JP2021068916A - 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム - Google Patents

半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】基板上に形成されるバリア膜の特性を向上させる半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラムを提供する。【解決手段】方法は、基板200に対して、金属元素を含む第1原料ガスと、前記金属元素とは異なる他の元素を含む第2原料ガスと、をそれぞれの供給期間の少なくとも一部が重なるように供給する第1工程と、基板に対して、窒素及び炭素のうち少なくとも一方を含む反応ガスを供給する第2工程と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、基板上に、金属元素および他の元素を含み、窒素および炭素のうち少なくとも一方をさらに含む膜を形成する工程を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラムに関する。
半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に、導電性の金属膜として例えばタングステン(W)を含む膜(W膜)を形成する成膜処理が行われる場合がある。W膜は、例えば、基板に対する六フッ化タングステン(WF)ガスの供給と、基板に対するジシラン(Si)ガスの供給と、を交互に所定回数行うことにより形成することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−62502号公報
WFガスのようなフッ素(F)を含むガスを用いて金属膜を形成する場合、形成された金属膜中にFが残留する可能性がある。金属膜中に残留したFは、その後に熱拡散工程等を行った際に、基板上に予め形成された下地としてのシリコン酸化膜(SiO膜)等に向かって拡散し、半導体装置の性能を劣化させる場合がある。このため、金属膜を形成する前に、Fの拡散を抑制する拡散抑制膜(バリア膜)として、チタン窒化膜(TiN膜)等を下地の上に形成する処理が行われる場合がある。
本発明の目的は、基板上に形成されるバリア膜の特性を向上させる技術を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
基板に対して、金属元素を含む第1原料ガスと、前記金属元素とは異なる他の元素を含む第2原料ガスと、をそれぞれの供給期間の少なくとも一部が重なるように供給する第1工程と、
前記基板に対して、窒素および炭素のうち少なくとも一方を含む反応ガスを供給する第2工程と、
を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記金属元素および前記他の元素を含み、窒素および炭素のうち少なくとも一方をさらに含む膜を形成する工程を有する技術が提供される。
本発明によれば、基板上に形成されるバリア膜の特性を向上させることが可能となる。
本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置の縦型処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を図1のA−A線断面図で示す図である。 本発明の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置のコントローラの概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。 本発明の一実施形態におけるガス供給のタイミングを示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、本発明の一実施形態のガス供給のタイミングの変形例を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、本発明の一実施形態のガス供給のタイミングの変形例を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ、本発明の一実施形態のガス供給のタイミングの変形例を示す図である。 (a)および(b)は、それぞれ、本発明の一実施形態におけるガス供給のタイミングの変形例を示す図である。 本発明の他の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 本発明の他の実施形態で好適に用いられる基板処理装置の処理炉の概略構成図であり、処理炉部分を縦断面図で示す図である。 (a)および(b)は、それぞれ、比較例のガス供給のタイミングを示す図である。 (a)および(b)は、実施例で形成した膜の組成等を比較例とともに示す図である。 実施例で形成した膜の抵抗率を比較例とともに示す図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。
(1)基板処理装置の構成
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料からなり、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の下方には、反応管203と同心円状に、マニホールド209が配設されている。マニホールド209は、例えばステンレス(SUS)等の金属からなり、上端および下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド209の上端部は、反応管203の下端部に係合しており、反応管203を支持するように構成されている。マニホールド209と反応管203との間には、シール部材としてのOリング220aが設けられている。反応管203はヒータ207と同様に垂直に据え付けられている。主に、反応管203とマニホールド209とにより処理容器(反応容器)が構成される。処理容器の筒中空部には処理室201が形成されている。処理室201は、複数枚の基板としてのウエハ200を収容可能に構成されている。
処理室201内には、ノズル249a〜249cが、マニホールド209の側壁を貫通するように設けられている。ノズル249a〜249cには、ガス供給管232a〜232cが、それぞれ接続されている。
ガス供給管232a〜232cには、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241a〜241cおよび開閉弁であるバルブ243a〜243cがそれぞれ設けられている。ガス供給管232a〜232cのバルブ243a〜243cよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管232d〜232fがそれぞれ接続されている。ガス供給管232d〜232fには、上流側から順に、MFC241d〜241fおよびバルブ243d〜243fがそれぞれ設けられている。
ノズル249a〜249cは、図2に示すように、反応管203の内壁とウエハ200との間における平面視において円環状の空間に、反応管203の内壁の下部より上部に沿って、ウエハ200の積載方向上方に向かって立ち上がるようにそれぞれ設けられている。すなわち、ノズル249a〜249cは、ウエハ200が配列されるウエハ配列領域の側方の、ウエハ配列領域を水平に取り囲む領域に、ウエハ配列領域に沿うようにそれぞれ設けられている。ノズル249a〜249cの側面には、ガスを供給するガス供給孔250a〜250cがそれぞれ設けられている。ガス供給孔250a〜250cは、反応管203の中心を向くようにそれぞれ開口しており、ウエハ200に向けてガスを供給することが可能となっている。ガス供給孔250a〜250cは、反応管203の下部から上部にわたって複数設けられている。
このように、本実施形態では、反応管203の側壁の内壁と、反応管203内に配列された複数枚のウエハ200の端部(周縁部)と、で定義される平面視において円環状の縦長の空間内、すなわち、円筒状の空間内に配置したノズル249a〜249cを経由してガスを搬送している。そして、ノズル249a〜249cにそれぞれ開口されたガス供給孔250a〜250cから、ウエハ200の近傍で初めて反応管203内にガスを噴出させている。そして、反応管203内におけるガスの主たる流れを、ウエハ200の表面と平行な方向、すなわち、水平方向としている。このような構成とすることで、各ウエハ200に均一にガスを供給する。ウエハ200の表面上を流れたガスは、排気口、すなわち、後述する排気管231の方向に向かって流れる。但し、このガスの流れの方向は、排気口の位置によって適宜特定され、垂直方向に限ったものではない。
ガス供給管232aからは、第1原料ガスとして、例えば、金属元素としてのチタン(Ti)を含むTi含有ガスが、MFC241a、バルブ243a、ノズル249aを介して処理室201内へ供給される。Ti含有ガスとしては、例えば、塩素(Cl)、F、臭素(Br)、ヨウ素(I)からなる群より選択される少なくとも1つのハロゲン元素をさらに含む物質、すなわち、ハロゲン化物(ハロゲン化チタン)を含むガスを用いることができる。ハロゲン化チタンを含むガスとしては、例えば、TiおよびClを含むテトラクロロチタン(TiCl)ガスを用いることができる。TiClガスは、Tiソースとして作用する。なお、本明細書において「原料」という言葉を用いた場合は、「液体状態である液体原料」を意味する場合、「気体状態である原料ガス」を意味する場合、または、それらの両方を意味する場合がある。
ガス供給管232bからは、上述の金属元素とは異なる他の元素(ドーパント)を含む第2原料ガスとして、例えば、シリコン(Si)を含むSi含有ガスが、MFC241b、バルブ243b、ノズル249bを介して処理室201内へ供給される。Si含有ガスとしては、例えば、水素(H)をさらに含む物質、すなわち、水素化ケイ素を含むガスを用いることができる。水素化ケイ素を含むガスとしては、例えば、モノシラン(SiH)ガスを用いることができる。SiHガスは、Siソースとして作用する。
