供できる。
さらには、図12と図13に示す方法を連続的に実行する構成とすることで、複合機1から遠ざかるユーザ10、あるいは複合機1に近づくユーザ10に対しても音声メッセージを提供できる。
<変形例2>
上述した第1および第2の実施の形態において、複合機からユーザまでの距離に応じてスピーカの音量を適宜、調整する機構を設けてもよい。例えば、ユーザが複合機から近い位置に居る場合には、スピーカの音量を通常よりも下げ、ユーザが複合機から遠い位置に居る場合には、スピーカの音量を通常よりも上げることで、ユーザ10には、複合機からの距離に応じた、注意喚起等を促すのに適切な音量の音声メッセージを送信することができる。
<変形例3>
上述した第1の実施の形態においてユーザの位置検出を行う際、スピーカAとスピーカBとで、使用する超音波の周波数を異ならせてもよい。例えば、スピーカAより周波数fc1の超音波を出力し、スピーカBより周波数fc2の超音波を出力する。
こうすることで、スピーカA,Bから発せられた超音波がユーザに当たって反射した反射波の周波数も異なるため、受信部であるマイク8に、これらの周波数を弁別するフィルタを具備することで、ユーザの位置検出時において時差を設けることなくスピーカA,Bより同時に超音波を発信できるので、ユーザの位置検出の迅速化が可能となる。
<変形例4>
上記第1および第2の実施の形態において、ユーザの位置検出を行うときのみ、無指向性のスピーカより超音波を照射し、ユーザに対する音声メッセージの送信時に指向性のスピーカを使用するようにしてもよい。これにより、スピーカからの超音波の照射範囲が広がり、ユーザの位置検出時、スピーカを回転せずにユーザからの反射波を容易に得ることができる。
<変形例5>
複合機の設置環境の特徴(例えば、複合機の周辺にある壁、柱、キャビネット等)がユーザの位置検出に影響を及ぼすことが想定される。そこで、上述したユーザの位置検出に先立ち、複合機1の周辺にユーザが居ない状態における、スピーカA,Bより超音波を送信したときの反射波の有無、その度合い等を確認することで、複合機1の設置環境の特徴を事前に把握しておく。そして、実際のユーザの位置検出時に得た反射波の検出結果より、事前に把握した設置環境に起因する反射波を除外する等の演算を行うことで、ユーザの位置検出精度を向上できる。
1,51 複合機
3,53 超音波送受信装置
5,35 制御部
7,37演算部
8,48,49 超音波受信部(マイク)
10 ユーザ
11,12,47 超音波送信部(スピーカ)
13,14,43 信号増幅部
15,55 超音波信号生成部
17,57 音声信号生成部
18,19,50 回転駆動部
E1,E2 仮想軌跡

Claims (17)

