JP2021068955A - 音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子 - Google Patents

音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子 Download PDF

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Abstract

【課題】 音叉型圧電振動片の振動漏れなどの特性をより確実に低減できる音叉型圧電振動片を提供する。【解決手段】 基部20、上記基部の一端面に並んで形成された一対の振動腕21,22、上記基部の一端面と対向する他端面に形成された接合部24、を備えており、上記接合部は、Y軸方向に突出する基端部241と、上記基端部から+X軸方向に延出して第1金属バンプS1を有する第1延出部242と、上記基端部から−X軸方向に延出して第2金属バンプS2を有する第2延出部243と、を備えた平面視T字状に形成されており、上記第1延出部の平面視面積を上記第2延出部の平面視面積より大きく形成するとともに、上記第1金属バンプの平面視面積を上記第2金属バンプの平面視面積より小さく形成している。【選択図】 図2

Description

本発明は、一対の振動腕が屈曲振動モードで振動する音叉型圧電振動片、及びパッケージ内で支持された音叉型圧電振動子に関する。
この音叉型圧電振動片は、時計等の基準信号の周波数発生源として従来から広く使用されている。
音叉型圧電振動片は、基部の一端側に平行に並設された一対の振動腕が屈曲振動するものであり、前記一対の振動腕の機械的な振動エネルギーの伝播漏れ、いわゆる振動漏れは、振動効率の低下や、等価直列抵抗の悪化、振動周波数のずれなど、その振動特性の低下の要因となる。
そのため、従来から、振動漏れを低減する技術は、多数、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
WO2010−035714号
上述した音叉型圧電振動片の振動漏れなどについては、音叉型圧電振動片の小型化とともにその影響力も大きくなり、かつ音叉型圧電振動片とパッケージ体とを接合する接合材の影響も考慮する必要性が高まっている。
特に、小型化された音叉圧電振動片の接合材としては、近年、金バンプなどの金属バンプを用いた保持構成のものがあるが、樹脂製接着剤に比べて拘束力?(一ヶ所にとどめる力)が強くなるため、特性に悪影響を与えにくい音叉型圧電振動片の形状やその接合構成について、ますます考慮する必要性が高まっている。
本発明は、上記に鑑みて為されたものであり、音叉型圧電振動片の振動漏れなどの特性をより確実に低減できる音叉型圧電振動片を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、基部、上記基部の一端面に並んで形成された一対の振動腕、
上記基部の一端面と対向する他端面に形成された接合部、を備えており、上記振動腕の並設する方向を第1方向とし、この第1方向と直交する方向を第2方向とした場合に、上記接合部は、上記基部の他端面に対して上記一対の振動腕の並設間中央線を含む領域から上記第2方向に突出する基端部と、上記基端部から上記第1方向に延出して第1金属バンプを有する第1延出部と、上記基端部から上記第1延出部と背向する方向に延出して第2金属バンプを有する第2延出部と、を備えた平面視T字状に形成されており、上記第1延出部の平面視面積を上記第2延出部の平面視面積より大きく形成するとともに、上記第1金属バンプの平面視面積を上記第2金属バンプの平面視面積より小さく形成したことを特徴とする。