ガス供給管232cからは、窒素(N)および炭素(C)のうち少なくとも一方を含む反応ガスとして、例えば、N含有ガスであるアンモニア(NH)ガスが、MFC241c、バルブ243c、ノズル249cを介して処理室201内へ供給される。NHガスは、窒化剤、すなわち、Nソースとして作用する。
ガス供給管232d〜232fからは、不活性ガスとして、例えば、窒素(N)ガスが、それぞれMFC241d〜241f、バルブ243d〜243f、ガス供給管232a〜232c、ノズル249a〜249cを介して処理室201内へ供給される。
主に、ガス供給管232a、MFC241a、バルブ243aにより、第1原料ガス供給系が構成される。主に、ガス供給管232b、MFC241b、バルブ243bにより、第2原料ガス供給系が構成される。主に、ガス供給管232c、MFC241c、バルブ243cにより、反応ガス供給系が構成される。また、主に、ガス供給管232d〜232f、MFC241d〜241f、バルブ243d〜243fにより、不活性ガス供給系が構成される。
上述の各種供給系のうち、いずれか、或いは、全ての供給系は、バルブ243a〜243fやMFC241a〜241f等が集積されてなる集積型供給システム248として構成されていてもよい。集積型供給システム248は、ガス供給管232a〜232fのそれぞれに対して接続され、ガス供給管232a〜232f内への各種ガスの供給動作、すなわち、バルブ243a〜243fの開閉動作やMFC241a〜241fによる流量調整動作等が、後述するコントローラ121によって制御されるように構成されている。集積型供給システム248は、一体型、或いは、分割型の集積ユニットとして構成されており、ガス供給管232a〜232f等に対して集積ユニット単位で着脱を行うことができ、集積型供給システム248のメンテナンス、交換、増設等を、集積ユニット単位で行うことが可能なように構成されている。
反応管203には、処理室201内の雰囲気を排気する排気管231が設けられている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。APCバルブ244は、真空ポンプ246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、更に、真空ポンプ246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201内の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、APCバルブ244、圧力センサ245により、排気系が構成される。真空ポンプ246を排気系に含めて考えてもよい。
マニホールド209の下方には、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220bが設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ボート217を処理室201内外に搬入および搬出することが可能なように構成されている。ボートエレベータ115は、ボート217すなわちウエハ200を、処理室201内外に搬送する搬送装置(搬送機構)として構成されている。また、マニホールド209の下方には、ボートエレベータ115によりシールキャップ219を降下させている間、マニホールド209の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシャッタ219sが設けられている。シャッタ219sは、例えばSUS等の金属からなり、円盤状に形成されている。シャッタ219sの上面には、マニホールド209の下端と当接するシール部材としてのOリング220cが設けられている。シャッタ219sの開閉動作(昇降動作や回動動作等)は、シャッタ開閉機構115sにより制御される。
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25〜200枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料からなる断熱板218が多段に支持されている。
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263はL字型に構成されており、反応管203の内壁に沿って設けられている。
図3に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する成膜処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する成膜処理における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
I/Oポート121dは、上述のMFC241a〜241f、バルブ243a〜243f、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115、シャッタ開閉機構115s等に接続されている。
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241a〜241fによる各種ガスの流量調整動作、バルブ243a〜243fの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作、シャッタ開閉機構115sによるシャッタ219sの開閉動作等を制御するように構成されている。
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
(2)基板処理工程
上述の基板処理装置を用い、半導体装置の製造工程の一工程として、基板上に膜を形成するシーケンス例について、図4を用いて説明する。以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
図4に示す基本シーケンスでは、
基板としてのウエハ200に対して、TiClガスと、SiHガスと、をそれぞれの供給期間のうち少なくとも一部が重なるように供給するステップ1と、
ウエハ200に対して、NHガスを供給するステップ2と、
を非同時に、すなわち、同期させることなく行うサイクルを所定回数(n回(nは1以上の整数))行うことで、ウエハ200上に、Ti、SiおよびNを含む膜としてチタン窒化膜(TiSiN膜)を形成する。TiSiN膜を、SiがドープされたTiN膜と称することもできる。
本明細書では、上述の成膜シーケンスを、便宜上、以下のように示すこともある。なお、他の実施形態等の説明においても同様の表記を用いる。
(TiCl+SiH→NH)×n ⇒ TiSiN
本明細書において「ウエハ」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのもの」を意味する場合や、「ウエハとその表面に形成された所定の層や膜等との積層体(集合体)」を意味する場合、すなわち、表面に形成された所定の層や膜等を含めてウエハと称する場合がある。また、本明細書において「ウエハの表面」という言葉を用いた場合は、「ウエハそのものの表面(露出面)」を意味する場合や、「ウエハ上に形成された所定の層や膜等の表面、すなわち、積層体としてのウエハの最表面」を意味する場合がある。
従って、本明細書において「ウエハに対して所定のガスを供給する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面に対して所定のガスを直接供給する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等、すなわち、積層体としてのウエハの最表面に対して所定のガスを供給する」ことを意味する場合がある。また、本明細書において「ウエハ上に所定の層(または膜)を形成する」と記載した場合は、「ウエハそのものの表面上に所定の層(または膜)を直接形成する」ことを意味する場合や、「ウエハ上に形成されている層や膜等の上、すなわち、積層体としてのウエハの最表面の上に所定の層(または膜)を形成する」ことを意味する場合がある。
また、本明細書において「基板」という言葉を用いた場合も、「ウエハ」という言葉を用いた場合と同義である。
(ウエハチャージおよびボートロード)
複数枚のウエハ200がボート217に装填(ウエハチャージ)されると、シャッタ開閉機構115sによりシャッタ219sが移動させられて、マニホールド209の下端開口が開放される(シャッタオープン)。その後、図1に示すように、複数枚のウエハ200を支持したボート217は、ボートエレベータ115によって持ち上げられて処理室201内へ搬入(ボートロード)される。この状態で、シールキャップ219は、Oリング220bを介してマニホールド209の下端をシールした状態となる。
(圧力・温度調整ステップ)
処理室201内、すなわち、ウエハ200が存在する空間が所望の圧力(真空度)となるように、真空ポンプ246によって真空排気(減圧排気)される。この際、処理室201内の圧力は圧力センサ245で測定され、この測定された圧力情報に基づきAPCバルブ244がフィードバック制御される。真空ポンプ246は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は常時作動させた状態を維持する。また、処理室201内のウエハ200が所望の成膜温度となるようにヒータ207によって加熱される。この際、処理室201内が所望の温度分布となるように、温度センサ263が検出した温度情報に基づきヒータ207への通電具合がフィードバック制御される。ヒータ207による処理室201内の加熱は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。また、回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転を開始する。回転機構267によるボート217およびウエハ200の回転は、少なくともウエハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