  1. 複数の装置機能を有する電子機器であって、
    超音波を使用して前記電子機器の周辺におけるユーザの存在および位置を特定する特定手段と、
    前記特定された位置のユーザのみに対して所定の音声情報を送信する送信手段と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
  2. 前記特定手段は、
    所定方向へ第1の超音波を放射する第1の放射手段と、
    所定方向へ第2の超音波を放射する第2の放射手段と、
    前記第1の超音波のユーザからの第1の反射波と、前記第2の超音波のユーザからの第2の反射波とを受信する第1の受信手段と、
    前記第1の超音波の放射開始から前記第1の反射波が前記第1の受信手段で受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第1の放射手段から前記ユーザを介して前記第1の受信手段に至るまでの第1の距離を測定する手段と、
    前記第2の超音波の放射開始から前記第2の反射波が前記第1の受信手段で受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第2の放射手段から前記ユーザを介して前記第1の受信手段に至るまでの第2の距離を測定する手段と、
    前記第1の距離と前記第2の距離とに基づいて、前記2次元平面上における当該電子機器と前記ユーザ間の距離および該ユーザの位置を特定する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 2次元平面上における前記第1の放射手段および前記第1の受信手段の位置と前記第1の距離とで表わされる前記ユーザの第1の仮想的な軌跡は、前記第1の放射手段と前記第1の受信手段の位置を焦点とする第1の楕円軌跡であり、2次元平面上における前記第2の放射手段および前記第1の受信手段の位置と前記第2の距離とで表わされる前記ユーザの第2の仮想的な軌跡は、前記第2の放射手段と前記第1の受信手段の位置を焦点とする第2の楕円軌跡であり、前記第1の楕円軌跡と前記第2の楕円軌跡との交点を前記ユーザの位置と特定することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記送信手段は、
    前記特定されたユーザに向けて、前記第1の放射手段より超音波を放射するとともに、前記第2の超音波に可聴信号を重畳した重畳波を前記第2の放射手段より放射することを特徴とする請求項2または3に記載の電子機器。
  5. 前記第1の距離の測定と、前記第2の距離の測定を時分割で行うことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
  6. 前記第1の反射波と前記第2の反射波が受信されない場合、前記送信手段を作動させないことを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  7. 当該電子機器から前記ユーザまでの距離に応じて前記第1の放射手段と前記第2の放射手段間の距離を変える変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  8. 前記変更手段は、当該電子機器から前記ユーザまでの距離が所定値よりも小さい場合、前記第1の放射手段と前記第2の放射手段間の距離を小さくすることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
  9. 前記変更手段は、当該電子機器から前記ユーザまでの距離が所定値よりも大きい場合、前記第1の放射手段と前記第2の放射手段間の距離を大きくすることを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
  10. 前記特定手段は、
    所定方向へ超音波を放射する第3の放射手段と、
    前記超音波のユーザからの第3の反射波を受信する第2の受信手段と、
    前記超音波のユーザからの第4の反射波を受信する第3の受信手段と、
    前記超音波の放射開始から前記第3の反射波が前記第2の受信手段で受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第3の放射手段から前記ユーザを介して前記第2の受信手段に至るまでの第3の距離を測定する手段と、
    前記超音波の放射開始から前記第4の反射波が前記第3の受信手段で受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第3の放射手段から前記ユーザを介して前記第3の受信手段に至るまでの第4の距離を測定する手段と、
    前記第3の距離と前記第4の距離とに基づいて、前記2次元平面上における当該電子機器と前記ユーザ間の距離および該ユーザの位置を特定する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  11. 2次元平面上における前記第3の放射手段および前記第2の受信手段の位置と前記第3の距離とで表わされる前記ユーザの第3の仮想的な軌跡は、前記第3の放射手段と前記第2の受信手段の位置を焦点とする第3の楕円軌跡であり、2次元平面上における前記第3の放射手段および前記第3の受信手段の位置と前記第4の距離とで表わされる前記ユーザの第4の仮想的な軌跡は、前記第3の放射手段と前記第3の受信手段の位置を焦点とする第4の楕円軌跡であり、前記第3の楕円軌跡と前記第4の楕円軌跡との交点を前記ユーザの位置と特定することを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
  12. 前記超音波を搬送波として可聴音声信号で変調する手段をさらに備え、
    前記送信手段は、前記特定されたユーザに向けて、前記変調された信号波を前記第3の放射手段より放射することを特徴とする請求項10または11に記載の電子機器。
  13. 前記第3の距離の測定と、前記第4の距離の測定を同時に行うことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
  14. 前記第3の反射波と前記第4の反射波が受信されない場合、前記送信手段を作動させないことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
  15. 前記超音波の放射手段は、複数の超音波発音素子からなるパラメトリックスピーカであることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の電子機器。
  16. 電子機器における超音波の送受信方法であって、
    異なる2方向から第1の超音波と第2の超音波を放射する第1の放射工程と、
    前記第1の超音波のユーザからの第1の反射波と、前記第2の超音波のユーザからの第2の反射波とを受信する受信工程と、
    前記第1の超音波の放射開始から前記第1の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第1の超音波の送信点から前記ユーザを介して受信点に至るまでの第1の距離を測定する工程と、
    前記第2の超音波の放射開始から前記第2の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記第2の超音波の送信点から前記ユーザを介して受信点に至るまでの第2の距離を測定する工程と、
    2次元平面上における前記第1の超音波の送信点および受信点の位置と前記第1の距離とで表わされる前記ユーザの第1の仮想軌跡と、2次元平面上における前記第2の超音波の送信点および受信点の位置と前記第2の距離とで表わされる前記ユーザの第2の仮想軌跡とに基づいて、前記2次元平面上における前記電子機器と前記ユーザ間の距離および該ユーザの位置を特定する工程と、
    前記第2の超音波に可聴信号を重畳した重畳波を生成する工程と、
    前記特定されたユーザに向けて前記第1の超音波と前記重畳波を放射する工程と、
    を備え、
    前記特定された位置のユーザのみに対して前記重畳波に重畳された前記可聴信号を聴取可能にすることを特徴とする電子機器における超音波送受信方法。
  17. 電子機器における超音波の送受信方法であって、
    所定方向へ超音波を放射する放射工程と、
    前記超音波のユーザからの第1の反射波を受信する工程と、
    前記超音波のユーザからの第2の反射波を受信する工程と、
    前記超音波の放射開始から前記第1の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記超音波の送信点から前記ユーザを介して受信点に至るまでの第1の距離を測定する工程と、
    前記超音波の放射開始から前記第2の反射波が受信されるまでの時間と前記超音波の伝搬速度より、前記超音波の送信点から前記ユーザを介して受信されるまでの第2の距離を測定する工程と、
    2次元平面上における前記超音波の送信点および前記第1の反射波の受信点の位置と前記第1の距離とで表わされる前記ユーザの第1の仮想軌跡と、2次元平面上における前記超音波の送信点および前記第2の反射波の受信点の位置と前記第2の距離とで表わされる前記ユーザの第2の仮想軌跡とに基づいて、前記2次元平面上における前記電子機器と前記ユーザ間の距離および該ユーザの位置を特定する工程と、
    前記超音波を搬送波として可聴音声信号で変調する工程と、
    前記特定されたユーザに向けて、前記変調された信号波を放射する工程と、
    を備え、
    前記特定された位置のユーザのみに対して前記可聴音声信号を聴取可能にすることを特徴とする電子機器における超音波送受信方法。