本発明によれば、接合部は、上記基部の他端面に対して上記一対の振動腕の並設間中央線を含む領域から上記第2方向に突出する基端部と、上記基端部から上記第1方向に延出して第1金属バンプを有する第1延出部と、上記基端部から上記第1延出部と背向する方向に延出して第2金属バンプを有する第2延出部と、を備えた平面視T字状に形成されているので、上記 基部の一端面側の振動腕の振動に伴い、上記基部の一端面側から上記基部の他端面側に伝播されてくる振動の漏れは、上記接合部の基端部で先ず低減され、次いで、第1延出部、および第2延出部で更に低減されるので、上記基部の他端面側が平坦な音叉型圧電振動片と比較して、振動漏れをより有効に低減できる。また、基部から少なくとも二つの方向に延出し離隔された第1延出部、および第2延出部において金属バンプにより外部と接合する接合領域とされるので、応力や外力に強い構成とすることができる。また、接合部は平面視T字状に形成されるので、基端部から延出部への振動バランスが高まり振動漏れの低減に貢献できるだけでなく、当該音叉型圧電振動片の全長や平面視幅の寸法を小さくして、当該音叉型圧電振動片の容器の小型化に寄与する。
また、上記第1延出部の平面視面積を上記第2延出部の平面視面積より大きく形成しているので、上記基端部で低減された振動の漏れの伝搬は、平面視面積のより小さな第2延出部に比較して、平面視面積のより大きな第1延出部の方へ集中させることができる。この結果、振動漏れが集中しにくい第2延出部に平面視面積のより大きな第2金属バンプを形成することで、音叉型圧電振動片の外部への接合強度を高めながら、振動漏れが集中しやすい第1延出部に平面視面積のより小さな第1金属バンプを形成することで全体として振動漏れ影響を受けにくくできる。
さらに、二つの第1金属バンプと第2金属バンプとの間で生じる急激な温度変化によって生じる接合間応力は、振動椀の先端にかかる力を変化させ、振動椀の実質的な長さを変化させ周波数変動をもたらすことがあった。これに対して、本発明では、基端部に近い上記第2金属バンプの平面視面積を上記第1金属バンプの平面視面積より大きく形成しているので、結合力の強い大きな第2金属バンプでは音叉型圧電振動片の中央よりの位置で接合されているため振動椀の先端への応力が生じにくくでき、結合力の小さい第1金属バンプでは振動椀の先端への応力影響が少なくできる。また、第1金属バンプと第2金属バンプとの間で生じる急激な温度変化によって生じる接合間応力の一部を結合力の小さい第1金属バンプの方に応力を逃がすことができる(応力の一部を相殺)。結果として、振動椀の先端にかかる力を抑制し、周波数変動を低減できる構成とできる。
本発明において、好ましい実施態様では、上記第1延出部の平面視形状は、上記第2延出部の平面視形状に比べて、上記第1方向に長く、かつ第2方向に幅広に形成するととともに、上記第2延出部は、上記基部の他端面から第2方向に離隔する位置に形成されている。
この実施態様によれば、上記第1延出部の平面視形状は、第2方向に幅広に形成しているので、応力や外力( 例えば、当該音叉型圧電振動片の落下によって生じる当該音叉型圧電振動片への外力)に対して強化され、第1方向に長く形成しているので、振動の漏れも次第により有効に低減できる構成とすることができる。つまり、上記第1延出部は、音響リークに対する悪影響を低減させるだけでなく、耐衝撃性などの耐久性を向上させることが可能となる。また、平面視面積の小さな第2延出部は、上記基部の他端面から第2方向に離隔することで、振動の漏れの伝搬もより一層抑制された構成とすることができる。
本発明の音叉型圧電振動片を容器の内部に搭載され収容された音叉型圧電振動子に適用することで、上記同様の効果を奏することができる。
以上のように本発明によれば、音叉型圧電振動片の振動漏れなどの特性をより確実に低減できる音叉型圧電振動片を提供することができる。
本発明の実施形態に係る音叉型水晶振動子の模式的な断面図である。 本発明の実施形態に係る音叉型水晶振動片の一主面側の模式的な平面図である。 図2の音叉型水晶振動片の他主面側の平面図である。
以下、本発明の実施形態として、音叉型水晶振動片(音叉型圧電振動片)を用いた音叉型水晶振動子(音叉型圧電振動子)を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。本実施形態における音叉型水晶振動子(以下、水晶振動子と略)は略直方体状のパッケージ構造からなる表面実装型の水晶振動子である。本実施形態ではその平面視の外形寸法は例えば縦1.6mm、横1.0mmとなっている。なお、水晶振動子の平面視の外形寸法は当該寸法に限定されるものではないが、同寸法以下の超小型の水晶振動子に対して好適である。