(成膜ステップ)
その後、以下のステップ1,2を順次実行する。
[ステップ1]
このステップでは、処理室201内のウエハ200に対して、TiClガスとSiHガスとを、それぞれの供給期間のうち少なくとも一部が重なるように供給する。図4に示すシーケンスでは、これらのガスの供給を同時に開始し、また、これらのガスの供給を同時に停止する場合を示している。
具体的には、バルブ243a,243bを開き、ガス供給管232a,232b内にTiClガス、SiHガスをそれぞれ流す。TiClガス、SiHガスは、それぞれ、MFC241a,241bにより流量調整され、ノズル249a,249bを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとが同時に供給される。このとき同時にバルブ243d,243eを開き、ガス供給管232d,232e内へNガスをそれぞれ流す。Nガスは、MFC241d,241eにより流量調整され、TiClガス、SiHガスと一緒に処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。また、ノズル249c内へのTiClガスやSiHガスの侵入を防止するため、バルブ243fを開き、ガス供給管232f内へNガスを流す。Nガスは、ガス供給管232c、ノズル249cを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。
このとき、処理室201内の圧力(成膜圧力)は、例えば1〜3000Paの範囲内の所定の圧力とする。ウエハ200の温度(成膜温度)は、例えば300〜600℃、好ましくは320〜550℃、より好ましくは350〜500℃の範囲内の所定の温度とする。
成膜温度が300℃未満となると、処理室201内に供給されたTiClガスやSiHガスの活性化が不充分となり、ウエハ200上への後述する第1層(TiおよびSiを含む層)の形成が困難となる場合がある。成膜温度を300℃以上とすることで、これを解消することが可能となる。成膜温度を320℃以上とすることで、処理室201内に供給されたこれらのガスをさらに活性化させ、ウエハ200上への第1層の形成をより効率的に行うことが可能となる。成膜温度を350℃以上とすることで、これらの効果をより確実に得ることが可能となる。
成膜温度が600℃を超えると、処理室201内に供給されたTiClガスやSiHガスが過剰に分解し、ウエハ200上への第1層の形成が困難となる場合がある。また、これらのガスが気相中で過剰に反応することにより、処理室201内で発生するパーティクルが増加し、成膜処理の品質が低下する場合がある。成膜温度を600℃以下とすることで、ガスの分解を適正に抑制し、ウエハ200上へ第1層を形成することが可能となる。また、処理室201内におけるパーティクルの発生を抑制することが可能となる。成膜温度を550℃以下とすることで、ガスの分解をより適正に抑制し、ウエハ200上へ第1層を、より効率的に形成することが可能となる。また、処理室201内におけるパーティクルの発生を、より確実に抑制することが可能となる。成膜温度を500℃以下とすることで、これらの効果をより確実に得ることが可能となる。
なお、これらの条件は、処理室201内のウエハ200に対して、TiClガスとSiHガスとを、それぞれの供給期間のうち少なくとも一部が重なるように供給した際に、気相中におけるこれらのガスの分解や反応を適正に抑制することが可能な条件であるともいえる。
また、TiClガスの供給流量は、例えば0.01〜2slm、好ましくは0.1〜1.5slm、より好ましくは0.2〜1slmの範囲内の所定の流量とする。SiHガスの供給流量は、例えば0.001〜2slm、好ましくは0.1〜1.5slm、より好ましくは0.1〜1slmの範囲内の所定の流量とする。TiClガスおよびSiHガスの供給が重なっているとき、SiHガスの流量に対するTiClガスの流量の比率(TiCl/SiH流量比)は、例えば0.01〜100、好ましくは0.05〜50、より好ましくは0.1〜10の範囲内の値となるようTiClガスおよびSiHガスの流量を調整する。TiClガスおよびSiHガスの供給時間は、それぞれ、例えば0.1〜20秒の範囲内の所定の時間とする。
TiClガスの供給流量が0.01slm未満となったり、SiHガスの供給流量が2slmを超えたり、TiCl/SiH流量比が0.01未満となったりすると、TiSiN膜の成膜処理を進行させることが困難となる場合がある。また、TiSiN膜中に含まれるTiの量、すなわち、Siの量に対するTiの量の比率(Ti/Si濃度比)が過小となり、この膜が有すべき導電性が不足する場合がある。TiClガスの供給流量を0.01slm以上としたり、SiHガスの供給流量を2slm以下としたり、TiCl/SiH流量比を0.01以上としたりすることで、TiSiN膜の成膜レートを実用的なレベルにまで高めることができ、また、この膜の組成を適正化させ、この膜に充分な導電性を付与することが可能となる。TiClガスの供給流量を0.1slm以上としたり、SiHガスの供給流量を1.5slm以下としたり、TiCl/SiH流量比を0.05以上としたりすることで、TiSiN膜の成膜レートをさらに高めることができ、また、この膜の導電性をさらに向上させることが可能となる。TiClガスの供給流量を0.2slm以上としたり、SiHガスの供給流量を1slm以下としたり、TiCl/SiH流量比を0.1以上としたりすることで、上述の効果がより確実に得られる。
TiClガスの供給流量が2slmを超えたり、SiHガスの供給流量が0.001slm未満となったり、TiCl/SiH流量比が100を超えたりすると、TiSiN膜中に含まれるSiの量、すなわち、Tiの量に対するSiの量の比率(Si/Ti濃度比)が過小となり、この膜が発揮すべきFの拡散抑制効果(以下、Fバリア効果とも称する)が不足する場合がある。TiClガスの供給流量を2slm以下としたり、SiHガスの供給流量を0.001slm以上としたり、TiCl/SiH流量比を100以下としたりすることで、この膜の組成を適正化させ、この膜に充分なFバリア効果を発揮させることが可能となる。TiClガスの供給流量を1.5slm以下としたり、SiHガスの供給流量を0.1slm以上としたり、TiCl/SiH流量比を50以下としたりすることで、この膜の組成をさらに適正化させ、この膜が発揮するFバリア効果をさらに高めることが可能となる。TiClガスの供給流量を1slm以下としたり、TiCl/SiH流量比を10以下としたりすることで、上述の効果がより確実に得られる。
各ガス供給管より供給するNガスの供給流量は、それぞれ例えば0〜10slmの範囲内の所定の流量とする。
上述の条件下で、ウエハ200に対してTiClガスおよびSiHガスを同時に供給することにより、ウエハ200の最表面上に、第1層(初期層)として、TiおよびSiを含む層が形成される。この層は、TiおよびSiを、例えば、Ti−Ti結合、Ti−Si結合、Si−Si結合等の状態で含む層となる。第1層の組成、すなわち、層中に含まれるSiの量に対するTiの量の比率(Ti/Si濃度比)は、例えば、上述のTiCl/SiH流量比を調整することで、広範囲に制御することが可能である。
なお、本実施形態のように、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを同時に供給する場合は、これらのガスを非同時に供給する場合よりも、ウエハ200上に形成される層に含まれるClやH等の不純物量を低減させることが可能となる。というのも、上述の条件下でTiClガスとSiHガスとを同時に供給すると、ウエハ200の表面上において、これらのガスを互いに反応させることができ、これらのガスに含まれるTi−Cl結合やSi−H結合をそれぞれ切断することが可能となる。結果として、これらのガスに含まれるClやHの第1層中への取り込み、すなわち、第1層中への不純物の取り込みを抑制できるようになる。ClやHが取り込まれるとTiSiN膜の抵抗率が高くなってしまう(すなわち導電性が低下してしまう)が、ClやHの第1層への取り込みを抑制することにより、より低抵抗率を有する膜を得ることが可能となる。なお、TiやSiから分離したClやHは、互いに反応することにより、塩酸(HCl)、塩素(Cl)、水素(H)等のガス状の副生成物を構成し、その殆どが第1層中に取り込まれることなくウエハ200の表面から脱離し、処理室201内から排除される。
但し、上述した不純物の脱離効果は、TiCl/SiH流量比によって影響を受けることになる。例えば、TiCl/SiH流量比を1/1とし、これらのガスを100%以上の収率で反応させることができた場合は、TiCl+SiH→Ti+Si+4HClの反応により、理論的には、第1層中に取り込まれるCl等の量(Ti−Cl結合やSi−H結合の量)をゼロとすることが可能となる。また、収率を100%とすることができない場合であっても、TiCl/SiH流量比を小さく設定する(SiHガスの流量比率を増やす)ことにより、第1層中に取り込まれるClの量をゼロとすることが可能となる。しかしながら、SiHガスの流量を増やすことでTiCl/SiH流量比を過度に小さく設定し、TiSiN膜中に含まれるSiの量を過剰に増加させると、TiSiN膜の導電性が低下する場合がある。このような事情から、TiCl/SiH流量比の大きさは一定の制限を受けることになり、結果として、ステップ1で形成される第1層中に、Ti−Cl結合やSi−H結合が微量に取り込まれてしまう場合もある。但し、この場合であっても、後述するステップ2を行うことで、第1層中に取り込まれたこれらの結合を切断し、第1層からCl等を脱離させることが可能となる。