JP2019193579A 2019-10-24 2019-10-24 電子機器および電子機器における超音波送受信方法 Active JP7344085B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019193579A JP7344085B2 (ja) 2019-10-24 2019-10-24 電子機器および電子機器における超音波送受信方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019193579A JP7344085B2 (ja) 2019-10-24 2019-10-24 電子機器および電子機器における超音波送受信方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021069029A true JP2021069029A (ja) 2021-04-30
JP7344085B2 JP7344085B2 (ja) 2023-09-13

Family

ID=75637711

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019193579A Active JP7344085B2 (ja) 2019-10-24 2019-10-24 電子機器および電子機器における超音波送受信方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7344085B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6142485U (ja) * 1984-08-24 1986-03-19 日立建機株式会社 建設機械の障害物検知装置
JPH0348866A (ja) * 1989-07-18 1991-03-01 Ricoh Co Ltd 複写機のガイダンス制御装置
JP2005080227A (ja) * 2003-09-03 2005-03-24 Seiko Epson Corp 音声情報提供方法及び指向型音声情報提供装置
US20190297416A1 (en) * 2016-06-03 2019-09-26 Huawei Technologies Co., Ltd. Ultrasonic Wave-Based Voice Signal Transmission System and Method

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6142485U (ja) * 1984-08-24 1986-03-19 日立建機株式会社 建設機械の障害物検知装置
JPH0348866A (ja) * 1989-07-18 1991-03-01 Ricoh Co Ltd 複写機のガイダンス制御装置
JP2005080227A (ja) * 2003-09-03 2005-03-24 Seiko Epson Corp 音声情報提供方法及び指向型音声情報提供装置
US20190297416A1 (en) * 2016-06-03 2019-09-26 Huawei Technologies Co., Ltd. Ultrasonic Wave-Based Voice Signal Transmission System and Method

Also Published As

Publication number Publication date
JP7344085B2 (ja) 2023-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110383855B (zh) 音频通信系统和方法
US20190349703A1 (en) An audio communication system and method
US7424118B2 (en) Moving object equipped with ultra-directional speaker
CN111917489B (zh) 音频信号处理方法、装置和电子设备
CN109219964B (zh) 一种基于超声波的语音信号传输系统及方法
JP2006258442A (ja) 位置検出システム、スピーカシステムおよびユーザ端末装置
US20090228236A1 (en) Portable electronic measuring device and method
US20200245090A1 (en) Sound production device, display system, and sound production method
JP2007312367A (ja) 超音波スピーカの出力制御方法及び超音波スピーカシステム
KR20070040785A (ko) 프로젝터 및 프로젝터의 초음파 스피커를 제어하는 방법
JP4035208B2 (ja) パラメトリックスピーカー
US20080212033A1 (en) Project Equipped with Ultrasonic Speaker, and Method for Displaying Sound Reproduction Range in Projector
KR100987514B1 (ko) 대 테러 진압 시스템
JP2006081117A (ja) 超指向性スピーカシステム
US20120281858A1 (en) METHOD AND APPARATUS FOR TRANSMISSION OF SOUND WAVES WITH HIGH LOCALIZATION of SOUND PRODUCTION
JP6917107B2 (ja) 移動体およびプログラム
JP7344085B2 (ja) 電子機器および電子機器における超音波送受信方法
JP2005159446A (ja) 指向性音響システム
JP2014175932A (ja) 電子機器
JP6425790B1 (ja) 車載オーディオ装置
KR101450095B1 (ko) 실시간 위치 추적 초음파 장치를 이용한 자동 음량 조절 시스템
JP2005167711A (ja) 音響システム
CN117111075A (zh) 一种障碍物检测方法及系统
JP2003116192A (ja) 超指向性音響装置およびプログラム
JP2012073052A (ja) 障害物検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20210108

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7344085

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150