本発明の実施形態に係る水晶振動子1は、図1に示すように凹部5を有する絶縁材料からなる容器3と、音叉型水晶振動片2(以下、水晶振動片2と略)と、凹部5を封止する平板状の蓋4が主な構成部材となっている。なお、図1では水晶振動片に形成される各種電極の記載は省略している。水晶振動片2は、容器3の凹部5の内部に収容された後、蓋4が凹部5を覆うように容器3の開口端に接合されることによって気密に封止される。ここで容器3と蓋4とは図示しない封止材を介して接合される。
容器3はアルミナ等のセラミックを主体とした絶縁材料から成る箱状体であり、例えば2枚のセラミックグリーンシートを積層して一体焼成することによって成形されている(図1参照)。容器3は枠状の堤部30の内側に平面視矩形状の凹部5を有している。堤部30の上面には図示しない封止材が平面視で枠状に形成されており、前記接合材は蓋4の外周部分と対応している。
凹部5の内底面301の一短辺側には、水晶振動片2と導電接合される2つの電極パッド6,7(図1では一方のみ図示)が、互いに隙間を空けた状態で並列して形成されている。2つの電極パッド6,7は、図示しない内部配線およびビアを介して容器3の外底面302の4隅に設けられた4つの外部接続端子8(図1では2つのみ図示)のうちの2つの端子と電気的に接続されている。これら2つの電極パッド6,7は互いに異極となっている。
本実施形態では2つの電極パッド6,7は、タングステンメタライズ層の上面に金をメッキ等の手法を用いて積層することによって形成されている。なお前記メタライズ層として、タングステンの代わりにモリブデンを用いてもよい。
電極パッド6,7のタングステン部分はメタライズの最小単位厚みの点から2段に重ね塗りされている。これは、本実施形態では水晶振動子の薄型化を図るために容器3を2層構成としたことによって凹部5の内底面301に段部を形成することができないため、水晶振動片2の搭載後の状態で、水晶振動片の下面(内底面301に対向する面)と前記内底面301との間に或る程度の隙間を確保するためである。
蓋4はコバールを基体とする平面視矩形状の金属性の蓋体であり、当該蓋の表裏面にはニッケルメッキ層が形成されている。また蓋4の容器との接合面側には、前記ニッケルメッキ層の上に金属からなるロウ材が全面に亘って形成されている。本実施形態では前記ロウ材として銀ロウが使用されている。
次に本実施形態における水晶振動片について図2、図3を参照しながら説明する。なお説明の便宜上、水晶振動片2の対向する2つの主面(2a,2b)のうち、容器に搭載される際に電極パッド6,7に対面する側の主面を裏面2bとし、当該裏面に対向する反対側の主面を表面2aとして説明する。図2は水晶振動片の表面側(2a)から見た平面図を、図3は水晶振動片の裏面側(2b)から見た平面図をそれぞれ表している。
図2、図3に示すように、水晶振動片2は音叉形状であり、基部20と、基部20の一端面201に並んで同一方向に突出する一対の振動腕21,22と、基部の一端面と対向する他端面202に形成された接合部24から成っている。また、振動椀21と振動椀22とが並設する第1方向は、水晶結晶軸のX軸方向と同一方向としており、振動椀21と振動椀22とが延出する方向で、第1方向と直交する第2方向は、水晶結晶軸のY軸方向(あるいはY軸から数度傾斜したY´方向でもよい)と同一方向としている。
一対の振動腕21,22の各々の先端側には、振動腕21,22の腕幅(第1方向における腕の寸法)よりも幅広となる幅広部23,23(錘部)が形成されている。幅広部23,23は、振動腕の突出方向(第2方向)に向かって漸次拡幅する拡幅部(符号省略)を介して、振動腕21,22の先端部分と一体で成形されている。前記拡幅部と前記幅広部とは、振動腕と一体で成形されている。なお幅広部23,23の各々の先端側の各隅部は面取り状(C面状)に加工されている。振動腕21,22と拡幅部と幅広部23,23は、対向する一対の主面2a,2bと対向する一対の側面(符号省略)を有している。