なお、本実施形態のように、処理室201内へTiClガスとSiHガスとを同時に供給することで、副生成物であるHClの処理室201内からの除去効率を高める効果もさらに得られるようになる。これは、これらのガスを同時に供給することにより、すなわち、HClが発生した処理室201内へ、TiClガスだけでなくSiHガスを供給することにより、HCl+SiH→SiCl+Hの反応が生じ、HClが消滅するためである。このように、処理室201内からのHClの除去効率を高めることにより、後述するステップ2において、塩化アンモニウム(NHCl)等のさらなる副生成物の発生を回避することが可能となる。後述するように、NHCl等の副生成物は、ウエハ200上へのTiClガスやSiHガスの吸着を局所的に阻害する立体障害として作用する場合がある。本実施形態のように、処理室201内からのHClの除去効率を高め、NHCl等の副生成物の生成を抑制することにより、ウエハ200面内における第1層の局所的な形成阻害を回避することが可能となる。これにより、ウエハ200上に形成されるTiSiN膜の段差被覆性(カバレッジ特性)や面内膜厚均一性をそれぞれ向上させることが可能となる。
第1層が形成された後、バルブ243a,243bを閉じ、TiClガスおよびSiHガスの供給をそれぞれ停止する。このとき、APCバルブ244は開いたままとして、真空ポンプ246により処理室201内を真空排気し、処理室201内に残留する未反応もしくは第1層形成に寄与した後のTiClガスやSiHガスや副生成物を処理室201内から排除する。このとき、バルブ243d〜243fは開いたままとして、Nガスの処理室201内への供給を維持する。Nガスはパージガスとして作用する。
[ステップ2]
ステップ1が終了した後、処理室201内のウエハ200、すなわち、ウエハ200上に形成された第1層に対して、NHガスを供給する。
具体的には、バルブ243a,243bを閉じた状態でバルブ243cを開き、ガス供給管232c内にNHガスを流す。バルブ243d〜243fの開閉制御は、ステップ1におけるそれらと同様に制御する。NHガスは、MFC241cにより流量調整され、ノズル249cを介して処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。このとき、ウエハ200に対してNHガスが供給される。Nガスは、MFC241fにより流量調整され、NHガスと一緒に処理室201内へ供給され、排気管231から排気される。
このとき、成膜圧力は、例えば1〜3000Paの範囲内の所定の圧力とする。NHガスの供給流量は、例えば0.1〜30slm、好ましくは0.2〜20slm、より好ましくは1〜10slmの範囲内の所定の流量とする。NHガスの供給時間は、例えば0.01〜30秒、好ましくは0.1〜20秒、より好ましくは1〜15秒の範囲内の所定の時間とする。
NHガスの供給流量が0.1slm未満となったり、NHガスの供給時間が0.01秒未満となったりすると、第1層を改質(窒化)させることができず、ウエハ200上にTiSiN膜を形成することが困難となる場合がある。NHガスの供給流量を0.1slm以上としたり、NHガスの供給時間を0.01秒以上としたりすることで、第1層を改質させることができ、ウエハ200上にTiSiN膜を形成することが可能となる。NHガスの供給流量を0.2slm以上としたり、NHガスの供給時間を0.1秒以上としたりすることで、第1層の改質を促進させ、ウエハ200上に形成するTiSiN膜の組成をより適正化させることが可能となる。NHガスの供給流量を1slm以上としたり、NHガスの供給時間を1秒以上としたりすることで、これらの効果がより確実に得られるようになる。
NHガスの供給流量が30slmを超えたり、NHガスの供給時間が30秒を超えたりすると、第1層の改質(窒化)が過剰となり、ウエハ200上に形成されるTiSiN膜の特性が劣化する場合がある。また、第1層の改質が飽和する量を超過するような条件下でNHガスの供給を継続すると、ガスコストの増加や、生産性の低下を招いてしまう場合がある。NHガスの供給流量を30slm以下としたり、NHガスの供給時間を30秒以下としたりすることで、第1層の改質を適正に制限することができ、ウエハ200上に形成するTiSiN膜の特性低下を回避することが可能となる。また、ガスコストの増加や生産性の低下も回避することが可能となる。NHガスの供給流量を20slm以下としたり、NHガスの供給時間を20秒以下としたりすることで、第1層の改質をより適正化させ、ウエハ200上に形成するTiSiN膜の特性を向上させることが可能となる。NHガスの供給流量を10slm以下としたり、NHガスの供給時間を15秒以下としたりすることで、これらの効果がより確実に得られるようになる。
各ガス供給管より供給するNガスの供給流量は、それぞれ例えば0.1〜50slmの範囲内の所定の流量とする。
他の処理条件は、ステップ1における処理条件と同様の条件とする。
上述の条件下でNHガスを処理室201内へ供給することで、ステップ1でウエハ200上に形成された第1層に対して窒化処理が行われる。すなわち、第1層に含まれるTiやSiと、NHガスに含まれるNと、を反応させて結合させることにより、第1層中に、Nを取り込ませることが可能となる。これにより、第1層は、Ti、SiおよびNを含む第2層(TiSiN層)へと変化させられる(改質される)。第1層は、Nを、Ti−N結合、Ti−Si−N結合、Ti−N−Si結合等の状態で含む層となる。
なお、上述したように、ステップ1で形成される第1層中にTi−Cl結合やSi−H結合が取り込まれた場合であっても、本ステップを行うことで、これらの結合を切断することが可能となる。TiやSiから分離したClやHは、互いに反応することでHCl、Cl、H等の副生成物を構成する。本ステップを行うことで生成されたこれらの副生成物は、第2層中に取り込まれることなくウエハ200の表面から脱離し、処理室201内から排気される。これにより、第2層は、第1層よりもCl等の不純物が少ない層、すなわち、不純物濃度の極めて低い良質な層となる。
第1層を第2層へ変化させた後、バルブ243cを閉じ、NHガスの供給を停止する。そして、ステップ1と同様の処理手順により、処理室201内に残留する未反応もしくは上述の反応に寄与した後のNHガスや副生成物を処理室201内から排除する。
[所定回数実施]
上述したステップ1,2を非同時(交互)に行うサイクルを所定回数(n回)行うことにより、ウエハ200上に、所定組成、所定膜厚のTiSiN膜を形成することができる。上述のサイクルは複数回繰り返すのが好ましい。すなわち、上述のサイクルを1回行う際に形成される第2層の厚さを所望の膜厚よりも小さくし、第2層を積層させることで形成されるTiSiN膜の膜厚が所望の膜厚になるまで、上述のサイクルを複数回繰り返すのが好ましい。
なお、上述のサイクルを複数回行う場合、ステップ1,2を実施するたびに副生成物としてHClが生成される。このHClは、ステップ2においてウエハ200に対して供給されたNHガスと反応することで、NHCl等のさらなる副生成物を生成する場合がある。NHClは、上述したように、ウエハ200上へのガスの吸着を局所的に阻害する立体障害として作用する場合がある。例えば、副生成物として生成されたHClと、ステップ2を実施することで第1層の表面に存在することとなったTi−NH(xは1または2の整数)と、が反応した場合、第2層の表面に、Ti−NHCl(yは1〜3の整数)が存在する状態となる。このTi−NHCl、すなわち、第2層の表面に存在する塩化アンモニウムが、次のステップ1において、TiClガスやSiHガスのウエハ200表面への吸着を局所的に阻害する立体障害として作用するのである。但し、この立体障害は、本実施形態のように、処理室201内からのHClの除去効率を向上させることにより、その発生を抑制することが可能となる。すなわち、本実施形態のように、処理室201内へTiClガスとSiHガスとを同時に供給し、処理室201内からのHClの除去効率を向上させることにより、立体障害となり得るNHClの生成を抑制することが可能となる。
以下、参考までに、処理室201内へTiClガスとSiHガスとを同時に供給する際に生じる種々な反応について記載する。以下に示すように、副生成物としてのNHClは、それ自体が、TiClからのTiNの生成や、SiHからのSiの生成、すなわち、窒化反応を進行させる窒化剤としても作用する。すなわち、副生成物としてのNHClは、NHガスによる窒化反応を補助する第2の反応ガスとして捉えることもできる。但し、これらの反応は、処理室201内へTiClガスとSiHガスとを非同時に供給する際には生じにくい。本実施形態では、処理室201内へTiClガスとSiHガスとを同時に供給することから、これらのガスを非同時に供給する場合よりも、窒化処理を効率的に行うことができ、高い生産性を発揮するともいえる。
2NHCl+TiCl ⇒ TiN+8HCl
4NHCl+4SiH ⇒ Si+SiCl+16H
SiH+HCl ⇒ SiCl+4H
4NHCl+3SiCl ⇒ Si+16HCl
(アフターパージ・大気圧復帰ステップ)
TiSiN膜の形成が完了した後、ガス供給管232d〜232fのそれぞれからNガスを処理室201内へ供給し、排気管231から排気する。Nガスはパージガスとして作用する。これにより、処理室201内がパージされ、処理室201内に残留するガスや反応副生成物が処理室201内から除去される(アフターパージ)。その後、処理室201内の雰囲気が不活性ガスに置換され(不活性ガス置換)、処理室201内の圧力が常圧に復帰される(大気圧復帰)。
(ボートアンロードおよびウエハディスチャージ)
ボートエレベータ115によりシールキャップ219が下降され、マニホールド209の下端が開口される。そして、処理済のウエハ200が、ボート217に支持された状態で、マニホールド209の下端から反応管203の外部に搬出される(ボートアンロード)。処理済のウエハ200は、ボート217より取出される(ウエハディスチャージ)。
(3)効果
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果が得られる。
(a)本実施形態で形成されるTiSiN膜は、膜中にSiを含むことから、Si非含有のTiN膜に比べ、高いFバリア効果を発揮する。このため、本実施形態のTiSiN膜を、SiO膜とW膜との間に形成することにより、この膜を、W膜からSiO膜へ向かうFの拡散を抑制するバリア膜として好適に用いることが可能となる。また、本実施形態で形成されるTiSiN膜は、その膜厚をSi非含有のTiN膜の膜厚より薄くしても、それと同等以上のFバリア効果を発揮することから、例えば、集積度を高めたNAND型フラッシュメモリ等において、好適に用いることが可能である。
(b)ステップ1では、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを同時に供給することにより、これらのガスをウエハ200の表面上で互いに反応させることが可能となる。結果として、これらのガスを非同時に供給する場合よりも、第1層の形成を効率的に行うことができ、TiSiN膜の成膜レートを向上させることが可能となる。
(c)ステップ1では、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを同時に供給し、これらのガスをウエハ200の表面上で互いに反応させることから、これらのガスを非同時に供給する場合よりも、第1層に含まれるCl等の不純物を低減させることが可能となる。結果として、TiSiN膜を、Cl等の不純物濃度が極めて低く、高い導電性を有する(低抵抗率を有する)良質な膜とすることが可能となる。
(d)ステップ1では、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを同時に供給することから、これらのガスを非同時に供給する場合よりも、副生成物としてのHClを、処理室201内から効率的に除去することが可能となる。これにより、TiSiN膜の膜質を向上させたり、処理室201内の部材のエッチングダメージを回避したりすることが可能となる。また、処理室201内からHClを効率的に除去することで、局所的な立体障害として作用し得るNHClの生成を抑制することができ、TiSiN膜の段差被覆性や面内膜厚均一性を向上させることが可能となる。
(e)ステップ1において、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを同時に供給することにより、1サイクルあたりに実施するステップの数を3つから2つに減らすことが可能となる。結果として、1サイクルあたりの所要時間を短縮させ、サイクルの手順を簡素化させることが可能となる。これにより、成膜処理の生産性を向上させることも可能となる。
(f)ステップ1において、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを同時に供給する本実施形態の成膜シーケンスでは、第1層中におけるTi/Si濃度比、すなわち、TiSiN膜の組成を、TiCl/SiH流量比を調整することで容易かつ広範囲に制御することが可能となる。これに対し、ウエハ200に対してTiClガスとSiHガスとを非同時に供給する成膜シーケンスでは、本実施形態のようにTiSiN膜の組成を広範囲に制御することは比較的困難となる。
(g)上述の効果は、第1原料ガスとしてTiClガス以外のTi含有ガスを用いる場合や、第2原料ガスとしてSiHガス以外のSi含有ガスを用いる場合や、反応ガスとしてNHガス以外のN含有ガスを用いる場合であっても同様に得ることができる。
例えば、Ti含有ガスとしては、TiClガスの他、ジクロロチタン(TiCl)ガス、トリクロロチタン(TiCl)ガス等のクロロチタン系ガスや、テトラフルオリドチタン(TiF)等のフルオリドチタン系ガス、すなわち、ハロゲン化チタン系ガスを用いることができる。
また例えば、Si含有ガスとしては、SiHガスの他、Siガス、トリシラン(Si)ガス等の水素化ケイ素ガスを用いることができる。なお、Si含有ガスとしては、上述の処理条件下においてはTi含有ガスとは気相中で反応しないガスを用いるのが好ましい。
また例えば、N含有ガスとしては、NHガスの他、ジアゼン(N)ガス、ヒドラジン(N)ガス、Nガス等の窒化水素系ガスを用いることができる。
また例えば、不活性ガスとしては、Nガスの他、Arガス、Heガス、Neガス、Xeガス等の希ガスを用いることができる。
(4)変形例
本実施形態における成膜処理のシーケンスでは、図4に示す態様に限定されず、以下に示す変形例のように変更することができる。
(変形例1)
図5(a)に示すように、ステップ1では、SiHガスの供給とTiClガスの供給とを同時に開始し、SiHガスの供給をTiClガスの供給の停止よりも後に停止するようにしてもよい。
本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。
また、本変形例によれば、ウエハ200上に形成されるTiSiN膜のSi濃度を高めることが可能となる。というのも、ステップ1において、2種類のガスの供給を同時に停止する場合、ガス供給停止の時点では、ウエハ200の表面や第1層中にSiの吸着サイトがまだ存在(残留)している場合がある。この場合、本変形例のように、TiClガスの供給停止後もSiHガスの供給を継続することで、第1層中にSiを添加させることができ、第1層のSi濃度をさらに高めることが可能となる。また、2種類のガスの供給を同時に停止した時点で、第1層中にSiの吸着サイトが存在しない場合であっても、本変形例のように、TiClガスの供給停止後もSiHガスの供給を継続することで、第1層の表面に存在するClをSiに置換させることができ、第1層のSi濃度をさらに高めることが可能となる。これらの結果として、TiSiN膜のSi濃度をさらに高め、この膜が発揮するFバリア効果をさらに強化することが可能となる。なお、発明者等は、ステップ1においてTiClガスの供給とSiHガスの供給とを同時に停止すると、第1層のSi濃度が例えば3〜5at%になる場合もあるが、TiClガスの供給停止後もSiHガスの供給を継続することで、第1層のSi濃度を例えば20〜30at%以上程度にまで高めることが可能な場合があることを確認している。
また、本変形例によれば、第1層中からCl等の不純物をさらに低減させることができ、TiSiN膜の膜質をさらに向上させることが可能となる。また、処理室201内からのHCl等の除去をより確実に行うことができ、成膜処理の品質を高めることが可能となる。
(変形例2)
図5(b)に示すように、ステップ1では、TiClガスの供給をSiHガスの供給よりも先に開始し、TiClガスの供給とSiHガスの供給とを同時に停止するようにしてもよい。
本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスと同様の効果が得られる。
また、本変形例によれば、ウエハ200上に形成されるTiSiN膜の導電性を、ウエハ200の面内全域にわたってまんべんなく確保することが可能となる。というのも、本変形例のようにTiClガスの供給をSiHガスの供給よりも先に開始する場合は、Tiを含む層を、ウエハ200の面内の全域にわたって略均一な厚さで連続的(非アイランド状かつ非メッシュ状に)に形成することが可能となる。本変形例では、ウエハ200の表面をこのような状態としてからSiHガスの供給を開始することにより、SiHガスが供給されるウエハ200上のあらゆる箇所にTiを必ず存在させることができ、ウエハ200の面内のあらゆる箇所において、Ti−Si−N結合やTi−Si−Ti結合を形成することが可能となる。このように、導電性の金属元素であるTiを含む化学結合を、ウエハ200の面内全域にわたって連続的に形成することで、TiSiN膜の導電性を、ウエハ200の面内全域にわたってまんべんなく確保することが可能となる。
これに対し、ステップ1において、SiHガスの供給をTiClガスの供給よりも先に開始する場合には、上述の効果を得ることが困難となる。というのも、ステップ1においてSiHガスの供給をTiClガスの供給よりも先に開始すると、ステップ2で形成されウエハ200の表面等に残留していた副生成物としてのNHClと、ステップ1で供給されたSiHと、が反応することにより、絶縁性のSiが、ウエハ200の表面上において非連続的に(アイランド状或いはメッシュ状に)形成されてしまう場合がある。この場合、Siが形成された箇所では、N−Si−N結合のようにSiの結合手の全てにNが結合した状態となっており、Ti−Si−N結合やTi−Si−Ti結合、すなわち、導電性の金属元素であるTiを含む化学結合を新たに構成することが困難となる。その結果、TiSiN膜の導電性が、ウエハ200の面内において局所的に低下してしまう場合がある。
また、本変形例によれば、TiSiN膜中へのSiの添加量を適正に抑制することが可能となる。TiSiN膜のSi濃度を適正に低く抑えることで、TiSiN膜の段差被覆性(ステップカバレッジ)を向上させることが可能となる。発明者等は、TiSiN膜のSi濃度を20%とするとステップカバレッジが75.2%程度となる場合が有るのに対し、TiSiN膜のSi濃度を15%とすることでこれを81.1%以上に高めることが可能な場合があることを確認済みである。なお、この現象は、ウエハ200のSiHガス曝露量を抑制する他の変形例においても、同様に得られる。
(変形例3)
図5(c)に示すように、ステップ1では、TiClガスの供給をSiHガスの供給よりも先に開始し、TiClガスの供給をSiHガスの供給よりも先に停止するようにしてもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例1,2と同様の効果が得られる。
(変形例4)