一対の振動腕21,22の各々の表裏主面には、等価直列抵抗値(Crystal Impedance。以下、CI値と略)をより低下させる目的で、長溝が形成されている。より詳しくは、振動椀21の表裏主面には、長溝G1と長溝G3とが互いに対向するように形成され、振動椀22の表裏主面には、長溝G2と長溝G4とが互いに対向するように形成されている。長溝G1〜G4は、一対の振動腕21,22の各々の表裏主面に所定の深さで形成されており、その一端側が基部20の一端側201の領域まで延長され、その他端側が振動腕と拡幅部との境界に対して振動腕の付け根側に位置して形成されている。長溝G1〜G4は、振動腕21,22の突出する方向(第2方向)に沿った長手方向と、振動腕21,22が並設する第1方向に沿った幅方向とを有している。なお、長溝G1〜G4が存在する振動椀の領域が振動部を構成している。
接合部24は、基部の他端面202に対して振動椀21と振動椀22とが並設する中央線CLを含む領域から第2方向で振動椀が延出する方向(図2,3では+Y軸方向)と反対側の方向(図2,3では−Y軸方向)に突出する基端部241と、基端部241から第1方向(図2,3では+X軸方向)に延出する矩形状の第1延出部242と、基端部241から第1延出部242と背向する方向(図2,3では−X軸方向)に延出する矩形状の第2延出部243とを備えた平面視でアルファベットの「T」字状の部位が形成されている。
また、第1延出部242の平面視面積を第2延出部243の平面視面積より大きく形成しており、第1延出部242は第2延出部243に比べて、第1方向に長く、かつ第2方向に幅広に形成している。また、第2延出部243は、基部の他端面202から第2方向(図2,3では−Y軸方向)に離隔する位置に形成しており、−Y軸方向の端面位置が第1延出部242と第2延出部243とでほぼ同一端面位置に形成している。
なお、第1延出部242と第2延出部243の平面視形状は、本形態に示すような矩形状に限られるものではないが、矩形状とすることで不要に平面積を拡大させることなく、かつ強度も低下させることもない望ましい形態とできる。
前述した水晶振動片の外形は、1枚の水晶ウエハからフォトリソグラフィ技術とウェットエッチングを用いて一括同時に多数個が成形される。
水晶振動片2には、異電位で構成された第1の励振電極25および第2の励振電極26と、第1の励振電極25と第2の励振電極26の各々から引回し電極(後述)を経由して引き出された引出電極27,28とが形成されている。
また、一対の振動腕21,22の表裏主面に形成される第1および第2の励振電極25,26の一部は、一対の振動腕21,22の長溝G1〜G4の内部の全体に及んで形成されている。前記長溝を形成することにより、水晶振動片を小型化しても一対の振動腕21,22の電界効率が高まり、良好なCI値を得ることができる。なお、一対の振動腕の長溝G1〜G4の内部の一部の領域だけに、第1および第2の励振電極だけが形成されていてもよい。
第1の励振電極25は、一方の振動腕21の表裏主面と、引回し電極(符号省略)を介して他方の振動腕22の外側面と内側面とに形成されている。同様に第2の励振電極26は、他方の振動腕22の表裏主面と、引回し電極(符号省略)を介して一方の振動腕21の外側面と内側面とに形成されている。
引出電極27,28は基部20および接合部24(裏面2bのみ)に形成されている。基部20に形成された引出電極27により、他方の振動腕22の外側面と内側面の各々に形成された第1の励振電極25と,引回し電極(符号省略)を経由して、一方の振動腕21の表裏主面に形成された第1の励振電極25と接続されている。同様に、基部20に形成された引出電極28により、一方の振動腕21の外側面と内側面の各々に形成された第2の励振電極26と,引回し電極(符号省略)を経由して、他方の振動腕22の表裏主面に形成された第2の励振電極26と接続されている。