図6(a)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、SiHガスの供給を開始する前におけるTiClガスの供給流量を、SiHガスの供給を開始した後におけるTiClガスの供給流量よりも少なくしてもよい。
本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例3と同様の効果が得られる。また、本変形例によれば、ステップ1におけるTiClガスの供給流量を上述のように設定することで、第1層中に含まれるTiの量を適正に抑制し、すなわち、第1層中におけるSiの吸着サイトを適正に確保し、第1層中へのSiの添加を促進させることが可能となる。これにより、TiSiN膜のSi濃度を増加させ、この膜が発揮するFバリア効果をさらに強化することが可能となる。さらに、ステップ1におけるTiClガスの供給流量を上述のように設定することで、第1層中に残留するClやHの量をより少なくすることができるとともに、HCl等の副生成物の発生をより少なくすることが可能となる。また、本変形例によれば、TiClガスの供給停止後に継続して行うSiHガスの供給処理の実施期間を短くしても、TiSiN膜のSi濃度を充分に高めることが可能となることから、1サイクルあたりの所要時間を短縮させ、成膜処理の生産性を向上させることが可能となる。
(変形例5)
図6(b)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、TiClガスの供給流量を変形例4と同様に制御してもよい。さらに、TiClガスの供給を停止した後におけるSiHガスの供給流量を、TiClガスの供給を停止する前におけるSiHガスの供給流量よりも少なくしてもよい。
本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例3,4と同様の効果が得られる。また、SiHガスの供給流量を上述のように設定することで、TiClガスの供給を停止した後において、第1層中へのSiの添加がソフトに行われることになり、第1層の全域にわたってSiをより均一に添加することが可能となる。
(変形例6)
図6(c)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、SiHガスの供給流量を変形例5と同様に制御してもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例3と同様の効果が得られる。また、変形例5と同様に、TiClガスの供給を停止した後において第1層中へのSiの添加がソフトに行われることになり、第1層の全域にわたってSiをより均一に添加することが可能となる。
(変形例7)
図7(a)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、SiHガスの供給を開始する前におけるTiClガスの供給流量を、SiHガスの供給を開始した後におけるTiClガスの供給流量よりも大きくしてもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例3と同様の効果が得られる。また、ステップ1におけるTiClガスの供給流量を上述のように設定することで、変形例2で説明した効果が、より確実に得られるようになる。
(変形例8)
図7(b)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、TiClガスの供給流量を変形例7と同様に制御してもよい。さらに、TiClガスの供給を停止した後におけるSiHガスの供給流量を、TiClガスの供給を停止する前におけるSiHガスの供給流量よりも大きくしてもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例7と同様の効果が得られる。また、ステップ1におけるSiHガスの供給流量を上述のように設定することにより、変形例1で説明した効果が、より確実に得られるようになる。
(変形例9)
図7(c)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、TiClガスの供給流量を変形例7と同様に制御し、SiHガスの供給流量を変形例5と同様に制御してもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例5,7と同様の効果が得られる。
(変形例10)
図8(a)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、SiHガスの供給流量を変形例8と同様に制御してもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例3と同様の効果が得られる。また、ステップ1におけるSiHガスの供給流量を上述のように設定することにより、変形例1で説明した効果が、より確実に得られるようになる。
(変形例11)
図8(b)に示すように、ステップ1では、各種ガスの供給開始や供給停止を変形例3と同様に制御してもよい。そして、TiClガスの供給流量を変形例4と同様に制御し、SiHガスの供給流量を変形例8と同様に制御してもよい。本変形例においても、図4に示す成膜シーケンスや、変形例3,4,8と同様の効果が得られる。
(変形例における処理条件)
上述の各変形例において、SiHガスを単独で供給する場合の処理条件は、以下の通りである。
処理室201内の圧力は、例えば1〜3000Paの範囲内の所定の圧力とする。また、SiHガスの供給流量は、例えば0.001〜2slm、好ましくは0.05〜1.5slm、より好ましくは0.1〜1slmの範囲内の所定の流量とする。SiHガスの供給時間は、例えば0.01〜30秒の範囲内の所定の時間とする。また、各ガス供給管より供給するNガスの供給流量は、例えば0〜10slmの範囲内の所定の流量とする。
また、上述の各変形例において、TiClガスを単独で供給する場合の処理条件は、以下の通りである。
処理室201内の圧力は、例えば1〜3000Paの範囲内の所定の圧力とする。TiClガスの供給流量は、例えば0.01〜2slm、好ましくは0.1〜1.5slm、より好ましくは0.2〜1slmの範囲内の所定の流量とする。TiClガスの供給時間は、例えば0.1〜30秒、好ましくは0.5〜20秒、より好ましくは1〜10秒の範囲内の所定の時間とする。各ガス供給管より供給するNガスの供給流量は、例えば0.1〜20slmの範囲内の所定の流量とする。
他の処理条件は、上述の図4に示す成膜シーケンスと同様とする。各種処理条件を上述の範囲内とすることで、それぞれの変形例に応じた効果が適正に得られるようになる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
例えば、以下に示す成膜シーケンスのように、反応ガスとして、プロピレン(C)ガス等の炭化水素系ガス、すなわち、C含有ガスを用い、ウエハ200上に、Ti、SiおよびCを含む膜として、チタン炭化膜(TiSiC膜)を形成するようにしてもよい。この場合であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。また、膜中にCをドープすることで、この膜の仕事関数を低下させることが可能となる。
(TiCl+SiH→C)×n ⇒ TiSiC
また例えば、以下に示す成膜シーケンスのように、反応ガスとして、トリエチルアミン((CN)、略称:TEA)等のアミン系ガスや、ジメチルヒドラジン((CH、略称:DMH)等の有機ヒドラジン系ガス、すなわち、NおよびCを含むガスを用い、ウエハ200上に、Ti、Si、C、およびNを含む膜として、チタン炭窒化膜(TiSiCN膜)を形成するようにしてもよい。また、複数種類の反応ガスを組み合わせ、ウエハ200上にTiSiCN膜を形成するようにしてもよい。これらの場合であっても、上述の実施形態と同様の効果が得られる。また、膜中にCをドープすることで、この膜の仕事関数を低下させることが可能となる。
(TiCl+SiH→TEA)×n ⇒ TiSiCN
(TiCl+SiH→DMH)×n ⇒ TiSiCN
(TiCl+SiH→C→NH)×n ⇒ TiSiCN
また例えば、上述の実施形態や変形例では、基板上に金属元素としてTiを含む膜を形成する例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。すなわち、本発明は、Tiの他、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)等の金属元素を含む膜を基板上に形成する場合にも、好適に適用することができる。また、本発明は、他の元素としてSiを含む膜を形成する例について説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。すなわち、本発明は、Siの他、ゲルマニウム(Ge)、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)、Al等を他の元素として含む膜を基板上に形成する場合にも、好適に適用することができる。
また、本発明は、以下に示す成膜シーケンスのように、金属元素の代わりにSi、Ge、B等の半金属元素を含む膜を形成する場合、すなわち、導電膜ではなく絶縁膜を形成する場合にも、好適に適用することが可能となる。この場合、第1原料ガスとしては、テトラクロロシラン(SiCl)ガス等のハロシラン原料ガスを用いることができる。また反応ガスとしては、上述の各種反応ガスの他、酸素(O)ガス等のO含有ガス(酸化剤)を用いることができる。
(SiCl+SiH→NH)×n ⇒ SiN
(SiCl+SiH→C)×n ⇒ SiC
(SiCl+SiH→TEA)×n ⇒ SiCN
(SiCl+SiH→C→NH→O)×n ⇒ SiOCN