引出電極27,28は、水晶振動片の表面2aにおいては基部20の一端側201から縮幅部まで引き出されている。一方、水晶振動片の裏面2bにおいては他端側202および接合部24の先端側まで引き出されている。そして図3に示すように、水晶振動片の裏面2bにおける接合部24の基端部241と第2延出部243の領域、および接合部24の第1延出部242の各領域とは、容器3の電極パッド6,7と各々電気機械的に接続される接続電極271,281となっている。
図3に示すように、第1延出部のある接続電極271の上面には長円状の第1金属バンプS1が形成され、第2延出部のある接続電極281の上面には長円状の第2金属バンプS2が形成されている。また、第1金属バンプS1の平面視面積を第2金属バンプS2の平面視面積より小さく形成している。具体的には、第1金属バンプS1の平面視面積を第2金属バンプS2の平面視面積の1/3から1/2程度に形成している。本実施形態では接合材S1,S2は、電解めっき法によって形成されためっきバンプとなっている。そして水晶振動片2と電極パッド6,7との導電接合は、FCB法(Flip Chip Bonding)によって行われている。
幅広部23,23を構成する一対の主面と一対の側面の全ての面には、前述した引回し電極が各々形成されている。本実施形態において引回し電極は、幅広部23の全周と、振動腕21,22の拡幅部寄りの部位の全周(一対の主面と一対の側面)とに形成されている。
前述した第1および第2の励振電極25,26や引出電極27,28、引回し電極(符号省略)は、水晶基材上にクロム(Cr)層が形成され、このクロム層の上に金(Au)層が積層された層構成となっている。なお前記各種電極の層構成は、クロム層の上に金層が形成された層構成に限らず、他の層構成であってもよい。
第1および第2の励振電極と引出電極や引回し電極は、真空蒸着法やスパッタリング等によって水晶ウエハの主面全体に成膜された後、フォトリソグラフィ技術とメタルエッチングによって所望のパターンに一括同時に成形されている。
図2に示すように本発明の実施形態では、幅広部23を構成する面のうち一主面のみ(表面2a)に周波数調整用金属膜W(周波数調整用錘)が形成されている。この周波数調整用金属膜Wの質量を、レーザービームやイオンビーム等のビーム照射によって削減することによって水晶振動片2の周波数が微調整される。なお周波数調整用金属膜Wは幅広部23,23の主面における引回し電極よりも、平面視における面積が一回り小さく形成されている。
本発明の実施形態によれば、水晶振動片2の振動腕の振動に伴い、基部20の一端面201側から基部20の他端面202側に伝播されてくる振動の漏れは、接合部24の基端部241で先ず低減され、次いで、第1延出部242、および第2延出部243で更に低減されるので、基部の他端面側が平坦な音叉型圧電振動片と比較して、振動漏れをより有効に低減できる。また、基部20から少なくとも二つの方向に延出し離隔された第1延出部242、および第2延出部243において金属バンプS1,S2により外部と接合する接合領域とされるので、応力や外力に強い構成とすることができる。また、接合部24は平面視T字状に形成されるので、基端部241から延出部への振動バランスが高まり振動漏れの低減に貢献できるだけでなく、当該音叉型圧電振動片の全長や平面視幅の寸法を小さくして、当該音叉型圧電振動片の容器の小型化に寄与する。
また、第1延出部242の平面視面積を第2延出部243の平面視面積より大きく形成しているので、基端部241で低減された振動の漏れの伝搬は、平面視面積のより小さな第2延出部243に比較して、平面視面積のより大きな第1延出部242の方へ集中させることができる。この結果、振動漏れが集中しにくい第2延出部243に平面視面積のより大きな第2金属バンプS2を形成することで、音叉型圧電振動片の外部への接合強度を高めながら、振動漏れが集中しやすい第1延出部242に平面視面積のより小さな第1金属バンプS1を形成することで全体として振動漏れ影響を受けにくくできる。
加えて、第1延出部242と第2延出部243の形状を矩形状とし、平面視面積の大きな第1延出部242の平面視形状は、第2方向(Y軸方向)に幅広に形成しているので、応力や外力( 例えば、当該音叉型圧電振動片の落下によって生じる当該音叉型水晶振動片2への外力)に対して強化され、第1方向(X軸方向)に長く形成しているので、振動の漏れも次第により有効に低減できる構成とすることができる。つまり、上記第1延出部は、音響リークに対する悪影響を低減させるだけでなく、耐衝撃性などの耐久性を向上させることが可能となる。また、平面視面積の小さな第2延出部243は、基部20の他端面202から第2方向(−Y軸方向)に離隔することで、振動の漏れの伝搬もより一層抑制された構成とすることができる。
さらに、第1金属バンプS1と第2金属バンプS2との間で生じる急激な温度変化によって生じる接合間応力は、振動椀21と振動椀22の先端にかかる力を変化させ、振動椀の実質的な長さを変化させ周波数変動をもたらすことがあった。これに対して、本発明では、基端部241に近い第2金属バンプS2の平面視面積を第1金属バンプS1の平面視面積より大きく形成しているので、結合力の強い大きな第2金属バンプS2では音叉型圧電振動片の中央よりの位置で接合されているため振動椀の先端への応力が生じにくくでき、結合力の小さい第1金属バンプS1では振動椀の先端への応力影響が少なくできる。また、第1金属バンプS1と第2金属バンプS2との間で生じる急激な温度変化によって生じる接合間応力の一部を結合力の小さい第1金属バンプS1の方に応力を逃がすことができる(応力の一部を相殺)。結果として、振動椀21と振動椀22の先端にかかる力を抑制し、周波数変動を低減できる構成とできる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
音叉型圧電振動片および音叉型圧電振動子の量産に適用できる。
1 音叉型水晶振動子
2 音叉型水晶振動片
20 基部
21,22 振動腕
23 幅広部
24 接合部
241 基端部
242 第1延出部
243 第2延出部
25,26 励振電極
27,28 引出電極
3 容器
G1,G2,G3,G4 長溝

Claims (3)

  1. 基部、
    上記基部の一端面に並んで形成された一対の振動腕、
    上記基部の一端面と対向する他端面に形成された接合部、
    を備えており、
    上記振動腕の並設する方向を第1方向とし、この第1方向と直交する方向を第2方向とした場合に、
    上記接合部は、上記基部の他端面に対して上記一対の振動腕の並設間中央線を含む領域から上記第2方向に突出する基端部と、上記基端部から上記第1方向に延出して第1金属バンプを有する第1延出部と、上記基端部から上記第1延出部と背向する方向に延出して第2金属バンプを有する第2延出部と、を備えた平面視T字状に形成されており、
    上記第1延出部の平面視面積を上記第2延出部の平面視面積より大きく形成するとともに、上記第1金属バンプの平面視面積を上記第2金属バンプの平面視面積より小さく形成した
    ことを特徴とする音叉型圧電振動片。
  2. 上記第1延出部の平面視形状は、上記第2延出部の平面視形状に比べて、上記第1方向に長く、かつ第2方向に幅広に形成するととともに、
    上記第2延出部は、上記基部の他端面から第2方向に離隔する位置に形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動片。
  3. 請求項1、または請求項2に記載の音叉型圧電振動片が、容器の内部に搭載され収容されるとともに気密封止された音叉型圧電振動子。
JP2019191459A 2019-10-18 2019-10-18 音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子 Active JP7380067B2 (ja)

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