また例えば、ステップ1では、APCバルブ244を閉じた状態で、減圧された処理室201内へTiClガスをフラッシュフローにより一気に供給するようにしてもよい。例えば、ガス供給管232aにおけるバルブ243aの上流側等に、加圧容器として構成された第1タンク(ガス溜め部)を設け、ステップ1では、APCバルブ244を閉じた状態で、第1タンク内に充填された高圧のTiClガスをフラッシュフローにより処理室201内へ一気に供給するようにしてもよい。TiClガスの供給をこのように行うことで、ステップ1の所要期間を短縮させ、成膜処理の生産性を向上させることが可能となる。
また例えば、ステップ2では、APCバルブ244を閉じた状態で、減圧された処理室201内へNHガスをフラッシュフローにより一気に供給するようにしてもよい。例えば、ガス供給管232cにおけるバルブ243cの上流側等に、加圧容器として構成された第2タンク(ガス溜め部)を設け、ステップ2では、APCバルブ244を閉じた状態で、第2タンク内に充填された高圧のNHガスをフラッシュフローにより処理室201内へ一気に供給するようにしてもよい。
NHガスの供給をこのように行うことで、ステップ2の所要期間を短縮させ、成膜処理の生産性を向上させることが可能となる。
また、NHガスの供給をこのように行うことで、処理室201内に存在する副生成物を、処理室201内から速やかに排出できるようになる。結果として、TiSiN膜中への副生成物の取り込みを抑制し、この膜の膜質を向上させることが可能となる。というのも、副生成物としてのHClは、上述したようにステップ1を行うことでも生成されるが、ステップ2を行った際に第1層の表面に吸着しているClがNHガスに含まれるNと置換されることによっても生成される。副生成物としてのHClは、ステップ2で供給されたNHガスと反応することで、NHCl等の新たな副生成物を生成する場合がある。これに対し、NHガスの供給をフラッシュフローにより行うことで、NHCl等の副生成物が新たに生成される前にHClを処理室201内から排出することが可能となる。結果として、TiSiN膜中へのNHCl等の取り込みを抑制できるようになる。
また、本実施形態では、第1原料ガス、第2原料ガス、反応ガスを3本のノズル249a〜249cを用いて独立に処理室201内へ供給する場合について説明した。このように、各種ガスを異なるノズルを用いて独立に供給する場合には、第1原料ガスを供給するノズル249aと、第2原料ガスを供給するノズル249bと、を可能な限り近接させた方がよい。このように構成することにより、第1原料ガスと第2原料ガスとを効率よく混合させることが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成される膜の組成や膜質を、その面内にわたって均一化させることが可能となる。
また、本実施形態では、第1原料ガス、第2原料ガス、反応ガスを3本のノズル249a〜249cを用いて独立に処理室201内へ供給する場合について説明した。しかしながら、本発明は、このような実施形態に限定されない。例えば、第1原料ガスを供給するノズル249aと、第2原料ガスを供給するノズル249bと、を共用とし、処理室内201に設けるノズルを2本としてもよい。このように構成することにより、第1原料ガスと第2原料ガスとをノズル内にて効率よく混合(プリミックス)させることが可能となる。結果として、ウエハ200上に形成される膜の組成や膜質を、その面内にわたって均一化させることが可能となる。
基板処理に用いられるレシピは、処理内容に応じて個別に用意し、電気通信回線や外部記憶装置123を介して記憶装置121c内に格納しておくことが好ましい。そして、基板処理を開始する際、CPU121aが、記憶装置121c内に格納された複数のレシピの中から、処理内容に応じて適正なレシピを適宜選択することが好ましい。これにより、1台の基板処理装置で様々な膜種、組成比、膜質、膜厚の膜を、再現性よく形成することができるようになる。また、オペレータの負担を低減でき、操作ミスを回避しつつ、基板処理を迅速に開始できるようになる。
上述したレシピは、新たに作成する場合に限らず、例えば、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを変更することで用意してもよい。レシピを変更する場合は、変更後のレシピを、電気通信回線や当該レシピを記録した記録媒体を介して、基板処理装置にインストールしてもよい。また、既存の基板処理装置が備える入出力装置122を操作し、基板処理装置に既にインストールされていた既存のレシピを直接変更してもよい。
上述の実施形態では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。また、上述の実施形態では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本発明は上述の実施形態に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用できる。
例えば、図9に示す処理炉302を備えた基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、本発明は好適に適用できる。処理炉302は、処理室301を形成する処理容器303と、処理室301内へガスをシャワー状に供給するシャワーヘッド303sと、1枚または数枚のウエハ200を水平姿勢で支持する支持台317と、支持台317を下方から支持する回転軸355と、支持台317に設けられたヒータ307と、を備えている。シャワーヘッド303sのインレットにはガス供給ポート332a〜332cが接続されている。ガス供給ポート332a、332b、332cには、上述の実施形態の第1原料ガス供給系、第2原料ガス供給系、反応ガス供給系と同様のガス供給系がそれぞれ接続されている。シャワーヘッド303sのアウトレットには、ガス分散板が設けられている。処理容器303には、処理室301内を排気する排気ポート331が設けられている。排気ポート331には、上述の実施形態の排気系と同様の排気系が接続されている。
また例えば、図10に示す処理炉402を備えた基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、本発明は好適に適用できる。処理炉402は、処理室401を形成する処理容器403と、1枚または数枚のウエハ200を水平姿勢で支持する支持台417と、支持台417を下方から支持する回転軸455と、処理容器403内のウエハ200に向けて光照射を行うランプヒータ407と、ランプヒータ407の光を透過させる石英窓403wと、を備えている。処理容器403にはガス供給ポート432a〜432cが接続されている。ガス供給ポート432a、432b、432cには、上述の実施形態の第1原料ガス供給系、第2原料ガス供給系、反応ガス供給系と同様のガス供給系がそれぞれ接続されている。ガス供給ポート432a〜432cは、処理室401内へ搬入されたウエハ200の端部の側方にそれぞれ設けられている。処理容器403には、処理室401内を排気する排気ポート431が設けられている。排気ポート431には、上述の実施形態の排気系と同様の排気系が接続されている。
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の実施形態や変形例と同様な処理手順、処理条件にて成膜処理を行うことができ、上述の実施形態や変形例と同様の効果が得られる。
また、上述の実施形態や変形例等は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の実施形態の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
以下、上述の実施形態や変形例で得られる効果を裏付ける実験結果について説明する。
(実施例1)
実施例1として、上述の実施形態における基板処理装置を用い、図4に示すシーケンスによりウエハ上にTiSiN膜を形成した。成膜処理の処理条件は、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の所定の条件とした。
また、比較例1aとして、図11(a)に示すシーケンス、すなわち、ウエハに対してTiClガス、NHガス、SiHガスを非同時に順次供給するサイクルを繰り返すことにより、ウエハ上にTiSiN膜を形成した。
また、比較例1bとして、図11(b)に示すシーケンス、すなわち、ウエハに対してTiClガスを供給するステップと、ウエハに対してNHガスとSiHガスとを同時に供給するステップとを交互に繰り返すシーケンスにより、ウエハ上にTiSiN膜を形成した。
そして、実施例1および比較例1a,1bで形成した各TiSiN膜について、組成および抵抗率をそれぞれ測定した。組成の測定はX線光電子分光(XPS)法を用いて行った。図12(a)に、実施例1および比較例1a,1bの各膜における組成および抵抗率を一覧表で示す。図12(a)によれば、実施例1のTiSiN膜は、比較例1a,1bのTiSiN膜と比較して、Ti、NおよびSiの含有率に大きな差がないことが分かる。また、実施例1のTiSiN膜は、比較例1a,1bのTiSiN膜と比較して、抵抗率が著しく低いこと、すなわち、導電性が良好であることが分かる。これは、実施例1のTiSiN膜が、比較例1a,1bのTiSiN膜よりも、Cl濃度が低いことによるものと考えられる。すなわち、図4に示すシーケンスにより形成した膜は、図11(a)や図11(b)に示すシーケンスにより形成した膜よりも、不純物濃度が低く、導電性に優れた良質な膜となることが分かる。また、図4に示すシーケンスにより形成した膜は、図11(a)や図11(b)に示すシーケンスにより形成した膜と同程度にSiを含むことから、同程度のFバリア機能を有するであろうことが分かる。
(実施例2a〜2d)
実施例2aとして、上述の実施形態における基板処理装置を用い、図4に示す成膜シーケンスにより、ウエハ上にTiSiN膜を形成した。また、実施例2b〜2dとして、上述の実施形態における基板処理装置を用い、図5(a)に示すシーケンスにより、ウエハ上にTiSiN膜を形成した。処理条件は、それぞれ、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の共通の条件とした。なお、実施例2b〜2dでは、TiClガスの供給停止後に継続して供給するSiHガスの供給流量を0.225slmとし、供給時間をそれぞれ6,10,16秒に設定した。
また、比較例2として、ウエハに対してTiClガスとNHガスとを交互に供給するサイクルを繰り返すことにより、ウエハ上にTiN膜を形成した。
そして、実施例2a〜2dおよび比較例2で形成した各膜について、XPS法を用いて組成をそれぞれ測定した。図12(b)に、実施例2a〜2d、比較例2の各膜における組成を一覧表で示す。図12(b)によれば、実施例2a〜2dのTiSiN膜は、比較例2のTiN膜よりもCl濃度が低いことが分かる。また、実施例2b〜2dのTiSiN膜は、実施例2aのTiSiN膜よりもCl濃度が低いことが分かる。また、TiClガスの供給停止後に継続して供給するSiHガスの供給時間、すなわち、ウエハに対するSiHガスの曝露量を増やすほど、膜のCl濃度が低下することも分かる。
(実施例3a,3b)
実施例3a,3bとして、上述の実施形態における基板処理装置を用い、図5(a)に示すシーケンスにより、ウエハ上にTiSiN膜を形成する処理を複数回実施した。処理条件は、それぞれ、上述の実施形態に記載の処理条件範囲内の共通の条件とした。膜厚は、成膜処理を行う度に30Å〜100Åの範囲内で変化させた。TiClガスの供給停止後に継続して供給するSiHガスの供給流量は0.9slmとし、その供給時間は、実施例3a,3bでそれぞれ6秒、5秒に設定した。
また、比較例3として、ウエハに対してTiClガスとNHガスとを交互に供給するサイクルを繰り返すことにより、ウエハ上にTiN膜を形成する処理を複数回実施した。膜厚は、実施例3a,2bと同様に、成膜処理を行う度に30Å〜100Åの範囲内で変化させた。
そして、実施例3a,3bおよび比較例3で形成した各膜について、抵抗率をそれぞれ測定した。図13にその結果を示す。図13の横軸は膜厚(Å)を、縦軸は抵抗率(μΩcm)をそれぞれ示している。図中■、●、◆印は、実施例3a,3b、比較例3をそれぞれ示している。図13によれば、少なくとも30〜40Åの範囲内の膜厚においては、実施例3a,3bの膜は、比較例3の膜よりも、同等か或いはそれより低い抵抗率を示すことが分かる。
200 ウエハ(基板)
201 処理室

Claims (14)

  1. 基板が存在する空間を排気しながら、前記基板に対して、金属元素及びハロゲン元素を含む第1原料ガスと、前記金属元素とは異なる他の元素及び水素を含む第2原料ガスと、をそれぞれの供給期間の少なくとも一部が重なるように供給することで、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスとを前記基板の表面上において反応させて、前記金属元素及び前記他の元素を含む層を形成する第1工程と、
    前記基板が存在する空間を排気しながら、前記金属元素及び前記他の元素を含む層が形成された前記基板に対して、前記金属元素及び前記他の元素を含む層と反応する反応ガスを供給する第2工程と、
    を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記金属元素及び前記他の元素を含む膜を形成する工程を有し、
    前記第1工程では、
    前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む副生成物を生成し、
    生成された前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む副生成物を、前記基板が存在する空間から排気するとともに、さらに前記第2原料ガスと反応させて前記ハロゲン元素及び前記他の元素で構成される分子を含む副生成物へと変換する半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1工程では、前記第1原料ガスの供給と前記第2原料ガスの供給とを同時に開始する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1工程では、前記第1原料ガスの供給を前記第2原料ガスの供給よりも先に開始する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1工程では、前記第1原料ガスの供給と前記第2原料ガスの供給とを同時に停止する請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1工程では、前記第1原料ガスの供給を前記第2原料ガスの供給よりも先に停止する請求項1又は3に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記反応ガスは窒素を含むガスである、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1原料ガスは、前記金属元素としてTiを含むTi含有ガスであり、
    前記第2原料ガスは、前記他の元素としてSiを含むSi含有ガスであり、
    前記基板上に、TiSiN膜を形成する
    請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記Ti含有ガスは、Cl、F、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1つをさらに含む請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記Ti含有ガスは、クロロチタン系ガスであり、
    前記Si含有ガスは、水素化ケイ素ガスである、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記Ti含有ガスは、テトラクロロチタンガスであり、
    前記Si含有ガスは、モノシランガスである、請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む前記副生成物は、塩化水素である、請求項1〜10の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第1工程は、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスとが気相中で反応しない条件下で実行される、請求項1〜11の何れか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 基板を収容する処理室と、
    前記処理室内の基板に対し、金属元素及びハロゲン元素を含む第1原料ガスと、前記金属元素とは異なる他の元素及び水素を含む第2原料ガスと、反応ガスとを供給するガス供給系と、
    前記処理室内を排気する排気系と、
    前記処理室内を排気しながら、前記基板に対して、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスとをそれぞれの供給期間の少なくとも一部が重なるように供給することで、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスとを前記基板の表面上において反応させて、前記金属元素及び前記他の元素を含む層を形成する第1処理と、前記処理室内を排気しながら、前記金属元素及び前記他の元素を含む層が形成された前記基板に対して、前記金属元素及び前記他の元素を含む層と反応する前記反応ガスを供給する第2処理と、を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記金属元素及び前記他の元素を含む膜を形成するように前記ガス供給系及び前記排気系を制御するよう構成される制御部と、
    を備え、
    前記第1処理では、前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む副生成物を生成し、生成された前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む副生成物を、前記処理室内から排気するとともに、さらに前記第2原料ガスと反応させて前記ハロゲン元素及び前記他の元素で構成される分子を含む副生成物へと変換する基板処理装置。
  14. 基板処理装置の処理室内において、
    前記処理室内を排気しながら、前記処理室内に収容された基板に対して、金属元素及びハロゲン元素を含む第1原料ガスと、前記金属元素とは異なる他の元素及び水素を含む第2原料ガスとをそれぞれの供給期間の少なくとも一部が重なるように供給することで、前記第1原料ガスと前記第2原料ガスとを前記基板の表面上において反応させて、前記金属元素及び前記他の元素を含む層を形成する第1手順と、
    前記処理室内を排気しながら、前記金属元素及び前記他の元素を含む層が形成された前記基板に対して、前記金属元素及び前記他の元素を含む層と反応する反応ガスを供給する第2手順と、
    を非同時に行うサイクルを所定回数行うことで、前記基板上に、前記金属元素及び前記他の元素を含む膜を形成する手順であって、
    前記第1手順では、前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む副生成物を生成し、生成された前記ハロゲン元素及び水素で構成される分子を含む副生成物を、前記処理室内から排気するとともに、さらに前記第2原料ガスと反応させて前記ハロゲン元素及び前記他の元素で構成される分子を含む副生成物へと変換する手順をコンピュータによって前記基板処理装置に実行させるプログラム。
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